(薄暗い場末のゲームセンターでも体感シュミレーターくらいは設置してある)
(一世代くらい前の筐体でも、コアな人気を誇るゲームが入っていることがある)
(コクピットを模した座席から伝わる振動を制御しつつ、葵は手足を動かして照準を素早く移動させる)
(モノアイが敵機を視認。同時に射撃。振動。被弾。被弾。被弾。肩の装甲が弾かれる)
(急いでパージして旋回。ヘヴィマシンガンのトリガーを引く)
(振動。反動。伝わる手応え。見事に撃破した)
損傷率……80%か。
三機倒してこれくらいなら上出来だよね。
(荒地に乱立する壊れたビル群。まるで墓石みたいだなんて思う。スコアーは上出来の部類だったので)
(自己満足に浸りつつ次のミッションに移行する。学校の帰り道、暇つぶしのゲーム)
(金を消費しつつ時間を潰す。ギャラリーは四人ほど)
(画面に映る戦闘ぶりより、葵自身に対する好奇心や性的な関心の方が強い)
(唇の端を吊り上げて足を組み替えるとミニスカートから覗く太腿がちらりちらり)
おっと、お客さんだね。
(すると、隣の席に誰かか座る)
(対戦希望者は、同じ学校の制服を着ていた。葵はぺろりと舌舐めずりをした)
【それじゃあ、こんな感じでよろしく頼むよ】