【こんばんは】
【こちらでは初めまして】
【なにかご希望はありますでしょうか?】
【ですね。始めまして…何か変な感じですがw】
【リュリュさんの前回のロールから繋がる形が良いかと思いますので、それが希望です】
【逆に、リュリュさんのほうの希望とかはありませんか?】
【すでに面識はあって、互いにルーンの力も知っているのが希望です】
【たぶんこれまでにも、面倒な仕事とか勉強の合間に】
【港にエスケープしてきてたりw】
【そんな感じでリュリュの日常復帰雑談ロールなどお願いできますでしょうか】
【あくまで軽く明るく行きたいと思います】
【了解しました。では、日常的な場面での会話ということで。よろしくお願いします。】
【書き出しは、リュリュさんにお願いできますか?】
【了解です】
【ではしばしお待ちを】
(港の沖合に一艘の帆船)
(乗組員たちのほとんどは、艀で港へ乗り付けたとあって船に残っているものは少ない)
(船長はデッキでうららかな陽光を浴びている)
(そこへ誰かの声が)
ねえ、そこの素敵な船乗りさん。
私にタオルと暖かいラム入りのミルクをふるまってくれる気はないかしら?
(耳ではなく、直接頭の中に響くような声は、今日初めて聞いたものではない)
(海面を見下ろすと、一頭のイルカがこちらを見上げていた)
【ちょっと決め付けすぎたでしょうか】
【訂正などありましたらよろしくお願いします】
【いやいや、大丈夫です。合わせますので、お好きなようにやっちゃってください】
…ん?
(デッキに寝転がり、腕を枕に昼寝をしていた所に聞こえた声が、まどろみを遮る)
(庇代わりにしていた、読み古しの詩集を投げ捨て、海に半身を乗り出す)
おっと、こりゃあ驚いた。しゃべる鳥は珍しくねぇが、喋るイルカははじめて見るぜ。
タオルと、ミルク入りのラムだって?オーケー、奢ってやるからこっちに上がってきなよ。
海の中じゃ、さすがにどっちもふるまえないぜ。
(白い歯を見せて、手招きする)
【こちらこそよろしくで〜す】
うふふ。ありがとう。
(イルカはなぜか笑ったように見える)
(もやい綱の近くに泳ぎついたかと思うと、前びれで綱を「つかみ」)
(見る見るオランウータンになる)
こういうところを上るには、イルカじゃ無理なのよね・・・
(猿はすいすいと綱をよじ登り、船べりを越えてデッキに上がってきた)
あー、びしょぬれだわ。
多少目立っても空を飛んでくるべきだったかしら。
(タオルを受け取るとそれにくるまって、今度は人間の娘になった)
この前は、猟犬になって狩人が射る矢を拾い集めて来いなんて言うんだもの
面倒くさくなって白鳥になって逃げ出そうとしたら
本当に尾羽を射抜かれちゃったわ。
お尻に一週間も擦り傷ができたわよ。
今日?
今日は子馬になって、軍馬と一緒に行進の稽古。
でもまんまと逃げ出せたわ。
(得意げに笑ってみせる)
(おそらくそうした「訓練」は、娘が先日城の周りの森で襲われたことに由来する)
(彼女自身の日常生活への復帰と、戦時を生き抜く力を身に付けさせる為)
(城の誰かが配慮しているに違いないが、娘自身はそのことを理解しているのかいないのか)
(しょっちゅうサボっては船へ遊びに来ていた)
やれやれ、リュリュ。みんな、お前さんのことを心配してるんだぜ?
二枚目のお兄さんのところに遊びに来たいのは解るが、もうちょい我慢してやんなよ。
…ほら、もっとちゃんと拭きな。綺麗な髪が台無しになっちまうぞ。
(苦笑いをしながら、タオルの一端でリュリュの髪を拭く)
(なれたもので、無駄だとはわかりつつのお説教は予定調和)
…とはいえ、女の子の肌に傷がつくのは問題だな。
まったく、軍隊ってのはヤボが多いねぇ…。
っと、ミルクだったな。よし、ちょっと待ってたら暖めてきてやる。
それとも、キッチンで待つか?狭いキッチンだが、ここじゃ寒いだろ。
(デッキから船室に降りる潜り戸を開け、降りかけた姿勢で尋ねる)
それじゃ、あなたのベッドで待たせていただこうかしら?
