1 :
武田勝頼:
我等が武田騎馬軍団に敗北は無い!
全軍突撃じゃぁ!!!
2 :
武田勝頼:01/09/14 23:11 ID:Yu8KjpAk
御旗楯無、ご照覧あれ!
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃
┃火風┃
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃
┃
3 :
土屋昌次:01/09/14 23:16 ID:xcIDWA4w
誰でもよい。かかってきませい
4 :
小山田 信茂:01/09/14 23:18 ID:A5q5PRBc
>1
天目山にてフラグが成立しました。今すぐ切腹して終了して下さい
5 :
世良田元信:01/09/14 23:24 ID:YSOib7yY
なんだ、こんなとこにまで出張かよ
ポスト塩介か、ぉぃ
6 :
真田昌幸:01/09/14 23:36 ID:oSqgJgs6
>1
それがしの上州岩櫃城にお退きになれば、ご安堵なされましょう!
┏━━━┓
┃◎◎◎┃
┃◎◎◎┃
┣━━━┛
┃
┃
┃
7 :
名無しさん@初回限定:01/09/14 23:39 ID:ACopVplQ
8 :
名無しさん@初回限定:01/09/14 23:39 ID:cvpmFYoE
なにこれ?
新しいエロゲ?
(;´Д`)ハァハァ
9 :
村上義清:01/09/14 23:46 ID:CPGiDoho
早きことで知られる武田の弱兵が。
親方は男色と聞くが、このエロゲ板で戦するとは笑止。
さても、愚かなることよ。
10 :
村上義清:01/09/14 23:53 ID:CPGiDoho
疾きこと厨房の如く
静かなること童貞の如く
自慰すること猿の如く
立たざること爺の如し
グワッハッハッハ
11 :
高坂昌信:01/09/15 00:00 ID:q6lxPSP.
待て待てい! これより武田家に伝わる孫子の兵法、その極意を伝授する。
心して聞くがよい!
12 :
高坂昌信:01/09/15 00:01 ID:q6lxPSP.
| 火風||/' \
| 不徐/ / _◆_| _______
| 動/__ / - -|| /
| /__ / __ /| ____< 速き事、風の如く…
| 山侵/ \__| ̄| ̄ / \\
| Λ 1 /___| / ● ● |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄/ |_| /| | |Y Y \ ____
/___| |_| | |/ | | ▼ | /
/ ̄| /| |_/  ̄ ̄ \/ _人_| o ○ | (早漏
/ /_ |_|_|イ _/ \
| | | |  ̄ ̄ ̄ ̄
| / / |
| / / | /
13 :
高坂昌信:01/09/15 00:01 ID:q6lxPSP.
| 火風||/' \
| 不徐/ / _◆_| _______
| 動/__ / - -|| /
| /__ / __ /| ____< 静かなる事、林の如く…
| 山侵/ \__| ̄| ̄ / \\
| Λ 1 /___| / ● ● |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄/ |_| /| | |Y Y \ ____
/___| |_| | |/ | | ▼ | /
/ ̄| /| |_/  ̄ ̄ \/ _人_| o ○ | (のぞき見
/ /_ |_|_|イ _/ \
| | | |  ̄ ̄ ̄ ̄
| / / |
| / / | /
14 :
高坂昌信:01/09/15 00:02 ID:q6lxPSP.
| 火風||/' ___ ___\
| 不徐/ / _◆_| _______
| 動/__ / - -|| /
| /__ / __ /| ____< 侵す事、火の如く…
| 山侵/ \__| ̄| ̄ / \\
| Λ 1 /___| / ● ● |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄/ |_| /| | |Y Y \ ____
/___| |_| | |/ | | ▼ | /
/ ̄| /| |_/  ̄ ̄ \/ _人_| o ○ | (強姦
/ /_ |_|_|イ _/ \
| | | |  ̄ ̄ ̄ ̄
| / / |
| / / | /
15 :
高坂昌信:01/09/15 00:03 ID:q6lxPSP.
| 火風||/'__ _\
| 不徐/ / _◆_| _______
| 動/__ / - -|| /
| /__ / __ /| ____< 動かざる事、山の如し!!
| 山侵/ \__| ̄| ̄ / \\
| Λ 1 /___| / ● ● |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄/ |_| /| | |Y Y \ ____
/___| |_| | |/ | | ▼ | /
/ ̄| /| |_/  ̄ ̄ \/ _人_| o ○ | (マグロ
/ /_ |_|_|イ _/ \
| | | |  ̄ ̄ ̄ ̄
| / / |
| / / | /
16 :
高坂昌信:01/09/15 00:03 ID:q6lxPSP.
何だか馬が乗り気ではないようだな…。
17 :
孫厨房:01/09/15 00:11 ID:5tRp5Tvo
エロゲヲタと戦国ヲタはかぶらんのかね
18 :
高坂舞子:01/09/15 00:12 ID:.DL3xZTo
え、えーと…
昌信お兄ちゃん?
19 :
村上義清:01/09/15 00:15 ID:ciu.yW8Q
>>17 かぶっているのは貴殿であろう。
グワッハッハッハ
20 :
池柳彩女:01/09/15 00:19 ID:.DL3xZTo
私、信長を倒します。
必ず倒します。
21 :
高坂昌信:01/09/15 03:01 ID:q6lxPSP.
>>19 いかん…、ブラウザを前にして吐き気がして来たわ…!
>>19 左様、負け犬もたまにはよい事を言う。
>>20 貴様、見事と言う他にないくらい、気持ち悪いな(藁)。
>1
武田騎馬軍団なんてものは実在しない。
司馬以外の資料読んで、目を覚ませ。長篠の三千丁といっしょで、与太だ。
・・・アア、鼬外スマン・・・
23 :
高坂昌信:01/09/15 03:09 ID:q6lxPSP.
>>22 黙れっ下郎! 今の貴様は「がいしゅつ」を見て笑う以上に恥ずかしい事を
しているのが解らんのかっ! 鉄拳制裁!!
まぁ「演義は架空の話なんだよ」っつってるのと同じだな
>>22 武田「牙」軍団ということで、ここはひとつ。
やたらでかいおやじとかいそうだし。
26 :
名無しさん@初回限定:01/09/15 04:28 ID:H8QOeLJY
高坂まひるたん・・・ハァハァ
27 :
山県昌景:01/09/15 05:05 ID:WZR.GBsQ
あ〜 桜花たんで自慰でもしてぇなぁ、おい!
28 :
萩谷政景:01/09/15 05:07 ID:A7quzUWs
なんなんだ、このスレ
スフィーたん パンパン
29 :
馬場信房:01/09/15 05:23 ID:q6lxPSP.
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃ ____
┃火風┃ / \
┃不徐┃< 30 ! |
┃動如┃ \____/
Σ∧ ∧ ┃如林┃
(#゚Д゚) 目 ┃山侵┃
|つ つ ..|| ┣━━┛
〜 | .|| ┃
∪ ∪ ..|| ┃
/|
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| まだや!まだ! |
\_________/
30 :
山県昌景:01/09/15 05:37 ID:WZR.GBsQ
それでは三十番は拙者が戴くとするかのう?
どうでもいいが対決相手の「ゑろげきゃら」とやらが出てこぬではないか!
とりあえずおんぷたんと手合わせしたいものじゃ・・・(;´Д`) ハァハァ・・・
31 :
ひひひ:01/09/15 06:00 ID:Z4J126uA
32 :
伊庭義明:01/09/15 06:09 ID:n5vZlpyk
いざ尋常に勝負。
(拳銃と刀で)
33 :
馬場信房:01/09/15 06:49 ID:q6lxPSP.
>>31 「皆のもの、突撃一番は持ったか!!」
「オオー!」
「かかれぇーーーーっ!!」
うっ。
34 :
山県昌景:01/09/15 09:43 ID:BQluPd/E
前日、我が館の掃除をしていたら「えふえむたうんず」のゑろげが出てきたのだが、
さてはて・・・如何すれば良いのであろうか・・・
とりあえず>3の弟さんの片手女人千人斬りに期待sageと書いてネタを振って試る。
>33
>32は「戦国自衛隊」。
鬼美濃と言えど64式小銃の前には為す術無し。(藁
レス番読み違えた・・・
鬱だ、信長に投降しよう・・・
38 :
冷泉隆豊:01/09/15 13:19 ID:Ec4Llsq6
こんなとこまで何しにきてんだ?
「あは」や「松永」思い出すな。
ところで、エロゲキャラでどうやって戦うんだ?
「あは」の時のような駄文でいいのか?
戦国板の人間がいるのか疑問だけどな。
40 :
遠藤直経:01/09/15 15:55 ID:ufatDNTA
>38、39
あはってまだ戦国板にいるの?
最近あんまし戦国板言ってないから知らんのだが。
42 :
高坂昌信:01/09/15 17:53 ID:Rp8tstf6
あはあは、うるさい! 笑い茸でも食べたのか。
43 :
前田利家:01/09/15 17:58 ID:dNLuMPdw
森蘭丸タン・・・ハァハァ
45 :
島津貴久:01/09/15 21:28 ID:Huo208/2
なにこのスレ? どーゆー趣旨?
つか、戦国大名なんて分からんYO!
信長の野望とエロゲに両方でたことのある人物
織田信長、柴田勝家、柳生十兵衛
・・・しか思いつかん
>45
分からん割には著名な義久・義弘ではなくややマイナーな父親の貴久なのは何故だ(w
>46
へ〜、いなくなったんだ。
「あは」はただ暇潰しの厨房だったのかな。
ところでこのスレこの後どうすんの?<武田騎馬軍の諸君。
戦国風のエロゲーを妄想してみる。
…鬼畜王ランスの亜流しか思いつかん。
もしくは、剣豪とか戦国大名とかを中心に据えたADVぐらいか。
50 :
池柳彩女:01/09/16 00:03 ID:GN5n.NIw
…何がしたいのですか?
源四郎兄様。
51 :
斎藤義竜:01/09/16 00:48 ID:d3KOZpBE
つか、頼むから趣旨の説明をしてくれYO!
52 :
山県昌景:01/09/16 01:11 ID:HDXRHINo
アリスのDPSの「蘭丸」(だっけ?)みたいなものか?
53 :
最上義光:01/09/16 02:05 ID:d3KOZpBE
信長の淫望とかそんなカンジの名前じゃなかったっけ?
54 :
高坂昌信:01/09/16 02:11 ID:cI.XDnYU
このスレも不戦勝になりそうだな。
>49
鬼畜王ランスの亜流というか『蒼き狼、白き牝鹿』の亜流エロゲとかを妄想。
雷神以外で『蒼き狼、白き牝鹿』の亜流エロゲきぼ〜んヽ(´ー`)ノ
この訴えはPCゲー板で言うと怒られるのでここでコッソリここで言って行きます。
ついでに『蒼き狼、白き牝鹿』を実践して信長に磔にされた武田軍の秋山信友萎え〜!!
ちなみに今丁度、今更ながら鬼畜王をやってたり。
でも、戦国ファン兼エロゲマとしてはランスに序盤で負けてしまう信長にやや萎え。
まぁ、どっかの休載常識漫画の友情に厚い居合いの達人ノブナガや
珍走専用少年誌のドキュソ漫画の自称第六天魔王を連発ノブナガよりはマシだがナー。
56 :
山県昌景:01/09/16 03:11 ID:QETV2xT2
>>53 それそれ!
DPS全部はあるんだけどチェックするの面倒臭かったから(;´Д`)
戦国モノならADVでいいから、成り上がりモノやりてぇなぁ。
一兵卒で出兵して村を襲って村娘をリンカーンしたり、
戦に破れて落ち武者となって村を襲って村娘をリンカーンしたり。
58 :
結城倫:01/09/16 07:47 ID:yO//rwLI
ウチが結城家を継いで大名になってもあかんなぁ…。
当時光栄信者だった漏れは、どうしても鬼畜王のJAPANの設定に納得いかなかった
名のある配下が投げやりな名前だったり、
37のお市と再婚したはずの柴田勝家がロリコンという設定だったり(ゲーム中では語られないが)、
娘や忍びの名前が架空だったりと
なんなのこのスレ?
エロゲキャラいないジャン?
61 :
俺、今、天翔記やってるけど:01/09/16 13:22 ID:5beeGcgY
家臣が姫武将ばっか。
比良坂 初音
凶(マガキ) アリア
八車 文乃
広場 まひる
御門 紗絵
ナルツ ガイツ
七瀬 恋
萌え燃え!まひるなんか戦才30智才20政才10とかだし(w
今はふみのんが大名。
62 :
神奈(AIR):01/09/16 13:49 ID:LAiIXeF2
ビーム
個人的には実際の歴史や人物とかと微妙に絡ませたりする手法は大好きなのだが、
漫画やゲームの主人公が歴史上の英雄・偉人を倒させたりするのはなるべく止して欲しいなぁなどと思ったり。
なんか引いてしまう。歴史好きとしては主人公よりも歴史上の人物の方がはるかに思い入れ深いので
ゲーム・漫画の主人公>>>>>歴史の人物の図式には納得がいかない。
まぁランスはおもいっきりパラレル世界なのでギリギリなんとか許容範囲だが。
>59
俺はその辺は許容範囲かも。
64 :
馬場信房:01/09/16 17:39 ID:fJ8zueyk
65 :
名無しさん@初回限定:01/09/17 02:45 ID:5Y86sECs
「かような板に出向くはこれきりに…。」とか言っときながら、
微妙にスレが育っているのには笑う。
さすが武田騎馬軍団(w
66 :
長尾 輝虎:01/09/17 02:54 ID:FHXuRs1.
高坂 男娼昌信はいるか?
頼みたい事があるんだが・・・
67 :
山県昌景:01/09/17 08:42 ID:XVgoLozU
越後人は(・∀・)カエレ!!
実在人間ならいいかなぁ…。
「武田騎馬軍団」VS「胃出健介軍団」
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ・∀・) < 武田領の金山手に入れて業務拡張さ♪
/ \ \________________
⊂\ | | 胃出 .| /⊃
\ v || .| | //
\ノ/ /|__ノ
| /
| | |
| || |
| / | |
// | |
// | |
// | |
U U
||
Λ||Λ
( / ⌒ヽ
| | |
∪ / ノ
| ||
∪∪
くだらんから折れ逝ってくる…。
そういえば、胃出はどこ逝ったんだろう…。姿がなくなったみたい…。
このスレもそろそろ落城なのか?
結局、ロクにエロゲキャラが出て来なかったな(w
騎馬軍団の最大の失敗は明らかに葉鍵板ではなく葱板に対決スレを立てた事だと思うぞ(藁
71 :
山県昌景:01/09/18 16:28 ID:fp1eR.pA
まだだ! まだ終わr
まぁ、ネタ系の板だけに結構もったのでは。
あとは、ネギの住人で転用させていただきます。
若しくは交流戦などは?
73 :
高坂昌信:01/09/19 08:38 ID:7QcoSr6.
この板で我が武田騎馬軍団に仕官するものはおらぬか?
我らと共にその武名を高めたき者あれば、
ここで名乗りをあげるがよい。
面白き戦場へといざなおうぞ。
それより、徳川家に仕官した方がいいよ。
エロゲヒロインを口説いて、やってしまえ。
ルール
騎馬軍団のコテハン×エロゲのヒロインのSS(ショートストーリー)をこのスレに書く。
60行以上とすること(5レスぐらいに分割する)
エロでもよいが、ただのゴカーンは不可。
他のSSサイトなどからの盗作は不可。
締め切りは9月23日午前3時。
これが達成できない場合は、年内の間、戦国版の外への出撃は不許可とする。
>75
つうか武田騎馬軍団はあんまりエロゲやってないんじゃないの?
少なくとも高坂はやってなさそうなんだが。ただ、山県だけはやたらと詳しいようだが(w
>73
業政ファンとしては武田や徳川よりも山内上杉家〜。
77 :
山県昌景:01/09/20 04:13 ID:B7kLDr8E
>>75 SS苦手なんだよなぁ・・・脳内でなら(;´Д`) ハァハァ・・・できるのだが・・・
例えば乃絵美たん・・・ああ・・・そんなことまで・・・(;´Д`) ハァハァ・・・(以下略)
>>76 つか貴方ほど詳しい訳では無いと思うぞ(w
78 :
森 長定:01/09/20 09:18 ID:Qw9y1TmE
脳内->乃絵美たんという反応を示す時点で、既にどうかなぁ(笑
>75
そんな芸のある奴が武田騎馬軍団に居るのなら、各地で
苦戦してないと思うのだがどうよ?
>78
ですなぁ。
作戦としては
1で突撃宣言。
とりあえず旗を立てる。(3種類ぐらいあるみたい)
陣立てのAAで煽りを包囲殲滅。
ぞぬ馬にまたがってぼやく。
ぐらいしか手がないようで。
100はおろか50レスまで持ちこたえることさえかなわずに、
ほとんどの戦線では撤退してますなぁ。
SSの締め切りまであと約60時間。
今戦役で、昌景殿が敗北の責任をとってお腹せっぷくとなりますかな。
80 :
高坂昌信:01/09/20 11:50 ID:PKteRKWA
今まで数多の板で戦って来たが、こちら程、知将の揃った板はなかった。
学歴板然り、軍事板然り。
81 :
高坂昌信:01/09/20 11:56 ID:PKteRKWA
>>79 武田騎馬軍団のスレは持続する事が勝利ではないのである。
素早く静かに板を侵し、敵将の屍、或いはその逃亡の痕跡のみが山と重なり、
そのスレの動きを止めてこそ、本分なのだ。
82 :
二木重高:01/09/20 18:33 ID:s7Oh/ZUM
>81
それって、
素早く静かに板を侵し>気づかれないようにひっそりとスレをたて
敵将の屍、逃亡の痕跡>確かに、屍には見えるが...
それって、せっかく騎馬軍団を迎え撃ってくれた他板の住人に
ちゃんとレスを返さないので、単独レスになってしまう→屍、逃亡に見えるということのような...
スレの動きを止めて>で、誰もレスをつけることなく廃墟となる。
本分なのだ>動きのなくなったスレを見て自己満足に浸り、勝ったと思い込む。
ということなのでは?これではただのあらし行為と大差がない。
各地に風林火山の旗を立てるだけでは御館様もよしとはせぬであろう。
現状では騎馬軍団の戦歴を見るにも、
堂々と合戦を行ったというよりは、
名乗りを上げたものの相手にされなかったという三下扱いにされた、
という屈辱の歴史に拙者には見えてしまう。
各板の住人と交流し、広く会議を起こし、
人の往来を盛んにすることこそ国を富ませる秘訣であろうと愚考するが如何。
なおかつ、他板の住人をも唸らせるようなレスをつけてこそ、
騎馬軍団の盟下に加えたと胸を張って凱旋することができるであろう。
ときには議論は無用!とばかりに、騎馬突撃をすることも必要であろう。
しかしその際には騎馬軍団のAAをいくつか用意するなり、
突撃風景のコピペ(吉牛のコピペみたいな奴を騎馬軍団用にアレンジしたり、あるいは
全くの新作でも良い)あたりを製作してからいくさに臨んでいただきたい。
83 :
二木重高:01/09/20 18:34 ID:s7Oh/ZUM
84 :
高坂昌信:01/09/20 21:20 ID:7sDAxOgQ
>>83の二木重高/エロゲ板住人殿の、
当家に寄せる忠節、まことにありがたく思う次第。
古参の我らもその心意気見習うべきところが多い。
http://salad.2ch.net/test/read.cgi?bbs=warhis&key=983724642&ls=50 まずは我が屋敷への来訪を歓迎し、一献お相手仕る。
貴殿もご存知とは思うが地獄の淵より蘇った我らに敗北・戦死の文字はなく、
信玄公、義信殿、勝頼殿、その他同志が出陣を促せば、
織田・徳川への反撃もかくやとばかりに果敢なる突撃を食らわせるのみ。
果たしてそれが如何に無謀な戦であっても、
ひたすらに前を向いて、突撃! 突撃! 突撃! …、
その後に負け犬が吼える事あらば全軍にて各個殲滅するのみである。
然しその時、無骨な我らの持ち味からして、
今現在は巧みなAA・SS等は無用かと心得る。
しかしながらこたびの提言、まことに有意義で有り難きもの。
我らも一旦、戦略の転換をはかる時期に来ておるのやも知れぬ。
よければ続きは本陣にて続けたく候。
85 :
山県昌景:01/09/21 04:03 ID:yowX.8BU
エロCGでもいいよ〜♪(はぁと)
86 :
名無しさん@初回限定:01/09/21 08:00 ID:iqQVd61Y
高坂は逃げたな。
SSを書くのは山県だな。
87 :
名無しさん@初回限定:01/09/21 08:01 ID:iqQVd61Y
乃絵美たんハァハァなら、深月がいいだろう。
既に知ってるかもしれないが。>山県
武田騎馬軍団…返り討ちか…?
乃絵美なら、「あは」のいた当時に「戦国板」でネタにした事がある。
山県はSSを書くのか…。
89 :
山県昌景:01/09/21 13:02 ID:CEULC4FE
>>86-88
何でそうなるんだ(汗
つか誰もSS書く剛の者はおらんのか! とか煽ってみる
>>87 あ、深月か・・・水月かと思たよ
どうやってラフしかないソフトで(;´Д`) ハァハァSS書かなきゃ駄目なんだと(w
90 :
森 長定:01/09/21 14:10 ID:rpfYeCYg
>89
乃絵美たんハァハァ(;´Д`)SSで良いじゃん。
心配せずとも、寒い出来栄えだったら高坂殿が介錯してくれるさ(藁
91 :
高坂昌信:01/09/21 15:15 ID:HWuAr..s
92 :
87:01/09/21 17:35 ID:wAQrw.Wg
深月とは↓内の乃絵美たんSSだ。
じっくり書かれている。いいぞ。読め。
ht://www3.tky.3web.ne.jp/~riverf/index.html
>91
高坂殿、生きておられましたか。
なりきり板のほうはどうなっているのですか?
2 名前:げんきあは 投稿日:2001/06/29(金) 07:51
ーー01ー02ー03−ー04−05−06−07−08−09ー10
00騎馬、足軽、OOO、OO、OO、OO、OO、OO、騎馬、謙信4
10鉄砲、足軽、騎馬、OO、OO、OO、OO、OO、騎馬、鉄砲
20あは3、足軽、鉄砲、OO、OO、OO、OO、OO、騎馬、騎馬
30鉄砲、足軽、鉄砲、OO、OO、OO、OO、OO、騎馬、騎馬
40騎馬、足軽、OO、OO、騎馬、OO、OO、OO、鉄砲、騎馬
5OOO、OOO、OO、OO、OO、OO、OO、OO、OO、OOO
あは、「移動」
これを改造したらどうですか、高坂殿。
94 :
村上義清:01/09/22 00:02 ID:iRcqGTSY
勝頼殿のエロゲが発売されて、初めて、我ら負けを認めよう。
仁科殿との兄弟ホモあたりをテーマにいかがか。
95 :
二木重高:01/09/22 00:03 ID:7ZupXjkY
with youやってないんだよなぁ。個人的にはやりまくりヒロイン舞子ちゃんのSSが良かったが。
ま、いっか。
乃絵美たんハァハァ(;´Д`)
よいSSを書いてくれたら、武田騎馬軍団に参加してもよいぞよ。
96 :
二木重高:01/09/22 00:13 ID:7ZupXjkY
あ、村上周防守殿。
我が主君小笠原長時様への度重なる援助、誠に有難く、
家中皆、周防守殿の徳を称えぬものはおりませぬ。
これからも憎き晴信を信濃から追い落とすまで共に弓馬の道に励みましょうぞ。
このスレにおいては我らが手勢が高坂、山県の両名を攻め立て、
高坂は尻尾を巻いて逃げ出しました。
残る山県は茶店「伊東屋」の乃絵美とかいう娘にハァハァしておるようですが、
声をかけることすらできないようです。
23日3:00には奴の首を討ち取って御覧に入れましょう。
97 :
名無しさん@初回限定:01/09/22 00:23 ID:EPUsUBwg
つーかエロネギ板の武田騎馬軍団のスレッドなのに
仁科盛信がでてこないのはどーゆーわけさ?
キャンパスプレイヤーはいないのか?
つか池柳彩女ファンはいないのか?
…いるわけないか…もう一体何年前のゲームだ?
それでもこのゲーム、PS化までされてるんだよね…。
『序章』
貴殿は竹田郡学園のさえない男子高校二年生。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿、本当の貴殿の姿を知るものは誰もいない。
…。
今日もまた誰もいない放課後の道場で竹刀の素振りを一心不乱に続けていた。
鬼気迫る彼の眼(まなこ)に見えているものは何であろうか?
ふと窓から心地よい秋の風が舞い込み、はじめておのれの額に汗が流れるを知る。
一息ついた。
選択肢
1,「…ふう、もうこんな時間か」
2,「…む、そこにいるのは誰か!」
3,「…如何にしても劣情は振りきれぬものよ」
3
102 :
名無しさん@初回限定:01/09/22 11:50 ID:qTBVIZzk
>>100-101
「…如何にしても劣情は振りきれぬものよ」
肉欲盛りの年頃ゆえか、その昂ぶりを抑えんと幾ら我が身を虐めても
彼の若さの源はひたすら1箇所へと集い、膨張を増すばかり。
握り締めれば火の如く熱く、そして鉄を貫く程の固さを感ずる。
手のひらに伝わるは、脈の音。
どく、どく、…。
それがただ続くのみ。
「…不覚! これほど修行を重ねても、俺は“これ”ひとつ、支配できぬのか」
憎しみが腕に力を加える。しかし、「それ」は強く握れば握るほど弾力をもって、
その力に激しくあらがう。
1,このまま、腕が離れない
2,我慢ならず下着をおろしてしまう
3,理性をふりしぼり、すぐにも竹刀を取りなおす
1
その状態を女人に見られる展開キボーン
>>103-104
彼は次第にこの「もの」に何か妖しい力を感じた。
せめられればせめられるほど、生き生きと強さを増す、その感触に
何やら不思議なほど引きこまれた。
「…こ、これは、…これはっ!!」
快感が身を駆け巡り、震えがはじまる。
いつしか上下する右手と、そして荒くなる息づかい。
身をよじるような感覚が、カタマリを濡らし、肌を濡らす。
…彼はまだ背後より忍び寄る影に気づかない…
1,次第に手は激しさを増して行き…
2,影は突如殺気を放った!
3,耳元を熱い吐息が襲った!
1かなぁ
次第に手は激しさを増して行く。
「ぬ…、ん、ん……」
息が漏れ、汗が漏れ、手に伝わるかすかな湿気は
やがてはっきり淫水となり、その蜜は下腹部に音もなく染み渡る。
ついに凄まじい勢いで手が早まる。
顔は真っ赤だ。
1,「うっ」
2,「・・・くん?」
3,「お前、何やってんだ?」
次の展開は午後18時以降に一番に
>>107の選択肢から選ばれたものと致す。
それでは一旦失礼仕る。
2です。
って18時以降だった(鬱
凄いよ…
こんな馬鹿なスレ見たことないよ…(誉め言葉…かもな)
よし2だ!。
ある意味面白い。
高坂殿は、浪人になったらその文才を生かして『エコール』に就職できそうだ。
114 :
山県昌景:01/09/23 10:10 ID:oPv8QDBU
ここはひとつ2でお願い致します(ペコリ)
昌景殿、乃絵美ちゃんはどうなったのだ?(藁
うーん、ここはおもろいので見逃してやろう。
漏れも2で逝ってほひい。
で、高坂はどこ行った?早く戻って来い。
まさか、武田騎馬軍団の勝利と思って退却したか?
119 :
二木重高:01/09/24 02:26 ID:CpyFsy.w
仕方ない、拙者が一レスだけ続きを書こう。
と、思ったが、やっぱりやめた。
なぜ騎馬軍団に塩を送らねばならんのだ。
というわけで、Campus出てきたから再インスト。
実は舞子シナリオと優夏シナリオしかしてない。
なんだか彩女さんが、騎馬軍団に関係あるようなのでやってみるさ。
悪いが突如仕事が立て込んできて、今はエロ話をしている時ではなくなった。
しばしのお別れだ。勝ち負けなどはどうでもいいから、誰か続きを頼む。
忙しかったんで久しぶりに来たらマジで高坂殿がSS(?)書いててびっくりしたヨ。
主家上杉家と我が箕輪衆の敵ながら涙ぐましい努力に多少感動を覚えた。
>77
山県殿、俺もそんなに詳しいわけではないぞ。
つうかエロゲ歴三年程度だから古いのはサッパ〜リだし。
まぁ、暇なんで(w。
高坂殿が復帰するまで代りを二、三回務めよう。
あっ、そうそう勝手に主人公の名前は「高坂」に決めたから。
「高坂くん?」
突然、真後ろから響いその声に高坂の心臓は破裂しそうなほど高鳴った。
行為に没頭し、人の接近をここまで許して己の痴態を曝したしも知れない未熟さを恥じ、
高坂は慌てて反り起った怒張を隠すと乱れた胴着を必死に直しながら振り向いて言った。
「だっ、誰だ?」
1.「鷺ノ宮藍(notなりきり藍たん)ですわ、高坂お兄様」
2.「月宮あゆだよ、うぐぅー」
3.「山本和枝です、子供産みました」
123 :
長野業政燃え:01/09/25 00:58 ID:JUbnFE62
鬱だ・・・脱字があった。
「曝したしも」→「曝したかも」な。
ついでにageとこ。
124 :
二木重高:01/09/25 01:25 ID:jmp5SVAk
俺はうぐぅを愛している!
>124
鍵っ子だったのか(w
ところで選択肢はどれを選ぶんだい?
一応、ちゃんと番号で選んでくれると分かり易くて在り難いんだけど。
固有名詞を出されると拙者は以後参加できなくなってしまうのだが、
面白ければ何でもいいので、応援sage。
誰か
>>122にレスすべし。
>126
そこまで考えていなかったヨ(´Д`;
ちょっとした嫌がらせ(ぉぃ)程度のつもりだったのに〜
高坂殿に書いて貰わないと意味がないので固有名詞は取り下げるよ。
ところで、誰か早う選んでくれ。
二木殿の発言は『2番』なのか単に『あゆ万歳』なのか判断がつかんし。
長野殿、固有名詞ってのは、エロゲキャラ名の事なり。
拙者は実に恥ずかしながらこの手のキャラクターにはとんと無知で。
まだ団鬼六の作中人物の方が把握できる。
何はともあれ、貴殿の侍魂に敬意を捧げる!
>122
やはり、高坂殿でないと無理だという事か。
>128
てっきり主人公の名前の方かと勘違い。
高坂殿の仕事が一段落ついたように見受けられるので、
この際、俺の『122』を無視して再開されては如何か?
あと、固有名詞のあるキャラでも
一々そのキャラのキャラクターを尊重せず、
ただの一登場人物として自分の思うが間々に扱うと言う手もありかと心得る。
とりあえず遅レスになるが、それではお言葉に甘えまして
>>107の続きをば。
「…くん?」
「…え!?」
振り向けば、逆光の少女。
眩しい。誰だったか? ばさっ。
少女の髪がしばし強い風に流される。その香りは長く続いて彼を酔わせた。
衣類がはばたく。髪が乱れる。風の他は静寂のほかに何もない。
そして止む。
「夏子・・・か?」
そこには幼馴染の夏子がいた。
彼女は頬を赤らめ、うつむき加減に答えた。
1,「う、…うん。何してるのかなって寄って見たんよ」
2,「ばかっ。一緒に帰る約束していた癖に何やっとん!」
3,「どうしたん? 汗かいて」
今夜はレスできなのでご了承願いたい。
それとsage進行を切望。
2
>>130 「ばかっ。四時に校門前の約束していた癖に何やっとん!」
「あー、…まあ、その…なんだ。そんなつもりはなかったのだが、つまり…」
「あーあ、約束は忘れるわ、女の子の前でそんな真似はするわ、
本当、昔から成長がないんやな。もう」
「……」
夏子もまた、その口うるささは昔から変わらない。
こいつ、見れば悪くない面しているんだから、
もし自覚があるんだったら、少しは可愛げのある喋り方をすりゃ
もっと人気が出るだろうにな…。
彼は下着の中がみるみる萎えるのを感じた。
「……とにかく外で待っとるから、早う帰り支度するんやで!」
そういえば、俺はこいつと何の約束で一緒に帰らなければいかんのだったか?
1,何だか知らんが誘われた
2,妹の誕生プレゼントを一緒に買いに行く予定
3,彼女がストーカー(痴漢?)につきまとわれているので護衛
134 :
山県昌景:01/09/26 17:42 ID:1MyBTz42
では含みを持たせそうな3で
帰ってきた高坂に涙。やはり貴殿がいないと…
思い切り武士道に走れそうな山県の選択に禿げしく同意。
ここは3で行くべきだろう。
山県…貴様も漢を見せる時ではないのかな?
136 :
山県昌景:01/09/27 04:08 ID:pOQS5nCM
いや、儂は他のスレでなりきりせにゃならんし(w
>>133-135(感謝申し上げ)
夏子が言うには最近、電車で痴漢に狙われるらしい。
「お前だったら、そやつの手を針でつつくくらい何でもなかろう」
「そんな怖い事、うち、ようせんよ…」
已む無く求めに応じた次第だ。
言われて見れば夏子は昔からそんなところがある。
気心の知れている者には騒がしいが、見知らぬ者には消極的だ。
いつも明るくふるまうので誰もが誤解しているのだが、
本来、彼女は人見知りが強い性質である。
校内では常に大勢の中心にいて騒がしく、陽気というか得意気に構えているが、
それはあくまで旧知の友達と共にいるからであって、その友達がいなければ
恐らく初対面の相手には、挨拶もしどろもどろになるに違いない。
>>137の続き
…。
七年前の俺ん家、小学生の俺と妹と夏子。夜八時。座敷。
テレビで怪奇現象の特集をやっていた。俺は怖くて時々泣きそうな顔をする。
妹がそれを見つけて、夏子に告げる。二人が笑う。からかう。
俺は逆上する。妹を蹴る。夏子も怒る。ひっぱたかれる。
女に手をあげられたのは初めてだった。ひっぱたき返す。
女に手をあげたのも初めてだった。
二人がすすり泣きはじめた。
ばつが悪くなったので座を蹴って、手洗いに向かう俺。
その途上か、手洗いでかは記憶が定かではないが、
台所から俺の母と夏子の母が静かに話をしているのが耳に入る。
夏子の一家は半年前に引っ越した。しかし、突如戻ってきた。
しかも前と同じく俺の団地に。
そこで聞き取れた話しは、少しだけだった。
何を聞いたかは覚えていない。でも、そこで得た話しとそれぞれの断片から
窺い知れた事情は、ちょっと意外なものだった。
両親の引越しがあってから、夏子は毎晩、枕を濡らすようになった。
彼らははじめ、ただの郷愁と思っていたが、何ヶ月も続くので不審に思った。
理由を聞いても「泣いてなんかない」と怒るばかり。
ある日、学校から電話があった。夏子の担任である。
「夏子さんはお休みですか?」
そんなはずはない。朝、いつもみたいに元気よく登校した筈だ。
しかし、やはり来ていないと言う。
夕方、夏子は何事もなかったかのように戻ってきた。
両親が問い詰めた。翌日から夏子は学校に行かなくなった。
引越し前後の夏子からはちょっと想像できない話だった。
校門に着いた。空が淡く焼けている。夕暮れの月にどこか艶気を感じる。
しかしなぜか夏子の姿が見えない。
着替えはそんなに時間をとらなかったはずに思うが、これは一体。
おや、こちらに向かう生徒が見える。
1,「ごめーん」夏子だ。
2,あの美しい姿は、輝子先輩だ!
3,や、やばい、ヤンキーの織田だ。モンキー羽柴を連れているぞ!
3
3なのか・・・
戦国ハイスクール・ノブナガみたいになりそうだ(w
板違いも甚だしいのが、騎馬軍団らしくて良し。
高坂の逝き様、しかと見届けさせてもらうぞ。癌ばって暮れ。
143 :
高山右近:01/09/28 01:06 ID:3nJ3neqI
エロゲネタというより、単なるネタになりそうな雰囲気が(藁
マヂで面白いです。
高坂殿、期待しております!
>>140-142
あれはヤンキー織田だ。この前、奴の子分の徳河がうちの剣道部員の
今川を虐めていたのを見つけたので、病院送りにしてやったばかりだ。
人の目を忍んでの闇討ちだったので、誰もこの事は知らないはずであるが、
ほとぼりが冷めるまでは、何となく織田に会いたくなかった。
奴は俺を見つけるなり、甲高い声で「武田か」と声をかけてきた。
「ご覧の通りよ」
「であるか」
そのまま、お互い目もあわせずに横を通り過ぎる。
羽柴は双方に凄まじい殺気を感じたが、一瞬眉をしかめただけで
いつもの陽気な面に戻った。
「武田くーん」
夏子の姿が見えた。
「ごめん、ごめん。ちょっとトイレいっとったんよー。待たせた?」
「いや、お互い様だ。気にするな」
下校する二人。果たしてこの先、二人を待ちうけるものは何か…!
待て次号!!
145 :
高坂舞子:01/09/28 01:49 ID:Jxmi2fyE
144の妹の舞子です。
このたびはお兄ちゃんがごめいわくおかけしてどうもごめんなさい。(ペコリ)
はぁ……なんでこんなことになっちゃったんだろ。
昔のお兄ちゃんは、優しくて、家族思いで。
頭だってテスト100点ばっかりだったし、
お友達に囲まれていっつも楽しそうだった。
でも、あの日の後、もうお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなくなっちゃった。
……お兄ちゃんは、少しも悪くないんだ。悪いのは、あいつ。
なにか、皆さんに、おわびにしてあげられることがあると、いいんだけど……
ううん、待ってて。
私が、お兄ちゃんを元通りのお兄ちゃんにしてみせる。
そして、お兄ちゃん自身が、自分でこのあやまちをつぐなうんだ。
だから、ほんの少しだけ、待ってて。
ごめんね、おねがいします。
>>144(時間に余裕があるので早速、次号)
ガタタン、ゴトトン、がたん、ごとん、がたん、ごとん
電車内。リーマン多数。学生少数。
車内は満員。
いつも夏子はこの時間に乗り合わせる。
夏子の策に従って、俺は夏子の斜め後ろに立っている。
がたん、ごとん、がたん、ごとん。
彼女の話しだと痴漢はいつも背後から現れるそうで、
その顔姿までは恐ろしくて見た事がないらしい。
俺は夏子のスカート部分に注意を払う。やがて俺と夏子の間に
中年のポマード臭いリーマンが割りこむ。
こいつが犯人か?
がたん、ごとん、がたん、ごとん、がたん、ごとん。
いや、この男は揺れでたまたま望まずにここまで来てしまったに過ぎない。
だがこのままだと夏子に触れる手があっても見つけづらいしも知らん。
ん? 待てよ、あれはなんだ!
がたん、ごとん、がたん、ごとん、がたん、ごとん。
俺の視線の先には夏子のスカートをまさぐる手があった!!
(選択肢・今回はこれ以後の3レスまでのうちから多数決)
1,その手はやはりそのポマードの男だった
2,俺はその手を握り締め、強引にひっぱった
3,その手は…俺の手であった…。夏子…!
4,実は夏子が尻をかいているだけだった
147 :
山県昌景:01/09/28 01:59 ID:RbQ6JakU
レス数が801板を超えた模様、祝着。
********* 軍議タイム *********
(このレスは
>>147の言う3レスに含みません)
>>134-136
山県殿の他所での鬼神も避けるようなレス働き、
しかと拝見しておりまするぞ!
ちなみに「ストーカー(痴漢)」としたのは、
まだ拙者がどっちにするか決めていなかっただけである。
>>141-143
正直、エロゲなるものが如何なるものかは拙者、存ぜぬ。
よって板違いは覚悟の上だが、sage進行で続けさせて頂ければ幸いである。
こちらも久々に戦が楽しいでござるよ。
>>145 いずれ、我らはうぬらのようなコピペ軍団とも雌雄を決する方針である。
楽しみに待っておれ。
>>147 拙者、しばらくこの板の戦に専念する事に致したので後はどうかよろしく頼む。
149 :
高山右近:01/09/28 02:57 ID:3nJ3neqI
今後の展開を期待し、2に一票。
じゃぁ俺は3きぼ〜ん(w。
ところで、ヤンキー織田軍団には明智殿や
柴田殿、滝川殿や佐々殿といった面々もおられるのかな?
151 :
高坂昌信 ◆CZSM0JCA :01/09/28 03:58 ID:KU/p9l66
固定しかいないので換気age。あと1レス所望。
152 :
山県昌景:01/09/28 05:46 ID:.KflHtdo
固定って言っても捨てハンだし、儂以外の山県も2〜3人いるようだが(w
というわけでねちっこくなりそうな1を所望致します〜
153 :
森 長定:01/09/28 09:04 ID:5XMrl1fI
>高坂殿
・・・アンタ漢だ。カコ(・∀・)イイ!!
まぁ仕事に差し支えん程度にな。
ときに145だが、これを上手くSSに取り込むぐらいの度量が無いと
この板ではやってられんのも事実。頑張ってくれ。
エロゲ的には、満員電車内での羞恥プレイに期待で3だが、
そんなものを高坂君に求めてはいない。
1だな。
狼煙は上がった。突撃セヨ!
抜刀ぢゃ、高坂!!
>>149-154 お礼の言葉もなくただ感謝申し上げるばかり。
1,二票
2,一票
3,一票
4,0票
>>146 その手はやはりそのポマードの男だった。
いやらしい手つきで夏子のスカート周辺を撫で廻す。夏子は一瞬びくり震える。
男の指先はしぱらくスカート越しに肌の輪郭を愉しむ。
意外にいい形のようだった。そのまま窪みを探り、中指が蛇の舌の様に蠢く。
見ればかすかにワナワナと震える夏子。
間違いない。こやつは痴漢だ。
「おい、おっさん。ちょっと待てや」
「な、なな、なんだっ!?」
男の手首を素早く握り、高々とそれを掲げた。
車中の人ごみが俺と男にざっと目を向ける。
「お前、俺の財布すろうとしとったやろ」
「き、きみぃ、ぼくはスリなんかしないよ!」
「ええから、次の駅で降りるんや。覚悟しとけや」
がたん、ごとん、おとん、おかん、がたん、ごとん…。
「次は信濃〜信濃〜。降り口は右側でございます」
俺たちは男を鉄道警察に突き出し、赤面する夏子の前で
奴にその犯罪行為を自白させる事が出来た。
ざまあみろ、悪は必ず報いを受けるのだ。
御旗・楯無御照覧あれ! …あれれ、俺は何を…。
「武田くん」
既に星の出る空のもと、帰宅の途上で夏子がそっと声をかけてきた。
「ありがとう、武田くん」
「改まって言わんでくれよ。お前らしうないやん」
「…でも、やっぱり、ありがとう」
「…何度も言わんでええって」
「でも、うち嬉しいわ…。ほんま、なんてお礼言うたらええんかって思うたら」
「だからええんよ。俺やって、ちょっとヒーローみたいな事できたし」
「…うん」
なんだかいつもの夏子ってぽくなくて、不思議な感じだ。
(選択肢・先着者に決定)
1,ヒーローに救われたヒロインだったら、やっぱりお礼は…
2,ちょっと遅くなって両親も心配しているだろう。無事に届けてやらねば
3,苦手な空気だ。ここは話題を転じよう
4,団地までちょっと遠いな。お、あそこの自転車かっぱらってやるか
1しかないだろ、早く濡れ場にgo-----
>>157-158(レス早いな、おい)
夏子の手をそっと握った。顔をそむける夏子。
しかしその手はこちらを握り返してくる。
二人の胸が静かに高鳴る。
汗ばんだ手にぬめりを感じる。
互いにすべって放さぬよう、次第に強まる握力が「何か」をあらわしていた。
少し帰り道と違う方向に歩みを進める。
夏子はそのままついてくる。
道影に近づく。
1,「夏子、ちょっと目を閉じて」
2,「夏子、ちょっと照れてる?」
3,「夏子、ちょっと身体かして」
4,「夏子、ちょっとトイレいってくるYO!」
5,「夏子、今日は俺からもありがとう。でもそろそろ帰ろう」
うおーーー1か2か3を選択したいが、俺が連続で選択しちゃ駄目だぁーーー。
161おまえに任せた!
4,5は論外(w
せっかちな158を代弁して3を選択。
逝け、逝くのだ弾正。
>>160-161
「夏子、ちょっと…」
顔をそむけたままの彼女。
「身体かして」
顔をそむけたままの彼女。
「…」
顔をそむけたままの彼女。
ぶんっ
顔をそむけたままの彼女。
ぱあんっ。
星空。
強烈な平手打ちに俺はぶっ倒れた。
起き上がって先を見る。
「武田ー。おまー、ちょーしにのんなやー! ばかーっ!!」
あっかんべーをする夏子。
畜生っ。
普通の女ならここで戸惑い気味にも口付けくらいはさせてくれるぞ!
已む無く俺は一人帰途につくのであった。
res早っ!
しかし、もしかしてBAD END?
もしそうなら、「ひとつ前の選択肢に戻る」でお願いね。
自室。
「夏子の奴、なんか今日は妙に興奮ばかりさせやがって」
道場では人の恥ずかしい様を見、おのれもまた
車内で恥ずかしい姿を望まずも見せ、
おまけにああいう雰囲気に至れば、わが劣情も絶頂に至るというもの。
それをかように無下にするとは、全く罪な女である。
…いや、これはいい修行の機会なのかも知れぬ。
今の俺は女にうつつを抜かしている場合ではない…との天の示唆かも知れぬ。
壁に掲げられている、孫子の御旗に目をやる。
左様、俺は甲斐武田家最後の当主とされる武田信勝の末裔。
先祖代々の使命は「御家再興」。いずれは都に武田菱の旗を立てねばならぬ身。
しかし…、幕府も何もないこの時代にそれに何の意味があるんだろうか。
俺は寝台にごろりと寝そべった。
序章終わり
今回出会えた人物
「諏訪 夏子」幼馴染。セミロングの美しい黒髪が自慢
「織田 三郎」暴走賊集団・天正連合の頭目。
「羽柴 秀義」織田の子分
まだ他にも「足利 京子」や「織田 市子」なる女性キャラが多数います。
頑張って探しましょう!(第一章「出会い」に続く)
>>163 実は最初に「序章」としていたので、
いきなり挿入までいかせるつもりは毛頭なかった。
やっても口付け程度で邪魔が入る手はずだったのでござる。
それと「戻る」は視野に入れていないのでご容赦願いたく候。
第一章『出会い』
…武田の自慰、それははじめて夏子が見る男性の真実の一面であった
そしてその時、男も女よりも深い劣情を常に抱えているのをまざまざと
目にしたのである…
…痴漢の手が夏子の身体をしびれさせた。
巧みな指使いにさしもの彼女もにわかに湿りはじめていた…
…我が手の中で身悶える夏子。「ああ…。武田くん…っ」
黒髪がばさばさと首をふる彼女の顔を乱す…
う。
やってしまった。
俺は昨日の淫欲のかたまりを下着の中に思いきり放ってしまった。
これは夢精なるものらしい。生まれてこのかた、三度目の経験である。
下着を替えに行かねばなるまい。そっと階段を降りて脱衣所に出向く。
新しい下着をつける。それにしてもおかしな夢だ。
彼女の心理を代弁するかのような何かが俺の中に伝わっていった。
まあ、あれは単なる夢であり、すなわち妄想とでも呼ぶべき代物だが、
それにしても、まるで俺が夏子になって、夢を見ているような気持ちだった。
さて、
1,窓の向こうに見えるのは…
2,妹の部屋から物音が…
3,明日は夏子にあやまろう…
>>166 むむ、お主の黒光りする長刀の活躍は次章か。
騎馬軍団スレで、あってはならない良スレだね(藁
続きもがんばってくれ。
しばし休憩。
>>167に関しては選択肢をえらぶ他に
その先の希望の展開も少しだけ書いていただけるとありがたく候。
>>168 かたじけない。どうか想像力豊かな諸兄は
今宵は
>>167の夢精シーンを枕にして頂きたい。
それでは本日はこれにて…。
4、自分が夏子である事に気がついた
で、お願いしますだ
>167
2。兄をネタに自慰中の妹を希望(w。
いかん、また明日の昼頃まで留守にする。
許されよ…。
>>167 >>172 2,妹の部屋から物音が…
何やら妹の部屋より、尋常ならぬ物音がする。
何事か。忍び足でこれに近づく。
暗闇に部屋への扉。中も暗闇。
耳を澄ませば、かすかに鼻息、そして甘たるくうめく声。
賢明なる読者諸兄にはここで一度口を閉じ、鼻だけで呼吸願いたい。
やや大きく、吸いて吐いて…を繰り返す。
そして自らの鼻息にしばらく聞き耳をたてて頂きたい。
武田晴彦が聞き取る声は、およそこれに似通っている。
違いがあるとすれば、それが時折、「ん」、「ぁふ」などと
切ない吐息が織り交ぜられている事である。
真っ暗闇の寝室より、このような声が聞こえれば、
やはり自然、異様な気分にとりつかれるは道理というもの。
ここで晴彦があるまじき興奮を覚えたとしても一概には責められまい。
まさしく彼の“男性”は生き生きと直立していた。
(…こ、これは…!)
「…あ、…うん、…んっ、…」
闇に目がなれ、寝台から漏れる白い足が恥ずかしげに蠢いているのが見える。
ここでようやく妹の雪が、おのれの身体をおのれ自身で慰めているのが知れた。
晴彦は妹も人なれば無理なき事とは思ったが、
それにしても見るべきではないものを見たと後悔の念にかられた。
そして、おのれの分身の節操のなさにひどく恥じ入った。
ここは早く立ち去らねば…、そう決めて、踵をかえそうとしたその時、
聞いてはいけない声を聞いてしまった。
「…あ、…ぁあっ! …兄上っ」
>>174 「こ、これは」
晴彦は金縛りにあっかの如く、身体の動きを封じられた。
「ああ、兄上…、兄上…、もっと…、もっと雪を辱めてっ…」
祈るような声だった。
紛れもない。雪は兄・晴彦を思い描き、その手管をおのが秘所に用いていたのだ。
布団が時に激しく上下する。囁くような喘ぎ声。
晴彦と彼の分身は思わず震えた。
とくにその分身に至っては震えを重ねて強度を増した。
そして雪が思い描くであろう、彼女とおのれの同衾図を一瞬妄念に浮かべ、
ぞっとするような抵抗感と、妖しくも甘い幻惑に狂おしいような煩悶に襲われた。
突然の驚愕すべき真実を、一度に全て否定してしまいたいような、
一度に全て受け入れてしまいたいような、不思議な苦しみ。
我が腕の中で身をよじらせる妹の苦悶する姿、
妹から我が身へと向けられる淫らな囁き、
その白き手に握られた男性自身、
導かれて吸いつけられる濡れた愛の源、
二人が同時に思い描いた極楽のような地獄図がそれだった。
朝の食卓。母が目玉焼きをトーストにのせて置く。
「おはよう、兄上」
妹・雪が晴彦に眠たげな細い目でそっと微笑む。
「おはよう」
晴彦も席に着く。
傍目にはごく自然なひととき。
しかし晴彦はどこかギクシャクした動きを放っていた。
いつものようでいつもとは違う光景にどうしてよいのか解らない。
常の如くふるまえばよいはずであるが、
通常、おのれがどのようにかような場を過していたのか思い出せぬ。
女はこういう事にするどい。
「兄上、どうかした?」
幼げな瞳が晴彦を無邪気に見つめる。
果たしてこれが昨夜、あれほど一人乱れていた女であるか、
悪い夢の続きだったのではと、一瞬だけおのれを疑う晴彦。
見ればあまりにあどけなく、やはりまだ色気を持つほどには見えない。
母がサラダを並べて席に着き、二人の方を向く。
「そういえば、明日は雪の誕生日ね」
「そーそー。プレゼント忘れないでよー」
気が紛れればこれ幸いと晴彦も会話に加わる。
「そうだったな。ところでお前っていくつになるんだっけ?
(選択肢、年齢・口調を決めるべし! 午後23時までの時間制限多数決)
「明日で(11-16)歳・それくらい覚えておいてよ〜」
>>171 なぜか一瞬、「夏子」が「水子」に見えてどきっとした。
それも面白そうだったが、拙者の力量ではそこまでの飛躍は
難しいので今回は断念した。大変申し訳なき次第。
>>172 いつもレスを頂き、まことにかたじけなく候。
今回は書いている拙者自身もいささか恥じ入るような
劣情に襲われたことをここに告白しておく。
実は拙者、姉妹がないため、妹属性なのである。
178 :
高山右近:01/09/30 17:29 ID:euIm7Lkw
>176
じゃあ、中学生という事で、15歳を希望。
ちなみに制服描写(とーぜんセーラー服)とかがあれば・・・。(w
いや、逝ってきます・・・・・・。
そう来たか(w
俺は妹属性で無いので、今回はパス。
ただ、住人の中に妹萌えは多かろう。ageてみるのも一興かと。
高坂がそれを望まないのなら、しょうがないけどさ。
それではご好意に従いまして、スレageまする。
>>178 その上、切支丹であれば、尚の事、抑えが利かなくなりそうですな。
>>179 それでは以後のage、sageは住人諸兄の考えにお任せしたく存じます。
拙者個人は内容が内容だけにやや恥じ入るので基本的にsageで進行。
>>180 該当するスレを拝読した。
でもちょっと拙者のとは属性の種類が異なるように感じた。
拙者の場合、求めるのは、いわゆる「かわいい妹」ではなく、
大正以前の「家長制度の一員として耐える女」としての妹で、
言わば古風なタイプの妹像。
考えがかなり古いのやも知れぬが、拙者個人はこういう所に、
秘めた禁断の香りを感ずる。…多分、頭おかしいんだろうな。
はじめの方に
このスレは
>>100から読んで頂ければ、そこそこ面白いと思う。
184 :
179:01/09/30 22:50 ID:IKpBw5OE
ぐは。。。あまりレスが付かんか。
あげを推奨した以上、責任を取って無理やり回答するよ。23時まであと少し・・・
年齢:
>>180で良いと思う
口調: 高坂がイメージしている通り、時代劇調なキャラにして良かろう。
「兄上、それはなりませぬ」とか「雪は…雪は、もう涅槃の心地
でございます」等。
しかし、いまいちな回答だな。センスねえよ…俺(TДT)
俺の後にレスが付いていたら、そっちを優先してくれ。
ついでに引責age
さすがに、このスレ常時参加者じゃないと最初から読む気がしないでしょ…。
だから参加者が少ないのは仕方ないのでは…?
>185
そりゃそうだが、高坂みてると同情を禁じえんのよ。
涙でディスプレイが霞んでね・・・
>>176 >>180 14歳中学生
「14、14。ちゃんと覚えといてよ!」
ややへそを曲げる雪。
言うな。それくらい知らずにどうする。ただの冗談を冗談と解せぬがまた
雪らしいといえば雪らしい。
そう言えば、数ヶ月前、俺の誕生日には雪もこづかいをはたき、
かねてよりの念願であった野村秋介氏の名著「行動右翼入門」
(絶版?)をどこからか入手してくれたように思う。
こちらも兄として相応の贈り物で返してやらねばならぬだろう。
俺はコーヒーを飲み干すと立ちあがり、学生鞄を手にとった。
いってくる。
玄関を出る。晴れ空に雲一つない。
さて…、
1,いつも通り電車通学
2,定期が切れて、金もなかった。自転車通学
3,猿岩石(片割れは今はホスト)よろしくヒッチハイク通学
188 :
179:01/09/30 23:33 ID:JGs8W98A
4,馬を引けいぃ!!
が良いのだが(w
それはさておき、俺が連続で書き込むのもなんなので選択は189に任す。
行動右翼入門って、アンタ(w
そういうのなら、
5、来るべき国難に備え、身体を鍛える。学校まで全力疾走!
だろう。
6.雪、ベッドに行こうか
4、と言いたいところですが・・・。
そろそろ真面目に答えてあげないと、企画が破綻しそうな予感。(w
それでは、1に一票でどうでしょう?
今日はもう撤退します。
選択ぐらいしか参加できないですが・・・、応援してます!
>>187続き(
>>188-189採用)
朝から武田は馬の如く気力充実していた。
もて余す若き力がいつしか俺を駆け出させていた。
「昨日より我が身がおかしい。これもたるんでいるせいかも知れぬ」
そう思い、武田は学校まで全力疾走を試みた。
ざっ。ランニングの若者を抜く。
ざざっ。警察官の自転車を抜く。
まこと素早い。しかも息一つきれていない!
物凄い勢いでたんぼを耕す老婆の如く、見るものを驚愕させる迅速さであった。
それもそのはず、彼は幼き頃より父の虎信より、超人的な鍛錬を受けている。
その為か生半可なスポーツ選手とやりあっても、軽く蹴散らす自負を持つ。
速きこと、風の如し。
既に校舎が遠景に見えはじめている。
あの角を曲がってしまえばゴールインだ!
だだだだだっ…
彼が角を曲がろうとした瞬間、脇道から…!
1,見知らぬ少女が飛び出した!
2,織田のバイクが飛び出した!!
3,(任意)
***************************
>>183 実用性に至るには本番行為が必要か…。言われて見ればその通り。
近く機会を作るとしたい。
>>184-186
人は城、人は石垣…。はじめこの板はこの板の住人の愛する人物との
戦いになると予想していたが、いつしかおのれとの戦いになってしまった…。
お目汚しで申し訳無いが、レスをつけて頂ける御仁がいる限り、
このまましばらく拙者はsageて続けさせて頂こうと思う。
>>190 濡れ場はそんなに簡単に来るともったいない気が…。
何ももったいぶる程のものではないが、プロの風俗や売春のように
素人が簡単にやってしまうは何とも切なくて感情の移入が難しく。
>>191 貴殿が切支丹なので思い出したが、南蛮の切支丹は日本の武士を絶賛したが、
僧侶たちは男色を好む事もあってひどく嫌っていたように思う。
我らも衆道なら些か覚えがあるのだが、どのように見られていたのだろうか?
しかしこれは801板の話題やも知れぬな。
***************************
>192
3.任意
これは通称偽春菜が飛び出したと解釈してよろしいか?
任意たんハァハァ。
でも「embryo」に変わったぐらいから起動してないからよく知らない。
…って家燃えるんだったっけ?
196 :
二木重高:01/10/02 02:28 ID:zNlY2H9Y
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
まんこまんこまんこまんこまんこまんこ
頼むから、騙りは止めてくれ。
俺はうぐぅを愛していたり、生まれ変わるときは舞子ちゃんみたいな義妹持ちと決めてたり、
IDの見える板で堂々と自作自演してたり、妹スレで転がりまくってたりするが、
ま○こと連呼するほど元気じゃないぞ(藁
任意たんハァハァ…。
頭痛だ…。風邪をひいてしまったわい…。
高坂殿、お気をつけなされ!
このスレは貴殿の活躍にかかっておられる。
>192は2で
新たな萌えキャラきぼ〜ん
全然旗が立っとらんようなので、この辺で
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃
┃火風┃
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃
┃
>201殿
1を選択の間違いでは?
それとも、お市の方の登場を切望されているのかな。
>199
偽野望はまだ戦国板にいたのか…
205 :
名無しさん@初回限定:01/10/04 01:46 ID:xA8V8YuY
どーでもいいのですが、このスレタイトルは村上春樹のパロディなのでしょうか?
206 :
リーザス:01/10/04 06:10 ID:B1G4vZmI
ランスアタックやバイロードに勝てますか?
更にはC2号ゴリアテやら、チューリップ1号やら・・・
あぼーん
208 :
201:01/10/04 09:55 ID:3qq2GeQg
>202殿
不覚、間違いでござった。
しか〜し、お市の方登場は面白そうですな。
209 :
高坂昌信 ◆CZSM0JCA :01/10/04 20:53 ID:CY54pU4s
>>192「1,見知らぬ少女が飛び出した!」
どがっ。俺は激しい衝動に振りかえった。一人の少女が道端に倒れている。
声をかけた。返事がない。ただのしかばねのようだ。
ん…。いや、息はあるぞ。おい、大丈夫か!?
揺り起こす。顔を見る。
「ん…」
肌に生気が戻る。
どうやら大丈夫なようだ。それにしても、美しい端正な顔立ちだ。
しっとりしとした長い黒髪、気の強そうな切れ長の目…。
この顔、どこかで見たことがあるような気もするが、はてこれは。
「…あ」
目を覚ました。
「大事はないか」
「…ええ、何とか」
彼女の口元が小さく微笑む。瑞々しい唇に胸が高鳴る。
目があった。何とも知れぬ眩しさに思わず顔が照るのを感じた。
しかし俺は目を離さなかった。
(こ、これは…)
紛れもない。この女性こそ学園一の美少女と噂される「織田市子」その人であった。
手をかして、そっと立ちあがらせる。細くて冷たい手だった。
立ちあがったと思うと、肩にもたれかかって来て驚いた。
「どうしたんだ」
足を抑えている。ちょっとくじいてしまったらしい。
1,「あ、歩けないんです…」学校が近いので背負って保健室に連れる。
2,「いえ、大丈夫です」歩行に問題ない模様。共にゆっくりと登校する。
3,「…」すすり泣き出してしまった。(アクションは選択者の任意)
210 :
カキカキ:01/10/04 23:45 ID:uFmtUqbQ
桝添「萌衆だ!萌衆が攻めてきたぞ!!」
211 :
名無しさん@初回限定:01/10/04 23:50 ID:nm5veA1Y
213 :
高山右近:01/10/05 01:43 ID:UIuodbvk
お疲れ様です!
それではお約束的ながら、1に1票!
>>209 1,「あ、歩けないんです…」
やむを得ぬ。俺は市子に背を貸す。
遠慮気味な様子であったが、他に術がない事を伝えると、
「…じゃ、お願いね」と静かにしなだれかかって来た。
肩にかかる細腕、後ろ手に支えられる足、背に触れる柔らかな身体。
官能的な髪の香りと肌の温かみに前身が粟立った。
人が見れば、何と羨ましがるだろうか。
「保健室まで我慢願おう」
前かがみの姿勢のままで学校へ向かう。
校門をくぐり、しばし歩めば、保健室が見えて来た。
戸を開けて、声をかける。
「あれ。武田君、どうしたの?」
足利先生が奥からそっと顔を出す。
「あ、上杉先生。実は…」
先生は俺の説明よりも早く歩みより、市子の足に触れて見せる。
「あらら。これはどうしたのかな〜。え、足が…? 見せて御覧なさい。
うーん、ちょっと捻挫しているみたいね。少し休むといいわ」
「はい…、そうします」
___________________________
帰りしな、先生が礼を言う。
「武田君、いつもありがとうね」
「いや、なぜだか俺の周りで怪我をする奴が多いだけだよ。
剣道部だからかもな。今川の時も世話になったね。
こちらこそ、ありがたい限りです」
「それにしてもあなたにしては綺麗な彼女じゃない。
てっきり諏訪(夏子)さんとつきあっているのかと思っていたわ」
「違いますよ! 俺はどっちともそんな関係じゃ…」
「あははは。あ、そろそろ授業はじまるでしょう?」
「おっと。そのようだ。では市子さんをよろしく」
___________________________
授業も終わり、部室へと向かうその途上…。
「ぐおおおおおおおおーーーーーっ」
突如、バイクの凄まじい爆音!
振り向けば目前にまで迫る賊の一団がそこにいた。
「天正●連合」の鉢巻をした連中が急ブレーキで俺の前に立ちふさがる。
この付近一帯を統べる地獄の暴走賊団だ。
頭目の織田三郎が木刀片手にバイクを降りた。
「よう、武田。朝は俺の妹が随分と世話になったそうじゃないか」
「? 何の事だ…?」
「市子のことだよ」
言われて俺ははっとした。市子はこの男の妹だった。
細面のところや冷たげな目が二人に共通する。
「京子から聞いたんだが、お前が市子の足をくじいたんだってな」
「ああ、あれはちょっとした事故だったんだ。悪かったよ」
「…悪かったよ? お前、それで済むと思ってんのかよ!!」
三郎の舎弟・前田がいきりたつ。殺気が俺を取り囲む。
奴らは総勢、十七名。とても一人で戦える相手ではない。
1,「ところで京子って誰だ?」
2,「しかし、こんなことをされる覚えはないな」
3,「やる気か? ならば一対一でやろう」
1をきぼ〜ん
拙者も京子っていたっけと疑問に思ったでござる(藁
>>216-217 1,「ところで京子って誰だ?」
俺は当然の疑問をぶつけようとして、その寸前に思い出した。
確か京子ってのは三郎の女で、本名を足利京子という。
保健室の足利義子先生の妹だったかと思う。
噂によると彼女は結構なやりマンで、男も三郎だけでなく、
他にも色々いるらしいが判然としない為、三郎もそれでいつも苛立っている。
京子本人は浮気しているだとか、好色だとか言う自覚はなく、
ただ、「あの男はいいなあ。あの男もいいなあ」とフラフラしているだけだから
余計始末に悪い。
「ぼーっとしてんじゃねえっ!」
突如三郎が木刀を振り下ろした。
素早くかわす。
1,負けてなるものか。竹刀を取り出す
2,喧嘩は駄目だ。助けを呼ぶ
3,あの手は使いたくなかったが…。秘儀・武田騎馬軍団突撃!!
ネタに走るのは如何な物かと…というわけで、取り敢えず2。
>>218 ネギ板でネタを否定するとは・・・なんと嘆かわしい(w
3番がどんな技だったのかスゲー気になるなぁ(w
この際、3でもいいのでは…?
222 :
高山右近:01/10/06 01:22 ID:/d/44vu2
やはり、3が気になる・・・!
