【異能】黄昏の学園28【異端】

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474名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 01:48:03 ID:2nSTiiTC
暑いな
475兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/16(金) 21:16:16 ID:IBKlejwC
【奏先輩とのロールに、スレをお借りしますね】

>>471

…大層な意志だ。そうなってくれたら、こちらも助かるが。

(少しは噛みついてくるかと思ったが、存外まだまだ冷静なようだ。
 当主たる器となるため、心身共に努力しているというのは、嘘ではないらしい)
(やや乾いた喉を潤すため、再び缶に口をつける。小さな息が漏れる)

全く理想的だ。
何が正しくて何が間違っているのか、全て見通せるなら、これ以上の姿勢はないな。

(皮肉を込めて言うでもなく、淡々と言葉を紡ぐ)
(それだけ聞けば理想的だ。悪いものを裁き、いいものを守る。本来の公的機関の理想ともいえる)
(だがそれが個人の主観に委ねられる限り、間違いを犯す可能性は否定できない。
 平等とはいえど、果たして彼女は全ての生命に平等に接することができるのか)
(万人を納得させるような、公平な裁きができるのか。
 嘘をついて命乞いをする異形を見破り、その命を断つことができるのか)
(否定はしない。それはかって、自分の父親が望んでいたものと同じだから)

いずれぶつかるさ。僕とあなたの信じる道は、別の方向を向いているから。


(それきり黙って、永久の話に耳を傾けた。話の内容にも
 少々驚いたが、一人でこれだけの情報を集めた彼女にも、それなりに感心した)
(または、奏家の影響力がそれほど大きいのかもしれない。
 当主を継いでいない彼女が、どれだけその力を振るえるかは知らないが)

………つまり、彼女の力を狙う何者かが、彼女の両親を殺害したと?
調べる価値はありそうだな。

(罪のない人間を殺そうとする、そして殺したものは裁かれねばならない。
 それこそ時効にでもなっていない限り、異能による犯罪ならば裁く義務が、『ガンスリンガー』にはある)
(一般人による爆破テロなどでも、それなら表の法で裁くだけだ)

しかし、よくそれだけの情報が得られたな。
あの少女、かなり警戒心の強いタイプだったようだから。



【それでは今夜も、よろしくお願いしますね】
476奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/16(金) 21:54:15 ID:zg4Nkahj
誰かが「私は頑張ってる」って言ってくれましたから。
それに恥じないように、ね

(ニコリと笑みを浮かべて缶を傾ける様を見つめる。
 此処でこうしてこういう言葉を出せるようにしてくれた一因でもある彼は気づいてくれているだろうか
 ――そんなことを考えながら、厳格な喋りとは裏腹に年相応のものを口にする少年へ言葉を向ける)

――私は、理想で終わらせたくないと思ってる。
みんなに笑っていてもらいたいから………みんな、幸せになってほしいから。
今は言葉でしか表せないけれど………それでも、いまはそれでも――

(彼の言葉は現実的で、そのつもりがなくても否定されているように聞こえる。
 多分多くの人は彼と同じことを言う。もしかしたらこんなことをいっているのは自分だけかもしれない。
 多くの犠牲の元で成り立っている社会でそれはとても難しいことだと理解はしているつもりだ。)
(理解したうえでそれを目指している。「難しい」は過程が困難なだけで「できる」ということなのだから。)
「全ての道はローマに通じる」っていいますし、案外わからないかもしれませんよ?
互いに妥協できる点を探して、全員が納得できればいいと思っています。
(言葉を返した後に続いた長い沈黙――信じるものがあるなら、頑張って信じ抜いて欲しいなと思った。
 もし対峙する事があるなら、迷いなど一切持たずに対峙して欲しい。
 それで、それでも分かり合えたら――――理想的だ。笑ってしまうほどに、りそうてき)

簡単に言えばそうなります。
問題は………"守護神"の制御方法を巡っているというだけで他の事は、まったくわからないことですけど。
――瑞谷ちゃん自身にも当然心当たりなどないでしょうし
……とにかく、そちらでも調べを進めて、それとなく瑞谷ちゃんに注意を払っておいてもらえると助かります。
彼女の力が暴走したら、大変なことになりますから……
(死のうとしていたのに死ねなかった。力の所為で。
 コレは完全に彼女の意志とは別に力自身が動く可能性があるということだから――もしかしたら
 彼女自身が兵部の標的になってしまうかもしれない。)

普通にお話をしたんです。
………彼女、随分一人でいたようなので。結果的にそこに付け込むように………です。
救われているならば………こんな後ろめたさも感じなくてすむんですけれどね。
えっと……それで彼女の両親のことを聞いて――違和感を覚えたのは勘でした。
後は奏の情報網を使って………です。
(コレは本音だ――けど、情報を得れた本当の理由は話すべきだろうかと考え込む。
 そもそも彼女の両親の死は自力で聞いたものだし前述のとおりだから別に嘘をついているわけではない。)


【すみません、お待たせしましたっ】
【今夜もよろしくお願いしますっ】
477兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/16(金) 22:20:05 ID:IBKlejwC
………ふん。

(微笑みと共に向けられた視線に、ぷい、とそっぽを向く。
 夜の世界の人間だと知っていたら、いずれ敵となる可能性が
 あったなら、あんな言葉はかけなかった。本当にそう思っていても)

………そう、なったらいいな。そうだったら、いいんだよ。

(ひたすらに、真摯な言葉。現実を見ない、夢想家のそれではない。
 現実を見た上で、理想に燃える革命家のような瞳だ)
(その言葉に、思わず少し視線を落とす。そして、ポツリと呟いた。
 続いて出された同じような呟きは、小さな力がこもっていて。缶がへこみ、パキ、という音を立てる)

人間だけの世界でもそれが出来ないのに、異形まで納得させる、か……。

(子供がクレヨンで描いたような、非の打ち所のない夢物語に、口を閉ざす。真っ直ぐ過ぎて、苦手だ)

不安定な力なのか。………了解した。
僕の方でも警戒しておくが…。僕と同じクラスに、天羽都という少女がいる。
彼女に直接触れることのないよう、出会ったら瑞谷さんに言っておいてくれ。
天羽さんには、触れた特殊な力を増幅させる異能がある。
あの学園が、一瞬にして水没――――その話だけを聞けば、有り得ない話ではない。

(何やら後ろめたい様子の永久に、疑問を呈する)

彼女の為を思ってなら、その感情を利用することも正しいだろう。
どうやらあなたには心を許しているようだから、彼女の支えになればいい。
…一人は、死ぬほど苦しいんだ。痛みで頭がおかしくなりそうになる。

(両親を失い、大切なものをなくす苦しみ。あれは、どんな言葉を用いても表せるものではない。
 人生で何よりも酷い、生きながらにして味わう、地獄のような苦しみだ)
478奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/16(金) 22:47:05 ID:zg4Nkahj
私は兵部くんのことを敵だと思っていないので。
――こういうの嫌いだったりします?
なんだかさっきから難しい顔をしていますけれど………

(自分が原因だとしたら、こんな言葉をかけるのもどうだろうかと思ったが
 心配なのはしょうがない。
 夜の顔――といわれればそれまでなのだがそれでも気になってしまう。)

ええと……天羽ちゃん、ですね。寮の管理人さんの娘さんですよね。
そっちのほうにも機会があれば言っておきましょうか?
寮にいるときに逢うかもしれませんし…………あ、私寮暮らしなんですよ。
――――って、天羽ちゃん異能者だったんですか。
触れたものの特殊な力を…………確かに危険、ですね――――年も近いですし。
わかりました。天羽ちゃんの能力のことは口外してもいいのでしょうか?
かなり珍しい部類ですよね。「他の力を増幅する」なんて………その手の研究機関が喉から手を出しそうです。
(顎のあたりをひと撫でしてから)

………それは私を信用してくれてるってことでいいのかな。
してくれてなくても瑞谷ちゃんを悪いようにする気はありませんけれど………
(ふとそんなことを思ったので口に出してから兵部の顔をうかがい――)
…………コレについては兵部くんも協力してくれると嬉しいですかねぇ
やっぱりなくしたことのない私じゃわからないことってあるじゃないですか。
479兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/16(金) 23:12:02 ID:IBKlejwC
敵だとしたら、こんな事を依頼していない。
ただ、いずれあなたと僕は戦う可能性がある。親しくなる理由はないだろう。
でなければ剣を向ける時、辛くなるだけだぞ。

