>>43 そうだね、儚いよ。
…でもね、儚いからこそ大切にできるものもあるんだ。
君も、やってみれば分かるよ。
(夏至は確か、書物に拠れば妖精の行動が盛んになる時だとか。
中には自分の意中の人間を見つけ、妖精の世界に連れて帰るなどするものもいるそうだ)
………そうだね、もしそうなっていたら、僕は君を愛していただろう。
けれど、もしもで世界が変わる事はないんだ。
僕の家族が生きている世界も、ゆりか先輩に出会わなかった世界も、
ここにはないから。家族を亡くし、彼女を愛する結果だけが、存在する世界だから。
だから、君もリャナンシーで、「君」である事を受け入れて。
この世界は、誰にでも優しいわけじゃない。
それでも、それに立ち向かう価値はあるよ。君と僕は、こうして出会えたんだから。
(微笑みながら、腕の中の感触を確かめる。大丈夫、彼女もまた、
ずっと側に居てくれると言った。薄れてはいたものの、またすぐに存在を取り戻す)
お願い?
じゃあ、今度僕が休みを取るから一日中、遊ぼうよ。
今までに出来なかったこと、これからどんどんして行こう。
海で泳ぐには早いから、映画でも見に行こう?
…はなび?まあいっか、それ位なら、季節外れでも。
それなら今でも買えるし、これからーーーーー。
(苦笑しながらも、楽しげな想像に胸を膨らませる。
ゆりかに説明を終えて彼女を送り届けたら、メリルと一緒に
コンビニに行こう。うさぎは初めての花火に怯えたりしないかな)
(そんな事を考えて紡いだ言葉に、割り込んで言われた、大好き。
それに応える事は出来ないけれど、やっぱり、嬉しい。
元より他人からの愛情に弱い自分が、ここまで真っ直ぐに愛されるとーーーーー)