舞台はとある学園、人ならぬ『力』を得た少年少女たちの物語である。
彼らはその力の存在に惑い悩みつつも、同じような『力』を持つものたちと、時には敵として、
時には味方として対峙しながら 力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていく。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら戦闘モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・最強設定は勘弁してくださいお願いします。
・能力は使い魔、サーヴァント、念、核金、魔術、法術、変身など基本的になんでもありです。(強力すぎなければ)
・名無しさんは一般生徒、怪物で襲ったりなどがいいかもしれません。
・本校は幼等部から高等部まで有しており、留学生との交流も盛んです。
テンプレ
【名前】(読みも)
【年齢】
【性別】
【身長】
【3サイズ】
【容貌】
【能力】
【希望】
【NG】
【弱点】
【備考】
前スレ 【異能】黄昏の学園5【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1218012231/ 避難所 【異能】黄昏の学園避難所9【異端】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1220104610/
【名前】暁 小次郎 (あかつき こじろう)
【年齢】 外見年齢20代半ば/表向き17歳
学年は三年生
【性別】 男
【身長】 180cm 65kg
【容貌】切れ長の双眸・長い髪を後ろで束ねている
女性的な顔立ちをしている・学生服と黒い着物
【能力】 人間の限界を超えた身体能力+剣術
武器・両刃の西洋剣(鋼鉄製)と日本刀
【希望】 戦闘・雑談・エロールなど
【NG】 汚物・薔薇など
【弱点】 大量の火 神社仏閣など神聖な土地 破魔の術
【備考】
とある妖術師の一族が生み出した《器人》。その本質はからくり人形である。
その精巧なからくり人形に、一族秘伝の降霊術により、黄泉の国から呼び出した
人間の魂を憑依させて、生身の人間の如く振舞わせる。一族の意向により小次郎は、
この街で起こっている怪異の原因を突き止めるべく、生徒として潜入する事となる。
現代日本の知識は植えつけられているが、根本的に修羅を宿す剣客なのでその齟齬に
苦しむ場面もある。普通の学生としての生活に戸惑いつつも、自分の使命を果たそうとしている。
真剣勝負を尊び、強者に敬意を払う。
【スレ立て終了。これにて落ち】
>>1 暁くん、スレ立てお疲れ様です。
【名前】瀬尾 司(せのお つかさ)
【年齢】18歳/高等部3年生
【性別】男性
【身長】180cm
【容貌】栗色の癖毛にややタレ気味の瞳。インドア派にありがちな色白。
【能力】錬金術士。使い魔の作成と使役。
魔術的な力を秘めた道具の製作。
初歩的な攻撃魔術も使うが使い魔に攻撃させたほうがマシ。
研究の成果なのか肉体の再生能力はそこそこ高い。
黒のローブ:戦闘用の黒いローブ。
自前の強化を施していて魔術、物理攻撃を多少は緩和してくれる。
戦闘時に実体化して身に纏う。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】同性愛、スカ
【弱点】肉体的にはたいしたことない人です。
【備考】錬金術師の家系に生まれた青年。
日夜怪しげな研究に没頭していて、頭の中はそればっかり。
学園生活では物腰の静かな優男風。錬金術が絡まないことになら人並みの常識人。
様々な怪異や霊的力場のせいで、標本や素材が大量に手に入り研究がはかどっていることに幸せを感じている。
【さて、少しだけ待機などを…と】
【名前】霧原 朱音(きりはら あかね)
【年齢】17
【性別】女
【身長】178cm
【3サイズ】89/58/81
【容貌】切れ目に長い黒髪、丈を詰めたスカートの制服。左腕を失って以来、水で作った手甲を装着している。
常に薄い微笑を浮かべていたり、シードになるとそれがとても柔和な笑顔に変わったりする。
【能力】
・液体操作
自身の体液を混合した液体を自由自在に操ることができる。
例:超硬度の液体を纏って武器や鎧にする。濃密な霧を作って視界を遮断するなど。
この効果の影響下にある液体は触覚を持ち、その液体が触れているものを自身も感じることができる。
また、液体を操作するには自身の体液をある程度以上の濃度で混合する必要がある。
つまり、大量の液体を同時に操ることはできない。
【希望】責めるも良し、責められるも良し、楽しければ何でも大丈夫。
【NG】つまらないこと。
【弱点】周囲に液体が無ければ戦えない。最悪自身の体液をそのまま使用することになる。
【備考】
水を媒介とする未知の生命体に冒され、液体操作の能力や身体能力の向上と引き替えに理性を破壊されてしまった。
そのため自己の欲求には非常に忠実な存在となってしまったが、それを隠して日常生活を送る程度の狡猾さと知性は持ちあわせている。
普段は少しだけ優等生な学生だが、夜ごと外を出歩いては自らの興味を満たすものを探し求めている。
それは戦いかも知れないし、肉欲であるかもしれない。
そもそもにして、日常を演じていることすら彼女にとっては興味深いことだから、なのかもしれない。
そして、興味に忠実な自分を自覚しつつ止めるつもりもないのが彼女である。
なお、現在その生命体に完全に自我を奪われ、シードと名乗り自己の増殖のために活動を始めた。
最終目標は、人類全てを宿主とすることらしいけど、どうなることやら。
【プロフだけ投下ー】
【名前】伊達 三月(だて みつき)
【年齢】16(高等部一年)
【性別】女
【身長】約170cm
【体型】細めのCカップ?
【容貌】一見、凛々しい、長髪を頭の後ろで軽く縛っている
長めに伸ばしたモミアゲがチャームポイント
【能力】触れた物の大きさを2割ほど変化させる能力
能力は重複せず、一度の発動では150cm圏内にしか力は及ばない
大きくした物質の質量は増え、ほっておいても5分ほどで元に戻る
愛用の鉄棍を通しても能力は使用可能
【希望】日常、戦闘、エロール、などなど
【NG】スカ、グロ、重度の肉体損傷
【弱点】得物がなければ只の運動神経のいい高校生
【備考】少々見栄っ張りな薙刀部所属の幽霊部員
制服は少しばかり短めで薙刀袋を常に持ち歩く
袋の中身は120cmの鉄棍、愛称を梵天丸
首からお守りと称して三角形の大きめの皮袋を下げている
【瀬尾先輩、お相手よろしいですか?】
【軽く日常ロールなど希望です】
>>5 はい。喜んでお相手しますよ。日常ロールも問題はないです。
さて、シチュエーションですが…夏休みであり、学年も違い、体育会系とインドア…ふむ、接点はいかがしましょう?
>>6 【前スレ余ってるらしいので、移動しますね】
【名前】御木本 正太郎(みきもと しょうたろう)
【年齢】男
【性別】17
【身長】168cm
【3サイズ】計ってみたら83/65/84だったねえ
【容貌】体重50kg未満説が流れるひょろひょろ体型。
瞑っていると間違われる糸目は自称チャームポイント。
【能力】言語や五感を用いた幻術を操る。
靴底にガムがついていたり指の先を負傷しているなど
日常的に体験していそうな状態は一言で錯覚させられる。
大出血や行動不能などの高度な幻覚も生み出せるが、
それには元になる痛覚、話術などによる精神操作など
いくらかの条件と確実な準備、多少の運が必要になる。
【希望】雑談、漫談、戦闘
【NG】精神的に痛いこと・汚いこと
【弱点】相手が絶対の確信を持てば、比較的簡単に幻影は破れる。
また、体型が示すとおり体力はあまりない。
【備考】余暇は漫画やアニメに費やすオープンオタク。
他にも雑学に長けていて、あだ名は御木pedia。
集中力は目を見張るものがあり、結果観察眼もそこそこ。
生後突発的に現れた幻術能力はも関連していると思われる。
本来一人静かに部屋で画面に向かっているタイプなのだが
頼られると嫌と言えず、なし崩しで参戦させられる事多し。
【戻ってこられる前に、ちょっと失礼】
【名前】媛名 葵(ひめな あおい)
【年齢】18歳
【性別】 女
【身長】170cm
【3サイズ】 スラッとした体系で、胸が小さめ
【容貌】腰下までのストレートな黒髪。黙っていれば淑やかそうにも見える。
【能力】“剣糸(けんし/ソードストリング)”
日本刀と糸やダガーなどの暗器を得物にすることから、組織内で“剣糸”の名を持つ。
異能はないが、その運動能力・動体視力・反応速度は常人を大きく上回る。
※ 日本刀は≪弐式(にしき)≫という名の霊剣、特殊な糸は拘束・切断などが可能。
【希望】雑談、戦闘、エロール など
【NG】スカトロ、妊娠、死亡
【弱点】精神干渉・魔術的攻撃。痛覚は多少鈍いが、再生能力は普通の人間。
武器上の問題で、両手を使えなくされると弱い。純粋な力比べにも同じく。
【備考】本性は、≪深凪(みなぎ)≫という非合法組織から派遣された、異形狩り。
狩るのは基本的に、彼女が組織の定義において“異形”とみなした存在だが、
今回は“学園の異能者”の調査を命じられ、三年に編入。彼らを探っている。
あまり強くは感情を表情に出さないが、感情の起伏はそう小さい方でもない。
外見や丁寧な口調とは裏腹に、真顔で冗談や人を喰ったような発言もしばしば。
自称平和主義者だが“深凪の狗であること”を至上とする為、深凪が絡むと容赦ない面も。
NGワードは無い胸に関すること。現代文と銃器が苦手らしい。
【……と、こちらは投下落ちで失礼いたします】
【名前】真賀樹 漸 (まがき ぜん)
【年齢】 17歳
【性別】 男
【身長】 175cm 65s
【容貌】銀縁眼鏡(伊達) 短い髪(白) 華奢な体型
詰襟の学生服。冬場は蒼いロングコートを着用している。
探索時にはアサルトベスト・暗視ゴーグル・リュックサックを装備する。
【能力】 特殊武器の使用
■傀儡糸(攻撃・探索用)
ミクロンサイズの糸。頑丈で切れ難く、人間の身体なら簡単に切れる鋭さも有している。
部屋の内部の調査などにも使える。 高熱・火に弱く、燃え易いのが弱点。
■小型フィールド発生装置(防御用)
身体の周囲に電磁場を発生させる装置。個人レベルで携帯できる武器はまず通用しない。
連続持続時間が短く、スイッチを入れないと作動しない。使用時間30分以上を超えるとバッテリー
が切れて充電しないといけないなどの欠点も抱える。
■E・グローブ(攻撃・捕獲用)
一見頑丈そうな手袋。人体から発生するエナジーを充填・増幅し電気に変換できる。
締め具合・緩め具合で出力を調節できる。最大出力で大型動物なら一撃で昏倒させられる。
充填時間が最低でも30分必要。 一度の充填で最大出力で六発までしか放てないなどの欠点も抱える。
■銃器の使用(戦闘補助)
【希望】 戦闘・雑談・強姦・和姦
【NG】 排泄・グロ・薔薇行為・死亡など
【弱点】肉体的には少し鍛えた程度の生身の人間
【備考】
「遺物の継承者」という私設組織に所属するトレジャー・ハンター。その組織は古代文明の痕跡を辿り、
遺物や遺産と呼ばれる叡智の結晶を回収し、その技術を現代技術に転用している。その為に所属する
ハンターたちに物資や情報を提供し、遺物を買い取ることでそれらを集めている。
彼自身は「糸」と「見えない盾」、「E・グローブ」を所持し、それらを使ってハントと戦闘をこなす。
今回はこの土地のある遺物の捜索のため学園に転校してきた。普段は大人しく目立たないように振舞っている。
基本、利己的。あらゆるモノを利用し、大切な゛相棒゛に掛けられた呪いを解くため日夜奔走している。
異能・霊能・オカルトなどが嫌い。だが必要ならそれすらも利用する。意外とミスやポカも多い。
必要に応じて様々な゛仮面゛を付けて自分を偽ることで、初めての学生生活をそれなりに満喫している。
最近は相棒が死んだり色々あって紆余曲折を経て、色々ふっきれたらしい。
【投下落ち】
【名前】 郡 太一朗 (こおり たいちろう)
【年齢】 16歳
【性別】 男
【身長】 168センチ
【容貌】 はねっけのある癖の強い髪型。少々垂れ目。
髪・瞳とも黒。中肉中背。青と黒のチェック柄のバンダナを額に巻いている。
【能力】 無呼吸の瞬き −ゼロ・ブレス−
集中力を高めて、感覚を鋭敏に研ぎ澄ませる。
そのことにより、相手の攻撃を見極めたり、(他者から見れば)高速の連撃を与える。
発動している間は過度の集中のため、無呼吸になる。制限時間は3〜5秒ほど。
【希望】 基本的には何でも。
【NG】 ウホッ
【弱点】 能力発動時は無呼吸になるため、酸素濃度の低い場所では制限時間が縮まったり、
あるいは、能力自体が発動できなかったりする。
また、能力発動後は酸素を取り込むため、隙が大きくなる。
【備考】 高等部所属。家族構成は父・母・姉の四人暮らし。部活動は無所属、委員会は見た目に寄らず図書委員。
性格はテンプレ的な正義漢。ただし、単純で女にはペースを崩されやすい。
特に武術には興味がないのだが、ある日【能力】を得たと同時に、独学なりに学ぶことにした。
今のところ、得物は家の倉庫から見つけた特製のサバイバルナイフ。
特製と言っても、やたらと頑丈なだけ。で、破魔能力もなければ、殺傷能力もそれなりにしかない。
数学が大の苦手。
>>前スレ732
とうとう書き込めなくなりました、と。
1は確かに時期尚早かなーとは思ってるんだよな。
もう少しロールを重ねてから、そっち方面に持っていきたいな、と。
…それじゃ3で行ってみようか。
何か、希望とかあれば添えたいと思うけど。
それでよければ、書き出しさせてもらうぜ?
>>13 私も、実は同じような考えでいたり、ということで。
こちらこそ、いずれそちらにも付き合ってくださったら嬉しいです。
希望、といえば……3にて、後輩さんのやりたいこと思いっきりしてくだされば重畳です。
4.その他、なんていうのにしたら、私からは1−3以外に如何わしい方向しk(
というわけで、3で。書き出し、お願い致します。(一礼)
(これが、迷い、ということなんだろうか。
彼は、下校するでもなく放課後の中庭のベンチに腰をかけていた)
……あの野郎、本当に嫌なもんを残しやがって。
(今でもあの殺人鬼を切り裂いたナイフの感触が、じんわりと手の感触を蝕む。
それは、異形を切り裂くものと同じ。故に、『異形と同様に人を切り捨てた』ということに
もやもやとしたものを胸中に抱えていたのだ)
はぁ……。
俺、人、殺しちまったんだよな……。
(後悔はない。間違った選択もしていないと思う。
ただ、それでも何か心の中にわだかまったものを残したのは事実だ)
……あいつと結局変わらないのかもな。もしかしたら。
【それじゃ、こんな感じでよろしく頼むぜ!】
(自分が身につけている暗器は、元々は「人」を密やかに殺すためのもの。
今までに自分が人を殺したことがあるかないかと聞かれたら――…答えは、是だ)
……後、輩さん?
(放課後の中庭。九月のまだぬるい風が、黒髪をさらった)
(ゆるく髪を押えていれば、ふと視界の先にうつったベンチに座る少年)
どうなさったのですか、こんな時間にこんなところで。
…と、新学期のご挨拶の方が、先だったでしょうか。 御久し振り…です?
何とも、奇妙な天候の続く夏ではありましたが、お変わりありませんでしたか。
(緩やかな歩調で彼のもとへ歩むと、小首をかしげて、ありきたりな挨拶)
(近づいてみてから、ようやく、多少いつもと様子が違うような気がした)
【はい。改めまして、宜しくお願い致します。(一礼)】
>>16 …あ、先輩か。久し振り。
(声をかけられて、初めてその人が近づいていたことに気づき、
曖昧な笑みを浮かべて挨拶を交わす)
ん、まあ、何ていうかな。……考え事?
俺も、そういうことすることぐらいあるってことだよ。
(苦笑交じりに、そう言いながら赤く染まりつつある空を見上げて、ため息を溢す)
……先輩、時間があるなら、少し話に付き合ってくれないか?
二年先、生きている『先輩』に聞いてみたいことがあるんだ。
(ぽんぽんとベンチの自分の隣を叩きながら、誘って)
>>17 (曖昧な笑みを見て、彼女の貌に不思議そうな色が孕む)
……………。
(いつもだったら“後輩さんが考え事とは、驚きました”とでも
返していたのであろうが、何も言わず、ただ彼の溜息を耳にして)
………後輩さんの為なら、時間くらいいくらでも。
私が答えられる範囲でしたら、お答えいたしましょう。
(誘われるがままに、太一朗の隣に腰をかける)
(夕暮れ時の空は、赤く染まりつつある――…紅のあとには、夜が来る)
(“どうなさいました?”と、夕暮れの空から太一朗に視線を移した)
>>18 ―――……。
(どう話を切り出そうか迷ったが、ここは単刀直入に聞くことにした。
考え事、とは言ったものの、生来考えることは苦手だった。
それに、言葉で誤魔化したところで彼女には見抜かれるだろう)
……先輩は、人を殺したことってあるのか?
いや、悪ぃな、いきなり。
ただ…先輩の『組織』ってそういうこともせざるを得ない時もあるんだろ?
だから、どうなのかなと思ってさ。
(軽く拳を握ったり開いたりを繰り返しながら、そう尋ねて)
後悔はしていないんだ。
俺は、それが正しいと思っているし、今でもそれは変わらない。
でも……何でだか、もやもやしたもんがあってな。
俺は、このままでいいのかって……そう考えちまうんだ。
これからも、同じことが起きるかもしれない。……けれど、そのとき、この後味悪いものを
抱えたまま、進んでいってもいいのかって…そう思うんだ。
>>19 ―――……っ。
(“人を、殺したことがあるか”)
(小さく、小さく、息を呑んだ。明らかな動揺が、その瞳に走る)
(黒い瞳が揺れながら、太一郎を見据えた。
彼の語る言葉を無言で聞きながら――…徐々に、揺れが収まって、最後にはゆるく閉じられた)
…ありますよ。
(瞳を閉じたまま、一言で彼女は簡潔にそう返した)
(それから息を吐き出して、零れおちてくる黒髪を耳にかけ、目をひらく)
どういう経緯があったのか、私には分かりません。
ただ、貴方が「正しいと思っている」ということからして、その“人”というのは、
そこらにいるであろう一般人ではないのであろうと、憶測くらいはたてられます。
――……「後輩さんは間違っておりません」
……って。
貴方は、私にそう言って欲しいですか? 後輩さん。
(優しい言葉のひとつくらい、かけるべきなのかも、しれなかった)
(けれど、そんな後悔など無理やり奥に押し込めて――…その漆黒で、彼女は太一朗を見据えた)
(責めるでもなく、宥めるでもなく。それはただ、純粋な問いだった)
……くっ。
(彼女らしい言葉だ。思わず苦笑を浮かべてしまった。
そこには余分なものは含まれていない。
同情や優しさ、あるいは侮蔑、もしくは慰め、そんな余分なものは一切――)
それはない。
…たとえ、先輩が間違っていると言ったとしても、
俺はそれが正しいと信じているし、後悔もしてない。
(それだけはきっぱりと断言した。
今更他人の言葉に揺らがされるほど、柔軟に人が出来ていない。ただ、)
……これしか方法がなかったのかな、ってふと思ったんだ。
俺はバカだから、あいつをそうやって止めるしかなかった。
だから――…何ていうのかな。その『選択肢』を選ぶのなら、もっと覚悟を決めなくちゃならない。
…そう考えてたんだ。理由はどうあれ、ひとつの命を絶っているんだから。
…先輩はどう考える?
……そう、ですか。
(きっぱりとした断言。彼らしい、まっすぐな答えを聞いて…小さく笑った)
それで貴方が楽になるなら、私はいくらでも甘い言葉を吐くつもりでした。
確かに、間違っていないとは思いますから。
「貴方がそれを正しいと思うなら、私は間違っていないと思います」って、本心で。
貴方にとっては、重いものなのでしょう。 人の命って。
たとえば、貴方がそうして止めるしかないほどの人間の命だって、
あなたがそんな風に思い悩んでしまうほど、重いもの、なのでしょう?
(紡がれた答えと、言葉。そのあとに、投げかけられた問い)
(ゆっくりと、彼女は相手の手に、自らの手をのばして――…少し戸惑ってから、触れた)
……それで、いいのだと私は思います。
私は、貴方には人を殺したことで、何も感じないような方になっていただきたくないから。
けれど、そうですね。 確かに、もっともっと『覚悟』はもたなければならない、と。
それは、人を殺すことの覚悟を持て、というわけではなく、
その『選択肢』を選んでまで、自分が貫きたいことを貫くという覚悟を。
それを、持たなくてはならないのではないかと、私は……そう、思います。
(人を殺すことについて、そんな風に考えたことは、あまりなかった)
(自分が正しいかどうかなんて、それこそ知らない。ただ、自分の思った言葉を紡ぐ。
ただ、わずかに顔をうつむかせたのは――…彼女にも、何かしらの“揺れ”があるからかも、しれない)
それでいい、か……。
(静かに紡がれる彼女の言葉は、涼やかな音色となって
頭のなかに流れてくる。心のなかで、何度か反芻し軽く頷く)
………。
今の俺にはまだ、それを実感することは出来ないけど、
でも、その先輩の答えは、…凄く納得が出来る。
その『選択肢』を選んでまで、自分が貫きたいことを貫くという覚悟……。
成る程な。……確かに、その通りかもしれない。
何があっても挫けずに、時には『選択』を迫られても…
最後の最後まで、自分を貫き通すこと――……
(よほど彼女の言葉が響いたのか、独り言のように繰り返し口にする。
――そこで、彼女のひんやりとした手の感触が、思考までもクリアにしていき)
……サンキュ、先輩。
全てのことに、答えが出たわけじゃないけど――、
先輩がそう言ってくれたことで、俺、迷わずに済むよ。少なくとも、今はまだ。
…俺が信じる道を、俺は歩いていく。たとえ、後味の悪いものを抱えても。
(ようやく、明るい笑顔を浮かべると、満足したようにうんと大きく頷いて)
【そろそろ締め、かな?】
……それは、重畳です。
(他の誰かなら、もっと彼に対して良い言葉をかけてあげられたかもしれない。
もっともっと、自分は何か彼に対して為になる言葉をかけられたかもしれない)
(だからといって“ごめんなさい”と、言ってはいけない気がして。息を、吐いた)
後輩さんにはもの憂げな表情より、そちらの方がお似合いです。
(相手の明るい笑顔を見つければ、「ほっとした」と、
そう伝える代わりに、小首をかしげていつもの“やりとり”を口にする)
(けれど、彼女は少しだけ目線を下にして――…触れた手を、緩く相手の手に絡めた)
………でも、私は思います。
貴方は確かに、その手で、貴方の守りたいものを守ったんだって。
(詳しいことは知らないから、込み入ったことのひとつも言えないのだけれど)
(伝えておきたかった事を、吐き出す。触れた手の温度を確かめるように、目を閉じて)
さて。あんまりくっついておりますと、色々じゃれたくなりますし、
そろそろ夜にもなってしまいますし、帰ることに致しませんか?
(“ついでに、お腹が減ったので時間があるならご一緒してくださいません?”と、
瞳をあけた彼女は、いつもと変わらない表情で小首を傾げる)
【はい、了解です。】
………ああ、重畳だっ。
(彼女の言葉をそのまま返し、大きく頷く)
そうかな?
ま…俺も、いつまでもあれこれ悩むのは似合ってないしな。
だから、先輩には感謝してるよ。背中を後押ししてくれたから。
(結局のところは、結論は出ていたのかもしれない。
ただ、その結論に自信を持てないでいたのかもしれない。
だが、彼女の言葉がそれを勇気付けてくれた)
……ありがとう。
俺は、俺の守りたいものをこの手で守る。
それを最後まで貫き通せたら、それは俺の勝ちだ―――。
(彼女の柔らかい指先に、ほっと穏やかな気持ちになり表情を和らげる)
なっ、何をっ!? ……ったく、真面目に相談に乗ってくれたかと思ったらこれかよ。
はぁぁ…そうだな。あまり遅くなっても、仕方がないし…学校も始まったしな。
…へいへい、付き合いますよ。相談に乗ってくれたし、これくらいの付き合いとあらば。
(いつもの彼女に呆れたような苦笑を浮かべながらもまんざらでもない様子で頷き、
ベンチから立ち上がると、大きく背伸びする)
さっ……行こうぜ、先輩。あまり遅くなっちまうと、校門が閉まっちまうからな。
(手を彼女に差し伸べて、ニッと陽気な笑顔を浮かべた)
……本当にありがとうな、葵さん。
(ふいっと視線を前に向けると、聞き取れるか否かぐらいの小さな声でそっと呟いた)
【それじゃ、こんな感じで締めということで。
今日はどうも付き合ってくれてサンキューなっ! 楽しかったぜ、ありがとう!】
ええ。少なくとも、それが私の知っている後輩さんです。
だから、どういたしまして。
(目元を少し緩めて、小首をかしげる。
柄にもなくホッとした。たぶん、あんな表情の彼など見ていたくなかったから)
あら。男らしいではありませんか、十全ですよ。
……そうですね。閉じ込められてしまっては、全くと笑止ですもの、…と。
(肩をすくめてそんな言葉を放った後に、差し出された手を凝視して。
ひどくきょとん、とした表情でその手をしばし見つめていたが――…)
………お礼は付き合ってくださる分で十全です、太一朗さん。
(聞こえた、気がした。
聞き間違いかもしれなかったから、自分はただこう呼んでカマかけただけだ。
別に呼ばれたのが嬉しかったから、呼び返したとかでない――…と、心で何度か呟いて)
(少しだけためらった後に、彼女は相手の手をとった)
【では、こちらはこれで絞め、です。ふふ、こちらこそ十全と楽しませていただきました。
御付き合い、ありがとうございました。それでは、お休みなさいませっ(一礼)】
【どうもお疲れ様っ! また機会があればよろしくっ!
それじゃ、お休みーっ】
【名前】隙屋 量子(すきや・りょうこ)
【年齢】17(高等部2年)
【性別】女
【身長】161センチ
【3サイズ】78、55、80
【容貌】黒髪のおかっぱ、眼も黒。夜型なので、いつも眠そう。肌が白いのが自慢。
夜間外出時には、黒いレインコートを着用。装備は刃渡り20センチの刺身包丁。
【能力】名前は『クオンタム』。
連続で最大一分間、幽霊のように、非実体化することができる。
発動中は何者の攻撃もすり抜けて受けつけないが、こちらからも何にも触れることはできない。
一度使用すると、使用時間の倍の時間を置かなくては再始動できない。
(一分使用なら待ち時間は二分、三十秒使用なら一分、一秒使用なら二秒、といった具合)
非実体化中は、身につけているものも非実体化するが、手放せば実体化するようだ。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】スカ系、後遺症が出たり見た目に残るような暴力、妊娠など。
【弱点】日光に弱い。非実体化中にこれを浴びると、頭痛とめまいを合わせたような苦痛に襲われる。
月明かりや蛍光灯は平気。苦痛の原因になる波長の光が含まれていないためであろう。
よって、能力を使用できるのは夜間に限定される。
ただし、大きな炎の発する光や、ある種の電磁波兵器でも同じようにダメージを受けるようだ。
また、精神系の魔術攻撃や、魔を払うような術にも影響を受ける。
【備考】普段は、物静かで読書が好きな普通の少女。
一年前、他人の異能を目覚めさせることのできる能力者「ザ・リンクス」と遭遇し、異能に目覚めた。
それによって自分が特別な人間だと思い込み、他人の命を虫けらのように扱うようになった。
具体的には、夜な夜な強盗、殺人を繰り返しており、能力を使って証拠を隠滅し続けている。
「ザ・リンクス」を探し出して殺害し、唯一の「特別な人間」になりたいと思っていた。
が、最近、超常の世界に生きる人々と相次いで遭遇。そのことで、やや考えに変化が現れた模様。
自分と同じように人を超えた力を持つ人々を、仲間に引き入れたいと思い始めている。
「ザ・リンクス」との対決に備えて。そして、その他の目的に利用できることを期待して。
【プロフ投下落ち】
【名前】笹原 雫(ササハラ シズク)
【年齢】14歳
【性別】 女性
【身長】 144p
【3サイズ】 秘密(発展途上とだけ)
【容貌】 肩辺りで揃えた黒髪。瞳は左目が蒼で右は黒。ただ、能力の為か、左目には医療用の眼帯をつけている
頭にはヘアピンが一つ。首には鈴がついたチョーカーをつけている。
【能力】蒼い目(左目の事)で見た対象を完全に凍らせる事ができる。
凍らせる物、度合い、範囲等は自由に決められる。ただし、左目の視界にあるもの限定。
【弱点】視界の外だと、能力は一切使えない。視界を目隠しや目潰し、暗闇で封じられた場合も同様。
【希望】 雑談、エロール、NG以外なら何でも。
【NG】 死亡、切断、スカ
【備考】中等部所属の女子。性格としては、おとなしめな性格。少し他人と話すのが苦手らしい。
いつも、昼休みは図書室で本を読んでいるような生徒。
だが、夜になると、時々、折りたたみ式の木刀を片手に化け物を狩っているような不思議な少女。
現在、眼帯の少女(姉)と殺し合いをする為に、妖魔を狩りながらその居場所を探している。
また、力を使いすぎると、何かに乗っ取られるため、なるべく力は使わないようにしているらしい。
【プロフ投下、及び備考を一部修正】
【目的を追加しました】
【名前】清水 和也 (しみず かずや)
【年齢】17
【性別】男
【身長】161
【容貌】黒髪で小柄、常に黒い手袋を着けている。(戦闘時は手袋を外す)
瞳の色は灰色
【能力】両腕の上腕義手、4種類のカードを腕に挿入することにより能力が変わる。
■ノーマルアーム
普段、和也が使用してる義手、
腕時計型の制御装置により制御している、解除することにより発動。
常人より数倍の腕力と破壊力を持つ。
カードを挿入することによりすべての制御を解放し
高エネルギーを直接叩き込む
■ナイトアーム
カードを挿入することで発動
手刀の構えをすることにより高周波振動を発し、あらゆる物を切り裂く
掌を構えると重力波を発生し防御の役割を果たす。
■スイングアーム
手の甲よりワイヤーを発射し、遠くへ移動したり相手を捕獲する
又、応用として鞭としても使える
■ショットアーム
両手から圧縮された空気砲を撃ちだす。
ただし、一発撃つ度にチャージが必要。(威力を抑えれば連射は可能)
【希望】戦闘、雑談、和姦
【NG】 排泄・グロ・凌辱
【弱点】両腕以外は生身の部分なので弱い
カードは一回しか使えないので同じタイプは2度使えない。
【備考】
ロボット工学で有名な両親の間に生まれ、その実験ミスにより親と
両腕を失う。祖父の発明した義手を取り付け、五体満足?な生活を送る。
(義手の能力に関しては祖父の趣味らしい)
高等部2年に所属し、部活は入っていない。義手が機械むき出しなので
目立たないように常に長袖の制服と手袋を着けている
最近学園に起きる怪事件まきこまれて以来真相が知りたく事件を嗅ぎ周っている。
【プロフ投下落ち】
【名前】迫水 直(さこみず ただし)
【年齢】19/3年生(2回目)
【性別】♂
【身長】185cm/75kg
細いがしっかり筋肉がついている
【容貌】短く刈り込んだ黒髪、わずかにタレ目、日に焼けた肌
【能力】妖魔寄生体宿主
寄生体が宿主を守る為の妖力により様々な能力を持つ
・驚異的な新陳代謝による回復能力
・常人の数倍に達する筋力と瞬発力、持久力
・皮膚・骨格・筋肉が変質して西洋甲胄に似た姿(220cm/150kg)に変身、更に能力が増幅される
・ただし上記の能力で消費するエネルギーは膨大で、しかもその全てを食事で補わなければならず、食事量は桁外れ
【希望】雑談・戦闘・エロetc…
【NG】エロでの切断・殺害、過度の暴力、衆道
その他のロールでは特にNG無し
※現在進行中ロールの状況によりエロールは要相談となります
【弱点】
・戦闘技術皆無
・直情径行
・能力の暴走
【備考】
・大切な人を守るため、人が傷つく事を少しでも減らすため、
己の中の力を肯定し、戦い続けていくことを決心する
・高等部所属の元野球部のエース
・3年時に寄生体感染の為、自我を失ない、不登校で留年
・現在復学して2回目の3年生
【プロフ投下落ち】
【や。こんばんは】
【お相手に立候補しても、かまわないかな?】
【はい、構いませんよ】
【えっと、そちらに希望シチュはありますか?】
【主に、昼か夜かあたりを……】
【というか、常識的に考えると夜ですよね……プロフ的に考えると】
【なんか、野暮な事を聞いたような】
【そうだね……やっぱり、夜パートの方がやりやすいかな。戦闘なんか特に】
【私たちが戦うか? それとも、第三者の敵をふたりで倒す共闘か?ってところ】
【もし、共闘なら、以前私が瀬尾さんとした時みたいに、能力者の敵を出したいところだが……】
【あ、そうだ、プロフは
>>28ね】
【おkですよ】
【じゃあ、共闘でいきましょうか】
【ただ、出すのは1人までにしてくださいね。正直、混乱する可能性が大きい……orz】
【ありがとう、じゃあ、やらせてもらおうふふふふ】
【うん、敵はひとりだけだ……敵は】
【じゃ、ちょっと書き始めるから待っていて】
(私の人生の目的に、私に異能を与えた存在「ザ・リンクス」を探し出し、殺害するというものがある)
(今現在どこにいるかもわからないそいつを探し出すことは、相当な困難を要することで、もしかしたら
一生不可能かもしれないと思っていた)
(しかし、先日、その状況を大きく変える出来事が起こった)
(「ザ・リンクス」の方から、私に接触してきたのだ)
(刺客を放ち、殺害しようとする、恐ろしいやり方で)
(その時は撃退できたが、次、似たようなことが起きたら、今度はどうなるかわからない)
(だから、私は、身の回りを固めることにした。仲間を増やす、という方法を使って)
(敵は、私のみならず、異能者であれば無条件に攻撃しようとしているらしい)
(ならば……この街に住む異能者を見つけ、警告すれば……仲間に引き込めるかもしれない)
……暑いな……ま、まだ夏だし……その方が、いいか。
(今日も今日とて、真夜中の街を歩く)
(私はこの街の異能者に、今のところ、三人出会っている)
(うちひとりは、異能を知るだけの普通人かもしれないが)
(とにかく、こうして出歩いているだけでも、誰か超常能力を持つ者に出会えるかもしれない)
(それを期待しての、深夜の散歩だった)
(もちろん、「敵」に遭遇する危険もあるが……その時は、その時だ)
……ん?
(公園の街灯の下に、奇妙な生き物がいるのを見つけた)
(犬……のように見えたが、そうではない)
(犬の首から上に、蛇の頭がついている……魔物、というやつか?)
(カラスか何か、鳥を食べているらしかった)
(当たり、と呼ぶべきか、どうなのか。とりあえず、近付いてみた……)
はぁ……とりあえず、今日は柳川かな?
(こっそりと隠れながら、機会を窺う)
(小声でいう独り言は表に音として出してはいない)
(さらには、餌となるべき物も用意し、いつもどおりに妖魔を狩る準備をしていた)
(だが、結論としては)
外れですね。はぁ……。
(掛かっているのは、奇妙な形の妖魔)
(少なくても、目的に即したものではない)
(そう思うと、ライターを取り出し、爆竹に火をつけると、妖魔に向かって投げた)
(逃げれば、それでよし。襲ってくれば殺すだけ)
よっ!
(爆竹を投げると、魔物の近くで大きな音がする)
……これで……こっちに向かってくるか、逃げるか……
(そうして、草むらから立ち上がり、鉄パイプを持つ)
……ん?
(だが、そこで一人の少女に気づいた)
(あの妖魔に近づく少女が一人)
そこの人! 危ないですよ!
(大きな声を出して、警告を発する)
ヘンな生き物だね……リンクスとは、関係さなそうだけど。
(じろじろ見るが、そいつは食べ物に夢中だった)
ペットにしてみようかな……? いや、気持ち悪いしなぁ……。
んに゛ゃあっ!?
(蛇頭の魔物に近付こうとした途端、何かがそいつの近くに飛んできて、バチバチと破裂した)
(思わず飛びのいて目を覆うが、魔物の方は、私とはまったく違う反応をした)
(食事を邪魔されたことに怒ったのか? シャーッと一声鳴いて、草むらの方を睨んだ)
ん、ん?
(よく見ると、その草むらから、立ち上がる影ひとつ)
(少女のように見えた。小柄な……私より小さい?)
(彼女は、私の姿を認めて叫んだ――警告――いや、それより、彼女の持ち物)
(鉄パイプだ……武器のつもりか?)
(つまり、総合すると、今の花火のような音。鉄パイプ。そして、この魔物とさっきの警告)
(もしかして彼女は、この魔物を、罠でも仕掛けて狩ろうとしていたのか?)
……あ。ごめ……って、キミも逃げろっ!
(邪魔をしたかと思い、謝ろうとした時、魔物が跳ねた)
(鋭い跳躍で、少女の方へと飛んだ……その背中には、いつの間にか鷲のような羽が生えていた)
(矢のようなスピードで飛ぶそれは、一直線に少女に飛来する)
く……!
(私は、反射的に懐から包丁を取り出し、魔物に向かって投げた)
(届くだろうか……? 魔物が少女に届くか、魔物に刃物が届くか)
(その二つが、ほぼ同時に起こる速度で、両者は空を走った)
……変な声
(声を出さずに、少女を見た、いや、爆竹に驚いた少女の声の第一印象がそれであった)
(しかし、彼女は逃げるつもりはないらしい)
(それどころか、雫に逃げろと言った)
……ごまかすのが面倒くさいかも。
(妖魔がこちらへ向かってくる)
(それに向かい、学校から黙って取ってきた鉄パイプを両手で持って、目の前に横一文字の態勢で整えた)
(妖魔の目線を追う。目標は首。スピードは、十分)
爪がなくてよかったです。自爆してくださいね。
(一瞬、彼女は手が押し返される感触しか感じなかった)
(同時にものすごい音)
そんなスピードで突っ込んできたら、、固定された物も痛いですよね?
(冷静に、鉄パイプが頭に直撃した後、自分の腕に噛みついた妖魔を見る)
(あの速度なら、気絶するのは分かるだろう)
さて……ん?
(同時に、瞬時に木刀とそこら辺で拾ってきた鉄杭を取り出すと、初めて気がついた)
死んでるのかな?
(よく見れば、妖魔の横には包丁が刺さっている)
(そして、柄の先には先ほどの少女が)
あれ?逃げなかったんですか?
これから先は、普通の人は見ない方が……って、もう妖魔が死んでるから意味ないか。
……ああ、危な――っと、おおっ!?
(犬のような蛇のような鳥のよーなそんな感じのものに、少女が噛みつかれる光景を想像し)
(つい目をつぶりそうになるが、その一瞬前に、驚くべき光景を目にした)
(魔物と少女の対決は、少女に軍配が上がった……振り切っていればホームラン、そんな感じの攻撃で)
(めちり、とナマっぽい音を立てて、魔物は鉄パイプにめり込み……)
(そこに、私の投げた包丁が突き刺さった)
(オーケイ、予定外だったが、決着は決着だ……目的のものにも、出会えたっぽい)
見事な身のこなしだったね、キミ。
一本足打法で、メジャーリーグにでも送り込みたい感じだ。うん、実にいい。
(息絶えた魔物を見、次いで少女に視線を移す)
ああ、逃げない。おそらく、私たちは仲間だろうから。
もちろん、キミが私の敵でなければの話だが……逃げろ、といった時点で、それはないと思っているが……。
ま、とりあえず、一言で言おう。キミと私は同類だ。
普通の人が知らず、普通の人が行使しない力を知り、あるいはそれを行使する者……の、仲間だ。
(彼女に近付き、ニッ、と口の端をつり上げる)
それは、魔物かい? いやはや、こういう生き物もこの世にはいるんだねえ。
もっとも私も、この街に自分以外に、超常的な存在がごろごろしてるなんて、思いもしなかったんだが。
(哀れな魔物。それは確かに面白そうだったが、今はもう興味はない)
……キミが誰かは知らないが。私は、キミのような人たちに警告を発する必要がある。
キミは警戒する必要がある。この街に、超常の存在を抹殺しようとする存在が、出現している。
異能を持った人間、それを知っている人間、あるいはこんな魔物でも、手当たり次第に始末しようとする。
そういう存在に……キミは、これから出会う可能性がある。
それらから身を守るために、キミと友達になりたいと思っていたんだ……が……。
(ズドン、という音がした)
(先ほど、魔物のいた街灯が、地面にめり込んで、低くなっていた)
(めきめき、と、割れるような音が聞こえた。石畳の地面が……波打っていた)
……思っていたんだが……ごめん。
今まさに、そういう連中が、来たようだ……招きよせてしまったらしいね……ごめん。
いや、向こうからぶつかってきただけですが。
位置を合わせるだけなら、誰にでも出来ます。
(とりあえず、ぺらぺらとしゃべる少女にツッコミを入れる)
いや、私はただ自分の予定で動いているだけですから、正直な話ですと、仲間の可能性はゼロに近いかと。
(頭を掻きながら、話を右から左に受け流すように聞く)
それに、これは修羅場を潜り抜けていれば、誰でも出来ると思うんですが。
(少なくても、異能は使っていない。というか、異能者としてあれを倒したわけではない)
(それに、異能の事を知っている人物も、ほとんどいない)
(知っているのは、彼女の知り合いのわずかな人物だけ。しかも、そう言う事を絶対に口にしない者ばかりだ)
いや、私は別に……情報さえ手に入れば大丈夫ですから。
自分の身は自分で守りますし。
(別に死ぬつもりはない)
(そんな自分を狙う人物も逃げるか、もしくは消せばいいだけだ)
(しかし、そんな事をぼそぼそと言っている間に、音がする)
ん?
もしかして、あなたのお知り合いですか?
(あくまで呑気な態度で状況を見る)
正直な話、巻き込まないで欲しいんですが……。
(それでも、動かないのは今の話に少し興味を覚えたからだろう)
……うー。そうも取りつく島がないと、困るな私。
警戒心の強い主婦に羽毛布団を売りつけなくちゃいけなくなった、胡散臭いセールスマンのような気持ちだ。
(頬をかきながら、にが笑い)
うん、もしかしたら、今キミがしたことは、修羅場をくぐれば、誰にでもできるかもしれない。
でも、私が探しているのは、そういう修羅場に遭遇するような人たちなのさ。
異能を持っていようと、いまいとね。知っている時点で、キミはこちら側の存在だ。
(息絶えている魔物の体から、包丁を回収する)
(それの血は、気持ち悪いことに、黄緑色だった)
あう……ほ、ほんとに取りつく島がないね……。
どうしようかな。野球のチケットとか、洗剤とかつけてどうにかなる問題でも、ないしね……。
(この少女、修羅場を潜り抜けてきている! そして私は、その経験がない!)
(言い負かされ、スルーされかけの私。ほとんど半泣きである)
(有能なセールスマンには、ちょっとなれそうもないとか思っていた時、地面に異変が起きた)
うーん……お知り合いというか……知り合いの友達かな。
あるいはそうだね、知り合いに雇われた、殺し屋かな?
(波打つ地面から、そっと離れる)
(ズドン、ズドンと、地中で破裂音のようなものが聞こえる)
(やがて、ひときわ強い揺れとともに、石畳が地中に崩れ落ちる!)
うおっ……!
(公園の真ん中に、直径五メートル近い穴が開いた。深く、暗く、そこの見えない穴が)
(そして、穴の中からは……ズドン、ズドン、と、音が続いていて……)
来る。……逃げよう。
(ズン、ズン、ズン、と、音が鳴るたびに、地面が陥没していく)
(まるで、地中にいる怪物が、地面を食べているように)
(そして、地面の陥没は、人の走るぐらいのスピードで、こちらへ迫ってきていた……速い!)
いや、ごく普通の一般人であれば、急に「君はちょーのうりょくしゃだから俺たちの仲間だぜ」とか言われれば、立派な宗教の勧誘ですよ。
(彼女も異能者だが、普段は一般人を装っている)
(そのため、反応も一般人のことしかしていない)
大体、こちら側と言われても、そのこちら側の意味が分からないんですが。
妖魔の被害者は含まれないのか?家に引きこもってる超能力者はどうなのか。
はっきり言えば、何もかも2択で決めるのはいけないことだと思います。
詐欺にかからない為には、物事の可能性を考える事が大切です。
決して、思い込んではいけない……って友人が言ってました。
(こんな時の詐欺の講習をなぜやるのだろうか?)
ん?
(地面の陥没が近付いてくる)
見かけ倒しかな? でも、殺し屋とか……あなた何か政府の秘密でも握ったんですか?
それで『かーげーべー』やら『しーあいえー』やらに追われてるとか。
(ジト目に睨みながらも、冷静にさっきの爆竹の入っていた花火セットを取り出す)
(中から出したのは、スモークがでる花火である)
逃げる必要ないですよ。
もし、中に人がいればゴキブリホイホイ。いなくても煙幕代わり。
(すると、近づいてくる穴に10個ほど着火して投げつける)
(モクモクと煙が上がる)
すみません。これをやってる方はすぐに出てきてくださいね〜。ちょっと聞きたい事があるので。
(大声をあげて、煙に紛れる)
ここにあなたの目的の人もいるっぽいので〜。出てきて大丈夫ですよ〜。
(さらりと、少女を餌にすることも忘れない)
というわけで、逃げませんよ?
(で笑顔を向ける雫)
ちょっと、その人に聞きたい事もあるので。
いやいやいや、宗教とは違うからー! 催眠商法でもないし、ねずみ講でもなーい!
えーと、強いて言うなら、狙う側と狙われる側、かな……?
妖魔の被害者なんてのいるの? いて、戦えるなら仲間にしたいけど。話からすると、死んでるっぽいね?
引きこもりも、戦闘能力あるなら、味方にしたいし。
できなくても、襲われるかもーって警告ぐらいはしておきたいのが人情じゃない?
……あれ、どうして私、人情家になっちゃってるんだろ……自分の身のためなのに……。
(orz状態で、少女の説教を受ける私)
(何でこんな時に、詐欺の講習を受けないといけないのか? 彼女も似たことを思ってそうだ)
いや、だから言ったじゃない。異能者を無差別に始末しようとしてるヤツに追われてるって。
(異様な地面の陥没にも、さほど感動を覚えなかったらしい少女に、驚きの目を向ける)
(しかし、私は、その後さらに、驚くべき光景を目にすることになる!)
え? それ何? 花火……? 何で、そんなもの……。
火をつけて……? って、えええええええ―――――!?
(ぽいぽいぽぽいと投下される、煙爆弾!)
(穴から空へ、あっという間に煙の柱が立ち昇る!)
(中の状態は……推して知るべき、か?)
た、確かに、すっごい効果的な方法に見えるけど……えええええー。
(がん! がん! ズドン! バキバキ!)
(ものすごい音が、穴の中から響いてくる。さっきのような、規則的な音ではなく、急いでいるような)
(まるで……煙に蒸された鼠が、のた打ち回っているような)
(ぼーぜんとその光景を見ている私、役立たずっぽく立ち尽くす)
(何が驚いたって、花火攻撃で、本当に穴の進むスピードが止まったってことだ)
と、とりあえず、なんていうか……その、キミのやり方……。
逃げずに、ましてや、こうするなんて……うん……えーと……修羅場、くぐってるね……ほんとに。
(こいつ、なんつーか、スゴい!)
(この少女についていけば、けっこう安心かも……とか思っていた、その時)
―――ー―あっ!?
(足元が、突然崩れ落ちた!)
(軽い浮遊感。闇の中から伸びた手が、私の足首をつかみ、引きずり込もうとする)
(臭い煙が、私の視界を覆う。あの穴とつながっている)
(覆われつつある視界の中、私は、少女の足元も崩れつつあるのを、辛うじて見た)
いや、来たら来たで逃げるだけの話ですし。
(元も子もない反論)
むしろ、貴方が狙われてるんだったら、あなたの傍にいない方が安全ですよね。
それに、今自分のためとか言いましたし。
いや、狭い所にいる鼠はいぶりだすのが基本ですから。
(だてに妖魔狩りをしているわけではないらしい)
それに、撤退のときは煙幕が必須も基本です。
って、どっかのHPに書いてありました。
(すると、口をハンカチで覆って、手には花火が入っていたバッグ)
(さらには花壇を覆っていたロープも拝借する)
おっと!
(足元が崩れ落ちそうになる)
(先ほどの少女は不思議な手に掴まれた)
あの辺ですね。よいしょっと!
(すると、彼女はその手の出ている場所に向かって崩れる前に穴に飛び降りた)
(ドスッという音がする)
くぅ〜、もっとタオルを入れてくれば良かったです。
(穴の底に尻餅をついた形で着地した。背中には傷があるが致命傷ではない)
(バックをお尻に敷き、壁を背に降りたのだろう)
さて、さっきの人と、この地震を起こしていた人はいますかー?
少し、聞きたい事があるんですが?
(立ち上がると、大声で言う)
……はい……そうです……ぶっちゃけ、盾にできそーなつよそーな人探してました……。
(なんというか、もう立ち直れそうにない隙屋量子・ザ・アンダードッグ)
(将来、弁舌を武器とする仕事につく気は、たぶんもう起きないだろう)
いや、キミには基本かもしれないけど、私は素人だから……。
ほー……なるほど、なるほど……勉強になるな……。
HP? そういうのって、ネットに出てるの?
あとでよかったら検索ワードとか教えてくれない? 一般人も見れるページかな?
(もはや、危機感はほとんどなかった)
(いぶされていく敵を気の毒に思いながら、少女の行動を見ている)
(花壇のロープとか取ってる……何に使うんだろう……?)
(そんなことを思ってのん気に構えていたら、油断大敵、穴の底な私なのだった)
(ズルズルと、暗い中を引きずられていく……)
(少女はどうした? 彼女も、穴に落ちたか? それとも、踏みとどまったか?)
(いや、少女のことよりも、まずは自分のことだ)
(この「手」から、逃れなくては……)
クオンタ―――ぐっ!?
(非実体化しようとした瞬間、頭に鈍い衝撃)
(落石か? 意識が、混濁する)
(ぐらぐら揺れる視界……痛む頭。何をすべきか……まずい。考えることができない……)
(太い腕が、私の首に回った。強く、締め上げてくる)
(それに対して、どう対処すればいいか、考えつかない……)
(揺れる意識の中、少女が月明かりの差し込む穴の中に、お尻から着地するのを見た)
(彼女は叫ぶ……その言葉に、私のすぐ後ろから返事があった)
「舐めてんのか……ガキ……この俺の……《ストライプド・キャバーン》に……!
あんなイタズラ、しくさりやがって……」
(怒りに満ちた声だった。首をわずかに傾け、振り返り、声の主を見る)
(作業着を着て、黄色い安全ヘルメットをかぶった、ひげ面の男)
(目は血走り、黄色い歯をむき出しにして、少女を睨みつけている)
(私は……羽交い締めにされて、人質、なのだろうか……?)
と、生きてますね。
(最初に視界に入ったのは、彼女だった)
(だが、すぐに別の人物が目に入る)
(おそらく、この穴を作った人物)
(そして、彼女が言った『殺し屋』)
(一言で言えば、工事現場のおじさんである)
……そんな悪戯に看破されたのは、どこの馬鹿な人でしたっけ?
それに、最小の犠牲で最大の戦果を。これは勝負において基本だったはずじゃないでしょうか?
(そう言うと、木刀を取り出す)
(ほんわかとしている少女。笑ってこそいないが気の抜けた雰囲気はいつもとは違う形だ)
(だが、状況は一変する)
(彼女が木刀を構えた瞬間に)
……さて、本題に入ります。
(雰囲気が変わっていた)
まず、一つ。私の質問に答える事。二つ、私に嘘をつかないこと。三つ、質問に答えたら、とっととこの場から去ること。
この二つを守れますか?守れなければ……
(一旦、言葉を区切ると、声を出す)
あなたを殺しますよ。私はまだ死にたくありませんので、あなたを殺す以外の選択肢がないんです。
(そして、少女の方を見る)
何、捕まってるんですか。
正直、私はあなたを助ける義務も暇も技量もありませんよ?
自分で脱出する手段とかあるんなら、とっとと、逃げてください。10秒以内に。
(先ほどの詐欺予防について語っていた少女の面影はない)
(ぼんやりした頭で、私は少女と、背後の男とのやりとりを聞いている)
(霧が、ゆっくりと晴れていくように、少しずつ鮮明になっていく意識だが……まだ、完全ではない)
「ち。口のへらねー……。
マンガみてーな言い回ししやがって。どこの世界の、勝負においての基本だ。
あいにく俺は、命かけた戦いなんてしたことねーからよ……。
一方的に殺して、犠牲なんて一切出さねーのが、一番強えんじゃねーか、え?
俺はまだ、怪我してねーし、犠牲も出してねー……こっからだろうが、勝負は……」
(男は言いながら、私の首を締めているのと、逆の手を、地面についた)
(目の前では、少女が木刀を構えている)
(おかしな雰囲気だ……穴の中ゆえの、閉塞感だろうか? 空気が、重いような)
(いや、少女の放つ、気とでもいうか……雰囲気が、違いの原因だ)
(殺気。攻撃の準備がととのった状態……戦闘態勢)
(それは、男の方でも同じだった。歯をかみ鳴らす音……ぎりぎりと)
(お互いの殺意に挟まれて、しかし私は、ぐったりしたまま)
(少女が、私に何か言っている。あ、見捨てる気だ)
(いや、キミの性格からしてそうだろうが、十秒ってひどくない?)
(あー、頭もだいぶスッキリしてきた……えーと、見捨てられようとしてるってことは……)
(えーと、何とか逃げないと助からないってわけで……げっ!?)
(さて、私の意識が急激に覚醒しつつある中、男は次第に冷静になってきたようで)
(ふうと酒臭い息を吐いて、低い、ゆっくりした言葉で、少女に言った)
「二つ守れって言っておきながら、三つ要求してんじゃねー。
答えはこうだ……ひとつだけ、要求を受け入れよう。
2、お前に嘘はつかない、これだけだ。これから、嘘のないことを言おう。よーく聞け。
…………死ぬのはテメーだこの間抜けエエエェェェッ!」
(ばごん、と、ひときわ大きな破砕音と、揺れを感じた)
(地面が……穴の底が、いつの間にか、深くなっていた)
「俺の《ストライプド・キャバーン》は、触れたものの中身をくりぬく能力!
俺とお前の! 今、立っている地面を、真下に50メートル、くりぬいたぜ!」
(男は叫びながら、壁面にくぼみを作り、へばりつく)
(私は、放り出されていた……人質として不要なので、捨てられたのだ)
(そこで、完全に覚醒する意識。ヤバイ。慌てて、壁面に足をついて、少女の方に飛ぶ)
(非実体化で、壁面に包丁を深く突き刺せば、50メートルを落下せずに済む)
(だが、少女は? 助かる方法はあるのか?)
(あるならいい。ないなら、私が助けなければ)
―――掴まれ!
(手を伸ばす。彼女は、果たして――)
ふぅ……言ったはずです。
あなたは、私の質問する内容以外の事を答えたら駄目です。
(冷静に言い放つと、彼の方を睨む)
(同時に、木刀を構えた)
!!
(地面の崩れる感覚)
(同じ事は2度もできないと。というか、背中が限界である為同じように落ちれず、頭から落ちる可能性がある)
(頭から落ちれば助かる事は難しい、というか皆無である)
(その瞬間に、声が響いた)
(無意識に手を伸ばす)
って、うわっ!
(意識的に何か掴む)
(そして、視界がクリアになれば……そこには量子の手があった)
あ、ありがとうございます。
(咄嗟に、彼女の伸ばした手を雫はつかめたらしい)
正直、まだ深くなるとは思わなかったので。
で、どうしましょうか?
今、ピンチですよね。向こうが切れちゃってるし。あれじゃ、私の聞きたい事は答えてくれませんね。
木刀を手放しちゃいましたし。
(いつの間にか、彼女の木刀は無くなっている)
(きっと、穴の底に転がっているのだろう)
正直、武器が一つもないと……カバンも木刀も穴に落ちた。
……ん〜、何か方法はありますか?逃げる方法。
(がしん、とアンカーのように、壁面に包丁を突き刺し)
(しっかりと固定すると、それを支えに、落下中の少女の手を掴む)
(がくん、と、筋が千切れそうな衝撃に襲われるが、何とかふたりとも、墜落死は避けられた)
ふー。よかった。巻き込んだ上死なれたら、目覚めが悪くなるところだったよ。
(ほっと息をつき、適当な出っ張りに、足をかける)
(くりぬかれた壁面は、岩のように硬く、体重を支えるには充分だった)
まあ、最初から聞いて答えてくれる相手じゃなさそうだしね。
倒すか、逃げるか……あ、武器、落としちゃったか……悪いことをした。
(彼女の諸手は、今や空。カバンもない。装備、完全消滅だ)
むう。こういう状況は、インターネットの知識でもどうにもしようがなさそうだ……。
とりあえず、地道にこの穴を登るのがいいだろうけどね。
でっぱりが多いし、50メートルの深さとはいえ、よく見るとこの穴、すり鉢状の形をしてる。
足を踏み外さなければ、地上まで登れるはずだよ。
……あいつが、追撃して来なければ。
(振り向いて見ると、対岸にへばりつく男の姿が、まだ見える)
あ、本当にキレてるね……穴を広げて……ああ、洞穴を作って、こっちに回りこんでくる気みたいだ。
直接、私たちにあの能力を叩き込む気かもしれない。
さっきみたいに落としても、また壁面にしがみつかれたら同じだから、直に止めを刺しに来るのかも。
しかし、そうだとしたら、こっちにとってもチャンスではあるな。
(壁面のでこぼこが支えになるので、包丁のアンカーはもう要らない)
(引き抜いて、少女に手渡す)
たぶん、あいつ、今私たちが張り付いてる壁の向こうから、顔を出すと思うんだ。
その瞬間、向こうは攻撃してくるだろう。
だが、こちらもそれと同時に攻撃できれば……相手を気絶か、即死させられれば。
私たちは安全になれるし……ヤツのくりぬいた洞窟を通って、楽に地上に出られる。
問題は、あいつの出現と同じタイミングで、攻撃しないといけないわけだが……。
……キミ、あいつを殺す? それとも、やり過ごす?
(す、と私は非実体化し、壁の中に顔をつっこむ)
私は、あいつのやってくるタイミングを、見て知ることができる。壁の中を見てね。
ギリギリまでやってきたところで、その包丁で刺してもいい。
さっと避けて、この穴の底に飛び降りてもらってもいい。
後者なら、あいつも運が良ければ死なないかもしれないね。
……どうする? 私は、タイミングを図るしかできないから、避けるしかない。
その包丁をどう使うか、キミに任せるよ。
(ガリガリ、という音が、壁面を通じて、近付いてくる……)
そうですね。
ふぅ……さっき挑発しすぎちゃったかな?
そうすれば、べらべら喋ってくれると思ったんですが。
(う〜んと頭を掻きながらしまったという顔をしていた)
その作戦、のりました。
(どうせ、作戦など立てられるはずはない)
(包丁を受け取るが、イマイチ人を直接刺すのはいい気持ではない)
(だが……)
じゃあ、この包丁、使わせて頂きますね。
(すると、包丁をしっかりと握る)
私は死にたくないんです。その為に、人を殺しても……。
(包丁を逆手に持つ)
私は生き残りますよ。
(ゆっくりとタイミングを計る)
(音が近づく。しかし、洞窟上になっているので反響してるため位置は分からない)
もし、失敗したら責任とってもらいます。
(最後に笑えないジョークを言って、構える)
ああ……ま、駆け引きは……たまには失敗もする、ってことだろうね。
それに……何も知らないかもしれない。あいつは。
昨日とか今日とかに能力に目覚めて、今、こうして襲ってきてるのかもしれない。
どっちにしろ……話を聞く暇は、なさそうだ。
(がつ! がつ! と、破砕音が、壁に耳をあてずとも聞こえてくる)
(もうだいぶ近いのだ。進みも、速い)
(私は充分に音が近付いたのを確認してから、壁面に顔を突っ込む)
(ガリガリ、ガリリ、ガガガガガ……)
(ごばっ、と視界が開ける)
(くりぬかれた土が、一瞬で消滅していく不思議な光景を、私は見た)
(目を丸くしている男と、目が合った)
(向こうとしても、壁を貫通しないうちに、壁に埋まった私を発掘するとは、思わなかったのだろう)
よし、近付いた……壁面は、充分に掘られたな。
(顔を壁から引き抜いて、体重をかけて思いっきり押す)
(ストライプド・キャバーンに掘られて、薄くなっていた壁は、私程度の体重で、脆くも崩れた)
(勢いをつけて掘り進んでいたのだろう、男は急に開いた出口に、走りながら突っ込んできた)
「う!? うお、おおおおおっ!?」
(男は、慌てて止まろうとするが、勢いを殺せず、壁面を踏み外し……)
えい。
(私は、ひじでその背中を軽く小突いた)
(バランスを崩した男は、細く、長い悲鳴を残しながら……自分の作った暗闇に落下していった)
……あー。ごめん。包丁なんか持たせて、覚悟させちゃったけど。
私の方で殺しちゃった。……いや、ホント、ごめんね。
(包丁を構えた少女に、苦笑いで頭を下げて)
【すまない、包丁で殺せなんて、よく考えなくても悪趣味な誘いだった……】
はぁ……もしかしたら、と思ったんですけど。
(自分の姉について分かるかと思った)
(姉は訳の分からないことをする人だから)
えっ?
(掘り進めていたと思われる音が止むと一気に壁が崩れた)
(あの男の力ではない。しかも、空いた穴は自分の間合いよりも遠い)
あ、あれ?
(気の抜けた、というか、頭の上に?マークが浮かんだ間に、男が飛び出てくる)
(刺そうと思った包丁も決して血を浴びる事はなかった)
え?ええ?
(イマイチ、よく分からない)
もしかして、私の事を気遣ってくれたんですか?
(意味の分からない状況から思考をフル回転させる)
もしかして、あなたもお人よしな人だったりするんですか?
【いえいえ、こっちは本気で刺そうと思ってましたし】
【自重しろ……私】
【すいません】
【えっとかなり眠気が出てきたので、後2レスぐらいで強引に〆るか、凍結するかを希望したいのですが】
【わかった、次のレスで締めるようにするよ】
【ちょっとだけ待って、速めに書くから】
(……? そういえば、さっきから聞きたいことがあるとか言っていたが……)
(それは、私を狙うことについてじゃなく、個人的な事情で、何か聞き出したいことがあったのか?)