(目を細めながら、彼女の様子を伺う)
(もっとも辛いのは自分であって、彼女がそうとは限らない。
 だが先程の甘い願いを聞く限り、以前まで笑い合っていた人間に
 すぐ殺意を向けられるほど、器用なタイプには見えない)

………彼女は、夜の世界に生きる人間じゃない。
あまり異能や異形の話を近付けたくはないんだ。片方に言っておけば十分だろう。
瑞谷さんなら、上手くやってくれる。

(口外してもいいのか?という問い掛けには、首を振って)

もう既に、とある機関には目を付けられているようだ。
彼女に危険を近付けさせるな。芯の強い人だけれど、戦闘能力は一般人より低いんだ。

(そのとある機関は身内に近いものがあるので、名前を出すのは避けておく)
(寮母の娘――――両親は亡くなったから、義理の母親なのだろうか。
 とにかくそれだけ知っているなら、彼女が車椅子なのも知っているかもしれない)

…………………………信用していない相手なら、最初から言葉そのものを信じていない。

(ややむすっとした表情で、永久の言葉に反論する。
 いや、自分のこういった態度が原因なのだろう。小さく溜め息を吐きながら、視線を逸らし)

………最初から、そう思ってる。
行く道は違って、いずれぶつかるにせよ、目指すものは似ているはずだ。

(あの甘くも真っ直ぐな言葉を聞かされれば、そんな気にもなる。
 少なくとも、瑞谷愛華を私利私欲に利用するような真似はしまい。平等を謳うならば)

物理的な手助けはするが、精神的な物に深入りするつもりはない。
生半可な覚悟で背負えるほど、その傷は浅くはないんだ。
………少なくとも、僕の場合はそうだった。

(縋られても他人の痛みを背負うつもりはない。そんな余裕などない。
 大切なもの全ての命を守ろうとするだけで、自分は精一杯だ)
(永久にそれを強制するつもりはないが、彼女なら、理解した上で愛華を助けてやれるかもしれない)
480奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/16(金) 23:45:50 ID:zg4Nkahj
(なんというか、彼は彼の正義に忠実なんだな……と思う。
 拒絶されることよりも、受け入れられることを放棄されているわけではない。
 その気になれば親しくなれると思われてるのでコレはこれで良しとしておこう。)
(――ちょっぴり残念だけれど。)

………何も感じず機械みたいに、そうしなきゃならないよりは
いっそのこと辛いくらいで丁度いいとか思っちゃうな私。それなら、辛さって形で
その人のことも背負えるから。
機械的に戦って生き残るよりは、苦しんで、悩んで………それから戦いたいかな、兵部くんとは。
戦わないで笑い合えるのが一番なんだけれど、ね。

(世の中はうまくいかないものだ――全てを手に入れることの難しさを痛感する。
 本音を言えば兵部にこんなことを言われるのも、こんな話をするのもいやだ。
 何とかしたい。けど肝心の何とかするための方法なんか見つかるはずもなく――)

(他を思う言葉を聴くとなんでだか笑みが止まらなくなった。
 自分に対する態度と違って暖かさが覗く………始めてあったあのときの
 優しい感じがしたから――)
はい、承りました。
ああ、私からの瑞谷ちゃんの情報をどうするかは任せます。
彼女は………知りたがっているから。案外、彼女が知ることによりいろんなことがわかるかもしれませんし、ね。
(それでも不都合が出るようならば自分が護ればいい、そう彼女の母、優奈に約束した。
 ――もちろん自分から話すことも視野に入れている。
 今此処で言えないのは、まだ彼女がどうなったのかはわからないというのが大きい。)
………
(そして天羽 都について少し考えてみる――希少な能力を持った両足が不自由な女の子。
 寮母の娘、それから料理が上手い………くらい、か。自分が得たのは。
 「とある機関」というものが少し気になる――――探るべきだろうか?)
(――――結論、むやみに聞いても仕方がない。とりあえず彼女自身にのみそれなりに注意を払っておくことにする。)

ほんと?そんな顔ばかりだから信用ないのかと思ってました。

(意地悪く、自覚しているであろうことを指摘して――そもそも、少なからず信用をしてもらっているからこそ
 あんな言葉が出ることくらい理解できる。
 けれども頑なな表情が少し可愛かった………そう可愛かったのでいじわるをしてみたといったところだ。)
むぅ………やっぱゆりかは偉大だ――
(その生半可な覚悟で背負えないものを何とかしてしまったのだから、拓兎のことも含めて
 本当にすごい女の子だと思う。思わず呟きを漏らすほどに。)
(けど、自分の能力は『癒し』なんだ。負けてられない。)

――それじゃ、私なりのやり方で何とかしていこうと思います。あ、作業一通りは終わりました。

(と此処まで語ってから剣を引き、鏡を見る――文字列、霊光、問題なし。
 調整完了、後は時間になったらテストをしてみるだけといったところか。)
481兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 00:09:18 ID:F7hUEFK/
………強いな、あなたは。
他の命を奪う以上、生き残った者には責任がつきまとう。
それでも僕は、可能な限り痛みは避けたいよ。

(――――なら、自分は何故黒上いろはを探しているのだろう。
 何を知りたいのだろう。恐らく、知ったところで引き金が重くなるだけなのに)
(敵のことを知った上で殺すのと、味方だった人間を殺すことの違いか?
 あの異形の少女の命を断つならば、人間として、知らなければならない過去のような気がして)
(けれどそれなら、同じく殺すつもりで戦うならば、彼女、永久の事もよく知る必要があるのではないか?)
(いや、彼女の意志は知った。それだけで十分だと言い聞かせ、それ以上の思考は止める)

それなら知るべきだと思った事は言うし、そうでない事は避ける事にする。
年齢に反して、瑞谷さんはしっかりとしているようだったが…それも上辺だけかもしれないからな。

(家族を失い、頼れるものが何もなくなれば、自分がしっかりするしかない。
 痛みを忘れる程に、感じないように、全部を一人でやらなければならないのだ)

…………任せたよ。

(ほんの小さな呟き。それは彼女の耳に届いたかもしれないし、
 風にかき消されてしまったかもしれない。何にせよ、素直に言うのはなんか嫌だった)
(儀式用の剣を抜いた永久を見て、こくりと頷いた)

ふむ、出来たか。
―――――可能か分からない、とあなたの兄、従志浪は言っていたが、
当主として、かなり腕を上げているようだな。

(そのままの自然な流れで、さらりと彼女の兄のことを口にする)
482奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 00:38:10 ID:34TCmOp5
……上辺だけでも強く見せないといけませんから。
私も……なんだかんだで兵部くんと変らないんですよ?
痛いものは痛いし、逃げたいものからは背を向けたいって思います。
(それをしないのは当主になるために必要だから。……それ以上のことはない。
 強くなんかない、強くなくてはいけないんだ。)
――兵部くん。目指すものが似てるなら………妥協しないようにしようね。
(自分に、兵部に言い聞かせるように――続けて口を開きかける。
 引き金の重みにも、背負うものの重みにも負けないように………励まそうとでもしていたのだろうか?)
(何を言おうとしたか思い出せなくなる。)

――………しっかり、ですか。
確かに、自分の力のことを知ろうという姿勢には、意志の強さを感じましたし………
なんか……そうですね、無茶はしないと、思います。

――――はいな。
(僅かに兵部の唇が動いたのを感じた。
 何を言ったのかはわからない、だから自分も何を言っているのかは分かりに行くい程度の声で
 了解を示して――)

…………じゅーしろぅ――ってお兄ちゃん?!
ちょっとまって、何でそこでお兄ちゃんが――――
(思いつくがまま疑問を口にする。けれどもその間に結論は出てしまう。
 だから兵部くんがこの場所を知っていて、私に今回の話を持ちかけたのだと。)
…………会ったのですか?いつ?元気にしてましたか?やっぱり此処に用があってお兄ちゃんは――――
――すみません、始めの質問だけでいいです。
(そこからはただ思いつくがままに質問が出て…………それを止めるために下唇を噛み締めて
 無造作に頭を振る――長い黒髪が顔半分を覆い、ソレをそっと払う。
 ソレからただひたすらに真剣な目で兵部くんの目を見つめて…………)

