SS投稿スレッド@エロネギ板 #3

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1名無しさん@初回限定
SS投稿スレッド@エロネギ板 #3

エロゲー全般のSS投稿スレです。あなたの作品をお待ちしています。
エロエロ、ギャグ、シリアス、マターリ萌え話から鬼畜陵辱まで、ジャンルは問いません。

そこの「SS書いたけど内容がエロエロだからなぁ」とお悩みのSS書きの人!
名無しさんなら安心して発表できますよ!!

  【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを40行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
 名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
 自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
 恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.「サイズが○○KBを超えています」との警告が出たら、ただちに
 書き込みを中止してください。次スレへのリンク等まで書き込めなくなります。

過去スレ >>2-

【エロゲ&エロゲネギ板SS保管サイト】
http://members.tripod.co.jp/hokaess/
2名無しさん@初回限定:02/02/18 03:32 ID:OSQ1+Cua
前スレ【SS投稿スレッド@エロネギ板 #2】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1006294432/
【SS投稿スレッド@エロネギ板】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/984/984064183.html
【SS投稿用スレッド@エロゲー板】
http://www2.bbspink.com/hgame/kako/979/979813230.html
3名無しさん@初回限定:02/02/18 03:35 ID:OSQ1+Cua
スレ立て相談スレッドの588さんごめん。
1で、補完サイトをリンクできなかった。
コピペを貼り間違えた……。
ごめんなさい、ごめんなさい。
4名無しさん@初回限定:02/02/18 04:21 ID:g1qAvPP9
>3
間違えてません。pink鯖の仕様をいろいろ2ch側でいじってる模様。

スレ立て前は、スレ立て宣言をしてもらえると
複数人が被って重複スレが立つことを防げますので、以後よろしく。>オレモナ

では、投稿はこちらで〜。
5触手スキー:02/02/18 07:45 ID:++NoG+RT
そいじゃすみませんが、張りつけ途中だったものを
もう一回、張りつけさせてもらいます(^^;
6触手スキー:02/02/18 07:46 ID:++NoG+RT
夕暮れ
公園のベンチにスワティと健太は二人座っていた
健太はスワティの肩を抱き締めていた
スワティはそんな健太の胸に顔をうずめる
スワティは、ぽーっとなって沈黙していた
「落ちついた?」
健太は静かに尋ねた
「う・・うん・・・・」
スワティはそっと答えた
言ったはいいが、その後もじもじし始める
暫くカラスの鳴き声
スワティは、おもむろに健太の手を握って指を絡めた
「やっぱり・・落ちつけれないよ・・・」
スワティは上目使いに健太を見上げて
そして瞳を潤ませた
「?? !?
 スワティ!?」
スワティは突然、健太の手を自らの手で誘い
スカートの中を静かにめくって布の中に健太の手を入れた
そのまま、スワティは自らのパンツに健太の手を擦らせる
「?? !? スワティ!?」
健太は手に陰湿を覚えた
「健太さんがいないと、もう私・・駄目なの・・・・」
スワティは瞳に涙を浮かべて、そう呟いた
その言葉に健太は呆然とする
手から感じる陰湿が次第に多くなっている気がした
「自分が馬鹿な女だって思ってる・・・・・・
 でも、抑えきれないよ・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「健太さんにずっと側に居て欲しいの・・・・
 もう、健太さんが他の女の子を見ているのもイヤ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「私だけを見ていて欲しいの・・・・・・
 だって・・・こんなに・・・・・・・」
そう言ってスワティはパンツ越しから秘部を
健太の手を動かして擦りあげた
「・・・・・・・スワティ・・・・・・」
健太はむしろ顔が歪んだ
7触手スキー:02/02/18 07:47 ID:++NoG+RT
健太はされるがまま出なく、
そっと指を動かしてスワティの秘部を弄った
「俺なんかの、何が良いんだ?」
健太は不意に、それを思って不安になった
「・・・・・・・・・・・・」
スワティは真っ赤になって健太の指に神経を集中させていた
「俺は・・・何の取り柄も無いし・・・・・
 これといって・・・・特技も無いし・・・」
健太は指を擦りながら、言っていて寂しくなってきた
思い出せば出すほど、何の取り柄も無い
「・・・・・・・・・・・・」
スワティは答えずに、感じ入っていた
「なんで・・・スワティがこんなになるまで・・・
 好きになってくれるのか・・・・・・・
 わからん・・・・・・・・」
健太は思わず・・・心の中の懸念を口にした
その言葉にスワティはそっともう一つの手で健太の頬に触れた
「そうよ・・・健太さんは、何の取り柄も無くって・・・
 良い所を見つけようとするのが難しい人よ・・・・・」
そう言ってスワティはストレートに健太の言葉を返す
健太はその言葉に思わず絶句した
「でも・・・・私を好きでいてくれる・・・・・・」
スワティは、そっとそう言って微笑んだ
「・・・・・・・・・・・・・・」
健太は沈黙した
スワティはじっとその瞳を真っ直ぐ見つめながらまた呟いた
「たくさん・・・可愛い女の子がいたのに・・・・
 それでも私を選んでくれた・・・・・・・」
言った後に健太の頬をさらに撫でる
「・・・・・・・スワティ・・・・」
健太はスワティの笑顔に絶句した
「好きでもない人と・・・
 結婚しないといけなかった私が・・・・・・・
 どれだけ健太さんが羨ましかったか・・・わかる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
健太は思わずスワティの体を深く抱きしめた
8触手スキー:02/02/18 07:48 ID:++NoG+RT
「それでも私を・・私として選んでくれたのは・・・・
 貴方だけなの・・・・・・・・・・・・・・」
スワティは健太の胸に顔をさらに埋めた
「それだけの理由でいいのか?」
健太はスワティを抱き締め、
スワティのアソコを弄りながら尋ねた
「それだけの理由で・・・・側に居てくれるんでしょう?」
スワティは頬を赤らめながら健太を見上げ
そして唇を重ねた
「・・・・・・・・・・・・」
健太はスワティの唇を楽しむ
そしてスワティが積極的に舌を絡めようとするのに
答えてお互いに舌を交差させた
健太は気持ちが高ぶって、治まりがつかなくなった
おもむろに、スワティを抱きかかえ上げて
そして後の林の中に入ってゆく
「け・・・健太さんっ!」
スワティは林の奥に手を握り締められて連れられ
ある所で横に寝倒された
そのまま、唐突も無くスカートを捲り上げられるスワティ
「こうして欲しかったんだろう!?」
健太は、その扇情的なストライプのしまパンを見て
無造作にそれに手をかけた
スワティを4つんばいにさせて、パンツを半脱ぎにさせる
「こ・・こんな所で!?」
スワティは健太の無造作な手に悲鳴を上げる
「こんな所で我慢できんようにさせたのは、
 オノレじゃ!あほスワティっ!」
健太は叫んでスワティの秘部に指を入れて弄り出した
「くふぅ・・・・・こんな外でぇ・・・・」
スワティは悲鳴を上げた
「こぉの、強姦しているような感じが燃えるっ!!」
そう言って健太はズボンを半脱ぎにしてアレをそそり立たせた
そのままスワティのアソコに後から勢い良く挿し込む
「はぁんっ!!」
スワティは絶叫と艶っぽさの両面が潜む音を響かせた
9スワティそれから(本編?):02/02/18 08:09 ID:++NoG+RT
「うわぁ・・・もうスワティの膣(なか)・・・
 ネチャネチャですがな・・・・・・」
健太はスカートを捲り上げられて
パンツを半ずらしにされたスワティを
4つんばいにさせて、後から入れた後
入れた途端にまとわりつくスワティの愛液に閉口した
「ああんっ・・・・健太さんのぉっ・・・・」
スワティは強引に入れられた健太の熱い棒に
拒絶と言うよりは、歓喜の雄たけびを上げていた
「でも・・・こんなのヤダよぉ・・・・・
 他の人に見られたくないよぉ・・・・・・」
スワティは突かれる度に敏感に膣で喜びを感じながらも
羞恥の心に震えていた
「この・・ギリギリさも燃える・・・・・
 んーーーーそれも微妙・・・・・・・・」
健太はスワティの腹の中を撫でまわすように棒を操作しながら
同時に手をやって秘部のクリトリスも攻めた
「他の男に・・・スワティのこの痴態を見せるのは
 確かに嫌だな・・・・・・」
そう言って健太は深く深く、出し入れした
「しかし・・・・・・・・
 外で押し倒して陵辱する感じが捨てがたい・・・・・」
健太はやりながら唸った
「スワティーララー♪」
スワティは健太に突かれながら突然神通力を行使した
「んっ!?」
健太はスワティの声に唸る
10スワティそれから(本編?):02/02/18 08:10 ID:++NoG+RT
「健太さんと私を他の人から見えない様にしたよ・・・
 他の人に見られるのなんか嫌・・・・・・・」
スワティは瞳を虚ろにさせたまま喋った
「でも健太さんに犯されてる感じがいいっ・・・
 変だよぉ・・・・こんなに強引にされてるのに・・・
 すっごく気持ち良い・・・・・・・」
スワティは地面に組み伏せられながらお尻を上に出して
深く深く突かれる
健太はスワティの顔に土がついているのが見えて
スワティの体を後から持ち上げ
スワティの上半身が正面から木に持たれかかるように 
体勢を直した
「スワティッ!
 あのなぁ・・・もっと自分を自覚しなさいっ!」
健太は棒に熱くたぎるスワティの愛液に
意識を呆然とさせながら叫んだ
「えっ!?何を?」
スワティは木に寄りかかっては獣の様に後から奪われる自分に
恍惚の表情を浮かべて吐息を吐く
「おっまえっ!!!
 何時だって犯したくなるほど可愛んじゃボケェッ!!」
健太は叫んだ
「ええぇっ〜〜〜☆」
スワティは突然の言葉に快楽と一緒に頭を呆然とさせた
「何時だって犯したかったんだ!!
 何時だってこうしたかったんだ!!
 ずっとずっとお前が欲しかったんだっ!!」
健太は後から手を回してスワティの胸を服越しから
強く揉みながら、むしろ涙目になって叫んだ
11スワティそれから(本編?):02/02/18 08:11 ID:++NoG+RT
「他の女の子なんか紹介するなよっ!!
 一番、好きな子が側にずっといたんだぜ!?
 俺がお前をどれだけ強姦したかったか分かるか!?」
健太はスワティの胸を欲望のままに揉みくだして
スワティの背中に上半身を張りつけた
スワティは健太の絶叫に腹の中を震わせた
思わず膣が情熱的に締まる
「だったらしてよぉぉっ!!
 お願い健太さんっ!!私を犯してっ!!私を奪ってっ!!」
スワティはまたポロポロと涙を零しながら
健太のモノを何度も受け入れた
むしろ体を安定させれてからと言うもの、
自分から動き始めたとも思える
「犯してよっ!! 健太さんっ!犯してっ!!」
スワティは声を張り上げて涙を流した
「私は健太さんだったら、犯されたいのっ!!
 ずっと奪っていて欲しいのよっ!!」
スワティは朦朧と成りながら、侵入してくる健太の体に
果てしなく底深い愛を覚えた
健太の腹をねぶるモノが、蠢く手が、そして密着する上半身が
それでもスワティの体を何処までも渇望する泥沼の欲の泉に感じれる
その中に溺れて汚される自分と侵食してくる健太との一体感に、
深遠なる安心感をスワティは覚えた
「離さないでいて欲しいのっ!!!
 貴方がずっと見つめていてくれる私でいたいのっ!!」
12スワティそれから(本編?):02/02/18 08:11 ID:++NoG+RT
スワティは泣きながら叫んだ
一人で慰めていてはぶつける事の出来ない魂の咆哮
「スワティ・・・俺もう駄目だよっ!!
 スワティ見てたら、辛抱もできないよっ!!
 ゴメン!!先にスマッ!!」
健太は自分に情けなさを感じつつも、
スワティの子宮前に熱棒を押したてて、
快楽に酔いしれたままに発射した
「はぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
スワティは腹の中に広がるたまらない暖かさに
悦楽の悲鳴を上げる
スワティのお腹の中がブルブルと震えた・・・・・
スワティは健太に射精されただけでいってしまった
スワティはぎゅうっと膣を締め上げて
健太のモノを離すまいと思うほどに切なさをつのらせる
2人はそのまま背中越しから抱き合いながら
しばらくハァハァと息を荒げていた
13触手スキー:02/02/18 08:37 ID:++NoG+RT
>>6-12
題「スワティそれから(本編?)」
はぁ・・・・ようやく投稿できた・・・・・(−−;
挿絵は・・・・まぁ・・・しゃぁないか・・・=□○_
14名無しさん@初回限定:02/02/18 14:43 ID:90fQGehG
で、1は読んだのか?>触手スキー
15名無しさん@初回限定:02/02/18 15:00 ID:nEKEUUNy
で、1は読んだ?>触手スキー
16名無しさん@初回限定:02/02/18 18:25 ID:ao/3/iHv
で、結局エロゲ板SSスレの面々はみなフェードアウトなのかな?
いや、べつに他意があるわけではなく、ただ寂しいなあ・・・と。
17名無しさん@初回限定:02/02/18 23:23 ID:GCgYWAIJ
14,15二重になってた……ゴメン

>16
ダヴーさんは前スレで「魔薬」SSの続きを書いてたよ。
18アンチの言い分:02/02/19 07:24 ID:B+Ip5VnS
「俺がアンチになった理由、か」
 つまらない話だぞ、と前置きし、アンチはポツリ、ポツリと語りだした。
「あいつは…信者はさ、昔は、そりゃあ可愛かった」
「可愛くてさ、やっぱりもててたみたいだよ。なのにアイツはさ、ずっと俺にべったりで」
「よく一緒に遊んだし、デートのまねごともしたし……つか、恋人同士がするようなイベントは大概こなした様な気もするな、アイツがどう思ってたかは、もう解らないけど」
「今でも覚えてるよ、あいつの笑い顔も、泣き顔も、困ってる顔も怒ってる顔も、そんなときの仕草も……アイツさ、本気で怒ってる時は耳が動くんだったっけな…ほら、こんな風に」
 言いながら、アンチは自分の片耳を前後に弾いた。
「アイツと居た時間だって、幼稚園の頃からだからな…誰よりも長かったと思うし、あの頃はアイツのことを誰より理解してると思ってたさ」
「まぁ、思いっきり間違ってたんだけどな。……結局、全部。俺の勝手な思い込みだった」
 アンチは苦笑しながら、未だ半分にもなっていないタバコを揉み消す。
「あー。あの日が境だったんだな。今になって思うと」
 そう呟きながら床に置いたバッグを拾い上げ、少々年季の入っているだろうノートパソコンを取り出し、手慣れた動きで電源を入れる。
「ちょっと待ってくれな、これ今じゃ旧い型だからさ、起動に結構時間が掛かるんだ」
 アンチも僕も、まだなにも映っていない画面にただ無言で見入っていた。
 耳慣れた起動音と同時に、パッと画面が明るくなった。と同時に、アンチの舌打ちが聞こえた気がした。
「全ての元凶は、これさ」
 アンチがそう言ってキーの上で指を滑らせると、画面が一度ブラックアウトし、そして"それ"をその隅々まで広く映し出した。
『KANNO統合スレPart743』
 それは二年ほど前に一世を風靡した18禁美少女ゲームのタイトルを冠し、且つ今の信者とアンチの戦地でもあるスレッドだった。
19アンチの言い分:02/02/19 07:25 ID:B+Ip5VnS
「俺はさ、ずっとアイツと一緒の時間を過ごしてきたから、俺が居ない時間、アイツが何やってるかももちろん解ってた」
「所謂…エロゲーっつーパソコンソフトを、俺が寝た後こっそりやってるのも知ってたし、それが別の友人から借りてきた物だって事も知ってた」
「俺は、別にそのことについて何も言わなかった。第一、気にしてさえなかった……あの日まではな」
 昔語りにつれ遠くを泳がせていた視線を一度画面に戻し、それからアンチは僕の方へ向き直ってまた、少し笑った。
「ほんと驚いたよ。朝起きたらさ、アイツが目を真っ赤に……泣きはらしてさ、パソコンデスクに座ってんの」
「それから一日。冗談でも誇張でもなく、24時間。アイツはそのままの姿勢を崩さなかったんだ」
「今となってはホント滑稽だけどさ、あの時俺は滅茶苦茶驚いて、119番までしたんだぜ?」
 あー馬鹿みてぇ、アンチは小さく呟き、天井を見上げた。
「それから……四日ほど後だったかな、アイツとマトモに話が出来たのは」
「あの日から四日間くらいは、それこそ飯喰うかー、とか風呂入るかー、って聞いてる俺に、パソコンの画面から目を離さずに『あー』とか『うー』で返事するだけで」
「もちろん返事だけだったから、四日後にしっかり倒れたんだけどな、ホント馬鹿な奴だよ」
 アンチは先ほどからの軽い笑みを顔に張り付かせたまま、今度はゆっくり俯いた。
「それで、少し落ち着いた頃に何があったか聞いたんだ、したらアイツ、何も話してくれない」
「それどころか、俺に対しても態度が滅茶苦茶よそよそしくなってるんだ、ホント、露骨に。キスとかセックスどころか、俺と会話するのも顔を合わせるのも避けて」
「それでも俺は、まぁ、アイツのこと好きなのは変わらなかったからさ、そのまま変わらずに暮らしてたんだけどさ。あぁ、二人分の生活費稼ぐためにバイトは増やしたっけか」
20アンチの言い分:02/02/19 07:25 ID:B+Ip5VnS
「それでもさ、やっぱり相手されないのも、触れて貰えないのも……多分俺は辛かったんだろな、と思うよ、あの頃は平気だと自分に言い聞かせてたけどな」
「で、アイツのネット履歴とかを見て、ネット越しにでも話しようと思ったのな。我ながら女々しい考えだったけどさ」
 アンチはいつの間にか顔を上げ、画面をこちらに向けていた。
「それで見つかったのが、このスレ。当時は……たしか、まだ100スレも逝ってなかったんじゃないかな」
 それで……『KANNO』が憎くてアンチになったのかい?そこで初めて口を挟んだ僕に、アンチは一瞬呆けたような顔をして、そしてまたいつものように軽く笑った。
「『KANNO』は嫌いじゃないさ。そこで知った後、俺も徹夜でプレイして、すげぇ楽しかったのを覚えてる」
「それで初めはさ、アイツと同じ世界を共有して、あいつとネット越しにでも話せて。それだけで幸せだった」
「……じゃないな」
 少々芝居じみた言い回しとともにまた俯いて、少し頭を振った。
「幸せだと思いこみたかったんだと思うよ。でもやっぱり解っちまうんだな。アイツが、他の『KANNO』信者を人として見てないって事に気付いちまった」
「アイツはSSを書いてて、他の奴らからの受けはよかったし、第一誰もアイツが何を考えてるかなんて気にしてないみたいだった」
「誰よりもアイツのこと解ってるつもり……ある意味では、確かに俺はアイツのことを解ってたんだろうな。だから解りたくないような事まで」
「アイツにとっては、他の信者はただの情報源だった。その場では、もちろん俺も」
「もうこの話はおしまいだ。もう、解ったろ? なんで俺がアンチになったか」

  −どうせ愛されていないなら、
     相手にさえされていないなら、
      憎まれた方がずっと良い −か。

 僕がそう言うと、彼女は僕の胸に頭をぶつけ、肩をふるわせながら、呟いた。
「陳腐だけど、な」
21旧作:02/02/19 07:32 ID:B+Ip5VnS
>>18-20
アンチの言い分

ふと「アンチと信者が幼なじみで付き合ってたりしたら(;´Д`)ハァハァ?」とか思って書いてしまった。
信者スレに貼ろうと思ったのだが、やはり流れと言う物があるのでこちらに。
エロ無くて、そしてエロゲ自体は関係なくてスマソ。とりあえずネギ板SSと言うことで。
22触手スキー:02/02/20 16:47 ID:JqvbRCtQ
ようやく、地獄の拘束劇から脱却した・・・・=□○_
続きをボチボチ書きますか・・・・・・
あのーついでに、挿絵張っちゃダメっすかね?
っていうか、張れる掲示板ほしぃのう(;;
>>15
?????
>>21
オモシロイ(w
続き希望
>>1
 スレ立てお疲れです〜。
かちゅーしゃ使ってるから移転したのが分からなかった(w

保管サイトも近日更新(予定)です。
……っていうか、さぼっている間にえらく溜まったなぁ

>>21
 こういう形式のSSも大歓迎です……って、俺が言っていいのやら。
以前にも、需要無視男さんとかいたんで、安心して次回作を(w

>>22
 挿し絵なら、保管サイトの方に置きましょうか?
 挿し絵の場所とか指示してくれるなら、SSの中に挿入とかも出来るし。

[email protected]
宛にに送ってくれればやりますんで、よければ。

http://members.tripod.co.jp/hokaess/
24へたれSS書き@保管サイト”管理”人:02/02/20 23:08 ID:3HnQeeUD
 保管サイト更新報告&保守age

http://members.tripod.co.jp/hokaess/

今回の更新内容は以下の通りです。

●新規追加作品
スワティ・それから・・    
アンチの言い分(完結)
EXILEレズルート妄想SS 「EXILE 導きの神」

お達者で
家なき星の魔女、屋根の下で101回目のバケーションを演ずるの巻
そして――いなくなった
「またあとで」
Melody of Silence 〜高屋敷青葉と高屋敷準の黙然たる一日〜

●更新作品
「ブライティアSS−ダリア編」(完結)
25あぼーん:あぼーん
あぼーん
26スワティそれから(本編?):02/02/21 02:31 ID:26B5MJcc
健太はその後、スワティの手を握り締めて家路に急ぐ
スワティは顔を真っ赤にしながら、
股間からパンティに染み出していく健太の精液を歩きながら感じていた
恥ずかしいような、それでも嬉しいような微妙な感覚
そして2人は家まで辿りついた
家のドアをバタンと開けては玄関にスワティを転がせ、ささっと鍵をかけては
健太はそのままスワティに覆い被さる
健太も見境が無かった
「スワティ!第2ラウンド、キボンヌ!」
そう言って健太はスワティの唇を塞いだ
「んっ!!」
スワティは、そんな有無を言わせぬ健太のアタックに目を白黒させる
しかし、暫く唇を塞がれて強く抱き締められていると、
頭がぼうっとしてきて何もかもを許してしまいたくなる
(ダメな女になってきてるかな・・・・)
スワティはそう思って自嘲気味に笑った
それでも健太のせわしなく自分の体を這い回る手に抵抗する意志すら示さない
健太はスワティのパンティをまた半ずらしにしては、スワティの足をM字に折りたたんで僅かに開けた股間に勢い良く自分の肉棒を捻じ込んだ
さっきがさっきだっただけに、スワティの体はスンナリと健太を受け入れた
「くっ・・・スワティの中が俺の精液とスワティの液でドロドロだ・・・」
健太は唸った
入れた後で健太は自分の先に出した精液と前にも増してあふれんばかりの彼女の愛液に
頭の芯まで痺れるような感覚を覚える
スワティはスワティで、あまりにも唐突に入れられたと言うのに、
そんな健太の肉棒に喜びを覚えていた
「健太さんのが、また入ってきてる・・・・」
スワティは正上位気味に入れられている恰好で、瞳を瞑って健太の侵入を感じてみた
腹の中にネチャネチャとした感覚と熱い健太の体温が、広がっていく
27スワティそれから(本編?):02/02/21 02:32 ID:26B5MJcc
それは、ある一種、不快な感じであった
あるいは、相手に犯されているような錯覚にさえ感じられる
しかし想い人に強欲に犯されているのだと想えば
スワティの体は、またさっきの情事を思い出して熱くなるしかなかった
何より健太の強姦には、愛があった
健太は背中に腕を回してスワティをぎゅうっと胸の中に抱きしめた
それがスワティの頭を麻痺させる
スワティも返すように健太の背中まで腕を回して抱き締める
しばらく2人は抱き合って、ゆっくりとピストン運動していた
次に健太はゴロンと半回転して、スワティを騎乗位に変えようとする
肉棒を一端スワティの中から抜き出し
スワティの半ずらしのパンティを片足だけ脱がして
自分が床の固い所を背にして、そしてスワティを下から迎える体勢になった
それにスワティは、誘われる様に体を上から下ろしていく
「きゃんっ☆」
スワティは可愛い悲鳴をひとつだけ上げた
そのまま健太の肉棒を深く自分の体の中に入れて
健太の棒の先が子宮口にまで密着するほど密接に結合した
2人は一端その体勢になってはハァハァと息を荒げて止まった
真っ赤になりながらお互いをじっと見つめる
下になった健太にスワティの膣から自分の精液が棒を伝わって垂れて来た
「満足?スワティ?」
健太は不意に聞いてみた
完全に合体している自分達を見て、そう呟いてみる
「健太さんに、こんなに求められてるもの・・・・・嬉しいよ・・・」
スワティはそう言って唇に指を当てて瞳を潤ませ始める
顔がどんどん真っ赤になり、どうしてか頬に涙がポロポロと零れ落ちて行った
28スワティそれから(本編?):02/02/21 02:33 ID:26B5MJcc
その後、スワティは泣きながら体を動かし始めた
最初は押し倒されて求められたのに、こんな体勢になると
自分から健太を得ようとしてしまう
そんな浅はかな女の肉欲に、それでもスワティは笑いながらも溺れ込んでしまう
それが快楽のためだったのかは、スワティには分からなかった
確かに健太を出したり入れたりする事で、
腹から広がる快楽には魂がとろけてしまうような魔力があった
しかし、それだけではない
この自分の過去の立場すら忘れてしまうほどに激しく燃え盛る情熱は
決してそんな情欲だけで沸きあがって来るものではなかった
それが何かなど、スワティにはどうでもよかった
ただ、目の前にある幸せを、貪り貪り貪り続けることだけが
スワティの今の一番大切な事だった
何より眼下の健太が優しくスワティの痴態を受け入れてくれる事が
スワティにとってはさらに深く溺れ込んでしまう潤滑油となる
どんな自分すら望んでくれる・・・自分のパートナーに・・・・
スワティは何処までも甘えてしまいたくて仕方ない
スワティはもっともっと健太を求め・・・・・・・
何度も何度も、自らの膣で健太の肉棒をしごいた
それに呼応するかのように
健太は遊んでいる自分の手を使ってスワティの胸を服越しから愛撫する
そして2人はしばらくそんな時間を重ねた後に果てた
[続く]
29触手スキー:02/02/21 02:44 ID:26B5MJcc
>>25-28
題「スワティそれから(本編?)」
すすめーすすめーものども―♪
30名無しさん@初回限定:02/02/21 04:41 ID:W4FFp8yh
>>22
1に注意書きが追加されてる。たぶんあなた宛てに

>5.「サイズが○○KBを超えています」との警告が出たら、ただちに
>  書き込みを中止してください。次スレへのリンク等まで書き込めなくなります。

ていうか、前スレであれだけ言われたのに
いまだに1の注意書き、自分では読んでないとか・・・?
31名無しさん@初回限定:02/02/21 11:24 ID:nbSuikQ7
注意書きも読めない奴はニドトクルナ!(・∀・)
32名無しさん@初回限定:02/02/21 12:41 ID:ftqDp/yC
前スレのラスト辺りを書き込む際に普通解りそうなもんだが…>容量注意
特に一番最後なんて前のカキコから40分以上も経過して警告出てるのわかりながら
やらかすんだもんな、言い訳できんぞこれは。
33名無しさん@初回限定:02/02/21 15:16 ID:iyjQGWQq
まあ、投稿してくれてるんだからニドトクルナは言い過ぎ。
2chそのものも初心者なんでしょう。
注意書き読んでこれからは気を付けて投稿を続けてくれれば問題ないよ。
34名無しさん@初回限定:02/02/21 16:17 ID:IESARUPa
>29
……句読点と3点リーダ(ボソ
35名無しさん@初回限定:02/02/25 07:25 ID:kbaFBxw0
需要無視男さん早く帰ってこないかな〜
そろそろ一年?
36触手スキー:02/02/26 00:01 ID:SQqGZ23i
「それはお前が悪い」
「ヲイ!俺かよっ!」
「お前じゃ」
「ええっーーーーー!!!」
健太は叫んだ
6人の老人達はすごい剣幕だった
「スワティを泣かせたのは普通なら万死に値するなっ!」
「ちょっと待てっ!」
「左様左様、反作用、今でも生きているのが不思議なぐらいじゃっ!」
「ううっ!!!」
「お前はスワティを娶ったのだから、
 いつでも側におらんといけまいが!!!」「うむうむ!」
「いや、しかしそれではっ!」
「だまらっしゃいっ!!」
「うへぇっ!」
健太は閉口した
老人達は中空でくるくる回る
「だいたい、スワティがいつも家で、どれだけ涙に暮れていると思っておるのじゃ?!」「ただグルグルと回ってみているわしらの身にもなってみぃ!」
「あーーーーーーー」
「グダグダガミガミ」「ガミガミグダグダ」
健太は6人の老人達の説教に顔を蒼くした
「でもね・・元7福神様・・・・・
 俺もバイトの仕事しないと生活費って奴がですね・・・」
健太はハンカチを取り出しながら汗をふく
「キサマッ!生活費とスワティとどっちが大切だっ!?」
「無茶言うなっ!!」
その言葉に一人が杖で健太の頭を殴った
「痛っ!!」
老人達はグルグル回る
37スワティそれから(本編?):02/02/26 00:02 ID:SQqGZ23i
「何の会議?」
その中に昔の弁天様の恰好をしたスワティが現われた
「おお!ちょうど良い!スワティも文句の一つでも言いなさい!」
老人はスワティを迎えて二人を座らせた
「このアホが生活費とスワティのどっちが大切かときいて生活費というのじゃっ!!
 それでお前を一人にさせるとは言語道断っ!!」
6人はそう叫んでクルクルと回った
「いや、そういう問題では無いだろう!?」
健太は泣きそうになってそう言った
「そうねぇ・・・それは酷いわ・・・」
その時スワティがしれっと呟く
「は?」
健太の時が2秒止まった。スタープラチナ座ワールド
「毎日、毎日、私がどれだけ健太さんが居ない時間を苦労しているか・・・・」
スワティがこめかみに指を当てて悩む
「いや・・・だぁーーかぁーーらぁーー、生活費ぐわぁっ!!」
健太は目を横一文字にして手をひらひらさせる
「健太さんっ! 生活費と私とどっちが大切なの!?」
スワティは眉を吊り上げて、健太の顔を凝視して叫んだ
「どっちか一つって選択できるものでもないでしょうがっ!!
 生活費が無いと、スワティと一緒に居る事もできんがなっ!」
もはや議論にもなっていない言葉のやり取りに健太は踊った
「ええいっ忌々しい生活費めっ!!!」
スワティはその言葉に片手に握りこぶしを作った
「いや、むしろ忌々しいのは俺の方だYO!! }(T△T){  」
健太は思考がピンぼけしている自分の伴侶に泣く
「生活費に健太さんの時間を取られるとは、神としてなんたる不覚!!
 がっでむっ!!!許すまじ生活費ぃぃぃっっっ!!!!」
スワティはギリギリと握り拳の圧力を上げてワナナイタ、現在握力80Kg
38スワティそれから(本編?):02/02/26 00:02 ID:SQqGZ23i
「どう許さないんだ!? どうっ!?」
(健太選手、ただいまのツッコミまでの時間約1秒)
「それに神って・・・アンタ・・・・
 7福神お役ゴメンになったんじゃ・・・・(−−;」
さらに追加ツッコミで、テクニカルポイント3ポイント獲得
「まぁ、軽い謹慎処分で、地球に1万年ほど滞在ってトコじゃがの・・・」
老人達がしれっと答えてクルクル回っていた
「はっ?(−_−;」
健太は不思議な言葉を聞いて思わず上空を眺める
「神様の第X番目の花嫁が人間界の男に心を奪われた罪は、
 地球での謹慎1万年と現地対魔作業じゃから、軽いと言えば軽い・・・・」
老人達がクルクルと回っていた、ひょッひょッひょと笑う
「あんた等、7福神を首になったんじゃねーのかYO!!(−△−;」
健太の顔に青い縦線、約10万5千32本が瞬時に引かれた
「まぁ、7福神は36億年程わし等はやったからのう・・・・・
 もうエエ加減、定年退職じゃよ・・・・」
老人の回転速度が微妙に上がっていく
呼応するかのように健太の顔に汗が浮かんだ
「スワティは嫁に行った先代の後継ぎじゃったし、
 わし等とは年齢が噛合わんかったからのう、ひょっひょっひょ」
老人達はクルクルと中空で回っていた
「ヲイ!!!そんな事、聞いてねぇぞっ!!(−△−;」
健太はつっこんだ。
ただいまのツッコミまでの時間約0.5秒(解説者:今のはいいですねぇ健太選手・・)
「聞かれて無いぞ(w」
即答して老人達は厭らしそうに笑った。同時にその言葉に健太の顔が歪んだ
「まぁ、『両者が好き合っていれば、いいんじゃないのぉ?』という
 神様の言葉じゃからのぉ・・・・・ひょっひょっひょっひょ」
6人はニヤァと笑って下を眺める
「ヲイ!!!何だよソレワッ!?」
健太の汗は増える一方だった。
39スワティそれから(本編?):02/02/26 06:48 ID:DaQ+Mqyh
老人達は回転しながら悪魔のような微笑を送り、笑い声を漏らす
「占いでは『相性はバッチリ!最初の1000年間にはとっても良い事あるかも!
 押せ押せムードで頑張って、幸せゲットだぜぇぇ!!』なので、ガンバ!」
「そういえば、そんな投げやりな事、言ってタナ・・帝釈天・・・・」
6人はむしろその瞬間だけ遠い目になって、その時の事を回想した
その6人の言葉に健太の汗が気持ち1リットル程流れる。死ぬって
「ぬぅっ!!バヌゥフーマァーーン!!!!」
突然スワティは目を光らせて立ち上がった
「はい!?スワティさん!?(−▼−;」
健太驚いて合いの手
「愛しの健太さんと私の仲を切り裂くとは言語道断っ!!!
 許さぬっ!許さぬっ!!許さぬっ!!!生活費っ!!!
 一撃滅殺っ!!!風の拳!!!!!」
そう叫んでスワティはその両手を艶やかに円状に動かした
「は?(−▼−;」
健太静止(時間をそろそろ10秒ほど止めれるぐらいには馴染んだゾJoJoo!)
スワティはその腕を残像を残すかの様にクルクルと回した
むしろそれは北斗3千年の構えにも似ている
「ハァァァァァァァァァァァ」
スワティの目から赤いオーラが弾け飛ぶ
「おんばさらぼだらんあびらうんけんそわかぁぁぁぁ!!!!」
「それは違う世界の呪文だっ!!!!(−▼−;」
「イヤ、合ってるよ♪」
「スワティぃーラァァァァッツッツッツ!!!!!」
スワティはありったけの力を込めてその手から神通力を発射した
「ヴエェェェェェェッツッツッツッツッツ!!!!!!!!!」
健太やっぱり絶叫
40スワティそれから(本編?):02/02/26 06:49 ID:DaQ+Mqyh
その光はオーラとなり、北斗宗家と劉家との壮絶な拳と拳の語り合いも交錯する中
スワティの手の中から飛び立った
そして光は一瞬にして健太の普通預金通帳とその取引銀行のメインバンクを直撃する
更に光は不死鳥の様に舞い散り、神通力の導きの力に
通帳が回転しながら健太の前に誘われる
そして通帳は回りながらも健太の手の中に落ちてきた
「まーーさーーかーーーーー!!!!!!!」
健太はスワティが何をしたのか理解して真っ青になって預金通帳を開いた
ひぃふぅみぃよぉいつむぅやぁ・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
健太は丸の数を数えて沈黙した
「滅殺っ!!!」
スワティはガッツポーズをする
健太は眩暈を覚えた
「お前、ホントに神かぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!??????」
健太には叫ぶしかする事が無かった
[続く]
41スワティそれから(本編?):02/02/26 06:51 ID:DaQ+Mqyh
>>36-40
題「スワティそれから(本編?)」
ハァ・・・・俺もガミラス星雲征服してぇなぁ・・・・
42名無しさん@初回限定:02/02/26 11:01 ID:e5iB4vAi
>>41
だからウセロってば
43名無しさん@初回限定:02/02/26 15:20 ID:YF9Cn3AP
そういう言い方もないと思うが
44名無しさん@初回限定:02/02/26 16:11 ID:5Sy6GW/D
「反省しました、以後気をつけます」の一文でもあれば
皆の意見も>>1の忠告も受け止めたと取れるんだが…
本格的にアホとしか見えなくなった
45スワティそれから(本編?):02/02/27 00:47 ID:1lyr/DQ2
>>44
すみません以後気をつけます・・・
いや、しかしモノ書きの(まぁモノ書きかどうかは分かりませんが(^^;)
投稿掲示板に対する真の謝罪は、
たとえ100人の否定者がいたとしても1人の読んでくれる人が居るならば
「俺は投稿するぜ!!(><)。」であると堅く信じていますので(妄想?)
瓦礫のショウの如く熱いパルスでパルスバルカン
>アホに思えてきた
いや、アホじゃなきゃエロSSの投稿なんかしませんってば(^^;
46名無しさん@初回限定:02/02/27 01:29 ID:oSBPi8x2
>45
何か勘違いしてないか?
みんな君のSSに関して文句を言ってるのではない。
君の投稿の仕方に文句を言っているんだ。

君がバカでもアホでも構わないが、場の空気だけは察してくれ。
それができないなら、SSを他人に見せようなんて思うな。
47名無しさん@初回限定:02/02/27 02:35 ID:Ak74Byo1
エロパロスレッドで下級生瑞穂のSSを見つけたんだが、どうよ?
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1013859895/l50
48名無しさん@初回限定:02/02/27 03:18 ID:mtYZNiGd
>>44
うむ。前スレ最後のミスに、「SSの内容がいいからいいよ♪」ってことはないし。
まあ、次は木をつけてくれればそれでいいんだが。

>>47
おお、凌辱ものだね。
49触手スキー:02/03/03 14:07 ID:O2gjfV9R
>>みなさま
非常に申しわけございませんでんでした
真に深く反省しております
皆様には非常に不快感を与えた事を、ここに深くお詫び申し上げます
また、投稿行数30文字かつ3度連続投稿すると
投稿が時間待ちしなければならないフリーズ性とか
8Kのデータ―を送ると数十Kにデータ―が膨らみあがるスレッドシステムとか
様々な制約機構や暗黙的ルールを不勉強性で
知らずに書き込みを行ったことをここにお詫び申し上げます
また、内容的稚拙さに御怒りも多々あったであろうし
注意書きの制約をこれからも守れそうに無いので
>>31氏の指摘どうり二度とこのスレッドには投稿しないように致します
非常に申し訳御座いませんでした
最後に、投稿内容に御付き合いしてくれた方
またHPに保守作業を行ってくれた管理の方へ、ありがとう御座いました
敬具
50名無しさん@初回限定:02/03/04 14:46 ID:yW66Mq+w
>内容的稚拙さに御怒りも多々あったであろうし

誰もそんな指摘はしてないように見えるけどなあ。
51名無しさん@初回限定:02/03/08 21:28 ID:cYlhnagQ
>49
もう居ないかもしれませんが、一応。

なにやら勘違いをしていますね…。
あなたのSSの“内容”に関して文句を言っている人は、ほとんどいないと思われ。

> 【投稿ガイドライン】
> 4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
> 恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。

つまり、「このスレ以外のスレ」へ配慮するために長文を投稿するときには、sageて欲しいと言うこと。

まぁ、“カエレコールの粘着に萎えた”というのが本音だろうが、
スレッド存続のための最低限のルールは、利用する以上理解してくれないと
2chでは荒らしと同じ扱いを受けるぞ。>忠告
52名無しさん@初回限定:02/03/08 22:53 ID:l8LXJwDo
>>1に書いてる誰でも見れるルール文を「暗黙のルール」と言われてもナア・・・(苦藁
53名無しさん@初回限定:02/03/15 16:03 ID:gBuzGPPc
メンテ
54名無しさん@初回限定:02/03/15 22:32 ID:KSxFlrU6
 ダヴーさんを三月購入感想&検討スレで見かけたが、もうここには帰ってきてくれ
ないんだろうか……それとなく話を振ってみるかな。
55十五部 五二六:02/03/16 11:27 ID:b77ZryXl
以前、エロゲー板のメビウススレでSSをUPした526です。
トーナメント支援用も兼ねて、再び「SNOW」のSSを作成しましたので、ここにUPいたします。
未発表作品ですので、キャラ設定と場面設定の一部を本編から参照しているだけで、かなり自分の
妄想が入っております。
今回も北里しぐれをメインにしてます。前回と違うのは、桜花とサブキャラ以外も登場させたのと、
しぐれ視点で記述したのと、凌辱というか、鬼畜成分を多めにしてみた事ですか。
まぁ、最後はハッピーエンドというのがいかにもご都合主義的展開なんですが。
タイトルは悩んだんですけど、本文中に繰り返し登場している「友達」ということでいってみようかと。
てな訳で、おヒマな方はご笑覧下さい。ひたすら長いです。
56SNOW SS「友達」(1/23):02/03/16 11:29 ID:b77ZryXl
雪が絶え間なく降り続いている街路を、私は歩いている。
いつもの雑貨屋からの帰り道、買い物袋には卵と白菜、椎茸と鶏肉が入っている。
豪雪で孤立しているこの村でとれた物ばかりだが、これだけあれば十分だ。
今晩は久しぶりに美味しい雑炊が食べられるだろう。

晴天だったら、太陽が西の山に沈み加減になる時間だ。
だが、どす黒く空を覆う雪雲のおかげで、辺りはまるで宵の入りのような暗さだった。
ここ数日の荒天に皆飽き飽きしているのか、外を出歩いている人は誰もいない。
私にとっては、人に会わない方が好都合だった。
人に会うのが嫌だから、わざわざ荒天の日を選んで買い出しに出かけたのだ。
私に出会うと、村人は哀れみと嘲りの混じった、複雑な表情をする。
さらに女の人は、それに妬みの感情が加わる。
表面上は当たり障りのない応対でも、心の底で何を感じているか、私には解っていた。
でも、私のしている事を思えば、村人達がぎこちない応対をするのも仕方のないことだった。

私の名前は北里しぐれ。
自分の身体を売ることでしか、生きていくことの出来ない女…。

ここ龍神村には娯楽施設がない。
いくら閑静な温泉地と謳っていても、それだけでは不十分だった。
温泉で開放感に浸る宿泊客が、夜になると旅館の紹介で村はずれの私の家へやって来る。
彼らのために股を広げるのが、私の仕事だ。
温泉客の少ない今のような時期は、娯楽に飢えてる村の男達も相手にする。
普通だったら村の女達は私を容赦しないだろう。
だが、下界と隔絶している上に娯楽の少ない冬のこの村だ。
男達の欲求不満が溜まるのは当然の事だった。
女達もその事を解っているからこそ、私のような売女の存在を許しているのだった。

しばらく歩いていると、前にある橋のたもとに女の子が一人で立っているのが見えた。
「あ〜っ、しぐれなのだっ」
女の子は一言叫ぶと、私の元へ飛び込んでくる。
この子は日和川旭という。
どんな天気の時でも外を駆け回っている、元気な女の子だ。
当然の事ながら、裏の顔を持つ私が子供と親しくすることを、村の大人達は良しとしていない。
周りに人が居ないことを確かめて、私は旭ちゃんに話しかけた。
57SNOW SS「友達」(2/23):02/03/16 11:30 ID:b77ZryXl
「旭ちゃん、こんな天気の日に一人で外にいると、みんな心配してるよ」
旭ちゃんが無邪気に応える。
「悪がいつ出てくるかわからないから、こうして見回っていたのだ」
そういえば、村の子供達が話していたのを小耳に挟んだ事がある。
旭ちゃんの趣味は、悪追放運動というものらしい。
あまりに妙な趣味を思い出して、私の頬が少しゆるんだ。
「あ〜、しぐれがからかってるのだっ!」
「ご、ごめんなさい。バカにしてるんじゃないから…」
「でも、見回りで疲れたからお茶にするのだっ」
そう言って旭ちゃんは、肩に掛けていた水筒の栓をゆるめる。
「しぐれもいっしょに飲むのだっ」
旭ちゃんの手から、湯気が立ち上る番茶の入った、水筒の蓋が差し出される。
どうせこの天気では、外に出てくる大人なぞいないだろう。
見とがめられることは無いなと思うと、少しほっとしながら、旭ちゃんにつき合うことにした。

橋の下に見える凍り付いた川を眺めながら、旭ちゃんが注いだ番茶を飲む。
この村では緑茶は高級品だ。
私にとってお茶といえば、昔から番茶が相場だったし、また気に入ってもいた。
番茶の素朴な味は、私のお母さんのようだったから。

私のお母さんが亡くなってから、もう2年ほど経つ。
お父さんのは私の物心ついた時からいなかったため、私はお母さんの手だけで育てられた。
お母さんは村の温泉旅館で働いていたらしい。
毎朝早くから家を出て、帰ってくるのは夜も遅くなってからだった。
粗末な家で一人凍えていた私に、帰宅したお母さんはいつも熱い番茶を飲ませてくれた。
幼い頃の私は、友達の家で御馳走になる緑茶の洗練された味に憧れていた。
しかし、苦しい家計では実現不可能だった。
すまなそうに微笑むお母さんの懐に抱かれながら、幼い私はいつも眠りにつくのだった。

温泉旅館で働いていたお母さんの死因は事故死だったと聞かされたが、本当のことはよく解らない。
お父さんのいない私は、お母さんの死でひとりぼっちになった。
お母さんの葬式が終わった晩に、温泉旅館の支配人と称する男が私の家にやって来た。
その支配人とやらは、温泉旅館でお母さんが何をやっていたかを、頼みもしない私に言って聞かせた。
調理場から食事の余り物のくすねて自宅に持ち帰っていたこと。
宴会場で客のリクエストに応えて素っ裸になったりしたこと。
そして、宿泊客相手に売春をやっていたこと。
私は自分の耳を塞いだ。
お母さんの悪口なんて、聞きたくもなかったからだ。
すると、支配人がいきなり私に襲いかかってきた。
抵抗するまでもなく、私は支配人に犯された。
一方的に、支配人のモノが私の処女を奪い取った。
破瓜の激痛に、私はただ泣くことしか出来なかった。
58SNOW SS「友達」(3/23):02/03/16 11:31 ID:b77ZryXl
涙に暮れる私に、支配人はワザと優しそうな口調で言った。

ウチの旅館の宿泊客は、娯楽が無くて退屈している。
君もひとりぼっちで生活の当てに困っているんだから、ウチの宿泊客に身体を提供してくれ。
勿論、それに見合った報酬は支払うから、君も嫌な話ではないだろう。

この村の温泉旅館は、村唯一の稼ぎ頭だ。
だからそこのオーナーや支配人の力は強力で、逆らえる村人なぞ誰もいない。
それに、確かに当時の私には、生活していく当てなぞ無きに等しかったのだ。
私は支配人の言葉を受け入れるしか、生きていく道はなかった。
こうして、淫売としての私の生活が始まった。

旅館の中で売春しては目立つと言うことで、私の家が売春場所になった。
私の身体を欲しがる客がいたら、旅館の従業員が私の家へ連れてくる。
私の家が村はずれにあったのも、旅館側には好都合だった。
酔っぱらいの多い宿泊客を相手にするのは辛かったが、収入だけはそこそこに与えられた。
宿泊客が皆無になる冬には、村の男達が私の家にやって来た。
私の売春は秘密にされていたが、事情を知った村人の要求を支配人が飲まされたらしい。
私には相手が別に宿泊客でも村人であっても誰でも構わなかった。
ただ、私が売春をしているという事実が村中に広がってしまった。
幼い頃からの多くの友達が、私から離れていった。
表だっては誹謗中傷されなかったものの、裏で好き放題悪口を言われているのは解っていた。
性欲魔人…、淫乱メス豚…、公衆便所…。
私に近づくのは事情を知らない子供達だけだったが、それすらも周囲の大人達によって阻まれた。
いつしか、私は極端に他人と接触するのを避けるようになっていた。
特に必要な時を除いて、私は村はずれにある自分の家と、その周辺にいた。
男達に性を売る汚れた場所でしか、私の居場所はなかった。
昼間誰もいない部屋で一人居るとき、私は言いようのない孤独感にさいなまれた。

唾棄すべき過去の記憶が、私の頭の中を取り留めもなく渦巻いてゆく。
ふと、私の身体が軽くなったような気がする。
どうしたんだろう?
記憶の濁流に呑み込まれた私の足が浮かび上がる。
ちょっと待って、どうしちゃったの私?
足下に力を入れる。
私の両膝が雪道の上に落ちる。
「し、しぐれっ、どうしたのだっ!」
遠くで誰かが叫んでいるような気がするが、ぼやけて誰なのか判らない。
周りの風景がどんどん霞んでゆく。
目の前が真っ白になる直前、誰かが私の元に近づいて来るのが見えたような気がした。
59SNOW SS「友達」(4/23):02/03/16 11:49 ID:6XFfmmLQ
辺り一面、真っ白な世界。
ここはどこなんだろう?
背中に固いものが触れている。
身体を動かそうとするが、だるくて力が入らない。
取りあえず、瞼だけを開いてみる。

まだ周りは真っ白だ。
思わず瞼を細める。
暫く経って、ゆっくりと、ゆっくりと辺りが色づいてゆく。

殺風景な天井にチラチラと灯る蛍光灯。
その下には、年期の入った事務用机が一つ。
壁の殆どを埋めているスチール棚。
そして、私が居るのはベッドの上。
左右にいくつかある窓にはカーテンが掛かっているが、僅かな隙間は闇に染まっている。
知らないうちに夜になっていたのか。
だが、ここは一体どこなんだろう?

その時、事務用机の裏から何かが現れた。
「ここは診療所だ。ようやく目が覚めたか」
男の声。
身体がこわばる。
「怖がることはない。あんたも俺に見覚えがあるはずだ」
確かに、この男には温泉旅館の前で何度か出会ったことがあった。
「自己紹介しておこう。俺は出雲彼方という。龍神天守閣でアルバイトをしている」
私の方にはお構いなしに、男が言葉を続ける。
「と言うのは表向きの姿で、実はオーナーの従姉に頼まれてちょっとした調査に来た。
どうもここの支配人が妙な動きをしているという疑惑があってな。あんたの素性も概ね判っている」
この男は、私の秘密を知っている!?
恥ずかしさに、身体が熱くなる。
「おいおい、俺の一言でカッとなる前に、自分の身体を確認することだな」
男の一言で、私は自分の胸元を覗き込む。
そこには、ニーソックス以外は何も着けていない、私の露わな身体があった。
!!
反射的に、胸と股を手で覆い隠す。
私の無様な姿を見て、男が薄笑いを浮かべる。
「おっと、淫売女のくせに羞恥心は人並みに残ってるんだな」
屈辱感で、私の体が小刻みに震える。
「………」
「俺の話はまだ続くんだが、その前にお客さんに入ってきて貰った方がいいな。
旭、あれを持ってきてくれ」
男の言葉に応えるように、この部屋にある扉の向こうから
「はいなのだっ!」
と声が聞こえた。
旭ちゃんもここにいるのか?
その直後、扉が開いた。
60SNOW SS「友達」(5/23):02/03/16 11:52 ID:6XFfmmLQ
「うんしょっなのだ、うんしょっなのだ」
扉から、旭ちゃんの声が聞こえる。
同時に響く、ガラガラガラという軋んだ音。
そして、微かに聞こえるブーンという低い唸り音。
「うんしょっなのだ、うんしょっなのだ」
旭ちゃんの声が大きくなる。
今の私の姿を、旭ちゃんに見られたくない。
旭ちゃん、ここに来ないでっ!

「持ってきたのだっ!」
男の横に現れたのは、まぎれもなく旭ちゃんだった。
「ご苦労だったな」
男は旭ちゃんの持ってきた物を受け取ったのか、そのまま私のいるベッドの前まで持ってきた。
男が持ってきたのは、業務用の台車だった。
ただ、その台車の上に乗っていたのは…。

「澄乃ちゃん!!」
私は思わず声を上げていた。
そこには、私がいつも買い物をする雑貨屋の女の子、雪月澄乃ちゃんが全裸で蹲っていた。
両胸の乳房の位置には、それぞれにテープで異物が止められている。
そこから延びているビニールコードの先に、リモコンらしき物が二つ。
両足の付け根からも、ビニールコードが延びている。
身体のあちらこちらにミミズ腫れの痕が見える。
「うっ……ううっ……うっ……」
澄乃ちゃんがか細い呻き声を上げた。

「止めてくださいっ!」
私は叫んでいた。
ベッドから降りて澄乃ちゃんの元に駆け寄る。
大急ぎで、全てのリモコンのスイッチを切り、身体から異物を取り外す。
澄乃ちゃんの両胸とあそこに仕込まれていた異物は、ピンクローターだった。
「……に…いるの……しぐれ…ちゃ…だよ…ね…」
澄乃ちゃんの口から、微かな声が聞こえる。
そうだよ、私はしぐれだよ。
澄乃ちゃんの友達の、北里しぐれだよ。
でも、どうして澄乃ちゃんがこんな目に遭わなければならないの?
目頭が熱くなる。
澄乃ちゃんの頬に、私の涙の雫がこぼれ落ちた。
61SNOW SS「友達」(6/23):02/03/16 11:53 ID:6XFfmmLQ
「感動的な再会に浸っているのも結構だが、このままでは話が進まん。続けさせて貰うぞ」
男の冷徹な声が聞こえる。
私は男の居る方を睨み付ける。
勿論、男は私の視線を気にする風でもなかった。
「バイトに入った俺は、支配人に気に入られるよう、ワザと従順に振る舞っていた。
で、その気になった支配人があんたの事を口にしたという訳だ。
ヤラせてくれる女がいるからどうか?と。
後はあんたがウリしているのを確認してから、支配人を締め上げた次第でね。
日頃から弛んでたヤツだから、一寸締めただけでアッサリと吐きやがったよ」
「………」
「あんたを村の公衆便所にしようと画策した男の存在もね」
えっ!
男を睨む私の視線が一瞬緩んだ。
「あんたも憎んでいるはずだろう。そいつのおかげで、友達を全て失ったんだからな」
その通りだった。
私の友達を奪った人、それは誰なのかは判らない。
私はその人を憎んでいた。

ただ、男が言った『全て』という言葉は違っている。
ここに一緒にいる澄乃ちゃんは、私に残されたたった一人の友達だったからだ。
私と澄乃ちゃんは、子供の頃から仲のいい友達だった。
家に誰もいない私は、日が暮れるまで澄乃ちゃんと遊んでいた。
私が進学を諦めた後も、澄乃ちゃんとは度々会っていた。
悪い噂が広まった後も、雑貨屋で買い物をする度に私と会って話をしてくれた。
私が時々雑貨屋を利用していたから、会いやすかったという事もあったのかも知れない。
それでも、澄乃ちゃんと会う一時は、私にとって何よりも心が安らいだ。
澄乃ちゃんは私にこう言ってくれた。
「周りが何か言っていても、私としぐれちゃんは友達だよっ」
ひとりぼっちの私は、その一言が何よりも嬉しかった。

「あんたに見せてやろうか?その男を」
男の一言で、私は我に返った。
「おいっ、あいつらをここに連れてこい」
男がまた扉の向こうに声を放った。
旭ちゃんを呼び寄せたときとは違って命令口調だ。
暫くすると扉が開いて、男が四人ほど部屋に入ってきた。
二人は見るからに屈強な体つきをしていて、黒いスーツを着ている。
その後ろに従ってもう二人が続く。
私からは上半身しか見えないが、彼らは裸で、体中の至る所に殴られたような痣が浮かんでいる。
彼らには首輪が付けられていて、そこから延びる鎖を前の屈強な男が握っていた。
後ろの男達の顔は、私には見覚えがあった。
一人は温泉旅館の支配人だ。この男の顔は一生忘れることはない。
もう一人の方は、たまに私の元へ客としてやって来る村人の一人だった。
二人とも、顔が青ざめている。
私は呆然としながら、部屋に入ってきた男達を見ていた。
62SNOW SS「友達」(7/23):02/03/16 12:14 ID:pqPYEmAH
いつの間にか、澄乃ちゃんが台車から上体を起こしていた。
台車から、よろよろと立ち上がる。
身体を支えてあげようと、澄乃ちゃんの背中に手を添える。
その刹那、澄乃ちゃんの手が私の身体を勢いよく振り払った。
痛っ!
私は大きく後方へ尻餅をつく。
そして。
「お父さん!」
澄乃ちゃんの一言に、私は気が遠くなった。

「わはははは、聞いたかあんた、あんたを村の公衆便所にするよう支配人に迫ったのは、
この澄乃って女の父親だったんだよ。これには俺も驚いたがな」
男が愉快そうにしゃべる。
「龍神天守閣のオーナーでもある出雲家は、この村以外にもレジャー産業を手広く扱っていてね。
まぁ、それは表向きの顔であって。世間は俗に企業舎弟なんて呼んでるんだけど。
実際の本業はあまり人様に威張って言えない世界でね。
出雲組って言えば結構知られている極道なんだけど、この村での知名度はまだまだといったところかな。
で、支配人と澄乃とやらの親父を引き連れてるのは、俺の舎弟分だ。
あんたらに危害を加えるつもりは無いから、安心しろ」

私と澄乃ちゃんの目の前に、支配人と澄乃ちゃんのお父さんが引っ張り出された。
ふたりの全裸が露わになった。
ふたりとも股を隠そうともがくものの、手枷をされているのか、背中に回されている両手は動かない。
ただ、支配人には本来あるべき物が付いてなかった。
その位置から、鮮血がしたたり落ちている。
「ひっ…」
澄乃ちゃんの声が強張っているのが判る。
「そうそう、支配人はウチの与り知らぬところで独断専行したから、強めに罰を与えてやったよ。
旭、例の物を見せてやってくれ」
「はいなのだっ!」
男の元にいた旭ちゃんが澄乃ちゃんの元へ歩み寄る。
旭ちゃんの手には、男のペニスが握られていた。
おそらく、支配人のペニスだろう。
旭ちゃんがペニスを放り投げると、それは澄乃ちゃんの目の前に落ちた。
「きゃーーーーーーーーっ!!!!」
澄乃ちゃんが叫び声を上げた。
63SNOW SS「友達」(8/23):02/03/16 12:15 ID:pqPYEmAH
男が再び口を開く。その声は嗜虐に満ちていた。
「この支配人のチンポは、旭自身が切り取った物だ。旭は嬉しそうにナイフを扱ってたぞ。
あんたらにも見せてやりたかったよ。」
男につられて、旭ちゃんも胸を張ってしゃべる。
「そうなのだっ!旭はひとつ悪を追放したのだっ!」
第三者から見れば、おぞましくなる光景だった。

私は支配人の顔を見つめていた。
私の目があった支配人は、後ろめたそうに顔を横に背ける。
その瞬間、私の胸のつかえが取れたような気がした。
私の人生を滅茶苦茶にした、あの男の忌まわしい一物が罰せられたのだ。
支配人は終始無言だった。
「支配人はもう男としても用済みだから、適当に始末しておけ」
男が命令する。
支配人は黒スーツに引きずられるかのようにして去っていった。

部屋には澄乃ちゃんのお父さんが残されていた。
男が私の方を向いた。
「さて、あんたのためにもこの男を処罰しないといけないな」
旭ちゃんが澄乃ちゃんのお父さんに近づく。
旭ちゃんの手には、ナイフが握られていた。
ナイフの刃先が、澄乃ちゃんのお父さんのペニスにあてがわれる。
澄乃ちゃんのお父さんの身体が、ガクガクと震える。
「ま、待ってくれっ。私にもいろいろ事情があったんだ。そ、その…村会長として村の者を統制する
必要があったし…、それに…、借金のこともあったし…」
狼狽する澄乃ちゃんのお父さんの口から、止めどなく釈明の言葉が流れる。
それを聞いた男が語気を荒げる。
「借金だと…、ふざけるな!
てめえの借金とヤラは、競馬のPATで負け続けたのが積もり積もったモノじゃないのかよ。
全く、こんな娯楽のないクソ田舎で下手に情報化なんて事するから、こんな目に合うんだ。
それにさ、てめえ実の娘の裸見てチンポおっ立ててるんじゃねえよ」
澄乃ちゃんのお父さんのペニスは、緊張しているのか、はち切れんばかりに勃起していた。
「そ、それは違…」
澄乃ちゃんのお父さんが口ごもる。
「お前も相当な悪なのだっ!」
旭ちゃんがそう言って、あてがっていたナイフを離すと、澄乃ちゃんのお父さんの股間に蹴りを入れた。
「うぐっ!」
激痛に、澄乃ちゃんのお父さんの顔がゆがむ。
「止めてーっ!これ以上、お父さんを虐めないでーっ!」
澄乃ちゃんが必死に男へ懇願していた。
64SNOW SS「友達」(9/23):02/03/16 12:16 ID:pqPYEmAH
男が澄乃ちゃんの叫びを無視するように言う。
「駄目だ。こいつはウチの秩序を乱した責任を取って貰う」
「何故お父さんがこんな目に遭わなきゃいけないの!ねえ、何故なのっ!」
澄乃ちゃんと男とのやり取りが続いていた。
その間、私は澄乃ちゃんのお父さんを見つめていた。

客として私の家にやって来る澄乃ちゃんのお父さんは、どうって事のない普通の男だった。
欲求不満に飢えている村の男達の中では、むしろ大人しい方と言ってよい。
ただ、私の人生を狂わせた男なのだとすると、話は別だった。
私の心の中で邪な感情が渦巻いていた。
こいつのペニスをちょん切ってしまえ。
そうすれば、私の心は晴れる。
失った人生は取り戻せないものの、これで私の屈辱が僅かでも癒されるのなら…。

ふと、私の目線が澄乃ちゃんにいった。
澄乃ちゃんの声は枯れ、目線からは涙が溢れ出ていた。
そうだった。
澄乃ちゃんは私の大切な、たった一人の友達。
ここでお父さんが処罰されたら、澄乃ちゃんは決して私を許してはくれないだろう。
今度こそ私は本当にひとりぼっちになってしまう。
そう思うと、私は急に怖くなった。
何よりも、一人になりたくはなかった。

「いい加減口論を聞いているのも飽きたのだ。早く悪を追放するのだ」
旭ちゃんが再びナイフを澄乃ちゃんのお父さんのペニスにあてがった。
ナイフの刃先が、ペニスの表皮を軽く擦る。
その切り口から、じわじわと血がしみ出してくる。
「ひいっ!」
澄乃ちゃんのお父さんは小さく叫び声を上げて、身体を硬直させる。

その時、私の口が開いた。
「お願いです…。澄乃ちゃんのお父さんを許してあげてください…。
そのためには私、どんなことでもしますから…」
自分でも不思議に思えるくらい、この言葉は自然に発せられていた。
65SNOW SS「友達」(10/23):02/03/16 12:35 ID:PCThXI5E
男、旭ちゃん、それに澄乃ちゃんとそのお父さんが、一斉に私の方を向いた。
暫しの沈黙。
澄乃ちゃんのお父さんが口を動かす。
何かを言っているようだが、私には何も聞こえない。
私は澄乃ちゃんのお父さんから顔を背けた。
やがて、男の口が開いた。
「判った。当事者であるあんたに免じて、この男のチンポを切るのは止すことにしよう。
おい、この男を引っ立てていいぞ。後は事前に打ち合わせた場所へ連れて行け」
男の指示に黒スーツは頷くと、首輪に繋がっている鎖を引いた。
極度の緊張に疲れたのか、澄乃ちゃんのお父さんは満足に歩くことが出来ない。
「とっとと歩けコラ!」
黒スーツが澄乃ちゃんのお父さんのお尻に蹴りを入れる。
何度か蹴りが入るたびに、澄乃ちゃんのお父さんが悲鳴を上げる。
澄乃ちゃんはそんなお父さんの姿を見るまいと、頭を垂れて必死に堪えていた。
黒スーツと澄乃ちゃんのお父さんが扉の向こうへ去ってゆく。
部屋には私と男、旭ちゃん、それに澄乃ちゃんが残っていた。

旭ちゃんは一人不満そうな顔をしていた。
「あー、彼方は悪を追放しなくていいのかっ!」
駄々をこねる旭ちゃんに、男は優しそうに語りかけた。
「なあ旭。お前はまだ幼いからよく解らないと思うが、世の中には追放すべき悪と、
残しても良い悪とがあるんだ」
「旭は幼くはないけど、彼方の言ってることはよく解らないのだっ!」
二人の会話に澄乃ちゃんが割って入った。
澄乃ちゃんは頭を上げて、男の方を恐る恐る見つめている。
「お父さんは…、お父さんはどうなるの…」
男が応える。
「あいつは暫くウチの組が経営する飯場で働いて貰う。
借金してた処が丁度ウチが経営する金融屋でね。身体で返済して貰う意味もある。
それに、あいつの労働力だけでは借金返済に追いつかないから、お袋さんもウチで働いて貰うよ。
既に身柄は確保している。
ただし、親父とお袋の働き場所は別々だ。それだけはウチの都合でね、勘弁してくれ。
また、雑貨屋の方は借金のカタにウチが差し押さえて余所へ売却したから、そのつもりで」
「そ…、そんな…、うわーん!」
あまりにも非情な男の答えに、立っていた澄乃ちゃんは床にへたり込むと、声を上げて泣きじゃくった。
私も男に抗議する。
「そんな…、約束が違います…」
すると男は、私の元に近づいてきた。
片手で、私の顎をしゃくり上げる。
「冗談言うなよ。俺はあの男のチンポをちょん切る罰を許しただけだ。それにカン違いしてるようだが、
あんたの身体を売った支配人の経営判断は俺も認めているんだ。ただ、売春は当局の目が厳しいんでな。
新支配人になる俺の意向として、これからは売り方を変更する。あんたと澄乃とやらが、俺の持ち駒だ」

そんな事って…。私はおろか、澄乃ちゃんまで…。
男の言葉に反応したのか、澄乃ちゃんが立ち上がって私と男のいる方を振り返った。
既に涙の涸れた澄乃ちゃんの表情は、とても冷たかった。
澄乃ちゃんの目線が、私を射抜く。
その視線は、憎悪に研ぎ澄まされた剣。
「しぐれちゃん…、あなたと一緒にいたばっかりに、私の家族はバラバラになっちゃった…。
私…、しぐれちゃんを…許さない」
澄乃ちゃんの一言が、私の心に深々と突き刺さった。
ショックのあまり、床の上に崩れ落ちる。
「さあ、プロローグが長すぎたようだな。これからがショーの本番だ。
あんたはさっき、何でもすると言ったのを覚えているな」
男が旭ちゃんに笑いかけて言った。
「旭には、残しても良い悪を教えてあげよう」
66SNOW SS「友達」(11/23):02/03/16 12:36 ID:PCThXI5E
力無く床にへたり込んでいる私を、男が引き吊り起こした。
そのまま、ベッドの上に仰向けに寝かされる。
「旭、ロープを持ってきてくれ」
「はいなのだっ」
男に従った旭ちゃんが扉の向こうに出ていく。
暫くして、両手に麻縄を持って部屋に戻ってきた。
いつの間にか、服を全部脱いでいる。
旭ちゃんから麻縄を受け取った男は、私の右手首と右足踝、左手首と左足踝とを、それぞれ縛り上げる。
身動きの出来なくなった私の身体を、男はベッドの真ん中で長手方向と直角になるように据え置く。
次に、私の両膝にそれぞれ麻縄が結わえられる。
「旭、一方を持って引っ張っていてくれ」
「はいなのだっ」
左膝に結わえられた麻縄を、男が引っ張る。
抵抗しても無駄なのは解っていたので、私は太股の力を抜いてなすがままになった。
麻縄をきつめに引っ張ってから、ベッドの左端にある鉄パイプ製の手摺りに結びつける。
右膝の方も同様に縛り付けられる。
作業が終わった頃には、私の両脚は膝で折り曲げられ、大きく左右に『<>』を書く形に広げられていた。

ベッドの手前にいる男達に、私のあそこが剥き出しに晒されている。
「結構使い込まれてるな。マンコの周りにまで毛が生えてるぜ」
男が軽口をたたく。
澄乃ちゃんも、冷たい表情で私の汚いあそこを見つめている。
「澄乃ちゃん…、お願い…、見ないで…」
両手両足の自由を奪われた私は、力無い声を出す。
澄乃ちゃんは私の言葉に微動だにしない。
そして、私の耳に澄乃ちゃんの呟きがハッキリと聞こえた。
「………腐れマンコ」
屈辱的な一言だった。
「澄乃ちゃん………」
沸き上がる涙を懸命に堪えながら、私はぎゅっと唇を噛みしめた。
67SNOW SS「友達」(12/23):02/03/16 12:37 ID:PCThXI5E
「そう言うな澄乃、こいつのマンコは年季が入ってるんだ」
戯けながら、男は片手の指先で私のあそこをさすり始めた。
撫でるような微かな感触が、私のあそこに広がってゆく。
村の男達の粗野な指先とは全く異なる、優しい愛撫。
あっ…。
頭の中がじわじわと疼き出す。
男の手が、クリトリスを守る皮を徐々に剥いでゆく。
剥き出しになったクリトリスを、男の指先が擦り上げた。
私のふしだらな本能が、忠実に反応する。
「ああんっ!」
私の腰がビクッ!と浮き上がった。
「感じているようだな。マンコからも愛液がちょろちょろと溢れ出てきたぞ」
「ち、違う…。それは、女の子の…」
「本能的な防御反応とでも言いたいのか?では、あんたのカチカチに固まってる乳首はどうなんだ?」
私の愚答は完全に見透かされていた。
二つの乳首は両方とも激しく立ち上がっていたのだ。

「でも、このマン毛が興ざめだな。掃除することにしよう」
男はそう言うと、愛撫していた手をあそこから離した。
「旭、剃刀とクリームを持ってきてくれ」
「はいなのだっ」
言われるがままに、旭ちゃんが扉の向こうに出てゆく。
部屋に帰ってきたときには、剃刀とスプレー缶を持っていた。
「こんなものしか置いてなかったけど、よかったのかっ」
「まあいいだろう。少し刺激が強いかもしれないが」
男が薄笑いを浮かべる。
旭ちゃんが持っていたスプレー缶には『シェービングクリーム メンソール入り』と書かれている。
「旭がしぐれの毛を剃るのだっ」
「判った。やってみろ」
「澄乃で練習したから、大丈夫なのだっ」
私は澄乃ちゃんの股を見る。
澄乃ちゃんの陰毛は、きれいに剃り取られていた。

旭ちゃんが私のあそこの前に立つ。
「彼方、しぐれのマンコがピクピク震えてるのだっ」
「それはだな、マンコが弄って下さいっておねだりしてるんだ。だから、早く処理してやってくれ」
私の心にまた一つ屈辱感がのしかかる。
「判ったのだっ」
旭ちゃんが私のあそこに、スプレーを無雑作に吹き付けた。
あそこの薄皮に、メンソールが容赦なく染み込んでゆく。
「きゃふぅん!」
あそこが悲鳴を上げ、それに併せて臀部が震えている。
「彼方〜、しぐれが暴れるから巧く剃れないのだ」
「しょうがないな。澄乃、身体を押さえつけててやれ」
澄乃ちゃんは男の言葉に応じてベッドに上がると、私の顔に背中を向けて、お腹の上に腰を下ろした。
私の両膝が澄乃ちゃんの両手で固定される。
完全に身動きがとれない中で、私の陰毛が剃られてゆく。
暫くして、私のあそこがタオルで拭われる。
「澄乃、もう終わったからどいてやれ」
澄乃ちゃんが私から離れると、目の前に毛の一つない真っさらな恥丘がひらけた。
68SNOW SS「友達」(13/23):02/03/16 12:51 ID:xFLsrusy
「旭、この出来映えはなかなかいいぞ」
陰毛が完全に剃り落とされて剥き出しになっている私のあそこを眺めつつ、男が楽しそうに語る。
「うん、面白かったのだっ」
「じゃあ、もっと面白い実験をしてみよう」
男はそう言うと、事務用机の陰から、洗面器を持ってきた。
そこには、何かよく解らない液体が入れられている。
そして、男の片手に握られているのは、とても大きな注射器。
これから私がどんな惨い目に遭うか、おおよその見当は付いた。

「や…、やめて…」
男は聞こえない振りをしながら、洗面器の液体を注射器に吸い上げてゆく。
「これはグリセリン液と言ってな、お腹の中のモノを洗浄するための道具だ」
「しぐれのお腹の中に悪がいるのかっ」
「そうだ、悪いモノだ。だからこの液でしぐれから追放する」
「それは大変なのだっ、早くやるのだっ」
浣腸液が充填された注射器を手にして、男が私のあそこに相対する。
注射器の先端が、お尻の穴に差し込まれる。
「うぐっ!…ううっ…うううっ…」
冷たい浣腸液が、お腹の中へ逆流する。
内側から、私の身体が冷えてゆく。
「旭もやりたいのだっ」
「そうか、じゃあ旭もやってみろ」
男に替わって、旭ちゃんが浣腸液を注入する。
そして再び男に替わり、旭ちゃんに替わり…。
にこやかに談笑しながら、交互に私のお腹を蹂躙する二人。
「あ、悪魔…」
「そうだ。人は誰しも心に悪を持っている。
ただ、いちいちそれを追放していては人間なんて誰もいなくなってしまう。
だから人は悪を選別するんだ。追放すべき悪と、残しておいても良い悪とを。
そして、残していた悪が貯まったら、このようにゆっくりと解放するんだ」

最後の注入が終わった。
洗面器にあった浣腸液は、全て私のお腹の中にぶち込まれている。
私の下腹部がぷっくりと膨らんでいる。
「うわぁ〜、しぐれが妊娠したみたいなのだっ」
旭ちゃんが無邪気そうに、私の膨らんだお腹をポンポンと手で叩く。
「や…、やめて…、旭ちゃん…」
私が懇願している合間にも、お腹の中では浣腸液が暴れ始めようとしていた。
69SNOW SS「友達」(14/23):02/03/16 12:52 ID:xFLsrusy
私のお腹の中を、浣腸液が激しく動き回る。
その圧力は腸内の汚物を攪拌し、やがてそれらを体外へ排出しようと目論んでいた。
全身から汗が噴き出してくる。
「澄乃、お前は洗面器を持ってしぐれの前に座れ」
「えっ、で…でも…」
澄乃ちゃんが躊躇するのは無理もない。
そんな場所にいたら、私の便をまともに浴びてしまうだろう。
「この診療所は当分ウチが借り上げているが、床を汚されたくないからな。
どうした、さっさと命令に従え」
そう言うと、男は事務用机の引き出しの中から何かを取りだした。
男が手にしていたのは鞭だった。
片手で鞭を振るうと、その先端がびゅっ!と空を切る。
それを見た澄乃ちゃんの顔が蒼白になる。
「止めて…、もうこれ以上…、私をぶたないで…」
私は澄乃ちゃんの背中に多数のミミズ腫れの痕があったのを思い出した。
「判ってるんだったら、早く座れ」
「………」
澄乃ちゃんが私の股の前に顔を向ける形で、腰を下ろした。
胸元には洗面器が添えられている。
「澄乃ちゃん…、お願い…、見ないで…」
先ほど口に出た言葉を、もう一度繰り返す。
澄乃ちゃんは私の身体を見つめている。
私の言葉は、もう澄乃ちゃんの元へは届かない。

お腹の中をかき回していた浣腸液の圧力が、お尻の穴めがけて押し寄せてくる。
駄目っ、出ちゃ駄目っ!澄乃ちゃんが汚れちゃうっ!
お尻の穴に力を込め、排便の圧力に抵抗する。
全身をよじらせてお尻をすぼめようとするが、下半身は身動きが殆ど取れない。
上半身だけが、空しく左右に揺れるばかりだった。
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。
息が荒くなる。涙腺が緩む。
「彼方見てみて、しぐれが涎垂らしながらハアハア悶えてるのだっ」
私の傍らにいる旭ちゃんに言われるまでもなく、お尻の穴以外の場所は弛緩しきっている。
恥ずかしかったが、今他の場所に気が向くとお尻の穴が持ちこたえられそうになかった。
「しぐれはきっと感じているんだな。旭、お手伝いをしてやれ」
「判ったのだっ」
旭ちゃんの両手が、私のあそこに伸びてくる。
や、止めてっ!
片方の指があそこの穴を抜き差しする。もう片方の指がクリトリスを弄ぶ。
「嫌っ!はぁん!ああっ!」
淫らな感覚が、便意を耐えようとする私の羞恥心を打ち砕こうとする。
弛緩した私のあそこの穴から、愛液が止めどもなく溢れ続ける。
旭ちゃんの指がクリトリスを強く摘み上げた時、お尻の穴が臨界点に達した。
「も…、もう…、我慢が…、出来な…、あっ…嫌っ…」
お尻の穴からぴゅっ、ぴゅっと液体が迸る。
「ああっ!出、出ちゃう!う、うんちが出るっ!あああっ!い、嫌ぁーーーーーーーーっ!!!!」
ひとたび液体の漏れたお尻の穴が決壊するのは一瞬だった。
ぶばっ!ぶばばばばっ!ぶりゅりゅりゅりゅっ!ぶりぶりぶりぶりっ!
お腹に貯まっていた便混じりの浣腸液が、お尻の穴から一気に噴出した。
私の便が、澄乃ちゃんの胸元を直撃する。
汚い飛沫が、澄乃ちゃんの顔にかかる。
「嫌ぁーーーっ!見ないでっ!見ないでぇーーーっ!」
羞恥心と罪悪感に打ちのめされる私は、声を振り絞って泣き叫ぶしかなかった。
70SNOW SS「友達」(15/23):02/03/16 12:52 ID:xFLsrusy
ありったけの便を放出したお尻の穴が、シクシクと痛みに震えている。
「やったのだっ!しぐれの中から悪が出てきたのだっ!」
「ああ。ただ、床が少し汚れてしまったな。二人には罰を与えないといけない。
澄乃、四つん這いになれ」
言われるがままに、澄乃ちゃんが四つん這いになる。
「お前の舌を使って、しぐれのケツの穴を掃除するんだ」
「えっ…、わ…私…そんな事、出来な…」
「口答えするとどんな目に遭うのか、まだ解ってないのか」
男が鞭を振るう。
ピシッ!ピシッ!
鞭が容赦なく澄乃ちゃんのお尻に叩き付けられる。
「ひぃっ!痛いっ!痛いよぉ!」
「なら命令に従うんだ。そうすれば鞭打ちを止めてやる」
澄乃ちゃんの顔が、私の股間に近づく。
お尻の穴に、何かが触れる感じがした。
澄乃ちゃんの舌だ…。
お尻の穴と、その周囲が丁寧に舐め上げられる。
は、恥ずかしい…。で、でも…何かヘンな感じが…、あっ!