(にっこりと笑ってみせるものの)
・・・はいはい、そんなところへ入り込みませんよ。
蛇だの大ネズミだのになったりもしません。
(すでにやったことがあるらしい)
椅子があるならキッチンでいいわ。
今度の停泊はどのぐらいの予定?
積荷がそろったら、今度はどこへいくの?
・・・もしも、の話だけど、もう一人ぐらいどこかに乗せていく余裕はないかしら。
実に残念だが、船長のベッドに女の子は乗せられない決まりでね。
船の精霊がヤキモチを焼くってんだ。もっとも、陸(おか)で寝ている時なら大歓迎だぜ?
(ウインクを残して、先にキッチンに降りていく)
…ああ、次はクラクスだ。向こうじゃ飢饉でな。こっちじゃ安い芋でも、高値で売れる。
とはいえ、クラクスの金貨はあまり質がよくないんだ。帝国金貨よりは気分がいいがね。
あまり儲けにはならないんだが…わかるだろ?
(火にかけたミルクパンから顔を上げ、にやりと笑う)
余裕かぁ。立派なレディなら乗せる余裕はある。
が、弱虫の子猫ちゃんを乗っける余裕はないな。
…ホラ、出来たぜ。ホットミルク海賊風、リベラスペシャルだ。
(ことり。ニスのはげたテーブルに、湯気の立つマグが置かれる)
(弱虫の子猫、と言われたのが気に障ったのか)
(鼻にしわを寄せて)
猫でも子どもでもありません・・・だ。
(一瞬、表情が消えて声が暗くなる)
・・・でも、立派なレディにもなりそこなったみたいだけど。
(ふう、とため息をついて熱いマグカップを手繰り寄せる)
そうね、今の生活がもう窮屈になって逃げ出したくなるなんて
「弱虫」は当たってる・・・。
修道院で暮らしていたときもそうだったわ。
毎日逃げ出したくて、実際、ちょっと夜中に抜け出してみたりしたこともある。
それでもちゃんと元に戻っていたのは、本当はそれが大事な生活だってわかってたのよ。
でも、誰か迎えに来て連れ出してくれないかしら、とか
修道院が焼け落ちてしまったら、とか
毎日そんなことばかり夢見てた。
本当に焼け落ちてなくなってしまってから、それがどんなに大切なことだったか
やっとわかるのが私なんだわ。
(ミルクをすすって)
・・・熱・・・。
リュリュ。誰でもそうだ。本当に大事なことってのは、なくして初めて気付く。
(向かいに座り、ラムの壜を手にとる)
つらい事から逃げるのは、決して悪いことじゃねぇ。
我慢しすぎると人間が歪む。へへっ、おれも我慢は大嫌いだ。
おれが港にいる時でも、酒場にいる時でも、いつでも遊びにきていいぜ。
やけミルクに付き合ってやる。約束するよ。
(コルクを歯で引き抜き、ラムをあおる)
でもな。リュリュが立派なレディになりたいんだったら、我慢も時には必要だ。
なにしろレディにはつらい事や、めんどくさいことが山盛りにありやがるからな。
化粧にドレス、テーブルマナー。女同士のやっかみや嫉妬。
なにより、飢えた野獣のような男どもが狙ってるからよ。こ〜んな風になっ♪
(がおー、と歯をむき、荒ぶる狼のポーズを取る)
(がおー、といわれて一瞬身を引くが)
(すぐにプッと吹き出して)
こわくないわよ!