【す、スイマーさんが泳いで私をおとそうと襲ってきて――】
【凍結願えるでしょうかっ?】



483兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 00:41:02 ID:F7hUEFK/
【スイマーさん怖すです。了解しました、それではここで凍結しましょう】
【ちなみに今夜、土曜日の22時から僕の方は再開できます】
484奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 00:46:35 ID:34TCmOp5
【痛み入るのですっ】
【それではそれでお願いしますっ!土曜日の22時避難所でー】
【ええと置きレスで進めて下さってもかまわないのでっ!】

【すみませんがコレにて失礼しますっ】
【ここまでのお付き合いに感謝でありますっ!おやすみなさいまガボゴボ】
485兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 01:11:09 ID:F7hUEFK/
>>482

(その理由は、聞かずとも分かっている。彼女が思う、
 当主としてのあるべき姿がそれだから。その重責も担うべき、としているのだろ)

…押し潰されないようにな。

(自分にとって大切なもののように、責務というものは人に力を与えてくれる。
 例えば9回裏ツーアウトの状態での代打バッターしかり、サッカーでのPK戦の最後の一人しかり)
(プレッシャーをねじ伏せれば、実力以上の力だって発揮できる。
 しかし重責に潰されてしまえば、それが重ければ重い程、人は容易く傷付いてしまうだろう)
(人間は、誰一人として完全ではないから)

ああ。全力は尽くす、いつだって。

(手段は選ばない。必要とあらば、泥だって啜る。
 大切なものを守りたいなら、切り捨てるものを選ぶ。それに嘘はない)


(動揺する様子を、冷静に眺める。長らく会っていないのであれば、当然の反応だろう)
(奏家当主たろうとする永久は、この言葉にどう対応していくものか)

ついこの前、夜だ。噂の正体を確かめるべくここに赴いた際に、遭遇した。
今すぐにでも異形の群れと戦えそうなくらい、元気だった。

(まあ正確には戦っていたのだけれど。この祠の機能を利用して)



【ではお言葉に甘えて、レスを置いていきますね】
【今日もお付き合い頂き、ありがとうございました。
 溺れいく先輩に笑顔で手を振りながら、失礼します(←)お休みなさい。ノシ】
486名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 20:27:03 ID:vtlVyNi/
暑いな
487奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 22:19:59 ID:34TCmOp5
ふふっ、心配してくれてありがとう。
(本人にその気はないにせよ、その言葉は嬉しかったから。
 敵になるとわかりつつも向けてくれた優しい言葉は本当に温かかったから。
 だから暖かな笑みとともに礼をして)
それから、頑張って――――
(力強い意思を見せるも、少しだけ迷いが見えた気がする。
 この少年は過酷な取捨選択を知っているのだろうか?
 そんな疑問を抱きながら――――)

(下唇を噛み締める、血がにじむほどに――要領を得ない言葉を吐き出して
 安く見られないように衝動的な言葉を切り捨てる。思考を回転……
 そう、ここでようやっと兄にあったという言葉を考える。)

ついこの前………私が見つけて、拒絶された時に近いですね………あの前後。
それで、兵部くんは此処の危険性に目をつけて、≪奏≫のものである兄に交渉をしたところ
私に言うようにいわれて………それで今回、私にこの話が来た――――ってところですか。
(半ば独り言のように言葉を漏らす。冷静に思考するように努め、眉間に力を入れる。
 唇に指を当てる………鉄の味がすると感じるとやっと血が滲んでいることに気がつく。)
……元気なら、良かったです。
えっと、何かされませんでしたか?貴方が公安のものとわかったなら襲いかからないとも限りませんから。
国を敵に回したものを≪奏≫はいつまでも身内にしてはおけない、それを利用して家との縁切りを
しないとも……そのために兵部くんを利用しないとも限りませんから
えっと………だいじょうぶでした?
(大丈夫であってほしい、こんな形で兄との縁をきるのは苦痛で仕方ない。
 それこそ納得して背負えるようなものではない――)

【お借りしますでありますっ】
【それでは今回もよろしくお願いしますっ!】
488兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 22:40:43 ID:F7hUEFK/
ああ、あなたも既に遭遇していたのか。

(少々意外だった。彼女とて、実の兄を探してきたのはごく最近、
 というわけではないだろう。それが偶然遭遇できたとは、
 彼は今まで別の街にいて、つい先日戻ってきた、そんな事なんだろうか)

別にこの場所が、《奏》の土地だと知っていたわけじゃない。
たまたま訪れたら、従志浪と名乗る男がいただけだ。
あなたの出した捜索願いで、情報は得ていたからな。

(一人思考に走る永久を見つめる。努めて冷静でいるようにしているが、
 その中は極めて混乱していることが分かる。痛みがなくては、言葉がまとまらない程には)

僕のことはあまり話していないからな。
一触即発くらいにはなったかもしれないが、互いにやり合う事にはならなかった。

……どうする、もう大丈夫なら降りるか?歩きながらでも話はできるだろう。



【すみません、端末の調子が悪く、遅くなりました】
【それでは今夜もよろしくお願いしますね】
489奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 22:53:04 ID:34TCmOp5
訂正………ありがとうございます。
事情のほうは大体理解できました………偶然、ですか。
運がいいのか悪いのか
(ちろり、と下唇を舐め血を拭う。じん、と痛みが走ったがいまはそれが心地いい。)

そう、ですか………敵対はしていないんですか。
(どうなんだろう、彼ならばその辺りを巧妙に隠すくらいはできるかもしれない。
 その上でこの容姿にこの高圧的な態度なら、人によっては絡まれるやも………
 兄が思ったよりも理性的だったのか、公安だと知って拳を納めたのか。)
(後者なら、完全な縁切りを望んでいない………とも考えられるけれど――――)

………そうですね、涼しくはありますけれど虫とかに食われたら大変ですし
降りましょうか……できたら何を話したか、聞かせてもらいたいですし。

(いいながら道具をまとめ、霊符を束ねてバッグの中にしまう。
 軽く膝の当りを払うと立ち上がって、降りるという言葉に同意をしめした。)

【いえいえ、全然遅くなんてないですよっ】
【また不都合があったら遠慮なくどうぞですっ】
490兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 23:06:08 ID:F7hUEFK/
あなたの兄は、ぶっきらぼうだが、悪い人間ではない。
それが僕が抱いた感想だ。

(飲み終えた缶ジュースを更に凹ませ、コンパクトに畳もうとする。
 が、すぐにそれ以上力を込めても曲がらなくなった。諦めて、片手に持つ)
(そして深紅のサックスケースを背負うと、先に来た道を戻り始めた)

何を話したか、よりはあなたが何を聞きたいか、それが重要なんじゃないか。
僕としても、一から十まで話すのは、少々骨が折れる。

(チラリと後ろを見て、またすぐ目線を戻し、歩き続ける)
491奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 23:21:29 ID:34TCmOp5
悪い人間じゃ………か。
あはは………前はぶっきらぼうなところすらなかったんですけれどね。
(苦笑とともにそんなことを言って、拳で口元を隠す)
時間たって、状況が変ってるんだなぁ。

ああ、缶をたたむ時は――んっと…………
(空き缶を畳むのに四苦八苦している様を微笑ましく見つめて
 実演しようとする………ミルクティーの缶、温める事もある=スチール缶だった。)
(力を込めても軽く凹むだけでたたむどころではない。)
………そぉい。
(気の抜けた掛け声とともに奏鬼眼を開く。そうしてからスチール缶に斜めにあとをつけていく
 身体能力が上昇している今だからこそできる芸当。
 そうしてから缶の上と下を持って………)
後斜めにつけてから捻ると…………ほら簡単にたためるよ?
'(捻って縦に押しつぶす。スチール缶を――そのあとですぐに奏鬼眼を閉じて)

