そんな話は聞いてなかったがな、いいや。
(別に、どの部署にどんな新人が来ようと別に関係はない)
(この施設の中で直接彼女に関わる人間なんて、日々の担当を除けば両手で足りる)
これが超能力というやつだ。知らないわけでもあるまい。
(喋りながらコアブロックが前進し、そこで一度振り向いて)
外界作用因子特化型被験体第11号、アラネスだ。
(スクリーンが消えて、洒落っ気一つない真っ白のシャツを着た姿が現れた)
ああ、そうだ。一応お前の名前も聞いておいてやろうか?
(見下すような視線で、酷く偉そうに言う)
(何も知らない新入り相手なら、威張り散らしてみてもいいだろう)
(それで、気晴らしはできるだろうと考えて)
あ〜、そうですか? おかしいですね…
(とりあえず立ち上がって)
…ええ、存じていますよ。研究すべきものを知らないはずがありませんから…
(超能力、という言葉。やはりここでは超能力者の研究をしていたらしい)
が、がいか…? ええと…アラネスさん、ですね。
(なにやら長い名前だったが、11号、ということから、前の部分は名前ではないと判断して)
(見ると、八面体の中に一人の女性が居る…かなり背は小さく、10代前半ではないかと思えるほどだが、
その年齢層の人間とはまるで違う雰囲気を纏っている…おそらく3割ほどは口調のせいだろうが)
私は、ええと…アイザック…アイザック・シモンズと言います。
(今自分がなっている人物…その名を答える。勿論、そんな人間は現実には居ない)
ふん‥俺は避難所に行けないからな‥できれば向こうでやってほしいものだ。
それより、継未はどこだ?
アイザック、ね。気が向いたら覚えておくよ。
(日本人風の顔には似つかない名前。ただ、それに対する違和感を感じるような)
(人生経験は彼女にはなく、とりあえず言われるがままに頷いた)
そう、外界作用因子特化型。Type-Bなんて言い方もされてるよ、ここではね。
……で、一体何を見て行きたいんだ?何も分からないなら、適当に私が案内してやるがな。
(施設の中はそれなりに広い。行ったことのない場所はないが、あまり道に詳しくないところもある)
(地下の施設ともなればそれは尚のことで、コアブロック内のスクリーンに地図を映し出しながら)
(こういう散歩も悪くはないなと内心小さくほくそ笑む)
(そんなことを話しながらしばらく移動している)
(時折研究員などとすれ違うこともあるが、彼女と一緒に歩いている相手を怪しむことはない)
(もとより、自分の研究以外にほとんど興味のない連中ばかりの集まりであることも原因かもしれないが)
は、はあ…お願いします…
(日系人で〜などといろいろな言い訳も用意していたのだが、
案外あっさり受け入れられて拍子抜けし)
そ、そうですね…やはりこれから研究するのですから、先人たちの生み出した、
研究成果の数々を見せていただきたいな、と…
(奇しくも最大の目標の位置を見つけられそうな展開に、内心ほっとすると同時に、
入り口までの道をしっかりと覚えておく…壁だらけでともすれば迷ってしまいかねない。
帰りも案内が付くとは限らない…)
それにしても…皆さん何といいますか…研究熱心なのですね…
(若干の皮肉を込めて言う。何せ初対面の相手が、相当の機密と思われるアラネスと一緒に歩いていても
誰も何も言わないのだから…もっとも、警備員がすっ飛んできても困るのだが)
貝殻は硬くとも身は柔らかい…ってとこか…
(すぐ近くのアラネスに聞こえないように呟いて)
>>138 さっさと出て行け、命が惜しくないのか?
ふつ‥(まとった漆黒のオーラを開放する、まるで墜天使の羽のようだ)
くっくっく、そんな言うほどすばらしいものでもないけどね。
あんたが見たいって言う研究成果はね。というか、だ。
現にこうして、研究成果の一つを目の当たりにしているわけだが、感想はどうだ?
