TYPE-MOON・竹箒総合(月姫/空の境界)その18

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952居酒屋狸:02/02/08 00:01
「あーー!!、志貴さん翡翠ちゃんにいたずらしてるーー!!!」

っつう事で(w
953938:02/02/08 00:03
938です。
なんか呼ばれてノコノコと出てくるのは少々格好悪いのですが、
さっき自ページにUPしたのを載せてもいいのでしょうか......
前スレの468さんのリクエストで書いてみたのですが。
"エロゲ板"用に書いたものなので、齟齬はお許しを。

で、あちらの前スレは静かに自沈の方向ですかね。

★注意。今回も一部グロです。ごめんなさい。


------------------------------------------------
個人的にベスト台詞は、さっちん死去直前の台詞。
最初の会話のループ、
「それじゃあ、わたしは家がこっちだから。そろそろお別れだね。」
断然これ。ここがなかったら月姫ハマってないです。

ではどうぞ。5個ほど消費します。
954938:02/02/08 00:06
―前回からの続き―

 弓塚の悲鳴……突然鳴り止み、カメラはスタジオへ。
 豪華絢爛なセット。
 タキシードに身を包んだ司会(志貴)。

志貴「えー、ただいま緊急の情報が入りました。このスレッドをですね。
   間もなく、武内様奈須様を始めとするType-Moonの皆様が閲覧
   なさるとの事であります。名誉な事であります。」

 ♪壮麗なクラシック(エルガー「威風堂々」)が流れる。

志貴「もう既に皆様はBBS TABLEから エロゲ板まで来てらっしゃるとの
   情報です。失礼な言動、粗相は慎みましょう。
   低レベルなパロディなどもっての他。本日書き込む予定だった
  「秋葉と晶のゲログチョ大作戦」は中止とします。
   下種で低俗な月姫パイソンを中断して特別編成でお送りします。」

テロップ:特別対談「月姫における友情の素晴らしさについて」

 "朱い月"の純白ドレス姿で微笑んでいるアルク。
 シスターの正装を身につけて祈りを捧げているシエル。
 振袖姿でおすまし顔の秋葉。 
 丁寧に神を撫で付けて、スーツ姿のネロ。

 皆、にこやかに談笑している。

アルク「あのね、シエルに妹。私たちそろそろ仲直りしようと思ってさ。」
シエル「え!?……」
秋葉「まあ……」

 ちょっと照れくさそうにするアルク。

アルク「せっかく同じゲームの中で頑張ってるじゃない。
    もうそろそろ――ね。」
シエル「そうですね。同じ月姫というゲームのヒロインとして……
    仲違いの時期は終りかもしれませんね。」
秋葉「ええ。賢い選択だわ。私も内心は――そう思ってました。」

 見詰め合う3人。
 微笑みながらうなずくネロ。

ネロ「そうだ。種を越え、利害を超えて我々は手を繋ぐべきだ。」

 鹿の頭を撫でさすりながら感極まって泣き出すネロ。

志貴「歴史的瞬間です。今ここにヒロイン3人と
   悪役の和解が成立しました。素晴らしい。友情って素晴らしい。」

 志貴も泣いている。
   
志貴「この後アルクェイドさんには最新ファッションの傾向を。   
   シエルさんには敬虔なキリスト教徒としてのお話しを。
   秋葉さんには経営学を。
   ネロ氏には動物愛護を語っていただこうと思います。
   有意義なスレッドになりますね。」
>>953
いいと思いますよ。
漏れも前スレでは密かに楽しませてもらいました(^^)
956938:02/02/08 00:07
 一同肩を組んで歌など歌っている。

志貴「いやあ本当に素晴らしい。こんな友情を語る事の
   できる月姫に感謝です!!
   Type-Moon万歳。Type-Moon最高!!一生ついていきます!! 」

 AD有彦、メモを渡す。

志貴「え?……まだ見てないの?でもさっきエロゲ板まで来てるって……
   ?"彼女または片思いの娘がやられちゃうゲーム"スレに夢中?」
   
 急に不機嫌になる志貴。嘘泣きも中止。

志貴「……ちぇっ……銭にならないお世辞ほど無駄な物は無いな。」

 それを聴いた一同、笑顔が固まる。
 組んでいた肩を外し、汚れたかのように手をパタパタと払うアルク。

アルク「なんだあ。見てないのかあ。」
シエル「人気投票の不正疑惑について直訴したかったのに。残念です。」
秋葉「もう少し、原画の、その、胸の部分を修正して欲しかったのに。」

