エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round19!!

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>760 より続
雅文(仮名)たちが、廃屋の一階で甲冑を屠ったちょうどその頃。
「びえ――――――――えええんっ!!! ええ―――ん え――んっ・・・」
「・・・ゆ、ゆうなちゃん、泣きやんでよ、・・・くれんかね?」
「びえええええええ――――ええんっ!!!!!」
それほど広くはない部屋に、ゆうな の泣き声があふれ返っていた。椅子に縛られ耳を聾
さんばかりの音量で泣き続ける ゆうな の前で、件の仮面の人物が途方にくれている。
「ひ・・・ひっひっ、ま、あ、いいじゃあないか。放っておけばそのうち泣き疲れて黙っちまう
だろ、う。」
仮面の人物の背後から、時折ぜいぜいと息を切らすような奇妙な声で、黒づくめの人影
が言い放つ。顔まで黒い布切れで覆ったその様は、何か嫌悪のようなものを感じさせる。
「お、おい、随分乱暴なことをいうな。」
気分を害したように仮面の人物が黒づくめを振り返る。
「君には協力を頼んだが、そのような言い方は気に食わんな。それより次の『護符』でも
仕込んだらどうだ?」
仮面の人物が、黒づくめに部屋の反対側を指し示す。黒づくめは、布の間から覗かせた
ぎらつく視線をちらと ゆうな に送る。が、結局何も言わずに仮面の人物が指さした方へ
のそりと歩いていく。その先には床一杯に赤茶けた線で描かれた魔法陣が見て取れた。
(奇妙な技を使うという情報があったから協力を頼んだが・・・。得体もしれない奴とこんな
ことを一緒にやるというのは・・・。くっ。判断を誤ったか?)
黒づくめの背中を見遣りながら、仮面の人物に焦燥の念が起こる。
「おい、ワタシはこの護符を配置してくるからな。次の準備をしておいてくれよ。」
それでも仮面の人物は、己の役割を果たすべく、部屋から出て行った。足音が遠ざかる
のを待ち構えたように、黒づくめの人影は滑るような動きで ゆうな に迫りよった。
「びえええ・・・ん、えーんえー・・・ひっ!?」
「ひ、ひひ、泣きたいだけ泣いているがいい。どうせ、あの腰抜けどもにお前を助ける事
なんかできやしな、い。今日の対戦時間内に、あいつらがここまでたどり着けなけりゃ、
おまえの体は、ひ、きっひひひ、俺のものだ!」
7886の2/2:03/01/13 09:45 ID:1jGlgGWc
その頃階下では、息を切らせた まいなが、手に分厚い本を携えてようやく戻って来た。
「お、お兄ちゃ、ん・・・、こ、これでしょ?・・・でも、なんで、こんなもの・・・」
まいなが、雅文(仮名)に古びた本を手渡す。彼女はそれが何であるかうすうす知って
いるようだった。
「なに、用心さ。さっきの甲冑じゃないけど、もしかしたら役に立つかもしれないからね。
・・・・・・もっとも、こんなもの、使う羽目にならなきゃいいんだけど。」
ずしりとした手応えを確かめながらも、雅文(仮名)の目には嫌悪の色があった。
「よし・・・。じゃあ先へ進もう。いつまでも ゆうなちゃんを待たせちゃかわいそうだ。」
「「「うん。」」」
雅文(仮名)の声に、三人が応える。観月姉妹が、次々と数と力を増していく「ゆうな
ちゃんへの票と支援」を まいなの前にかかげた。その光の強さにゆうなの身を案じる
まいなの表情がほころんだ。
「いける・・・よね? こんなに、みんなが、ゆうなちゃんのことを思ってくれているんだ
もの。きっと、ゆうなちゃんを助けてあげられるよね、お兄ちゃん。」
「ああ、きっと。」
「うん、きっと。まいな、最後まであきらめないよ!」
光の束をその小さな胸にかき抱きながら、まいなが強くうなづいた。
雅文(仮名)と三人の美少女は、足元を確かめながら、階段へと向かう。途中、雅文
(仮名)が、甲冑の振り回していた剣を拾いあげた。右手に古ぼけた本を、左手には
錆びた剣を。
まいなと観月姉妹は、その間にも次々と集まってきた「ゆうなちゃんへの票と支援」を
丁寧に数え上げていた。
「・・・>764、>765、767、>768、>769!あ、>770お兄ちゃんから支援。>772、>773・・・」
「>775!>780!>781!>782!>783!す、すごいすごい!」
「えと、>784、>786!あ、あついよ・・・おにいちゃんたちの・・・ゆうなちゃんへの・・・」
数と量もさることながら、彼女たちを驚かせたのは、そこにこめられた想いの強さ。
皆は二階の奥へと進む。彼らの、ゆうなへの想いを試される試練の待つ場所へ・・・。