「……見事なものだな」
三つとも首を刎ねた見事な技に感心しながら、刀に付いた返り血を払い落とした
「……今西 光牙だ」
名前を名乗り返し、投げ捨てた袋を拾い
「今回は助かった、真理、感謝する」
そう、そっけなく礼を告げた
「……また、会うこともあるだろうな」
そして去っていった
【すいません、それではこんな感じで〆で。また、お相手よろしくお願いします】
今西さん、ね。
こちらこそ、ピンチの所を助けてくれてどうもありがとう。
(先ほどまでより幾分平静を取り戻した様子で感謝を告げながら)
(改めて男――今西を観察すると、そっけない様子も、長身も好ましく思えた)
そうですね、また会う機会もあるでしょう。
その時はどうかよろしくお願いします――
(去りゆく今西の姿を目で追いながらポツリと呟く)
(己が身を掻き抱く少女の心中はいかなるものであったか)
(それは少女のみが知ることである)
【拙いロールにお付き合いいただきありがとうございました】
【こちらこそお相手よろしくお願いします。それではノシ】
瑞希タソと鬼畜王が今宵エロールをするそうだが、
たまにはあちらじゃなくてこちらでやってほしいものだ。
本スレでだってキャラ同士のエロールを見てみたいのさ。
>>891 【あまり期待されても困りますが……今宵はこちらで】
【では、ご期待に添えさせてもらいますヨ】
【真に何処まで期待に応えられるかは別ですがネ】
>>892 【遅くなってすみませんネ】
【プレイ内容は昨日言ったようなものですが、せっかくなので各々の魔術談義、みたいなものを語りながらする、と言う方向でいかがかな?】
【いえ……多分お手洗いかな?と予想は付いていましたし】
【ロールの方向はそれで問題ありません。書き出しはいかがしましょう?】
【失敬、てっきりこっちが書き始めるつもりで進めていました】
【とりあえず、投下しましょうか?】
【や、この間隔からすればそうなんだろうなとw】
【ではお願いします。こちらは見てから返すのでまた時間が空きますがご了承を……】
「なるほど……」
薄暗い部屋の中で、ただ一つ白い男が呟く。
その顔は白、だがただの白ではない。
極まったそれは黒と変わらぬ……そう、白い闇とでも言うべき、邪な『何か』
それが、この男……水上竜斗という男の、本性。
今、水上がその脳裏に声を届けたのは馬頭の魔王、賢者オロバス。
そしてその内容は、恐るべきとも言うべきものであった。
「……七十二柱、全てが契約者を得た、か」
********************************************************************************
自室に戻った水上は、ふぅ、と溜息を一つつき、ソファに身を沈めた。
微かに甘やいだ声が上がる。
……女体のソファであれば、それも当然であろうか。
「瑞希、いますカ?」
水上は、最も信頼する魔女にして性奴の名を呼ぶ。
動き出す、準備を整えるために。
「……は、ここに」
そう言葉を発して、音もなくご主人様の傍らに跪く。じっと頭を垂れたまま。
今の格好はいかにも扇情的な、黒のガーターベルトとストッキング。
己の身分を強調するかのように下着は身につけてはいない。
打てば響く、という表現があるが、まさしく今のご主人様との関係はそれに等しいだろう。
いつもなら他の奴隷達と絡み合っている所なのだが――今日は少々いつもと違っていた。
その理由を、明かされてはいない。
不安と期待をない交ぜにした複雑な感情を抱きながらも、己の役目を全うするべく動く。
たとえそれが道に外れた行いであろうとも。
「一体、どのような御用向きで?」
半ばこの状況を楽しんでいるかのように、芝居がかった所作をする。
それは、周囲の奴隷達に対する本当にささやかな優越感と、自身の思うところに由来している。
儀礼行為とは、下位の者に対して格の違いを見せ付けるためのものであるからだ。
「……来ましたか」
音もなく傍らに跪く魔女に一度視線を向け、すぐに虚空に戻す。