 だらける一同。

アルク「あー、馬鹿みたい。ま、私は険悪なままでも別にいいんだけど。」
シエル「そうですね。敵対しあうヒロインというのも――」

 その言葉を遮るアルク。

アルク「冗談じゃないわよ。何がヒロインよ。人気の差考えてみなさいよ。」
シエル「人外のくせに言う事だけは一人前ね。」
秋葉「あなた達がそんな姿を見て月厨がスレを荒らすのよっ。」

 テーブルの上のオレンジジュースをアルクの顔にブっかけるシエル。
 染みのついた白いドレスを見て切れるアルク
 
アルク「コ・ロ・シ・テ・ア・ゲ・ル」
シエル「こちらの台詞よ。この吸血生物。」 
秋葉「成長しない人たちね……」
 
 アルクの爪とシエルの黒鍵が激突。
 しかし、両方の攻撃ともたまたま間をうろついてたエトに命中。

 激怒したネロ、動物大解放。スタジオ大混乱。

 どさくさ紛れにやって来て秋葉のジュースに毒を盛る琥珀。
 それを飲んでしまいグッタリしている秋葉
 バスタオルを取り返しに来た翡翠。
 とにかくテレビに映ろうとする弓塚。

 阿鼻叫喚のスタジオ。

志貴「おーい。今月姫スレに来たみたいだぞー。」

 一同急に直立不動の姿勢。

 血みどろのアルクとシエル。無理な笑顔。
 殴りあっていた拳を強引に結んで握手に持っていく。

 琥珀、グッタリした秋葉を無理やり立たせている。
957938:02/02/08 00:10
志貴「どう?そろそろ来た?」
有彦「ああ、スレ移行談義の辺りまで来たのんだけど、
   今度は"鬼畜ゲーム総合スレ"に……」

 ため息をつく志貴。
 目の前に流れ弾の黒鍵が突き刺さる。
 再び狂乱のスタジオ。

 なぜか弓塚をボコボコにしているシエル。
 痙攣してる秋葉。 
 それを見てケラケラ笑ってる琥珀。
 ボロボロのバスタオルを見て複雑な表情の翡翠。
 走り回る有象無象の動物達。それを追いかけるネロ。
 
志貴「それでは再びType-Moonの皆さんが閲覧を開始するまで、
   別のスケッチに参りましょう。
   翡翠……バスタオル返してくれ……」



――埋葬機関「元スケッチ"葬儀屋"」――

 一応裏ルート。吸血鬼と化した同級生弓塚を自分の手であの世に送った
 志貴は、彼女を弔おうと葬儀屋へ向う。(細かい事は言わない約束)


 鎮痛な顔の志貴。葬儀屋の場所にたどり着く。
 看板には「埋葬機関」と書いてある。

志貴「すいませーん。」

 カウンターには眼鏡をかけたカソック姿の女性が。

シエル「いらっしゃいませ。」
志貴「あの……先輩?」
シエル「な、なんの事でしょうか?」

 首をかしげるシエル。

志貴「どうしてこんな所で……」
シエル「まあ一応私が貴方が知ってる人だとして答えますが……
    バイトです。埋葬機関も不況の渦に巻き込まれて大変なんですよ。」
志貴「ああ、もう深くは聞かないけど……ここ、葬儀屋さんだよね。」
シエル「ええ。死の専門店です。」

 不審がる志貴。

志貴「専門店?」
シエル「埋葬する機関ですからね。どんどん埋葬しますよ。
    死体の事ならお任せください。」
 
 笑顔で胸を張るシエル。

志貴「昨日、俺の友人が……死んだんだ。で、ちょっと事情があって……
   友人の俺が弔ってあげたいんだ。」
シエル「承知しました。3つのコースから選んでください。
    埋める。燃やす。輪廻の輪から放り出す。」
958938:02/02/08 00:12
 意味の解らない志貴。

