葱的駄スレ祭り なんの脈絡も梨ですよ?

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73試作品
わたしが1である、という話だったらもうやめてください。そんなことは自分が
一番分っているし、こんな失礼な言葉を口にするのは良くないかもしれませんが、
もう、それは、聞き飽きました。確かにわたしは1かもしれません。しかしその
分かりきった事実への言及が、追及が、なんらかの新しい事実を生むものでしょ
うか。わたしは1です。それは、確かに。だけどもそれは、それだけのことであっ
て、他の何物にも影響を与えることはありません。少なくとも、わたしはそう信
じています。

自分が1である、と気付いたのは、かれこれ四半世紀も前のことでした。わたし
はその時、まだ14才。あら、こんなことを言ってしまっては年がばれてしまいま
すね。ふふふ。その日は朝から薄暗く曇っており、そしてわたしの調子もどこか
おかしく、まるで心と身体が別の原理で気ままに動きだしてしまったような、そ
んな妙な違和感で。後から聞くと、初デムパの日というのは、誰でもそんなもの
だそうですね。そう、その日、わたしは初めてのデムパに襲われたのです。

生まれて初めてのデムパ、今風に言うならビギンデムパがわたしの身に覆い被さっ
た時、わたしは食器を洗っておりました。ちゃぷちゃぷ。ちゃぷっちゃぷ。その
食器は食器であると同時に鋭い爪をもった8頭身モナーでもありましたから、わ
たしはその美しい肉体美に夢中にならぬよう、自分の意識を必死におさえつけて
おりました。美しい肉体美に夢中になってしまったとたん8頭身モナーはその鋭
い爪でわたしを襲うので、やだあ、でもこの肉体美本当きれい、シュッ、ギャッ。
目をやられました。眼球がぴゅるり飛び出ました。

まさに、まさにその時です。わたしの脳内を、生温かいものが伝ったのは。デム
パでした。ディスイズマイデムパ。そしてそのデムパこそが、わたしに自分が1
であることを教えてくれたのです。つまりそのデムパは、床に滴り落ち、そして
こう書いたのです。「おまえは1だ」と。真っ赤な文字で。もちろんわたしは眼
球がぴゅるり飛び出たために失明しておりましたから、8頭身モナーが教えてく
れました。「おまえは1だ」ちゅうて書いたあんで、と。8頭身モナーは、関西
の8頭身モナーだったのか。そしてわたしは、1なのか。薄れ行く意識の中、わ
たしはそんなことをぼんやり思いました。

その後のわたしの活躍は、皆さん御承知の通りです。寂れた板で駄スレを立てて
は逃げ経てては逃げしている内に気付けば巨万の富、駄スレ総理になるまでに、
そう長い時間はかかりませんでした。それもこれも、皆わたしが1だったからだ
と信じています。今ではわたしの良きパートナーとなった8頭身モナーも、隣で
微笑んでいるようです。やだ、ちょっと、もう、こんなところで。わたしの八頭
身モナーったら、いつでもわたしの身体を求めてくるんですよ。性豪にも程があ
るわ、やだ、ちょ、駄目だったら、もーう、なんつってる間に首を絞められて死
にました。御臨終です。