その顔は厳しく、その場にはいない何かを視線で殺そうとしているかのように。
「今の段階で物理的な戦闘力、社会的な戦闘力、魔術的な戦闘力を持つ駒を確認したい。
潜ませているものも含めて、だ」
それは、全面戦争とも言うべきモノの、準備。
……今すぐでなくとも、いずれ来たるそれを、予感させるに充分なもの。
「……それと、使える手駒のうち、優秀なものをいくつか、欧州と南米に」
オロバスから得た知識で知った、契約者のいる地域。
まずは探らなければならない、それらの力の程を。
「ただし、瑞希以外のもので、ですヨ。
あなたにはまだまだ別の役目があるのですからネ」
眼差しを幾分か和らげ、傍らの魔女を見る。
「わかりました、それらの件については早急に手配いたします。
一週間……いえ、五日でご報告を致しましょう」
突如告げられた命令に、一瞬目を丸くはしたがすぐに気を取り直して返答する。
(一体何が起ころうとしているのか――)
心中には様々な推測と思考が渦巻いているが、わざわざそれを尋ねるほど不用意ではない。
駒は駒らしく振舞えばそれでいいのだ。
「……はぁ」
しかし、続く言葉に思わず困惑の様子が滲み出た。自制がまだまだ必要だな、と思う。
慢心しているつもりはないが、少なくともヨーロッパに関しては自分が赴いた方がいいはずだ。
あちらに居た頃からずっと保持してきたネットワークは健在だし、
何より地の利に長けた人間の方が何かと便利なはずだ。
それを、あえて他の者に行かせるとなると――
そこまで考えたところで、軽く頭を振って思考を保留した。
自分の役目を果たせれば、それでよい。
「して、別のお役目とは……?」
先刻までよりも幾分和らいだ視線に含まれる意味合いは何であるか。
ある程度までなら推測が可能なことではあるが、ご主人様の場合はそれが読みにくい。
過剰な期待は禁物だとは知っていながらも、それでも色々と想像してしまう。
太股の間に、湿り気を感じた。
「どうしました?
自分が何故『使われないのか』疑問ですカ?」
ソファから立ち上がり、手を伸ばす。
頬に触れ。
「……その、知識を」
首筋に下り。
「その、肉を」
胸に触れ。
「その、心を」
そのまま、豊かな乳房ごと持ち上げるようにして、立たせ。
「その、魂を」
そして腹を伝い、滑る手。
「その全てを、まだしゃぶり尽くしていませんからネ」
だが、その手は核心とも言える部分には、触れず。
酷薄な、だが女のサガを蕩かすような微笑を浮かべ、問う。
「今日は、どのように辱め詰られ犯されたいですか、ボクの可愛い魔女?」
「そんなこと……」
やはりと言うべきか、心の中を見透かされていたことに気付くと恥ずかしくなった。
そのままこちらに手を伸ばしてきたのを、目を閉じて素直に受け入れる。
わずかにひんやりとしたその手が身体を這い、微妙なタッチで刺激していく。
「ううん……ぁはぁ……」
なぞられた部分は疼痛を伴い、双丘の頂点は硬く張り詰めていく。
壊れ物を扱うように丁寧な仕草で起立を促され、操り人形が糸に引かれるようにそれに従った。
徐々に期待に潤む場所へと手が近づくにつれて興奮の度合いも高まってくる。
しかし、そこに到達するまでには至らない。
冷たい笑みを浮かべながら問うご主人様に、濡れた瞳で応える。
身体の方は、もうすっかり出来上がってしまっていた。
「あぁ……この耐え難い疼きを鎮めて頂けるのであれば、如何様にでも……」
もじもじと股の間を擦り合わせつつ、続く言葉を待つ。
本当は今すぐにでも欲しい所ではあるが、
わざわざ尋ねるということは何か考えがあってのことに違いない。
ピンクの霞がかかった頭の中で、そう判断した。
【電話がかかってきまして、レス遅れました】
「隠すことはありませんよ、瑞希。
ボクの前では全てをさらけ出す、それが奴隷の長である者の示すべきものでしょう?」
すっかり出来上がった瑞希の身体から手を離す。
瑞希の身も心も、既に淫らに燃えていることを知りながら、焦らすかのように。