(リベラの頬にちゅ!と軽くキス)
(身を翻してデッキへのはしご段に足をかける
立派なレディになんてなりたくないわ。
だって、私を迎えにきてくれる騎士も紳士も王子様も
もうどこにもいないってわかっちゃったもの。
(デッキへ駆け上がって)
もしも私が弱虫でなかったら、そうしたらこの船に私の場所もあるかしら?
本当に仲間のために力を尽くす、って誓えたら。
そうしたら私も海の向こうへ一緒に行ける?
(強い海風に、娘のまとうタオルがはためいて、一瞬翼のように見える)
(その視線の向こうは、ゆるく弧を描く水平線)
おっと。やられたな、へへっ♪
(目を細め、リュリュの後姿を眩しそうに眺めて)
(ラムをもう一口。ゆっくりとデッキに上り、マストに寄りかかる)
…そうでもないぜ。おれが保証するよ、リュリュ。
お前さんはきっと、いい女になる。立派なレディでも、セクシーな悪女でも、
望んだものに、きっとなれるさ。
頭が切れて、喋るだけじゃなく聞く事も知ってる。なにより、悲しいことも、涙をこらえる事も知ってる。
あとは、時間の問題さ。
そしたら、おれがどこにでも連れて行ってやる。
南の白い砂浜でも、雪と氷の北国にでも。
(娘の「翼」に、息を呑む思いを味わいながら)
…とはいえ。この季節だ、そのカッコじゃ風邪引くぜ。
少々汗臭いかもしれねぇが、我慢しな。
鼻水たらしてたんじゃ、レディ候補生が台無しだ。
(笑いながらジャケットを脱ぎ、リュリュの肩にかける)
(ジャケットをかけてもらって)
ありがと。
(そのままリベラと並んでマストに寄りかかりながら)
南の海では魚になって、海のそこから真珠を拾ってこられるわね。
北の国なら白熊になって、トナカイや鮭をとってくるわ。
船の上では猫になって、ネズミを狩ることもできてよ。
もちろん食べるのよ、自分で。
後でものすごく後悔するけど。
人間に戻ったって、ネズミの食べ心地を忘れるわけじゃないんですもの。
ネズミの毛皮がどんなにくさいか、ご存知?
(リベラに寄り添い、ぐっと手を握り締める)
たぶん、私は大丈夫よ。
どんなにくさいネズミを飲み込んだとしても、ちゃんと人間に戻って晩御飯を食べられるもの。
この前は、私がネズミであの男がケダモノだったってだけのこと。
忘れられなくても・・・一つオトナになることはできるわ。
だから、いつか本当に連れてってね?
夢のような白い砂浜とか、そんなところばかりじゃないってわかってるから。
遠い国には飢饉や戦乱があるって、ちゃんとわかってる。
そういうことに耐えて、仲間を大事にすることを学ぶから。
だから・・・
(じっとリベラにしがみつきながら、港の方を振り向く)
【うあ、レス遅すぎですみません!】
…そう、か。
(無骨な手で、出来うる限りやわらかく少女の体を抱き)
(つややかな髪を撫でながら、黙って聞いていた)
もちろんさ。さっきは、おれが間違っていた。
リュリュは、弱虫なんかじゃない。リュリュは強い子だ。
けどな、リュリュ。海は広いんだ。世界は、本当に広い。
確かに、つらい事ばかりの国も、悲しみばかりの国もある。
でも、夢みたいな美しいグリーンの環礁も、ピンクの珊瑚も。
雪山の上にかかる、カーテンみたいなオーロラも、本当にあるんだぜ。
仲間を大事にするんじゃない。大事にしたい奴らが、仲間なんだ。
ほら、あれを見てみな。こっちに来るボートがあるだろ。
(港を向くリュリュに、指で示す)
全員そろって、アホで助平なボンクラぞろいだ。
でもな、リュリュが悲しむようなことがあれば、悲しませた奴を殴りに行く位の
甲斐性は持ってるぜ。
もちろん、おれもな。
…どうだ、リュリュ。俺たちはリュリュの仲間かな?