223 :
218:01/10/06 06:29 ID:OIKtlk12
正直、すまなかった。と云う訳で3でも良いです…
>223
いや、謝られても…
折角、高坂が死に物狂いでレスしてんだ。気楽に楽しもうYO!
225 :
218:01/10/06 18:02 ID:AJf/K40g
じゃあやっぱり1を…とか書くと怒られるかな。でもこういうの(3)はやっぱり最期の方に
取っておく物では無いかと思ったので…
その辺は高坂殿の判断に一任致します。
なんだか、俺のレスのせいで話しが変な方向に向ったみたいで
|||| ┃─┃| < 正直、すまんかった。
218氏が悩んだり困ったりする必要は無いと思う。
選択肢の決定権は高坂殿と最初に選択した218氏にあるんだから。
>226がわりと意味不明なので訂正。
なんだか、俺のレスのせいで話しが変な方向に向ったみたいで
|||| ┃─┃| < 正直、すまんかった。
218氏が悩んだり我々に気を使ったりする必要は無いと思う。
選択肢の決定権は高坂殿と最初に選択した218氏にあるんだから。
我々は所詮外野なので気にせずにご自分の意志で選んで下さいませ>218氏&高坂殿。
大丈夫。(3)は聞いておらぬ。
229 :
高山重友:01/10/08 03:38 ID:ZTIwDx2.
>218氏、長野業政燃え殿、自分も煽ってしまったようで申し訳ない。
せっかくネギで出会えたスレなんだし、またーり楽しみませう。
>228
とはいえ、それはそれで残念かも(w
うう、折れの発言は煽りになっていたか…。
反省。以後気をつけます。
>230
だ・か・ら!!
謝んのはやめようよ。楽しもうよ(´ー`)y-~~
お〜い、高坂。
早く出張から戻ってこいよ。皆、待ってるんだぞ。
>229
いやぁ、一応ね。
(´▽`)丿マターリ、マターリ。
修行より戻り申した。
今宵もまた血の雨がふるであろう。
>>217(3…あの手は使いたくなかったが…。秘技・武田騎馬軍団突撃!)
命の危険を察した俺は覚悟を決めた。
(あの技を使う他にないか…)
!…「秘技・武田騎馬軍団突撃」…!
俺はどこからともなく白光を放つ軍配を天高く掲げ、
これを天正連合の方に向けて大きく振り下ろした。
途端、空が曇りはじめ、ぽつぽつと雨がふりはじめる。
髪・衣に水気が加わり、大地を濡らせたかと思うと、
突風が木を揺らし、稲妻は轟きて、三郎どもは驚愕に目を見開く。
暴雨の痛みを堪えつつ、「これは何の技か」と問うも、
その声は、枯葉ふぶかせる天風が奪う。
暗雲! 狂風! つぶて雨!
そして凄まじい数に及ぶ馬蹄の地鳴り。
あれを見よ!
風林火山の旗印。人の肉をも食らう勢いで迫る騎馬の嘶き。
(…これこそが、かの信玄公より伝わる恐るべき秘技・武田騎馬軍団突撃!)
これは解説せねばなるまい。
「武田騎馬軍団突撃」は、「孟徳新書・陰陽巻」なる遠国の兵法書に
記されている恐るべき「鉄騎突撃」を応用して開発された裏兵法。
黄泉の国に落とされた武田騎馬軍団が、時空を超えて敵勢に襲いかかる。
使うたびに使用者の寿命を一年奪うが、その威力はとてつもなく破壊的。
その昔、信玄公は戸石崩れでなくなった将兵をいたく惜しみ、
山本勘助なる軍師に命じ、この技を編み出させたといわれている。
当家の「信玄正史」によれば、川中島・三方ケ原で使われたため、
信玄公は天寿をまっとうできず、ついに上洛を果たせなかったそうである。
「御旗・楯無、ご照覧あれ!!」
戦慄に凍りつく三郎どもに数万の武田騎馬軍団が突撃する。
血潮が吹き飛ぶ。絶叫。凄惨というのも愚かでった。
ナポレオンの軍隊を、大阪城の家康本陣を、バルチック艦隊を、
ガンダムを、先行者を、…ありとあらゆる「つわもの」を討ち破った
騎馬軍団の向かうところに敵はなく、美しくも残酷な光景に酔いどれて、
俺は気を失った…。
236 :
高坂昌信 ◆CZSM0JCA :01/10/09 09:37 ID:rJedNRxU
翌日は、織田三郎をはじめとする天正連合の幹部ほぼ全員が運動場にて
死体として発見された事件に校内が騒然となった。
彼らの死因はまったく不明で、解剖者の話しに寄れば、
前進を鋭利な槍に貫かれたるもの、刀で斬り捨てられたるもの、
想像を絶する数の馬蹄にかけられたるもの、その全てによるもの、
としか考えられないそうである。
自衛のためとは言えど、俺も何だか憂鬱な気分だった。
授業もわずか半日で終わり、幾人かの生徒らは用もなく校内をぶらぶらする。
俺もまた何ともなく屋上に赴いた。
晴れ晴れした空。対してふさぐは我が胸のうち。
悔やむ気はない…と言いきれぬところに俺の苦しみはあった。
風。
香りつつむやさしい風。
見れば角に、林のごとく静かに立つ一人の少女。織田市子。
涙を流している。俺に気づいた。
「武田さん?」
「あ、織田さん」
たちつくす二人。
やがて彼女は足をびっこさせながら、近づいてくと、
「どうして…どうしてこんな事に…」
と手で顔を覆う。
「兄は確かに多くの人の恨みを買っていました。
しかしこんなのって、あまりといえばあまりです…」
1,「……」俺は下を向いたまま、沈黙せざるを得なかった。
2,「犯人は…犯人は必ず報いを受ける」彼女をそっと抱きしめた。
3,市子をそっと抱きしめて、「三郎は…俺が殺した」。
いや〜ハードボイルドな展開になってきたね(藁
解説まで入るとは・・・懐かしいネタだなあ。
更に血で血を洗う展開が期待できる3を選択。
しかしいつも思うのだが、その時間帯に書き込みできる高坂って、何の仕事してるの?
・・・もしかして禁断の質問?
>>236 (3)
市子をそっと抱き寄せた。
その小さな頭が強く胸に押しつけられる。
右手はやさしく肩を抱き、左手はあやすように髪を撫でる。
しばし無言。
左手はうなじに至る。鳥肌。
右手は頬を持つ。まなこ。
閉じさせて、市子の艶やかな唇を吸う。
泣き喚く赤子が母の身体に吸いつくように、市子もまたこれを吸う。
やがてそれは悲しみの口付けから、男女の口付けへと移る。
呑むように吸われる舌先。歯をなでる上唇。
離れてはまたくっつき、強く強く抱きしめあう。
市子の瞳からは何度も何度も涙がこぼれ、見つけては頬でぬぐってやる。
上気した顔で見つめあう。
また重なる二人の唇。
また離れる二人の唇。耳を噛む。
「あ」
かすかなうめき。そこに囁く。
「三郎は…俺が殺した」
市子の瞳が見開かれ、全てが止まった。
うつろな身体と凍りついた瞳があるのみ。
その胸に潜む気持ちは何であろうか?
(…知らぬ)
また抱き寄せる。うなじに唇を寄せる。人形を抱くような気分。
胸元に手をあてて揉みしだく。やわらかい。手を握り締める。
唇を吸う。首を吸う。指先が鳥肌をなぞる。
見開かれた市子の瞳は既に何も見ていなかった。
241 :
高坂昌信 ◆CZSM0JCA :01/10/10 13:04 ID:AwRjXWi.
----第一章、『出会い』終。
さて、拙者も思わぬ展開になってしまった。
>>238殿が言うように、ちょっと殺伐とした雰囲気になりつつあるが、
果たしてこれがそのまま続くかどうかは拙者にも全く解らないでござる。
さて、第二章の書き出しであるが、どのように持って行くかも未定。
(第二章『感情』に続きますが、再開するシーンを選んで頂ければ幸甚至極
候補1,おのれの寝室にて一人、物思いにふけている。
候補2,はっと目覚める。「ここは?」
候補3,選択者の自由)
242 :
長野業政:01/10/11 13:29 ID:x2xcscC.
>242
2作品とも、「聞いたことがあるだけの作品」なのでやってみたいです。
でも、リメイクや2などは絶対に出ないと思うけど…。
「武田騎馬軍団突撃」、多用は控えねばならぬのかも…。恐るべき破壊力。
なりきり板では、ガンダムを破壊していたぐらいだからなー…。
244 :
高山右近:01/10/12 01:31 ID:j6/Ig1kY
>242
燃えが無くなって、ついに業政本人に昇格ですか。(w
自分もこの2作品は聞いたことがあるだけですね。
切支丹だけにさすがにプレイは・・・・・・。って、そもそもネギ板になんでいるんだ。
まさか、このスレで死者まで出るとは・・・。一時はネタに走るとも思われてたのに。
武田騎馬軍団突撃、寿命が一年縮まるって、なんか恐怖新聞みたいっスね。(w
第二章『感情』 (
>>241,1)
明かりもつけず、寝台の上で物思いにふける信晴。
時折頭を抱えてうめいては、額に流れる汗をぬぐう。
思い出したくない一連の事件…。
まぶたを閉じれば、たちまちあの光景が戻ってくる。
軍馬の直撃を受けて倒れた三郎を容赦なく踏み砕く馬蹄の音。
恐怖に逃げ惑う手下どもをいたぶるように襲いかかる槍の群れ。
ぶった切られた勢いで信晴の胸にまで吹き飛んで来た羽柴の腕。
…。
そして、我が身に汚されかけた市子の姿。
(あの時の俺は一体…)
「俺が三郎を殺した」
信晴のその台詞悪い冗談ではない事を、彼女は瞬時に悟っていた。
絶望に脱力してまなこで信晴を見つめた。
心はいずこかへと消え、その場にあるのはただ悲壮な肉体だけであった。
この時、信晴もまた心を失い、肉体の求めに全てを任せようとした。
だが市子が気を失った。
じっと空を見つめたまま、意識が消えてしまった。
それからの事はよく覚えていないが、保健室に彼女を寝かすと、
彼女の首に口付けの跡を見つけた上杉先生が、
ちらと俺を睨んだのだけは目に焼き付いている。
そして、今。
俺は時計の秒針だけを聞いている…。
***************************************************************
>団地妻
エミュで落ちていないものかな。それにしてもリンク先のトピック、
削除されないところを見るに、コーエーも存外寛大。
第三章に入った所で小休憩。でもこんな事になるなんて自分でも予想
しなかったので、これからどうやって萌え路線に戻すかが課題。拙者
と選択者の波長次第では、このままSFになる事もあるし、お笑いに
向かうかも知れない。こうなると板違いのレベルすら超えてしまうが、
まあ削除されない限りゆっくり続けさせて頂きたく候。それにしても
このような酔狂をかように好意的にお付き合い頂けるとは、予想の外
にあったので、ただただ感謝申し上げ候。
***************************************************************
248 :
218:01/10/12 11:14 ID:.YzKUnis
お笑いって言うなら
>>234-236がそれに当たるような気もしなくもなかったりとか。
いや、何というか、読んでいて笑ってしまったんです。
で、今後ですが>246の後、眠れず翌日を迎え、学校に行く(又は行こうとしている)辺り
から始めるのはどうでしょう。
250 :
名無しさん@初回限定:01/10/17 03:40 ID:94GqCO9h
合掌
あぼーん
倉庫逝きもやむなしか…
253 :
高山右近:01/10/19 21:34 ID:o7PX/TED
久しぶりにネットにつなげられたら、こんな事になってようとは……
254 :
名無しさん@初回限定:01/10/20 17:27 ID:MyY6W32h
255 :
長野業政:01/10/20 17:28 ID:pI65MufY
同じく諸事情で一週間ほどネットから遠ざかっている内にこんな事になるとは・・・。
256 :
武田勝頼:01/10/24 19:59 ID:g3JYJHrH
病に侵された父が他界し、父の会社を継ぐことになった。
しかし、父が偉大だったゆえか、社員達は俺になびこうとしない。
専務の馬場などは、社長の俺を相手にせず好き勝手にやっている。
周囲の目が冷たかった…。
精神的に疲れ果てていた俺は、公園のベンチに座り一人で愚痴を吐いた。
誰が聞いてくれるわけでもない。ただ、胸にたまった物を吐き出したかった…。
その時…
1 「あの…大丈夫ですか…?」と、見たこと無い女性に声をかけられた。
2 「チェスト〜〜!!」と、突然飛び蹴りを食らった。
3 「何を落ちこんでいるんだ、マイブラザ〜!」と、いつもの連れが声をかけてきた。
257 :
名無しさん@初回限定:01/10/26 00:26 ID:3kJ4jzI/
1
258 :
長野業政:01/10/26 02:40 ID:gIJjb5Gk
>256
このスレの1殿か?
259 :
武田勝頼:01/10/26 23:25 ID:JT/723OG
>258
実は違う。
このスレの一介の住人。
せっかくだから何か書いてみようかと思った。
「あの…大丈夫ですか…?」
声に出して愚痴っていた俺に、誰かが声をかけてきた。
誰かと顔をあげてみれば、見ず知らずの女性だった。
「何か…かなり辛そうにしていたんですけど…」
その女性は心配そうな顔をしていた。
「いや…別に…大丈夫ですよ」
見ず知らずの女性に心配されるようでは…。
俺は気を取り直してベンチから立ち上がる。
260 :
武田勝頼:01/10/26 23:40 ID:JT/723OG
「もし良かったら、昼食でも一緒にどうかな?」
さっきまでの落ち込みぶりがどこかにいったのか、俺は彼女を誘っていた。
俺にも好色の父の血が流れていたのだろう…。
父ときたら…いや、父の事は今はいい。
「え?…おごりですか?」
彼女は一瞬と惑うも、おごればついてきそうだ。
あとは、どこに連れて行くかだ。
1 目の前の「ピアキャロット」に連れて行く。
2 1の反対側にある「ミルキーウェイ」に連れて行く。
3 1,2は値段が張るので会社の食堂に連れて行く。
261 :
名無しさん@初回限定:01/10/27 12:19 ID:7tYaoKIt
3がいいな。誰もいなかったりして。
262 :
冷泉隆豊:01/10/28 07:36 ID:w/lDJYFQ
やはり2代目というのは初代(高坂殿)の様にはいかないものか…。
263 :
冷泉隆豊:01/10/29 23:34 ID:YKUiH9KF
倉庫逝きか…
それとも無理やり続けてみる?
264 :
長野業政:01/10/29 23:54 ID:YbeCwtfP
倉庫逝き防止策として拙者が
戦国モノのエロゲシナリオでも書こうか。
あまり知識ないんでデキは悪いかも知れんが。
しかし、高坂殿はもう完全に戻って来ないのであろうか?
>264
宜しく頼みます。
高坂氏は、飛ばし過ぎの感がありましたからなあ。充電期間を過ぎたら、
ひょっこり戻ってくるかも知れませんぞ。
266 :
高山右近:01/11/01 04:48 ID:9VyceHb6
>264
お願いします。
やはりまだ倉庫にはいってもらいたくないが、自分には何の力もないので・・・。
高坂殿が復活したときに帰ってくる場所として残しておきたいものですね。
267 :
小西行長:01/11/10 07:49 ID:e05qFgo9
落ちませぬように。アーメソ
268 :
冷泉隆豊:01/11/10 19:16 ID:xm0/6CSm
長野殿のシナリオが完成するまで、無理やり>260の続きを書いてみます。
彼女は、ウチの会社の食堂で食事をとる事を簡単に承知した。
我が「武田商事」の食堂は地下にあり、一般でも利用できるようになっている。
社員食堂というよりレストランに近く、わが社の収入源の一役を担っている。
空いている席に座り、注文を取る。
「名前を聞いてなかったね、ちなみに俺は勝頼っていうんだ。」
彼女は少し考えている表情を浮かべたが、おもむろに口を開く。
「み…みつみ…」
「みさと?」
本能の反応で名前の続きを聞いてしまった…。
269 :
冷泉隆豊:01/11/10 19:30 ID:xm0/6CSm
「ち、違うわよ〜。光る海と書いて光海っていうの。名字は有栖川」
俺は少し恥ずかしくなったが、彼女に悪く思われたわけではないようだ。
「あのさ、この後時間空いてる?」
俺は、この後の予定を考えつつ彼女に聞く。
正直、自分の会社に連れこんでこのまま帰す気はない。
「う〜ん…もうそろそろ帰らなくちゃいけないし…」
何気に困った表情をする彼女。
「私、家が静岡だからそろそろ帰らないと、親も心配するし…」
ちっ。地元の子じゃなかったのか…。
ここ、山梨からでは静岡は遠いと言えるだろう…。つーか遠い。
「あ、あの…ならさ、電話番号だけでも…」
俺は無駄な抵抗を試みる。
が、以外にもあっさり教えてくれて、訳の分からないカードを渡された。
そのカードを最近使われ始めたバーチャコール回線に繋ぐと、それでテレクラが出来るらしい。
そういえば、バーチャコールヘッドギアならこの前会社の経費で買ったはずだ。
それにしても、俺にテレクラのカード渡すなんて…。
俺が嫌なのかな…
270 :
冷泉隆豊:01/11/10 19:46 ID:xm0/6CSm
彼女を駅まで送った後に会社に戻る。
社長室に向かうと、俺と真っ向から対立している馬場専務が歩いてくる。
「社長、有栖川の娘をナンパしたそうで…」
と、相変わらず馬鹿にしたような感じで話し掛けてくる。
「それがどうした。君には関係の無い事だ。」
俺は、気迫で劣るものの馬場に言い返す。
「いえいえ。有栖川と言えば、遠州の大手企業、遠州技研の大幹部だったはず。」
俺はその手の情報は疎かった。馬場は続ける。
「この際、あの娘を思うが侭操れば、その父親に干渉する事も可能。
遠州に武田の根拠地を作る事も夢ではないですぞ。
あの娘を徹底的に調教し社長のペットにしてみれば、あの父親の事だ。
世間に娘の事が知られるのを怖れ、我が言いなりになる可能性がある。
馬場は自身たっぷりに言った。
「馬場、俺にあの子を陵辱しろというのか!?」
馬場は、当然とばかりにうなづく。
1 光海を陵辱する。馬場、道具をそろえておけ。
2 馬場を殴る。お前のような男は修正してやる!
3 無視してバーチャコールを試す。さて、他の子も口説くか。
271 :
高山右近:01/11/12 00:26 ID:mUd4bc+J
久しぶりに見たら、人がいるとはっ!
では私は2をリクいたす。
272 :
冷泉隆豊:01/11/12 21:16 ID:AFibtEwB
岐阜の堅城「岐阜城」を徒歩で制覇。
目茶目茶疲れたので続きは明日書きます。
「修正してやる!」がナイスにござります(笑
274 :
冷泉隆豊:01/11/13 19:16 ID:B9zNztkz
「いいかげんにしろ、お前のような男は修正してやる!」
俺は日頃の鬱憤もあり、馬場に渾身の力を込めて殴りつける。
突然の事で馬場もかわせず顔面に直撃する。
個人武力には自身のあった俺のパンチは、馬場を地面に転がす。
「社長…先々代の様な社内暴力はいけませんな…」
口元の血をぬぐいながら馬場が立ち上がる。
俺は得意げに言ってやった。
「殴って何が悪いか!」
しかし、調子に乗って油断した所に馬場の一撃をもらう。
みぞおちに食らった俺は、たまらず膝をつく。
「殴って何が悪いか…。いい言葉ですな〜」
馬場がニヤニヤと俺を見下す。
275 :
冷泉隆豊:01/11/13 19:28 ID:B9zNztkz
立ち上がろうとした俺に、馬場の鉄拳が目に入る。
が、俺も父より武術を学んだ身。難なくかわす。
「お前のような奴がいるからぁっ!」
俺は再度馬場を殴りつける。
馬場がよろめく。
俺は一切手を抜かず、本気で馬場を蹴り倒す。
馬場が倒れたとこには消火器が設置してあった。
「このガキ調子にのりやがって…」
キレかかった馬場が消火器を手に持つ。
「お二人とも、おやめください!」
276 :
冷泉隆豊:01/11/13 19:31 ID:B9zNztkz
見れば、丁度外注先より帰社した「跡部営業部長」がこちらに走ってくる。
「跡部、止めるな!こいつとはケリをつける!!」
と、俺が跡部の方を振り向いたときに俺は消火器によって沈められた。
277 :
冷泉隆豊:01/11/13 19:51 ID:B9zNztkz
「……大丈夫?」
声が聞こえる…。
「お兄ちゃん、しっかりして!」
この声は…。
俺は目を覚ますと、自室のベッドにいた。
心配そうな顔で俺を見ていた妹の乃絵美、跡部部長がいた。
「いや〜さすがは武田の若社長。怪我も無さそうで何よりです。」
跡部が気楽に言う。
どうやら、あの場は跡部が馬場を抑え込み、俺を自室に運んでくれたらしい。
跡部は、社内では数少ない反馬場派の人間だ。
あそこで跡部じゃなく、馬場派の小山田あたりが飛び込んでいたら病院送りになっていたかもしれない。
「それじゃ、私は失礼します。あ、妹さんに変な気を起こしちゃ駄目ですよ。」
跡部は軽く笑ったあと退室した。
「お兄ちゃん、無茶なことばかりするんだから…
お父さんのことは、気にしちゃいけないよ。お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだよ」
乃絵美が言う。
父と俺は違うことは分かってはいるが…。
「私でも何かお兄ちゃんの役に立つ事があったら言って。
一人で抱え込むなんて嫌だよ…」
乃絵美の瞳が少しばかりか潤んでいるような気がした…。乃絵美…。
1 乃絵美…明日の休日でも、気晴らしに買い物にでも行かないか?
2 乃絵美…今日は…一緒に寝ようか…?
3 乃絵美…そこのバーチャコールヘッドギアを取ってくれないか?
仲良し夫婦は3をきぼーん。
バーチャコールヘッドギア、これを活かさぬ手立てはない!
279 :
冷泉隆豊:01/11/22 08:24 ID:j72Qy2I1
すっかり忘れていた…。
まとめてネタ考えときます。
しかし、山本勘助はこのスレには攻め込んで来ないんだなぁ…。
>>279 噂をすれば影がさすかも知れませんな。ところでここはsage進行なのかの?
281 :
冷泉隆豊:01/11/23 23:15 ID:f4tM5YF/
>280
よくネタが出るようだったらageてもいいと思います。
現状は倉庫逝き寸前なので、むやみにageるのはどうかと…。
某は「メタモルファンタジー」がクリアできず、ネタを出すところじゃなくなった。
ラスボスが強すぎる…。
大名に例えると、尼子義久(主人公)VS毛利元就ぐらい…。辛いエロゲだ…。
Pia3が…。
陶晴賢=稲村もしくは、松永久秀=稲村。斎藤道三=稲村。
OK?
逝ってきます。
バーチャコールヘッドギアを着けて五時間。
武勇には自信があるが口は苦手の俺でも、なんとか話し相手を見つける事が出来た。
さっきは「スーパーコンピューターマグがどうたら…」な嫌な顔の女に付きまとわれたが、
今度は大丈夫のようだ。
相手の名は「瀬能小夜子」。病院で入院中の子だ。
「で、ゆかりさんったら外出もさせてくれないんですよ〜」
彼女が不満気な表情で言う。
ちなみに「ゆかり」というのは彼女についている看護婦の名だ。
「う〜ん、問題なければ外出ぐらいはいいと思うんだけどね」
月並みな返答しながら考える。
外に出たがってることだし、ちょっと誘ってみるか…。
病院まで迎えに行けば、後はなんとかなるだろう。
「あのさ、良かったらだけど…」
俺が誘いの言葉を出そうとしたとき…
「若っ、大変です!!」
部屋に跡部が飛び込んでくる。
「バーチャコール」どころではありません!」
跡部について来た諏訪がヘッドギアの電源を抜いてしまう。
「いったい何の騒ぎだ!せっかくまともな相手を見つけたというのに!」
俺が諏訪に詰め寄る。
だが、諏訪は興奮し、ひるみもせず口を開く。
「馬場専務がやられました!」
「?」
一瞬、俺がやった事かと思った…。
あれはただの喧嘩だ。
「下がっていたまえ…」
跡部が興奮する諏訪を下げて俺の前に出る。
「馬場専務が東海道進出を狙っていたのは覚えていますね…」
「ああ…」
海を保有する土地へ進出するのは、祖父の代からの悲願でもある。
俺はどうでもいいけどな。
「で、馬場専務が、わが社の地下レストランと同規模のレストランを静岡市に立てる話は?」
「聞いてはいるが、まだ工事は始まったばかりだと思ったが。」
土地の買取が終わり、着工は三日前だ。
「現場視察のときに撃たれました。幸い、怪我も無く、現地の病院に入院しています」
(くそっ、くたばればいいのに…)
と、そうは言ってられない。
馬場は、何だかんだいって「武田商事」の専務。先代からの信頼も厚く、社内の影響力も絶大だ。
社長が代替わりしたこの大事な時に、逝かれては困る。
「とにかく、馬場の様子を見に行こう。で、警察には?」
俺は、二人を連れ歩き出す。
「いえ、馬場専務の頼みで警察には届けてません」
歩きながら跡部が言う。
「とにかく、若を呼べとしか言わないんですよ」
諏訪が跡部に続けて言った。興奮は収まってきたようだ。
駐車場につき愛車に乗り込む。
二人も乗りこむ。
(いったい何だというんだ…)
俺はアクセルを吹かしながら、静岡を目指した。
続きキボンヌ
287 :
冷泉隆豊:01/12/14 07:45 ID:iiGNxl5t
やばい、倉庫逝き回避書き込み。
288 :
上杉騎馬軍団:01/12/14 22:15 ID:eygOSd99
頑張るのじゃ!
しっかりせい!
290 :
冷泉隆豊:01/12/15 08:20 ID:7y4tNeNB
俺達3人は、ようやく目的の病院に到着する。
途中で諏訪が
「お腹がすきましたなぁ。吉野家に入りませんか?」
とか、緊張感無い事言っていたが気にしない。
受付で馬場の部屋を部屋を確認しようとするが、
「若、専務は323号室ですぞ。」
跡部が言いつつ先導するように先に歩いていく。
323号室に到着。さすがに個室部屋を占拠している。
「勝頼だ、入るぞ馬場」
俺はろくにノックもせず部屋に入る。
「まったく…遅いぞ。いつになったら来るのかと思っていたわ。
途中で女でも引っ掛けてたんじゃないだろうな?」
ベッドに横たわる馬場が言った。口だけは元気なようだ。
「愚痴は後だ。それより、誰にやられた?」
俺は、言いながらベッドの横にある椅子に座る。
「織田だ、織田産業の若い衆だ。奴等織田産業も、遠州を狙っている。」
淡々と言う馬場の言葉は、俺に衝撃を与えるに十分だった。
後ろで話を聞いている二人も顔色は変わっている。
織田産業の武力は、近隣の諸勢力には十分な脅威だ。
なにしろ、元々がヤクザであるため、武器の流通や戦闘要員の確保などが強みで、
普通の勢力では戦争になった場合、まったく太刀打ちできない。
291 :
冷泉隆豊:01/12/15 08:44 ID:7y4tNeNB
「で、馬場が俺を呼んだ理由は?ヤクザに突撃か?」
馬場は、俺の問いには直ぐに答えずに、懐より紙切れを出して俺に渡す。
「え〜と…ピアキャロット静岡店誕生。追加スタッフ募集中…。
男2名に女1名…。馬場…俺にファミレスで働けと…」
俺は広告を読んで脱力した。ファミレス一つで何をがたがた…。
「そこのピアキャロットの店長には、織田産業の幹部の一人、木下藤吉が直に勤めている。
表向きはただの制服ファミレスだが、実際は基地だ。
とは言っても、木下の面を拝むには、店の内部に溶け込み、あ奴の女に近づくしかない。
そんな事が出来るのは、先代譲りで女慣れしている若しかいない。
で、木下の動向が掴めたところで、武田商事の兵隊で木下のみを狙って奇襲する。
木下さえ討てば、しばらくは織田も遠州には手は出せんだろう。」
厄介な話だ。確かに武田商事は、堅い奴ばかりで適任がいないのも分からないではないが…。
まぁ、このまま引き下がっては武田の名折れだ。
292 :
冷泉隆豊:01/12/15 08:46 ID:7y4tNeNB
何か読みにくいな…
293 :
冷泉隆豊:01/12/15 08:59 ID:7y4tNeNB
「で、行くのは俺一人か?」
「出来る事なら、募集している3人を、全部武田の息のかかった人間で構成して欲しいな。
なるべく、事情を知った仲間が欲しい。
男は、社の者でもいいだろうし、女だったらアテがあるだろ?
とにかく、急いで面接に行ってくれ。早いとこ潜入して欲しい。」
俺はチラシを懐へ入れ、部屋を後にする。
人がいるとは、また厄介な事だ…。
弟の盛信と妹の乃絵美でいいかな…。
俺は適当に考えながら病院のロビーに出てきた。
コーヒーでも飲むか…。
俺は、なけなしの銭を使って自販機でコーヒーを買う。
「あっ、勝頼さん!?」
突然背中から声がかかる。
294 :
冷泉隆豊:01/12/16 08:45 ID:h5MmdW3A
振り返ると、さっきまでバーチャコールの相手だった小夜子ちゃんがいた。
しかし…病院とはいえ、ここに入院していたのか…?
「やっぱり勝頼さんだ。私がここに入院している事良く分かりましたね。」
彼女が屈託無く微笑む。
それにしても元気だ。まるで整形外科の患者並と言える。
ついでに、何か誤解までしている。
「いや、会社の部下が怪我をしてね…。見舞いに来ていたんだ。」
とりあえず、誤解だけは解いておく。
「そうだったんですか…。そういえば、入院先教えてはいませんでしたね」
「でも、偶然とはいえ会う事が出来たんだ。俺は小夜子ちゃんに会えてうれしいよ。」
小夜子ちゃんは恥ずかしげにこちらを見る。
「勝頼さんったら〜…」
新しい仕事が入ったとしても、息抜きぐらいはいいだろう。
時間的にも夕食をとってもいい頃だ。
俺は小夜子ちゃんを病院内のレストランに連れて行くことにする。
「そうだ、良かったら一緒に食事でもどうかな?
ここまで来る途中、何も食べて無くてさ…。」
「あ、でも私…今お金無くて…」
小夜子ちゃんが申し訳なさそうな顔をする。
「いいって、ここは俺が出すよ。」
「じゃあ、いただこうかな…」
「よし、じゃあ行こうか。えっと、レストランは…」
「2階ですよ。早く行こう♪」
俺は、小夜子ちゃんに連れられる様にレストランに向かった。
元気で異常無しなこの娘、何が原因で入院しているんだ?
小夜子タンはVC2では一番萌えたなぁ…(懐
このままPiaキャロ逝ってFCネタで攻めるのかな?
選択肢待ちage
296 :
名無しさん@初回限定:01/12/18 09:43 ID:CaABewyB
『信長の野望 嵐世記』のパワーアップキットなら、既存の画像をそのまま武将の
顔グラフィックに出来るので楽しめると思う。まだやってないですけどね(おい。
ついでに新イベント作成機能も付いているので、それで無理矢理エロゲのイベントを
再現してしまうことも不可能ではないはず。
297 :
冷泉隆豊:01/12/19 09:53 ID:C/UAtcsC
「ここの病院も、最近は医療ミスが多くて…」
レストラン内の席につくなり、小夜子ちゃんはそんな話をきりだした。
「ん?大丈夫なのかい?入院している身でそんな事言うの…」
昔からの法則だが、患者側は絶対に医者の機嫌を損なうような事は言えない。
なんせ、大事な体を預けてあるからねぇ…。
「うん…でも、今月に入って、ミスで悪化した人が十数人で死んだ人2人って
聞けば、十分多いと思うよ。
先月でも3人死んだって聞くし…。
一応、外部には情報は漏れてないみたいだけど…
私、大丈夫かなぁ…」
「でもさ、元々助かる見込みの無い人も病院には来るし…考えすぎじゃないかな?
医者が麻薬でもやってなけりゃぁ大丈夫だよ。」
何気に病院に不安を持っている小夜子ちゃん。
「う〜〜ん…。
まぁ…私は入院長いから他の病院じゃ入れてくれないし…。
ここで頑張るしかないから…」
う〜ん…話が暗くなってきたな…。
「でも小夜子ちゃんは、結構健康そうに見えるし、その気になれば
外出だって出来るんじゃないかな…?」
俺は別の話を振る。鬱な話は多用できない。
「一応、入院患者だから…ある程度の保護者がいないと外には出れないの。」
「俺ぐらいなら、保護者代わりにならないかな…?
ちょっとした外出ぐらいなら、俺が面倒見るよ。
たまには、外に出て鋭気を養わないと、治る物も治らないよ。」
「も、もう…勝頼さんったら…ナンパのつもり?」
照れる小夜子ちゃん。
「ゆかりさんに聞いてみるね。良ければ後で連絡するよ。」
「うん、期待して待っているよ。」
298 :
冷泉隆豊:01/12/19 10:05 ID:C/UAtcsC
その後、食事を済ませた俺は、小夜子ちゃんと別れて山梨へ戻る。
途中、弟の盛信や乃絵美に携帯で連絡を入れる。
盛信は、親父の勧めで静岡の学校に行っていたので丁度良かったが、
野球部の方を優先したいとか言って断られる。
「兄さんには悪いけど…あ、そういえば…うちの学校に、Piaで働きたがっていた奴いたよ。
俺の連れだけどさ、ちょっと普通じゃないけど男の中の漢なのは間違いないよ。
【伊藤さん】っていうんだけどね。良かったら話しておくよ。」
と、一方的に話して電話を切られた。欝だ。
あいつも、来年こそ甲子園に行きたいとか言っていたからな…。
しかし、【ちょっと普通じゃない】奴を紹介するなよ…。
自宅に戻り、バーチャルヘッドギアが呼び出ししているのに気づく。
とっさに装着して応対する。
小夜子ちゃんかな…。馬場じゃないだろうな…。
299 :
冷泉隆豊:01/12/19 10:19 ID:C/UAtcsC
「マイブラザー勝頼、会いたかったぞ。
我らの突入は近い、サークルのチェックは予定通り進んでいるだろうな。
よもや、我輩に壁サークルばかり廻らせるんじゃないだろうな…」
思わず、ヘッドギアの電源を切りそうになる。
こいつは、長い付き合いになる「九品仏大志」。タダのオタクだ。
「ふん、勝頼とて人の事は言えぬであろう。」
何で口にしていない事を分かってるんだよ…。
「あのなぁ、大志。冬コミの参加なら俺は中止だ。
ちょっと静岡のPiaキャロットで働く事になった。悪いが1人で逝ってくれ。
甘○樹んとこの本はよろしくな。」
俺は、一気にまくし立て電話を切ろうとする。
「ふっふっふ…。マイブラザーがPiaに逝くなら私も逝かねばならんな…。
仕方が無い、我輩も静岡に行こう!」
とんでもない事を言う奴だ。
「ちょっと待て、今は誰を連れて行くかは検討中だ。
後で連絡する。それでいいだろ。」
「はっはっは…我輩は枕を高くして待っているぞ!」
ぶち…。
とっとと電話を切る。
が、すぐ呼び出しが入る。
すかさず応対。
「どうだ、人員は確保できたか…?」
馬場だ…。
300 :
冷泉隆豊:01/12/19 10:20 ID:C/UAtcsC
一応、300だから貼っておくか…
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃
┃火風┃
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃
┃
301 :
冷泉隆豊:01/12/19 10:36 ID:C/UAtcsC
「ああ、女の方は乃絵美を繰り出す。
問題は男の方だが、2人ほど候補がいる。」
馬場が驚いた様な顔をする。
「お前にでも男の仲間がいたか…」
「馬鹿にするな。」
相変わらず嫌味の多い男だ。
「で、どうした。医療ミスで死にそうになったか?」
「いや、もし、人材がいないようだったら、諏訪を差し向けようかと思ってな。」
「諏訪か…。準備のほうはいいのか?」
だいたい、諏訪は馬場の護衛も兼ねている。諏訪が抜ければその分の補充がいる。
「うむ…あいつはいてもいなくても変わらないからな…。
俺が撃たれた時も、吉野家でねぎだく頼んで1人で食ってやがったし。」
それでは使いもんにならない…。
俺に押し付ける気か?
馬場は言葉を続ける。
「そろそろ決断してくれ。連れて行く奴は誰だ?
一応、諏訪には【静観】を指示してあるが…。どうする?」
さて、どうする…?
1 情報不足でよく分からないけど、【伊藤さん】を連れて行く。
2 【九品仏大志】。これで真のブラザーへ…。
3 吉野家通の【諏訪】。Piaには牛丼は無い。
どれを連れて行っても、妹の乃絵美は嫌がるかもしれない…。
むむ、どれにしようか悩むがネタ的には3だろうか。
小夜子タソ関連で病院潜入ネタに走るかとおもたーよ(笑
>>296 そうナノカー!
報告ありがとう、早速買ってきてあの子とかあの子とかあの子とか登録してみよう(藁
303 :
高山右近:01/12/21 01:04 ID:WYPxrmGr
ごく個人的には2の大志がみたい……。ベタだけど。
304 :
冷泉隆豊:01/12/21 13:42 ID:+3t5O0VJ
この年末に会社を辞める羽目に…。
鬱なので続きはちょっと遅れます。
2か3かは考えてみます。
だから共産党の人間とは仕事したくないんだよ…。
本当に欝だ…。
305 :
高山右近:01/12/22 02:20 ID:YAi+vVjp
そ、それは、それは・・・・・・・。
復活のときまで、ゆっくり休んでください。
冷泉殿の人生に幸あらんことを!!
306 :
冷泉隆豊:01/12/24 23:45 ID:HKBeSj2s
ジリリリリリリリ!
…。
………。
……………ん?目覚まし??
どうも寝てしまったようだ…。
見れば、バーチャコールヘッドギアが転がっている。
夜遅かったとはいえ、馬場との話中に寝てしまうとは…。
いや、ちょっと考えていたところに睡魔が…って言ったところで馬場は納得しないだろう。
欝だ。
とにかく、早急に人数を整えねば…!
ピンポーン!
チャイムの音が鳴る。客人か?この忙しい時に!
「マイブラザー!準備を整えてきたぞ!!
まあ、同人誌の方は南女子に依頼しておいた。
心置きなくPiaへ向かえるぞ!」
出迎える間も無く、大志はずかずかと家に入ってくる。朝から欝だ。
「若、仕事中の服装はこれでいいですかな?」
後ろには諏訪がついてきている。
良く見れば、吉野家の店員の服装だ…。
「おい、男は2名までだぞ!どうする気だ!」
俺は気合入りまくりの2人に言う。
「いやぁ…専務に行ってよしっていわれましてね…」
諏訪が笑いながら言う。
「何を言うか、兄弟の危機を助けんものは人でなしなだけだ。
ここは我輩に任せろ。」
大志が自信たっぷりに言う。
どうすんだよ…この状況…。
「お兄ちゃん、現地の面接官に判断してもらおうよ。」
いつの間にか出発準備を終えている乃絵美が言った。
どこにいたんだ乃絵美…。
「ふっ、Piaは我輩を採用するはずだ。
見よ、この時のために用意しておいた我輩用のメイドタイプ!!」
大志が、手に持つ紙袋より青い物を取り出そうとする。
やめろ大志…。
「とにかく逝ってみましょう。現地の人に聞いてみればいい事ですし。」
諏訪がのんびり言う。
「お兄ちゃん、専務さんからの言付けだけど、今日のお昼の2時に面接してくれるそうだよ」
「え?馬場はそんなとこまで話を進めていたのか!?」
「うん。だってお兄ちゃん話の途中で寝ちゃったもん。
専務さんが話を進めてくれてたんだよ」
「そうか…。しかし、これでは急がないといけないな…よし、2人とも連れて行ってみるか…」
俺は、にやつく2人と乃絵美を連れ、一路静岡に向かった。
307 :
冷泉隆豊:01/12/26 11:46 ID:5TVTi8aE
「嫌だなぁ…。絶対キャロットは2人とも採用しそうだ…」
俺はぶつぶつ文句言いながら運転していた。
もっとも、悪いのは居眠りかました俺だけど…。
「若、何で吉野家を素通りするんですか、もう昼ですよ!」
「ふっふっふ、こんな事もあろうかと、我輩はマイブラザー用のメイドタイプも
用意しておいたのだ。ククク…」
後部座席から何か聞こえる…。
「お兄ちゃん、急がないと送れちゃうよ。」
乃絵美が時計を見ながら言う。
ちなみに乃絵美は助手席だ。
もう1時か…。馬場に会う前に面接を済ますか…。
308 :
上泉信綱:01/12/27 00:06 ID:VfQ0HExx
信玄様は?
309 :
冷泉隆豊:01/12/28 10:11 ID:ZpeJT9t+
>308
>256を参照されたし。
折れ、今夜には上洛を始めるのでネタ出しは後回しに…。スマソ。
出陣の準備がまるで出来てない…。
310 :
冷泉隆豊:02/01/07 19:50 ID:xQXdzPrS
時間が迫ってきていたので、馬場には会わずにPiaに向かう。
Piaにつき、事務所へ案内される。
面接をするのは「羽瀬川朱美」とかいう店長代理だ。
店長木下は不在とのこと。
「男性二人でも大丈夫ですよ。実際は、店長が女の人ばかり集めたがるせいで
募集はかけられないだけです。
最近は、重たい荷物も増えてきているし、本音を言えば男手がほしかったんですよ。」
どこかおっとりした店長代理は、俺の予想通り「大志と諏訪」を両方雇う。
勤務は明日からなので、あとは荷物の整理でもしていよう。
肝心の宿泊に関しては、社員寮が使えるらしい。
俺は3人連れて社員寮に向かう。
廃業した旅館を改装して利用しているといわれる社員寮。
管理人の女性より鍵を渡される。
女性は、木下一門の「貴子」という人だ。
さすがに、一門の長の籐吉のようなサル顔ではない。
「部屋は205号室ね。そこの階段上がって右の突き当りね。
部屋は結構広いから4人でも大丈夫よ。」
管理人は笑って言った。
どうやら4人ででタコ部屋らしい。欝だ。
大志、諏訪、夜中に乃絵美に触るなよ…!
311 :
冷泉隆豊:02/01/07 20:35 ID:xQXdzPrS
部屋に入るなり、荷物の整理をはじめる。
説明通り、部屋は決して狭くは無いが、これでは乃絵美がかわいそうだ…。
着替えのときとか困るよな…。
「若、あの管理人…接触してみますか?」
諏訪が俺に声をかけてくる。
「同じ木下一門なら、籐吉の動向も掴んでいるかも知れません」
いつになく本気だ。
「諏訪の言うのも分かるが、今は動けんぞ。
それに、大志は状況を把握していないでいる。とりあえず、馬場に情報を流してはおこう。」
俺としては、もう少し様子は見たい。
荷物の整理も終わり、時間も余ったので4人で病院に向かう。
一応、予定外の人数と別の木下一門の事もあり、報告だけは入れときたかった。
323号室に入り、馬場と対面する。
一応、本当の仕事内容の確認をするため、馬場が説明をする。
あくまで、目標は木下藤吉である。
最悪の場合、撃ち合いの想定もしなければならない。
なんて説明しているにも関わらず、大志や諏訪は余裕そうだ。
大丈夫かよ…。
一通り馬場の説明が終わり、こちらの報告も終える。
このあとはどうしようか…。
1 相変わらず、病院のレストランで晩飯。
2 諏訪もいるので吉野屋に寄っていく。
3 とっとと寮に戻る。
312 :
高山右近:02/01/08 09:13 ID:F0SqSwDh
おめでとう&お疲れ様でございます!
……2を希望ってのは狙いすぎでしょうか?
では、楽しみにしています……。
313 :
冷泉隆豊:02/01/09 20:51 ID:XU090iWj
>312
どうも。
再就職口は見つかりませんが、気長に書いてきます。
314 :
冷泉隆豊:02/01/09 21:29 ID:XU090iWj
馬場との話も終わり、晩飯にする。
俺たちは、諏訪がうるさいので吉野家に向かう事にした。
「通の頼みかたって奴をお教えしますよ!」
諏訪の奴は元気だ。ついでに、知りたくないことまで教えてくれるらしい。
馬場の病室を出て、駐車場まで向かう。
途中、小夜子ちゃんがいないか見渡しながら歩くも、それらしい人は目に付かなかった。
「特盛、ねぎだくで!」
諏訪の大声が店内に響く。
恥ずかしい奴だ…。俺は鬱になった…。
「マイブラザー、我輩は普通につゆだくで結構だ。
それより、軽く一杯やっておこう。ここならビールが飲めたはずだ。」
大志が「つゆだく」と「ビール」を頼む。大志、ビールは3本までだぞ…。
「籐吉とやらを発見した時点で、我々は戦争になる。
命の洗濯といこうではないか。」
大志が言いつつ、コップにビールを注ぐ。
「そうだな…。武田の勝利を祈って…!」
俺は注がれたビールを飲み干す。
「マイブラザー。こういう時は、ゴーラムと言うのが男だゾ。」
大志が、「ゴーラム」とか言いながら飲む。「ゴーラム」って何だよ…。
とにかく、俺は自分の特盛に手をつけるために箸を取ろうとする。
が、隣の人も同じように箸を取ろうとしていた。
何気に隣の人の顔を見る。
「…?光海ちゃん??」
思わず声に出してしまった。
「え?…あ、あの時の…。勝頼さん…?」
間違いなく光海ちゃんだ。もっとも、俺が静岡にいるので驚いてはいるけど…。
そういえば、電話番号聞いていたのに電話してなかったよ…。
う〜ん…何と話を切り出すか…。
「すいません!特盛ねぎだくをもう一杯!!」
諏訪の元気な大声が聞こえた…。
315 :
冷泉隆豊:02/01/12 00:31 ID:E2dF2XxR
「お連れさん、元気な人ばかりね」
光海ちゃんが言う。
おそらく、大志や諏訪のことだろう。
「まあね。二人とも、こっちの新しい仕事で気がたかぶっているのかもね。
まあ、俺もそうだけどね。」
「ええ?じゃあ…勝頼さん…社長辞任?」
「い、いや…そういうわけじゃないけど…。
まあ、出張ってとこかな?」
俺は、適当にごまかす。
「フン、マイブラザー。静岡に女を作っていたのか?
そんな事では瑞樹が泣くぞ!」
大志がこっちに割り込んでくる…。
「お兄ちゃん…?」
今まで沈黙を守っていた乃絵美がこっちを向く。
「瑞樹ってだれ?それに、その子は?」
光海ちゃんがジロ目で俺を見る。
(;´Д`) ………。
俺は、何から説明しようか考えた…。一生懸命…。
頑張って下され。
317 :
冷泉隆豊:02/01/22 00:18 ID:wl8IEUSZ
318 :
冷泉隆豊:02/01/22 10:54 ID:wl8IEUSZ
実際のとこ、さほど苦労は無く光海ちゃんを理解させる事が出来た。
大志の言う瑞希は高校時代の仲間の一人。現コスプレイヤー。
乃絵美は妹だ。
「でも、何で静岡にいるの?」
人間関係を理解した光海ちゃんは、当然聞いてくるであろう質問をしてくる。
詳細を説明しようかどうか思案したが、大志が勝手にしゃべりだす。
「ククク、我輩達は静岡人が食するといわれる「イルカ」を食べに来たのだよ。
山梨では「イルカ」は採れないからな。」
「イ…イルカぁ…?
ま、まあ…一部の人は食べてるみたいだけど…。
私は食べた事無いわ」
「フン、そうか。なら仕方が無かろう。
今度会うときまでに、是非「イルカ」を食してきてもらおうか」
大志の奴、俺を無視して言いたいことを言っている。
光海ちゃんも、さすがに相手できないという顔をする。
いいかげん止めに入ろうとする俺の服を誰かが引っ張る。
ん?何だ?
「お兄ちゃん、これもう食べられないよ…」
乃絵美がどんぶりを俺のほうに出す。
それは牛丼ではなく、「イルカ丼つゆだく」だった…。
何なんだ、この吉野家は…。っつうか、乃絵美。そんな物を頼むな…。
一口食べる…。
「クジラ肉」の腐ったような味が、口いっぱいに広がっていった…。
319 :
冷泉隆豊:02/01/22 11:28 ID:wl8IEUSZ
俺たちは、光海ちゃんと分かれた後はおとなしく眠り、次の日に備えた。
朝、準備を整えた俺たちは、木下貴子氏の見送りのもとPiaに向かう。
歩いて向かう途中、任務の再確認をとる。
「木下籐吉」の動向の情報の入手、もしくは目撃。
情報を入手次第、まず馬場に報告する事。
単独で動かず、増援と共に行動を起こせということだ。
任務を確認しあったところでPiaについた。
その時…!
1 「ちょっとどいて〜間に合わない〜!」と、女性が突っ込んできた
2 「若、あれは…!!」諏訪が指差した向こうに、サル顔の親父が朝から酒を飲んでいた。
3 「おはよう!」同じように入店直前の羽瀬川朱美店長代理が、挨拶をしてきた。
320 :
高山右近:02/01/22 17:44 ID:dHU8Sop+
ども、お疲れ様です〜。さっそく選択をば。
私としては、3、でお願いします。
……ところで、選択肢が出たとき意外はなるべく話をとぎらせたくないので発言しないんですが、
さっぱりレスがつかなくなってしまうのも、どうかと…。
冷泉殿はどうお考えでしょうか?
321 :
冷泉隆豊:02/01/23 09:09 ID:Iv5iARPH
そうですね…。
正直言うと、スレの保守が狙いで始めたわけで、
自分の文は、武田騎馬系の人が来るまでの繋ぎぐらいにしか考えてませんでした。
要するに、スレッドの維持さえ出来れば、いつでも誰かが再起をはかれるので、維持さえ出来ればいい。
って考えでした。
もっとも、ゴー宣板で軍師山本勘助殿は、ここには来ないと明言してましたけど…。
とにかく、ネタを振り出した以上はやれるとこまでやってみます。
322 :
冷泉隆豊:02/01/23 09:32 ID:Iv5iARPH
「おはよう!」
丁度、店舗に入ろうとしたときに後ろから声をかけられた。
振り返れば、店長代理の羽瀬川朱美がいた。
彼女も今が入店の時間だったのだろう。
「あ、店長代理。あはようございます!」
俺は、すかさずあいさつだけはする。
他の3人も俺につづく。
「うん、元気があっていいわ。
それじゃあ入りましょ。もうすぐ店を開けるわよ。」
俺たち4人は店長代理に続いて入店していく。
大志がボソリと言った。
(なにゆえ、店長格の人間が我々バイトと同じ時間に入店するのだ?)
諏訪が首を突っ込んでくる。
(私も気になってました。何か私用があるにしては遅いでしょう。
ただの重役出勤かもしれませんが…)
ファミレスに重役出勤などあるのか分からないが、調べておくに越した事はない。
(お兄ちゃん達…例え仕事でも疑いすぎじゃないかなぁ…)
乃絵美が言った。
そうかもしれない…。
(マイシスター。油断は出来んゾ)
大志が乃絵美に言う。
大志、乃絵美もマイシスターなのか…。まぁ、他意は無いだろうからいいか。
323 :
冷泉隆豊:02/01/24 20:42 ID:zpW9ioRO
店内に入り、着替えを済ます。
諏訪も大志も自作制服は認められなかった。当たり前だが。
配置に関しては、男3人は裏方に回り、乃絵美は外に出て掃除だ。
だいたい、ろくに研修もやっていないのだから裏方に回るのは当然だろう。
諏訪に大志が倉庫に向かい、俺は厨房にまわることになった。
「若、仕事しながら何か無いか探してみますよ。」
諏訪のやる気は十分だ。
俺はうなずくと、二人と別れた。
厨房では、料理の手伝いをやることになったのでそこに向かう。
「今日は初めてと言う事で、私がしばらくついてますね。」
厨房では羽瀬川店長代理が待っていた。
「よろしくお願いします。」
俺は、羽瀬川店長代理に教えられたように仕事をこなす。
「そろそろ休憩時間よ。休憩は事務所でとるといいわ」
羽瀬川店長代理に言われて、俺は事務所に向かう。
休憩時間なら諏訪や大志もいるだろう。
もっとも、初日で何か見つかるとも思えないが…。
しかし、事務所には二人は来ず、羽瀬川店長代理がジュースを持ってきた。
324 :
冷泉隆豊:02/01/24 21:25 ID:zpW9ioRO
「いっしょにいいかしら?はい、ジュース。」
彼女は、いつも通りの笑顔で俺にジュースを渡した。
どうみても普通のオレンジジュースだ。
俺は、礼を言って受け取る。
(休憩時間の間に藤吉の事でも聞いとくか…)
俺は、飲みながら羽瀬川店長代理に藤吉のことを聞いてみる。
「ところで、木下店長っていつもいないんですか?」
「いつもいないのよ。どこに行ってるのかは分からないけど…
前は…そうね、寮にある浴場を覗いたりとかしてたけど、最近見ないわ。」
「店長が覗きですか!?」
「そうよ。あの時は、女性従業員みんなで苦情出したのよ。
それから1週間位で姿が見えなくなったわね…。
それで私が店長代理に任命されたの。」
「そうだったんですか…。
でも、羽瀬川店長代理がいるってことは、木下店長はあくまでこの店の
店長なんですよね?」
いささか失礼に取られるかもしれないが、俺はあえて言う。
実際には、「他の店にいます」って言われたらかなわない。
前に諏訪が言っていたが、吉野家などは店長一人が店を四店舗ぐらい管理するという。
人件費削除の為だそうな…。
「そうなの…私、このまま店長になるのかなっ思ってたけど、そうじゃないみたいね。
緊急時の処置みたい…。」
羽瀬川店長の表情が一瞬暗くなった気がした。
「それより、あまり堅くならなくていいわ。
羽瀬川店長代理じゃぁ堅すぎるし長すぎるでしょ。朱美でいいわ。
他の人にも、堅すぎない程度に接してね。
リラックスして仕事しましょ。」
「そうですね…。分かりました、朱美さん」
俺は、そう答えながら時計を見た。
「あ、休憩時間もう終わってる…!
勝頼君、急いで厨房に戻るわよ。」
俺は慌てた朱美さんに続いて厨房に戻った。
325 :
冷泉隆豊:02/01/24 22:14 ID:zpW9ioRO
どうにか1日の仕事も終わり、マネージャー岩倉夏姫の前に我々4人組は揃う。
今後のスケジュール決定と、仕事内容の確認及び研修のため。
倉庫整理の主力と言われた我々男3人も、一応すべての仕事が出来るように
なってほしいとの事。
このマネージャーは、冷静沈着が服を着て歩いているような人で、俺はやりにくかった。
スケジュールに不満は無いので、店側に任せる。
研修は、簡単な挨拶から基本動作などの確認。
俺に諏訪に乃絵美は良かったが、大志がなかなかOKが出ない。
「今日は、彼には少し残ってもらいます。
あなたたち3人は、今日は帰って明日に備えなさい。」
夏姫さんが俺たちにメニューを渡しながら言った。
「あと、そのメニューは当店で取り扱うすべての品です。
数日中にすべて覚えておく事。以上。」
俺たち3人は、置いていかないでくれと目で訴える大志を置いて事務所を出た。
更衣室で諏訪が俺に紙を見せながら声をかけてきた。
「いや〜、今日は大変でしたよ。
何か無いかさばくろうとしても、あのマネージャーがずっとついてましたから。
結局収穫無しです…が、こんなの見つけました。」
受け取って見てみる。
「従業員の名簿か…。偉いぞ諏訪!
さっそく馬場の方で全員調査させておこう。」
「でも、藤吉の載ってないんですよね。
いったいどこにいるのやら…」
「分からん…」
着替えも終わり後は帰るばかりだが、大志が来ないので気になる。
すでに店は閉店しており、辺りは真っ暗だ。冬の夜だ、目茶目茶寒い。
だが、夜道一人では可愛そうだ。待っててやろう。
俺は、乃絵美と諏訪を先に帰らして店の前に残った。
俺は二人を見送り、何げなしに店の方を向いたら…………。
1 「あれ、どうしたの?こんな所にいると風邪をひくわよ。」
見れば朱美さんがいた。今帰りなのか…?
2 「君、こんな夜中に何やってるんだね?」
片手に警棒持った警官が立っていた。最悪だ…。「殴るなよ、市民が見ている…。」って言ってやりたい…。
3 「そこの青少年、まあ今日は一杯やりなさいよ!」
このクソ寒い中、タンクトップ一枚で飲み歩いている、酔っ払いの女に声をかけられた。
いつもお疲れ様です。
Piaで酔っ払い女と言えば、アレか(w
酔っ払い女マンセー
しかし、折角だから羽瀬川朱美のフラグを完成してみようでは無いか。
1.を慎んで選択させて頂きましょう。
327 :
高山右近:02/01/26 01:08 ID:b87y6c1i
あぅっ、出遅れ! お疲れ様です。
保全目的と言われますが、マジで面白いっす。
>326
……まぁ、私も1を選びたかったので丁度良かったです。
ふふふ・・・高山殿、油断召されましたな。
世は戦国、気を許すと今川殿の様に寝首を掻かれますぞ。
ご注意召されい。
329 :
乱破:02/01/26 01:42 ID:MqVnaZUp
おっと、自らのレス番の算術を間違えたようで。
まあ、誰も読めないと思われるので、之でも良きにござる。
ニンニン
330 :
冷泉隆豊:02/01/26 13:10 ID:DDGokKgN
「あれ、どうしたの?こんな所にいると風邪をひくわよ。」
見れば朱美さんがいた。今帰りなのか…?
「大志の奴を待ってるんですよ。いくらあいつでも、一人で夜道は可愛そうですからね。」
「大丈夫よ。夏姫ちゃんも寮だし、九品仏君が一人で帰ることは無いわ。
それに、あの様子じゃあしばらくは帰れないわ。
先に帰りましょ。」
「…そうですね。では、近くまで送りますよ。」
「ふふ、私も寮だから一緒に行きましょ。」
「あ、そうだったんですか…。それじゃあ行きましょう。」
大志は放っておいても良さそうだ。
俺は朱美さんと帰ることにした。
何かしら情報が掴めるかもしれない。
それにしても、従業員が残っている状況で店長格の人間が先に帰るとは…。
考えられない事でもないが、実際店を握っているのは岩倉夏姫かもしれないな…。
歩きながら朱美さんに聞いてみる事にした。根掘り葉掘りとはいかないが…。
「朱美さんって、夏姫さんとは仲いいんですね。
夏姫ちゃんって呼んでますし。」
俺がそう言うと、朱美さんは照れた感じで答えた。
「夏姫ちゃんは大学時代の私の後輩なの。
やっぱり、その時の癖がでちゃうみたいね。
よく夏姫ちゃんから言われるわ。
先輩、ここは職場です。公私混同は慎んでください、って。
でも、ちょっとぐらいはいいと思うの。」
ちょっとじゃなく、常に夏姫ちゃんと呼んでいたような気がしたが、突っ込み入れるのは避ける。
331 :
冷泉隆豊:02/01/26 13:33 ID:DDGokKgN
「勝頼君って、どこか落ち着いてしっかりしたように見えるけど、長男かな?」
何気に朱美さんから聞かれる。
家族構成などはしゃべらない方がいいのだが、断片的にはいいだろう。
そう判断した俺は、一部しゃべることに。
「こう見えても四男です。
もっとも、兄たちは死別したり行方不明とやらで、実際は俺が長男扱いですが。」
「あ、ごめんなさい…嫌な事…思い出させちゃったね…」
朱美さんの表情が曇る。
俺も、兄たちに関しては思い出したくは無かった。
特に長男の義信は、親父から疎まれていた俺をかばってくれた唯一の味方だった。
兄義信は、親父の苛烈なやり方に反発して対立、その後交通事故で消えていった。
あの事故は、裏で親父が暗躍していたのは誰でも予想していた。
それを口に出来る奴など誰もいなかったが…。
「だ、大丈夫?」
朱美さんが俺の顔を覗き込む。
兄の事を思い出していたせいか、俺のテンションは下がりまくっていた。
「はは、大丈夫ですよ。死んだ長男を思い出すと、いつもこうなんです。」
俺は、笑って答えたが、朱美さんの表情は晴れない。
参ったな…。
332 :
冷泉隆豊:02/01/26 14:31 ID:DDGokKgN
寮について朱美さんとは別れる。
結局、あのまま朱美さんの表情は曇ったままだった。
また明日にでも別の話を用意しておこう。
俺は、部屋に戻る。
部屋の中では、諏訪、乃絵美が両方起きており、二人で従業員名簿を整理していた。
「若、早速わが社の若い衆にこいつの写しを配っときました。」
諏訪が俺に気がついて話す。
「見てください、あの店舗には木下一門が多くいますよ。」
俺も、従業員名簿を覗き込む。
最新版か、俺たち4人の名もある。
店長代理 羽瀬川朱美 (正社員。飾り物の可能性大)
マネージャー 岩倉夏姫 (正社員。業務内容を取り仕切っている模様)
フロア一般 木下裕介 (藤吉の嫡男と思われる。が、一従業員扱いである。)
木下さとみ (裕介の女房。血はつながっていない)
深見まどか (バイト。バーチャコールユーザー)
鷹梨千尋 (現Piaの店舗で営業していた店の娘。借金のカタらしい)
日野森あずさ(人気のあるウェイトレス。性格は短気で強情)
日野森美奈 (あずさの妹。トロそうにして、姉よりしっかり者)
皆瀬葵 (酔っ払い。丹下段平並に飲む)
武田乃絵美 (若の妹です)
厨房一般 中川料理長 (元美食倶楽部の可能性アリ)
縁早苗 (皿洗い専門)
立花ゆかり (皿洗いから料理等。母親が前に働いていたらしい)
鳥海千紗都 (料理専門。病弱。双子の妹がいる)
倉庫雑用 木下小一 (藤吉の弟。やはり店にはいないらしい)
武田勝頼 (若)
諏訪頼忠 (武田商事従業員。そろそろ給料上げてください)
九品仏大志 (若の義兄弟にして同士)
「名前のとこの記入は、簡単に集まった情報を私の方で書いておきました。」
さすが、武田の情報網だな…もっとも、この程度の情報なら前から会ったかもしれないが。
「給料の件は馬場に任せておく。
それと、藤吉の息子二人も所在は掴めないのか?」
「はい。いないようです。ですが、女房のほうは出てきているみたいです…。」
なるほど…。確かに後方勤務者は数不足だな…。
ふと何気に時計が目に入った。
もう00:12か…。
大志が遅い…。
俺は…。
1 「大志が遅すぎる。俺は様子を見に行く。諏訪だけは連絡役として起きていてくれ」
と、言い残しPiaに向かった。
2 「夜更かしは禁物だ。寝るぞ」
二人を促し俺たち3人は寝た。すまんな大志。実際乃絵美は眠たそうだ…。
3 「馬場の方からは何か言ってきてないか?」
明日寝不足になるのを覚悟して、3人でもう少し協議する事にした。
333 :
冷泉隆豊:02/01/26 14:32 ID:DDGokKgN
ずれた…鬱氏…
334 :
高山右近:02/01/28 01:35 ID:WA587Wa2
いや、早くの更新、お疲れさま。最近、本気でこのスレが楽しみでして・・・。
今度こそ遅参することなく選択させていただきます!
では、1.でお願いします。
・・・・・やはり大志の登場を頼んだ以上、最後まで奴とは付き合わなくては、と。
335 :
冷泉隆豊:02/01/29 09:16 ID:wjLaLwwi
大志があまり遅い…。俺は立ち上がり、
「大志が遅すぎる。俺は様子を見に行く。諏訪だけは連絡役として起きていてくれ」
と、言い残しPiaに向かった。
我々の身元がばれているとは思えなかったが…。
寒い中、ようやくPiaにつく。
Piaには、まだ明かりがついており、中に人がいるのは間違いない…。
正面は閉まっていたので裏口から回る。
裏口は開いており、あっさり入る。
とっとと事務所に向かい、ためらわずに扉を開いて中に入る。
中の人間に、声をかけるぐらいの事はしておく。
「大志、あんまり遅いので心配になって見にきたぞ!」
ここで、中に藤吉か他の木下家の人物が出現している事を想定していた。
が、俺の目に入ったものは、こっちを振り向き泣きながら走ってくる大志の面だった…。
「マァァイブラザァァァーー!!きっと来てくれると信じていたぞぅぅぅぅぅ!!」
俺は、全身に張り詰めた緊張感も、一気に抜けてなくなり、一言言う。
「お前、まだやっていたのか…?」
すでに疲労でくたばりかかっている大志はうなずくばかりだ。
「武田君も、さすがにこの時間では心配するようね。
まあ、いいわ。今日の所はこれで終わりにします。
また、明日も努力するように。」
夏姫さんに言われ、大志が狂喜する。
「もう帰れないかと思っていたぞぅぅ!」
「今日は、もう遅いから、急いで帰りなさい」
「分かりました。おい大志、帰るぞ。
では夏姫さん、お疲れ様でした!」
俺は、狂喜した大志を引っ張りながら店内を出る。
やれやれ…。
店の外にある自販機でジュースでも買って飲む事にする。
ずっと動いていたのか、結構疲労している大志に休憩させる為に。
「フッ、マイブラザー。接客というものはコミケのようには行かぬものだな…」
このクソ寒い中、「ファンタ」(オレンジ味)を飲みながら大志が言う。
「当たり前だ、接客する相手が違う。相手は一般人だぜ」
俺は、「コーンポタージュ」をすすりながら返答する。
「まあ、その辺はおいおい慣れていくと思う…。」
大志の言葉にうなづく俺。
「心配かけて済まないな…」
「気にするな、自分の言った通り、慣れていけばいい。」
俺は、そろそろ大志を促し帰ろうとする。
「ん!?マイブラザー、Piaに車が止まったゾ!」
俺は、大志の指差す方を向く。
駐車場には、さっきまで無かった車が止まっていた。
中から人が出てくる。
その人は、さっさと裏口の方へ回っていった。
「店内に入る気だな…」
大志が、だれでも思う事を口にする。
人影が、完全に裏口より消えたとき、俺は車の方を確認する。
運転席や助手席にも誰もおらず、後部座席にも誰も乗っていない。
確認終わった瞬間、俺は車めがけて駈けた。
336 :
冷泉隆豊:02/01/29 09:41 ID:wjLaLwwi
「どうする気だ、マイブラザー!」
俺を追いかけながら、大志が言ってくる。
「発信機だ、馬場から受け取った奴を車体下部に貼り付けておく。
誰が乗ってきたかは分からないが、傍観するよりましだ。
貼り付けたら急いで退避するぞ。
急に店内から出てこられると困る!」
「了解だ!