「ですが、如何様にでも、ではいけませんよ、瑞希。
最も己の忠誠を示し、捧げ尽くせる方法を自ら見つけねば」
瑞希の唇に指を這わせる。
指は僅かに紅と綺羅と光る雫に濡れ。
「それが出来ねば……我が『魔女』には相応しくない。
そうでしょう、瑞希?」
瑞希の唇を這った指を自らの唇に当て、ぺろ、と舐めながら、もう一方の手で、軽く瑞希の秘所に触れる。
促すように。
焦らすように。
すっと手の感触が消えた。
名残惜しいと思う反面、わずかに冷静な思考を取り戻す。
全てをさらけ出すということ。己の忠誠を示す方法を採ること。
それを求められているのなら、応えるのが自分の務めだろう。
「は、い……」
唇をなぞる指と、心の奥底までも見通すような昏い瞳。
そして紡がれる言霊と待ち望んだ最後のピース――秘所への愛撫を受け、
焦点を無くした瞳で知らず知らずのうちに己の内に秘めた願望を口走っていた。
「忠誠の証……ご主人様の牝犬として……外で、激しく、犯して、ください」
そう呟いた瞬間に、軽く達していた。
湧き出る愛液が太股を濡らす。
瑞希が微かに身体を震わせながら、その裡に秘めた願望を口にする。
全てをさらけ出し、全てを捧げる。
その意味を理解するほどに瑞希は聡明で、そして忠実だった。
「そう、それでいい」
秘所に当てた手を少し強く押しつけてから、首輪を手にする。
犬に着けるような、黒革の首輪。
それを瑞希の首に当て、締め、そして……固定する。
首輪に着けられていた鍵が、かちん、と小さな音を立てて閉じる。
「さあ、瑞希……外に行きましょうか」
首輪に細い鎖で編まれたリードを着け、それを軽く引っ張る。
それこそ、犬にするように……
「ああ……!」
強く押し付けられた手の感触を味わい、歓喜に身体を震わせる。
そのまま首輪が取り付けられるのを見守る。
ご主人様に忠誠を誓って以来、常に身に付けている黒いチョーカー。
それを上書きするかのような首輪の付け心地は、想像していたよりも悪くはなかった。
あるいは、首輪と言う束縛はくだらない理性からの解放を意味しているのかもしれない。
「くぅん……」
本物の犬のように四つんばいになると、リードを引かれたのに反応してゆっくりと歩き出す。
時々後ろを振り返りつつ、尻尾があればぶんぶん振っているかのように尻をくねらせながら。
そうしてマンションの一室を後にし、外へと向かう。
夜の空気は冷たかったが、それを打ち消してなお余るほどに身体は熱い。
「鳴き声まで犬になりましたか、瑞希」
クク、と笑いながらリードを時折強く引っ張り、外へ。
既に夜も更け、マンションの廊下に人影はなく、そのままエレベーターに乗る。
「そういえば、犬の尻尾を忘れていましたネ」
エレベーターの中で、掌に軽く唾液を乗せ、それを瑞希の尻穴に押し当てる。
流体を操るその異能が、瑞希の肛門から唾液を入りこませる。
唾液は腸液と絡まり合いつつ、固形化する……あたかも、犬の尻尾のように。
ピン、と言う軽い電子音と共に、エレベーターは一階に着く。
「さあ、散歩の始まりですよ。
ですが、その前に……犬らしく、このあたりでマーキングをしましょうか」
リードを引き、マンションの壁に瑞希を近づける。
「うぅ……ふぁぁん」
エレベーターの中、尻の辺りに掌の感触がしたかと思えばそこに分け入ってくるものの感覚。
これは――いつものアレですか。
見る間に肛門の内側が押し広げられていく。ある意味便意に似た、むずむずしたものを感じた。
それが収まった頃合を見計らってそっと振り返れば、
予想通りに犬の尻尾様のものが出来上がっていた。
感謝の意味も込め、軽くそれを振ってみる。
そして、エレベーターが止まった。
エントランスフロアは明るく照らされているが、夜遅いために誰も居ない。
そのことを少しだけ残念に思うと、それに連動したのか尻尾が尻に触れた。
――しかし、ご主人様の言葉を聞いてそんな気持ちも吹き飛んだ。
マンションの壁に引き寄せられ、マーキングを要求される。
