小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第5章〜

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604藤原忍
>601様
お待ちしております。

明日、時間が出来たら投下します。
少しだけになりそうですが。
(あ、昼間です。念のため)
おやすみなさい。
605マルチネス:04/05/18 00:09
書き込む人が増えるのは良いっす。待ってます。
606マルチネス:04/05/18 00:13
>>580からの続き

「奥さん大分上手くなりましたねー」と杉野が褒めると
「いやいや教える人が上手だから」と佐和子はおどけて見せた。
「でも、もうちょっと手首を返した方が良いかな」杉野がアドバイスする。
「こう?」佐和子は指示通りにやって見せる。
「うん、ちょっと違うこう・・」杉野が手振りでやってみせるが、
上手くいかないので近付いた。
607マルチネス:04/05/18 00:20
そして佐和子の背後にまわると手を取り
「こう、分かる?こうです。」と振って見せる。
「なるほど、こうね?」佐和子は自分の力でラケットを振ってみた。
オペラグラスで覗いている信二の手は、二人の身体がピッタリと
寄り添うと汗でぐっしょりと濡れている。
信二がその手をズボンの脇でゴシゴシと拭うと
「くそ!あいつ何ぴったりくっ付いてんだ!」と呟く。
そして「あ?」とまた二人の方を凝視した。
608マルチネス:04/05/18 00:28
佐和子の背後にぴったりと寄り添うと、
彼女の汗とシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。
杉野は彼女から離れようにも離れられなくなってしまった。
必要以上に佐和子の手を掴みながら素振りを続ける杉野。
もう片方の手は彼女の腰を引き寄せ更に身体を密着させていった。
「す、杉野さん?」佐和子も杉野の欲情に気付き身体を離そうとする。
「お、奥さん僕は・・僕は・・」
高揚した声で杉野は言うと既に膨張した下半身を彼女のヒップに擦り付けた。
609マルチネス:04/05/18 00:36
強く擦り付けられた拍子にスコートは捲くり上げられ
アンダースコートが露になってしまっている。
杉野は周囲も気にせず官能的な腰使いで佐和子のヒップに求愛行為を続けた。
「あ!や、駄目よ。ほら、みんなが見てる・・」
佐和子はモジモジと身体をよじらせ周囲の目を窺った。
まだ気付かれてはいない。佐和子は身体を反転させると杉野の顎に手を当て
「わ、私今日はそういうつもりで来たんじゃありませんから!」
と言って睨んだ。
610マルチネス:04/05/18 00:45
杉野はやるせなさそうに
「でも奥さんだって高山を連れて来なかったって事は
それを期待して来たんじゃないんですか?」
と言って佐和子に詰め寄った。
「そ、そんな。主人は今日も疲れて来れないって言うから・・」
佐和子は詭弁を言ったが、夫を誘わずに来た事実は自分自身には
隠し様も無かった。
(信二さんを誘わなかったのは疲れてそうだったから?)
自分自身に問いかけるが、杉野の言うように全く不埒な気持ちが
無かったかと問われると自身が無い。
611マルチネス:04/05/18 00:54
杉野は佐和子の気持ちを見透かしたように
「ほら、やっぱり少しはそういう事を期待して来たんでしょ?」
と言って佐和子の目を覗き込む。
「え、えぇ・・いや、そんな事は無いわ!私はただテニスを」
佐和子が言いかけるのを杉野は遮り
「奥さん、僕も家庭が嫌いな訳じゃない。娘も可愛いし妻も愛している。
ここはお互い割り切りませんか?それはそれ、これはこれで」
と明確な浮気の要求をして来た。
「・・・・・・」
佐和子は杉野の真剣な眼差しに明確な拒否をする事ができず。
思わず目を伏せてしまった。
(落ちた!)杉野は内心確信し、口元だけニヤリと笑った。
二人の会話を他所に隣のコートではおばちゃん同士が、
「あ、またやっちゃったごめんなさーい!」と言いながら
下手なテニスを楽しんでいる。
612マルチネス:04/05/18 00:56
でわでわ、忘れない内にいつか書こうと思います。

皆さんの作品も楽しみにしてますよー!

じゃ、また!
613601:04/05/18 01:44
レス感謝です。601です。
そのまま「ロウイ」とコテハンにしました。安直ですね。


SS投下します。
荒くれ者が集う酒場、深夜とは思えぬ喧騒がそこにはあった。
ここには場違いと思われる娘と屈強な男が、周りの視線を集めていた。

「調子にのんじゃねえぞぉ お嬢ちゃん。ぶっ殺されたいのか」
「不満は依頼人に言えば。要はあんたは役立たずなんだよ」

どうやら何かの依頼の件でのトラブルらしい、
ここは護衛や賞金稼ぎなどの腕に自信がある者の溜まり場で、大抵の喧嘩には
皆見向きもしないのだが、この状況は人目を引くのに十分であった。
娘は見た目はうら若き乙女であり、しかも屈強な大男を前にしても少しも動じない。
ライはこの少女、気が触れているのかと思った。勝気にも程がある。

「シュリカー、やっちまえ!」

野次馬の歓声に余裕気に手を振る様子から、少女はシュリカというらしい。肩まで届く栗色の髪と
意思の強そうな同じ色の瞳。腰丈のマントと膝丈のスパッツが、少し彼女を幼く見せていた。

大男はシュリカの人をこ馬鹿にした様子に怒り心頭である。腰掛けていた椅子は後ろに倒れ、
杯は転げてテーブルは酒浸しである。  …しかし、何故周りの人間は彼女を煽るのだろうか。
少女の顔面が大男の拳によって、ひしゃげるのは見たくない。酒の余興には最悪だ。
ライはため息をつきながら杯を置き、喧騒の中に歩を進めた。

「そこまでにしろ」

酒場の雰囲気が一変した。皆、見慣れない男が今の声の持ち主だと悟る。
背丈は180cmはあるだろうか、短い黒髪と右ほほにある大きな傷が印象的だった。

「てめえはすっこんでな。じゃ、あれか?お前が迷惑料でも払うってハナシかぁ?」
「話の経緯は知らないが、娘が殴られるのを黙って見てられる程 俺は無情じゃないんでね」
「あんたウザいよ、消えな」

シュリカはライの仲裁に感謝するどころか、はねのけてしまった。
シュリカは笑いながら続ける。

「数分後この床に這いつくばってるのは、あたしじゃないって」

「シュリカ、頼むから暴れるのは外でやってくれ」

酒場のマスターがカウンターの中から懇願する。途端に店内でどっと笑いが起きた。

「このアマぁっ」

その瞬間、怒りが限界まできたのであろう大男が突進してきた。ライは大男の動きを予知していた。
大男がシュリカに到達するより先に、彼の脛をライは思い切り蹴り付けていた。
大男はよろめき、ライに両目を見据えた。
(そうだ、俺が相手だこっちに来い)
ライは間髪居れずに顔面に右ストレートを放った。
周りの野次馬達はさっと身を引き、大男はテーブルを巻き添えにしながら床に崩れた。
衝撃で宙を舞った酒瓶が、くるくると回転しながら大男の頭に落下し、小気味良い音を
たてて割れた。
空を掴む様にもがいていた大男の手は、ばたりと床に落ちた。

「騒いですまなかった」

ライは僅かに乱れたマントを整え、マスターに銀貨を投げてよこした。
そしてシュリカの方に向き直り、諭すように告げた。

「元気なのはいいが、このままだと命を落とすぞ」

シュリカは無言だった。明らかな敵意をライに向けている。
目は刺すように睨み付け、唇は噛み締めているために血のように赤くなっていた。
やれやれ、若さは時に命を縮めると言うが、まさにこのことだな。
ライはため息をつき、野次馬が見守る中酒場を後にした。
酒場を出たライは人気の無い夜道を歩いていた。
気に入る宿が見つからないわけではない。 …尾けられている。

先ほど倒した大男が回復する程の時間は経っていない。
酒場で銀貨を出したことが原因だろう、と考えながら横道に入る。
住宅街から突然開けた野に出た。ずっと向こう側には農道らしき道がある。
ライはこの場所に満足し、後ろを振り返った。

そこに居たのは予想していた姿では無かった。
月の光に照らされた、一人の娘がそこに立っていた。

シュリカ…とかいったか。ライはそこに不穏な空気を感じていた。

「何か用か」

シュリカは緩い足取りでライに近づいてきた。

「さっきはよくも恥をかかせてくれたね」

この少女の持つ空気の意味に彼は気が付いた。
自分が想像していたよりも、この娘はタチが悪いらしい。
ライはさっと周りに視線をやるが、今のところ自分達二人以外の他は、気配は無い。

「あーゆう事されると依頼に影響がくるんだよ」

「……」

「他所もんの背中に隠れてたシュリカ、なんて」

彼女は握り拳を目の前に掲げて吐き捨てた。

「ここで評判がどれだけ大事か …あんたに判る?」
ライは己が差し出がましい行為をしたのを知った。
そして彼女に対する酒場の連中の歓声の理由も。
しかし、この小柄な少女があの大男を打ちのめすのを想像出来ないし、
それを黙って見過ごすのも彼の良心が許さなかった。

「君は…男を、戦いを甘く見ている」

「……」

「今まで上手くやってきたつもりらしいが、それは運が良かっただけだ」

「……ふざけんなよ?」

シュリカの声のトーンが低くなった。
月光を浴びて、彼女の肌が陶磁器の様に 瞳は宝石の様に輝く。

少女の短マントの胸元に、ちらりと光が走った。
その途端、翻るマントのみをそこに残したまま、シュリカが素早く間合いを詰めてきた。
先程の光は、マント留めのブローチを外した際の反射であった。

ライは困惑しながらも、真正面に迫るシュリカを捌こうと身構えた。
その瞬間、シュリカが目の前から消えた。
咄嗟にライは一歩後退した。やはりシュリカは地に両手をつき足払いにきていた。
それから体を真っ直ぐ伸ばすように、下から拳を突き上げるシュリカ。
僅かに地面から足が離れていた、体重をすべて乗せたアッパーだった。
支援
ぎりぎりでそれをかわしながら、ライも同様にマントを片手で外していた。
この少女のスピードを相手にするには邪魔だった。

外したマントを少女の目の前に放りながら、ライは真横に素早く移動した。
女子供に手を挙げる趣味はライには無い。今までも、これからも。
シュリカは目の前に広がるマントに気を取られず、視界を確保するために後退した。

「俺は君とは戦いたくない」

地面にマントが落ちる音。

「俺の拳は女を殴るための拳じゃ…」

シュリカはライに最後まで言わせなかった。
間合いを詰めながらのワン・ツーに、回し蹴りのコンビネーションだった。

「馬鹿にするなぁああぁぁぁああ!!」

ライは後退しながら避けていたが、少しドキリとした。
右足の地面が不安定だった。きっと昔に切り株か何かを掘り起こした跡なのだろう。
その瞬間、シュリカの右肩が揺れた。
(ストレートか!?)
ライは両手でガードの構えを取った。

しかし、シュリカのそれはフェイクだった。
右と思ったシュリカの動きは左に転じ、ライの肝臓をえぐった。

小さな拳がめり込む音を聞いた。
ライの上半身は思わず前に傾いた。それを逃すまいとシュリカは右拳でライのガードを
はじき、次いで左フックでライの顎をしたたかに打ちのめした。

(そうだ、冷静に考えれば判ることじゃないか。
彼女の身長で俺の顔面を真っ直ぐ捉えられるワケが無い。)

こんな小柄な相手と戦う事はライにとって初めてのことであった。
コンビを決められ甘くなったライのガードをかい潜り、再びボディにシュリカの拳が入る。
予想以上の衝撃をやり過ごしながら、彼女の上下の攻めのバランスの良さに感嘆していると
間髪入れずに少女はしなやかなローキックを放った。

足場の悪さも手伝い彼の足はもつれ、その場に膝をつく形になる。

頭上で空気を切る音が聞こえる。
まずいと思った瞬間、ライの後頭部に衝撃が走った。
シュリカの踵だった。

「甘いのはあんただろ」
崩れるように地に這いつくばるライの頭上から、少女の声が落ちてくる。
ライは土の味を味わうのは久し振りだと思いながら、自分の中に沸き立つ感情を感じていた。
…この、人を舐め切った年端もいかない少女に、
無抵抗でいる必要性はどこにあるのかと考えはじめてきた。
この少女の強さの理由は意外性だ。流石に彼女が言う様に、自分が無意識に舐めていた事を認めよう。

…もう手の内は読んだ。

顔の土を拭いながら、ライはゆっくりと立ち上がった。
後頭部がひどく痛むが焦点はしっかりしている。彼女が小柄だったことに救いがあった。

「スピードはあるが、それだけだな…」

「…は? 一発でも当ててから言えば?」

口の減らない。ファイティングポーズを取りながら、ライは自分が倒したあの大男に今は同情していた。

ライは手始めにローキックを見舞わせた。体格差を意識しているであろう彼女はライの予想どうり
膝を曲げてのブロックはせず、バックステップで蹴りをかわす。
後退したかと思うと、彼女はその足で地を蹴り身を低くしながら素早く間合いを詰めてきた。
ライも同時に間合いを詰め、真っ直ぐ伸ばした掌底で彼女の左肩を突いた。
カウンターを喰らい大きくバランスを崩すシュリカ。
左肩を突いたその手で彼女の衣服をわし掴み、力任せに地面に引き倒した。
どうと地に背中をつけたシュリカの上に、ライは覆い被る。
もう片腕をシュリカの喉元にギロチンさながら固定して自由を奪う。
組み敷かれた悔しさで睨み付けるシュリカ。ライの顔に彼女の乱れた息がかかる。
彼女のきめ細かな肌と赤い唇。澄んだ瞳にライは内心息を飲んだ。

シュリカはライの腕を、自分の両腕で抱き締めるように固定すると
腰を大きく浮かせ、弾みをつけた足先でライの後頭部を蹴りつけた。
先程、踵が落ちてきた箇所だった。
ライの目の前に星が散り、シュリカの身体にまともに己の身体を預ける形になった。
シュリカは精一杯身をよじるが、ライの大きな身体の下から逃れることは無駄に終わった。
それにカッとなった彼女は、ライの左耳に力いっぱい噛み付いた。

「ぐあ!」

(なんてじゃじゃ馬だ!!!)

激痛で半身を起こしたライから、シュリカは体を半転させて逃れ、素早く構えた。
荒い息を吐く唇はライの血で染まっている。
地に膝をつき、血を滴らせる耳を手で押さえているライを、好機とばかりに少女は蹴り上げようとした。
その瞬間、ライは自分の頭を狙う少女の蹴りを片腕でブロックする。
それと同時に両手で彼女の足首を捉え、力の限りに放った。
数メートル先で彼女はバウンドしながら土埃をあげた。

立ち上がりながらライは叫んだ。

「これで仕舞いか?!」
怒りに満ち溢れた瞳で、のろのろと立ち上がるシュリカ。放り投げられた際に右足を痛めたらしい。
ライはこれで終わったと安堵した。早く終りにしたかった。

しかし、少女はライに憎々しげに視線を据え付けたまま、後ろの腰に手をやったかと思うと
綺麗に折り畳まれた細身の鞭を取り出した。

ライの背中に冷たい汗が流れた。
この少女のこの自尊心の高さに、彼は正直恐れを感じつつあった。
そしてもう既に、後戻り出来ないところまで来ていることも知った。
この戦いを避けられなかった己の未熟さに歯軋りをする。すべては自分の油断が招いたのだ。

「その気らしいな、…もう手加減はしないぞ」

ライには最終勧告のつもりだった。しかし、シュリカの最後の理性を吹き飛ばさせるのには十分すぎた。
彼女は格下に扱われることに、過剰に反応する人間だった。

「ざけんな!!!!!」

   ヒュン      バシイッ

「っぐはっっ!」

鞭はライの厚い左肩を、空気と一緒にしなやかに切り裂いた。鮮血が吹く。

「その余裕がいつまで続くか見ものだよ!!」
 
   ヒュン      ピシャアッ

「うぐっっ…」

ガードが間に合わない。今度はライの左腰を、しなやかな爪は捕らえた。
鞭の切り裂くような音と、シュリカの興奮していく笑い声が闇夜に響いていく…。
支援
十数発は受けたであろう、ライの破れた衣服は自らの血で染まっていた。
ライにはもう、相手が少女という気後れは感じなくなっていた。
少女の獣じみた興奮に限界は無いようで、立場は違えど、ライと同様に息を乱していた。
彼女の頬は上気して桃色になっている。
鞭を手繰り寄せ、こびり付いたライの血痕を撫でながら恍惚な表情を浮かべる。
彼女の動向を探るような男の視線に、まだ仕置きが足りないと判断し
シュリカは再び大きく鞭を振りかぶった。

その瞬間を逃さず、ライは彼女に向かって突進した。
まだ振りかぶった腕が伸びきっていないシュリカの、愕然とした瞳を真っ直ぐ見据えながら。
シュリカの懐に入り、肩に体重を乗せた渾身のタックルを見舞った。
少女は鈍くうめきながら宙に浮き、地面を回転しながらもんどりうった。

シュリカは伏せたまま少し身悶えし、そして静かになった。
ライはほっと息をついた。彼女は意識を失ったらしい、このままこの場から去ろう。
自分のマントを少し離れたところに見付け、よろよろとその方向へ歩みを進めた。

そのとき、少女はせきをきったように激しくむせだした。
背を向けていたライはぎくりと振り返る。
その時だった。

激しい抱擁がライを捉えた。
シュリカの鞭が、ライの両腕を脇に固定するように幾重にも絡み付いていた。
ライは確実に少女の手の内に落ちた。彼はそれをはっきりと確信した。
シュリカは土と草で全身は薄汚れ、擦り傷だらけだったが、魅力的な微笑を浮かべていた。
右手には鞭がしっかりと握られている。
ライは思わず後退するが、それは自らの戒めを更にひどくする結果となった。

「…いいザマ…」

瞳に狂気と恍惚の二つの光を宿しながら、シュリカは鞭を両手でゆっくりと手繰り寄せる。
引き寄せられるのを踏み留まろうとすると、容赦なく鞭は体に食い込んでくる。
この窮地をどうしたら脱出できるのか、ライは必死に頭をめぐらせた。
再び体当たりをしても、頭突きをしても、振りぬきの悪い蹴りを繰り出しても、
彼女から逃げられる自信が無かった。今やライは蜘蛛の巣にかかった蝶であった。
そうだ、最初から彼女のペースだった。一体いつから蜘蛛の糸は吐き出されていたのだ?