暫くして、澄乃ちゃんの顔が離れた。
「よし、これでウンコまみれのケツが綺麗になったな」
言葉にならない羞恥心が、私の心を締め付ける。
「で、ケツ舐めで感じていたしぐれには、ちょっとキツイお仕置きだ」
男はそう言って、机の中から鋏を取りだした。
床に放ってあったピンクローターを手に取り、ローターの付け根のケーブルを鋏で切断する。
ケーブルを二股に分け、切断部のビニールを剥いて導線を露出させる。
「旭、これから電気の実験だ。とても面白いぞ」
「そうなのかっ。わくわくなのだっ」
澄乃ちゃんに替わって、男が私の前にしゃがみ込む。
リモコンのスイッチを操作して、剥き出しになった導線を私のあそこにあてがう。
その瞬間、ビシッ!とあそこに刺激が走った。
「ひぃーっ!」
男が導線を押し当てるたびに、私の腰が大きく跳ね上がる。
ベッドの床がガタガタと音を立てる。
止めて…、こんなの…こんなの…酷すぎる…。
私の気持ちとは裏腹に、淫欲が電流に反応していた。
「見てみろ旭、こいつはマンコに電気が流れるのを感じてるんだ。面白いだろう」
「うん、しぐれはすごいのだっ」
男がリモコンのスイッチを最大にして、導線をクリトリスの左右に差し込んだ。
「ぎゃああああああああーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
最も大きな刺激が、私のあそこを襲った瞬間だった。
ぷしゃあああああっ!
あそこから淫らな液体が大量に迸った。
71SNOW SS「友達」(16/23):02/03/16 12:59 ID:yDaDZDW9
「うーん、少しやり過ぎたかな?床を汚した罰だったのに、さらに床を汚してしまった。それにしても、
あんたはケツの穴で感じるし、さらに電気刺激で失禁するほど感じまくる変態さんだったとはな。
大笑いだよ」
男の嘲笑に反応する気力もなかった。
何よりも、身体に力が入らない。
「では攻守交代だ。旭、手伝ってくれ」
「はいなのだっ」
二人が私を拘束していた麻縄を解きにかかる。
私の四肢は自由になったが、身体が言うことを聞かない。
「邪魔だ」
ベッドに横たわる私を男が強引に押しのけた。
「あっ!」
弾みでベッドの縁から床下に転げ落ちる。
落ちた位置の目前に、澄乃ちゃんが呆然とした表情で座っていた。
男と旭ちゃんが、澄乃ちゃんを引きずり起こす。
「あっ、何するの!止めてっ!」
我に返った澄乃ちゃんが逃れようとするが、男は澄乃ちゃんの頬に平手打ちを浴びせた。
パチン!パチン!
乾いた音が部屋に響く。
そのせいで、澄乃ちゃんはぐったりと大人しくなった。

自分で立ち上がれるほどに動けるようになった頃、澄乃ちゃんはベッドの上で拘束されていた。
さっきまで私が辱めを受けてたのと同様の姿で。
「ようやく動けるようになったか。それじゃあ、こいつの貫通式を行う」
私が呆然としている最中、旭ちゃんが私の股に変な器具を装着する。
私のあそこから、男のペニスのような太い棒がそびえ立っている。
男は私の手を取ると、そのまま澄乃ちゃんに向けて突き放した。
「きゃっ!」
澄乃ちゃんの身体の上に、私の身体が俯せに覆い被さる。
悲鳴を上げる私に、男が言った。
「しぐれ、お前が澄乃の処女を葬るんだ」
72SNOW SS「友達」(17/23):02/03/16 12:59 ID:yDaDZDW9
「そ…、そんな…」
「そんな事はないだろう。こいつはあんたを貶めた男の娘なんだ。
この場で思いっきり鬱憤を晴らしてみろ。
もっとも、あくまでも拒否するのなら、少々強引な手を使わないといけないがな」
男が異物の先っぽを、澄乃ちゃんのあそこにあてがう。
既に準備していたのか、澄乃ちゃんのあそこはしとどに濡れていた。
異物が、私の腰の重みで澄乃ちゃんのあそこに軽く突き刺さる。
「ああっ!い、嫌ぁ…」
澄乃ちゃんの口から悲鳴が上がる。
これから起こりうる惨劇を前にして、澄乃ちゃんの身体は小刻みに震えている。
じわじわと没入していた異物の動きが止まった。
澄乃ちゃんの処女膜が、異物の進入を遮ったのだ。

「何をしている、もっと深く挿入しろ」
私は両腕と両足をふんばり、澄乃ちゃんから身体を浮かせた。
澄乃ちゃんは私にとって、たったひとりの大切な友達。
そんな澄乃ちゃんを汚す事なんて、私には出来ない。
今は私を許してくれなくても、いつかきっと私のこと許してくれる日が来るよね…。

「どうやら強引にやらないと駄目なようだな」
業を煮やした男が、手にしていた鞭を振るった。
ピシッ!ピシッ!
私のお尻に、鞭が打ち据えられる。
あまりの激痛に、顔が歪む。
ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!
お尻から腰、そして背中へ鞭がまんべんなく打ち込まれる。
ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!
鞭が当たる度に、私は歯を食いしばって激痛に耐える。

何回鞭で叩かれたのだろうか?
背中やお尻が熱く火照っている。
繰り返される責め苦に、私の意識は朦朧となっていた。
ふと、旭ちゃんの声が聞こえた。
「しぐれの背中やお尻がいっぱい血で滲んでいるのだっ。危ないから消毒してあげるのだっ」
後ろを振り返ると、旭ちゃんがスチール棚の中を漁っていた。
何かを見つけると、男の元へ持ってくる。
「ふむふむ、イソジンにヨードチンキにオキシドールにその他もろもろと…。ナイスアイデアだな、旭」
何をするの?
男が私の背後に立つと、瓶の蓋を開けて中身を私の背中へぶちまけた。
「あああああああっ!!」
容赦なく傷口に染み込んでくる薬液の痛みで、私は叫び声を上げた。
73SNOW SS「友達」(18/23):02/03/16 13:01 ID:yDaDZDW9
男は私の背中からお尻に数種類の薬液をかけてゆく。
背後の皮膚がジクジクと犯されていくのが判る。
痛みと情けなさで、私の目から涙が絶え間なく溢れ出ている。
「うっ…うううっ……ああっ…」
叫び声が、か細い呻きに変わってゆく。
上体を踏ん張っている両腕と両脚が、ガクガク震える。
私の下で仰向けになっている澄乃ちゃんも、また震えていた。
澄乃ちゃんは眼をつぶって、この悪夢のような光景に耐えていた。

体力はとうの昔に限界に達している。
澄乃ちゃんを助けたい気力だけで、私は藻掻いていた。
私の背後にいる男が溜息をつく。
「案外しぶといんだな、あんたも。理性が駄目なら、感性に訴えるしかないようだ」
男は澄乃ちゃんのあそこをまさぐると、手に拭った愛液を私のお尻の穴に塗りつけた。
「はあんっ!」
脳髄に刺激が走る。
あやうく両腕を屈しそうになる。
「本来なら俺は淫売女のユルユルマンコなぞ興味はないんだがな。
でもまあ、ケツの穴なら少しは締まりもきつそうだろうし、変態さんのあんたなら、
少し乱暴にしても耐えられるだろ」
男はズボンとパンツを脱ぐと、怒張したペニスをいきなり私のお尻の穴に突き刺してきた。
「い、嫌ぁーーーーーーーっ!!」
強烈な刺激に、私の四肢がついに崩れ落ちた。
私の身体は澄乃ちゃんの上にのしかかり、その重みで異物が澄乃ちゃんの処女膜を突破した。
「あああああーーーーっ!痛い!痛いよぉーーーーーーーーっ!!!!!」
澄乃ちゃんの絶叫が部屋中に響き渡る。
悲しかった。
私の抵抗も、所詮は無駄な足掻きでしかなかった。

ごめんね、澄乃ちゃん…。
私頑張ったけど、澄乃ちゃんを守れなかった…。

ごめんね、澄乃ちゃん…。
本当に、ごめんね………。
74SNOW SS「友達」(19/23):02/03/16 13:14 ID:fb0cHNVp
狭いベッドの周囲で、四人が蠢いていた。
男が私のお尻の穴を突き、私の異物が澄乃ちゃんのあそこを責め立てる。
澄乃ちゃんの顔の上には、旭ちゃんが跨っている。
澄乃ちゃんの舌が、旭ちゃんのあそこを激しく愛撫する。
「旭、これが残しておいても良いという悪だ。じっくり熟成したのを、自分で解放するんだ。
どうだ、気持ちいいだろう?」
「ああっ!き、気持ちいいのだっ!」
「うぐぅっ!はあああん!あああっ!」
「くっ!ひぎぃっ!んぎいいいっ!」
女達の快楽に溺れた悲鳴が交錯する。
理性というものを放棄した女達が、お互いの身体をむさぼり食らう。
男の「出すぞっ」という合図で、三人がそれぞれ絶頂に到達した。

私はベッドの上に横たわっている。
隣には、拘束を解かれた澄乃ちゃんが眠っている。
男と旭ちゃんは、もうこの部屋にはいない。
男が部屋から立ち去る際、私に口にした言葉を思い出す。
「あんたの住む家を芝居小屋に改築する。あんたたちはそこでSMショーをするんだ。
雑貨屋はもう他人の物だから、澄乃もあんたと一緒に芝居小屋に住むことになるな。
配役は好きに決めていいが、俺に言わせればあんたの方がM向きだな。わはははは」
「旭は、こんどは桜花と一緒に悪を解放したいのだっ」
「そうかそうか。じゃあ、明日は桜花ちゃんの家へ行ってみよう。
桜花ちゃんはこいつらとは違って純粋な子だから、優しくしないと駄目だぞ」
「解ってるのだっ!」

灯りの消された部屋は、ほんのりと薄暗い。
何時の間に天気が回復したのか、カーテン越しに月明かりが差し込んでくる。
私はベッドの上から起きあがった。
動く度に、男に虐め抜かれた背中がジクジクと痛む。
暖房も消されて、冷たくなった床の上に立っている私。
私の心の中には、絶望だけが取り残されていた。
澄乃ちゃんの家庭を崩壊させ、澄乃ちゃんの処女を奪ってしまった。
元はといえば、私がいたからなのだ。
澄乃ちゃんの友達だなんて、甘い気分に浸っていた自分が悪かったのだ。
支配人に襲われた後、すぐにこの村から逃げ出していれば…。
澄乃ちゃんも、こんな酷い目に遭わなくて済んだはずだった。
でも、今となっては何もかも後の祭りだった。
澄乃ちゃんを酷い目に遭わせてしまった私。
たった一人の友達を失って、本当にひとりぼっちになってしまった私。
事務用机の上には、旭ちゃんが持っていたナイフが置かれている。

澄乃ちゃん…、私、生きていくのに疲れちゃったよ…。
ひとりぼっちになるのは、嫌だよ…。
ひと思いに逝っちゃえば、ちょっとは楽になれるかな…。
75SNOW SS「友達」(20/23):02/03/16 13:14 ID:fb0cHNVp
右手がナイフの束を握る。
刃先が左の首筋に触れる。
息が詰まる。
両目が閉じ、世界が真っ暗闇になる。

暫しの硬直。
身体が言うことを聞かない。
怖い。
死ぬのが怖い。
死ぬのが怖い。死ぬのが怖い。
突然、ナイフを握る右腕が何者かに掴まれた。
「しぐれちゃん…、死んじゃ嫌だよ…」
澄乃ちゃんの声が聞こえた。

私の目の前に、澄乃ちゃんが立っていた。
「ひどいよしぐれちゃん…、私が謝る前に死ぬなんて嫌だよ…」
「澄乃ちゃん…」
私の右腕に込められていた力が緩む。
ぶらりと垂れ下がった右手から、澄乃ちゃんがナイフを抜き取り、それを遠くへ放り投げる。
「私…、あの男にいいようにそそのかされてた…。
しぐれちゃんがいたから、お父さんが悪くなっちゃったんだって…。
私が酷い目に遭っているのも、しぐれちゃんのせいなんだって思って…。
だから、私はしぐれちゃんの事が憎くてしょうがなかった」
「………」
「しぐれちゃんなんかどうなったっていいと思ってた…。バカだよね…、私…。
本当は私のお父さんが悪いんだって事を受け入れたくなかった…。
わがままな私が、しぐれちゃんを傷つけたんだ…。
こんな惨い身体にされてまで、しぐれちゃんは私のことを守ってくれようとしたというのに…」
澄乃ちゃんが、私の胸元に泣き崩れてきた。
「ごめんなさい、しぐれちゃん。
しぐれちゃんを酷い目に遭わせたままほったらかしにしていた、私を許して…。
私、ひとりぼっちになりたくない。私をおいて死んじゃぁ嫌だよぉ…。」
泣きじゃくる澄乃ちゃんの身体を、私はゆっくりと抱きしめた。
私を許してくれてありがとう…、澄乃ちゃん…。

澄乃ちゃんが泣き止んでから、二人でベッドの上に腰を下ろす。
私は上体を斜め向きにして、澄乃ちゃんの顔を見つめる。
澄乃ちゃんもまた、私の方を見つめていた。

ひとつになりたい…。

瞼を閉じる。
私の唇に、澄乃ちゃんの唇が合わさった。
76SNOW SS「友達」(21/23):02/03/16 13:16 ID:fb0cHNVp
私と澄乃ちゃんの唇が触れ合う。
その中で、互いの舌が激しく絡み合う。
澄乃ちゃんの脚が、私の股の間に挟み込まれる。
二人の距離がぐっと狭まる。
澄乃ちゃんの胸が、私の胸に押し当てられる。
柔らかくて、あったかい感触。
澄乃ちゃんの胸の鼓動が伝わる。
私と澄乃ちゃんの乳首が擦れ合う。
「はぁ…あっ…ああんっ…あっ…」

気持ちいい。
身体が軽くなる。

自然に二人の手が、互いのあそこをまさぐる。
愛液が、ぴちゃぴちゃと溢れ出す。
「うふふ、しぐれちゃんのあそこが、嬉し泣きしてるよ」
「澄乃ちゃんだって、あそこがピクピク震えながら喜んでる」
「しぐれちゃんだと背中が痛むだろうから、私が下になるね」
澄乃ちゃんが上体を寝かせる。
私と澄乃ちゃんのあそこがくっついた。
私は腰を動かして、自分のあそこを澄乃ちゃんのあそこに擦りつける。
「ああっ!いいっ!気持ちいいよぉ!」
「ううっ!わ、私も…気持ちいいっ!」
擦れ合うあそこから、くちゅくちゅといやらしい音が聞こえる。
何て気持ちいい音なんだろう。
二人の愛液が、ベッドの上を浸している。
あそこの花弁が、クリトリスが熱を帯びる。
その熱が、やがて全身を覆ってゆく。
心の奥底で、淫欲の炎が燃えさかる。

「はぁん!しぐれちゃん…、そんなに動くと…、傷がすれちゃうよっ…」
傷?私、怪我していたんだっけ?
解らない。ちっとも痛くなんかない。
それよりも、もっと、もっと激しく動くんだ。
煮えたぎる愛液が、この身体を溶かしてしまうまで。

「しぐれちゃん…、しぐれちゃん…、一緒に…、一緒に行こう…、ああああっ!」
「澄乃ちゃん…、私も…、私も…、一緒に…、行きたい…ううっ!」
澄乃ちゃんの身体が波打っている。
快感の頂点を求めて、私の腰が激しく動く。
意識がだんだんとかすれてゆく。
その意識の中で、ひときわ大きな快感の波が、二人を飲み込むのが見えた。
「しぐれちゃん!私…もう…いっちゃう…いっちゃうよぉ!うわぁーーーーーーっ!!!!!」
「澄乃ちゃん!澄乃ちゃん!澄乃ちゃん!あああああああああーーーーーっ!!!!!」
背中から頭上へ突き抜ける電流のような刺激。
その瞬間、私と澄乃ちゃんのあそこから、大量の愛液が周囲に飛び散った。

ふらふらと、澄乃ちゃんの上に覆い被さる。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…、」
澄乃ちゃんの荒い息づかいが間近に聞こえる。
肌に伝わる澄乃ちゃんの身体の温もり。
澄乃ちゃんがいとおしい。
離れたくない。
私は澄乃ちゃんに話しかけた。
「澄乃ちゃん…。私達…、いつまでも友達でいようね…」
澄乃ちゃんの頭が、こくんと頷いた。
頷いた澄乃ちゃんの目頭から、涙の雫が頬に流れていた。
77SNOW SS「友達」(22/23):02/03/16 13:25 ID:c4bIRHyF
ここは、粗末なプレハブ小屋の中。
温泉旅館の宿泊客が多数詰めかけている。
暗かった部屋の中に、スポットライトの明かりが灯る。
澄乃ちゃんと私が、観衆の前に浮かび上がる。
「お待たせいたしました。龍神天守閣名物、素人SMショーの開幕でございます。
どちら様も、存分にお楽しみ下さい!」
新支配人となったあの男が、マイクに向かってしゃべった。
麻縄で緊縛された私の身体に、澄乃ちゃんが蝋燭をかざす。
溶けた蝋が、私の肌の上に落ちる。
動きの不自由な私は、身体をくねらせて悶える。
麻縄が私の両胸を、そしてあそこを締め付ける。
澄乃ちゃんは緊張しているのか、動きがぎこちなかった。
私は心の中で、澄乃ちゃんに言った。

これでよかったんだ。
澄乃ちゃん、私は大丈夫だよ。
澄乃ちゃんと友達でいられるなら、私はどんな事も耐えてゆくことが出来るから。

時がゆっくりと流れてゆく。
ショーの会場でもあるプレハブ小屋で、私と澄乃ちゃんは暮らしていた。
仕事は大変だけど、それ以外ではとても幸せだった。
二人一緒で野山を歩き、二人一緒で買い物をして、二人一緒で同じ布団に眠る。
澄乃ちゃんが好物のあんまんを私に分けてくれれば、澄乃ちゃんに私は好物の雑炊を作ってあげる。
そうして季節が巡り巡って、翌年の観光シーズンも終わって、龍神村にまた冬が訪れようとしていた。
78SNOW SS「友達」(23/23):02/03/16 13:26 ID:c4bIRHyF
ある日、澄乃ちゃんに一通の手紙が届いた。
差出人は、澄乃ちゃんのお父さんだった。
手紙を読んだ澄乃ちゃんが、私にも中身を見せてくれた。
そこには、私への謝罪と、借金の返済が終わって自由の身になって、
今はお母さんと一緒に暮らしているという事が書かれていた。
お父さんが無事でいることに、澄乃ちゃんは大いに喜んでいた。
私も、今の澄乃ちゃんのお父さんなら、許せそうな気がした。
その時、部屋にある電話のベルが鳴った。
私が電話に出る。
「出雲だ。あんたたちの仕事が予想以上に好評だったんでな。
儲けた金で、来年からプロのモデルを呼ぶ余裕が出来た。芝居小屋も改築して今より大規模にする予定だ。
それで突然なんだが、あんたたちにクビを宣告することにした」
「そ、それって突然…」
「給与はいつも通り、あんたたちの口座に振り込んである。今回は退職金のつもりで多少上乗せしたがな。
雪でこの村が下界と閉ざされる前に、好きな処へ立ち去るといい。
それから澄乃に伝えておいてくれ。両親と仲良く暮らすんだぞ、と」
ここまで聞こえた後、電話が切れた。

私達も、自由の身になったんだ…。

受話器を持つ私の手が震える。
それを見た澄乃ちゃんが私の元へやって来て言った。
「どうしたの、しぐれちゃん」
上手く言葉を表現できない。思わずヘンな事を口走ってしまう。
「わ、私達…、クビになっちゃった」
「ええ〜っ!じゃあ私達どうなるの?お金が無くなるとあんまん食べられなくなっちゃうよぉ〜」
「違うよ澄乃ちゃん、私達は自由になったんだよ。これからは村の外でも何処へでも行けるんだ」
「…じゃあ、お父さんの元へも行けるのかな…」
私は澄乃ちゃんの問いに頷いて応えた。
「や、やったーーーーっ!」
澄乃ちゃんはそう叫ぶと、プレハブ小屋の外に飛び出してゆく。
「ま、待ってよ澄乃ちゃん!」
私も澄乃ちゃんの後を追って、プレハブ小屋の外に出る。
先に外へ出ていた澄乃ちゃんの右手が、私の左手をしっかりと握った。
そのまま、雪の上を走り出す。
手をつなぎ合って、澄乃ちゃんと私は笑いながらプレハブ小屋の周囲を駆け回る。
「私、嬉しいよっ!お父さんやお母さんと一緒に暮らせるんだよっ!」
「良かったね、良かったね澄乃ちゃん」
「それでね、しぐれちゃんも私と一緒に暮らして欲しいんだよっ!」
「えっ、いいの…、私が一緒にいても…」
「当然だよっ!しぐれちゃんは私の大切な友達なんだからっ!」
澄乃ちゃんの一言に、私の涙腺が緩んだ。
「しぐれちゃん、泣いてるの…?」
「うん…、泣いてる…、嬉しいから泣いてるの…」

駆け回る私達に、小春日和の陽光が降り注ぐ。
それは、私と澄乃ちゃんが持ち続けていた希望。
今握っているこの手が離れてしまわないよう、私も澄乃ちゃんと一緒に走り続けよう。
澄乃ちゃんは、私にとってかけがえのない、大切な友達だから。
いつまでも、いつまでも…。

(おわり)
79十五部 五二六:02/03/16 13:28 ID:c4bIRHyF
カキコ完了。

エロ部分までアフォみたいに文章書き込んでるから、読んでもらえるか心配だ。
未発売の作品ゆえに、事前に設定をでっち上げて詳しく書き込まんとイカンのが辛いところ。

しぐれの設定が安直だというのは、自分も痛いほど解っておるのだが。ただ、個人的にこの手の設定は
好きだし、孤児(よりも未亡人が多い)がウリをやって生活の糧にするというケースは、民俗史において
いくつか報告されていたように記憶しているので…。逆に、しぐれは特殊能力がある故に(例えば雪女等)
孤立しているという設定にすると、そこからの救済というテーマを無視出来ない事から、どうしても鬼畜
モノにはなりにくいなぁ、と思うわけで。

クスリの描写はあれだと子供騙しみたいに思えそうだが、他のwebページを見てたら結構キキそうだと
いう事なので、一部誤魔化してそのまま通し。
硫酸や水酸化ナトリウム溶液も考えたけど、洒落にならないんでボツに。
クスリではなく熱湯も候補に上ったが、後の行動に支障が出そうなのでこれまた却下。

心残りなのは、行数と進行上の都合でパイズリを入れられなかった事で。これは将来書く機会が
あったらなんとか実現させてあげたいと思い…。
あと、勝手にレズシーンの対象にしてしまった澄乃のファンの皆様。悪役にしてしまった旭のファンの
皆様。出番が全くなかった桜花と各サブキャラのファンの皆様。謹んで心からお詫び申し上げます。
80名無しさん@初回限定:02/03/17 06:38 ID:rwNKJwJD
うおお、すげえ長編あとでゆっくり読もう。

こんな話が出てる。このスレ以外にもあるエロゲ板・ネギ板のSSを
集めようって話。
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1010164498/650-
81名無しさん@初回限定:02/03/17 08:20 ID:9AA6+ifD
 
8235HR:02/03/25 02:51 ID:jmhN/bxS
HRサイトから、SS補完サイトにリンクさせてもらいました。
ご報告までに。
http://muvc.net/hrgame/hr_top.htm
83名無しさん@初回限定:02/03/26 09:45 ID:mJXJN7e9
さびれたな
84投票忍者:02/03/27 01:00 ID:JwzQTEx9
ごめんなさい最萌支援にチト場所を借ります。
いい歳した肉体労働者が初めて書いたSSです(コレをSSと呼んでいいものか?も判りません)

内容はライアーソフト・腐り姫の【幕間演出(本編パロディ)である『盲点』のパロディです】ので【腐り姫本編とは無関係です】
よって【ネタバレになる様な部分はありません】ので安心して読めますが、文章がヘタなんで不安になるかもしれません(w
推敲はしましたが不慣れなため読みづらいとおもいますので【おもいきって斜め読みしちゃってください】

以下10分割で上げますので、お邪魔でしょうがアゲ終わるまで放置をお願いします。お詫びはまた後ほど、あとがきにて…
タイトル:稲荷杜盲点外伝〜御用聞き頂上決戦〜
85盲点外伝1/10:02/03/27 01:01 ID:JwzQTEx9
 関東最後の秘境・稲荷杜(とうかんもり)。
ときおり不可解な死亡事故がおきちゃったりする事もあるが平和な町である。
名所・名産特になし。無理に挙げれば「アクの強い住人達」ぐらいか?とまあそれぐらいに何もない町だ。
そんなヒナビた町の商工会議所の一室。静寂に満ちた部屋に2人の男が対峙している。

「今日こそは…」眼鏡の青年が沈黙を破った。
風貌こそ学者のようだが、飾り気の無い長袖シャツやスラックスのそこかしこに立体感を与えているのは
まぎれも無く鍛え抜かれた筋肉である。

「…決着を着けようか」応じた男も見事な肉体をしている。
こちらはその肉体を誇示するかの様にジーンズにランニングシャツ姿、剥き出しの腕の太さは眼鏡以上に見受けられる。
しかし服装は若いが実年齢は眼鏡よりかなり上、実年というかストレートに中年といったところか。
歳で負けても風貌は互角、眼鏡にはないワイルドさがウリか?。会社の金で自分主演の映画を取ちゃうような二枚目だ。
『キムタクよりカッコいい』と自称してもよいのではないだろうか?。

「われらの『勢力分布』はほぼ同等。他の奴らは既に引退…駅前ストアに取り込まれた」
遠い目をしながら中年が続ける。東洋人にしては彫りの深い面構えだが、高い鼻梁がほんのり赤い、酒焼けであろうか。

「古来より『御用聞き』といえば米屋。その事実を貴様に教えてやる。酒屋!」
眼鏡が語気を荒げた。言葉通りなら、この眼鏡の青年は米屋であり、そして中年の赤っ鼻が酒屋のようだ。

「ふふ 若いな、米屋?先代はそうじゃ無かった…」米屋の言葉を受け、中年の酒屋が挑発的に言う。
その言葉を遮るように「親父の事は言うな!」と叫ぶや、いまにも殴り掛かからんとする勢いの米屋。
酒屋が更に挑発するかのように言う「まあいい親子共々ワシが引導を渡してくれるワ!」

『御用聞き』それは古来より日本商業に根付いた訪問販売法だ。
各家庭をまわり、注文を受け・配達する、そして又注文を受ける…その一貫した訪問販売のシステムは
完成した円環をなし、地方在住者の生活に欠かせない。そして従事する者達は各家庭の生活習慣すら熟知し、
次のニーズを予知する(つまり家庭別に「そろそろ欲しい」と思うモノ把握して先に売り込む)までになる。

 さらには『エキスパート』というべき者たちが居る。彼等は「商品を売る」だけにとどまらない。
訪問に際しての立ち話。その内容は「噂話」であったり「お悩み相談」であったりする。原始的マスメディアといえる。
それは家庭にこもりがちな奥様がたの娯楽となり、ストレス発散にもつながる。こうして信頼関係をむすんだ彼等は
「もうひとりの家族」とまでいうべき存在になる…そして更にその上になると…「本当の家族」になっちゃったりする(笑

 先ほど酒屋が言った『勢力分布』とは、この町内の家庭を人知れず、酒屋派と米屋派に2分している事をさしている。
くだけた言い方をすれば、『二人して町内中の奥さんを半分づつ喰いまくった』のである。片田舎では良くある事だ(嘘
それだけなら単に『ご町内の間男No1決定戦』なのだが、実はこの問題はそこだけに止まらない。
86盲点外伝2/10:02/03/27 01:02 ID:JwzQTEx9
 この町の酒屋と米屋は扱う商品がいくつかダブっている。具体的には酒と味噌はじめとする食卓調味料である。
米屋で酒などを扱うのはかなり異色ではあるが、まるで関連のない話でも無い。なにせ酒は米を原料としている。
良い酒を造るには良い米が必要不可欠――こだわりある杜氏(酒の仕込みを行う人々)ほど、そこに至るものだ。
そのような杜氏は自らの手で稲作から仕込みまでを一環して行う様になる。『こだわりの味』というヤツだ。
そして米屋は、そんな杜氏の家と、米の専売契約している関係で扱っている。しかもそれらは名酒と呼ばれる酒だ。
米屋派の家庭ではチョット高くとも、酒・調味料は米屋で買う。つまり酒屋の儲けが減る。そして逆もまたしかり。

 つまりこの勝負には店の売り上げと色男のアイデンティティが掛かっている。
ちなみに数年前先代の米屋――つまり青年の父が酒屋に負けた事により、一時的に勢力は酒屋へと傾いた。
しかし青年が米屋を継ぎ、まさしく「精力」的な活動により五分にもどしつつあった。
そして迎えた直接対決、どちらにしても負けられない一戦である。

 ドンドンパフパフと自分達で用意した鳴り物と紙吹雪の中、
米屋と酒屋はブリーフ一丁の正調村西スタイルで相対した。
「決着の方法は御用聞きの基本中の基本である『人妻コマシ』勝〜負!」
米屋が高らかに宣言する。スター水泳大会における、往年のお○もま○おを彷彿させる宣誓であった。
…しかしどう考えても、公序良俗に反する『基本』だ。

「判定は公平を期す為に、双方未だ手付かずの此の方にお願いしました〜」
酒屋が大袈裟なジェスチャーで後方に手を振ると…そこには――

「あの〜ココどこで…「本日のジャッジはぁ〜簸川芳野さぁん!」ドンドンパフパフ!
米屋&酒屋が芳野の疑問を遮るように、ジャッジという名の生贄を盛大に紹介する。
この日の為に御用聞き達は、この美しき未亡人が盲目なのをいい事に無理やりご招待したのだ。
断じて拉致監禁では無いので、芳野の問には答えられない。というか「問われてはいけない」のだ。

「あ…あの私はどうしてココに?とゆうかココは…」どどーん!
唐突に和太鼓が鳴り響き、芳野は反射的に縮こまる、又も疑問を遮られた格好だ。
『先攻米屋!ギャジメェ』どこか電子音ジミた音声が有無を言わさず米屋の先制を宣誓した。

「ええと、あのどちらさまでしょうか?」自分へとにじり寄る、殺気にも似た気配に芳野が誰何すると
「はっはっは、奥さん。私は米屋です」と正しくもどこかズレた答を返しつつ、するりとブリーフを脱ぐ米屋。
デロンと、まろび出たイチモツはかなりデカイ。が、しかし――
「う ぉ お ぉ 〜」そのモノを見た途端に酒屋が叫んだ!
87盲点外伝3/10:02/03/27 01:07 ID:fqXVyhWU
「う わ ぁ ぉ っ キッタネぇなぁ、勝負の日ぐらい洗って来いよ!」酒屋が吼えた。
見れば米屋のナニの雁首にはグルリと白い輪が出来ている…というより全体が白濁色をおびている。
その色といい、質感といい、陰部特有の恥ずかしい垢を彷彿――というかそのものだ。

「なっな…ナニを言うか! 『痴 垢』ちゃうわ!」
と慌てて否定する米屋。指でその白濁をすくい、ホレと酒屋に差し出す。
「ち ょ っ ち 舐 め て ミ ソ ?」

「ひ ぇ、え ん が ち ょ!」指を交差して飛び退く酒屋。
それを見た米屋はヤレヤレと溜息をつき
「じゃあ奥さん味見して」と芳野の口へと指を差し入れる。
盲目ゆえに何の抵抗もせず指に舌を這わせる芳野。
「あら?この滋味にあるれるお味は…」

「そうです!主成分はビタミンB1・ビタミンEそしてオマケに繊維質…
 〜不要だなんて思ったら大間違いよ、栄養源!お米の先のふくらみはカッケも直す証拠なの〜
 不要物のようで、さに在らず!皆様の美容と健康を支える『米ぬか』です!」
「!?な ぁ に ぃ 〜」酒屋が驚愕の叫びをあげた。

〜中国武術ニ『毒砂掌』ナル暗殺ノ秘術アリ〜
『毒砂掌』それは「毒手」とも呼ばれる暗殺者が行う特殊な武術トレーニング法である。
焼けた砂礫に拳や抜き手を突きいれ、焼け爛れ傷ついた拳を木の根などから生成した毒液に漬け込む。
そして解毒剤を飲み毒に耐える。――そんな過酷な修行を何年も毎日繰り返し続ける事、幾星霜。
やがて拳や指先が「毒」を帯びて、ターゲットにかすり傷を負わせるだけで命を奪うことが可能となるのだ。
まさしく「必殺」の暗殺術である。しかしそのトレーニング法自体が危険極まりなく、すでに伝承者も絶えた秘法だ。

 なんとこの青年米屋はその失われた業を現代に蘇らせ、独自の性トレーニング法へと昇華させていた。
その手法とは、精製前の玄米の中に己の陰茎を突き入れ痛めつけ、その後に米の砥ぎ汁に漬け込むのだ。
すると玄米との摩擦により陰茎が大きくハレあがり、傷口には米の研ぎ汁が染み渡る。
そしてハレがひく頃には元よりサイズ・硬度共に増し、それどころか陰茎全体が『米ぬかエキス』を帯びるに至る…
かくて『味よし』『サイズよし』『健康によし』のイイ事づくめの業物が出来上がるのだ。
88盲点外伝4/10:02/03/27 01:08 ID:fqXVyhWU
「ぬう!そんなウラ技があったとは…」秘密のトレーニング法をせっせとメモに取る酒屋。
メモっても無駄だ。下品すぎて伊藤家で採用される訳が無いし、第一、常人にマネ出来るレベルではない。
酒屋は明らかに動揺していた。――あの巨根に加えて『美容と健康』とはこれはマズい…
そう!無駄な薀蓄を語るみの○んたがモテる謎、生前から死化粧していた婆さんが巨額の遺産を残せた謎、
それらの謎を解くキーワード、それは『美容と健康』である。

 それこそはまさしく彼ら御用聞きのターゲットである奥様達の『最大にして唯一の関心事』であるといっていいだろう。
それを上手く取り入れ、実践レベルまで引き上げた米屋の才覚…まさに恐るべし。
 女性情報誌の人気特集記事である「セックスでキレイになる」などという興味本位の猥談のレベルを遥かに凌駕し、
「米屋と浮気でキレイに健康になる」というガチンコ実践体験は、町の奥様の口コミで広まったのも頷ける。

「勝負あったな!酒屋。俺は親父とは違う事が理解できたか?」
勝ち誇る米屋は調子に乗り
「ほ〜ら綺麗に健康になるお薬ですよ〜」などと言いつつ、
一見不潔そうな陰茎を差し出せば、
「えっホント?」何事も疑わぬ童女の様に躊躇なく陰茎を口にする芳野であった。
なんともマヌケな和姦成立シーンである…

「さて準備万端、イキますよ奥さん」芳野の口内で十分なサービスを受けた米屋は、芳野を軽々担ぎ上げる。
芳野のロングスカートをたくし上げ、パンティをずらすや一気に挿入した。衣服を脱がず事なく!だ。
「服も脱がさねぇでスマねぇな奥さん?間男の『こだわり』ってヤツなんだ」嫌なポリシーを語る米屋。
 間男たる者その関係を知られてはならない――危険な情事に身をやつす者としては当然の心得である。
それゆえ、奥様に嫌疑が掛からぬように、何時でも逃げ出せるように、脱衣は最低限に留めるのが作法。

 とはいえ、ここは3人以外は人気の無い密室。おまけに2人の間男は素っ裸である。なんのきがねが必要か?
これでは――
娘をソフ倫規定年齢という高いハードルを越えるまで育てたというのに、いまだ重力に逆らい続けるたわわな乳房。
年相応に脂の乗った尻。かつて妻と呼ばれた事があるとは思えぬ程、清楚な色を保持した花弁。
そのいずれもが直視できないではないか!はた迷惑極まりない、読者サービスというものを完全に無視している。

 そんな間男のポリシーはさて置き、話を戻す。いま米屋が力技を披露している体位はいわゆる『駅弁』である。
この青年、見た目は文学青年のような風体だが、やはり米屋・されど米屋、なのだ。
日頃から、未亡人の一人暮らしに1袋、新婚夫婦に2袋、二世帯住宅大家族にどーんと一俵米俵!というふうに
米を担ぎに担いで(ついでに奥様も担いで)鍛えた抜いた肉体である、芳野一人など造作もなく上下させる。
密室に肉と肉がぶつかり合う音が響き渡る…そのリズムに乗せ、やがて芳野の嬌声が奏でられる…
89盲点外伝5/10:02/03/27 01:11 ID:fqXVyhWU
 米屋の荒々しく若い性技を受け、初めこそ苦痛の呻きをあげていた芳野だが、
すぐにも、うめきはあえぎに、拒絶は許容に変わった。
いまでは米屋の腰が奏でるリズムに、肉体を、嬌声を合わせる様になっている。
火が出そうなピストン、これもまた米屋のトレーニングの賜物なのだった。

 そんな米屋のハードトレーニングを裏づけするエピソードがある。
それは商工会が町興しの一環として催した「とうかんもり巨大餅つき大会」でのことだ。
屋久杉を切り出して作られた巨大臼に1トンのモチ米を投じ、町の男衆が総出でつきあげた。
 これは町内外の話題を呼び、たいそうな集客を見せものだ。
しかし話題の中心は「餅つき」自体ではなく、
屋久島で屋久杉を無断で切り倒した駅前グリル『ぎとぎと』のマスターである。
いろんな意味で話題の人物となった。国会でも話題になった。とゆうか問題になった。

 しかしもう一人注目された人物がいる、それが米屋だった。
両手に一本づつ杵を持ち、左右交互に高速でつき続けるその業は、
腕力のみならず強靭な下半身の安定があってこそだ荒業だ。

東京から取材に来ていた新聞記者をして
「すごいわ!なにか暴れ太鼓を見ているみたい。他の人がマーチやロックのリズムなら、
 あのお米屋さんはツーバス!スラッシュメタルのリズムだわ」と言わしめた。
これにより米屋は一気にファン層を拡大し、先代が破れて以来不利であった勢力をほぼ互角にもどしたのである。

勝利を目前にした米屋は
「『あきたびじん』にぃ〜『ひとめぼれ』ぇ〜『亀の尾』つっこむ『どまんなか』〜」
などと旭の自動車ショー歌の卑猥な替え歌を口づさみながら、御機嫌で芳野を抱えて部屋を練り歩いている。
芳野の高まりも頂が見えかけた刹那、どどーん
完全勝利すんでのところで…タイムアップの和太鼓の音を聞いた。

 赤ら顔を青くしていた酒屋は冷や汗をぬぐった。
「フン、時間か…命拾いしたな酒屋、しかしもはや勝負は決した」
不敵に笑う米屋。「いいや、判ってないなボウヤ。当方に秘策あり――だ」
『後攻酒屋!ギャジメェ』どどーん

ようやく顔に赤味が戻った酒屋がブリーフを脱ぎ捨て、いまだ荒い吐息をつく芳野の手を引き、
部屋の隅へと導くと、そこにはカーテンで仕切られたスペースがあった。
酒屋がすらりとカーテンを開くとそこには…
「な に ぃ !」米屋が叫んだ。
90盲点外伝6/10:02/03/27 01:12 ID:fqXVyhWU
「さぁて奥さん、まずはコイツを握ってもらおうか?」
酒屋が好色な声色で囁き、芳野の白魚のような手を掴み、手前へと引きつける。
「酒屋め!なんてイヤらしいマネを!だめだよせ!奥さん…」
「外野は黙ってろ!」酒屋の恫喝に、米屋は沈黙する。
「さあ」と自らの大きな手で、芳野の手全体を包みこむようにして(コイツ)なるモノを握らせた。

「えぇ…えっ…あっ?なんか硬くてザラザラしてて…先っぽがくびれてる…コレって?」
「そうさ想像通りのモノだよ」と嬲るような返答を酒屋はした。すでに言葉攻めという前戯が始まってるのだ
「酒屋!ソレは人妻いや人体いやいや人類に対する冒涜だ、いくらなんでも…オ ロ ナ ミ ン Cは無いだろう!」

部屋の隅に隠されていたものとは、酒屋が趣味で集めた「空き瓶コレクション」であった。
世の東西、時の古今を網羅して、机をひな壇にずらりと並べられた瓶の山。
一見すれば夏の糞暑いさなかに行われる、お涙ちょうだい・お金もちょうだいのアレにも見える光景だ。

「フンなんとでも言え」と意に介せず、酒屋は芳野に
「あんなデッケえガキがいるんじゃコイツの方がいいんじゃねえか?」と握らせたのは
オロナミンCより、サイズ・値段ともにチョットお得な『デ カ ビ タ C』だった。

「あんな空き瓶が奥さんをアンナとこやコンナとこを」身悶える米屋。
まだ年若くストレートな性交を好む米屋にとっては、瓶などの異物挿入は邪道。
しかしそれ故か?普段見慣れぬシュチュエーションがツボに入ったらしい。米屋は空ろな表情で、
「ああ無機質な…ビイドロの…器具が…奥様を…出入りする」とブツブツ言いながら妄想に拍車を掛けている。

「いやよ。こんな太いの入らないわ」とイヤイヤする芳野を見て、
酒屋は(コイツはMだ…)とほくそえんだ。ややSな酒屋にとってMならお手の物。ヨシ!もう一押しだ。
「フッこんなトコでネをアげられちゃこまる。ウチは酒屋だ、コイツをご馳走しなきゃなんねぇんだよ」
と握らせたのはビール瓶(小)である。あぁそんな――と益々顔を赤らめる芳野に矢継ぎ早に握らせていく。
「その次はコレ」中瓶。「チョット慣れたらコレ」ダルマの愛称で知られるウィスキー「さらにコレ」コーラペットボトル1L…
いまや酒屋はノリにノッテいた、自分の言葉攻めに酔っている感もある。

 芳野も言葉に嬲られウットリとしている。そして酒屋はトドメとばかりに言い放った。
「そしてぇ最終的にはぁコイツだぁ!」「ええ!?コレはナニ?すごくおっきい!」
間髪入れず酒屋が自慢の喉を披露した。「お れ と お 前 と、大 五 郎 ぉ 〜」大五郎お徳用サイズだった。
「… い く ら な ん で も そ れ は … ム リ 」米屋と芳野の声がユニゾンした。

参考リンク『人体と大五郎の比較図』(ttp://www.kyowa.co.jp/syurui/gallery/daigoro.htm#2
91盲点外伝7/10:02/03/27 01:13 ID:fqXVyhWU
「キサマ!そんな器具を使うのはうらやましい…もといズルいぞ!そんならウチもプラッシーを出すぞ!」
不平を漏らす米屋にむかい、
「推定出荷本数○千本未満がナニを言う!コンビニ売りされない様な、弱小飲料はだまらっしゃい」
と全国の米屋と武田製薬を敵に回すようなことをピシャリと言いすえて、
「まあ今日のところはコイツで勘弁してやるか」と酒屋が言う。

ホレと渡されたビンを撫でる芳野。
「あぁ他のビンよりスベスベでデコボコしてて素敵」陶然とした表情で撫で回す
「奥さんは東京から来たんだってなぁ、ソイツは都会モンにはキクぜ?」
不敵に笑う酒屋が芳野に渡したビンとは
清涼感溢れる水色と独特の凹凸あるデザインが、なるほど都会暮らしには郷愁を誘う…ラムネの空き瓶だった。

「さあて可愛がってヤルから横になんな、奥さん」
酒屋は素直に従う芳野の下腹部にラムネ瓶を挿入する。
先の米屋との激しい行為、加えて酒屋の言葉攻め(最後に冷めているが…)で芳野のソコは必要以上に潤っている。
なんの抵抗もなく飲み込まれていく。
「ほれ見てみろクビれのトコが行ったり来たり…キクだろ?」酒屋は言葉攻めを再開した
その声は既に快感酔っている芳野にはもう届いていないし、そもそも盲目ゆえ見ることができない。しかし――

「アぁんスんゴい、クビれのトコが出入りするタビにぃ…」
ややハスキーな声が酒屋に応じる。
「ホレ、瓶のなかにオメエの汁が溜まってきたぜ」
盛り上がる酒屋。やっぱり盲目の芳野は見えない。が、
「ほっホントに、瓶の中でチャプチャプと…イヤ!許してぇ」
先ほどよりカマっぽい金切り声で答えていたのはお約束的にカブリつきで見ていた米屋だった…
「なんでお前が返事すんだよ!」米屋が殴られた。

「あの…喧嘩はヤメて下さい、わたしが盲目なのがイケないんです…ゴメンなさい」
芳野は意味もわからず誤ってみた。激昂した2人組の陵辱鬼が…という怖い考えに囚われたからだ。
酒屋は気を取り直して次策をくりだした。
「でも音はよく聞こえるよな?」といやらしく言い放つや、ラムネ瓶を激しく出し入れしはじめた。
92盲点外伝8/10:02/03/27 01:15 ID:fqXVyhWU
「ホーレ、耳澄ましてみろや、ビチャビチャ音が聞こえるだろ?それに濡れた水音だけじゃなく…他にも…な?」
「?あっあぁ!聞こえます!響きます!お腹のなかで…」
「そうさ、オマエの膣内(ナカ)を駆け巡る!ビー球の音さ!」
まるで『世界の果てへと走る外車の排気音』を語るような二枚目声で酒屋がいった。
それならばそのビー球の音は、ココロが絶望していない人にだけ聞こえるのだろうか?
商工会議所の一室、美しき未亡人の吐息と、水音と、ビー球のカラカラという音だけが響く。

「さあて奥さんも楽しんでるみたいだし、そろそろワシも楽しませてもらうか」とブリーフを脱ぎ捨てる。
ブラ〜ンと米屋とは違った擬音伴って現れたモノは、竿こそ米屋に劣るものの、
驚愕すべきは信楽焼きのタヌキを彷彿させる酒屋自慢の大玉。酒屋だけに「多満自慢」だ。
常人の2倍は在ろうかという大玉は「ナンボでもダシまっせ」と主張している。まさに「盛年の主張」だ。
なるほどコレなら、風も無いのにブラブラ揺れたとて不思議ではない。

巨峰(種アリ)を揺らして仁王立ちする酒屋と、それを待ち受ける芳野。ある種の緊迫感が高まっていく。
その緊迫感が最高潮に達した瞬間――即ち交合寸前。ドドーンと無常なる試合終了の和太鼓の音が響いた。
「オメーが邪魔すッから時間切れになっちゃったじゃねぇか」玉をしまうのも忘れ、米屋を追い掛け回す酒屋。
空気抵抗を受けて中年の汚ねぇ尻の割れ目に袋が食い込んでいる。
大玉はなびいてアメリカンクラッカーのように揺れ弾む…滑稽だ。

しばしの間、全裸運動会((c)SOD)を行った2人は、流石に不毛である事に気付いたのか、
「さあ奥さん!あなたをトリコにした御用聞きは?イケナイ関係を結びたい御用聞きは?さあドッチ?」
気を取り直し判定を求めて、芳野に詰め寄る。唐突な展開に芳野はたじろいでいる。
「ホラホラ美容と健康!カッケも直るし」膝を叩いて足をピョコピョコ動かす米屋。
「お手軽にソロプレイ可能だよん」と空き瓶コレクションを見せびらかす酒屋。両者ここに至り必死の売り込みだ。

しかし当のジャッジ・芳野は、ここへきてやっと自分の置かれた状況に合点がいったのか、
「あっあぁコレってそうゆう勝負だったんですね、私てっきり〜脱 獄 し て き た 黒 磯 市 の 人 さ ら …」
「不穏当な事を口走らないように!それよりドッチが上か?お答えください!」
激しくハモる御用聞き達。

実を言えば二人とも今回の勝負を通じて、相手を認めつつあった。
今回の勝敗だけで全てが決着するとは思っていない。むしろこれは『スタート地点』なのだ――
しかし、切磋琢磨する上で現段階の2人の力量を確認したい。
言い換えれば、負けても良いからはっきりさせたいのだ。
「さあ!さあ!ドッチ!ドッチ」とにじり詰め寄る2人に、ゆっくりとした調子で芳野がジャッジを下した…
93盲点外伝9/10:02/03/27 01:17 ID:fqXVyhWU
――精神的にヤバイ人達だ。逆らったら殺される――芳野は初めそう考えていた。
だから、如何なる行為にも耐えた、されるがままに応じた。
ところが自分が拉致させた理由を聞けば「どちらの性技が上か?」を純粋に決めたいという。
そしてこれ以上は何もされないというのである。どこか狐狸に化かされた気がする。

 ホッとして冷静になってみれば、思い返してみると確かに二人とも紳士的ではあった。
芳野自身、夫と死別してから長いことゴブサタであった事もあり、正直気持ちよかった。ちょっと得した気分だ。
しかし、二人の鬼気迫る様子からして「どちらが上か?」を判定しない限りは開放されないようである。
最悪「もう1ラウンド延長戦!」というケースもありうる…あっソレいいかも!などいう不埒な考えを追い払う芳野。

 なるほど世の奥様方が夢中になるのもわかる。夫・子供の居る身でありながら、不貞に溺れる背徳感たるや…
…背徳感…?   しばしの間、芳野は自分の心と自分の肉体をみつめなおした。
思えば悲しみ多い人生であった。その合間に訪れるわずかな喜び・希望。
そして、虚飾を捨て去った後の心に、ポツリとひとつの『答』が残った。
それは幾ら願おうと叶わない、それ以前に願う事が禁忌とされるモノであった。しかし…
永い沈黙を破り、芳野がゆっくりとした口調で判定を下した。

「どちらもダメ…」――「「は い ?」」それは一体どうゆー事でしょう?と頭上に【?マーク】を浮かべた2人。
「どちらも ダ メ です、燃えないんです…」と芳野が判定をくだした。
 性交率100%を自称し「落ちない人妻はありえず」を確信している2人にとっては受け入れがたい回答。
【努力と若さの米屋】対【老獪な技巧と言葉攻めの酒屋】 差は僅差、紙一重といって良いだろう。
それゆえに、この勝負を決するのは、――ジャッジの好みしだい――と2人は予想していた。
「ドチラもダメ」というのは2人にとって信じられない話なのだ。

「やっぱり浮気ってイケナイ事だと思うんです。それでイケナイ事の方が燃えるっていうのも判るんです。」
「でも、私は…気付いてしまった…最 高 の タ ブ ー に!」芳野はすっかり自分の世界に入っている。
「「あの〜そこをなんとか、あたしらのドッチが上か?だけでいいんで…」」ヒキぎみな御用聞き達が遠慮がちにお願いしても
「だめです!至高・究極が決まった以上、それ以外はカス! カ ス に 順 位 な ど 不 要 !」とニベも無い。

 すると突如として部屋のドアが開き、簸川五樹が飛び込んでくる。
「かあさん!ここに居たの!急に居なくなるから心配したんだよ。」手を広げて近づく五樹。
芳野は声を頼りに走りよる。「ごめんなさいね、かあさん道にまよっちゃって…アッ」
躓いたフリをして抱きついた芳野は、五樹の胸で頬をうずめて満ち足りた表情をみせる。
「もう迷わないように道案内よろしくね五樹。それじゃおじゃましました〜」
いそいそと手を握り合い出て行く簸川親子を、呆然と見送る御用聞き達。
94盲点外伝10/10:02/03/27 01:19 ID:fqXVyhWU
「あの奥さんのツラみたか、米屋?」 「ああ、見た。恋する乙女の顔だ。女学生のツラだった」
「あのアンちゃん『かあさん!』って呼んでたよな?」 「ああ、呼んでた」
2人残された部屋の中、酒屋と米屋がウツロな会話を続ける。
「間男より近親の方がイイつう事か?」 「俺らもまだまだ修行が…つうか普通にマズいだろ近親は」
義理の関係とは思いもよらない両者は納得いかない表情だ。いや、義理でもホントは不味いんだが…
義理ならOKと偉い人が言ったのでセーフなのだ。世の中不思議なボーダーラインが在るのだ。

 部屋に取り残された御用聞き達はいそいそとブリーフ一丁で後片付けをしていた。やがて寂しき祭りかな。
「とりあえずノーカウントつーこって」と酒屋。
「『ぎとぎと』で打ち上げでもしましょか?」と米屋。
どちらからともなく頷き合う「御用聞き悪魔超人タッグ」の2人。試合を通して培った友情パワーは本物のようだ。
…しかし、その背後には…
…ん、アレ?誰も居ない…オチないじゃん


 場所は変わって、簸川家の雑木林にオチ役を放棄した蔵女がいた。
見れば地面に書いた土俵の上でカブトムシとクワガタを戦わせている。
その土俵の脇にはカナブンが控えている。おそらく次の挑戦者役なのだろう。
もしかするとバトルロイヤルかもしれない。いずれにしろカナブンにとってはかなり残酷な暇潰しだ。
あ〜あ〜蔵女サン?あの人達を赤い雪に変えて貰わないとオチないんですケド〜

「あれは絶対美味しくない…」
クワガタに挟まれてカブトムシにつつかれているカナブンに声援を送りながら蔵女が答えた。
「それにあのような爛れた大人の逝く末など見届けとうない…」
あ〜ごもっとも…貴方がそう言うなら仕方がない。

「それより…むしろ…芳野を…」蔵女の瞳に赤い妖色が浮かぶ
おお、蔵女サンが怖いことを考えはじめたんで、
『稲荷杜は今日も平和だ。』というところでお開きにしておいたほうが良さそうだ。

稲荷杜盲点外伝〜御用聞き頂上決戦〜(了)
95投票忍者:02/03/27 01:22 ID:fqXVyhWU
前置き>>84 SS本文>>85-94 タイトル「稲荷杜盲点外伝〜御用聞き頂上決戦〜」
クソ長い駄SSにお付き合いくださいまして、ありがとうございます。SSというより小ネタの連発でまとまりが無くてスミマセン。
頭の悪い肉体労働者が高校の反省文以来初めて書いた長文です。乱文・誤字・お下品等にお怒りの方々には
申し訳ございませんが「あぁ、馬鹿は普段こんな事考えて生きてるんだ」などと想像して笑って許してやってください。


【判りやすく書いたつもりの説明(嘘っぽくてもホントです)】
『腐り姫』第2殻・第一夜の「盲点」において邪竜フレースヴェルグさん扮する山鹿青磁が人妻好きである事をカミングアウトし、
「セールスマンになって団地妻と爛れた関係になりたい」と夢を語るが、いかんせん稲荷杜には団地がない。なげく山鹿青磁。
するとベヒモスちゃん扮する簸川芳野から「だったら米屋になればイイじゃない」というアドバイスを受ける、といった内容。

なぜ米屋なのか?酒屋ではイケナイのか?サザエさんでも御用聞きといえば『酒屋の三河屋さん』ですよ?
「御用聞きと言えば酒屋」というコダワリを持つ私にとっては憤懣やるかたない内容です。
ならばとるべき道は――実力行使あるのみ!で、書いてみますた酒屋SS。

・登場人物(および説明)
米屋(オリジナル・盲点中での山鹿青磁(役)の妄想に色づけ。謎No.229)
酒屋(オリジナル。謎No.216)
簸川芳野(ひのかわ・よしの。腐り姫本編主人公の母。後妻の為、義理の関係)
・ちょい役
簸川五樹(ひのかわ・いつき。腐り姫本編主人公)
蔵女(くらめ。同ヒロイン・くさりひめ)
グリル・ぎとぎとのマスター(けーこちゃん。ライアー固定ハンキャラ(笑)

・謝辞
協力:ウチの地元町内会会員である、お米屋さんと酒屋さん
米屋さん、「ぬか」に関する知識と素敵な替え歌を教えてくださいましてありがとうございます
酒屋さん、仕事の合間に話してくれた「間男武勇伝」勉強になりました。あんなに楽しいアルバイトは初めてでした
そして、「腐り姫」という楽しい時間を下さったライアーソフトさまに感謝いたします。

・付記
※本作は『盲点』の外伝ですので、腐り姫本編の設定を一部無視しています(ホントは簸川芳野が後妻であるのは有名...等々)
※投票所の告知をみて本格エロを期待した人が何人「ダマされた!」と文句言うかな…俺も嘘っ子の仲間入り〜(笑
※協○発酵のリンクはマズいかにゃ〜?
96ライアー支援:02/03/27 01:42 ID:EOlzfDxu
最萌えブランドトーナメント、ライアー支援のSS投下いく。
以下は設定。


登場人物
 ニキ・バルトレッティ   引きこもりで、喋るのがとても苦手な少女。
 杏里・アンリエット   「レズの王子様」。ニキの恋人で一学年先輩。性別は女。

シチュエーション
 杏里の卒業式(つまりふたりの別れ)を間近に控えて。
97ライアー支援:02/03/27 01:43 ID:EOlzfDxu
 別れの儀式は、血の鮮やかさを湛えた赤ワインの口移しから――始まる。



 最愛の恋人の熱く柔らかな口唇に吐息を覆いつくされ、少女――ニキ・バルトレッティは、
いっさいの緊張と懊悩さえもおのれの身体から脱け出していくのを感じていた。

 いつだってそうなのだ。きつく杏里の腕に抱かれ、その体熱を全身で感じとりながら頬に鼻を
すりよせているときにだけ、捨て猫をおもわせるこの引きこもりの銀髪の美少女にささやかな至福が
もたらされる。

(わたし、杏里のこと、好きだったんです。――知っていた?)
 もちろん、杏里は知っているに決まってる。

 だがそれでも、胸の中で問い掛けずにはいられないのだ。杏里を想うたびに、心臓を鷲づかみに
される甘く痛切な鼓動が高鳴ってしまうのだから。

 フレンチ・キスの舌をからめた濃厚な接吻に導かれて、唾液まじりのとろりとむせかえるような
ワインの芳香が咽喉の奥、流し込まれてゆく。酔いしれたようにニキはもうなにひとつ考えられない。
考えたくもない――卒業で離ればなれになる身のことなど。

 ベッドカバーが汗ばむ季節は夏、七月――ニキの年上の恋人である杏里・アンリエットの卒業が
迫った、ハイスクールの白昼の七月。

 クーラーはつけていない。シャワーは浴びていない。大海原を見下ろす窓は開け放ったまま、潮風と
ぎらつく太陽が部屋に射しこむにまかせている。一糸まとわぬ素裸をさらし、陽の当たる部屋で野に
棲む獣のように、求めあいたいのだ。

 言葉をもたない、必要としない獣たちのように――

(ちゃんと言えなかったこと、すごく後悔してたんです。知っていた?)
(誰にも渡したくないって、今でも思っているんです。
 ……知っていた?)

 それは、恋仲なのだから知っていたはちがいない。

 だが問題は、「どこまで」知っていたかという点だろう。言葉に言い尽くせない想いのたけを、どこ
まで恋人は汲み取ってくれていたのか。

「…………、杏里」
 むきだしの肌理(きめ)こまかな脚で、まるで母にすがりつく幼な児さながらに杏里の腰をしめあげ、
そして喘ぎをおしころしてささやいた。かすれたわななき声は酔いしれて芳醇な葡萄の香りを潮風に散らす。

 脇腹をたまらなく愛撫してくる口唇をとめ、何事かと尋ねかえしてくる杏里に向かって、ニキは弱々しく
微笑んだ。

「だれよりも……」
98ライアー支援:02/03/27 01:44 ID:EOlzfDxu
 そこで言いよどむ。単なる無口、という以上にひととの会話を苦手とするニキなのだ。たとえ相手が
恋人であっても――それとも、恋人だからこそ。



   だれよりも、あなたが大好きです……杏里。
   あなたよりもいとしい、大切な、この心を捧げてるひとなんて、昔の想い出のなかにもいません。
   そしていま、わたし以上にあなたに恋焦がれてる人だって、この地上にひとりもいません。あなたの
  たくさんの恋人のなかにだって、ぜったいに。
   ……生まれてはじめて抱きしめてくれたひとが、肌と心の熱さを教えてくれたひとが、あなただったんです。



 ――などというせりふを百万言かさねたところで、それでなにが変わっていたというのだろう。なにを
この手につかめたというのだろう。

 ほんとうに求めるものは、言葉ではなにひとつ手に入れられなかったろう――杏里が他の恋人たちを
振り切ってじぶんだけを欲してくれるという奇蹟も、時の流れをとめてふたりきり、永遠の学園生活の
サナトリウムにたゆたっている夢想も。

 おのれのちっぽけな後悔も独占欲も、すべては大洋を吹きぬける海風の前にあまりに卑小で無力きわまり
なく、そして、

 ――苦酸っぱく、そしてわずかに甘くもある、夢の終演がいま、目の前に迫っている。

「……だれよりも、だれにでも、杏里は優しいひとだから……
 だから、わたしにさよならを教えてくれることができないの……」

 その言葉に、ひどく面食らったように最愛の恋人、杏里は美しい青みがかった瞳を見開き、ややあって
ミュージカルの舞台さながらに華麗な言葉の花束をなげかけてきた。――雄弁で、そしてそれに見合うだけの
誠実さもかねそなえた恋人、杏里。当たり前の世間話さえできない自分とはあまりにちがうその気性に、
ニキは恋したのかもしれない。

「もう……なぐさめてくれなくていいんです……好きだから」

 そしてたぶん、ずっと好きでいられるから――ニキは内心ひとりごちる。影と光がいつも背中合わせに
寄り添っているように、わたしたちがこのままの魂でいられるかぎり、たとえこれから一生逢えなくても――。

 目許を静かにうるませて、ニキははにかんだ。

 なおも言いつのる杏里の頬を掌で包み、ふたたびくちづけを交わす。深く押しつけたままの口唇が震え、
声にならない言葉をつむいだ。
(じゃあ……さよなら。もう逢えないけど。……これは知ってたでしょ?)
99名無しさん@初回限定:02/03/28 01:28 ID:gzWdOrOv
>84-95&96-98
職人様お疲れです。

>84-95
エロなのにマターリとしててワラタヨ!
米屋と酒屋がオリジナルとは思えないくらいキャラが立ってて(・∀・)イイ!

