エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round12!!
【おいしいクッキーの作り方は…?】前編(1/3)
「いい、あゆちゃん? 砂糖の分量はこれくらいで……」
「えっと。秋子さん、こう?」
「あゆちゃん、それは大さじよ。小さじでね」
日曜日の昼下がり。退院後、今ではすっかり元気になったあゆは、よく水瀬家に遊びに来るようになった……のだが。
水瀬家の台所からは、秋子さんとあゆの声が聞こえてくる。それもかなり不安になる声が。
「おーいあゆ、調子はどうだ〜?」
「わわっ! 祐一君は完成するまで入ってきたらダメだよ!」
そう言われてもなあ……。
ついさっきは秋子さんに『冷蔵庫からバターを持ってきてね』と言われてマーガリンを持ってくるなんて事をやらかしたようだし……。
俺は一人テーブルに座ってため息をつく。
ついでに薬箱から用意してきた胃薬を転がしながら、俺は事の発端を思い出していた。
「そういえばあゆ、お前昔、何か俺に作ってくれた事ってなかったか?」
定期的にある病院の検査に付き添った帰り、俺はあゆにそう尋ねた。
思えばこの質問が全ての始まりだったのだが……。
「うん! 祐一君、覚えててくれてたんだ……ボクが焼いたクッキーだよね!」
そのあゆの言葉で、ようやく俺は昔、あゆから何を貰ったのかを完璧に思い出した。
「クッキー……? ああ、やっと思い出した! 自称クッキー、実際は碁石だったな」
我ながら小学生時代によく、これだけ的確な表現を思いついたもんだと思う。