志貴「輪廻の輪?」
シエル「ええ。まだ残ってる魂も綺麗さっぱり消しちゃうコースです。
    オプションで第七聖典試し撃ちと馬(ななこ)乗り放題がついてお得です。
志貴「……」

 シエル、志貴の顔をまじまじと眺めて、

シエル「ひょっとして、その死者に激しい敵意を抱いてなかったのですか?」
志貴「当たり前だろっ」

 怒り出す志貴。不満そうなシエル。

シエル「じゃあ輪廻コースはやめにしておきましょうね。埋めるか燃やすかに。」
志貴「それしかないの?」
シエル「徹底的に切り刻むコースも一応ありますけど。」


―――――――舞台裏――――――――

有彦「うわあ。こんなグロいネタで大丈夫なのかなあ。ブーイングが聞こえるし。
   いつType-Moonの人が見に来るか解らないのに。」
琥珀「今どこをご覧になってるのでしょうかねえ」
有彦「うーん……"戦う変身ヒロインがやられちゃうゲーム"スレを
   見てるみたいだ。」
琥珀「じゃあ、もうちょっと続けさせましょう。」
有彦「でもこの先ますますグロなんだけど大丈夫ですかね……」

―――――――――――――――――――


 頭を抱える志貴。

シエル「埋めるにしても燃やすにしても、まず最初に確認したいのは、ちゃんと
    そのお友達が死んでるかです。死にきれてないと大変ですよ。
    炉の中で暴れたり、土の中で蘇って棺桶を引っかく音が……」

志貴「やめろっ!!」
シエル「ご、ごめんなさい。」
志貴「見ろ。ちゃんと死んでる。」

 ドサリと大きなズダ袋をカウンターに乗せる志貴。


―――――――舞台裏――――――――

有彦「幾ら元スケッチ通りのネタとはいえ酷いなあ。」
琥珀「まあ、鬼畜米英の考えるネタですから。」
有彦「ああ、ますますブーイングの声が。アルクやネロまで怒ってるよ。」
琥珀「Type-Moonにバレなきゃ平気ですよ。ギリギリまで引っ張りましょう。」

――――――――――――――――――
959938:02/02/08 00:14
 袋の中を覗き込むシエル

シエル「あら、まあ。吸血種だけど……死にたての新鮮物ね。」

 奥の方に声をかけるシエル。

シエル「ななこ〜。オーブンの用意しといて〜。」
志貴「オ、オオオオ、オーブン?」
シエル「あ、大丈夫ですよ。ななこは野菜しか食べませんから。」

 ブーイングの声がここまで聞こえてくる。
 
志貴「そんな、幾らなんでも……」
シエル「あら、お腹空いてないんですか?」
志貴「そういえば少々小腹が――」

 ブーイングますます大きくなる。
 その時、警報が鳴り響く。
 天の声が響く。

有彦「緊急警報緊急警報!!!!。今、たった今Type-Moonの皆様がここを見てます。
   至急このグロいスケッチを中止。総員敬礼!!!!!!」

 慌てて気をつけの姿勢になるシエルと志貴。
 袋の中から弓塚も出てきて敬礼。

志貴「Type-Moon万歳ー。」
シエル「もうこんな下劣なSSには出演しません。だからもう少し投票に色を。」
弓塚「シナリオシナリオシナリオ」

 一心不乱に念仏を唱えるかのような3人。

有彦「あ……あっさりと
   "ファーストプレイ限定、禁オナニースレッド"に移動した模様。あーあ。」

 それを聞いたシエル、いきなり黒鍵を弓塚に何本も突き刺す。

シエル「こうなったら実力行使で順位を上げたらあ!!!!。目障りじゃあ!!!!」
志貴「弓塚はともかく、鹿はまた食べたいなあ。」

 そこへ乱入してくる動物一同。
 再び大混乱。

ED
938さんのHPいまだにわからない。。。
オシエテクレー。
961938:02/02/08 00:16
長々と失礼しました。
「さっちん灰になってるでしょ。」
とかの突っ込みはご愛嬌と言う事で勘弁してください。