【いえいえ、こちらこそです。思ったよりシリアスなせいか、長考してしまって^^;】
(仲間か、と聞かれて)
もちろん!
(ぎゅっとリベラに抱きついて)
すごく大事にしたいと思ってる。
それがよーくわかったわ。
あの人たちの一人一人・・・何よりも、あなたを。
(ボートはどんどん近づいてくる)
(乗っているものの顔がだんだんはっきりしてくると)
(乗っているのが船乗りばかりじゃないとわかる)
あ、あれ、馬の調教師だ。
私が逃げ出したのに気が付いたのね。
(口をへの字にまげて)
それにしても、なんで船にいるってわかったのかしら。
【そろそろ次のレスあたりで〆させていただいてよろしいでしょうか】
>>688 【あー、軽くなんて言っておきながら、かなり重いレスしてますねーorz】
【申し訳ないですー・・・】
わっはっは!じゃあ、おれもリュリュを、もっともっと大事にしなくっちゃな♪
(ちょっと強めに頭を撫でる。うれしい時のクセで、加減が出来なくなるらしい)
調教師?…おお、あのおっかない爺さんか。
やれやれ、相当探し回ったか。それとも噂を聞きつけたかな?
ま、おれに任せておきな。ああいう頑固者の扱いには慣れてんだ。
なにしろ、おれの親父も相当な頑固者だったからな。
…よし、リュリュ。キッチンに隠れて、たまねぎをみじん切りにしておいてくれ。
おれのペテンを見せてやる♪
あとでパエリアを作るから一石二鳥だ。
さ、早く早く♪
(悪戯坊主の顔になって、リュリュを抱いた腕を解く)
【ですね。ではこちらも次で締めます】
たまねぎ?
なんでたまねぎ・・・(とたまねぎを探してきょろきょろしながら)
(いそいでキッチンに下りていくと)
たまねぎって嫌いなのよ。
臭いし、目にしみるし・・・。
みじん切りって、適当に切ればいいの?
ちゃんと習っておくんだったわ。
(頭の中には料理見習いの牛人女性から丁寧な指導を受けた時のことが思い出され)
(にも拘らず、何を習っていたのか全然思い出せない)
あー、めんどくさいー。
もう、涙がとまらないわよ、どのぐらいやればいいのー?
(早くも与えられた仕事が面倒になって、投げ出したくなるリュリュだった)
【こんなところで〆させていただきます】
【いやいや、あんな事のあったあとですし、そんなに重過ぎるとは思いませんよw】
【むしろ、軽みと重みが混在するとこ、少女っぽいと思います】
ああ、大体でいいんだ。なぁに、食っちまえば同じ事よ!
でも、涙を拭くなよ?そのまま待ってな♪
(わっはっはと、笑い声と共に伝声管で指示をして)
(訓練をサボったリュリュを追いかけてきた、軍馬の調教師をデッキで迎え撃つ)
やいじじぃ!てめぇ、リュリュに何しやがった!
訓練とはいえ、あんまりじゃねぇか。厳しい中にも思いやりってモンが必要だろう。
隠した、だぁ?おう、確かに隠したさ。
はばかりながらこのリベラが預かった船だ、泣いてる女の子を匿わねぇワケがねぇだろう!
こっちにきやがれ!
(調教師をドアに連れて行き、キッチンを、涙にまみれたリュリュを見させ)
(ドアを閉じると、声音を替えて)
わかったろ?
…なぁ、俺は、あんたが本当はやさしいお人だってわかってんだよ。
そうじゃなきゃ、馬があんなになつくワケがねぇ。
シリウスも言ってたぜ、「わが軍の軍馬は帝国の騎兵団の馬にも引けを取らん」…ってよ。
けどなぁ、まだリュリュは小さいし、あの年頃の女の子はいろいろあんだよ。
もう少し手心を…
…え?
…花瓶を投げつけて逃げ出した?
……そのたんこぶ、それ?
