……お前は一体何をしているのだ。
(木の枝が小さく揺れたと思えば、いつのまにか少女が座っており)
(吊るされた男を見下ろしながら呆れ顔)
【邪魔するよ。時間的に雑談しかできんがな】
【喜んで。お相手お願いします】
・・・んお?
(きょとん、としている)
(何時の間に居たのか分からないので驚いているのだろう)
やーやー見た目愛らしいお嬢さん、助けて
(満面の笑顔で助けを請うプライド0)
いやあ、上を向いて歩いてたら何時の間にか天地が入れ代っててねえ…
流石の俺も吃驚してたところでさ〜
(頭掻きながら戯言をぬかしているが、
どう見ても稚拙な罠にかかった駄目男にしか見えない有様だ)
【こちらこそ、お相手お願いしたい。我のことは
>>23 を見るとよい】
【挨拶もそこそこに始めてしまい済まなかった。時間が経っていた故、遅くなれば入れ違いになると思ってな】
くく。愛らしい、とは結構。よく口の回る奴だな。
(微笑を浮かべながら男を見つめている)
しかし、こんな子供だましのような罠に引っかかるとはな。お前は子供以下か?
(枝から垂れ下がる綱を、足で揺らし始める)
(ゆらゆらと男が揺れ始めるが、それだけでは綱は切れそうにない)
水晶玉で見ていたが、お前、だいぶ長いこと吊るされているだろう。
まさか、我の他には誰も来なかったのか?
【いえいえ、お気になさらず】
あれ、誉められてる?
でも思った事を言ったまでで、俺って正直者だから〜
(正直者の悪魔とかアイディンティティーの欠片もない)
子供以下……いやあ、こう、あれだよ?
10段の跳び箱が跳べる様になると一段の跳び箱が跳び難くなるみたいな?
何かの達人がド素人と戦うとまぐれ当たり貰っちゃうみたいな?
(例えが非常に分かり難い)
あー…もしかしたら気付かなかっただけかもねえ
四六時中起きてたわけじゃないし?
(ぶらんぶらん揺られながらのんびりしたものである)
(この状況に慣れきっているんだろう)
…っていうか見てたの?
特に誉めたつもりはない。お前は当たり前のことを言っただけだろうに。
(けらけら笑う。鋭い牙を剥き出しにした笑みを見せた)
……よくわからん例えだな。そもそも「とびばこ」とは何だ。
お前の世界に存在する玩具か何かか?
(魔界には特に縁のない器具のためか、魔界育ちのお嬢様は首をかしげ)
その割には、お前は何かの達人には見えないがな。それともまさか吊るされることの達人か?
このままでは銘が本当に 「吊るされた魔人」 になってしまうぞ。
(にやりと笑いながら、冗談には聞こえない冗談を)
ふん。見ていたよ。変な奴が変なことをしていると思ってな。
誰かが助けると思っていたが……お前は運がないな。
(木の枝から飛び降りて、地面にふわりと着地。すると目線がちょうど男と同じくらいになった)
たはは、それもそうか
(一本取られた、とでも言うかのような笑いと表情)
うんうん、チラリと見える犬歯もキュート
あり、跳び箱知らんの?
(なんせ此方は魔界暮らしの日が浅い)
(ヒトからすれば気の遠くなる年月だろうが、
その殆んどを隔離された場所で過ごしてきた身である)
なんて言えばいいか…運動器具の一種だよ、うん
確か似たようなものが何処かの部族の成人の儀式に使われてたような……
(因みにそれは結構な高さの岩壁であり跳び箱とは一切関係ない)
いやな銘だ…さっきまでは格好良いとか密かに思ってたけど
自分以外から言われるとスゲェ情けない響きじゃん
(ぶらぶらしながらゲンナリしている)
あっはっは!でなきゃこんな事には、そもそもなってないもんなあ〜
(酷くおかしそうに大口開けて笑う、コロコロとよく表情が変わる)
ちらりと見える……こうか?
(ニイッ、と笑ってみせれば、犬歯どころではなく全部の歯がギラリと光る)
(可愛さより恐ろしさを与える笑い方だった)
運動器具か。我には縁のないことだ。特に面白そうなものでも無さそうだしな。
(説明されて途端に興味が失せてしまったらしく。インドア派なのだった)
クク……銘は自ら名乗ることから、か。お前自身が気に入るモノが付くと良いな。
我の銘は、そろそろ飽きてきた。新しいものが欲しいところだな。
(ゲンナリする相手に反比例するように、こちらは愉快そうに笑って)
では、その運の悪さを呪うがよい。我は優しく下ろしてやる気は微塵もないぞ。
(ニヤリと笑うと、木の根元の方へと歩いて行く)
(ブーツで幹の具合を何度か確かめると……)
……ふん。
(幹を蹴りつけると 『グシャアッ!』 と酷い音がして、木全体が倒れていく)
…いやそれはちょっと台無しな感じが、うん
(露骨に顔をしかめる)
(恐怖よりも可愛い顔なのに勿体無いという煩悩が遥かに勝った結果であった)
まあ面白いかと聞かれれば…地味だからなあ
確かに興味をそそるものじゃないかもね、一般的に
(全面同意し頷く)
いやはや全くその通りで…え、銘って新しく付け替えたりするもんなの?
(一品モノで変更の利かないものだと思ってたらしい)
ってうおおおおおい!?