………そうですね。
なにか………宛てのようなものがありそうな言葉は聞けましたか?
もしくは、≪奏≫以外の目的、とか。
それがわかればいまの居所もつかめるんじゃないかなぁ………って思いまして。

(潰れた間を手の中で弄ぶと、バッグを持って歩き出し………)
492兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/17(土) 23:39:41 ID:F7hUEFK/
優しいお兄ちゃんだった、か?………………ん。

(声をかけられ、振り返る)
(彼女が額の目を開眼させている。あの時の姿、見間違いではないらしい。
 あの用紙の山を抱えていた辺りからして、効果は身体能力の強化か?)
(そして、本来大の男でも潰すのに苦労する、スチール缶が易々と潰れる。
 いや、それはチートだろう。ドーピング、ありなのか。ずるい)

そんな能力があるからだろう、出来るのは。…悪かったな、力が弱くて。

(悔し紛れに脇腹でもつねろうかと思ったが、距離が開いていた)
(なので、ノーモーショーンで永久の頭に向けて缶を投げる。
 精密な動作は得意だ。パワーもスピードもないが、狙いは
 確かなアルミ缶が、緩やかな放物線を描いていく)

さあ、それは聞いていないな。
アテはなさそうだったが、何なら夜にでもあの祠の少女に訊いてみればいい。
僕よりも、彼女の方が従志浪の現在の状況には詳しい可能性がある。
493奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/17(土) 23:51:52 ID:34TCmOp5
優しくて、優秀で………優しすぎて、優秀すぎました。
(そうやって家に兄がいたときのことを考える。
 いつでも助けてくれて、甘えさせてくれた――それゆえに今回のことを
 招いてしまった日々――)
『――カンッ』
(――そして、そんなことを考えているうちに放物線が自分の額と交差した。
 頭蓋とアルミがぶつかり合う小気味良い音が鳴る。)
いや、流石にアルミ缶は能力なしでもできますよ?!
っていうか警察関係者がポイ捨てってどういうことですかっ!

むぅ………それなら、そうしてみます
前回、拓兎と来たときは怒られたから正直苦手なんですけどね、あの人………
(≪奏≫次期当主の癖に自分の召喚方法を知らなかったと大変嘆いていた
 見た目は幼い少女を想い………眉間にしわを寄せる。)
まぁ、術式の確認もしなければならないですしどっちにしろ会わなきゃいけないのでそのときにでも聞いてみますよ。
494兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/18(日) 00:08:38 ID:V25hC//U
でも、取り戻せる。取り戻すんだろう?
なら、後悔する意味はない。

(自分の勘違いかもしれないが。思い起こす永久の表情に、何か切なげなものを感じた)
(だから、淡々と彼女に向けて呟く。額を押さえ、呻いている彼女に)

ポイ捨てはしないよ。さあ、拾ってくれ。
こんな綺麗な外観を損ねるのは、本意じゃない。

(憮然とした表情で―――いや、よく見れば小さな笑みを浮かべて―――少女の足元の缶を指す)
(自分でぶつけておきながら、その当てられた当人に拾わせるなど、
 かなり性根が悪いだろう。これは彼も自覚しているだろうが)
(彼なりの意趣返し、といったところなのだろうか)

なら、シュークリームを持っていくといい。それなりに態度が柔らかくなると思うぞ。
………ああそう、それで問題がなければまた僕に報告してくれると助かる。
上にはこの時点で解決したと伝えるが、念のためにな。

(当主たろうとする人間が、その一族の霊を苦手だというのは
 いかがなものだろうか。というか、そんな苦手にする程厄介な相手だろうか?)
(個人的には、なかなか――――いや、かなり与し易い人間に思えただけに)
495奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/18(日) 00:25:09 ID:N1j6fMVX
(過去に起こったことはもう変えられない。故にんげくことは無意味だ。
 それはわかっている
 どちらも決定的な間違いを起こしているわけではなく、人として生きている。
 取り戻せるのもわかる。けれど――)
私に拾わせるって………ゴミをまとめるにしても手段は選ぶべきじゃないですか?!
(素直に頷けない。
 拾わずに初等部の子が鬼の首とったように騒ぎ立てやろうかとか思う
 良識のある高等部生徒としてしぶしぶながらも缶を拾い上げて潰しなおすわけだけれど。)

しゅーくりーむ?
いや、彼女霊ですよね?供える物は必要でしょうけど御神酒とかのほうがいいんじゃ………
(首を傾げる。二十度ほど傾いた視界で兵部の言葉の意味を吟味――するまでもなくおかしいだろうそれは。
 それでいいのか管理者………と事実であるそのことを疑って)
(コレも初対面でどんな一面を見たかによる印象の違いである。)
ええ、その件についての経過は報告させてもらいます。
他にもこの手の危険な場所があるようなら言って下さい。此処と同じ要領でいけるなら
私が手を出してみようかと思いますので。
496兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/18(日) 00:42:26 ID:V25hC//U
いや、もともと缶をまとめようとあなたにパスをしたら、
存外あなたが鈍くて受け取り損ねたんだ。僕は何も間違っていない。

(極めつけに、悪びれもせずのうのうとこんな事を口にした晶)
(そのパスは、どう見ても当てる気が100パーセント込められていたが。
 そんな事はさらっとスルーして、やれやれと首を振った)

全く自分の落ち度を他人のせいにするとは、次期当主として嘆かわしいな。
これは今度従志浪に遭遇したら、報告しなければならない。

(演技臭い仕草。あからさまに楽しんでいるようだ。言葉はなかなかシャレにならないが)
(獲物を捕らえて遊んでいる猫のように目を細め、永久の反応を見つめていた)

あなたこそ何を言っているんだ、彼女は子供だぞ。
お酒など好むわけがないし、仮に好んだとしても勧めるものじゃない。
………別のものに遭遇したんじゃないか?
(あまりにも違い過ぎる両者のイメージに、そんな言葉が出た)
(もし同一なら、彼女の中の、あの祠の少女は随分厳格な雰囲気のようだ。
 当主に対しては、それ相応の振る舞いを見せるということかもしれない)
(―――――自分で言ってなんだが、疑わしい。あれにそんな立ち振る舞いができるのだろうか)

ああ、その時はまた頼む、奏家次期当主殿。
………そろそろ麓だな。

(山道を降り、平行な地面に降り立つ。固いコンクリートの
 感触が、靴を通して伝わってくる。太陽はより沈み、明るさと気温は減少傾向にあった)

他に、何か訊きたいことはあるか?なければ、ここで解散としよう。
497奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/18(日) 01:03:24 ID:N1j6fMVX
それを告げずにその意図を察せるほど私と貴方の仲って良かったですっけ?!

(コレに関しても敵じゃない宣言をしたのは自分だったりといくらでも抜け道はあったりとか
 というかそれ以前に名にこの揺ぎ無い意思は。
 汚い、さすが公安きたない………)
………あうぅっ、そ、それはいや………かも?!
お、お兄ちゃんは今関係ないじゃないですかぁ…………
(なんとなく意図は察せる………さっせるからこそ思う。
 ――冗談言うときくらいその態度やめようよ……と。もしかして冗談でもなんでもないんだろうかとか
 そんなことを思いながら兵部の態度を観察する……け、ど。)
(本気でいってないよね?と若干不安になったりもした。)

姿は………ですよね、でも中身まではー
(とっても厳格でとっても真面目な態度は幻覚だったのだろうか?
 同席していた拓兎に電話でもかけて聞こうかとか考える。)
……和服の小さな女の子ですよね、黒髪でくせっ毛の。
(軽く思い出しながら特徴を言ってみる。
 「嘆かわしい」とかいうことばとか妙に古めかしい言葉遣いとかも一緒に掘り起こす)
(子供っぽさが外見以外に繋がらなかった。)

……そうですね。後は時間がたたないと対応できませんからコレで。
それでは、本日は時間を割いていただきありがとうございました……お疲れさまです。
兵部 晶様
(膝の前辺りで両の手を合わせるとゆっくりと頭を下げる
 茜色の陽光に彩られた黒髪が軽く揺れて――)
後の報告は後日。それじゃ、失礼しますね…………
(そうしてから、減少した太陽光に彩られた道を歩き出す
 自分の今帰るべき寮に向けて――)

【私のほうはこんな感じで〆になりますかねぇ】
498兵部 晶 ◆oWbpNIMs9M :2010/07/18(日) 01:31:18 ID:V25hC//U
仲良くしようと言っていたのは、あなたじゃなかったか?