……おーい、リュリュ。
夕飯済ませたら、夜間訓練だってよ〜。
(と、力ない声が伝声管からキッチンに響く)
(港には夕餉の炊煙が漂い、真っ赤な夕焼けが西に沈んでいった)
【と、ちょっとおてんばになってもらいました。オチが決め打ちですいません】
【他に思いつかなかったもので…】
【おつきあいありがとうございました】
【長い時間ありがとうございました!】
【本当に好き勝手にやってしまってすみません・・・】
【こんなオチまでつけていただいてw】
【本当にじっくりとロールを堪能させていただきました!】
【おつかれさまでした。おやすみなさいませ】
【よければお相手お願いします。】
【23時過ぎまでになるので雑談等になるかと思いますが…】
【お。ロールでの邂逅ははじめてですね。リミット了解しましたー。】
【雑談と言うと。賑やかな場所か静かな場所か…】
【ああ、確かにそうですねw】
【どちらでも、というとお困りになりますか…?】
【手合わせなどでも大丈夫ですが…】
【さあ、お酒飲んだり、お風呂だったり、食堂だったり…】
【錬兵場に、噂の美少女騎士殿を拝顔しに行ったりしちゃっても…?】
【そういうところで鍛錬していらっしゃるのであれば】
【なるほどwごめんなさい、具体的に考えてなくてw】
【…なんだか面白い呼称ですが、了解です。】
(鍛錬[たんれん](――スル) 体力・精神力・能力などをきたえて強くすること。)
(錬兵場は盛況であった。 老若男女が入り混じる)
(それぞれの思いを胸に抱えて研鑽に励む。)
(健康な体から弾ける汗、流れる汗、ほとばしる汗――)
……むさ苦しい。
(口の中でそう呟いたのは、行進を指揮する男の怒号で消えた)
(基礎体力のなさからへばる奴、無駄に元気な奴…)
(志願兵や傭兵が多いこの混沌ぶりにも慣れたものだが)
(本日の目的は、その賑わいに身を投じることではなかった)
(目当ての姿を探して、筋肉の隙間を器用にすり抜けて、視線をさ迷わせる)
("そいつ"は、どのように励んでいるのやら…)
【お願いします。】
(大勢の屈強な男に混じってちらほらと女子供が訓練をしている。)
(女性のある者は護身のため、ある者は革命軍と志を共にして戦うため。)
(想い人を守るという健気な志から剣を振るう者もいる。)
(急激に人が増え、混沌とし、さまざまに多様・変質化していく訓練場。)
……。
(喧騒を意に介せぬという風にいつもの場所で黙々と剣を振るう。)
(ぱっと見て、普通の素振りに見えるが))
(其の剣は訓練用の剣で普通の剣より長くそして重い。)
(慣れるにしたがって徐々に注文をより重くしていった結果、今では相当な重さになっている。)
【書き出し、ありがとうございます。よろしくお願いします。】
(異彩――確りとした剣筋は野良傭兵やごろつきの扱うそれと比して)
(明らかに違う。堂に入ったその風格。)
(聞けば帝国の武家出身。環境の整った状況で、しかも勤勉に学んだものか…)
(…それだけではああはなるまい。 ――思わず唇に舌が這う。)
(隅に雑多に押し込まれた長尺の木剣を手に取り)
…………軍、 家仕込みの剣、か。 どれ。
(足元の小石を頭上に蹴りあげ、膝でまた跳ね上げる)
(児戯のように器用な動きの後、熱中している横顔目がけ、)
(石を揺るく蹴り飛ばした)
(極めて基本に忠実な素振りを繰り返す。)
(何度も何度も。)
(傭兵に言わせれば所謂武家としての貴族特有の"お上品な太刀筋"だろう。)
……。
(明らかに場違いな空気を纏う女性にすぐに気付いてはいた。)
(自分と同じ色の、だが質の異なる髪の女性。)
(舞台で踊るのが似つかわしいような華やかな空気。)
(意外に感じたのは視線が自分に向いている事。)
(一体何の用なのだろうかと思いながらもひたすらに剣を振るう。)
……!
