舞台はとある学園、人ならぬ『力』を得た少年少女たちの物語である。
彼らはその力の存在に惑い悩みつつも、同じような『力』を持つものたちと、時には敵として、
時には味方として対峙しながら 力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていく。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら戦闘モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・最強設定は勘弁してくださいお願いします。
・能力は使い魔、サーヴァント、念、核金、魔術、法術、変身など基本的になんでもありです。(強力すぎなければ)
・名無しさんは一般生徒、怪物で襲ったりなどがいいかもしれません。
・本校は幼等部から大学部まで有しており、留学生との交流も盛んです。
テンプレ
【名前】(読みも)
【年齢】
【性別】
【身長】
【3サイズ】
【容貌】
【能力】
【希望】
【NG】
【弱点】
【備考】
前スレ【異能】黄昏の学園9【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1227380184/ 避難所【異能】黄昏の学園避難所24【異端】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1229861549/
【名前】紅裂 拓兎(べにさき たくと)
【年齢】十七歳
【性別】 男
【身長】 178p 80kg
【容貌】 半端な長さの赤茶色の髪・右耳にリングピアス(10mm)
半分齧られた林檎の意匠が刻まれたベルトのバックル
気分次第でサングラスやゴーグルなど
【能力】
・珪素の支配・・・珪素を生成して支配する能力。能力の用途は多岐に渡る。
・再生能力・・・ある程度の傷を負っても再生を開始する。祝福法儀済みの武器など
ある種の概念的武装に対しては若干回復が阻害される。
・体術・・・投げ、関節、寝技を主体とする。打撃は相手を崩す為に使用する。
【希望】戦闘・探索・交流・和姦 ・強姦
【NG】 猟奇・排泄
【弱点】バックルの破壊・・・・修復するまで能力が使えなくなる
破邪系統の攻撃・法術など・・・・再生能力が阻害される
【備考】
周囲からは変人として認定されている奇人。悪魔王サタンの契約者のひとりで、闘争狂。
生まれつき珪素を操る能力を持っており、それを魔力の供給によって強化している。
我を通しつつ人生を楽しむことをモットーとしている。しょうもない事に拘るが言動は大雑把の極み。
所属する《虚影会》の活動目的は人間社会に 破壊と混乱と悪徳を撒き散らすことである。
街角の画廊が集会場所。学校に通っているのは半ば趣味。 然るべき場所で然るべき相手と戦い、
その果てに死ぬのが、彼自身の最大の目的である。 最近友達ができた。
絵師さまに頂いたイラスト
紅裂拓兎
http://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=466&type=jpg 虚影会のボス
http://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=467&type=jpg
【前スレから引き続き、スレをお借りします】
(限界まで呼吸も忘れて唇を奪い、いたるところを舌先でなぶり)
(顔を離せば、お互いの唇と舌の間を細い橋が繋いで、切れる)
(津綺子の抗議の声にチラリと視線を下に降ろす)
(絡めた足の根元。捲れて丸まったトレーナーの端に、淡い翳りを見つけて)
今度から、部屋には津綺子の着替えも置いておかないとね…
(目を微笑みに細めて嗜虐心を隠すが、声は明らかな欲情の響きを隠せずに)
(甘く絡まった指にわずかな力を入れて)
(握り合った形をそのままに、足の間--開かれた空間へと導く)
自分で開いて、触って欲しいところを教えて…
(相手の手の甲と翳の部分をこすりあわせる)
あ、はぁ……
(ようやく解放された唇から細い喘ぎを漏らし)
(呼吸の揺れで切れる銀のかけ橋を心のどこかで惜しむ)
私の着替えなんておいてあったら、ご両親がいらしたときに困るでしょう?
(この部屋に私物を一切置いてこないように気を配っていたのは、まさにそのため)
(直の声が低く甘さを帯びていくのに気づき、体中のいたるところで目覚めるなにか)
(大きな手に指を絡ませた手が、自分の足の間へ導かれる)
え……あ、そんな……
(抵抗も空しく、自分の手の甲をぴっちり閉じた柔肉へ押し付けられる)
(直の指先が、ごくかすかに花びらをかすめるのが、ぞくりとするほど感じてしまって)
触ってほしくなんて……私……
(手の甲を恥丘に押し付けられるだけでも、その奥に息づく肉芽への刺激になって)
(内部には熱いうるみがたまっている)
(ほんのわずかでも大陰唇を開いたら、たちまち果汁が滴るほどに)
恥ずかしいです…直さん、そんなこと……できない……
(語尾は小さく掠れて消え、うつむいて額を直の肩に預け、荒くなる呼吸に肩を上下させて)
(もう片方の手を、直の胸板から締まった腹筋、その下へと男らしいシルエットをなぞるように下ろしていく)
(トレーナーに包まれた胸が張りを増し、先端が布を押し上げて自己主張を始める)
(直のズボンの上から、ためらいがちに指先を膨らんだ部分へ這わせて)
(津綺子の唇の端から垂れた橋の名残を舌先で拭い)
(そのまま輪郭のラインに沿って移動する)
知られたって構わない。近いうちに紹介しないといけないしね
(これから先のことは分からないけども、少なくとも希望だけは失わないように)
(それは遠回しな告白だったのかも知れない)
触らないでいいの?
じゃあ、やめておこうか…
(津綺子の要求を素直に受け入れて、掌を開放する)
(自由になった手は中心から少し離れた内股に張り付いてなで上げ、なで下ろし)
(マッサージでもするように、しなやかな筋肉に指を食い込ませる)
(津綺子のためらいがちな仕草を手で捕らえ、促すように自身に押しつける)
(手の平に力強い脈動を伝え、布地越しにも熱を感じさせる)
(直の熱い唇が顎の輪郭に沿ってなぞっていく)
私とのことをご両親が知ったら、ご実家へ戻されるかも知れないじゃないですか…!
そんなのは……いやです……
(直の不行状を彼の親が咎めるようなことがあったら…)
(恋の障害は天羽都のように直に思いを寄せる他の少女たちばかりではない)
あ、そんな、いじわる…!
(とろけるような声色のまま、熱く絡めていた指を離して)
(直の手はなめらかな内股を滑り、指先を食いこませる)
(淡いかげりの奥から、肉芽が顔をのぞかせ、ぽってりとした柔肉の間から、雫がふるふるとあふれる)
(その一方で、直自身に触れた手はさらに強く押し付けられ、熱い塊の脈動まで伝わってくる)
(促されるままその部分の握り込み、布地ごと手を上下させる)
(固く反り返る幹のシルエット、エラを張って努張する亀頭)
(直自身を求める思いが、手のひらにこもって一層強くこすりあげる)
(舌は輪郭のラインから耳朶へ。軽く吸い付き、唇で食む)
そんな事にならないように、君の事を必ず認めさせるよ
大丈夫…津綺子と離れるなんて、絶対にないから
ん…これは、何かな…?
(指先でこぼれ出した蜜を敏感に捉えると)
(内股から拭うようにすくいとり、押し戻すように柔肉に擦りつける)
津綺子、触っていい?
(柔らかい陰唇をくすぐるように撫で、少しずつ指先を食い込ませていく)
あ…んんん…
(布地越しに恋人のしなやかな手に包まれるだけで、全身がピクリと震えて)
(腰を浮かせて反り返る怒張を押しつける)
(布の下では、既に先端から樹液を吐き出していて、手で摩擦される快感に腰が揺れる)
【申し訳ありません、ここで凍結をお願いできますか】
【こちらはとりあえず今日でも明日でも再開できます】
【凍結了解です。では、今日の夜からでお願いします】
【時間は同じく22時で】
【ではレスを用意しておきますので】
【何かご希望などありましたら、ご遠慮なく】
【こういう展開になってしまうと、つい長々と考えてしまってすみません…】
【何もなければ、そのままどうぞ落ちてくださいませ】
【時間は気にしないで下さいね。こちらこそ遅い上に短いので…】
【では、質問を一つだけ】
【淫語責め等は、こちらから書いた方がやりやすいとか、そう言ったリクエストがあれば教えて頂きたいな、と】
【回答は今でなくても、書き出しの下に付けて頂ければOKです】
【毎回のように遅くまでお付き合い頂いてありがとうございます】
【お疲れ様でした。おやすみなさいノシ】
【ぜひ、そちらから仕掛けていただけたらと…】
【そういうプレイがお好みでなければ、無理なさらずとも】
【お互い楽しめるように持っていけたら、と思います】
【他に何かあったら、避難所の方か、おっしゃるように書き出しに加えておきますね】
【今夜はありがとうございました】
【おやすみなさい】
【名前】迫水 直(さこみず ただし)
【年齢】19/3年生(2回目)
【性別】♂
【身長】185cm/75kg
引き締まった体躯。一見細身だがしっかり筋肉がついている
【容貌】短く刈り込んだ黒髪、わずかにタレ目、日に焼けた肌
【能力】妖魔寄生体
寄生体が宿主を守る為の妖力により様々な能力を持つ
・増幅された新陳代謝による異常な回復力
・常人の数倍に達する筋力と瞬発力、持久力
・皮膚・骨格・筋肉が変質して西洋甲胄に似た姿(220cm/150kg)に変身、更に能力が増幅される
・上記の能力で消費するエネルギーは膨大で、その全てを食事で補わなければならず食事量は桁外れ
※イラストを書いて貰いました
http://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=465&type=jpg 【希望】NGに抵触しなければ
【NG】死亡、衆道
【弱点】
・直情径行
・能力の暴走
【備考】
・高等部所属の元野球部のエース
・3年時に寄生体感染によって自我を失ない、不登校で留年。現在は復学して2回目の3年生
・怪異による犠牲者を少しでも減らす為、人に害をなす異形を退治している
・異形との戦いを通して経験を積んでいるものの、まだまだ荒削りな戦闘スタイル
「肉を斬らせて骨を断つ」的な闘い方はパートナーに心配をかけっ放し
【少しだけプロフ改訂】
【今は投下落ち。また夜にお邪魔するよ】
【名前】瀬尾 司(せのお つかさ)
【年齢】18歳/高等部3年生
【性別】男性
【身長】180cm
【容貌】栗色の癖毛にややタレ気味の瞳。インドア派にありがちな色白。
【能力】錬金術士。使い魔の作成と使役。
魔術的な力を秘めた道具の製作。
初歩的な攻撃魔術も使うが使い魔に攻撃させたほうがマシ。
研究の成果なのか肉体の再生能力はそこそこ高い。
黒のローブ:戦闘用の黒いローブ。
自前の強化を施していて魔術、物理攻撃を多少は緩和してくれる。
戦闘時に実体化して身に纏う。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】同性愛、スカ
【弱点】肉体的にはたいしたことない人です。
【備考】錬金術師の家系に生まれた青年。
日夜怪しげな研究に没頭していて、頭の中はそればっかり。
学園生活では物腰の静かな優男風。錬金術が絡まないことになら人並みの常識人。
ちょっとした占いなどで、そういうのが好きな生徒には好評なオカ研の部長。
【年末年始はどうにも慌だしくなかなか来れませんが…】
【まずはプロフ投下までに】
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もとは涼しげに、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】バトル 日常ロール エロールは要相談※
【NG】スカ、グロ、死亡、後遺症の残る怪我 相談なしのエロール
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部2年。陸上部のエース。ハイジャンプの中学記録を持っている。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
*現在の状況
・妖魔による暴行経験あり
・迫水直と恋愛中
・天羽都の能力によってハイジャンプの学生新記録を出した
・祖父と叔父に迫水直の正体と退魔のことを知られている
※ロールの状況により、ご希望に添えないことがあります
【ロール解凍のためにスレをお借りします】
【ロールにお借りします】
>>7 (直の唇が耳元に触れると、はっきりとわかるほど肌が粟立つ)
(触れるばかりでなく、吸いつき、甘噛みし、そのたびに全身に広がる期待感に震える)
(優しい声が低く囁く、その囁きが鼓膜を震わせるのさえ、極上の愛撫に感じられて)
(体中、至るところがチリチリと敏感になるのがわかる)
あ、だめ……
(充血して熟す果肉に直の指先が触れて、滴る果汁をすくい取る)
(だめ、と制止の言葉は何の役にも立たず、そこがどれほど過熱しているかを伝えるだけ)
ん、や、直さん…
(果汁を塗りつけ、あるいは花弁をくすぐり、ゆっくりと沈んでゆく指先)
(その指先の主に呼びかけ、過敏な反応を止めてほしいとでも言いたげに、ちいさくいやいやをする)
(それでいながら指先を包み込む柔肉は、むしろ悦んで吸いつき、熱い蜜を分泌して)
(もっと深いところへと、ざわめきながら飲み込もうとする)
(剛直を握りこめば、直は腰を浮かせて己を押し付ける)
(夢中でその器官をなでさすりながら)
直さん…これ……見せて……食べたい……。
【そちらからしてほしいことや、言わせたいことなどがあればどんどん要求してください】
【直さんには抵抗はしても、拒絶はしませんので…】
(耳の複雑な形を舌でまんべんなくなぞり、津綺子の反応を楽しむように唇で愛撫する)
本当にダメなのかな?津綺子のここは、そう言ってないみたいだけど…
(制止の言葉に従うことなく、指を更に奥へと進めていく)
(柔肉に包まれた指で狭い穴をほぐすように、ゆっくりと掻き回し)
(そのたびに溢れた蜜が粘着質な音を立てて、部屋に満ちる)
ほら…もうこんなに入っちゃった…
(出し入れしながら壁のざらつきを擦り、ヒダをめくる)
ん、いいよ…その代わり、俺も津綺子のここ、食べたいな
(沈めた指を引き、まだ薄膜を纏ったままの突起を軽く摘み)
(恋人の手の下で、新しい刺激を期待する部分が激しく震える)
(そっと身体を離してベッドの上に)
(自分から仰向けに寝転がり、津綺子を招く)
おいで…
あふ…んっ……う……
(直の指が喜んでうごめく柔肉の奥へとどんどん進んでいく)
や…ん…かき混ぜちゃ……あ……
(もうはっきりと耳に聞こえるほどの水音を立てて、津綺子自身が直の愛撫に応える)
(長い指で内部の敏感な部分を探り出し、津綺子が身をよじるほど、その部分をこすりあげて)
あぁ、直さ、んっ…そこ……
(薄膜につつまれた小さな芽をつまみあげられ、またあられもない声を上げる)
(ジンジンするほど果実を疼かせて、直は体を離してしまう)
(仰向けに寝転がる恋人を目で追い、ベッドにそっと腰掛けて、直の股間に手を触れる)
(座った姿勢のまま、ズボンの上のシルエットをなでさすり)
(それからズボンを引き下ろし、下着に樹液のシミがあるのを見ると)
(欲望に目をくもらせて、もどかしげに下着を下ろす)
あ……すごい……
(はじけるように飛び出す若幹に目を奪われながらも)
(直の要求する姿勢をとるのをぐずぐずとためらい、張りつめた幹をやわらかく握りしめて)
(ゆっくりと撫であげ、撫でおろすばかり)
(恋人の手によってむき出しにされた欲望は、津綺子の目の前で血管の浮かぶ幹を反り返らせて)
(赤く膨れた先端からは、樹液を溢れさせて、幹を握る津綺子の手を汚す)
どうしたらいいか分からないのかな?
俺の顔を跨いで、津綺子を全部見せて
(要求に対してためらい、幹をただ柔らかくしごくだけの津綺子に、改めて津綺子の姿勢を指導して)
(同時に手を伸ばし、先ほど刺激を与えた太股の内側に触れる)
ほら…津綺子のここも食べて欲しいって言ってるみたいだよ
(指先だけでくすぐるように花芯をなぞり、上端にある薄膜を軽く擦る)
だって、そんな、直さんのこと…またぐなんて……
(人の頭をまたぐなどということは、それでなくてもとてもできない)
(まして、直の目の前に晒す部分は、何も覆い隠す布さえ身に付けないままでは)
(握りしめた剛直は、心音に連動して脈打ち、とめどなく樹液を漏らして)
(津綺子は喉を鳴らしてその様子を見守る)
(唇をよせ、あふれる樹液をすすり、膨れ上がる亀頭を飲み込みたい)
………
(ベッドの上に上がり、直の傍らに身を横たえるようにして、直の股間に顔を埋める)
ん、あむ……んぐ…ん
(幹を握りしめ、先端を口に含み、舌で鈴口をこそげるようにしながら樹液をすすりあげ)
(深く咥えこんでは、ぬぷぬぷと抜いてゆき、)
(エラを唇にひっかけて止め、また深く咥え直すのを繰り返す)
(太ももに直の呼吸を感じ、うずうずしながら膝が緩む)
(指先が、敏感な花芯を絶妙な力加減でくすぐり、しこる肉芽の上で薄膜を滑らせる)
(もっと強い刺激を求めて、膝を開き、直の顔の上にその部分を広げる姿勢になって…)
(ためらいを見せる津綺子の目は、自分が握る雄に注がれていて)
(何かを飲み込んだように喉が上下に動き)
欲しいんだろ?食べていいよ…
(恋人の欲求を読み取り、それを満たすことを許可する)
ん…はぁ…くっ…
(より合わさったヒダとは異なる、暖かくて柔らかな感触に亀頭を包まれて)
(思わず唇から呻きが漏れ、自然と腰が浮かび上がる)
あぁ…つ、きこ…
(先端の敏感な部分を柔らかく抉られ、幹を飲み込まれ、唇でしごかれる)
(押し寄せる快感が脳を真っ白に漂白していく)
(目の前に見事な盛り上がりを見せる豊かな双球が迫り)
(その中心に翳を纏った花がほころんでいて)
………
(尻たぶに手の平を押しつけて両の親指で陰唇を、くちっ、と拡げると)
(サーモンピンクの内膜が蜜をたたえてテラテラと光っているのが露になる)
ん……んんん…
(蜜の湧き出す源泉へ顔を近付けて、より合わさった穴がら蜜を啜る)
んっ…んふ……っ!
(熱い掌の感触がヒップに触れたと思うと、中心をぐい、とかき分けられ)
(くち、と粘膜を引き剥がす小さい音がして、内膜があらわになる感覚が)
ん、あ、直さんっ……
(そこへ直の唇が吸いつき、蜜を吸いあげれば思わずしゃぶっていた剛直を離し)
(切なげな声を上げて背をそらす)
そんなことされたら、直さんのこと、食べられなくなっちゃう……!
(小刻みに腰を振って両の尻肉をすり合わせ、直が与える刺激に耐える)
あ…あぁ、う…っ……うう……んっ…んあぁっ!
(その間も、反り返る幹をしごく手は休めず、やわらかい袋の中の睾丸を探り出している)
(柔らかい袋ごと、中身を転がすように愛撫しながら、ふた度亀頭を口に含む)
(津綺子のあげる嬌声が欲情を駆り立てる)
(より大きな快感を与えたくて、舌を、指を、夢中に動かす)
うん、ふぅ…んん…
(猫がミルクを舐めるような音を立てて、舌を使って蜜をすくう)
(唇をわずかに移動させて、ポツンと飛び出した突起を挟むと)
(舌を細やかに動かして、真珠に被さったベールをくるりとめくりあげ)
(舌先でむき出しになった突起の頂点をつつき、押しつぶす)
はぁ…津綺子のお・・こ、美味しいよ…
(遠く離れた恋人の耳にも届く声で、最も卑猥な単語を使う)
んん…く、ふぅ…あぁぁ…
(刺激を与えられる肉の剛直は、津綺子の手の中でビクビクと震えて)
(止めどなく溢れる樹液は根元から下までこぼれて汚し)
(再び口内に治まれば樹液を止めどなく溢れさせる)
んぷっ……あぁ……や、だめ…
(後から後からあふれだす熱い果汁をすくいあげて)
(直の唇が恥丘の裂け目に分け入り、食べごろに熟した肉芽を探り出す)
(思わず剛直を再び離し、あられもない声を上げてしまう)
やぁん…あ、あぁ……
(巧みに肉のベールをめくりあげられ、肉色の突起を舌先でいたぶられる)
(全身けいれんするほどの快感が、内膜をよじり、子宮を絞り上げる
そんなこと、言わないで……!
(優しい声が告げる卑猥な言葉に、ぶるっと全身がふるえて)
(その言葉にふさわしい、淫らな反応を返してしまう)
んふ、ん……んぷ……
(夢中で直の中心へ奉仕を繰り返す)
(舌と上あごで亀頭を挟み込み、強く摩擦しながら深く、浅く)
(唇を追いかけて手を上下させ、その動きがどんどん大胆になる)
直さん、直さんの、熱いの……ここからたくさん出して……私にください…!
(充分な硬度を持って立ち上がった真珠を舌先で磨き、唇で挟んで吸い上げ)
(歯を当てて優しく甘噛みを繰り返し)
津綺子も、お・ん・気持ちいい、って言ってごらん
(羞恥と快感に震える恋人に要求する)
言えたらもっと気持ちよくしてあげるから…
(内股へと溢れ出した蜜を指ですくって、花園の上--薄い色彩の窄まりに塗り付け)
(菊の中心をマッサージするように指先で撫で回し、押しこむ)
(津綺子の奉仕に、全身が痺れるような快感に襲われる)
(爪先が反り返り、内股がヒクヒクと痙攣して)
(手と唇の一往復ごとに睾丸がせりあがり、幹の内側に熱い情熱を溜め込んでいき…)
あ、ぐぅ…つき、こ…もう、出るよ…
あ、くっ………うぅっ!!
(呻きと共に一気に解き放ち、熱い生命のエキスが噴火のように恋人の口内へと迸る)
あ、や、だめ……っ、あぁ……
(肉芽に与えられる快感が、子宮をよじり空虚な内部を絞りあげ)
(そこを埋めるものを待って、内膜が空しく蜜を吐く)
(恋人の愛しい声で、淫らな言葉で自分の感じていることを言うように促され)
(ぐいぐい絶頂に向かって高まっていく)
あっ、直さん、そんなとこ……l!
(花園の入り口がぴくぴく痙攣するのに連動して、ひくついていた菊座に)
(直の指がとろりと熱い蜜を塗りつける)
あぁ、いや、だめぇ……い……く……っ
(直自身を握りしめ、先端を飲み込んで自分に与えられる快楽に耐え)
(剛直をはげしくしごく)
(ベルベットのような袋を、やわやわとまさぐり、そこがぐい、と持ちあがってはちきれそうなほど膨らみ)
(エラがはり出して血管を浮かびあがらせ……)
んんんんんっ……!
(口の中いっぱいに、濃いエキスが激しく噴き出す)
うっ……ぷ……! ごくん………
(収まりきらずに、思わず肉棒を離し、喉まで押し込まれた白濁を飲み下すも)
(直の射出は終わらず、最後の一、二発を顔に浴びてしまう)
はぁ……はあぁ……
(全身くたくたと綿人形のように力が抜けて、そのまま倒れ伏す)
(ただ、内膜から子宮へと満たされない部分が熱を持って疼き)
(直を求めてよじれながら蜜を吐く)
(自分の吐き出した精を恋人が飲み込む気配を感じ、胸の奥から全身へと充足感に満たされて)
(気怠さと、余韻に浸りながら脱力する)
はぁ…はぁ……っ…
(胸に当たる淡い刷毛の感触と、目の前にあるほころんだ淫花)
(内膜の入口と菊の模様を無防備に晒し、ひくつかせている光景に)
(一度の吐精でわずかに萎えた茎が滾り、津綺子の頬を擦りながら再びそそり立つ)
津綺子…いいよね…?
(恋人の身体をコロンと横に転がして、身体を起こして上から覆いかぶさる)
津綺子のお・んこに入れたい…
(自分の出した白濁と津綺子の唾液で濡れた剛直を握り)
(花弁を割るように先端をヒダに擦りつけて、粘ついた音を立てる)
津綺子は…?おま・こに入れて欲しい?
(体の下で、直の胸腔が大きく膨らんだりしぼんだりするのを感じながら)
(絶頂の余韻に脱力していると、萎えた陰茎が再び固くみなぎり、頬を打った)
あ……た、だし…さん……
(体勢を入れ替えられて、ベッドに横たえられる)
(素早くのしかかられると、熱く濡れそぼった花びらに、再び硬度を取り戻しつつある先端が押しあてられる)
あ……ほしい……です……
(満たされない内部が、それを求めてぐねぐね波うつが、亀頭はそこから入ってこようとしない)
直さん…お願い、ください……っ
(焦れて懇願する間も、入口を割りこんで、先走りを塗り込めるばかり)
あぁ、早く…!直さんの固い…の…私の…お…ま…んこに……入れて……っ!
(消え入りそうな声でおねだりし、直の腕に顔を伏せて)
(とろけそうなメスの匂いを放ちながら、熱い愛液が新たに噴き出す)
(津綺子の淫らな懇願。自分が強制して、恋人がそれに従い)
(相手を支配して、隷属させる征服感が心を満たす)
いくよ…
(勃起を握り締め狙いをさだめて、腰をゆっくりと前に突き出す)
(大きく張り出したカリが、肉のより合った狭い洞窟を押し拡げ)
はぁ…あぁぁ…
(締め付けの抵抗を受けながら、確実に奥へと侵入していくと)
(新たに溢れた蜜が行き場を失い、肉に満たされた穴を逆流し)
(卑猥な音を立てて結合部の隙間から押し出される)
あぁ…津綺子…っ!!
(腰を思い切り突き出し、最奥を抉り)
(ぴっちりと張り付いた粘膜を、幹に浮いた血管でこそげて引っ張る)
【今夜はここまでにさせていただいてよろしいでしょうか】
【解凍は木曜の夜はちょっと無理そうなんですが】
【金曜でも土曜でも夜は空いています】
【うい、了解】
【丁度俺も木曜は都合が悪くてね。金曜でお願いするよ】
【金曜の22時、いつもの如く避難所で待ち合わせ。OK?】
【展開やプレイ内容に注文があれば、いつでも受け付けるからね】
【では、毎度のように遅くまでお付き合い頂いて、ありがとうございます】
【今日はこのまま落ちさせてもらうよ…おやすみなさいノシ】
【それでは金曜日22時にお待ちしています】
【今日も楽しくお話しさせていただきました】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【名前】 郡 太一朗 (こおり たいちろう)
【年齢】 16歳
【性別】 男
【身長】 168センチ
【容貌】 はねっけのある癖の強い髪型。少々垂れ目。
髪・瞳とも黒。中肉中背。青と黒のチェック柄のバンダナを額に巻いている。
【能力】 無呼吸の瞬き −ゼロ・ブレス−
集中力を高めて、感覚を鋭敏に研ぎ澄ませる。
そのことにより、相手の攻撃を見極めたり、(他者から見れば)高速の連撃を与える。
発動している間は過度の集中のため、無呼吸になる。制限時間は3〜5秒ほど。
【希望】 基本的には何でも。
【NG】 ウホッ
【弱点】 能力発動時は無呼吸になるため、酸素濃度の低い場所では制限時間が縮まったり、
あるいは、能力自体が発動できなかったりする。
また、能力発動後は酸素を取り込むため、隙が大きくなる。
【備考】 高等部所属。家族構成は父・母・姉の四人暮らし。
部活動は無所属、委員会は見た目に寄らず図書委員。
性格はテンプレ的な正義漢。ただし、単純で女にはペースを崩されやすい。
特に武術には興味がないのだが、ある日【能力】を得たと同時に、独学なりに学ぶことにした。
得物は特製ナイフ。と言っても、やたらと頑丈なだけの品。
プロフ投下&しばらくの間、待機するぜっ!
【こんばんは&おめでとうございます】
【お相手、いいでしょうか?】
>>35 【そっちがよければ、頼むぜ。
……にしても、どういう流れにしようか? 学校内で会うぐらいしか考えてないけど。】
>>36 【先輩は図書委員ですよね】
【二学期最後の図書館開館日に再開とかどうでしょう?】
【色々都から質問するようなことになるかもですが】
>>37 【ん、それじゃそういう感じで行くか。
それじゃ軽く書き出してみるぜ】
(二学期終業式まで残るところ僅かとなったこの日、
書庫の整理で彼は図書室に呼び出されていた。
ほぼ上級生が仕事をこなしてしまっている為、彼自身、あまりすることはなかった)
……せいぜい、通常業務だけだよなぁ。
(軽くため息をつきながら、図書室のカウンターに突っ伏す。
いつもならこの受付の時間には本でも読んで時間をつぶすのだが、
残念ながら今日は書庫の整理でそれすらない。ため息混じりに辺りを見渡す)
だいたい、こんなときに本を借りに来るやつなんているのかよ?
【それじゃ、こんな感じで頼むぜ?】
>>38 (もうそろそろ冬休みである)
(普段の生活がなかなか忙しくて、自分のことについて調べる時間が無くて)
(思い立ったら吉日、今日を逃すと来年になってしまうかもしれない)
(そう思った都は図書室へ向かった)
あの、お休みのとこ、ごめんなさい。
この本か、似たような本を探してるんですが、どの辺にありますか?
(手に持ったメモには「はじめての超能力入門」)
(そしてカウンターに突っ伏した少年が残暑の厳しい夜に出会った異形狩りの少年とは気が付いていない)
【よろしくお願いします】
>>39 ……ん、あぁ、悪い。
超能力入門……?
(怪しげなタイトルに、眉をひそめて首を傾げる)
…んん…科学関係の書棚にあったかな。
悪い、ちょっと調べてみる。
(慣れない手つきで近くにあったパソコンのキーボードにタイトルを入力し)
あー…あったあった。その奥の通路を右に曲がったとこの書棚にあると思うぜ。
まぁ、今はご覧のとおり、書庫の整理中だから、見つかるかどうか分からないけどな。
……ん?あんた、どっかで会ったような気が…?
>>40 まぁ、色々と……。
(うさん臭く思われるのは百も承知、ごまかし笑いで検索結果を待つ)
あっちの通路を曲がったところ……書庫の整理中。
うーん、タイミング悪いなぁ、どうしよう。
(後ろをみれば、たくさんの本が棚から整理のために出されていて)
(車椅子では近づくことも難しそうで)
はい、私ですか?
(高等部の先輩と思わしき受付の少年を見上げる)
ええと、先輩は運動部の……違う、私も先輩を見たことがあるような……。
(額に指を当てて思い出そうとする)
(都はある意味目立つので相手が見たことがあるのはよくあること)
(でも都もそうなら、ナンパとかではない)
うーん……たぶん、夜……あ!
(思わず大きな声を出してしまい、慌てて口をふさぐ)
もしかして、怪物を退治してた人?
(今度は、そっと少年にだけ聞こえるように)
>>41 ……あぁ、そういや随分と前に会ったなぁ。
(ぼんやりと思い出してきたのか、あぁ、と何度か頷いて)
ま、その様子だとあれから特に変わった様子もないみたいだな。
無事で何よりってとこか。
(一頻り笑うと、うんうんと頷いて)
で、今日はどうしたんだ?
……超能力なんて、胡散臭い本、借りようとして。
ああ…そういや、何か調べ物してるって言ってたな?
それと関係あるのか?
>>42 はい、その節はどうも。
(ぺこりと頭を下げて)
あはは、実は結構色々あったりですが、無事は無事です、いちおう。
(ちょっと困ったように頬を指先でかいて)
その調べ物とは別でして、ちょっとそうゆうのに関わったので。
先輩は、アレ、超能力とかでやっているのですか?
それとも、ものすごい武術の達人とか?
(あの夜を思い出す)
(テレビで放映している格闘技なんかでは、あんな怪物を退治なんてできそうに思えず)
>>43 ふぅん?
……ま、無事なら何よりだ。
化け物に食い殺された、なんてことになったら、
俺も夢見がわるいからな。
(悪びれた様子も無く笑い)
……ん、そうだなぁ。
どっちかというと、超能力、の分類になるのか。
ま、俺のことはどうでもいいだろ。
他人に教えることでもないし。
(教えたところで、理解して貰えるか分からないし、
そもそも、そのこと自体が危険を呼び寄せることになるかもしれない。
…考えすぎかとも思ったが、用心に越したことはないと考えた)
が、まあ、そうだな。危険なことに巻き込まれないっていうのなら、
答えられることには答えてやるぜ?
>>44 超能力、ですか。
(なら都の力の影響を受ける可能性があるということ)
危険と言われると、危険かも。
ええと、内緒ですよ?
(声を潜め、口に手を当ててひそひそと)
私も力があると最近分かって、どんなかは説明が難しいんですが。
先輩が私に触ると、先輩の超能力みたいのに影響が出るというか。
何かしてるって自覚が無いので、なんと言ったら、で。
(困ったふうにため息を付いて)
先輩はその力にいつ気が付いて、使えるようになったんですか?
>>45 (都の話を聞いて、軽くひとつため息をこぼし苦笑しながら)
……先に言っておくぜ?
たとえ、お前の能力とやらが俺の能力に影響を与えているとして、だ。
その責任をお前に押し付けるつもりもないし、
それがお前の能力に左右されたものだとは思わない。
(す、と軽く呼吸して)
俺のものは俺のもの。その全てには俺が責任を負う。
…自己満足のために動いてるんだ、それが当然だろ?
さて、話を聞こうか。
…そうだな。高等部にあがってすぐ、ってとこだな。
>>46 みんながみんな先輩のと同じで、私もそう割り切れればいいのだけど。
(それが難しいから困っていて)
先輩は強いんですね。
(それはとても羨ましい)
高等部に上がってだと、結構最近なんですね。
初めて会った時はもう慣れている感じだったけど。
私は先月、人に言われて。
もっと前から力は出ていたみたいだけど、自覚が無いから実際はいつからかさっぱり。
(肩をすくめて、困った困ったと)
先輩が具体的にどんな力を持ってるのか分からないですが、最初から自在に使いこなせたのですか?
それとも、訓練とかして自分のものにした?
(本の名前を書いたメモをまた見せて)
この本を借りようと思ったのは、そうゆう方法が書いてないかなって思ったんです。
>>47 いや、そんなことはねえさ。
俺の能力の場合、使った反動が大きくて、最初の頃なんて
博打みたいなもんだったからなぁ……。
ま、今じゃその使いどころっていうのも分かってきたし、
支障はないんだけどよ。
(さて、と首を傾げてみせて)
……うーん、何度も化け物とやり合ってるからな。
そのうちにコツが掴めてきたって感じかな。
へぇ、なるほどな。
そういう意味なら、確かに役立つかもしれないな。
……ただ、そういう本って当たりはずれが大きいから、
根気よく探さないと、信憑性が高いのにはなかなかあたらないぜ?
>>48 実戦で鍛えたと、それは私には無理かも。
私のは力を持ってる人がいないといけないし、
その時って大変なことになっちゃうから頼めないし。
(記憶にあるかぎり、ろくなことにならない事ばかりで)
そもそも、何で、その力で怪物退治をしようと?
私の知る限り、同じことをしてる人は二人いますが、
力があるから正義の味方、というのが正確なのか分からないけど、
あんなことをしようとしたのか、力がなかったらどうだったのか、とか。
(力をどうするのか、突き付けられた問いは難しくて)
(他の人がどうなのか、参考になるのか分からないけど)
外れたら外れたで、冬休みのちょっとしたお供になれば。
もっと専門の人に相談すればいいのかもだけど、みんな忙しいだろうから。
先輩なら、これっていうお薦めの本はあります?
>>49 …うーん、お前の能力っていうのが
どういうものかは分からないけど、イメージトレーニングってのは?
イメージトレーニングって、格闘技に限らずスポーツに、あるいは文化的なものに
対しても有効だし。想像力だな、要するに。
…力を手に入れる前までは、何も知らなかったんだ。
そのまま、平和に無難に過ごすのも人生だったと思う。
でも――、知ってしまったから。そして、それを許すことが出来なかったから。
(呟くように話すと、にっと陽気な笑顔を見せる)
俺、嫌いなものがあるんだ。大嫌いにも程がある、反吐が出るっていうぐらいにな。
それが、理不尽にどこかの誰かが悲しむこと。俺はそれが許せない――だから、化け物を退治する。
だから『自己満足』なんだよ。
……力がなかったら、別のやり方を探してただろうな。
そうか。
…んー、長編の小説なんてどうだ?
ここには色んな文学が集まってるからなぁ…ライトノベルから海外の文学まで。
読むぶんには困らないだろうな。
>>50 他の人の力を強くする、みたいというか、暴走することが多いみたいで。
それをイメージするなら、応援? レンジの火力を上げる? ドーピング?
そうゆうのにうまく結び付けられれば、ですね。
これも冬休みの宿題かな?
(学校の宿題も結構あるのになぁ、と苦笑いして)
やっぱり、人知れず戦う正義の味方、かも。
先輩の場合は得るべくして得た力なんですね。
私は料理を作って、みんなに美味しく食べてもらえるのが嬉しくて、
超能力みたいのって、料理には関係ないし、やっぱり扱いに困っちゃいます。
(メモで折り紙しながら苦笑いして)
なら先輩のお薦めの本を貸してもらえますか?
整理中の中、私が取りに行くと邪魔になっちゃうから。
(整理中の本をその都度どかしてもらわないと通路は通れそうになくて)
【ごめんなさい、なんか腕が痛くなってて、レス遅くなっちゃった】
>>51 ……そうだなぁ。
そのなかで言うならレンジの火力調整とか?
ま、本気で自分の能力をコントロールしたいなら、
いろいろと試してみるのが一番だな。試行錯誤していくしかないさ。
(つられて、苦笑を浮かべて)
さて、どうだかな。
……正義の味方って安っぽく聞こえるかもしれないけどさ、
でも、いないよりはマシだろ?
たとえ、綺麗ごとだとしても俺はそれを貫く。それが俺の意思だ。
なんて言ったって、自己満足だから。他の誰にも何も言わせないさ。
ああ、それじゃ……。すぐに取ってくるぜ。
ま、どうせ暇だったしな。あれなんかどうかな―――
(そう呟きながら、書棚のなかに消える)
【それじゃそろそろ締めにするか? こんな感じに締められるような感じにはしてみたけどさ】
>>52 はい、頑張ります。
このままだと、いつまで経っても人に迷惑をかけちゃうから。
安いとは思わないけれど、なら、縁の下の力持ち?
私も偶然出会わなければ知らなかったし、
みんなに知られていなくても役立っていることだと思う。
あの時、先輩がいなければ私は襲われていたかもだから。
意識してなかったけど、命の恩人なのかしら。
(今更だけど、ありがとうございますと頭を下げ)
あ、初心者向けでお願いしま〜す。
(本の山に消えて行く先輩の背中に声をかけて)
【そうですね、もう1レスくらいで】
>>53 …あるいは、厄介ごとに首を突っ込むのが
大好きな変わり者、とかな。
(苦笑を浮かべながら、軽く首を竦ませて)
それは結果論だぜ。
俺は俺がしたいと思ったから、そう動いたんだ。
恩人っていう柄でもないし……そもそも『自己満足』で動いてるんだ。
感謝されることじゃないと思うぜ?
あいよっ。……それじゃ、いっちょ探してみますかっ。
暇つぶしには持ってこいだよな?
(そう言いつつ、意気揚々と目的の書棚へと向かった――)
【それじゃこっちはこれで締めで。そっちのレスを見守ってから終わりにするかな。
今日はどうも付き合ってくれてサンキューな! また機会があればよろしくっ!】
>>54 でも、人知れず先輩のことを感謝してる人もいると思うです。
先輩にその気がなくても、感謝の気持ちが間違いってことはないですよね?
悲しいことを減らしたい、それが先輩の願いで目標で。
感謝されることがあったなら、それは悲しいことが一つ減った証拠のはずだから。
(先輩の考えを否定とかじゃなく、でも味方を変えればと)
はい、宿題を忘れちゃうくらい面白いのを。
(選んでくれる本を楽しみに待って)
【ゴタゴタでごめんなさい】
【名前聞くの忘れちゃったし】
【私の方こそありがとうございました】
【お疲れ様! それじゃまた機会があれば。
おやすみっ、またな!】
【ロールの解凍させていただきます】
>>30 あ! …あぁ…っ…固い……っ…
(充血して反り返る花びらを割りこみ、たっぷりと粘液をため込んだ入口を押し広げ)
(一番きつい部分へ膨れ上がった亀頭がねじ込まれる)
んん…っ、う……んっ……!
…はあぁ……
(陰茎の一番太い部分がその部分を通過すると、思わず熱い吐息が漏れた)
(直の形に馴染んだ柔肉が、雁首のくぼみにまでぴっちり吸いついていく)
あ、直さんの…が…奥まで…っ!
(突き上げを待ちかねて焦れる子宮口へ亀頭が叩きつけられる)
(そのままえぐるように子宮を持ち上げ、熱い蜜をあふれさせて)
(そのゆっくりした動作に、早くも津綺子の全身がじりじりと焦れる)
あ、あぁ、直さ…ん……お願い…もっと……
(今の津綺子はクールなアスリートの側面も淑やかな優等生の面影もなく)
(恋人に翻弄され、快楽を教え込まれてゆく一人の少女でしかない)
(津綺子を知る誰もが夢にも思わない、もう一つの側面を直の前にだけさらけ出している)
【今夜もよろしくお願いします】
くぅ…締まる……
(ピッタリと張り付いて蠢く粘膜に己自身をきゅっと絞られて、たちまち息が荒くなる)
(最初の強烈な快感が治まるまでは、あっさりと達してしまいそうで、動くに動けず)(隙間なく埋め込んだ先端を子宮口に押付けたまま、恋人の顔をじっと見つめる)
(陸上部のエース、真面目な優等生…そんな一面とは別の快感に酔い痴れる恋人の顔)
(自分だけが知っているそんな淫らな顔に背筋がゾクリと震える)
いい…?動くよ…
(ゆっくりと腰を前後に揺らし、拡がったカリでヒダをめくる)
(押し込めば奥を持ち上げ、引けばざらついた天井を抉り)
(思うまま、恋人に快楽を教えていく)
んん…はぁ…津綺子、気持ちいい?
うぁ…あぁ、……あぁん……
(押し込まれた肉茎がまたゆっくりとした動作で引き抜かれ)
(ぴっちりと吸いついていた内膜が吸引力を生じて引き戻そうとする)
(途中の一層敏感な部分をザリザリとえぐったかと思うと、また奥深く突きいれられ)
(ゆっくりと揺れるようなリズムに、甘ったるい声が同調する)
き、気持ち、いい、です……っ、あぅ……ん…そこ…っ!
そこが、感じる……
(充血する子宮口を突き上げられる時の、痛いほどの快感ろ)
(そこから内部をえぐりつつ引き抜かれる甘い悦楽が交互に体を苛み)
(上下する直の胸筋に、固く熟した乳首がこすれて転がれば)
(そこからも子宮がよじれるほどの快感が)
直さんっ…すごい……すごく、イイっ……!
(身体を起こし、抽送に揺れる乳房を片手で捕らえて、熟した頂点を指で摘む)
(指の間から乳肉がはみ出るくらいに形を歪めさせ、更に充血を促すように突起をしごく)
(そうしている間も津綺子の花芯を絶え間なく責める)
ん、く…あ、うぅ…
(子宮口に先端を押しつけて腰をグラインドさせれば、コリコリとした感触が堪らなく気持ちいい)
(引き抜く時、名残惜しげに食らいつくヒダがカリ首に快感を与えてくれる)
いいの?おまんこ、いいんだね?
(お礼に、身体の下で悶える津綺子に淫らな言葉を聞かせる)
(それが恋人に一層の快楽を与えるのを知っているから)
もっと気持ちよくしてあげる…
ほら、お尻をあげて…こうすると…どうかな…
(自分を受け入れるために、しどけなく拡げられた恋人の両足を肩に担ぎあげ)
(そのまま津綺子の身体を折り畳むようにして覆いかぶさる)
ふあっ、胸…やぁん…っ
(弾む乳房を掴まれ、乳首を摘みあげられれば、さらに高い嬌声をあげて)
(直の手は甘い痛みを感じるほどに乳肉を揉みしだくかと思えば)
(はしたなく尖る先端を捕らえた指先は、繊細な刺激を与えて充血を促す)
ぁん、いい、です…直さんに入れられて、お…まんこ…が…とても…あぁ…
(乳首からも絶えず快感を送り込まれ、内膜が厚みを増して圧力を上げる)
(自分の口からも卑猥な言葉を漏らし、体が覚えている快楽を告げる)
あ、直さん、そんな恰好……!
(両足を持ち上げられると、体格の差から腰が持ち上がって、つながり合う部分が上を向いてしまうほど)
(窮屈な姿勢で体を折りたたまれ、一層深く迎え入れる角度になって)
奥、までっ…すごい、直さんの、長いですっ…!あぁんっ、だめぇ……激しいっ…!
(腹腔内に子宮を押し込めるほどに、深く直を受け入れ、今までにない角度で責められると)
(たちまち全身が震えだす)
直さん、イっちゃう……っ、おまんこが…イっちゃいます…っ!
(体重をかけ、上からグイグイと押し込み、より深いところまで刺し貫く)
(間近にある恋人の顔が快感に歪み、愛しい唇が卑猥な単語を紡ぐのを見ると、ゾクリと背筋が震える)
(込み上げる欲望が勃起を膨らませ、更に肉洞を押し拡げる)
(津綺子の甘い声とヒダの不規則な痙攣が絶頂が近いことを知らせる)
津綺子…イっていいよ…まだまだ、たくさんイかせてあげるから…
(一度の吐精は次の限界までの道程を長く引き伸ばし、与えられる快感に耐えだけの余裕が生まれていて)
(身体を大きく動かし、深く浅くかき混ぜ、恋人を一足先に快楽の頂点へと押し上げていく)
あぁ、あ、だめ…もう……
(窮屈に折りたたまれた体を支えるために、震える手で直の腕をつかむ)
(乳房は自分の膝に押しひしがれて、形を歪めてはみ出している)
いやぁ、あ…ただ、し、さぁんっ……
(かすれる声でただ、愛しい人の名だけを呼び、腕をつかむ指先は爪を立てて)
(背筋を震わせながら、絶頂に達する)
う……あ……あぁ……
(くた、と全身の力が抜けた瞬間、両目に涙があふれてきて)
(忘我の表情のまま、荒い呼吸に胸を乱しながら生理的な涙に頬をぬらす)
(爪に傷ついた皮膚はすぐに癒え、愛の痕跡は消える)
(最初の頃はその事に寂しさを感じていたが、今はそんな証拠は必要ない程に心が繋がっている、と信じている)
イったね…おまんこ、イっちゃったんだね…
(絶頂に震え脱力した恋人に、言わずもがなな事をわざわざ確認する)
(担いだ足を下ろし、涙に濡れる頬を優しく撫で)
でも、俺はまだイってないんだ…だから、もう一度…
(ズルリと滾ったままの肉棒を引き抜くと津綺子の身体をうつぶせに転がすと)
今度は後ろからしてあげる…
(腰を掴んで持ち上げさせ、了解を得ないまま、閉まり切らない入口に先端を押し当てて)
(絶頂を迎えたばかりのその部分へ肉を掻き分け、再び侵入する)
はぁ、あ…直さん…
(まだ熱くたぎっているの剛直を埋め込んだまま、優しい恋人は頬をぬぐい)
(いたわるような声音で耳にするのも恥ずかしい言葉をささやく)
そんなこと、言わないで……。
(結合を解かれ、そっとうつぶせにされて無防備に尻肉をさらけ出せば)
(まだひくひくしている入口に、張りつめた亀頭を押し付けられる)
あん……今、イったばかりなのに……!
(口で抗議していながらも、イったばかりの蜜壷は悦んで直を飲み込む)
(甘ったるい抗議は、自分の淫らさ加減を証明する証言となってしまう)
う、あ…直さんの……すごい…固い……
(腰骨を掴まえて前後に揺さぶり、蜜をかき混ぜて音をたてる)
(零れる粘液は津綺子の内股を濡らすだけでなく、滴となってシーツに小さな染みを作る)
さっきイったばかりなのに…津綺子のここ、もうイきたいって言ってる…
(ゆっくり引き抜くと、幹が白濁した蜜と吸い付くヒダを引っ張り出して、部屋の照明を反射してヌラリと光る)
(その淫猥な物体を再び津綺子に差し込み、己の開発したポイントを擦る)
ここは、気持ちいいのかな…?
(結合部のすぐ上、溢れた蜜に濡れ、抽送のたびにひくつく菊に目を止めて)
(ためらうことなくその窄まりの皺を指先でくすぐり)
ピクピクしてる…
(中心に蜜を刷り込むように指の腹を押しつける)
ひ…う、ん…
(羽根枕を抱え込んで顔を埋め、声を殺す)
(背後から獣のような姿勢で交わっているのに、滴るほどに愛液を垂れ流し)
(入口と奥とでは別のタイミングで直を締めあげ、白濁を絞りとろうとする)
んん、ん、あ……や、そこ、は……っ
(いっそう弱い部分を熱い肉棒でえぐられる)
(直が開発し、磨き上げてきた膣は、直だけが知る快楽のスポットがあって)
(確実にそこを責められ、思惑通りに更に高い絶頂へと押し上げられる)
あんっ……!お尻…
(桃の割れ目に息づく小さな穴に、直の指が)
そんなとこ、ダメですっ、直さん……!
(自分が分泌した粘液を塗りこめられ、排泄の器官ですら悦楽を覚えてしまう)
(そんな自分を恥じ、これ以上の堕落を食い止めようとするかのように、歯をくいしばって枕にすがりつく)
う、あ、あぁぁ……
(菊座に刺激が加わるたび、蜜壷は肉棒をきつく締めあげ、より一層内部からも感じてしまって)
(背後から犯し、脇腹からくびれまで、魅惑のラインを手の平で撫でさする)
もう少しお尻をあげて…そう、こっちに突き出して…
(腰を突き出して下腹部で尻たぶを叩き、より煽情的なポーズを要求する)
…津綺子…もっと声聞かせて
津綺子の感じている声、聞きたい…
(肉棒を貪欲に飲み込み、中身を絞りとろうと腟が蠢く)
(それに対抗し、カリで内膜を拡げ、亀頭で奥を抉る)
あ、くぅ…津綺子、すごい締まる…
(菊座を責めると、肉ヒダがきゅうっと勃起を締め付けてくる)
(その強い快感に思わず呻き、それでも快感を欲してそこをなぶり)
(指先に少し力を加えて、本来とは逆向き、外から中へと侵入させる)
(温かい手が脇腹をなでると、ぞくぞくするほど気持ちがいい)
(より深く繋がりたい一心で、恥知らずな姿勢で犯されようと)
(猫が伸びをするように、背をそらせて頭を低くし、腰を思いきり突き出す)
うぐ…
(尻肉の間に、直の指が食い込んでくる)
(思わすくぐもった声を上げ、身をよじって抵抗した)
だめぇ、直さん、ここは違います…!
(だが、直の指はその中へも指先を埋め込んで)
いや、ダメっ、直さん……!
【かなり抵抗してますが、お好きにしていただいて大丈夫です】
力を抜いて…
(強い抵抗の声を無視して更に奥へと、キツい締め付けをほぐしながらゆっくりと)
ほら…もうこんなに入ったよ…
(半ばまで押し込み、軽く前後に動かそうとするが)
(強い締め付けは咥えて離さず、ほとんど出し入れにならない)
(ならばと指をわずかに曲げ、津綺子の内側の粘膜を引っ掻くように刺激する)
津綺子…お尻に指が入っちゃってるよ
一緒にされるの、どうかな?
(薄い壁越しに勃起に触れて、幹をそこに擦りつけるように動く)
【了解です。ただあまり抵抗されると、ちょっと…になるので】
【その辺りは適当にお願いします】
やぁっ、だめ、無理ですっ…!
(お尻から押し込まれる指に、喉元までせりあがるような抵抗感が)
(膣に埋め込まれている剛直のいとおしさに比べ、直腸に差し入れられる指はあまりにも苦しく)
た、だし、さんっ…苦しいの……ゆび……
あ、あぁぁぁっ!
(その指が曲げられ、粘膜を引っ掻かれると急に息苦しさが後退した)
(代わりに、腰骨まで砕けそうな快感)
(直を締め付ける膣肉を、さらにその外側から押しこむように刺激されて)
(思わずあられもない声を上げた)
や、やめて、抜いてくださいっ、直さん!
あ、お尻からこすったりしたら、膣内(なか)が……っ
可愛い声が聞こえたよ…お尻でも感じているのかな…?
(指で粘膜を責める。途端に漏れ出す嬌声を聞き逃さず)
(より大きく指を曲げ、外側から勃起に拡げられた壁を押す)
あ、はぁ…これ…すごい…
(胎内にポコッと飛び出した突起に幹を擦りつけ)
(強い締め付けが与える快感に、新たな刺激が加わる)
ん、んんん…くぅ…
(夢中になって快感を貪り、腟内を擦り、抉る)
腟内(なか)…?津綺子のおまんこが、どうかなっちゃうの?
じゃあ、試してみようか…
(恋人の儚い懇願に対する返答は、快楽への容赦ない責め)
感じて、なんて…っ はう…う…
(否定するそばから、初めて愛撫される粘膜がひくひくと反応する)
(熱いゴムの塊のように直の指を押し返し、菊門は指を折りそうなほどの締めつけを加えてきて)
や、あ、ダメですっ……お尻は……あぁぁっ!
(直腸に指先を残されたまま、激しく膣をせめたてられる)
(三度、絶頂への暴走が始まるように、体がうずいて)
【今夜はここまででよろしいでしょうか…?】
【次回までに、お尻の勉強してきます!】
【はい、了解】
【えー…勉強できるものなの?】
【と、とりあえず、次回なのだけど…幸いにして割と暇だったりするので】
【日曜とかはどうかな?】
【実習ではなく、座学で(汗】
【日曜日は、夜はあいてますし、たぶん午後も大丈夫ですが、時間は直前にならないと…】
【いや、さすがに実習は…w】
【では、22時からでいいかな?】
【一応午後--15時頃、避難所に顔を出してみるよ】
【では日曜日の22時からのお約束で】
【昼間もなるべくその時間に来るようにします】
【本当にお尻な展開になってまいりましたので】
【こちらも十全と準備させていただきます】
【この次も、楽しくお相手いしていただければと思います】
【今夜はありがとうございました】
【お疲れ様でした。御休みなさい】
【では、日曜の22時に】
【幸運に恵まれれば15時からも】
【いやいや…そんなに堅苦しくならなくても…>準備】
【こちらは十全と楽しませて貰ってる。今後ともよろしくお願いするね】
【こちらこそありがとう】
【お疲れ様。おやすみなさいノシノシ】
【スレをお返しします】
【テスト。】
【……お、この板もだいじょぶっぽいー】
【郡を待ってみる、っと。】
【お待たせっ! …で、刀を返すロールってことでいいのか?】
【ん。ま、返す自体はあっさり終わりそうだし、雑談かな……と】
【人気のないとこに、メールで呼び出すとか、そんな感じかな?天下の往来でポン刀持ち歩けないだろうし】
【了解、それじゃ場所は夜の公園か遊園地、あるいは学校?
適当に書き出してくれると助かるな】
【了解。しばし待たれよー】
(年も暮れに近づき、夜は一層凍てつく寒さを湛えはじめる。
吹き付ける風は、まるで切り裂くような冷たさを帯びている。
零時を回り、一層闇が密度を増した、不気味な夜の公園の静寂に、
ブランコが軋む音が混じる。
分厚いコートにマフラーと、完全防備の姿で、水琴は待ち人をしていた。
やはり手袋に包まれた手で、携帯電話を手首のスナップで開き、
最後に届いたメールの到着時刻を確かめてから、画面右上の時刻を確認。
……恐らくもう少しだろう、と。 思えば家も、住む場所も知らぬのに、
何の考えなしに、一方的に呼びつけたのだ。今になって思えば……)
……預けてあるとはいえ、悪いことしたかな。もしかして。
(運搬には慎重を要する代物ではあるが、もう少しいい状況もあったかな、と。
寒さで赤くなった鼻を啜り、ブランコを揺らしながら、ぼんやりと浮かぶ電灯の光を眺めて)
【よろしくっ】
>>86 う゛〜…寒ぃ、寒ぃ……。
何もこんな時間に呼び出さなくてもなぁ…。
(悪態をつきながらも、預かっていた刀を両手で握り、指定された場所へたどり着く)
お、いたいた…よっ、水琴さん、久しぶり?
(公園に入ると、他に人がいないためかすぐに目的の人物を見つけて、
軽く手を振って、挨拶を交わす)
その様子だと、相変わらず元気そうだな?
ま、何より何より。
(笑顔でうんうんと頷きながら、隣のブランコに腰掛ける。
随分と昔からあるのか、繋ぎとめている鎖部分はところどころ目立って錆びており)
―――で、こいつを握る準備はできたのかよ?
(そう言いながら、持ってきた刀を軽く掲げて)
【こちらこそよろしくな?】
(ず……と、再び鼻を啜ると、ふと、風にのって何かの臭いを察知した。
周囲を探るも、心当たりは見つからない。かわりに、目当ての人物が来た。)
こんばんは。ごめんねー、こんな時間に呼びつけちゃってさ。
聞こえてたよ、今の。
(苦笑しながら、ポケットからホットコーヒーの缶を這い出させると、
隣に座った少年に差し出す。未だに熱を保ったままだ。
変わらない、と言えばそう。髪型と傷以外は)
あんたも変わらない、ね。背も伸びてないし。
(逆のポケットから、携帯と入れ違いに別の缶を取り出しつつ。
悪態で返しながら、差し出された目当ての物品に眉を顰めて)
……裸のまんまもってきたんだ。いい度胸してるね。
(掲げたそれの金属部が、漆黒に塗られた鞘が、電灯を照り返した)
……準備、か、どうかはわからない。結局、逃げるとか、やめるとか、
そういう問題じゃなかったからね。
(首を横に振った。握ることを望み、振るうことを自ら選んだわけではない、と)
へへっ、悪い悪い。
でも、こんなに寒いとは思ってなかったからさー…。
(悪びれた様子もなく、苦笑を浮かべて)
まあ、何年も会ってないっていうわけじゃねえからなぁ。
そうそう、すぐに変わるわけでもないだろうしな。
(苦笑を浮かべたまま、軽く肩をすくませて)
お、サンキュ。気が利くじゃねーか。ありがたく、貰うぜ?
(プルタブを開けて、ごく、と一口飲んで)
ま、こんな夜中だし、見つからないだろうし…見つかったとしても、
普通のやつらから見れば、模造品か何かだと思うだろ?
ふぅん……ま、とりあえずあんたに返すことが出来てほっとしてるよ。
これを返すことが出来るっていうことは、あんたが今まで無事だったってことだしな。
……もう年、明けるんだよ。
来年、あんたは2年だよね。やっぱ受験すんの?
(こちらは頬に自分の缶を当てつつ、暖を取って)
何年も、か。
結構目まぐるしく、時間が流れてる気がするよ。
立ち止まってると、案外何も変わってないように見えるんだけどさ。
(顔を付せて、溜息をついて)
警察は、こういうのもってる人を取り締まるのが仕事なんだよ?
(そうして手を伸ばす。ごく自然に手放したものとは思えないほど)
無事、ってのは、生きてる、ってこと?
……そだね、こんなの、押し付けてただけだった。結局何もなってなかったのに。
(鞘に指を絡めて、郡の手から自分の手へ移し……溜息。)
ね、あんた。 ナイフとか、もってきてる?
【ごめんっ、30分ぐらい時間くれるか? 急用が出来ちまって…
すぐに戻るから、待っててくれ、ごめんっ!】
【りょーかーい】
【お待たせ!】
>>90 まあな。とりあえず大学に行ってみたいと思ってさ。
…ん、やっぱり文学部かな。そこからまた考えていこうと思って。
自分の興味あるものを勉強したいしさ。
ま…もう少し学生気分を味わいたいっていうのもあるんだけどさ。
(苦笑を浮かべながら、首を竦めて)
……まあ、それでもパトロールしてる警官ってのも
そうそう多くはないだろ? 見つかったら確かにヤバいけどさ。
第一、刀を預けたのはあんただろ、水琴さん。
(不満げに呟きながら、ちらりと彼女の横顔を覗き込んで)
俺は別にかまわないけどさ。
……水琴さんが何を考えてるのかは分からないけど、
マイナスなことは考えるなよ? それってあまり自分のためにならないし。
(そう言いながら、ナイフを取り出して)
ああ、もちろん。……どうしたんだ?
……そ、っか。
そういえばあんたは、こっちで稼いでるわけじゃなかった。
("将来"がある、と聞けば、目を瞬かせた。
目の前の少年は、好んで――と言ってしまえば軽率にも聞こえるが。
誰に強制されたでもなく、境目を越えて夜に居る。
すん、と再び臭いを嗅いで、納得を深めたように)
そこは生活の知恵。 でしょ?
(コートの裏側から、長い皮制の袋を取り出す。
剣道部などがよく使う、竹刀袋――竹刀よりも長尺のため少し長めだが――である。
名札には「須佐乃」と筆文字で描かれている徹底ぶり)
ま、こんな隠蔽で回避できるくらいは、ザルなんだけどね。犯罪も増えるわ。
マイナス……?マイナス、かな。
自分が最良と思える札を引いたのに、それを取り上げられちゃって、さ。
(目を伏せる。刀を抱くように。離せない、と言うのは、手放せぬ日々へ飛び込むということ)
……ね、 あれから、何人?
(そのナイフの刃を、二指で挟む。優しい視線は、まるで柔らかく囁く睦言のように。
それとは全く不似合いな問いを向けて)
【ごめん! PCが固まって再起動かけてたら遅くなった!
今から書き直すから待ってて】
>>94 ……まったく、水琴さんが何を考えてるのかは知らねーけどさ、
あまり考えてばかりっていうのも、よくないぜ?
(やれやれと軽くため息をついて)
何か悩んでるのなら、はっきりと相談してくれよ?
まあ、俺で力になれるかどうかは分からないけどさ、
目の前で、意味ありげに悩まれても仕方がないし。
(きっぱりとそう言いながら)
うじうじしてるのは似合ってないぜ、水琴さん。
あんたが何で悩んでいるのかはしらないけど、
悩みをかかえたまま、考えてても仕方がないぜ?
確かに、どうすりゃいいのかなんて、考えててもわかる気はしないよ。
悩めば絶対に答えが見つかるとも思ってないし……
そうだね、仕方がないこと、してるわ。あたしは。
(頭を抱えて、深い溜息を吐きながら、首を横に振る)
似合わない?昔からこーだよ、あたしは。
本当ならさ、あんたにこれ捨てさせて終わり――なら良かったんだけど。
(刀を掲げて、そのまま革袋にずるずると納めていく)
……何、なのかな?あたしにとって、あんたにとっても。
武器を持って夜歩くってのは、何?趣味?仕事?
媛名センパイは、仕事だった、っていうけど……食べてく方法は、他にいくらでも、ある。
あんたはさ、そんな"血の臭い"までさせて……いつまで続けるの?
(憐れみではなく。むしろ縋るように問う。
確信したのは、臭いと置き換えた、"気配"のようなもの……。
"慣れ"が招く、互いに引き寄せ合う血の気配を、青年に見たのだ)
>>97 ……やめるっていうなら、今すぐにやめることはできるさ。
戦いのことは忘れて、普通の生活を送ることだってできる。
でも、俺は―――、俺は、今それを止めてしまうと、あとで後悔するから。
俺は、知ってしまった。なら、目の前だけでも零れていくものを受け止めたいんだ。
(瞼を閉じて、静かに息を吐き出しながら)
幾ら血にまみれようと、俺は俺が納得するまでやめねえよ。絶対に。
それがたとえ偽善だろうと。俺は決めたんだ。
――何かを失ってから後悔するよりも、どうせなら、やってから後悔したほうがいい。
目の前で起こる嫌なことを見逃し続けるっていうのは、
俺にとっては苦痛でしかないからな。
(そっとため息をついて、軽く天上を見上げて)
【ごめん、そろそろ眠気が近いかも……凍結させてもらってもいいか?】
【了解だよー。リミット聞いてなかったね。なんて気が利かないんだろう、あたしッ……】
【解凍日時は、避難所で……ってことでいいかな?】
【……ごめんorz うとうとしてた……
明日には避難所にかいておくから、よろしく。それじゃおやすみっ】
【迫水先輩をお待ちしてます】
【お待たせ。改めてこんにちは】
【今日はそちらから、でよろしかったでしょうか】
【書き出しお待ちしてます…】
【おっ…?勘違いしてたな】
【今書き出しを作るので少々お待ちを…】
【確認しないでごめんなさい!】
【お待ちしてます…】
>>74 感じてない、なんて嘘はダメ…
津綺子、すごい可愛い声出してるよ
(菊に埋めた指は既に根元近くまで侵入して、窄まりを拡げながら、腸壁をほじくり)
(同時に腰を動かして壁越しの指と擦りつけてヒダを)
(先端は最奥部を突き刺し、抉る)
(耳に届いてくるのは津綺子のあられもない嬌声。それは明らかにせっぱ詰まっていて)
津綺子、イっちゃいそうなんだね?