(妙に残念そうな少女の様子を見ながら、ふと思った)
……ふむ。真っ暗だから、よく見えないけど……。
この高さから落ちたら、「くりぬく能力」じゃ、死ぬか、大怪我は必死だな。
少なくとも、もう私たちを攻撃することはできまい。
(暗い穴の底を、覗き込むようにしながら言う)
気遣うというか……あまり、気乗りしてなさそうだったからね。
せっかく協力してくれたのに、嫌な気分にはさせたくない。
(もっとも、この手ごわい少女を、これから先の協力者にすることは、ほぼ諦めていたが)
(とりあえず、彼女がそれなりに異能者にも対処できるということがわかっただけでもいい)
(仲間にならずとも……偶然、リンクスの刺客が彼女を襲い、返り討ちにあって、その数を減らせば、幸運だ)
……さ、この穴から出ようか。
いい加減、この土の中にいるのもうんざりしてきた。誰かさんのおかげで、煙たいし。
(男の掘ってきた洞窟に、足を踏み入れる。斜め上に伸びているので、うまくすれば地表に出られるだろう)
(洞窟の中を歩きながら、私は少女にいった)
名前は聞かないよ。おそらく、聞かれることを好まないだろうし……。
キミほど強ければ、本当に私のような仲間がいなくても、どんな相手でも、対処できそうだ。
だが……もし、どうにもならないような敵に遭遇したら……。
今回のような、積極的な異能者狩りの異能者に出会ったら……。
私に、知らせてくれると嬉しい。
フリー・メールアドレスを渡しておく。芸能プロから、スカウトを受けたとでも思ってくれ。
軽く考えて、忘れてしまってもいい……ただ、気が向いた時に、連絡してくれ。
(地表についた。私は、道すがらメモに走り書きをし、彼女に投げた)
私は、仲間を求めている……キミは、その候補だ。
さようなら。また会える日が、くるといいね……いや……来ない方が、いいのかな?
(言って私は、夜の路地裏に逃げるように去った)
(ときどき振り向いて、彼女の様子を見守りながら)
【こんな感じで。どうも、長くつき合わせてすまない!】
【こちらこそ、ロール下手くそですみません】
【お付き合いありがとうございました】
【……もっと上手くなりたいです……orz】
【それでは、ちょっと限界なので、先に失礼します】
【いやいやいや! 私のワガママにキレよく返してくれる時点で、すごいと思うよ!?】
【ともあれ、おつかれさまでしたー。おやすみなさいノシノシ】
【名前】伊田 満 (イダ ミツル)
【年齢】17歳
【性別】男
【身長】171cm
【容貌】少し目にかかるくらいの黒髪、中肉中背の余りぱっとしない格好。よく呆けている。
プライベートの時には、皺の寄ったロングコートを着用。
【能力】名称『ジョーズ』
自身の体と、それに直接触れた固体・液体に対して『口』を憑ける能力。(大きさは精精1bまで。)
本体が『口』を操作できるものの、その『口』が何の口腔なのか、何処に繋がっているかは謎。
無機質に憑けた場合射程距離は半径10b程、
ただし、生命体に憑いた場合は対象のエネルギーを吸収して活動する為その限りではない。
また、裂傷等の外傷に対しては、傷口を『口』と化す事によってダメージを軽減する事が可能。
【希望】戦闘
【NG】汚いもの
【弱点】氷結・電撃に弱い。(凍結・麻痺による『口』の機能停止)
その他の耐性は、物理に多少強い事を除けば人間と同じ。
【備考】
特に家柄とかそういったモノと関係なく、偶然生まれつきに見た目がグロ画像な異能力を持った一般男子。
その能力によってテストの先見等の狡猾な手段を行い、必要最低限の努力でグダグダと日々を過ごしていた。
…が、学園に異能者・人外・その他諸々が集まっている事、そして不自然な程事件や事故が頻発している事を知り、
自らの身の保身と、ついでに世の平穏の為、それらの自らの人生の障害となる者を排除する事を決意する。
性質としては、常に平穏な状態を求め、逆にこれを邪魔する障害に対しては、
如何なる手段を用いても排除しようとする傾向にある。
また、能力に頼りきりで今までまともに学習をしていなかった為、余り賢くはない。
【先にプロフを貼って…と】
(青い空、白い雲、そして吹く爽やかな風)
(校庭で、教室で、それぞれ気の合う仲間と戯れる学生達)
(そんな皆にとって喜びに満ちた爽やかな日常、そんな日には―――)
……俺の…カツサンド……。
(―――本当に、ロクな事が無い。)
(ブツブツとぼやきながら、イチゴジャムサンドを口に運ぶ学生の名は、伊田満)
(どうしてぼやいているのかと言えば、購買で目当てであったカツサンドが購入できず)
(しかも、残っていたのがイチゴジャムサンド等の甘い、どーみたって男子高校生の昼飯になりそうにないものばかり)
(結局、妥協に妥協を重ねた結果が、イチゴジャムサンド&ドス黒い何かへの怒り…という心の狭い理由であったりする)
…欝だ…。
(自身の陰鬱な気分とは裏腹に、無駄に口の中で能天気に甘味を放つイチゴジャムサンド)
(なんというか、無駄に幸せな奴に「ガンバレガンバレ」と励まされるのと、近いものを感じる…)
(―――そんな、気分絶不調の時だった。)
(隣の席から、憧れてやまないカツサンドの、存在感あるソースの香りが漂ってきたのは)
【遅くなってしまいましたが…】
【それでは、宜しくお願いします】
あー、悩みに悩むんだんだよねー。
だってほら。カツサンドなんか食べたら、くずが落ちるじゃん。
そんなのでみよたん下敷きが脂ぎっちゃったら、もう切腹者だよ。
かといって、目の前にある限定品を逃がしてるようじゃね。
というわけでせめて、みよたんをしまってる間ゆっくり味わうよー。
(隣の席では、クラスの日陰……というかはずれくじ……というか)
(ようするにオタク男子が数人集まってわいわい席を囲んでいた)
(と、スピーカーから鳴り響く呼び出し。立っている集団が騒ぎ出す)
ああ、例の組み立てキット見つかっちゃった事件か。
お疲れー。返してもらえたら僕にも見せてね?
(一人取り残された糸目の男子の手には、栄光のカツサンド)
(早く食べて、と言わんばかりに半身を覗かせ香りを振りまく)
やれやれ、ごめんねみよたん。
ちょっとだけ机の中でお留守番だよ?
(少しだけはみ出している桃色、そして何やら)
(人物が描かれているらしい下敷きに手を振ると)
(少年は、どんと肘を突いて正面からサンドイッチを見つめる)
お待たせしてごめんねー、マイサンド。
それじゃあいただきまーすっと。
【お待たせしました。プロフィールは
>>9で】
【こちらこそよろしくお願いします】
(隣から聞えてきた会話もさることながら)
(今現在、この教室内にカツサンドが存在している事に、思考が一瞬停止する)
(その薫り高いソースに、まだ温かいカツ、間違いない、アレは、紛れもないカツサンド)
……………。(ゴクリ
(ここで唐突に問題だ、今、俺がとるべき行動はどれか?)
(.にア たのむ!ゆずってくれ!
. そう、かんけいないね
. ころしてでもうばいとる)
(関係ないとか言っていたらカツサンドは食えない、だが、一番下の選択肢は論外だ)
(ここは…恥を忍んで一番上の選択肢しか、ねーようだっ!)
えーと、御木本クンだっけ、ちょっといいかなァ〜…
(唐突に、隣の席に座る、カツサンドを持った(ココ重要)学生に話しかける)
(狙いは一つ、神々しいまでの香りを放つカツサンド)
(そのためならば、恥をしのんで誇りを捨て、乞食となる事も厭わない)
……頼むっ、このイチゴジャムサンド一切れと、カツサンドの半分を交換してくれないかっ。
(単刀直入に頼み込む、目の前の学生は見るからに気弱、流されやすそうな風体をしている)
(ならば、余計な駆け引きは不要、ただただ頼み込む…!誠心…誠意から………っ!)
あーん…………。
(と「レア物」にかぶりつこうとした途端、隣の席から名を呼ばれる)
(これがもし年二回有明ビックウェーブだったなら、彼は見向きもしなかったろう)
(が、手にしているのは同人誌ではなく場所も人口密度が高いとはいえ平穏な教室)
(さすがに自重すると、肩から先はそのままに首をぐりんっと90度回転させる)
えっと伊田くんだったっけ? ジャムサンドかー。
確かに、たまにはデザートってのもいいよね。
せっかくだからより多くの味を一食で味わいたいし。
(トレードなんてオタクにとっては日常茶飯事)
(午前は数学に物理と脳を働かせただけに)
(ブドウ糖を欲する脳が、イチゴジャムへと手を伸ばす)
(がしかし、その時正太郎に電流走る・・・!)
……あ、でも待ってね。ジャムかあ。
べたべたした手でみよたん、いやなんでも。
うーんどうしたものか。
(袋を持ち手に食べるカツサンドとは違い)
(向こうが提示してきたのは丸裸のジャムサンドである)
(どう頑張ったって手がべたつくのではないか。いや洗うけれど)
(洗ってもやっぱりその手でみよたん下敷き触わるってどうなの!?)
(硬直した彼の脳内で、食欲とオタ理性が争いを始めた)
(反応はしてくれた、ならば、最悪の状況「気付かれずに食われた」は何とか避けられた)
(…だが、首だけが動くとちょっと怖い)
それじゃ、交換してくれるかい?
いや、助かるよ、ありが…
(コチラが礼を言いかけた時、相手の動きが止まった)
(…トレードの中身自体は問題はない…迷っているのは、別の、何か問題が発生したからだ。)
(その問題を除去する方向でいくのも、悪くは無い。…ただし、それはソレが分かっている時の話だ)
(…交換をする上において、もっとも重要な事は二つ。相手の出すものの魅力を削ぐか…)
(……こちらの出すものの、魅力を上げるか……っ!)
…チョココロネと言えば…泉(略、メロンパンと言えば…灼(略、肉まんと言えば…沢(略、鯛焼きと言えば…月(略
……なら、イチゴジャムと言えば?
(ボソリ、ボソリと、目の前の彼にだけ聞えるように、独り言のように呟く)
(アニメでも、ゲームでも、登場するキャラクターには大抵『癖』や『好物』というものが存在する)
(大抵の場合そのファンは、キャラクターに憧れ、僅かでも接点を得ようとその『癖』や)
(そして『好物』を真似したがる傾向にある、ちなみに、この場合続くのは水(略)
(…金色のコルダ?そんなもんは知らん!)
………さぁ、イチゴジャムと言えば?
(とは言え、危うい賭けだ、もし目の前の彼が、『K(略』、そして『水(略』を知らない、もしくは大して好きではない場合)
(この策は、その本来の意味とは全く逆に作用する……半ば祈りながら、ダメ押しの文句を呟いた)
(あまり迷っている時間はない。お互い食事中なのだ)
(特に四限が体育であることを考えれば、尚更早く済ませたい)
(時間を取っても悪い、ここはすっぱり断っておこうか)
(……そう、少年が決断を下そうとしたときだった)
んう? うん、うん……。
(聞き慣れた少女達の名を耳にすると、ぎぎぎっと身体が動き)
(細っこい腕・・・腰・・・足・・・! の順に伊田くんの方へと向き直る)
(一部の世界ではもはや常識とされる連想ゲーム)
(そうだ、そうなのだ。二つ聞けばもう既に結論はわかるではないか)
ああ、うん。そうだよね。
いやでもやっぱりみよたんを守……。
(もごもご、とカツでもジャムでもなく言葉を噛む御木本少年)
(が、伊田くんの一押しごとにその姿勢はのけぞっていく)
――そうだよね、祐(ピー
私がどうかしてたよ、ありがたくもらっちゃおうかな。
(元々そんなに低くない声が、どういう理屈か少女のように透き通る)
(真似どころか完璧になりきってみせた水瀬正太郎は)
(ふんわりと微笑むと、気前良く5分の3と一切れを交換した)
でも、意外だね。伊田くんもこういうの興味あったんだ。
(地味という点では共通していたかもしれないが)
(彼にこういった知識があったというのは初耳である)
(さっそくアンテナを立てるあたり、布教体勢に入ったか)
(一言、一言の度に微かに動く交渉相手、やはり、自身の目に狂いは無かった)
(そして、ダメ押しの一言についに相手は―――)
…俺の名前は満だけど…まぁいいや、
有難う御木本君、この恩は絶対に忘れないよ。
(何か怖い事があったような気がしたが、気のせいという事にして)
(早速交換したカツサンドに齧り付く…特製ソースの薫り高い味、まだ温かい肉汁たっぷりのカツ、サクサクの衣…)
(とりあえず、今日という日の中では最高にハッピーうれピーよろピくねー、な瞬間である)
んー?何の話かな?俺にはちぃーっとも理解不能なんだけど。
あと、次体育じゃなかったっけ?早く着替えないと。
(好物であるカツサンドを食べたせいか、やたらとご機嫌な様子で答える)
(…何故、伊田がそういった知識を持っていたかというのは謎である)
(決して違法DLなどとは関係はない、うん、関係は無いから。)
…ふぅ、いや、本当にありがとう。この礼は何時か必ずするさ。
(口元にカツサンドの残骸をくっ付けながら、笑顔で再度礼を言う)
(隣の彼とは、良い友達になれそうだ、そんな思いと―――)
………って、後五分しかないやん!次の体育、集合場所何処だっけ?
(―――残り時間五分という、過酷な現実と共に。)
【最初は軽くという事で、勝手ながらこの辺りで〆という事で…】
【次はもっと頑張りますので、なにとぞ御容赦を…】
【マイガッ、最後がちょっと切れてた…】
【こんな時間にお付き合いいただき、真に有難う御座いました。】
ああ、ごめん。自己紹介の時ちゃんとそう言ってたよね。
なんか勝手にリンクしちゃったよ。
(次元を超えて世界を結びつける、と言えばかっこよく聞こえなくもない)
(現実は何ともあいたたた……な光景が繰り広げられていたとしても)
(親切をした相手が喜ぶのを見るのは、悪い気はしないようで)
(もともと糸のような目をさらに細めてがっつく伊田くんを見ながら頷く)
(カツの衣とジャムは、水道と体育と水道で落ちてくれるだろう)
ちっとも理解不能って二重否定になっちゃってるよー。
……いやいや、ツッコミ所はそこじゃあなくて。
(もさもさ、とマイペースを保ってパンを平らげる)
(彼はただの雑学者か。それとも隠れオタか)
(二次元を愛しつつ公言できない微妙なお年頃なのか)
(いずれにせよ、相手を知る楽しみができた気がする)
いやいや、僕も丁度糖分が補給できたしね。
伊田くんのおかげで、次の時間倒れずに済みそうだよー。
(無論冗談だが、ひょろひょろの身体では妙に説得力があった)
(落ち着き払ってハンカチで手を拭うと、焦る伊田くんを横目に)
テニスコート前だったよね。急いだほうがいいよー。
(のんびりとズボンを下ろすと、下から短パンが顔を出したのでした)
【はい、こちらもこれで〆させていただきますー】
【いえいえ、なんかこちらこそ謎が多すぎて申し訳ない】
【深夜まで(もう朝!?)お付き合いいただき、誠にありがとうございました】
ではこの辺りで待機解除。
失礼します。
さて。こちらの方で待機するのは初めてですね。
どうなるかはわかりませんが、今しばらくは待たせていただきましょう。
ああ、プロフに関しては
>>4の方を参照してください。
それと、私が存在している限りは、こちらの名を使わせていただきます。
そちらの方も、ご了承ください。
さて、何だろうね。
待機しようと思ったら先客か。
イベントには一枚噛みたいけど、その前にこっちも
霧原朱音とやりたいロールがあるんだけど、どうかな?
残念ながら、今現在のところ我々も、彼女に体を明け渡す目処が立っていませんので。
それは少々難しいかと思いますが……はてさて、無下にしてしまうのも考え物です。
一応、お話を伺っておきましょう。あなたのやりたいこと、お聞かせください。
空気を呼んで下さい。
ああ、それは問題ないよ。時系列巻き戻しという手段があるからさ。
やりたいことはぶっちゃけるとエロール。前々からそれとなく言ってたけど。
ちょっとした小ネタもあることだし。ある程度繋がりが深くなってると
シードに出会い、その目的を聞いた時の葛藤と言うか、迷いというか、そういうものが
表現できるかと思って。出す結論はきっと一緒なんだろうけどね・・・・・・・
さて、どうしましょうか……。
正直なところを申しますと、こうしていざ勢い込んで始めた矢先にですね。
とりあえずそれは置いておいて、と言われてしまうと、なんとも拍子抜けな気分になってしまうものです。
彼女の言い方を借りれば、面白くない。とでも言いましょうか。
それに、もともと利害関係の一致だけで組んでいたはず、それ以上関係を深める必要がありますでしょうか。
そう言われると男として、正直悲しいというか・・・・・・
今後本スレ的な意味で「霧原朱音」と絡む機会が
イベント後にあるか不明な状態なので、時間逆行という
提案もしたんだけど・・・・・・
ならどうする?僕に例の水飲ませに来るとかそういうネタも
考えてはあったんだけど・・・・・・・
彼女を振り向かせるほどの、男の魅力に欠いていた。
と、そのように表現すればよいのでしょうかね。
そして、それに関しても心配したところで詮無きことです。
今のところ私は、こちらで目的を果たしたい。そう思っていますので、了承いただければ幸いですが。
出来損ないを片付けているところに、あなたが現れいつもの私と思って声をかけた。
と、そのような始め方でもよろしいのではないか、とは思いますが。いかがでしょうか。
実に残念だ。今後の展開に期待しよう。
いいよ、それが望みなら応じるまでだよ。
うん、問題ないね。
じゃあ書き出しをよろしく頼むよ。
世の中とはままならないもの、これも、彼女の言でしたっけね。
では、今しばらくお待ちください。
(その日、彼女は既に彼女ではなく、故に彼らは「シード」は、その活動を開始した)
(何をするにも今のままでは手が足りない。ならば増やせばよい。そんな、単純な考えの下で)
(いつもの制服姿ではなく、夜に溶け込む黒い装束。所謂、喪服のようなものを着て)
(その手に黒い、長手袋をして。静かに、静かに佇んでいた)
……おめでとう。あなたも、これで我々と同じになりました。
(そう、彼女は告げた。目の前で蹲る少年へと向けて。選別を受けて、力を得て生き残った適格者へと)
後のことはわかるでしょう?行きなさい。そして待ちなさい。その日が来るまで。
(その少年の手を取って、立ち上がらせるとその頬に軽く手を添えて)
(少年も、それに答えて頷いて。足早にその場を後にしていった)
……さて、ではこちらの始末もつけることにしましょうか。
残念ですが、あなた方は、選ばれなかったようですので。
(柔らかな笑みをベール越しに貼り付けて、振り返った先も闇。その中にうごめく、いくつもの影)
(その影へと向けて、彼女は静かに左手の手袋を取り去った)
(声なき叫びが、こだました)
(霧原朱音と連絡が取れなくなった。携帯電話に電源が入っていないのか)
(或いは故障しているのか。それでも彼は一人で遺跡に向かう)
(以前置いてけぼりにした件で恨まれたので、厄介なハントの前には必ず)
(連絡を取り同行を要請する事にした矢先のことだった)
・・・・・ったく、女ってのはどうしてこう・・・・・
(ブチブチと文句を垂れ流しつつ、夜の街を歩く)
(彼女の家に行くことも考えたが、実行はしていない)
(夜、徘徊する。目的はない。最大の目的を失った彼は、その空洞を埋める様に)
(何かを求めている。さながら血に飢えた哀れなる伯爵の様に、渇望する)
―――ん?
(飢えている状態は長く続くと危険だが、その代わりに感覚器官が研ぎ澄まされる)
(だから、その気配を感じ取ったのは飢えのお陰とも言える)
(空気の流れが、違う。そう思った時にはそれに首を突っ込むべく走り出していた)
(走って、走って、走って、そして辿り着く)
――おい、朱音?
(いつもと違う装いをした゛相棒゛が、そこに立っていた)
(違う、と警報が鳴る。゛相棒゛は初めて対面した時よりも更に異質な雰囲気を纏っている)
・・・・・・何してんだよ、連絡したってのによ?その格好はどうした?
(細心の注意を払いつつ、それでも砕けた口調で呼びかける)
(今更彼女の前で、取り繕う意味もないと思っていたからだ)
(今日のところはまず、一人。出来損ないも随分できてしまったが、結果としては満足できるものだった)
(こんなことをいつまでも続けていられるはずもなく、いずれは気付かれる。そうなれば面倒は避けられない)
(そうなる前に、可能な限り手数は揃えておきたかった。最後の企みのために)
もう、これ以上用事もありませんが……すこし、歩きましょうかね。
何故彼女は毎夜こんな夜歩きをしていたのか、興味がある。と言えなくもありません。
(そうして歩き出した、その矢先に声が聞こえて)
(朱音、とその声は呼んだ。それは以前の彼女の名。すなわち、以前の彼女を知る人物だということで)
いきなりそう問われましても、少々答えに困ってしまうのですが……。
(振り向いた、柔らかな笑顔を貼り付けたその表情を、軽くかしげて相手を見つめ)
ああ、あなたは……そう。真賀樹漸さん。でしたね。
(幸いなことに、彼女の記憶は残っていた。この男の顔も、姿も。そして彼が相棒であることや、また油断ならない人物であることも全て)
(今の彼女も、知っていた)
少し、イメージチェンジ……というものをしましてね。
それと、もう連絡していただかなくても結構です。あなたの相棒である霧原朱音は、もう死にましたから。
(心底嬉しそうな笑顔に、さらに唇の端を軽く吊り上げて。そう告げる)
(一方的に告げてしまうとそのまま背を向けて、歩き出そうとしてしまった)
(ざわざわと背筋が騒ぐ。危険、危険、危険)
(警戒せよ、警戒せよと本能が警告を発している)
(それはまるで、天敵と遭遇した時の動物の様な気分だった)
(まるで危険な部分など感じさせないにも関わらず、だ)
お前、本格的にイカレたか?
前々からイカレた奴だとは思ってたけどよ。
(軽口を叩きつつも、どうするべきか素早く模索している)
(彼女の口調と態度。まるで別人だ。霧原朱音が死んだ?)
(そう言ったのかコイツは?俺の相棒が?)
おい待て、話は終わってねえよ。それはどういう意味だ!?
(その真偽を確かめる前に、彼女は立ち去ろうとする)
(仕方ないので、いつも携帯している糸を飛ばして首と四肢を捕縛しようとする)
(承知の通り、ミクロンサイズで、とても頑丈で、とても鋭い例のアレである)
人の話を、聞けっ!
(それも彼の手腕次第では、捕縛用のそれへと変化する。多少手荒でも彼女の)
(再生能力を前提とするなら、多少の傷は考慮しなくて済むというのも助かった)
……あなたも、随分と荒みましたね。
初めて会ったときのあなたは、まだもう少し魅力的でしたよ。
(覚えているからこそ、そんな言葉も呟ける)
(人に対して評価を下すことに、何の必要性も感じないものの。まだ以前の彼の方がマシだろうと)
(そのくらいのことは、考えていたのだった)
残念ながら、我々には人間の話を聞く謂れはありません。
(言葉と共に飛来する糸。視認できないほどに細く、そして速く忍び寄る)
そして、私があなたに伝えなければならないことはこれだけです。
それ以上知ったところで、あなたにはどうすることもできない。
(そしてその糸は、寸分違わず彼女の首を、四肢を捉えた。それを司る手に帰ってきたのは、やはり柔肌の感触でしかなかった)
(ただ、長手袋に覆われた手を除いては)
ならばせめてその日まで、何も知ることなく、刹那の日々を生きてください。
……それが、あなたにはお似合いです。
(糸に締められた状態から、無理やり左腕を振りほどく)
(そんなことをすれば当然、鋭い糸は左腕を切り刻むだろう。だがそうはならなかった)
(切り刻まれえたのは長手袋のみ、そして、その下から現れたのは水の手甲。その手が一閃)
(絡みつく糸を、全てまとめて叩き斬って)
知った風な口を叩くなよ、こっちが素だ。
(他人を偽る為の仮面。周囲に溶け込む為の仮面)
(冷静さを装う為の仮面。今の彼はどれも身につけていない)
それを聞いてどう判断するのかは俺次第だ。お前じゃない。
(自分を゛俺゛と呼び、他人を゛お前゛と呼ぶ)
(その口調と態度は、いつもの怜悧さを感じさせる彼ではない)
(彼と接したことのある人間なら、そんな彼に首を傾げたかもしれない)
(今の彼は仮面を被っていない、限りなく゛素゛の彼である)
(無論、そんなことを霧原朱音とて知るはずもないが・・・・・・・)
それを決めるのもお前じゃない、俺だ。
(必要以上に傷つけないように、それでも捕らえた四肢と首を締めあげて)
(そして違和感。伝わる感触に戸惑う。これは人間の肌の感触ではあり得ない)
――ばっ・・・・・?
(そして強引に解かれる拘束。反射的に糸を緩めようとしたが間に合わない)
(長手袋が切り刻まれ、現れる――手甲?――それが糸を叩き斬る)
お前・・・・・何なんだ?
(ざわざわと騒ぐ背筋。頬を伝う冷たい汗。呼吸が少し乱れているのを自覚する)
(想像する。想定する。仮説を立てる。推論を重ねる。事態の真相は何処にある?)
本当に――どうかしたってのか?例のウィルスとやらが、お前の脳味噌を食い潰したとでも?
(糸をだらりと纏めて十本垂らし、いつでも仕掛けられるようにしておく。勝算などないが)
なるほど、それは失礼。本性を現した、ということなのでしょうか。
ならば、私も似たようなものかもしれませんが……。
(納得したように頷いて、荒んだ。とそんな風に形容した彼を眺めて)
なるほど、では敢えて知りたいと。知ってしまえば、その先には地獄しかありませんのに。
いいでしょう。あなたのようなエゴの強い方なら、きっと立派な適格者となってくれるはずです。
(少なくとも彼女の知る彼は強かで、抜け目がなく、どこか傲慢なところも見える……そんな人間だった)
(そういう自我の強いものなら、適格者たりえるかもしれない。それもいいかもしれないと、思っていた)
(その手に水の手甲を形成しながら、相変わらずの笑みを貼り付けて)
では、お話しましょう。何が彼女に起こったか。私が……いいえ、我々が何者であるかを。
あなたが言うように……少々言い方は悪いですが。彼女の中に我々は存在していました。
そして今、彼女の自我を奪い、我々が彼女と……いいえ、彼女が、我々となりました。
我々は「シード」種蒔く者です。我々は、彼女のように我々を受け入れられる存在。
適格者を、探しているのです。……あなたもいかがですか?運がよければ、素晴らしい力が得られますよ?
(言葉を連ねて、手を差し伸べて、囁きかける)
(この言葉が、彼の心に届くかどうか、確証もなく、分が悪いことだけは今の彼女にもわかっていた)
――――自我を・・・・・・
(あの日、思い出が少しずつ消えてゆくと、彼女は語らなかったか?)
(昔の自分がどんな人間だったのか、わからないと語らなかったか?)
(対面するそいつの話と、朱音との会話を並べたてながら、話しを整理してゆく)
(我々。「シード」。適格者。勧誘されたが、それはどうでもいいことだった)
(思い出す顔がある。初めて会った時の、異質さを湛えた彼女の顔)
(手を組もうと誘った時に見せた、歓喜に満ちた表情)
(化け物と戦っている時の、鬼気迫る表情)
(そして、初めてのハントの帰りに見せてくれた、人間らしい表情)
そうか、そういう意味か・・・・・それで、俺の相棒を、殺した、と・・・・・・?
(頭が痛い。俺はまた亡くしたのか?と。頭が痛い。割れるようだ)
(短い時間とは言え、背を預けた相手を、失くした、亡くした、無くした?)
(力なく、膝を屈する。両親。師匠。リンダ。そして朱音。みんな死んだ?)
(これが運命なのかと、あの占い師の老婆に問いたかった。この国にお前の)
(望むものとお前の運命が待っていると言ったのは、あの老婆だ)
くくっ、くくくっ・・・・・はは・・・ははっ・・・・・・
(ぶるぶると身体が震える。寒気と、絶望と、そして狂気で)
あは、はーっはっはっはぁ!
(哄笑した。大きく顔をのけぞらして、天に唾吐くかの様に)
いらねえよ、そんなモノ。そんなモノがなくたって生きていける。
(ギラリと、その双眸が燃える。狂気の炎を力に変え、立ち上がる)
俺が欲しかったのは霧原朱音自身さ。お前みたいな変な生き物に用はねぇな。
アイツはいい女だった。多分俺が会った中でも二番目くらいにはな。
その、いい女だったアイツを殺したお前を、俺が許すとでも思ってんのか?
(゛相棒゛の仇を討つ。その意思で彼は凝り固まった)
……ええ、残念ながら。我々が繁栄を謳歌することと、彼女の自我。
それは、二者択一でした。彼女が死ななければ、我々はこうしていることもできなかったでしょう。
(力なく膝を折ったその姿に、静かに歩み寄ると)
ですが、安心してください。自我は消えても、彼女の記憶までは消えてはいません。
望むなら、適格者として私とあなたで二人、どこまでも生きてゆくことも可能ですよ?
(こんな言葉を聞かされて、その心境はいかほどであろうか)
(人の記憶を持っていても、人の心を持っていない今の彼女には、決して推し量ることも叶わぬものだった)
あなたにとって、どれだけ彼女が大切だったのかはわかりませんが……失ったまま生きるのは、辛いのでしょう?
ならば、我々と共に……っ?
(突如として、狂ったように笑い出す彼。その様に、伸ばしかけた手が止まり)
そう、ですか。……それほどまでに、彼女は想われていたと。
彼女が聞いたら、どんな顔をしたでしょうね。嗤ったでしょうか、照れて見せたでしょうか。
(だが、そんな姿を見ることはもうできない。霧原朱音は死んだのだ)
そう、そういう意味でならば……あなたは復讐する権利がある。
そして、私には自己を守る権利がある。今のままでは、譲ることはできそうにもありませんし。
……一度、潰して。それからゆっくりと我々になっていただきましょう。
(手甲を構える。その甲に埋め込まれた赤い宝石が輝いて、それを赤く染め上げた)
知るかよ、そんなこと。
(笑いを張り付かせながら、切り捨てる)
(彼女が自分をどう思っていたのかなど、知らないし興味もない)
(恐らく、暇つぶしの玩具程度には思っていただろうが、それもどうでもいい)
(確実なのは、自分が彼女をそれなりに大事に思っていたことだ)
(それを、思い知った。終わった後で、思い知った。そんな些細で大切なことを)
はは、いいねえ。
決闘ってのは対等の条件じゃないと、やる意味がない。
(打つ手はない。霧原朱音の戦闘力は、少なからず把握している)
(手持ちの武器では、殺し切れない。それは分かっている)
上等だ。やれるもんなら、やってみろ。
俺はお前を許さない。切り刻んで魚の餌にしてやるからよ。
(それでも、その意志は固い。それを貫く為に必要なのは、何だ?)
(勇気と根性だけで現実は変えられない。それを活かす知恵が必要だ)
――だが、今日は退く。
(ぐらりと、二人を照らしていた街灯が倒れてくる)
(それは、彼がいざという時の為に糸を巻いておいた街灯。それを斬り倒したのだ)
(二人の間に、倒れてくる街灯。そしてもう一本、他の街灯に巻いてあった糸を引っ張って)
(その場を離れる。それを繰り返し、離脱する。暗闇の彼方から、彼が叫ぶ)
朱音ーっ!待ってろよーっ!絶対に殺してやるからな――っ!
(「シード」を殺して、霧原朱音の仇を討つ。彼の今後の行動指針が定まった)
(それが今後、この戦いにどんな影響を与えるのか、まだ誰も知らない)
【回線が不調なんで、強引に〆を】
【こういう展開でよかったのか不安だが、勘弁してくれ】
冷たいんですね、随分と。
……残念なことですが、素直に納得など、していただけるはずもありませんか。
(そんな言葉をめぐらす内にも、彼女は冷静に考える)
(この場で彼と戦うとして、脅威となりうるものは何か。無数の糸には、もはやそれほど脅威はない)
(その程度で今の彼女を切り刻むことは不可能であり、万が一にも不意をついたとしても)
(切断されただけでは、致命傷には至らない。もはや彼女の体は、人の理で動いてはいないのだ)
(ならば警戒するべきは、以前に見せた妙な篭手。だが、それも今は見当たらない)
(負ける要素は見えなくとも、油断だけはできない。彼女の記憶があったからこそ、そう考えた)
対等……といいますが、はたしてそうでしょうか。果たしてあなたに、私を殺すことができるのでしょうか。
(手甲を構えて、悠然と歩き出す)
では私も言いましょう。あなたをひざまずかせて、我々の尖兵として見せましょう。
いつか来るべき日のための、捨石とさせていただきましょう。
(刹那、落下する街灯。飛びのくでもなく、受け止めるでもなく)
(落下してくる街灯の柱を手甲で打ち付けて、吹き飛ばした)
(やはりそれは、人外なる膂力。しかしその隙に、彼の姿は消えていた)
さっそく、敵が増えましたね。とはいえ、敵しか作るはずのないこの道です。
……まあ、いいでしょう。楽しみにしていますよ。あなたが私をどう殺すか。
そう、私が死んでも、我々さえ生き残ることができれば、いいのですからね。
(言葉を残して、そして彼女も闇に消ゆ)
【いいや、こちらの方こそすまなかったね】
【また、いつかね、それじゃあ】
【名前】天羽 都(あもう みやこ)
【年齢】13歳(中二)
【性別】女
【身長】150cm未満
【3サイズ】C60、けっこう着痩せする方
【容貌】
栗色のさらさらショートに赤いヘアバンド
色白で目や鼻など顔立ちが全般的に丸い
制服に長めのエプロン、サイハイソックス
【能力】
・異能に分類される様々な力の増幅/抑制
都に直接触れている対象の【能力】が増幅したり抑制されたりする。
効果はランダムで強く発揮することもあれば何も起きないこともある。
例:魔法の制御が正確になる、機械の動作が不調になる
・生物が持つ一般的な力の増幅/抑制
都の手料理を食べた者は、異能に限らない様々な力が増減する。
胃に残っている間だけ作用し、効果は都の感情や意志に左右される。
一般的な範疇内であり、生物的限界を越えるようなことはない。
例:マラソンで自己ベストを出す、試験で暗算を間違える
【希望】日常ロール、調査探査ロール ※エロールと戦闘は要相談
【NG】猟奇凌辱、強姦、SM、グロ
【弱点】両足不随で車椅子生活、戦闘能力なし
【備考】
十年前、学園教師である両親と共にどこかから旧校舎の屋上へ転落、
下敷きとなった両親のお陰で命は取り留めたものの後遺症で両足不随となる。
引き取り手がなかったため、学生寮の寮母に引き取られて学園へ通うこととなる。
明朗活発、世話好きで少し頑固、まっすぐ真当な性格。
料理部所属で、寮母仕込みの料理は学内でも評判になっている。
十年前のことは覚えておらず、最近怪事件なのを知って調べはじめている。
自らの能力については、まだ気が付いていない。
【プロフ投下&しばらく待機】
これはまた珍しい時間に…
まだいらっしゃいますかね?
>>96 こんにちは、瀬尾先輩。
今日はたまたまです。
はい、あらためまして、こんにちは。
中の人が休みでもない限りは、なかなか人の気配のない時間ですしね。
さて、よろしければロールのお相手などを…と。
>>98 そうですよね。
今度はもう少し深い知り合いになるロールでしょうか。
あと、午後は電気屋さんがテレビを修理しにくるので、1時間ほど抜けます。
ふふ、もう少し、というかまだ初対面です。はい。
平和に日常ロールで顔合わせでもしますか?
中座は了解ですよ。こちらもその間に食事でもしますので。
>>100 ごめんなさい、間違えてしまいました。
遭遇しそうな場所というと、どこがありますでしょう?
当たり前ですけど、先輩は錬金術のこと秘密なんですよね?
能力を秘密にしてオカ研に入ってるとかはないんですよね?
いちおう、3時頃に電気屋さんがくるそうです。
――実はオカ研はなんとなく考えていたので、喜んでその案に乗らせていただきます。
さすがに能力は秘密にしてますが。
と、なると都さんがオカ研やオカルトに何かしらの興味がある…て感じでしょうか?
はい。時間帯も了解。問題ないです。
>>102 オカ研だと、私と私の両親の事故は怪事件なので知っていそうですよね。
・瀬尾先輩から事件の話を聞きにくる。
・高等部のオカ研は本物と噂を聞いて都が相談しに行く。
のどちらかでしょうか。
前者なら先輩、後者なら私が書き出しかな。
どっちにしましょう?
上空からなぜか旧校舎屋上に墜落。原因は不明。
うん、たしかに知っていても何ら不思議は無いです。
そうですね。では後者で…書き出しお願いすることになりますが、よろしいでしょうか?
>>104 わかりました。
では、少々お待ちください。
了解。
お待ちしてますよ。
(ざわざわ、ざわざわ)
(放課後の高等部校舎内、人は少なくても中等部の生徒がいればやはり目立つ)
(しかもそれが車椅子の少女ならなおのこと)
(慣れているのか、一目を気にせず新校舎になってから設置されたエレベータである階に上がる)
(その階にはある研究会が活動の場所にしている教室がある)
(その名も、オカルト研究会)
(少女は扉の前まで車椅子を進めると、扉をたたいた)
すみません、オカルト研究会はこちらでしょうか?
【よろしくお願いします】
――さて、と。夏休みの間に少々と埃が…うちの部員たちはあまり綺麗好きではないですし
…というか、出席率が…
(放課後。所属しているオカルト研究会の部室は今日も自分以外は見当たらない)
(…基本的に体育会系の部活と違い、毎日練習する必要がない)
(だから、何か面白い話しが持ち込まれない限り部員の出席率は低いのだ)
(机の上に雑多に散らばった蝋燭、埃まみれの水晶球、占いにでも使うのか朱墨で不可解な模様の描かれた紙)
(それらをあまりキビキビしない動作で片付ける…と扉の向こうから女性の声がした)
はい。開いてますのでご自由にどうぞ。
(この部に、女生徒の訪問者が来るのは珍しくない)
(一応は錬金術師の瀬尾を始め、ちょっとした霊感や占いが出来る程度の人間がいる)
(そんな彼らが恋占いやら迂闊にコックリさんもどきの雑霊を呼ぶような儀式をやって、憑かれた生徒を祓う)
(そんなことにチョコチョコと実績をあげていたので、オカルト好きな学生の間ではそれなりに名高い部活なのだ…)
(なので、また何かの占いの依頼だと思って気安く招き入れた…本物の怪異と呼べる事件を持ち込む来客だとは思わずに)
【はい。よろしくお願いします】
>>108 はい、失礼します。
(扉を開け、中に入る)
(雑多で怪しげな室内、同じ文科系でも料理部とはまったく違う)
(第一印象は……汚い)
あなたは、オカルト研究会の方ですか?
(唯一中にいるのは背の高い色白の生徒)
私は中等部二年の天羽都と言います。
折り入ってご相談があるのですが……。
>>109 おや…これは失礼しました。
(入って来たのは車椅子の少女。扉を開けてやるべきであったか、と小さく後悔する)
(比較的バリアフリー的な造りの校舎なので、扉の開閉自体もさほど苦ではない作りだろうが)
はい。オカルト研究会へようこそ。
僕は三年の瀬尾司です。
(名乗りながら訪問者を見る。中等部…たしかに言われたままの幼さの残る容貌)
(ただ歳のわりには小柄だろうか?もちろん車椅子なので正確には分らないが)
天羽都さん…でしたか?
あ、こちらどうぞ。
で、中等部からわざわざご相談とは?
(椅子を一脚退けると天羽の入るスペースを机にあけ)
(その対面に座る。たしかに占いやらで有名といえ、わざわざ中等部からの来客は珍しいと言えた)
>>110 瀬尾司、瀬尾先輩ですね。
(椅子をどかして空けてもらったスペースに)
(お辞儀して車椅子を入れる)
相談というか、調べていることがあるんです。
でも私一人じゃ何も分からなくて。
それで、こちらはそうゆうことには詳しいとお聞きしまして。
(そこで一息入れ、瀬尾と名乗った男子生徒を見ながら)
十年前に起きた、学園教師一家の転落事故のこと、ご存じですか?
>>111 ――ほほう。調べごと?
(机に両肘をつき、手を顔の前で組み、その向こうに天羽の顔を見据える)
(どうやら退屈な失せ物探しや、恋占いの依頼ではないらしい)
(現状、学園の周りは怪奇現象だらけ。そこに来て持ち込まれた調査…面白いかもしれない。そう感じた)
――ええ。知ってますよ。学園の怪事件の中でも有名な部類ですし。
そう、旧校舎の屋上に教師の父母とまだ幼い娘が
なぜか「墜落」
両親は亡くなり、娘は大怪我を負うも一命を取り止めて……たしか一家の名前は…
(そう、実際にあった怪事件だけに他の噂などより信憑性があり十年を経ても知る人間なら知る、有名な話しだ)
(たしか女生徒はこの学園に通っている。そんな顛末の筈だ)
(…が、その哀れな女生徒の名前までは思い出せなかった。今、目の前の少女がその奇怪な事件の生き残りだとは気付いてはいない)
>>112 (目の前の男子生徒は興味を持ったらしい)
(オカルト研究会ならば食いついて当たり前の話だから)
(友達には気をつけろと言われていたが、でも都の打てる手は少ない)
…………。
(瀬尾の話すことに一つ一つ相槌を打ち)
天羽です。
天の羽と書いて、天羽。
(エプロンの乱れを直しながら)
その大ケガを負って生き残った娘が私です。
(どんな顔をして自分を見るのか)
(瀬尾の顔を見たくなくてうつむく)
>>113 ああ、そうそう…そんな名前で…んん?
(さすがに調べて欲しいと言って来ただけはある。記憶はバッチリだ)
(…などと感心しかけてすぐに気付く――同じ名字だ)
(続く告白。まず疑問の持ちようもない。間違いなく目の前の少女はあの事件の生き残り)
ふむ……つまり、貴女、都さんはあの怪奇事件の現存する目下、唯一の当事者
そしてご両親の死の謎を知りたい…と?
(学園に今も語られる怪事件の生き証人が目の前にいる)
(しかも自分から調査してくれ…と)
(ずいっと体を乗り出すと瀬尾にしては早口にまくし立てる)
(都からしたら決してよくは思ってない自分の身の上を、好奇心に満ちた瞳で見られるのは、快くはなかろう)
(しかし、彼女が目の前にしているのは、こと興味が惹かれることには何の遠慮も容赦もない変人学者)
(それはもう不躾なほどの好奇心で瞳を輝かせていた)
>>114 そう……その通りです。
両親が何で死ななければならなかったのか、
私が何でこんな体になったのか、
それを知りたいんです。
(小さいが器用な指を絡み合わせながら)
借金もない、恨みを買うこともない、
みんなの評判も良かったと聞いています。
天気も良くて、突風も竜巻もなくて、飛行機に乗った記録もなくて。
なのに、何であんなことが起きたのか。
(やっと顔を上げる)
(目には入ったのは、好奇心で目を輝かせる瀬尾)
っ!
(息を詰まらせ、ここへ来たことを後悔する)
(でも、もう来てしまったことは変えられない)
あなたは、こちらでは、何か分かりますか?
ふむふむ、ふむ……つまり科学的にはまさに原因不明
いやいや、まさに謎が謎を……ん?
(都が語った事情は今までに語られて来たものと同じだが)
(当事者の口から聞くと重みが違う。他人の口から出る噂と違い、面白半分の脚色はなされてないのだ)
(ますます面白い。不謹慎にそんなことを考えていて、都と目が合った…固まっている)
(都の表情は…後悔とか不快感とか何だコイツ…とか、つまりマイナス感情)
……ああ、はしゃぎ過ぎました。失礼。悪い癖です。
(漸く彼女の不興の理由に気付き、慌てて真顔をつくる)
え、ええ…たぶん、いやほぼ間違いなく怪奇現象の類でしょう
(そして気まずさを誤魔化すように椅子に座り直すと、また早口に…)
(もちろん述べた推論自体は誤魔化す為の適当なものではない)
はい。もちろんお力になりますとも。お任せください。
ただ、その情報だけでは…まだ何も…
そうですね…ご両親が何かそういったことに関心があったとか…そんな話しを聞きませんでしたか?
(とにかく気を悪くしたであろう都が帰ると言い出さないうちに、ハッキリと引き受けると断言する)
(引き受けてから細かいことは考える。こんな話しを見逃してはならないのだ)
(…しかし、正直全容がまだボヤけている)
(常識人なら決して信じないが、人間3人を何もない上空に飛ばして落下…それだけなら自分の魔術でも可能と言えば可能)
(逆に言えば、オカ研が扱うような心霊騒ぎなどではなく、明らかに「そっちの領域」の何かが関わっているのだろうが…)
【電気屋さんが来たのでレスが遅れます】
【はい。了解してます。お気になさらずに】
>>116 いえ、慣れていますので。
(悪意がなくても、人の口に戸は立てられない)
怪奇現象の類……ここで扱っていることですね。
両親がオカルト的な事に感心があったかどうか、
それは私には分かりません。
十年前は三歳でしたし、事件当時のこともほとんど覚えていないんです。
両親の温もりと、ただただ足が痛かったことくらいで。
(もっと両親のことを知りたい)
(両親のことをほとんど知らないのが悔しい)
なにぶん、寮暮らしなもので、遺品もあまり残っていないんです。
ふだん持ち歩いているのも写真くらいで。
何か具体的にこのようなもの、とかあるなら探してみます。
(あとは何かあるか考えて)
そういったことに関係があるかはわかりませんが、
父の受け持ちは古典で、母は日本史です。
出身は父が熊本、母は高知です。
向こうに親族がいないので、私は言ったことはないのですが、
やはりそうゆうのって関係あるのでしょうか?
【おまたせしました】
>>119 ふむ――そうですか。
(たしかに当時の彼女はまだ3歳)
(朧気な記憶にあるのは親の温もりと苦痛だけ…痛ましい話しではある)
(一応、自分の研究が絡まないことには人並みの良心がある身)
(このいたいけな少女にそんな悲壮な業を悪意で課した存在があるなら、報いの一つも受けるべきだろうとは思う)
――例えば、なにか…遺跡から持ち帰ったようなよく分からないガラクタ…とか、それに纏わるレポートとかがあれば…
(この学園の旧校舎の地下を含めて、周囲に謎深い遺跡があるのは瀬尾も当然だが知っている)
(妖魔が頻繁に出始めたのは最近だが遺跡なら遥か昔から存在する。そこに関わったなら…?)
――日本史に古典、熊本に高知…ですか?
それはそれは…神話の宝庫の地ですね
神が作ったとされるこの国の成り立ちを辿って行くと、それらに必ず行き着きます
ご両親も勿論それらを知ってはいたのでしょうが…
(熊本に高知。いずれも日本の神話には縁の深い…いや原点とも呼べる土地だ)
(そこを出身に持つ二人の男女が結ばれ、謎の死を遂げて、娘はまさに怪異の坩堝と言えるこの学園にいる)
(これが偶然であろう筈がない)
ふふ、俄然面白く…いや、失礼…
とりあえず調べるべき方向性は見えてきました
貴女も…そう、神話や日本史、遺跡、歴史…そんな方向性で
改めてご両親の遺品や生前の行動を調べ直してみてください
(不謹慎と分かっていても思わず笑いが漏れた…これだから友達が少ないのだが)
(とにかく、とんでもない大物がかかったようだ。体の底からフツフツと興奮が湧き上がるのを抑え切れない)
(真面目に部活に出て良かった…そう思った)
>>120 遺跡となると母の大学時代の物にあるかどうか。
貴重品以外はかなり処分されていると思うので、
よく分からない物だともう無いかもしれません。
(装飾具の類はあったはず、と思い起こしながら)
そうなんですか?
九州は邪馬台国とか、四国はタヌキの宝庫でしたっけ?
私、成績はあまり良くないので……。
たぶん両親は知っていたとは思います。
(古典や歴史は得意ではない)
(嫌いではないが、勉強と思うと物覚えがあまり良くない)
(料理とか裁縫とか好きなことは良いのだけど)
神話、日本史、遺跡、歴史。
分かりました、探してみます。
(笑みを浮かべる生徒)
(オカルト研究会だけあって、普通ではないと思ってはいたが)
ところで、瀬尾先輩やオカルト研究会は、
事件の詳細が分かったとして、どうするのですか?
場合によっては……。
(途中で口をつぐむ)
(図書館で聞いた、怪異が存在するということ)
(この人が本物で、犯人かその仲間で、だったとしたら?)
【レス遅くてごめんんさい】
>>121 熊本は邪馬台国も有名ですが、天上の神々がこの国を治めるべく、自らの一族を遣わした地でも有名です
タヌキも霊格の高い生き物ですし彼の地の神話には――ああ、言い出したら日が暮れて夜があけるのでまたの機会にしますか。
(この手の話しをやり出すとキリが無い。その情熱は目の前の哀れな聴衆の心身を衰弱せしめること請け合い)
(年端も行かぬ車椅子の少女に、そんな仕打ちはあまりに非道だとの自覚は、辛うじてあったようだ)
ふむ……部員は、まあ、好奇心が満たされて喜ぶくらいですかね
仮に超常的な真相が明らかになっても世間の人は信じませんし
僕は…場合によってはどうしますか?
僕が貴女のご両親の探っていた秘密を悪用する
…悪の魔法使いだったら……ふふ
(そう。真相がどうあれ部員は良くも悪くも変人。たいした問題はない)
(しかし彼女は何か含むものがあるのだろう)
(途切れた言葉の向こうにある、疑問と迷い。それを感じ取り、敢えて意味深な笑いを浮かべて挑発してみる)
(…ちなみに悪の魔法使いと言えなくも無い我が身が悲しいが)
【いえいえ、こちらも遅いですから…】
>>122 ええと……あ、天孫降臨?
寮の門限もあるので、夜遅くなるようならまた今度の機会に。
(額を冷や汗が流れる)
(有益な話ならいいが、横道にそれまくりそうな感じがいっぱいだし)
他の部員の方はともかく、あなたは……ですか。
悪の魔法使いの末路はやっつけられるのが相場です。
それよりも、両親は死んだのです。
秘密に関わることで、あなたにも危険が及ぶかもしれません。
(そう、その可能性がある)
(それを考えずここへ来たことを後悔する)
>>123 …貴女、お人好しとか言われませんか?
僕が悪の魔法使いなら僕の身よりも、ご自分の身を案じるのが先でしょうに…
(都の予想外の反応に目を丸くし…次いで苦笑、その次は溜め息)
(どうやら不幸な身の上にも負けず、真直ぐに育った性根の娘らさい)
どうするんですか?
僕が今この場でゾンビとかスライムとか触手とかを呼び出して、貴女にけしかけたら?
(もちろん相手が信じるとも思ってはいない。冗談めかして言いはしたが、やれるかと言えばやれる)
(まさに悪の魔法使い)
――ハァ、全く…調子の狂う話しです
心配無用。これでも…何せ本物の魔法使いです。
(一瞬の躊躇の後に素性を明かす。バサリと身を覆う黒いローブ)
(とぼけてもよかったが、この先、調査を続けるならその性質だけにやがては素性を明かすことになる…そう判断した)
…信じられないならゾンビか何か呼びますか?
ちなみにとても臭いですよ、はい。
>>124 え?
そんなことはないと思います、たぶん……。
(お人よし、どうだろうか)
(ただ、真っすぐに生きたいとは思っているけれど)
防犯ベルを鳴らして逃げます。
逃げられなければ、他の防犯グッズで対抗します。
(目潰し用唐辛子がゾンビやスライムに効くとは思えないが)
(やれることはやるし、その辺の物を投げ付けたりもできるだろう)
(嘘でも本当でも、危険に遭遇したら教わった対処をするだけ)
ん?
……え?
…………ええっ!?
(突然現れた黒いローブ)
(手品もマジックと言うけれど、これは手品より魔法と言う方がふさわしく思えた)
すごい……手品じゃなくて、本物、ですよね。
ゾンビは衛生的に悪そうなので、どうせならドレスに変えるとか。
あ、いえ、信じてないんじゃないですけど。
(エプロンの肩紐を摘まんで)
(驚いているが、ドキドキわくわくもしてて)
>>125 もちろん冗談ではないですが
ゾンビは衛生的には…ほら、夏場の暑さで……虫とか腐敗とか…ね?
僕も後片付けが大変だから止めときます。それがお互いの為です。
(パニクるか、良くても怯えて逃げようとするか…そんなとこだと思っていたが)
(妙に楽しげな表情。根がまっすぐ……いや、少し抜けてるのだろうか?)
(少なくとも悪意の人物ではない)
…ドレス?
そこまで女の子受けする手品のタネは仕込んでませんでしたね
ええと――――こんなのでどうですか?
(変に魔術で服を弄ろうとしたら、良くても綺麗に吹っ飛ばすのが関の山)
(13歳の少女にそんな真似をしたら社会的に抹殺されるだろう)
(さて…出来るだけこの少女を怯えさせずに魔法使いの力を示せる方法…手元にある使い魔の容貌はどれもホラー映画真っ青だ)
(考えた挙げ句に呼び出したのは、掌に乗りそうな、羽を生やした青白く輝く女性の妖精)
(フワリと舞うと都の膝に腰掛けた)
>>126 そうですね。
腐敗臭で学校に苦情が言って、部室使用禁止とか、廃部になったら大変ですものね。
廃部になったら私も頼ることができなくなりますし。
(それは困りますと、うなづいて)
きゃ〜〜っ!
かわいい〜〜!
きれい〜〜!
(廊下まで聞こえそうな黄色い声)
(膝の上の妖精の手を指でそっと触る)
この子、話せるの?
ねぇ、私は都、あなたはなんて言うの?
(目を輝かせて妖精に話しかける)
【いちおう、触ったことになるのかな?】
【扱いがとても微妙だけれど】
【都の能力の効果が出るかどうかは瀬尾先輩にお任せします】
>>127 ええ、それは実に困りま………っ!!!
(言葉を遮ったのは、鼓膜を突き刺すような高く、キンキンに尖った)
(所謂黄色い声だ。女性にキャーキャー騒がれることなどない自分の鼓膜にはいたく堪える)
残念ですが、その子、ピクシーは僕以外とは…
『――初めまして。私ピクシー、名前は無いの…アナタ、ミヤコ…ね?』
…は?しゃ、べっ…た?
バカな……貴女、何かしました?
(やや申し訳ないように使い魔の限界を説明しようとして)
(不意に聞こえたか細い女性の声…本来なら自分の頭の中にしか響いてこない使い魔の声が耳に入った)
(ピクシーはたしかに自分の口で名乗ると都の指を握り、柔らかく笑う)
(…その光景をただ唖然と見守る)
>>128 ピクシー?
あなたみたいな小さな妖精のことよね。
そう、名前がないんだ。
(顔を上げて瀬尾を見る)
何かって、何もしてませんよ。
瀬尾先輩も目の前で見てたじゃないですか。
(顔がちょっと怒った感じになり)
それよりも、この子に名前がないってどうゆうことですか!
ちゃんと話せるのに名前がないなんて酷いです。
つける気がないなら私が名付けちゃいますからね。
(一方的にまくし立てて、小さなピクシーをそっと手のひらに乗せて持ち上げる)
そうね、えーと……ブルーベル、ブルーベルよ!
あなたの名前はブルーベルよ、よろしくね、ブルーベル。
(女の子がかわいい物に目がないのは世の常で)
(ここに来た理由とか瀬尾の存在とかは……)
【都と離れると話せなくなっちゃうのかな?】
【だとすると都の能力に何かしら疑念をもちますよね】
>>129 はい?…あ、いや、そうではなく…この子たちが人間の言葉を発音するのは
声帯はあっても存在が極めて霊的に…いや、そもそも名前とかも…
……あー…
(もはや何から説明したらよいのか。そもそも机上の理論の人間だけに予想外の事態には弱い)
(そんな瀬尾をよそに車椅子の少女と妖精の親交という、童話の中にでもありそうなメルヘンチックな状況は進む)
『フフ、私、ブルーベル。よろしくね』
(自分の常識が覆された瀬尾を嘲笑うかのように、クスクスと笑いながら主と少女に自己紹介をする妖精)
(もはや瀬尾の存在など間抜けな顔のオブジェでしかなかろうが)
【離れたら効果は無くなるかなと】
【幸いにピクシーは知能があるから、疑問どころか直に体感したピクシーの口から説明させることも出来ます】
【都さんがご自身の力をどこまで認識したいかに寄りますね】
>>130 ねぇ、ブルーベル。
ブルーベルと瀬尾先輩はどんな関係なの?
瀬尾先輩が魔法使いだから、ブルーベルは使い魔になるのかな。
ブルーベルのご主人様は人使いが荒い? 優しくしてくれる?
もし待遇が悪いなら私から言ってあげるからね。
(部屋には行った時は緊張で深刻な顔をしていたが)
(今はとても楽しげに笑っている)
(ここへ来た理由も完全に忘れていそうだ)
瀬尾先輩、ブルーベルを奴隷みたいにこき使っていたりしてません?
もしかして変なことしてないですよね?
してたら軽蔑しますよ。
(やっと瀬尾の方を向いて)
【都自信は能力のことは第三者に説明されるまでわからないだろうし】
【自分に力があるなんて露一つも思ってないです】
【瀬尾先輩がどこまで認識して説明するかですね】
【あと、そろそろ体力的にきついので〆の方向で】
>>131 『そう。使い魔…人使いは…荒い』
『変なこと…というか、毎晩ロクでもないことには付き合わされてる』
…!お、お待ちなさい!
ただ僕は素材採取に歩いてるだけです!
なぜそう誤解を招くようなことを…っ。
『…フフフ…』
(都の実に庇護欲たっぷりな問いにこれでもかとばかりに、語弊のある言い回しで答える妖精)
(元来、悪戯好きなだけにこの程度は朝飯前なのだろう)
しかし、なぜ……む?
『――――』
(相変わらず理解不能な事態に首を傾げると、頭にイメージと言葉とが流れ込んできた)
(ピクシーが体感した、都の能力とそれが起こした現象の一部始終が鮮明に)
…どうやら、詳しくはまだ分りませんが…
その子が喋ったのは貴女の力のようです
貴女に触れていると…力が湧く、と。そんなような感じです。
それこそ貴女も『魔法使い』ですね
(そのイメージを言葉にして都に語る。目の前の少女もまた異能)
(ピクシーに起きた現象を見て無ければにわかには信じがたかったが…)
(自身の使い魔であり、その能力を知り尽くしていたからこそ、その異変は何よりの証左だった)
…あ、随分と話し込んでしまいました。
下校しないと…夜は危険ですしね。
(校舎に下校時間を告げる鐘が鳴り響く)
(窓の外はもう宵闇も過ぎて、既に夜…また妖魔の跳梁跋扈する刻が訪れようとしていた)
【とりあえず大まかに説明する方向でと】
【詳しく全て明かすには時間も無いですしね】
【はい。〆に向けていきますね】
>>132 毎晩!ロクでもないこと!
(ちょっと顔を赤くしてジト目で瀬尾を見る都)
オカルト研究会というだけで怪しいのに、先輩って……。
?
(瀬尾の言葉に首をかしげる)
私の力……私が、魔法使い?
何を言っているんですか、ブルーベルは元から話せるんじゃないの?
ピーターパンのティンカーベルだって話せるじゃないですか。
(瀬尾の言葉を信じようとしない都)
(でも心の奥底で、何か嫌なものがわきあがってくるのを感じる)
(私は知りたいだけ、知らないと前へ進めないから)
(だから、そんな、力とか、そんなもの、私は……)
あ、もうこんな時間。
(気が付いたら時計の針が進んでいた)
それじゃ、神話とかそうゆうことに関係が有りそうな物がないか探してみます。
何か見つかりましたらまた来ます。
今日は本当にありがとうございました。
さようなら、また今度ね、ブルーベル。
(ブルーベルを手放し、手を振って部屋を出る)
(振り返らず、まるで逃げるように)
(だって、それじゃ、それじゃ!)
(疑惑と、それに対する恐怖)
(力があるのなら、両親の死に、それが関係しているのでは、と)
【では、これで都のレスは〆とします】
【長い時間お付き合いありがとうございました】
【なんとなく予想と違った方向にいって楽しかったです】
【お先に失礼します】
>>133 ここに来てようやく、想定内の反応をしましたね
…無理もないですが。
(慌だしく都が去った後の部室。一人、呟く)
(彼女は気付いたろうか。自分が名付けた妖精が、その手を離れてからはついに別れの言葉を発さなかったことを)
(触れたくない現実から逃げるように出て行く後ろ姿)
(自分の常識が、世界が、今まさに崩れようとするのは中学生の少女には恐怖ですらあるのだろう)
……ま、僕は退屈さえしなければ何でもいいですが
――ブルーベル?最近は物騒です
貴女の名付け親の家路をこっそり見守って、何かあれば知らせなさい
(彼女の困惑も、恐怖も…自分には関わりも無く、興味の対象ではない)
(部室の窓に施錠し、カーテンを閉めようとし…まだ傍らにいた妖精に告げると窓の外に放つ)
(妖精は主の気紛れを微かに笑うと、淡く輝く軌跡を描いて夜の闇に消えた)
ふふ…たまには善い魔法使いの真似事もしてみるのも悪くない、と
(今度こそ完全に施錠し、部屋を出る)
(ガラにない行為だとは思ったが。ともあれ今夜くらいは善い魔法使いのままで)
(帰宅したら夜の探索はやめて体を休めてみよう…そんな気分になった)
【はい。こちらこそ有り難うございました】
【思わず長いロールになりましたが、楽しんでいただけたなら幸いです】
【では失礼します】
そんな訳で、待機してみるよー。プロフは多分
>>62ー。
…ごめんね、野郎で本当にごめんね。
【こんばんは〜、伊田先輩】
【プロフは
>>5です、お相手よろしいでしょうか?】
今晩はー…って、さっきも言ったっけ。
喜んで、だよ。えーと、どういうネタでやろうか。
何か希望が無ければ、適当にこの間言ったアレで行きたいと思うんだ。
あと、一応時間は大丈夫かい?こんな時間だけど…。
2時ぐらいまでは大丈夫だと思います。
えっと、骨董品店ロールですね。
書き出しお願いしてもいいですか?