(器用なものだ、と感心した直後無意識に体が反応し小石が砕け散る。)
……何か?
(石の飛んできたほうに向き直り女性を正視する。)
(元々抑揚の乏しい声が多少冷ややかになったのは仕方ない。)
>>706 遊ぼう。
(と。掌を木剣の刃で軽く叩きながら、獰猛な微笑みと共に誘う"遊び"は)
(お子様お断りのものである。 護身術や、競技の手解きを請うてはいない)
見事だな。叩き落さず砕くとは…箱入りではなかったのか。
(貴族は嫌い。軍人も――好きではないが)
(何故わざわざこちらに加担したのか、という根本の興味と)
(その冷えた眼差しは、決して大局を見誤る愚を許しそうにない…)
(個人への興味を隠すつもりはない)
『騎士殿』、先人の技を知り、己の体を研ぎ…そして実戦経験を積む。
私はそれを剣の完成と見る。
……"手合わせ"に付き合ってくれぬか?武家仕込みの剣、受けてみたい。
(礼儀知らず、しかし姿勢よく剣を上げた)
(邪魔をした非礼も詫びない――学の無さを恥じない。)
(傭兵の軽口と同じ台詞。だが目は野の獣の如く、偽ることを知らない色)
断る。
私は遊びをやっているつもりは…。
(言いかけて思いとどまる。)
(礼儀はともかく姿勢やその言には見るべきものがある。)
いや、いいだろう。
箱入りとは意味が良く分からないが……。
受けてたとう。
私はユーリ・ルイス。貴女の名は?
(礼儀正しく、かつ型通りに構える。)
(教科書通りの隙がなく、重心を相手に悟らせない構え。)
それが騎士の礼か?では私からもひとつ。
遠慮も加減も不要だ。
私は丈夫だから、乱暴にしても平気だぞ?
(手から脱力し、剣を低く、横に構える。)
(わずかにたわめた両肢は、地をしっかりと認識し)
(作法のない粗暴なそれだが、"術"として成立した構え)
我が名はデューイ・ルギウス。
今日この時を、貴女自身に感謝しよう。
(一度剣を立て、そしてまた構えた。)
(敬意を払い、礼に乗っ取り、明瞭に名乗る。自らを恥じ入るは愚。)
(相手は、攻めも防御も長ける定石の構え。ならば、此方から往くが礼儀。)
………参るぞ、ユーリ。
(そう宣言し、不意にならぬよう、一度間を置く。高揚の笑みから、)
(冷厳に顔を引き締め、前へ跳ぶ。しなやかな獣の如き四肢を躍らせ、)
(まずは挨拶と、リーチを活かした、下段からの袈裟上げを一閃。)
(内心ほう、と感心する。)
(一見雑な構えだが理に適っている。)
(おそらくは鍛えたのだろう。まず一級の戦士に違いない。)
(そうすると普段より重い剣を使うだけあって不利かもしれない。)
来い。
(美すら感じる程のその速さ、動きのしなやかさに目を瞠る。)
(隙のない構えから剣を振り下ろし受け止める。)
(木刀がみしッと嫌な音を立てた。)
(そのまま己の剣を滑らせて相手の胴のある辺りを横に薙ぐ。)
(片手の振りぬきに対し、強靭な振り下ろし――)
(迅速な判断には恐れ入る。自分も遠慮したつもりはなかった)
(片手では荷が勝つその重みを、峰部に手を添えて受け止め、)
(さらにそのまま掌で刃を跳ね上げて、相手の反撃も挫く)
(だがそこまで。一度相手の剣を払うようにしながら、間合いを離す)
なるほど、遊びではない…。
(教科書剣術――などという緩い響きだが、反撃の気配には肝が冷えた)
(粋となれば如何なるものにもセオリー通りの対応が出来る下地)