(そうだったかもしれないし、そうじゃなかったかもしれない。
 まあどちらでもいいだろう。この少女、からかいがいがある。
 端的に言えば、面白い。被虐オーラが出ている気がする。出てなくてもいぢめるけど)

では、反省すること。そして謝罪。これは大事だな。

(ぴっと指を立てながら、どう見ても本来の立場が逆な要求をする。
 ふてぶてしさも、ここまでくると感心できるかもしれない)
(だがこれだけ冗談を言えるほどには、彼女と親しくなったということだ。
 ほんの少し間を置いて、一瞬、年相応の幼い笑みを見せた)

ああ、その通りだ。
シュークリームを従志浪に要求したり、死にたくないと急に泣きわめいたりするあの子だ。

(どうやら間違いなく、二人の出会ったものは一緒らしい。
 幼い性格とはいえ、こなすべき仕事はこなしているのか。
 それはそれで面白いので、どちらにも黙っておこう)


(普段とは違った調子で名前を呼ばれる。彼女は今、《奏》家当主なんだろう)
(夕日に綺麗に照らされる髪を眺め、やがて上がった顔に視線を向ける)

ああ、さよなら。

(頷き、去り行く背中に小さく手を振った。後の姿も確認せず、自分もまた背を向ける)
(――――――何故兄が自分の前から姿を消したのか、その
 理由は訊かれなかったか。自分が知っているはずはないと思ったか、
 あるいは既に彼女は知っているのか。兄の行動で、今も自分の命が守られていることを)
(ただ、もし知らなくても、それでもいいと思った。
 簡単に教えるつもりはない。どうしても知りたいならば、その覚悟を示してもらう必要がある)

(きっと、彼女は兄との遭遇を告げた以上に揺れる。壊れてしまう
 かもしれない。それは嫌だ。あれだけ大言壮語を吐いたなら、簡単に消えてほしくはない)
(だから、それはいつか、彼女が心から望むか、受け入れられる
 準備ができた時に話そう。奏家のことも、紅裂拓兎のことも――――――)



【と、僕もこれで〆にしますね。三日間に渡るお付き合い、ありがとうございましたっ】
【いつ拓兎先輩の事を話すか考えましたが、結果として話さず+なつき度upになりました】
【そんなお楽しみはまたいずれの機会に回すことにします。
 またその時は、よろしくお願いしますね。それでは失礼します、お休みなさい。ノシ】
499奏 永久 ◆ONICNlGmhA :2010/07/18(日) 01:41:42 ID:N1j6fMVX
【見届けさせていただきましたっ、〆どうもですっ】
【うむうむ、存分になついてくれたまへ………そして拓兎のことを話したときの私の苦痛がっ】
【こちらこそ、三日間ありがとうございましたっ】
【楽しませていただいて感謝でありますっ!おやすみなさいませ、良い夢を〜】

【それでは私もコレにて、お疲れ様でした。失礼しますっ】
【以下空室となりますっ】
500名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 01:56:05 ID:94C3lAzO
500
501竜胆 凍 ◆5komEqYA0I :2010/07/18(日) 10:03:16 ID:y9qc0frZ
【待機…………プロフは>332】
502竜胆 凍 ◆5komEqYA0I :2010/07/18(日) 11:06:05 ID:y9qc0frZ
【待機解除】
503水鏡恭弥 ◆kyo/P7P7mo :2010/07/18(日) 13:08:27 ID:aLBzh/aj
【待機です。プロフは>>112になります。規制中の方は避難所も見てますので一声掛けて下さい】
504水鏡恭弥 ◆kyo/P7P7mo :2010/07/18(日) 13:58:17 ID:aLBzh/aj
【待機を解除します】
505竜胆 凍 ◆5komEqYA0I :2010/07/18(日) 14:10:23 ID:y9qc0frZ
【十分前……遅かった】
【まだ見ているようなら立候補したい】

【見てないようなら待機……】
506竜胆 凍 ◆5komEqYA0I :2010/07/18(日) 15:32:57 ID:y9qc0frZ
【待機解除…】
507あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 20:30:01 ID:m6rV4NEF
【ロールの再開に、失礼して場所をお借りいたします】
508紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 20:31:49 ID:pj9xxre3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1273681448/877の続きから

(跳ねるようにして走って、けれど少しも危機感が去らない。)
(一度足を止めて、あおいを地面に下ろす。)
(同じ逃げるにしても、考えなし走るだけでは体力の無駄遣いだ。)

…だよね。もしかして、閉じ込められたかな。
この桜並木、よっぽど人恋しいのかな。
(不思議そうなあおいの言葉に同意を示しながら、息を整える。)
(走っても走っても出口に辿りつけない。この場合考えられるのは……。)
(ひとつ。桜が人間に幻覚を見せており、走っているつもりになっているだけ。)
(ふたつ。桜の力によって空間が捩じられており、始点と終点が同じ場所にある。)
(みっつ。それ以外の事態。これは今考えても仕方ない――が。)

死んだ母親に会った。地面から手が伸びてきた。昔の街の光景を見た。
誰かが殺されたとか死んでいたとか、そんな話は無かったが、行方不明者はいた。
行方不明……神隠しとかかな。今、正に俺たちがそんな状態なんだろうが。
(屍たちが追走してくる気配もないので、改めて状況を整理整頓する。)
(この状態がずっと続けば、外の世界では行方不明になったも同然だ。)
(何も妖魔に食い殺されたとか、襲われたとか、そんな事は無くてもずっとこの場所に閉じ込めら)
(れれば、いずれ衰弱死するのは間違いない。飲まず食わずで耐えられるほど人間は頑丈ではない。)

――噂の桜の樹を探すしかないか。
こういう時は原点に立ち返るしかない…けど。
(そもそも枯れない桜の樹は一本だという話だ。一番古い巨木だ言う。なのに敷地に)
(踏み込んだ時には桜並木になっていた。そしてこのあおいが立っていた場所は……)
あおいちゃん、キミが立っていたあの場所、覚えているか?
悪いんだが、もう一度戻るよ。どうにも、厄介な事になってるみたいだ。
キミは、枯れない桜の樹の噂を聞きつけてここにきたんだよね。違う?
(噂を聞いた時点では、危険か安全か判定できなかったが、これは危険判定を下すしかない。)
(この空間から抜け出す為には、あの巨木を壊すなり封印するなりするしかないようだ。)

【ロールにお借りします。】
【容量がヤバイ、かな?480KBになったらスレ立て挑戦してみるってことで。】
509あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 20:41:34 ID:m6rV4NEF
>>508
(地面に下ろされ、反射的に足元に注意を向ける。現状、何かが襲ってくる気配はない)
(彼のいうように、どうにも彼らは「人恋しい」らしい。恋しいから結果、引きずり込む――とでもいうの、か)
……ひとこいしいから、返したくないのかもしれない。
だから、その人が願うものをみせて、そこにとどめようとする。
もしくは、無理やり引きずり込もうとする――いま、私たちのばあいは、無理やりのほう……。
(と、そこまで呟いてからハッとした。今はちいさい子の皮を被っている状態だと思い出して、
 とりつくろうように、すぐに怖々という様子で彼を見上げて、不安そうに近くに寄ってみせる)
―――まえ、そういう怖い話のほん、読んだよ?
(……ひじょうに、やりにくい)

…………さっきの、ばしょ?
覚えているけれど、この状況じゃただしい道をもどってもたどりつくか分からない。
でも、道はわかる……おぼえてるから。うん、今も咲いてる桜の木のはなし、聞いてここに来たの。
(覚えているか?と聞かれて、こくりと頷く)
(顔をきた道のほうにむけ、彼に見えないように自分の目を鋭くさせ――記憶をたどってみた。
 問題ない、この土地がそこに辿りつかせないつもりなら分からないが、道自体は、分かる)
あそこにもどって、どうするの……?
(走る準備はできている。さっき来た道の方に体をむけながら、上に首をむけて尋ねかける)