シュリカは余裕を無くしたライの目の前に立ち、いたずらそうな瞳を向けた。

「自分より格下と思ってた相手に、なぶられる気分はどう?」

何を思ったのか、シュリカがぴたりとライに身体を寄せてきた。
ライの胸元に両手を添え、下から見上げるその姿は、まるで甘えてくる恋人のようだった。

「酒場でのあんたのスカした顔、思い出したらゾクゾクする。こうやって滅茶苦茶にしたかった」

ふふふ、と微笑みながら話すシュリカに、ライは横っ面を鞭のグリップで殴りつけられた。
ライの唇は切れた。
ライの内膝を蹴り上げて、彼が膝を崩す形になったと同時に
シュリカは両手でライの胸を思い切り突き飛ばした。
スローモーションのように、ライは背中からゆっくりと地面に倒れる。
柔らかい地面なので、さほどの衝撃は無い。
シュリカは猫のような俊敏さで、ライの身体に馬乗りになった。
両太腿で挟みぐいぐい締め付ける。ちょっとやそっとじゃ振り落とせない。

「ここから見下ろす男の顔が…あたしは大好きなの」

シュリカはそう呟きながら、ライの首に両手をかけ体重をのせてくる。
ライの首は鍛え上げられ、太い。シュリカの少女らしい小さな手ではなかなか締め上げられない。

「…ぐぅ…調子に乗るなよ、…小娘が…」

それを聞くとシュリカは更に体重をかけながら、ライの顔めがけて唾を吐いた。
少女の唾に塗れたライの顔は赤黒くなっていく。
ライは彼女を乗せたまま右に左に身体を揺するが、がっちりと組み敷いている
シュリカに対して、何も形勢は変わりはなかった。

虚空を睨んだまま男が大人しくなると、シュリカは大きな息を吐きながら、腕の力を緩めた。
ライは身を震わせながら喉をひゅうひゅうと鳴らし、久し振りの酸素にありついた。
体中の毛穴から汗がどっと出てくるのがわかる。暫く息を整えるのに必死になった。

(ふざけやがって、引き裂いてくれる!)

ライは獣のような唸り声をあげ、渾身の力を振り絞った。
上半身の筋肉が隆々と盛り上がり、細身の鞭がところどころで軋む音をたてる。
その時、ヒヤリとした感触がライを襲った。
しえん
予想外の箇所でそれを感じた為、ライには最初思考が追い付かなかった。
そしてシュリカが、随分と下半身の方へ移動しているのに今更気付いた。
少女は短刀で、ライの皮のズボンの股間部分を手際よく切り裂いていた。
ライはその一連の行動を見て、背筋に冷たいものが走る。悲鳴が口から漏れそうになった。
そこは短刀片手にまさぐるところではない。
シュリカはライの腰周りにある皮のベルト、小物入れ、腰当て等も剥ぎ取っていく。
月明かりが照らす野で、ライは少女に馬乗りにされながら股間をあらわに晒す姿になっていた。

「…ななな、なんのつもりだ!やめんかっっ!」

思わず悲鳴をあげそうになった羞恥から、ライは今まで以上の怒声を少女に浴びせた。
怒りでライの目は血走っている。
身体の自由を奪っていなければ、少女はその気迫に押されたはずだろう。
ライの枷となっている鞭の巻きつきに、確認のためか少女はちらと目をやった。

「格闘家がこんな姑息な真似をするのか!!!」
「性根の腐った売女め!いますぐそこから降りろ!!」

必死に身をよじりながら、ライは矢継ぎ早に少女を罵倒した。
プライドの高い彼にとって、拳で叩きのめされた方が遥かにましだった。
賊に襲われた村娘のような風体を晒す自分が、この上も無く屈辱だった。

「……っ」

ライは身体をびくりとさせた。
彼に馬乗りになったシュリカが、意外にもたおやかな手つきでライのそれを包んだ。
自らの体を支える片手をライの胸に置き、もう片手を後ろ手でやわやわとライ自身を揉みしだく。
シュリカの小さな掌は温かく、柔らかだった。
愛撫を続けながらライの顔を覗き込む少女の肩越しに、大きな月が見下ろしていた。
ライは自分を見下ろすシュリカの瞳を見詰めながら、この状況を把握出来ずにいた。
彼女の真意を測ろうと、その瞳を見詰めているうちに
くすぐったいような快感が波のように押し寄せてくる。それを認めたくなくてライは顔をそむける。
少女はそれを無言で見詰めた後、身体を滑らせながら下へ移動し、ライの両足の間に膝をつく。
少し頭をもたげているライ自身の根元に両手を添え、暖かく濡れた舌で舐め上げた。
ライは思わず身体を硬くした。
根元から大きく舐め上げたと思うと、硬く尖らせた舌でくびれをなぞり、亀頭部分を口に含んだりする。
少女の顔を覗くと、こちらを上目遣いで見詰めながらちゃぷちゃぷと音をたてている。
柔らかい口に亀頭を含んだまま吸い上げ、同時に掌で太い棹部分をしごき上げる。
思わずライはくぐこもった声を漏らした。

途端、少女の動きが止まった。
ライは思わず反応した自分に激しく後悔した。少女は勝ち誇ったような瞳でこちらを見詰めていたからだ。

「正直で可愛いね、これ」

唾液でぬらぬらと光る、そそり立ったライ自身から唇を離しながら、それをシュリカは指ではじいた。
ライは顔が赤くなるのを感じた。
シュリカは自らの中指をぺろりと唾液で塗らし、ライの亀頭に優しくあてた。

「あんたみたいなスカした男はね」

少しずつ言葉を区切りながら、ライの身体で一番敏感であろうそこを、ぬらぬらと円を描くように擦る。

「精神的に辱めたほうが」

ライの身体と同時に、ライ自身も小さく上に跳ねるように反応する。
棹の根元から垂れ下がる袋をも、シュリカの柔い掌に優しく揉みしだかれていた。

「堪えるでしょう?」
袋を揉みしだかれ、指でくびれを撫でられ、唾液で光る登頂部分をチロチロと舌で弄ばれた。

「ふっ、汁が溢れてきてるよ  アハハハ!!!! 本当に可愛くて食べちゃいたい! 」

「うおおおお!やめろぉ!いい加減にやめてくれぇっ!!」

身を硬くして堪えていたライは羞恥で思わず叫び、身体を揺すって虚しい抵抗をした。

シュリカはふっと腰を浮かしたかと思うと、身体を反転して再び腰をおろした。
ライに背を向ける形で、彼の顔面に勢いをつけて跨ったのだ。

「あまり大声を出すと人が来ちゃうよ?あたしはギャラリーがいても構わないけど?」

シュリカはそのまま身を伏せた。69の体勢になる。
身体が小柄な分、ライ自身を全部口に収めるほど丈が届かなかったが、根元を袋ごと両手で包みながら
亀頭を口に包み、舌を使いちろちろと口内で愛撫した。
ライの顔を太腿でぎりりと締め付けながら、シュリカは己の股間を押し付けて彼の口を塞ぐ。
やわやわと揉みしだく柔らかな愛撫と、刺激的な舌先の愛撫。
女独特の香りに包まれながら、快感を伴う息苦しさにライは襲われた。

ぐいと、更にシュリカは己の股間を押し付けながら、冷たく吐き捨てた。

「大事な部分が かじられたくなけりゃ ご奉仕しな」

瞬間、本能的に何を言われているかライは悟った。
慌ててシュリカの股間にむしゃぶりついた。彼女はスパッツを着用したままだ。
生地が邪魔をして、彼女が望む刺激が与えづらい。
ライは唇と舌を駆使して、彼女の秘境を必死に愛撫した。
支援
「止めたらガブリといくよ」

彼女はそう告げると、ライ自身への愛撫を再開した。
さきほどよりも激しくしつこく責めあげ、そしてライの顔を両太腿できつく締め付けていく。

シュリカの暖かで湿った舌は、まるでそれ自身が独立した生き物のように
ライの肉棒をねっとりと包み、こすり、時には突付いた。
絡み付いて離れない激しい責めを見せたかと思うと、唾液の糸を引きながら触れるか触れないかの
ギリギリのところで舌先を這わせたりする。
ライが思わず腰を突き上げると、シュリカの蔑んだ含み笑いが聞こえてくる。
それに激しい羞恥を覚えながらも、猛々しくなっている己自身を、
彼女が深く深く咥え込んでくれない事に、ライは切ない気持ちになるのだった。

弄ばれることを頑なに拒否する彼の自尊心を、愛撫に喜ぶライの身体が激しく打ちのめす。
しかし、彼の顎はシュリカを喜ばせるのに必死でもあった。
もはや、ライは蜘蛛の巣でもがき、ますます深みにはまる虫そのものであった。
彼女の責めにライが不覚にも果てそうになると、
シュリカはライ自身の太い幹を唇でぐっと押さえ、それを許さない。
その苦しさにライの彼女への愛撫が停止してしまうと、彼女は袋を包んだ掌に爪を立てるのだった。
それを幾度も幾度も繰り返していった。

意識が混濁するライの耳に、シュリカの声が聞こえたような気がする。

「…泣いて許しを請うまで 逃がさないからね…」
  
苦痛と快感が織り交ざった果てしない波に、ライはゆっくりと沈んでいった。
月明かりがこうこうと照らす野に
水気を含んだ音と、乱れた吐息が静寂を打ち破る。
あたかも獣が獲物をむさぼっているような、そんな異質な雰囲気を醸し出していた。

ライは苦しそうな声を出していた。

「…っふう はぁ…  …頼む、後生だ…  うぅ……」

シュリカは彼の男根から口を離し、まとわりつく唾液を拭う。

「なあに?  どうして欲しいの?
 …止めて欲しいの?  …それとも…  ん? どっち?」

「…ふぅっ  はぁっ…  ……」

ライは解放を許されない苦痛を、これでもかとしつこく味わされていた。
唾液で光る彼自身は、もう刺激に対して痛みを伴う程であった。
時折ライの腰はびくんと跳ね、その度にシュリカに意地の悪い笑みを浮かばせる。
息が荒く、目を伏せたままのライは何も答えようとしない。
彼女が何を言わせようとしてるかぐらい、想像がつく。

 (……調子に乗りやがって)

慈悲を請うのも快楽行為をねだるのも、髪を掻き毟りたくなるくらい屈辱だった。

ぱさり、と衣擦れの音がライの耳に入る。
無意識に薄く目を開けた彼は、息をのんだ。

シュリカはライの胴体を跨ぐように仁王立ちしていた。
その彼女は、膝丈の皮ブーツ以外、何一つ衣類を身に纏っていなかった。
森を駆ける鹿を思わせるような、引き締まった肢体。それでいて柔らかな曲線を描く腰。
果実のような乳房に、ツンと上を向く薄紅色の乳首が少女の主張をしていた。
月光が彼女の肌をつやつやと反射させ、まるで水を浴びたようだとライに錯覚をさせた。

「苦しそうな顔  …もっと見せてごらん」

恍惚な表情を浮かべて唇を舌で塗らすシュリカ。なんて大人びた顔をするのだろう。
ライはその恐ろしく美しい生き物に目を奪われていた。

M字型に膝を折り曲げ、腰を落とすシュリカ。彼女の右手はライ自身に添えられていた。
シュリカの秘所がライの目に飛び込んでくる。
塗れて光るそれは美しく、そしてあまりにも卑猥だった。
舌と指で堪能したい、どこまで蜜を溢れさせるのだろう、と男心を刺激した。
身体の自由を奪われている絶望感。
ライはそれを戦いの時以上に痛烈に感じた。

思わずライは心の中で「あ!」と叫んだ。
彼女が薄紅の割れた果実に、猛々しいライ自身の登頂部分をあてがったのだ。
彼女は、伏目がちにライの股間に腰を沈めていった。
亀頭の形そのままに彼女の肉は押し広げられていく。
ライは自分の赤黒い分身が、これ程ゆっくりと女の中に咥え込まれていくのを
まじまじと見たのは初めてだった。

ライは、思わず歯を食いしばった。
背筋をゾクゾクと寒気に似たようなものが走る。
彼女の中はこんなにも熱いのに。
濡れて柔かい窮屈感がライを襲う。
幸福感と獣じみた衝動が繰り返しやってくる。
散々焦らされていたライ自身は、それほど敏感になっていた。


はあ、と切なそうに吐息をつくライをシュリカは見詰めていた。
そして、沈めた腰を素早く浮かす。
彼女のその動きはライに快感を与えた。しかし、それきりだった。
ヒヤリと濡れた男根を風が撫でる。
シュリカは腰を浮かせてライ自身を抜ききっていた。そして笑う。

「哀しそうな顔」

ライは泣きたくなった。
あれを味わせておいて取り上げるのか。
泣きたい気持ちが通り過ぎると、今度は激しい怒りが込み上げてくる。
シュリカを睨みつけ、ライは低い声で吐き捨てる。

「変態め…  死にやがれ」

罵倒したことで気持ちに余裕が生まれてきた。
ライがそんな自分を心の中で誉めていると、シュリカが素早く腰を沈める。

飲み込まれるように埋まる肉棒。腰に痺れが走る。
快楽の奈落へ急激に突き落とされ、思わずライは短い声を上げた。

「可愛い声出しちゃって ふふ」

リズムカルに、それでいて速度を上げていく上下運動。シュリカの形の良い乳房は水面のように揺れる。
彼女はライを深く深く呑み込み、そして浅く引っ掛け、肉襞で擦りつけると、きつく締め上げる。
二人の結合部分は汗と愛液で濡れ、獣じみた音をたてた。
ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ

「うっ くはぁ っうぅ はあっ」

少女の躍動に合わせて声が洩れるライ。シュリカは微笑を浮かべながら囁く。

「はあ …はあっ 可愛い…可愛いよ  あんた」

「っう  うぅ  はぁっ… うう」

女を抱いて声が洩れるのは生まれて初めてだった。自分の声が他人のように聞こえる。
しかし、今の状態のライは女を抱いているのではなく、抱かれているのだが。

(俺は 俺は一体どうしちまったんだ)

唇を噛み締めて、上がる声をこらえるライ。眉間には皺が寄っている。
その表情が、シュリカを幸福に満たすことも知らずに。

ぴしゃん!

「気持ちいいって言ってごらん!」

唇を噛み締めるライの、横っ面に平手を浴びせる。

その衝撃で、ライは顎に込めていた力が抜ける。
すかさず律動を止め、下腹に力を込めて締め上げるシュリカ。

「う… はあぁっ」

ライは一際大きく声を上げた。シュリカはとても狡猾だった。
美しい獣は再び上下に激しく動き始める。

「いい声!!  はあっ はあ ……たまんない」

「…はっ …はっ くっ …はぁ」

ライの吐息に激しさが増す。シュリカの動きとその吐息はリズムが重なっていた。
彼女はタフだった。額に汗の玉を光らせているが、攻撃の手を一切休めなかった。
そして、時折ライをきつく締め上げて鳴かし、誰が強者なのか強く自覚させた。

がくがくと揺さぶられるような激しい感覚。身体の奥底から何かが込み上げてくる。
それは、速度を上げてライを支配し、思考とは別のところから矢継ぎ早に襲いかかる。

(俺は  俺は犯されて いる の か)

腰が砕けそうな、終りを感じさせないような快感。
何故か恐怖感を伴い、ライをとてつもなく不安にさせる。

「気持ち良いって 言えないの?」

(果てたい 果てたい)

ライは強くそれを願った。

(この少女が 恐ろしくてたまらない)

シュリカが、突然動きを止めた。
自分は知らずにそれを口に出していたのかと、思わずライに錯覚させた。
ぬぷり と 蜜が溢れているそこから、ライ自身を引き抜くシュリカ。
意識が朦朧としているライには、彼女が何故そうするのか様子を伺う余力は無かった。
果てしない快感の波から逃れられた彼は、自分の意識を手繰り寄せようと懸命だった。

シュリカは、ライの太い腿を抱えていた。膝を折り曲げさせ、開脚させる。
脇に固定されていた手に両太腿が触れた。
ライは仰向けのカエルのような姿勢をとらされていた。

「あんたが気持ち良いのは これかもね」

シュリカはそう言い終わるやいなや、鞭のグリップを舐め上げた。
ライの自由を奪う鞭の余った部分は、彼の腰の位置から伸び、まるで動物の尻尾を思わせる。

シュリカの唾液でグリップは月光を反射させた。
彼女は満足げにそれを一瞥する。

そんな彼女の様子を知らないライは、力無く目を伏せて息を乱したままであった。

思わずライの身体は飛び跳ねる。自分の尻穴に、何かが強く押し付けられている。
大きさと形から、彼女の指ではないと即座に知った。

「なっ 何をする  …やめ やめてくれ」

「力を抜かないと辛いよ」

「やめろおっ 頼む  …頼む後生だ やめてくれっ」

自尊心の強い彼が少女に懇願する。
閉じようと必死なライの両足を、シュリカは片手と片膝で押さえつけた。
「力抜きな  入らないじゃないの」

シュリカはふう と溜息をつき、グリップを無理に押し付けるのをやめた。
ライが安堵したその瞬間。シュリカは、彼によく見える高さに短刀を光らせた。

「入らないから 入り口を広げよう」

「うわああぁぁ!!!」

ライは叫んだ。
何て恐ろしい女だ。冷酷で残忍な、少女の姿を借りた悪魔。
ライは抵抗を止めた。懇願も無駄だと知った。
観念したように全身から力を抜き、服従の意を彼女に示した。

