【わかりましたー】
【では、こちらから書き出して見ますねー】
【宜しくお願い致しますー】
(東京プラント近郊、貧民街と市街地との境目付近…)
(小型のエレメント反応炉により低速だが力強く走るワゴン車のような乗り物――忍の生地ではエレヴィーと呼んでいた――に荷台を引かせた一団が、周囲の餓えた目を引きつけながらも走って行く。)
へぇ、そうなんですかー やっぱりそのくらいの子供ってかわいいですよねー
(エレヴィーの隣を歩きながら、運転手(妻子持ちで家族思いの32歳)と他愛ない会話を交わす)
さてっと……逃がさないぜ…!
(エレメントを利用した中型バイク並みの速さのスケボーを走らせながら、
前方の一団を追いかけていく)
今回の依頼はあの積荷を破壊すること……か。
ま…増援とかを考えると30分が限度ってところか? うしっ……やってみるか!
(ニッと口の端を吊り上げると、スケボーの速度を増し、一気に一団の最前車に追いつく)
悪いけど…止めさせてもらうぜッ…! イケッ!!
(ベルトに刺した柄から剣を抜剣すると、勢いよく薙いで、タイヤを風の刃で切り裂き、パンクさせる)
【語尾については全然構わないぜ。それじゃよろしく!】
えぇ〜、彼氏なんてまだ私には早いですよー…?
(からかわれたのを軽くあしらいくすくすと笑ったその時、風エレメント・ボードが横を通り過ぎ)
(数台あるうちの先頭車がパンクし、一気に仲間の護衛役が戦闘状態に入る。)
…皆さん、あっちの道から行って下さいー 少し遠回りになりますけどー
私は先頭車両の救助に向かいますー
(脇道を指し示してそちらへ一団を誘導し、数人の知覚者と共に先頭車両へ)
(もっとも、その数人は周囲の貧民達を遠ざけるだけで手一杯だろうが…)
……チッ、しゃらくせぇっっ!
(襲い来る護衛者を苦戦しながらも受け流し、カウンターを食らわし、気絶させていく)
くそっ、もっと楽な仕事かと思ってたけど……甘く見てたかッ!
報酬、割に合わないぜ!?
(顔をしかめつつも、風エレメントを利用しながら、相手たちを戦闘不能に陥れていく)
……あっ! 他の車両が……逃げられちまったか。
くそっ……新手まで増えやがった…! とりあえずこいつだけでも破壊させてもらうぜ!
(新手が現れる前に、積荷へ向かって、強烈な衝撃破を何度か続けて
剣と共に振い、ずたずたに壊していく)
……まぁ、これでひとつは仕留めた。あとは、邪魔者を追い払って追跡しなきゃな…!
【すまねぇ。ちょいっと用事が出来ちまって落ちなきゃならねー。
…良かったら一度凍結して、明日かまた違う日にでも再開してみたいんだけど、どうかな?】
【凍結わかりましたー】
【次はいつ頃にこれそうですかー? 私は刃守さんにあわせますのでー】
【って思い切り『明日』って書いてありますねー…ごめんなさいー】
【私は明日の21時くらいからなら来れますよー】
【悪い。俺の都合につき合わせちまって。
うん、俺もそれくらいから来れると思う。それじゃ、それくらいでよろしく頼むぜ。
今日のところはこれで。付き合ってくれてありがとうなノシ】
【あまり気にしないで下さいー】
【ではまた明日、宜しくお願いしますー】
【私も今夜は落ちますーノシ】
【そろそろ時間ですので、刃守さん待ちで待機しますー】
【お待たせッ! …ええと、今日もよろしく頼む!
