【妖魔】現代退魔戦記 第六章【退魔】

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1名無しさん@ピンキー
【妖魔】現代退魔戦記 第○章【退魔】

時は現代。
科学技術が発達した昨今の社会のなかで、平和が約束されている世界。
だが、人々は知らない―――その平和を脅かす者たちが闇で蠢いていること
そして、名も知らぬ人間のために、その魔を切り払う者もいることを―――

ここは、現代に蘇った妖魔やそれを退治する退魔者になりきって楽しむスレです。
妖魔になって民間人を襲ってエロールするもよし、退魔者となって仲間との絆を深めるもよし。
色々と展開を広げて、楽しんでいきましょう。


【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら退魔モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・言うまでもないですが、最強厨も禁止。
・設定などは上手いこと、その時その時、都合を合わせていきましょう。
 小さな矛盾とか気にしない気にしない。(無茶な矛盾はNGですが)
・相手のことを考えて、まったりと和やかな雰囲気でいきましょう。
・sage進行でお願いします

前スレ
【妖魔】現代退魔戦記 第五章【退魔】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1146930402/

■現代退魔戦記まとめサイト
http://vepar42.h.fc2.com/

■現代退魔戦記板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/6589/
2式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 22:11:51 ID:kEr4nLXd
【前スレが書き込めないようなので、こちらに移動します】

>>前スレ784
【襲われるのは、seekerさんが、でしょうか?】
3seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 22:14:49 ID:WBRh2PTH
>2
[こちらこそお願いします。
 偶然にも、二人同じ場所に居合わせてというのはどうでしょうか?]
4式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 22:17:48 ID:kEr4nLXd
>>3
【了解しました】
【書き出しはどちらからにしますか?】
5seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 22:23:27 ID:WBRh2PTH
>4
[では、こちらからやってみます]

「はぁ、また遅くなったわねぇ」
 夜遅くのバイト帰り。近道をしようと人気のない公園を通ったのは間違いだった。
 そこにいたのは得体の知れない怪物たち。

 以前出会った人達のように話が出来るようには見えなかった。

[どうですか?これで]
6式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 22:37:15 ID:kEr4nLXd
>>5
真夜中の公園…昼間は愛を語らう恋人達や、鳩に餌を与える老人、子供たちの
憩いの場だったはずのそこは今、妖の跳梁する魔の領域と化していた。

「…………………………」

その中央、噴水前のベンチにだらりと身を預けている。
周囲を囲む異形に気づいていない訳は無い……恐怖で現実逃避をしたのか、
それとも最早、その生を諦めてしまったのか。

「………………………」

否。
その唇は、何かを呟いている。
呟きを聞き取れ、さらにその内容を理解できたなら…異形は恐らく、後ろも見ずに
逃げ出していただろう。
かくんと首を折り、上を見上げる…………視線の先、星空で、赤い光が瞬いた。
それを見た少女の口元に、薄笑いが浮かぶ。

「……くす。
くすくすくすくすくすくすくすくす」
7seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 22:51:56 ID:WBRh2PTH
>6
 少女を取り囲む怪物たち。蜥蜴、百足、翼持つ猿。鼻先に触手持つ鼠もいる。

 それらは皆、少女に狙いを、いや、一部は私を獲物にするつもりらしく、こちらにも向かって来た。

「今度ばかりは、駄目かも」
 特殊警棒を引き抜き、構える。例の退魔師とやらが来てくれる事を祈ろう。

 と、その時、ベンチの少女の周囲の空間が変質した。
 よく視れば、彼女自身常人と違うオーラを持っているではないか。
 私は、目の前の怪物に注意しつつ少女にも意識を向けた。
8式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 23:07:17 ID:kEr4nLXd
>>7
「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす」

笑う、哂う。
何かが愉快なのでは無く、何かを嘲弄するのでは無く。
ただ、虚ろに嗤っている。

「くすくすくすくすくすくすくすくすくす。
……炎の、精」

嗤い声は始まりと同じに唐突に止まり、少女の呟きに呼応して、群青の星空が
赤く燃え上がった。
無数の、幾つもの、何百の、赤い光球……フォマルハウト星から呼び出された、
旧支配者クトゥグァに奉仕する下級種族、炎の精。
それが、驟雨のように降り注ぐ。

「………くす、くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす……」

魔の領域は、即座に阿鼻叫喚の地獄に変わった。
炎の精に焼かれ、燃やされ、焦がされ、溶かされていく妖魔。
それを見て、少女が嗤う。

……何かが愉快なのでは無く、何かを嘲弄するのでは無く。
ただ、虚ろに嗤っている。
9seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 23:14:04 ID:WBRh2PTH
>8
「え?
 きゃ、きゃあっ!?」

 突然の爆炎。

 辛うじて炎に呑まれずには済んだが、周囲はトンでもない事になっている。
 誰かがそのうち消防を呼ぶだろう、そんな時でさえ、

「わ、笑ってる?」

 彼女は、ただ、笑っていた。
10式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 23:25:10 ID:kEr4nLXd
>>9
「………くすくす、くす。
ああ……これくらいで、丁度いいですね………多すぎても、困りますから…」

生きながら松明と化した妖魔たちの数は、当初の十分の一ほどに減じていた。
それを見ながら小首を傾げ、虚ろな笑顔で呟く……唇が再び、澄んだ声で呪を紡いだ。

「…てぃび まぐぬむ いのみなんどぅむ しぐな すてらるむ にぐらるむ え 
ぶふぁにふぉるみす  さどくえ しじるむ…」

意味の無い……いや、人間では理解できない、言語の羅列。
それを歌うように、謳うように、詠う。
残った妖魔が、身体を起こし……じりじりと歩み寄ってこようとも。

「……星の、精」

そして呼ばれる、召喚の蛮名……虚空から、おぞましい笑い声が響いた。

《クス、クスクスクスクスクスクスクスクスクスクス》
11seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 23:36:58 ID:WBRh2PTH
>10
 怪物に囲まれようとも火にまかれようともおびえもせず笑う少女。
 今また不可解な呪文を唱え、そして、

「怪物が、怪物を、食べている?」

 私の目は特別で、時に不可視のモノを視る事も出来る。
 でなければ何が起きたか理解出来なかったが、

「理解したく、無かったわね」

<code:salamander Startup>

 彼女がこちらに向かって来た時に備え、自分の力を励起する。
12式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/14(水) 23:45:45 ID:kEr4nLXd
>>11
巨大な胃袋と鉤爪、そして触手だけで構成された、宇宙からの吸血生物。
不可視のそれを、seekerの目は捉えていた。

「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす」
《クスクスクスクスクスクスクスクスクスクス》

見えないものを、見る…………それが、彼女の力。
しかしそれを呪わしく感じたのは、この夜が初めてかもしれない。
曲々しい姿の、星界からの飛来者。
それとシンクロし、ハウリングを起こしたスピーカーのように嗤う少女。

『くすクスくすクスくすクスくすクスくすクスくすクスくす』

触手が踊り、残された妖魔がそれに絡め取られる。
勿論………seekerとても、見逃されるはずもなく、数本の触手が震えながら
うねり、捕らえようと飛び掛ってきた。
13seeker ◆E8ckRIIdug :2006/06/14(水) 23:55:49 ID:WBRh2PTH
>12
<speedup 2><laser>

 最近目覚めた、自分のもう一つの力を活性化。
 人並み外れた速さで触手を避け、掌から太く長い光線を放って触手の固まりを撃つ。

 後はもう、三十六計逃げるに如かず。脇目も振らずにひたすらに。

[すいません、限界なので、このあたりで終わりという事でお願いします]
14式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/15(木) 00:14:25 ID:ZOvGh3qA
>>13
「くす、くすくすくす……………あら」