>96-98
無口な少女のモノローグが(・∀・)イイ!ですね。
ただフレンチキスでは舌は絡めないと思いますが・・・それはディープキスでは?
10096-98にアラズ:02/03/28 02:16 ID:nqvpQtzM
俺も一時誤解してたのですが、フレンチキス=軽いキスじゃなくて
フレンチキス=濃厚なキス、ディープキスだそうです。
101えろ酒屋派(84-95):02/03/28 04:25 ID:xxLXB/sT
>99
 ヘタな長文にお付き合い下さってアリガトウございます。
普段テンプレ職人やってるもんで、レスいただけたダケでドキドキもんです(w
吉野家にしろ裁判長説諭にしろ「コピペうざい」ぐらいしかレスが無いもんで…
『読ませる文章』というのは難しいなと痛感しております
 ましてや支援という位置づけですので、他メーカー支持者へのアピールが
必要なんで、私は明らかに力不足〜と反省する次第です。

>96-98
 実は私も「例の台詞」を血眼で捜した一人でして(w なつかしく思いながら拝読。
2ch葱局地的に有名な台詞を織り込んだ手法に感服しております。
あの台詞探し祭りに参加した人達へのアピールにもなったと思います。

最萌は負けてしまいましたがイイ経験になりました。腕磨いて又チャレンジします
10296-98:02/03/29 09:14 ID:LMWmjJeU
俺の駄文に皆さんレスサンクス〜
読んで少しでも楽しんでくれた人がいれば本望だよ。
103とらハ3:02/03/31 06:40 ID:FpPF39gB
8月15日(水)
  稲神山渓流地帯上流
    PM10:20


 困った事になった。
 すっかり恒例となった美由希との山ごもり合宿。今年は夏にも
 実行する事になった。
 そんな訳で今俺と美由希は稲神の山中にいる訳だが……その合宿の
 主役とも言うべき我が妹、美由希がいない。
 30分ほど前についとどこかへ行ったっきりだ。トイレにしても
 遅すぎる。
 あいつの事だ、辛くて逃げ出すなんて事はあるまい。
 となると、遭難?
 ……初めて来た訳でもないのにそれはないか……いや、美由紀なら
 有り得る話だ。
 仕方のない奴だな。探しに行くか。
 そう思った刹那だった。
「いやあああああああああ!!」
「美由希!?」
 美由希の、明らかに悲鳴の色を帯びた声が山中に響き渡った。
 方向は……あっちか!
 俺は美由希の声のした場所へ向かって地面を思い切り蹴り付けた。
 気配が二つ……一つは美由希の物、もう一つは……殺気!
「美由希! どこだ!」
「恭ちゃん!?」
 声は近い。どこだ!? どこにいる!?
 大小様々な木々の隙間を駆け抜け、気配と声を頼りに探す……いた!
「美由希! 何があった!?」
 美由希は肩のあたりを押さえてうずくまっていた。
 手に持つ小太刀は折れ、服にはいくつか鮮血の染みが出来ている。
 襲撃された……? 美由希が?
 美由希にこれほど傷を負わす事は余程の相手でない限り出来まい。
 奇襲だとしても。
 相手は……。
「くっくっく……」
 人間だ。茶色の長髪をセンターで分けた、タレ目の男。
 卑しい笑みを浮かべながら、俺の方に目を向ける。
「恭ちゃん……」
 俺はうずくまる美由希とその男の間に身を留める。
「……美由希に何をした」
「おお、怖っ」
 軽い口調で男は返してくる。
「美由希に何をした」
「なんだよ、そんなに怒んなよ。俺善良な一般市民なんだぜ。
 ビビッちまうよ」
「気をつけて! そいつ、裏の人間だと思う!」
 その気配は察していた。
 軽薄そうな外見に似つかわない、澱んだ殺気。
 目もどこか虚ろに見える。こいつは……。
「ったくよー、せっかくこれからお楽しみって時によ……興醒めだっての」
 男の殺気が鋭利になった。
 来る!
104とらハ3:02/03/31 06:42 ID:FpPF39gB
「死ねよ」
 ビッ!
「……っ!」
 肩の少し下あたりに新たな傷が一つ。
 ほとんどモーションのない斬撃。完全にかわせなかった。
「恭ちゃん!」
 やはり……強い!
「何避けてんだよ」
「くっ!」
≪ギイイイン!≫
「受けんなよ。ウザイなお前」
≪ギイン!≫≪ギン!≫≪ギン!≫≪ギン!≫≪ギン!≫≪ギン!≫
 早い……それに一撃一撃が異常に重い。
 防御一辺倒にも拘らず一つ、また一つ傷が増える……。
「あーウゼエ!」
≪ギイイイイイン!!≫
「……!」
 流れるようなモーションで力を溜めた一撃。
 俺は為す術もなく身体ごと持って行かれた。
「つ……」
 腕が痺れる。
 強いなんてもんじゃない……格が違う。
「オラ、もういいだろ? 早く死ねって」
「……」
 視線をバラつかせて隙を探る。
 正面からじゃ何もできない。それぐらい差がある相手だ。
 …………駄目だ、どこにもない。
「じゃ、これで終わりな。もう動くなよ」
 男は無造作に剣を振りかぶった。
 こんな怠慢じみた動作なのに、全く隙がない。
「……シッ!」
 剣がものすごい速度で振り下ろされる!
 同時に。
 どくん!
 『神速』のスイッチが入った。
 男の動きがスローモーションに……。
105とらハ3:02/03/31 06:43 ID:FpPF39gB
「!?」
 その刹那、俺の右膝が断末魔の悲鳴を上げた。
 今までの痛みとは訳が違う。神経が壊れたかのような……。
「らああああ!」
 神速が解けていってるのか、男の斬撃が次第に通常の早さに戻る。
 まずい!
「あああああっ!」
 強引に身を捻って振り下ろしを避けた。
 が、起き上がれない!
「……何だよ、今の動き」
 避けられたのがよほど癇に障ったのか、神速に興味を抱いたのか。
 男の動きと殺気が止まった。
 ……油断!
「やあっ!」
 激痛に顔をしかめつつ、右手に仕込んだ鋼糸を男の目へ向けて放る!
「ウゼエっ!」
 咄嗟に左手で庇った。反射速度も並じゃない。
 だが、これで勝機が見えた。左手に鋼糸が絡まっている今が
 最大のチャンス!
「おあああああああああ!!」
 男の左手を切断する勢いで鋼糸を引いた。
「クソがあああ!」
 右手に持つ剣で鋼糸を切断しようとした男の隙をついて
 踏みこもうとしたその時。
≪ズキン!≫
「!?」
 膝の痛みが我慢の限度を超えた。
「……っ!」
 思わずその場に倒れ込む。
「……何だぁ? ピンチだと思ったのになあ。まあいいや」
 男がゆっくりと接近してくる……が、立ち上がる事すら出来ない。
 まずい……!
 そう思ったその刹那だった。
「それじゃ、死ねな」
 投げやりにそういって剣を振りかぶった男の顔面に。
「やあああっ!」
 美由希が折れた小太刀を放っていた。
 ザシュッ!
「ぐがああああああっ!!」
 男の声はその一辺に響き渡った……
106とらハ3:02/03/31 06:46 ID:FpPF39gB
12月23日(日)
  海鳴市藤見町 高町家
    AM6:45 


「……」
 夢を見た。
 忘れもしない、今年の夏休みでの出来事。
 得体の知れない男に美由希が襲われて、駆けつけた俺も圧倒された。
 最終的には目の付近に怪我を負ったあの男が逃げ出す格好になったが、
 こっちの被害も少なくはなかった。
 美由希は11箇所の切り傷。肩の怪我は4針縫う怪我だった。
 そして、俺は……あの日以来神速が使えなくなっていた。
 フィリス先生によると、膝自体は悪化してはいないらしい。
 だが、誰もいない道場で試しに神速を使ってみたところ、あの時と
 たような激痛が走った。
 それ意外の動きには全く影響がないだけに、どうにも不可解な現象だ。
「恭也、起きてるー?」
 そんな俺の悩みなどどこ吹く風、フィアッセの軽やかな声が滑らかに
 飛びこんできた。
「ああ」
 俺はそれだけ答えて、布団から身を離した。
 そんなこんなで、今一ついい滑り出しではない今日が始まる……。


   【AM7:30】


 この日、高町家の朝は普段より心持ち騒がしかった。
 もともと何かと騒がしい我が家ではあるが、今日は少し意味合いが違う。
 と、言うのも……。
「恭也ー♪」
 ご機嫌指数255(最大値)のかーさんが背中から抱きついて来た。
「楽しみねー、明日の夜。プレゼントもたーんと用意してるからねー♪」
 明日は世間でいう所のクリスマスイブらしい。
 我が家も多分に漏れず明日の夜はパーティーらしきものを開くとの事だ。
「翠屋はどうするんだ、店主」
「もっちろん全部片してから駆けつけるわよー。けどもしかしたら
 遅くなっちゃうかも」
「……繁盛するのは良い事だ」
「あはは、まあねー」
 などと幸せそうな顔で言いつつ、かーさんは俺から離れて行った。
 洋風喫茶店にとってクリスマスは当然かき入れ時。まして翠屋は
 やたらと評判がいいようで、テイクアウトも含めた客の数は
 毎年半端じゃない。
 しかも年々増えていたりするので、ここ数年は臨時ヘルプとして
 俺や美由希は勿論、レンや晶、挙句はなのはまでこき使われている。
 その教訓から今年は大々的に臨時バイトの募集を行った結果、
 身内のヘルプは必要なくなったとの事。
「かーさんとしては子供たちのせっかくのお楽しみを犠牲にするのは
 心苦しいのよ」
 ……という事らしい。
107とらハ3:02/03/31 06:48 ID:S4tMhJ6R
「おいレン、その飾りセンス悪いぞ」
「なんやてー! おさるのクセに人間様の美的センスに
 ケチつけるんかー!?」
「うるせー! 亀は亀らしく両手両足引っ込めて回転してろい!」
「あーーー!?」
「やるかー!?」
 レンと晶はいつもの通り小競り合いを交えつつクリスマスツリーの
 飾り付けを。
「くーちゃん、じっとしててね」
「……くぅぅん」
 なのはは久遠を使ってデジカメの調整を。
「それじゃいってきまーす」
「いい子にしててねー」
 かーさんとフィアッセは翠屋へお勤めに。
 それぞれがそれぞれに明日のクリスマスに向けて下準備をしている。
「恭ちゃーん……」
 そんな中、美由希が手持ち無沙汰にしていた
「私たちはどうしよっか」
「ふむ……」
 美由希は一応稽古の仕度をしていたようで、その格好に
 なってはいた……が、どうにも浮ついた雰囲気は否めない。
 この空気で修練、というのも……いささか緊張感に欠ける気が
 するし……。
「……今日は夜だけでいいだろう。皆を手伝おう」
「うん!」
 美由希は嬉しそうだ。
 さ、俺も何か手伝わないとな……。
108とらハ3:02/03/31 06:51 ID:S4tMhJ6R
   【PM10:15】


「ぜっ……ぜっ」
 美由希の鍛錬を終えた俺は、八束神社の近くの森で一人身体を虐めていた。
「はあっ!」
 仮想の敵を相手に刀を振るう。
 最近……あの夏の日以来、何故かはわからないが身体が……細胞が
 訴えていた。
 『もっと強くなれ』と。
「シッ!」
 虚空めがけて鋼糸を放る。
 今俺の目の前にいるイメージされた相手は……あの男。
 美由希を襲った敵。そして……。
「恭也……?」
「!?」
 いろいろ考えていた所為で、俺はその人の接近に気付けずにいた。
 声の主は……。
「美沙斗……さん?」
 御神美沙斗。とーさんの妹で、美由希の実母。
 そして、俺以外で唯一の御神流の伝承者。
 ……驚いた。
「そうか、ここは君の訓練場だったか」
「はあ……それより、何故こんな場所にあなたが……?」
 今は仕事で海外にいるという電話が美由希にあったばかりな筈だが……。
「優先すべき仕事が入って……急遽帰国したんだ」
「そうなんですか。という事は、今は仕事中?」
「まあ、そうかな」
 美沙斗さんと俺は神社まで歩き、階段に腰掛けた。
「何か……悩みでもあるのかい……?」
 意外な一言が美沙斗さんから発せられて、俺はしばし返答に迷った。
「え……?」
「さっきの鍛錬を見てちょっとね……何かを払拭しようとしている様に
 感じたから」
 見る人が見ればわかる、か。
 確かに悩みはある。
「よかったら話してみてはどうかな……桃子さんの様にはいかないかも
 しれないが、一応人生の先輩ではあるし、力になれるかもしれない……」
「……はい」
 多分、相談するとしたらこの人しかいない。
 だからこの申し出はありがたかった。
「神速が……使えなくなったんです」
「え……?」
 俺はその過程をかいつまんで話した。
「……膝に過度な負担がかかってるという事か」
「おそらくそうだと思います。怪我そのものが悪化してる訳じゃない
 そうですから」
「……」
 美沙斗さんは熟考に入ったらしく、沈黙のまま顔をしかめた。
 神速が使えない。
 それ自体は指導者としての俺にとってはさしたる問題じゃない。
 既に美由希は神速を使えるし、実践訓練で神速を使う事はほとんど
 ないから。
 問題なのは……剣士としての自分にとって、だ。
 ある種反則に近いものがあるが……俺にとって最高クラスの、
 言わば切り札的存在な技。
 それが使えない事は、大きな戦力ダウンに繋がる。
 そして、その事に少なからず焦りや苛立ちを覚えている自分。
 俺は……。
109とらハ3:02/03/31 06:53 ID:S4tMhJ6R
「俺は、指導者失格なのかもしれません」
 何ともなしに出た言葉だった。
 美沙斗さんが驚いたような顔でこっちを見る。
「最近……いや、あの夏の日以来、美由希を鍛える事より自分を鍛える事に
 重点をおこうとしている瞬間が、どうしても出てくるんです」
 剣士として圧倒された事……美由希が怪我を負わせられたのに結局何も
 できなかった事……そして、結果的に美由希に助けられる格好になった事。
 それが、そんな自分が許せずにいた。
「剣士としての成長も完成も望めない身体なのもわかってるんです。
 だけど、どうしても割りきれなくて……」
「ふふ……」
 意外な事に。
 美沙斗さんは、面白そうに微笑んだ。
「そんな事で悩んでたのか。そういう所は少し兄さんとは違うんだな」
「そんな事……ですか?」
「君はまだ若いんだ。ましてや男。さらには御神の剣士。自分の強さに
 対する欲求がない方がおかしいだろう。それを気に病む必要はない」
「ですが、指導者としては……」
「恭也」
 諌める様に、労わる様に、美沙斗さんは俺の名を呼んだ。
「私がこのような生き方をしている以上、御神流の伝承者は君一人だ。
 責任を押しつけてしまっているという点に関しては非常に申し訳なく
 思っている」
「そんな事は……!」
「ただ……私は」
 美沙斗さんは一瞬躊躇の色を見せた。言うべきか言わざるべきか、
 迷っているような。 
「……私は、あのテロ事件で御神は滅びたと思っている」
「!」
 にわかには信じられない言動だ。いや……おそらく本心ではない。
「だから、君はその事に縛られる必要はない。好きな通りにすればいい。
 美由希を一人前に育てる事が君の長年の本願だとしても、
 それの為に自分を押し潰すのは……よくない。そんな事をしても
 喜ばれないのは、君だって知っているだろう?」
「……」
「自分を鍛えたいなら鍛えればいい。なにより、君が強くなれば
 美由希にとってもプラスになるのだから」
 そうなら、もしそうなら……それで納得できる。
 けど……。
 さっきの美沙斗さんの言葉の所為か、とーさんの顔が浮かんで来た。
 とーさんなら……どうするだろうか。
「君は君だ。君が納得できる結論を出せばいい」
 俺の考えを見透かしたかのように、美沙斗さんは柔らかく微笑んで
 そう言ってくれた。
110とらハ3:02/03/31 06:55 ID:KcBfTQ71
 その時。俺の携帯がなった。
 ディスプレイを見ると……月村?
 俺は美沙斗さんに目で断りを入れて、通話のボタンを押した。
「……もしもし」
「あ、高町くん?」
「こんな時間にどうした? 何かあったのか?」
「いや、別に何にも。明日はクリスマスだねーって思って」
 それが俺に電話する事となんの因果関係があるのかは
 謎だが……気にすまい。
「明日は家に来る事になってたっけ」
「もちろん! 那美はさざなみ寮と掛け持ちだって」
「大変だな……」
「全く……ずっと向こうにいればいいのに」
「ん?」
「ああ、いや何でもないよ、うん」
 その後、他愛のない話を数分ほど続けて、
「じゃ、明日ねー♪」
 月村は電話を切った。
「ふぅ……」
「恋人?」
 美沙斗さんは興味深げに聞いてきた。珍しい。
「話してる時楽しそうだったから……」
「いや……友達ですよ。美里さんもあった事ある筈ですけど、
 月村からです」
「ああ、あの髪の長い娘か。君とお似合いだったな」
「そうですか……?」
「後もう一人……那美さんだったかな? どっちが親戚に
 なるのか……ふふ」
「美沙斗さん……」
 意外とゴシップ好きなのか、無理しておちょくっているのか……。
「……時に、美由希にはそういう……いい人はいないのかな?」
「……へっ?」 
 どうやらそのどっちでもなくて、この事を聞く為の前振りだったらしい。
 やはり美由希の事はいろいろと気になるんだろう。当たり前だが。
「えっと……」
 俺は知っている限りの事を話した。
「そうか……」
 残念さよりホッとした色合いが強い表情で美沙斗さんははにかんだ。
「ところで、さっきの話だが……神速の事だけど」
「あ、はい」
「いろいろ考えてみたが、もしかしたら君は……一つ先の領域に
 踏み込んだのかもしれない」
「一つ先……?」
「まあこれは私自身経験のない世界だから口で説明してもあまり
 意味がないけど……もし膝に酷く負担がかかるままなら、
 使用は控えた方が無難だと思う」
「はあ……」
 今一つ煮え切らない答えだったが、この人がそう言うんなら仕方ない。
 他に頼れる人もいない事だしな。
 ……その後、仕事が残っていると言う美沙斗さんと別れて、
「ただいま……」
 俺は家路へとついた。
111とらハ3:02/03/31 06:57 ID:KcBfTQ71
12月24日(日)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM10:30


「メリークリスマス!」
 ぱん! ぱん!
 翠屋組も帰宅し全員集合した後、予定通りパーティーが開かれた。
「勇兄も誘えばよかったかな?」
「勇悟さんは恋人と過ごしてるんちゃうかー?」
「あれ? 赤星くん恋人いたの?」
 かーさんが俺に聞いてくる。
「知らん」
「……あんたたち親友じゃなかったっけ?」
「親友でも知らない事はいくらでもある」
「そういうものなの……?」
 男の友情は女には理解できないらしい。
「みゆき……いっぱい飲む」
「ありがと、久遠」
 久遠が美由希にお酌している……。
「な、フィアッセ。何か歌ってー」
「いいよ。何がいいかな?」
 その隣ではカラオケセットを用意してきたなのはがフィアッセに
 リクエストしていた。
「この料理美味しー! 何て言うの?」
「タコの中華風マリネですー」
「こっちのも美味しいですよ」
「あ、それ俺が作ったやつ。アボカドとマグロのわさび醤油和え」
 レンと晶のクリスマス料理も好評のようだ。
「ラララ……ララララ……ララ……♪」
 笑い声と綺麗な歌声にに包まれて。
 賑やかな時間が過ぎていく……。
112とらハ3:02/03/31 06:59 ID:KcBfTQ71
  【PM11:45】


「あの……恭也さん」
 結局ほとんどこっちにいた神咲さんが話し掛けてきた。
「ん? なに?」
「こ、これ……」
 恥らいつつ綺麗に包装された袋を俺に差し出してくる。
 まさか……プレゼント?
「え、でも……」
「貰ってくださいっ」
 真摯な視線を送ってこられた。
「じゃ、じゃあ……」
 取り敢えず、受け取る。
「……」
 視線の温度は変わらず熱いままだ。開けろ、という事なのか。
 ちょっと躊躇したが、開けてみる事にした。
「これは……レッグウォーマー?」
「はい!」
 それも、膝の上まで伸びるタイプの物だ。
「……これはありがたい……けど、俺、お返しするものを何も
 用意してない……」
「いいんですよー。そんな事」
 とは言うものの……そうだ。
「それじゃ、明日……」
「えっ……?」
「あーっ!!」
 何かお返しするから付き合って、と言おうとした瞬間月村が
 素っ頓狂な声で割り込んできた。
「それ、もしかしてクリスマスプレゼント!?」
「え、えっと……」
 神咲さんは狼狽気味。
「なーみー!? あれだけ抜け駆けはなしねって言ってたでしょう!?」
「あうう……そんなつもりは……」
 何だかよくわからないが、神咲さんは月村から説教を受けていた。
「すーっ……」
 ふとソファーを見ると、美由希となのは、そして久遠が三人
 仲良く眠っていた。
 美由希の顔がやけに赤い。随分シャンパンを飲んだ様だ。
「しょうがないな……」
 毛布でもを被せてやろうと立ち上がったその瞬間。

≪ドクン!≫

「!?」
 心臓が跳ねた。
 視界が揺れたような錯覚を覚えるほどの……殺気!
 覚えがある……これは、この主は。
「美由希!」
「うーん……恭ちゃん、そんなの食べちゃ死んじゃうよむにゃむにゃ……」
 ……駄目だ。この殺気に気がつかないほど泥酔している。
 いや、その方がいいのかもしれないな。
 などと思いつつ、俺は急いで自分の部屋へ向かった。
「あ、師匠。何かつまみいります? 作りますよ……あれ」
 途中で晶とすれ違った気がしたが、今は気にしてる余裕がない。
 戦闘服に着替えて、愛刀・八景を手に取って。
 俺は、外に出た。
113とらハ3:02/03/31 07:00 ID:KcBfTQ71
 殺気のした場所は庭……道場の方だ。
「……何者だ。出て来い」 
 その方向へ向けて誰何する。
 現れたのは……。
「くっくっく……お前さんか」
 予想通り、あの時の男だった。
 美由希によって負わされた傷痕が右目の瞼の上にくっきりと残っている。
「あの時は世話になったなあ……おかげで視力が落ちちまったよ」
「あれは正当防衛だろう。それの逆恨みでここに来たのか?」
「くっくっ……おめでたいな、お前は」
 嫌な予感がした。
 目の前にいるこの男の素性……もしや……。
「『龍』を知ってるよな? 裏ではバリバリ名の通ったテロ組織だ」
 勿論知っている。御神宗家をテロによって殲滅させた連中。
 美沙斗さんがその生涯を投げ打ってまで追っていた組織。
「……貴様、『龍』の一員なのか……?」
「さて、どうだかな。それよりお前の妹はどこにいる?
 再会の挨拶をしなきゃな」
 男は右目の傷に手を添えた。
 その手の指の隙間から見えた目の光に狂喜が宿っているのが
 はっきりと伺える。
 どうやら、目的は一つじゃないようだ。
 どちらにせよ……。
「美由希には会わせん」
 俺のやるべき事は一つだ。
 俺は八景の鯉口を瞬時に切る。
「ほう、やる気かい。怪我人の分際で」
 気付かれていたか……だが。
「それがどうした?」
「戦闘能力もコンディションも遥かに俺の方が上だぜ。まあどうせ
 見逃す気もないけどな」
 男は口元を歪ませ、舌なめずりした。
「あれ以来傷が疼いて仕方ねえんだ。お前を殺しただけじゃ収まらねえよ。
 この傷をつけたあのアマを犯して殺して、そうだな……この家女ばっか
 だしな。気配でわかるぜ。そいつら全員犯っちまおう。くっく、
 栄養ドリンク買ってこねーとなあ」
 あからさまな挑発。それでも感情を乱された。
「黙れ」
「おやあ、怒っちゃいましたかあ? どうせほとんどの奴をお前がもう
 いただいちまってんだろ? まあいいけどよ。俺は優しいからな。
 中古でも構わ……」
≪ビュオッ!≫
「!?」
 俺の放ったくないが男の頬を僅かに切り裂いて虚空へと飛んでいく。
 当てるつもりで投げたのだが……さすがに反応が速い。
「ヤロウ……」
「ここは貴様のような下衆が居ていい場所じゃない。早急に立ち去れ、
 と言いたい所だが……どうせ聞かないだろう。だから……」
 俺は構えをとって、殺気を込めた目で男を睨んだ。
「ここで……討つ!」
「うらあああああ!」
114とらハ3:02/03/31 07:02 ID:0VxGK+yW
≪ギイイイイイン!!≫
 夜の帳に火花が映える。
「お……?」
「ぐ……!」
 この前は押されっぱなしだったが、今度は堪える事が出来た。
「ほうほう。修行の後が伺えるね」
 男は余裕綽々の態度。まだまだ底は見せていない、という事なのか。
「おおあっ!」
≪ギン!≫≪ギン!≫≪ギン!≫
 上下打ち分けつつ敵のバランスを崩そうと足払いなども交えて
 攻撃する。が……。
「ひゅうっ! やるねえ」
 全く通用しない。
 く……まだこれほどの差があるのか……。
「いやあ、中々よかったよ今の攻撃。スリルあった。おかげで……」
 虚ろな目に狂気が宿る。正常な人には決して灯らない、暗澹とした光。
「興奮してきたぜ……!」
「!」
115とらハ3:02/03/31 07:03 ID:0VxGK+yW
【忍‘s View】

 あれ……?
 いつの間にか高町くんがいなくなっていた。
 さっきまでこの部屋にいたのに……。
「はっ! まさか那美と……!?」
「私が何か……?」
 声は背後からだった。
「いやいや、何でもないよ、何でも」
 どうやら最悪の展開だけは免れた様だ。
 ……それにしても那美。あんなぽやーっとした顔してからに抜け駆けとは……油断できないったらありゃしない。
「?」
 那美はやはりぽやーっとした顔で私を不思議そうに見ている。
 ……可愛いんだ、これが。
 私にはない魅力を持っている。
 やはりうかうかしてられないという事か。
 よし! 決めた!
 私は決意を胸にスクッと立ち上がった。
 そしておもむろに歩き出す。
「あれ、どちらに?」
「ちょっとね」
 ……先に抜け駆けしたのはそっちだからね。
 などというメッセージを込めて那美を見やったが……。
「?」
 やっぱりぽやーっとしていた。
 ま、まあいいや。
 それより、高町くんを探さないと。
 胸に秘めた想いを高めつつ、廊下に出た。
「あ、忍さん」
 む、晶か。
「高町くん知らない?」
「あ、師匠ならさっきすれ違いましたけど」
「どこに行ったかは?」
「さあ、そこまでは。風にでも当りに行ったのかも」
「ふむ……」
 その線で探してみようか。
 私は晶に軽く礼を言って、庭へと向かった。
116とらハ3:02/03/31 07:04 ID:0VxGK+yW
「……っ」
「……粘るね、全く」
 鮮血が全身の皮膚を染める。
 致命打こそどうにか貰わずにいるものの、一方的に切りつけられていた。
 虎切も薙旋も通用しない。すべて力と速さでねじ伏せられた。
「これだけ粘られるのは本当に久し振りだなあ。いい加減溜まったものが先走りしそうだぜ」
 男がゆらりと近付いて来る。
 くっ……。
「早くケリつけて女犯らねーと爆発しちまいそうだ。見ろよ。こんなに勃っちまってんぜ」
 男の下品な言葉に耳を貸す余裕も……ない。
 神速を使うか?
 でも、前のようにすぐ解けてしまった上に膝が悲鳴を上げてしまっては、本当にどうしようもなくなる。
「ハッ……ハッ……!」
 すぐそこまで男が接近してきた。
 荒い息遣いが、男の異常な興奮……おそらくは性欲を如実に現している。
 今ここで俺がやられたら……駄目だ。 それだけは、絶対にあってはいけない!
 どうする……? どうする?
 混迷しながら視線を泳がせる。
「……?」
 暗闇のすぐ向こうに何か動く影が見えた。
「高町くーん、どこー?」
 月村……!?
「来るな月村!!」
「へ……?」
 大声で怒鳴った時にはもう遅かった。
 砂漠でオアシスを見つけたような顔で……男は月村へ向けて駆け出した!
「ひゃははははははっ!」
「ちょっ、な、な……」
 狼狽える月村に現状を把握する余裕も逃げる時間もない。
 まずい!
「いやあああああああ!?」
「忍ーーーーーっ!!」
 どくん!
 自動的に神速が発動する。
 同時に、身体が勝手に地面を蹴っていた。
「ああああああああ!!」
 躍動感も風の抵抗も感じない。
 まるで、閃光にでもなったかのような感覚。
 周りの景色を確認する余裕すらないまま、俺は瞬時に男の背後まで来ていた。
「なっ!?」
 俺の接近に気付いた男が驚愕の声を上げる。
≪ドスッ!≫
「ぐあ……」
 勢いをそのままにぶつけた俺の肘が男の首を捕えた。
 そのまま、男は崩れた。
117とらハ3:02/03/31 07:07 ID:50PyfOgU
 終わった……のか?
「……」
 月村は放心状態だ。
 何が起こったのか未だ理解していない様子。無理もない事だが。
「恭ちゃん!」
 酔いが覚めたのか、美由希が駆け付けて来た。
 と同時に、
「ぐあっ……!」
 俺の気も抜けたのか、膝が地獄の痛みを訴えてきた。
「ちょっ……高町くん!?」
「恭ちゃん!?」
 心配顔で駆け寄ってくる月村と美由希を諌めようと軽く手を
 上げ……られないまま、俺は意識を失った……。



12月25日(火)
  海鳴市 海鳴大学病院 病室
    PM3:35 


 気がついたら病院のベッドの上だった。
 目に飛びこんでくる人工の光が少し痛かったが、それ以外は特に
 問題はなかった。
「両腕全体の重度な炎症、両足の筋肉繊維の断裂、切り傷18箇所、
 その内数針縫う大怪我が6箇所……」
「明らかな重症患者なんですけどね……」
「そうか?」
 レンと晶は苦笑いを浮かべていた。
118とらハ3:02/03/31 07:11 ID:50PyfOgU
「監視役……?」
 見舞いに来てくれた美沙斗さんが言うには、
「『龍』はどうも私たち御神を根絶やしにしたいらしい……復讐を
 恐れているというのもあるみたいだ。それで、私以外に御神の血が
 生きている事を知った奴等は君と美由希を監視していたようだ」
 監視されていたのか……その気配は全く感じなかったな。
「奴は『龍』の一員なんですか?」
「いや……あの男は私たちと同じ穴のムジナだ。『龍』も人手不足
 らしくて、御神の者を相手に気配を悟られずに監視し続ける人材と
 なると中々該当者がいないようだ」
「雇用エージェント……か」
「奴は我々の間でも結構な有名人だよ。俗に言う『服役暗殺者』だ。
 クスリで筋力を増加させ、戦闘能力を飛躍的に上げる。とても監視役
 なんて務まるタマじゃないが、その強さは元々並々ならぬものがあった
 らしい。確かどこぞの流派から追放された天才且つ異端児……だったか」
「……なるほど」
 監視役の癖に美由希を襲ったり悪戯に殺気を放ったりしたのはクスリ
 による精神の不安定さが原因だったのか。
「すまない……私がもっと早くに気付いて警戒をしてれば、君に怪我
 させずに済んだのだが……」
 美沙斗さんはそう言って苦い顔をしていたが……。
「いえ、いい経験でしたから」
 俺がそう答えると、ちょっとだけ笑った。
「それにしても、服役暗殺者相手に勝つとは……恐れ入った。
 私でも多分無理だ」
「そうなんですか?」
「以前君が仕留めた男とは別のそれと殺り合った事があるが、
 神速すら通用しなかった。異常なスピードでついて来られたよ」
「……」
 あの時、俺は神速であの男を討った。
 あれはじゃあ、ただの神速じゃなかったのか……?
「……君は、或いは御神流の歴史の中でも一番の才能を秘めている
 のかもしれないな……」
「そんな事はないと思います。少なくとも、父さんには遠く及びませんし」
「ふふ……君はその兄さんの血を誰より色濃く受け継いでいるんだ。
 遠く及ばない訳がない」
「そう……でしょうか……」
 現時点で、俺は決して優秀な剣士ではない。
 未だ治る事のない膝。その事による経験の不足。
 けど……。
「君は……きっと今よりもっと強くなるよ……誰よりも強く」
 美沙斗さんのその言葉。
 信じたい、と思った。
119とらハ3:02/03/31 07:12 ID:50PyfOgU
12月28日(金)
  海鳴市 海鳴大学病院 病室
    PM8:40 


 退院前夜。
≪コンコン≫
「どうぞ」
「失礼しまーす」
 面接時間はもう過ぎているにも拘らず……月村がやって来た。
「月村……面会時間はとうに」
「かたい事言わない。高町くん人気者だからこんな時間じゃないと
 二人っきりになれないんだから」
 二人きりになる必然性はないと思うのだが……。
「あ、これお見舞いね」
 やたら豪華な果物セットを無造作に置いて、月村は椅子ではなく
 ベッドの上に腰掛けてきた。
「あのね……あの時パニくってたから何がなんだかわからなかったん
 だけど……高町くん、私の事守ってくれたんだよね?」
「いや、あれは……厳密に言うと、こっちの事情に巻き込みそうに
 なったのをどうにか阻止した、という事に過ぎないのだが……」
「でも、守ってくれたんだよね?」
「……」
 何かを訴えてくるような目。
 どう答えればいいのか……。
「いいから、そういう事にして、ね?」
「あ、ああ……」
 何やらよくわからないが、そういう事にしておいた。
「それじゃ、コホン……お礼をするよ」
「……?」
 スッ、と月村が静かに近付いて来て……。
「んっ……」
「……!」
 俺の唇を軽くついばんだ。
「えへへ……」
 はにかむ様に月村は笑う。
「月村……」
「あー、それとね、あの時私の事『忍』って呼んだよね?」
「呼んだ……っけ?」
 記憶にあるような、ないような……。
「だから……これからはもうその呼び名以外では返事しないから
 そのつもりで」
「そ、それは……」
「拒否は駄目。恭也の方からそう呼んだんだからね」
 すでに向こうも名前呼びになっていた。
「ふふ……これで那美を一歩リード♪」
「ん? 何か言ったか?」
「いやいや何でも。それじゃ私、もう帰るね。明日退院なんだよね?」
「ああ」
「OK。それじゃーねー」
 つ……忍は上機嫌で部屋を出て行った。
「……」
 俺はただ、呆然とそれを見送った……。
120とらハ3:02/03/31 07:14 ID:PU+FVSD3
12月31日(月)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM1:45


 年の瀬。
 皆それぞれおせち料理の準備や大掃除やらで大忙しだ。
 俺はというと……。
「恭也は怪我人なんだから大人しくしてなさいね」
 というかーさん他住民一同の総意に基づいて、一人縁側で
 お茶などすすっている。
 そこに。
「暇してるようだね……」
 美沙斗さんがやって来た。
 上司から『お正月くらいはゆっくりしていいよ』という事を
 言われたらしく、現在この家に寝泊まりしてたりする。
「隣、いいかい?」
「ええ」
 二人してボーっと庭を眺める。
「……結論は出た?」
「……そうですね……結論、と言うにはまだ幼いものかもしれないです
 けど、一応」
「そう……」
 美沙斗さんは穏やかに、優しい笑みを浮かべる。
 その顔は……やっぱり親子なんだなと思わせるほど、美由希に似ていた。
「あれ? こんな所にいた」
「あ、恭也ー」
 それぞれ別の所から同時に、美由希と忍の声がした。
「美沙斗さん」
「ん……?」
「俺……もう少しだけ、強くなる努力、やってみようと思います」
「……うん……」
 強くなりたい。強くありたい。
「ねー恭也、三が日終わったら二人でどっか遊び行かない?」
「ああっ! 忍さん、抜け駆けは……」
「あら那美、まだいたの? さざなみ寮に顔出さなくていいのかしら? 
 お姉さんがお見えになってるんでしょ」
「あうう……でもそれを言うなら忍さんだって、さくらさんが屋敷で
 待ってる筈では?」
「うっ……ヤブヘビ」
 大切なものを……大切な人たちを守れるよう。
 そして……。
「恭ちゃんが最近さらに強くなっちゃったから仕合がきついんだよー」
「師範代が弟子に負けちゃ示しがつかんからな」
「あはは……私が恭ちゃんに勝つのはまだまだ先だよ」
「一生負ける気などないが?」
「あう〜」
「ふふ……」
 微笑む美沙斗さんを横目に美由希を軽く小突いて、俺は空を覗いた。
 多分、その向こうにいるあの人。
 いつの日か追いつき、追い越すため……。

 俺は、また歩き出す事にした―――――
121名無しさん@初回限定:02/03/31 07:21 ID:PU+FVSD3
>>103-120
題「KとSのあいだ」
以前家族計画のSSを書いてた者です。たまには別のゲームも……
という事で、とらハ3にチャレンジしてみました。
一応設定的にはリリちゃのシナリオのちょっと後です。
正直手探りで書いたので受け入れられるかどうか不安ですし
やっぱり長いですけど、読んでいただけたら嬉しいです。でわでわ。
122名無しさん@初回限定:02/03/31 07:59 ID:FpPWtqZH
>>121
面白かったですよー。
忍と那美のやりとり何かはかなり新鮮かも。
ゲーム本編ではこういうやりとりって無いですからね〜
123名無しさん@初回限定:02/03/31 08:55 ID:UJ0FUVHC
>121
いいですね〜♪
続ききぼんぬヽ(´▽`)ノ
124名無しさん@初回限定:02/03/31 14:05 ID:SeI4ydiT
>121
同じくきぼんぬ〜〜♪
125名無しさん@初回限定:02/04/01 05:48 ID:6qM0rlZp
正直戦闘ものはあんまし好きではない…
でも、読んじゃいました〜。
誰とくっつくのかが気になる(そういう話にならない?
126名無しさん@初回限定:02/04/02 01:24 ID:8lM2p8Vw
             ∧
           //__ヽ_
         / ̄ キン  \
        /  _     _ ヽ
       /  ( ニ)  (ク ) |
       |    ̄ /\  ̄  |
       /|     ( マン)   |
     ∠_ |ヽ    / ̄\  /
        \\  \ ̄/ /
        /\ ヽ  ( ̄)/ \
127妄想@まけねこ:02/04/02 03:45 ID:s6XBGaS8
>121
面白かったです!
続編を強く希望します!
このSSは、この板の『エロゲーブランド最萌トーナメント』でのStudio Air支援の一環
として書いた、
『Sense Off』(otherwise)と『てんしのはしご』(Studio Air)がミックスされたSSです。
『Sense Off』をご存じの方に、『てんしのはしご』を紹介することをおもな目的に書いています。

第1部(全4部)
---

杜浦直弥は、青砥氏から渡された1通の手紙を携え、聖紅闇学園旧図書館の前に立っている。

ここに住む「建礼門院紗夜子」という人物にその手紙を渡すよう、直弥に青砥氏が命じたのが昨日。「なんで郵便で送らないんですか?」というもっともな質問に対しては、
手渡しでなければ駄目なんだ、旅費は施設から出すので行って来て欲しい、とのこと。
直弥は、合法的に授業をさぼれる機会と考え、あまり深く突っ込まずに
引き受けることにした。

聖紅闇学園旧図書館は、聖紅闇学園の敷地の外れにある洋風の建物である。
豪奢な洋館といった風なこの建物に、建礼門院紗夜子という人物は一人で住んで
いるという。彼女はいつもここにいて、特に忙しいということもないはずなので、
アポなしで行って大丈夫だろうと青砥氏には言われている。

実はこの建物の周囲には認識力場が働いており、直弥のように認識力を
持つ者しかこの建物には近づけないのだが、そんなこと直弥は知る由もない。

直弥は意を決して正面の扉を開けた。

「ほお・・・う」

無感動で有名な直弥も、さすがに感嘆の声をあげた。背丈を越える高さの本棚が
視界中に広がる。本棚には革装丁の本がぎっしりと詰まっている。照明もきちんと
しており、かなり狭い本棚同士の隙間を照らしている。

直弥は見回しながら建物の中に入っていった。

(第2部に続く)
第2部
---
直弥は本棚の並び方が妙に気になった。普通、図書館の本棚は、まっすぐ平行に
並べられているものである。ところがここは、同心円状に並んでいる。
各円の切れ目は互い違いになっていて、外から中心を見通すことはできない。

「とりあえず中心を目指してみるか」

直弥は本棚の並びの中に入り込む。
と、最初の円周上に、一人の制服を着た少女が、並んでいる本のチェックをしているのを見つけた。
豊かな黒い髪に、整った顔立ち。美少女と言ってよい。
見た目の年齢は直弥より年下だが、落ち着き払った動作と醒めた目つきは、大人の
雰囲気を醸し出している。彼女が紗夜子なのだろうか?

彼女は直弥を見つけると、にっこり笑って近寄ってくる。

紗夜子:「ようこそ旧図書館へ。わたくし建礼門院紗夜子と申します。こちらに
何のご用でしょうか?」

直弥:「はじめまして。認識力学研究所というところから来ました、杜浦直弥
です。所長の青砥氏からの手紙を届けに参りました」

そう言って、直弥は手紙を取り出して紗夜子に渡す。

紗夜子:「それは、遠路はるばるありがとうございます。では、早速拝見いたしますね」
紗夜子は、手品師のような手さばきで封を開け、手紙に素早く目を走らせる。
受け取ってから読み終わるまでわずかに5.347秒。

紗夜子:「それでは、確かに受け取りましたわ。青砥さんによろしくお伝え下さい。
他の用事はございますか?」

直弥:「いや、これだけなんですけど・・・」

紗夜子:「それでは、せっかくいらっしゃったのですから、ここの本を見ていっては
どうですか? 数学の本もいくらかありますよ」

直弥:「ええ、ではそうさせてもらいます」

紗夜子:「なら、数学の棚まで案内しますわね」

紗夜子はゆっくりと後ろを向いて、歩き出す。彼女が立てる微かな靴音が静かな
館内に響く。
紗夜子を後ろから見ると、ウェーブがかかりつつ腰まで伸びる彼女の豊かな髪が
まるでそれ自身生きているようにゆらゆら揺れるのが見える。
じっと見ていると幻惑されそうだ。
紗夜子さんって、何者なんだろう? という問いが直弥の頭をよぎっては消える。

紗夜子:「ここですわ」

直弥ははっと我に返る。どうやら着いたらしい。

紗夜子:「ここからここまでが数学関連です。どうぞごゆっくり」
紗夜子はそう言うと、気配を消した。

(第3部に続く)
『Sense Off』・『てんしのはしご』クロスオーバー
第3部
---
紗夜子はその場を離れたわけではない。目立たなくなっただけで、そこにはいる。
じっと見つめられると直弥がやりにくいだろうから、気配を消したのである。

直弥は本棚の前に立って、本の背表紙に目を走らせる。
・・・直弥は、少し落胆した。興味を引くものがないのだ。
まず、日本語の本が少ない。さらに、数少ない日本語の本も、数秘主義などオカルト
色ばりばりの本や時代遅れの本ばかりで、現代数学の本がないのだ。
そもそも、本が古すぎる。


紗夜子は、直弥が興味を持つ本がこの棚にないことは承知していた。いや、1冊だけ
あるのだけれど、その本は今は棚から抜き取られ、紗夜子の腕の中に抱えられている。

やがて、本棚を走査する直弥の目が、その本が抜き取られた箇所に到達する。

直弥:「あれ、ここだけ本がないけど。整理番号もここだけ飛んでいるし」

紗夜子:「おや、どうしたのでしょう。昨日整理したときはあったのですが」
その本を抱えて持っているのに、惚けてみせる紗夜子。さらに、直弥が紗夜子の方を
向く瞬間に、紗夜子は抱える本を持ち替えて、本に付いた整理番号が直弥の目に
入るようにし向けた。

直弥:「え?? 紗夜子さん、その本は・・・」

紗夜子:「どうかしましたか? 直弥さん」
紗夜子はもう一度惚けてみせる。
これにより、直弥は、会話のとっかかりを失ってしまった。
彼女が抱えている本に少し興味があるが、改めて尋ねるのは何か気が引ける。

しばらく二人の間に沈黙が横たわる。

(第4部に続く)
第4部
---

世界を動かす力を持つ者同士の接触は、周囲の世界にとっても、
本人達にとっても大きな波紋を呼ぶ。互いの認識力場が干渉しあい、
予測のつかない世界を作り上げる。

直弥は岐路に立っていた。紗夜子と関わるか否か。紗夜子と関われば、直弥の
持つ運命と紗夜子の持つ運命が絡み合う。関わることを拒否すれば、それまでだ。

紗夜子は直弥と関わるかどうかに関しては、どちらでもよかった。だから、判断を
直弥に委ねた。

・・・沈黙を破って、直弥が口を開く。
直弥:「いや、なんでもないです」


結論は出た。「二人は関わらない」。


・・・結局、直弥は興味を引く本を見つけられず、早々と立ち去ることに決めた。
建物を出て、伸びをする。

直弥:「さて、仕事も終わったし、何か土産でも買って帰りますかね」

一方、紗夜子は、直弥が窓から見えなくなったことを確認すると、抱えて持っていた本
「情報伝達における誤りの発見と修正(ベルトホルト・レーゼ著)」
を元の場所にしまい、建物の奥の私室へと向かう。彼女の後ろで照明が順々に落ちていった。

(了)
132R12-913:02/04/03 03:16 ID:9b0tx9uo
>>128-131
以上、『Sense Off』・『てんしのはしご』クロスオーバーSS
「旧図書館にて――認識力場の干渉」でした。

はたして支援の意味になっているのか、想定している読者が読んでくれるか気がかりですが、
トーナメント関連以外の方も、読んでくれたら嬉しいです。
読んだ。

にやり。

>>129のなぜ数学への興味がわかったのかがちと不思議だったけど・・・。

うーん。
134colors支援?SS1/4:02/04/04 00:14 ID:gVxECgwI
―ゆらぎが望む永遠―(前編)


「孝之君……私、不安なの。ねえ……手を握っててくれる?」

 深夜の病室。
 遙の弱々しい声。空調の音にすら掻き消されそうな、か細い声。

「ああ」

 孝之は小さく頷いて、その手を握りしめた。
 乾いて骨ばった指の感触に改めて心の中で驚く。
 それを表情に出すまいと、強く奥歯を噛み締めて笑顔を作る。
 少しでも力を入れたらそのまま折れてしまいそうだ。
 あの頃のふくよかな掌の柔らかさはどこにも無い。
 ……これが現実。三年の長すぎる眠りは遙から何もかも奪ってしまった。

「私……私……」
 
 遙は目を泳がせながら何か必死に言おうとしている。
 握った手に僅かながら力が込められるのを孝之は感じた。
 まるで溺れた子供が激流に飲まれまいと、必死に何かにしがみつこうとする
かのように。

「何か、おかしいの……でもね……それが何なのか解らないの……」

 記憶の混乱はまだ続いていた。今をあの事故の数日後と認識している遙。
 しかし、少しずつ現実との乖離に気が付き始めているのは確かだ……

「大丈夫……大丈夫だから、今はゆっくりおやすみ」

「でも……」

「大丈夫」

 孝之は何度も"大丈夫"と繰り返しながら、身を乗り出してきた遙を再び横に
寝かせた。
 掛け布団を肩までかけて、ゆっくりとその長く伸びた髪を撫でさする。
  ……大丈夫なんかじゃない。
 こんな見え透いた嘘をどれだけ積み上げていけばいいのだろうか。 
 暗闇を灯火もつけずに疾走する一台の車。
 いつか崖から落ちる時が来る。そしてそれは遠い未来の話ではない。
 その日の事を考えると孝之の心は曇る。
135colors支援?SS2/4:02/04/04 00:16 ID:gVxECgwI
 心の中に様々な光景が浮かんでは消えていく。
 傷心の日々を一緒に過ごしてくれた水月の顔。
 事故の前の、明るかった茜ちゃんの笑顔。
 自分を気遣ってくれた遙の両親の背中。

 あまりにも重い決断の時が迫っていた。
"今はあれから三年が過ぎている。そして俺は今、水月と付き合っている。"

 どうしても言えないその台詞。
 言えば何もかもが楽になるのだろうか……

「ねえ……あのおまじない覚えてる?」

「え?」

 知らぬ間に目をつぶって考え込んでいた孝之は遙の声に驚く。

「おまじない……忘れちゃった?」

「え、も、勿論……覚えてるよ」

「……嬉しい」

 遙の顔に笑みが浮かんだ。
 懐かしい笑顔。あの頃はこんな笑顔を毎日、それが当然の事であるかの
ように見ていたのに……
 そう考えながらも、孝之はじっと見つめてくる遙から目を逸らしてしまう。
 今の自分はあの頃とは違う。
 二人の変わらぬ愛を誓うおまじないなんて……
 甘い思い出の一つ一つが、今では自分を縛り付ける重い鎖となっている。

 どうしてこうなってしまったのか。
 遙への想いも、水月への想いも嘘ではないのに。 
 どちらかは明日にでも、醜い嘘となって汚れてしまうのだ。

 どうして。
 どうして俺がこんな。
 ギ……
 どうして……

 ギ……
 
 孝之はその時、不思議な音を聴いた。
 錆びた歯車が無理やり回転を始めたような音を。
 心の中の淀んだ部分に水滴が落ちたようにその音は波紋となり広がっていく。
 自分の一部が勝手に叫び声を上げているように……耳ではなく、頭の中に
直接響いている。
 孝之にはその音が何故か心地の良く聞こえた。
136colors支援?SS3/4:02/04/04 00:17 ID:gVxECgwI
  ギ……

「どうしたの?」

 虚空を見つめたまま固まっている孝之に、遙が声をかける。

「いや……なんでもないよ」

 まるで他人事のように孝之は生返事をした。
 音が頭の中で段々と大きくなっていた。
 今では割れ鐘のように激しく頭蓋の中で響いている。

 ……何だ? 何なんだ?
 
 ギギ……
 その疑問に答えるかのように一段と大きな音が鳴った。
 孝之の周りの空気が大きく歪む。
 まるで世界が一枚のシーツになったように、周囲の光景がたわむ。
 その歪んだ皺の部分から、細い透明な糸のような物が溢れ出して孝之に絡み
付いてくる。後から後から無数の糸が垂れ落ちてくる。
 まるで蚯蚓のようにブルブル震える糸。
 体を這いまわりながら孝之の頭の中にどんどんと入っていく。
 あまりに非現実的な光景。
しかし孝之はぼんやりとその一部始終をじっと見つめていた。
 
 ――声が出なかった。出せなかった。

 音が鳴る度、頭の中に絡みついた糸が弦楽器の奏でるトレモロのように細かく
震える。
 そして共振した糸から発せられるのは、抑揚の無い無数の言葉だった。
 
 オマエ
 イゴコチ。イイ

 クラエ
 クライツクセ

 オマエ タダシイ
 スベテ クイツクセ
 オカシツクセ
 スナオニ

 単語の一つ一つが孝之の心を溶かしていく。

 ――弱い自分を肯定してくれる甘い言葉。
 ――自分の欲求を満たしくれる気持の良い言葉。

 そうだ。水月も遙も……茜も皆……
 ソウダ
 俺のものにしてシマエバ
 いいんじゃないカ?
 クライツクセバ

「……孝之君?」

「そうだ。オマじないをしようよ。ねえハルカ」

「……うん」
137colors支援?SS4/4:02/04/04 00:18 ID:gVxECgwI
 その時、既に孝之の心は無数の糸に絡め取られていた。
 孝之を乗っ取った糸――"ゆらぎ"は目の前の少女に次の目標を定める。
 ゆっくりと"ゆらぎ"は遙の手を握った。
 遙は安心したように目を閉じて。おまじないの最初の一節を切り出した。

「夜空に星が輝くように」

「ヨゾラにホシが輝くようニ」

「溶けた心は離れない」

「トケ……トケタ」

「え?……どうしたの孝之君」

 呂律の回らない孝之の言葉を聴いて、遙は目を開けた。
 握った孝之の手を見る。
 孝之の手には縦に無数の裂け目が出来ていた。手はあっという間に形を崩し
ながら無数の触手に分かれ、遙の指の股に絡みついてきた。

「――!!」

 遙は声にならない悲鳴をあげる。朦朧としたままの意識ではとっさの回避行
動をとる事が出来なかった。
一呼吸あってから慌てて"孝之の手"だったものから自分の指を離そうとする
が、その時すでに触手は遙の肘にまで達していた。

「なにこれっ……嫌っ……孝之君!!!」

 遙は泣きながら"手"の向こうの孝之に助けを求めた。
 椅子に座ったままぐったりとうな垂れた孝之は全く反応しない。
 しかしその頭部。その髪の毛だけが意思を持ったように無秩序に蠢いていた。

「なんなの……これ……た、助けて……」
 
 遙はベッドから逃げようと腰を動かした。しかし萎えた足は全く言う事を
聞いてくれない。

「いやああ……」

 呆然としながら、パジャマの右手の袖から中に入り込もうとしているその触手
を振り払おうとする。
 数え切れないほどの細かい間節に分かれた触手は今も"指"の形と色を残して
いる。その先には赤黒い爪が生えている。尖った先端は粘着質の液を出しなが
ら遙の肌を探っている。

「あっ」

 バランスを崩した遙がベッドから転がり落ちる。
 それと同時に、バンッ――という鈍い破裂音が室内に響いた。
  完全に孝之の体の輪郭が崩れた音だった。引き千切れた孝之の服から溢れ出
した数千本の髪の毛と指が、助けを求めようと開けた遙の口に一斉に絡みつき、
入り込んでいく……


続く。
138colors支援?:02/04/04 00:19 ID:gVxECgwI
ああ前半だけじゃ全然colors支援になってないし。
君望スキーの皆さん。遙スキーの皆さんすいませんすいません。
孝之スキー……はまあ別にいいかな。

後編ではようやくcolors支援SSになるかと思います。今日の夕方までにはupします。
アイたんがヘタレ主人公をギタギタにします……多分。
エロ方面はあまり期待しないでください。
139colors支援? 1/12:02/04/04 18:28 ID:mSmrPakr
―ゆらぎが望む永遠―(後編)

 孝之は夢を見ていた。あの日の夢を。
 遙と結ばれようとした、あの日の夢を。
 「ゆっくり育てていこう」
 そう誓った二人の恋は、その数日後に無残な終わりを告げた。
 やり直したい。
 あの日がいつまでも続けば……そう思って顔をあげる。
 目の前には裸の遙がいた。
 「遙……」
 ゆっくりと遙に近づくにつれ、周囲の光景が白くぼやけていく。
 「遙……」
 孝之は……ゆらぎの見せる偽りの夢の中でまどろみ続けていた。
 

 温度と不快指数が一気に上がった部屋。酸のような刺激臭が立ち込めている。
 ぬめるような音。触手が這い回る音だけが終わり無く響いている。
 遙は数多の触手にその細い四肢を絡め取られ、ベッドの上に浮かび上がった
状態で足を大の字に開かれて、肌の上を縦横無尽に嬲られている。
 いまや孝之だったモノは完全に人の形を崩し、巨大な磯巾着のような形状に
変化していた。
 かろうじて床と接触する胴体部分は人の名残を残しているものの、上半分は
完全に巨大で歪な二重丸の形状になっていた。内側の円を構成するのは髪の毛
が変化した黒く細い触手。外側には指が分裂した触手。
 髪はドクドクと波打たせながら遙を宙空に貼り付け、指触手が遙の服を溶か
し、粘液を塗りつけ、その白い肌を蹂躙していた。

 ……いや……どうして……
 ……助けて……誰か……茜……お父さんお母さん……

 遙は悲鳴をあげようと精一杯喉を震わせる。しかし口の中には既に収まりき
らない程沢山の指触手が殺到しており、その悲痛な想いが外に漏れるのを阻ん
でいた。声はくぐもった音となるだけで消えていく。それを嘲笑うかのように
指は遙の舌を弄び、生暖かい液体をどんどん流し込んでいく。
 吐き出したくても吐き出せない。
 激しい頭痛。息苦しさ。恐怖。現実感の喪失。遙の意識はますます遠くなる。

 ギ……

 両の耳の穴にひときわ細い指が入り込むと、ゆらぎの無機質な声が遙にも聞
こえ始めた。

 オマエモ
 ヨクボウ
 ナレ
 
 ……何?
 ……これは何?

 嚥下されている液体に少しずつ甘味のようなものが混じり始めていた。
 胃の中がほんのりと暖かくなる。やがてその暖かさは少しずつ下へ、外へと
広がって彼女の体に火をつけていく。
140colors支援? 2/12:02/04/04 18:28 ID:mSmrPakr
……え?

 タノシメ
 タノシメ
 オマエモ

 触手の蹂躙に対する嫌悪感が薄れていくような不思議な波動を遙は感じていた。
 液体から広がった体のぬくもりは、体の末端に達するにつれむず痒いような、
もどかしいような衝動に変化していく。それが快感なのか恐怖なのか、それとも
痛みなのか遙には解らなかった。

 やだ……
 いや……

 でも……これ……
 いや……い、いい……

 少しずつ、少しずつ。彼女の心は落とされていく。
 瞬時にして入り込める事ができた孝之の心とは違い、その芯の強固さに手を
焼いたゆらぎは、遙の心をこじ開けるため快楽で篭絡させる手段に切り替える
事にした。


 忘れていた感覚を遙は思い出しつつあった。
 事故の数日前、孝之と結ばれる寸前までいった日の記憶が心の底から泡と
なって次々と湧き上がってくる。
 それは幸せな記憶。甘美な記憶。
 あの日孝之の愛撫で感じた感覚がはっきり蘇り、遙の心に霧をかけていく。
 
 ……そうだ。
 ……これは孝之君の指なんだ。
 ……あの日できなかったから孝之君、怒ってるのかな……
 ……あの日の続きを今、しようとしてるのかな……

 夢をみるかのように溶けていく遙の意識と反比例して、その体は次第に熱を
帯びていく。
 必死に閉じようとしていた足はだらしなく広がり始め、ゆっくりとだが腰も
触手の蠢きに合わせて波打っていた。
 半ば解けたパジャマの繊維と粘液の混合物。その下で汚された肌はほの赤く
色づいていた。

 孝之君……
 孝之君……

 遙の体の変化を見て取ったゆらぎは故意に遙の口を開放した。

「んっ……はぅ……」
141colors支援? 3/12:02/04/04 18:29 ID:mSmrPakr
 遙の小さな喘ぎ声が漏れる。
 声を出す事で体の反応は飛躍的に高まった。
 三年間抑えていた女性としての衝動が禍々しい手段で一気に開放されていく。

「んっ……はぁっ……あんっ……」

「らめぇ……たかゆきく……ふぁっ」

 声はどんどん大きく、はしたなくなっていく。
 頬を赤らめた遙の顔。焦点を失った目。もはや触手への嫌悪は消えていた。
あの日の記憶と快感が渾然一体となって遙を遅い、甘い嬌声を搾り出していた。

「孝之君……はぁ……ごめん、ね……うぅん……」
「気持いぃ、の……くふぅ・・…はぁああ」

 喘ぎ声を糧にするかのように触手はますます数を増やしていた。遙に放たれ
た半透明の粘液は飽和状態になり、遙の体の線を浮かび上がらせながら滴り落
ち、シーツを濡らしている。
 ゆらぎは遙の瞳が欲望に濁りつつあるのを確かめると、じわじわと下着を溶
かしていった。水飴をこぼしたように濡れた胸と秘所が露になった。
 数百の触手がより合わさって、遙の秘部に入り込むための一本の巨大な触手
に変化していく。
 それは鎌首をもたげた蛇のように先端を曲げながら両足の間に狙いを定めた。

「はぁ……ふぅ……んっ……ねえ、たかゆ、き、くぅん……して……」

 快楽に耐性が無く、経験も皆無に等しい遙は、肉体の反応よりも頭の中に広
がる孝之との記憶に溺れていた。ゆらぎの中で夢を見る孝之と遙の心が同調し
ていく。

 あの日の記憶……裸でじゃれあう二人。

「ねえ。孝之君。おまじない」

 心の中で遙は甘えた声をあげる。

「おまじないしようよ。」

 そうだ……
 ポツリ――と、ゆらぎに与えられた偽りの幸福に穴が空く。
 どうしてさっき、孝之君はおまじないをしてくれなかったんだろう。
 浮かんだ疑問は雨雲のように広がり、偽りの快楽を拭い消し去っていく。
 遙の心が醒めていく。自分の置かれた状況を思い出し、目を開けた。

 ……いや、
 ……いやあ
 ……誰か、助けて……

 声をあげさせるため自由になっていた口が動く。
 津波のように襲ってくる快楽に反応しそうなるのを懸命に我慢して、遙は
出せる限界の大声をあげた。
142colors支援? 4/12:02/04/04 18:30 ID:mSmrPakr
「助けてっ!!!! 誰か助けてえええええ」

 その声は途中で途切れた。触手が再び口に殺到したからだ。
 ゆらぎはやや余裕を持たせていた遙への縛迫を再度強めると、両足を大きく
開かせた。表面から快楽で堕ちないようなら……中から犯し尽くすしかないと
本能が命じる。
 蛇触手はさらに太さを増し、先端部分は針のように尖る。
 遙は絶望に目を閉じた。
 顔に大量に浴びせられた粘液の上、一筋の涙が流れる。


 その時、風が吹いた。

 
 耳の後ろを冷たい風が通った。そのひんやりとした感触が遙を覆っていた
混濁した快楽の熱を凍らせていく。
 その風は空間が切り裂かれてできた次元の隙間から流れてきたものだった。
勿論遙はそれを知る由も無い。。
 しかし、ゆらぎはその風にかすかに紛れていた"戦士"の薫りに敏感に反応
した。柔らかい動きで遙を舐めまわしていた触手達が一斉にこわばる。

「な……なんなの?」

 キィ――

 硝子窓を爪で引っ掻いたような音がした。
 なんの前触れもなく遙の目の前の虚空から、"Ω"の字の形に似た鋭い刃先が
飛び出す。

 そこからの、僅か一秒にも満たない時間……
 遙には映画の長い長いスローモーションのように一つ一つの動作がはっきり
と見えた。

 綺麗に半円の弧を描いていく刃。
 次々と切断されていくその軌道上の触手。
 切断面から零れ落ちる焦茶色の体液。
 触手の支えがなくなり、持ち上げられていた空中からドサリとベッドに落ち
る自分。
 恐慌をきたして、全ての触手を引き抜き部屋の隅に縮まるゆらぎ本体。

 そして――
 裂けた空間の中から飛び出してきた一人の少女の姿。

 一瞬の光景。
 遙の瞳に、それらはまるで無声映画をみるように滑らかに映った。

 ……時間の感覚が戻ってくる。
 遙の目の前、ベッドの上に立つ一人の少女――アイの後姿があった。
 今しがた曇り空を割った満月の光が窓から差込み、彼女の半身を青く冷たく
照らしている。
143colors支援? 5/12:02/04/04 18:32 ID:mSmrPakr
 短くも無造作に伸びた藍色の髪と切れ上がった赤い瞳。
 全体の顔の作りはあどけない少女そのままだ。しかしゆらぎを冷徹に見つめ
るその表情には歴戦の兵士のような冷酷さと落ち着きが浮かんでいた。
 膝近くまで垂れた真紅の長いリボンは風も無いのに空中になびいていた。
まるで彼女自身から何かオーラが放出されていて、それに流されているかのよ
うに。
 自分の背丈よりも長い杖を斜めに構えている。その先で黒く光るΩ形の刃。
あれだけ大量の触手を一太刀で切り落としたのに、刃には液体の一つすらつい
ていない。
 華奢なシルエットは斜めに月光を受け、部屋の逆側のゆらぎにまで届いてい
た。

「下がってて」

 ボソリとアイが呟く。

「え……」

「下がってて。でないと、死ぬよ」

「……」

「後は、私の仕事だから」

 千切れた触手の先の一本が、シーツの上で今も尚異臭を放ちながらビクビクと
うねっていた。
 それをアイは右足で力任せに踏み潰した。水風船が割れたような音がして、
触手はただの汚濁に帰っていく。

「あさましいね……」

 吐き捨てるような声で少女は嘆いた。

 ゆらぎ本体は未だ何が起こったのかを理解できずに混乱していた。統率を
失った触手は自分の流れる体液を啜り合い、触手同士で共食いのような状態に
なっていた。

「早く逃げて」

「私、でも……足が……」

「足?……動かないの?」

 アイは遙の方を振り向いて訪ねた。

「……」

 遙は無言で小さく頷く。
144colors支援? 6/12:02/04/04 18:33 ID:mSmrPakr
「じゃあ、じっとしてて……目をつぶっていて」

そういうとアイは槍――牙竜を握り締めた。

「あれは……あの化け物は……孝之君なの……」

 アイは何も答えない。ただ部屋の隅のゆらぎを見詰めている。

「だから……」

 遙のか細い声は、ゆらぎ本体が突然出したゴボゴボという激しい泡音に掻き
消された。
 統率を取り戻したゆらぎは当面の目的を戦士の蹂躙に変更した。混沌として
絡み合っていた触手全てを本体が飲み込み、対戦士用に体の構成を素早く変化
させていく。

「一気に磨り潰してやるっ!!」
 
 アイは片足で軽くベッドを蹴ると、牙竜を上段に構えたままの姿勢でゆらぎ
に飛び掛っていった。

「小細工をする前に倒してやるっ!!!! はァァァァァ!!」

 空中で体を大きく反らせて、丸く固まったゆらぎめがけて一気に牙竜を振り
下ろす。
 その鋭い刃先は何の抵抗も無くゆらぎの体にめりこんでいった。

「え?……」

 まるで泥の中に槍と突っ込んだような手ごたえの無さを感じ、アイは驚く。

 ギギィ……

 嘲笑するかのようなゆらぎの囁きが部屋にこだまする。

 ……硬いのは表面だけで、中は液体になっている……
 
 アイはゆらぎの体の変化を悟り、距離を取ろうと下がった。しかし牙竜の先
端部分が抜けず、柄の長さ以上に離れる事ができない。
 その牙竜の柄部分を伝うようにしながら、液体と固体の中間のような触手が
アイに襲い掛かった。
 アイは渾身の力で牙を引き抜いた。ゴボっていう音と共に先端が顔を出す。
そして近寄る触手を片っ端から切り落としていく。
 しかし切断された触手は雫となって床に落ちたかと思うと、再び本体の元へ
と集まっていく。
 そして切断面からは、さらに数倍の触手が新たに生えてきていた。

「これじゃ切りがない……」
145colors支援? 7/12:02/04/04 18:33 ID:mSmrPakr
 アイの顔が曇る。
  少しずつ息が上がっていき。ロッド裁きの速度が落ちていく。
 刃先に付着したゆらぎの残骸が切れ味を鈍くしていている事に気づく余裕も
無くなっていた。
 病気、死、怨嗟、不満……
 病院にはゆらぎの栄養となる"負"の因子が多すぎる。ゆらぎの格好の餌場だ。
 たった一晩でこの病院はゆらぎの巣と化してしまった。
 その全てを一人でなぎ倒してきたアイは、ここに来た時点でかなり疲労が蓄
積していた。
 敵は雑魚がほとんどだったものの、ここに来る直前に倒してきた、背の小さ
な看護婦の心臓にからみついていたゆらぎが曲者だった。
 それは一朝一夕に憑いたものでは無く、彼女の心臓そのものの組織すら変化
させるほどの力を持っていた。もし放置しておけばそう遠くない日に彼女の命
すら奪っていただろう凶悪なゆらぎだった。
 そのゆらぎを、彼女本体を傷つけることなく倒すのに大きな手間がかかった。
 アイ自身も少なからぬダメージを負ってしまった。

 触手は益々増えていた。その増殖スピードに耐え切れずに、ガクリとアイは
膝をつく。それを見逃さなかったゆらぎが、立てた左足に物凄い勢いで絡みつ
き、殺到する。

「くっ……」

 急いで体勢を戻そうとしたアイの右足の甲を、棘状に変化したゆらぎが突き
刺して床に釘付けにした。

「……っ!!!!」

 悲鳴を出さないのが精一杯のアイの抵抗だった。
 一瞬痛みで目を閉じた瞬間、全ての触手がアイに一斉に絡みついた。

「畜生……」

 無数の細長い「指」がアイに粘液をなすりつけはじめた。液体はアイの毛穴
から血管に入り込み、彼女の神経を素早く侵食していく。

「か、かはぁっ!!??」

 遙になすりつけた液体とはその濃度が違った。常人がこれを浴びたら数秒で
精神が崩壊するようなレベルの催淫作用のあるものだった。それを直接血管か
ら神経に流されてしまったのだ。
 アイの体がブルブルと激しく痙攣した。
 脳の中で大きな爆発があったような衝撃。
そしてその衝撃の後に来たのは突然の絶頂だった。

「はぁぁ……ンっ……駄目……だめぇ……らうぇ……」

 お腹の下で快楽の塊が物凄い勢いで膨れ上がって破裂していく。波紋のよう
に快感が体中に広がる。それが数秒の間に何十回と続いた。
 ダラダラと何かが自分の足から零れ落ちている。愛液なのか失禁なのかはも
う判断する事ができない。それを止める事もできない。
146colors支援? 8/12:02/04/04 18:36 ID:mSmrPakr
「いいっ……気持イイ……」

 アイの表情があっという間に蕩けた淫靡なものに変わっていく。誰かの唇を
求めるかのように舌が口から飛び出す。そこにも細い無数の触手が群がり、粘
液を塗り込んでいく。

「ああ……こんな……いきなりイッちゃうのぁ……いいの……でも、らめなの」

 壊れた人形のようにガクリと肩を落としたアイの体中を触手が這いずり回る。
 瞬時にして快楽に翻弄されてしまったアイは発情期の猫のように腰を自ら触
手に押し付けながら甘い声をあげる。

「ああっ……おねがい……ちょうだいほしいのォ……もっろしれぇェェ」

 しかし、残った微かな理性……戦士の本能が心の隅で叫んでいた。

 ……あの子は……助け……なきゃ……

 アイはひっきりなしに嬌声をあげながらも、遙を触手の標的にしないように
と彼女がゆらぎから隠れる方に体を向けていった。
 幸いまだゆらぎはアイを貪る事のみに夢中のようだった。
 僅かに自由の利く右手の人差し指をピンと立ててドアを指し、遙に逃げるよ
うメッセージを送る。
 伝わるかどうかは解らない。しかし、それが今のアイに出来る唯一の戦士の
仕事だった。

「ああっ……いい、いいのォォ……。もう我慢できラいの」

 アイの秘部は既にゆらぎの粘液と自分の愛液でびしょびしょに濡れ、足の下
は水溜りのように濡れていた。
 触手はアイの右手に気づくと、それを無理やり秘部に持っていかせた。
 強引に押し付け、滅茶苦茶に動かす。

「はぅあァ……指、擦れちゃうの……いい。気持イイッ……しちゃう……もう
 駄目……なっちゃうのぉっ!!」

 アイの最後の意志も快楽の前に消えようとしていた。


 遙は呆然とアイが触手に陥落していく光景を見ていた。
 恐怖で体がすくんで動けない。

 ……私……私、どうすれば。

 アイの人差し指がドアを指差していた。ガクガクと腰を揺らし甘い声が漏れ
続けるアイの体の中で、そこだけが別の動きを見せていた。

 ……逃げろって、言ってる。
 ……這ってでも、逃げなくちゃ……でも、でも、その前に……
147colors支援? 9/12:02/04/04 18:37 ID:mSmrPakr
 遙は動かない足に力を込める。深呼吸をするとゆらぎの悪臭が胸に入り、咳
き込んでしまう。
 それでも息を継いで足腰ごと動かしてなんとか下半身をベッドから出した。
 リハビリでの苦労をを思い出しながら、両手を突っ張らせて体を動かす。

 ……動いて……動いてよ……

「――動いてよ!!!!」

 遙はそう思い切り声に出しながらベッドから1m程離れたサイドボードに飛び
ついた。上半身の力だけでなんとか床に崩れ落ちるのを防いぐ。
 そして茜が飾ってくれた薔薇の花が活けられた大きな花瓶を持った。

 ……逃げないと。
 ……でも、でもその前に……
 ……あの子を助けないと!!

