エロゲで詩歌2 

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819名無しさん@初回限定
「萌え〜」
「萌え〜」
さわやかな朝の挨拶が、澄み切った青空にこだまする。
秋葉原の通りに集う漢達が、今日も天使のような無垢な笑顔で、
キャラのポスターの門をくぐり抜けていく。
シャバを知らない心身を包むのは、くすんだ色の制服。
ジーンズの色は薄れているように、チェックのシャツを重ね着するように、
パンパンのリュックをかつぐのがここでのたしなみ。もちろん、ファッション雑誌に
載っているようなスタイルの漢など存在していようはずもない。
千代田区秋葉原。
明治三十四年に開設されたこの地域は、もとは電化製品メインで作られたという、
伝統ある電器専門街である。
東京都下。電器街の面影を未だに残している店舗の多いこの地区で、ヲタに見守られ、
パソコン機器からヲタグッズまでの一括購入ができる漢の園。
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年間通いつづければ
温室育ちの純粋培養ヲタクが箱入りで出荷される、という仕組みが未だに残っている貴重な地域である。