(前時代――魔導文明期の品は、今では発掘に頼る他に入手手段は無い。それゆえに埋蔵地点の所有者は、莫大な利権を得ると同時に危険に晒される)
全く関連性の感じられない地帯にある、新規発掘の、全く知られていない形のエレヴィー…
いったい何が出て来るんでしょうねー?
(簡易監視台と銘打たれた粗末な造りの櫓の上、背中合わせに立つ青年に声をかける)
(新規発掘地点の護衛…唐突にある情報筋から飛び込んだこの依頼はかなり特殊だと考えて、忍はとある実力ある知覚者に協力を求めたのであった)
【お待たせしましたー
こんな感じで書き出してみました、よろしくお願いしますー】
さあな。俺たちは仕事をこなせばいい。それだけじゃないか。
…ただ、それに答えるとすれば…魔導兵具か、あるいはそれに関した類か。
もしかしたらエレメントの源泉だとかしたりしてな。
(全くの緊張感を持たず世間話を交わす。
いつぞやの約束を兼ねての今回の協力。無償の仕事は趣味ではなかったが、
無駄に敵を作りたくないということもあり、しぶしぶこの依頼に協力することになった彼は小さく被りを振る)
どちらにしろ、それを考えるのは俺たちじゃなくて、現場のセンセイ方の仕事だろ。
それはそうと、気ぃ抜くなよ。あんたに忠告ってのも変な話だが。
【こっちこそよろしくっ】
あらあら、その事をすっかり忘れてましたー うふふー
(笑いながら、見張りにつく前に掌握していた地のエレメントに再び意識を戻す)
(ここに来るには、忍が張り巡らせた十重二十重の植物や地形のトラップを乗り越えなければならず、しかもそれらはまだ彼女にエレメントを掌握されたまま…つまり防衛トラップ兼センサーなのである)
あ…、あっちの低い方でローリングストーンズの罠が動きましたねー
ところで草一郎くんって、もう誰かとキスとかした事ありますかー?
(侵入者反応があったにも関わらず、全く関係無い話題を振る)
……あんたって、実は腹黒いだろ。
(忍と違いエレメント制御に優れていない彼は、ただそれを見守るだけ。
彼が動くとしたら、その数々の罠を乗り越えてきたつわものを相手にするときのみだろう)
少しずつ動きを見せてきやがったな。
…さて、俺にも少しぐらい仕事があればいいんだけどな。退屈なのは苦手だぜ。
(欠伸を噛み殺しながら、忙しなく視線をあちこちに向ける。
今のところ目だった動きはないものの、いつ動きを見せるか分からない)
…き、キス? そ、そんなのあんたに関係ないだろ?
ただ、答えるとしたら…まだ、だけどよ。あーっ、もう! 仕事に集中しろよっ!
(がーっと真っ赤になりながら怒鳴り)
あちらにも知覚者が居る可能性を忘れないで下さいよー?
特に風の知覚者は、私の罠の上を飛んで来るから、サッパリ感知出来ないんですからー
(忍が少々仕事を取りすぎたのか暇そうな刃守さんに、上空への注意を喚起し)
まだ何人かこっちに向かって…あ、食人植物にひっかかりましたねー
(巨大ハエトリグサが人間を捕らえた事を意味する言葉をサラリと言ってのける)
あらあら、うふふー
キスもまだですかー じゃあその先なんて、してるハズも無いですよねー
(真っ赤になった刃守さんを見て楽しそうに笑いながら、性別が逆ならセクハラになりそうな質問を更に浴びせ)
分かってるって。
油断は禁物ってことだろ。……まあ、こっちは全然変化ナシっと。
それほど躍起になってるのか…ただ単にそこまで考える頭がないだけなのか…。
…、どちらにしろ、俺に出来ることはそれこそ感知するぐらいだけだからな。
何かあったら知らせるって。
(手すりに頬杖を付きながら、注意深く空を見渡して)
……あんた、本当性格悪いな。
それぐらいじゃないと傭兵なんて務まらないだろうけどよ。
その先って………あのなぁ、あまり俺をからかうなよ。
(忍の言葉に絶句しながら、ぶっすりとぼやき)
こんなに純粋な女の子を腹黒扱いですかー…
からかってもいないですよー? 普通に質問してるだけですー
(むー、とちょっと頬を膨らませ)
…!
