鎮まった状態でさえ、佐知子を畏怖させた達也の男根である。
力を得ないままにして、裕樹はもちろん、記憶にある亡夫のペニスを
凌ぐ量感を見せつけて、佐知子を圧倒した長大な肉塊である。
これで、膨張したら、いったいどれほどの大きさになるのか、と。
想像するだけで、佐知子は慄いたのだったが。
いま、見開いた眼に映る現実は、佐知子の夢想をはるかに超えていた。
四肢をのばして、ゆったりと横たわった達也の股間に、隆々と屹立した肉の塔。
達也の逞しい身体に比べても、あまりに不釣合いだと思える、その巨大さ。
息をつめて、瞬きさえ忘れて、佐知子は見つめた。
その驚愕と恐怖に引き攣った表情が、達也の目を愉しませていることに、
気づく余裕など、あるはずもなく。
(……ククク、あの顔。相変わらず、いい反応してくれるよ、佐知子は)
毎度毎度、こちらの期待以上のレスポンスをしてくれる佐知子に満悦する。
確かに、達也にも自慢の逸物だ。ルックスや弁舌以上の、最大の武器でもある。
達也の年のわりに豊富すぎる女性経験は、
その大半が年上の成熟した女が相手だったが(経緯は、さまざま)。
子持ちの熟女でも、多少は遊びなれた女でも、瞠目せずにはいられないような
ケタはずれの巨根である。
だが、佐知子の反応は、過去のどんな女よりも大仰だった。
結婚生活を経験し、子供もいる女にしては、大袈裟とも思える。
(どうやら、死んだ亭主ってのは、よほどの粗チンだったらしいな)
夫と死別して十年近くになるということは、会話の中で聞き出してある。
その間、独り身だからと気軽に遊べるような性格でもないだろうし。
勿体ない話だ、としみじみ思う達也だった。
こんな綺麗な顔で、熟れた体を持った女が、セックスの悦びも知らずにいるなんて、と。
(俺がタップリと教えこんでやるからな。もうちょい待ってろよ)
佐知子に関しては、口説きおとすというというしばりを自ら定めて、それに添って
行動してきた達也である。ここまで来たら、意地でも佐知子の方から股を開かせなければ、
気がすまない。
まあ、それも時間の問題ではあるが。
はかない佐知子の抵抗を、せいぜい楽しもうとする達也だった。
(ほらほら。いつまでも、そんな怯えた眼で見てんじゃないよ。
すぐに、こいつがなくちゃ生きていけなくなるんだからさ。
このデカマラをブチこんでもらうためならなんでもする、牝ブタに生まれ変わって。
そのデカい乳とデカいケツをふって、ブヒブヒ啼いてさ。
涙を流して、俺に感謝するようになるんだから。“達也さま、達也さま”ってな)
(続)