「わう……」
本物の犬のそれを真似て片脚を上げ、下腹部に力を込めるとすぐに放尿が始まった。
はじめはちょろちょろと下に落ちていたものが、時間の経過とともに徐々に勢いを増していく。
お世辞にもきれいな放物線を描いて飛んでいるとは言いがたいが、
スプリンクラーのように飛沫が壁を汚していく。
「あうぅ……はふぅ」
たっぷり30秒ほどかけて放尿が終わると、ほっと一息。
辺りに漂うアンモニアの臭いが今しがた行われていた行為の背徳感を煽る。
いつしか、股間は尿以外の液体で濡れていた。
お座りの格好を取ると、上目遣いに次の指示を待つ。
尻尾を付けてやれば、尻を振る瑞希。
その牝犬らしい感謝の意の表明に、含み笑いをし。
そして、エントランスでの放尿指示。
躊躇なく放尿を始めれば、瑞希の股間から湯気が立ち上り、アンモニア臭が漂う。
その背徳感を煽る光景に笑みを深める。
「マーキングは終わりましたね。
ですが、移動する前に……ここは軽く拭いておきましょうか」
瑞希の股間にティッシュを持った手を伸ばし、軽く撫でるように拭いてやる。
だが、拭いても拭いても溢れるそれは、尿以外の、ねとりとしたものだった。
「やれやれ、いいでしょう。
それと、瑞希。牝犬らしいのは結構ですが、淫乱な牝なのですから、いやらしく卑猥な言葉も使いなさい。
解りましたね?」
そういって、リードを引っ張る。散歩の再開だ。
夜風が、涼やかに……冷たいほどに、流れる。
「はぅ……うん」
いやらしく濡れ光る股間に伸びてきた手に、
さらなる刺激を求めるように秘所を押し付けつつゆるやかな快楽を貪る。
――と、淫語を使うように命じられた。
やはり犬の鳴き声を真似るだけでは、ご主人様のお気に召さなかったらしい。
まあ、言葉も昂ぶらせるための大事な要素であることには間違いない。
「はい、ご主人様がそれを望まれるのでしたら。
……ちゃんと出来たら、おまんこしてくださいね?」
にっこりと笑みを浮かべながら言う。
そしてリードを引かれるのに素直に従い、外に出た。
さすがに寒さは厳しく、ぶるりと身体が震える。
「ご主人様、今宵はどちらに連れて行ってくださるのですか?」
淫らに尻をくねらせて尻尾を振り、上を見ながら問う。
正直目的地はどこでも構わないし、早く犯して欲しかった。
これが夏場ならカップルの集まる公園で――ということになるのだろうが、今は真冬。
そうそう人が集まる場所があるとは思えなかった。
――もちろん、見られながらする必要もないのだが。
どうしても屋外での調教と言うと、露出の印象が強いのも事実だ。
【続きレス構築中ですが……睡魔に負けそうな具合です】
【申し訳ないが、凍結願えますか?】
【こちらは、夜の十時以降ぐらいであれば、曜日を問わずにほぼ可能です】
【ええ、丁度こちらも次で凍結をお願いしようかと思っていました】
【それでしたら、木曜日の夜10時過ぎくらいに続きをお願いしましょうか】
【木曜日以降なら週末にかけて時間がたっぷり取れますので……】
【ご主人様待ち】
【遅くなりましたね】
【今レスを書いていますので、もう暫しお待ちいただきたく……】
【いえ、問題ありませんのでお構いなく】
【では、今宵もよろしくお願いいたします】
>>910 「人間は知性ある生き物ですからネ。
言葉というインターフェイスでさえ、性的快楽を得ることに使えるのですヨ。
もっとも、牝犬の場合はどうかは知りませんがネ」
そう言って頭を撫でてやる。
調教には飴と鞭が必要だ。
「牝犬まんこに褒美が欲しいのなら、牝犬らしく躾けられた通りに振る舞うことです」
そうとだけ言ってリードを引く。
これを非情と取るかどうか。
瑞希がどう受け取るかなど、知ったことでは……いや、判りきったことだった。
「今宵は、そうですね……公園あたりまでは当然として。
繁華街の方にも足を伸ばしてみましょうカ。
ところで、瑞希……寒いのなら、魔術で暖をとっても構いませんヨ」
冬場でこの時刻とはいえ、この街の繁華街ならば人は大勢いることだろう。
