エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round09!!

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65支援しまっせ ◆YOSOURanTc
乃絵美嬢支援SS(なのか、ほんと?)
雨に奏でる協奏曲1/5

※やはり激しく妄想入ってるので、設定と違うところが多々あります。
  ご了承ください(ペコリ)

「うわ」
ざーーー
帰り道、急に降り出した雨。
すかさず屋根の下に滑り込む。
「夕立か」
空は朱(あか)い。夕焼けも綺麗に見える。
俗に言う、狐の嫁入りらしい。
「あれ?」
周囲に視線をめぐらせると、見覚えのある人影が走っていた。
「おーい、乃絵美」
呼びかけると、あたりをきょろきょろ見渡して、
「あ、お兄ちゃん」
俺の姿を見つけ、よってくる。
「雨宿り?」
「ん、そうだけど」
「じゃあ、私も雨宿りしようかな」
66支援しまっせ ◆YOSOURanTc :02/11/03 17:51 ID:nkzStOvY
2/5

雨は、まだ降り続く。
「結構長いな」
「そうだね」
「夕立だから、もうすぐ止むとは思うんだけど」
「うん」
雨の振る雑音と、乃絵美の澄んだ声と。
「傘、持ってくるんだったかな」
そして俺の声と。
三つの音しかあたりには存在していなかった。
「あ」
乃絵美に目をやったとき、思わず声をあげてしまった。
「髪の毛、ぐしゃぐしゃだぞ」
「えっ……」
慌てて髪の毛を探る乃絵美。
触ってやっと気がついたらしい。
「変な格好、見られちゃったな」
舌をぺろりと出し、照れ笑い。
いつもとは少し違う、乃絵美の笑みを見た。
67支援しまっせ ◆YOSOURanTc :02/11/03 17:53 ID:nkzStOvY
3/5

ぶわっ
髪を結んでいたリボンを解くと、黒髪があたりを舞った。
それと同時に髪についていたしぶきも舞う。
「お兄ちゃん、そんなに見ないでよ……」
照れながらも髪にくしをかけていく。
その手が震えているような気がして。
「寒くないか?」
思わずそんな事を聞いてしまった。
「だ、大丈夫だよ」
一瞬言いよどんだが、あっさりと言い返す乃絵美。
「大丈夫じゃないだろ」
強がりを言って、と内心苦笑しつつ、鞄からタオルを取り出した。
「ほら」
乃絵美の頭にかける。
そのまま、ごしごしと拭いてやった。
「くすぐったいよ」
小さく抵抗されるが、気にせず続ける。
「これでよし」
タオルを外す。
その下から、子猫のような目をした乃絵美の顔が現れた。
68支援しまっせ ◆YOSOURanTc :02/11/03 17:53 ID:nkzStOvY
4/5

「やり直さなきゃ」
顔を赤くしながら、乃絵美は再びくしをかける。
「わるい」
少しバツが悪くなって、謝りの言葉をはいた。
「え……別にお兄ちゃんは悪くないよ」
少しきょとんとした顔を返す乃絵美。
「それに、うれしかったから……」
もごもごと、聞き取れない言葉で続きを言う。
「あ、雨止んだな」
そんな乃絵美の後ろで、いつの間にか雨は止んでいた。
「帰ろ、お兄ちゃん」
「そうだな」
リボンを結び、再び元の髪型に戻った乃絵美に笑いかける。
「帰ろうか」

「乃絵美って、なんで髪の毛伸ばしてるんだ?」
ふと疑問に思って聞いてみた。
「え、それは………」
乃絵美はちょっとうつむき、考えて、
「秘密」
それだけを答えた。
69支援しまっせ ◆YOSOURanTc :02/11/03 17:56 ID:nkzStOvY
5/5

「誕生日おめでとう」
それは、確か乃絵美が十歳になったその日。
「はい、プレゼント」
俺は、一つのものを、あげたんだ。
「なぁに?」
「秘密」
それは、なんだったか。
今は、もう忘れてしまったのかもしれない。
あるいは、日常に溶け込んでしまったのか。
「開けていい?」
「もちろん」
箱の中には、確か。

乃絵美の頭のリボンがきらめく。
あれは、どうしたのだろう。
誰にもらったのだろう。
確か…………