裏雑談スレ@葱板#5〜革命と闘争と〜

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葱板での些細な雑談から、俺と炬燵が同じ田舎町に住んでいることを知った。
そしていつのまにか、この街でオフを開くことになった。
つまらねえ。オフなんかで馴れ合って何の意味がある。
何より、つまらない自分を人前にさらすのが嫌だった。
しかし、炬燵のやや強引な誘いもあって、結局俺も参加することになった。

オフの当日、来たのは俺と炬燵のふたりだけだった。
…やっぱりな。
こんな街でオフをやったところで、こうなるのはわかっていた。
適当に話を切り上げて、早々に別れよう。
近くのコーヒーショップに入ろうと誘う炬燵に、
いいかげんにあいづちを打ちながら、俺はすでに帰ることばかり考えていた。

炬燵はこの板の人気者だった。
いつもレスを返され、時には煽られ、常に話題の中心にいた。
誰にも煽られずレスももらえない、つまらない俺とは対照的に。

意外なことに、オフでの炬燵は葱板の彼女とは正反対だった。
本当に女だったことにも驚いたが、何よりおどおどとした引っ込み思案な態度。
うつむき加減で話し、ときおり上目づかいで俺を見上げる。

ネット弁慶ってやつだな。そう俺は心の中であざ笑った。
現実でもネットでも弁慶になれない自分自身を、笑ったのかもしれない。

すぐに帰ろうと思っていた。
なのに気がつくと、何時間も話しこんでいた。

会うのはこれっきりと思っていた。
なのに炬燵は第二回、三回とオフを開き、そのたびにふたりだけのオフになった。