それなのにこのままで行くというのは、瑞希に社会的立場を全て捨てろと言うに等しい。
どう返答するか、水上の頬に意地の悪い笑みが浮かんだ。
「ん……わかりました。努力します」
頭を撫でられ、その心地よさに目を細める。
ご主人様の言葉の裏にある意図を、完全ではないにしろ読み取ることができる。
――ただの獣であることは求められていない、ということか。
心の中のどこか冷静な部分でそう判断して再び歩き始めた。
「繁華街、ですか……?
……いえ、ご主人様がそうされたいのでしたら構いません。
では、お言葉に甘えて……InnereFlamme(内なる炎)」
一瞬目を丸くしてご主人様の方を見上げるが、すぐに驚きを覆い隠す。
この時期、この時間といえども繁華街は人が多い。
衆人環視の下で痴態を晒すのは恐ろしくもあるが――
――その反面、どれだけの快感が得られるのか、興味もあった。
使った魔術は、風と火の魔術の応用。
体内の新陳代謝を一時的に高め、そして体表近くの空気の動きを抑えるものだ。
この魔術は、寒い地域で行う儀式には欠かせない。
「では、夜の散歩と洒落込みますか」
行使した魔術が効果を発揮し始め、温かくなってきた所でそう呟いた。
「クク……それでいい。
人であり、獣でもあるものとなるがいい」
言葉の意図をおそらくは理解したであろう、賢い牝犬の頭を撫でる。
「構わない、か。
クク、人としての全てを捨てることになっても構わないと言うことですネ?」
一瞬の逡巡、だが瑞希はそれを覆い隠す。
世知に長けた、と言うよりもそれだけ忠実と見るべきか。
「ほう、風と火……ですか。
火は制御が難しいと聞きますが」
水上は魔術の知識自体は其程にはない。
あくまで魔王の力を借りているに過ぎず、理論という点では瑞希の方が圧倒的に上だろう。
とは言え、それを効果的に使うことは出来るのだから、それで充分とも言える。
「まあ、道々魔術については聞きましょうか」
そう言って、瑞希の尻を軽く撫でてから街に向かって歩き出した。
「ご主人様に仕えることが、私にとって至上の喜びでありますから……
世間の目など、気にもなりません」
そう思っているのも本心ではあるが、別の部分では恐れもある。
しかし、そんな様子はおくびにも出さない。それが忠義だと信じているから。
「完全に制御できるわけでもないのですけど、
これくらい規模の小さいものならかろうじてものにしてますので……」
ご主人様の疑問に対し、少し恥ずかしそうにしながら返答する。
確かに、他の属性に比べると火の属性は気まぐれというか、御しがたい。
それは火という存在そのものが有している本性によるものである。
「……ええ、私が知っている範囲の事で宜しければ。
はぁん…いいです……もっとぉ……」
尻を撫でられると、甘く蕩けた声が出てしまう。
腰がびくりと震えたのに反応して、尻尾も揺れた。
街中に出るまではそれなりの距離がある。
その間ご主人様が何もしないとは思えないが、どんな仕打ちが待っているのか。
内心それを期待しながら、リードを引かれるままに歩いていく。
瑞希の言葉に笑みを浮かべる。
今までの瑞希の態度を見るに、真実ではあろうが……
内心はどうあれ、そこまで忠義を見せるのならば確かめるのも一興。
そう考えての、笑み。
「なるほど。
優秀な瑞希ならもっと規模の大きくてもものにしているかと思いましたが……
火というのはやはり度し難い、と言うことですカ」
火界の王……以前、ヴェパールから聞いた「ペイモン」という魔王を思い出す。
七十二柱ならば、同じように契約者を見つけているだろうから……いつかは相見えなければなるまい。
「では、たっぷりと教えてもらうとしましょうカ、瑞希センセイ」
尻を触れば、これほど寒い中でありながら仄かに暖かく、これが魔術の効果かと理解する。
そしてゆっくりと道を行く。
冬の夜は肌寒く、身体の奥まで凍てつかせるような夜気に満ちている。