(何より剣を通じて伝わってくる意志か。この少女は弱くない)
(歓談よりも何より相手を識ることの出来る試合に)
(いっそう熱が入る。どうして可憐な少女がこうまで…)
(今度は一歩擦り寄った後、それをフェイントに踏み込む)
(両手を添え、大きく構え、自らの体で出来た死角からの袈裟掛け)
(―そんな捌き方があるのかと常軌を逸した動きに舌を巻く。)
(彼女は遊びだ、と言った。ならばさらに底があるというのだろうか。)
(見てみたい。)
(遊びではないといったものの遊び心がないわけではない。)
(しかも剣の優劣を競うというのであれば。)
本気を見たいものだ。
(速い、と思うまもなく木刀が襲い掛かる。)
(曲芸、或いは舞のような優美さに危険な刃が付いている。)
(惚れ惚れとしながらも素直に攻撃を読み、受ける。)
(基礎の積み重ねの強みは実はここにある。)
(フェイントに釣られない…が、さすがに避けきれず僅かに掠ってしまう。)
今度はこちからから行く。
(中段から上段へ。上段から一気に振り下ろす。)
(真っ向からの切下げの描く線は正確に正中線をなぞる。)
………尚更惜しい。もう少し早く知り合えていれば。
(まだ相手が帝国に籍を置いていたのなら、と)
(この場の本気と、戦場での本気に著しい差は無いが)
(轡を並べる友垣と喜びは分かち合えても)
(命を賭けた高揚と緊張感は分かち合えなくなる)
真っ直ぐだ。
(その挙動の何もかもが、突き進んで来る――)
(そして恐らくそれは必殺の一撃)
(頭上に跳ね上げて、円心の動きで相手の首に剣を運ぶ)
……――
(ユーリの振り上げた剣。腕の隙間に見えた相手の瞳に)
(決定的な何かを見取ったが、同時に決定的な見落としをした)
(最小限の動き、相手の首の高さに頭と木刀を持ってきたが故に)
(既に限界を迎えた古木の木刀は、重量の増した木刀の一撃を受けきれない)
(中心の支柱を失った故に両手が踊り、脳天への衝撃に一瞬目の前が真っ白に――)
【そろそろ、お時間ですか】
……。
(良い敵とは時に味方よりも親しく感じる物だ。)
(帝国にいたころ戦った革命軍の将兵がまさにそれだった。)
(味方の上官が愚鈍であれば尚更と言う物だ。)
(初めて会った相手の将に一目で恋をしたのは誰にも言わない秘密だった。)
あ。
(その回想はほんの一瞬の間だったが、振り下ろしが木刀を叩き折るまでに十分だった。)
(うっかりしていた、と言うべきだろう。)
(気が付けば最高の一撃を相手の脳天に決めてしまっていた。)
だ、大丈夫?
誰か氷を持ってきてくれ!
(素早く剣を放り出し相手が地面に倒れこむ前に支え、横にする。)
(届いた氷をデューイの額に当てた)
【そうですね。】
【そしてこのスレの用量もそろそろ終りですね…】
>>714 (思わず膝をついてしまった。いい一撃だった。)
(散った星や鳥の幻影から、見慣れた錬兵場の地面)
(一瞬意識を失っていた間に、氷が用意されたらしい)
(言の通り乱暴でも無事ではあるが、……まだ微妙に目が回っている)
…………お互い気が散っていたようだな。今回は私の敗けだが。
訓練用の木刀も用意せねばな。 …それより………。
(冷えていく額の奥が、さっきみた視線の奥の光)
(詰まった歯車がまわりはじめたように、上体をかろやかに起こすと)
(耳元に唇を寄せて)
騎士殿?惚れた男が居るな。来たのもそれが原因か?
