【異能】黄昏の学園15【異端】

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468御木本 正太郎 ◆at24eLFc0.
>>413
ん……ん。
忘れてないんなら、ひと安心ー。
(六花が、例え何か抜けていても自分からどんどん指摘してくるとは考えにくい)
(けれどお礼も称賛も、全ては彼女がどれほど温かかったか伝えるためなのだ)
(理由はよくわからないが、当の本人を困らせるなら続けるのは控えたほうが良い)
(六花が何かを言いやすいよう、または無理に言わずとも済むよう安定したと伝え)

じゃあ僕はその言葉にありがとうって……。
参ったなーぐるぐるが始まっちゃいそうだ。
(ほどなくして、聞く体勢に入って良かったと心から思うこととなった)
(はしゃいで考えなかったり、考えすぎて目の前の少女から離れたり)
(振れ幅の大きさに、自分でも恥ずかしくなってテーブルの下で腿を抓る)

ふふ、こっちだけ六花に聞くのもねん。
(なんでもという言葉に、いっそう気合が入る)
(この心優しき少女は"がんばって"くれたのだ)
(何をあげたら良いか、悩むのすら楽しみに思える)
(ケーキをもう一欠片装いながら、リストアップを始め)

じゃー僕も、一番あげたいものを贈ることにするよー。
一ヶ月分の楽しみに応えたいにゃ。
(お気楽に恋愛シミュレーションをしつつ安定して生きたい、という御木本)
(自分からハードルを上げることに慣れているとは言いづらいのだけれど)
(善意のかたまりのような六花といると、なんだってしたいと思えるのだ)
(君の笑顔が自分の笑顔なんて、おとぎ話のようなことすら素直に言える)

……りっか。
僕はここにいて、六花のこと待ってるからー。
六花が望んでくれるなら望んだだけ、ねん。
正ちゃんだって、こうして六花といたいんだもの。
(あなたと過ごせたら、十分。そんな相手にこんな言葉をかけられた)
(家族でない人、それも女の子から伝えられたことなど今までなくて)
(戸惑いながらも単語ごとに意味をかみ締め、六花のくれた光を受け止める)

だから、もうちょっと欲張ってもいーんだよ?
綺麗なもの見て、おいしーもの食べて。
そんな時間を僕と過ごすーとかさー。
(けれど、字面どおりに甘えることもしない)
(言葉通りに望んでくれているなら、それ以上の喜びはないけれど)
(裏を返せば、"望まないといけないこと"と考えられていることになる)

(本当に彼女を想うからこそ、自分も六花にとっての陽になりたい)
(東の地平が明らむかどうか、不安になってほしくないはないのだ)

次つくるときは、もっとおっきくしようね。
入るお皿を見つけるのが大変なくらいー。
(ひとまわり大きな丸を指で描いて重ねると、最後のチョコを口にする)
(そして同時に挨拶をしようと、ちょっと間を置いてから手を合わせ)

…………ごちそうさま。
(チョコをもらい、ケーキを食べ、手紙を受け取って)
(あとはもう、玄関に送っていくしかなくなってしまった)
(つながりは続くけど、最高のパーティーはもう終わり)

またね?
(胸いっぱいに詰まったなにかが、唇をそう動かした)