コキュートスとやらはこれよりも寒いのか、と思えば、己の内なる魔王に少々哀れを覚えもする。
そんな益体もないことを考えながら、高架の下をくぐろうとして……ふと悪戯心が湧いた。
「瑞希、次にここを通る相手を籠絡して、欲情させなさい」
単なる思いつき、下らない悪戯だ。
その内容がこれほどゲスでなければ、子供の悪戯とそう大差はないだろう。
「はい、喜んで」
笑みを浮かべてそう応える。
アルバイトやゼミの関係で、他人に物を教えることは苦手ではない。
相手にある程度の知識があればより高度な話もできるだろう。
そのためにはどう話すのが適切か――そう考えていた時だった。
「……え?篭絡、ですか?」
思わず聞き返してしまった。
唐突にも思えるその言葉が信じられなかった。
それまでは何の躊躇もなかった歩みを止めたことが、それを雄弁に物語っている。
思わず辺りを見回してしまう。人通りの少ない高架の下であるから、
通りかかるのは仕事帰りのサラリーマンかジョギングしている人くらいだろう。
そんな、誰とも知れぬ相手に抱かれろとでも言うのか。
「私は…ご主人様の奴隷です。しかし、そのご命令は……
いえ、どうしても、と仰るのであれば…その……」
眉尻を下げて悲しげな表情を作り、言いよどむ。
もしかしたら命令を翻してくれるのではないかと、淡い期待を抱きながら。
できない、のではない。
「人に物を教えるのは好きそうですからネ。
ちょうど良いと言えばちょうど良い」
あくまでも、水上は合理的だ。
理を知ることが力を更に効果的に使うことにも繋がる。
自分よりも知識の深い人間がいれば、教えを請うのもやぶさかではない。
例えそれが、己の牝犬奴隷だとしても。
「そうですヨ。籠絡です……
ですが、その身体をくれてやることは許しませんヨ。
言葉と手管で、人間を獣に堕とし、放つだけ……いいですね?」
何も、瑞希の身体を無為に抱かせる気もない。
見たいのは、瑞希の魔女としての顔。人を堕落させる、闇のイブとしての顔。
どこからともなく、薄手のロングコートを取りだし、瑞希に羽織らせる。
「上手くできれば、ご褒美を上げますヨ」
そう言って瑞希を立たせる。
「ほら、言っているうちに獲物が来ましたヨ……」
薄暗い街灯の明かりで、伸びてくる影。
気配を消し、瑞希だけにして……じっと見守る。
【来たのは男でも女でも、好きなように】
「ほっ…それでしたら……。
わかりました。私のこの卑猥な肉体を使って、人を堕落させてご覧に入れましょう」
思わず安堵の吐息を漏らした。
できるなら他人に身を許したくはない。その思いは通じていた。
それを理解すれば、後に残ったのは堕落の快楽を広める闇の使徒として振舞う歪んだ快楽の虜だった。
「それでは、ご褒美を頂けることを期待しております……」
全裸にコートを羽織っただけという扇情的な格好になり、促されて立ち上がる。
ずっと四つんばいの格好だったために立ちくらみに襲われるが、
次の瞬間には淫らな笑みを浮かべて、全身で媚を売りながら歩き出していた。
こちらに向かってくるのは、紺のジャージに身を包んだ若い男だった。
ジョギング帰りなのだろうか、右手にコンビニの袋を提げている。
その男の行く手を塞ぐように暗がりから躍り出た。
「うふふ…そこのお兄さん、ちょっと私とお話しませんか?」
娼婦のように男の傍らへと擦り寄ると、強引に暗がりへと引きずり込む。
突然の出来事に驚き、顔を真っ赤にして硬直した男のことを、心底可愛らしいと思った。
【では、このように。喋らせるのは私でしょうか?】
「クク、この身体を他の男に使わせるのは勿体ないですからね」
そう言って軽く唇を重ねてやる。
ご褒美の先払い、と言ったところか。
そうすれば、あとは観客として見守るのみ。
魔女が、どれほどに色欲の伝道師となったのか……見守るのみ。
【そちらで喋らせて貰えますか?】
『え、あ、アンタ一体なんなんだ?いきなりこんなことして……
まさか…強盗か?残念ながら大した金は持ってないぞ?』
「ふふ…こんな格好をした強盗がいると思う?