確かに店内に突入したりするのは危険すぎるな…。
しかし、どっかの業者のお偉いさんでは鬱だな。
見当違いにならない事を期待しているぞ。」
「んなこと、やって見なければ分からん!」
俺は、車に取り付くと、さっと車体下部に滑り込み、発信機を取り付ける。
大志は、万が一車の所有者が出てきた場合に備え、裏口を見張る。
取り付け完了…。
俺は、大志にOKの合図を送り、二人で走って去る。
走っている最中に、諏訪に発信機の探知を指示する。
「これで、相手の所在地が分かればいいな…」
走りながら大志が言う。
「出来るなら、木下一門の誰かであってほしいな…。」
静岡に在住していると思われる木下一門は、偽名を使って潜伏しているのか、
武田の情報網の網にはかからなかった。
俺たちは、適当なとこで歩き、そのまま寮に入った。
部屋に戻る。
起きていた諏訪が、発信機の中波を取りながら装置をいじっていた。
「あ、若。一応、自動追尾にしておきました。
明日の仕事もありますし。あとはこれに任せて寝ませんか?」
諏訪の目が真っ赤だ。多分俺もそうだろう。
時計は、すでに01:47を指している。
「そうだな、もう寝よう。
俺も疲れた…」
「若、おやすみなさい…」
「ぐがぁ〜〜」
大志はとっくの昔に寝ていた。
乃絵美や諏訪が敷いてくれたのか、布団はすでに用意されている。
「おやすみ…」
俺は眠りについた。
337 :
冷泉隆豊:02/01/29 10:18 ID:wjLaLwwi
朝起きた俺は、発信機の移動情報を確認しておく。
発信機は、Piaから結構離れたどこぞの地区に止まっていたようだ。
この情報を、馬場の方に送っておくか。
朝食を終え、出勤までの時間を使い、従業員名簿を見ていた諏訪が何気に言った。
「この鷹梨千尋って娘…調略できませんかねぇ…」
「鷹梨氏と言えば…関東方面に勢力をもっていた飲食系のチェーン店を保有していたな…」
大志も口をはさむ。
「確か…我輩の記憶が確かなら、同じ関東圏に勢力を持つ結城氏の制服喫茶に
押されて、壊滅に近いダメージを受けたはず。
そして、勢力挽回のために静岡に拠点を作ろうとした所を、Piaに買収されたと思ったが。」
良く知ってるな…んなこと…。
大志は続ける。
「その時、鷹梨氏は関東での敗北でかなりの借金を持っていた。
その借金解消に土地や店舗も売りに出され、一人娘も木下一門に買収されたはずだ。
最後は娘も売り飛ばして、経営者は手に持った現金でどこかにいったよ。」
なるほど…。
「でも、それって…かなり不幸だよ…。
それを利用するなんてかわいそうじゃない?」
乃絵美が言った。確かにそうだが…。
話は途中過ぎるが、出勤時間がきたので部屋より出る。
路上で、さっきの続きを話しながら店に向かう。
出勤途上で同じように出勤している者を見かける。
「若、あれが鷹梨千尋ですよ。あのショートで背の低い女。」
諏訪が指した方に、確かにショートで背の低い女が歩いている。あれが鷹梨千尋か。
諏訪は、馬場より取り寄せたのだろうか、写真を持っていた。
「間違いありません」
諏訪は確信したように言う。
「諏訪、その写真。全部こっちに見せてくれないか?」
物のついでに諏訪に言う。
「ええ、どうぞ。まだカラーコピーしてないので一枚ずつしかありませんが」
俺は写真を受け取る。
338 :
冷泉隆豊:02/01/29 10:31 ID:wjLaLwwi
「フフフッ。マイブラザーの腕の見せ所だな。
見事に鷹梨千尋を調略するのだ」
大志が言うが、鷹梨の後ろに朱美さんが歩いていた。
個人的には、どうせ女に声かけるなら朱美さんのほうに声かけたいが…。
「調略成功の暁には、自分のモノに出来るかもしれませんよ」
諏訪も言った。
「お兄ちゃん、実に楽しそうだね…」
唐突に乃絵美が、刃を突き刺すような視線で俺を見る。
この気迫、まるで鷹のようだ…。
「フン、マイシスター。真の兄妹でジェラシーはいかんな。
これも定めだ。泣きたくば我輩の胸で泣くが良い」
「別にジェラシーなんて…」
乃絵美が大志に言い返す。
どうする勝頼…。
1 何を言おうか…とにかく鷹梨千尋に声をかける。
2 昨日は変に気を使わせてしまった。今は朱美さんに声をかけよう。
3 乃絵美が怖い…。俺は、「静観」コマンドを実行した。乃絵美のいない時にしよう…
339 :
高山右近:02/01/31 06:38 ID:t5+Yzo4W
おぉ、これはこれは、二日も置いてしまって……。
しかし、むずかしい選択ですなぁ…。
それでは、>326氏の助言に従い2.を選びます……。
340 :
冷泉隆豊:02/02/01 19:02 ID:kD+B1LiQ
まあ、マターリいきましょう。
今は時間がとれず、明日書きます。
341 :
高山右近:02/02/02 00:29 ID:wO7pEUzZ
いやいや、焦らせてしまったようで申し訳ない。
楽しみにして、お待ちしています……。
342 :
冷泉隆豊:02/02/04 06:11 ID:rKqoDZZv
俺は、3人から駆け足で離れた。
そして、
「朱美さん、おはようございます!」
と元気に挨拶した。
鷹梨調略はいつでも出来るだろう。
どうせ女に声かけるなら、朱美さんなら乃絵美にも説明きくだろう…。
「何をしているんだマイブラザー!!」
後ろから大志の大声が聞こえたが聞こえない振りをする。
「あら、おはよう。勝頼君」
朱美さんの様子はいつも通りだった。
その後も、普段通りの感じの朱美さんだった。
う〜ん…俺の気にしすぎだったのか…?
結局、何のアクションも無いまま、店についた。
「何をしているんだマイブラザー!
鷹梨はとっとと先に行ってしまったではないか!!」
更衣室で大志が吼える。
言いたい事は分かる。
ただ、朱美さんにあまり気を使わせたくなかっただけなのだが、説明して
も、分かってもらえそうにない。
「しかし、我々は後方要員です。
ウェイトレス専門の鷹梨は、乃絵美さんにお任せしてみましょうか…?」
諏訪が言った。
「そうだな…」
俺は、適当な相槌を打ちながら、着替えを済ました。
今日は、大志と倉庫だ…。
343 :
冷泉隆豊:02/02/04 06:54 ID:rKqoDZZv
ごちゃごちゃと、大志に文句言われながら仕事をこなす。
かなりストレスが溜まったが、仕方ないので黙る。
難なく1日を終え、帰宅の用意をする。
また大志は居残りだ。
俺と諏訪は、情けない目でこちらを見る大志を笑いながら帰宅しようとする。
が、背中から夏姫さんの声が届いた。
「悪いけど、勝頼君は残ってくれる?
九品仏君の指導を手伝ってくれないかしら」
振り向いて夏姫さんの方を見る。俺も居残りか…。
その後、喜ぶ大志に一喝しながら居残りすることに…。
1時間もしたら、夏姫さんから帰宅のOKが出る。
無論、大志の居残りは続行だ。
「やれやれ、大志には参った…」
俺は、ぶつぶつ言いながら事務所を出た。
「お疲れ様、ようやく終わったのね」
裏口の所には、朱美さんが立っていた。
「さ、帰りましょ。」
朱美さんが促す。俺は、朱美さんに続いて店を出た。
「朱美さんも、丁度終わりでしたか…」
歩きながら、何気ない話題をふった。
「ううん、待ってたのよ。
余分に仕事させて、夜道を1人でなんか歩かせられないわ。
最近は、この辺の夜も治安が良くないみたいだし」
「すみません…大志があんな調子で…。
朱美さんにも余分に気を使わせちゃって…」
「いいのよ。
九品仏君、あのまま表に出すと危ないし…」
朱美さんがクスッと笑う。
そのまま、何気ない会話をしながら寮につく。
玄関前で、朱美さんが止まって言った。
「昨日は、変な事思い出させちゃってごめんなさい。私…」
とっさに、俺は口を開く。
「言い出したのは俺ですから、気にしないでください。
兄のいない寂しさはありますが、弟もいれば、大志達もいます」
だが、朱美さんは言葉を続けた。
「私…勝頼君のお兄さん達とは違うけど…。
困った時とかあれば、私を姉と思って頼ってみて。
少しは役に立つと思うから…」
「え…?朱美さん………」
俺と朱美さんと視線が合う。
しばしの間、そのまま二人とも固まったが、
「それじゃ、明日勝頼君はお休みだから、しっかりと休養とってね」
と、朱美さんは言うなり、スタスタと寮内に入り、自分の部屋に向かっていった。
(姉…か…)
俺は、朱美さんの言葉を思い出しながら、自室に向かった。
344 :
冷泉隆豊:02/02/04 07:15 ID:rKqoDZZv
部屋では、諏訪がおらず、乃絵美が1人寝ていた。
すうすうと、乃絵美の寝息が聞こえた。
俺は、乃絵美を起こさないように静かに座る。
馬場の方より送られてきたであろう書類に目を通す。
そんな事をしているうちに、諏訪がけたたましく部屋に飛び込んでくる。
「若!昨日の車の所在地が判明しました!」
「ふうぅぅん?」
乃絵美が起きる。少しは気を使えよ諏訪…。
「見てください、発信機の結果です。
地図によると、磐田に向かい、そこで止まってます。
で、実際に武田の者が現地に入ったら、木下小一を確認したそうです!」
「磐田か…。掛川城址よりちょい東か…。
しかし、俺たちでは手が打てないな…。」
俺は地図を見ながら言った。
「専務の方で、見張りを置いてます。
専務が、若の事を上出来だとほめてましたよ」
「そうか…。あの馬場がな…。
俺が、馬場の顔を頭に浮かべたとき、
1 「勝頼くぅぅん!!まだ起きてるよね〜〜〜〜!!」
と、聞き覚えのない女性の大声と共に、ドンドンとドアを叩く音が聞こえた。
2 「お兄ちゃん、鷹梨さんの方はね…」
完全に起きた乃絵美が、結果報告を始めた。
3 「そういえば、若と私は明日休みでしたね。たまには飲みますか?」
と、諏訪は鞄から一升瓶を取り出した。よし、飲むか!
345 :
高山右近:02/02/05 03:17 ID:2CXsyNnE
い、磐田……!
父親の実家にして私の本籍地です。(w
……と動揺しつつ。
2.をお願いします。ストーリー的な進行に期待と言うことで。
では、よろしくお願いいたします!
346 :
冷泉隆豊:02/02/06 07:51 ID:XDAXJ9IK
そ、そうでござったか…。
やはり、日本は狭いということですな…。
ちなみに当方は愛知です。
では、続きを…。
347 :
冷泉隆豊:02/02/06 08:33 ID:XDAXJ9IK
「お兄ちゃん、鷹梨さんの方はね…」
完全に起きた乃絵美が、結果報告を始めた。
「だいぶ、荒んだ過去を持ってるみたい…」
と、乃絵美が、鷹梨のしゃべった事を話し出す。
元々、鷹梨氏は関東の出自であり、当時宿泊関係の関東一円に勢力をもつ北条氏と
繋がっていたという。
北条氏と連携を持った鷹梨氏は、木下氏と同様にファミレスを経営していたが、
同じ関東にある、旧華族の結城氏の立てた喫茶店に、わずか2年で駆逐された。
原因は、バックにある北条氏の力をアテにしすぎた事。
それがゆえに、他の飲食関係と提携を組めなかった事といわれている。
肝心の北条氏が、東京の都知事、岩原とホテル税で激突していた為、
鷹梨氏を支援出来なかったともいうらしい。
その後、北条氏のツテで、遠州今川氏を頼り静岡でやり直そうとした所を
木下に潰された。
ちなみに、千尋そのものは、関東時代の恋人を、結城氏の若い女経営者に寝取られている。
そして、家が木下氏に差し押さえられた時、両親もいずこかへ消えたいう。
「でね、話によると、千尋ちゃんはただの借金のカタじゃなくて、
近いうちに木下藤吉の養女になるみたいなの。
本人はかなり嫌がっていたけど…」
諏訪がうなづく。
「分かりますね…。
あの好色な藤吉の事です。存分に遊んだ後は政略結婚で使う気でしょう。
で、乃絵美さん、鷹梨は抱き込めそうですか?」
諏訪は、肝心な事を乃絵美に聞く。
「うん。大丈夫だよ。
私たちに友好的だよ。
千尋ちゃんは、あの店じゃぁ孤立してて、ずいぶんとストレスが溜まってるみたい。
聞いても無い事までしゃべってくれたから。
でも、ちょっと短気かな…。あと、わがままのケもあるよ。
店での孤立もそれに原因があるみたい」
「なるほど…。
味方は増やせるが、当人の人物には難アリか…。
彼女を味方にするということは、鷹梨氏を味方にするという事だが、
関東の結城氏は黙っていてくれればいいが…」
俺は、鷹梨氏に関して、一抹の不安を口にした。
が、諏訪は別意見のようだ。
「若、北条氏が健在な今は、結城氏が箱根を越えてくる事はありえません。
また、我等が山梨に進出したとしても、土地に対する影響力、総合的な生産力
から、武田商事のみで迎撃できます。」
諏訪が自身をもって言う。
348 :
冷泉隆豊:02/02/06 09:39 ID:XDAXJ9IK
「そうだな」
俺は、諏訪の意見に賛同し言葉を続ける。
「今は、少しでも味方を増やして木下に当たろう。
乃絵美、鷹梨の方は任せる。よろしく頼むぞ。」
「うん。任せてよ。お兄ちゃん!」
乃絵美から元気な返事が返る。
こんなに元気な乃絵美は久しぶりだな…。
その後、フラフラになった大志が帰宅し、とっとと寝る。
ぶつぶつ文句を言っていたが、当人に問題があるのだから仕方がない。
朝起きたら、すでに3人は出勤した後だった。
俺は、今日が休みなのでみんなは気を使ってくれたようだ。
ここで、一旦馬場と会っておこうと思った。
休みは、週一しかない。それに、向こうの容態ぐらいは確認しておきたい。
寮の通路を通って駐車場に出る途中、あくびしながら朱美さんが歩いていた。
朱美さんがこの時間で寮の中をうろついてるって事は、今日が休みだという事だろう。
朱美さんがこちらに気づく。
「勝頼君、おはよう。
今日は外出?どこに行くの?」
「おはようございます、朱美さん。
今日は、ドライブを兼ねて遠出しようかと…」
と、挨拶を返した時点で、俺は思いついた。
(この人は、木下氏の裏事情を知ったうえで働いているわけじゃないだろう…。
うまくいけば、抱きこめるかもしれないな…。
だが、こちらの素性を晒すには危険すぎる…)
「どうしたの?何か考え込んでるみたいだけど…」
朱美さんが言う。
ええと…。
1 (こうなったら一か八かだ。)
思い切って、朱美さんを馬場のとこまで連れて行く。
2 (今は、馬場との対面が先だ。)
朱美さんと別れて病院に向かう。
3 (この際、朱美さん連れてドライブしながら磐田を策敵してみるか…)
馬場は後回しにして、朱美さんとドライブ。
349 :
冷泉隆豊:02/02/06 09:50 ID:XDAXJ9IK
ちょっと、スレ違いですが。
某、前のレスで、会社を辞めたと書いてますが、
その辞めた原因の男が、自分の携帯の番号変えて頻繁に嫌がらせメール出してきます。
馬鹿なキチガイ相手にしたくないのでこちらが会社辞めたんですが、効果無しです。
共産党の人間の前では、自称右翼な発言は厳禁で、
論破して共産党を馬鹿にしてはいけないということが良く分かりました。
共産党恐るべし。結局携帯換えた。鬱氏。
350 :
高山右近:02/02/06 11:49 ID:2q0JfxbP
……いやぁ、それは、それは。
所詮は人の話を聴くフリしたわがままクン政党なのかなぁ……?
ちょっと左翼がかった人というのは概してそういう傾向があるのか…。(ウチの大学の教授しかり)
では……、3.をお願いします。
やはり「武田騎馬軍団スレ」のはしくれらしく、「人は石垣、人は城」に従いたいと……。
(磐田市内で車の練習したなぁ……)
愛知は実は結構な憧れの地なんですよ。
東京在住のドラゴンズファンなもんで……。
では、頑張ってくだされ!応援しております!!
351 :
冷泉隆豊:02/02/08 06:11 ID:EAmkZMn6
朱美さんを、馬場の所へ連れて行くわけにもいかない。
かと言って、すぐに馬場に会いに行っても時間はあまるだろう。
そう考えた俺は、朱美さんをドライブに誘うことにした。
ついでに、静岡市より磐田方面までの索敵も、我が身で出来るので都合がいい。
車に二人で乗ってしまえば、特に邪魔も入らず話を聞けるだろう。
朱美さんは、週一の休みであったにも関わらず、こちらの誘いに乗った。
「たまには、息抜きもいいわね」
俺は朱美さんと駐車場に向かう。
「あら〜、今日は2人でお出かけ?
朝っぱらから熱いわね〜。私にも分けてくれないかしら」
と、入り口付近で貴子さんに声をかけられた。
そういえば、大志が「タカさん」って呼んでいたが、そんな呼び方でいいのだろうか…。
「も、もう…ただの息抜きですよ〜」
朱美さんが、照れながら貴子さんに返す。
「まあいいわ。
で、どこまで行くの?
遠い天竜の奥地まで連れてっちゃぁ駄目よ」
「そんなとこまで行きません…!
ちょっと、磐田にいる弟の盛信に借りてたものを返すだけです。
まあ、朱美さんとドライブするのも目的ですが…」
「磐田ねぇ…。
それじゃ、行ってらっしゃい〜!」
と、貴子さんはそそくさと寮の中に戻って行ってしまう。
元気な人だ。
俺と朱美さんも、さっさと車に向かう事にした。
352 :
冷泉隆豊:02/02/08 06:39 ID:EAmkZMn6
「貴子さんって、誰とでも気さくにしゃべれますね。
あれなら、誰とでも揉めるような事無さそうですね。」
車を走らせながら、俺は朱美さんに話を振る。
少しでも木下一門に関しては情報が欲しい。
「ふふふ、そうね…大体の人は嫌がる事はないわ。
でも、夏姫ちゃんは嫌がってるのよ。貴子さんを。
前も寮の前で口論してたし。
初耳でしょ。」
朱美さんが笑って言う。
俺は、車をバイパスに進める。
「そうだったんですか…。
そうですねぇ…あの2人、性格が正反対っぽいですからねぇ…。
なるほど…」
俺は、あいずちうつ。
(Piaも一枚岩ではないのか?
いやしくも、貴子さんは木下一門だ。それと仲が悪いとは…。)
ひょっとしたら、夏姫さんか、貴子さんのどちらかは味方陣営に加えれるのかもしれない…。
その後は、他愛ない会話をしつつ、磐田に向かう。
その間も会話をしながら、頭は別の事を考えていた。
夏姫さんと貴子さんの仲の悪さを「対立」という図式までもっていくか、
それとも、一方を煽り、もう一方を叩かせ、弱まったほうを味方に取り込んでしまうか…。
味方にして心強いのは夏姫さんだな…。
貴子さんは微妙だ。
牧の原トンネルに入ったとき、俺は貴子さんを甘く見ていたと後悔した。
353 :
冷泉隆豊:02/02/08 07:35 ID:EAmkZMn6
「前の車…遅いわねぇ…。」
トンネルに入った時、朱美さんがぽつりと言った。
俺の車の前には、さっきからトロトロ走っている車がいる。
抜こうにも、車線が一本しか無く、対向車は断続的に来るので不可能だった。
2つめのトンネルに入る。こいつが1番長いトンネルだと盛信が言っていたが…。
後方から、やけにスピードが出ている車がバックミラーにうつった。
その車は、そのまま俺の車の後部に体当たりを食らわしてきた。
「きゃぁ!」
朱美さんが悲鳴を上げる。
「くそっ、わざとぶつけやがって!」
俺は、車を止めようとブレーキを踏む。
が、後方の車は、一旦バックすると、再び速度を上げてぶつかってくる。
「何なの!?」
朱美さんが動転していた。
「タダの嫌がらせにしては度が越えてますね。」
俺は、わざと余裕を持った口調で朱美さんに言う。
(狙われているようだが…。標的は俺か…。
しかし、トンネルの中では大事故になるぞ…。)
「勝頼君、前!!」
朱美さんが悲鳴を上げる。
トロトロ走っていた車もバックで向かってくる。
「挟み撃ちかよ!」
俺は、反対車線に車を飛び出させる。
幸いにも、断続的に来ていた対向車はいない。
ここにいるのは、3台の車だけだ。
よく見たら、他に車が見えない。
金属をはねく甲高い音が車内に響いた。
(まさか、今の音は拳銃か…!?)
さすがに俺もびびるが、この車は武田家当主の車。
防弾装備ぐらいはある。
しかし、この襲撃。俺の進路が分かっていなければ出来ないことだ。
俺の磐田行きを知っているのは朱美さんに貴子さんだけだ。
貴子さんも、木下一門だったと言う事か…。
それと、俺の身元はすでに割れていたと言う事になる。
町の中にある店や寮では始末がむずかしいので、こう言うところで始末しようと言う事だろう。
しかし…。ここでやられれば、隣の朱美さんまで逝くことになる。
朱美さんは、どうしていいのか分からず、怯えた目で俺を見つめていた。
このままでは、このままでは…。
1 「朱美さん、少し荒く運転するよ!!」
あまりに対向車がいない。恐らく、規制でもかけているのだろう。
思いきって対向車線からつっ走ってこの2台をやりすごす。
2 「こんな事もあろうかと思って…若の車をつけていて良かったよ。」
親父の名参謀。真田士郎が助けにきた。
さぁ、反撃だ!
3 「親父が言ってたぜ、知恵を使えってな!」
俺は、キーの横にあるスイッチを押す。愛車前部から濃い煙が出る。
愛車、相手の2台。すべてを煙幕が隠す。
そのスキに、俺は相手の車に接近戦を挑む。
354 :
山本勘助:02/02/11 04:53 ID:9Sbe2SsG
>>353 1が無難であろうて。余計な危険は避けるが吉と申す。
それにしても貴殿も右翼でござるか。
手前もその類で、何かの拍子に職場で暴露してしまったが
左翼系の人士もおらず、今もって平穏でござる。
まあうちは組合すらなく、お偉いさんは右翼団体の有名人と刎頚の友である
右翼企業であるからな。いらぬ心配もなかったのだ。
355 :
高山右近:02/02/11 07:49 ID:WeJFP1Do
おっとこれはこれは、遅参いたした。申し訳ない……。
>山本殿
御貴殿が本スレの山本殿で?
陰ながらいつもROMで応援しております……。
では、頑張ってくだされ…!
356 :
冷泉隆豊:02/02/12 10:02 ID:gXpzu9sV
軍師殿に来ていただき光栄至極にござる。
続けていたかいがありましたな…。
折れは、政治論争もむやみにするべきじゃないと心底思いましたよ。
論争に勝っても、職場を辞めて携帯まで捨てれば、最終的にはこちらの負けですからな。
一時は、夜襲を仕掛けるかとも検討したぐらいでしたよ…。
357 :
冷泉隆豊:02/02/12 10:33 ID:gXpzu9sV
では、続きを
あまりに対向車がいない。恐らく、規制でもかけているのだろう。
俺は、そう判断すると対抗車線に乗り出し、愛車のスピードを上げる。
「朱美さん、少し荒く運転するよ!!」
俺は、強引に2台の車をやり過ごし、トンネル出口へ向かう。
案の定、対向車はトンネル入り口で、どこぞのガードマンに止められていた。
こっちの車線にもガードマンが踊り出て、俺の愛車を止めようとする。
「止まれっていってるみたいだけど…?」
朱美さんが俺を見る。
止まれるはずが無い…。
「一か八かだ…」
ガードマンに向かって突っ込む。
車が止まらないと見えたガードマンは慌てて逃げる。
(雇われガードマンか?とにかく、轢かずに助かったな…)
危機を脱出できた俺は、そのまま磐田に向かう。
その間に、木下小一の見張りをしている武田の者の一部を呼んでおく。
それにしても、車の調子がおかしい…。
バスンバスンと音が鳴り始めた。
やばいかな…?
358 :
冷泉隆豊:02/02/12 10:54 ID:gXpzu9sV
磐田市内に入ったと同時に愛車が止まる。
「こりゃぁ駄目か…。」
ボンネットを開けてみたところで、自分で修理など出来るわけでも無い。
「若、随分とやられましたな…」
背後からの声に振り向く俺。
俺が見たのは、こっちに若い衆を指揮しながら共にもぐりこんでいる横田だ。
もう40は超えているいい親父だ。
それにしても、また太った様だが…。
俺は、横田に指示する。
「すまんが、俺とこの朱美さんを駅まで送ってくれ。
ついでに車も修理の方向で頼む。」
横田は笑って言った。
「構いませんよ。しかし、車は廃車にした方がいいですよ。
ボディは全体的に歪んでいるし、エンジンも換装しなければならないでしょうし。」
「じゃあ、新車を手配しといてくれ…」
「了解です」
力無く、俺は朱美さんと横田の車に乗り込んだ。
朱美さんもくたびれている様子だ。
しかし…このままPiaに戻っていっても大丈夫なのだろうか…。
こちらの事は完全にばれている様子だし…。
他の3人もこのまま置いては危なそうだ。
一度寮に戻って皆で検討しよう…。
359 :
冷泉隆豊:02/02/12 11:31 ID:gXpzu9sV
車の中で、適当な雑談しつつ駅に着く。
横田からは、簡単なレポートを受け取る。
「駅に着いたとはしえ、安心は出来ませんぞ。
夕方になれば人は増えます。その時が一番危ない。」
横田が俺に忠告する。
「ああ、了解した。
まあ、これ以上のヘマは踏まんよ。任せてくれ」
俺と朱美さんは、横田と別れて駅に入った。
ホームで列車を待つ。
「すみません、朱美さん。
今日はエライ事になって…。せっかくの休日だったのに…。」
俺は、疲れきっていた朱美さんに言った。
「いいのよ。勝頼君は悪くないわ。
それより、勝頼君…サラ金か何かで逃げてるの?
トンネルの中の車は、普通じゃなかったわ。」
聞かれて当たり前の事を追求されても、簡単に答えれる事ではない。
適当に誤魔化す事は出来るかもしれない…が。
今日の尋常でない敵の攻め方の理由を説明はできまい…。
朱美さんはPiaの正社員であり、事実上木下の配下だ。
また、木下側は俺達4人を見切ったとはいえ、作戦の内容を熟知したわけではあるまい。
ここで、朱美さんにすべてしゃべるのは危険とも思える。
だが、朱美さんは下手をしたら俺もろとも消されていた可能性もある。
っていうか、そうなっていたであろう。
さて…
1 朱美さんが敵に捨て駒にされている事から、向こうに情報は流れ
れていく事は無いだろうと判断。全部しゃべり、味方につける。
2 まだ、信用するのは早い。身元がばれているだろう4人の素性については
話すが、肝心の木下藤吉については避ける。
3 人を騙す時は徹底する。
いやぁ…親父が生前借金してまして…。ってなぐあいに、とことん誤魔化してみる。
360 :
高山右近:02/02/13 04:48 ID:J4X3XFJH
2.をお願いします。
武田の軍師殿からは、ひょっとすると甘いと言われましょうが……。
まぁ、葱板ということで攻略対象から距離を置きすぎるのもアレかと。(w
361 :
冷泉隆豊:02/02/14 09:20 ID:5Z17yGaN
いくら何でも、すべてを話すわけにはいかない。
俺は、自らの素性を話し、単に制服ファミレスの実情調査に来たと言った。
「様するに、勝頼君はスパイにきたって事?」
朱美さんが言う。
まあ、そういう事になるか…。
「でも、あの襲撃は別の理由で起こったみたいね。
スパイ逮捕するなら、店の中で済ませればいいもの」
朱美さんの話を聞きながら、俺は考える。
確かに、捕らえるならば店の中が最もだ。
ただ、捕らえるならだ。
今日の様子では、「捕らえる」という気が相手にないことになる。
遠州に自ら潜り込んで来た武田家当主勝頼を、一気に始末するつもりだろう。
ただ、それなら寮の中でも出来るはずだ。
なにしろ、寮の鍵を預かっているのは、他ならぬ木下一門の人間だからだ。
一人1人、徐々に消そうとしたのか、それとも、まったく別の勢力が関わっているのか…。
やがて、朱美さんも黙ってしまい、気まずい雰囲気の中、列車は静岡についた。
タクシーを拾い、一応寮に戻る。
今回の一件の事を3人に言い、そのまま馬場とも相談せねばならない。
タクシーの中で、馬場に叱責されている自分の姿を想像したとき、携帯が俺を呼ぶ。
「何だ?諏訪か?」
362 :
冷泉隆豊:02/02/14 09:35 ID:5Z17yGaN
携帯の向こうの諏訪は、かなり慌てていた。
俺同様、襲撃があったのだろうか…。
が、それは杞憂にすぎなかった。
「若、マネージャーと貴子さんが大喧嘩はじめたんです。
えらい事になってます!
とにかく、男手が無いと止められません!
大至急店に向かってきてください!!」
大喧嘩だそうだ…。
「二人の相性が悪いんだ。
放置しとけばいいだろ。大志もいるだろ?」
俺は、適当に言い放つ。
今はそれどころではない。馬場への報告が急務だ。
「九品仏殿は、笑いながら仲裁に入った所を二人の一斉攻撃を受けてKOしました!
幸い、店の営業には支障出てませんが、事務所は壊滅です。
物が飛んでるんですよ、物が!!
ごばぁっ!」
よく分からないまま、諏訪のうめき声と共に音信は途絶えた。
「店が大変な事になってるようです…」
俺は、携帯をしまいながら朱美さんに言う。
「せっかくの休みですが、店に向かいますか?」
「そうね、あの二人が本格的にぶつかったのなら止める必要があるわ。
普段なら放っておいてもいいけど…。
今回は別物のようね…」
朱美さんの了解を得ると、俺はタクシーにPiaへ向かうよう頼んだ。
363 :
冷泉隆豊:02/02/14 10:10 ID:5Z17yGaN
Piaにつくと、俺に朱美さんはすぐに裏口から事務所に突入する。
「大志、諏訪、生きてるかぁ!?」
俺は事務所の扉を開けつつ叫んだ。
乱闘していたと思われる二人も、ぎょっとこっちを見て止まる。
「ああ、なんとかな…」
足元から、大志の死にそうな声が聞こえてきた。
「夏姫ちゃん、この騒ぎは…?」
俺の後から入ってきた朱美さんが、夏姫さんに声をかけた。
「先輩…?
も、申し訳ありません。必要以上に取り乱してしまって…」
と、一瞬驚いた後、彼女はいきなり朱美さんに頭を下げた。
「わ、私はこれで寮に戻ってるから…。
詳しい話は寮で…。」
と、木下貴子は裏口へ行き出す。
朱美さんが来ただけで、乱闘は終結した。
その後、散らかり放題の事務所内で、朱美さんと夏姫さんは二人で話しこんだ。
俺は、乱闘に巻き込まれてフラフラになった鳥海千紗都をおんぶして寮に向かう事になった。
何で俺がこんな事を…。
「あの…私重いですか…?」
鳥海がそんなことを聞いてくる。
「重い。正直、乃絵美の方が軽い。」
俺は、あっさり言い放ち、寮に向かって歩く。
くたばりかかった割には、よくしゃべる鳥海を背に乗せた俺は、
寮に向かう通りにある自販機コーナーで何を買おうか物色していた木下貴子を見た。
「私、貴子さんに殴られたんですよ〜。
起こってたからって、ひどいですよね。」
背中の主も貴子さんを確認したのだろう。
ぶつぶつ愚痴を言い始めた。
もうすぐ、自販機コーナーの前だ。
俺は、すれ違うタイミングを見計らい、
1 「貴子さん、鳥海さんが話しあるそうです。面貸していただけませんか?」
と、冗談を言ってみる。
2 「貴子さんも年だから、鳥海さんみたいに若くて綺麗な女性がうらやましいんですよ」
と、鳥海さんに話を振る。
3 「貴子さん。そういえば、俺の車代。弁償してくれますよね〜?あれ、高いんですよ。」
と、言ってみる。
364 :
高山右近:02/02/16 01:02 ID:MuIdZyzy
ここは敢えて1.をお願いします……。
3も興味が有るのですが…、多少押さえぎみに、と。
いやいや、しかし、毎回早いアップで、本当に楽しませていただいてます。
どうか頑張ってくだされ!
365 :
冷泉隆豊:02/02/16 20:41 ID:6ZRuzOoZ
「貴子さん、鳥海さんが話しあるそうです。面貸していただけませんか?」
俺は、笑いながら貴子さんに声をかけた。
「ええ!?」
背中の鳥海さんが驚く。
「あら、勝頼君。今帰り?」
貴子さんは、にこにことこちらを向き、言葉を続ける。
「あんまり鳥海さんを困らせる事言っちゃだめよ。
そんな事言う子は…」
しゃべりながら、やっぱり持っていたホーキを反対に持ち直す。
まさか、突付く気じゃないだろうな…。
「こうよ!」
貴子さんが冗談交じりでホーキを突き出す。
あっさりかわす俺。
「わわっ、危ないですよ〜!」
揺れる背中で鳥海さんがわめく。
「ふう、まあいいわ。
それより、話があるのは鳥海さんじゃなくて、勝頼君の方でしょ?」
貴子さんがホーキを持ち直して言った。
「ま、そんな所ですかな…。
今夜、どうです?
諏訪の持ってきた酒でも一緒に飲みませんか?」
俺は、余裕を持った口ぶりで話す。
「いいわね。
ただし、1人で来て。
夜21:00に管理人室に来て。」
あっさりと承諾する貴子さんに、一瞬驚く俺。
が、そんな様子は表に出さず、
「じゃ、また夜に会いましょう。」
と、会話を終わらせ寮に向かって歩き出した。
366 :
冷泉隆豊:02/02/16 21:13 ID:6ZRuzOoZ
寮に着き、鳥海さんを部屋まで送る。
お礼をしたいと言うので、そのまま鳥海さんの部屋に残る。
この時間では、自室に戻ったところで諏訪も大志もいない。
「せっかくだから、ホットケーキ焼くから食べてってください」
鳥海さんはそう言うと、さっさと料理の準備をはじめた。
ホットケーキの一枚は焼く元気は残ってるようだ。
(ホットケーキを食ったら、自室で諏訪達を待つか…。)
俺は、出されたミルクティーを飲みつつ、貴子さんとの話をどうもっていくか考えた。
相手は木下一門だ。間違っても藤吉を裏切るとは思えない。
よって、いつも検討する『味方に引き込む』という発想は通じない。
せいぜい、トンネル内での事、俺たちをどこまで知っているかを聞き出すのが限界だろう。
それに、ここは普通の一般人もいる寮の中だ。
戦闘が発生するとは考えがたい。
………。
そういえば、愛車は廃車にされたな…。どうオトシマエをつけてもらうか…。
………。
結局、馬場には顔出せなかったな…。何も言われなきゃいいけどな…。
………。
思考が別のところに行きだしたころ、鳥海さんがホットケーキを持ってきた。
「出来ましたよ。さあ召し上がれ」
にこにこする鳥海さんと俺の間に、バベルの塔のごときホットケーキの山が出来る。
(こりゃ…また馬鹿みたいに出てきたな…)
「鳥海さん、なかなか量が多いですね…。
これ、食べ切れますか…?」
そんな、俺の至極当然な質問は、鳥海さんにあっさり返された。
「二人で食べれば、すぐに無くなりますよ」
彼女は、にっこりしながら言った。
(3枚目辺りからやばそうだが…)
俺は、バベルの塔のてっ辺から一枚のケーキを自分の皿に取る。
「勝頼さん、遠慮しなくていいんですよ。」
と、鳥海さんは、俺の皿に5枚ほどケーキを乗せる。
(諏訪に大志がいれば…!!)
俺は、仕方無い事考えながら、バベルの塔の制覇を目指した。
12枚目を食べ終わる。
まだ、半分にも達していない。
胃袋では、9枚目から警報が鳴りっぱなしだ。
しかし、目の前の鳥海さんは、「いっぱい食べてね♪」的な視線を浴びせつつも
ガツガツとバベルの塔を壊していく。
胃袋が異次元に通じてるのだろうか…。
その後、早退した鳥海さんを心配して、はるばる寮までやってきた双子の妹さんに助けられるまで、
俺はバベルの塔に挑み続けた…。
367 :
冷泉隆豊:02/02/16 21:45 ID:6ZRuzOoZ
21:00
時間だ…。
別に待っていたわけではない。
バベルの塔から開放されて、時計を見たら21:00だったわけ。
俺は、鳥海さん妹の空さんに挨拶して部屋を出る。
肝心の姉の方は満腹で、すやすや寝てしまった。
とっとと貴子さんの部屋に向かう。
「遅くなったよ…。ま、いろいろあってね…」
俺は、管理人室内に入ると、住居人の指示も待たずに適当な場所に座る。
諏訪の持ってきていた酒をテーブルの上に載せる。
慇懃な態度だが、別に仲良くなりに来たわけじゃない。
何かあれば、諏訪や大志の事だ。すぐに駆けつけてくるはず…だ…。多分…。
「あら、これ結構いいお酒よ!」
貴子さんは、こっちの態度などお構い無しに自分のペースでしゃべり始める。
(しばらくは合わせるか…。とにかく、飲ませればこっちのものだ…)
俺は、しばらく貴子さんの世間話に付き合う。
大分酒が回ったころに、こちらが切り出す。
「本題に入りましょう。貴子さん、あなたは…」
酔いつつも、俺ははっきりした口調で貴子さんに言い出すが…。
「勝頼君、余計な事に口は挟まない方がいいわよん〜」
かなり酒が入った貴子さんは、こちらのそばに寄ってくる。
「余計な事?俺と朱美さんは、トンネ…」
全部言い切らないうちに、貴子さんはそのまま俺の上にかぶさってきた…。
「勝頼君…」
貴子さんの目が、まじまじと俺を見つめる。
(色気で誤魔化そうときたか…。)
1 「貴子さん…いいんですね?」
俺は、このまま貴子さんを抱き、隣のベッドへ移る。
2 「貴子さん…。ま、まず…シャワーを浴びなきゃ…」
とか言いながら、シャワー室で携帯を使い、諏訪と大志を呼び出す。
これではらちがあかぬ…。取り押さえるぞ。
3 (しまった…!あのホットケーキが!!!)
酒とホットケーキで胸焼けを起こした俺は、そのまま貴子さんをめがけて、
すべてをもどす。
368 :
高山右近:02/02/22 02:23 ID:OCXPr9Wv
す、すみませぬ。就活やらでまったく書き込めなくて……。
そ、それでは…(ま、迷う)……。
………2.でお願いします!!
(1.を期待してた人、ごめんなさい……)
手前も2がよろしいかと。いよいよでござるな…。
応援age。
370 :
山本勘助 ◆KOEiWSYs :02/02/27 16:43 ID:gL7haDdE
と言いつつ、sageられていたので再度、age
371 :
高山右近:02/02/28 02:30 ID:htmEfvO+
実に久しぶりにageりましたなぁ……。
自分も応援で!
372 :
冷泉隆豊:02/02/28 10:04 ID:jC8F+IHf
いかん…、すっかり放置してました。
とりあえず、夜あたりに続き書きます。
いや…申し訳ない…。
373 :
高山右近:02/02/28 22:51 ID:htmEfvO+
いやいや、こちらは楽しませていただいてる身。
頑張ってくだされ。
374 :
冷泉隆豊:02/02/28 22:52 ID:jC8F+IHf
「貴子さん…。ま、まず…シャワーを浴びなきゃ…」
俺は、貴子さんから離れる。
「そんな事気にしなくても…」
貴子さんは甘い声を出しながら、シャワー室に向かう俺にくっついてくる。
「いえ、気にします。
やっぱり、汗ぐらいは落としておきたいですから。」
俺は、優しく貴子さんを離そうとする。
「ううん…」
貴子さんは、何か考えながら俺から離れて言った。
「早くあがってきるのよ。」
「すぐに終わりますよ。」
俺は、適当に返事をしてシャワー室に入る。
服を脱ぐ振りをしつつ携帯を取り出す。
続いてシャワーをゴウゴウと流す。
あとは、さっさと電話だ。
電話は諏訪に繋がる。
「諏訪、木下貴子を取り押さえる。
大志と共に、管理人室へ突入してくれ。
あと、万が一の為に武装もしてくれ。」
「若、鍵はかかってますか?」
肝心な事を諏訪が言う。
そういえば、鍵は木下貴子がかけたはずだ…。
「突入が円滑に行われない場合、多少荒々しくなります。
あと、気になった事があります。
隣の部屋に、日野森とか皆瀬とかが集まって、何かしているんです。
もう23:00を超えてます。
いつもなら寝ている時間のはずです。
それに、明日はあの辺の連中は全員出勤のはずです。
もしかして、私や九品仏殿の様に待機しているかもしれません。」
敵も、こちらと同じ事を考えているのか…?
しかし、皆瀬といえばイチゴジャム…じゃなくて宴会好きの大酒飲みだ。
単に、日野森の姉妹に飲ませているだけかもしれない…。
例え、明日が出勤でも宴会はやる。そういう人だ。
「諏訪、ここに至って躊躇は無用だ。
隣の部屋の監視に乃絵美を残し、二人でこちらに向かってくれ。
部屋の前にきたら、ノックをするんだ。
俺が扉に取り付き鍵を開ける。」
「分かりました。
直ちに突入します!」
「よろしく頼むぞ」
俺は携帯を切ると、シャワーを止めてイスに座る。
体でも洗う振りをしながら時間を稼ぐ。
375 :
冷泉隆豊:02/02/28 23:37 ID:jC8F+IHf
シャワーを使う時間は、普通なら15分ぐらいだろう…。
服を脱ぐ時間から入れてだ。
今は、まだ8分程しか経過していない。
怪しまれてはいないはずだが…。
「勝頼く〜ん、お背中流すね〜」
突然シャワー室が開き、木下貴子が入ってくる。
まずい、想定外だ…。
貴子は、シャワー室で服を着たままイスに座り込む俺を見て止まる。
「いやぁ…シャワーは浴びたので、本番前に一発抜いておこうかと思って…」
俺は、馬鹿な言い訳をする。
「仲間に連絡をとっていたのね…。そんな事だろうとは思っていたけどね。」
貴子は冷めた目で、俺を見る。
俺は懐に手を入れるが、
「動かない!!動けば撃つわ。」
良く見れば、貴子は左手に拳銃を持っている。いつの間に…。
「左手でも、この距離なら仕損じはしないわ。」
「そうか、何もかもお手上げってわけか…。」
貴子が、無線で誰かに言った。
「こちら木下貴子。作戦をCに変更。」
恐らく、待機中の日野森等か…。
乃絵美…1人で大丈夫か…?
俺は両手を挙げる。
「俺をどうする?
せめて、死ぬ前に貴様じゃなくて、朱美さんにご相手してもらいたいものだがな…」
貴子は、余裕ぶる俺に冷笑する。
「シャワー室から出て、手をあげたままよ。
おかしな動作をすれば撃つ。」
「ほう、俺を捕縛する気か?
俺1人くたばった所で、武田の家は揺るがんぞ。
特に、専務の馬場等は、俺に構わず経営を取り仕切っているからな。
それに、銃は撃てば音が出る。」
「余計な事は喋らず、さっさと移動して。
それと、ここは防音が働いているから余計な事は気にしなくていいわ。」
貴子が、後ろに下がってゆく。
俺は、ゆっくりとシャワー室より出る。
何か騒音がする。が、気にしている暇も無い。
その間も、貴子は常に銃を俺に向けている。
俺は、ベランダの前に動くように言われ、そのようにする。
「ベランダには他の者が来るわ。
飛び出した所で一緒よ。」
「そうかい、逃げ道は無しだな。
で、俺はあえなく捕縛か…。」
「最後に1つ聞いておくわ。
私は勝頼君を高く買ってるわ。
私と関係を持ち、あなたが木下の人間になるなら酷い目に会う事はないわ。
私と木下の人間になるか、名古屋まで連行されるか、好きな方を選んでいいわ。」
「貴様にそんな選択権があるのか?」
俺は、どっかで聞いたような返答を返す。
それ以上は何もしゃべらない。
「残念ね…」
貴子は椅子に掛ける。銃はこちらに向いたままだ。
奴との距離は2メートルも無い。どうする…。
俺が無表情で考えていると、突然扉が吹き飛んだ。
「何だ!?」
376 :
冷泉隆豊:02/03/01 00:01 ID:znLUr+XV
「若!生きてますか!!」
諏訪が飛び込んでくる。
とっさに貴子が銃を諏訪に放つが、床を転がった諏訪には当たらない。
外から、かなり派手な音が聞こえる。
俺は懐から銃を抜き、貴子に放つ。
貴子の銃が床に落ちる。
「形勢逆転とはこの事だな…。
助かったぞ諏訪。」
俺は貴子に銃を突きつけながら言った。
「若、作戦は失敗です!
やっぱり、隣の連中はこの事を想定されて待機していた連中です。
九品仏殿が被弾しました!
現在、2階では乃絵美さんが1人で応戦中です。
部屋の扉や壁は、どうやら防弾装備が施されているようです。
我々の拳銃では駄目です。本物の軍用拳銃が欲しいですね…。
あと、ここの寮にいるPiaのベテラン組みは、みんな戦闘の訓練されているようです。」
諏訪が息を切らしながら言った。
「予想以上だな…。
敵はすぐに数が集まるぞ。速やかに撤収しなければ…
あと、非戦闘員もいるはずだが、その辺はどうだ?」
「みんな部屋に閉じこもってます。
ですが、戦闘現場を目撃した立花は姿を消してます。
あ、とにかく、専務には連絡がしてあります。
10分で援軍が来ます。」
「敵もそれぐらいに来るだろう…。戦争になるな…」
しかし、路上で撃ち合う様な馬鹿なマネは両方ともしないはずだ。
それに、ここは民家も近い。大騒動は出来ないだろう。
「若、まずは乃絵美さんを援護しましょう。
こいつにはこれを…。」
諏訪が背中からロープを取り出す。
ロープを受け取り、貴子を縛る。
「よし、乃絵美を援護するぞ。大志も心配だ。」
俺は、貴子を引きずりながら2階へ向かう。
377 :
冷泉隆豊:02/03/01 00:17 ID:znLUr+XV
2階では、203号室の周りに皆瀬や日野森の姉妹などが、懸命に扉をこじ開けようとしていた。
乃絵美は部屋に篭って篭城戦のようだ。
「九品仏殿は、部屋の中に退避しています。
足を撃たれています。止血は済んでいると思いますが…」
俺は、諏訪の言葉を聞きながら、203号室への突入方法を考える。
1 とりあえず、皆瀬等に威嚇射撃を行い、縛られた貴子を見せ、降伏を迫る。
2 とりあえず1人吹っ飛ばす。一番視界に入る、日野森あずさを狙う。
3 ここからの進入は困難。外から乃絵美にロープをたらしてもらう。
378 :
高山右近:02/03/01 07:31 ID:ODV9bfE8
ついに始まりましたか……。
では、1.をお願いします。
(前の選択肢に戻るが無ければ、即死してしまいそうだ……。(w )
379 :
冷泉隆豊:02/03/01 23:21 ID:znLUr+XV
俺は銃口を、日野森あずさの頭上に向ける。
躊躇する間もなく引き金を引く。
突然の銃声で慌てる3人に、俺は大声を上げる。
「動くな!そちらが撃てば、大事な木下貴子に当たるぞ!」
俺は、ロープで巻かれた木下貴子を前に突き出す。
「武器を捨てろ、おとなしく言う事を聞けば殺しはしない。」
諏訪が俺の隣から3人に進みだす。
3人は手に持つを小型の拳銃を捨てて両手を挙げる。
「全部だと言ったはずだ!」
諏訪が凄んでみせる。吉野家のときとはエライ違いだ。
「これ以上の武器は渡されて無いわ」
皆瀬が両手を挙げたまま言う。
「若、部屋に」
諏訪は、構えたまま俺に部屋まで行くように促す。
俺は、慎重に扉に近づく。
銃を3人に突きつけ、扉より離れるように仕向ける。
3人が下がると、俺はとびらに向かって叫ぶ。
「乃絵美、俺だ!勝頼だ!ここを開けてくれ。」
扉が開き、乃絵美がすっと顔を出す。
「お兄ちゃん…」
乃絵美は今でも泣き出しそうだ。
一応、訓練は受けているとはいえ、実戦は初めてのはずだ。無理も無い。
「すまんが乃絵美、こいつら3人も取り押さえる。手を貸してくれ。」
乃絵美が部屋からロープを持ち出す。
諏訪が銃口を向けているので、3人ともおとなしくしている。
皆瀬にロープを掛けようとした時に、彼女が袖からナイフを取り出す。
それは、瞬間的に無防備となった俺の横腹を突く!
380 :
冷泉隆豊:02/03/01 23:47 ID:znLUr+XV
「若!」
諏訪は、叫ぶと同時に引き金を引く。
皆瀬は勢いよく床に転がる。
「ゆ…裕介さん……」
皆瀬は、そう一言残すと沈黙した。
「葵さん!」
日野森の妹の美奈が駆け寄ろうとする。
「動くなぁっ!動けばこうなると分かっていたはずだ!」
俺は、美奈に一喝する。
美奈はびくっとし、その場に止まる。
俺は、服に刺さるナイフを引き抜く。
「乃絵美、諏訪の腕前だ。即死ではないはずだ。
止血を急いでくれ。証人になる女だ、死なすわけにはいかん。」
乃絵美は、急いで救護道具を持ちに行くが、部屋から大志が救護道具を持って出てきた。
「マイシスター、早く急ぐのだ」
大志は、ややふらつきながらも俺に笑いかける。
「我輩も、ようやく落ち着いたぞ。撃たれた左腕は動かんがな…。
それより、残りの2人を早く縛り上げておこう。」
大志は、右手でロープを持つ。
何とか2人を縛り上げる。
それにしても、服の内側に警備用の防護チョッキを着ていて助かった。
弾丸は駄目だが、刃物なら通さない。
「危ない所でしたな…」
諏訪が、拳銃をしまいながら俺に言った。
「後は、武田の者が来るまで部屋で待機したいが…。」
部屋の中で苦しんでいる皆瀬を見るとそうもいかない。
考えているうちに、下のほうの階から無数の足音が聞こえる。
木下側の者か?武田の者か?
俺は、見方か敵かの判別用の言葉を叫ぶ為に階段に向かう。
階段に到着する。
入ってきた連中の一部が見える。1階で何をしてるんだ?
とにかく、俺は見えた奴に、判別用の言葉を放つ。
「そもさん!」
せっぱ、と返ってくるのを期待したが、こちらに放たれたのは銃弾だった。
まずいぞ…。味方は遅れている…。
俺は慌てて部屋に戻る。
381 :
冷泉隆豊:02/03/02 00:11 ID:KcJE3HKN
「お兄ちゃん。早く病院に連れて行かないと皆瀬さん死んじゃうよ…」
部屋に入るなり、乃絵美に言われる。
分かっているが、下の階には木下側の者が集まっている。
部屋から脱出したいが、窓を開けると下には何人かうようよいる。
外と中の人数を足すと、結構な数になりそうだ。
ぼやぼやしているうちに、突然部屋に大声が放たれる。
誰の声でもない事から、部屋にスピーカーでもあるのだろう。
正直、驚いたが…。
「武田勝頼に告ぐ。武装を解除して、速やかに出て来い。
なお、2分以内に一階まで降りてこなければ、お前の惚れた羽瀬川朱美を撃つ。
貴子を人質にしても無駄だ。我々木下家には、人質は通じない。」
とんでも無い事いってやがる…。
「若、いっちゃ駄目ですよ。
専務の差し向けた部隊が到着するまで、ここを動いちゃ駄目です!」
諏訪が、エライ剣幕で俺に言う。
連中は、木下一門ですら助ける気が無いようだ。
なら、なおさら朱美さんは助かる可能性は無いと判断していいだろう。
仮に、ここの場を生き延びても、口止めのために撃たれてしまうに違いない。
そう考えると、助けに行くのは無駄にしか思えない。
しかし、俺は武田の人間。
女を見捨てて生き延びられるほど非情に徹しきれない。
「あの世で親父に笑われるな…」
俺は、そう言うと銃の予備弾を持ち、部屋を出ようとする。
せっかくなので、貴子も引っ張っていく。
「我輩も行くぞ!」
大志が立ち上がる。
「無茶だぞ、大志。確実にやられる!」
「フン、わざわざ人質をとっているんだ。
奴らはお前の身を捕縛したがってはいる。
殺されるときは、向こうがしびれを切らしたときだ。
それに、奴らは1人で来いとは言っていない。」
大志が言った。幾分、顔は青ざめているが、眼光だけはするどかった。
「分かりました、私も行きましょう。
若と運命を共にします。
乃絵美さん、3人を見張っていてください。」
諏訪も、俺についてくるようだ。
俺達3人(+一名)は、1階へ降りた。
382 :
冷泉隆豊:02/03/02 00:38 ID:KcJE3HKN
1階には、連中が10名ほど待機していた。
正面には朱美さんがいる。
こっちの貴子同様、ロープで縛られている。
「勝頼君!!」
朱美さんが、俺を確認したのだろう。
俺は、朱美さんを見る。
複雑な表情だった。
怖がっているのか、何も分からず混乱しているのか…。
何もかもが混じったと言えばいいのか…。
俺は、集団の中央にいる、大将っぽい奴に言う。
「俺が武田勝頼だ!朱美さんを離してもらおうか!」
大将っぽい奴が返答する。
「ほう、うまくいくわけ無いと思っていたが、こうも簡単に行くとはな…。」
「貴様が藤吉か!」
「残念だな、俺は、次男の小一よ。
さてと、武田の恩大将には名古屋に行ってもらいましょうか…」
小一が、顎で部下に指示を出す。
その時!
1 「御旗・楯無、ご照覧あれ!」
馬場の手勢が、バイク七騎で乱入してきた。久しぶりの突撃か!
2 「やってみるさ!」
諏訪が横っ飛びしつつ射撃。3人程なぎ倒す。
お前は、朱美さんを見殺しにするのかと小一時間(略)
3 「がはっ!」
突然、小一が撃たれて倒れる。
「遠州技研の朝比奈だ!木下の兵は一人も生かして帰すな!」
寮の入り口に、朝比奈と名乗ったおっさんと、その部下らしき5人の人影が見えた。
383 :
冷泉隆豊:02/03/02 00:43 ID:KcJE3HKN
4 前の選択肢に戻る。
エロゲでのセーブロードは当たり前。
384 :
高山右近:02/03/04 01:10 ID:1ivSbQkz
……1.でお願いします。
このかけ声を聞いたら、選ばずには居られないっす…。
385 :
高山右近:02/03/04 01:13 ID:1ivSbQkz
……それと、一つ。
前の選択肢に戻りたいときには、4.を宣言した後で
改めて前回の番号を指定すればいいのでしょうか?
それでは頑張って下だされ……!
386 :
冷泉隆豊:02/03/04 15:33 ID:6QFDfMHy
「御旗・楯無、ご照覧あれ!」
観念しつつあった俺は、寮の外から大声が聞こえた。
そして、無数の二輪がこちらへ殺到してくる。
大声は、そのエンジン音ですらかき消すものだ。
先頭には、武田商事の二輪修理工場を任されている山県工場長だ。
山県は、防弾版を左手で持ち、前面を守りながら突撃してくる。
慌てふためく木下の兵は発砲するが、ことごとく防弾版に弾かれる。
また、二輪そのものも防弾なのか、エンジン部に直撃を受けても平気で走り続ける。
入り口を突き破った山県は、入り口付近の木下兵に防弾版を叩きつける。
「邪魔だ!」
山県は叫びつつ、カラになった左手を背中に回し、そこに備え付けてあった木刀を持つ。
「この山県昌景の前に立ちふさがった者は、あの世で悔やむがよい!」
言い終わらぬ前に、山県は木刀を振り回しながら二輪ごと木下兵に突撃する。
慌てふためく木下兵は銃を撃つが、室内での山県の異常な行動に遅れを取り、弾はほとんどはずれる。
山県の木刀は木下兵の頭上に落ち、二輪は逃げ惑う木下兵を蹴散らした。
そして、寮の玄関前に二輪を止めた山県の部下が、銃を撃ちつつ突入してくる。
木下兵は、完全に恐慌状態と化す。
「うろたえるな!これ以上奴らを中に入れるな!!」
小一はうろたえる部下に一喝する。
「小一さま。ここは私が引き受けます。
小一さまは裏口より引き上げてください!」
やや大柄な男が小一に叫ぶ。
「すまん、福島。ここは任せる!」
小一が、朱美さんを引っ張りつつ裏口へまわろうとする。
「小一!!」
俺は、小一に向けて引き金を引く。
小一の持つ銃が弾かれる。
小一は、銃が落ちたら朱美さんを盾にするようにしながら逃走する。
「諏訪、大志、小一を逃がすわけにはいかん!追うぞ!」
朱美さんが撃たれる心配は無くなった。
一気に小一を捕縛する為に、俺達3人は小一に肉薄する。
が、裏口からは、外にいた木下の手の者が進入してくる。
387 :
冷泉隆豊:02/03/04 16:11 ID:6QFDfMHy
「おい、銃をよこせ!」
小一が、裏口から進入してくる木下兵に叫ぶ。
が、木下兵は小一に対して背中を向けていた。
「貴様等、俺の命令が聞けんか!」
小一は息切れしつつ、再度叫ぶ。
木下兵達は、別に小一を無視していたわけではない。
裏口にまわった山県の二輪隊と交戦中だった。
山県の直属の部下である土屋は、残りの二輪隊6騎を率いて背後を守る木下兵を襲ったのだ。
「よし、後は建物に逃げ込んだ奴を叩く。後の者は徒歩で俺に続け!」
土屋の声が裏口より聞こえる。
よし、これで木下も追い詰められる。
俺は、息切れを始めた小一に迫る。
目の前では、土屋が山県と同じ方法で裏口に突っ込んでいる。
「くそっ…!これまでか…!」
小一の足が止まる。
「もらったぁっ!」
観念した小一に、俺は飛び掛る。
「この忌々しい小僧がっ!」
小一は、朱美さんを俺の方に投げつけると、懐から何かを取り出す。
「か、勝頼君!」
突然放り出された朱美さんが俺に迫る。
「わっ、朱美さん!」
飛び掛っていた俺は、そのまま止まれずに朱美さんに突っ込む。
「小僧、決着はあの世でつけてやる!」
小一の声だ。
「何!?」
俺は朱美さんから体を起こして小一の方を見る。
「貴様っ!自爆する気か!?」
俺は、小一の持つ手榴弾を見て戦慄した。
「何だぁ?」
雑魚を蹴散らし終わった土屋が駆け寄ってくる。
「止まれ、土屋!こいつ、自爆するつもりだ!!」
俺の叫び声を聞いた土屋が止まる。
「武器を全部捨てろ。木刀もだ。
言う事が聞けねば、俺もろとも吹き飛んでもらう。」
小一は、じろりと土屋を見る。
388 :
冷泉隆豊:02/03/04 16:30 ID:6QFDfMHy
「ちっ、何て奴だ…。」
土屋が木刀を捨てる。
部下もそれに続いて武器を捨てる。
そして、小一の目がこっちを向くと、俺達も銃を捨てざるを得なかった。
「悪いが、こいつは連れて行くぞ。」
小一は、俺のそばで腰が抜けていた朱美さんを引っ張る。
「今日の所は引き上げる。俺も、ここで朽ちるのは本懐ではないからな。」
小一は、ふらふらする朱美さんを無理やり引っ張り歩き出す。
「貴様、朱美さんを手荒に扱うな!」
小一に向かって、一言浴びせてやるが。
「おい、貴様等そこをどけ!」
小一は俺を無視して、土屋等に怒鳴る。
裏口から出て行く土屋達。
「裏口から出たら、裏口から五メートル以上はなれて横一列に並べ。それ以上動いてはならん。
言う事聞かねば、爆発させる…」
仕方なく土屋等は、言う通りに動き出す。
くそっ、みすみす見逃すのか…?
1 そうはいかんざき。
俺は、捨て身の覚悟で小一に突っ込む。
2 よく見れば、小一はまだピンを抜いたわけではない。
一か八か、皆瀬に刺された時のナイフを小一に投げつける。
3 だまって見送る。
手榴弾が爆発でもしたら、寮なんて一発で吹き飛ぶ…。
4 前の選択肢に戻る。
ロード開始。
389 :
冷泉隆豊:02/03/04 16:50 ID:6QFDfMHy
そうですね…。
前の選択肢に戻る場合は、4を選択したうえで、
改めて選択しなおしてくれればいいです。
↓こんな感じでもいいです。
7 名前: aha 投稿日: 2001/06/19(火) 05:00 ID:Bkv/IuI6
どうもどうも、イルカ好きなら選択しなおしだYO!!
次は、2でキボンヌ 。
分かりにくいかも…。
文面が電波入っているのは気にしないで下さい。
390 :
むかで衆残党:02/03/05 23:09 ID:i2Gv4YpH
391 :
冷泉隆豊:02/03/05 23:48 ID:CzW6vLcU
何と!
だから、戦国板はIDを導入して荒らしを抑えるよう言っていたのに…。
半年前の話だが…。今更どうでもいいけど。
松永久秀の一件以来、戦国板には行かない様にしていたので状況など分からなんだ。
かくなるうえは…冷泉の名を捨てて、武田系の名でも名乗って
意地でもスレッドを維持してくれるか…。
しかし、「武田勝頼」を名乗るとダブりになるのでどうしようか…。
本家がいる事忘れてて>256で名乗って、>262で慌てて自演したからなぁ…。
392 :
高山右近:02/03/06 01:44 ID:UUXUFUo1
393 :
高山右近:02/03/06 01:58 ID:UUXUFUo1
せっかくですので、ロードをしてみても宜しいでしょうか?
4.でロードを。
……二重に書かせてしまってすいません。
394 :
高山右近:02/03/06 02:00 ID:UUXUFUo1
では、改めて。
>382をロード。
そして、3.を選択させていただきます……。
「がはっ!」
突然、小一が撃たれて倒れる。
「遠州技研の朝比奈だ!木下の兵は一人も生かして帰すな!」
寮の入り口に、朝比奈と名乗ったおっさんと、その部下らしき5人の人影が見えた。
いきなりの射撃戦にとまどう木下兵。
指揮官はすでに倒れているためか、木下兵は朝比奈隊に反撃しつつ裏口へ逃亡していく。
図体のでかい奴が、朱美さんを連れて行くのが見えた。
俺はそいつに向かって引き金を引くが、そいつは当たったにも関わらず、平気に逃亡していく。
「くそっ、防弾チョッキか…。」
「若、この状況では朱美さんを奪取するのは困難です。
正面口から出て、やつ等の車を破壊して、そこで決戦としましょう。」
諏訪の助言ももっともだ。
俺達3人は、正面口に向かう。
正面口では、先ほどの朝比奈が無線で何者かと交信していた。
こちらに気づいた朝比奈が言う。
「武田勝頼社長ですか?