(視線は常に有澤の方を向いたまま、器用にコアブロックは進んでいく)
(頬杖つきながら、にやにや不敵に笑い続けて)
単なる研究バカなんだよ。ここの連中はどいつもこいつも。
人の身体を上から下まで、脳の奥まで弄繰り回して悦に入ってる。そういうバカ共だ。
(ただ、そんな言葉にはさっぱり嫌悪感だとか増悪だとか、そういうものは感じられない)
(ふと目に付いた、書類に目を通しながら歩いている研究員)
(その研究員の足元をそっと掬って、倒れる研究員と散らばる書類を見ながらけたけたと笑って)
おかげで、私も色々と自由にやれるんだけどな。
そうだ、ついでにもう一つくらい、研究成果を拝んでいくか?
(地図に映った印が一つ。それは彼女と同じく、研究によって生み出された存在を示していて)
(その印の主は、ここにいるのは珍しいType-T。精神・感覚作用因子特化型)
(そんな存在がすぐそこの部屋にいることを、地図が示していた)
俺はアビスに乗っていなくても戦えるということを教えてやろうか‥(オーラが実体化し剣の形に)
俺は見てのとおり人間ではない、かつての神が気まぐれに作った闇天使の末裔‥‥
そのたった一人の生き残り、というわけさ。(他のオーラも形となり盾、鎧、兜となる)
いやぁ、やはり先輩方の研究を見ておくのは重要ですし…
…これが、研究成果…ですか…
(ふよふよと空中に浮く八面体。しかも操作していると思われるアラネスは
頬杖を付き…少なくとも手で動かしているのではないことはわかる)
素晴らしい…同時に恐ろしさも感じますが…
(素直な感想を述べる。もしこれが超能力によるものなら、
どれだけの活用方法が望めるのだろうか? 少なくとも、
先ほど警備員を殴り飛ばした力には対抗できそうも無い…
もし彼女のようなものが大勢居たら、たちまち自分たちは廃業だろう)
あ、あはは…馬鹿はひどいですね…
(口調こそ悪いが、どうもそこまで深い悪意は無いようで…
研究員にいたずらを仕掛けて笑う姿は、見た目相応の少女に見える)
はは…程々にしてあげたほうがよいのでは…
…もう一つの成果…ですか? ええ、是非見せていただきたいですね。
く‥力が‥‥(強大すぎる力は暴走する)
やはり守護巫女である継未がいなければ全力は出せんか。
そうとも、人の脳味噌に異常な執着を持ったどこぞの爺が作り出した。
しょうもない技術の産物。それがこの力で、この私だ。
(爺とは言ったが、超能力研究自体は遥か昔から続いているもの)
(この施設を作った者でさえも、誰なのかは彼女は知らない)
やっぱり、普通の人間からしたら恐いものなのかね、こういう力は。
私にしてみれば、生まれたときから当たり前にもってたものだし。
どうにも、そういう感覚が疎いんだよね。別に困らないけど。
(自分と違うものを排斥したいという、ある意味人の心理であるが)
(知識としては知っていても、その理由は思い当たらない)
バカだよ。バカで十分。あんたもきっと、そんなバカの一員になるんだ。
ここは、そういうバカどもだらけで回ってる。だから、私はそれなりに自由なんだよ。
(これだけの力をもったものなら、このような厄介な自我なんかは封じ込めて)
(いっそのこと、道具として使われてもおかしくないのだが)
(ここはそれをしない、それについては、それなりに好きだった)
ああ、じゃあ会わせてやろう。ここでも随一の美人さんだぞ。
普通めったにこっちには来ないんだが、運がいいなおまえ。
ただ、妙なこと考えるなよ。あの子、人の心を読むからな。
(ちょっと聞き捨てならないことを言って、ふよふよと進んでいく)
(心を読める人間と話をするのは、別に読まれて困るところのない彼女にとって)
(なかなか楽しい娯楽の一つだった)
ふ‥うおおおお!(力を解放し有澤にぶつける)
(奴の姿は塵ひとつ残っていない)
【こっちは避難所に行けないんだ、もう死んだんだから早く有澤は出て行け】