青空が赤く焼け、火の塊が落ちてきた。あの日の、あの空は、終焉の時を知っていたかのように。
これから起こることを、解っていたが、それでも解ろうとしなかった。
心の中で泣き叫んだ。悲しみが痛みへ、憎しみへ変わった。あの日々を思い出した。
真夏の太陽のように、光り輝いていた。手を伸ばせば、届きそうだった。しかし、手から零れ落ちた。
絶対的な悲しみの象徴、壊された心。蹴散らされた花。それでも、時間は流れた。永遠の闇の中で。
神は、信じない。自分の、この悲しみと憎しみだけが、いのちの証。
闇に叫んでも、それが消えることは無かった。永遠に心を覆う、あの日の黒い霧。
未来の前に立ちすくんだ。全てを忘れた。叫びたかった。帰る場所は、見当たらなかった。
自分で自分を切り刻んだ。穴のあけられた心。そこから漏れ出した人間の血。
もう、涙は流れなかった。流れ落ちた涙が、憎しみに変わった。
潰れた白いボール。風が散らした花びら。光のさす方へ、向った。