エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round17!!
秋といえば、皆さんは何を思い浮かべます?
読書の秋?
確かに二人とも、相変わらず絵本を読むのは大好きのようです。
・・・もう何十回と読んであげてるから、僕のほうとしてはちょっと食傷気味だけれども。
スポーツの秋?
この間シノブさんからもらった、怪しげなエクササイズのビデオがよく棚から消えている。
また最近、ダイエットでも始めたんだろうか・・・
芸術の秋?
うん、相変わらず二人してアバンギャルドな絵を描いて、僕を困らせてくれるのは確かです・・・。
そんな秋のある日。
「ご主人さま〜・・・ミュウ、おなかが痛いにゃぁ・・・」
ミュウが、おなかを押さえて居間に入ってきた。
どことなく、顔もつらそうだ。
「どうしたの? 風邪でも引いたかな・・・最近少し冷えてきたからね」
「ミュウ、どしたの?」
マァウも心配そうな顔をする。
「うーん・・・わかんない・・・け・・・ど・・・」
ふらっ・・・バタン!
「ミュ・・・ミュウ!?」
えっ・・・?
ミュウが・・・突然倒れた!?
い、一体どうしたんだろう!?
落ち着け、落ち着くんだ・・・
えーと、こんなときは・・・そうだ、医者を呼ぶんだ!
あわてて、この村で唯一のお医者さん、カオルさんの診療所に電話をした。
トゥルルルルル・・・
トゥルルルルル・・・
ガチャッ。
『はい、こちら診療所・・・っと、おまえさんか。 どうした? 体の調子でも悪いのか?』
「カオルさん!? ミュウが、ミュウが大変なんです!」
『なんだなんだ? ミュウが大変って・・・また料理を爆発させでもしたのかぁ?』
「カオルさん、茶化さないでください! なんだかよく分からないんですけど、おなかが痛いって言って、突然倒れちゃったんです!」
『なっ・・・倒れたぁ!? それを早く言え、このバカ者!』
「茶化しはじめたのはそっちです! えっと・・・とにかく、来てもらえますか!?」
『当然だ! すぐに飛んでくからちょっと待ってな! あー、一応ミュウをベッドに運んどいてやってくれ』
ふぅ、カオルさんがいてくれて良かった。
それにしても・・・一体、ミュウはどうしたんだろう・・・
「ミュウ・・・だいじょうぶ?」
マァウが不安げな声を上げる。
「大丈夫・・・大丈夫だよ、カオルさんも来てくれるし」
僕は、僕自身にも言い聞かせるようにそう言った。
十分も経たないうちに、カオルさんがいつものバイクに乗って、息せき切らしやってきた。
「ふぅ、悪い。 待たせたな」
「いえ、そんなこと・・・ミュウはこっちです」
「カオル・・・」
マァウが、期待と不安の入り混じった顔でカオルさんを見つめる。
「マァウ、おまえも心配してるんだな・・・大丈夫、ミュウは元気になるよ」
と、カオルさんがマァウの頭をわしゃわしゃしつつ答える。
「さて・・・早くミュウの様子を見てやらないと!」
ミュウとマァウの部屋。
部屋の主の片割れは、力なくベッドに横たわっている。
本当に・・・急に、どうしたんだろう?
「ふーむ・・・」
胸に聴診器を当てたり、お腹を触診したり。
何も出来ない自分がもどかしい・・・。
「どう・・・ですか?」
「静かにしててくれ。 気が散る」
「あ・・・すいません」
ぎゅっと口をつぐむ。
隣のマァウを見ると、マァウも両手で口を押さえていた。
「うーん・・・?」
カオルさんが、不思議そうな表情をこちらに向ける。
「正直言って、『健康そのもの!』って感じなんだが・・・」
「えっ!?」
健康、そのもの? じゃあ何で急に倒れたりしたんだろう?
「・・・となると、考えられる原因はただ一つ」
ただ、一つ? それは一体・・・
「 た だ の 食 べ 過 ぎ だ 」
・・・。
・・・へっ?
「一応、コレ胃腸薬。 目が覚めたら飲ましてやるように。 ・・・まぁ何でもなくて良かったよ」
と、カオルさんが救急箱の中から胃腸薬を取り出しつつ言った。
・・・ミュウ?
・・・お腹が痛くて倒れちゃうくらい食べるって・・・一体どんだけ食べたのさ?
・・・あきれた。
「・・・どうも、わざわざすいませんでした」
「カオル、ありがとー」
僕ともども、マァウもぺこりとお辞儀をした。
「なぁに、良いってことよ。 アタシは医者なんだから、病人のいるところに駆けつけるのは当然なんだからさ」
「本当に、ありがとうございました」
「カオル、ばいにゃー」
「それじゃ、お大事になー。 おまえさんも、少しは節制させるように気を使ってやるなりしなさいな」
そう言って、カオルさんは帰っていった。
その後、二、三時間はミュウはそのまま寝ていたけれど・・・起きてきて、開口一番になんとこう言った。
「あ、ご主人さま、おはようにゃ〜。 ・・・おなかすいたにゃ・・・」
「・・・なぁ、ミュウ?」
「なぁに?」
「・・・今の今まで、食べ過ぎてて身体の調子おかしくしてたんじゃないの?」
「・・・ソレとコレとは話が別にゃ。 とにかく、おなかすいたにゃ」
いったいどういう身体の構造してるんだろう・・・?
こんなに小っちゃい身体のどこに、食べたものが入るスペースが?
「早く何か食べたいにゃ〜! おなかと背中がくっつくにゃ〜!」
・・・ホントに、どうなってるんだ。
・・・結局のところ、うちのミュウの場合・・・
「食欲の秋」なんですね、これが・・・。
「ご主人さま〜! おなかすいたにゃ〜!」
「おとたま、ごはん・・・」
「・・・二人とも、ついさっきご飯食べたでしょ〜!」
・・・マァウも、なのか?
・・・とほほ。