【異能】黄昏の学園 42【異端】

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513紅裂拓兎 ◆QiSi/P5T2Q
(異形と言い、妖魔と言い、夜魔族と言う。確かにそれらには統一性はなく)
(ただひたすらに攻撃的で禍々しかった。骨だけで構成された空中を泳ぐ魚が長い犬歯を)
(突き立てんと襲い掛かる。双頭の虎が三本の尻尾を尖らせながら唸っている)
(鱗粉を放つモスマン。その隙間を縫って駆け抜ける。駆け抜けながら敵の攻撃のエリアを)
(見極めながら、その間隙から攻撃をする。水晶の剣が乱舞して確実に敵の数を減らしてゆく)
(その隙を見逃さず頭上から強襲する人面鳥の叫び声)

(百鬼夜行。今夜はやけに数が多い。敵の数=生贄の数。無意味な屍を積み重ねる作業)
(その無意味さに無意識のうちに笑っていると、背後から一際強烈な気配がした)
(斬!夜の大気を切り裂くような一閃が、魔物を滅ぼした)

ふへ?
(貴方だれ?と言いたげに首を傾げる。紅裂拓兎、17歳。関心のないことは即座に忘れる男だった)
(ただ、他に関心はある。年頃の少女が強烈な力を放つ刀を携えて、強烈な一閃を繰り出したのだ)
(ふむと、戦いの狂熱が一時的に醒める。その刀の力に恐れを成したのか、闇からの来訪者たちが)
(少しずつ距離を離してゆく。本能的に生きるカレラに訴えかけるほど、その刀の力は露骨だった)

破邪の霊刀か、何かかね?深凪の≪式≫みたいな霊体武装って線もあるか。
(語りかけるわけでもなく、ただ確認するように呟く)