視界をよぎった光と影に、不思議そうな声を上げたが…。
直ぐに興味を失い、澄んだ、虚ろな視線で星の精の食事を眺めやる。

「ああ…………満足、したようですね………」

ぽつりと呟くと、干からびた妖魔の身体を投げ捨てた星の精の身体は
現れた時と同じように……虚空に消えた。

「くす…………」

風に凪ぐ枝のように、揺れ動きながらベンチから立つ。
炎の精が焼き払った公園は、至るところから黒煙をあげ、陽炎が揺らめいて
居たが、全く意に介さず素足で歩いていく。

「…………ビヤーキー……」

吐息と共に漏れた言葉を聞き、羽音が舞い降りて。
そして…………公園から、生けるものは誰も、居なくなった。

【ありがとうございました、また何時かお相手してください】
15一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/16(金) 21:34:39 ID:o8e4jRCk
【名前】 一色 小夜
【正式名称】捕獲体21番
【年齢】 17歳 
【性別】 女性
【サイド】退魔側
【組織】墓無 (水ヶ瀬高校)
【サイズ】 51kg B 82/W 57/H 83 164cm
【容姿】
 青色のロングストレートにヘアバンド。赤眼。
 平時は校服、よく学生鞄を提げている。
【得意】 供物。陵辱。狩り。
【能力】 毒。女郎蜘蛛化。
【武器】 蜘蛛糸(粘性のトラップ、鋭利な刃として機能)
【NG】 スカ。グロ。
【弱点】 炎・冷気。

【備考】女郎蜘蛛の半妖。
 普段は学生として情報収集等にあたるが一皮剥けば
 他の退魔士同様、妖魔狩りに従事し獲物を喰らう悪食な狩人。
 狩りが不調な時は業と自分を襲わせ
 強姦させた後に蜘蛛の本性を現し、喰らう。
 色濃い妖魔の血のせいか人間的なモラルが多少欠如しており
 基本的に素っ気無くクールな性格。
 反面、言動が半妖独特にハイセンスで、さり気なくに他者を気遣う。

【待機します】
16一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/16(金) 22:54:27 ID:o8e4jRCk
【落ちますノシ】
17式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/16(金) 23:33:27 ID:zEoi2+YO
【名前】式部奈津希(しきぶ・なつき)
【年齢】17
【性別】女
【サイド】中立
【組織】無所属
【サイズ】身長159cm 体重46kg B/W/H 85/59/84
【容姿】黒いロングヘア。
    口元にはどこか狂気を感じさせる虚ろな薄笑い。
    赤いスカーフのセーラー服を着、手には学生鞄。
    常に裸足だが、何故か足が傷ついたり汚れたりはしていない。
    小瓶のついたネックレスを手首に巻きつけている。
【得意】陵辱(受け攻めどちらも可能)。
【能力】下級の奉仕種族や独立種族の召喚と使役。
【武器】特に無し。
    ただし既に狂気に陥っているため、精神攻撃系はほぼ無効。
    また黄金の蜂蜜酒を摂取し続けた結果、媚薬系にも強い耐性を持つ。
【NG】グロ(流血程度はOK)、スカ。
【弱点】本体自体は脆弱な少女に過ぎない。
【備考】ある教団の手によって召喚された旧支配者と接触し、狂気に陥った少女。
    教団は滅んだものの、彼女は残り、無自覚のまま世界を彷徨う混沌の巫女となった。
    手首の小瓶は奉仕種族であるビヤーキーを従え、感覚を鋭敏にする黄金の蜂蜜酒を
    無尽蔵に生み出すことが可能。
【追記】尚、これらの能力の出典はクトゥルフ神話体系に基づいている。

【0:30ごろまで待機します】
18名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 00:31:31 ID:/D80uPdD
【こんばんわ】
【どんなシチュ等が可能ですか?】
19名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 00:43:53 ID:/D80uPdD
【あら、お待たせしすぎたようですね】
【お休みなさいノシ】
20式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 00:44:34 ID:HMinw0v8
>>18
【気づくのが遅れました、申し訳ありません】
【主に、星の精を使った触手プレイ、黄金の蜂蜜酒でローションプレイ等ですね】

【勿論、彷徨っているところを捕まえて陵辱、とかでも結構です】
21式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 00:49:31 ID:HMinw0v8
>>19
【1分差で擦れ違いとは……本当に失礼しました】
【折角なので、もう少し待機してみます】
22名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 00:49:33 ID:/D80uPdD
【と、すいません】
【それでは触手もしくは奉仕種族で奉仕するというのはどうでしょ?】
23式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 00:51:47 ID:HMinw0v8
>>22
【いえいえ、こちらこそ…】
【私が受け、と言うことでしょうか?】

【書き出しは、こちらからで宜しいですか?】
24名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 00:54:43 ID:/D80uPdD
【んー、奉仕させてるから軽い受けかと】
【書き出しお願いします】
25式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 01:18:40 ID:HMinw0v8
>>24
──歓楽街の一角にある、真夜中のクラブハウス。

毎晩狭いボックスの中を、原色のライトと大音響でラップミュージックが踊って
いたそこが、その夜は。

「………くす、くすくすくすくすくすくすくすくす……」
《クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス》

聞くだけで正気を失いそうな、底なしに昏い嗤い声の二重奏だけで満ちていた。
動くものは、その嗤い声を上げているものたちだけ……。

「くすくすくすくすくすくすくすくす」

一人は、少女。
赤いスカーフの紺のセーラー服に、学生鞄。

《クスクスクスクスクスクスクスクスクス》

もう一人……否、もう一つは、人外の異形。
胃袋と、鉤爪と……無数の触手だけで構成された怪物。

「……………足りましたか……?」

少女が、異形の触手を撫でる。
足元には、血を吸われ、干からびてミイラと化した客たちが幾つも幾つも幾つも
転がっていた。

【遅くなりました】
【普通は星の精は血を吸うのですが…・…まあデザートに『体液』を吸わせる、
という形でお願いします】
26名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 01:26:48 ID:/D80uPdD
【む、ちょっといい?】
【今更なんだけどクトゥルフには詳しくないのだが不味かったかな】
【アルハザード放浪記の触りくらいしか知らないorz】
27式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 01:30:52 ID:HMinw0v8
>>26
【星の精(下級の独立種族)
通常目に見ることができない、宇宙から来た吸血怪物。
グロテスクなクスクス笑いの声を立てる。
人間の血を吸うと、一時的に姿が見えるようになる。
巨大な胃袋と、猛禽のような爪、液体を吸い取る無数の触手だけがあり、
頭も顔も目も無い】
【一応こんな感じの存在です】
28名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 01:38:19 ID:/D80uPdD
撫でられた赤い触手は、まるで歓喜を覚えたように小刻みに揺れた。
それが少女の行為のためか
あるいは大量の血を摂取したためかは知れることは無いが。

《クスクスクスクス》

また部屋の中に、この世の者ではない者の声が響く。
触手はそれを合図と取ったのか
撫でられていた先を少女の手に絡ませ
やがて、その行為は腕まで及んだ。



【ありがとうございます】
29式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 01:46:19 ID:HMinw0v8
>>28
「………そうですか……欲しいのですね……。
ええ、ええ………私も……です…」

到底意思の疎通など敵いそうもないそれの動作に、小さく頷き応える。
夢見るような顔で手を差し伸べ、素足のまま、醜悪な怪物に歩み寄った。

「くす…」

白い腕に、肉色の触手が絡む。
セーラー服の上から、下から、十重二十重に絡みつく。

「………存分に………」

それが身体に到達するのを見届けると、手首の小瓶に口をつけ、湧き出す
黄金の液体を飲み干した。
とろり、と……表情が、恍惚に、淫靡に歪む。

「………はぁ……」
30名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 01:57:35 ID:/D80uPdD
上下についた爪……
ちょうど胃袋の上の入り口と下の出口にあたる部分に位置するのだが――
その一方が差し出された少女の手をとった。
まるで、踊りに参加する女性をエスコートするように。

腕に絡みついた触手の先は、背中へと押し
触れ合うほどに胃袋へと近づける。
それで両者の距離が十分に縮まったと知れるや
胃袋から出ている無数の触手が一本…
また一本と蠢き少女の肢体を撫で始めた。

