【異能】黄昏の学園14【異端】

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519紫 一久 ◆aYx5IIasQU
……ん、んー、と。
(媛名 葵の毒を背中で受け、誤魔化すような言葉を並べる)
(仮に――もし仮に、本当に、彼女の言う事が本当ならば、自分ならどうしようか)
(……ここまでは言うまい。わざわざ狙うなどと、宣言する理由が見あたらない)
(しかし、証拠としては弱い…何かもう一揺すり、ほしい物だが)
(――たった今、携帯を取り出すときに気づいたのだ)
(手汗が、凄い。凄まじく緊張をしていた)

……そうか。助かる。
(緊張に気づき、ギリギリと喉を絞られるような感覚に苛まれつつ、言葉を捻り出す)
いや、俺たちとしてもな…アレばかりは始末に困っていてな。ああ。
そういう事なら都合が良い………そうだ。都合が良い。
(電話のボタンを操作。電話帳を開き、目的の番号を呼び出す…音はたったの三つ)
………
(耳に当てた携帯電話から、コール音が漏れ聞こえ、すぐに相手が出る音がした)
…俺だ。紫 一久――ガントレット、だよ。コードD-330を要請する。
ああ。今まで野放しにしていたが、正直言って目に余ることをしてくれた。これ以上生かすと俺にもダメージが来る。
……ああ、その事なら安心してくれて構わない。実は強力な助っ人がいて、な。
<<深凪>>の、娘だよ。そこそこできそうだ。……ああ。
(少し、不自然なくらいに声を上げて話を続けて)
(ふと、媛名 葵に半分ほど向き直り)

………うちの上司だ。
共同戦線を申し込みたい、らしい。…今、代わるか?
(ちらり、と横目を窺った)
(――繋いだ相手は、177……天気予報な訳だが)