ライの自尊心はたった今死んだ。
彼の、両膝は小刻みに震えていた。

「最初からあたしに従っていれば」

グリップを手にするシュリカ。可笑しくてたまらないらしく、口端が上がっていた。
乾いていたのだろう、再び舌で唾液を塗りたくる。

「気持ちいいって 素直に言ってたら  …ここまでしなかったのに」

そんなのは嘘だった。
ライがどう振舞おうと、彼女はどこまでも彼をいたぶるつもりだった。
つまらない意地が己を更なる窮地に追い込んだと、そう聞かせることで、彼を絶望感で満たす。
彼女の責めは徹底していた。

クスクス声を立てて笑うシュリカ。狂気そのものが姿を成していた。
再びライにグリップをあてがうシュリカ。
優しさを込めた声で彼を導く。

「力を抜いて 息を吐いて …そう  …そうよ」

「ぅう…  はあっ はあっ」

異物が挿入された事の無いライのそこは頑なだった。
皮膚を、肉を押し分けながら、ゆっくりと差し込んでいくシュリカ。

「息を吐いて 止めないで…  …そう 上手よ…」

先が入ると後は比較的早かった。捻りながら残りを埋めていく。
時折ライの身体の奥から抵抗があったが、シュリカはそれを無視して力を込めた。

とうとう、ライの尻穴はヒクつきながらも、ぎっちりとグリップを咥えこんだ。
彼は全身からどっと汗を噴出させ、身体の緊張を解き哀しげに息をつく。
痛みを伴う激しい圧迫感。太い楔を埋め込まれたようで、身体に力が入らない。

「う、うう…」

「…素敵  あんたって何て可愛らしいの」

笑みを浮かべるシュリカの頬は上気し、瞳は輝いていた。  

「いやらしく咥えちゃって」

ライはぐったりと力無いまま横たわっていた。
少しでも身体に力を入れると、途端に「それ」は激しく自己主張し、圧迫感を与えるのだった。
シュリカは蔑みを含んだ微笑みで、ライの耳元に口を寄せて呟いた。

「あんたは元々そういう素質があったんだよ」

ライは思わず眼を見開いた。シュリカはそのまま言葉を続ける。力強く言葉を切りながら。

「誇り高い男は 死を選ぶ」

「あんたは!  ケツマンコ掘られて!  喜ぶ男なの!!!」

そう言い終るやいなや、シュリカは身を仰け反らして高らかに笑い声をあげた。
ライの顔は血の気が引き、何か言いたそうに口を動かすが、それは何も音を成さなかった。

この美しい悪魔は、ライの肉体だけでなく精神にも爪をたてた。
ライは気が狂いそうであった。このまま粒子になって消えてしまいたいと願った。
男の中の男として、誇らしく生きているつもりであった。
しかしこの少女の前には、自分は何て愚かで弱い存在なのかを、痛烈に思い知らされた。

シュリカは腕を大きく振り被り、続けざまに2発ライの頬を張り倒した。
そして、先程己が脱ぎ捨てた短スパッツを腕を伸ばして掴む。

「今更 舌なんて噛ませないよ」

頬の痛みに歪むライの顔を掴み、口内にスパッツをねじり込んだ。

「言ったろ? 泣いて許しを請うまで  逃がさないって…」

シュリカは口端を上げながら、ライの耳にそう囁く。
言葉を発する自由までも奪われたライには、それはどうしても無理な条件だった。
さあ、どうして欲しい?」

シュリカはライの両足の間に胡座をかき、それに肩肘をつきながら尋ねた。
もう片手は、弄ぶように彼の肉棒に愛撫を与えている。
ライの口内には丸めると拳大のスパッツで満たされ、彼は言葉にならない音を発するだけであった。

「…そうか」

シュリカは、ライに深く差し込まれたグリップ手を伸ばした。

「ここが疼いて 仕方がないか」

グリップから伸びる鞭の根元を、シュリカはしっかりと握る。
そして、ゆるやかに出し入れを始めた。

「ぐっぐっ…ぐぅ ぐっ…」

ライは顎を仰け反らし、ぎりりと口内の布地を噛んだ。
下腹部と尻穴が悲鳴を上げる。
引き抜かれる時は排便そのものの感覚で。
突き入れられる時は、まるで息の根を止められるような苦痛だった。
それが交互に連続してやってきて、身体の芯を掻きまわしていく。
ライは、身体を強張らせながら、鼻で僅かな酸素を得るのに精一杯であった。

「ぐぐぅ… ぅぐっ …ぐっ」

「はあ……可愛い…  もっともっと  滅茶苦茶にしてあげる」

シュリカはうっとりとした表情で、ライの反応を始終見詰めていた。
グリップを握る手に力を込めると、ぐぐぐと奥深くまで差し込んだ。
「…ふぐっっ!」

腸壁を突き上げてくる強烈な楔。
ライは思わず身体を反らし、身をよじって逃れようとする。
しかしシュリカは体重をかけた膝で押さえ付けてくる。
根元まで埋め込まれたグリップを素早く引き抜き、再び勢いをつけて奥深く貫く。

「むがっ! むぐぐぐ…」

赤く燃えた鉄の棒を身体深く埋め込まれている感覚。ライは呼吸も困難な状態であった。
彼の目は血走り、大きく見開いたまま虚空を見詰めている。
シュリカはそんなライを一瞥した後、彼の男根に接吻を浴びせ、そして咥え込んだ。

シュリカは彼をグリップでリズムよく突き上げながら、口で彼自身を責めた。
頬を窪ませて根元から吸い上げ、唇は男根をきつく包み、搾る様に上下に擦り上げる。
舌はねっとりと絡みつき、唾液がじゅぷじゅぷじゅぷと音をたてる。
腰が抜けそうな甘美な責めと織り交ざりながら、肉を掻き分けて己の内部を規則的に行き来する塊。
ライは貫くような快感と、引き裂かれるような苦痛の狭間に自らを横たえた。
ただ肉体だけがシュリカに呼応し、責めにうめきを上げる性の玩具であった。
ライの目にはもう力はなく、布地を詰め込まれた口端から唾液が伝い落ちている。
そんな彼を支配している感覚が、少しずつ高みに昇ってきていた。
ライの鼻息が浅く速く小刻みになり、眉間には深い皺が刻まれた。

「…ふっ ふっ ふっ ふっ …うぅ」

一瞬、ライの身体が緊張で強張った。
その瞬間を見計らい、シュリカは素早い動きでライの睾丸を握り締める。

「むぐうぅぅぅっっ!!」
ライの身体は飛び跳ねた。
そして彼は震えながら身を折り曲げた。目をかっと見開き、こめかみには血管が浮いていた。

痛みで縮こまる男の上に、彼女は勢いよく馬乗りになった。

「果てていいと誰が言った!」

シュリカは彼の頬に強烈な平手を浴びせる。

「あんたはどこまで変態なの」

そう言い放つとシュリカは腰を浮かし、恐怖のあまり萎え始めていたライの男根に片手を添えた。
彼女は器用にもそれを自らの中に埋めていく。
シュリカのそこはひどく蜜を溢れさせていて、腰を沈め終えた彼女は目を閉じてライ自身を味わう。
熱を帯びた肉壁にライはすっぽりと包まれる。
その肉は柔かくもありながら、きちきちに隙間なくライを圧迫し、逃がすまいと吸い付いてくる。

うっとりとした様子でシュリカは目を開いた。
ライの腹部に両手を乗せ、彼女はゆっくりと腰を動かし始めた。動きは緩慢ながら巧みであった。
彼女の窮屈な中にはザラつく箇所があり、ライ自身の先がそこで擦れるよう計算され
時折締め付けては圧迫し、そして入り口にライのくびれを引っ掛けたりしていた。
その動きにライ自身は再び堅さと大きさを取り戻し始めた。
額に前髪を張り付かせていたシュリカは、動きを止めたかと思うと吐息と共に身体を震わせる。
瞳を潤ませながら息を乱す彼女は、傍らの短刀に手を伸ばし、ライの戒めを切り裂いた。
鞭で縛り付けられていた両腕は始めは感覚が無かったが、ライは反射的にシュリカの乳房に手を伸ばした。
その為にシュリカは戒めを解いたのだと、ライは即座に理解していた。
彼女の形の良い乳房はライの力加減で幾らにも姿を変えたが、それを押し返すような張りも存在していた。
ライの大きな掌で包むように掴むと、指の間には白いふくらみ達が顔を覗かせる。

シュリカはそれに満足したように、再び腰を動かし始めた。
吸い付くようなシュリカの肌を、今ライは始めて両の掌で知った。
ライの掌は彼女の乳房から脇腹、太腿までを確認するように撫でさする。
陶磁器のように月光を反射させる少女の身体を触感で楽しんだ。
そしてその掌は再び上半身へと還り、上下にゆさゆさと揺れている乳房を受け止める。
生意気そうにツンと上を向いた乳首とその周りは薄紅で色づいていて、口に含みたい衝動に駆られる。
その可愛らしい突起を指でつまみ、しごき上げるとシュリカは切なそうに短い声を上げた。
快感に声を漏らす彼女を見るのは初めてで、その姿はライに言いようもない興奮を与えた。

乳房を揉みしだかれながら、彼女は上下の動きを速めていく。二人の激しい吐息のリズムが重なっていく。
シュリカは「命令」を男に与えた。

「あんたの  ケツマンコの」

「モノを  ひねり出して  ごらん」

息を荒げながら途切れ途切れにシュリカが言う、その意味をライはすぐには理解出来なかった。
すかさずシュリカの右手がライの頬を打つ。

「クソするように ひねり出すんだよ!」

今度はその手の甲で逆の頬を打ち付けられた。
爪が当たったのだろう、彼の頬には血が滲んだ。

「う…  ぅぐ…」

いまや従順な下僕に成り下がったライは、主人の言い付けに従った。
下腹に力を込めるが、なかなか思うように身体に力が入らない。
苦労している彼を冷たく見下ろしながら、シュリカは腰の動きを止めず執拗に快感を与え続ける。
彼がぐずぐずしていると、彼女は再び大きく手を振り被る。
先ほどよりも強烈な平手が飛んできて、ライは目の前に星が散るのを見た。
ライは喉の奥で獣のような低い唸り声を発しながら、全身に力を込めた。
尻穴に埋まっていたグリップ部分が少しずつ姿を現した。
その感覚は排便そのもので、ライは恥辱に気が狂いそうになった。

「恥かしいね」

そう言い終るやいなや、シュリカはライ自身をきつく締め上げた。

「豚だよ まるで!」

身体をびくんと反応させ、排出する行為を諦めてライは肩で息をしながら悲しげに顔をそむけた。
その横顔に手を添え、シュリカは彼に正面を向かせた。
彼の口内を埋める衣服を取り除き、替わりに彼女は自らの指を二本挿入した。
はじめ彼はそれに戸惑い、身を強張らせて舌で彼女の指を外に押し出そうとした。
しかしシュリカの激しい口調とは裏腹に、彼女の指は優しく彼の舌を探り、撫でた。
反射的にライはシュリカの細い二本の指に吸い付いた。逃がさぬよう必死に音を立てて舌を絡ませる。
赤子がやっと与えられた乳にすがり、むしゃぶりつく様であった。
ライにとってこの行為は自らを幸福感で満たし、そして主人から絶えず与えられる快感を増幅させた。

「あたしの  可愛い豚ちゃん」

男に指を吸わせてやりながら、シュリカは腰を上下に振るのを止めない。
ライの舌と、愛液で濡れた二人の結合部分は、競うようにちゃぷちゃぷと音を立てた。

「さあ ケツから」

「大きいモノを  ひねり出しな!」

吐息混じりにシュリカは言葉を切らせる。彼女の細い顎から汗が雫となって落ちた。
ライは今度こそ と下腹に力を込めた。
ご主人様を失望させて見捨てられたくなかった。
そのご主人様は、彼が必死になればなるほど執拗に責めて追い詰めるのだが。
みりみりと尻穴からグリップが顔を覗かせるのに伴い、少女はライ自身を擦り上げる速度を速める。
深く浅く肉襞できつく擦り上げ、ライの眉間に深い皺を刻ませ、苦しげな声を漏らさせた。
息を荒げながらシュリカは嬉しそうに見下ろす。

「はあっ  可愛いよ… あんたの鳴く声  すごく可愛い…」

グリップは半分ほど排出すると後はたやすかった。
シュリカの激しい責めに翻弄されながらも、ライは必死に力を振り絞った
彼に圧迫感を与え続けていた熱い楔はぬるりと姿を現し、勢いをつけて地面に落ちた。

「ぅああ……!」

思わずライは声を上げた。
グリップがすべて己から出切った瞬間、足先から腰、背中、頭にかけて冷たい電流が走った。
その瞬間を待ってたとばかりに、シュリカは律動の速度を更に上げる。
彼女は追い討ちをかけるようにライに肉の快楽を与え続けた。まるで彼の息の根を止めるようだった。
身体を揺さぶられるような泣きたくなる快感に、ライは呼吸を許されない。

「ア! ア! ア! ア!」

宙を見据えながら全身が強張るライ。
弓なりになろうとする彼の身体を、シュリカは逃がさぬよう覆い被さるようにして執拗に腰を動かした。

「頑張ったね  いいこだ」

吹き飛ばされないよう怯える様に、ライの両掌はシュリカの乳房をはっしと掴み、
唾液で濡れ開いた口には、彼女に指を差し入れられたままであった。
ご主人様にお許しを戴いた。

シュリカの優しい言葉にライはこれ以上もなく歓喜した。
もう己の意志が適うはずもないところまで、彼は到達していた。
絶望を感じながら絶頂を迎えようとしていたところに、お許しのお言葉を戴いた。

ライは狂気と歓喜の渦に身を委ねた。
奈落に突き落とされているような。
天高く放り上げられているような。
びくんびくんとライの身体が跳ねる。目を強く閉じているにも関わらず、視界は真っ白になった。

ライは身も心も少女に捧げた。

彼の喉奥はごぼごぼと泡を立てている。
うっすらとした意識の中、陸の上で溺れている自分に疑問を抱くライ
自分の喉元に、温かいお湯のようなものを感じる。
しかし不可思議なことに、己の身体は急速に凍えていくのだ。

シュリカが、血で染まった顔で見下ろしていた。
彼女の右手には、月光を反射させながらも赤黒い短刀。

自分は喉を斬られたのだとライは悟った。

彼の瞳には、恐怖も悲哀も絶望の色もなかった。
彼は解放されたのだ。
永遠に続くかと思われた己の狂ったような衝動と、この美しい悪魔の責めから。

 ( …眠い )

彼は そのまま目を閉じた。
しえん

二つの意味で果てた男を、シュリカは見下ろしていた。
手にしていた血染めの短刀を口元にやり、ぺろりと舐める。
ひどく疲れた様にゆっくりと立ち上がり、短刀をひゅんと一振りして血のりを振り捨てた。
柔かい皮で仕立てられた上着を拾い袖を通し、腰部分に固定された鞘に短刀を納める。
戦いで痛めた足をひょこひょこと引きずり、ずいぶん前に脱ぎ捨てたマントを拾った。
軽く土を払い、彼女は優雅な仕草で身に纏う。
短めのマントは白く可愛らしい尻を丁度隠す丈であった。
男の口を埋めていたスパッツには見向きもせず、彼女はそこからゆっくりと立ち去る。


身なりを整え姿を消すまでの間、少女はそこに横たわる息耐えた男に一瞥もしなかった。
ただ月の光だけが、男を照らしていた。
652ロウイ:04/05/18 03:29
初SSで自分なりに苦労した作品です。
変態でごめんなさい。

支援&援護ありがとうございました。
連投規制のフォローだと後から気付きました。
助かりました、感謝です。
なかなかよかったです!
次はシュリカが辱められるのをキボンヌ
654藤原忍:04/05/18 12:07
ロウイ様、お疲れ様です。

実は、とあるボクサーのファンの私。
ツボにはまってしまいました。

正直、羨望の眼差しで見てしまいます。
そうか、男をレイプするのはこういう方法があったのかと・・・。

らぶらぶ・スイート路線の私としては
新鮮なカルチャーショックです。
655真紀3の1:04/05/18 12:12
3 真紀・夜の呟き@
 全く、会社も酷いことをすると思う。
 派遣社員だから、と言うわけではない。
 慢性人手不足の状態で急な出張、過労で倒れた、
奥さんの出産の付き添い…と次々と人手が抜けた。
 …今週は地獄のような一週間だった。
 そういうわけで残業続きだった。ただ…正社員の方は
もっと辛いんじゃないだろうか。
 残業続き・神経すり減らし攻撃という営業の仕事の後、
なお事務のフォローをする営業職の人たち、大丈夫かなぁ…。
 課長もずっと午前様のようだし。
 という私も毎日9時過ぎまで仕事なんだよね、これが。
 でも仕事はピークを超えているし、今日は定時に帰れたし。無理やりだけど。
 7時に指定されたレストランに向かう。
 六本木から少し外れてはいるけれど、結構有名な洋食のレストラン。
 席は予約してあると言っていたけど…彼、先にいるのかしら?
「横山さん」
「はい?」
 不意に呼び止められた。後ろにいたのは、黒川さんだった。
 お洒落…あの時とは大違い。
 グレーの千鳥格子のスーツに薄黄色のワイシャツ。緑色のネクタイ…。意外と派手好き?
「足、速いんだね。追いつけなかった」
「わ、ごめんなさい、気がつかなくて」
「大丈夫だよ」
 そう言うと係員に名前を告げ、行列している連中を横目に別に案内された。
「黒川さん…」
「急に変更して御免ね。ちょっと友だちがここにキャンセルを
入れるといったから、代わりに俺が貰ったんだ」
 確かに、係員に言った名前は違っていたから…。
「でも美味いんだよ、ここの料理」
 黒川さんはそう言いながら先に歩き始めた。
656真紀 3の2:04/05/18 12:16