蜜の影響で紅潮した頬を
そっと爪の先が触れて、顎の輪郭をなぞっていく。
31式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 02:08:42 ID:HMinw0v8
>>30
「……くす……」

ゆらゆらと、頼りない足取りで導かれ。
溢れ出した触手が、腕を、足を、腰を、胸を、首を絡め取る。
黄金の蜂蜜酒で覚醒した感覚器官が、全身の皮膚を性感帯に変え、
ぬるぬると滑る触手が官能を掘り起こした。

「あ……はぁ……」

固い爪が、顔をなぞるように動く。
首の据わらない赤子のように、爪の動くままに頭が揺れた。
漏れる吐息は甘く、濃厚な蜂蜜の匂いがして。

「………はぁ……はぁぁ……っ」

唇の端からこぼれた唾液が、触手の上に滴り落ちた。
32名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 02:20:17 ID:/D80uPdD
少女を絡め取った内の二つの触手は胸の膨らみの部位に触れさせると
やわやわと揉みしだき始める。
また、別のもの達は生地越しにお腹を擦りながら
スカートの裾を持ち上げ、その中へと入っては欲情を更に昂らせようと蠢いた。
その行為は、星の精がおぞましい怪物でありながら知識を有している証拠。

顎をなぞった爪は汗ばんだ首筋へと
すーっと肌に薄く紅の線を描いて進んでいく。

そうして胸元の衿に当たると、またそれに沿って動き
やがて反対側の耳の裏辺りまで進んで止まる。
まるで少女の吐く吐息をじっと聞き入っていたかのように。
33式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 02:34:28 ID:HMinw0v8
>>32
「ん……あ……ぁ…」

形の良い胸が、ボンテージスーツを着させられたかのように触手に
絞られ強調される。
紺のセーラー服に、白いショーツに、粘液がにじみ、染みをつくって。

「あぁ……あ……はぁっ…」

震えだした足がもつれ、胃袋に落ちそうになった所を新たな触手が
支え、蠢き……その身体が、肉の海の中に埋もれていく。
正気であればおぞましい以外の何物でもないはずの感触に、ただ
ひたすら昂ぶりを感じていた。

「……ひ……ぁ…」

爪が皮膚をなぞると、そこから悪寒にも似た快感が生まれる。
薄く開いた唇の中、桃色の舌が踊った……己に絡みつく、触手を
誘うように。
34名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 02:47:12 ID:/D80uPdD
熱い息遣いを楽しんだのか、爪が離れていく。
もっともそれだけで星の精の欲求が満たされたわけでは無かった。

《クスクスクスクスクスクス…》

不意に何処からか発せられた哄笑が空気を揺らした。
またその声に触手が呼応し狂乱の宴の中を踊りだす。

誘われると触手が濡れた唇へ蝶の様に群がっていき
一番先に、そこへ到達したものが口内へと先を這わせ蹂躙を始める。

行きそびれた触手が、仕方無さそうに少女の顔の前で揺れていると
見かねたのか爪が胸を覆う生地を荒々しく裂いた。
それで荒縄で縛られたように強調された乳房と頂が曝け出され
待ち侘びたように殺到し、我先に愛撫をして。
最後まで遅れたものは他の汗ばむ肌を舐めるように己を擦りつけた。
35式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 03:04:12 ID:HMinw0v8
>>34
「くす……くすくすくすくすくすくすくすくす…」

不気味な哄笑に誘われるように、嗤い声を上げる。
空っぽな、虚ろな嗤い声を。

「……はぁ……。
ん……んぐ……っちゅ……んぶ……ちゅ……ぐ…」

怪物の触手が、口内を埋め尽くす。
歯列をくすぐり、舌と絡まりあい、口内をぬちぬちと擦った。
湧き出す唾液も、蜂蜜酒の味……触手がそれを啜り、味わっていく。

「はん……ん…む………っ。
んっ…んっ……んんっ……んふぅぅ……っ」

眉根に微かにしわを寄せ、目尻を下がる。
引き裂かれたセーラー服の下、形のよい膨らみは絞られ、淫靡に歪んでいて。
無数の触手がそれにたかり、舌で舐めまわすように蠢き、粘液を塗り込める。
肌を伝い落ちる汗も、床に落ちる前に触手に吸い取られていった。

「はぁ…んっぐ……ぐちゅ…ぐちゅぽっ…ちゅぐ……」

首を動かし、頭部を前後させて、口内の触手を熱心に舐めしゃぶる。
その動きに合わせて、太腿をしきりにすり合わせた。
36名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 03:18:35 ID:/D80uPdD
触手が激しく口内で絡み合い、淫鬱な音が部屋に響く。
不意に蹂躙していた先が小刻みに震えると
蜜とも白濁にも似た液体が吐き出され、喉へと落とされた。
終わると、また次の触手が口内へと入ってくる。

肌に浮かぶ汗の珠を拭っていた触手たちが
擦り合わせる太腿に気づくと他のもの達を喚起する。
そして手首、腕、胴、脚、足首といった処に絡みつくと
体液で濡れた少女の肢体を宙へ持ち上げていった。
首の疲労を和らげるためか後頭部には刃のない爪の背が枕代わりに支え。

《クスクス…》

笑い声と共に触手の一つがスカートと開いた脚の間から
覗く割れ目へと伸びて、ショーツ越しに前起きなく貫いた。
37式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 03:40:35 ID:HMinw0v8
>>36
「んちゅ…むぐっ……ん…んんんっ…。
………んぐ……っ」

甘いミルクのようなそれを飲み込むが早いか、我も我もと触手が殺到する。
その一つ一つを、丁寧に咥え、舐め、含み、唾液を絡ませて。
胃の腑が、異形の体液と蜂蜜酒で満たされていく。
………これが食事の代わりになってから、もうどれほど経っただろう?

「んぐっ……ん……はぁ……。
くす……くすくすくす…くすくすくすくすくすくすくす……」

細い肢体を、触手が宙に捧げ持った。
忌まわしい記憶がフラッシュバックする……生贄に捧げられ、深遠の淵と
禍々しい旧支配者の姿を垣間見た瞬間、自分の世界は崩壊した。
その果てにあったのは……狂気と、人外の悦楽。

「………あ……ぁ………あはぁぁぁぁぁ………っ」

布越しに貫かれ、絶叫と共に背筋を反り返らせる。
脈動する肉触手が、襞をぞりぞりと擦り上げて、奥へ奥へと突き進んで。
子宮を、ぐいぐいと押し上げ揺さぶった。
38名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 03:57:21 ID:/D80uPdD
少女の嬌声が響くと口を犯していたもの達はぴたりと止み
暫しの間、床に滴る蜜の水音と淫らな歌声に聞き入った。
無論、他の部位では――特に胸の部分は休み無く触手が這っているが。
そのもの達は紡がれるソプラノ音と協奏するべく
これまでの貪るような荒々しい蹂躙から
尖った頂、揉み応えのある柔らかい乳房、を心持ち優しく愛撫し始め。
仰け反っては揺れる艶やかな黒髪を爪が撫でる。

優しい上半身の愛撫とは裏腹に、下半身への行為はより激しさを増していく。
ぬちゅ、ぬちゅと子宮まで奥深く限界を突いては一先ず戻り
肢体を腹から二つに折らんと突き上げ躍らせる。
更に二つ目が入る穴を求めて不浄の部分を貫き。
39式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 04:21:45 ID:HMinw0v8
>>38
「ひぁ……あはぁ……はあぁぁっ………」

