【短編】有名人官能小説 14冊目【長編】

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590名無しさん@ピンキー
 顔があるあたりに、耳があるあたりにひかるは語る。何をしたいかなど、詳しく語る必要もない。
ただ、するりと布団に忍び込ませた指先は、偶然か必然か、曜子の胸元あたりに這い、扇情的にうねっている。
「だめだ、だめだぁひかる。それは、いけねえ」
 小さい声が、布団の中から聞こえる。
「なんで。もう何度も何度もしとるやん。わたしはぜんぜん構わんよぉ」
 だめだ、と言われるのは分かっていた。ただ、曜子が折れるのも分かっていた。弄る手には、ますます力がこもっていく。
「あ、あぁ。ひかる、もうこれ以上は、いけねえ」
「ううん。いけねえと言われても、するよ」