ええと、そっちからになるんだっけ。それじゃよろしくノシ】
【はい、お願いしますー】
(目の前で千切っては投げられてゆく護衛、時折頬を撫でる突風…極め付けは振るわれた刃と連動するように指一つ触れずに裂ける荷物。)
風の使い手ですかー…じゃあー
(魔装器篭手《メギンギョルズ》を着けて居る両手を地面に衝き、石が粉々に砕け散る様を鮮明に心に描く。)
(《メギンギョルズ》の表面に黄色い光が電子基盤に金で描かれた線の様に走り、続いて光は地面に広がると、折れて分岐と統合を繰り返す直線となって刃守さんの足下へ収束し…)
蟻地獄ですー!
(ブワッ、と刃守さんの足下の地面が深い砂に変わった。)
(その効果を確かめるより早く、刃守さんへ接近する。懐に入れば刀剣類は怖くない。)
げっ……連携攻撃かッ!?
(一瞬にして足元が崩れていくのを感じたが、既に遅かった。
飛びのけようとした瞬間、新手の突撃が敢行され為す術もなく刃で受け止めるしかない)
ぐっ……、へっ…お前も『知覚者』か…!
女の子にしては、やるじゃねえか!
(とは言うものの、やはり女性を傷つけるのは躊躇われるのか思うように動くことが出来ず、
ずぶずぶと足元が飲まれていく。だが、すー、はー、と深呼吸をするとにやりと不敵な笑みを浮かべ)
吹、き、飛、ば、せ、ぇ ――――――― ッ !!
(剣の力技で篭手を弾き飛ばすと同時に、烈風を巻き上げて
轟音を響かせながら、足元の深い砂と共に砂塵を含む竜巻を作り上げる)
(その隙にその風に乗じて、蟻地獄から逃れふわりと身をねじらせ、距離を取る)
……どうすっかなー。
ま、やるだけやってみるか……!
(篭手を受けられ、一瞬驚いたが)
女の子を甘く見ると痛い目を見るのですよー?
(挑発しつつ、次の手を予測する。恐らくは膠着を避けるため、風を併用して弾き飛ばすだろう。ならば。)
育て、伸びろ、息吹くがままにー…ッ!
(吹き飛ばされた。砂塵は《メギンギョルズ》の自動防御が防いでくれるので、目は閉じる必要が無い。)
(脚に土エレメントを意識し、着地と同時に地中の種子に働きかける。一瞬にして生えた柔らかな下草で、衝撃を緩和した。草は無理な成長により一瞬で枯れる。)
逃がしませんよー?
んんー!
(空中に舞う砂塵を一ヵ所に結晶するイメージ。逃走経路になりそうな小さな路地を、砂塵を固めた岩を降らせて塞ぐ。)
チッ…! 退路を絶たれちまったか!
……へっ、俺はフェミニストなんだよっ!
(ネクタイを緩めると、しゅるっと外してバンテージ代わりに手のひらに巻く)
(思いのほか、上手くエレメントを制御していることに軽く驚きながらも、
にやりと不敵な笑みを浮かべたまま、ジッと身構えてタイミングを計る)
クソッ……! どうしたもんだか……。
相手が女だと全力を出せないしなー…逃げるのが最優先させるべきだけど……。
この様子じゃ逃してくれそうもないし、さて―――。
(忙しなく辺りを見渡す。大暴れしたためか、あちこちアスファルトの地面は捲れ、
街灯は折れ、看板やゴミが散乱している。にやりと笑うと、剣を握り締め集中する)
―――ちょっと乱暴に行くが、勘弁してくれよっ!
(ぶん、と鋭く剣を一閃させると、再び突風が吹きゴミや看板が流されてその波が相手へと向けて襲っていく)
(瞬間、自身も風の力を借りて体躯を吹き飛ばさせ、その流れに隠れて彼女へと肉薄し、切りかかる)
(また強い風が巻き起こされ、自動防御をあっさりと掻い潜るそれに目を細めながらも、襲い来る諸物を視認…刃守さんの姿は見失ったが。)
不意打ちですかー?