お尻に指を入れられてイっちゃうんだね?
(恋人の下半身を己の肉体で責めたてながら、恋人の聴覚まで言葉で犯していく)
【では、こんな感じで】
【今日もよろしくお願いします】
いや、あぁ、お尻は……っ
(指が侵入してくる感触は苦しく、喉元を締め上げられるようで)
(それでいながら、指先が腸壁越しに膣へ刺激を加えると、子宮から入り口までよじれるような快感が走る)
あ、そんな、わたし……こんなの、変ですっ……
ふあぁ、や…い…やぁ……
(少しでも指が引き抜かれると、苦しさが急に引いてふわふわっと浮き上がるような快感が広がる)
(剛直のきつい責めに女性の部分はもう、とろけそうなほど感じていて)
(後部からの感覚にさらに快感が鋭く研ぎ澄まされる)
あ、変…私、変になっちゃう…直さんっ……
(ぎゅ、とすがりつく手に力が入り、直の皮膚を破る)
(血のにじむ間もなく、爪痕が消え失せると同時に、津綺子が背をそらせて痙攣する)
いやあぁぁぁっ……!
(肩に乗せられた足の先までつっぱって、ぴく、ぴく、とひきつり)
(蜜壷は三度肉棒を締め上げて愛液を吐きだし、直腸が直の指を吸い上げて熱い粘液を分泌し)
(長いまつげをまたも興奮の涙で濡らし、ありとあらゆる部分から、直に応える液体を垂れ流して)
(感じたこともない高い悦楽に震える)
【では改めまして、よろしくお願いします】
(身体の下で果て、激しい痙攣の後に脱力する恋人を見守りながら)
(勃起と指をゆっくりと抜き出して、津綺子の身体を窮屈な体勢から開放する)
(胸の膨らみが大きく上下してその存在を強調し)
(汗で艶やかに光る肌、頬に貼り付いた髪、涙にぬれる瞳…全てが愛しくて)
津綺子…
(その細い身体を抱き締め、身体を密着させて)
(最初は濡れた瞼に、次いで頬にキスを落とし)
(唇を耳元に寄せて囁く)
……津綺子の「はじめて」、俺が貰っていいかな…?
はぁ……はぁ、はぁ……
(戒めを解かれるように、苦しい姿勢から体を伸ばされ、呼吸が楽になる)
(直の熱い体がまだ満たされない欲を宿して、それでも優しく抱き寄せられ)
(まるで逆らえない響きを秘めた愛しい声が、呪文のようにささやく要求)
はじめて……?
(直に初めて抱かれたときにはもう、二度も凌辱を受けた後だったことを忘れたことはない)
(それでも彼は、女性としては十分に汚れていた自分を愛し、悦びを与えてくれた)
(その恋人が、まだ誰にも許していない部分を求めるというなら…)
私のすべては、あなたのもの……そこも。
(震えながらうなずき、自らもまた快楽の予感に体の奥を疼かせて)
まだ、あなたに捧げられるものがあってよかった…。
これで、津綺子の「はじめて」は両方とも、俺のもの…
(過去の事実は消せない。それでも、その上から偽りを被せて、恋人の言葉を否定する)
(津綺子の反論を一足先に押さえるように、開かれる前の唇に唇を重ね)
(タップリと舌を絡め、全てを吸い上げる)
もう少し、準備した方がいいね…
(恋人の下半身を再び持ち上げ、上を向かせる)
(目の前に全てをさらけ出させ、その部分をじっと見つめてから、指先で菊の形を優しくなぞる)
(タップリと蜜を塗り付けてから、指を埋め込む。より深く--根元まで押し進めて、引き抜く)
(抜いては撫でくすぐり、深く差し込む。繰り返し繰り返し、ゆっくりと、確実に、排泄の為の器官に犯されることを覚え込ませる)
(空いた片手は腰を支えるように前に回され、若草を梳かし、その下にある真珠の粒を転がして)
大丈夫…津綺子、全部、俺に任せて…
両方…直さ…
(お互いにわかりきっている優しい嘘を、直はあえて口にして見せる)
(普段は率直で誠実な彼にそんなことを言わせてしまったことに驚く間もなく)
(その唇に反論も醜い真実も吸い上げられて、熱い愛撫に溶ける)
(不意にまた腰を抱え上げられ、大きく広げられた)
直さん、だめ……
(直の視線を遮ろうと伸ばした手は、あっさりと取り押さえられ)
(花芯は視線だけでとくとくと蜜をあふれさせる)
(とろみをすくい、きつく締まった菊門に塗りつけ、その指先が食い込んできて…)
んぐっ……うぅんっ……
(埋め込まれるときの苦しさは、引き抜かれるときの安堵するような快感にたちまちなだめられる)
(周囲をほぐしながら、何度も埋め込み、引き抜きされるうちに、なめらかにその指を受け入れるようになって)
(さし入れられる時の苦しみが、鈍い快感にとって代わる)
あっ……く…う……うぅ…ん……
(直が指を動かすリズムに合わせて、花園の入り口もぱくぱくとゆるんだり締まったりしており)
(肉色の真珠が、逆流する粘液を集めて膨らんでいる)
(そこを転がされると、淫らな水音を立てて悦んで顔をのぞかせて)
あ、あぁんっ、そこも、なんて……んあ……ぁ……
ほら、もうこんなに…
(柔らかくなった菊の中心に2本揃えた指を添え、更に大きく拡げながら押し込む)
(異物の侵入に生理的反応で粘液が分泌されて、指の抽送を容易にする)
(締め付けてくる窄まりを引っ張りながら、津綺子の内部を擦り、撫で回す)
津綺子、お尻で感じているね…
…おまんこも、ピクピクしてるよ
(その部分は、支えを失ってもまだ口を開けたままの入口を晒して)
(何かを求めるようにひくつくのに対し、熱い息を吹きかけて答える)
もっと感じて…
(充血して顔を出す蜜塗れの肉真珠に指を添え、殊更音を立てるようにしごき)
(振動を与え、押し込み、引っ掻いて、摘みあげる)
く、あ…ぁ…う、うぅぅんっ……!
(やっと指の抜き差しに慣れると、その指が二本になって、さらに括約筋の抵抗を促す)
(けれど、押しこまれるときの苦しさが増すことはなく、ぬぷぬぷと引き抜かれるときの快感は強まって)
あ、う……お尻…が……良くなっ……て……
(ひくつく花園に熱い吐息がかかる)
(どれほど間近で観察されているか、実感すると羞恥と同時に快楽が膨れ上がって)
お尻……直さんの指で…感じてるなんて……恥ずかしいです…
感じてるお尻を、直さんに見られてる……
あ、そんなことされたら、イっちゃいますっ…
(焼きつくような視線の中で、敏感な真珠をいたぶられると、腰がはねてしまう)
あぅんっ、だめ、そこだけでイっちゃう…っ
(きゅきゅっ、と花びら同士がより合わさって、クリトリスが絶頂へ向かって暴走し始めている)
お尻……直さんのものにしてください……直さんでいっぱいにしてほしいですっ…
【ここでいったん、お時間いただいてもいいですか?】
【再開は夜ということで……】
(指を抜き、津綺子の身体を再びベッドに横たえる)
(開かれた足は肩に担ぎあげたまま、自分の滾る欲望を握り締める)
津綺子…今あげるからね…
(蜜を吐き出すヒダの間に先端を擦りつけて、赤黒く膨らんだ亀頭を濡らす)
(そのまま更に下方に滑らせ、ひくつく菊座にあてがって)
力を抜いて…いくよ…ん…
(足を抱えるように押さえつけ、ぐっと力を加えるて)
(皺を引き伸ばし、未開の部分に侵入を開始する)
【おっと、リロードミス】
【うい、凍結了解】
【再開は…22時頃でいいかな?】
【22時了解です。レスも用意しておきますね】
【早く来られるようなら、早めに来るようにします】
【こんな感じでよろしいでしょうか(汗】
【お尻は初めてなので、いろいろとあり得ないことがあったりするかもしれませんが】
【なにとぞよろしくお願いします】
【ではまた後ほど】
【こちらも早めに来られるようなら、早めに】
【えー…俺もはじめてなので…「あり得ないだろ〜」には、ご都合主義と答えてしまいましょう】
【いずれにしても、よろしくお願いします】
【では、後ほど】
【一旦スレをお返しします】
【ロールの解凍にスレをお借りします】
【ロールを再開させていただきます】
>>115 (あげる、と聞くと、脳内が欲望の霧に取り巻かれるように理性が後退した)
早く……いっぱいください、直さんの…固いの……
(うわごとのようにはしたない要求を繰り返し、あられもなく広げた局部を潤ませる)
(その潤みを、待ち望んだ器官にまぶしつける感触に、背筋がぶるっと震えた)
きゃ、あぁ、ああああぁぁぁっ!!
(力を抜いて、と言われても、外側から大きく引き伸ばされる感覚に、思わず力が入る)
(侵入を拒んで引き締まる括約筋と、新たな刺激を待ってうごめく直腸)
(指とは比べ物にならない太さに、骨盤が割れるほどの圧力を感じて)
無理、直さん、無理ですっ…太すぎますぅぅっ……!
(息を吸い込んだ瞬間、ふと力が抜けたタイミングで、ぐい、と亀頭が菊門をくぐる)
(内臓を横隔膜へ押し上げられるような、すさまじい息苦しさ)
うううっ……ぐぅっ……
(一番太いところが括約筋をすり抜けてしまうと、それらが一気に軽くなった)
(直腸にのみ込まれていく肉棒に、急に体中がとろけるような快感を覚える)
ふあぁ……ああ、直さん……
うっ…くぅ……っ!
(侵入を拒み、押し返す菊座。その抵抗も儚く、じりっと食い込む先端)
う、あ…き、つい……
(亀頭を強烈に締め付けられる感覚に脳髄が痺れる)
(本来と違う部分に挿れる行為に感じる背徳感が快感に繋がり、貪欲に貪ろうと更に押し進めて)
あ、あぁ…くぁあぁっ!!
(ある瞬間、今までの抵抗が嘘のように緩み、ズルリ、と亀頭が窄まりを通過して)
(恋人の内側に、肉棒の半ばまでが飲み込まれる)
はぁ……はぁ…ん、津綺子、入ったよ…
(呼吸を整える間は、しばらくは動かずに、やがて馴染ませるようにゆっくりと動いてみる)
(菊門の締め付けは、まるで食いちぎられるのではないかと錯覚するほどに強く)
(反対に、内部は意外なくらいゆったりと亀頭に絡み付いてきて)
(その相反する快感はあっという間に理性を刈り取っていく)
直さん、う、動かないでっ……
(肛門に今まで経験したことのない太さがはさまったままなのが、どうしようもなく苦しく、ひどい違和感があった)
(逆に直腸は、口そのもののような吸引力で直の亀頭を吸い上げる)
あううううっ、ぐぅっ……うう……
(苦しげに眉根をよせ、額に玉の汗を浮かべて身もだえする)
(直がゆっくりと動き始める)
あぁぁっ、直さんっ……
(押し込まれるときの、吐き気に近い苦しみと、引き抜かれるときの脳内が真っ白になりそうなほどの快感が)
抜かないで……やめちゃいや……
(つい先ほどとは全く違うことを口走りながら、顎の下でぴちぴちと弾む乳房越しに恋人を見上げる)
(今まで見たことのない角度で見上げる愛しい青年は、行為の激しさとは裏腹な、慈悲深いほどの愛情をうかべていて)
(胸の奥が、彼への思いでいっぱいになった)
(見開いた津綺子の目を上から覗き込み、快感に蕩けそうな顔を何とか引き締めて)
ん…はぁ、はぁ…津綺子の処女、俺が貰ったよ…
忘れないで…君の「はじめて」は俺だからね
(一つの事実で、もう一つの事実を打ち消す)
(それを恋人に刻み込むように、残りの太幹を埋め込んでいく)
(押し込む時の苦しげな表情が、引き抜く時には確かに蕩ける)
(まるで反対の要求を告げる津綺子に対して戸惑いを覚えつつ)
(吸い込まれるような粘膜の蠢きに理性がホワイトアウトする)
んんっ!これなら…どうかな…
(足を抱える込み、下腹部を密着させたまま、腰の動きだけでグイグイと突き上げると)
(直腸内で反り返る勃起が普段ならあり得ない角度で、あり得ない方向から)
(肉壁を通して津綺子の子宮を持ち上げ、押し潰す)
直さん……私の、心も、体も、全部あなたのものになるために……
最初から、それはもう、ずっと…決まっていたこと……きっと……
(熱に浮かされるように、痺れた理性の間からこぼれる言葉をまた自分の耳で聞いて)
(ほとんどそれを信じてしまいそうなぐらい、心に刻み込む)
ん、はあぁ……ううっ、ああぁ……んんっ、んあぁ…っ…
(太幹がねじ込まれるときの苦しさが次第に鈍っていく)
(ひきぬかれるときの爽快感を伴った快感が、次第に昂ぶって)
(そのリズムに合わせてメスの入り口がギュッと締まったりゆるんだりする)
うっ、あ、その、突き……当たるっ……子宮に、直さんの…が…っ…
(熱を持って疼く子宮を外側からたたかれる)
(ビンビンと蜜壷やクリトリスにまで衝撃が伝わって、甘い快楽にかわる)
はぅっ、激し、い……
(やがてあふれた愛液が、突きあげの度に衝撃でしぶきとなって)
そう…そして、俺の心も、体も…全部津綺子のものになるため…
(蕩ける理性で津綺子の言葉に答え、その全てが事実であるように錯覚すら覚えて)
津綺子…もう少し動いていいかな…?
(強力な括約筋の締め付けに自分の欲望をしごいて貰いたくなる)
(それは魅惑的な期待で、到底抗うことができず)
(恋人の了解を得ないまま、ゆっくりと全長を引き抜いていく)
あぁ…すごい、締まる…
(恋人に爽快感--排泄の快感--を与えつつ引き抜いた勃起を、再び直腸へと突き刺して子宮を持ち上げる)
あぁ…つきこ……
(下腹部に濡れた感触を覚えて目を転じれば、そこにはだらしないほどに蜜を吐き出す雌芯)
(口を開け閉めするサーモンピンクの粘膜と、同色の艶やかな真珠が何かを待ち焦がれているように見えて)
(躊躇うことなくクリトリスへと指を伸ばし、ゆっくりと転がす)
津綺子の、グショグショになってる…
んあぁぁぁ、んんんんっ……んあぁ……はあぁぁ……
(直の動きは長いストロークに変わってゆき、スピードが上がる)
ぁうんっ、直さん、そんなに、動いちゃ……
(苦しさは鈍い快楽にとって代わり、引き抜かれるときにエラが直腸をこそげる感触が、次第に強い快感となってくる)
(直は激しく律動しながら、肉色の真珠に手を伸ばす)
あぁぁっ、だめぇ、クリ……感じすぎちゃいますっ!
うぁ、ああぁ、いいっ……いいの、クリも、お尻も、両方……
直さん、すごくいいですっ…全部、感じます……っ…!
(首で体を支えたまま直に腰を捕まえられ、肛門を犯されながら肉芽を愛撫されて)
(絶頂に向かって加速していく)
あ、お尻、直さん、お尻が直さんのでいっぱい……!
イッちゃう…っ……
う…はぁ、はぁ…くぁ…
(腸内に分泌された粘液が絡み付いた太幹は、引き出された時にヌメヌメと光る)
(溢れ、伝い落ち、飛び散った液体は津綺子と自分の下腹部と、シーツを盛大に濡らし)
(お互いの結合部から漏れる卑猥な音は部屋中に響いて、聴覚から脳を刺激する)
あぁ…つきこ…俺も、もう少し…すぐだから…一緒に…
(引き伸ばされた絶頂が間もなく限界を迎えるのを自覚する)
(熱い精を充填した勃起が大きさと硬度を増して、粘膜を拡げ)
(射精の欲望に、腰の動きは大きく、乱暴に津綺子を揺さぶり、腸内を掻き乱し)
(無意識のうちに雌の中心までも指で犯し、手の平で真珠を押し潰す)
う…ぐぅっ…あぁぁぁっ……っ!!!
(獣のような呻き声と共に一際強く突き込み、子宮を持ち上げて)
(二度三度と勃起が震え、そのたびに煮え滾ったエキスを奥へと注ぎ込む)
【お待たせ…】
ひうぅぅっ、あううううっ……あぁぁ…
(敏感な肉芽がいたぶられると、子宮が収縮して愛液が噴き出す)
(直腸へのあり得ない刺激に、全身錯乱しながらも淫らな反応を返して)
イキそうっ、直さん、わたし、アソコが……!
(その「あそこ」に直の指が入り込み、かき回し、さらに淫らに乱れながら)
やああぁっ、直さあんっ……!
(目の奥で何かがはじけ、流れ星の残像が脳裏に長く残って)
(次の瞬間には、直の熱い精液が腰の中のあり得ない場所にたっぷりと噴出する)
(精液を知らなかったその部分の隅々まで、ピリピリした刺激が伝わって
う……あ……あぁ……
(力が抜け、壊れた人形のように脱力する)
(直を抱きしめたくて、だるい腕を、直の方へ持ち上げて伸ばす)
【どうぞ、ごゆっくりですー】
う…あぁ…
(大量の射精は脳内を真っ白に染め上げて、チカチカと配線がスパークを起こしたように痺れる)
(息をするのも忘れ、解放感と充足感が体の隅々まで満ちていく余韻に浸り)
はぁぁ…
(長い長い息を吐き出しながら、津綺子の拡げられた腕の中へと体を倒す)
(吐精で少し萎えた茎が、体の動きにともなって引き抜かれていく)
うっ…
(窄まりの締め付けにカリが引っ掛かり、そこを大きく拡げながらズルッと抜ける)
あ、直さん……
(汗ばんだ青年の体を腕の中に迎えて、その背に手を回す)
(初めての行為に、下半身の関節という関節が、ガクガクしてしまって力がはいらない)
(大きく広がったカリが、萎えながらも菊門をえぐって抜けていく)
んぅ……
(ようやく吐き出された濃い白濁が、どろりとあふれてきて)
(その部分の純潔を、直に捧げたのだと実感する)
こんなになるなんて……私……
(次第にいつもの理性と羞恥心が戻るにつれ、直の顔を見ることもできずに)
(その愛おしいぬくもりと匂いに、じっと浸っているばかりで)
津綺子…
(恋人の名を呼び、腕に抱かれる)
(少しだけ体をずらして隣りに寄り添い、津綺子の頭の下に腕を差し入れる)
いいんだ…どんな津綺子でも、俺の大好きな津綺子に変わりはないから
(顔を伏せた津綺子の頭を胸に抱いて、髪を手櫛で梳かし)
(足を絡み付かせ、肌の密着度を高める)
こんな風になるのも、みんなあなたのせいで、あなたのため、だから…
これから先、私を変えていくのは直さん、あなただけ、です…。
(四肢を絡め取られ、自分よりもわずかに高い体温に包まれて)
(脳裏に刻まれた美しい嘘を、今だけは真実のように信じ込む)
でも、でもね……
(たくましい上腕に顔を埋め、そこへ唇を押しあてながら)
あんまり恥ずかしい意地悪は……忘れて……
(直にも、一番美しい自分だけを覚えておいてほしい、と)
(この期に及んで往生際悪く恥じらってみせる)
【そろそろお名残り惜しいですが、締めの方向でよろしいでしょうか】
そう、津綺子は俺のもの…
(キツいくらいに抱き締めて、恋人の体全てを包み込んで)
だから、津綺子の全部を俺にさらけ出していいんだからね
絶対に離さないから…
意地悪?えっちな言葉を言っちゃう津綺子とかを忘れて欲しいの?
(胸元から聞こえる恥ずかしげな懇願に)
どうしようかな…意地悪されてる津綺子、すごく可愛いんだけどな…
(くすくすと堪えるように笑い、からかい、再び髪を撫でる)
ん…津綺子…
(シーツで二人の体を包み、更に己の体で津綺子を包み)
(二人分の温もりでお互いを暖め合い、優しい気分に包まれてまどろみに落ちる)
【またもや遅くなって…】
【えーと、こんな感じでこちらは締めますね】
【そちらのレスがあるまで残ってます】
【綺麗に締めていただいたので、その締めに乗って】
【一緒に朝まで寝かせていただくことにします】
【今回も長いロールになりましたが、お付き合いいただいてありがとうございました】
【精神的にも深い描写をいただいて、キャラもまた少し成長できました】
【お尻は、ご満足いただけたでしょうか……?】
【こちらはとても楽しかったです】
【これからも、よろしくお願いいたします】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【こちらこそ長い間お付き合い頂いてありがとうございます】
【いえ、そんな風に言って頂いて…恐縮です】
【これからもよろしくお願いします】
【はい、もう大満足です>お尻】
【こちらも楽しませて頂きましたよ】
【お疲れ様&おやすみなさい】
【スレをお返しします】
【名前】紫 一久(むらさき かずひさ)
【年齢】16(高等部二年)
【性別】男
【身長】172
【容貌】
無駄のない体つきに、やや大人びた顔。昼間は笑顔、夜間は無表情が七割を占める
右手は無骨な義手で、隠すために常に黒い革手袋をしている
【能力】
・身体能力
生身でも、訓練を受けた大人と互角以上に渡り合える程度の身体能力
ただし、若干足が遅い
・特殊能力
・グルネル
右の義手。ワイヤーつきで10mほど飛ぶ(操作不可)
飛んでいる間も指は普段通りに動かせるが、制御を失うと爆発する
・ショックボルト(能力)
(ワイヤーやナイフといった武器づたいにでも)手から触れている対象に電流を流しこむ
使用には痛みを伴い、痛みは対象の大きさに比例する
・他にもワイヤーつき弾丸を発射できる銃、ナイフや鉄パイプなんかを割と器用に操る
【希望】基本的に何でも
【NG】グロ、ホモ、大きな後遺症
【弱点】
防御は一般的な回避のみ
饒舌・自信家すぎる
一度雑念が入ると止まらない
【備考】
<<十三天梯>>という、対異能組織の構成員。異形の捕獲及び異能のスカウトを行っている
もともと孤児だったのだが、身体能力の素養と異能の片鱗を見出されて教育を受けた
ただ、結局異能としては開花せず、ある異能を模倣した電撃能力を、人工的に与えられる
"一"久という名前は、人工的に異能が与えられた成功体の第一号に因んでいる
昼間は学生として情報収集を行い、夜になると異形の捕獲に赴く
基本的に異能に対しては友好的だが、捕獲任務を妨げたり、敵意を向けられたりすると、相手を異形と同様に見なし、攻撃ないしは捕縛する
また、リターンのない戦闘において女性相手に勝利すると、何とも微妙な"戦勝の儀式"を行うという・・・・
昼間は明るい性格だが、あくまでそれは情報収集のための仮面であり、夜の戦いの最中に現れる残忍・傲慢な性格が本性
十七夜木 一葉は同じ組織の異派閥で、情報的には協力関係にある
また、一時期最悪だった経済状況は回復しつつあるとか
【忘れぬ内のプロフ投下落ちだ】
【ついで、某所で同じのを見たんでトリップを変更しておくぜ】
【待機といこうか!】
【プロフはすぐ上だ】
【機が悪いか・・・まあ年末だしな】
【撤退する。皆良いお年をだ】
待機解除。
さて……と。あの世からの出戻りだ、と。
まあ時間が時間、それほど長居ができるはずもないけど。
こうしてふらりと様子を見るのも悪くはない。
……さて、どーなるかねぇ。
(ふわり、ふわりと浮いている)
【こんばんは、ご無沙汰しております…】
【よろしければ、2時ぐらいまでお相手お願いできますでしょうか】
……ああ、いいともさ。
だったらやりたいネタがあるんだ。たぶん長くはかからない。
聞いてくれるかい?
ぜひお願いします。
こちらも他の一発キャラになってもいいですし、
ネタを聞かせて下さい。
じゃあ、聞いておくれ。何か意見があれば言ってほしい。
その日、あんたは山中にいた。そこはかつての決戦の場所。
なぜやってきたのか、きっと何か思うところがあったのだろう。
一度なぎ払われた後にしては、そしてこの冬という季節にしては。
妙に緑の生い茂るその場所の中心に、とても馴染み深い女が一人、立っていた。
とまあ、そんな具合に始めようか、とね。
そちらの見た目は全く以前と同じでいいでしょうか?
そのほか、これは困るとか、そういうところだけ御返事いただけたら
こちらから書き出したほうが良さそうなので、始めます。
まあ、見た目はいつもの……と最近ではいえなくなって気がするが。
学生服だ。何も来てなかったり、くたびれたコートだったりはしていない。
そうだな……困る、というか。こっちはどうにも幽霊なんでね。
ふれることだけは、どうしたってできやしない。困ったことに。
そのあたりだけ忘れなければ、大丈夫だ。
では、シードと別れた場所へ、ということで書き始めますので少々お待ち下さい
(学校は冬休みに入り、部活も年末年始は完全に休みになる)
(にも拘らず、津綺子は早朝から家を出て、そこへやってきた)
(家を出るときには暗かった空も、山道を歩くうちに次第に明るくなり、もうすっかり朝日が昇りきった頃)
(ようやくその場にたどり着いた)
あ……
(登山道を外れ、木々の間を抜けて急に開けた光景に息を呑む)
草が……こんなに…?
(周囲は真冬に霜枯れているというのに、そこだけは朝日を浴びてきらめく青草が茂っていた)
(そして、人影が)
お姉さま……?
(いくらなんでもそんなはずはない)
(4ヶ月も前、ここでその人をわれとわが身でもって葬ったはずだった)
(錯覚だ、ほかならぬこの場に、似たような姿の人を見かけてそう思い込んだだけだ、と)
(自分にいい聞かせる声すら、むなしく思えるほどに……その「人物」は……)
【それではこんな感じでよろしくお願いします】
………結局、ここに戻ってきた訳か。
(実体なき身にも、差し込む朝日はまぶしくて目を細めた)
(この世を去って早四ヶ月。死後の世界、と言うところでの暮らしも悪くはなかった)
(だけれども、未練がないわけでもない。まだこの世界に)
(だからこの時期、人知れず戻ってゆく死者たちの列に混ざって、彼女もまた帰ってきていたのだった)
姿形はあのときのまま……足下の感覚がないってこと以外は、特におかしなところもないか。
(体感だけで語るなら、自分ですら死んでいるとは思えない。ただ、踏みしめるべき地面)
(その感触を、喪失していたことだけが今の彼女の状態を表していた)
しかし、降りてきたのはいいものの……何をした物かな。
(彼女の知る人物の内、ほとんどは彼女にとって、そしてシードにとって敵だった)
(家族などももはやいるはずもなく、天涯孤独の身のままで)
あっちにいても戻ってきても、ひとりぼっちは相変わらず……っ?
(一人つぶやくそのときに、声が聞こえた。振り向くと)
……津綺子。
(自然とその言葉が零れでた。死人と化したこの身では、声すら届かないかもしれないと言うのに)
…!…
(答えた)
(見間違いでも自分が作り出した幻覚でもなく、本当にそこにいるのだ…シードが)
ど…うして…いったい、なぜ……
(異形や魔物をどれほど見ても、幽霊だけは見たことがない)
(死後の世界や魂の存在を、そう簡単に信じてしまう思考の持ち主でもないだけに)
(たどり着いた結論は)
…生きて、いたの…ね…?
(シード因子が消滅した今でも、その少女への焼け付くような思慕は覚えていた)
(倒すべき敵として出会い、心身の自由を喪失して彼女のものとなり)
(自分の意思と体を取り戻しても、愛した記憶までは失われずに残っている)
ここで、何をしているの?
……お姉さま……。
……見えて、いるのかい?
(そう訪ねてから、気がついた)
(おそらく彼女自身が、もっとも想いを寄せた相手が目の前の少女)
(ならば、その人にこの姿が見えたとしても、きっと不思議はない)
(声が聞こえたのだとしても、きっと当然のことなのだ)
さあ、どうしてだろうね。
(しかし、果たして目の前の少女は今の彼女を受け入れてくれるのだろうか)
(もはや彼女はシードではない。だが、彼女は全てを覚えていた)
(だからこそ、想いは消えず残ったままで。それ故に、拒絶されるのが怖かった)
(そしてそんな不安も、迷いも恐れも全て。お姉さま。その一言で掻き消えた)
わかった気がするよ。どうしてここに戻ってきたのか。
それはね、津綺子。お前がここに来たからだ。
私はきっと。……お前に会うために帰ってきたんだ。
(そして、とても嬉しそうに、優しく笑っていた)
(それは、彼女が今際の時に浮かべていた表情とよく似ていた)
(彼女は歩み寄り、少女へと手を伸ばした。足音一つたてず、草の一本も揺らさずに)
お姉さま、今までどこにいらしたの?
あの時、私はあなたもろとも自分の電力で感電したはずなのに、
こうして生きていて…だからあなたも死なずに…?
(シードと心中するつもりで発電したが、シードの必死の防御で津綺子自身は守られていたのだが)
(津綺子はその事実を知らない)
(あの時、腕の中から流れ出ていった存在は、またどこかで集積し、復活したのだと思い込んだ)
瀬尾先輩が作ったワクチンなんて効かなかったのね?
そしてあなたは私が来ることをご存知だった。
私に会いに来てくださったのね?
(そう言ってしまうと、震えるほど嬉しい気持ちになる)
(一方で、脳裏のどこか醒めた一点では、復活したからには恐るべき人類の敵なのだと)
(警鐘を鳴らし続けている)
(目を丸くする、とはまさにこのことだろうか)
(全ての元凶である自分自身がすでにその支配を脱しているというのに)
(その影響下にあって、自分自身の手で解き放ったはずの少女は)
(あたかも未だにシードの支配下にあるような様子を見せている。そんなはずはないのだが)
どこに、か。……いろいろ呼び名はあるけど、黄泉の国って言い方が一番近いのかね。
私は、お前にいろいろ言っておかなきゃいけないことがあるみたいだ。
(もしまだ彼女の中にシードがあって、それが彼女を支配しているというのなら、解き放たなければならない)
(だが、何の力もないこの身では何ができるか。できることと言えば、説得することくらいだろう)
私はね、あのとき確かに死んだんだ。……だから、ほら。
(頬にふれようと伸ばした手は、そのまますぅ、と津綺子の顔をすり抜けていった)
本当は、抱きしめてあげたかったんだけどね。……今回も無理みたいだ。
だから、シードはもういない。ここにいるのはかつてシードであった人間。
そして今はただの死人。霧原朱音だ。
……それでも、さ。シードだったときのことは全て覚えてるんだ。
それこそ私の経験として。記憶として。だからかな。
お前に会いに来てしまったのも。こんなに、胸が締め付けられるような気持ちになるのもね。
(死人の身でも、こうして側にいるだけで鼓動が早くなるのを感じてしまう)
(きっと脈打っているのは心臓ではなく、魂そのものなのだろう、と理解していた)
(シードが、こちらへ手を伸ばす)
…あ……
(触れられると思った手は、そのままこちらの体を「通り抜けた」)
そんな、それじゃ、本当に……
(思わず手を前方に伸ばし、シードの体を捕らえようとするが)
(その手は目の前に見えている存在を通り抜け、何も感知しなかった)
霧原朱音……それが人間だったときの、あなたの名前だったのね…
私の「お姉さま」。
あなたと一緒にいた数日間を、私も覚えてます。
あなたがその力を、愚かな人間に振るうのを、胸を弾ませてみていた。
次々と人間たちがあなたの前に倒れ、あるいは支配されるのを、
本当に誇らしく楽しい気持ちで見ていたわ。
(その夢…恐らく悪夢から、自分を覚まさせてくれた恋人を、胸に思い浮かべる)
あなたの支配を離れて、あなたを自分で倒そうと思ったのは
私たちのつながりが、シード因子の影響のためばかりじゃなかったから…
それが、今わかった。
(シードをまっすぐに見上げる)
(穏やかな視線、懐かしい人への暖かな気持ちだけを宿した目で)
私があなたへの反感やあなたを危険視する気持ちを失ったのは
あなたの支配による物かもしれない。
でも、あなたを愛したのは……私の心があなたと繋がりあう運命だったから、だと思う。
今の私には、本当に愛している人が別にいる。
それでもあなたと心が繋がっているのが…わかるの。
確かに、あれは面白かったねぇ。
私自身がやったことじゃあないのに、どうにも私がしでかしたことのように感じられる。
それだけに、なかなか爽快だった。
そんな私の隣にずっといてくれた、お前の存在がとても嬉しかった。
(なんだかこのまま話していると涙が零れてしまいそうになって)
(照れ隠しでもするかのように、背を向けた)
一度、こうして死んだからこそ思い出せる物もあってね。
シードが私から全てを奪ったのは、実は二度目だったのさ。
私が初めて感染した日。同じように感染していた両親と妹は、選ばれなかったんだ。
そして、そんな記憶さえ奪われていった。
本当に、私の人生はシードという奴に徹底的に奪われ続けた人生なんだと思うよ。
(知れず、拳を握りしめていて)
……でも、そのおかげで私はお前に出会えた。これだけは、感謝しなきゃあな。
(視線を感じて、一度目元を擦ってから振り返り、少し困ったように笑い)
……そ、っか。お前にはもう、愛する人がいるのか。
そうか……ああ、そっか。
(なにやらとても面白いことに気がついたというように、額に手を当て笑い出す)
どうやら、私は失恋したらしい。初恋は実らないと言うが、まさにその通りだ。
そいつと一緒にいて、お前が幸せだってなら私はそれでいいよ。
お前に出会ったときから、私は変わってしまったんだからね。お前が幸せでいてくれればそれでいい。
そんな風に、思うようになってしまったんだから。
……罪な女、だね。
(冗談めかして肩をすくめた)
(シードというつながりがなくなっても、そう思ってしまうのは)
(言葉の通り、心が繋がっていたからなのだろう)
私は、さ。向こうで待ってるから。
たくさんたくさん、人生って奴を楽しんだらさ。
今度はお前が……私に会いに来ておくれ。
(明るく輝く朝日、その木漏れ日の中に彼女の姿は静かに消え始めた)
幸せにおなり。
(言葉だけを残して)
おね……朱音、さん……
(彼女の独白を聞けば、そこにいるのはシードの霊ではなく、霧原朱音の魂なのだということがわかる)
(彼女は、シードの最初の犠牲者だった…)
失恋…
(なぜか津綺子も笑った。そして笑ってみて初めて、自分の頬にも涙が流れていたのがわかる)
(あれほど圧倒的な存在であった彼女が、失恋する、などということが)
(まるで初めてきく冗談のようにしか聞こえなかった)
私の好きな人は、まっすぐで、正直で……とても強い人。
その人といて、幸せになるかどうかはわからないけれど、
一つだけわかっているのは、その人がどうしても私には必要だということだけ。
(自分も手のひらで涙をぬぐいながら、ナップサックの中から小さな花束を取り出した)
今日は、あなたにこれを供えようと思ってここまで来たんです。
(花束をちょっと掲げて見せ、それから朱音の足元に置いた)
ねえ、ご覧になって下さい、この草原。
真冬の山の中で、ここだけこんなに青々している…
あの日、あなたが消滅してから、数時間で芽生え始めた草なんです。
ここで、あなたの存在は違う命に繋がって行っている…
いつか、また他の存在に転生することもある、と思えないでしょうか。
(消えてゆく朱音を、じっとたたずんで見つめて)
あなたも私も、死んだからといって消えてなくなってしまうわけではないのね、きっと。
少なくともあなたは、私の心の中にずっといる。
お姉さま、どうぞ安らかに……。
【少し時間はオーバーしたが、これで〆としようか】
【楽しかったよ。やりたいこともやることができた】
【ありがとう、それじゃあお休み】
【お疲れ様でした】
【なかなか深いロールでこちらも楽しかったです】
【遅い時間でしたが、お相手ありがとうございました】
【本年はこれでロールはおしまいかと思います】
【皆様良いお年をお迎えください】
【来年もどうぞよろしくお願いいたします】
【名前】新納 誉(にいろ ほまれ)
【年齢】15
【性別】女
【身長】155
【3サイズ】80 57 78
【容貌】黒髪サラサラロングヘアーのツインテール
ツリ目気味の大きな瞳
白い肌に赤い唇
【能力】二重人格による能力者。別人格の名称は、フランベルジュ。
通常時は少々身軽な普通の女の子だが、フランベルジュと交替すると火炎系の能力を発動。
発火能力や炎による幻影、炎で形作った剣の様な物を操る。
能力使用時は身体は異常発熱を起こす。触れない程に熱くなる場合もある。
誉・フランベルジュ共通項は、猫の様に身軽。
【希望】雑談・日常・戦闘
【NG】強姦・死亡・切断・目立つ場所への大怪我
【弱点】◇誉◇
動物恐い。
◇フランベルジュ◇
火炎系なので、普通に水に弱い。雨の日は活動不可、眠い。
無論、酸素の少ない状況でも活動出来ない。
スタミナ不足。長時間の戦闘や大技の連続は厳しい。
スタミナ切れると、どこでもすぐに眠ってしまう。
【備考】フランベルジュの性格は極めて好戦的で些か猟奇的。
世界を呪い、兎に角異能者を見付けては喧嘩を売る。
誉はフランベルジュを自分の妹のように思い、その行動に心を痛める。
互いの記憶は共有出来る。
【お正月ですが取り敢えず待機】
【待機解除します】
【待機しちゃうぞっ】
【・・・・・・】
【プロフは
>>136だ】
【こんばんは】
【0時ぐらいまでお相手よろしいでしょうかー】
【プロフ貼るね】
【名前】雨宮ケイト(あめみや けいと)
【年齢】21 大学3年生(理学部生物学科)
【性別】女
【身長】165センチ
【3サイズ】B92 W60 H90
【容貌】肩ぐらいまでのストレートロングはヘアカラーなしで真っ黒
いつもきっちりばっちりメイクしている
ナイスバディを輸入物ランジェリーでさらにバージョンアップ
かなりの近眼で普段は眼鏡をしている
大きな目、特に黒目が大きくて合うコンタクトレンズが見つからないほど
【能力】自分の声で、ありとあらゆる音が出せる。
声真似(口調まで似るとは限らない)、音真似のほかに
可聴音域外の音声で潜在意識に語りかけ、サブリミナル効果を及ぼすことや
聞いただけで苦痛を感じる音波を発したり、共振を起こして物を壊したりヒビを入れたりできる
【希望】雑談・共闘・肉弾戦以外のバトル・和姦
【NG】強姦・百合・スカ・過度のグロ描写・死亡・妊娠
【弱点】音が聞こえない相手には発揮できない能力が多い
身体能力は高いが、超人的だというわけではない
ド近眼で合わないコンタクトレンズを無理にはめているためにしょっちゅう落とす
【備考】アメリカ西海岸出身の帰国子女 高校2年の時に帰国、編入
現在は駅近くにある雑居ビルの中の『山田探偵事務所』にタダで住み込んで
探偵助手(?)や異能・妖魔関係の調査・退魔などをやっている
事務所長は謎多い人物でほとんど所在不明であり、めったに連絡も取れない
大学での専攻は分子生物学 チアリーディング部所属
普段は眼鏡をかけていて地味な格好をしており、冗談も通じない超合理主義者
超自然現象は絶対に科学的根拠に基づいた説明ができると信じている
眼鏡を外すとイケイケの明るい体育会系ヤリマン姐御
あらゆる面で面倒見が良すぎるお姉さんになってしまう
【おっと、初めましてだ。何度かすれ違った事があるな】
【ふむ・・・共闘か、共闘後の雑談といった所か?】
【仮面を被った怪しげな男が夜な夜な異形捕獲のために徘徊している、
という情報に基づいてそちらから接触するのも良いか】
【凍結はできそうか?】
【私の場合、依頼人からお金貰ってやってることだから】
【そちらの情報を誰かが知ってるとか、被害者がいるってことになるけど】
【逆にそちらがうちの事務所へ何か依頼しにくるとかは?】
【凍結オッケーよ】
【興信所とか・・・趣味じゃないんだなあ・・・・】
【表向き普通の事務所なら異能調査は頼めないし、他に調べたい事もないし】
【やはりそちらから接触してくれるか?】
【「夜騒がしかったので外を見たら仮面の男が暴れてた、警察にはあしらわれて相手にしてくれない!」】
【・・・みたいな依頼が来れば動けるんじゃないか?】
【なんなら、銃声の二、三は聞かれてても良いぜ】
【ごめん、趣味に合わなかった?】
【だったらこっちは遠慮しとくから、【待機頑張ってね】
【落ちますー】
【おや、残念・・・何か誤解させてしまったか】
【もう少しだけ待機ー】
【撤退する!】
【名前】 媛名 葵(ひめな あおい)
【年齢】 18歳
【性別】 女
【身長】 170cm
【3サイズ】 細めのスラッとした体型で、胸がちいさめ。
【容貌】 腰下までのストレートな黒髪。黙っていれば淑やかそうにも見える。
【能力】 『 剣糸(けんし/ソードストリング)』
日本刀と糸などの様々な暗器を得物にすることから、組織内で“剣糸”の名をもつ。
異能はないが、その運動能力・動体視力・反応速度は常人を大きく上回る。
※ 日本刀は≪弐式(にしき)≫という名の霊剣で、暗器は糸とダガーを基本とする
【希望】 雑談、戦闘、エロール などご相談いただければ
【NG】 スカトロ、妊娠
【弱点】 精神干渉、魔術的攻撃、現代文の授業(小論文も苦手)
両手が使えないような状況、純粋な力比べ・体力勝負にはあまり強くない
【備考】 ≪深凪(みなぎ)≫という非合法組織に所属している、異形狩り。
幼い頃に組織に拾われてからずっと、組織に従うだけの猟狗として生きてきたが、
日常の中で他人に触れたことで、自身の在り方を見つけて「猟狗」を辞めるに至った。
現在も組織に身を置き続けているが、それは従うだけの猟狗でなく意思を伴った個人として。
仕事は、目下 「異形(妖魔や暴走した異能を含む)」を狩ること。
“内容次第”では、仕事の一環として、外部からの異形関係の依頼を受けつけることも。
外見や丁寧な口調とは裏腹に、真顔で冗談や人を喰ったような発言もしばしば。
NGワードは控えめな胸に関すること。 左の小指が、ほとんど動かない。
【名前】五嶋 透湖(ゴトウ トウコ)
【年齢】23歳 学園業務主事。いわゆる用務員さん。
【性別】女
【身長】171cm
【3サイズ】B88W60H85
【容姿】赤茶けた猫っ毛のロング。
朝は収拾が付かない(というか一秒でも長く寝ていたい)為、仕事時は高い位置でひっつめている。
顔立ちは華やかだが化粧を怠ることが多く、結構な確率で麿眉。
深緑の作業ツナギと、常に銜えている禁煙パイプがトレードマーク。
【能力】俗にいうエスパー。
・テレポート、アポート(物体転送) …但し距離にして数m
・未来視 …但し数秒先迄
・サイコキネシス …但し攻撃としてまともに使えるのはお茶碗より軽い、程度の物
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】スカ、死亡
【弱点】火力不足は上記の通り。
基本、能力の精度は高いものの、精神状態に大きく左右される。
また、未来視について、視えるのは飽く迄その時点においての可能性のひとつでしかない。
【備考】不定期に送られてくる差出人不明のEメールが行動指針。
本人は皮肉を込めて、差出人を「神様」メールを「指令」等と呼び、渋々ながらも基本は従順に指示に従っている。
メールは決まって「貴女は〜しなければならない」という一文で成っており、
内容は日常の些末なことから人生を揺さぶるような重大な事柄に至るまでと様々。
もし逆らえば、100%の確率で不幸な出来事が起こる。
余談だが、ズボラ過ぎる性格の為に異性との付き合いが長く続いた例しがないとか。
【参加希望。どうぞよろしくね】
あら、タイミングのよいことに初めましての方が、ですね。
初めまして、とご挨拶させていただきますものの…この度は投下落ち、でしょうか?
うぅん、悩むところですけれど……失礼して、待機させていただきます。
もし投下落ちでなく、気が向きましたら声でもかけてやってくださいませ。(一礼)
>>172 【…と。身長の部分をモタモタと手直ししたり、見直したりしてる間にー】
【投下落ち、か、な?】
【もしいるなら、ロールを申し込みたいのだけれど】
>>175 【…と、重畳です。反応、何やらズレてしまって申し訳ありません】
【私で宜しければ、お相手は喜んで…と、
もしも、ご希望などありましたらお聞かせ下さると幸いです】
>>175 【ありゃりゃりゃ。
話しかけていいものかとか、悩んでる間にまた入れ違い…】
【加えて躓くときはとことん躓くモンらしい。
余暇の筈が所用が入っちゃったんで、私の方は落ちさせてもらうよ。】
【我ながら何しに来たんだか……】
【時間を取らせてほんと悪かったね。機会があれば、また】
【あら…いえいえ。こちらこそご迷惑をおかけした限りです。
むしろ私が本スレと相性が悪いようなきらいもあるばかりですから、全くと】
【こんな時期ですし、所用などは仕方ないことですからお気になさらないで下さい。
また機会がありましたら、お話でもしてくだされば幸いです。(一礼)】
【さて…どうしようか、悩むところではありますけれど、
それでは、失礼して少しだけ、待機の方を続行させてください。】
【ハロー、まだいる?】
>>179 【あら、こんばんは。お久しぶりです。
これはもう無理かもしれぬと思っていたところで、お会いできて重畳です。】
【お相手、お願いしてしまっても宜しいでしょうか?】
【こちらこそ、よろしくお願いしますー】
【一応プロフは
>>165ね】
【何かしたいロールはありますかー?】
【こっちとしては、調査してるうちにそちらさんの組織に行き当たって】
【そこから先は立ち入らない方が、なんていわれるような展開を考えてみたけど】
【こっちのアイデアには全然こだわらないよ】
【幸いです。どうぞ、宜しくお願い致します(一礼)】
【せっかく、素敵な案を出していただいたので、
ということで、ちゃっかりと乗らせていただいても宜しいでしょうか?】
【問題なければ…書き出し、なのですけれど。こちらからでも、そちらからでも、
やりやすい方や状況などもありましたら、お聞かせいただければ十全と、です】
【乗ってくれてありがとう】
【こっちから書き出したほうがやりやすいかな?】
【ちょっと待っててくださいねー】
【いえ。むしろ、素敵なシチュ提供…こちらこそ有難いばかりです】
【それでは、お待ちしておりますのでごゆっくりと】
(冬の夕刻に電話がかかってくる)
はい、山田探偵事務所……え?城内さん?
約束は今夜だったわよね? ちょっと、大丈夫なの?
(情報提供者からの電話。相手は呼吸を乱し、明らかに焦っている)
「まずい、見つかったミナギに……場所は変更だ……うぐぁっ!」
(ガタガタッと何かがぶつかるような音。しばらく受話器のむこうが静まる)
なんなの?ちょっと、どうしたのっ?!
(誰かが聞いているらしい気配、やがてそっと電話が切れてツーツーと発信音だけになる)
なによ、一体…?
(呆然と受話器を見つめていると、ドアフォンがなった)
ピンポーン
はい、どちら様?
(こんどはドアフォンの通話機に向かって話す。画面にはすらりとした女性が映っている)
【そっちからうちの事務所へ来てもらっちゃったけど良かったかな?】
【こっちのことが知れた理由はどうにでもして下さいな】
【こんな感じでよければ、今夜はよろしくお願いします】
>>185 ……あまり、手荒な真似をなさらないでください。
『ソレ』が反逆者とはいえ、うち自体に何かしらをしたわけでは――…
ああもう。 だから貴方と仕事するのは嫌いです。
こちらの件は、私が片付けますので……ええ。了解いたしました。
――あと、お約束です。 『例の件』、どうぞお忘れにならないで下さい。
(ピッ、と携帯のボタンを通話を切るのと、
目の前のドアフォンに反応があったのは、殆ど同時の出来事だった)
(制服を着た黒髪の女は、スカートのポケットに携帯をしまうと小首をかしげた)
……山田探偵事務所は、こちらでよろしかったでしょうか?
突然、訪問してしまってすみません。
少しばかり、お願いがありまして、こうして失礼させて頂いた次第です。
(黒髪をゆらして一礼をして、ドアフォン越しに挨拶をつげた)
(その手に武器と呼べる代物は見当たらないとしても、
彼女がその身体に忍ばせているのは、暗器の名をもつものの数々に相違ない)
ご依頼の方ですか?
探偵は留守なので私が代わりにお話を伺いますが、それでいいでしょうか?
(探偵業の依頼人は色々とプライバシーにかかわるデリケートな問題を抱えているので)
(探偵本人ではないことを告げておかないと面倒なことになる)
どうぞ、探偵が事務所でのんびりしていたら仕事になりませんので留守してますが
私が御用を伺っておきますので。
助手の雨宮ケイトと申します。
(一応、名刺を出す)
よろしかったら、こちらへおかけ下さい。
(応接セットへ客を導く。3人がけのソファの前にローテーブル、その向かいには背もたれのないスツールが二つ)
(その後ろにカウンターバーがあって、その中にはキッチンが)
ここ、うちの事務所になる前はダイニングバーだったんです。
(そのカウンターの中でコーヒーの用意をしながら)
今コーヒー淹れますから、どうぞお楽に。今日はどういったご用件ですか?
(カウンターから客を観察しつつ、話しかける)
……そう、ですか。
探偵ご本人とお話できれば重畳だったのですけれど、不在なら致し方ありません。
もちろん。こちらから、唐突に押しかけたのが悪かったのですし。
(特に表情に感情が宿ったようではなかったけれど、
声音だけは申し訳なさそうに挨拶を告げて、名刺を受け取る)
(「雨宮ケイト」――その名を記憶に刻み、電話越しに聞いたさらに“電話越し”の声を思い出す)
それでは、失礼させていただきます。
(探偵事務所というには、少しばかりイメージと異なったつくり。
といっても、自分だってそんなに詳しいわけではないが、周りを見回してみる)
ああ、どうぞお構いなく。本当に、唐突にお尋ねしてしまった身ですもの。
できれば、ちゃんと事前にご連絡いたしたかったのですけれど、
どうにも状況がそれを許さないようで――『明日』では、少し遅いようでしたから。
(スカートに気をつけながら、言われるがままに腰をかける)
(そうして、真っ黒い瞳でカウンターの方にいる女性を見つめた)
……お願い、があります。
貴女が今関わっているらしい件について、お願いごとがあります。
(心の中では情報提供者の電話が気になる)
(すぐにでも駆けつけたいが、そうするのは危険だ)
(それに今は客の用件を優先させなくては)
(煮立ったケトルからドリッパーの中に湯を落とす)
(できるだけ細く、ぐるぐると回すようにコーヒー豆に湯をかけていると)
(客が聞き捨てならないことを言った)
今関わっているらしい件……
(ケトルをガス台に戻して、まっすぐ相手を見る)
申し訳ないんだけど、他の仕事について話す事はできないんです。
もしあなたの依頼をベラベラ他の人に話すような探偵じゃ、あなたも安心できないでしょ?
(どうやら自分よりは年下らしい女性に、少し気楽な態度をとってみる)
(年は若そうでも、その物腰が普通じゃなく落ち着いているのが気に入らない)
(気に入らない、というより、妙だ)
【書き忘れてたけど、今はメガネしてなくて、コンタクトレンズですー】
はい。 探偵が一番に守るのは、依頼人のプライバシー…でしたでしょうか?
あまり詳しくないので違うかもしれませんけれど。
(ゆっくりと小首を傾げれば、長い黒髪が揺られた)
(愛らしいというよりも――美人。大人の魅力も兼ね備えた女性の視線に
そのまま真っ直ぐと視線を返して、ふっと目元を緩める)
もちろん、そのお仕事で得た内容をこちらに流して下さいだとか
その依頼者が誰だとか、お尋ねしたいわけでは、ありません。
ただ、この一件から手を引いていただきたいだけです。
(手を行儀よく膝の上において、口にしたのは突飛な依頼)
それだけ、お約束して下されば私も失礼させていただきます。
貴女も、何やらお忙しいご様子です。
お邪魔するのは本当に申し訳ありません――…気に、なるのでしょう?
(細められた黒い瞳は、まるで威嚇にも似た鋭い視線を投げかける)
あの男がどうなったか、気になるのでしょう?
(そうして次に放ったのは、問いに似せたかまかけだった)
【あ、はい。了解いたしました。わざわざありがとうございます。】
(ドリッパーの湯は全部香り高いコーヒーになってポットに落ちた)
(そんなことには気にもかけず、じっと女性の方を見つめる)
(見つめるというより……睨む)
手を引けとは穏やかじゃないわね。脅迫? 業務妨害?
仕事柄、その手の話もよくあることでね、事と次第によっては手を引くことだってあるけどね。
――どういうことなのか聞いてもいないうちに、はいそうですかって
報酬のある仕事をほっぽり出すわけには行かないのよ、悪いけど。
(ゆっくりとカウンターを回りこんで客の正面に出る)
あなた、誰なの?
誰が、何のためにうちに手を引かせようとしてるわけ?
――手を引けっていうんなら、それなりの条件ってものがあるでしょ。
(スツールに腰掛けて正面から相手の鋭い視線を受け止める)
(が、次の言葉に度を失う)
あんたたち、彼になにかしたの?!
何をしたのよ、言いなさい!
(中腰になってローテーブルに手をつき、身を乗り出した)
(覗き込む客の瞳は――暗黒の深淵)
ミナギって……彼はミナギって言ったわ。
あんたがミナギなの?!
(コーヒーの香ばしいかおりが、空間に広がってゆく)
(こちらを見つめる。否、睨んでくる女性の気概の程を確認して
彼女は困ったように一つだけ息を吐きだした。 零れおちた黒髪を、耳にかける)
今はまだお願いです。
ですけれど、ことの次第によってはそちらに及ぶやもしれません。
もちろん、ご都合についても、これが無粋なお願いであることも重々承知です。
(正面に映った女性の、強い意志を秘めた瞳を見返して首をかしげる)
これは、言うなれば私と貴方がたの為に手を引いていただく存じます。
……あら。
(どん、と正面から身を乗り出されて、困ったように頬に手を当てた)
何をした、だなんて。 むしろ、それはあの男に我々が向けたい言葉です。
私は、それ自体ではありません。
(『ミナギ』という組織名を個人にあてて使っているところから、
彼女がどれだけこちらをつかんでいるのかを推定しながら、応える)
その『ミナギ』については、私に聞くよりも
きっと、その『彼』とやらにお聞きした方が幾らかスムーズに聞けるでしょう。
……ああ、それを今夜、お聞きになる予定、でしたのでしょうか。
(黒く暗い色を湛えた瞳でもって、薄く、笑う)
【あっと…七行目あたり「いただきたく存じます」の間違いになります…っ】
(おっとりと手を頬にあてて悩ましげな様子を見せる女性)
(いかにも困った様子ながら、こちらよりはるかに余裕がある口調)
もちろん聞くわ。彼がまだ話をできる状態なら、ね。
だけどあなたはそれを聞いてほしくない、だからここへ来てうちの調査を止めようとした。
そうでしょう?
(身を乗り出し、相手を睨みつける姿勢は崩さず)
不条理な状況で消えた失踪人が3人。たまたまうちの事務所に捜索依頼が重なってね。
詳しくは言えないけど、手がかりを知っているという男に会ったのよ。
その人から証拠と詳しい話を聞くことになっていた。
さあ、今夜の「予定」を教えたわよ、彼に何をしたの!?
なぜ「ミナギ」を追う事を辞めなきゃならないの?
(消えた人間は不条理な状況で消えたというより、不条理な力をふるっていて消されたらしい)
(つまり、異能だった)
(ミナギというのは、異能に関わる何者か、なのか)
(だとしたら……目の前のこの女性も、あるいは異能なのか)
【了解しましたー】
(目の前の女性は、見かけだけではないようだ。
容姿よし、気概よし、頭の回転もよしとくれば世の男性も放っておかないだろうに。
会話の裏で、ぼんやりとそんな思考をまわしながら、彼女は何事もなく首をかしげるのだった)
御丁寧に、ありがとうございます。
(彼女が口にした今夜の予定。つまり、まだあの男はこちらに情報をまわしていない。
今現在になって生きているかどうかは「同僚」次第だけれど、そこには、触れない)
何故、と聞かれましては……そうですね。
この場合につきましては、私たちが困る、というよりも、
此処から先に入り込まれると、私よりも貴方がたがきっと困ることになる。
『此処から先は、入り込まない方がいい』――ということを、申し上げたく存じます。
(彼女はこの探偵事務所を「一般」のものだと思っている)
(だからこそ、“反逆者”の制裁に加え、こうやって止めに入った。
一般が「夜」にかかわれば、ロクなことにならないことは目に見えている。
勝手にロクなことにならない状態に陥ってくれるならいいが――深凪が絡むのなら別だ)
『ミナギ』にみだりに手を出さないと仰られるなら、
貴女が追っている事件について、一つだけ真実をお話しましょう。
…それとも、欲しいものは他にありますか?
(とどのつまり、取引をしませんか、と)
(そのような言葉を口にして、彼女はふとコーヒーの方を一瞥した)
【レス消しちゃった!もう少し待ってー】
【どうぞ、ごゆっくりなさってくだされば十全です。
あと、もしもリミットとか眠気のときもどうか遠慮なく仰られて下さい(一礼)】
こっちが困る…それは脅し文句の常套句ってやつね。
困らないから好きにさせろって言ったら、あんたたち、どうするの?
(相手を刺激しないよう、静かに体を引いて立ちあがる)
(カウンターに手を伸ばし)
ああ、何もしないわよ。
コーヒー、飲みたいでしょ?飲みたくない?
あたしはすごく飲みたいんだけど。
(カウンターのこちら側から、さっきコーヒーを淹れたばかりのポットを取り出して)
(カウンターに並べてあった業務用マグカップに注ぎ分ける)
お砂糖とミルクは、要る?
(具体的な条件提示に、ようやく平和的に話が進みそうでほっとする)
みだりには手を出さない。約束する。
こっちは警察でも正義の味方でもないんだから、失踪人がどこにいるのかわかればいいのよ。
そのミナギとやらが組織ぐるみの誘拐犯で人身売買をやってたとしたって、
こっちは知ったことじゃないし。
(まさかミナギについて知ることそのものがタブーなのだとは思っていない)
だから、その条件とやらを聞こうじゃない?
その前に、お砂糖とミルクをどうするか聞いてから、だけど。
【遅くなってゴメン】
そうですね。
綺麗な女性は、綺麗なままにしておくのが重畳だと思うのですが、
あまりにも勝手されるようでしたら、そうもいかなくなるかもしれません。
(その言葉は何を明示するか――相変わらずの表情のままに言葉を吐きだす)
(鼻先までいい匂いを送ってくるコーヒーへの一瞥に気づかれたか、
こちらに勧めてくれるケイトに向かって、こくりと一つだけ頷きを返した)
お約束、してくださいますか?
ありがとうございます。 貴女が、話の分かる方で嬉しい限りです。
(ほっとしたように、ひとつ息を吐き出して目を細めた。
いくらかその漆黒に秘められた闇は和らいだものの、姿勢はぴん、と正されたままで)
お砂糖とミルクはいりません。 とても、美味しそうですからそのまま。
(何だかんだといい匂いが気になっていたらしく、少し嬉しそうに告げる)
……そうですね。 貴女が『ミナギ』自体に立ち入らないでくだされば、
こちらからはそれ以上の事は望みません。 それだけが、望みです。
(そこまでは幾らか柔らかな視線。
けれど、何か思い出すように少し目を伏せたのち、向けた視線は剣呑だった)
失踪人については、申し訳ありませんが居場所を教えることができません。
言いかえれば、もう彼らはこの世に存在しておりません。
……それについては、我々に非があります。謝罪を、致しましょう。
痛い目にあわせてくれるってわけね。
嬉しくて涙がでちゃうじゃない。
(マグカップをローテーブルにおいて、勧める手つきをしてから)
豆も新鮮なのを買って来てるし、今朝挽いたばかりよ。
口に入れるものは、少しぐらい贅沢したいから。
(自分も一口すすって、大きくため息をつく)
はー、やっと正気に戻ったって感じ。
誤解されるんだけど、探偵って正義の味方じゃないから。
依頼は依頼、法治国家の構成員としての義務はまた、別。
失踪人捜索はしても、荒事までして失踪人を連れ戻すなんてことはしないんだわ。
(そうとは限らないのだけど、今はそう言っておく)
(カウンターに肘をついて寄りかかる)
ふーむ……ミナギ自体、ってことは、やっぱり組織なのね。
そうじゃなけりゃ、電話の向こうの彼をどうにかして、同時にここへ来るなんてこともできないものね。
ヤバい組織ならなおさら、関わりたくないから……
え……
(失踪人がこの世にいない、と聞くと、覚悟はしていたが嫌な顔をして目を閉じる)
ジーザス。
(もう一度ため息をついて頭をふりふり)
死んじゃったとなると、死んだなりの証拠が要るんだけど、どっか埋めたとか?
遺体がないなら遺留品でもあれば、よかったら買い取らせてくれない?
それは依頼人…てか遺族になっちゃったけど、そういう人たちに渡すから。
そうしないと、その人たちが別の探偵にまた捜索を依頼したら面倒でしょ?
謝罪も、そちらに伝えとく。
どうやって死んだかなんて、聞かない方がいいんでしょうね?
(向かいのスツールにどすん、と腰を下ろし、客を伺いながらコーヒーを飲んだ)
あら、そういうご趣味が、おありなのですか?
(勧められたカップを手に取り、ふーとひとつ息を吹きかける。
もちろん、本気で聞いてはいないのだろうけれど、顔が真顔となれば性質が悪い)
そうなのですか、それはひとまず重畳。
(コーヒーを一口含めば、香ばしいかおりと味が口の中に広がる。
美味しい、と思わず一言零してから、コーヒーからケイトに視線を戻す)
ええ、雨宮さんは聡い方なのですね。探偵さんって、皆さんこうなのでしょうか。
けれど、賢い方は知らなくていいことまで知ってしまいます。
厄介なことになりたくなければ、関わらないのが十全です。
(目を閉じた彼女に向かって言葉を繋ぎながら、もう一口コーヒーを口に含んだ)
…さあ。 申し訳ありません、それに私の関知するとことでありませんので。
それに、今回の所業については≪ミナギ≫によるものではありません。
もしも、それを知りたいのなら、あの男にお聞きくだされば十全。
何でしたでしょうか、こちらでの名前――…城内、で間違いないでしょうか?
(目を細めて口にしたのは、ケイトの依頼人の名前)
それらの失踪人の殺害は、あの男によるものです。
彼は、元々は≪ミナギ≫です。
ですが、三ヶ月前に≪ミナギ≫とは縁を切っております。
……丁度、失踪人が出たのは二ヶ月前のことではなかったでしょうか?
(彼女の事の運びは、どこか突飛だ。
それは聞いているものにはいつも理解しづらい事運び――仕様か天然かは、別として)
趣味、じゃないけど。
(はっきりと脅迫と取れる台詞を客が口にしてくれたので)
(それを記録することができた)
(ともあれ、会話をビデオにとっていることはまだ伏せておく)
(それはいつでも無法者から自分の安全を守るための切り札だからだ)
オーライ。
私だって命は惜しいし、それはボスも同じだし。
依頼人にしたって、ちゃんと諦めが付くようにしてあげるのが依頼人の利益になるしね。
(姿勢を正して静かにコーヒーを口に運ぶ女性に、こちらは害を加えないと保証する)
あ、あいつが殺人犯?!