私、遠州技研第1方面課長の朝比奈といいます。
貴社の馬場殿から連絡を受け取っています。
増援として駆けつけました。」
朝比奈は完全に我々の味方のようだ。
第1方面課長という肩書きが怪しいが…。
「武田の増援は、もう来ますよ。
彼等には裏口へ回ってもらう算段になっています。」
朝比奈が言い終わる直前に、無数のバイクが敷地内に突入してくる。
「山県工場長ですね。あのバイク、弾除けにも使えるんですよ。」
諏訪が言う。
山県のバイク隊は、建物を迂回するように裏口へ回る。
「朝比奈課長、木下小一を頼みます。あと、二階に敵の負傷者がいます。
大至急病院へ運んでください。」
俺の頼みは、簡単に承知してくれた。
朝比奈は、2名ほど呼び戻すし、木下小一と皆瀬葵両名を外に運んでいく。
問題は、今だ人質にとられた朱美さんだ…。
俺たちは、表から裏口に回りこむ。
裏口付近では、山県のバイク隊に囲まれた木下兵がすでに降伏していた。
「若、終わりましたぞ…。ちょっと深手を負いましたがね…。」
山県が脇腹を抑えながらこっちに来る。
見れば、上半身は真っ赤だ。
「山県!」
俺は、山県に向かって駈ける。
「一発もらいましたが、あの福島とかいうでかいのをたたっ斬ったら、
他の者は静かになりました。
ははは、返り血がすごいですな…。
それより、早いとこ、彼女を連れてここから出てください。
警察の方は、今日一日は動かないよう手配してありますが、明日には動きます。
それまで、掃除でもしておかんといけませんからね。
掃除の方は、遠州の連中とやります。ちなみに私は病院に行きますがね。」
と、そこまでしゃべった山県が倒れる。
山県の部下、土屋が駆け寄り俺に言う。
「工場長は私が引き受けます。
社長は専務に報告を!」
「分かった。後を頼むぞ!」
俺は朱美さんに近づく。
裏口の外で、山県隊に保護されていた。
見れば、朱美さんは泣いていた。
無理も無い。目の前で撃ち合いが始まり、日本刀で人がぶった斬られる
光景見て平気な奴はそういない。
「朱美さん…。今はここから出よう…。」
俺は、朱美さんにそっと手を出した。
その時、俺は背中に突き刺さるような衝撃を受け、その場に倒れこむ。
「か、勝頼君!!」
朱美さんの悲鳴が聞こえる。
どうやら、何かが刺さったのではなく、背中から撃たれたようだ。
「貴様っ!まだ武器をもっていたかぁっ!」
諏訪の怒号が聞こえる。
だんだん意識が遠くなっていった。
誰だ…?俺を撃った奴は……!
目がさめる。
白い天井で、どこかで見た天井だ。
「あっ、勝頼さん。目が覚めましたよ。」
声のする方を見る。
馬場の入院する病院にいた小夜子ちゃんだ。
俺は…?
「ようやく目が覚めたか。
お前も注意が甘かったようだな。
お前を撃ったのは、木下貴子だ。
もっとも、朝比奈が貴子を知らずに、奴が人質にされていた
と思ってロープを解いたのが間違いだったがな…。」
どこぞで聞いた、憎たらしい声だ。
憎たらしい声のする方を見る。
馬場がベッドで寝ていた。
よりによって馬場と相部屋とはな…。
鬱だ。
「Piaはどうなった?諏訪や大志、あと朱美さんに関しては?」
気になる事を、馬場に聞いてみるが、
「九品仏殿は軽症だ。多少縫ったそうだが…。
羽瀬川氏は極度の疲労で入院したが、1日で退院。
あと、Pia静岡店は事実上潰れたようだ。今は営業していない。
貴子とか、木下側の人間は、他の病院で監視しつつ入院中だ。
最後に、小一は死んだ…。」
一応、今回の作戦は終わったと判断していいのか…。
馬場が話を続ける。
「当面、我々は静岡に拠点を持ち、遠州に勢力を拡大するつもりだ。
一応だが、県警は抱き込んだ。あとは県会議員等に遠州技研。
遠州の会長は前に名古屋の鳴海で交通事故で死んでいる。
今の二代目社長なら、乗っ取る事も出来るだろう。」
一旦、馬場が言葉を止める。
小夜子ちゃんは、見舞いのミカンを食べている。
馬場が小夜子ちゃんに言う。
「ワシにもミカンくれぬか?」
ミカンを食べて一息つくと、馬場が話をしだす。
「今の所、対織田産業を相手にしているってことで、遠州技研は我々を頼っており、
味方になる事はあっても敵にはなるまい。
お前が心配する事もない。
ただ、お前等は今回はがんばった。
どうだ、休暇を兼ねて故郷の諏訪に帰ったらどうだ。
お前等に、一ヶ月ほど有休を出そう。遊んでいて構わん。
一ヶ月で遠州を牛耳るので、それ以降は帰ってきてもらうがな。
故郷を離れて七年経つ。すこしは里を見てきてもいいんじゃないか?
何があったかは知らんが、故郷へ行くのを嫌がることもあるまい。
それに、元々寮生活で地方から来ていた羽瀬川氏も連れて行ったらどうだ。
再就職の世話も出来るだろう。」
休暇か…。ここで馬場の面を見るのも勘弁だからな…。
それに、武田の進入で朱美さんは無職状態だ。
どうするか…。
1 七年ぶりに故郷に帰る。休暇は1か月。
朱美さんを誘ってみるか…。
2 静岡の動向は、今だ緊迫していると判断。
馬場の面でも拝みながら静岡に踏みとどまる。
3 どのみち、退院には時間がかかる。
腹も減ったし、小夜子ちゃんと飯でも食いに行くか。
4 前の選択肢に戻る
ロ〜ド!
本家武田騎馬スレの動きが、どうなっていくかが今だ分かりません。
下手に突っついて、なりきり板の時みたいに荒れるのも考え物です。
あの戦国板の粘着荒らしは、当方では相手しきれませんからね…。
とりあえず、トリップだけでもつけておきます。
あと、軍師殿のHPでお経を唱えてきました…。
かくなるうえは是非もなし…とはこの事ですかな…。
御旗・楯無、ご照覧あれ!
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃
┃火風┃
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃
┃
401 :
高山右近:02/03/08 01:03 ID:2URQm4o2
せっかくですので、フラグを立てていきますか……。
ということで、1.をお願いします。
……フラグっていや、孫子の旗もあがってますね。(w
軍師殿のHPも見て参りました。
吉利支丹なので、経は上げませんでしたが……。
402 :
高山右近:02/03/08 01:05 ID:2URQm4o2
(↑というか、あの曲じゃ教会に戻ってしまうのでは……)
しばしお待ちを…。
楽しみにしております。
入院から1週間後。
俺は、療養を有給を兼ねて帰郷することにした。
故郷の諏訪に帰るのは7年ぶりになる。
崩壊したPiaの従業員たちは、そのまま放置せずに武田商事で使う事になった。
あの一件の口止めも兼ねている。
Pia静岡店店長代理であった朱美さんは、信州諏訪にある武田直系のレストランで働いてもらう事に。
武田での経験を詰み、ゆくゆくは店長として支店を切り盛りしてもらうという事だろう。
俺の乗る電車が、目的の駅に着く。
大破した愛車があれば、電車など利用せずに済むのだが…。
俺はホームに降りて景色を見る。
7年前と変わらず、この町は雪が降っていた。
俺は軽く身震いした。
(山梨も寒いが、この町はひどく寒く感じるな…。)
俺は改札を出て、待ち合わせの場所に向かう。
待ち合わせの場所では、俺と同じように休暇になった乃絵美が、朱美さんを連れて待機しているはずだ。
待ち合わせの広場に到着するが、通行人以外誰もおらず、俺は仕方なくベンチに座る。
(寒いな…)
ベンチで座る俺に、雪は容赦なく降ってくる。
待ち合わせの時刻はとうに過ぎている。
だいたい、乃絵美と合流と同時に、現地の者が療養する家まで案内する
為に迎えにくるという話だったのだが…。
乃絵美もいなきゃ、迎えもこない。
(何やってんの…)
俺は寒さでうずくまりながら、ひたすら待った。
そんな俺に、頭上から声がかかった。
「あの、もしかして勝頼お兄様ですか?」
俺は声のするほうに顔をあげ、相手を見る。
俺に声をかけてきたのは、おとなしく、礼節をわきまえた様な感じのする若い女性だった。
年なら16〜17といったところか。
「アンタが迎えの者か?」
「いいえ、私はここで友達を待っているだけです。
ところで、勝頼お兄様は、私を覚えていらっしゃいますか?」
迎えかと思ったが、違うようだ。
しかも、自分が誰か覚えているか聞いてくる。
「悪いが…俺は昔の記憶がほとんど飛んでいる。
済まないが、名乗ってくれないか?」
自分でも失礼な言い方だと思うが、ここで適当な女性の名を出すわけにはいかない…。
目の前の娘は一瞬表情を曇らせたが、すぐに笑顔に戻る。
「鷺ノ宮藍です。
これで、少しは思い出せましたか?」
鷺ノ宮と名乗った娘は微笑を浮かべつつ、俺の反応を待つ。
ええと…鷺ノ宮、鷺ノ宮…。
んな難しい名前は、記憶にある限り1人しかいない。
俺は、その人物を思い出す。
「まさか…恋の友達の藍ちゃんか…!?」
「ふふ、大当たりですわ。
お兄様に覚えててもらって光栄ですわ。」
「そんなの大それた事でもないよ。
それにしても、7年前にあんなに小さかった藍ちゃんがこうも成長するとはな…。
そういえば、恋の奴は?」
藍ちゃんとは7年ぶりの再開だ。
ちなみに、恋というのは藍ちゃんの幼なじみで、俺の義理の妹にあたる。
親父の6人目の女の娘さんだったかな…。
親父の女は数が多くていかん…。細かい所までは覚えてない…。
「お兄様、こちらに有給休暇をおとりになる方たちは、みんな集合を終えてますわ。
お兄様は、単独で家まで来るとお友達の方が申しておりましたわ。」
藍ちゃんが言う。
そんな話は聞いていない。
それに、俺は現地の場所も覚えてないのだ。それに、誰だよ…俺の友達って…。
「じゃあ、乃絵美は先に着いているのか?」
俺は、一番気がかりだった質問をする。
「ええ、朱美さんという方と到着していますわ。」
藍ちゃんの言葉で、俺は少し安堵する。
で、俺は何で待たされていたのだろうか…。クソッ…。
少々いらつく俺の耳に、突然の大声が飛び込む。
「アンタ、藍に何してんのよ!
そこ動くんじゃないわよ!!」
俺は周辺を確認する。
俺の左にいる藍ちゃんの声ではない。
俺にの右側にいる、アイス食べ歩きしている少女でもない。
ベンチの背後は歩道橋だ。上から吼えられたわけでもない。
で、結局俺は正面を見直すと、猛ダッシュでこちらに向かってくる娘が視界に入る。
この雪の降り積もる中ご苦労なこった…。
俺は誤解されているのだろうが、とにかく話し合いの余地は無い。
考えているうちに、娘との距離は急激に狭まる。
この勢いだ…。とび蹴りかエルボーでも繰り出す気か?
邀撃するのは容易だが、女子供相手に大人気ない。
回避するか…。
俺は立ち上がる。
娘との距離がさらに狭まる。
「まあ、感動の再開ですわ〜」
藍ちゃんののんびりした口調が聞こえたとき、
1 左へ回避。
俺は藍ちゃんにくっつく。
「まあ、お兄様ったら…」
藍ちゃんもろとも攻撃はしないだろう。
俺1人をピンポイントで攻撃できたらまずいが…。
2 右へ回避。
このクソ寒い中、アイスの食べ歩きをする剛の者が視界に入る。
「そこ、どいてくれ!」
「わっ何ですかぁ!?」
食べ歩き女が仰天する。
3 上に回避。
「上から来るぞ、気をつけろ!」
俺は、わけ分からん事を叫びながら、歩道橋の階段を登って逃げる。
ここまで追尾はしてこないだろう…。
4 前の選択肢に戻る。
ロード開始。
408 :
高山右近:02/03/12 11:36 ID:cAw8dNMf
おぉ、新展開!
しかも、分岐が読みやすくなってる……。
では1.をお願いします。
頑張って下され!
接近する娘は、そのままの勢いでとび蹴りで俺を狙う。
すかさず俺は立ち上がり、藍ちゃんの隣にくっつく。
「まあ、お兄様ったら…」
藍ちゃんが照れる。
娘の攻撃は、ぎりぎりの所で回避に成功した。
もの凄い勢いでとび蹴りかましてきた娘は、無残にも歩道橋の柱に突っ込む。
派手な音をたてると同時に、娘の突進は止んだ。
振動で歩道橋から雪が落ちてくる。
「きゃっ!」
アイスを食べ歩きしていた女がまともに雪をかぶる。俺は悪くないぞ…。
俺は、自分自身に振ってきた雪を払い、
「やれやれ、こいつはいったい誰だ?
藍ちゃんの知り合いか?」
柱の下で痛みに耐え、うずくまる娘を覗き込みながら言った。
「ふふっ、お兄様。恋ちゃんですわ」
藍ちゃんは、俺の背中の雪を払いつつ言う。
「これが…あの恋か…。
7年前もお転婆だったが…。兄にとび蹴りかますようになっていたとはな…。」
俺の言葉が終わると同時に、恋がキッと俺を睨む。
「今更何しに帰ってきたのよ!」
恋が吼える。
「おいおい、久しぶりに帰ってきたんだ。
静岡の土産も持ってきたぞ。そう邪険にするな。
とにかく、家に向かおう。俺は体中が冷えてるんだ。
ここにいては傷にも響く。」
俺は義理の妹をなだめ、とっとと家に向かうよう促す。
恋は、雪を払いながら立ち上がるとブツブツ文句を言い出す。
「アンタが避けるから私がこんな痛い目に…」
「何を言ってるんだ、お前の蹴り1つで、被害者だって出ているんだぞ。」
文句を言う恋に、雪をかぶってひっくり返った女に指をさし見せ付ける俺。
「あ…」
女を見て、恋が一瞬とまる。
「まあ恋ちゃん。あの方はずっとこちらを見てますわ。
恋ちゃん、明日からは町中のうわさになるかもしれませんね。」
藍ちゃんは、こんな時もにこにこしていた。
俺は恋から離れ、その女に向かう。
「立てるか?
まあ、向こうの女はコンクリ相手に平気だから、アンタの方は大丈夫だと思うが…。」
俺は女に手を出す。
女は俺の手を取り立ち上がる。
「済まないな…。アイスが駄目になって…。
恋でよければ1日貸すから、好きなように使ってくれ。」
女のやや鬱っぽい表情に、俺は冗談を言ってみる。
「アンタ…一発喰らいたいの…?」
背中の方で恋が何かを言っている。
「恋ちゃん不在の間は、私がお兄様の面倒を見てますわ。
恋ちゃん、がんばってきてください。」
「藍まで何言ってるのよ!」
背中の方で2人は冗談を言っている。
目の前の女は、2人のやりとりを見ながらスカートの下からアイスを取り出す。
「アイスには代わりがありますから、気にしなくてもいいですよ。」
「そうか…ならいいか…。」
俺は、スカートの下になぜアイスなど備蓄してあるのか不思議だったが、あえて気にしない事にした。
「んな事より、買い物は終わったんだから、とっとと帰るわよ!」
恋は、疾走を始めた地点に置いてあった、中身の入った袋を持ちながら言う。
「ああ、重い!」
恋が、持てと言わんばかしの表情で俺を見る。
家に早く帰りたいのもあり、俺は名詞を女に渡してこの場を切り上げる事に。
「これも何かの縁だ、俺たちを頼りたいときがあったらいつでも来てくれ。
いつでも恋が相手してくれるぞ。」
女はそれを受け取ると、
「今日はもう帰ります。」
と言って、アイスを食べながら歩いていった。
「さあ、私達も行きましょうか。」
藍ちゃんに促され、俺と恋、藍ちゃんの3人は家に向かう。
家の表札は、「諏訪」のままだった。
兄義信が死ぬまで、俺が諏訪を名乗っていたときから変わってはいないようだ。
恋の話では、俺が山梨に向かった後に、この家は親父が別荘代わりにしていたそうだ。
終いには、何人か愛人を住ますのに増築し、結構な邸宅になっている。
今では、恋が1人で住んでいるらしい。
親父がいなくなったのと同時に、大量の愛人もいなくなっていったのだろう。
ちなみに、恋の母親は、散った親父の変わりに武田商事本社で奮闘している。
諏訪には帰っていないようだ。
玄関を開け、久しぶりの実家に入る。
「遅かったではないか…。待ちくたびれたぞ」
玄関を開けたら、そこに大志が腕を組んで待っていた。
何でお前がここにいるんだ…?
たぶん、大志や諏訪も有給休暇の扱いとなったのだろう…。
久しぶりに世帯主が帰ったのだから、つき合いのあるお隣さんに挨拶に行け、と恋が言う。
7年前とは住人が違うらしい。
晩飯までしばらくかかるから、確かに時間はある。
「勝頼君、今到着したの?」
大広間でジュースでも飲もうとした俺に、朱美さんの声がかかる。
「朱美さん…。
話は聞いていると思いますが、しばらくはこの土地で…」
俺の言葉の途中で、朱美さんが喋りだす。
「勝頼君。
私、ここでもう一度やりなおしてみるわ。
どこかにいる夏姫ちゃんに、笑われたくないから…」
俺の表情が一瞬曇る。
報告では、Pia静岡店のマネージャー岩倉夏姫は、行方不明となっている。
「早く逝って来なさいよ!」
エプロン姿の恋が怒鳴る。
「元気な妹さんね。」
朱美さんがクスッと笑う。
こうなったら、挨拶のついでに朱美さんも連れて行こう。
俺は、恋に相手先の事を聞く。
1 「隣の水瀬さん家よ。いつもジャムをもらっているから粗相の無い様にね!」
恋…ジャム1つでガタガタ言うな…。
俺は、朱美さんを連れて水瀬さん家に向かう。
2 「隣の観月さんよ。幼い双子がいるから…手を出しちゃ駄目よ!犯罪だからね!!」
恋よ…。この武田勝頼をロリコン扱いするのか…。
俺は、朱美さんを連れて観月邸にむかう。
3 「隣の永輪さんよ。あそこの長男はオカルトに狂ってるから、決して話し込んじゃ駄目よ!」
恋、俺はUFO等は信じちゃいない。矢追純一の本なら持ってるがな…。
俺は、朱美さんを連れて永輪邸に向かう。
4 前の選択肢に戻る。
ロード開始
414 :
高山右近:02/03/13 11:41 ID:xKAVkjyR
では、1.を選ばせてもらいます……。ジャム期待!
(あのゲーム自体はやったことないんですけどね。)
俺は朱美さんを連れて、水瀬さん家に向かった。
玄関前に立ちチャイムを鳴らす。
大して時間もおかずに、玄関は開く。
前髪を猫耳の様に固めた少女が、目をこすりながら顔を出す。何か、眠たそうだ。
年は恋と同じぐらいに見え、同級生なのかもしれない。
それにしても眠たそうだ。
とりあえず挨拶をする。
「一時的ですが、隣に帰郷した武田勝頼です。
妹の恋が、水瀬さんにお世話になっているそうで、ご挨拶に来ました。
これは、ほんの挨拶代わりです。」
俺は、肩手に持つお土産品を彼女に渡そうとする。
が、受け取らない。
俺は、土産を見つめる。
中身が静岡で買ってきた、「イルカ(三陸沖)」だったのが見抜かれたのか…。
いや、分かるはずが無い…。
しかし、臭いが少々漏れている…。感づかれたか…?
どっちにしろ、食べてくれるかどうかは疑問なのは間違いないが。
「あの…。」
朱美さんが、何かためらう用に喋りだす。
「朱美さん…どうしたんです?」
俺は朱美さんの方に向く。
「もしかして…彼女、寝てるんじゃぁ…」
朱美さんは彼女を指差す。
俺も、彼女を見る。
「くーーー………」
客の応対に出た彼女は、扉にしがみついて寝ていた…。
「くーーー………」
幸せそうだ…。
「くーーー………」
「名雪、誰が来たの?……………名雪?」
パタパタとスリッパの音が近づく。
(誰でもいいから、早く応対してくれ…。)
名雪と呼ばれた眠った娘は、あとからやってきた母親の秋子さんに起こされる事に。
俺は、土産品を渡したら帰るつもりだった。
だが、秋子さんは見せたい物があるというので、俺達を食堂に案内する。
「なかなか、めずらしい食材をいただいたお礼です。
食べていただきたい物がありますので、テーブルの所で座って待っていてください。」
秋子さんに言われ、俺と朱美さんはテーブルにつく。
起こされたとはいえ、意識が朦朧としている名雪嬢もテーブルにつく。
そして、彼女は寝た。
「くーーー………」
秋子さんは、台所の棚から瓶詰めのものをゴソゴソ引っ張り出している。
何本と出てくる。
瓶詰めが8本ほど出ると、秋子さんはそれを全部テーブルの上に並べる。
「自家製のジャムです。お口に合うかどうか分かりませんが、
ここで試食してみてください。
今、パンを焼きますから。」
それだけ言うと、秋子さんはパンをトースターに放り込む。
俺は、目の前に並ぶジャムを見る。
普通な色合いの物から、毒っぽい色の物などがある。
一番気になった、黄色と黒色が交じり合うジャムのふたを開けてみる。
朱美さんが嫌そうな顔をする。朱美さんの気持ちは分かるよ…。
臭いを試す。
ツンと酸っぱいような臭いがするが、嗅いだ事の無い臭いだ。
試しに、隣で眠りこける名雪嬢の鼻に近づけてみる。
「わっ!」
一瞬で目を覚ました名雪嬢は目の前の瓶を見る。
「これ…。」
絶句しつつ俺の方を見る。
「いや、おどろかして御免。
でもこれ、独特な臭いだね。どんな味かな?」
人の話も最後まで聞かず、名雪嬢は席を立つ。
「あ、私…今日の授業の復習しなきゃ…。桜塚さん、今日はすみません…」
名雪嬢は、逃げるように去っていった。
俺の苗字は武田だと説明する間もなく。
俺はジャムの蓋を閉めてテーブルの上に置く。
開けなかった事にしておこう…。
やがて、焼かれた食パンが目の前に置かれる。
「ここに並んだジャムは自信作なんです。どうぞ、食べてください。」
秋子さんは、実にうれしそうに言った。
毒でも入ってるんじゃないだろうな…。
黄色と黒色の物はやばいようだ。
とにかく、赤い瓶に手を伸ばす。
「これ、イチゴジャムですか?
なかなか、おいしそうな色ですね」
これならいけそうだ。と、思って赤い瓶を見ながら俺は言う。
「ええ、色は近いんですが、イチゴジャムではないですよ。
全然別の物です。でも、おいしいですよ。」
秋子さんはニコニコしながら言った。
そうか、見た目と中身は違うのか…。
この自信作の群れ…。どう食するか…。
朱美さんも、どうしていいか悩んでいるようだ。
さて…。
1 せっかくだから、俺は赤のジャムを選ぶぜ!
朱美さんには、白色のジャムを選んであげる。
2 とにかく、造りこまれていそうな茶色のジャムを選ぶ。
朱美さんには、せっかくだから赤のジャムを勧める。
3 一番やばそうな緑色のジャムを食べる。人間の限界に挑戦。
朱美さんには、虹色のジャムを勧める。
4 オーノー。こんな物食べたくない。
前の選択肢に戻る。
418 :
留守政景:02/03/16 18:14 ID:sl2RGOJw
そうだ!常に前向きに行きたいぜ!
せっかくだから俺はこの1番を選ぶぜ!!
419 :
高山右近:02/03/16 18:33 ID:3uBQOn5N
おぅ、タッチの差で………!
前向き同感。
(選択肢4の文にワタタ!)
ふむふむ、若人の前向き姿勢はよいのぅ。
某的には残りのジャムの色が気になる…
>>419 ワタタニワラタ(w
(せっかくだから、俺は赤のジャムを選ぶぜ!)
俺は、既に手に取っている赤のジャムを選ぶ。
隣では、朱美さんがどれにしようか考えあぐねていた。
「朱美さん、その白いのが良さそうですよ。」
朱美さんの目の前にある、白色のジャムの事だ。
「そうね…。」
朱美さんは、恐る恐る白色のジャムを取る。
さて、こっちも赤のジャムを食べるとするか…。
蓋を開け、臭いを嗅ぐ。
製作者本人を目の前にして、いささか失礼な気もする。
(娘が逃げ出すようなジャムの群れだ。このくらいの失礼は承知しているだろう)
肝心の臭いは、鼻にくる刺激臭は無く、まったくの無臭だった。
ここに至っては躊躇は無用。
俺はジャムをトーストに塗りたくり、そのままかぶりつく。
(何だぁ、このジャムわぁ!?)
口いっぱいに広がる、強烈な辛味。
味的にはキムチに近い。が、本場のキムチもここまで辛くは無いはずだ。
危うく大声を出すところだった…。
しかし、この辛味は水無しでは食べられる物ではない。
「ハァハァ…秋子さん…。済みませんが、水を…」
情けなくも、俺は秋子さんにお茶を注いでもらう。
食べて飲み込んでも、口に残る激痛と、のどの奥から来る熱い何かに俺はやられていた。
「どうぞ、勝頼さん」
秋子さんがお茶を差し出す。
俺は、そのお茶を通常の3倍で飲む。が、
「あちっ、あつあつあつ…。ハァハァ……」
辛さを打ち消す為に、大量に口に入れたお茶は馬鹿みたいに熱かった。
「まあまあ…、ぬるめの方が良かったかしら」
秋子さんは、にこにこと俺を見ている。
朱美さんを見ると、彼女は実に美味そうにトーストを食べている。
苦痛な目に会っているのは俺だけか…。
「朱美さん、白色のジャムはどうです?
こっちのは、タイの人間も裸足で逃げ出すような辛いジャムですが…」
俺は朱美さんに聞いてみる。
朱美さんは、先ほどの恐怖感など無かったかの様な笑顔だ。
「これね、ミルク味よ。」
「ミルク…ですか…」
まともな物もあったんだな…。
「喜んでいただけたようですね…。そのミルクのジャム。
名雪ったら、そのジャムですら嫌がるんですよ…。
濃い目に作ったのがいけなかったのかしら…」
秋子さんは苦笑いながら言った。
「私、濃いミルクは大好きですから♪」
そう言いながら、朱美さんはベタベタとミルクジャムを塗りたくる。
彼女の口周りについたミルクジャムが、何だかいやらしい。
口から垂れてるよ朱美さん…。
鬼のようなジャムから開放され、俺と朱美さんは帰宅する。
その際に、秋子さんは丁寧にも8本のジャムをすべてくれた。
俺は家に入り、食堂に向かう。
食堂では、恋が夕食の準備中だった。
「あ、もうすぐ夕食が出来るから、アンタ仲間を呼んどきなさいよ」
俺の姿に気づいた恋が言う。
「分かった。
それと、秋子さんからすばらしいジャムをもらってきた。
あとで食べるといい。
俺のお勧めは、赤のジャムと黒色と黄色が混じったジャムだ。」
俺は、食卓にジャムを並べながら恋に言う。
「アンタ…やっぱりもらってきたのね…」
恋が絶句する。
先ほどまで動き回っていた体もピタリと止まっている。
「まさか、恋も食べたのか?」
俺の質問に、恋はうなづいて答えた。
「と、とにかくしまっといてくれ…」
俺はジャムを残し、応接間に向かった。
やがて食事の時間が来て、皆が食堂にそろう。
集まっている人数も多く、休暇で来ている俺に大志に諏訪、乃絵美。
明日から武田のレストランで勤務する朱美さん。
あとは恋に、たまに来るらしい藍ちゃん。
恋が初めて手料理を作ってくれたのだが、食べれる代物ではなかった。
結局、皆で作り直すことに。鬱だ…。
食事も終わり、自室に行く。
部屋の割り当ては十分で、1人1部屋使える。ありがたい事だ。
とにかく、今日はいろいろ疲れたのでさっさと寝る。
朝、まったりと目が覚め、食堂に降りる。
飯の用意でもあるかと思えば、んな物は無い。
やれやれ…。恋の姿は無く、すでに学校に行ったのだろう。
さて、どうするか…。
1 朱美さんを就職先まで案内する。
ついでに飯も食べてこよう。
2 暇そうな大志や諏訪に、もらったジャムを馳走する。
お前等も食え。
3 散歩でもする。
久しぶりの故郷だ。昔を思い出しながら散歩する。
4 前の選択肢に戻る。
他のジャムを食べるのか…。
424 :
留守政景:02/03/18 21:38 ID:eD4gCfP8
むむぅ……。
個人的には2なのじゃが、
現在は朱美フラグ立てキャンペーンCHU!でござったな……。
……1でよろしくお願いいたしまする。
425 :
留守政景:02/03/18 21:39 ID:eD4gCfP8
正直、
>黒色と黄色が混じったジャム
これがかなり気になり申す。
426 :
高山右近:02/03/19 01:21 ID:7/sABYrs
ありがとう! 留守殿!!
……というか、私も軍師殿の路線を引き継いだだけですが。
>420
これは、お恥ずかしいところを……
(しかし、我々は武田家の名乗りでは無いので……他家軍団ですか。)
朱美さんが起きているかどうか見に行く途中で、便所から出てきた諏訪と会う。
「若、おはようございます。
そうだ、昨日の晩に本社より電話が来ました。
若の所にも来てましたか?」
「いや、俺のところには何の連絡も来ていないが…。
まあ…確認して見んと分からんけどな。」
「そうですか…。
では、一応報告しておきます。
木下小一を討たれた藤吉が、織田産業の社長である織田信長に泣きついたそうです。
で、藤吉は信長に散々叱責された後、増援をもらって掛川に拠点を築きはじめました。
藤吉に関しては、今の所は馬場専務に任せておきましょう。
問題なのは、我々を狙った刺客が、この諏訪に侵入したそうです。
藤吉か信長かが放ったそうです。
とにかく、身辺には気をつけてください。」
「分かった…。
で、刺客の情報はあるのか?」
一番気になったことを聞く。
相手の数が多ければ、また人数を集めなければならない。
「今度は、少数精鋭のようです。
実際、諏訪に侵入してきたのは2人の名古屋人と聞いてます。
近接戦闘のプロだそうです…。気をつけてください。
では、私は朝飯でも食べてます。」
一礼し、諏訪が食堂へ去っていく。
(あのジャムでも食う気か…あいつ…)
諏訪と別れて部屋に戻る。
時計を見ると、そろそろ朱美さんの出勤時刻だ。
部屋から出てきた朱美さんと通路で会う。
「おはようございます、朱美さん!
初日ですので、今日は俺もついていきますよ。」
「おはよう、勝頼君。
勝頼君、道案内よろしくね。一応地図はもらっているけど、ここはまだ良く分からないから…」
さて、久しぶりにあの店長に顔出ししてやるか…。
俺は先に靴を履き終えて玄関より出る。
朱美さんが靴を履く。
「ぶおぇ〜〜」
食堂の方から嫌な大声が聞こえる。諏訪の声だ。
「何…?」
朱美さんが振り返る。
多分…諏訪が怪しいジャムに手を出したのだろう…。
「ま、まあ…諏訪なら大丈夫でしょう。
遅れますよ、朱美さん。」
「……そ、そうね…………」
外では、とっくの昔に学校に行っていたと思っていた恋や藍ちゃんが、
隣の水瀬さん家の前でうろうろしていた。
「おい恋、遅刻するぞ。」
何気にイライラしている恋に、俺は声をかける。
「うっさいわね、アンタどっかいってなさいよ!」
恋が俺に噛み付いていると、水瀬さん家から名雪嬢が出てくる。
「おまたせ〜〜……」
あいかわらず、彼女は眠たそうだ。
「く〜〜〜」
歩くかと思えば、たったまま寝た。
「わー!起きて名雪!」
恋が名雪嬢を揺するが、眠ったままだ。
「平和ですねぇ、朱美さん。
まあ、あっちは藍ちゃんがうまくやるでしょう。
店の方に向かいましょう。」
俺は朱美さんを促し、恋達を後にする。
「ちょっと、アンタ手伝いなさいよ!」
恋の怒声が背中から聞こえる。
「恋ちゃん、がんばってね!」
朱美さんが振り返って恋に言った。
「あー、朱美さんまで…」
あんな状態に関わっていたら、こっちが遅刻する。
朱美さんもそう思ったのかは知らないが、俺たちは恋をおいて店に向かう。
「へっへっへ…勝頼のボウズか…。7年ぶりだな。
話は聞いている。羽瀬川さんだったな、奥に更衣室があるから着替えてきな。
サイズの方は知らねぇから、適当に合った奴を占領してくれ。」
店に着いた俺達を迎えたのは、朱美さんの新たな勤務先の店長犬甘だ。
犬甘に言われた朱美さんは、奥に入っていく。
「親父、相変わらずだな…。
まあいい、とにかく一杯飯をくれ。朝飯を食ってない。」
俺は適当な席に座ると、犬甘に飯を頼む。
「馬鹿野郎、まだ店は開けてねぇぞ。
ま、ボウズが久しぶりに帰ってきたんだ。
仕方ねぇから今から作ってやるよ、期待の新メニューだ。ありがたく食えよ。」
犬甘が厨房に入っていった。
「勝頼君、どう…似合うかな…?」
制服に着替えた朱美さんが現れる。
Pia静岡店の制服に比べ、からり肌の露出が抑えられた服だ。
「朱美さんはスタイルいいから、何来ても似合うよ。
服が地味なのは、犬甘のせいだからね。」
「まあ、勝頼君ったら…」
「まあ、勝頼君ったら…店ん中でいちゃつくんじゃねぇぞ。」
犬甘が朱美さんの声色をマネながら出てくる。
気持ち悪いからやめろ。
手にはどんぶりを持っている。
(何だぁ、あのどんぶりに乗っかっているものわぁ?)
俺は、どんぶりの上に乗っかる物が気になる。
「そぅら、冬の新メニュー、「うぐぅ丼」だ。
PS2版の発売もあったことだしな。ま、俺は買わねぇからいいけどな。
とにかく、食ってみろ。」
犬甘が、ドンと「うぐぅ丼」をテーブルに置く。
どんぶりの中の飯の上に、デンとタイヤキが乗っている。
最悪だ。
静岡にあったイルカ丼のほうがいいかもしれない…。
「さあ、食ってくれ。自身あるんだYO!」
犬甘の親父は、本当に自信があるようだった。
何がYOだ…!
(ま〜いにち、ま〜いにち僕等は鉄板の〜)
俺は、頭に浮かぶ懐かしい歌を心の中で歌いながら、タイヤキをかじった。
その日は、1日胸焼けが取れなかった。
うえっぷ…。
「でね、本当に出るらしいよ。
夜になると、大昔に死んだ戦国武将が自分をだまし討ちにした武者を求めて
学校の中を練り歩くの。本当だって!!」
夕食のとき、恋が何気にそんな事を話し出した。
恋の通う撫子学園は、元々城跡に作られた学校なのでそういう話は昔から良くある。
「馬鹿な事言うなよ、あの学校は武田商事も金出してんだ。
建てる前に、打つべき手は武田の者で打っている。
幽霊なんぞ出はしないぞ。」
俺は、恋の話を否定する意見を言う。
俺の若いころも、この話はあった。
あの時は、兄達と学校に忍び込んだものだ。
「アンタねぇ、今度はちゃんと見た人いるんだからね!」
恋が怒る。
「フン、幽霊なんぞ我輩のシャイニングアローで粉砕してくれるわ!」
大志が調子付く。
「ほう、なら…アンタ着いてくるわよね。
今日は、その幽霊を駆逐するわよ。
そんなの放置してたら、危なっかしくて学校にも行けはしない!」
恋がめんどくさい事言う。
だいたい、幽霊は夜に出るんだろ。お前が学校にいる間は問題無いだろ。
「よかろう、我輩の真の力を見せてやろう。」
「よし、藍と名雪はOKだったし…後はアンタね。」
恋が俺を見る。
俺に付き合えというのか?
「まあ、負傷したとはいえ、武田の若頭。逃げるなんて事言わないわよね〜」
恋が俺を挑発する。
「お兄ちゃん、危ないから止めた方がいいよ。」
乃絵美が俺に言う。
「何か面白そうね。でも、程ほどにしないと駄目よ。」
朱美さんも言う。
さて…
1 「よし、総員出動。皆で押しかければ怖い物も無かろう。」
全員連れて突入する。
参加メンバー 勝頼 朱美 諏訪 大志 恋 藍 名雪 乃絵美
2 「仕方ない、付き合ってやろう。」
俺のみ付き合う。
参加メンバー 勝頼 大志 恋 藍 名雪
3 「駄目だ、絶対行くな!行けば不法侵入でタイーホだぞ!」
作戦中止。でも、恋と藍と名雪は勝手に行った。やりやがったな!
参加メンバー 恋 藍 名雪
4 前の選択肢に戻る
そういえば、1人で張り切っていた武田信虎公はどうなったんでしょうね…。
戦国板では、武田信勝が大量発生していたし…。
戦力の逐次投入はイカンザキ!
ということで、1.をお願いします。
>431
あまりの早さに追えなくなってしまいました……。
まぁ、新木場にはあまり興味が無くなってしまったので……。
武田信勝ネタもキライでは無かったんですが。
残党スレにも荒らしっぽいのが出現し始めたようので、キリシタン名を後ろにつけました。
「よし、総員出動。皆で押しかければ怖い物も無かろう。」
俺は恋に言う。
「若、たかが肝試しにこの人数は多すぎでしょう。」
諏訪が苦笑し、俺に近づく。
「適当に恋さんを脅かせばいいんですね。」
諏訪が俺の耳元でささやく。
軽くうなづく俺。
ま、軽い遊びだ…。
「ふふ〜ん…。びびっても知らないわよ〜」
恋が調子付く。
「よし、飯を食い終わり次第、名雪嬢と合流し、速やかに撫子学園に向かう。
各員、異論はあるか?」
俺は、捲くし立てて、テーブルにつくみんなの顔を見る。
「武田隊長!万が一の場合に備えて、道具を用意しませんか?」
朱美さんの意見。夕食時にワインを飲んでいるせいか、やけにノリがイイ。
俺はうなづき、
「恋、出発前に何か無いか…倉庫を調べよう。」
恋に言う。
「了解〜」
調子付く恋は、飯をがっつく。
ま、ちょっとした遊びだ…。気楽にやろう。
「これこれ…なかなかいいよ〜」
恋が物置より木刀を引っ張り出す。
何本も出てくる。
「まあ、1人一本づつ持っていけばいいだろ。
俺はいざって時の準備はある。女性陣のもてる数だけあればいい。」
「ふぅん、後悔しても知らないからね。」
恋は物置から出ると各員に渡す。
「うにゅ…」
眠たくて仕方なさそうな名雪嬢も受け取る。
なぜか彼女は、眠りながらその場で素振りをはじめる。
「ぐはぁっ!」
木刀は、隣にいた大志を直撃する。
「恋ちゃん、この木刀…なかなかいいよ〜」
名雪嬢はぶつぶつ言いながら、やたらと木刀を振り回す。
寝ぼけてるのか?それともワザとか?
その場は、なんとか2人を押さえる。
大志がぶつぶつ文句を言っているが気にしない。
俺が考えている事は、早く帰って寝る事だ。
寒くて仕方が無い…。
撫子学園はセキュリティーの甘い、古い学校だ。
進入するのは大したことではない。
武田一行は正門よりずかずか侵入し、恋の開けておいた窓より校舎内に侵入する。
「恋、問題の奴はどの辺に現れる?」
恋は俺の質問にサッと答える。
「3階の音楽室前か、その中。さっさと行くわよ。」
恋は先頭を歩いてゆく。
「了解。ふぁぁ〜〜」
俺は適当に返事しながら後をついていく。
他の者もぞろぞろとついていく。
見れば、朱美さんや諏訪は眠たそうだ。
「う〜ん、勝頼君。私飲みすぎちゃったかも…」
朱美さんが目をこする。
「どうせ、何も出はしませんよ…」
諏訪は、名雪嬢並に撃沈寸前だった。
ちなみに、名雪嬢は撃沈しながら歩いている。大丈夫なのか?
「朱美さん、諏訪。いいものがるんだ。これを一口やれば、目など一瞬で覚める。
諏訪、赤ジャムはいいぞぅ〜」
俺は懐に閉まっておいた「赤のジャム」を出す。
躊躇わずに蓋を開け、二人の前に突き出しスプーンも出す。
「はい。朱美さん、口を開けて。食べさせてあげるから。」
「えっ?あ、私…目が覚めちゃったからいいわ…」
「黒と黄色の奴じゃなければいただきますよ…」
拒否する朱美さんから、諏訪にジャムを向ける。
「まあ、軽く一口舐めますか…」
「赤ジャム」の正体を知らない諏訪は、スプーンで山盛りすくって舐める。
「うっ…。若…これは………」
ハァハァしだした諏訪。
「辛いだろ。これは口直しだ。」
俺は黒色と黄色のジャムを出す。
諏訪がギョっとする。
「それは…結構です…ハァハァ…。」
諏訪はハァハァしながら耐えている。
ハァハァ、ハァハァ…。
馬鹿な事をしている間に、3階につく。
ハァハァ、ハァハァ…。
「そこ、うるさい!」
先頭の恋がこっちを向いて怒鳴る。
「せっかくの雰囲気が台無しでしょ!
幽霊退治を何だと思ってるのよ!!」
「ハァハァ、ハァハァ…」
反論しようにも、諏訪は苦しむだけだった。
横で笑いを堪える俺に朱美さん。
「若、あとで若には黒色と黄色のジャムを食べてもらいますからね…ハァハァ。」
諏訪がかろうじて言葉を出す。
「まったく…」
恋が悪態を垂れつつ、再び歩き出す。
音楽室に着く。
「廊下にもいなければ中にもいないか。」
さっさと帰りたい俺は、「さあ、開けるわよ」などど言っている恋にかわって音楽室に入る。
「アンタってば、ムードっものが分かってないわね…」
恋が毒つく。
「まあまあ恋ちゃん。何もいないに越した事ありませんわ。」
藍ちゃんが言う。
「それもそうだけどさ…」
恋は何か言いたそうだ。
が、何か言う前に地面が揺れる。
「地震だお〜」
のんきな名雪嬢の声が部屋内に響く。
「地震と言うより、マンモスでも歩いているようだな…」
大志が部屋より廊下を見渡す。
確かに、ずっと揺れているのでなく、歩くたんびに揺れているような感じだ。
「まさか、出たって言うんじゃないよなぁ。」
俺が言う。
とか言いながら、頭の中ではこれが何なのか考えている。
地震にしては不自然すぎる。
この辺で軍隊が演習しているわけでもない。
「何だぁ、アレは!!」
人が考えてるところに廊下に出ていた大志が大声で叫ぶ。
「本物〜?」
恋がうれしそうに廊下に出る。
「凄い、本物よ!うわさ通り鎧武者の化け物よ!」
興奮する恋が部屋に戻る。
「さ、チャチャっと退治して凱旋するわよ。藍、カメラ準備いい!?」
「ばっちりですわ。恋ちゃん。
でも、予想より随分と大きいですわね。」
のんびりとカメラを用意する藍ちゃん。
「勝頼、こちらに向かってきているぞ!撃退するのか!?」
余裕な恋に比べて、やや危機感入った大志が化け物を指差す。
「どんな奴だ!?」
俺も廊下に飛び出し大志の指を指す方向を見る。
その化け物は、身の丈2メートルはあり、確かに戦国甲冑をつけている。
幽霊にも関わらず、足はしっかりあるようだ。
それより、奴がすでに抜刀してあるのが気になった。
こいつ…本当に化け物か…?
「どうする、勝頼!?」
大志が俺を促す。
奴との距離は10メートル程しか離れていない。
1 「諏訪、大志。奴にジェットストリームアタックをかける!」
俺たち主力の3人が突撃する間に、女性陣は奴の周りを囲む。
2 「俺の武器はこいつだ!」
俺は懐から愛銃ブローニングを抜き、一発放つ。
3 「こいつは予想外だ、一旦広い所に転進する!」
なんとか屋外に引っ張り出す。
4 前の選択肢に戻る。
お疲れさまです。実は433だけは初リアルタイムで更新読んでました……。
……いきなり銃ってのもアレなんで、1.をおながいしますだ。
まぁ、諏訪は踏み台にでもされなさいってことですか。(w
敵の動きはわりとのんびりしている。
(一気に囲んでみるか…)
考えがまとまると、俺は諏訪に大志を呼び寄せる。
「諏訪、大志、奴にジェットストリームアタックをかける。
残りの者は後に続け。一気に奴を囲む!」
全員がうなづくと、俺を先頭に諏訪、大志が化け物に斬りこむ。
化け物は俺をめがけて剣を振り下ろす。
「なんのぉ!!」
俺は、腰にぶら下げてあった父より継いだ日本刀で奴の斬撃を弾く。
こんなこともあろうかと、刀を持ってきておいてよかったよ。
「いやぁぁぁぁぁっ!!」
諏訪が気合を込めた木刀で奴を殴る。
「よし、我輩のミラクル…」
大志が奴の前に踏み込んだとき、奴は残った左腕で大志を殴りつける。
大志どころか、俺や諏訪までその一撃に巻き込まれる。
俺達3人はうめき声をあげながら床に転がる。
「勝頼君!」
朱美さんがこちらに駆け寄ろうとする。
「駄目よ!!」
朱美さんを止めるのは恋。
化け物は、転がる俺たちに向かうのか、それとも残った女性陣に向かうのか考えているのか動かない。
「ここは撤収よ!
藍、名雪と朱美さん連れて先に帰ってて。
姉さんは、私と残って何とかあの3人を脱出させるのよ」
恋が女性陣を仕切る。
俺は、全身を走る痛みを堪え、何とか立ち上がる。
諏訪も同様に立ち上がるが、大志は直撃だった為に未だに立てずにいる。
恋は木刀を構え、化け物にじりじりと迫る。
「ちょっとだけ時間稼ぐから今のうちに脱出しなさいよ!」
恋の一喝に俺はうなづく。
化け物は恋に向く。
刀で切るつけようとする化け物の攻撃を、恋はぎりぎりでかわす。
その間に俺は大志を背負い、諏訪をしんがりに撤退する。
「姉さん、今よ!」
化け物の剣が恋の右肩をかすめる。
「恋ちゃん!」
乃絵美が床に玉を叩きつける。
簡単な煙幕弾だ。
2分もせずに煙は消える。
煙が消えたときには、恋も乃絵美も撤収に成功していた。
「何なのよ、あいつは!!
危うく死ぬ所だったわ…!」
家に帰ってくるなり恋が毒つく。
何をキレてるんだ…。言い出しっぺはお前だろ…。
名雪嬢はと藍ちゃんは、すでに家に帰らせてある。
他のメンバーは食堂で作戦会議だ。
「警察を呼んだ方がいいわ。」
眠たそうな目をする朱美さんが言った。
ごもっともだ。
「ですが、警察に通報すると、我々の不法侵入がばれますね…。」
諏訪が言う。
タイーホは冗談じゃない。
「むう、やはり基本戦法がまずかったな…。」
復活した大志が腕を組みながら言う。
皆が大志を見る。
「やはり、使い古されたジェットストリームアタックより、トリプラーのほうが効果的だ。
なんなら、ジェットセンチメンタルアタックでもいいぞ〜」
「大志…これでも食ってろ」
どうでもいい事を言う大志に、俺は赤ジャムを出す。
「だけど…化け物を駆除するなら、専門の人がいるよ?」
乃絵美が、何事も無かったかのように言った。
「化け物駆除なら…盛信の通っている学校が、その類の専門校だったな…。
演習と言う名目で、ちっと人材を手配してもらうか?」
俺が恋に向かっていった。
盛信の学校は静岡にあり、魔術なども扱うとか。
腕のいい生徒なら、武田の諜報担当者、真田の配下にいる術師とも五分にやりあえるらしい。
「でもねぇ…出来るなら私たちだけでやりたいのよね〜」
恋は、やや不満そうだ。
気持ちは分かるが…。
実際アレだけのパワーを持つ化け物を相手にする以上、こちらもそれなりの増援か武装は欲しい。
もし、本当に化け物だとしたら、銃など撃った所で効果は無いだろう。
急所を殲滅するか、存在そのものを消滅させるしか手は無い。
「時代が戦国なら…校庭におびき出して軍馬で踏み蹴散らしてやるんですがね…」
諏訪が言う。諏訪も、特に策は無いのかありえもしない事を言っている。
「まあいい。今日の所は止めにして、もう寝よう。
一応、俺から盛信に電話しておく。」
俺はその場を締めくくり、皆と同じように寝る。
なかなか寝付けなかったが…。
「というわけだ…。学校の方には武田商事のほうから連絡を送っている。
増援派遣の許可は、3名程取れたんだ。
正直、誰を呼べばいいか分からないんだ。
盛信の知ってる強い奴を紹介してくれ。」
俺は、昼頃に昼休みの盛信に電話をしている。
用件は、昨日の夜に出現した化け物を駆除する為の増援派遣だ。
「そうだなぁ…兄さん、俺もそっちに行こう。
久しぶりだし、たまには実戦といきたいからね。」
電話の向こうの盛信は元気そうにしゃべる。
「ただ、連れて行くのは女性ばかりになるよ。
男と比べて、女性の方が術能力が優れているからね。
あと、人数は2人で暇そうで強い知り合いは…。
カーネリアス姉妹がそこそこいけるよ。
姉の方が防御型で、妹の方が攻撃型。どう兄さん?」
盛信の言う姉妹は見た事無いが…。
増援は大いにこしたこと無い。
どうせ恋の事だ。今日も突入をする気だろう、盛信とその姉妹を当てにするのもいいかもしれない。
が、恋は嫌がりそうだ…。
どうする…?
1 「よし、盛信。今日はこっちに向かってきてくれ。
日数がかかってもいいように、着替えぐらいは持ってきておいてくれ」
盛信とカーネリアス姉妹(メタモルファンタジー)に来てもらう。
2 「そうだな…恋の都合もあるし…今日は恋に人集めさせるよ。」
盛信の増援は後回し。
恋に撫子学園より増援者(CanvasにKanon)を集めさせる。
3 「う〜ん…とりあえず、今日は武装強化で当たってみるよ。」
盛信の増援は後回し。
武装を強化して、昨日の人数で攻め込む。
4 「う〜ん、とりあえず前の選択肢に戻るよ」
「えっ?兄さん、それはどういう事で…?」
盛信が困惑する中、俺は夜の校舎に舞い戻る。
>高山殿
>433の時は酔った勢いで書き始めたんですよ。
酔いが廻りすぎて、続き書くどころか自分がひっくり返ってしまって…。
飲みすぎは良くないですね…本当に…。
なる…。お疲れさまでございます。
ここ最近1しか選んでいない……。
どうしよう、今回は……、そればっかというのも……。
………では今回は2.でお願いします。
応援sage!(sageてどうする……)
いかん…。明日続き書きます!
「そうだな…恋の都合もあるし…今日は恋に人集めさせるよ。
そちらはいつでも動けるように待機しておいてくれ。」
とりあえず、増援に関しては恋がいい顔しない。
増援に関しては延期しておこう。
「分かったよ…。恋が関わってるなら仕方ないね。
昔から恋はああだからね。兄さんも苦労するね。
じゃ、2人には一応話はしておくよ。やばくなったらやせ我慢しないで呼んでよ。じゃ。」
俺は盛信との電話を切ると恋にかける。
「何よ、今忙しいんだからね!」
いきなりの怒声。昼休みじゃなかったのか?
とにかく、盛信の方の増援を見合わせ、我々の方での増援て対処する事を話す。
そして、我々の方の増援の人選は恋に任せると説明する。
「まあ、ここはあたしに任せなさいって!
協力してくれそうな人見つけてたのよ。上級生と先生。期待しといて。
それじゃあ、バッハハーイ!」
ブツっと切れる電話。
しかし、頭数だけではいかんともしがたいな…。
だいいち、狭い学校内では人数はかえって数珠繋ぎになるだけの恐れもある。
(おっそうだ…。アレがあった…!
この人数ならアレが使えるな…。しかし、被害が無い様にせねばならんがな…)
俺は考えがまとまると物置に入り、ある物を探す。
(イナバ物置、百人乗っても大丈夫と言われるだけはあるが…。でかいのも考えすぎだ…)
この家の物置は、蔵、もしくは倉庫と言ってもいいだけの大きさはある。
昔、ここに拠点を構えた諏訪氏本家の遺留品などが入っている。
戦前の物から、親父が諏訪氏を乗っ取るまでの品々。
(これだ…。見つけたぞ…。それより動くかどうかが気になるが…)
俺の力では、重くてびくともしない大型な武器。
(武器というより兵器だな。)
倉庫から出そうと懸命な俺に、諏訪が走り寄ってくる。
「お、諏訪。丁度いいとこに来た。手伝ってくれ!」
諏訪は、俺の前まで来ると、ハァハァしながら息を整える。
よっぽど走ってきたのか…?
「若、化け物退治は二の次です。織田産業が送り込んできた刺客の身元が割れました!
こいつを見てください!」
諏訪は懐から写真付きのレポートを俺に出す。
「川尻秀隆…?頭の悪そうな人相だな…。もう1人は不明か…。」
レポートには、川尻は剣術の達人であり、どのような剣でも巧みに操る。
斬りつける様な戦い方はせず、ひたすら敵を刺殺する暗殺のプロと書かれている。
あとは住所や家族構成などだ。
俺はレポートをしまいこむ。
「諏訪、今はこいつを出すのを手伝ってくれ。化け物とは今夜ケリをつけるぞ!」
「まったく…何を出す気ですか?」
しょうがないと言わんばかしの表情の諏訪。
「狙われているって時に…」
しぶしぶ手伝う諏訪。
「ゲッ、こいつは…!」
俺が取り出そうとする兵器を見てギョっとする諏訪。
「保存がいいから錆びては無いぞ。その気になれば使える!
それ、後一息だ。引っ張れ諏訪!!」
「こんな大昔の物…!」
諏訪も腰を入れて引っ張る。
ガタガタと兵器の車輪が回り、兵器が数年ぶりに表に姿をあらわす。
旧日本陸軍37mm対戦車砲だ。
米軍の戦車に全く通じなかったそうだが、化け物なら一撃だろう。
弾は3発ほど残っている。
「こんなんぶっ放したら警察飛んできますよ…」
あきれ返った顔で諏訪が言う。至極当然だ。
「なあに、今日は市長に無理やり花火大会をやらせるさ。
他の市で使う花火を、金を使ってでもこちらに廻して放たたせる。
欺瞞としては十分だ。さて、あとは体力のある者が来てくれれば言う事ない。」
「そうですか…。こりゃまた引っ張るにも押すにも体力要りますな…」
諏訪がペンペンと砲身を叩く。
「なあに、バイクで引くさ。」
夜になり、再びメンバーが揃う。
前回のメンバーに、今回から恋の担任であり、化け物に関心を待つ「篠宮 悠」。
特殊能力を持つということで参加の決まった恋の上級生「倉田佐祐理」、の2名が加わった。
「あははー。佐祐理こう見えても魔法少女なんですよー。あははー。」
倉田が屈託無く笑い、右手に持つ怪しいステッキを指先で回す。
「一応、本当かどうかは分かりませんが、今回は私が学校関係者代表って事で参加します。」
篠宮悠の挨拶。
ぱっと見、能登で畠山氏と抗争を繰り返している、鶴来屋の女会長を思い出させる面だ。
「皆、聞いてくれ。前回では奴には通常攻撃は効かないと分かった。
それで、今回はこいつを使う!旧日本陸軍、37mm対戦車砲だ。
今宵はそろそろ花火が放たれる。その好きに奴にこれをぶち込む!」
俺はメンバーの前で、偉そうに対戦車砲を叩いて見せる。
「アンタ、それ使えるの?」
恋が強烈な突っ込みを入れてくる。
正直、俺も試射してないので撃てるかどうか分からない。
「使うより、博物館に収めた方がいいわ。」
朱美さんが言う。
「やはり、皆不信ですな…」
諏訪が何とも言えない、実に済まなそうな表情で言う。
大志も乃絵美も、嫌そうな顔をする。
ようするに、みんな置いて行けという事か…。
「あははー。火力は大事ですよー。佐祐理の魔法もどこまで通じるか分かりませんしー。あははー。」
倉田が対戦車砲保有案の、唯一の支持者のようだ。
「でも〜、階段上がんないよ〜」
名雪嬢が眠たそうに言う。って言うか、言葉が終わると同時に立ち寝が始まった。
「それなら何とかなる。1階で待機しつつ、奴を3階からおびき寄せればいい…。」
「お兄ちゃん、これで何とかしようよ…。」
力説する俺に、乃絵美は短装機関銃を見せる。
まあ、そっちの方が戦いやすいが…。
「フ、お前たちは大事な事を忘れている。
その化け物は、殺すより捕らえるだろ!4WD用ワイヤーを駆使してでも生け捕りにするのだ!」
大志のむちゃくちゃな発言。
さて、どうするか…。
1 「仕方ない、機関銃部隊を編成する。総員、荷の中に機関銃をしまえ。突撃用の短剣忘れるな」
「短剣なんているか!」
恋の蹴り付きの突っ込み。痛い…。
機関銃で攻める。
2 「人数がいるんだ。こいつは使おう!」
「マジですか〜?」
諏訪は実に嫌そうだ。
対戦車砲発進!
3 「トラップを仕掛ける。このワイヤーにナイフ。とどめは最強粘着テープで捕縛する!」
「戦国板の荒らしより粘着が強い特殊テープ。武田商事より発売中です。定価は1582円です。」
乃絵美のCM。
大志の言うトラップ作戦を敢行する。
4 前の選択肢に戻る。
「あははー。戻りますよー。ahaha-。」
うわっ、なんてしつこそうな粘着力!(w
ということで、3.でお願いします……。
(……最近、三戦行ってないので、もうわからないけど。)
「よし、捕縛するか…」
俺は倉庫より通常の三倍はあるガムテープを取り出す。
こいつは、武田商事の製品で強力な両面テープだ。
テニスボール2つをくっつけて、そのままテニスをする事も出来る強さを持つ。
歩けなくなった所を、みんなでワイヤーを使って縛る。
「さて、急いで音楽室に向かおう。奴が来る前に仕掛けはやっておくぞ」
俺達は再び夜の学校に向かう。
今回は進入ではなく、篠宮さんが正面の鍵を開ける。
さっさと3階の音楽室に向かう。
音楽室に着き、中の机類を部屋の奥に移動する。
粘着テープを部屋の入り口に貼る。
広めに貼っておき、部屋に入ろうとすれば必ず踏むようにしておく。
剥がす時は、専用の溶液を使えば何とかなるので特に心配はない。
「仕掛けは終わったな…。あとは奴が来るのを待つだけか…。
とりあえず、誘導役に俺と諏訪に大志は来てくれ。奴を罠までおびき出す。」
張り終わったと同時に、俺は二人に声をかけて廊下に出る。
出るときは、おもいっきりジャンプしないとテープを踏んでしまうので気をつける。
「危なくなったらすぐに戻ってくるのよ」
部屋の奥から朱美さんが言った。
「分かってますよ。」
適当に返答しつつ、俺達3人は歩き出す。
「誘導って…ただのトイレじゃないですか…」
諏訪が文句言う。
そう。誘導とは建前で、俺はトイレに来たかっただけだ。
「フン。暗闇の中、トイレに1人で行けないようでは男ではないな」
「うるさい…」
俺達3人は並んで用を足す。
「まあ、久しぶりに連れションもいいだろ…」
「別にいいですけどね…」
便所内には、3人の放つ音しか無い。
だが、何か足音が聞こえる。
突然、暗闇の便所に明かりが付く。
「何だ!?」
慌てる俺達は入り口を見る。すると、恋と同じ制服を着た女子学生が、こちらを見つつ突っ立っている。
(こいつの足音だったのか…?)
見ると、左手に何か棒を持っている。
「おい、ここは男子便所だ。とにかくこっちを見るな!」
俺は慌ててブツをしまいながら女に叫ぶ。
女はボソっと言った。
「武田勝頼…」
俺の名だ…。
「若!例の刺客の片割れだ!!」
諏訪が叫んで身構える。
相手は学生だぞ…。つうか、この娘地元だろ…。
「ぐわっ!!」
言ってる間に、大志が絶叫を上げる。
「フっ…我輩とした事が…毛を挟んでしまうとはな…。」
大志がチャックを下ろしながら整理しなおす。
こいつは放っておいて、俺は女学生に話し掛ける。
「俺はいかにも武田勝頼だが…?こんな夜中に何の様だ?」
女学生は、相変わらずボソッとしかしゃべらない。
「大事な人の為…死んでもらう…」
彼女は言うなり、左手に持つ棒と思われていた物から剣を引き抜く。
(両刃剣…?)
彼女は両刃剣を振りかざすと斬り込んできた。
「だから、刺客と言ったでしょ!!」
諏訪がわめく。
ええい、こんな狭い男子便所で斬りあいか!?
俺は、何故か持っていた両面テープをピーーーと伸ばす。
「はぁぁぁっっっ!」
彼女は一気に間合いを詰めてくる。
俺はテープの巻いてあるほうを彼女にめがけて放つ。
「諏訪、大志!音楽室まで走るぞ!」
彼女がテープを剣で裂いた瞬間、俺達は便所から走りぬける。
「出た?出た?出たの〜?」
やたら興奮する恋。
俺達が便所からつッ走ってくると、化け物が出たと思うのも無理は無い。
「そうじゃない、武田の一門を暗殺しようって奴が出現した。
俺たちの行動は、そいつらに知られているぞ…」
俺は恋に言う。
「それって、あたしも狙われてるって事?」
恋が自分を指差しながら言う。
うなづく俺。
ま、狙われているのは俺だけっぽいけどな…。
「念のため…残りのテープも余分に貼っておこうか…」
って話してるうちに…
1 昨日の化け物がのっしのっし音楽室に歩いてきた…。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
2 窓からガラスを打ち破って侵入してきたシルクハットの男と川尻秀隆!
音楽室の入り口にはさっきの女学生。
化け物はどうした…!?
3 化け物が音楽室に向かってくる…!
見れば、さっきの女学生と並んで歩いてくる。
あいつ…飼いならしたのか…!?
4 前の選択肢に戻る。
お、こんどは向こうの行動が選択出来る……
奇襲防止なら3.なんだろうけど……
いや。
現実逃避的に1.でお願いします!
昨日と同じような地響き…。
奴が来た…。
緊張する面々。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
やたら興奮する恋。
ワイヤーを持ち、構える諏訪に俺。
化け物の足音はだんだんと近づいてくる。
そして、化け物は音楽室入り口に立つ。
入り口は開けてある。
室内の俺と、廊下の奴は対峙する形となる。
「ここで決戦といこうか…。こい、化け物!
この武田勝頼が相手だ!!」
化け物に一喝する俺。
説明はしてなかったが、入り口の床に張られたテープは透明で、よく見なければ気づきはしない。
相手は化け物。分かるはずが無い…だろう。
予想が当たったのか、化け物はテープ地帯に踏み込む。
が、右足が踏み込まれた時点で異変を察知した化け物は、脱出を試み始める。
「さすがに両足踏んではくれんか…。行くぞ、諏訪!!」
駈けはじめる俺達の前に、倉田が立ちふさがる。
「あははー、ここは佐祐理に任せてください。あははー。」
相変わらず笑いながら化け物に向かっていく倉田。
倉田は、わけ分からんステッキを振り回しながら、自らの気を高めていく。
化け物は右足を動かそうと必死になっていた。
俺達全員は倉田を見守る。
「何をしようとしているのかは知らないが、余計な事はしない方がいいでよ…」
声は化け物から聞こえる。
正確には、化け物の背後からだった。
化け物の背後から、黒いコートに身を包んだ男が出てくる。
黒い帽子に黒い長ズボン。
怪しい魔術師というより、人を小馬鹿にした手品師のような感じのする男だ。
手には、よくしなりそうな鞭を持っている。
前言撤回。どっかのサーカス団員か?まだ若いのに…。
男が言う。
「ワシは名古屋の大物、川畑善明。ワシは強い奴の味方よ。」
「…俺を討ち取りに来たか…?」
俺は倉田を下がらせ、川畑の前に出る。
「死なれるより、生きて名古屋に連れて行ったほうがワシの名も上がるというもの。
こいつはお前を討ち取る為に作ったものだが、降伏するなら討ち取りはしない。どうするよ?」
川畑が一歩前に出る。
「たいした自信だな…。
しかし、肝心の化け物は動けず、俺達はこの人数だ。お前1人で勝てるのか?」
川畑は、俺の言葉を聞き終わると笑って言う。
「ワシも、武田の粘着テープの溶解液ぐらいは持っている。
すぐにだってこいつは動かせる。
動き出したこいつを、お前達が止められるか…?」
くそ、ああ言えば上祐とはこの事か?
違うっぽいが、んな事を気にしている場合ではない。
「キャーーーーーー!」
突然の恋の悲鳴!
とっさに声の方を振り返る俺。
さっきの女学生が、化け物と反対側の入り口より室内に入り、藍ちゃんに切りつけていた。
かろうじて藍ちゃんは、女学生の両刃剣を白刃取りで受け止める。
「こう見えても、幼い頃から護身術は身に付けているのですよ…」
藍ちゃんが苦しそうに言った。
しかし、白刃取り教える護身術って…?
「武田勝頼!!!
神妙にして我等に従ってもらおうか!!」
突然大声の放たれた。
女学生の入ってきた入り口に、川尻秀隆がいる。
「川畑、川澄!そのままで待機していろ…。他の奴等も動くなよ。
さて勝頼公。我等に従って名古屋まで来れば全員の命は助ける。
だが、貴公の返答の仕方次第では全員死んでもらうことになる。」
川尻秀隆が言う。最近、こんな要求ばかりで嫌になるぜ…。
「お兄様、私には構わずにここは退却してください!」
藍ちゃんが叫ぶ。
見捨てられるわけないだろ…!
俺は、この状況を打開する為に…
1 諏訪に大志は川端に突撃しろ!
女性陣は動きの止まった川澄に突撃!
俺は川尻に突撃する!
2 諏訪に大志は川尻を抑えろ、
俺と倉田は川畑に攻撃。
残りの女性陣は動きの止まった川澄に突撃だ!
3 ノーノーノー。私、降参します。
川尻に降参して、みんなを助ける。
と見せかけて、川尻にニードルキック。
他の者は適当に反撃だ!
4 藍ちゃんがやばそう。
前の選択肢に戻る。
WWFチックな3番で。
……という事で出遅れです。
毎度、乙華麗サマ!
