232 :
リーグ・アン:
達也が投げた球をイワキがホームランする。
マウンド上でガックリと膝を落とす達也。
× × ×
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9対0で明クンニ高校の勝ち。
一塁ベース上で最後の打者となった達也が泣き崩れている。
○野球場・観客席
南と由加が並んで観戦している。
由加「自力の差って奴なのかな? 一晩骨抜きにしたくらいじゃ、常連校には勝てないんだね?」
南「う、うん。ゴメンね、せっかく手伝ってくれたのに」
南の瞳から涙が零れる。
由加「アンタまで泣いててどうするのよ? 南にはまだやることがあるでしょ?」
南「由加……」
○青春高校・野球部の部室(夕方〜夜)
壁際にロッカーが並び、中央にテーブルや椅子がある。
部屋の中には達也がひとりだけ、泣き疲れた顔をして座っている。
南が部屋に入ってくる。
南「タッちゃん……」
達也「ゴ、ゴメン、南。自分勝手な理由で別れておきながら、結局負けちゃったよ」
南「いいんだよ、タッちゃん」
南が達也の頭を胸に抱く。