参考:殿山徹二著 マドンナメイト「美少女 露出M儀式」P104〜
出典:殿山徹二 「倒錯美少女 露出こそ私の命」
紗祐美の頭の中には、自分がマラソンランナーになった妄想が描かれていた。
テレビ中継もされる有名な大会だ。
なぜか紗祐美だけが一糸まとわぬ素っ裸で、それがお茶の間に中継されている。
「ほう、槇宮選手は今大会でも何も着ていませんね。
お茶の間のみなさん、よくごらんください。
これが露出ランナーとして有名な槇宮紗祐美選手です」
そんな紗祐美の耳には、アナウンサーの実況中継の声までもが聞こえていた。
スタート前に柔軟体操する紗祐美の姿が電波に乗って全国に中継される。
すべての家庭で紗祐美の裸身を視聴することができた。
町の電気屋の店頭では、十数台のテレビモニターすべてに紗祐美のオールヌードが映し出されていることだろう。
「槇宮選手、見られる興奮からか、顔を真っ赤にして身をくねくねさせています。
若干十五歳の出場ですが、この身体を見て誰が十五歳と思うでしょう。
プリプリ弾む乳房、むっちり張り切った腰つき……すでに成熟した大人の女性美をただよわせています。
他の選手たちは、全裸の槇宮選手に呆れたような、はたまた蔑むような視線を送っています」
その時、実況アナウンサーの横に座っている解説者が口をはさむ。
「いや、よく見てください。
槇宮選手、一糸まとわぬ、というわけではありませんよ。
ほら、首輪をして名札を吊り下げていますからね」
「ほんとうですね……カメラさん、もっとアップになりませんか」
「規定のゼッケンをすると、自慢の胸が隠れてしまうので、首輪に名札を認めてくれと、槇宮選手が大会本部に涙ながらに訴えたそうですよ」
「なるほどねえ。
まあ、我々としましても槇宮選手の美しい乳房がゼッケンで隠れてしまうのは残念です。
なにしろ槇宮選手の出場する大会の中継は、視聴率が五十パーセントを越しますからね。
紅白歌合戦なみですよ……あ、画面がアップになりました。
『露出少女・槇宮紗祐美』──たしかに名前が書いてありますね。
おや、その下のROHという文字はどういう意味でしょうか、解説の海老原さん?
ふつうは所属企業名やチーム名を書くところですが、槇宮選手は単独参加のはずですよね」
「ああ、それはですね、露出、オナニィ、変態の三つの言葉の頭文字をとったものだそうです」
「露出のR、オナニィのO、それに変態のHというわけですね。
なるほど、槇宮選手選手にふさわしい……お、号砲が鳴りました。
各選手、いっせいにスタートです。
澄みきった秋空の下、左手に雄鰻湖の光る湖面を見ながら、女同士の戦いの火蓋が切って落とされました。
沿道の観客が盛大な拍手と声援を送っています……ひときわ大きく聞こえるのが、やはり『紗祐美コール』ですね。
いやはや大変な人気です、槇宮紗祐美選手。
かくいうわたくしどもの局も、槇宮選手の力走ぶりをより長くお茶の間にお届けするため、槇宮選手専用の中継車を二台用意しました。
槇宮選手の全身を捉える『サユミ一号』と、槇宮選手の表情や汗、肉体の躍動感をアップで撮影するのが目的の『サユミ二号』です。
では、まずサユミ一号を呼んでみましょう。
サユミ一号には、今年入社したばかりの新人アナ、吉沢沙織アナウンサーが乗り込んでいます。
あー、もしもし、吉沢さん?」
「はーい、こちらサユミ一号の吉沢です。
槇宮選手の全景は、このサユミ一号がばっちりお伝えしますので、どうか期待していてください」
「吉沢さん、槇宮選手はまだ映りませんか?」
「ええ、なにしろ、まだスタートしたばかりで、大勢の選手が集団でかたまっていますから、もう少し時間がたちませんと……あ、いいえ、見えてきました、槇宮選手です!
もう大きく脱落して、一人走っています。
見えますか?」
「見えます、見えます……これは最初からかなりの遅れですね、解説の海老原さん?」
「いやあ、槇宮選手のことですから、自分をよく見てもらいたくて、わざと遅れたんでしょう」
「こちら吉沢です。
いま槇宮選手の左手が胸にのびました……右の乳房を撫でまわしています……あ、乳首ッ、乳首をつまみました!……右手はふとももの付け根にのびていきます……この妖しい指の動きは何でしょうか……槇宮選手、オナニィをはじめたようです」
「走りながらオナニィとは、まさにROHですね。
それではサユミ二号に、槇宮選手の秘部をアップにしてもらいましょう。
サユミ二号の松島アナウンサー、どうぞ」