時間の方は了解したよー、
んじゃ、書き出すからちょっと待っててねー。
了解しました〜。
(そこは、とても静かだった)
(ガラクタに片足を突っ込んだ骨董品が並んでいる、仄暗いその空間は)
(カビと埃の混じったような、そんな匂いに包まれて…ただただ静かに、其処に在った)
……いいなぁ…欲しいなぁ…。
(そんな静かな空間の中、古ぼけた香炉を見詰めながら、吐息を漏らす人影一つ)
(人影の名前は伊田満。平穏な生活を日々願う、一般市民(自称)な高校生)
(たまたま見つけた骨董品店で、たまたま見つけた香炉がやたらと気に入ったらしく)
(半時前からずーっとソレと、ソレの前に置いてある値札に対して睨めっこをしている最中である)
………一、十、百、千、万………一万五千って……うぅ…。
(目当てのソレの前に置かれているのは、残酷な現実)
(というか埃被ってるし俺以外買う奴居るのかよと、心の中でツッコミを居れつつ)
(他に、客の誰も居ない店内で、ただただじーっと香炉を見ていた)
(―――店の名前は『伊達骨董品店』、…やたらと達筆な文字で書かれた看板は、彼には読む事が出来なかったけれど)
【例によってちょっと遅くなっちゃいましたね…】
【それでは、宜しくお願いします】
はあ〜、御店番もいいけど暇だな〜。
(レジの横でガラス張りのショーケースに肘をついてため息をつく)
(こんな場末の骨董品店に来るお客さんなんて週に一人か二人がいいところ)
(場を離れるわけにもいかず、通りを眺めて退屈な時間を潰す)
(新しく入荷されたものにしろ、暇な時間に観察し尽くしてしまっていて)
(店の中にあるものは、とっくの昔に見飽きてしまっていたりする)
(この店に、私の知らぬものなどない! というわけである)
誰か来ないかなあ…。
(ショーケースに並べた小銭を指で弾きながら小さく呟く)
(そんな折に一人のお客さんが店の中に足を踏み入れたのである)
(それは天の恵みにも等しい幸運だった)
お客様、何かお求めですか?
(勢いよくレジの前を離れると、満面の笑みでお客さんに声を掛ける)
(真剣な面持ちで香炉を見つめる男性の横顔)
(どこかで見たことがあるような…?)
あれ? 伊田先輩…?
【こちらこそ、宜しくお願いします!】
(ふと何か、すっごく嫌な予感がした。)
(具体的に言うならば、こう、危険物が迫り来るような、そんな感覚)
(その矢先に聞えてきた店員の声は、何処かで聞いた事があるものだった)
(最初は夜の路地裏で、次は近所のコンビニで、それぞれ聞いたその声の主は)
…………は、ははははははは、き、奇遇だねぇ…。
(ダテミツキ、平穏な生活を願う自分にとっては、積極的に係わり合いたくはない部類の人間だ)
(最初は何故か意味も無くストーキングされたし、次は何故かいきなり自己紹介されるし)
(良く言えば好奇心旺盛、悪く言えば電波を少々受信している後輩の前で、例によってぎこちなく笑う)
…こ、此処でアルバイトしてたのかい?意外だなぁ、骨董品店なんて…。
(アルバイト、そうアルバイトであると信じたい)
(まかり間違っても「此処が実家です☆」とか虎穴に入っちゃいました的な回答が来ない事を信じて)
(若干震える声で、目の前の後輩に問いた)
本当に奇遇ですね、なんか運命を感じちゃうなあ…。
(暇な御店番の時間帯に訪れた稀有なお客さん)
(それが伊田先輩であることに、なぜかうっとりとするように呟いて)
ここ、私の家ですよ? 看板見ませんでした?
(なぜかぎこちない笑みを見せる先輩に)
(緊張してるのかなと思い、にっこりと笑いかけると)
それにしても、香炉に興味があるだなんて珍しいですね。
伊田先輩は、お香とかがお好きなんですか?
(伊田先輩の見つめていた香炉を棚から取り出して、ふっと息を吹きかけると)
(積もっていた埃が飛び散って、軽く咳き込んでしまう)
(少しは見栄えのよくなった香炉に満足しながら)
この香炉、買っていただけますか?
今なら特別に、お知り合い価格の一万二千円でお売りできますよ?
(掌に香炉を乗せて、にっこりと微笑む)
(本当は勝手に割引なんてしたら後でお父さんになんて言われるかわからない)
(でもまあ、原価割れはしてないからいいかな、と軽く考えて)
(何か、運命とか聞えたような気がするが、気のせいだろう)
(ちょっとうっとりとしたように聞えたのも聞えたのも気のせいだ)
(というか、気のせい、という事にしておかなければ怖すぎる)
………………………………………じ、実家?
(数秒、思考が停止した。)
(えーと、此処が実家という事は、つまり、何だ、アレだ)
(……何時の間にか自分から虎穴に飛び込んでました☆テヘッ☆)
えーと、いや、そのね、この間親戚からお土産で御香を買ったんだけど、
どうせなら香炉を使って楽しみたいと思ってね…
(ここで嘘をついても始まらないので、本当の事を話す)
(実際、少々珍しい御香であるようなので、それなりの道具を用意して楽しんでみたかったのだ)
…うん、でもね、今手持ちが全然無くてさ…はははは…まぁ、また今度…
(多少安くはなったが、残念な事に手持ちはその半分)
(香炉を買えないのは残念ではあるが、身の危険には代えられない)
(じりじりと、出口に向かって移動をしながら、御あしが無い事、そして、出直す意を伝えようとした―――その時だった)
『…ゲロロ』
(香炉が、蛙のように、伊田に向かって跳ねた。)
(憑喪神。古びた器物等が魂を経て、妖となった、百鬼夜行図でおなじみの化物。)
…………………。
(無言で立ち尽くす男が一人、そして、その頭の上で満足げにくつろぐ香炉が一つ)
(人が物を選ぶのと同様に、物が人を選ぶ事もあるとでもいうかのように)
あ、そうなんですか…。
(手持ちがないと聞いて残念そうに肩を落とす)
(せっかくのお客様に品物を買ってもらえないのが残念で仕方がない)
(そういうところはいかにも骨董品店の娘である)
あ……。
(香炉が一声鳴いて自らの持ち主を求めるように伊田先輩の頭に鎮座する)
(そういう怪異もあるものか、どうしようと一瞬悩んでしまう)
(どう説明するにしろ、説明のしようがないというのが正しい)
あはは、地震で香炉が飛び跳ねちゃいましたかね…?
(何事もなかったかのようにすばやく香炉を回収すると)
(伊田先輩に見えないように香炉を後ろ手に隠してしまう)
……………………ま……。
(喉から微かに漏れるのは、絞り出すような声)
(微かに震える指先、限界まで見開かれた目、それらは全て)
(これ以上無い、強い衝撃を受けたという印。そう、例えば―――)
待ったっ!今の香炉、もーちょい、もーちょっとだけいいから見せてっ!!
今、動いてたよね?それ、憑喪神だよね!?
(―――例えばそれは、歓喜。)
(昔絵本代わりに買って貰った百鬼夜行図、絵の中で楽しそうに行進する憑喪神達に思いを馳せていた伊田にとって)
(目の前の、今は少ないであろう『本物の憑喪神』は、非常に魅力的なものとして映っていた)
(興奮を隠せない様子で、目の前の店員の背後、後ろ手に持たれた香炉に向かって手を伸ばす)
(…ただ、その光景は他人から見たらどうにも誤解されそうなものでは、あったのだけれど)
え…? あ、はい…。
(伊田先輩の狂喜染みた興奮具合に気圧されるようにして、こくりと頷く)
(普通はこういうの見ると怖がるとかそういう物じゃないんだろうか?)
(そう思いながら、恐る恐る、後ろ手に隠した香炉を伊田先輩の前に差し出す)
伊田先輩、こういうの怖くないんですか?
(手の中で嬉しそうにカタカタと揺れる香炉)
(この香炉が惹かれるぐらいだから、そういうものなのかもしれない)
(そう薄ぼんやりとした答えを出さざるを得ない)
(自分を好きになりそうにない人間を、この香炉が選ぶはずがないのだ)
(今まで散々化物や、化物みたいな人間を見てきたが、結局自分が夢見たような妖には、一切会う事が出来なかった)
(それは、ただの運なのかもしれないし、凶暴なモノにとって変わってしまったのかもしれない)
(己の異能が化物じみたもののせいだろうか、幼少の頃、百鬼夜行に混じって行進してみたいと願っていた彼にとっては)
(その現実は、悲しくもあり、切なくもあったのである―――が、しかし)
本物だー…♪本物の、憑喪神だー…♪
(大切な宝物を受け取るかのように、そっと差し出された香炉を受け取る)
(それは、幼少の頃の自分の夢。…半ば諦めかけていた、錆び付いた夢。)
(それが今、現実のものとして、自分の掌の上にあった)
『…ゲッゲッゲッゲッゲ♪』
怖い?……何で?別にコイツ、悪さとかはしないんだろ?
(手のひらの上にご機嫌な様子の香炉を乗せたまま、不思議そうに返す)
(半分、化物みたいなものだから、この香炉もなついてくれたのかもしれない)
(そう思うと、ちょっとだけ哀しいものもあるのだけれど)
…………………………………………………………。
……頼むっ!この香炉、俺に譲ってくれないかっ!
金はないけど、雑用でもパシリでも文句は言わない、何でもするから…だから……ッ!
(意を決して、目の前の所有者に、香炉の譲渡を頼み込む)
(駄目で元々、いくら怖いものを感じるからといって、いきなり地下室に監禁されたり)
(命が取られるような事はない筈だ、ないといいな、ないと信じたい)
(……そんな事を、心の内で呟きながら)
【かなり遅くなってしまいました…。】
【この辺りで〆にしましょうか、時間をオーバーさせてしまい申し訳ありません…。】
(香炉を受け取るとはしゃぎにはしゃぐ伊田先輩の姿)
(それはまるで無邪気な子供そのままで、そんな伊田先輩に少し嬉しくなる)
(誰がどう見ても、それは香炉に対する愛情でしかないのだから)
悪さはしないと思いますけど、わかりませんよ?
気に入らないことがあれば、お香こぼしたりするかもしれませんよ?
(香炉を受け取ると、意地悪にそう言ってくすりと笑う)
(きっと伊田先輩に愛情を注がれる限りはそんなことはないだろう)
実は、こっちからお願いしようと思ってました。
よかったら、この香炉貰っていってくれませんか、って。
(きっと、お父さんでも同じような決断をすると思う)
(香炉の選んだ人なら、きっと香炉を大事にしてくれるに違いない)
(そんな不確かな思いが、現実身を帯びたものとしてはっきりと感じられる)
それじゃ、香炉をお包みしますので、しばらくお待ちくださいね。
(香炉を掌に乗せたまま、レジの裏へと回ると包み紙をショーウインドウに敷いて)
(横の棚から紙製の箱を取り出すと香炉が割れないように)
(中に新聞紙を詰めてから香炉を収める)
それから〜。
蓋を被せて、包み紙で包んで、紙のリボンで包めば出来上がりっと♪
(どこにお嫁に出しても恥ずかしくない立派な商品)
(それを伊田先輩の前に恭しく差し出すと)
伊田先輩、また来てくださいね?
(最高の笑顔で伊田先輩へと微笑みかけて)
またのお越しをお待ちしております!
(店内を出ていく伊田先輩を大きく手を振って見送るのでした)
【なんとか書き貯めが繋がりました!】
【こちらはこれで〆とさせていただきます】
【伊田先輩、お相手ありがとうございました】
…ほ、本当に譲ってくれるのかい!?本当にっ!?…あ、ありがとう!
この恩は、絶対永劫五十億年たとうとも、忘れないよ!
(少女の言葉に、まるで子供のように喜び、感謝の意を示す)
(正直言って、何も要求されなかった事に若干の疑念も湧いたものの)
(彼にとって掌の上の憑喪神は、そんなものなど意に返さないほどの輝きをもっていた)
…あ、そのままでも…ああ、でも一応割れ物なんだっけ、ありがとう。
(割れ物とか、そういう問題ではないのだが、自分なりに梱包を解釈して、礼を言う。)
(帰り道でも香炉を眺めていきたかったのだが、仕方が無い)
(新聞紙を詰められて、ちょっと苦しそうな香炉を見て、家に着くまで我慢してねと、心の中でそっと呟いた)
次は、ちゃんとお金をもってくるよ、うん。
…今日は、本当にありがとう!
(少女の笑顔に、初めて自然に出た笑顔を返す)
(立派に梱包された香炉を大事そうに受け取ると、落とさないようにゆっくりと帰路へとついた)
早速、家に帰ったら御香を焚くかな…。
…そうだ、その前にお前さんの名前を決めないとなぁ、何がいいだろう…。
(語りかける言葉に答えるかのように、箱の中で何かが動く音がする)
(幼少の頃に願った夢と送る、平穏な生活も悪くない)
…そうだ、香炉だから、少しずつとって、『秋』にしようか。
『………ゲッ……。(…微妙…)』
【それでは、こちらはこれで〆という事で…】
【こんな時間までお付き合いいただき、有難う御座いました】
【名前】北峰綾香(きたみねあや)
【年齢】15
【性別】女
【身長】160
【3サイズ】81-60-80
【容貌】黒のボブカットに眼鏡
【能力】大地を操る能力
地面に腕をつけることによって、相手を地面から縄状のものや、腕状のものを出して拘束したり、槍や剣状のものを出して攻撃したりすることができる。
地面がアスファルトだろうが鉄だろうが関係はないが、その地面の硬度によって、体力の消耗が増減する。
また、大地の力により若干ではあるが傷を癒すこともできる。
【希望】雑談、バトル ※エロールは相談の事
【NG】 今の所無し
【弱点】建物内の戦闘及び空中戦、水中
【備考】高等部一年。普通の中流階級の家庭で育っていたが、両親が異能者によって目の前で自らの犠牲になる形で殺害され、
以後は親族の家庭に引き取られ暮らしていた。(現在は寮生活)
目の前で現場を見てしまった為、一時は失語症にまで陥ったが、現在は無口ではあるものの若干は喋る事が出来る。
能力は、両親の復讐の為に魔導書を漁り、見つけた大地の精霊と契約したもの。
但し、それと引き替えに地面と接していない空中及び中空がある建物内等では生命力自体が弱体化する為、病弱と周囲に思われている。
両親を殺害した異能者を探すのには異能者の集団に入った方がよいと考え、学園に入学し情報を求めるが―。
目的のためには手段を厭わず、目の前の敵は全て叩きつぶそうとする固い意志の持ち主。
【プロフ、投下。】
【待機してみる。】
誰もいないようなので立候補・・・・・・
>>153 【……こんばんは。】
【私は現段階で霧原の人の話に入るつもりはない。】
【貴方の前ロールを考えると、今どうもシード絡みになってしまう。私は時間軸をいじりたくないし、それを考えると難しい。】
【そう、考えるけれど、どうだろう。】
【僕も基本的にイベント関連のロールに関わりたくない人】
【とそのロールをするつもりは無いんだよね】
【実は30分頃から待機してるの見てて、誰か立候補しないかなー】
【と思って見てたんだけど、無理なら無理で構わないよ。立候補したのは】
【いいけれど、シチュはそっちのやりたい事に乗るつもりだったからさ】
【成程。】
【シチュは基本的に私は相手に合わせるけれど。】
【前話していた利用(共闘)ロールも、少し考えるとキャラ上今後を考えると難しい気がして。】
【今は、申し訳ないけれど、辞退させて欲しい。】
【構わない、今回は見送るよ】
【僕は避難所に引っ込んでるから、頑張ってね】
【ではこれにてノシ】
【名前】 須佐乃 水琴(すさの みこと)
【年齢】 17/高等部2年
【性別】 女
【3サイズ】 B88 / W63 / H90
【容貌】 長髪の黒髪、肌は白め。吊り目気味の近眼眼鏡っ娘。
背筋はぴんとしているが、雰囲気は緩め。均整の取れたボディライン。
【能力】 体内に循環する霊力、及び物理的運動力「勁」。
陰勁にて身体能力を高め、陽勁にて破魔の技を得る。
打撃、日本刀を使う武術を習熟。近距離特化型。
【希望】 雑談、エロール 戦闘には消極的
【NG】 猟奇 設定上妊娠は不可 特殊プレイは事前にご相談を
【弱点】 遠距離攻撃、負傷、自滅型メンタル、朝
【備考】 マイペースな暢気者。帰宅部。学力は平均点。夜型。遅刻欠席多し。
昼食を食べる相手には事欠かない。バイト先はコンビニ。
勁の天才。不妊症。幼い頃から、使命に恭順な父に訓練を積まされ、
多感な時期をただ頷き、夜毎に異形・異能者を狩る日々を過ごした。
孤独を拒み、「殺されたくない」という本能のまま殺戮を続けた結果、
血と殺生に狂う運命を目の前にしている。
彼女は、安息の象徴の昼間にだけは、誰も手にかけまいとしている。
【設定】 高名な退魔の一族の分家筋「須佐乃」の嫡子。
この血筋はただ威信のために、「名うての害悪異形・異能者」を狙い、狩る。
長らく没落していたが、ここ数年、水琴が仕事を行うようになってから隆盛した。
才能というだけでは説明できない不可思議な現状に、裏の知名度は倍増し中。
父親は地主。和風のお屋敷を住居とし、かなり裕福。
だが清貧思考のため、水琴へのお小遣いはちょっと残念な額である
【トリップ変えつつ。】
【数珠つなぎに立候補してみるけど、どう?】
>>159 【……こんばんは。】
【…とりあえずまずは、どういうシチュが希望か、聞いておきたい。】
【虎穴に入らずんば……というけれど、そうだねー。】
【そっちは、いったいどうやって異能者の情報を集めてたりするの?】
【私は、虎児?】
【基本的には夜襲ってくる、もしくは話せる情報屋の異能者からというのが一つ】
【もう片方は、学校内で流れている裏情報がベース】
【基本的には、こう考えているが、どうだろうか。】
>>161 【虎穴は学校、虎児は異能者じゃない?そっち的に考えると。】
【ふむー……それとなく聞き出される!?ってのを想定してたけども。】
【噂話を軽くかわす感じで、日中の学校ででも、どうかな】
>>163 【ああ……そういうこと。理解。】
【それとなく…というのは。学校内で、ということだろうか。】
【私は、それで構わない。接点をどうもっていくかが問題かもしれないけれど。】
>>164 【異能者であるか、ないかは、会うだけじゃわからないものね。】
【こっちは厳密には異能者、というわけでもないし】
【お昼ごはんとか、どこで食べてる?】
>>165 【裏では、私の情報も流れている可能性があると考えてくれて構わない。】
【お昼は外の階段や、屋上など。教室もあるけれど、基本的には誘われない限り一人で食べている。】
>>166 【了解したよー。 それじゃあ、学年とかクラスとかの枠組みを超える、】
【万能シチュエーション・昼休みでゴーだ。】
【良ければ、こっちから書き出すよ】
>>167 【了解。それじゃあ、書き出しお願い。】
(新学期、ようやく生徒たちの体から休みボケが薄れ始めた頃。
気象学からすれば秋だというが、年度では9月は夏である。
未だにきつい日射しは、あぶらぜみの輪唱をよりいっそう賑やかにしていた。
アウトドア派の人たちは、こういう日に限ってなぜか屋上を占領していた。
ざわめきを肴にするにも、この気温は度し難い、というわけで。)
おー、ここは涼しいや。穴場、穴場。
(少し錆びついた扉を押し開け、横幅が狭めの非常階段へ出る。
夕方になると西日が来るのだが、この時間帯は陽が届かず、
影に落ちて、風はむしろ冷たいほうだった。
何より静かである。ペットボトルとコンビニのサンドイッチを手に持って、
コンクリートの階段が返す足音の残響を楽しみながら、下階側の踊り場へ)
……あれ、先客?
(物音が聞こえた気がする。同じことを考える人間は、一人や二人いるだろうとは思っていたが)
【こんなで。というわけで、よろしくね】
(昼休み。それはどこもが授業中を忘れたかのような賑わいを見せ一番喧噪の激しい時間帯)
(だが、誰しもその騒がしい場所を望んでいる訳ではなく)
(静かで、落ち着く場所を探し求めている者もいる)
(非常階段を下りてきた眼鏡をかけて黒髪のボブカットの少女もその一人で)
(彼女の場合、校内では大地の力が弱くなり、体自体が弱くなってしまう所為もあるが)
(ともあれ、彼女はここに座った。これから静かで、ゆっくりとした時間を過ごすはずなのだ)
(小さな弁当箱を手に取ると蓋を開け。中身はご飯にふりかけ、卵焼きに玉こんにゃくに焼魚、ミニトマト)
(綺麗にそれらが並べられていた)
……いただきます。
(そして、水筒のコップにお茶を入れ、箸を左手に持ちこれから食べようとすると)
(上から、足音がした。咄嗟に振り向き、コンクリートに手を当てる)
(もしもの時の為の措置だった)
【こちらはこう。よろしくお願い。】
(動物の営みに、人の手を入れてしまったようないたたまれなさを感じた。
――この少女には、見覚えがある。下級生だった気がする。
付き合いの浅い同級生から、廊下ですれ違うこの少女を見て、
「いろいろ大変だったんだって」という与太話を聞かされたときのことを思い出したが、
詳しいことは覚えていないし、それしか聞いていなかったのかもしれない)
あ、ごめん。驚かせたね。
ちょっとここ、いい?
いつもご飯食べてる屋上がさ、今日に限って暑いうえに大盛況でね……。
うるさくしないから、食べ終わったら、あたしはどっか行ってもいいし。ね?
(少し高い階段に腰を下ろそうとして、とりあえずは伺いを立てる。
その「コンクリートに手を触れる」ということの意味を知っていたならば、
彼女の動作は、同じでも全く異種のものになっていただろう。
だが無知ゆえに、致命的な油断をした水琴は、緊張を解すような、
優しい声音と視線を向けた)
…………。
(眼鏡の奥の瞳で相手を見上げる)
(特に、記憶にあるわけでもないが、相手の様子をじっと見つめ、警戒し)
(いつ何が命取りになるか、戦闘をくぐり抜けてきた彼女だからこその行動で)
(勿論、その手はコンクリートについたままである)
…………。
………。
(一人で気の休まる時間を潰された、そんな思いもあり)
(無表情な顔に僅かな敵意を走らせる)
(そして、警戒に、自らのコンクリートの段から拳を突き上げさせ)
(相手の顔面の前までその拳を振り上げる)
………本当に、それだけ?
(できるだけ、ここで面倒は起こしたくない)
(そして、その声音と視線が本当か、そう思い。返事を返した)
(風に煽られたように長い黒髪が舞い、背に戻った。
眼前で静止しているコンクリートの拳に、唾を飲み込むわずかな音が立った
少しずれたツーポイント眼鏡の位置を直して、溜息。首を横に振って)
……殴られる趣味はないよ。ていうか、何コレ。
(冷静さはすぐ取り戻せた。むしろ「能力者を引き当てた」ことのほうに驚いた。
とりあえずコンクリ拳を掌でぺちぺちやりながら、
ペットボトルのキャップに歯を立て、軽くひねってから叩いて回す)
2年の須佐乃。ごくふつーの女子高生です。
あんまし学校来ないから、知らないかもね。
あんたは1年の、えっと……きた、じま?だっけ?
(お茶のペットボトルを飲みながら、自分の生徒手帳を放って渡す。
「取り乱さない」「現状への適応」ということが、綾香の疑心を買うかもしれない。
しかしこちらも、わざわざ「寸止め」の気遣いに、敵意で抗するという面倒は避けた)
……見ての通り。
それ以上でも、以下でもない。
(瞳は相手を見たまま、特にそれ以上する様でもなく)
(ただ、警戒だけは解かないようにいつでも、そのまま殴れる状態にはしていた)
………す、さの。
…少なくとも、私は覚えがない。
…………みね。北峰綾香。
(片手でそれを受け取る)
(やはり、その名前と顔には覚えがない)
(何しろ、校舎内では授業を受けるのですら時折体調不良で倒れてしまうのだ)
(勉強等にやっとの状況で、上級生を覚える、と言う事は余程でない限り基本的に選択肢には入らなかった)
………。
(何もする気配はとりあえずない)
(拳をずずっと階段に戻し、様子を伺った)
なんでこう、ここには能力者ばっかり集まるんだか。
人前で、こういうのやっちゃダメだよ。テレビ来ちゃうから。
(ペットボトルから口を離し、とりあえず手帳を返してもらおうと手を伸ばす)
ま、流石に帰宅部の先輩の顔なんか覚えちゃいないよね……っと。
そか――ねぇ北峰。あんた、さっきの、腕とか――
離れたところのものをとるには便利そうだけど。
何に使ってるの?使い慣れてるよね……お、うまそう。
(いくつか段を下りて、綾香とはほぼ隣の高さの、逆の壁側に鎮座。
少なくとも、黙らせようと思えば最初の一撃で終わっていたのだ。
話す余地はあるだろう。どの道、知ってしまったからには、
いつか牙を向けられるより、先手を打って日陰に隠れたほうがいい。
思わず、几帳面にそろえられた弁当箱へ手が伸びてしまいつつも)
ま、仲良くしようとは言わないけど――
……警戒しなきゃならないような身の上なんだね、あんた。
………少なくとも、私は知って入ってきた。
(目的の為に、とは言わずに)
(そこで言葉を切る、それ以上の詮索は避けたかった)
(流石に上級生の手帳を投げるのも問題だろう、そう思い、手で受け渡す)
………元々覚えている顔の方が少ない。
…何、……?何、って。
………吐かせる為、殺す為、守る為。
(特にこちらを警戒もせず座る相手を見つめ)
(弁当箱に伸びてくる手は、そのまま流しながら)
(無表情で、そう返した)
………私は、本当は死んでいた身。
今、誰に狙われてもおかしくない。
仲良く…なんて、こと。
(少し、寂しげに首を振る)
(普通の少女と違うのがどこか悲しいのだろうか)
(それは、ちょっとだけ年齢相当の表情で)
>>176 推薦?それとも受験ー?
(さんきゅ、と小さく告げて、ブラウスの胸ポケットに手帳を落とす)
……そっ、
(ミニトマトをつまみ、口に放り込みかけて、停止する)
誰を、何をよ。吐かせるってことは……なんか事件?
犯人を追ってるとか? ああでも、殺す――はともかく、守る、は……
……自分の身、か。
(受け入れてしまえた。それが、少しだけ歯痒い。自分も普通ではないのだ。
それでも普通であろうとすることが無駄かどうか、考えないために、綾香へ話題を戻す)
でもあんなの見ちゃったら、いまさら無関心もムリだよね。
……学校じゃ、おおっぴらに力を使おうなんてやつはいない。
今ぐらい、いんじゃない? あたしは別に構わないけどね。
あんたと仲良くしたところで、負担があるわけじゃぁないし。
――じゃ、「自己紹介」しようか。 「須佐乃先輩」ってだけじゃ、きもちわるいでしょ?
(相手にわざと情報を与える目的は気遣いではない。
その寂しさを解すことが出来れば越したことはないが、
互いの都合を知ることが、自己防衛と、備えに繋がるのだと、暗に示す)
>>177 ……関係ない。
(視線を弁当箱に戻すと)
(髪が風に流されて揺れ)
………それも。
(関係ない、の部分は端折って
…そんなようなもの。
私は……、なんでもない。
(上級生でも初対面は初対面なのだ)
(そこまであけすけにさらけ出す気にはなれなかった)
…………。
…それは。
(迷う。自己をどこまで教えて良いのか)
(そして、「仲良くしていいのか)
(首を傾げ、少し、困惑した表情で)
【レスが遅れた。ごめん。】
(何やら悩む綾香を尻目に、少しだけ大きくボトルを傾けると)
あんたが何を目的にしてるか――あたしには、あんまり関係ないんだ。
あんたがなんで、「吐かせて、殺して、守ろうと」してるのか、
聞いてもたぶん、理解できないと思う。望んでこっち側にいようとするなんてさ。
……あたしの家さ、なんか昔から、「悪い異能者」とか、「化け物」とかを退治してきたらしくて、
お父さんに言われるまま、そっちの仕事してただけなんだ。
(困惑した表情に、明確な優しさを以て接することはできない。
こちらも少し困ったような、でも、笑おうとしたのだ。
――誰にも言えない不安と孤独を慰撫するのは、暴露だけでもない)
んで、そんな仕事してると、同業みたいな知り合いもできちゃって。
……その中で、友達、って言える人、いるけど。
その人と「仕事」の話、しないよ。意味、わかる?
【こっちこそ、ごめん】
>>179 私は――……ただ、ある事を知りたいだけ。
それ以上でも、以下でもない。
その為に、私は力を手に入れた。
………。
(差し支えないだろう、そう判断して)
(話していい部分までを話す)
(そして独白を始める相手を首を傾げて見つめ)
……よく、分からない。
…その仕事が、嫌だから?
(本当に分からず、思ったことを口に出してみる)
(それが良い事かは分からないけれど)
(でも、何も言わないよりは、何かが分かるはずだと思って)
【寝てしまったかと、思った。】
【大丈夫。】
>>180 それは、あんた自身の問題だからね。
あたしのことだって、あんたには全然わかんないでしょう?
(苦笑して、サンドイッチの残りを口に押し込むと)
嫌だから。てよりも、仕事してないときに、殺すだのって話、イヤじゃない。
邪魔して悪いけど……ごはん食べてるときには。
異能者同士なら、別に相手をだましてるわけじゃない。
やましいこと、ほんとにないから……その上で、一緒にごはん食べたり、
「仲良く」してると、自分は、ちゃんと「普通の人間」なんだ、って思えたんだ。
つながり、なのかな。自分以外の誰かがいて、はじめて世界があるっていうし。
――あー、だめだっ。なんか説教臭くなった。ごめん、忘れて。
(自分がそうだから、少なくとも、「そうは思っているから」だ。
自分より何かができない、苦手である、という誰かに対しての、
優越感なのかもしれないが。逆に言えば、そうしてあきらめられたら、
自分はやはり普通ではないのか、ということになるのかもしれない)
>>181 別のもの。
分かる事はできない。
………。
(ただ、相槌を打つことしかできない)
(それは、彼女がそういうものを経験していないから)
(そして、その感覚は、よく理解できないから)
(非日常しか基本的に身を置いていない彼女は)
(その言葉の意味もよく分からず、ただ、頷く)
…………。
(弁当のご飯を食べる。もう、気がつけば弁当は殆ど食べきってしまっていて)
(それが、時間の経過を告げていた)
…よく、分からなかったけれど。
それは、自己欺瞞も入っている。
私には…、そう聞こえた。
(何が、とは言わない)
(ただ、感じたことを言っただけ)
(ご飯も食べ終わり、立ち上がる)
(まだ、何かあるのだろうかと思いながら)
…それで、何て呼べばいい?
>>182 たとえ、実際にどうだったとしても。
あたしは自分が思ったこと、見たことのほうが大事なんだ。
――だから、「こっち」が本当なんだって、信じたい。
きっとそう思えば、学校にいる分には。
誰かといる分には、ひとりじゃないでしょ。
(立ち上がると、視線が今度は見上げる形になる。
まさか殴られるのか、と思って額に手を翳すが、飛んできたのは言葉だった。
二枚のレンズをへだてたむこうの瞳を、じぃと見て)
下の名前は、みこと。好きに呼んで。
えっと、あんたはきたみ、ね……。 きたみーでいっか。
(こちらも立ち上がると、携帯を開いて、昼休みが終わりそうなのを知った。
どうにも、独白が過ぎた気がして、恥ずかしいのか、僅かに頬が熱くて、疲れた)
んー、だめだ。午後はサボろ。サボって食うラーメンがまた美味いんだわ。
トマト、ごちそーさま。「今度」、なんかお礼するよ。
(と、午後の授業がはじまる前にふける算段で、こちらも立ち上がり、背を向けた)
>>183 ……そう。
確かに、それはとても大事。
………貴女がそう考えるのなら。
いつかは、そちらが本当になるかもしれない。
それなら、みー先輩。
私は、そう呼ぶことにする。
……きたみー…承知。
よく分からないけれど、構わない。
(そう呼ばれたことは、かつてない)
(どこか、親しげなその呼ばれ方は)
(あまり、満更でもない気がした)
……ん。
ケーキ、ホールで。
期待している。
(そう言い、背を向けた相手をじっと見つめていた)
【私はこれで〆。】
>>184 ……たぶん、本当、なんだよ。
(肩を竦める。前向きな発想にも、やはり気弱な部分が邪魔をした。
どちらがさみしい人間なのか)
みーって……そう来るか。
まぁ、好きに呼んでって言ったしね。それでいーよ。
しっかしなんていうか、意外に古風な子だなぁ……。
(「みー」に、肩を落とし)
でかいって。ほいほい。
んー、ずっと前のクリスマスに作ったっきりだけど、久々にやってみるのも悪くない、かな。
甘党の知り合い多いしねー。
(独り言をままに、振り向かずに歩いて行った。
日常を過ごす欺瞞に、ついぞ目をそむけたままに)
【ん、お付き合いありがとう。ちょっとごちゃってなっちゃったね、ごめん】
【見届けた。こちらこそ長い時間お付き合い、ありがとう。】
【相当、私が絡みにくかった所為もあると思う…ごめんなさい。】
【いや全然っ。むしろこっちは毎回謝ってる気がするよ】
【久々に動けたし、次はもっといいロール!みたいな心意気でいこう!お疲れ様、おやすみっ!】
【そう…ならよかった。】
【…ん、おやすみなさい。】
【以下、空き。】
【名前】式織 綾(しきおり あや)
【年齢】17歳(高等部2年生)
【性別】女
【身長】162cm
【3サイズ】B86(D)-W58-H87
【容貌】髪は光が当たると艶やかに光る黒髪のロング。
ぱっちりした二重の大和撫子で、引き締まった身体をしている。
服装は制服で、スカートを少し短めにして穿いている。
【能力】防魔・・・霊や妖魔、魔法などを寄せ付けない能力。
それらに属する存在から姿を見られず、逆にこちらからも見えない。
見れないだけでなく干渉もできないため、普段は呪符で能力を下げている。
武道・・・本格的なものではなく、教わったのは護身術が中心で足技が得意。
痴漢などには容赦がないため、対痴漢には十分強力。
【希望】雑談、エロール、バトル
【NG】 一方的な暴力や陵辱など
【弱点】呪符をしている時は、完全にごく普通の女子高生でしかない。
妖魔と接触してもお札を外せば逃げられるが、真実を知るためにそれをするつもりはない。
【備考】実家が神社なためか、生まれながらに不思議な力を寄せ付けない性質を持つ。
けれど正月にしか巫女の手伝いをしない、それ以外はごく普通の女子高生。
性格は明るく元気で、年上に対しても物怖じせず、正義感が強い。
子供の頃に神社横の道場で武道を教わっていたため、多少の心得は今もある。
2年になって告白された先輩男子と付き合い始め、部活や委員会には所属していない。
しかしその先輩が最近になって学園内で妖魔に襲われて命を落としてしまう。
不思議な力を寄せ付けないばかりに、学園の異変に気づけなかったことを悔やみ、
祖父の書いた呪符で能力を抑え、学園の真実を解き明かすために立ち上がる。
【こっちでは初めまして!】
【じゃ、待機してみるわね?】
荒らし乙。
避難所にキャラハンがいるのに無視されてる理由わかってる?
>>190 【こんにちは】
【んー、名無しさんに乗せられてるってことでしょうか?】
【似た名前の人が前にいたことは過去ログまで調べてませんでしたし、荒らしだなんて・・・】
【そもそもレスを2つしか書いてないんですけどね・・・】
やっと、ねんがんの、せんとうができるぞ!
という訳でお相手お願い出来るかな?プロフは多分
>>62だと思うよー。
>式織
参加するスレを読んでもいない、他のキャラを把握してもいないんじゃ
荒らしと呼ばれても仕方ないぞ。
言動には気をつけてくれ。
>伊田
がんばれよ。
何来てんだよ!
空気嫁、伊田w
…んー…いらっしゃらない…のかな?
仕方ないから、また出直すよー…。
>>192 【こんばんは】
【すいみません、電話が掛かって来てたため反応が遅れました】
【今夜は12時くらいまでフリーだったのですが、電話で呼び出されてしまいました】
【申し訳ございません、またの機会に御願いできないでしょうか?】
【私もバトルをしてみたかったのですが・・・】
【せっかく出て来て下さったのに本当に申し訳ありません・・・】
>>193 【すみません、参加は私の勇み足でしたね・・・】
【次に待機する時までに復習しておきますのでご容赦下さい】
>>195 【お手数をお掛けしました】
【お疲れ様でした・・・】
【私もこれで今夜は失礼します】
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もとは涼しげに、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】バトル 日常ロール エロールは要相談※
【NG】スカ、グロ、死亡、後遺症の残る怪我 相談なしのエロール
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部2年。陸上部のエース。ハイジャンプの中学記録を持っている。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
家は由緒ある武門の家柄だが、本人は特に武道をたしなんでいるわけではない。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
※ロールの状況により、お受けできないことがあります
【遅くなりましたが、プロフ投下落ちです】
久しぶりにちょっとだけ待機。
プロフは
>>12に。
――うん、多分誰も来ない気がする。
コーラ飲んでゲップが出るくらいの確率で。
【こんばんは。まだいらっしゃいますか?】
【一応、居ますが、そろそろ落ちる予定でした】
【ロール希望ですか?】
【ロール希望でしたが、落ちる所でしたら引き止めるのも申し訳ないですよね…?】
【お邪魔して申し訳ありませんでした】
【いえ、長々と待機するのも悪い気がしてただけで】
【一度避難所に行ってますので待機するなら頑張ってください】
【ではお言葉に甘えて待機させていただきますね】
こんどこそ、ねんがんの、せんとうロールができるぞ!
という訳でお相手お願い出来るかな?プロフは多分
>>62だと思うよー。
っていうか何かすっごいデジャヴュな気がするよ!
【こんばんは】
【昨夜はどうも失礼を致しました】
【戦闘がご希望のようですが、出だしのアイデアとかはございますでしょうか?】
人間誰だってどーにもならない事はあるさ、
だからそんなに気にしないでねー?
んー、希望かー。
プロフにも書いてある通りさ、俺って戦闘時には完全に見た目妖魔なんだよね。
んで、相手が人型の妖魔だったりしたら、傍から見たら完全に俺が妖魔であり、悪者な訳さ。
掻い摘んで言っちゃうと、俺の方が誤解されて攻撃されるっていう逆共闘的なものをやってみたい…かな?
うん、何だか注文が多くてごめんね…嫌だったら、日常でも戦闘でも、君の好きなシチュエーションでいいさ。
【すみません…。】
【>相手が人型の妖魔だったりしたら、傍から見たら完全に俺が妖魔であり】
【↑の文法がよく分からないのですが…】
【伊田さんが妖魔と戦っていて、それを私が妖魔同士が暴れていると勘違いするということでしょうか?】
>>208 はははははは…言い方が悪かったね、ごめん…。
えーと、ホラ、妖魔でもほとんど人間と姿形が変わらない奴って、いるじゃない?
吸血鬼とかその辺で。食人鬼でもほぼ変わらない奴とかいるっぽいし。
そーゆーのが相手だと想像してみて欲しいんだけど、そうするとさ、
見た目的には、『化物』と『人間』が逆になる訳さー…
そうしたら普通、どっちの味方をする?ってな感じなんだけど、
うん、無理なようならそれはそれでいいさー。
【そういうことでしたか…】
【ですが私の戦闘のスタンスは専守防衛でして、戦ってるのを見たからと言って横から入ることはありません】
【基本は普通の女子高生でしかないので、他の皆さんほど強さに自信があるわけでもないですし…】
そっかー…んじゃ無理そうだね…何かこれもすっごいデジャヴ…。
……んー…それじゃ、式織さんの方で、何かやりたいロールとか、ある?
うん、俺とは出来そうにないものだったら、潔く退くさー。
【これ以上は伊田さんのご期待に応えられそうにありませんので、私は一旦身を引かせていただきますね】
【今回は伊田さんのお相手は他の方にお譲りした方が良いと思いますので…】
【次にお会いした時のために、何かしらのロール案を考えておきたいと思います】
【今夜はこれにて落ちさせていただきますね?】
【失礼しました】
え、あ…いや、待機してたのは式織さんな訳だから、別に落ちなくても…。
俺じゃなくても、他の人が来てくれるかもしれないし…うーん、何だかごめんね。
俺も、避難所に行ってるかな…。
では、今しばらく待機させてもらいましょう。
どなたが訪れるか、楽しみでもあります。
三度目の正直っていうよね、仏の顔も三度までとも言うけどさ!
そんな訳で、ずうずうしくも立候補…プロフは多分
>>62だよー
いらっしゃいませ、楽しい夜になるといいですね。
さて、ではどのような流れにしましょうか。
よく考えれば、私とあなたはまだ初対面なのですよね。
口調に何だかすっごい違和感感じちゃうけど、気にしない!
んー、立候補しておいてなんなんだけど、感染者を増やしているところを偶然目撃とか、
その辺しか思いつかない訳なんだ、ごめん…。
一応クラスメート…なのかな?顔は知っていてもおかしくはないよね、こっちアレだけどさ。
それが賢明です、お互いに。
いえいえ、変わってしまった私を知ってもらうためには、それが一番容易い方法でしょう。
それと、彼女のことは知っていて構いません。最近、学校に来なくなったということも含めて。
では、書き出させてもらいますがよろしいですか?
>>218 そう言って貰えるとありがたいよ。
確かに、知っていた方が展開すすめやすいもんね…了解ー。
それじゃお言葉に甘えて、お願いするよ。
(足音。ゆっくりと響いて、進んで行く)
(その足音の向かう先には、これまた一つの足音。急いで駆けていく、足音)
……敵わないと見るや即座に逃走。いい判断ですね。ですが……。
我々にも、逃がす道理はありません。
(足元から染み出た水が張って忍び寄り、逃げていた女性の足を絡め取った)
(たまらず倒れたその体に、水の鎖が絡みつき)
心配しないでください。……あなたは優秀な戦士です。無碍にはしません。
ただ、我々になるだけです。……あなたも。
(顔にかかったベールをあげて、柔らかに微笑んだ彼女は。地面に縛り付けられたままもがいているその女性の頭に手を添えた)
ん……っ。
(そしてそっと、その唇を重ねたのだった。するとすぐに、抵抗する力も消えていき。それに応じて鎖も消えて)
……おめでとう。あなたもこれで無事、我々となりましたよ。さあ、笑ってください。
(抱き起こし、頬に一度手を添えて)
後のことは、わかりますね?……ええ、それで結構です。待っていてください。
(二言三言、言葉を交わしてその女性は去っていった)
(再び、喪服のベールを下ろして)
今夜は、このくらいにしておきましょうか。
(その日は、随分と騒がしい夜だった)
(聞えてきたのは奇妙な水音と、何かが暴れるような激しい物音)
(―――そして、足音。何か、恐ろしいものから逃げ出すようなモノと、それをゆっくり追いかけるモノ)
(正直、それだけであれば無視、最悪見てみぬフリをしていただろう)
(少なくとも、関わらないつもりではあった…ベールを取った、彼女の素顔を見るまでは)
……………………………………。
(無言で、フラリ、と路地裏から出てくる人影)
(彼女の前に現れたのは、顔のほぼ全てが口で構成された、異形の者)
(フラリ、フラリと、ゆっくりと少女に向かって近づいていく)
……………ブツブツ………ブツブツ………。
(見たかったのは、妖魔に対しての対応)
(先程の行為は、薄暗かった為に何をしていたのか良く確認は出来なかった)
(ここで『逃げる』のであれば一般市民、無視したところで問題は無い)
(だが、その他の場合は―――)
(ざり、と。聞こえたのはアスファルトを踏みしめた音)
(振り向いた先に見えたのは、正体不明の化け物)
(見定めるように、その目をすぃ、と細めて)
……我々の出来損ないでは、ない。
(少なくともその化け物の中には、自らの因子は欠片も見て取れなかったので)
(ではこれは何か。彼女の記憶は知っていた。正真正銘の化け物で、この街にはいくらでもそれは存在している)
(彼女にとっては、いい暇つぶしの相手であった)
言葉が通じるのかもわかりませんが……別に、我々はあなたに興味はありません。
化け物を仲間にする趣味はありませんので。ですから、そこ、どいてくれませんか?
(相変わらずの笑みを浮かべて、ただどうにも無関心そうにも聞こえる口調でそう言うと)
(ちょうどその化け物とすれ違うように、歩き出した)
(逃げるまではいかないにせよ、倒そうとするならば、それで良かった)
(退魔師であるならば、少なくとも人間としての平穏な生活は守られる)
(だが、目の前の彼女がとった行動は、『逃げる』でも『戦う』でもなかった)
(そして、止めの言動、『我々』『仲間』という単語が混じった、その言葉。)
……。
(丁度相手とすれ違う瞬間に、異形の動きが、ピタリと止まった)
(彼女の行動と、言動、その二つが指し示すものは、つまり)
(目の前の者が人間の、少なくとも、自分の平穏を乱す者という事実)
…キリハラアカネ…
(独り言のように、ボソリ、と呟く)
(この相手が、平穏を乱す者というのであれば、自らの敵だというのであれば―――)
(―――とるべき行動は、たった一つ)
……でハ、ないナ、お前さンハ。
(言うと同時に、コートの中に憑けておいた『口』から取り出した、2?タイプのペットボトル)
(既に中の水には触れてあるソレを、丁度相手との間で、中から食い破らせ、破裂させる)
(狙いは、感染させた水による罠の配置、相手の能力を知らない訳ではなかったが、これが一番手っ取り早かった)
彼女のことを、知っているのですか。
(小さく彼女を呼ぶ声を、逃さずこぼさず聞きとめて)
確かに、我々は彼女ではありませんが……この体は、彼女のものです。
しかし、逆に疑問ですね。あなたは何者なのか、そして何故、我々に立ちふさがるのか。
(食い破られえ弾け飛ぶペットボトル。それは、「シード」の力によるものではなくて)
話は通じるようですし、あなたが我々の邪魔をしないと言うのなら、我々に戦う理由はないのですが……。
(ここでやり過ごしたところで、目的さえ達すれば敵ではなくなってしまうのだから)
無理、でしょうね。残念ですが。
(小さくため息を吐くと、左手の手袋を外し。現れたのは水の手甲)
我々は、「シード」。
(そう、静かに名乗りを挙げた)
【すいません、かなり遅れてしまいました】
何者カ、何の為カ。……そレがお前さンにとっテ重要な事とハ、思えなイがネ。
金でもくれルと言うならバ、考えないでもナいけどナ。
(体は彼女のもの、目の前のソレは確かにそう言った…ならば、一体どういう事か)
(…操られている、それも、『我々』と名乗る、大量の何かに。)
(相手の正体がどうであれ、相手の体がキリハラアカネ…つまり、学園の生徒だとすれば、傷つけるわけにはいかない)
俺がお前サんの邪魔でなくとモ、お前さンは俺にトッテ邪魔なンだヨ。
何故、薄くて広いもノなんテ意味の言葉を名前ニしたカは知らないガ…
…長いもノに巻かれテ、大人しクしていテ貰おうカッ!
(それは『シート』だ、というツッコミも待たず)
(大きく後ろに引くと、先程水をバラまいて作った水溜りに大量の『口』を発生させ、シードの足に舌を伸ばさせる)
(とりあえず、拘束しておけば問題はないだろう。あとの処理はまたその時考えればいい!)
【いえいえ、お気になさらず】
【不都合のある事がありましたら、遠慮なく言ってください…】
【…あ、あと、最初のアレでそちらが水を被ったか被っていないかで、多少対応が変わってくるのですが】
【教えていただければ幸いです】
ええ、その通りです。重要なことは、あなたが我々にとっての障害になりうる。
そういうことだけです。そして、我々はそれを全力をもって排除する。
(体を慣らすように軽く動かしながら、ゆっくり歩いて進んでいく)
あなたの言うことは、いまいちわかりませんね。しかし、我々とあなたとの間に相互理解が必要だとも思えません。
あなたが我々を疎む理由も、まあわからないでもありませんが……。
大人しくしている道理もありません。あくまで立ちはだかると言うのなら……っ。賢しい真似をっ!
(言葉を告ぎながら、ゆっくりと歩を進める)
(その刹那、打ち出された大量の舌。それに向けて手甲を軽く一振り)
(鋭く伸びた刃が、全ての舌を断ち切って。そして彼女は迫っていた)
(駆け出すついでに打ち出された刃が、水溜りにうごめく舌をぶち抜いていった)
さあ、踊ってください。
(液弾を矢継ぎ早に打ち出す牽制を重ねて、それにあわせて鋭く斬撃を放った)
【すいませんが、反応がないようなのでこちらはこれで打ち切らせてもらいます】
【また次の機会に、お相手願います。それでは】
【やーらーかーしーたー…自分…】
【どれだけ長考なのかと自分が情けなくて仕方がないです】
【謝罪の言葉すらありません、本当に申し訳ない】
【こんな事が二度とないよう、精進します…また、機会がありましたら。】
やーやーみなさんお久しぶり。
愛すべきオタク少年、正ちゃん事御木本正太郎だよー。
ちょっと待機させてもらおうかな。
僕のことはねー、
>>9に書いてあるから。
ぶっちゃけ、オタで糸目くらいしか有用な情報がないのが悲しいねー。
んー、あんまり長く占有しちゃうのも良くないかな?
僕はこの辺で落ちるとするよ、それじゃーねー。
【待機解除です】
こんちゃー。暫く待機してみるぜ。
気軽に声をかけてくれよな?
こんばんは。
まだいらっしゃいます?
ん、ああ、いるぜ。
……と、相手してくれるのか?
何かそっちにシチュの案があれば先に聞くけど。
>>233 郡先輩、相手をするつもりがなければ声をかけませんよ。
イベントに絡めないなら、先輩は図書委員なので、調べ物に付き合ってもらうとか。
絡めるとなると、面白そうなロールの案はないです。
先輩はどうですか?
>>234 …んー、俺が考えてたのは、
夕暮れ、路地裏で化け物退治してい俺を
そっちが見かけて、話しかける…ってのを考えてたけど、
やりやすい方でいいぜ。
どっちにしろ、ロールの目的としては似たり寄ったりだし。
>>235 私は少しずつ怪異に触れてきているので、先輩の案の方が良さそうです。
なので、書き出しをお願いできますか?
あと、私の能力は+−お好きなように演出で使ってください。
気を付ける点は接触時のみの効果です。
(放課後の夕暮れ時、彼は人目の付かない路地裏で、
異形の者たちを切り薙いでいた)
(今日、帰り道に偶然襲われたところを返り討ちにしただけなのだが、
思ったよりも時間を喰っていたらしい。既に日は落ち暗闇が徐々に空を蝕んでいた)
……はぁ、やれやれ。
お陰で制服が汚れちまったぜ。
明日はもう一着予備の方を着て行かなくちゃなー…。
(ため息を付きながら異形の遺骸を残して、路地裏から抜けようとする)
……ん?
(ふと気づくと、視線を感じる。先ほどまでは意識出来なかったが、
振り返ってみれば、先ほどからずっとこの視線を感じていたように思える)
(顔を上げてみると、その歩く先に路地裏を覗くように車椅子に乗った少女がそこに佇んでいた)
どうしたんだ、お前。迷子……ってわけじゃなさそうだけど。
その制服、うちの中等部の…だよな?
(まさか見られてしまっただろうか。…生臭い場面だ。ある程度のショックを与えてしまっただろうか。
そんなことを考えながらも、その目の前の少女に尋ねた)
【それじゃこんな感じで頼むぜーっ】
>>237 (あれは……あれって、なに?)
(人と、人ではない存在が戦っていた、殺し合っていた)
(まるで漫画家アニメのような、現実にはあり得ない光景)
(ううん、夢じゃない、本物)
(魔法使いと妖精がいるんだもの、怪物がいたっておかしくない)
(怪物と戦う……ええと、正義の味方?がいたっておかしくない)
とりあえず、警察で良いのかな?
それとも学校……にかけても仕方がないか。
(ポケットから携帯を出したものの、どうしたらいいのか悩む)
(そうこうしているうちに戦いは終わり、怪物達は倒され)
(怪物すら倒してしまった男が近づいてきた)
え?
あっ、ええと、そうです。
迷子じゃなくて、特売をしてるスーパーへの近道を通ろうとしただけで。
(男は血だか体液なのか分からないものにまみれた制服を着ていて)
その制服、高等部の方、ですよね?
(同じ問いをして、間抜けだなと思いつつ)
【よろしくお願いします】
>>238 ……特売?
ああ、そういや今日は特売日だって母さんが意気込んでたっけ。
(ふと今朝のチラシを握り締め、財布の中身を確認していた母親の姿を思い出し)
それがこのあたりのスーパーだったんだ。へぇ…。
ああ、まあ、な。一年の郡って言うんだ。ま、学校で見かけたら挨拶でもしてくれよ?
(そうおどけながら、異形の体液が付着している自分の制服に視線を落として)
あー……やっぱり気になるか。自分で転んで汚しちゃいました……じゃ通用しそうにねえな。
(やれやれとため息を溢しながらかぶりを振り)
そうだな。話がてら、お前を送って行ってやるよ。
やっぱり手伝った方がいいだろ? 車椅子。
【こちらこそ、よろしくなーっ】
>>239 ええ、明日の材料を買おうと思いまして。
でも……もう遅いですね。
(時計を見る)
(戦闘に遭遇して動けなかったため、閉店時間にあと数分という時間になっていた)
……郡、郡先輩ですか。
私は中等部の天羽です。
(色々な危険を考えると名乗らない方が良いかも知れない)
(でも、それは失礼だし、携帯のボタンはすぐ押せるようにしたまま都は名乗った)
それは、もちろん手伝ってもらう方が楽ではありますが、大丈夫ですか?
その……怪しい体液、なんでしょうか、触れたら服が溶けてしまいそうなもの。
女子寮住まいなので、変なものが車椅子に付いていると心配されるので。
あ、ごめんなさい。
先輩が怪しい人だと決めつけている訳ではないのですが、
やっぱり、普通の状況じゃないですし。
(話は聞いておこう)
(エプロンのポケットには防犯用の目つぶしとベルも入っているし)
>>240 ああ、よろしくな。天羽。
……大丈夫って、何が? ああ、これか―――。
(苦笑を浮かべながら、体液を手で払いのけて)
これが大丈夫なものじゃなかったら、俺はとっくにお陀仏だって。
それに……「それ」も含めて、お前は知りたいんじゃないか?
(にやりと不敵に笑いながら、車椅子を押し始めて女子寮への道を歩く)
まぁ、あの状況じゃ仕方がないだろうな。
でもいいのか? そんな信用のできない俺とふたりきりになって。
(わざと不信感を煽るような言葉を投げかける。
これで距離が離れれば、それはそれで幸い。変な噂は立つかもしれないが、
彼女を危険に巻き込むこともないだろう)
お前がそれでいいなら、さっきの状況を説明してもいいけどさ。
>>241 んー、それはそうですが、もしかしたら郡先輩の制服が特殊繊維でできていたり、
先輩自体も見かけ通りじゃなくて、ゲームキャラみたいに無敵かもしれないし。
(あんなこと、テレビに出ている格闘家じゃできそうにないし)
(魔法使いじゃなくて、戦士や武闘家なのかも)
(都はほとんどゲームはしないが、友人が好きなゲームの簡単な内容ぐらいは知っている)
ええ、知りたいです、私が知りたいことと関係があるかもしれないから。
(ふと思いついて、鞄からハンドタオルを取り出して郡に差し出す)
どうぞ、手と顔ぐらいは拭いてください。
振り返らないと見れないですけど、汚れたままなのは気分が良くないので。
(そのままニコッと微笑み)
ちゃんと用心しているので大丈夫です。
どのみち逃げようとしても、私じゃ逃げられませんから。
(誰かを呼ぶ準備だけはしていますけど)
なので教えてください、あれが何で、何をしていたのかを。
>>242 ……俺は一体、どれだけとんでもない奴なんだよ。
(少しだけ呆れながら、軽く肩を竦ませて)
お前、さらりとドライなこと言うのな。
…ま、いいけど。
(タオルを拝借して、顔と手を拭い苦笑する)
へぇ、意外としたたかなのな。
(感心したような声で呟いて、ふっと息を漏らして笑い)
俺が嘘を教える…っていうこともあるかもしれないぜ?
ま…信じるか信じないかはお前次第ってところだな。
……正直に言えば、俺も詳しいことは殆ど知らねぇんだけど。
お前も知ってるだろ? 最近、猟奇殺人事件やら行方不明者が増えてきているってこと。
それの大多数に「アレ」が関わってる。「アレ」がどこから来て、何で人を襲うのかは俺も知らない。
ただ「アレ」を野放しにしていたら、人に被害が及ぶのは目に見えている。
……一言で言えばマンイーター。人類の敵。悪しき夢。天災。化け物。
そして――異形。 言い方は幾らでもあるさ。
俺はそれが嫌だから、そいつらを蹴散らしてる。…ただの自己満足。
さっきも、俺を獲物だと思ったんだろうな。襲ってきたところを返り討ちにしたところさ。
……これでな。
(スッとナイフを抜くと、少女の首元に突きつけて――すぐに引く)
>>243 あんなのを退治できるなんて、とてつもない人だと思います。
(少し首をかしげ)
私、そんなにドライですか?
結構ウェットな方だと思っていましたけど。
先輩だって、顔や手が汚れたままよりは良いでしょ?
あ、そのタオルは商店街の福引きで当たった物なので差し上げます。
(タオルには確かに商店街の名前が印刷されている)
嘘か本当かは聞いて、調べて、判断すればいいのです。
少なくとも、この目で見たことは確かなんですから。
(ふと思い出したようにため息をつく)
どちらにしても、今夜の夢見は悪そうです。
(郡の話すことを、ときおり相づちを打ちながら一言も漏らさないように聞く)
(ちゃんと考えるのは一人になってからだが、都が幼少時に実体験した怪異と関係があるのかどうか)
(正直判断が付かなかった)
(瀬尾先輩に相談してみるかな……)
……銃刀法違反ですね、あと校則にも違反しています。
(首元に突きつけられたナイフをちらっと見て)
あまりそうゆうことをしない方が良いと思います。
ほら、ついボタンを押してしまったじゃないですか。
(エプロンのポケットから防犯ベルを出す)
指を離すと、とても大きな音が鳴ってしまうのですが、どうしましょう?
指を離しちゃっても良いですか?
私としては、今は離したくないのですが、離さないで止める方法が分からないんです。
(振り向き、困った顔で郡を見上げながら手にした防犯ベルをみせる)
>>244 ………なるほど、見た目以上に度胸はあるみたいだな。
(苦笑を漏らしながら、ナイフをポケットに入れ)
俺が銃刀法違反なら、そこら中に銃刀法違反者なんて幾らでもいるぜ?
サバイバルナイフなんて、まだ可愛いもんだって。
(知り合いの顔を思い浮かべるが、どれも物騒な得物を所持しており)
へぇ? でも、その防犯ベルじゃ人は殺せないよな?
――そうだな、でもこのナイフならお前を殺すことも出来る。
俺がお前の呼んだ人たちに捕まるかどうかは兎も角として。
(相手を脅すような、そして自身を誇示するような真似は得意ではなかった。
だが、不思議と彼女ならにへらと笑いながら退けるような言葉が出てくるだろうと踏んでいた)
ま、冗談はさておき「そういう奴ら」がごろごろ居るって言うのは事実だ。
俺の知り合いのなかでも、敵に回したくねえ奴らばかりだし。
それに……こういう話を聞けば、そういうことに巻き込まれる危険があるっていうのが相場だぜ?
まあ、どちらにしろ俺の話はこれで終わり。ご清聴どうもありがとうございました。
(おどけた様子で、笑いながらそう口にして)
>>245 可愛くても違反は違反です。
どう理由を付けても警察に補導されれば停学になるだろうし、
停学になったら勉強も遅れて成績にも響いちゃいます。
(留年するのは良い気分じゃないみたいだし)
確かに人は殺せませんし、そのナイフなら私を殺せるでしょう。
でも、先輩のナイフは人を殺すための物じゃないですよね。
そんなことをしたら、そのナイフはきっと泣くと思います。
(寮と学校に置いてある愛用の包丁を思い浮かべる)
(比べる物ではないけれど、たぶん先輩にとって大切な物だと思うから)
色々と教えていただいてありがとうございます。
種類は違うんでしょうが、私、もっと小さい時から巻き込まれていますから。
何しろ私は生きる学校の七不思議の一つなんですから。
(そろそろ指がつりそうと独り言を言いながら両手の指で防犯ベルを押さえる)
まあ、私も両親から授かった大事な命を大切に思っていますから、
本当に危ないことには関わらないように注意します。
>>246 残念ながら、この世は皮肉屋さんでな。
これぐらいの「ズル」でもしなくちゃ、俺のやりたいことは遂げられないんだよ。
――たとえ、こいつが泣くことになったとしても。
(曖昧な笑みを浮かべながら、ポケットの中で手に握るナイフに目を向けて)
もちろん、俺にはその気はサラサラないけどな。
たとえ話さ。こういうやつも、世の中にはいる…ってな。
なるほど、『生ける七不思議』か、そいつは面白い。
確かに剣と糸を操るやつや、宝探しするやつがいるこの世界だ。
七不思議そのものがいたって不思議じゃないわな。
(にっと笑いながら、小さく頷いて)
それが一番さ。……もっとも、注意しても巻き込まれるのが危険って奴だがな。
あるいは、その危険を乗り越えた先に、自分の望むものもあるかも、しれないが。
何にしろ、気をつけろよ。さっきみたいなことじゃなくても、最近犯罪も多いしな。
さて……どうやら到着みたいだぜ?
(そうこうしているうちに、女子寮の門まで辿り着いており)
>>247 私としては、先輩がそのナイフを泣かすようなことが起きないことを祈るばかりです。
大事な道具はとても大切な物、自分自身の分身だと思うから。
だから先輩にその気が起きないことがなによりです。
(世の中には怖い人がいるけれど、お知り合いになったからには嫌いにはなりたくないから)
その表現は微妙ですけれど。
正確には七不思議の生き証人になるのかな?
