・・・最近の姉さんはなんだかおかしい・・・
サイレントディールがふと感じたのはトゥザヴィクトリーが引退して
間もなかった頃のことだ。
いつも通り接しても、なんだか空ろな表情で、時々見せる笑みや、
恥ずかしそうな表情はなんだろうな・・・と感じていた。
その頃、同じ馬主である先輩のクロフネがちょくちょく家に
来ていた。用件は自分のダービーのことだったり、ダートの魅力の
事について教えてくれたりする事とかだったから、いい先輩だな、くらい
にしか感じていなかったわけだけど・・・。
しばらく経ったある日、姉さんに頼まれて家を追い出されるディール。
なんだか良くわかんないけど、1日だけでいいから、との事でしぶしぶ
友達のユニヴァースの所に遊びに行くことに。
ユニヴァースは理由も聞かず、快く快諾してくれた。
そして、その晩、クロフネがディールの家に向かっていたことをたまたま
見かけたヒシミラクルがディールにおしえてくれた。
「ふぅん・・・そのことしらなかったんだぁ。」
「うん、でもまぁ・・最近は良く来るし、別に不思議なことはないけど」
とディールは言うが、ユニヴァースは敏感に察したようだ。
「それってさぁ・・・種付けじゃねぇ?」とユニヴァース。
「種付け・・・?」
聞いたことある単語ではあったが、まだ種牡馬になる、という意識の
低いディールにはいささか意味はわかっていない様子。
「君、今日家を出てくれって頼まれたんだろ?姉さんに。
んで、クロフネ先輩が来る、そしてこの季節。そんなの種付けしかないじゃん」
ユニヴァースはこのところ連勝街道を歩んでいるせいか、種牡馬のことも、
仕事も、それなりにしっているようだった。
「種付けって・・・・あんま良くわかんないんだけど・・・」
「要するにHだよ。H。お前もエロ本見たことあるだろ?あれだよ。」
「H・・・・・(ぼっ)」
想像するディールをよそ目に、ユニヴァースはそのまま話を続けた。
「にしても・・・種付けかぁ・・・。俺は絶対種牡馬になるぜ。
そして親父を越すような種牡馬になるんだ!!」
サンデーサイレンスが死んだ年にデビューしたユニヴァースは、
それこそ親孝行、と信じ、またあまり接したことのなかった親では
あったが、その偉業や成績などを尊敬していた。
「ちょちょちょ、待って!ってことは家で姉さんがクロフネ先輩と
Hするの!!?」
突然思い出したかのようにディールが慌てふためきユニヴァースに話した。
「だってそれ以外ないじゃん。もともと付き合ってたんだし、あの二人。
相思相愛ってやつ?芝ダート兼用同士・・・・本当すごいカップルだよ。」
「姉さんが・・・クロフネ先輩と・・・」
ユニヴァースがしゃべってる言葉を聴く様子もなく、ディールはぶつぶつと
つぶやいていた。
「それよりさ、何か食べにいかね?おれさぁ、おなか減っちゃってさぁ・・・」
「ごめん!」
食事に行きたがってたユニヴァースをよそに、ディールは家に帰っていった。
「あいつ・・・まさか・・・な。てか、俺どうすんだよ!一人!?うえっ!!!」
ディールが姉を気にしだしたのはデビュー前、いや、初めて見た時からだった。
初めは気にしていなかった感覚。しかし、それはただ単に、親が好き、兄弟が
好き、家族が好き、その延長線と思い別段不思議には思っていなかった。
が、先ほどのユニヴァースの話を聞いて、その感覚は違うと言うことに気がついた。
「そうか・・・僕は・・・姉さんが・・・」
そう、ディールはトゥザヴィクトリーに恋をしていたのだ。
つい最近まで一緒に寝たり、お風呂に入ってた姉。そんな姉を恋する。
本当は気づいていた。だけど認めたくなかった。認めたらつらくなる。
でも、姉は違う人を恋してる・・・そんなことを考えると自然と涙が
出てきた。
「違う・・・違う・・・違うんだ・・・・」
頭の中に色々な感情が、色々な考えが浮かんでは消えていく・・・。
何が何やらわからなくなってくる。自分にとって姉とは・・・。
ふらふらになりながらも家に着いたディールは中々ドアを開けることは
出来なかった。そう、なぜならすでに二人は・・・
「あっ・・・クロ君・・・そこぉ・・・好きぃ・・・♪」
艶やかな声が部屋中に響き渡っていた。
「トゥヴィクさん・・・綺麗ですよ・・・」
「ふふ・・・クロ君も素敵だよ・・・・・・あっ♪」
ディールが家を出て数時間が経った後、クロフネはトゥザヴィクトリーの家にいた。
そう、ユニヴァースの言ってたとおり種付けをしに、だ。
この季節、クロフネを初め、種牡馬は繁殖牝馬の家を転々とする。
1日に数軒いく種牡馬もいたり、また数週間泊まったりする馬もいる。
「クロ君・・・人気だもんね・・・。1年間寂しかったんだよ・・・?」
「トゥヴィクさん・・・僕もです・・・。確かに僕は色々な女性と種付けを
するけど・・・トゥヴィクさんは特別です・・・」
「クロ君・・・♪」
1年に1度。人気のクロフネとは中々会えないのも事実。だからこそ、
素直に好きという言葉を、行為をぶつけたい。そんな感情もあって、
トゥザヴィクトリーは徐々に淫らになり・・きれいになっていった・・・
「ん・・・やっ・・・あっ・・・・あっ・・・」
「そのあえぎ声・・・こっちが興奮しちゃいますよ・・・」
乳首を甘噛み。そのなれた口元には余裕さえ伺える。
そしておもむろに右手をトゥザヴィクトリーの逆の乳房にあてがい、
そっともみしだきはじめる。
「ん・・・クロ君・・・うまくなった・・・ね・・・・ひぁっ!」
「(ちゅぷっ)いや・・・トゥヴィクさんがエロクなってるんです・・(ちゅっ)」
「やだぁ・・・そんなこと言わないで・・・」
顔を赤らめ、恥ずかしそうに言うトゥザヴィクトリー。
だが、そのことは事実であり、現に彼女の股間はすでにぬれてき始めている。
もじもじとしてる足をよそ目に、クロフネは丹念に、そして執拗に
体を舐める。首筋から乳房、腰にかけ・・そして足の付け根に・・・。