執筆ご苦労様でござる。いつもROMっております。
さて現在、ガイドライン板において2ch全板人気投票というものが開催されております。
そこで、皆様に三国志戦国板への投票をお願いに参りました。
詳しくは三戦板の以下のスレを御覧頂きたい。
2ちゃんねる最萌トーナメント〜戦国板の野望〜
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1017859079/ なお、三戦板の登場は予選24組、4/26 (金)でござる。
突然現れての宣伝行為、申し訳なく思いますが
ぜひとも投票いただくよう、よろしくお願いします。
今さっき、友人のケンカの仲裁に飛び込んできたばかりです。
友人が頭部裂傷で流血騒ぎになり、市民病院に送ってきました。
鬱なので月曜日あたりに続き書きます。
学生以来、久しぶりに肝が冷えました。
>投票の件
三戦板は煽りばかりでいい思い出が無いですが、私も微力ながら援護します。
そういえば、8月頃の三戦板で、松永久秀の時も仲裁しようとした覚えが…。
トリップが変わってるかも…。
「分かった…お前の言うとおりにしよう。藍ちゃんを解放しろ。」
俺は両手を挙げて降伏の意思表示をする。
「よし。川畑、川澄、こいつを縛り上げる。手を貸せ」
川尻が、俺たちの持ってきたワイヤーを手に持ち、近寄ってくる。
川澄、川畑も此方に寄ってくる。
俺とて、本当に降参するわけではない。奴が近づくのを待つ。
一歩一歩と奴が近づく。
(今だぁぁっっ!)
奴との距離が狭まった時、俺は奴めがけてニードルキックを喰らわす。
確実に当てれる距離での一撃。
地面を転げる川尻秀隆。
「諏訪、大志、他のみんなも反撃だ!」
余所見をした俺に、容赦なく短剣を突きつけてくる川尻。
奴が頭を打ってふらついていたのが幸いして、短剣の突きは外れる。
即座に反撃したいが、俺には粘着テープしかない。
(嫌だけど使うか…。弾の装填は確か…2発だけだったな…)
俺は懐からブローニングを出す。
「ハジキかっ!」
川尻は俺が構えるより早く切り込んでくる。
回復の早い奴だ。さっきの様にふらついてはいない。
が、なんとかかわしきる。
続いて粘着テープを構える。銃はさっさとしまう。
この室内ではずせば、仲間に当たる場合もある…。何の為に出したのやら…。
「ハジキは使わせん!」
川尻が短剣で突いてくる。俺は自分から踏み込み、粘着テープを短剣の剣先に突き刺させる。
川尻の短剣の先には、粘着テープがまるまる一個刺さっている。
しかも取れない。
「得意の突きは出来まい、素手で来い!川尻秀隆!!」
「貴様…なかなかやりおる…木下が苦戦するわけだ…」
川澄には、倉田が突進する。
「舞、何でこんな事するの!?」
叫ぶ倉田。
川澄と倉田は親友であり、常に一緒にいるほど仲がいい。
「佐祐理…!」
川澄が驚いた目で倉田を見る。
「舞、もうやめて!」
川澄を捕まえる倉田。
倉田の両手は、川澄の両手を握る。
「舞…剣をしまって…」
懇願する倉田。
フルフル…。
それでも首を横に振る川澄…。
「私が戦うのを止めると、病院のお母さんが奴等にやられるから…」
小声で言うと、川澄は倉田の手を放す。
「佐祐理。私には佐祐理は斬れない…」
「舞…………?」
(勝頼戦闘中につき、視点変更。操作 九品仏大志)
ええい、肝心の魔法使いが化け物に向かわんとはな!
これでは、奴に勝つなど絶望的だ!
肝心の勝頼は川尻秀隆と取っ組み合い、倉田は川澄と話し込んでいる。
化け物にたむろう我輩達…。
我輩の隣で椅子を振り回している諏訪も、奴にはそんな攻撃通じないと分かっているはずだ。
木刀を構えるマイシスター恋、おどおどする篠宮女史。手の表面が擦り切れている藍。
このままでは我輩達は全滅だ。
しかし、我輩達には神より賜ったこの卑怯臭いテープがある、これを効率良く使えば…。
「ぐわっ…こいつぅ!!」
諏訪が化け物のパンチを喰らう。
しかし、直撃ではないので大丈夫であろう。
「はやくこいつ等を片付けろ!」
化け物の後ろで吼えている川畑。
「ちょっとアンタ、戦いなさいよ!」
我輩の後ろで木刀を構えているマイシスター恋。
「我輩とて、何もしていないわけではないゾ。
これでも勝つ為に必死で考えているのだ。」
「嘘つくんじゃないわよ!この駄目オタク!」
マイシスター恋の挑発などに乗っているほど我輩は暇ではない。
して、このテープをどう使おうか…。
川畑の後ろに何かが見える。
って言うか、マイブラザー勝頼の乱闘と同時に部屋から飛び出していた羽瀬川女史ではないか…。
背後の羽瀬川女史に気づかず、ひたすら我輩らに吼える川畑。
して、どう攻めてやろうか…。
1 まずは化け物の足をとめる。
残りのテープを諏訪と我輩で持ち、テープは伸ばす。
そして、我輩2人は左右に広がり、真ん中に漂うであろう粘着テープを化け物に貼り付ける。
真ん中からはマイシスター恋が殴りかかるのだ!
2 我輩は川畑めがけてテープを投げつける。
実際には、わざとはずして、奴の後ろに回りこんだ羽瀬川女史が取れればいい。
後は、敵の背後から羽瀬川女史がテープを貼りまくってくれるはずだ!
テープが貼れたら、椅子でもテーブルでも投げつけるのだ!
3 こうなったら転進だ、敵の背後の羽瀬川女史は後々の布石として放置プレイ。
我輩達は動きの止まった川澄に突進。
倉田よ、あの化け物に向かってくれ!
4 前の選択肢に戻る
よぅし、大志がキター!
まだまだ策があるようなので、後の展開に期待を寄せて3.をお願いします!!
>459
それは……。いや、大変な事でしたね……。お疲れさまです。
「結局の所、倉田でなければ奴の相手は出来んゾ!
諏訪殿、時間を稼いでくれ!」
我輩は、倉田の前で立ち尽くす川澄に向かった。
心なしか、川澄が震えていた。
「私には、佐祐理は傷つけられない…。
でも、お母さんも見殺しには出来ない…。」
つぶやく川澄に何も言葉をかけられずにいる倉田。
ええい、何もしないなら化け物に向かっていってくれてもよかろうに…!
放って置けば時間が経つだけだ。
いつまで諏訪殿が化け物を足止めできるか分からん…。
我輩は勢いをつけ、川澄めがけてとび蹴りをかます!
「…私には、これしか…」
そんな我輩を無視するように倉田に話し続ける川澄。
川澄が、震える手で剣先を自分の下腹にあてがう。
「舞!!」
倉田が叫び、川澄に飛びつこうとする。
が、我輩の飛び蹴りの方が早かった。
「南斗獄殺拳!」
倉田が川澄に飛びつく前に、我輩の飛び蹴りが川澄を確実に捉える。
川澄は転がり、部屋の隅に避けてあった机の群れに突っ込む。
「九品仏さん、何てことするんですか!」
倉田が我輩の南斗聖拳を非難する。
いや、違うか…。
我輩は倉田の目の前で化け物を指差す。
「倉田、敵は向こうだぞ!」
「ふぇ…?」
倉田が化け物の方を見る。
「あははー、すっかり忘れてました〜」
こんな時にも屈託無く笑う倉田。
我輩も見習いたい物だ。
「早くアレを何とするのだ、このままでは全滅だぞ!」
久しぶりに焦っている我輩。
「では、始めますね〜。でも、火球を使ったりは出来ませんから、肉弾戦になりますよ〜」
良く分からん事を言いながら、ステッキを振り回しながら気を高めていく倉田。
肉弾戦でケリがつかんから、魔法に頼ると言ってるんだが…。
「では、いきましょうか〜」
倉田が言うなり、我輩の頭めがけてステッキを振り下ろす。
「ぐはっ…!」
我輩とした事が、思わず屈んでしまうほどの激痛。
しかし、全身にみなぎるこの力は何だ…?
体の奥底から湧き上がってくるようなエネルギー…。
「一時的に体の力を底上げしました。
あはは〜、これなら学校壊さずに化け物退治できますね〜。」
そうか…倉田の魔法で我輩は偉大なる力を手にしたということか…。
「よし、ならば他の者にもその魔法をかけてやってくれ。
諏訪殿、今行くぞ!!」
我輩は化け物に突進する。
今ならいけるはずだ!
我輩の突進に気づいた諏訪殿が、化け物から離れる。
我輩は、一気に化け物の頭部を狙って跳躍する!
しかし、化け物は我輩の目の前から姿を消す。
いや、正確には化け物はひっくり返ったのだ。
化け物が両面テープで動けなくなる。
「やったぁ。化け物が、ワイヤーにひっかかったよ〜」
間延びした声。
存在感の無くなっていた居眠り女、水瀬名雪。
細々と、奴等の足元にワイヤーを張っていたようだ。
しかし、どうやって…?
考える我輩は、スピードが落ちぬまま、廊下に飛び出す。
驚き退散する、羽瀬川嬢の背後の壁をぶち抜く我輩。
なかなかイイパワーだ、これなら世界も制する事が出来るぞ!
我輩の前に広がる撫子学園校庭。
夜空には雲ひとつ無く、綺麗に星が光っていた。町の花火も見えた。
「フハハハハハハハハ!!」
我輩は無念にも落ちていく。
そうだ、ここは3階だったな…。
肉体が強化されているのだ、大丈夫だろう…。
(九品仏大志落下にて、再度視点変更)
1 敵の背後に陣取る羽瀬川朱美に視点変更する。
2 化け物の脅威が無くなった桜塚恋。
3 再び勝頼に戻る。
4 我輩は納得できんぞ!前の選択肢に戻る。
ついに視点選びまで……、まるでEVEですな……。
大志落ちは残念でしたが、せっかくですので出来るだけいろんな人で……。
ということで、1.でお願いします!
(視点変更、朱美さんになります。)
肝心の九品仏君は落ちて逝っちゃった…。
だけど、あの化け物は床の上でもがいてて何も出来ない。
敵の背後にいる私に出来る事といえば…!
「えい!」
私は勢いよく川畑善明に体当たりする。
いきなりの背後からの奇襲で、何も出来ずにひっくり返る川畑。
「あいったたた…後ろにもいたのか…」
背後の私を見ながら起き上がろうとする川畑。
だが、彼はすでに包囲されている。
「とっつかまえて山梨に送還してやる!」
諏訪君が川畑を殴りつけ、恋ちゃんも木刀で殴りつける。
気を失った川畑は名雪ちゃんに任せて、私たちは勝頼君の応援に向かう。
「みんなで一斉にかかればすぐに終わるわ。囲んじゃって!」
諏訪君に恋ちゃん、椅子を持った篠宮先生が取っ組み合いの二人を囲む。
「糞っ、これまでかっ!」
川尻が勝頼君を突き飛ばすと、川尻は諏訪君の攻撃もかわし、通路に飛び出る。
「諏訪君、恋ちゃん、あいつを追うわよ!」
私は比較的元気な2人を連れて川尻を追う。
勝頼君は、川尻との取っ組み合いで足を捻っていた。
勝頼君の分も私達で戦ってみせる…多分…。
川尻は足が速いのか、途中で見失っちゃった。
ここは2階の階段付近の分岐点。
ここから一階に下りたのなら、まだ足音はしているはず。
すぐに教室は目の前にあり、反対側にはトイレがある。
それに、扉を開けて閉める音がしている以上、川尻は教室内に逃げ込んだと思う。
「この辺の教室の中に潜んでいそうですね…。」
諏訪君も私と同じ考えみたい。
「そんならしらみつぶしに教室に入っていけばいいわ!」
意気込む恋ちゃん。
「でも、適当に進入したら、待ち伏せでやられちゃうかもしれないわ。」
意気込む恋ちゃんをなだめるのに私は言ったけど、効果は無かった。
「いい、扉を開ける以外やる事なんてないんだから、怖い人はすっこんでて」
恋ちゃんは私を退けると、一番手前にある教室の扉を開ける。
危ないってば!
「ちっ、ここにはいないようね…。」
扉を閉めながら恋ちゃんが悔しそうに言った。
そんな恋ちゃんに私は言う。
「あのね、恋ちゃん。今は誰もいかったけど、あれで川尻が潜んでいたら取り押さえられるかもしれないのよ。
あまり無茶な事して、お兄さんを困らせちゃ駄目よ」
「大丈夫だって!!」
恋ちゃんは、何も考えてないのか次々と教室の扉を開いていく。
もう、言う事聞いてくれないんだから…。
反抗期かしら…。
後頭部に走る強い衝撃!
いきなりの激痛に倒れこむ私、諏訪君の張り上げた声が聞こえる。
どうも、敵は後方のトイレに潜んでいたみたい。
教室に入り込んだと思ったのは失敗だったみたい。
倒れても、気を失わずに起き上がれた私。
諏訪君の声を聞いて慌てて戻ってくる恋ちゃんが視界に入る。
「大丈夫!?」
恋ちゃんに大丈夫だと言うと、素手で殴り合ってる川尻に斬り込む恋ちゃん。
ちょっと危なかったけど、何とかなったかな…?
「お前がこれほどやるとは思わなかったよ…。
俺の負けだ、好きなようにしろ」
取り押さえられた川尻が諏訪君に言った。
すでに川尻は両面テープでぐるぐる巻きになっている。
「あとは山梨に送還して、武田の専門家に任せるとしよう」
勝頼君が夜勤の従業員を呼び出し、川尻秀隆と川畑善明の2人は運ばれていった。
事情を持った川澄舞は、倉田の助命嘆願もあり釈放となった。
とりあえず、後始末をみんなでして、私達は解散した。
一晩明けた日のお昼頃。
いつもの様に、働いている私の所に電話が入る。
「おおい、羽瀬川さんよぅ!電話が来てるぜぇ!」
大声で私を呼ぶ犬甘店長。
もう、目だって恥ずかしいじゃないのよ…。
電話は、私に撫子学園に出頭せよとの要求だった。
撫子学園の巡回が、昨日の事件に参加していた私を見ていたみたい。
…なんで私が??
1 とりあえず出頭に応じる。
学園内には、篠宮先生もいれば、恋ちゃんや佐祐理ちゃんもいるので、大事には至らないかも。
2 まずは勝頼君に相談する。
私だけが出頭だったら怪しすぎる。(視点が勝頼に戻ります)
3 なにもしない。
よ ゆ う で す な。(信長の野望全国版)
4 前の選択肢に戻る
お疲れさま、完全にリアルタイムで見ておりました……。
難しい選択肢ですが、まぁ、あわてずに2.を選択します。
(すいません、全国版はやったことがないもので……。)
「マイブラザー勝頼よ、そろそろマイシスター瑞希から冬コミの戦利品が届くと思うのだ。
何も聞いていないか?」
昼飯を食べている俺に、大志が話し掛けてくる。
大志がテーブルにつきカップ麺に湯を注ぐ。
「瑞希か…。そういえば、年末は瑞希一人に行かせたんだよなぁ…。顔も会わせてない。」
「そうだろ、どうせ暇なのだ。たまには顔でも出しに行ったらどうだ?
無論、我輩も着いて行く気だが。」
「う〜ん…………」
考えながら食べる俺。
ひたすらラーメンをすする大志。
大志がすするのを止め、しゃべりだす。
「我輩は、マイシスターに頼んだ戦利品の中身を確認していないのだよ…」
真顔で言う大志。
んな事俺に言われてもなぁ…。
何て返そうかと考え始めた時、電話が鳴った。
「大志、その件に関しては考えとくよ。」
俺はテーブルを離れて電話を取る。
電話を掛けてきたのは朱美さんだった。
朱美さんが言うには、昨日の夜の学校で朱美さんの姿が目撃されているため、
学校側より、不法侵入及び、器物損壊の疑いをかけられているとの事。
(おかしい話だ…。あの騒ぎの中、朱美さんを目視確認したのなら、化け物も確認できているはずだ。
だいたい、アレが人の目に止まれば大騒ぎになるだろう。
今頃、地元警察に呼び出されているはずだが…。)
「朱美さん、俺が一緒に行きます。
学校には俺の方から連絡しておきますから、すぐにでも出頭できる態勢をとっていてください。」
「分かったわ…、勝頼君が来るのを待ってる…」
電話を切ると、今度は学校に電話を掛ける。
私立撫子学園は、親父の代の時に、武田商事から援助金が出されている。
当時は私立学校など高価で、あまり入学者も募れず、宣伝や教師を集める為の資金も不足していた。
最近は、金回りが良くなって来たのか、俺の代になってからは援助金の話も無い。
それでも、撫子学園は武田商事とは付き合いがあり、学園理事長と俺は知らぬ仲ではない。
電話が繋がり、どこぞの教師らしき奴が出る。
「武田勝頼だ、理事長に繋げてくれ。」
この一言で、簡単に理事長に繋がる。
理事長の高遠が電話に出る。
「おお、勝頼君か…?今日はどうしたんだい?」
高遠は温暖な親父で、そろそろ老人の域に入る。
他人を疑うような親父ではなかったはずだが…。
「実は…、私の連れの一人の『羽瀬川』という女性が撫子学園に出頭を命じられているんですよ。
どういうことかお聞きしたくて電話をした次第です。」
「むぅ…」
高遠は唸って一息入れる。
「ワシは何も知らんぞ。
だいたい、羽瀬川という女は知り合いにもにおらんしのぅ。
ひょっとしたら、生徒会の方で何かやってるのかもしれんな…。
最近、撫子学園を支えているのは生徒会だからな。
ワシは、設立者としてここに座っているだけの存在になってしもうたからな…。」
高遠の親父も老けたのか、昔と比べて弱弱しかった。
っつうか、学園一つを生徒会に牛耳られるとは、何と言っていいのやら…。
「とにかく、俺は羽瀬川と学園に向かいます。」
「分かった………。気をつけてな…」
高遠が電話を切る。
気を付けろって…生徒会のガキ共にか…?
「マイブラザー、朗報だ!
マイシスター瑞希が来るゾ。戦利品も担いで来るそうだ。
家の中は、我輩とマイ同士諏訪に任せてお前は瑞希を迎えてくるのだ!」
玄関で靴を履いている俺は、ヤケに意気込む大志につかまった。
大志よ、今はそれどころでは無いんだってば…。
一刻も早く朱美さんと合流しなければならない。
俺は、事のあらましを大志に説明する。
「好都合ではないか、羽瀬川女史にも瑞希の荷物を手伝ってもらえばいいのだ。
大型リュック三つ分は重いゾ〜。助けてやらねば男が廃る!!」
興奮する大志。
言いたいことは分かるが…。
1 だったらお前が瑞希の所へ行け!
俺はとっとと朱美さんと合流しに向かう。
2 仕方ないか…。瑞希と合流した後に、朱美さんとも合流する。
3人で撫子学園に殴り込み。
3 瑞希は乃絵美に任せておく。
俺はさっさと朱美さんに会いに行く。
4 前の選択しに戻る。
ファミコン版全国版ですね…。
波多野で全国統一したときは、本当にきつかった…。(序盤が)
ゲームが始まって、最初のターンが来る前に一揆か謀反のどちらかでゲームオーバーになります。
素人にはお勧めできない…。
ついに瑞希登場ッスか。
とりあえず朱美さん重視政策路線で……。
大志放出の1.で、お願いします。
「あのな…遊びで朱美さんの所に行くわけじゃないぞ。
昨日の一件で、朱美さんが、撫子学園から出頭を要請されているんだ。
俺はその付き添いで行ってくるだけだ。
瑞希は大志に任せる。じゃ!」
一方的に言って玄関を閉めて外に出る。
玄関では何か大志が言っているが、気にせずに朱美さんの所へ向かう。
犬甘の親父の店を早退した朱美さんを連れ、撫子学園に入る。
朱美さんが出頭するという事は、店にいる段階で向こうに連絡を入れた。
念の為、俺が行くことは伏せてある。
一応、最近まで資金援助をしていた武田商事の社長だからな…俺…。
入り口の昇降口で、出頭する事を聞いた生徒が待機していた。
「羽瀬川朱美さんですね…。で、そちらの方は…?」
あからさまに俺を睨む生徒。
客人に対してなんて態度だ…。
ひょっとして、客人とも思われてない…?
「あの…。この方は私の友達で、付き添いで来てもらってます。」
朱美さんの説明。生徒は頷く。
「友達の方は、ここで帰ってもらいましょう。
話は長くなりますから…。では、こちらへ…」
予想していた通り、俺には「帰れ」と来た。
やってきて早々「帰れ」だなんてな、「エヴァ」だけにしてくれ。
「じゃあ、私はここまででいいから。勝頼君は家に帰ってて。」
朱美さんは、そう言いながら先を歩く生徒の後をついていった。
声が聞こえていたのか、生徒がギョっとした目で俺を見る。
武田商事の社長と気づかれたか…?
俺はにこやかに手を振ってみる。
「んじゃ、俺は先に帰ってるよ。」
そのまま背を向けて昇降口を出る。
昇降口から外に出て、すぐに壁に隠れる。
そのまま俺が帰ると思ったか。
潜入してやろうと思ったが、残念ながら俺にはこの学校の配置が分からない。
分かるのは理事長室と昨日まで行っていた音楽室だけだ。
それに、今は真昼で生徒も多い為、進入といっても簡単に事が運ぶとは思えない。
ここで俺が考えた進入法は…
1 理事長室に行き、高遠に会い、進入の手引きをしてもらう。
まずは、塗装屋が来た事にしてもらい、俺は塗装屋に成りすます。
せっかくだから諏訪も呼ぼう。
2 まずは携帯で恋を呼び出す。
朱美さんが単身出頭した事を伝え、危機感を募らせ協力させる。
恋は具合が悪くなって保健室にでも寝ている事にしておこうか。
3 正面から再突入する。
誰かに何の用かと聞かれたら、妹の恋や、さっきの朱美さんが忘れ物をして…とか言ってごまかす。
ついでに朱美さんの行方も聞ければなおいい。
4 何だかんだ言って前の選択肢に戻る。
お疲れさまです。いやぁ、展開飽きさせないわぁ……。おもろいです。
せっかくの故郷編なので、2.でお願いします。
湖衣姫マンセー!
俺は携帯で恋を呼び出す。
昼食中に何の用かと怒られたが、簡単に事情を説明したら分かってくれた。
「アンタさぁ…、何で朱美さんだけが出頭要請来た理由って分かる?」
玄関口で合流するなり、恋が俺に聞いてくた。
「ん?まあ、目立ったせいじゃないか?
何だかんだ言って、あの面子の中じゃあ一番スタイルいいし。」
パッと、適当な事を言う俺。
まぁ…、俺だってある程度の見当はついているが…。
この街に越してきてまだ1週間程度の朱美さんを、地元住民が分かるはずが無い。
だいたい、名前を当てるどころか所在すら掴めないのが普通だ。
それを、いきなり仕事場に電話してきたんだ。普通じゃない。
おそらく、最初から朱美さんを知っている奴が校舎内にいたのだろう。
一目見て、朱美さんが分かる者といえば、木下の傘下にいた連中、Piaの誰かとも予想できる。
誰なのかまでは良く分からないけど…。
「ま、私は織田産業の調略が信州に入り込んでいるって予想しているけどね〜」
恋が得意げに言う。
んなこたぁ、朱美さんのみが呼ばれた時点で予想できてるわ…。
ただ、今回は誰が絡んでいるのかが、全く分からないわけなんだから。
「ここの生徒会と一部の教師、それに学校だけじゃないわ。
近隣の木曾農林工業なんて、実質上乗っ取られたって聞くしね。
アンタ達が静岡ばかり見てるから…」
恋が両手を挙げ、フゥとため息をつく。
む、お前がそこまで知っているとは…。
「ま、母さんから情報は入ってくるからね。
ついでに、学園内の状況も母さんに流してるわ。
織田の滝川って言う男と繋がったのは、学園を仕切る事に成功した生徒会長、久瀬。
かなりの金が動いたって話よ。
ついでに言うと、その久瀬が自分の親なども動かし、PTA等も掌握。
この学校は事実上陥落状態よ。」
やけに知っている恋。
馬場よ、お前は信州を放置しているが大丈夫なのか…?
俺は、今も病院で(治ってるくせに)指揮を取っているだろう馬場を思い出す。
「とにかく、久瀬は信州南部を掌握する為に、ほとんど学校にいるの。
しかも、私たちと同じ学生なのに授業にも出てこない。
そのくせ、学校でたらここに就職が決まってるのよ。いいわね〜権力握った人って。」
久瀬って生徒会長が気に入らないのだろう。
恋は盛んに愚痴をこぼす。
「それより恋、生徒会室はどこだ?
この武田勝頼、自ら乗り込んでやるつもりだ。」
「正面からは無理ね。
抜け穴を使って進入するわ。ついてきて!」
校舎から駆け足で離れる恋。
「お、おい、抜け穴って…!?」
恋の後を追う俺。
「つべこべ言わずに着いてこればいいのよ!」
仕方なく、俺は怒鳴る恋に従って走る。
体育系用具をしまう倉庫が見えてきた。
それにしても、この学園は広い……。
今では、確か…生徒を千人近く抱えていたっけ…。
倉庫の正面を開け、俺と恋は中に入る。
当然の様に砂煙臭い倉庫の中で、恋は山積みのマットをどかし始める。
「ほら、アンタも黙って見てないで手伝いなさいよ!」
吼える恋に従って、マットどかしを手伝う俺。
しかし、このマットは全然使われていないな…。
砂だけじゃなくて、完全に埃被ってるぞ…。
「このマット群の下に抜け穴でもあるのか?」
「そうよ。母さんの配下が学校に侵入して、これの為の工事の設計図をコピペってきたのよ。
穴が作られたのはごく最近よ。ただ、この様子じゃぁ一回も使われた事無いわね。」
話をしながらでも、手は休めない。
恋が四苦八苦している以上、俺も手は抜けない。
最後の分厚くて重いのが取り得のマットをどかすと、ぽっかりと開いた穴が見える。
人は余裕で通れそうだ。
「でかいな…こいつはしっかり作ってある…」
俺が感心すると、恋が入り込む。
「私が先に入るわ。アンタは後ろを警戒して…。こういう時、一番後ろが厄介だから…。」
「分かった…。」
恋に続いて俺も入る。
入るのはいいが、マットを元に戻す事が出来ない。
その為の後方警戒なんだろうが…。
「恋、午後からの授業で使われないか?」
俺は恋に、率直な疑問をぶつけてみる。
「大丈夫よ、この時期は体育館に入っていくから。マラソンの時は倉庫は使わないし…。大丈夫よ。」
「そうか………」
恋と俺は穴の先に進んだ。
かなり歩いたが、俺達は穴の行き止まりに到着する。
(この上が生徒会室よ…。正面は衛兵が着いてるから開けられないけど、ここからならいけるわ。)
小声で話す恋。
実際、恋の真上には木製の板が貼られている。
こいつを開ければ目的の部屋に突入できる。
恋が木製の板、というより扉に耳を当てる。
(何か…修羅場って感じね…。準備はいい?早い所突入しちゃうわ。
まず、顔を知っている私が久瀬をヤルから、アンタは朱美さんをよろしく。)
(朱美さんを奪取したあとはどうする?またこの穴を使うのか?)
(そうよ、それも急がないと、すぐに衛兵がわらわら集まってくるわ。出口の倉庫にも行かれるし。
何が何でも急がなきゃ駄目よ!!分かった!?)
(ああ、なんとかな…)
簡単に打ち合わせを済まし、いざ恋が勢い良く扉を外側に開く!
「ぐわっっ!」
何か情けない声が聞こえる。
何も気にせず、恋が飛び出す。
続いて俺も穴から飛び出す。
目に入ったのは、やたら広い部屋と、隅にいる初老の親父と両脇の2人の若い衆。
続いて、俺の出てきた穴の手前にあるでかい机。
そして、扉の入り口の上にいたのか、ひっくり返って伸びているインテリ風な男。
「か、勝頼君!?」
机の前にいた朱美さんがこっちを向く。
「朱美さん、こいつ等織田産業の関係者だ!!ここは一旦引き上げよう!!」
朱美さんの手を取り、穴を指す俺。
「勝頼君…、私がPiaに戻らなくちゃみんなの安全が保証されないって…」
朱美さんが俯き加減で言う。表情は暗い。
良く見ると、倉田佐祐理までいる。
倉田も同様に沈んでいる。
「肝心の主謀者自信が伸びている間は、見てなかった事にするわ。
武田君、おとなしく羽瀬川先輩を引き取らせなさい。
そうすれば、絶対に無事に帰してあげる。」
その声は、あの戦闘の際に姿が見えず、行方も知れなかった棚倉夏姫だった。
しかも、また帰れと来た。
このインテリが伸びている間に帰れと…?
「どうなっているのか、説明ぐらいはしてくれてもいいんじゃないのか?」
俺は棚倉に向かって言う。
「残念だけど、ここで私が一声出せば、衛兵は集まってくるわ。」
棚倉の表情は相変わらず無表情だ。
「そうか、そこの男3人は衛兵でないと…」
俺がちらりと3人の男を見る。
初老の男が俺の目を見る。
「小僧、イキがいいのはいいが、命は捨てるものじゃない。生きてなんぼの物だ、女の事はあきらめろ。」
初老の男は落ち着いている…。
恋もどうしていいのか分からず止まっている。
ここで朱美さんを置いて逃走すれば、何の事件も無く済む。
が、朱美さんはあの当時の真っ只中にいた人物。織田産業に戻ってどうなるかは分からない。
それにしても、倉田も同時に逃がすとなると、時間がかかって仕方がない。
つうか、倉田も同じ理由でここにいるのか…?分からん…。
何もかも確かめるのに時間はない。俺は行動に移す。
1 乱闘開始。 朱美、倉田両氏を連れ出す。
まず、俺が初老の親父を殴って、2人の若い衆も短期決戦で仕留める。
棚倉には悪いが、彼女には恋のキックでも浴びてもらおう。
2 とにかく、まずは朱美さん。
倉田まで面倒は見切れない。俺は朱美さんを抱えて穴に入り込む。
お前等の好きにはさせない!
3 ここは一旦引く。 (直ぐに再突入するけど)
初老の男など、情報にない奴の出現は困る。
一旦引き、諏訪や深志製麺(武田の子会社)からの増援を呼ぶ。学園が織田に乗っ取られそうだって言って。
4 前の選択肢に戻る
何か、袋のネズミになった気分。何かやばそう…。
1!!
恋キックマンセー!!!
こうなったらやるしかない…!
「恋、岩倉は任せるぞ!!
倉田と朱美さんを逃がせ!」
恋の返事も聞かずに、俺は初老の男に殴りかかる。
初老の男はこの展開を読んでなかったのか、俺の一撃を喰らって大きく仰け反る。
「こ、こいつっ!!」
初老の男の両脇にいた若い衆が飛びついてくる。
右手からは中太りな男、左手には長身で体格もいい手ごわそうな奴。
「問答無用よっ!!」
俺のとっさの行動で、衛兵を呼ぼうとした岩倉は、恋の強烈なとび蹴りを腹部に受けて沈む。
「さ、早くこの穴に入って。」
恋は朱美の手を取って穴まで誘導する。
倉田は動かない。
「倉田先輩、何してるんですか!ここにはそう長くおれませんよ!!」
恋が声をかけても動かない倉田。
朱美を穴に押し込むと、仕方なく倉田の手を引く恋。
「あ、あの…。私は関係が無いと思うんですが…」
済まなそうな顔をしながら、腕を引っ張られても動かない倉田。
「あ〜〜ん!もうどうでもいいから早く入ってください!!」
ぶつぶつ言う倉田も穴に押し込める恋。
その恋の足を誰かが掴む。
「ん?」
恋が見下ろす。
恋の足を掴んだ手は、岩倉の右手だった。
「…あなた達…、これで済むとは思ってないでしょうね……」
余った方の手で腹部を押さえながも、なんとか声を出す岩倉。
「喋る元気なんて余ってたのね…。加減したのが良くなかったかもね…」
「ふふっ…」
十分な余裕を見せる恋に、笑って見せる岩倉。
腹を押さえていた左手には、無線機があった。
「仲間を呼ぼうって、そんな事させるわけないでしょ!!」
すかさず無線機に蹴りを入れる恋。
無線機は岩倉の手を離れ、ものすごい勢いで壁に当たる。
とたんに鳴り出すブザー音。
鳴っているのは無線機。
「それはね、強い衝撃が加えられたら警報装置が働くようになってるの。
……自分で…墓穴を掘ったわね……」
言うだけ言って腹を押さえたまま地面に倒れこむ岩倉。
警報機を察知したのか、学校内にサイレンまで鳴り出した。
すぐに久瀬の衛兵がここまで駆けつけてくるだろう…。
「わ…やばっ……」
恋は、今だに戦闘中の勝頼の方へ加勢に向かう。
ここに衛兵が寄ってくるまでに脱出しなければならない。
恋が岩倉を蹴り込んだ時、勝頼は初老の男を叩き、続いて接近する中太りの男には蹴りを叩き込み、これを撃沈させた。
だが、残った1人が厄介だった。
勝頼の両手を掴み、力比べをする態勢に持ち込んだ長身の男。
「武田勝頼、貴様少々やりすぎたな!!」
長身の男は、徐々に力を加えていく。
「なんの、これが俺のやり方でね…!織田の青びょうたんに負けるわけにはいかんのさ!!」
勝頼も力を加える。が、相手のほうがやや強いようだ。
「我々は織田とは関係が無い。
ここにおわす御方は、雲州尼子開発の筆頭幹部亀井秀綱部長!
ちなみに、俺は亀井部長の部下山中幸盛!!
貴様は必ず後悔させてやる!!」
山中がさらに力を加える。
(なんだって尼子の幹部筆頭がこんな山奥に来てるんだ…?
しかも…この力任せの若い衆は俺より持久性がありそうだ。まずいな…こりゃ…。)
俺が山中に押さえ込まれそうになった時、恋の蹴飛ばした無線機から警報が鳴った。
「何だ!?」
「恋、しくじったのか!?」
俺と山中の力が一瞬抜ける。
とっさに手を離す俺。
こいつとは力比べなどやってはおられない。
2人を穴に退避させた恋が寄ってくる。
そして、生徒会室の扉が開かれた。
扉の向こうにいたのは川澄だった。
(こいつぁまずい…)
穴に退避する間もなく、この敵の増援。
万事休すかと思われた。
「…佐祐理はどこ?」
川澄がボソッという。
「あ、あな…。そこの穴から逃がしたわ…」
山中と対峙して余裕の無い俺に代わって、恋が穴を指差しながら彼女に言う。
「…佐祐理を逃がしてくれた…。なら、逃がしてくれた礼をする…。」
川澄が俺の方へ向かってくる。
「…早く脱出しないと、手遅れになる…」
素手の川澄だったが、こんな時はアテにさせてもらおうか。
実際、扉の向こうには何人か倒れている人が見えた。
彼女が倉田を救出に来た際に蹴散らしたのだろう。期待が出来るが…。
1 一気に3人でこの尼子の連中を叩く。実際、山中の後ろの亀井は戦闘体制に入っている。
2人には後から追いつく。
2 2人の道案内に恋を向かわせる。
目の前の尼子は、俺と川澄で叩く。
3 川澄には倉田を追わせ、2人を任せてしまう。
俺と恋は、窓から飛び出て外から2人と合流する。
4 前の選択肢に戻る。
なんで岩倉夏姫を棚倉と書くのだろうか…。
朱美さん攻略した後に、Pia3をプレイするの止めた報いかな…。
(それしか攻略してない…)
状況良くならないので
4でロードして
3を選択、無茶はいけません、若。
なんと、尼子勢が参加するとは……。
って、おっと再突入ですか。頑張って下され!
「仕方が無いか…ここは帰るとしよう…。
ほら、行くぞ恋。」
一時退却と見せるために、再び穴に戻る俺。
「ちょっと、アンタ何しにここまで来たのよ…!」
文句を言う恋を、穴に引き摺り下ろす。
「では、皆さんごきげんよう♪」
一言残し、入り口を閉める俺。
さて、連中がどう動いてくれるか…。
都合よく動いてくれればいいが…。
耳を入口の扉にあて、中でのやり取りを聞く。
「族が侵入した。警備の者は速やかにグラウンドの体育倉庫に向かえ。
繰り返す、族が侵入した。警備の者は…」
岩倉が無線機でも使っているのか、衛兵等に指示を出しているようだ。
久瀬とかいう奴は、未だにくたばっているのか…。
これでは再突入が先か、穴から進入してきた衛兵に捕縛されるかのどちらかの勝負になる。
予定では、連中が朱美さんと倉田を引っ張り出したところを後ろからつけつつ、携帯で増援を手配する。
学校内部での奪還はむりっぽいが、長野県内で非常線を張れば何とか奪還出きるだろう。
長野県警が素直に要求に応じてくれるだろう。こういった時の為に、金をばら撒いているのだ。
その作戦で何とかなればいいけど…。
「では先輩、私の車で行きましょう。」
「分かったわ…」
岩倉と朱美さんのやり取りが聞こえ、足音が遠ざかって行く音も聞き取る。
(行った様だな…。慌てなくても、何とか間に合いそうだな。
音を立てずに出るぞ…恋…)
(本当に大丈夫なの?)
恋は疑わしい目で俺を見るが、ここで躊躇するわけには行かない。
すっと部屋に入りこむ俺。
最初に目に入ったのは、相変わらずひっくり返っている久瀬。
周りを見渡すと、さっきの親父と若い衆2人。それと倉田が突っ立っている。
一瞬ドキリとするが、親父の3人組には敵意が無いので安堵する。が、警戒は解かない。
「ほう、やっぱり出口には向かわずに、真下に潜んでいたか…。
灯台下暗しとは言った物だが、その通り実践する者は少ない。」
親父が面白そうに俺を見ている。
続いて親父がしゃべる。
「武田社長自ら何をするのかは知らないが、ここは我々と手を組まないか?
我々も、各地に展開しようとする織田産業の躍進を、出来るだけ食いとめたい。
いや、申し遅れたが、私は尼子開発の統帥部部長、亀井秀綱という。
どのみち、学校内で女の奪還は無理だろう、少し話さないか?」
亀井と名乗った男の前に、2人の若い衆が除けられていたテーブルを運んでくる。
椅子も3人分用意(一方は恋の分か…)し、部屋の隅にある冷蔵庫からジュースまでとってきてテーブルに並べる。
この若い衆2人は、何も指示をしなくてもここまでやるようだ…。
でかい企業ともなると、こうも従業員とは違うかね。
「ま、掛けてくれ。気楽にやろうではないか。」
せっかくだから立てておこう
┏━━┓
┃掠疾┃
┃如如┃
┃火風┃
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃
┃
亀井の薦めで、腰掛ける俺。
恋が俺のわき腹をつつく。
(こんな事やってる場合じゃないでしょ!)
小声で言う恋。小声でもな、この距離じゃあ相手には聞こえるぞ恋。
「恋、この話しが済めばすぐに県境に非常線を張る。信州からは一歩も出させんから安心しろ。」
(むぅ〜〜〜)
恋は納得しがたい顔でジュースをすする。
亀井もジュースを煽りながら書類を出し始める。
「さて、近年の織田産業グループの躍進には我が社も驚くばかりだ。
一昨年に岐阜、滋賀に勢力を持ったと思ったら、今年にはもう大坂まで手を伸ばして来ている。
我が社も、中国地方では随一の勢力だが、未だに現存する中国興産(現会長大内義興氏)に、その子会社の郡山食品(現毛利元就社長)等、
我等尼子に組せぬ企業が力を持っている。
このままでは、我が社は中国興産と織田産業の挟み撃ちにあってしまうのだ。」
亀井は、資料なのであろう紙を俺によこす。
紙には、織田産業が近畿方面に食い込んできた企業の名が出ている。
各支店及びその子会社群の取締役連中の名と、その従業員総数が弾き出されていた。
さらに紙の下のほうには、東海地方及び甲越信地方の織田の勢力まで詳細に書きこまれている。
馬場が必死になって探っている情報まで詳細(本当なら)に書かれており、尼子の情報網の凄さを知る。
「これだけの情報をもたらされた以上、尼子開発の申し出を断るわけにはいかないな…。
だが、我が社は私一人が切り盛りしているわけではない。
もう一人、強権をもった幹部に馬場と言う者が…」
態度を改めて話す俺の言葉は、亀井の言葉に止められる。
「馬場信房専務には了解をとってある。
ま、今すぐに返答が欲しいんじゃない。後日に、。正式な使者として武田商事本社に行くつもりだ。
それまで社内を纏め上げておいてくれ。」
亀井はジュースをあおり、またしゃべり出す。
お前は少ししゃべり過ぎだ…。
「その情報は武田商事にお渡しする。
その見返りと言っては難だが…そこにいる倉田佐祐理の、親父さんと我々との戦いには介入しないでくれ。
倉田房信には、十七年前にあった中国興産の子会社、鏡山物産の長略時にワシは弟を殺されてな。
ワシは弟の仇を取りに来た。鏡山物産を燃やしてくれたら、こんな山奥まで逃げおってからに…倉田め…。」
突っ立っていた倉田が強い態度で亀井に言う。
「亀井さんだって、父さんの従兄弟を殺しています!」
亀井が負けじと言い返す。
「あれはワシが自ら斬ったわけじゃない、経久社長が不用と判断したから斬ったまでだ。
誤解するな小娘!!」
よっぽど、十七年前の事を根に持っているのか、熱くなる亀井。
さて、ここですべて話しを決めるわけじゃないし、俺達は俺達の作戦を敢行しようか…。
1 亀井VS倉田の戦いに介入する。しかも、倉田の味方につく。
「さゆりんマンセー!」
2 亀井には、情報の一件の例を言い、倉田氏との戦いには介入しない事を伝える。
「恋、諏訪を呼び出してくれ!俺は深志製麺に連絡をとる!」
3 亀井には、情報の一件の例を言い、倉田氏との戦いには介入しない事を伝える。
「恋は高遠理事長に連絡して、手空きの者を追ってに出させてくれ。俺は諏訪と落ち合う!」
4 前の選択しに戻る
「とは言っても、>490だが…」
投票、ありがとうございまする。
おかげさまで予選を最多得票で通過いたしました。
507 :
昭和天長節 ◆KOEiWSYs :02/04/29 15:28 ID:larfOec4
◆◇右派軍師一句◇◆
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
||| ____ 勘助 曰く |||
||| / ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
||| \jノ,==∞=; | スレageて
||| _ミ,,._´Д`) < 陽射し求める
||| ノ=ノ」:|_V」lヾ.., | 名は緑
||| (乃ノ ):::::| /つ \________
|||||||||||||||||||||||||||||||| HIT ANY KEY |||
「亀井部長、貴重な情報を頂き感謝します。
我々は、倉田氏との戦いには関与しません。
細かい事は、山梨の本社で話し合いましょうか…。
我々は先を急ぎますので、この辺で。では、失礼します。」
亀井が頷くと、俺は恋を連れて穴に戻る。
体育倉庫まで戻ると、早速朱美さん奪回作戦にはいる。
「恋は高遠の所へ行ってくれ、教員たちには武田の息がかかっている者もいる。必ず協力してくれるはずだ。
俺は深志に連絡したら、諏訪と合流して単独で追尾する。」
「分かったわ!」
恋が理事長室に向かう。
俺は携帯を取り出し、近くの深志製麺に電話を入れる。
「勝頼だ、Piaの一件で観察保護扱いになっている者が、織田の者に連れさらわれた。
至急人員を手配してくれ!」
幸いにも、電話に出たのが深志製麺を預かる秋山社長。
率直に指示を出す。
が、秋山の返答はこちらの都合通りにはいかないようだ。
「若、今日は風邪で3人程休みが出てまして…人員は5名位しか出せません…。
今月は注文も多いんですよ…」
「そうか…。なら、5名でいい。
捜索する為の資料は、本社に問い合わせてくれ。直ぐにファックスが届くはずだ。」
「分かりました。なんとかやってみます!」
電話を切り、今度は諏訪にかける。
「諏訪、緊急の用事だ。
待ち合わせの場所は駅だ。来れるな?」
「若…もうちょっとで「はじいしゃ」がコンプ出来るんですよ。
早く終わらせないと、「ONE2」に取り掛かれません…。」
この大事な時に「はじいしゃ」だと…?
こっちは「水月」を進めている暇もないというのに…。
「諏訪、朱美さんが岩倉に連れて行かれたんだ。「はじいしゃ」止めて出てきてくれ!!!」
「わ、分かりました…。いきなり修羅場になってますね。
駅ですね、直ちに向かいます!」
電話を切り、俺も駅に向かう。
しかし…こんな事なら岩倉はどの様な交通手段で来たかを調べておけば良かった…。
携帯が鳴る。
着信か…。
俺は歩きながら電話に出る。
電話の相手は恋だった。
「あのさ、岩倉って人がまだ学校にいたのよ。」
「何だって!?」
「あの亀井部長と戦いに来た、倉田っていうオッサンが駐車場入り口を閉鎖しちゃってて、
岩倉の自家用車が出れなくなってたみたい。」
なんつう馬鹿な展開だ…。
深志製麺の連中動かしちゃったよ…。どうすんだ?
「でもね、倉田氏や尼子の手の者とは違う連中等が、岩倉と朱美さんを囲んで入り口を徒歩で乗り越えてどっか行っちゃった。」
「何だと…?織田の連中まで出てきているのか…。
で、人数は!?少なければ教員連中で押さえれない数か?」
「今追尾している所よ。
向こうの数は、岩倉を入れて10名。こちらは、私を入れて7名。
ちょっと足りないかな…?」
「そうか…現在位置を教えてくれ。また、どの方向に向かっているかも教えてくれ。」
「ええとねぇ…ここは…、あの噴水のある大きい公園の近くかな。
方向はだいたい北西って所かな。ひょっとしたら、木曾農林工業に向かってるのかも。」
「密かに織田に通じたといわれる木曾か…。」
木曾農林までは、かなりの距離がある。
最終的には木曾農林に向かうのかもしれないが、このまま徒歩で歩いていくとは考えられない。
俺の位置からでは、噴水のある公園までは駆け足なら十分ぐらいで着けそうだが…。
1 「恋、俺と諏訪がそちらに向かう。そのまま追尾していてくれ。」
諏訪と合流して、急いで恋に追いつく。
2 「俺は直ちにそちらに向かう。恋、手は出すなよ!」
諏訪には原付を用意させ、岩倉達の前方に先回りさせる。
3 「恋、先制攻撃だ!小手調べで構わない殴りかかれ!」
白昼堂々という奴だが、敵の足が少しでも鈍ればいい…。
4 前の選択肢に戻る。
リアルタイムでバッティング、毎度ご苦労様です。
思わぬ展開にグッドジョブ! です。
では、2.を選択。どうぞよろしくお願いします……。
ネタとしては3.で殴りかかる恋が見たかった気も(w
……すまんです。
何で武田騎馬とエロゲキャラなんだ……謎。
「俺は直ちにそちらに向かう。恋、手は出すなよ!」
「分かった…。また何かあったら電話するからね。」
恋との連絡を終え、今度は諏訪に再度連絡する。
「諏訪、済まないが倉庫前にある原付を使って、岩倉達の移動先まで廻り込んで欲しい。
で、問題の廻り込む位置は、あの噴水のある公園から北西よりにある山田畳店付近だ。
山田畳店あたりで待機していてくれ。」
「りょ、了解です…。で、バイクの鍵はどこですか?」
「玄関の壁にぶら下がっている。後は連絡を待っていてくれ。」
「分かりました。出来るだけ急ぎます!」
連絡を一通り済まし、俺は恋達の所まで急行する。
さすがに十分もあれば、岩倉達も噴水のある公園付近からは移動していた。
俺が恋達と合流した時は、公園から少し離れた住宅地。
住宅地といっても道は大きく、車も良く通っている為に何をやっても人目にはつくだろう…。
こう一般人の目があれば、さすがの織田勢でも大それた事は出来ないだろう。
俺は、恋と撫子学園の増援達の面構えを見ておく。
さすがに高遠が送り出してきただけあって、どの教師等もやる気は十分だ。
「しっかし…あんなにびっちり囲まれてると、手の出しようが無いわ…」
恋がぼやく。
我々は、歩き続ける岩倉達の後を堂々とつけている。
岩倉達は、どの方向からでも狙われてもいいように、朱美さんの周囲を織田の若い衆で囲んでいる。
強襲しようとしても、朱美さんに取り付く前に、人数差で逃げられるだけだろう。
確かに打つ手は無さそうだが、俺は笑って恋に言う。
「別に打つ手が無いわけじゃないさ。
この人目につく中じゃあ、連中とて乱闘は出来ないだろう。
若い衆は、見た目は似たようなもんだが、肝心の岩倉や朱美さんが目立ちすぎる。
連中は暴れたくても暴れんよ…。」
「じゃぁ、どうすんのよ…?」
「まぁ…強襲っぽいやり方になるかな…。みんな…こいつは持ってるか?」
俺は教師連中の前で、懐に手を入れてみせる。
『銃を持っているか?』という意味だったが、分かってくれたようだ。
教師連中は、3名ほど頷く。
「今はいらないが…。連中が移動手段を明らかにした時点で必要になる。」
「あれ?」
教師等に説明でも始めようかとしたら、恋が俺をつつく。
「どうした?」
「あれ。バスが止まってるけど。あそこにはバス停なんてなかったわ。」
恋が指差す方には、市内循環型のワンマンバスが止まっている。
バスと岩倉達の距離は500メートル程で、俺達は岩倉から50メートル程離れている。
「あのバスが、連中のお迎えか…。」
「のこのこと、乗り込む所を拝んでいるわけ?」
恋は俺を睨む。
「かと言って、人前で突撃するわけにもいかないだろ?」
「むう…」
言い返されてだまる恋。
バスの足を止めるなら、バスの向こう側にある山田畳店で、待機しているであろう諏訪を動かせば何とかなるだろう。
ここで朱美さんを奪取してしまうのが都合がいい。
が、あえてバスに乗り込ませて、諏訪に追跡させて深志製麺の連中と合流してもいい。
追跡の結果によっては、織田方の大物を釣り上げれるかもしれない。
さて、どうしようか…。
1 諏訪を緊急発進させる。
バスの前までバイクで乗り込ませ、岩倉達が乗り込む前にタイヤを破壊させる。
諏訪、銃を使う時は、サイレンサー付けて一発で仕留めろよ…。
2 この際、連中はバスに乗り込ませて諏訪に追跡させる。
我々は急いで深志製麺の連中と合流して後を追う。
岩倉の上に立っているであろう人物の捕縛を狙う。
3 連中の後ろに密着して、無理やり一緒に乗り込む。
乗り込んだら暴れ廻る。
やってやるぜ!
4 前に選択肢に戻る。
2と3の中間hじゃ取れそうも無かったので、先に出た2で逝きました。
>514
このスレッドの最大の謎です。
よく考えたら、武田とエロゲキャラで戦う事がほとんど無かったような気が…。
1でたまには諏訪に(・∀・)イイ!思いをさせてやる
がんがれ諏訪っち!!
俺は携帯を取り出し、諏訪に連絡を入れる。
諏訪は、すでに山田畳店前で待機しており、バイクのエンジンもかけっぱなしで直ぐにでも動けるとの事。
ここは諏訪に動いてもらう…。
「諏訪、すまんが手前のバスの正面まで廻り込んで、タイヤをぶち抜いてくれないか?
前輪の方を、サイレンサー使って仕留めてくれ。」
「目の前の怪しいバスですね、了解です。一発で発進不能にしてやりますよ。」
電話を切ると、バスの向こう側からけたたましいバイク音が轟く。
そして、バンッ!とタイヤの破裂する音が聞こえた。
諏訪はバイクごと歩道に乗り上げ、岩倉達の前に立ちふさがった。
諏訪は、得意げに手を振っている…。目立ってるぞオイ…。
岩倉達は、破裂音と同時に傾いたバスを見て、立ち尽くしていた。
「観念してもらおうか…。」
立ち尽くす岩倉に言いながら、俺は奴等との距離を狭める。
「ふふふ…街中で銃を抜くとは思わなかったわ…。
ここは私たちの負けね。」
振り返り、ニコリともせずに言う岩倉。
「おとなしく降参してもらいたいものだな。すぐに、増援も到着する。」
言っているうちに、俺たちの隣にワゴンが停車し、深志製麺からの増援が降りて来る。
「1つ聞くわ、私を捕虜にした位でどうする気?」
「今は用は無いがな。まあ…本社で詳しい話を聞かせてもらうつもりだ。」
「ふっ…。」
岩倉は自嘲気味に微笑すると、両手を挙げ、若い衆達にも降るように指示する。
ワゴンに連れ込まれる際、岩倉は朱美さんに一言残す。
「先輩は狙われてはいます。
命令を受けた者次第では、殺される事もありうります。気をつけて…」
「夏姫ちゃん………」
岩倉を見つめる朱美さんには構わず、彼女はそれ以上の事は喋らずに無言でワゴンに乗った。
岩倉夏姫の朱美さん奪取作戦は失敗に終わった。
我々は、朱美さんを含め、他にも保護しているPiaのメンバーの護衛の必要を痛感した。
とにかく、呼び出しには応じてはいけないと、朱美さんには言っておく。
学校に戻った恋を除き、残った3人は帰宅する事に。
諏訪はバイクで戻り、俺と朱美さんは徒歩で帰る。
あまり元気が無い朱美さんに、俺は何となく話し始める。
「朱美さんは、俺たちがついている以上は大丈夫ですから…。」
「でも、あまり迷惑はかけられないわ。
こんなことだと、次あたりはまた怪我をすることになるわ。」
「でも、俺は戦いますよ。俺はこれでも武田商事の大将、女性の1人は守って見せます。」
「う、うん…。ありがとう…勝頼君…。」
朱美さんは笑って言うものの、その表情には陰りがあった。
何を考えているのか、俺には分からなかった…。
その後は、適当な雑談や、大志等の昔話をしながら帰る。
大志の話をしたとき、瑞希の事をすっかり忘れていた事に気づく……。
「アンタねぇ、女性に大荷物持たせて、何で手伝いに来ないのよ!!」
玄関に入るなり、瑞希の怒声。
大志からは何も聞いてなかったのか…?
「あの…少し落ち着いたらどうですか?」
見かねたのか、朱美さんが口を出す。
歩いていた時は、どことなく鬱っぽかったが、少しは回復したのだろう…。
「誰、この人?」
瑞希が怪訝な目を朱美さんに向ける。
瑞希はPiaの一件は知らなかったか…。
まあ、極秘だから喋らないが。
「勝頼君の家から、紹介してもらったお店で働かせてもらっている、羽瀬川朱美といいます。」
笑顔で自己紹介する朱美さん。
「………。
わ、私は、勝頼の同級生で高瀬瑞希…です…。」
瑞希は俺の方を向き、「1つ聞くけど、アンタとこの人ってどういう関係なの?」
つまらない事を聞く瑞希。
そういう質問は返しにくいんだよ…。
「実はですねぇ〜」
バイクをしまい込んだ諏訪が、にこにこしながら後ろから現れる。
すかさず首筋にチョップを入れて黙らせる。
「ぷるぷるぷるぷる…」
余計な事は言わせない…。すまん、諏訪よ…。
しかし…ただならぬ威圧感を感じる。これは何だ…?さて、何と答える…勝頼よ…。
1 朱美さんは、俺のお姉さんだYO!
さ、買ってきた同人誌を見せてもらおうか。
2 実は、遠縁の親戚でな…武田とは血がわずかに繋がってるんだ。
適当に言って、その場をやり過ごす。
3 瑞希、済まないな…こんな所まで来させてしまって…。
まずは、瑞希の苦労をねぎらう。
4 とりあえず、前の選択肢に戻る。
朱美さんフラグを追っているようなので
修羅場は禁物、ということで2をお願いします。
諏訪っち……。
かっこよかったのに最後で……(w
まぁ、初期能力が吉野家オンリーだった諏訪っちも、
やるときゃ、ちゃんと闘えるということが解っただけでも……。(w
「瑞希。この人はな、若狭武田氏の出自で遠い親戚にあたるんだ。
福井の方も仕事が無くなっているから、甲斐武田の援助で面倒を見る事にしているんだ。」
「ふぅ〜ん………」
瑞希は適当に返事をした。
かなり疑っている目だ…。
「それじゃあ、私は部屋に戻っているわ。」
朱美さんは、さっさと自室に入っていっていく。
瑞希の疑わしい目が気になるのだろう。
「そ、それじゃあ…、瑞希、例のブツを引き取ろうか。」
俺は無理やり話を変更させ、戦利品であろう同人誌の話を切り出す。
「アンタの部屋に放り込んであるわ。大志がアンタの部屋で読み漁ってると思うけど…」
「そうか、それじゃあ早速戦果を確認しようか。」
俺は冷蔵庫からジュースを取り出し、コップを3個用意し2階の自室に向かう。
部屋では、大志がそこら中に本を散らばらせ、部屋のど真ん中で寝転んで本を読んでいた。
「大志、今帰ったぞ。」
俺と瑞希が部屋に入ると、大志が起き上がる。
「遅いぞマイブラザー、『脳内補完』は先に確認させてもらったぞ。」
「中はどうだ?相変わらずの寄せ集め本か?」
「フン、ただの走り書きエロ本だ。このような本で我輩が燃えれるわけ無かろう…」
不機嫌に本を放る大志。
「アンタねぇ、自分が気に入らないからって放る事無いでしょ。
私が苦労して買って来たって言うのに…!!」
「すまんな…」
怒る瑞希に、一言謝る大志。
大志は俺の方を向く。
「高校時代の折、卒業前に我輩が言った事を覚えているか?
マイブラザーには、こんな嘲笑に塗れた大手の本ではなく、コミケを牛耳れる力があると言った筈だ。」
「今から本を作れと言うのか?
もう二十歳を越えた素人の俺達が、いまさらあの世界に飛び込んで成功するはず無いぞ。」
「さすがはマイブラザー、我輩の言いたい事が分かっているようだな。
だが、1つ分かっていない事がある。我輩とて、自分が何もせずに成功するとは思ってはおらん。
我輩は、あまり達者では無いが、物を書く事を練習しているのだよ。
へたれていようが、自分が納得できるものを作ってみたくてな。」
大志は、一旦話を止め、ジューズを飲む。
俺も、瑞希も何も言わずに大志の言葉を待つ。
「マイブラザーに、マイシスター。
空いた時間でいい、我輩と本を作り、コミケで我々の熱き心を皆に見てもらおうではないか!」
即座に返答が出来ない俺。瑞希もびっくりした顔で声も出ない。
しばらくの沈黙……。
「8月まで、あと7か月はある。ゆっくりやって行こうではないか」
おもむろに口を開く大志に、俺ははっきりと言う。
「大志…、これから織田産業と渡り合わねばならない時に、同人誌など手がけている時間は無いぞ。
ついでに言えば、ネタは何をする気でいるんだ?」
「空き時間を生かしてやっていけばいい。
ネタは…『水月』だ!我等の雪さんへの熱き心を本に焼き付けるのだ!!」
懐から『水月』のパッケージを取り出し、燃え上がる大志。
隣で瑞希が顔を赤め、俺に聞く。
「どうする、勝頼?」
どうと言われてもなぁ…。ここに至っては書かねばならないのだろうが…。
まあ、手空きの時間を使ってそれなりに書くか…。
1 大志の熱き魂と共に『水月』をネタにした本を書く。
タイトルは、『僕のメイドさん♪』
2 ただの萌えではつまらない。男なら燃えも必要。
タイトルは、『武田騎馬軍団VS琴乃宮雪』
3 ここは無難に、ただの『水月』布教本といこう。それでも大志の熱き魂は理解されるはず。
タイトルは、『【琴乃宮雪】水月ファンブック【最高!!】』
4 前の選択肢に戻る。
お疲れさまっす!始めは誰かと思いきや、トリップで確認……。
……由綺? い、いやなんでもないっす。
こみパ編期待であります。
やはり騎馬軍団スレなら……、2.しかないでしょう!
ということで2でお願いします!
「よし、大志の心意気を現し、『武田騎馬軍団VS琴乃宮雪』本を出すぞ!」
「なんだと!?」
俺の気合の入った一言に、衝撃を受ける大志。
しばし考え、彼は言う。
「うむ、さすがはマイブラザー。
武田の家系を継ぐだけはある。そのネタで行こう!」
「さすがは大志だ、武田家の心が分かる!!」
俺と大志は、がっしり右手をつかみ合う。
「コミケに我等の旗を掲げるぞ!」
「おうっ!」
「…………、売れるといいね………」
意気込む俺達に、瑞希の冷たい一言が突き刺さった。
だが、その程度でひるむ俺達ではない。
これからの空き時間を活かし、着実に本を作っていくのだ。
「目標は夏コミだ。我等の底力を見せ付けてやるぞ!」
大志が腕を組み、遠い目で窓の外を見る。その目には有明が映っているのだろうか…。
(それにしても…今日が1月28日だから…、だいたい7ヵ月後か…。当面は、練習かな…)
次の日、用紙を手配し、本の構想やネタを纏めていたら、三人組の男が我が家に歩いてきた。
よく見ると、真ん中の初老の親父は、あちこちを包帯でぐるぐる巻きにしている。
これは、倉田房信との戦いで引き分けに終わり、全身に怪我を負った亀井秀綱だった。
聞けば、戦いは尼子優勢になるかと思えば、まったくの五分だったという。
倉田側がこの地で代議士となり力を持っていたせいでもあったとの事。
で、亀井と詳しい打ち合わせをして、尼子武田の対織田同盟が締結される。
対織田戦に関しては、双方が必ず援軍を出し合い、織田の勢力拡張を防ぐ事に全力を注ぐもの。
尼子の援軍が頼りになりそうだ。
書類にサインが終わると、亀井は満足そうに握手を求め、俺はこれに応じる。
亀井を玄関まで見送る。
玄関を閉じ、室内に戻ろうと振り返ると、そこに瑞希が立っていた。
「大変ね…武田の若大将も…」
「瑞希…、これも仕事だからな…。
織田産業グループの拡大に抗するには遠いとはいえ、大国の力を借りねばならないだろう…。仕方ないさ…。」
「そう…?
まあいいわ。ちょっといい?」
「何だ?」
瑞希に誘われ、外出する事になってしまう。
瑞希が足を止めたのは、近くにある喫茶店百花屋。よく恋達が寄り道する店だ。
テーブル席に案内されて、俺も瑞希も注文を済ます。
そして、おもむろに瑞希が話し出した。
「勝頼ってさぁ、お父さんが亡くなってからは、ずっと会社の社長やってて、大学はほったらかし…。
聞く所によれば、会社の中での立場も微妙で、幹部連中なんかは勝頼を見下してるって言う人もいる。
勝頼は、それでもいいの?
会社は大事だろうけど、馬鹿にされてるだけなら、いっその事辞めて誰かに任せたら?
そして勝頼は、山梨に戻って、学校にも戻って普通の生活をしている方がいいんじゃない?」
俺は何も言わず、瑞希の言葉を待つ。
「戦争みたいな事してるんだってね…。
どんなに強い人でも、いつかは負けるときが来るわ。
その時は、多分死んでしまうわ…。」
瑞希の言いたい事は分かる。
しかし、それは一般社会人の発想であり、代々武家の出で戦前から力を持っている武田の家には通じる考えではない。
もし俺が会社を捨てれば、先に死んでいった兄達に合わす顔も無かろう…。
そういった特殊な環境にいる俺に、瑞希は言葉を続ける。
「それでさ、ここで一回考えて欲しいのよ。
どんな状況でも、武田の棟梁としてやっていくのか、
もう一度、私達と普通に暮らしていかないか…。
勝頼が、あくまで棟梁として武田にこだわるなら、私も学校辞めて協力してもいいわ。
だって、大志だってやってるんでしょう、武田の仕事。
私も、勝頼を手伝うわ…」
言い終わった瑞希は黙り込み、注文したいちごサンデー(パフェ)が来ると食べはじめた。
何と…瑞希の奴…。
1 会社を退職する。
瑞希や大志達と、山梨で一般人として生活するのも悪くは無いだろう…。
しかし、これではゲームオーバーなのかも…
2 俺は武田商事を続ける。
瑞希にも手を貸してもらうか…。
3 俺は武田商事を続ける。
だが、瑞希には危険だ…。すまないが、仕事は俺と大志で切り盛りしていく。
4 前の選択肢に戻る。
書いてる途中で、連れから電話があって止まってました…。
(前に血まみれになった連れの事で…)
森川の名は、一年程前に初心者板でahaを追いまわしているときに使っていた名前で、
現在も初心者板で使用中。トリップが同じなので間違えた模様です…。
森川の名は忘れてください…。
何故間違えたのだろうか…。
元ネタは、確かに由綺です……。
こみパルートに突入の期待も込めて
2を選びます!!
若、会社を辞められては困りますぞ!!