【本当に、であります。了解、480過ぎたレスを書いたほうがスレ立てを挑戦してくるということで】
【これでなる――でしょうか、どうでしょう。それでは、宜しくお願いします】
510あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 20:53:33 ID:m6rV4NEF
次スレ立ちましたので、途中ですが簡単に誘導を、です。

【異能】黄昏の学園29【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1279453880/
511紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 20:56:38 ID:pj9xxre3
――願うもの、ね。
(生首や屍の群れを、彼は望んだりはしないけれど。)
(だから、無理矢理引き止める為に――あんな事をされれば逃げたくなるのが筋だろうに。)
(彼女の言っている事以外にも、更に要因があるのかも知れない。)
まーあ、そう表現した方が詩的で情緒的ではあるかね。
(実際はそんな悲しい浪漫のある理由ではなく、人食いの桜の樹かも知れない。)
(人を誘い込み、衰弱死させて――けれどそれだと逃げられた人の事が説明できない。)
(――ああ、この陽気では思考も纏まらない。動機の追求より現状の打破を優先しよう。)
(不安そうに寄って来たあおいの頭を軽く撫でて、安心させるように笑う。)

うん、多分そうだろうね。
それでも、キミを置いて行くわけにはいかないし、ね。
(道を逆に辿っても、戻れる保証はない。あの桜が何かを仕掛けてくる可能性もある。)
(その場合、正直この子は足手まといでしかない。本当の悪人ならさっさと捨て置くのだろうが…)
桜に頼んで――まーあ、望み薄だけど、出してもらえるようにしてみるとか。
最悪、力づくになるかも知れないな。
俺の記憶力は全然当てにならないから、協力してくれるかな?
キミの事は、ちゃんと俺が送り届けるからさ。
(この少女を助ける理由も、義務も、意味もない。けれど、だからと言ってそれがあおいを)
(捨て置く理由にはならない。紅裂拓兎が悪人でも、彼女を見捨てていい理由にはならない。)


【スレ立て乙。ありがとう。】
512あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 21:06:43 ID:m6rV4NEF
…………。
(こちらを気遣うような笑みと共に頭を撫でられ、失礼ながら唖然としそうになった)
(いっそ、この場でバラしてやろうか。そんな考えがよぎるが自殺行為な気がしてやめておいた。
 ……本当に、彼は年下には優しいらしい。だから、だろうか――と数人の女性の顔を思い浮かべた)

……さくらに、たのむ?
(それが通じるのだろうか、という気持ちは子供を演じている今は表には出せない)
(だから、不思議そうな表情をつくりだした。今日一日でいらない表情筋をいっぱい使っていると思う)
―――――。
(逡巡する。それが得策かどうかは分からない)
(だが、この格好でここに捨て置かれるより、一人ここから逃げ出そうと試みるよりも、
 現状ではそれの方が良いだろう――そう判断して、彼の方を見上げる)
わかった。
こっち……ほとんど一本道だけれど、―――本来の道のままなら、
途中の分かれみちを、みぎがわ……、そのまままっすぐ――いってから、……。
(がさ、と何か音がした気がして途中で口をつぐむ。じっと茂みの方をみつめてから)

とりあえず、いそいだほうが……いい?
(あらためて彼の方に視線をもどす。こっちだ、というように服の裾をひっぱって先を指さした)
513紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 21:25:37 ID:pj9xxre3
はいはい、ナビゲートよろしくね。
無事に出られたら、アイス買ってあげるからね。
(あおいに導かれるようにして、歩き出す。そして労働には報酬を約束する。)
(子供の手前穏やかな表現を使った物の、実際は頼んでも無駄な公算が高い。)
(やはり壊すしかないか…なんて胸中で考える。具体的には水晶漬けにするという意味だ。)

ああ、急ごうか。
あおいちゃん。何が起こっても俺の傍離れないようにね。
泣いたり驚いたり喚いたりしないように。
(何が起こっても不思議ではないくらいの気構えで、事態に備える。)
(最も、この子は見た目以上に利口な子供らしく、パニックになって無用の事態を引き起こす)
(事はなさそうだった。親の躾がよいのだろうか。落ち付きのある良い子、というイメージだ。)

そう言えば植物って動けないから、外敵から身を守る為に生き物に有害な毒素を放出するとか。
それが原因で人間がバタバタ自殺を誘発されるって作品があったな。タイトル忘れたけれど。
――ごめん。今の無し。歌でも歌うか?
(緊張を解きほぐす為、歩きながら話題を探ってみるのだが、どうにも物騒な事しか浮かばない。)
(ユーモアを忘れた国は戦争に勝てない。ユーモアはリラックスを呼び、リラックスは柔軟性を生む。)

あっるっこー♪あっるっこー♪わたっしはげんきー♪
(歌いながら一本道を歩き、樹の根を避けつつ、分かれ道を右に曲がって……)
(手に剣や槍を持った戦士たちがそこに待ち受けていた。その数、5人。)
(屈強なる戦士たちの匂いを、紅裂拓兎には感じ取れた。桜の送り込んだ刺客らしいが…)

ああ、覚えてる。昔、俺が。
…あおいちゃん。ちょっと、我慢してるんだ。
(昔殺した退魔士だとは子供の手前、言えなかった。覚えている。昔戦った戦士たちなのだと。)
(記憶から再現しているのだろうか、それとも…考えている間に、突進してきた。)
(彼はあおいを抱え上げて、ひらりひらりと突きと斬撃を避けて、隙間を縫うようにして突破しようとする。)
514あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 21:37:35 ID:m6rV4NEF
(――とりあえず、アイスは貰っておこう)
(そんな現金な考えをしながら、彼の注意に素直に頷いておいた。聞きわけのいい素直な子が、
 いまの自分なのだ。普段ならば適当に軽口の二つ一つ返していただろうが、そんなことをしてみろ。バレる)
……それ、えいが?
だったら、しってるかも――、しょくぶつにはまわりにあわせて生態をかえるちからがあるっていうなら、
さくらもおなじって、おにいちゃんはいいたいの……?
(12歳ってどこらへんの知識までもっていていいのだろうか)
(そんなことを考えつつ、――……物凄く子供向けな気がする歌をうたいだした彼をぎょっとして見つめる。
 こ、ここは一緒に歌うべきなのか?歌うべきだろいうのか?
 そんなことをぐるぐる悩みながら、道を進んでいたところで――気配に顔をあげた)

(禍々しい雰囲気)
(見覚えのない人間だが――いでたちからして、あきらかに物騒極まりないのは分かる)

――――。
(殺したか、戦ったか、何か)
(「俺が」――という続きを頭の中で想像してから、口には出さずに頷いただけ。
 それから、浮遊感。再び抱きあげられたのを確認すると、なるべく邪魔にならないように、と
 抵抗もせずにいた。だが、片手はこっそりと隠し持っていたスローイングダガーを一本だけ握りしめている)
(こちらに手が伸びてくれば、裂いてやろうという気持ちで)
515紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 21:51:10 ID:pj9xxre3
(剣風が肩を掠める。髪が千切れて舞う。)
(小柄とは言え、人一人抱えて動きつづけるのは困難だ。)
(殺意を持った攻撃を避け続けながら戦うのは、不可能だ。)
(だから逃げる。あおいを庇いつつ、肩で押し退けながら、強引に突破する。)
(斬!避ける。閃!避ける。突!避ける。打!避ける。)
(裂けた肌から血が零れおちる。だが薄皮一枚の傷だ。)

―――!!
(回避を続けている間に練り続けていた魔力を足元から放出し、水晶の槍と壁を地面から)
(生み出す。まるで墓標のような水晶の群れが戦士たちの動きを鈍らせた。)
(その隙に駈け出して、逃げる。一目散に逃げ出して、どうにか捲いた。)

ふー。ごめんねあおいちゃん。
振り回しちゃったね。大丈夫だった?
(急速な回避運動を続けていた為、腕の中のあおいを気遣う余裕が殆どなかった。)
(幸い、重力の変動でブラックアウトすることはなかったようだが。)
(――まさかこっそりダガーを忍ばせているくらいしたたかな女性だなんて思ってもいない。)

