エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round12!!

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148はね〜〜(放送中!)
【おいしいクッキーの作り方は…?】前編(2/3)

「うぐぅ、ひどいよ〜! ボクが一生懸命作ったクッキーだったのに〜」
「いや、正直あれは食えない。なんていうか、猫にやってもまたいで通るだろうな」
「ひどい〜、ひどい〜!」
 顔を膨らませながら、あゆは俺の周りをぴょんぴょん飛び跳ねる。
 そんな様子もまたかわいいと思ってしまう俺は、既に末期症状なのかもしれない。
「それにあの時は作り方を知らなかったんだもん……今作ったらきっとおいしいのが出きるよ!」
 いや、それは間違いなく嘘だろ。
「もしボクが作ったら、祐一君は食べてくれる?」
「絶対に嫌だ」
「うぐぅ……そんなに早く即答しないでよ〜!」
 そうか、即答したらダメと言われたらここはやはり……。
「うーん……そうだなあ。あゆがクッキー作ったら、か。どうしようか……食うべきか、食わざるべきか……やっぱ食わない」
「うぐぅ〜!!」
 たっぷり悩んだ(ふり)っていうのに、やっぱりというかますます涙目になるあゆ。
 やれやれ、仕方無い。
「わかったよ。とりあえず見た目がうまそうだったら食ってやるから、だからそんな顔するなって」
「え? ほんとう……? 嘘じゃない?」
「そうだな、今なら嘘で通じるか?」
「うぐぅ! だ、ダメダメ! もう通じないもん!」
 そんな俺の冗談に真顔で首をぶんぶん横に振る。そんな毎日のやり取りが凄く楽しい。
「じゃあ祐一君。ボクの焼いたクッキー、楽しみにしててね〜!」
「転んでもちゃんと起き上がるんだぞ〜」
 こんな普通な毎日が、幸せだから。元気なあゆの笑顔を見ているのが嬉しいから。
「うぐぅ〜! ボクもう子供じゃないもん!」
 そんな、いつも通りの挨拶をして、結局あゆを家まで見送ってから俺は家に戻った。
 とまあ……ここまでは何て事の無い、普通の日常だったはずだったのだが……。
149はね〜〜(放送中!):02/11/25 10:49 ID:OE3JvbVk
【おいしいクッキーの作り方は…?】前編(3/3)

 それからここ3週間ほど、俺はあゆの作った『自称クッキー』に悩まされつづけている。
 一発目は7年前の『黒い碁石』の再来が運ばれてきた。
 先週はお約束と言わんばかりに塩と砂糖が間違えてあった。
 そして何より困るのは……失敗作を前に、涙目のあゆを見ていると、色々と文句を言いながらも全部食ってしまう自分自身にかなりの問題がある。しかもその都度腹をこわすというおまけまでつけて。

 そして今。ついに俺は、あゆを水瀬家に連れてきて、秋子さんのレクチャーを受けさせるという、まさに最後の砦に頼る事にした。
 つーかこれでダメなら俺にはもう、方法はない。
 ちなみにすっかりお守りと化した胃薬を握り締めている。
「くそ……生贄は一人でも多いほうが良いって言うのに……」
 薄情にも、名雪の奴は先週のあゆの『自称クッキー』を食った為だろうか、香里と一緒に遊びに行く約束をして逃げた。
「くそ……俺一人で立ち向かうだなんて、悪い冗談だ……」
 とりあえず今の俺にできる事、それはただひたすらに忍の一字で耐えるのみ……なんだよなぁこれが……。