夏休みを間近に控えたある日、エアコンの効いた部屋で弘樹は浅い夢を見ている。
毎年夏が近付くと見る夢。それは母の美智が誰かに犯されている夢。モノクロの
夢は、少年時代の記憶と交差しながら若い頃の母を映し出す。それは、少年時代
の弘樹が母の実家へ遊びに行った時の記憶。緑に囲まれた山奥の一軒家。弘樹は
縁側に立っていた。蝉の声が聞こえる。そして奥の部屋から響く声。
「やめて!子供が見てるから!」
「ちょと早いけど性教育ってやつだ。へへへ」
「奥さんがお手本なら、勉強にも身が入るってもんだ」
「弘樹!こっちへ来ては駄目よ!ああッ、け、けだもの!」
若かりし頃の母、美智が二人の男に服を脱がされていく。美智は許して!と哀願
するが、男達の手は休む事無く、美智を包んでいる薄布を剥いていく。
そして自分は、事の成り行きが理解できずに、呆然と立ち尽くす。ここからは美
智の美しい横顔が、涙で濡れるシーンしか覚えていない。そしていつもここで目
が覚める・・・。「母さん!」弘樹はハッ!と起き上がる。そして忌々しげに、
呟く。「くそっ・・・また、あの夢か・・・」背中が冷汗でびっしょりと濡れて
いる。それだけではない、自分の股間がはっきりと隆起してしまっていた。
「なんで・・自分の母親を・・くそっ!バカか、俺は!」
弘樹は実母の淫夢を見たばかりか、それに興奮を覚える自分に嫌悪していた。
「母さん・・・ごめんよ」弘樹は心で、母に詫びた。
その時、トントン・・・と階下から二階の弘樹の部屋へ、駆け上がってくる慌て
気味な足音を聞いた。
足音が部屋の前まで来ると、ノックも無しにドアが開く。
「どうしたの?弘樹!」
そう言いながら、母の美智が血相を変えて飛び込んで来た。
「なんでもないよ、母さん・・・」弘樹は作り笑顔で母に応えた。母親の美智は
慈愛に満ちた、優しい女性である。三十路も後半にさしかかったというのに、衰
えない美貌と豊満な肉体。熟女でしか表せることのできない、匂い起つ様な色香。
弘樹はそんな母親を愛していた。母として、そして・・・一人の女として。
美智は心配そうに弘樹に近付き、肩を抱きながら囁いた。
「やだ、汗びっしょりじゃない・・・早く着替えて」
「大丈夫。ちょっと変な夢見ちゃってさ・・声、下まで聞こえた?」
「ええ、お母さんびっくりしちゃったわよ!うふふ、どんな夢を見てたのかしら?」
弘樹は母の意味深な言葉にギョッとする。母の視線は弘樹の股間に注がれていた。
そこは、逞しくも奔放な隆起を見せ付けている。「こっ、これは・・・その」何とか
取り繕わなければ!そうおののく弘樹に優しい母は言葉を重ねた。
「ふふっ、弘樹も大人になったのよね。着替えたら下においで、お茶にしましょう」
そういって踵を返す母がドアに向かって行く。弘樹は、母の肉付きの良い美尻を舐
める様に見つめ、思う。「なんて素敵なんだろう、母さんのお尻・・・」ぴっちり
と張り詰めたタイトスカートの中には、憧れの母尻が存在している。それはきっと
悩ましげに蠢き、乱れ、弾ける淫蕩の熟尻のはず・・・。そんな思いで、弘樹が見
つめ続けていると、母は急に振り向いて、言った。
「弘樹の・・・大きいね!あはは」少女の様に無邪気な笑顔を残し、美母はぱたぱ
たと階段を下りていった。「か、母さん!」部屋に残った弘樹は、嬉しい様な、恥
ずかしい様な、複雑な気持ちを母に向けるのであった。