後、3、4回程度はネタ続くかと思います。
>>960
俺は見つけた。金文体で月姫パイソンって書いてあってカコイイ!
でも2ちゃんでアドレス晒したくない。

>>961
お疲れさま。
わかりやすい検索ワードのヒントください、とか言ってみるテスト。
前スレの808-811みりゃ一発。
OKわかった。レス消費スマソ>全方位
まさかここまでやる奴がいようとは(w
発祥どこ板よ?
968938:02/02/08 18:18

(;´Д`)シマター....完全に騙された>>966

鬱だ誌脳....⊂⌒~⊃。Д。)⊃
>>966
もう紫なんだけど…鬱出し脳
970最南端 ◆KOHAkul. :02/02/08 21:51
               
       ∧∧l||l   
       /⌒ヽ)  <上に同じく・・・・
     〜(___)    
    ''" ""''"" "''   
>969-790
同志達、h抜きで紫といってもブラウザユーザーは分からんぞ。
・・・どこで踏んだんだっけな?思い出せぬ・・・

では938氏がむばってくれ。
く…くく…く…

なんて……無様……!!
974最後尾の名無しさん@3日目:02/02/09 15:19
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ







976938:02/02/11 21:10
いいなあイベント……
しかし重いな2ch……

6つほど消費します。御暇ならどうぞ。
977938:02/02/11 21:12
−−元スケッチ「新型ガス調理器」−−

 アルクェイドとの決着をつけるため、ガタのきた第七聖典を埋葬機関本部に
 修理に出していたシエルだったが……

シエル「そろそろ機関の者が届けに来る頃ね……」

 チャイムが鳴る。

声「すいませーん。届け物でーす。」

 シエル、ドアを開ける。
 宅配便風の格好に身を包んでいるが、どこかで見た姿の配達員。

琥珀「こんにちはー。埋葬機関でーす。」

 不審そうなシエル。

シエル「貴方は……!? 」
琥珀「日本埋葬機関北関東支部三咲町配送センターから参りました。」

シエル「は、配送センター?」
琥珀「バイトなので詳しい事はちょっと解りませんよ。最初に言っておきます。」

シエル「そう……で、その……」
琥珀「ご注文の第七聖典をお届けにあがりましたー。」

シエル「ああ、ど、どうもありがとうございます。」

 胸ポケットから伝票を取り出す琥珀。

琥珀「ええと、チエルさんでよろしいですよね。」
シエル「いえ、シエルですけど。」

 首をかしげる琥珀。

琥珀「あらら。ここは三咲町の@@@番地ですよね。」
シエル「ええ。そうですけど。」

 伝票に顔を近づけてしげしげと見る琥珀。

琥珀「確かに三咲町……でもこの発送伝票には"シ"じゃなくて"チ"、チエルって
   書いてあるわ。ねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

 ドアの影からもう一人の配達員が顔を出す。

シエル「……」

 シエルに伝票を見せる琥珀。

琥珀「ほらね。ここには"知恵留"と宛名の名義に書いてあるのですが。」
シエル「それで、シエルと読むんですよ。」

琥珀「ああ。これが本名なんですか。」
シエル「いえ、その、それは私の別名というか、芸名みたいな物です。とにかく
    それは私の物ですから、早く聖典をいただけませんか。」

 琥珀、抱えていた聖典を背中に隠す。
978938:02/02/11 21:13
琥珀「あららー。それだとちょっと困るんですよねえ。手続き上。
   違う宛名の所に配送したとなると、私達のミスになってしまいますから。
   それじゃ困るわよねえ翡翠ちゃん。
翡翠「ええ。」

シエル「じゃあどうすればいいんですか。」

琥珀「とりあえず今日はこのまま聖典を支部に戻してですね。そちらがもう一度
   教会本部に連絡をして、再転送の許可を得てから改めてこちらに名義
   変更の上配送をするという事になりますね。それが最速だと思いますよ。
   そうよねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