「瑞希…分かった…。俺に力を貸してくれ。
これからは織田産業の奴等も激しい攻勢をかけてくるだろう。覚悟してくれ!」
「うん、私も頑張る!」
俺と瑞希は頷きあう。
新たな新戦力を加え、来るべき戦いに備える。
「まずは…ネタが乏しいよな…」
「そうね…武田騎馬軍団の呼称を生かす以上、どうしても戦国ネタは入れないといけないし…」
当面の間、やる事のなかった我々は、この実家で同人誌制作に集中する。
が、最初の出だしで止まってしまう。
どうやって戦国ネタをダブらせるか…。それが重荷になっていた。
「ほら、夢の中での合戦でさ、騎馬突撃やって敵を一度は返り討ちにしたとか…」
瑞希も懸命に考えている。
「それもいいが…それって那波のネタならいいが…。
メインに立つのは雪さんだ。なんとか騎馬軍団とメイドさんを組み合わせるんだ。」
「う、うう〜」
また瑞希が悩みだす。
むぅ、ネタと言うのは簡単には出んものだな…。
考えあぐねていた所で、恋達が帰宅してきた。
もうそんな時間か…。
時計を見ると、すでに5時を廻っている。
そういえば、朱美さんの帰宅は大体9時ぐらいになった。
みんなで夕食を取る事がなくなってしまったな…。
夕食は、恋が担当していたが、今日からは瑞希も手伝うと言う。
殊勝な心がけだと褒めておくが、これで良かったのかと思えてならない。
瑞希、戦いとは辛く苦しいものだ。
俺は、静岡で撃たれた皆瀬葵を思い出す。
一歩間違えればああなる…そして、運が悪ければ逝ってしまう。
考え事している間に食事の準備が出来、俺は食卓に向かう。
「若、熱海の松田氏直営の温泉群が、関東の結城氏に吸収された模様です。」
食事のときの事だ。
本社からの連絡を見た諏訪が言う。
「我々武田との友好関係にあった北条氏の旅館経営も、大分ぐらついてきましたね。」
「そうだな…。しかし、北条とてホテル経営だけで成り立っているわけではないだろ。」
「そうですが…援軍要請が来ているのです…」
「援軍要請、何のためにだ?それに、俺達は休暇中だぞ?」
「ですが……」
「我が武田商事で保護扱いになっていた鷹梨千尋を旗印に、結城氏の大元、「ミルキーウェイ」と決戦をして欲しいとの事です。」
その間に、北条側は、結城氏に吸収された自動車工場3つと、病院2つを奪回するそうです。」
(知らん間にボロボロだな、北条よ…)
俺は頭の中で北条救出が必要か検討する。
(ありゃぁだめぽって奴だな。氏直のボンボンじゃ乗り切れまい。
最悪の場合、我等はボンボンを見捨てて結城氏に協力した方がいいかもしれん)
諏訪が話を続ける。
魚をつつく恋が、早く済ませろと言わんばかしの顔だ。
飯時の話ではないな…、スマン恋。
「あと、裏切った木曾農林ですが、若自ら踏み込みますか?」
「木曾か…、確か…今は四代目の義利の若造だったか…。」
(俺も若いが…)
「はい、いかがしますか?」
さて、また厄介な事だ…。
1 ボンボンの氏直を助けてやる。
諏訪、本社より鷹梨千尋を呼んで来い。すぐに小田原に発つぞ!
2 木曾農林に踏み込む。
裏切りは許さん!!諏訪、大志、瑞希、出陣だ!
3 どちらも放置。つうか、その程度は部下任せ。
さ、同人誌の方でも進めるか。
4 前の選択肢に戻る
1でGO!!
大きな合戦をきぼーんです。
うお、出遅れた。
こみパルート終了ですな。
むう、最近見れんかった……。
戦ですな。
仕方ないか…。ボンボンの氏直を助けてやらねばならぬか…。
そう考えた俺は、諏訪に本社まで連絡を取るように言う。
鷹梨千尋を擁立するのはいいが、肝心の当人にやる気が無ければ話にならない。
連絡をした諏訪の話では、鷹梨は明日には護送されてくるという。
もし、関東進出作戦が始まれば、結城氏の妨害に会うのは目に見えている。
出来るだけ被害を出さないようにしなければとは思うが…。
鷹梨が来るまでの間、俺は作戦を纏めておく。
作戦の内容が内容なだけに、馬場とも連絡を取り合う事に。
馬場が言うには、関東進出にあたって我等の取るべき行動は、北条氏の支援のみに限定する事。
それ以上は、現在の武田商事の経済力では無理だと。
現在武田商事は、名古屋、岐阜を中心に精力を伸ばしている織田産業グループとの抗争に入っている。
ゆえに、静岡、長野方面からの増援は一切出せない。
なにがなんでも、山梨の後方戦力のみで、関東に進出しなければならない。
また、関東に進出するのは鷹梨氏ではあるが、あくまで武田商事の子会社の扱いで行う事。
様するに、勢力下に置いた地区は、武田の物とすべし。ということだ。
あとは、北条氏に軍資金及び、兵隊の援助を出させるようにする。
面倒な作戦になりそうだ。
俺は北条氏の使いに、跡部営業部長を送り、これを連絡パイプとした。
鷹梨が来るまでの間、俺は同人誌のネタも纏める事にする。
昼飯の時間が過ぎ去った頃、鷹梨は護衛数名と共に俺の家に到着する。
さっそく、関東進出作戦の全紡を話し、やる気があるかどうか聞いてみる。
「武田商事に小田原の支援があるのね…。
やるだけやってみるわ。あの女には大きい借りがあるのよ。」
以外に渋るかと思われたが、あっけなく承知する鷹梨。
あの女というのは、恐らく、現結ミルキーウェイの大元締め、結城倫氏の事だろう。
何があったかは知らないが………。
鷹梨の出陣が決定すると、速やかに作戦に取り掛かる。
北条氏の用意した土地と建造物は八王子にある。
ここに、かつては関東に勢力を持った鷹梨氏のファミレス「ぶるほ〜ん」の再建をする事になる。
資材搬入及び改築作業。そして、来るであろう結城氏の妨害工作を跳ね除ける準備が要る。
「大志…大変な事になったな…」
鷹梨千尋に一部屋明け、俺と大志は食堂で地図を睨んでいる。
「元々北条氏所有の建物とは言え、ミルキーウェイ17号店の前というのは危険すぎないか?」
「危険を承知でやらねばならん。
何かあれば、速やかに軍事行動を起こしても構わん。
今は、味方の消耗を抑えつつ、北条氏の勢力衰退を止めれればいい。」
「そうか…」
話をしていると、壁にかかっているバーチャコールに着信が入る。
誰だ?
バーチャコールに出ると、久しぶりに光海ちゃんからだった。
暇なので電話を入れてきたとの事。
暇な人はいいね………。
話を聞けば、大学入試で落ちたので浪人が確定。鬱なのでどっかに遊びに行こうとの事。
おめでてーな…。
適当に慰めて、電話を切る。
それどころじゃないっつうの…!
続いて馬場から着信が入る。
肝心の「ぶるほ〜ん」従業員をどうやって集めるかの話。
そういえば、乃絵美と千尋以外は、全員素人になる。
百戦錬磨のミルキーウェイを相手にするには戦力不足は否めない。
っつうか、話にならない。速やかに潰れるだろう。
で、馬場の助言では、観察保護扱いにしている旧Piaの連中を使ったらいいと。
なるほど…。
このままでは店が立ったとて、腕のいい従業員がいなければどうしようもない。
だいたい、現地で徴収すれば、ミルキーからあぶれた人材を入れることにもなり得る。
さて…Piaの連中が動くかどうか…。
皆瀬はだめぽだろうな…。
あれが一番腕がいいのだが…。
「そうですな…。経験者を使うのはいいですが、Piaの戦闘員などは使わない方がいいと思いますよ。」
夕食後に、諏訪、大志、乃絵美、瑞希に鷹梨が揃い、人員確保の提案をする。
諏訪は、日野森と皆瀬に代表される、Piaのベテランは信用が置けないとの意見。
「お兄ちゃん。お仕事をする分には、みんないい人たちばかりだよ。信用しなくちゃ」
乃絵美は全面的(なのか?)に信頼するようだ。
「う〜ん、こういう仕事ってさぁ…生真面目さも大切だと思うけど、愛想良く笑える人は必要よね…。身の回りにいないの?」
瑞希は、周辺から取り入れる案。浪人の光海ちゃんでもいいんですか?
「私は、武田商事社長に任せるわ。
1つ言わしてもらえば………、人が多ければ、その分護衛等の防衛にかかる費用もハンパじゃないわ。
倫はどんな手でも使うから…」
鷹梨はキッと床を睨む。
「同人作家キボンヌ…」
大志の言いたい事は分かる。安心しろ、夏までには本は完成させてやるさ。
さて、人材編成をどうしようか…。
1 集めれる人材はすべて動員。浪人の光海ちゃんから、出撃できる旧Pia従業員。
そして、犬甘の所から朱美さんを持ってきて、店長として使う。
鷹梨は一企業の社長という座に座らせ、結城氏の動向に注意を払う。
2 旧Pia従業員からから、鳥海姉妹の様に木下氏とゆかりが浅い者のみを動員。
そして、犬甘の所から朱美さんを持ってきて、店長として使う。
鷹梨は一企業の社長という座に座らせ、結城氏の動向に注意を払う。
3 Pia系は別名あるまで待機。
鷹梨を店長兼オーナーに据え、軌道に乗るまでは我々が中心となって盛り立てる。
数が足りないので、浪人の光海ちゃんをスカウト。
4 前の選択肢に戻る。
オラは戦争さ嫌べ。
更新直後に選択です
2をお願いします、朱美さん活躍してくれー
禿同、禿同。
今更ながら、やはりエロゲキャラと戦国武将のカップリングっつーのも、凄いモノがある……。
「よし、旧Piaの者は、以下のメンバーを呼び寄せる。
そして、店長には朱美さんに任せ、鷹梨自身は代表取締役として手勢を率いて結城氏に睨みを聞かせてもらう。」
Piaからの観察保護のメンバーの中で、使用に耐えれそうな者のリストアップがすでに出来ている。
連れて行くメンバーは、以下の通り。
羽瀬川朱美、深見まどか、中川料理長、鳥海千紗都の4名。
「なお、人数的に足りない分は折を見て募集をかけるか、我々が応援に入る事で補う。」
「少数精鋭ね…」
鷹梨が頷く。
「店舗が狭ければ、人数など邪魔なだけだしな…」
大志もこの案でいいようだ。
特に他の意見が捻出されるわけでもないので、この案を敢行する事にする。
諏訪に本社まで連絡させ、Piaのメンバーには山梨で出撃準備を整えさせておく。
そして、俺は絵の練習をしつつ朱美さんの帰宅を待った。
やがて朱美さんは帰宅し、食事を済まし、風呂にはいる。
風呂上りの朱美さんに、俺は関東進出作戦について説明をしに行くことにした。
ノックをし、「どうぞ」との言葉が聞こえたので入室する。
部屋には、朱美さんの使ったシャンプーの香りが漂っている。
「どうしたの、勝頼君…?
何か深刻そうな顔をして…」
朱美さんが髪を拭きながら話し掛けてくる。
「実は、朱美さんに八王子に行ってもらいたいんです………」
いきなり本題から言う俺。
「えっ!?」
朱美さんの手が止まる…。
長くなりそうだが、俺は詳しく説明をする…。
「と、いうわけで、我々は八王子にファミレスを建てるわけです。
ただ、熟練者が不足しているのと、幹部候補が全くいないため、朱美さんに店長をやってもらいたいのです。
本当は、犬甘のところで1か月以上は働いてもらってから、静岡の店に配属するつもりでしたが…。」
朱美さんは、俺の話を黙って聞いているだけだった。
所々頷いたりするものの、肝心の行く気があるかどうかまでは分からない。
(やっぱり…あっち行きこっち行きでは…さすがに嫌気が指すわな…)
俺は、朱美さんが否定した場合の事も考え始めたが、それは必要なかった。
「いいわよ。もう、大体の準備は出来てるし…」
俺の話が終わると、朱美さんは笑顔で言った。
「今日のお昼に、犬甘店長から聞いてたの。その作戦。」
「そ、そうだったんですか…朱美さん………。出立はあさっての予定です。お願いします。」
「うん。勝頼君の期待には、出来るだけ答える。」
俺が頷くと、朱美さんは言った。
「でもね、危ない時は…本当に無理をしちゃぁ駄目よ……」
「…分かってるよ…。」
俺は朱美さんの部屋から出ると、諏訪が通路で待っていた。
「若、八王子での改築作業が遅れ始めています。
資材の搬入が思うように行かない為だと報告が入っています。
裏の情報では、どうも結城の女社長が資材業者に圧力をかけているとの話も…。」
「資材は…山梨から送ろう…。それなら何とかなるだろう…。」
「分かりました、早速手配させます!」
諏訪がバーチャコールに取り付き、本社に電話を入れる。
「マイブラザー、結城に関する情報が大体手に入ったゾ」
自室に戻ると、大志が待っていた。
「あの女、ちょっと前までコミケの常連でな。交友関係などを洗っておいた。」
大志がレポートを俺に渡す。
俺が受け取ると、再び大志が話し出す。
「古い情報ならかき集めれるが、最新の情報は入手できん。
武田の諜報網も、主力は織田産業に潜り込んでいる以上、こちらの情報不足は否めない。
それで、どうだ…、情報集めに腕利きの探偵でも放り込むか、工作員でも送り込まないかと思ってな」
大志の紙には、予算内で雇える工作員たる者達の名が書かれている。
「結構高くつくな…。武田の若い衆を7人は使える予算を…1人に使ってしまうのか…。」
「しかし、腕は保証する。そこらの諜報員とはケタが違う。期待できるゾ」
諜報員ねぇ…。
1 1人目に書かれている男。『片瀬健三郎』。
いくつもの危険な仕事をこなしてきた私立探偵。クルーザーのロシナンテは唯一の相棒。
2 2人目に書かれている男。『海原琢磨呂』。
十年程前に敏腕を振るった凄腕の探偵。最近はセクハラが酷い為に、仕事を干されている。
3 3人目に書かれている女。『高井さやか』。
通称『背景』。背景に溶け込み、他の者から姿が消せると評判の工作員。腕は良くない。
4 前の選択肢に戻る。
ネタが解るのがさやかだけだ……鬱
よって3番をお頼み申す。
遅かったか……。
セクハラ探偵、海原琢磨呂が見たかった……。
「よし、ここは一番安価な高井さやかに工作任務を任せよう。」
「了解だ。」
大志がバーチャコールを装着し、雇われ側に連絡する。
「大志、高井には3日後に八王子の現場に来るよう伝えてくれ。」
「了解…」
大志は高井に集合位置についての説明をする。
続いて、誰かにかけなおす。
「このバーチャコール、もう少し借りるぞ。
片瀬と海原に、断る返事をせねばならんからな」
「何、その2人は自分からこちらに連絡を入れてきたのか?」
「そうだ。でなければ我輩が探偵の情報などつかめるわけなかろう…」
そうだったか…。
という事は…武田が関東に進出するのはこれ等探偵等は知っていると言う事になる。
さすがは有名な探偵と言った所か…。
「ええい、だから…、雇わんと言っておるだろう!!」
俺が考え事をしているそばで、大志が吼え始める。
相手が雇ってくれとごねているのだろうか…。
「もういい、責任者に代わる!」
大志がヘッドギアを脱ぐと、身を引く俺を掴み、俺にヘッドギアをかぶせる。
「大志…!!」
苛立つ俺の目の前には、にやついた中年が映っている。
年は四十前といったところか、髪はオールバックにしている等、若作りはしているようだが…。
「ほう、あなたが武田勝頼か…。静岡での暴れっぷりは聞いている。」
海原が先手を切って話し出す。しかも、重要機密を余裕で喋っているときた…。
「そういうアンタが海原か…。静岡の話はタブーだ。程ほどにしといたほうがいい。
肝心の雇用の一軒だが、アンタを雇うと予算がオーバーし過ぎる。ここはあきらめてくれんか?」
俺が言い終わると、海原は真顔になる。
「今も昔も勝敗の鍵を握るのは諜報戦だ…。
私がいれ…」
「もう1回言おう、今は他の工作員を使っている。
アンタを雇うと大赤字になるから雇えんと言っているんだ。だいたい、1か月250万って何だ!」
話を途中で折ってやる。が、海原は機嫌を悪くする事はない。
「分かった、なら1月300で契約しよう。」
「高くなってるだろ!!」
とんでもない奴だ…。子供じゃあるまいし…。こりゃケンカ売られているのか…?
「悪ふざけではない、情報付きだ。
結城氏の勢力内にいる、反結城氏の情報を教えよう。あと、結城氏の拠点、埼玉の実情についても話そう。」
「なんだと…。とりあえず、話は聞こう。どこにいる?」
「いや、雇うのかどうかを聞かねばな…」
海原は指先を振り、チッチッチと舌打ちする。
「仕方ない、雇ってやる。今の位置は?」
「玄関の前だ」
「何!?」
俺が窓を開け、玄関の方を見る。
スーツ着たオッサンが、バーチャコールヘッドギアをかぶって突っ立っていた。
海原がヘッドギアをはずしこちらを見てニッと笑う。
大丈夫かあいつ…。
海原の情報では、長野氏、由良氏、宇都宮氏、里見氏等の有力な勢力は、すべて反結城で固まっているとの事。
ただし、これ等総勢と連絡が取り合える者はなかなかいない。
出来るのは、海原等のような特殊な者に限られるとの事。
一年前に、結城氏のスパイがこの連合に潜り込み、宇都宮氏の首領が暗殺される事件が起きてからというもの、
他人がこの連合に近寄る事は出来ないとの事。
後は詳しく仕事内容について話し、詳しくは後日、高井と一緒に八王子で合流した時にすべて話すことに。
契約書にサインし、書類関係全部を海原に渡す。
「これで、この先一ヶ月は武田商事の配下同然の扱いをさせてもらうがいいな。」
海原は書類を懐にしまい頷いた。
別れ際に、なぜそんなにこの仕事に拘るのかを聞く。
「一年前に助手がやられてな…。ガラではないが…敵討ちと言う奴だ…。」
海原は、それ以上しゃべらず、どこぞに消えていった。
明くる日の夜。明日が出発と言う事で、隣の水瀬さん家で出発を祝ってくれるという。
なんだか出征兵士みたいだが、悪い気はおきないので秋子さんに招かれる。
娘の名雪嬢(ほとんど寝ていたが)に、恋、藍ちゃんに化け物騒動の時の篠宮教師に倉田と川澄などの姿もあった。
諏訪は、こんな時にも持ち帰り牛丼(大盛りギョク)を食べ、朱美さんはヨーグルトジャムを舐めまくっていた。
パーティーは、最終的にはお祭騒ぎになり、間違えて俺の酒を飲んだ川澄が混乱して剣を振り回すなど、
若干のアクシデントはあった。こんな時にも持ち歩くな…。
パーティーの合間、俺は夜風を当たりに外に出る。
部屋を出ようとする俺を、じっと諏訪が見る。
「飲みすぎた、ちょっと夜風に当たってくる。」
俺の一言を聞いて頷く諏訪。
玄関を開け、外に出る。
昼間は雪が降っていた天気だったが、夜は晴れたのか星が良く見えた。
夜空を見上げる俺の背中に声がかかる。
1 「今日は夜空が綺麗ね…。いつもは曇ってるのに…。」
夜空を見上げながら、朱美さんが俺の隣に立つ。
2 「けろぴーはここ…」
何を血迷ったか、名雪嬢が玄関の入り口に蛙のぬいぐるみを置いてにこにこしている。お前、飲んだろ…。
3 「ふふっ、何空を見てんの?怖くなったって言うんじゃないわよねぇ…」
恋が挑発するかのような目で俺を見る。
4 前の選択肢に戻る。
おや?今回は選択肢は一つのみですか?(藁
それでは1を選択いたします。
朱美さんマンセー。
いや、気の利く選択肢が思いつかんかったわけですハイ。
559 :
557:02/05/15 23:16 ID:gDok39vi
いえ、先ほどの発言は世間の朱美さん派の方々に対しての発言です。
気分を害されたなら申し訳ないです。
冷泉殿、これからも頑張ってくだされ!!
ま、朱美ルートが基本だったんですよね。
ならいいじゃないですか。
それよりも琢磨呂が出てくるとは。
漏れ的には嬉しいですが。
野々村病院やりたくなってきましたw
琢磨呂の助手って、涼子タン……。
やられてたんか……合掌。
「今日は夜空が綺麗ね…。いつもは曇ってるのに…。」
夜空を見上げながら、朱美さんが俺の隣に立つ。
「朱美さん…。
何か…俺を含む武田の人間達が…朱美さん達を振り回しているみたいで…申し訳ないとは思ってるんです。」
「勝頼君…!」
朱美さんはこちらを見る。
そして、言葉を続けようとするが、俺は無理やり話を続けた。
「Piaの一件から今度の作戦まで、かなり危ない橋を渡ってきました。
しかも、今度の作戦は冗談抜きで危ない作戦です。
聞いた話によれば、結城氏の関東統治はかなり苛烈だとか…。
それは、圏外の者に対しても同じで、我々にも牙は向いて来る。
朱美さん、今までの事、俺達に大分言いたいことがあると思います。
言ってください。この勝頼に…。」
俺の話が終わると、朱美さんは笑って言った。
「勝頼君、何か勘違いしているみたいだけど…。
私は私なりに考えて行動しているのよ。
確かに、静岡での銃撃戦に巻き込まれてからはとんでもない事ばかりよ。
だからと言って、勝頼君達が悪いわけじゃないわ。
私の後輩、夏姫ちゃんもやる事はやってるし…。」
朱美さんが俺の顔を覗き込む。
「それより、今の勝頼君は関東進出がうまくいくことを考えなくちゃ。
私は、勝頼君が思っている程不満は無いわ。
勝頼君達がいなくても、銃撃戦とかは結局あったと思うし…。
気に病む事は無いわ。」
朱美さんが微笑む。
ははっ、かっこつけてみようと思ったが、俺なんぞより朱美さんの方がしっかりしてるな…。
「勝頼君こそ、これからの不安とかあれば、お姉さんが相談に乗ってあげるわ。」
「そうですね…行き詰まった時はお姉さんを頼るとしますか。」
俺は笑って言った。
今までのような事があっても、俺達になんの不満も漏らさない朱美さん。
そんな朱美さんを、どんな事があっても俺は守り抜いてみせる…。
俺は、朱美さんの手を握り締め言う。
「朱美さん。関東では、どんな事があっても俺は朱美さんを護って見せます。」
朱美さんは突然の事で驚いてはいたが、握り締める俺の手を片方の手で優しく覆う。
「勝頼君…。そんな風に言ってもらえるとうれしいけど…。
ただ、私の為に危ない目にだけは会わないでね…」
俺を見つめる朱美さんの目は、本当に優しかった…。
出立の日、本社より迎えに来たバスに乗り込む。
「みんな、荷物は忘れるなよ!」
「フン、マイブラザーこそ、画材道具を忘れるなよ。
アレを忘れたら、すべてがおしまいだからな!」
大志がバスに画材一式を大事そうにしまう。
朱美さんに乃絵美、鷹梨も荷を積みいれていく。
「間に合った間に合った!!」
もうすぐ発進と言う時に、1人姿が見当たらなかった諏訪。手には例の袋。
「バスの中で、これでも食べますか!」
と、両手に持つ袋から吉野家の牛丼を取り出す。
「ギョク大盛りとねぎだくとかいろいろそろえて来ました!」
そんなうれしそうな諏訪に、俺は笑って言う。
「諏訪、お前店員にマークされてるだろ」
バスで山梨の本社に向かう我々。
皆は、諏訪の買ってきた牛丼をつついている。
「で、マイブラザー。現地には北条の者が来ているんだろう。
一応、我輩等に助けを求めてきているんだ。それなりの身分の者が出てくるんだろうなぁ。」
大志がねぎだくをつつきながら言う。
「そうだな。確か…その件は跡部に言ってあるから…」
言いながら、俺も牛丼の蓋を開ける。
中はギョク大盛りだった。
「しかし、雑魚が迎えにでも来たら嫌ですな。
向こうにとっては死活問題の作戦ですよ。
北条の生命線を握っている我々に、雑魚がいけしゃぁしゃぁと挨拶してきようものなら、どつき廻しますよ。」
言い終わると、もの凄い勢いでねぎだくを食べる諏訪。興奮しているようだ。
「ま、一応は跡部に言ってあるんだ。
八王子に詳しい北条一門を迎えと増援に寄越せって。
詳しい名前も出したから間違いないぞ。」
「で、誰を呼んだのよ…?」
瑞希が予想通りの質問をしてくる。
ええと…誰を寄越したっけ…。
1 戦前より北条氏を支えた老将、「北条玄庵」
大東亜戦争末期に、満州で兄氏綱と共にロシア軍と戦った戦歴を持つ。
2 八王子に根拠地を持ち、土地に詳しい「北条氏照」
現在改装工事中の建物の元保有者。数度に渡って結城に負けてはいるが、その分誰よりも結城をしっている。
3 現在の北条一門の中で、土地の統治能力に長けた「北条氏邦」
地元住民や、土地の有力者の抱きこみが得意。おかげで北条の根拠地、神奈川には結城が手を伸ばせないでいる。
4 とりあえず前に戻る。
>557
まあ、気にしないで下され。
玄庵×
幻庵○
また人の名を間違えた。鬱氏…
565 :
留守政景:02/05/16 23:29 ID:G3c9PZXS
ここはやはり戦だから2の氏照殿かのぅ……。
個人的には幻庵LOVEなのじゃが。
……ですな。
そういや、綱成・氏繁親子はもう死んでましたっけ……? >氏直時代
奴らの方が戦闘能力なら…。って、まぁ、選択肢にはないですが。
567 :
留守政景:02/05/17 07:51 ID:ZBMcDuxD
>>566 残念ながらお亡くなりになっておられます。
氏繁の息子の代になっていたはずですが、名前が出てきませぬ。
>>567 氏勝ですな。氏繁はなにげに早死にでしたね。
いや、わざわざすいません。
「確か…、北条の前当主氏政の弟、氏照が出てくるはずだ。」
俺は思い出しながら言う。
「なら文句は無いですよ。」
諏訪はあっさり承知する。
他の者にも不満は無く、バスは山梨に向かう。
山梨では、元Piaの面子をバスに乗せる。
予定通り、深見まどか、中川料理長、鳥海千紗都。
後は臨時に応援に来た、妹の鳥海空も乗せる。
「お久しぶりです、今日も作ってきたんですが食べます?」
千紗都さんは、両手に袋を吊るしている。
中身は予想通りホットケーキ。
断りきれない俺は、牛丼で一杯の腹に無理やりホットケーキを詰め込む。
お前も食え、大志!
バスと食は進み、俺は精神的にだれていた。
「もう食べれんってば…」
目の前に積みあがるホットケーキ。
結局、俺が平らげるしかないのか…。
諏訪の奴は「牛丼の味が変わる」とか言って食べないし、
瑞希は太るから嫌だと言ってこれまた食べないし…。
周りを見る俺は、目の前の山を見てうんざりした顔をしている女と目が会う。
食わせるしかないっ!
「鷹梨、欲しそうにしてるな。遠慮はいらんぞ!」
こちらを見ていた鷹梨に、俺は5枚ほど皿に取ってやる。
「ええっ、ちょっと食べすぎで…」
「この先、満足に食えるかどうかは分からないんだぞ。今のうちに食いだめしておけ。」
目をそらそうとする鷹梨に、強引にホットケーキを押し付ける。
「い、いらないって言ってるでしょ!!………うぷ…。」
キレる鷹梨。
随分と短気な女だ…。
「千尋ちゃん、食べないと体の育ちが遅れちゃうよ〜」
鷹梨の前の座席に座っている、まどかが後ろに身を乗り出して言う。
確かに、鷹梨はお子様体系だった。
「プッ…!」
俺の前の座席で牛丼を食べ続ける諏訪が笑う。
「そこ、何笑ってるのよ!
気にしてるのにっ!!」
鷹梨が吼えると同時に、ホットケーキを諏訪に投げつける。
「うぉ、俺の牛丼がホットケーキ大盛りに…」
くだらん事やり始めたな…。
俺は、鷹梨から目を離し、俺の隣に座る朱美さんの方を向く。
朱美さんは、ずっと窓の向こうを見ていた。
手には、食いかけのホットケーキ。
食が進まないのか、ずっと皿を持ったままになっている。
朱美さん…、この先の不安の事でも考えているのだろうか…。
俺の視線に気づいた朱美さんは、こちらを向く。
「か、勝頼君…?」
一瞬驚くが、すぐに苦笑いしつつ、皿を俺に出してくる。
「食べかけだけど…良かったらこれも食べてくれる?」
どうやら、もう食いたくなかっただけのようだ。
朱美さんは、ここにいるメンバーの中では良く食べてくれた方で、これ以上の無理はさせられない。
俺は皿を受け取り………
1 その時、我々の後ろを走っている、資材運搬をしているトラックから緊急電が入る。
「こちら3番輸送隊、後方からの自動車から発砲されました。反撃しますか!?」
くそっ、誰だか知らんが…やってくれる…!
2 良く見たら、皿の上にはホットケーキが4枚重なっている。
「これは…俺1人では苦しいな…。」
「ふふっ、仕方ないわね。じゃ、お姉さんと半分こにしようか」
体が苦しいが、俺と朱美さんで無理やり食べる。
3 山梨山中を走る、我がバスをめがけ、突然の落盤。
「上から来るぞ、気をつけろ!!」
転がり落ちてくる無数の岩。なんてこった!
4 とりあえず前に戻る。
朱美さんとの恋路は邪魔できませんな。
と、言うわけで2を選ばせて頂きます。
朱美さんは永遠のお姉さんだYO!!
良く見たら、皿の上にはホットケーキが4枚重なっている。
「これは…俺1人では苦しいな…。」
俺は山になっているホットケーキを見つめる。
千紗都さん手製のシロップがたっぷりかかっている。
ああ、こりゃまた一段と甘そうだな…。
しばらく止まっていた俺。その俺の視界に朱美さんが入ってくる。
「ふふっ、仕方ないわね。じゃ、お姉さんと半分こにしようか」
朱美さんは、すでに動きの止まっていた俺の手から、フォークを取る。
慣れた手つきで、上のほうのホットケーキを四つに切っていく。
うまいものだな…。
呆然と眺めるうちに、朱美さんは一切れにフォークを突き刺すと、
「はい、口をあけて、ーン。」
と俺にホットケーキを向けてくる。
これは恥ずかしいな…と思いつつも一口で食べる俺。
「朱美さん、今度は俺が…」
調子に乗ってみたが、皆まで言わずとも、朱美さんはハイッとフォークを差し出した。
俺は切れ端をフォークで突付き、それを朱美さんの口まで運ぶ。
「はい、アーン。」
「アーン…」
かなりこっぱずかしい事をしている…。
だが、周りでは諏訪と鷹梨が、牛丼とホットケーキの食わせ合いで喧騒状態。
俺と朱美さんだけは喧騒からはずれ、ホットケーキを食べさせあっていた。
何切れ目かを突付いた時、周りが若干暗くなる。
トンネルに入ったわけでもないし…。
背中に当てつけられる冷ややかな大志の声。
「マイブラザー、背中にも目をつけておくのだな…」
俺と振り返るとそこには…!
「瑞希っさん…!?」
俺の目の前に立つ瑞希。
しかも、機嫌は最悪っぽい。
「いいご身分ね。これから戦場に行くっていうのに…!
こんな隅でいちゃついて…!!」
しゃべりながらも、怒りゲージが上昇していく瑞希君。
諏訪と鷹梨の動きが止まる。
これが世に言う、もうだめぽってやつか…?
しかも、腹を立てているのが俺相手なら何とかなると思うのだが。
瑞希は、俺に対してモノを言っているが、彼女の鋭い視線は朱美さんに注がれている。
まずい…!
朱美さんが、しょんぼりして下を向く。
「ごめんなさい…私…、調子に乗っていたわ…」
ポツリと洩らす朱美さん。
「い、いや…調子に乗っていたのは俺で、朱美さんは少しも…」
俺が朱美さんを庇おうとすると、さらにヒートアップする瑞希っさん。
これはまずい、まずい事に…!
助けを求める目で大志に懇願する。
が、両手を振り、「何ともならない」と合図する大志。
そればかりか、大志はマイクを取り出すと、興味深そうに俺たちを見る鷹梨に渡す。
マイクを持った鷹梨が立ち上がる。
「 さて、突然修羅場を迎えた3人はどうなるか。私、鷹梨千尋が最後まで見守ります 」
実に面白そうにマイク使ってしゃべる鷹梨。
なんて奴だ…。
「 そこ、うるさいっ! 」
激昂する瑞希を相手にしても、にっこり笑って流す鷹梨。
こ、この修羅場を潜り抜けるには…?
俺は周りを見渡す。
マイクの声で起きた鳥海姉妹。ブランデーを呷って眠る中川料理長。面白がっている深見。
大志はいつでも動けるように立ち上がっている。諏訪は、ねぎだくをまだ食べている。トイレが近くなるぞ…。
こういう時頼りになりそうな乃絵美は、心配そうに遠くから見ているだけだ…。
そして、朱美さんはしょげこんでいる…。
!!!!!
1 突然携帯に着信が。八王子の現場にいる北条氏照からだ。
「 何、結城のダンプが改築中の店に突っ込んだだって?? 」
2 大志が、もう1つのマイクを持ち物真似を始めた。
「 一番九品仏、みなみおねぇさんの真似します! 」
3 当事のPiaで、いっしょに働いていた深見が口を挟んできた。
「 あのぅ、嫉妬もほどほどにしたほうがいいですよ。二人は静岡にいる時から仲が良かったんですから〜 」
4 安全を図って前に戻る。もうだめぽ。
修羅場は駄目だって言ったろ冷泉!
難しい選択ですな……
ネタ的には、みなみおねえさんの(;´Д`)ですが
普通に3を選んで見ましょう。
あ、(;´Д`)のおねえさん見たかったなぁ……。
2もプラスって……ナシですか? いや、なんでもないっす。
嵐世紀買えてないのが残念……。
579 :
張飛:02/05/20 04:50 ID:CVy6ZD/3
勝頼殿、俺も加勢するぞ!
怒る瑞希と、しょげ込んでいる朱美さんに挟まれている俺。
何をどう言って良いのか分からずうろたえていた…。
そんな時、瑞希の背後から深見が口を挟んでくる。
「 あのぅ、嫉妬もほどほどにしたほうがいいですよ。二人は静岡にいる時から仲が良かったんですから〜 」
これがまた、実にあっけらかんと言ったもので、深見は、あまり瑞希に気を使っていなかったのかもしれなかった。
「 …そ、それがどうしたっていうのよ…! 」
キッと振り向き、深見を睨みつける瑞希。
肩を震わせ、何かが爆発しそうだ…。
そんな時、バス車内に警戒なメロディーが流れはじめた。
これは…何だっけ?
「 気を静める出ないぞ、マイシスター!
我輩がみなみおねぇさんとなって、その心を癒してやろう!!!! 」
知らぬ間に女性物の服装に見を包んだ大志。コスプレですか?
こんなモンに癒されたくない…。
そして、ひっくり返った甲高い声で例の歌を歌い始める大志。
「 げっちゅげっちゅ〜!! 」
よりにもよって「げっちゅ屋」かよ…。
この瞬間、バスは大志の裏返った甲高い声に支配された。
瑞希の怒りも、朱美さんの落ち込みも、すべてを巻き込んで…。
「 うえっ… 」
前の座席で、黙々と牛丼を食べていた諏訪。
甲高い声にやられて戻してしまったようだ。
かわいそうに…。
「 あんたねぇ、その(;´Д`)ボエ〜は止めなさいよ! 」
もう一つのマイクを持つ鷹梨が、奴に食って掛かる。
それしきの事で大志が止めれば、誰も苦労はしない。
しかし、こんな時でも瑞希は冷静で、さすがに同じ高校時代を過ごしてきていると言えた。
「 まぁ…いいわ。静岡で何がどうあったのかは聞かないでおいてあげる。
でもね、私や大志は、アンタ個人の援護をしてるんだから。その辺を忘れないでね。 」
俺に言うだけ言うと、瑞希は朱美さんに微笑みかけると、大志の方に向かって行った。
最後に微笑んだのはどういう意味か、俺には良く分かっていなかった。
そんな俺に、深見が耳打ちする。
「この先、苦労しそうですねぇ〜」
俺は頷く。
バスの前部席では、偽みなみおねぇさんからマイクを奪い取った瑞希が頑張っていた。
これに鷹梨も加わり、バスはカラオケ会場と変わりつつ進む。
この後、北条氏照から電話があり、現地にて、見たこと無い奴が助太刀に来ていると言われる。
何でも、「 勝頼殿、俺も加勢するぞ! 」と気合が入りまくっている奴との事。
どうやら中国人らしいが、使って大丈夫なのかは現地に入って見ねば分からないだろう…。
ようやく現地入りした俺達。
出迎えるのは体格のいい北条氏照。
簡単な挨拶を済ます。海原琢磨呂等もすでに待機していた。
建物は未だに改装中だったものの、二階以上の宿泊施設は終わっているとの事。
良く見れば、建造物は縦長のビルで、十階はある。元々、オフィスなどが借り入れできるように建てられた物だと。
俺達は部屋の割り当てを済まし、今後の作戦を立てようと氏照と会う。
「 勝頼社長、まずはこの者をどうするかお決めくだされ。 」
氏照が連れて来た大柄の男は、先ほどの話にあった中国人だ。
中国人が大声で名乗りあげる。
「 俺の名は張飛。勝頼殿と共に合戦をするために参ったわ! 」
えらく元気な男だが…。
「 これ、大昔の合戦では無いのだぞ! 」
張飛に言う氏照。
「 結城倫ともあろう女傑。奴を倒せるのは俺の剛力のみよ! 」
話を聞いていない張飛。
どうすんべ…。
1 高井さやかと同じ立場で雇う。
海原琢磨呂の下につけ、裏からの破壊工作などを任せる。
2 主力部隊(勝頼隊)で使う。
とりあえず、合戦の無い時には倉庫整理を頼む。
3 氏照に任せる。
好きなように使ってくれ。
4 前に戻ってみる。
ついに張飛まで登場ですか!
長坂橋のような活躍を期待しますが
まあ、メインをあんまり増やすのもどうかと思うので
1を選びます。
張飛までとは……。恐ろしいですなぁ。
序州の二の舞だけは避けてほしいところですが……、やはりやりかねん。w
しかし張飛の裏工作って、なんか素敵ですな。
ここは、一番危険な海原の助けになってもらおう。
俺はそう考えると、はっきりと張飛に言う。
「 我々の工作員に、海原琢磨呂と言う探偵がいる。
君は、彼の指揮下に入り、その部下の高井さやかと共に裏工作を担当してくれ。 」
大柄で、無精ひげを生やし、どこからどう見ても力任せの豪傑にしか見えない張飛。
「 ワシが…裏工作…? 」
自分の顔を指さしながら聞きなおす張飛。
俺の隣に座る氏照も難しい顔をしている。
横目でちらりと俺を見る氏照。
分かってるって、きっちり説得して見せるさ…。
そういう問題ではないのかもしれない…。
気を取り直して、考え込んでいる張飛を説得する。
「 張飛殿。裏工作といっても、相手の本拠地や各拠点に、少数人数で忍び込んでいくのだ。
ちょっとやそっとの人間では、いざと言う時囲まれて散る事も考えられる。
そんな任務だからこそ、張飛殿にも裏工作をやってもらおうと言っている。 」
「 なるほど…敵はこの関東を征圧した結城の者共。
ワシでなくては、囲まれた際に突破できぬと言うのだな? 」
「 その通り! 」
「 よし、勝頼殿…いや、勝頼社長。この張飛、海原殿の下で活躍してご覧に入れる!! 」
上機嫌な張飛。
一息ついた俺は、海原琢磨呂と高井さやかを呼ぶ。
「 ようやく出番か… 」
咥えタバコで入室する海原。高井がその後に続いて入室する。
張飛を見てギョっとする高井。
気持ちは分かるぞ………。
早速本題に入る。
3人の優秀(1人不明)な工作員を入手した我々。
今度は、その工作員の突入場所を検討する。
報告では、Milkyway17号店の店長は、楠木さゆらという女性。
人物的には、良くも悪くも普通の人であるとの事。
目の前にあるにも関わらず、人員や戦力の規模の詳細なデーターは無いという。
正面の敵を詳細に調べるか、敵の本丸に直接送り込むか…。
「 順序を追っていけば…、まずは17号店の把握ですな…。
本店方面の情報などは、今の時期に掴んだ所でたいした意味は持たないでしょう。 」
氏照の意見はもっともだが…。
「 消極策ではいけませんな…。ここは埼玉に直接忍び込んで結城倫の首を取ってやるのが一番だっ!! 」
地図の上にある、埼玉を指で押しつぶしながら叫ぶ張飛。
「 無理を言うなよ…。それが出来たら誰も苦労はしないぞ…。 」
「 そ、そうですよ…。 」
飽きれる海原と、少し身を引いている高井。
張飛が海原の方を向き、ものすごい勢いで詰問する。
「 では、海原殿はどのように配置する気ですかっっ!!?? 」
「 暑苦しいよ、お前… 」
海原は落ち着き払って、煙を吐く。
「 ま、妥協案だがな…。俺と張飛で本店。高井には17号店に入ってもらおう。
ただし、これを選ぶと俺と高井との連携作戦は取れなくなる諸刃の剣だ。
どうするかは社長に任せよう。 」
さて、どうするかだが…。
1 3人とも17号店に突入。
まずはこの拠点を潰す。
2 工作員は3人とも結城倫のいる埼玉まで送る。
本拠地からの情報を逐一送ってきてくれ。
3 海原案に従う。
海原と高井が連携できない分は、我々が動く。
4 前の選択肢に戻る。
まあ、妥当なところで3ですな。
張飛の破壊工作……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
破壊工作……。そのまんまの意味でとられそう!(w
やはり3に同感です。
「 よし、海原の意見通りの配置で行こう。 」
俺の決断に頷く工作員3人に氏照。
幸いにも、Milkyway17号店は新規でのバイト募集をかけており、高井にはバイトとして入ってもらう。
うまいこと背景に溶け込んでくれるだろう。
海原と張飛は、客として入りながら結城倫とその周辺を探ってもらうとしよう。
配置が終わると、早速工作員には任務に移ってもらう。
「 じゃ、行ってくるわ。 」
「 がっはっはははっ!大戦果を期待してくれっ!! 」
気楽にタバコを吹かしながら出て行く海原。その後を、自信有り気についていく張飛。
き、期待しているぞ…。
店舗の改装は2日後に終わるそうで、それまでは二階から上にある各部屋で待機しているしかない。
改装が終わった所で、今度は商品用の物資の搬入もやらねばならず、その時での妨害工作への準備もしておかなければならない。
しかし、それ以前に今だ解決していない問題もあった。
「 でさぁ…ネタがまとまらないのよ… 」
ちゃぶ台に噛付き、黙々と執筆作業に入る俺の目の前で、何かに疲れ果ててだれている瑞希。
武田騎馬軍団VS琴乃宮雪のネタが彼女には重荷になっていたようだ。
ちなみに、大志はタイムスリップネタで、安土桃山時代に飛んだ雪さんが騎馬軍団と共に周辺の強豪と戦うもの。
しかも、どういうわけか18禁仕様。
俺のネタは、水月のストーリーにあった、昔の合戦をそのまま武田騎馬ネタにして、
雪さんの前世を無理やり書き出すことに挑戦している。
よく考えたら、俺と大志のネタはそんなに変わらないのかもしれない…。
だれる瑞希を放置して置けない。
こちらの士気にも関わる。
「 まあ、特にネタにこだわる必要は無いんじゃないかな… 」
瑞希にさりげなく言ってみる。
「 瑞希は執筆よりコスプレの方が達者なんだし、そっちの方でネタを纏めてみては? 」
「 コスプレって言ったってねぇ… 」
瑞希は不服そうだ。
そんな瑞希が思いもかけないことを言い出す。
「 私…武田騎馬軍団って分からないのよ… 」
その言葉を聞いて止まる俺。
…………どうすればいいんだ…?
俺の部屋や大志の部屋には武田の資料など無いし、取り寄せるなら本社から取り寄せるしかない…。
だが、この急がしい時だ、時間はかかるだろう…。
この先、落ち着いて執筆が出来るかどうかは分からない。時間がかかるのはまずい…。
考え込む俺を真っ直ぐ見つめる瑞希。
「 あのさぁ、ここに来る途中に市立図書館があったんだけど、そこで資料探してみない?
どうも、1人だとやりにくくて… 」
瑞希が照れ笑いしながら言う。
そんな事なら最初っからそう言えよ…。
善は急げとばかりに、早速出かける用意をする俺と瑞希。
部屋から出ると諏訪がいたので、図書館に行ってくる事を伝える。
「 若、2人で大丈夫ですか?
安全上、2人では危険じゃないですか…? 」
諏訪の言う事も分かるが…1人2人増やした所で、あまり効果はないだろう。
「 あら、お出かけ? 」
諏訪と話していると、朱美さんとも遭遇する。
みんな暇を持て余しているのか、建物の中を歩き回っているのだろう。
そういえば、危険だから少人数での外出は極力控えるように、と言った覚えが…。
どうするか…
1 資料探しを速やかに終わらせる為、大志、勝頼、瑞希、乃絵美の4人で出発する。
2 危険はなるべく男のみで済ます。大志、勝頼、諏訪に、中川料理長と氏照も巻き込む。
3 それじゃぁ皆で行きますか。勝頼、瑞希、諏訪、朱美さんの4人で出発する。
4 とりあえず前に戻る。
修羅場は駄目……
朱美さんまんせー……
そうか!!(・∀・)2を選べば良いんだ!!
というわけで2を選択です……良いのかな?
氏照……どうからむのだろうか?w
意外に男手のいない本営(店舗)のほうが不安だったりして……。
何があってもいいように、男性陣を総勢連れて行くことに。
しぶる中川料理長を、ボーナスという甘い言葉で引っ張り、工事の指揮を取っている氏照も説得する。
「 そんな事やってる暇は無いんですがね… 」
文句を言いながらも、図書館についていくのは嫌でもない様子だった。
部下に、「ちょっと息抜きをしてくる」と伝える氏照。
残った女性陣は朱美さんに任し、俺達はのんびり図書館に向かう。
(視点変更 羽瀬川朱美)
勝頼君達が出発した後、私は相変わらず暇でゴロゴロしている。
ふと時計を見ると、あれから20分はたっている。
( ついていけば良かったかな… )
なんて考えていたら、ドアがノックされる。
「 朱美さん、大変ですよ〜!! 」
声を聞く限りでは、まどかちゃんみたい。
私はドアを開け、まどかちゃんに何があったのかを聞いてみる。
「 目の前のMilkyway17号店店長が挨拶に来たんですよ〜!
ど、どうするんです? 一応、入り口で待っててもらってますが、社長達呼び戻しますか? 」
まどかちゃんは慌てながら話す。
挨拶って…、どういう事?
詳しい事が分からないので、とにかく2階にある応接間に案内するようにまどかちゃんに頼む。
「 な、中に入れちゃうんですか〜?
まあ…2階なら何があっても対応できると思いますけど〜。 」
まどかちゃんは心配しながら、一階に降りていく。
「 こんにちわ。私、手前のMilkyway17号店を預かる、楠本さゆらといいます。
今度、ここに店を作られるそうで。お向かいですが、挨拶に来ました。
あ、これは本社に言って配送させた新製品のケーキです。一緒に食べませんか? 」
応接間に案内されてきた、楠本さゆら。
お互い席につき、私等の挨拶も終わると、手に持っていた大きい箱を開る。
中身は、ごく普通のデコレーションケーキで、いちごとプリンがやたらと積んである。
私の両隣には、何があってもいいように鳥海姉妹が付き添っている。
そのお姉さんの方がケーキを見て喜ぶ。
「 おいしそうじゃないですか〜! 」
すかさず妹の空さんが千紗都さんに、シッと指先を口元に当てる。
その様子を見てにっこりした楠本店長。
その楠本店長は、私の目を見て話し出す。
「 今まで、この地では何度も争いがありました。
出来る事なら、これからも皆様方とは友好関係を持ちたいと思って、今日は来ました。
では、ケーキを斬りますね。 」
楠本は、鞄から、紙皿とナイフを取り出す。
見事に四等分する楠本。
「 そこのお2人もどうぞ。 」
実に欲しそうにしている千紗都さんに、笑顔で紙皿とスプーンを渡す楠本。
「 では、頂きますね♪ 」
何も考えずに食べ始める千紗都さん。
あのね、何が入ってるか分からないでしょ。まったくもう…。
紙皿は、この席にいる全員に行き渡る。
「 ふふふ、心配しなくても、何も入ってませんよ。 」
全くスプーンをつけようとしない私と空さんに、楠本は笑って食べてみせる。
「 ちょっと、プリンが甘すぎる気もしますね…。 」
楠本が苦笑いする。
確かに楠本は食べていた。
ケーキの状況から考えれば、毒物の混入はあるとは思えない…。
うっかりミスれば、目の前の楠本も逝く事になる。
どうしようか…空さんも私がどうするのかを見守っている。
っていうか、あなた…私が食べるまで自分は食べないのね……。
こんな時は…!
1 空さん、飛んで火にいる夏の虫よ!
私はとっさに楠本に飛び掛り、取り押さえる。楠本の身柄確保!
2 観念して食べる。大丈夫よ。本人だって食べてるじゃない。
それより、下手に逆らって心象を悪くしてもいけないし…。
3 あくまで食べない。
楠本の心象なんて考えてられないわ。それより、用件は何よ。
4 前の選択肢に戻る。
キリバンの旗、よろしくお頼み申す。
おお、女性陣モードですな。
ここは朱美さんもやれることを見せるためにも
1をお願いします。
┏━━┓
┃掠疾┃ 600番制圧!
┃如如┃
┃火風┃ 御旗楯無、御照覧あれ!!
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛
┃
┃ 三国志・戦国時代板
┃
http://curry.2ch.net/warhis/ このスレは以前からROMしております。
執筆活動、頑張って下され。
こちらも、やんわりとした対応をしているせいか、楠本も警戒は解いている。
やるなら今ね…。
話し合いに来ている者を、武力で取り押さえるのは信義に反する行為…。
分かってはいるけど…。この先は、信義も何も無い戦いが待っている。
勝てるうちに攻めておこう。
私は決めると、即座に立ち上がり行動に移す。
「 空さん、楠本を取り押さえるわ!! 」
私は、叫ぶと同時にテーブルに飛び乗り、楠本に飛び掛る。
とっさの事で、出遅れ気味だった空さんは出口を固める。
テーブル上のケーキ群が飛び散る。
「 な、何するんですか〜!! 」
千紗都さんが後ろで怒っている。後で何か買ってあげればいいと思うけど。
飛び掛られた楠本は、一瞬の事だが、残念そうな顔をする。
こうなることは予想できたのか、あっさりと椅子から後方に飛んで、私との間合いを取る。
「 私、こう見えても風魔の出なんですよ。
それ以上動けば、あなたには死んでもらいます。 」
余裕に満ちた表情の楠本。手には、先ほど使っていたナイフにフォーク。
ナイフを持つ右手は、いつでも投げれる体勢にあり、もちろん目標は私を狙っている。
それより…風魔って何…?
「 そこの…空さんでいいですか?
出口を開けてください。もう帰りますので。 」
落ち着き払って言う楠本。
こちらの様子を見ている空さんは、出口から離れる。
下手な動きをみせれば、楠本のナイフは私に………。
「 今日の所は、あなた方の命は取りません。
ですが、次に合うときは覚悟をしてください。 」
私への備えを崩さず、出口に向かう楠本…。
出口のドアノブに手をかけた楠本。
だが、ドアを開く事無く、突然楠本は倒れこんだ。
( いける…!? )
瞬間的に、私は楠本に飛び掛る。
が、彼女には、もはや戦闘力は無かった。
捕まえてみると、楠本は今にも死ぬような顔をしている。
何かをうめいて苦しむ様は…。
「 ちーちゃん!!! 」
私の後ろでは、空さんが悲鳴を上げている。
まさか…。
おそるおそる、空さんのほうを振り返れば、千紗都さんも楠本同様に苦しんでいた。
( ケーキに毒が入っていたのね…。 )
原因はそれしかない…。そうなれば、急いで吐かせなきゃ…。
「 空さん、とにかく千紗都さんを吐かせて!
ケーキに毒が入っていたのよ!!!! 」
「 え、ええ…そ、そうだよね…でもどうやって… 」
苦しむ千紗都さんを前に、ただうろたえる空さん。
「 口の中に指を突っ込めば吐くわ。急いで!!! 」
「 わ、分かった!! 」
私は、楠本と千紗都さんを何とか吐かせると、すぐに水を飲ませる。
飲ませてはまた吐かせ、必死の状態が続く。
そして、私が水を取りに行った時に読んだ、氏照さんの部下、遠山さんがかけつける。
遠山さんは嘔吐物を見るなり、毒の種類が分かったのか、すぐに解毒剤の調合を始める。
「 こんな事は、日常茶飯事なんですよ。
薬剤師の私が来るまでは、このやり方で北条側は死者が続出していたそうです。 」
小言をつぶやきながら、調合をしていく遠山さん。
「 今度は驚きですね…。敵方の幹部クラスもろとも始末するつもりだったとは…。
それに、毒もいつもと違う…。間に合えばいいが… 」
こんな事を聞いたせいか、私の背筋に寒気が走る。
これからも、こんな事が繰り返されるのかしら…。
解毒剤を飲まされた2人は、あてがわれた部屋で寝かされる。
「 会話が満足に出来るようになるには、半日は置いてください。
歩かせるには、2日はこのまま寝かせっぱなしで。
下手に動いては、毒の廻る恐れもあります。何かあったら、すぐに呼んでください。 」
遠山は、一礼すると一階に降りて改築作業を続ける。
毒を見舞われた2人は、空さんが面倒見るというのでお任せする。
もし、あのまま食べていたりしたら…二人だけじゃなく、私達もああなっていたのかしら…。
その時は、全員倒れるので、解毒には間に合わないのかも…。
騒ぎに駆けつけた瑞希さん、千尋ちゃんに、この一件を説明する。
「 倫のやり方…だんだん酷くなってきてるわ…。 」
結城倫の幼なじみの千尋ちゃん、相当に頭に来ているのか、両肩を震わせて力んでいる。
「 あの、17号店店長は、Milkyway設立当事のメンバーだったはず…。
こんな使い捨てにされるなんて…。 」
「 とにかく、今は勝頼に連絡ね… 」
瑞希さんの言葉に頷く私。
瑞希さんがバーチャコールに取り付く。
私は空さんに、万が一の事を考え、窓の外にも注意を払うように言っておき、窓の外の17号店を見ながら考える。
敵は、もう動くのかもしれない…。
(視点変更 武田勝頼)
図書館には、武田の関連書物が多くあり、資料にはこと欠かせない。
おおむねこんな物でいいかと、数冊に限定して借り入れの手続きをしていると、瑞希から電話がかかる。
携帯で連絡を聞く。
毒殺が試みられたとは…。
すぐに皆を集めて、根拠地に戻る。
が、その道中を急ぐ我々は、何者かの発砲を受ける。
いきなり俺が被弾したのだが、幸いにも防弾チョッキで弾いているので被害は無い。
周りを見る俺。
周辺は、歩道の他は通常の車道に、並んで建っている住宅。
ただし、車道の向かい側には木に覆われた公園があり、そこが怪しいと言えば怪しい。
「 こんな時に困ったな…。 」
俺が一言洩らす。
犯人も見つけてやりたいが、そんな暇はないし…。だが、次の狙撃で頭を撃たれたら逝ってしまう…。
そんな時…
1 「 お困りですか〜? 」
間延びした女性の声が、俺達の背後から聞こえる。
確かに困っているが…。
2 「 こんな所で道草は取れん、走るぞ!! 」
俺達は、一定の距離を保ちながら走る事に。
あまり密集するなよ…。
3 「 何が何でも探すぞ、あの公園に侵入だ! 」
やばそうだが、俺達は公園に侵入する。
いつでも撃てるようにしておけよ。
4 前の選択肢に戻る。
ここは朱美さんと合流ですな
ということで2を選択です。
いまさらながら冷泉殿の文才には
感服いたします。
毎度お疲れさまです。楽しませていただいてます。
ついに600越え、おめでとうございます!
今の狙撃は、単なる足止めの恐れがある…。
そう判断した俺は、ここを一気につきぬけて根拠地に戻る事にする。
「 こんな所で道草は取れん、走るぞ。
各員は密集せず、数歩離れて走れ! 」
俺達は一定の距離を保ちながら走る事に。
氏照が、俺のそばに寄る。
「 勝頼社長、路地に入り込みましょう。
私が案内します! 」
「 頼む! 」
氏照の案内で路地に入り込む。
そのおかげで、いささか遠回りになったが、2発目の狙撃を受ける事も無く無事帰還する。
根拠地に帰り、会議場扱いになっている応接間に行く。
緊急会議をするためだ。
攻撃を受けた我々は、開店まで傍観するか、直ちに動くか…。
一応、これだけは検討しておきたい。
他のメンバーも、俺に続いて入室する。
応接間には、朱美さんや瑞希、鷹梨に深見に空さんが待機していた。
全員席につくと、氏照がホワイトボードを引っ張り出してくる。
まず、朱美さんが、今回の毒の一件を説明する。
さすがに、この攻撃の前には戦慄を禁じえないのか、諏訪や大志は、やや青ざめている。
ホワイトボードの前に、解毒の才を持つ薬剤師、遠山が立つ。
「 今回の一件は、今まででも良くあった例です。
買収された自動車工場の工場長等は、みんなこの手でやられています。
また、個人を狙った物なら表に出ませんが、商品などに混入されると、一巻の終わりです。
毒の混入を知らずに調理された品を、お客さんが食べれば後はどうなるか…。 」
遠山が、ホワイトボード上に書かれている、「使用された毒一覧」を指しながら言う。
「 その件に関しては…、何とか解決できそうだ。 」
俺は、立ち上がって発言する。
「 商品用の物資は、すべて長野、山梨、静岡から集める。
残念だが、関東の品を使うには危険すぎる。どこの企業が結城と繋がっているか分からん。
使えるのは、神奈川から送られてくる品だけだ。
輸送費がかさむのは仕方が無い。結城の勢力を押さえるまでの辛抱だ。 」
発言を終えて着席すると、氏照が腕を組みながら頷いている。
遠山は、ボードに先の発言を書き込むと、再び口を開く。
「 あと、今回のような個人宛の物資は、何一つ受け取ってもいけません。
知り合いからの物でも、不用意に開けずに専門家に開けさせて下さい。
半年前に、武蔵野のセスナ部品を扱う成田工業の社長が、親戚からと偽った荷物にやられています。
箱を空けたらドカンです。箱の中は、小型の爆弾だったようです。
ちなみに、運送屋も結城に取り込まれていたとの事です。 」
遠山の話している間、皆は絶句している。
普段は陽気な諏訪や大志、深見等もしゃべる言葉が見つからないようだ。
遠山は話を続ける。
「 で、現在の我々は、規模も小さく、結城の前には赤子同然です。
その我々が勝つには、盛んに武力を使うほかありません。
長期戦になり、こんな事をされ続けたら、遠からずここは壊滅します。
1人1人、時間をかけて数が減っていきます。
動くなら、数が揃っている今です。 」
遠山の話が終わり、彼は着席した。
俺は腹の中で苦笑する。
元々、俺達は北条の援軍で来たつもりだった。
それが今では、主戦力になっている。
これが武に生きる、武田の者の務めか…。
氏照が、開戦する際の案を持ってくる。
大きな書類だ。
広げれば、書類に書かれた地図の中に、主要拠点が書き込まれており、
その人材、数、武装力などが書き込まれている。
「 私は、速やかに開戦するべきと思います。 」
氏照は、力強く一点を指す。
「 Milkyway15号店。この店舗の倉庫は、火器や毒物の集積地になっています。
ここを、夜襲で破壊してやりましょう。
家屋破壊用の、小型ダイナマイト四発でいけます。 」
聞けば、そこを叩けば、しばらくは結城もおとなしくなるとの事。
ただし、氏照はそこに攻め込み、何度も敗退しているらしい。
地図を睨む俺に、朱美さんが話し掛けてくる。
「 勝頼君、攻めるのも重要だけど。
今は、楠本さゆらさんが起き上がるのを待ってからの方が良くないかしら…。
上の者に捨て駒にされたぐらいだから、何らかの情報はもたらしてくれるかもよ。 」
確かに、楠本は結城に鉄砲玉にされている。
「 マイブラザー、あの中国人ではないが、一回埼玉まで攻めてみるか…。
なぁに、危険になれば、すぐに退却すればいい。
奴等を脅かす程度でかまわんだろう。 」
大志の積極案。
さて、どうする…?
1 Milkyway15号店の爆破。速やかに仕掛けて、爆発させる前に退避しないといけない。
人に見つかったら絶体絶命だが…。
2 楠本が起きるまで待つ。彼女が我々に力を貸せばいいが…。
3 埼玉に出陣。すぐに武田の若い衆と、北条の手勢を集める。
25名の部隊を2個動員。夜襲を展開して結城倫を脅かす。出来れば討ち取る。
4 前の選択肢に戻る
ひさびさに直後に読めました…。
武田と言えば、孫子の旗ですな。孫子と言えばそう…
謀攻編の「彼れを知りて己れを知れば、百戦してあやうからず」が有名ですし、それに沿って…。
ということで2.をお願いします……。
……少々地味な選択でしたかな?
611 :
呉班:02/05/29 23:36 ID:FdYvonz7
うちのボスが迷惑かけてます。
単純ですが根はいい人なので長い目で見てやって下さい。
……えぇ、尻ぬぐいはいつも私どもの仕事です、ハイ。
まずは攻勢に出るよりも、足元を固める方がいいだろう。
楠本が、我々にとって、有意義な存在になってくれるかどうかは微妙だが。
俺は考えがまとまると、各員に指示を出す。
「 ここは、彼女が口を利けるようになるまで待とう。
武力行使するかどうかはその後に、再検討する。
楠本には、俺が直接話をする。鷹梨は付き添いをしてくれ。
氏照殿は、いつでも兵隊を集めれるようにしてくれ。
他の者は、適当に待機。 」
ここで、一旦解散する。
俺は、口が聞けるようになるのはいつなのかを聞く。
聞かれた遠山は、今からでは深夜になると答える。
深夜では、眠たい中、毒を受けた彼女にとっては億劫だろう。
楠本と話をするのは、次の日の朝にする。
早朝、軽く昼食を済まし、俺は鷹梨を連れて楠本が寝る部屋に向かう。
そこは、千紗都さんと楠本の看護をしている空さんがいた。
彼女が、目的の部屋から出てくると、そこの向かっている俺達に、2人が起きている事を伝える。
入り口前までつき、ノックをし、部屋に入る。
「 う〜〜、お腹空きましたよ〜〜 」
部屋に入ると、大人しく横になっている楠本の隣で、千紗都さんがぶつぶつ言っている。
遠山が言ってただろ…、寝ている間は何も食べるなって…。あきらめろ。
とは言わず、適当に挨拶し、部屋においてあった椅子を持つ。
俺は、その椅子を楠本のベッドの隣に置き、座る。
楠本の顔を見ると、血色は悪くない。解毒が効いていたのだろう。
彼女が話せそうだと判断すると、俺は尋問を始める。
「 楠本さゆらと言ったな…。少々聞きたいことがあるか…いいな? 」
「 ええ、構いませんよ…。 」
彼女は普通に答える。
「 毒入りのケーキを食べたそうだが、それは結城倫の差し金か? 」
「 ちょ、ちょっと…いきなりそんな事聞くの!? 」
隣で鷹梨が喚く。
対照的に、楠本はやんわりと答える。
「 いいえ、本店の命令で動いたわけではありません。
ここの方と仲良くしようとしたのは、私の本心です。
ただ、ケーキ制作は本店に任せました。あのケーキは、本店のみの限定品だったんですよ。
なかなか手に入らない物だったから、これがいいと思ったのですが…。
知らない間に、毒が入っていました。 」
それだけ言って、天井を見上げる楠本。
「 次の質問だ。アンタは風魔の出だそうだが、風魔は北条氏に仕える影の存在。
なにゆえ結城に手を貸している? 」
「 風魔って…バラ隠れの術を使う風魔小太郎? 」
また、古い人物の名が鷹梨の口から出てくる。お前は何歳だ?
楠本は目をこちらに向け、簡潔に言った。
「 はっきり言います。風魔は北条を見限りました。
先代当主、氏政公が死去なされた際に、一斉に結城氏に取り入りました。 」
「 そうか…それだけ、氏直は駄目だという事か…。 」
「 はい。私から見ても…。 」
一呼吸し、俺は話を再開する。
「 最後の質問だ。結城や風魔を離れて、武田に協力する気は無いか?
悪いようにはしないし、俺はアンタが友好的な人物と信じている。
こんな事を言うのも何だが…アンタは結城には戻る事はできまい…。戻った所で…。 」
「 もう、信用は得られないと…? 」
「 敵地で一泊しているんだ。帰った所で、疑われるのが関の山だ。
それに、風魔の件も話した以上、帰る気も無いのであろう…。 」
楠本は目を閉じ、しばし沈黙する。
再び、目を開き、天井を向く楠本。
「 確かに、私はこの土地から離れるつもりでした。
ただのウェイトレスをしているだけでなく、ヤクザまがいの戦争までやって…。
正直疲れていました。
毒が抜けたら、西に行こうと思っていました…。行かせてくれませんか? 」
俺は、首を横に振る。
「 駄目だ。協力出来ぬのなら、山梨に送還させてもらう。
それに、風魔は必ず追っ手を出す。女手一つで振り切れるはずがない。死ぬぞ。
我々に協力すれば、身の保証はする。どうだ? 」
楠本は苦笑する。
その表情は、吹っ切れたというか、開き直りにも似た感じだ。
「 分かりました。こうなったら仕方ありません。
ただ、一つだけお願いがあります。 」
「 何だ、給料面なら、戦時という事で割増にするぞ。 」
「 それはありがとうございます。
私の頼みというのは、Milkyway総帥、結城倫の命は取らないという事です。
私と結城倫は、昔からの付き合いがあります。
結城倫の事を、山本先生と呼んで親しくしていました。
事業の拡大と権力が、あの人を変えたんだと思います…。
この願い…聞いていただけますか? 」
隣で、鷹梨が憤慨する。
いきり立ち、椅子から立ち上がる。
「 そんな条件、呑める訳無いでしょ!!