「やめて!!!!孝之君!!!!」
 
 遙は力一杯叫びながら、その花瓶をゆらぎに投げつけた。緩やかな放物線を
描いて飛ぶ花瓶。真っ赤な薔薇の花びらと水しぶきが部屋一杯に舞い散る。

 ……逃げきゃ……助けなきゃ……

 力尽きた遙はそのまま床に倒れ込んでしまった。
 花瓶はアイを蹂躙する事で手一杯のゆらぎ本体にあたり、粉々に砕け散った。

 そのショックでほんの一瞬触手の締め付けが緩くなった。
 幾つかの触手が床に倒れる遙に興味を示し、アイの体から離れた。

「今しかない」

 その刹那、堕ちたアイの目に輝きが戻る。
 アイは今にも取り落としそうになっていたロッドを再び握り締めると、自分
の体に向けて思い切り叩きつけた。
 纏わりついた触手とともに自分の肌も何度も何度も切りつけていく。
 ひるんだゆらぎと一緒、あるいはそれ以上ににアイ自身の皮膚が裂け、激痛
が体を駆け巡る。
 しかしその痛覚は確実に淫猥な快楽を打ち消していった。

 アイは血を流しながら数歩下がり、ベッドの側で倒れたままの遙に駆け寄った。

「逃げてっていったのに……」

「……良かった。離れられたんだね」

「そのままじっとしてて……今度はちゃんと、倒すから」

 アイはそう遙に言うとゆらぎの方に顔を向けた。
148colors支援? 10/12:02/04/04 18:38 ID:mSmrPakr
 触手の濁った黄土色の液体とアイ自身の鮮血が混ざり合いながらア太腿から
膝へ、膝から床へ流れ落ちる。

「殺して、あげるね」

 アイの目が紅玉のように仄かに輝いた。
 ニヤリと唇の端を歪める。脇腹の傷から流れる自分の血を指で掬い取り、舌
で軽く舐めた。
 殺人気のような妖しい微笑みが浮かび上がる。

「……――」

 アイは牙竜の先を見詰めながら、人間の言語では発音しきれない言葉をつぶ
やいた。

 ――ヴーン
 
 機械のような細かい振動音が部屋を包む。
 音は牙竜の刃先から出ていた。Ω形の刃が青白い燐光を放ちながら小刻みに
震えている。

「牙竜の開放された力を見て死ねるなんて、幸せね」

 再び攻撃の態勢を取ろうとしていたゆらぎに向かってアイは言う。

 ゆらぎを倒す魔法戦士にとってこの杖は命より大事な武器である。
 彼女達の住む世界で最凶最悪、制御不可能な生き物――この世界の言葉で表
現すると、"竜"のような生き物――それを数十名がかりの魔法で強引に封じ込
め、何年もかけて武器として慣らしていったもの。
 それが"牙竜"である。

 その封印を、たとえ束の間とはいえ解き放つ事は使用者である魔法戦士にと
っても非常に危険な賭けである。下手をすれば自分自身が食われてしまう可能
性があるからだ。

 アイは今にも躍り上がって手元を離れそうな勢いの牙竜に小さな声で話し掛
けた。

「あなたのスピードは、あんな物じゃないでしょう……」

 牙竜の光が一段と強くなる。
 最も恐ろしく、最も硬く、そして最もプライドの高い生き物。
 それが牙竜。

 アイは小さく息をついて……

「いくよ」

 そう言うと僅かに牙竜の握りを緩めた。砲弾のごとくゆらぎに向かっていこ
うとする光る刃。それに対随するようにアイも突っ込んでいった。
149colors支援? 11/12:02/04/04 18:40 ID:mSmrPakr
 ギギギ……

 ゆらぎは再び触手を広げて応戦する。しかし、先程とは全く勝手が違った。
 比較にならない速さでアイは触手を切り裂いていく。
 ゆらぎの増殖速度はむしろ前よりも速くなっていた。しかしそれを圧倒的
に上回る速さで牙竜が切り裂いていく。熱を帯びたその刃の切断面は焼け爛れ、
新たな触手が生えるのを阻止している。

「ウァアアアアアッッ!!」
 
 アイの叫びにゆらぎは声無き悲鳴をあげた。
 もはやそれは戦いではなく、一方的な殺戮に近かった。 
 気が付けば、ゆらぎの触手のほとんどが焼け落ち、切り削られていた。
 ゆらぎは逃亡しようと体を扁平に変形させていく。
 体の構成分子が液体から固体に変わったその瞬間、触手を束ねる中心を牙竜
が突き刺した。
 それと同時に刃先が赤熱する。

 沸騰したかのようにゆらぎの表面が泡立ち……ゆらぎはその活動を停止した。


 ……静寂が戻った。
 アイは肩で息をしながら窓を開けた。
 まるで何事もなかったように、冷たい夜の空気が入り込んでくる。

 倒れたままの遙をアイは助け起こし、ベッドへ運んだ。
再び眠りにつこうと光を失いかけていた牙竜を軽く振る。部屋の中の汚れが
浄化されていく。アイの体、遙の体、そして部屋中の粘液が音も無く霧となり
消えていく。

「……ありがとう」

 アイは小さく遙に呟いた。見知らぬ人に優しくするのが戦闘よりも苦手な少
女の、精一杯の感謝の気持だった。

「ねえ、孝之君は・……孝之君は?」

 疲労で朦朧としながら遙がアイに質問する。
 アイは何も答えない。

「ねえ……こんなの、こんなの嫌だよお……」

 遙の目から涙がこぼれる。
 ポフ、ポフ、と遙の両の拳が力無くアイの胸を叩く。

 アイは黙ってゆらぎのいた場所を指差した。
 溶け残った最後の大きな液体の塊。その液体が蒸発した後には――
 倒れ込んだままの裸の孝之の姿があった。
150colors支援? 12/12:02/04/04 18:43 ID:mSmrPakr
「孝之君……」

「ごめんね。薔薇の花と彼の洋服は、戻らないみたい」

「孝之君……大丈夫なの?」

「ええ。彼自身は無傷。弱い心にゆらぎが憑依して、肥大しただけの事だから」

「弱い?」

 遙が不思議そうな表情で訪ねる。

「……優しさと裏返しの、弱さ」

「そう……」

 孝之の無事に安堵した遙は、大きく息をつきながらアイの胸に倒れこんできた。
 疲労が一気にでたのだろう……アイは優しく遙を抱きとめた
 
「おやすみなさい……」

 アイは今晩の記憶を消そうと遙のこめかみに手をかざした。
 自分よりもやせ細ったその体から流れ出ている思考と記憶の波がアイに流れ
込んでくる。
 思わず、息を呑んだ。
 その優しさ、その純粋さ、その奥に秘めた強さと……その過酷過ぎる運命に。

「キミは、強いんだね……私なんかよりもずっと強い」

 彼の弱い部分を殺してしまった事……それは必ずしも彼女にとっては幸せを
もたらすとは言えないかもしれない。

「でも、キミは歩いていけるよ。きっと大丈夫……」

 例えこの青年が遙を選ばなかったとしても、彼女は立ち直っていける。
 魔法少女が持つ漠然とした未来予知能力がそれを示していた。

 アイはもう一度遙を抱きしめると、白さを取り戻したベッドに静かに寝かせた。
 
「秋俊……」

 窓の外の夜空を見ながらアイは一言だけそう呟くと、音も無く空間の裂け目
へと姿を消した。
 一陣の風を残して。

END
151colors支援? :02/04/04 18:47 ID:mSmrPakr
「ゆらぎが望む永遠」(color & Age最萌支援SS)

http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1013970729/134-150

長文失礼しました。colors、age両方のファンの人本当にごめんなさい。
本当はマナマナに敗北バッドエンドまで予定してたのですが、力尽きました。
まだまだ修行不測です。支援の足手まといにならなければ幸いです。
152瞳 vs アイ:02/04/04 19:15 ID:evAJswyZ
某名門学園。
男女共学、全寮制である学園内で男女問わない謎の暴行事件が連続で発生していた。
この事件を表沙汰にしたくない学園側と被害者の父兄が、ある組織へ事件解決を依頼した。

といった経緯から私、『天王寺 瞳』と相棒の『庭野 子虎』(私は虎ちゃんって
呼んでる。 私の着任から2日後に転入予定)が派遣されることになった。

【 瞳 】「着任早々見回りかぁ・・・ついてないなぁ・・・ううん、なに言ってるの!
    お仕事、お仕事・・・」
     この学園は東西に長細くなっていて東側に女子寮、西側が男子寮と分かれて
    いて中央に校舎が建っている。 暴行された生徒達の発見現場は一定しておらず
    学園敷地内、校舎内どころか男女子寮内でも発見されている。
【 瞳 】「う〜〜ん・・・現場がランダムだと的が絞れないないのよねー」
     現在地は校舎と女子寮の間、けっこうな広さの公園になっていて芝が敷いてある
    うえに林まである。
    辺りが暗くなった・・・ 先程まででていた月が雲に隠れたのだ。 
【 瞳 】「あの林なんか絶好の犯行現場になるわよねー。 ちょっと林の中でも見てくるか・・・
    ぅん・・・?」
     50bほど先の外灯の下でナニかが動いた。
    そのナニかは暗いシゲミの中へと消えていく・・・
【 瞳 】「あやしい、なんであんなにあやしい動きをするかなぁ・・・私が犯人ですって言っている
    ようなもんじゃない。」
     シゲミの方へ向かってみる。
【 瞳 】「早期解決で虎ちゃんの出番は無しね。 次の任務も決まってないし特別休暇でもくれない
    かなぁ(ハート」
     シゲミの前までやってきた。 シゲミは私の腰までの高さだ。
    相手の気配を探ってみたが・・・いない?
    しょうがない・・・私はシゲミの中に入って様子を窺ってみたが・・・
【 瞳 】「いないなぁ・・・林の中かな?」
     この先は林になっている。 ここを抜けると女子寮は目と鼻の先だ。
【 瞳 】「まずいコトになりそうね・・・ハッ!?」

       ガサ ガサッ

     木の上にナニかがいるッ!!?
    音のした方に目をやると木の上にいる『ナニか』はすでに木から離れていた。
    こちらに向かって落ちてくる!!
【 瞳 】「 っ!」
     私は慌てて後ろに飛び退いた。 その直後、先程までいた場所に『ナニか』が
    落ちてきた。
        
153瞳 vs アイ:02/04/04 19:18 ID:evAJswyZ

       ドサッ

【 瞳 】「ふぅーーぅ、あぶない、あぶない・・・もうちょっとで下敷きになるところ
    だったわ」
     高さ10bはある木の上から人間大の物が落ちてきたのだ。 下敷きになって
    いたらタダではすまなかっただろう。
【 瞳 】「さてと・・・落ちて受けたダメージが大きくて動けないのかしら? 連続暴行犯さん?」
     先程から様子を窺っているのだがまったく動きが無い。 それどころか気配もしない。
【 瞳 】「まさか・・・死んじゃったんじゃないでしょうね!?」
     そう言いながら慎重に近づいてみた。
    すぐそばまで来たがまったく動かない・・・
【 瞳 】「ホントに死んじゃったの・・・?」
     懐中電灯の光を落ちてきた『ナニか』にあてた。
    そこに現れたモノは初めて見るモノだった。
【 瞳 】「・・・・・・・・」
     なんなの? コレ? なんなの!?
    今までいろんなモノ(洗脳やらパワードスーツ、終いには戦闘機まで)を見てきたが
    コレほど変なモノは見たことがない・・・
    それはピンク色をした・・・例えるならミミズだろうか?
    釣り餌でミミズが絡まりあって団子のようになっているのが頭に浮かんだ。
    でも目の前にあるモノはスケールが違う。 直径は1bはあるだろうか?
    巨大なミミズが動かずに、絡まりあったままたたずんでいる。
    私は本能的に危険を感じ取り、ゆっくりと後ろにさがった。
    
       カサカサ・・・カサ・・・

    足元で音がするので下を見ると周りを巨大ミミズに囲まれていた。
    しまった! 最初から狙いは私だったのね!?
    次の瞬間、目の前のミミズ団子がハジケた!!
    ニュルルルルルルン ニュル ニュルンヌルヌル
    あっという間に両足に巻きつかれ、そのまま上に上がってきた巨大ミミズに
    両腕を後ろ手に固定されてしまった。
    こうなると身動きがとれない!
    あとは身体中に巨大ミミズが絡みついてくる。
【 瞳 】「あっ!? ダメッ!!」
    フトモモに絡みついていた巨大ミミズがパンティーの上から私のアソコを責めだした。
【 瞳 】「う・・・あぁ・・・ダメよ・・ぅんンッ」
     弱すぎず、強すぎず、絶妙なチカラ加減でアソコを責めてくる。
    するともう一匹がクリトリスを責めだした
【 瞳 】「ダメよ・・・ダメ・・あぁ・・でも上手いわ・・・んっく」
     マズイな・・・このままだと快感で流されてしまいそう・・・
【 瞳 】「ふぐッ!? んんんーーーーーーッ」
     巨大ミミズの一匹が口の中に入ってきた。
    咽喉の奥まで容赦なく押し込んでくる。
154瞳 vs アイ:02/04/04 19:19 ID:evAJswyZ
【 瞳 】「ごぁッ、ぐぅ・・むあっふ、ふむぅッ!?」
     巨大ミミズの動きが変わった・・・前後に激しく動くだけだったのが私の
    口の中を全部使う動きに変わっている。 
    内側から頬に押しつけてたり、先端を舌に擦りつけたりしている。
【 瞳 】「ん・・・んん・・あむ・・・んっんっんんッ」
     この巨大ミミズ・・・口当たりといい、分泌されている体液といい本物のアレに
    ソックリだ・・・ と、いうコトは射精もするんだろうか?
【 瞳 】「ふぁ・・・」
     下半身が熱くなってきた。 しばらくご無沙汰だったから身体が勝手に反応
    しちゃう・・・
【 瞳 】「んんっ!?」
     口を責めていたヤツの動きが激しくなった。
    また咽喉の奥まで押しこんで前後に動く。
    これって・・やっぱり・・・あッ!!?
【 瞳 】「――――――――――ッ・・・」 

       ドプ、ドピュ、ドピュッ

    巨大ミミズがブルブルと震えながら口の中に射精をしてくる。 
    口の中に本物の精液と同じ味のする液体が溜まっていく。
    巨大ミミズは私の口の大きさまで拡がっていて吐き出すことも出来ないでいた。
   
       ドピュ、ドピュルルルッ

    巨大ミミズの射精は止まらない・・・ このままだと液体が鼻のほうまできて
    呼吸ができなくなる・・・
    しょうがないな・・・覚悟をきめよう。
【 瞳 】「んっく・・んっ・・・ゴク・・ゴクン・・・ゴク、ゴク・・・んぁ・・」
     飲んでも飲んでも終わらない・・・いつ終わるかわからないが私はひたすら
    飲みつづけた。
【 瞳 】「ゴク、ゴク、ゴクン・・ゴクン・・・?」
     巨大ミミズが大きくブルブルっと震えたあと射精は止まった。
    やっと終わった・・・最後に出された液体飲み込んでホッとしたら巨大ミミズが
    口から出ていった。
【 瞳 】「ぷあッ・・・はーー、はーー、ふぅー・・・んん――――ッ!?」
     口を開放されて油断していたところにアソコを責めていた巨大ミミズが一気に
    オ○ンコを貫いた。
【 瞳 】「あっ、ああああっ、―――――っ・・・」
     挿入れただけで軽くイってしまった・・・・・
155瞳 vs アイ:02/04/04 19:20 ID:evAJswyZ

        
       キシャキシャキシャ
    
    巨大ミミズから嘲笑うような鳴声がきこえる・・・くそぅ!!
    私の中に収まっている巨大ミミズが動きだそうとした時、変化があった。

       キィ、キィ、キィー、キィ

    巨大ミミズたちが奇妙な鳴声をあげて動きだした。 
    なにかを警戒している・・・?
    なに? なにに警戒しているの?
    私も周りになにがいるのか探ってみた・・・その時!!
【 ? 】「そこまでだ!」
      どこからか声がする。 少女のようだ。
【 ? 】「その人を放しなさい!!」
      
       キシャー
     
     巨大ミミズが威嚇するような鳴声をだしている。
     どこ? どこにいるの?
     巨大ミミズたちの向きが一点に向かう。
     あそこか!?
     巨大ミミズの向いた先に人が立っていた。 やはり少女のようだ、どちらか
     というと小柄な・・・虎ちゃんくらいか? がいる
     しかし、少女は奇妙な格好をしている。 フィギュアスケートの選手のような
     格好をしている。
     右手になにか棒のようなモノを持っている。
     だんだん周りが明るくなってきた・・・ 今まで隠れていた月が再び現れようとしている。
     少女が持っている棒の先端がキラリと光る。
     鎌・・・?
     私の知っている鎌とは違って刃の部分は長く伸びていないが、おそらく鎌であろう。
     少女の顔がハッキリと見えた。
     整った顔つきだ。 将来、とてつもない美人になりそう・・・
【 ? 】「まぁ、離そうと離さなくても結果は一緒だでどね」
         
       シャキンッ!

     少女の右手の鎌が鳴る!!
【アイ】「ここで全部、殺してやる!」
      これが私『天王寺 瞳』と『加賀野 愛』との初めての出会いだった。

【 瞳 】「でも・・・どーして外灯の上に!?」 


     つづく(嘘    
156とらハ3 その2:02/04/04 23:26 ID:diiSVd56
2月13日(火)
  矢後市三鷹町 笹野波大学
    PM2:35


 太陽の浮かぶ角度がもうすぐ45度になろうとしている時間、
 俺は忍と二人、少し肩を落としながらキャンパスを歩いていた。
 というのも……。
「で、どうだったの? テストの出来」
「……聞くな」
 という訳だ。
「大体、健康スポーツ科学科所属の俺が何故英語を学ばなければ
 ならないのか……」
「あはは。それ言うなら私だってそうだよ」
 忍は余裕の表情だ。
 ……或いは諦めの境地なのかもしれないが。
「でもこれで明日からながーい春休みなんだし。過ぎた事は
 気にしないでこれからの事考えようよ」
「ん……そうだな」
 テストは今日で終わり。明日から忍の言う通り長い長い春休みだ。
 一応例年の行事として美由希と山篭りする予定ではあるが、
 今まで2週間程度だった春休みが突如2ヶ月になってしまった
 のでスケジュールは空き放題だ。
 さて、どうしたものか……。
「今日はどうする? ゲーセン寄ってく?」
 などと考えてるうちに忍からの提案。
「いや……今日は止めとく。連日連夜の徹夜勉強のツケで非常に眠い」
「それもそうか」
「悪いな」
「いいよいいよ。じゃあ恭也の家に行こっか」
 ……来るのか?
「む、その顔は……もしかして用事でもある?」
「いや……でも俺はすぐ寝るから相手は出来んぞ」
「いいよー。ちょっと私用もあるし」
「……私用?」
「ふふ」
 忍は秘密、と言わんばかりに底意地の悪そうな笑みで応えた。
「それじゃ、車出すからちょっと待っててねー」
 言われた通り少し待ち……俺は忍と共に家へ帰った。
157とらハ3 その2:02/04/04 23:27 ID:diiSVd56
2月13日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM4:30 


 【忍's view】

 恭也は家に着くとすぐ部屋に入って夢の世界へ旅立った。
 実はちょっぴり不満だったけど、まあ良し。今日は他にやる事が
 あるのだ。
「美由希ちゃん、ちょっといい?」
「あ、忍さん。来てたんですかー」
 Tシャツを汗でいっぱいにして、美由希ちゃんは息を切らしながら
 私に笑みをくれた。
 恭也がいなくてもこうやって毎日鍛錬に勤しんでるんだよねー、
 この娘は。
 毎日適当に食っちゃ寝してる私には眩しすぎる……。
「……忍さん?」
「あーゴメンゴメン。あのね、ちょっと聞きたい事があるのだよ」
「はあ……なんでしょう?」
「……那美の事なんだけど、あやつはここにどれくらいの頻度で
 来るの?」
「え……?」
 いつもポーっとしてる美由希ちゃんがさらにポカーンとする。
「えーと……例えば、週に何回とか」
「あー、はい。それなら、大体週に二、三回ぐらいです。
 久遠がこっちに来る時は大抵那美さんもこっちに来ますから……」
 私とかち合うのが週に一、二度だったから……うむむ、微妙。
「それで、ここ数日は? 同じ?」
「あー……そう言えば来てないですねえ。ここ何日かはずっと
 なのはが神社に出張してますし」
「……で、明日は? 来るのかな?」
「あ、そういう予定ですねー」
 ……ヤハリソウカ。
「ありがと。それじゃ私もう帰るから、恭也にもそう言っといて!」
「え? あ、あれ? もう帰るんで……」
 美由希ちゃんの言葉を全部聞く前に、私は全速力で踵を返し
 そのまま家路へついた。
 那美、やっぱり明日……。
「負けないよ……那美!」
 車中でメラメラと闘志を燃やす私であった……。
158とらハ3 その2:02/04/04 23:28 ID:diiSVd56
2月13日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM6:40

「恭也……恭也……」
「ん……」
 身体を揺さ振られる感覚……って、実際に揺らされていたか。
 瞼を持ち上げると、フィアッセが目の前にいた。
「ごはんだけど……どうする? 食べる?」
「……」
 一瞬の思議の後、
「……食べるよ」
 そう答えた。
「みんなで食べたほうがおいしいもんねー」
「……うん」
 まだ意識はハッキリしないが……俺はフィアッセと共に食卓へと
 出向く事にした。


「お、おししょー」
「起きてこられたんですか」
 食卓には既に料理が並んでいた。
 今日のメニューは……紅鮭と長ねぎの雑炊、筑前煮、
 ほうれん草のおひたし、ホタテの中華風ソテーに
 鶏肉とナッツ甘酢唐辛子炒め……相変わらず見事な出来映えだ。
「さ、いただきましょうか」
『いただきまーす!』
 食事開始。
159とらハ3 その2:02/04/04 23:29 ID:diiSVd56
「そー言えば……」
 その最中、かーさんがわざとらしくそう前置きをして……。
「明日はバレンタインねー」
 などと言ってきた。
「……」
 そうだった……すっかり忘れていたが。
 バレンタインデー。歓迎できない行事の一つだ。
 というのも、正直あまりいい思い出がない。
「師匠、甘いもの苦手ですもんね……」
「ああ……」
 まあ、そういう訳だ。
「恭ちゃん、無愛想な割に結構もてるからねぇ……」
「理解できん」
 こんな朴念仁より他にいくらでもいるだろうに。
 それに反論する様に、フィアッセが少し真剣な顔をこっちに向けた。
「そんな事ないよー。私は理解できるよ」
 その言葉を皮切りに、
「おししょーは自分の事をわかっとらんですー」
「そうっすよ。ミーハー連中は大抵勇兄に行ってたけど
 隠れ師匠ファンも結構いましたよ」
「ストイックな魅力があるんだろうねー、きっと」 
 話のダシにされてしまった。
「そうそう、バレンタインデーと言えば、恭也がまだ小学生の頃……」
 当分続きそうなその話をBGMに。
 俺は寡黙に食事を進めた……。
160とらハ3 その2:02/04/04 23:30 ID:13V1xI4W
2月13日(火)
 月村邸 調理場
    PM7:00


 普段は近付く事すらほとんど有り得ない場所に、
 私は一人で立っている。
 片手に持ちますは、『必勝! バレンタイン攻略のススメ』などと
 表紙に大きく書かれた定価380円の雑誌。
 そして、目の前に用意された板チョコ、鍋、へら、ステンレスの
 ボール、金だらい、木杓子、モールドといった材料や道具を
 じーっと睨む。
 ……不肖私月村忍、生まれてこのかた料理など
 ロクにいたした事などございません。
 そういうの、全部ノエルがやってくれる訳だし……正直興味もないし。
 それでも……今この時だけは女としてどうしてもやらねばならぬ
 やんごとなき事情により、私は今こうしてここにいる。
 ……那美のバックには料理の達人がついてると聞いている。
 一応私にもノエルと言う心強い味方がいるのだが……ここは
 私一人でやらねばいけない。そんな気がする。
 普段ノエルに頼る事に対する抵抗は全くないけど、これだけは……。
「これだけは……私一人でやらなきゃ……ね」
 私は心の中でそう誓った。
 さて、作業開始。とは言え……何から始めればよいのやら。
「……うーん」
 唸ってみてもチョコは出来ないので、取り敢えず本の通りに
 やってみる事にした。
『包丁で板チョコを細かくカットしてください』
 私は重さで約10sはあろう板チョコを見た。
 ……チョコを千切りにする機械を作った方が早いような気がする。
「ノ……」
 無意識にノエルを呼ぼうとした口を慌てて塞ぐ。
 ……さっき力強く誓ったばかりだと言うのに。
 先が思いやられるよ……我ながら。
「よしっ!」
 気合を一つ、包丁を手に取り……ひたすら切りに切った。
161とらハ3 その2:02/04/04 23:30 ID:13V1xI4W
【PM7:00→PM9:45】

「お、終わった……」
 どうにかこうにか、板チョコを細チョコに変換し終えた。
 次は……。
『カットしたチョコレートをステンレスのボールの中に入れ、
 鍋にお湯を沸かします。大体50度から70度くらいの温度に
 しましょう。指で触って、「あちっ」っと感じるくらいの温度です。
 そして、鍋にチョコの入ったボールをゆっくり浸して、
 木杓子でかき混ぜながら溶かします』
 ふむふむ。これは簡単だ。

【PM9:45→PM10:15】

 よし、でけた。少しボールにお湯が入ったけどまあいいか。
 えーと、次は。
『だまがなくなって、とろとろになるまで溶かします。
 完全に溶けたらすぐにお湯からボールを出し、金だらいに
 水を張りましょう。そして金だらいに溶けたチョコのボールを
 入れて、ゆっくりとかき混ぜながら冷やします』
 ……なんか思ってたよりも簡単だなあ。
 まあよい。その分は愛情をこめこめ……あうー、照れるなー。
「忍お嬢様?」
「どひひゃっ!?」
 お湯からボールを取り出した所で背後から突然の声。思わず私は
 身体をすくませてしまった。
「ノ、ノエル? いきなり話し掛けないで」
「申し訳ありません」
 あー、さっきの拍子でチョコがこぼれちゃった……。
「あの、おやつなら私が作りますが……」
「あー違うの違うの! これはそういうんじゃないから、
 ノエルは引っ込んでて」
「……はあ」
 ノエルは納得いたしかねるといった表情で、それでも逆らう事なく
 調理場から出ていった。
 さて、作業再開……の前に、掃除しないと。
 まだ時間はある。ゆっくりいこう……。
162とらハ3 その2:02/04/04 23:32 ID:13V1xI4W
2月13日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM11:40


「ふー」
 一っ風呂浴びて、俺は湯気をまといながら廊下を歩く。
 バレンタイン、か……。
 夕食時にかーさんや美由希から散々昔話を暴露された所為で、
 嫌な事を思い出してしまった。
 世の中には物好きが多いらしく……赤星ほどではないにしろ、
 俺にチョコレートを持ってくる女子は毎年そこそこいた。
 特に、中一の時に多く貰った。よく覚えている。
 家族のみんなは俺が甘い物が駄目だという事を知っている為、
 ある者はプロの腕を駆使して甘味を抑えた大人の味のチョコレートを、
 ある者はチョコレートの代わりに別の料理で、ある者はそれほど
 多くない小遣いをはたいてビター味のチョコレートを……と
 言った具合にいろいろ気を遣ってくれているので助かっているのだが、
 学校から貰ってきた分は如何ともし難く……。
「結局、無理して全部食べたんだけどその後2日間
 寝こんじゃったんだよね」
「……苦い記憶だ」
「はは……」
 居間に美由希がいたのでその事を話すと、苦笑いを浮かべつつも
 懐かしげにしていた。
「あれ以来バレンタインのチョコは見るのも嫌になっちゃったもんねー」
「……たまに夢でチョコレートが津波のように押し寄せてくる事がある」
「それは……私でもやだな……」
 しかしまあ、今年からはその悪夢にうなされる事もないだろう。
 明日は1日中家にいるし、家族以外でわざわざチョコレートを
 渡しに来るような奇特な人材はいまい。
「ああ、そう言えば」
「何だ?」
「明日、那美さんが来るって。恭ちゃんに用事があるんだと」
「……」
 つーっと、一筋の汗が頬を伝う。
「あー、大丈夫だよきっと。恭ちゃんが甘い物駄目ってのは
 前もって教えといたから」
 ま、まあ貰った所で一つ。大事には至るまい。
 などと失礼な事を考えつつ……俺は自分の部屋へと戻った。
163とらハ3 その2:02/04/04 23:33 ID:atrZoM8E
【忍's view】

2月14日(水)
 月村邸 調理場
    AM1:10


 気が付くと、いつの間にか日付が変わっていた。
 既に今日がバレンタインデーだ。
 で、チョコの出来具合はというと……。
『溶けたチョコレートをモールド(型)に流し込み、テーブルの上に
 モールドを軽く何回か叩きつけて、チョコの中の空気を抜きましょう。
 そして、盛り上がったチョコをへらでこそげ落とし、冷蔵庫で
 30分から1時間ほど冷やします。それで出来あがりです』
 ようやくここまでこぎつけた。
 既にチョコは冷蔵庫の中。もうすぐ完成だ。

【AM1:10→AM1:40】

「よし!」
 冷蔵庫を開け、中を確認する。
 出来てる出来てる。
 少し大きめだけど、よく食べる恭也の事、これくらいの方が
 喜ばれるよね。
 さあて、後はデコレーションを施して、道具を片して……。
「あれ……?」
 デコレーション用に買っておいた筈のクリームがない。
 どこやったっけ?
 台の上にも冷蔵庫の中にも、買い物袋の中にもない。
「……もしかして、買い忘れた?」
 サーっと、顔から血の気が引いた様な気がした。
 デコレーションが出来なきゃ手作りの魅力が激減するのは明白。
「ノエルー! ノエルー!」 
 ……結局、ノエルに頼るはめになってしまった。
 まだしばらく時間がかかりそうだ……。
164とらハ3 その2:02/04/04 23:34 ID:atrZoM8E
【AM7:30】

 チュンチュチュ、チュンチュン……
 スズメの鳴き声が遠くに聞こえた頃……。
「で、できたぁ……」
 私のチョコがようやく産声を上げた。
 ふふふ……那美ぃ……前日まで私が試験な事をいい事に
 抜け駆けしようとしてここ数日慣れないチョコレート作りに
 没頭しているのだろうけど……そうはいかないわよぉ……。
 薄れゆく意識の中、私は推測に過ぎない那美の行為に対し
 一人勝ち誇っていた……。



2月13日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM5:40


 黄昏が海鳴を優しく包み込む時間。
 夕陽の漂う空の元、俺は一人でボーッと庭を見ていた。
「あはは、くーちゃんこっちこっちー」
「くぅぅん」
 いつものように、そこではなのはと久遠が楽しそうに戯れている。
 こういう幸せを絵に描いたような情景を見ると、何もかも忘れて
 この縁側で茶でもすすりながら隠居生活を送るのも悪くないな……
 などと言ったら、
「師匠、老け込みすぎ……」
 などと晶辺りから苦笑交じりに言われそうだが……実際悪くない、
 とも思う。
 けど、それはまだ先の事。
 今は、1日でも早く美由希を一人前の剣士に育て上げ、そして、
 俺自身……まだ伸びしろが残っている内は一つでも多くの壁を
 越えていきたい。そう思っている。
「久遠ー」
 少し甘くて……思わずほのぼのとしてしまうような優しい声が
 耳に飛びこんできた。
 その主は、にっこりと微笑みながら庭の一人と一匹に近付いていく。
「あー、那美さん」
「くぅん♪」
 久遠が嬉しそうに神崎さんの懐へ飛び込む。
「いつも遊んでくれてありがとうねー、なのはちゃん」
「いえー。お友達ですから」
「くぅぅん♪」
 彼女がここに来ると、周りの空気がよりいっそう和やかになる気がする。
 それが俺にとっていい事なのかどうかは……正直わからない。
165とらハ3 その2:02/04/04 23:34 ID:atrZoM8E
「それじゃ久遠、もうちょっとだけ遊んでてねー」
「くぅん」
 神崎さんはにこやかにそう言って久遠を下ろし……俺の方に
 ゆっくりと歩を進めてきた。
「……あ、あの……」
 顔が赤い。
 夕陽に照らされている所為か、それとも……。
「ちょーーーっと待ったーーー!!」
 と、俺の思考を蹴っ飛ばすかのような怒号が門の辺りから聞こえてきた。
 この声は……忍か?
「おおっ! ちょっと待ったコールだ!」
「おお、何やら修羅場な雰囲気……」
「……二人とも、野次馬はダメ」
「あうう……面白そうなのに」
「おししょーの拝見した事ない一面が垣間見えそうやのにー」
 横目になのはがレンと晶を奥の方へ強制連行している姿が
 見えたが……今はそれどころではない。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!
 ……という効果音がバックに流れてそうな緊迫した雰囲気の中、
 忍と神崎さんはお互いを牽制しつつ俺の方ににじり寄ってくる。
「……」
 何が何やらわからない俺は、ただそれを見ているしかなかった。
「……恭ちゃん、あれ絶対自分の立場わかってないって顔だよ……」
「あの二人も苦労しそうだね……」
「ほらほら二人とも、野次馬はいけません」
「あーん、面白そうなのにー」
「恭也の普段見られない一面が見れそうなのにー」
 なのはが美由希とフィアッセを奥の方へ強制連行している様子が
 耳に入ってきた。
 さすがにそっちを見る余裕はもうないが。
166とらハ3 その2:02/04/04 23:36 ID:CDpqc9WR
「……先に来たのは那美だから……そっちが先でいいよ……」
「そ、そうですか……では……」
 と、今度はこっちでコソコソ声。
 どうなっているのか……訳がわからん。
「あ、あのっ、恭也さん! こ、これ……よろしければ、
 受け取ってくださいっ!」
 その言葉と同時に差し出されたのは……やたら豪華なリボンが
 ついた紙袋。
「あ、は、はい」
 焦りながらも受け取り、中を確認する。
 これは……。
「……セーター……?」
「はいー」
 それも手編みの。
「本当は手作りのバレンタインチョコを作るつもり
 だったんですけど、恭也さん、甘い物はダメだって
 美由希ちゃんから聞いたもので……」         ≪ドサッ≫
「……」
 美由希の言う通り、心配は杞憂に終わった様だ。
「あ、お、お気に召されませんでしたか……?
「い、いや。嬉しいです。ちょうど夜に着る服がへばってました
 から……」
「……よかった〜」
 ホッと胸を撫で下ろす神崎さん。優しい人だ、とつくづく思う。
 その横で。
「……」
 忍が硬直していた。
167とらハ3 その2:02/04/04 23:37 ID:CDpqc9WR
「……忍さん?」
「忍?」
「……あ、あはははははははははははははは」
 壊れたラジカセの如く、忍はカタカタと表情なく笑った。
 心なしか顔が青ざめているし、妙に汗をかいている。
 ど、どうしたんだ……?
「あーーーーーっ! 私ってば今日大事な用があったんだ! 
 じゃ、そゆ事で!」
「え?」
 そして、その表情のまま……ものすごい速度で家の敷地から出ていった。
「……これ……」
 神崎さんが腰を曲げて、何かを拾い上げる。
「多分、っていうか絶対忍さんのプレゼントだと思いますが……」
「そ、そうですね……」
 それを受け取る。中身は……。
『あ』
 俺と神崎さんの声がハモった。
 同時に、何故忍が足早に去っていったのかも理解できた。
「私……悪い事言っちゃったみたいです……」
「いや……悪いのは俺ですから……」

『たーんと食べてね♪    内縁の妻より愛を込めて』

 そう不器用な文字で彩られた、厚さ約15cmほどのハート型の
 物体は……まぎれもなく、圧倒的なまでに……チョコレートだった。
168とらハ3 その2:02/04/04 23:37 ID:CDpqc9WR
 【忍's view】

2月15日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    AM8:40

「はぁ……」
 昨日は大失敗だった。
 そうだ。たしか一緒にご飯食べる時に話題に出た事があったっけ……
 恭也が甘い物苦手って事。
 浮かれてて、すっかり忘れてた。
「あら、忍ちゃん。朝早くにどうしたの?」
 出勤時間と重なったのか、桃子さんと玄関ではち合った。
「きょ……高町くん、います?」
「あー……恭也ねえ、何か具合悪いらしくて部屋で寝てるみたい」
「え?」
 風邪でもひいたのかな?
「病気とかじゃないから心配は要らないと思うけど……よかったら
 看てやってくれるかな?」
「あ、はい!」
 心配は要らないって桃子さんは言うけど……やっぱり気になるし。
 まして、早く昨日のフォローしとかないとおちおち眠れもしない。
 そもそもその為にこんな朝早く、苦手な早起きをしてまで
 おしかけたんだから。
≪トントン≫
「失礼しま〜す……」
 軽くノックして恭也の部屋へ入る……。
「……」
 少し苦しげな顔で。
 恭也は布団の中で眠っていた。
 どうしたのかな……病気じゃないなら、何か変な食べ物でも……?
 そう思いつつ、何気に部屋を見渡したその時。
「あっ!」
 私の目に、見覚えのある包み紙と箱が飛び込んできた。
 間違いない。私が作ったチョコを包んでた紙と箱だ!
 そして、その箱の中にあった筈の超巨大チョコレートが……ほとんど
 なくなっていた。
 パラパラとまばらにこげ茶色の欠片が散らばっているだけで、
 本体は影も形もない。
169とらハ3 その2:02/04/04 23:39 ID:duH051Fw
 まさか……?
「……」
 この苦しそうなのは、私のチョコ……苦手な筈のチョコを
 全部食べたから……?
「……ばか……」
 恭也……ばかだよ、ほんとに。
 でも……。
 そんな事されちゃったら、私は……私は……。
「う……」
「恭也っ!?」
 呻くように発したその声は、意識的なものではなかったらしい。
 苦しそうな顔。
「私の……所為だよね……」
 顔を近付ける。
「ごめんね……」
 そして、ありがとうね……。
 そういうメッセージと愛情を込めて、私は恭也の唇に……。
「な……み……」
 
≪ピシャアアアアアン!≫

 頭蓋を電撃で打ち抜かれたような感覚。
 今、なんと……?
「なみ……やめ…………うっ……」
「…………ふっ」
 あーそうですか。夢に出てくるのは私じゃなくて那美なんですか。
 よくよく見れば、昨日那美があげてたセーター着てるし。
「……」
 私はそっと恭也の耳元に顔を寄せる。
 そして……。
「ばかああああああああああああああああああああっ!!!!!」
 ありったけの声で、叫んだ。
170とらハ3 その2:02/04/04 23:41 ID:duH051Fw
2月15日(火)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM1:20


 まだ頭がクラクラする。
 起きた時からやけに耳がジーンとしているのも妙だ。
 おそらくさっき見た夢の所為だろう。
 久し振りに見た、チョコレートが津波のように押し寄せてくる夢。
 原因は……昨日忍がくれた、と言うか置いてったチョコレートを
 全部食べた事にある。  
 それでも、別段後悔はしてなかった。
 自分の嗜好の所為でせっかくのプレゼントをふいにするのは
 失礼極まりない事だ。
 まして、忍は今まで散々世話になってる、気の合う友人なんだから。
「あ、おししょー。もう大丈夫なんですかー?」
 廊下を歩いていると、レンがいた。
「ところで、朝に誰かのものすっごい叫び声が聞こえたん
 ですがー……おししょーは御存知ありませんかー?」
 叫び声……はて。
「いや、俺はずっと寝てたから」
「そうですかー……誰やったんやろなー。えっらいどでかい声
 やったんですが……」
 レンは『?』を三つほど頭上に浮かべて歩いて行った。
 その直後、俺の携帯が鳴った。
 ディスプレイ表示を見ると……かーさんからのようだ。
「あー恭也? もう大丈夫なのね?」
「ああ」
「あのね、今朝……あんたがまだ寝こんでる時に忍ちゃんが
 来てくれてたんだけど……まだいるかな? もしいるなら
 今日の夕食食べていってねって言っといて」
171とらハ3 その2:02/04/04 23:42 ID:duH051Fw
 忍が……?
「……了解」
 一応そう応えて電話を切る。
 そして、家中を捜して回ったが……どうやらもういないらしい。
 帰ったのか?
「……一応電話入れとくか」
≪プルルルル、プルルルル……≫
「……もしもし」
 妙に沈んだ声だ。この時間では珍しい。
「あ、忍か? 今朝家に来たそうで……悪い、ずっと寝てたみたいで」
「別に……」
 やはり暗い。機嫌が悪いのか?
「それで、かーさんが夕食一緒にどうかって言ってるんだが……」
「結構です」
 即答だった。
 いつもは呼びもしないのに来るのだが……。
「お話はそれだけ?」
「あ、ああ……」
「そう、それじゃ切るね……た・か・ま・ち・くん」
≪プツッ≫
「……高町くん?」
 そう呼ばれたのは久し振りだな。
 けど……なにか棘があったように感じたのは……俺の気のせい
 なのだろうか。


「……恭也のばかぁ!!」
「忍お嬢様……そんなに強く放り投げると携帯電話が壊れます……」
「うるさーい! ほっといてよっ!」
「……はい」
「うーっ……」


 悪寒が走る。
 気のせいじゃない、という事なのか。
「……」
 それを確認するまでに、数日の時間を要した。
 その過程、随分と苦労を強いられる事になったのだが……。

 それはまた、別の話。
172とらハ3 その2:02/04/04 23:47 ID:duH051Fw
>>156-171
題「聖戦 〜St.Valentine‘s Day〜」

前作にレスを下さった方々、読んでくださった方々、どうもありがとう
ございました。期待に応えられるかはわかりませんが一応もう一つ
書いてみた次第です。前作の流れとは少し違いますが、一応
微妙に続いてる……かな? ともあれ、読んでいただけたら嬉しいです。
でわでわ。
173名無しさん@初回限定:02/04/05 02:19 ID:6N5p3zzR
>172
(・∀・)イイ!!

だが一つ補足
那美の名字は神崎じゃなくて神咲な(メ゚Д゚)y-~~~
174名無しさん@初回限定:02/04/05 02:46 ID:yqfS3zTF
>>173
(;´Д`)ガーン!
辞書登録してたのに……油断してた……。
逝ってきます……。
175名無しさん@初回限定:02/04/05 03:32 ID:6N5p3zzR
>174
イヤ別に逝かんでいいっつーに
それより続ききぼんぬ(メ゚Д゚)y-~~~
176名無しさん@初回限定:02/04/05 11:53 ID:QV2wJOwD
>>172
爆笑させて頂きました。
よもや津波ネタがああ言う形の伏線だったとは・・・(w
次回がありましたら、楽しみにしてますー。
177十五部 五ニ六:02/04/06 00:28 ID:SU96D1Rp
またまた最萌トーナメント支援SSをUPしに、当スレへお邪魔させていただくことになりました。
今回の主人公は、身長89cm体重12kgのょぅι゛ょ、若生桜花です。
ちなみにこの若生桜花タン、偶然昨日が誕生日という事でして。ですから今回は桜花タンの誕生日を
テーマにしてみようかと思い至った次第。
全7分割で1レス当り40行未満と、前回よりかなり軽めに仕上げました。
エロの方も軽めなんですが、思い付く事の出来た範囲で盛り込んでみましたので、ではではお付き合い
下さいませ。
178SNOW SS「桜花の誕生日」(1/7):02/04/06 00:30 ID:SU96D1Rp
4月5日、下界では平年よりも早咲きのソメイヨシノが葉桜に変わりつつある頃。
ここ龍神村でも冬が終わりを告げようとしていた。
もっとも、冬の間に降り積もった雪が一斉に溶けてしまうと言うわけではない。
龍神村は何故か一年中雪が降ることで有名な、とても不思議な村である。
ここの村人が言うところの冬とは、村境の道路が豪雪で閉ざされてしまい、下界と交通が断絶する期間の
ことを意味する。
下界との道が開けると、待ちわびたように観光客が龍神村唯一の温泉旅館「龍神天守閣」へやって来る。
4月に入って最初の週末を控えて、「龍神天守閣」の中は目を回るような忙しさだった。

処は変わって…。
「まったく彼方って男は〜、きょうはわらわにとってどういう日か、忘れてしまってるのかえ?のう、シャモン」
とある一室で、若生桜花がシャム猫のシャモンを相手にぐちぐち文句を垂れていた。
今日の桜花は、朝からご機嫌斜めだ。
それと言うのも、冬の間遊び相手だった出雲彼方が、「龍神天守閣」へバイトに出かけていたからだ。
先ほど電話をかけてみたものの、「今日は忙しすぎるから、遊べるかどうか判らない」と単刀直入に言われて
しまった。
「ふぅ〜。シャモン、そなたは気楽なものよのう。一日、だらだら過ごしててもたいくつ知らずとは」
………。
一日中、アンタの愚痴を聞かされる身にもなってくれ。
語りかける桜花の声を無視して、シャモンは毛繕いに励む。
「あ〜たいくつじゃたいくつじゃたいくつじゃ」
地団駄踏んだところで、事態が好転するわけではない。
しゃべり続けるのにも飽きたのか、桜花は炬燵の中に入ってゴロンと横になる。

………。
………………。
………………………。
179SNOW SS「桜花の誕生日」(2/7):02/04/06 00:31 ID:SU96D1Rp
部屋の外から、荒々しい足音が聞こえる。
続いて、勢いよく部屋の襖が開けられる。
「な、なにごとじゃっ!」
驚いた桜花が、炬燵から出て立ち上がる。
部屋の入口に、出雲彼方が息せき切って立ちつくしていた。
「やあ桜花、ここに居たのか。ビッグニュースだ」
「何じゃ…、彼方か。今さらわらわの元へ何をしに来たのじゃっ」
ほったらかしにされていたのが面白くなくて、ふてくされる桜花。
「大変だぞっ!この家の周りの雪が…」
「雪がって…、どうしたのじゃ」
「全部綿菓子に変わっちまったんだよっ!」

ハァ?
いきなり現れたかと思えば、何をとぼけた事を言っているのだこいつは。
あまりのアホらしさに、桜花の口がぽかんと開いたままになる。
「あーっ、俺の言ってることを全く信用してないなっ!」
「あ、あたりまえじゃろうがっ!わらわをかつごうとしておるのかえ?」
「う〜っ、それなら桜花の身をもって証明してやるっ!」
彼方はそう言うと、桜花の身体を抱き上げる。
桜花を抱いたまま、部屋の窓まで歩を進める。
そして、空いている手で窓を開ける。
「あわわ…、何をするのじゃっ!」
「桜花お前…、綿菓子が好物だったよな」
「そうじゃけど…、あ、やめっ!やめろ彼方っ!」
「ほぉ〜ら、綿菓子の元へ飛んでいけぇ〜っ!」
「あ、あわわわわわわ〜っ!」
彼方の手によって、桜花が窓から勢いよく外へ放り出される。
雪の地面に落ちていく桜花。
「ひゃあああああ〜」
ずぽっ!
180SNOW SS「桜花の誕生日」(3/7):02/04/06 00:33 ID:SU96D1Rp
目の前が真っ白けになる。
一瞬、冷たい!と身構えた桜花だったが、妙な感触に気づいた。
あれ、何じゃこれは?
ちっとも冷たくなんかないし、まるで綿の中にいるような、ふわふわした感じだ。
そして顔や手の辺りが、何だかねばついているような気もする。
とにかく、上へあがらなければ…。
両手でじたばたと藻掻いている桜花の口の中に、雪の一部らしき物が飛び込んできた。
えっ…、この甘い味は…。ひょっとして…、本当に綿菓子?
ようやく綿菓子まみれの中から桜花が頭を出すと、放り投げられた窓のところで彼方が大笑いしている
のが見えた。
「どうした、桜花。俺の言ってることは本当だっただろ?」
「う…うむ…。ホントに綿菓子じゃけども…」
目の前で起こっている不思議な現象に、桜花は窓から放り出された怒りさえ忘れてしまっている。
「お前は綿菓子が好きなんだから、今のウチにいっぱい食べておくと良いぞ」
「………」

確かに、桜花の好物である綿菓子は、お祭りの時に出る露天くらいでしか食べる機会がない。
手で綿の一部をつかみ取って、それを口の中へ運ぶ。
じわっと、口の中で溶けていく感触。
美味しい…。
本当の綿菓子だ!
大好きな綿菓子が、目の前にいっぱいある!
桜花の目の色が変わる。
両手でがつがつと、綿菓子を口の中に押し込み始める。
美味しい…、美味しいよう…。
181SNOW SS「桜花の誕生日」(4/7):02/04/06 00:40 ID:SU96D1Rp
「うまいか桜花?そろそろ俺も混ぜてくれよ」
窓から彼方の声が聞こえる。
気づいた桜花が目を向けると、そこには全裸になっている彼方の姿があった。
「か、彼方っ!そなた何ではだかになってるのじゃっ!」
「桜花、いま行くぞ〜っ!」
フルチンの彼方が、窓から飛び降りる。
桜花が叫ぶ。
「彼方っ!来るな〜!来るんじゃな〜いっ!」
ずぽっ!
叫び声も空しく、桜花の目の前に彼方が落ちてきた。

綿菓子の中から、彼方の顔が出てくる。
「桜花だけ独り占めしようとしても無駄だぞ」
「そ、そなたは変態かっ!変態だったら、わらわに近づくでないっ!」
「そういう桜花だって、すっぽんぽんじゃないか」
「何をいうかっ!って、あ、あれ…」
いつの間にか、桜花の着ていた服がどっかへ消えてしまっていた。
ぽーっと、桜花の頬が赤く染まる。
「それじゃぁ、桜花味の綿菓子をいただこうかな♪」
「あわわ…」
その刹那、彼方が桜花の身体にぎゅっと抱きついてきた。
「そぉ〜ら、抱きつきなめなめ攻撃〜っ!」
「ひ、ひゃあああああ〜っ!」
桜花の身体を、彼方がぺろぺろとなめ回す。
「ひゃははははは」
くすぐったいくすぐったい!
笑い転げて悶えまくる桜花。
ところが、彼方が桜花のある部分を嘗め上げた時の事だ。
「きゃっ!」
桜花の笑い声が、ふと止まった。
182SNOW SS「桜花の誕生日」(5/7):02/04/06 00:41 ID:SU96D1Rp
彼方嘗め上げたのは、桜花の乳首のひとつだった。
何なんじゃ?いきなりしびれたような気がしたのは?
「ど、どうした桜花…」
桜花の異変に気が付いたのか、彼方が声をかける。
「………」
「まさか…、感じている…、とか…」
「な、何でもないぞよ」
すぐさま否定したのは、直感的にこれは恥ずかしい事だと感じたからだ。
「…怪しいなぁ。もう一回やってみよう」
「や、止め…」
彼方が今度はもう一方の乳首を嘗める。
「ひゃうんっ!」
乳首を嘗めたと同時に、桜花の身体がぴくっ!と震える。
それを見た彼方の顔がにやりと笑った。
「感じてるんだな…桜花。それなら、ここだっ!」
「何ヘンなことを言ってるんじゃ彼方っ。って、あああ、何をするっ!」

彼方が桜花の身体を持ち上げて仰向けに寝かせる形にしてから、両手で桜花の両脚をがばっと横に
押し広げる。
そして広がった脚の間に顔を突っ込み、股の付け根を嘗め始める。
「か、彼方っ…、そんな汚い…はううっ!」
お腹の下が、勝手に脈打っている。
それと共に身体へ広がる、とろけるような感覚。
わらわが…、わらわが…、ヘンになる…!
ありったけの声を振り絞って、桜花が叫んだ。
「彼方っ…、彼方っ…!止めよっ!止めるのじゃぁーーーー!!!」

………………………。
………………。
………。
183SNOW SS「桜花の誕生日」(6/7):02/04/06 00:42 ID:SU96D1Rp
「…うか、桜花、起きろったら」
身体が揺さぶられる。
誰じゃ、わらわの肩に手をかけているのは。
「ううう…」
「なに叫び声上げてるんだよ」
目の上で、彼方が顔を覗かせている。
「へ、か、彼方…。ここは…、どこなんじゃ…」
「何処も何も、お前の家じゃないか」
辺りを見回す。
見慣れた、自分の部屋の光景。
では…あれは一体…?

夢…、だったのか…。

「お前の部屋から叫び声がするから心配して来てみたら、寝言なんだもんな」
彼方の言葉で、さっきまで見ていた夢の内容を思い出す。
すっぱだかの彼方がわらわに抱きついてきて、それから…。
桜花の顔が、ぼっと赤くなる。
「どうしたんだよ桜花、顔が真っ赤だぞ」
「な、何でもないぞよっ!」
「それよりも桜花、俺と一緒にちょっと来てくれ」
ええっ!
冗談じゃない。
夢の中であっても、彼方にあんな汚いところをなめられて取り乱してたなんて…。
恥ずかしくて、今はとても彼方とどこかへ行く気にはならない。
「い、嫌じゃっ!そなたと一緒にいとうないっ!」
「何怒ってるんだよ。せっかく忙しい最中、バイト先から抜け出して来たというのに」
肩に触れようとする彼方の手を、桜花が払いのける。
「とにかくっ!わらわは彼方に近づきとうないんじゃっ!」
「うぬぬぬぬ…。それなら、無理矢理にでも引きずり起こすっ!」
彼方はそう言って、炬燵で横になっていた桜花を抱き上げる。
そのまま、部屋の外へ出る。
「わらわをどこへ連れて行く気じゃっ!お、降ろせっ!降ろすのじゃっ!」
抱かれたまま、桜花がじたばたと暴れる。
「聞き分けのない奴だな。みんな待ってるんだぞっ!」
「そんな事なぞ知らぬっ!とにかくわらわは、何処にも行きとうないんじゃっ!!」
いつしか涙声になっている桜花。
「ほら、着いたぞっ」
彼方が連れてきたのは、桜花の家の居間だった。
居間に彼方が足を踏み入れたと同時に、パン!パン!パン!とクラッカーの爆発音が響いた。
へっ?と桜花が呆気にとられた表情で、居間の中を見つめた。
184SNOW SS「桜花の誕生日」(7/7):02/04/06 00:52 ID:SU96D1Rp
女の子の歓声が聞こえる。
「桜花ちゃんお誕生日おめでと〜っ!!」
そこには、桜花の知り合いでもある女の子達がいた。
改めて、桜花が居間の中を見渡す。
居間の中は、辺り一面が折り紙細工で綺麗に飾り付けられている。
そして、女の子がいる手前の大きな炬燵には、大型の土鍋と山盛りになったあんまんが置かれている。
「うちの雑貨屋から、おいしいあんまんいっぱい持ってきたよっ!遠慮しないで食べてねっ!」
そう明るい声で語りかけてから、にこにこ笑っている女の子は、雪月澄乃。
「鶏玉子雑炊を作ってみました…。久しぶりに大鍋を使ったので、少し出来が心配ですけど…。よかったら
食べてみてください…」
そう控えめな声で語りかけてから、静かに微笑んでいる女の子は、北里しぐれ。
「旭は彼方と一緒に、即席の綿菓子製造器を作ったのだっ」
そう賑やかな声で語りかけてから、きゃっきゃっと嬌声を上げている女の子は、日和川旭。

わ、わらわの誕生日を、みんなお祝いしてくれてるのかえ…。
桜花の胸の中に、熱いものがこみ上げてくる。

「彼方っ、さっき作った綿菓子を、桜花にプレゼントするのだっ」
「そうだな。桜花、ちょっと待ってろよ」
そう言って、彼方は桜花を床の上に降ろすと台所に出ていく。
少しして居間に戻ってきた彼方の手は、特大の綿菓子が付いている調理用の大箸を握っていた。
「ほら、桜花の大好物の綿菓子だ。この時期に食べられるなんて珍しい事なんだからな」
目の前に綿菓子を見せられた桜花は、またさっきの夢のことを思い出した。
「あわわわわ…、わ、綿菓子…」
「ん、どうしたんだよ。いつもだったら我先に食べ始めるくせに」
それはそうだけど…、あの夢を思うと恥ずかしくなって手が出ない。
顔を赤くしながら、もじもじと躊躇している桜花。
「どうしたんだよ。いらないんだったら、俺が食べるぞ」
「………。食べる」

大きな綿菓子が、彼方から桜花の手に渡される。
ぱくっと、桜花の口が綿菓子をほおばる。
口の中に、ふわふわの綿菓子が溶けてゆく。

「美味しい…!」
桜花の顔が、満面の笑みを浮かべた。

(おわり)
185十五部 五ニ六:02/04/06 00:53 ID:SU96D1Rp
カキコ完了です。
あの程度ではとてもエロとは言えるもんではないよな、しかもさらに『夢オチ』だなんて、とお怒りの方も
多いかも。
このSSを書くにあたって一体桜花のリアル年齢は何歳なのかなと、web検索で子供の標準身長を調べて
みたんですわ。で、その結果を見てわたしゃ震撼しましたよ(興味のある方はご自分で調べてみてちょ)。
いくら標準より身長が低いと言い繕ったところで、どう考えても○○園入園直前が精一杯かと。
それよりも問題なのは、第二次性徴はるか以前の幼女に、果たして『性感』というものが存在するのか?
性知識は何らかの機会で知っていたという設定も可能だが(それでも強引であることは変わらないが)、
感覚的なものについては、どうにもならんのでは。
はっきり言って、桜花のリアルなエチを書くのは至難のワザですわ。

シナリオライターも苦労したでしょうな。
勿論、無理矢理犯してしまうならば桜花の性感なんて事を考えなくてもいいのだが、『SNOW』=純愛モノと
言っている以上、その可能性を企画段階から排除していただろうし。
さらに、『キャラの気持ちになってリアルなシナリオを書こう!』として、毎日あんまんや雑炊を食べ続けたり、
薄着で冬の戸外で長時間居てみたり…、という事をしていたシナリオライター達であるからして、よほど苦悶
したあげくに、挫折=桜花エチシーンカットになってしまったのではと思ったり。
186とらハ3 その3の1:02/04/12 10:00 ID:1g4nTqn3
2月22日(火)
  鹿児島県 山中
    PM10:30


【薫‘s view】

「……神咲一灯流……真威・楓陣刃っ!」
≪ズシャアアアアアッ!≫
 渾身の力を篭めた一振りが、虚空の闇に漂う淀んだもやを切り裂く。
「アア……オアアアオオオオオ…………アアア……」
 薄気味悪い声を散布させながら……自縛霊はようやくその姿を消した。
 辺りに普段通りの静寂が訪れる。
「ふぅ……」
 うちは一人、一仕事終えた感慨をため息一つで満喫していた。
 これで今日の仕事はお終い。
 更に言えば、これからしばらく休暇を貰っているので
 今月の仕事納めでもある。
 休みの間の予定はまだ立ててないが……そうだな、海鳴にでも
 顔を出そうか。
 さざなみ寮の皆と久し振りに会いたいし、那美の友達で
 小太刀二刀・御神流師範代でもある高町くん、だったか。
 彼と仕合う約束もしていた事だし。
 うち自身、ここ最近生身の人間、それも実力が近い相手と手合わせる
 機会が少なかった事もあり、密かに楽しみにしている事でもあった。
 以前見た彼の姿が脳内に投影される。
 強い意思の篭った、凛とした目。そして隙のない佇まい。
 優しさや穏やかさを含んだ空気をまといつつあれだけ強者の雰囲気を
 出せる者はそうそういない。まして、彼はまだ若い。うちよりも、だ。
 初めて会った時、嫉妬にも似た感情と同時に安堵感も芽生えたと
 記憶している。
 那美の傍に彼のような人がいる。それはうちにとって……とても
 歓迎すべき事だから。
≪……………………ッ≫
「……?」
 ほんの僅か。
 空気が振動したような気がして、思わず周りを確認した。
 ……何もない。
「気のせい……か」
 もう霊の気配はないし、人や獣のいる様子も伺えない。
 多分疲れているのだろう。ずっと働きずくめだったから……。
「……ふぅ」
 細い息を吐きつつ、携帯を取り出す。
 ふもとで待機中の県警の方に報告して、それから家へ帰る。
 いつもの通りだ。
 うちは報告と家への連絡を終えて携帯をしまうと、山を下りようと
 踵を返した。
 その刹那だった。
≪――――――――――!!≫
「……なっ!?」
 あまりに急速過ぎる、荒んだ気配の到来。
 それは……さきほど霊を斬った十六夜の刀身から現れた!
「くっ……!」
 その気配は手から腕、腕から肩、そして全身へと瞬時にして伝わり。
 うちは、意識を失った……。
187とらハ3 その3の1:02/04/12 10:06 ID:1g4nTqn3
2月26日(土)
  海鳴市藤見町 高町家
    PM1:35 


 大学が春休みに入って二週間ほど経った訳だが……。
「おししょー、暇そうですねー」
 などと下校したレンからツッコまれる通り、俺は暇を
 持て余していた。
 美由希は現在登校中。よってやる事がないのだ。
 しかしまあ、こういう生活も……悪くない。
 強くなる事に対しての渇望がなくなった訳ではないのだが、
 少なくとも過度な焦りは持たなくなった。
『無理さえしなければ、私が責任を持ってあなたの膝を
 治してあげますから』
 フィリス先生の言葉を思い出す。
 俺は……その言葉を信じる事にした。
 だから、こうして家の縁側で一人茶をすすりながらボーっと
 している時間にも、一応ちゃんとした意味があるんだ。
 無理をしない事。それが俺の今出来る一番の療養なのだから。
≪チャララララーラ ララーラーララ……≫
 などと思っていると、突然携帯が鳴った。
 まあ携帯は普通突然鳴るものなんだが。
 相手は……神咲さんか。
 そういえば最近忍から連絡がないな。ちょっと前までは
 毎日の様に意味もなくかけてこられたものだが。
 ……まあいい。
 俺は通話のボタンを押し、携帯を耳に当てる。
「もしもし」
「あ……恭也さんですか?」
「ええ。どうしました? うちのなのはが何かしでかしたとか……」
「いいえー。実は今日……と言うかもうすぐ、姉の薫が
 こっちに来るのですが……」
 薫……神咲薫さん。
 神咲さんの姉で、神咲一灯流の師範代。
 以前海鳴に見えた時一度会っている。とても大人びた女性だった。
 強い意思の篭った、凛とした目。そして隙のない佇まい。
 優しさや穏やかさを含んだ空気をまといつつあれだけ強者の
 雰囲気を出せる者はそうそういない……と思う。
「それで、もしよければ……一緒に御迎えに……などと思いまして」
 断る理由はないな。
「はい、わかりました。駅でいいんですよね? 何時頃行けば
 いいでしょうか……?」
「二時頃には着くとの事ですので……」
「二時ですか……ああ、ならもう今から行きますね。神咲さんは
 今どちらに?」
「えっと、もう駅に……」
「あ、そうですか。では今からそちらに向かいますんで」
「ありがとうございます……では、後ほど」
≪ピッ≫
 携帯を切る。
 
188とらハ3 その3の1:02/04/12 10:08 ID:1g4nTqn3
 さて、早速仕度しないとな。
 あ、その前に……。
「レンー、いるかー?」
「何ですー?」
 レンは居間にいた。
「美由希が帰ってきたら、俺はちょっと用事で出るから帰るまでは
 一人で鍛錬しておくように、と伝えておいてくれ」
「あ、わっかりましたー。何か急用でも?」
「……ちょっとな」
 適当に答えて、俺は仕度を整えるとやや慌しげに家を出、
 駅へと向かった。


【PM2:05】
 
 駅で神咲さんと落ち合って、二人して駅の外で薫さんを待つ。
「きゅうん」
「ああ、悪い。お前もいたんだな」
 二人と一匹、に訂正。
 久遠はよほど薫さんに早く会いたいのか、神咲さんの腕の中で
 いそいそとしている。
「私は……実家で正月に会ってますから久し振りという訳でも
 ないですが……」
「俺は去年の春以来ですね……」
「薫ちゃん、恭也さんと会うの楽しみにしてるみたいなんですよー」
「それは……光栄です」
 そして、俺も同じだった。
 今の俺がどれほどの強さになったのか。
 彼女なら、多分それを教えてくれるだろう。
「あ……電車、着いたみたいです」
 神咲さんの言う通り、駅からたくさんの人が出てきた。
 駅前に止まっていたタクシーが忙しなくロータリーを回り、
 それぞれ目的の場所へと運んでいく。
 その流れに乗らない人たちは、こっちへと歩を進める。
 その中に薫さんもいるだろう。
「うーん……来ないですねー」
「見つかりませんね」
「くぅーん」
 だが、中々彼女は現れない。
 はて……どうしたのか。
「……」
 ん……?
 誰かの視線を背後に感じて、俺はその方を見た。
「あ、薫ちゃーん!」
 と、ちょうどその時神咲さんが薫さんを発見したらしく、
 控えめな大声でその名を呼んだ。
 ……まあいいか。
 俺は視線の事は気にしない事にして、再び駅の方を向いた。
 そこには……………………え?
「かお……………………る、ちゃん……?」
「く、くぅぅん?」
 久遠も狼狽気味だ。
 というのも……。
「……やっぱり、わかる……かな?」
 そこに現れたのは、確かに薫さんだ。間違いなく。
 けど……以前会った彼女より……。
「ど、どうしちゃったの……!?」
「くぅん……」
 明らかに、若返っていた。
189とらハ3 その3の1:02/04/12 10:11 ID:1g4nTqn3
2月26日(土)
  海鳴市桜台 さざなみ寮
    PM3:20 


「……」
 薫さんを出迎えたさざなみ寮の人たちは皆一同に
 鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をしていた。
 それは……そうだろう。
 大人びた雰囲気こそさして変化はないが……外見は明らかに
 幼くなっている。
 おそらく……俺や神咲さんと同じくらいの年齢だ。
「ななな、何でまたそんなんなっちまったんだ……?」
 その中でも比較的パニック耐性のある真雪さんが、おそらく
 薫さんを除いたこの場にいる全員の気持ちを代弁してそう尋ねた。
「……実は、情けなか話なんですが……呪い、を受けまして……」
 それから、薫さんは事の経緯を説明してくれた。
 顛末はこうだ。
 鹿児島の山中に現れたという自縛霊を払おうと、薫さんは
 いつもの様に霊剣十六夜を携えその場へ向かった。
 そして、綺麗に払ってのけた……筈だった。
 しかし、その霊というのがただの自縛霊ではなくて。
「……よりにもよって、若さを欲して自殺した女性の怨念が
 宿った『祟り』だったらしくて……」
 で、その若くなりたいという呪いが……祟りを斬った事で
 薫さんに振りかかったらしい。
 意趣返し、というやつだ。
「……で、ずっとそのままなの……?」
 神咲さんが心配そうに尋ねる。
「いや、強い呪いだからうち自身ではどうしようもないけど、
 然るべき場所で然るべき人に解呪の儀式を行ってもらえば
 元には戻る……筈」
「はず……ですか」
「……」
 愛さんとここの管理人の槙原さんも心配そうだ。
「そんなに心配せんでもよかですよ。別に死ぬ訳でもなかですし」
 優しく微笑む薫さん。
 強い女性。それは外見が幼くなってしまった今も……全く
 変わらない。
「で……その解呪っていうのはいつやってもらえるの?」
「ああ。それならもう一昨日の内に」
『……はい?』
 一同声を合わせて聞き返す。
「な、なら何で元に戻ってない……の?」
 そして、その声を代表して神咲さんが不可解そうに尋ねた。
「解呪は弱い呪いならすぐに効果が現れるけど、今回のような
 強いものだとある程度時間を置かないといけん。だから、
 どちらにせよしばらくは……」
「このまま……?」
 コクン、と薫さんが首を縦に振る。
「まあ、長くても一ヶ月までには効果が現れるらしいけど……」
「一ヶ月ですか……なら、その間はこっちに? たしか休暇中
 なんですよね?」
「ええと……もしお邪魔でなければ……」
 薫さんは少し不安そうに……愛さんと槙原さんを見る。
 こういう表情は、以前の薫さんには見えなかった部分だ。
190とらハ3 その3の1:02/04/12 10:12 ID:YLYZviCk
「邪魔な訳ないだろ? しばらくここでのんびりすればいいよ」
「そうですよー」
「……おおきに、です」
 薫さんは安堵感に包まれたのか、少し泣きそうな顔で……笑った。
 やっぱり、不安なんだろう。或いは仕事でのミスに対して
 プライドを傷付けているのかもしれない。
 とにかく、弱っている彼女が表面に出ていた。
「……」
 ……? 真雪さんが肩を震わせている。
 どうしたのだろう……まさか今の会話に感動して……?
「……っ」
「真雪……さん?」
 訝しげに思ったのか、薫さんは真雪さんに声をかける。
「…………ぷっ!」
「…………にゃは!」
 と、同時に二人……真雪さんと陣内さんが吹き出した。
「だーっはっはっは! 駄目だ、もーう耐えられねーっ!
 うわーっ懐かしー! あの小言大魔人だった頃の神咲だーっ!」
「薫、おこちゃまなのだ。これじゃこーすけにも
 相手にされないのだー!」
「……!」
 ……薫さん、顔を真っ赤にして二人を睨んでる。
「か、薫、落ちつけ、こいつらを相手にしても……」
「なあなあ。体型もあの頃に戻ったんだよな? どれどれ、
 おねーさんに揉ませてみい」
「な、何を……!」
「どれどれ」
≪ふにっ≫
「……っ!?」
 真雪さんを相手している隙に……薫さんは背後から陣内さんに
 胸を揉まれていた。
「……78のB」
「ありゃ、やっぱそんなもんか」
「な、な、な……」
 みるみるうちに、薫さんの顔が鬼の形相に変貌していく……。
「きょ、恭也さん! 避難、避難してください!」
「は、はい」
 身の危険を感じた事もあり、俺は神咲さんのその言葉に従い
 居間から出た。
「なんばすっとねーーーっ!!!」
「うわー大魔人がキれたぞー!」
「逃げるのだー!」
「待たんねーーー!!!」

 その後……さざなみ寮は修羅場と化したのは言うまでもない。

「……掃除、きつそうだなー……」
「あの……手伝います」
「……悪いね」
 槙原さんは力なく微笑んだ。
191とらハ3 その3の1:02/04/12 10:14 ID:YLYZviCk
【PM5:30】

「……申し訳ない……」
 ひとしきり暴れて我に帰った薫さんは、手伝いを終え庭で
 くつろいでた俺に神妙な面持ちで謝ってきた。
「いえ、気にしないでください」
 何か他に気の利いた事を言えればいいのだが……そういうのは
 正直苦手な分野だ。
「その……さっきの事だけじゃなくて……」
「?」
「前に約束してたの、覚えてるかな?」
「……今度はちゃんとした仕合いをやろう、ってやつですよね?」
「うん……。うちも楽しみにしてたんだけど、この形では
 ちょっと君を相手に戦り合うのは無理みたいで……」
 それは……そうだろうな。
「いえ、そっちも気にしなくていいですよ。仕方ない事ですし」
「はぁ……本当に情けなか」
 いろいろと落ち込む。
「でも……」
「?」
「なんというか、中々出来ない経験じゃないですか。
 若返るなんて。この際ですから、過去に出来なかった事とか、
 いろいろと楽しんでみてはどうですか?」
「たの……しむ?」
 不思議な物を見るような目で、薫さんは尋ねてきた。
「身勝手な言い分かもしれませんが……あの頃にやっておけば
 よかったとか、もうあの時みたいには出来ないとか、
 そう言うのは誰だって持ってる想いだと思うんです。
 せっかくの機会ですし、そういうのをやってみてはどうかな、と」
「……」
 薫さんは眉間に皺を寄せる。
 う……やはり不謹慎な物言いだったか?
「……そう……だね。うん、その通りだ」
 ほっ……。
「今のうちにはもう出来そうになくて、この姿の時のうちが
 やってなかった事……うーん……」
 どうやら眉間に皺を寄せるのは思案する時の癖だったようだ。
 薫さんはしばらく考えて……。
「……それじゃ」
 何かを思い付いたらしく、難しい顔を少し緩めて、
「明日、うちと……デートしてくれん?」
 とんでもない提案を出してきた。
≪ガチャン!≫
 背後から金属が砕ける音。
 後ろを見ると、そこには……。
「……」
 上に何も置いてないお盆を両手に持った神咲さんが
 劇画調の顔で凍っていた。


 同時刻。

≪ゴトッ≫
 さざなみ寮の塀の外に、双眼鏡が一つ転がっていた……。


(続く)
192とらハ3 その3の1:02/04/12 10:24 ID:YLYZviCk
>>186-191
題「風薫る 忍ぶ波音 海鳴りて」

(;´Д`)ageてしまった……ミス……。
前作にレスを下さった方々、読んでくださった方々、どうもありがとう
ございました。で、もう一作書きました。
続きは近日中に書き上げますんで、それ共々読んでやってくださーい。
でわでわ。
193名無しさん@初回限定:02/04/12 10:31 ID:9XTWEcQR
>192
リアルタイムで見せていただきました
(・∀・)イイ!!