絞り上げられた乳肉を、たかった触手が優しく……じれったくすらある
ほど優しくすくい上げ、固くなった乳首を弄ぶ。
黒髪を櫛のように爪が梳き、さらさらと流して。

「……あっ……あ…あ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ……」

喘ぎ声が次第に、獣じみたものへと変じていく。
見開いた目の瞳孔が広がり、潤んで煌いた。
突き出した舌が踊り、吐き出された白濁の残滓が唾液と混じって垂れ堕ちる。

「お゛……あ゛………っ………」

埋没し激しく突き上げる触手は胎内で細く細かくなり、子宮口の周りを解そうと
震えだす。
さらに尻穴を貫かれ、前後の穴を埋める触手がタイミングをずらして動いた。
喉がひゅうひゅうと鳴り、過剰な快感に、脆弱な肉体のほうが悲鳴を上げ始める。

「あ゛っ………んああ゛あ゛あ゛……あ゛っ……!!」
40名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 04:40:53 ID:/D80uPdD
>>39
繰り広げられる異様な行為に狂気が誰もを犯していく。
いよいよ限界の近くなった少女を追い立てるべく
動きを緩めていた触手も、その本性を曝け出す。

大きく開いた口には中断していた奉仕を要求して殺到し
触手が我先にと捩じ込んでいく。
乳房へは千切らんばかりに嬲りを始め
力任せに谷間を作っては己を埋ませ、両手にも握らせ扱かせる。
それで欲望を吐き出し、口と上半身とを蜜と白濁に染めていった。

前後の穴を塞いだもの達は思いのままに蠢き
膣、子宮、腸壁の熱と締め付けを堪能していく。
そして…。

《クスクスクスクス…》

鳴り響く声を共に、深く深く中へ蹂躙し少女の望む蜜をぶちまける。
終わった触手がズッと引き抜かれると、また次が前後の穴を塞ぎ、狂乱の宴を続けた…。
41式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/06/17(土) 05:14:53 ID:HMinw0v8
>>40
「む……ぶっ………!」

限界まで開かされた口に、そして喉に触手が詰め込まされる。
気遣いなど欠片も無い、ただそこにある穴を使って奉仕させようという
一方的な陵辱。
絡みつき絞り上げていた胸が、赤い痕がつくほど締め上げられ、作り
出された谷間も触手が擦り上げる。
あぶれた触手は頬を、額を、黒髪を撫で上げ、噴き出した白濁が全身を
ねっとりと白く染め、堕ちた少女を妖しく彩っていった。

「…んぇ……お……ご………えっ……!!」

内と外から攻め上げられ、華奢な肢体がもみくちゃにされる。
しかしそれでも………嗤っていた。
無意識下で己の役目……生贄の義務を果たそうと、痺れた舌をなんとか
動かして舐めようとし、脇や手を擦る触手も弄い、潜り込んできたものには
肉襞を絡みつかせる。
その度に、触手は膨れ上がり、思う様白濁の蜜をぶち撒けた。

「えぐっ………んぶっ……!
あ……あ………あ゛あ゛あ゛あ゛……………っ!!」

宴は終わらない。
何故なら触手の数は無数、その一つ一つが、飽くなき欲望を抱えているから。

「お…あ゛……い゛っ………!
え゛………あ゛…ああああああっ…………!!」

……そしてまた、この少女も、それを望んでいるから。

【そろそろ〆でしょうか】
【朝までお付き合いしていただき、ありがとうございました】
42名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 05:20:21 ID:/D80uPdD
【うーん。ソフトにした方が良かったのか迷いましたが…】
【それにしても津希さん、お上手ですね。これからも頑張ってくださいね】
【こちらこそ、ありがとうございました】
43名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 05:21:17 ID:/D80uPdD
【津希さん→奈津希さん…でした】
44南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 21:09:11 ID:kObGPnFr
【前スレ>>762の続きより】

承諾の声と共に、奉仕の質が変わった。
夢中で責め立てているかのような状態から、まるで慈しんでいるかのような、
やんわりとした奉仕へ。
身体を投げ出したかのように、ただ身を任せ、下腹部に顔を埋める女に目を遣った。
全身が溶けていくような心地良さを感じ、一部分は動きが変わったとはいえ……
それでも他と比較すれば鮮烈な快楽を生み出しているのが、まるで周囲の感覚から
切り離されているように感じられる。

口に含まれたまま言葉を紡がれ、その感触に薄く眉をしかめる。
言葉自体の発音は分かり難いが、何を聞いたのかを推測するのは容易だった。
軽く、頷く。

それからあまり間を置かず、暖かく柔らかな感覚から解き放たれ、
自身が外気に晒された。少々、夜気が冷たく感じられる。
だが、絡められた指がその感覚をある程度緩和していた。

「ん……ああ、そうだな。お前には悪いが、あまりに心地良くて忘れかけていた…」

こう言っては剥れてしまうかもしれないが正直な感想故、多目に見てもらおう。
呟きは小さかったが、元よりこの場には自分達二人しかいない。
聞き落す筈もなかった。

身を起こし、肩に手を掛けると身体をそっと押し、布団に埋める。
それに覆い被さって、耳元に口を寄せた。

「行くぞ……」

心変わりして拒絶をしたいのならば、拒絶しても良い。
確認するように、短い中にそれを示唆した言葉を囁きかける。
45児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 21:19:11 ID:SfVdXsgh
「…嬉しいです、私を感じて下さったのですね」

彼の言葉に、微笑みを浮かべ、男根を静かに離す。
行為の一つ一つに、言葉で応え、返してくれる。
その温かさが、身体を仄かに熱くする。

僅かに身体が押されて、背を倒れるに任せ、
彼の身体が、その上に被さるように覆う。
耳元に囁かれるは、次の行動を暗示する甘い確認の言葉。

「はい…南雲様…私に貴方を感じさせて、下さいませ…」

軽く、己の身体を掻き抱くようにして、胸の下で両腕を合わせる。
己の鼓動が腕を伝わる。それはいつも以上に激しく。

…この方を、感じたい。
息を深く吐き、彼の挙動を待つ。
その確認に、拒絶は返し得なかった。
46南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 21:40:04 ID:kObGPnFr
耳に入った言葉が、今更ながら気恥ずかしさを喚起する。
多少の事では動じない自信があったが、少なくとも今は……普段の表情では
いられなかった事だろう。

視線を落とす。
瞑目し、身体を抱くようにして自分を待つ姿が目に入る。
小さく息を吐いた。
自分は言葉には出さないが、恐らく同じ事を思っているのではないだろうか。
目の前の相手を感じたい、と。
拒否しない事を確かめてから、次の行動に移った。

華奢な足を心持ち開かせ、自分の身体を分け入らせる。
濡れそぼった秘部に己の分身をあてがうと、微かに水音がしたような気が、した。

濡れた花弁の中へ、分身を滑り込ませていく。
十二分に濡れていても、狭く……そして、熱い。
口内に含まれるのとはまた異なる感覚に、包み込まれる。

「分かるか……?」

何を、とは言わない。言わずとも知れる事。短い、問い。
47児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 21:51:03 ID:SfVdXsgh
何か、少し彼が身体を竦めたような感覚がした。
心を視る事も出来たが、それは何かいけない事をしているようで、しなかった。
だから、彼がその時、どう思っていたのかは分からない。
知らなくても、いい事なのだ。
そう思った。

脚を開かれ、彼の分身が自分の秘めたる部分へとあてがわれた瞬間、僅かに身体が震える。
こくり、と唾を嚥下した。

私の唾液で濡れたそれが、尚熱く、力強く、花弁を押し広げていく。

「……んぅっ……」

交差させた両腕の手を口許へ移し、軽く指根を噛む。
熱く……逞しく……私の心を蕩かす彼のもの。

「…そのようなっ、ことっ、き、きかないっ、で、ください、ませっ…」

上ずった声で、押さえた手指の間から返答を返す。
まるで、まじまじと見詰められているような錯覚を覚え、
恥ずかしさに、僅かに顔を横に逸らした。
48南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 22:08:49 ID:kObGPnFr
僅かに横を向いたその顎に手を添え、こちらへ顔を向けさせる。
恥じらいに染まる顔を。