倫は、こう。こうやってやるのよ!!!!! 」
と、花瓶に刺してある花を抜き取り、親指を弾いて花の頭を飛ばす鷹梨。
あんまりやかましいので、片手で鷹梨を押さえ込む。
興奮しすぎだ。
楠本が真顔で言う。
「 この願いは…聞いていただけますか? 」
「 出来る限り、結城倫は助命しよう。ただし、本人の事もあるので、絶対とは言えない。
流れ弾が当たる事もあるだろうし、進退窮まり、自決する事も考えられる。
これでいいか?これ以上の確約は出来ん。 」
「 いいでしょう…。楠本さゆら、武田商事に協力します。 」
協力をを取り付けられ、俺も肩から力が抜ける。
ギャアギャア騒ぐ鷹梨を連れ、俺は部屋から出る。
それにしても、俺は何でこいつを連れてきたのだろうか…。
俺は自室に戻り、本社とも連絡を取り、今後の輸送問題について指示をしておく。
輸送トラックに、護衛をつけてやるようにする。
あらかた作業を終えると、今度はライトボックスを取り出す。
さあ、続きを書くか…。
しばらく書いていたら、瑞希がやってきた。
手に、分厚い甲陽軍艦解説集を持っている。
「 漢字が読めないのよ…。 」
瑞希は、せっかくの資料を使いこなせていないようだった…。
1 海原琢磨呂に、視点を切り替える。
海原は、張飛と共にMilkyway本店に、客として入店していた。
2 高井さやかに、視点を切り替える。
Milkyway17号店に、バイトとして入り込もうとした高井。
責任者(楠本さゆら)がいないので、雇われずに往生しかかっていた。
3 視点切り替えなし。
あのなぁ、瑞希。大志から漢和辞典借りて来い。
4 前の選択肢に戻る。
616 :
呉班:02/05/30 23:02 ID:50OFYNlH
1でお願いいたします。
うちのボスが琢磨呂殿の足を引っ張らないよう
祈るばかりでございます。
ガムバレ張飛!
……酒には気を付けてくれろ。
仕方ないな…。
俺は、瑞希の分からない所を読んでやる…。
(視点変更 海原琢磨呂)
いつも、信じられない長蛇の列を作るMilkyway本店。
入店するまで、半日はかかった。
隣の張飛はすこぶる機嫌が悪かったが、何とか入店できたら機嫌も良くなった様だ。
「 いやぁ〜おごっていただき、すみませんなぁ〜〜 」
少しは機嫌を取ろうと思って、張飛何でもおごってやる。
見かけ通り、張飛は酒を頼む。一番安いどぶろくだが、やたらと注文数が多い。
私はビールに豆を頼む。
ただの客を装いながらも、周囲に目を光らせるのは忘れてはいない…が。
これは、ただの喫茶店だ。
ここからでは、結城氏の内情を計る事は無理だろう。
あとは、与し易い従業員でもいないかと周りを見るが…、さすがに本店。簡単に誘いに乗る者はいそうもない。
「 がっはははははっ! まだまだ飲めますぞ!! 」
好きに注文しろ。と、私は張飛に言ったのだが、どうもこいつは飲みすぎている。
興奮しかかり、何の為にここに来たのかも、分かっていないように見える。
何やら歌いだした張飛に、半べそかいたウィイトレスが、弱弱しい声をかける。
「 あ、あの…店内ではあまり大声では… 」
ウェイトレスの胸のプレートには、御影咲夜と記入されている。確か…古参の従業員だったな。
「 ワシのどこが大声だ!? 」
私がウェイトレスを眺めているうちに、張飛が大声でウィトレスに喰らいついている。
まずいな…。
「 落ち着け、張飛。彼女に手を出しても仕方あるまい。
それに、少し騒ぎすぎだ。その酔った状態では、まともに戦えんぞ。 」
張飛の手を取り、真顔で説得する。野郎の手など握りたくはないが…。
しかし、そんな説得は張飛には通じなかった。
「 海原殿、ワシは酔ってなどおらぬぞっ!! 」
張飛は私の手を払い、グラスに残るどぶろくを呷る。
私の説得は無効だったようだ…。
他の客もこちらを見ている。
本当にまずい…。
私は一計を案じ、御影をこちらに向かせ、張飛からは引き離しことにする。
張飛には、この際、酒ばかり飲ませて酔いつぶらせる事にしよう…。
私は思い立つと、御影に話し掛ける。
「 済まないな…。連れの者は、昨日、母親の葬式でな。
いろいろあったから、今日は多めに見てくれ。 」
「 そ、そうだったんですか…?
そんな事情があったんですね…。でも、もう少し静かにお願いします。 」
やんわりと話し合いを始めると、他の客は興味を無くしたのか、こちらを見なくなる。
こちらに正面を向け話す御影。
それにしても、一年前と比べ、体も成長したようだな…。
あの時は、注文と同時に胸のサイズを測ってやったな。確か…あの時のサイズは…。
いかん…、むらついてきた。この状況で悪さは出来ん…。思い出すのも我慢だ…。
それ以上思い出せば、涼子の事も思い出してしまうしな…。
想像を終えた私に、御影の声が聞こえる。
「 あ、あの…お客様…? 」
御影のおどおどした声。
「 む、胸ばかり見ないで下さい… 」
どうやら、私は知らず知らずのうちに胸ばかり眺めていたようだ。
適当に誤魔化す。
「 はは、いい形の胸をしていると思ってね…。いい目の保養になったよ。 」
だが、彼女にはそんな冗談は通じなかった。
真顔になり、「 それはセクハラですよ… 」なんて言い出す。
ふぅむ…。彼女には、セクハラというものを教えてやらねばならんな…。
「 ウェイトレスさん、あれは何という品なんだ? 」
私は、3つ向こうのテーブルにある品を指す。指したつもりだ。
とにかく、御影がそっちを向けばいい。
「 あ、あれは… 」
御影がそちらを向いた瞬間。
私の両手が御影の胸を掴む。
「 きゃっあぅ…! 」
驚いた御影の悲鳴。
「 御影君、セクハラとはこういうものだよ。覚えておくといい。 」
言いながらも、私は胸を揉みくだす。
「 海原殿、次はワシの番じゃ!!!!!! 」
出来上がっている張飛が喚く。
「 や、やめて…くだ…、はぁん…くゎ…! 」
胸を揉みくだされ、逃げようにも私が離さず、悶えはじめた御影。
「 ううむ…サイズは…85か…。昔に比べて、随分と大きくなったな。
このまま私に任せれば、さらに大きくしてやるぞ。 」
「 そ…そんなの…い、嫌で…、きゃぅ…はぁぁ…! 」
体に力をいれ、逃げようとする御影。この辺で遊びも終わりかな、と私が判断した時。
「 アンタ、何しとるんかっ!!! 」
関東では聞きなれない、関西系の方言が私の後ろから聞こえる。声の主は女だ、だとすれば…。
私は手を離し、振り返る。
右手を腰に当て、左手で盆を抱える眼鏡の女性。
他のウェイトレスとは、制服の色が青色で、ひときわ目立つ。
出たな…結城倫…。
「 久しぶりだな…。関東の女帝、結城倫。 」
私はテーブルに足を掛け、いつもの赤い箱を取り出す。
御影が、丁寧にも灰皿を差し出す。
一息吐き、白い煙が結城と私の間を遮る。
その煙が晴れると、結城が口を開いた。
「 海原琢磨呂か…。まだ生きとったんやな…。
アンタ、しぶといのはええが、程ほどにせんと長生きはできんで… 」
「 これでも物忘れは悪い方でね…。
伊藤涼子…。この名を忘れるまでは、この地からは離れんよ。
どうでいいが、ウェイトレス業やるのはアンタの勝手だが、やはり護衛は必要かね。 」
私は、結城の後ろにいる、彼女に似た女性を見ている。
「 蘭ちゃんは、たまたまここに来てただけや。
それと、ウチがウェイトレスを、未だにやる事はどうでもええやろ。
それより、そこの大男が気になるわ。
野郎2人で飲み会なわけ無いやろ? 」
結城倫の後ろにいる女性は、彼女の妹。結城蘭。
結城蘭は、その家柄上、あらゆる格闘技を叩き込まれているらしい。
その戦闘力は、かつて武威関東一と言われた北条綱成とタメが張れると言われる。
(おかしいな…確か、結城蘭はその武力を背景に、茨城常陸の佐竹氏とやりあっていたはずだ…。
それが…なぜここに…? )
私の頭がフル回転する…
1 「 もらったわっ、結城倫!!!!!!!!!!!」
私が考えてるうちに、突然張飛が立ち上がり、その巨体とパワーに任せ、結城倫に飛び掛る。
2 「 張飛、ここは撤退するぞ! 」
ここでの騒ぎは危険すぎる。とにかく結城蘭がまずい。
3 「 騒ぎを起して悪かったな…。 」
軽く結城倫に頭を下げる。隙を見て「許してちょんまげ」をかまして逃げる。
4 とりあえず前に戻る
622 :
呉班:02/06/01 22:31 ID:0BiHX86N
あぁ、もう!
やっぱりウチのボスがやらかしてる……。
ウチのボスが先走って1をする前に
「3」で事態を収拾してください!
琢磨呂殿、本当に申し訳ない(w
この状態は危険すぎる…。
しかし、このまま帰るのでは味気がないだろう…。
私は立ち上がり、結城倫の前に行く。
そこで頭を下げる。
「 理由はそこのウェイトレスに話したとおりだ。
慰めてやるのも必要だと思って、可愛い娘のいる店に来たのだ。
騒ぎを起こしてしまったのは私の落ち度だ。済まなかった。 」
「 ま、ええやろ…。
騒ぎを起こした以上は、出て行ってもろうがええな? 」
「 ああ、もちろんだ。
おい、張飛。帰るぞ。 」
あっさりと話が進む。
仕方なく張飛が立ち上がる。
先に店を出ていてくれと、張飛に言い、私はタバコを灰皿で消す。
十分に力んで、火を消そうとした私の指が灰皿に当たり、それはテーブルから落下する。
「 はは…少し力みすぎたようだな…。 」
結城に愛想笑いするが、結城の目は特に怒ってもいない。
私は、さっさと結城から離れて、入り口に向かおうとする。
「 どうでもええけど、早よ帰ってくれんか。客もつかえとるし。 」
営業スマイルを無理して作る結城が、落ちた灰皿を掴み、散らばった灰を拭き始める。
「 これは私の謝罪の言葉だ。受け取ってくれ。 」
かがみこんだ結城の背後に、私は立ち、股間のチャックを開けて、自慢の一物を取り出す。
この間のスピードは手馴れたものか、素早く行う。
そして、自慢の一物を、チョンと結城の頭の上に乗せる。
「 ゆるしてちょんまげ〜、ははははは! 」
周りの客が騒ぎ始める。
当たり前だ。しかし、私は営業妨害の任務もあるのだ。騒げば騒ぐほど、任務は成功した事になる。
恐る恐る、自分の頭に乗せられた物を掴む結城。
「 アンタ…。ウチをなめとるやろ……。 」
振り向かず、怒りの混じった小声で言う結城。
私は笑いながら小切手を切ると、丸めて結城に投げておく。
「 釣りはいらんぞ。私はこう見えても寛大だからな。 」
それだけ言うと、私は振り返り店を出た。
以外にも、結城蘭は終始笑っており、動こうとしなかった。
さすがに、店の中では暴れないだろうと読んだが、その通りだったか…?
「 あの男…許しておけんわ…。 」
海原が帰った後、Milkyway本店の休憩室で、結城倫は妹の蘭と話をしていた。
海原にうまくやられて、頭に来ていた倫が愚痴を言い続ける。
が、今日妹と会うのは、そんな用事ではない。
「 あのな、蘭ちゃん。佐竹と宇都宮の様子はどないなっとるんか? 」
話を切り替え、妹に任してある関東東部の情勢を聞く。
「 姉様の予想通り、宇都宮は私たちになびいてきましたわ。
佐竹に侵食され始めた宇都宮、これを無償で助けてもらってるんですから、当主の広綱は大喜びです。 」
「 そうか…先代興綱と違うて、広綱は軟弱と聞いとったが、ホンマやな。
それなら、援軍はいらんな。 」
「 十分です。
それより、そちらの方が気になりますわ。
何でも、武田勝頼が陣頭指揮で出てきたというではありませんか。 」
「 ああ、田舎の山猿などどうでもええわ。
氏照対策に、今夜には雪希ちゃんに、もう1回動いてもらうわ。
先鋒の雪希ちゃんの手勢100名に、後摘めの小野崎清香20名。
本体は、咲夜に70名任せて氏照を攻めるわ。
八王子には、氏照隊30しかおらん。今度こそ氏照の最後や。 」
「 まあ、本格的過ぎて、警察の方も事件を隠しきれないのではないですか? 」
「 んな事はないわ…。
とにかく、八王子を陥落させれば、あとは神奈川に飛び込むだけや。
これで、ウチ等は関東の覇者ってとこや。 」
「 姉様…………………。 」
Milkyway本店近くの公園で、大の男2人が土管の中に入り込んでいる。
これは、私と張飛の2人だ。
私は、本店内で結城倫にタバコの煙を撒いた時に、
空いた方の手で、小型の音声送信機を彼女のスカートに放り付けていた。
今、私と張飛の間にある小さい装置。
これが受信機で、私が大枚をはたいて購入したものだ。
「 よく聞こえるな…。さすがに150万はするだけあるな…。 」
借金して買っただけあって、上出来の機材だ。
私と張飛はヘッドホンをつけ、結城倫の会話を聞いていた。
彼女等の話が終わると、2人はヘッドホンを外す。
「 海原殿…200の軍が動いたら…八王子にいる勝頼殿は…。 」
神妙な顔をする張飛に言う。
「 全員戦死か、あっさり降伏するかの2つしか道はないな…。
今夜…正確な時間は言っていなかったが、奴等の集合時間は23:00過ぎ…。 」
時計を見ると、今は13:48だ…。
神奈川や山梨から兵を集める時間はありそうだが…。
私は、すぐさま勝頼社長に電話を入れる。
勝頼社長は、すぐに本社に増援の要請を出すという。
我々は…。
1 張飛の戦力をあてにするため、一旦八王子に後退する。
調査どころではない。
(視点は勝頼に戻ります)
2 このまま調査は続行。
出来るなら、御影咲夜担当の手勢70を撹乱する。
(視点はこのまま海原)
3 ここでの工作を中断する。
武断派で有名な、反結城連合の一角、群馬前橋の長野親子に援軍要請をする。
(視点はこのまま海原)
4 前の選択肢に戻る
627 :
諸葛尚:02/06/02 22:42 ID:D294cYWy
琢磨呂の活躍に期待して2を選びます。
このスレッドだとコテハン使った方が選択者がわかって良いと思い
コテハンにしましたー。
勝頼社長は、兵隊の数は山梨の人員で補うと言う。
私に課せられた任務は、最後尾を進むであろう御影咲夜の手勢70を撹乱させ、戦場に到達させない事だ。
この任務を張飛に話すと、豪快に笑い飛ばし、強気の発言をする。
「 海原殿とワシが組めば、あの程度の率いる兵など怖くはないわっ! 」
しかし、御影の手勢がいつ、どこで集結するのか分からない。
ここで、私は再度Milkyway本店に進入し、張飛は別で待機してもらう。
張飛と私の落ち合う場所は、MIlkywayと公園の中間、住宅街の中で落ち合う事にする。
これなら、万が一私が追われることになっても、隠れる場所は十分にある。
この事を伝えると、張飛は別れるのを拒むかと思ったら、
「 なら、ワシは戦の準備でもしようか! 」
と言って、いずこかに消えていく。
ちゃんと集合場所に来てくれよ…。
22:13
私は暗夜に潜み、Milkyway本店の天井によじ登る。
ここで、従業員連中が帰っていくのを待つ。
この店舗内で、それなりの立場にいる御影。
彼女は、最後に店を出てくるはずだ…。
でてきた所を………、急襲し、骨折でもさせれば十分だ。それで戦場には出て来れぬだろう。
まあ、殺す事は無かろう。生かしておけば、私が彼女の胸を大きくさせてやる事も出来る…。
その時はどうやって揉んでやろうか…。
私の妄想が広がる………。
「 レ、レミーさんっ!天井で悶えてる人がいますよ!!! 」
店の入り口の方からの声。御影のものだ。
つい、妄想を口にしてしまったか…。私とした事が…!
下を見ると、御影がこちらを指して喚いている。
御影の隣に駆け寄り、こちらを見るのはレミーと呼ばれた女だろう。
「 まあ咲夜、昼間の中年ですわね。ストーカーされてるんじゃないんですの? 」
「 そ、そんな事言っている場合じゃないですよ! 」
ええい、人の事をストーカー呼ばわりしおって…。
よく見れば、周辺から人影が集まってくる。
御影の手勢か。しかし、本店前に集合だったとは…。
「 咲夜、あれを追いかけますわっ!! 」
とっさに、正面から反対側へ向かい、逃走に踏み切った私を、レミーとか言う女が廻り込もうとする。
彼女に続く者10名弱。
「 レミーさぁ〜ん、待ってくださぁ〜い!
ほ、他の人は着いて来てください!! 」
情けない声を上げながら、御影もレミーの後に続く。
それに続く数は、多くてよく分からない。
暗夜の中での戦闘は、慣れていないと敵の数も把握できないものか…。
レミー等が廻り込む前に、着地に成功した私は、銃を構える。
この深夜に、サイレンサーがどこまで通用するか分からんが、撃たねばやられる…!
店の曲がり角を曲がって出てきたレミーに、私は躊躇う事無く引き金を引いた。
発射音は、連中の足音でかき消される程度だった。これなら、この後も撃ち続けれるな。
レミーの眉間を狙った一弾は、惜しくも彼女の頭上を通過する。
ち、射撃練習を怠った報いか…?
「 う、撃ちましたわね…、この私を………!! 」
震えながらも、怒りが込み上げているレミー。
喋っているうちに、私はすでに背を向け逃げている。
「 もう容赦する事ありませんわ。撃って差し上げるんですの!!!! 」
数発の銃弾が、逃げる私をめがけて飛んでくる。
ただ、素人なのか、本当に寄せ集めなのか、弾は当たるどころかあさっての方向に飛んでいる。
適当に回避行動を取りながら、私は張飛との集合場所に向かって走る。
店から離れ、住宅街に入る。
レミーは、御影の隊と合流して、私の後を追ってくる。
たまに飛来する弾丸は、相変わらず当たらない。当たっては困るが…。
ふと、私は後ろを振り返る。
レミー、御影を先等に、かなりの数の人員が追ってきている。
ひょっとしたら…70名全員そろったのか…?
これは…逃げ切れる前に、流れ弾で逝くかもしれん…。
結城を倒すまでは、死んでも死にきれん……!!
私は走りながら、懐から地図を出す。
ここらを右にいけば…張飛がいるか…。
しかし、いくら張飛とはいえ…70丁の拳銃相手では無駄死にをするだけだ…。
張飛とは合流しない方が、奴の為かも知れん…。
だが、私の体は、そんな理性とはお構いなく、張飛の待っているであろう合流点へ急ぐ。
すまん、張飛…。
そんな考え事をしている場合ではなかった。
撃ち続ける連中は、狙いが定まってきている、弾丸が私の頬がかすめていった。
「 後一息ですわ、これ以上走れば、あの中年の体力が尽きますの。 」
何か後ろでレミーが言っているようだが、走るのに必死な私には聞こえない。
曲がり角を曲がった時、私の左足の大腿部が撃ち抜かれた。
「 ぐっ…。 」
激痛に堪え、なおも歩こうとするが、連中との距離は一気に縮まってしまった。
弾は、何とか突き抜けており、痛みさえ何とか我慢できれば歩く事なら出来そうだが。
立ち上がった私は、背後に殺気を感じて止まる。
「 もう、終わりですの…。 」
レミーだ。すでに銃でも構えているのだろう。
私は両手を挙げてみる。
「 降参はありませんわ。かわいそうですけど…女房の所まで送ってやるですの!!! 」
こんな危機の時、曲がり角から、大声と共に巨漢の男が現れる。
言うまでも無く張飛だ。しかも、前身に、見慣れない甲冑を着けている。
顔には、日本製の面貌が着けられており、何か合ってなかった。
「 そこまでだっ!!このワシが来た以上はそれ以上の狼藉は許さん!!!! 」
どしどしと、私のほうに歩いてくる張飛。
「 そ、それ以上近づくと、この中年の命は無いですわ!! 」
うろたえるレミーが、私の背中に銃口を押し付ける。
「 撃てるものなら撃ってみろ!!
海原殿を殺せば、ワシがお前等を皆殺しにしてやるっ!!!! 」
この深夜に、張り裂けんばかりの大声で喚く張飛。
歩くスピードに衰えは無い。
「 な、なんか…レミーさん…、やばそうですよ…。
ここは放置して、早く雪希さんと合流しましょうよ…。 」
ぐんぐんと私に向かって歩いてくる、強気な張飛の姿。
御影は、戦意を喪失しかかっている。
そんな御影を横目で見たレミーは、
「 あの大男に、射撃開始。 」
と、めんどくさそうに言った。
配下の者が、一斉に銃を放つ。
一気に68人が撃った訳ではないが、どう考えても、張飛が無事とは思えない…が。
全く無事だった。
「 ワシの特性甲冑を破壊したければ、戦車砲でも持ってこんか!!! 」
張飛…いったい何を着ているんだ…。
よく見ると、ただでさえ大きい張飛が、さらにひと回りでかい。
分厚い装甲板なんだろうか…。
「 よし、次はワシの番だなっ!!!!! 」
張飛が、雄たけびを上げ走り出す。
「 レ、レミーさん。も、もう退却しますよっ!
み、みなさん、ここは退却です!!!! 」
御影が背を向け走ってゆく。
「 ちょ、ちょっと咲夜…! 」
慌ててレミーが私から離れ、逃走し始める。
と、すると、他の兵も蜘蛛の子を散らすように去ってゆく。
逃げ遅れた不幸の者が、張飛に掴まれ、一発ぶん殴られて事切れる。
「 ひ、ひぃぃ……。あんなの無理ですよ〜!! 」
御影とレミー、残った67名がバラバラに逃げてゆく。
「 待たんか〜〜〜〜!!! 」
逃げる御影等を、なおも追撃しようとする張飛。
見るからに金属の塊と化している張飛。
重い割には、スピードは従来通りのままで走る。
私は何とか立ち上がり、ふと周辺を見上げた。
隣の民家の人が、窓から外を覗き込んでいる。
そいつは言った。
「 すみませんが、ちょっとあなた達うるさいですよ。 」
私は頭を下げながら、次の行動を検討する。
1 このまま追撃する。私も歩く事は出来そうだからな。
砕けたとはいえ、依然相手は約70の兵を持つ。大将の咲夜だけでも捕らえる。
2 作戦は成功した。我々は、片瀬雪希隊の情報を収集しに行く。
赤い箱を取り出し、一服着ける。
3 作戦は成功し、終了。
視点を勝頼に戻す。
4 前の選択肢に戻る。
おお、張飛の活躍が凄まじい。
合戦の場面を見たいので3を選びます
毎度、おつかれさまです。まとめて見させていただきました。
張飛、大活躍じゃないっすか……。(笑
次は合戦ですか。氏照殿の手際が見ものですね。
635 :
名無しさん@初回限定:02/06/04 00:57 ID:fhG/0weC
懐かしいスレだな。
そういえば武田騎馬軍団っていろんな所と戦ってるね。
俺が知ってる限り、
武田騎馬軍団VSAV女優
武田騎馬軍団VS高学歴
武田騎馬軍団VS無職
武田騎馬軍団VSMX
とかあった気がする
637 :
呉班:02/06/04 09:59 ID:fjsegNZC
ボス……いつかはきっとやってくれると信じてましたぞ!
とりあえず、投票してきました。
騎馬のコピペがずれた…。
八王子市街戦のネタを纏めれるまで、2〜3日の間逝ってきます。
ありがたき幸せ!
どうぞお気をつけて!!
(視点変更 武田勝頼)
俺が本を吟味している間、海原から連絡を受る。緊急事態なので、すぐに本社に連絡を入れる。
だが、本社の方は、木曾農林の方に兵を廻しており、こちらには簡単には廻せないと言う。
織田産業に組み込まれる道を選んだ木曾農林。
現社長は木曾義利。
父義昌が病に倒れ、入院すると、父と対立していた義利は織田の調略に乗った。
現在木曾農林に交渉しているのは、恋の母親の夢乃さん。
交渉は決裂し、木曾側が武力を使い出しため、夢乃さんは兵を動員した。
木曾は、これに織田の増援を頼って抵抗する。
そのため、本社には余剰の兵が不足しているとの事。
で、静岡の方は、馬場の指揮で遠州技研を買収し、磐田方面まで進出した。
そこまではあっさり進めたが、浜松で織田と徳川の勢力に衝突。
一時は武力衝突もあったが、現在は膠着状態となっている。
武田の精鋭が来たと言う事で、織田産業グループの会長、織田信秀が自ら視察に来たと言う。
増援は駄目っぽい。
「 残念ですが…、北条家本隊は動かないでしょう…。 」
図書館の中、トイレを捜し回っていた氏照を捕まえ、海原からの報告を説明する。
北条の本隊か増援に来てもらえれば、大勝利は無くても、負ける事も無いであろうと判断したからなのだが…。
氏照の返事は、俺を落胆させるのに十分だった。
氏照は続けて言う。
「 今の氏直社長には期待できませんな。
武蔵野の自動車工場取り込み作戦も、私の一族の氏勝が単独でやってます。
そちらも、結城の送り込んできた進藤とかいう奴に押されています。
あちらは武力衝突は起こってないようですが…。
とにかく、小田原の本社は動きません。
こんな事だから…北条はここまで追い詰められているんですよ。 」
「 八王子の戦力で、敵は総勢200名…。勝算は希薄だな…。 」
「 奇跡でも起きなければ無理ですな。
一応私の方は、埼玉に斥候を放って、片瀬の動向をつかませます。 」
「 そうか、助かる…。海原には、結城の主力を撹乱させるように伝えた。
うまくいけば敵は半数になる。 」
「 そうなったら、まさに奇跡ですな。
だが勝頼社長。奇跡というのは、起きないから奇跡と言います。
私は小田原に、再度増援を依頼しておきます。 」
氏照は軽く頭を下げると、急いで便所に入っていった。
氏照…止めてすまんかった…。
瑞希にも分かりそうな武田の本を探す。
大志は、全然関係ない本を見ては喜んでいる。
諏訪は料理の本だ。お前等…。
俺は、文庫サイズの本。「武田三代」を手に取ろうとした時、携帯に着信が入る。
本社の仁科からだ…。
「 社長。山梨から、各方面へ増援を出せそうです。
ですが、八王子と磐田に木曾。この三方面に満遍なく増援を出します。 」
増援を八王子に集結させられないのは、仕方の無い事だった。
八王子が危機とはいえ、どこも危機なのには違いが無かった。
「 ええと・・・まず、甘利さんの二輪部隊30。
長野からこちらに来ていた、高坂さんのトラック部隊。10tクラスが8台、人員は16。
あとは…、山本さんの狙撃隊15。
八王子には、どの隊を向かわせますか? 」
どれも来て欲しいのだが…。
選ぶしかないな…。
1 バイクのテクに関しては山県以上だが、いいかげん歳を取っている甘利虎秦に来て貰う。
とっくの昔に定年しているものの、こういう時には張り切って出てくる。今年で75歳。元気な爺さん。
2 10tトラックを巧みに扱う高坂昌信。親父とはただならぬ仲だったそうだが…。
今回選抜された、増援の中では一番若い。46歳。
3 計略を持って祖父と父を支えた軍師、山本勘助。現在は真田に軍師的立場を渡している。
今年で80になる。それでも狙撃の技術と頭脳では、若い衆に遅れを取らない。恐るべき爺さん。
4 前の選択肢に戻る。
ジイサンバッカリダヨ。ヽ(`Д´)ノウワーン
644 :
諸葛尚:02/06/07 22:30 ID:fSBqYhsV
勘助キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ここは3です!!よろしくお願いします。
このスレの初代の作者をやっておられた弾正殿も捨てがたいですが……
軍師殿に同意であります。
三国志のコテの方も増えて参りましたな。……三戦でなく葱板なのに。
この板の奥深さにあらためて驚き。
646 :
名無しさん@初回限定:02/06/08 21:04 ID:TwrW/Z0z
漏れら極悪非道のage武田騎馬ブラザーズ!
ネタもないのに騎馬軍団スレageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_ヘ ∧_ヘ
/ \〇ノゝ / \〇ノゝ age
/三/´∀`)∩ ∩/三/´∀`) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
648 :
冷泉隆豊:02/06/08 23:31 ID:Flld7vpf
「 よし、軍師殿に来てもらう。そう伝えといてくれ。 」
俺は、仁科に言い終わると電話を切ろうとする。
「 ちょ、ちょっと待ってください。軍師殿、電話に出るそうです。代ります。 」
仁科は慌しく、受話器を軍師殿に渡す。
受話器から、軽快な声が聞こえる。
「 おお、若か。久しぶりじゃな。
此度の結城の一件、見過ごす事が出来んという若の判断。間違ってはおりませぬぞ。
この山本勘助、年甲斐も無く血が滾っておるぞ。
ああそうじゃそうじゃ、そんな事もあろうかと思って、北条の戦友に一筆書いておいた。土産と思うてくれ。
では八王子で会おう。 」
年の割には、ハッキリした声で語る軍師殿。
本当に80なのか…?
どうでもいいが、俺、ついに一言もしゃべれずに電話切られちゃったよ…。
649 :
冷泉隆豊:02/06/08 23:38 ID:Flld7vpf
ここは神奈川にある、株式会社小田原の会議室。
室内には、現社長北条氏直を始めとして、有力な幹部が勢ぞろいしていた。
議題にあがっている件は、氏照や氏勝への増援について。
至急増援を送るべきだと主張する笠原と、速やかに撤収して、神奈川県境で防衛ラインを引く事を提案する氏直が激論をぶつけ合っていた。
「 ここで撤収したら、2度と都内には侵攻できません。
周辺の小中企業も北条を侮り、神奈川内の自勢力すら危ぶまれる事態になります! 」
笠原が周辺を見渡して語るが、保守派の大道寺、清水等は、頷く事は無かった。
彼等重役は、無理を犯すよりも、今現状の生活さえあればいいと思う者達であった。
静まり返る会議室。
その会議室に、ノックもそこそこに、一人の中年男性が入って来る。
「 誰だ、許可も無く入ってくるのは! 」
大道寺が一喝する。
だが、入室する男は、悪びれずに言葉を返す。
「 いや、済まないな…。車が混んでて到着が遅れたよ。ハハハ、みんなピリピリしている様だね。
肩の力を抜かないと、結城に押しつぶされるぞ。 」
「 ク、クニサン…。 」
入室してきたのは、氏照の弟、氏邦だった。
氏邦は、空いている席に座ると、気になっていた事を氏直に聞く。
「 氏勝殿への増援は、はかどっていますか? 」
だが、返答は氏邦をムッとさせるものだった。
「 増援など遅れぬ、結城が本腰をあげるなら、作戦は速やかに中止する。
県境に兵を集め、そこで結城と決戦する。 」
憮然と言う氏直。
氏邦は、先ほどまで当たっていた、神奈川県警取り込みの件を話してやる事にした。
( どうせ、報告書など読んではいないのだろう…。 )
氏邦は腹の中で悪態つくと、ゆっくりとしゃべり出す。
「 神奈川県警の上層部は、結城側が送っているコレで、取り込まれています。
神奈川で決戦すると、我々だけが一方的に逮捕されるだけです。 」
650 :
冷泉隆豊:02/06/08 23:50 ID:Flld7vpf
氏邦は、"コレ"と言った所で、注射を打つポーズをしている。
麻薬の事に違いは無かった。
「 だが、都内で決戦すれば、今の北条では勝てん! 」
氏直が叫ぶ。
「 なにゆえ勝てないと決めつけますかな? 」
熱くなる氏直に、あくまで冷静に言葉を投げかける氏邦。
「 兵が不足しておる、それに、氏勝の目の前には、新藤さつきが手勢50、完全装備と言うそうだ。
そして、八王子には200の兵が出てくる。
勝てるはずが無いわ。 」
「 しかし、ここで引けば… 」
「 都内で決戦するよりはマシだ。
いいか、決して兵を動かすな。敵の挑発に乗ってはならぬ! 」
「 それでは、一族を見捨てろと言うのですか? 」
「 ワシの命令が聞けずに現地に残る者など捨て置け。
まだ…、ワシが若いと思っていう事を聞かんのじゃ。分かったら、前線に退却する様伝えよ!!!! 」
喚くだけ喚き、気が済んだ氏直は、会議室隣の社長室に入っていってしまった。
内側から鍵のかかる音が聞こえる。
「 私が独断で氏勝殿を助けるとしよう…。 」
独り言のようにつぶやいた氏邦が立ち上がる。
「 クニサン、そんな事をしたら…反逆と見なされますよ! 」
笠原が氏邦に詰め寄る。
「 一族は見捨てられない。お前も北条が大事ならば、私について来い。 」
毅然と言う氏邦に、笠原は、ただ頷く事しかできなかった。
それを見つめる老人。彼も立ちあがった。
651 :
冷泉隆豊:02/06/09 00:11 ID:SCO4rI/A
「 ワシの孫同然の者が死にに行こうとしているんだ、ワシも独断で軍を起させてもらおう。 」
立ちあがったのは、小田原3代目社長、現会長の北条幻庵。
大東亜戦争末期、不可侵条約を一方的に破った旧ソ連軍と満州で戦い、兄氏綱を失った男。
( 兄は負傷したワシを塹壕に突き飛ばし、手榴弾を片手に敵戦車にもぐりこんで行った…。
最後の兄の言葉、終生忘れれぬ…。 )
「 俺に代って、生きて帰るんだ。北条と共に帝都を再建しろ。
俺とお前や父さん、他に死んでいったみんなも北条の魂の中で生きていく。弟よ、後を頼むぞっ!! 」
「 北条の家は潰せぬ…。 」
氏邦が幻庵の言葉に頷く。
「 私は、氏勝殿を援護します。敵の新藤さつきとやらは、影武者を持っている様で、現地が氏勝が混乱しています。 」
「 ワシは、八王子に行く。あそこが今回の天王山じゃ。 」
2人は頷き会うと、おのおの二手に分かれていった。
「 幻庵さん、ワシ等の死に場所が見えてきましたな…。 」
幻庵が自室に戻ると、同じように過去に満州に行っていた幻庵の戦友、上田朝直がおとずれる。
「 すまんなぁ、老後の楽しみを邪魔する様で…。 」
幻庵は押入れの奥から何かを引っ張りながら言う。
「 なんの、露助の戦車相手に暴れるより、よっぽど楽な戦せすよ。
気になるのは、ご覧の通り、体力の低下ですかな。 」
朝直は、言いながら、悪戦苦闘する幻庵を手伝う。
やっとの事で押入れから出てきたのは、一本の軍刀。
「 兄がワシに託した物じゃ。これを持っていくぞ。 」
652 :
冷泉隆豊:02/06/09 00:25 ID:SCO4rI/A
「 しかし、それだけでは厳しいですな…。
サイレンサー式の短銃も撃てるようにしておかないと…。 」
「 朝直、今のワシ等に、短銃が片手で撃てるものか。
他の武器と、頭脳で戦うんじゃ。 」
「 サンパチよりは軽いでしょう。 」
サンパチとは、昔の陸軍が持っていた標準装備の小銃だ。
「 ワシの使いなれた武器でやったほうがええわ。勘助も、手紙でそう言っているしのぅ 」
そう言う、幻庵が選んだ武器は…?
1 「三八式騎兵小銃」
普通の三八と違い、銃先の短剣が長い。かなり重いが、狙撃銃としては当時は最高級の武器であった。
60年ぐらい経っているが、手入れされてあり、とりあえず撃てるらしい。
2 「擲弾筒」(テキダントウ)
旧日本陸軍が使用した、対地ロケット弾。発射時の爆発音が小さく、聞き取りにくい。
米軍が一番恐れた武器。手入れされてあるものの、弾が2発しかない。
3 「九七式中戦車」
旧日本陸軍の代表的な戦車。米軍のM4戦車の前には、その装甲板もトタン板同然だったという。
弾はさすがに無いが、走る事は可能。戦車だけあって短銃等の弾は軽く弾く。
4 前の選択しに戻る
>674
信虎殿…。
某、貴殿の活躍を、遠く山口の地から見守っておりますぞ…。
まずは一句。
武田スレ ノリが狂えば あはとなる
投票が終わったとて、油断は出来ませぬぞ。
いや、向こうの住人も、こうなるとは分かっていたはず。
あと2つぐらいスレが立ったら、追放イベントが始まったりして…。
しかし、信勝殿と信虎殿とでは、ネタに関してかなり食い違いがあるようで。
内乱が起きねばいいけど…。
>647だよ…。
今日はもう氏のう………。
655 :
諸葛尚:02/06/09 00:57 ID:Pjrlc68c
進藤「さつき」キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
進藤が誰だか気になってましたが、やかま進藤タンの方でしたか!!
1を選択します、氏直へたれてるなあ……
かっこいい幻庵が読めるのはこのスレだけ!
独断で出撃しようとする氏邦と幻庵。
それに従って、出撃しようとする者多数。
にわかに小田原の駐車場は慌しくなる。
氏邦に従って、武蔵野に向かおうとする者。または幻庵に従って八王子に向かう者。
「 八王子に向かう者はいるか、いれば乗せていくぞ! 」
八王子に向かう男が、駐車場にわらわらと集まってくる者達に喚く。
二輪で通勤している者は愛車でそのまま走る。
自家用車を使わずに、便乗していく者もいる。
幻庵は、自家用車を使いたかったが、こればかりは仕方が無かった。
「 いかん…燃料が足りんわ…。 」
燃料タンクの針が、レッドゾーンに入ろうかとしている。
「 やれやれ…。 」
幻庵と朝直は、重たい小銃を抱えながら、便乗者を募るワゴンへ向かう。
乗り込もうとする幻庵に、運転手が手を貸す。
「 よっこらせっと…、ふ〜〜〜。 」
座って落ち着く幻庵。
幻庵が気になっていたのは、一体どれほどの人間が八王子に集まるかだった。
氏直の妨害もあるため、ゆっくりと参加者を募るわけにもいかない。
”やる気のある者は、八王子か武蔵野に向かえ”
氏邦と幻庵が出した指示では、これが限界だった。
( まあ、現地に着けば分かるだろうて…。 )
幻庵は、北条男子の魂を信じ、一眠りする事にした。
隣に座る朝直も、同様に眠る事に。
眠れる時には眠っておけ。これは、2人が戦場で体験してきた戦訓だった。
(視点変更 武田勝頼)
八王子、ぶるほ〜ん開店予定地。
ここでは、見慣れない者達が集まってきていた。
朱美さんと同程度の年齢の青年を始めに、若い娘やら中年男性までいる。
全部で9人。
「 ぶるほ〜んを、妹が建てると聞いて駆けつけてきました。 」
応対に出た俺に、青年が言う。
鷹梨が妹…?
「 申し遅れましたが、私は鷹梨宏明と言います。
ここ1年、関東に潜伏して鷹梨復興の足がかりを模索していました。
後ろの者は、私と志を同じとする者達です。
私にも協力させてください。 」
青年が握手を求めてくる。
それに応じる俺。
「 武田商事社長、武田勝頼です。
北条氏の要請で動きましたが、ぶるほ〜んは成功させて見せますよ。 」
お互い頷きあったところで、千尋が出てくる。
「 お、お兄ちゃん…!?
それに…奈緒美も…。 」
宏明に駆け寄る千尋。
奈緒美というのは、宏明の後ろにいた若い娘。
女性が1人しかいないので、多分そうだろう。
宏明は、千尋の顔を見る。
「 千尋か。織田に買収されたと聞いて心配したよ。
元気そうで良かった…。 」
「 千尋が帰ってきたと聞いて、駆けつけてきたのよ。
まあ、邪魔な奴はこれで吹っ飛ばしてあげるわ…。 」
背中からバットを引っ張り出す奈緒美。
あのバット…釘が打ってあるぞ………。
兄妹、1年ぶりの再開を祝してやる暇も無く、続いて軍師殿の手勢と北条の増援が到着する。
ほとんど同時刻についた軍師殿と北条幻庵。
2人ともかなりの老齢だが、軍隊で鍛えられているせいか、思ったよりピンピンしている。
幻庵が連れて来た増援は、30名。氏照が直接率いている兵が25名なので、北条勢だけで55名はいる事になる。
「 ほう、武田の若殿様も立派になったもんじゃのう…。 」
挨拶に出た俺に、幻庵は笑って見上げた。
横で軍師殿も笑って言う。
「 若も、この間まではあんなに小さかったもんじゃ。 」
そこに氏照が飛び込んでくる。
「 大叔父様…。自ら来て下さったのですか…。 」
悲壮な戦死でも覚悟していたのだろうか、感激した氏照の目に涙が浮かぶ。
「 氏照、敵の動きはどうじゃ。
早ぅ迎撃態勢を取らんと、高瀬に出し抜かれるぞ。 」
幻庵が椅子に座り、手に持っていた軍刀を地に付きたてる。
軍人の持つ、特有の貫禄がそこにあった。
老いたとはいえ、彼もいくさ人である。
「 幻庵よ、相手は片瀬じゃ。もうろくしたか? 」
軍師殿に突っ込まれ、多少赤面する幻庵であった。
俺の後ろでは、朱美さんが集まった人員を簡単に纏めている。
出来上がった簡易名簿を受け取ると、机の上には地図がしかれる。
「 すぐに作戦会議じゃ。 」
幻庵が言い、俺や氏照も地図を覗き込む。
「 一応、これが主要メンバーと、現兵力です。 」
俺は名簿を地図の隅に置く。
【武田商事】
武田勝頼
諏訪頼忠
武田乃絵美
九品仏大志
高瀬瑞希
羽瀬川朱美
鳥海千紗都
鳥海空
中川料理長
深見まどか
山本勘助 他15名
計26名
【鷹梨氏】
鷹梨千尋
鷹梨宏明
霧島奈緒美
他7名
計9名
【小田原】
北条氏照
北条幻庵 他30名
遠山 他24名
総員 81名
「 さて、問題は防衛体制をどうするかじゃ…。 」
幻庵が地図上部を睨む。
「 敵前渡川をみすみす見逃す事は出来んのう。
多摩川を渡る前に蹴散らしてやるか…。 」
「 そうなると、昭島市に入ってしまうが…。問題は、敵がどの橋を渡るかだ。
昭島にはMilkyway16号店があるのう。ここに襲撃して、引き寄せてみるか。 」
幻庵と軍師殿が検討していく。
多摩川を渡らせないようにするのは不可能だが、Milky襲撃はいいかもしれない。
考える俺に、朱美さんが話し掛けてくる。
「 勝頼君、相手は下道で来るの?
首都高も考えておいた方がいいんじゃない?
出口に監視を置くとかして、その周りに待機するとか。 」
その話を聞いてギョッとする氏照。
「 いかん、首都高には監視兵を置いておらん。
橋には各4名づつ向かわしているのだが…。 」
「 徹底的に防衛に徹するなら、浅川までで進撃は止めましょう。
多摩川や首都高出口は、拠点より離れすぎていると思います。 」
宏明が言う。
浅川とは、八王子市街地中心部と、首都高出口の真ん中ぐらいを流れている川。
流れの方向は多摩川と大して変わりは無い。
どうする…。
1 多摩川を越え、昭島市に突入。
その方向にあるMilkyway16号店に奇襲を掛ける。
2 首都高出口を見張る。ただし、確信が無いので兵数は半数にしておく。
鷹梨隊と武田の狙撃班と北条の一部を拠点防御に残しておく。
3 浅川の堤防にて、半数の兵で待機。
敵が渡ったら、拠点と挟み撃ちにしてやる。
4 前の選択肢に戻る。
寡兵が勝利するには奇襲が一番!
ということで1を選びます、戦じゃあ!!
「 よし、多摩川を越えよう。
速やかにMilky16号店を包囲。閉店後、帰宅しようとする幹部めがけて発砲開始。
我々が結城に対し反撃に出たと思わせ、片瀬雪希をこちらに向けさせてやろう。 」
俺の意見を聞いた軍師殿と幻庵は頷く。
氏照も、八王子から出たほうがいいのか、この案に賛成のようだ。
単に、幻庵に遠慮しているだけかもしれないが…。
「 問題は、どれだけ出撃させるかだな…。 」
大志が腕を組んでじっと地図を睨み、言葉を続ける。
「 根拠地をカラには出来ないし、かといって半数では心もとない…。 」
俺は言う。
「 大志。この作戦には、鷹梨隊を防衛に残し、後は全軍出撃させる。
仮にも、我々の想定が外れたとしても、五人以上いれば、この基地はたやすく陥落しない。
一階に乱入されたら、二階に逃げればいい。上に上にといっている間に、本隊が敵の背後を突けばいい。
ここの守りは、千尋に任せる。 」
大志は目を閉じ考え…、「そうだな…。それで行こうか」と了解した。
現在、時刻は18:38。
俺は立ち上がり、指示を出す。
「 鷹梨隊以外は、速やかに出撃しMilky16号店を囲む。
武田隊と北条隊は速やかに発進。出来るだけ急いで陣地を確保しておいた方がいい。 」
「 まあ、こんな時が来るだろうとは思っていたけど…。
ボクこれは使った事無いよ。ちーちゃんは山梨で訓練したかもしれないけど。 」
出撃が決まって慌しくなった時、空さんが銃を渡されて困惑する。
それもそうだ…。
どう考えても、こういった作戦は極道モノがやる事だからな…。
飛び入り参加の空さんには荷が重い。
空さんには、くたばっている千紗都さんと楠本の番を任せる。
まあ、最悪の時は撃つしかないのだけど。
空さんが千紗都さんの部屋に向かった時、俺を呼ぶ声がする。
「 勝頼〜、あの娘が連れて行けってうるさいのよ〜。 」
瑞希だ。
だれだ、作戦を乱す奴は…。千尋か…?
千尋に逝かれたら、すべてお終いになるのだが。分かっているのか?
瑞希の後ろから、宏明と一緒にきていた娘が出てくる。
霧島奈緒美だ。
「 守るのはあたしには似合わないわ。そっちに連れてってくれる?
こうみえても、接近戦には自信あるのよ。 」
釘の打ってあるバットを持つ奈緒美。
気合は十分に入っているが…。
実際に片瀬等と撃ち合う時、最前線に出るにのは俺の本隊と北条隊。
軍師殿の狙撃隊と幻庵は、後方に廻すつもりだ。
俺の部隊…よく考えたら女性が半数だ。
それに、実践が出来るレベルにあるのは乃絵美だけだ。
山梨に送られていたメンバーは、織田に取り押さえられない為に、自衛として銃の訓練をやらされてはいた。
いざ戦争となると、その技術が生かされること無く逝ってしまう事も考えられた。
強い女性は欲しい所だが…。
そのバットは…、見た感じはイイ趣味してると思うんだけど、実戦では…。
1 霧島奈緒美を連れて行く。
どのみち、鳥海姉妹が戦力外なので、人手は欲しい。
2 連れて行かない。
やはり、拠点の人員は少数なのだ。そこからは割くことは出来ない。
3 乃絵美以外の女性陣は、根拠地で待機。
不満が出るかもしれないが、戦力と言う目で見れば、足を引っ張られる恐れがある。
4 前の選択肢に戻る
666 :
諸葛尚:02/06/12 22:43 ID:3t0hJ7t6
戦術の選択肢ですな、こういうのは祖父が得意なのですが・・・
拠点防衛を重視ってことで2です。お爺様、これで良いのでしょうか・・・?
しばしの間、お待ちくだされ…。
頑張って下され!
いつも見ておりますぞ。…最近はなかなか暇が無く、選択出来なくて残念ですが。
デウスの祝福があらんことを!
「 この拠点は、何があっても敵の手に渡すわけには行かない。
この八王子西にいると思われる進藤隊も気になる。
すまないが君はここで千尋を守ってやってくれ。
彼女の名で、ぶるほ〜んを経営する様に届を出してあるんだ。千尋がやられたら元も子もない。 」
俺の言葉を聞く霧島は、やや不服そうな顔をした。
しかし、彼女も拠点の重要性は分かるらしく、もう少し説明したら納得してくれた。
手のかかる女だ…。
20:26
我々と北条勢は、昭島市Milkyway16号店を囲む布陣を整える。
囲んでいるのは北条勢で、我々武田勢は16号店北東側に布陣。
一応、我々は埼玉に向いてはいる。
16号店は21:00には閉店し、21:30ぐらいには店長クラスの者も帰ってしまうらしい。
そして海原の話では、23:00過ぎに片瀬隊が出撃するであろうとの事。
それまで北条勢は、囲みを解くわけには行かない。
片瀬には、北条勢が16号店とその店長を本気で潰しに来たと思わせなければいけない。
そうして待機する我々は、不信人物丸出しなのだろうが、警察が動かないように手は打ってある。
勝頼隊本隊は、16号店背後のビルと、十字路を挟んだ対称の位置にいる。
この一角は、片瀬隊が通るだろうと想定されている道路(南北に通る道路)に面している。
奴等が、予想通り北側から来れば、西側に布陣する氏照隊と挟み撃ちにする事が出来る。
また、軍師殿は強欲そうなビル管理人数人にいくばくかの銭を渡し、数箇所の屋上に狙撃隊を配備している。
一番安全そうな南西側は、幻庵が警戒している。
さて、この布陣がうまくいくかどうか…。
「 結構冷え込んできたわね…。 」
朱美さんが自分の手に息をかけ、こすっては暖めようとする。
それもそうで、今は2月の真っ只中。一番寒い時期なのだ。
「 て、手がかじかんできましたよ…。 」
深見が一生懸命手をすり合わせている。
戦闘の際は、専用の手袋を用意させているものの、こいつは暖かくない。
かといって、分厚い手袋を持たせてもまずい。
いざと言う時、手袋を脱がなければ満足な射撃などおぼつかないからだ。
その分タイムロスがある。
それで怪我人や戦死者を出しては、後のぶるほ〜ん経営に差し支えが出てしまう。
服装だけは、しっかりと防寒に防弾をしてあるのだが…。
手先の事を考慮してなかったのは失敗だったかもしれない。
21:31
ついに戦いの火蓋が切って落とされる。
閉店作業を済まし、帰宅しようとした16号店店長。
店から出ると、いきなり発砲され、慌てて店内に戻っったとの事。
氏照隊の一部が、店正面に陣取り、路上駐車してある自分等の車に隠れつつさらに発砲する。
店のガラスは防弾仕様なので、貫通弾は無いものの、おびえきった16号店店長は全く出てこなくなった。
大方、埼玉の本店に救援要請でも出しているのだろう。
新たな兵を送るよりも、片瀬隊や本隊を向かわせるはず。
待機中の全兵に緊張が走る。
22:27
埼玉方面で工作中の海原より緊急連絡が入る。
「 海原だ、敵の本隊70名は張飛の突撃で壊走した。
現在は追尾中だ。敵の総指揮官御影咲夜を何とかして捕獲してみる。 」
「 何、本当に敵は張飛1人で壊走したのか? 」
信じられず、俺は海原に聞き返す。
海原は笑いながら、張飛の暴れっぷりを話す。
現在海原は、張飛に肩車させて逃げる敵を追っているらしい。
せめて海原だけでも討とうとした兵は、間に合わず張飛に蹴散らされるか、
落ち着いた海原の射撃で散ったかのどちらかだと言う。
これで…敵の半数は壊滅した………。
この話を身近の者にすると、大志や瑞希が歓声を上げる。
「 これで我々の勝利は確定に近づいたな。
敵は士気を喪失しているぞ! 」
「 勝頼、これで勝ったも同然よね! 」
たった2人の工作員によって、結城本隊70名が壊走した。
喜ばしい事態だが、敵はまだ120名はいる。まったく安心は出来ない…。
とにかく、この件を氏照等に報告すると、こちらも大喜びだった。
「 あの中国人、雇ったかいがありましたな! 」
悲壮な覚悟であった北条勢に、僅かな精神的余裕が出来る。
23:42
さらに包囲を続ける我々。
あんまり寒くなって、誰も口を利かなくなる。
あまりいい現象でもないが、寒い中の包囲戦ほど辛いものは無い。
「 ここは我輩が気の利く歌を聞かせてやろう! 」
士気が下がりつつある俺の隊で、唯一士気が高い大志。
立ち上がって歌い始める。
内容は、こともあろうか「いちごGoGo!!」だった。
どうでもいいけどな大志、それは敵方の歌だ。
恥ずかしくも無く「いちごGoGo!!」を歌う大志が、突然前のめりに倒れる。
そして数発の兆弾。
来た、片瀬隊だ!
俺は大志を起こし…
1 男と乃絵美は車の陰に伏せろ、他はこの路上から退避して、ビルの陰に隠れて応戦!
2 敵兵の姿が見えない…。総員車の陰に隠れろ!
3 諏訪、中川は俺に続け、他のものは車の陰に隠れて応戦。俺は他の路上駐車に隠れつつ敵に接近する。
4 前の選択肢に戻る
諏訪っち活躍の予感ですな!
勿論3を選ばせて頂きますぞ。
冷泉殿、頑張って下さい。いつも楽しみにしてます。
674 :
呉班:02/06/17 07:57 ID:HLvxH7Kg
ボス!
かっこよいですぞ!
流石中国男子じゃ!
それはそれとして大志殿、無事かのぅ。
「 諏訪、中川は俺に続け、他のものは車の陰に隠れて応戦!
乃絵美、大志を頼む! 」
すぐに諏訪と中川が俺の背後によ寄る。
敵の姿は既に無く、恐らく奥のビルの陰にでも隠れているのだろう。
俺は5メートル程前進し、すぐに路駐してある乗用車の陰に隠れる。
敵がいるであろう場所との距離はわずか6メートルも無い。
数発の兆弾が俺たちの手前で暴れる。
乃絵美達、後方の者が撃ったのだろう。
「 乃絵美、大志はどうだ? 」
一応、無線で大志の状態を聞いておく。
流血が無いので、チョッキで護られていたとは思うが。
「 大丈夫だよ。ただ、至近距離から撃たれた衝撃でしばらく動けないみたい。 」
「 分かった。 」
大志が無事なのを確認すると、俺は目の前にいるであろう敵をどうするか検討する。
予想に反し、敵は東側より撃って来た。
これでは氏照と挟み撃ちにするわけにもいかない。
俺は乗用車から顔をすっと出して前を見る。
敵は、やはりビルの陰に隠れていた。
しかも撃つ手が早い。
チラリと見た瞬間、すでに相手の銃口がこちらを向いている。
とっさに頭を引っ込めたので、相手の放った弾は兆弾となる。
「 腕のイイ奴がいるな…。人数は2人だ。腕のいいのは一人のようだ。
本隊の方は、遠回りしながら氏照に向かっているのかもしれないな。 」
「 そうなると、氏照隊の援護に向かわないといけませんが…。 」
中川が言うが、いかんせん、目の前の奴を片付けないと俺達は動けない。
下手に飛び出すのは危険すぎる。
「 若、ここは私がやってみますよ。 」
にっこり笑う諏訪が、俺の返事も待たずに乗用車の下に潜り込んでいく。
地面をする音が敵に聞こえないように、俺は目くら撃ちをして敵の注意をこの射撃に向けさせる。
そして、撃とうと身を出した2人は、乗用車下部に潜んだ諏訪に撃ちぬかれる。
諏訪が乗用車の下からはいずり出てくる。
「 若、この者達は射撃がうまいようですが、戦場慣れはしていないようですね…。 」
諏訪は笑顔で言った。
俺も余裕を取り戻して笑う。
だが、笑っている余裕は無い。
すぐに、氏照に片瀬隊来襲を知らせる。
そして、敵らしき者がいないかどうか、先ほどの敵がいたビルの陰まで行ってみる。
そこも十字路になっており、俺は左に曲がる前にチラリと左側(方角的には北になる)を覗き込む。
それらしい奴はいない。
敵は別の道を行ったか…。
その時、後方に十数発の兆弾の音と悲鳴が聞こえる。
「 しまった、乃絵美の隊がやられたか!! 」
振り返り、走る。
乃絵美や朱美さんは乗用車を盾にして、北側を向いて反撃を試みている。
瑞希と復活した大志(復活が早いじゃないか…)は、俺達の前で壁にもたれながら、反撃のスキを狙っている。
悲鳴をあげた深見は、やや混乱しているのか、朱美さんの背にしがみついている。
結局、敵は予想通り北側から攻めてきていた。
さっきのは我々に対する囮だったのだろう。
南北に貫通する道路で、氏照隊の一部と朱美さん達が応戦している。
俺は、諏訪と中川には背後を見張らせ、自らは朱美さんや乃絵美の所に飛び込む。
数発体をかすめたが、被弾は無い。
「 か、勝頼君、無茶な事はしないで! 」
いつになく厳しい顔をする朱美さん。
「 朱美さん、心配してくれるのはうれしいんですが、ここは戦場。
死ぬ時は何をしても一緒なんです。
それより、敵を確認したいのですが…。 」
朱美さんは少し後ろに下がり、俺はその間に入り前を覗き込む。
「 だいたい、人数は15人前後ってぐらいか…。
距離は30メートル弱ってとこだ。
これでは当たるものも当たらないな…。 」
乃絵美が頷いてこちらを見る。
乃絵美は武田一門でも屈指の射撃能力をもっている。
それが当てられないのだ…。
「 お兄ちゃん。これだけ離れると、狙撃銃か小銃がいるよ。 」
乃絵美は言うと再び射撃する。
やはり当たらない。
こうなったら…。
1 軍師殿に無線で伝える。「北側の敵を一掃してくれ!」
狙撃兵がいるのがばれてしまう諸刃の剣。狙撃兵を温存させたい人にはお勧めできない。
2 諏訪と中川、大志に瑞希4人に、この道路東側のブロックを一周させ、北の敵の東側に向かわせる。
敵の側面を突く戦術。しかし、孤立の危険もつきまとう離れ業。
3 このまま対峙する。
西側の氏照隊に、状況打破してもらうしかない。
4 前の選択肢に戻る
おおおおおお!!!
諏訪っちフィーバータイム突入ですか!!
更なる活躍に期待を込めて2を選択します。
ここは、敵の側面を突いて流れを変えるしかない…。
俺は無線で大志を呼ぶ。
「 大志、瑞希と諏訪に中川を連れて、東側ビル群を迂回して、敵の側面を突いてくれ。
無理はしなくていい。敵が側面の大志等に気付けば、俺や氏照等が突貫するスキが出来る。
俺達はそこを突く。迂回したら連絡をくれ。 」
「 フッ、我輩に任せておけ…。 」
大志は3人をまとめ、諏訪を先等に走り始める。
俺は氏照等と一致した行動を取る為、彼に無線で連絡する。
「 氏照殿、我が方の遊撃隊が敵の左翼を突く。
敵が一瞬ひるむであろうから、そこで俺とそちらの隊で接近しよう。 」
「 それは助かりますな。了解です。
合図をくれれば、同時に前進します。 」
連絡を終え、俺は前方(北側)を覗き込む。
盾になるものは路駐してある乗用車群。
うまいこと間隔が開けてあるので、それに頼りながら前進すれば被害はそうでないだろう。
走っても、向こう二台目までが精一杯か…。それ以上走れば、敵の集中砲火の前にやられるだろう…。
適当に発砲しながら時を稼ぐ。
膠着状態という奴だ…。
数分して、大志から連絡が入る。
「 マイブラザー、我輩等は敵と距離15メートルの地点にいる。
敵はこちらに気付いてはいないゾ。 」
「 分かった、では俺が指示を出すまで待機していてくれ。
俺は氏照に連絡する。 」
すかさず氏照に無線をいれる。
「 遊撃隊が敵の左翼に廻った、俺が発砲指示を出してから三秒後に前進してくれ。 」
「 了解。 」
見える北条勢が、全員腰を上げる。
俺は後ろを振り向き、怯える深見を見て言う。
「 深見はここで援護射撃をしてくれ。
俺と朱美さんと乃絵美は前進する。 」
深見には突撃的な行動はさせられそうに無い。
俺なりに考えての事だが、深見は置いていかれると思ったようだ。
「 わ、私もついていきます…。
ひ、1人じゃ…、こ…心細くて…。 」
完全にすくみあがっている深見だが、これでは置いていくわけにも行かない。
「 まどかちゃん、私の背中についてくれば大丈夫よ。 」
「 は…はい…。 」
朱美さんが優しく手を取り言うが、深見はふるえて頷く事しか出来ない。
とにかく、深見には気の毒だが突撃はやめる訳には行かない。
俺は大志に合図を出す。
「 大志、撃ち方始めだ! 」
「 任せろ!! 」
すぐに頷く大志。
前方にある敵側の車に次々と銃弾が降り注ぐ。
「 3…2…1…行くぞ!! 」
慌てふためいた敵に、走りながら弾丸を浴びせつつ、俺達は二台向こうの車を目指す。
北条勢も前身を始める。
こちらから放たれた弾が、大志等の方を向いていた者を倒す。
1人…2人…。
もっとも、こちらにも弾は飛んで来ており、一発の弾は俺の頬をかすめた。
目標の車が、やけに遠く感じられる。
目標の車に到達。
滑り込むように殺到する俺達。
幸いにも、こちらには特に被弾も無く済んでいる。
一方、北条勢は2人程倒れていた。
敵は今の前身部隊と遊撃隊からの猛射で6名程倒れた模様。
さらに前進を試みる北条勢に気を取られた敵側は、遊撃隊の諏訪、大志に突貫され壊乱する。
そこへ本格的に突撃した氏照と、5名程の北条勢が殺到。
相打ちか蜂の巣かを迫られた北側の敵は、残り4名の時点で両手を挙げ降伏。
降伏者は、縛り上げ放置。連れて歩く余裕は無い。
俺達は大志等のほうまで走り、遊撃隊と再び合流し、氏照とも合流した。
「 何とかなりましたな…。 」
敵が痛みにうめいて転がりまわる中、氏照は俺に話し掛ける。
「 ああ、敵の前衛は何とかなった…。
あとは片瀬雪希の姿を見つけれればいいのだが…。 」
そんな時、各方面から慌しく連絡が入る。
「 こちら幻庵。敵の発砲を受ける。
現在ワシ等は応戦中じゃ。敵は30はいるぞ! 」
「 遠山です。Milky16号店の西側より発砲を受けました。
敵の数は不明。 」
「 こちら狙撃隊、勘助じゃ。若から北、100メートル先に怪しい一群を確認。数は7ってとこだ。
真ん中に若い娘がいる。頭に風車を着けとるわ。
情報にある、小野崎とかいう娘じゃないか? 」
「 こちら武田狙撃隊三番隊。16号店東の若の初期配置から、さらに東にガフッ!! 」
最後の報告は、伝えきれる前に事切れる。
氏照の微笑を浮かべていた顔が真剣なものに変わる。
「 包囲されているな…。 」
氏照の言葉に頷く俺。
続いて携帯に飛び込んでくる情報は、俺達を狼狽させるに十分なものだった。
「 こちら八王子、鷹梨宏明です。
武蔵野にいた進藤さつきが兵をつれて出現。発砲を受けています。
このままでは、防弾ガラスも破られるのも時間の問題です。
応戦はしていますが…武器の精度が違います…。
あ、ちょっと待ってください…。ドウシタチヒロ…ナンダッテ…!?
片瀬雪希、ここより東、約25メートル先に出現。兵30!
早く帰還してください!! 」
片瀬に出し抜かれたか…!!
「 どうする、勝頼社長!! 」
慌て始める氏照。
他の者も狼狽している。
「 落ち着けっ! 」
俺は総員の前で一喝し、黙らせる。
「 慌てれば、敵の思う壺にはまるだけだ。 」
さすがに、氏照等はすぐに平常心を取りもどす。
少なくともこれで分かった事は、敵は俺や氏照の首より、拠点征圧を優先させている事が分かる。
また、氏勝等の監視も甘く、進藤さつきの進軍を許してしまっている。
そして俺達は、かなりの危機に立っている。
まずやるべき事は、昭島市からの脱出で、早く八王寺に帰還する事だ。
氏照は必死に弟氏邦を叩き起こしている。
夜中に起こされた氏邦が言うには、進藤さつきは武蔵野工場付のホテルで宿泊しているし、出るところを見ていないと言う。
そんな事を言っても、現に進藤さつきが八王子を攻めているのだ。何を言っているのか…。
氏照の要請で、氏勝が手勢を率いて八王子まで応援に来る事に。
そして我々は…。
1 まずは敵の副官的存在、小野崎清香に攻撃をかける。
一旦北方に移動し、返す刀で幻庵隊の援護に廻る。
この時、16号店の包囲は解き、遠山隊は俺達と合流。
2 狙撃隊に猛射する事を指示。
小野崎本隊と、東の敵の足を止めさせて俺達は遠山と合流。
速やかに幻庵とも合流し、さっさと昭島市より南下して八王子を目指す。
3 一旦、幻庵隊と遠山隊と合流させる。
16号店の囲みを維持しながら、敵の撃退に努める。
俺達は、狙撃隊と連携しながら北の小野崎隊に総攻撃をかける。
4 やばそうなので前に戻る。
まとめて読まさせていただきました……。すごくイイっす!