機会があれば、どの不思議が私なのか分かることもあると思います。
剣とか宝探しとか、そんな派手なものじゃないですけどね。
(派手かどうかなんて関係なくて、当事者の時点でどうしようもないこと)
ただ、知りたいだけなんですけどね。
好奇心猫殺すと言われても、好奇心じゃなくて義務だから。
(明るい寮の窓を見つめ)
そう、痴漢とかも多いので、この防犯ベルも対策用です。
あと10秒ほどで鳴らしますから、その間に先輩は退散してくださいね。
女子寮のみんなには先輩がちゃんと送ってくれたと宣伝しておきますから、ご心配なさらず。
疲れているところ、わざわざ送っていただいてありがとうございました。
(都が頭を下げた瞬間、防犯ベルから指が離れ、リンリンリンリンリンリンと大きな音が鳴り)
(女子寮からドタバタと音が聞こえてきた)
【この辺りで〆ですね】
>>248 さあ、…どうかな。
…こいつが俺の分身だということは、
そういうことに使わざるを得ないようになったら、
それは俺自身の意思ってことだろ? ……ある人が言ってた。
『どんな手を使ってでも、自分自身を貫く覚悟をしろ』…ってさ。
だから、その時はきっと……後戻りは出来ないだろうな。いや、出来たとしてもしないだろうけどさ。
(力強く大きく頷くと、夕焼けの空を眺めあげて)
…知りたいだけ、そして義務、か。
(いつぞやの少女もそんなことを言っていたような気がする)
まあ、俺は何とも言えないけど、お前が知りたいと思っている「それ」、
知ることが出来たらいいな?
少なくとも「知ろう」という姿勢は、否が応でも色んなものを呼び寄せてくる。
…それは玉石混合、お前にとって悪いものも良いものも、全て。
そのなかから、上手く掴み取っていくしかねぇだろうが…頑張れよ?
(ぽんと軽く肩を叩くと、励ますように明るい笑顔を浮かべて)
……やれやれ。本当にちゃっかりしてやがるな。
変な誤解をされないように、今のうちに逃げるとするか。
それじゃ、またな。今度はこういう物騒な出会いにならないようにしたいもんだぜ。
(ひらりと手を振ると、軽々とした調子で、その場を立ち去っていった)
【それじゃ俺はこれで締めということで。お疲れさん。
付き合ってくれてありがとなー、それじゃ、おやすみっ!】
>>249 自分自身を貫く覚悟、格好いい言葉ですね。
(でも、自分自身って、なんだろうな)
(先輩は、ちゃんと分かってるんだろうな、きっと)
はい、頑張ります。
何年かかっても、いつかきっと知ってみせます。
(自己満足だとしても、それが供養にならないとしても)
(例え知った内容が悪いことだったとしても、私は後悔しない)
それじゃ、郡先輩。
制服の汚れ、綺麗に落ちると良いですね。
(都が小さく手を振り、郡がいなくなると入れ替わりに女子寮の寮生達が出てくる)
(バットやモップを持った寮生達に間違えて押しちゃいました、と頭を下げる都)
(顔は笑顔でも、内心は色々と複雑だった)
(そう言えば、あの怪物の死体って、どうなるんだろう?)
(今夜は眠れそうにない)
【私もこれで〆】
【こちらこそ、ロールしていただいてありがとうございました】
【では、おやすみなさい】
【遅い時間だけれど待機、してみる。】
【少し軽めに、でもよろしかったら、お相手に立候補しても大丈夫でしょうか…?】
【改めましてこんばんは、媛名の人。】
【私はそれで構わない。よければお願い。】
【はい、改めましてこんばんは、北峰さん。(一礼)】
【時間が時間だけに、申し訳なくもじっくりと濃い内容、が辛いところなので…
そうですね。 とりあえず、能力のどうこうなく、面識をもってみるとか、が妥当でしょうか】
【もしも、何か他にやりたいことなどありましたら、遠慮なく仰られてくださいね。】
【もう少し早く来られていればよかったのだけれど。私こそ。】
【面識…もしかしたら、若干能力を使ってしまうかもしれないけれど。】
【どういう場面から始めるかにも、よるかもしれない。】
【…もしくは最初から面識があるようにして避難所みたいなお姉さん的に出てきて貰っても構わない。】
【能力については使うも使わないも、どうぞお好きになさってください。
バトル的な意味で、ということのつもりでしたので…若干ならば大歓迎です。】
【避難所の、もまた悩んでしまうところではありますが……うぅん。】
【そうですね。初対面で雨の日の放課後の昇降口、などいかがでしょうか?】
【ぱっと思いつき、なのですけれど……他に何かいい場所がありましたら、なんなりと】
【では、状況に応じて使うことがあるかもしれない。よろしくお願い。】
【初対面は大事。そう考えるとあちらの絡みは持ってこない方がよさそう。自分でいっておきながらごめんなさい。】
【雨の日の放課後の昇降口……どうなるか楽しみ。】
【他に思いつく所もないし、それでお願い。】
【書き出しは、お願いしてもいい?】
(夏が過ぎれば、徐々に日は短くなってゆく)
(しかも空には厚い雲がたちこめ、雨音が耳をつくとなれば…少し遅い時間の暗さなど言うまでもない)
(靴をはき、鞄をもち、今日も学校から自宅へと帰ろうと――…して彼女は立ち止まった)
本当に、急に振りはじめましたね、雨。
(まだ屋根のある場所から空をみあげて、ぽつりとつぶやく)
……これでは、傘を持っていなかった人は、立ち往生か降られるか、の二択でしょうか。
(鞄の中に確か折り畳み傘があったはずだと、彼女は鞄に手をかけた)
【はい、十全と承りました。】
【私はどちらでも十全と楽しいので、構いません。お気になさらないで。】
【それでは、少し行き当たりばったりな気も致しますが…なるようになる精神で。
失礼して書き出させていただきました。 改めて、宜しくお願い致します。(一礼)】
(暗雲の中、少女は走っていた)
(学校では病弱と認知されては居ても大地の上となれば別)
(それほど脚が早いわけでもないが、それでも間を取るには十分だった)
(なにと、それは、大地を奔る大蛇のようなモノ)
(また、あの人の失敗作だろうか、もしくは自分を狙う仇の放ったものだろうか、そう思いながら昇降口へと走っていく)
(適度な広さのあるそこは、壁を作るのにはもってこいだったから)
(しかし、少女に誤算があった)
(そこには、背の高い女性が鞄に手を掛けようとしているところだったのだ)
(そう、気がつけば雨が降ってきていた)
(落ち着くよう自分に言い聞かせながらコンクリートの地面に手を付き、コンクリートの身長大の壁を作る)
(そして、同じように、槍を作り、地面から5本程、蛇の体を突き破る)
………危ない。下がって。
(そして、いつもの小さな声で、背の高い女性にそう告げた)
【いきなり、巻き込みだけれど、許して欲しい。】
【こちらで処理はするから…能力を見せないと話が進まない気がして。】
【こちらこそ、宜しくお願いします。】
(鞄から、喧噪へと視線がうつる)
(人気のないこの時間帯とは言え――…あまりにも派手なパフォーマンスだ。
あの大蛇は何の類だろうかと、幸いにして人のいない昇降口でそう思う)
……雨、どころのお話ではなさそうですね。
(鞄を少しだけ遠くに投げることで避難させて、小さな声を耳にする。
この状況では完全にどちらが自分の敵だなんて断じることはできない――…)
(…ならば、見極めるまで)
――…なにごと、ですか?
(地面の槍によって貫かれた大蛇から、小柄な少女に視線をうつす)
(ポケットから防護用の皮手袋を取り出して、自分の手にはめながらも…彼女は少女の言葉に従い、下がった)
【十全です。お気になさらないで下さい。】
【能力を見せる、という点では確かにこちらの方が早く話が進みそうですし…
お任せ致します、と申したのも、こちらですから。 どうぞ、思いっきりと、です】
……見ての通り。
この異形に、襲われている。
そして…倒そうとしている。それだけ…っ。
(大蛇からは、奇声に近い悲鳴が聞こえる)
(そしてそれは、彼女の声も相手に届くよう必然的に大きくしていた。)
(流石にこれまでの、そして今の連続しての能力使用は若干堪えているのか)
(肩で息をして、走ってきたせいか、ノンフレームの眼鏡が若干ずり落ちて)
……………これで…っ。
(大蛇の横から大きな斧を作り出す、その間にも大蛇は槍を数本折り始めていた)
………………。
(斧を振り下ろす。ぐちゃっという嫌な音と共に大蛇の体は前後で半分に割れた)
………おわっ……っ!?
(終わった、と言おうとした刹那、上半分だけが壁に突進してきた)
(どうやら下半分のみを活動停止にしただけらしい。)
(もう一度斧を作り出すまでには時間がかかる、彼女はどうするか迷った)
あら。蛇さんを怒らせるようなことでもなされたのですか?
(奇声に近い悲鳴。それと雨音があいまって――…騒音となる)
(声を張り上げ、疲弊した様子の少女。
少女が地面を、土の属性を操る様を眺めながら、葵は準備を終えた)
―――…ッ。
(振り降ろされた、土の斧による派手な一撃)
(それと同時に走りだす……あの類は、大抵の場合は頭を仕留めないと止まらない。
しかしながら、少女が切断したのは胴体部分…――隙ができれば、前頭が襲い掛かるのは必然)
(助走をもってして、壁の上に飛び上がる)
(糸を括りつけた二本のダガーは向かってくる蛇の頭にめがけて、
残りの素のままの二本は、蛇の目を潰すという役割をもって投擲された)
……時間稼ぎなら、お任せを。
(目にあたりひるんだ瞬間に、異形へ突き刺さるのは糸付きの二本のダガー。
目標を捉えた糸は、主人の指先の命によって、その異なる存在の動きを絡め取った)
知らない。
いつも、私は狙われているからっ…。
(それは、ある意味心の悲鳴だったかもしれない)
(でも、その感情を見せるのは、その一瞬だけで)
(迷っている間に、相手は壁の上に飛び上がった)
(その跳躍力もさることながら。ナイフのようなもの、を投げたのに驚き)
(そして、大蛇の大きな悲鳴が聞こえる)
(きっとナイフが命中したのだろう)
………っ。そう……なら。
(今度は、左右に頭が割れるように斧を形成する)
(そして…その動きを止めた大蛇に勢いよく振り下ろした)
(大蛇の頭は割れ、その場にばっくりと脳やら何やらが曝される)
(それも一瞬で。次の瞬間には砂のようにさらさらとその姿を下半身もろとも消していった)
(…そして、彼女はよろけるように膝をコンクリートにつく)
(疲れの他に今度は何に狙われるのだろうか、そういった絶望感もあったかもしれない)
(目の前で繰り広げられたのは容赦ない一撃が大蛇を仕留める)
(プツン、と糸が切れた感覚――…そうして砂のように消えたその最後を見届け…対処すべきは、次)
(壁の上から飛び降りると、消えた異形へ刺さっていた得物を回収する)
(平和だったはずの昇降口が一転――…何とも言えないありさまだった)
………派手な方です、まったくと。
(ゆっくりとした足取りで、先ほどの少女のところへと歩む)
(よろけるように膝をコンクリートについた、華奢な少女)
(先ほどの一連の流れるような討伐劇を、彼女がやってのけただなんて嘘のような…儚げな、少女)
(その姿を漆黒の瞳で見据えて、あと数歩のところまで距離を詰めると――)
まず何より始めに、これらの地面や床を元に戻していただきましょうか。…早く。
(そこに、少女に対する気遣いは、ない)
(ダガーを片手に構えた彼女の黒い瞳は、
藪の中にある気配を獲物か否か断じるために低く唸る猟狗の瞳に、似ていた)
(彼女も何かしらの能力者、もしくは特殊技能の持ち主なのだろう)
(やはり、この学園いれば、いずれ当たりには届くかもしれない)
(そう考えていると、相手が壁の横から姿をあらわし)
(ぼんやりと相手を眼鏡の奥の瞳で見つめる)
(だが、すぐに視線を外し、自らの呼吸を整えるのに戻ろうとすると)
(声が聞こえてくる。見上げる。)
(その目は冷ややかで、どうして協力してくれたのかも、分からない程だった)
(勿論、この状況をそのままにしておくつもりもない。)
……ちょっと、待って。
(地面に手を付く。そして、目を閉じ元の状態をイメージする)
(その方が、負担は少ないからだ)
(そして壁、槍、斧はそれぞれ自然にあるがままの形に戻っていく)
………。
(その姿勢を僅かに崩すと、彼女を見つめる)
(それはどこか、無表情ながらまだあどけない表情で)
(壁が、槍が、斧が、あるがままの姿へと戻っていく)
(これだけの喧騒があったにも関わらず、何事もなかったのは
耳につくこの激しい雨音と、遠くで鳴り響いた雷鳴が木霊しているおかげなのか)
(何にしろ、生き残る為とはいえ、
これだけを人目など忍ばずやってのける存在は、いささか“危う”すぎる)
これで何もかも元通り。いつもの平和な学校、と…重畳です。
(どこかあどけない表情でこちらを見据える少女)
(その視線と表情から感じ取ったのは、無垢と純粋さ……それゆえの、先ほどの躊躇わぬ行動か
と少しばかり納得してから、彼女は少女から目線を外して、獲物を仕舞う)
(そうして、放り投げた鞄を拾いにゆき、その鞄の中身を漁りながら戻ってきた)
――…貴方には、色々とお尋ねしたいことがあります。
(鞄から取り出したタオルを少女の頭の上にかぶせる。
とりあえず、雨に濡れた頭などを拭いたらどうかという、そういう提案らしい)
(忘れていた。)
(雨が降っていることも、雷が鳴っている事も)
(ただ、目の前のモノを倒すことだけを考えていた)
(気がつけば、眼鏡も雨粒で、よく見えなくなっている)
………ん。
問題ない…いつも通り。
(それが、大蛇を倒したことなのか、それとも、地面のことなのか)
(あるいは両方かもしれない)
…………。
(相手の行動を目で追う)
(どうやら何かを探しているようだ)
(すると、戻ってくるとタオルを頭に乗せられる)
……私に答えられる事なら、構わない。
(念の為、地面に手を付けていたが敵意はなさそうだ)
(そう判断して、雨で乱れた黒のボブカットの髪の毛を拭き始める)
(ついでに、眼鏡も拭いて、よく見えるようにしておいた)
まず、始めに。
(雨で乱れた髪を拭き、眼鏡を拭いた少女と視線を合わせる為か、
彼女もスカートを汚さぬよう気をつけながら、
ゆっくりとコンクリートの上に膝を折った)
お疲れになっていらっしゃるところ、申し訳ありません。
私の方から先に名乗っておきましょう。
高等部三年、媛名と申します――…異形を狩る任を持ち、この学園に。
(恭しく胸に手を当てて軽く礼をひとつ。
自分の素性を明かしたのは、明らかに彼女が「普通」の類にとどまるものではないからだ)
ゆえに、私がお聞きしたいのは…断じたいのは一つです。
……貴女は、“何”ですか?
異能者か、それとも何かしらと契約した術者か――…何より、「人」か「異形」か。
異形狩りである私の敵か、それとも、そうでないものか。
(答えを待つように、漆黒の瞳はわずかも逸れることなく少女を見つめ続ける)
別に、問題ない。
……これくらい、いつものこと。
(相手の顔を見ながら、淡々とした口調で)
………異形。そう……貴女が。
(そう呼ばれるモノには何度か襲われていた)
(そして、それらを狩る者達がいる、ということもまた、情報としては入っていた)
…1年、北峰綾香。
…………。
(躊躇う。だが目の前で見たモノで大体は分かってしまっているだろう)
(ここで話さないと言う事は襲われないとも限らない)
(それは、得策とは思えなかった)
……私は、大地の精霊と契約した者。
扱っているモノから言えば異能者とも言えるし、術者とも言える。
そして、私は「人」。
少なくとも貴女の言う「異形」の存在ではない。
言葉だけでは信じられないかもしれない。
……でも、まだ疑う?
(眼鏡の奥の瞳でじっと相手をまっすぐ見つめる)
(この任についてから、幾度となく繰り返してきた問い。
取り返しのつかぬところまで至ったものは、この問いのあとに狩った。
また、異能にのまれずに自身を保てているものの存在も彼女は知っている)
いえ。 貴女の……北峰さんの言葉を、信用させて下さい。
(綾香の言葉に、嘘はないのだろうと思う)
(“地の精霊と契約したもの”。自分の組織の定義では、彼女は術者にあたる―…
彼女がこのように何かに襲われる経緯は知らないが、
自分自身の中でも、実のところ問う前から、綾香がどうであるかの答えは出かかっていた)
それでは、もう一つ二つ質問を。
(真っ直ぐに。まるで穢れない小動物を思わせるかのような瞳でこちらを見つめる少女)
(彼女に対して、こちらも真っ直ぐに視線を返し、小首を傾げる)
―――…傘は、お持ちですか?
その様子ですと傘もなさそうですので、近場か駅までならお送りさせていただこうかと。
(この時になってようやく、彼女はほんの少しだけ目元を緩めた)
【…と、そろそろ〆の方向で大丈夫でしょうか?】
【本当はもっと北峰さんについて触れていけたら、良かったのですけれど…っ】
【申し訳ありません。時間の限界と私の力量の問題で……(額おさえつつ】
そう……よかった。
もし疑われて異形の存在と思われていたら…きっと今の貴女には勝つことは出来ないから。
あくまで私の力は、目的を果たすための力。
その為に、契約したに過ぎない。
それ以外では、ないから。
………?
(なに、と小声で言いながら、首を傾げ)
…………あ。
(そこで気づく、体にまとわりつく制服の気持ち悪さに)
…忘れていた…天気予報なんて普段、見ないから。
(スカートからは雨雫が垂れ、靴下も脚を動かす度に靴との間に不協和音を起こして)
……じゃあ、寮までお願い。
ひー先輩。
(媛名のひの頭をとった安直なネーミング)
(初対面で、これはないだろうか、と思いながら)
(その表情に、どこか安心感を覚えてしまう自分が居た)
【構わない、もう朝になってしまったし…。】
【それは、次の機会に。楽しみにとっておく】
【私の方こそ、文章量もレスも…ごめんなさい。】
―――…目的?
まあ、それを続けて今に聞くのは無粋というものでしょう。
(勝てない、との言葉には“それは私のセリフですよ?”と小首をかしげてみせる。
目的のためだけに、まっすぐに力を振るうといった彼女もまた、真っ直ぐなのかもしれないと思った)
…全身ぐちゃぐちゃですね。 あら、寮生の方でしたか。承りました。
(鞄から今度は淡い青の折り畳み傘を取り出すと、それを広げる、
続けざまに呼ばれた呼び名に、きょとん、とした。ひめ先輩に続き、ひー先輩とは)
あだ名で呼ぶの、流行っていらっしゃるのでしょうか。
ふふ。でも、何やら愛らしい呼称で呼ばれるのは、悪い気は致しません。
(彼女にしてみれば、“ひー先輩”は愛らしい呼称、という部類に入るらしかった)
ちゃんと傘の中に入られてください。
今でも十全と、濡れていらっしゃるのですから。
それ以上に濡れてしまわれたら、それこそ風邪をひきかねません。
(とりあえず、この純粋な少女には、
公に能力を使う危険性だとか、自分をもっと大切にすることだとか
何というか、そういうことを少しばかり説いた方がいいかもしれない…)
(そんなことを考えながら、彼女は荷物を持ち、傘をさすと手招いたのだった)
【これで〆です。驚きの時間…こんな時間までお付き合いに感謝を。】
【はい、またの機会にでもお相手していただけたら、重畳な次第です。】
【私の方は、十全と楽しませていただきました限りで…本当に有難う御座いました(一礼)】
【おやすみなさい…の時間でもありませんけれど、お疲れ様でした。】
そう、目的。
いずれ、果たせたら―。
私は、普通になれるかもしれない。
(それは、ささやかな、少女としての願い)
(女性らしくない自分を、もっとそれらしくしたいという。)
制服は揃えでいくつか持っているから問題ない。
なんとなく、呼びやすいから。
…よかった。これからは、ひー先輩。
(心持ち、弾んでいるような気がする、そんな声で)
……ん。気をつける。
ありがとう。
(相手もまた目的の為に自らを捨て、戦っている)
(どこかすこし似ているのかもしれない、そう思いながら)
(小走りで、相手の笠へと入っていった)
【私の方はこれで〆。こちらこそありがとう…。】
【ひー先輩の今日に支障がないことを祈る限り。】
【お疲れ様でした。また、宜しくお願いします。】
【それでは…。】
【名前】天美 有沙 (あまみ ありさ)
【年齢】 17歳/高等部二年生
【性別】 男
【身長】 178p 70kg
【容姿】ミディアムレイヤー/倦怠感に満ちた双眸/着崩した制服/指輪・ピアスなど
アクセサリーを装備
【能力】 影法師
『グラディウス』・・・・白銀の甲冑を纏った騎士。二本の西洋剣を所持している。
彼の精神の具現化。力ある幻影。常人には見えないが存在感は感じ取ることができる。
『メタルマンティス』二振りの大きな鎌を持つ黒い死神。
他はグラディウスと同様のルール。
不死の呪い・・・・・契約の代償として、どんな負傷を受けても死ねない。
地獄の苦痛を味わいつつも、契約を果たすまで死んで楽になることができない。
◆『影法師』運用に関するルール
@1度につき一体の行使。A移動距離は10メートル以内。
B出現するのと消えるのは殆ど一瞬。Cダメージはある程度フィードバックされる。
D二体同時に使うのは不可能。リスクが高すぎる。
【希望】 戦闘 雑談 エロール
【NG】 薔薇 汚物 度を超えた猟奇的行為
【弱点】 素の身体能力は喧嘩慣れした不良程度
影法師の過剰行使による気絶。
【備考】
平凡で見立たない少年だったが、ある日交通事故に巻き込まれる。その際に何者かと契約し、
集合意識の海から精神を具現化する能力を得る。その力で時に誰かと戦い、誰かを助けたり
する。彼にとって異能や霊能であることに大した意味はなく、善悪と言った倫理観も大して
重要ではない。その者の心の形が彼にとって重要である。当面は夜を徘徊しつつ、何かを
探すつもりでいる。その何かが何なのか、彼以外は誰も知らない。
【以前参加していた者ですが、時間がとれるようになったので】
【新規キャラで参加します。またよろしくお願いします】
・・・・・・僕とロールをお願いできるかな?
大して時間もないけど、それでいいなら。
はい。初めまして。
僕でよければ、もちろんお相手させていただきますよ。
さて、と。何かおやりになりたいシチュエーションなどはありますか?
・・・・・・初めまして。どうかよろしく。
夜に徘徊してたら、そっちのトラブルに巻き込まれるのがベターだと思う。
助けるのか、共闘するのか、黙殺するのかは、その時の状況次第ということで。
ふむ、トラブルですか?
では適当な何かを呼び出して、貴方の側を通りかかって巻き込む――と。
そんな感じでいきますかね。書き出しはどちらからいきますか?
シチュはそれでお願いするよ。
書き出しは、悪いけど頼めるかな。
ちなみに影法師が視認できるかどうかの判断は
基本的にそちらに任せるよ。じゃあ、暫くの間よろしく頼むよ。
承りました。では暫くお待ちを。
…やれやれ。僕としたことが…どうにも焦り過ぎましたかね。
(深夜。やや、住宅街からは外れた一角。広大な敷地の中央に聳えるテナントビル跡)
(かつては何とかと言う全国規模のデパートがあったが撤退し。誰もいなくなったその廃ビルは「実験」にはとても適していた…)
(広く、人が寄らず、比較的妖魔の溜り場になりやすく、多少暴れても問題ないロケーションなのだ)
……っ!と、と…案外足が速いですね。
やれやれ…運動は苦手なんですけど。
(その廃ビル、屋上から続く立体駐車場跡を息を切らせて駆け抜けるローブ姿の青年)
(一度、地震かと思うような強い揺れ。そして獣のような咆哮)
(振り返った暗闇には瞳…のような何かだけが爛々と輝いていた)
(――近い。それを確認するとまた走り出す。彼我の戦力差を考えると口調ほど呑気な状況ではなあ)
【こんな感じで】
【あっ、そちらの影法師にはいわゆる普通の殴る蹴るで触ったりダメージを与えたりはできますか?】
(いつだって不完全で不安定な世界。確かな物など何もなく)
(訪れる終焉だけが平等で等価。全く、面白くもない。けれど、僕は)
(それでも歩く。夜を歩く。欠けた月を眺めながら、何かを探しながら)
(契約の履行。契約の代償。重すぎる枷。死にたくても死ねやしない)
――死ぬつもりもないけどね。
(その時、遠くから何かが聞こえた。獣の咆哮の様な。いや、街中で)
(どうして?と思わなくもないけど、それも「知っている」ことのひとつだ)
動物園でもできるのかな?
(そんなわけない、というツッコミをする者――不在。寂しい)
(ともかく、僕はのんびりとその場所に向けて足を勧めたんだ)
(某テナントビル屋上。そこに繰り広げられていた光景は)
トムとジェリーだね。ジェリーにしては余裕がないけど。
ねえ、何してるのか聞いていい!?
(仲良く追いかけっこに興じている黒ローブと、よくわからない「何か」)
(僕は軽口を叩きつつ、その二つに割って入ることを決定した)
(・・・・・・まだ身体は動いてないけど。決して怖いわけじゃないよ?)
【えーと、物理攻撃はある程度効く】
【魔力や霊力に起因する攻撃も効果ありで】
【後者の方が効き目は高いというイメージだね】
――まったく。学校の体育の時間は極力サボる僕にこんな持久走は――む?
(やや前屈みに、膝に手を置き荒い息を整える。体力には全く以て自信がないのだ)
(――と、緊張感に欠けた問い掛けが聞こえた。声の主は、自分と同じ年格好の青年)
(何故こんな場所に…と思わなくもないが、自分がいるならば他人がいてもおかしくない)
(世の中そういうものだ)
はぁ…無関係な人間を囮に逃げるのも良心が痛みますし…
とりあえず説明するのも面倒なので、お逃げなさい。
なんならそこから飛び降りても構いませんよ。
(そこ、と指したのは屋上のフェンス。もちろん飛び降りたら無事では済むまいが)
(彼が一般人なら「アレ」に捕まるよりはまだ生存の可能性がある)
(悪い冗談のような提案だが瀬尾なりに精一杯の計算をした上での話しだった)
ああ…ちなみに貴方が何かの能力があるなら――っ?危ないっ!!
(その「アレ」の正体…身長3〜4m程の巨人。全身に包帯を巻き、その下から血膿が滲む…デカいミイラのような化け物)
(それが手にしていた、コンクリート製の柱…おそらく立体駐車場を支えるものの一本を引っこ抜いたのだろう…それを二人目掛けてブン投げた)
(「危ない」とは言ったものの、普段、身を挺した人助けに慣れない性格)
(ちゃっかり自分だけ横に転がるようにして躱して体勢を立て直す)
いや、普通に死ぬから。
(死ねないけど、と胸中で付け足す。死ぬほど痛いのは確かだ)
(この場合、どちらに肩入れするかが問題だ。まあ、この場合の解答は一目瞭然な)
(気もするけどね。例えローブの方が極悪人だとしても、助けた人をどうこうするって事)
(はないでしょう。多分きっと恐らく。助けられるかどうかは別として)
(しかし事態は、もう少し切迫していたんだよね、これが)
(それは巨人。包帯を巻いた、馬鹿でかい人間(?)だった)
(その巨人が僕も敵として認識したらしい。傍迷惑な話だよ、全く)
行くよ、グラディウス!
(別段、掛声は必要ない。何故ならグラディウスは僕自身なのだから)
(だからこれは、精神を集中する為の儀式。脳味噌の回路を切り替える為の作業)
(唐突に浮かび上がる幻影。力ある虚像。もう一人の僕。或いは可能性)
(それは白銀の甲冑を纏った騎士。掲げる二振りの剣もまた穢れなく白い)
ハアァァ!
(交差する閃光。衝突するかに見えた鉄柱は、見事に輪切りにされていた)
(やったのは僕じゃなくて、グラディウスの方だけどね)
ねえ、アレって何?ハロウィンってもう少し後じゃなかった?
(ふざけたことを言いつつ、巨人を見据える)
――ほ、ほう、これはまた…
(現われたのは白備えの騎士。剣閃のもとにコンクリ柱を輪切りに刻む)
(召喚…には見えなかった。つまりは異能)
(興味深い。出来れば詳しく話しを聞きたいが…まずは早急に対処しなければならない危険が後ろに迫る)
…アレですか?
――ふむ、ここに住み着いた大型の魔物のようです
最近ここらの様子がおかしいので調査に来たのですが…さすがに手に余りましてね
(表情も声音も変えずに答えたが――嘘)
(なにせ自分が呼び出してそこらを徘徊する妖魔相手に実戦テストしようとして、制御しきれなかった)
(なーんて正直に言ったら見捨てられかねない。いや、自分なら見捨てる)
(――なので嘘をつくことにした)
一応、魔法使い的な者なんですがね、僕
あの体力と攻撃力はさすがに…ああ、そっちいきますよ
(巨人のミイラは、どうやら逃げ回る主よりも敢然と立ち塞がる白き騎士を敵と見定めた)
(地響きを鳴らして猛然と走るとグラディウスへと拳を振り回し叩き付ける)
(何の工夫もない打撃だが巨躯だけにそれなりの破壊力はあるだろう)
ふーん、そうなんだ。
(抑揚のない声しか出ない僕。何か、胡散臭い。よくよく見てみると何処となく性格が歪んでる)
(というか、性根が腐っているというか、そんな雰囲気がビシバシ伝わって来るんだけど、この人)
(まあ、仮にこの人が毎夜動物を生贄に捧げて黒ミサやってても、僕が助けると決定した以上)
(僕が取るべき行動はひとつしかないんだよね。決断には責任を取るのが僕のルール)
悪いけどお前、倒すよ?異論反論オブジェクションは超☆却下ね?
(僕の闘志がダイレクトに伝わって、グラディウスが二剣を構える)
(巨人の拳を弾き、捌き、隙間を縫って刺突を放つ)
(その衝撃は、少なからず僕の身体を内部から揺らす)
(これも僕の背負ったルールのひとつ。面倒だけど文句は言えない)
――あの、さ。
結構厳しいから、手伝ってくれると嬉しいかも。
(巨人と騎士が戦い始めてから僅か二十弱秒。僕はあっさりと弱音を吐いた)
(いや、だって強いんだもの、この人(?)何を食べたらこんなに大きくなれるのかな?)
(ギィンと弾く度に、僕の精神が削られる。一撃放つ度に、僕の意識が削られる)
もう、ちょっとだけなら耐えられるから・・・・・さ。
(顔色を蒼白にしつつ、冷や汗を流しつつ、僕は協力を要請した)
いけませんね…どうも攻撃が単調で…まあ、脳髄まで腐れてるから仕方ありませんか…
――ふふ、しかし耐久力や攻撃力は悪くない
…えっ?あ、ああ…そうですね。はい。
(その性格の歪んでそうな方は果たして予想通りに歪んでいた)
(騎士との攻防をまさに第三者視点で観戦し、独り言を呟きながら分析の最中)
(――と、声を掛けられたので慌てて体裁を取り繕う)
じゃ、あの子…もとい化け物の動きを止めますので
…ちょっと斬ったくらいじゃ痛くもないようですから思い切ってバサッといってください
(これでもこの化け物の主だ。制御を失敗したといえ、多少、動きを止めるくらいは出来る)
(だからこそしぶとく逃げ回れたわけだ)
(痛みすら感じておらず、刺突も斬撃もたしかに受けながら、同じ調子で攻め続ける化け物の無尽蔵に見える体力)
(――生半可では止まらないのは造った本人もよく分かっていた)
……では…いきますよ…っ!!!
(目を閉じ、精神を研ぎ澄ます――前に差し出した腕、開いた掌をグッと握る)
(…と、巨人が両腕を振り上げた姿勢のまま止まった)
(時が停止したように。ビデオの再生を一時停止したように。瞬きすらしない)
(ぐらぐらと揺れる脳味噌。沸騰する血液。嗚呼、なんてことだ)
(なんてザマだ。やっぱり僕には分不相応。助ける役目、なんて)
(まあ、仮に美少女を背後に庇ってるなら、もう少しモチベーションも)
(上がったんだろうになぁ・・・・・・なんて、現実逃避してると、剣が鈍る)
――了、解。
(突いても斬っても大して効果がない様子)
(ならば、一撃で仕留めるしかない)
(この人を信用するのは危険な気がしたが)
その賭け、乗るよ!
(僕は、この人に賭ける事にした。一瞬にて僕の中に戻るグラディウス)
メタルマンティス!
(そして僕の中から吐き出されるもうひとつの形。黒衣の死神・メタルマンティス)
(死刑執行。静止した巨人に迫る二振りの鎌が、その太い首を断ち切る)
(刎ねられた首が血潮に押されて宙に舞う。夜空に血飛沫が舞う)
ほう…もう一体…ですか?
(トドメの一撃の任を受けたのは黒衣の死神)
(振り抜いた鎌は冷然と巨人の命を奪い去った)
(宙を舞い、落ちる首。倒れる巨体…数秒の後にそれらが光に包まれ掻き消える)
…ふむ、再びあるべき世界に還った…でしょうか?
(得心したようにウンウンと頷くが――)
(これも嘘。単に自分が「しまった」だけ)
(実戦テスト終了。また改良して使う気は満々だ)
…さて…貴方の騎士やら死神やらは「何」ですか?
どうも召喚して使役する類とは違って見えましたが…
(化け物の骸があった場から青年に視線を移す)
(彼が答えるかは疑問だが質問するだけならタダなのだから)
・・・・・・疲れた。
(袖口で汗を拭う。軽口を叩く余裕もない)
ふーん、そうなんだ。何処の世界なんだろうね?
(全く信用してませんよ?という意味合いを込めて、その人を見て目を細める)
(世の中に明確な区分などないが、それでも大雑把に分けるならこの人は黒だ)
ああ、アレ?貴方には見えちゃったんだ?
(僕の精神の具現化たる騎士や死神を視認するには、特殊な才覚が必要となる)
(詳しい理由は僕も知らないけど、便利だから放置しておくけど)
(見えるなら見えるで、色々と便利な面もある。例えばこんな時とか)
我は汝、汝は我ってね。詳しい事は企業秘密ってことで。
(僕はニコリと笑い、それらしい台詞で誤魔化す事にした)
(ミステリアスな少年を気取るのも悪くないと思ったから)
ひとつ言えるのは、貴方の中にもアレはいて、真に望むなら顕れるってことだけだね。
そう、貴方の心の中からね。どんなカタチなのかは僕も知らないけどさ。
(僕は人差し指で、トンと軽く彼の胸を突いた。よく見ると、背は高いが華奢な人のだった)
(色も白いし、何処となく部屋の中で読書をしてるのが似合っている感じがした)
じゃあ、僕はこ・れ・で。お疲れ様♪
(軽く彼の肩を叩いて、僕は殊更に陽気に振舞って階段を下りた)
(途中、眩暈がして何度か転んだり落ちたりしたのは誰にも内緒)
【こっちはこれで締めるよ、ありがとう】
――――ふむ…自分の中に。
いや、たぶん、ロクなもんじゃないでしょうから見たくはないです。
(ものすごく物言いたげな、いや、チクチクと刺さるような視線を平然と受け流す)
(すっとぼけるのには自信がある。従って何も答えず、ただ彼の言葉を頭の中で整理する)
(おそらく精神的なものに起因する能力――か?)
…はい。お疲れ様でした。くれぐれもお気をつけて――。
さて…もう一歩…ですね
(強がりなのか、なんなのか、陽気な口調で立ち去る彼)
(名前を聞き忘れたが、わりと人目を引く容姿なのでさほど問題ではないだろう)
(間近で見た彼の顔にはうっすらと汗が浮いていた…まだ建物の中に妖魔の一匹も残ってなきゃいいが)
(そんな心配もしたが、ああいう手合いは、意外にしぶといものと相場が決まっている)
(まずは帰ったら先程の化け物…いや、使い魔の改良に着手して…善意の協力者の帰路よりもそちらの心配がすぐに頭を占めるのだった)
【ではこちらも〆ます】
【お相手いただき有り難うございました。では落ちます】
【名前】島田 六花(しまだ りっか)
【年齢】1年弱/外見年齢15〜6歳
【性別】女
【身長】157センチ
【3サイズ】87/59/85
【容貌】軽く跳ねた腰までの髪は色素が薄く、童顔気味の顔は常にぼんやりしてどこか生気に乏しい。
左腕に銀の腕輪を填めており、また常に学園指定のジャージ姿(拾い物)。
【能力】鉱物や植物を変化させ操ることができる。
(木の枝を木刀並みの強度にする、石を鏃のように尖らせて飛ばす、など)
対象物に直接手を触れない場合の有効範囲は約2メートル。
多少の身体の損傷も魔力が足りれば治癒可能。
また、腕力は並みの人の範疇を越える強さ。
主な武器は貰いものの古びたシャベル。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】 こちらが回復できないほどの戦闘、妊娠(身体的に不可)
【弱点】能力は自分の存在を維持する魔力を消費するため、使い過ぎると身体が崩壊する。
それは生物の生き血や肉でもなければすぐには補いきれない。
戦闘に関しては大した技術もなく、基本は力押し。
【備考】学園やその周辺をふわふわとぶらついては魔物に襲われた人を助けたり、
手伝いをしたりするなどして日がな過ごしている。
学園の正式な生徒ではなく、正体ははぐれゴーレム。
創造主の工房が襲撃されたところを一人逃げ出し、たまたま辿り着いた学園で妖魔や異能者の
存在に気付き、身を隠すがてらそのまま居ついた。
世間知らずで、とんちんかんな言動もしばしば。しかし中途半端に真面目でやたらお節介。
自らを人間のために在るものとし、妖魔を人間に対する害悪と見做して可能な限り駆逐しようと考えている。
創造主から貰った腕輪は清浄な力から身を守るためのもの。
ちなみに、「島田」という姓はジャージ(あくまで拾い物)の胸に入っていたもの。
【お二人ともお疲れさまでした】
【はじめまして、島田六花と申します。よろしくお願いします】
【こんな時間ですが、少し待機します】
【よろしければお声かけてください(ぺこり)】
ゴーレムって浪漫だよね。…そんな訳で今晩はだよー。
うん、お相手をお願いしてもいいかな?プロフは多分
>>62あたりー
こんばんは(ぺこり)
はじめまして。ぜひ、おねがいしたいと思います。
どのような感じ、をご希望でしょうか?
こちらこそ、よろしくお願いするね。
えーっと、島田さんはこれが初ロールな訳だし、
うん、君の希望の方が優先されるべきだと思うんだ。
…そういう事で、島田さんの方でなにか希望とか、ある?
あ、ありがとうございますっ。
そう、ですね…あなたが何か困ってるところにジャージ姿の変な子がやってきてお節介焼いて、とか、
あなたの戦闘にわたしが割り込む、とか。
わたし自身が人外の存在なので、ヒトとそれ以外を見間違えはしない、という設定を考えてるんです、が…
いやいや、こちらこそだよー。
うーん…それじゃ、お言葉に甘えて後者でお願いできるかな…。
あ、前者でも全然大丈夫だから、うん、遠慮なく言ってね!
書き出しはどっからやろうか?
いえ、ぜんっぜんOKなのです。
じゃ、書き出しはおねがいしていいですか?
うん、それならいいんだけど…
了解したよ〜。
はいー。
(こくこく、と頷いて)
(森羅万象、この世において発生する物事に対して、人は単純さを求めるものだ)
(正義と悪、その単純な対立こそが、自分達の行いに対する大義名分)
(その正義となるために、絶対的な前提、そして、決定的な要素。それは、即ち―――)
(―――外見の、かっこよさ。)
(例によって場所は夜の街、表通りの喧騒から離れた薄暗い路地裏)
(色々な用途でご用達なその場所で対峙する、二つの影)
(一つは、漆を塗ったかのように艶やかな黒髪を持った、容姿端麗な着物の少女)
(そしてもう一つは、顔が『口』で構成された、異形のモノ。)
………全クもっテ、今日はついテいないナ。
(人を助けりゃ恐れられ、化物からは怨まれて)
(逃がした魚のその咎示せと、怒り狂って襲い来る)
(つまり今の自分の状況は、すなわちそういう事だった)
【絡み辛かったら遠慮なく言ってくださいね?】
【それでは、宜しくお願いします。】
(――風が、温い)
(愛しい母にして姉――創造主と引き離され、逃げに逃げてこの街へ辿り着き、もう一月になるだろうか)
(夜の街の歩き方も、その中に蠢く“あれら”の探し方にも、慣れてきた)
(ヒトと車と、そこから吐き出されたモノの臭いに紛れてなお、六花には感じられる)
(ヒトの世を侵す――異形の臭い)
――いた。
(人気のない路地裏に、ふたつの人影を見つける)
(どう見てもこの場にはそぐわない、着物姿の愛らしい少女)
(そして、明らかにヒトのカタチを外れた、「口のお化け」)
(緊迫した空気を感じとり――六花は得物を握り締めた)
【そんなことないですよ】
【もしあなたとロールするならこんなかな、とは考えていたので】
【こちらこそよろしくお願いします】
『……助けて下さい…っ、化物が、私を……っ!』
(対峙していた少女が突然、怯えたような声で誰かに向かって訴えかける)
(その目線の先に居たのは一人の、ジャージ姿の少女)
(異形の姿をしたモノを見ても、おびえてもいないその様子から、普通の人間ではないと、判断する)
(助けが来たとは思わない、むしろ状況はその、全く反対。)
(そもそも助けた人間に逃げられたのも、結局は自身の外見から)
(つまり、妖を退治するような人間から見れば―――真実は、相手が化物、自分が人間)
(だが、現実は異形のモノが少女を襲っているようにしか、見る事は出来ない)
………邪魔ヲ、するナ。
(腕に『口』を憑け、蛇腹状にして伸ばし、自分とジャージの少女との)
(丁度、中間あたりの地面に手を触れ―――自身の異能を、発動させる)
(現れるのは巨大な『口』、化物にしか見えない、自らの力)
…死にたクなけれバ、此処かラ立ち去レ。
……どうセ、そコの女ニ、義理がある訳でハないだろウ?
(どうせ化物としてしか見られないのなら、こうやって威嚇し、追い払う事で被害を減らそう)
(それが、罪悪感に囚われない為の、自分の持ったせめての良心だった)
【何だか嬉しい言葉、有難う御座います】
【そう言っていただけた以上、頑張らないと。】
(「助けて」、と少女は言う)
(その声は小さく震え、大きな瞳にはうっすらと涙)
(しかし、六花はまだ動かない)
(威嚇するような歪な声に合わせ、「お化け」はますます異形じみて)
(伸ばした腕の先に、唾液滴る巨大な――『口』が開かれる)
「立ち去れ」、なんて、どうして?
だって、困っているでしょう?
(そしてようやく、一歩を踏み出す)
(引きずっていた得物――それは、何の変哲もない作業用のスコップ)
――『あなたは鋼。打ち砕く鋼』
(小さくそう呟くと、さらにもう一歩)
(そして歩みは走りに変わり、コンクリートを焦がす踏み込みで跳ね上がると)
てえぇぇぇりゃあぁぁぁッッ!!
(大きく開いた『口』を飛び越え――忌まわしい異形にそれを振り下ろした)
ナッ……ッ!?『……ッ!?』
(ジャージの少女が取った、予期せぬ行動に絶句する少女と異形)
(振り下ろされたスコップに対して、少女の元々長かった髪が更に伸び、主人を守る盾となる)
(いや、それはもはや髪ではなく、その一本一本が鋼の如き頑強さを持った、針金の束)
(その毛先は総じて丸まっており、釣りで使われる針を彷彿とさせた)
『……釣りの邪魔をしたあの化物を…ゆっくり引き裂いてやろうと思っていたのに…
………またモヤ邪魔ガ入ルトハ………ソノ体、形ヲ留メヌホドニ、引キ裂イテクレルッ!!!』
……ッ!『ジョーズ』ッ!防御しロッ!
(怨みのこもった言葉と共に、ジャージ姿の少女に向かって伸ばされた大量の髪)
(先程発生させた『口』、その舌が襲い来る針金を巻き取り、絡ませた)
(だが、そんな事は構わないかというように、針金は更に絡みつき、その先を舌へと食い込ませる)
(肉が裂け、筋が千切れ、血が流れ落ちる、あの『口』も、大して長くは保たないだろう)
(その間に、突っ込んできた少女の手を引き、化物から距離を取るため、走り出す)
何故…何故、俺ヲ助けタッ!?こんナ、化物ノ俺ヲッ!
(走りながら、湧き出た疑問を少女に向かって放つ)
(今までは、こんな事は一度だって無かった、さっきのような状況では、皆自分を化物だとしていた)
(折角威嚇をしても、妖の味方をし、そのまま喰われる者すら居たのだ)
(だからこそ、知っておきたかった、この少女が、何故自分を助けたのかを)
【書いてしまって今更ですが、肌の質感は人間と一緒なんでしょうか?】
【もし違ったら、気がつかないのも変だと思いまして…。】
あっ…!?
(襲い来る鋭い針の群れ。迂闊にも真正面から突っ込む形に)
(それを阻んだのは、今しがた飛び越えた『口』から伸びた舌)
(引き裂かれつつある肉から飛び散る血が、六花と異形と、「お化け」を汚す)
(当然ながら、スコップの刃先は異形には当たらず、着物の端を掠めるに留まり)
(地面にぶつかったごぅんという鈍い音と)
(紺色のジャージに包まれた六花の華奢な腕に痺れを残した)
くっ……て、え?
(「お化け」が六花の腕を掴んだ)
(その手は、その熱は間違いなく「ヒト」のもので)
(六花は得物を握り直すと、「お化け」について駆け出した)
(必死ささえある「お化け」の問いに、六花は首を傾げる)
……だって。ヒトでしょう?あなたは。
あなたはアレに襲われてた。だから、助けなきゃ、って。
(ふたつの存在がどのような姿をしていようと、六花にとっては一目瞭然だった)
(どれほどうまく擬態していようと、あの澱んだ、饐えた臭いは隠せはしない)
(そして、どれほどヒトから離れたカタチをしていようと、この「お化け」は)
(ヒト以外の何者にも見えなかった)
【えーと、人間と同じです。肉は肉として構成されています】
【あ、それと人間よりは体温が低いです。触ったら?と思う程度に】
【入れ忘れてました。ごめんなさい…orz】
目医者に行ケと言えばいイのカどうカ、悩むナ。
…………有難ウ、助けてモらったのハ、お前さンで二人目ダ。
(少女の言葉に、条件反射で軽口が出たものの、感謝の意を示す)
(見た目が化物とは言っても、やはり、伊田満は人間だった)
(他の人間でもそうであるように、目の前の少女がまさかゴーレムだとは、思いもしない)
(そう、彼にとって、その温かみは、確かに人間のものだった)
『待テェェェェェッ!!!ソノ肉、掻ッ捌イテクレルワァァァァッ!!!』
(そんなやりとりなどお構い無しに、怒髪天を衝くといった言葉通りに髪を振り乱し追いかけて来る妖魔)
(少女を追い払った後、『口』を囮にして適当に逃げるつもりだったのだが)
(あの化物の怒り具合からすれば、もはやそんな甘い考えは通らないだろう)
(ならば、今この場で決着をつけなければならない―――今更ながら、覚悟を決める)
前にモ、アイツと少しばカり争っタ事があル。
その時にモ、お前さンと同じヨうニ来た奴ガ居たガ―――
―――アイツの味方をしテ、『釣られて』逝っタ…だかラ、俺は助かっタんだがナ。
(走りつつも足止めの口を地面に憑け、少女に語る)
(あの時にも、同じように威嚇をして、警告もした)
(だが、それでも―――目の裏に浮かぶ、闇に引き摺りこまれる瞬間の顔)
(未だに耳にこびり付いている、人間とは思えぬ末期の叫び声)
…お前サんハ、一体何が出来ル?…ここまで来タんダ、協力して貰ウゾ。
(もう少しで表の、少々車両の通行の激しい道路に出る、といったところで立ち止まる)
(追いかけて来る、何人もの人間の命を奪った、本物の異形との決着をつけるために)
【若干体温が低い件、了解しましたー。】
【あ、あと一応、お時間の方、大丈夫ですか?】
……よかった。わたしだけじゃないの。
(ありがとう、と言って貰えて嬉しかった)
(ヒトのために造られたモノにとって、ヒトに尽くすことは至上の目的だったから)
(六花は強張っていた表情を緩め、小さく微笑んだ)
……やっぱり、来たのね。
(先程の可憐な少女の仮面はどこへやら、表れた異形はまさに異形そのもの)
(ちらりと「お化け」を見やり、表情は読めないものの、纏う空気から、彼の意を察する)
(そして、「お化け」の言葉にさらにあの異形への憎悪を増して)
(彼と同時に、異形に向き直った)
ん、分かってます。
倒さないと。破壊しないと。アレは、ここにいちゃいけないモノ。
(ここで終わらせなければ。そう考え、唇を噛み締める)
(辺りを見回し、武器にできるものはないかと確認)
(並木。車止めのポール。ブロック。金網。すぐに使えそうなものはいくつか)
木と金属とコンクリート。近づいたら動かせる、です。
(細かい説明は得意でないし、時間もない。手短に告げ)
あと、これ。殴ったり、斬ったりできます。
(手元のスコップを持ち上げ、構えてみせた)
【時間は大丈夫です。もう少し早くレスできれば良いのですが】
…ソレだけ出来れバ、十分ダ。
………お前さンは、此処に居テくレ、例え俺がどんナ事になろウとモ、俺を助ケよウとするナ。
絶対ニ、そコかラ動くナ。其処にやっテ来ル奴ヲ、ぶちのメしテくれレバ、それデいイ。
(言い終わると共に、追いかけて来た妖魔の足元、あらかじめ憑けておいた『口』を発現させ、舌を足に絡ませる)
(ここから先は、奴の注意をこちらにむけねばならない、決して彼女に手を出させる訳にはいかない)
ご自慢の髪モ、そウ乱れテは見れタものじゃナいナ。
寝癖なラ、キチンと整エてかラ出かけルのガ、レディーの嗜みト言うものダ。
…マ、テメーみたいナ化物ニ、こんな事言ってモ仕方ないカ。
『――――――――――――――――――――――ッ!!!!!!!!!!!』
(あからさまな挑発に乗り、絡まっていた舌を引き裂き、此方に向かって猛然と向かってくる妖魔)
(その際にも仕掛けておいた『口』が足に喰らいつき―――その足が、まるで人形のソレのようにポロリと取れる)
…前ト同じダ…何をやっテも、ダメージにならナイ…。
(妖魔の取れた足を見て、ボソリ、と呟いた。)
(その隙にも針金が押し寄せ、獲物を捕らえようと広がり、遅い来る)
(髪が自分の体に巻きついたその瞬間、車道に伸びたその手が、『ソレ』に触れた)
…普段は鬱陶しいダけト思っていタガ…
……中々、こうイう時ハ頼もシいもノだナ、トラックというのハ。
(この場所で、待っていたのは騒音を撒き散らす鉄の箱、別名貨物自動車、通称トラック)
(コンテナに付けられた『口』の舌が、自分の体と共に、奴の髪と、体に巻きつき、その中へと閉じ込める)
(奴が釣り針というのであれば、獲物を引っ掛けてやればいい)
(引っ張る奴が、逆に引っ張られるほど強靭な獲物に)
『スグニコンナモノ引キ裂イテ…ッ!?ナッ!?ヤメッ!引ッ張ルナッ!!
今スグコイツヲ止メ…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!』
(『口』に喰われた奴の絶叫と共に、路地裏の向こうから、何かが引き摺られるような音が響く)
(その音はしだいに此方に近づき―――奴の本体、首輪が付けられた、正に鬼としか言えないようなモノが)
(まるで見えない縄でトラックに引き摺られるかのように、その姿を現した)
……後ハ、頼んダ。
(針金に締め付けられながら、決して聞えぬ呟きを、ボソリと呟いた)
え……?
(どんなことに――など、まるで自らを今から危険に晒すと宣言しているようなものではないか)
(とは思ったものの、彼がそうしてくれと言う以上、異論を唱えられる状況ではない)
(それに、彼は勝つつもりなのだ。勝算があるからこその作戦)
(六花は「お化け」の彼と自分の力を信じるしかなかった)
わ、かった。だから、死なないで。死なせない、から。
(背を向けた彼を前に、六花は両手に力を込めた)
あッ……!
(一瞬にして、彼の姿は消えた)
(そして、異形の絶叫と、トラックの駆動音)
(それでも、動じてはならない。彼は六花を信じて、この役目を託した)
(成し遂げられなくては、今六花が存在する意味などない)
(だから、やるだけだ)
――『あなたは杭。穢れを穿つ杭』
(呟きとともに、すぐ脇の車止めが数本浮き上がる)
(その先端は、まるで吸血鬼を滅ぼす白木の杭のように鋭く尖って)
(悲鳴を上げながら近づきつつある異形に狙いを定めると、一斉に放たれた)
――『あなたは刃。斬り裂く刃』
(刃先を文字通り刃に変えたシャベルが異形の胴を断ち切るのと)
(鋼の杭が苦悶に歪むその頭を貫いたのは同時だった)
【すみません、遅くなりました】
『……ガ………ギ………………』
(頭部を破壊され、下半身を失った鬼は少しばかり引き摺られるも)
(もはや二度と動く事は無く、完全に生命を失い、肉塊と成り果て―――)
(―――決着が、この時ついた)
(異変に気がついた運転手がブレーキを踏み)
(やっとトラックが止まったのは、彼女が化物に止めを刺した後の事。)
(完全に止まった事を確認し、『口』からもはや動かない奴と、自分の体を路肩に吐き出した)
(横倒しになりながらも、向こうで酷い事になっている鬼の姿に安堵し、溜息をつく)
「…お、おい、アンタ、大丈夫k…」
(降りてきた運転手が、姿を見て絶句し、硬直する)
(いつもの反応、そして、此処から先も、いつもと同じ展開)
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?ばばば化物ぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
(自身の姿に慌てふためき、急ぎトラックに乗りこんで、その場を立ち去る運転手)
(その姿を見る『口』の異形のその背後には、何故か哀愁漂う風が吹いていた)
(先ほどの少女の反応から、「ひょっとして俺、そんなに化物っぽくない?」とか考えていたのだが)
(やっぱりそんな事は無い。現実って、残酷。)
…マー、うン、ああいウ反応ヲされルっテ、分カってはいたンダ、
……分かっテはいるガ、非常ニ、そしテ改めてショックだネ、ホント。
(ブツブツと文句だか愚痴だか分からない言葉を呟きつつ)
(自分の体に絡まった針金を外そうともがく―――)
(―――もがく―――もがく。)
………………………………………………………。
………取レなイ。アレ?俺何気ニまダピンチ?
…このマまだト、明日の一面トップ記事ハ決まりだナ。『街のド真ん中でUMA発見!』…イヤ冗談じゃナく取れネェッ!
(路肩で意味も無く一人漫才をしながらもがき続ける)
(とりあえず、この惨状を彼女が気付いてくれればいいのだけれど)
【前の自分のレスで、一部書き抜けた部分がありました…ごめんなさい】
【(何故、奴は可愛らしい少女の姿をしているのか)
(何故、別の場所に引き摺り込む必要があるのか)
(何故、奴の武器が、釣り針である必要があるのか)
(何故、攻撃を受けても、全くダメージが無いのか)
(その答えとして導き出されたのは『疑似餌』という結論)
(無論、間違っていたら、自分の命は、無い)
…といったくだりを、脳内で13〜14行あたりに挿入していただければ幸いです…すいません。】
【時間の事なら、御気になさらないで下さい、こっちも基本は遅いので。】
【後、何といいますか、「ずっと俺のターン」的なロールに付き合わせてしまって何だか申し訳ないです。】
(無惨なガラクタとなり果てた異形がもう動かないことを確かめ、六花は安堵する)
(勝ったのだ。ちゃんと、彼の言葉通りに)
……は、ふぅ……
(的はこちらに向かっていたとはいえ動体。それを狙っていた集中力が切れたことと)
(力の酷使が災いし、六花はへろへろとその場にしゃがみ込んだ)
(去り行くトラックを見送ると、残されたのは六花と横たわる「お化け」、そして異形の残骸)
あ、ぐるぐる巻き?
(彼はどうやら、動けないらしい。何か呟きながらもぞもぞともがいている)
(無事に生還しただけ、良かったと言えば良かったのだが)
ん……しょっ、と。
(六花は四つん這いで彼の元へ寄っていくと、わずかな力で針金を切断しようとする)
……あ、れ?
(が、切れなかった)
(見た目には金属でも異形の一部、鉱物とは違うモノだったらしい)
(シャベルももはやただの鉄。鋭さなど皆無)
……ごめんなさい。ほどくから、ちょっと待って。
【了解です】
【こちらこそ、寧ろリードしていただけなかったらどうなっていたか】
(四つん這いで此方によってくる少女を見、再び安堵する)
(今回は、何とか罪悪感を感じなくとも良いらしい)
…さっキ、そのスコップで斬れルっテ…いヤ何デもナイ
っテ、いダダだダだダダダだだだッ!も、もう少シ優しク解いテくレッ!
(妖魔の惨状を見れば、下手をしたらどうなるかは明らかだ、余計な事は言わない事にする)
(よって結局解いてもらう事になるも、少し針が体に刺さっており、大した怪我ではないがやっぱり痛い)
(少女に解いてもらうのと同時進行で、自分の体に憑いた『口』の舌で、器用に針をとっていった)
…あア、やっト解けタ…有難ウ。
(ようやく解け、少しばかりふらつきながらも立ち上がる)
(正直、今回は自分の人生の中で最大級のスタンドプレイだったような気がする)
(もう、二度とやりたくない。死にたくないし。)
アーまだズキズキすル………こんナ事に巻キ込んデしまっテ悪かっタ。
いつか必ズ、礼はスるヨ。…だガ、今夜ハもウ、帰っタ方がいイ。
(顎でしゃくった先に見えたのは、妖魔の死体にたかる大量の甲虫)
(何故、妖魔の死体が中々一般人の目に触れないか、その理由の一つでもある蟲型妖魔なスカベンジャー)
(別に大した害をなす訳でもないが、かといってまとわりつかれて気持ちのよいものではない)
…………立てルカ?
(足元で倒れている少女に問いかけ、手を差し伸べた)
ご、ごめんな、さいっ……
(あまり器用な方ではない、彼の舌と同時作業で何とか針金から開放できた頃には)
(彼の服はところどころ裂け、加えて戦闘の結果血が滲む箇所もあった)
(それでも、無事。六花に至っては、全くの無傷)
(ひとりでないことがこんなに心強かったのは、久しぶりであった)
あ……えと、どう、いたしまして。
(再度の感謝の言葉はむず痒く、その折角の良い気分を死骸にたかる蟲にぶち壊され)
(小さく溜め息を吐く)
帰る……はい。そ、ですね。
(とはいえまともな家がある訳でもなく、学園や裏山に寝泊まりしているのだが)
あ……りがとう、ございます。
(差し出された手を取る。心地好い、温かさだった)
(立てはしたものの、足元は覚束ない)
(今日の寝床は学園より裏山だ、と思う)
(シャベルで穴を掘って、半日も埋まっていれば力は補充できる)
(ここで彼の血を分けてもらうのは流石に気が引けた)
ほんとうに、ありがとう、ございました。
あの、わたし、六花っていいます。六つの花で、りっか。
名字は……えーと、島田、って。
(名乗っておきたかった。今夜だけでも、共に戦った相手。次にいつ会えるか分からない)
(もう、会えないかもしれないから)
(見た目だけなら完全な異形の彼に、真剣に告げた)
【そういえば途中ずっと「スコップ」って言ってますが…】
【脳内で「シャベル」に置換してください…同じものだけど】
礼ヲ言うのハ、俺の方ダ。…コレデ、今日は熟睡出来ル。
(手を引いた少女の体には、傷一つとしてない)
(若干疲れているようにも見えたが、大した事はないだろう、心中で再度安堵する)
(一方自分はといえば、ちょっとふらつき、目の前が霞んでいるが、多分大丈夫だろう)
(体中がズキズキと痛むし、服に血が滲んでいたりするが、大丈夫だと信じたい)
(多分、明日一日ゆっくり休めば、治ると思う。多分。)
シマダリッカ、覚えテおクヨ。
…俺の名前ハ…………イダ、伊田満。
……ソのジャージからするト、同じ学園の様ダ。まタ会う機会もあるだロ、多分。
(一瞬、口篭る)
(だが、この姿の自分を人間として見た人間に対して)
(ここで偽名や、名乗らない事は失礼なように感じられた)
(前名乗ってないじゃんとか、そういうツッコミは勘弁して下さい)
……さテ、蟲共が集まっテ来たとこロデ、そろソろ俺は戻ルとすルヨ……。
…まとワりつかれテモ困るしナ…
(ふらふらと、少女に背を向け、元来た路地裏に向かって歩き出す―――)
(―――その暗がりの中に消え行く直前、立ち止まって振り返った)
…俺が恩を返すまで、絶対に死ぬなよ。
(最後に、能力を解除した自身の顔と声を少女に見せ)
(その直後に、路地裏の闇へと消えていった)
【という事でこちらはこれで〆という方向で】
【こんな時間までまでお付き合いいただき、真に有難う御座いました】
【あ、あとシャベルの件、了解です。】
いだ、みつ……る、さん。はい、覚えました。
(やや戸惑いながらも名乗り返してくれた「お化け」、もとい「伊田満」に、六花は笑顔を向けた)
あなたも、あそこの……だったら。また、会えますよね。
(正確には生徒ではなく、夏休みも終わった今となっては大っぴらに学園内を歩けない身ではあるが、)
(それでも自分を知って、わずかな間でも同じ夜の戦いを共に乗り越えてくれた存在は、)
(孤独の中に在る六花にとっては大きな支えになった)
……はい。じゃ、また……っ?
(ふらふらと歩いて行こうとした彼が、振り返る)
(そこには異形の『口』はなく、ただ普通の、六花と変わらぬ年頃の少年の顔があり)
(その声も、化け物染みたしゃがれ声ではなく、その姿に相応しいもので)
はい、ぜったい……!
(何故だかとても嬉しくなり、六花は深々と頭を下げると、シャベルを引きずって学園の方角へ足を向けたのだった)
【こちらも〆、です】
【こちらこそ、ありがとうございました。不安もありましたがなんとか完了できて良かったです】
【精進しますので(主に速度)、今後ともよろしくお願いします(ぺこり)】
【名前】御法川醍醐(みのりかわ だいご)
【年齢】 18 高等部三年
【性別】 男
【身長】 178センチ 75キロ
【3サイズ】 いらなくない?