無駄、ですよー
(《メギンギョルズ》に意識を集中し、自動防御を堅くする。その上で、自分に襲い来る物だけを、流れる様な動きで受け流す。)
…!
(ゴミや何やらの中に刃物の鋭い光を認めると、それの柄を握っている手首と思われる部分を掴んで思い切り引き落とす)
………! へっ、伊達に雇われ傭兵じゃねえってことか!
だがな―――、動体視力がいいのも考え物だぜ!
(剣はフェイク――掴まれた手首をそのまま押し込んで、忍の身体のバランスを崩し
本命である左手の掌には風のエレメントが収束されており、勢いよく忍の腹部へと叩きつける)
吹っ飛びやがれッッ―――!
(叩き付けた圧縮エレメントは一気に開放され、腹部を中心としてふたりの間を風圧により突き放す)
えっ…?
わっ!
(掴んだ筈の手首に逆に押し込まれ、体勢と集中が崩れる。そこへ強烈な――対属性の感知者である忍にもわかる程の――風エレメントの塊が叩き付けられ)
くは…っ…ぁ…
がぐっ!?
(意識が一瞬ブレて、受身すら取れずに家屋に叩き付けられる。)
(全身をしたたかにぶつけてなお立ち上がれるのは、明らかに《メギンギョルズ》の自動防御が僅かなりと衝撃を和らげたからに過ぎない。)
…子宮に傷でもついたらー…どうしてくれるんですかー…
もう怒りましたよー
(ダメージで足腰に震えが来ているにも関わらず、両腕を自然に下ろして真っ直ぐに刃守さんを睨む。)
……あんた、なかなかしぶといな。
察するところ……防御型支援魔導具ってところか。
下手をしてたら、こっちが危なかったぜ……。
(じっと掴まれた手首を見つめてぼそりと呟く。まるで骨が軋むような痛みがじくじくと走る。
あのまま、力を込めて引っ張り込まれていたら、骨が折れるのは眼に見えていた)
し、子宮ってお前なーーーっ!?
(そういう言葉には弱いのか、顔を真っ赤にして口をぱくぱくとさせながら、
とんでもないことを言うやつだなと、混乱して)
(こちらはあちらと比べ明らかにエレメント制御に劣る。
先ほどの奇襲もとっさに思いつきしたものだが、制御が出来ず半ば威力も暴走気味だった。
もう一度使おうとしても使えないだろう)
なあ、ここは交渉といかないか?
このままやりあってたら、どちらかは無事にすまない。
だからと言って俺は大怪我を負ってまで金は欲しくねーしなぁ……。
こういうのはどうだ? 残りの車両は見逃してやる。その代わりここは休戦といかないか?
俺もお前も雇われた身だ。そこまで命令を死守する義理はねーと思うんだが。
(にやりと笑いながら剣をパチンと収めて、ネクタイを締めなおす)
休戦、ですかー…
(血の上った頭でも、刃守さんの言う事が理に適っているのはわかる。しかしあっさりと受け入れたのでは、さすがに腹の虫がおさまらない。)
(大きく息を吐き、エレメントに神経を尖らせるのを止めて)
確かにそこまでする義理は無いですねー
でもー…一台壊された時点で報酬が減っちゃったんですよー
一体どうしてくれるんですかー?
(とりあえず刃守さんをからかってみる事にした。まずは困ったふりをして、上目遣いに視線を送ってみる。)
>112
それは……ぐっ……。
それを言えば、俺だって同じだよ。全部撃破するのが依頼だったしな。
だから、割を食ってるのはこっちの方なんだぜ?
(片目を瞑り、やれやれと首を振ってため息をつき)
…そうだな。
それじゃ、何かあれば無料でお前の仕事を手伝ってやるっていうのはどうだ?
