うん……本当に。
やっぱり、音も大きく響くわね……壁や屋根が抜けてしまうんじゃないかって不安になる位……。
(やはり寝付けないのはルミエールも同様だったらしい。
雨音にまぎれる位の小声だったにも関わらず、間髪をいれずに返事が返ってきた)
砦は……ほら。雨どころか、矢や投石機が降ってくる事を想定して作られているから、ね。
(軽口を返しながらも、腰を抱き寄せれれば、此方からも身を擦り寄せ様にして
ルミエールの肩辺りに額を当てて)
……本当、なんでかしら。
砦とは違うとはいえ、きちんとした建物の中にいるのに……雨や風の音って、
何だか妙に心を不安にさせる気がして……。
(夜闇と、干した衣類の揺れる影が落ちる薄墨色の視界の中、言葉を肯定する様に
不安げに揺れる漆黒の瞳でルミエールを見上げる)