(情報提供者自身が、一連の失踪事件の犯人だったと聞かされる)
自分でやっといて、その情報を自分で売る気だった?
それともでまかせを言うつもりだったなら、こっちが裏を取れないと思ってたわけね。
(コーヒーを飲み干し、静かにカップをテーブルにおいて)
……あなた方は裏切り者を…城内を処分した。
失踪人だけじゃなくて、もう犯人もこの世にいないんでしょう?
城内がそれをやったって証拠を持ってたら、警察に渡す前にこっちに売って。
こっちはミナギのミの字も出さずに依頼人を納得させて、こっちから警察に証拠を出させてもらうから。
その頃には、あなた方は安全圏にいることができる。
違う?
(何とかこの事件を「終わらせる」方向へ話を持っていこうとする)
(ミナギとやらには手を出さないとしても、依頼を完遂させなくてはならない)
(依頼人が自分のあずかり知らないところでミナギに関わってしまったりするのも、できれば避けたい)
あなたに答えることができるかどうかわからないけど、そのミナギの偉い人?
にでも、話を持っていってもらえない?
【そろそろ締めに向かいましょうか?】
あら、処分だなんて。
私はそのように物騒なことなどできません。
…ただ、貴方に関わって欲しくないだけです。
物騒でしょう、殺人事件だなんて。 私は貴方に真犯人をお教えしているだけ。
(それは嘘か本当か。緩やかに目を細めて、彼女はそういってのけた)
……素敵なお話です。
ですけれど、証拠を出せるかどうかはまた別の話です。
貴女の御察しの通り、私でどうこうできるような一件ではありません。
私はただ、貴方にお願いをしにきただけの身分でありますから。
けれど――もしかすると、あればこちらに送られてくるかもしれません。
送られるか、送られないか。 私は想像でおしゃべりしておりますので、分かりませんけれど。
……とりあえず、貴方は≪ミナギ≫に関わらない。
私はなるべく貴女の利益になればいいなと、お祈り申し上げる。
これで、私が依頼したことについては十全と完遂ですね。お仕事、お疲れ様です。
(コーヒー、御馳走様でした。と、ひとつ息を吐きだす)
(置かれたマグの中身はすっかりと無くなっていた。ずいぶん、美味しかったらしい)
これ以上、貴方のお仕事の邪魔をするのもと思うので――
…そろそろお暇しようかと思うのですけれど、いかがでしょうか。
(小首をかしげて、黒い瞳で問いかけた)
【はい、了解です】
城内はまだ生きているの?
まあ、私がそれを確認することなんてもう出来ないんでしょうけど。
あなた方の組織の中か、それともあの世へか連れて行かれたんだろうから。
(スツールに腰掛けた姿勢で前かがみになり、膝の上で手を組んで)
遺体もなけりゃ犯人もいない殺人事件なんてないわよ。
それは、すっかり何もなかったってこと。そうでしょ?
失踪人の家族だけが、何かがあったと思っている。
やりきれない話ね。しかもこっちは事件を終わりにすることもできない。
こういう締まらない話が一番嫌い。
(お暇するという客の言葉に立ち上がる)
どうぞ、お見送りするわ。
今日は貴重なお話をありがとうございました…と言うべきなんでしょうね。
本当のことがわかっても何一つ証拠がないんじゃ、イライラするだけなんだけど。
(その奇妙な女性客が帰った後、事務所長と珍しく連絡が取れる)
ボス、ねえ、どういう風の吹き回し?
あの事件はとんでもないところで繋がってて…とにかく早く帰ってきて下さいよ。
テープ撮ってありますから。
ホント、ひどい話で…
(こういうときに限って連絡が取れる、妙な上司に事の顛末を語り始めるのだった)
【こっちはここで締めます】
【そちらを見届けてから落ちますねー】
【今日はお相手ありがとう、久しぶりだけど楽しかったー!】
≪ミナギ≫は去る者を追わないそうです。その後の生活だって自由です。
ですけれど、≪ミナギ≫を売ってどうこうしようとするのは裏切り…だとか。
(まるで噂話のひとつを口にでもするかのように、言葉を紡ぐ)
ご遺族の方々には、お悔やみ申し上げますとしか申し上げられません。
貴女を振り回してしまいましたことも、申し訳ないと思っております。
ですが、悪いのはだれでもない、あの男です。まったく、ふてえ男ですよね?
(頬に手をあてて、小首をかしげる)
(それから、見送ってくれるという女性に礼を述べて、出口でふと振り返った)
そういえば。 どうして、あの方は貴女のところに来たでしょう。
……もしも≪ミナギ≫を陥れたかったなら、貴女よりも警察の方が早いのに。
自分が≪ミナギ≫でやったことを警察に告げた方が、早いです。
そうすれば加害者とはいえ、一時は身柄を警察が保障してくれたり…しないのでしょうか?
どうして“法律が守ってくれる方”を、あの方は選ばなかったのでしょう。
――私は、それが不思議でなりません。
(目を細める。落ち着いた声音で、まるで答えを知っているかのような声音で、
そんな一言と「お邪魔しました」という挨拶を残して、彼女は事務所から立ち去った)
………あんなに、聡い女性がいるなんて聞いておりません。
(帰り道。携帯を耳に当てながら、彼女は電話の向こうの相手に文句を告げた)
結構いろいろと、ミスもやらかしてしまいました。
…気が、焦っていたのです。 それに、美人さんがやり手だったのです。
私に交渉事を任せた貴方の責任ですよ? けれど、貴方がするよりはきっとうまく行ったかと。
(もうすっかりと日は暮れている。夜の闇に包まれる街並みを見つめて、息を吐きだした)
手伝ったのですから、あの話、早めにお願い致します。
なるべく、長引かせたくありません……ええ、宜しくお願いします。
(ぷつん、と電話を切る。 ふと見上げた空の先に浮かぶ月を見て、小さく唇を噛んだ)
方法があるなら、早く見つけないと――私はあの方を、ずっと苦しめるだけです。
(月の姿に誰を思い浮かべたのか。
彼女の無力さを示すかのように、息は白くくゆって、闇の中に溶けていった)
【何やら随分ところでなく長くなってしまいました…っ、こちらも〆です】
【お待たせして申し訳ありませんでした】
【こちらこそ、本当にお付き合いありがとうございました。楽しかったです。
拙いところばかりだったと思いますが、もし機会があればまたお相手して下されば幸いです】
【改めまして、お相手ありがとうございました。 お疲れ様、お休みなさいませ。(一礼)】
【見届けたよー】
【かっこいい締めをありがとね】
【お疲れ様。おやすみなさい】
【待機解除ですよ】
【スレお借りするです。】
【紅裂さん、暫しのお待ちをお願い申し上げますですー】
【うい、ごゆっくりどうぞ】
(キィ・・・と、耳障りな音を立てながら重そうな鉄の扉が開くと、目の前には灰色のコンクリートの何も無い空間と無骨なフェンス)
(冬の早い夕暮れの訪れは空を仄かに朱に染め、冷たい風が少女の頬を撫でては、その長い髪を揺らす)
はぁ・・・
ツイて無いな・・・本当に。
こんな時期に転校だなんて・・・
(コンクリートの床の上で歩みを進め、フェンスに寄りかかるように眼下に広がる校庭を見つめる)
ここまでして、本当に誉達の探すヒトが見つからなかったら、目も当てられないですぅ・・・
ねーェ?フランちゃん。
(少女はまるで自分の他にも誰か居るような口調で、ペラペラと滑らかに喋り始める)
あのヒト、本当にこの学園に居ると思う?
誉達、あのヒトを見つけて本当に幸せになれると思う・・・?
(―――いつの間に、机に突っ伏して眠っていた)
(教室には誰も残っていない。明日は冬休みだった)
(けれど、彼の顔に浮かぶ感情は、「憂鬱」という単語のみ)
(暖房が利いているわけでもない部屋で寝ていれば当然だが、寒かった)
(虚ろな表情のまま席を立ち、何処なりへと歩き出す)
なんだかなー・・・・・色々致命的っつーか・・・・
今更、だよなー・・・・ったくよー・・・・どうしろっつーの・・・・
(一人、ぶつぶつと呟く)
(クリスマスイブが終わった。どんな夜もいずれは明ける)
(それが、美しい夢のような夜であれ、忘れたい悪夢のような夜であれ)
(時間は生きる者に対して残酷なまでに平等だった)
(あの掌の感触と温もりも、いずれは時間の流れとともに消えてゆく)
(その事を惜しみつつ、紅裂拓兎は、自身の感情を整理整頓出来ずにいた)
(階段を上り、鉄の扉を開ける。キィ、という耳障りな音)
(夕暮れ時の屋上。フェンスに凭れている少女。長い髪をツインテールにして)
―――おはようございます?
(てくてくと近づいて、二人分の距離を取って)
(挨拶をしてみた。何故か朝の挨拶で、しかも疑問形だったが)
(突然)
(本当に突然に投げ掛けられた言葉に、少女の肩はまるで何か悪戯をして居る現場を見られたかの様にギクッと震え)
(どうして?何故?)
(誉ならいざ知らず、私でさえも気が付かなかった・・・)
(何者・・・?)
(早鐘のように打つ鼓動に気付かれない様、口元で笑顔を作り)
(こんな時間におはようと挨拶をした声の方へと、ゆっくりと振り返る)
おはよう・・・ございますー
(出来る限りのへにゃ〜っとした顔を作り上げ、声の主に笑いかける)
(微笑んだ瞳の奥には、ギラリとした光を残しながら)
(私達より少し年上?)
(いや、解らない)
(この位の年頃は、ファッションセンス等で外見年齢に個人差が出る)
(かく言う自分もこの髪型のせいなのか、実年齢よりかは幼いとよく言われているのだ)
この学校の生徒さんなのですかー?
お名前は?
あ、誉は・・えっと、新納 誉って言いますですー
(別段、気配を消したつもりもなかった。その手の技能は苦手という事もある)
(何より、この状況では消す必要がない。相手が驚いたのは単なる注意力の)
(散漫さ故だ。びっくり仰天。そして作り笑い。にへらと笑う顔は実にお愛想モード)
(少女は小柄だった。肌の色が酷く白い。その白さの中で際立つ赤。唇だ)
(化粧術の成果ではなく、天然でそういう配色なのだろう)
(上履きの色からすると、一年生なのだが)
間違いなくこの学校の生徒さんなんだけど。
俺は紅裂拓兎くんです。
ちなみに二年生なのねー。
(何とはなしに、相手の間延びした口調にペースを合わせて答える)
(口元にはいつもの笑み。笑っている癖に笑っていないという奇妙な表情)
新納誉ちゃんかぁ。よろしくねー。
で、その新納ちゃんは転入生さんなのでせうか?
(この学園の生徒なら、「この学園の生徒か?」などと聞くはずもない)
(単純な推理の帰結というやつだった)
(髪は色を抜いているのか染めているのか、それとも生来の物なのか)
(いくら特に髪型には厳しい規定が無い学園とは言え、凡そ真面目そうとは言えない、半端な長さの赤茶色の髪と夕陽の光を受けるリングピアスに目をやり)
(一瞬怪訝そうに目を細めるが)
(又直ぐに、にへ〜っとした笑顔に戻る)
べにさき・・たくとくん・・・?
二年生さんですかー
じゃ、誉よりお兄さんなのです。えっと・・・拓兎先・・・輩?
(自分より"お兄さん"で有るのなら、先輩と呼ぶのは当たり前の事)
(何故そこでクエスチョンマークが付くのか)
(たどたどしく"センパイ"と付けるその口調は、まるで生まれて初めてその言葉を発言したかのようにも聞こえる)
ハイ、誉ちゃんですぅ。
(転校生であることをイキナリ言い当てられ、少し釣り目がちな瞳が丸く見開かれる)
はわゎー、拓兎先輩凄いですー
大当たり〜、どんどんぱふぱふーなのでありますです。
(誉のバカ・・・そんなの、誉の様子を見たらすぐに解るわよ)
えっ!?そうなの?何で解るの?
(愛想笑いの紅裂を目の前にして、誉は二人の会話には噛合わない台詞を素っ頓狂な声で口にする)
くふふ・・・・生憎とお兄さんではないねぇ。単に年が上ってだけで。
血の繋がってない義理の妹が欲しいと思ったことはあったような、なかったような。
(その手のゲームの影響を受けたらしい。血の繋がっていない義理の妹)
(とか言いだした。こんな言葉を日常会話で使うようになったら末期である)
(この男が周囲から、クラスから浮いている由縁でもあるのだが)
まーあ、好きに呼びなよ。
先輩とか後輩とか気にしたことねーし。
人間、年齢より大事なものはあるさ
(この男には年功序列という単語は、余り価値がない)
(身近に年齢などという些細な概念を超越した存在がいるので)
ははは、当然の推理の結果だよ、キミィ。
(それにしてもこの男、ノリノリである)
(調子を合せてそれっぽい台詞での受け答え)
――ん?どうした?暗黒太陽から電波でも受信した?
(突如、状況に似合わない台詞を吐くツインテールの後輩)
(また電波系かと内心思ったのは内緒である)
(まだ大して知りもしない初対面の男から「義理の妹が欲しいと思った事がある」などと聞かされて、引かない人間は居ない)
(いいとこ眉間に皺を寄せたいのを我慢しながら、額に汗マーク浮かべつつ)
(あぁそんなゲームもあったよねぇ。なんて事を吐き、この男と口を聞いた己の軽率さを軽く後悔するのが通常の反応だ)
血の繋がらない妹ですかー?
じゃ、誉がなってあげてもいいですよー
(なんて事を言ってしまうのは、どんだけの天然か、若しくは何か壮大な悪巧みでもしているとしか考えられない)
(この力の抜けた、にへら〜っとした笑顔を見て居ると、若干前者のような気もするが・・・)
年齢よりも大事なもの。
(そう、確かに重ねた年齢よりも大事なものがある)
(誉と共にある、あの大事な妹は"完全に生まれきって"3年間がいい所)
(自分の間延びした調子にノッてくれているこの男は、見た目とは違って意外と人当たりのイイ奴なのかもしれない)
(なんて事をチラリと考えて居たせいか、つい気が緩み)
(頭の中の会話を口に出してしまう)
(そう、大事な妹との会話を・・・)
あっ!そ、そう・・そーそー・・・そうなの・・・
(言葉を捜すように視線を宙に彷徨わせ)
(やがて視線が定まり、ニッコリと紅裂に笑いかける)
太陽の黒点から、電波を受信して居るの・・・ですぅ。
(その表情は、僅かに変化していた)
おっと、いいねえ。義理の妹。だが残念なことに・・・・・・
むぅ、俺は天外孤独の身の上なので、ふふ・・・・・
親が再婚とかして、ひとつ屋根の下とか、そういうのは無理なのねー、残念。
(「残念そうな表情」を作ってみる。笑っているのでちっとも残念に見えないのが)
(ポイントだった。何にしても、悪ふざけと冗談がごった煮状態の会話である)
(しかも初対面でこのテンション。どちらもマトモの範疇に括れる存在ではない)
そうそう。大事なのは頭に詰まった知性と知識。
何より!この胸に溢れる情熱こそが!
重ねた年齢を凌駕するのだよ!
(ズビシっと、指を斜め45度の方向に)
(足の位置とか、腰の位置とか、顔の向きとかも変化している)
(紅裂拓兎的な「スゲェイカスポーズ」の完成である)
(相手が引かないことをいいことに、この男のボルテージも上がりつつある)
ほほう、そうなのか。奇遇だぁね。
実は俺、魔界からやってきたロリロな魔王様とコンタクトできるんだよ。
(冗談にしか聞こえない口調で、本当のことをさらりと漏らす)
(どう考えても冗談にしか聞こえないし、前後の流れからしても冗談として流される言葉だ)
(けれど、そんなおフザケを続けながらも、冷静な部分は対面する少女の変化を感じ取る)
拓兎先輩は、孤独なんですかー
それは残念ですぅ。
是非、拓兎先輩にー「お兄ちゃん大好き」とか、言ってみたかったですー
(この少女は、どこまで解っていてどこまで本気なのか)
(悪ふざけが出来るほど賢そうにも見えないが)
(指を斜め45度に指しポーズを決める紅裂に、笑顔で拍手を送り)
知性と知識ですー!!
(呑気に声援まで送る様子は、馬鹿その物といった感じで)
(へらへらと力の無い口元は哀れみの涙さえも誘う)
・・・魔王様と、コンタクト。
(表情が微かに変化した少女は、目を細め、又あの怪訝そうな視線を投げ掛ける)
(今度はすぐに隠さずに、その視線のまま紅裂を見つめ続け)
(唇だけで笑い、軽く首を横に振る)
(魔王なんて存在は聞いたことも無い)
(この男の軽さを見るに、これもおフザケの一環・・・にしては"魔王"などと言う単語は些か具体的すぎるような気もするが)
(魔王・・・?何かの組織名?少し、カマでもかけてみるか)
(誉は・・・いや、この誉の姿をした何かは、小さくため息をついて笑う)
(先程までの、人懐っこい・・・いや、馬鹿っぽい笑顔とは一変した嫣然とした微笑で)
その魔王様は、先輩にどんな命令を?
本当に残念だぁね。
一度でいいから、お兄ちゃんと呼ばれてみたかったとも。
(無論、本気ではない。過去に姉がいたので、姉弟というものが)
(どういうものなのかは知っている。かつての自分は所謂「シスコン」で)
(あり、その過剰なまで依存が何を引き起こしたのか、実体験で知っている)
(だからもう、弟や妹に憧れたりはしない)
ん?そうだね・・・・・
(今までの、魔王様の命令を思い出す)
(思わず眉間に皺が寄った。大半以上が下らない記憶だった)
飯作れとか、ケーキとタルト買ってこいとか。
通販でサンタの服買えとか。トナカイのコスプレしろとか。
巫女服着ろとか、着物着ろとか。大体そんな感じだぁね。
(決してふざけているわけでもない。追及を恐れたわけでもない)
(嘘をついたわけでもない。全ては事実である。単に語らない部分があるだけで)
くふふ・・・・・どうしたんだ、新納ちゃん。
さっきと顔色が違って見えるねえ?とっても色っぽく見えるなぁ。
年頃の女の子は怖いねー、急に大人びてみえるんだもの。
おじちゃん、びっくりしたよ。
(まだふざけた口調のまま、対面した「何か」に語りかける)
(馬鹿っぽく見えたその表情に、別の「何か」が宿っていることを知る)
(それでも、拓兎の声音にも顔色にも変化はない)
(ただ、決定的に表情の性質が違う。何処か、本当に愉しそうに笑っているのだ)
(眼前の、馬鹿っぽい少女の隙間から零れ出た、得体の知れない相手に対して)
(眉間に皺を寄せてはいるが、変わらずの軽いノリとしか思えない紅裂の話の内容に又小さくため息)
そう・・・ですか。
(今までただの軽いにーちゃんだと思っていたこの男が、少し謎めいた存在に見えてくる)
(本当にふざけているだけなのか、それとも何か・・・)
(面白いじゃないの。魔王?魔王ですって?)
(この近代科学の時代にそんな非科学的な存在)
(紅を注したかのような赤い唇を軽く噛み、視線を足元に落とす)
(考え事をしている時の"彼女"のクセだった)
(いけないわ!)
(頭の中で誉の声が木霊する)
(ハッと顔を上げると、至近距離のこの男がふざけた口調のままで自分を見詰、語り掛けて居た)
(仕舞った・・・この男は、"私"に語り掛けている)
(紅裂のふざけた様子に、つい油断し過ぎた)
・・・勘の良いヒトは、長生き出来ない。
(紅裂に聞こえないように、ボソリと呟く)
(どうする?)
(殺しちゃおうか?)
(駄目よ・・・そんなの、駄目。普通のヒト・・・殺しちゃ駄目)
(紅裂の目の前の少女の表情が、微かに入り乱れ混乱している)
くふふ・・・・・
長生きするつもりも、ない。
(牙を剥いた肉食獣を彷彿とさせる笑みを浮かべたまま)
(ツンと、何気ない仕草で少女の額を指で軽く突いた)
んぉ?なんか長話しちまったな。
俺、そろそろ帰るわ。腹減ったし。またな、新納ちゃん。
(場を支配し掛けた異様な雰囲気を、一瞬にして霧散させて)
(赤茶髪の男は踵を返す。軽く片手を上げて、そのまま室内に入る)
くふふ・・・・・こんな時期に、転入生。
実にミステリアスな雰囲気だぁね。くふふ・・・・・
(ぞくぞくと、背筋が震える。あの場は何とか堪えたが・・・・・・)
(「あの女」がその気を起こしたを察して、触発されたらしい)
くふふ・・・ヤベ。
身体動かさないと、落ち着かねえや。
(憂鬱な気分だったので気分転換したかったのだが、今度はこの昂りの方を)
(鎮めなければならないようだ。久し振りに学校の裏山で、戦闘訓練でもしよう)
・・・・・また、いずれ。
(最後に一度、屋上の入口を見て、静かに呟く)
(――この後裏山にて異形狩りの猟犬と出会うのだが、それはまた別の話)
【〆でーす】
【こんなんでよかったのか不安だけど、とりあえずお疲れ様でした】
(貼り付いた様な、凶悪な笑顔)
(少女は、生まれて初めて自分の首筋から背中に掛けて、ざわざわと総毛立つのを感じた)
(自分より強い物に睨まれた感覚)
今の、聞こえて・・・
(目前に紅裂の指が伸びてくる)
(ビクリと首を竦め、全身がカァッと熱くなる)
(別に恥らっているわけでもない、文字通り熱くなったのだ)
(握り締めた拳を振り上げようとした瞬間に、紅裂の指がツンと額を突く)
(その仕草は、どちらかと言えばお茶目な雰囲気だ)
(拳を緩め、また目を細めて紅裂を見つめる)
(赤茶色の頭の先から順に視線を落とし、上履きの爪先まで見つめ)
(そして、又視線を重ねる)
(空気が、紅裂の言葉で一変した)
(つい先程までのふざけた口調と同じ音色を奏でる紅裂の言葉に、誉はにへらっと笑顔を作り)
誉も、お腹空いたですぅ。
(片手を上げて重たい鉄の扉を開き室内へと吸い込まれる紅裂の背中に、誉も手を振り返す)
またね、拓兎先輩。
また・・・
(勢い良く振り回していた手を下ろし、その掌を見つめ)
(軽く息を吹きかけると、赤く揺らめく炎が出現する)
紅裂先輩と魔王・・・
何者なの?
(まるで炎に語りかけるように呟くと、それを握りつぶして消す)
(矢張り、この学園は只の学園ではない)
(ここで探せば、きっとあのヒトが見つかるに違いない)
(私達が殺したいあのヒトに・・・)
さて・・・と。
ね?フランちゃん、お家に帰ろう。
今日からは、二人だけのお家だよ。
(誉は、にへーっと緩んだ笑顔で呟き、先程紅裂が消えていった鉄の扉を押す)
(まるでこれから二人に圧し掛かる運命のように、扉は重く冷たかった)
【其れでは、誉の方はこれで〆ですぅ。お疲れ様です。】
【本当に久しぶりでしたので勘が戻らずに、色々とご不便を掛けてしまったと思うですー】
【だりだりと長引かせちゃいまして、面目無いです】
【一先ずは、これでやっと転校して来た気分に為れました】
【有難う御座いますー】
【名前】 和泉 歌子(いずみ うたこ)
【年齢】 16(1)
【性別】 ♀
【身長】 164cm
【3サイズ】 91 61 88
【容貌】
腰にかかる長く黒いウェーブヘア。黒い瞳と真っ白な肌
やや面長で伊達眼鏡と十字架のネックレス、白い手袋を着用。
服は制服か法衣。またはタンクトップなどとラフな私服を好む
【能力】
掌から爆発物を作り出す能力者
威力と範囲が反比例する特性がある
弱めの回復法術
【希望】 雑談 戦闘 エロール
【NG】スカトロ 過度なグロ
【弱点】掌が濡れると能力使用不可
攻撃力不足で、強力な攻撃が出来る範囲は自分にも被害が及ぶ。
【備考】
高等部1年
勉強と音楽が趣味の声楽部。
外見は真面目で清楚な学園付近の教会のシスター。
嘗ては徹底的な人外殲滅主義者で信心深い信徒だった。
ある妖に捕獲され、数日後変わり果てた姿で救出されてから性格が一変。
今は隠してはいるが不信者で不真面目で荒い性格となっている。
広範囲な異能を駆使し、異能の使えない近距離では二刀流の剣術を使う。
継戦能力と対集団戦に長ける一方で非力、決め手に欠ける。
夜、邪法により妖を呼出しては狩る習慣があり、目撃者の口は封じている。
【参加してみます】
【待機してみます】
【こんばんはー】
【ロールでも如何ですか】
【こんばんはー】
【よろしくお願いします】
【戦闘がいいですか?やはり】
【こちらはそれでも構いませんが】
【今回はそちらのやりたいネタ優先ってことで】
【一応、プロフは
>>2です】
【ちなみに時間軸はどうしましょう?】
【二学期終盤・冬休み・三学期開始とありますが】
【ん、こちらは最初ですし、雑談か戦闘なOKです】
【プロフ確認済みでしたが、有難うございます】
【時間軸の事を忘れていました】
【どれでも支障ないでしょうが冬休みで行きましょうか】
【では冬休み中――そちらが妖を召喚している現場に】
【遭遇。その後戦うなり共闘するなりで】
【書き出しはお任せしてもいいですか?】
【妥当だと思います】
【それでは少々お時間下さい】
【はい、ごゆっくりどうぞ】
(草木の枯れ果てた草原に佇む一人の女学生を孤独な月が照らしている)
(女の持つ札と壷は外法中の外法)
(滅多な事で巨大な魔は出ないが、万魔を呼寄せ得る黒い奇跡の道具)
――さ、おいで。
(外見に似合わない動作で壷を蹴倒すとそこから闇が溢れ出した)
(途端に辺りに満ちた邪な臭気に包囲される)
(辺りを見渡して小さく嘆く)
――今日もハズレね。
(白い手袋を捨て掌に浮き出た塊を放る)
(閃光と轟音と飛び散る弱小な魔)
……ツマラナイツマラナイツマラナイツマラナイ
(一言毎に火球が生み出され魔が祓われる)
(薙ぎ払われ消し飛ぶのは最下級の人にも劣る魔)
……もっと歯ごたえ――ッ!?
(不意に後ろから何かに撥ね飛ばされ全身を地面に打ち付ける)
(巨大な腕と角を持つ猿のような獣)
(滑稽な程アンバランスな体形が笑いを誘った)
そうこなくっちゃ。
(血を吐き出して両手を前に。)
(言葉と共に爆炎が生じるが、物ともせずに猿のボディブローにさらに後方へ飛ばされる)
……う、あ……。
(――立てない。一時的に体が麻痺したように力が入らなくなっている)
(眼前に迫る醜悪な顔を自嘲気味な笑顔で無防備に待ち構える)
(その紅い男は闇の中から忽然と現れた。闘争の匂いに誘われたかの様に)
(濁った血の色を思わせる赤茶色の髪と、鮮血を思わせる紅いロングコート)
あー、寒っ。寒い。死ぬ。
こんな日に出掛けるのは、前世がペンギンか白熊に決定!
(口元にいつもの笑みを浮かべて、わけのわからない事を言う)
(眼元をゴーグルで覆い隠した魔王の契約者が、まったく空気を読まない発言をして)
(緊迫感を打ち砕く。場を支配していた空気の流れが、紅い男に向けて集まりだす)
――で?どう見てもピンチのシーンなんだが。
この場合、殺しちまってもお咎めなしだわな?
(女学生と猿に似た何かを均等に視界に収めて、右の掌を突き出す)
(キィンと、男の周囲の空気が凝縮し、結晶化する。それは輝く破片)
(珪素で形成された剃刀。花弁の様に軽く、剃刀の様に鋭いそれが何十枚何百枚)
(と舞い散って、くるくると回って舞って、野人の周囲を囲んで、一斉に襲いかかる)
――舞い散れ、霞刃豪景。
(静かな処刑執行宣言。何百枚もの鋭い刃が野人の何処と言わず、あらゆる)
(部分を切り裂かんとして牙を剥く。その毛皮を真っ赤な鮮血に染めんとして)
(刀を取り出す暇も異能を繰り出す暇もない)
(醜悪な魔の一撃をただ待つ笑顔が曇る)
(眼前に咲いた血の華)
(透明な刃が化の物を貫き切り刻み、狂った踊りを強いていた)
(不機嫌な顔で振り返る)
人の楽しみを邪魔するんじゃねーよ、……じゃない。
邪魔しないで居ただけます?
この――ッ。
(適当な罵倒が思いつかず一瞬言葉に詰まる)
(血と死を幻視させる姿に少し見とれ)
とにかく吹き飛べこの赤いコートの変態!
(見た目に反して語彙力も教養もない罵声と共に巨大な火球を放つ)
(数百の刃が舞い踊り、血飛沫と共に猿が踊る)
(くるくる、クルクル、死出の旅立ちを祝う様に踊り狂う)
(その結末を見届けることは、しかし叶わなかった)
おんやあ?ひょっとしなくてもお邪魔でした?
お邪魔でしたよね?くふふのふ。いや、悪い悪い。
おじちゃんこう見えて――?
(不機嫌そうな顔で振り返った少女に睨まれて、ヤベ、余計なことした)
(と地雷踏んだことを悟る。悟ったが、ちっとも悪びれた風もない)
(謝罪とすら言えぬ謝罪は、しかし最後まで言う事が出来なかった)
―――!?
(激しい罵倒と共に集約し、放たれる魔力の塊。それは巨大な火炎球となり)
(その紅い姿を直撃した。轟音と共に炎が爆発して、周囲の大気を食い尽し燃焼する)
(爆発の衝撃にて吹き飛ばされた紅い男が、草原を転がって丘から滑り落ちる)
(間違えることなく直撃だった。距離とタイミングからして、完璧な奇襲が完成していたのだ)
(ペッ、と血の塊を吐き捨てて立ち上がる)
(余裕綽々で立ち上ることを確信して疑わず丘に向かって歩き出す)
――あの猿の代わりにアンタをぶっ殺す……。
じゃない、あの妖魔の代わりにアナタで気晴らし……。
でもないな、上手く言えないけど要するに――アンタシネ?
(片手に直刀、片手に爆弾を持って丘の上)
(ゆっくりと掌を返す。ぽたぽたと黒い塊が落ちては火球を生む)
(連弾。情け容赦のない爆発の連鎖が下方で発生した)
(――やがて能力の限界が来る)
――ちょっと、疲れた、かな。
(膝を落として座り込む。)
(能力を限界まで振り絞ったウサ晴らしの結果が草原の一部を焦土に変えていた)
(そこに相手の姿はなく――灰になったと疑いもしなかった)
さ、――アーメン、っと。
(適当に祈りをしておいてゆっくりと振り返り――絶句する)
(月下にいるはずのない影、灰と化した筈の赤いマントが視界に写る)
くふ、くふふふふ・・・・・・
熱いな、凄く熱いな、すこぶる熱いな。
肉がぶすぶす焼けてるもんよ。焼き肉だよ、ロース食いてぇ・・・・・・
(髪を焼かれ、コートを焼かれ、肌を焼かれ、肉を焼かれた)
(それでも、紅裂拓兎は笑っていた。この痛みと熱さが堪らなかった)
(魔王の加護のひとつ――魔力耐性は、火球攻撃から契約者を守っていた)
(それでも、浅くない火傷を負ってしまった。なんという失態。なんという屈辱)
(そして途方もない愉悦。再生が始まり、死んだ皮膚がボロボロと剥げ落ちてゆく)
(ベルトのバックル――相克魔導機関から魔力が新たに供給される)
(両足を上げ、下ろしてその勢いで起き上がる。本当の戦いは、これから始まる)
――蒼氷壁。
(静かに告げると共に、大地から水晶の壁が出現する。分厚いそれが)
(丘の上から放たれる火球を防ぐ。爆発の衝撃を防ぐ。罅割れても再生する)
(やがて全てを防ぎきった拓兎は、悠然と行動を開始する)
(ズシ、ズシ、ズシ。重い足音と共に丘を登る)
――祈るには、まだ早い。
夜は、これからだ。戦いは、これからだ。
(口元の笑みが、明確な狂気を湛えている)
(罅割れたゴーグルを捨てて、ギラリとした眼を晒す)
(蒼い月が紅く染まる。惨劇の夜が始まろうとしていた)
――ッ……!
(トドメを確信した。必殺の連打だった。手ごたえは無かったが、アレを防いだのは――。)
(アノ妖魔と、他数名だけだったのに。)
(体に表れるのは驚きの絶句、次いで恐怖の震えそして歓びの震え)
ハッ!――そう、まだやらせてくれるんだ?
怖いね、素敵だね、楽しいね!
(双剣を握り締める。言葉を繕うともせず)
(ただただ歓喜と狂気に身を投じて)
なあ、人かい、化け物かい、魔かい、妖かい?
だけどそれはどうでもいい。全くどうでもいいんだ。
ただ死ね、灰燼と帰せ、塵となれ、ダスト・トゥ・ダスト、塵におかえり、
バ・ケ・モ・ン
(悲鳴のような嬌声のような声を上げる)
(己が身を焼く爆発の塊を持って間合いを詰める)
(捨身の特攻というよりは最初からすべてを捨てているかのように)
(狂気と狂喜を纏った少女が、その双剣に全てを宿らせて)
(突き進む。何もかも捨てる代償に、こちらの命を散らせんとして)
くふ、くはははは!ふはははは!!
いいぞ、実にいいぞ、その眼、その顔、その狂気!!
ああ、一切合財がどうでもいい。そんな不純物は犬にでも食わせておけ。
(その狂気に触れて、拓兎の狂気も更に燃え盛る)
(理由などない。意味などない。価値もない。何もない)
(ただ殺す為に殺し、喰らう為に喰らい、堕ちる為に堕とす)
(身を焦がす衝動に任せ、二匹の闘争狂が、ただ牙を突き立てあうだけ)
――この身に纏わん、鎧羅よ。
(全身を水晶の鎧で覆い、防御力を向上させて、陸上のクラウチングスタートの体勢を取り)
(足を撓めて、己の身体を弾丸と見立てる。そして一気に射出する。逃げる気など皆無)
(水晶の防御力と、質量と突進力にて相手を正面から打ち砕く為に突き進む)
ガァァァァAAAAあぁぁぁああああ亜ァAっっ!!
(小細工なし。逃げる時間も、距離も、その気持ちもなし)
(正面からぶつかり合う二つの狂気と凶器)
(――敗因など最初から決まっている)
(先に手負いだったから?――違う)
(異能を使い過ぎていたから?――違う)
(――滅びを求めていたからだ)
(顔面に狂気の笑みを張り付かせたまま激突の刹那に呟いた)
(魔に捕らわれた時から。神を信じれなくなった時から)
……どうでもいいよ……もう、全部。
(爆炎と水晶の欠片が舞う)
(折れた双剣と小さな体を巻き上げて炎が猛る)
(見上げれば孤独な月と見下げれば炎に包まれた修羅が見えた)
(綺麗だなと思った。不意に急速に視界が陰った。)
ああ、地面に落ちたのか。
(頭を振って、晴れ晴れとした気分で、少しの間地面の感触を味わった)
(最後の一本の長刀を杖にゆっくりとしかし最速をもって立ち上る)
(全身に火傷と裂傷を負っ。震える足を無視して)
――さあ、もう一度ヤろう。
もう一度おいで。また炎に包まれよう。また舞おう。
またあの刹那の紅い月を私に見せておくれ。バケモノ。
(爆炎と爆風に打ちのめされて、砕け散る鎧の破片)
(拓兎は少女を吹き飛ばし、少女は拓兎を吹き飛ばした)
(同極の磁石の様に弾かれ合った、その結末だ)
(一瞬の浮遊感の後、草原に着地して膝を突く)
くはっ・・・・ぐぅっ・・・・・かはっ・・・・・
半端じゃねえやな・・・・神風特攻も、満更馬鹿にできん・・・・・
(ばらばらと、水晶の装甲が剥がれてゆく。相当、利いた)
(魔力と魔力。正面からぶつかればこうなる事はわかっていた)
(少女捨て身の特攻は、契約者に明確なダメージを与えていた)
(それでも、立つ。立って歩く。更なる戦いを渇望しているからだ)
(戦いを好むように、それを望むように、自分を作り変えたのだから)
くふふ・・・・・自殺志願か・・・・・
つまらねえな・・・・・どうして生きようとしない?
生きて、生きて、生き抜いて、苦しんで、生を望んで、もがいて。
それでも人は、死ぬ。それを知り、恐れ、それでも突き進むのが、真の戦士。
(満身創痍で立つ少女に、呼びかける。わかった事がある)
(あれほどの特攻を成し得たのは、命に対する執着の欠如が根底にあると)
(拓兎は推察した。いや、推察というより、確信だった。根拠はなくても闘争という名の)
(非言語の交流においては、時に相手の行動が何より雄弁に心情を語る時がある)
生憎だが、俺は優しくない。死にたければ、勝手に死ね。
(大地を力強く一歩踏み、跳躍する。紅い月を背後に飛翔蹴りを放つ)
(殺すには足りず、ただ相手を仕留めることを考えた、そんな一撃だった)
(足元がふらつく)
(体中の力が根こそぎ奪い去られたような疲労感を感じてなお)
(掌の魔力は盛り剣は前を向く)
はは、自殺志願?
そうかも、そうかもしれないけどさ。
死ぬ時は、自分は自分のまま死ぬさ。
自然に生きて自然に斃れるさ。
(血の塊をもう一度吐き出して)
勝手に死ねなんて
馬鹿を言う、これが自然でしょう。
これが、こうなるのが、こうしているのが、こうするのが。
バケモノに剣を立てて吹き飛ばそうとするのがッ――
(前に走出す。――遅い。鈍い。)
(力が尽き掛けている証拠か、極めて遅い突進)
(剣を前に突き出して――そして視界を闇が覆う)
(放たれた蹴りは正確に急所を穿ち、細い身体は焦土に崩れ落ちた)
(月下、魔人は立ち尽くす。感動も感慨もない、あっけない結末だった)
(最初からクライマックス。なるほど、それもひとつの盛り上げ方だ)
(ただ、やはり前振りがなければ物語は楽しめない)
(この戦いにしてもそうだった。因縁も因果もなく、怨恨も怒りも悲しみもない)
(戦いの狂熱が醒めれば、どうしようもない徒労だけが身体に刻まれる)
――知ったことじゃねえんだよ。
精々、この世界の片隅で首でも釣ってろ。
誰もそんな奴の面倒なんぞ見ん。愚か者め。
(吐き捨てて、最早一瞥すらせずその場から離れる)
(冬の冷たい風が焦土と化した草原を駆け抜けてゆく)
(やがて、遠く単車の排気音が響いて、そして消える)
(残ったのは、焦土と細い少女の身体と、それを見守る蒼い月だけ)
【〆です。初ロールお疲れさまでした】
(何時間経ったのか分からない)
(兎も角、意識を取り戻す)
(目を開ける。記憶よりかなり大きく傾いた月が見える。)
……生きてる……。
(死に損ねた、という感じもない)
(何の感慨もない。)
(月だけが見守る中、黙々と動かない治癒を施す)
(信じてもいない神のご加護によって癒えていく傷)
(何の感情もなく傷の癒える様を見つめる。)
(――数時間後、ようやく動きに支障が出ないほどに癒えた。)
――……次はぶちころす
違う。次は・斃さなきゃ。
ああ、また違う。神のご加護によって魔人を滅さないと。
なんて崇高な使命が出来たんでしょう。
てね。
(上る朝日の方角に向かって歩き出す)
(ぼろぼろの身体を引き摺って彼の魔人の姿を思い浮かべる)
(次会うのはいつだろうか。冷笑をもって迎えられるとしても)
(一撃で屠られるとしても楽しみで仕方が無い)
我が道に――彼の道に神のお導きがあらんことを。
【〆ます】
【ついていくのでせいいっぱいで。スイマセン】
【お相手ありがとうございました】
【名前】葛森 利香(クズモリ リカ)
【年齢】17
【性別】女性
【身長】149p
【3サイズ】禁則事項(本人談)
【容貌】
黒髪のショートカットで少し日に焼けた肌。。
靴下の代わりに足の甲と足首の辺りに布を巻いている事が多い。(地面に肌を触れさせたいため)
護身用の道具(夜は暴力団から盗んだ拳銃、昼はスタンバトン)やメモ帳、鉛筆を常にベルトにつけている。
【能力】
・小型の蟲を生み出し、操ることができる。
・虫の力を借りる事が出来る。(蜘蛛の糸や蝶の羽、毒など体に付属させる)
・逃げ足が速く、柔術もかなりの腕。(ただし、能力とは関係なし)
【弱点】鳥、トカゲ(これらが相手だと能力は一切使えない。彼女自身もこれらは怖いらしい)
【希望】NG以外
【NG】 グロ、スカ
【備考】
高等部の文芸誌同好会員。会が月1回発行する会誌のインチキオカルト部門を担当している。
ただし、ネタは近年発生している本物の異形であり、常にそれらを撮影や取材をし、それを改変して記事を書いている。
取材の域は、現場から警察や暴力団、退魔機関の一部など様々であり、いい意味でも悪い意味でも顔を覚えられる事がある。
本人曰く、「面白そうならそれでいい」と、はた迷惑な思考の持ち主。ただ、やはり一線は存在しているらしい。
元は蟲を祭る神社の娘であったが、姉殺しの為に妹によって家を追い出され、今でも妹の追手(蟲や殺し屋)に追われてるとか。
現在は友達の家の庭に居候している。
【プロフ投下】
【ついでに1時間ほど待機】
立候補してみよう。
連日になるけどな。
【あわわ、怖い人がきちゃいましたw】
【というわけで、こんばんはです】
【お相手の事はおkですが、シチュとかはどうしますか?】
【シチュエーション】
【@怪異を追っているそっちと俺が行きがかり上共闘する】
【A面倒なことなしでガチンコで勝負してみる】
【どっちもどっちなシチュですなー】
【うむ〜、まぁ、どっちかになるんでしょうが……】
【面倒なんで勝負の方がいいかな?(オイ】
【書き出しとかどうしますか?】
【まーあ、早いか遅いかの違いだし(何】
【切っ掛けとしては、何かと戦ってるそっちを】
【見かけた俺が喧嘩吹っ掛けるとか】
【ちなみに上の方の戦いで負傷した分のリハビリという感じで】
【書き出しは、こっちからでもいいけど】
【冬休み中の夜でいいかな?】
【りょーかいです】
【そーですね。それでいいかと。あと、書き出しはそちらで】
【じゃ、コーヒー片手に待っております】
(生命を拒絶するかの様な冷たさが、肌に染みる)
(濁った血の色を纏った男が、ゆるやかな坂を登る)
(鬱蒼と茂った森。地元では自殺の名所として知られる森)
(同時、心霊現象と怪奇現象の目撃証言が多発している場所である)
(富士の樹海を思わせる小道。ハイキングコースとして整備されているにも)
(関わらず、脇道に逸れ誘われる様に森の奥へと行き、行方不明になる者が)
(後を断たない。警告を促す看板が、朧な月光に照らされている)
――嫌な夜だ。明日は晴れるかな・・・・・
「今日は、空が泣いていますから」
「足もとにお気をつけください」
(呟きに答える様に、小さな声が風に乗って届いてくる)
(精霊や、妖精と呼ばれる存在。コレらは基本的に無害である)
(些細な悪戯をして困らせることはあるが、人を惑わし生贄にするほどの力はない)
(紅裂拓兎は進む。コレらに用はない。もっと奥に潜む人を食らうモノに用事があるのだ)
(誰も近寄るはずもない森の中)
(そこで彼女は2人の男と対峙している)
(手にはナイフとライフルを持っている黒ずくめの男達が一人の少女に敵意を向ける)
……あーもー、うるさい。
(森の中で彼女は酷く不機嫌だった)
君たちも仕事なのは分かるけどさ……あたしは、普通の人間には興味ないんだよ。
(そう言いながらも、男たちが向かってくると、彼女は動く。慣れた動作で)
(スタンバトンによって、ライフルを持った男を昏倒させる)
この奥に面白そうな化け物がいるって言うから来たのに……。
(一瞬にして、男を無力化すると、ナイフを持ったもう一人の男に向かう)
まだやる?
早くしないと、取材時間がなくなっちゃうんだよね?
(そう言うと、にこりと笑った)
ん?
(だが、対峙している間に何かに気づく)
(人がこちらに向かっている)
新手?
(そう言う事を思いながらも、彼女は男と対峙し続けた)
(先日、よくわからない少女と壮絶な戦いを繰り広げた負傷した彼は)
(その負傷がどの程度抜け、治ったのか確かめる作業として獲物を求めていた)
(人間でも異形でも何でもよかったのだが、派手な騒ぎにする必要もないだろうという)
(考えに至ったので、わざわざ街外れの森まで足を運ぶ次第となった)
んー?誰か居んのかな?こんな時間にこんな場所に来るのは、
自殺志願者かキ●ガイくらいだけど。なあ?
(――だと言うのに、森の奥から伝わる緊迫感は何故だ?)
(見えざるモノたちに同意を求めながら、足音を消すことなく歩く)
(勾配を乗り越え、横倒しになった大木を乗り越え、藪を抜け――)
(そしてそこへと辿り着く。朧な月光が映し出す対峙する人間と人間)
(その傍らで倒れている男は、ライフルを抱えながら倒れている)
――よお、この場合、どっちに味方かんのが正しいと思う?
(藪から堂々と姿を現わして、意図的に緊迫した空気を打ち砕きながら問いかける)
……
(いきなり藪から男が飛び出すと、利香は間抜けた顔をしている)
(男の方は、現状が理解できないようでアタフタしている)
何だ、新手じゃなくて、巻き込まれる可哀そうな一般人か。
(ボソリと新手でない事を酷く言う)
んー。どっちだと思う?
(男と違い、彼女は緊張感ゼロで答える)
片や、か弱い高校のクラブの記者。片やそんなか弱い乙女を狙う極悪非道な暗殺者。
ちなみに、か弱い記者ってのがあたしの方だから。
(崩れた緊張に便乗して、さらりと冗談を言う辺りがさすがといえよう)
あと、警察呼んでも無駄だかんね?
きっと、こんなとこまで来ないし。
(持ったスタンバトンを肩に乗せ、けらけらと笑っている)
つまり、答えは単純かな?
(一般人であれば、このまま回れ右をして逃げ出すのが普通だ)
(そう、彼が普通であったならば)
んー、なるほどね。状況は飲み込めた。
(気軽な態度の小柄な少女の説明を聞いて、頷く)
(彼女の言葉に、余り説得力を感じなかったが、それでも頷いておく)
(スタンバトンと、腰にぶら下げた拳銃さえなければもう少し信憑性は)
(あったかも知れないが、それを言っても始まらない)
くふふ・・・・・悪人を自負してる俺としては、もう面倒だからまとめて
挽肉にして――いや、水晶漬けにするのが正しい選択肢だろうがよ。
(口元に浮かべたニヤニヤとした笑みが、ギチリと凶暴なそれへと変質する)
(喰らう笑みだった。相手が強者であれ弱者であれ、善人であれ悪人であれ)
(等しく喰らうような、食い尽くすような、そんな笑みだった)
悪いが、ちょいリハビリに付き合ってくれや。
なぁに。そんなに手間は取らせん。
どうせ、生きて様が死んで様が大差ない生き物だろ、お前らも。
(好き勝手なことをほざいて、二人の抹殺を決定する)
(掌を突き出し煌めく粒子を収集して凝縮し、ひとつの形を生み出す)
(珪素を支配する能力。それがこの男の力。生み出された得物は、西洋剣だ)
(水晶で造られた剣をひゅんと振り、フェンシングに似た構えを取る)
ホントかなぁ?
(自分でいっといて何だが、今ので事態が飲み込めたとは思えないが)
(だが、そんな風に言いながらも、次の彼の言葉と動作ですべてを理解した)
なるほど、君は狂人な訳だ。しかも、能力持ちの。
そりゃあ、そーなるよね。
(けらけらと笑うと、昏倒している男のライフルと銃剣を取る)
(どうやら、まだ生きているらしいが)
んじゃ、どうする?お相手さん。とっとと逃げないと。
(そして、銃剣で昏倒している男を突き刺し引き金を引いて、とどめを刺す)
こ―なっちゃうんだけど、あたしは嫌だから逃げたいな。
(だが、男も引く事はなく、二人に殺気をぶつけている)
そーゆー訳。名も知らない男さん。
(そして、再び警棒を構えると)
三者三様だけど、きっと基本は同じだよ。
自分だけ生き残ればいいみたい。いやー、嫌な方面で馬が合うね。
(そして、男がナイフを投げる)
(二人に向かって、ほぼ同時に)
(けらけらと笑い、落とした武器を使用して躊躇なく止めを刺す)
(その動作に淀みや躊躇はなく、実に手慣れた印象を受けた)
(こんなことは何度もやってきたのだから、と言わんばかりに)
(一切の間違いなく微分の疑問の挟む余地すらなく――この小柄な少女は)
(こちら側にて呼吸する闇の世界に生きる者だった。問題はどの程度まで)
(アクセルを踏み込めるかであるが、実のところそんな分類に意味はない)
(結局のところ、この場にいる誰も彼もが人殺しの人でなしだからだ)
くふ。至極明確な状況だ。実にわかりやすい。
そして――
(男から投げられたナイフを軽く剣で弾いて、間合いを詰める)
(その勢いを乗せた必殺の刺突が、男の腹を食い破る)
(無論、男も避けようと努力したが、その努力は徒労に終わった)
――こういう時は、先に動いた方が負け。
(――つまり、少女がこの魔人を倒す機会は、腹から剣を引き戻すまでの)
(一瞬、その刹那の時間に間に転がっているという事である)
(そして、その機会を見逃す者は殺し合いでは生き残れない)
おやや、これはまた……
(ごく一瞬の攻防)
(剣が男を貫くのと同時に、銃声が響いていた)
(彼女の手には拳銃が握られ、刺された男の頭に照準があっている)
いやー、まさにそのとおり。
でも、君もだね。
(引き戻す瞬間を狙い、再び彼女は狙いを変えて発砲する)
(仕留めそこ無いように、僅かに照準を変え、2発立て続けに)
そして、2段構えも基本と。
(発砲したとほぼ同時、彼女は電磁警棒を持って、彼らに向かって走った)
(振りかぶると、本来倒れているはずの男の頭を狙う)
か弱い思春期の乙女に向かって「生きて様が死んで様が大差ない生き物」は失礼だからね。
少し、死んでもらうよ?
(隙に拳銃の鉛玉を撃ちこみ、さらにそれで出来た隙は警棒でカバーする)
(まさに、戦い慣れしているモノのやり方)
(顔ではへらへら笑っていても、やる事は違っている)
(夜の森に銃声が響く。一発はナイフ使いの男の頭に)
(剣の刺突が腹を食い破ると同時、その銃弾は頭蓋骨を砕いていた)
(一切の疑問の挟む余地すらなく、ナイフ使いの男は絶命した)
(そして再び銃声。今度は二連続で響き渡る)
(二発の銃弾は、振り向く直前の青年の腹と肩を食い破っていた)
(カランと剣を取り落とし、地面に片膝をついて肩を押える)
(腹に対する攻撃は致命傷に繋がりにくいが、強烈な衝撃で内臓を揺らす)
(事に変わりはなく、足を止めるには有効な手段だった。行動不能になった)
(ところを急所への攻撃で確実に仕留める。正に教科書通りの攻め方である)
(それ故、堅実で崩し難い。反撃の隙間すらない。通常ならば、だ)
――ごふっ・・・・かははっ・・・・・!
(血を吐きつつも、彼は笑う。狂気に憑かれた笑みだった)
(彼はどうしたか。正解――地面に転がった。転がってロッドの一撃を回避する)
(更に、そこから立ち上がらず、這うような姿勢からタックルをして足を狙う)
(グラウンドの攻防に持ち込み、飛び道具を封じるつもりだった)
ちっ!
(嫌な敵だと思った)
(痛みを感じてないのか?それとも、痛みなど関係ないのか?)
(どちらでも構わない。考えるだけ無駄だ)
(足にタックルが来る)
のわわ!
(当然ながら、彼女は小柄な女性であり、単純な力比べなら勝てるはずもない)
(バトンを使うには接触されているため危険すぎる)
(同時に拳銃を使うには距離が短すぎる)
(だったら……)
相手の弱点を狙うのも基本だよね。
(徒手空拳に自信はない。だが、貫手を彼の肩……拳銃で撃ちぬいた場所に向かって突き出した)
(普通の人間ならば、傷口を抉れば動きが止まる)
ところで君って……人間?
(思わず、そのような事を呟きながら)
(痛みを感じないはずもない。ただ、一定限度を超えると脳内から分泌される)
(各種の物質が痛みを緩和させているに過ぎない。それも気休め程度の効果を)
(発揮しているだけであり、結局は精神力で身体を動かしているだけだ)
(銃弾で抉られた肩を貫手で突かれて、激痛が走ったのは当然だ)
(少女の計算が外れたのは、彼の忍耐力を甘く見ていたからだ)
(否――この場合、人間という枠組みでこの男を見ていたからだろう)
(脂汗を流しつつ、それでも足を捉えてテイクダウンした)
――さあな。お前はなんだと思う?
(顔色を蒼白にして、汗を流し、問いに答えることはなく)
(マウントポジションに移行せず――その時点で忍耐力が切れた――)
(その体勢から、服部に向けて拳を振りかぶって、落とす。勝負を決める為に)
(――同時刻、森の奥から硝煙の匂いに誘われて、人を喰らうモノがこちらに向かっていた)
(のそのそと、重鈍な動き。頑丈な装甲に覆われた体躯。紅く石炭の様に燃える瞳)
(その牙は容易に人の肉を切り裂き、骨を噛み砕き、餌とするだろう)
【怪物乱入ってことで決着はうやむやで】
【すみません】
【少し席を外します】
さて……っ!
(止まらない。普通の人間なら、泣き叫ぶような激痛でも)
(本当に人間か?そうでないか?)
(彼女の出した答えは……)
ぐっ!良い取材対象かも。
(湿った土に背中が叩かれる)
(だが、いたがっている暇はない。顔をしかめ、筋肉を無理やり動かし)
この化け物。
(不自然な体勢から、相手の額に拳銃の照準を当て、引き金を引こうと試みる)
(どちらが速いか。拳か鉛玉か。明らかに利香の方が不利だが……だが、正解は)
……!!
ストーップ! 一時休戦! 何かいる!
(大声を上げる)
(虫がざわめいたのを聞き)
(そして森の奥を見る。そこから這い出てきたのは文字通り化けものだった)
ど、どうする?逃げる?
【了解です】
(拳を振りかぶると同時、銃口が突きつけられる)
(体勢で言えばこちらが有利。だがそれも紙一重の差に過ぎない)
(この体勢から「銃を使う」と思い至った思考回路の切り替えの速さ)
(そして柔軟さは称賛に値する。生と死の狭間で揺れるタイトロープから)
(落ちるのは果たしてどちらか――その答えは保留とされた)
――――無粋な。
(森の精霊たちがざわめく。その奥から来るモノの到来を知らせる)
(やって来たのは、鎧を纏った犀の怪物。口は犀と異なり肉食獣のそれだ)
(生半可の攻撃は通用しそうにない。だが、俊敏さに欠けているのは明白だ)
(振り被った拳を止めて、思案する。そもそもは、リハビリのつもりでこの森に来た)
(だが、それが一転して殺し合いになった。無意味で不毛な戦いであり、また負傷して)
(しまったのは――いや、それについて考えるのは止そう。虚しいから――と彼は思う)
やれやれだぁな。もう好きにしろ。
どうせ、生きてても死んでても大差ないんだからな。俺もお前も。
(自嘲気味な台詞を漏らして立ち上がる。痛みは無視する)
(肩と腹部の傷は再生しつつある。だが、銃弾は身体にめり込んだままだ)
(二人の殺し合いは、これで終わる
(そして、次の獲物を前にして、紅裂拓兎は蒼白な顔で笑う)
時間は稼いでやる。精々逃げ回ってろ。
(最早一顧だにせず、珪素の粒子を纏って怪物と対峙する)
ヤバかった……
(彼が立ち上がると、ボソリと呟く)
つーか、死ぬかと思った。いや、死んだかも。
(ベットリとした泥が背中についている。気持ちが悪い)
(だが、そんな事を構っている暇などなかった)
ですよねー。
でも、あたしが生きてても死んでても大差ないって言うのは違うかな?
だって、あたしが困るもんね。
(軽口が戻ると、拳銃に弾を詰める)
(殺し合いの終了の合図だったから)
いやー、狂人からお優しい紳士に早変わりですか? 三分間クッキングじゃないんだから。
(そして、持ちかえたのがカメラだった。武器ではなく)
んじゃ、あたしはとりあえず一枚撮ってから。
(シャッターを切ると小さな音がする)
あたしの目的はこれだし。 せいぜい、逃げまわりますか。
種族単位でみれば、個人の生死なんぞ大した問題じゃない。
くふ、突き詰めるなら主観の問題さね。命の価値なんぞ。
自分が大事ってんなら、好奇心で死ぬ猫にはならないことだぁな。
(こちらも、いつもの口調に戻る)
(命の価値など、状況次第で幾らでも変化する)
(人の命は何より重いという者がいるその裏側で)
(飢えを凌ぐことすら出来ず、無為に朽ち果てる者がいる)
(なら、命に価値はないと断じた方が、身軽に動けるだろう)
ハッ。勘違いすんな。次に会えばきっちりと鉛玉の分はお返しする。
そんな無粋な玩具を俺に突き付けた罪、精算してもらう。
――存分に貪れ、腐霞よ。
(きらきらと煌めく粒子を、地面を前足で抉っている犀に向けて放つ)
(ふわふわと漂っていたそれは風に乗って犀の身体を覆い、そして呼吸と共に)
(口と鼻に吸い込まれる。化け物でも生物の範疇にある以上それは避けられない)
ぐはぁっ!
(犀が突進する。ふらふらの拓兎は正面からそれを喰らい吹き飛ばされ――・・・・・・)
(木の幹に叩きつけられる。ここに決着はついた犀が口から血を吐いて絶命する)
(内部に侵入した珪素の粒子が、内臓を侵食したのだ)
へー、でも、あたしは自分が一番なんでね。
第三者よりも主観を大事にしたい訳。
でも、取材だけは別だけど。いや、命にかかわるよーな事は嫌だけど。
(そして、軽口に答える)
いやー、怖い怖い。
あたしは、そんな気はないけど。
(化け物の絶命。それがどういう事か分かった)
嫌な事をするなー。人の事言えないけど。
(どういう方法かは分からないが、化け物の体内に何かをしたのは分かる)
ってか、生きてる?……って、こいつなら大丈夫か。トドメを刺さなきゃ。
(そう言うと、木の幹に叩きつけられた男を見る)
(本当ならば漁夫の利でトドメをさすのが一番だろう。それが一番安全だ)
(だが……)
んな、マナー違反な事は止めよ。
あたしだって、殺人を楽しんでる訳じゃないしね。
というわけで、あたしはとっとと逃げますか。
起きられて、襲われたら大変だし。写真も撮ったし。
(そう言うと、彼女は彼に背を向けた)
今度会うときは、襲ってほしくないなぁ。怖いし。
(そんな本音を呟きながら)
【じゃあ、私はこれで〆ます】
【ちょっと、眠気も来たので】
(全身が、バラバラになった様な感覚で支配されている)
(それでも、死んでいない。死んでいないが、動けない)
(死に難い肉体というのも、場合によっては有り難くない)
(どれだけ痛くても、死ねないからだ)
うぅ・・・・・・くっ・・・・・・
(指一本動かせない。ぐわんぐわんと耳が鳴っている)
(まともに音を捉えられない。音が何を意味しているのかわからない)
(呻き声だけを上げて、まともに言葉を発することは敵わない。思考も纏まらない)
(――死ねればいいのに)
(一瞬、浮上した思考回路が悲観的な思考を紡ぎ、そして沈んでゆく)
(――どれほど時間が経過したものか。気づけばそこには人と魔物の屍が晒されている)
(だけであり、小柄な少女の姿は何処にもなかった。幹に背を凭れてどうにか立ち上がる)
――殺さなかったのか・・・・・
(あの瞬間なら、今なら、確実に殺せたはずだった)
(後顧の憂いを断つという意味でも、その選択肢を選ぶのは正しいことのはずだった)
(要するに――甘いのだ。理由はわからないが、結果だけ見ればそう断じても構わない)
――くふふ・・・・・
まーあ、俺でもそうするだろうけどな。
(仮に自分が彼女の立場だったと想定しても、その解答を出すだろうと)
(そう思えば、どうしようもなく半端で、甘い人間だった。自分も、彼女も)
【うい、お疲れさまでしたー】
【あまり上手く回せなくてすみませんでした。おやすみなさい】
【おやすみなさいー】
【名前】御木本 正太郎(みきもと しょうたろう)
【年齢】男
【性別】17
【身長】168cm
【3サイズ】計ってみたら83/65/84だったねえ
【容貌】体重50kg未満説が流れるひょろひょろ体型。
瞑っていると間違われる糸目は自称チャームポイント。
【能力】言語や五感を用いた幻術を操る。
靴底にガムがついていたり指の先を負傷していたりなど
日常的に体験していそうな状態は一言で錯覚させられる。
大出血や行動不能などの高度な幻覚も生み出せるが、
それには元になる痛覚、話術などによる精神操作など
いくらかの条件と確実な準備、多少の運が必要になる。
【希望】雑談、日常、戦闘
【NG】精神的に痛いこと・汚いこと
【弱点】相手が絶対の確信を持てば、比較的簡単に幻影は破れる。
また、体型が示すとおり体力はあまりない。
【備考】余暇は漫画やアニメに費やすオープンオタク。他にも雑学に長ける。
集中力は目を見張るものがあり、結果観察眼もそこそこ。
生後突発的に現れた幻術能力もこれに関連していると思われる。
本来一人静かに部屋で画面に向かっているタイプなのだが
頼られると嫌と言えず、なし崩しで参戦させられる事多し。
両親が海外出張で一人暮らし、とどこかで見たような生活を送る。
【プロフ投下と共に待機だよー】
【復帰後初なだけに不具合があるかもしれないけど、全力でやらしていただきます】
>>272 【今晩はーですぅ。】
【お相手、誉なんか如何ですかー?】
【プロフは、
>>161です。】
>>273 【おやー、こんばんはだね。僕でよければ喜んでー】
【新年早々わんこ&にゃんこと遊べるなんて、正ちゃんついてるよ】
【どんなロールがいいかなん?】
【転校生の校舎ツアーとか、街中でばったりとか、はたまた戦闘とか?】
>>274 【よろしくですぅ】
【そうですねー、御木本さんとなら校舎ツアーなんて楽しそうですー】
【バトルでも大歓迎でありますですよ。】
【御木本さんにオマカセでありますっ】
>>275 【それじゃーよろしくお願いしますねん】
【ふむう、欲張って両方やっちゃうって手もなくはないけど】
【ツアー中に僕が幻術を何かに使って、フランちゃんがお目覚めとかね】
【いっぺんにやるのがもったいなかったら、ツアーだけにしとくよ?】
>>276 【ほんでは、フランちゃん軽めに出現。って感じでどでしょ?】
【こちらは異能を見破るような能力は無いので、あくまで様子見で軽くバトル?】
>>277 【はい、了解だよー。調整してくれてありがとねん】
【それじゃあ待機したことだし、こちらから書き出ししようか】
【校舎に延焼しちゃうといけないし、最後は校庭か屋上にでも】
【じゃあ、改めてよろしくねー】
>>278 【ハイ、此方こそ改めまして宜しくですー】
【書出し、宜しくお願いでありますです】
【ノンビリ待っておりますので、ごゆっくりです。】
腕痛いー足痛いー。
(ツイてない、とため息をつきながらじんじんと痺れる手を擦る)
(ビニル紐の跡ができている掌は、気温も相まって赤くなっていた)
(この寒さのために、庶務委員がインフルエンザでダウンして)
(教卓に近い席の御木本正太郎に雑用が回ってきたのだ)
身体中痛いー。
(若さの全く感じられない声をあげつつも職員室に立ち寄ると)
(指定された本を資料室へと運び終えたことを、担任に報告する)
(そして、ストーブで温まった職員室から北風の吹く廊下へ出ると)
(特別教室が連なった棟から、クラスのほうへやや足早に歩き出した)
……おろ?