 頭を抱えるシエル。

シエル「それでどれぐらいかかるんですか。数日。」
琥珀「えーと、大体50日ですね。営業日ベースで計算してですから
   実際には10週間程ですけど。」

シエル「10週間!!」
琥珀「すぐですよ。」

シエル「とんでもない!! いい加減にしてください!!
    今すぐそれをここに置いて言ってください!! 」

 怒り出すシエル。

琥珀「待てませんか?」
シエル「当たり前です。」

琥珀「困りましたねえ。じゃあ……特殊仮配送届にサインして貰えれば、
   なんとかこちらの責任には……じゃなくて問題無く今お渡しできるか
   と思います。そうよね翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

シエル「なら最初からそうしてよ。」
琥珀「そう言われましても、規則ですからねえ。」

 新しい伝票を取り出す琥珀

琥珀「じゃあここに"シエル・チエル"と書いてください。それで私達の手落ち
   ではなく……じゃなくて手続き的には何とかなると思います。」
シエル「そうですか……」

 しぶしぶ"シエル・チエル"とサインをするシエル。
 それを受け取った琥珀、笑顔で、

琥珀「それではまたご利用くださーい。」

 ドサリと聖典を玄関に置いて出て行く。翡翠も一緒に。
 聖典を確認しようとしたシエル、槍がついてない事に気がつき、
 大声で二人を呼び止める。

シエル「あの、ちょっと……槍がついてたと思うんですけど。」
琥珀「特別伝票の方はありますか。」

シエル「何?何ですかそれ?」

 ため息をついて呆れる琥珀。
979938:02/02/11 21:15
琥珀「困りましたねえ。特別伝票が無いと私達ではなんとも。弾薬や槍は本来
   別の係の担当なんですよ。配送センターは同じ三咲町支部なんですけど。
   ねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

 琥珀の鞄から槍が顔を出している。

シエル「その槍は……」
琥珀「ええ、特別に槍も同時梱包という事で今回持ってきたんですけど、
   会議で係同士が対立しちゃって大変でした。だから
   特別同時梱包配送伝票が無いとお渡しできないんですよ。」

シエル「とにかくその槍を下さい!!!!! 」

琥珀「それ以前に、私達は槍の取扱と装填の資格を持ってないんですよ。」
シエル「持ってきてるじゃないですか。」
琥珀「単純配送の資格はこの前取ったんですよ。第三種ですね。」

シエル「槍の装着は自分でやります。」
琥珀「お客様がご自分で設置なさるんですか。」

シエル「ええ。当然です。」
琥珀「保障が利きませんよ。」

シエル「かまいません。」
琥珀「それでは保険に入っていただかないと……万が一事故が起こったら、
   私達の責任問題になりますから。

シエル「保険?」

琥珀「ええ、事故で魂全部消去されても責任は自分にありますという念書と、
   厳しい審査が必要ですけど……大丈夫ですよ。」
シエル「何が?」

琥珀「審査、誰でも2週間程で通りますよ。」
シエル「そういう問題じゃありません!!」

 切れかけのシエル。

 ふと思い出して部屋の中へ書類を捜しに戻る。
 桃色の特別伝票を探し出したシエル。大喜び。

シエル「あったわ。すっかりこの書類の事忘れてました。
    これでいいんでしょ。」
琥珀「ああ、これですね。」

 疲労の色が隠せないシエル。

シエル「良かった……もう何でもいいから早く槍も下さい。」
琥珀「はいただいま。――あらっ!! 」

 驚く琥珀。
980938:02/02/11 21:17
シエル「どうしたの?」
琥珀「これ、特別同時梱包配送伝票の名義がシエル様になってますねえ。」

シエル「当然でしょう。」
琥珀「でも、先程の聖典本体の特殊仮配送届には「チエル・シエル」と
   サインなされてますからねえ。違う名義になっちゃうと、色々
   問題がありまして。第87項に引っかかちゃうんですよ。参りましたねえ。
   困ったわね翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

シエル「もういい加減にしてください。なんとかならないんですかっ!! 」
琥珀「名義同時改編手続きをすればなんとか。確か第991条の特例A002
   だったかしら。そうだっけ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

シエル「それをじゃあ早くやってください。」
琥珀「えーと、今から配送センターに連絡。そこで会議の上決定事項を月末に
   一括してアジア中央本部に伝えます。そしてそこでの全体会合で1/3以上の
   承認を経まして、その後埋葬機関本部に伝えられます。そこで――」