「逸らすな。そして隠すな。お前の顔を、見たい」

脳裏に浮かんだ言葉をそのまま吐き出す。
何か深い事を考えている訳ではない。辱めたい訳でもない。
ただ、そう思っただけ。

―――いかんな、歯止めが効かなくなりそうだ。

締め付ける感触が与える快楽に拠るものもそうだが、
それ以上に眼下で身体を弛緩させ、それでも耐え切れぬように
身体を震わせる女に、悦びを与えたい。
それと同時に、懇願させ、貪り、支配し、蹂躙したいという気持ちも微かにあった。


絡みつく肉壁から引き剥がすように抜き出し、深く突き込む。
片手を背に回し、身体を押し付けるように密着させながら、それを数度繰り返した。
媚肉を味わうように、もどかしい程にゆっくりと。
49児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 22:16:58 ID:SfVdXsgh
『お前の顔を、見たい』

顔を向けさせられ、抗議の言葉を紡ごうとした時に、かけられる思いもしない言葉。
こちらから、顔は見えない…否、理由あって見れないというのに。
かぁ、と頬が染まるのが自分でも分かる。

「南雲様…わ、分かりました…」

先程のように、意地悪だ、と言う事も出来た筈だが、
私の唇を紡いで出たのは、肯定の言葉だった。

「…ふ、う、ぁぁあああああっ……」

深く、突き入れられる熱い男根の感覚。
下腹部からせり上がるように伝わる、熱の感覚が、意識を蕩けさせる。

これ程までに、感じた事はなかった。
荒い息も絶え絶えに、自ら腰を捻って彼の男根の最も感じられる部分を追い求めてしまう。

「な、ぐっ…南雲、様っ……これ、凄いっ……あ、はわぁうっ」

咽喉をのけ逸らせ、喘ぎに乾いた口腔の中で舌を巡らせ、唾液を嚥下する。
両脚を自然と、彼の腰に絡みつかせ、放すまいとし、
交差させていた両腕は、彼の首に回し、また放すまいとする。

「は…ぁあ……ぁ…」

私の喘ぐ口の中で、舌先が快楽に強張る。
もどかしい程にゆっくりとした動きなのに、そこには強く、雄を感じられた。
50南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 22:35:36 ID:kObGPnFr
「この様な時まで、南雲様か?」

微かに笑みを含んだ声で、面白くなさそうな声を作って告げる。
もっとだ。もっと恥じらわせ、感じさせ、自分が享受している以上の悦楽を与えたい。

「名で呼ぶのが嫌ならば、他人行儀な様付けだけは止めてもらいたいのだがな……靜」

自分でも頼みが多すぎると思わなくもないが。
最後に付け足すように、名を呼ぶ。
今までに、この女の名をはっきりと呼んだことはなかった筈。
名を呼んだ自分の声は、どの様に聞こえたのだろう。

自身が女陰を貫く度に背筋を這い上がるのは言うまでもなく、快楽。
その度に漏れる女の甘い喘ぎが、吐息が、薄皮を削ぐ様に余裕と理性を剥いでいく。
まるで一段ずつ頂上に向かって階段を登っていくような気分。

首に腕を回される事で、顔が近付く。
間近に迫った顔を見て、無性にその唇を奪いたくなり、すぐさま実行に移した。
自分の唾液で相手の口腔を湿らせ、交換した唾液で自らの渇きを潤し、
舌を激しく絡め合う。
意識せぬ内に、味わうように突き上げていた腰の動きが早まっていく。
51児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 22:44:59 ID:SfVdXsgh
「〜〜っ」

名で呼ばれた瞬間、何故か熱が身体を巡り、
強く膣襞が彼のものを締め付けるのが分かった。
嬉しさ故か、恥ずかしさ故か、分からない、けれど…。

「…っす、すみま、せんっ…その、わっ、私はっ、何故か、様付け、だけはっ…ダメ、なのです…」

理屈抜きで、何故かこれだけは出来なかった。
もしかすると、誰かに何かの暗示を植えつけられた結果なのかもしれない。
けれど、今のその時、彼以外の存在を脳裏に浮かべるのは不適切な気がした。

「…だっ、から…秀人っ、様と…呼ばせて、戴きますっ…」

喘ぐ息の中で、辛うじてそう答える。

熱い愛液が膣内の粘膜から溢れ、彼の男根へと絡みつくのが分かる。
鈴口が奥まで突き込まれ、抜かれ様に壁を擦っていくのが分かる。

「い、いいっ…き、気持ち好いですっ…こんな、こんなっ…ああっ!」

何故、こんなにも感じてしまうのか。
まるでいつもとは異なる物を挿入されているような感覚。
だが、それは嫌悪を伴うような感覚ではなく、
むしろ、心を仄かに熱くする、安心感を伴うものだった。

「ん、んむっ、ん、ちゅ…ちゅ…はぁっ…んんっぅ…」

虚空に何かを求めていた舌先に彼の舌が絡み、悦びにその舌先と絡み合う。

欲しい、あなたが。
満たして欲しい、全てを。
52南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 23:03:33 ID:kObGPnFr
「……っ、まあ、それでも構わんが……」

突然に締め付けが強くなる。
名を呼ばれた満足感もあり、一段ずつ規則正しく登っていた階段を
二、三段は飛ばしたように思える。
低く呻く。苦痛ではなく快楽に歪んだ声で。

頭に手を回し、艶やかな髪に触れ、唇を更に強く、深く押し付ける。
柔らかく、瑞々しい唇の感触。
唾液に滑る舌が絡み合って水音を立てる感触。
どちらもこの上なく心地良い。
暫く続けてから、後ろ髪を引かれる思いで唇に別れを告げる。

「私も、だ。これ程の快楽は、久しく……否、今までに一度たりともなかった」

頭に回した手で引き寄せ、強く抱き締めながら、空いている手を結合部へと伸ばす。
もう一押し、しても良いだろう。自分も限界が近い。

一際、奥まで突いた直後に僅かな時間、動きを止める。
その間に指先で最も敏感な突起を、一度弾いた。
53児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 23:11:42 ID:SfVdXsgh
「っ、嬉しいっ…です…私の存在をっ、はぁ…あ、貴方に、おっ、覚えて貰える、事が…ぁぁんっ!!」

抱き締められながら、一際、強く奥まで貫かれた。
更に、指先で与えられた刺激に、びくり、と大きく身体が震える。

「や、ぁ、だ、らめ……、く、ぅあぁぁ…ん…ん!ん!んんっ!」

子宮口に届くような感覚と肉芽に加えられた刺激に、擦れた喘ぎが止まらない。
眉根を顰めたまま、身体に無意識に力を込め、ただ左右に首を打ち振るう。
それでも、懸命に彼の言葉…顔を背けるな、という言葉を守ろうとするが、
熱い突き上げに、すぐに顔を打ち振っては、戻す。
己の喘ぎが、あまりにも恥ずかしく、両手で唇を押さえ、荒い喘ぎを噛み殺す。

「んふっ…んんぅっ…ふっ…ふぅぅっ…」

『実験や務めとしてではなく、楽しめ。』

彼の、その言葉が脳裏に木霊する。
これが…楽しんでいるという事なの?私には、分からない。

だって、私はずっと、七妖の魔力供給者としてしか、必要とされなかったから。
最もよく知る幻也様でさえ、私を手足として考えているくらいで。

―― 優しく、されたことなど。

人としての行動を真似、人として生きてみようと模索すれど、妖魔は妖魔。
暖かなやり取りなど、掌の上から零れていく程に少なく。
人間との間には、私自身がまだ無意識に垣根を覚えていて。

「ぁあぁぁぁ…秀人、さまぁっ……」

少女のような、か細い叫びが自分の唇から洩れる。
務めではなく、実験でもなく。
ただ、目の前の彼を、感じたいと願い、身体を震わせる。
絶頂の刻は、近かった。
54南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 23:28:50 ID:kObGPnFr
覚えて貰える事が嬉しいと。訴える声に憐憫の情を抱く。
その瞬間、自分自身に嫌気がさすがそれは消えない。
魔力供給、それ以外に自身の存在を求められた事があるのだろうか。
付き合いが浅い自分には分からない。……だが。

