母親が他人に犯される作品 #2.2

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その夜。
寝巻姿で母の寝室の前に立って、裕樹はしばし逡巡した。
就寝の時間になって、母の部屋を訪れる理由など決まっている。
ただ前回の情事から、三日しか経っていないことが、裕樹を躊躇わせるのだ。
相姦の関係がはじまって半年あまり。最近では、母との秘事は、
週一回というペースに落ち着いている。特にはっきりとした
取り決めがあるわけではないが。だからこそ、自然に出来上がった安定を
乱すことには抵抗があった。
だが、裕樹は意を決して、ドアを叩いた。
あえて今夜来たのにも、裕樹なりの理由はあったから。
「……ママ」
佐知子は、いつものようにローブ姿で鏡台に向かって、洗い髪を梳かしていた。
鏡越しに、部屋に入ってきた裕樹を見て、少し驚いた顔でふりかえった。
やはり、今夜の来訪は予期していなかったようだ。
「ママ、いいかな?」
いつもどおりの言葉で、許しを求める裕樹。
「…………いいわよ」
わずかに間を空けて、佐知子は答えて、立ち上がった。
ホッと緊張をといて、裕樹は急いた動きで脱ぎ始めた。
423241:03/05/29 18:55
明かりを落として、白く豊満な裸身をベッドに横たえて。
裕樹を胸に抱き寄せながら、
「……どうしたの?」
と、佐知子が訊いたのは、やはり常より短い間隔で求めてきた裕樹が
意外だったからだろう。
さっそく、母の柔らかな肉房に吸いついていた裕樹は、一旦、口を離して。
「……ママ、ちょっと様子が変だったから…」
「変? ママが?」
「うん。なんだか、ボーッとしちゃってて。しょっちゅう考えこんでるし。
 ここ、二、三日、そんな感じじゃない?」
「……そうだったかしら?」
「そうだよ。だから僕、疲れてるのかな、とか。なにか悩みがあるのかなって」
「……それで、心配して? 来てくれたの?」
「……う、うん…」
佐知子の声が柔らかさを増して、胸元の裕樹の顔を覗きこむようにする。
裕樹は気恥ずかしそうに眼を伏せた。
「ありがとう……裕樹が優しい子で、ママ、嬉しいわ…」
裕樹を抱いた佐知子の腕に力がこもる。
深い安堵が裕樹を包む。そうすると、今度は拗ねたような言葉が口をつく。
「ホント、最近のママ、調子がおかしいよ。僕が話しかけても聞いてないことが
 多いしさ。夕食の時は、お互いにその日あったことを話そうって決めたの、
 ママじゃないか。なのにさ」
結局、その愚痴めいた言葉にこそ、本音があらわれている。
つまりは裕樹は、最近の母が、どこか心ここにあらずといった感じで、
自分に意識を向けてくれていないようすなのが、甚だ不満であり不安であったのだ。
424241:03/05/29 18:56
「ごめんね」
素直に佐知子は謝った。
実際、裕樹には悪いことをしてしまったという反省がある。
駄々をこねているだけ、とも言える裕樹の言葉も不快ではなかった。
(だって……まだ子供だもの、この子は……彼とは違う……)
だから、甘えるばかりでも仕方ない……。
佐知子は、宥めるように髪を撫でて、“甘えるばかり”の息子を受け入れる。いつものように。
“仕方ない”などと呟いた、自分の心の変化には気づかぬまま。
「いま……仕事で、いろいろ考えなきゃならないことがあって」
「そうなんだ」
曖昧に過ぎる佐知子の説明にも、簡単に納得する裕樹。
職場では重責を担う母であり、大変な仕事なのだとは理解しているから。
「大変なんだね。あまり無理はしないで」
労いにも心配にも嘘はない。心からの言葉だったが。
一方で、“ちゃんと僕を見て”という訴えは果たされていたので、
いま裕樹の意識の半ばは、掴みしめた母の乳房に奪われている。
こんなところも子供だ…と、佐知子は苦笑しながら、
「疲れたママを、慰めてくれる?」
冗談めかして、息子を促した。
「う、うん」
即座にうなずいて、裕樹は豊かな乳房の先端にカブりつく。
425241:03/05/29 18:57
「フフ……」
馴染みの、ジンワリとした、もどかしい快感を味わいながら、
佐知子は、息子の華奢な腕を撫でていた手を下腹部へとすべらせた。
すでに、ピンピンに屹立して、佐知子の太腿を小突いていたペニスを握りしめる。
夢中で乳房を吸いたてながら、裕樹が快美にフンフンと鼻を鳴らす。
「……………」
いつもどおりの戯れ…のはずだったが。
裕樹の未熟なペニスに絡む佐知子の指の動きは、いつもの、じゃらし、
くすぐるようなタッチとは違っていた。
握りしめたものの大きさ、かたち、量感を計るような手指の動きになっている。
「……マ、ママッ?」
ギュッと、強く握られて、裕樹が悲鳴のような声を上げて、母の顔を見上げた。
「……………」
佐知子は、わずかに細めるようにした、焦点のボヤけた眼を宙に向けていた。
なにか…記憶を呼び起こしているような表情。
そして、もう一度、すっぽりと掌に収まった小さなペニスを握りしめた。
「マ、ママ、僕、もうっ」
いつにない強い愛撫(?)に、たちまち切羽つまった裕樹が泣くような声を洩らす。
佐知子は、二、三度瞬いて、ハッキリとさせた眼を、悶えている裕樹に向けた。
「もう我慢できない?」
「う、うん」
「そう」
妙に冷静な声で佐知子は言って、身体を起こした。
枕元からコンドームを取り出すと、手早く、裕樹に装着する。
「いいわ、いらっしゃい」
再び仰臥して、ムッチリとした両の太腿を広げて、息子へと身体を開いた。
「ママッ!」
裕樹には、母の微妙な違いも、常より簡略化された手順にも、こだわる余裕はなく。
精一杯に勃起させて、はや先走りにヌラつくオチンチンを握りしめて、
柔らかな肉の上へと乗りかかっていく……。
426241:03/05/29 18:59
……やがて、というほどもない、ほんの十数分ほど後。
いつも以上に短く呆気ない情交を終えて。
満足した裕樹は、すでに眠っている。佐知子の腕の中。
その幸福そうな寝顔を、佐知子は眺めている。
それはいつもどうりの、母子の絵図。
「……………」
だが、佐知子の顔には、いつもの慈母の微笑は浮かんでいなかった。
いつものように、我が子の欲望を受け止め、満たしてやれたことへの充足感はある。
あるけれども……それはとても弱く小さいものだった。
代わりに、やるせないような息苦しさがあった。最近の裕樹との情事の後に
決まって感じていたものだが……今夜はこれまでにないほど強かった。
ふと、切なげな溜息が洩れた。裕樹が寝ついてから、すでに何度目かの。
横臥の姿勢で、上掛けを高く盛り上げた腰がモゾモゾと蠢く。
裕樹を抱いていなければ、寝返りを繰り返しているところだ。
それでも、寝つけるとは思えないけれど……。
一向に訪れない眠気に、目を瞑るだけ無駄な気がして。
佐知子は、まんじりともせずに、時計の音と裕樹の寝息を聞いていた。

            (続)