 琥珀の言葉を遮って怒鳴るシエル。

シエル「だからどれだけかかるのかを聞いてるんです。」
琥珀「大体30週間程ですね。」
シエル「そんなに待てないですっ!! 」

 仁王立ちで怒鳴りつけるシエル。

シエル「こんな事は言いたくないんですが、私は埋葬機関第七位に位置する
    人間ですよ。私の命令はかなりの優先順位を持ってるはずです。
    多少の融通は利くと思います。」

琥珀「えーと、配送センターでの課長さんが出す通常発送命令の優先度を1と
   するとその優先順位はどれぐらいですか? 」
シエル「は?」
琥珀「ちなみに特別命令の通常命令に対する優先度は1.49ですよ。
   ねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

シエル「数字に換算なんてしてる場合じゃないでしょおおおお!!!! 」

 ついに黒鍵を握り締めるシエル。

琥珀「うーん、仕方が無いですねえ。緊急の場合には特例の33-r1条を適応と
   いう事で、いますぐに弾薬を補充できますが。」
シエル「じゃあそれでお願い。早くして。」

 辞典並みに分厚い規則集を読み始める琥珀。数十分経過。

琥珀「えーと、ありました。現在進行形で吸血鬼に襲われている場合には
   特例の第33-r1条の第02項が適応されるようですね。
   バイトでも懲罰会議での罰則無しに弾薬補充が可能です。」
シエル「吸血鬼ですか……」
琥珀「ええ。」
シエル「……わかりました。」

 電話をかけるシエル。
981938:02/02/11 21:18
シエル「……ええ……ええ。とにかく来てください。単独シナリオの件で
    進展が……そうです。すぐに私の家へ。」

 呼び出されてノコノコやってきた弓塚。

弓塚「あの、シナリオの読み合わせって本当ですか先輩。」
シエル「嘘です。」

弓塚「……じゃあ、なんの用事ですか?」
シエル「ちょっと私を襲って欲しいんですよ。」

弓塚「また、そうやって私をボコボコにするんでしょ。正当防衛とか言って。」
シエル「今回は違うから安心して。今日きちんと襲ってくれたら
    もう貴方の人気を妬んだりしないから。」

弓塚「本当?」
シエル「約束します。」

 つくり笑いのシエル。

弓塚「じゃあ……」

 シエルにおそるおそる近づく弓塚。
 それを止める琥珀。

琥珀「あ、ちょっと待ってね。貴方が本当に吸血鬼なのか一応確認させて
   もらいますねー。」

 笑顔で鞄の中から医療道具などゴテゴテと取り出す琥珀。

 ――文章にはとてもかけないレベルの検査をされまくった弓塚。

琥珀「はい終りです。どうやら正真正銘の吸血鬼ですね。」

 泣いている弓塚。青ざめてるシエル。

弓塚「ううっ……酷いよ……」
シエル「そんな所まで……じゃ、じゃあ、取り込んでて申し訳ないんだけど、
    早速私を襲って頂戴。」
弓塚「うん……え、えい。」

 ペシ、と肩を軽く叩く弓塚。

シエル「きゃあたすけてー。おそわれてるー。聖典がいるわー。」

 棒読みで叫ぶシエル。ちらちらと琥珀の方を見る。
 規則集を見ている琥珀。

琥珀「それじゃ駄目ですねえ。」
シエル「どうしてですか。」
琥珀「喉の部分に切り傷及び噛み傷、長さ3センチ、深さ2センチが2つ以上
   はないと吸血鬼襲撃とは認定されないようですね。」
シエル「……」

 シエル、仕方なく喉を弓塚に見せる。
982938:02/02/11 21:19
シエル「とりあえず噛み付いて。早くっ!! 」
弓塚「はい……カプっ」
シエル「ほら噛まれてる。噛まれてます。聖典!! 聖典!! 」

琥珀「あー、今気づいたんですけど、規則の33-a2の第0043項に、
   "被害者と吸血鬼の間に縁故が無い事を本部に確認が必要"とあるので、
   その問い合わせに数日かかりますね。ねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

