エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round19!!

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822W支援Zwei・鈴蘭サイド1/5
彼女達の魅力は果てしなく、故に懊悩は深く…悩みつつ、続けます。
W支援第二弾、参る。

>>741-743&>>746-748から続き。

「わはー、とうちゃくー!」
会場に着いた途端、鈴蘭ちゃんがぴょんと僕の頭の上から飛び降りて
走り出す。
「あ、待った、鈴蘭ちゃん! …全く…」
「ははは…やっぱり元気だね、鈴蘭ちゃんは」
苦笑する雅文さんが、ゆうなちゃんを降ろして手をつなぐ。
「それじゃ…ここで別れよう。次に会うのは多分投票開始後だね」
「そうですね…それじゃ、また後で」
「ああ。…負けないよ?」
「こっちこそ。…って、がんばるのは鈴蘭ちゃんとゆうなちゃんで、僕達じゃ
 ないんじゃないですか?」
「確かにそうだけど…君だって応援くらいはするだろう?」
「はい…」
「だったら、悔いのないように応援した方がいい…まいなちゃんの時は…
 いや、何でもない。行こう、ゆうなちゃん」
「うん、おにいちゃん…ばいばい、とうやさん…」
そう言い残して、雅文さんとゆうなちゃんは去っていく。振り返りながら手を振る
ゆうなちゃんに手を振り返しつつ、僕も鈴蘭ちゃんの方に歩き出した。
「あれ? ゆうなちゃん達は?」
「もう行っちゃった。僕達も控え室に行こうか?」
「うん! それじゃ、しゅっぱーつ!」
ドドドド…とものすごい勢いで鈴蘭ちゃんが走っていく。
「あ、そっちじゃないよ、鈴蘭ちゃん! ああもう…」
後先考えないで走る鈴蘭ちゃんを追いかけて、僕も走り出した。
823W支援Zwei・鈴蘭サイド2/5:03/01/13 13:31 ID:i4aX3xOA
「ぜぇ、ぜぇ…や、やっと追いついた…」
「もー、透矢ちゃんだらしないなー。ボクはまだ走れるよ?」
結局、会場中を走り回る鈴蘭ちゃんを追いかけ続けて。やっと控え室の前に辿り着いた
時には、僕はクタクタだった。…鈴蘭ちゃんはどうして大丈夫なんだ?
「と、とりあえず控え室で一休みしない?」
「ぶー、透矢ちゃんノリが悪いー…まあいっかー。じゃあ、入ろう?」
「ありがとう…じゃあ、お邪魔しまーす」
鈴蘭ちゃんはまだ遊び足りない様子だったけど、正直僕の方は限界だ。何とか
鈴蘭ちゃんをなだめ、僕達は控え室で一休みする事にした。
「わはー♪ ふかふかだねー…」
ソファに腰掛けた鈴蘭ちゃんが、ぴょんぴょんと飛び跳ねるようにして体を揺らす。
…遊んでる事に変わりはないか、こうしてても。
「まあ、そこが鈴蘭ちゃんらしいところ…だね」
「? なーにー?」
「何でもないよ…鈴蘭ちゃん、お茶飲む?」
「ボク、雪ちゃんの淹れたお茶が飲みたいなー」
「雪さんはいないから、それは無理だよ…」
「えー…じゃあ、透矢ちゃんが淹れてくれる?」
「はいはい…日本茶がいい? 紅茶がいい?」
「んー…紅茶」
「かしこまりました、お姫様…ちょっと待っててね?」
「わはー♪ よきにはからえー」
にぱっと笑う鈴蘭ちゃんに笑い返して、僕は紅茶を淹れる準備を始めた。
「どうかな、鈴蘭ちゃん?」
「んー…雪ちゃんが淹れた方がおいしいかな?」
「しょ、正直な感想だね…」
「でも、ボクが淹れたよりはおいしいよ? ボクが淹れると、いっつもヘンな味に
 なっちゃうんだー。どうしてだろうね?」
「うーん…そんなに難しい事はないはずだけど…コツはある、かな? 雪さんの
 見様見真似でいいなら、僕でも教えられるけど…」
824W支援Zwei・鈴蘭サイド3/5:03/01/13 13:31 ID:i4aX3xOA
「えへー…それ教わったら、ボクも雪ちゃんみたいに美味しい紅茶作れるかな?」
「うーん…ひょっとしたら、ね」
「わはー、おしえておしえてー」
「じゃあ、とりあえずこの紅茶を飲んでからね」
「えへー、楽しみー…」