なるべく狙撃隊は切り札にしておきたいので1.を選択しようかなぁ……。
ちょっと自信がないので、他の案が有る方の選択もお願いしたいです。
(あぁ、本当の高山右近重出ほどの戦上手ならなぁ……)
684 :
諸葛尚:02/06/19 00:04 ID:rN6y+Hx6
誘き寄せのような攻撃であるので16号店の包囲継続は無意味なので3はボツ
足止めだけでは八王子に敵を連れて行ってしまうので2もボツ
なので高山殿が1を選択したのは私も賛成です。
出すぎたことを言ってるかも……
「 よし、ここは小野崎清香を叩く。
氏照殿、16号店の包囲隊をこちらに差し向けてくれ。
合流が終わり次第、北に向かう。
敵の本体を潰したら、急いで幻庵殿の援護に廻る。 」
俺はとっさの判断で指示を出す。
了解した氏照は、すぐに遠山を呼び出し、16号店の包囲を解く。
「 一気に小野崎清香を攻める。
総員は遅れるな。 」
西側から近づく敵から、逃げるように走ってきた遠山を迎えると、俺はすぐに進軍の指示を出す。
小野崎らしい奴は、確かに100メートル先にいるようだ。
「 この距離では、弾などそうそう当たらん。
しっかりと隠れながら移動すれば、距離30までは接近できる。 」
俺の言葉を聞き、頷いた北条勢や仲間達。
「 よし、俺に続け! 各員は散開しつつ走れ!」
俺は乗用車の影から飛び出し、小野崎を目指し走る。
走り始めた俺達の前方で、小野崎は部下からでかい銃を受け取っている。
それは、固定させる足が着けられていた。
小野崎は、それを乗用車の天上部に設置し、自らも乗用車のトランクの上に乗る。
こうすると、小野崎自身の姿は良く見えないが、向こうからは一方的に撃てるようになる。
「 まずい、総員物陰に隠れろ!! 」
敵の狙撃銃、もしくはライフルと判断した俺は、とっさに隠れるように叫ぶが…。
見た者から、よく風車と言われる大きなリボン。
それは、後頭部から×の形に大きく広がっている。
その上で、実年齢が判別つきにくい幼い風貌を持った女性、小野崎清香。
昭島市に入る前に、彼女は雪希と別れてこの地で武田隊と氏照の始末を任されていた。
清香の姿に気付いた武田の棟梁が、部下連中とともに駆け寄ってくる。
包囲された敵は、速やかに逃げるものだと思っていたが、そうならない男たちがそこにいた。
清香は軽く舌打ちすると、隣の部下に愛銃を出させる。
これは、結城倫が関東制覇に乗り出した頃から使っている、強力なライフルだった。
命中率が乏しかったが、弾丸が大きく破壊力は抜群で、弾にバリエーションもあった。
乗用車の天井部に据え付ける清香。
部下連中は、各自に迎撃態勢を取る。
清香は無言で愛銃を眺める。
( 私の手で、全部終わらせてあげるよ…。雪希ちゃん。
明日からは、こんな事をしなくてもいいように…。 )
彼女の率いている6名。
彼等は、古くから関東に根を生やしていた小野崎党の兵隊だったが、度重なる戦闘で小野崎党幹部となっている。
また、これが小野崎党最後の兵力でもあった。
出陣の前に、清香は倫に作戦延期を訴えていた。
兵の消耗が激しく補充が全然追いついていないのと、敵の戦力調査が不足している点をついて。
「 アンタねぇ、小野崎党を壊滅させる気?
今度の戦いいかんによってはね、私等全滅もありうるのよ。分かってる!? 」
かつては兵200名を動員した小野崎党、いまは頭数で20揃えるのがやっとだった。
清香は倫に噛み付くも、関東の鬼女傑と恐れらる女には通じない。あっさり答えられた。
「 ええか。要請に答えて、今回で氏照と武田勝頼、鷹梨千尋の3人を撃てば、
小野崎党と片瀬家は永久に兵役を免除するわ。もう戦わんでええわ。
最近は自前で、大分養えるようになったから外注に頼らんでも良くなってきてな。
ただ、断るとウチ等に対して反逆と見なすで。気張って頑張らなアカンで。 」
この…!
清香はあやうく殴りつけたい衝動を押さえ込む。
戦場に行くか、要請を拒絶するか、どちらを選んでも小野崎党の壊滅は避けられない。
清香が最後に取った案は、小野崎党の壊滅と引き換えに、要請内にある3人を自分で撃つ事。
これなら、幼い頃からの妹分で、親しかった雪希だけでも無事に済ますことが出来る。
清香の本心は、全くの不戦だった。だがそんな個人感情で小野崎党が難癖を着けられて葬られてはかなわない。
清香は愛銃を見つめながら、今一度気合を入れなおす。
( 今日で、戦いを終わらせて見せるわ。雪希ちゃん…。 )
「 小野崎様! 」
部下の呼びかける声で気付く清香。
敵が猛スピードで近づいてきている。
気を取りなおし、清香は照準を合わせる。
先頭を走る、武田勝頼に…。
「 いかん、若!! 」
清香を見る勘助は、すかさず引き金を引いた。
噂に聞くあの清香の銃は、チョッキでは防護できない。
かりに突き抜けなくとも、肋骨数本の骨折は避けられない。
勘助の放った弾は、清香の左肩を打ち抜く。
たまらず清香が車上より転げ落ちる。
「 どうやら…狙撃兵が潜んでいたようね…。
上から…撃ってくるなんてね…。私が甘かったわ。 」
清香は無謀にも、左肩を右手で押さえると、剛毅に立ち上がる。
戦い慣れている兵は、これを狙撃と見抜いて車の陰に隠れ、射撃位置らしき方向からは死角に入る。
「 直ちに全軍に警戒を出します! 」
兵の1人が無線を取り出す。
「 そんな事より、早く氏照と勝頼を撃つのよ!
余計な事してないでさっさと突撃するわよ。
どのみち、倫と合わない私等は壊滅する運命だったのよ…。だから、最後の時は存分に暴れてやるわ…!
分かったら突撃するわよ、銃架を持ちなさい! 」
何もかも振り切り、最後の突撃を敢行しようとした清香。
隣の兵が愛銃の銃架を持ち上げる。。
「 適当でいいわ…。私なら、この距離であてずっぽうで十分当てれる…。 」
すでにお互いの距離は30メートル程に接近している。
切り込んできた勝頼は、相変わらず車を盾にしぶとい射撃を続ける。
清香の左にいた兵が北条側から飛んできた弾で倒れる。
振り返る事はしない。
ここで全員死花を咲かすのだ。
「 生き残ったものは突撃ぃ! 武田勝頼、出てきなさい!! 」
清香が長大な銃の足を兵に持たせ、大口径弾を放ちながら走る。
その兵数は清香と銃架を持つ兵を入れて4人。後は狙撃と拳銃で倒れている。
清香の乱射するさきには勝頼…!
「 あの銃はまずいぞっ! 」
大志が清香を見て青ざめる。
「 きゃぁぁぁぁ! 」
大口径銃の兆弾が、俺の隣にいた乃絵美の胸に炸裂する。
幸いにも一度地面を擦っているから威力はかなり落ちてはいる。
が、一撃で乃絵美が気絶してしまった。どうする…。
1 清香をめがけ、ここぞとばかりに乱射する
2 狙撃隊に任せる。軍師殿やってくれ。
3 とりあえずあの銃を粉砕する。諏訪、また頼むわ。
4 前に戻る。清香が死にそう。
689 :
諸葛尚:02/06/19 22:55 ID:rN6y+Hx6
狙撃隊がばれてしまいましたね、2が上策かもしれませんが
諏訪殿のファンも居るようなので(清香に死んで欲しくないがための言い訳)
3を選びます。
これはこれは諸葛殿、唐土の軍師殿から賛同のレスが頂けたとは、感謝です。
えぇ、ここは葱板。フラグ有るところに必ず救済が有ると信じて3.に同感です。
このスレの諏訪っち、何気に特殊工作系統の武力が高そうですしね……。
清香が相打ち覚悟の突撃を始める。
慌てた北条勢が撃ち始めるが、弾は清香の背後の地面を削るばかり。
「 諏訪、あの銃を止めろ!! 」
俺は乗用車の陰に隠れながら、銃架を抱える相方を撃つ。
が、これも外してしまう。
その瞬間、清香の放つ弾が頭上すれすれを飛んで行く。
その弾は俺達の背後にある乗用車のボンネットをぶち抜き、地面を弾いて兆弾となる。
「 若、下がってください! 」
諏訪が身を乗り出し、素早く2発撃つ。
弾は長銃の銃口付近に当たり、発射口付近を潰してしまう。
もう一発は銃架を持つ相方の左腹を打ち抜き、これはたまらず倒れこむ。
これによってバランスを崩した清香は、愛銃と共に前のめりに倒れる。
指揮官が倒れ、それでも突撃を止めようとしない残りの2人。
だが、勝敗は既に見えている。
2人の銃は、諏訪の射撃でそのまま叩き落される。
もっとも、諏訪自信も被弾してしまっている。
右腕から血を流している諏訪。
「 貫通弾です。止血すれば何とか…。 」
脂汗を浮かべる諏訪は、服を一部破り、それで腕を縛る。
残った2人は、追いついた氏照等に囲まれ降伏する。
「 さっそく小田原に連れて行って処分だな…。 」
氏照が、倒れてそのまま動かない清香を見下ろして言う。
清香は、左肩からの出血が多くて気を失っている。
俺は朱美さんに、清香の止血を頼むと、氏照の前に立つ。
「 氏照殿、すまないがこいつは武田で預からせてもらう。
この歳でここまで戦えれる者は殺すに惜しい。
それに、少しでも結城の情報は欲しいしな…。 」
氏照はかなり不服そうな顔をするが、
「 分かりました。小野崎清香とその手勢にか関しては武田家に一任します。 」
と言い、地面に転がる無線を拾う。
それは、清香の隣で倒れた男の胸から転げ出たものだった。
氏照は無線を拾うと、それに大声で言った。
「 八王子の北条氏照だ。
貴様等の指揮官、小野崎清香の部隊は壊滅した。速やかに降伏すれば命は助ける。
立ち向かうならば残らず射殺する! 」
無線からは、各方面に散った隊将校からの清香の返答を待つ言葉が飛び込んでくる。
真っ先に降伏したのは、幻庵に攻めかかっていた部隊だった。
この隊は、幻庵と朝直の狙撃で数が大きく減らされており、士気も喪失していた。
幻庵や、各方面から報告が入る。
「 幻庵じゃ。敵が降伏したわ。捕縛した敵数は16! 」
「 こちら勘助、東側よりの敵は撤退の模様。遠回りして八王子に向かうかも知れん。 」
「 こちら第四狙撃班、Milky16号店に入城した敵は篭城の模様。狙撃しても駄目のようです。 」
報告を詳しく聞いていなかったが、西側に出現した敵はMilky16号店に入った様だ。
報告を聞く俺の体から力が抜ける。
「 とりあえず、この地では勝利したと言う事か…? 」
「 そう…みたいね…。 」
止血作業を終えた朱美さんが頷いた。
氏照が俺のそばに来て言う。
「 問題はここからですぞ、八王子での戦闘にどうやって入り込むか。
また、16号店や東の敵をどうするか…。 」
「 そうだな…。 」
俺は新たに身を引き締める。
緊急で考えなければならない。
この地をどうするのか。
全面撤退していいのか、16号店を再度包囲して(少数で)出さないようにするのは分かるが、
東側の敵を追撃するかどうかも検討しなければならない…。
あと、捕虜の数も問題だった。
「 車が不足しています。捕虜を連れて行くことが出来ません。 」
遠山が苦笑して俺に報告する。
車、またはバイクで来た北条勢は、ギリギリの台数で出陣してきている。
戦闘によって壊れたものも存在し、帰りの足に関しては問題があった。
負傷して倒れ、野ざらし状態になっている敵さんを救急車任せにする事は決定した。
が、この捕虜に関しては、連れて行くことを氏照が強硬に主張している。
「 どのみち…16号店の敵はそれなりの数を持っているはずです。
早朝まで包囲兵を敷き、ここは敵の足止めをさせましょう。
私と、兵10で何とかします。これで何とかなりますよ。 」
と、遠山はライフル銃を俺に見せた。これは北条勢でも所有者はかなり少ない。
「 東の敵には少々苦労してもらってきたい。
奴等、狙撃兵を持っておったわ。部下が死んだので疑ってはおったが。 」
軍師勘助が俺達の場に合流してくる。
狙撃兵の数は12と減っていた。
勘助は自分等の存在がばれた以上は、隠れる事も必要無しと、退却する敵兵に出来る限り撃ち込んで来た。
狙撃班だけで8名は片付けたとの事。
そこに大志が首を突っ込んでくる。
「 マイブラザー、ここは東の敵を追撃する好機ではないか?
本拠地はしばらくは持つだろう。
まずは目の前の敵を叩こう。 」
「 それは…敵の狙撃兵を何とかしてから検討したほうが良くないか? 」
勘助は、この追撃を危険ととらえるようだが…。
「 若、車の準備が出来たようです。 」
諏訪が報告にくる。
車は氏照に出してもらったものだ。
まずは…さっさと乗り込むか…。
八王子の北条氏の息がかかっている病院に清香を応急手当してやらねばならない。
ぐったりした清香を背負う。
「 こんな小学生を戦場に狩りだす結城ってのは鬼だな…。 」
清香を背負った俺はつぶやく。
「 なんですってぇぇぇ!誰が小学生よ!! 」
くたばりかかっていた清香が、叫ぶと同時に俺の後頭部を殴る。
「 ぐはっ! 」
周りのものが一瞬殺気立つが、清香はすぐにぐったりして動かなくなる。
「 なんて奴だ…。 」
俺は片手で後頭部をさする。
「 退却前に、行動をどうするのかの指示を! 」
遠山が言う。スマン、八王子が気になって忘れる所だった…。
1 遠山に兵20(それだけ残さないと車が足りない)を渡し、16号店に篭る連中を牽制。
他の者は全力で八王子に。
2 全軍退却。敵の車も使用し、足りない場合はそこら辺の暴走族に夜襲を喰らわせ、車にバイクを奪う。
3 遠山に兵10を渡し、16号店の牽制に。そして、分隊として狙撃隊には徒歩で東の敵を追撃してもらう。
多少距離をおけば、後方から一方的に撃てるだろう。敵が車に乗ったらその限りではないが。
4 前に戻る
いまさら気付いたワケですが、容量が結構大きくなってきています。
このままいくと、あと十数回の選択でスレは一杯になります。
せっかくなのでこれも選択に…。
1 普通に次スレを建てるので容量は問題なし。いつも通りに続行していく。
2 多少話を簡略化させてでも、このスレで完結させる。
3 ゲームのごとく、全国統一までやる。
4 これからもずっと、お兄ちゃんの妹でいたい♪
696 :
諸葛尚:02/06/21 22:17 ID:pXp5TnCe
最近連続で選択していて少し気が引けるのですが無難な1を選びます。
二つ目に関しては他の方の意見も必要ですが私としてはいつも楽しみにしてるので
1を希望します。(冷泉殿がよろしければですが)
後は4も捨てがたいですな(マテ
お疲れさまです。いや、スレ容量とは気づかなかったです…
諸葛殿、私も前半一人で選択しすぎているので……あまり気になさらず。(と言える立場ではないか…
スレッドについての選択肢の方ですが…
冷泉殿の負担になってしまわぬのでしたら、ぜひ1.をお願いいたします。
……4.って、実は好感度不足による現状維持エンド!? (いや、何のだw
捕虜の移動問題もある。
ここには遠山に残ってもらい、俺達は捕虜を乗せて八王子に向かう事にする。
説明を終え、遠山にライフル銃を持つ2人と、彼等を含む計20名の人員を任せる。
「 必ず足止めさせてやります。
朝までMilky16号店からは一歩も外には出させません! 」
遠山は一礼し、手勢を連れて16号店の方に向かう。
「 さ、我々は八王子に向かいますか。 」
氏照が促す。
俺達は氏照のワゴンに乗り込む。
負傷者や戦死者を乗せた車は、そのまま八王子の病院へ向かう。
この氏照の車にも、清香を乗せてあるので、一度は病院に行かなければならない。
我々が病院に向かっている間は、幻庵に任せておく事に。
「 しかし、この銃は凄まじいな…。我輩もこんな銃を持ちたいものだな。 」
人数を積めるだけ積んだワゴンの中、大志が清香の銃を引っ張り出す。
狭いんだ、そんなでかい銃を引っ張り出すんじゃない。
「 あいたっ! 」
銃の取っ手の部分が、深見の頭にぶつかる。
「 九品仏君、そんな物を車の中で出しちゃ駄目よ。 」
朱美さんが深見の頭をさすりながら言う。
「 うう、痛いですよ…。 」
深見の目に涙が溜まっている。余程勢いよくぶつけたのだろう。かわいそうに…。
「 い、いや…スマン。悪気は無いのだ…。
ただ、一刻も早く敵の銃を調べておこうと思ってな。 」
大志がばつが悪そうな顔をして、銃を後部に置きなおそうとする。
その時、大志の持つ部分がぐるりと回り、彼の持つ壊れた銃先を残し、他がドスンと落ちる。
分離式の銃のようだ。まあ、確かにこれだけ大きい銃は単体では運ぶのが困難なのだろう。
銃弾を受け、ねじ山も留め金も壊れていたようだ。
不幸なだったのは、銃の直撃を受けた瑞希。
「 アンタねぇ…。 」
引きつった笑顔で大志の両頬をつねる瑞希。
「 ふぁ、ふぁいふぃふはぁーほぉ、おひふゅふほぉふぁ…! 」
「(訳) マ、マイシスター、落ち着くのだ…! 」
俺は大志の助けを求める視線を放置し、銃のほうを見る。
( あれはまだ使えるのか? )
勝頼等が八王子に向かっている間、根拠地では苦戦を強いられている。
当初は、2階、3階等から窓を開けて射撃する等の方法を取ったが、敵の狙撃の前に負傷者が2人程でた。
10人と居ない人数で、2人が戦闘不能な状況では、鷹梨宏明は反撃許可を出さない。
頻繁に1階窓ガラスに撃ち込まれる銃弾。
いくら防弾ガラスとはいえ、こうも撃たれ続けるといつかは割れる。
その時は、せっかく内装が進んでいる1階を見捨てなければならないだろう。
人員数に砲の数が違いすぎる。
また、銃の質が違いすぎた。
武田や北条で使う銃は、粗製濫造品とも言える製品。
某業者に頼んで発注している物だが、暴力団などで使われる銃と性能的には変わらない。
ここで進藤隊が使用している銃は、暴力団に広く使われている旧ソ連の軍用拳銃「トカレフ」。
結城氏が、本場から直輸入している本物の軍用で、当たれば人間の頭部など砕けたスイカの様になる。
これに抗する程の防弾ガラスは、備え付けられてはいなかった。
氏直が土壇場でケチったのが原因だったが。
このビル、1階から2階に行くには階段を使わなければならない。
絶対的に2階側が有利なので、鷹梨勢は安心はしている。
ただ、このビルには、従業員用エレベーターという厄介極まるものがあった。
( こいつは故障させた方がいいな…。 )
エレベーターの電源を落とす宏明。
「 お兄ちゃん、1階西側のガラスが割れたわっ!! 」
千尋がエレベーター前まで走ってくる。
宏明が1階の広間まで出てくると、割れた穴から銃弾が飛び込んでくる。
すでに一階は電気を切っているものの、敵の目には見えるようだ。
( 暗視スコープの様な物を持っているか…。 )
「 宏明さん、1階は危険です。すぐに2機に上がりましょう。 」
隣にいた男が言う。
確かに、すぐに敵は侵入を試みるはずだ。
そこを突くか、黙って進入を見過ごすか、罠を仕掛けるか…。
宏明が考え始める。
しかし、千尋は考えずに行動を起こす。
1 「 お兄ちゃん、これを並べておくわ。 」
千尋の手には、膨大な数のバルサンの類似品。なるほど、敵が入ってきたと同時に煙幕攻撃か。
しかも、吸ったら危険だ。ある意味ガス攻撃だ。小田原の新製品で、遠隔操作が出来るのがイイ。
2 「 お兄ちゃん、考えてる暇は無いわ! 」
千尋の手に引っ張られ、2階へと駆け上がる。敵が1階に侵入しようとするところを2階から撃ってみるか…。
もしくは5階あたりから狙ってみてもイイ。
3 「 お兄ちゃん、私はここで抵抗してみるわ。やばくなったら逃げるから。 」
千尋は、並べられたテーブル等を立てて、バリケード代わりにする。
他の者も集まって来る。敵に多少の出血は強要せねばだめかもな…。
4 前の選択に戻る
了解です。
容量が危なくなったら次スレを建てます。
どこまで書けるのかは分かりませんが…。
4は「 これからもずっと、スレを続ける。」
って、3で書こうとしたら本能的にあんな文になったのでネタにしただけです…。
乃絵美を攻略すると朱美さんが不可能になる罠…。
しかし、両方とも………というか3ピ……
パァン
おおおおおおおお、久々に見たら諏訪っちが大活躍でしゅよ!!
退避もイイ!かもなので2です。
吉野家はカモフラージュか?諏訪っち!!!!!!!
( 視点変更 鷹梨宏明)
「 お兄ちゃん、考えてる暇は無いわ! 」
千尋の手に引っ張られ、2階へ向かう。
こうなれば、1階は放棄して、突入してくる敵を上部より狙撃しながら時間を稼ぐしかない。
僕はすぐに霧島君を呼び寄せる。
彼女は先ほどから例のバットを抱えている。
「 霧島君と僕は階段のところで待機する。
僕の射撃が突破されたら、君は躊躇なくそれで殴ってくれ。 」
「 分かったわ。
ようやく私の出番が来たわね。 」
霧島君は2階階段付近でしゃがみ込む。
登って来ようとする敵は僕が射撃で何とかし、登られた時は彼女の出番と言う事だ。
よっぽどの事がない限り、敵が登って来れるとは思えないけど。
「 千尋! 」
妹を呼び寄せる。
千尋が僕のほうを向く。
「 千尋は残りのメンバーと一緒に、窓から外部の敵を撃ってくれ。
各階に1人づつ振り分け、頻繁に場所を移動しながら撃ってくれ。
昭島に向かった部隊が戻ってくるまでの辛抱だ。 」
「 うん…。 」
千尋は頷くと、残りの者を連れて、階段を上っていく。
( ここが正念場だ…。 )
各階に散った者達から、無線で報告が入ってくる。
敵を撃つ事に成功しただの、どの位置に敵が出現しただの…。
辛かったのは、呼んでも応答が無くなってしまった者を出してしまったこと。
これで残りは6名になってしまった。
だが、みんな健闘しており、報告だけでは敵は3名ほど戦線を後退したとの事。
敵も中々踏み込んで来れないようで助かる。
僕は銃の安全装置を今ごろ解除する。
忘れていた…。やはり、僕には戦いは向いていないのかもしれない。
階段の隣で座り込み、ただ報告を聞いている僕。
「 お兄ちゃん、敵が裏口の扉に張り付いたけど、撃退は出来たみたい。
当たらなかったけど、敵は慌てて後退したわ。 」
千尋からの報告。
千尋…がんばってるな…。
この裏口の扉と言うのが曲者だった。
「 鷹梨さん、裏口のドアが爆破されました!
小型のプラスチック爆弾でしょうか…。鍵が破壊されて、ドアが開きました!! 」
悲鳴のような報告を聞いて殺気立つ僕。
裏口から入ろうが、2階以上に行くにはこの階段を使わなければいけない。
建物の防衛上、そういう構造にしてある。
非常階段が無いのは、それはそれで危険だと思うけど…。
裏口から入ってきたのだろう、濃い紺色で統一された服装の者が1階に入ってくる。
出てきた所は、階段直下。
ここはフロアーとは面していない空間なので、どれだけ弾を撃とうが、店の経営にはそう差し支えない。
ガラスが割れている時点で、すでに開店延期だけど…。
僕は銃を構えて相手の胸元を狙い撃つ。
距離が近いので、簡単に当たる。
だが、撃たれた者はすぐに立ち上がると死角に逃れていく。
で、その者のいる位置目指して、他の敵兵が走っていく。
この瞬間的に見える者を撃ち抜くのはむずかしく、僕では無駄弾を使っただけに終わる。
それにしても…敵が胸元を撃ちぬかれても動くと言う事は…、防弾チョッキは着ているだろう。
うわさの、進藤さつきの主力部隊か…。
どうする…?
1 氏照に渡された、小型の手榴弾を投げてみる。
1階フロアーがぐしゃぐしゃになるが、簡単にチョッキの連中を片付ける事が出来そうだ。
2 千尋等を呼び出し、ここでみんなで相手の頭部を狙い撃ちしてみる。
腕がみんな悪いので、難しいかも…。
3 防火シャッターを下ろして、階段封鎖。
完全に持久戦に持ち込む。(視点、勝頼に戻る)
4 前の選択に戻る
707 :
諸葛尚:02/06/26 01:00 ID:DeghT4Ph
戦略ですね…、手榴弾があるなら使いましょう
よって2を選びます、最近の選択肢は緊迫感のあるものが多いですねぇ。
708 :
呉班:02/06/26 07:41 ID:KbaJJYPr
1と2の混合技ですか?
/ ,. ソ ノ |ミノ丿ミ:、
/ 彡彡ミ/ ミヽ乂ハ. ',ヽ彡
| ミl``ヽ;;;;./ 〉
___ | ', |:::l. ´<lニ::iilーrイ
`-\ .l:::l. , ∨
| ヽ l::::l , '/_`二「
| ヽ ` /,. "´ ̄/ ドイツ最高!!
| ヽ . ヽ__j'
', ヘ.._\ ``/
710 :
諸葛尚:02/06/26 19:58 ID:DeghT4Ph
おお、直後に発言だ!
間違えました……鬱だ……1でお願いいたします。
了解です。
今夜は独逸勝利を祝って仲間と飲むので、明日書きます。
氏照から渡されている手榴弾。
これは全部で三つしかない。
が、ここで躊躇は無用。
僕はためらわずにピンを抜く。
一秒おいてから投げる。
敵に投げ返されることを懸念したつもりだったけど、その必要はなかった。
敵兵の慌てる声と悲鳴が、爆音にかき消される。
煙幕のように発生する煙が晴れるのを待つ。
が、敵はこれを目くらましにして攻撃を繰り出してきた。
煙の中撃ち込まれた銃弾が、僕の右足の脛付近を打ち抜く。
激痛で立ってはいられなくなり、とたんに屈みこんでしま。
この煙の中、敵が突貫して事を見抜いたのか、霧島君が負傷した僕を3階に面している側へ放る。
そして、無言で煙の中に突入。
男等の鈍い悲鳴と、独特の殴りつけられる音が聞こえる。
そして兆弾の音。
やられても不思議は無かったのだが、霧島君は煙が晴れる前に、こちらに飛び込んできた。
銃弾が掠めた痕はあったが、これだという負傷は無い。
不敵な笑み霧島君は言う。
「 あの程度なら全部いけるわ。 」
血塗られたバットが不気味に似合っていた。
「 本当に突入するなんて…。 」
八王子部隊を束ねる片瀬雪希。彼女の元に、目の前の新藤隊から報告が入ってくる。
雪希は新藤隊からの報告を纏め、次の指示を出す。
「 必死な鷹梨千尋を相手にしないで、昭島から撤退してくる北条氏照に備えてください。 」
無線で連絡を受ける相手は、ややしぶったが、雪希の指示を了解する。
「 分かりました、北条氏照を待ちます…。 」
無線を切り、胸にしまい込む雪希。
ふと空を見上げた。
今日はよく晴れているのか、星が綺麗に見える。
( 久しぶりに…綺麗な星が見える…。 )
雪希は、先ほどに報告が入った小野崎党の壊滅を思い出す。
( 清香さんがあっさりやられちゃったんだ…。私も気をつけないと…。 )
雪希は、大きく照らす月をが目に入った。
( こうして…月を見るのは何度目になるんだろう…。 )
北条氏勝、今年で24を迎える青年である。
祖父は、北条家の別格扱いを受け、その武略、関東に及ぶもの無しと言われた剛の者。
父氏繁は、北条に属しながらも、皇宮警察本部本部長を務め、天皇陛下守護の為に、日夜戦い続けたといわれる。
そうした父祖らを持つ氏勝。
彼もまた、父祖らに劣ることの無いいくさ人であった。
そんな氏勝も頭脳戦には弱かった。
氏照の要請で、すぐに兵を動かす氏勝だったが、彼は進藤さつきの位置が、ホテルなのか外なのか分からずじまいだった。
「 進藤は、片瀬雪希と親友だと聞いている。
八王子にいるほうが、本物とみなすべきだろう。
武蔵野は私に任せておけ。氏勝は、進藤さつきを八王子で蹴散らしてくるんだ。 」
氏邦にそう言われ、兵を進める氏勝だった。
あとは兵をどれだけ連れて行くか…。
ここには、総勢70名いるが…。
1 八王子にいる進藤さつきを蹴散らすことを優先し、人員は50名は持っていく。
2 氏邦がどう言おうと、進藤さつきは武蔵野にいると判断し、兵は少なめで15名連れて行く。
3 いいかげんだが、兵は半数の35名を連れて行く。
4 前に戻る。
715 :
諸葛尚:02/06/27 23:30 ID:PYMidlzP
「いいかげんだが」この台詞がとても気になります。
戦にはフィーリングも大事です。よって3が正解です(根拠なし)
冷泉殿、3でお願いします。
(視点変更 北条氏勝)
「 連れて行く数は半数。残りはこの周辺に潜む敵に備えさせよう。 」
俺は部下に伝えると、側近を連れて駐車場に向かう。
駐車場には、異形の自動車が置かれている。
それは、車体前部に分厚い鉄板が貼りめぐらされていた。
厚さ十ミリの鉄板で、そうそうたやすく撃ちぬかれる事は無いはず。
これをそのまま走らせるのは困難なので、馬力のある車で牽引する。
兄からの要請があった時点で、これらは牽引ワイヤーで繋げる指示は出している。
現地では、これ等鉄板車を移動できる盾として活用するつもりだ。
各自車に駆け寄る兵達。
俺は牽引する車のひとつ、愛車のパジェロに乗り込む。
兵も遅れじとばかりに、各自乗り込んでいく。
「 氏勝さん、ワイヤーの取り付け、終わりました! 」
運転席まで兵が報告しにくる。
「 分かった。お前も乗れ。 」
「 はっ! 」
その兵が乗り込むと、俺は車を発進させる。
俺が先頭にたち、後はワゴン二台が続く。
鉄板車を含めば六台の数になる。
( 進藤め…どちらが本物かは分からんが、戦になれば本物も偽者も無い事を教えてやる。 )
鷹梨の報告から、敵進藤隊の配置を聞く。
敵は、ぶるほ〜んを完全には囲んでおかず、裏口と大通りに面した脇道に集まっているらしい。
この脇道は路上駐車がちらほら見えたが、ゆうに車がすれ違いできるだけの広さがあった。
俺はその脇道に入る前にワイヤーをはずし、鉄板車3台を並列に並べる。
車を密集させ、その後を兵が続く。
その数20。
3人は運転手で、もう3人は車の真後ろに着き、鉄板で前が見えない運転手に移動指示を出す。
俺は、残りの9名を従えて、路地に入り込む。
この道を進めば、ぶるほ〜んの東側側面に出れ、その建物の南側には進藤隊が張り付いている。
道路をまたがった右側の建物にも兵がいるそうだが、数は2〜3といったところだそうだ。
ぶるほ〜ん北側に面した大通りには、片瀬の兵が牽制の為に待機しているという。
鉄板車部隊は、そのまま北上させて、進藤隊の猛射をひきつけさせる。
俺は一旦西側の路地を駆けて、北上。
進藤本体の西側に出る。
俺の突撃がうまくいけば、ろくに被害が出ずに進藤さつきを仕留める事ができる。
(視点変更 武田勝頼)
俺達と、負傷者に捕虜を乗せた一群の自動車は、八王子にある病院に到着する。
大きな病院だが、こんな夜更けには閉まっている。
が、氏照が呼び出しをかけると、待ってましたとばかりに従業員等が出てくる。
「 急いで治療してやってくれ。 」
氏照の言葉に頷く院長。
俺は清香を医師に預ける。
負傷した者等は、緊急な手当てを受けるか、入院を余儀なくされる。
負傷している諏訪は、消毒と血止めだけで済ます。
「 正確な射撃が難しくはなっていますが、戦力にはなるでしょう。 」
諏訪は、苦笑いしながら麻酔注射を受ける。
かなり痛むのだろう…。
こうしている間にも、健全なものを乗せた幻庵の別働隊は片瀬雪希を目指している。
急がなければならない。
幻庵の手元には、40名弱が残っている。
ここには20名程残っている。
引渡しに応急治療が終わると、俺達はすぐに車を発進させる。
急がなければならない…。
急ぐ我々に、幻庵から報告が飛び込んでくる。
「 こちら幻庵。今の現在位置はぶるほ〜ん北400メートル地点。
勘助のスコープが片瀬雪希の手勢を確認した。先手攻撃をかけるか? 」
代わって、勘助が携帯に出る。
「 勘助じゃ。このまま狙撃を頼りに斬り込んでもいいが、昭島で別れた敵兵が気になる。
一発仕掛けるなら、敵に痛打を与えた時点で一旦引くのもいいかもしれん。
なにしろ、この数じゃぁ挟み撃ちをされた場合、お手上げじゃからな。
ただ、このまま睨み合っていても敵に背後を突かれれば終わりじゃがな。 」
むう…。どうするか…。
1 勘助案を採り、攻撃をかけさせる。
頃合を見て、味方は一旦東にでて南下。離れたところから大通りを渡って、来るであろう氏勝勢と合流する。
2 突撃を命じる。
一見危険そうだが、敵の後方から仕掛けるのだ。うまくいけば、ぶるほ〜んに入ることも可能だろう。
3 狙撃を中心に、ゆっくりと攻めかかる。
もたもたするわけではないが、片瀬隊を牽制しつつ敵に出血を要する案。
4 とりあえず前に戻る。
ここは軍師殿の言うとおり〜♪
っていことで1でーす、初めて選択します。
がんばって下さい
「 ここは勘助に任せる。我々が戦場に到着するのは十分後だ。
それまで持たせてくれ。 」
「 了解ぃ! 」
勘助が電話を切ると、俺は車が到着するのを待つ。
(視点変更 山本勘助)
若から采配を任された以上、ここはワシの作戦でいかしてもらおうか…。
八王子の地図を開き、幻庵にも見せる。
「 まずはワシの隊が後方から狙撃援護をするから、幻庵は前進してくれ。
それで、ワシからの合図が出たら、幻庵隊は反撃しながら東のこの町工場の前に来ていてくれ。
ワシ等が追いつくまで待っていてくれ。
その後は、そのまま南下して氏勝殿と合流といこか。 」
「 まあ氏勝の事じゃ、派手にやっているはず。
それと合流できれば怖いものはないな…。 」
幻庵が了解すると、すぐに行動に移る。
まず、狙撃隊を各車や建物の陰に潜ませる。
続いて、北条勢を前進させる。
北条勢と敵との距離が、80メートルを切った時点で敵は気づく。
攻撃を受けた北条勢はすぐに車や物陰に隠れる。
目立った被害は出ていないようだ。
「 幻庵め、あの年でよう機敏な動きができるわ…。 」
ワシは狙撃隊に合図を出し、スコープで敵を狙う。
北条勢が隠れている今でなければ、誤射をしてしまう恐れもある。
静かに引き金を引く。
スコープの中心にいた敵が倒れる。
そのまま弾を装填して射撃を続ける。
敵は、北条勢の数がそれほど多くないと分かると、適度に反撃しながら防衛に徹しはじめる。
こちらは構わず、一気に拠点を落とす気か…?
とにかく、こちらの狙撃があまり役に立たなくなってきた今が頃合だろう。
ワシは、幻庵に町工場に行くように無線で連絡する。
町工場正面口で幻庵と合流する。
北条勢は、かすり傷の者が2名ほど出たが、被害はたいした事が無いという。
倒した数を勘定してみると、おおむね5〜7ぐらいは倒したであろうか…。
片瀬雪希から東に100メートル程離れたこの場所。
ここに面している大通りを渡って、進藤隊と交戦しているであろう氏勝と合流しなければならん。
夜間で車の通りも多くはない。
ワシ等は、この大通りをさっさと渡ってしまう。
途中で数発の兆弾が地面をえぐっていったが、当たる者はいない。
敵が拳銃しか持っていないという事だろう。
この距離では、拳銃で走る者を当てるのはむずかしい。
かくして、ワシ等はぶるほ〜ん東に到着する。
片瀬隊からの射撃をかわすため、路地に入る。
方向的には南だが、すぐに右折して氏勝のほうを目指す。
「 氏勝が来ておればいいんじゃがのぅ…。 」
幻庵がぶつぶつ言いながら先を歩く。
路地の向こうに、十の字交差点が見えてくる。
「 勘助、あの十字路の右手向こうはぶるほ〜んじゃないのか?
交差点手前で誰か立っとるわ。 」
幻庵がワシに寄ってくる。
なんじゃと…。ワシにはもう見えんわ…。
スコープで覗いてみる。
ワシ自身はぶるほ〜んを目指したつもりだったから、位置に間違いは無い。
問題は、交差点手前の奴だ。
スコープ中央に見える奴は、ワシ等に対して背を向けている。
という事は…、敵か?
「 勘助さん、もう一人いますね。
右手のゴミ山に隠れて一人います。 」
スコープで向こうを覗く部下。
ワシもゴミ山の辺を見てみる。
見えた奴は、なにやら弾倉を交換している。
あのタイプの銃は、武田でも北条でも使っていない。
しかも、そいつは左に向けて発砲をはじめる。見たところ、軽機関銃のようだ。
あんなもの持ち込んでいたのか…。氏勝殿も苦労してるじゃろう…。
「 敵だ、撃つぞ…。お前は右をやれ。 」
静かにワシが言うと、部下は頷いて弾の装填する。
一呼吸後、向こうの2人が倒れる。頭部を狙い撃ちする。
「 頭をやりました。 」
部下の言葉に頷くワシ。これでぶるほ〜んまではいけるな…。
交差点まで出ようとするワシ等。
しかし、交差点向こうに敵が固まっている。
そこはぶるほ〜ん裏口付近にあたり、敵が突入を試みようとしている。
しかし、どういうわけか踏み込まず、その辺で氏勝勢と撃ち合ってばかりいる。
軽機関銃が危険なため、ワシ等の前進が、交差点40メートル前で停止せざるをえなかった。
無線で氏勝と幻庵が連絡をとる。
幻庵の話では、氏勝はぶるほ〜ん西に展開しており、ワシ等と挟み撃ちが出来ると言う。
しかし、音に聞こえた進藤隊。奴等が持つ軽機関銃はいかんともしがたい…。
サイレンサーを付けているから、威力は落ちているだろうが、その一発で兵やワシ等は死ぬ。
うかつに動けなかった…。
「 どうする…勘助…。ここはワシが行こうか? 」
物陰にか伏せている幻庵。ワシは奴とぴったりくっついている。
隠れる場所が少ないためであった。
「 行けば死ぬぞ…。 」
「 老いぼれ一人で戦に勝てればいう事は無いわ。
氏勝が無理して死ねば元も子もない…。 」
「 ちょっと待て、ワシが何とかできる案を考えるから待て。 」
ワシは幻庵を捕まえると、策を考え出す…。
1 作戦案1 鷹梨宏明に攻撃させる。
ただし、敵が鷹梨等の射撃位置を捕捉しているかもしれない…。
2 氏勝の運んできたという鉄板車を突っ込ませ、十字路のところで左折させる。
戦車の応用。射撃で敵をしとめる前に、車で踏んでしまう。
3 敵も物陰に隠れて見にくいが、ここは狙撃で一人一人片付ける。
おちつけ、幻庵。
4 前に戻る。
戦車案が派手そうなので(藁
2でよろしくお願いします。
諏訪っちが負傷してる……><
726 :
諸葛尚:02/07/02 00:20 ID:MBjWzHoH
関係ないですがスレッド一覧だとこのスレッド
レス数724に見えませんか?私だけでしょうか?
むうう、鉄板車ですか、なんとも豪快ですね。
ワシは幻庵をなだめると、氏勝に無線で連絡を入れる。
鉄板車に突入してもらうためだ。
「 そうですな、一気に踏み込もうかと思ってましたが…。
分かりました、鉄板車を進藤隊本体に突入させましょう。
あれは側面は脆いので、援護射撃をお願いします。 」
氏勝の承諾を得たワシは、鉄板車が十字路に差し掛かる前に狙撃隊に準備をさせる。
鉄板車の左折を成功させるためには、進藤隊の側面に対する射撃を行わせるわけにいかない。
伏せて十字路を眺めるワシ等。その視界に、前面に鉄板を張り付けた自動車が入る。
「 よし、見えた敵には遠慮なく撃ちこめ…! 」
ワシの指示と共に撃たれた弾丸は、鉄板車の乱入に慌てふためいた進藤隊に飛び込んでいく。
が、あまり有効な弾は無かったようだ。
鉄板車が邪魔をしてこちらの視界がさえぎられてしまったからだ。
鉄板車は、ゆっくりと進藤隊のほうに曲がっていく。
ぶるほ〜ん裏口は道が狭く、車は横に二台しか並べられない。
一番西にいた鉄板車は、十字路前で止まり、残り二台がカーブをはじめる。
鉄板が弾をはじく音が聞こえる。
敵も撃ってはいるのだろうが、あれに有効弾を出すのは難しいぞ…。
そし鉄板車が曲がりきると、幻庵は立ち上がり進撃することを指示する。
「 鉄板車に続け、進藤をひっつかまえろ!! 」
幻庵を先頭に、北条の手勢が立ち上がる。
かくなるうえは突撃か…。
「 よし、我等武田勢も突入する。続け! 」
ワシも幻庵等の後を追う。
敵の拠点を目の前に、突入できずに増援を待つ進藤隊。
その指揮官は、進藤隊リーダーさつきの姉、むつきである。
彼女は進藤家相続の際に、行動力のある妹に当主を任せ、自分は裏方に回った。
結城氏の関東制覇に馳せ参じた時には、戸籍などは偽造され、さつきを一人っ子扱いにしている。
そのおかげか、むつきの存在は北条側には漏れてはおらず、氏勝等を困惑させるのに成功していた。
むつきは、拠点防御部隊の戦力の把握ができずに、元々小戦力にも関わらず突入を指示。
小野崎清香の壊滅で焦ったのが失敗の元だった。
結局、突入部隊は鷹梨宏明の手榴弾攻撃で壊滅する。
続いて氏勝が戦場に到着すると、彼の考案した鉄板車が押し寄せてくる始末。
完全に危機に陥った進藤隊であったが、唯一の救いは、鷹梨宏明が篭ったままで打って出てこないこと。
彼等は、上から弾の雨を見舞おうとしたが、進藤隊の軽機の射撃を受けて一人戦死し、一人は重態となった。
これに恐慌した宏明は、反撃することを禁じて守備に徹底することに。
たまに、無傷な千尋が窓から手だけだして撃って来るが、そんなものが当るわけが無い。
むつきには、押し寄せてくる鉄板車をどうするかが緊急課題になっていた。
2人ほど西側から迂回させて、鉄板車の背後に回らせる事を指示するが、兵からの報告は無い。
無線で呼び出すと、氏勝が返事をしてきた。
「 終わりだ、進藤さつき! 」
包囲された進藤隊の危機を救えるのは、ぶるほ〜ん北方の片瀬隊。
だが、これは戦場に到着した武田軍と交戦を始めたという。
( 作戦は失敗した…。 )
むつきの頭にあるのは、いかにしてここから脱出することであったが、それも無理な事の様に思えた。
「 進藤さん、来たっ!! 」
兵が慌てる。
むつきの目の前には、氏勝自慢の鉄板車がのろのろと路地に入り込んでくる。
カーブ時に車内を狙って軽機を撃ってみたが、これも防弾使用で駄目だった。
結局、むつきはどうすることもできずに鉄板車の進入を許してしまう。
「 撤退します。ここは西側に後退して、戦場を離脱します。 」
ガリガリと壁を擦りながら走る鉄板車。
その後ろからは、北条勢に武田の狙撃隊がついて来ている。
無論、彼等は容赦なく発砲する。
「 うわっ! 」
兵の一人が、腕を撃ち抜かれて倒れてしまう。
その兵に、容赦なく踏み込んでいく鉄板車。
「 立って、急いで逃げてっ!! 」
むつきの叫びもむなしく、その兵は鉄板車の餌食となってしまう。
振り返り、必死で走るむつき。だが、追い討ちをかけて撃ってくるのは必死の北条勢と勘助以下武田の狙撃兵。
みるみる数を減らし、進藤隊は残り4名のところで、氏勝の廻りこんできた別働隊に補足された。
「 進藤さつき、覚悟しろっ!!! 」
路地の中、Tの字に差し掛かったところで、むつき等は氏勝等に飛び掛られる。
軽機を撃たせることなく、進藤むつきを捕らえることに成功した。
「 てこずらせやがって…。 」
ロープでがんじがらめにされたむつきを見下ろす氏勝。
ぶるほ〜んに戻ってきた勝頼と氏照。
途中で昭島から転戦してきた部隊と衝突する。
が、ぶるほ〜んに行く方が先と判断した氏照は、部下6名を残して拠点に急ぐ。
この6名は、一切攻勢に出ずに徹底的に防御姿勢で戦い、戦闘終了まで昭島の部隊を釘付けにする事に成功する。
(視点変更 武田勝頼)
「 ようやく来たか…。 」
ぶるほ〜んの裏口で、俺達は勘助や氏勝等と合流する。ため息が俺の口から漏れる。
途中の大通りでは、片瀬隊と思われる者等が待機していたが、これらに車ですれ違いさまに一連射加えると連中は逃亡したのかいなくなる。
現地では、この不恰好な鉄板車が活躍し、北条勢らの被害を最小限にしていた。
聞くところに寄れば、氏勝は小田原で本格的な装甲車を製造しているらしい。
試作品があるらしいが、氏直が絶対に出したがらないという。
おめでたい奴だ、氏直は。
「 若、片瀬雪希の所在地が不明なんじゃが…。 」
勘助が神妙な顔で言う。
「 勘助、これだけ派手にやっていて、片瀬雪希が出て来ないのはおかしいんじゃないのか? 」
「 いや、ワシは八王子に到着して以来、一度も片瀬雪希は見ておらん。
鷹梨が見ているのだから、いるには間違いないのだろうが、店の前にたむろっていた中にもいなかった。
どこにいるのだろうと思ってな…。
来る途中、それらしいのを探してはいたが、まったく見かけん。 」
勘助は全く見ていないようだ。
だいたい、誰かが見ていればそこで戦闘が始まる筈だ。
「 このままでは逃げられてしまうな…。 」
大志が腕を組んで言う。
逃がしては武田の名折れだ…。
「 あの辺にいませんでしたか? 」
ふと、鷹梨宏明がぶるほ〜ん裏口にある十字路の向こうを指す。
東側だ。
「 距離20メートル付近にいたんですよ。 」
そういえば、最初の報告は片瀬雪希は東に出現とある。
建物内部にでも潜んでいるのか…?
「 しかし、時間がかかるようなら昭島からの連中を相手している味方を援護したいのだが…。 」
氏照が言う。それもそうだが…。
「 氏照殿、味方の援護は数人行かせればいい。
今は片瀬雪希を縛り付けてやるほうが先だ。 」
血気盛んな氏勝が言う。
氏照は考え込むようなそぶりを見せる。
さて…
1 鷹梨宏明の言う、東に20メートル付近を捜索する。
建物は限られている。手分けして踏み込め。この辺は夜は誰もいないオフィスビルばかりだ。
警報機に気をつけろ。
2 この際片瀬雪希より、昭島の敵を掃討する。
ひょっとしたら、片瀬雪希はそいつらと合流して撤退するのかもしれない。
3 総員を分散し、周辺を一斉に捜索する。
6名の味方には、氏照以下10名を増援として送る。
4 前に戻る。
>726
6/29の時もおかしかったんですよ。
折れが書いたあと、しばらく表示は720でした
スレがおかしいのか、板が改装されているのか…。
最近、広告対策として、PinkBBSは何かやっているそうです。
それの影響かもしれませんね。
スレの流れと関係ないですが、三戦板でなりきり叩きが始まったようで…。
そんな一年前に議論されたことを蒸し返すなら、とっととID表示を導入しろと小一時間(略)
くだらん煽りや荒らしを粉砕するのが先だろうに…。
733 :
諸葛尚:02/07/03 01:38 ID:Jjt9ajvy
捕まえたのはむつきですか…(´・ω・`)
さつきよ…出ておいで(ぉ
選択は1です、憂いは絶っておいたほうが良さそうなので。
>>732 表示がおかしかったのが自分だけじゃなくて一安心です。
せっかくトーナメントで爆進中なのに三戦板よ……
「 よし、片瀬雪希を捕縛することを第一優先とする。
鷹梨の言った先を厳重に調べ直そう。
あと、氏勝殿には昭島の連中とやり合っている者の援護に、鉄板車を向かわせてほしい。 」
「 承知した、奴等も踏み砕いてくれるわ。 」
すぐに氏勝は跨乗歩兵扱いの者を連れて西に向かう。その数13。
残った者は片瀬雪希の捜索に使う。
「 よし、では片瀬雪希を捕縛する。
勘助の狙撃隊は、大通りに出て逃亡するであろう奴を索敵していてくれ。
他は、俺に続いて路地内部に突入する。行くぞっ! 」
一斉に行動を開始する武田勢と北条勢。
片瀬雪希が逃亡するには、思いっきり東に出て迂回するか、大通りを突っ走って昭島の部隊と合流するかしかない。
ただ、奴自身は戦闘開始後も全く動かずにいる可能性もある。
話に聞けば、片瀬雪希は前線指揮官タイプというわけではないらしい。
常に後方指揮を取るタイプだという。
そのためか、常に激戦になっても片瀬雪希そのものを狙うことが、いつも出来なかったという。
もっとも、負け戦を強いられていた氏照に、片瀬雪希を撃つ事は至難の業だったのだろう。
「 何が何でも探し出せ、絶対に捕まえて小田原まで連行するぞ! 」
氏照は必死で部下を督促する。
氏照自身は、路上に転がるポリバケツの蓋を開けて中を見るほどの徹底ぶりだ。
そんな所に入っていたら、かなり笑えるのだが…。
俺達は、鷹梨の報告にある25メートル先にあるビルの前に来る。
「 ここにいるのかどうか分からんが…。 」
俺は建物の裏口を見つけると、ドアノブを回してみる。
カチャリ…。
ドアノブを回した時に出る音とは違う音も聞こえた気がする。
俺は皆を下げさせ、ドアを開けたと同時に伏せて銃を構える。
ドアを開けて伏せる俺の頭上を、十数発の弾が飛んでいく。
いきなり機関銃か…!
すぐに引き金を引く俺。
あっさりと額を打たれた敵さんは崩れ落ちる。
「 ここにいますね…。 」
諏訪が寄ってくる。
「 よし、一気に踏み込むぞ。幻庵や氏照の隊もこちらに呼んでくれ。 」
前進しようとする俺の腕を誰かが掴む。
誰だ?
振り返ると朱美さんだった。
「 勝頼君。こんな狭いところで撃ち合うなんて、自殺するようなものよ。 」
朱美さんは入り口の奥を見る。
確かに、階段がすぐにあり、その通路は狭い。
横に人間を3人も並べるのもむずかしいぐらいだ。
本当は爆薬などを駆使できるといいのだが、あれは使い方を誤るとこちらが吹き飛ぶ。
「 簡単に言うけど、踏み込む以外にやりようはあるわけ? 」
瑞希がしゃしゃり出てくる。
朱美さんは、建物の屋上付近を指す。
「 隣のビルの屋上から、こちらに渡ってくれば危険度は下がるわ。
幸いにも、そんなに高さは変わらないみたいだし。 」
見上げた先に見える屋上は、確かに高低差が少なく飛び移れる程度の間隔しか開いていない。
っていうか、飛ぶよりも跨ぐ様な狭さしかない。
よし、上からと下からで挟み撃ちにするか…。
俺は合流してきた幻庵等と、隣の建物の裏口から侵入する。
警報装置を遮断し、内部に入る。
さっさと屋上に出て…。
問題のビルの方では、氏照が小型の手榴弾を容赦なく投げながら、突撃が始まった模様。
無線からは、氏照の怒号と兵からの被害報告が飛び込んでくる。
急がないと…。北条勢の被害がでかすぎる…。
最上階、屋上に出る扉を開けた時!
「 はうっ! 」
目の前に若い女性が飛び込んでくる。
急いでいたのか、止まりきれずに、そのまま俺の胸に飛び込んでくる。
「 ええい、邪魔だ! 」
俺はこの女を押しのける。
が、その瞬間に朱美さんの大声。
「 勝頼君、それ片瀬雪希よ!! 」
「 何だって!? 」
薄暗くてよく分からんかった…。
というか、こんな時間にこの場所。若い女性が遊んでいるわけが無い。
俺が冷静さを取り戻したとき、奴はすでに銃を構えていた。
やばい、俺が狙われている…。
「 ふう、危ないところだったけど…。相手が油断していて良かった♪ 」
奴はこの状況でなお余裕を持っていた。
護衛兵はいない。
恐らく、氏照と戦っているのだろう。
単身逃亡してきた片瀬雪希は、ここで俺達と鉢合わせになったということか。
「 撃ったりははしないよ。私もここで終わりたくは無いから。
でも、ここからは帰らしてね。 」
片瀬は俺の頭部から銃先を離さず言う。
むぅ…。
1 「 アンタいいかげんにしなさいよ…。 」
奴の背後に廻った瑞希が、後頭部に一発殴りこむ。
2 何も言わずに、乃絵美が片瀬を撃つ。
「 たった一人じゃ、何も出来ないよ。 」
3 おとなしく、ここは片瀬に従う…。
4 前の選択肢に戻る。
2を選んで地味めな乃絵美タンにも活躍してもらいませう。
乃絵美の活躍をあまり見ないので頑張ってもらいませう。
後頭部に接触する銃口。
仕方なく片瀬に促されるまま歩き始める俺。
諏訪の横を通り抜けようとしたとき、片瀬が彼に言う。
「 懐に入っている右手を出しておいて。
あなた方のリーダーを撃っていいの? 」
片瀬雪希、先に捕縛した小野崎清香よりはやや大きいが、女性としては小柄の部類に入る。
無理をしているのか緊張しているのか、声が震えていた。
仕方なく、右手を素のまま出す諏訪。
「 では、いかせてもらうよ。 」
銃口が後頭部を押す。
一歩、二歩と進んだとき…。
後ろで金属の跳ね返る音がする。
「 くっ…。 」
片瀬のうめき声。
「 これまでだっ! 」
諏訪の雄たけびが聞こえる。
何が起こったのか、おそるおそる振り返る。
後ろでは、諏訪と兵2名に完全に地に伏せつけられている片瀬と、地面に落下している彼女の銃。
乃絵美が片瀬のそばに歩いていく。
乃絵美は、朱美さんと、その隣にいる瑞希の隙間から撃ったようだ。
まだ手には銃がある。
乃絵美は、地に伏せる片瀬のそばでしゃがむ。
「 片瀬さん、たった一人じゃ何も出来ないよ。
それと、次にお兄ちゃんを狙ったら、今度は顔を撃つよ。 」
片瀬は、自嘲するような笑みを浮かべると、だまって目を閉じて一言。
「 昭島に兵力を裂きすぎなければ、勝てたのにね…。
今回は私の負け…かな…。 」
縛り上げた片瀬を連れ、隣のビルに侵入。
氏照等の猛進に抗する奴等に、降伏を呼びかける。
総大将片瀬雪希が捕縛された今、降伏はするだろうと思われたが、奴等はしぶとく抗戦を続けた。
結局、片瀬雪希本体の者達は、氏照隊と俺達の上下挟み撃ちにされ全員戦死した。
これが、今まで氏照をてこずらせてきた片瀬隊の強さの片鱗だったのかもしれない。
俺達は兵をまとめると、すぐに昭島よりの転戦してきた部隊に向かう。
戦場に到着するや、すぐに降伏を呼びかける。
が、降伏に応じたのは十数名で、他は抗戦もせず逃亡をはじめる。
「 放っておけ。それより、戦場の後片付けのほうが先だ。 」
倒れた敵兵の始末から、味方を再度病院へ送還したりする。
氏照は、すぐに遠山を迎えに行く。
俺達は戦力差に苦戦しつつも、何とか拠点を守り抜いた。
「 終わったな…。 」
ぶるほ〜ん内に入り、使えそうな椅子に座った大志。
拠点一階は、宏明の投げた手榴弾で粉砕されていた。
「 ここの復旧という、重要な作戦が残っているぞ。 」
俺も使える椅子を探して、大志の隣に座る。
見たところ、椅子やテーブルは全部変えねばならないし、壁も全面的に貼りなおしだろう。
っつうか、内装は一からやり直しということになる。
「 開店は2週間位は遅れそうね…。 」
朱美さんも椅子を持ってくる。
「 仕方ないですよね〜 」
あまり役に立っていなかった深見が、そばで椅子に座る。
その瞬間、椅子の足がもげて後ろに倒れこむ深見。
勢いよく後頭部を打った深見。目に涙がたまっていく。
「 なんか私、今日は呪われてません? 」
「 気のせいだ。 」
俺は一言で終わらせると、乃絵美が連れてきた片瀬雪希に目が行った。
「 お兄ちゃん、この娘どうするの? 」
ロープで何重にも巻かれた片瀬雪希。
元気も無くしょんぼりしている。
「 敵軍の総指揮官です。
重要な情報をしゃべるまでは、小田原に送りますか…。 」
と諏訪。
一瞬身を硬くする片瀬。
まあ、あのボンボン氏直の目の前に、縛られた若い女を放ればすぐに社長室に鍵がかかるだろうな…。
「 小田原に行けば、10中8〜9は帰って来れなくなるだろ…。 」
大志は素っ気無く言った。
「 じゃぁ、若の部屋で尋問しますか。 」
諏訪よ、なにゆえ俺の部屋だ…。
どうする…勝頼…。
1 氏照に預けてしまう。小田原に逝ってよし。
ついでに戦闘終了と勝利を宣言し、周辺の勢力に結城の敗退を報じる。
2 よし、俺の部屋で尋問をはじめる。鷹梨千尋と朱美さん、諏訪と大志は俺の部屋に来てくれ。
ついでに戦闘終了と勝利を宣言し、周辺の勢力に結城の敗退を報じる。
3 明日の朝には、楠本さゆらも目が覚める。尋問はその時で良かろう。
今は、武蔵野の戦況も気になる。(視点変更 北条氏邦)
4 前に戻る。
クニさんが気になるので(w
3でおながいします。
(視点変更 北条氏邦)
八王子の戦況はどうなったであろうか…。
氏勝殿は間に合ったのか…、兄の手勢は無事に八王子に後退できたのか…。
私の手元には、氏勝殿が置いていった35名の兵しかない。
また、情報も途絶えていた。
今、私が知りたいことはただ一つ。
八王子に展開した進藤隊の兵力だ。
これが分かると、近くのホテルを根拠地にしている進藤さつきに対する出方が変わる。
武蔵野に残った兵が少なければ、私が陣頭指揮でホテルに突入してもいい。
あのホテルの支配人は、元々北条の傘下に加わっていた者で、私はよく知っている者だ。
少々脅かせば、すぐに言うことを聞く小心者だ。
もっとも、そのせいで今は結城氏に属しているが…。
目の前のテーブルに置かれる私の携帯。
氏勝殿からの報告をひたすら待っていた。
「 まだ戦っているのでしょうね…。 」
目の前でテーブルについている笠原が言う。
テーブルの上で、銃を磨いている。
拳銃など磨いていても仕方の無いものだが、彼も落ち着かないのだろう。
「 苦戦を強いられているだろうな。
相手は、今まで兄に3回連続で勝ってきた片瀬雪希だ。
だが、今回は御隠居様に、武田の増援まで来ている。
それに、御影咲夜の手勢は壊滅したとも聞いている。
何とかなるだろう…。 」
私は当事者でもないので、あてずっぽうな事しか言えなかった。
しばらく沈黙する私と笠原。
そこに、待望の着信が入る。
すぐに携帯をとる。
電話をかけてきたのは氏勝殿。
「 クニサン、八王子にいた進藤隊は30前後のようだ。
詳しい数字は分からん。なにせ、手榴弾で吹き飛んだ奴もいる。
だが、これで武蔵野の進藤さつきは手勢が20名前後という事になる。
俺が今から向かうから、しばらく待っていてくれ。
ああ、そうだ。こちらは俺達の勝利だ。
片瀬雪希は武田勝頼殿が捕縛した。
ついでに、こちらにいた進藤隊のボスは、進藤むつき。さつきの双子の姉だ。 」
「 了解。私はすぐに兵を動かし、奴が泊まるホテルに夜襲をかける。 」
「 クニサン、待ってくれ! 」
氏勝殿には悪いが、兵の到着を待っているわけにもいかない。
ここで、進藤さつきを倒しておかなければ、後に禍根を残す。
進藤さつきとて、音信普通となった片瀬雪希の異変に気づくはず。
八王子での敗退を知れば、後退するだろう。急がなければならない。
「 氏勝殿、私はすぐに進藤さつきを攻める。
氏勝殿はホテルを囲むようにしていてくれ。絶対に奴を逃がさん! 」
強い口調で言ったのがよかったのか、氏勝殿はこの案を了解する。
「 笠原、出撃するぞ。 」
私はすぐに立ち上がり、出口に進む。
「 はっ、北条勢35名。すでに出撃指示を出しております! 」
笠原も無線を胸にしまいなおすと、立ち上がって私の後につく。
「 な、なんですかあなた達は、警察を呼びますよ! 」
ホテルの突入するや、フロントの若い衆が噛み付いてくる。
それもそうだろう。35名からなる男達が、わらわらとやってきてフロントを無視しようとするのだ。
しかし、警察を呼ぶとは大げさだな。
「 何だ、俺は客人に会いに来たというのに、貴様の店では警察を呼ぶのか! 」
若い衆を一喝して脅かす。
が、この若い衆は肝が座っているのか、私の眼力を撥ね退ける。
「 今日は特別なお客様がお泊りになっているのです。お引取りください。 」
私は、この若い衆の胸倉を掴んで、地に叩きつける。
「 貴様では話にならん。皆川を連れて来い。支配人だ! 」
若い衆は、この一撃で恐れをなしたのか、へっぴり腰でカウンターの奥に入る。
すぐに、皆川が現れる。
とぼとぼと歩いてきて、私の顔を見てぎょっとする。
「 皆川…、久しいな。
八王子での戦闘で、片瀬雪希が我が手勢に捕縛された。
東京都西は、我が北条の支配下となる。
ここでもう一回北条の傘下に入るか、結城に義理立てするか、好きなほうを選べ。 」
凄みを利かせて言うと、皆川は額の汗を拭きながら答える。
「 それはもう、北条様の貴下に加わるまでです。
お待ちしておりました。進藤さつきは315室で泊まっております。 」
いけすかん奴だ。
氏直殿の言うとおり、こいつは早いところ始末したほうがいいのかもしれんな…。
「 ご苦労だ。あとはエレベーターの電源を落とすのと、非常口をロックかけてくれ。 」
「 おやすい御用でございます。 」
話が済むと、私はこのヘコヘコしたグズを置いて、部下と共に階段を駆け上る。
階段を駆け上ると、上から怒鳴り声が聞こえる。
「 アンタ達、いつも通路はみだりに走るなって言ってるでしょ!
ホント、何度言っても分からないんだから〜。
いつも言ってるでしょ。傘下に加わった相手とは言え、それなりに礼儀ってものが…。 」
階段は、二階まで行くまでに、一回折り返し地点がある。
その折り返し地点から少し上った辺から、進藤さつきが面を出す。
情報通り、ショートカットに赤いカチューシャの女。
何の用だったのかは知らないが、降りてきていたのだろう。
「 あ、アンタ達だれ? 」
進藤がキョトンとした目で私を見る。
「 相州北条氏一門、北条氏邦だっ!! 」
私は右手に持つ銃をためらい無く放つ。
「 わっ、馬鹿。危ないっ!! 」
間一髪で進藤さつきは頭を引っ込める。
「 待てっ!! 」
急いで階段を駆け上る。
進藤さつきは喚きながら駆け上っていく。
「 来たーーー!!敵が来たーーーー!!!
アンタ達、ホラ、仕事よ!!
早く戦闘準備を整えて来なさい!!
このままじゃぁ全滅よ! 」
進藤との差が開いていく。
中年と若い娘ではスピードも違うか…。
「 クニサン、このままでは下から射撃していく事になります。
人数差がそんなにない今、強攻策は厳しいと思うのです。 」
笠原が私のそばに来て言う。
今だ私達は駆け上っている真っ最中だ。
現在2階と3階の間、折り返し地点。これから3階に上がる所。
「 かといって、後退すれば篭城されるだけだ。
建物に篭った敵はしぶとい。朝までかかれば、我々は撤収せねばならんかもしれん。 」
「 となると…。強行戦術で突っ込むか、エレベーターを動かさせて、上部に数名送るか…。
あとは…氏勝様に非常口から内部に進入してもらいますか。 」
なるほどな…。
私は急いで決断する。
1 エレベーター起動。止めてあるエレベーターを再起動させる。
笠原に兵10を与えて、上部に回り込ませる。最上階の10階まで行くんだ。
2 適当なところまで上り、膠着状態になったら氏勝殿に、外部から非常口を使って突入してもらう。
多少時間がかかるが、安全策といえる。
3 しゃにむに突撃。
敵はうろたえている。一気に進藤さつきを討ち取る好機だ!
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