しかし前回に続いて一つだけ
薫が真雪を呼ぶときは「仁村さん」ですよん♪
つーかそんなどうでもいいことよりも早く続きを……(;´Д`) ハァハァ
194名無しさん@初回限定:02/04/12 11:55 ID:8+A2aUF7
>>192
最後の一行に爆笑してしまいました。
やっぱり気にはなってるのね(w
次回も楽しみにしてます。
195名無しさん@初回限定:02/04/12 18:59 ID:sso5+JWA
このSSは、この板の「エロゲーブランド最萌トーナメント」の
【TOPCAT】・【Studio Air】戦で、
Studio Air支援の一環として書いたものです。

『果てしなく青い、この空の下で』をプレイした方で、Studio Air作品は未プレイである、
という方は結構いらっしゃると思います。そういう方に、Studio Air作品を紹介することを目的に書きました。

第1章
---
晩秋の満月の夜、葛城市、加門家。

広大なその屋敷に、塀を乗り越えて侵入する
黒装束を身にまとった人影があった。

彼女は八車文乃。
今度の冬に向けて儀式の準備を続ける文乃は、いくつかの問題にぶつかっていた。
儀式自体の手法は安曇村の中での調査により入手していたが、儀式呪術を行ったことのない文乃にとっては、
その内容を理解し再現し、しかも確実に成功させるのは至難の技である。

そのため、呪術に詳しい者の助けを借りる必要があった。しかし、特にコネを持つわけでもなく、しかも行いたい呪術の内容が内容だけに、通常の手段では助力を得ることは無理。
そこで、文乃は少々手の込んだ手段に出たのである。

ここ葛城市を支配する神楽崎一族は、多くの術者を抱える呪術一族であると同時に、市の近代化を進め傘下の企業も多数運営する、現代的な部分も持ち合わせる。
しかも、トップである加門緋美子という人物は、まだ高校生にすぎない。

このあたりの事情を知った文乃は、助力を求めるに適当とこの一族を選んだ。
第2章
---
緋美子の私室。屋敷に住む巫女の一人、犬神くるみが緋美子に呼ばれてやってくる。

くるみ:「緋美子、何の用?」

緋美子:「北側より、斎宮結界の中に誰か侵入した。様子を探って頂戴」

その日、宗主の緋美子は、占いで「招かれざる客来たる」の卦を得ていて、注意をしていた。

くるみ:「わかった」

くるみの霊獣がそこに飛ぶ。浄域であるこの敷地内ではくるみの霊獣は実体をとることはできないが、偵察の任ならば特に不都合はない。

・・・

緋美子:「どう?」

くるみ:「高校生ぐらいの若い女性だね。見覚えはないな。ゆっくりとこちらの方角に向かっている」

緋美子:「そう・・・。そんな娘とは、興味深いわね。でも、何かの陽動の可能性もあるし、さっさと捕まえることにしましょう。
くるみ、優依さんに捕まえるよう伝えて。」
第3章
---
早々に侵入がばれている文乃だが、実はそれは大した問題ではなかった。

文乃は盗みや盗聴などを目的に侵入したわけではない。家の主である緋美子に会うのが目的である。捕まって緋美子のところに連れて行かれればそれでよいのである。満月という見つかりやすい時期に侵入したのもそのためである。

屋敷に近づいた文乃は、20mほど先の渡り廊下で、祭服を来た女性が一人、こちらの方に歩いてくるのを見つけた。
文乃は、わざと物音を立てて、彼女に気づかせる。

!?

文乃は目を疑った。向こうにいた女性(優依)は、20mほどの距離を一飛びに跳躍してきたのだ!

いくら高い身体能力を持つ文乃とはいえ、このような神懸かった相手にはかなわない。
文乃は素早く身体を返すが、すぐに押さえ込まれてしまう。

優依:「ここに何のようですかぁ〜? ここは浄域ですから、勝手に入られては困りますよ〜〜」

動きの速さに似合わず寝ぼけたような声を出す優依にとまどいながらも、文乃は用意した答えを返す。

文乃:「私は八車文乃。布瑠家のことで話があります。私を宗主に会わせなさい」

布瑠家とは、かつて神楽崎一族と敵対し、5年前に滅ぼされた一族の名前である。
帰ってきた沈黙に、「布瑠家」のキーワードが効果をあげたことを文乃は確信した。
第4章
---
文乃は屋敷の離れにあたる建物に引き立てられ、そこで宗主の緋美子と面会することになった。現れた緋美子の小学生のような容姿に文乃は驚いたが、文乃はそれを隠した。

文乃は、緋美子に自分の村のヤマノカミの話をした。もちろん、「多少の」脚色を加えた上で、であるが。

緋美子:「・・・ふむ。つまり、あんたは、ヤマノカミに対抗する手段が知りたいと。それはわかったが、布瑠家の話はどうなったのかい?」

文乃:「それは宗主殿と会うための口実。本当は、もっといいところを見せてから会見に持ち込みたかったのだけど」

緋美子:「ぬけぬけと言ったものね。ま、わかったわ。ここの文献見ることを許可しましょう。でも、一つ条件」

文乃:「何か?」

緋美子:「あなた、私の愛人になりなさい」
第5章
---
文乃はすでに『白子』の入手に成功しているのでその手のこだわりはなく、条件をのんだのだが、
さすがに小学生の女の子のような身体をした相手にそう言われるとは思っていなかった。
ともかく、無事に文乃は加門家に入り込むことに成功し、しばらく居候の身になる。

学校に行かない文乃は費やせる時間が多い。
午前は文献を調べ、午後は初歩的な鎮魂術の修行。そして、夜は、緋美子の言によれば
「必要なコンポーネントが最も少なく、最も小さいコストで最大の効果をあげられる術」である房中術の練習。

そんなこんなで、時がたつ。
2週間経つころには、文乃は儀式の成功を確信できるだけの知識を身につけることができた。

そして、ちょうど2週間後の新月の夜、文乃は加門家から姿を消した。
第6章
---
緋美子の立つ廊下にくるみが訪れ、文乃失踪の報告を告げる。

くるみ:「文乃が出てったようだ。まだ遠くないと思うが、緋美子、追うか?」

くるみの霊獣の力を使えば、追いつくのはたやすい。だが、緋美子はなんだか気怠げに首を振る。

緋美子:「・・・いや、その必要はない。」

くるみ:「緋美子、出ていくの知っていたんだろ?」

緋美子:「ああ。」

くるみは、緋美子がなぜ文乃を加門家に留まらせたのか、不思議に思っていた。
その疑問は、なぜくるみを緋美子が加門家に留まらせているのか、と同一の疑問でもある。
だから、くるみはその疑問を口に出すことはできない。

この件で、神楽崎一族は特に損失を受けたわけではないから、別にいいのだろう。
文乃に施した修行は一般的な呼吸術の段階であり、文乃が読んでいた文献は布瑠家から押収したものと緋美子の私的なコレクションの一部で、秘密の流出の心配はない。

くるみ:「愛人に去られて悲しんでいるなんて、らしくないよ緋美子」

緋美子:「あっ、言ったなくるみ! 後で私の部屋に来なさい!」

緋美子の顔に笑いが戻る。

くるみ:「わかりました、斎宮様。」

つられてくるみにも笑いが戻る。

翌日からは、完全に元通りであった。
第7章
---
1年後。

「文乃は、俺よりもいろいろな場所知っているよな。なにか面白かったところない?」

行為の後の気怠い時、正士はふと文乃に尋ねた。
そこで文乃は、驚きの連続だった葛城市加門家の体験を語って聞かせることにした。

とはいえ、正士は話を特に聞きたいというわけでなく、なんとなく言ってみただけなので、すぐにうとうとし始める。

やれやれと思った文乃は話を大幅にはしょることにした。
だが、話が房中術の話題に及ぶと正士はすかさず目を開ける。
その話題から外れると正士の目が閉じる。またやれやれと思う。

加門家で最も強く影響を受けたのは性生活かもしれない。性的高揚を駆動力に用いる房中術は、双方の快感を最大限引き出す必要がある。
それはいいのだが、術の遂行のため、術者はその快感に流されることは許されない。

それに慣れてしまったためか、正士との行為では、正士が先にダウンする。なんだか取り残された気分になることがある。

きっとそれは、人を利用しまくった報いなのだろう。

(おわり)
203R12-913:02/04/15 01:13 ID:U699DgGF
>>196-202
以上、『果てしなく青い、この空の下で・・・』『鎮花祭』クロスオーバーSS
でした。

製作時間があまりなく、後半どたばたしてしまいました。
もっと文乃を活躍・暗躍させたかったんですが・・・すみません。

ともかく、読んでくれれば幸いです。
204十五部 五二六:02/04/17 00:18 ID:GSscdEbO
三度、最萌トーナメント支援用『SNOW』SSを書きましたので、ここにUPさせて下さい。
今回のテーマは『SNOW』のメインヒロインこと雪月澄乃を主役に、雑誌公開されているエチシーンCGを出来るだけ
使用した、エロエロなSSを目指してみました。
なお、大きく分けて3部構成になっています。第1部、第2部、第3部と時間をおいてUPしていきますので、
よろしくお願いいたします。
205SNOW SS「澄乃」第1部(1/8):02/04/17 00:20 ID:GSscdEbO
春休み。
今日は珍しく太陽が顔を覗かせている。
根雪に反射する日の光が、ちょっと眼にまぶしい。
休み中の課題で絵を描くからモチーフを探しに行く…、と言って雑貨屋の手伝いをサボったんだけど、
ホントの目的は違っちゃたりする。
今、私がいる場所は龍神天守閣の前。
久しぶりの、彼方さんとのデート。
こんなによいお天気なんだもん、何かいい事がありそうだね。

玄関から、彼方さんが出てくるのが見えた。
「やあ澄乃、待たせたかい?」
「そんな事ないよっ、私も今来たばっかりだから」
「本当か?では、澄乃が持ってきたあんまんでチェックしよう」
そう言うやいなや、彼方さんの右手があんまんの入っている紙袋に伸びる。
そのまま、中のあんまんをひとつ取り出して一口。
「もぐもぐ、こりゃ冷め切ってるじゃないか。ずいぶん前から家を出てきたんだな」
「えうぅ〜、あんまんは冷めても美味しいんだよっ」
やはり私のウソは、彼方さんにはすぐバレてしまう。
彼方さんに会うのが待ちきれなくって、ずっと龍神天守閣の前で待ってたんだ。
「判ってるって。澄乃の雑貨屋で作ったあんまんは、いつでも美味いさ」
「ほんとっ、そう言ってくれるとうれしいよっ。で、今日はどうするの?」
「そうだな。じゃあいつも通りそこら辺をぶらつくことにしようか」
「うんっ」
歩き出した彼方さんの横に並ぶ。
彼方さんの腕に抱きつく。
「おっととと…、そんなに体重を掛けられると歩きにくいだろ?」
「てへへ…、こうしていると気持ちがいいんだもん。では、レッツらゴ〜!」

ふたり一緒に、雪道を歩いてゆく。
久しぶりの、彼方さんとのデートなんだもん。
彼方さんとあんな話をして、こんな事をして…。
あれ?こんな事って…。
「澄乃、顔が赤いぞ…」
「えっ、そ、そんな、こんな事だなんてちっとも思ってないよっ」
「相変わらずお前ってヤツは隠し事が出来ないというかな…」
えうぅ〜、今日の彼方さんはちょっぴりイジワルだ。
「………」
「でもまあ、少しは考えてみてもいいかな」
「………、うん」
恥ずかしいけども、私はコクンと頷いて応える。

人通りの無い雪道の上を、ふたりで歩いてゆく。
この幸せなひとときが、いつまでも続きますように…。
206SNOW SS「澄乃」第1部(2/8):02/04/17 00:22 ID:GSscdEbO
しばらくふたりでいろいろな所を歩きながらたどり着いたのは、龍神湖。
湖面の全てを氷が覆っている。
今日は平日ということもあって、観光客の姿は無い。
「それにしても澄乃って、あんまんばっかり食べてるよな」
「うんっ、あんまんは私の命の源なんだよっ」
「あーっ、今お前が食べてるのが最後の一個じゃないか!俺にも食べさせろ」
「ええっ、ちょ、ちょっと!」
彼方さんが、私が手にしていたあんまんを奪い取る。
「ひどいよっ、私が食べてたのに〜」
「じゃあ、俺が半分口にくわえてるから、澄乃はもう半分を食べればいいだろ」
そういって、彼方さんがあんまんの半分をぱくっと口に含めた。
えっ…、彼方さんが口にくわえたまま、反対側を食べろと言うの?
それって、何かすんごくマヌケのような気がする…。
もじもじしていると、彼方さんが私に抱き付いてきた。
目の前に、あんまんを半分ほおばった彼方さんの顔が見える。
思わず吹き出しそうになる。
「うぷぷぷぷ…」
それを見た彼方さんが、私の後ろ頭をこづく。
「痛いよっ。わ、判ったから…」

そおっと、彼方さんのほおばってるあんまんに口を近づける。
そして、一口、二口とあんまんを食べていく。
食べているうちに、だんだんと私の身体が彼方さんに密着する。
彼方さんの両腕が、しっかりと私の身体を包み込む。
彼方さんに体を預けながら、まるで口移しでもされるかのように、あんまんを食べている私。
これじゃぁ、他所から見られたら私達は変態みたいだな…。
でも、そんなに悪くはない。
イケナイ事をしてるんだと思うと、胸がすごくドキドキしてくる。

ゆっくりと、あんまんを食べていく。
「もう半分食べちゃったよ。これ以上食べると、私の口が彼方さんに付いちゃう」
私がそう言っても、彼方さんは抱いている腕の力を緩めない。
口から出ている分を、全部食べろ…。
彼方さんはそう言ってるようだった。
で、でもそれじゃ、彼方さんとキスしちゃう…。
戸惑っている私の気配を察したのか、彼方さんが私の後ろ頭を腕で掴んで、あんまんに押しつけてきた。
ぐちゃっ!
えうぅ〜、あんこが、あんこが唇に〜っ!
観念した私は、唇を彼方さんの口元へ近づけた。
207SNOW SS「澄乃」第1部(3/8):02/04/17 00:23 ID:GSscdEbO
ぱく、ぱく、ぱく、ぱく…。
あんまんを齧る度に、私の唇が彼方さんの唇に触れる。
彼方さんの唇が傷つかないよう、前歯を使って丁寧にあんまんを齧っていく。
ふわりふわり。
何かヘンな気分だ。
身体が浮かび上がりそう…。
私も、両腕を彼方さんの背中に回す。
このまま飛んで行ってしまわないよう、彼方さんの身体をしっかりと捕まえる。

ようやく、彼方さんの口から出ていたあんまんを全て食べ終えた。
それを見た彼方さんは、口の中に含めていたあんまんを一口で食べ終える。
「澄乃、口のまわりがあんこだらけだぞ」
彼方さんはそう言うと、私の唇を舌で嘗め始めた。
「あっ…」
唇からその周囲へ、彼方さんの舌が動く。
ゆっくりと、じっくりと。
暖かくて、そして少し湿った感触。
ふわりふわり。
身体が、一段と軽くなる。

「ふぅ…、やっと口のまわりがきれいになったか」
彼方さんはそう言うと、にっこりと微笑んだ。
すぐ目の前に、彼方さんの笑顔がある。
いつも彼方さんが見せてくれる、優しい笑顔。
トクン…トクン…トクン…。
胸の鼓動が、少しづつ速くなる。
「何ボーッとしたまま俺の顔を見つめてるんだよ?」
我に返る。
「…、彼方さん…」
私、彼方さんが大好き…。だから…。
「………キス…し…て…」

彼方さんの右手が、私の頬にかかる。
左手が後ろ頭に添えられ、彼方さんを見上げている私の顔を支えてくれる。
瞼を閉じる。
私と彼方さんの唇が、ゆっくりと合わさった。
208SNOW SS「澄乃」第1部(4/8):02/04/17 00:30 ID:GSscdEbO
しばらくの間、唇どおしを重ね合う。
やがて、彼方さんの唇から伸びた舌が、私の唇をこじ開ける。
唇から前歯の間をゆっくりと出入りする。
彼方さんの舌から出てくる唾液が、私の唇の周りに広がってゆく。
奥に入ってくる彼方さんの舌が、ちょん、ちょんと私の舌に触れる。
つられて、私の舌も伸びる。
互いの唇が合わさったまま、大きく開く。
その中で、彼方さんと私の舌が絡み合う。
彼方さんの舌は、とっても甘い味がする…。

私の舌からも、だんだんと唾液が溢れ出してくる。
ふたりの唾液が絡み合い、涎の雫となって口元から落ちる。
だらしない…。でも、溶けちゃいそうなほど気持ちいい…。
身体が熱い。
ふと、スカートの中に冷たいものを感じる。

私…、濡れちゃってるんだ…。

こんな誰が来るかも判らない場所で感じているなんて、私は何てふしだらな女なんだろう。
そう思うのに、あそこからも涎がとろとろとわき出してくる。
ピクン、ピクン、ピクン。
あそこが脈を打つ。
お願いです…、口だけじゃなくて、ここも構って欲しいの…。
そう、しきりに訴えているみたい。
あそこから溢れ出る涎が、ショーツをじっとりと湿らせる。
その湿り気が空気に触れて、私の体温を奪う。
………、寒いっ…。
私の身体がビクッと震えた。
209SNOW SS「澄乃」第1部(5/8):02/04/17 00:31 ID:GSscdEbO
絡み合っていた互いの舌が止まる。
そして、私の顔を支えていた手を放してから、彼方さんが私から離れる。
「あ、ちょっと長すぎたかな?悪かったよ。寒いのなら帰ろう」
「あっ…」
「ん?どうした澄乃」
待って、待ってよっ、彼方さん!
まだ弄って欲しいところが残ってるのにっ!
「あ、あのね…、彼方さん…」
「………」
「わ、私…、大丈夫…だから…そ、その…」
「………」
「………」
言葉が口から出ない。
もっと一杯、いろんなところを弄ってほしいの…、だなんて。
やっぱり恥ずかしいよっ…。そんな事言えない…。
でも…、でもっ…、さっきからあそこがしきりに疼いてる…。
どうして解ってくれないのっ…、さっきから貴方が来るのを、ずっと待ってるのに…。
「澄乃…、黙ってたら解らないよ。ちゃんと言ってごらん」
…えっ!
そんなっ…、私の口からはそんな事…。
しかし、あそこの疼きはますます大きくなる。
淫らな涎が、今もとろとろと溢れ続ける。
と言うか、もう涎なんかじゃない。
泣いてるんだ…、私のあそこが…。
お願い…、このままじゃせつないよっ…。
早く、早くここを虐めてほしいのっ…!

………、虐めて…ほ…し…い…?
どうしちゃったんだろ、私。
そんな事、今まで思ったこと無かったのに…。
でも、もう我慢が出来ない。
このままだと、あそこが私の身体を乗っ取ってしまいそう…。
だから…、そうならないうちに、ちゃんと言わなきゃ…。
「彼方さん…、私の…私のねっ…」
「………」
「私の…あ、あそこを…」
「澄乃、あそこって、何の事?」
「えっ…、あああ…、あ…あそこって…、えっと…その…」
どうしよう…、あ、あそこって言えば…、確か…。
私の頭の中で、口にするのも恥ずかしい言葉が思い浮かんだ。
210SNOW SS「澄乃」第1部(6/8):02/04/17 00:33 ID:GSscdEbO
「ちゃんと言ってくれないと解らないよ」
「そ、その…、お…、おまん…こ…を…」
「おまん…こ…、って何?何処にあるのか、ちょっと俺に見せてよ」
ええ〜っ!そ、そんなぁ〜っ!!
口にするだけで火が噴くほど恥ずかしいのに、自分から見せろだなんて…。
えうぅ〜、やっぱり今日の彼方さんはイジワルだ。
………、判ったよ…。
恥ずかしいけど…、このせつなさには耐えられない…。
両腕を、スカートの中に差し入れる。
ショーツを掴むと、太股の上当たりまでずり降ろす。
くちゃっ…。
あそこの涎が、糸を引くような感覚。
あまりの淫らさに、顔が火照る。
そしてスカートの中から両腕を出すと、両手でスカートの前の中程あたりを掴む。
そのまま、ゆっくりと両手を持ち上げる。
冷たい空気が、スカートの中に流れ込む。
これで、彼方さんには私のあそこが丸見えになっているはずだ。

「澄乃、おまんこって言うのは何処なんだい」
「こ…、ここ…。私の脚の付け根の…、ぐっしょり濡れてるとこ…」
「うん、澄乃の言うとおりぐしょぐしょだよ。で、このおまんこをどうしろと」
ひどいよっ…、彼方さん…。
これだけやっても、まだ虐めてくれないのっ…。
せつなさと恥ずかしさとで、頭の中がヘンになっちゃうよっ…。
もう耐えられない…。
ひと思いに、言ってしまわないと…。
「こ…、この…おまん…こを…、いじめ…て…、虐めて…ほしいの…」
………、言ってしまった…。
私は…、私は…やらしい女の子だ…。
目から涙が溢れる。
「判ったよ澄乃…」
彼方さんはそう言うと、私の前に両膝を付いた。
彼方さんの両手が、私のショーツを足下まで脱がせる。
「股の間がびしょびしょだ…。余程欲しがってたんだね」
………、うん…。
言葉にすることが出来ずに、ただ頷くだけの私。
「片足を交互に持ち上げて、ショーツを脱がしたら、それから両脚を広げて立ってみて」
彼方さんの言われたとおりにする。
両脚を広げて立つと、彼方さんが私の両脚の間に正座した脚を突っ込む形になる。
「それから、スカートを持っている両手は、そのままにしておいてね」
そして、私のあそこに彼方さんの指が触れた。
「ああっ!」
211SNOW SS「澄乃」第1部(7/8):02/04/17 00:34 ID:GSscdEbO
花弁の周りが擦り上げられる。
その度に、くちゃくちゃといやらしい音が聞こえる。
き…、気持ちいい…。
でも、まだせつなさは止まらない…。
もっと…、もっと…激しいところを…。
「すごいよ澄乃、愛液がどんどん溢れ出してくる」
そう言う彼方さんの顔は、スカートの中に覆われていて私からは見えない。
それがまた、私の恥ずかしさを刺激する。
花弁を彷徨っていた指が、その真ん中に差し入れられる。
「はぁん!ああ…っ」
ちょっと強めの刺激に、腰が浮かび上がりそうになる。
彼方さんの指が、抜き差ししながら私の膣内をこねくり回す。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
恥ずかしい音が、さらに大きくなる。
膣内を動き回る指が、ひときわ敏感に感じる場所をさする。
「あああんっ!そ…、そこっ…」
まるで電気が流れるような刺激。
気持ちいい。
「ここが澄乃のGスポットなんだな。今どういう感じなんだか、言ってごらん」
「ああっ…、気持ち…いい…よう…、彼方さん…、ふぁああん!」
「じゃあ、そろそろ行かせてあげようか」
「うん…、これ以上…されると…、私…おかしく…なっちゃう…」
「判った」
そう言うやいなや、彼方さんのもうひとつの手が、私のクリトリスを弾いた。
「きゃふぅううん!」
私の身体が、よりいっそう大きく震える。
指の間に摘まれたクリトリスが、上下、左右に動かされる。
「ひゃぁっ!ぎゃうんっ!あああんっ!」
身体の震えがだんだんと連続的になる。
気持ちいい…。すごく気持ちいい…。
も…、もう限界だよ…。彼方さん…。
「彼方…さ…ん…私…もう…い…いっちゃ…う…あ…ああああっ!」
私のあそこが、ありったけの汁を絞り出す。
その瞬間、ふわっと私の身体が、宙に浮かび上がったような気がした。
212SNOW SS「澄乃」第1部(8/8):02/04/17 00:41 ID:GSscdEbO
ゆっくりと、ゆっくりと地上に舞い降りる。
彼方さんの声が聞こえる。
「凄かったぞ澄乃。行くときおまんこからぷしゃーっと、潮が噴き出してきてさ」
あわわわわ…、そ、そんな…、恥ずかしいよっ…。
「かなり濡れてるから、拭いておこうな」
次の瞬間、私の太股に彼方さんの舌が触れる感触がした。
「ああっ…、彼方さん…、そんな…」
そんな事されると…、私…、また…あそこが…。
右の太股から、左の太股へ、彼方さんの舌が嘗め回される。
また、焦らされてるのかな?
さっきいっぱいしてもらったにもかかわらず、私のあそこが再び疼き出す。
そう…、そのまま…、私の元へ来て…。

だが、私の心の中を知ってか知らずか、両太股を嘗め終わった彼方さんは私の股間から顔を離すと、
そのまま立ち上がった。
「あっ…、彼方さん…」
止めないで…、と言い出しそうになる口を、あわてて閉じる。
「判ってるよ澄乃。続きは龍神天守閣だ」
「………、うん…」
スカートを持ち上げていた手を放す。
そして、傍らに落ちているショーツを拾い上げてから、雪道の上を二人で歩き出す。

私のこと…、判っててくれたんだねっ…、彼方さん…。
やっぱり私…、彼方さんが大好き…。

(第1部おわり)
213十五部 五二六:02/04/17 00:43 ID:GSscdEbO
SNOW SS「澄乃」第1部カキコ完了です。
なお、以下の雑誌公開CGをご覧になれば、よりいっそうお楽しみいただけると思います。
掲載雑誌は私の手元にある号を示したものですが、他にも掲載されている雑誌があるかもしれません。

◎澄乃と彼方のディープキス→ピュアガ2001年7月号
◎スカートをたくし上げて股間をさらけ出す澄乃→剛田2002年5月号、えろぐ2002年5月号

第2部は本日の朝にUPする予定です。
214SNOW SS「澄乃」第2部(1/7):02/04/17 09:53 ID:G2qKac5M
今日は久しぶりの、彼方さんとのデート。
なのに、かなり早いうちに龍神天守閣に戻って来ちゃった。
湖のほとりで彼方さんとキスをして…、それから彼方さんの指でいっちゃって…。
でも私…、あれだけじゃ満足出来なくって…。
思い浮かべるのは、恥ずかしい事ばかりだ。
自然と顔が俯き加減になる。
旅館のロビーで暇を潰していた仲居さんが「あら、もう帰って来ちゃったの」と話しかけてくる。
すぐ帰ってきたのは、私のあそこがおねだりしているから…。
そんな事を言えるはずもない。
二人で無難な受け答えをしてから、客室への廊下を目指す。

龍神天守閣の廊下の中を歩く
彼方さんが案内してくれたのは、ロビーや食堂などから離れた一番奥の部屋だ。
「今日は宿泊客もそれ程いないし、ここなら多少声が出ても大丈夫」
声が出るだなんて…。
私、そんなやらしい女の子じゃないのに…。
けれども、さっきまでしていた事を思うと、反論する事はできない。
襖を開けて中に入る。
8畳程度の、和室の部屋だ。
暖房は入っていないが、それ程寒くはない。
コートを脱ぐ。
彼方さんが私のコートを受け取って、それを壁際に付いてるフックへ掛けてくれる。
彼方さんが私に向き直る。
「スカートを脱がすよ」
「うん…」
彼方さんの両手が、スカートのフックにかかる。
フックと、ジッパーが外される。
スカートがふわりと、畳の上に落ちる。
湖から帰る時からショーツを脱いだままだったので、私の露わな下半身がすぐにさらけ出された。

いつの間にか私のあそこが涎を垂らしていて、それが幾筋も太股を伝っている。
「さっき拭き取ってから間もないのに、股間がまた濡れてるじゃないか」
「彼方さん…、私…」
「じゃぁ澄乃、俺があぐらをかいている上に座ってくれる?」
彼方さんはそう言って、近くにあった鏡台の正面を向いて座る。
そ、そこに座れって…。
鏡越しに、私の下半身が丸見えになっちゃうよっ…。
215SNOW SS「澄乃」第2部(2/7):02/04/17 09:55 ID:G2qKac5M
「彼方さんっ、私、そんな事出来ないよっ!」
「そっ、ならしてあげない」
そんな…。ひどいよ、彼方さん…。
普通にされているだけでも、じゅうぶん恥ずかしいのに…。
でも、私のあそこの疼きは止まらない。
ぴくっ、ぴくっ、ぴくっ、ぴくっ。
心臓の鼓動に合わせて、私のあそこも脈を打つのが解る。
このまま放っておいても、きっと静まりそうにない。
どっちみち、彼方さんに身を委ねるしかないのだ。
それならば…。

「えうぅ…」
鏡台を向いて、あぐらをかいている彼方さんの足下へ腰を下ろす。
「そのまま両膝を開いてみて」
彼方さんの言ったとおりに、両膝を外側へ開く。
「はい、そこで鏡を見てみようか」
鏡に目を向けると、やっぱり私のあそこが丸見えだった。
あそこからは涎がとろとろと溢れ出してる。
恥ずかしい、恥ずかしいよっ!
思わず目を閉じる。
「ちゃんと目を開けて見ていないと、してあげないからね」
えうぅ〜、今日の彼方さんはかなりイジワルだ。
そろそろと、目を開ける。
「そうだ、オッパイも見せてあげないとな」
そう言って、彼方さんがセーターの裾を胸上までたくし上げる。
そして、ブラのフックを外して胸上にずらす。
私の乳房が、鏡の前に露わになる。

彼方さんの左手が、私の下腹部に添えられる。
彼方さん…、早く…、早く来て…。
そう言おうとした時だ。
「ところで、澄乃もやっぱりオナニーとかしたりするんだよね?」
「………、えっ…」
「こんなに濡れちゃうんだったら、一ヶ月もデートしてないと耐えられないよね」
「うん…」
彼方さんの言うとおりだった。
彼方さんと会えない時が長くなると、せつなくて仕方がなくなる事がある。
だから、そんな時は彼方さんを思い浮かべながら、私はひとり遊びをする。
偽りの満足感だと解っていても、あそこのせつなさには耐えきれなかったから…。
216SNOW SS「澄乃」第2部(3/7):02/04/17 09:56 ID:G2qKac5M
「普段オナニーをやってる通りに、俺の手を動かしてみせてよ」
「………」
「自己学習能力ゼロだから、ちゃんと指示してくれないと全く動かないからね」
どうして…。
どうしてさっきから、私を恥ずかしい目に遭わせようとするの…。
どうしてそんなに、私を虐めるの…。

ふと、湖での出来事が思い出された。
(お願い…、このままじゃせつないよっ…。早く、早くここを虐めてほしいのっ…!)

虐めて…ほしい…。
もしかして、私は虐めてもらうのを期待しているのかも…。
きっと彼方さんは、そんな私の心を見透かしてるんだ…。
そう思うと、少し気が楽になったような感じがした。
私は自分の左手を、彼方さんの左手の上に添えた。

心の中で、自分がオナニーしている姿を思い浮かべる。
そして、その光景を言葉にする。
「まず…、穴のまわりの花びらを…、ゆっくりと撫でるように…」
彼方さんの左手が、私の言うとおりに花弁を撫で始める。
「エッチなお汁が溢れてくるまで…、こうして撫で回すの…」
撫で回すまでもなく、今の私のあそこはぐしょぐしょに濡れていた。
それでも、彼方さんは花弁を撫で回し続ける。
くちゃくちゃと、あそこが音を立てる。
溜息のような、喘ぎが漏れる。
「はぁ…それで…、もう片方の手で…、オッパイを…」
「………、こうか?」
彼方さんの右手が、私の乳房を掴む。
「うん…、そして…、最初のうちは、掌で撫でるようにして…あぁっ…」
掌で刺激された乳首が、じわじわと固くなる。
「澄乃…、乳首が立ってきたね…」
固くなった乳首が、乳房を撫でる掌に引っかかる。
乳首の先端が動くたびに、微かに震えるような刺激が背中を襲う。
「ううっ…、そ…、それでね…、乳首弄りながら…オッパイ…揉むの…」
「どのくらいの強さで揉めばいいのかな?もう片方のオッパイでやってみせてよ」
「でも…、左手を離すと…、私、彼方さんに寄り掛かっちゃう…」
「そんな事気にしなくていいよ」
「う、うん…」
217SNOW SS「澄乃」第2部(4/7):02/04/17 09:57 ID:G2qKac5M
私の左手が、自分の乳房を掴む。
人差し指で乳首を弄りながら、ゆっくりと乳房を揉み始める。
それを見た彼方さんが、私と同じようにして右の乳房を揉む。
「さ…最初のうちは…ちょっと弱めで…、ふぅん…、だんだん…強く…して…」
自然に乳房を揉む左手に力が入る。
「はぁっ…、はぁっ…、も…、もっと…激しく…ああっ!」
乱暴とも思えるくらいに、左胸を揉みしだく。
乳房が、痛い…痛いよ…と悲鳴を上げる。
それは、乳房が弄ばれてる事の証拠。
嬉しいよっ…。
いっぱい…いっぱい…、構ってもらえてるよっ…。

乳房がおもいっきり弄ばれてるのを感じたのか、あそこの疼きが一段と大きくなる。
それはまるで、乳房に嫉妬しているかのように。
焦らしてないで…、こっちももっと…もっと弄って…。
「彼方さん…、あそこも…、もっと…いっぱい…」
「『あそこ』じゃなかったよね、澄乃」
「うん…、お…おまん…こ…、に…、指…入れて…」
それまで花弁を擦っていた彼方さんの左手の中指が、あそこの穴の中に挿し込まれる。
抜き差しされる彼方さんの中指。
だめだよ…、そんなんじゃ…、私、全然物足りない…。
「いやっ…、それだけじゃ…、もっと…指…」
「そ、そうか…。じゃあ…」
中指に加えて人差し指が、あそこの穴に挿し込まれる。
「う…うん…、それで…おまんこの中…いっぱい…掻き回して…」
膣穴の中を動く彼方さんの指。
身体の中全体が掻き回されているような感覚。
お腹が…、四肢が…、そして頭が…、私の淫らなお汁とこね回されて…溶けていく…。
218SNOW SS「澄乃」第2部(5/7):02/04/17 10:07 ID:G2qKac5M
「どうだい澄乃、今の気持ちは?」
「はぁっ!えうぅ…、気持ちいい…、あああっ!、気持ち…いいよう!」
もっと、もっと高いところへ…。
「そ…、それと…、彼方さんの右手で…クリちゃんも…、あううっ!」
「オッパイのほうはもういいのか?」
「う…うん。右のオッパイも私が揉むから…、お願い彼方さん…、は…、早くぅ!」
「判ったよ」
彼方さんの右手が、私のあそこに添えられる。
彼方さんの人差し指が、クリトリスを弾く。
「きゃふぅんっ!!か…身体が…痺れるよっ…」
両手の指で、自分のそれぞれの乳首をぎゅっと摘む。
刺激がクリトリスを襲うのに合わせて、ねじるようにして乳首を押しつぶす。
身体全体が、ガクガクと震える。

もう少しだ…。
もう少しで、私はいっちゃう…。
「か…、彼方…さ…、ああっ!私…もう…いっ…ちゃう…」
「そうか。じゃぁ、最後は何をしたらいいんだい?」
「ひぃっ!ク…クリちゃん…指で…つ…摘んで…思いっきり…ねじり回してぇーーーっ!!」
その直後、私のクリトリスが思いっきり摘み上げられた。
「ひはぁっ!あっ!ああああああーーーーっ…………」
ビクン!ビクン!と身体が激しくのた打ち回る。
そして、意識が遠くなってゆく。
その時だ。

私の中の、ある場所が叫んでるのに気付いた。
ひどいよっ!私のところも構ってほしかったのにっ!!
私を置き去りにして、いっちゃ嫌だよっ!

そこは、私のお腹の奥だ。
でも、膣穴を掻き回している彼方さんの指は、そこまでは届かない。
そこまで届くものと言えば…、私の腰に押しあたっているもの。
彼方さんの、おちんちんだ…。
どうしよう…。
これじゃぁ、私の身体が全て満たされない…。
早く、早く入れてもらわないと…。
でも、もう遅かった。
私、もういっちゃったんだ…。
意識が、だんだんと遠くなる…。
そして、目の前のものが全て白色にかすれてゆく。
219SNOW SS「澄乃」第2部(6/7):02/04/17 10:08 ID:G2qKac5M
どのくらい時間が経ったんだろう?
私は、さっきまでと同じ姿で、彼方さんの上に座っていた。
眼を下にやる。
いった時に大量に溢れた私の淫らな汁が、畳の上をびっしょりと濡らしていた。
そう、私はいっちゃったんだ。
だけど、どうした事だろう。
お腹の奥が、しきりに私を責め立ててる。
どうして、どうしていっちゃったのっ!
全く、我慢することを知らない淫乱女なんだから!
情けないったら、ありゃしない!!
「止めてぇーーっ!これ以上、私を責めないでーーーっ!!」

「おい澄乃、一体どうしたんだよっ!」
私の身体が揺さぶられる。
「あっ…、彼方さん…」
「驚くじゃないか、いきなり叫び出したりしたら」
あっ…。
一体、どうしちゃったんだろう、私…。
散々してもらったにも関わらず、まだ足りないというのか…。
いつの間に、こんなに淫乱な女の子になっちゃったんだろう…。
自然に、眼元から頬に涙が零れる。
情けなさと、満たされなさが溢れ出す。

「彼方さん…、私…私…、彼方さんにいっぱい…してもらったのに…。なのに…なのにまだ…」
何を言ってるんだろう、私って…。
自分でも訳がわからないよっ…。
「澄乃、とにかく落ち着けよ」
彼方さんはそう言うと、さっきまで私のあそこを掻き回していた左手中指を、私の口に突っ込んできた。
「うぷっ!」
私の淫らな汁がいっぱい付いた、彼方さんの指だ…。
舌で嘗めてみる。
とろりとして、少し甘い味。
ちょっとせつなくて、それでいて何となく懐かしい味…。
220SNOW SS「澄乃」第2部(7/7):02/04/17 10:09 ID:G2qKac5M
ちゅぽっ…ちゅぽっ…ちゅぽっ…。
まるで子供にでもなったかのように、私の口が彼方さんの指を吸う。
だんだんと、心が落ち着いてくる。
頃合を見計らったように、彼方さんが指を抜く。
「もう大丈夫なようだな」
「うん…、だって彼方さん…、いつも優しくしてくれるから…」
「澄乃の言いたい事は、言わなくても解ってるさ。今日はまだたっぷり時間があるんだし」
「………」
「それより、二人とも汗びっしょりだから、気分転換に露天風呂でも入ろうか」
「うんっ…」

私は彼方さんの元から立ち上がると、押入れの中から浴衣を取り出す。
胸上までたくし上げていたセーターを脱いで、ブラを胸に着けてから浴衣を羽織る。
「はい、これが彼方さんの分だよっ!」
「おいおい澄乃、俺ら客でもないのに旅館の備品を勝手に使っちゃうのは感心しないぞ」
「えうぅ〜、そうだったよっ…」
「まぁ、浴衣の一着や二着くらいは大丈夫だけどな」
「じゃぁ、私先に入ってるねっ!」
彼方さんも立ち上がる。
ズボンの裾に、私の淫らな汁がかかっているのが見える。
「えうぅ〜、汚しちゃってごめんなさい…」
「まぁ、俺はいいって。それよりも畳の上を一応拭いておいてから、風呂に入るから」
その通りで、畳の上は彼方さんのズボンとは比べ物にならないくらい、びしょびしょに濡れていた。
「あわわわ…、私も手伝うよっ!」
「いいからいいから。澄乃はさっきのあれで疲れてるんだろうし」
「う、うん…」
「でも、俺のズボンに澄乃が匂い付けしてくれたのは、ちょっと嬉しかったりして」
「もぉ〜、私は犬じゃないんだからねっ!」

何とか場を和ませようと、明るく振舞ってくれる彼方さん…。
私…、そんな彼方さんが大好き…。

(第2部おわり)
221十五部 五二六:02/04/17 10:10 ID:G2qKac5M
SNOW SS「澄乃」第2部カキコ完了です。
なお、以下の雑誌公開CGをご覧になれば、よりいっそうお楽しみいただけると思います。
掲載雑誌は私の手元にある号を示したものですが、他にも掲載されている雑誌があるかもしれません。

◎鏡を前にしてオッパイ丸出し、スカート・ショーツを脱いでM字開脚している澄乃→剛田2002年5月号

第3部はお昼過ぎにUPする予定です。
なお、レス数がひとつ増えてしまいました。いつの間に行数規制が厳しくなってたんでしょう…。
222SNOW SS「澄乃」第3部(1/9):02/04/17 14:44 ID:SA1A6cAS
今日は久しぶりの、彼方さんとのデート。
だけど、まさかデートで露天風呂に浸かるとは思ってもいなかった。
龍神天守閣の露天風呂は、男女混浴になっている。
何でも、いろいろな効能があるらしくて、それだけで多くの観光客を惹き付けているらしい。
まだチェックインの時間前と言うこともあってか、脱衣所を見たところでは誰もいないようだった。

脱衣所の片隅に、等身大の鏡がある。
ふと、鏡に映った自分の身体を見つめる。
どうして、こんなヘンな身体になっちゃたんだろう…?
自分の身体なのに、まったく押さえが効かない…。
これも、やっぱり私の一面なのだろうか?
そうだとしたら、素直に受け入れるしかないのか…。

「お〜い、何モタモタしてんだよ。先に入ってるぞ」
露天風呂の方から彼方さんの声が聞こえる。
いけない、彼方さんを待たせちゃうっ。
あわてて、脱衣所から露天風呂に通じるドアを開ける。
「か、彼方さん、あのね、私まだ髪の毛を整えないと…」
露天風呂のそばに駆け寄ってそう言おうとした瞬間。
ずるっ!
足が滑る。
「きゃぁーーーーっ!!」
そしてそのまま、ざっぱ〜ん!!!と浴衣を着たまま露天風呂の中に落ちてしまった。

気が付いた時には、彼方さんが腹を抱えて大笑いしていた。
「わははははは、本当に澄乃らしいドジだなぁ」
「えうぅ〜、今日の私はツイてないんだよ…」
「でもまぁ、浴衣を着たまま風呂にはいるのはいけないな」
彼方さんが、私が着ている浴衣を脱がせてくれる。
びしょびしょになった浴衣を脱ぎ捨てると、彼方さんと向き合った。
思わず、目が彼方さんの下半身にいってしまう。
そこには、勃起した彼方さんのおちんちんがあった。
「ま、まぁ…、2度も澄乃の身体を弄ってたら、俺のモノも立ってしまうのは仕方ないだろ?」
彼方さんの口調が少し拙くなる。
いざ自分が受け身になると、とたんに調子が崩れてしまうのだ。
ちょっとしたイタズラ心が、頭の中をよぎる。
さっきまでの分、ここでお返ししちゃえ…。
私は胸下まで湯に浸かると、両手で彼方さんのおちんちんを握りしめた。
223SNOW SS「澄乃」第3部(2/9):02/04/17 14:46 ID:SA1A6cAS
「おい、こんな処でやるのかよ?」
彼方さんの言葉には耳を貸さずに、私は彼方さんの亀頭を舌で嘗め上げる。
カリ首の辺りを経て、おちんちんの下の部分に舌を這わせる。
「うっ…、結構効くな…」
彼方さんのおちんちんが、さらに反り上がる。
尿道口から、透明な液体が溢れ出している。
「うふふ、彼方さんも濡れちゃってるんだねっ」
舌を使って、透明な液体を掬い取る。
そして、おちんちん全体を口にくわえる。
はじめのうちはゆっくりと頭を前後に動かす。
口の中で舌を動かしていると、徐々に唾液が溢れ出してくるのが判る。
濡れた口元がおちんちんと擦れて、いやらしい音を立てる。
「澄乃、凄いよ…」
見上げると、彼方さんがうっとりとした表情をしている。
彼方さん…、私の事どう思ってる…?
エッチな事が大好きな女の子と思われると、かなり恥ずかしいけど…。
でも、それで彼方さんが悦んでくれるんだったら、私も嬉しいよっ…。

「澄乃、すぐにでもいってしまいそうだ」
彼方さんの声が上ずっている。
うん、判った。もっと気持ち良くしてあげるねっ…。
頭を前後に動かしながら、両手で彼方さんの隠嚢がある部分を優しく揉んであげる。
咥えている彼方さんのおちんちんが、さらに固く、大きくなる。
「も、もう限界だ…。口の中に出すけど、いいか?」
露天風呂の中でしているから、零れる精液がお湯を汚してしまわないか、心配してるんだ。
いいよ、彼方さん。私は大丈夫だから。
彼方さんの精液を、いっぱい受け止めたい…。
彼方さんの問いかけに、軽く頭を頷いて応えた瞬間。
「ううっ!」
私の口の中に、生暖かい液体が大量に注ぎ込まれた。
224SNOW SS「澄乃」第3部(3/9):02/04/17 14:47 ID:SA1A6cAS
彼方さんの精液が出終わるのを待ってから、ゆっくりとおちんちんから顔を離す。
口の中で、彼方さんの精液を味わう。
少しとろりとした舌触り。
正直言って、男性の精液の味はまだよく解らない。
ただ、この中に彼方さんの分身がたくさんいるんだ…と考えると、気持ちが高ぶってくるのを感じる。
彼方さんの精液を、口だけではなく身体全体で受け止めることが出来たなら…。
私のお腹の中が、ぴくりと反応した。
思わず自分のあそこに手を触れてみる。
粘ついた感触。
早くも私の身体は彼方さんを欲しがってるんだ。
でも、この精液をどうにかしないと…。
その時、彼方さんの声が聞こえた。
「澄乃、いま口に含んでいる精液を、俺にも分けてくれないか?」

思わぬ言葉に、一瞬あっけに取られる。
「あ、あのさ…。よく女性が精液を飲み込んだりするけど、どんな味なのか知りたいと思ってさ…」
それって、精液を口移ししろって事?
何だかすごく変態じみてるよっ。
だけど、彼方さんの表情は真面目そのものだ。
「俺は、澄乃がどういう思いをしているのかを知りたい。だから、いいかな?」
私の思いを共有したい…。
彼方さんは、なんて優しいんだろう!
私は頷くと、露天風呂の中から立ち上がった。

「立ったままだと澄乃が辛いだろうから」
彼方さんが露天風呂の縁に腰掛ける。
彼方さんの両膝の間に割って入るような形で、私が立つ。
そのまま、覆い被さるように顔を彼方さんに近づけてゆく。
二人の唇が合わされる。
そして、少しづつ互いの唇が開かれる。
私の口の中に含まれている彼方さんの精液が、ゆっくりと、ゆっくりと流れ始める。
彼方さんの片手が、私のお尻に触れる。
お尻が撫でられる度に、背筋に震えが走る。
すごくいやらしくて、それでいてすごく気持ちいい…。
225SNOW SS「澄乃」第3部(4/9):02/04/17 14:48 ID:SA1A6cAS
口の中の精液を半分ほど移してから、唇を離す。
それから、二人一緒にお互いの口に含んでいた精液を飲み込む。
暫くして、彼方さんの口が開いた。
「ぷっへ〜、やっぱり妙な味だな」
「ううん、よく解んないけど、不思議な味がするよ…」
お尻を撫でていた彼方さんの手が、私のあそこに触れる。
「あっ…」
「もう濡れ始めてるんだ…。口移しで感じていたのかい?」
「えっ、そ、そうかも…。私の身体もひとつになれたらいいなって…」
「素直でよろしい。それじゃぁ、澄乃の身体を満足させてあげるとするか」
「………、うん…」
「位置を交替しよう」
彼方さんが座っていた位置に、こんどは私が腰掛ける。
中腰になった彼方さんは、私の乳房の片方に舌を合わせてきた。
乳首の周りが丁寧に嘗めまわされる。
次第に私の乳首が立ちあがる。
彼方さんの唇が、乳首を咥え込む。
唇の上下が左右に動かされ、私の乳首もつられて左右へ捻じ曲がる。
「ああんっ…」
思わず上ずった声をあげる。
もう片方の乳房も、同じように嘗めまわされる。
次第に快感が高まってゆく。
あそこから、淫らな汁が絶え間なく溢れ続ける。

「か…彼方さん…、あんまり弄ると…、私…それだけで…いっちやうから…、だから…早くぅ…」
「まだもうちょっと我慢して。澄乃のあそこを味わってないから」
彼方さんの顔が、私のあそこの前にいく。
「もうちょっと腰を前にずらして」
確かに、このままの姿勢では彼方さんが私のあそこを嘗めるのにはきつい。
だけど、腰を前にずらすと私の淫らな汁が露天風呂の中に落ちてしまう。
「で、でもっ…、お湯が汚れちゃう…」
「大丈夫だって、愛液が少しばかり混じっても判らないよ」
「………」
私の淫らな汁が混じったお湯に、他の人が入浴するのを思うと、恥ずかしくて仕方がなかった。
それでも欲望には勝てないので、彼方さんの言ったとおりにする。
226SNOW SS「澄乃」第3部(5/9):02/04/17 15:00 ID:SA1A6cAS
彼方さんの舌が、私のあそこの穴に差し込まれる。
入口が柔らかく横に押し広げられる。
中に入れられた舌が、上下へと動く。
あそこから聞こえる、くちゃくちゃといういやらしい音。
気持ち良すぎるよっ…。
「はぁ…、はぁ…、彼方さん…、ああっ…、私…もう…耐えられない…」
もう限界が目の前に近づいていた。
早く入れて貰わないと、また不満足なままいってしまう…。
気持ちが焦る。
「は…、早く…入れて…」
彼方さんが、私の股間から顔を離して言う。
「澄乃の愛液って、とっても甘くって美味しいよ」
うん、判ったから…、早くっ!
「で、入れてって言ってるけど、何処に何を入れたらいいんだい?」
まただ…。また彼方さんは私に恥ずかしい言葉を言わせようとしている…。
ただし、今回ばかりは悩んでいる余裕がなかった。
ありのままの想いを、乱暴にぶちまける。
「か、彼方さんのおちんちん!、私のおまんこに思いっきり入れてほしいのっ!」
「そして?」
「そして…、いっぱい!いっぱいお腹の中突きまくってほしいのぉー!!」
恥ずかしいなんて言ってられない…。
この機会を逃したら、きっと欲求不満が収まらなくなってしまう…。
「かなり積極的になってきたな、澄乃。それなら風呂の縁に手を付いて俯せになってくれる?」
「えっ…」
「そのまま澄乃を仰向けにすると、背中が地面に擦れて痛い目に遭うよ」
彼方さんの言うとおりだった。
私は立ち上がって、彼方さんへ背中を見せるように向き直ってから、腰を曲げる。
そして両腕を曲げて、肘を露天風呂の縁に置く。
「澄乃…、入れるよ…」
息を止める。
その直後、彼方さんの大きいおちんちんが、私のあそこの穴に突き刺さってきた。
あそこの穴が、目一杯押し広げられる。
「あっ…あっ…あああああ…っ」
強烈な刺激が、私の身体を貫く。
227SNOW SS「澄乃」第3部(6/9):02/04/17 15:01 ID:SA1A6cAS
「散々あそこを弄ってたから、かなりきつく締まってるな」
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、彼方さん…、早く…動いて…」
「うん、判ってる」
彼方さんのおちんちんが、前後へ動き始める。
膣内の壁がおちんちんと擦れ合う。
お腹の中がすごく熱い。
もっと激しい快感が欲しい…。
身体が勝手に動き出す。
両肘を立てて、上半身を起こし気味にする。
動いている彼方さんの亀頭が、膣内の一番敏感な部分に突き当たる。
その都度、電流のような激しい刺激が私を襲う。
いい…、すごく気持ちいい…!
身体が大きく震える。
「ひぅっ!んぎぃっ!きひぃぃっ!!」
何を言っているのか、自分でもよく解らない。
頭の中を渦巻いている快感が、そのまま言葉になる。

「腰まで動かして、今日の澄乃はとてもエッチなんだな」
「そう…そうなの…。はぁっ!もっと…私の身体…弄って…うぐぅっ!」
そう、私は本当はとってもエッチな女の子なんだ…。
今までそれを隠していただけ…。
でも、彼方さんの前では、ありのままの自分になれるって事に気が付いたんだ…。
それは、私が彼方さんの事を好きだから…。

彼方さんの両手が、私の乳房に触れる。
乳房が激しく揉みしだかれる。
すごい…、すごすぎるよ…。
気持ちよすぎて、気がヘンになっちゃうよっ…。
そうだ…、あそこも弄ってあげないと…。
身体全体でこの快感を味わい尽くすんだ…。
露天風呂の縁に置いていた右腕を動かして、指先でクリトリスを摘み上げる。
「おい澄乃、手を離すと危ないぞ」
「彼方さん…、お願い…、私…身体全体で感じたいのっ…」
「判ったよ。姿勢を変えるからちょっと待ってくれ」
そう言ってから彼方さんは、おちんちんを私から引き抜いた。
「あ…、嫌だよっ…」
「あわてるなって。俺が地面に仰向けになるから、澄乃はその上で動けばいいよ」
「………、うん…」
228SNOW SS「澄乃」第3部(7/9):02/04/17 15:03 ID:SA1A6cAS
露天風呂から上がって、彼方さんの腰の上を跨ぐ。
彼方さんのおちんちんに手を添えると、亀頭をあそこの穴へ差し入れる。
そして、一気に腰を落とし込んだ。
お腹の奥に、彼方さんのおちんちんが勢いよく突き刺さる。
「うぁあああああっ!!」
自然に叫び声を発していた。

「澄乃〜、もうちょっと手加減してくれないと。あやうく出してしまうところだったぞ」
「えうぅ〜、だって…待ちきれなかったんだよっ…」
「判った判った。もう思いっきり動いていいから。俺がサポートするから、頑張っていこうなっ」
「う、うん…」
両手で乳房を揉みながら、腰を上下させる。
目を下にやると、股間に刺さっている彼方さんのおちんちんがどろどろに濡れているのが見える。
そこに、彼方さんの右手が伸びる。
「むむむ…、動いてるからクリに触りづらいな」
「はぁっ…、あ…、それだったら…私が…」
胸を揉んでいた片方の指でクリトリスを捻りながら、さらに腰を動かす。
「きゃふうんっ!あっ!あはぁっ!」
気持ちいい!気持ちいいよっ!!
「それなら俺は最後に残されたところを…」
彼方さんはそう言うと、動いている私の股の下に腕を差し入れる。
「ここだな…、よし」
にゅぷっ!
「ひ、ひぃーっ!!」
今まで感じたことの無かった刺激。
動いていた拍子に、彼方さんの指がお尻の穴に突っ込まれたんだ…。
「うああっ!そ…そこは…きたな…あぐぅっ!」
「お尻の穴は確か始めてだったよな。このまま動くともっと気持ちいいよ」
腰を動かす度に、おちんちんと一緒にお尻にある指も抜き差しされる。
オッパイが…、クリちゃんが…、お腹の中が…、そしてお尻の穴が…。
いっぱい…いっぱい弄られてる…。
身体全体が、快感に打ち震えてる…。
も、もうダメだ…。
私…気が狂っちゃうよっ!
229SNOW SS「澄乃」第3部(8/9):02/04/17 15:05 ID:SA1A6cAS
「あああっ…、彼方…さん…、も、もう私…いっちゃう…だから…」
「澄乃…、俺もそろそろ限界だよ…。一緒にいこう…」
「うん…、一緒に…だよっ…」
一段と激しく腰を動かす。
嬉し涙が、私の目からボロボロとこぼれ落ちる。
「ああっ!私…い…いっちゃう…いっちゃうよぉっ!」
「澄乃っ!いくぞっ!!」
最後のひと突きが、私の身体を突き抜ける。
その瞬間、私の身体の中で何かが弾けた。
「ああああ…………」
声が掠れる。
彼方さんのおちんちんから、生まれたばかりの精液が一気に私のお腹の中に解き放たれる。
私の淫らな汁と、彼方さんの精液が混じり合って、それが私の身体を溶かしてゆく…。

「はぁっ…、はぁっ…、彼方さん…、私の身体の中…、彼方さんでいっぱいだよっ…」
「すごくよかったよ、澄乃…」
放心して、彼方さんの上にへたり込む。
「最後くらいはキスで締めないとな…」
「うん…」
二人で交わす、長い長い口づけ。
私の心の中に残っていたわだかまりが、洗い流されていくのを感じていた。

再び、龍神天守閣のある客室。
あれから結局、お湯の中の汚れた部分を掬い取ったりと大変な目に遭ってしまった。
私が着ていた浴衣の代わりに、彼方さんが自分の着ていたシャツを持ってきてくれた。
シャツを羽織ったままノーブラ、ノーパンで部屋まで移動するのは気が気ではなかったけど、何とか他人に
見つからずに済んだのは幸いだった。
部屋にたどり着いて一息ついていると、彼方さんが耳掃除をしてほしいと言ってきた。
耳掻きを手にして、そのまま私の太股の上に顔を埋めてくる。
「判ったから、横になってよぉ」
「はいはい」
耳掻きを手にして、彼方さんの耳掃除を始める。
「なぁ澄乃、身体の方はもう大丈夫か?」
「うんっ。もうきれいさっぱりになっちゃったよっ」
「そりゃよかった。さっきはどうなる事かと思ったからな」
「えうぅ〜、それは彼方さんがイジワルだからだよっ…」
「何でだよっ。元々澄乃にその気があったからだろ?」
図星だった。
「えうぅ…」
230SNOW SS「澄乃」第3部(9/9):02/04/17 15:25 ID:SA1A6cAS
「まぁ、それはいいとして、今日はここに泊まっていかないか」
「えっ、この客室を使ってもいいの?」
「あ、以前言わなかったっけ?実はこの部屋、空いている時は俺が寝泊まりしてるんだよ」
「そうだったっけ?」
「混んでる時はフロントの仮眠室が寝床になるけどな。あそこよりは快適だろ?」
「そうだけど…、家には何て言ったらいいのかなぁ…」
「姉貴にお呼ばれしているとでも言っておけばいいさ。食事もお客様用の御馳走を用意するぞ」
それは、ちょっといいかもしれない。
「それから、また欲求不満になってきたら、いつでも相手してあげるから」
「もぉ〜、私は本当はそんなにエッチじゃないんだからねっ!」
耳掻きを握る手に力が入った、その瞬間。
ぐさっ!
「あたたたたたたっ!み、耳が〜っ!!」
「えうぅ〜、ごめんなさい…」
彼方さんの耳の奥に、耳掻きを突っ込んじゃった。
「全く、澄乃らしいな。いつも単純で」
「えうぅ〜、けなさないでよぉ…」
「それでいて一生懸命で、とても明るいし」
彼方さんの顔が振り向く。
そこには、にっこりと微笑んだ彼方さんの顔があった。
「そして、澄乃のオッパイは、あんまんのように暖かくて柔らかい」
いつの間にか、彼方さんの頬が私の両胸に密着していた。
「もぉ…、彼方さんってエッチだ…」
「好きだよ…、澄乃。お前があんまんを好きな気持ちに負けないくらい」

嬉しい…。
やっぱり今日は幸せな一日だよっ…。
こみ上げてくる想いを押さえながら、私は彼方さんにゆっくりと応えた。
「彼方さん…、私も、彼方さんの事…大好きだよっ…」

………。
………………………。
………………………………。

「でも、あんまんと比べると、やっぱりあんまんの方かなぁ〜?あんまんは命の源だし…」
「おいおい…」

(第3部おわり)
231十五部 五二六:02/04/17 15:27 ID:SA1A6cAS
SNOW SS「澄乃」第3部カキコ完了しました。これで完結です。
なお、以下の雑誌公開CGをご覧になれば、よりいっそうお楽しみいただけると思います。
掲載雑誌は私の手元にある号を示したものですが、他にも掲載されている雑誌があるかもしれません。

◎温泉に浸かりながら、彼方のペニスを握る澄乃→ピュアガ2001年7月号

今回の作品をもって、支援SSのネタが尽き果てました。
自分では精一杯頑張ったのですが、まだまだ駄文の域に留まっていると思います。
最後に、元からのスレ住人の皆さんにお詫びして、支援SSを終わります。
まだまだ修行が足りないです。ごめんなさい。
232とらハ3 その3の2:02/04/17 19:55 ID:y9ApCas0
2月27日(日)
  海鳴市桜台 さざなみ寮
    AM7:30


【那美's view】

「ん……」
 三つある目覚まし時計のベルが鳴る前に、遠くに聞こえる喧騒で
 目を覚ます。
 朝は割かし穏やかな事が多いから……珍しい事だ。
 どうしたのかな……と、寝ぼけ気味の頭で考えてると……。
「おーーーーーっ!」
 真雪さんの歓声が聞こえた。
 な、何があったのかな……。
 私は寝巻き姿のまま、自室を出てリビングへと向かった。

「いいね! いいね! これで本当にあの時の神咲姉だーっ!」
「なつかしいのだー」
 リビングにいるのは、いつもはあまりこの時間にはいない筈の
 真雪さんと、美緒ちゃんと愛さん……それに、耕介さん。
 比較的長くここにいるベテラン組の面々だ。
「……」
 そしてもう一人。呪いによって私と同じ年代に若返って
 しまった……私の姉、薫ちゃん。
 その薫ちゃんは……あ。
「そのリボン……」
「おー、那美起きたか! 見てみこれ、懐かしいだろー」
 ニタニタと笑う真雪さんの横にいる薫ちゃんの頭に……黄色いリボンが。
「いやー、まさか7年も前の物がまだ残ってるたあね。耕介も
 えらく貧乏性だよなー」
「せめて物持ちがいいくらい言ってくれ……にしても本当、
 不謹慎かもしれないけど懐かしいよな、そのリボンつけた
 今の薫見るとさ。あの頃を思い出すよ」
 耕介さんがこのさざなみ寮に来た時、確かちょうど薫ちゃんが
 今ぐらいの年齢だったんだっけ。
 その時代を回想しているのか、耕介さんは腕を組んで微妙に
 上を見つつ目を瞑っている。
「ごめんねー、薫ちゃん。なんか無理につけさせちゃったみたいで」
「いえ……」
 少し困った顔で、それでも愛さんに微笑を向ける薫ちゃん。
 どうやら愛さんの提案だったみたい。
233とらハ3 その3の2:02/04/17 19:56 ID:y9ApCas0
「なあなあ。折角だからそのまんまでデート行ってこいよ。
 恭也くん、驚くぞー」
「!?」
 薫ちゃんが急に険しい顔になる。
「……何故知っとるとですか……?」
「た ま た ま 聞こえてただけ。なー猫」
「そうそう」
 そうだ。今日は……薫ちゃんと恭也さんのデートの日。
 あまりにも想像できない組み合わせ。
 私としては、どうにもこうにも複雑な心境にならざるを得ないところだ……。
「いやあ、しかし神咲も積極的になったもんだ。あのカタブツが
 自分からデートのお誘いたあ、長生きはしてみるもんだあね」
「……別に、そんな大層な事では……」
 そう言いつつ、薫ちゃんがチラッとこっちを見た。
「……え? な、何?」
「いや……」
 う……何なんだろう。
「で、そのデートは何時何処で待ち合わせなの?」
「……言う義務はなか」
「えーっ、もったいぶらずに教えるのだー」
 美緒ちゃんが不満顔で訴える。
 ……正直、ちょっぴり美緒ちゃんを応援。
 やっぱり……気になるから。
「まあまあ、別にいいじゃねーか。わざわざそんな事聞くまでもなく……」
「……言っときますが、後をつけてきても気配でわかりますよ」
「う……」
 う……。
「仁村さんもいい加減、そういう野暮な性格は直してください。
 もういい年齢なんですから……」
「ぐはっ」
 あ、真雪さんが吐血……。
「って言うか、三十路過ぎたおばはんなのだ」
「猫ーーーーーっっっ!!! 今なんつったーーーーー!?」
「に゛ゃーっ!?」
 ドッスンバッタン!
 嵐の様に、台風の様に……二人はリビングから走り去っていった。
「全く……あの二人は全然変わりませんね」
「ま、それがあいつらの性質だしな」
「もう少し大人になってもいいと思うのですが……」
 薫ちゃんは言葉とは裏腹に……少しだけ、嬉しそうにしていた。
 私は……以前として、複雑な心境のままだった……。
234とらハ3 その3の2:02/04/17 19:58 ID:y9ApCas0
2月27日(日)
  海鳴市藤見町 高町家
    AM8:45


 朝食を終え、自室に篭る。
 ……どういう訳か、今日は薫さんとデートをする事になってしまった。
 まあ、
『過去に出来なかった事とか、いろいろと楽しんでみてはどうですか?』
 などと言ったのは自分だし、それに協力する事に関しては
 何の不満も疑問もないのだが……。
「んー……」
 思わず唸ってしまうのは、やはり『デート』と言うものに対する
 俺の考えがいささか古臭い所為なのかもしれない。
 それほど親しい訳でも、まして恋人同士でもないのに……などと、
 どうしても考えてしまう。
 などといろいろ考えていると、いつの間にかもうそろそろ
 用意しなければならない時間になってしまった。
 ……考えても仕方ない、か。
 とにかく、待ち合わせの時間には遅れないようにしないといけない。
 後は……なるようになれ、だ。
≪ガラッ≫
「恭ちゃ……」
「今日の稽古は自習」
「……は、はい」
 俺は数少ない外出着の中から最も色映えのよい物を選んで、
 少し急いで着替えた。
235とらハ3 その3の2:02/04/17 19:59 ID:ToPhWfK1
【AM9:40】

 待ち合わせの時間は十時。そして場所はここ、駅前だ。
 どうにか二十分前には着いたようだ。
 さて、薫さんは……。
「あ、恭也くん」
 背後から薫さんの声。やはり、いた。
 印象通りと言うか予想通りと言うか、時間には厳しい人なんだな。
「……あ」
 などと思いつつ振り向いた刹那。
「……やっぱり……変、かな?」
 薫さんの外見は昨日の……若返ったままだった。
 が、俺を驚かせたのはその事ではなく……長い髪の毛を後ろで
 束ねた、黄色いリボンだ。
 年齢以上に落ち着いて見える彼女の外見に似つかわしくないと
 思いきや、意外と調和していて……何と言うか……可愛い。
「……いえ、似合ってると思います……」
「……ありがとう」
 薫さんははにかむ様に、笑う。
 以前あった時と少し違うのは、外見だけじゃないのかもしれない……。
「恭也くんは……黒が似合うね」
 俺の思考を軽く払うように、薫さんは自然な口調でそう言ってくる。
「黒系統の服しか持っていませんので……」
 その中でも一応明るめの黒を選んだのだが……あまり意味はないかも。
「ふふっ……そう言う所まで実戦派なんだね、君は」
 闇の保護色。それは、裏の世界に生きる俺にとって最も愛すべき色。
 元々派手な色も服も好きではないから、性格的なものもあるけれど……。
「それじゃ、まずは何処に行こうか?」
「そうですね……今日は薫さんのやりたい事に俺が付き合う日ですから、
 薫さんの意見を尊重しますが……」
「そう……それじゃ、うちの方で決めていいのかな?」
「はい。何処にでもお供します」
「あはは」
 割とよく笑う。
 意外だ、と思いつつも……笑顔が似合うとも思う。
「じゃ、まずは……」
 薫さんが最初に選んだ場所は……定番中の定番のコースだった。
236とらハ3 その3の2:02/04/17 19:59 ID:ToPhWfK1
 同時刻。

【那美's view】

 ……私は……何をしているのでしょう。
 今日は日曜日なので、巫女のアルバイトは朝から出なくてはいけない。
 実際、今着ているのは巫女装束でありますし……。
 だと言うのに……。
「はぁ……」
 駅前から歩いて移動し始めた二人を陰鬱な気分で追う。
 ……薫ちゃん、どういうつもりなんだろ。
 まさか……いやいや、けど……うーん……。
≪ドン!≫
「ああっ、すいません私ボーっとしてて……」
 いろんな想像が頭の中を右往左往している内に、前方確認を
 怠ってしまった。
「いえ、私こそ……って」
「え……?」
 ぶつかった相手はのその声は、聞き覚えのあり過ぎるものだった。
「忍さん……?」
「あ、あら。き、奇遇だね」
 あまりにもぎこちないその返しに、私はなんとなく全部理解出来たような気がした。
 と言うか……。
「ところで那美、その格好は一体……?」
「そう言う忍さんもその格好……」
 何故か迷彩服を着用していた。
「……私は別に……たまたまこういう服が着たい気分な日だったってだけだよ」
 ……どうやら忍さんは形から入りたがるタイプらしい。
 根本的な部分で大きく間違っているような気もするけど……。
「……」
「……」
 お互い、しばし無言で顔を見合う。
 そして、
「……取り敢えず、今日のところは」
「……協力し合う、と言う事で」
 一つ頷き合い……二人して尾行を再開した。
237とらハ3 その3の2:02/04/17 20:01 ID:ToPhWfK1
【ここから先、しばらく2次元中継でお楽しみください】

「恭也くんはどんな映画が好みなのかな?」『……にしても』
「そうですね……人情ものならどんなのでも」『?』
「へー……もしかして、泣いたりする?」『なんか、あの二人……』
「……その辺はノーコメントで」『……あー、そうですね……』
「あはは」『似合ってる、よねー』
「そう言う薫さんは……映画見て泣いたりします?」『雰囲気とか、近いかもしれませんねー』
「うちは……泣かないかな」『……あの人、あんたのお姉さんなんだよね」
「そうですか」『ええ、そうですけど……」
「辛い現実を結構常日頃体験してるから……」『姉妹で異性の好みが似るって、言うよね……?』
「……」『……』
「創作では、余程でないと……泣かない」『って事は、やっぱり……』
「……仕事、きついです……よね?」『で、でも薫ちゃん、そんな事全然私には……』
「そうだね……。けど、誰かがやらなきゃいけない事だから」『そりゃ言わないよ』
「……すごいと思います」『う……そうですよね、普通言いませんよね』
「君もいずれ人の為に剣を振る職に就くんだよね?」『あーあ、私としてはこれ以上ライバル増やしたくないんだけど』
「ええ」『そ、それは……私も……』
「なら……覚えておいた方がいい事を一つ教えよっか」『バレンタインの時も失敗しちゃったし』
「何ですか……?」『あ……あれは……お気の毒様でした……』
「……その前に……気付いてると思うけど、後ろ」『あれ以来なんか気まずい雰囲気だし……』
「ああ、いますね二人ほど」『だ、大丈夫ですよ。大事なのは気持ちですし』
「……撒く?」『うう……ライバルに同情されても嬉しくない……』
「……撒きますか」『あうう、そう言われても、どう答えればよいのやら……』
「よし……それじゃ、1、2ーの」『……じゃあ何も言わずに譲って』
「3!」『譲る……えええっ!? だ、ダメですよっ!』

≪……ッ!≫
 ほとんど物音を立てず、風のように……人込みの中から二人は消え去った。
238とらハ3 その3の2:02/04/17 20:02 ID:/7+d2SBE
【那美's view】

「ば、ばか……そんな大声出したら……あ、あれ?」
「あああっ、ご、ごめんなさい……!」
「じゃなくて! 二人、いなくなってる!」
「……えっ?」
 焦る忍さんの視線の先を追ってみる。
 ……本当だ、いなくなってる……。
「……ど、どうしましょうか……?」
「今から走って追っても多分見付かんないよ。あの二人は」
「そうですよね……」
 仕方がない。尾行は諦めて……。
「あ、ノエル?」
 そう思っていた私の横で、忍さんはいつの間にか
 携帯電話を取り出してノエルさんに連絡していた。
「そう……緊急事態、すぐ来て。場所は……ええと、
 『ドラッグストアふじた』の前!」
 ……その数分後。
「お待たせしました」
「よーし! 那美、乗って! これで探すよっ!」
「あ、は、はい!」
 ノエルさんの回してくれた車に乗り込んで……私たちは
 『尾行』から『捜索』へとその行動を変えた。
239とらハ3 その3の2:02/04/17 20:02 ID:/7+d2SBE
【PM1:20】