その訴えが。名を呼ぶ叫びが。それを示しているような気がする。
自分には、それを理解する事は出来ないが……

―――こうして悦びを与える事くらいはしてやってもいいだろう。

今は目の前の女の事だけを考えていればいい。

―――感じさせたい。この女に、私を。

そして、この女を存分に感じたい。それだけで十分。

「靜……」

名前を囁く。囁きながら震える身体を抱きかかえ、
激しく突き上げていく。幾度も。
そして絶頂は、そう時間が経たない内に訪れた。

「………っ、くぅっ……」

最後の一突きで媚肉を抉り、白濁を解き放つ。
強く、強く、その細い身体を抱きながら。
55児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/17(土) 23:40:01 ID:SfVdXsgh
「は、ぁ、わ、わたっ…私、もうっ、い、いって、イってしまいますっ…ぅあああっ!」

名前を囁かれ、激しく突き上げられ。
咽喉も涸れよ、と最早恥じらいも捨て、彼の全てに激しく反応する。

突き上げに合わせて腰を動かす。
少しでも長くこの刻を。
だが、少しでも強く、彼を感じるために。

膣襞は淫靡に蠢いて彼の分身を撫で、名残を惜しむように吸い付きながら、
快楽に激しく蠢く。

「秀人さまっ……秀、人っさまぁっ!」

絶頂を経験した事は、ある。
それが、魔力を相手に供給する、条件だったから。
だが、絶頂を悦びとした事はなかった。
ただ、相手の快復を願い、相手のためだけに……。
それが、今迄と今宵の違いだというのか。

「ぁあああああぁぁーっ!」

咽喉をのけ逸らし、身体を震わせ、彼の吐き出した熱い白濁を最奥に受け止めながら、
私はこれまでにない程に激しく、絶頂した。
彼の全てを余さず受け取るべく、膣壁は一際強く、収縮する。
その瞬間。

―― 瞼の闇の向こう、そこに白い世界が見えた気がした。
56南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/17(土) 23:56:52 ID:kObGPnFr
「………く、はぁっ……」

吐き出した全てを搾り取るように収縮する膣の感触が、
また新たな快楽となりかけているが……流石にこれ以上は辛い。
蠢く肉壷から物を引き抜き、改めて抱いた。
毛怠くも心地良い疲れに身を任せて。

息を吐く。成る程、これが魔力の供給か。
絶頂に至った児玉を抱き締め、余韻に浸ったまま思考する。
身体を満たすのは快楽の残滓と、感じたことのない活力。
心を満たすのは、どことなく満ち足りた思いと――

―――種の本能が作り上げる、絶望と諦観。

どの様な時だろうと、これから逃れる事は決して叶わない。
今回も例外では無かった。
唇を噛み締める。端を噛み切ってしまったのか、薄い鉄の味が広がったが、
腕の中の温もりが、絶望をある程度払っているような気分を覚えて薄く笑った。

「……満足したか?」

髪を手櫛で梳きながら、静かに問い掛ける。
こんな事を言っては、また意地悪だなどと言われるかもしれないが。
57児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/18(日) 00:05:46 ID:56ZAbFFA
「…あ…」

髪を梳かれ、飛んでいた意識を戻す。
少しばかり、気をやっていたようだった。
膣内には、南雲様が吐き出した熱い感覚が満ちている。
それが、子を宿す役には立たぬ事に、少なからず慙愧の念が涌いた。

私が子を…分身を宿す事が出来るのは、本体の大樹だけなのだから。
よく出来た肉の身とはいえ、子を成すという神秘はこの身にはない。

「…そのような事を訊くのは、意地悪ですよ?」

満足したか、という問いに、まだ火照りの取れぬ頬を膨らませる。
予想通りの答えだろう。彼にとっては。

「それで……どうでしたか?」

汗の匂いすら心地よく、南雲様の身体にすり寄るようにして
その体温を感じる胸元に顔を寄せると、訊ねた。
快楽から解放されたためか、彼の心が少しだけ意識せずとも視える。

そこには、空虚と満足がないまぜになったような不可思議な感情があった。
少しだけ、不安が心に満ちる。
58南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/18(日) 00:21:21 ID:XdQRDjZh
やはり、意地悪だと頬を膨らます姿は思った通りだった。

「もう一度言うが、それが私だからな。納得してくれ」

ふと意識しないままに微かな微笑みを零す。
何と言うか、やはり可愛らしい所がある。
初めに出会った時は、見るからに表情に乏しそうだなどと思っていたのだが。

「いや……悪いが、やはり食欲は食欲、という事らしいな。不思議に活力は湧いているのだが…」

空腹感はそのままだった。
注ぎ込まれた魔力が活力に変わっているのに多少は誤魔化されているかも
しれないが、そこは自分の腹具合だ。直ぐに看破出来る。
すり寄ってくるのに頭を撫でることで応えながらの返答。

「すまんな……私に関してはだが、お前が期待していた結果とは違ったようだ」

心の底にしつこく蟠る闇を顔に出さぬ様、押し殺しながら、何食わぬ顔で話し続ける。
顔に出しても見られる事はないのだが、

―――雰囲気に出てしまっては不安に思うかもしれんからな。

自身の心の一端が垣間見られていることには、気付かないまま。
59児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/18(日) 00:31:30 ID:56ZAbFFA
「そうですか……」

やはり、思ったようにはうまくはいかないようだ。
食欲と活力は、あるべき場所が違うものなのだろう。
けれど、少なくとも、空腹の妖魔を死ななくさせる事は出来る、そんな所だろうか。

頭を撫でられ、物思いから戻ると、南雲様の闇が少し心を蝕んでいるような気がした。
そういえば…南雲様は蜘蛛の妖魔だった筈。
蜘蛛とは、営みの後、雌に養分として喰われると、昔聞いた事がある。
それ故、己の仲間である雌蜘蛛には近づけなかった、と苦笑いしながら老が言っていた。
もしかすると、彼の心を蝕んでいるのも、それに値する事なのだろうか。

「…な…いえ、秀人様…」

彼の胸元から見上げるようにして言葉を紡ぐ。

「大丈夫です。私は貴方を喰らったり致しません」

そう言うと、喘ぎで乾いていた口内を、布団の脇にあった竹筒から水を含んで潤すと、
静かな声で歌を紡いだ。

詩はない。
昔、昔、人間が私の根元で恋人のために歌い続けた歌。
低く、柔らかな旋律に、私の魔力を乗せて。

南雲様の心に、届くように。

【そろそろ〆にしましょうか?】
60南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/18(日) 00:50:44 ID:XdQRDjZh
「……なんだ?」

上目遣いにこちらを見遣りながら名を呼ばれ、顔を向ける。
続いた言葉に目を見開く。
事実、心底驚いた。顔には出していなかった筈。それを、何故。
だがその心遣いは嬉しいと、そう思う。

「……知っている。だが、これは種の本能。決して逃れ得ない物。
 嫌気は差すが仕方がない……もう諦めているからな」

答えると、目を閉じる。
そう、諦めているのだ。己が己である以上はついて回る物だと。

その様な事を思っていると、歌が聞こえた。
音楽に付いては分からない。どんな歌が良いと言われるかも。
だが、この歌は心の奥深くを癒やす様な。
絶望を換起する暗黒を、生ある者を優しく休ませる夜の闇に変える様な、
そんな歌に思える。

絶望と諦観は未だ深く根付いているが、それでも多少は……救われる。

「……すまないな」

ポツリと、礼を言う。
それ以外に、適当な言葉は見つからなかった。

【ではこちらは次レスで〆ようかと】
【本当に長くお付き合いしていただき、感謝の言葉もないです。ありがとうございました】
61児玉 靜 ◆06dfDjKtOo :2006/06/18(日) 01:01:40 ID:56ZAbFFA
「…覗くような真似をしてしまい、申し訳ありません。
 私達、木霊の一族には、他人の精神を視る力があるのです。
 …勿論、意識して見ないようには務めているのですが、秀人様の闇は…強かったですから。」