……もっとも、今からお金じゃないモノを頂くけどね…ちゅ」
腰が抜けたのか路上にへたり込み、狼狽して見当違いのことをわめき出した男を
ゆっくりと押し倒し、馬乗りになるとコートの胸元をはだけて素肌を露出させる。
目をかっと見開いたところで上から覆いかぶさり、
何か言おうとしたのを無理やり口付けることで強制的にやめさせる。
そのまま五分ほどかけて男の口腔内を蹂躙すると、徐々に目はとろんとして抵抗もしなくなってきた。
舌を絡ませあい、唾液の交換をして顔を離す。
『ぷはぁ…うう……』
「貴方のお口、美味しかった……ふふ、キスだけで感じちゃったの?
もうこんなにギンギンになっちゃって……」
実際、男の股間は大きくテントを張っていた。
次の段階へと移るべく、体勢をずらすと同時にジャージのズボンとトランクスを一気にずりおろす。
瑞希の、可愛い牝犬の手管を闇の中から見守る。
さすがは魔女、堂に入ったものだ。
そんな感慨を持ちながら、瑞希が男を籠絡していく様を愉しげに見る。
むろん、ただ見るだけではなく……存分に興奮しながら。
「クク、これなら瑞希がいやと言うまででもご褒美をやれますね」
そう、呟いた。
「うふふ……可愛らしい顔してる割には随分と立派なものを持ってるのね?
これは楽しめそうね……ふふ」
『な、何を……うあぁっ!』
「……ここまで来て、スることと言ったら一つしかないでしょう?
ほら、大人しくしてれば貴方は気持ちいいだけなんだからさ」
トランクスの下から姿を現した肉棒を、壊れ物を扱うように優しく握る。
既に先走りの液で濡れていたそれに上から唾液をまぶし、ゆっくりと手を上下させていく。
じたばたともがく男の顔に向けて尻を動かすと、シックスナインの体位になった。
「ね、私のここ、もう感じちゃってぐしょぐしょに濡れてるの。
貴方……舐めてくれない?」
『はい……』
少し腰を浮かせて位置を調節し、舌が秘部に届くようにする。
状況に慣れてきたのかそれとも観念したのか、男は素直に指示に従った。
ぴちゃぴちゃと水音が、そして手で肉棒を擦られる男のうめき声だけが辺りに響く。
「あん……貴方、結構舐めるの上手じゃない……私ももう、イきそうよ。
どっちが先にイくか、競争ね?」
『くっ、俺ももうそろそろ限界が…うう……』
【そろそろ次スレを用意しないといけませんね】
成る程、魔女とはよく言ったものだ。
そんな少々場違いな感想を持ちながら、瑞希と男の絡みようを見る。
「クク、ハメられないのなら、別に何であってもと言う具合ですね」
思わず漏らした言葉に含まれるのは、嫉妬だろうか?