 映画を見終えたおれ達は、近くのファミレスで食事をとる事にした。
「……面白かった……?」
「え、ええ……」
 先ほど見た映画の題名は、
『All kinds of insult and abuse』。
 和訳すると……罵詈雑言。
 内容はそのまま、登場する人物全てが口汚く相手を罵りながら
 物語が進行していくという……割と斬新ながらも、
 精神衛生上あまりよろしくないものだった。
「うちはああ言うのは……ちょっと」
 多分、あの場にいた全員がそう思ってたと思う……。
 間違って映画好きの我が妹が見ようものなら卒倒ものだ。
 そう言う意味では、先に知っといてよかったのかもしれないな……。
「あ、恭也くんは何にする?」
 薫さんがメニューを広げて尋ねて来る。
「……」
 正直、あまり自分の好みに合いそうなのは……お。
「……この『和風おろしそば定食』というのを」
「あ、うちもそれにしようと思ってたんだ」
「和風、というところがなんか安心しますよね」
「そうそう」
 俺と薫さんは、なんとなく微笑み合った。
 こういうところは古い歴史を持つ剣術を指南する者同士、
 気が合うのかもしれない。
 薫さんもそう思ったのか、その後お互いの剣に関する
 様々な思考や理想を談義し……。
 気が付いたら、いつの間にか相当な時間を浪費していた。
240とらハ3 その3の2:02/04/17 20:03 ID:/7+d2SBE
【PM2:00】


【那美's view】

 ノエルさんの運転する車で、私たちは恭也さんと薫ちゃんを捜索中。
 現在走っているのは……商店街から少し離れた、
 比較的賑やかな所。
「この辺りでデートのコースになりそうなのは?」
「……おそらく全体的にそうだと思われます」
「うっ……確かに」
 忍さんは……すごく必死だ。
「那美! 薫さんが好きそうな場所とかわかる?」
「ええと……わかりますけど、デートに似つかわしい場所とはとても……」
「それでもいいから!」
「あ、はい……薫ちゃん、静かな場所が好きだから……骨董屋、とか」
「骨董……それはちょっと、さすがに……」
「ですよ……ねえ……」
 他には……うう、思いつかない。
「『デート』なんだから、人通りの多い、明るい場所だと思うけど」
「……人通りの少ないデートコースもありますけど……」
 そう言って、ノエルさんがチラッと横目で見たそこは……。
「……」
「……(赤面)」
 車中に気まずい雰囲気が漂う。
「あ、あそこは……こんな日の高いうちはないわよ。ねえ?」
「あ、あうう」
 しどろもどろになる私と忍さん。
 だだだって、あそこはあそこは……。
「那美……」
「な、何でしょう……」
 忍さんは真面目な顔をして、
「あなたのお姉さん、そっちの方面は……お盛んなの?」
 とんでもない事を聞いてきた。
「そ、そ、そそそそそんな訳」
「ないのね」
「当然ですっ!」
「だって、ノエル」
「では、その場所の付近は除外致します」
 ノエルさんの事務的な言葉が、妙に神経を刺激した……。
241とらハ3 その3の2:02/04/17 20:04 ID:/7+d2SBE
2月27日(日)
  海鳴市 海鳴臨海公園
    PM5:15

 もうすぐ夕方になる時間、薫さんの要望で俺たちは
 少し遠出をして……。
 海鳴臨海公園まで出向いた。
「綺麗な公園ですね」
 自然の形を残しつつ、機能的、鑑賞的に富んだ人工物が
 バランスよく配置されている。
「近くに軽食屋もあるんだよ」
 その場所を……薫さんは懐かしげに、そして感傷に浸るように
 眺めていた。
 何か、思う所のある場所なのかもしれない。
 その事を聞こうか聞くまいか迷っていると、
「……ここは……結構思い出の場所なんだ」
 薫さんの方から語り出してきた。
「さざなみ寮にいた頃の事……ですか?」
「……」
 薫さんは何も言わずに、宙を見る。
 そこに漂うのは、過去の良き想い出が、それとも……。
 ……少なくとも、気楽に話せるような事ではないみたいだ。
「……恭也くん」
「……、はい」
 想いを馳せた視線を現実に引き戻し、薫さんは俺の方を
 真摯な目で見つめてきた。
 何か、大事な事を話す。
 そういう覚悟の見え隠れする、ちょっと怖いくらいの表情だった。
「君は……那美の事、どう思ってるのかな……?」
「……え、ええっ?」
 俺の間の抜けた声が口から漏れて、力なく地面に落ちる。
「あの子の事、異性として意識してるか、って事。どう?」
「え……ええと……」
 突然。唐突。突拍子もなく。
 そんな事を聞かれるとは頭のどの部分にもなかった俺は、
 半ばパニック状態だ。
 神咲さんの事を……? 異性として……?
「……いろいろ悩む所がある、って顔だね」
「あ、いや……」
 薫さんは少し破顔して、それでも瞳はそのままで。
 困っている俺にゆっくりとした口調で話す……。
242とらハ3 その3の2:02/04/17 20:06 ID:Qa/gMe03
「那美はね、きっと……君の事が好きだよ」
「……」
「……もしかして、気が付いてなかったと?」
「え、そ、それは……」
 どう……なんだろう。自分でもはっきりとはわからない。
 クリスマスやバレンタインデーの時にもプレゼントを貰ったし、
 一応好意は抱いてもらってるとは感じていたが……。
「それでね……あの子、もうすぐ卒業して……ここから出ていくと」
 そう。神咲さんは今年風芽丘学園を卒業する。
 その後の進路は、本人によると……一人前の払い師になる為、
 修行も兼ねて、ありとあらゆる霊障を取り除くべく
 全国津々浦々を回るらしい。
「だから、出来れば……ちゃんと考えてやって欲しいんだ、
 那美の事を。あの子がここから去るまでに」
「……」
 いろいろな思いが自分の中で交錯しているのがわかる。
 だから、二つ返事で『はい』とは言えなかった。
「うん。それでいいよ」
「……え?」
「はは……朴念仁同士、顔を見れば何を考えてるかは結構わかるんだ」
「……なるほど」
 どっちかといえば、俺も薫さんもあまり考えてる事を
 表情には出さないタイプだ。
 だからだろう……俺がこの人に割とすぐ打ち解けられたのは。
「本音を言えば、君みたいな強い子が那美の傍にいてくれると
 心強いんだけど」
「……考えておきます、ちゃんと」
「うん、そうして」
 散々吟味した挙句の質素な俺の解答に、薫さんは満足げに頷いた。
 今日のデートは……きっと、この事を話したいが為の事だったんだろう。
「……姉らしい事、ほとんどしてやれてなかったから」
 俺の思考を読んだかのように、薫さんはそう呟いた。
 悔悟するような口調ではなかったけど……やはりどこか影がある。
 でもそれはその言葉だけで、薫さんは勤めて明るい顔を形成っていた。
 それは……きっと、俺への心遣い。
 優しい人だと、あらためて実感した。
「それにしても……せめて那美の卒業式までには元の姿に
 戻れるといいんだけど……」
「……そうですね」
 などと言いながら、二人してなんともなしに空を見る。
 もうすぐ茜色に染まるこの空に、何が在るのかはわからないけど……。
 俺の目には、薄っすらと何かの境界が見えた気がした。
243とらハ3 その3の2:02/04/17 20:07 ID:Qa/gMe03
【那美's view】

 ……結局、あの後二人を見つける事は出来ず……。

「うう……骨折り損のくたびれもーけ」
「……これからどうなさいます?」
「……帰って寝る……」

 疲れ果てた忍さん&表情一つ変えていないノエルさんと別れ、

「あー……奈緒、久遠、ごめんねー」
「遅いよー」
「那美……おそい……」
「だいふく買ってきたから、これで許してー」
「苺、入ってる?」
「勿論♪」
「なら……」
「……許す♪」
 快く(?)代理を引き受けてれた二人に然るべき報酬を贈呈して。

 さざなみ寮へと帰った。
244とらハ3 その3の2:02/04/17 20:08 ID:Qa/gMe03
2月27日(日)
  海鳴市桜台 さざなみ寮
    PM7:30


「……薫ちゃん……」
「ん? 何?」
 既に帰っていた薫ちゃんに、思い切って尋ねてみようかどうか迷ったが、
「あー、ううん……何でもない」
 何となく、躊躇ってしまった。
 すると……。
「もうすぐ卒業だね」
 突然、何の前触れもなく……薫ちゃんはそんな事を切り出してきた。
「あ、そ、そうだよ」
「那美」
 あ、この顔。
 いつも真面目な人だけど、たまに……こういう、とりわけ
 真摯な表情になる。
 そういう時は……とても、とても大事な事を言う時だ。
「はい」
 だから、私も真面目に聞く。
「……後悔だけは、したらいけんよ。うちみたいにそれを
 いつまでも引きずってたら……」
「……引きずってたら?」
「……」
 少し口惜しそうな目をしつつ、薫ちゃんは自分の身体を指差して、
「こんな、下らないヘマをする事になる」
 そう呟いた。
「……?」
 今一つ、因果関係がわからない。
「この呪いはね、ただ単に肉体年齢が若返るいうものでは
 なくて……呪われた人物が一番戻りたいと思ってる、
 心残りの強い年齢に戻ってしまう、というもの」
「え……?」
 それは……つまり……。
「ちなみに、この肉体年齢は今の那美と全く同じ」
 つまり……薫ちゃんは今の私と同じ時期に、何か心残りが……?
「伝えたい事があるのなら、躊躇しないでちゃんと言わんと……ね」
 まるで自分に言い聞かせるかのように、薫ちゃんは呟いた。
 その言葉は……それでも、私の所まで届いて。
 だから、私は。
「はい!」
 今度は躊躇せずに、そう答えた。
245とらハ3 その3の2:02/04/17 20:09 ID:7EmQQp5A
【薫's view】

 那美と話をした後、うちは一人で台所へと向かっていた。
 今の時間ならその場所にいる筈の……あの人の元へ。
 うちにかけられた呪い。その解呪の方法は……少し特殊なものだった。
 昨日皆に説明した事は、半分本当で半分は嘘。
 実は、まだ解呪されていない。
 それを、今からやろうとしているのだ。
 一昨日、呪いを解いてもらおうと然るべき人を尋ねたのは本当の話。
 そこで聞いた言葉を思い出す。
『心残りのある時代の姿に若返ってしまった貴方が元に戻る
 方法は……その心残りを晴らす事』
 免罪符、なのかもしれんね。
 例え玉砕しても、『そうしなければ元の姿に戻れなかった』と
 自分にいい聞かせる為の。
 ……それでもいい。
 恭也くんとのデート、そして那美への会話で気持ちは昂ぶった。
 多分、今しか出来ない。
 今、言うんだ。
 何度も何度も、乾いた唇と心を想いで潤しつつ。
 うちは、あの人の前に、立った。
246とらハ3 その3の2:02/04/17 20:10 ID:7EmQQp5A
2月27日(日)
   海鳴市藤見町 高町家
    PM11:58


 もうすぐ今日という日が終わり、明日と言う日が今日になる。
 そうなると、2月ももう最後になってしまう。
 次は3月。卒業のシーズン。
「……」
 自分の部屋を出、縁側から外を見る。
 黒く塗りつぶされた景色は、それでも色濃く俺に何かを訴えて
 くるかのように……じっとそこに居座っている。
 上を見た。
 星空の中に、とりわけ大きな光の塊が一つ。
 今日はよく月が見える。
 だからかもしれない。
 こんな時間にこの場所に引き寄せられたのは。
 ……神咲さんの卒業。
 それによって、穏やかに動いていたここ最近の……俺の中の
 時計の針が勢いよく加速するのだろうか。
 緩やかに思えた時の流れが、車窓から見える景色の様に……急速に
 なっていくのだろうか。
 いずれにせよ。
 「もうすぐ……か」
 答えを出す日は、近い―――――
247名無しさん@初回限定:02/04/17 20:21 ID:7EmQQp5A
>>232-246
題「巡る逡巡 今日夜想せし」

>>186-191「風薫る 忍ぶ波音 海鳴りて」の続きです。
ちょっと時間空けてしまいました……しかもまた
呼び名間違ってるし(;´Д`)
何はともあれ、前編共々読んで頂ければこれ幸いです。
そして、前編にレスしてくれた方々どうもです。励みになります。
でわでわ〜。
248名無しさん@初回限定:02/04/17 20:58 ID:oXygYDhy
>>247
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
薫タン(*´Д`)ハァハァ
249名無しさん@初回限定:02/04/18 10:03 ID:Gd4Odvvg
>247
おー、昨日は見逃してた。
なるほど、薫シナリオBADエンド後?な訳でしたか(w
最強の朴念仁?ノエルの冷静な態度が逆に笑えました。
次回もあるなら楽しみにしてます〜
250名無しさん@初回限定:02/04/20 07:18 ID:/nPGcxtt
薫マンセー
SS面白かったです
http://members.tripod.co.jp/hokaess/
保管サイト更新〜
 リアルでの忙しさにかまけて保管作業が滞ってました、申し訳無い。
しかし、最萌えのおかげがこのスレも再び活性化してきましたね。

さて、今回の更新状況は以下の通りです。
連載中
瞳 vs アイ

完結
『果てしなく青い、この空の下で・・・』『鎮花祭』クロスオーバーSS SenceOXA「旧図書館にて――認識力場の干渉」
「ゆらぎが望む永遠」(color & Age最萌支援SS)
杏里の卒業式を間近に控えて
稲荷杜盲点外伝〜御用聞き頂上決戦〜
とらは3SS
   KとSのあいだ
   聖戦 〜St.Valentine‘s Day〜
   風薫る 忍ぶ波音 海鳴りて
 巡る逡巡 今日夜想せし
SNOW SS
   「友達」
   「桜花の誕生日」
   「澄乃」
252名無しさん@初回限定:02/04/22 02:22 ID:fsn6iIUS
まとめると凄い量ですね。10本以上か……。

あと、前に提案したエロゲ板ネギ板SS発掘スレ、どうしようかなァ。
253瞳 vs アイ:02/04/22 14:50 ID:cSeM0cuf
第一話 修正版 『出会い』


某名門学園。
男女共学、全寮制である学園内で男女問わない謎の暴行事件が連続で発生していた。
この事件を表沙汰にしたくない学園側と被害者の父兄が、ある組織へ事件解決を依頼した。

といった経緯から私、『天王寺 瞳』と相棒の『庭野 子虎』(私は虎ちゃんって
呼んでる。 私の着任から2日後に転入予定)が派遣されることになった。

【 瞳 】「着任早々見回りかぁ・・・ついてないなぁ・・・ううん、なに言ってるの!
     お仕事、お仕事・・・」
     この学園は東西に長細くなっていて東側に女子寮、西側が男子寮と分かれていて
     中央に校舎が建っている。 暴行された生徒達の発見現場は一定しておらず
     学園敷地内、校舎内どころか男女子寮内でも発見されていた。
【 瞳 】「う〜〜ん・・・現場がランダムだと的が絞れないないのよねー」
     現在地は校舎と女子寮の間、けっこうな広さの公園になっていて芝が敷いてあり
     林まである。
【 瞳 】「いかにも名門ですって感じよねー、あら・・・」
     スゥ・・と辺りが暗くなった。 先程まででていた月が雲に隠れていく。
【 瞳 】「綺麗な満月だったのに」
     闇が辺りをつつんでいく。
     残された明かりは学園内の外灯だけだ。
【 瞳 】「あの林なんか絶好の犯行現場になるわよねー。 ちょっと林の中でも・・・ん?」
     50bほど先の外灯の下でナニかが動いた。
     そのナニかは暗いシゲミの中へと消えていく・・・
【 瞳 】「あやしい、なんであんなにあやしい動きをするのかなぁ・・・私が犯人ですって体全体で表わしているじゃない」
     私はシゲミへ向かって歩きだした。
【 瞳 】「早期解決で虎ちゃんの出番は無しね。 次の任務も決まってないし特別休暇でもくれないかなぁ(ハート
     シゲミの前までやってきた。 シゲミは私の腰までの高さがある。
     相手の気配を探ってみたが・・・いない?
     しょうがない・・・私はシゲミの中に入って様子を窺ってみたが・・・
254瞳 vs アイ:02/04/22 14:57 ID:cSeM0cuf
【 瞳 】「いないなぁ・・・林の中かな?」
     この先は林になっている。 ここを抜けると女子寮は目と鼻の先だ。
【 瞳 】「まずいコトになりそうね・・・ハッ!?」

       ガサ ガサッ
     
     木の上にナニかがいるッ!!?
音のした方に目をやると木の上にいる『ナニか』はすでに木から離れていた。
こちらに向かって落ちてくる!!

【 瞳 】「 っ!」
     私は慌てて後ろに飛び退いた。 その直後、先程までいた場所に『ナニか』が
     落ちてきた。
      
       ドサッ

【 瞳 】「ふぅーーぅ、あぶない、あぶない・・・もうちょっとで下敷きになるところだったわ」
     高さ10bはある木の上から人間大の物が落ちてきんだ。
     下敷きになっていたらタダではすまなかっただろう。
【 瞳 】「さてと・・・落ちて受けたダメージが大きくて動けないのかしら? 連続暴行犯さん?」
     先程から様子を窺っているのだがまったく動きが無い。 それどころか気配もしない。
【 瞳 】「まさか・・・死んじゃったんじゃないでしょうね!?」
     そう言いながら慎重に近づいてみた。

     すぐそばまで来たがまったく動かない・・・
【 瞳 】「ホントに死んじゃったの・・・?」
     懐中電灯の光を落ちてきた『ナニか』にあてた。
     そこに現れたモノは初めて見るモノだった。
【 瞳 】「・・・・・・・・」
     なんだろう・・・?頭が回らない・・・目で見ているもののソレを認識できない。
     今までいろんなモノ(洗脳やらパワードスーツ、終いには戦闘機まで)を見てきたが
     コレほど変なモノは見たことがない・・・
     それはピンク色をした・・・例えるならミミズだろうか?
     釣り餌でミミズが絡まりあって団子のようになっているのが頭に浮かんだ。
     でも目の前にあるモノはスケールが違う。 直径は1bはあるだろうか?
     巨大なミミズが動かずに、絡まりあったままたたずんでいる。
     私は本能的に危険を感じ取り、ゆっくりと後ろにさがった
255瞳 vs アイ:02/04/22 14:59 ID:cSeM0cuf

       カサカサ・・・カサ・・・

     足元で音がするので下を見ると周りを巨大ミミズに囲まれていた。
     しまった! 最初から狙いは私だったのね!?
     次の瞬間、目の前のミミズ団子がハジケた!!

       ニュルルルルルルン ニュル ニュルンヌルヌル

     あっという間に両足に巻きつかれ、そのまま上に上がってきた巨大ミミズに
     両腕を後ろ手に固定されてしまった。
     こうなると身動きがとれない!
     あとは身体中に巨大ミミズが絡みついてくる。
【 瞳 】「あっ!? ダメッ!!」
     フトモモに絡みついていた巨大ミミズがパンティーの上から私のアソコを責めだした。
【 瞳 】「う・・・あぁ・・・ダメよ・・ぅんンッ」
     弱すぎず、強すぎず、絶妙なチカラ加減でアソコを責めてくる。
     するともう一匹がクリトリスを責めだした
【 瞳 】「ダメよ・・・ダメ・・あぁ・・でも上手いわ・・・んっく」
     マズイな・・・このままだと快感で流されてしまいそう・・・
【 瞳 】「ふぐッ!? んんんーーーーーーッ」
     巨大ミミズの一匹が口の中に入ってきた
     咽喉の奥まで容赦なく押し込んでくる。
【 瞳 】「ごぁッ、ぐぅ・・むあっふ、ふむぅッ!?」
     巨大ミミズの動きが変わった・・・前後に激しく動くだけだったのが私の
     口の中を全部使う動きに変わっている。
     内側から頬に押しつけたり、先端を舌に擦りつけたりしている。
【 瞳 】「ん・・・んん・・あむ・・・んっんっんんッ」
     この巨大ミミズ、口当たりといい分泌されている体液といい本物のアレに
     ソックリだ・・・ と、いうコトは射精もするんだろうか?
【 瞳 】「ふぁ・・・」
     下半身が熱くなってきた。 しばらくご無沙汰だったから身体が勝手に反応
     しちゃう・・・
【 瞳 】「んんっ!?」
     口を責めていたヤツの動きが激しくなった。
     また咽喉の奥まで押しこんで前後に動く。
     これって・・やっぱり・・・あッ!!?
256瞳 vs アイ:02/04/22 15:00 ID:cSeM0cuf
【 瞳 】「――――――――――ッ・・・」

        ドプ、ドピュ、ドピュッ
     
     巨大ミミズがブルブルと震えながら口の中に射精を続け、口の中には
     本物の精液と同じ味のする液体が溜まっていく。
     巨大ミミズは私の口の大きさまで拡がっていて吐き出すことも出来ない。

       ドピュ、ドピュルルルッ

     巨大ミミズの射精は止まらない・・・ このままだと液体が鼻のほうまできて
     呼吸ができなくなる・・・
     しょうがないな・・・覚悟をきめよう。
【 瞳 】「んっく・・んっ・・・ゴク・・ゴクン・・・ゴク、ゴク・・・んぁ・・」
     飲んでも飲んでも終わらない・・・いつ終わるかわからないが私はひたすら
     飲みつづけた。
【 瞳 】「ゴク、ゴク、ゴクン・・ゴクン・・・?」
     巨大ミミズが大きくブルブルっと震えたあと射精は止まった。
     やっと終わった・・・最後に出された液体飲み込んでホッとしたら巨大ミミズが
     口から出ていった。
【 瞳 】「ぷあッ・・・はーー、はーー、ふぅー・・・んん――――ッ!?」
     口を開放されて油断していたところにアソコを責めていた巨大ミミズが一気に
     オ○ンコを貫く。
【 瞳 】「あっ、ああああっ、―――――っ・・・」
     挿入されただけで軽くイってしまった・・・・・
    
     キシャキシャキシャ

     巨大ミミズから嘲笑うような鳴声がきこえる・・・くそぅ!!
     私の中に収まっている巨大ミミズが動きだそうとした時、変化があった。

       キィ、キィ、キィー、キィ

     巨大ミミズたちが奇妙な鳴声をあげて動きだした。
     なにかを警戒している・・・?
     なに? なにに警戒しているの?
     私も周りになにがいるのか探ってみた・・・その時!
257瞳 vs アイ:02/04/22 15:08 ID:1lCfTpSY
【 ? 】「そこまでだ」
     どこからか声がする。 少女のようだ。
【 ? 】「その人を放しなさい」
     淡々と、しかし意思のこもった声がする。

       キシャー

     巨大ミミズが威嚇するような鳴声をだしている。
     どこ? どこにいるの?
     巨大ミミズたちの向きが一点に向かった。
     あそこか!?
     巨大ミミズの向いた先に人が立っていた。 やはり少女のようだ。
     どちらかというと小柄な・・・虎ちゃんくらいか? がいる。
     右手には何か棒のようなモノを持っていた。
     少女の姿が段々と見えてきた・・・今まで雲に隠れていた月が再び姿を現す。
     少女は奇妙な格好をしていた。
     フィギュアスケートの選手のような格好だ。
       コスプレ・・・?
     こんな時にこんなバカな考えが浮かぶほど少女の格好はこの場所にあっていなかった。
     少女が持っている棒の先端がキラリと光る。
      鎌・・・?
     私の知っている鎌とは違って刃の部分は長く伸びていないが、おそらく鎌だろう。
258瞳 vs アイ:02/04/22 15:10 ID:1lCfTpSY
少女の顔がハッキリと見えた。
     整った顔つきだ。 将来、とてつもない美人になりそう・・・
【 ? 】「まぁ、離そうと離さなくても結果は一緒だけど」
       
       シャキンッ!

     少女の右手の鎌が鳴る!!
【アイ】「ここで全部、殺してやる!」
     これが私『天王寺 瞳』と『加賀野 愛』との初めての出会いだった。


【 瞳 】「でも・・・どーして外灯の上に!?」

                            第一話 了
259りばーしぶる瞳日記:02/04/22 20:44 ID:vyV9fiqN
 みんな、また逢えたね! 戦うおねーさんこと、天王寺瞳、で〜す。
 今日はぁ、約束通り、子虎ちゃんとのことを書いた日記を読ませてあげるね。
「…なにニヤニヤしてるのよ、冴子」
「んー? いやいや、楽しみだなーってさ」
「…笑ったら、殺すからね」
「怖い怖い。そんなにイヤなら瞳を止めればいいじゃない」
 典摩学園ではいろいろあったけど、トラちゃんのは特によく憶えてるのよね〜。
「……」
「ふふ。なんだかんだいって、子虎も瞳には甘いわね」
「おかしなコト書いてたら、許さないんだから…」
 そう、そのページ。
 それじゃ、後で感想聞かせてね♪

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 ぶっとばした男の悲鳴を最後まで聞かずに、わたしは鉄の扉を蹴破った。
 このあたりの敵は全部倒したから、もう音を立てても大丈夫。
 さっき締め上げた奴の言う通りなら、ここに子虎ちゃんがいるはず。
 トラちゃんは、行方不明になった綺沙ちゃんを探してここに侵入したの。
 丸一日経っても連絡がないから、こうやって助けにきたんだけど…。

 いた!
 トラちゃんは全裸で天井から吊るされていた。
 厳しい取り調べを受けたみたい。ところどころに鞭の痕が赤く残ってる。
 なんて、ひどい…!
 トラちゃん、すぐ助けてあげるからね!
「ひ、瞳…来な…いで…」
 その言葉に、罠でもあるのかとわたしは周囲を注意深く見渡した。
 何もないみたいだけど…。
 すぐに、わたしはトラちゃんの真意に気付いた。
 小柄で華奢なトラちゃんの身体。同性のわたしが見てもカワイイと思う。
 その中心に、男の人のアレがついてるの…!
「お願い…見ない…で」
 憔悴した様子のトラちゃんは、力なくいやいやをする。
 忌々しい鎖が、無慈悲に鳴る音。
 わたしは、これが誰の仕業かを知っている…。
260りばーしぶる瞳日記:02/04/22 20:44 ID:vyV9fiqN
 霧咲蓮。
 天才的な頭脳を悪用する、正体不明の魔女。
 わたしは以前、彼女の罠にかかって、同じようにペニスを生やされたことがある。
 あの時はカズキ君にフェラされて射精したんだっけ。
 神経をそのまま愛撫されてるみたいで、頭がおかしくなりそうだった。
 もうセックスのことしか考えられなくって、そのためならどんなことだってしたと思う。
 男の子って、いつもあんなに悶々としてるのかな?
 結局、わたしはトラちゃんと綺沙ちゃんを何度も犯してしまった。
 ふたりを失神させて、精液まみれにして、ようやく正気に戻ったんだ。
 トラちゃんは、顔をそむけたまま涙を流している。
 …今度は、わたしの番なんだね。
 
 ごくりと、唾を飲んだ。
「トラちゃん…こっち向いて」
 慈しむように傷だらけの身体を撫でながら、戦闘用スーツを脱いでいく。
 可哀想…こんなにくっきり…。
 ミミズ腫れになってる鞭の痕を優しく舐めながら、小ぶりな胸を揉む。
「ぅく…くすぐったいよ…あ…」
 動いちゃだめ。わたしが治してあげるから。ね?
 クスリの副作用で敏感になってる身体は、すぐに反応を始めた。
 ぴんとしこった乳首を吸ってあげると、トラちゃんは身悶えして、
「だめ、だめっ瞳…っ。そんなことしたら、我慢できなく…っ」
 …いいよ。我慢しなくていいの。気持ちよくなって。
 その傷も、おちん○んも、ちゃんと治してあげるからぁ…んっ。
 わたしはトラちゃんの頬を両手で挟むと、キスをした。
 いっぱいの愛情をこめて、トラちゃんの舌を可愛がってあげるの。
「ん…うン…ぷぁっ」
 透明な糸が、わたしたちの口の間に橋を作った。
 トラちゃんはぽうっとなって、涙に濡れた瞳でわたしを見ている。
 いいんだよ…クスリのせいなんだから…我慢しなくていいの。
 わたしはついばむようなキスを繰り返しながら、涙のしずくを拭ってあげた。
「瞳…ごめん…ごめんね…うぁっ!」
 もうびんびんになってるこわばりを、指でそっと撫で上げていく。
 てっぺんのふくらんでるところをくりくりすると、トラちゃんの腰ががくがく震えるの。
「ぐ…っあっあっ、そこだめっ」
 ふふ、敏感だね…剥けたばかりなんだ…。
261りばーしぶる瞳日記:02/04/22 20:45 ID:vyV9fiqN
 わたしはトラちゃんの腰にしがみつくように屈みこむと、不安そうなトラちゃんに微笑みかけた。
 口元がよく見えるように髪をかき上げる。
「やっ、嘘っ。やめて…!」
 ぱくっと、熱い塊を咥えこんだ。
 びくん、びくんって脈打つそれを、一気に喉の奥まで迎え入れた。
 むせそうになるけど、トラちゃんのためだもん、ぐっとこらえる。
 喉と唇で優しく締めつけながら、ゆっくりと抜いていく。
「うぅっ、あっ、すご…!」
 仰け反って喘ぐトラちゃんがいとしくって、状況も忘れて張り切っちゃった。
 ちゅぽん、と音を立てて(恥ずかしい…)ペニスを解放すると、ほとんど直角に反りかえるそれを、
フルートを吹くみたいに横咥えしながら、根元から先までキスしていくの。
 これにはちょっと自信あるんだ。
 ねえ、気持ちいい?
「うん、いい、気持ちいいよ、瞳っ!」
 そ♪ じゃ、もっとよくしてあげる。
 カリ首のところを舐めるよ…うふ、ぞくぞくするでしょ。
 次は、舌をぜぇんぶ使って、先っぽをいぢめてあげるね。
 亀頭の下をぺろぺろして…よだれを溜めた舌を押し付けたまま、上もべろの裏側で舐めちゃう。
 ほら、ほら…敏感なとこ、ぬるぬるにしたげる。
 だからぁ、トラちゃんの可愛い声、いっぱい聴かせて…。
「ひ、瞳…だめ、それだめっ、あっああっ、熱いっ! 何か、こみ上げてくる…!」
 出して、出していいよ! 瞳の口の中、いっぱいにして!
 わたしは暴れるトラちゃんの腰を抱き止めると、唇と舌でカリのところを集中的に舐めしゃぶった。
「あああああああっ!! おちん○んが凄いの! ぅあ、だめっもう出ちゃうぅぅぅっ!!!」
 がしゃっと鎖が鳴って、火傷しそうなくらい熱い精液がわたしの喉を撃った。
「く! あ! あああ…!!」
 ん…まだ出てる…んく、ごくっ。…だめ、飲みきれない…!
 苦しくなって口を離した途端、まだ射精途中のペニスが暴れ出す。
 あん! 熱い!
 顔も、髪も、胸も…お腹まで、トラちゃんのでべとべとになっちゃった。
262りばーしぶる瞳日記:02/04/22 20:47 ID:vyV9fiqN
 頬に付いた精子を拭うと、荒い息をついてるトラちゃんに見せつける。
 いっぱい、出たね…。ちゅるっ。
 えっちに見えるように意識しながら、指についた白いのをすすってあげるの。
 あら? 出したばかりなのに、そんなに硬くして…ふふ。
 …ねえ、挿れたいでしょ?
 こくん。顔を真っ赤にして、トラちゃん可愛い♪

 吊り下げられたままのトラちゃんの体勢だと、挿入できる体位は限られていた。
 うん、この際、しょうがないよね。
 わたしはトラちゃんに背中を向けると、つま先立ちになってお尻を高く掲げた。
 すっごく恥ずかしいけど、自分でアソコを広げて挿れやすいようにする。
 わたしの、フェラしてるうちに、もうびしょびしょになってる…。
 顔から火が出そう…トラちゃんの顔、見えてなくてよかった。
 ね、いいよ…入ってきて。
 トラちゃんが恐る恐る腰を突き出してくる。
 ん、そう、もうちょっと下…はぁ…ぅん、そう、そのまま奥まで…。
「ぅあ…ひ、瞳の中、すごい…熱くて、ぬるぬるしてて、きゅって締め付けてくるっ!」
 ちょ、ちょっと、恥ずかしいこと言わないで…!
「ああ、だめ、我慢できないっ!」
 え、あ、ぅあんっ!
 奥まで一気に入ってきた硬いモノが、子宮の入り口を突いた。
 目の奥に火花が散るくらいのショック。あっ、膝が崩れそう。
「瞳、瞳ぃっ!!」
 手を使えないまま、腰だけを夢中でぶつけてくるトラちゃん。
 膣の奥を突かれる衝撃と快感に何度も息が止まりそうになる。
 だ、だめ、そんなに激しくしたら、すぐにイっちゃうよ!
「いい、瞳の、気持ちいいっ! ああっ、もうおかしくなる! おちん○ん、おちん○んいいのぉっ!」
 トラちゃんも凄い、凄くいいよ、あっああっ、アソコが擦れて燃えちゃいそう!
「ごめ、ごめんね、瞳、ごめんねっ! うん! はあっ! だめ、またイク! 出ちゃう!」
 ううん、いいの、トラちゃんだからいいの、出して、瞳のココに出して! 
263ねびにらる ◆RsuYayoI :02/04/22 20:48 ID:vyV9fiqN
「あっあっあっ! 好き! 瞳、大好き! 来る! もう、ああっ出ちゃううっ! 」
 痛いくらいに熱い迸りを膣の中に感じた瞬間、わたしも絶頂していた。
 トラちゃんのをぎゅっと締めつけたまま、真っ白になって床に崩れ落ちる。
 わたしも大好きだよ、トラちゃん…。

------------------

 え? その後、どうやって助かったのか、って?
 えへへ〜、実は、あれで火がついちゃって、あの後3回しちゃったの。
 わたしの時もそうだったけど、あのクスリって絶倫になるのよね〜。
「…道理で。それであたしが見つけた時、ふたりとも気を失ってたのか」
 結局、冴子が助けてくれたんだけどね。
 もうトラちゃんったら、すっごく情熱的で…腰が抜けちゃうかと思ったくらいよ。
「…だからそれは、薬が」
 でもね、あんなに愛し合ったのにぃ、あれっきりなの。ひどいと思わない?
「愛し合ってなんかない!」
「へぇ…さっき、好き! って言ってたみたいだけど?」
「そんなこと言ってない!」
「えーとどれどれ…好き! 瞳、大好き! …ってさ」
「〜〜! だからそれは、薬の──!」

 …なんか、後ろが騒がしいね。
 どうだった? 瞳の日記、今回も楽しんでくれたかな?
 興味を持ってくれた人、ぜひcolorsのゲームをやってみて。
 それじゃ、今日は付き合ってくれてありがとう。またね♪
264ねびにらる ◆RsuYayoI :02/04/22 20:50 ID:vyV9fiqN
>>259-263
ブランド最萌トーナメント支援のために場所をお借りしました。

colorsの『特命教師 瞳』より、「りばーしぶる瞳日記〜子虎編〜」です。
連作短編になってまして、過去の作品は以下に保管してます。
http://www.kcc.zaq.ne.jp/chasing/index.htm
265雪だるま ◆X7XxCOE. :02/04/22 21:46 ID:xbBKiRLa
SNOW・日和川旭お仕置きSS

旅館の朝は早い。特にこのシーズンは従業員の半分を山から降ろしているので、
その分の負担が俺にかかる。
今日も朝から浴槽の掃除でくたくたになっていた。

彼方「まったく・・・早朝4時なんてまだ夜中だろ・・・飯ぐらい食わせてから・・・えっ!?」

取り合えず朝飯を食おうと食堂に入ると、あまりの惨状に一瞬、目を疑った。
そこはソーセージや飲みかけの牛乳やらが散乱して、厨房中が荒らされている有様だった。
そして、その中心の冷蔵庫には小柄な少女がもたれ掛かって寝ていた。
この竜神村一の問題児、日和川旭だ。

彼方「おい、旭。起きろ!どーしてくれるんだこれ!」
旭「みわわ・・・もう食べられないのだ・・・すぅ・・すぅ・・・」
彼方「夢でも食ってるのか!?いいから起きろ!」

あんまり大きな声を出すと、旅館のお客さんを起こしてしまうかもしれなかったが
こんな朝早くから面倒をおこし、しかも朝食を邪魔されて、俺はかなり頭にきていた。

旭「ふぁ・・・あ・・・。おおっ?彼方なのだ。どうしたのだ、そんなに怒って?」
彼方「ぐうっ!お、お前・・・これは一体なんの真似だ・・・(怒)」

能天気なお目覚めに、危うく雄叫びを上げそうになるのを必死に押さえ、
出来る限り冷静に聞いてみた。

旭「みわわっ?別に真似など・・・。
  おおっ!そうだ、夜のパトロールが終わって、寝ようと思ったらお腹が空いて、
  いい匂いがした物だから・・・。後は覚えてないのだ。にゃはははっ〜!」
彼方「うぅっ!・・・お前は・・・・勝手に人様の厨房に上がりこんでっ・・
   冷蔵庫の中食い漁って!しかもこんなに散らかしやがって・・・
   そんなことしていいと思ってるのかっ!?」
旭「にゃはは〜。悪かったのだ。でも、お腹が空いてたから仕方無かったのだ。」
彼方「ぐっ、うおおおぉぉぉぉっ!?」

旭の謝意などかけらほども感じられない開き直りに、俺はとうとう堪忍袋の緒が切れた。
266メビウス支援SS:02/04/22 21:47 ID:xbBKiRLa
彼方「ふっ、ふふふ・・・そうか。悪いと思ってるんだな。なら、お仕置きされても文句は無いな?
旭「みわわわっ!?ど、どうしたのだ彼方。なんだか目つきがヤバイのだ?」
彼方「うるさいっ!俺は怒ったぞ!こっちへ来るんだっ!」
旭「みわわ〜!はっ、離すのだ〜!」

暴れる旭を抱え上げ、旅館の裏手にある倉庫の中に連れ込んだ。
そして、置いてあったロープで旭の身体を縛り上げる。

旭「みわっ!なにをするのだ!離すのだっ!ロープを解くのだ!」
彼方「騒いでも無駄だぞ。ここからじゃ母屋には聞こえないからな。
    さぁ、たっぷりとお仕置きしてやるからな。」

そう言って旭の背中に回りこみ、手をセーターの中に滑り込また。同時に耳朶に舌を這わせる。

旭「ひゃっ!う、くすぐったいぃ・・。やぁっ・・気持ち悪いのだ〜・・」
彼方「我慢しろ、旭。これはお仕置きなんだからな。」

グズる旭を黙らせ、手を伸ばして旭の胸に触れる。
小柄な旭の胸はあまり起伏が無く、揉めるほどのふくらみは無かったが、
胸を弄るうちに先端のわずかな突起を見つけ、クリクリと刺激してみた。

旭「ひぁっ!か、彼方。これは、ほっ、本当にお仕置きなのか?」

突然の刺激に、旭は身じろぎしながら俺に聞いてきた。
どっちかと言えば悪戯だろうが、そんなことはどうでもいい。
要するに俺が楽しみたいだけだから関係ないんだ。

彼方「いいか、旭。このお仕置きに耐えられられたら、つまみ食いのことは許してやる。
    けど、途中で暴れたり騒いだりしたらもっと酷い事するからな」
旭「うっ、うぅ・・・わ、わかったのだ・・・」
267メビウス支援SS:02/04/22 21:50 ID:xbBKiRLa
こじつけの説明で無理やり旭を納得させると、右手をスカートの中へ運んだ。
下着の上からスリットのある部分を触ってみたが、あまりはっきり分からない。
下着をずらしてあそこに直接触ってみると、たしかにすじ状の割れ目があったが、
まだ未発達な旭のあそこは、ぴっちりと閉じられていて、俺が触れるのを拒んでいるようだった。
さらに指を伸ばして、割れ目を押し開いてみる。

旭「か、彼方っ!そんなとこ、汚いからから触っちゃダメなのだっ!・・・」

さすがに旭でも、ここに触れられるのは恥ずかしいらしい。
かまわず旭の花びらを指で擦ってみる。
内側の粘膜はやはりまだ濡れていなかったが、耳たぶのようにやわらかいヒダを触っているだけで
次第に俺の股間にも熱がこもって来た。
軽く大陰唇を撫で回した後、さらに旭の内側に触る。
外側よりもさらに柔らかいソコは、濡れてこそいなかったが暖かな熱を帯びていて、
意外にも旭が感じているのかと思った。
調子に乗って俺は、旭の小さな窪みに指をかけ、つぷりと指先を入れてみた。

旭「ひぃっっ!う、ぐうぅ・・・いっ、痛い!彼方っ!やめるのだっ!痛いのだ!!」
彼方「こらっ!旭、暴れるなって言っただろ!お仕置きなんだから痛くて当たり前だ!」
旭「うぅ・・・でも、痛いのだ・・・」

旭は涙声で言うが、気にせずに指を進める。
しかし、ただでさえ濡れてもなく、締め付けのきつい旭のあそこは、
痛みでさらにすくみ上がって、俺の指を押し返そうとした。
しかたなく俺は指先に力を込めて、グイっと指を突きこんだが、
勢いが付き過ぎて、第二間接まで指が埋まってしまう。

旭「ぎぃっ!ひぁぁあぁぁっ!うぐっぁぁうぅぅっ!いっ痛い、痛いぃぃっ!」
彼方「こ、こら。暴れるなって・・・っつう!」

痛みのあまり暴れる旭を抑えようとしたが、激しく暴れる旭に頭突きを食らってしまった。

彼方「いい加減にしろ、旭!お前は悪い事をしたのに暴れて、
   その上俺に頭突きまで入れやがって、もうキレたぞ!ぶち込んでやる!」

そう言って俺は一気にズボンを脱ぎ去ると、旭を床に押さえ付け、
下着を脱がして、そそり猛った一物を旭のアソコに当てがった。
268メビウス支援SS:02/04/22 21:52 ID:xbBKiRLa
旭「ひぃぃっ!い、いやっ!怖いっ!いやなのだ!も、もう許して欲しいのだ!お願いなのだっぁ!」
彼方「・・・許して欲しいか?」
旭「なっ、何でもするから、もう許して欲しいのだ・・」

痛みと恐怖で、すっかりしょげ返っている旭を見ていると、たまらない征服欲に駆られる。
俺は、一物を旭の顔の突きつけて、しゃぶるように命令した。

彼方「そうか。なんでもするんだな?だったらこいつを口で鎮めてもらおうかな。」
旭「ふぇぇ!?そんなこと出来・・・」

旭が言い終わる前に、旭の腰を抱え直して入れようとする。

旭「い、いやっ!わ、分かった。やるのだ!やるから、非道い事しないで欲しいのだ・・・」
彼方「やるなら早くしろ。俺はどっちでもいいんだぞ?」

慌てて旭は膝立ちになって、俺の股間に顔をうずめてきた。
しかし、どうしていいか分からないのか、一物に手を添えたまま困った顔をしている。

彼方「ほら、舌を出して、先っぽから根元まできれいに舐めるんだ。手は竿を握ったまま上下に動かせ」
旭「うぅ・・・分かったのだ・・・。」

俺の指示に従って旭が俺の亀頭に、ちろちろと舌を伸ばしてくる。
舌先が微かに触れるだけの微弱な刺激だったが、
普段生意気な旭が、俺に許してもらおうと必死に奉仕する姿を見ていると、やたらと興奮してくる。

旭「うぅ・・ちゅ・・ちろ、ちろ・・ちろ・・・ん・・・む?なんか先っちょから出てきたのだ・・・」
彼方「いいからそれをストローみたいに吸うんだ・・・よし、そのまま口の中に入れて、
   出したり入れたりしてみろ」
旭「こうなのか?んむっ・・ちゅ・・・ちゅう・・じゅる、じゅる・・・ちゅる・・・
  じゅむ・・んんっ、ふむぅ・・んっんっ、ちゅく・・うぅん・・・あふ・・ちゅ・・・」
彼方「くぅぅ。いいぞ旭。腰を動かすから歯を立てるなよ」

俺はたまらなくなって旭の頭を押さえて、強引に腰を動かし始めた。
亀頭のえらを上あごに擦りつけ、裏筋は舌の押し付ける。
そしてさらに一物を旭の口の中に突き込み、のどの感触を堪能した。

旭「うっ、ぐうぅ!うぅっ!んん・くぅ・・ふむぅっ!ぁうぅぅ・・あむぅぅ!ぐぅっむぅぅっ!
  ぐほっ!んむぅぅっ!・・・」
269メビウス支援SS:02/04/22 21:55 ID:xbBKiRLa
さすがに旭も、のどの奥まで蹂躙されて苦しいのか、息を荒げているが
俺の言いつけどうりに、歯は立てないように一生懸命口を開いて、俺にされるがままになっていた。
これを我慢すれば、きっと許してもらえると思っているのだろうか?。バカな奴だ・・・

旭「むぅっ!・・・んっんっ!ふぁ、ふぁう・・・か、彼方・・・まだなのか?息が出来なくて苦しいのだ・・・」
彼方「んん?そうだな。そろそろいいだろ。もう充分硬くなったしな・・・」

そういってもう一度口の中を味わった後、安心して休もうとしていた旭を床に押さえつけた。
改めてロープで縛りなおし、今度はまんぐり返しの格好をさせる。

旭「みわわっ!恥ずかしいのだ〜!やめるのだぁ〜!もう悪い事しないから許してなのだ〜!」
彼方「もう遅いんだよ!これから最後のお仕置きしてやるからな!」
旭「ひぃぃぃっ!やっ、いやっ!か、彼方、怖いのだ!酷い事はやめるのだ!」

じたばた暴れる旭の足を掴み、大股を広げさせる。
そして白と青のストライプの下着を脱がすと、旭のアソコを舌で舐め上げた。
指で触れたときと同じように、そこは濡れてなかった。
このまま入れると、下手すれば俺のほうも怪我をしかねない。
俺は舌にたっぷりと唾液を乗せると、旭のそこを舐め回した。

旭「ひっ!き、汚いのだ・・・。そこはおしっこするところなのだ・・・。ひうぅ・・・気持ち悪いのだ〜・・」

やはり、クンニや愛撫をしても、旭は気持ち良く無いらしい。
元々そんな気もないが、やるだけ無駄ならもういいだろう。
俺は今度こそ旭のアソコに入れるため、一物をソコに擦り付ける。

旭「やっ、いやぁぁ!怖い!怖いぃっ!彼方!なんでも言う事聞くから、それだけは止めるのだぁっ!」
彼方「旭・・・。かわいいな、お前は・・・」
旭「へっ!?えぇっ!?」
彼方「お前の泣き顔はホントにかわいいよ・・・。俺がもっと可愛くしてやるからな!」
旭「っ!うわぁぁぁぁ!いやっ!いやっ!いやぁぁぁぁぁっ!」

旭の絶望的な声を聞きながら、俺は腰に力を溜めて旭の狭いアソコに一物をねじ込んでいく。


270メビウス支援SS:02/04/22 22:00 ID:xbBKiRLa
旭「ぐふぁぁっ!ひぃっ!ひいぃっ!いっ、痛いっ!痛いぃぃぃっ!さ、裂けるぅ!死んじゃうのだぁぁぁっ!」

旭は死に物狂いで暴れるが、俺が腰をガッチリと押さえ込んでいるため逃げる事は出来ない。
俺はさらに腰を押し進めるが、途中で頑なな抵抗に行く手を阻まれた。
おそらく旭の処女の証だろう。口端から思わず笑みがこぼれそうになる。
俺は旭の腰を持ち直すと、体重をかけて一気に膜を貫いた。

旭「ぐうぅっ!?ひっ!ひぎぃいぃぃぃぃっ!ふぐぁぁぁっ!ひい、ひぃ!うう、うぅわぁぁぁあぁぁぁぁっっっ!」
彼方「ふっ、はははっ!いい声だぞ、旭!もっと聞かせてくれっ!」

もはや人間とは思えないような叫び声を上げる旭。
その声を聞きたくて、俺はもっと激しく腰を動かそうとしたが、
全く濡れていない旭のソコは、まるでゴムの管の様に窮屈で、
俺の一物は痛みを覚えるくらいに締め上げられた。
それでも無理やり動かそうとしたが、カリ首がアソコの入り口のところで引っかかり、
うまく出し入れする事が出来ない。
仕方なく根元まで押し込もうとしても、まるでほぐれていない旭のアソコは
俺の分身を半分まで入れるのがやっとだった。

旭「ぐぁぁ・!・ひぐうぅっ!・あっ、あううぅぅっ!ひん、ひうっ、ひぃぃぃっ!・・・。あがっ!くぁぁぁっ!」
  「ひぁっ!あっぁぁぁっ!ぁ・・ぁぁ・・あぐっ!うくぅっ!ひぃっ、あっ!、あぁぁぁぁぁっ!」

旭は限界まで目を見開き、口からはよだれを垂らしながら、
それでも痛みを追い出すように声を上げていた。
が、しかし、俺はその声を聞きたくて、旭の未成熟な膣を行き来する。
旭にとっては地獄だろうが、俺にとっては至福の快楽だった。

旭「あっ、あぁぁ・・・うぐぅぅぅっ・・・うぁ・・・・・・ひっ!くぅぅ・・・・あうっ・・・・・・・あぐぁ・・・・あ”・・・」

次第に旭の声が掠れてきた。
限界まで見開いていた目も虚ろで、もはや何も映していなかった。
そろそろ旭も限界だろう。
そして俺も最期のスパートに入った。
271メビウス支援SS:02/04/22 22:01 ID:xbBKiRLa
旭「あぐ・・・ううっ・・・・・ひぅっ・・・・くっ・・・う、うぁぁ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・あぁぁ・・・・・・ぁ・・・・」

完全に旭の身体は脱力して、アソコの締め付けも少しだけゆるんだ。
おかげで狭い膣を堪能しつつも、激しい出し入れが出来るようになり、
俺は旭の身体を揺さぶって、一気に射精感を高めた。

彼方「くうぅぅぅ。いいぞ、旭!そろそろだ!もうすぐイクぞ!」
旭「ぁ・・ぁぁ・・・うぁあぁぁ・・・・ひゃふぅ・・・・うぅ・・・・・・あぁ・・・ああぁぁ・・・・・」
彼方「うっ!うおぉぉっ!おぉっ!くっ、うおおおぁぁぁぁぁぁっ!!」

その瞬間、目の前が真っ白になり、腰の辺りに痺れるような快感が走った。
そして俺は身体を震わせながら、旭の中に白い塊を何度も放出した。
射精中もに旭の中に抽送を繰り返し、一物の中から一滴残らず精子を搾り出す。

彼方「はぁ・・・はぁ・・・よかったぞ、旭。これで悪戯の事は許してやるよ。」
旭「う・・・ううぅ・・・ぁぁ・・・・」

俺の言葉も聞こえていないのか、旭はうめき声をあげるだけで返事らしき物は無かった。
仕方なく一物を旭の中から引き抜くと、旭の中から白と赤の入り混じった汁が垂れてきた。
まだ陰毛も生えそろっていないアソコから、白濁液が溢れてくる姿に俺は思わず興奮してしまう。
(そうだ。このまま旭を倉庫に閉じ込めておこう。そうすれば悪戯もされないし、
 俺も犯りたい時に犯れる。一石二鳥じゃないか。)
俺は自分の考えに満足し、もはやぴくりとも動かない旭を近くの柱に縛り付けてそこを離れた。

彼方「仕事が終わったらまた遊んでやるから、しばらく大人しくしてろよ」

仕事場に戻れば、旭が散らかした後片付けで大変だろうが、
仕事の後の事を思うと、俺は愉快な気分で仕事に戻って行った。

272雪だるま ◆X7XxCOE. :02/04/22 22:04 ID:xbBKiRLa
最萌支援用に場所をお借りしました。

初SSなのでかなり雑かもしれませんが、ご容赦ください。
273メタモル支援SS:02/04/25 22:21 ID:SE9UWBPx
窓の外ではしんしんと、雪が降り積もっている。
見るからに寒そうだよ。いくら僕が自前の毛皮を持っているからって、こんな日は、ぬくぬくとコタツに入ってあったまるにかぎるね。

【フィリア】
 「うーん、むにゃむにゃ。」

 ふふ、フィリアちゃんも気持ち良さそうに寝ているよ。
 え?
 貧乏人のボクが、コタツなんか持っているのはおかしいって?
それに、なんでフィリアちゃんがここにいるのかって。
 そんなのは簡単だよ。ボクは今フィリアちゃんの部屋にきているんだ。
 もちろん眠るまでの間、暖を取りにね。
 ……とはいえ。

ぎゅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ

 コタツに入ったとたん、フィリアちゃんは熟睡モードに。
 そのままボクは抱え込まれて、身動きできなくなっちゃったよ。

【フィリア】
 「ふふふ……」

 でも、いいか。
 こんなかわいい寝顔が間近で見られるんだものね。

ふにふにふにふに

 それに、この胸の感触がたまらなくいいね。

【フィリア】
 「はたやまくぅーーーーん。」
【ハタヤマ】
 「な、なんだい。」
【フィリア】
 「ふふっ、むにゃむにゃ。」
274メタモル支援SS その2:02/04/25 22:21 ID:SE9UWBPx

 なんだ、寝言か。びっくりしたな。

【ハタヤマ】
 「でも、夢にまでボクが出てきているんだ。」

 どんな夢なのかな。
 笑っているから、きっと楽しい夢なんだろうね。
 それにしても、こんなところで寝ていると風邪引いちゃうから、そろそろ起こしてあげないとね。

【ハタヤマ】
 「フィリアちゃ………」
【フィリア】
 「ハタヤマくん……すきっ」

ぎゅむっ

 うわわ、フィリアちゃんが力いっぱいボクを胸に押し付けたよ。

ぷにぷに

 そのまま、ボクは胸の谷間に挟み込まれて…… 
 ここは天国か?

【フィリア】
 「気持ちいいれすかー?」

 気持ちいいけど、フィリアちゃん、もしかして本当は起きてない?

【フィリア】
 「ふみゃあ。
ハタヤマくぅん……」

 ねぇ、起きてるでしょ。
 もしかして、ボクを誘ってるのかな。
275メタモル支援SS その2:02/04/25 22:22 ID:SE9UWBPx

【ハタヤマ】
 「そうとわかれば。
うぉぉぉぉぉぉぉっ。」

シャキーンッ

 ふふふ、人間に変身完了。これで、フィリアちゃんの誘いにこたえられるよ。

【フィリア】
 「ぱち。」

 って、あれ、目が覚めちゃったの?

【フィリア】
 「あれぇ。
  何でハタヤマくんがいるんれふかぁ?」

 ……しかも状況が把握できてないみたい。呂律が怪しくなってる。
さっきまでのは本当に寝ぼけてただけみたいだね。ちょっとがっかりだよ。

【ハタヤマ】
 「ははは……」
【フィリア】
 「ふふふ
  わかりましたぁ。これは、夢らんれすねぇ。」

 え?

【フィリア】
 「じゃあ、せっかくハタヤマ君の夢を見たんらから。」
【ハタヤマ】
 「フィリアちゃん?」

 寝ぼけたままで、いきなりフィリアちゃんがボクに抱きついてきたよ。

276メタモル支援SS その4:02/04/25 22:23 ID:SE9UWBPx
【フィリア】
 「わたし、ハタヤマ君の子供が欲しいれす。」
【ハタヤマ】
 「え、ええ?」

 刺激的なことを言いながら、フィリアちゃんがボクに唇を重ねてくる……

【フィリア】
 「…………」
【ハタヤマ】
 「…………」
【フィリア】
 「きゃっ。
これって……夢じゃなかったんですかぁ」
【ハタヤマ】
 「おはよう。フィリアちゃん。」
【フィリア】
 「もう、ハタヤマ君、起きてたら言ってくださいよ。」
【ハタヤマ】
 「ごめんね。
  お詫びに、やさしくキスしてあげるから……」
【フィリア】
 「ああん……」

―― 一方、部屋のすぐ外では。

【シルフェ】
 「うーん。
  おこたに入れてもらいに来たんだけど……
この雰囲気だけであったまっちゃったわ。」
【ビビアン】
 「おお、シルフェなのだ。
  なあ、シルフェもおねぇちゃんのところへ遊びにいくのか?」
【シルフェ】
 「そのつもりだったんだけどね。
  中で、ハタヤマ君とらぶらぶな最中なんだ。」
277メタモル支援SS その5:02/04/25 22:24 ID:SE9UWBPx
【ビビアン】
 「うーん。それでは仕方ないのだ。
  シルフェ。ビビアンの部屋で遊ばないか」
【シルフェ】
 「うん、行く行く……」



【フィリア】
 「……あったかいですね。」
【ハタヤマ】
 「そうだね。こうやって抱き合っているとね。」

 そとでは、どんどん雪が降り積もっているけど、ボク達にはそんなこと関係なくて。
 ボクは、腕の中の愛しいぬくもりを抱きしめているうちに、いつのまにか眠っていた。

……………

【ハタヤマ】
 「しまったぁ。遅刻だぁ。」
【フィリア】
 「なんだかのどが痛いです。」
【ハタヤマ】
 「コタツで眠っちゃったからね。
  それよりも急がないと。」
【フィリア】
 「はい。」

ばたばたばたばた

【シルフェ】
 「あーあ。朝からにぎやかだねぇ。」
【ビビアン】
 「そうのだ。
  おねぇちゃんが朝からあんなにテンション高いのは、ビビアンも見たことないのだ。」
【シルフェ】
 「幸せなんだねぇ。」
【ビビアン】
 「幸せのだな。」


【フィリア】
 「もう、ハタヤマ君があんなところで寝るのが悪いんですよ。」
【ハタヤマ】
 「な、先に寝た上に寝ぼけたのはフィリアちゃんじゃないか。」
【フィリア】
 「そんな……ちがいますぅぅぅぅぅぅ。」


【ビビアン】
 「うんうん、幸せのだ。」

終わり

278メタモル支援SS その5:02/04/25 22:26 ID:SE9UWBPx
>>273-277
こちらも際萌支援用に場所借りました。
ネタが煮込まれてなくて申し訳ないです。
279SSカキング:02/04/25 22:38 ID:SE9UWBPx
って、278は俺です。
重ね重ね申し分けない。
280名無しさん@初回限定:02/04/26 00:15 ID:VVq0UzlI
>最萌支援用に場所をお借りしました。
という言い回しが、気になってきたなあ。
”すみません。本来このスレに投稿するような内容の文章ではありません”
”申し訳ありません。全然このスレに投稿するようなレベルの文章じゃないです”
”このスレには何の興味もありませんが、ちょっとだけ場所を貸してください”
”最萌参加者の方以外は関係ないので、読まなくて結構です。つか読まないで”
とか思ってるんじゃなければ、
堂々と「最萌支援かつこのスレ投稿用のSS」だと名乗ってくれていいですよ。
たぶん、遠慮されてそういう表現が慣習になってるんだと思いますが。
このスレはそんなにケツの穴は小さくねえと思います。
「最萌支援SSです。F&C『Natural2』の空 犬調教エロSSです」でいいのでは。

提案じゃなくて個人的感想なんで、勿論強いたりはしませんです。はい。
最萌支援であろうがなかろうがSSが次々投稿されること自体も、
すげえ喜ばしいと思ってるし。細かくてゴメソ
281名無しさん@初回限定:02/04/27 13:07 ID:aWJ6FVbH
 
282kanten ◆V0MHsvd6 :02/04/29 14:26 ID:VGc0lb+c
SSでは無いので、ここに張るべきか迷ったのですが・・・。

家族計画、OPまでを小説風にしてみました。
http://kantenn.tripod.co.jp/index.html

D.O.スレ、家族計画スレに張ったんですが、いまいち反応が無かったので
耐え切れずココにも出張することにしました。

2ちゃんでの告知はこれでラストにしますので、大目に見てくれるとありがたいです。
283名無しさん@初回限定:02/05/07 11:44 ID:KwMDxnAr
 
284名無しさん@初回限定:02/05/10 22:48 ID:a5qz5m3G
メンテ
285名無しさん@初回限定:02/05/13 23:53 ID:ni+4kd1A
こいつ痛すぎ
http://www.geocities.co.jp/Bookend/9261/info.html
>投稿SSについて……
>今現在、私のサイトで連載されているSSを除き、
>私が見て面白くないと思ったSSは、
>申し訳有りませんが掲載を見合わせていただきます。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/9261/lib.html
こいつのが一番つまんない(藁
286瞳 vs アイ:02/05/15 16:29 ID:Y7vhrn7+
第二話 『加賀野 愛 @』

    (注意)エロSSなのにエロがありません。 ごめんなさい。

【 瞳 】「・・・・・・ん」
     朝だ。
【 瞳 】「ん、ン―――――・・・」
     背伸びをして身体をほぐす。
【 瞳 】「今日で2日目か・・・」
     ベッドからでてシャワーを浴びにいく。

      ザザ―――――――

【 瞳 】「ふぅーー」
     シャワーからでてくる熱いお湯が私の身体の上を流れおちる。
【 瞳 】「昨夜はツイてなかったわね。 着任早々見回りなんてホントに・・・・・・」
    
     昨夜? 見回り?
     あれ?
     見回りに行ってから今朝までの記憶がない。

【 瞳 】「見回りはしたのよ・・・ そこまではハッキリ憶えてる。
     でも、そのあとは・・・?」
     駄目だ。
     学園内で見回りをしているところまでしか思い出せない。
     そうだ! 定時連絡だ!!
     深夜に行う定時連絡の通信記録が残っているはずだ!
     私はシャワールームから裸のまま飛び出して通信機をさがした。
【 瞳 】「通信機、通信機、通信機は何処に・・・あった!」
     携帯電話型の通信機の液晶画面を見た。
【 瞳 】「通信記録はなし・・・」
     と云う事は、私の記憶のない間(9時間くらいか?)にナニかがおこっているって
     ワケね・・・ん?
【 瞳 】「メールが届いてる・・・司令からだわ」
     あぁ〜〜〜〜、怒ってる、司令が怒ってる〜〜〜〜〜・・・
     なぜ、定時連絡がないのかって・・・そんなの私が知りたいくらいです、司令!
287瞳 vs アイ:02/05/15 16:32 ID:Y7vhrn7+
     おおかた酒でも飲んで寝ているんだろうって冴子〜! あんた司令にナニを吹き込んでるのよ!!
     あとは・・・
【 瞳 】「虎ちゃんの到着が1日のびるぅ――――!?」
     ナニナニ・・・派遣先の事件は無事に解決したが思いのほか手間取ってしまったために1日のびた。 フムフム。
     怪我など無いから気にするなって虎ちゃんが無事なのは何よりだけど
     1日ずれるのはイタイなぁ・・・

      キーンコーンカーンコーーン

【 瞳 】「みんな、おはよー」
     悩んでいても始業時間はやってくるのね。
【 瞳 】「出席をとります。 まずは男子から、青山くん、井上くん・・・」
     うーーん、まだ名前と顔が一致しないわ。
     この子達とは短い付き合いだろうけど仮にも教師と生徒、ちゃんと憶えなくっちゃ。
【 瞳 】「・・・・・・守乃くん、と次は女子ね。 天羽さん、植山さん、男沢さん
     加賀野さん・・・」

      加賀野?

     そんな生徒いたかしら・・・?
     教室を見渡しながら加賀野さんとやらを探す。
【 ? 】「・・・はい」
     返事のしたほうへ顔を向ける。
     この子が加賀野・・・名簿を見た。 そこには『加賀野 愛』と書かれていた。
     昨日、こんな名前は無かったんじゃ・・・顔を上げて再び『加賀野 愛』を
     見てみた・・・ら、彼女と目があった。

【 瞳 】「!!!?」
     頭の中に写真を見るように次々と映像があらわれては消えていく。
     巨大なミミズもどき、襲われている自分、外灯の上に立つ少女、鎌、
     戦い、返り血に染まる少女、そして少女の言葉・・・

     『忘れなさい』
288瞳 vs アイ:02/05/15 16:36 ID:Y7vhrn7+
【 瞳 】「ハッ!?」
     どのくらい時間がたったの?
     教室を見渡してみたが生徒達に変化はない。
     何秒もたっていないの?
     フラッシュバックってやつ? 
     それよりも今の私の動きが止まっていることのほうが注目を集めているようだ。
【 瞳 】「ごめんなさい、それじゃ続きを・・・木下さん、近藤さん、坂田さん・・・」
     出席をとりながら時々『加賀野 愛』を見る。
     向こうは私に関心がないのか、それとも意図的に無視しているのかわからないが
     こちらを見ようともしない。
     でも思い出したわよ、昨夜のコト・・・そしてあなたのコトも・・・
【 瞳 】「山田さん、と全員出席ね。 1時限目はえーと化学か・・・ 
     今日は移動教室? そう。 はやく準備をして移動するように、以上」

      ガタガタガタ ワイワイ ガヤガヤ

     教室内があわただしくなるのを見ながら退室をした私は早足で廊下を進んだ。
     どんな手を使ったのかは知らないけれどこの学園に在学しているってコトは
     当然、女子寮に入っているはず。
     まずはそっちから調べよう。
     さいわい私の1時限目はフリーだ。
     待っていなさいよ〜〜、 すぐに正体をあばいてやるんだから!
     たぶん暴行事件や巨大ミミズのことも『加賀野 愛』を調べるコトでなにか手がかりが見つかるハズだ。
    
     女子寮に来て女子寮名簿を調べるとキッチリ『加賀野 愛』の名前がある。
【 瞳 】「えーーと、部屋はどこなのかしら・・・あった。 4階の451号室ね・・・
     よぉーし!」
    
【 瞳 】「ここね・・・」
     451号室、名簿によると加賀野さんは1人でいるらしい。
     おかしい・・・昨日調べた時にはこの部屋は使われていなかったはずだ。
【 瞳 】「とにかく部屋に入ってみましょ。 何か手がかりがあるかもしれないし・・・」

【 瞳 】「まいった・・・」
289瞳 vs アイ:02/05/15 16:38 ID:Y7vhrn7+
     本当にまいった・・・
     部屋の中に入ってみたが空き部屋と間違えたのかとおもって部屋番号の確認をしたが451号室に間違いない。
【 瞳 】「な〜んにもない・・・」
     あるモノといえば学園支給品の机と2段ベッドだけだ。 机の上には教科書、 
     引き出しには何もない。
     まあ、ここまではいい。 ここまでは・・・
     でもクローゼットの中に服もなければ下着もないのはどういうコトなの?
【 瞳 】「どうやって生活しているのよ・・・」
     ここで寝泊りをしているのかさえもあやしい。
【 瞳 】「ん?」
     2段ベッドの下の段には支給品の布団が敷いているのだが妙なふくらみがある。
【 瞳 】「ナンだろう・・・とりあえず確認してみなくっちゃ始まんないわね。 よし」
     そっと上布団をめくっていく。
【 瞳 】「これがトラップだったりしたらおしまいね」
     わざわざそんなコトはしないだろうが慎重にいこう。
     慎重に慎重に・・・あっ? あれ?
【 瞳 】「ぬいぐるみ・・・?」
     おもわず口にだしてしまったが確かにぬいぐるみだ。
     しかも謎の生物・・・
     う〜ん・・・どう見てもカワイイとはおもえない。
     それにコレがあの『加賀野 愛』の持ち物とは・・・ホントに!?
     私にはわからないけれどあのくらいの年頃、虎ちゃんならこのぬいぐるみをカワイイとおも・・・わないだろうな(笑)

     手を伸ばしてぬいぐるみを持ち上げる。
【 瞳 】「あんまり重くないわね。 何か入っている様子もないし・・・一応、中も見ておいたほうがいいの・・・・・・」

     首に冷たいモノがあたっている・・・
     目だけを下に向けると昨夜見た鎌が見えた。
     これをひかれたら即死かな・・・?
【 愛 】「元に戻しなさい」
     とても冷たい声で命令する。
【 愛 】「もどして」
     ん? 少しだけ感情がこもっているみたい。
290瞳 vs アイ:02/05/15 16:42 ID:Y7vhrn7+
     このぬいぐるみに何か思い入れでもあるのかしら?
     いや、あるはずよね。
     こんな何もない部屋に置いてあるくらいなんだから、よっぽど大切なモノなんだわ。
     さーーて、どうしようかな?

      @素直にもどす
      Aこのぬいぐるみを人質にとる(バカ案)

     Aこのぬいぐるみを人質にとる(バカ案)←
     このぬいぐるみを人質にとって正体をあばくってもらうっていうのはどうだろう?
     ・・・我ながらマヌケなアイデアだ。
     でもやってみるのもおもしろいかもしれない。
     ハズすと寒いだろうけど『加賀野 愛』と以外なコミュニケーションがとれるかもしれないし・・・ よし! やるわよ!
【 瞳 】「このぬいぐるみの・・・・・・」
     命が惜しければ正体を語って・・・って、声が出てないじゃない!?
     どうしてなの?
     あれ? 天井が見える・・・え? え?
     『加賀野 愛』が見えてきた・・・
     けど、どうして逆さまなの・・・?
     あれ―――――――?
     ナンにも見えないや・・・どうして・・・?


     BAD END






前の選択肢にもどりますか?

