二時間後
「うん…!?」
義母が目を覚ました。
現在地はマーケットから5km程の場所に位置する小さな倉庫。
義母はそこの中央にある木製の椅子に座っていた。
「ここは…!?」
義母は立ち上がろうとしたが、手足と腰に何かが引っかかって立てない。
「やっと目覚めたようだね。」
後ろから声が聞こえてビクッとして
振り向こうとしたが、それも叶わない。
「だっ、誰!?」
義母は名前だけでも聞き出そうとした。
「申し遅れた、私の名前はハゲ。
貴女を犯すものだ。」
「おっ、犯すって…」
義母はその言葉の意味は一応知っていたが、
まさか自分ぐらいの年頃で被害に遭うとは思ってもみなかった。
「いっ、嫌よ!!あなたに私の初めてをあげるなんて…」
「でもさ…、貴女は手足も首も腰も動かせないよ?断ることは出来ない!」
「何で動けないの、私の体…?」
口に出して自問する義母。
「教えてほしいかい?」
「…お願い」
ハゲが答える。
「君のあらゆる部分に細くて頑丈な糸を結んでいる。
糸は椅子に括り付けてあるから貴女は動けない。」
義母は聞いた瞬間に切断呪文を唱えようとしたが、何故か言葉にならなかった。
「言い忘れていたけど、貴女の口は「沈黙の札」で封じてある。
呪文以外のことしか喋れないようにね。」