小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第15章〜

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89猿でも書けるエロ本教室 ◆fDszcniTtk
「シチュエーションに関してですが、これは大まかにいって精神的シチュエーションと行為的シチュエーション
に分けられます」
「図書館的な分類番号はあるかい?」
「もちろんありません。それから言うまでもないことですが、私が勝手に分類しています」
「だろうね」
「ところで精神と好意ってかぶってない?」
「好意じゃなく行為です。行う、為す」
「行うナスだって、ふふふ、田中君のエッチ」
「精神的シチュエーションというのは、主人公とヒロインの精神的な立場です。これがとても重要です」
「スルーしたね」
「ですが、文学である以上重要であることは自明です。たとえば主人公、あるいはヒロインの告白シーンは
いやがうえにも場を盛り上げます。一方で、行為的シチュエーションは純文学では大した重要性を持ちませんが
エロ本ではきわめて重要です」
「ねえ、行為って体位?」
さすがに声を潜めて久子が聞く。
「それも含めての行為です。たとえば、体位という言葉が出ましたので例にあげると、同じバックでもベッドの
上か、シャワールームか、鏡の前か、窓際かでまったく異なります」
「確かに。これはドキドキするね」
「ヒロインは堅い女、あるいは堅いイメージの女という話をしたときに、カタルシスだといいました。行為も同じ
です。『あ、こんな』とヒロインが思う行為で初めてヒロインが生きます。」
「確かに」
「チェックシート的に体位を変えていくだけではエロ本としては持ちません」
「AVじゃないからね。挿絵でも有ると違うかな」
「挿絵がつくのは月刊誌に掲載されているときくらいでしょうね。なんにせよ、それは僕が目指すものじゃないです」
「プロ目指してるの?」
「いえ、表現を追求したいんです」
「えらいね。あと、芸の肥やしとか言ってお姉さんを押し倒さなかったところもえらいわ。」
「やった人は居るそうですが」
「そうなの?と、驚くもんかい。趣味と実益ってやつだろ」
「川上宗薫先生は、取り付かれたように女性を口説いたといわれています」