 料理は美味しかった。フランス料理のちょっとこってり感は否めないけど、
でも鼻につくほどじゃない。
 良い男だからかな、一緒にいるのが。
 眼鏡を取ったほうが素敵だよと言ったのに、なかなか眼鏡を取ってくれない。
 目鼻立ちは整った方が好き。面食いまでは行かないけれど。
 私にだって許容範囲はあるのだ。
 そういう意味では黒川さんは合格点。
 私はグラスにワインを注がれたものの、全部飲みきらないうちに食事を終えた。
 黒川さんとのおしゃべりが楽しかったし、残業続きで睡眠不足の身体には余り良くないからだ。
 もう少し一緒にいたいという彼の申し出もあって、その店の近くにあるバーに入った。
 ちょっと薄暗いバーではあったけれど、お互いに初めての店だったので暗さは我慢した。
カウンターに二人座って、私はフィズを頼んだ。
 バーテンダーの接客具合もフィズの味も合格点。よしよし。
657真紀 3の3:04/05/18 12:17

 ほどほどの会話を楽しみ、私は一度トイレに立ったら、結構酔っている。
 一体どっちに酔ったのやら。
 体調が悪いときの飲酒は私には結構マイナスだからとセーブして飲んだのだけれども。
 でも、やっぱり辛いものは辛い。
 バーに泥酔したオッサンが来たこともあって、私達は店を出た。
「ごめんなさい、本当に」
「いや、それより、大丈夫?結構足にきてない?」
「ちょっと、ね。ここ10日ほど、仕事が忙しくて」
「あれ、本当だったんだ」
「真面目な会社員なんですけど、私」
「いつも夜中にメールが来るからちょっと疑っていた部分があるんだ」
「遊んでいたとでも?」
「真紀ちゃん、お酒に強いから」
「もう」
「もう少し飲ませると口説き落とせるかな?酔うと真紀ちゃんはどうなるの?」
 勿論、冗談だと顔に書いてある。黒川さんの酒は陽気になるのだ。
「ナイショです」
 私はくすくす笑う。ころころ替わる黒川さんの顔は大好きだ。
「送ってゆくよ」
「大丈夫ですって」
「心配なの」
 黒川さんはそう言ってタクシーを捕まえ、私を乗せた。
「品川まで」
 黒川さんはそう言うと、私の手を握った。
 それが幸せで、車の振動が心地よくて…
 眠ってしまった。
658真紀 4の1:04/05/18 12:19
4 黒川・夜の呟きA
 俺はため息を一つ、ついた。
 泥酔女をお持ち帰り、と言う話は良く聞くが、熟睡女をお持ち帰り、
と言うのは初めてじゃないか。…そう思いながらダブルベッドの
反対側で眠る子猫ちゃんを見つめた。
 子猫ちゃん…横山真紀ちゃんは純粋無垢な顔で眠っている。
 タクシーの中で眠ってしまって、どうやっても起きないし、
自宅はわからないし、仕方なく五反田にある俺のマンションに戻った。
 前回は品川の駅の近くで下ろしたんだっけ。それ以上は知らなかったんだもんな、俺は。
 それにしても…。
 俺はため息をついた。
 さっきの言葉が耳から離れない。
「やめて、おじさん」
 呟きのように聞こえたが…。
 あ、動いた。よしよし、生きているな。…でも目の毒だ。鎮まれ、俺の息子よ。
「う………ん」
 動くなって。そのキャミソールは目の毒だ。ああ、脱がせなきゃ良かったかな?
 でも苦しそうだったし、何よりあのまま寝たんじゃスーツはしわくちゃになるから、
とりあえず全部脱がせて俺のパジャマの上だけ着せて。
悪いと思ったけど、脱がせられるだけは脱がせました。怒るかな?
でも苦しそうだったから…許してね。キャミソールと下着姿だけって言うのは
結構萌えました。じっくり30秒鑑賞したもんね。
 着やせするタイプなんだろうな。細い腰だったし。
脱がせても見事な細い腰だった。これで身長があったらモデル並なんだろうけど…。
659真紀 4の2:04/05/18 12:22
 胸は…いかん、息子が余計に…。
 俺は目のやり場がなくて天井のほうに向き直った。
 子猫ちゃんは無防備に寝ていて、困ったことに
俺のパジャマが大きくて、前の合わせ目から
キャミソールの紐だけちらりとのぞかせている。
 左の鎖骨のところに、小さなほくろがある。
 ちょっと襟元が開いた服なんか着たら見える場所なんだけれど、
このほくろが、ソソル。俺的にはツボにはまってしまった。色っぽい。
「はぁ…はぁ…やめて…」
 はっきりと息を乱したその声に、俺はギョッとした。
 艶夢見てるのか?子猫ちゃん
 でもそれにしちゃ、様子がおかしい。寝汗は凄いし、
眉間に思いっきり皺寄せて…美人台無し。でもその顔もソソルなぁ…。
 うなされている、っていうのが正解かな?起こしたほうが良いな、こりゃ。
 俺はそう判断して身体を起こした。
「いやっ」
 ほぼ同時に、子猫ちゃんはそうはっきり声をあげ、目をパッチリ開けた。

支援
661真紀 5の1:04/05/18 12:36
>660様、支援感謝
あと1回か2回で今日の投下が終わります。

5 真紀・ホットラム・カウ@
 最悪の気分だった。
 オトコと一緒に酒を飲むと必ずこの夢を見る。困ったことに2週間前もこの夢を見た。
 原因はわかっている。黒川さんだ。…ん?この天井…。
 私は固まってしまった。ここは私の部屋じゃない。反射的に身体を起こす。
 ナイトスタンドの明かりだけだから、部屋の様子はわからない。
でもダブルベッドに寝ていて、その反対側に人影があることだけはわかった。
こっちを向いている。
「大丈夫?」
 その声に再び固まった。黒川さんの声。ってことは、ここはホテル?
それとも黒川さんの部屋?いい、そんなことはどうでもいいからまず落ち着いて。
「あーと、落ち着いて、聞いてくれる?」
 困惑したような、黒川さんの声。
「明かり、つけようか。それから水を持ってくるよ。酒が良いかな?」
 カラカラの喉だったのでその申し出はありがたかった。ぎしぎし言いそうなくらい
コチコチに固まった首で頷くと、彼はバスローブのようなものを羽織ってベッドを出て、明かりをつけた。
 少しまぶしいが、頭がしゃっきりする。
「気分はどう?落ち着いた?」
「私…」
「タクシーの中で寝ちゃったんだよ。どうやっても起きないし、
マキちゃんの自宅を知らないから俺の部屋に連れてきた。泥酔していたわけじゃないし、
そんなに飲んでいるわけじゃないから、疲れていたんだと思うけど」
 そう言いながらドアの向こうに消えた。
662真紀 5の2:04/05/18 12:40
 ゆっくりと周囲を見回した。
 12畳ほどのフローリングの部屋。ダブルベッドとその両脇に椅子がある。
黄緑のシーツとおそろいのカバーがかけられた蒲団。作り付けのクローゼット。
そこにハンガーでつるされていたのは、私のスーツだった。
 瞬間、自分に目をやる。
 スーツのズボンとジャケットとシャツとスカーフはそこに吊るされてある。
ハンドバッグやソックスはベッドサイドの椅子の上だ。肝心の下着が…あるべき下着がない。
 しかし、ハンドバッグの横にタオルで包まれた「何か」がある。
私はそれが下着であることを確認し、タオルで包むと言う心遣いにちょっと安心した。
 でも、ってことは彼が脱がせたと言うこと?私が脱いだって言うこと?
 途端にかっと身体が熱くなる。まさか、そんなことないよね?
 パニック、ではないけれど、それに近い状態だった。
 とりあえず、深呼吸した。この状況を打開しないと。
「真紀ちゃん?」
 黒川さんはサーバー一杯の氷水とグラスを二つ、お盆に入れて持ってきた。
それをベッドテーブルに置いて、グラスに水を注いだ。
「気分悪い?真っ青だよ」
「あ…あの…あの…」
「悪かった、と思っている。本当ならどんなことをしてでも起こすべきだと思うし、
ちゃんと送り届けるべきだと思う。でも君のハンドバッグ引っ掻き回して
住所調べて君の部屋に勝手に上がりこむより、俺は自分の部屋の方が良いと思ったからで…」
 ちょっとおどおどしていた。私は黒川さんからグラスを貰うと、一口、飲んだ。
 少し、声が出そうだった。
663真紀 5の3:04/05/18 12:42
「あの…」
 恐怖でそれ以上は声が出なかった。駄目だ、始まってしまう…。
 私はつっけんどんに黒川さんにグラスを押し付けると、両膝を抱え、
発作を押さえ込もうとした。
 忘れられない記憶。
 忘れたい記憶。
 時々それが私の体の自由を奪ってゆく。意思とは関係なく、震えが来る。
奥歯までがちがちと音を立てるほどの震え。
両手を真っ白になるまで握り締めても止まらなくなる震えが。
 息が荒くなる。もう駄目だ。私は両膝の上に頭を落とし、
その震えをやりすごす体勢を取った。
「真紀ちゃん?」
「ごめんなさい…」
 小さな、掠れた声だった。それ以上は声が出ない。
奥歯がもうガチガチいっている。
 黒川さんが驚いているのが気配でわかる。でも、
それも一瞬で黒川さんは私の額に手を当てて、発熱があるかどうかを確認する。
「何かの発作?」
 頷くだけで精一杯。
「薬は?」
 そんなものはない。私は首を振った。
 ふわりと、黒川さんの匂いがした。彼が着ていたガウンだ。それが私の体を包み、
続いてベッドのスプリングが少ししなって、黒川さんが私の隣に座り、しっかり私の体を抱きしめた。
 途端に強い震えが来る。
「大丈夫、俺が側にいるから。安心して。ゆっくり息して。深呼吸」
 その一言が、嬉しかった。
664藤原忍:04/05/18 12:43
次は聡史視点です。
まだr手直し中なのでUPできるかどうかはわかりませんが。
きょうのところはこれまでということで。
665名無しさん@ピンキー:04/05/18 15:27
盛り上がってきますたね!
って事でたまにゃアゲ
ロウイさま

 いやあ楽しませて頂きました。初SSとは思えないぐらいエロ度濃厚でグッジョブ!です。
その筆力、ボリューム、完成度、荒れてなければ是非向こうに投下して欲しかった。
新たな潮流をつくって向こうのスレがますます発展しただろうに……・うう……

 で、ここまで完成度が高いとちょっとしたアラというか細かいところに目がいって困るw
舞台はなにやら賞金稼ぎどもが闊歩する無法地帯なようで、魔法やお城こそ出てこない
もののどこかファンタジーの香りがします。
 その世界のなかでは「69」や「M字」の現代的単語はどことなく浮いてしまうように感じ
られました。それだけが「おしいなあ……」と思ってしまいました。

 次回作も(続編や同一シチェでなくても全然OK!)期待しております。がんばって下さい。


藤原忍さま
 うう、相変わらずの丹念な描写、楽しませてもらってます。真紀ちゃんいいなあ(*´Д‘)
>>666
向こうのスレってどこ?
あっちの小説スレはほとんと全滅状態。
669マルチネス:04/05/20 00:44
>>611からの続き

信二は「ちっ!」と舌打ちした。
先程まで密着していた二人の身体か離れ再びテニスを始めた様子を見て
自分が期待していたのとは違う展開に、煮え切らないもどかしさを
感じていた。何よりも膨張した下半身が「どうしてくれるんだ!?」と
言わんばかりに脈打っている。
(佐和子の拒絶で杉野は素直に諦めたのだろうか?)
身体が離れても二人は暫く話し込んでいたようだが、
今は何事も無かったようにコートを駆け回っている。
670マルチネス:04/05/20 00:53
既に陽は傾き始め信二の居る方向からコートが西日で目映く光って見える。
信二はまぶしそうに光の中に投影される二人を眺めているしか術は無かった。
定期的に響く「ポーン!ポーン!」という球の音が寝不足の信二には
催眠術のように睡魔が襲う。
思わず信二は「ふぁ〜あ・・」と深くあくびをせずにはいられなかった。
緊張の後の失望も手伝って信二はとりあえず二人が帰るまで車で待つ事にした。
小一時間も眠っただろうか?信二が起きると既に陽は沈みかけすっかり空は
赤く染まっている。
671マルチネス:04/05/20 01:00
「やばい!」信二はどんドン!とドアを開けるとコートに走った。
信二の脳裏にこの間の夕焼け空の下の二人がよぎる。
が、既にコートには人影は無く。
クラブの建物に近付き扉を開こうとすると既に鍵がかかっており、
ガチャ!ガチャ!と無機質な音だけが虚しく響いた。
「今日は何もせずに帰ったのかな?」信二はつぶやいた。
安堵と落胆の複雑な気持ちが信二自身を冷静にさせ、
自分がしていた行為が、やけに虚しいものに思えてくる。
672マルチネス:04/05/20 01:06
車に戻ると信二はノートPCを取り出し追跡システムを稼動させる。
佐和子に持たせた発信機付き携帯電話が、彼女の居場所を明確に知らせた。
「ん?」信二は怪訝そうな声をあげる。
帰宅方向と違う場所へ向かっているようだった。
どうやら繁華街へ向かっているらしい。
「メシでも二人で喰いに行ったか?」信二がつぶやく。
が、佐和子は子供と信二の食事の支度はするはずであり、その前に自分だけ
食事をするという事はちょっと考えにくい。
673マルチネス:04/05/20 01:16
信二は急に胸騒ぎを覚え、車のエンジンをかける。
キキキー!と急旋回する車が猛烈な勢いで通り過ぎるのを買い物帰りの
おばちゃんが驚いて見ていた。が、そんな事をかまっていられない。
信二は気だけが急いて前傾姿勢をとり、アクセルを踏み込んだ。
(佐和子!どこだ?何処に行こうとしているんだ?お前は!)心の中で叫ぶ。
紅葉した街路樹が凄い勢いで行き過ぎた。
10分もすると、さっきまで妻が居たらしい繁華街へたどり着いた。
そこで車を脇に寄せ。もういっぺんPCをたちあげる。
どうやら、そう遠くはないようだ。
信二は妻が居る方向へゆっくりと車を走らせ追跡を再開する。
674マルチネス:04/05/20 01:25
繁華街を少し抜けた通りに出ると信二は愕然とした。
既に暗くなった中にホテルの呼び込みネオンが羅列し妖しい光を放っている。
このラブホテル街のどれかに二人は入った・・。
紛れも無い現実に信二は興奮し目まいがしてヨロめく。
どうやらそれらしいホテルを突き止め信二は漠然と
情事に励んでいるかもしれないホテルから漏れる光を眺めていた。
そして携帯を取り出すと調査器具屋に電話した。
675マルチネス:04/05/20 01:30
今日はここまでっす。

ロウイさん洋ポル大好きな俺としては、そのノリ好きっす!
藤原忍さん、相変わらず精神描写上手いっすね!

でわでわ、みんなの作品も楽しみにしてますよ〜!
676藤原忍:04/05/20 15:49
>マルチネスさま
お疲れ様です。

その精神描写に戸惑っておりまして・・・。
ここまで来て見てはまた投下できずに戻ると言う事を
繰り返しております。
聡史視点、ホットラム・カウAだけ、UPします。
677真紀 6の1:04/05/20 15:51
>>663の続き

6 黒川・ホットラム・カウA
 子猫ちゃんの震えがおさまったのは指示通り
深呼吸をし始めてから少し後だった。
 まだ体のこわばりが残ってはいるが、奥歯までがちがちするほどの
震えはおさまったのでゆっくりと背中をさすってやることにした。
「ごめ…ごめんなさい」
 掠れた声。喉がカラカラって感じだな、と俺は思った。
 テーブルからグラスを取って、残りの水を飲まそうとしたが、
そんな余裕はないらしい。
 仕方ないので俺は水を口に含むと、右手で子猫ちゃんの頬を撫で、
上を向かせると唇を合わせた。
 目を開けたままキスするなよ。
 白い喉に指を置くと俺の意味することがわかったのか、
子猫ちゃんはコクコクと喉を鳴らして水を飲んでくれた。緊張と、戸惑いと。
 子猫ちゃんの震えが、俺の唇に伝わる。
 可愛い…。このまま押し倒したいと息子は訴えてはいるんだが…。
 俺はそれをぐっとこらえると傍らの子猫ちゃんの背中を撫でていた。
「ごめんなさい、ありがとうございます」
678真紀 6の2:04/05/20 15:52
 ようやく、喋れるようになったのか、子猫ちゃんは両膝を抱えたままそう言った。
「大丈夫?」
「ええ」
 子猫ちゃんはそう言って俺が渡した水を、今度はコップ一杯、きっちり飲み干した。
「シャワー浴びる?俺としては色々聞きたいことが山ほどあるんだけど、
真紀ちゃんだって頭を冷やしたいだろうし…」
「あの、私、変なこと言ってませんでした?」
「何かの夢見てうなされていたよ。俺に話してみる?
さっきの、あれ何かの発作だろう?」
「………」
「嫌だったら、これ以上は聞かない。ただ…どんな神様だって
夢をみて寝言ぐらい言うんじゃないのかなと、思ってみたり。
俺、真紀ちゃんのことをもっと知りたい」
「黒川さん…」
「一緒にいたいから。いつ切り出そうかと思っていたんだけど、
携帯の番号とか、メアドもちゃんとした奴を…」
 震えてる?また発作か?
「でも、それ待ってください」
「え?」
「私の話を聞いて…それから、考えてくれませんか?」
「え?」
 子猫ちゃんは意を決したように、そう言った。
「私も、黒川さんのこと…でも、私、そういうお付き合い、したことないんです」
「え?…26だっていったよね?」
「順番に、話しますね」
 子猫ちゃんはそう言って深呼吸した。
679真紀 6の3:04/05/20 15:55

