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いつしか、俺と炬燵のセックスは、避妊をしないことが当たり前になっていた。
あの時は結局妊娠しなかったようだが、それでもまだ怖れているのであろう。
たまに彼女が無性に避妊を望む日があり、そんな時はさすがに俺も許してやっていた。
実は、彼女はこっそりと基礎体温表をつけていた。
ささいなことから、それに気付いた俺は、いつものように泣いて嫌がるのにも関わらず、
基礎体温ノートを取り上げた。
薬局で基礎体温計を買うともらえる、医療機器メーカーのロゴが入った小さなノートだった。
すでにひと月以上前から記していたらしい。
彼女の毎朝の体温が山なりのグラフを形づくっていた。
一番新しい、今朝の日付を探した。
……排卵日だ。
俺の中の悪魔がささやいた。
――――――