まぁ、今回損した分は他の依頼をこなして、フォローしておけばいいしな。
えぅー…
それを言われると何も言えなかったりー
(聞こえないよう、ぽそりと)
(意外とからかい甲斐があったようだ。提示してきた条件に心の中で小さくガッツポーズする。)
(彼ほどの使い手に仕事の手伝いを頼める事など、滅多に無いだろう。最悪、囮にも出来る。)
…しょうがないですねー それで手を打ちますー
(信頼を端的に示すために、道を塞いでいた岩を砂に戻し、蟻地獄を消す。)
(無防備に刃守さんに近付き、《メギンギョルズ》は着けたまま手を差し出して)
私の名前は、泉 忍、ですー
あなたの名前はー?
>114
………………。
(彼女は人をだますのが得意なんだろうなと思った。
自分とて、闇組織の一端を担っているのだ。何かをたくらんでいる人間の顔を見分けられない理由はない)
(それは相手も知っての上だろうし、いざとなれば彼女を裏切ることだって出来る。
どちらにしろ口約束なのだ。上手く乗り切ればなんとでもなる。
それに、彼女と連絡を取り合っていれば、目ぼしい情報なども収集できるかもしれない。
利用されるなら利用されてやろう。その代わり、こっちも存分に利用させてもらおう、と)
ま、いいや。俺は刃守草一郎。草一郎でいいよ。
…取り敢えず、その篭手を外すかどうかしてくれないか?
俺、握力は飽くまで一般人レベルだからさ。
(言われて始めて《メギンギョルズ》の存在に気付く。それくらい、馴染んでいるのだ。)
(慌ててそれを外し、あらためて手を差し出して)
草一郎くんですかー 宜しくー
(しっかりと握手を交わして、荷物のままでは邪魔になるのでこっそり《メギンギョルズ》を着けなおす。)
(激しい運動をしたからだろうか、小腹が空いている事に気付いて)
んー…とりあえず、何か食べに行きますかー?
お詫びじゃないけど、私が奢りますよー
宜しく……って、まぁ…また商売敵になる可能性だってあるわけだけどな。
ん……そうだな。言葉に甘えさせてもらおうか。
ああ、そう言えばこの下の地下街に安くて美味しい食堂があるんだよ。
…そこで何か食べていくか?
(肩を竦めて、ふっと笑って指をくいくいと動かして招き)
さっ、行くぜ。ま…ちょっと汚いところだけど、衛生面は大丈夫だから、安心してくれていいぜ。
【まあ、こんな感じでそろそろ締めかな?】
次に闘(や)る時は、負けませんからねー?
(どうやらアレは自分の中では“負け”に分類したらしい。)
そうなんですかー?
じゃあ、案内お願いしますね、草一郎くんー
(そう言うと、腕に抱き付くように腕を絡ませてからかってみる。)
【そうですね、そろそろ〆ましょうかー】
…悪いけど、分の悪い勝負をするつもりはねぇよ。
リスクが大きすぎるって。……ま、逃げられないときは、そん時だな。
(まだ痛む手首をおどけながら押さえて見せて笑う)
んー、ああ、分かった。
……って、おいっ! あまりくっつくなよッ…!
ああもう…………、くそっ。
(もがきながらも、離してくれる傾向は全くないようで、ぎくしゃくとしながら
そのまま、地下街へと続く地下道を探して、街を歩いた)
【それじゃ、こっちはこれで締めるぜ。お疲れさんっ。
また機会があったらよろしく頼むぜー】
うふふー♪
今回、真価は発揮出来ませんでしたからねー
(ここで言う真価とは、植物や地形を使った罠の事なのだが、ここでは語るまい。)
んー?
恥ずかしいんですかー? 草一郎くんって意外とウブなんですねー
彼女とかいないんじゃ無いですかー?
(面白い玩具でも見つけたように、そう言ったからかい方をして、草一郎さんの反応を楽しみながら、街を歩くのであった。)
【ではこちらもこんな〆でー お疲れ様でしたー】
【機会があれば、こちらこそまた宜しくお願いしますー】
【落ちますーノシ】