由紀かほるで、ヒッ、ホッ、ハッ!

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「25時の令嬢」 由紀かほる著

日本出版社 86.5.20発行 800円

生まれて初めて受けた暴力だった。男の指は、ムキ出しになった女
子大生の白い下腹をまさぐってくる。夜の公衆トイレの中で、見も
知らぬ暴漢に放尿を終えたばかりの花唇を、好きなようにイジくら
れる屈辱は、お嬢さん育ちの女子大生には、死にも勝った。
(裏表紙の紹介文より)

[解説]女子大生モノです。白都美沙子は公園でレイプされ、処女
を失う。ようやく立ち直った頃、従兄弟の庄太から写真を見せられ
る(ここまでわずか8ページ!)。それは自分のレイプシーン。写
真を公表されたくなければ、庄太の言うなりになるしかない。かく
して美沙子は庄太の性奴隷となっていくのであった・・・。定番の
設定ですが、過不足なくまとまった佳作です。例によって美沙子は
恥ずかしい格好で町中を引き回されるのですが、図書館のシーンが
スリル満点です。調教師役の庄太が若くて少し頼りないので、本当
にバレるのではないかいうハラハラ感が味わえます。後半から少し
意外な展開になり、ラストも妙な味わいで唐突に終わります。一読
の価値はあるでしょう。難点は、ヒロインの内面描写でしょうか。
レイプされた後遺症も薄いし、自らの性欲を押さえきれず葛藤する
描写が後期の作品と比べるとやはり弱いです。ヒロインの美沙子は
若々しく、モデルタイプのスラリとした体型(もちろん出るところ
は出ている)。もっと肉感的なヒロインが好きな方には、もう少し
後の作品を薦めます。