………
(三本の指を巻き上げつつ、ちらりと恭弥を見遣り)
無理にやれとは言わん。
効率を考えればさっき言った配分が正しいが、別に逆でも支障はないんだ。
相手が数で攻めて来る可能性がある以上、銃に頼るのは少々不安だが、な。
いざとなれば不知火もあるし、そうでなくてもお前ならある程度いなせるだろう。
ボクシング部……別に、辞めたら記憶を奪われるって訳でもないだろう?
休部だったか? 何があったかは知らんが。
殺されるだけの理由、な。
(ともすれば一方的で暴走しがちな観念だが、今そこに踏み込むべきではないだろう)
もっと派手な電撃の異能。
……伊織か?
(その名、いや苗字を呟くだけで、幾つかの過去が脳裏を去来し、思わず舌打ちし)
そいつの事は良い。別に大した存在じゃない。
(少々不自然に、焦りや苛立のようなものを含んだ声で強引に話を断ち切り)
……!
(まるで、そのタイミングを見計らっていたかのように)
(うっすらとした光が正面から五つほど、更に道の脇、木立の向こうからも右から二つほど、足音を潜めて迫ってくる)
(そしてその奥からも、少しずつ、しかし止まりなく、揺らぐ光が追加されて)
………打って出てきたか。
人数を少なくした甲斐があったぜ。
(そう言うと、少し小走りに前に出る)
ここからが本番だ。正面第一陣を散らしたら俺は側面を守る。銃と義手の両方が使えるからな。
性格的に、奴は正面から来るはずだ。死体を処理しつつ、逃がさんようしっかり注意しててくれ。
(そう言うと同時、先程の要領で正面の五体を瞬時に処理し、歩道から木立に踏み入る)
(恭弥の正面には、倒された五体を踏み越え、更に多数の、額を薄く光らせる死体が歩み寄って来て)
【長くなった、済まん!】
【そして次スレに移動するとしよう】