【容貌】 短髪を軽く茶髪にしているほかは、一見品行方正。
【能力】召喚士。最近学園を騒がしている魔物の何割かは実はこいつのせいw
【希望】日常ロール、戦闘、エロール
【NG】後遺症が残るような怪我、死亡、スカ系プレイ
【弱点】呼び出す能力は超一流だが従わせる能力がイマイチ。
召喚には呪文と印が必要な為、口や手を封じられると召喚できなくなる。
敵が女だと、よほどひどい目に合わない限り反撃しない。
【備考】生徒会長。ケンカっ早いが親分肌で人望はある。
すべての女性は皆美しいと本気で思っているので、
生徒だろうが教師だろうが女に対しては挨拶代わりにくどき文句。
口が上手いので相手を言いくるめるのは得意だが、
軽いという評判も広まっているのでナンパの成功率が高いとは言えない。
現在は親元を離れて召喚士の師匠宅に下宿中。
師匠は人間国宝級の邦楽家。ちなみに同居している他の弟子は全員女性。
【|・ω・`)】
【|・ω・|・ω・)】
【ノシ】
【や。いっつも「プロフは
>>28」を書き忘れる隙屋さんだ……ノシノシ】
【けっこういっしょになるが……また、何か、やろうか……】
>>324 【三回目。だっけ?でも、スパンを考えれば普通だと思うんだよ。】
【そういえば、お金借りてたっけね。ファミレス分の】
【そうかもね。まあ、私はロール自体少ないし】
【じゃあ、今回は、そのお金を取り立てさせてもらおうか……】
【そのついでに、キミとは、不可侵条約、的なものを結びたいな……お互い、正体がばれてることだし】
【取り立て、というと……やっぱり学校?それとも、夜がいいかな?】
【ふふふ。それは展開次第――かも。】
【夜の方が、私は能力をフルに使えるが、今回は話し合いだから、昼間がいいかな】
【ま、さすがに「同盟」までは難しそうだと思ったんでね……せいぜい、交渉が決裂しないようにしたいところだ】
【そんな感じでよかったら、書き始めてみようと思うが……?】
【あ、うん。それじゃぁ、おねがい。あわせてみせるよっ】
【はい、じゃ、少々お待ちあれ……】
えーっと……ここでいいのかな。須佐乃、須佐乃、と……。
(ある日、普段なら絶対に起きないぐらいに早く起きた私は、2−Eの教室に一番乗りで現れた)
(といっても、私のクラスは2−Bで、Eではない)
(人に見られず、このクラスのある人物に接触したかった私は、目覚まし時計の時間をずらすことにしたのだ)
……あった。
(ある人物とは――この席の持ち主、須佐乃水琴)
(ある夜、私と狩る者、討つ者として対峙し、夏休みのある日、ファミレスで相席をした相手だ)
(それだけの間柄だが……そろそろ接触しておかないと、ちょっとヤバイくらいに緊張した間柄でもある)
私も、まだ死にたくはないからな……敵は、減らしておくに越したことはない。
(須佐乃の机に、私は、本を一冊滑り込ませた)
(本のタイトルは、『量子論』。読んだこともない本だが、私、隙屋量子を意味する署名にはなるはずだ)
(二ページ目に、しおりを挟んでおく……)
(しおりには、こう書いた。「放課後、文芸部部室にて待つ」)
さ、どう出るか……。
(私は誰にも見られていないことを確認すると、そっと2−Eを脱出し……放課後を待った)
(登校はまあ早め――といっても、二限から。
授業の暇潰しに、誰かが間違えて入れたと思わしき本を開くと、
それは告白の呼び出しとも思えない文面の伝言を見つけた。
マックス・プランクなど聞いたこともない彼女であり、
また、先日のファミリーレストランのことを、うすぼんやりとしか覚えていないため、
結局のところ――「誰」と気づかずに、放課後に来たこともない文芸部室に来ている)
……はぁ。
此処、だよね。まったく、誰だよ、もう。
(すぐ帰りたい、という考えはあったが、しかしそれだけではなかった。
最近は「狩り」をしていない。なのに、水琴は無性に不機嫌だった。
命が危険に晒されず、平和のなかに在るはずなのに、否――
そうした無意識のうちでの思索は、「扉を、あける」という命令に潰された。)
ちょっと、これ、誰?人違いじゃないのー?
(あまり活気のない部活だとは聞いている。だから開けざまに、しおりを掲げながら
だるそうに呼びかけてみた。話は、早く終わりそうだと――彼女は記憶力のなさ故に、
そう判じていたのかもしれない)
(世の中は、なかなか思った通りには事が運ばないものらしい)
(外交官が、どんなに頑張っても国際情勢が不穏なように)
(警察や市民がどんなに注意していても、犯罪が起きるように)
(人のやることに対して、起きる出来事というのは、けっこう斜め上を行く)
どうぞ、いらっしゃい。
(読んでいた新聞を膝の上にたたみ、私は訪問者に声をかけた)
(部屋には、今、私ひとりだった。部員は幽霊が多いし、部長は受験勉強で休みがちだ)
(まったく、ウチの部の活気のなさは、校内でも五本の指に入るだろう)
(しかし、だからこそ、この場所は「密会」に相応しいとも言えるのだが)
久しぶりだね、須佐乃、さ……。
(劇的な再会を期待していた)
(私が、倒してみせると見得を切った相手である)
(相手のほうも、私を殺すつもりで、武器を振るってくれたはずである)
(きっと彼女は、さては決闘の申し込みねとか、何か罠が待ち受けているかもとか、そういった予想を抱いて、
ぴりりと緊張した状態でここに来てくれるものだと思っていた)
(あらわれた彼女を見てわかった。私の署名、伝わってない!)
うん、まあ、キミを呼んだのは、私だよ……。
とりあえず、そこ座って。お茶、出すから。
(少しばかり(´・ω・`)な気持ちになりながら、私は彼女に椅子をすすめた)
あんた……?隙屋、だっけ?あの――。
(見覚えのある、美形であるのに、どこか地味な、あるいはそう装っているのか――
「思い出した」。 その思い出したこと、「連続殺人の」という言葉は、あえて紡がずに、
疑心は持ったままだが、促されるままに椅子に腰かける。
少なくとも、「人違いではない」ことはわかった。
目的は――ここで自分を殺すというのはない。この自分ですらそう考える。
この利発そうな同級生が、そんな愚挙を犯す筈はない、と踏んだ)
……人をこんな静かなところに連れ込むとか、
間違えて男の机に入れてたらどうするつもりだったんよ。
で、何の用?ファミレスの食費?今日は財布にあんまり入ってないよ。
(戦意がないことを、足を組んでくつろいで、アピールする。
少しばかり言葉がとげとげしくなるのも、無論――不機嫌、のせいだ。
ここに呼び出されたことはさておき、量子が自分に何かをしたわけではないのだが)
それとも本当に、やらしーことするために呼んだの?
……こういう窓際ーな教室って、なんかそういう雰囲気ある気がする……んだよね。
ああ、よかった……名前さえ忘れられていたら、どうしようかと思っていた。
(ホッとしながら、私は急須に茶葉を入れ、電気ポットから湯を注ぐ)
(ちょっと蒸らして、冷めないうちにコップに注ぎ、須佐乃さんの前に出す)
ここが静かだからいいんじゃないか。キミだって、騒々しいところに呼び出されるのは好くまい。
そして私は、そういうことがないように、十二回ぐらい座席票と照らし合わせて、キミの机に署名を入れた。
……なんか、私のこと忘れられてたっぽくてちょっとヘコんだがね……ふ、ふ、ふ、ふ。
何の用って? 想像くらいつくだろう? ほかならぬキミと私なんだ。
とりあえず、用は二つある。
より大きいほうから片付けるなら、まずはこないだのファミレスの立て替え分を……!
(そこまで言って、財布にあんまり入ってないとか言われて、ポケットに入れた手が硬直する)
(一応、ゆっくり引き抜く……手には、くしゃくしゃになったレシート……)
ええっと……1220円、なんだけど……ない?
まあ、先に取り立てだって言ってなかった私も悪いから、なくても気にしてもらわなくていいが……。
ああ、もう、なんだろうね……変にかっこつけた演出なんて、するもんじゃないね……。
(とりあえず、向こうはこっちの予想と違って、戦意を持っていないようだが)
(それはそれで、何と言うか、調子が狂うなあ……)
(討ち手というより、こないだファミレスで見た顔の方が、彼女の素に近いのだろうか)
……えーとね。放課後プラスひと気のない教室プラスふたりっきりで、ソッチにつなげるのやめたまえ。
誰かやってないとは限らないけど、ウチじゃそういうことはないよ……少なくとも私はっ。
ひと気のないここに呼んだのは、人に聞かれたくない話をするためだよ。討ち手。
キミとて、超常の世界の話し合いを、人の多いファミレスや教室でしたいとは言うまい?
(とりあえず、彼女はどうやら不機嫌らしい)
(そこで、私から歩み寄る必要がありそうだった……「認める」という行為で、それを示して)
いや、覚えてたよ?だけど、なんであの……ああ。
「りょうこ」か。なるほどね、上手い上手い。ごめんねー、頭悪くて。
でもそれじゃあ普通、気づかないと思うよ。ちょっとしたクイズじゃん。
(少し涼しくなった気候に、手渡されたコップの内容物から伝わる熱さは心地よかった。
湯気に軽く息を吹きかけてから一口啜ると、物憂げに苦労を語る量子には、
合点がいったときの、奇妙なうれしさで返してしまう。――名前を「どう書くか」、覚えていないのだ)
こっちが大きいほうなら、もういっこはどんだけなんだか。
んー、700……あるかないかかな。ちょっと足りないねぇ。
……口封じ?ここで?
(開いた財布の小銭入れ部から顔を上げると、ようやく告げられた「本題」に眉を眇める。
きつく威嚇をするように。あの路地で退治したレインコートの殺人鬼が、
自分なのだ、と――認めたような発言には、こちらもあの時のように鋭く応ぜざるを得ない)
真っ当じゃない金で、ご飯食べたってわけだ……。
じゃ、なに?やるの?ここで? 包丁、持ってないみたいだけど?
(学校指定の上履きで、たん、たんと床を叩く。まるで貧乏揺すりだった。
それだけでなく、右の人差し指の先もコップの側面を叩いている。
まだるっこしいのは嫌いだが、おしゃべりは嫌いじゃない、筈なのに、だ。
そうまで面倒なのだろうか、この状況が?と自問しながら……ずい、と乗り出して)
うう……そうだよねーそうだよねー。
昨日、思いついたときは「おっしゃ! これ、ものすっごいカッコイイ名乗りの上げ方じゃん?」とか
思ってたんだけどなぁ。
でも、よく考えたら、ファミレスで名乗り合っただけだからなぁ。音だけで、どんな漢字が言ってなかった
わけだから、わかんない方が普通だよねー……。
(マックスさんとか留学生でいたら、その人からとか思われたかもしれないなあとか、今さら思う)
(須佐乃さんは、わりかし打ち解けてきたようだが、今度はこっちががっくり状態だ)
(私も、自分の分のコップに、お茶を注ぎ、フーフーしながらすする。猫舌なのだ)
ななひゃく、かぁ……ホント少ないね……。高校生なんだし、もうちょっと……。
ああ、いや、かまわない、かまわないとも……。また、ある時で……。
もっともそのためには、また何度か、会う機会を得なければならないんだが。
(お金に関しては、シビアでなくてはならないと思っている私だが、こういう場合は……)
(普段から財布に、十万円近く入れている私だ。彼女の提示した金額に、ついほろりとしてしまう)
――――と。
(中身の貧弱な小銭入れに同情しようとしていた時、彼女の目が変わったことに気付き、背すじを正す)
(鋭い眼差し。注目であり、拘束的であり、攻撃的でもある)
(仕事をする時の目に変わった……ふむ……とりあえず、しゃんとせねばならないな)
(対応を間違えると、討たれるが……その覚悟なくして、困難の突破はあり得ない)
待て、待て、早まるな……口封じできるように見えるかね?
キミの言うとおり、包丁は持っていない。私には攻撃手段がないのだよ。
対してキミは、類まれなる身体能力――戦闘能力を持っている。
私が超能力者だとしても、圧倒できるだろうレベルの、ね。
ならば、わかるだろう。単純に私が、話し合いを望んでいるのだということが。
(たん、たん、と、乾いた音がする。規則的に……床と、テーブルの上で)
(床を、彼女の靴が叩く音。コップを、彼女の指がはじく音)
(彼女は今、ぜんまいを巻き切った車のおもちゃみたいなものだ。ちょっとした刺激で……はじける)
(取り扱い注意、だ)
――単刀直入に聞こう。キミの組織にどのような貢献をすれば、私は討たれずに済むのかね?
(こちらからも身を乗り出し、彼女の耳元に囁くように、言った)
……わかりやすく言ってくれるね。助かるよ。
どうにも舌戦っていうか、持って回った言い方が好きな奴が、最近多くてさ。
あたしみたいに国語力ない奴には、ついていけないんだよね……。
(制服の袖や上着の後ろ――隠せるところは、いくらでもある。
だが、やはり無謀なのだ。この場で牙を剥けば、お互い「状況証拠」ができあがる。
間を持たせるように熱いお茶を啜り、一息。
明朗に語られる、如何にも文系然とした論理立てた言葉は、こちらの頭に優しい。
故に、今も付き合っていられる。もしこうでなかったら、拳のひとつやふたつ飛び出していたかも)
組織?あたし、そんな大仰なもんに属してるわけじゃないよ。
お父さんはなんていうか、そういう組合?にいるみたいだけど……
そっからさ、狩る相手の情報を貰ってきて、あたしがってわけ。
その基準はあたしにもわからないんだよね。――ああ、成る程。
(すれ違うように、耳に落ちた問いには、思わず語尾が上がってしまう。
何を言わんとしたか、その前に説明が先走る。あまり、頭の良い様ではないだろう。
言い終えてようやく気づいたのだ。)
――こっちに得もってきて、強盗殺人を見逃せ、ってか。
(話の、「核心」に触れる、ではない。しかし、面倒なことは嫌いなのだ。
なあなあで済めば良し。何もなければ――だが、ここはそうもいかない。
前途に立ちふさがる可能性があるならば、今この場で相対せねばならないことは知っている。
故に――コップの底がテーブルに戻った瞬間、掌が量子の胸ぐらへ急襲し、捕まえようと。)
(結局のところ、武器は本当に「持っては」いない……)
(獲物が猟師に誠意を見せて、どうなるというものでもないが、今回は仕方ない)
国語は……生まれたときから身につくものだ……。
それは勉強ではない、生活のために必要な、オペレーションシステムのひとつだ。
だから、わかりにくい「国語」を聞くというのは……話した側が、一般基準に反するということだ……。
もって回った言い方が理解できなくても、それは相手側の責任ということ……気にすることはない。
舌戦は……私も嫌いさ……。皮肉も、隠喩も……。
話を一番早く進める方法は、率直であることだというのに……ね……。
(彼女と同じように、自分も茶を飲む)
(まだ熱い。お茶の冷めやすい湯飲みとか、誰か発明すればいいのに、とか思っている)
……何? 組織って、じゃあ、そういう意味……?
つまり、おおきな「方針」みたいのがあって……それ以外は、キミの単独行動と、そういうことかい?
依頼があるというが、命令系統は不可逆なのかな? キミから、ボスの方に連絡したりはしないと?
そうか……そうなのか……。
(少しだけ、唇に指をあてて、考える)
(思っていたのと違う。てっきり、組織に自分のデータが登録され、指名手配されているのかと思っていた)
(となると、彼女を恐れる必要もあまりないが……ま、今は、計画通りに話を進めよう)
(と、彼女の手が、ビュンとこちらに飛んできた)
(どうやら、彼女のばねをはじけさせてしまったらしい。組み合う気にさせてしまったっぽい)
(こっちはそんなつもりじゃなかったから、対処する手段はない)
(だから……今、わたしにできることは……)
危ない、ね。そんな素早く動かれちゃ、お茶がこぼれる。
(もちろん、非実体化で逃れるしかない……空気を震わす速度で、彼女の手が私の胸の中を通り過ぎ)
(私の体を完全に空振りしたところで、元に戻る。そして、飲みかけのコップをテーブルの上に置き)
ぐ、……あうっ。
(テーブルの上に、突っ伏した)
(窓からの、夕陽……まだ、光が強すぎたか。一秒間の非実体化でも、それを受ければ、頭痛がする)
(再び、彼女が攻撃してくることは? あり得る。防御手段は? ない)
(ならば、攻撃しようという意思を、削らないといけない……)
……私には……敵がいる。
異能者、魔物、魔法使い……そして、それに関わる者、それを知るだけの者、それらを一緒くたに、
始末してしまおうという……組織がいる。
それを、倒す必要が、私にはある……自分の安全のためと、私以外の、仲間のために。
敵が現れて、わかった……狙われる側にあって……助けてくれる者がないというのは……寂しい……。
私の他に、私のような力を持つものがいると知って、気付いた……仲間が、欲しいと……。
……キミを、仲間にしたい……キミは、奴らではない……狙われる、側だ……。
友人になりたい……キミとだ……。いけないか……?
ボス、なんてもんはいないんだと思うよ。
実際、あたしがお父さんからの稽古を終えるまで、お父さんとか……
その前の、前の代も、こういう仕事してなかったらしいし。
――ん、あれ、なんでだろ。なんであたしからなのかな……。
(言われてみれば、全く気にしていないことだった。いや、
あえて気にしないようにしていたのかもしれないが、そうやって
冷静な解釈に合わせてみれば、何かが見えてくる。それが何かは――わかりたく、ない)
ボス、なんてのはいないよ。あたしんちはそういう家柄で、お父さんが、今の主だから。
約分――らしいんだけど、さ……。
……狩りに出るにも、法則性があるな、そういえば。
行方不明者が多発したり、不自然な事故死が続くと、立つ「噂」……。
その噂――同業の注目の的になるような奴ばっかり、狩ってた。人間も、化け物も。
(そこまで考えて、ちらり、と量子のほうを見る。手は何も掴まなかった。掴めなかったのだ。
掴む方法はあるが、触れるだけで極端に疲れる。どうこう、などと出来はしない。
逡巡はそこでやめて、急に体調不良になったかのような量子の言葉に耳を傾け)
……相変わらず、妙な力だね。何なの、これ?透けた……?
で、その、組織?
あたしは厳密には「異能者」じゃないから狙われることはないと思うけど。
困るな、そんなことされると。――あれ、なんで困るんだろ。
狩りしなくていいなら、有り難いのに。
……ま、あたしは別に、無関係な人間が何人死のうと、恐いけど、関係ないから。
(どうも、狩りから遠ざかっているここ最近、思考が混雑しがちだ。
面倒なこと。面倒なことばかり。非日常が転がり込んで、自分が平和から遠ざかる。
それが嫌な筈なのに、何故か、非日常が服を着て、丁寧に日常に擬態している少女へ、手をさしのべた)
だからあたしがいつ、あんたの首を刎ねる側に廻るかわからないけど。
「そんな奴らはきっと、噂にもなるはず」だから……なぁ。ただの連続殺人犯は、後回しになる、かもね。
【>ボス、なんてのはいないよ。
ここ削除っ。7行目だか8行目だかそのへんね!】
……私の能力……『クオンタム』は……自分の存在を、幽霊のようにすることができる……。
便利な力だが、光に弱くてね……これくらいの太陽の光に当たっても、このざまだ。
以前、キミは『クオンタム』を使っている私をつかんだが……あれこそ、何だったのか聞きたいね。
強い光と同等の……生命エネルギーの奔流か何かじゃないかと……想像しているが……。
(荒い息で説明しながら、飲みかけだったお茶を一気にあおる)
(それで、体調が少しでも良くなって欲しいと思って……しかし、お茶はまだまだ熱かった)
う、ううう……。
(舌、火傷)
キミの組織が……噂に基づき、それに群がるように「異常」を正すのなら……。
私の敵たちにも、それは有効だろう……。
と、同時に……向こうも、寄ってきたキミたちを、餌として飲み込むこともあるだろう。
奴らの攻撃対象には……基準がある。
一定の基準に基づいて、そこに含まれるものを攻撃する、という形だ。
以前、私も、奴らに襲われたが……そいつらは、一般人にはあらかじめ被害が及ばないようにしてから、
攻撃してきた。
奴らが攻撃するのは……「関わった」者だけだ。そういう意味では、一般人は、安全ではある……。
それでも……キミは、それを、困ると……言ってくれるんだね……。
(差し出された手を、私は掴んだ)
(顔を起こして、それにすがるように、両手で握りしめる)
かまわない……私はキミを……信頼しよう……。
「噂」になる、ならないに関わらず……奴らは、この学園自体にも目をつけているはずだ。
君がやる気でいようと、なかろうと、向こうから関わってくるさ。
後回し……うん……最後には、刎ねられてもいいな……。
本気じゃあないよ、もちろん? ただ……敵よりは、仲間に看取られたいものだからね……。
(数人の「知人」の顔を思い浮かべる)
(協力者あり、恩人あり、通りすがりあり……。しかしそれらは、こちら側だ)
(そして今、またひとり、仲間が増えた)
(彼女は……「見逃してくれた者」だ)
私は……信頼は、大事にするんだ……。それを持てることは、嬉しいからね……。
(彼女を見上げた。向こうは、こっちをはっきり嫌っているはずだ)
(しかし、彼女に見逃されたことは、思いのほか嬉しかった)
(……で、その感動に、目を潤ませつつあったところで……)
(頭痛の限界が来て、私は目を回し……意識が、ブラックアウトした)
(ゴツン、と、頭がテーブルを打つ音を、最後に聞いた)
幽霊、ね……ちょっと時期じゃない気もするけど。
あれは、ま、曲芸みたいなものだよ。説明してもいいけど、今はそんな場合じゃないでしょ。
(どうあっても無理をしているとしか見えない状況で、
詰問するだけの非道さは持ち合わせていないのか、宥めるように頭を叩くに留める)
最期のことまで考えて、なんであんな強盗殺人までやるかな。
自暴自棄になると、倫理とかどうでもよくなるの……?
あんたの自業自得な気もするけど、面倒なこと考える奴は、どこにでもいるもんだねぇ……。
――まぁ、あたしは今まで、いつもどおり。普段通り、やらせてもらうよ。
どうせ、「連続強盗殺人犯」は噂じゃなく報道だ。あんたを捕まえるのは警察の仕事。
(携帯を開いて、まだ学校に残っていそうな、自分と同じクラスの保健委員の番号を呼び出す。
自分と、倒れ込んだ少女が、仲間か、同志かとくくれるものであるかといえば――否だ。
たとえ彼女の安全を優先したとて、彼女の敵に刃を向けたとて、それは)
……やっぱりシンプルなんだね。
力があれば、金もなんでも手に入る。
そのツケが廻ってくるまで、自分を悪だと、狩られる側だと思わないような――
あ、ごめん。貧血で倒れた奴いてさ。文芸部の部室まで来てくんない?
うん、うん……よろしく。 ――てなわけで、お大事にね、幽霊さん。
仲間として、また奢って貰うから。
(そう微笑むと、自分の上着を量子の肩にかけて、黄金の夕焼けが照らす教室を後にする。
影になる廊下は暗く、だがむしろ心地よかった。夜も近い。だが今日は狩りはない。
――理解できたのだ。自分は殺されたくない、平和な日常を過ごしたいのは事実だ。
だがそれと同時に)
――そうだよ、困るよ。じゃないとあたしが、警察に追われる側になっちゃう。
異能者や異形がいなくなったら、合法的に――殺せないじゃない。
(窓硝子に映った、三日月の微笑みが紡ぐ無意識の呟きを、
自分自身が聞き流すように。)
【――と、こんなで閉めで。 ……踏み倒してゴメンっ】
(薄暗くなった意識が、徐々に……徐々に、戻っていく)
(気がついた時には、保健室のベッドに横たわり、白い天井を眺めていた)
……気を……失ったかな……? ち。やっぱり、日中は使うべきじゃない、か……。
(自分の能力の弱点を、改めて実感する)
(身につけた当初は、無敵の力と思い込んでいたが、実際はこの程度だ)
(いろいろな相手と出会って、自分の位置を少しずつ確認して)
(自分が「圧倒的」でないことに気付いたのは、つい最近だ)
楽しかったから……していたんだがな……人殺しも……。
遊ぶためのお金が手に入り、ごく普通である人々を蹂躙する……爽快だったのになぁ……。
(ひとり、空に向かって呟く)
結局、その楽しみも……敵たちに出会って、空しくなってしまったか。
リンクスを倒す、それだって、出会えさえすれば楽勝だと思っていたのに……。
今じゃ、助けが不可欠だと思っていて……。仲間を望んでいて……。
でも、それは安全のためだけじゃなくて、「寂しく」なくなりたいからでもあって。
(結局、何を望んでいるのか)
(私には、何ができるのか? 『クオンタム』の力には?)
……ん?
(ベッド脇の椅子に、上着がかけられているのに気付いた)
(保健室の先生に聞いてみると、それは、私がここに運ばれてきた時に、かけられていたものだという)
(須佐乃さんの、かな? おそらくそうだろう)
……彼女は……私と同じ側だが……私より、向こう側に近いな……。
何となく、そんな気がする。頼りになる。それは、間違いない。
ただ……もし、向こう側に傾いてしまったら、どうしよう?
リンクスは……敵を抹殺したがっている……彼女が、狩りを好むなら……説得されたりしたら……。
(体調も元に戻ったので、先生にお礼を言い、ここに運んでくれた保健委員の人の名前を聞いて、出てきた)
(上着も、預かってきた……あとで、返さないといけない。また、会ってくれるかな……?)
会わないと……また。今度は、きっと仲間にしてやるんだ……。
リンクスなんかに渡さない……私の、友達にするんだ……。
そうさ……これから、私の求めるものはそれになる……。
(鉄が磁石に惹かれるように、はたまた恋をするように、私は呟いていた……無謀な、望みを)
【こんな感じで、締めかな?】
【はい、ありがとう……なんか付き合わせちゃったみたいで悪いなぁ、ごめん。
声かけてくれて嬉しかったよ。またなんかふくらませていこう。
お疲れ様っ!ノシ スレをお返しするよー】
>>345 【ん、いいと思うよ! 私の最後のレスは、むしろ余計だったかな】
【今夜も緊張したやり取りをありがとう。今度は再び、「夜」に出会うかな?】
【その機会が訪れることを願って、今日は落ちるね……おやすみ……ノシ】
さて、珍しい時間に俺参上。
……取りあえず、待機してみる。
気軽に声をかけてくれよっ!
と、珍しい時間にお声掛けてみます。
……先日も、お相手していただいたような身なのですけれど、
もしも、後輩さんさえよろしかったら、お相手をしていただけたら、と。
……というか、むしろ待っている間に眠気、とか大丈夫でしたか?
きつかったら、遠慮なさらないで下さいね。 そこの点は十全と、です。
>>351 いやいや、こちらこそ相手してくれたらこれ幸いかと。
……いやぁ、むしろさっきまで寝てたから、眠気の方は大丈夫だと思う。
もし、眠気が来たら、すぐに言うようにするよ。
――んで、どうしようか。
あれから先輩との新しいロール案は思い浮かんでないけど…
先輩の方に何かあればー。
>>352 良かった、それは重畳な次第です。
……では、むしろ心配すべきは私の眠気、になるのでしょうか。
私の方もその時は失礼して、申し上げるようにさせてもらいますね。
……うぅん。そう、ですね。
今度は思いつくのがそれこそ私本位になってしまうのですけれど。
1.異形と異能者を断じかねている私の揺れについて絡めた雑談
2.新学期だしテストとかあるし、ということでまた勉強してみる
3.前に仰っていた特訓的なバトルチックなロール
4.じゃれついてみる
……3以外だと、結局はほんのちょっと4が混じりそうな秘密です。
>>353 時間が時間だしな。
その時はその時で、お互い様ってことにしておこう。うん。
そうだなぁ……それじゃ1か3で。
2もいいけど、今はそのどっちかをやってみてーかな?
4については、どちらにしろ入ってくるんじゃん!というツッコミはないヨ?
それはそれで良(ry
では、時間も配慮して1でも構わないでしょうか?
訓練チックなことは、また後日にでも。 今回の雑談でその約束取り付けてもいいですし。
まあ、むしろ私がじゃれつかないことの方が少ないでs(
ふふ。十全と了解いたしました。
場所は私の部屋で大丈夫なら、こちらから書き出させていただいても…?
じゃあ時間的な目安としては1〜2時間程度ってところかな。
それじゃ書き出し、よろしく頼むぜ?
(今までは主の命じるがままに“異形”を狩っていれば良かった。
“主”が敵と断じたものが、“異形”であり、それが“敵”であった)
(――…しかしながら、今は違う。
自分自身で“対象”に触れて、自分自身で判断を下さなければならない。
少なくとも、“主”が何らかの命令を、自分に下してくれるまでは――)
(“話があるから”、と彼を家に招いたのは、自分の揺れをどうにかする為だった)
……紅茶、で大丈夫ですか? 砂糖とかミルクとか入れます?
(ソファに座るようにと促しておいた彼の前に、カップを置き、尋ねる。
らしくも、ない。いつもだったらさっさと要件をすませてしまうというのに、
自分はどうしてこうも、話の切り出しを後回し後回しにしているのか)
―…それで。お話したいこと、なのですけれど。
(一つ長い息を吐き出して、自分の分のカップを、テーブルの上においた)
【…とりあえず、秘儀的な置きレスか何かにならないよう気配りますね…っ。
そんなこんなで、改めまして宜しくお願い致します。(一礼)】
(さて、奇妙なこともあるものだ。
彼女の部屋を見渡しながら、ふとそう思った。普段はどこか謎めいていて、
彼女は少なくとも自分から自分のことを曝け出すタイプではない。
それが、今回自分の部屋に招くなんて意外、と評価するしかなかった)
(ここにいるのが場違いだと錯覚してしまいそうになるほど、それだけ自分は、
彼女の日常についてあまりにも知らなさ過ぎる――、なんとなくそう感じた)
ああ、それじゃ…砂糖、貰っておこうかな。…サンキュ。
(いつになく真面目な表情を浮かべ、どこかぎこちなさを感じながらも、
紅茶を受け取り砂糖を入れて掻き混ぜる)
――話したいこと、か。
ん、それじゃ時間はたっぷりあることだし、聞かせて貰おうか。
【こっちこそよろしくなっ。こっちも寝ぼけないようにするからっ】
――……ありがとうございます。
(太一朗の隣――…2、3人掛けのソファの空きスペースに腰を下ろす。
目線を伏せて、口を開きかけては、閉じたりして…それを、数秒繰り返し。
そんな仕草は、それこそあまりにも“彼女らしくない”ものでしかない)
……あの。
後輩さんは、覚えていらっしゃいますか?
確か、二回目くらいに学校でお会いしたとき――…人型の異形を、狩った時。
あのとき、私が異形狩りである、と。
…そうして、この学園にきた目的が、貴方達を調査及び場合によっては狩る為だと。
そうやって申し上げたこと、覚えていらっしゃいますか?
(自らはストレートの紅茶に口をつけ、ひとつ息を吐き出す。
迷った末に吐き出された言葉は、いつもと変わらずに淡々とした音でもって吐き出された)
……ん?
ああ、そういやそんなこともあったっけ…
(そう言えば、あの時からだったと思う。
彼女に協力して――というよりは、お互いを『利用』して異形を蹴散らしはじめたのは)
…そうだな。もちろん、覚えてる。
だからこそ、俺は今まで先輩に情報を貰いながら、協力してきたわけだし。
(逆に言えば、その条件は『彼自身の監視』という名目も含まれている。
それがなければ、彼女は自分の素性はもちろん異形についての情報も与えなかっただろう)
(長い話になるかもしれないな。そう思いながら、紅茶を一口飲む)
んで? ……まあ、そう切り出すからには、それに関したことなんだろうけど。
質問させてもらうぜ、先輩。
『それがどうしたんだ?』
(そう言ってから、ふと初対面のときの応答を思い出していた。あの時もこんな感じだったな、と)
覚えていてくださるなら、それでいいのです。
(相互利用関係――…自分と相手との関係は、それでしかない。
彼だってそう分かっている。それを知っているからこそ、逆に問いかけたくなるのだ)
(本当にそうであることを、貴方は理解しているのか、と)
『貴方と私がどのような関係であるか、貴方が認識していることを、確認したかった』
先ほどの問いに、これ以上の答えはありません、後輩さん。
(わずかに感じたのは、デジャヴというやつだろうか。いつぞやにこの状況は似ている)
(…あの時だったら、自分はこんな風に揺らぐことなんてなかっただろうに)
(そんなことを思いながら、彼女は不意に体勢を変えると…彼との距離をつめた)
じゃあ、次は私からの質問を。
『私と貴方の関係を認識したうえで、この状況を危険だとは思われませんか?』
(見据えるのは、黒い瞳)
(ソファの背もたれの部分に、手をついて。覆いかぶさるように相手を覗き込む)
(彼女がいうこの状況とはつまり、二人きりで――…いつ、彼女が彼に刃を向けてもおかしくない距離の事を指していた)
………っ!
(一瞬で距離を詰められ、息を呑むが動揺を出来るだけ顔に出さまいと、
言葉も飲み込んで、鼻でゆっくりと息を吐き出して)
…成る程。自分たちの立ち位置の確認ってわけか。
アイデンティティがそうであるように、自分自身ってのは、
なかなか見えづらいもので、時にはそれが崩れることもある。
――ま、俺の親父の受け売りだが、的を得ていると思うな。
だから、それを確認することは悪くない。特に……俺たちみたいな、曖昧な関係の時にはな。
(いつも以上に静かで、かつ、迫力のある彼女に気後れながらも、不敵な笑みを浮かべて)
それも納得だ。
先輩が俺のことをどう考えている…かは分からないけど、
その立場だけで考えれば、非常にヤバイ状況だろうな。だけど―――
『それはお互い様だ』
――それが俺の答えだ。
例えば、こうして話しているこの隙にでも俺は先輩の喉を突き刺すことが出来る……
…かも知れないぜ? あくまで、可能性の話だけどな。
そして、もう一つ。なら、俺は何故そうしないのか。
突然のことに動揺している。力量差があるから。返り討ちに遭うから。
――ま、どれもおかしくない答えだし、そのなかに真実も含まれているのも確かだ。
けど、やっぱりこれが一番の答えかな。
『先輩を信頼してるから、――先輩だから危険だとは思わない』
十全な答えじゃないか?
それに、先輩が本当に俺を殺そうとするならこんな無駄口を叩かせるはずはないし、
俺が反撃する隙も与えないはずだ。
……もし、俺を油断させる為の手だとするなら、陳腐すぎる。
俺がこの程度で油断するぐらいなら――、媛名葵は俺に利用価値を見出さないだろうさ。
もしくは、そいつは俺のことを見くびっていた…ってことになるな。
(にやりと、不敵な笑みを浮かべたまま、真っ直ぐ葵を見つめて――)
(ただ静かに、彼女は相手の言葉を聞いていた。
――…いつも、いつもこうだ。彼は、いつだって“こう”なのだ。
どこまでも真っ直ぐに、それこそ嘲笑いたくなるほど、真っ直ぐな答えをくれる。
そうしてそれに、自分はいつだって…いつだって揺らされてしまうのだ)
信頼、しているから、ですか…?
(声が、震えた。
けれど決して、自分のなかに渦巻いた感情だけは出すまいと表情をかためてしまう。
いつもと変わらない、表情を作り出す――…ゆっくりと、ひとつ息を吐いた)
貴方の力をもってすれば、それこそ一瞬で私の喉をかっ捌けましょう。
私は確かに郡太一朗を、その能力を――…それをできえる存在だと認識している。
そうです。 こんな状況は確かにお互い様ではありましょう。
媛名 葵という存在は、確かに郡 太一朗のことをこの程度で油断する存在だと思っておりません。
(こつん、と。覆いかぶさるようにしていた体勢のまま、相手の肩に額をおいて)
(軽く持たれるように体を預ける。それは、それこそあまりにも“無防備”で“危険”な行為)
『御互い様だ』という答えは、十全でしょう。
しかしながら、『私を信頼しているから』という答えは、十全ではない。
――…前にも、これも申し上げたでしょう?
私の行動は、“飼い主”に一存がある。“決定権”などないし、私は要らない。
今の私は、ただ飼い主が首輪を外して遊ばせているだけの狗にすぎません。
また首輪をつけられたなら、私は主人の命令に従う猟犬となりましょう。
つまり、貴方が実際には人間であろうと、他の誰が貴方たち異能者は人間だと断じようとも
私の“主人”が貴方たちは異形だと断じたら、私は疾く、手のひらを翻す。
……そんなものが、何故、信頼できましょうか。
(表情は見せなかった。それでも、確かに、再びと、声は震えてしまった)
……やれやれ、先輩の言っていることは、時々難しくて敵わねぇな。
(苦笑を浮かべながら、それでも視線は逸らさずに)
それじゃ俺はこう答えるだろうさ。
『俺は「郡太一郎」、あんたは「媛名葵」。
それ以上でもそれ以下でも、ましてやそれ以外の何者でもない』
先輩が猟犬だろうが、俺が異能力者でも、そりゃまた別の話だ。
『信頼するだけ』なら、それが理由の答えになるだろ?
……じゃあ聞くが、もし、先輩が俺を狩ることになるとする。
そこには、先輩の意思はないんだな? 狩ることになろうが、狩らないことになろうが。
――なら、答えを付け加えてやるさ。
『俺は「郡太一郎」として、その“飼い主”をぶん殴ってやる』
邪魔はさせないぜ? 幾ら先輩でも。
邪魔をするなら、そのときはそのときだ。先輩もついでにぶん殴ってやるよ。
女の子に手を挙げるのは趣味じゃねえけどな――、前に言っただろう?
『その「選択肢」を選んでまで、自分が貫きたいことを貫くという覚悟を持て』
……そう、教えてくれたのはあんただ。先輩。
俺は、俺を貫く。先輩が、自分の意思で自分の道を決められるのなら、
俺は先輩だって引っ叩いてやるさ。ろくでなしだろうと、女の敵だろうと言われようがな。
(不思議と――、次から次へと言葉が湧いて出てきてしまう。
そう、幾らでも。それは、それだけの自信があるから。そして、その自信を持たせてくれたのは、
他の誰でもない。そう教えてくれた、目の前の彼女に他ならない。
『覚悟』という言葉。今なら何となく、形として分かるかもしれない)
――…違う。そこに私の意志は、あります…っ、
わたしは、主人に従いたいから、あの人の猟犬でありたい、からー―…っ。
(言葉の途中で反論しようとしたのに、それ以上は紡げなかった。
これ以上、口を開いていたら、他のものまで零れおちそうな気がして。
口をつぐんだ。それからはただ、相手の言葉を聞いて――…息を吐いた)
…馬鹿、じゃないんですか。 太一朗さんって。
(呆れたような言葉。ただ、その声が震えているとあれば力はない)
(少しだけ体を離して、相手を見据えた黒い瞳は、これまでにないほど揺れていた)
―――じゃあ、その時はちゃんとぶん殴って下さい。
(けれど、彼女は珍しく笑った。困ったような曖昧な笑みで、笑った)
ですが、私はきっと簡単にはぶん殴られるつもりは毛頭ございません。
『その「選択肢」を選んでまで、自分が貫きたいことを貫くという覚悟を持て』
それは、私自身にも適応される。私があらゆる選択肢を選んで貫きたいことは――…
(答えるまでには間があった。それでも、次の瞬間に太一朗を見た瞳は揺れなかった)
――……組織の、≪深凪≫の猟犬であること。
(彼女をここまでそうさせる何かが、あるのだろう)
(それはきっと彼女が誰にも明かそうとしない部分に、基因しているのだろう)
……強く、なられましたね、後輩さん。
それとも、私の認識が甘かったのでしょうか。 さっきみたいな素敵な表情なさるなんて、存じ上げなかった。
(指先で軽く頬を撫ぜて、呟くように一言。それから、名残惜しそうに手を離す)
(いつもと変わらぬ揶揄をこめたやりとり。それを紡ぐと、彼女は潔く体も離した)
手間をとらせました。もう、お帰りにならないと……いい時間です。
――なるほど、なら、そのときはそのときだ。
俺は、俺のしたいことをする。
その時は、先輩と言えども容赦はしないぜ?ビンタの一発ぐらい、勘弁してくれよな。
(そうおどけながら笑うが、彼女の『何か』を垣間見て少しばかり目が細くなる)
馬鹿は馬鹿なりに考えてるってことさ。
…俺は先輩に殺されるつもりはない。
先輩に殺されるぐらいなら、化けもんに食いちぎられる方がマシだしな?
先輩が『猟犬』を貫き通すなら、他人様の『犬』とはいえ、少々『躾』しなくちゃいけねえよな。
だったら、俺は俺のやり方でその『犬』をどうにかしてみせるさ。
(――頬を撫でられ、身体を離す彼女に笑みを向けながら、堂々と断言して)
俺は郡太一郎。 俺はそれ以上でもそれ以下でも、ましてやそれ以外の何者でもない。
俺は最後の最後まで、郡太一郎を貫き通してみせるさ。
(さて、と身体を起こしながら、立ち上がり)
……ああ、そういえば、もうこんな時間か。
確かにそろそろ帰らなきゃな。…サンキュ、先輩。
紅茶、美味しかったぜ?
(彼は自分に殺されるつもりはないと言った。
笑みを浮かべながら、自分に対して彼は堂々と宣言した――)
(猟犬である自分は、安堵するべきところではない。それでも、確かに自分は安堵していた)
……そうでしたね。
「『郡太一朗』というひとりの人間だ。それ以上でもそれ以下でもない。」
この答えを、私は以前あなたから頂いていたのでした。
(髪をかきあげる。 立ち上がった太一郎を見つけると、小首をかしげて)
付き合っていただいたのはこちらです。こちらこそ。
紅茶くらいならいつでもごちそう致しますから――…あ、玄関までお見送り致します。
(そういうと率先するように、扉をひらき玄関へと)
(……その家の出口たる場所についてから、不意に、彼女は彼を振り返った)
……ね、後輩さん。
さっきまで結構近い距離にいたんで、軽くじゃれたい衝動が沸き起こってるのですけれど
キスのひとつくらいしたら、やっぱり怒られますか?
(小首をかしげて、真顔での問い)
(彼女なりのペースの戻し方なのだろう。そうして彼女は彼がうろたえるのを期待しているのだ)
【時間ギリギリと引きずってしまいました…っ。そろそろ〆で大丈夫でしょうか?】
……ま、今すぐどうのこうのなるわけじゃない。
これからどうなるかは、俺は分からないけど……
(苦笑交じりに、おどけたようなことを口にする)
そう、今そんなの考えたって仕方がねえんだよな。
(荷物をまとめて、肩から引っ提げると彼女の後に続いて玄関に向かおうとする。
と、突然彼女が振り返ってとんでもないことを口にした。――いつもの調子で)
なっ……どういう衝動だよっ、そりゃあ!?
なんでっ、そう、真顔で聞くんだよ、そんなこと!
怒りはしねえ…っていうか、ああもうっ…! 真剣な話したあとばかりだっていうのにっ!?
(顔を赤くして、一歩二歩、と後ずさりして――、ふと教室での出来事を思い出してさらに真っ赤)
【りょーかいっ。それじゃこっちも次で締めということで!】
じゃれつきたい衝動はじゃれつきたい衝動に他なりません。
ちゅーしたいだとか、そう言って貴方をからかいたい、だとか?
(頬に手をあてて、小首をかしげて、事なげに言ってみる)
(この反応が欲しかった。これで、相手のペースと引き換えに自分のペースは戻ったはずだから)
……冗談です。 したいのは、嘘じゃないけれど。
ああもう、そんなに可愛らしい反応なさらないでください。
例の勉強のときのバツゲームの続きとか、したくなってしまいます。
(肩をすくめる。いつもと変わらないやりとり)
(もうすぐ、できなくなるのだ――…少しくらい、楽しんでもバチは当たらない、と思う)
(自分は思っていた以上に“媛名 葵”の立ち位置を楽しんでいたのだと実感した)
……ほら。私の我慢が効くうちに、帰られて下さい。
(今度は、奪うことはせずに、彼女はいつものように小首をかしげた)
(本当に“それだけ”で止められる自信がなかったのかもしれないし、
はたまた、そんなことをすれば自分が揺らぐのが分かっていたからかもしれない。
ともすれば、ただ単に彼女らしい“きまぐれ”だったのかもしれないけれど)
(彼女は玄関の扉をあけて、帰るように促したのだった)
【じゃあ、こちらはこれで〆…ということで】
【とってもとっても付き合ってもらってしまった感がヒシヒシと…本当に
いつも以上に振り回してしまって申し訳ありませんでした。そうして、有難うございました。】
ああもうっ……!
(何か文句の一つでも言ってやろうかと思ったが、
言葉が出てこず、唸って地団駄を踏むだけに終わってしまった)
……ったく、年頃の青少年をからかうなよな。
ただでさえ、こういうの慣れてねーんだからさー……
(ぼやく様に、玄関で靴を履いてドアを開く)
へいへい、そうさせて貰いますよ。
…これ以上からかわれたら、俺もいい加減に頭がぐるぐるしちまいそうだからな。
ん……それじゃ、また学校でな。今日はどうもありがとうな、先輩。
(呆れたような苦笑を浮かべながら、ひらひらと手を振りながらその場を後にした)
…さて、どうしたもんだかな。
でも、今考えても仕方がない…な。
(全ての心配が杞憂で終わってくれればいいのだが、そういうわけにも行かないだろう。
本当に彼女が刃を向けてくるときが来るかもしれない。……けれど、彼は彼女に教わったのだ)
そのときは、そのとき、だな。
俺もまだまだ長生きしてーし……全力で止めさせてもらうぜ、先輩?
(すっかり闇に飲まれてしまった空を眺めながら、彼は帰路についた)
【それじゃ、こんな感じで締めっ、と。
いやいや、こっちはこっちで楽しませて貰ったしノープロブレム!
だいたい、前回は俺が振り回したんだし、楽しめたらそれでオッケー。
こちらこそありがとうっ。また機会があればよろしくっ】
【はい、十全と見届けさせていただきました…と。
そう言っていただけると本当に幸いです。今夜もとてもとても、楽しませていただきました。
機会がありましたら、是非。 お疲れ様でした。ゆっくりとお休みになってください(一礼)】
【では、これにて、お返しいたします】
【待機します。プロフは
>>198にありますので、どうぞお気軽に】
【こんばんは】
【連続になるけど、お相手をお願いできるかな?】
【こんばんは。こちらこそよろしくお願いします】
【今日は何かご希望のシチュはありますか?】
たまにはそちらの希望を聞くのもいいかと思うけどね
こちらからは…
@共闘
正太郎君とのロールについて、伏線を張ろうかと
つまり、敵は触手系妖魔
Aエロール
こちらは何も説明いらないよね
夜の巡回の後、俺が部屋に誘う、それだけ
こんなところかな
Aを選択しようとして手が震えましたが
理性を総動員して@から、後はいつものごとく流れに任せて
そこからAでも、あるいは大食漢ぶりをみせていただいても。
よろしかったら書き出していただけますか?
了解w
では、書き出すので、暫くお待ちを…
お待ちしてます。どうぞごゆっくり。
…くっ!
(小さな呻きをあげて、後ろに控える津綺子の脇まで大きく飛び退く)
(深夜、学園の校庭)
(相対するのは、巨大なアメーバのような、半透明のゼリー)
(半径1mほどの歪な球体から擬足を伸ばし、砂地を這いずる)
(その弾力のある細胞質は、迫水の打撃を難なく吸収し)
(大したダメージを与えられないまま、校舎から外へと引き出すのがやっとの状態)
津綺子、電撃で干からびさせるしかないみたいだ…いけるか?
(ゆっくりと這い寄ってくる巨大ゼリーを警戒しながら、脇の恋人に尋ねる)
…俺が足止めをする。隙を見て、全力で叩き込んでくれ
(信頼と信用を込めた声で確認)
(一歩を踏み出し、津綺子の前に出る)
【ではこんな感じで。今夜もよろしくお願いします】
直さんっ!
(校舎に消えた直を追いかけて自分も校舎に向かうが、ほどなく直が飛び出してきた)
(彼がおびき出してきたのは、形も定まらない醜悪な生き物)
これ……何……?
もし電気が効かない相手だったら、もう打つ手がありません!
(全身を緊張させて、手に充電しながら直に話しかける)
合図するから、下がってください。
万一、電気を浴びてパワーアップする奴だとしたら困るから
試しに弱い電圧をかけてみます。
直さん、下がって!
(パートナーに声をかけ、ゼリーに軽く電力を放つ)
(ゼリーは痙攣するように全身を震わせ、進行を止めた)
……効いた……?
【こちらもこういう感じです。よろしくお願いします】
(再びパートナーの隣まで退き、様子を見守る)
効いて…いるか?
(警戒しつつ、一歩前に)
……っ!!
(次の瞬間、ゼリーが内部から爆発したように弾けた)
うっ…
(溶けたゼラチン質を纏わり付かせて、四方に伸びる触手)
(一本一本がを別の意志を持つようにうねり、這いずり)
(見るだけで生理的嫌悪を催す肉色の触手が、人には分からない感覚器官で二つの獲物を察知して)
(蛇のように鎌首をもたげ、先端から糸ひく粘液を垂らす)
ひっ……
(ゼリーがはじけた瞬間、単に驚いて小さく息をのんだが)
(そこから伸び出した触手を目にすると、悲鳴を上げた)
きゃああぁぁぁっ!!
(前に出る直とは裏腹に、勢いで二、三歩下がる)
(意志の力で足を止めたものの、目を見開いてうねる触手を見つめたまま、今度は動けない)
(見ようによっては蛇のような、または男性器のようにも見える触手の先端が)
(粘液を吐き出しながらうごめき、一斉にこちらへ向いている)
やめて……こっちへ来ないで……
(自分の顔をわしづかみにするように、両手で口元を押さえていた)
(怪物が向ける器官は、似すぎている……)
(あの日、自分の処女を散らした魔物に)
津綺子?
(突然の悲鳴に思わず振り返る)
(どんなに醜悪な相手、どんなに凄惨な光景、どんな時にも悲鳴などはあげた事などなかった)
(そのパートナーが目を見開き、恐怖に怯えている)
津綺子、どうしたっ!
(声を張り上げ、呼び掛けるが効果はなく)
(その隙をつくように、数本の触手が、迫水と津綺子に襲いかかる)
っ!くっ!この…っ!
(波打ちながら自分に迫る触手を払い、打ち落とし)
(棒立ちになった津綺子の前に立ち塞がる)
ぐぅ…っ!
(四肢と首に触手が巻きつき、締め付けてくる)
くぅ…この…っ!
(巻き付いた触手を、力任せに引き剥がし、千切る)
(迫水の手から投げ捨てられた鎌首の断片が、津綺子の足元に落ち)
(地面の上でグネグネと蠢く)
(目の前の直に触手が襲いかかる)
(いつもなら、彼に魔物が触れる前に電撃を浴びせることができるのだが)
直さんっ!
(電撃を放つ前に、触手が直を締め上げる)
(彼に触れている敵に電流を流すわけにはいかない)
いけない、こんなことじゃ……!
(直が触手を引きちぎった)
(次の手が伸びて来るわずかな間に、ありったけのエネルギーを本体にぶつける)
死ねっ!
(閃光と、落雷のような重い轟音)
(そして……足もとにうごめく触手の断片)
嫌っ……来るな、来ないでぇっ!
(再び、その小さな破片にありったけの電力を叩きつける)
……っ!!
(小さすぎる対象にあまりにも大きなエネルギーをぶつけたために、衝撃で自分が跳ね飛ばされる)
い……いやだ……来ないで……
(うめきながら、身を起こそうとするが)
(奇妙な叫びをあげながら、凄まじい雷撃に身を灼かれ)
(強烈な臭気を放ち、消炭と成り果てて怪異が動きを止める)
ぐぅ…
(直撃はなかったものの、軽い巻き添えを食らった迫水も膝をつく)
(背後で再び轟音が響く)
(驚いて振り返れば、地面に尻餅をつき、足で黒焦げの消炭を振り払おうとする津綺子の姿)
くっ…
(立ち上がり、震える足を引きずりながら駆け寄る)
津綺子!落ち着け!どうしたんだ!
(肩を掴み、少し乱暴に揺さぶって、尋常でない恐慌状態のパートナーの名を呼ぶ)
…っ……津綺子…っ!
(津綺子の頭を胸に押しつけるようにその身体を抱き締める)
大丈夫…もう終わったから…
(子供をあやすように、優しく語りかける)
いやっ、いや……
(拳を握りしめ、肩をつかむ直を見ようともせず、かぶりを振って)
(抱きしめられれば、その腕にすら一瞬抵抗しようとする)
嫌あ……
(なおも強く頭を直の胸に押し付けられ、ようやく体の力が抜けた)
た……だし…さぁん……
(泣き声を出しながら、パニックの反動で震え始める)
嫌だ……もう嫌……
(直のシャツをつかみ、泣きじゃくりながらわけのわからないことを口にしている)
(まるで幼い子供のように泣きじゃくる津綺子を胸に抱き)
(嗚咽に震える背中を優しくさする)
津綺子…
(頬を両手で包み込んで、顔を仰向けさせると、額に唇を寄せる)
どうしたんだ…?いったい何があった?
(指先で涙を拭い、再び胸に抱き寄せて問い掛ける)
(背中をなでる大きな手、厚い胸筋の奥から伝わる心音、優しい声)
(自分よりわずかに高い体温と、懐かしくさえ感じる直の匂いに、少しづつ荒れた気持が収まって行く)
う……うう……
(額に口づけられ、優しく問われればもう恐怖は遠く去り、ひたひたと悲しみが押し寄せる)
前に……襲われた妖魔を思い出しただけだから……。
(どの妖魔、とは言えなかった。ましてその時に何があったかは)
もう、大丈夫。
ずっと直さんがいてくれれば、大丈夫……。
(炭化し、形骸が消えて行きつつある魔物の方は見ずに)
直さんのところへ連れてってください。
私、もう、今夜は一人ではいられない……。
(記憶の表面に浮かび上がってきた”あの出来事”を、もう一度沈めてしまいたかった)
(少なくとも今は、直がいる。あの時とは違う……一人でおぞましい記憶を押し込めなくてもいい)
(おぼれる人が海に浮かぶ破片にすがりつくように、直のシャツを握りしめたままで)
………
(津綺子の言葉を聞きながら、あの屋上での告白を思い出す)
(「はじめてではない」と彼女は言っていた。今夜の事と合わせて、導かれる答えは…)
………
(出した答えの正誤を尋ねるようなことはしない)
(そして彼女が救いを求めているのなら、自分にできることはただ一つ)
津綺子…
(軽く唇を重ね、恋人を支えながら立ち上がる)
大丈夫…ずっとそばにいるよ
………
(弱々しくすがりつく津綺子を優しく抱き締めて)
じゃあ、帰ろう…
(抱きかかえられるようにして直の部屋にたどりつき、そこに明かりがともるのを見ると)
(帰ってきた、という妙な実感がわいた)
(そこは自分の家ではないにも関わらず)
(小さなテーブルの前にぺたりと座り込み、そこへ肘をついて顔を覆う)
(しばらく、精魂尽き果てたようにそうしていたが)
……今日は、ごめんなさい。
私がしっかりしていなかったから、あなたを危険にさらしてしまった。
(ようやく顔を上げ、姿勢を正す)
(二人で部屋に帰ると、津綺子はペタンと床に座り込み、テーブルに肘をつく)
(疲れ果てたように座り込むパートナーの隣に腰掛ける)
構わないよ、誰だって調子の悪い時はあるさ…
それに俺は前衛、君は後衛。多少の危険は覚悟の上
津綺子を守るのは俺の役目だよ
(ニコリと笑いかけ、姿勢を正した恋人の額を、指先でつつく)
津綺子に怪我がなくてよかったよ
(すぐそばに直が座る。もう少しで死ぬところだったかも知れないのに)
(先ほどの死闘は、ただのよくある出来事の一つでしかないとでも言うように)
(あっさりと構わないと言い切る)
あなたこそ、無事でよかった。
私がどんな目にあっても、自業自得だもの。
でも、私のためにあなたが……
(いつもの笑顔。額をつつく優しい指先)
(固くわだかまった心がほどけるようになごんでいく)
(直の指をとらえて、唇を押し当てる)
あなたに何かあったら、私、もう耐えられない。
今夜みたいなことが、もう二度と起こらないようにするにはどうしたらいいのか……。
(そこまで言って、ふと、唐突に感じた)
(直は、きっとわかっているのだと)
(その上で、今日の出来事を許してくれているのだと)
……直さん、ごめんなさい。
(直の指に唇をふれたまま、また涙があふれてくる)
俺は、君が傷つく事に耐えられない
何があっても…君を守る
(指先に柔らかい唇の感触を感じながら、宣言する)
(やがて、津綺子が静かに涙を流す)
なんで謝るのかな…?
言っただろ…津綺子を守るのが俺の役目だって
(敢えて本当の理由には触れず、津綺子にも、そのことを告白させないように)
(こちらから唇に指先を押しつけて、言葉を封じる)
(直の指が唇に押し付けられ、そのまま語るべき言葉を失って)
(つるりと頬を伝う涙を、拭うこともせず、直を見上げる)
あなたが前に言ってくれたこと……
私が傷つくなというなら、もっと強くなるって。
どうしたら、そんな風になれるんですか?
あなたに何かあったら、それも私のせいであなたが……
そんな風にならずに済むには、どうしたらいい?
あなたが私を守ってくださるのに、
そのあなたを、私が危険な目に合わせてしまうなんて……!
(どれほど愛されても、傷ついた過去はなくならない)
(心の傷もまた、愛されて癒されたようでも、何かきっかけがあれば血を吹く)
(それはもう、止めることはできないのかと、暗い絶望が心に忍び寄る)
(津綺子の視線を真っ直ぐに受け止める)
俺は強くなる、たとえどんな事をしてでも
あの頃のように、魔物を倒し、魔物を喰らい、力を蓄える
それで君を守れるのなら、何も苦痛は感じない
それよりも、君が傷つくことの方が耐えられない
…強くなるんだ、君も
俺を守れるくらい、心の剣を研ぎ澄まして、俺を守ってくれ
俺は君を、君は俺を…お互いが、お互いを守るんだ
(今日、恋人の心の傷が開くのを見た)
(どんなに愛して癒しても、容易く口を開き、吹き出る傷)
(どうしたら、いいのか…答えは見つからない)
【ごめんなさい、遅くなりました】
(お互いがお互いを、と強い言葉で告げられ、力強くうなずき)
(そのまま互いの腕の中に、暗い予感を忘れる)
(一夜の間、体を重ねて慈しみ合い、何度も激しい悦楽に酔い)
(ただ直がいてくれさえすれば、もう何も恐れることはないのだとほとんど信じそうになるが)
(明け方、一人で自分のベッドに戻り)
(送ってくれた直が家の前から去るのを、窓から見送る)
私の弱さは、あの人のアキレス腱になってしまう……。
(これから先、同じ様な形態の魔物に会うたびに、同じことを繰り返すのかと)
(今はただ、直のために自分の心の傷をもてあまし、やり場のない不安を抱えていた)
【今回は、こんな形で締めました】
【そちらの締めを確認するまでいます】
【もしお時間があれば、避難所でぜひ打ち合わせをお願いしたく】
(恋人を引き寄せて、そのままシーツの海に身を投じる)
(夜が明けるまで、身体を重ね、時に激しく、時に優しく)
(溶けるほどに愛し合い、幾度となく果てた)
(明け方、津綺子を送り、ふと見上げると、窓からこちらを見送る少女の姿)
(手をあげながら、彼女が心の傷をいつまでも負っていなくてはならない事を思い出す)
(彼女を開放する術はないのか…闇の中を手探りするような不安を心に抱えたまま、帰途につく)
【これでこちらも〆ます】
【では、スレをお返しして、避難所へ向かいます】
待機解除ノシ
微妙な時間ではありますし、少し久々な感もありますが……まあいいでしょう。
今日は、少し気分がいいのです。と、それは別にどうでもいいことでしたね。
では、今しばらく待たせてもらうとしましょう。
ああ、プロフの方は
>>4辺りを参照してください。
やあ、絡みに行く行くと言いながらやや出遅れた感がありますが
良かったらお相手願えますか?
ええ、まだまだ巻き返すには十分な時間がありますとも。きっと。
こちらは構いません、さて、どのように始めましょうか。
さてさて…真賀樹くんから貴女を倒すための協力の依頼を受けていて
それはロールするまでもなく、行間で済ませて構わないと避難所で話しがついてるので
貴女の身に起きた異変や目的を真賀樹くんが知る程度には知っている設定で、出くわすことも出来ますね
…そうなれば逆に昼でも夜でも構わないことにもなりますが…
ふむ、あまり捻りの効いたのは浮かびませんでした。面目無いです。はい。
では、無難に夜の公園辺りで始めましょうか。
人通りもなく、多少派手に暴れてもすぐには人は来ないはず。
そんな場所で、私はベンチに座って本を読んでいます。
ロクに光源もないというのに、全く以って目に悪いことですが。
そして、そこにあなたが通りかかった。もしくは、そこに私が居ることを知り、やってきた。
そういった感じで始めましょう。後のことは、やりながら考える、ということで。
ええ、それで了解です。
今の貴女がどんな本に興味を持つのか、ふふ、やや気になるところですね。
後はやってみての…と。では書き出しお願いしてよろしいですか?
………。
(薄暗い電灯がぼんやりと照らす公園。薄暗い世界の中に一人座って本を読む)
(ぱらりぱらりと、ページをめくる手はそれなりに速く)
(それでも内容自体は理解できているのだから、やはりこの体は便利と言わざるを得なかった)
(何せ、予想以上に長い時間をかけて、彼らが扱いやすいように誂えた体なのだから)
わかりませんね、どうにも。
(ぱたり、と不意に本を閉じて。文庫サイズのその本を傍らの紙袋に納めると、小さく嘆息を一つ)
やはり、フィクションには限界があるのでしょうか……それとも、問題は我々自身に?
ですが、やはりこの問題が理解できないことには……困りましたね。
(そしてまた、本を取り出し読み出した。ハードカバーの、分厚い本を)
(――薄暗い視界の先、浮かび上がる彼女は本を読んでいた)
(使い魔が送ってきたビジョンそのまま、手元だけがページを捲って動いている)
…あまり賢明ではないですよ?
(呟いた言葉は自分自身へのもの…そう賢明ではない)
(先日、真賀樹から貰った初めてのメールの内容)
(彼が相棒と認めた霧原朱音の異変と、阻止の依頼…恐らくは殺害の依頼と限り無く同義)
(彼我の戦力を幾度も吟味した結果「今夜の自分」には有効な手札が少ないと判断した)
(それでも彼女の元へと足を向けたのは、やはり賢明ではない)
……こんばんは。お久し振りです。
その後、ちゃんとしたお礼も出来ず失礼しました。
(彼女が佇む頼り無い街灯の光の輪の中に入る)
(…まだローブは出していない。真賀樹の情報によれば以前の記憶を残している)
(ローブ姿で現われれば臨戦体勢と見て、問答無用で襲撃されるだろう)
(最悪、戦うのはいい。しかし、何にしろ彼女の素性を直に見極めたくもある)
その後、お変わりないでしょうか?