 呆然とするシエル。喉笛に張り付いてる弓塚を張り倒す。

シエル「いつまで齧り付いてるのよこのサブキャラ風情が!! 」
弓塚「そんなー。」

琥珀「あ!! 」
シエル「今度は何?」
琥珀「相手が固有の特殊能力を使用してきた場合は、無条件に33-a1が
   適応されるようですね。」

シエル「じゃあ貴方。あれ出しなさいよ。枯渇なんたらってのを。」
弓塚「だって私もまだそれは良く解ってないし……単独シナリオがあれば……」
シエル「文句言わずにとにかく出して!! 」

 鬼気迫るシエルの態度。
 仕方なく使ってみる弓塚。
 ゴゴゴゴ、と不気味な音がする。

 本能的にその能力の恐ろしさを感じ取ったシエル、
 力を開放する直前の弓塚に黒鍵を突き刺しまくる。

弓塚「痛い痛い痛い。酷いよー。」
シエル「恐いじゃないですか!! 」

 それを見つめて呆れてる琥珀。

琥珀「それじゃ襲ってるのはシエルさんじゃないですか。33-a1は適応されないと
   思いますよ。ねえ翡翠ちゃん。」
翡翠「ええ。」

 我を忘れて弓塚をボコってたシエル、ガックリと肩を落とす。

シエル「じゃあ……どうすればいいのよ……」
 
 ポンと手を叩く琥珀。

琥珀「ああ、これなら絶対大丈夫。139条の第028930項があります。
   "真祖の姫君に襲撃された場合"は最優先になります。」
シエル「ええっ……」

 もう感覚が麻痺してて、聖典のメンテの本来の目的「アルクとの対決」を
 忘れているシエル。アルクに電話をかける。

シエル「あの……ええ、ちょっと重大な用事が……Melty Bloodの……ええ……」

 すぐにやって来たアルク。
983938:02/02/11 21:21
アルク「不人気シスター元気ー。Melty Bloodの殺陣の練習ってどういう事? 」
シエル「ええ、まあ私達も格闘ゲームになる事ですし、ちょっと今のうちから
    軽くお手合わせ願おうかと。」
アルク「いいよー。」

 と、言うなり爪を剥き出し、いきなり全力のアルク。
 精神的に参ってるシエルはなす術無くボコボコに。

アルク「あー、すっきりした。今日はもうこれぐらいでやめておこっか。」

 血まみれのシエルを背にして去っていくアルク。

シエル「うううっ……あの……聖典、槍装填……」
琥珀「はいどうぞー。」

 槍を装填した聖典を息も絶え絶えのシエル渡す琥珀。

シエル「あれ……そ、そういえば一緒に送った精霊がいませんでしたか? 」

琥珀「ああ、精霊の方ははまた係が別でして。別便で着くと思います。」

 シエル、もう言葉も無い。

琥珀「でもすぐに到着すると思いますよ。」

 シエル、虫の息。そこへ士貴がやってくる。
 喜びで多少息を吹き返すシエル。
 
シエル「ああ、遠野君。」

士貴「ああ先輩、俺は今、日本埋葬機関関東支部精霊部精霊課の牝馬精霊
   発送センターのバイトをしてるんだけど……」
シエル「え?」
士貴「先輩の発注した精霊、検疫に引っ掛かって本部に強制変換だって連絡が。
   再検査して発送だから200営業日はかかるみたいなんだ。
   申し訳ないんだけど、ここに同意のサインをくれるかな?」
 
 話の途中で完全にブッ倒れるシエル。

士気「困ったな。まあ不在届を置いておけばいいか。ねえ翡翠。」
翡翠「ええ。」

ED
984938:02/02/11 21:23
いつもながら長々とすいません。
次は1週間とか10日後になると思います。
>>984
乙華麗〜♪
986最南端 ◆KOHAkul. :02/02/11 21:42
>>984=938殿
流石( ̄▽ ̄)
今回は日陰キャラ(シエル&さっちんファンの方,御免^^;)の
不幸オンパレードですね(w
987最後尾の名無しさん@3日目:02/02/11 21:53
AGE
>>986
最南端氏、最近暗躍していない?
月姫スレでも見かけなくなったが。
989最後尾の名無しさん@3日目:02/02/12 00:41
AGE     
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!

キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!

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