(紅裂拓兎はその話の間、自分を見なかった、誰も見なかった。
省みているのかもしれない、自分のしたことを、罪と呼べるその所業の数々を
そうして語られたのはヒトゴロシの罪を重ね続けてきた歴史――
――その話の最後を締めくくったのは…………
…………ワタシノキライナアノカオダッタ)
(わかった………だから浮かべるということが。この男は人を殺すたび――でないこそ、大量の人を殺してきたのと
同様の数その人だけでなく自分の心も殺た。
殺人を許容できるものなんていない――それは殺人を犯すもの自身もだ。
中にはそれを罪と思わないものもいるけど――――少なくとも目の前で自身の所業を自嘲するこの男は違う…)
じゃあ…………なんで、ですか………。
(あの顔の意味はわかった………わかったからこそわからない。何故、ナニが、どうなって、こうなってしまったのか。
そう、彼は話していない最後の、自分がもっとも知りたいものに)
何があってそんなことしたんですか!
貴方の眼、行動………全部おかしいです!貴方はそんな事をするような人じゃありませんなんてきれいごとは言わない。
けど、簡単に人を虐殺できるような人でなしなら何で…………
何で私にあんなにやさしいの?!
何で貴方を語る人たちの顔はあんなにやさしいの?!
貴方に何があって、敗残兵の姿を野ざらしにしたままいま尚望んで矢に撃たれ様としてるんですか?!
(言った………自分は約束した、誰にでもない自分自身に。
覚悟もした揺れるな……畏れるな……哀れむな……望んでいるのは他でもない自分だ。
忘れない、忘れはしない。目の前にいるものがどれだけ罪を重ねていようとも自分のよく知る人物の犯人だろうと
この男は、紅裂拓兎は自身の支えになってくれた、何度も心を救ってくれた――――)
教えて………お願い………拓兎――――
(縋るように……いつもの癖でつけてしまいそうになる「お兄ちゃん」の単語を飲み込んで)
【反応遅れて申し訳内ですっ】
【ええと、了解です。とりあえず金曜におねがいします
置きレスの件も了解しましたっ
全部問題ないですっ】