ああ、言うのが忘れてたんだけどね。
俺、超能力者なんだ。
(先ほどの水晶を生み出した事をつっこまれる前に、自分から暴露する。)
(相手が子供だという事も踏まえて、通りの良さそうな呼称である「超能力」を採用した。)
(もっとも、呼び方は違ってもどちらも本質を突いた言葉には違いない。)
516あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 22:02:20 ID:m6rV4NEF
(戦いの中。自分に被害はないのだが、少し離れた自分の外界はめまぐるしくかわり、
 ――まるで、台風の真ん中にでもいる気分だった。彼と共にぐるぐる振りまわされて、
 少々酔いそうでもあったが、どうにかダガーを握りしめて戦況を伺うことはできた。取り落とさなくて良かった)

(それにしても――、本当にこの男は戦いに関しては長けている)
(ここまで間近に、そしてこんなにもじっくりと観察する余裕を持ってみられる事は無い。
 彼が肩を怪我したと言うのに不謹慎ではあったが、じっくりとその戦いぶりを観察させてもらった)
………―――。
(そして、そっとまだダガーを衣服の中に忍び込ませ直す)
(本当に相変わらずと敵に回したくない戦いっぷり、と嘆息しながら――動きも、何も、闘う者のソレだった)

……大丈夫。
(はー、と大きく大きく溜息をついてから、首を振る)
(それから、少しだけ弱々しくそう返して――ふ、と彼の肩もとに視線をやったところで)
…………。
(超能力者だと暴露されて、一瞬「何を今さら」という表情をしそうになったが、
 そういえば今の状況は――、と思い出してから、懸命に表情にびっくりした顔をつくるように命令を出す)
おにいちゃん、すごいんだね。びっくりしちゃった。
………肩、だいじょうぶ?
(……ほんきで、やりづらい。そしてこの男、小さい子には本当に優しい。
 「自分」だったらこんなに優しくしないのに――いや、小さい子に優しいのは普通だけれど、でもなんというか、なんというか)
517紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 22:18:15 ID:pj9xxre3
ああ、これくらい平気。慣れてるからね。
まーあ、あおいちゃんも平気でよかったよ。
(――意外とリアクションが薄い。「何を今更」とその眼が語っている気がした。)
(表情もやはり演技臭い。さっきから何度も思い出すのは、やはり媛名葵の面影である。)
さっさと進もう。あんなのは何度も出来る事じゃない。
誰か庇いながら戦うのは、本当は苦手なんだよね、俺。
(…まさかな、なんて思いつつ傷口は珪素繊維で強引に塞ぐ。)
(服の上からなので、あおいには何が起こったかわからないはずだ。)

それにしても、あおいちゃんは度胸があるねえ。
こんな事になってるのに、俺の事何も聞こうとさえしないし。
(それはそれなりに知っているからなのだが、紅裂拓兎がそれを知るはずもない。)
(桜並木を潜りぬけて、更に進んでゆくと――突然それは現れた。)
(みんなが、楽しそうに花見をしている。その光景の中に、一組の男女があった。)
(短い髪の、溌剌とした女性と、その弟と思わしき男の子が花見をしている。)
(ふざけ合いながら笑って、弁当を広げている。)
(それが誰と誰であって、何の記憶かなんて、わざわざ思い出すまでもない。)

……行こうか、あおいちゃん。
(じっと、物悲しげな眼でその光景を見つめ続けて。)
(それだけ言って、その光景から眼を逸らして歩き出す。)
(姉と、最後に花見をした時の光景を尻目に、何もかも切り捨てるように歩き続ける。)
(幻のように――実際幻だったのだが――その光景はあっと言う間に消えた。)

…なるほど。大体わかってきた。あおいちゃんが言ってたように、楽しかった時の光景を再現して
引き留めようとしているのかな。ただ、敵として認識して、排除しようとする意識もあるみたいだね。
桜の意識ってのがどういうものかはわからないが……人間みたいだな。なんか。迷ってるのか?
んー、あおいちゃん。キミにとっての楽しい事とか怖い事がそろそろ出てきそうだけど…我慢できるか?
(現時点で判断できるのは、幻の再現度はかなり高いこと言う事だ。)
(現に、幻と戦って傷を負ったのだ。再現度の高い幻覚は、人の心と身体に影響を及ぼすと知っている。)
(それなりに修羅場をくぐった自分はともかく、あおいの方は大丈夫なのかと不安だった。)
518あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 22:29:15 ID:m6rV4NEF
……泣いたり驚いたり喚いたりしないように、っておにいちゃんがいったから。
だから、黙ってるの――、……いろいろ、きいても、いいの?
(好奇心にみちた目をむける――フリをしながら、首を傾げる)
(が、そんなことをしているところで、目の前に人の気配、というよりも人影が見えた気がして、
 思わずそちらに目をむけた。……お花見をしている男女――、あれは、もしかして――)

うん。
(――そう勘繰ったところで、彼の声で現実に意識を戻す)
(まるで見たくないとでもいうように歩みを続けている彼の反応からして、自分の想像は正しいのだろうか。
 一度だけ振りかえり、あの光景をもう一度見ようとした。――だが、すぐにその光景はかき消えて)

たのしかったときの、こうけい。
……まよってるの?てきとしてみるか、ひきこむか、迷ってるっていうこと?
(彼の意見を促すように、そう言う。瞳に少しだけ思案の色を宿しながら、彼女も彼女なりに考えて)
―――楽しいこととか、怖いこと……?
うん。大丈夫……でも、――あんまり、みないで、ね……わたしも、なるべく、見ないようにするから。
(というか、自分の姿が出てきた場合これをどう言い訳すればいいのだろう)
(むしろそういう意味でドキドキしながら、左右に首を振る。……何が出てくるかも、不安であったが)
…………ふたりで、目つぶってちゃ、だめ?
(そんなことを言いながら進んでいった先に――淡くみえる灯りは、……ぽつんとたつ、屋台のあかり。
 色々な小物が売ってあるそこの前に、ちいさなおんなのことおとこのこがいて――、
 男の子の方が、鈴を買って女の子に渡している。黒い瞳と髪の、表情の乏しい女の子に対して、
 どこか元気そうな印象をもたせる男の子がにっこりと笑っていた)
519紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 22:38:50 ID:pj9xxre3
植物の意識の在り方は、人間と違うって話だけどね。
多分、まよってるんじゃないかなって…
真相は、神のみぞ知るって感じだけど。
(神さまだなんて言葉はあまり好きではないが、こんな時は便利だ。)
(次に待ち受けていた光景は、何処かのお祭りの光景だった。)

――夜のお祭りか。楽しそうだけど。見ちゃだめなのか?
まーあ、俺は別にいいんだけどね、どっちでも。
(色々な小物が売ってあるそこの前に、男の子と女の子がいる。)
(男の子の方が、鈴を買って女の子に渡している。表情の乏しい女の子は多分あおいだ。)
(愛らしくも、活発そうな印象の男の子が、にっこりと笑っていた。)
ボーイフレンドか何かかね?
…おっと、追求はしないでおこうか。ごめんね。
(出来るだけその光景を見ないようにして、目を逸らして歩き続ける。)
(何気ない光景だったけれど、とても大事な光景なんだろうと、漠然と感じたから。)

(歩き続けて、次に待ち受けていた光景は―――首を傾げるしかなかった。)
(一組の男女が刃を向けあって対峙している。)
(黒いスーツの男性。右手首には銀色のブレスレット。小太刀を巧妙に操っている。)
(髪の長い女性。何処かで見覚えのある顔立ち。燐光を放つ剣で応戦している。)

なんだ、これは?
(紅裂拓兎の記憶に、こんな光景は無い。)
(必然としてこれもあおいの記憶から再現された光景であろうと察するのだが――)
(ふと、そこで、これは本当に単なる幻覚なのかという疑問が横切る。)
(男と女は何か言い争っている。冷たい殺意と、どろりとした感情の塊をぶつけあっている。)
(不思議な光景だった。二人は真剣に殺し合っているのに、誰よりもわかりあっているかのようだった。)