(我ながら白々しい…そう思った)
>>407 (声が聞こえた。本に意識を集中させていても、その声くらいは聞こえていた)
(だから顔を上げると、そこにはどこかで見た顔があった)
(彼女の記憶を辿ってみれば、そこには面白い奴、いろんな意味でバカな奴、と遺されていた)
ええと。ええ、確かにお久しぶりだとは思うのですよ。
ですが……どちら様でしたか、申し訳ないことに、名前を忘れてしまったようで。
(そう、とどのつまりはそうとしか遺されていなかった。故に、彼を呼ぶべき名は知らなかった)
(本を下ろして、申し訳なさそうに頭を垂れた。もちろん表情など、夜の帳とベールに隠れて窺い知ることはできなかったけれど)
変わりましたね、色々と。
もしかしたらあなたもご存知なのではないですか?今の私のこと。
(ただわかること、この男は今においても底が知れない)
(ならば、今の自分のことを知られていても不思議はない。何せ、最近はそれなりに活発に動いている)
(だから、ひとまず軽く揺さぶってみた)
(そして、それと同時に観察もしていた。この男が、今抱えている疑問を解く手がかりになるか否か、ということを)
>>408 …やれやれ、紙鑢で逆撫でされたようだ…
(ゾッとする違和感。人の身に宿りながら人でなく、むしろ人の敵と言って差し支えない存在)
(…にも関わらず口から紡がれた言葉は人のように礼儀正しく、上辺だけなら霧原朱音よりも友好的にさえ聞こえた)
(まだ蒸し暑さの残る夜、肌が粟立った)
……さて?服装から察するにお身内に不幸でもありましたか?
或いは、繁殖期でも来て種付けに勤しんでる…とか?
(これも予想外。言葉で揺さぶりを掛けてきた)
(どうやら動物的本能の塊ではなく、知性を纏うらしい)
(ならばと、それなりの言葉を返して探る。言外には「貴女の異変は察している」と含めて)
>>409 それはまた随分と、痛々しげな例えですね。
皮膚と言うのは大切ですよ。これがなければ、そよ風一つとっても激痛をもたらすものになる。
それをわざわざ削ぎ落とそうというのですから……と、例え話にまともに付き合っていても仕方ありませんね。
(そう言って、苦笑めいた表情を浮かべた……ような気がした)
そうですねぇ……確かに、最近は我々にとっても不幸は多くありますね。
もちろん、それ以上の成果もあるのですが。
(一人の適格者の影には、少なくとも三人の出来損ないがいる)
(それらも全て同胞とするならば、彼の言葉は間違いではなく)
(故に、彼女の服装もまた、あながち間違いとは言えなくもなかった)
あはは、これはまた面白いことを仰る。
ですが、あながち間違いとも言い切れませんね。そして、我々は常に繁殖期だというのが困り者です。
(そっとベールを上げて、小さく首を傾げて見せて)
(普段の彼女の様子と比べれば、あまりにも不自然に自然な笑みを浮かべて)
どうですか、あなたも私と番ってみませんか?
(冗談交じりに、そして多分に本気であることもにじませて、彼女は囁いた)
>>410 ほう……
(例え話に冗談を交えて応じ、苦笑めいた反応もする)
(こと会話にかけてなら以前の霧原よりも円滑にこなせそうだ)
(――そんな感想をあの彼女が聞いたら、やはり苦笑くらいはしたろうか)
まあ、人間にしても、増える気も無いのに年がら年中繁殖期ですが
…業の深い生き物は変なところが共通するんですかね?
(小首を傾げて、笑顔を見据える。ベールの下から覗いた笑顔は)
(驚くほどに柔和で穏やかで…以前の彼女に在った不敵さも、そして熱も無い)
貴方も――ですか?男性を誘う言葉としては、いささかどうかと…
まあ、僕は女性の浮気には寛容ですけどね、ふふ
さあて…貴女と番って何のメリットがありますか?
不肖、瀬尾司…あ、僕の名前です…生半可な力には興味はありませんよ?
(彼女の声音はたぶんに本気混じり)
(冗談ならば聞き流したが本気なら、水を向ければまだ相手の意図や価値観を探れるだろうかと思い)
(…もっとも、自覚する悪癖の一つ、好奇心も働いてはいるのだが)
(ともあれ問うてみる)
>>411 人の体を使っているわけですからね。ある程度は似てしまうのかもしれません。
(使う、と言った。それはやはりもう、彼女自身が人ではないと自負する証)
ですが、人でありながら人ではないというこの身にも、ちょっとした悩み事はありまして。
それを解決するにはどうしたらいいものかと、色々書物を漁っていたのですけど、どうにも結果は芳しくない。
(静かに頭を振りながら、残念そうな声色で)
これは失礼、生憎とそちらの作法の方も、一緒に忘れてしまったようです。
(元の彼女であれば、もう少しは艶のある誘いも投げかけられたのかもしれないが)
(そんな言葉も忘れてしまって、出てきたのはこんな言葉ばかりだった)
メリット……ええ、ありますとも。あなたが今まで知ることのなかった、新しい世界が見えると思いますよ。
……運がよければ、ですがね。
(只者には見えないこの男。それでも、適格者足り得るかどうかはやはり博打でしかないわけで)
では、司さん、とお呼びしましょう。司さん、あなたが力を求めるなら、それを与えることも吝かではない。
そう、我々は思っていますよ。もちろん、あなたが人間であることに固執しなければ、ですが。
(あくまでそれは直感的なもの、それでも、半ば確信めいたもの)
(この男は、知っている。どこまでかはわからないけれど、今の自分のことについて、かなりのことを知っている)
(ならばこれ以上探りあう必要もない。乗るか反るか。聞きたい答えはそれだけだった)
>>412 ふむ、悩みを解く術を求めて本を…ですか?
……貴女が許すならお力になれるかもしれませんが。
(今夜、この霧原朱音、いやシードから与えられた様々なもののうち)
(最も、驚愕に値する言葉を聞いた。悩みがあり、本を読む…あまりに人間くさい行動)
(これに返した言葉だけは一瞬、何の警戒も無かった)
ああ、気にしなくても「霧原朱音さん」も…色気はありましたがデリカシーは
ぜんっぜん無い方でしたから。はい。
(いやに力を込めて断じるが、口調には届かない思い出を懐かしむ風が滲む)
(思い出されるのは、乱暴に自分を担いでいった、あの姿)
(あの夜の、気紛れと好奇心と多少の親切とに彩られた笑顔)
では本題に入りますか。
――答えは否、です。
僕は自身の実力で確実に高みに行きます。
運に賭けて、あまつさえ自身の尊厳も意志も手放すなど
まったく以て…いや、彼女ならこう言うでしょうか…
「つまらない」…と。ふふ。
(スッと一つ、息を吸うと滔々と述べる)
(分かり切ってはいたが、所詮は別の生き物故に交わる道はないのだろう)
(最後に霧原の言葉を借りたのは、彼女という存在への自分なりの手向けだった)
>>413 そうですか?……では、一つ尋ねてみましょうか。
あなたが、まだあなたであるうちに。
(その問いの答えが何であれ、今こうして目の前に立ちふさがる彼を見逃す道理はない)
(ただ、答えが得られるかもしれないのなら、それに乗ってみるのは十分有意義であるはずだ)
(そう、考えて)
何故人は……いえ、これはあくまで小説の中の話なのですが。
(取り出した本は、所謂SF小説と言う奴で)
何故人は、異形と化した元仲間というものを討つことに抵抗を感じるのでしょうか?
我々にはそれがわからない。適格者になり損ねた出来損ないを消すことに、なんら躊躇もしないのです。
何故、人はそれに躊躇してしまうのか。二度と取り返しのつかない変貌を遂げてしまったものに対しても。
躊躇うことを、やめられないのか。私は不思議でなりません。
(人の知識を持っていても、人として生きていた経験を持っていたとしても)
(今の彼女に、それを理解することはできなかったのだった)
……そういう答えが返ってくることは、想定できました。
我々も、我々であることをやめろと言われれば拒みます。生き物であれば、当然と言うべきでしょう。
つまらない……まったく、気に入らない言葉ですね。
(初めて。今の彼女が生まれて初めて、苛立ちのような表情を見せた)
どれだけ完璧な論理を並べても、どれだけ利のある提案を並べても。
その言葉が全てを壊してしまう。「つまらない」「気に入らない」
……そんな言葉で全てを決めてしまう、その「霧原朱音」という人間が、私は大嫌いですよ。
(不機嫌そうな表情を隠すこともせずに、ぎしりと小さく歯噛みして)
>>414 …人が人であるが故…陳腐で背中が痒くなるような言葉を使うなら
――愛とか情とか…そんなものでしょうかね
例え、全くの異形に成り果てて取り戻せずとも…亡骸に、髪の一筋に想いを重ね、縋る
それが人ですよ――ああ、僕も例外ではなく。
朱音さんを、わりと嫌いではありませんでしたので、この状況は残念ですね。はい。
(彼女の口から出た問いは、所謂人間の愛情や友情といったものへの疑問)
(そういう感情が存在しない生物だからか、或いは経験がまだ足りないのか)
(たしかに失われた者は戻らない。まして今のように)
(以前と同じ姿のまま敵意を向けて来るとなれば、躊躇いは命の危険にも繋がる)
(それでも――自分はその人間の感情を不要とも愚かとも思いはしなかった)
ふふ…ようやく人間らしい外見に中身が追い付いてきましたか?
いい顔するじゃありませんか…でも朱音さんの怒った顔はもっと恐かったですよ?
(霧原朱音が嫌いだと言う彼女にとって、同列に並べられ、比べられて笑われるのはこの上ない侮辱だろう)
(しかし、そう感じながらも敢えてやる)
(どの道、刃を交えるなら彼女が冷静でない方が足元を掬える…かもしれない)
…ああ、人間には動物的な本能と知性と感情があります
朱音さんはね、その感情を理解し、何よりも興味を持って楽しんでいました。
それを出来ない今の貴女は…全くと可哀相で「つまらない」生き物ですよ
(更にトドメとばかりに大上段から切り捨てるような言葉)
(彼女を挑発できそうなキーワードをふんだんに盛り込んで)
(性格なのか、なんなのか…こういうのは得意だ)
>>415 言葉の意味は知っています。そして、そういう概念があることも知っています。
ただ、それが何なのか、ただそれだけがわからない。どれだけ書物を漁っても、答えが見えません。
そこに、答えがあると思うのですよ、私は。
……何故、適格者でありながら自我を保てるものが居るのか、その答えが。
(きっかけは、とある一人の適格者とその出来損ない)
(彼女達はもともと姉妹で、妹は選ばれ、姉は選ばれなかった)
(だから消せと命じて、それは拒まれた。故に彼女は、その姉妹を消した)
(そのときの蟠りが、今も消えていない)
一緒にしないでいただけるとこちらも助かるのですが。
私は、いいえ。我々は人間ではない。いわばその皮を被った全く異なる生命体です。
別段、人類よりも優れているなどと偉ぶるつもりはありませんが、我々とあなた方は違う。
それだけは、どうかお忘れなきよう……っ。
(今の自分を、あの女と重ねて言う口調。何故だかそれが気に入らない)
(気に入らない、という思考に至ってしまった自分がまた気に入らなくて、それが延々とループする)
(血がにじむほど唇をかみ締めて……と言っても、今の彼女の血はにじみ出るようなものではないが)
(無理やりに、苛立ちを押し込めると)
私は……我々はっ!人の評価など必要としていないっ!
あなた方はただ、宿主であれば、適格者としてあればいいっ!
(これ以上、こんな言葉を聞いていたくはなかった)
(ならばどうすればいい?答えは、今も昔も変わらなかった)
(壊す。ただ全力で。左手の手袋を食い破って、肥大化した手甲が現れた)
(振りかざして、駆け出した。何かを振り切るようにして)
>>416 適格者でありながら…ですか。
たぶん、貴女の予想は、そう的外れではありませんね。
答えは恐らくそこでしょう…しかし、残念ながら僕も概念を言葉や文字で説明出来ても
貴女の「心」に理解させてあげることは難しいです
(適格者でありながら自我を…霧原朱音もその類だったのだろうか)
(そして彼女はそういった適格者の存在する理由を愛や情に見出した…それが何故かまではわからないが)
(理解すればこの人の身に宿る存在にも何か変化があるのか…しかし、感情を理解させる)
(これほど単純で、難しい話しもまた無い)
…ああ、でも怒りを教えてあげることは出来ましたか?
何も知らないウブな女性に悪いことを教えるなんて、ふふ、ゾクゾクしますね
(膨れ上がる水の手甲。シードは沸き上がる怒りに任せて、爪で引き裂かんと構える)
(それを見ながらもあくまで軽口を叩いて、身にローブを纏う)
言うことが矛盾してやしませんか?
引き裂いたら宿主になれませんよ。理論的に考えると。ね?
(憤怒の一撃。その速さと圧力たるや…横にも後ろにも避けられまい)
(一撃で致命傷を避けても戦闘不能は必至。あとは彼女を怒らせた代償を体で払うことになろう…ならば)
――ッ!…ぐっ…はは、押してダメなら…とは言いますが
(全力で前へ。幸いに彼女の攻撃の軌道は突きではない)
(遠心力に従えば踏み込めば踏み込むほど、中心に近付くほど力の作用は衰える…そう計算したわけだが)
(彼女の手首よりやや下のあたりが、自分の肩に重く叩き付けられ…正直、脱臼した)
…さて、行きますよ?
(脂汗を流しながら無理矢理に笑顔を作ると、早口に呪文の詠唱を始める)
(この至近距離。まともにやって勝てはしない。ならばせめて生き延びる手段を講じる)
>>417 ならば、やはり私は知らなければならない。
「心」というものが何なのか、何故、それが我々に抗う術となりうるのか。
……そう、あなたでも、答えにはなり得ませんか。ならば、もういいでしょう。
あなたも我々になりなさい。「心」も自我も、捨て去って。
(そして彼女は気づけなかった。彼女が言う「私」という言葉)
(それがいつしか、この体を指す言葉から今の彼女自身を指す言葉へと変わっていたことに)
(「我々」と「私」が、別物となりかけていることに、彼女は未だ気づくことができなかった)
……あなたの知っているあの女は、そのくらいのことで死ねますか?
あなたも、それと同じになるんですよ。一度くらい……死んでおきなさいっ!!
(今しがた指摘された、怒りと言う感情。生まれたばかりの感情を制御できずに)
(それはあたかも泣き叫ぶ赤子と同じように、ただありったけの力と感情を込めて)
(鋼水の刃は振り下ろされた、しかしそれは致命の一撃とはならず、逆に接近を許してしまった)
……させはしません。水が、決まった形を取るはずがないでしょうっ!?
(肩に食い込んだ手甲、それをそのまま無数の銛へと変えて打ち出せば)
(この至近距離、かわす術もなく全身を打ち抜き、瞬く間にこの男をただの肉塊と変えることができる)
(そのまま即座に「シード」を打ち込めば、同胞とすることもできる)
(負けるはずがない、そんな慢心ゆえの愉悦。そしてそれと相反する怒り)
(生まれたばかりの感情は、それを受け止めきれずに、弾けた)
あぁァぁぁアぁぁァァっっ!!
(慟哭、そして今まさに打ち出されようとしていた銛がすべて、弾けて落ちた)
(細腕の形を成した左手と、そのままの右腕で額を押さえて後ずさる)
やめろ……何故、まだ出てこようとするっ!!
(内なる何かにそう叫ぶ。その意味は解せなくとも、今の彼女が隙だらけであることだけは)
(誰の目から見ても、明らかだった)
>>418 ……くっ!間に合わない…かっ!?
(肩にめり込んだ左腕。それが銛へと変じてゆく)
(計算外だったのは、彼女の攻撃の速度と衝撃)
(苦痛と共に乱された精神の集中は魔力の練成を確実に遅め)
(一撃をやり過ごして撹乱、離脱と言う目論見に致命的なズレをもたらした)
(頭に過ぎったのは、優位者たる彼女が想像したのとそう違わない串刺しのイメージ)
(まさに死を覚悟した刹那だった)
……――む?なんだ…出て…くる?
と言うと…中にいる…ああ、朱音さんですか?
(一瞬、来るべき苦痛に備えて身を強張らせた…が、来ない)
(代わりに叫び、呻くのはシード…その言葉の意味は切れ切れだがどうにか察することが出来た)
(恐らく、どういう理屈か知らないが彼女の意識が同時に一つの肉体に混在し、今、主導権を奪い合っているのだろう)
ふふ、感情の力って恐いですよね?
さっきの貴女の言葉、お返しします。
貴女の知る朱音さんは「そのくらい」じゃ死ななかったみたいですね?
もちろんこれくらいでも死にはしないでしょうが…水には昔からコレですよね
何度も朱音さんに助けて頂いて、この仕打ちもどうかと思いますが…ハァッ!!!
(死闘の最中に口元が弛む。まだなお、消えもせずに足掻く霧原朱音の自我の強さ)
(…あの不遜に口角を吊り上げる笑顔が脳裏を過ぎった)
(練りあげた魔力を電撃に変えて、彼女の、水が形成す左腕に放つ)
(とても絶命など望めまいが隙だらけの今なら、最悪でも逃げる間、身体機能を鈍らせるくらいは期待出来るだろうと願い)
(無数の声が響いていた)
(嘲笑う声、叱咤する声。親しげな声に妖しい声。切なげな声に艶っぽい声)
(その全てが、彼女と同じ声であって、くるくるとめまぐるしくその様を変えていた)
(その、至極耳障りな騒音に表情を歪めながら、後ずさる)
く……は、かふ。何なんですか、あなたはぁっ!
ふざけるな……あの女はもう死んだ。私が、私が殺したんだっ!
なのに、何故……声が、っ!?うあぁぁぁぁぁぁっ!
(その声に耳を傾けたいという欲求と、それを振り払わなければならない本能とが戦っていた)
(そんな葛藤の最中だからこそ、打ち出された電撃に対して一切注意を払うことなでできるはずもなかった)
(電撃は確実にその腕を捕らえ、そして全身を焼き尽くしながら駆け巡る)
(痛みと、痺れと。そして脱力感とが彼女の体を、地に伏せさせた)
……ふ、ふふ。ふははははっ。
(地面にその体を投げ出したまま、肩を揺らして笑い出す)
全く、面白いなぁ。人間ってのは。
(立ち上がりながら、呟いた。その口調はとても近いものだった)
(霧原朱音の、その言葉と)
あいつが中途半端に出てきたおかげで、そして、お前が派手にぶっ飛ばしてくれたおかげで。
いい感じに、馴染んできたみたいだよ。
(その顔に浮かぶ表情は、霧原朱音のものとも「シード」のものとも違う)
私は、「私」というのを手に入れたらしいよ。
(霧原朱音としての自我、そして「シード」としての意思。渾然一体となって、新たに生まれてしまったもの)
いいねぇこの感じ、これならきっと、今までよりももっともっと、上手くやれるよ。
(それは彼女の自我を引きずって尚、人類に仇成す類のものであった)
でも、今日はもう限界だな。
(すっかり細くなってしまった左腕と、そこに頼りなく埋め込まれた赤い宝石)
(いずれも、これ以上の戦闘の継続に耐えうるようには思えなかった)
瀬尾司。借りは返すよ、いつか、必ず。その日を楽しみにしていることだ。
(そして踵を返して去っていく。電撃の影響はまだ抜けず、時折足を引きずってもいたが)
【では、今日のところはこれで〆とさせてもらう】
【遅くまで付き合ってもらってすまなかったね。それじゃお休み】
>>420 おや…戻っ、た?
――いや…違いますね……
(聞き馴染みのある、あの口調。一瞬だが、ショックでシードの意識が消滅し)
(決して善良な市民ではないが、人類の敵という程に物騒じゃない霧原朱音が蘇り)
(めでたしめでたし――そんなものを夢想したが、現実は甘くなかった)
……自我…?いや、同化したとでも?
――不覚、ですね。
(現実は更にタチが悪い。シードでもあり、霧原朱音でもあり、それらを内包しながらも尚、人の仇)
(出来上がったのはそんな化け物…錬金術師として今まで幾多の魔を生み出したが)
(皮肉にも最悪の化け物を産む引き金を、自ら引いてしまったようだ)
――やれるものならば。
僕も自身の義務としてきっちりと後始末して差し上げますよ
(そうは言ったが明らかに弱っている彼女を追撃はしない)
(自身のダメージと戦力の心許無さ。そして変化を遂げた彼女の底も知れない)
(まだ戦うにはあまりに不安が多く、ただ彼女の背が視界から消えるまで見送るしかなかった)
【ではこちらもこれにて〆ます】
【いやいや、専ら僕のレスが遅いのが原因ですのでむしろ申し訳ない限りです】
【なので、こちらこそお付き合い頂き本当に有り難うございました】
【プロフは>>28】
【天美さん待ちだよ】
(虹色の燐光を放つ蝶が舞っていた。その蝶は浮世の存在ではない)
(それは変事の予兆。それも「知っている事」だ)
(ジャリジャリと夜道を往く。月を眺めながら、何を考える事もなく)
(ジャラジャラと、多数のアクセサリーが歩く度に音を立てる)
――ふぁ・・・・・・・
(呑気に欠伸をひとつ。緊張感皆無である。何かが起こると分かっていれば)
(慌てる必要はない。そう天美 有沙は考えている。それに対応する力は)
(己の中にあると確信していれば、緊張はむしろ無駄であり行動を阻害すると考えている)
(静まり返った裏路地。繁華街の裏手。喧騒に満ちた通りの裏側にある静寂)
(有沙は歩きながら待っていた。変事を。怪異を。混沌を。それが契約だから)
ふーむ……しけている、なぁ……。
(包丁についた血を、うち捨てられたポリバケツに溜まった雨水で洗いながら、私は呟いた)
(背後には、陰惨な光景が広がっていたが、私はもうそれを見ていない。
通りすがりの、水商売風の女を、そっと闇に乗じて、首を裂いて殺した……噴き出した血が、路地の地面、
ビルの壁、空調の室外機などに、スプレーしたようにはりついている)
(女のハンドバッグの中には、財布があり、手に入った金額は十数万……悪くない)
(しかし、なぜか今日は、嬉しい気持ちにならない)
(ちょっと前までは、殺すだけでも、それなりに楽しかった)
(お金が手に入ると、もっと楽しかったが……殺す楽しみの方が、より強かった)
(それが今は、どうだ……血の匂いが臭い。肉を切る感触が気持ち悪い。女の死に顔は醜い……)
(楽しくなんか、全然ない)
(お金が手に入るからいいものの、今や殺人は、やらなければ仕方ないステップのひとつになっていた)
……やれやれ……どういう心境の変化かな……。
つまらない……つまらない。世の中はこんなに、どんよりしていたものだったか……。
(いやぁな気分で、星の少ない空を見る)
(路地を少し行けば、繁華街だ。そちらは、とても明るいというのに、ここは……)
(暗く湿った、薄汚い場所で、私は何をしているのか……)
(その時……背後から、足音が聞こえた)
ひらひらと羽を広げて♪
(何事か口ずさみながら、蝶をのんびり追い掛けながら歩く)
――この世は、蝶の見る泡沫の夢、だったかな。
(倦怠感に満ちた眼が、その存在を認識する。視力ではなく、心の眼で)
(己の内側にある力が、騎士が/死神が、その存在を見ている)
(黒く、そして不安定な精神。この間会った彼より、遥かに不安定なココロのカタチ)
(まだ新しい、血の匂い。打ち捨てられ、心のカタチを失った肉のカタマリ。死体)
(蝶が二人の間を舞う。虹色の燐光を放ちながら)
(殺人。ほんの少しだけ自分の心がざわめくのを感じた)
(「我の剣で切り裂こう」と騎士が/「我の鎌で刈り取ろう」と死神が、裁定を下す)
(まだだよ、と自分に言い聞かせる。判断するほどの材料は集まっていないから)
――あれだね。自首するなら付き合うけど。
どうも、そうはいかないようだね。殺人って懲役何年だっけな、貴方知ってる?
(熱のない声だった。まるで知っているが、興味はない知人に話しかける風情)
(ジャリっと一歩踏み込む。ジャラリとアクセサリーが鳴る)
(歌がきこえる……場違いな、呟きのような、かすかな歌が……)
(振り返った私が目にしたのは、私と同じ年頃くらいの、少年だった)
(眠そうな表情をしている。それとも、疲れているのか? しなびたレタスのような印象の男だった)
(それなのに、身につけているアクセサリーが妙に派手なもんだから、いっそうアンバランスに見える)
……もう少し……聞かせてくれてもいい。歌を。
今、すごく、嫌な気分なんだ……上手な歌でも聞けば、少しは楽しくなれるかも知れない。
(蝶が、ひらひらと飛ぶ)
(これは夢かな? と、一瞬思う)
(美しい蝶だ……悪魔のように。そして少年は、死体を見ている)
(特に感慨もなさそうに。驚きもせず、怖がりもせず、叫ぶ様子もない)
(普通はこんな奴はいない。だから、こいつは夢の住人だ)
(でなければ……今まで出会った連中と同じ、こちら側か)
人を殺した場合……三年以上の懲役。あるいは死刑だ。
日本の死刑は絞首刑によって、拘置所内で執行される。
汚くて痛い絞首刑より、楽で清潔な薬物死刑の方がいいと思うんだがね……どうでもいいことだが……。
(洗った包丁を振って、水気を切る)
(その切っ先は……ああ、嫌だ……少年に向けて)
キミは、警察を遠慮なく頼れる人?
もし、公共機関が嫌いなら、見逃してあげるからあっちに行って。
でなければ……うん、叫び声をあげるんだね。誰か、助けてくれるかも。
(もちろん、逃がしもしないし、叫び声もあげさせない)
(どちらをするにせよ、私はこのかわいそうな少年も殺すのだ)
(……嫌なのに)
・・・・・・・・・歌うのは嫌いなんだけどね・・・・・・・・・・
(矛盾したことを言いつつ、相手を視認しようと眼をこらす)
(レインコートを纏った、声から察するに女性。恐らく、同年代頃か)
(虹色の蝶が夜空へと飛び立った。夢のように静かに)
(或いは、悪夢だろうか、これは?何にしろ、それは蝶の見ている夢であり)
(蝶が二人の少年と少女の夢を見ているという事だろう。主客の逆転?)
ふーん、詳しいね・・・・・・
(自分で振った癖に、興味薄そうな反応だった)
(何にしろ、よくない雰囲気が立ち込めている。彼女のココロが揺れているのが分かる)
まあね・・・・・・はぁ・・・・・・・・
僕は正義の味方でも、救世主でも、漫画の主人公でもないんだけど。
(憂鬱さを隠そうとせず、嘆息する。面倒くさいと、その動作が雄弁に語っている)
一応、死なない程度にボコってから警察に連絡するよ。
過剰防衛になるかも知れないけど、殺されるよりマシだよね。
だから・・・・・・やるなら半端な覚悟でやらない方がいいよ。僕、結構強いからさ。
(突きつけられた切っ先を見て、ゴキンと首を鳴らす。開戦の合図だ)
――グラディウス。
(突如、浮かび上がる白銀の騎士。それが包丁を切り落とさんとして間合いを詰める)
(早く、速く、鋭く、そして常人には視認ができない攻撃だった)
(蝶が、いなくなっていく)
(どこへ行くのか? 飛び去る方を見ていたい気もしたが、まずはこの少年を気にするべきだ)
(とりあえずわかることは、彼が夢にせよ現実にせよ、一般人のカテゴリには分類されないこと)
(そして、こっちの方が重要だが……もう、歌ってはくれなさそうだということだ)
漫画や、ドラマの受け売りさ。
本当は、刑法第何条かも知っているはずなんだが……忘れてしまった。
重要ではないからね……自分に適応されない法律なんて……。
(ああ――寂しい)
(この世は、楽しい私だけの狩り場だったのに……ずいぶん、寂しい場所になってしまった)
(私ひとりが最強として、唯一の存在であるなら、弱者を狩ることは楽しかった)
(生きるうえで、それは当然の権利だったから)
(しかし、私と同等の力を持つ者たちがたくさんいると知って、私の立場は変わった)
(私ひとりの狩り場は、もはや狩り場ではなくなったのだ)
(倒すべき強い者が上にいくらでもいるのに、楽に勝てる弱者を殺すことを楽しみにする)
(それは――みじめなことだ)
(なるほど……私は、自分をみじめに思っているから……つまらないのか)
正義の味方でも……救世主でも……漫画の主人公でも、何でもいい。
(包丁を彼に向けたまま、一歩踏み出す)
ボコるとは、面白いことを言う……過剰防衛とは、なおさら愉快だ……。
(目をまったく笑わせず、唇だけをにやりとさせて)
強いか?
キミは、私よりも?
………………やってみな。
(音もなく、中空に甲冑の騎士が出現し、私に向かって飛んできた)
(それは、発射された、といっても間違いではないかもしれない――すばらしい加速!)
―――おもしろいッ!
(避けきれぬと悟った私は、前にも横にも行かず、後ろに引いた)
(『クオンタム』を発動させ、ポリバケツを通り抜け……ビルの壁面を通り抜け……建物の中へ!)
(少年からは、私が消え失せたように見えただろうか?)
(そして、建物の中を走り……また壁を抜け、少年の真横へ!)
死ねぃッ!
(この世が泡沫の夢だとしても、夢を見ている最中の人間にとっては)
(それが現実。夢の中でも生きていられるなら、それも現実)
(これが現実にしろ夢にしろ、思い通りになせないという事だけは共通している)
(だからこれも当然、ある意味現実なのだろうか?騎士の斬撃が避けられた)
(同時、少女が消えた?・・・・・・・・・まるで悪夢だった。実に不条理で、幻想的だった)
(真横から脇腹に灼熱の痛みが走るのと、退去させた騎士が戻るのは同時だった)
がはっ!
(痛み。これが現実。これも現実。夢だろうと同じ事だ)
かっ・・・・・ふっ・・・・・
(咳込むと、血が口から出た。何処か、重要な器官が抉られたらしい)
(死ぬ、だろう。現実なら。けれど、死ねない。どれほど痛くても死ねない)
――ああ、思い出した・・・・・・コチョウノユメ・・・・・・だったか・・・・・
(その包丁を持った腕を掴んで、じっとその隠された素顔を覗く)
(痛みを感じつつ、それを引き抜く。脇腹から虹色の燐光が放たれ、修復が始まる)
(顔を蒼白にして、脂汗を流しつつ、それでも傷は修復されてゆく。まるで夢のように)
死なないけど、死ぬほど痛いんだよね、これ?
ねえ?どうしてこんなことするの?人殺しってさ、最悪の犯罪だと思うんだけどな・・・・・
(無理矢理笑って見せるのと、騎士と交代した死神が鎌を掲げるのは同時だった)
(ああ、またしても)
(これでもう何度目なのやら……人間の脇腹に、包丁を差し込む、あの重い感触)
(その場所には、骨もなく、筋肉も他の部分より裂きやすい。首と並んで、致命傷を与えやすい部分だ)
(私の悪夢は、もうしばらく続くらしい。この、みじめったらしい悪夢は)
(さっきの蝶はどこへ行ったのか……差し込んだ刃をグリグリ捻りながら、そんなことを思う)
(内臓に空気が入れば、助かる確率はぐっと下がる。助からない、と言ってもいい)
(彼の命は、ここで終わる)
(私は、二人分の死体を始末しなくてはならなくなった)
(彼の出した、あの騎士がなんだったのか、興味はあったが……命に代えられる、というほどではない)
胡蝶の夢――荘子……?
(死に際の、少年の言葉が、はっきり聞こえた)
(血を吐いた唇が呟いた、濁った言葉、だが……)
(なぜ、そんなことを、死に際に言うのかと疑問に思うまもなく、私は異常を感じた)
(目が、合った)
(死ぬしかないはずの者が、生命力を持った目で、私を見た)
(死ぬ気配のない、目で)
(そして、実際彼は死ぬ気もなく、また死なないようだった――)
(燐光が……ああ、あの蝶と、同じ輝きが……)
これは……キミは、キミの力は……いったい……?
(驚愕に身をこわばらせていると、腕を掴まれ、包丁を傷から取り除かれた)
(抜く時に、刃が滑って傷を広げていたが、その裂け目も燐光とともにふさがり、消えていく)
死なない……死なないのか、キミは……。
それなのに……他にも、力があるのか……さっきの、騎士は……?
(私は。彼の、見せられた二つの力を――)
(ひどく羨ましく、思った)
なぜ、人を殺すか? それはもちろん……。
(楽しみのため、と、以前なら答えていた)
(それが、一番だったから。――でも)
お金の、ためさ。――それ以外ない。
(背後に影ができたのに、気付く)
(振り向く。そこには、騎士ではない……死神? 鎌を持った……三つ目の能力!?)
(鎌が、唸りを上げて振り下ろされる! まずい、速すぎる!)
(服に鎌が食い込んだ時点で、非実体化に成功する)
(だが、通り抜けた鎌は……精神エネルギーでもあるのか? 私の精神に、鈍い痛みを与えた)
(酩酊のような感覚が……足元をふらつかせる)
(鎌の一撃を避けられたはいいが……二撃目は、どうだろう?)
おのれ……おのれ! おのれ!
(ふらつきながら距離を取る。冷静に、冷静にこいつを、倒す方法を考えなくては!)
(天美 有沙という男は一度交通事故で死んでいる)
(それが、ある存在と契約をした。あの混沌の海で。集合意識の海で)
(精神を具現化する力と不死の肉体を得て、現世に帰還した)
(そして終わらない、煉獄の様な生活が始まった。どれほど痛くても死ねない生活)
(契約の代償として、果たすべき義務を果たしながら血を流す日々)
けふっ、ちょっとした、チートかな?
(血が止まらない。まだ内部の修復は終えていない。痛みも止まらない)
(けれど、死んでいない。死ねない)
(契約を果たすまでは、永遠に死ねない。この苦痛の中で発狂もできずに)
(驚愕と羨望の眼差し。この力を渇望しているのか、それが何なのかも知らずに)
・・・・・そうか。貴方のココロは全然違うって言ってるけどね。
(返事を聞いた上で、有沙は言った。葛藤。動揺。焦燥。後悔?そして恐怖)
(死神の鎌は相手の精神を斬り裂いた。多少は効果があったらしい)
ま、僕のやることは変わらないけどね。
(自分の決定に責任を持つ。それも契約のひとつ)
(死神を引っ込めて、足もとから騎士を呼び出す。そして飛んだ)
(騎士の剣が両足の裏を支えて、豪力で飛ばしたのだ)
――だぁお!
(上空からの飛び蹴り。そして突進する騎士の剣。本体と影法師の同時攻撃)
(命を取るつもりはない。相手の戦意と戦力を奪うのが目的だった)
(あの少年の力は何によるものか、と、私は考える)
(リンクスに与えられたものでない、ということは、ほぼ間違いない)
(アレは、「ひとりに一能力」しか与えないから……)
(別の起源によるものだとしたら、それはなんなのか? 知りたい)
(それが――リンクスの敵となり得るものならば……)
(表情からも、彼が激痛にさいなまれているということはわかる)
(血を吐き、脂汗に額を濡らしながら、しかしそれでも彼は治りつつあった)
(ぞっとした。不死は、確かに魅力的だ。私でも、欲しいと思う)
(しかし……こんな形の不死は……羨ましがるべきではない)
(なぜって? 恐ろしいからだ)
ハア――ッ……ハア――ッ……ば、化け物め……。
知った風な口を……私の心は……本心を告げる……。
お金のためだ……「それだけ」だ……! それだけが私に、包丁を振るわせる!
(早足で遠ざかりながら、息をととのえようとする)
(あの鎌による一撃は、太陽の光とは違う苦痛を、私にもたらした。頭痛よりも、めまいが強い)
(揺れる視界の中、死神が消え、また白銀の騎士があらわれるのを認めた)
(今度は……何をするのか? 剣が、彼を足元からすくい上げ……?)
(咆哮とともに宙を舞う少年を、私はぽかんと見上げた)
(それと同時に、地上を騎士が走ってくる)
(なるほど、なるほど! 二方向からの同時攻撃!)
(片方を避ければ、もう片方が私にトドメを刺すわけだ……しかし……)
キミに負けていては……リンクスに勝つなど、夢より遠い……。
冷静に行く。悔いのない人生を送るためには……やるべきだと思ったことを、迷いなくやることだ。
…………つまり、こうするッ!
(前方に、騎士に向かって踏み出す。かわすのは、少年の飛び蹴りだ)
(彼は気付いていない。私の能力が、非実体化であるということを)
(つまり、全方向から攻撃されようと関係ない……一分間なら、どんな攻撃でも避けられる)
(もちろん、例外はある)
(光を用いた攻撃。生命エネルギーを用いた攻撃)
(彼の「死神」は、非実体化した私にダメージを与えられることはわかっていた)
(だから、あの騎士も、通り抜けられたとしても、私はダメージを……大きなダメージを受けるだろう)
(だが! それを覚悟しなければ、私に先はない)
(突破しなければ、悪夢は覚めない!)
(騎士を通り抜けた瞬間、全身に何百万もの針が刺し込まれたような、激痛を感じた)
(しかし私は、通り過ぎた……無事に。その先の、ビルの壁面に、通り抜けて入った)
(そこで、私は倒れた……雑居ビルの、無人の部屋の中で……)
(意識はあるが、激痛で動くこともままならない。彼がビルに入ってくれば……打つ手はない)
・・・・酷いね・・・・・結構傷つくんだけどな。
(化け物と呼ばれた事を思い出し、乾いた笑みを浮かべる)
(飛び蹴りは避けられた。いや、あれはすり抜けたと言うべきか?)
(少し、彼女の能力が理解できた気がする。あれは―――)
シュレディンガーの猫・・・・・量子論?覚えてないな・・・・・・?
(騎士の影法師をすり抜けられた瞬間、こちらにも違和感が走った)
(何にせよ、厄介な能力と言えた。だが、狙い目はある)
無制限ってわけでも、なさそうだけどね。
(修復された脇腹を抑える。外部より内部の損傷が激しい)
(コホっと血を吐く。内部の修復は外部より遅い。これもルールのひとつ)
(それでも歩く。歩く。歩く。歩く。ジャラジャラと装飾品を鳴らしつつ)
(彼女の潜り抜けたビルの一室へ。場所は外から把握していた)
(彼女のココロのカタチは既に把握していたから)
・・・・・けふっ・・・もしもさ、この世界が蝶の見た夢だとしても・・・・・・・
それが醒めない夢なら、さ・・・・現実とどれほど違うの?
そんな世界で、ずっと誰かを殺したり、誰かに殺されたり・・・・・
そんな、悪夢みたいな生活を・・・・・・貴方は続けるの、かな?
こほっ・・・・自分が普通に死ねるって、どうして思うのさ?
僕みたいに死ねずに生きてる人間が、此処にいるんだからさ・・・・・・・
・・・・この世界は煉獄――そうは思わないか?
(倒れた彼女を見て、嘆息する。死んではいない。生きている)
貴方のココロは違う事をしたがってる。殺人も強盗も、貴方の望むものじゃない。
それでも続けるっていうなら、僕はこのまま帰るよ。貴方を裁く権利も殺す権利も
僕は持っていないからね・・・・・・当然、警察には通報するけどさ。
(憂鬱そうに言って、壁に凭れかかった。疲れた。肉体も精神も)
(手足を動かすと、がちゃんがちゃんとすごい音がした)
(その場にあったモップとか、バケツとか、いろいろなガラクタを引っ掛けたらしい)
(世界が歪む。グネグネと波打っている)
(立ち上がれない……精神に与えられたダメージは、相当大きい)
(足音と、ちゃらちゃらと金属の鳴る音が、近付いてくる)
(顔を上げると……彼は、すでに目の前にいた)
(相変わらず、血に汚れた姿で……しかし、だいぶ回復しているように見える)
(かなりゆっくりと回復する「不死」だが、やはり死なないというのは本当らしい)
(血を、まだまだ吐きながら……少年はけだるげに、私に声をかけた)
(がり、と、コンクリートの床に爪を立てながら……這いつくばった私は、答える……)
私は……私のいる場所で……私の感じている場所で、幸福なら……それでいい……。
覚めないなら……夢でも、いい……幸せな、夢なら……。
(王様になった私は、何をしよう?)
(きれいな服を着よう。おいしいものを食べに行こう。楽しい遊びを見つけよう)
(短いが……私は、楽しい夢を、楽しんだ……)
(もう、その夢も……色あせてしまったが)
ああ――悪夢みたいだと、思うかい?
キミみたいな、悪夢的ホラームービーに出てきそうな人でも……ヤな人生だと、思うかい。
ふ、ふ、ふ……イヤァ、だねえ――……つらい、ねぇ――……。
煉獄かぁ……面白い言い方だ……罪を焼く場か……この世界で、私は焼かれているのか……。
焼かれて、清められたら……。天国に、行けるんだねぇ……ふ、ふ。煉獄は、そうだったよね……?
(ぐ、ぐ、と、なけなしの体力を振り絞って、上体を起こす)
(そして、それが限界で……壁に背をもたれかけさせ、座った状態を取り繕い、彼を見る)
(歪む視界を見る、夢見がちな目で……子供のように、無邪気な気持ちで)
キミも、焼かれているのかい? この世で?
いつか、天国に行くつもりなのかい? 罪を、償って?
できなきゃ、煉獄じゃないよね……そうさ、ここが煉獄なら、キミもいずれ死んで、天国に行くさ……。
ふ、く、く、く、く、く……。
(笑いながら、私は彼を指差した)
(包丁で、ではない。それは、床に転がっていて、取る体力もない)
キミ。私を手伝え。私が違うことをしたがっていると、キミは指摘した。
私が他のことをするのを、手伝うんだ……指摘して……私に自覚させた以上、その義務があるぞ……。
まさか、いきなり私に襲いかかるとかしておいて……心が違うことをしたがっているとか、説得じみたことを
しておいて……そこまで、おせっかいをしておきながら、放っておくという手はあるまい……?
仲間になれ。犯罪者仲間にではない……煉獄を生きる、友だちに。
(無茶なことを――要求してみた)
夢は、醒めるから夢なんだと、思うんだけどなぁ・・・・・
どうせ幸せを感じるなら、ちゃんと生を実感して、そして死にたいよ・・・・・
(ズルズルと、壁からずり落ちながら、呟く)
(影法師を発動した反動が、肉体と精神を蝕んでいる)
へぇ・・・・・煉獄って、そういう意味だったんだ、知らなかったよ・・・・・
なら言い直そうか・・・・・此処は無限地獄だよ・・・・・
罪人が未来永劫、その罪故に責められ続ける、そんな場所・・・・・
そんなに悪いこと・・・・・した覚えも、ないんだけどね、僕は。
(適当なことを言いつつ、ぐっと足に力を込める)
(この状態には慣れている。慣れてしまった。慣れたくなかったけど)
はぁ・・・・・・これが僕の契約だから・・・・・
その後は、多分、死ねると思うよ。逝けるのは、天国でも地獄でもないけど。
(焼かれているのは本当だ。際限のない責苦に。死ねないという地獄に)
(その果てに浄化されて天国へ行けるとは思ってはいない。そんな希望は抱かない)
そこは、人類の集合意識の海、その混沌に還るだけ・・・・・僕も、貴方も・・・・・
(もう、既に一度逝っているから。そこは天国でも地獄でもなかったと、それだけは断言できる)
(仲間になれ、という誘いに首を振る)
・・・・・生憎と、僕は救世主じゃない。
誰かのココロを救うのは、僕の仕事じゃない。
だから、貴方のココロの面倒は貴方で見るべきだ。
(大分、内部の修復が進んでいるようだ。けれど、痛みは当分残るだろう)
(経験からして、明日の朝には消えているだろうと検討をつける)
・・・・・それにね、僕には、契約がある。だから、本当の意味では誰とも交われない。
だから、貴方は、貴方の想う人と仲間になればいい。そこに僕の席はない。
貴方が殺人を犯さないと言うのなら、僕の選択と決定は、打ち止めだ。
(憂鬱そうに言って、有沙は身体を必死に動かして、部屋を出ようとする)
それでも、どうしてもって言うなら、××学園の二年×組においで。
今度は、喧嘩抜きで話そう・・・・・・
(去り際にそう言って、有沙は部屋をでた)
―――また、か・・・・・・
(虹色の蝶が舞っている。この世界の果てで咲き誇るという、楽園のような花園に)
(棲んでいるかのような、幻想的な蝶が。けれど、有沙はこの蝶を見る度に憂鬱な)
(気持ちになる。これは変事の予兆であり、誰かの死を告げる蝶でもある)
(だから、陽気な態度を装うことすらできない。倦怠感が身体を支配するから)
・・・・・・死ねないね、死ぬつもりもないけど。
けど、やっぱり死にたいかもしれない・・・・・わからないね・・・・・・
(ココロとカラダの痛みを抱えつつ、死ねない少年が夜の街へと消えてゆく)
【こっちはこれで〆多分だね。仲間になってもよかったけど】
【まだ色々あるもんでね。段階を踏んだら仲間になれるかな】
【ともかく、お疲れ様。またよろしくね】
(向こうも限界に達していると気付いたのは、私がもう何の手も打てなくなったと気付いてからだ)
(彼もまた、壁にもたれ……もたれていられないほど、消耗している)
(不死による肉体回復に、あの二体の怪物……やはり、強力な力でも、使い放題ではないらしい)
無間地獄とは……夢のない言い方をするね……。
夢のようなヤツなのに……キミという男は……。
ふ、ふ、ふ、ふ……不条理だからこそ、煉獄だか地獄だかなのさ。
いい奴ばっかりのところより、悪い奴の多いところの方が、不合理に決まって……うう。
(言葉がのってきたところで、気分がぐっと悪くなる)
(やっぱり、この状態だと、反撃は無理そうだ。向こうも、同じ状態であれと願う)
契約……? 何者かに、代償と引き換えに……その力を与えられたのか?
(つまり、リンクスと同じような奴が、他にもいるということになる)
(そして、そのあとに続けられた、「人類の集合意識」という言葉……)
そうか……それが、キミの「親玉」か……。
そして、キミにとっての「あの世」でもあるということだな。
……アーサー・C・クラーク……。ふ、ふ、ふ……ふと思い出した……。
海か……キミの戻る場所は……。
……そうか……来ないか。
(仲間になる資格のある者に拒絶され、ついつい落胆してしまう自分がいた)
(彼には、彼の目的……使命のようなものがあり……そこには、私は割り込めないのだ)
(とても寂しいことではあったが……彼の言うことは、納得できた)
(私の進む道ぐらいは、誰にも支えられず、自分で見つけなければ)
(仲間は……同じ道を進む者だけだ。他の道を行く者に、無理は言えない)
××学園……? 二年×組か……うん……。覚えた。
(自分の通う学園……しかも、同じ学年とは……)
(やはり、中心なのか? あの学園は、何かの……)
さようなら。まだ……道を歩かせてくれること。感謝する、よ……。
(ずるずると、壁にもたれる背中が滑り、また床に横になる)
(最後に見た、出て行く彼の背中は……虹色の燐光に、輝いているように見えた)
(その光は、この世のものだっただろうか……それとも、あの世の光だっただろうか?)
(私には、たぶん永遠にわからないだろう)
【こちらも、こんな感じで締めで!】
【いやいや、いきなり殺人鬼の仲間になってくれなんて、こっちも無茶を言ってたからね】
【少しずつでも仲良くなれたらいいな……次は共闘とかしたいところだ】
【じゃ、楽しい時間をありがとう! おやすみ】
【さて、方針転換版を投下しつつ。今後からこの方向でね】
【名前】 須佐乃 水琴(すさの みこと)
【年齢】 十七歳/高等部2年
【性別】 女
【サイズ】170cm / 64kg B88 / W63 / H90
【容貌】 顎を過ぎる長さの黒髪、吊り目な近眼眼鏡っ娘(ツーポイント)。
姿勢は良いのに、雰囲気は緩く不真面目げ。制服も崩し着が基本。
【能力】 体内に循環する「勁」。運動量と霊力。身体能力を高め、鋼で不浄を討つ。
瞬発力と精密さに優れ、持久戦には向かない。徒手と剣術(日本刀)を扱う。
勁は異能でなく「天分」であり、超常能力には相性的に不利なことも。
【希望】 雑談 エロール 戦闘(秒数ルール可)
【NG】 猟奇 特殊プレイは事前にご相談ください。
【弱点】 遠距離攻撃 自然現象的な能力 朝
【備考】 非道の異形・異能者を狩る血筋「須佐乃」の末裔。現当主の嫡子。
家はここ数代、退魔稼業を廃していたが、水琴の代から再興。
その実は、水琴は「ヒト(異形)を殺害する快楽」への依存症を持つ精神異常者で、
それを狩りで満たさせ、やがて異形に殺させるという現当主の意向。
「自身の死」に対する恐怖が昂揚を緩和し、異常性を自覚するには至っていない。
依存症には悪意は一切絡まず、その手、剣にて誰かを殺すことで満たされる。
ちなみに不妊症で、精神異常と勁の才は誰にも受け継がれぬまま消える宿命。
性格はマイペースで面倒くさがり。夜型で遅刻欠席も多い。
学力は平均。登校日数が少ない割りに人付き合いはいい。
現当主の父は地主で家も裕福だが、清貧思考なため水琴の小遣いは雀の涙。
自分が安心して暮らせる平和を何より望む。
ちゃんと書き込めていたら待機します。
プロフは
>>95です。
>>438 さすがに…どうかな?
もし落ちていないようなら、お相手をお願いしようかと
22時頃までは待ってるよ
>>439 はい、まだいます。
この時間だとあまり長くできないかもですが。
>>440 今のうちにリミットを聞いておこうか
長くできないようなら、軽く日常ロールみたいなのがいいのかな?
>>441 0時までは大丈夫、それ以降は眠気次第です。
待っている間に考えていたのが、
私が引ったくりに襲われた場面に遭遇したら?
なのですが、どうでしょうか。
キャラによってどんな対応をするのかな、と想像してました。
そう言えば…避難所では何回か会ってるけど、こっちでは登録後初めてだね
天羽さん、はじめまして。よろしくお願いします
時間リミット、了解だよ
シチュも面白そうだ。それでいこう
書き出しをお願いしてもいいかな?
>>443 こちらこそよろしくお願いします。
では、書き出しを用意しますので少々お待ちください。
お願いするよ
ゆっくりどうぞ
きゃっ!
(人どおりの少ない道の自販機でミネラルウォーターを買おうとした時だった)
(突然の衝撃、腕や腰に痛みが走る)
……っ
(車椅子から投げ出された都が何とか顔を上げると)
(財布を握り締めた浮浪者らしき中年の男が逃げるのが見えた)
ぁ……まっ……待って!
(擦りむけて血のにじんだ腕を伸ばすが、ひったくりは逃げて行く)
【こんな感じで】
(日用雑貨、食料、その他色々と買い出しに出かけた帰り道)
(曲がり角を曲がってすぐ、人の悲鳴に目をあげる)
…っ!!
(倒れた車椅子から投げ出された女の子)
(その伸ばした腕の先を、逃げて行く男の背中)
あの…ヤロウっ!
(荷物を放り出し、少女に駆け寄る)
大丈夫か?ケガは?
【では、こちらはこんな感じで】
>>447 (横転した車椅子、投げ出された学生鞄とその中身)
(引ったくり犯は視界から消えようとしている)
つっ……はい、たぶん。
(幸い頭は打っていないが、腕は擦り傷や打ち身でズキズキする)
それよりも犯人を、私のお財布が!
(お小遣い程度しか入っていないが、それでもお金はお金である)
(介抱してくれた人に捕まえるか警察へ連絡を頼もうとして)
……あ、あの時の?
(見覚えがある学園男子生徒)
(夏休みに旧校舎の屋上へ連れていってくれた優しい人)
君は…あの時の?
(顔を見て、はじめて知り合いだと気付く)
(夏休み、旧校舎の前で出会った中等部の少女)
…っと
(逃げた男に目を戻す。幸いわき道がないのか、まだ遠くに背中が見える)
今取り換えしてくる。ちょっと待ってて。
(車椅子を直し、少女を軽々と抱き上げて座らせると)
(すぐさま身を翻して、全力で駆け出す)
(人並み外れた脚力にものをいわせて、加速。グングンと距離を縮めていく)
>>449 はい、そうです。
あの時はありがとうございました。
(あまりの偶然に思わず今の状況を忘れて)
えっ、あっ!
(あの時と同じ、軽々と抱えられてびっくりして)
(少し茫然としたが慌てて走って行く背中に声をかける)
無理しないでください!
あまり乱暴はしないで!
(犯人は食べる物にも困ってという感じで)
(殴りでもしたら大怪我をさせていまいそうだったから)
…………んと。
(ただ見ているだけじゃ駄目、そう思ったが)
(鞄の中身も携帯も道路に散乱していてる)
(車椅子も壊れてはいないみたいだが)
(予備の杖も落ちてしまって拾えそうにない)
……!
(そして足もソックスが破けて膝や太ももの素肌が見えていることに気が付く)
(慌ててハンカチをあてて、そこを隠す)
(腕の擦り傷の方が血が出て酷い状態だが、こっちの方が優先だった)
(少女の声に後押しされ、更に加速するが)
(男の背中が近付く、だが、まだ距離がある。このままだと大通りに逃げられてしまう…)
この…っ!!
(立ち止まり、ポケットの中から硬貨を取り出すと)
(男から目を離さないまま、頭部を狙って投げ付ける)
(伸びやかな投球フォームから投躑された硬貨は、狙い違わず男の後頭部に命中)
(剛腕から繰り出された硬貨は、ひったくり犯を昏倒させるのに充分だった)
……
(男の手からこぼれた可愛らしい財布を取り上げて)
(都のところに戻りながら、携帯で警察へ通報する)
足、大丈夫?あぁ、腕もヒドいな…
(足を気にする少女へ声をかける)
(腕には血が滲み、ソックスまで破け、転倒の激しさを物語っていた)
>>451 うわぁ……すごい……。
(都の位置からは何を投げたのか分からなかったが)
(たった一投で昏倒させた腕前に感嘆する)
あ、足は平気です。
腕の方が結構痛いかも。
折れたりはしてないと思います。
(まだ夏服の制服が血で汚れている)
(怪我していない方の手とハンカチで素足を見せないようにしながら)
すごいですね、あんな状況で命中させるなんて、さすがです、本当に。
(すごいと思っているのは本当だけど)
(足から気をそらさせようと色々考え)
あ、すみません、鞄とか取って貰えますか?
この状態だと手が届かなくて。
(道路に散乱した鞄や教科書等を取って貰うようお願いする)
【そういえば前回名乗ったのか、どうしましょう?】
(少女は一生懸命に足を隠そうとしている)
(「もう立てない」と語っていたその足の素肌は…)
…これ、使いな
(上着を脱ぐと、それを膝にかけるように言う)
(小さな下半身が足元まですっぽりと覆われそうな、大きいシャツ)
あぁ…ちょっと待っててね…
(少女から視線を外して、辺りに散らばった持ち物を拾い集めると)
はい、無くなってるものはないかな?
(夏休みと同じように、少女の前に身を屈め、視線を合わせる)
それと…これ、お財布
(そうしておいてから、取り換えしてきた財布を都へ差し出した)
【ゴメン、忘れてた】
【そちらで決めて貰っていいよ】
【多分名乗っていると思うけど】
>>453 あ……ありがとうございます。
(そこがどんな状態なのか、たぶん気が付かれてしまったのだろう)
(気の許せる寮生ならともかく、知らない人や男性に見られるのは嫌)
(でも、だから、迫水の気遣いはとても嬉しかった)
本当に、ありがとうございます。
(持ち物を集めてくれる迫水を見ながら、胸に手を当てる)
(ドキドキしていて、顔も火照っている気がした)
……ええと、英語の教科書にノート、ペンケースにポーチと……はい、大丈夫です。
(女の子としては見られたくない物も混じっていたが、気が付かれないように鞄にしまう)
そうそう、これがないと。
(財布を受け取って、念のため中身も確認する)
こっちも大丈夫です。
本当に、本当にありがとうございました!
また助けていただいて。
ありがとうございます、えーと、迫水先輩、ですよね?
(夏休みのあの後、気になってクラスとか調べていた)
大丈夫そうだね
(拾い集めた物の中には、男子として恥ずかしい物もあったが)
(敢えて無視して、柔らかく微笑みかける)
いや、気にしなくてもいいよ。当然の事をしただけだからね
あれ?なんで俺の名前を…?
君は…えーと…?
(そう言えば、あの日は名前を聞いていなかった、と思い出す)
>>456 (なんだろう、先輩の笑顔で顔が赤くなる)
(プラシーボ効果? いや、それは違うはず)
先輩は結構有名ですよ。
試合、応援しにいって見たことがあります。
(その時は料理部全体で差し入れを持って)
(単にチームを応援していただけだったが)
私は中等部二年の天羽都、料理部所属です。
(もう少し気の利いた自己紹介はできないのか、と自分につっこみ)
そ、そういえば、犯人は大丈夫ですか?
とても良い音がしてましたけど、先輩が変なことに巻き込まれたら申し訳ないですし。
(犯人とか、自分の怪我とかどうでもいいのに、何を話したらいいんだろう?)
天羽、都、さん。うん、俺は迫水直…って知ってたねw
(おうむ返しに相手の名前を確認して自分も名乗る)
料理部?あぁ…そう言えば…うん、思い出した
(懐かしい記憶が蘇る。その中に確かに車椅子の少女がいた)
あの時はありがとう。美味しい差し入れだったよ
(少女の顔が赤いのは気付かない)
多分大丈夫じゃないかな?気絶してるだけだと思うよ
(犯人をおいてきた方に目をやり)
(都に視線を戻すと、怪我をした腕が目に入る)
おっと…忘れるところだった
(自販機でミネラルウォーターを買って)
手、出して…傷、洗っておかないとね
>>458 私のこと、覚えていたんですか?
(嬉しくて、ドキッとした)
(車椅子で目立つから、と理由は分かっていても)
そうですか。
引ったくりは悪いことですが、訳有りみたいですし、
今夜は警察に泊まれていいんじゃないでしょうか。
(野宿に比べればマシだろう)
(よくは知らないが、食事くらいは出るだろうし)
ん?迫水先輩?
(自販機に向かった迫水の背中を見て首をかしげ)
あ、そうですね。
消毒もしないと。
(擦りむいた腕を迫水の方へ差し出し)
(もう片方の手で持ち歩いている消毒液と絆創膏を出す)
制服はクリーニングに出さないと駄目ですね。
そろそろ衣替えではあるんですけど……。
(みんなに心配かけちゃうなぁ、とつぶやいた)
【そろそろ寝落ち警報が出ているので警察がきて終わりみたいな感じで】
(差し出された腕を取って、傷を確認)
冷たいけど、少し我慢してね…
(買った水で傷口の汚れを流し、取り出したハンカチで優しく拭う)
(消毒を済ませて、絆創膏をペタペタと数か所に貼付けて)
これで一応はよし、と…
(至極簡単な手当てを終えると、改めて具合を確認する)
うん、擦り傷だけみたいだね、後はどこかぶつけてるだろうけど…
(制服の染みを濡れたハンカチで拭ってみたりしながら)
制服も…これくらいしておいた方がいいかな?
(遠く警察のサイレンが聞こえてくる)
寮…だよね?寮母さんに連絡しておいた方がいいね
遅くなるようだったら、俺が送ってあげるよ
【では、こちらはこんな感じで〆だね】
【また、書き忘れ…orz】
【そっちのレスを見届けてから落ちるね】
>>461 ……っ!
(しみる傷口に顔をしかめる)
(幾度となく繰り返した手術に比べればマシだけれど)
(痛いことには変わりはない)
何から何まで、すみません。
(ぺこりと頭を下げる)
(先輩はどこに住んでいるのだろうか?)