 子猫ちゃんの話は、ちょっと理解しづらかった。
 ぽつぽつ、といった状態の話し方で、自分で話すのも辛いようだった。
 簡単に言うと、真紀の両親は飛行機事故で死んでしまって、
その時高校一年生だった真紀は長野にいる母親の妹夫妻に引き取られたこと。
 その叔父さんと言う人物にレイプされ、一度は叔母の体面を考え
一人暮らしを始めたこと、しかし、再びレイプ未遂という目にあったので
東京に逃げ出し、自立したということだった。
 東京に出てきた真紀はそれまでの交友関係を一切断ち切って予備校に通い、
大検に合格して卒業資格を取ると大学に入学したこと、
そして普通に就職してごく普通の会社員と交際するようになったものの、
その相手に過去のことが話せずにホテルでパニックを起こしたこと、
それが原因で別れたこと、社内恋愛だったので真紀は会社でもパニックを起こし、
会社を辞めて今は派遣社員として働いているということを話した。
 男性経験はその叔父さん一人。付き合ったオトコは大学時代も含めて3人。
ただし、3ヶ月ほどの交際で別れたと言う。
 話を聞くごとに、正直、厄介な子猫を拾ったものだと思った。
 悪い意味じゃない。俺は、それを負担だと思っていないのだから。
 良い意味で…そう、俺はベタ惚れ状態に真紀に魅かれているのだ。
 ゆっくりと言葉を選んで話す真紀は、美しいと思った。
 それでも真っ直ぐ生きてゆこうとする姿が、美しい。俺はそう思った。
680真紀 6の4:04/05/20 15:57
 俺は真紀の話を聞きながら、ずっと背中をさすり、肩を抱き、
とにかく、真紀の体温を感じていたかった。
 何も言わず、抱きしめた時、心臓が凍るほどの恐怖だったかもしれない。
 水を飲ませたとき、俺自身に怯えていたのかもしれない。
 その贖罪のために。
「…だから黒川さん…」
 真紀の声が震えていた。いかん、俺も涙腺が怪しい。
 俺はテーブルの上に常備しているティッシュペーパーを
箱ごと取る為に立ち上がり、真紀に渡した。
「ありが………」
 真紀が固まっていた。その視線の先に、上半身裸で下半身は
しっかりテントを張っている俺のバカ息子が存在を主張している。
 みるみるうちに真紀の顔が真っ赤になり、耳まで真っ赤になった。
 か、可愛い…。
 それよりも俺のほうが赤面すべきじゃないのか?
「ごめん、そういうつもりじゃなく、その…そういう格好でいられると…その…」
 真紀はさっきからずっと膝を抱えている。確かに、両膝は蒲団の下にあるが、
ついさっきまで俺の左手は真紀の背中を撫でていたし、身長の差から
座っている真紀を見下ろす格好になると胸元も見えた。あの黒子の胸元も。
 今は…ちょっと動くとキャミソールも見えるし、下着も見えた。
 目の毒だったから、あらぬ方向を見ていただけで…でも間近に
女性がいるとなると、増してタイプの女性だったとしたら…。
「だから、ずっと向こうを向いていたんですか?」
 へ?
 唐突な質問だけど、その通りなんだな。
「目の…やり場がなくて」
「良かった…嫌われたんじゃないかと…」
681真紀 6の5:04/05/20 15:59
 俺はありったけの自制心を働かせて子猫ちゃんの隣に座ると、その額にキスした。
 泣いている子猫ちゃんも、可愛い。
「こういうシチュエーションで、しかも相手がタイプだったら、オトコは発情するぞ」
「途中でげんなりしますよ」
 真紀ちゃんは悲しそうにそう言った。
「何で?」
「一人目の男はね、自分が考えていた以上に私の胸がなかったからげんなりしたって。
二人目は一言、『男みたいな胸だね』って。三人目のオトコは…」
 泣きながらそう言う真紀の唇をふさいだ。
 真紀の唇が柔らかくって、温かかった。
 よしよし、今度はちゃんと目を閉じたな。
 そんなことを思いながら俺は一度眼を閉じた。真紀の唇が何か言おうとしたが、
俺は無視して目を開けると右手を真紀の胸元に差し入れた。
 あのほくろの位置から鎖骨に添って指を進める。
 頼むから、身体を強張らすなよ。俺、お前の胸が好きなんだから。
 真紀は俺の手を払いのけなかった。真紀の唇を味わいながら、
丹念に舌を這わせると真紀の口が少しだけ、開いた。同時に右手の掌を
胸につけて下から上に撫で、真紀の乳房を包んだ。ちょっとだけだけど、乳首が立っている。
 そっと真紀の口の中に舌を差込み、真紀の舌をちょんと刺激すると俺の掌の中で乳首が完全にたった。
 感度抜群。今までの女の中で最高かも。
 指先で乳首の周りから円を描くようにすると、真紀の身体がびくんと跳ねた。
682真紀 6の6:04/05/20 16:12
「ごめん、痛かった?」
 真紀は耳まで真っ赤にして首を振った。俺の指がまた動き始め、
真紀の身体がびくびくと震えていた。
 可愛い・・・。
 けれど、俺は心を鬼にして真紀に尋ねることにする。
 少しずつ、楽になって欲しいから。
「三人目のオトコは何て言ったの?」
「…まな板に干しぶどうの女は嫌いだって」
 ひでぇオトコだな。
 俺はその怒りを腹の中に納めた。
 怒りにとらわれたくはない。
 吐き出すことで真紀が楽になるのなら。
「真紀」
 俺はできるだけ甘い声で囁く。
 甘い声になっているかな?
 それからほんのり色づいた耳を口に含む。真紀は首をすくめたが、
俺にばれないように思ったのか、ほうっと小さなため息をついた。
左胸の乳首はもうピンピンに立っていて、真紀は眉間に皺を寄せている。
「俺な、元々小さいの、好きなの。そういう品評会する男って最低だと思うけど…
そういうことより、もっと感じて欲しい」
 俺はそう言って真紀の耳の穴に舌を差し入れた。途端に、
真紀の身体が跳ね上がってベッドの向こう側に倒れた。
「ひゃっ」
「真紀ちゃん?」
 また発作を起こしたのかと思った。が、違っていた。それに近いものはあったが。
 真紀は本当に子猫のように丸まって震えていた。
 こいつ、耳が感じるタイプだ。
683藤原忍:04/05/20 16:13
今日はここまでです。
684ロウイ:04/05/20 23:41
みなさん心優しい感想有難う御座いました。
とても参考になり、非常に励みにもなりました。

現在みなさんのSSをじっくりと読ませて頂いています。
最高です。
それぞれシチュ、スタイル、描写に個性があり、充実していてウマー!です。
こんな良きスレに出会えて嬉しいです。

保 管 庫 に 突 撃 い っ て き ま す !


良作を投下される作家の方々、支援&感想で援護する住人の方々、
乙です!
685マルチネス:04/05/20 23:48
>>674からのつづき

佐和子と杉野はラブホテルのエレベーターに乗り込んでいた。
ラブホテル。そのあからさまにソレを目的とした場所に来たという現実が
佐和子自身が一時の気の迷いではなく、自主的にその行為に及ぶという
もはや言い訳ができず引き返せない所まで来たという事を意味する。
ここまで来て佐和子は罪悪の念に駆られはじめた。
(今頃夫はどうしているんだろうか?
横になりながらTVでも観ているのだろうか?)
(息子は、私の帰りを待っているかもしれない・・)
誰よりも家庭を大事にしてきた自分が今ここに夫の同僚と来ている。
まるで悪い淫夢でも見てるかのような錯覚を覚えた。
686マルチネス:04/05/20 23:58
それを察したのか杉野は軽く肩を抱いた。
俯き加減の佐和子を見つめる杉野。
大丈夫というようにそのまま優しく肩をさすった。
佐和子は少しだけ気が紛れたのか口元で「くすっ」と笑って見せる。
背後からのぞくポニーテールに上げたうなじが堪らなく愛しくなり
思わず杉野は口を付けた。と、そのまま唇で首筋を愛撫する。
「あ!う・・あん!」思わず喘ぐ佐和子。そのまま杉野は背後から
手を回し乳房を揉みしだいた。
「は!はぅ・・あっ!」喘ぐ佐和子の声がエレベーターに響く。
すると「チーン!」と音が鳴りエレベーターが目的の階に着いた事を告げた。
687マルチネス:04/05/21 00:14
部屋に着くまでの短い廊下で佐和子はそれでもまだ
息子陽一の笑顔が吹っ切れない。
夫も毎日の残業で疲れているのに。反面自分はこの体たらくだ。
杉野は部屋のドアをガチャリと開けるとベットが妖しい薄明かりに
照らし出される。
(逃げよう!逃げられる。今ならまだ後戻りできる!)
佐和子がようやく自制心を取り戻した時に杉野は佐和子をガッシリと
抱きすくめ唇に吸い付いてきた。身を硬くする佐和子の口内に杉野は
強引に舌先を捩じ込んでくる。
「あくっ、ん!んぐ・・」欲情と理性の狭間で佐和子は喘いだ。
(あなた!・・陽ちゃん・・ごめん、わたし・・)
もはやこの淫らな現実から逃れられないことを悟り硬直した佐和子の
身体は弛緩し、杉野のザラついた下に自らの舌を絡めていった。
688マルチネス:04/05/21 00:23
すんません最後の行。ザラついた下→ザラついた舌です。

藤原忍さん、ロウイさん。つづき待ってますよ〜!
くぅ・・・寸止め祭りですな;;
良作ばかりでいいスレですなぁ・・・
690名無しさん@ピンキー:04/05/22 10:50
ほすあげ
691マルチネス:04/05/23 00:16
>>687からのつづき

最初は小さく弱い佐和子の舌の返信だったが、徐々に自分に返って来る
反応が大きくなっていく事に強い興奮を覚える杉野。
チロチロと可愛く反応する佐和子の舌に貪るように絡めた。
たった一週間だったが、どれ程この時を待ち望んだだろうか。
杉野は妻との営みでは決して得られないこの快楽の虜になっている。
佐和子を強く抱き寄せながら柔らかい尻肉をまさぐる杉野。
そのままスカートをたくし上げ、太腿から秘部近くまでも優しくまさぐる。
秘部近くになるにつれ佐和子の身体が反り返る反応を楽しんだ。
692マルチネス:04/05/23 00:31
小さく小さく秘部に近付き、直前で止めて焦らす杉野。
太腿の付け根あたりで割れ目の周りに円を描くように指先でスーっと撫でる。
「あ!あぅ・・あん!」遠のいたり近付いたり焦らす指の誘惑に囚われる佐和子。
無意識に佐和子は自分の一番敏感な部分に杉野の指先を迎えようと
もじもじと腰を振って反応する。
機が熟したと見るや杉野はストッキング越しに中指を割れ目に突き刺した。
「はう!」奇声と共に仰け反る佐和子。
杉野はそのまま、ぐいぐいと指を衝き抜いた。
693マルチネス:04/05/23 00:42
情け容赦なく更にぐぐっと貫く。
「あ!、や!、そそんなにしたら!」
佐和子は眉間に皺を寄せて苦しそうに指の攻撃に耐えた。
「一週間だ!一週間あなたのここを待ち焦がれていたんだ!」
本心を白状する杉野。
そのまま強引にパンティを引き下ろそうとするとさすがに佐和子が
杉野を制した。
「ま待って。シャワーを浴びさせて」
杉野の手を押さえながら、佐和子は言った。
694マルチネス:04/05/23 00:49
「僕はこのままでも平気だけど・・」
名残惜しそうに手を戻しながら杉野は言った。
「駄目よ、汗臭いから」
言いながら佐和子はコートを脱ぎ壁に掛けた。
「僕は佐和子の汗の臭い好きだよ。全然平気」
真面目な顔をして杉野は言う。
「ばか」
佐和子は笑いながらポニーテールにしていた髪を解いた。
695マルチネス:04/05/23 00:58
佐和子が白いガウンを持つと、そのまま浴室に消えていった。
擦りガラス越しに佐和子の着替える姿が見える。
ブラウスを脱ぎ、佐和子の肌の色が映し出された。
そして背中に手を回しブラを外すと形の良い膨らみがガラス越しにも分かる。
杉野がこんなに興奮を覚えるのは妻を始めて自分のアパートに
連れ込んだ時以来だろう。今すぐ自分も浴室に飛び込んで佐和子の身体に
貪りつきたい気持ちに駆られるが、ここでがっつくと女という生き物は
引いてしまう事がママある。杉野は経験から辛うじて自制する事にした。
696マルチネス:04/05/23 01:10
佐和子はシャワーを浴びながら昼間流した汗を洗い落とした。
じんじんと疼く秘部に思わず指を当てる。
(ここに、夫以外のペニスが入る)
そう思いながら指を軽く差し込むとニュブゥ・・・っと割れ目は
自らの指を迎え入れた。
(まるでお仲をすかした子供みたい、こんなに涎垂らして)
指に絡みついた愛液を自分の事なのに呆れて見つめる佐和子。
ふと、息子の顔が浮かぶ。佐和子は振り払うように頭を振ると
シャワーの勢いを強くした。
697マルチネス:04/05/23 01:12
今日はここまでっす。じゃ、また!
マルチネスさんへ
半立ちになりましたw続き待ってます。
信二と杉野嫁のが見たかったりしてw
699マルチネス:04/05/23 09:22
>>698
ギクッ
700名無しさん@ピンキー:04/05/23 15:50
ほしあげ
こんばんは。猫です。
遅くなりましたが、>>700まで保管しました。

作者さん、感想・支援のみなさん、いつもお疲れ様です。
新しい作品や、新しい作者さん、待望の続編など、
最近賑わっていていいですね〜。

保管サイトはこちら。
http://novels2ch.s6.x-beat.com/
702真紀 7の1:04/05/24 11:09
>>682の続き

7 真紀・ホットラム・カウB
 また発作が起きたのかと思った。
 黒川さんに耳元で囁かれて、胸を触られて今度は耳の穴に舌を入れられたら我慢できなかった。
身体に電気が走るほどの快感が襲っていた。
 こんなこと、一度もなかったのに。
 キスされただけでも、ホテルに行っただけでも発作を起こしていたのに。どうして?
「真紀ちゃん?」
 まずい、ベッドの上に倒れたのは良いけど…下半身丸見え。でも…体に力が入らない。
起き上がろうとしたけど、また力が入らなくてベッドの上にうつぶせに倒れこむ。
 やだ、今度は…パジャマがめくれて…。
「まーきーちゃん」
 黒川さん…楽しそうな声。
「ひゃっ」
 パジャマがめくれて、露になった脇腹というか、腰から黒川さんがキスの雨を降らせた。
「うぁぁぁぁ…」
 強烈な快感が襲う。
 先程から撫でられて敏感になっているところに、これは地獄だった。ナメクジが肌を
這うような感触。舌の、ちょっとざらっとした生暖かい感触はくすぐったさと紙一重の快感だった。
思わすベッドのシーツを握り締め、歯を食いしばる。
 黒川さんはパジャマをめくって私の背中に本格的に舌を這わせる。
「んんん…」
 声を殺してぎゅっとシーツを握り締めたら、その手に黒川さんの手が重なった。
703真紀 2の2:04/05/24 11:10
「大丈夫だから、こえ、聞かせて」
「黒川さん…」
「素敵な身体だよ、真紀ちゃん。凄く、感度が良いから」
 かっと羞恥に赤くなる。背中まで赤くなったに違いない。
「いつでもストップかけて良いから」
 そう言って私に釘をさす事は忘れなかった。