歌を紡ぎ終えて、そう呟く。
少しだけ、彼の闇を払う事は出来たのだろうか。

南雲様の礼の言葉に、身を寄せる事で答えを返す。

「今宵は…このまま、お願いします。
 今宵だけで構いません。私の、南雲様で居て下さい……。」

二度しか会った事がないというのに、随分と身勝手なお願いだと思う。
本当は、ずっとこうしていたいとすら思った。
けれど、それは叶わぬ想い。
ほんの僅かに交差した偶然に過ぎない戯れなのだろう。

もし本当に、彼にずっと居て欲しいと願う事があったとしても、
それは今ではない事は確かだった。

けれども、私は南雲様の胸元に抱かれ、
その温もりと心地好い疲労感の中、まどろみの狭間へと落ちていく。

それは、日向で感じるまどろみとはまた違う、心地好さをもった時間だった。

【こちらはこれにて〆にしますね。】
【こちらこそ、とても楽しかったです&三夜ものお付き合い有難うございました。】
【また機会があれば、ロールの方お願い致しますね。】
62南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/18(日) 01:24:39 ID:XdQRDjZh
―――そう言う事か。

つまりは、抑えきれない負の感情が児玉に捉えられたと。
小さく舌打ちする。
見られたくもなかったがそれ以上に、この女に余計な物を……
この女が本来なら見ずとも良かった物を見せてしまったことに、
己を罵倒したくなった。
少ない時間を共有しただけで随分と肩入れしてしまったものだ。

それにしても。
良い思いはしなかっただろうに、それでも私の心を鎮めようと。
どれだけ甘いのか、この女は。
だがその甘さは、多少ではあるが、間違いなく自分を癒やした。

答えの代わりに、細い身体を抱き寄せる。
児玉が眠りに落ちるのを邪魔しない様に、極力動かないまま目の前の闇を見据えた。
生命を育む夜の闇を。
内に蟠る漆黒を、それで塗りつぶそうというかの様に、
しばらく見詰めてから目を閉じる。

暖かい体温だけを感じ、眠りに落ちていく。
それがどうしようも無い程に安らかに思え……そこで意識は途切れた。

【ではこちらもこれで〆です】
【とても楽しい時間を過ごせました。それではまた機会があれば…】
63御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 13:21:38 ID:3TZndAgG
悪意と絶望に満ちたこの世界で――
何を求めればいいのだろう。
何を守ればいいのだろう。
何を成せばいいのだろう。

『刃を向けるべき相手を間違えないで』
在りし日の『先輩』はそう言った。
斬鬼衆は鬼切りの刃である。
そう教えた彼女は、同時にその刃を向けるべき相手は、よく選ぶべきだと彼に説いた。
世界に対する憎悪を鎧と成し心を守り。不条理に対する怒りを刃として身体を鍛え。
そんな風に生きて行こうとしていた彼にとって、その言葉はおよそ理解できないものであった。
彼女が逝った現在も、その言葉の意味を完全に理解できているわけではない。
けれど――

テストの返却が終了した。赤点だけは取らなかった。ギリギリには違いないが。
普段予習も復習もせず、授業も上の空で聞き流しているような彼が、赤点を取らないのは、
出来のよい仕事仲間の少女に、ヤマを教えてもらい、一緒に試験勉強をしているからである。
ギリギリで追試も補習も免れた彼は、あと数日後に控えた夏休みに想いを馳せていた。

――仕事が入ったのはそんな折だった。

白清の西の果てにある森。
夏には、子供たちが蝉やカブトムシを取りに来るスポットである。

「お前と組むのも久しぶりだな」

自転車を漕いでいる赤茶髪の青年。
その自転車の後ろに乗りながら、金髪の青年がそんなことを呟く。
放課後のことである。
この森に出るという、妖魔の調査をせよと命令が下った。

「最近、なんか変わった事とかなかったか?」

仕事への熱意が感じられない、平坦な口調で彼は問う。
64重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 13:32:19 ID:j9EM/ais
暑い。
むせ返るような湿気と、熱されたコンクリートが発する蒸気が、学生服に包まれた体をなぜる。

時折耳に入る蝉の声。
――――後もう少しで夏休みか。
奇妙な感慨にふけりながら、前を見つつ自転車をこぐ。
夏は、早く、短い。年の四分の一を占めると言う点では、他と比較してもなんら変わるはずはないのだが。
何故か自分は、夏というものがあっと言う間に過ぎ去ってしまう気がしてならなかった。


『最近、何か変わった事とかなかったか?』
後ろに乗せた金髪の少年が自分に問う。
変わった事など、多々あった。けれど、その大半は告げる必要のない事だろう。
「ん〜…」
ない頭をひねって考える。しかし何も見当たらない。
「特には。そっちは?」
65御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 13:39:15 ID:3TZndAgG
最近、よく『先輩』のことを思い出す。
忘れたことなど一度もないが、思い出そうとしたこともない。
彼女との記憶は、決して楽しいことばかりではないというのに。

「――ホントかよ。まあいいけどな」

何となく追憶に耽りながら、それでも現実の声にもきちんと対応する
意外と器用だね俺、とか思う瞬間である。

「こっちも大したことはなかったな。佐々木優希と軽くやりあったくらいか」

墓地での会話、そして戦いを思い出す。
戦う理由はきっとなかった。
けれど、あれは必要な戦いだったのだと思う。
彼にとっても、彼女にとっても。

もっと重要なことはあったが、そちらについては秘密だ。
八雲天音との付き合いは、誰にも――薫にも零にも――言っていない。

そうこうしているうちに目的地に辿り着く。

「こっからは歩きか」

自転車から軽やかに跳躍して降りる。
着地音はしない。猫のような体術。
西の果てにある森に、金髪の青年と赤茶髪の青年が立ち入る。
鬱蒼とした森の中の、舗装されていない道を歩く。
御影義虎と、重藤柚紀。斬鬼衆の凶戦士と弓兵である。
66重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 13:49:57 ID:j9EM/ais
――――むしろ、何かあったのはあんたの方じゃねーのかな。
喉本までそう出かけた言葉、それを引っ込める。
無駄な詮索はよそう。けれど、違和感。
確かに彼には変わりないが、何かが今までと違う。
ほんの少しだけ、笑う顔が優しくなり
ほんの少しだけ、彼が普通の少年のように見える時があった。
何かが、彼に人間らしい心を与えている。誰が、か?
――――まさか、な。
まぁどちらにせよ構わない。他人の幸せ程面白い物はないから。



森に着く。中に入る。微かに、息をつく。
木々は熱気を和らげ、強烈な日差しから体を守ってくれる。
「そんで、今日の任務はなんだったっけ?」
67御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 13:57:30 ID:3TZndAgG
「この森にでるらしい、妖魔の調査だ」

この森で遊んでいた子供たちが、大きな獣に襲われたという情報があった。
目撃証言によると、大型犬並みの体格に、猿のような顔をしていた、との事だ。
大人たちの大半は、ただの犬を見間違えたのだろうと本気にはしなかった。
ただ、子供たちはそれ以降この森に近寄らなくなった。

「俺ら向きの仕事じゃないが、偶にはいいだろう」

大量に発生する妖魔を駆逐するよりは、よほど平和だろう。
経験の浅い一年の頃は、この手を下積みを何度かこなしたものだ。

「さっさと終わらせて、なんか食いに行こうぜ」

夏の虫の声が響く森の中をゆく。
無造作な足取りだがだが、両者共に周囲の気配の変化に対して、
各種感覚のアンテナを張り巡らせている。
68重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 14:08:03 ID:j9EM/ais
「大型犬のような体格に、猿の顔、か…」
この道の経験は長いけれど、そんな妖魔の姿は見た事が無かった。
見た事が無い、つまり相手の出方も攻撃方法も分からないと言う事。
一瞬のミスが死を招く可能性もある。


