母親が他人に犯される作品 #2.2

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そして。
「ああ。佐知子さんの手、スベスベしてて気持ちいいや」
陶然と呟いた達也の科白は、恐れていた危険な逸脱への兆しと聞こえて、
佐知子を狼狽させた。
「た、達也くん!」
叱責して、達也を睨みつける。しかし、その頬は赤く上気したままだから
まるで迫力に欠ける。
「怒らないで。だって、佐知子さんのせいなんだよ?」
「なにを、言うの?」
「佐知子さんのことを思って、こんなになってるんだから」
潤んだ眼に湛えた切ない色で佐知子をひるませて、達也は訴えた。
「言ったよね。僕、佐知子さんが好きだって」
「いまは、その話は…それとこれとは」
「話が違うって? そうかな。僕は佐知子さんが好きだから、こんなになってるのに」
「そんなの…」
「僕だって男だからね。好きなひとと一日中いっしょに過ごしてれば、
 そういうことだって考えるさ。佐知子さんの大きな胸やお尻を見て、ムラムラするし」
「い、いやらしいわ」
「そうだね。でも、それがいけないことなの? 僕、おかしいのかな?」
「そうじゃ、ないけど。で、でも、こんなことは」
「オシッコを手伝ってもらった時もさ、正直なとこ、イヤだったんだけど」
「……えっ?」
「ただでさえ、恥ずかしいし……佐知子さんの手に触られて、反応しちゃったら、
 居たたまれないじゃない。でも、佐知子さん、“いいから任せなさい”って感じだったし」
確かに、あの時は(表面的には)渋る達也を佐知子が押し切って、
世話をやいたかたちである。
「でも、そこまでしてくれる佐知子さんの気持ちは嬉しかったから、任せちゃったんだよね。
 触れられてる間は、必死に気を逸らして」
507241:03/06/06 14:41
あの時の達也の悠然たる態度からは、必死になっていたなどとは
とても思えないのだが。達也のようすをうかがう余裕などなかった佐知子は、
そうだったのかと鵜呑みにしてしまって。配慮が足りなかっただろうか、と
必要のない自省をわかせてしまって。
結果として、またひとつ抗いの力を弱められてしまうのだった。
「でも、今日は抑えられなかった。もう限界だよ」
切なげな達也の表情も、そうだった。上目づかいに佐知子を見る潤んだ眼が
ゾッとするほど艶っぽくて、佐知子の胸をどよめかせる。
「わかるでしょ? こんなになってるのは、佐知子さんのせいだよ」
甘ったるい声で囁いて。達也は剛直に押しつけた佐知子の手を、ゆっくりと上下させはじめる。
「ダメよ、達也くん、こんなっ」
達也の行為を止めようとする佐知子の声は、ほとんど悲鳴のようだった。
これは、もう完全に性的な接触である。その証左のように、
佐知子の手の中、無理やり握らされた達也の男性は、滑らかな掌に擦られて、
ググッと漲りと硬度を増したのだった。
(う、嘘…? まだ、大きくなる?)
驚愕に眼を見開く佐知子。あれほどの大きさから、まだ膨張の余地を残していたのかと。
しかし、思わず凝視した達也の肉体は、その巨大な先端部も
確かに充血の度合いを増して。凶悪なまでに張りつめた肉傘は、テラテラと
ドス赤く輝いているのだった。
その獰猛なまでの迫力に威圧されて、佐知子は頭の芯が痺れて、
硬直した腕は、達也への抗いを緩めてしまう。
それでいて、無理じいに使役される手の感覚は鋭敏になって。
握りしめた肉体の凄まじさを、ありありと感じとってしまうのだった。
(……あぁ……)
掌中で、その怪物的な雄が、際限なく、量感と硬度と熱と反りを増していくように
感じられて。佐知子は、胴震いして。
(……凄い……すごい……)
惑乱する意識の中で、そんな言葉だけを繰り返す。
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「ああ、気持ちいいよ、佐知子さん。このまま…」
うっとりと洩らした達也の乞いに、釣りこまれるようにうなずきかけて。
佐知子は、かろうじて、理性を掻き立てて。
「も、もういいでしょう、達也くん。これ以上は…」
「イヤだよ。こんなとこでやめられたら、余計辛いもの。
 それは、佐知子さんだって、知ってるでしょ?」
「後は……自分で…」
「自分で? オナニーしろって? それは冷たいよ」
「そんなこと、言ったって…」
「僕、我慢してたんだよ。そんなことしたら、絶対佐知子さんのことを
 思い浮かべてしまうと思ったから。佐知子さんと抱き合って、キスして、そして…」
「や、やめてっ」
「そうでしょ? 想像の中でも、穢されるなんて、イヤでしょう?
 僕も、それは佐知子さんに悪いと思って、我慢してたんだ。そのせいで
 こんなに溜まっちゃってるんだからさ」
「だ、だからって…」
詭弁ともいえないような強引な達也の論理であったが。佐知子は冷静に切り返す余裕などなく。
「ねえ、今だけ、これ一度だけでいいから。お願い、苦しいんだ。
 たすけてよ、佐知子さん」
「……ああ……もう」
甘えた声で嘆願する達也に、ついに諦めたような吐息をついてしまう。
それは、達也の言葉にほだされたというよりは、手の中で猛り狂う雄肉からの圧迫に、
耐え切れなくなったというのが、真実であったかもしれないが。
とにかくも、佐知子は達也を諌める言葉を途切れさせ、掴まれた手から完全に力を抜いてしまう。

               (続)