 うつぶせにされて思うように力が入らない私は黒川さんの思うがままにさせられた。
 というのは語弊があるが、背中一面キスを落とされ、そのキスが両方の足の
内股に及んで…。私がすすり泣くまで続けられた。
 今までにない快感への恐怖があった。頭がどうにかなりそうだった。
 ぐったりした私に蒲団をかけると、黒川さんはどこかに行って、それから少しして戻ってきた。
「立てるか?」
「何とか。…でも、どこへ?」
「秘密の部屋だよ」
 黒川さんの手を借りてふらふらと歩いてゆくと、どこかで水の音がした。
 連れて行かれたのはバスルームだった。
「一人で入れる?それとも…」
 一人ではとても無理だった。黒川さんはそれを悟るとパジャマとキャミソールを脱がせようとした。
「あっ、その…」
「もうなんにもしないよ。身体洗って、さっぱりするだけ。凄い汗だし、さっきストップかけたのは真紀ちゃんだよ」
 何故だか楽しそうに黒川さんはそう言い、うきうきと作業にかかっている。
抵抗できないことを良いことに、私の身につけている衣類を奪うとさっさとパンティまで
脱がせてしまった。タオル一枚渡してくれたのはありがたいが、恥ずかしさで声も出なかった。
704真紀 7の3:04/05/24 11:13
「ほら」
 もう脱いでしまった黒川さんが私の後ろから背中を押すように
バスルームに連れて行き、洗い場でボディソープを泡立てるとスポンジと手で私の体を洗い始めた。
「あの、自分で洗います」
「俺が洗うの」
 黒川さんはきっぱりそう言ってさっさと私の体を泡だらけにした。
私が洗うことを許されたのは自分の大事な部分だけだった。
「ほい、交代」
 次は私の番だった。黒川さんは洗ってといわんばかりに私に背を向けた。
 男性としては、大きい部類に入る身体だった。でも決して無駄はない。
ジムに行っているというだけあって身体に無駄な肉は余りない。
けれども筋肉もりもり、とまではいかない。ほどほど、である。
 丹念に背中から腕を洗うと黒川さんはくるりと、こちらを向いた。
「あ…」
嫌でも目に入る黒川さんのそれは、しっかりと立ち上がっていた。
「真紀ちゃん」
黒川さんと視線が絡まった。
「大丈夫?」
にっこり笑ったその一言で、黒川さんの意図することがわかった。
「もしかして、私のために…?」
「寝顔が、可愛かったんだ、この上なく。それで惚れたといったら、怒る?」
じわっと視界がぼやけた。
「私…胸、ないですよ。いつまた発作を起こすかわからないし…」
「こら、泣くなよ。俺は焦らないから、大丈夫」
705真紀 7の4:04/05/24 11:16
 黒川さんはそう言って私の持っているスポンジを自分の首に当てた。
 さっきたっぷりベッドで愛撫したのも、こうして一緒にお風呂に入ったのも
私の恐怖を取り除こうとする為だったのだ。その気持ちが嬉しくて、ごしごし洗った。
 首も、胸も、お腹も足も洗った。大事な部分は残してしまったけれど。
 だからといって、そこに手を伸ばすことも出来ず、手が止まった。
「真紀ちゃん?」
 呼ばれて顔を上げると、黒川さんと唇が触れた。
 優しい口付けだった。同時に、両手を掴まれ、黒川さん自身に導かれた。
「ああ…」
 私が黒川さんを包むと、黒川さんは唇を離し、小さく喘いだ。
「どうすれば…良いんですか?」
「まずは慣れて欲しいな」
「出したい…でしょ?」
「じゃぁ爪を立てないでね」
 黒川さんはそう言って私の手を導いてくれた。
 まず握ったまま、上下に動かすこと。
 シルエットをなぞること。それだけでも黒川さんは感じるらしい、
ちょっとうっとりとした顔になっていた。ゆっくり、手を動かすと
石鹸とは違うぬめりが指に触れた。
 その一方で黒川さんとはキスしたままだ。
「もう駄目だよ」
「良いよ、どうして欲しいの?」
「手を貸して」
 黒川さんは私の手をサポートする形で動き方を教えてくれた。
 彼は限界だから、というと程なく胴震いして果てた。
706真紀 7の5:04/05/24 11:25
 黒川さんの顔が、いつになくエロティックだった。
 男の欲情に艶があって、初めて男の人が綺麗だと思った。
「御免ね…」
「え?」
「本当は、私の中で…」
「真紀ちゃんの裸を見られて最高」
「だから…」
 恥ずかしさに真っ赤になった。泡だらけでろくに見えていないが、
意識したのがいけなかった。
「あ…やだ…こんなところで…」
 息が荒くなる。奥歯がガチガチ言い始める。
 黒川さんは急いで私たちの体についた泡を洗い流すと、
私を抱いたまま湯船の中に入った。
 少し熱めのお湯だったが、冷えた身体には心地よかった。
 溺れないように、黒川さんが先に座り、私は彼に体を預けるように湯船につかった。
 しっかり抱きしめてくれた腕のたくましさと、耳元で落ち着いて囁く彼の声に、
いつもより落ち着いて対処できたように、思う。


>>703は「2の2」ではなくて「7の2」です。ごめんなさい。
今日はここまでで。
なかなか来られなくてごめんなさい。(進まない・・・)
>保管サイト担当猫様 いつもありがとうございます。
>マルチネス様 続き〜、と叫びながらお待ちしております。
 真紀ちゃん寸止め状態で作者悶えております。
>>706
読者も悶えてます(笑)
こんばんは、猫です。
珍しくこまめに仕事をw
>>707まで保管しました。

保管サイトはこちら。
http://novels2ch.s6.x-beat.com/
709マルチネス:04/05/25 00:34
佐和子はバスルームから出てきた。
白いガウンから覗く胸の谷間に一瞬見入る杉野。
「杉野さんも入ってらっしゃいよ」佐和子が促す。
「ああ・・」杉野は立ち上がる。とバスルームに入る途中で振り向き
「杉野じゃなくって明(あきら)と呼んでくれないかな」と言った。
「あら、そう言えば下の名前知らなかったわ、ごめんなさいア・キ・ラさん」
と言って佐和子は微笑んだ。そのままバスルームに消える杉野。
(明さん、か。)杉野はまんざらでもない表情で汗を洗い流した。
710マルチネス:04/05/25 00:50
杉野の下半身は完全に膨張し猛り狂っている。20cmはあろうかという
剛棒は果たしてガラス越しの佐和子に見えているのだろうか?
(こいつが佐和子の中に没する・・)その気持ちに共鳴するように
肉棒はビンビン!と上下に動いた。
(彼女の中に出せ!)自分の一物がそう言っている様な幻想に囚われる。
(無茶言うな、俺も彼女も家庭が大事なんだ、これは遊びだ!スポーツなんだ!)
杉野は一物を諭すように言い聞かせる。
(それが望みじゃなかったのか?気持ち良いぞ〜!彼女の中に放出すれば)
杉野の本能は家庭を守るよりもむしろより多くの種をばら撒こうと、
脳により甘美な誘惑をしてきた。
711なこ:04/05/25 00:51
>>706
女性から見てもドキドキしちゃいます〜続きお待ちしています
712マルチネス:04/05/25 01:07
佐和子のあの柔らかな身体を抱き、溜め込んだ欲情の証しを放出する。
元々男の性交はそれを最終到達点としており、例え避妊具を着けて中出し
してもそれは仮初めの快楽でしかないのだ。神が与えた最高の快楽は
例え望まない妊娠の可能性があっても中出しでしか得る事はできない。
(元々タブーを犯してるんじゃないか!出してしまえ!)
本能は悪魔のように囁く。
(でも、いや・・しかし・・)葛藤する杉野。
杉野の妄想は佐和子の膣壁に包まれ蠢き淫らに光る愛液が映し出された。
713マルチネス:04/05/25 01:22
杉野は朦朧とした表情でバスルームから出てきた。
佐和子は、どうにも恥ずかしそうに、はにかみ笑いをしている。
「やぁ、お待たせ」と言って杉野は佐和子の隣に横になった。
「ガウン脱いだ方が良いのかしら?」佐和子は照れくさそうに言った。
「あぁ、じゃ僕も脱いじゃおうかな」と言ってガウンを脱ぐ杉野。
筋肉質な身体が佐和子の目前に露わになる。
佐和子もぎこちなくスルスルと脱いだ。均整のとれた柔らかいラインが
女性らしさを強調する。
杉野は伏し目がちに恥らう佐和子を強く抱き寄せた。
714マルチネス:04/05/25 01:25
>保管サイト担当猫さん いつも乙かれ様っす!
>藤原忍さん、 ソフトなエロシーン最高っす!
でわまた!
715真紀 8の1:04/05/25 12:22
>>706からの続き

8 黒川・ホットラム・カウC
 ようやく落ち着いた真紀は俺のスウェットの上下を着てリビングにいた。
 ちょっと悩んだがホットラム・カウを作ってやった。
「強すぎない?」
「こんな時間から寝られるか?」
 時計は午前三時を指している。
「ちょっと微妙」
「それに、強いほうがお前を襲わなくて済む。仕事は土日が休みなんだろう?」
「本当は月曜日も、なんですけどね。来週はイレギュラーで」
「派遣でいるのは発作のことがあるからか」
「ええ。部署によってはセクハラされて全然仕事にならなかったこともあって…
でも…どうしてなんだろう」
「何が?」
「黒川さんといると発作が起きない」
「一つは酒のせいだよ」
「だってそんなに…」
「身体が疲れていると酒って言うのは強力に効くもんだ。現に、
風呂場では完全に酔いが覚めていて、そうしたら発作を起こした。
これ飲んだら昼過ぎまで寝るぞ、きっと」
「迷惑じゃない?」
「俺、凄く喜んでいるんだけど」
 本当はこんな時間をずっと持てたら、と望んでいるのに。
716真紀 8の2:04/05/25 12:25
「こんな発作起こすような女、面倒でしょ?」
「それ以前にお前に惚れたんだ、俺は。そんなの付属のようなもんだ」
「何だかなぁ…」
「何?」
「黒川さんて、やっぱり素敵な人なんだよね」
「え?」
「隠しているけど」
「そんな事言われると悪ガキになるぞ」
 半分、本気だった。
「またベッドで泣かせるつもり?」
「嫌か?」
「着替え、ないのに」
「着替えって…」
「黒川さんのバカ」
 真紀はそう言って少しむくれた。
 その顔も、可愛い。
「その、お願いがあるんだが」
 ちょっと言いにくかった。
「はい?」
「その黒川さん、というのはやめてくれないか?」
「でも年上の人に…」
「やっぱり…」
「パパァって呼べば良いの?」
 上目遣いに、しかも思いっきり甘えた芝居がかった声。
 俺は思いっきり噴出した。口の中に何も入っていなかったのが幸いだったと思えるほど。
 名演技だ。
717真紀 8の3:04/05/25 12:26
「あは、冗談よ」
 子猫ちゃんが小悪魔に見えた。
「真紀」
「あ、怒った?」
 そういう割には目をきらきら輝かせている。いたずらっ子のそれと同じだ。
「そ、怒った。だからこれから真紀と呼ばせてもらうよ」
 真紀はくすくすっと笑って、どうぞ、と言った。
「普通そういうこと、言うかな」
 真紀が瞳をきらきらさせていた。居酒屋で見せた、あの笑い上戸ムードになっていた。
「何で?」
 俺はそう言いながら、真紀の隣に座った。どうやら酒が入ると発作は起きにくいのは本当のようだった。
「何処に住んでいるの、とか、今度のデートはどうするの、とか、言わない?」
「聞きたいよ。俺の知らない真紀を、知りたい。キザ?」
「お酒入っているときだけにしようね」
「何で?」
「発作起こすから。ね、黒川さんの本当の年っていくつ?」
「だから32だって。お前は?」
「名前と年齢は嘘ついてないの。住んでいるところは一応警戒して嘘ついた」
「本当に?」
「本当は五反田に住んでいるの。この近く」
「え?」
「さっき、外を見たから間違いないと思う」
「そうか、ご近所さんか」
 俺は嬉しくなって、真紀の額にキスした。
718真紀 8の4:04/05/25 12:29
「な」
「ん?」
「今晩、暇?」
「え?」
「ずっとこうしていたいと思うのは贅沢かな?日曜日の夜まで」
「ひょっとして、甘えん坊さん?」
「酒が入ってないと言えないけどな」
 俺は赤面しながら肯定し、真紀はそんな俺の頬にキスを一つ、した。
「正直でよろしい」
 真紀はくすくす笑っていた。
「御免、ベッドに行って良い?」
「誘っているの?」
 おれはわざとそう言った。
「純粋に眠いの」
「俺も」
 だから二人手をつないでベッドに入った。二人で丸まって寝るということは、
とても温かかった。とても心地よかった。

 久しぶりに、ぐっすり寝た気がする。
 真紀のおかげだな、と俺は思う。が、部屋の異変に気がついた。
 真紀がいなくなっていた。
 真紀の服がなかった。椅子の上のハンドバッグもソックスも。
 時計は午後1時前だった。外は明るい。
 真紀はあらかじめ計算したのだろうか。寝室のドアを空けて、光が入るようにわざとそうしていた。
 ベッドサイドのテーブルの上には昨夜の水の代わりにメモ用紙があった。
 一度マンションに帰ってそれからまた来ること、夕飯は一緒に食べようと書いてあり、
真紀のサインと携帯の電話番号がそこにあった。
 真面目な真紀らしく、真面目な字だった。癖のない、読みやすい字はあいつの性格そのもののようだった。
719藤原 忍:04/05/25 12:45
>>707さま
>>711 なこさま
ROM中の読者さま
ありがとうございます。もっともっと悶えられるように頑張りたいと思います。

>保管サイト担当猫様
いつもありがとうございます。
ラブレターを出したいのですけれど、
保管サイトのアドレスでよろしいのでしょうか?

>マルチネス様
お疲れ様です。
最近、描写が濃厚になってきたような気が・・・。
筆の勢いがあって羨ましいです。
(全部書かないとUPできない人ですので)


このスレ、残り53KB
ここの次スレって普通どんぐらいでたてんの?
722水戸っち:04/05/26 12:29
ご無沙汰しています。水戸っちです。

わけありでにちゃんねるからはなれていましたが、ようやく戻ってまいりました。皆様相変わらずの高レベルで読んでいて固くなりました。

保管サイト担当様、メール読んでいただけると幸いです。

ではでは
723藤原 忍:04/05/26 12:36
>>721さん
前スレは800番台後半だったと思います。
でも容量次第だったような・・・。

ギコナビ使ってますが、残りKBがよくわからないので、
正直ちょっと投下をためらっております。(>>720さん、感謝)
表示方法あるのかしらん?と。

それからスレ消費に関しては
今手元にある分だけで埋まりそうなのですが、
新スレの落ち防止まで残っているかは自信ないです。

>>水戸っちさま
お帰りなさい、待ってますよ〜。
724名無しさん@ピンキー:04/05/26 19:13
藤原忍様って、女性の方ですか?
>>723
現在448KB
次スレ立てました。

小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第6章〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1085573641/l50
727藤原 忍:04/05/26 21:24
>>724さま ご想像にお任せします。
>>725さま ありがとうございます。


9 真紀・スイッチ@
 私、どうしちゃったんだろう…。
 自分でも訳がわからない。昨夜からの出来事が良くわからなかった。
 いや、良くわかっているからこそ、良く解からない状態になっている。
 ため息混じりに「証拠」の下着を見つめる。
 もう乾いてごわごわになってしまった部分。…正確には今朝未明、
黒川さんに攻められた跡だ。自分にこんな反応があるとは思えなかった。
 信じたくないけれど、真実。
 下着を洗濯機にいれ、スイッチを押し、そのまま熱い風呂に入った。
 ざっとお湯が湯船から逃げてゆく。肩まで浸かると、ゆっくりと深呼吸した。
 黒川さんとこうなることは嫌じゃなかった。むしろ望んでいたほうだ。
 32歳、ちょっと年は上だけど、ジャン・レノばりに渋い人だ。
最初は容姿に惚れたけど、性根が優しいのね。女性と歩くとき、
必ず自分が車道側を歩く男って今時珍しい。
 でも、そういうことじゃなくて…。
 思い返して赤面した。
 昨日飲んだのはワインがグラスに半分と、ウィスキーベースのフィズが
一杯半、いつもの酒の量からするとほんの前菜程度だったんだけど、
足にくるんだもんな…。睡眠不足の状態ではそれが限度だと思うし、
あれ以上は判断能力落ちちゃうし…現実、落ちているのか。
 はぁぁぁぁぁ。
728真紀 9の2:04/05/26 21:26
↑9の1になります。

 私は長いため息をついた。
 酒を飲んでタクシーの中で眠り込んでしまったことも結構なショックなんだけど、
それよりも驚いているのは「発作」が3度で済んだことだった。
 あのシチュエーションなら、一晩中だっておかしくない。
 今までもお酒飲んで、って事はあったけど、結局ずっと発作が続いて
そうなるということはなかった。でも黒川さんといると、3度しか起こさなかった。
 最初のベッドのときと、バスルームで。それから朝目覚めてすぐ、ちょっと軽いやつ。
 自分の変化に戸惑うわ、これは。
 はぁぁぁぁぁ。
 アルコールが入っているからと言ったけど、実際は多分、そうじゃない。
 黒川さんだからだ。
 重い事実だった。
 それともう一つ。
 私はそっと手を滑らせてみる。
 少ししかない二つのふくらみ。ちょっと顔を出している乳首。
 黒川さんが触ってきたとき、すごく、感じた。
 ちりちりとした切なさがこみ上げてきて、もっと触って欲しくて。
 そしてその手を…もっと下に下ろした。まだちょっと熱い、自分の下半身の疼き。
 自分だって今まで触ったことがない。身体を洗うときぐらいだ。そこが、
昨日から変に熱い。今も熱いけど…。
 性知識はあるが、今までオナニーもやったことはない。あの忌まわしい
記憶がそうさせていたし、自分にこんな感情があるとは思っていなかった。
729真紀 9の3:04/05/26 21:29
 だから黒川さんに背中を撫でられ、キスされたとき、自分の身体の反応に驚いたのも事実だった。
 私が濡れている…それもはんぱじゃなく。
 多分、黒川さんはそれに気がついていたはずだ。でもそれ以上のことはしなかった。
 それが嬉しい反面、さびしくもある。
 でも一番嬉しかったのは…。
『俺な、元々小さいの、好きなの。そういう品評会する男って最低だと思うけど
…そういうことより、もっと感じて欲しい』
 普通、言うか?そんな事…。
 もしかして、ロリコンとか?誤解するじゃない、そういうの。
 はぁぁぁぁぁぁ。
 私はもう一度ため息をついて、それからこれからの予定を考え始めた。