【ありがとう、お待たせだよー】
(長い髪をツインテールに纏めた少女が)
(心細そうな表情でキョロキョロと辺りを見渡しながら、頼りなげに足を進めていた。)
・・・一年のクラスって・・・何処なんですかぁ?
って言うか、校舎の出口何処なんですかぁ?
(小声でなにやらボソボソと呟きながら、左右を忙しなく見ていた顔を不意に正面に向けると)
(はたと視線が合う・・・気がした)
(正面には、ひょろりとした、些か細身が過ぎる男の姿)
(その顔は寝ているのかおきているのか解らない程の細目で)
(恐らくは自分の方をじっと見ているのであろう・・・多分)
(条件反射で、にへーっと締りの無い笑顔を男の方に向ける)
こんにちはー、ですー。
迷子……かな?
(と口の中で呟いてから、さすがにないかなと思い直す)
(季節は冬。出会いと別れの4月はまだまだ先なのだ)
(あるとすれば普段使わないような教室への雑用だろうか)
(そう思っていると即席の親近感というか、仲間意識が沸く)
やー、こんにちは。なにかお困りなのかなー?
(ふるふると首の動きに合わせて揺れるおさげを無意識に目で追いつつ)
(不安げな少女を刺激しないように、いつも以上に間延びした返事をする)
(つり上がった目とは裏腹に、向けられた笑顔は愛想の良いもので)
(お世話を焼いても大丈夫そうかな、とゆっくりとした足取りで近づいて)
(白い肌に映える赤い唇から、返事が出てくるのを気長に待つことにした)
(間延びした、と言っても言い位のノンビリとした口調で近づいてきた男)
(誉は、遭難中にやっと救助隊に出会えた様な気持ちで、男の元へ足を進めようとする)
(突然、頭の中で声が響く)
わかってる・・・わかってるよ、フランちゃん。
(私達に、油断は禁物)
(少女は小さく呟き、トトッと軽い足取りで駆け出し、近寄ってくる男の目の前に立った)
お困り・・・
(誉は大きな釣り目がちの目を見開き、コックリと頷く)
誉、お困りなんですぅ・・・
実は・・・
(すぅ、と大きく息を吸い込み、誉は一気にまくし立てるように話し始める)
一年の教室から、廊下を真っ直ぐ行って、右へ出て、また右へ曲がって
真っ直ぐ進んだ先の渡り廊下を渡って、その向こうにある下駄箱がある。
(そこまで言い終わるとしょぼんとした表情になり、ツインテールをがっくりと項垂れる)
・・・だケド、見つかりません・・・ですぅ。
スタート地点に戻ろうかと思ったのでもありますが・・・戻れません。
・・・もしかして誉、迷子デスカ?
(かぱりと口が開きそうになり、危うく顎に力を入れてそれを阻止する)
(まーさか本当に迷子だったとは。しかも、上履きを履いている以上は)
(一度通ったはずの下駄箱へ行き着けないということになる)
(うーんドジっ娘萌えだ……じゃなくて)
転校生なのかな?
(うーんうーんと考えた末、もう少し現実的な仮説を立ててみる)
んっとー、もしかして教室を出てから反対側に真っ直ぐ来ちゃったのかな?
下駄箱は向こうでねー。
(何かに集中していると周りが全く気にならなくなる性質は健在で)
(手のひらの痛みはどこへやら、へらりと笑うと人差し指で指し示す)
丁度そっちのほうに行くから、案内するよー。
お困りの後輩を放っておくわけにはないから。
……そーそー、僕は二年の御木本。よろしくね。
こっちの教室は一年の真上にあるからさー。
(人懐っこい性格もあって、会話をしつつなら寒さもあまり応えないようで)
(先ほど少女が迷っていたよりは、やや早めのペースで歩き出す)
もしかして、その様子だと他の教室も知らない?
・・・もしかして、呆れているでありますか?
(ついと自分の顎に人差し指を当ててみて、軽く首を傾げる)
(相手の正体が見えてくるまでは、この位馬鹿っぽさを強調して置いた方が、都合が良い)
そうですー。
誉、転校生なのですぅ・・・
反対側・・・?
(柔らかい・・・と言うか、どこか抜けた雰囲気のする笑顔をした男が指す方向を見て)
(又、男の顔の方を見る)
あややゃ
誉、間違っちゃったかもですぅ。
二年生のみきもと・・・さん?
えっと・・・えっと、御木本先輩ですぅ。
誉は新納誉、よろしくですー。
(真上を言われ自分の足元を見て、又、御木本の方を見て、歩き出す正面を見て)
(くるくると首を回してあちこちを見ている様子は、まるで何かの小動物の様に見える)
他の教室、デスカ?
えっと・・・、屋上にだけは行ったコトありますです。
ひたすらひたすら階段上ったですよー。
景色が、綺麗でした。
(そして、あの変な男にも会った・・・)
(一瞬表情を曇らせるが、それはほんの一瞬の事で)
もしかして、どこか案内してくれるですか?
(すぐに、にへ〜っとした笑顔で御木本を見る)
いやいやいや、呆れるだなんてとんでもない。
むしろ見とれて……いやなんでも。
(ちょこんと首を傾げたその動きに表情筋が緩んでしまい)
(結局、口を目と同じようにうすーく開けつつ誤魔化すように笑う)
新納さん。おっとと、ファーストネームを言い忘れたよ。
御木本正太郎。なんなら正ちゃんと呼んでくれても良いからねー。
この時期に転校だなんて、大変だったんだね。
ふっふ、一番最初に屋上を選ぶとはなかなか通ですな。
裏山の緑も綺麗だったでしょう?
たまーに一人になりたいときとかも、うってつけだからね。
(転校生でうっかりさんで、さらにちょこちょこ動く姿も愛らしい後輩)
(お困りの後輩を放っておくわけにはいかない、とは言ったが)
(こんな萌える美少女なら、なおさらお助けせねばと先導して)
そだね、下駄箱と教室だけだと困るだろうしー。
時間があるなら、いろいろと案内するよ?
……いくつかは遠回りになっちゃうけれど。
(そんな調子だったので、ついに表情の変化に気付くことはなかった)
(それがこの後で、身に降りかかる事態のヒントになるとも知らずに)
左手に見えますは視聴覚室になりますー。
みきもとしょうたろう・・・先輩?
(笑いかける御木本の笑顔に本心からの優しさを感じ、誉も思わずニコっと笑いかける)
(いつもの馬鹿っぽさを強調した作ったような笑顔では無い、相応の少女の笑顔)
じゃ、正ちゃん先輩ですねー?
誉の事も、にーろちゃんでも誉ちゃんでも好きに呼んで下さいですー。
そうなんですぅ。
転校してきたら、イキナリ冬休みですよ?
(むーっと赤い唇を尖らせ拗ねた顔を見せ、言いながら指折り数える)
クリスマスでしょ?お正月でしょ?
誉、お友達も居ないし、ツマラナカッタですー。
ハイ!屋上からの景色は、最高だったでありますっ。
・・・選んだ訳ではなく、階段をただひたすら登っただけでありますけれど・・・
(唇からペロッと舌を出し、首を竦める)
(馬鹿っぽさも、ここまで来るとさすがに不自然では無いか・・・?と、一瞬不安になるが)
(御木本を見ると、まるで自分の事を愛玩動物でも見るように目を細めて・・・いや、最初から細かったが)
(優しげな笑顔で見守るように見てくれている)
視聴覚室ー!
(御木本が指す右側を、大げさに覗き込み)
ほわぁー、大きな学園の視聴覚室は大きいでありますねー。
凄いですぅ。
(教室の扉の窓から中を覗こうと、ぴょんぴょんと跳ね)
うー、中、真っ暗でありますねー
おー、じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。
語呂がいいからにーろちゃんで。
(いつものノリで提案してみたところ、思っていた以上の返事)
(心なしかさらに心地の良い笑顔を向けられて、すっかり調子に乗る)
一番きつい時に。せめて冬休み明けだったらねー。
まーまー、新学期前に新しい町に慣れることができたって考えればいいよ。
一度きりの人生だし、何事も前向きにってね。
(くるくる変わるにーろちゃんの表情からは、言葉通りの感情が素直に伝わってくる)
(声をかけたばかり、迷子だと言われた頃はどこか読み取れないものがあったけれど)
(お互い初めて会ったばかりだったし、単に警戒されていたのかなーと軽く考えた)
あはは、探検家気分だったのかな?
羨ましいよー、僕なんかとろいから入学早々在校生の列に紛れちゃってさ。
おかげで、何も知らない先輩から雑用手伝わされちゃった。
(だが交流できたと感じた途端、またも"引っ込まれて"しまった)
(初対面で先輩で異性でこちらは変な糸目、とくれば無理はない)
(だが、それにしては萎縮するどころか背伸びしているような)
(もしかして、知り合いがいなくてよっぽど寂しかったのかな)
(そう考えるともっと打ち解けたくなって、去年の話を持ち出してみる)
(無理に元気にならなくても喜んでお友達になるよー、と)
うん、一学年全員が入ってもまだ余裕があるからねー。
マンモス校だから、やっぱりスケールも大きいんだと思う。
(元気一杯のにーろちゃんに釣られるように、こちらも動き回って案内する)
(頭の中でも、理科室に音楽室にと一年生が使いそうな場所挙げてコースを考え)
向こうの家庭科室も僕らが入る前に広げられて……。
にーろちゃん。
(自分を指差し)
正ちゃん先輩。
(御木本を見上げ、にへっと笑う)
成程ー、正ちゃん先輩は・・・えと、前向きですぅ。
レッツ、ぽじてぃぶしんきーん、ですー。
(驚いたような顔をして、両手を一杯に広げ感心の様子を見せる)
(前向きな思考など、一度も沸き起こった事の無い)
(いつも思うのは、孤独絶望渇望。殺したい、あのヒトを殺したい)
(昔話を語りつつ誉に何度も向けられる御木本の人懐こそうな笑顔を見て、心底感心していた)
マンモス校ー!凄いですぅ。
誉、今まで一度も学校って行ったことな・・・
(言いかけて、ハッとした表情になる)
いやゃ・・・言い間違い言い間違いですぅ。
(また指先を顎に持ってきてカクンと首を傾げ、誤魔化すように笑顔)
今まで、こんな大きな学校なんて、行った事無かったですー。
家庭科室ー
誉、調理実習が楽しみなのでありますですー。
みんなでお料理、するですよね?
みんなで美味しい御飯、楽しみでありますです。
ねェねェ、正ちゃん先輩!
(何の躊躇いも無く、誉は御木本の腕を掴み、教室のある反対側の廊下の窓へと引っ張り)
見てくださいですー!
凄い夕陽!!
うんうん、どーせなら明るい気分で生きたいからさ。
れっつしんきんー。
(改めて呼び名を確認されると照れくさくなり、にーろちゃんのほうにして良かったと胸を撫で下ろす)
(ゲームのヒロインとの交流が主な御木本。実在の女の子を名前で呼ぶというのは慣れない事)
(夏祭りに行く約束をした少女のように、向こうが恥ずかしがらないのがせめてもの救いだ)
(気恥ずかしさというのは相乗効果というか連鎖反応というか、相手の態度で随分違うものだから)
(初々しく驚く後輩さんへにこにこしながら同調して、Let us の声を合わせる。それにしても……)
ん、大丈夫大丈夫。ちゃんとわかるともー。僕も中学までは別の学校だったからね。
幼等部から大学部まで、なんでところに入ったもんだから面食らったよ。
(波のように盛り上がったりへこんだりするにーろちゃんの表情に)
(いよいよ違和感が大きくなってきて、思わず同時に首を傾げる)
(忌々しいことに、幻術使いとして過ごしてきた年月のせいで)
(こんな日常の一コマでも、頭の片隅は勝手に独立を宣言して)
(時折影の差す彼女の表情を……その意味を、考え始めていた)
(舌を出したとき、前向き、強く否定された一度もという言葉)
あっはは、去年と同じなら冬にはハンバーグ作るから楽しみにしてるといいよー。
僕は一人暮らしなんだけれど、おかげでレパートリーが増えてねん……おわわ!?
(そうして、そんな中でも残りの大部分は普通の気の抜けた高校生だった)
(二つに分かれた御木本正太郎を再び合わせたのは、腕に感じたぬくもりで)
(軽い身体はいとも簡単に引っ張られて、窓のほうへと連れて行かれる)
きょ、今日は一段と綺麗だね。雲ひとつないし明日も晴れかな?
(急なことに赤みの差してしまった頬を、光線にカモフラージュしてもらいつつ)
(大きな夕陽を眺めて、それから目を輝かせるにーろちゃんにも視線を向ける)
(こんな子なら、クラスでもすぐに友達ができるだろう。けれど、それまでは)
そーだ、下駄箱に行くついでに校庭を案内してもいいかな。
土手になってるところがあってね、そこで夕陽を見るともっと綺麗なんだよ。
(それまでは、正ちゃん先輩が少しでも笑わせてあげられたらな)
(幸い今日はグランドも空いているはず、と勧めてみる)
へェー、正ちゃん先輩は中学校まで違う学校だったのですかー。
ホントこの学校って、おっきいですぅ。
誉、また迷子になりそうでありますです。
(優しげに笑う目の前の御木本を見つめ、にへっと笑い)
その時は、また正ちゃん先輩に助けて貰うですぅ。
(この年頃の女の子にしては、不自然なほどに異性を意識して居ない様子で)
(確りと組むように御木本の腕を掴み、きらきらとした瞳で、夕陽を指し、笑う)
・・・正ちゃん先輩?
(いつの間にか此方を見つめる御木本の視線に気が付き見上げ)
(このヒトは、本当にただの優しい普通のヒト・・・だよね)
(ちょっと、テレ屋さんな感じもするですぅ)
(女に慣れてないって言うのよ)
(誉にとって御木本の申し出を断る理由があるだろうか)
(夕陽を見つめたのと同じきらきらの笑顔で、大きく頭を振る)
見たい!
土手で夕陽、見て見たいですぅ。
うんうん、僕も最初の頃は仲良くなった人に案内してもらってね。
あっはっはー、任せたまへ。呼んでくれたらすぐ駆けつけるよ。
中等部の校舎なんかはまだよくわからなかったりするけどー。
(結局雑用仲間ではなかったが、これはこれで共感できて)
(連絡手段があるわけでもないのに二つ返事で引き受ける)
(そして同時に、少しだけあどけない少女が心配になった)
(こんなに初対面の男にひっついたりして、普段は大丈夫かな)
おっけー、それじゃあ下駄箱はこちらになりますっと。
この前みぞれが降ったし、ぬかるみには気をつけてねー?
(とはいえ、今日会ったばかりの女の子にそんなことを説くのも気が引ける)
(先ほどからの小動物のような可愛らしい仕草と相まって、ただ無邪気なのだろうと判断し)
(心配はあくまでおせっかいの範囲に留まり、結局脈が落ち着くと共に言葉を飲み込む)
あっと。
(萌、もとい幼くて抜けている後輩。そんな印象のため気が緩んでいたのかもしれない)
(下足を出ると同時にばさばさと飛んできたカラスを追い払うため、気軽に幻術を使ったのは)
大丈夫だった? にーろちゃんは鳥にも人気なのだねー。
(思考はカラスの嗅覚を刺激して、わずかな化学物質のにおいで遠ざけることに集中している)
(黒い影はやや不自然に散っていったが、普通の人間ならラッキーの一言で済ませるだろう)
(そう、お気楽に考えていた)
ハイ!困った時は、正ちゃん先輩ー!って、呼びますでありますぅ。
正ちゃん先輩、ヒーローですねっ。
(御木本と会話を進めながらも、頭の中では違う会話が進む)
(もう、3年近く送って来た日常)
(大事な姉妹、自分自身との会話)
(女に慣れてないって・・・フランちゃんってば)
(なによ?思った事を言ったまで。見なさいよ、あの赤くなった頬)
(そもそも、誉達の方こそ・・・同じ年頃の男の子と話すなんて、初めてでありますよ?)
やったぁ!
下駄箱ですー。
正ちゃん先輩、本当に有難う御座いますです。
(優しく気を遣ってくれる御木本の注意を素直に守り)
(下足に履き替え、足元に留意しながら歩き出す)
・・・っ!?
(突然、バサバサという羽ばたきの音と、風)
(突かれる・・・!)
(思わず掌に意識を集中し、熱を集め)
(駄目だ、正ちゃん先輩が・・・見てる!)
(一瞬、それは一瞬の出来事)
(襲い掛かるように飛んできたカラスが、突然に苦々しげな様子で散っていく)
(今のは・・・何?)
(僅かな空気の流れに気が付く)
(その中心には・・・)
センパイ・・・
(誉は大きな目を細め、訝しげな視線を御木本に投げ掛ける)
(今のは、ナンデスカ?)
(誉が軽く瞬きをすると、そこにはもう、誉は居ない)
(誉の姿をした何かが居た)
御木本先輩、今・・・何を?
いいね! ヒーローなんて呼ばれる日が来るとは思わなかったよ。
よーしじゃあ名前負けしないように、ばっちり現れないとねん。
(アニメをこよなく愛する身として喜ばずにはいられない言葉)
(萌えよりも燃え、ヒロインよりもヒーロー。そんな時代もありました)
(童心に帰ったように、喜び危うく自分がぬかるみに入りそうになったり)
礼には及ばないともー。
綺麗な夕陽をにーろちゃんと見られるんだからねん。
(ヒーローやら美少女やらでとろけていた脳はへにゃりと答える)
(だからその女の子の豹変にも、すぐには反応できないでいた)
(表情が少しきつくなり、声音が微妙に冷たくなって――)
なにって…………何がー?
(呼び名が元に戻って、初めてぴたりと足が止まる)
(にーろちゃんは、何が"起こった"ではなく何を"した"と問うた)
(つまりカラスに能力を使ったことに気付いている?)
(いや、例え確信はなかったとしても知っている?)
(人間が人外に干渉できる力、"普通じゃない力"のことを)
さて、早く行こう? 陽が沈んじゃうといけないからさー。
カラスが戻ってくるかもしれないし。
(単に勘が良いために、自分を中心にカラスが退いたことだけ見つけた)
(そんな、楽観的な仮説で全てを片付けることはにーろちゃんの)
(ニイロホマレの放つ鋭い視線が許してくれそうにないようだ)
(それでも日常に縋りついたのは、平和を好む性質のためだろうか)
(小さな小さな、元に戻る可能性を捨てきれないまま丘へ向かおうとする)
(心なしか相手に合わせていた歩調は速まり、声からも落ち着きが消え)
(外に出たから、というだけでは説明のつかない寒さが身を包み始めた)
(御木本の少しだけ、微かに変化した笑顔)
(それでも、尚も日常の茶番を続けようとする)
(その穏やかな笑顔の奥に隠された、何かを見つけ出そうとするかの様に見つめる)
(そう。この男には、何か が、あるような気がする)
(余りにも不自然なカラス達の様子)
(御木本の笑顔)
(胸の奥がざわざわとする)
(心に生まれたその小さな炎は、土手を上がるにつれじわじわと大きくなって来る)
(土手の上から見る夕陽は、確かに御木本の言う通りに素晴しいもので)
本当に・・・綺麗。
(その朱赤の空と夜の空が入り混じる様子に目を見張り、溜息)
(そしてまた、視線を御木本に戻す)
(このヒトの良さそうな男が、本当に異能者なのだろうか)
(今のカラス達の動きは?・・・一体何の能力なのか?音波?・・・違う、もっと何か違うもの)
(例えば・・・)
(少女の瞳がゆらりと揺れる)
(あっと言う間に二人が立つ土手は、炎に包まれる)
(勿論、少女の作り出した幻影の炎だが・・・)
(これなら、自分には見えないとシラも切れる。どう出る?)
先輩?
どうしたの・・・?
(じっと見つめられようと、赤面しているような余裕はなかった)
(むしろ大切な、平穏や日常を剥ぎ取られそうに感じ血の気が引く)
(赤らみを隠してくれた陽光、今度は白くなった顔色を補ってくれた)
(けれど今のニイロホマレの目は、光線くらいでは誤魔化せそうにない)
うん……運動部にも評判なんだよー。
にーろちゃんは部活に入ったりする気はあるのかな?
(なだめ、すかして、縋るしかなかった。同じ人間同士仲良くしようじゃないか)
(言葉にすると効力が全くなくなる気がして、話し続けることで伝えようとする)
(例えこの視線がただの興味で、争う意志がなかったとしても気は変わらない)
(静かに画面に向かい、友人と漫画やアニメについて語り合う生活が好きなのだ)
(必要に迫られない限りは好んで異能のことで時間を割きたくない)
(今までだって明かしたのは、共闘した相手と雨の中出会ったあの子くらい)
(幸い、相手にはちゃんと美しい夕陽に動かされる心がある……)
んー? いやあ、残念だなーって。
(そう祈っていただけに、向こうから力を明かされた時はさすがに声のトーンが落ちた)
(けれども全身の寒気が消えないことを感じると、いくらか笑顔を取り戻す)
(熱がない、実体のない幻の炎。要するに自分の同業者さんなわけだ)
……春なら、花壇の花も一緒に楽しめるのにさー。
(半分は本心で、半分は笑顔が曇った言い訳で呟くと、ちょっと悪戯をしてみる)
(彼女の作る幻影を打ち消すように、その脳へと周期をずらした念波を送って)
(あたかも、何もなかったかのように夕陽を見つめ続けた)
ああ、夏は夏でいいものだけどね?
緑の葉っぱにオレンジの光がだんだんあたって、きれーなんだよー。
(僕にも見えない、これが答え。幻影の炎は太陽に溶けていく)
(彼女の力が発動しなかったとでも勘違いさせられれば)
(にーろちゃんにとっては、何も知らない普通の人間でいられる)
(逆に、こちらの手の内をしっかり見切られる恐れもあるけれど)
(そのリスクを犯してでも、平穏な世界にかじりついていたかった)
(揺らめく炎が出現した瞬間、流石に御木本の様子が目に見えて変わる)
(声のトーンが落ち)
(次は、笑顔の中巧妙に隠していた表情が露呈するに違いない)
(その一瞬を見逃さない)
(さぁ、牙を剥きなさいよ。私が、屠ってあげるから)
・・・春なら、花壇。
(思いもかけない返答に、思わず目を丸くする)
(あくまでも見えないと、見なかったと)
(少し残念そうな笑顔が夕陽を見つめ続ける)
あ・・・っ
(夕陽に照らされた少女の青ざめた顔が、彼には気が付いただろうか)
(全く解らない。痛みも無い。何の感覚も無い)
(でも確かに、今自分に何かが起こった)
(ゆらりと解けるように消えていく炎の姿は、寧ろ美しく)
(先輩・・・なの?)
(私の、調子が悪かっただけ?まさか、そんな筈は・・・でも)
(土手に流れる冬の風が、少女の髪を揺らす)
(もっと仕掛けてみるか)
(いや、まだ自分は僅かに使う事の出来る幻影を見せただけ)
(本当の力は、まだ見せないほうが良いだろう)
(何故だろう。この男とは、少なくとも今は交える気にはならない)
(夕陽を見続ける御木本の悲痛なまでの笑顔に、少女の心がチクンと痛んだ)
(溜息を一つ。そして、無邪気な笑顔)
正ちゃん先輩っ。
素敵な場所を教えてくれて有難う御座いますですぅー。
もうそろそろ暗くなってくるので、誉はこれで帰るでありますっ。
(ひらりと制服のスカートを翻し、身軽に土手を飛び降りる)
【私の方は次レスぐらいで〆で行きたいと思うのですが】
【もし何かやりたい事が有れば、言ってくださいねー】
そーそー、今年は何を植えるのかな。
初等科の子達が、毎年大事そうにお世話をしてねー。
(声が震えないのは決して精神力のお陰ではなかった)
(思考を二分することに、頭も身体も慣れてしまったのだ)
(もう、何も知らずにヒーローごっこをしていた頃には戻れない)
それに、用務員さんも頑張ってくれててさー。
気のいいひとだから声をかけてみたらいいと思うよん?
(それならばせめて、一番幸せで平和な日常を生きる振りをしたい)
(自らに見せるバレバレの幻が、いつか本物になる日を願って)
……なんのなんの、にーろちゃんのためなら校内一周だってしちゃうとも。
(今日は相手も乗ってくれたようだ。毎日がこうならいいのに……)
(聞く耳を持たない異形の相手も厄介かもしれない)
(だが、それは単に骨が折れるだけで心は痛まない)
(むしろ誰かを助けられたなら、それこそヒーロー気分だ)
(でも、同じヒトとの戦いは? こんな女の子とも?)
(殺めた命は、三つだけでもとても重いものだった)
(これ以上増えてたまるものか)
よかったら、今度他の場所にも案内するからねー。
(ニイロホマレは、いつの間にかもとのあどけないにーろちゃんに戻っていた)
(もしこれが演技なら、お手上げだ。まるで別人のように何もかもが違うもの)
(じゃあ、嘘? あの笑顔もレッツ前向きも、陽に見とれた眼差しも?)
て、速っ!? 待ってまって、僕も帰るからさー。
(猫のように身軽な少女の後を追いながら、小さく小さく首を左右に振る)
(本物だって信じよう。異能者たちが見せる安息の表情を否定したら最後)
(御木本正太郎は、戦いの中でしか生きていけなくなるのだ)
【それじゃあ、僕はこんな感じで〆るねん】
【お気遣いありがとう、むしろやりたい放題やらせてもらって申し訳ない】
【気付けばもうこんな時間とは……遅いレスについてもお詫びを】
【タイピングだけじゃなくて、頭の回転を元に戻していかなきゃね】
【長時間付き合ってくれてありがとう、とっても楽しかったよー】
他の場所ですか?
最初に、こんな素敵な場所に連れてきて貰っているでありますから・・・
誉のハードルは高くなりましたよ?
次も素敵な場所、連れて行って下さいですぅ。
(待って。と追いかけて来る御木本を振り返り、無邪気に笑いかけ)
(鞄を持った手を上げ、大きく振る)
さぁー、誉に追いつけますですかー?
(フワリと揺れる長い髪)
(しなやかな猫が駆け出すかのように、軽やかに足を進める)
(走りながら考える)
(明るく優しい、人畜無害そうな笑顔の男)
(あの笑顔の影には、何かがある)
(その何かとは・・・?考えたくない。そんな筈は無い)
(異能者に、人間的な感傷的な感情が有る筈は無い)
(そう、この男は異能者に違いない)
・・・この、私のようにね。
(御木本を背に、前を向き駆けている顔はすうっと冷たく無表情)
何の能力かも、もう少し見極めなければ手の出しようも無いし・・・
(呟き、また振り返る)
正ちゃんせーんぱぁーいっ
遅いですよぉー!!
(また無邪気に笑いかけ、校門への道を駆け抜けた)
今日の所は、誉を喜ばせてくれたお礼に見逃してあげる。
【いえいえ、此方こそ有難う御座いますですっ】
【私の方こそ、ほんっと久々復帰なので・・・】
【こんなの相手にして頂いて申訳無いのは、誉の方で御座いますですよ?】
【お付合い頂き感謝!なのですー】
【また遊んで下さいなっ】
【それでは、お休みなさいでございますです。】
【いやはあ、そう言ってもらえると嬉しいな】
【次こそはにーろちゃんと同じくらいの速度で……】
【書け、たら、いい、な、とか】
【見届けたよー、次回が楽しみになる〆をありがとねん】
【こちらこそ機会があったらぜひお願いしたいな。おやすみー】
【というわけで、しばし、お借りしますー】
(自分の名前と、自分の背後を使って、自分の手の伸びる精一杯で
色々と夜を探ってみても、それを解決する手は「ひとつ」しか見つからなかった)
(それは自分にとって決して『解決』なんかではない――『最悪の手段』だ。
けれど、異形を狩る組織をつたって手に入れられる情報がもたらす解決策が
それくらいしかないのもまた道理だと、どこかでは分かっていたのかもしれなかった)
(“須佐乃”の家に来るのは、たぶん、三度目だったと思う。
『スイカと花火』と、『鳥鍋』と――今回が、『卵焼き』)
(昔だったら、こんな風に“須佐乃”と接するだなんて、考えてもいなかっただろうに)
――さて。 どう、しましょうか。
(家の前で少しばかり思案するように小首を傾げる)
(インターホンは何処だっただろう。
…というか、実はなかったらどうしよう、なんて。
そんな風に思う自分は、以前にお邪魔した二度とも、彼女に招き入れられたのだと、思った)
【失礼して、お借りします】
【ということで、とりあえず……家の前でうろうろさせていただきました(一礼)】
(自分がどう変わろうと、朝は必ずやって来る。
歩み始めた今だからこそ、縋るという行為の意義を知った。
今では――微笑みすら自然に零れる。
角フライパンの上に広がる解いた卵を、菜箸で器用にまるめながら、
それなりに広い台所に、鼻歌が踊る)
……ぁ。そいえば、言ってなかったっけ。
(不意に火を止めたのは、来客への説明不足を思い出したゆえ。
遅参を良しとするようなずぼらさは、彼女にはない、という印象である。
丸まったそれを、余熱の残るフライパンの上に寝かせたまま、
こちらはのんびりとした足取りで玄関に向かい、素足にサンダルを履いて、引き戸を横にずらす)
いたいた。ごめんね、普段はほら、裏口つかっていーからさ。
表にインターホンつけようとは思ってるんだけど、ねー。
(敷石の上を跳ねるように、こんこんと音を立てて、認めた姿へ歩み寄る。
苦笑しながらも、手を振って。親しい人物とふれあうように。
できてるよ、と顎を動かし玄関のほうを示し入廷の許可を下せば、先に歩いて行ってしまう)
【よろしくっ】
(こちらにかけられた声と歩み寄ってきた姿を認める)
(「何も、変わってない」 ――そう“見間違って”、勝手ながら安堵する自分がいる)
(もしかしたら、このまま何事もなく、日が続くのじゃないだろうか、と、
そんな希望的な観測だけはしたくてもしないように、自分に言い聞かせているのだけれど)
大声、出すべきなのかどうか迷っていたところでした。
戸をどんどん叩くのも、選択肢に入れてみたりもしていたのですけれど。
(あいさつ代わりに小首をかしげてみせる。
ふっ、と鼻先に香ったのは美味しそうな匂い――自分が好きな、少し、甘めのもの)
(まるで、本当に何も変わらぬような水琴の言葉に、
無防備に安堵をしてみせてしまうのは、彼女が変わったことで唯一の――…)
結局、いつもの通りに我儘を通してしまいましたね。
卵焼きたべたい、の言葉で律儀に作って下さるなんて、全くと十全な方です。
(そう言って水琴のあとを追おうとした瞬間、パキッ、と小さい音がした。
髪がはらりと零れおちる感覚と、何かを反射的に手がつかんだという認識)
(反射的に手がつかんでいたのは、髪留めだった。
金具が壊れ、外れてしまったらしいそれを――掌の中のそれを、眺める)
………ほんとうに。
(まるで何事もないように、水琴の背中を追いながら呟く)
(彼、じゃないけれど……嫌な予感が、当たるものだというのなら、今だけは止めて欲しかった)
……なんか変な噂立つから、それはやめといてもらって正解。
いーよぉ。ヒマだし。外寒いから、遊びにも行けないじゃん?
卵焼きくらいなら、ぱぱっと作れるしさ。
(この人なら、素でそういうことをしてもおかしくはない。
という印象がある。昼と夜は異なっても同じ軸の上であるように――
そうした"割り切り"を、水琴は覚えている。
さっと招く。適当にサンダルから足を抜いて、
ふさふさのファーがくっついたスリッパに突っ込む。
来客用か、同じものが何組か用意されていた)
そっち、テレビ部屋……あー、居間じゃないんだけど。
こたつと薄いテレビあるトコ。冬はそこでごはん食べるの。
暖まって待ってて。もうちょっとで終わるからさ。
(と、また古風ながら、最近改められたような引き戸を指さして、
自分は逆に向かう。台所に面した居間には、こたつが用意できない理由があるのだ)
あ、なんか一緒に食べたいもんとか、あるー?
(へもへもとスリッパで歩み、振り返らないまま問うて)
ん……本当に、年が明けてから一気に寒くなりましたものね。
(もふもふしたスリッパを目にとめてから、少しだけ動きが止まる。
十全とふさふさだ、あったかそうだ、なんて思っている間にも、
水琴の説明は進められており、何事もなかったようにスリッパを失礼してそちらに耳を傾ける)
……承りました。
それでは、お言葉に甘えて失礼させていただきます。
(言葉を聞いていから、ひとつの頷きと承諾の返事をする。
壊れた髪留めを指先で弄いながら、古風な引き戸に手をかけて)
――うぅん、そうですね。
(悩んだような声を、ひとつ返す)
(頭の中には甘い卵焼きしかなかったものだから、どうしようと首をかしげ)
……じゃあ、白いご飯、とか?
あ、もちろん、あったらのお話ですから、これ以上に我儘は。
(微妙に常識からズレたような気もするリクエストと、常識にかなった加えの言葉)
(それを口にしてから、戸をあける。
その部屋には確かに薄いテレビとこたつがあって、生活感がある気がした)
あ、お手伝いすること……何も、ありませんでしょうか?
(ぬくぬくできれば、この上なく幸せな状況だ。
そのようなことを考えた頭が、ふと“客人”らしい思考でも紡いだのだろう。
去りゆく水琴の背中にそのような声をかけて、目を細めた)
今日はまだ陽が照ってるけど、ねえ?
雨なんか降られたら大変だよ。洗濯物も乾かないし。
がっこ……は、行ってないからわかんない、けど。
(冷蔵庫の開閉音とともに、声を返していく。
返事を期待していないような状況にあって、
言葉を少し濁す。そこになにか、思い当たることでもあったか)
――ん、あー、うん。くつろいでていーよー?
(卵焼きを切り分けて皿に飾り、玉石の箸置きに朱色の橋を寝かせる。
特に凝ったことをするわけじゃない。"欲しいもの"とともに盆を乗せ、
急須、湯飲みがふたつ。 卵焼きと――)
お米なかった。……同じ白ってことで、豆乳パンで我慢してくれる?
(台所から盆を持って出てくると、皿の上に乗った白色のバターロールのようなものを示した。
苦笑い。だが、和食以外食べない!なんて主義ではないのは知っている)
ささ、早く入ろ。あったまろーよ。もう、さっき外に出ただけで限界でさ。
こたつは電源入ってるし、あったかい絨毯もあるからさ。
(と、背後から足を進めて、歩くことを急かすように)
(きこえてきた返答と、足音と。
それだけ返されればこれ以上に返事もいらぬであろうと、思い。
どうせ彼女の両手はふさがっているのだから、戸の開け閉めくらい…と、近くを取る)
……豆乳パン、食べた事ありません。
(そうして彼女とお盆がともにやってくれば、黒い瞳は不思議そうな色を孕んだ)
何も問題ありません。
だいたい、こちらがお邪魔していますのですから、十全です。
(豆乳パンに対する好奇であろうか、ひとつふたつ目を瞬かせるも、
十分だというように受けこたえてから、急かされるままに足を進める)
(彼女が入るのを見たら、戸を引いて……いそいそと、こたつにもぐり込み)
(“静か”なその家の、一室をみわたしながら――
先ほど、水琴から香った美味しそうな匂いと同じものをみつけて、目を緩める)
(基本、彼女はこういう欲求には忠実な方だった)
……おいしそう、ですね。
ここはやはり、流石は水琴さんと申し上げるべきでしょうか。
これがさー、普通のパンと味が似てるのよ。凄いよねぇ、発想がまずすごい。
(戸を開ける様を見て、礼がわりに肩を竦め、首を傾いだ。
軽く盆を上げてみて示す。スーパーを少しうろついてみると、
想像の埒外にあるものが次々と目に入ってくる。
まあ、これは父親の好みで買い足されているものなのだが)
ま、自分で食べる分にも役立つし、褒められて悪い気はしなーい。
……さ、召し上がれ。あ、これあたしのね。
(と、こたつの上に横たわっていた、片割れが食べられたチョコ味のカロリーメイト。
卵焼きもパンもひとりぶんなのは、今日はあまり動いてないからだ。
まずは正座をして、ふたつの湯飲みに熱い緑茶を注ぎ、配膳する。
すぐさま、さむさむ、などと良いながらこたつに足を滑り込ませる。
ずいぶんと冷えた指先を、葵の足の、素肌を探すように動かして)
ねぇ、それでさ。
……はい。 失礼して、いただきます。
(配膳された卵焼きと、パンと、湯呑みを前に手を合わせる。
軽く身体をかたむけて礼に似た仕草をして、
朱色の箸を手にとれば、それをまず先に卵焼きにむけた)
カロリーメイトだけだと、不健康になってしまいますよ?
(一口大のそれを口に運びながら、首をかしげる。
それからそのまま温かな卵焼きを口に含んで、少し表情を緩ませた)
美味しい、です。
甘さもちょうどいいですし…ん、やっぱり流石は水琴さん、ですね。
(食べぬのかとは聞かぬのは、そこまで世話焼くほどに、
彼女が自己管理のできぬ方でないと――自分が、踏みこむ範囲を知っているから)
(それでも本心からの賛辞で、「美味しい」と強調する)
………っ、ん?
(ひやりとした感触が、素足を撫ぜる)
(いくらか自分も体温は低い方であるのだけれど、冷え切った水琴の足先は
なぜだか常よりも冷たいような気がして、小首をかしげた)
どうかなさいましたか。
いついつから学校行くから、今度お弁当作って下さる、とか?
(卵焼きを口に運びながら、いつもの表情のままに、そんなことを問う)
おいしーからいいんだよー。
お茶の苦みともあうの、コレ。
(不摂生といえばそうだが、自分が今さらそういった生活を改められるわけでもない。
自分の体は大事だ。程々、を維持することは、昔からの得意技でもある)
あはは。お昼に学校に行くときに、また作ってってあげてもいいよ?
そん時はおかずをもっと増やさないとね。
また卵焼きとパンだけじゃ、弁当箱も寂しいし……でも、この季節、
学校のお弁当も冷え冷えになっちゃうよね。
(もそもそとカロリーメイトを咀嚼して、両手をこたつのなかに突っ込んで暖まる。
音を立てないテレビ。言葉が途切れれば、食事の音だけがそこに残る。
……そうして端までカロリーメイトを食べ終わると、
唇のまわりを、赤い舌でちろりと舐め取り、顎をこたつに乗せた。)
……で、そうやって逐一監視することが、
"手放さない"ってことで、いいの?
(そうして見上げる双眸は、決して偽った言葉でないことを示す。
もし、他に"何か"があるなら、まっさきに彼女は口にするはずだ。
事態を好転させる手段を温存するなど、この状況では無意味なのだ。
冬のように凍てつく、鋭い刃のような視線が、下方から抉る)
(ほどよく甘い味が、喉を、通り過ぎていった)
それは、どういったことですか?
(こちらを見上げる双眸を、少しだけ間を置いてから見つめ返す)
(その言葉が、偽ったものではないとは分かっている。
彼女も、ある種で“真っ直ぐ”だと、そう認識している。
そういった偽りごとを得手とする性質であると、少なくとも葵は見ていなかった)
……逐一監視、ですか。
(その言葉を聞いて、真っ向から否定は、できなかった)
(監視とはいわねども、自分は確かに「須佐乃 水琴」に目を配っているのは事実だ。
いつ、彼女が抑えられなくなるか知れない。
その時の為に、ほんのわずかだって目を配っていないなんて、それは嘘だ)
――それは、どういう意味で仰られているのですか、水琴さん。
(嫌な、予感がしていた)
(氷の刃のごとく鋭く冷たい視線が、こちらを抉る――冷たくて、痛い)
(それでも、目をそらさずに問い返したのは、
彼女のいう意味が、本当に理解できなかったからだ。
少なくとも、水琴が思っていることは彼女にとっては現時点では想定外のこと、だ)
……あたしがバカやったら、"あんた"も困るだろうからね。
ただの民間人やっちゃったり。パクられたら、あんたらのことも喋るかもしれないとか。
でも、別に必要ないよ、そんなの。いまのところ、そうじゃなくても満足できてる。
(瞼をこちらから閉じて、暖まった手を炬燵から這い出す。
そのまま、湯気の立つ湯飲みを両手で包んで、かすかな音を立てて啜る。
極めて自然体だ。 言葉は剣のようでも、目の前の女性と事を構えようなどという
意思は、全くない。
……人を殺める衝動を、完全に呑み込み、受け入れたような発言の下には。)
化け物とか、異能者とか。
"殺してもいい"奴にしか手ぇ、出さないから――あんた達と、同じにね。
だから、目を光らせなくてもいいよ?
それなら、あんたたちも仕事が……命の危険が減るんだから、ねぇ?
(故に笑う。指を組み、その上に顎を乗せて。
媛名葵が肯定した"須佐乃水琴"の姿は、かつてよりも精気に溢れている。
命を啜り花開く毒花のように、濡れた唇が弧を描かせて)
(理解が、できない――のは、嘘だった。
仮説であっても、そのような答えを打ち立てたくないだけだ)
(衝動を飲み込んで、なお、その言葉を口にしたように見える彼女を前に、
その仮説を、立てたくないだけだ)
……それ、お答えになっておりませんよ。
(箸を置いて、温かい湯呑みに手を伸ばしてからお茶をすする。
程よい苦みは、少しだけ精神を落ち着かせてくれる、気がした)
『どういう意味で、仰られているのですか、水琴さん』
(ことん、という音とともに湯呑を置いて――いつものように首をかしげる。
それはまるで無理矢理に、いつもに戻そうかとするかのような行為)
それとも、もっと、分かりやすくお尋ねした方がいいでしょうか。
(けれどどうあがいたって、このまま「何もありませんでした」で、
すむとは流石に思っていない。そこまで、楽観的な観測ができる方じゃ、ない)
……何を、お考えですか、須佐乃水琴さん。
(濡れた唇に弧を描き――嫣然ともとれる微笑なれど、
それは明らかに常ならぬ色を孕んで、自分の心を戦慄かせてくる)
(黒い瞳を無意識に、細めてしまったのは……ひどく、耳鳴りがしたからだ)
なにも。
……っていうのは、さすがにナシかな。
でもあたしは、いつも、考えたことを口にできるようなあたまはしてないの。
それでもあたしがひとり殺るたび、あんたのいる組織のためにはなる、ってのはわかるよ?
(異形。異能のなかでもそう――葵が狩るべきもの、とは、
決して世に有益なものではない、という分別であると水琴は考える。
もし、その「益」のために使うのであれば、自らの衝動は正当化される。
卑怯な手であろうと外道の技であろうと、自分は実績を持っているということもある)
……あたしは愉しいし、悩まず生きられる。目的は違っても、利害を共有できるよ?
殺すなら、やっぱ"殺していいの"に限るよ。胸が、すっとするから。
(湯飲みを再び手にし、言い切った喉を茶で潤す。
決して力を込める姿は見せない。その挙動のなにもかもを"普段通り"に。
しかし――それでも瞳に在る哀惜は隠せない。
早とちりであったとしても、目の前の葵に対して、信頼が"あった"のは事実だ)
手放さない。
はじめは、あたしをどうにかして助けてくれようとしているんだと、都合よく考えた。
どうにもならないかもしれないけど、どうにかしてくれるだけで嬉しいって。
――でもそんなこと、有り得ないのはわかってるから。
あんたがそのことを、わからないハズもないよね?
中が女だとかいちいちアピるのって何が目的なんですか?
誤爆失礼
(仮説は立てる間もなく、現実に押し流されていってしまった。
ただ静かに、水琴の言葉を聞くあいだ、ずっとずっと、耳の奥で嫌な音がしていた。
――「つきん」と、どこかが痛んで、くるしくて、
知らぬ感情が湧きあがってきて。ただ、何も持たぬ手に、力を込めた)
――……“あなた”は、
(黒い瞳をただ真っ直ぐに水琴に向けたままで、小さく首をかしげる。
その貌には、何も映さぬままに、
まるで、道化の人形か何かのように小首をかしげてから)
……本気で、そう仰られているのですか?
(たった一言だけ、問いかけた)
(黒瞳を、一秒たりとも相手から逸らすこともせずに、それだけを問いかける)
(本当に、偽りなく、彼女がそう思っているのならば、
それは大きな誤解でしかない。 つゆほども、自分はそれを考えたことはない。
たとえ可能性が明示されていても、それはきって捨てていた)
(それは、“今”であろうが、
彼女が水琴を「水琴さん」と呼ぶより“昔”であろうが、変わらずに切って捨てていた)
私が、あなたを≪深凪≫の良いように使おうとしているのだ、と。
須佐乃水琴は、本当にそう、思われているのですか?
(声は、震えなかった)
じゃあ、何のために?
本気であたしのこと、どうにかしてくれようなんて思ったの?
……あたしはそうは思えない。
あんたなら最初から、わかり切ってるハズだよ。
(湯飲みを唇から離して、そのまま振るう。
僅かに部屋の室温に冷えたそれが、ぶち撒かれようが、払い落とされようが、
続く言葉は途切れない。水琴は未だ"生きている"。
生きるからには歩まねばならぬ。呼吸と同時に、殺すような生を受け入れるしかない)
……あたし達はさぁ、だぁれも救えないんだって。
救いようのないこと、夜中にしてるんだから。
夜から逃げようとしたって、あんたはあたしの肩を掴んだ――"夜に居ろ"、ッて、言った!
だからあたしはこうするしか、こうなるしかなかった。
もう――殺しても、痛く、ないんだよッ! 気持ち、いいん、だよッ!
あんたのためだ、あんたのせいだッ!
あたしを殺す? "異形"になったから、掌返すッ!?
(掴みかかるように諸手を伸ばし、葵の肩へ向かわせる。
しかしそこに、殺意は在りようもない。
誰かを救えず、奪うことしかできないのなら、"残す"という選択しか取りようがない。
俯いて、下に向かって吼えながら、目を向けずに問うた)
なんで――、あの時。
あたしに、あんたが、大事だから、殺、な……って、わか、って……。
(憎悪であり、"無意識の裏切り"への糾弾であり。
震えた声で、歯を軋ませながら、恨み言を紡ぐしかない。
器用に生き抜く方法など、誰にも教えられなかったのだ)
(「……あたしはそうは思えない」)
(その言葉を聞いたあと、頭の奥でもう一人の自分が自分を嘲笑った)
(当たり前だ。 彼女にそんな信頼を置いてもらえるわけがない。
自分は、そんな信頼をおいてもらえるわけがなかった、
いったい、いったい、自分は何を勘違いしていたのかと――いまさらになって、嗤う)
そう、ですね。
私が貴方を生かしたかったのは“どこまでも自分のため”です。
他にありません。
……私は、貴方に会ってから、何一つ、“奪う”以外のことを、していないのでしょう。
(自分が生きていてほしかったから、そこにいてほしかったから、
それだけのために、せめて術を探せるなら探そうとしていたのだ)
――すべては私の、所為です。
貴女が、殺しても痛くなくなったのも、それを気持ちいいと感じてしまうようになったのも。
あなたが、自分を自分で、異形だと、お呼びになられるように、なったのも。
(罪だと知っている、我儘だと知っている――それでも、どうして自分はそれを、願ったのだろう)
“あなたが、悪いんじゃない”
(黒髪から、ぽたり、と冷たい雫が滴り落ちて、
肩を掴もうと手が伸びてくれば、それに抗うこともせぬまま、前を見る)
(そうだ。 “生きていてほしい”だなんて願いが、どうして目の前の彼女の為で、あろうか)
……殺したいですか、わたしのこと。
ねえ、“須佐乃さん”は、いったい、どうされたいのですか?
(だったら、自分が、本当に、彼女の為にできることは何なのだろう)
(分からなかった。 考えても考えても、
ずっとずっと、耳の奥で嫌な音が鳴り続けているだけで、苦しく、なるだけだった)
わたし、あなたのために、なにを、してあげられますか?
(人形のように、感情の抜けた貌。
その頬に零れおちたのは、冷たくなった茶の雫だったのだろうか、違うものだったのだろうか)
(その肯定の言葉がどれだけの甘やかしであったとて、
傷に染みいる甘さになる。逆境に立ち向かい、純然と勝利を掴み取る道は、
はじめから存在していなかったのだ。)
……肯定して、あたしを。
あたしを置いて、夜から逃げないで。
(指に力が篭もる。それでも顔は上がらない。
哀惜と憎悪が犇めき、僅かな良心が胸を締め付けたが、
その痛みは既に、本人が何であるかも認識できぬほどに遠い)
痛いも、苦しいも、全部あんたが背負ってよ。
ここで、逃げられたら――あたしは、
あんたの大事なもの、ぜんぶ壊すしか、もう、"ない"。
(それでも縋るのは、永劫、一人で立つことなどできないであろう宿命だ。
双眸は開かれ、醒めていても、片方の傷を伝うように涙がこぼれる。
自己肯定ゆえ、葵自身でなく、抱えるものを傷つけんとする浅ましさも、
それは何かの要因となり得る故だ)
……独りに、しないで。
(触れていても距離は途方もなく遠いのに、そう強く願った。
もう、今は、「何故、大事なのか」という理由さえ考えられない。
針の筵の上に伸びる平均台の上で、まっすぐ道を示すのが、
壊れた理性のなかの、極端な記憶のせいだ)
……貴方を、肯定する?
あなたをおいて、よるから、にげる?
(まるで、口調は壊れた機械か何かのように。
その貌は、瞳は、自分の外の世界にあるものを反射するガラスか何かのように)
…わかりません。
(どこか不思議そうに小首をかしげれば、またひとつ、雫が零れおちた)
私は、異形狩りだから、異形は、肯定、できない。
でも――…わたしは、“まだ”、あなたを異形とは認めて、いない。
(肩をつかむ手に、糸を弄う手を重ねて、
言葉を紡ぐ音が淡々と響くだけなのは、どんな色を乗せればいいか分からないから)
にげるって、どういうこと?
あなたを、ひとりにするって、どういう、ことですか?
(本当はその答えを聞きたくなんてないように、目を細めて。
逃げたら“奪われる”という、「ダイジナモノ」が、心に掠めて)
(たぶん、いまは、まともな思考なんて、働いていない。
心に占めるのは、知らぬ感情と激しい混乱と、激情だけだ、から)
……逃げたら大事なもの、壊すって、どういう、ことですか?
わたし、あまり頭がよくないから。 ご存じでしょう、現代文苦手なの。
だから、分かりやすく言って下さらないと、分かりませんよ?
(まるで、ようやくというように震え始めた声)
(熱を取り戻したように、わずかに、わずかに貌がぎこちない笑いを浮かべた)
あんただけ……綺麗な身でいるなんて、許さない。
あたしはひとりで、地獄になんて行かない……。
あたしの「終わり」を奪ったあんたの大事なものには……あたしは剣を向けられる。
(縋る形はただひとつ。その姿を、"すべての言い訳"にするつもりだ。
人質を取るような真似をしてまで、歪み、それでも"生きようとする"様だ。
意地汚く、浅ましく。 しかし動機は――"人間"の弱さ)
なかったことにしないで。
あの時の言葉も、あたしが壊れたことも、全部。
あたしは、誰かに殺されるのは、終わらせられるのだけは嫌だ。
……それでも絶対にあんただけは殺せない。
だから見ててよ。誤魔化さないで、目を背けないで。
(その手に触れる艶やかな感触には気づいた。
もし自分が異形であるならば、迷わず首を落とされる。
だがそれでも偽れない。自らの心を吐露するしかなかった。)
今までのことがすべてウソだとは思わない。
何がどう変わったのか、もうわからない。
それでも、はっきりしてるのは、大事なものだけは――「奪われたくない」こと。
(どこか共通する痛み。人間として共通の悲哀。
首を晒すように見上げ、黒瞳で見入る。
それに糸が絡めば、容易く言葉は途切れるだろう。それは誘惑にも似た色香だ。
たとえ痛みと苦しみを与えても殺せない相手に対し――どのような心境であるかの、現れだ)
……好きなように、秩序なく、刃を向ける貴方を肯定しろということ?
異形も、異能も、関係なく、異形ならぬものに刃を向けることを、
肯定して、その傍らで、何もせずに、見てろということですか?
(ひとことひとこと、区切りをつけて吐き出すのは、
息が続かないからか、それとも自分でその言葉を認識しなおしているからか)
無かったことになんて、しませんよ。
(小首をかしげて、声を震わせたままに、言葉を吐きだす)
……私は、貴方に、生きていてほしかった。
わたしの傍に、日常のなかに、「水琴さん」に、いてほしかった。
あんなに、貴方にひどいことしかしていないのに、あなたに、
ともだちに、なってほしかったんです。
いままで……“そういう”の、よく、分からなかったから。
(傍にいて、笑い合うのが楽しいとか、そういうのがずっと分からなかった)
我儘、ですよね。ばかみたい、ですよね。
(晒された首に、巻きつける糸はある。
先ほどまで指で弄っていた髪留めにだって、細く長い針が隠されている)
(それでも、彼女の手は動かなかった。まだ、動かそうと出来なかった)
――だいじなもの、奪われたく、ないと、思います。
わたしのだいじなもののひとつは、「貴方には決して奪えないもの」です。
ですけれど、ひとつは、「奪えるかもしれない」。もうひとつは、「もう、奪われました」。
(こちらを見上げる、切ないほど黒く澄み切った瞳を見返して。
自分にできる、精一杯やさしく、その頭を、撫ぜた)
……ごめんなさい、『水琴さん』。
私は、私であって、それ以上でもそれ以下でも、ないみたいです。
(つまり、自分は『異形狩り』でしかないのだろう、と。
このときに、わざわざこの言葉を使ってしまったのは、どうしてなのだろう)
わたしは、それを肯定は、できません。
……でも、奪わせるつもりも、まったくありません。
……も、無理なんだ。
楽しかったことも、現実でも、これも現実なんだよ。
なんでこうなったのか、考えるより、受け入れたほうが、いい、って。
(もう手を伸ばそうと、光には届かない。
光に集まる蛾のように、鱗粉をまき散らしながら重く飛び、
近づけば、焼かれるしかないような、そんな状況だった。
どこにも行けぬ翼しかない。頭を撫でられようと……)
だったら……終わろう。
(瞳が湛えるのは、孤独だけだった。
ずっと状況に甘えきりで、常に何かの所為にしてきた故か。
家業に、衝動に、そして葵に、なすりつけていたためか。
それを――"罪"と見れば、選択は、ひとつ)
……殺して。
(助けて、とは、言える筈もなかった。
最後の卑怯と、棘は、現実を受け入れた故。
目を伏せて、こたつに突っ伏した。葵がどうあろうと、行き着く先は、ひとつだと)
私たちが、いちばん最初に会った場所、あるでしょう?
あの、フェネックか何か、よく分からないキツネさんがいらした廃ビル――
…覚えて、いらっしゃいますか?
(こたつに突っ伏した頭を、ぽんぽんと軽く撫でて。
明らかに、この場に似つかわしくない会話を切り出して、目を細める)
あれね、この冬に取り壊されてしまうんだそうです。
二月か三月か忘れてしまったのですけれど、
たしか、丁度私たちがあった日と同じ日にちの――10日後、でしたでしょうか。
(そっと耳元に唇をよせて、そこではっきりと囁いた声は、甘くは、なかったけれど)
……“異形狩り”に殺されたいのなら、向かってきてください。
異形狩りを、殺す気で、向かっていらしてください。
“異形狩り”のひとつも、殺せないのに、何が、異形だというのでしょう。
(彼女はもしかすると、形を変えて、水琴の言葉を受け入れたのかもしれなかった。
声は震えなかったけれど、水琴が見ることのできぬ顔は――今までにない、表情をしていた)
おねがい、です。 最後の、お願いです。
ちゃんと“私”に、向かってきて下さい。 何かさせたいなら、私を力でねじ伏せてください。
……約束は、違えません。
『衝動』を異形以外には私に、向けて下さると仰られるなら、
わたしは、貴方の願いを、かなえて、さしあげます。
(これはきっと、生涯の中でいちばん、残酷な、言葉だ)
どうでしょうか。 のってみませんか、先輩の提案。
(「殺し合い」、しませんか、と――同義には、変わりなかったのかもしれない)
(伏せたまま。痛みは来ない。意識は続く。
これはまた裏切りか、それとも、温情なのか。
……最後まで聞くつもりはなかった、耳にいれるつもりすらない。
だが、それでも、言い終えた言葉を、幾度か頭のなかで反芻すれば、
肩が僅かに震え、顔を上げる。赤くなった目は、明らかな戸惑いに、震えた)
……な、んで。
も、辛いんだ、よ。この、一秒が、なのに、……どうして?
(死にたくなければ殺せ、と。殺したくなければ、死ねと。
刃を向けるに、勝負という形を取る意味が、図りかねた。
それは生きて、満ちるための手段であった。
大事なものに、向けるべきではないものだ)
そんなに、あたしが、……嫌い、になった、の?
あんたを、殺――や、だ。も、う……奪わ、ないで。
いた……い。いたい、くるしい、のに。
("それまで"を生きるための糧すら、失ってしまったのに。
訴えかけるような声と眼は、虚ろを通り越し、混濁していた。
謝る言葉すら、ない。刻一刻と、精神は安定と、未来を失いつつある。
単純で、どうしようもない言葉だけが、そこにある。
頭を抱え、小刻みに、かちかちと歯を鳴らし。そこに、ついに留まってしまった)
……そ、すれば。
見捨てない? ひとりに、しない?
……存じ上げて、います。
分かっております――…でもね、私は、我儘なんです、すごく、とても。
(深凪に入ってから、もう二度と、
「異形」と、「深凪の敵」以外に向けぬと誓った“殺すため”の牙を向けるといったのは、
それが大切なものでなくなったからじゃない、それを大切なもののままにするためだ)
(そう、これも、最後まで彼女自身の我儘だった)
取り壊される、10日前。
――つまりは、二月か三月の、貴方と私がお会いした日にちの日に、あの場所で。
……おあつらえむき、でしょう。 どうせすぐ壊されるのだから、汚れても困りません。
(震えるなと、何度も自分に言い聞かせた)
(この声が、この身体が、心の震えと悲鳴を反映してしまわぬように、
何度も何度も、震えるなと言い聞かせて、その手で、水琴の頭をそっと包む)
……嫌いだったら、こんなこと申しません。
(頭を抱える水琴の頭を、さらに胸に抱くようにして包み込んで)
そうですね。 もしも、私がお約束を破ってしまったら、
あなたが、私との約束を守って、衝動を向けて下さったにも関わらずに、
もしも私が、貴方を殺すことをしなかったら――…私が、できなかったら。
(手に力をこめてから、その頭に重くない程度に、顎を乗せて)
……貴方を、肯定して差し上げる。
ずっとずっと、そばにいてさしあげる。目を逸らさないで、見ててさしあげる。
(そのとき、自分はまだ温かいか冷たいかは、知れないけれど)
――でも、もしも約束の日までにどうにかできる「方法」が見つかったら、べつですよ。
そのときは、そうですね……めでたしめでたし、ですものね。
たまには、私が、水琴さんになにか作って差し上げる。好きなもの。
(希望的な観測はしないと言ったのに、どうして自分はこうやって道を残すのだろう。
浅ましいと分かっている。 それでも、何時ものような声音で、口にした)
ほんと?……なら、がんばる。
(どこまで自分が耐えられるか、など、わかりようもない。
ただ其処に、望む光があるなら、征くしかない。選ぶしかないのだ。
一度も大事なものを捉えたことのない刃が、
如何に振れるかなどと、知るはずがないのに)
……辛くて、いたくても。
ほんとうに、そこに終わりが……欲しいものが、あるなら。
(どこまでも間違えて、浅ましい信頼。
どう振れようと戻れ得ぬからこそ、望んだ歪みを、光とはき違えたまま。
温もりに包まれて、表情を緩めた。心に沁みる熱だった。
本当に欲しかったことは、常にこの優しさが傍にある生であったのに……)
……あんまり、やーらかく、ないね。やっぱり。
へへ、お茶、冷たいし、ごめんね。
……ね、今日さ。このまま、いたいな。あと、あと。
(元より、誰かに、下から頼むという経験は少なかった。
それでも、ほんの少し柔らかい温もりに抱かれれば、恥じもない。
たどたどしく、ほんの少し、光の過ぎゆく間であろうとも、「特別」を求めた。
今まで作ってこなかったもの。どこへ行っても、寄る辺であるべきものを)
……"葵"って、呼んで、いいですか。
【このあたり……かな?】
【う、うーわー、なんかすごい時間が……ご、ごめんっ。内容とかもっ】
(無垢な子供のように、「がんばる」と、彼女は言った)
(――本当に、自分は最後の最後まで、きっと、彼女から何かを、奪うことしかできない。
そう思うと、もう駄目だった。
冷たくなった雫に混じって、とめどなく頬を零れて、おちた)
……殴りますよ?
(柔らかくないといわれれば、
どうにか声をしっかりと震えぬようおさえて、
抱きしめていた頭を、ぺしんっとはたく)
このままでいたら、私は風邪をひいてしまいそうなものですけれど。
お風呂くらい、いれてくださらないのですか?……と、まだなに、か――
(いつものような語調で、どうにか震えないようにしていた声が途切れる)
(“もう一人の大切な人”が呼んでくれる、名を、彼女もまた、呼んでくれるという。
たぶん、よほど何かがない限り、告げることはないだろうけれど、
「あの人」は、自分の決断を聞いたら、いったい、何というのだろう。
分からなかった――…らしくもなく、怖くて、考えられないのかもしれなかった)
(それでも、大切なひとにやはり「名」を呼ばれるのは嬉しいことにほかならない。
ぎゅ、とわずかに力をこめて、その顔を小さく微笑をのせてみせた)
いいですよ。 特別に、許可して差し上げます、“水琴さん”。
(――自分が設けた、わずかな猶予。
そのあいだに、「方法」が見つかるなんて、それはきっと奇跡なのだろうけれど)
(それでも、願った。 いるだなんて信じてもいない神様に、
生まれて初めて、『このひとを――“わたし”を、たすけてください』と、心の中で、必死に願った)
【これで、こちらは〆っ……です】
【私こそ、長文長考を極めまくってしまった限りで本当に申し訳ありませんでした…っ(一礼)
本当に精進しないと、な限りで……内容については、もう、水琴さんのばかっ、です。(!?)】
【それは…冗談、で。また後日に、日を改めまして色々とお話させてくだされば、幸いです。
お付き合いへの感謝と、振りまわしてしまったことへのお詫びをして……
今夜は、これ以上に何もないようでしたら、これか見届けるかで、失礼をと。(深々と一礼)】
【こ、こっちもこっちも。凄い長丁場だった。3連中断のアレ思い出したッ……。
ばかでさーせんっ。願わくば先行きに幸あれー】
【そのままそっくりそっちに。重ね重ねごめんね、そしてありがとうっ!
今回は、見届けたよっ!ということで、暗転――と。おやすみなさいッ】
【迫水先輩をお待ちしてます】
【同じくロールにお借りします】
(辺りの地面は黒い絨毯のようにびっしりと覆われていた)
(カサ…カサ…、とそいつらの節くれ立った足がアスファルトを引っ掻く音が耳障りに響く)
くっ…!
(何匹かが足元から飛び上がり、顔目掛けて襲いかかってくるのを腕で払いのける)
津綺子…大丈夫か?