(銘の話に気を取られ気がついた時にはもう静止できるタイミングではなく)
(メキメキと音を立て木が倒れていく)
(徐々に速度を増して倒れる木)
(位置関係上遠心力やら何やらで大きく振り回されるヘッポコ魔人)
(その結果…)
めぎどっ!?
(ドゴシャァッ!!と豪快な音と共に魔人の体が大地に叩きつけられた)
(顔面から豪快に叩きつけられたが右足の拘束はそのままだったりする)
(随分頑丈な紐っぽい何かである…)
台無しとは心外だな。魔人ひとり恐怖に震え上がらせられんとは、我も鈍ったか。
(相手の言葉に不機嫌そうに呟く)
(さすがに殺気も何も込めていない以上、震え上がらせるにも限界はあったらしい)
ふん。まあ、何とでもなる。位が上がったり能力が増えたり……その度に銘も変わっていくだろう。
我にとっては銘などただの愛称よ。
有っても無くても良いが、ある以上は気に入った銘で呼ばれたいところだな。
(語りながら木の幹を蹴りつける)
(少女の力では折れそうにもない木があっけなく折れるのは、それだけ力が強いという現れだった)
…………大丈夫そうだな。
とりあえず下ろした。後は自分で拘束を取るなり家に帰るなり自由にするが良い。
(顔面から着地した男のそばにしゃがみ込んで、指で男の頭をつつきながら)
いやだって勿体無いし
震え上がらせるならこう何と言うか…もっと妖艶に?
(ベクトルの違う震えだと思われる)
た、ただの愛称…そ、そういうもんかねぇ
(頭をつつかれ手足をピクピクさせながら呟く魔人)
(色んなものが崩れ去ったようである、物理的にも精神的にも)
…家に帰ると言っても帰る家なんぞ今はないんだけどね
拘束の方はまあ、なんとかなる気がしないでも
妖艶……妖艶か。というか、我は妖艶では無いのか? 結構良い線はいっていたと思っていたが。
(腕を組みながら自身満面の笑みを浮かべるが、いかんせん幼さは抜けきっていなかった)
(服のせいか腕を組んでいても胸はさほど強調されていないし)
そういうものだ。なんなら、公爵である我がお前に愛称でも与えてやろうか?
(ぴくぴくする魔神を前に楽しそうな笑い声をあげる)
ほら、下ろしてやったんだ。もっと喜ぶが良い。
それとも、頭かどこかを打ち付けたか?
我は気分がよい。館の者を呼び出して看病してやっても良いのだぞ。
(くすくすと笑い声が漏れていく)
【さて、そろそろ時間だな。我はもう少しで失礼するとしよう】
んー可憐とか愛らしいかな、うん
妖艶はちょっと畑違いかなー…と
(評価時のコメントは容赦なかった)
妖艶さにはスレンダーよりグラマラスっしょ、うんうん
(ひとりで納得している)
何だかものすっごく楽しそうなのは理解したけども…
(顔を上げ膝立ちに)
愛称も看病も謹んで辞退しときます
……なんか嫌な予感がするからなあ
(本音駄々漏れであった)
【こんな時間までお付き合いありがとう】
ふむ。この男は下ろさない方が良かったか。
だが他に吊るせそうな木は無いし……運が良かったな、「吊るされし魔人」よ。
(少しだけ、といっても魔人程度をビクつかせるくらいには丁度いいくらいの殺気を込めながら相手を睨みつける)
(食ってしまおうかとも一瞬思ったが、お腹を壊しそうなので止めておくことにした)
我の好きな銘を付けられるのだ。これが楽しくなくて何だろうな。
ま、今すぐ思いつきはしないか……銘は後で与えるとしようか。気が向いたらな。
……我の好意を無為にするか。お前は自分の立場をわきまえたほうが良いぞ。
我の屋敷にはお前の好きそうな淫魔の類も大勢いるのにな……残念なことだ。
(にやにやと笑いながら立ち上がった)
さて、我はそろそろ屋敷に戻るとしよう。
一時の暇つぶしにはなって楽しかったぞ、「吊るされし魔人」よ。
(にやりと笑うやいなや、少女の姿が黒い霧へと変化する)
(霧は倒木に吸い込まれるように消えていき、荒野には青年が一人残された)
【それでは、我はこれで〆にしよう。お前の〆を確認したら失礼するよ】
え、何それ酷いって言うか怖いんですけど、わりかしマジで
(効果は抜群だったようで、ようやく立ち上がった魔人は若干へっぴり腰である)
銘かぁ…いや周囲から自然と呼ばれてつくもんだと思ってたからなあ
まあ確かに自分で名乗ったほうが都合がいいのかな…ううむ、深いぜぇ
(単純な事を複雑に考えているようである)
……物凄く後ろ髪を引かれるんだけどねえ、何か裏がありそうで
(当然と言えば当然ではある、何せ此処は魔界)
(因みにこの魔人が自力でピンチを脱せないのは先刻見たとおりである)
(そんなわけで警戒心は強い、注意力は散漫で女の子に目がないが)
いやー、こっちも助かりましたって完全に『吊るされし魔人』がデフォ銘になってません?
って行っちゃたよ…あー
……また会えるかなあ、そういや名も名乗ってないし
(一人残された荒野でポツリと呟いたそうな)
【と言う訳で之にて〆とさせていただきます】
【お付き合いありがとうございました!】
【うむ。こちらこそ、お相手感謝する。楽しかったぞ】
【前々から話してみたいと思っていたしな、機会があって幸いだ】
【我はこれで失礼する。またの邂逅まで】
【スレも返す。じゃましたな】