あ、はい……
(壱耶が言葉と目線で示すとおり、信号は今まさに赤へと変わる寸前で)
(急いで壱耶に追い付いて脇にならび、道路を横断しようとして)
……っ!……覚えていて貰えたんですね
(相手もこちらを覚えていた。予想外のことに驚き、足が止まりそうになるのを懸命に堪えて)
(壱耶の脇に並び、前を向いたまま直接問いには答えないが、言外に肯定して)
(顔を覚えているのにわざわざすれ違い、こちらから声をかけさせる)
(こうして出会えたのも、恐らく偶然ではないだろう)
(パートナーの情報では、脇に並ぶこの年上の青年はマフィアの構成員なはず)
(となれば、自分が探していることを、誰かが彼に伝えたのだろう)
(当然の事とは言え、情報伝達のスピードに感心せざるを得ない)
ちょっとした用事であなたを探していました
彼女から、中華街にいるらしいことを聞いていたので、それで…
【と、始まったばかりなのですが、そろそろリミットが近づいてしまいました】
【そちらのレスを頂いたら凍結をお願いできますか】