(ブロック塀を背にして、襲われるのを3方向だけに限定し)
(隣りに立つパートナーにむけて緊張した声をかけ)
(同時になぎ払うような蹴りを繰り出してまた何匹かを払いのけた)
(握り拳ほどの甲虫が押し寄せる波のように、後から後から迫ってくる)
(襲い来る群れは止まるところを知らず、ブロック塀にも張り付き、這い寄ってくる)
ダメだ、このままじゃこっちの体力が保たない
…退こう…
【お待たせ…まずはこんな感じの状況から】
【よろしくお願いします】
はぁ、はぁ、はぁ……
(弱めの電力だとは言え、連続での発電に体力も限界だった)
(それでも大丈夫かと聞かれれば)
…大丈夫です……
(息も絶え絶えに答える)
だって、これを放っておいたら…どんなことになるか…
(そんなことを言っているうちに、ガクリと膝を崩す)
(すかさず飛び掛ってくる拳大の甲虫)
…っ!…
(まるで石つぶてを叩きつけられたように、虫を避けた手に血がにじんだ)
(退こう、という声が聞こえ、これ以上は無理だとようやく納得する)
わかりました……
(パートナーの手にすがるように、その場からにじり出る)
【こちらもこんな感じで、よろしくお願いします】
(問いかけに対する答えは、荒い息遣いの中、細い声での肯定)
(連続の放電による消耗がパートナーの身体を蝕んでいるのを感じ)
…あまり大丈夫じゃなさそうだね…
(緊張を振り払おうと軽口を叩くが、声色がそれを裏切る)
ザワ…ザワ…
(風が森の梢を揺らすようなその音が、群れが膨らんでいくのを示す)
津綺子、俺にしっかり掴まって…
(腕にすがりつく津綺子の腰に手を回し、しっかりと抱きかかえ)
(膝を曲げ、脚に蓄えた力を開放する)
(一瞬の浮遊感。人外の脚力は一跳びで向かいの塀の上まで二人を運ぶが)
(打ち払い、踏みつぶした際に飛び散った体液がフェロモンのように誘うのか)
(移動した獲物に対してまるで一体の魔物のように、群れが一斉に向きを変える)
……っ!もう一度…しっかり掴まって!
(不安定な姿勢から再び跳躍する)
くっ……
(充電していても指先に感じるパワーは心もとなく)
(放電しても動きを止める個体は先ほどより目に見えて減っている)
(ガサガサといやらしい音を立てて押し寄せる虫に、恐怖よりも生理的嫌悪感が募って、顔をしかめる)
(直の体に腕を巻きつけると、こちらの腰を捕まえて、彼が跳躍する)
た…だし…さん…!
(人外の力を解放する直に、わずかに不安を覚えるのはいつものこと…)
(風を切って塀の上へ、そこから隣の下屋の屋根へと短い跳躍を繰り返す)
(甲虫は意外と重いのか、飛んでくる動作は相当鈍い)
直さん、無理しないで、自分で走れます…から…
(直に超人的な力を使わせることは、それだけ人の心を失わせるようで)
(いつも、そこに直自身がいるのかどうか確認したくなるのだった)
(甲虫の群れから逃げて、逃げて、町をはずれ野に分け入り、いつしか川沿いに山へと入り込んでいた)
(ザクッと枯れ葉を踏み散らして着地する)
(周囲は木々に囲まれ、夜の闇が、一層深く陰を落としている)
ここまでくれば…
(辺りを見回しながら抱きあげていた津綺子をゆっくりと降ろすが)
(警戒する精神が腰を抱えたままにさせていて)
(ザワザワと耳に届くのは、虫の群れではなく風の音)
(身を切るような寒風が枯れ枝を揺らし通り抜ける)
ここは…どこだろう…?
(逃走に夢中で既に方向感覚は失われ、自らの立つ場所がどこだかすら分からず)
(首を巡らせ、ふと隣りを見ると、意外なほど近い距離で、闇に輝く恋人の瞳と向き合ってしまい)
…………っ!
(思わず息を飲み込む)
(直の胴にしがみつき、時折追いすがる虫を電磁捕虫器のようにジッ、と音を立てて感電させる)
(そのぐらいの電力なら、無意識にでも発電できる)
(どれぐらい逃げただろうか、虫が追ってこなくなって)
(直が着地する足音は、分厚い枯葉を踏みしだいていると知れる)
ずいぶん…町から離れてしまいましたね……
(闇に目を凝らし、少しでも目印がないかと)
空が見えれば、月が出てるかもしれないけど…時計を持ってないから、方角はわからないです
(電撃の際に壊してしまうのがわかりきっているので、時計は持ち歩かない)
(そんなことを語っている間も、ぴたりと体はパートナーに引き付けられたままで)
(そのことを意識してさえいなかった)
(ふと、直の気配が変わったのを感じて)
直さん…?
(傍らを見上げれば、すぐそこにこちらを覗き込む直の視線)
あ……の……
(急に腰を抱えている直の手の熱さを意識して、心拍数が跳ね上がる)
(長い跳躍の連続に、彼の呼吸は荒く、それがむしろ力強さを感じさせて)
(語りかける声が震えて消えていった)
(見つめ合い、恋人の体温と柔らかさを急に生々しく感じ)
(吸い寄せられ、唇を重ねたくなる欲望を無理矢理押さえ込む)
…と、とにかく、周りを少し探索しよう…
(そんな場合じゃない、と気を取り直し、視線を周囲に向ける)
あっちが少し明るい…かな?森が途切れてるのかも…
(はぐれないように、とパートナーと手を握り、わずかに明るく見える方向--完全に勘頼り--にむけて慎重に足を踏み出す)
もしかしたら、知ってる場所に出るかも…
(視界がすべて直でいっぱいになってしまったようで)
(ほかに何も考えられなくなってしまう)
………
(ふと直が視線をはずした)
あ、そ、そうですよね、ここがどこなのか…
(冷静に自分たちが生還する道を探す直に、こちらも気を取り直して)
(その熱い手を握りしめながら、少しでも明るいほうへとゆっくりついていく)
(真冬とはいえ、木の枝は旺盛に茂り、顔に体に容赦なく鞭を浴びせる)
痛っ……直さん?
(急にパートナーが歩みを止めた)
どうかしましたか?
(いっそう寄り添うように直に体を寄せる)
(急に森が途切れて庭のようなところに出る)
(その先には大きな建物…寺の御堂と思しき日本家屋があった)
直さん、ここは…?
(手の平にパートナーの体温を感じながら枯れ葉を踏みしめ)
(小枝に引っ掛かれながら、森を進むと、突然に視界が開けた)
(目の前で、大きな御堂が明るい月明りに照らされている)
ここは…
(寄り添う津綺子の手を引きながら、建物の周りを巡り)
(ある地点で立ち止まる)
………っ!
(目の前には見覚えのあるたたずまい。記憶が逆上り、夏の暑さと激しい雷雨の日を思い出す)
津綺子…
(そっと力を込めて恋人の手を握り締め)
(一歩一歩、ゆっくりと御堂に近付いて同じ場所に同じように)
(あの日、激しい雨を避けるために借りた軒下に立つ)
ここ、覚えてる…?夏休みの…あの日…
(真冬の月光は冴え冴えと明るく、霜の降りた境内を照らし出す)
(森から出てしまうと気温が下がるように感じられて、いっそう身を縮め)
(きょろきょろ落ちつきなく周囲を見回していると、不意に既視感にとらわれる)
(直が立ち止まった)
ええ……覚えてます。
夏休み最後の夜歩きで……雨宿りしたお寺…ですよね?
(語尾と同時に直を見上げる)
(あの時も、夜の闇の中で彼の体温だけを頼りに、互いの思いを確かめ合った…)
あの時は雷雨から、今日は、魔物から…私たちを守ってくださったんですね
このお寺が。
(もう一度ぐるりと周囲を見回して、それから直に視線を戻し、そっとその体に寄り添う)
(頬に津綺子の視線を感じながら、あの時と同じように空を見上げる)
(声を出さずに問いかけに頷きで答え)
(森の木立ちの向こう、寒々とした光を放ち空に浮かぶ月)
………
(隣りを見ないまま、腕を伸ばし寄り添う津綺子を抱き寄せて)
(視線を下ろしてしっかりと向き合う)
(夏のあの日は、雷光の一瞬の輝きの中でしか津綺子の姿を確認できなかった)
(月明りに照らされた恋人の姿は、その一瞬で捕らえた姿と変わることなく)
(その瞳に見つめられれば、あの時と同じように愛しさが込み上げる)
ん…二度もお世話になったんだ、ちゃんとお参りしておかないとね
(月明かりの強い陰影のために、直の表情はいっそう精悍に見える)
(それでもこちらを見つめる視線は、あの夏の夜と同じ…いや、それ以上に)
(熱とやさしさを帯びていて、そのままこちらの心臓をわしづかみにする)
そうですね、あの後、ちゃんとお礼にも来なかったし
今日は、ちゃんとお参りしましょう。
(携帯を壊したときのための電話代に持ち歩く小銭を出して、賽銭箱に放る)
(ちゃりん、と思いがけず大きな音を立てて小銭が落ちて)
(胸の前で手を合わせ、頭をたれる)
今日まで無事に私たちをお守りくださってありがとうございました。
そして…直さんにあわせて下さったことも。
(心の中で本尊への感謝をつぶやく)
(あの日まで、生まれて初めての慕情に身を焼かれながら)
(同時に自分は誰かに愛される資格などないと絶望していた…)
(人には言えない力を持ち、妖魔に汚された自分を、直は愛し大切にしてくれる)
(寺の本尊よりも、むしろ直に感謝の祈りをささげたい気持ちで)
(賽銭を投げ頭を下げる津綺子に続き、自分も硬貨を放り手を合せる)
前に続き、こうして守って頂き、ありがとうごさいます
津綺子に会わせてくれたことも…
(人ならざる力を持ち、時としてその力に溺れ)
(いつしか人ならざる異形へと変わり果てるかも知れない不安に押し潰されそうになって)
(そんな時に津綺子と出会い、人である誇りと自信を取り戻し)
(そんな自分を愛してくれる恋人に巡り合わせてくれた事)
(そして津綺子本人にも、感謝をしつつ)
………
(顔を上げ、改めて御堂の本尊に向けて一礼する)
ちゃんとお礼は言えた?
(お参りを終えた津綺子に、穏やかな微笑みを浮かべて問い掛ける)
(こんな何気ない会話ができることを感謝しながら)
【申し訳ありません、今夜はここで凍結させていただいてよろしいでしょうか】
【こちらは最短で明日、解凍できますが】
【金曜日は遅くなりそうなので、それ以降でしたら週末にお願いします】
【凍結了解】
【こちらも明日の解凍で大丈夫。22時でいいかな?】
【急な変更があれば避難所に伝言するよ】
【22時で了解です】
【レス用意しておきますね】
【この後は、お部屋へ戻りますか?それともお堂に入ってみましょうか】
【寒そうですけどw】
【それだけ決めてくだされば、明日までにレス書いておきます】
【お堂に入って何をするかだけど…ナニをするのは罰当たりな気が…(汗】
【絶対に寒いしw】
【部屋に戻る方向でお願いできるかな?】
【ではまたがんばってお部屋につれて帰っていただきますね】
【今日は初詣ロールをありがとうございました】
【お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします】
【おやすみなさい】
【うい、頑張るよ〜。何が起こるのか分からないけど】
【こちらこそありがとう。お疲れ様】
【明日もよろしくお願いします】
【おやすみ〜ノシ】
【スレをお返しします】
【ロールを解凍いたします】
>>345 (直が合掌を解いて穏やかな笑みを向けてくれる)
(冷気の中、胸の中が膨らんでいくような暖かい気持ちでうなずき返した)
はい。今日まで守ってくださったことも、直さんに会えたことも。
ちゃんとお礼をしました。
(指先をこすり合わせ、はあ、と息を吹きかける)
(消耗した体にきつい寒気が堪える)
(ここへは直が連れてきてくれたのだが、ここから帰るのにも相当体力を使うだろうと)
(境内から山門の方を振り向けば、眼下に町の灯りが広がっていた)
もしかして、町の中心部まではまっすぐ行けば意外と近いのでしょうか?
さっきはずいぶん郊外の方にいたから、町を迂回するようにしてきてしまったみたいです。
(町の灯りを指差しつつ、魔虫に遭遇した場所、直の自宅のある場所と思しきあたりを示して)
帰りましょう?
(どこへ、とわざわざ口にする必要はない)
(津綺子にとって常に帰る場所は直の元だと二人ともわかっている)
(歩き出すと、軽くふらついた)
(限界まで放電したダメージは、冷気のなかに立ち尽くしていただけでは回復しきれない)
【今夜もよろしくお願いします】
…俺も、今まで守ってくれたことと…君に会えたことに
(全くの偶然。同じことに感謝を捧げていたことを知ると、自然に胸の奥が暖かくなる)
多分…川沿いを来たから…
(津綺子の指が示す先。光る光点の群れを眺めながら)
(目印になる建物と黒い糸のように見える川から場所を推量する)
うん、意外と近いね
(指先を擦り合わせ白い息を吹き掛ける津綺子を見て)
(自分の指先もかなり冷たくなっているのに気付く)
うん、早く帰ろう…
(どこへとはお互いに確認しない。帰るべき場所はひとつ)
おっと…大丈夫…?
(ふらつく津綺子を横から伸ばした手で支える)
(放電の連続と厳しい寒さ、体力の消耗は尋常ではないだろう)
(帰路の道程もそれなりにある)
津綺子…
(恋人の前に出てしゃがむ。肩越しに津綺子の顔を見上げて、言葉なしに軽く頷いて見せる)
ありがとう…大丈夫です。
(すかさず差し伸べられた手に体を支えられ、ほっとして答える)
(どんなときでも、必ずこちらに気を配ってくれている、と思うとうれしい)
(その広い背中が目の前に屈んで、こちらを背負おうとまでしてくれると)
そんな、大丈夫です!
ここまでだって、ずっと直さんが連れてきてくれたのに…
(肩越しにこちらを見上げる目と視線が合い、その背に身をゆだねたい思いが勝って)
それじゃ……お願いします。
(そっと彼の背に覆いかぶさり、肩に手をまわした)
(直の背に揺られて帰る道筋、酔漢に怪訝な顔をされたりするのはさすがに恥ずかしかったが)
(楽だという以上に、直の体の温かさがありがたく、満ち足りた気持ちだった)
(直のマンションの近くで背から降り、そこからは直の部屋まで寄り添って行く)
(ドアを開け、部屋の明かりをつけると本当にほっとした)
遠慮しないで。それにこれの方がお互い温かいだろ?
(声を上げる津綺子にゆっくりと意見を述べる)
(それが功を奏したのか、ためらいがちに体が預けられてきた)
………
(背中に津綺子の体温と体重を感じ、同時に胸の奥の鼓動までも伝わってくる)
(恋人を守っている、頼ってくれている、とささやかな充足感に満たされながら)
(自宅への帰路を歩く)
(ドアを開け、津綺子を招き入れて明かりをつける)
冷えただろ?今お風呂用意するから…少し待ってて
(ほっと一息だけ間を空けて、すぐに浴室へと急ぐ)
(直の言葉に黙ってうなずくのが精一杯)
(テーブルの前に崩れるように座り込み、ため息をついて突っ伏した)
はぁ……
(倒せなかった魔虫たちは、今も闇に潜んでいるだろう)
(あるいは、人を襲っているようなことがあったら…)
直さんに火炎放射器でも持っていってもらうしか…
(あるいは、天羽都の力を借りるか…)
(能力の自覚のない少女を夜の領域へ連れ込もうとする発想にかぶりをふった)
それはだめ!
(湯の落ちる音が止まり、どうやら入浴の用意ができたらしい)
(砂袋にでもなったような体を引きずって立ち上がり、こちらから浴室に向かった)
直さん……あの、よかったらお背中流しましょうか?
(直はこちらを先に入浴させるために用意してくれていたのだろうが)
(あえて、そう声をかけた)
(言外に、一緒に入ろうという誘いの意を含ませて…)
(浴槽に勢いよく熱い湯を注ぎ、冷えきった空気を暖めていく)
(立ち上ぼる湯気を見つめながら今夜の敵を省みる)
(厄介な相手だった。あのような相手は二人とも決定的に相性が悪い)
(何か方策はないか…今この時にもアイツらが誰かを襲っているかも知れない…)
(足の裏に濡れた感触を感じて、意識が現実に戻ってくる)
(浴槽から溢れた湯が床を流れ足元を濡らしていた)
おっと…
(慌てて蛇口を捻り湯を止めて、津綺子に先に使えと伝えようとしたその時に)
(背後から声をかけられた)
………
(言外の意味をしっかりと汲み取って少しだけためらう)
(相手は疲れているのだ。だが一緒に入れば、津綺子の裸体を見れば…自分の理性にあまり自信が持てない)
(それでも…)
…それじゃ、お願いしようかな?
(浴室から一旦脱衣所に引き返し、狭い空間の中、すぐ近くで恋人の瞳を見つめる)
(視線が合えば、直がこちらの意を汲んでくれたことが見て取れる)
(思わずほほを赤らめ、一瞬ためらいながらも、思い切って上着に手をかけ)
(体から引き剥がすように脱ぎ捨てる)
お先に…。
(素肌に刺さるほどに直の視線を感じ、あえてその視線に全身を晒して浴室に入る)
(掛かり湯を浴びると素肌が水滴を弾く)
(湯に体を沈め、大きくため息をつき、促すように脱衣所の直を省みた)
(服を脱ぎ捨てていく津綺子に促されるように自分も服を脱ぐ)
(目の前に晒される肉体。何度も目にしているにも関わらず慣れることなく)
(いつでも悦びと愛しさと、少しの羞恥を呼び起こされる)
………
(白い背中と形の整ったヒップを目で追い、その素肌が湯を弾く様を見つめ)
(浴槽に身を沈めて省みる瞳に我に返る)
(軽く頷き、何も隠すことなく、全てを晒したまま歩み寄り)
(浴槽の脇に膝をついて掛かり湯を浴びる)
お邪魔するよ…
(浴槽の縁を跨げば、いやでもそこが間近に見せることになるのを意識しながら、ゆっくりと湯に体を沈める)
…っ…ふぅ…
(冷えた部分に血が巡りチリチリと痺れるような快感を味わいつつ)
(向かい合わせの津綺子の肩にゆっくりと湯をかけて)
はぁ…生き返るね
(一糸まとわぬ姿を隠そうともせず、直がこちらへくるのを目で追う)
(傷ひとつもない、彫像のような肉体を惚れ惚れと眺め、ぼーっとしてしまって)
(浴槽へ手をかける彼に声をかけられて、我に返った)
あ、どうぞ……
(体を縮めて、直のために場所を空ける)
(その目の前に、まだ萎えたままの局所を見せつけながら浴槽に入ると)
(直が体を沈め、太い息を吐いた)
(その間、じっと息をつめて彼の動作を見守っていたが)
(直の吐息に、こちらもほっと力を抜く)
ごめんなさい、狭いですよね…
(そういいながらも浴槽を出ることはせず)
(こちらに湯をかけてくれる直の手を捕えて、手の甲に軽く唇を寄せる)
一緒に入ったほうが、いろいろと節約になるかと思って…
(大柄な二人で一人用の浴槽に浸かっていたのでは、少なくとも水道代は余計にかかりそうだと思いながら)
(直の手をひっくりかえし、手のひらのくぼみや指と指の間に舌を差し入れる)
いや…大丈夫。ほんとはこうしたかったんだ…
(できるだけ足を拡げその間にいる津綺子の為のスペースを作り)
(それでも狭い浴槽の中ではどこかしらでお互いの肌が触れ合う)
ん…
(掴まれた手に湯とは違う暖かな感触を感じ、くすぐったさから軽く声が漏れる)
部屋の暖房はいらなさそうだけど…
(大した節約にはならないな、と思い直す)
ん…あ…っ…
(指の間や手の平に舌がぬめりと入り込むと、微かな快感に身体をビクッと震える)
(その振動が水面を揺らし、湯が溢れタイル張りの床に音を立ててこぼれる)
………
(呻きを押さえ無言のまま、津綺子の行う舌の愛撫を見つめながら)
(水面下で揺れ、時折プカリと姿を現す胸の膨らみにも気を奪われる)
(しばらく舌先でもてあそんでいた手をしげしげと眺めて)
公園で初めてお会いした後、夜歩きの度に
もしかしたらお会いできるかもって思っていました。
だから、偶然に魔物に出会っても、そこに直さんがいると嬉しくて。
迎えに来てくださるようになってからは、本当に夜が待ち遠しくて……
(直の手に指を絡ませ、頬ずりする)
あの雨の夜に、夏休みが終わってしまったら、もうお会いできないかも、と思ったら
どうしても…気持ちをお伝えしたくて……
仏様が後押ししてくださったような気がします。今思えば。
(直の目を見返し、その視線をはずさないまま直の人差し指を口に含む)
(指全体を吸い上げながら、舌で指の腹をなでる)
(彼の中心に行う愛撫を想起させるような動きで…)
そうだね…俺も同じだったよ
津綺子を迎えに行く時は…すごくドキドキしてた
はじめて合図の電話をする時なんて…なんか恥ずかくて…10分はためらってたな
ちゃんと言わないと、伝えないと、って思ってたのも一緒…
あそこの仏様にはいくら感謝しても足りないくらいだね
(津綺子の舌が指に絡まり、その動きはもっと硬く太い部分に施される奉仕を連想させる)
(津綺子の瞳を捕らえたまま、吸引に合せて指先を口内に侵入させて)
(絡み付く舌になぶられながら、上あごや前歯の裏をくすぐり)
(指先で舌を押さえてそのまま撫でる)
今なら、君を守るために生まれてきたんだって…そう思えるんだ
津綺子のそばに、ずっといてあげる
(糸を引きながらゆっくりと口から指を引き抜いて、津綺子の腰を掴み引き寄せる)
(お互いの息が頬にかかるほど近くで見つめ合い、津綺子の額に軽くキスを落とす)
(直の指に吸い付き、同時にその指で口内の敏感な部分を探られてゾクゾクする)
(その指を引き抜かれれば抵抗はせず、吸引力だけを加え続け)
(指が唇を離れる瞬間、わざと、ちゅ、と音を立てて)
私もあなたのためにできることがあったら……どんなことだってしてあげるのに。
(額で直の唇を受け、体のあちこちを触れ合わせながら息がかかるほどに間近く見つめあい)
(やがてそっと目を閉じて、唇を重ねる)
(互いの唇を吸い、その輪郭を確かめ合い、やがて舌を絡めあう)
(口内を犯す直の舌にうっとりしながら、直の体に手を這わせ、たくましく張り詰めた胸筋を確かめる)
(直の胸にもある飾りを指先でそっとなでながら、米粒ほどの中心がそれでも硬くなるのを感じる)
(太ももに触れる直のソレは……もう十分に硬くなって反り返っている)
出ましょうか…? お背中流しましょう。
(直の耳元に、まるで場違いなことを囁いて)
(お互いが求めるままに自然と唇が重なる。舌を伸ばしその形を確認して)
(自分の唇をなぞって動く津綺子の舌と触れ合い)
(腰を抱き締めてより体を密着させながら、舌を恋人の口内へと侵入させる)
(先ほど指で愛撫を与えた部分を今度は舌先でくすぐり、存分に犯していく)
(肌が触れ合うだけでなく、津綺子の指先が胸をはい回り、飾りを弄ばれる)
(極弱い快感が、津綺子の肢体の柔らかさと相俟って、股間に血液を送り出す切っ掛けになる)
(津綺子のひき締まった腹部に擦りつけるようにムクリと持ち上がったそれは)
(胸の鼓動と同調してビクビクと脈打ち、そのたびに恋人の腹筋を押す)
え…?あ、あぁ…じゃあ、お願いできるかな…?
(期待から外れた津綺子の申し出に、反応が少し遅れたが、それでも気を取り直して)
(浴槽を出ると、津綺子に背を向けて小さな椅子に腰掛ける)
(スポンジにボディソープをとって泡立て、直の背中に伸ばす)
(きつくこすり過ぎないように気をつけながら背中を洗って)
直さん、手を上げてください。
(わき腹から胸のほうへ、背中から抱きつくようにして泡を広げ)
(鎖骨へ、腹部へと忙しく手を動かして)
(それから少しためらってからスポンジを絞って泡を手に取り、脈打つ下腹部へと手を伸ばす)
………
(袋の部分ごと手のひらに包み込んであわ立て)
(そこから、もうすっかり上を向いている雄芯に泡を塗りつけながら、滑らかにしごいていく)
(何か思いつめたような表情で唇を噛み、一心に奉仕する姿が鏡に映っているのも気づかず)
(夢中で直の耳元に唇をよせ、耳朶を甘噛みする)
(目を閉じて背中をはい回る優しい感触に浸る。腕を上げて…と言われればそのまま素直に腕を上げて脇腹を晒す)
………っ!
(背後から抱き付くように津綺子の腕が体の前面に回り込んでくる)
(鎖骨から腹部まで、あますところなく撫でさすられ)
(背中には豊かな双球が押しつけられたり離れたり)
(時折先端部分と思われる突起がポツポツと背中に触れる)
あ、津綺子…そこは…っ!
(両手に丸ごと包まれて蕩けるように愛撫を股間に受け)
(押さえた呻きをあげながら首をのけ反らすと、正面の鏡に写る光景が目に入る)
んっ、くぅ……つきこ…
(耳朶に蕩けるような唇の愛撫を受けながら)
前…見てみな…
(広い背中に胸を押し付けると泡ですべり、先端への刺激を残してふくらみがゆれる)
(乳首に感じる刺激に、素肌をうずかせながら、なおも直の中心を丁寧に清めて)
(耳元へ熱い吐息と唇を触れさせていると、直の声が)
前……
(口元は直の耳へ与えたまま、視線だけを前へむけると、姿見に二人の姿が映っている)
(たくましい体を泡まみれにし、中心を屹立させている青年と)
(背後から青年の体に腕を回し、耳元を味わいながら剛直へ奉仕している自分の姿…)
(一心に思いつめたような表情で、鏡の中の自分と視線を合わせている)
あ……
(唇を彼の耳から離し、呆けたような表情で鏡の中に見入った)
(正確には、鏡の中の直に)
(泡だらけで股間を広げていてもなお、無駄なく美しい男性的なシルエットに)
(自分が握り締めている、彼自身の猛々しい勃起に)
(今度は鏡から目を離せなくなり、ごくりと喉を鳴らす)
【度々で申し訳ありません、今夜はここまでで凍結させてください】
【続きは土曜日以降、ということでお願いしたいのですが…】
【もしかして落ちられましたでしょうか…】
【今日は時間がかかってしまって申し訳ありませんでした】
【今後の都合については、また避難所のほうへでも】
【たちの悪い風邪がはやっているようですから】
【どうぞ暖かくしていらっしゃいますように】
【私もベッドへ引き上げることにします】
【今日も遅くまでありがとうございました】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
男もすなる待機というものをしてみようと思うー。
……うん、実は男の人が書いた文章だから合ってるはず。
プロフィールは
>>272にあるよー。
【名前】隙屋 量子(すきや・りょうこ)
【年齢】17(高等部2年)
【性別】女
【身長】161センチ
【3サイズ】78、55、80
【容貌】黒髪のおかっぱ、眼も黒。夜型なので、いつも眠そう。肌が白いのが自慢。
夜間外出時には、黒いレインコートを着用。装備は刃渡り20センチの刺身包丁。
【能力】名前は『クオンタム』。
連続で最大一分間、幽霊のように、非実体化することができる。
発動中は何者の攻撃もすり抜けて受けつけないが、こちらからも何にも触れることはできない。
一度使用すると、使用時間の倍の時間を置かなくては再始動できない。
(一分使用なら待ち時間は二分、三十秒使用なら一分、一秒使用なら二秒、といった具合)
非実体化中は、身につけているものも非実体化するが、手放せば実体化するようだ。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】スカ系、後遺症が出たり見た目に残るような暴力、妊娠など。
【弱点】日光に弱い。非実体化中にこれを浴びると、頭痛とめまいを合わせたような苦痛に襲われる。
月明かりや蛍光灯は平気。苦痛の原因になる波長の光が含まれていないためであろう。
よって、能力を使用できるのは夜間に限定される。
ただし、大きな炎の発する光や、ある種の電磁波兵器でも同じようにダメージを受けるようだ。
また、精神系の魔術攻撃や、魔を払うような術にも影響を受ける。
【備考】普段は、物静かで読書が好きな普通の少女。
一年前、他人の異能を目覚めさせることのできる能力者「ザ・リンクス」と遭遇し、異能に目覚めた。
それによって自分が特別な人間だと思い込み、他人の命を虫けらのように扱うようになった。
具体的には、夜な夜な強盗、殺人を繰り返しており、能力を使って証拠を隠滅し続けている。
「ザ・リンクス」を探し出して殺害し、唯一の「特別な人間」になりたいと思っていた。
が、最近、超常の世界に生きる人々と相次いで遭遇。そのことで、やや考えに変化が現れた模様。
自分と同じような、人を超えた力を持つ人々を仲間に引き入れようとしている。
当面の目標は「無限に生きる方法」を見つけ、それを実行すること。
【さて、こんな私がやってきてみたわけだが】
【関わって、みるかい?】
【おやー、こんにちは。早々に関われるとは願ったり叶ったりー】
【僕でよければぜひともお願いしたいねん】
1、日常で今まで重ねた罪への後悔を煽ってみる
1、VSリンクスさんに巻き込まれる、もしかしたら僕が異能に目覚めた原因発覚?
1、まかり間違って対決
【いくつか用意してみたけど、どうかにゃ】
【他がよければまた考えるよー】
【や。では、1を選ばせてもらうよ!】
【……冗談だ。やっぱりリンクスさんに、キミの異能に興味を示して接近してもらおうかな?】
【複製空間にとらわれれば、お互い否が応でも、異能関係者だって知ることになるし】
【戦闘するかどうかは、流れ次第か、お好みで】
【なにー、出題の不備を突いてくるとはやられたー(棒)】
【いやいやうん、ありがとう。それじゃあ真ん中で】
【そういえば中に入れられるのは異能者だけだったんだよね】
【それじゃー、そちらが特になければ流れ次第という事で】
【他に希望はあるかなん?】
【書き出しは待機した側だし、こちらからでもー】
【ん、では、その選択肢でやらせてもらおうか。ふふふ】
【うん、こちらからは特には希望ないかな】
【あ、強いて言うなら、能力使うためにも、夜の方がありがたい】
【それじゃ、書き出しはおまかせするよ。よろしくね】
遅刻遅刻遅刻ー!
(その日、普段のまったりゆるゆるな生活とは対照的に)
(御木本正太郎は珍しく、夜の街を全力疾走していた)
(遅刻といってももちろん登校ではなく、待ち合わせでもない)
あーもう、今日に限ってなんでこんなことにー。
(テスト前で頭を抱えている同級生に解説を頼まれたとか)
(先生に用事を押し付けられたとか、委員会の助っ人だとか)
(そういったものが重なったせいでタイムロスは90分を超え)
(とある限定版の発売を待つ列に、彼は完全に乗り遅れた)
(発売日は明日、なんてことはこの世界では関係ない)
(前日の夜から長蛇の列が、なんてこともよくあるのだ)
とほほ、この三ヶ月間どんだけ僕が楽しみに……。
(自らの境遇を嘆く御木本、口を動かしつつも足は止まらない)
(今夜改めて擦りこまれることになることを、彼はまだ知らなかった)
(こんな些細なことなど、贅沢で"幸福な不幸"であるということを)
【最近不足気味の秋葉原成分を補いつつ】
【シリアスに突き落とされるのを楽しみにしてるよー】
【それじゃあ、よろしくお願いねん】
《私の信号覚醒法の原理を/あなたは記憶していますか?/『ミラボー伯爵』》
(この世のどこかで、ザ・リンクスは、配下であるミラボー伯爵に問いかけた)
「……記憶しています。――流星雨によって発生した光を信号にして――それを見た人間の脳から――
異能を引き出す、という方法――でした……」
《その通りです/そして、同時に/私の目的と/それに従うべしという/メッセージも/
脳内に刷り込むことをしています/しかし/まれに/異能だけ覚醒して/メッセージを記憶していない/
人間が存在します/かの観察対象『クオンタム』が/その例です/
そして/ひとりその例があるなら/他にも/例が存在していても/おかしくはありません/
私は/そのような人たちを/把握することを/していません/
発見したなら/我々の仲間に引き込むよう/手を打つのも/あなたの役目です/『ミラボー伯爵』》
「…………了解しました――リンクス…………」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ある日の暗闇の中。ミラボー伯爵は、いつもの仕事を始めた)
(道端に立ち、ふと能力を発動させる――彼女を中心に、複製空間が爆発し、現実世界を取り込んでいく)
(夜闇を侵す光から、人口のものだけが奪われていく。街灯。ネオンサイン。テレビ)
(そして、音も)
(人の姿が、引き抜かれるように、ずばずばと消えていく)
(それは、リンクスの仲間たちにとって、危害を加える必要のない、無能力者たち)
(やがて、街は沈黙と――自然の闇に閉ざされた)
(あとは、この空間で、動くものを探すだけ――それは即ち、能力を持つ者、ということだから)
……………………。
(ひた、ひた、ひたと、足音が近付いてくるのを、ミラボーは聞いた)
(さっそく、観察対象の発見か、と、少女は振り向く)
――今日も仕事とは、ずいぶん忙しいことだな。ミラボー。
(包丁を持った、レインコート姿の影が、遠くないところに立っていた)
(いつもどおりの仕事か、と、ミラボーが思った時――もうひとつ、足音が聞こえた)
(たったったっと……駆け足だ……こちらへ、近付いてくる)
……何者……?
(『クオンタム』を無視して、ミラボーは、走ってきた青年に、問いかけた)
【ん、よろしくー】
いっ!?
(思わず間抜けな声をあげ、それから慌てて口を塞ぐ)
(目指すべき店へと続く明かりが消えた、という日常から)
(異能者の仕業という非日常への切り替えが一瞬遅れた)
(間を空けなければ戦えない幻術使いの御木本にとって)
(自分の居場所を知られるのは、最も避けるべきこと)
(手遅れになりはしまいかと立ち止まるなり身を硬くしつつ)
(停電とは明らかに違う、生命の気配まで消えた道を見渡す)
……あっはっは、悪いことっていうのは重なるものだー。
(とりあえず、最悪の事態……いきなり攻撃されるということはなかった)
(けれども視界に入った人物は、明らかに自分のほうへと問いかけている)
(今日幾つも重なった中でも最上級に悪い事態に、思わずため息をついた)
(人間と人間の戦い。場合によっては命の奪い合いに巻き込まれるとは)
(口の中で悪態をつくものの、実際に声が出るのはワンテンポ遅れる)
こんばんはー、僕はあの山のふもとの学園に通ってる生徒だよ。
もしかしてお取り込み中だったかな、申し訳ないー。
(硬くしていた身体とは対照的に、にへらっと気の抜けるような笑顔を浮かべる)
(何者、と問われて自分の能力を誇示するほど強くもなければ気楽でもないが)
(何よりも自分のアイデンティティーに、超常の力が含まれているとは認めたくなかった)
それじゃあ、急ぐから僕はこれで。
最近物騒な事件が多いし、夜遅くなると嫌だからー。
(まあ、十中八九そのまま見逃してはもらえない雰囲気だ)
(けれど真正面から向き合うよりは、少しでも距離を稼いでおきたい)
(無表情とレインコート、2対1で分が悪いならば尚更だ)
(が、一般人を装えば短時間なら油断してくれるかもという前提が)
(そもそも間違っているということに御木本は気が付いていなかった)
(街灯が消え、ネオンが消え、人気すら消え失せたこの空間が)
(異能者だけを判別するような高等なものだとは、まだ知らない)
(一歩、二歩、三歩……状況把握が進まない中歩数だけが増えてゆく)
(私は、ミラボーと同じ方向に目を向けた)
(すると、線の細い青年が、ややうろたえた様子でこちらを見ていた)
(年のころは、私と同じくらいか。――同じ学園だ。おそらく、学年も近いだろう)
(この状況の異様さに、戸惑っている……ようだな)
(その反応を見る限り、リンクスの友人ではないらしい)
(ついでにいうと……なるべくなら、関わりたくないらしい……一歩ずつ後ろに下がっている)
「…………大丈夫――もう――取り込み中では――ない…………。
……すでに、取り込み――終えた……」
(ミラボーが、呟きながら、青年に歩み寄る。長い黒髪が、ざらりと闇に流れた)
「…………あなたには――ここに、残って――もらう…………。
……『クオンタム』――と、同じ――どんな能力を持っているかは――知らないけれど……。
…………この場所にいられる以上――何か、できるはず――それを――見せて、もらう…………」
(ぱちん、と、ミラボーが指を鳴らした)
(すると、突然、青年の背後に広がっていた景色がすべて、ズドンと下に沈むように、消滅した)
(残ったのは、彼からこちら側の世界と……その向こうには、宇宙空間のような、何もない闇があるばかり)
「……私の『ミラボー伯爵』は――秘密を守る……。
…………『異能を持つ』という秘密を共有する者しか、この複製世界には入れないし…………。
……複製空間をどこまで広げるかは、私の自由――逃がさない――あなたの力を、観察するまで……」
(黒髪と、黒い目と、空っぽの表情を持つ少女は、世界の淵に、青年を追い詰めていく)
(あの淵がどうなっているのか? 触れたら、崖みたいに落下することになるのか? わからないが)
(敵でない以上、放ってはおけない)
――ミラボー! どっちを見ている!
(私は、青年ばかりを見ているミラボーに、包丁で襲い掛かった)
(彼女の小さな背中に、切っ先を思いっきり突き込む――が)
(ミラボーは、こちらを振り向くこともなく、陽炎のように一瞬だけ姿を消し、一撃をかわした)
(私は彼女をすり抜けたことで、ちょうどミラボーと青年との間に立つことになり)
――ねえ、キミ。何者かは知らないが、お聞きの通りだ。キミも、能力者なんだろう?
あいつをやっつけないことには、残念ながらここから出られない。
協力してくれないか? どんな能力かは、知らないが……。
(迫り来るミラボーに正面を見せ、青年に背中を見せて、私は問いかけた)
いやー、そう言わずにもう帰ったほうがいいんじゃないかな?
女の子が夜に出歩くなんて、危ないってー。
(もう、ということは先程まで二人で打ち合わせていたのだろうか)
(それがもう終わった、となるといよいよゆっくりはしていられない)
(マフィア映画に出てくるような怪しい粉の取引ではないだろうが)
(状況としては、港町の倉庫で立ち聞きしてしまったようなものだ)
(心理的にはおっかないおじさんのほうがまだ楽だったのだが)
……! なにかって、別に隠し芸なんかできないよ?
まー僕のゲーマーっぷりを見たいならまた別の日にでも。
(口だけはおちゃらけているものの、背中には汗がべったり流れる)
(能力を持っているか、ではなくどんな力を持っているかと聞かれたのだ)
(異能を有するということを確信していて、かつ幻術のことは知らない?)
へ、へー。美少女と秘密を共有なんて嬉しいねー。
おまけにそんなつぶらな瞳で見つめられるて、もうドキドキだよ。
(あっはっはっはっはっは、と場違いな笑いを木霊させるしかなかった)
(偵察や人脈のような低い次元で把握していたわけではないという)
(空間を自在に切り取って、異能を持つ者だけを選別して入れられる?)
(真っ黒になった背後を見れば、はったりでないことは一目瞭然)
(今まで、夜の戦闘のたびに相手の能力に驚かされていたが)
(そんなでたらめな、神かなにかのような異能者は初めてだ)
僕純情だし、そんなに近づいたら照れちゃってさー。
まずは落ち着いて、どうして僕を知りたいのか教えてくれない?
熱烈な告白ならまず趣味から聞くべきだと思うけどー。
(これほどまでに強大な力を持つ者が、力を見せてくれという)
(凶暴な異形を倒せないから助けて欲しいというような)
(ヒーローヒロインになれるようなお願いではないだろう)
(もしそうならば、もうちょっと実力が上の人間を探すはずだ)
(目的を語らせ相手の意図を知ると共に、できれば時間を……)
あっ!?
(二つのことが、同時に起こった)
(味方同士だと思っていた無表情の少女に、レインコートが襲い掛かる)
(そして、とっさに庇おうと手は届かず彼女はすぽんと攻撃を抜けて)
あー……やっつけなきゃ、だめなの?
仲良く自己紹介して解放してもらえるわけには、いかないかな。
(己をはるかに凌駕する相手との間に、割り込みが入って正直ほっとした)
(けれど、レインコートのもう一人も味方だと断定するにはまだ早すぎる)
(ぺらぺらと力を紹介する気にはなれないが、殺人はもっと気が進まない)
(例え長髪の女の子に対するのが、同じく少女だったとしてもだ)
「……用事が終われば――すぐ帰る……。
…………九時からの――『ラピュタ』を――見逃すわけには――いかないし…………。
……別に、難しいことを――望んでいる、わけではない……。
…………かくし芸や――ゲームの腕前は――ちょっと気になる、けど…………。
……あなたが、生き残ろうとした時――必死に、どのような力を振り絞るのか――知りたい……」
(冷や汗を流しながらも、おちゃらけた表情と言い方を変えない青年)
(時間稼ぎなのか、実は余裕があるのか、それともテンパって何をしていいかわからないのか?)
(もしかしたら、――異能者、ということは確かでも――戦闘に使えない能力なのかも?)
(だとすると、この場は私が彼を守るしかなくなるが――)
(とりあえず、ミラボー伯爵の方も、まだ青年に攻撃を加える気配は、ない)
「…………ドキドキ? ――それは、何…………?」
(少女は、無表情に、首を傾げた)
「……そう――確かに――説明不足だったかも――知れない……。
…………落ち着くべきは、あなただと思うけれど――整理して、質問を、したい――聞いて…………。
……まず――私が、何者か――無限の生命を目指す者の――使い……。
…………無限に至るために、必要な能力者を――人間の脳に、ちょっかい出して、探したりしてる…………。
……もし、流れ星を見た日に、異能に目覚めたのなら、あなたも私の仲間かも、知れない……」
(そこまで言うと、ミラボーは歩みをやめた)
(話に、集中する気らしい――味方の攻撃役が出てくる気配も、ない)
(だとすれば、これはいい休憩時間だ……彼女が青年と話している間に、私は対処法を考えられる)
「……この空間は、異能者だけを判別して――取り込める……。
…………でも、誰が、どんな能力を持っているかは――わからない…………。
……だから――襲って、戦って、どんな能力を使うか――観察している……。
…………死の危機に瀕すれば――人間は必ず、持てる最大の力を、使うから…………」
――とりあえず、奴らのそういう理由で、私はこれまで何度も襲われまくっているわけだ。
(小声で、私は青年に囁いた)
キミの能力の起源が、ヤツと同じか違うかは知らない。
ただ、観察方法に関しては、連中はハツカネズミほども考えてない。適当に殺して、能力を見るだけだ。
やっつけなきゃダメ、ってわけじゃないが、向こうは、とりあえずやっつけてから考えよう、って感じだぞ!
どっちに味方すればいいかは――「……あなたが戦えないというなら――それでも、かまわない……」
(少女の声が、突然割り込む)
「……戦闘によって発揮されない能力なら――殺しても、意味がない……。
…………ゆえに、殺すかわりに、勧誘する――我々の味方に、なれと…………。
……ただでとは、言わない――仲間になれば――これから先、私の仲間は、あなたを襲わないし……。
…………もうひとつ、いいものが――ついてくる…………」
(じっ、と、少女の目が、青年を見つめる)
(ブラックホールのような、底の知れない、深い目が)
「…………『準不死』を――リンクスは、あなたにもたらす…………。
……無限には及ばない――しかし、宇宙の終焉までは生存できる命を……。
…………これは、約束できる――どうする…………?」
【と、すまないが、私、ごはんタイムに行かないといけない!】
【夜からは伊織さんたちが入ってるっぽいし、今日はここで凍結してもいいだろうか?】
【あい、了解いたしましたー】
【いやー恐れた通り倍倍で待たせちゃって申し訳ない限り】
【次までに、もうちょっと引き出しに物を入れてくることにするよ】
【遊んでくれてありがとねん、またいずれー】
【ご飯食べたら、解凍できそうな日を、避難所に書いておくよ】
【じゃあまた! こちらこそ、お付き合いありがとう!ノシノシ】
【おっけい、僕のほうも食事を済ませて予定表を見ておくね】
【それではこれでスレを返すねん、またー】
【ロール解凍。スレをお借りします】
>>368 ん、ぁ…くっ…んん…
(津綺子のしなやかな指が、小さな蛇のように剛直を這い回り)
(サオをしごき、カリ首をまさぐり、鈴口を撫でる)
(泡のぬめりと柔らかな刺激に、勃起が悶えるように痙攣して)
(堪えられず呻きを唇から漏らす)
んっ…
(足を閉じて太股の間に封じてもまだ蠢く津綺子の手首を捕まえて)
津綺子、今度は俺が…
(頬擦りするように首をそらし、鏡の中の恋人に目を合せて囁きかける)
俺が洗ってあげるから、こっちに…
(握った手を引いて津綺子を体の前に導くと、閉じた太股を跨ぐかたちで座らせて鏡に相対させる)
(青年のうめき声を心を震わす歌声のように聞きながら)
(鏡の中の愛おしい姿にじっと見惚れる)
(ただ、愛する青年に可能な限りの快楽を与えようとしていると、その手を捕えられた)
え…直さん、今は私が……
(直のささやきは媚薬を注ぎ込まれるごとく)
(耳もとを疼かせ、心を揺さぶる)
(こちらがその囁きに戸惑う間に、もう体をさらわれて鏡の前に)
あ、こんな格好なんて、直さん……っ!
(直の膝の上に足を広げられ、泡にまみれた乳房を突き出した姿勢で)
だめです……ねえ……
(体を縮めて胸を覆おうとしても、両腕を捕らえられ、足の間にはしっかりと直の膝が挟まっていて)
(胸元まで紅潮させながら、身もだえする姿が鏡に映るだけ)
遠慮しないでいいから
(恋人の弱い拒否の言葉は甘い囁きに等しく、興奮を煽り、欲情が燃え上がる)
(脇から腕を回し、お腹の辺りで手を組み抱き締める)
さぁ、どこから洗ってあげようかな?
(引き締まった腹部を撫で回し、そこに垂れた泡を塗り付けて)
(手の平が徐々に這い上り、下から持ち上げるように乳房を捕まえる)
(柔らかな乳肉に指を食い込ませ、両側から寄せて深い谷間を作り)
(上下に動かして左右の乳肉を擦り合わせる)
津綺子はちゃんと前を見てて…
(肩にアゴを乗せるようにして耳元で囁き、目線を鏡へ向ける)
(半身を泡で白く隠され、形を歪められた乳房を弄ばれている津綺子の姿がはっきりと鏡に写し出され)
(その鏡像を見つめながら、しどけなく拡がった足の間--淡い翳りへゆっくりと手を伸ばす)
(背後から広い胸に抱きすくめられると、それだけで全身の力が抜ける)
(いつもなら、一番リラックスできるその姿勢は)
(今は悲鳴を上げて目を伏せたくなるほど恥ずかしい姿を晒していて)
(滑らかに腹部を這い上がってくる熱い手のひらを、過剰なまでに意識してしまう)
ねえ、見ないで、こんな風にされてたら…私……
(浴室に反響する自分の声が、あまりにも淫らに聞こえる)
んうっ……
(直の手が乳房を捉えた瞬間、全身を震わせて)
(胸乳に走る甘い疼きに身もだえしながら、そんな自分の姿を目の当たりにして)
や、あぁ……いや…ん…んぁ……
(見るに絶えず、目を閉じて喉をそらせ、あえぎ声を漏らして)
(その耳元に、さらに愛しい囁きが届く)
(直の指が届くころにはもう、花びらの奥は熱い潤みを溜め込んでいる)
(一番正直なその器官は、愛する指先を待ちかねて震えている)
(力の抜け、体重を預けてくる津綺子の体を軽々と支え)
見られるとどう?やらしい気分になるだろう…?
(指を大きく拡げ豊かな胸の膨らみを包み込むと、硬い一点が手の平に当たる)
(その尖った頂点を乳肉に押し込むように手の平でおさえ、指を曲げ乳房を揉みしだく)
ちゃんと見なきゃダメ…自分がどれくらい恥ずかしい格好してるのか確かめて…
(快感に首を逸らせ、鏡から目を離す恋人に語りかけ)
(塗り付けた泡の下で存在を主張する乳肉の頂点を指先で捕まえて)
(ダイアルを回すように左右に捻り、指の腹で上下に弾く)
(下に伸ばした手の平で繁みに泡をこすりつけると、シャワシャワと微かな音が浴室に響く)
(時折花弁に触れる指先は、内側にため込まれた果汁の存在を感じるが)
(果実を割り開くことなく、ふっくらとした陰唇をなぞるだけ)
やらしく…なんて…私……
(優しい声色はそのまま、堕落を促す囁きに首を振って見せるものの)
(彼の手につかまれているふくらみが、すっかり本音をさらけ出している)
(乳輪全体が充血して膨らみ、その中心がくっきりとした高さで立ち上がってくる)
はぁ、あ、やぁぁ…ん……っ
(恋人の指先にその高さの側面をとらえられて捻られたかと思うと)
(わずかにくぼんでいる先端を指の腹がこすり、乳首全体が弾かれる)
(その繊細で的確な愛撫に、若い乳肉が張りを増してプリプリと弾む)
あぁん、そこ、は……っ
(ふっくらした恥丘全体を泡でこすられると、その中から肉芽が膨らんでくる)
(お腹の中がよじれるほどに感じていて、もっと刺激を求めているのに)
(じれったいほど優しいタッチで、外側をなでられるばかり)
ん、う……うぅ……
(乳首が感じすぎておかしくなりそうな一方、それ以外には物足りないほどの愛撫に焦れる)
(股間に差し入れられた指先に、もっと強い刺激を与えてほしくて)
(腰を小刻みに揺らしながら、熱く熟れた果肉の部分を直の指に押し付けようとする)
(そんな自分の姿も、目の前に全部映し出されていて…それを、直も見ている)
(誰よりも愛おしく、尊敬する青年の目の前で……)
津綺子、すごくやらしくて、可愛いよ…素直になって…
(否定を続ける理性に対して、堕落へ誘う囁きを送り)
(手を滑らせて、もう一方の膨らみを捕らえると、指の間に乳首を挟んだまま乳房を揉む)
もっと気持ちよくなりたくない?ほら…見てて…
(津綺子の視線が鏡を向いていることを確認し、鏡像の津綺子と目を合せ)
(自分の膝を開き、津綺子の足を更に大きく拡げさせると)
(柔らかな肉丘に指を当て、V字を作るように左右に割る)
(周りに纏った白い泡に強調された、生々しい肉色の内膜が鏡に写り)
津綺子のお・ま・ん・こ…丸見えになっちゃった
これからここをいじくってあげるからね…どんなことをされるかしっかり見てるんだよ
だめ…恥ずかしくて死にそう……
(でも、もっと見てほしい、もっとおかしくしてほしい、と)
(口にする言葉とは相反する感情がわきあがる)
(ただでさえ敏感な耳元に、熱い囁きを感じれば、皮膚だけでなく心までもゾクゾクして)
(鏡越しに見つめられる視線にさえ、釘付けにされて)
あ、やめて、もう……
(はさみこまれた膝頭を開かれ、熱く潤む中心が鏡に映し出される)
いや、見ないで、直さんっ……
(拒絶は弱弱しくかすれ、言葉とは裏腹に体はまるで抵抗せず)
(直が告げる卑猥な言葉どおりに、津綺子自身はメスの本能そのまま)
(薄い膜から覗く肉色の真珠、ぽってりと少女らしさを残す肉丘、サーモンピンクに充血する花弁)
(どこもかしこも、男の愛撫を待ってうごめき、しとどに濡れている)
恥ずかしいことなんてないよ…それに…
(優しく爪を立てて突起を摘み、ゆっくりと引っ張り-離す)
(反動で揺れる半球を再び捕まえて、絞るように強めに指を食い込ませる)
本当にやめて欲しいの?津綺子の体は「やめないで」って言ってる
どっちが本物の津綺子なのかな…?
(粘りをともなって溢れ出た果汁を空いてる指ですくい、膜を纏ったまま膨らんだ肉芽に沿って塗り付け)
ちゃんと見てる?見てないならずっとこのままだよ
さぁ…津綺子のここ、どうなっているか言ってみて
(腰を軽く捩ると津綺子のお尻から腰に熱い塊が擦りつけられて)
(溢れた樹液は塗り付けられた泡と共に津綺子の肌を汚す)
ふ、あ、あぁんっ…んん…っ…!
(乳首を引っ張られて思わず高い声を上げ、強く乳房を絞られれば甘いうめきを漏らし)
(すべてを見透かして答えのわかっている問いを発する直に)
(全身で浅ましいほどの反応とともに答えを返す)
見て…ます……ちゃんと、見てる……
(うっすらと目じりに涙を浮かべて、長いまつげ越しに鏡を透かし見る)
(これまで、自分ではっきりと目にしたことのない部分が直の指で開かれていて)
私って…こんな……?
(こんな浅ましくも淫らな器官を何度も直にさらけ出してきたのかと思うと)
(全身から汗が噴き出す)
ぁ…濡れて…ます…あん…直さんの指で…いじられて……あぁ…
クリ…が…膨らんで……
(目を閉じて顔をそむけ、直のこめかみに熱い息とともに)
もう、いえない……お願い……
(直自身は熱い鉄杭のように、お尻のふくらみに押し付けられている)
(肌の上をぬるぬると滑るのは泡のせいばかりではなく)
(今すぐそれを胎内に埋め込んでほしくて、夢中で尻肉を押し付け、こする)
そんな答えじゃダメだよ…
(口ではそう言いながら、それでも指先を微かに動かして)
(突起に被さった膜をめくり、むき出しになった頂点を撫でる)
津綺子のおまんこは、触られてグチュグチュに濡れてるね
クリトリスも膨らまして…やらしくなってるよ
(津綺子の告白をより卑猥に言い直して聞かせ)
(首をねじって、こめかみに囁きかける恋人の唇に唇を押しつける)
ん…津綺子…どうしたの…
(尻肉に挟まれた剛直はすっぽりと埋まり)
(津綺子の腰が蠢くたび、サオとカリ首が食い込み)
(後ろの窄まりに先端をこすりつける)
んあ…っ…ああ……
(クリトリスをむき出され、繊細なタッチで撫でられて、ひときわ高い声が上がる)
(ぎゅっ、と内膜がよじれ、バニラのような媚香とともに濃い粘液を分泌して)
(その有様を愛しい声で告げられれば、心臓をわしづかみにされるように切なくなる)
や…あ、だって…直さんが……そんなこと、するから……
(震える唇をなだめるように、直の熱い唇が押し付けられる)
(優しいキスに、たちまち心がなだめられて)
(直への愛情で胸がいっぱいになると、もうどんなことでも受け入れてしまえそうで)
直さんの……これ、欲しい……
(これ、といいながら、すべすべした尻肉に挟まれた熱い剛直を軽くこすってみせる)
(膣とアナルとが同時にきゅうっと締まり、競うように直を求めている)
私の中に、いっぱい注いで欲しいです……直さんの……熱いの……
俺がだけがいけないの…?
(突起を優しく摘みしごきながら、指に愛液を絡めて音を立てさせる)
(登り詰めないように加減しながら、強弱をつけた刺激を与え続け)
(指での愛撫が激しいのと反対に、愛しさを分け与えるようにキスを重ね)
(舌で愛する人の唇をなぞり、少しずつ侵入させる)
ん、ふ…んん…はぁ…
(キスで塞がった口からわずかに呻き声を漏らしつつ)
(腰を突き出してより強く肉を食い込ませ)
「これ」じゃ分からない…「どこの中」なのかも分からない…
(唇を離し、堕落への最後の勧誘を恋人の耳元に)
(その行為を想起させるように、肉壺の入口に指先をあてがい、浅い部分だけを丹念にかき混ぜる)
あ、んっ、直さん、もう…許して、お願い……
(じりじりと弱火であぶられるように肉芽をいたぶられ続け)
(花弁の間が物欲しそうに収縮してとぷり、と蜜をこぼす)
そんなに意地悪しないで、もう、私……
(昼間の二人は絵に描いたような好青年と優等生で)
(夜には厳しく恐れも知らぬ退魔士としての顔を持ち)
(今の津綺子はそのどちらも想像し得ないほど、淫らな被虐者の顔を見せている)
(パートナーであり、理解者であるただ一人の恋人に…)
私の……恥ずかしい、お…まん…こ、に……
直さんの、固いおちんちんを、ください……!
(ためらいがちに口にし始めたおねだりを、最後は一気に言い切って)
(そのまま直の腕の中で上体を反転させ、横向きに直の首筋に顔を埋める)
(刺激を与えるたびに濃い蜜を吐き出す花芯をゆっくりと愛撫して)
(昼と夜、ふたつの顔に隠された、もうひとつの側面があらわになる)
(ただ一人の恋人に対する嗜虐者としての顔で、パートナーを快感の渦へ巻き込もうとする)
よく言えたね…
(恋人の唇から飛び出す淫らな言葉を耳にして、満足そうに微笑み)
(首筋に埋まった津綺子の頭を、子供をあやすように軽く叩く)
じゃあ、おまんこにあげるから…立って…
(脇の下に手を差し込んで立上がらせると自分は座ったまま、津綺子と相対する)
きれいにして…
(手桶に湯を汲み二人の股間から泡を洗い流す)
さぁ…津綺子、おいで…
(恋人の目の前にそそり立つ自身を晒して、優しく微笑む)
直さんの意地悪っ……
(甘え声で抗議すれば、子供をあやすように頭をぽんぽんと)
(褒美の言葉とともに、優しく甘やかされて、抗議の言葉はそのまま舌の上で溶ける)
(わきの下をささえられ、がくがくと力の入らない膝をなんとか伸ばして)
(温かい湯に泡を流してもらう)
はあぁ……
(切なげに吐息をもらし、湯の感覚にほっとしながら)
(今度は向かい合って直の膝の上に腰を落として)
んん……んっ……
(先に直の根元に手を伸ばし、先端をこちらの中心に向ける)
(待ちかねた器官に、エラを開いて膨らむ亀頭を押し当て、そのまま腰を落とす)
んあああぁっ……!
(一気に奥まで貫かれ、自分の体重もかかって子宮を押し上げられる)
(子宮口に焼けるような快感が走り、背をそらせてよがり声を上げて)
(肉ひだが長い茎に襲い掛かり締め上げる)
【申し訳ありません、そろそろ今夜は凍結させていただきたいのですが…】
【ご都合はいかがでしょうか?】
そう…自分で…
(自ら腰を寄せ、勃起を握り自分の雌部分へとあてがう様子をじっと見つめ)
ん…あ、あぁあぁっ…!
(一気に包まれた柔肉の熱い感触に股間から快感が駈け登り、背筋がピンッと伸びる)
(先端に触れる充血した子宮口の感触に奥まで届いたことを知り)
(腰を持ち上げて、更に奥へと突き進もうと先端をこすりつける)
ん…あぁ…津綺子、おま、んこ、気持ちいいよ…
(すっかりと自身の形に馴染んだ肉壺は、一分の隙間なくピッタリと吸い付いて)
(ヒダが蠢き奥へ奥へと引き込もうとしているようで)
(のけ反る津綺子の腰を両手で捕まえて、ゆっくりと上下に揺さぶる)
【レスありがとうございます】
【この次までに、こちらのレスを用意しておきますね】
【こちらは火曜以降でしたらいつでも再開できますが】
【ご都合はいかがでしょうか】
【あぁ、リロードしないで書き込んでた】
【凍結了解。最短で火曜、それ以降だと木曜、土曜…かな】
【時間は追って連絡するけども、21時か22時か、そんな感じ】
【こちらも変なタイミングで凍結申し出てしまってごめんなさい(汗】
【携帯だとリロードするのも面倒ですよね】
【では火曜の夜ということで、そのぐらいのお時間を予定しておきます】
【お忙しいようですので、くれぐれもご無理なさらずに…】
【今夜も濃いレスをたくさんありがとうございました】
【もうしばらく、お付き合いくださいませ】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【いや、別に謝って貰うほどのことでもないから】
【では火曜に】
【ありがとう、そちらこそ無理しないようにお願いするよ】
【あぁ〜そう言って貰えると嬉しいよ、ありがとう】
【こちらこそ長々と付き合ってありがとう】
【お疲れ様、おやすみ…ノシ】
【スレをお返しします】
(最初、もたらされる情報に口を挟むことはしなかった)
(彼女は出自、目的と順に進めて自身の意向をも教えてくれる)
(何より注意を引いたのは、異能を目覚めさせるという話だ)
(数年来付き合ってきた自分の能力の出所は、彼女たちかもしれない)
(夜の世界で血やおぞましい異形も見ることになった御木本にとって)
(それは決してポジティブな感情の動きではなかったのだが)
(この力のためにできたこともまたある以上、激昂することもない)
……ハツカネズミねー、随分壮大な実験なんだ。
もっとも、ねずみからしたら人間がやってることも大掛かりだろうね。
(だがレインコートの少女が口を開く頃にはとるべき行動は決まった)
(力を目覚めさせたその事実はともかく、やり口は到底納得できるものではない)
(人権の保障されない環境に自ら進んでいくほど、愚かではないつもりだった)
ねずみにもっと知能があったらさ、団結して人間に抵抗してくると思うんだよー。
遺伝子を弄られて薬を投与されて殺されるなんて、あんまりだからねん。
でも、逆に可愛がってくれる優しい飼い主を見分ける目を持っていたら
自分から懐いてくるんじゃないかな、一生ご飯が食べられるわけだしー。
(だが、突っぱねようにも攻略の糸口がないままでは逃げることもままならない)
(ゆっくりゆっくり、考えながら喋っているかのような間延びした口調で続ける)
(ハツカネズミほども考えていない、とはいえ一応自分は手駒の候補らしい)
(承諾でもなく、拒絶でもなくというこうもりのような態度をとらないといけないが)
(味方に引き入れようとしているならば、もっと情報をくれるかもしれない)
(何より、ここまで全力で走ってきた身体を休ませる時間も欲しい)
君たちは、人間にとってどっちだと自負してるー?
さすがに全滅されたら困るんじゃないかな、知的生命体は無限にいないわけだし。
報酬を用意して勧誘するくらいなんだから……質問にも答えてくれるよね。
(つかつか足音を立てて歩き、レインコートの少女の隣に立ち会話する)
(真後ろにいたまま、ともすれば敵対するような言動を続けるのは危険だ)
(特に、あんな強力な能力者へ包丁一本で突っ込むような相手ならば)
(相当身体能力に自信があるか、接近戦に有利な力を持っているのだろう)
(考えを察して、その間に対策を練るなり休憩するなりしてくれればいいのだが)
あーでも、話を長引かせて名作を見る機会を奪ったらオタク失格だからねー。
ここから出て君の部屋で、ジブリを鑑賞しながら語り合うなんてどうだろ。
よかったら、予約録画の自動調整ができるいいデッキも紹介するよ?