(意地悪な笑みとともに、問うてみる)
(無論、預言者ではなく、心を読む力も持たないが)
(真っ直ぐな意志に、これはかろうじて残っていた"女"の、勘と愉しみか)
(心配そうにデューイを見つめる。)
(こうするのが決して本意ではなかった。)
……ああ。別に勝ち負けはどうでもよかろう。
もう動けるのか?丈夫なのだな。
(あの一撃を受けてからすぐに立ち直るとは、素直に感心する。)
なッ!?……ち、ち、違う、私はだな、父とともに渡っただけであってだな……。
(思わず手に力が入り氷嚢の中の氷を砕いてしまう。)
(顔が真っ赤になり焦っている様子は予言者ならず、誰が見ても動揺したものだった。)
大事なことだ。実戦なら死んでいたということ…。
それを汲みまた剣を研ぐ……のだが、
弱点を知られてしまったなぁ、騎士殿。次はそこを狙わせてもらう。
(つん、と自分が打ったのと同じ部分、額を)
(指先でつつく。頭上で氷が砕けたので、)
(さっきの一撃はかなり強烈だったのだろう…)
(少し自分が生きてる心地を失いかけたので)
(その場に立ち上がり、両足があるか確かめる)
剣の腕は素晴らしい、だが女としては私に一日の長があるようだ。
……まぁー、楽しかった。いい時間を有難う、騎士殿?
(多少、無意識に一撃の重みを根に持ったのかもしれないが)
(友好の証か皮肉の動きか、にやにやと唇を吊り上げながら)
(その手を差し伸べ、握手を求めた。)
【―というわけで、私はこれにて…時間をオーバーしてしまいました、すみませんっ…!】
【お付き合い、有難うございました】
そ、そうか。
実戦への意識が高いのは良い事だが……。
な、何の事だ?
(その話題を出されると急にうろたえる。)
(自分で弱点を曝け出しているのと同じで、顔の赤さが一向に引かない。)
…有難う。
(気を取り直したように相手に向き直る)
女としては貴女に一生勝てないきもするなあ。
ああ、私も珍しい太刀筋を見れて楽しめたよ。
それと、私のことはユーリでいい。
デューイ殿。
(微笑と共に握手に応じた。)
【いえいえ、こちらこそすいません。】
【有難うございました。またよろしくお願いします。】
◆連絡事項◆
【ハー ◆bD1EN8EcbEさんからマール ◆SabeR.A6Vwさんへの伝言】
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マール様へ。凍結しているロールの件ですが、「最終的には、二人とも無事に帰還することができた」と
いう〆になるであろうと仮定した上で、もうしばらく凍らせたままにしておくことにします。
これ以降、私が本スレに待機したとしたら、行われるロールは「帰還後」の時系列のものとなるでしょう。
いつか連絡を頂いて、凍結部分の物語を補完できる時を、お待ちいたしております。
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【新規参加者の加入による紋章チェックの追加】
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◆108のルーン一覧◆
×王冠 ×愛 雨 意志 海 鱗
×運命 ×永遠 円 ×鏡 ×果実 家畜
鐘 雷 ×仮面 硝子 ×狩人 ×騎士
気品 希望 恐怖 教養 金貨 首輪
雲 蜘蛛 軍旗 獣 賢者 ×恋人
荒野 幸福 ×氷 篭手 金剛石 ×策士
×死 詩人 司法 車輪 自由 淑女
祝福 城壁 印 深淵 ×蜃気楼 真実
砂 成長 誓約 水晶 ×生命 鮮血
草原 空 太陽 滝 黄昏 竪琴
旅 堕落 知恵 力 ×月 翼
×剣 ×罪 庭園 塔 道化 毒薬
棘 涙 ×肉欲 人形 人間 沼
歯車 鋼 蜂蜜 ×罰 花 庇護
瞳 秘密 ×舞踏 葡萄酒 ×船 憤怒
変化 ×萌芽 ×奉仕 ×豊穣 星 母性
×炎 微笑 未完 ×無垢 森 ×門
病 ×夢 夜 勇気 ×理性 ×竜
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カティス ◆0eoaPgybQw(策士)
シャトー ◆8vXIuzabZc(生命)
ヤマケウ ◆ojpYaMaKEU(蜃気楼)
の参加により紋章チェックを追加しました。
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【スレ状況】
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現在凍結解除の予定はありません。ご自由にお使いください。
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