(義母さんと一緒にお礼に行かないと)
そうですね、でも引ったくりに襲われて怪我したなんて言ったら……。
(心配するであろうみんなの顔が思い浮かんで苦笑する)
(なるべく迷惑をかけないように心掛けていても)
(こうゆうのはどうしようもない)
たぶん寮母さんが付き添ってくれるから大丈夫だと思うけど、
きっと病院も行くだろうし、送って貰えたら嬉しいです。
(近付くパトカーを横目で見ながら携帯を手に取った)
【こんな感じで〆にします】
【お付き合いありがとうございました】
【いずれ恋人がいるのを知ってorzなロールがしたいですw】
【では、おやすみなさい】
【見届けたよ】
【楽しかった、ありがとう】【ははは…wいや、そんな風に見て貰えて嬉しいよ】
【予定時間オーバーの上、限界まで付き合わせちゃってゴメンね】
【じゃあ、おやすみ。またねノシノシ】
【スレお返しします】
【名前】葛森 利香(クズモリ リカ)
【年齢】17
【性別】女性
【身長】149p
【3サイズ】禁則事項
【容貌】
黒髪のショートカットで少し日に焼けた肌。。
靴下の代わりに足の甲と足首の辺りに布を巻いている事が多い。(地面に肌を触れさせたいため)
護身用の道具(夜は暴力団から盗んだ拳銃、昼はスタンバトン)やメモ帳、鉛筆を常にベルトにつけている。
【能力】
・小型の蟲を生み出し、操ることができる。
・蟲の力を借りる事が出来る。(蜘蛛の糸や蝶の羽、毒など体に付属させる)
・逃げ足が速く、柔術もかなりの腕。(ただし、能力とは関係なし)
【弱点】鳥、トカゲ(これらが相手だと能力は一切使えない。彼女自身もこれらは怖いらしい)
【希望】NG以外
【NG】 死亡、グロ、スカ
【備考】
高等部の文芸誌同好会員。会が月1回発行する会誌のインチキオカルト部門を担当している。
ただし、ネタは近年発生している本物の異形であり、常にそれらを撮影や取材をし、それを改変して記事を書いている。
取材の域は、現場から警察や暴力団、退魔機関の一部など様々であり、いい意味でも悪い意味でも顔を覚えられる事がある。
本人曰く、「面白そうならそれでいい」と、はた迷惑な思考の持ち主。
元は蟲を祭る神社の娘であったが、姉殺しの為に妹によって家を追い出された為、今は友達の家の庭に居候している。
【以前参加していたものですが、諸事情によりキャラ変えて参戦します】
【あっ、プロフ投下のみです】
【こんばんは、水琴さん。】
【もしも宜しかったらお相手させていただけたら、と思うのですけれど、
お時間の方とか、その他諸々と、大丈夫でしょうか?】
【ご指名有り難うございます、ご主人様(?)】
【ん、時間は眠くなるまでだいじょうぶだよー】
【いつからメイド喫茶になったのですか。
ふふ、やはり何事も良いことは口にだしてみるものですね。】
【時間の方、了解です】
【さて、シチュですが……もし、水琴さんに何かしらご希望があれば、
それを聞けたらな、と思うのですけれど…なにか、おありでしょうか?】
【なかったらまた、お弁当ネタでもなんでも、こちらからも考えますね】
【希望?胸囲測定と尻k(ry】
【特別、特定のネタがあるわけじゃないなあ。お弁当、お祭り、花火……とか。】
【(にっこりして何か取り出そうとしている)】
【時間が少々遅めなことを考えるとやっぱりお弁当か花火、が妥当でしょうか…。
う…悩み、ます。うぅん、水琴さんがどっちでも構わないのでしたら、
次の水琴さんの秒数で決めても大丈夫ですか?偶数ならお弁当、奇数なら花火、で。】
【偶数なら胸囲測定、奇数なら尻ですね、わかります。てなわけでテスト】
【奇数なので、尻花火ですね。わかりました。】
【 花 火 だ け で す か ら 、 十 全 と 。】
【そんなこと申し上げると花火を向けちゃいますよ?ということで。
書き出し、お願いしても…?と我儘申したりしてみたりしても大丈夫でしょうか?】
【あ……そうだ、じゃあ希望を聞いてみよう】
【花火大会か、庭先で花火、どっちがいい?】
【うぅん、じゃあ…庭先でも大丈夫でしょうか?】
【花火大会だと水琴さんに花火をむけられない…というのは冗談として
場所は、須佐乃家でもそこらへんの庭先(?)でも、どこでも十全と。】
【りょーかい。お待ちあれ】
(満月が見下ろすのに困らぬような、秋の夜であった。
須佐乃の屋敷の庭は、そう広いものではない。鯉が泳ぐ池もあり、
それなりの縁側も備えてはいるのだが、庭園と言うような広々としたものではなく。
せいぜい、数人が花火をするには困らぬという程度。しかしそれも、
昨今の建築事情においては一種の贅沢であろう。風雅な庭木は、今の家主の趣味だ)
うぃ、せっと。
(白のタンクトップにデニムのショートパンツ。素足にサンダルと、水琴は情緒なき部屋着姿の
家主の娘が、なみなみと水の満ちたバケツを、よく整備された土の上へ落ち着ける。
次いで、持っていた長柄ライターが付くか確かめる。
眼鏡をかけた風貌が、闇に切り取られては伏せられて。三度目の闇に頷くと、
縁側に待たせている学友へ向き直った)
よし、準備おっけ。
センパイん家、マンションだもんね。ベランダや駐車場じゃ何言われるかわかんないし。
でも、明日も学校あるってのに、花火とスイカだけで来てくれるとは。
センパイ、実はヒマだね?
(唐突の電話で足労願った相手に向かって、少々無礼な口利きではあるが、それは親しみあってのものだと。
親愛の表現の巧みさを持ち合わせぬ水琴は、横たわった花火一式をはさみ、葵の隣に座った)
(大抵の場合において、月夜にこの後輩と出会うのは生臭いシチュエーションだった。
なれど、今宵は違うらしい。和を形とした庭――…「須佐乃」の、庭先)
お疲れ様です、水琴さん。
(何事もなくぼんやりと池の方を眺めていた視線が、準備ができたとの言葉に水琴へ移る)
あら。 花火とスイカと“貴女の呼び出し”だったから、馳せ参じたというのに。
(真顔でそんな言葉を吐き出し、肩をすくめてみせるのは彼女の仕様)
(多少無礼かもしれない口利きについては、特に無礼だと思ってもいないらしい)
……暇、じゃ駄目なはずの秋なのですけれどね。
まあ事実、花火とスイカと水琴さんにつられてやってきてしまったのですから、これ以上に弁解は致しません。
(花火一式に手をのばし、適当に一本選んでから、水琴に向かって差し出す)
(自分もひとつ花火をとると、指先でくるくると弄びながら、小さく息を吐いた)
久々です。花火するの、なんて。
【と、忘れていました…】
【書き出しありがとうございました。改めて宜しくお願い致します。(一礼)】
……そこは喜んでいいのかな。今日――"今"は、健全でいようね、うん。
(顔を伏せつつ。軽口で流そうとはするが、やや舌の滑りが悪いのを自覚すると、
熱くなった頬を隠すように顔を背ける。こうした空気は久々な気がしたのだ)
センパイは――卒業したら、会えるかどうかわかんないし。
ま、楽しい時は早く過ぎちゃうし、野暮な突っ込みはあたしもよそう。大事な時間だもんね。
(苦笑には少し遊びが抜けてしまった。縁側から再び庭へ降り、屈む。)
でも、やったことはあるんだ?花火。……なんかこー、センパイってさ、
そういうことして来てなさそうなイメージ、あるんだよね。
(彼女の身の上を、「なんとなく」知るが故、少し沈鬱な表情を見せて。
だがすぐ顔を上げると、摘んだ花火を見せるように)
ね。線香花火はさ、こうやってちょっと傾けてやると――ほら!
(着火後、仄かな音を断続的に立てて、炎の花弁が舞い散り、地へと消えゆく。
闇のなかで浮かぶ新たな光源は、垂直の時よりくっきりと、花の形を見せて)
【はい、よろしく!】
……本当に貴方たちはこういうやり取りに照れて下さるから、重畳です。
あら。健全に花火してスイカ食べる以外、特に何をするつもりもありませんよ?
(わざとらしく小首をかしげてみせても声音に楽しげな色が混ざるのは、からかっているから)
(照れた様子まで指摘する意地悪をしなかったのは、流石にそれは意地悪だと自覚しているから)
そう、ですね。小さいころに、一度したきりでしょうか。
楽しめるときに、めいっぱいと楽しんでおくのが重畳だと思います。
貴方も来年は三年生なのですから、ね? 私のことばかりも、言ってはいられませんよ。
(お互いにあまり、“そういうこと”について詳しくは話さないような仲だからか、
すべてを“なんとなく”で知り合っている部分がある彼女が沈鬱な表情をみせれば、
話題を違う観点からのものへとシフトして小さく笑って見せて――…輝く火の花に、視線をうつす)
………きれい、ですね。
(ぽつり、と呟くようにしてつぶやいた言葉。細められた目、貌は珍しくありありと緩んでいて)
これ、小さい頃にやったとき、すぐに落としてしまった記憶があって。
今になっては、せめて10秒くらいはもたせられると、いいのですけれど。
(小さくも力強く、そうして徐々に儚く消えていく光をみながら、小首をかしげて)
……じゃ、泊まってってもいいよ。
(肩を落として、脈絡もない許可を下す。そこでふと、責めるような視線を向けて)
――"たち"、って何さ、もう。
え?なに?来年から?きーこーえーなーいー。
……でも、さ。別にあたし、卒業さえ出来ればいいかなーって思ってるんだよね。
正直、学校行くのが、学校の誰かと会うのが楽しくなるなんて思ってなかったし。
ここになって、よりにもよって夜に知り合う人が多くて……大事に思える時間が出来たから。
だからさー、三年になったら、すこーし、つまんなくなっちゃうかな、なんてね。
(ごまかしはしたが、本音だった。かつては自分の未来に頓着はなく、安泰であればそれでよかった。
「つながり」が大事に思えるものだと気づいたのは、自分でも意外で――そして確かだった)
(――やがて、消えた。その激しさが嘘のように静寂に移り変わり、焦げた臭いだけが残る。
亡骸となった竹ひごをバケツへ放ると、次は長柄ライターを差し出した)
……ほら、次はセンパイだよ。コツはね、真ん中よりすこし上くらいを持つの。いーい?
(やってみて、と手を添えた。素直だと思えるこの人の表情がほころぶのを、もっと見たいと思ったゆえに)
……居心地がよすぎて、帰れなくなりそうですので遠慮させていただきます。
(多少肩が震えたのは、笑いを堪えたからかもしれない。
口にした御断りの理由は八割は本当だったけれど、二割は別のものだった)
うん? 水琴さんと、後輩さんのことです。
(「貴方たち二人は、本当に愛らしい反応をして下さいますから」という言葉こそ、からかい以外の何物でもない)
………それは、重畳です。
誰かといて楽しいって思えるの、得ようと思って得られるものでもありません。
(少しだけ驚いたように目を瞠ったが、それもすぐに緩まって元に戻る)
(驚いたのは彼女には“何かに頓着する”という印象があまりなかったゆえに。
いい方向に、彼女は変わっているのだろうと思う。 自分も、また“変わっている”けれど)
すこーし、じゃなくて、とーってもつまんなくなっちゃう、の間違いではないですか?
(自分は変わる必要なんて、と――…そういった思考を断ち切って、またからかいの言葉を向けたが、
次の瞬間に、添えられた手。加えられたアドバイスを頭の中で繰り返しながら、息を吐く)
……了解いたしました。
う…なぜ、花火をするのにこんな風に緊張しているのでしょう。
(いつものような表情に少しだけ真剣な色が加わって――…花火に、火を灯す)
(小さな光の球が先端に形成されたのち、それが爆ぜるように火花が散って……)
(その様をじっと、どこか不安気ながらも楽しそうに見る様は、どこか子供じみていた)
――そ、そっか。そーだよね、ごめん。別にこっちはいいんだけど、さ。
とりあえず今度また、そっちに泊めてもらお。
(都合は尊重するよ、と。しかしややと語尾の音が上がったのは、期待の顕れだろう)
あいつと同レベルの精神か……ま、いーんですけど、ね。
……そだね。とーっても、だね。
ね、どう?留年して、一緒に卒業してくれない?
(本気だよ、と言いつつ顔は笑っていた。ありもしないことを語るのも、今なら許せた)
そりゃあ、すぐ落ちちゃった昔の花火のためじゃない?
今度はもう少し長く、在って欲しいとかさ。
(耳を擽るような音の群れ。背のほうへついた両手を支えにして。
自分は先刻愉しんだ輝きよりも、少女のような横顔を見つめた。
どれだけ見ていたのかはわからないが、この一時は、ただ惜しい、と。思わず口が滑る)
"今"は、小さい頃の花火、なのかな……。
ええ。うちに泊まりに来るのなら、いつでも歓迎致します。
(語尾の音が上がったのを聞きとれば、笑いをこらえるのに転じる。
そう答えればどんな顔をするだろうかと、漆黒の瞳で相手を盗み見て)
…あら。十全と褒めているのですよ、お二人共を。
(さらっと肩をすくめてそんな風に嘯いてみせた)
あともう一年、あの現代文と現代社会の授業に付き合えと仰るのですか?
……勉強は嫌いではないですけれど、それだけは勘弁して頂きたいものです。
(それが出来ない理由はそんなことではないが、おどけた言葉でわざとくらませて、誤魔化す。
きっと相手だって本当の理由は知っているのだろうけれど、口に出したく、なかった)
う、ん…――…そう、なのか、も、しれません…。
(言葉がどこか適当で、途切れ途切れになったのは手が震えないように集中しているからか)
(しかしながら、次に零された水琴の言葉に、爆ぜていた小さな火の球が揺れて地面に落ちた)
………やはり、落としてしまいました。
(頬に手をやる。おどけたに呟いてみせても、その動作はどこか冷たい)
(答えは、ひとつ。いずれ終わるこの時は、“小さい頃の花火”に例えるに相応しい。
それでも、何故か「そう」だとは言えなくて。 …感情を押し込める。揺れを、抑え込んだ)
――もうッ。
(とうとう、完全にそっぽを向いた。顔を見たくなかったのではなく、
見られたくないほど、闇のなかでも気づかれそうな有様になっていたからだ)
勉強が嫌いじゃないってだけで、一年なんて余裕だって。
それとも、永久就職してついてっちゃおうかな。時代錯誤の召使い、とか。
(おどけて見て、彼女の悩みなど知るよしもなく、冗談を続けてしまう)
こうやって、気楽に笑いあえる人がいないと、ほんと、恐くて、どうにかなっちゃうかもよ。
――最近は、あんまり、狩りに出かけてないんだけど……ね。
(言葉の末尾が沈み、表情が暗くなったのは、言葉の前半を示してのものと
水琴自身が考えた。しかし、それでは少し不自然に。まるで狩りに行くことを望むような)
(それでも希求した。思わず上がった声は食い下がるような切実さすら孕んだ。
未だ煙を上げる花火を握った手に、新たなか弱いひごを握らせて)
でも、まだあるから。"大丈夫"だよ。
センパイはまだ、花火できるじゃない。こけたって、次があるよ。
ま、全部ダメでも――がんばった、って結果は残るから、さ。ホラ!
(最初のほうは、少しだけフォローが苦しくなったが、笑顔で諭そうとする。
柔らかさの抜けた雰囲気が、胸に刺さるようだったから)
(今まで、彼女と「仕事」についてあまり話すことをしなかったのは、
その流れにならなかったこともあるが、“狩り対象”に成りえない“はず”の彼女に
わざわざ自分のことを曝け出したくなかったということも、ある。)
(知らないなら知らないでいてくれた方が嬉しい。あまり、綺麗な部分でもないのだから)
うぅん。 私も学校生活は楽しいと感じておりますけれど…――
―…って、召使いですか? 魅力的ですね、好きな時に水琴さんの手料理が食べられます。
(悩みの一片すら見せず小首をかしげたのは、“魅力的”と感じたのは事実だから、か)
じゃあ、今のうちに沢山お話しをして貯めておきませんと。
ええ。そういえば、前よりは外で会うことが、少なくなった気が致しま、す。
(最後の方。少しだけ言葉が途切れたのは、よく分からない違和感を感じたから。
ただ、正体知れぬ不安に似た何かを感じて――…空いた手を伸ばし、相手の頭を撫でた)
(握らされた“新たな”ひご)
(明るい語調で言葉を向ける彼女を、どこかきょとんとした表情で見つめてから、
少しだけ苦く笑う。 気づいたのだ、気を使わせてしまったということに)
……そうですね。 それに、さっきのは昔より十全と“長く”続いたから。
次はこう、最後の最後までもたせるのを目標として頑張りましょうか。
水琴さんも、なさらないのですか?
私より長くもちそうだったら、ふーって吹いて差し上げますよ。
(最後に続けたのは、ただの虐め宣言でしかなかったが、小首をかしげてそう言い切る)
掃除と炊事だけやってお金もらえるんなら、それでもいっかな。
(飽きないしね、と苦笑する。怠け者ではあるが、日々のサイクルは苦と思わないよう工夫はしていた)
本当ははやく、異能者とか異形とか、そういうのがいなくなってくれればいい、って思う。
そうしたら――っと……なんで撫でるのっ。恥ずかしいんだから、これっ。
(それが別れの合図とは。それが自身の崩壊の切っ掛けであるなどとは、知りはしない。
無意識に口走りかけた真実は、照れたように頭から手を振り払って、闇に溶けた)
……ん。いーよ、それ全部、センパイがやっていい。
だって、あたしには必要ないでしょ?
(自分は、"自分"のまま此処に在ると。何となくではあるが、
今目の前にいる女性が、この日常を仮初めとしていることに気づいてしまったからこそ。
その花火に対しては、葵が向き合うべきなのだと諭す)
――実はあたし、"消す"のも好きだったりするんだなー、これが。
ほら、消されないように、次はもっと長く、ね?
(つけたげる、と指を軸にライターを回して、片目を閉じてみせる)
異形は、狩るべきものですけれど、
異能者が消えてしまったら、後輩さんとかも、消えてしまいますよ?
(黒い瞳。それが一瞬だけ感情を消して水琴を見据えたのは、
いずれそれらを“なくして”しまうのが、もしかしたら自分かもしれないから)
……それは、恥ずかしがっている水琴さんを見たいから。 なんて、冗談ですよ?
(けれど、その瞳もすぐにからかいの色を帯びたものに変わる。
相手の唇から紡がれなかった言葉が、崩壊の合図になるものだったなんて――…彼女に知るよしはなく)
うぅん…、いいのですか?
(ちょっとだけ嬉しそうに見えるのは、事実、するのが好きなのか、
それとも、彼女の意図することを汲み取ったのかは、葵しか知れない)
――…消すのが好きだなんて、性格ひねくれていると思います。
(“消す”という言葉に、いささかひっかかりを覚える。
自分はたぶん、この種類の“ひっかかり”を知っている気がするのに…思い当たらない)
もう、水琴さんに“消されて”しまったら、さっきより長くもたないではありませんか。
(そうは口にしながらも、ひごに火を、と催促するように
少しばかりライターに手を近づけたのは、もっと長く続けてみせるという意思表示で)
そーじゃないよ。戦わなきゃいけないもの、のこと。
あたしが剣を向けるなら、あっちもこっちを殺す気で来る。
……もう五年にもなるのに、未だに、すごく恐いんだ。
笑おうとしてるんだけどね、怖さを忘れるために。
(勝つために平静を装い、表情を明るくしているのだ、と。
――その虚勢をさらけ出すのは、自分は彼女の標的にはなりえない、と。
ある意味の、大胆に過ぎる油断だった。今ならば、水琴はきっと容易く殺される)
……じゃ、慣れちゃえばいいのかな。もっと撫でてみて。
そ。センパイはそーやって、慎重に、消えないようにしなきゃ……おっとー?
それが、センパイのシゴト。ね?
(わざとらしく、葵の腕の近くに手など回して見て、おどけてみせた。)
じゃぁ、もし一本でも長く、長く続いたら。
今度は、お互いの家じゃなくて――どっか行こっか。遠くでも近くでも。
(口付けのように、火の先端を花火の先に触れさせた。刺激しないように、柔らかく。
くるりとライターを回すと、肩に頭を置く。そちらは花火を持っていない側だ。
ぼうと、新しい花火を見つめながら――)
……やっぱ、さ。
泊まってってよ。ちょっと、時間、短すぎる……。
【と、こんなとこで締めで、どうかなっ】
……怖かったら、怯えればいい。
慣れてしまったら、それこそ“怖い”ことになってしまいます。
(幾分か静かに言葉を紡いだのは、それが諭しを込めたものだったからか)
(――彼女が認識していないように、このとき葵もまた認識などしていなかった。
“互いが互いに、刃を向ける可能性がある”のだということなど、知らなかった)
でも、こっちにも慣れられても困りますね。 照れたのが、見れません。
(そうやって締めくくりながらも、御所望通りに、と指先がゆるく頭を撫でた)
う、ん…?
(意識は、肩に乗った重みにも同様に、向けられているのだけれど
灯がともれば、視線はそのままその明りのみに独占される)
……そう、ですね。 暇があったら、こうどこか遠くでも、ちかく、でも、
大勢でも、二人でも、あそびに、いけたら……いけたら、いいですね。
(途切れ途切れに、言葉を紡ぐ。
自分が口にした内容より花火に意識があるからこそ、ほぼ無意識の言葉は本心に一番近い)
(爆ぜる音。 それを遮るように加えられた水琴の言葉にしばらくの沈黙を返して)
うちに水琴さんがくるなら、いいですよ?
(少し違った聞き入れ方をしたのは、色々な理由から。
――…「水琴」の前では、眠れたとしても「須佐乃」で眠ることはできないだろうと思う)
(その線引きすら失ったら、それこそ、自分は――…すべての牙を、なくしてしまうから)
【それでは、こちらも〆、でっ】
【あ、花火向け損ねた…は、冗談です。 こんな時間まで御付き合いありがとうございました。】
【とってもとっても楽しませていただいた次第です。 また、機会がありましたら…お疲れ様です(一礼)】
【こちらこそありがとう。お疲れ様っ
こっちも尻花火しそこねたよ。残念だなぁ、とか言いつつ……
次は何ヶ月後かな(←)ってわけで、おやすみ!】
【……花火向けておけばよかったです。しくじりました。】
【思いの外早いかもしれませんよ?と、言うだけ言っておきましょう、せめて…っ。
はい。それでは、改めましてありがとう御座いました。おやすみなさいませ。】
待機します。
プロフは>95です。
本スレに避難という理不尽な状態なわけですが。
避難所はロールに使われるので仕方ないけど。
というわけで暫く待機です。
避難所の方でロールしますので、こちらは落ちます。
M先輩、どうぞこちらをご利用ください(コラ)。
起こった事を有りのまま話すのも芸がないので
都っ・・・・恐ろしい子っ・・・・・!と割とベターなリアクション
しておきます。ロール頑張ってね。
あっちはあっちで楽しくやるそうだよ
こんばんは、お相手して貰えるかな?
通信状態悪いのか某笑顔動画がみれねー・・・・・
切ない気持を抱えつつ呆けているのもアレなので
是非お願いします。二度目のロールという事で学校で
再会するのがベターだと思いますがどうでしょう?
具体的な場所はちょっと今浮かばないんですが。
台風が原因かな?
こちらこそよろしくお願いするよ
てな訳で、言い出しっぺのこちらから提案を
目標:再会。お互いが異能者(真賀樹君は違うけど)であることの認識を得る
状況:放課後、学園の裏庭。俺が前に会長とロールした場所って言えば分かるかな?
問題は2点。ロールの最初、どちらからもう一方に話しかけるか
あとは最後の状況。お互いの立場をどこに落とすか。敵対?薄氷の中立?相互利用?
わざわざネタ出しまですみません、と偶には後輩らしい口調でしゃべってみるよ。
話しかけるのは、こちらからでいいかと。そちらは素振りしてるなり何なり。
最後は、そうですね。話の流れ次第ですが、中立がベターかと。会長さんと面識ある
事や、伊織さんとの付き合いも知らないわけですからね。
おっと、書き忘れ
そちらの意見も遠慮なく言って貰えると、助かる
ロールの方針の参考になるからね
意見と言うか、小ネタとしては、例の立てこもり事件でそちらが
犯人逮捕に貢献したとかで、地方紙の一面飾ったとか考えてましたけど。
流石にそれは不味いですかね?
>>505 ん〜一面はちょっと…、だね
事件面に小さく…くらいならOK
後は野となれ。臨機応変、だ
こちらは素振りでもしてるので、そっちからはじめて貰っていいかな?
了解しました。
では書き出すので暫くお付き合いお願いします。
改めて、よろしくお願いするよ
お手柔らかに…
(××学園の放課後。夏休みが終わっても、夏が終わったわけではない)
(残暑の厳しいある夕暮れの事、不自然なほどに白い髪をした少年が徘徊する)
(何をしているわけでもない。呼吸をして、歩いているだけである。思案するような)
(表情で、行き先も定めぬまま歩いている。便宜上、真賀樹漸と名乗っている学園生である)
・・・・・・・・・・・・・・
(素通しのレンズに隠された双眸は、憂鬱の色に染まっている)
(校内を徘徊し、校外を徘徊し、旧校舎周辺を徘徊し、今、裏庭に足を向けている)
・・・・・・ん?
(そこに、先客がいた。野球部、なのだろうか。バットで素振りをしている)
(バットの風切り音からして、素人ではあるまい。そのバットを振る姿勢も野球人のそれである)
――ああ。キミは・・・・・
(何かを言い掛ける前に、仮面を被り直す。いつもの平静な表情に戻る)
(彼のその顔に見覚えがあった。その名前は、以前一度調べて知っていた)
――こんにちは、迫水先輩。
(いつもの日課である素振り)
(夏が去りかけている。とは言え、まだまだ昼間の熱の残滓が空気に澱み)
(バットを一振りする度に汗が散る)
………
(いつもの如く、想像上の相手ピッチャーは、苦手なコースへ適格に投球してくる)
……っ!
(バットを振り抜く--空振り--、その時背後から声をかけられた)
君は…あの時の…?
(振り向けば、見覚えのある、否、忘れようのない白髪)
(夏休み前、あるレストランで、一緒にに厄介事に巻き込まれた青年)
(名前は、名乗らなかった。しかし、彼の使う奇妙な技と、垣間見せた酷薄な表情を鮮明に思い出せる)
……何故、俺の名前を?
(わずかに緊張しながら、問い掛ける)
三年の迫水直先輩でしょ。以前はどうも。
(軽く緊迫感を纏った彼に対して、軽く会釈する)
(この男は、全校生徒の顔と名前のデータを入手している)
(故にあの事件の後、データをチェックして名前を知ったのだ)
ああ、僕は二年の真賀樹漸です。あの時は名乗る暇もなかったけど。
例の事件、新聞に載ってましたね。小さい記事でしたけど。
ちょっとしたヒーロー誕生と言ったところですか?
(上辺だけの和やかな雰囲気を纏いつつ、からかう様に言う)
(口調だけは丁寧だが、敬っている風は微塵もない)
(そもそも彼は、他人を敬ったりする様な男ではない)
真賀樹、漸…
(小さく口の中で反復して、心に刻む)
なら、俺も改めて自己紹介しておこう
3年、迫水直、だ
(失礼、と断り離れたところにおいたバッグからタオルを取り出し、汗を拭う)
(その間も青年--真賀樹--は言葉を紡ぐ)
止めてくれ、そんなに嬉しいもんじゃない
俺も、逃げとけば良かったよ
(敬意の感じられない丁寧な口調)
(彼のその口調がトゲとなり、警戒心をチクチクと刺激する)
(その心が、無意識に皮肉となって口から飛び出る)
謙遜しなくても。先輩はとても勇敢でしたよ。銃を持った相手に
あんな風に飛びかかるなんて、普通の人には出来ませんからね。
怖くなかったですか?あのライフルで撃たれたら、運がよくて重傷。
最悪死亡だったわけですからね。
(もっとも、迫水直が飛びかかったのは、この男の糸によって拘束された)
(相手だったので、その可能性は皆無だった。それは問うた彼とて承知している)
(どうにも、相手の神経を逆撫でする発言ばかりしているが――多分巡り合わせ)
(の問題だろう。普段はもう少し無難な発言ができるはず・・・・・・・だった)
それで、迫水先輩はどうして素振りなんてしてるんです?
体力作りのモットーですか?それとも野球が好きなんですか?
(バッグの近くに置いておったボールを糸で手元に引き寄せ、掌で弄ぶ)
(種を知らないものには、勝手に動いて勝手に浮いたと見えた事だろう)
……何故か動きが止まってたからな…そう、何かに縛られたみたいに、だ
(あの時の情景を思い出すように、真賀樹から空へと目をそらす)
それに、あのくらいなら、怖くは、ない
(彼の言葉ひとつひとつに神経が逆立つ。静めるように一呼吸おいてから、真剣な表情で目を戻し)
……
(質問に答えず、真賀樹の真意を見極めようと、見つめる)
(と、ボールがひとりでに動き、青年の手の平におさまる)
………
(驚くことなく、その不可思議な情景を、受け止める)
(彼が何らかの能力、若しくは技を持っているのは承知していた)
なぁ、真賀樹…君、何も用事がなければ、少し付き合って貰えないか?
(バッグからグローブを二つ。ひとつを真賀樹に放り投げ)
(彼の返事も聞かずに、距離を開ける)
これだけは相手がいないとできなくてね
(投げろ、と身振りで合図する)
なるほど、なるほど。
けれど、万が一という事は常にありますからね。
一番賢い選択肢は、大人しくしている事に限りますよ。
(そしてその一番賢い選択肢を放棄して武力行使した時点で)
(この男に他人の行動をとやかく言う筋合いはなかったりした)
別に構いはしませんがね。
(投げつけられたグローブを受け取って、手に嵌める)
結構使いこんでますね。手入れはしてあるんで使いやすいですけど。
(わざわざ彼の眼の前で手の内を披露したのは、万が一の可能性を)
(考慮したからだった。迫水直がこちらに何らかの疑念を抱いてるのは)
(表情から見れば容易に推測できる。故に―――)
慣れてないんで、外れたらすみません。
(ボールを指で挟み、感触を確認しつつ下手投げで軽くボールを投げた)
(現実問題として、真賀樹漸になる男は、スポーツに縁がない)
(故に、その軌道は頼りないもので、へろへろのそれが迫水直にどうにか届く)
(慣れた動作でキャッチ。グローブが乾いた音を立てて、ボールを受け止める)
…もうちょっと、ましなのは投げれないのか?
(軽口とも、何とも言えない口調で声をかけながら)
(極々軽く、子供でも取れるほどに緩く)
(山なりの弧を描くように、相手に向けてボールを投げ返す)
(暫くキャッチボールの音だけが、裏庭に響く)
(何往復かは無難に投げ、受け取り)
………
(不意をつくように、鋭く投球。狙いは、目の前の青年の、頭部)
・・・・っと。ベースボールは専ら観戦するのが流儀でして。
少なくとも自分で進んでやりたいとは思いませんね。
(明らかに手加減され、放り投げられたそれを、キャッチする)
(ボールが二人の間を何往復かする、その間にも真賀樹漸は少しずつフォームを変え)
(まともなボールを投げられる様になった。キャッチも少しは様になったが、まだ不安定だ
―――っ!
(違和感を感じたのは何時だったか。迫水直の身体に緊張が走る)
(そして投げられた鋭い投球。この為に必要な動作だったのだ)
・・・・・痛いですね。当たってたらちょっとヤバかったですよ。
(気づいた時には素手でボールを受け止めていた。慣れないグローブより本能的に)
(素手で受けに行ったのだ。ニヤリと盗掘屋が笑う。今のは試されたのだろうと察する)
それで?僕に聞きたい事でもあるんですか?
生憎と僕は、男性には愛想がないですよ。ゲイではないもので。
(ポーンとホールを高く放り投げて、遊戯の終了を告げる)
君は何者で、あの時何をしたのか?それが聞きたいね
(ボールには目を向けず、真賀樹に言葉をかける)
まぁ、君が素直に答える気があるのか…それは疑問だから…
(足元から小石を拾い、手の中で弄ぶ)
……今度は手では受けれないと思うからな…うまくやれよ?
(軽い動作で投躑。真賀樹の足元で、土が弾ける)
(まるでライフルが着弾したように)
今のは、俺からのサービス。次は…当てる
(言いながら、再び小石を拾い)
当たってくれるなよ?怪我はさせたくないからな…
(見せつけるように、マウンドに立った投手の如く構えると)
(伸びやかな投球フォームで、小石を放つ。狙いは、青年の腹部)
・・・・・左様ですか。至極御尤もな質問ですね。
そっちの態度次第ですかね。僕としても迂闊なことは・・・・
あの、聞いてます?そんな石なんて拾われても嫌な予感しかっ!?
(銃弾の様に地面で爆ぜる小石。単純な怪力で投擲されたのだ)
(誰から?眼前の男から。即ち、迫水直から、だ)
ちょっとThyme。どうしてそんな物騒なイベントのフラグが成立してるのか
不思議なんですけど。僕何か選択肢間違えましたかね?
(軽口を叩きつつ、ジリリッと後退する。本気で投げる気なのはフォームから)
(理解できる。軽く放っただけであの様なのだから、本気で小石を投げられた場合)
(手持ちの武装では対処できない。故に盗掘屋は全力で逃げた――つもりだった)
―――!?
(脇腹を掠めた小石が開襟シャツを切り裂いて、素肌を焦がして通過していった)
(ギリギリ、紙一重で回避運動が間に合った・・・・・らしい。それでこの威力である)
・・・・・・ちょっと、遊びじゃ済まないな、これは・・・・・・・・
僕が何者か知りたいと言ったか?どう考えてもそれはこちらの台詞だな。
(オーケストラの指揮者の様に指を振るう。見えざる糸が周囲を包みこむ)
(いつの間にか、その双眸に怜悧な殺意と闘争心が宿っている)
異能者――それも肉体強化系だな。薬物投与してもああはなれないし、サイボーグに
しちゃ動作が滑らか過ぎる。なるほど、怪力自慢か。その力で僕をどうする気だ?
避けた、ね。なかなかなものだ
(小石を--今度は数個--拾う)
(無造作に目をそらすのは、相手を敵として認識していないから)
どうもしないさ…ただ君の力がどんなものか、知りたいだけだよ
(再び顔をあげて、なにがしかの構えで臨戦体勢に移る真賀樹を見つめ、投球体勢に)
その力を何に使っているかも、知りたいけど、ねっ!
(大きく振りかぶり、腕をしならせて散弾を放つ)
【申し訳ありません。迫水の性格が「かなり」変です】
【今更引き返せないので】
【前の邂逅の顛末と最初のやり取りで苛立ってて…】
【とかご都合な後付けの理由で、勘弁して下さい(orz】
・・・・・・おいおい、マジかよ・・・・・・
(今度は小石を数個。纏めて放たれれば散弾に等しいだろう)
(今度は――避け切れないだろう。普通の対処方法なら)
飛んで火に入るっ!なんとやらかっ!
(構えて、撓る腕から運動エネルギーを得た小石が放たれる)
(この距離では全部は避けられない。全部は、だ)
(だが、盗掘屋は既に臨戦態勢に入っている。ならば対処方法はある)
――とは言え、ヤバかったけどね。
(弾かれ、地に落ちる散弾。見えざる何かに守られた盗掘屋が笑う)
(周囲を包囲していた糸が縦横から組み合わさって、防御壁を形成する)
(それが礫の嵐を弾いたなど、誰が想像できただろうか)
力なんて大したものはないよ。これは技術。種も仕掛けもありますよってね。
それで?何に使ってるかって?自分の為に決まってるだろ?
逆に聞くけど、キミは何?夜魔族なら遠慮はしないけどね。
(質問して相手の意識を反らしつつ、音もなく反撃開始)
(四肢と首を絡め取るべく放たれた都合五本の糸が、静かに迫水直に迫る)
【いえ、構いません。というか、ある意味当然の対応というか・・・・・】
(青年の目の前で礫が弾かれる)
(目を見張り、驚愕の表情を浮かべ、呟く)
何を…したんだ?
(疑問に答えが返ってくる)
技…なのか?
ならば、それほどの技を何故自分の為だけに使う?
(真賀樹の笑みと、漂う気配に一層の苛立ちが沸き立ち)俺は…俺は「人間」だ
(それを抑え込み、絞りだすように、青年の問いに答える)
(次の瞬間、四肢と首に鋭い違和感を感じ)
(反射的に全身の筋肉を硬直させ、「何か」の侵入を防ぐ)
(腕に、足に、首に、何かが巻き付き、絞られる)
これは…糸…?
(どこから、だれが?目の前から、青年--真賀樹漸--が)
僕は正義の味方じゃないからね。
誰かを守る為に戦う役目は、他の暇人に任せる。
(「何故自分の為だけに使うのか」という問いに答える)
(十全とは言わないが、それは偽らざる彼の本心だ)
へぇ・・・・・硬いね。この感触、ちょっと普通じゃないよ。
(糸から伝わる感触が、相手の尋常ならざる素性を明らかにしている)
(その気になれば人体程度切り裂く糸が、皮膚で防がれている)
御察しの通り、これは糸。特別製だけど、こんな技は珍しくないよ。
それで?まだやるのか?どう考えても不毛だろ、こんな戦いは。
(盗掘屋である彼は、得る為の戦いと自衛以外の戦いは好まない)
(リスクが大きくリターンが無い戦いは、避けられる限り避ける主義だった)
(しゅるりと糸から四肢と首を解放して、両手を上げる)
どうか、矛を収めてもらいたいものだね。他に質問があるなら答えるからさ。
(「正義の味方」「暇人」との答えに、急速に頭が冷えていく)
(彼の本音、何に重きをおくのかを理解して)
(拘束から開放されるのを感じ、自分も両手をあげる)
そうだな、止めておこう…何の足しにもならない
(口では言うが、収穫はあった)
(彼とは根本的な「何か」から、相容れない存在なのだと、理解できた)
質問か…止めておこう。今は君と、やり合いたくないからな
(無造作に近付き、手を差し出す)
(握手、ではなくて、グローブを返せ、と)
【そろそろ〆かな?】
【何とか綺麗に〆てくれれば重畳だよ】
骨折り損の草臥れ儲け。僕の一番嫌いな言葉だよ。
ついでに言えば、暴力を背景に迫ってくる人もね。
(小石の掠めた脇腹を押える。僅かだが、出血していた)
(この程度で済んで僥倖と言うべきだろう。本気でやりあっていれば)
(今の装備では対抗しきれないだろうと、素直に彼は認めた)
(貸してもらったグローブを投げて返しつつ)
そうか。じゃあこっちからは忠告しておくよ。
二年×組の須佐乃水琴と、三年×組の媛名葵。この二人には気をつけるといい。
もしキミが異形と判断されたなら、狩りに来るだろうからね。特に後者の方が。
(退魔師と異形狩り。どちらも盗掘屋の彼にとっては微妙に邪魔な相手だった)
もし、誰かに助けてほしいなら、三年×組の瀬尾司を頼るといい。彼は錬金術師。
キミに関心を持ったなら、悪い様にはしないはずだからね。何なら僕の名前出してもいいし。
(協力関係にある錬金術師の名前を出す。これは彼に生贄を捧げる行為である)
(あの錬金術師は、異能者の研究もしているらしい。故にこれは善意からの発言ではない)
この学園は災禍の火種が燻ってる。それを消そうとする人もね。
精々、おっかなびっくり過ごすといいよ。じゃあね。
(やれやれと言った風情で肩を竦めて、踵を返す。その場を後にする)
―――何やってんだかな、俺は・・・・・・・・
(自分は此処に来る前に何を考えていたのだろうか、すっかり忘れてしまった)
(否、忘れてはいない。決して。けれど、多少すっきりしたのも事実だった)
【伏線とか張りつつ〆】
【ちょっと焦ったけど終わりよければってことで】
【では、これにて。お疲れ様でした】
(グローブを受け取りながら、彼の口にした数人の名を記憶する)
そう、か…災禍の種…ね…
(それに呼応して、脳裏に浮かぶのは「彼女」の涙)
(災禍の犠牲となり、傷ついた人)
(青年の言葉に別のことを思いながら、去っていく彼の背中を見送る)
【味わい深いロールにできたのは、そちらのおかげ】
【いや、本当にありがとう、感謝感謝だよ】
【じゃあ、お疲れ様】
というわけで?
みんな時間がなかったり規制だったりするので
連日ですが僕でよければお相手を勤めたいと思いますよ?
・・・・・規制掛かったとはね。
では避難所に移動ノシ
うーん? 入れ替わりが激しいみたいだけど、
しばらく待機してみるぜ! 誰でも気軽に声をかけてくれよなっ!
はぁ、何か慌ただしいね。
僕でよければ軽くロールなどどうかな?
そりゃ、こっちのセリフだ。
…真賀樹さんこそ、いいのか?
疲れてるなら、休んだ方がいいし…
ま、いいか。無理はするなよ?
眠たけりゃいつでも言ってくれればいいからよ。
んで、どーするかな。
真賀樹さんとのロールはこれくらいぐらいしか、考えてねーんだけど。
1.共闘ロール
2.価値観の違いから、口論しながらバトル(というか喧嘩?)
3.その他
…まー、これくらいかな?
テンションが上がってるので大丈夫。
徹夜は得意な盗掘屋さんを舐めないでもらいたい。
2と3の折衷案程度かね。
放課後、そっちを見つけた僕はキミと一緒に何か食べつつ
色々話すっていうのがいいと思うよ。バーガーでもラーメンでも。
じゃ、その言葉を信じさせてもらうか。
……ん、それじゃ、それで行こうかね。
それじゃ、ラーメンで行こうか。
良かったら、書き出し任せてもいいか?
了解。
ではちょっと待っててね。
(保健室で消毒と絆創膏による応急処置を終えて、学校を出る)
(開襟シャツの破れた部分に関してどうしようもないので)
(新しい物を購入するしかないだろう。とんだ災難だった)
・・・・・・・はぁ、面倒な・・・・
・・・・ったく・・・・・・どうしろってんだよ・・・・・
(ぶつぶつと呟きつつ、不穏当な雰囲気を纏って歩く)
(何かが、狂っている。或いは既に狂っていた。或いはとっくに壊れていた)
(それでも仮面を被り続ける自分が、滑稽だと思った。自嘲すらできない)
――ん?おーい、郡くん。郡くんじゃないか。
(ふと、視界の先に誰かの背中が見えた。それは、知っている背中だった)
(軽やかな態度で声を掛けるが、自分から駆け寄るつもりはないようだった)
(珍しく――、今日は何事もなく平穏に時間が過ぎていた。
思えばここのところ、異形に感けすぎて、ゆっくりとした時間を過ごしていない気がする。
…ま、たまにはいいか。そう考えながら、市街の街路樹の下を歩いていた)
はー…のんびりこうして歩くのもたまにはいいかもなー。
まっ、こういうときに限って何かしら起こるもんだけど。
(笑えない冗談だな、と苦笑しながら歩き続けていると、ふと背後から声が聞こえて振り返る)
…ん? ああ、真賀樹さん。今、帰りか?
(見知った顔をそこに見つけて、ひらひらと手を振り返す。)
ああ。それにしてもなんだか久しぶりだね。
学年も違うし、滅多に会う機会もないから仕方ないとは思うけどさ。
(音もなく歩いて彼――郡太一朗の横に並ぶ。さっと軽く観察する)
(初対面の時より、随分と逞しくなった印象がある。成長期だろうか)
随分と変わったね、キミ。何かあったのかい?
その様子だと、一夏の経験で皮が剥けたって感じだけど。
(同時に、戦士として研ぎ澄まされた印象もある。抜き身の刃、とまではいかないが)
(この少年自身が扱うナイフ程度の鋭さは、近寄っただけで感じ取る事ができる)
ひょっとして暇?だったら何か食べていかないか。
こうして知り合ったんだし、親睦を深めるのも悪くないと思うけど。
(対してこちらは、歪んで壊れて摩耗した自分自身を偽りの仮面で覆い隠している)
…まあ、そうかもな。
あの学校、中等部もあるせいか、敷地も大学並みに広いもんなぁ…。
ま、ここで出会ったのも何かの縁ってことで。
(ひらひらと軽く手を振りながら、のんびりと言葉を返して)
さて、どうかな。
……まあ、平穏な毎日、っていうわけじゃなかったのは確かだな。
何にせよ、だ。こうして元気にやってるだけでも、儲けもんだよ。
(あまり思い出して面白いものでもない。曖昧に言葉で濁しながら、軽く首を横に振り)
ん、そうだなー…今日は特に用事もないし、付き合うぜ。
……おっ、ちょうど、そこにラーメン屋があるから、そこにしようぜ?
(歩いている先に店を見つけて指差し)
ふぅん・・・・・その様子だと、楽しい休みってわけでもなかったようだね。
人生、そんなものだよね。本当に儘ならないことばかりだ。
問題は、どうやって折り合いをつけてゆくかって事だけど。
(語りたくない事を無理矢理探るのは嫌い――でもなかったが)
(その様子からするに、面白くもない選択と決断を迫られたようだ)
ラーメンか。偶にはいいよね。
(二人で連れ立って、ラーメン屋に入った。店内はそこまで広くはなかった)
(カウンターの席が空いていたので、二人で座ることにした)
ネギチャーシュー特盛りで。あと炒飯。
――キミと最後に話したのは、確か夏休みの前の旧校舎だったかな。
ひめ先輩と一緒に害虫駆除に励んだっけ。どう?先輩とは上手くやってる?
彼女にも色々柵があるようだし、難しいとは思うけどね。
(注文を終えて、適当な話題を振った。ひめ先輩とは共通の知り合いである)
(゛媛名葵゛のことであり、異形狩りの猟犬である。彼女の使命から考えると、異形に)
(近しい存在である異能者、つまり郡太一朗と仲良くつるんでいる方が奇妙なのだ)
(それを、彼は知っている。それを踏まえた上での彼の質問である)
それじゃ俺は……キムチラーメン、激辛の大盛りで。
あと、天津飯ひとつもらおっかな。
(カウンター越しに店の主に注文し、しばらくゆったりと過ごす)
……ああ、そういや、先輩と真賀樹さんって知り合いだったんだよな。
そうだな。あの人、変なところがあるけど、特に問題はないぜ?
…柵、ねぇ。ないことはないけど、別に難しいってわけじゃないぜ。
(ふと、思い当たることがひとつ。だが、それにしたって彼女の方針、
そして自分のそのときの選択は既に出ている。そこに迷いはない)
まぁ、どこか秘密めいたところがあったりするから、あまり先輩のこと知ってるわけでもないんだけどな。
一応、知り合いだね。仲良しってわけでもないけど。
(彼女とは一時休戦中ではあるが、状況次第ではまた刃を向け合う関係で)
(あり、それ以外の関係は存在しない。突き詰めるならそんな関係である)
・・・・ふぅん、その割にはひめ先輩の事ならなんでも把握してるぜって
感じの物言いだね?ああ、ひょっとして別の意味で一夏の経験は既に
済ませちゃったのかな、ひめ先輩と?ふぅん、へぇ・・・・・おめでとう。
(朗らかな笑み。明らかな揶揄。無論、邪推であり根拠は皆無だった)
――と、そんな話はさておき。またこの街が物騒になりつつあるね。
(それは自分が遺跡を荒した影響であり、また他の誰かが何かを画策して)
(災禍の火種を撒き散らしているからなのだが、それは別段構わない)
キミは、そんな混沌の中でこうして生きている。それは素晴らしい事だ。
初めて会った時は、妙な事に首突っ込んであっさり死ぬとか思ってたよ。
正直、キミを見縊っていたようだよ。無論、キミの努力だけでなく、それこそ
ひめ先輩みたいな人の助力があったから、だろうけどね。
(眼鏡を外して、レンズの汚れやフレームの歪みなどを確認しつつ)
そこで質問だ。何もこの街を荒してるのは妖魔だけじゃない。異能者を生む異能者も
いるくらい、この街は異能者が不自然なほど集まっている。中にはキミの考えからするに
予防線として殺しておかないといけない人間も、確実に存在する。
――キミは、その人を、人間を、殺すことができるのかな?
(まるで、好みの食べ物を聞いているかの様な、気負いのない声で問う)
……そんなわけないだろ。
俺があの人のことを理解して把握してるなら、苦労はしないって。
(思えば翻弄されっぱなしの毎日だ。
彼女のことを理解しているというのなら、それはおこがましく、否定すべき事象だ)
あのな、何をどう考えたらそういうことになるんだよっ!
……真賀樹さんが考えてるようなあまーいことなんて、何もないの。
(ひらひらと手を振りながら、否定して、やれやれと吐息をこぼす)
あー……そうだな。
…ま、命あってのものだね、ってのは理解してるつもりだし。
無茶はしても、無理はしてないしな。
(高評価、どうもありがとさん、と言葉を返しながらお冷を軽く飲んで)
そりゃあな。先輩がいなきゃ、俺はもしかしたらとっくに死んでたかもしれない。
…ま、それを考えるとこの街はとことん異常だ。非日常なんてもんじゃない。
おとぎ話のレベルになっちまうだろうさ。
……さて、どうかな。そのときになってみなくちゃ分からないさ。
ただ。
――ただ、最後まで俺自身を貫く覚悟はある。
それがあの人、先輩に言われた言葉だ。たとえ、人を殺すことになったとしても。
そのときは、そのとき。その手段を選ぶことも躊躇わないかもしれない。
…けれど、それは最後の手段だ。その手段に至る前に解決策を見出す。
その力を身に付けたいよ、俺は。
(苦笑交じりに、拳を握っては開き、指を動かす。…あの感覚は今でも忘れられない)
理解はできなくても、受け入れることはできるよ。
ああ、彼女はこういう人なんだろうなってね。
(それは一種の思考停止であり、放棄であり、詭弁である)
(理解する努力を放棄した関係ほど、つまらないものもない)
はは、年頃の男女が一緒にいてそんなこと考えない方が問題だよ。
それに、ひめ先輩に女性的な魅力がないとでも?それともゲイかな?
(にやにやと悪党的な微笑を浮かべ、嘆息している彼を見る)
――へぇ、そんな事を言ってたのか。らしいと言えばらしいのかな。
(自分自身を貫く。言葉にすれば簡単だが、どうしてこれほどまでに)
(難しい事なのだろうか。世界は、決して一人の人間に優しくないと言う事だろう)
・・・・・やっぱり、様子がおかしいと思った。キミは誰かを殺してるね?
(彼の態度と言葉。その裏に含まれた感情と感傷。解答は至極簡単だった)
なるほど、キミがそんな決断をしたんだ。よっぽどの状況だったんだろうね。
いや、気持ちは少しわかる気がする。アレはよくないよね。僕も最初の時は気持ち悪かった。
数が二十人を超えたあたりで、そんな気持ちもと薄れていったけどさ。そういう気持ちは、多分
薄れることはあっても消えることはないんだろうね。それが最後のラインなのかも、ね。
(口を休める為、水を含む。その前に丼が置かれた。食欲をそそる香りと湯気が立ち上る)
先輩は先輩だ。俺もそう考えることはできる。
…けれど、それでも理解できないことはある。
(いつの話だったか、彼女と進路について話したとき、その違和感を初めて感じた。
それからだ。彼女が色んなものを抱えているということに気が付いたのは。
それが正しいのか、それとも間違っているのか。――それはまだ理解できない)
ばっ……!? あ、あのなっ……後者は間違ってもないから!
…魅力がないわけないだろ。
ただ――、そう見てしまうと、先輩を裏切るような気がする。…そんな気がするんだ。
曖昧な形は曖昧にでも形があるってことだろ。人間関係はさ。
(何の根拠もない予感だが、曖昧に笑って誤魔化した。
今まであまり意識してこなかったために、どうやら戸惑っているようだ)
……ご名答。
(人を殺した、という指摘に今更隠そうとは思わなかった。
隠したところでこの男は、きっと見抜くだろうし、少なくとも疑いを持つだろう。
そうなれば最後、とことん追求してくる。そんな気がしたのだ)
人が人を殺して理由なんて、そいつがどんな奴だろうと、この世には存在しないしな。
…ただ、それを躊躇っていたら大切なものが失われていくかもしれない。
俺は、それが嫌だ。…自己満足だけどな。
(割り箸を割ると、ラーメンの麺を絡ませて、ずずっと啜ってたべはじめる)
゛人間は理解し合えない゛という前提を知った上で理解する努力は
怠ってはいけないと思うけどね。それが近しい人なら尚更、ね。
(身内であれ、近しい人であれ、完全な理解は不可能だ)
(それを理解した上で理解しようとする努力は、大事だと彼は考える)
(どうでもいい他人なら、理解を放棄して受けいれるだけで留める)
く、くくっ、キミは本当に面白いねえ。いいかい、郡くん。これはキミより
ほんの少しだけ世の中の事を知ってる人間の忠告として聞くんだ。
女性は常に自分を魅力的に見せる努力をしている。程度の差はあっても誰でもね。
では、男性はそんな女性をどんな風に見ればいいのか。ちょっと考えてご覧よ。
(バキリと箸を折り、ズルルっと豪快に啜る)
(人を殺していい理由などないと、彼は言う。そんな彼に、盗掘屋は笑う)
いいや、そうでもないね。絶対的に人間を殺してはならないという状況の方が、むしろ
この世界には存在しない。僕はそう確信している。そもそも、どうして人を殺してはなら
ないのかという問題になるけど――それは人間は本質的に人を他人を殺す生き物だからで・・・
(炒飯が置かれる。それをレンゲで掬って頬張る)
だからこそ、法律や倫理や道徳で、その本質を抑えようとする。効率のよい社会を作る為には、
その本質は害悪でしかないから。人間の知恵だよ、アレもコレもね。
――ちょっと話がズレたけど、キミだって大事に思う人間と、敵対している人間の命を天秤に掛けた
なら、迷わず前者の命を救うだろう?ついでに言うなら、自分の命と他人の命を秤に掛けるのは愚か
な行為だよ。何故なら、自分の命はその天秤自身なのだからね。
あのな……まあ、あんたの言うことには一理あるけど、
だからってそれを見せる相手が俺だとは限らないだろ。
……つーか、想像できないし。
(うーんと唸りながら、首を横に振って)
俺には哲学的なことはよく分からないけどさ。
…もしかしたら、そいつにだってそいつを大切に思っているやつがいるかもしれない。
だったら、そいつを殺してしまったら、その人たちを傷つけることになる。
だから、俺は……出来ることなら、そんなことはしたくない。出来ることなら、だけどさ。
(静かに麺を啜りながら、置かれた天津飯を頬張って)
もちろん。…まあ、命なんて比べるもんじゃないとは思うけどな。
ただ、そのときは躊躇いはない。――たぶん、それが俺を貫き通すってことになるんだろうしな。
【そろそろ締めようか?】
見せてもらえるように、振り向いてもらえる様に努力はしないの?
愛することも、愛されることも努力だよ。何もせずに与えられる物はない。
欲しいなら掴み取れる様に努力するしかない。僕はそう思うよ。
(特盛りの具と麺が、瞬く間に胃袋の中へと詰め込まれてゆく)
――誰かに愛されたいって言うのは、魂の欲求だからね。
(その欲求を真の意味で満たす事のできる人間が、果たしてどれ程いるのか)
(少なくとも、自分はその欲求を一生涯満たすことはできないだろう。静かに認める)
哲学じゃなくて、ひとつの生き方だよ。僕はそうやって生きてきたってだけの話だしね。
相手の事を知れば刃が鈍る。至極御尤もな話だ。僕だって知り合いに刃を向けるのは
心が痛むしね。けど、相手がこっちの事情を斟酌してくれるとは限らないだろ?
(カランと、レンゲが皿の上に転がる。米粒ひとつ残っていない)
躊躇ってたこっちが死ぬ。至極単純な答えだね。
肝心なのは、生き残ることだよ。死んだら後悔する事すらできやしないから。
――ふぅ。御馳走様。なかなかいい仕事してるね、この店。
(ひょいと伝票を持って立ち上がる。「ここは僕が払うよ」と言って会計を済ませる)
キミはまだ食べてていいよ。じゃあ、僕はこの辺で。またね。
(ガラガラガラ・・・・・ピシャ!建てつけの悪いドアを開けて店を出る)
――はぁ・・・・・・一人より二人で食べた方が、まだマシだよね。
(自分にしか理解できない事を言って、盗掘屋は再び独りになった。独りで、歩きだす)
【ちょっと調子に乗り過ぎて文章が意味不明に・・・・・orz】
【次はもうちょっとわかりやすいロールするから、またよろしく】
うっ……いや、まあ、そりゃ、その……
(そう言われて言葉に窮する。
もちろんそういう願望はあるが、それを改めて意識してみると物凄く恥ずかしい)
…ま、俺と先輩の話だ。これからどうなるかは、俺にもわからないし、
先輩だってそうだろうさ。
…それに、今の関係も嫌いじゃないしな。
…死んだら終わり、それには同感だな。
何にしろ、命がけだ。お互いに。
譲れないものが出来たとき、衝突は生まれ、争いは避けようもないものになる。
……なら、俺は俺が思うもののために、全力を出してみせる。
それがあの人に教わったことだからな。
(そう静かに言い終わると、ラーメンも、天津飯も食べ終わり大きく呼吸する)
ああ、ご馳走さん。また一緒に食べに来ようぜ? …じゃ、またな?
(真賀樹を見送った後、遅れて彼も店を後にする。
今日の真賀樹はどこか様子がおかしかった。けれども、それを見抜けるほど、彼もまだ
観察眼が磨かれているというわけではなかった。首を捻りながらも、彼もまた家路についた)
【お疲れさん! こちらこそ、また機会があればよろしくな? それじゃおやすみっ!どうもありがとう】
【名前】五百磐・舞・エスダート(イニワ・マイ・エスダート)
【年齢】16(高等部1年)
【性別】女
【身長】160cm
【3サイズ】83/58/84
【容貌】普段は野暮ったい黒縁の眼鏡をかけ、長い髪を三つ編みに結った地味な文学系少女。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。外国人の母の血を色濃く受け継いだ波打つ亜麻色の髪と
紺碧の瞳を持つ年齢に似合わない妖艶な容姿が本来の姿。
【能力】魔女術。俗に黒魔術と呼ばれる類のもの。
箒に乗って飛行したり、下等な魔物を使役したり、四元素を操って敵を攻撃したり。
【希望】雑談・バトル・エロールは異性相手なら攻め受け両方、同性相手は受けのみ。
【NG】スカやグロ。死亡、妊娠など後に大きな影響を与えるもの。
【弱点】効果の大きい魔術を使うには、長い呪文詠唱などそれなりの下準備が必要で時間がかかる。
身体能力はごく普通の女子高生。魔術がなければてんで弱い。
性行為に関して、男が相手なら精気を吸い取り自分の力に変える事が可能だが
同性が相手だと同一属性(陰・月)の為それが出来ず、防戦一方。
【備考】北欧の魔女と日本人のサラリーマンの間に生まれたハーフ。
「舞」という名は隠し名である本名の当て字で、本当の字は魔女の習性として明かさない。
普段は魔術のかかった黒眼鏡で、瞳と髪の色彩と魔女の妖性を隠している。
大人しく温和な性格を装っているが本質は傲慢で皮肉屋でプライドが高く゛力゛を得るに貪欲。
学園一帯に感じる不可思議な「力場」を解明して、あわよくば自分の手中に納めようと
夜な夜な学園や街を飛び回っている。
さて……。
随分と無沙汰をしておりましたが、久方振りに待機してみるとしましょう。
時も過ぎましたし、彼方では何やら談義している様子。
一度こちらは席を外し彼方へと赴いてみるといたしましょう。
【霧原朱音さんをお待ちしています】
(夜闇の中。5階建てのマンションの屋上から眼下を眺める女性が一人)
(夜闇に流れる黒髪を靡かせ、ところどころ破けてくたびれた黒いコートが風に揺れる)
(そのコートには、右腕を覆う部分は既に千切れてなくなっていて。左手には黒手袋がはめられていて)
(柵に頬杖突きながら、何かを捜し求めるようにして)
……よし、まずはあいつにしよう。
(眼下に捕らえたのは、一人の少女。にんまりと口元を歪ませて)
(そして、足元に伏していた一組の男女の首をそれぞれ掴んで持ち上げる)
頑張れよ、出来損ない。あいつをやったら、あんたら自由にしてやるからさ。
(異能者を炙り出すために、出来損ないをけしかけて。毎夜彼女は新たな仲間を求めていた)
……じゃ、行ってこい。
(その体を。眼下の少女めがけて放り投げた。空中で人の姿を失い、一対の異形と化して落ちていく)
(無残に殺され、あげる断末魔の悲鳴も、そしてその後に待っている出来損ない達の始末も)
(どちらもまあまあ面白い。だがやはり、仲間が増えるに越したことはない。そのくらいのことは期待していた)
(初秋の深夜。月は煌々と頭上にあり、すでに風には夏の気配はない)
(夜陰に乗じたつもりが、黒いボディスーツとスパッツだけでは、薄ら寒くさえ感じる)
(これからパートナーの部屋へ向かうところだが、あえて連絡はしていなかった)
(頭上にただならぬ気配、というより何かが空を切る音)
なに…?
(振り仰ぐ目に入るのは、異形が二体!)
いたわね、化け物!
(落下地点から飛びのいて、手に充電しながら、二体が地上に叩きつけられるのを見る)
(びしゃり、と湿った音を立てて落ちたそれらは、ずるり、と人ならぬシルエットを見せて立ちあがるや)
(次の瞬間には津綺子に肉薄していた)
くらえっ!
(両手から、人なら心臓がとまるほどの電圧をかけて異形にそれぞれ電撃を放つ!)
(刹那、夜の街を激しく照らす雷光が迸った。その全てを眺めて、彼女は満足げに笑う)
いきなり当たりだ。今日の私は運がいい。
……ありがとう、出来損ない達。お前らの出番はこれで終わりだ。
(深く膝を溜める、屋上の貯水タンクがひび割れて、中から水が飛び出して。彼女の足に纏わりつく)
(それは所謂バネのようなものとなり。より高く、遠く跳躍するための力を彼女に与えた)
(二匹の出来損ないが、深い苦痛と絶望の内にその生命を停止しようとした最中。彼女は跳んだ)
(月をバックに、鋭く速く。そして落ちていく。二匹の異形を屠ったばかりの少女の頭上に)
ふふ……はぁーっはっはっはぁっ!!
(体をねじりながら、繰り出したのは鋭い蹴り。落下の速度と、戦闘に特化した彼女の体とが相まって)
(鉄をも砕かんばかりの威力と勢いを載せて、高らかに響く笑い声と共に放たれた)
(電圧は高いがそれほど電力を使ったわけではなかった)
(それでも二体の異形は、身もだえしながら苦悶しつつ、ずるずると外形を失っていく)
(さらに指先にパワーを集めながらそれらを凝視していた津綺子に、突然哄笑が聞こえた)
今度は誰?!
(再び頭上にその気配を感じた時にはもう、すさまじい蹴りが繰り出されていた)
うぐぅっ!
(かろうじて受け身を取り、衝撃を逃がすのが精いっぱい)
(蹴りは過たず側頭部をとらえ、地上を転がる津綺子に割れ鐘のような耳鳴りをもたらした)
…っ……次から次へと……
(頸骨や頭がい骨が無事だっただけでも僥倖と言えるだろう)
(頭を振り振り上体を起こし、かすむ視界にとらえた相手に、片手いっぱいの電力を放つ!)
(蹴りは違わず少女の側頭部を捉えたものの、空中で、しかもあれだけの高さからの落下の末の蹴り)
(もちろん、まともに着地などはできるはずもない。それが普通の人間ならば)
(足に纏わりついていた水が地面に食い込んで、体勢を無理やり整え着地する。靴底がアスファルトに擦れてざりざりと音を立て)
いやぁ、やるね。一発で決められると思ったんだけど……なっ!
(そして迫り来る電撃に向かって、左手を突き出した。その手は全てが水の塊)
(故に、本体へのダメージを最小限に全ての電撃を受け止めたのだった)
(しかし当然、手袋どころかコートも焼け焦げ、未だわずかに帯電する透き通った左腕を夜闇の中に晒していた)
(唯一違うとするならば、その手に赤い宝石がつけられていないこと。だが、そんなことに気づくことのできるものはこの場には居ない)
ま、とりあえず一度倒させてもらうよ。でも、できることならたっぷり私を楽しませてから、倒れてくれるとありがたいな。
(そして再び足のバネが解き放たれる。ベクトルを横に向けたその跳躍は、一瞬で彼女の体を少女の頭上に運ぶ。そして)
そー……れぇっ!!
(そのまま左の拳を振り下ろした。手甲に変えるでもなく、銛を打ち出すわけでもなく)
(ただ、人の拳の形のままで、振り下ろされたのだった)
(今の彼女は、どうやら肉弾戦を好んでいるようだった)
まずい!