大丈夫、リアルタイムで見るのと変わらない画質と感動を保障するからー。
(しかし面倒なことになった、彼女からは感情の揺らぎが感じられない)
(もちろん、感情の抑制に長けた者は他にもたくさん見てきたけれど)
(こんなでたらめな力を持ち、なおかつ付け入りづらいというのは厳しい)
(呆れなり、苛立ちなりを引き出そうと主題からずれた話も持ちかけてみる)
(主題に食いつく部分との割合が難しいだろうが、やらなければどのみち……)
【隙屋量子さんとのロールの解凍に使わせていただきます】
【心配かけちゃってごめん、ほんと正ちゃんはなんともないからー】
【何かあったらすぐ言うようにするよ、ありがとう】
【というわけで、使わせてもらうね】
「……ハツカネズミ――可愛い……。
…………でも、無力――そして――情報処理能力に――欠ける…………。
……ネズミの多くに――異能が、宿っていれば――それを使ったかも、だけど……」
(青年の言葉を聞きながら、ミラボーは、ゆっくりと、考えながら話す)
「……可愛がるという概念を――我が主――リンクスは持たない……。
…………そういったことを理解する――知性はない…………。
……ただし――私たち、友人にして配下にとっては――その目的は、魅力的だった……。
…………………………………………あなたは」
(ばこん、ばこんと、私たちとミラボーをつなぐ道の、両側が消し飛んだ)
(ちょうど、長方形の一枚板の端と端に、敵と味方に別れて立っている感じだ)
(こちらはふたり。向こうはひとり。しかし、アドバンテージは圧倒的に向こうにあった)
「…………あなたは――私たちを理解できていない…………。
……私たちを――実験動物に拷問をくわえて――無慈悲に殺す、非道な科学者と――思っている……。
…………しかしそれは――現実とはかけ離れている…………。
……私は――あなたに報酬として『準不死』を与える――と言った……。
…………つまり、私たちは――実験動物を、ひとりも殺しては――いない…………」
(この説明は、私も聞きたいところだった)
(準不死。不死には届かない、しかし宇宙の終焉までは生きられる方法)
(それがどういったものか聞ければ、私の不死計画にも応用できるかもしれない)
(この壊れたラジオみたいな幼女が、うまい説明をしてくれるかはわからないが)
「……肉体を破壊された――対象に――『準不死』を与える、能力者がいる……。
…………死から、よみがえらせる――それならば――実験で死んでも――害は、ない…………。
……常態に復する――やりたいことは何でも、元通りやれる――死なない分、可能性は増える……。
…………問題があるとすれば――そう――二度とおうちに帰れないこと――だけだけど…………。
……あなたにとって、それは――問題……?」
(つまり、この青年の問いに対しての、彼女というか、リンクスの答えは)
(「殺しても生き返らせるから気にしないでね」という――ことらしい)
(そして、私の知りたいことに、彼女は答えてくれた)
(リンクスは見つけたのだ。死者を――おそらく、無尽蔵に――蘇らせる能力者を)
「…………大丈夫――見逃す心配なんて、考えなくて、いい…………。
……あなたが、すぐに結論を出してくれれば――私も、すぐに仕事を終えられる……。
…………あなたが仲間になるにしても――死を選ぶにしても――私の行動は、一瞬…………」
(ばつん、と綱の切れるような音がして、天の星が消えた)
(どうやら、ミラボーの檻は、さらに狭くなったらしい――空が消えた)
(この調子で、世界をどんどん狭められたら、私たちはどうなるのか?)
(潰されるか――それとも、掻き消えるのか?)
そうなんだー、万能になると感情っていうのは余計に感じるのかなん?
君みたいな美少女がにこりともしないなんて、もったいなくて仕方ないよ。
目的に魅力があっても、主人がそういうことをわかってくれないのは辛いなー。
可愛がられたり仲良くしたりがないのに、生き続けるって大変だよ。
(先ほどまでは、雲の上を見上げるような感覚にとらわれていたが)
(別の視点ではこの生命が守るべき存在のようにすら思えてきた)
(リンクスと名乗る主に感情が無いということもそうなのだが)
(今、目の前で口を動かす少女も友愛を求めているようには見えないのだ)
(最後に出てきた問いかけは揺さぶりなのか、それとも説得だったのか)
ふむう、でもこーやって怖い目にあった記憶は残るんだよねん。
どーせならメンタルケアもちゃんとしてくれないとさー。
それから、隣の女の子は何度も付き合ってるみたいだけど。
タイムロスがあるならそれも心配だなー。
大事な"お買い物"があるたびに、呼び出されたらたまったものじゃない。
(空間が縮んでゆく。本能は悲鳴を上げ、背筋に寒気が走った)
(けれど、理性は逆にほっと安心して次の一手を考えている)
(これまでの経験上、二択を迫った人間に身の危険を感じさせると)
(何割かはたとえ不利でもセッティングした者の意に反する行動をとる)
(有能かつ従順である人間を欲するらしいリンクスにとって)
(脅せばついてくるというだけの存在はあまり必要ないはずだ)
(この動作にプラスの要素はあまりない、用いる篩を間違っている)
(相手は感情だけでなく、行動原理も多かれ少なかれわかっていないようだ)
(つまり、そちら方面に特化した御木本が完全に無力とは限らない)
まー、みんながみんな準不死……だっけ?
それになれるなら特に問題はないよね。
クリエイターさんも流通業者もずっと生きてるんでしょー。
買い逃してもまた作ってもらえるって素晴らしい。
宇宙の終わりまで生きられたら、嫌なことの一つ二つは忘れられるし。
(さて、だいぶ否定的な意見を述べてしまった)
(ここでもう一度だけ、味方する素振りを見せておこう)
(ただしこれは、もうのらりくらりしたただの時間稼ぎではない)
親もずっと生きてるなら、そのうち交流手段が見つかるかもしれない。
君も元は血の通った一般人だったなら、未練があったりしないのー?
それだけ教えてくれたら、どうするか放送開始までに決めるよ。
(駒が増える、という疑似餌を撒きつつ釣り糸を伸ばす)
(狙うは少女の記憶、その中でも一際明るい思い出だ)
(もちろん相手の協力もなしに自由自在に覗けるわけではないが)
(家族と過ごした日々、という大きな塊の中からひとつくらいは!)
「……むしろ――逆だと思う……。
…………感情は――リンクスという機械知能が理解するには――高等すぎる…………。
……褒めてくれているの? ――だとしたら、嬉しい――けれど……。
…………例え冗談だとしても――女の子を褒める時は――真剣な顔で、言うものよ…………?」
(みしみしと音がして、空間が左右から狭まってくる)
(意を決して左側の闇に――それを破壊できないかと――包丁を突き立ててみると、これは意外)
(包丁を持った腕が、右側の闇から飛び出してきた)
(空間がループしているのだ。右に飛び込めば左に、左に飛べば右に)
(空間を隔てるのが壁ではない以上、この危機からは、私のクオンタムでも脱出できない――!)
(青年は――落ち着いている)
(いや、内心ではどうかは知らないが、それを表に出さないだけの精神力は残っている)
(これだけ状況が悪化していきながら、この道化のような表情を崩さずにいるというのは)
(実は、凄まじい精神のパワーを必要とするのではないか?)
「……不死に近づけるのに、ほんの数分の恐怖を引きずるの……?
…………不死に近づけるのに――ほんの数分や数時間や数時間のロスが問題になるの…………?
……不死に近づけるのに――買い物を、するの……?」
(先ほどから、ミラボーはしきりに首を傾げている)
(ペットは飼い主に似る、というのか)
(彼女も、ごく一般的な不死の弊害である、青年の言い分がよくわからないらしい)
(つまり、駆け引きには弱いということ――物理的な攻撃ではなく)
(今、このミラボーを打ち倒すカギがあるとすれば、それは私ではない。この青年かもしれない)
「……理論上は、誰も彼も生きられる……。
…………ただし、現実にはそうは行かない――復活を司るのは、人間の能力者――限界がある…………。
……リンクスにとって、必要か――役に立った――存在だけが、それを得られる……。
…………人間には問題がない。――問題があるのはリンクスにとって…………。
……宇宙の終焉まで生きて、それだけで満足では、ないの……?」
(空間の収縮速度が、ゆるまっていく)
(青年と会話するのに気を取られて、ミラボーが能力の行使に集中できていないのだ)
「………………私は………………」
(親、という言葉が、未練、という言葉が、ミラボーに一瞬の表情を与えた――ように見えた)
「……最初から――これ。リンクスによって――変貌していない……。
…………親のことも、友人のことも、愛している――現在進行形で…………。
……もう、会うことも、ないけれど――遠くから、愛している……。
…………もし、私につくなら――あなたは――私の新しい友人に、なる…………?」
(リンクスに与することも考える、ともとれかねない青年の言葉に、私は抗議しようとする)
(しかし、寸前で踏みとどまる。様子がおかしい)
(青年も、ミラボーも。両者の間で、見えない力が戦っているように)
(そして、今、優勢なのは青年だ。ミラボーは、動揺を始めていた)
(上を向き……その目葉、涙で潤んでいるように見えた)
(過去の思い出に浸るように。寂しさを思い出しているように)
ごめんごめん、でも僕の顔は元々こういう作りなのだよね。
目はぺったんこだし頬もすぐ緩むし、困ったものだー。
長生きしてたら、もうちょっとましな表情を作れるのかにゃ。
そしたら君のことも笑わせたりできないかなー。
でも、老いると人と関わりあいたいって気持ちも薄れるらしい。
(敵になると決めたとはいえ、女の子に対して)
(からかわれると感じさせては良心が痛む)
(場違いなところで、きっちり訂正すると)
今起きたのは不死と比べれば小さなすれ違いなんだけれど、
永遠の時を生きたらもっと痛ましい誤解に直面するかもね。
それが、飽きるほど毎日顔をあわせる相手なら余計にー。
長生きがしたいか? そりゃーそうだよ。
生きれば生きるほど楽しい時間も増えるんだから。
でも、辛い時間も増えることを忘れちゃいけないー。
僕の涙は、80年分くらいしか用意されてないんだ。
(疑問に答えつつ、だんだんと姿勢を変えていく)
(質問を繰り返す影から、己の考えを主張する一つの個へ)
(死んだふりをしていた餌は、いつしか思考を取り戻し)
(ゆらゆらと長髪の少女の周りを泳ぎ、心をつつき始めた)
それも、みんなが生きていけないなら余計にだ。
僕には親がいて友達がいて、それから……。
そういう人たちが死ぬのを見たら、きっと泣くと思うー。
一人、二人と先立たれても自分はまだまだ生きるんだ。
宇宙の終わりまでずーっとその繰り返し。
(先ほど壁に向かってなにかやっていたようだけれど)
(お隣さんは勝つか逃げるかの手段を見つけただろうか)
(心理戦に集中していて、表情を伺うことはできない)
君は、嘘をついてんじゃないかなー。。
人間には問題が無いなら、どうして涙を浮かべるの?
大切な人たちにもう会うことができないから?
手は届かない、声もかけられない……お互い生きているだけ。
その生きているって共通点まで失ったら、君はどう感じるだろう。
(だんだんと音量を絞り、最後は囁き声になる)
(空気の震えを埋め合わせるのは、思念の鏡)
(いったん影から表に出た御木本という個を)
(彼女が見ている思い出へと溶け込ませていく)
が泣いてるところなんて見たくないよ。
(そして、記憶の中の幼い彼女の前にしゃがむと)
(視線の高さを合わせて、そっと柔らかな髪を撫でた)
(口にした御木本正太郎の記憶に、彼女の名前は残らない)
(けれど、少女の中では思い出が真の名を呼んでいるはずだ)
「……だとしたら――面白い顔……。
…………女の子は――あなたに、好感を――持つでしょうね…………。
……でも――恋は――してもらいにくいんじゃ――ないかしら……」
(間抜けな訂正に、間抜けな返答)
(命を争っている両者の会話にしては、あまりに牧歌的だ)
(ただの世間話のようで――ミラボーも、戦闘を意識するのを、忘れつつある)
(空間の収縮が止まり、今度は逆に、再び拡大を始めた)
(失われていた左右が、じわじわ戻っていく)
(周りを見渡すと、徐々に元通りの広い世界に戻りつつあった……)
「……つらい時間――そんなものが、あるの……?
…………私には、想像もできない――長い時間は――すべてを、解決できる――はず…………。
……怪我も、病気も、死もない世界に――暴力も不可能になっても――つらさが、あるの……?
…………涙を――流す機会を――私は、想像、できない…………」
(ペース、というものがあるなら、ミラボーは完全に、青年のそれに飲まれていた)
(彼の言葉が、ミラボーの思考の方向にちょっかいをだしている)
(ミラボーが、感情を持った表情を浮かべて、ふと思いついた――この青年の能力というのは……)
「……私は見ない。親しい人の死を――そう決めた……。
…………だから、おうちに帰れないことは――救いだった…………。
……想像も、しない――あなたの、言うとおり――それは、つらくなる、から……。
…………リンクスに――思い出したりしないよう――脳神経を調整――させた…………。
……なのに、なぜ? ――あなたの話を聞いていると――思い出せる……。
…………とうさま――かあさま――思い出せない、はずなのに…………」
(ばっ、と世界が広がった。前後左右も、空も戻ってきた……天には星が)
「……とうさま。かあさま――つれてきたかった。無限に……。
…………つながりを、失い、たくはない…………。
……でも、無理だった――ふたりとも、普通の人間、だったから……」
(青年がしゃがみこんで、少女の髪を撫でた)
(少女の目は、いつの間にやら、子どもらしい、おとなに親しみを与える光があった)
(丸く黒い目が、きょとんと二度まばたきをし――)
「………………とうさま………………」
(少女に、なにが見えたのかは、私にはわからない)
(しかし、彼女が呟いた瞬間、異能力『ミラボー伯爵』は解除された)
(街灯がともり、人々の声が街を満たした)
(何事も、なかったかのように)
(青年の能力は――おそらく、精神干渉――)
(あの強力なミラボー伯爵を――無力化するほどの、能力者)
何者だい、キミは。
(完全に空気と言っていい私は、呆然と佇みながら、青年に問うていた)
(青年の胸には――ミラボー伯爵と名乗っていた少女が、ぎゅ、としがみついている)
(もしかして、彼、なつかれてしまったんだろうか?)
【そろそろ時間的に、〆に入ろうとおもうのだが、どうか?】
うわー、言いにくいことをずばっと言うね。
いや好感を持つってことは誉められてるんだろうけどー。
僕もお年頃なんだから、甘酸っぱい思い出を作りたいよ。
(視界の端に映っていた漆黒の領域が、ゆっくり消える)
(恐れをなしていた本能が沈静化してくると、その隙間で)
(目の前の少女のことを心配する気持ちがさらに強くなる)
(無表情で声にも抑揚が無い、まるで機械のようだったのに)
(今の彼女は感情と涙を取り戻し、儚さだけを晒していた)
想像できるかできないか、じゃないよー。
君はー、親のことは脳神経を調整したんだっけ。
それと同じで、他のことも忘れようとしていたりしない?
大切な人の記憶すら封印して、すべてを忘れていった先が
本物の理想郷だって、君は心の底から信じてるのかいー?
(下手したら思想の否定、挑発になりはしまいか)
(そう思いながらも問いかけずにはいられなかった)
(出会った頃は恐るべき計画の一部に見えた彼女を)
(気がつけば、こちら側に戻そうとしている自分がいる)
(今日が初めて会った日で、特別な感情も無いけれど)
(相手が誰であれ、悲しそうな目は見ていたくなかった)
……れっ!?
(そしてのめり込み具合を表すように、いつの間にか)
(御木本は自分から彼女に近づいて頭をそっと撫でていた)
(あくまで幻影の中で済ませるはずだったのに……)
(自分自身もあの子の父親になりきってしまったのだろうか)
ごめんね。ほんとに の事、泣かせたくなかったのに。
(嘘っぽく聞こえてしまうことはわかっている)
(けれど、どうしても謝らずにはいられなかった)
(幼子を寝かせつけるように背中を撫で、頭を撫で)
(女の子に抱きつかれようものなら普段はパニックだが)
(今は、この無垢な少女を守りたいという感情が強かった)
……あー失敬ー、返事ができなくて。
君の言ってたことはちゃんと聞いてたよー。
おかげで、向こう側に行かずに済んだねん。
(区切りがついたところで、初めてレインコートの少女を振り返る)
(こうもりのように態度を変えるは、口にした忠告に反応しないは)
(ずいぶん不快な思いをさせてしまってはいないだろうか)
(敵を抱きつつ、敵の敵への謝罪の言葉を考えているとはなんとまあ)
いやー、世間話をしてたら終わっちゃったねん。
人は僕を口先の魔術師というーなんて。
ついでに萌えにうるさいところも共通点だよー。
(今日二度目の、自分に向けられた問いかけ)
(またも、異能について語るような気にはなれなかった)
……まじめに答えると、あの学園の二年生ー。
御木本正太郎、長いから正ちゃんって呼んでもいいよ。
【OMG,なんかそちらの伯爵様にずいぶんと粗相を……】
【もし不都合が出そうなら、僕のことは気にせず軌道修正をば】
【了解、僕はこれか次かで〆るねー。長時間ありがとう】
【んに゛ゃッ!? しまった、頭撫でたのは幻の中でだったか!】
【読み違えた、すまない!】
(方向を慎重に選びながら、青年は少女と言葉を交わし)
(機会のような精神に身を任せていた少女に、人間の感情を取り戻させ)
(理想の弱点を指摘し――)
(無限の弱点を指摘し――)
(少女自身の弱点を、心のあり方の弱点を指摘し――)
(ついに、無敵の攻撃力を誇ったかもしれない『ミラボー伯爵』を、屈服させるに至った)
(青年の腕の中で、安らいだ表情を浮かべる少女から、もはや敵意は感じられない)
(それどころか、これ以上に無害な存在も想像できないほどだった)
(私は、普段のミラボーを知っている)
(無表情な、壊れた機械のような少女)
(それが今は、あんな幸せそうな表情をしている)
(果たして、リンクスとともに彼女が、無限に到達したとして――そんな表情は、浮かべられただろうか)
いや……この状況を打破できたのは、間違いなくキミのおかげだ。
具体的にどんな能力かは、曖昧な部分が多すぎるが。そいつを無害にしてくれたのは、キミだからね。
……もし、「能力」という言葉がお嫌いなら……話術、と表現しておいた方が、いいかな?
(彼は、糸のように細い目を私に向け、自己紹介してくれた)
(自称、「口先の魔術師」……萌え? なにか元ネタあるのかな? ……御木本正太郎)
(その自称に恥じない能力をお持ちのようだが、あえて突っ込むのはやめておく)
(世間話、と表現するからには、この解決を異能のせいにしたくないのだろう。たぶん)
やはり、同じ学園、同じ学年か……同じ二年、隙屋量子だ。
その子との関係は――まあ……鬼ごっこの、彼女が鬼で、私が追われ役、かな。
(自分の能力や、犯罪歴については、もちろん話さない)
(ミラボーを撃破するほどの能力者――中立派のようだが――切り札は持っておこう)
(今は友好的でも、いつか敵に回られたら、精神攻撃能力者は、私には相性が悪すぎるから)
さて、しかし、困ったな。私の身の安全のためにも、そいつを無力化ぐらいはするつもりだったんだが。
そんな愛らしい表情になられちゃ、怒る気にすら……どうしようかなぁ。
(なついたネコのようなミラボーは、私など完全に無視している)
(しばらく、御木本くんの抱き心地を確かめるように、彼の背中に手を回そうとしていたが――)
「…………ラピュタ。――始まっちゃう…………」
(突然そう叫ぶと、がばっと立ち上がり、踵を返して走り去ろうとする)
(背後には街の闇。それに溶けるように――彼女の姿は、消えた)
(最後に、逃走する彼女は、声だけ残していったのか、ラジオノイズのような声が、その空間に残った)
『……御木本、正太郎――その名前、覚えた……。
…………あなたは――私は、狙わない――でも、諦める気も、ない…………。
……あなたはきっと、仲間――私の仲間――あなたが仲間に入れば――無限もきっと、寂しくない……』
(捨て台詞もすぐに、風に消え)
(あとには、レインコートの怪しい私と、平凡そうな御木本くんが残された)
……モテるんだね、キミ。
(とりあえず、軽口を叩いてみた)
(この強力な能力者と、ささやかな友情がもてればいいがと、期待しながら)
【では、こんな感じで締めで!】
【私じゃなくて、ミラボーさんがメインになっちゃって、ごめんね!】
【いや、むしろ伯爵は楽しかったって言ってるよ。私からも、付き合ってくれてありがとう】
【いやいや、おかげでより入り込めたしお気になさらず】
【むしろ助かったよー、ありがとう】
打破……したのかなー。
(走り去った少女の背中を見送りつつ、ついぽつんと呟く)
(きっと、寂しくない。そんな言葉が空間に残された)
(辛いことを忘れて無限を目指すという姿勢は変わってない)
("とうさま"も"かあさま"も記憶の中に埋もれさせて)
(もし永遠を手にしても、あの子は幸せになれるのかな)
ん? あ、ああーそうだよね。
危うく押しつぶされるとこ……うわー。
(と、会話が続いてようやく頭が状況に追いつく)
(長らく置いてきぼりにされていた本能から)
(今更理性の方へと危険信号が手渡されたのだ)
(改めて、恐ろしい目に遭ったと思い返すと)
(思わずぶるっと震えて、情けない声を漏らす)
まーちからに力を借りてる以上、否定はしないよ。
(彼女が用意してくれた代わりの言葉は話術)
(それはそれで違和感が残り、結局認めることになる)
(とはいえ、やっぱり話し続けるつもりはなく)
隙屋さんだね、世間は狭いけど学校は広かったかー。
あんな強い鬼さんからずっと逃げてるなんて、すごいや。
(これ以上レディーを放っておく前に、と相手に話を振る)
(戦いの間はレインコートと包丁しか見ている余裕がなかったが)
(愛らしいおかっぱ頭と初対面の自分を守ろうとしてくれたこと)
(きっと良い人なんだろうなー、とぼんやり考える)
(それだけに、続く一言に完全に不意を突かれてしまった)
も、もっ!? ……そんなこと言われたのは、生まれて初めてだよー。
(けほんと咳払いをし、熱を払うように首を振る)
(そして反射的に脚は反対側、つまり本来の目的地へと)
今日はありがとねん、悪いけど急ぐんでこれで。
また学校であったらいろいろと話そー。
(とばね仕掛けのように、羞恥心から逃げ出す)
(ここまで遅くなってしまったのだ、買い損ねるかも)
(けれど、記憶を封じてまで生きようとする少女を思うと)
("幸福な不幸"を嘆こうとなど、微塵も考えられなかった)
【それじゃー僕も、こんな感じで。今一度お礼をー】
【そーゆー方向に僕も向かわせたわけだし、ほんと申し訳ない】
【でもま、美少女二人を楽しませることができたなら本望だとも】
【今宵はこれにて、また機会があったら遊んでねん】
【見届けたよ!】
【うん、楽しかった! 興が乗って長くなっちゃったのはご愛嬌ってことで勘弁】
【また遊んでやってくれ、私とも、伯爵とも】
【じゃ、あらためてありがとう。おやすみーノシノシ】
【ロールを解凍いたします】
>>402 うっ、あ、あぁんっ…! あ…っ…!
(直の肩に手をかけ、座っているだけでえぐられる子宮口への刺激にあえぐ)
(スクワットを途中で止めたような姿勢なので、体力を消耗している今は膝の力が抜けてしまって)
(すぐに膝が震え始め、直の下腹部にそのまま体重をかけてしまい)
あぁぁっ……奥が…っ
(腹腔内へ発情した子宮を押し込めるほどに男根が突き刺さる)
(思わず腰を浮かせて痛いほどの快感から逃れるが、いつまでもその姿勢は続かない)
う、うううっ……ん……
(直の両手が腰の両側をつかんで、ゆっくりと上下に揺さぶり始めた)
(きつい突き上げが緩み、その分、膣ヒダをゆっくりとこすりあげる刺激が続いて)
(背筋までざわざわっ、と快楽が走る)
ああぁぁぁ………あぁ……あぁぁ……
(喉を広げて甘い悲鳴を漏らしながら、直の目の前に二つの果実を押し付けるように背をそらせ)
(じれったいリズムにじわじわと昇りつめていく)
【今夜もよろしくお願いします】
【同じくロールにお借りします】
んくっ…あぁ…ん……
(津綺子が自分から屈伸をするように腰を動かし、胎内に納まった勃起をしごく)
(引き抜かれると、吸い付くヒダが敏感な亀頭の縁や茎を絞りながら撫で)
(埋め込まれれば、弾力のある子宮口が鈴口をクリクリと小突く)
んぁ…ああぁ…
(恋人の甘やかな嬌声に合せて声を漏らし、くびれた腰を掴み動きを支えるように上下に揺さぶる)
(制限された腰の動きは、登り詰めるまでの道程を引き伸ばし、ジリジリと焼けるような快感が剛直を攻め続ける)
津綺子…しっかり掴まって…
(恋人の肢体を体に絡み付かせたまま立ち上がり、浴室の壁に津綺子の背中を押しつけて)
(両手で腰を支え、子宮に向けて下から強く突き上げる)
(胸元に愛する声が甘くかすれていくのを聞きながら、動かしたくても動かせない焦れったさに、かえって煽られて)
(全身がビリビリするほど過敏になっていく)
あぅ、直さんっ…もっと…ちょうだい……
(直の頭を抱え込むようにして懇願する)
(突然、そのままの姿勢で体を持ち上げられ、温かい壁に背中を押し付けられた)
きゃ……あ……
(辛うじて片足だけ床に届いたものの、あとは直の膂力に抱え上げられた姿勢で)
(激しく全身をゆすり上げられる)
ああぁっ、直さんっ、すご、い……っ!
(下から体ごと突き上げているというのに、信じられないほど長いストロークで)
(ざらつく天井を激しくえぐり、快感に充血する子宮口に突き刺さるほどに突き上げる)
(まだ成熟には間がある乳房が直の胸の中で弾み)
(卑猥な水音を立てて粘膜がこすれ、骨盤の中をゆすぶるほどの快感に身をよじる)
直さん、あ、激し……い……壊れちゃうっ……!
(みっちりと実の詰まった粘膜がとめどなく蜜をはいて)
(雑巾を引き絞るように根元から剛直をねじ上げ、絞りこむ)
ふ…ん、くっ!
(津綺子の片足を床に下ろし、反対の足を膝の辺りに手を差し込んで持ち上げる)
(大きく空いたスペースに腰をねじり入れ、ぴっちりと閉じようとする肉襞に強い突きを与える)
(先端を残して太茎を引き抜き、その全長を一気に埋め込む)
(勢いよく突き上げれば、行き場を失った愛蜜が卑猥な音とともに二人の肉の隙間から飛び散り)
(その音に煽られるように腰の動きを加速させ、長いストロークで恋人の花芯を貫く)
あぁ…津綺子の中、とけちゃいそうだ…
すごく、気持ちいい……く、あっ……っ!
(食いつくような締め付けに息が乱れ言葉が途切れる)
(ピッタリと張り付いた内膜にカリを引っ掛けてこそげ、先端を奥に押しつけておいてゆっくりと腰で円を描き、抉る)
いや、あ、あぁ、直さんっ……!
(縦方向のストロークが止まると、先端を最奥に押し付けられたまま)
(ねっとりとした動きで直の腰が円を描く)
だめっ、あぁ…そんなの……あぁぁぁっ!
(視界が一瞬、血の色にかすむ)
(鈴口の感触が伝わるほどに強く押し付けられ、子宮口を抉られる)
あぁっ、あぁぁ……っ、ただ…し…さぁんっ……
動いて…お願い、もっと……突いて……っ!
(エラの刺激を求めて膣ヒダがぎゅうぎゅうと若幹に吸い付く)
(子宮が不規則に収縮すると、一瞬遅れて膣全体が収縮し)
(厚みを増した内膜が絡みつくように圧力を上げる)
直さん……好き……好きなの……
だから、頂戴、直さんの……熱いの……
たくさんください……っ
(直の首にしがみつき、片足を直の腰に絡みつかせて)
(最奥を抉りぬかれる快感に、絶頂を極める)
あぁぁぁっ……
(恋人に快楽を与えることのみに意識が集中して、理性が白く漂白されていく)
(津綺子の息も絶え絶えな要求に答え、再び抽送を繰り返し)
(限界まで張り出したエラが、締まり、狭まった腟を押し拡げながらヒダをこそげる)
俺も…好きだ…ん、は、あぁ…待って…もう少し…すぐにあげるから、一緒に…
(すり寄ってくる恋人の体を固く抱き締め、近付いた耳朶に甘く囁き)
(せりあがった睾丸は太幹に熱い塊を送り、その太さと硬さを増す)
くっ、津綺子…あ、んん、あぁぁぁ……っ!!
(不規則に痙攣する腟の刺激に衝動は限界を越え、最後の突き上げと同時に堪えていたものを一息に開放する)
(ビクンッと腰が震え、子宮口を突き抜けそうなほどに押しつけた勃起の先端から、子宮の奥に向けて熱いエキスが迸る)
(勃起が一度、二度としゃくり上げ、そのたびに濃厚な白濁を噴き上げ、奥を満たし)
ん、あぁぁぁ…
(閉じた瞼の下でパチパチとスパークが弾けるような感覚を覚え)
(息をするのも忘れて最高の悦楽に酔い痴れる)
あ…あぁ……は…あ……
(かすれる声を上げて達したと思うと、追いかけるようにして熱い射出を感じる)
(子宮口をこじ開け、肉ヒダに包まれたまま激しく痙攣し、肉棒は濃い白濁でメスの器官を満たす)
ふあ……あぁ……あ……
(がく、っと姿勢を崩し、直のたくましい胸にすがるようにして脱力する)
(精液のピリピリした刺激に内膜が痙攣する)
(切なげに荒い息を吐きながら、ずるずると背を滑らせ、両足で体をささえているのに)
(直に支えられていなければ、とてもたっていられなかった)
直さん……ベッドに連れて行って……
(うつろな声で囁き、直の心臓の激しい鼓動を感じながら)
(せめてこちらの感じた満足の1/3でも感じてもらうことができただろうかと)
(比べようもないことを考えて、ぼんやりと直の腕の中にいるばかり)
ここは、明るいから恥ずかしいです……
直さんがあんなに意地悪した後では……
ん…く…
(ゆっくりと萎えていく勃起を津綺子の胎内から引き抜いていく)
(それだけの行為なのに、狭まった肉壺にこすられて快感を得る)
(軽い快感に背中を震わせながら全部を引き抜くと、注ぎ込んだ粘液が逆流して溢れ出す)
はぁ…はぁ…
(脱力して立っていられない恋人をしっかりと抱き締めて支え、呼吸を整えて)
…ん、明るいと津綺子がしっかり見えて嬉しいんだけどな…
いいよ…しっかり掴まって…
(からかい混じりに囁き返しながら、腰とお尻を支えるように抱き上げる)
(津綺子を抱いたまま脱衣所を抜けてリビングへ。更にその先のベッドへと歩を進め)
よいしょ…さぁ、着いたよ…
(覆いかぶさるようにして、しなやかな肢体を寝台に横たえる)
(カーテン越しの弱められた月明りに照らされ、朧な輪郭のみを浮かび上がらせる恋人の体)
(頬からはじまり、首筋から肩、胸と膨らみの裾野…くびれから腰骨…)
(その存在を確かめるように、手の平で津綺子のラインをなぞっていく)
(抱き上げられ、歩調にあわせて揺られ、やがてベッドにそっと下ろされる)
(人並み外れた筋力もさることながら、直は丁寧にこちらを扱ってくれる)
(申し訳ないような、嬉しいような気持ちで、こちらへ覆いかぶさる恋人を待ち受ける)
(暖かい手がほほに触れ、優しく肌の表面をすべっていく)
(ほう、とため息だけを漏らして、うっとりとその感触に身を任せる)
(こちらを見下ろす視線が気恥ずかしく、直の首筋に手を伸ばして抱き寄せ、その肌に顔をうずめる)
(同じボディソープを使ったのに、直の肌からは自分とは違う匂いが立ち上っていて)
(しばし、その清潔な青年らしい匂いに酔いしれる)
(首の腱に唇を這わせ、動脈の脈動を感じると、そこをきつく吸い上げる)
(月明かりの中では、内出血の痕は見えない)
(きっと、見るまもなく薄れて行っただろう)
直さん……
(夢の中で語りかけるように、そっと愛しい名を呼んでみる)
好き……。
(手の平の動きに答えるように溜め息が漏れ聞こえ、聴覚をくすぐる)
(暗い中、恋人の顔を見下ろしながら、腰骨から太股へ…更に内側へと手を滑らせようとした時、身動ぎする気配とともに首筋を引かれる)
ん…
(引き寄せる力に抗うことなく恋人のすぐ脇に身を投じ、すり寄ってきた頭を胸に抱える)
(微かに鼻をくすぐる香りは常時自分の使っているソープの香りのはずなのだが)
(より甘い感じがするのは気のせいなのか…確かめるためにその香りを胸に吸い込む)
ん…
(首筋に濡れた感触。同時に微かな痛みをともなう強い吸引)
(軽い呻きは刻まれた痕と同じく瞬く間に溶けて消え、続いて部屋の空気を震わせるのは津綺子の囁き)
何…?
(胸抱えた髪を手櫛で撫でつけながら、同じように囁き返し)
俺も、好き、だよ…
(優しく髪を梳かれながら、もっと長い髪だったら、どんなに気持ちいいだろう、と夢想し)
(直もやはり長い髪のほうが好みだろうかと、ふと思う)
(身なりは清潔でかつ質素であること以上に構わない性質だったのだが)
(今は何より直の意を迎えることに心を砕いていた)
(直の胸元に唇を押し付け、腰に手を回す)
(密着するように体を押し付けて、直の腰のラインをなでおろし)
(大臀筋から太ももへと筋肉の流れにそって指を滑らせ、ごくかすかに低周波を発する)
(何度も自分を抱きかかえて移動してくれた足腰に、少しの癒しを与えて)
どうやら、ちゃんと回復したみたいです。
(と指先を直の前に掲げ、軽く火花を発した)
(その手をもう一度おろし、そっと直自身を握りこむ)
(筋肉に流したのよりもさらに弱い電流を発すると、若い海綿体がたちまち反応した)
(指に絡まる柔らかな髪の感触を楽しみながら、頭を撫でてはクシャクシャと乱し、手櫛で整える)
(密着してくれる肢体。体に感じるのは津綺子の前面に突き出た二つの膨らみと幾度となく吸った唇)
あ……それ…気持ちいいな…
(腰のラインを撫で回す津綺子の手の平から注がれる微弱な電流)
(知らず固まっていた筋肉が刺激を受けてほぐれるのを自覚して、満足の溜め息が唇から漏れる)
ん、よかった…
…津綺子の能力は色々できるんだね…すごいな…
(目の前で光る小さな電撃にお互いの瞳が閃き)
(敵を倒すことのみの自分の能力と違い、何と応用が効くのだろうか)
(以前には蝋燭に火を点していたことも思い出し、素直に賞賛する)
……?あっ!くぅ……っ!
こら…そんなことしたら…
(萎えた海綿体に微かな電気の刺激。ピクンと震えたかと思うとたちまちに血液が集中しはじめて)
(津綺子の行為を咎めるような台詞は、微かな微笑みと感じたことのない快楽に蕩けて、意味を持たず)
(ほめてもらうと幼児のように目を輝かせて)
直さんって、いつも完璧にリカバーなさるから、
あまりいろいろしないほうがいいのかと思っていたのですけれど
もし良かったら、これから必ずマッサージいたしましょうか?
便利でしょう?
蝋燭に火をつけることはできても、電球はだめなんです。
たいてい壊してしまう。
本当に機械のように電流をコントロールできたらいいのでしょうけど。
そうしたら…ここも、もっと……
(ごく弱い電流に、こら、と口先ばかりの叱責が)
さっきのお返し、といったら、もう意地悪しない?
(もう一度、根元のほうを軽く握って、弱い電流を送り込む)
(それからやわらかい袋の中の胡桃を探り出し)
(手のひらで包み込むようにころがす)
【再三申し訳ありません、今夜はここで凍結させていただきたいのですけど…】
【はい、凍結了解】
【思った以上に長引いてるね…ある意味予想通りだけど】
【まぁ、十全と楽しませて貰っているから全然OKな訳でw】
【さて、次に解凍できるのは木曜になるけど、どうかな?】
【楽しんでいただいているなら良かったです】
【このごろ、前にも増してレスが遅くなって(汗】
【木曜日も大丈夫です。時間は今日ぐらいになりますが、いかがでしょうか】
【それと、もし今後の展開にご希望などありましたら、ぜひ】
【レスが遅くなっているのはお互い様な訳で(汗】
【では、一応21時半ってことで。解凍までにレスを作っておくね】
【変更があれば避難所に連絡を】
【展開の希望は特にないかな。今のまま流れ任せで】
【プレイ内容は…考えついたことがあるので、次回のお楽しみってことで】
【もちろん、NGに抵触しないことなので心配無用】
【そちらからも何か希望があれば遠慮なくどうぞ】
【22日木曜日の21時30分ですね】
【避難所でお待ちしてます】
【今回はまずそちらのアイデアを楽しみにすることにします】
【この流れでもかなり楽しんでいるので、これ以上希望はないですし…】
【今夜もありがとうございました】
【だんだん調教(?)されてしまう自分が怖いですw】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【調教…なのかな?どちらにしても、楽しんで貰っているようで嬉しいです】
【こちらこそありがとうございました。次回もよろしくお願いします】
【お疲れ様、おやすみなさい】
【スレをお返しします】
【こんばんはっ、しばらく待機してみるぜ?プロフは
>>34っと】
【こんばんは、後輩さん(一礼)】
【もしも問題なければお相手をしていただけたら、
と思ったのですけれど……まだ、いらっしゃるでしょうか?】
【こんばんは。そりゃもちろん、問題ないけど。
時間は0時前までだけどオーケーかな?】
【私の方も、ちょうどそのくらいが目処にですので、十全と。
んー…でしたら軽めのシチュがいいでしょうか、ということで(首かしげて)
1.夜の仕事のあとで、軽く手当でも
2.たまには普通に学生らしく学校の教室とか図書室とか
3.じゃれられてみる
4.ころがってみる
というこう、必死に四択にしてみた感が否めない感じの実質二択なのは秘密です。
あとはそうですね……結局ちゃんとできなかった手合わせとか、特訓ネタとかですが
少し、時間が危ないかなとも思いつつです。 後輩さんの都合があえば、こちらは問題ないのですけれど】
>>439 【じゃあ、あえての4番で。……っていうのは冗談で。
凍結ありでもいいなら、手合わせでも特訓でも大丈夫だけどー】
>>440 【……4番など特に何も考えていなかったので、ドキっとしたりなんかしておりません。
そういえば、ボツと裏との間くらいに貴方も微妙な闇堕ちフラグをお持ち、でしたね】
【私の方は土曜か日曜、になってしまうのですけれど…大丈夫でしょうか?
それでも問題なければ、こちらこそ十全と承らせていただければ幸いです】
【特訓ネタでしたら、少し変則的な運動ゲーム…とか。
手合わせでしたら、もうふつーに怪我しない程度にやりあう、とかでしょうか】
【それになにか他にも後輩さんにやりたいことがあれば、それをお聞きできれば、と】
>>441 【そういう意味での転がる…!?
ん、日曜の夜でも大丈夫かな。22時ぐらいになりそうだけど】
【それじゃ、先輩にのーまるなちょうきょ(ry。冗談です。
……んー、特訓ネタでいってみよーか?】
【物理的に転がるって、何したらよいのでしょう…って思って(←発案者)
承りました。日曜日なら、たぶん貴方に時間は合わせられると】
【――……すごく、身の危険を感じたのですけれどっ。
ああ、特訓にまぎれて思いっきり苛め倒していいという振りです?】
【と、承りました。じゃあ、うーん……じゃあ、裏山か廃工場か、
どっちがいいか選んで下さったら、こちらから書き出そうかと思いますが大丈夫でしょうか?】
【それじゃ、凍結後は日曜の22時ってことで】
【気のせい気のせい。
それじゃ折角だから俺は廃工場を選ぶぜ。
…ということでよろしくっ】
(特訓、だなんて……そう言葉を口にすると、少し変な感じがした。
自分がそんなことしなくても、
放っておいても――彼は成長すると思っているから、かもしれない)
さて、と。 人の気配ゼロにて、雲なしで月は明るい。
「特訓」にはまったく重畳な夜でありますね。
(がらんとした廃工場――ほとんど物はなく、中央あたりは大きくひらけている。
夜とはいえ、差し込む月明かりがまわりを明るく照らしていたし、
ところどころに消えかけそうな弱い光を放つ灯りがあったので、視界も良好だ)
……まあ、特訓だなんて偉そうに名をうっても、
私にできることなんてそうそうないのですけれどね――…一般人ですもの、私。
(飄々と肩をすくめて、彼女はそんな風に言いきった)
【はい、了解です。(一礼)】
【ではこのような感じで……今夜は宜しくお願い致します】
>>445 よく、言うよ。
――化け物退治する一般人がいるか。
(毒づきながらも、苦笑を浮かべて月光に照らされてその身を晒す。
よくよく考えてみれば、彼女と共闘することはあってもこうして特訓という形は取ったことはない)
…少なくとも、だ。
俺、能力を使っても、ガチンコで先輩に勝てる自信はあまりないぜ?
(ざっと下の地面に足を滑らせながら、地面の砂を払い)
それはさておき、よろしく頼むぜ。先輩。
ま……お手柔らかにな?
(苦笑を浮かべる。想像できるのだ。
笑顔で容赦なくその『特訓』とやらを課してくる彼女の姿が。
ああ。こういうときほど、容赦がないのはよく知っている。知っているからこそ、苦笑しか浮かばない)
…さて、特訓っつっても、何をやればいいんだ?
……ふふ、それは貴方にしては珍しく消極的なことですね。
それは貴方を過小評価しすぎか、私を過大評価しすぎなのでしょう。
(少しだけ目を細めて手を上に伸ばすと、ぐぅーと猫のように伸びをして。
ぱたん、とおろした手とともに息を吐きだすと、改めて彼を見据えた)
……今日は、特訓っていうよりも、そうですね。
わたし、貴方と一緒に狩りはしても競い合うことなかったから、
ちゃんと、貴方の力を直に感じたことって、ないなって思いまして。
(怖くない怖くない、とでもいうように。
どこか楽しげな表情で、一歩づつ彼との距離を縮めていく)
後輩さんのちから、よろしかったら、わたしにちゃんと感じさせて下さい。
そのあとで、具体的にこういう力を伸ばしたいっていうのがあれば、お聞きようかなって。
大丈夫です。 なんにも怖いことなんて、ないですから。
……もしも怪我したって、あとでめいっぱい優しく手当てしてさしあげますよ?
(頬に手を当てていつものように小首をかしげて、事なげに言いきった)
まあ、ルールは簡単。 時間制限付きの俗にいう『鬼ごっこ』というヤツです。
ただ、タッチしたら勝ちじゃなくて……そうですね、何か『奪ったら』勝ちとかどうですか?
……たとえば、貴方のバンダナをちょっとお借りしてみる、とか。
問題なければ――『追う』のと『追われる』の、どっちがお好みです?
先輩の怖さはそれなりに知ってるつもりだしさ。
(もちろん、全てを知っているわけではない。が、共闘していれば、
それなりに彼女の特徴とは見えてくるものだ)
(故に、今回の『特訓』に興味を持ったのもまた事実だ)
なるほど、な。
対峙して、または競い合うことでそれを感じる…ってことか?
(しかし、笑顔で近づいてくる彼女には一種の威圧感を感じて、
笑みを引きつらせながら、彼女の歩調に合わせて後ずさる)
とりあえずは、俺の力の下調べってとこか。
……先輩がそういうと、ホント、嫌な予感しかしないんだよなぁ。
(そして、その悪い予感に限って当たることが多い。
想像しまいとは考えてみるものの、歩み寄る彼女の威圧感も相まってかそうは出来ず)
奪う……か。へぇ、そりゃちょっと楽しそうだな。
どっちかというと…『追われる』方、かな。リスクが大きそうだし、その方が楽しそうだ。
(はっきりと不敵な笑みを浮かべて、大きく頷いて)
>>448 下調べ、だなんて。
――ただ、純粋に後輩さんの事、もっと知りたいから。
……なーんていうと、こう、可愛らしく聞こえてまいりませんか?
(悪戯っぽく目を細める彼女は、笑みを引きつらせる彼とは裏腹に、
――“様々”な意味で楽しみなのか――どうにも楽しそうな様子を呈していた)
あら、リスクの大きいことをご存じで選ぶとは男らしいことです。
承りました。 それでは……時間内に私が貴方からバンダナを奪えたら、私の勝ち。
奪えなかったら、貴方の勝ち――…これ以上に、大きいルールはありません。
つまり、時間一杯そこらに私を縛り付けておく手もあります。
何でしたら、押し倒すなり軽く意識を奪うなりして、私を時間一杯動けなくするのもアリです。
(特にルールがないということは言いかえれば“無法地帯”)
(不敵な笑みを浮かべた相手に対して、こちらも少し真剣味を孕んだ視線を返す)
……ちょうど、この腕時計はアラームがなりますので、これがなり次第終了。
(片腕の腕時計をいじりながら、今度はいくらか詰めた距離を離す)
それでは、貴方が開始までのカウントダウンをどうぞ。
貴方が10秒数え終わるまで、私はここから動きませんから。
(とん、と靴を鳴らして。10秒の猶予とカウントダウン権を、相手に渡した)
>>449 違う状況でその言葉聞かされてたら、ちょっとやられてたかも。
(苦笑を浮かべながら、ふるふると首を横に振って)
でも、ま…気は抜かないぜ? ……油断してたらあっと言う間だからな。
要するに、時間制限中バンダナを取られないように手段は選ばなくてもいい、と。
ふぅん…ますます面白くなってきた。
なるほどな。さっきの手当て、云々についてもそういうことか。
(逆に言えば、捕まえる側である彼女も手段は選ばない、ということだ。
なるほど、『鬼』ごっことはよく言ったものだ)
それじゃ、行くぜ―――、10、
(カウントを始めた時、悩んだ。能力を使って彼女に接近し動きを封じようか。
だが、考える。その考えを読んで、何かしら策を立てているかもしれない。
能力を使った場合、こちらのリスクが高くなる。そして動きを封じたところで、
アラームが鳴るまで、封じ続けられるかどうか、怪しい。ここは、取り合えず―――)
9、8、7………。
(カウントダウンを続けながら、ナイフを抜く。そして、その場に踏みとどまった。
迫ることもなく、逃げることもなかった。……そう、彼女相手に逃げ続けるには、
彼に持久力があるかどうか、怪しいところだった。『狩る』側の人間であれば尚のこと。
ならば、と。面と向かって彼は彼女と対峙した)
……3、2、1。
(零。要するに様子見だ。必要があれば逃げればいいし、迫ってもいい。
今はまだ判断するときじゃない。見極めろ。彼女の行動を―――)
【悪い、そろそろ凍結でも構わねーかな?】
【はい、承りました】
【先ほど通り、問題なければ日曜日の22時で、宜しくお願い致します。
もしそれ以降でより都合がよい日があるとかなら、もしかすると合わせられるかもしれませんので
避難所にでも書きこんで置いて頂ければ、と……それでは、今夜はお相手有難うございました。(一礼)】
【それじゃ、そういうことでよろしくなっ?
了解。こちらこそ今日はどうもありがと。また宜しく頼むなー。
それじゃお休みっ。お疲れ様】
【ロールにお借りします】
【同じくロールにお借りします】
>>430 (賞賛に素直な喜びを表して、子供のように瞳を輝かせる)
(そんな表情と先程まで浮かべていた恍惚の表情。全く反対とも言える恋人の二つの顔)
(どちらにも可愛らしさと愛しさを等しく感じ、髪をクシャクシャにすることで気持ちを伝えるが)
っ!…だから、それは…くっ…あ…ダメ、だって…
(たちまち充血して滾る雄が、津綺子の指を振りほどこうともがき)
(微弱な電流に反応して声が途切れ、腹筋が痙攣する)
ん、くっ…でも、もっと意地悪したら、どんなお返しがあるのか…逆に、期待しちゃうな
(息を飲み、喘ぎを堪え、強がりの微笑みを恋人に向け)
それに、津綺子は意地悪されたいんじゃないかな?
(「お返し」をしてくる津綺子の手首を握り、放すように促す)
【こんな感じで。よろしくお願いします】
(やわらかく握る指先に反応して、びくびくと怒張する雄芯に目を見張る)
ほんとに…すごい……
(初めて手品を見る子供のように、感嘆の声を漏らして)
意地悪は嫌いです。
(口を尖らせ、拗ねたような口調で言う)
意地悪の仕返しはうんと懲らしめて差し上げます。
(恫喝の台詞を吐くのは慣れていない)
(フリだけにしてもサマにならない台詞を無理に口にして、自分でも変だと思うと耳元が赤くなる)
(手首をとられ、握っていた直自身から手を離し、直の手に指を絡めて)
意地悪じゃなくて、優しくしてくださるでしょう?
私も仕返しより、お礼のほうがいい。
(その手を口元に近づけ、直の指先に唇を押し付けて小首をかしげる)
【こちらこそ、今夜もよろしくお願いします】
怖いね…津綺子に意地悪するのは控えないと…
(口元に浮かぶ微笑みが全てを否定しているのを自覚しながら、形だけの脅しに形だけ怯えて見せる)
怒らないで…好きな女の子に意地悪するのは、男の性(さが)なんだから
(ご機嫌を伺うような、そんな口調で囁き、赤く染まる頬に軽いキスを落とす)
(指が絡まる手を握り返し、誘われるままに唇を受け)
分かった…いっぱい優しくしてあげる
お礼なんて気にしないでいいよ。津綺子が感じてくれれば…
(押しつけられた唇を指先でなぞり、ゆっくりと隙間をから侵入し、前歯に触れる)
怒ってなんて…
(形だけのご機嫌伺いを真に受けて、急いで言い訳しようとすると)
(言葉を裏切る微笑と、ほほに触れる優しいキスにどきん、として)
あ……もう……。
もう、これ以上感じさせてくださらなくても…これ以上は……
(唇を優しくなぞられると、それだけでも背筋に快感が走る)
(そっと唇の間に繊細な手つきで指先が侵入するのを、胸を弾ませて待ちうけ)
(唇をすぼませて第一関節を吸う)
(舌でそっとその指先を探り、さらに深く指をくわえ込んでいく)
(言葉を失う恋人をできる限りの優しさで見つめ、頬に、額に、瞼にキス)
(時には舌を伸ばし、唇が触れる肌をくすぐり)
遠慮しないで…津綺子がたくさん感じてくれるのが、一番のお礼になるから
(吸われ、咥えられるのに任せて指が津綺子の口内に侵入を果たす)
(舌の絡まる濡れた感触を楽しみつつ、上あごを擦りながらゆっくりと引き抜き、再び吸われるままに根元まで咥えさせて)
(唇と指を、お互いのそれに見立てて出し入れを繰り返すと、先程の浴室での快感が身体に蘇り、背筋が震える)
(目を閉じて、褒美を受けるように直の唇を受ける)
(唇の熱さはそのまま恋人の思いの熱さのように感じて)
直さんに何をされても……感じる…から…。
(どんどん声が小さくなる)
(そのまま、指先を愛撫することに夢中になっていって)
(会う度、触れられる度にその前より敏感になる)
(今の自分は、体中のセンサーをすべて直にあわせてチューニングされ)
(どんどん感度を上げられている精密機器のようだと思う)
(いつか、精度の限界を超えて狂ってしまいそうだと)
ん、ちゅ……ちゅぷ……
(わざと音をたてて吸いきり、指を引き抜いて)
これだけでも、どれだけ夢中にさせられているか……ご存知ないでしょう?
(目を潤ませて直に魅入る)
じゃあ、もっと感じさせてあげる…
(根元まで口内に含まれた指を動かし、舌で愛撫する時と同じに津綺子のポイントを探る)
(上あご、前歯の裏、頬の内側、舌の先端…恋人の口内をあますところなく撫で回し)
(腰に回したもう一方の手をくびれたラインから下に滑らせて)
(二つの膨らみを交互に撫でては指を食い込ませて揉む)
(引き抜かれた指を再び津綺子の指と絡ませて握り込むと)
(濡れた瞳を見つめ返し、軽く首を傾げ)
もしかしたら俺の思っている以上なのかな…どのくらいなんだろう…?
(手を固く握り合ったまま、密着したお互いの足の間へと導いていく)
うう……っ
(指先が前歯の裏から上あごへとすべりあがっていくと)
(体中の性感帯がビリビリ目覚めていく)
(さらにほほの内側、舌先、と敏感なところを撫でられて、口の中に唾液があふれ)
(同じように、別の粘膜も違う分泌液をあふれさせる)
(手を握られて、見ても見飽きない瞳を向けられて)
(愛する声で問いかけられると、心の中に何かが芽生えて)
もう…そんな、いじわるを……っ!
(切羽詰った声で抗議する間も、心の鎧に音を立ててヒビが入っていく)
(その中にあるものは……本能と欲求)
(大きな手に握られて、手を導かれた先には、熱く火照る欲望の器官)
(こちらがすでにやわらかくほぐれ、たっぷりと潤んでいるように)
(愛しいパートナーもまた……)
(唇の端に垂れた唾液--指を抜いた時に引いた糸の名残--を舌で舐めとり)
(見つめ合う恋人の瞳の中に揺れる色を敏感に感知すると)
(たちまち身体の内側から嗜虐心が首をもたげ、隠し切れない心の動きが瞳から溢れ出す)
(津綺子の理性に降伏を呼びかけるように、ゆっくりとした甘い声色を使い)
さっきの「あれ」、すごく気持ちよかった…だから、津綺子にもしてあげたい
(滾り、反り返る自分の雄の欲望を自覚しながら、今は愛しいパートナーのみに集中する)
でも、俺は電気を使えないから…津綺子が自分でするしかないんだけど…
(お互いの手を、握り合った形そのままで、津綺子の女性部分に押しつける)
したこと、ある?
(唇のすぐそばに直の舌先が触れた瞬間、ほ、と小さく吐息を漏らす)
(彼の目に射止められるように息をのみ、何かを待ち受けるように全身張り詰めて)
(とろけるように優しい声が耳に届く)
自分…で……?
(信じられない言葉を聞き、目を見張って)
(柔毛の下で熟れきった果実に手を押し付けられれば、熱い果汁があふれる)
そんなこと、したことなんて……ありません!
(切羽詰った声をかすれさせて必死で訴える)
(それは半ば本当であって、完全に事実だとはいえない)
(自分の内部に自分で触れることは、愛情のない行為を思い出させて怖くてできなかった)
(けれど、それ以外の部分に、直を思い出しながら触れてみたことがないわけではない)
手を……離して、お願い……
(直の意図を察して、哀れっぽい声でお願いをする)
(どうかそんなことをさせないで、と思う一方で)
(彼の思い通りにされたらどうなってしまうのかと、疼くような期待も芽生えて)
(強い調子の否定にわずかに目を見開き、その裏側にある恋人の心理に気付いてしまう)
津綺子…怖いの?大丈夫…俺が側にいるから、怖いことなんて何もないから…
(片手で恋人の頭を再び胸に抱えて髪を撫で)
(股間に押しつけていた手を胸の膨らみに押しつける)
じゃあ、こっちならできるよね?
手を離すから…さぁ、はじめて…
(懇願を受け入れ、乳房の上で津綺子の手を開放すると)
(恋人の手首を捕らえていた手は再び腹部を滑り降り)
(柔毛を指先で梳き、熟した柔肉の縁をなぞる)
ううん…大丈夫、何も怖くなんて……
(広い胸に抱きかかえられ、髪を撫でる手が嬉しく)
(自分の手を自分の乳房に導かれることさえ、甘やかされる快感になって)
(すべすべと張り詰める半球の上で、自分の手を滑らせ、突起を硬く熟れさせる)
あ、はぁ……ん……
(艶かしい吐息を恋人の首筋にはきかけて、自分の胸に実る果実をもてあそび)
(自分で熟れさせるところを見せ付ける)
(期待に震える柔毛に直の指が届き、股間に滑り込む)
(すでに直自身によってほぐされ、とろけるように塾した部分は、媚香を放つ蜜をまとって)
(愛撫する指先を滑らかに滑らせ、いっそう強く感じてしまって)
んん…はぁ……あぁ……ん……
(淫らな声を殺そうとしても、もれる声にはますます熱いニュアンスが混じる)
(言葉で甘やかしながら、淫らな行為を強制する)
(背反した行為が矛盾なく行われ、その結果を目の当たりにする)
…津綺子はいつもそんな感じでするんだね…
(自分の指とは違う、細く繊細な指先が果実を熟させていくのを眺め、その動きをつぶさに観察する)
津綺子、気持ちいい…?
(首筋にかかる甘く蕩けた吐息は聞き慣れた喘ぎで、津綺子が快楽に酔っているのが伝わってくる)
(甘い甘い嬌声が期待に震えているのを聞き取りながらも)
(乳房の快感に集中させるために強い刺激を与えず)
(溢れ出た蜜をクチュクチュと音をたてながら陰唇の回りに塗り付けて)
触りたくなったら、いつでも触っていいからね…
そんなこと、聞かないで……直さんがいるのに、私、こんなこと……
(体中が求めるものを、自ら施す姿を愛する青年の前に晒して)
(慰めれば慰めるほど、求めるものが強く激しくなっていくのを見せ付ける)
(撫でさする乳肉は張りを増し、刺激される乳首はさらに硬く高く突き出して、もっと強い刺激を待ち望む)
ぁ、あぁぁ、ん……ん、あ……ぁ……
見ちゃいや、見ないで、お願い…直さんがして……
(果肉の中に折りたたまれていた花びらは、充血してはみ出し)
(その奥を埋める直の器官を求めて、粘膜からはとめどなく粘液が分泌される)
ね、いつもみたいに…ここも……
(ここ、といいながら指先で恥丘をかき分け、フードごと肉色の真珠をつまみ出す)
んうっ…う……あ……
(片手を津綺子の首の下に差し入れて、枕代わりに受け止め)
(肩を抱き津綺子の身体を包む込む)
津綺子、もっと続けて…すごく綺麗だ…
(汗に塗れ艶やかなに光る肌と、その先にある色濃い蕾が硬く尖っていて)
(そこを刺激する指の動きが激しさを増していく)
津綺子のしたいように、すればいいんだからね
ダメ…俺は見てるだけ…
全部津綺子が自分でするんだよ
(足を絡みつけて、津綺子の足が拡がっていくのを助け)
(視線を淡い翳の先に向ければ、肉色のレースがひくつき、蜜に塗れて光るのが見える)
そう…俺がいつもしてあげてるみたいに…
(縁をなぞっていた指は、滑り降りてきた津綺子の指と入れ替わり)
(太股をマッサージするように揉み、筋肉をほぐしていく)
(自ら拡げ、真珠を掘り出した津綺子の指の動きを見守る)
津綺子はそこをいじるのが好きなのかな?
あぁ、あ……直さん……
(敬愛する青年の腕の中で、堕落していくのを見守られて)
(自分の指よりもその視線こそが快感の源泉)
直さんに、して欲しいの……胸も、ここも、全部…直さんの…だから……
(声を震わせ、乳房ごと乳首を撫でこすり、直に教えられた技巧を、自らに施して)
(いつしか指先に微力な電力を発して、恥知らずな快楽の器官をいっそう淫らに刺激する)
い…く……直さん……っ
見てて、あなたの、お乳も、おまんこも…イキます……っ
(ぐっと両足をつっぱり、つま先を反り返らせ、ひく、ひく、と痙攣させる)
(激しく刺激をくわえていた指の動きも止まり、全身を硬直させて)
あ……あぁ……
(くた、と力が抜けると同時に、花びらの間からトロリと大量の粘液をこぼして)
お願い、直さん、頂戴…っ
(あられもなく身をよじりながら、愛しい青年の男根に手を伸ばす)
自分ではしたくないの……欲しくて欲しくてたまらなくなるんだもの……
ね、ください、今すぐ…!
(飢えた人がひとかけらのパンを求めるように、必死で懇願する)
(腕の中で身を捩り、震える恋人の身体をしっかりと支え)
(乳房を揉み、乳首を摘み、陰核を捻り…喘ぎながら登り詰めていく)
いいよ、してあげる…後でね…
(懇願は先延ばしにして、行為を続けさせる口実を与えると)
(ついに卑猥な言葉と共に絶頂を迎えて)
津綺子…イっちゃった…
(脱力し、溢れた蜜がシーツに大きな染みを作るところまで見届けて)
分かった…今あげるよ
(津綺子を仰向けに寝かせ、男の象徴を握られたまま覆いかぶさり)
(開き切った花弁に先端を押しつけ、押し開きながら侵入を開始する)
くっ、あ、あ、あぁぁぁ…津綺子のおまんこに入っていく…
【申し訳ありません、今夜はここで凍結させてください】
【もう少し、だと思うのですが……】
【週末はほぼ空いていますので、ご都合に合わせられると思います】
【了解だよ】
【明日(金曜)がダメなのは確実なのだけど…土日が微妙で…】
【当日の連絡になってしまってもいいかな?】
【では避難所のほうはマメにチェックするようにします】
【楽しませていただいているので、ついつい長引いてしまいますが】
【お忙しいようでしたら、無理に継続にはこだわりませんので…】
【ご都合とご気分に合わせて、そのあたりは柔軟にお申し出くださいね】
【今日も遅くまでありがとうございました】
【できればまた次回もぜひ、お付き合いくださいませ】
【お先に失礼します。おやすみなさい】
【OK。多分今日(金曜)の夜には連絡できると思う】
【俺も楽しませて貰ってるからね。つい長く長く…はお互い様】
【今回はこちらのフリに乗って貰ったから、次回は何か希望があれば遠慮なく言って下さい】
【まぁ、ここまできたらヤることはひとつ、だけどね…w】
【今回も付き合ってくれてありがとう】
【次回もまた宜しくお願いします】
【お疲れ様、おやすみ…】
【トリップ変更にスレをお借りします】
【これからはこのトリップでよろしくお願いします】
【ロールの解凍にスレをお借りします】
【津綺子のレス待ち】
【ロールの解凍にお借りします】
>>470 直さん、早く……!
(自分で昇りつめた頂は浅く、胎内を満たす愛しい相手をいっそう欲するだけ)
(直が欲しい、その肉体、その愛撫、その体液が全部欲しい)
(体の奥底から煎りつけられるように、直への欲望が膨れ上がる)
(つるりと果肉を割り込み、花弁の間へ亀頭が押し当てられる)
んぁ……
(息をのみ、期待に震えながらその熱い軸を待ち受けて)
あぁ、ああぁぁぁっ……
(滑らかに入り口を広げ、一番狭いところを広がったエラが通ると、喉の奥から声を上げて)
(熱くとろける媚肉がみっちりと男根を包み込み、まとわりつく)
(ツブツブした天井の部分、ボールのような弾力を持った子宮口)
(どこもかしこも、精液を求めて直自身を絞り上げる)
【改めましてこんばんは。よろしくお願いします】
あ、くあぁ…
(浅い絶頂に媚肉は収縮し、侵入を拒むように締め付けてくる)
(その狭い通路を先端で押し拡げ、ヒダをこそげとるように引っ掛けながら、奥へ奥へと進む)
(恋人に求められ、自分も求めていた、待ちに待った時)
(敏感な先端と滾る太幹はパートナーの肉体で絞られ、吸い付かれ、吸い込まれていく)
(ピッタリと張り付き、歓迎するような粘膜の蠢きに、強烈な快感を与えられ)
(感触の違う天井、弾力のある子宮口。別々の快感に早くも達しそうになるのを必死に堪える)
くっ…んん…津綺子…
(腰を押しつけたまま、最初の波が治まるまでは動くに動けない)
うぅん……あ、あぁ…ん……っ
(二度目の挿入であっても、目いっぱい胎内を押し広げていく太さは変わらず)
(欲しくてたまらなかったものを、奥まで十分に満たされているというのに)
直さん……早く……
(上ずった声で直をせきたて、早くこちらを攻めて欲しくて、小刻みに腰をゆすりはじめる)
(乳房が十分に熟して弾み、乳首が新たな刺激を求めて硬く突き出している)
(淡い地の色を透かす先端の果実は、甘く熟れて直の愛撫を待ちうけ)
(白い果肉の部分には、ところどころに薄赤く愛撫の痕を散らして)
(射精を堪えるために閉じていた目を開けて)
(快感に潤んだ瞳で、体の下に組み敷いた津綺子を見つめる)
いいね?動くよ…
(小刻みに揺れる津綺子の腰の動きに合せ、挨拶代わりに鈴口を子宮口に押しつけ、軽く小突いて)
津綺子のおまんこ、さっきより気持ちいい…
イった、ばかりだからかな?すごく、熱くて、締まる…
(津綺子の肉ヒダを纏ったまま、ゆっくりと引き抜いて)
(硬い先端を天井のツブツブに擦りつけ)
(角度を変えては奥まで貫き、子宮を押し上げる)
(体の動きに同調して揺れる乳房を手の平で捕まえて、白い肌に散った赤い花を覆い隠すと)
(乳肉を肋骨に押しつけるように潰し、鮮やかに色付いた先端を摘みしごきあげる)
(興奮に涙ぐみながら見上げると、直の目も欲望に潤んでいて)
(動くよ、と宣言されれば、体中が期待にざわざわする)
(ぐ、と腰を押しこまれて、敏感になってしまった子宮口で、鈴口の形状までをはっきり感じる)
あ、うぅ……っ、あぅんっ…! あぁんっ…!