(発掘現場を囲むように生い茂る森が、一直線に炎に包まれる)
罠もろとも、焼かれた…っ!?
火属性知覚者ひとり、魔装器あり、来ますー!
(罠の復旧はおいておき、侵入者の排除に当たるべく櫓を飛び降りる)
……純粋な女の子ならそんな質問しないだろ。
(半眼で振り向きながら、ぼやいて)
……っと!
(真っ赤に燃える森を目にしながら、すぐさま忍のあとに続いて飛び降りる)
これで俺も暇をもてあまさずに済むな!
俺が先行する! あんたは後から来てくれたらいい!
奴らを引っ掻き回して散り散りになったところをあんたは叩いてくれ!
(手にしていたボードを放り投げるとその上に乗り、侵入者の集団へと突っ込んでいく)
(奇襲に成功したと油断していたのか、彼らの襲撃に驚きを隠せない知覚者たち。
その隙を見逃すことなく、剣を抜いて腹部や背中へと的確に叩き込んでいく)
へっ…安心しなッ! 手加減はしてる、命までは取らないさ!
…けっこう知覚者が多いですねー…
(散り散りになりながらもどうにか攻撃しようとする侵入者たち。その際に知覚したエレメントを素早く分析し)
でもだいたいが微弱な能力しか無いみたいですし、強い火属性の人はひとりだけですねー
アリ地獄…最大出力ですー!
(少し離れたところでバンと地に篭手型魔装器《メギンギョルズ》の掌を叩き付ける、それに連動したようにかなりの範囲で地面が砂に変化)
勝負は一瞬、スピード一番ってね!
(それはまさに突風。侵入者たちが抵抗する暇も無く叩きのめしていき、
身軽さを生かした俊敏な動きで、相手を困惑させていく)
おっ……あいつなかなかやるじゃねーかっ!
(あり地獄に飲まれていく男たちを、笑いながら眺めてぐっとサムズアップする)
さぁって、あと残るはこいつだけ、か…!
(流石にリーダー格ということもあり、風格があり、実力も相当ある)
おい、そっちが終わったらこっち手伝えよっ!
……こいつぁ、俺一人じゃちょっと手がかりそうだからなっ!
(襲い来る紅蓮の焔の弾丸を、剣で弾き消しながら距離をとり、じりじりと様子を見る)
頑張ってくださいー!
(手伝えと言われて、何とも薄情なセリフを返す)
さて、これであの人の注意は草一郎くんに集中するはずですねー…
(地のエレメントを細かく掌握して、二人が戦っている真下まで続く空洞を造り)
(その中を一気に駆け抜ける)
(一方、刃守さんと相対する火属性の人は、ハルバード型魔装器《レヴァンティン》を振り回して威嚇しつつ、時折斧槍の穂先から炎弾を放っている)
くっそー! だから腹黒いって言ってるんだよッ!
(リーチが長い分、懐に飛び込めばこちらにも勝機はあるのだが、
相手もそれを承知しているらしく、その隙を与えないかのように連撃を放ってくる)
チッ……! これだからリーチが長い奴は嫌いなんだよっ!
(文句をぶつくさ言いながらも、甲高い鋼鉄がぶつかり合う音を響き渡らせながら防戦する。
穂先を叩き弾けば、弾丸を叩き消す。それが幾度と無く繰り返される。
荒くなる呼吸。それを制御しながら、ただ、しっかりと眼前の敵を見据えて)
この辺り…ですねー
(真上からエレメントの乱れが伝わって来る位置まで来ると、天井に掌を押し当て)
新技、行きますかー
…天津沼矛(アマツヌボコ)ー!
(古日本神話において創世を語る上でも重要な武器、アメツヌボコ。その名を借りた技は、対象の上空に砂礫で作った岩槍を構築し落下させると言う、かなり荒っぽい技であった)
天津沼矛…2、3、4、5連発ですー
うぉっ!? なんだこりゃ……!