だが、そんなことは露知らず瑞希と男は限界に向かっていく……
【そうですね……こちらでスレ立てをしてみましょうか?】
「あぁ、いい、いいわぁ……そうよ、もっと強くクリを吸って……
ひぃん、ひっ…イくぅ、イっちゃう……ふわぁあぁぁんんっ!」
『すげぇ気持ちいい……出る、もう俺も出るぅ……うおぉっ!
……な、何で出ないんだよ?お前が何かしたのか?』
「はぁぁ……気持ち良かった……♪ふふ、御明察。
さっきのキスの間にちょっと魔法をかけさせてもらったの。
私が許可するまで、君は射精することなく悶え続けるのよ……あはははっ!」
自分だけ先に達し、身体を震わせてその余韻を楽しむ。
それに合わせて男への刺激も強めたが、射精封じによって精液が吹き出ることもなく
ただ先走りの液のみが滝のように流れ落ちていく。
その様子をじっと眺めつつ、淫猥の魔女は高らかに嗤った。
『射精…できないのが、こんなに……苦しい、なんて……っ。
お願いします、今すぐ射精させてください……』
「ダメよ、貴方はその醜い肉棒をおっ立てたまま私を満足させてればいいの。
しばらくそうしていれば解放してあげる。我慢した分、気持ちいいわよ?」
『くうっ……』
悔しさからか、歯を食いしばって男は押し黙る。
そして、そのまま何も言わずに再び秘所に舌を這わせ始めた。
【では、お願いします】
【ご主人様、お休みになられましたか?】
【私はそろそろ失礼致します。続きは週末にでも致しましょう】
【伝言スレに書き込んでおいて下さいませ……では】
【微妙な残り2〜3kbが気になるのでこちらで待機してみるテスト】
埋めるなら手伝うよ。
IDをみれば誰かはわかると思うけど・・・・・・
【すみませんね、度々……】
【埋めるなら、二三レス応酬すればすぐだと思いますが……どうしましょうかね】
>>933 ふむ、気持ちはありがたいが……まあ、こういう訳だ。
>>934 【まずは使い切りましょう】
【……とか打ってる間に埋まったら面白いですねw】
【おっと、待ち人がいたんだね、ごめんよ】
【今回はこれにて退くよ】
>>929 「クク、ハハハッ!」
堪えきれず、呵々大笑してその場に現れる。
無様に肉棒を震わせる男と、その上に跨り腰を揺らす瑞希を見下ろし。
「それ以上は必要ないでしょう、瑞希。
充分にその男は堕ちていますヨ。それとも……」
言葉を切り、意地の悪い、酷薄な笑みを浮かべる。
「あなたの方が発情して、欲しくでもなりましたカ?」
そう言って、男の股間を踏みつける。
容赦もなく、強く。
>>935 【では、使い切ることを考えましょうか】
【一レスで埋まることはないと考えたいですが……さて】
>>936 【すまんね、気を遣わせる羽目になったようで】
「あら、ご主人様?」
『ご主人…様……?』
不意に姿を現したご主人様に対しても、誘うような流し目を送ってみせる。
その間も、手は男の股間を撫で擦り続けていて。
「ふふ……もうこれで宜しいのですか?
せっかくこれからこの男を射精のことしか考えられない獣にして
野に放とうと考えていましたのに……」
『ぐぎゃあぁあぁぁぁぁあぁっっ!』
「ああん、勿体無い……んふっ、血と精液のいい匂い。
そうですね、発情…しているのかもしれません。
まだ繁華街までは距離がありますけど……」
即座に態度を切り替えられるわけでもない。
支配者にして奴隷の中途半端な状態で話すのは、本当に久しぶり。
ご主人様の笑みに対しても、比較的余裕のある態度で応えることができた。
――もっとも、欲情に潤んだ瞳で説得力があるかといわれれば怪しいのだが。
ぶくぶくと泡を吹いて転がっている男を一瞥すると、ご主人様の方へと擦り寄り身体を預けた。