(直の律動はゆっくりと焦らすように熱を秘めて)
(引き抜く動作とともに、陰圧を生じて内部をそっくり持っていってしまうかと思えば)
(激しい突きで内臓を体内に押し込めてしまう)
や、あぁああっ、
(のけぞって悦楽の叫びを上げ、腰を激しく逸らせる)
(乳房は押しつぶされそうなほどに揉みしだかれ、薄赤い花びらをちらしたような痕も直の手のひらに包まれて)
(乳首からは電流のような快感が送り込まれてくる)
いっぱい、突いて、たくさんください、直さんの熱いの…だして…
(うわごとのように、はしたないおねだりを繰り返す)
いいよ…たくさん突いてあげる…ほらっ!
(抜ける寸前まで引き抜き、そこから一息に奥まで突っ込む)
(引っ張ったヒダをおしもどしながら、恋人の敏感な最奥部を力強く突き上げ)
それに、こんなのはどうかな?
(持ち上がってきた腰を片手で支え、引きつけながら)
(短く早いストロークで子宮口を叩き、幹で腟内をかきまぜる)
(もう一方の手は津綺子の乳房を掴んだまま、揺れに合せて押し潰し、引っ張り。指の間から乳肉がはみ出るほどに強く揉みしだく)
さっき出したのが全部こぼれちゃう…
もう一度出してあげるないとね
(津綺子自身の蜜と先に注いだ精とが混じり合い、粘った卑猥な音とともに泡立ちながら、結合部から飛び散る)
はっ、ふ……う、うぁ…すご……い…っ!
(直の突き上げに全身を激しく揺さぶられながら、さらに高いところへと)
(腰を捕まえられ、奥のほうを短く激しく突きこまれて)
やぁ、あ、それ、すご、い……っ!
イイ、すごく、イイっ…!
胸、そん、な、に…
(直の手に揉みしだかれると、甘い痛みが疼くように広がり)
(はしたなく尖る乳首が、どれほど感じているかを物語っている)
(くなくなと腰をふらつかせているのだった)
(激しい動きに息が乱れる。それでも恋人の悦びの声に答えたい気持ちが強く沸き上がり)
くっ!ふぅ…それなら…
(両手で津綺子の腰のくびれを捕まえて、自分の方へと引きつけると)
(より早く、激しく腰を前後に振り、ガクガクと揺さぶる)
(手の押さえから開放された乳房は振動で前後左右にタプタプと揺れ)
(二人分の体重と激しい動きにベッドが軋み、その音もまた劣情を煽る元となり)
はぁ、んうぅ…
(激しい動きは、同時に自身へも強い快感をもたらし、射精への欲求が、限界近くまで高まり)
(耐える勃起は更に充血し、更に硬く、大きく膨張して津綺子の胎内を押し拡げる)
(愛しい青年の汗ばむ肌に爪を立て、眉根を寄せてきつい攻めに喘ぐ少女と)
(男の肉をくわえ込む部分は淫蕩なサキュバスさながら、メスそのものの浅ましい動きで、激しく打ち付けられる男根を咀嚼する)
(麻薬のように粘膜をしびれさせる体液を求めて、さらに高い快楽へと暴走していく)
そんなに、かきまぜちゃ……もう……私……っ!
(弾む乳房を恋人の目の前にそらして突き出し、ブリッジでもするように腰をもちあげ)
イク……っ
(かすむ視界に火花が散り、視野周辺にチカチカと残像がまたたく)
(菊門から花弁の付け根まで、きゅう、ときつく締め上げて、内股が痙攣する)
直さん、一緒に……ちょうだい……っ…
(ただ切なげに、恋人のその瞬間を待ちわびて、全身を硬直させる)
(肉壺の入口と奥が別々に蠢いて、勃起を締めつけられ)
(奥に飲み込もうと吸い付くヒダが太幹を咥え込む)
う、くぅ…あ、あ、あぁっ!
(高く突き出された腰を支えながら、揺さぶり叩きつけ)
ん、津綺子、一緒に
(津綺子の体が反り返り、体全体が激しく痙攣し)
(高まるヒダの締め付けは痙攣と合わさって強烈な快感を勃起に与えられて)
くっ、津綺子… 出すよっ!
う、ん…はぁあぁぁぁ、っ!!
(ゴリッと子宮口を深く抉り、先端をピッタリと張り付けて)
(更にその奥へと熱いマグマの塊を叩き付けるように噴き出す
い、いやぁぁぁっ!
(快感の頂を極めた瞬間、媚肉が直を引き絞り)
(達した直が熱いエキスを射出すれば、肉ひだの隅々までいきわたって沁みこみ)
(ピリピリした刺激が極上の快楽を長引かせる)
あぁ……あ……ああ……ぁ……
(かすれた声でよがり声を上げ、濃い白濁に子宮も蜜壷も満たされて)
(収まりきらない粘液がとぷり、とあふれ出す)
直……さん……
(力が入らず震える腕を伸ばし、直の背に回す)
(熱く汗ばむ肌を抱き寄せ、直自身が放つ匂いにうっとりと包まれる)
(体が冷めてクールダウンしてくると、次第に頭がはっきりしてくる)
(今日はまた、今まで見せたこともない痴態をさらけ出してしまったことを)
(急にまざまざと思い出してしまい、顔が上げられない)
(津綺子の出す高い嬌声が絶頂をきわめたことを伝えてくる)
(あとは絶え絶えの息と、かすれた喘ぎだけとなり)
(津綺子の腕に抱かれながら、恋人の脇へと体を投げだして)
(力を失った勃起が津綺子の蜜壺から抜けると)
(ヒダがピッタリと塞がる前に白濁が溢れる)
(汗で濡れたお互いの肌を密着させて、温もりと柔らかい感触を楽しむ)
(胸に顔を埋めたままのパートナーを優しく撫でて)
(目の前にあるつむじに向かい声をかける)
津綺子、どうだった…たくさん…イけた?
(並んで横たわる姿勢になると、互いの結合が解けて、熱い粘液が内股を伝う)
(胎内で力を失っていく若幹も、あふれるほどに与えられる男のエキスも)
(愛しく、離れていくのが惜しい)
(激しく愛し合った後の抱擁が、ゆったりと満たされているときと)
(羞恥のあまり、溶けてなくなってしまいたくなるときがある)
(今は後者で、直の傍らで身を縮めるようにしていると)
(囁くように、さらに恥ずかしい問いが頭上に降ってきた)
もう……っ
(拗ねたような、泣き声のような声で抗議しかかっても、言葉が続かない)
もう、もう……
(小さくこぶしを固めて厚い胸におしつけ、やっと一言だけ)
直さんの、えっち。
(精一杯の抗議をぶつける声は、すでに十分すぎるほど甘く)
(十分に満たされたことを裏付けてしまって)
(今夜の行いが余程恥ずかしかったのか、スラリとした長身が小さく縮こまっているようで)
(それを解きほぐそうと、髪を撫で、背中をさすり、優しく抱き締める)
(質問に対する答えは甘ったるい抗議)
(拗ねたような声も、胸に押しつけられる拳も、ひとつひとつの動作が真実を物語っていて)
ゴメンね…また意地悪しちゃった…
(津綺子の精一杯の抗議の台詞に、真面目さ半分からかい半分で謝罪の言葉を囁いて)
(シーツをまくりあげ二人の体をすっぽりと包み、その温もりの中、津綺子の体をしっかりと抱き締める)
意地悪は嫌って、言ったのに…。
初詣のあと、こんな意地悪しましたって、仏様にいいつけます。
(小学生のケンカよりも下手な台詞を言い返して)
(シーツごと包み込まれれば、その腕の中に身を摺り寄せ)
あの虫たち、どこか水辺におびき寄せられないでしょうか……
そうしたら、水に電流を流して一網打尽にできるかも知れません……
(男らしい首筋に、気に掛かっていたことを言ってみる)
(この部屋へたどり着いたときには、どうしたらいいのかまるで見当がつかなかったことが)
(こうして互いの絆を深め合った後で、ふと意識の表面に浮かび上がってくるのだった)
でなければ……ガスボンベを使っている地域まで……おびきよせて…
(骨の髄まで退魔士になりつつあるらしく、睦言にまで魔物退治を語りつつ)
(愛するものの腕の中で眠りに落ちた)
【こちらはここで締めさせていただきます】
【そちらのレスをいただいたら、避難所へいきますね】
【綺麗な〆を貰ったので、こちらの〆は無しにしておくよ】
【俺も避難所に移動するね】
【長い期間スレをお借りしてすみませんでした】
【スレをお返しします】
さーて、正ちゃんのターンだよー。
しばらく待機させてねん。
プロフィールは
>>272にー。
【おっとう、失礼。いったん待機解除するねー】
【ただいまだーよ、紅裂拓兎くんとのロールに使わせてもらうねん】
【コーヒーでも飲みつつ書き出しをゆっくり待ってるよー】
(プシューという音がしてドアが開く。運賃を支払ってバスを降りる)
(高校二年の三学期が始まっていた。去年の末から戦い続け、新年になるまで)
(ベッドで回復に専念していた紅裂拓兎は、鈍った身体を引き摺りつつ登校した)
(通学に使っていた単車は去年事故で壊れたばかり。まだ代車は購入していない)
(電車に乗り、バスに乗り、他の学園生たちに混じって、至極普通に登校する)
(一月。冬の寒さはこれからが本番だった。色取り取りのコートやジャンパーを)
(制服の上から羽織った学園生たちの流れに乗って、赤茶色の髪と紅いコートの青年も)
(また普通の学生のように歩く。彼が所謂悪人である事も、魔王の下僕である事も、世界の)
(滅亡を願っている事も――その姿から窺い知れる要素はない。つまり、どんな平凡に見える)
(風景の中にも、危険な因子というものは平然として、当然として、空気のように存在している)
(という事である。それだけに、差し迫った事態がない限り、悪の芽を摘む事は困難である)
ん・・・・・・寒・・・・・・眠・・・・・
(身震いをしながら襟を寄せる。身体が鈍り切っていた。早く元の体調を取り戻さないと)
(いざという時に困る。そのいざという時を待ち侘びて、もう高校二年の冬になっているが)
(それは仕方ない。ボスの決定的な命令が無い今は、少しでもやれる事をやるだけ・・・・・・)
ちっ、面倒な・・・・・
(・・・・こんな事をいつまで続けるのか。どうして自分は学校などに未練を残しているのか)
(一瞬、どうしようもない激情が膨れ上がって―――どうしようなく疲れた。徒労だった)
(゛あんな事゛があったのも、学校に通っていたから起こり得た事。ならば・・・・・・・)
(――そんな風に、昔の事を回想していた時のことだった)
【と、こんな開始でよろしく】
やっ
(彼が歩き出してからあるかなきかの間を置いて、正面から声をかけてきた者がある)
(御木本正太郎。全校生徒の中でもかなり濃い部類に入るオタク青年だった)
(赤髪にピアスの紅裂と、アニメ関連の文房具を除きとことん地味な御木本)
(珍しい組み合わせだなと思われたか、一瞬視線を向ける生徒も数名見られた)
(確かに、去年のことがなかったら会話することもなかったかと自分でも思う)
足引きずってるけど、大丈夫ー?
珍しくバスで通ってるし……。
(表面的には、先刻から続く日常的な。どこにでもありそうな風景の続き)
(けれど、この会話は"普通の"人間が友人を心配するときのそれとは違う)
(部活や登下校とは違う、特別な負傷の理由が彼らにはあるのだ)
(昨夜降ったみぞれのために、生徒達の靴はぐしゃぐしゃと音を立て)
(周囲からは、だんだんと近づいてくる学年末テストの話が聞こえる)
(ちょうど"あの事件"が起こったのも、こんな日だった)
(彼の怪我をこんな形で心配することになったのも、あの日に知ったから)
(己が夜の世界へより積極的に踏み入ることになったのも、やはりそう)
変なのに絡まれたら、正ちゃん呼べばいいのにー。
(全く頼りになるようには見えない、細い腕を組んで言ってみる)
(一年前よりは、まだ力になれると主張したいようだった)
(いや、それとも"そうなっていてほしい"という願望だったのか)
(校門へ向かっていた足取りが、わずかに重く感じられた)
【と、遅くなって申し訳ない。よろしくー】
(――そんな時、だった。正面から声を掛けてきた人がいたのは)
(一瞬、まじまじとその顔を眺めて、ポンと手を打つ)
ん・・・・・・おお、ミッキーじゃない。久し振りだぁね。
くふふ、相変わらず細いねえ。もしかして痩せた?
(にやにやと、いつもの笑みを浮かべる。親愛の笑み、ではないが)
(覚えている。細い眼と、細い体。太陽光線を余り受けていない様な肌の色)
(御木本正太郎。かつて一年生の時、クラスメイトだった事がある青年だ)
(アニメや漫画が好きで雑学にも造詣が深く、何かと楽しかった話し相手であった)
んー?おやおや、心配してくれるとはありがたいねえ。
大したことはねえよ。冬休みにちょっとはしゃぎ過ぎた代償(ツケ)だ。
(斬られたり、焼かれたり、撃たれたり、撥ねられたり、転んだりした)
(そんな細かい事は話さない。話せないわけではないが、話さない)
(それが、彼との正しい距離感だと、知っているから。少なくともそれで納得している)
ないない、それはない。ミッキーに頼るとしたら、この間買ったばかりのゲームの攻略方法を
教えろってくらいだぁね。眼鏡の委員長が、ちょっとどうしたらいいかわかんない。
(パタパタと大げさに手を振って、気遣い無用と言う。軽いが、明確な拒絶の仕草だ)
(彼を、御木本を嫌っているわけではない。単に、深く関わらないで欲しいと願っているだけだ)
(彼は、世界の命運とも、闇の世界とも、無縁な場所で生きているのが似合っている)
(魑魅魍魎が跳梁跋扈する世界には、似合わないモノがある)
(紅裂拓兎と御木本正太郎。この二人の過去を語る為、時計の針が逆回転する)
(高校一年の三学期、この二人は席替えで隣の席に座ることとなった)
(その切っ掛けは忘れたし、御木本の方も忘れているだろうが――)
(ともかく、偶に話すようになったのだ。そしてそれが二人の現在の関係に繋がっている)
・・・・・十二人の義理の妹ができたとしようか、ミッキー。
けど、普通の家じゃ全員住めないよなー。この辺は都合よくできてるのなー、ゲームって。
(そんな、一般人からちょっと忌避されそうな話題を、自習時間に話す)
(児十時間はプリントに向かっている者や雑談している者たちに別れており、彼らは後者を選んだらしい)
【・・・・久し振りの邂逅なのか。それとも頻繁に会っていたのか】
【それをちゃんと決めてなかったね・・・・・前者ってことでよろしく】
やだな、さすがに体重増えたってば。
お、つまりそれ以上に縦に伸びているということですな。
参ったなー、この美貌に長い脚まで加わったらもてすぎちゃうよ。
(へらりと間の抜けた笑みを返し、これまた抜けたことを答える)
(去年あんなことがあってから疎遠になっていただけに)
(あの飄々とした返事が返ってきただけでも、素直に嬉しかった)
(ベクトルが違うとはいえ、変わり者と評される人間どうし)
(願わくば何事もなく、仲良くしていたかったのだけれど)
……まあ、そーゆー頼られ方も嫌じゃないけどさー。
最近で眼鏡の委員長っていうと、穂花ちゃんかい?
みっさの好感度が足りなくて、共同イベントが発生してないとか。
(嗚呼。とため息をつきそうになるのを抑えて雑談を続ける)
(遠まわしとはいえ、委員長というキーワードつきで拒絶された)
(普段なら、目を輝かせて語りだすはずの恋愛ゲームの話も)
(夜の世界で彼を助けられないという事実に比べると軽くなってしまい)
(代わりにすらならない攻略指南が、白い吐息に乗って呟かれる)
(ずるいよ、という言葉を続けることができない。一人だけ戦う彼を責められない)
(あの日確かに、紅裂拓兎と御木本正太郎は生きる世界が別れたのだ)
(どちらかというと、その境界は自分が作ってしまったのではないか)
(自責の念が気道をぐっと圧迫し、舌に重石を置いてしまった……)
いやいやー、そこは時代背景を考えないとー。
企画が始まったのは10年前だから、今よりはまだ無理なく見えたかもよん?
(あの日も、この新しい友達と萌え談義を繰り広げてたのだったか)
(ずっと電気街にいそうな人間どうしで固まっていた御木本にとって)
(彼のような、派手で一見主流派にも見える人と話すのは新鮮だった)
むしろ、12人別々に住んでるのに全部の話題を把握できるほうが難しそうだ。
ユーザーの層を見ても、そーゆーのに慣れてる人が多いとは思えないしー。
(と広げて、プレーヤーとのシンクロ率と萌えについて語ろうとしたところで)
(斜め後方から視線を感じて、いけないいけないと音量をやや絞る)
(あっちに座ってるのはクラス委員長だ。普段マイノリティーの自分達にも)
(気さくに話しかけてくれる彼を困らせるのは、ちょっと気まずいものがある)
【ああ、ごめん。イメージと違っちゃったかな? 了解ー】
【ほんと、遅くなってごめん……ね……頑張るよ】
(肝心なことは何も語らなくとも、かつて穏やかに語り合っていた時間があった)
(それでいい。仮に友達ではなくても、楽しく過ごせたのなら)
(夜の世界も、闘争も、流血も、破滅も、何もかも存在しなかった時間)
(そこにあるのは、感情と交流と空虚な言葉の交換)
(それでも、言葉のよって二人は繋がり、あり得ない世界の話を、熱心に語り合う)
(それこそ、十二人の義妹がいるような、そんな世界の話を)
時代背景とか関係あんのかねー。
結局、義妹とか言っても、血の繋がらない他人だし。
なんだろう、戸籍としては繋がっているだけに、手は出せない十二人の美少女が
身近に居たらいたら、何か切ないし。遠くにいたら居た居たで関心持たないだろうし。
ミッキーって妹とかいたっけ?姉でもいいけど。
(話しながら、カリカリとシャープペンシルを動かして、空白を埋めてゆく)
(正解であるかどうかなど、知ったことではない)
(この時間は勉強をしたという証拠さえでっち上げられれば、それでいい)
あー、そう言えばこの間借りたゲームなんだけどさ・・・・・・・
『なんの話してるの?』
(御木本の斜め後方の席に座っている青年が声を掛けてきた)
(当然のようにきっちりとプリントを終わらせた上でだ)
(クラス委員の「森本智」だ。勉強もスポーツもこなし、嫌味にならない程度に)
(目立ちつつ、クラス委員としてそれなりの人望を集めている好青年だった)
(それこそ少女マンガの登場人物じみただが、相手が誰であれ積極的に)
(話しかけて輪を作ろうとするその姿勢は本物だった。拓兎も嫌ってはいなかった)
(けれど――今日の彼は、少し違っていた。朝から精気に欠けているというか・・・・・)
いんや、大した話じゃないよ。ジャパニーズアニメーションは素晴らしいね?
日本人の生み出した文化の極みだよ、そうだよねって話してただけ。な?
(いつものように適当な事を言って御木本に同意を求める)
(紅裂拓兎はこういう男である。ノリが軽く、不真面目ではあるが悪人ではない)
(相手が御木本のようなタイプであれ、森本のようなタイプであれ、隔意なく対応する)
『そう・・・・・・プリントは終わらせてよね。僕の管理責任が問われるから』
(言って、影を纏ったような表情で席に戻る。確かに、教師がいないならクラス委員が)
(クラスを纏め静かにさせる責任を請け負っている。それは当り前の事だ。だが、そんな)
(事を今まで言われたことはなかった。そんなことを言う青年ではなかった)
(むしろ積極的に話に加わるタイプだけに、違和感があった)
・・・・・何か変じゃね?
(隣の席の御木本に視線を戻し、尋ねる)
(当然、何が変なのかは言葉にする必要もないだろう)
【いや、俺が忘れてただけだから】
【うん、時間は気にしないでねー】
(あの頃は、まだ同じような境遇の仲間どころか知り合いすらいなかった)
(オタク趣味だとか体育が苦手だとか、そういう友達は見つけられても)
(人外の力を持ち、時に怪異と戦う人間など一目で見分けられるはずがない)
(まして、自分から名乗って探すなど到底考えられることではなかった)
(夜を共有できる相手がいない分、別の何かで繋がる時間も貴重に思えて)
例えば、クラシックを勉強するときは作曲家の生きた時代も考証するじゃん。
こういうゲームやアニメはまだ歴史浅いから、今は大げさかもしれないけど
いずれ現実とギャップが出てくるくらい時間が流れたら必要になってくるさー。
そーゆー時まで残る名作があれば、芸術とおんなじように扱うとも。
(それが、幼少からのめり込んでいたジャンルの話ならなおのこと)
(紅裂拓兎も、そんな昼の世界の友達の一人だと思っていた)
(本当はもっと深いトラウマに共通点があることなど知る由もなく)
いや、一人っ子。優しいお姉さんなんか欲しかったけどー。
(知らず知らず自分の胸にある傷と似たような形の瘡蓋を突きつつ)
(その持ち主よりややゆっくり、一問一問丁寧に解答欄を埋めていく)
(二次元美少女の話を将来も楽しむためには、安定した収入が必要)
(不純な動機とはいえ、勉強はある程度きっちりとしていくつもりだ)
そーそー、リアルな動きを追求したアメリカとはまた別に……。
(周囲の迷惑にならない大きさなら、話に絡んでくれるだろうと思い)
(紅裂に貸したゲームの話も気になったが、先に委員長のほうを向いた)
(詳しくない彼のためにダウングレードする必要はあったものの)
(聞き上手かつ引き出しが豊富で、どんなお題でも楽しく扱える彼)
(常にクラスの中心にいるような人だけど、話していて心地良いのだ)
あー……アメコミのほうが好きだったのかにゃ。
(けれど当の委員長はすっぱりと切り上げて、席へと戻ってしまう)
(いったん、そんな的の反対側に発射されたような返答をすると)
(くるりと身体の向きを元に戻して、再びシャーペンを動かす)
(間もおかずに噂話をしては失礼だし、彼を余計に刺激しそうだ)
だね、怒ってはないけどいらついてるというか。
(森本委員長は、人に当り散らすようなタイプではない)
(むしろ、投げられた茶碗を真綿100%で受け止める人格者だ)
(そんな彼が刺々しい言葉を吐くとは、重症なのではないか)
(昨日何かあったっけ、と最後の問題を残して手が止まる)
(けれど、それはあくまで級友としての心配でしかなかった)
(まして異能を使って、彼の頭を覗こうなどとは考えもしなかった)
(夜の世界で起きている出来事は、ゲームなどではないのだと)
(日常と表裏だという実感は、まだこの時の御木本にはない)
・・・・・確かに歴史は浅いよなぁ。所詮はマイノリティ。
世間の風は冷たいよねー。アウトローには住みにくい世界だよ。
まーあ、そんな歴史に残る様な名作が生まれたら、面白いだろうな。
(けらけらと笑いつつ、彼の意見を拝聴してうんうんと頷く)
ふぅん・・・・・・そっか。それはつまんないよな。
姉さんはいいぜー。優しいし暖かいし。
(姉。自分のトラウマ。自分が道を踏み外した発端である)
(ぐっと拳をキツク握り締めて、血が零れるまで握り締めて)
(その傷は直ぐに癒される。心の傷は決して塞がらないけれど)
(笑って語るのは、一般的な「姉」のイメージ像であり、自分の姉のことだ)
・・・・・アメコミはあんまり詳しくないから、語れないんだが・・・・・・・
(話を合わせつつ、森本が立っていた空間に残る、微細な何かを感じ取る)
(とても嫌な――暗い、何か不快な感触がする――その残滓は・・・・・・・)
(こちら側の人間である自分に、ある種馴染みが深い匂いだった)
ああ、この間借りたゲームな、多分今日中にはコンプできそうだから、
明日には返すわ。なかなか面白かったな。やりこみ要素も結構あるし。
流石ミッキーのお薦めの作品だよ、次もよろしく頼むよ、ちみぃ。
(あることを考えつつ、それでも紡ぐのは日常の会話)
(その裏側に何を秘めようとも、今は、その時ではないそう思っていた)
(その瞬間が訪れるまでは。それが如何に甘い考えなのかは、直ぐに体感できた)
(四時間目が終わり、休憩時間になり、そして午後の授業が始まる)
(拓兎は机に突っ伏して眠っているように見えた。少なくとも周囲からは)
(異変が起きたのは、丁度授業が終盤に差し掛かった頃だった)
(突然、森本が喉を押さえて蹲る)
てめぇっ!
(椅子から立ち上がった拓兎が、苦しんでいる森本の席に行って胸倉を掴みあげた)
(突然の蛮行に、誰もが呆気に取られている。構わず、吊るし上げた森本を床に)
(叩きつけて、「ふざけんな!」「さっさと出て行け!」などと意味不明なことを叫ぶ)
(ざわざわとクラス中が騒ぐ。何人かか止めに入るのを片手で振り払う)
(まだ若い数学教師は、突然の事態に対応できないでいる)
てめえなんぞが!さっさと失せろ!
(怒鳴り、森本の下腹部――丹田の辺りに、拓兎の五指がめり込んで喰らいつく)
(異様な声を発し、足掻く森本は、まるで猛獣だった。周囲の席がなぎ倒される)
(そしてその瞬間が訪れる。紅裂拓兎が、日常から疎外される決定的な原因となった)
(その瞬間が―――その時のことを思い出しても、他の選択肢はなかったと拓兎は思う)
『轟亜っ!!』
(森本の口から、黒い何かか――煙の様な何かが吐き出されて――)
(瞬間、教室が闇に閉ざされて―――そして教室中に魔力が迸る)
(次の瞬間、元に戻る。白昼夢の様にそれは消えた)
(驚愕したクラスメイト。白眼を剥いて倒れたクラス委員長。掌を地面に当てて、その姿勢で)
(硬直している赤茶髪の青年は、ぐるりと周囲を見回し、虚ろな笑みを浮かべて教室を後にした)
(その後の事は、曖昧なままとなった。紅裂拓兎は三日間の停学処分。被害者の森本が何も)
(訴えなかったからだ。ただ、事件の後に、ある病院に入院する事になったことや、それが一般の)
(病院でないこと、黒い煙を大勢が目撃した事、紅裂拓兎が何も語らなかった事が重なって)
(それが噂となり、ひっそりと生徒間で語り継がれることとなった・・・・・・)
悪いな、遅くなって。
(結局、御木本にゲームを返したのは、停学処分の明けた四日目の朝のことになる)
(いつもと変わらぬ軽薄な笑みを浮かべた拓兎は、ゲームを返して席に座る)
【ちょっと、返しにくそうだから展開端折ってます。ご容赦を】
そーだよね、クラシックと一緒にするなって世間の声が聞こえてきそうだよ。
いいのいいのー、こういうのは価値を見出した人が楽しむものなのさー。
(また音量が大きくなりそうになって、逆に過剰に声帯を絞るが)
(頷いてもらえたのが嬉しかったか表情筋のほうは緩んでくる)
あ、暖かいの? そんなテキストオンリーと思われていた描写が真実だとはっ
(食いつく箇所が違った。机の下の拳には、ついに気付かないまま)
(例えその過去を聞いたとしても、何もできなかったかもしれない)
(でも、もしも彼の歩んだその先まで知ることができたとしたら?)
(堕ちた紅裂の道が、再び夜の世界で御木本と交わらなかったか)
(そして、もしもその何重もの仮定が全て成立していたら)
(あの出来事を、防ぐことはできなかっただろうか)
(紅裂拓兎に別の選択肢を与えることはできなかっただろうか)
やめ!
(突然委員長を殴りつける紅裂に、真っ先に手を伸ばしたのは隣席の御木本だった)
(だが身長差は10cm、体重も全く違う両者では、勝負どころか時間稼ぎにすらならない)
(反射的に止めに入ったのを弾き飛ばされてからは、目の前で起こっていることを)
(脳が全く処理しきれずに、筋肉へとなんらかの指令が伝えられることもなく)
(そして最後の最後の一瞬まで、"もう一つの力"を使うことは思いつかなかった)
っ!?
(事が終わった象徴、黒い煙を見て初めて昼と夜は。日常と非日常は。二つの世界は結びついた)
(ストレスを溜め込んでいるとか、突然始まったスクールドラマのような喧嘩沙汰だとか)
(そんな軽すぎる認識は、倒れ伏した委員長を見ているとがらがらと音を立てて崩れて)
(そのショックに意識すら遠のきかけて、その場で紅裂を止めることはついにできなかった)
紅裂くん……。
(あの日。初めて命に手をかけた日に、御木本は異能者の大きさを知った)
(あまりに大きくて日常に馴染むこともなく、昼と夜が乖離したまま時が過ぎた)
(どうして、もっと早く合わせなかった。どちらも自分が生きている世界なのに)
(おそらく一定以上夜の世界で過ごしてきたであろう、彼を見ていると余計そう思う)
あの煙、なんだけどさ。
(いつもなら宝物を扱うように大事にカバンへしまっただろうCD-ROMを)
(ぽとりと落とすように本の間へと挟み、彼のほうへ身体を向ける)
(紅裂拓兎は何も語らなかった。語る必要性を感じていないようだった)
(夜のことを誰かと共有したいと甘えてきた自分なんかの言葉が)
(独りで戦うことを当たり前とすら感じているらしい彼に届くだろうか)
(久しぶりに登校してきた紅裂のことを噂する声の奥から)
(かちり、かちりと黒板の上の秒針が御木本を急かしてくる)
……僕も、何度も見てるん、だ。ああいうのは。
(事が起こってしまった後で言ってどうなる、と自分でも思う)
(けれどもし次があるなら、その時は力を貸すことができないか)
だから――。
(一年経とうと克明に思い出す、暗黒の霧や白目をむいた森本の姿)
(その中で、思考が混雑していたのか次の一言だけは記憶から抜けていた)
(先ほど繰り返してしまったのは、それを埋めたいと願ったためだったのか)
(偽善者め。同じような答えが返ってくるに違いないだろうに)
【いや、ほんと返しにくいなんてことはないんだ】
【六花の時や隙屋さんの時みたく、書きたいことが山ほどあって】
【できるだけ待たせないようにするからー】
放課後、話そう。聞く気があるならさ。
(それだけ言って、黒板を見つめ、いつものようにぼんやりとしている)
(好奇の視線。奇異なるモノに向ける眼差し。ざわざわと。ざわざわと)
(こうなる事は予想していたけれど、実際なってしまうと、切ないものだった)
(ああするしかなかった。あのやり方しかできなかった。他のやり方を持っていなかった)
(かちりかちりと秒針が進む。時間は止まらず授業が始まる)
(放課後になって、誰もいない教室で、二人で話す)
・・・・何処から話せばいい?俺が何をやったかって事か?
それとも、あの黒いのは何だったのかって事?いいぜ、全部話してやるよ。
(あの日、森本智には悪霊が取り憑いていた。多分精神の奥の方に)
(それを眠った振りをしつつ、魔力の糸を伸ばしてどうにかできないかと探っていた)
(だが、その手の魔力の使い方に慣れていなかった拓兎に、そんな繊細な作業を全うできる)
(できるはずもなく、結局は力づくで追い払うことしかできなかった)
(――そんなことを、御木本正太郎に話した。多少、自棄になっていたかも知れない)
俺には、これくらいしか芸がなくてね。慣れないことはするもんじゃない。
(自虐的に笑い、掌に意識を集中して魔力を高める。きらきらと煌めく粒子が集いひとつの形を)
(形成する。それは、硝子でできた四つ葉のクローバーだった。珪素を支配する異能である)
(それを差し出して、御木本の胸ポケットに入れる。決別の証としては、実に儚い物であった)
もう、俺に関わるのはやめとけ。あんたまで疎外されるかも知れん。
あんたには、沢山友達がいるんだからさ。馬鹿な話のできる相手がさ。
(きっぱりと、告げる。多少なりとも縁があった相手なのだ。悪人でもこのくらいの配慮をする)
(のは当然だろう。本当のことはなにひとつ共有できないのだとしても)
(あれから一年近く経った今でも、思っている。仮に闇の世界に生きたとしても、似合わない者はいる)
(時計の針が戻る。くるくるクルクルと)
ミッキー、どう足掻いても似つかわしくないことってのは、あるんだよ。
仮に夜の世界を生きたとて、あんたは昼の世界に戻れる。俺と違ってな。
・・・・・・心配すんな。今の俺には、ちゃんと友達がいるから。
(あの頃のようは笑えない。けれど、その裏側にある虚無を隠しつつ笑う)
(どれだけの仮定を重ねても、何も変わらない。幾つもあった選択肢でも、ひとつ選べば他の未来は)
(消えてゆく。どれだけの綺麗事を言おうとも、多分何も変わらない。救われるのは自分の心だけだ)
【ん、そうか。過去ロールってやれる事が決まってるから、難しいのは同意する】
【そろそろ〆に向かうとしよう】
(放課後、という言葉に小さく頷くしかなかった)
(いつもなら、すらすらでてくるふざけた答えの一つすら返せない)
(一限、二限と時が進むほど紅裂を取り巻く状況が露になっていく)
(夜を知らない人たちにはこう見えるのか、と改めて震え上がった)
(実際に形にならない幻術でさえ、幼少期の御木本の友達を減らした)
(まして、紅裂は今までどんなことを思って生きてきたのだろうか)
(聞けない。声が出ない。遠い隣席の少年が、自ら語ることもない)
(その後してもらった説明も、半分ほどしか頭に入ってこなかった)
(ただ、試していたことが己の得意分野だったことが耳にこびりついて)
(委員長を"診なかった"ことの重大さが、一言一言に乗って叩きつけられ)
待ってよ。
(やっと声が出たのは、彼が自分と別れることを決めた後だった)
(出遅れた、方向性の定まらない考えが固まった意志を崩せることはなく)
(あまりに脆くて、場に似つかわしくない美しさの飾りがポケットに収まり)
僕だって……僕だって異能者だ!
(結局、ずれたことを叫ぶくらいしかできなかった)
(彼が言った二人の違いは、もっと異なる性質のものだとわかっていたのに)
(赤い髪のかかった背中にぶつけた言の葉は、虚しく教室に散っていった)
(あの時御木本を急かした秒針は、それから何度同じ場所を回っただろう)
(紅裂を取り巻く視線も、二人の関係も、状況は何も変わっていなかった)
<それでも、僕はただの針じゃない>
まー、僕はシリアスなのは似合わないだろうねー。
三枚目って悲しいものだ。
(戻れる、戻れないという紅裂の話に口を挟むこともしなかった)
(彼は夜に残ることに慣れてしまった、なら自分はどうするべきか)
(君ができない芸のプロだと喚きたてる?)
(昼の世界に戻ってこいと、日向の中から呼びかける?)
(それとも、己もともに漆黒の闇の中へと堕ちていく?)
でもさー、紅裂くん。
「仲間」一人夜に置き去りにした人間が、友達百人なんてできるわけないじゃない。
そー思わないかいー?
(どれも違う。昼を楽しく生きて、そして夜でも戦ってやる)
(彼にその姿を見せて、別の選択肢をその目に焼き付けてやる)
(御木本正太郎は、日暮れ前の散歩を欠かさない)
(あともう少しで大好きなアニメの始まる時間帯であろうとも)
(二十四時間のパトロールとまったくの無関心の妥協)
(そしてあの変人仲間に、"偶然"出会うために)
【いや、初めてやってそのことはよーく身に染みたよ】
【気を悪くしちゃったらごめんね? もうちょっと本を読むことにしよう】
(時折、思い出す。あの時自分の背中に向けられた叫びに)
(必死に伸ばされたその手に、振り返って握り返すことができたなら)
(――それもあり得ない仮定で、未練だった。既に大半以上の選択肢は選び終えていて)
(終幕の下ろし方も殆ど決まっている人間が、陽の光の下で生きようとする人間と共に歩ける)
(はずもない。故に自分と共に歩めるのは、深い闇に生き死のうとする者だけだ)
はん・・・・・物好きだな。
まーあ、いいや。俺は他人の生き方を否定しない。
それに付き合うつもりはないけどな。
(深い闇を知り、夜の恐ろしさを知り、それでも光の下に戻る)
(一人ではなく、「仲間」の手を取って、ちゃんと生きて帰ろうとする)
(あくまで光の下を歩こうとする彼とは、そんな彼だからこそ共に歩めない)
(道は既に分たれていた。どんな仮定を重ねてもそれを覆すことはできない)
(今夜も、夜を歩く。戦う為に。滅びる為に。誰かに出会う為に)
(あの繊細で、優しくて、とても暖かい青年ともまた会えるかも知れない)
――さあ、今夜もいい月が出てる。
(紅く禍禍しい月の下、紅い鬼が舞う。いずれの再会を、何処かで予感しながら)
【蛇足的〆―。お疲れ様】
【うん、もうね、付き合わせちゃってマジで悪かったです。精進しまス。】
【僕は楽しかったよー。ただこう……どう謝ったらいいか】
【いや、ロールが終わったんだからありがとうが先だねん】
【僕も精進するからさ、もしよかったらまた誘ってほしいな】
【それじゃーまた、僕はちょっと避難所寄ってくよ】
【日曜昼、空振り覚悟で待機といこうか】
【プロフは
>>136、凍結可、だ】
【まだいるかい?】
【俺でよければ、軽くやろうか】
先にプロフ貼らせてもらおうか。
【名前】御法川醍醐(みのりかわ だいご)
【年齢】 18 高等部三年
【性別】 男
【身長】 178センチ 75キロ
【3サイズ】 いらなくない?
【容貌】 短髪を軽く茶髪にしているほかは、一見品行方正。
【能力】召喚士。最近学園を騒がしている魔物の何割かは実はこいつのせいw
【希望】日常ロール、戦闘、エロール
【NG】後遺症が残るような怪我、死亡、スカ系プレイ
【弱点】呼び出す能力は超一流だが従わせる能力がイマイチ。
召喚には呪文と印が必要な為、口や手を封じられると召喚できなくなる。
敵が女だと、よほどひどい目に合わない限り反撃しない。
【備考】生徒会長。ケンカっ早いが親分肌で人望はある。
すべての女性は皆美しいと本気で思っているので、
生徒だろうが教師だろうが女に対しては挨拶代わりにくどき文句。
口が上手いので相手を言いくるめるのは得意だが、
軽いという評判も広まっているのでナンパの成功率が高いとは言えない。
現在は親元を離れて召喚士の師匠宅に下宿中。
師匠は人間国宝級の邦楽家。ちなみに同居している他の弟子は全員女性。
【会長! ・・・いや、召喚士か】
【俺からは夜(=戦闘)方面のロールしか提示できないが、それで良いか?】
【それとも何かあるだろうか】
【夜の顔を最初からぶちまけるわけだな】
【俺がなんか呼び出しているところへ来るか】
【それともそっちから仕掛けてくるか、どうする?】
【そもそも俺学校で後に残る事は殆ど何も・・・旧校舎をほんの少し壊しただけだし】
【そうだな・・・・偶然鉢合わせるのも良さそうだが】
【聞きたいんだが、召喚して制御の効いてない魔物って、倒すとどうなる?】
【召喚獣や召喚精霊は痛めつけただけで勝手に戻っちまうのもいれば】
【その場で倒されれば消滅する】
【この次元の存在じゃないやつらがほとんどだからな】
【なんかアイデアがあるなら乗るぜ】
【良かったら書き出してみてくれねえか?】
【む・・・いや、特に突飛なアイディアがある訳じゃないんだ】
【俺は異形の捕獲を第一に動いているから、捕まえても消えるのは苛々するだろうと思ってだな】
【魔物と出遭った所から召喚の拠点(あるなら)を推測して、
俺が行った所でちょうど召喚に鉢合わせて・・・みたいな感じで良いだろうか】
【無理そうなら、普通に偶然に鉢合わせた感じで頼みたい】
【それじゃ俺が何か呼び出しているところから書き出そうか?】
【そいつを制御できずにお前さんのいるところまで持って行くってのは?】
【良ければ書き出すし、そっちからやりたければ次レスから始めてくれ】
【うむ、それで頼む。手間かけて済まん】
【書き出し、お願いする】
【それじゃちょっと待っててくれ】
地の眷属、妖蛆の王にして魔蛇の末裔
アンフィスバエナよ、出でよ!
(学校の裏山から少し入ったあたりにある冬の草原)
(俺は巨大ミミズを呼び出すために、地面を叩き、印を描いて呪文を唱える)
(全長10メートルもある上に、頭と尻尾を自在に入れ替えられるという化け物で)
(夏場に呼び出していたら俺の手にはとても負えないが、そこは所詮、地虫の類だ)
(真冬にゃ動きが鈍るものと相場は決まっている)
ズ……ズズ……
(ボコボコと地面が割れ、ぬるぬるしたピンク色の物体が顔をのぞかせた)
汝を召喚したるは我。
我が命により、この地を耕し、豊かに恵みを……
(厳かに言い渡す俺の前に、そいつは突然、水が噴出すように飛び出し、全長を晒した)
(俺を値踏みしている)
(厳寒のさなか、こいつを呼び出すにはそれなりの力が要る)
(俺はとにかくそいつを地面から引きずり出したが、どうやら俺の言うことを聞いて働く気はないらしい)
シャアァァ!
(こっちに向かって毒液を吐く!)
ちっ、アンフィスバエナよ、汝が主は我なり!
(だが、そいつは狂ったように体をくねらせ、木々の間へ…学校のほうへとものすごいスピードで這い出していった)
待てっ!
【こんな感じでどうか?】
・・・・ちっ
コイツもか
(長い追いかけっこの末に追い詰めた学校の屋上)
(靄となって消えゆく、猿型の異形の遺骸を最後に蹴り飛ばし、舌打ちする)
(紫 一久は苛立っていた)
(最近発見した、傷付けると消える異形たち)
(最初は新発見と喜んだものの、捕獲・研究できなければ、異形は危険な獣でしかない)
(紫は今宵も、辛うじて無視できる程度の傷を背負い、帰路に立つ)
(ちなみに、それらは山奥に住み着いた、異界の魔物を母体とした魔物の子供なのだが・・・・)
(そんな事を紫が知る由もない。異界という存在も知らない紫が)
・・・そもそもな
こう、刺したら消えるってのが、おかしい
科学的におかしい
いや、異形に全科学を当てはめるつもりはないがさ・・・・こう、少しは常識というものをだな
(右手を駆使し、校舎の壁を降りつつ胸ポケットに挿したボールペン型の録音機に愚痴る紫)
(黒服にマフラー、腰に刀という、一見して不審者と分かる出で立ちの彼は地に足をつけると
気怠そうに右腕をぐるぐると回し、のろのろと帰路に向かう)
・・・弾丸が残ってんのはせめてもの救いか
しかし、いつまでもボウズじゃ格好つかねーし
明日からは無視しようかなぁ・・・・?
(愚痴りながら、思索しながら歩いていると、耳に入って来た異音)
(それはまるで、何かが転がるような――)
・・・・おいおいおい
連戦? 回復アイテムはねーの?
(言いつつも、片手に銃――残弾三発――を持ち、もう片手を腰の刀の鞘に置く)
(唇の端には、自然と笑みが浮かぶ。当然だ)
(少なくともそれは、最近散々相手をした、消える異形が立てる音ではない)
(ワイヤーを伸ばす銃がないのがやや不安だが、それは昂揚に潰れ消えた)
音からして大きさもそこそこ・・・くく
俺のメシになって・・・・くれるか!?
(音の聞こえた木々の間からそれが飛び出た瞬間、認識より前に引き金を引く)
(彼我距離は10m、異形相手には不安な距離だが、やはりその不安も、昂揚が消していた)
【では、こんな感じで】
【よろしく頼む】
待て、ちくしょうっ!
(アンフィスバエナには通じない言葉で毒づいた)
(追難しようにも、呪文の届かないところへ行かれちゃどうしようもねえ)
冬眠してたんじゃねえのかよ?!
まずい……っ
(学校の建物が見える)
(使用していない建物で、普段から妙なうわさもあって人は寄り付かないが)
(学校の敷地であることに変わりはねえ。誰が来ないとも限らない……)
ちっ、居やがった!
ダァ…ン!
(俺が人影を認めた瞬間、銃声が響いた)
なんだよ、ハンターか?
(銃所持許可を持っているハンターがここから山奥へ入ることはあるが)
(ここは学校の敷地で、つまり発砲できる場所じゃない)
アンフィスバエナ、止まれ!
(銃弾が当たったか、ようやく俺の言うことを聞く気になったか、ミミズが止まった)
おい、あんた、今見たものは忘れてとっとと逃げろ!
(と俺は人影に向かって叫んだ)
はっ・・・
(銃弾が当たり、動きが緩んだのを良い事に、距離を詰める)
(走りながら銃をベルトに収め、刀を抜き・・・)
・・・・で、か!?
(現れた全貌に、驚き声をあげる)
(今まで相手をした異形に、これ以上に大きいものはなかったが
それでも大きな異形は狩りなれていない上に、最近は小さな猿を狩ってばかりだった)
(故の驚愕)
(しかし動きが止まるのは一瞬。数歩後退しつつ、刀を下段に構える)
(最近届いたばかりの因縁の刀。手には馴染まないか切れ味と耐久性に関しては逸品で、信頼がおける物だ)
・・・・あ?
(刀を左手に持ち下段に構えた瞬間、耳に飛び込んできた声)
(忘れて逃げろ、という男の声。それが誰かは分からないが・・・)
断る、ノーサンキューだ!
ここんとこ俺は外れ続けばっかでな、そろそろ仕留めんとまた餓えに苦しむ!
いつまでも調理部にスパイラルしてらんねーし・・・!
(拒絶を叫び、伝える)
(同時、その上から目線な口振りからして、相手は「事情通」なのだろうと思い当たり
紫に次の言葉・・・情報収集のための言葉を叫ばせた)
ってか、これ何だよ!?
少なくとも自然発生の異形じゃないな? でけェし!
・・・それでもって、お前は俺を逃がしてそいつをどうするつもりだ!?
自然発生の異形ってなんだよ?
(俺は逆に問い返し、そいつが何をしようとしているのか理解した)
おう、こいつぁミミズのバケモンだ。
アンフィスバエナ……双頭の妖虫てなこと言われてるが、頭が二つあるわけじゃねえ。
正確に言えば、頭と尻尾を入れ替えられるんだ、だから頭をつぶしたからって……
(俺がウンチクを語っている間に、アンフィスバエナがピンク色の急流となって)
(山の斜面を一気に下り降りる)
汝、妖蛆の王アンフィスバエナよ!
速やかに汝の住処に戻るべし!
(空中に印を描き、追難の呪文を唱えるが、うまくいかなかった)
(ミミズは、目の前の男を敵として、餌として認識しちまったらしい)
おい、あんたさっさと消えてくれよ!
そうでないとこいつに食われるぞ!
(どこうとしないハンターに警告を発し)
(俺はもう一体の召喚獣を呼び出そうかと思案していた)
【俺が召喚士だと知ったらどうする?】
【敵対バトルなら俺の正体を出したほうがいいか?】
ほら・・・見掛けねえ? 山とかで
なんか明らかに狼入ってる猫とか・・・・ってンな事はどうでも良いんだよ!
(問い掛けられ、一瞬真面目に頭を回すが、すぐに元の調子に戻る)
あんひす・・・何だと?
既存の生物なのか?
(何やら得意げに語る男の口振りに、制御もしているのかと警戒を解くが)
(すぐにそのあんひす・・・な異形はこちらに向かって来始める)
・・・っ、分かってるのか分かってないのかどっちかにしやがれ!
(叫びつつ人影をぎりと睨むと、男は何やら印を結び、分からない言葉を放つ)
(それで思い立った)
・・・・魔術師の類か!
(能力ではなく、技術として異能を操る人間)
(その技術が体系組まれている物なら、異能を理解するに適した物であり、つまる所・・・)
(捕獲してでも引き入れたい対象)
(・・・なのだが、今はとりあえず眼前の脅威を優先する)
だから、断る!
そもそも、今から消えた所でどうにもならんだろ!?
(見た所、その異形はどうやら自分を目指しているようで)
(要は、自分を敵か餌かと認識しているのだ)
(・・・・もっとも、例えそうでなくても紫は逃げる気など毛頭なかった)
(勝算があったからだ)
・・・知能は低いな、低いと良いな
距離測れ、前と後ろ・・・行けるな、俺?
(高速で呟くと、右の義手を背後の壁、高さ5mほどの高さにある出っ張りに飛ばし、掴み、
ぎりぎりまで異形を引きつけ、義手を巻き上げ移動)
(壁に張り付き、異形を回避するのと同時にその動きを止め、上を取ろうという算段だ)
(その目は異形のみを捉え、男を見てはいない)
【召喚士と聞いても、この場では攻撃したりしないぜ。話はしたがるだろうが】
【ついでに言うなら、もう一匹出されたら多分俺は逃げる。結構ダメージ溜まってるし】
早え話、そいつは俺が呼び出したんだよ。
だから俺が引っ込めなきゃならねえ道理だ。
わかったか?
食われたくなきゃ、今からでも逃げろ!
(実は、俺が追難しなくても倒せば消えるが)
(目の前のハンターにそれができるとは思えなかった)
(そいつが、手を飛ばすのを見るまでは)
おい、お前…
(そいつは右手を背後に飛ばし、4、5メートルはあろうかという高さにつかまると)
(今度はその高さへ飛び上がる)
(体が手にひきつけられてゆき、アンフィスバエナの上を飛び越えた)
シャァァァ……
(アンフィスバエナが威嚇するための音を出しながらそいつに近づく)
(びゅっ、と毒液をそいつに向かって吐き出した”!)
【了解、他のを出すのも見送るぜ】
道理了解!
だが、知るか!
(矛盾した言葉)
(道理があるのは分かるが、そもそも道理に従う余地はない)
(道理に従うのなら、紫 一久という人間は・・・・・)
ふっ・・・・
(計算通りに異形を飛び越す)
(直落下して頭を穿とうとするも、異形のモーションに本能的な危険を感じ、壁を蹴って飛翔)
(案の定の攻撃・・・毒液か?を回避し、立ち心地の悪い背中に着地)
・・・頭と尻尾が入れ替わるんだったか?それがどんなマジックかは知らんが・・・・
こうすれば、意味ないよな!?
(異形が動きを見せる前に、その体に刀を突き立て電流を流す)
(大きさ故に後を引くダメージを与える事はできないが、動きを止める事くらいはできた)
(そして、異形の大きさ、地面までの距離を目測ると、電流を止めて異形の筋肉を緩め、
両手で柄を掴み、一息で刀身全てを異形に埋め込み)
(柄を握ったまま異形から飛び降り、体重をかけてその身体を切裂く!)
ッ・・・・と!
(着地し一度刀を抜き払い、更に傷口に刀を突き刺し、次は横に払う)
(体液がかかろうと、異形が絶叫しようと、何度となく斬る、裂く、抉る)
(ミミズの吐き出す毒液を避けてハンターが飛びのく)
(そいつはアンフィスバエナの背中に飛び乗った)
マジックもなにも、そいつは異次元のもんだ。
この世の道理にゃ関係ないのさ。
(俺の言うことを聞いているのかいないのか)
(そいつは刀を抜くとアンフィスバエナにつきたてた)
シャアアァ! キイイイィイイイィ!
(耳障りな声を上げて半身(?)を立ち上げ、ミミズがウネウネと悶絶する)
(かと思うとバタリ!と倒れ、全身ぴくぴくしながらも動きを止める)
あんた……
(そいつは何をどうしたものか、巨大ミミズを麻痺させた)
(そういう能力があるのだ……つまり、異能)
……。
(異能だと知ったからには手出しをせずに見守る)
(馬乗りになったミミズのぬるぬるした体に、刀を突き刺し、切り裂き)
(そのたびに噴出す体液をものともせず、めった刺しにする)
(ミミズは一太刀ごとにキイキイを耳障りな声を上げる)
(ふと、そいつの背後からミミズの体が持ち上がった)
おいっ、後ろだ!
(アンフィスバエナの頭が入れ替わったのだ)
(俺はそいつに警告を与える一方で、もう一度追難を試みる)
地に属する者は地底へ、資源と死の王国へ還るべし!
アンフィスバエナよ、去れ!
【そろそろ締めに向かおうか】
(斬り、割き、突き、断ち)
(あらゆる方法で、あらゆる方向から、刀を揮い振い続ける)
・・・っくく
大きい奴は良いよなぁ?
当てやすい、何度も何度も当てやすい
最高・・・!
(何に向けているかも分からない、一種の狂気を浮かべた言葉を呟きながら)
(ただひたすら、己の得物で己の獲物を傷付ける)
(これでも一応、殺し尽くしてしまわぬように気を使っているのだ)
(証拠に、斬りながら電流を流してはいない。神経系統の末端を壊す恐れがあるからである)
(しかし、その気遣いが祟った)
(痺れから逃れたそれは、首をもたげ背後から紫に迫る)
っな・・・!
(声をかけられ、後ろを振り返るも刀は異形の体に突き刺さり間に合わず)
(反射的に、最悪壊れても代えの利く右腕を盾に掲げた)
【了解だ】
【そっちの顔、目撃して良いか?】
【送信ミスで消しちまったんで、もうちょっと待ってくれ】
【おう、慌てずにどうぞ、だ】
(手負いの獣と化したアンフィスバエナが怒りに任せて背にのったハンターを襲う)
(アンフィスバエナを追難するよりも、異次元へヤツを引き込むしかないと判断し)
(俺はありったけの力をこめて、次元の穴を開けようと試みた)
地底の王国の門、彼岸と此岸の橋……
(体中の力がある方向へ吸い取られていくような感覚があり)
(俺はその場に膝を突いて、必死に印を保つ)
ひ、ら、け……!
(一瞬、周囲の音と気配が消え、次の瞬間に地下鉄が通り過ぎるような轟音が鼓膜を打った)
(アンフィスバエナがピンク色の奔流になって空間の一点に吸い込まれていく)
(後に、ハンターが残されていた)
良かった、あんたまで異次元に引きずり込まれちまうかと思ったが…。
(俺はハンターに向かってよろよろ歩いていった)
【待たせてすまん】
【顔も名前も自己紹介する方向でいいぜ】
ッ・・・?
(衝撃と痛撃とを覚悟した次の瞬間に空白が訪れ、
それに首を傾げた瞬間に号音が襲う)
がッ・・・・!
(その衝撃に対し本能的に身を守ろうとするが、僅かに理性が上回り、
消えゆく異形の体から刀を引き抜いた)
(結果的に、刀は守り切ったが落下する身体を守る事はできず)
(したたかに身体を地面に打ち付け、呻き声を漏らす)
・・・・く
異次元・・・とか。何したんだ、お前
(震える足を心で檄し、刀を杖代わりに何とか立ち上がる)
てか、消えてるし・・・ああ、くそ
丸々無駄足・・・・疲れるっての
(痛みを堪え、何とかしっかりした目で眼前の男・・・魔術師?を、見据える)
(もっとも、刀にすがって立っている時点で、その消耗は見て取れるという物だが)
・・・・・で、色々聞きたい
あれは何だ、異次元? ちょいと分かりやすく頼む
あと・・・・お前、何者だ
どっかで、会ったか・・?
(生徒会長としての御法川 醍醐の顔こそ見た事はあったが、具体的に思い出す事はできずにいる)
(ボロボロのハンターを見て俺はため息をついた)
だから言わんこっちゃない。逃げろといっただろうが。
まあ…ご苦労なこったな。
(そいつに手を貸してやろうと、近づいて)
俺は御法川醍醐。この学校の生徒だ。
で、召喚士でもある。あのミミズを呼び出したのは俺だ。
迷惑かけちまったな。
そう、異次元。
あれはこの世の生き物じゃねえんだ。
だから活動できないほど痛めつければ、元いた世界へ帰っちまう。
まさか捕まえる気だったのか?
いや・・・別に傷は負ってない。無視できるレベルだ
男前が少し汚れただけだ、ぜ
(手をひらひらと振って差し伸べられた手をやんわりと拒み)
(ぐ、と力を入れて刀に寄り掛かるのを止めると、体液で汚れた頬を袖で拭う)
(実際、傷は大した事はなかった。無視はできないが、適切に治療すれば問題はないレベルだ)
(紫にとって問題なのは、痛みである・・・・能力を使用した際の痛みが痛みを呼び、体の中を響き渡るのだ)
醍醐・・・ああ、生徒会長の
先輩か
(ようやく生徒会長である事を思い出すも、不遜な態度を変える事はなく)
・・・・そしてやはり、魔術師の類か。大した能だな?
制御くらいはして欲しいもんだが・・・よ、っと!
(言って、ふらつきながらも立ち上がる)
(体液滴る刃を懐紙で拭き去り、鞘に収め、ようやく正面から相対した)
痛めつけると帰る・・・か。くそ、面倒な
ああそうだ。察しの通り。異形の捕獲が目的だ
紫 一久。二年
ここの所刺すと消える異形ばっか相手してて気が立ってた訳だが・・・全部お前のかよ?
制御できないのか?
(額の汗を拭い、じっとりと睨付ける)
・・・・・今日は疲れた
身体的にも、精神的にもな
消える異形の正体は異次元生物でした・・・か。はぁ
【そろそろ〆るか?】
(ぼやく異形ハンターに、悪いとは思ったが笑っちまった)
全部が全部、俺が呼び出したもんだとは限らねえがな。
一応、呼び出したら元へ返すまでは責任持って見届けなきゃならねえのが
この稼業の掟だからよ。
まあ俺が追いつく前に消えちまったのもあるが。
ラマクリシュナとか……でかい猿だな。
もしかして、あれを追っ払ったのはお前さんか?
あいにくと、俺はまだ修行中の身でね。
呼び出すのは、自分で言うのもなんだがかなりな腕前なんだけどよ、
どうもこの、言うことを聞かせるほうが難しいわけだ。
(俺はごまかし笑いのまま頭をかいた)
ま、そういうわけだよ、済まなかったな。
俺もこれだけしくじれば、師匠からこってり説教食らうのは確実だな。
(頭を上げ、はあ、とため息をついて星空を見上げる)
(まあ、なるようになるだろうと腹をくくって)
【俺はここで締めにさせてもらうぜ】
【そっちの締めまではいるからよ】
はー、稼業、稼業な
そっちもそっちで色々あるのな。・・・・笑うな
(ぎろ、と力なく睨み)
でかい猿? いや、知らん。小さいのなら飽きる程狩ったが
・・まさか繁殖とかしてねえだろうな
・・・制御できない力は、使って慣れろというのが俺の信条だが、
お前には気安くそう言えねーな
・・・・全く、どうして俺の周りには能力制御できない奴が多いんだか
(愚痴っぽくこぼすと、ベルトの銃に手が当たり
同時にふと、この技術はほしいな・・・と思ってみたが
そのまま手を下ろした)
ああよ、こってり絞られて骨と皮だけになっちまえ
そうすりゃ女も減って修業とやらに集中できるだろ
(ややキツめの毒を吐き、くつくつと笑い、気付く)
(胸ポケットの録音機が入りっ放しだったのだ)
(・・・・家に帰ったらじっくり聞き返すか、と決め、今は上目に、野郎二人で星空を見上げていた)
【では、こちらも〆】
【・・・・大人しくなったよアピールになったかね?などと思いつつ】
【付き合ってくれてありがとうだぜ、楽しかった】
【見届けたぜ】
【こっちも楽しかったよ、ありがとう】
【またよろしくたのむな】
【お疲れさん】
(最近、昼の出会いも夜の出会いも増えて充実しているなと思う)
(買い物帰りには元気な後輩と、屋上では生徒会長さんと知り合い)
(また、自分と同じ怪異に対する力を持つ青年や少女との縁もできた)
(全てがゲームやアニメと関係がないというのも、今までにない)
おはよう、昨日の数学の課題難しくなかったー?
(嬉しいことが続いてきただけに、ネガティブなことがあれば余計際立つ)
(例えば、近頃隣席の友人と話していて感じる違和感なんかがそうだ)
(元々はしゃぐ性格ではないが、時々不安げな表情を浮かべる気がする)
(特に、会話のきっかけになった恋愛シミュの話題は出しづらい雰囲気)
(失恋でもしたのだろうか。でも、それにしては何かが違うような)
先生もさ、もっと授業でつっこんでほしいよねん。
わからなければ聞きに来い、はいいんだけれどー。
(その何か、を言葉で説明する技能は自分にはない)
(質が違うというか、深さが違うというか……)
(そもそも、勘違いの可能性すら残っているのだ)
(わざわざそれについて問おうとも思えなかった)
【伊田満さんとのロールに使わせていただきます】
【それじゃー伊田っち、改めてよろしくー】
(暗い、暗い闇の中で、何か黒いドロドロしたものがうねっている)
(汚らしいくせに、何故かそれは凄く親しみのもてるような感じがして)
(ただただ、自分はその妙な物体から目を背けずに、じっとそのまま見つめていて)
(ふと、視線に気が付いたのか、ソレがゆっくりとこちらを向く)
(その顔には、いや顔に当たるであろう場所に、あったものは―――)
………ん……。
(暗い、暗い海の底から、ゆっくりと浮かび上がるような、そんな感覚)
(ぼんやりとした意識にに、隣席の友人の言葉が少しばかり喧しく頭に響く)
(悪い夢を見ていたのだろうか、頭を乗せていた腕はびっしょりと汗に塗れて)
(何か、あの蟲を口にするようになってから、自分の体は何処かおかしい)
(まるで、自分が自分で無くなって行くような、そんな、奇妙な)
…………ああ、そういえば、そんなのもあったね…。
(面と向かって話をしていても、何処かその目は空を見ている様子で)
(魂が抜けているかのように、余り意味の無いような相槌を返す)
…御木本君は、何だか調子が良いようだけれども、
何か、あったのかい?…とても、いい顔をしているし。
(実際、隣席の友人の調子がいいように見えたのは本当の事で)
(それも、自身の現在の体調やらのせいで、相対的にそうみえただけかも知れないけれど)
(例えそうでなかったとしても、今は、自分の事をあまり話す気にはなれなかった)
(下手をして、自分の正体が、この友人にばれてしまうような気がしたから。)
【此方こそ、宜しくお願いします。】
【あ、後一応、今日は何時頃まで大丈夫でしょうか?】
おはよ、まさか忘れてきちゃったとかー?
しょうがないなー、またジャムパンと交換でなら見せるよん。
(天井さえなければぴったり文字通りに上の空な伊田くん)
(普段どおりの返答は、日常に帰ってきて欲しいからだったけど)
(思い過ごしにしてはやっぱり、疲労の色が濃いような気がする)
いやー、わかる? ちょっといいことがあってさー。
(自慢げな口調ながらも、内心では戸惑っていた)
(こんな状態の伊田くんに幸せな日常を語れと?)
(かといって、あからさまに言いよどんでもダメだ)
(そもそもこういう思考自体、だいぶ礼を欠くわけで)
んー、なんだろ?