 驚いたことに黒川さんのマンションは私のマンションより交差点三つ分ほど
離れた場所にあった。と言っても、私のマンションのほうが駅から遠いんだけど。
 でもスーパーには近いのよね。黒川さんのマンションの下にはコンビニと
喫茶店しかないけど、こっちはスーパー付の商店街に徒歩5分。
 冷蔵庫の中には一応自炊しているような形跡があったから必要なものだけで
良しとして…。そうか、作って持ってゆけば良いんだ。
 私は一人納得して買い物をして、マンションに戻った。
730真紀 9の4:04/05/26 21:30
 携帯が鳴ったのは2時過ぎだった。
「はい」
 女性所有の携帯だと知られたくないので非通知設定・正体不明からの
電話には名乗らないことにしている私。
「黒川です」
「あ、起きました?」
「声、変だけど」
「電話、非通知でしょ?正体不明の電話には名乗らないことにしているんで」
 ちょっと心臓ドキドキ。静まれ、心臓。
「良かった」
 おそらく、表情も変わったんだろう、黒川さんの声が明るくなった。
「今日、何時に来る?と聞いてみたかったんだ、一応」
「うん…とね、4時くらい」
「部屋、わかる?」
「605号室でしょ?覚えました」
「ありがとう。じゃぁ後で」
「はーい」
 短い電話。でも心の中が、ほんわかしてくる。
 恋愛モード突入か…な?
731真紀 10の1:04/05/26 21:32
10 黒川・スイッチA
 約束の4時ちょっとすぎに、真紀が来た。
 いままでのイライラが吹っ飛ぶように、俺の中からわだかまりが消えた。
「来ないかと思った」
「そのつもりがないなら携帯の電話番号は残しません」
「本当に?」
 俺は真紀の荷物を受け取る。トートバッグに詰められたタッパーの中身は料理、
そこまでは理解できた。でも鍋もある。これって…。
「お鍋が入っているの。気をつけてね」
「ああ」
 もう一つの荷物は、真紀が肩から提げているショルダーバッグだった。
でもそっちは渡してくれなかった。
「真紀…」
 君は、知り合ってすぐの男に警戒を解く女なのか…?
 今までの話からするとそうではないとは思う。が、そうではないと思うが…。
 でも警戒を解いて欲しい…一目ぼれといったら、嘘になるだろうか。
 俺はスリッパをはく真紀に手を貸しながら、そのままその細い腰に腕を絡め、
ぐっと引き寄せると額にキスした。
「きゃっ」
 途端に、真紀の身体が硬直した。
 このまま、欲しい。浅ましいオトコの考えだ。
 俺はそう思いながら腕を緩めた。
「駄目ですよ、びっくりしちゃうじゃないですか」
「嬉しかった」
「私もです」
732真紀 10の2:04/05/26 21:34
 真紀が俺と手をつないだ。ちょっとあったかいその感触で、
俺の欲望がむくむくと起き上がる。いかんいかん。
 手をつないだまま、奥のリビングに向かう。
「信じられないかもしれないけど、お酒飲んだって一晩中
発作起こしっぱなしのときもあったから」
「え?」
 真紀の、心の傷に触れた。この若さで、あの年で…。
「それから比べたら3回なんて」
 3回?確か発作を起こしたのは2回のはずだが。
「3回って、いつ起こしたんだ?」
「あ…」
 思わず問い詰めた俺の視線に、真紀が再び硬直した。
「あ…」
 とりあえず、トートバッグをキッチンカウンターに置いて
真紀のほうを振り返ると、真紀がしゃがみこんでいた。息が荒い。発作だった。
「真紀…」
 返事が出来ないでいる。ちょっと強めの発作だと俺は判断した。
 ショルダーバッグをそのままに、真紀を抱き上げて、ためらったが
寝室に連れてゆく。真紀はスカートを履いているから、リビングのソファーだと
スカートを乱れることを気にするだろう。
 それにしても、軽い。華奢だから仕方ないが…。
733真紀 10の3:04/05/26 21:36
「真紀、聞こえるか?」
 辛うじて頷いている。ぎゅっと目を閉じて発作を押さえ込もうとする
真紀をベッドに寝かせ、そのまるまった体の横に、俺は身体を入れた。
「真紀、真紀?」
 怯えた様な真紀の瞳がそこにあった。俺は真紀の閉じられた両方の拳を
包むように両手を置いて、真紀にキスしようとした。でも真紀は、首を振った。
哀願するような目で。
「大丈夫だよ」
「駄目…。怖い」
「怖くなんかないよ」
 俺は真紀の耳元でそう囁くとその頬にキスした。
 真紀の身体がびくんと反応した。それから、強い発作が襲う。
俺は真紀の頭をしっかり抱き、右手で真紀の左の拳を包んだ。
「大丈夫、怖くなんかない。真紀は素敵な女性なんだよ。怯えることはないよ」
 ゆっくり、言い聞かせるように俺はそう言った。
734真紀 10の4:04/05/26 21:40
「真紀の素敵なところはね、よく笑うことと、笑うと片えくぼが
出来るところなんだよ。それが君に似合っていて、とっても可愛い。
マックで会ったとき、俺、ドキッとしたんだ。ブスな女だったら
後腐れなく無視できるようにマックを指定したんだから」
 真紀はまだ震えていた。
「居酒屋で飲んだときもそう。酒に強いのも嬉しかったし、お前、
ころころ笑っていたしな。だからもう一度会いたいと思ったんだ。
もっとお前のことを知りたいと思ったんだ。だからメールの返事があったとき、
正直嬉しかった。ただフリーメールで帰ってきたから、俺はまだ
信用されていないのかなぁとも思ったり、一時の関係のほうが
お前が楽なのかなぁとも思った。でも、タクシーの中でお前の寝顔見たとき、
絶対一時のことにしたくなくて、マンションに連れてきたんだ」
 右手でそっと背中を撫でた。真紀がまたびくりと震える。
「確かに、初めて発作を起こしたときはびっくりしたけど、お前の
そういう姿が…凄くいとおしいと思った。何かのパニックの発作だとは
わかったけど、それを何とかしようとするお前は凄いと思ったし、
それでも前を向いていようとするお前は綺麗だと思った。どうしてそうなったのか、
正直に話してくれただろう?昔の男の事も。あれも、嬉しかった。
…俺、女性経験がないって訳じゃないけど、今まで付き合ってきた女に
不信感抱いているところがあって、お前みたいに全部話してくれたこととか、
それでも付き合いたいと思ったのはお前だけだし…。何言っているんだろうな」
735真紀 10の5:04/05/26 21:41
 真紀の震えが、ようやく、静かになってきた。
「とにかく、真紀は俺にとって大切なんだ。だから自信持てよ」
 真紀は俺の腕の中で頭を振った。
「真紀?」
「誤解してるよ、黒川さん、誤解している」
 真紀は泣いていた。
「それでも良いよ。俺が真紀のこと、好きだって気持ちに変わりない。
それとも、俺のこと、嫌い?」
 真紀は反射的に首を振った。
「俺が急がない。だから今はお前のその気持ちが嬉しいんだ」
 俺はまだ震えの残る真紀の体を、ぎゅっと抱きしめた。
 カタカタと震える小さな身体は、俺の腕の中で泣いていた。
 Tシャツが濡れた。真紀のシャツもくしゃくしゃになったが、
いつまでも真紀を抱きしめて安心させてやりたかった。
 真紀と、幸せになりたかった。
736藤原 忍:04/05/26 21:56
次の「11 過去@」については多少過激な表現が含まれます。
レイプ・鞭打ちなど
ご不快に思われる方は「12 黒川・過去A」にお進みください。
(このスレ内で収まるか?)


11 過去@
 ようやく落ち着いた真紀は、黒川の額へのキスに顔をあげた。
 今日はノーメークのようだった。リップクリームなのだろうが、
唇は艶々している。それでも、素肌は綺麗だったし、年よりも肌に張りと艶があった。
 黒川はベッドに横になり、左手で真紀を抱くと、真紀がスカートを気にしないように蒲団をかけた。
「シャツ、脱ぐ?」
 長袖のシャツを羽織っていた真紀がちょっとためらい、身体を起こすとシャツを脱いだ。
スクエアカットの襟元から魅力的な鎖骨がのぞいている。あの黒子が、黒川の目に飛び込んで、
一瞬にして戸惑いを生じさせる。半袖のカットソーから見える腕はすらりとして、
それでいてしっかりとした安心感がある。シャツを脱ぐと下着の突起が目に入って、黒川を苦しませた。
 だが、黒川は少し鳥肌を立てた真紀の腕を気にして自分の腕に導くと、
真紀が寒くないように肩から蒲団をかけた。
「辛く、ないですか?」
 自分が密着することで、黒川が苦しむのではないかと考えた真紀が離れた。
737真紀 11の2:04/05/26 21:57
「襲われたい?」
 真紀が身体を硬直させた。
「そういう趣味はないし、真紀の同意がないとそういうことはしない。
でも…キスは無条件にしてくれない?」
 真紀がくすっと笑って、また黒川の腕に導かれてその腕の中におさまった。
「でも、きっと抱けないよ」
「何で?」
「…辛いね…」
「話してくれないのか?3回目の発作もそうだったけど」
「…どうしてこうなったかってこと?」
「少しずつでも。話さないとわからないこともあるよ」
「投げ出したくなると思うよ。…それでも良いけど」
「そういう趣味はない」
 黒川は真紀の頭を撫でた。
738真紀 11の3:04/05/26 22:03
 真紀の家族は東京の郊外で暮らしていた、何処にでもある三人家族だった。
 真紀が高校に入ってすぐ、両親は念願のニュージーランドの旅行に出かけた。 
氷河を見に行きたいという二人の願いがかなったことなので、真紀は快く送り出した。
  しかし、氷河ツアーでセスナは墜落し、両親は死亡した。二人一緒だっだと言うのが
せめてもの救いだが、一人残された真紀は、母親の妹夫婦が住む
長野県のとある町に引き取られることになった。
 叔母夫婦とは元々仲が良かったし、従兄弟達とも仲が良かった真紀は
長野の暮らしを悪いとは思っていなかった。同い年の従姉と二つ年の離れた従弟だった。
一人っ子の真紀にとっては不思議な感覚だったが、叔母の家族との生活は幸せだったのだ。
739真紀 11の4:04/05/26 22:04
 しかし、その生活も長くは続かなかった。
 お盆のある日、叔母の誕生日に温泉二泊旅行が計画されたのだが、
その前日から真紀は熱を出した。共働きの叔母夫婦にとって、
家族と一緒に過ごせる日は限られていることもあって、真紀は家族4人で
行くことを勧めたが、叔父は真紀の熱の具合からしてそれは無理だと言い、自分が残ると言った。
 友人の小山は開業医で、ホームドクターでもあるので診察を受けさせたほうが
良いかもしれない、と言う判断だった。
 幸い、宿泊先は近いので診察を受けてから夜に合流するか、という話になり、
真紀の具合によっては自宅に残ることもありえるという含みを残して。
 叔母は悩んだ挙句、叔父に真紀を任せると子供二人を連れて旅行に出て行った。
 真紀はそれで良しとしたし、そもそも旅行は叔母の誕生日の為の
旅行だと言う事を台無しにしたくなかったのである。
 部屋で休んでいたかったが、叔父は小山と連絡が取れ、医院に行くと
言って真紀を車に乗せた。40度近い熱のある真紀には辛かろうと言って
叔父は後部座席を勧め、寝かせてくれた。
 車の中で医師の小山の声を聞いたのは覚えている。一応の状態を
安定させる薬だと言って車の中で注射されたのは覚えているが、その後の意識は朦朧としていた。
 意識を取り戻すと、目の前、つまり天井に鏡があった。
 両手は万歳の形で、皮手錠をかけられ、ベッドの両端のどこかに固定されていて、
手が動かなかった。いつ脱がされたのか、全裸だった。両足はやはり皮の足かせで
大の字のように広げられて、固定されていた。
 まだ薄いデルタも、胸の膨らみも、自分の身体がそのまま鏡に映っていた。
 その衝撃もさることながら、自分の身体の変化に説明の仕様がなかった。
740真紀 11の5:04/05/26 22:06
 風邪の症状はあった。そのための熱の症状もある。
だが、それ以上に信じられなかったのは身体の感覚だった。
 人より敏感なほうだと思っていたのだが、それ以上だった。
背中に摺れるシーツの感覚さえ、身体の中心に疼きを起こす。
 空気に晒された大事な部分がその刺激で濡れていた。
「気がついた?」
 そこにいたのは、叔父だった。隣には小山もいる。違うのは
二人ともガウンを着ていて、ガウンの上からでも見て取れる、男としての証だった。
 恐怖におののく真紀の腕を小山が取る。アルコール脱脂綿を真紀の腕に滑らせると、
それだけで真紀の身体がゾクゾクとした。
「やめて…やめて…」
「もっと気持ちよくなるからね」
 小山がそう言い、注射器を真紀の腕にあて、その薬液を真紀の身体に注いだ。
 必死に抵抗するが、両手も両足もびくとも動かない。
 そのうち、誰かが部屋に入ってくる感覚があった。
「おや、始まっているんですか?」
「今2回目の薬を入れたところですよ。まだこれからです」
「良い身体をしていますね…こりゃ楽しみだ。じゃぁ支度してきますね」
「いやいや、叔父さん、こんなのいや」
「だめだよ、真紀、お前は魅力的過ぎる。ほら、みてごらん?」
 叔父は真紀の胸に手を当てて、その乳首をゆっくり弄び始めた。
「あ…あ…」
 身体の奥底から疼くように巻き起こる感覚。逃れようともがくだけ、
シーツにこすれる肌の感触がまた快感を招く。
741真紀 11の6:04/05/26 22:08
「ほら、身体が気持ち良いといっているよ。真紀は淫乱な女なんだよ。
だから皆に可愛がってもらわないとね」
「やめて、おじさん」
「濡れてきましたね…。そろそろ一回目の薬が効いてきたようです」
 小山の声だった。頭を左右に振っても、部屋の様子があまり良く解からない。
ホテルのような部屋だとは解かるが、ホテルに鎖をつなぐようなものはないだろうし、
天井から鎖がぶら下がっているようなホテルはないはずだ。
 ぼんやりとした頭で考えていると、さっき入ってきた男がシャワーから出てきた。
「どうですか?薬は効いてきましたか?」
 真紀の頭が重くなってきていた。そのくせ、感覚だけは鋭敏だった。
「試してみましょうか、そろそろだと思いますけど」
「じゃぁ念のため、目隠しを」
 真紀の足元で聞いたことのない男の声がした。
「そうですな」
 また、別の男だった。これで5人の男。叔父の手に何か握られていて、
それが真紀の目を覆った。ご丁寧に隙間から見えないように、
タオルか何かで目を覆った後での目隠しだった。
「いやっいやっ」
 そう言って首を振ったつもりだった。しかし、出たのは弱弱しい声だったし、
身体も思うように動かなかった。
 ぴしりと言う音とともに真紀の足に痛みが走った。
 目隠しされているからわからない。けれど、鞭かベルトのようなもので
足を叩かれたことはわかる。
742真紀 11の7:04/05/26 22:11
 恐怖に、体が縮こまった。
 心とは裏腹に、体の反応は違った。
 痛い、しかしそのじんじんと疼く足の痛みが
真紀の女としての快感にダイレクトに結びついてゆく。
「これから返事は『はい、よろしくお願いいたします』と『ありがとうございます』だけだ」
 耳元で、しっかり言葉にされてしまった真紀は
恐怖に身体を引きつらせるしかない。
「薬の聞き具合は充分なようですね」
 また別の男だった。6人目の男である。
 がちゃがちゃと金属が触れ合う音がする。
「持ってきましたねぇ…」
 にやけた笑いを含んだ声。
「基本でしょう?身体を傷つけるわけにはいきませんからね、
薬も用意しましたよ」
「それは助かる。じゃぁ、前も後も、ということですな」
 男たちの野卑な会話が断片的に耳に入ってくる。
 何が起きるのか、やっと重い頭で理解できてぞっとした。
「良い身体だ。未成熟で、細くて…」
 恐怖で鳥肌が立つ。体温がふわっと上がって肌が赤く染まった。
「始めましょうか」
 叔父の声だった。
 恐怖が身体を支配する。
 ぴしり、と鞭がしなった。音とともに、真紀の身体に仄かな跡が残る。
743真紀 11の8:04/05/26 22:12
 痛いとも、嫌だとも言葉に発することは出来なかった。
「返事は?」
「『はい、よろしくお願いします』だ」
 声がでなかった。今度は太腿に鞭が振り下ろされる。
 痛みに、真紀が呻いた。
 それが、二回三回と続く。痛みに呻き、体の感覚にパニックになる。
「返事は?」
 叔父の冷たい声だった。
「・・・はい・・・。よろしく・・・お願い・・・いたします」
 屈辱だった。涙がでたが、目隠しに吸い取られて涙を流す自由もない。
 身体は、鞭で打たれたというのに喜んでいる。背中がゾクゾクする感覚が残っている。
「つやつやしていますね」
「張りのある美しい肌だ」
「白いし」
 口々に品評会を始める。
 一本の手が無造作に真紀の胸に触った。
 真紀の身体がびくりと跳ね上がる。
「良い感度してますね」
「薬だけというわけではなさそうですね」
 別の手がもう一方の胸に触り、別の手が真紀の乳首を弄んだ。
 もたらされる快感に、身を捩る真紀。
 しかし、また別の手が真紀の内股に這い、別の手が真紀のデルタを撫でた。
「やぁ…やぁ…」
 真紀の弱弱しい抵抗。
 しかし、それすらも胸の尖りを指先で強く摘まれることによって言葉を奪われた。
 強い痛み。薬の影響は感覚までも鋭敏に変えてゆく。
744真紀 11の9:04/05/26 22:33
「『ありがとうございます』だ。言え」
 真紀は唇を噛んだ。
「おや、強情な」
 今度は両方の尖りを、別々の男が強く摘む。
「あー!!」
 鋭い痛みが身体を駆け抜ける。
 けれど叫びにはならない。苦痛しかないというのに、体の反応はゾクゾクしてくる。
「言え」
「あ・・・り・・・が・・・ござ・・・ます」
「聞こえない、もう一度だ」
 屈辱だった。
「あり・・・がとう・・・ござ・・・います」
 震える唇が、やっとその言葉を醸し出した。
 その真紀の屈辱と、少しばかりのプライドをあざ笑うかのように
12本の手が、真紀をいたぶった。
「濡れてますよ」
「ひくひくしていますね」
「ああ、汁が垂れてきましたよ」
 男たちの欲望が、真紀の肌を恥辱の怒りで染める。
「ここはどうでしょうか」
 男の手が、真紀の股間の、一番敏感な女の場所に触った。
「ひーっ」
 反射的に真紀の身体が跳ね上がる。といっても拘束されているのでわずかだが。
「これはこれは失礼、痛かったですか?」
 今度はその突起を、ゆっくりゆっくり撫でさすった。
 声が出そうになるのを、必死に堪えた。唇を噛んで、やりすごすしかなかった。
 快楽などに身をゆだねたくはない。
 こんな汚らわしい男たちには絶対に。
 真紀はそう決心していたが、男の愛撫は真紀をどんどん追い立てる。
次スレの即死回避よろぴく