YES / NO
291触手FF:02/05/15 16:49 ID:Y7vhrn7+
BAD ENDですみません。
とりあえずやってみたかったんです。

エロなしでごめんなさい。
話の流れでここにエロを入れることができませんでした。

@の選択で続きを書く予定です。 いつになるのかわかりませんが・・・
292名無しさん@初回限定:02/05/18 12:28 ID:+LgjkxIm
 
293名無しさん@初回限定:02/05/22 18:59 ID:9NWRe5yE
魔薬SS書いていた方は何処へ…
続き期待しています。
294名無しさん@初回限定:02/05/27 11:14 ID:B1srTC5w
魔薬はパラダイムノベル版出てたなあ
原作同様、キャラがよわよわでヤルだけストーリー
つか、わりと原作のまんま引き写し(細かい文章までまんまなとこあり)

主人公が魔薬に魅入られ、狂って義妹犯してバッドエンドだった
能天気だった原作との違いはそこかなー

どちらも日常ドラマなんか全然なかったから、
SSはぜひ続けて欲しい
295名無しさん@初回限定:02/06/04 01:00 ID:hk70Pk8L
 
296名無しさん@初回限定:02/06/05 14:13 ID:Ys78Yxo8


現役レースクイーンゆみの初脱ぎグラビア公開中!アナルまでぜーんぶ見せてマス!

http://www.graphix.ne.jp/yumi/
297名無しさん@初回限定:02/06/13 01:50 ID:Pcv2vJ3t
職人さんは消えましたか?
298名無しさん@初回限定:02/06/16 21:13 ID:1eVAwbvP
 
299ピンク2チャンネル:02/06/17 00:24 ID:tFXZu8c9
300流水塔 ◆skb1Nfqs :02/06/17 00:33 ID:pVLecBsO
>>297 投稿されたSSに感想レスをつけないと。
    読み手と書き手のギブ&テイクが成立しないと、
    誰も投稿しない。貰うことだけ期待してちゃダメ。
301へたれSS書き:02/06/17 00:39 ID:lSQ2JeU6
>>297
 廃れているようなので執筆途中を投稿しますわ。
なお、続きがいつになるかは未定(w
302白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:41 ID:lSQ2JeU6
 真っ白な部屋。
 白々しい蛍光灯に照らされて、壁が、床が、天井が、痛いほど白く光を
反射している。
 無造作に置かれたベッドの白さは、清潔感のためというよりはむしろ、
生活感を殺すために漂白されているようだった。
 何もかもが息苦しい白に染まったその部屋。そこに一人の少女が
裸身を晒して横たわっている。……当然のように、部屋の色に染まった
ように、少女の色もまた、どこまでも白い。
 短く刈られた髪は白に近い銀色。染み一つない肢体は、母の胎内に
色素を忘れてきたかのような白さ。そして、作り物めいた美しい顔と
力無く投げ出された四肢が、彼女をまるで人間には見せない。
 ただ、時々ゆらぐ青い瞳だけがかろうじて、彼女を人間であると
知らせていた。
「ヘイ、”お人形さん”今日もお利口さんにしてるかい?」
 いつからいたのか、その部屋に似つかわしくない男がいた。
着ている服はいかにも安っぽく、所々染みがついている。シャツの袖や
襟には黒っぽい垢が輪になってこびりついている。無精髭まみれの顔に
浮かぶ笑みは、吐き気がするほど下劣でいやらしい。
「へへへ。今日の検査はどうだったい? ちゃあんと育ってただろ? 
俺らが毎日こうやって育ててやってるんだからよ」
 そう言って、膨らみの無い胸に芋虫のような指を這わせる。薄い胸の
肉を寄せ集めるように揉みしだき、肋骨に食い込むほどに指に力を
入れる。
303白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:43 ID:lSQ2JeU6
 下劣な言葉を吐きながらのその淫行に、少女の瞳が僅かに揺らぐ。
しかし、反応はそれだけだった。それを男は満足げに見下ろし、花びらの
ような小さな唇に吸い付く。むわぁ、とした臭いの唾液を唇に、柔らかい
頬に、作りの小さい歯に塗りたくり、幼い口腔に流し込む。
「ほぅら。口ん中でよく味わってから飲み込むんだぞ。さもないと、お前の
大好きなモノをやらねえからな」
 顎を掴んで無理矢理開いた口腔に唾液が溜まる。まるで粘液のように
粘るそれを伸ばした舌でかき回し、少女の口の柔らかさを堪能する。
ずるずると、汚らわしい音を立てて唾液が流れ落ち、白い枕を汚す。
 ナメクジのような粘液の跡をつけて、顔を汚す口の動きが顔から顎に、
首筋に、胸元に、下って行く。薄い乳房の肉をあつめるように絞り上げ、
まだ、何の反応も示していないその先端にしゃぶりつく。
「はれ。こうされるのがいいんだろ? ちっこいバストを絞られてなめ回
されるとたまんねえだろう? へへへ、毎日こんなことやってたら、
このちっこい乳もすぐにでっかくなっちまうなぁ」
 醜くうごめく舌先に執拗になぶられ、形の悪い乱食歯に痛いほど
甘噛みされて、桜色の乳首が僅かに盛り上がる。それを嬉しく思った
のか、少女を陵辱する舌の動きが、さらに激しくなっていく。
「へへ、へへへ……もう、たまんねえだろ? ほらよ、舐めろ、舐めろよ!」
 慌てるようにがちゃがちゃと音を立ててズボンを下ろす。今にも爆発
しそうなくらいに勃起し、汚らしいすえた臭いを発したペニスが姿を現し、
先程陵辱された小さな口腔に押し込まれる。
「……っ」
 僅かに、少女の顔が何かの感情に歪んだ。
304白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:45 ID:lSQ2JeU6
(……ゃ。いや、だ……)
 その感情の正体は『嫌悪』。殺意に近い嫌悪の表情が人形のよう
だった顔をみるみる人間のそれに塗り替えて行く。
 柔い舌先を犯すペニスの味に吐き気を催し、殊更音を立てるように喉
を疲れるたびに身をよじって苦しむ。
(いやだ。なんで、こんな事、ボク……。たすけ……たすけて。
たすけて……)
 それでも、指の一本として彼女の思い通りにはなってくれない。いや、
背中の羽が輝くなら、指一本動かすことなく、この男を肉塊に変える
ことも簡単のはずだった。
 しかしそれすら、今の彼女には自由にならない。
「ふへっ、はぁあ。もっとだぁ、もっと強くしゃぶれぇ! 俺のペニスを銜え
て舐めるんだよ! この後はびちょびちょになったお前の股にぶち込んで
やるんだからよ!!」
 そう言いながら、少女の乾いた股下に唾液を垂らす。色素の薄い、
無毛の恥丘を口で味わい、犯すように小さな女性器に舌先をつっこむ。
 よほど興奮しているのか、だらだらとたれる唾液だけで、少女の股下
がどろどろと濡れそぼっていた。
(……やめっ……やめろぉ。たすけて、助けて――っ!)
「それ、今すぐお前のちっこいプッシーを突き刺してやるからな」
 八つ裂きにしたくなるような笑い。そして、男のペニスが性器に押し
つけられる。めりめりと、腰骨を押し開くようにして、熱いものが潜り込ん
でくる。
「……っ、っ!」
305白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:46 ID:lSQ2JeU6
 二度、三度、と、嫌悪と痛みに少女の体が痙攣する。それでも、無情に
も醜悪なペニスは無情に膣壁を押し広げ、そして、あっけないくらいの
音を立てて、微少な膜を、千切った。
「ぅぅあ、うあああああああああああああっ!!」
 叫びが、上がった。それが、喉から出た叫びか、それとも心に浮かんだ
だけのものか、彼女自身まるでわからなかった。
「ははっ、ぎちぎちだな。お前のプッシーはよ。こいつは、もう……出す、
ぞ。お前のちっさなプッシーに、俺のをいっぱいに、腹がでかくなくくらい
に、いっぱいにな。嬉しいか? 嬉しいだろう!」
 下卑た笑み、胎内でせわしなく痙攣するペニス、充満するすえた臭い、
汚液に混じって垂れ落ちる破瓜の血……。男の性感と比例するように、
少女の中に嫌悪と、吐き気と、絶望が昂まってくる。
(……ろすっ。殺す、殺す、殺す! 絶対に、絶対に、絶対に殺す!!)
  終わりが近づく。醜い顔を歪ませて、びゅくびゅくとペニスが痙攣する。
粘液質の、気色悪い感触が少女の胎内で弾ける。
(必ず、お前がどこに逃げても、どれほどの時間が過ぎても、お前を見
つけだす。見つけだして、殺す。必ず殺す! 殺す、殺す、殺す、殺す!!)
306白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:48 ID:lSQ2JeU6
「――――ろす!! 殺すっ!! 殺してやるっ!!」
「リスティ!? しっかりしろ! 大丈夫、大丈夫だ!!」
 そしてようやく、自らを抱きしめる耕介の優しい匂いに、リスティは目を
覚ます。
「……耕介……?」
「大丈夫だ、リスティ。ここには、お前を傷つける奴なんていやしないんだ
……」
 とくん、とくん、と優しい心音が、柔らかい耕介の心の波が、ゆっくりと
リスティの体に染み込んでくる。そしてようやく、悪夢の中から目覚めた
ことを彼女は自覚したのだった……。
307白い部屋で 〜リスティ〜:02/06/17 00:50 ID:lSQ2JeU6
>>302-3006
「白い部屋で 〜リスティ〜」
登場キャラクター:リスティ(とらいあんぐるハート)
陵辱(後、ラブラブ予定(w )

  作品がたまり次第、保管サイトの方も更新します
308へたれSS書き:02/06/17 01:00 ID:lSQ2JeU6
>>307>>302-306でしたわ
訂正スマソ
309名無しさん@初回限定:02/06/21 23:27 ID:6JOhataA
わ、新作出てたのね。
最近人少ないし、新作出たらageた方が良いかも。

>>307
ラブラブも期待してま〜す(w
310名無しさん@初回限定:02/07/01 21:29 ID:+KpifFaq
保守
311名無しさん@初回限定:02/07/02 03:57 ID:mShfl+rB
乃絵美でガッツはもう復活しないのかな・・・
312名無しさん@初回限定:02/07/02 09:18 ID:voHB6wsv
>>311
漏れも復活禿しくキボンヌ!
313名無しさん@初回限定:02/07/02 09:22 ID:Yi6fyUWS
 
314名無しさん@初回限定:02/07/08 20:00 ID:m4XUtWRi
.
315名無しさん@初回限定:02/07/19 07:08 ID:Y53c6w0Z
保守してみる。
316 :02/07/22 12:15 ID:lSPVRIVX
.
317名無したちの午後:02/07/23 14:49 ID:49xfs0Ar
今求められてるのは、それ散るの補完SSではないか?
などと書き込みつつ、上げてみる。
318名無しさん@初回限定:02/07/23 14:53 ID:wsg/F7t7
>317
一SS書きとしての意見だが、あの手の主人公がぶっ飛んでるゲームは、
SS化が難しいね。
舞人無しの話もできなくは無いけどさ。
あの手の寒さスレスレのギャグ連発は、失敗すると読む人に
「なんか違う」って感じを与えるだろうし。
319プロローグ:02/07/24 10:34 ID:Onxs+Nri
狭いアパートの部屋に暗闇が射し、物音が止む。
 いつも通りの一日を終え、俺たちは今日も無事就寝時間を迎えた。
「ふーっ」
 疲れ切った身体を労わるように、布団をまとい熟睡。
 次の日もまたいつも通りの一日になる事を疑いもせず。
 ……現実は稀に気まぐれなイベントを起こす事があるという事を、
 トラブルと久しく遭遇してなかった俺はすっかり忘れていた。


 ジリリリリリリリリリリ!
 目覚ましの叫び声を疎い意識で聞きながら、俺は目を覚ました。
「ふあぁぁぁ〜」
 どあくび。
 流れてくる涙を右手で擦りつつゆっくりと上体を起こし、
 目覚ましを黙らせる。
「……」
 音が止んだところで、同居人を探す。
 いろいろと複雑な事情と様々な過程を経て、俺の義理の妹となった少女。
 不幸な人生を驀進しながらも、一部を除いて真っ直ぐに育ってきた女の子。
「……」
 その妹は、俺の隣で上半身を起こし、どこを見るでもなくボーっと
 眼を泳がせていた。
「おう、おはよう」
 毎日のように交わす朝の挨拶は大抵向こうからなのだが、今日は俺が
 先に声を掛けた。
 ここでいつもなら、ふにゃけた顔で
『あ、おふぁよーございますです』
 とでも言うのだが……
「……」
 黙 殺
 シカト? 馬鹿な。
「末莉。まだ寝ぼけてるか?」
「……」
 沈 黙
 無表情で暫く首をくるくる動かし、視線だけをゆーーーーーっくりと
 こっちに向けた。
「お、おい? どうしたんだ?」
 様子が変だ。
 まさか……反抗期!?
「んなわきゃーない」
 一人ツッコミ。朝はちょっと頭の弱い俺だ。
「……」
 末莉はそれにすら何も反応を見せず、ぼぼぼーっと俺を見ている。
 まさか、具合でも悪いのか?
 その旨を問い掛けようと口を開こうとした瞬間、気まぐれなイベントは
 トラブルとなって舞い込んできた。
「あの……どちらさま、ですか……?」
320プロローグ:02/07/24 10:38 ID:Onxs+Nri
「……記憶喪失?」
「まあ、ありていに言えばそうです」
 職場で上司と話す内容としてはかなり異質な事を口にしながら、
 俺は普段と変わらない時間に仕事に精を出す。
 ただ、精神状態には極めて異常をきたしていた。
「原因は? 病院には行ったのかい?」
「まあ一応……」
「歯切れ悪いね」
「それが、原因はわからないらしくて」
 脳波やら何やら調べた結果、どこにも異常はないとの事。
 医者いわく、
『数日すれば思い出すでしょう』
 との事。
「随分楽観的なんだねー」
「こっちとしては逆に怖いですよ。原因不明でしかも理由すらわからないんですから」
 欠落した記憶は、俺に関する事全般。
 今二人で住んでいるあの部屋は覚えていないが、昔両親と暮らしていたあの部屋は覚えているんだよな。
 さらに、例のいかがわしい趣味に関しても記憶にない模様。
 それから察するに、ここ数年の記憶がごっそりなくなったという事らしい。
「なら日常生活には支障はないんだ」
「ええ。だから俺はこうして仕事に来れてる訳ですし」
「ふーん……」
 非常に嫌な予感を漂わせる思案顔で劉さんは顎を掻いた。
「司くん」
「なんすか」
「This is ビッグチャンス!」
「……は?」
「末莉ちゃんを君色に染めるチャンス」
「……」
「末莉ちゃんを君色に染めるいい機会」
「いや、日本語に直さんでもわかるんで」
「今の彼女は、少なくとも思春期に得るであろう様々な知識や性癖に関しては卵から孵ったばかりの雛も当然なんだよね?」
「はあ」
「なら、今から君の個人的極まりない趣味を彼女に刷り込めば……」
 刷り込めば……。
 …………。
321プロローグ:02/07/24 10:39 ID:Onxs+Nri

  裸エプロン    学生服  巫女服   スクール水着
    ピンクなのに白衣  テニスウェア  メイド服
  ブルマ     だぼだぼセーター  フリル     拘束具
   ボンテージ   ルーズソックス    あみタイツ
  ネコ耳   白のYシャツ一枚  ぱっつんぱっつんの体操服名札入り
 バニーガール   チャイナドレス   お風呂上がりのバスタオル姿と水滴

 
 ごごごごごごごごごごごごごごご!

 脳の質量が一気に増した気がした。
「ふっ、馬鹿馬鹿しい」
「……鼻血出てるよ」
「ぶっ!?」
 と、まあそんなこんなでこの日の仕事はあまり身が入らなかったかも
 しれない。


 帰宅。
「おかえりなさいませー」
 制服の上にエプロンという正統派なのかマニアックなのか微妙な
 格好の末莉の出迎えに俺は何故か生唾を飲んだ。
 一応、末莉には一通り現状を説明はした。
 ただ、あくまで一通りであって事細かくは話してない。どうせすぐ
 思い出すだろうというのもあったしな。
 ってな訳で、今の末莉は俺の事を以前本人が口にしていた
 『ちゃんと好き』の対象ではなく保護者兼兄として見ている。
 そう、保護者だ、兄だ。
 そんな俺が邪な感情を抱いていいはずがない。絶対に。マジで。
 いや、マジでマジで。
「……あの?」
「えうれるっ!?」
 不意打ちをくらい、口がもつれた。
 いつの間にやら末莉は玄関でボーっとしていた俺のすぐ傍に来て、
 上目使いでこちらの顔色を伺っている。
 吸い込まれそうなくらい、円らな瞳。
「円らだ……」
 あ、口に出ちまった。
「すぷらった?」
「いや、なんでもないなんでもないんだ」
「?」
 と、とにかく!
 俺は保護者なんだ。惑わされてはいかん!
「ごはん出来てますよー」
「あ、ああ」
 何故か動悸のおさまらない胸を押さえつつ、中に入った。
322プロローグ:02/07/24 10:40 ID:Onxs+Nri
 くそっ……ただでさえ最近こいつを女として意識するように
 なっちまったというのに、よりにもよってこんな状況になるとは。
『末莉ちゃんを君色に染めるチャンス』
 妙に艶かしい目をしたおさげの悪魔が耳元で囁く。
「あのー、お茶……」
「やかましい!」
「ひあっ!?」
 ガチャンという鋭い音と共に、焦茶色の液体がちゃぶ台や畳の上へ四散した。
「ああっ、すいません!」
 俺が何かを言う前に末莉は謝罪をし、すぐにキッチンから布巾を取ってくる。
 悪いのは妄想に大声でツッコんだ俺なんだが……こういうところは
 記憶があろうとなかろうと変わらんな。
 基本的にそういう人間なんだな、こいつは。
 まず謝る。それが自分に非があろうとなかろうと。
 そういう所は再教育すべきなのかもしれない。
 などと真面目な事を考えていると、
「んしょ、んしょ」
 視界に妙な映像が映った。
 ゆれるすかあと。
 ちらりとみえるおぱんつ。
 あろう事か、末莉は四つん這いになってこぼれた茶を拭いていたのだっっっ!
 しかも、下半身をこっちに向けてっっっっっ!
「おうっ」
 俺は86のダメージを受けた。(残りRP398)※RP=Reason Point
「うああっ……染みになっちゃうかも」
 染みっ!?
 余波により14のダメージ。(残りRP384)
「んしょっ……んしょっ」
 末莉は力をこめて畳を拭く。
 それに伴い、まだ発達しきっていない未熟なお尻がぷるっぷるっと揺れる。 
 小振りだが弾力がありそうなお尻。
 純白に限りなく近いにもかかわらず、僅かに熱を持っていて人間味に
 溢れている肌。
 同じく純白の筈の下着が不純な色に見えるくらいだ。
 やばっ……理性が……RPが。
 …………。
323プロローグ:02/07/24 10:42 ID:Onxs+Nri
「……末莉」
 ふら〜っ。
「あ、すいませーん、すぐに拭きますんで……うにゃうっ!?」
 無意識に手が伸びていた。
 俺はもう自己制御出来ないほどの状態に陥っているらしい。
(残りRP3)
 ……減りがはえーなおい。
「お、おにーさん?」
「末莉……」
「あ、あの……目が血走ってますよ」
「それはお前の綺麗で未発達なアレをこの上なくはっきり見るためだよ」
「そ、その……お口から涎が」
「それはお前の綺麗で未発達なアレをこれでもかっってくらい濡らすためだよ」
「え、えと……な、なんか足と足の間が腫れてらっしゃるようですが……」
「それは……」
(残りRP0)
「お前の綺麗で未発達なアレにコンバインするためさあああぁっっっ!!!」
「きゃいーっ!?」
 ……………………。
 …………。
 ……。
324プロローグ:02/07/24 10:43 ID:Onxs+Nri
 ……夢を見ていた。
 真っ暗な闇に囲まれたそこには、上も下も右も左もない。
 常闇と虚無。
 しかし、すぐに光が射す。
 その光源を目で追うと、見覚えのある懐かしい顔が二つ見えた。
 父さんと母さんだ。
 俺を生んでくれた人たち。
 俺を護ってくれた人たち。
 俺に生という希望と機会を与えてくれた、光より尊い存在。
『……』
『……』
 その二人は遠くで何か話をしている。
 ……遠過ぎてちょっとわかり難いな。
 だが、これは俺の夢だ。近付くぐらい訳ない事。
 俺は真っ暗な空間を飛び、二人に接近した。
 こっちに気付く様子はない。まあ夢の産物だしな。
 そっと聞き耳を立ててみる。
『……まいったな』
『ええ……まさかあの子が……』
 ん? 俺の事を話してるのか?
『××××だなんて……ああっ』
『泣くな。ちゃんと教育できなかった俺たちが悪いんだ』
 か、肝心の部分がよく聞こえなかったが……すごく不穏な空気だなおい。
『でもっ! いろいろなことをちゃんと責任もって預かれるようにって
 つけた名前のあの子が……ううっ』
『……仕方ないさ』
 俺の事……?
 俺、親を泣かしてる?
『ああ……あちらの親御さんにどう説明したら……』
『誠意を示すしかないだろう。娘さんの人生を無茶苦茶にして
 しまったんだからな』
 ……はい?
『うう……まさか、私たちの子が……』
『言うな!』
 言え! 言ってくれ! 一体何がどうなって……。
『私たちの子が、ロリコンだったなんてえぇぇぇぇぇ!!』
325プロローグ:02/07/24 10:45 ID:Onxs+Nri
「誰がロリコンだあああああああっ!!」
 自覚なき叫び。
 それと同時に、自分がトリップしていた事に気付く。
 はっ!? 俺は一体!?
 末莉……そうだ、末莉のお尻に理性を持ってかれて……。
 ピチャッ……ピチャッ……
「……?」
 妙に股間が生温いな。ヌルヌルするし。
 ……うおっ!?
 その方を見た瞬間、絶句した。
「あむ……んむ……」
 おしゃぶってます!
 末莉たんがおしゃぶりしとりますよ!
「んっんっんっ……」
 チュポッ、ヌチュリなどと言う淫猥な擬音と共に絡みつく舌と
 唾液が俺の最も性的興奮に敏感な部分を刺激している。
 ジュジュ、ジュルッ
「おおうっ」
 チュッ、チュッ、ジュポッ
「ひゃっほい」
 オットセイのような意味不明な鳴き声が思わず口から漏れてしまう。
 何が、どうして、などという思考が溶かされる……。
「はむっ……ぷはっ」
 一時開放。外気に触れたドロドロの棒が急速に冷める。
 それがやたら刺激的だ。
「おにいさぁん」
 すっかり従順な目で俺を見上げる末莉。
 ……調教済み?
 え? いつの間に? どうやって?
 俺……理性が飛んだついでに取り返しのつかない事やっちゃった?
「もっと……もっとえっちなことしてぇ」
「……」
 ブチッ
 パパパパパパパパパパン!
 ピ〜ヒャラピ〜ヒャラパッパパラパ〜
 ヒュウゥゥゥゥゥ……ドオオオオオン! パラパラパラパラ
 ベンベンベベンベンベンベベンベンベンベンベベンベンベベベベン
「まとぅりぃぃぃぃぃっっっ!!」
「うあぁん」
 沢村司はぶっ壊れていた。
 完膚なきまでに、ぶっ壊れていた。
326プロローグ:02/07/24 10:46 ID:TATH3BxB
 ……と言う訳で。
 俺は末莉のアレでナニな部分を自分色に染めるため、
 個人育成をする事にした。
 ……正直、罪悪感とか道徳理念とかいろんな理性に圧迫されなくもない。
 しかし! もう細かいことは気にしない事にした。
 俺はロリコンだ。ああペドフィリアさ。
 変態? イエイッ! 鬼畜? カマン!
 外道と呼ばれようが世間様から後ろ指さされようが、
 この道を選んだ事になんら悔いはない。
 理由は……わかるよな?
「あの……今日はどうされます?」
 今日も今日とて末莉を育成。
 さあ行こう! この全国2780万人のロリータコンプレクッスの
 アイドル、末莉たんを俺色に染め上げるその日まで!
327末莉育成計画1日目:02/07/24 10:49 ID:TATH3BxB
【一日目】

 朝。 
 太陽が微妙な角度にある時間に俺は目覚めた。
 今日は仕事は休み。意外と休日が多い職場なんだ。
 さて、朗らかな目覚めと共に今自分が置かれている立場とか
 状況をじっくり反芻するとしようか。
 俺は末莉を自分の色に染めるべく育成すると決意した。
 外見や性格などは変えようがない、と言うか変える気は毛頭ない。
 そんな事をしてどうする。末莉は末利だから末莉なんだ。
 末莉がショートカットになったり妙に肉付きがよくなったり
 ボーイッシュになったりしたら末莉じゃなくなるじゃないか!
 そんな末莉を誰が望むってんだ! ボケが!
 ……朝は弱いんだよな。顔洗ってくるか。
≪ザー≫
 うし、目が覚めた。
 で、続き。
 ……つまり、えろえろな方向でいろいろと開発、いやさ育成して
 いこうという訳じゃ。
 毎日Hしまくってただれた日々を送りえろえろなおなごにするもよし。
 無垢で恥じらいを忘れない、昼は淑女夜は娼婦という古くから
 日本に伝わる理想的女性に仕立てるもよし。
 コスプレやSMに興じて懐の深い女性に育てるもよし。
 ……やべっ、朝に起こる生理的なのとは若干違う現象が。
「……すーっ」
 布団に包まっておねむしている末莉を見る。
「……」

1.やっちゃう
2.朝っぱらからやってられっか
3.寝ている末莉の顔のすぐ前で自慰

《2を選択》

 だよな。朝だもんなあ。お天道様から覗かれ放題だもんなあ。
 ……この偽善者が。
「ん……」
 結局末莉はその後普通に目覚めた。
328末莉育成計画1日目:02/07/24 10:49 ID:TATH3BxB
「あの、おにーさん」
 正午を少し回ったくらいの時間、末莉がきょとんとした顔で話し掛けてきた。
「なんだ?」
「お買い物など行きたいのですが」
「ああ、わかった」
 末莉はここ数年の記憶を失っている為この辺りの地理に詳しくない。
 昔住んでた時はあまり出歩かなかったらしい。
 と言うわけで、同行。


「……あの」
 買い物に行く途中の道で末莉が話し掛けて来る。
「なんじゃらホイ」
「?」
 若者には理解できない返しだったらしい。無念。
「なんだ?」
「わたし、本当にあなたの……妹なのでしょうか……?」
「え?」
 しまった……その辺フォローしとくの忘れた。
 やっちまったってのに妹じゃ、俺ってば親近○姦野郎ではないか。
 変態でも外道でもいいが親近○姦はいかん。
「えっとな、その件なんだが……」
「ああっ! あれは!」
 俺が重大な事実を打ち明けようとシリアスな顔をした途端、末莉はどこかへ走っていった。
『……司は、顔が怖い……』
 うう……それはそうかもしれないけどいきなり走って逃げる事は……
「これは素晴らしいダンボールですねー」
「ほお、お嬢ちゃんお目が高いね」
 …………。
 末莉はその後、ダンボールを住処にしている社会においてやや不適合とされる方々と三十分ほど談笑していた。

《積極性↑ 清潔性↓》
 
 結局言いそびれたまま買い物はつつがなく終了した。
 まあ夜にでも言えばいいか。
《ティッシュ1箱、明るい家族計画1箱購入》
329末莉育成計画1日目:02/07/24 10:51 ID:TATH3BxB
 夜。
 携帯が鳴った。と同時に、嫌な予感が身体中を駆け巡る。
 どうする……?

1.電話に出る
2.ワン切り対策

《1を選択》

「仕方ないな……」
 なにか禍禍しい気配を感じつつ、通話ボタンをプッシュ。
「もしもし」
『やあ司くん』 
 予感的中。
『仕事。ヘルプ。お願い
「なんで俺が……」
『金さんたっての』
 切った。


「くそっ……」
 悪態を付きつつホスト業に勤しむ。
 あれから何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
 迷惑な勧誘を受けた俺は、仕方なく折れた。
 折れざるを得なかったと言うべきか。
「ローリー沢村ちゃぁん、3番テーブルおねがぁい」
「ヘルプ引き受けたらその源氏名は取り下げるっつったのは
 あんたでしょうがっっ!」
「冗談よぉ、そんなに怒っちゃソーバッド」
「ああバッドだ全く!」
 金にはなるが著しくプライドと精神力を削がれていく職業、それがホスト。
 こんなのを本職にする奴らの気持ちがわかる日がる事は未来永劫来あるまい。
「エキセントリック少年ボーイ歌いまぁす!」
 はぁ……。
 ため息は喧騒にかき消され、無秩序な空間を透明に彩る。
 末莉は今頃どうしてるかなあ……。早く帰って、あの事言わなきゃな
 そんな事を考えながら、俺は一生慣れる気はない仕事を一生懸命こなした。


 その頃の末莉は。
「くー」
 平和そうに寝ていた。
330名無しさん@初回限定:02/07/24 11:00 ID:sfUuSXCF
>>319-326
題「末莉育成計画 プロローグ」@家族計画
>>327-329
題「末莉育成計画 一日目」@家族計画

廃れてるみたいなので久し振りに投稿しちゃいます。
中身がないのは暑さの所為って事で御勘弁ください。
最近ゲームやってないから他のゲームのSS書けない……。
でわでわ〜。
331名無しさん@初回限定:02/07/24 18:36 ID:NiuwCsHO
うをっ。久々に良SSキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
がむばれ職人、続きに期待。

そしてsage。
いやぁ、久々に来たSSが末莉たん。
メーカーOHPにも書いておくれやす。
333へたれSS書き:02/07/26 10:01 ID:hP+b0qgK
>>330
 新作お疲れです
……あー、私の続きはコミケ後まで無理っぽ。申し訳ないッス
334名無しさん@初回限定:02/08/03 06:13 ID:JxBQH4+d
http://www.globetown.net/~daiba_kayo/file/0023.jpg

乃絵美でガッツ 復活してほしいなぁ〜

末莉育成計画の作者様へ
おお〜 ナイスな力作です♪
ところで 作者様 仮でいいのでコテハン 作ってくださいませ

335新作久々アップ上げ:02/08/03 23:25 ID:x9D+G13J
だよ〜
336末莉育成計画2日目:02/08/06 17:54 ID:oL9FYueJ
【二日目】

 この日は朝から仕事。
 昨日働いたんだから今日は休ませろという正論は全く通用しない。
 それが社会であり世間であり、現実である。
「おっはよー」
 劉さんは何故か棒読み口調で挨拶してきた。
 酷い棒読みだ。いくら棒読みでも限度があるだろってぐらいに棒読みだ。
 それに……。
「それ、何ですか?」
 妙な物体をもっているのが気になった。
「これかい? ハンマー投げのハンマーだよ。陸上競技の」
「……」
 劉さんはいつもより濃い顔をしてどっからか取り出した栄養ドリンクを飲み干した。
「君にもあげよう」
「はあ……」

《栄養ドリンクを手に入れた!》

「今私たちの間では密かな室○ブームなんだよ」
「まあ確かにホモ受けよさそうな顔と体格してますけど……って、
 朝から気色悪い事言わせんでください」
「まあまあ。ところで司くん、末莉ちゃんともうやっちゃった? やっちゃった?」
「ぶっ!」
 こ、この人は……。
「やったんだね」
「……」

1.人間素直が1番
2.黙秘権を行使。

《2を選択》

「……」
 俺は露骨に目をそらした。
「そうか……これで司くんも晴れて私たちの仲間に」
「何故そうなる!?」
「ロリコン=変態=バイ」
「ぐっ……」
「それはともかく、ペドゴニア司くん」
「その不本意極まりない冠詞を即刻外せ」
「君にこれを進呈」
「え?」
 受け取る。
 それは手書きの地図だった。
『コスプレショップ DuetOcean』
「……」
 劉さんは何も言わずに俺の方をポン、と叩いた。
 俺も何も言わずに一礼し、それを大事にポケットにしまった。

《コスプレショップへの地図を手に入れた!》
337末莉育成計画2日目:02/08/06 17:55 ID:oL9FYueJ
 仕事終了。
 時間は午後五時。
 さて、これからどうする?

1.真っ直ぐ家に帰る
2.早速例の場所へ

《2を選択》

 ……ま、折角だしな。
 上司の行為を無にするのは資本主義に反する重罪だし。
「ママ、ママ、あのお兄ちゃん変だよ。笑いながらはーはー言ってるよ」
「めっ! 見ちゃだめよ!」
 俺は至極冷静な面持ちで地図に従い歩いていった。


「いらっしゃいだにょ」
「……」
「何をお望みだにょ?」
 店員らしき生き物は語尾が変な言葉を操る変な女性だった。
「……やっぱ帰るか」
 ここはどうやら異次元の世界らしい。
 俺には到底理解できない。する気もない。
「待つにょ」
 引き止められたがめんどいのでシカトする。
「この店は冷やかしお断りだから手ぶらで帰ろうとすると……」
 ヒュッ
 ドスドスドス!
「のわっ!?」
 天井から槍が振ってきて俺の眼前の床に突き刺さる。
「トラップが作動するにょ」
「そんな人名に関わる重要事項は見やすい所に注意書きしとけよ!」
「で、何をお望みだにょ?(超シカト)」
「ぐ……」
 仕方ない。何か買えと言う神の思し召しなんだろう。
 さて、何を買おうか……。

1.ア○ナミラ○ズ ピンク制服:¥17800
2.名札入り体操服&ブルマ(サイズS):¥13800
3.犬セット:¥21800
4.フリフリエプロン(サイズS):¥7800
5.ランドセル(赤):¥15800

「全部ください」
「毎度ありにょ」
 散財したが悔いはなかった。
338末莉育成計画2日目:02/08/06 17:56 ID:oL9FYueJ
「おかえりなさいませー」
「ただいま」
 帰宅すると、ちょうど晩飯が出来た頃だった。
 美味しくいただく。
「今日買い物の途中でこいぬさんと会ったんですよー」
「ほお」
「あれはよいものです」
 近い将来自分が犬にされるとは知らず、末莉はこいぬの魅力を語り尽くした。
「ごちそうさま」
 食事終了。
 俺は労働の疲れを癒すべく寝っ転がってテレビ鑑賞。
 末莉は後片付けの為に台所へ。
 エプロンを付けて念入りに皿を洗っている。
 ……エプロン、か。

1.フリフリエプロンをプレゼント
2.今日は疲れてるしめんどいから止めとく

《1を選択》
 
 当然だな。
「末莉ー」
「なんですかー?」
 ゴホン、と一息つく。
「実はな、お前の為にプレゼントを買ってきたのだが」
「え?」
「これだ」
 さっき買ったフリフリエプロンを渡す。
「うわーっ! かわいいですねーっ!」
 予想通り、末莉は諸手を挙げて喜んだ。
「おありがとうございます〜」
 だーっと涙を滝の如く流し礼を言われる。この辺の大げさっぷりは
 記憶を失っても変わらない奴だ。
 ……罪悪感が……。
「さっそく付けますね」
「あ、ああ」
 さて、ここからが本番だ。
 どうする俺。
1.フリフリエプロンを付けた可愛らしい末莉を鑑賞するだけに留まる
2.男の欲望は時として暴走する事があるという
339末莉育成計画2日目:02/08/06 17:57 ID:oL9FYueJ
《2を選択》

「末莉。実はこのエプロンには微弱な磁気作用が備わっているんだ」
「磁気作用……ですか?」
「ああ。体内の水分を活性化させて健康や美容にいい影響を及ぼすんだ」
「ふえ〜」
 末莉は本気で感心しているようだが、勿論このエプロンにそんな効果はない。
 Liar? No! This is O・YA・KU・SO・KU!
 O・YA・KU・SO・KU is Justice! and Male's Romance!
「って訳で、これは直に肌と密接しなければ効果がないんだ」
「肌……ですか?」
「そう、肌。スキン」
「……」
 末莉は考えこんでいる。
「あの……着替えてきます」
「ああ」
 俺はハードボイルドの主人公でもOKな超ポーカーフェイスで頷いた。
「あの……鼻血が」
「これは精神疾患を抑える為の作用だからなんら問題ないのでとっとと着替えて来い」
「はあ」
 てくてく。
「……」
 俺は四年振りにガッツポーズをしつつ、刻を待った。


「こ、これでよろしいのでしょうか……」
 永遠とも呼べる超密度の三分が過ぎ、末莉が出てきた。
 ……下着姿にエプロン。アンド靴下で。
「下着……」
「え?」
「あ、いや」
 下着エプロンか……期待していたのとはちょっと違うが、これはこれで。
「それでは洗い物の続きをやりますんで」
「あ、ああ」
 末莉はけろっとそう言い放ち、そのままの格好で皿を洗い始めた。
 ……なんか違う。
 もっとこう、恥じらいとかそういうのが欲しい。
 数年間の記憶が飛んでる今の末莉は幼女に近い思考なのかもしれない。
 うむむ……これは忌々しき問題だ。
 快楽にのみ目覚めた無垢な幼女……恥じらいを備えた少女……どっちがいいのか。
 どうする?
1.幼女でいいからやりまくる
2.恥じらいを覚えるまで出来るだけ手を出さずに育てる
340末莉育成計画2日目:02/08/06 18:06 ID:oL9FYueJ
《2を選択》

 恥じらいは大事だ。
 例え暫くの間お預けとなろうとも、末莉を淫乱にするよかマシだ。
 俺が愛の言葉を囁くたびに、顔を耳まで真っ赤にして口を手で覆ったり
 少し泣きそうに微笑んで顔を両手でくしゃっと包んだりするのが末莉なんだ。
 それが俺、というか全国(略)の理想であって、その為には目先の性欲など……
「ふんふんふーん♪」
 ぷりぷりとお尻を揺らしながら洗い物をする末莉が目に入った。
 まだ未発達ながら少しずつ丸みを帯びてきている身体が……。
 いかあん! またトリップしちまう!
 ダメだ、ここで手を出したら清純系に育てようという俺の計画が……。
「きゃん!」
「どうした!?」
 悲鳴をあげた末莉に光の速さで近付く。
「包丁を洗ってたらちょっと指を……あはは、ドジりました」
 軽く涙目で笑う末莉。
 健気っ。
「あの……」
 かと思えば、今度は頬を染めつつ下を向きながらモジモジしだした。
「ナンダイ?」
「えと……ゆび、ちゅーってしてくれませんか?」
 B O N !
 計画は破綻した。
「ああ、してやるさ」
 俺は末莉の指を手に取り、口に含む。
 ちゅー。
「ふぁ〜」
 末莉は日和っている。
「あったかいですー……あっ」
 指に舌を絡める。
「お、おにーさん?」
 唾液を多分に使いながらねっとりと。
「あ……あっ」
 舌の裏をザラっとした部分で愛撫。
「ひっ……」
 ありとあらゆる舌技を駆使し、末莉を揺さ振った。
「……おにーさぁん」
「!」
 その末莉の艶が見え隠れした言葉で、逆に理性が膨れ上がった。
 破綻した計画に再びスポットライトが当たる。
「……」
 俺はそっと末莉の指を解放した。
「あ……」
 少し名残惜しげな末莉の顔。
「ちゃんと洗って絆創膏張っとくように」
「……はい」
 俺がその後そそくさとトイレに向かったのは言うまでもない。
341末莉育成計画2日目:02/08/06 18:13 ID:oL9FYueJ
 就寝時間が過ぎ、布団を並べて眠る末莉の顔をそっと眺めた。
 幸せそうな寝顔……に見える。
 と同時に、いろいろと苦労を背負ってきたであろうその顔にいろいろな
 重圧も感じた。
「ちゃんと育てないとな……」
 自分の欲望ばかりを優先していた最近の自分をちょっと反省。
 これからは末莉の事をもっと大事に考えよう。
 そう決心して、俺の一日は終わった。

 ……その決心は夢に出てきた裸エプロンの末莉によって半日ともたず崩壊した、
 とだけは記しておく。



 その日の深夜。

「……どうだい、順調……」
「……」
「ふむ……だが彼は……なるほど」
「……」
「そうか。ならば……殺……ないようだ」
「……!」
「それが、君のためだよ」
「……」
 ピッ
 電話が切れ、静寂が再来する。
「……」
 窓の外には闇を背負った月が寂しそうに漂っていた……。
342馬面:02/08/06 18:25 ID:oL9FYueJ
>>336-341
題「末莉育成計画 二日目」@家族計画
プロローグ及び一日目にレスを下さった方々、どうもありがとうございまふ。
エロのない二日目。エロがないとはエロくない事であり、エロくない事は
よい事ではないですがエロくなくとも読んでもらえたら嬉しいです。
コテハンは某OHPで使ってるのをそのまま採用させて頂きます。でわでわん。
343332:02/08/08 17:50 ID:8qPnC4Co
二日目来たっ!来ましたよっ!
エロ一辺倒かと思いきや最後の引っ張りがムチャクチャ気にかかります。
三日目が早くも気になるぅ〜〜〜〜っ!  まったりと待ちますのでどうかよろしく。
344名無しさん@初回限定:02/08/15 20:36 ID:qDo4/qtv
ホシュ
345名無しさん@初回限定:02/08/15 20:38 ID:qDo4/qtv
 
346名無しさん@初回限定:02/08/17 20:31 ID:6XNZnnlZ
347瞳 vs アイ:02/08/18 14:43 ID:oS8OKmRw
第二話 『加賀野 愛 A』

YES / NO
 ↑

    @素直にもどす
【 瞳 】ここは素直にもどしておこう。
    ぬいぐるみをゆっくりと元の場所にもどし、空いた両手を上にあげた。
【 瞳 】「もどしたわ。 それで出来たらこの鎌をどけてくれないかしら」
【 愛 】「鎌・・・?」
【 瞳 】「私の首に当たっているヤツよ」
    ・
    ・
    ・
    ナンなの、この間は?
    私、何かマズイことでも言った? 

【 愛 】「鎌・・・ね、フフ・・・」
    あら? 鎌と言ったのが何かツボに入ったみたい。
【 愛 】「両手をあげながらこちらに向きなさい」
【 瞳 】「コレをどけて・・・」
【 愛 】「向きなさい」
    はい、はい。 わかりました。 
    首の鎌を注意しながらゆっくりと『加賀野 愛』のほうに振り向いた。
    
【 瞳 】「で、コレはどけてもらえるのかしら?」
【 愛 】「・・・・・・」
    返事も無しか・・・

【 愛 】「今夜で終わらせる」
【 瞳 】「はい?」
【 愛 】「だから・・・邪魔をしないで」
【 瞳 】「説明はしてくれないのかしら」
【 愛 】「その必要は無い」
    この調子じゃあ何を聞いても答えてくれそうにないわね。
【 瞳 】「わかったわ、 このコトに関しては何も聞かない。」
348瞳 vs アイ:02/08/18 14:46 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「・・・ありがとう」
    あらら・・・意外な返事だわ。
    首元の鎌もはずれた。
    両手を首元に当てて傷がないか確認・・・うん、だいじょうぶ。
    首をさすりながら目の前の少女に目を向けてみる。
    ちっちゃいな・・・虎ちゃんくらいか? ううん、ちょっとこの子のほうが
    大きいかな。
    顔立ちも虎ちゃんに似ているわね・・・眼鏡をかけたら姉妹でいけるんじゃ
    ないかしら・・・
    しかしこの鎌はナニよ。
    昨夜はこの鎌で巨大ミミズを斬り殺していたけれど、この時代に武器が鎌って
    いうのはどうなの!?
    あのコスチュームといい(人のことは言えないが)ナニがナンだか・・・(笑)
    まあ、このまま『加賀野 愛』と向き合っていてもしかたがないし、この辺で
    引き揚げよう。
    
    そうだ、引き揚げる前に『アレ』のことを聞いておこう。
【 瞳 】「加賀野さん、今回はこのまま引き揚げるけれど一つだけ聞いてもいいかしら」
【 愛 】「・・・・・・」
    黙っているってことはOKととっていいわよね。
【 瞳 】「この子だけど・・・」
    私はぬいぐるみを指差しながら言葉を続けた。
【 瞳 】「この子の名前はナンていうの?」
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
【 愛 】「・・・この子の名前・・・・・・」
    うわっ
    『加賀野 愛』の顔があっという間に赤くなって下を向く。
【 瞳 】「この子はどうやってあなたの所に来たの? あなたが・・・ううん、その
    感じだと彼氏からのプレゼントかな?」
【 愛 】「・・・!」
    あっ・・・あら・・・今まで赤かった顔が元に戻っていく。
    下を向いていた顔が上を向いて目が合った。
349瞳 vs アイ:02/08/18 14:48 ID:oS8OKmRw
【 瞳 】「あっ・・・」
    
     キュイッ

    突然『加賀野 愛』の身体が消えた。
    なんかもう、何でもありね・・・
    でも・・・最後に見た『加賀野 愛』の目はとても悲しそうだった・・・
【 瞳 】「悪いコト、言っちゃったかな」



―――――深夜―――――
    
    バトルスーツに着替えて学園の敷地内を探索中
【 瞳 】「しかし毎度のこととはいえ・・・何故このバトルスーツはピンクなんだろう」
    司令には何度も変更をお願いしているのにこの色しか支給してくれなし。
【 瞳 】「夜にピンクじゃあ、目立って潜入とかに困るしー・・・昼でも目立つけど」
    
    「今夜で終わらせる」
    『加賀野 愛』がどこかにいるはずだが・・・全然わかんないわね。
    まだ始まっていないのか、それともすでに終わっているのか・・・

    昨夜襲われたあたりまでやってきたけど、これといった以上も無い。
【 瞳 】「彼女、この外灯の上に立っていたのよね・・・」
    そんなことを考えながら外灯の横を通り過ぎた時・・・

     グオオオオォォォォォォォ

【 瞳 】「なに!? なんの声!!?」
    さっきまで聞こえなかったのに!?
 
     『殺してやるぞ、ギシャ――――シャシャ』

    目の前で化け物と『加賀野 愛』が戦っていた。
    なぜ!? 
    慌てて後ろに飛び退いた。
350瞳 vs アイ:02/08/18 14:49 ID:oS8OKmRw
【 瞳 】「あっ、あれ!?」
    目の前にいた化け物と『加賀野 愛』がいないし、声もしない。
【 瞳 】「どうして!?」
    おそるおそる前に進む・・・すると

     ギシャー ギシャー グオオオオォォォ
    
    目の前で化け物と『加賀野 愛』が戦っている。
    身体を退いてみた。    
    なにも聞こえないし、なにも見えない。
    結界ってヤツ?
    頭がクラクラする。
    こんなの報告したら白い壁の病院に入れられちゃう。
【 瞳 】「と、とにかく、その辺のコトは置いておいて様子を見ましょ」
    おそるおそる結界に近寄ってみる。
    たぶんこの辺からが結界だと思うんだけど・・・
    何度か試してみてある程度の境界線がわかった。
    戦っている連中の死角に身を潜めて様子を窺う。
    戦いは『加賀野 愛』が優勢だ。
【 愛 】「やあっ」 
     ドシュ
【 愛 】「たあっ」
     ドシュッ ドシュ
      
     グォアアアアァァァァァ

    巨大ミミズの束でできた化け物が触手で攻撃をしているが
    『加賀野 愛』に触れることもできない。
    そして避けた触手を『加賀野 愛』が確実に切断していく。
【 愛 】「遅い!」
    そう言って化け物の懐に飛び込む。
     ドシュッ ドシュ ドシュ
    絡みつこうとした触手は身体を一回転させて切断し、その回転の勢いを
    利用して化け物の本体に斬りつける。
    これは・・・決まる!!
【 愛 】「これで・・・」
351瞳 vs アイ:02/08/18 14:51 ID:oS8OKmRw
    左上段から鎌が振り下ろされる。
【 愛 】「フィニッシュ!」
    決まった!!
    ・・・・・・あ、あれ・・・?
    なにもおこらない・・・?
    『加賀野 愛』の動きが止まっている。
    鎌も化け物に当たる寸前で止めたようだ・・・どうして?
【 愛 】「キサマ・・・」
    
     ギャシャシャシャシャ

    嘲笑うような声を出した化け物は『加賀野 愛』から距離をとった。
    化け物をよく見てみると化け物の身体から何かが浮かびだしていた。
    あれは・・・人?

      『甘い、甘いなァ・・・
      キサマ 本当に 魔法戦士か?
      ワシが ゆらぎから得た情報の 魔法戦士どもは
      もっと 非情・・・
      まさか 人質 などという手段がキくとは・・・』
    
【 愛 】「関係ない」
    そう言って突進していく『加賀野 愛』にすぐさま触手が襲いかかる、が
    さっきと同じで身体に触る前に切断されていく。
    あっという間に化け物との間合いを詰めた『加賀野 愛』の鎌が化け物の
    本体に振り下ろされる瞬間、化け物の体内から人間が輩出された。
    化け物は鎌の振り下ろされる軌道に人間を差し出す。
【 愛 】「くっ・・・」
    止めた・・・化け物の盾にされた人間に当たる前になんとか止めた。
    ふぅーー人間の真っ二つなんて見たくないものね・・・
    よく見てみると、どうやら女の子のようだ。
    ウチの生徒かしら・・・
    少女は裸で身体中に触手と液体が纏わりついている・・・大事なアソコには
    触手が挿入されたままだ。
    
     グフグフ、グワハハハハハハッ
352瞳 vs アイ:02/08/18 14:54 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「貴様っ!」
     ニュルニュルルルン
    動きを止めた『加賀野 愛』に触手が襲いかかる。
    が、身体に絡みつく前に触手を切断し、後ろに飛び退いて距離をとる。
 
      『強いな 小娘・・・
      しかし この人質 が いる限り ワシに とどめを
      サす ことは出来んぞ』 
 
【 愛 】「・・・・・・」

      『この娘を 助け たいか・・・?
     
      ふっふっ・・・ その為に どう すれば イイか
      言わなくても わかる な グフっグフ』
 
【 愛 】「くっ・・・」
    はーーーーっ・・・
    結局、そのパターンか・・・
    しかし、あの『加賀野 愛』が素直に従うとは思えないんだけど・・・って
    あら!?
【 愛 】「・・・」
    構えていた鎌をおろしてしまった。
    このまま『奴』に従うつもり?

     『その武器も 捨てて もらおうかのう』

【 愛 】「・・・・・・」
    鎌を見ながら何かを考えているようだけど・・・
    
     『はやく 捨てんか
      この 娘の 首が 折れて しまうぞ』

【 愛 】「・・・っ」
    『加賀野 愛』の鎌を持った腕がゆっくりと動いて、そのまま・・・
    えっ!?
353瞳 vs アイ:02/08/18 14:57 ID:oS8OKmRw
    うわぁ!!!?
    鎌が物凄い勢いでこちらに向かってくる!
    あぶない!!
    とっさに頭を下げると、その上を鎌が通りすぎ
    ザン!と音を出して私の後ろの木に突き刺さった。
   
    あぶなかったぁー。
    でも・・・こっちに投げたってコトは・・・
    私が此処にいるってことがバレバレ!?
 
     『グフフ その身体 味わって みるかのう』
 
     ニュロロン
    『加賀野 愛』の左足に触手が絡まる。
【 愛 】「そのコを離せ」
      
     『お前が もてば な・・・』 
 
【 愛 】「くっ」
    『加賀野 愛』の身体全体に触手が絡みついた。
     グニュルル ニュロニュロロロ ニュルン
【 愛 】「ぅん・・・ぁっ」
     ヌルルル ヌチャ
【 愛 】「ぃゃ・・・ああっ」
     グリュニュルン
【 愛 】「だ、め・・・ゃぁ・・・ふぁん」 

     『ピチ ピチ した肌が たまらんのぅ ぉう、ぉう』

【 愛 】「ああっ!? ダメ!」
      ニュルルルルルルルル
    とうとう触手が服の下にもぐりこんだ。
    此処からでも『加賀野 愛』の服の下に、何本も触手がもぐりこんでいるのが
    わかる。
    あのピッチリしたレオタード状に触手が浮かび上がっている。
    どうやら胸を重点に責めているみたい。
354瞳 vs アイ:02/08/18 14:58 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「・・・そこは・・・やめ、て・・・ぁぁ、さきっちょが・・・んんー」
     クチュ クチュ クチュ クチュ
     クニクニ クニュ
【 愛 】「うああっ!?」
     
     『コリコリ して 美味いのぅ』

【 愛 】「だめ・・・だめ・・・ぁぁぁん・・・はぁ」
 
     『そろそろ 下の口も味見させて・・・なんじゃ 小娘 
      もう 濡れておるのか? 胸だけで 濡れてしまう なんて
      はしたないのぅ 
      ワシが セッカン してやるわい』

    この化け物、どーも言うコトがじじむさいわね・・・?
    話しを聞いていると、元々人間のようだし、此処の教員か?
    『加賀野 愛』の股間に一本の触手が伸び、そのままスマタを始めた。
     シュリュ シュリュ シュリュ シュリュ
【 愛 】「はぁ! やめて・・・やめて・・・ぅんんんー、 ダメな ふぁあ」
     シュリュ シュニュ シュニュ ニュル ニュル ニュル
【 愛 】「だ、めぇ・・・んんぅ こんなの、こん、な・・・イイ、の・・・ぃやぁ・・・」
     ニュルン ニュルン ニュルルル ニュン ニュン ニュルン
【 愛 】「ふぁぁぁん ダメなの、に・・・はぁはぁ あ、あ、あ、あ、あああっ!?」
 
     『グフグフグフ そろそろ 挿入てほしいか?』

【 愛 】「・・・・・・」
    フルフルと頭を横に振る。
     
     『我慢 するな 
      ほぅれ ワシのモノを 挿入てやるわい』
  
    そう言った化け物から、今までの触手とは違うモノが伸びてきて『加賀野 愛』のアソコに押し付けられた。
    それは男性器そのものだった。
    しかし大きさがけた違いだ!
355瞳 vs アイ:02/08/18 15:00 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「ダメ・・・ずらさないで あぁ・・・」
    化け物の触手がレオタードの股間部分を横にずらして、『加賀野 愛』のアソコを
    外気にさらした。
【 愛 】「ああっ!?」
    そこへ触手が押し付けられる。

     『このまま 挿入てやるわい がははははっ』

【 愛 】「ああっ だめ・・・ 挿入ってきちゃ・・・ んんっ やぁ・・・」
     ヌプ ヌプ ヌヌヌヌ ヌプ
【 愛 】「挿入って・・・挿入って くる よぉ・・・ ふあぁぁぁっ」
     ニュヌヌヌヌ 
【 愛 】「ダメ・・・ふぁ あ、あ、あ、あ」
    これは・・・駄目だ。
    このままだと確実に『加賀野 愛』は堕ちてしまうだろう。
    何か良い手はないか?
【 愛 】「ああっ! もうもう・・・」
    駄目か・・・
    あ、あれ?
    『加賀野 愛』がこちらを見ている。
    偶然? そんなわけないわ。
     ズプン
【 愛 】「――――あああああ―――ッ・・・」
     ズップ ズップ ズップ ズップ
【 愛 】「あっ あっ あっ ああっ」
     ヌプ ニュル ヌルン ズプ
【 愛 】「ああっ ダメッ・・・ こ、んな・・・の ふぁあっ!?」
    こっちを見ていた・・・
    此処に私がいるのはわかっていたようだし、助けろってこと?
    でも・・・コレか!?
    私の後ろの木に刺さっている、この鎌を使えってこと!?
    こういう展開になるのを承知で化け物に身体をさしだしたの?
【 愛 】「ふぁああ イイ こんな・・・ああっ 奥は・・・ダメ、ダメ・・・やぁ」
     
     『イイか? イイのか? これではどうじゃ』

356瞳 vs アイ:02/08/18 15:06 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「そんな・・・中でふくらんじゃ・・・イイの 気持ちいいのぉ」
    
     『そうか イイのか グフグフグフ もっとよくして やるぞ』

【 愛 】「これ以上は ダメ、ダメだけど・・・もっと、イイ! イイ! ふぁんッ」
     グニュン グニュン ズプニュ ズプニュ
【 愛 】「も・・・イク イッちゃう・・・ダメ ぁぁぁイク! こんな・・・ああ・・・」
     ズプン ズプン ズプン
【 愛 】「ああっっ あ、あ、あ、ああっ!?」
       
     『もうイクのか しょがないのぅ 小娘を イカす前に グフグフ』

    化け物からまた違う形の触手が伸びてきた。
    今度の触手は細い線虫みたいなヤツだ。
    それが『加賀野 愛』の両耳に入っていく。
    な、なにをしているの?
   
     『ふんふん そうか ほーー 面白いのぅ よしよし 次は これじゃな』

【 愛 】「はぁはぁはぁ んんーっ もう ダメ イク、イクのぉ・・・」
      ヌプン ズプン ヌッチャ ヌッチャ ニュクン
 
     『よーし イケ! イってしまえ!! ぐぅううっ!』

      ドプン ドピュ ドピュ ビュル ビュルン
【 愛 】「ふぁ、あああっ ぅん ふあっ んんん――――ッ」
      ビュルルルン
    射精した触手が『加賀野 愛』の中から出てきた。
    ソレは愛液と自分の出した精液でヌラヌラとしているが、勢いはいっこうに萎えそうもない。
【 愛 】「はぁ・・・」
    絶頂を迎えた『加賀野 愛』は仰向けになったまま、地面の上に倒れこむ。
    化け物のほうは・・・まだ人質を銜え込んだままだ。
    あれを何とかしないと、どうしようもないわね。

     『まだまだじゃ グフグフ 次は・・・』
357瞳 vs アイ:02/08/18 15:09 ID:oS8OKmRw
     倒れている『加賀野 愛』に再び触手が伸びる。
     両手・両足に巻きついた触手は軽々と身体を持ち上げ、反転させた。
     後ろから責める気!?

      『前に 男子生徒を 襲った時に ハマッてのぅ 
       こっちも 試させて もらおう』

    まさか・・・
    化け物の触手は鎌首を持ち上げるように動き、その際に『加賀野 愛』のアソコをニュルニュルと通り過ぎていく。
【 愛 】「んんんんんー」
     ニュルン
    最後に先端部分が通り過ぎ、そのまま『加賀野 愛』のオシリに押し当てた。
    
     『このままだと 面白く 無い からな・・・
      目を覚ませ 小娘 ほれほれ』

    空いた触手でペチペチと『加賀野 愛』の頬を叩く。
【 愛 】「う・・・ん」
    
     『起きたか 小娘』

【 愛 】「これは・・・キ、キサマ。 な、なにをする気だ。」

     『今から お前の 尻を 掘らせて もらう』

【 愛 】「尻って・・・やめろ! そんな、そんなの無理」
  
     『無理なものか さっき お前の 記憶を 覗かせて もらった・・・』

【 愛 】「・・・!?」

     『尻どころか 全部の穴で ヨガっていた ではないか? 
      ワシは 尻だけで イイんじゃから おとなしく 差し出せ」

【 愛 】「イヤ・・・」
358瞳 vs アイ:02/08/18 15:11 ID:oS8OKmRw
     『それに 人質が どうなっても いいのか』

【 愛 】「くっ・・・」

     『おとなしく なったな・・・ グフグフ』

    オシリの穴に触手が押し当てられる。
【 愛 】「あぁ・・・ あぁ・・・」
      グググググ・・・
【 愛 】「オシリに・・・あぁ・・・ダメ・・・」
      ズヌン
【 愛 】「―――――!? ぅああああっ!?」
      
      『挿入った! 挿入ったぞ グハハハハ』

【 愛 】「くぅ・・・・・・」
    あの太い触手が『加賀野 愛』のオシリに挿入っている!
    とても苦しそうだ。
【 愛 】「はぁはぁはぁ・・・う、うごか・・・ない、で・・・お願い・・・ あぁ!?」
      ズンズン ズンズン ズンズン
【 愛 】「うあっ くぅう いや ぐぅう ぁああっ」
    化け物の触手は容赦なく『加賀野 愛』のオシリを責め続けている。
【 愛 】「がぁ ぐぅう ふう・・・・・・はぁ・・・・ん・・・」
    うん?
    どうも声が苦悶から変わってきているみたい。
【 愛 】「んんっ・・・はぁ ふぅ はぁはぁはぁ ふん ふぅあああぁ・・・」
      ズニュン ズニュン ニュル ニュルル ニュルン
【 愛 】「ダメ、オシリが・・・ど、して・・・―――-んん・・・」
      グニュルル グニュン グニュン
【 愛 】「中を、かきまわさ、ない、で・・・ああっ、そんなのダメ、ダメ くぅん」
      
     『どうじゃ 尻の穴は? グフグフ 尻の穴で 感じるとは この変態娘が』

【 愛 】「違う、違う・・・私は、私は・・・んあああん あん ダメ オシリが
    オシリが・・・ダメ、ぃやあ・・・感じちゃダメ、ダメなのにぃ・・・」
      
359瞳 vs アイ:02/08/18 15:13 ID:oS8OKmRw
      『違わん お前は 尻の穴で 感じる へ、変態娘なんじゃ』

【 愛 】「違う・・・んんっ 違う、の・・・ ああああ、ふぅふぅ・・・ふぁああっ」

      『グフグフ、フフフ その乱れた姿を 秋俊くんが 見たら どう思うかな?』

【 愛 】「!!!?」
     
      『グゥオオオゥ! 締まる 締まるぞ グフフフ たまらん締まりじゃ』
 
【 愛 】「あ、秋俊・・・ぃや! 秋俊のコトは言わないでぇ」
    秋俊? 秋俊って誰のこと?

      『お前のことを、その汚れた 身体ごと 愛してくれた、秋俊くんが 見ていたら 悲しむじゃろうな グワハハハ』

【 愛 】「秋俊は・・・はぁん そんなコトない、ふぅあああん ダメぇ・・・んんんっ」
    どうやら秋俊くん、というのは『加賀野 愛』の恋人? なのかしら。
【 愛 】「秋俊・・・秋俊、ぅあ、ゴメンなさい くぅん ダメ、こんなの・・・あぁ 
    もう、ダメ・・・オシリが、あぁん、気持ちイイ、の・・・どうして・・・  
    はぁ・・・秋俊、秋俊ぃ・・・ゴメンなさい・・・私、わたしぃ・・・もうダメ
    なのぉ・・・くぅう ああああん」
    
    もう・・・イかされるも時間の問題だろう。
    この状況からどうするか・・・
    もう一度、『加賀野 愛』を見た。
    泣いていた。    
    悲しみか、それとも快楽の為なのかわからないが、涙を流していた。
    しかし、その顔は下を向くことなく、私の方に向いている。
    あっ・・・
    目があった。
    でも『加賀野 愛』のほうから顔をそらし、化け物のほうへ向けた。

【 愛 】「もう、ダメ・・・ぅん、ダメなんです・・・お願い もっと、もっとオシリに
    ふぁぁぁん、ください あんあん、イイ、オシリがイイの」
360瞳 vs アイ:02/08/18 15:16 ID:oS8OKmRw
     『そうか、そうか 尻がいいのか グフグフ よし もっと 責めてやるぞ』

     グニュニュニュ グニュン グニュン 
【 愛 】「うああっ そんなに・・・イイ、イイ、オシリでイッちゃう。
    やっ、 やっぱりダメ・・・オシリでなんて・・・うあっ、くう・・・
    ダメ、ダメ・・・秋俊、秋俊ぃ・・・ぐぅ、んぁ、はぅん、オシリが・・・
    オシリがぁ・・・ こんな、こんなの・・・はぁうん、くぅう・・・」

    私は木に刺さった鎌を見ながら考えた・・・
    これは私を信じてくれた、と取って良いのだろうか?
     ・
     ・
     ・
    考えるだけ無駄よね。
    私は鎌を手にとって木から抜いた。
    軽い・・・何、この軽さは?
    いったいナニでできているの!?

    駄目駄目、そんなコトを考えている状況じゃないでしょ。
【 瞳 】「それじゃあ、加賀野さんの期待に答えるとしましょうか」
    私は化け物の背後にまわる為に、その場を離れた。
【 瞳 】「あと、ちょっとだけガンバって」
     
【 愛 】「あぁ・・・ダメ、ダメェ・・・でも、オシリが、うぅ・・・ふああああん
    イイ・・・オシリが・・・オシリでイッちゃう、イッちゃうよぅ・・・
    あっ、あっあっあっあっ・・・もうダメ・・・ふぁぁあああんんんんん」
     
     『グぅぅぅぅぅゥゥゥゥ』

     ドキュ ドキュ ドクン ドピュ

     『うううぅ・・・ お前の 尻は 最高じゃあ』

【 愛 】「う・・・うぅぅ ぐず、ぐず、すん」

     『抜かずの 2回目に 突入じゃあ 今度は ワシの体全部でな・・・』
361瞳 vs アイ:02/08/18 15:18 ID:oS8OKmRw
【 愛 】「いや・・・もう、やめて・・・お願い・・・」
     
      『こいつは 邪魔だ な』
    
     グニュルルル
    人質にされていた少女が化け物の体内から排出された!
    でも身体中に触手が絡みついている。
    アレを何とかするのが私の役目ね。

      『そーら こっちに こい』

【 愛 】「いやぁーーーっ」
     ギュポン
    変な音をだしながら、化け物は加賀野さんを自分の体の中に埋め込んだ。
【 愛 】「いやー いやいや、いやー」
    本当にイヤそうだ。
    ゴメンね、もうちょっとだけガンバって。

      『どうじゃ ワシの 体の中は 気持ちイイ じゃろう グフグフ』

    いまだ!
    私は鎌を手にし、化け物に向かって走った。
    チャンスは一回だけ!
    たぶん、この化け物は私じゃあ、倒せない。
    だから狙いは・・・
【 瞳 】「うおぉぉぉぉぉぉ!」
      バシュ バシュ バシュ バシュ バシュ
    少女に絡みついていた触手を全部切断した。
【 瞳 】「よし!」
 
      『ぐおおおぉぉぉぉ 貴様 どこから あらわれたー!?』

【 瞳 】「加賀野さん!!」
【 愛 】「・・・光疾!」
     バシ、バシバシバシッ
    こ、これは雷!!?
362瞳 vs アイ:02/08/18 15:22 ID:oS8OKmRw
     『グゥオオオオオオオオオオ!!!!』

【 愛 】「もう・・・一度」
      バシン、バシバシ、バシン

     『ガァ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!』

【 瞳 】「たぁーーっ!」
      ビシュ ピシピシ ビシュ ビシュ
    加賀野さんに絡みついていた触手を切断する。
【 愛 】「あ・・・」
    化け物から開放された加賀野さんが落ちてくる。
【 瞳 】「よっと」
    受け止めた。 ナイスキャッチ。
    ちっちゃいな・・・こんな小さな身体であの化け物の相手を・・・・・・
    加賀野さんの身体を軽く抱きしめる。
やだ、私、なんかヘンだ・・・

     『貴様 殺してやる 殺してやるぞ!』

【 瞳 】「残念ね。 あんたに私を殺すコトはできないわ」

     『なんだと』

【 瞳 】「なぜかって? それはね・・・今から逃げるからよ!」
    二人を両脇に抱えて一目散に逃げる。
    あの化け物は結界を抜けられない・・・と思う。

     『ま、待て 貴様ぁ』

    少し遅れて化け物が追いかけてくる。
    でも、私のほうが速い(普通なら)
  
     『グアアアア 待てぇ まぁーてー』

    誰が待ちますか。
363瞳 vs アイ:02/08/18 15:25 ID:oS8OKmRw
    しかし、二人も抱えているとスピードが出ないわ。
【 瞳 】「あと、すこし・・・」
     
     グオオオオ
 
    うわ!? すぐ後ろで声がする。
【 瞳 】「聞こえない、聞こえない」
    あと10メートル。

     『追いついたぞ ガハハハハ』
    
    駄目か!?

     グギャアアアアアアアアアア!!
    