――未来、視?
(ぽつりと、そんな言葉が突いて出る。これはこれから起こる光景なのか?漠然と、そんな気がした。)
520あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 22:46:45 ID:m6rV4NEF
…………――。
(少女はしばらく、その光景を見ていた)
(そこにいるのは確かに自分だった。あの浴衣も、覚えている。自分のものだと覚えている。
 ――だけれど、その光景は、記憶になかった。否、記憶にないというよりも、思い出せなかった。
 見たことがあるような気がする。懐かしい光景なような気がする……でも、あれは、――いつのはなしだ?)
(どんなに探っても、出てこない。あの時の、鈴は―――なに……?)
―――――うん、ついきゅう、しちゃ、だめ。
(頭がズキズキする。額を押さえながら……、彼には恥ずかしがっているように見えるといいけど、と
 そう思いながら目をつむった。楽しかった記憶のはず、だ。でも、どうしても、それが思い出せない)

(―――きもちが、わるい)

(だが、それ以上に目を疑いたくなる光景が、自分の目の前にあった)
(ひとりは見たことの無い女性。だが、その女性の手にあるソレと、もう一方の男性は見たことがある――)
――――ッ…。
(彼にバレないように、ちいさくちいさく息を呑んだ)
(おもわず彼の服をぎゅっとつかむ。つよく、つよく、握りしめる――だが、どうしても目をそらすことは出来ず。
 「未来」という紅裂の言葉で、余計に確信がふかまって……目の前の女性は、殺気を向けながらも微笑んでいて)
…………これは―――、
(ゆっくりと顔をあげて)
――おにいちゃんの、こわいこと?わたし、……なんだかすごくこわい、けど、
……わたし、このひとたち、知らないよ?
(不思議そうな顔をできていたかは分からない。でも、頑張って表情をつくったつもりだった)
521紅裂拓兎 ◆upSAKE287c :2010/07/18(日) 22:59:48 ID:pj9xxre3
女の方には見覚えがある――んだが………
あの腐った蜜柑がどうなろうと、千年先の未来だろうと知ったことじゃないんだが。
(あおいの硬い言葉。硬い表情。それに釣られるように、こちらの言葉も硬くなる。)
(意図的にくだらない事を言って、次にあおいのほっぺたを両手で包む。)
あおいちゃん。キミはああいうことになったら駄目だよ?
多分、そういう意味なんじゃないかな。反面教師的な意味で。
(むにむにと頬を引っ張って、強張りを解きほぐそうとする。)
(当然、そんなはずはない。もっと違う意味が込められている。だが、今は追求する時ではない。)
さっさと行こう。
そろそろ我慢の限界だし、真相を追求しようか。
(媛名葵に似ているが、あの女はここまで冷たく笑っただろうか?)
(――だとしても、解せない。何もかも解せない。だから、真相が知りたくて前に進む。)

(そして辿りついた、樹齢千年を超えるであろう巨木の桜。)
(ザンザンと、桜が身震いするようにざわめいて花を散らす。)
がっ――なっ!くぅ……!これ……は……
あ、あおいちゃん!キミは何も考えるな!
(思わず膝を着く。脳味噌に直接たたきつけられる情報の渦。頭が軋む。)
(この重圧、子供の脳味噌で耐えられるはずもない。大人でも耐えられない。)
(それでも、彼は反射的に言語としてその情報を変換する。)

(――桜はずっと人間の笑顔を見ていた。春が来る度に人間の笑顔が向けられるのが)
(嬉しかった。だから終わらない春を望んでいた。その願いが生き物としての限界を突破させた。)
(桜の願いはこの周辺一帯の時間を循環させて、終わらない春を作り出した。)
(しかし、それはこの世界の法則からすれば、歪みでしかなかった。)
(世界の法則を打ち破るほどの力はなく、だが歪みは拡大を続けて――そして怪異が起きた。)
(循環する時の流れの中で、過去と現在と未来が交錯して――それは怪異を生み出し続けた。)
(人を幻覚で招き寄せて、時に過去や未来を見せて、時に贄として糧にして――桜は狂っていた。)
(ただ、みんなの笑顔が見たかっただけなのに、その願いは間違っていたのかと悲嘆し、狂ったのだ。)

あっ…ああっ………なんてこと、だ……
(力なく呻いて、紅裂拓兎は滂沱と涙を流していた。)
(理解した。この空間で起こっていたことを。桜の悲しみを。肌で刻んだ。だから泣いた。)
522あおい ◆YJKujNK4t6 :2010/07/18(日) 23:11:51 ID:m6rV4NEF
(頬をむにむにされて、思わずぎゅっと目をつむった)
(身内以外の人間にこんなことされたの初めてだ。太一朗さんはもっと優しくつつんでくれる。
 だが、なんとなく悪い気はしなかった。いまは、その手がありがたかった。
 あの光景は、キツい――キツすぎた。怖かった、……たぶん、自分がいま、一番見たくない光景だったから)
(あれだけは、駄目だ……嫌だ、嫌いだ)
――――。
(だから、無言でうなずく。真相などみたくはないが、はやくここから抜けだしたくはあった)


―――――――ッ……!
(だが、進んだ先。わめくようにさけぶように揺れるその巨木が散らす花びらが頭にかかる。
 だが、その瞬間だった。
 彼の声もおぼろげにしか聞こえないほどに、酷い痛みのような感覚が頭を襲ったのは。
 脳が、破裂しそうな――まるで無理に、半端ないものを脳のなかに詰め込まれたような、感覚)

(―――意識が吹き飛びそうになったしゅんかん)
(「さみしい」――と、そう聞こえた気がした。「ただ、彼らとともに在りたかっただけなのに」、と。
 そして、ようやくと頭にかかる重圧が退いたとき。
 そのときには自分の体が地面に横たわっていた。浅く呼吸する――意識は失わなかった、らしい)
……どう、したの?
(体を起して、痛んだ頭をおさえる。彼女には映像や言語は見えなかったし読み取れなかった)
(いつもならばできたかもしれない。だがこの小さな体では無理だったようで)
―――さみしいの?
(ただ、聞こえた言葉だけ、を口にして)
523紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
(巨木が身を捩るようにして花を散らす。寂しかった、悲しかったと応じるように。)
(長い時間を掛けて意識を宿し、更に長い時間を掛けて力を得て――)
(けれど、出来たのは人を傷つける事だけだった。)
(それが何よりもかなしいのだと。)

……お前の願いは、別に間違ってたわけじゃない。
ああ、何も間違ってはいなかった。気持ちも、方法も、何もかも。
ただ、間違った事してなくても、どうしてか歪んでしまうんだ。
この世界では、人の祈りも願いも、どうしてか歪んでしまうんだ。色んな理由で。
(倒れたあおいを抱きかかえて、樹に向けて語りかける。)
(流した涙の後は隠せなかったが、もうどうでもいい。)
(同情とか憐憫とか、そんな言葉もどうでもいい。剥き出しの心がそこにある。)

俺だって、幸せになって欲しかったさ。
けど歪んでしまった。だから……だから…っ!
もういい……終われ。終わってしまえ。
俺が、終わらせてやる。お前の悲しみを。眠れ。終わらない春を想いながら。
(あおいを背後に押しやりつつ、魔力を出力最大限まで高めて、放出する。)
(珪素の粒子がきらきらと煌めいて渦巻いて逆巻き、舞い散る花弁と共に)
(巨木を覆ってゆく。水晶で出来た柩が、瞬く間に時間を凍結させて、命を停止させた。)
(もう花弁は舞わない。何もかも停止した水晶の中で永遠に凍りついている。)

(――ばりんとそれが解けた時、二人は枯れた桜の樹の前に立ち尽くしていた。)
(何もかもが、泡沫の夢のように溶けていた。ただ、地面に残った花弁と水晶の破片だけが真実を語る。)

ありがとう…か。
まったく。礼を言われる筋合いもないけど、な。
(――最後に二人に届いたのは、気持ちをわかってくれた少女に対する感謝と)
(終わらせてくれた青年に対する感謝。そして犠牲にした人々に対する謝罪の言葉だった。)


【そろそろ〆の段階かな。】
【後日談として、体育館裏で…という感じで大丈夫か?その頃には元に戻ってるから。】