(咄嗟に飛びのけて巻き込まれるのを避ける)
あいつが仕掛けたのかよ? ………はぁ、もう少し回りを考えてくれよな。
(ぼやきながらも、次々と岩槍が大地へと突き刺さるのを見つめる。
砂と石、そして岩、あらゆるものが粉塵となって襲い掛かり、おそらく対象となる男は無事ではいないだろう。
だが、そこは能力者、彼もまた咄嗟に炎の障壁を張ったのか、ぎりぎり耐え凌ぎ、ふらつきながらもまだ立っていた)
しぶといな……!
さっさと降参してくれれば有り難いんだけど…!
(すっ――と、剣を寝かせて突きの体勢を取る。ヒョォォと彼の周りの空気が渦巻き、
風が剣に絡まっていき、巨大な槍を作りあげる。彼の周りは強烈な突風が吹き荒れて、後ろに長引く)
『「竜帝に忠誠を誓い、剣となす風と空の使者よ。ここに来り集いて我が道を阻むもの、
その壁を打ち破り蒼空へと導け! 汝らは空翔る槍兵なり!」』
(唯一扱えるエレメントを束ねる呪文を唱えながら、意識と神経を集中させていく。巨大な槍は更に大きくなり)
「これで、チェックメイトだぜ!!」
『「さあ、穿て! 誇り高き尖兵……竜翼風槍・一式! ドラグーンランス・ファーストォッ!」』
(怒声を上げると同時に、足の裏に集中させていた風のエレメントを爆発させ、標的に向かって跳躍、突撃を行う。
剣を前に突き出すと同時に巨大な槍はその男を貫き、自身もそこを駆け抜ける)
(風の突撃槍に貫かれ、空を舞って地面に墜ちる火属性の人)
(地中から手を出してその喉を掴むと、そのまま砂の中に僅かに意識の残っていた彼を引きずり込み)
あらあら、まだ気を失って無かったんですかー
どっちみち痛い目を見てもらいますけどー
(男の腕に手を掛け肩を外す。脚も股関節を外し)
(その度にベキゴキと聞くからに痛い音が響いて)
草一郎くん、ここ、ここ!
お疲れ様、捕まえましたよー
(地中から出て来て真っ先に笑顔で手を振って、何か荷物のように引きずっている火属性の男を見せる)
(地中に飲み込まれたこと、地中で不穏な音が聞こえたようなこと、
それらもあり、何かしたんだろうなということは察して、少しだけ男に同情しながらも軽く手を振って返し)
……まあ、これだけしておけば、抵抗もしないだろ。
ここに放置しておけば勝手にコイツの仲間が回収していくだろうしな。
今更乗り込もうとは思わねーだろ……。
さて、と、これで粗方片付いたな。
そろそろ発掘作業も終わる頃じゃないか?
えー? コレをダシに報酬増やしてもらおうかな、なんて考えてたんですけどー…
草一郎くんは追加報酬いらないんですかー?
みたいですねー
掘削機も止まってますしー
とりあえず、報酬だけ受け取りに行きましょうー
(男を引きずったまま、発掘孔へ向かう)
【どうしますかー?】
【日付も変わっちゃいましたし、〆るなら後一レスずつくらいでー…】
……へ? ああまあ、そりゃ、貰いたいところだけど。
これは幾らなんでもやりすぎじゃないか……?
(心のなかで男に向けて合掌しながら、肩を並べて歩き)
ああ、そうだな。
これで取り合えず約束は果たしたぜ。これで借り貸しなしだからな?
今度遭った時は敵か、味方か……この業界じゃ良くあることだけど。
ま、今日のところはここで終わりだ。これが終わったらのみにでも行くか?
(そんな軽口を叩きあいながら、報酬を受取りにいきましたとさ)
【それじゃあ、こっちはこれで〆るぜ。
付き合ってくれてありがとうな。それじゃ、また。お疲れ様ノシ】
このくらいすぐ治せるから、大丈夫ですよー
(そう言う問題では無いような気がするが)
行きましょう、明日は明日の風が吹いてますから考えませんしー
…あ、でも送りエロ狼は駄目ですよー?
(また刃守さんが赤くなりそうなセリフをはき、彼をからかいながら報酬を受けとりに)
【こちらもこれで〆ですー】
【ありがとうございました、お疲れ様でしたー】
【落ちますー ノシ】