(その迷いは校内放送に遮られた)
(全校朝礼のある日でもないし、誰かが表彰されるという話も聞かない)
(周囲を見渡し、目の合ったネトゲ仲間と一緒に首をかしげてまた視線を戻す)
(まあ、爆弾付きの首輪をつけられて殺し合いさせられるわけではあるまい)
(そんな発想をしたのはごく数名だけだったろうが、みんなして移動を始める)
(廊下を出た1クラス単位の集団は、やがて合流し数も密度も増えていって)
(体育館へと繋がる通路まで来ると、学年が入り乱れて芋洗い状態になる)
『やっぱそうだよ、今朝見たもん』
(声が聞こえてきたのは、中々進まない列に閉口していた時だった)
(人ごみの中で他にすることもなく、会話は耳へと流れ込んでくる)
『あのコンクリートの顎の周り、青いシートで囲まれて警官もいっぱい立ってたっ』
【こちらは4時ごろまでなら大丈夫だと思います】
【といいつつ、アドレナリンが出て徹夜したりして】
【そちらの眠気が先に来たら、遠慮なくー】
【早速やらかした、申し訳ない】
(その迷いは校内放送に遮られた)
→(その迷いは体育館への集合を呼びかける校内放送に遮られた)
【でお願いします。すみません】
ん………
(最近、蟲を飼い、増やすための『狩り』のお陰で夜はまともに寝ていない)
(昼も、忘れてしまっているのだが、何時も『何か』の夢を見て、眠れない)
(体調が悪いのは、仕方のない事だろう、しかし…どうにも、妙な感じがする)
(そんな事を考えている内に、大分意識が回復してきた)
…はは、羨ましいなぁ。俺の方にも何かあればいいんだけれども。
……………まさか、とは思うけれども………
……野良チックな美少女を拾ったとか、そういう類じゃないよね。
(大分気分も良くなってきた、これ以上、この友人に心配をかけさせる訳には行かない)
(軽く、冗談のつもりで前回使ったネタを、引っ張ってみる)
(自分にとっては、起こり得ない筈のその事象ではあるが…ところが案外、人生は小説よりも奇であるものだ)
(そんな日常の中に割ってはいるように流れる校内放送)
(まだ体の方は多少ふらつくが、まぁ、別に大した事はないだろう)
(混雑した流れに半ば流されるようにして、周りに体重をかけながらゆっくりと進む)
(普段は鬱陶しいこの流れも、疲れた体にはまるで布団のようで、不快感は感じなかった)
(そして、うつらうつらと、意識さえも再度おぼろげになった時、その言葉は、自分の、耳に飛び込んで)
………………………。
(意識が、覚醒する。コンクリート、そして、青いシート)
(今現在の状況で、二つの単語が意味するものは、そう多くはあるまい)
(数日前に闘った、地面を操作する異能者、あの時のコンクリートの処刑機は)
(確か、身代わりを使って回避した…のだと思う、確かそうだ。)
(一体、誰を身代わりにしたのだったか……それは、完全に思い出せない)
(身代わりとする、この体に拉致してある人間は、全て自分に対して攻撃をしてきた人間だけ)
(いわば、自分の存在を否定してきた連中だ、それに対しては、もはや、何の情も持ち合わせては、いない、その筈だ)
…………うう………。
(それなのに、体が重くなる、吐き気がして、頭痛がする)
(身代わりがこうやって、「一人の人間」として強調されると、自分の敵だという、単純な性質から離れてしまうと)
(元々そんなに強いわけではない自分の精神は、簡単に人並みのダメージを受ける)
(思わず、かける程度を半分程度に抑えておいた体重を全て、目の前の背中へとかけてしまった)
(隣席に座っている、その友人の背中に向かって。)
【了解しました〜】
【多分こちらも大丈夫だとは思いますが…】
……やだな、野良だなんてそんな子現代日本にそうそういないさー。
それに、うぐぅなんてかぁいい口癖なんてまずお目にかかれないよ。
(友人に嘘をつくのも気が引けるが、まさか肯定できるはずもない)
(とりあえず、極めて常識的なことを答えて笑みを浮かべる)
(怪物超能力なんでもありの、常識が通じない日々は恐ろしい)
(そんな非日常に、この親しみやすい友人を巻き込みたくはなかった)
いやー、混むねー。
(お世辞にも屈強とは言いがたい身体にとって、圧力はそれなりの負担だった)
(友人の体重が余分に預けられても、群衆の中にあってなかなか気付かない)
(意識はそれとは別、例の物体に関する会話へ向いていた)
『危ないもんが隠されてたとか?』
(コンクリートの顎、だけで周囲も何のことかわかったらしい)
(確かに一夜にして突如現れた、地面と同化した造形なんて)
(町内どころかここら一帯の七不思議に数えられそうな代物だ)
(御木本自身、気になって一度野次馬集団に混ざったこともある)
(……とはいえ彼を含めた一部の"変わった"者たちは)
(単なる興味本位でそれを見ていたわけではなかった)
(一般の芸術家が作るには大掛かり過ぎるそのオブジェは)
(己と同じ異質な力の持ち主が形作ったのではないか、と)
『でも、集会までするかそれ』
(嫌な予感がする。目覚めた者の力試しにしては目立ちすぎる)
(まして、わざわざこういった能力を創作活動に使う人も珍しい)
(それよりもずっと可能性が高いのは……)
伊田くんー……? 伊田くん!?
(完全にもたれかってこられて初めて、声のトーンが変わる)
(返答の代わりに、伊田満はぐったりと全体重を寄せてきた)
(完全に意識がないわけではなさそうだが、その様子は尋常ではなく)
(振り返って両手で身体を支えると、何人かに声をかける)
ちょっとどいてっ 保健室行きたいんだ、お願い!
(なんとか横に回って肩を組み、ふらふらする伊田を支える)
(とても、集会の間姿勢を保っていられるようには見えない)
(ベッドに寝かせて、保険医さんに診てもらわないと)
ごめん、もっと早く見ればよかったね。
無理しちゃだめだよー、集会の中身は後で教えるからさー。
………大、丈夫…一人で…いけ……る…よ…大、丈………
(多少の噂にはなるだろうが、まさか、集会になるほどとは、思っても見なかった)
(ここまで騒ぎが大きくなるという事は、もはや中身は既に発見されたあと)
(コンクリートの棺、中にある死体はもはや原型を留めては居ないだろう)
(ぐわんぐわんと、周りの声が頭の中を駆け巡る)
(自身の自己正当化など、その声からしてみれば塵のようなものにしか過ぎず)
(簡単に心を引き裂き、罪悪感を与えていく)
…だ、だいじょ…ぶ………だい……じょう…b…
(支えられて、ふらふらと保健室に向かいながらも、段々と意識は消えていく)
(だんだんの暗く、深く落ちていく意識の中で、『ソレ』が此方を覗いている)
(腕も、足も無いうねうねとした黒い塊、その顔であろう部分に張り付いた白いモノ)
(目のあるべき場所にあるのは虚空、死者のように、無表情に、半開きになった口から漏れるのは腐臭)
(ただただおぞましく、黒い体に浮かび上がる白い顔、その顔は、自分の一番良く知った人物の)
……………………ア?
(ふと気がつけば、そこにあったのは白く、無機質な天井)
(少しばかり鼻につくのは、消毒液のにおいだろうか)
(朝礼は、もう終わったのだろうか、外を見ると、既に少しばかり空は紅く染まっていて)
(…この様子では、もう授業を受けたところで無駄だろう。放課後に、静かに帰る事にして)
(どうせ、誰もやってくる事もあるまい、そのまま、ぼーっと、保健室で休む事にした)
そんなツンツンしないのー。
まさか、後々デレるフラグなんかじゃないよねん?
(不安な気持ちに耐え切れず、馬鹿馬鹿しいことを言ってみる)
(大丈夫、と繰り返す伊田は今にもぷっつりと気を失いそうだ)
(コンクリートに友人の不調。悪いこともまた続くものだ)
(間の抜けた会話を続けてなんとか意識を保とうとしながら)
(もと来た通路を引き返し、角を曲がってドアをノックする)
おーけーおーけー、大丈夫だよね。
もう保健室に着いたからさー。
(幸い先生も空きベッドも揃っていて、ひとまず安心)
(肩を支えていた友人を寝かすと、そっと布団をかける)
(そのまま顔色を見ていたが、やがてカーテンが引かれた)
……やあ、気分はどうだいー?
(なんら医療知識のない者がいても、できることはほとんどないと)
(白衣に背中を押され、重たい扉を再び閉めてから半日が経った)
(暗い予想は当たってしまい、黙祷を済ませた生徒たちは)
(授業が全て終わっても落ち着きを取り戻せないでいる)
(もちろん交通事故でも自殺でも、同級生が亡くなれば驚く)
(が、コンクリートの塊に閉じ込められたとなればまた別だ)
(いや……言葉を選んでそうなったのだろうけれども)
(おそらくは単に出られなくなっただけではなく――)
課題は体調が戻るまで待つってさー、ゆっくり治せって。
(このまま一般生徒をやってはいられなかった)
(自分から巻き込まなくとも、非日常は既に級友たちを飲み始めている)
(ならば、次にすべきはなんとかしてその脅威から彼らを守ることだ)
(特に今までと様子の違う者がいたら、注意したほうがいいだろう)
(六限目が終わると、ついに戻ってこなかった伊田を訪ねた)
…ああ、御陰様で大分良くなったよ。いやー、どうも運んでくれて、ありがとうね?
本来なら、病弱な美少女がこんな運ばれるはずだったのだろうけれども。
(正直、友人がやってきた事にほんの少しばかり驚いた)
(誰も来ないと思っていたのだが…どうにも目の前のこの少年は、自分の思った以上に人が良いらしい)
(今現在の自身の状況を、確認する。朝礼のときに倒れかけ、友人に保健室までつれていってもらって)
(その後、授業が全て終わるまで、此処で眠っていたらしい。…とりあえず、あの後どうなったか問う事にしよう)
(何故か、やたらと頭がスッキリしている、気分も朝に比べたら非常にいい)
(しかし、だがしかし、何故か胸に穴が開いているような、そんな虚無感が、あった。)
…んじゃ、ずっと体調不良でいようかな。
そーすりゃずーっと課題をやらなくてすむし。
(課題の話に対して、少しばかり道化た様子で、冗談を口にする)
(友人に対して色々と誤魔化すつもりでもあったけれども)
(今、何か、人間らしい事をやらないと何かがなくなってしまうような、そんな気がして)
(あの異能者との戦闘の残骸、それが露見した今無駄に疑われるのは避けたかったのだ)
(今ではもう、罪悪感よりも、「鬱陶しい事になった」という苛立ちの方が大きくなっていて)
―――んで、朝礼では、何て言ってたんだい?
(そのまま、顔を崩さずに笑顔のままで問いた)
(何かを失っているような、歪な笑顔で)
あっはっは、世の中そー上手くは行かないってことかにゃ。
伊田くんを運ぶ僕を見て、別の美少女がどっきりしたりしないものかー。
えー、でもテストは避けられないんでないのん?
ノー勉で保健室で受けるなんて、ピンチじゃないー。
(救急車を呼ぶどころか、先生も目を離しているところを見ると)
(おそらく身体にさほど異常はなく、精神的なものもあったのだろう)
(おどけた会話は、朝に比べるとずいぶん滑らかに続いている)
(良くなったという伊田の言葉は、確かにその通りのようだった)
……ああうん。そのことについてなんだけどね。
伊田くんさー、すごく疲れてたじゃない。
夜な夜な剣を振り回す先輩に付き合ってるのかと思ったよー。
それか、先輩はいないのに変なのに付き纏われてるとか。
(けれど、弱っている彼に血や肉やの話をするわけにはいかない)
(そして伝えるべきも、もう起こってしまったことではないのだ)
(これから彼をどうにか危険に晒さないために、できることは)
ふざけてるように聞こえるかもしれないけどさ。
真面目に話すから、聞いてほしいんだ。
朝礼で、C組の石原くんが亡くなったって言ってたんだよね。
それがどう考えても、普通の状態じゃなくて……。
正ちゃんが思うにそういう、変なの関連じゃないかなって。
(かつて向けられた、異質な者を排除しようとする白い目を思い出す)
(幻術師であることは時にわが身や他者を助けることもあったが)
(決して、誇りに思えることでも周囲に知らせていいことでもなかった)
(でもここでためらって、友人を失うのはもっと嫌だ)
正ちゃん実は、剣は持ってないけど先輩のお仲間なんだー。
伊田くんここんとこ随分寝不足だから、もしかしてって思ってね。
外れてたら笑い飛ばしてくれていいんだけど、そーゆーのに関わったりしてない?
俺の好感度上げても大したものは何もでないよ?うん。
…無理なんでないかなぁ、うん、こう、ビジュアル的にも惚れる要素が見当たらないし…。
うぼぁ、もー嫌な事を思い出させないでよ…テストなんて見ない知らない聞いてない、だよもう。
(友人の会話に、ボケで返す。体調は完全に回復している、むしろ、普段よりもよいくらいだ)
(精神的にも悪くは無い、すがすがしく、友人との会話にも、今は妙な部分は無い、筈だ。)
はは、最近ちょっとはまっているゲームがあってね。
ちょっと寝不足だっただけさ、いやはや、若いからって無理しちゃいけないね。
…剣とか先輩とか、御木本君もゲームはやりすぎているみたいだねぇ。
(今は、血や肉が欲しい、蟲もざわついているし、何よりも自分自身が)
(起きてから何かがおかしい、心身ともに、何か、こう、変わってしまったような)
(そう、芋虫がサナギに、サナギが成虫になるように、体質的なものが変化してしまったような)
(そんな、奇妙な感覚を、今全身で感じつつあった)
……………………………………………。
……ああ、成る程、そういうことか。いやー最近は怖いからねー。
(言葉とは裏腹に、別段興味もない、といった表情で軽く、流す)
(朝は、あれほどまで罪悪を感じた筈なのに、何故か、今は全く何も感じない)
(逆に、全く何も感じないことに対して驚きすらしていた、何故、今は)
(まるで、そういった感情が、自分から、段々と消えつつあるんじゃないのかと、疑うほどに)
別に、世の中普通じゃない死体の一つや二つあったって不思議じゃーないよ。
大丈夫大丈夫、どーせそんな死体が出る事件なんて、二度とおこらないって。
(この場に不釣合いに、ゆるい笑顔を浮かべながら、世間話でもするかのように、語る)
(そう、あの時死体を残してしまったのは、蟲すら近づくことの出来ないコンクリートの中だったから)
(次からは、そうはしない。骨の一本も残さずに平らげてしまう事にしよう)
(段々と、どす黒い勇気が湧いてくる、今まで自分には無かった勇気が)
…御木本君、悪い冗談はよしなよ。
剣とか、仲間とか、先輩とか、そういうゲームの典型的展開じゃない。
すると何かい?次はグロテスクな怪物が、人間を襲うって?
(笑顔を貼り付けたまま、答える。それでも、目は全く笑ってはおらず)
(御木本君が、そういう人間の仲間であっても、別段不思議には感じない)
(邪魔をするようならば、排除する事も仕方がないだろう)
(…だから。)
さて、ねー……ああ、でも、変なバケモノは見たかも知れない。
こう、人型はしてるんだけど…あのコンクリのアレからも近いし、何か関係はあるかもね。
(この人間が本当の事を言っているのか、それとも嘘か、そんな事はどうでも良かった。)
(偽者であれば残念だが、もし、本物であれば、この誘いに乗ってこない訳がない)
(丁度良かった、今は、蟲を育てるために、たくさん餌が必要だったから。)
……興味、ある?あるなら詳しく、話すけど。
【申し訳ありません、そろそろ時間的にきつく…】
【ええと、今回はこの辺りで〆という事にさせていただいて宜しいでしょうか】
【と、レス作成の途中ですが先にこちらのお返事だけ】
【了解です、長時間ありがとうございました】
【しかしまたしても白くするのは失敗とは、うむむむむう】
【もしお疲れでしたら、先にお休みくださいませ】
【お身体に障るといけませんのでー】
そこはこう、誰かヒロインの一人でも紹介してよー。
……いーじゃん夢見たってさ。逞しく親友を運ぶ青年ってことで。
いやいやー、自分のステータスを上げるのも大事なことだよん?
むふう、正ちゃんは五教科と共にプレイヤー性能を鍛えてるからねー。
寝不足になるほどはやっていませんとも?
いけませんなあ伊田くん、学生の本分は勉強だろうにー。
(このままお気楽な会話を続けていたかった。彼とはそんな関係のはずだ)
(だがそれが壊れることより何よりも、今はやらなければならないことがある)
あ、え、うん。
(その意気込みが強かっただけに、つい戸惑いを露にしてしまった)
(沈黙に続く無関心。なんだかちぐはぐに感じて、思わず言葉に詰まる)
(言葉面にしては悲しむどころか、驚いてすらいないような声音)
(そして、その平板な感情にしては不自然に感じられるやや長い間)
(今朝感じていた伊田の疲れが本当に保健室に繋がったこともあり)
(思考はより敏感になって、その一つ一つの意味を考え込んでしまう)
(もしかして、思い当たることがあるのに言い出せないでいるんじゃ)
伊田くんも、バイオかなにかやりすぎてるってー。
変死体があったら原因解明しないと、安眠できなくなっちゃうよ。
それこそ、深夜に画面に向かえなくなるしー。
(先日スコップで怪異と戦っていた少女の笑顔が太陽ならば)
(今の彼の笑みはまるで外惑星だ。表面は光っていても、冷たい)
(ぞくり、と背筋に悪寒が走る。御木本の知ってる伊田ではない)
(字面だけは不謹慎な級友を咎める学生の台詞なのだけれど)
(異能を明かした今、原因解明の一語以外は装飾に過ぎず)
(思わず身を乗り出すようにして、伊田の耳に言葉を押し込む)
(早く溜め込んでるものを出してくれと。助けたいんだと)
そうだよ、見た目はグロテスクじゃないかもしれない。
あるいは先輩みたいなのが犯人かもしれない。
どっちにしても、何も知らない人が被害に遭ったら困るでしょー?
(凍えるような笑顔に心を冷やされながら、問いかける)
(この様子ならば、強引に押し込む事も仕方がないだろう)
(…だから。)
ほんと!? 頼むよ、教えて欲しいんだー。
そんで、伊田くんはなるべく近づかないほうがいいよ。
もし襲われでもしたら大変だからさ、ね。
(やっと話してくれたことが嬉しくていとも簡単に食いついた)
(きっと最近の疲れも、さっきの引っかかる部分の多いな言動も)
(これを溜め込んでいたからに違いない、と勝手に結論付ける)
(胸に詰まっていたものを聞き出して、そして原因を取り除けば)
(また元の伊田に戻るだろう、と一人明るい気持ちになった)
コンクリの近くだね? できる限り詳しく、頼むよ。
(この温度差は、いつか埋まるとそう信じて)
【と、いけない。こちらはこれで〆てみます】
【改めて伊田満さんに感謝を。ありがとうございましたー】
>>450 こういう状況でこんな風にくらまさないと、
冗談でだって甘い言葉なんて、口にできませぬものですから。
(彼女はいつもこういう言葉ばかり、真顔で吐き出してみせた。
ただ、こういう言葉を吐き出せるのは――主導権を取られていないとき、だけだ)
(相変わらず、頭の回転と物事の呑み込みの早い彼の言葉を、頷いて肯定する。
だが、長い髪をひとつに結っていた彼女の目――それが柔らかさを湛えていたのも、それまでだった)
(カウントダウンが始まれば、それこそ彼女の“目の色が変わった”。
猶予を与えたにも関わらずに自分と同じように動かぬ彼を、黒瞳が見つめている)
……本当に、男の子って成長がお早いのですから、いやになってしまいます。
(『――能力を使って封じにくるかとも思ったのに』。
どうにも、自分がそう「読んでいる」ことを向こうにも「読まれていた」らしい)
(ぞくり、と背筋に走ったのは彼の成長に対する期待だっただろうか)
推して、参ります。
(ならば、と。 地面を蹴って、真っ直ぐに彼のほうへ駆ける)
(ナイフを抜いた彼とは裏腹に、武器依存型の彼女にしては珍しく素手で飛び込んでいった。
その瞳が“今”捉えているのはただひとつ――獲物と見定めた「バンダナ」だけ。
一筋縄ではいかないことを承知しているくせに、
彼女はまず、真っ向からそれを奪いに手を伸ばした)
(――その全身に湛えたのは殺気まではゆかずも、いつもならぬ真剣味)
【解凍に、失礼してしばらくのあいだ場所をお借りいたします】
【と、いうわけで。 今夜もお相手、どうぞ宜しくお願い致しますね】
いつもどおりに、時間とか眠気とかの時は以下略…方式で。(一礼)】
>>553 ………まさか。
成長ってのは、人生が終わるそのときまでするもんだぜ?
先輩が何を指して、成長って言ってるのか、わからないけど……
俺はまだまだいけるぜ!
………!?
(何の躊躇いもなく、踏み込んできた彼女に驚き飛び退いて避ける。
今更だが、彼女の行動の早さに驚く。少しでも反応が遅れたら、バンダナは剥ぎ取られていただろう)
油断も隙もねえな、先輩。
…でも、真正面から飛び込んできたのは驚きだったけど。
(自分の知る彼女であれば、不意をついてきそうなものだが…何か策があるということだろうか。
それとも……しかし、そのどちらにしても、一瞬も気を緩めることが出来ない)
さて、当面の間、どう凌ぐかな………。
(さすがに長時間、彼女の攻め手をすべて防ぎきる自信はない。何か考えなければ)
…ところで、先輩。罰ゲームとかはないよな、これ?
【それじゃこっちこそよろしくなっ!】
>>554 なら――その成長、
私がみていられる限りは、楽しむことに致しましょう。
(くっ、とおかしそうに喉で笑う。それでも否定はしなかった。
それこそ彼女にとっては「まさか」だが、別に彼の言葉なら信じるのも悪くない)
(バンダナから遠ざかった空っぽの手を確かめるように、何度か握って。
飛びのいた相手との距離を測るように前を見てから、“わざとらしく”目を緩めた)
ああ、すっかり失念しておりました、罰ゲーム。
(「無いよな?」なんて言われれば、設けずにはいられないといったような笑み。
それを浮かべながらも、ざっと足をすらせて、地面の砂を払う)
(――自分が、彼に勝てないと思うものは、
「能力使用時のスピード」「武器にもよらない純粋な力比べ」、これらは正直に勝てる気がしない)
(「持久力」は――こんな“真っ向勝負”続けるならば、五分かそれ以下だろうか)
……じゃあ、後輩さんが負けたら、来週一週間は先輩の奴隷ってことで。
(あとは――「戦闘センス」)
(こればかりは自分の目がどうか、というのもあるかもしれないのだけれど、
少なくとも彼女は、目の前の彼の“本能”的な面での戦闘センスを、決して低く評価しない)
(楽しげな言葉の裏で、そんな思考を巡らし終えてから、息を吐きだす)
(それからまた再び、地面を蹴って、真っ向から飛び込んでいった。
ただ、次に彼女が狙ったのはバンダナでなく彼の脚――機動力を、殺ぎに走ったのだろうか)
(走り込んできた勢いを殺さぬようにして、右足が相手の足を狙って放たれる)
>>555 それじゃ、俺が逃げ延びたら――、先輩が俺の奴隷ってことで?
(突如出た罰ゲームに、口元を引きつかせながら、苦笑を浮かべる)
(しかし、と考える。
このままではジリ貧なのは目に見えている。正直な話、最後まで逃げ切れる自信はなかった。
だが、逆に言えば、ある程度彼女を凌げるのではないか、とも考えた。
彼女の動きは共闘するうちに、その目に刻まれていた。ならば、能力に差があろうと、ある程度はついていける)
……けど、それって相手も俺の動き分かってるってことだよなぁ。
(ぽつりと呟く。どこかで突破口を作らなければ。
逃げるばかりではない。こちらから攻め手を考えていかなければ)
―――つっ!
(しなやかかつ強烈な蹴りを咄嗟に飛びのける。が、バランスを崩し、たたらを踏む)
……こんのっ!
(ふらっと崩れそうになる身体を踏みとどまらせるが、この間に僅かな隙が出来て)
>>556 おや、なかなかに大きく出られるのですね。
そんな。奴隷、だなんて――……なに、なさるおつもりなんですか?
(まるで、年相応に恥じらったような声音でもって、
そんな台詞を吐き出しながらも、その動きが休まることがあるわけがない)
(5分の割合で、彼女の行動は、基本的に声音の甘さと比例しない。
加えて、こういう風な“楽しい勝負事”となれば、尚のことだった)
―――っ。
(蹴りをかわされたと認識すれば、すぐに足に込めた力を殺す)
(……避けるだろうとは思っていたけれど、それにしても反応が予想よりも早い。
やはり、“本気で刃を向けたあの時”も感じたことだけれど
自分の動きは、それなりに高い確率で読まれている――否、“知られている”)
………っ、ん。
(実のところ、今の二つは自分でも珍しいと思うくらい全力の飛び込みだ。
ただ、何のひねりもなく真っ直ぐと飛び込んだものだから、威力も半減なのだろうけれど)
(少し息が上がったのを悟られまいと、小さく小さく息を吐きだした)
――…っ、あと、十分くらいっ、ですけれど…っ!
(ふらついた彼の隙を的確にとらえるには、
いささか遅い反応と踏み込み――…時計をちらりと目にした彼女は、口角をつりあげる)
……逃げ一方、だなんて。その程度のお力ですか?
(決して自分が極端に“優勢”なんかではないというのに。
獲物を追うようにそちらに走り込みながら、余裕を模した挑発の言葉を吐きだす)
>>557 ………いやいや、先輩が言い出したことだし。
つーか、そう言われると、健全な男子としてはそういうことを考えるわけで…っ!
(赤面しながらも、距離を離すように続けて飛び退いていく)
十分か……っ、さて、微妙な時間だな……。
十分って長いようで短いし、短いようで長いしな……っ
(安全だと「思われる」距離まで離れると、大きく呼吸し構えなおす)
………そうは言われてもなー。
先輩がその隙を作らせてくれないんだろ?
(そう言いつつも、この構図をなんとか覆したい。
確かに此処ら辺りで、突破口を開かねばスタミナが切れるかもしれない。
こちらが有利になるには。あるいは、少しでも隙を作るには。……攻めるしか、ないか)
―――行くぜッ……走る狗のごとく!
(狙われているのはバンダナだ。そこに気をつけていれば、あるいは攻め手に回っても、
隙を作ることができるかもしれない。ナイフをポケットに入れると葵に向けて、走る。
ただひたすらに走るッ。走るッ、走るッ! 目指すは彼女の手首。
バンダナを奪うとして考えられるのは、手を使って剥ぎ取ることだ。その手首を捕まえるように手を突き出す)
>>558 あらあら。首輪でもつけて、一週間飼って下さるのですか?
(「届かぬ」と認識できるところまで距離が離れれば、足を止める)
……なんて、かわいらしい冗談です。
昔だったら、もーちょっとうろたえて隙ができてたかと思いましたのに。
(いつもなら厭わしいと思う冷たい風が、火照った身に心地よかった。
上着の一つでも、脱いでおくべきだっただろうかと――…思考と言葉はいつもちぐはぐだ)
隙を作りましたら、異形狩り失格ですもの。
(一瞬、彼の雰囲気が変わったような気がして、少し身体をこわばらせる。
挑発に乗った、というよりも――理性的に考えた結果、の攻め手への転換)
――“走狗”は私の十八番ですよ?
(ちらり、と少しだけ“忙しげに”腕時計に目をやる)
(――ここは、無法地帯。 そうして彼女の手に腕時計がある以上、時間を知るのは彼女だけ)
………っ、く…っ。
(手を狙ってくるとは、予想はひとつとして立てていたのだけれど。
それを実際にしのいでみせるとなると、話は全く別物になる)
(本当に時間が「あと十分」あるなら、逃げを選んで体勢を立て直すのが正解だ――)
(けれど、彼女はその一瞬のさなかに、
手首をつかまれるリスクを犯して、バンダナに手を伸ばした)
(――ただ、バンダナに指先が触れる前に確かに手首に絡んだ感触を察知する羽目に、なったのだけれど)
>>559 ……さすがに、この場でうろたえられるほど、余裕はないさ。
その言葉、かなり心にぐっと来たけどっ。
そうさ! 先輩の姿を見て倣った!
『走狗』は、『狩る』ために『駆る』! ――迷いのない動きは、その目標に辿り…つく!
(バンダナに触れるか触れないか、僅かな距離だった。
手首はしっかりと掴んだ。少しでもタイミングを逃せば、バンダナは奪い取られていただろう。
だが、安心している場合ではない――、腕はもうひとつある)
さて……どうやって捕らえるかな……。
(至近距離。息がかかり合うほど、間は開いていない。
手を伸ばせは手首はつかまる。手を伸ばせばバンダナは取られる。
―――さて、此処は攻めるべきか、守るべきか)
……前者で行くっ!
(そう宣言すると、もう一方の手首を狙って手を突き出す―――)
………教育のベクトル、間違えたかもしれません。
(「心にぐっときた」との一言を聞けば、呆れかえったように息を吐きだす)
(心の奥底にしまって鍵までかけた記憶が脳内を過ったが、気付かないことにしたらしい)
――ただ、『走狗』は“主”の為に、獲物を狩るのですけれどね。
(小さく小さく言葉を零して、ほんの少しだけ口の端に笑みを浮かべる)
(腕をつかまれた感触。“捕えられた”という、認識が、脳内に警鐘を鳴らす)
こうも簡単に倣われてしまうだなんて、
私は思いの外、貴方の前で色々と曝け出しすぎていたようですね。
いえ、ここは可愛らしく――
(掴まれた手をぐっと引いて抵抗をしめしながらも、こちらも手を突きだす)
(『前者』を選んだ彼は、攻めに出た。
間違っていないと思う……攻撃は最大の防御という言葉も、あるくらいなのだから)
貴方と一緒にいる時間、思いのほか長かったみたいですね、とでも申せばいいでしょうか。
(至近距離で、睦言を囁くような声音で言葉を発したのは、
せめても彼の意識を「足元」に向けさせないため――動くのは、手だけじゃない)
(もう片方の手も捕えられたことを感じたその刹那、右足で相手をひっかけて払う)
(ただ、問題なのは彼が自分の手首を掴んでしまっている、ということだ)
>>561 ―――っ!?
(しまった、と思った時には既に遅かった。
そう、最大の手段は封じることに成功した。だがそれが唯一の手段であるというわけではない。
見事に足元を掬われ、ぐるっとそのまま倒れる)
けど………っ!
(そのままバンダナまで取られるわけにはいかない。
両手首は掴んだまま、そのまま一緒に倒れこみ)
……あはは、さぁて。なんだか無様に転んじまったけど、
あとは、このまま粘れば、俺の勝ち。
ここで振りほどかれて、バンダナを奪えば先輩の勝ち。
さぁて、どこまで粘れるかなっ……。
(手首を傷めない程度に、またしっかりと捕らえられる程度に手首を締めながらにやりと笑って)
>>562 ――――…っ、あっ。
(“手首を掴まれたまま”、彼と一緒に倒れ込む)
(彼女からしてみれば、このとき既にこの勝負は決まっていた。
倒れる刹那に一瞬でも彼の手が緩めば、自分の勝ちを確信できたのに……)
……粘り強いのは素敵ですけれど、粘っこい男は嫌われてしまうのですよ?
(今はこの両手は、“糸も暗器も弄わぬ手”だ。それが「男」に押さえられれば太刀打ちはできない)
(それでも、駄々をこねる子供のようにその手を振り解こうと手を身体をよじり、
軽薄な言葉とともに、下から睨んでみせるのだけれど――このとき、もう「負け」を彼女は確信していた)
(――廃工場に響き渡ったのは、無機質な機械音)
(彼女が提示した「十分」にはほど遠く、むしろ「五分」経ったかも怪しいところだ)
(それが聞こえれば、彼女はすんなりと抵抗をやめて……不服そうに上の男を睨んだ)
……もう少し、長く設定しておけばよかった。
言動でもうちょっと撹乱できるかと思っていた分が、誤算だったようです。
耐性ができてしまわれたのですか? もう、可愛い後輩さんを私に返して下さい。
>>563 …………あれ?
(しばらく、油断ないよう葵の顔を覗き込んでいたが、
アラーム音が響いたのを聞くと、間抜けな声を漏らして)
…俺の、勝ち?
(呆然と呟きながら首をかしげて)
……そうか、そうだよな。
時間はぜんぜん確認してなかった。先輩の言葉、まんま飲み込んでた。
(気が抜けてしまったのか、手首の力を緩めて)
耐性なんて、できるわけねーだろ? 先輩の手首を掴むのだって、少し躊躇ったし。
でもま…せっかく先輩がくれた機会だからな。それを恥ずかしがって無駄にするのも、
もったいないだろ?……というか、からかうなら、時と場所を選んでください。
(こほんと咳払いしながら、はーと大きくため息をもらして)
……制限時間を長く設定しすぎては、私の勝ちは目に見えています。
このゲームって時間が長引くほど、ひどい体力差がなければ絶対的に追う方が有利なのです。
それでは、“私にとっての”『特訓』には、なりません。
ですけれど、始めから短く設定して……「逃げきり」に出られると敵いません。
それに逃げられてばかりでは、『後輩さんのこと知ることができない』でしょう?
だから、口では長めに「10分」――と申して、貴方に攻めに出ていただきました。
(脱力したように長い息を吐き出して、目を細める)
……まあ、つまりのこと。 身体能力測定ついでに、
“素の状態”での駆け引き力も拝見した、ということです。
もっといい方法があったと言われればそれまでですが……これだと、いっぱい貴方を弄べるかなって思ったのに。
(残念です、とでも言ったように口にしたものの――次には、小さく笑いだして)
……ふふ、ふふふっ。
ちょっと恥ずかしがってくださったのですか? それは全くと重畳です。
(手首をつかんでいた手が緩めば、そっと手をほどいて。
相手の片手と自分の片手を、絡ませるようにして握ってから)
でも、「女だから」とか「私だから」で、躊躇いを持つのは――……
(そのまま、絡ませた彼の手ごと、自分の頬に当てながら微笑んでみせた)
――あまり、高く評価いたしませんよ?
(まあ、つまりのこと、時と場所を選ばないからかいは続行中だとのことで)
……ん、まあ、そりゃそうなるか。
成る程な……こういう形の特訓なら、どちらかに必ず有利不利が出て来るし。
そう考えると、先輩の取った手段が一番効率的だったかもしれないな。
(確かに、と納得したように頷いて)
さすがに、こういう形で弄られるほど余裕はないからなぁ……。
それこそ、罰ゲームがかかってるなら、なおさら。
(苦笑を浮かべながら、軽く首をこくこくと頷かせて)
………仕方がないだろ?
どうしても躊躇いがある部分は否定できねーし……
…それならそれで、他のやり方を探し出すまでだし。
(絡んだ手と手の感触に顔を赤くしながら、ぷいっとそっぽを向きながら呟いて)
…それに。実を言えば、貴方がどのくらい私のことご存じか、知りたくて。
――まえに刃を向けた時、弾いたでしょう? わたしの、ダガー。
あの時は多少気が昂っていたとはいえ、あんなに“読まれて”いたの少し不覚でしたから。
(すっと細めた目から、いくらかからかいの色が消えて)
あー、そういえば負けちゃいましたものね。せっかくの一週間パシリでしたのに。
(外見だけはかなり残念そうなもの言いでも、
実際は目の前の赤くなった顔でけっこう満足しているらしい彼女は、溜息を吐きだす)
……別に、否定するとは申し上げておりません。
わたしと貴方の価値観は違いますから。 私が、高く評価しないだけ。
――宜しいのではないですか? 貴方の心が折れないなら、私はそれを“否定”はしません。
(そろっと手を離して、ちょっとだけ目元を緩めて放った言葉は――本当は、誰に向けたかったのだろうか)
……帰りましょうか。
汗かいてしまったでしょうし、このまま外にいると身体がさめてしまいます。
それに、こんな体勢でいると何やらどうしようもなく襲われている気分になってしまいます。
(恥じらったように目をそむけて、口元を押さえてみせたのは、
長い付き合いの彼になら分かるだろうけれど、明らかに、完璧に大嘘な“仕様”であった)
>>567 あー……そう言えば、そうだったな。
でも、あの時は、こんな『特訓』じゃなくて、俺も先輩も真剣だったからな。
いや、今さっきも真剣だったけど……必死になってたっていうかさ。
どうしても、あの時は止めなくちゃって思ってたし。
身体を張って、でも。
(ぽつりと言葉を零して、苦笑を浮かべ)
パシリって…いつもと変わらない気がするけど?
ん……まあ、さすがに命掛かってる時は、
そんな躊躇いなんてないだろうけどな。……できるだけそうならないようには考えるだろうけど。
(ぽりぽりと頬を指先で掻きながら)
あ、あー……そ、そうだな。って誰が襲ってるかっ!?
ああもう、分かった。分かったよ。
(恥ずかしそうにしながら、葵の身体から退けて、立ち上がる)
……ほら、先輩。手、貸すよ。
(手を差し出して、まだ気恥ずかしいのか頬を掻きながら)
>>568 ――そういえば、改めて申しておりませんでしたね、お礼。
(くすぐったそうに、ちょっとだけ笑いを浮かべながら)
……ありがとうございました、太一朗さん。
別に勝手に礼を申してるだけですから、返却不可です。いらぬなら、捨てておきなさい。
(口にして相手に聞かせた時点で、捨てるも何もないのだろうけれど。
そんな風なことばで、“過去”を笑ってみせるのは彼女なりの行動だ)
ええ。 貴方がしたいように、在りなさい。
(ぽんぽん、と軽く頭を撫でてから、小首をかしげる)
……貴方の目的は“殺す”ことじゃなくて“守る”ことでしょう?
狩人(わたし)にとって、理性的に考えれば躊躇いは邪魔なものですけれど、
守るためには、多少なりとも躊躇って考えること、必要だと思います。
……貴方が死なない程度に、お悩みなさい。
(相変わらずに勝手な、言葉)
(それでも、頭を撫でた手はできるだけ優しく、と努力しているようでもあって)
ちゃーんと帰ったらお風呂浴びて温まって寝ないと駄目ですよ?
(堪えているのだろうが、耐えきれない笑いが零れおちている。
ひとしきりからかい終えた後には、そんな最もらしい言葉を吐き出したが――)
……謹んでお借りいたします、後輩さん。
(言葉とともに差し出された手を見れば、
少しだけ、本当に嬉しそうに表情を緩めて手を取って――…それから)
……ねえ、後輩さん。あの、ですね、わたし、その――
>>569 ………ん、それじゃありがたく、その言葉受け取っておくぜ。
捨てるにはちょっと勿体無いしな。
(そう言葉を返しながら、笑みを浮かべて)
ああ、ありがと。先輩。
そうさせて貰う。俺は俺のやり方でやってみる。
…それがどこまで通用するかは分からないけどさ、とことんやってみせる。
(頭を撫でられながら、小さく頷いてみせて)
おう。汗掻いちまったしな、俺も。
それに疲れたし、ゆっくりと今日は寝ることにするさ。
(手を取った葵の手を引っ張りながら起こして)
………? どうかしたか、先輩?
(きょとんとした様子で首をかしげて)
はい、ゆっくりお休みになられてください。
一応、怪我はさせなかったつもりではありますけれど……大丈夫、でしたか?
(引っ張り起こされて、背についた砂を払いながら)
――あの……べつに、大したことじゃないのですけれど。
(きょとん、とした様子の相手を見る)
(それはいつもと変わらぬような表情だったけれど、ほんの僅かに目が泳いでいて)
……わたし、は。
(握ったままだった手に、きゅっとほんの少しだけ力をこめたものの)
――……やっぱり、いいです。
(ぱっ、と手を離してから、小さく笑ってみせる)
……そうですね、やっぱり強いて言うなら、
いつまでも愛らしく弄られていて下さい。 私はそれが望みです。
(恭しく胸元に手を当てて、そんなことを口にしてみせた)
さて、帰りましょう。 来週から楽しいパシリ生活、重畳ですね。
(「負け」たのは彼女であったろうに、いつのまにそんな話になったのか)
(相変わらず自分勝手なことの運びをして、小首をかしげてみせる)
……ひとこと、なのに。
(彼の横をすり抜けてから、呆れかえったように小さく溜息を吐いた)
(――「好き」だなんて、たった一言なのに)
(何を躊躇うのだろうか、と。
自分に対する呆れと、何故か無駄に早く打った心臓の音を知られぬよう、少し歩調を速めた)
【ごめんなさいっ、急に電話が入って遅れてしまいました…】
【こちらは、このあたりで〆、で大丈夫でしょうか?】
……? 変な先輩だなぁ……。
(首をかしげながらも、軽く笑って)
まあ、先輩に弄られるのは今にはじまったことじゃないしなー…。
って、ちょっと待て!? 勝ったのは俺なのに?
おい、聞いてんのかよ? ちょ、先輩待てってば!
(擦り抜け際に放った彼女の言葉は、聞こえなかったらしく、
当面来週の過ごし方をどうしようと考えながら、彼女の背中を追った)
【それじゃ、こちらも簡単にだけど、これで締めってことで。
今日はどうも付き合ってくれてありがとうなっ!
お疲れ様っ。また機会があれば、よろしく。おやすみーっ!】
【見届けさせていただきました。
こちらこそ、凍結を挟んでのお付き合いありがとうございました。
弄r……じゃなくて、手合わせ的な特訓ネタ、できてうれしかった限りです】
【それでは、お休みなさいませ。また、機会がありましたら。(一礼)】
【名前】須佐乃 水琴(すさの みこと)
【年齢】17
【性別】女
【身長】170cm
【3サイズ】88/63/90
【容貌】黒のセミロング。釣り目がち。均整の取れた締まった体つき。
左眼を過ぎる、薄い縦一文字傷。左眼はほぼ失明、右目はコンタクト。
【能力】自らの運動量と霊力を総称した「勁」の操作に天分を持つ。
習熟した剣術と体術と「勁」を以て、悪霊や異能者と渡り合う。
元は暗殺向きの能力で持久力に欠ける。得物は二尺八寸刀。
自らを高める「陰」の技が主で、外に発する「陽」は実戦には使われない。
【希望】雑談 エロール 戦闘
【NG】猟奇 排泄 他特殊プレイは事前にご相談下さい
【弱点】自然現象に纏わる能力
【備考】帰宅部。制服崩し着が基本のサボり魔。不良生徒。
顔に傷を作るのと数日の失踪であらぬ噂が立ってしまい、学校では浮いた存在。
基本的にマイペースで面倒臭がり。臆病者で心根は弱い。
父が地主で母は外科医。裕福だが、小遣いはスズメの涙。
かつては警察機構の猟犬を務めていた退魔師一族「須佐乃」の嫡子。
理性を蝕む程の、自らの勁の鋭さ故、麻薬中毒に似た殺傷依存症に目覚めた異常者。
その体質を憚った実父の計らいで、数代ぶりに、新たに猟犬としての名を負う。
自分が「悪」と認識した者を討ち、心を痛めることなく卑しい衝動を鎮めている。
現状、戦士として完成されているものの、その理由である蓄積された霊力の所為で、
一歩間違えば容易く肉体が壊れる不安定な状態にある。
【ぷろふ。と、待機。】
【……今日大丈夫だっけ?】
こんばんは。
まだいらっしゃいますか?
お、意外な人から声がかかった。
こんばんは。いるよー。遊ぶ?
お互いに接点少ないんで、なかなかお会いする機会もありませんでしたが
よろしくお願いします。
今日はどんな気分でしょうか?
出合って能力を知るロールとか、こちらが一発キャラになって
十全と殺しあうのでも。
接点が少なくて、せっかく会えたんだから、一発ってのは もったいない! 気がする。
というわけで、粛々とお話でもどうでしょう?
お互い能力を知る?というか、異能者だってことを知るには、学校外のほうが都合がいいのかな?
そちらは最近学校には来てないそうですから、外がいいですよね。
そちらが警察関係のお仕事をしているときに、こちらが余計な手出しをするとか。
バトルより、その後のお話メインで。
たまには学校、行ってるんだよー。
教室に行くことがないだけで。
事後了解。書きだしはどうしようか?
それは失礼しました(汗>学校
よろしかったらそちらから書き出しお願いできますか?
合わせて行きます。
はーい。ではではいきます。
少々またれい。
お待ちしてますね。よろしくお願いします
(蛇の道は蛇。異能者を狩るのも、同族か裏の者。善悪など、厳密には存在しない――)
もう、誰もいない……よね?
(今回、凶行に及んだ異能者は、あろうことか猟犬の母校に逃げ込んだのだ。
刻限は日付変更線を過ぎた深夜、更に下校時刻の早まる冬期ともなれば、
姿を見られる心配もあるまい――更には今回の標的は決して武闘派ではない。凶悪犯ではない。
ほんの出来心、常あらざる力を得たゆえの好奇心で、不意に悪行を重ねてしまった――
そんな"ありがち"だからこその油断でもあったのかもしれない。現に仕事は順調すぎるほどだ)
まぁ、そういうわけで、後始末はお願いします……。
こういう時、刃物だと困るよね、血が……出るから。
(携帯を閉じてポケットにしまった水琴は、あらためてその部屋の状況を確認する。
既に使われなくなって久しい木造の旧校舎の一角は、朱の花弁が飛散したかのような有様である。
暗闇の中で怯える標的は、最も喉を裂かれ、片足の腱を斬られ、追い詰められた鼠のような様。
そんな窮状に、刀を持った人間が、一歩、一歩近づいてくる……まさに、悪夢であろう)
……うん。死ねよ。
(相手が悪い。――水琴は一片の呵責を抱くこともなく、両手に構えた刃を水平に傾ける。
切っ先の照準は今度こそ首に。既に浅く切られた部位を穿ち、息の根を止めんと……)
【お、おそくなりました。
よろしくぅ。容量も見つつ、だね】
…っ!
(背骨の捻じ曲がった人型の異形に電撃を浴びせる)
(旧校舎脇の空き地で、誰かが争っているのを見た、と思ったのもつかの間)
(たちまち異形に取り囲まれ、争っている人影は旧校舎に消えた)
どきなさい!あっちに…早く!
(旧校舎へ向かおうとするのを足止めされ、苛立ち紛れに発電する)
(異形どもが耳障りな声でしゃべりだした)
アッチハ 政府ノ犬 ジャマ 我ラノジャマ 犬ニ ツカマッタ 政府ノ ジャマ ツカマッタ
何の話なの!?
(たずねて答えのあろうはずがなく、津綺子は異形の間を駆け抜けて旧校舎へ飛び込む)
死 ジャマ 政府ノ 警察ノ犬 死…死…死ヌ…
(異形たちのリエゾンを聞きながら争う物音を頼りに階段を駆け上がり)
(とある教室へ飛び込む)
あなた、離れて!
(先ほど見かけた女剣士に叫ぶが早いが、血まみれの相手に放電した)
(閃光、轟音、そして……)
あなた、大丈夫?
(動かなくなった血まみれの体から目を離し、剣士のほうを向いた)
【こちらもこんな感じでよろしくお願いします】
【はい、容量に気を配りつつ、ですね】
(突如乱入してきた、木造の床を叩く音に剣先がぶれる。
勘――のようなものだろうか。飛び込んできた相手の挙より速く、
身を翻すように切っ先を標的からずらす、と同時に発した暗闇を照らす閃光に、思わず腕で目を庇う)
……な、なに!?光?
(それを、電撃である、と即断できぬのは、そういった能力を実際に見たことがないため。
ただ、わかるのは、未だにちかちかする目を瞬かせて回復した視界には、
新たに"死体"がひとつ出来上がっていることだけ。黒い煙を上げる――まるで焼かれたかのような。
ともあれ、自分の出る幕がなくなったことは見て取れ、僅かな落胆に、むしろ眉が寄る)
ッ、邪魔しないでよ。人の――横取り、して。
……あれ、あんた――ここの、生徒の。
(苛立ちの過ぎた怒りを露わに、飛び込んできた光の持ち主の首もとに
切っ先を突きつける。性根の若さ故か、器用に感情を鎮める方法は知らなかった。
が――鋭い瞳が一転、開かれたは、切っ先の少し上には、見覚えのある顔があったからだ。
それなりに真面目で、運動部の花形。教師達にも期待を寄せられているような……
学生としては、自分とは対極の位置に在る、"有名人"……)
はぁ…はぁ…
(駆けてきたことに加え、今しがた放った電撃のおかげで荒い息をつく)
(一撃で黒焦げにしてしまったのは、やりすぎたと思ったが)
(それ以上、手勢もいなさそうなので安心して)
大丈夫?あなた……?
(助けたはずの相手は、厳しい言葉を吐いてこちらを疎む様子)
横取り…?
(こちらも眉をひそめて黒こげと背の高い剣士とを見比べる)
これをおとなしくさせるのがあなたであろうと私であろうと、
危険が去ったのならいいことでしょう?
ええ、そう。私はここの生徒だけれど……あなたも?
(こちらを見知っているのは陸上関係者でなければここの人間だろう)
(近くへ寄って、ようやくこちらも剣士の顔に見覚えがあると知った)
【すみません、既知でよろしかったでしょうか?】
生き延びることは出来た……けど。
あたしの目の前には、わけわからない力を使う"人殺し"がいるよ。
(懐から取り出した紙で、刃の根本から付着した血液を拭い取っていく。
表出していく煌めきとともに、やはり警戒は緩めない。
……誰が安全で誰が危険かなど、もはや見極めるのは困難だ)
一応、ね。最近は行ってないから。
……そんなあたしでも知ってるような奴が、まさか異能だなんて、ね。
やっぱ人外魔境だわね、この学校。
で、あんたはなんでこんなことやってんの。趣味?
(何かに無心に打ち込める人間――充実、という言葉を知っているような相手。
それが何故、"夜"に繰り出す必要があるのか、水琴には理解できなかった。
剣を未だ突きつけたまま、口を利いたことのない――
そう、勝手に引いた線の向こうにおいたクラスメイトに問うた)
【全然だいじょうぶー。確か同じクラスだーってことになっていたような……】
(人殺し、と呼ばれればますます疎ましげに眉をひそめて)
否定はしない…ただの人ではなかったはずだけれど。
(斃れた異形は次第にその形を失い、消えて行きつつある)
やっぱり、あなた須佐乃さんね。
あまりお話しもしないうちに、あなた、学校に来なくなってしまったけれど…。
同じクラス、よね?
(淡々を得物の手入れをしながら語る「級友」に、胸がざわめくような思いで答える)
趣味でこんなことができて?
化け物の犠牲になる人が少しでも減って欲しい、
そう思わなければとてもできない。
(と、いかにも優等生な回答を打ち切ってため息をつく)
どの道、こんな力があったらこういう連中に会うのよ。
こちらが黙って道を歩いていたって、向こうからやってくるの。
自衛…というよりは、先制攻撃、と言ったら納得してもらえるかしら。
(「級友」の醒めた目に語り掛けつつ)
(その目が見てきた深淵は、こんなものではないだろうと)
(ふと怖気におそわれる)
【では級友設定で行かせていただきます】
だから……殺していいんだよね?
(狙われるに然る理由。人ならざる者となる境界を越えた者に、
何ら呵責は必要無いのだ――と、改めて確認する。
他人の判断に委ねるようだが、既に答えは出ている)
あたしみたいなのを、覚えてたの?
……ま、そっか。あたし物覚え悪いから、普通は覚えてるもんか……?
あたしは知ってるよ。朝礼とかさ、1年の時は割と出てたし。
そん時から、賞状をよく貰ってたよね。"伊織"は。
(授業の終わりに入ってくるようだと、目立つのは目立つだろう。
そういった奇異の目が、疎んじるものに変わるのは、至極当然のこと。
剣を振り抜き、鞘へと刃を呑み込ませると、肩の力を抜く)
……だから、横取りはされたくなかったの。
こういう事を重ねないと、あたしは絶対途中で折れる。
もう少しで、終わりだから……その時まで逃げたくないの。
(首を横に振る。意地汚く、衝動の発散に拘る自分を嫌悪するのは、
どこか正気が残ってしまっているからだろう)
さっきの……光るやつって、生まれつき?
(ふと、そんなことを聞いた。後学のため、という利口な考えはない。
ただの――興味だ。)
それが魔物だから殺したわけじゃない!
(青いと言われようとそこは譲れなかった)
(なぜなら、自分も……)
そいつはあなたを…他の人々を、傷つけるからよ!
覚えてるわ。クラスメートなんてせいぜい40人しかいないじゃない。
それに一年生の時だって、何度か顔を見ていた人たちだもの。
(肩の力を抜いた水琴に、こちらも緊張を解いた)
横取りって、さっきも言った。
これを、自分で倒すことが必要だったの?
(妖魔を食らうことが必要な、パートナーの顔を思い出す)
(彼女も…あるいはまた……?)
(その想像に胃の辺りが重く冷えて、かぶりを振った)
光るやつ…電気よ。要するに雷。
ええ、生まれつき……はっきり雷になるほどパワーアップしたのは、
ここ5,6年のことだけど。
あなたはなぜ妖魔を狩るの?
なぜ…それが必要なの?
(少しでも、この少女を理解したい)
(彼女の醒めた視線に、少しでも共感できるものを探して、すがるように尋ねる)
(なぜなら…水琴を理解できないことは、愛する彼を理解できないことだから)
あたしもそうだよ。怒らないで。
(微笑む。が、すれ違っていることは、理解していた。
水琴が抱くのは義憤ではなく、"免罪符"としてその理由を見つめていることだ)
10人も、覚えてないかもしんない……。
(頭を抱える。まさに、対極だった。自分の領域に引きこもり、外へ関心を向けない。
そうした自分の粗を、指摘されているようだった。
もうそんなことは関係がないはずだ、と首を横に振って、わかったのは、
この女は――未だ、自分とは違う世界に生きているのだということだ)
かみなり。体に浴びると、こうなるんだ……。
これのせいであんたは狙われるようにもなった。
あたしが誰かを傷つけたら、これで殺されちゃうのかな……?
(遠雷を眺めたことはあるが、流石にその身には静電気程度の経験しかない。
見れば、恐ろしいものだ。弱っていた者であるとは言え、即死する威力……
彼我の距離を確認し、剣の存在を確かめる。僅かに空気が張り詰めた)
――殺すのが楽しくて気持ちよくてたまらないから。
別に相手が抵抗しなくたっていい。こっちに気づいてなくても。
この手、この剣で息の根を止めるのが必要なの。
ものを食べたり、寝たりするのと同じように……ね。
"他の人々を傷つけるような奴"なら、おおっぴらに出来るから、今日も。
(故は、偽らない。
もし、ここで自分に怒りを向けてくるならば――この女も、"悪"だと)
594 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:44:24 ID:L97aDgF8
乙
私一人ですべての魔を祓うことなんてとてもできない。
それでもそうせずにいられないの。
すべてが無理でも…せめて一人でも、魔物の犠牲になる人がいないように。
(須佐乃水琴の微笑を、完全に読み違えていた)
(異能ならぬ彼女に、よもや内的理由があるなどとは思いもよらない)
自分にとって大切じゃないことを、そんなに覚えていられないわ。誰でも。
あなたにとって学校なんて、関心の外なんでしょう。今は。
(そこでため息をついて、またかぶりを振った)
私は私にとって何より大切な平凡な日常…そのために学校へ行くの。
学校がなかったら、私は狂ってたかも。
(もうほとんど砂のようになってしまった妖魔の死骸を見下ろす)
ちょっと電力が高すぎたかも知れない。
スタンガン、知ってるでしょ?
普通はあんなふうに、電圧だけ高くして電力はそれほど出さないように
気をつけているのだけれど……つい、必死になってしまって。
(その間だけは、冷徹な退魔士の顔を見せ)
(水琴の次の言葉に退魔士の表情を取り落とす)
…っ…気持ちいい……?
殺す…ことが……?
(一瞬、肌を粟立たせる嫌悪を必死で押さえ込む)
(魔に変じる恋人がしていることが、まさに…同じことなのだから)
(食らいたいから殺す)
(欲求があるから…殺す)
(自分も、その手伝いをしている…の、だから)
それが、動機…。
あなたは、人を殺す代わりに魔物を斬る…のね?
……大切な、平凡な。そっか。
(関心という言葉には、頷かざるを得なかった。
かつては、自分もそのためだけに学校へ足を運んでいたのだ。
刀を握らぬ時は、自分はまともな人間でいられる。
――そんな幻想を見ていた時期もあった。
だからこそ、今回ばかりは軽口ではぐらかすことは出来ない)
……でも、こんなこと続けてたら、戻れなくなっちゃうよ。
それとも……狂ったっていいっていうほどの"覚悟"でも、あるの?
あれだ、時々刑事ドラマとかで犯人が使ったりするの、見た。
(スタンガンを、相手に当てる動作を真似る。
それを強化すれば、確かに熱と電撃で殺傷力が高められる、というわけだ。
……こうした自然現象に類似した能力は相性が悪い。直撃したらこちらも死ぬ)
そう。おなかがすくみたいに、凄く殺したくこともある。
……ごはんをとられた、ようなものだね。
でも、まだまだいる。物好きも、どうしようもない異形も。
(どうせ終わりはしない。だったらいっそ受け入れてしまえばいい。
……そうした極論を、咎められたのに、下りないのは
……どこかで破滅を求めているからか)
……そうだよ。だってそれだったら、悪いことじゃ、ない。
自分のため――自分が生きるために、動物を食べるようなものだよ。
ましてや、誰かを傷つけるような奴らだ……ひとりでも減らしたほうがいい。
あんたも、そうでしょ? そういうことでしょう? 夜で、戦うということは?
戻れる!
(水琴の言葉をほとんど脊髄反射で否定した)
あなたはヒトだもの……戻れる、狂ってなんかっ……!
私は生まれつき、ヒトでありながら、ヒトにはない力を持っている。
でも狂ってなんかいない!
私は…魔ではない、ヒトよ!
あなただって、殺していなければ一人の人間。そうでしょう?
自分の意思で剣を手放せる。そうでしょ?できるでしょう?
(自分の能力は自分の意思で手放すことはできない)
(もし剣を握るか否かの選択ができる水琴が戻れないというのなら)
(自分は……そして、妖魔を宿す恋人は)
戻れなくなんか……
(おなかがすく、という直截な比喩に戦慄する)
(もはや彼女の殺人衝動は、生理的欲求なのだ)
わたしは…ちが…
(否定はできない、してはいけない)
(自分だけ、その衝動と無縁だと言い張ることは、水琴を…)
(「彼」を否定することになってしまう)
生きるために…。そう、自分が生きるために。
楽しむためじゃない、趣味や、心を満たすためじゃない!
(それ以上の言葉は見つからなかった)
(水琴を受け入れて、「彼」を受け入れてなお、正しくあろうとする道筋が)
(見えなく、なりそうで)
【そろそろ締めに向かいたいと思いますが…】
じゃあ、戻してよ。助けてくれるの?
(眉を顰めて、否定する言葉に更に問いを重ねる。
心持ちで戻れば、――剣を捨てることが出来れば、元の平穏に戻れるのか。
違う、そうではない。)
剣を捨てたら、仕返しに来た奴に殺される。
耐えたら、今度は自分自身に殺される……きっと、"終わり"はここだよ。
(指さしたのは――砂になったもの。自分の剣は、程なくして大切な人へ向く。
その人を"終わらせる"か、自分が"終わる"か――そうしなければ、螺旋は途切れない。
少なくとも、そうした希望を得られるほどに水琴は楽観的ではなく、
未来を託せるような相手の信用を、自分で踏みにじり、喪ってしまった)
じゃあ、あんたは戻りたい?何も知らなかった頃に、平和だった頃に。
今まで起こったいいことをそのままに、自分の闇だけをなかったことにする――。
……あたしだって前は考えたよ、そういうこと。
すべては自分の外が悪くて、それが解決できれば、そんな時が来るんだと思ってた。
(首を横に振る。……他人の所為にするしか、目を逸らすしか、出来ないのだ)
だったらあたしはこの力で、手に入れられるものを手に入れる。
誰かを傷つけても、自分の心を満たすためにも。
……あんたはどうなの?本当に、生きるため、だけ?
あたしみたいに――"ここでしか手に入らないもの"を、求めているんじゃないの?
(水琴にとっての殺傷がそれであるように。
この狂った原理に縛られなければいけない――情か、義心か、何か。
自分の理解できないなれど、理由たるべきものが、彼女のなかにあるのなら)
……逃げたいよ。でも、助けてくれる人は、はじめからいない。
あたし達が殺してきた奴らを、誰も助けなかったように……。
――もう誰とも、一緒に笑えないんだ。
(どうあれ――自分たちもまた、太陽に背を向けた"異形"なのだと。
そう観念をつける者達の足音が響いてきた。後始末を担当する、警察機関の者たちだ)
【了解したよー。】
剣を捨てても、殺したい気持ちはなくならない…そういうこと?
自分を自分で守らなくては…自分を傷つけるものを
自分で倒さなくてはならない。そういうことなのね?
(問いかけるようでいて、それは自分の中にある答えを確認する言葉)
(とっくに、水琴は自分で納得している…ただの事実)
私も、やめられないのね。
自分が夜の住人になりたくないなら、夜の住人を殺し続けるしかない。
(手をかざす。ぴしりと指先に火花が散る)
(自分と、砂に変じた妖魔との違いがどれほどあるというのか)
(少なくとも、頭の先から爪の先までヒトである水琴から見れば、どちらも異能)
(自分はまだ生きていて、そこにいるものは死んでいる)
(それだけの違いしかない)
そうね、誰も助けてくれなかった。私のことも。
(殺されこそしなかったものの、妖魔に敗れて失ったものは大きい)
でも、私は今日、あなたの命だけは助けたわ。
あなたの心の渇きは、もっと強くなったのでしょうけれど…
誰も助けにこないわけじゃない。
救われなくても、助けようとする誰かはいるのよ。
(そんな言葉が水琴の慰めにも癒しにもなるとは思えなかったが)
(それでも、自分の気持ちだけは告げて)
あなたのこと、助けたいと思う。
少なくとも私は、そう思った……。
(その気持ちは、水琴の救いにはならなかったとしても)
(心の中でそう付け足して、あとは何も言わずに身を翻し)
(水琴に……殺さずには満たされない少女に背を向ける)
(だが、いずれ踏み出す先は……闇)
【ではこちらはここで締めます】
【そちらの締めを確認してから落ちますので】
どこまでいっても……。
(少なくとも、それに耐えられるほど強くはない。
それでも前へ進むだけの意志の強さがあればまた違うのだろうが、
決して、自分は特別ではない、弱い人間であると認めてしまっている)
なら、あたしはその人達を苦しめることしか出来ないよ……。
優しさにも、信頼にも、あたしは仇しか返せない。
誰かに何かを与えることも。不幸、ぶってんだろね、あたし。
(苦笑する。学校でのことはさておき、決して彼女も"恵まれて"はいないのだ。
泥の沼に沈みながら、それでも歩こうとしているだけ。
歩みを止めた自分と、その違いだけはある――羨ましいとは思わない。
そちらへ行けば、辛くなくなるのかと、考えただけだ)
大丈夫……もうすぐ、終わるから。
自分だけが幸せでも、それが終わりなら……いいでしょ?
(そう、自分はもう、隣に誰かを置くことはできないのだと。
そこだけは――自分と伊織を重ねるにあたっての、最大の誤解であった。
言うなれば、それだけ、伊織には進む道が分かれるということ)
化け物は死ぬまで化け物。その後には、きっと……。
【というわけで、ここで。
何やら悩みの種を増やしてしまったようで申し訳ないけど……
思ったよりギスギスは、しなかったね。おつきあいありがとうっ】
【久々にみっちり語るロールで楽しかったです】
【こちらこそありがとうございました】
【水琴さんの堕ちっぷりにwktkしつつ】
【また会う日を楽しみにしております】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
微妙な時間ですけれど、すこし待機を。
残りもわずかなので、テンプレは新スレに。
【…なんですかテンプレって…orz】
【プロフの間違いです】
【…と、伊織さんには、スレ立てお疲れさまでした、と(ぺこり)】
【こんばんは〜】
【まだいらっしゃるかな?お相手よろしいでしょうか?】
【はい、いますですよー】
【こちらこそ、よろしくお願いします(ぺこり)】
えと、前回は共闘でしたけれど、なにかご希望はありますか?
【ん〜、会誌の布教洗の……もとい渡したいという希望がw】
【まぁ、また夜に出会って、ごたごたするのが希望です】
本音が垣間m…ん、うぅん。
はい、了解です。だったら、また校内でしょうか。
書き出し、おねがいしてもいいですか?
【了解です】
【あ、もしかしたら、新スレの方に書き出す事になるかも知れませんが】
【その時は、お願いします……ってな訳で、午後の紅茶を片手にお待ちください】
あと2Kb…微妙すぎるのです…!
…と、とにかくお待ちして、いるのです。
【とりあえず、便宜のために、向こうに投下しました……】
【あとで、埋めときます……】
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