小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第6章〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1085573641/l50
746真紀 11の10:04/05/26 22:36
「すごいですよ、どんどん汁が溢れています。どれ」
 足の間に男の体温を感じたと思ったら、太ももを、男が舐め上げた。
「ひゃっ」
 それを合図に真紀の胸に舌が這い、乳首を摘まれ、甘噛みされた。
「やぁ…」
 小さな声をあげる。が、身体に力を入れてそれを耐えようとした。
「まだがんばりますね」
 真紀のクリトリスを愛撫していた男がそう言って、もう一方の手を
谷間に落とし、女の複雑な部分をゆっくりと撫でた。
 真紀の頭がどんどん霞がかってくる。いやいやをするように頭を横に振った。
「楽になりなさい」
 その男は手馴れた手つきで真紀の女孔に指を差し入れた。
 真紀の頭の中で痛みの火花が散った。一瞬のうちに違和感で一杯になる。
自分の内臓をかき回されるほどの嫌悪感極まりない行為だというのに、
体の熱がそこに集中してしまう。熱というよりも、感覚が、だ。
そこから逃れたくて意識は身体を揺らすが、身体がいうことをきかず、
逆にそこだけが息づいているようにひくひくとしていた。
「ふむ、まだまだですね」
「処女、ですか」
「後でここにも薬を入れましょう。最初はそのままの方が良いですからね」
「いやーっ」
 自分ではありったけの声を出して絶叫したつもりだった。しかし、
実際は喉に声が張り付いたような、弱弱しい声だった。
747真紀 11の11:04/05/26 22:37
 すっと指が抜かれる。ほっとしたのも一瞬だった。
 ふたたび、鞭が振り下ろされた。今度は2回、3回ではない。立て続けに10回もだ。
 身をよじって逃げようとするが、真紀にはそれが出来ない。
 男たちは真紀を屈服させることで、少しだけ欲望を満足させている。
 これだけのことなど男たちにとってはフルコースに付いて来るサラダのドレッシングに過ぎないのだ。
 調教することも、まだまだ本格的ではない。
「忘れたんですか?」
 最早、真紀の中に抗う気持ちはない。
 肉体的な苦痛と、精神的な苦痛に、真紀は自分を見失っていた。
「嫌じゃありませんよ。これからが天国です」
「さぁ、ごあいさつをしなさい」
「・・・よろしく・・・お願いします」
 涙が溢れた。じっとりと目隠しが濡れる。
「じゃぁ続けましょう」
 そう言いながら、男たちの愛撫は容赦なく続き、薬で麻痺した
真紀の体はまだ正気を取り戻そうとはせず、暴走し続けている。
「おやおや、まだ早いですよ。指なんてほんの少ししか入っていないんですから」
 その男はそう言うと、ゆっくりと指を差し入れる。
「大丈夫、もう充分に濡れていますよ」
 痛みと、恐怖と、快感と。
 恥辱と、屈辱と、怒りと。
 自分が女であることに、絶望した。
 こんな状況でも濡れている女としての自分に、嫌悪した。
 だが、それはただの序の口であって、真紀は一晩、
この6人の男たちに文字通りおもちゃにされた。

 真紀は、それを黒川に告白した。
748藤原 忍:04/05/26 22:41
>>745さま
支援感謝します。
即死防止に続きは次スレのほうが良いのでしょうか?
きちんとスレを消費しないと駄目だと聞いたことがあるんですが。
現在471KBです。
まだ大丈夫だと思いますが次スレに移ったほうがよいかと。
誰かSSネタ持ってる人、次スレに投下ヨロです。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1085573641/l50
750藤原 忍:04/05/26 22:55
ではとりあえず、即死防止に次スレに移ります。
次回からは描写は普通に戻ります。
751マルチネス:04/05/27 00:57
じゃ、俺はこっちを適当に使いきりまつ。
>>713からのつづき

杉野は柔らかな佐和子の肉体に覆いかぶさった。
仰向けになっても型崩れしない彼女の乳房が小さく揺れる。
(中に出して・・)
彼女の女性らしい身体がそう言っているような幻聴が聞こえる。
杉野は佐和子と唇を合わせると彼女の方から積極的に舌を入れてきた。
「ちゅぷ・・ちゃっぷ、ぷりゅ・・」絡まる唾液が卑猥な音をたてる。
杉野にとって佐和子が家庭への葛藤を打ち破り自分への情交を選んだ事が
堪らなく嬉しく、またそれが男としての性を燃え上がらせた。
752マルチネス:04/05/27 01:07
口を離し、佐和子の左胸を掴むと舌先で乳輪をペロリと舐める。
「はぁ・・」ため息にも似た喘ぎ声を出す佐和子。
そのまま乳首を口に含むと甘く噛んだ。
「あ!や!・・」頭を左右に振り佐和子は悶えた。
「ちゅぱっちゅぷっぷっぷ!」杉野は思いっきり乳首を吸い込む。
ゴムのように伸びきる佐和子の乳首。
佐和子はシーツを掴み、その責め苦に耐えた。
完全に伸びきると「ちゅぽん!」という音と共に乳首が口から離れ
「ぷるるん!」と小さく揺れた。
753マルチネス:04/05/27 01:18
開放された乳首は薄明かりに照らされ唾液でヌメヌメと光っている。
杉野によって与えられた刺激で見る見る隆起していく乳首。
そういった彼女の発情の証しが素直な興奮を杉野に与える。
杉野がもう一度圧し掛かろうとすると佐和子が
「痛っ・・」と何かに反応した。
見ると膨張しきった杉野の一物が彼女の下腹部にゴリゴリと
当たっていたらしい。
「ご、ごめん痛かった」すまなそうに謝る杉野。
「ううん、大丈夫」
と言って佐和子は少し目を開け微笑した。
754マルチネス:04/05/27 01:30
痛みの張本人である杉野の肉棒が佐和子の目に入る。
「凄いのね。主人のとはち・・・」
と言いかけハッと黙る佐和子。
(馬鹿!こんな時に)思い出した事を佐和子は後悔した。
「高野のとは何?」杉野が聞き返す。
「もうっ意地悪」口を尖らせ佐和子は少し涙ぐんでいるようだった。
「ごめん、お互い週末だけ恋人同士なんだ今だけは家族を忘れよう」
杉野が優しく佐和子の頭を撫でた。
佐和子は上目使いで小さく頷く。
「でも、本当にこんなに大きなのって初めて」
あらわな巨根を佐和子は感心して見つめた。
755マルチネス:04/05/27 01:31
5行目高野→高山でつスマソ
756マルチネス:04/05/27 01:40
「キスして」杉野が悪戯そうに一物を突き出して言う。
「え?」突然のフェラの要求に戸惑う佐和子。
以前にも佐和子は自宅で杉野の一物を口に含んだ事があったが、
あの時はアルコールが入っていた。佐和子はしらふでこの行為に
及んだ事がなかった。基本的に屈辱的な奉仕は性分に合わない。
「いいだろ?さぁ・・」
杉野は佐和子の肉厚な唇に先端をあてがう。
見ると、既に先端は、ぷっくりと先走った液を分泌している。
佐和子は瞬間的に「チュ」っと先端にキスをした。
「はいした」にこっと悪戯そうに笑う佐和子。
757マルチネス:04/05/27 01:49
先走った粘液が佐和子の唇との間にツーっと糸を引く。
「それだけ?」切なそうな顔で佐和子を見つめる杉野。
「駄目なの?」佐和子が笑いながら問い返す。
「もっとディープなのをお願いします」杉野は切実な顔で哀願する。
「え〜?しょうがないな〜」
と言って佐和子は杉野の一物を手にとった。
口を開き、ゆっくりと口に含んでいく・・。
佐和子は口内に砲身を納めながら
「こんなのが本当にあたしの中に入るのかしら?」
改めてその大きさに驚きながら思った。
758マルチネス:04/05/27 01:56
つづきはまた!
まー適当にこのスレ消化しようと思い松。
あ、別に他の人もよろしく!待ってます!

藤原忍さん 凄いっす!そんなに書き溜めてあるとは!
しかもちゃんと文体整っているし。

でわまた!
759藤原忍:04/05/27 09:20
>>マルチネス様
 お疲れ様です。
 佐和子奥のファンです。
 こんな素敵な奥様を満足させられない杉野って・・・と、
 ふと思ってしまうのは私だけでしょうか?

 5日分の放出です(もう手元にないよ〜)
 新スレ移行時に回想のSMシーンから
 始めたくなかったというのがその理由でして、
 ちょっと強引に投稿しました。
藤原様 マルチネス様 お疲れ様です。
毎日昼休みの2chを楽しみに過ごしておる者です。
お二人に刺激されて自分も書いてみようかなと思ってみたりしますがなかなかに時間が・・・
というわけで皆様の作品楽しみにしてますので、じゃんじゃん書いてください。
おねがいします。
761マルチネス:04/05/27 12:57
そー言わずに書いてみてください。
書く人多い方が楽しいから。
762藤原忍:04/05/27 13:29
同感。6章にも新しい作家さん現れましたよ。
皆でワイワイ、って方が読者さんたちにも作家さんたちにも
楽しいから。
763マルチネス:04/05/28 00:00
>>757からのつづき

杉野は同僚の妻の暖かみに包まれ恍惚とした表情を浮かべる。
「ぢゅぶぅ・・・ぢゅるるる・・」
佐和子の口内でしごかれ、快感を彼女の頭を抱えて必死に耐える杉野。
「うっ!あ〜!奥さん凄い!」杉野は呻いた。
杉野の苦悶する表情を見て満足そうな顔を見せる佐和子。
髪をかき上げると手でしごきながら先端をチロチロと舐め上げる。
屈辱的に思えていたこれまでがまるで嘘のように丁寧に奉仕する佐和子。
764マルチネス:04/05/28 00:10
(駄目だ、このままでは果ててしまう)
杉野は佐和子の身体を楽々と支配すると体制を入れ替え杉野の顔近くに
佐和子を跨がせた。必然的に佐和子の陰部が杉野の目の前に位置された。
佐和子のそれは、じっとりと湿り気をおび潤滑液をたっぷり分泌している。
杉野の挿入を待ち侘び歓迎するようにヒクヒクと陰唇が蠢く。
(早く入れて!たっぷりとあなたの種を注ぎ込んで!)
再び杉野の耳に誘惑の幻聴が聞こえてきた。
765マルチネス:04/05/28 00:22
一瞬で体位を入れ替えられ、その意図を図りかね戸惑う佐和子。
しかし杉野の一物は体位が変わっても目の前にそそり立っている。
既に一匹の雌と化した佐和子は無意識にもう一度それを口内に収めた。
と、急に佐和子の陰部に生暖かい感触が伝わる。
「あん!や!え?なに?」
見ると杉野が佐和子の大事な部分にむしゃぶりついている。
舌で掻き回され初めて受ける快感に佐和子はクネクネと腰を振った。
性戯に未熟な佐和子にもようやく、この体位の意味するところを理解した。
766マルチネス:04/05/28 00:34
佐和子も杉野の性器を頬張ると、お互いの性の違いを確かめ合う。
ふと見るとベッドの背面にある大きな鏡に自分の淫らな姿が映っている。
無意味に大きな鏡がこの為だったのだと初めて気付く。
薄明かりでオレンジ色に染まる佐和子が恍惚とした表情で性器をくわえて
いる姿が映っている。
(鏡に映っているこの淫乱女はだれ?)自分に問いかける佐和子。
(これが私?髪を乱し性戯に狂っているこれが・・)
毎日息子を愛し、主人に尽くしてきたこれまでと全く違う姿に我がこと
ながら信じられない。が、何故かそれとは裏腹に、ねっとりと杉野の肉棒に
舌を絡めてしまう佐和子。
767マルチネス:04/05/28 00:41
同時にチラチラとどうしても鏡を見てしまう。
自分自身の行為を見ていると催眠のように徐々に自我の崩壊に
陥ってしまいそうだ・・。
佐和子は拍車をかけ「ぐぽっ!ぐぽっ!」と音をさせて杉野の性器を
しごきあげる。
杉野はブクブクと泡立ちながら間歇的に飛沫く佐和子の愛液を
「じゅぶぶぅ〜!」と吸い上げた。
もうすっかり佐和子のそれは杉野の挿入を受け入れる準備が整っている。
768マルチネス:04/05/28 00:43
今日はここまでっす!
皆さんの作品も待ってますよ〜

じゃ、また!
769藤原忍:04/05/28 11:36
>>マルチネス様
佐和子奥の視線に悩殺されました。

夜8時過ぎから非常に重くなりませんか?
「大人の時間」だからでしょうか?
日付変更線あたりの状態はどうなのでしょうか?
(11時から12時くらい)
770マルチネス:04/05/29 14:04
>>藤原忍さん

うーん、その場で考えて細々と投下してるんで重さはあんまり感じないっすね。
1レスにつき5〜10分で落としてるからw 何というか思いつきで・・・
ホントは藤原さんみたくきちっと校正して落とさないと駄目なんだろうけど。
まー自分のはオマケで読んでもらえれば。
それより次の展開気になるっす。焦らし作戦ですか?w

じゃ、また!みんなの作品待ってますよー!
771藤原忍:04/05/29 21:26
>>マルチネス様
やっぱり時間帯のようですね、ありがとうございます。

本当は書いて、落として、というスタイルが取れれば
自分としてはこんなに楽なことはないんでしょうが、
結構手直しする癖があって・・・。
で、今手直しの最中です。
作戦じゃないです、悲しいことに。
でもそう考えると・・・先日は投下しすぎたかな、っと。
休みが取れたので一気に手直ししたのが原因か・・・。
早く投下できるように努力してきます。
猫です。こんばんは。
>>771まで保管しました。

>藤原忍さま
メールは保管サイトのアドレスでいいですよ。
ラブレター楽しみにしております。

>水戸っちさま
すみません。メールの確認を怠っておりました。
本日保管させていただきました。
本当に失礼しました。
どうか、今後ともよろしくお願いいたします。
773マルチネス:04/06/01 00:25
杉野は佐和子を仰向けに寝かせるとライトスタンドの下に有る避妊具を
一瞥する。杉野の下で目を瞑り挿入を待つ佐和子。
ふくよかな胸がふるふると小刻みに震えている。
彼女の女らしい曲線が杉野の雄としての本能を目覚めさせていった。
そのままゆっくり腰を入れていく杉野。佐和子は自分の割れ目に杉野の
丸っこい先端を感じ、挿入を受け入れるように腰を軽く迎えた。
ず・・ずず・・ずずず・・生身の砲身が少しずつ佐和子の中に没していく。
774マルチネス:04/06/01 00:38
肉道を満たしていく杉野の存在に肩を震わせて耐る佐和子。
「あっ!くぅんっ!・・」半開きの唇から満足げな声が漏れた。
杉野は佐和子の脚を開かせ結合部を覗き込む。
人妻の割れ目が自分の砲身を、しっとりと咥え込んでいる。
堪らなくなった杉野はそのまま、ずーん・・と腰を入れた。
先端が、こつん!と佐和子の子宮口に到達した感触が伝わる。
「か!あ・・明さん・・とうとう私たち・・」
佐和子が歓喜の声を挙げた。
775マルチネス:04/06/01 00:49
そのままグリグリと根元まで押し付ける杉野。佐和子の性器を縁取る
柔らかい陰毛と杉野の剛毛がチリチリと擦り合う。
佐和子は子宮を突き上げられる衝撃に指を噛んで耐えた。
ふと頭の上の鏡が気になり薄目で見上げる佐和子。
筋肉質な男が自分に圧し掛かり下半身を完全に支配してる。
「あきらさん!・・もっときて・・」
佐和子は朦朧とした意識の中で杉野の背中に爪を立て、肩を甘く噛んだ。
776マルチネス:04/06/01 01:04
更に佐和子は脚を杉野の腰に絡めると、もっともっと!というように
膣内に呼び込む。
(夫を欺き他の男と寝ている・・でも気持ち良い・・)
佐和子の雌としての本能が完全に理性を凌駕していた。
ず・・・ずん!ずぬぬ・・ずん!少しずつ出し入れを開始する杉野。
今の杉野にとって佐和子は性を受け入れる器にしか映らない。
タプタプと揺れる乳房、下腹部の柔肉が杉野にとっては、
(中に来て!たっぷり出して!)と脳に訴えかけていく。
777マルチネス:04/06/01 01:12
そうとは知らない佐和子は杉野の身体にしがみつき、
ねっとりと舌を絡ませていく。
腹奥で感じる疼きに佐和子は目に薄っすらと涙を浮かべている。
杉野の厚い胸板に苦しそうに押し潰される佐和子の胸。
ちょぷ!ちょぷ!と上の口からを下の口からも厭らしい音が響いた。
778マルチネス:04/06/01 01:20
その頃、ホテルの下では夫が復讐の密談をしている事など勿論二人が
知る由もない。信二は冷めた目つきで窓から漏れるホテルの明かりを
一つ一つ追いながら携帯で話続けている。最後にホテル名を告げる信二。
携帯を切るとアスファルトにぽつぽつと雨が落ちている。
見上げると先程まで月が出ていた空は一転曇り信二の顔にも大粒の雨が
あたった。あっという間にアスファルトは埃臭を出しながら真っ黒に
染まっていく。信二は足早に車に戻るとまだ情事にふける二人を置いて
そこを立ち去って行った。
     
780マルチネス:04/06/01 01:25
保管サイト担当猫さん いつも保管ご苦労様です。
保管してもらってると何とか継続して書こうって気になるので
頼りにしてるっす!

藤原忍さん 投下しすぎって事はないと思いますよ。
特に即死回避ってこともあったし。逆に助かりました。
自分みたく中途半端で落とすよりましっす。

じゃ、また!
781マルチネス
>>777の5行目

上の口からを下の口からも→上の口からも下の口からも