母親が他人に犯される 漫画・小説 #4

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292もさまつ
「ありがとうございました」は完結した時に書きます。280の続きです。

 それに気づいたのは些細なことがきっかけでした。3学期が始まってすぐ
私は学校で体調を崩し、保健室の先生に促され早退することにしました。
風邪のような症状でした。
 一応薬はもらったものの、ふらふらした感じで家までなんとか
たどり着きました。ところが、運悪く玄関の扉のカギがかかっていたのです。
時間は午前11時ごろ。少し早いなと思いながらも、私は母が町か近所の
スーパーに買い物に行ったのかと思い、つらい状態のまま玄関先に座り込み
母が帰るのを待とうとしました。しばらく体育座りでぼーっとし続け、
ふと玄関の脇の居間の窓を見ると、いつもは絶対に閉めることのない
カーテンがしっかりと閉められていました。それを見て、私は胸騒ぎを
覚えました。
293もさまつ:2006/05/24(水) 20:59:07 ID:Xb7r85Yg
 少し残った頭痛も忘れ、私は母と野崎が初めていやらしいことをしたあの
公民館の時と同じように、慎重に家のまわりを調べ始めました。
 居間にはカーテン。少し先に角があり、その先にはもうひとつ居間に面した
窓があります。やはりそこもカーテンが閉まっていました。が、この窓は
陽がよく当たるのでレースのカーテンを閉めていることがありました。
なので逆に、ここから覗けばすぐに中の人間にばれてしまいます。私は
子供で、さらに体調が悪いのに、その時はその危険に気づき少し庭のほうから
遠回りして窓を回避しました。そして、逆側から窓のそばまで近づき中の音
などをうかがいました。
 前回はここで母と野崎はおめこしました。カーテンを閉めていても声などは
聞こえるはずです。しばらく聞き耳を立ててみましたが、何も聞こえません。
正直判断はつきませんでしたが、ずっとここにいるわけには行かず、他の
部屋に行くことにしました。
294もさまつ:2006/05/24(水) 21:00:43 ID:Xb7r85Yg
 その先は直角に曲がっていて、小さな庭に面しています。そこらへんには
窓はありません。ただ私は2階の自分の部屋を見上げてみました。さすがに
そこはカーテンは閉められていませんでした。次は、私たち家族3人が寝る
寝室です。居間に比べて少し緊張したのを覚えています。「もしかして自分の
ふとんで」という気持ちも少しあったからだと思います。
 一つ目の、裏に面している窓は出窓になっていて、ここも普段からカーテンが
閉まっています。出窓の下にもぐって聞き耳を立ててみましたが、声や音は
聞こえません。ここもあきらめて、また角を曲がりました。
 こちらの面には窓が4つ。寝室のもうひとつの大きな窓、トイレの窓、
風呂の窓、そして台所の窓です。まず寝室の窓を調べる予定で、「でも大きな
窓だし狭いので迂回できないな」と角を曲がる時思った私に、少し先からある
音が聞こえてきました。それは、シャワーの音でした。
295もさまつ:2006/05/24(水) 21:03:53 ID:Xb7r85Yg
 寝室の先、トイレのものすごく小さい窓の先。トイレの窓よりほんの少し
大きい両開きの、60センチ×80センチくらいの風呂の窓。そこから、
シャワーの音が聞こえてきます。これで間違いなく、家の中に誰かがいることが
分かりました。
 普段父や母は「シャワーはもったいない」ということでほとんど使いません
でした。しかし、前回の母の終了直後のシャワーに続いて、だれかが普段は
使わないシャワーを使っています。それも窓を閉め切って。私は一度息を
呑んで、ゆっくりと風呂の窓に近づきました。
 そして聞こえたのです。シャワーのシャーという音に混じった声と、
他のいくつかの音が。
296もさまつ:2006/05/24(水) 21:07:35 ID:Xb7r85Yg
 その声は間違いなく男の声でした。大きくもなく、まるで小さくせき払いを
するかのような声。それが連続して聞こえてきます。
「うん、うん、うん、うん、うんっ」
 こういう感じです。そしてその小さな声に混じって、まずはキュッ、
キュッという音が聞こえます。これは自分でも風呂に入ってる時にたまに
聞く音でした。洗い場から湯船に移動する時、湯船のふち(へり?)を手で
持つとこういう音がしました。他のどこの部分を触ってもこういう音が
しないので、誰かが風呂のふちを触っているか持っているかしているという
ことです。
 もうひとつの音は、ぺちんぺちんという音でした。前回の時野崎が母の尻を
平手打ちした時のような激しい音ではなく、誰かが濡れた手で小さく拍手
しているような音でした。
 咳払いのような声。キュッキュッという音。ぺちんぺちんという音。
ふつうにシャワーを浴びても出ない音。そんな声や音が少しずつズレながら、
でもやはり連続して続いていました。私はその時、母と野崎の最悪の状況を
想像しました。「また2人は、おめこしてるのか」と。
 そしてその瞬間、そんな私をうちのめす別の声が、ひとことだけ聞こえました。
「ああ、うそ・・・っ」
 間違いなく、母の声でした。

続く