「ごちそうさまー。透矢ちゃん、おしえておしえて?」
「ちょっと待ってね…っと。ごちそうさま。さあ、それじゃまず準備から」
「はーい。葉っぱとお湯と、ティーポットとカップだよね?」
「うん。本当は葉っぱを入れる前にお湯を入れてティーポットを温めておくんだけど、
 それはいいかな。さっき使ったばかりでまだ温かいし」
「うんうん…それでそれで?」
きらきらと目を輝かせて僕の方を見る鈴蘭ちゃん。昔勉強を教えた時も、こんな感じ
だったっけ…ちょっとだけ懐かしい気持ちになりながら、僕は話を続けた。
「次は、ティーポットに葉っぱを入れよう。鈴蘭ちゃん、いつもどれくらい使ってる?」
「んーとね…これくらい」
鈴蘭ちゃんはスプーン二杯分の葉っぱをポットに入れる。一人あたりスプーン一杯
だから、間違ってはいないんだけど…。
「それじゃちょっと少ないかな…人数分より一人分多く使うんだよ?」
そう言いながら、僕は一人分の葉っぱをティーポットの中に追加した。
「えー? どうして?」
「うーん…そういうものだって雪さんに教わっただけだから、僕も詳しい理由は
 分からないんだよね…。確か、『一杯はポットの分なんですよ?』って言ってたかな?」
「へー…ポットにもお茶をあげるんだー。優しいんだね、雪ちゃんって」
「それはちょっと違う気がするんだけど…まあいいか」
納得、といった表情の鈴蘭ちゃんに、僕は次の手順を教える。
「そしたら、お湯を入れる。本当は熱いお湯を使った方が美味しいんだけど、ここには
 電気ポットしかないから、そこは我慢だね」
「うんうん…熱いお湯を使うんだ」
熱心に僕の説明を聞き、鈴蘭ちゃんがティーポットにお湯を注ぐ。
825W支援Zwei・鈴蘭サイド4/5:03/01/13 13:32 ID:i4aX3xOA
「これくらいでいいかな、透矢ちゃん?」
「うん…それじゃ、しばらく待とう」
「えー…早く飲みたい〜」
「もしかして鈴蘭ちゃん、お湯を入れてすぐにカップに注いでる?」
「うん…」
「それじゃあ、美味しくないわけだよ…ほら、この葉っぱ、葉の形が残ってるでしょ?」
少し葉っぱを手に取り、鈴蘭ちゃんに見せながら説明する。
「ホントだー…ボクがおうちで使ってるのと一緒だね」
「こういう葉っぱを使う時は、三分から五分くらい待たないとダメなんだってさ」
「カップ麺みたいだね、なんだか」
「ははは…そうかもね」
そんな話をしているうちに、三分が経った。
「もういいかな? じゃあ、注いでみて、鈴蘭ちゃん」
「はーい…」
こぽこぽと音を立てて、紅茶がカップに注がれていく。
「わはー♪ できたよ、透矢ちゃん」
「ああ、まだだよ…ちゃんと最後の一滴まで使わないと」
「えー? どうしてー?」
「最後の一滴が、一番美味しいんだって」
鈴蘭ちゃんの手からティーポットを受け取り、最後の一滴まで注ぎきる。
「はい、これで本当に完成。じゃあ、飲んでみようか?」
「えへー…どうかな、美味しいかな?」
ちょっぴり緊張した顔で、鈴蘭ちゃんが紅茶を一口すする。
「うーん…まだ、雪ちゃんの淹れた方がおいしいよね…」
「そうだね…。同じ事をやってるはずなのに、どうして味が違うんだろう?」
「でも、ボクが一人で淹れたよりもずっとおいしいよ? ありがとう、透矢ちゃん!」
きゅっと抱きついて、鈴蘭ちゃんが感謝の気持ちを表してくる。
「はは…どういたしまして。練習すれば、きっともっと美味しい紅茶が淹れられるよ」
「えへー、そうかな? ボクにもできるかな?」
「ああ、鈴蘭ちゃんならきっとできるよ…」
826W支援Zwei・鈴蘭サイド5/5:03/01/13 13:40 ID:i4aX3xOA
「よーし、じゃあさっそく練習だよ? 透矢ちゃん、とうひょうがはじまるまで、
 ボクの作った紅茶、飲んで!」
「え、ええ? もうお腹一杯なんだけど…」
「練習すればおいしい紅茶が作れるって言ったの、透矢ちゃんじゃんかー。
 ねーねー、いいでしょー?」
「はあ…分かったよ。気が済むまでつきあうから」
「わはー♪ じゃあねじゃあね、最初はね…」
大喜びで三杯目の紅茶を作り始める鈴蘭ちゃんを見ながら、僕は苦笑をこぼす。
これは…投票が始まるまで、えんえんと紅茶を飲まされそうだな。
「まあ、いいか…お手柔らかに頼むよ、鈴蘭ちゃん」
「えへー」