    おもわず振り向いた。
    化け物の体に加賀野さんの鎌が刺さっている。
【 瞳 】「加賀野さん!?」
    抱えている加賀野さんを見ると鎌を投げたあとのようだ。
【 愛 】「あとは・・・・・・」
    そう言って意識を失ってしまった。
     
     『ゴアアアアア 殺す 貴様ら 殺してやる』

    化け物は鎌を抜こうとしているが、深く刺さっているために抜くことが
    出来ないようだ。
    
    化け物から目を離さずに後退しながら、結界を越える。
    もう、化け物の姿は見えないし、声もしない。
    でも、化け物の声が耳から離れない。
【 瞳 】「待っていなさい、必ず倒してみせるから!」
 
                                   
                                       第二話 了
364触手FF:02/08/18 15:34 ID:oS8OKmRw
自己満足SSと化しています。
こんなの続けていいのやら・・・

予定では、あと1回で終了です。
この二人をレズらせるべきか、それとも無しで
最終決戦へ突入するか・・・
ご意見いただきたいです。

書くな?
それもイイかなぁ・・・・・・
365瀧火 ◆IOTwsxAI :02/08/18 20:55 ID:YvxL2iiy
すごく(・∀・)イイ!
次が早くみたい!
俺としては最終決戦が見てみたいです。
366 ◆bachTUOI :02/08/18 21:18 ID:WipaAnnP
是非書いてください
(;´Д`)…ハァハァ
367今 水夏やってて思いついた。:02/08/20 13:23 ID:uxiLfqV+
宏「あーあー、鬼瓦ズンド子だった」
 ぼぐぅぅぅっ!
宏「…すいません、カコでした…」
華子「名前は正確に言わないとね」
 そう言って華子は俺を睨みつけた。
 …ぼたぼた。
 …ぼたぼた。
宏「鼻血が…」
華子「ホラ、ハンカチ持ってるんでしょ、血を拭くから貸しなさいよ」
宏「いいよ、別に。自分で拭くから」
 グーで殴った張本人が拭いてあげるもないだろう。
華子「はぁ? なに言ってるのよ。手についた血がとれなくなっちゃうでしょ?」
宏「……」
お嬢「……」
メデス「……」
華子「ホラ、早く出しなさいよ、もう!」
 …ぼたぼた。
 結局、最後まで俺の鼻血は無視され、華子の愚痴を聞かされているうちに自然と止まってしまった。
メデス「お嬢、稲葉にお嬢が見えるのは、以外と別に原因があるのかも知れませんぞ?」
368名無しさん@初回限定:02/08/21 03:09 ID:aKS8VGk8
>触手FFさん
続きを禿しくキボンヌ!
できれば最終決戦が読みたいでつ。
369名無しさん@初回限定:02/08/22 01:05 ID:3vL1mrFc
自分は、最終決戦も見たいが、レズも見たいです。触手FFさんにお任せ。
370名無しさん@初回限定:02/08/25 14:49 ID:f7h61Lek
保守age
371名無しさん@初回限定:02/08/27 18:59 ID:cGQ9Atoh
保守
372名無しさん@初回限定:02/08/27 19:01 ID:TYWJuFSO
373名無しさん@初回限定:02/08/27 19:12 ID:h5elg/aw
374名無しさん@初回限定:02/08/29 06:09 ID:N/RW/uV9
身障の下の世話ねぇ

奇麗事なあらすじ
「僕」は大学浪人中の18歳で予備校は夏期休暇に入っている。
「千絵」は「僕」の隣の部屋に住む5年生の女の子で、
「僕」を隣のお兄ちゃんとして慕っていた。しかしその「千絵」は
水泳の授業中に溺れて昏睡状態に陥る。病院に入院し治療を続けた結果、
脳は医学的には問題なく回復し、自立呼吸も行えるがなぜか目を覚まさない。
「千絵」の父方の祖父が危篤で倒れ、「千絵」の両親は父の実家に向かうことになり、
「僕」はその間「千絵」の介護を買って出る。


僕と千絵だけが病院の個室に残された。
千絵は不釣り合いに大きいベッドに横たわり、すやすやと寝息を立てていた。
千絵の両親は父方の祖父の法事であと二、三日は戻らないだろう。

僕は千絵の両親の苦労をよく知っているつもりだった。
その苦労を厭う様子を微塵も見せなかったことが、
彼らが千絵を愛していることのなによりの証拠だった。

だから彼らが家を空けるとき、僕はつい千絵の看護を申し出てしまった。
僕は千絵が病気になる前の唯一の幼馴染だったし、
千絵は親を除いては僕と僕の母以外にひどく人見知りをする性格だったからだ。
さすがに冗談に受け取るだろうと僕は思ったのだが、
彼女の母親はふたつ返事で僕の提案を聞き入れてしまった。

とはいえ、彼女は基本的に寝たままだったから、
いざ千絵の世話をすると言っても、僕の出来ることと言えば
彼女が目を覚ましたときの対処と下の世話だった。
375名無しさん@初回限定:02/08/29 06:09 ID:N/RW/uV9
下の世話。

その相手が老人なら普通に介護をするまでの話だが、
目の前で眠っているのはまだ初等教育も終えていない女の子だ。
下の世話まで僕に本気で任せた千絵の母親は一体なにを考えているのだ?
改めて僕の今の状況を考え直すと、これがかなり特殊な場合に属することは
間違いない。
僕は椅子に座ってしばらく彼女の寝顔を眺めていた。


布のこすれる音がして目が覚めた。
ベッドに突っ伏して居眠りしてしまったらしい。
千絵を見ると、渋い顔をして下半身をそわそわと動かしていた。
鼻にわずかに尿の臭いを感じた。
おそらく排尿したのだろう。このままにしておくわけにはいかない。
千絵の母親は看護婦にやらせればいいと言っていたが、さて…

1.看護婦を呼ぶ
2.自分でやる
376名無しさん@初回限定:02/08/29 06:10 ID:N/RW/uV9
1.看護婦を呼ぶ

僕はナースコールのボタンを押した。
いくらなんでも、僕が彼女のおむつを換えるなんて…
程なく天井のスピーカーから応答がある。
「どうしました?」
若そうな声だった。
「あ、えーと…」
おむつを取り替えてくださいなんて言うのか?
僕はストレートにいうのに躊躇して、
「ちょっと、来てもらえますか」
誤魔化すように言ってしまった。
「わかりましたー」
スピーカーからスイッチの切れる音がする。
程なく個室のドアが開き、さっき応対した看護婦が入ってくる。
「どうしました?」
まだ20代半ばくらいの若い看護婦だった。
「え、えーと、おしっこしちゃったみたいなんです」
「おむつを交換するのね?」
「そうですね」
こころなしか看護婦の眉に皺が寄ったように見えた。
「あのですねー、私たちも暇を持て余しているわけじゃないんです。
おむつの交換は介護している方がいる場合、その方にお願いすることになってます」
「す、すみません。でも…」
僕はその強い語調に反射的に謝ってしまう。
「お兄さん、取り替え方がわからないんですか?」
看護婦は僕を千絵の兄を勘違いしているようだった。
「それなら今から私が説明しますのでちゃんと覚えてくださいね」
そう言うなり看護婦は千絵の毛布を取ってから、パジャマのパンツを手際よく脱がせる。
377名無しさん@初回限定:02/08/29 06:10 ID:N/RW/uV9
下半身がおむつだけになったところで看護婦は千絵の腿を取り、脚を適当に開かせる。
「まったくどうして寝巻きじゃなくてパジャマなのかしらね…。お兄さん? 
ちゃんと見ていてくださいね?」
そういうと看護婦は千絵の腰の両脇に手をやる。
千絵は特に表情を変えず、少し渋い表情のまま眠っていた。
「腰の両脇で止めてあるテープを取って、前の部分を手前にめくり、尿取りパッド
をとります」
そう言って看護婦はおむつをはずすと、見えたのは千絵の
どこまでも白くて綺麗な肌。腿の付け根には小さな筋が一本走っていて、
それを覆うものは何も無かった。
「そうしたら、蒸しタオルでここを拭きます」
そう言って看護婦は彼女の股をタオルでなぞる。
何度かタオルを往復させると千絵が声を漏らしたような気がした。
「それで、おしっこだけの場合はこの尿パッドだけを取り替えます。おしっこを吸った
パッドを取って、新しいパッドをずれないように適当な位置にセットします」
僕はその綺麗な縦筋とその奥の淡いピンク色のものから目が離せなかった。
「セットしたら同じ手順を逆にたどります。両脇のテープを止めておしまい。
……ちょっと聞いてます?」
僕は思わずはっとして看護婦と目を合わせる。
「は、はい。多分なんとかなると思います」
なんて頓珍漢な返事だろう。
「大きい方の場合はおむつごと取り替えますが、それはおむつの袋に書いてあるから
それを見てくださいね、いちいちおむつの交換で呼ばれては困ります」
「わ、わかりました」
「それじゃ、お兄さん、私がやった手順でもう一度やってください」
378名無しさん@初回限定:02/08/29 06:11 ID:P445sjIo
「え?」
「一応コツというのがありますから、少しは慣れていただかないと」
「はあ……」
「それじゃ、どうぞ」
僕は看護婦がしたのと同じようにおむつの両脇をとめるテープを外す。
めくりあげてパッドを取ると、さっき見たのと同じ千絵の綺麗なスリットが見える。
また思わず動きが止まってしまった。
「あまりモタモタしてると下半身を冷やしてしまいますよ?」
看護婦に釘を刺され、僕はなんとも言えない気分になる。
僕は蒸しタオルを手に取り彼女の股を拭く。
「かぶれないように拭く…と」
そうつぶやいて何度か往復させる・
「……ん、あっ!」
思わず千絵が甘い声を漏らした。
「そんなに強く拭かなくていいんですっ!」
看護婦からツッコミが入る。
だが僕の手はなぜか止まらなかった。
僕は力を抜くことなくさらにタオルを何度も往復させた。
「んっ! んんっ!」
すこし千絵の体がこわばったと思うと、彼女のスリットから
「ぷしゃあぁぁ……」
おしっこが溢れておむつを濡らした。
僕は千絵が最後まで出し切るのをじっと見ていたが、
看護婦は僕からタオルを取って千絵と僕の間に割り入り、
苦い顔をして僕を睨みつけて言った。
「もう、そんなに強く拭かないでいいんですって言ってるじゃないですか!」
千絵のおしっこはおむつとシーツを濡らして、個室はその匂いで満ちていた。
379名無しさん@初回限定:02/08/30 05:30 ID:q0bV6nAY
……やっぱり漏れにはのしいかがお似合いでつか…
380名無しさん@初回限定:02/09/01 15:06 ID:eeNkUcZ6
ブラボー!
381名無しさん@初回限定:02/09/05 22:34 ID:AmIfe1o8
                ____
       __ , -―″ ̄ \ ヾ ̄\
     / /     /`   \ ヽ  ヽ
    '/   / // / .|    \ア  ヽ
    /  ´ / イ | | | | | ヽ .\  l
   / /  t / | i| | |  | |゜ ヽ\ ヽ |
   i /i  イ /_f_ '’t |士_/| |\ ヾ ツ|   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   `' ヾ| ゜-|i1   'アフ'ー/  \|`ノ |  / 乃絵美でガッツも、
        /ノ ,     ̄ //  ノ   ソ <  魔薬SSもたくろうの災難も、
        / \ っ  "∠/  //  /   \ 続きはもう読めないんでしょうか…
       / /ノ \_  / / // /     \______________
      i /t'      | //T リ| /
 ハァ   `' /   /|   />、
      /  ζ⌒只⌒ア´  \
ζ⌒ヽ //   〉イ || ト〈    /\
(   ´ ノ   | ノ_/|__|   /   ヽ
382名無しさん@初回限定:02/09/07 02:15 ID:kZIET0l2
2.自分でやる
は主人公が電波飛ばしちゃったので中断してもうた。
383名無しさん@初回限定:02/09/07 15:52 ID:y4MCr4fh
補完サイトも見れないね
384おしらせ上げ:02/09/09 01:27 ID:wAjg0bRF
ほんとだ。
残念ナリね。
>>383
 うぁ、マジっす。
すみません。明日中には復活させますので
386名無しさん@初回限定:02/09/09 02:18 ID:O6lirBXk
>378
ブラボー!
387名無しさん@初回限定:02/09/09 04:24 ID:LyILI9au
>>385
おっつ〜、です
388名無しさん@初回限定:02/09/09 17:10 ID:MxN1iIT3
復帰できたか?
389名無しさん@初回限定:02/09/09 17:13 ID:MxN1iIT3
おぉ!
ちゃんと書き込める。
一時はどうなるものかと思った。
http://members.tripod.co.jp/svssav/
 保管サイト、取り急ぎ復活です。
早いうちに新作分の更新もします。

……しかし、昼はえらいことになってたみたいで。
よく生き残ったなぁ。
391名無しさん@初回限定:02/09/10 07:58 ID:IZqJ/2L8
良かった、良かった。御苦労様です。
392名無しさん@初回限定:02/09/19 11:27 ID:K2wLkhlz
 
http://members.tripod.co.jp/svssav/
 後れましたが、保管サイトの更新を行いました〜

【新規追加】
末莉育成計画
りばーしぶる瞳日記
SNOW・日和川旭お仕置きSS
水夏SS
メタモル支援SS
身障の下の世話ねぇ

【更新】
瞳 vs アイ

 「身障の下の世話ねぇ 」は一応加えて置きましたけど、オリジナルですか?

 スレ活発化のためにも自分もSS書かねばと思いつつ……
394 :02/09/23 23:58 ID:f1uHL/Wo
test
395なぎさちゃん日記 一日目:02/09/24 00:05 ID:469SHgiG
あたしの名前はなぎさ。
今、目が覚めたばかり。
あたしの目の前には、太った男が座っている。
そいつはあたしをいやらしい目つきで凝視していた。

「お兄ちゃん、ひさしぶり!」
あたしは満面の笑みを浮かべ、そいつに話しかけた。
いや、あたしの意志は話したくなかったのだが、口が勝手に喋ったのだ。
そいつはマウスをクリックして、会話を進める。

「あたし、幼なじみのなぎさよ。」
「あたし、お兄ちゃんのメイドになりにきたんだよ。」
「ほかに行くところがないの、ここに居させて。」
さっきと同じように、あたしの意志とは関係なく、あたしはそいつに話しかけていく。
そいつはマウスをクリックして、話に答えていく。

どうやら、あたしは”メイド天国”というゲームの登場人物らしい。
そして、目の前にいるこいつはそのゲームを遊んでいるプレイヤーだ。
このゲームでは、プレイヤーは自分の操作するキャラクターの名前を設定できる。
こいつは、自分のキャラクターに”S”という名前を付けていた。
実名プレイというやつだろう。
396なぎさちゃん日記 一日目:02/09/24 00:07 ID:469SHgiG
あたしの意志は確かに”ここ”に存在する。
だが、あたしの体はあたしの意志を無視して動いている。
あたしの体を動かしているのは”プログラム”だ。
あたしはゲームのプログラム通りに動き、喋る。

あたしはSと不本意な会話を続けた。
あたしは幼なじみのお兄ちゃん(S)に憧れていて、そのお兄ちゃんの嗜好に合わせてメイドになったらしい。
そして、今そのお兄ちゃんの部屋に押し掛けてきたところだ。

「あたし、初めてはお兄ちゃんと決めてたから...」
ゲームのあたしが言う。
こいつとか!?
目の前にいる、この男とか!?
Sという男をあたしは改めて見た。
年齢は30近くだろうか、太っていて、眼鏡をかけている。
髪の毛はだらしなく伸びていて、むさ苦しいことこの上ない。
肌にはブツブツがたくさんあって、女なら誰でも触るどころか、近くに寄ることさえ躊躇うような汚さだ。
なにより、この目つき。
上手く言えないが、とにかく怖気立ついやらしさだ。
397なぎさちゃん日記 一日目:02/09/24 00:08 ID:469SHgiG
そんなあたしの意志はやはり無視されて、話は勝手に進んでいく。
あたしはお兄ちゃんにしがみつき、お兄ちゃんはあたしにキスをしてきた。
それを、あたしは嬉しくないのに、喜びの言葉で返す。
Sがコマンドを選ぶと、あたしは服を脱がされた。
その後も、あたしの意志とは関係なく事が始まった。
肉体的な痛みは無かった。
だが、精神的には酷い苦痛だった。
例えるなら、自分が昔、強姦されているビデオを見させられた女性の気持ちといったあたりだろうか。
あたしはSに処女をあげて喜んでいる自分を屈辱的な気持ちで眺めていた。

「しあわせだよ。なぎさ、今までで一番しあわせだよ...。」

心にもないセリフをあたしはプログラムに従って喋った。
それをSは嬉しそうに聞いていた。
398名無しさん@初回限定:02/09/25 00:27 ID:n1GEHokm
更新が止まったからといって無断転載をしていいっていう道理はない、悔い改めろ
399名無しさん@初回限定:02/09/25 10:22 ID:ubTUICL+
ん? コレって無断転載なのか?
割と面白いネタだと思ったけど。
400名無しさん@初回限定:02/09/25 11:33 ID:n1GEHokm
ttp://www.zephyr.dti.ne.jp/~shiyougo/xyzindex.html

ここの「MAID IN HEAVEN」から
401399:02/09/25 11:56 ID:WYIfl4u7
>400
あ、ホントだ。ほぼそのまんまパクッてるね。469SHgiGは芸がないな。

しかしそのサイトって日記サイトなんだか妄想小説サイトなんだか謎だな。
面白いからいいけど。
402触手FF:02/09/25 17:55 ID:SrixJtTW
レズは無理だった・・・
エロも入らない・・・

私の脳内オナニーSSになってしまってます。

イイのだろうか?
こんなんで・・・・・・
403名無しさん@初回限定:02/10/01 14:31 ID:Vtxjmwlw
保守
404瞳 vs アイ:02/10/02 17:55 ID:aHjolhDA
第三話 『 決戦前 』

【 瞳 】「よっ・・・と」
     女生徒の身体を持ち上げて、ベッドに寝かせた。
【 瞳 】「ふぅ・・・これで良いわね」
     女生徒の身体を洗い、寝巻きに着替えさせるのに一苦労だ。
【 瞳 】「な〜んで、私一人でやらなくちゃなんないのかしら」
     加賀野さんは女生徒の記憶を操作(って、本当にできているのかしら?)をしたら
     後の事はぜ〜〜んぶ押し付けられてしまった。
【 瞳 】「まあ・・・仕方が無いか。 彼女、けっこう落ち込んでいたようだし・・・」
     化け物から逃げたあと、加賀野さんの部屋へ行き、加賀野さんの意識がもどってから
     これまでの経緯を聞いたのだが、終始うつむいていて話すことも辛そうだった。
     あんなコトをされた後だと、ダメージが残っているだろうし・・・
     たぶん、一人になる時間がほしかったんだと思う。
  
【 瞳 】「しかし、加賀野さんが異世界からやってきた戦士で、こっちで発生した化け物・・・
    『ゆらぎ』だったけ? と、戦っているって言われてもねー」 
    
―――――――――――――――――――――――――――

     バタン、と部屋の扉が閉じられる。
     たったいま、『天王寺 瞳』が女生徒を抱きかかえて退室をした。
     この部屋にいるのは私(加賀野 愛)だけ・・・
【 愛 】「どうしちゃったんだろう・・・私は・・・・・・」
     おかしい。
     あんな雑魚にどうしてここまで手間取る?
     最初の戦闘のときは本体ではなかったし、『天王寺 瞳』という部外者があった為
     しかたがないコトだったが今日の戦闘は酷すぎる。 
     なんという体たらくだ。
     人質を捕られて盾にされたくらいで攻撃を止めてしまうなんて、以前の私だったら
     ありえない。
405瞳 vs アイ:02/10/02 17:59 ID:aHjolhDA
     それに・・・
     『ゆらぎ』に襲われただけなのに
     こんなコト、今までにだって何度もあったコトなのに
     どうしてこんなにもツライんだろう・・・
     視線をベッドに向ける。
     そこには・・・
【 愛 】「・・・・・・ベーチュくん」
     べーチュくんを見つめていると、ある想いで胸がしめつけられる。
     あのとき、秋俊は汚された私の身体を受け入れてくれたけれど
     今日の私の痴態をどう思うだろう。
【 愛 】「・・・・・・」
     『ゆらぎ』に犯されて感じてしまった自分が許せない。
     この身体は秋俊だけ、秋俊だけにしか触れてほしくないのに・・・
【 愛 】「私は・・・弱くなった」
     こんなコトで悩むなんて秋俊に出会うまではなかった。
     私たち戦士は『向こう側の世界』に侵入する『ゆらぎ』を倒すこと為だけに存在する。
     『ゆらぎ』と戦い、そのうえで身体を汚されようとも、それが『ゆらぎ』を倒す為なら些細な出来事だ。
     それなのに、いまの私は汚されることを怖れている。
【 愛 】「こんなんじゃ戦士失格ね・・・」
     メグ姉さま。
     いますぐメグ姉さまに会いたい。
     私の話しを聞いてほしい。
     そして、この不安を取り除いてほしい。
     
     出来ない話だ。
     メグ姉さまに会うには、この一件を片付けて向こうの世界に戻るしかない。
     いまの私を見てメグ姉さまはナンて言うだろう・・・
406瞳 vs アイ:02/10/02 18:03 ID:aHjolhDA
【 愛 】「ベーチュくん・・・」    
     ベッドの上のベーチュくんを持ち上げた。
【 愛 】「秋俊のせいだ。 秋俊と出会って私はこんなに弱くなった。 秋俊と出会わなけ
    れば、こんな想いで苦しむコトもなかったのに・・・嫌い、秋俊なんて大きらい!」
     そう言ってベーチュくんを壁に投げつける。

      ボフッ

     壁に当たって床に落ちる。
     しばらく床に落ちたベーチュくんを見つめていた。
      ・
      ・
      ・
【 愛 】「ベーチュくんにあたってもしようがないのに・・・」
     床に転がっているべーチュくんを持ち上げて、そのまま胸に抱く。
【 愛 】「ごめんね、痛かったでしょ・・・」
     さらに強く抱きしめた。
【 愛 】「・・・会いたい。 秋俊に会いたい・・・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――

    入りにくいな・・・
    聞くつもりはなかったんだけど戻ってくるのが少し早かったみたい。
【 瞳 】「秋俊くん、か・・・」
     好きな人がいるのにあんな目にあったら、落ち込んじゃうのもしようがない。
     こればっかりは慣れとかの問題じゃないし・・・
407瞳 vs アイ:02/10/02 18:07 ID:aHjolhDA
      コン コン

     ドアをノックした。
【 瞳 】「加賀野さん、入ってもいいかしら」
     少し間があいてから
【 愛 】「・・・どうぞ」
     と、返事が返ってきた。
     今の加賀野さんの精神状態が反映されているのか、聞き取れないほど声が小さい。 
【 瞳 】「入るわよ」
     入室すると制服姿の加賀野さんがこちらを向いて立っていた、が・・・
     あちゃ〜〜、私が出て行く前よりダメダメ状態だわ。
     ナンていうか目が死んじゃってる。
     こんなんじゃ戦えないわ。 たとえ戦えても確実に負ける。
     普段はどうなのか知らないけれど意識の切り替えが出来ていないみたい。
     やっぱり秋俊くんの名前がでたのがこたえているのかしら・・・

     ふぅ、ここは先生らしいコトでもしてみましょうか。
     仮にも教師なんだし(笑)
     よし!
【 瞳 】「まだお礼を言ってなかったわね。 昨日は助けてくれてありがとう。 おがげで
    助かったわ」
【 愛 】「べつに・・・助けたつもりはない」
     ぐっ・・・そうきたか。
【 瞳 】「それでも助かったのに変りないわ。 ありがとう」
【 愛 】「ゆらぎを片付けただけ・・・あなたは、たまたま・・・」
【 瞳 】「たまたま・・・ね。 それと人質になっていた女の子を助けてくれてありがとう」
【 愛 】「あ、あれは・・・」
【 瞳 】「あれは・・・?」
【 愛 】「あれは、べつに・・・て、敵を油断させる、為に・・・」
【 瞳 】「油断させる為に?」
【 愛 】「だから・・・」
408瞳 vs アイ:02/10/02 18:13 ID:aHjolhDA
     そう言って加賀野さんは押し黙ってしまった。
     どうも加賀野さん自身にも、どうしてあんなコトをしたのかわからないみたい。
【 瞳 】「加賀野さん、あなたが何に悩んでいて、何に苦しんでいるのか、私にはわからない。
    たとえ、わかったとしてもそのことを解消できないし」
【 愛 】「・・・・・・」
     うーん、どうしよう・・・ こんな時は・・・どうする、どうする、どうする・・・ あ〜〜っ、もう!
【 瞳 】「ごめん! やっぱり私にはむいていないわ。
    加賀野さん・・・泣きたいときは泣いていいの」
【 愛 】「・・・泣く?」
【 瞳 】「そう、泣いちゃうの。 泣くことで・・・えーと、ナンだったっけ、えーと・・・
    小難しいことはおいといて、根本的な解決にはならないかもしれないけれど
    落ち込んでいる気分が発散されるわ」
     自分で言っていてナンだけどムチャクチャだ。
     でも、泣いて気分スッキリは実際あるんだし、今回のケースに当てはまるか
     どうかはしらないが・・・
【 愛 】「私はあんな事で泣いたりしない。 そんなこと、許されない」
     ん? さっきより良い反応だ。
     戦士としてのプライドがそうさせるのかしら?
【 瞳 】「でもね、このままだとあの化け物には絶対に勝てない」
【 愛 】「そんなことは・・・ない・・・」
409瞳 vs アイ:02/10/02 18:21 ID:aHjolhDA
【 愛 】「そんなことは・・・ない・・・」
【 瞳 】「そんなこと、あるでしょ!」
     そう言って加賀野さんとの距離を詰める。
     簡単に間合いに入れたので、そのまま加賀野さんの目の前まで接近した。
     そして・・・

      ぐんにょにょ

     加賀野さんの両頬を両手で掴む。
【 瞳 】「全然、隙だらけじゃないの。 こんなのでアイツに勝てるわけないじゃない」
【 愛 】「にゃ、にゃひほふる」
     加賀野さんの反撃がやってくる前に加賀野さんの顔を私の胸に埋め、その頭を抱いた。
【 瞳 】「泣きたいのに泣けないのはツライね・・・だから、戦うために泣いちゃいなさい。
    あの化け物に勝つために、少しでも勝つ確率をあげるために泣くの。
    それだったら、できるでしょう」
【 愛 】「・・・・・・」
     ・・・ダメかな?
     でも、大人しくしているし、もうちょっとだけ・・・あっ!?
     私の腰に加賀野さんの両腕がまわる。
     でも、泣いている様子はないんだけれど・・・
     加賀野さんの頭を撫でる。
     何度も何度も撫でているうちに、かすかに聞き取れるかどうか、かすかに嗚咽が聞こえてくる。
     涙を流さないで、声をあげて泣くこともしないで、でも確かに泣いていた。
     不器用なのね・・・
     いっしょに泣いてあげることは出来ないけれど・・・
     そのかわりに加賀野さんの頭を撫で続けた。
410瞳 vs アイ:02/10/02 18:23 ID:aHjolhDA

      ドルゥン ドッドッドッドッ ドゥイイイイイイイン ドルゥン
     
     チェーンソーが物凄い音を出して刃を回転させる。
【 瞳 】「破壊力だけはありそうだけど・・・加賀野さん、コレってゆらぎに通用する?」
     私の横にいる加賀野さんに聞いてみた。
【 愛 】「だいじょうぶ・・・です。 ゆらぎといっても実体化すれば肉でできていますし、
    まれに表面の硬いゆらぎもいますがアイツにはソレで十分です」
【 瞳 】「肉って・・・そっか、だから加賀野さんの武器はソレなのね」
     そう、加賀野さんの両手には草刈鎌が二本握られていた。
【 瞳 】「でも、そんなのでいいの? チェーンソーまだ余っているわよ」
【 愛 】「かまいません。 私はスピード重視ですからそんな重いモノを使ったら敵に捕まってしまいます」
【 瞳 】「そっか・・・ところで加賀野さん」
【 愛 】「・・・はい」
     私は加賀野さんの顔をジっと見つめた。 
     うん、もう大丈夫。
【 瞳 】「そんなに畏まらなくてもいいわ。 もっと気楽にいきましょう。
    そうね・・・私のことは瞳でいいわ。 その代わり愛ちゃんって呼んでいい?」
【 愛 】「えっ、そっそれは、で、でも・・・」
     可愛い反応するなぁー。
【 愛 】「あ、あの、その」
【 瞳 】「なぁに、愛ちゃん?」
【 愛 】「う・・・その、えっと・・・はい・・・瞳、さん」
【 瞳 】「うん、よろしくね、愛ちゃん」
【 愛 】「・・・はい」
411瞳 vs アイ:02/10/02 18:26 ID:aHjolhDA
【 瞳 】「さてと・・・」
     準備は整った。
     あとは、目の前の結界を越えるだけだ。
【 瞳 】「行きましょうか。 用意はいい、愛ちゃん?」
【 愛 】「はい・・・でも先に渡しておくモノが」
     そう言って愛ちゃんの手が伸びてくる。
     そして私の前でゆっくりと掌をひろげる。
【 瞳 】「なぁに、これ?」 
【 愛 】「籠球です」
【 瞳 】「・・・籠球?」
【 愛 】「・・・うん。 えっと、簡単に言うと爆弾みたいなものです」
【 瞳 】「簡単すぎる説明、ありがと」
     爆弾ねぇ・・・ただのガラス球にしか見えないんだけど。
【 瞳 】「それで、どうやって使うの?」
【 愛 】「ゆらぎに投げつけるだけです」
【 瞳 】「・・・それだけ?」
【 愛 】「・・・・・・」(こくん、と頷く)
     むぅ。
【 愛 】「・・・雑魚なら一発」
     いや、そんなこと言われても・・・
412瞳 vs アイ:02/10/02 18:28 ID:aHjolhDA
【 瞳 】「と、とにかく効果は愛ちゃんの保証付きね」
【 愛 】「・・・」(こくん)
【 瞳 】「あ、でもでもコレを使ったら私達も巻き込まれない?」
【 愛 】「大丈夫・・・ゆらぎだけにしか効果は無いから」
     そんな、都合のいい・・・
【 瞳 】「ありがとう。 でも、なるべくなら使わないでアイツに勝ちたいわね。」
     コレを使うことになるってコトはヤバイ状況だろうから。
     籠球をポケットにしまい準備OK。
【 瞳 】「よし、行くわよ愛ちゃん」
【 愛 】「はい」
    
     そして私達は結界を越えた。
     


                                     第三話 了
413触手FF:02/10/02 18:36 ID:aHjolhDA
エロなしです。
ごめんなさい。 
予定のレズはこんなのになってしまいました。

最終決戦はアイ2をやったので戦闘シーンの
書き直しをしています。
アイたんの使う魔法の種類が増えていたので
それを入れたいな・・・
次でなんとかまとめます。
できればエロも入れたいです。
414名無しさん@初回限定:02/10/02 18:57 ID:KIxW80UX
をぉ、久々新作ッス!
レズじゃないけど、何か学園戦闘青春物(?
っぽくって、イイ感じッすよー

が、アイ2未だシテナイノジャヨー、ギャワー
早速ゲトしてきますので、コンプした頃続きをおながいします(えー
415瀧火 ◆IOTwsxAI :02/10/02 22:30 ID:HxTIvaS9
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━!!!!

アイタンかなり魔法強化されてますからね。
頑張ってください。
416名無しさん@初回限定:02/10/11 18:23 ID:4glrlhf7
ここって、エロゲーのSSなら特に作品は問わないということでいいんでしょうか?
なにか制限あるなら聞きたいのですが・・・
417瀧火 ◆3ZIOTwsxAI :02/10/11 18:46 ID:7oSCdEvU
>416
いいのではないかと・・・
>1に書いてある通りです。
418名無しさん@初回限定:02/10/11 19:47 ID:e7+P3+Uu
ジャンルは制限ない?では月姫なんかは?
419名無しさん@初回限定:02/10/11 21:33 ID:wtG7HBtv
>>418
読みたいです〜
420名無しさん@初回限定:02/10/11 21:58 ID:pVFh/NG1
>>418
月姫は残念ながら板違いになると思いますが
エロ同人板ですかね
421名無しさん@初回限定:02/10/11 23:29 ID:T1ROf9kX
この板で葉鍵のSSどっかで見たし、イイんじゃないかと思うが。
そもそも、エロ同人板はSSスレないハズ。
422名無しさん@初回限定:02/10/11 23:33 ID:T1ROf9kX
補足。
板に月姫のスレを立てるのはマズイという事で、ネタで使うのはOKじゃなかったか?
423需要無視男:02/10/12 21:38 ID:SHhi/ULh
えー………覚えている人がいたら私もビックリですが………
一年程前の一連の糞SSと………最近馬鹿スレに書いたやつとに………
加筆・修正を加えたものを………
10/27、お茶の水損保会館二階大会議室で行われる………
オマエモナ03という2ちゃんねる系同人即売会にて………
販売します………2ndbeatsというサクールの………
有印私文書偽造という本の中に入っています………
炭火焼人風カルボナーラのレシピもついて………三百円ぐらいだと思います………
それでは………
>>418
 私は問題無いと思います。ただ、月姫の場合アンチの荒らしがやってくるおそれが
ありますので、あまり大っぴらに(宣伝とか)したりしないで、sage進行で行った方が
いいかと思います。

……まあ、最近寂れてますし、このまま消え去るよりはと思ったり(w
425名無しさん@初回限定:02/10/13 16:14 ID:AD2CtCcW
ここのSSはエロエロだから良い。

ところでスレの容量限界は500KBくらいですか?
426ヘタレスキー:02/10/15 00:11 ID:RlMHTfjd
萌。スレで内容等のお叱りを受け、このスレを教えてもらいました。
いもうとブルマ後日談「いもうと内職」でお目汚し失礼いたします。
427いもうと内職(1/6):02/10/15 00:24 ID:RlMHTfjd
不断の努力の末、3人ハーレムエンドを勝ち取ったお兄ちゃん。
しかし、不況の波は、彼等の蜜月をあっさりと奪い去っていった…

ちくちく、ちくちく…
「兄ぃ、はい次」
「おう」
ちくちく、ちくちく…
あばら家は静まり返っていた。聞こえるのは、ブルマを縫う微かな衣擦れの音のみ。
1ヶ月前、全財産を失った俺達4兄妹は、逃げるようにこの溝板長屋に転がり込んだ。
そして、ブルマ縫いの内職で糊口をしのいでいる。

「お兄ちゃん、今日はこのくらいにしたら?」
臥せっていた彩が身を起こしてきた。
「駄目だよ、寝てなくちゃ。治るものも治らなくなるよ」
「でも…」
彼女とて、働かないと今日の米すら買えない家計の事情を知らないわけじゃない。
だからこそ、何もできない自分が歯がゆいのだ。
「あと50枚でお終いだから、心配いらないよ」
俺は笑顔でそう言い、彩を床につかせた。

ちくちく、ちくちく…

「お兄たん。ななる、やっぱりあの誘い…受けようと思うんだ」
あと5枚という所まで作業をこなした時、ななるがそう言ってきた。
「お前…何をするかわかって言ってるのか?」
「うん…お兄たんにしていたような事を、色んな人にすればいいんだよね」
真剣な瞳の奈々瑠。この状況を打破するための、それは選択肢の一つ。でも…
「ボクも…いいよ、兄ぃ。それでお金がいっぱい稼げるなら…」
それまで黙っていた千夏だったが、どうやら奈々瑠の意見に賛成のようだ。
もう、なりふり構っていられないのかもしれない…
428いもうと内職(2/6):02/10/15 00:30 ID:RlMHTfjd
工事は次の日から始まった。
溝板長屋は全て買収され、次々と資材が搬入されていく。
派手なネオンのついた看板や、極彩色に塗られたトタン…
瞬く間に店舗が組まれていった。

「そろそろ完成のようですな」
後ろから声をかけられた。顔は見なくても誰だか分かる。
この話を持ちかけた男…名前を出せば、誰でも知っている金融会社の社長だ。
「そんなに怖い顔をしないでもらいたい。これは善意なのですよ」
「何が…!!」
「長屋の買収および改築費用、店の運転資金、それらはこっち持ち。妹さん達の稼ぎは全て借金返済と
 生活費にあてることができる。こんなおいしい話、他にはありませんよ?」
「くっ…」
「同じ趣味を持つ者として、あなたを放っておけなかったんでね…」
下卑た笑いを浮かべる社長。俺は何も言い返せなかった…


「兄ぃ、いよいよ開店だね」
「こっちも準備できてるよ」
控え室に着替えた千夏と奈々瑠がやってきた。覚悟は…できているらしい。
「そ、そんな顔しないでよお兄たん。これは奈々瑠達が言い出した事なんだから」
「そうだよ兄ぃ。…別に取って食われる訳でもないんだし」
気丈にも、二人は俺を勇気づけてくれる。でもその優しさが、今の俺にはつらい。
「千夏さん、奈々瑠さん、お客様入りました。スタンバってください!」
死刑宣告にも等しいアナウンスが響き渡る。
千夏は大きく深呼吸をし、両手で頬をぱーんとはたいた。
奈々瑠は壁掛けの鏡に写る自分に向かって「いらっしゃいませ」と笑顔を作った。
…それは、何かと決別する為の…儀式だったのかもしれない。
「「じゃあ、行ってきます」」
客の待つ店内に向かう二人に、俺は「…いってらっしゃい」としか言えなかった。
429いもうと内職(3/6):02/10/15 00:35 ID:RlMHTfjd
(2日目)
店の営業時間中、ずっと店のトイレに篭る。ここなら何も見えない。聞こえない。
(4日目)
千夏と奈々瑠が俺を求めてきた。が、彩の手前もあり断ることに。そういえば久しくしていない。
(7日目)
近くのアパートに引っ越す。これでトイレに篭ることもなくなる。嬉しかった。
(10日目)
夜遅く、妹たちが帰ってきた。寝たふりをする。
俺が作っておいた夜食を食べてるらしく、台所から話し声が聞こえてきた。
「○○さん、今日は結構長かったんだ。明日会議あるとか言ってたのに、大丈夫かな」
「へー」
「そっちはどうだった?」
「××さん…ロングで指名してくれるのは嬉しいんだけど、タフなのよ〜。もうへっとへと」
…耳を引き千切りたくなった。

(20日目)
社長に呼び出されて事務所へ。定期報告とやらをしたいとのこと。
「妹さん達の人気は上々です。再来週まで予約で一杯になってますよ」
社長は上機嫌だ。今なら、聞けるかも…?
「あの、行き過ぎた行為は…させてないですよね?」
「もちろん。万が一の時には、部下が客を取り押さえます。そういう約束でしたから」
ほっとした。と同時に沸き立つ疑問。
「ど…どうやって、そのっ、「万が一」を判断するんですか?」
尋ねると、社長は机の引き出しからビデオテープを取り出した。
「監視カメラ…どこでもやってますよ。女の子のサービス内容も査定できますしね…見ますか?」
俺の返事を待たず、社長はテープをデッキに挿入した。


…モニターの中の妹達は、俺だけにしか見せなかった顔、姿を知らない男に晒している…

食い入る様に見入るった。涙は、不思議と出なかった。
430いもうと内職(4/6):02/10/15 00:38 ID:RlMHTfjd
「「「おめでとーっ!!」」」
いち、にの、さんで、三人同時にクラッカーを鳴らす。
「だ、駄目だよみんな、お隣さんに迷惑だよ…」
困った顔の彩。案の定、隣から「うるせぇー!」と怒鳴られたが無視することにする。
何たって今日は「彩ちゃん元気になったぞ記念パーティー」なんだから。

あれから三ヶ月。生活環境、食生活の改善もあってか、彩は何とか以前の状態まで回復した。
それもこれも、千夏と奈々瑠が頑張ってくれたおかげだ。
豪華な料理。笑顔の妹達。ついこの間までの赤貧が嘘のような、楽しい一時…

…だがそれも…
「ところでお兄ちゃん、生活費はどうしているの?」
…彩の一言によって、唐突に終わった…

「あ、あなた達…そんな…そんな事をしてお金を稼いでいたのっ…?」
一通り説明し終えると、彩は愕然となった。まぁ…そりゃそうだよな…
「や、やっだなぁ、ボクは大丈夫だって。慣れてきたしっ!」
「な、奈々瑠だって平気だよ。お客さん、みんないい人だしっ!」
しどろもどろな二人のフォロー(になってないが)に、とうとう彩がキれた。
「おおお兄ちゃんっっっ!!!」
「はいぃっ!!」
彩に正面から睨み付けられる。こ、怖すぎる。こんなに怒ってる彩は初めてだ。
「どうしてお兄ちゃんは反対しなかったのっ!?」
「そ、それは…」
…そうだ。俺は反対しなかった。二人の意志は確認したものの、あの時俺は…反対しなかった。
貧乏から、借金地獄から抜け出る最良の方法。高収入な仕事。
それは男には難しく、女には容易い仕事。適材適所。…そんな、自分勝手な、納得…
「はぁっ…」
彩は俯き、溜息を付いた。俺には…かける言葉も無い。

どれくらい沈黙が続いただろう。急に彩が顔を上げ、俺の目を真っ直ぐに見つめながら告げた。
「私も…私も、そのお店で働く…!」…と。
431いもうと内職(5/6):02/10/15 00:57 ID:RlMHTfjd
「ほう、彩さんも店で働きたいと」
次の日、俺は社長の事務所に向かった。勿論説得してもらうためだ。
病弱な彩をこんな店で働かせるなんて…できない。
「こりゃあ素晴らしい!」
「そうじゃなくて、止めて欲しいんです!店の所有者のあなたが拒否すれば、彩だって諦めるはず…」
「彩さんが病弱だからですか?じゃあ週一しか店に出ない謎のプリンセスってことにしませんか?」
こ、この野郎…とんでもない事をいいだしやがった!
「回数の問題じゃなくて!あんた、俺の言ってること、わかってんのか!?」
「うーん、きっと人気出るだろうなー…」
駄目だ。こいつ乗り気だ。くそっ、こうなったら、力ずくでも…!
正に殴りかかろうとしたその時、社長の言った言葉が、俺の脳天を打ち据えた。

「千夏さんと奈々瑠さんはよくて、彩さんは駄目…それで妹さん達は本当に納得するでしょうか?」

「…!」
俺は、一言も言い返せなかった…
優しい千夏と奈々瑠のことだ、それでも構わないと言ってくれるだろう。
でも、本心は…わからない。

「仕方ないですね…じゃ、こうしませんか?」
「えっ…」
「一度だけ、彩さんに私のお相手をしてもらいたい。それで全ての借金は帳消しにして差し上げます」
「な、なんだって!?」
「私、初めて会ったときから彩さんに目を付けていたんですよね…」


家に着くまで、さんざん悩んだ。挙句、俺は彩にそのことを告げることを選んだ。
俺は勝手な男だ。そんな勝手な男の頼みなのに…彩は「いいよ…」と快諾してくれて…
これで…全て終わるんだ。
432いもうと内職(6/6):02/10/15 01:12 ID:RlMHTfjd
その日の夜…俺は三人の体を求めた。久しぶりの行為を皆、恥らいつつもOKしてくれた。
「お前達が今まで相手をした奴等よりも、濃厚に、激しく、頼む!!」

まずは奈々瑠からだ。俺はユニフォームに着替え、グラウンドに向かった。
チアリーディング姿の奈々瑠の前でバットを構える。
「お兄たん、今日のノルマは素振り1000回だよ!」
言うや否や、俺は素振りを始めた。力一杯。
「頑張ってっ、お兄ーたん、ファイトッ、ファイトッ!!」
奈々瑠が俺を応援する。交互に上げる足の隙間からスコートが…見えそうで、見えない。
くそっ、他の誰かを、奈々瑠は、こんな風にっ、応援したのかっ、していたのかっ……!!
「きゃ〜っ、やったぁ1000回!お兄たんお疲れさま〜っ!!」
心地よい奈々瑠の声を聞きながら、俺はユニフォームを上だけ脱いで、その場を去った。

次は千夏だ。水着に着替え、プールに向かう。
「遅いよ兄ぃ。じゃ今日はバタフライ、10セットね!」
言うや否や、俺と千夏は同時にプールに飛び込んだ。
必死に水をかく。が、千夏との差は開いていく一方だ。
隣のコースを覗いた。千夏の股間の食い込みが…バタフライだから見えそうで、見えない。
畜生っ、他の誰かと、千夏は、こんな風にっ、競争したのかっ、していたのかよっ……!!
「ハァっ…ハァっ…ボクの…勝ちだね…」
息を切らす千夏の声を聞きながら、俺は水着を半ずらしで、その場を去った。

最後は彩だ。俺はレオタードに着替え、体育館に向かった。無論、彩もレオタード姿だ。
彩がラジカセの再生ボタンを押した。軽やかな音楽が流れ始める。
「今日は、リボンとボールの複合技だよ」
言うや否や、彩が舞い始める。俺も必死になってそれに続く。
彩の、汗に濡れるレオタードの上から乳首が…二プレスをつけてあるから見えそうで、見えない。
くぅっ、彩は、明日あの社長に、自分の技をっ、伝授するのかっ、してあげるのかっ…!!
「よく頑張ったね。でも、私の動きはそんなに固くないよ。もっとこう、しなやかに…」
彩の適切な指導を聞きながら、俺はレオタードを食い込ませたまま、力尽きた…
433ヘタレスキー:02/10/15 01:20 ID:RlMHTfjd
>>427-432
題「いもうと内職」@いもうとブルマ〜放課後の食い込みレッスン〜

ブルマを絡ませたかったので、こんな訳分からんタイトルになりました。
ラストとは全く関係ないですね…
一応属性は、特殊性癖ということで(W
でわ失礼いたします。
434名無しさん@初回限定:02/10/15 11:13 ID:7D9EL0xm
小説投稿サイトがあるので、よかったら使ってください。
二次創作-エロのカテゴリがあるので、そこで。
http://www.readingstation.ddo.jp
435名無しさん@初回限定:02/10/19 22:54 ID:lRVwJldy
そろそろ上げてみる
436名無しさん@初回限定:02/10/20 16:21 ID:K1t/XDg9
誰か、いいネタ提供して…俺には掛けないよ、良作なんて…(汗
437名無しさん@初回限定:02/10/20 16:27 ID:lEN01XBx
通販なので女性の方にも喜ばれています。
男性、女性共にSEX,オナニーの時に最高の喜びが味わえるグッズ多数揃えております。また、異性を引き付ける媚薬等。。。
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438おしっこ写真:02/10/20 16:28 ID:VFx4MMjU
439名無しさん@初回限定:02/10/22 17:35 ID:3tCcXnE/
 
440名無しさん@初回限定:02/10/29 22:40 ID:k2uS4UP/
保守
441AD2020.10.27 (1):02/11/02 23:05 ID:gIjnWHjy
北条家所有のVS292の内部で催されるパーティ。・・・・僕たちにようやく訪れた貴重な「無邪
気な瞬間」、そこに身がおけることに僕は感謝していた。

「あ・・・・和樹君。ほっぺたにソースがついているよ」
「え・・・・」
「あ、ここにもクリームがついてる。拭いてあげるね」
「な、な、奈都美さん」奈都美さんが僕の頬をハンカチでこする。
「・・・・」僕の顔の表面温度は約2度の上昇、擬態機能は僕のその表面を赤く染めているだろう。
薫さんは呆れ顔だ。「唇につくのはある程度仕方の無いことだと思うけど・・・・
奈都美、ちょい世話焼きすぎ。赤ん坊の食事じゃないんだからさ」

「あ、やっぱ、恋人同士って、こんなんだと思うんだけど・・・・」

「は?」「・・・・恋人?」「今、なんて?」
「・・・・すみません、今一瞬、頭が認識を拒否しましたわ。もう一度仰って頂けますか?」
「え、えっと・・・・だから・・・・私と和樹君が・・・・恋人同士だって・・・・」
奈都美さんがそう言うと沈黙が室内に訪れた。
「え・・・・」・・・・うかつだった。
『予測不能』、『通常の行動を逸脱している』そう評すべき人格設定を持つ奈都美さん。
僕は彼女を、見くびっていた・・・・。
絶妙のバランスと偶然の上に成り立っていた奇跡・・・・僕の日常・・・・それが今、崩壊しつつあった。

状況認識クラスタが各人の変化を報告・・・・。おずおずと僕は視覚でそれを確認した。
キッ・・・・。深佳さん、千絵梨さん、薫さん、若佳菜先生がいっせいに僕を睨む。
視線が痛い・・・・僕への非難と恨みが含まれていると状況分析クラスタが告げる。
当然か・・・・。僕は奈都美さんを除く4人と・・・・『していた』のだから。
442AD2020.10.27 (2):02/11/02 23:05 ID:gIjnWHjy
ガクガクブルブル・・・・義体が震え出す。僕の意思ではとめることができない。
身体クラスタが処理不全を起こし四肢硬直、擬態制御クラスタは過活性化し多量の発汗。
「ぐっ・・・・」僕は両腕を抱え、うめき声を上げる。
「和樹くん・・・・? ど、どうしたの、気分悪い? 頭痛い? そ、そ、それとも、今度こそ脳っ?」
僕の様子に驚く奈都美さん。
「い、いや・・・・なんでもな・・・・」

そこに、深佳さんの声が響く。「あの日のことは・・・・なんだったんだよ、和樹ーっ!?」

「くないかもしれない・・・・」深佳さんの言葉を受けて、僕はつぶやいた。
さきほどまで活性化していた危機警告クラスタが不要とばかりにタスクを次々と終了し、ほかの
処理に資源を回していく。・・・・僕は危機のど真ん中にいるということ・・・・か・・・・。

ガタガタガタガタッ、3人が一斉に席を立つ。
「さ、先ほどの奈都美さんのお話とぉ〜、今の深佳さんのお話ぃ〜、説明していただけますわね
ぇ〜、和樹さん?」千絵梨さんがこわばった笑みを浮かべ、僕に迫る。
「和樹って・・・・バラバラにできる・・・・かな?」薫さんは右手の拳を左手で強く握り締める。
「和樹君、先生・・・・いろんな意味であなたと『相談』させてもらうわ・・・・」若佳菜先生は強烈な
プレッシャーを僕に向けて発している。
「あ・・・・?え、えっと・・・・わ、私、和樹君にまた迷惑かけたのかな?・・・・ごめんね・・・・」とても
すまなそうに奈都美さんが言った。

嘘だ・・・・こんなに簡単にみんなの、僕の日常が失われてしまうなんて・・・・。
いや、まだ僕にできることはあるはずだ。そう、諦めたら終わりだ。
・・・・今の僕にできること・・・・。
そして僕は『決意』する。僕は「全員を言いくるめ、この事態を穏便に収拾せねばならない」
・・・・奈都美さんの失わないために・・・・みんなを失わないために・・・・そして僕のために・・・・。
443AD2020.10.27 (3):02/11/02 23:07 ID:gIjnWHjy

全クラスタを動員し、検討。
『あの日』を性的交渉の日ではなく『ゲームセンターでの楽しい1日』の意味にすりかえる・・・・
各関係クラスタ間で討議の結果、この対応が推奨。『深佳さんには後でフォローすればよい』
・・・・僕は一瞬ためらい、承認する。
(ごめん、深佳さん・・・・)
そして発言を開始「ちがうんだ、みんな・・・・」

結果として僕の発言は封じられる。
「どう違いますの、和樹さん?私、とっても興味がありますわ、くふふ」
「わっ・・・・」つい驚きが声に出る・・・・千絵梨さんっ!?
言い終わると、ちょこんと口に手を当てる。
さらに、千絵梨さんの顔が迫る・・・・。最上の笑みを浮かべ、千絵梨さんが僕に向かって顔を突き
出し・・・・口を開く。
「ひっ・・・・」横の奈都美さんが小さく悲鳴を上げて、本能的に後ずさりをしていた。

さらに、千絵梨さんの隣に薫さんが並ぶ。
「和樹っ、覚悟は・・・・いいな?」薫さんが拳を鳴らし・・・・、(来るっ・・・・)
・・・・僕は目を閉じる。

「薫ちゃん駄目ぇ〜、和樹君をいぢめないで。か、和樹君の言い分も聞いてあげてようっ」奈都
美さんが僕の体を抱きしめ、盾となって僕を庇う。
「和樹君、和樹君・・・・」僕の名前を呼びつづける奈都美さん。
「わかったよ、奈都美・・・・」
・・・・奈都美さんの与えてくれたチャンスを僕は無駄にはできない。でも、どうすれば・・・・。
そうだ・・・・僕はもう本心を語るしかない・・・・この1ヶ月の体験をもとに。
届け、僕の『感情』・・・・「僕は・・・・みんなのことを大切に思っている」
奈都美さんがはっと驚き・・・・薫さんの目が、千絵梨さんの目が優しいものに変わる。
444AD2020.10.27 (4):02/11/02 23:07 ID:gIjnWHjy
やったのか、僕は・・・・?

「和樹・・・・くん・・・・」照れているのか、うつむいている奈都美さんが僕の体から手を離す。
薫さんと、千絵梨さんは微笑みを浮かべ、僕により接近する。
僕の前に立つ2人の目は慈愛に満ちていて・・・・隣の奈都美さんも僕の頬をそっと摘む。
「和樹・・・・」「和樹さん・・・・」「和樹・・・君・・・・」

奈都美さんの声が聞こえる。「だから・・・」
「だから?」
千絵梨さんが言う。「和樹さんの」
「僕の?」
薫さんが言う。「そういう所が」
「うん?」
薫さんが、千絵梨さん、奈都美さんが瞬時に目をつりあげる・・・・!?
「駄目なんだーっ!!」「駄目なのですわ〜っ!!」「ダメダメなの〜っ!」
ゴキィ・・・・ドスッ・・・・ギュギュ〜・・・・。
薫さんの拳が僕の顔面に衝突、千絵梨さんの足は僕の足の甲を力一杯踏み抜き、奈都美さんの指
は僕の頬をつねり上げるっ。
「ふにゃああああんっ・・・・!」・・・・僕のなさけない悲鳴が室内に響いた。

「薫さん、みんな・・・・。とにかく落ち着いて・・・・」
「若佳菜先生・・・・」僕を助けるため若佳菜先生が介入を・・・・すみません、若佳菜先生・・・・。
「いいえっ、こいつは一度しめておかないと駄目なんですっ」即答する薫さん・・・・第二次攻撃に
入るべく、既に僕の襟をつかんでいる。
「薫さんっ、冷静にっ!」あくまで僕のことを庇おうとする若佳菜先生・・・・僕の中で若佳菜先生
の存在がまた大きく・・・・。
「身柄は押さえてあるんだから、あわてなくていいのよ?」
「若佳菜先生、それ・・・・」僕を庇ってません・・・・。
「ほかに・・・・言いようがあって、和樹君?」僕の顔を見て、冷たく言い放つ若佳菜先生・・・・彼女
の目もまた、僕への怒りに燃えていた。
445AD2020.10.27 (5):02/11/02 23:08 ID:gIjnWHjy
「・・・・いえ・・・・すみません」僕にはそれ以上、続ける言葉が無かった。

席を離れていた薫さん、千絵梨さんが再び席に着く。
立ち上がっていた若佳菜先生も着席し、奈都美さんは居住まいを正す。

「・・・・ボクだと・・・・思ってたのに・・・」僕以外に聴き取ることのできないほどの小さな声・・・・そし
て悲しみに満ちた声。この喧騒の中、深佳さんは俯いて座ったままだった。
・・・・僕は深佳さんを悲しませている・・・・。
「和樹・・・・今奈都美の言ったこと嘘・・・・だよね・・・・?」顔を上げた深佳さんが、怖ず怖ずと僕に
質問してきた。深佳さんが目に涙を浮かべ、僕に怯えている・・・・。

『奈都美と恋仲であると肯定』倫理クラスタ、状況把握クラスタ・・・・多数のクラスタによる推奨。
『深佳さん、ゲームセンターで遊んだ『あの日』は楽しかったね・・・・』と発言し、みんなを韜晦
・・・・ディベートクラスタ推奨。
『みんなが大切』が現在の戦術目標であるとの目的認識クラスタから確認。
しかし、深佳クラスタは、その存在をかけそれらを強く否定する。
その結果、僕の音声合成機能は停止していた。
「・・・・・・・・」
「だって・・・・だって、ボク大人になったって、大人だって・・・・和樹も喜んでくれたじゃないっ
・・・・うくっ」
「お、おお、大人に・・・・、よ、喜んで・・・・!? そ、それって、かかか、和樹君っ・・・・」奈都美
さんが涙ぐむ。
・・・・パニックの確立98.2%・・・・状況把握クラスタの報告。
「か、かかか、和樹君は・・・・そ、そう!?」奈都美さんの目が跳んでいた・・・・。
「和樹君は、深佳ちゃんが初めて大人になった日に、お赤飯を炊いてお祝いしたんだね。うん、
わ、わわわ、私も初めてのとき、お母さんがお赤飯を炊いてくれてっ、とってもうれしかったけど、
お、お父さんまで知ってて、恥ずかしくて泣いちゃったけど。恥ずかしくないんだよ、大人にな
ったんだねって、お父さん言ってくれて、私うれしくて、また泣いちゃったんだから。つ、つま
りそういうことだよね、そうだよねっ、和樹君??」
446AD2020.10.27 (6):02/11/02 23:09 ID:gIjnWHjy
「奈都美・・・・そんなわけないって」薫さんが呆れたように否定した。
「でも、私・・・・和樹君の言うことなら信じる・・・・」誰に言うとも無く、奈都美さんがうつむいて
呟く。・・・・事態は悪化している・・・・。

「深佳さん、お辛いでしょうね・・・・可哀想に」心配顔の千絵梨さん。
「深佳・・・・」人差し指を噛み、目を落とす薫さん。
若佳菜先生が深佳さんの隣に座り、深佳さんを抱きしめる。
「・・・・つらいときには全部私に話して・・・・なにがあったの、深佳」
・・・・しかし、3人は何かを期待している・・・・そんな気がするのは、なぜだろう・・・・?
「いいんですわ、悲しいときにはお泣きになって。みんな、あなたの悲しみ・・・・わかりますわ」
千絵梨さんが天使のような声で深佳さんを慰める。
「そうだよ、深佳。・・・・つらいときくらい頼ってよ、私たち、友達なんだから・・・・」薫さんが語
る。
「深佳・・・・あなたは一人じゃないわよ」そう言って、深佳さんの頭をやさしくなでた。
『不必要にいい話すぎる』と状況分析クラスタは報告してきていた。
「うん、うん・・・・若ネェ、みんな・・・・」
「で、なにがあったの・・・・全部話してごらんなさい」
「うん・・・・」深佳さんがこくりと頷いた。
(うあっ・・・・)僕の中の全クラスタが悲鳴をあげた・・・・ような気がした。

(まずいっ、止めなければ)そう考え、僕は行動に移ろうとする・・・・と同時に、僕の肩に手が置
かれた。・・・・奈都美さん?
「和樹君・・・・・・・・私、もう逃げたりしない、一人になりたいなんて言わない・・・・私もう大丈夫
・・・・和樹君を信じてるから。だから本当のこと知りたい・・・・」無理に笑顔をつくる・・・・奈都美さ
んの決意は本物だった。
「奈都美さん・・・・」
つらいこと、苦しいこと・・・・いろんなことを乗り越えて、奈都美さんは強くなった。人はこうし
て成長していくんだ・・・・でも、今成長の証を見せられても・・・・。
「和樹君、和樹君・・・・・私頑張るからね」奈都美さんは、祈るように僕の手を握り締める。
僕はどうしたら・・・・ああ、頭が、判らない・・・・。
447AD2020.10.27 (7):02/11/02 23:10 ID:Ji0sq3t9

奈都美さんの物言いに、僕の動きは封じられ・・・・僕は止めることもできなかった。
・・・・深佳さんの”ステキな体験告白”が始まってしまった。

「ボク、ボクね・・・・若ネェみたいじゃないから・・・・みんなボクのこと子供扱いして・・・・うっく。
でも、和樹はボクのこと女の子だって言ってくれて・・・・だから、ボク大好きな和樹に大人にして
ってお願いしたんだ。うん、和樹はボクの願いをかなえてくれた・・・・」

突然ポンと手を叩く奈都美さん・・・・あ、さっそく遠い目・・・・。
「そ、そうっ。か、か、かかか、和樹君は深佳ちゃんに、きっときっと大人になる魔法をかけた
んだね? 和樹君てばっ、本当は魔法使いだったんだ!? そ、そうだよねっ、どうして教えて
くれなかったの? ねえ和樹君、和樹君っ!?」ゆさゆさと僕の義体を揺らす。
「僕は魔法使いじゃない・・・・から」僕は、かろうじてそう言った・・・・。
「嘘、嘘・・・・じゃあどうやって・・・・み、深佳ちゃんを・・・・どうやって大人にしたの〜?」
奈都美さんは、僕の襟元を掴みガクガクと揺さぶる。
「何か言ってよう、和樹君っ、和樹君、お願いだから!! どうして黙ってるのっ??」
言おうにも、振動で音声処理機能がうまく働かないのだけれど・・・・。

千絵梨さんが、僕と奈都美さんを振り向きにこっと微笑む。
「いいえ、奈都美さん。和樹さんは魔法を使ったのですわ」
「え、え・・・・やっぱり。やっぱりそうなんだ、よかった。きっときっと和樹君は魔法使いの国の
王子さまで、人間の世界に修行にきたんだよね、そしてみんなを幸せにするとポイントが貯まっ
て、えっと、それからそれから??」奈都美さんがうつろな目のまま、自分に言い聞かせるよう
に話しつづける。
「はい、そうですわ」千絵梨さんもにっこり頷き・・・・言った。
「和樹さんは、『たいそうご立派な』魔法のステッキをお使いになって・・・・深佳さんをたった
一月(ひとつき)で大人になさったのですわ、くふふ」
「そっか・・・・和樹はそのステッキで女の子に『愛を注入』してまわってたのか」横から薫さんも
茶々を入れる。
「あうううう、そんな言い方しないでぇぇ〜。そんな魔法、嫌ぁ〜!!」奈都美さんが泣きなが
ら、ぶんぶんと首を横に振る。
448AD2020.10.27 (8):02/11/02 23:11 ID:Ji0sq3t9
深佳さんの話は続いていた。
「・・・・和樹は、ボクを作業机の上に載せて・・・・ボクの・・・・お大事を舐めてくれて・・・・」
「そう、それで・・・・?」若佳菜先生が深佳さんに話を促す。
「若ネェ・・・・ボク恥ずかしい・・・・。こ、こんなこと言っちゃってもいいのかな、はしたなくない?
お母さんに怒られない・・・・?」
「ううん、深佳・・・・ちっとも恥ずかしくないわ、あなたは女の子だもの・・・・」慈愛あふれる母の
声で、若佳菜先生は深佳さんをなだめ、頭をなでる。
「う、うん・・・・ありがとう、若ネェ・・・・。・・・・和樹が入ってきたとき、ボク、とっても、とって
も痛くて、怖くて・・・・涙が出ちゃった、けどボク我慢して・・・・」
深佳さんを優しくあやす若佳菜先生・・・・しかしその頬は上気し、その表情は淫靡なものを感じさ
せる。
「わ、若佳菜先生・・・・」
「あ、和樹くん・・・・静かに・・・・ね」
若佳菜先生の目は・・・・都さんと僕と一緒の夜のときの目・・・・だった。

深佳さんの話に、僕以外のみんなが耳を傾けている・・・・。
教師と生徒たちという組み合わせは普通である。しかし、彼女たちを繋ぐのは,教師による現国
の授業ではなく、その生徒かつ妹が語る『僕の性交時の痴態』。・・・・期待に満ちたみんな耳まで
紅潮した顔と、刻々と変わる表情・・・・。
彼女たちは『興味津々のお年頃』と情報クラスタが報告・・・・悪夢だ・・・・。

「・・・・あ、ちがうんだ。え、大人にしてくれたのは、はじめてのときじゃなかったよ・・・・。
・・・・か、和樹の家・・・・」
うあ・・・・2回目の話まで・・・・。
「和樹はボクを上に乗せて、動いてごらんって・・・・。あ、うん・・・・ボクも舐めてあげた・・・・。
・・・・でね、和樹が遥香にお願いしてくれて・・・・」
僕にとって、永遠と感じられる長さで時が進んでいた。
「・・・・終わったとき、ボクのお腹の中は和樹でいっぱいだったんだよっ・・・・」
深佳さんの話がようやく終わる・・・・。
すると・・・・みんなが再び僕を注視し・・・・口を開いた。
449AD2020.10.27 (9):02/11/02 23:12 ID:qaSMKg5H

「刑法177条(強姦罪)って、知ってる・・・・和樹君?」若佳菜先生・・・・。
「ょぅι゛ょ を手篭めにするなんて・・・・卑劣ですわ、和樹さん・・・・」千絵梨さん・・・・。
「ロリ、3P、騎乗位、中出し・・・・。和樹、単なる変態じゃなく、すごい変態だったんだな・・・・」
薫さん・・・・。
「若ネェ、千絵梨、薫っ??」深佳さんは、夢から覚めたようにみんなを見回す。

「やめて〜、和樹君をいぢめないで・・・・! か、和樹君はロリコンじゃないもんっ。きっときっ
とただの『子供好き』なんだからっ〜! 小さな女の子と砂場で遊んだり、お人形で遊んだり、
お菓子をあげてお友達になったり、待ち伏せしたり、お医者さんごっこしたり、神社の裏エレベ
ータの中やマンションの階段の踊り場でであやしげな遊びをしたり、和樹君はそんなことがもう
大好きな健全な青少年!? ええええー!? ・・・・そんな・・・・和樹君って・・・・駄目駄目ぇ??
・・・・ぐすん・・・・」
奈都美さん・・・・僕をかばってくれてありがとう・・・・? それって、でも・・・・ものすごく嫌な子
供好き、というかもう犯罪者・・・・。

僕たちの会話をワンテンポ遅れて理解した深佳さんが叫んだ。
「うわ・・・・ボクを、ボクをいたずらされた小学生扱いしてるっ。何が何が・・・・つらいときには全
部言っちゃいなさいだっ。・・・・だ、だまされたーっ!?」

「・・・・ボクだって、自分が子供だってわかってるんだ・・・・でも大人になろうと。なのに・・・・どう
してまだボクのこと子供扱い・・・・ひっく」深佳さんはそこまで言うのが精一杯だった。
・・・・深佳さんはさめざめと泣き出していた・・・・。

「あ・・・・深佳、ごめん」若佳菜先生が慌てて深佳さんに謝る。
「深佳、冗談・・・・・じゃすまないよね。茶化してごめん・・・・」
「私、失礼なことを言ってしまいましたわ・・・・深佳さん」
「初めてのことなのに、私・・・・ごめんね、深佳ちゃん・・・・」
450AD2020.10.27 (10):02/11/02 23:14 ID:qaSMKg5H
「ボク・・・・ボク真剣だったのに・・・・うくっ」後はただ、むせび泣くままだった・・・・。
「・・・・・・・・」
あまりの深佳さんの感情の発露に、みんなが沈黙した。
若佳菜先生が僕をちらっとみる。
(和樹くん・・・・深佳をお願い・・・・)若佳菜先生の目は、僕にそう言っていた。
深佳さんが悲しんでいる。若佳菜先生が心を痛めている。奈都美さん、薫さん、千絵梨さんが心
配している。その事実は、先ほどまで起きていた事態より僕を狼狽させていた。
・・・・僕が責められ辱められる以上に、今の深佳さんの状況のほうが僕にはつらかった。

どうすべきかと考える前に、『感情』は僕に反射的に行動を取らせた。
「深佳さん?」僕は席を立ち、深佳さんに歩みよっていた。

僕の『心』の中で、声をかけた理屈は後からついて来た。
結果的に僕は深佳さんを傷つけてしまった、僕は謝らなくてはならない・・・・。
そのときの僕にとって、正しい行動だったとしても。

「な、なんだよ和樹っ・・・・。みんなで僕のこと馬鹿にしてっ・・・・」
深佳さん・・・・たとえ許してくれなくても、僕は謝ろう・・・・。
「和樹だって・・・・うくっ・・・・和樹だって・・・・。えぐっ・・・・和樹なんて嫌いだっ。あっちいけっ、
馬鹿ーっ!!」
451AD2020.10.27 (11):02/11/02 23:15 ID:qaSMKg5H
僕は、『勇気』を出して深佳さんに話かけた。
「深佳さん、ごめん・・・・」
「え・・・・?」驚いた顔の深佳さん。
「・・・・許してくれないかもしれないけど、ごめんなさい」
僕の目からこぼれるもの・・・・これも涙か・・・・。
「深佳さんを傷つけるつもりはなかったんだ・・・・けど・・・・」
「うん・・・・・・・・」うつむいた深佳さんの返事。
「深佳さんのことを”大好き”だから・・・・・・・・」
「あ・・・・・・」
「でも・・・・今日、深佳さんは傷ついてしまった・・・・」
「・・・・・・・・」
「ごめんね・・・・」
「うん・・・・」
「ごめん・・・・」
勢いこんでみたものの、この程度しか僕にできることはないのか・・・・悔恨の念が僕を襲っていた。

「和樹、ぐすっ・・・。いつまで謝ってるのさ・・・・?」深佳さんが顔を上げた。
「あ・・・・深佳さん・・・・」涙を流し続ける、深佳さん・・・・でも、その顔は笑顔が浮かんでいた。

「和樹が悪いわけじゃない・・・・ひっく。自分から言っちゃったのに・・・・ボク、取り乱しちゃった
ね」袖で涙をぬぐいながら深佳さんが言う。いとけないその姿に、深佳クラスタが活性化する。
「深佳さん・・・・」
「・・・・ううん、和樹はいつもボクに優しかった・・・・あのときだって」

「それに・・・・和樹がボクを大人だって言ってくれたんだから、もう十分だったはずなのに・・・・な
んでボク泣いてるんだろ・・・・ボク、まだ子供だね・・・・」
深佳さんがそう言ってくれることが、今、僕には嬉しかった。
「あれ、和樹・・・・」深佳さんが僕に疑問を呈してくる。
「どうして笑ってるの?」
「え・・・・?」僕は笑っていたのか・・・・そうだとしても、その理由は判っていた。
「深佳さんに笑顔が戻ったから」
「あ・・・・うん」深佳さんが頬を染め、頷いた。
452AD2020.10.27 (12):02/11/02 23:16 ID:DdMdYHn8
「はあ・・・・」「ふぅ・・・・」「ほっとしました・・・・」「よかった・・・・」
若佳菜先生、薫さん、千絵梨さん、奈都美さんから、安堵のため息が言葉が漏れた・・・・。
(よかったんだ、これで、みんな・・・・)
みんなの表情に明るいものを見出し感慨に浸っていた僕に、深佳さんが声をかけてくる。
「あのさ、和樹・・・・」
「うん、何?」僕は深佳さんの方に振り向くと、深佳さんは、ふいと僕から視線をそらした・・・・。
「よく考えてみたら、この中でボクだけ・・・・しちゃったんだよね、エヘヘ」
「・・・・・・」
適切な発言はないとの情報分析クラスタからの報告。僕は答えに窮して、『あいまいな笑み』を
浮かべる・・・・。
「だから・・・・和樹・・・・、せ、責任とってくれるんだよね?」
「責・・・・任・・・・?」
「うん。ボクと結婚しよう、和樹っ!! だって、ボクのこと一番好きなんだよね・・・・」

「一度したからって、そういうのっておかしいと思うっ」薫さんが深佳さんを睨む。
「そんなこと認めません、認められませんわっ!!」千絵梨さんも苛立ちを隠さない。
「却下します。まだ和樹君も深佳も若すぎますっ!!」若佳菜先生が強く否定する。

「深佳ちゃんと和樹君が・・・・け、けけけ、結婚・・・・!? でもでも・・・・わ、私、和樹君と家族に
なるって決まってるから・・・・ひょっとして!? 和樹君が私のお父さんで深佳ちゃんがお母さん? 
そ、それで円満解決っ? そ、そんなのって・・・・和樹くんとキスもできなくなっちゃうけど・・・・
えっとえっと・・・・おはようとおやすみのキスはお父さんにしてもいいのかな? どうなのっ、和
樹君、和樹君!?」僕を問い詰める奈都美さんはパニック状態だ。
「和樹はボクの恋人なんだからー。ね、和樹ーっ」ボフッ・・・・。そんなみんなを横目にして、深
佳さんが立ち上がり、ボクに勢い良く抱きつく。あまりの怒涛の展開に、僕は立ち尽くすだけ・・・・。
453AD2020.10.27 (13):02/11/02 23:17 ID:DdMdYHn8
そのとき、意を決したように千絵梨さんが叫んだ。
「深佳さん、お待ちになってっ。私も・・・・私も和樹さんに抱かれましたわっ!!」
そう言った後、顔を真っ赤にした千絵梨さん・・・・そして、僕に向かって微笑む。
(言っちゃいましたわ、和樹さん・・・・)照れる千絵梨さんの言葉が聞こえたように思えた。

「ええええー!?」若佳菜先生、薫さん、奈都美さん、深佳さんの目が点・・・・一斉に僕を睨む。
彼女たちの視線には、僕への非難と恨みが含まれていると状況分析クラスタが・・・・義体制御クラ
スタ、オーバーロード。危険、危険、危険・・・・全クラスタ警告、機能低下が各部で検知。
ガクガク・・・・熱病にかかったように僕の義体は震え・・・・。
・・・・・・深佳さんに続いて、千絵梨さんも・・・・僕はどうなるのか・・・・・・ああ、頭が、判らない・・・・。

『ふらふら』になった僕に、千絵梨さんが語りかける。
「乙女には、戦わなくてはいけないときがあるのですわ、和樹さん?」
「千絵梨さん・・・・?」
・・・・千絵梨さんの発言に『楽しい』感情が含まれているように思えて・・・・それとも、僕の気の
せいだったろうか・・・・。
千絵梨さんは僕の左隣に座ると、僕の耳元にささやくいた。
「これから和樹さんとのことをいろいろ聞かれるなんて・・・・。なんだか、どきどきして・・・・楽し
いですわ」そう言った後、僕の手を握る彼女。
その発言に聞き返す僕。
「楽しい・・・・?」
「はい、だって今・・・・和樹さんがいて、お友達がここにいるのですから」
454AD2020.10.27 (14):02/11/02 23:18 ID:DdMdYHn8
ああ、そうか・・・・この瞬間こそ、僕の欲する『日常』だったのか・・・・。

「和樹さんは、楽しく・・・・ありませんか? ・・・・くふふふっ」
「うん、とっても『楽しい』と思ってる・・・・ふふっ・・・・あはははっ」笑いが僕に伝染する。
「あ〜っ! か、和樹君っ・・・・笑ってなんかいたら、ダメなんだからぁ〜・・・・」
隣から、奈都美さんの怒る声・・・・怒ってもかわいい奈都美さん・・・・。
「くふ・・・・うふっ・・・・ふ、ふふっ、笑わせないで下さい・・・・和樹・・・・さんっ!!」
「あは・・・・あははははっ・・・・。僕のせいじゃ・・・・くっ、苦しい・・・・」
お腹を抱える千絵梨さんと僕・・・・他の人たちはあっけにとられ、おいてけぼりだ。

「このー、何がおかしい・・・・」薫さんがいつものように、僕を叱ろうとして・・・・、
「ま、待って、薫ちゃん! ・・・・こんなに笑う和樹君って、初めてだから・・・・」奈都美さんが僕
を庇う。
「和樹、千絵梨っ、何がおかしいのさ〜!? ボクにも教えてよー!」深佳さんが声を上げ・・・・、
「はあ・・・・笑い袋を2つ並べたみたい。・・・・ふふっ」若佳菜先生が僕らを見守る。
僕の”浮気”の追求はまだ終わりそうにはないけど・・・・。隣から千絵梨さんの笑い声・・・・そして、
みんなが無事でここにいる。
僕は今、とっても・・・・『幸せ』だった。
455nayukifan:02/11/02 23:27 ID:yC0mFFG1
>>441-454
題名「AD2020.10.27」 @Hello,world

・・・・長文炸裂、すみません・・・・(;´Д`)
456名無しさん@初回限定:02/11/03 00:08 ID:M5ztBSsE
>>455
 グッジョブ!!
457455:02/11/03 23:07 ID:khhvNs5p
Nitoroスレでいうのもなんですのでこちらで。
去年のへたれ主人公大作ゲーム以降、久々に妄想クラスタが活性化して書いてみま
した。読んで面白いと思われた方、ありがとうございます。
いつか、再評価されるまでHWFC会員として、おとなしくその時を待つつもりです^^;
458へたれSS書き:02/11/04 10:25 ID:u1md71Kn
>>455
お疲れさま。なかなかええ感じッスね。

あー、とりえあず長さ的には長編というほどでも無いので、どんどん投稿
おねがいします、と言ってみるテスト(w

…………つか、俺が書かないとあかんのだがなぁ。正直、スマンかった
459名無しさん@初回限定:02/11/04 18:48 ID:+cDJYr/f
いま494KBだけど、次スレ建てなくていいの?
460へたれSS書き:02/11/04 23:02 ID:u1md71Kn
>459
 ん。異論が無いようならスレ立て立候補。
一応、明日の夜まで待ちます
461へたれSS書き