TYPE-MOON
奈須きのこ氏&武内崇氏
2002.06.07
+++月姫、こんな具合に作ってました++++
「とりあえず高貴で白が似合う吸血鬼っぽいの描いてでしゅ。ロングスカートにセーターで」
「はぁ。えぇと……こんな……っで良いか?」
「お、いーねいーねオッケー。これ正ヒロイン」
「ぇえ!? ……いいのか? そんなんで」
「うむ。いやちょっと安直すぎっか? じゃぁこう何か馬鹿にしてみよ。頭に花が咲いていそうなノリの、お気楽極楽ってモンを」
「……頭に花、ねぇ……こんな?」
「良し。あと表情とかもっと壊れさせてね。天然あーぱーって感じで、にぱにぱ笑いまくりそうな」
「天然なのか?」
「いや天然っつうか何つうか似たようなモンだ。金髪で巨乳な奴はそうなんだ」
「はぁ。そういうモンっすかね」
「次、ラスボス。和服で蜘蛛のような奴。こっちは身体じゃなくてアタマ壊れてる感じで」
「バカなのか?」
「いや、策士だ。そーなー……若ぇ頃の織作茜に痕のちーちゃん演らせたような。笑顔の下で陰謀、みたいな?」
「……(ワケわかんねーなもう)……こんなの?」
「いいね。コスは和服なのと割烹着なのと二通りでね。で、こいつは幼児虐待されてた。」
「何を今更!?」
「いや、いいのいいのガワはこのまんまで。……さて、ヒロインな。箱入りメイドで清楚な雰囲気で、でもコロコロ表情変わるような娘を頼む」
「表情豊か、ね。イキイキと活発な?」
「いや、洗脳探偵なんだけどね」
「……(一体ど〜いうシナリオなんだ?コレ)……」
「で、敵役があと3人。まずロングコートの変態教授な。いかにも強そうなやつ」
「どのくらい強いんだ?」
「一見強そうなコイツを瞬殺してのける主人公の絶倫超人が物凄ェ強そうに見えるぐらい強い」
「……あー、要するにお約束な中ボス、と……次は?」
「まぁ二番手は最初の奴よりはキチンと強くてな。苦戦させられるわけだ。でもサディストでタカピーなもんだから、調子こいてる隙にやられる。と」
「つくづくお約束だな」
「バリバリシスコンでな。いたいけな兄を言葉責めしちまうような」
「なるほど、責め担当、と……」
「あ、待った。なんか華がないからコイツ人外キャラにしよう」
「……まぁいいか。サドなお嬢様でナイチチ装備、と……」
「うん、お?いいじゃん。さぁあと一人。埋葬機関七位にいる先輩だからメッチャ強そうに」
「本当に強いんだろうな?」
「土壇場で正ヒロインに噛みつくんだけど、そんなコイツを指先ひとつで返り討ちにしちまう正ヒロインがウギャー強い!って思わせるぐらいコイツも強い」
「……(ようするに噛ませ犬かよ)……」
「フムフム、眼鏡はいいねぇ。眼鏡はとってもマニアの血が騒ぐって感じだ。そう思わないかい? 碇シンジ君」
「やめなさい。そんな前世紀のネタ」
「……あ、それから最後に、無口でロリッとしたのを一人頼むよ」
「ロリ……か? はい……」
「おぉ〜、やっぱりこういうキャラ描かせると手が早い。流石と言おうか」
「この子がロリ体型であることの必然性って、やっぱ設定あるのか?」
「当然ながら無い」
「……」
「さ、これでメインキャラは出揃った。さっそくメンバー集めてサークル結成しよう」
「……ねぇ? この企画って、何つうかその……大丈夫?」
「大丈夫だといいね。願わくば」
「……」
「まぁホラ、俺たちがコケたって小説と漫画に戻ればいいだけだから。何とかなるって。大船に乗った気でいたまえ」
「……ヒンデンブルグ級の大船だな」