(接近してこられては対抗手段がない)
(だが先ほどの蹴りと連続の放電ですぐには体が動かず、逃げることは叶わなかった)
…っっっっ!!……
(電力を溜めた手で拳を受け、相手の勢いに負けてそのまま眉間に打撃を食らう)
(相手に流し込んだ電力は、そのまま自分を縛るショックとなり)
(夜露に冷えた路面に、長々と肢体を晒す羽目になった)
(携帯でパートナーを呼ぼうにも、今の電撃で使えなくなってしまっている)
(肩で息をつき、泥のように重い体をけいれんさせながら、こちらを見下ろす”敵”を)
(絶望の思いで見上げた)
やっぱり、結構痛いんだな。感電するってのは。
(流れ込む電撃は、確実に彼女の体を蝕み焼いていた)
(それでもやはり、その動きを、命を止めるにははるかに届かないもので)
(まるで火傷でもしかたのように、左手を軽く振っていた)
しかし、これは思わぬ拾い物だ。はは、足元掬われないように気をつけとかないといけないな。
(こんな能力者が適格者となれば、間違いなく恐ろしい存在となる)
(それこそ、下手をすれば彼女の存在をも揺るがしかねないほどの)
(だが、それも面白いだろう。そう考えて)
今から、お前を変える。大丈夫、痛くなんかないさ。……っと、もう痛い目は散々見てたんだっけな。
大丈夫、そんな痛みもすぐ忘れるさ。ふふ、くくくっ。
(含み笑いと共に、どこか狂気をはらんだ視線を向けて。しゃがみ込む)
(無造作に髪をつかんで顔を持ち上げると、とてもとても歪んだ、そして楽しそうな笑みを見せて)
じゃあ、ひとまずお休み。
(何の前触れもなく、その左手が少女の首筋に突き立てられた)
(どくり、どくりと流れ出る何かが彼女の体を変えていく。人ならざるもの「シード」へと)
後は、目が覚めるのを待つだけだ……ここじゃ何かとまずいだろうね。一度離れるか。
(打ち据えられた異形の死体もそのままに、少女の体を担いで跳んだ。たどり着いた先は先ほどのマンションの屋上で)
(首筋に“敵”の手が触れた)
…殺される……!
(それはもはや唇を動かすこともかなわぬ囁き)
(首筋に鋭いものが突きたてられる感触に、身を震わせてかすれた悲鳴をあげた)
ひあ……っ……
(綿屑のように弛緩したまま“敵”によって運ばれる)
(文字通り、ただの物体として運搬された先は、建物の屋上)
…私を、どうするの……何をするつもりなの……?
(激しい戦闘からしばらくの時間を得て、口を利けるほどには回復しつつあった)
(寒気を感じ、それでいて自分の体は熱い。たちの悪い風邪をひきこんだように)
(ひゅう、と喉を鳴らして無理やり呼吸をする)
(自発呼吸すら、もはや意識しないと続かないほど)
(それらも、幾時間も続くわけではなかった)
(全身に冷や汗が吹き出し、ゆるゆると体を起こす)
あなたは、いったい何なの?
(当然の質問をするにも、体中の痛みをこらえながらの苦行だった)
>>560 (異能者を「シード」に染めるのは、思いのほか時間がかかる)
(それは今までの経験で既にわかっていた。だから、眺めていた)
(冷たい夜風の吹き抜ける中、じっと、じっと少女を眺めていた)
直に、全てわかるさ。お前が選ばれたらな。
(まだ口がきけるということ、そして、まだ自我があるということ)
(どちらも、それなりに驚くべきことだった。そして、面白いことだった)
………おかしい、な。
(大抵、出来損ないでも適格者でも、すぐに立ち上がり行動を開始する)
(その体の損傷がどれだけあろうとも、すぐに動き出す。多少の傷はすぐさま再生するし)
(本格的な修復が必要ならばすぐさまあの部屋に戻ろうとする)
(だが、この少女は違う。痛みを感じ、それに支配されて体を動かせずにいる)
私は……「シード」
(我々ではなく、私、と告げた)
人類の、天敵さ。そしてお前もそうなる。
(その言葉には、あたかも役割を演じているかのような風もあり)
そうなるはず、なんだけどねぇ。
(不思議そうに、ゆっくりと起き上がってきた少女を眺めていた)
シード……
(一見、普通の人間にしか見えないが一度その手が透けたところを見ている)
(人間ではないのだ)
人類の敵…ですって? 一人一人、こんな風に襲っていたのでは
人類滅亡までどのぐらいかかるものやら。
(吐息に言葉を途切らせながら、無理やり強がった)
(自分にいったい何をしたのか)
(シードがこれから具体的に何をするつもりなのか)
(語らせなくてはならない)
どうやら私は人類の天敵にならずに済んだようね?
(変化がすぐに訪れるとは限らないことを、津綺子はもちろん知らない)
(打ちのめされたようにだるい体を、どうにか回復させるだけの時間を稼ごうと)
(相手に話を続けさせるべく、言葉を紡いでいるばかりだった)
そう「シード」
色々あってね、最近こんな感じに活動を始めたわけ。
人類に、取って代わってやろうかな、って。
(無謀にも遠大な謀。まるで子供が夢を語るように、瞳を輝かせてそう言った)
そうとも限らないさ。ねずみ算ってものを知ってるかい?
私が作った新たな「シード」が、また新たな「シード」を作る。
こいつをしばらく繰り返してれば、膨大な数の「シード」が生まれる。
無理な話じゃあ、ないと思わないかい?
(実際は感染をさせているのは今までずっと彼女一人だけ)
(そもそもにして、そんな言葉に真実味などあるはずもないのだけれど)
……そう、そこだ。何故お前はならずに済んだのか。
出来損ないでも、適格者でもない。まるで元のままだ。
ワクチン……見たいなものでももってたのか。それとも電気を使う奴とは相性が悪かったのか。
(口元に指を寄せて、不思議そうに首をかしげる)
それとも……私と同じ、なのかもな。
(人の意思をもったまま、適格者となる。今に至るまでその前例は、彼女以外にはありえなかったのだけど)
(同じことが、今また起こらない保障はないのである)
取って代わる……あなたが誇大妄想狂だっていうのはわかったわ。
(挑発するように言い捨てた言葉は、しかしすぐに取り消された)
(ねずみ算。新たな「シード」。膨大な数が生まれる)
私に……私に何をしたの?!
(跳ね起きるようにシードに食ってかかる)
(いきなり動いた衝撃で、目の前がくらくらした)
(答えはわかっていた。シードになるべく、何かを植え付けられたのだ)
(首筋に突き刺さった何かによって)
あなたと同じ……あなたもこうしてシードを植え付けられてそうなったの?!
……いずれ、私もそうなると……
(ぺたん、と元の位置に尻もちをつきなおす)
(電力を跳ね返した透明な腕、いずれ自分もああなるのか?)
冗談でしょう、そんなこと、私には起こらなかった。
ほら、私はこれまでと何も……!
(冷や汗が首筋に凝固する……と、シードに向かってつぶてとなって飛んで行った)
何…今の?
ああ、普通はそう言う。私だってそう思う。
だが、できないこともないんだ。もっと手っ取り早く、一気に仲間を増やす算段もある。
今は、その為の準備中ってところさ。
(果たしてそれが全て滞りなく進んだとしたら、この街はより深く「シード」に汚染されることになる)
(そしてそれはその近隣へ、そしてどこまでも広がっていく)
(あくまでもそれは妄想の域を出ず、実現するためにはとてもとても敵は多そうではあったのだが)
いや……どうも私は違うらしい。
何だったかな……いつの間にか、こんな体になってたんだったか。
(もう、元の人間であった頃の記憶なんて何も残ってはなかった)
(ただ辛うじて、適格者としての「霧原朱音」であった頃の記憶が残っているだけで)
いずれ、って言うか、もうなってないとおかしいんだけどね。
(水の礫が飛んだ。それは透き通る左腕に受け止められて、その一部となって)
……やっぱり、か。
(もはや疑う余地はなかった)
お前は、どうやら以前の私と同じのようだ。
人の意思を持ちながら「シード」の力を持った適格者。
……ふふ、はははっ!面白い、面白いぞお前!
(前髪をぐしゃぐしゃと弄びながら、笑う。楽しそうに、嬉しそうに)
そう、お前はもう人間じゃない。私と同じ存在になっちゃったんだ。
運よく、人の意思自体は消えずに残ったようだけど。まあそう案じるな。
化け物には、化け物の生き方がある。私がお前に教えてやるよ。
(やはり、嬉しかったのかもしれない。「シード」であって「シード」ではない)
(そんな境界に今なおある自分。ただ、どちらかといえば「シード」よりであった今と、人間よりであった昔と言う違いしかない)
(だから、同じような境遇に陥った少女が現れたことは、無性に嬉しかったのかもしれない)
だから一緒に来い。力の使い方も、生き方も。全部私が教えてやるよ。
(得体の知れない高揚感と、どうしようもない期待感。そんなものを込めて、手を差し伸べた)
(今では脳裏にはっきりと、「人にとって代わる」イメージが見えていた)
(シードは、いわば悪意をもった病原体のようなもの)
(こうして次から次へと人に感染し、シードに変えていく)
感染方法は、接触だけなのね?
(首筋を押え、シードを睨みつけながら問うた)
(見ようによっては尋問のようでもあり、また見方によっては自分のなすべきことを問うたようでもある)
あなたも以前は人としての意思を持っていた……
今はそれがない、ということは、私もいずれそうなる、のね……?
(脳裏に広がるイメージは止まらない)
(友人が、両親が、次々とシードに感染して倒れ、あるいはシードとなって立ちあがる)
(そして妖魔を宿した恋人は……)
わたしの、敵。
(差し出された手を見つめ、その手の主を見上げ、それから目を閉じる)
(不思議と体のだるさも重さもなくなっていた)
(再び目をあけたときには、全く平素の表情で)
私はシードとして、何をすればいいの?
あなたのようになるまでに、あとどのぐらいかかるのかしら。
(静かに問いかけながら、シードの手を取った)
【次のレスをいただいたら、その次ぐらいで締めさせていただいてよろしいでしょうか】
【まだ何かレスしておくべきことがあったらお願いします】
>>566 水さ。遍く「シード」の存在と、その力は全て水のなかにある。
(かざした左腕はぐねぐねと形を変えながら)
簡単に言うと、水の中に済んでる何かが、私らをこんな体にして、今尚仲間を求めてるってわけ。
そして、水を操る力が私達の武器。何かと便利なんだぞ。使い方は後で色々教えてやるよ。
つまり、仲間を増やすためには……「シード」を含んだ水を、そいつに飲ませればいい。
もしくはさっきのように、直接打ち込んでやってもいい。
運が悪ければ出来損ないの化け物になるし、運がよければ自我を全部もっていかれて「シード」の僕となる。
そして、本当に珍しいことだが……私らのように、人と「シード」の合いの子のようなものも生まれるらしい。
(ゆっくりと言って聞かせる。物を知らない子供に、一つ一つ教え込んでいくように)
そうだな……それはお前次第。何かの拍子に自我を食われるかもしれない。
私も一度そうなったんだが……なにやら妙なことがあってね、またこうして人っぽい感じに戻ってきた。
(これはこれで不思議なことだ、とわずかに首をかしげながら)
(その手をそっと握って、立ち上がらせて)
好きにすればいい。本能のままに生きてみればいい。
私はそうした。そして今は「シード」としての本能に準じてる。
私と同じ状態になった時点で、お前は何よりも自由なんだ。
その命果てるまで、その自我が食われるまで、刹那主義にでも生きてみればいい。
(仲間、と呼べるような存在に、初めて出会ったような気がして)
(それが、何故だか無性に嬉しくて)
折角こんな関係になったんだ「シード」なんて一緒くたな呼び方も改めよう。
……お前は今日から、私の妹になれ。
(ほんのわずかな茶目っ気を混ぜて、抱き寄せて、軽く額をつついた)
水……水に接触するだけじゃなくて、相手の体内に入れないと感染しない……
(まさに砂漠が水を吸い込むように、シードの言うことを理解し)
(自分が何者になったのか、矛盾もなく実感することができた)
(人間の女そのものの「シード」がこちらを抱き寄せる)
あなたの、妹。
そうね、私はこれから少しづつ、自我をシードに明け渡して
いずれ本当にあなたそのものになりきってしまうでしょう。
(抱き寄せられ、その肩越しに煌々と輝く月を見上げつつ)
(涙がこぼれ、その涙はしかし雫となって落ちることはなく)
(震えながら頬の上にとどまっている)
もう……行くわ。
行って私のするべきことをする。
(静かに「シード」の体を離し、涙の粒をいくつも頬にとどめたまま言った)
(会わなくてはならない。「彼」に)
(人の心を失わないうちに、妖魔を宿す恋人に、人類の敵となった自分を……)
【こちらはここで締めさせていただきます】
【そちらの締めを確認したら、避難所にむかいますので】
そう、私はお前の姉だ。なぁに、これでお互い晴れて天涯孤独の身になったんだ。
……まあ、同類な奴らは山ほどいるけど、あいつらとつるんでも面白くないからな。
楽しくやろうよ、折角こんな便利な力と体を手に入れたんだ。
(求めていたのかもしれない、こんな風に、互いの境遇を分かり合える仲間と言うものを)
(しかしその想いは「シード」という生き物の枠からはやはり外れた思考)
わからないよ。私はこれでも随分と人間っぽいんだ。他の奴らなんて、みーんな同じ意思の元に動かされてる。
だから、お前もしっかり自分を保っていれば、今のままでずっと。最後まで生きていられるかもしれない。
……だから、ほら。泣くんじゃないって。
(涙をぬぐおうとして伸ばしたその手を避けるように、涙の粒が離れて)
(そんな姿を見ていると、どうしようもなく悲しくなった。かつて人間であった頃にも、今でさえも感じることのなかった感情)
(そんな悲しさを覚えてしまって、彼女は軽く目を伏せた)
ああ、行っておいで。戻ってくる場所くらいはわかるだろう?
お前の中の「シード」が呼ぶほうに来ればいい。私は、いつでもそこにいるから。
(ゆっくりと離れていった新たに生まれた妹の体)
(名残惜しそうに手を軽く握って、小さくため息を吐いた)
【お疲れ様、こんな感じになってしまったけど、大丈夫だったろうかね】
【長いロールになりましたが、お疲れ様でした!】
【楽しかったし、またこれからが楽しみです】
【こちらは感謝とともにスレをお返しし、避難所にむかいますね】
【お邪魔しまーす、しばらく待機してみます】
【プロフは
>>5にあります!】
【タイミング悪かったかなあ、一時退却〜】
【スレをお返しします】
【自称レスの遅さに定評のあるわたしですが、すこし待機してみようと、思います】
【プロフは
>>294あたり、です】
【いつの間にか、1時間以上…】
【仕方、ないのです。スレをお返しします(ぺこり)】
間に合わなかったか…?
少し待ってみるよ
【|ω・`)……】
【他のロールを巡りつつ避難所に行ってみたら、来てくださるとあったので】
【戻ってきてしまいました…】
よかった…(手招き)
雑談にかまけて、空振りさせてしまうのは申し訳ないと思ってたからね
えーと、お相手お願いできるかな?
(てこてこと寄っていく)
待機中にちょっと覗いて、もしかしたらお邪魔かなと思ってしまったのですけれど。
はい、よろしくおねがいします(ぺこり)
さてと、邂逅ロールだね。こちらのネタを出そうか
@そちらは別の妖魔との戦闘後、疲れている状態
A俺と出会い、俺の中の妖魔を感じて挑みかかる
B途中で俺が人間だ、との認識を得て戦闘終了
C血を分ける
こんな感じの流れでどうかな?
AとBは軽くやり合う程度
Cを重視したいと思っているんだけど
了解です。
Aでは、こちらも半分戸惑いながら問いただす、みたいな感じになると、思います。
基本的に、「人間には弱い」というのがわたしの立ち位置ですので。
OK、流れ次第では戦闘はなしでもいいね
では、言い出しっぺのこちらで書き出しをしよう。少しお待ちを…
おっと、先に言っておこう。よろしくお願いします(ぺこり)
はいー(ぺこり)
(深夜)
(表通りのきらびやかな様子とはかけ離れた、薄汚れた路地裏を歩く)
(目的地を決めず、彷徨うように、辺りの気配を探りながら、歩く)
………?
(足がピタリ、と止まる。気配を、感じた)
(街灯やネオンの光が届かない、わだかまる闇の、向こう側)
…化物…じゃない…?
(妖魔の発する、ジリジリとした、焼け付くような、感じ慣れた気配ではない)
(もっと儚い、別の、初めて感じる気配)
そこに誰かいるのか?
(静かに、闇の向こうの気配に声をかける)
【では、こんな感じで】
ふぅ…。
(紺色のジャージの袖で、頬についた泥を拭う)
こんなところに来なければ、よかったのに。
お前が、なにも、奪うものでなければ。
(夜の街の喧騒も届かない一角で、ひとり呟く少女の足元には)
(無数の鉄パイプでめった刺しにされた、醜い異形)
(目を剥き舌をだらしなく垂らし、異臭を放つ体液を、ただ垂れ流している残骸)
あー…また、やっちゃった、なぁ。
(軽い、目眩)
(力が入ると、つい魔力を消費しすぎてしまう)
(みずからを、ヒトのカタチたらしめている根源を)
どうしたら、いいかなぁ…もう。
(自分を大切にしろ、と、言われたばかりなのだ)
(少なくとも無茶をすることを、望まないひとがいる)
……?
(不意に、何かを感じた)
(妙な気配。それが、近付いてくる)
……アレ、なの……?ううん、違う……?
(傍らに置いていたシャベルを手に取り、構える)
(そして、声。ヒトの、言葉)
だれ……?
【はい、よろしくおねがいします】
(止まっていた足を闇に向けて踏み出す)
(そこで目にしたのは)
(ガラン、とシャベルを鳴らし、構える)
(学園指定のジャージに身を包んだ、少女)
………
(目の前の華奢な少女に対して)
(警戒が解けず、無言のまま、対峙する)
(理由は二つ、少女の手には不釣り合いなシャベル)
(それと、少女の足元に横たわる「何か」の残骸)
君は…?
(少女の問い掛けに、質問で答える)
(しかもこの場合、問うているのは、間違っても名前ではない)
(明るい方角から現れたのは、背の高い青年)
(見た目は、ごく普通の、人間)
…………ッ!
(けれど、違う)
(人間とは、違う)
(先日出会った彼は、異形でありながら、本質はヒトであった)
(だが、目の前のこの男は――)
(この男は――?)
……わたしは、これを屠ったもの。
わたしは、あなたはだれ、と、聞いているの。
(簡潔に答えながら、改めて問い返す)
(何かが、おかしい)
(確かに、アレの。妖魔のニオイは、間違いなく感じられる)
(妖魔であれば、屠ればいい。足元の残骸と、同じように)
(しかし彼には――ヒトのニオイも、混ざっている)
(寧ろ、そのほうが強い)
(得体の知れぬ不安に駆られながらも、厳しい視線は逸らさない)
君が…それを…?
(生気の薄い、白い顔。だが厳しい目で睨み付ける少女)俺は…人間だよ。
(その問い掛けにゆっくりと答え)
君がやらなければ、「そいつ」は俺がやっていたんじゃないかな?
(転がる残骸を目で示す)
(こちらが感じるているのは、不可思議な、虚ろな気配)
(だが、その気配に何かを感じたのか)
(体内に宿した妖魔が、ザワリ、と蠢く)
…くっ!
(「クイタイ、クイタイ」「ツヨク、ツヨク」)
(眉をしかめ、吹き出しそうな力を、無理矢理、押し込め)
君は…人間じゃないのか?
(そう問い掛ける)
……そう。これは、ヒトの敵、だから。
(六花の警戒にも、異形の残骸にも、彼は動じない)
(“こちら側”の存在であることは、確実)
あなたが、ヒト……?ほんとう、に?
(自分の感覚も、彼の言葉も信じ難い)
(奇妙なもどかしさに、奥歯を噛み締める)
(そして、彼が一歩歩み寄る)
(その瞬間)
――――ッ!!
(ざわり、と、した)
(あの澱んだ気配が、膨れ上がった)
……そう、わたしは、ヒトじゃ、ない。
……けれど。お前も。違うでしょう?
(ヒトでないなら。異形ならば。それは、六花の敵)
(何故か苦しげに眉根を寄せる青年に、六花は明らかな敵意を向けた)
(漏れ出した力に、少女は明らかな敵意を見せた)
(彼女は、俺の正体に気付いている)
待って、俺は、人間だよ
(信じて貰えないのは、承知の上。だが言葉を紡ぐ)
キミは、ヒトの敵を倒しているんだね?ならば、俺も同じだよ
(踏み出した足を退く。両手を拡げ、胸をさらけ出す)
俺は、キミと敵対する気はない
ヒト、だって、いうの?……お前が。
そんなニオイを、させておいて。
(言いながらも、戸惑う)
(今この瞬間にも先程の気配は薄れてゆく)
(ヒトのものに、近付いてゆく――それでも、妖魔のそれは、消えはしない)
同じ――なんて。
(彼は、本当に、アレ、なのだろうか)
(判断できない。しかし、ひとつだけ確実なことは)
(六花はヒトを殺さない――殺せない)
(異形ならば、倒さなければならない)
(けれどもし、彼がヒトだったら?)
なん、なの……ッ?
(完全な、無抵抗のポーズ)
(敵意は、皆無)
(偽りのない、真剣な眼差し)
(こういったものに、六花は、弱い)
もう……もういちど、聞く。
お前は――あなたは、なに?
(問いながら、すぐ後ろの、針山のような異形の死骸から)
(鉄パイプを1本引き抜く)
(手を、触れることなく)
(その先端は、槍のように尖っている)
――答えて!
(不安を振り払うように、六花は青年目がけて鉄槍を打ち放った)
【すこし、魔力を消費したいので、動きますね】
そうだ、俺はヒトだよ
(落ち着かせるように、説き伏せるように)
(目を見開いて、その光景を見守る)
(鉄杭が少女の手の中で、鋭利な凶器に変形する瞬間を)
(鉄槍が自分めがけて投躑されるその瞬間を)
(一瞬の灼熱、続く痛み。飛びそうな意識を激痛が引き戻す)
(鉄槍は肩を貫き、吹き出した血は腕を伝い、地面に染みを造る)
…何度でも、答えるよ…俺は…人間だ…
君と、同じ…ヒトの敵を、狩る者…
(襲い来る痛みに言葉を途切れさせながら、それでも少女の問いに答える)
信じて、くれ…俺は、君の、味方だ
なっ……!?
(避けることは、できたはず)
(反撃することだって、簡単だった)
(なのに彼は、それをせず、六花の攻撃を、その身で受けた)
な、なんで……どうしてッ!?
(青年の腕が、服が、アスファルトが、鮮血に染まってゆく)
(ただ、自分は人間であると。それだけを伝えるために)
(彼は、傷付いて。苦しんで)
(それを与えたのは、六花だ)
わ、分かった、からっ……
もう、言わないで、いいから……
(“味方”、なんて)
(この数日で六花と繋がって、ふたりの少年の顔が、浮かぶ)
(六花はシャベルを捨て、彼に駆け寄る)
よかった、信じて貰えたみたいだね
(一歩二歩とよろけ、地面に膝をつく)
(駆け寄ってきた少女に顔を向け、微笑みながら)
そうだ、忘れちゃいけないね
…味方なら、自己紹介しておかないと…
(意識を繋げるため、自分でははっきりと喋っているつもりだが)
(六花に届く声は震え、力がない)
俺は、迫水…迫水直…
君は…「島田」…さん?
(ジャージの名前を読み取り、確認する)
あっ……
(崩折れる青年を、支えようとするが、間に合わず)
(そのまま、2人で地面にしゃがみ込んでしまう)
う、う……
(痛みを堪えながらの笑顔を向けられて、六花の胸の中に罪悪感が広がった)
さ、こ、みず……
(「迫水直」。それが、彼の名前)
(それどころではないのに。血は、六花のジャージも汚していく)
わ、わたしは……はい。そうです。
六花。島田、六花、です。
(焦然とした様子で答えながら、深く刺さった鉄パイプに、手をかける)
(少しでも負担が軽くなるように、魔力を注ぎ込んで細く変形させると)
(彼の肩に手を当てて、それを一気に引き抜いた)
島田…六花…
(名前を繰り返す、記憶に刻む通例の行為)
ぐっ…!!
(唇を噛み、引き抜かれる瞬間の呻き声を押さえる)
(服の穴から覗き見えた傷口が、障害を取り除かれ、急速に回復をはじめ)
(腕を振り、絡み付いた血を振り払えば、続けて滴るはずの血液はない)
(傷が塞がれば、痛みは泡のように溶けて消える)
ふぅ…ありがとう、島田さん…
わざわざ、細くしてくれたんだね?
(引き抜かれた鉄棒に一旦目を向け、再び六花の顔を見つめる)
大丈夫?顔色悪いみたいだけど…
(すぐ傍で発せられた呻き声が、耳に痛い)
――――ッ!?
(ぽっかりと開いた傷口が、抜いた側から塞がってゆく)
(人間の回復力では、ない)
(どうなっているのか。やはり彼は、ヒトではないのか)
ありがとう、なんて。わたしが、やったんですから。
(もう、出血は完全に止まっているらしい)
(痛がっている様子も、感じられない)
(ますます、疑問は募るばかり)
……あ……
(ふと、気付く。この、自分にも染み付いた血液は)
(ヒトのものとも、アレのものとも、違う……?)
だ、い、じょうぶ、です。
ちょっと、疲れただけ、で……
(答えはしたものの、やはり立て続けの魔力の消費は堪える)
(青年の視線にも気付かず、汚れた手に目をやると)
……ッ!
(指先に、小さなひび割れが、できていた)
(虚ろな気配が益々揺らぐ)
(消えてしまいそうなくらいに)
(俯いた六花の頭に語りかける)
もしかして…血、とかが必要…なのかな?
(「ヒトではない」と言った彼女。ならば、自分と似ているのではないか)
(純粋な魔力の塊である妖魔の血肉、それが彼女の回復に必要なのではないか)
(チラリと奥の「残骸」に目を向け)
もしそうなら…俺ので血でよければ、飲むかい?
(アレよりはマシじゃないかなと思った)
う、そ……
(こんなに早く、枯渇するなんて思っていなかった)
(やはり、創造主の調整なしでは、血を飲むのを避け続けてきたのはまずかった)
(まだ、壊れる訳には、いかないのに)
……え……?
(どうして、分かったのか。確かに、ヒトではないと、言ったけれど)
(そういったことも、察することができるひとなのか)
で、でも……わたしのせいで、ケガ、させてしまったのに……!
(その言葉が、彼の疑問に対する肯定)
(六花はぶんぶんと首を振り、彼の勧めを拒む)
(――しかし、六花は感じていた)
(ヒトとも、妖魔とも違う、彼の血液が、)
(とても――“おいしそう”で、あると)
俺も…喰ったことがあるからな
(怪訝な表情の六花に自嘲気味に苦微笑む)
(拒否しようとする六花の言葉を遮るように、その指先を唇に押し当てる)
ちょっと待ってな…
(さきほど抜いた鉄棒を手に取ると)
(反対の二の腕に深々と突き刺す)
………っ!!
(鋭い痛みに、声にならない呻きをあげて)
(それでも、その腕を六花に差し出す)
(異物により傷口は塞がることを阻まれ)
(溢れる血液が、鉄棒を伝い、アスファルトに滴り落ちて)
さぁ…遠慮しないで…
たべ……た?アレを……?
(背筋を、冷えた何かが走る)
(自分は、ヒトではない。好まないにせよ、妖魔の血肉を糧にすることができる)
(彼は、ヒトを名乗りながら、それを喰らったなんて)
んっ……?
(言葉を遮られ、六花は目を白黒させる)
(そして、反応する間もなく、再び彼の皮膚に鉄槍が突き刺さる瞬間を見た)
…………ッ!!
(声にならない叫び)
(血が、傷口から、溢れ出してゆく)
(溢れ、流れ、滴って、跳ねた)
あ、あ……
(誘惑のような言葉に、意識がとろけてゆく)
(最上の糧が、“生命の水”が、目の前に溢れている)
だめ、でも……っ、もう……
(“生命”の危険と、甘い誘惑に、六花はもう抵抗する術を失い)
(朱く染まって彼の腕に、口づけた)
…!!……っ!くっ!
(傷口に触れられる痛み。こぼれそうな呻きを懸命にこらえ)
(貪るように血液を啜る六花を見守る)
満足するまで、飲んでいいからね…
(溢れ、滴る血液は、幾筋もの糸となって腕を流れ)
(六花の唇を紅く染めていく)
【そろそろ〆でよろしいでしょうか?】
んくっ……ふ……
(喉を鳴らして、鮮血を体内へと取り込んでゆく)
(甘美な滴が、土でできた器全体へと染み渡ってゆくような感覚)
(魔力で、満たされてゆく)
(どれだけ飲んでも、妖魔のそれのような不快感は全く起きず)
(ヒトのそれより遥かに、ゴーレムの身体を、潤してゆく)
……っ、は……
(どれだけ経っただろうか。六花はようやく、身を起こす)
(紅く染まった唇を、袖で拭った)
あなたは……あなたは、なん、なのですか?
(こんな妙な血液の持ち主が、やはりただのヒトであるはずがない)
(異常な回復力。異形を喰らったという言葉。そして、ヒトの敵を狩る、という)
(純粋に、知りたかった)
……こう、いうことは。あんまり、しないほうが。
(お風呂や着替えを貸すというのとは、訳が違う)
(いくらすぐに回復するとはいえ、平気で自らを傷付けた彼に)
(六花は、今の、六花は。言い知れぬ苛立ちを、覚えた)
(たった今、“いのち”を救われたにも関わらず)
ほどほどに、しないと。あなたを、たいせつに思うひとが、悲しい思いを、しますよ。
ぜったいに、そんな思いを、させてはいけないのです。
(立ち上がり、シャベルを拾い上げる)
……ありがとう、ございました。とても、助かりました。
お礼はいつか、必ず。
わたしは、××学園にいます。何かあれば、お手伝いしますから。
(変に気が立っている自分に、余計に苛立つ。理由が、分からない)
(軽く頭を振ると、深々とお辞儀をして、怪我をしたままの彼を残して、逃げるようにその場を走り去った)
【とってもお待たせしました。こちらは〆です】
【なんだか、とっても失礼な反応に…軽く、妖気に中てられたと思ってください…】
【見届けますので、ごゆっくりどうぞ(ぺこり)】
(六花の問いに何度も繰り返した答えを口にする)
俺は人間だよ
ただし…俺の中には化物が住み着いている
(自分の胸を指差して、語りる)
その化物は他の化物を倒し、喰い、そして強くなりたいみたいなんだ…
(言葉もなく、俯き、六花の言葉を受け止め)
(去って行く六花の背中を見つめる)
痛っ!
(鉄棒を引き抜くと、傷穴から、血液が飛沫く)
(それも束の間、瞬く間に塞がり、肉が盛り上がって、皮膚が張る)
そうだな…悪い癖だ…
人が傷つくより、その人を守り、自分が傷つくことを選んでしまう…
(跡形もなく塞がった傷を見つめながら)
(脳裏に一人の女性を思い浮かべる)
すまない…俺にはそれしかできないんだ…
(ぎゅっと拳を握り締める)
【短めですがこれで〆ですね】
【まぁ、最後はこんな感じで十全でしょうか。いや、楽しかったです〜】
【遅くまでお相手ありがとうございました。また機会があれば、よろしくお願いします】
【では、スレをお返しして、失礼させて頂きます】
【お疲れ様でした。おやすみなさいノシノシ】
【見届けさせていただきました】
【こちらこそ、こんな時間までお相手してくださって感謝、感謝です】
【はい、ぜひまた。仲直り(一方的ですが)も、したいので】
【お疲れさまでした。おやすみなさいませ(ぺこり)】
【スレをお返しします】
【というわけで、しばらく居させてもらうとしよう】
連続だ何だと悩む時間も勿体ない
こんばんは。お相手お願いできるかな?
いいともさ、それじゃあどういう話にしようか。
私の妹との話が先にあって、という設定でしか考えてなかったからね。
実を言うと、今はネタがない。これは非常に珍しいことだ。
さあて、どうしたものかな。
それは少し考えたんだけどね。まぁ、順番はどちらでもいいと思う…たぶん
こちらにネタがあるよ
君が、ピンチの俺を助けるんだけど…どうかな?
まあ、できるときにやってしまうに越したことはないからね。
私が、お前を助ける?
さて、一体どういう風の吹き回しなのか。自分でも想像がつかない。
それだけに、聞きたいね。どういう話にしてくれるんだい?
まぁ、言ってしまえば単純
@俺、妖魔とのバトルでボロボロ、逃走中→妖魔追ってくる
Aシード登場→異能者らしき人間(瀕死)と妖魔発見
Bシード、妖魔をヘチ倒す
C後は流れ次第
これなら助ける理由にならないかな?
一応顔見知りでもある訳だが、その辺の記憶の有無は任せることになるけどね
なるほど、確かに私も、手駒になりそうな奴をみすみす死なせはしないか。
それに、その後私が襲い掛かっても、君は自我を一点削って立ち上がってくればいいわけだからね。
よし、それで行こう。書き出しは任せたよ?
ふふふwその辺にも少し工夫を凝らそうかと、ね
あ、そうだ、忘れてた
時間軸をずらそう、と提案。君に妹ができる前という事にした方が自然かと
ん、任された。少しお待ちを
(路地裏を彷徨う)
(ここは何処か、何処へ向かっているのか)
(何も分からないまま、ただ足を引きずり、壁に手をついて)
はぁ…はぁ…、痛っ…
(壁にもたれて、呼吸を整える)
(血が、止まらない。傷が、塞がらない)
(妖魔との戦闘で力を使いすぎたか、それとも他の理由か)
(裂かれ、抉られ、穿たれた傷から溢れた血液が、足元に小さな水溜まりを作り)
(今もわずかずつ、その面積を拡げ続ける)
くっ…来た、か…
(路地裏の奥にわだかまる闇、そこに気配を感じる)
(こちらも相当なダメージを与えたはず、そのまま何処かへ去ってくれるのを期待したが)
(どうやら怒りに任せて追いかけて来たようだった)
(路地にわだかまる闇から、そいつがゆっくりと這い出してくる)
マズい…このままじゃ…
(満身創痍の身体を翻し、そいつから離れようとするが)
(すぐに足が縺れ、地面に倒れ伏す)
【こんな感じで、よろしくお願いするよ】
【妖魔の姿はそちらに任せる(他力本願)】
さて、どうするかな………。
(月が高く煌々と輝く夜。今夜の獲物を探していた彼女の嗅覚が、血の匂いを捉えた)
(それも、人とは違う異形の血の匂い)
異能使いか、それともただの化け物か。確かめる価値は……。十二分に、あるっ!
(民家の屋上から飛び立って、匂いを辿って走り出す。するとすぐさまそれは見つかった)
おや、あの男……どこかで見たような。ふふ、辛うじてでも覚えていると言うことはいいことだ。
(それはつまり、かつて「霧原朱音」に関わりのあった相手であると言うこと)
(そして、異能者である可能性が高いと言うこと)
しかし、なにやらぼろぼろだな。……なるほど、あれが原因か。
(感じ取ったのはもう一つの異形、ずりずりと這い寄って来るそれは、全身に無数の目を生やした巨人)
(闇より深い体色に、胸から突き出た鋭い牙。それは、人体で言えば肋骨にでも値するだろうか)
(異常な発達をとげ、肌を食い破って突き出たその骨の牙は、貫くべき獲物を求めてがちがちと鳴っていた)
さすがに、あれはいらないな。じゃあまずは、邪魔者から退場願うとしよう。
(左手の黒手袋を脱ぎ捨てて跳躍。今まさにその青年に牙を突きたてようとしていた巨人の頭上まで跳んで)
(刹那、彼女の姿を捉えて体中の目が彼女を捕らえ、それと同時に後頭部の目を貫いて、彼女の右手が巨人の頭を掴んでいた)
堕……ちろぉっ!!
(そのまま、落下の勢いを乗せてその巨躯を地面に叩き伏せる)
(衝撃に苦痛に声なき叫びをあげた巨人に対しても、彼女の次の行動はすばやかった)
(既に鋭い刃と化していたその左腕を、地に伏した巨人に振り下ろす)
(その巨体は真っ二つに裂けて、ぶすぶすと嫌な匂いを残して焦げ付いていった)
ふぅ、さぁて、結果的に助けることにはなったわけだが……大丈夫かね?
(パンパンと手を払って振り返る。その姿は彼の知っている彼女ではあるが、格好は随分と違っていた)
(ところどころ破れてくたびれたコート。それも右腕部分は千切れてなくなっていた)
くっ…
(覚悟を決める。脳裏に悲しげな表情の恋人の顔が浮かぶ)
………っ!
(背後で衝撃音。続いて裂帛の気合)
(無理矢理身体を仰向けに転がし背後の様子を見る)
(少女の左手が巨人を切り裂く瞬間が目に飛び込んできた)
………
(目の前の光景にしばしの絶句)
(余裕の表情の彼女に見覚えがあった--名前は知らないが)
きみ、は…あの、時の…
(壁にもたれ、上半身を起こす)
(腹部の出血が喉を逆上り、口から溢れる)
(咳き込みながらも、以前、学校の屋上で出会った少女に向けて言葉を投げる)
くっ…助かったよ。ありがとう…
(以前会った時と印象が違う。小さな違和感と共に、背筋が粟立つ)
ふむ、やっぱり私のことを知ってたか。それは好都合。
しかし、どうするかな。
(満身創痍のこの男。もしやすると、単に襲われて死に掛けただけかもしれない)
(しかし、これだけの傷を負って尚それなりに冷静だというのも引っかかる)
(もしやすると、単に場慣れしているだけかもしれないが……一応、確かめておこうか、と決めた)
いいや、助かってない。本当にまずいのはこれからさ。
えーと、なんだ。まあ……。
(軽く指でこめかみをつつく。しかし、やっぱり目の前の男の名前が思い出せなかった)
まあ、いいや。名前なんて。話を戻すよ。
本当にまずいのはこれからだ。なぜって、私もあんたの敵……になるかもしれないからだ。
(怖気が走るような笑みを張り付かせながら、ゆっくり歩いて倒れている男のもとまで近寄ると)
さて、まずは試させてもらう……よっ!
(無造作に、唐突に。強烈な蹴りを繰り出した)
都合がいい?何を言っているんだ?
(少女の言っている事が理解できない)
(それでも、無造作に近付いてくる彼女を見守るだけしか術はなく)
っ!!敵?何を言って…ぐぁ!がっ!
(唐突に放たれる、蹴り)
(避けようにも体勢が悪い。いや、それ以前に体が言うことを聞かない)
(爪先が腹にめり込み、傷口を抉る)
(少女の脛に血と胃液を吐きかけながら、前のめりに倒れる)
……っ!、っ!
(蹴られた腹を抱え、声も出せずに呻く)
(体内に巣食う化物が暴れている)
(「クイタイ、クイタイ」と脳内に叫びが轟く)
(ゴクリ、と喉がなる。理性が頭の隅に追いやられていくのを自覚する)
(呻き声が変質する。喉の奥でゴロゴロと、獣が発する唸りのような)
(決してヒトが出す事のない、異質な声が唇から漏れる)
(モゾリ、とゆっくり立ち上がる)
(顔をあげて、目の前の少女を見つめるのは)
(両眼に青白い光を点した、人外の瞳)
(蹴りを浴びせて倒れた男。やはり、期待はずれだったかと内心わずかに落胆していた)
(そんな時、明らかに空気が変わった。否。その男が発する匂いが変わったとでも言えばいいのだろうか)
(異形交じりの人から、まるで獣の匂いへと変わって行ったのだ)
そう、それだよ。私が見たかったのは。
そして、私が欲しかったのは。お前ならきっと、悪くない手駒にできるはずだ。
(透き通った左腕で、人ではない何かに変わってしまった男を指差し、告げる)
お前の体、頂くぞ。私のためにね。
(そして構える。両足を肩幅に広げて腰を落として)
(それは、異形である彼女がやるにはあまりにも人間的な、あたかもどこぞの格闘家がするような、そんな構えだった)
そんなボロボロの体で何ができるのかは知らないが、せいぜい私を楽しませろ。
そして、死ね。次に目が覚めたときには、お前も我々の仲間入り、さ。
(コートを翻し、走る。そして跳ぶ。人並みはずれた跳躍の果てに、鋭い爪を成した左腕を振り下ろした)
Haaaa…
(口を大きく開けて、息を吐き出す)
(一呼吸毎に傷が塞がっていくのが、ボロ切れのようなシャツの穴から覗き見える)
(ジャリッとアスファルトを踏み締めて、前に出る)
(顔には、牙を剥き出しにした肉食動物の笑みをうかべ)(変形する少女の左手。それを見た瞬間、歓喜の雄叫びをあげる)
(少女が跳躍する。鋭い爪を振り上げて、降下してくる)
(それを目で追いながら、爪の軌道上に口を拡げて待ち受ける)
(ガキッ、と金属音に似た音が路地に響く)
(硬質な水晶のような爪を、歯で挟み込み、ガッチリと咥える)
(そのまま噛み砕かんとアゴに力を加える)
(渾身の一撃は受け止められ、さらにその爪を食い破らんと、牙が食い込んできた)
(ぎしぎしと軋む音をたてながら、ゆっくりと食い込んでいく牙。)
(そして、空中で体勢を崩した彼女)
いいよ、くれてやるさ。
(不意に彼女は爪を解いた。即座に食い破られて、彼女の体をそのまま宙に投げ出された)
だが、高くつくぞ。
(地面に激突する刹那、新たに生じた左腕が、落下の衝撃と彼女の自重の全てを腕一本で支えきっていた)
(そして命じる。食い破られた爪の欠片。男の口内で液体と化したその水に)
爆ぜろ。
(広げた左手を、握りなおす。それは単なる格好付けのようなもの)
(別段何もしなくとも、言葉の一つも述べなくとも。その水は、無数の刃と化して男の頭を内側から串刺しにするだろう)
(そう、そのはずだ。と、確信めいた笑みを彼女は浮かべていた)
(口内で、爪が弾けた。頬を内側から突き破り、水晶の針が顔を覗かせる)
(だが、それだけ。挑発するように、ニィィと歯を見せて笑うと)
(口を閉じ、噛み砕き、喉を鳴らして、飲み込む)
(瞬く間に、弾けた頬に肉が盛り上がり、皮膚が覆う)
Haaaa…
(蒸気のような熱い吐息を吐き出しながら再び少女に向き直り)
(一歩、無造作に、本当に無造作に踏み出し)
(両手を伸ばし、左手に向けて掴みかかる)
【ゴメン、遅くなった】
いやはや、全く以って途方もない化け物だ。
こういう手合いに、今の私のような戦い方をしても埒が明かないな。
少し、色々と試してみるか。
(驚くべき再生能力。こればかりは、今の彼女でも及ばない)
(おまけに、どれほどの力を秘めているのか未知の敵。それでも、戦いの高揚感は悪くなかった)
(やはりこれこそ、彼女の求めているものだった)
ただ突っ込んでくるだけの、理性の欠片もない化け物になったんだったら御しやすいことこの上ないんだがな
(突き出された腕に、こちらからも左腕を差し出してやる)
(その左腕は瞬時に液状化し、突き出された両腕を取り込み再び硬化した)
(とはいえ、どれほどの力があるかもわからない怪物。それで両手を封じたとは言いがたい)
(わずかな時間でも止められれば御の字、その間にも彼女は次の一撃を繰り出そうとしていた)
真っ二つにされても、まだ動けるかな?お前は。
(掲げた左腕は、既に腕の形を成していなかった)
(例えるならば、人の丈ほどの長さを持ったグレートソード。その分厚い水の刀身が今まさに振り下ろされようとしていた)
(全く以って、今夜の彼女は容赦がないのであった)
(掴みかかった両腕に水が絡みつき、瞬時に手枷となり拘束される)
(だが、次の瞬間には、ガラスを砕くように、拘束を引き千切り自由を得る)
(それが一瞬の、致命的な隙を生んだ)
(身の丈程の水の刃が、右の肩口から、胸部の半ばまでを切り裂く)
(強靭な筋肉と骨格がなければ、完全に真っ二つにされていたであろう必殺の一撃)
(血液が噴水の如く飛び散り、辺りを塗装する)
(それでも、腕が持ち上がり、刃を両側から掴んで圧力を加えていく)
(ミシッ、と刃に軋む音を立てさせながら)
(胸に刃を突き刺したまま、両足から崩れ、少女の前に膝まづく)
(まるで、忠誠を誓うように)
【真っ二つは死んじゃうので…】
(振り下ろした剣は、胸部を中ほどまで裂いて止まり)
(びしゃびしゃと溢れる血潮が、体中を濡らしていく)
……これ以上傷つけると、後で使うときに困るか。
(跪き、戦意を喪失したかに見えるその異形。そんな様子に一つ頷いて)
(ずるり、ずるりと赤みを帯びた刀身を引き抜いていく。それはあたかも、人を模した鞘から剣を抜き放つように)
(一度、腕を振るえばその手は元の腕の形を取り戻し、赤みを帯びていた色も消えて)
まあ、安心しろ。意識がないなら、何も恐れずに、感じずに変わることができる。
新たな、仲間にね。
(そして、真っ赤に染まった首筋めがけて爪を伸ばす)
(「シード」の因子を注入し、新たな仲間とするために。人という存在を破壊する魔手が、迫っていた)
(頭を垂れて、全てを受け入れる)
(その姿は、女王から叙勲を受ける騎士のようにも見えて)
(首筋から、異生物の因子が流し込まれる)
Gu、Ga、Gaaaaa!!
(突然胸を押さえ、呻く。体内に侵入した異物が、侵略を開始した)
(紅い首を反らせ、喉を掻き毟る。血に濡れたシャツに手をかけて、左右に引き裂く)
(深く切り裂かれた傷が、塞がっていく)
(あらゆる格好で悶え苦しみ)
Gaaaaa!!
(一際大きく咆哮)
(路地の空気全てを震わせて、ビルの谷間に谺する)
(ギチリ、と何がが軋む音を立てた)
(皮膚が、筋肉が、骨格が、変質する)
(肥大化し、硬化し、膨張する)
(体の内側から、何を生みだすかのように)
(更なる異形が姿を現しはじめる)
(変化は、思いのほかすぐに始まった)
(だがそれは、彼女の期待を裏切るであったかもしれない)
っぁ!?……っが、ぎ、ぃぃ。
(空も裂けよとばかりに放った咆哮は、近隣の建物のガラスを片っ端から打ち砕いていった)
(そしてそんな咆哮を至近距離から喰らった彼女も、当然ただではすまなかった)
(鼓膜は千切れ、頭を揺さぶる衝撃が走る。人ならば、そのまま意識を手放してしまうほどの衝撃だった)
く……こっの、化け物め。
(化け物であるのは彼女も同様。千切れた鼓膜を水が覆って、すぐさま元の形を取り戻し)
(まだ耳鳴りが続く中、無理やり頭を振って意識を取り戻し)
何なんだろうな、こいつ……。
(漠然とした不安。今しがた注入した「シード」の因子と、この男のうちに眠る異形)
(それらが相まって、もしやすると何か、何かとてつもないものが生まれてしまったのではないか、と)
……おい、お前。私が、私が、わかるか?
(声が震えていた。これが恐怖なのだろうか。こんな感情も、抱いたのは初めてだった)
(目の前の存在が「シード」の眷属であるのなら、少なくとも話は通じるはずだが)
(ただ、本能は警鐘を鳴らし続けていた)
【驚いた。いや、本当に驚いた】
ハァァ…
(異形が立ち上がる。)
(2mを越える巨体。黒色の艶やかな装甲は、所々で歪なトゲを生やし)
(禍々しい、周辺を威圧するような暗黒の騎士)
アァ…君ノオカゲデ、ヤット意識ヲ取リ戻セタ
アノママ、獣トシテ、殺サレルカト思ッタヨ
(くぐもった、低い声で問い掛けに答える)
感謝スル
(左の尖った鋭い爪で、右の手首を引き裂く)
(溢れるはずの血液は、だが下には垂れず)
(重力に逆らって、一振りの剣を形成する)
(それまで感じていた、恐らく恐怖と呼ばれるであろう感情は、より強い感情によって塗りつぶされた)
(その感情を表現するのはなかなか難しかったが、一言言葉で表すならば。虫唾が走る)
気に入らないな。何だよ、お前。
(かざした左腕は弩弓と化して。即座にぎりぎりと、鋼水の矢を番った)
自分がやってることを人にやられるってのは、また随分と気分の悪いことだよな。
さっきまでの人間はどうした。喰らったか?
(目の前の相手が自分と同じくして生まれた存在であるならば、恐らくやったことは同じ)
(確認するまでもないことだった、そして、一つたずねてから彼女も、それに気づいた)
……まあ、いいや。お前は「シード」じゃない。
お前が何かを問いただすつもりもない。
(弩弓の標準は、頭部。当たれば全てを貫く矢を、引き絞り)
そして、私はお前が気に入らない。だから、消えろっ!!!
(何よりもそれが一番重要な理由だった。気に入らない。同属嫌悪にも似た思いを込めて、その矢は撃ち放たれた)
言っただろ?感謝する、と
君の「種」は、俺の中の化物が喰っちまったよ
おかげでこの通り、怪我も治った
正直、苦しかったし、やばかったけどね…
そして、間違えないで欲しい
俺 は 人 間 だ ! !
(気合の声と共に、紅い剣を振るい、射られた矢を弾く)
(弾けた矢は飛沫となり、輝きながら闇に消えていく)
………
(剣が溶けるように、手の平に戻っていく)
(握り締め、次に開いた時、その手に乗っているのは、紅い珠)
これを返しておこう…「喰い残し」で申し訳ないけどね
(目の前の「人類の敵」に対して放り投げる)
俺には必要のない力だ
【読みづらい&書きづらいのでカタカナは止めるね】
煩い、黙れ。
(「霧原朱音」は、戻ってくることはできなかった)
(なのに目の前の男は、内に潜む異形を従え、さらに彼女が打ち込んだ「シード」をねじ伏せた)
(それは羨望なのだろうか、否定したくてもできなかった。それが余計に彼女を苛立たせた)
お前が人間だろうとなんだろうとな、私に、「シード」に楯突く以上、敵は敵だっ!!
殺してやる。今度こそ絶対に再生しないように、肉片の一つも残らないくらいに叩き潰してやる。
(もはやそれは怒りと呼ぶにも生ぬるい。相手の存在そのものを否定するほどに激しい感情が)
(彼女の中で、荒れ狂う。それはもはや「シード」としての意思なのか、それとも彼女の意思なのか)
(その境界さえもが、曖昧と化していた)
(男の体内で生成されたのであろう、「シード」の結晶たる紅の珠)
(それは生物として、「シード」がこの男に敗れたことをも指していて、それがまた許せなくて)
(放り投げられた珠を、叩き落して踏み潰す)
私を苛立たせる存在……私を脅かす存在。消えろ。消えろっ!この世界から、消えてなくなれぇぇぇっっっ!!!
(咆哮、そして肥大化する左腕。圧倒的な圧力と質量、そしてこれ以上ないほどの殺意を持って放たれた)
(アスファルトの地面を、電柱を、家々の塀をまとめて削り取り、飲み込みながら水塊が迫った)
……っ!!
(周りの全てを削り、押し寄せる巨大な水塊)
(それよりも、恐そろしかったのは、彼女から叩き付けられた、強烈な悪意と殺意)
くっ!
(アスファルトを踏み砕き、下の地面に足を固定する)
(身を低く構え、前傾姿勢を取り、両腕で頭部をカバーする)
うぉぉぉぉぉっ!!
(喉が張り裂けんばかりに咆哮をあげ、水塊と激突する)
(轟音、世の中がありとあらゆる破壊の音で満たされ、体を引き裂こうと押し寄せる)
くっ!…はぁ…はぁっ…
(全てが去った後、抉り取られたむき出しの地面に膝をつく)
(ひび割れた装甲のあらゆる場所から血が吹き出し)
(黒い体は下地が見えない程に赤く、紅くそまる)
は……ぁ、っく。うぅ。
(一切の余力を残さぬ、全身全霊を込めた攻撃)
(その代償は、彼女にとっても大きかった。全身を埋め尽くす倦怠感に脱力感)
(人の理から外れた彼女の体を動かすべき「シード」は、いまやそのほとんどが損なわれてしまっているのだ)
(それでも彼女を突き動かすのは、怒りすら超えて荒れ狂う、感情の昂ぶり故だったのだが)
殺せないのか、これでも。まだっ!!
(忌々しげに声を張り上げる)
覚えてろ、お前。この世界を「シード」で埋め尽くしたとしても、そこにお前の存在するべき場所はない。
消してやる、殺してやる。……絶対に、絶対にだ!!
(それでも、彼女の体は告げている。これ以上は戦えないと)
(煮えくり返るはらわたを無理やり押さえつけて、彼女は退く事を選んだ)
(いずれにしても、これだけ派手に騒げば人も集まってくる。今の状態で人目につくことは、避けたかった)
(闇の中へと、ゆっくり後退していく。それでも憎悪に燃えてギラギラと輝く瞳だけは)
(どんな闇の中からでも、見えているような気がした)
【思いがけない展開になったが、今日はこれまでだ】
【また、次の機会があればよろしく頼む、それではね】
(澄んだ音を立てて、装甲が砕け散り、破片が砂となって風に舞う)
(全身を血に濡らし、肩で息をする)
(最早、ほんのわずかな力しか残っていない。体が戦うことを拒否している)
くっ…
(頭をあげるだけで目眩がする)
(霞む視界、ぼやける頭で、目の前にいるはずの、敵を探す)
(敵が怨嗟の声を残し、闇に向かって消える)
(その叫びがいつまでも耳鳴りのように響き、脳を揺さぶる)
「シード」…人類の、敵…
(帰るべきところへ向けて、足を引きずり、体を進める)
知らせないと…
(脳裏に、自分が帰るべき人の面影を浮かべる)
【こちらもこんな感じで】
【ありがとうございました】
【何かもう、「俺最強」なロールで申し訳なく。深く反省です】
【では、また次の機会に。お疲れ様でした】
おはようございます。
お昼前の中途半端な時間ですが待機します。
プロフは
>>95です。
636 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 13:16:50 ID:SLvqpDX4
まだいる?
>>636 こんにちは。
まだいますよ、名無しさん。
名無しさん?
名無しくんと都ちゃんはどうするんだい?
二人で使うなら俺は引っ込むし、どっちかいるなら相手してもらいたいんだが。
>>639 こんにちは、御法川先輩。
もう30分たっていますし、名無しさんにその気が無かったのでしょう。
先輩がお相手していただけるなら嬉しいです。
名無しくんにゃ悪いが、お相手願おうか。
なんか希望のシチュはあるかい?
俺としちゃ徒手空拳、キミの希望に合わせるぜ。
>>641 今、一番先輩と出会う可能性があるとすると、迫水先輩のお弁当を渡そうと高等部玄関前で待っているところを御法川先輩が見かけて、でしょうか。
例えば雨が降っていたりしたら、先輩は声をかけてしまうと予想したのですがどうでしょう?
当て馬かw
そういうのもタマにゃ面白そうだな。
書き出しのアイデアがあるならそっちに任せるし
こっちから声かけるシチュでよければ書き出すぜ。
どうしようか?
>>643 けしてそうゆうつもりでは(汗
玉砕は決定事項ですし、その後の可能性だって絶対無いとは言えないですし。
シチュを出したのは私ですので、書き出しは私の方で。
少々お待ちください。
冗談だってw
書き出し待ってるぜ。
(激しくはないが、昨夜からしとしとと雨が降っていた)
先輩、来ないなぁ……。
(高等部校舎の玄関前、レインコートをして傘をさした車椅子の少女が登校する高等部の生徒達を見つめている)
(邪魔にならないよう脇にいるものの、目立たないとは言い難かった)
あ、どうぞ、大丈夫ですから先に行ってください。
(同じ女子寮の生徒が中で待つよう声をかけるが、少女はかたくなに断った)
(まだお弁当を渡す相手は内緒にしていたからだった)
もしかして、この間のことで何かあったのかな?
(少女の右腕には、いくつか大きな絆創膏が貼られていた)
【では、よろしくお願いします】
(耳のピアスがシクシク痛む)
(昨日、俺は召喚した召喚獣を人に見られ、その上怪我までさせちまった)
(こってり師匠から説教くらって、片方の耳にピアス……のように見える召喚霊をくっつけられている)
(とにかくこいつがくっついている限り、俺は召喚の術を使うことができねえ)
あー……なんかこう、テンション下がるよなあ……。
微妙に耳鳴りがするし、調子出ねえ。
(昇降口に車いすの女の子がいた)
キミ、そんな所にいたら濡れるだろ、あっちの車寄せにいたら?
(職員通用口には車寄せがあって屋根が大きく張り出している)
(そこからでも登校してくる生徒は見えるはずだ)
キミ、中等部か。
こんなとこにいて、遅刻するんじゃないか?
誰か待ってるなら呼んでやろうか。
【こっちもこんな感じでよろしく頼む】
>>647 あ……いえ、あっちだと少し遠いので。
(男子生徒に声をかけられて一瞬ビックリしたが、彼は都のお目当ての生徒ではなかった)
(言われるように車寄せのところなら雨をしのげるが、見つけた時に大きな声を出さないと呼び止められないだろう)
(そうすれば目立って迷惑をかけてしまう)
(今いる場所で待って、手渡すのも十分目立つのだが、浮き足だっていて、そこまで頭が回っていなかった)
時間はまだ大丈夫です。
そんなに時間がかかる用事じゃないので。
(お弁当を渡すだけ)
(それも胸に抱きかかえた鞄の中に入っていてすぐに出せる)
いっ、いいです!
きっと、そのうち来ると思うので。
(顔を赤くして断る)
(かなり早い時間から待っていたから見落としてはいないはず……たぶん)
(なんとなく自信がなくなってきた)
まあ、確かにあそこからじゃでかい声出さないと聞こえねえが……
(職員通用口の車寄せを見て、俺もちょっと思案顔をする)
(なるべく俺の傘で彼女の車いすをカバーするように近寄り、しゃがみこんだ)
(うん、下心あってのことじゃねえからな!)
始業時間は中学の方が早い……んだっけか?
なんか用事なら言伝てやるし、渡すもんがあるなら預かってやるぜ?
これでも生徒会長だから、信用してくれていい。
(とわざとらしく胸を張って、笑顔で言った)
俺は御法川醍醐だ。
キミの名前は?ここでお目当てを待ってるつもりなら
誰か中学部から呼んできてやるよ。
そうすりゃ戻るのが早くなるだろ。
(自分で車いすを操作するより、押してもらった方が早いに決まってるよな)
>>649 あ、そんなことしたら先輩が濡れてしまいます。
(この雨の中をしゃがみ込めばお尻が濡れてしまう)
(片手に自分の傘、もう片手には鞄なので、言うくらいしか止めようがない)
生徒会長?
あぁ、あの……。
(名前を聞いたのは初めてだったと思うが、寮で高等部の生徒会長は人気はあるがナンパだと聞いた覚えがあった)
私は、ええと、中等部の天羽都です。
(確かに髪は地毛ではなく染めているようだが、噂ほどナンパという感じはしなかった)
(仮にも生徒会長なのだろうし、噂の信憑性なんて眉唾なのは分かっている)
それはできません。
私事でここへ来ているから、友達に迷惑はかけられません。
(事情を話せば友達は来てくれるだろうが、やっぱり引け目があるし、色々と聞かれるのは目に見えている)
…………。
(刻一刻と時間は過ぎていく)
(今日は諦めるか、遅刻するまで待つか、第三の選択肢を取るか、悩んでうつむく)
【迫水先輩は他イベントで今日は登校してこないことで】
【出席日数を減らしてしまってごめんなさい > 迫水先輩】
あのさ、天羽さん?
友達が困ってたら助けたいのが友達だろ?
友達が困ってるってことを知らなかったら、悲しかったり残念だったりするのが友達だろ?
だからキミは困ってるってことをちゃんと友達に伝えなきゃだめだ。
友達が困ってることを知って、それが迷惑だとかぬかすヤツは友達じゃねえよ。
そこまで頑張るなら、俺がひと肌脱いでやろう!
放送部を召集してキミの待ち人を呼び出すか?
先生に掛け合って、そいつの連絡先を聞き出そうか?
キミに教えるわけにはいかねえが、俺が生徒会役員特権でそいつに連絡するよ。
なっ?
痛てっ!
(なれなれしくその子の肩に手を置いたとたん、ピアスがビリビリっとした)
まだ何にもしてねえだろ!
(俺は口の中で師匠の召喚霊……虻の精ブリゼに文句を言う)
(とたんに耳鳴りがひどくなって、軽くめまいがした)
いや、なんでもねえ。
(手を離したとたん、嘘のようにめまいが失せる……なんだこりゃ?)
【キミの負の能力を勝手に発動させてもらっちまったが……】
>>651 そ、それは……そうですけど、でも……。
(それは分かっている、でもなるべくなら自分の力だけで頑張りたい)
(いまは寮暮らしだが、いずれ卒業する時は来るのだから、自分でできることは自分で)
へっ!?
え、ええっ、あの、そ、それはちょっと!
(会長の言動にあたふたする都)
(たぶんやる、お願いすればやってしまうと直感し、慌てて止めようとして)
ん?
(静電気か、それとも車椅子のライトが漏電して感電でもしたのだろうか)
(顔はしかめていたが特に怪我とははしていなさそうで、改めて先輩を見て)
……あの、それじゃ生徒会長さんにお願いしていいですか?
(心を決める)
時間的に友達を呼ぶのは難しいし、生徒会長さんの足ならたぶん間に合うだろうから。
【私の能力は相手の方に利用してもらうものなので構いませんよ】
(俺は笑顔で立ち上がる)
そうそう。そういう顔してる方が可愛いよ。
素直にSOSを出せばいいんだよ。俺だって困ってたらそうするぜ。
さっきまでは「困ってますけど、誰の助けもいりません!」て全身でメッセージしてたぜ?
助けてもらうのは悪い事じゃねえさ。
ちょっと他人に手を貸してやりてえって思ってるやつらに、
親切にしてやってるようなもんなんだからよ。
そんじゃ、濡れないように待ってろよ?
(俺はその場~駈け出して、口の中で小さく召喚霊を呼び出そうとして……)
(ブリゼに耳を噛まれた)
わかったよ、やらねえって。自分で呼びに行ってやらあ。
(中学部で同じクラス章をつけた中坊と女の子に声をかける)
(俺がとっておきの笑顔を持ちだすまでもなく、二人ともすぐに話をわかってついてきた)
(都ちゃんって子は、友達は多いみたいだ)
(高等部の始業5分前のチャイムが鳴った)
やべえ、早いとこ行かねえと!
(高等部の生徒たちが門から昇降口へと走り始める)
天羽さん、どうだい、うまく相手に会えたかい?