「一匹っつっても、油断はしねーようにな」


すっと懐から投げナイフを取り出し、順手に握りしめる。
無数の生き物が動く気配がするが、大型の獣の気配はまだしない。

「…所で、その子供無事だったのか?」

襲われながら、生き延びた人間の話など数える程だ。
ましてや、抵抗力のない子供が。
69御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 14:18:54 ID:3TZndAgG
「人面犬って線は・・・・ないだろうな」

昔、噂になって奇妙な生き物のことを思い浮かべる。

「それが、怪我はなかったそうだ」

無数に蠢く生き物の気配を感じ取りながら、彼は平坦な声で答える。
人に仇を成す妖魔。狩り取るべき存在。不条理の具現。
彼が妖魔を狩るのは憎しみではなく、その存在に対する嫌悪と怒りだ。
今回、彼にイマイチ覇気がないのは、子供たちに犠牲者がいなかったからだ。

更に奥へと進む。生き物の気配が微妙に減少する。
ふと――彼の眼がとある木に注がれた。
深く穿たれた爪の跡。
大きさから推察するに、犬どころか虎ぐらいの体格はありそうだ。

「ふん――どうやら、此処らが縄張りらしいぜ」

此処に至って、ようやくエンジンがかかる。
不敵な笑みを浮かべ、神経を張り巡らせる。

――ソレは息を潜めて、二人を観察していた。
常時野生に身を置きしモノの足取り。きっと退魔士というやつらだ。面倒な。
ソレは音もなく木々の枝の間を移動した。
70重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 14:31:05 ID:j9EM/ais
「…怪我すらねーってのは、変だな」
妖魔のランクにも寄るだろうが、相手はただの子供だ。
その気になれば、脆弱なその体など一瞬で肉の塊と化す。
それが怪我一つない、と言うのはとても奇妙な話だった。
もとからその子供に危害を加える気などなかったのでは、とすら思わせる。
――――もしかしたら、話し合えるか?
敵は獣型と聞かされた時から、ほぼ説得は絶望的と見ていたが。
ここで希望を捨てるわけには行かない。拾える命は全て拾うと決めたのだから。


大きな爪跡。それはまるで、自分達人間に対する警告のようにも思えた。
「気ぃ抜けねーな」
辺りを見回しながら、同時に周囲を視覚に頼らずに、見る。
同時に届く、小さな小さな葉が擦れる音。
とっさにそちらの方を見上げる。そこには何も居なかった。
けれど分かる。
―――――見られている。

「…そろそろかもな」
71御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 14:36:21 ID:3TZndAgG
――居る。気配が動いた。頭上から微かな音がした。
向こうがこちらに気づいて、こちらも向こうに気づいた。

「いつも通りでいくぞ」

彼は返事を待たず走り出す。
木々の隙間を縫い、疾風のように移動する。
彼が前衛を務め、妖魔を引き寄せる。
それを彼が後方支援する。
それがこの二人のやり方だ。

――ソレは跳びはねながら移動した。
戦うのは本位ではない。
しかし向こうは、脅しただけでは帰ってくれそうにない。
厄介な。あの子供たちのような相手なら脅せはそれで済むというのに。

やがて開けた場所まで辿り着く。
72重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 14:46:53 ID:j9EM/ais
「―――あいよ」

義虎の言葉に応じながら、腕を一振り――――、一本であったナイフが四本に増える。
宙に二本投げ、それを反対の手で掴んだ。
先頭を走る義虎と100m弱の感覚を開けながら、その後を追いかける。
射程ギリギリの位置の方が、こちらを狙ってくる敵を引きつけ易い。
まぁ仮に義虎の攻撃から逃れられたら、の話だが。
それにしてもあの獣は足が早い。このまま誘導されるのはあまり好ましくないが。


「義虎。んな安直に追いかけて大丈夫か?」
もしや、相手が己に有利な環境を整えている場合もある。
面倒な事にならなければいいのだが。
73御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 14:53:20 ID:3TZndAgG
弓兵の指摘どおり、ソレは広い場所に待ち構えていた。
ソレは猿のような顔をしていた。つまり人間のような顔をしていた。
虎のような体躯。手足は確かに虎だ。
尻尾から蛇が生えている。

「鵺、か」

約10メートル程の間を空けて対面する。このような場所なら、逆にこちらが有利だ。
森の中で立体的に動かれたら、白兵戦を得手とする自分には成す術がない。
――さっさと殺すか
斬妖の刃を引き抜こうとする。

「ワタシは、ムエキなあらそいをコノマない」

ソレが――鵺が喋った。日本語を覚えたばかりの外人のような
イントネーションで。
74重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 15:04:20 ID:j9EM/ais
「――――?」
切り開かれた森。穏やかな空間。透き通った空気が漂う、そんな場所。
敵からは目を離さずに、肌で周囲の有り様を感じ取るが、他に妖魔が潜んでいる気配もない。
が、かと言って罠などが仕掛けられた様子もない。
障害物の無い場所では、弾丸を遮る物も無く。こちらの望む通りの舞台だ。
――――なんでだ?
もし己が敵手なら、迂闊に手を出さずに夜を待ち逃げ回る。
その後、入り組んだ地形からヒットアンドアウェイ。消耗戦に持ち込む。
相手の数は二人が、この場所は生き慣れた自分の庭のようなものだろうから。
それが何故、こう正面切って挑んで来たのか。

『ヌエ』。何やら日本の昔話に出てくるようだが、詳細は知らない。
その日本版キメラのような不可思議な生き物が、突如口を開いた。


――――私は争いを好まない、だと?
声を張り上げ、その生き物にコミュニケーションを取ろうとする。
「なら!何故子供達を襲った!」
75御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 15:11:05 ID:3TZndAgG
追いついた弓兵が、声を張り上げて問う。
相手の戯言に付き合う気はなかったのだが――
なんとなく仕掛けるタイミングを逸してしまった。

「ココはワタシのネグラだ。
 ネグラを荒らされれば、おまえたちトテオコルダロウ?」

鵺が答える。
油断はしていないが、仕掛けるつもりもない、そんな感じだ。

「ワタシはココデ、静カにクラシタイだけだ、こどもたちにケイコク
 だけでスマセタはずだ」

「そうかい――」

彼は――御影義虎は躊躇しなかった。

――「永遠に眠れ、地獄へ帰れ」

刃を投擲。無論牽制である。
ホルスターからグロックを引き抜く。
相手がどちらに動こうと、次に銃弾が襲うという手はずだ。
76重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 15:23:52 ID:j9EM/ais
『ネグラを荒らされれば、おまえたちトテオコルダロウ?』
その口振りから察するに、何千年も前からこの地に住んできたのだろうか。
それにしては、今までに存在の報告すら無かったのがおかしいが。


義虎が、相手の言葉など聞く耳持たぬかのように刃を投げつけた。
面倒だ。手首をひねり、短いモーションでナイフをそれ目掛け投げる。
確かに刃は速かったが、獣に届く僅か数cm手前、
ナイフと刃は澄んだ金属音を立て、弾き合い地に落ちた。


「待てよ、義虎。俺が行く」


歩き、間合いを詰める。
義虎とそう変わらない位置にまで接近すると、笑みなど浮かべながら
獣を柔らかく問いただす。


「そりゃ悪かった。あんた、随分前から此処に住んでんのか?」
77御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 15:33:03 ID:3TZndAgG
――届く直前で、斬妖の刃が弾かれた。投擲された、ただのナイフで。
こんな芸当が出来るのは、自分の知る限り、後ろの青年くらいだ。

「お前、またそんなことを・・・・・」

彼の性格はある程度知っていたつもりだが――

弓兵の問いに、鵺は答える。

「・・・・いや、ここにきたのは、ごねんばかりマエのことだ」

鵺は青年の態度にいぶかしみながらも、

「マエのスミカは、おまえたちによっておいだされた」

ぽつりぽつりと語りだす。

「おまえたちニンゲンは、にくんでもニクミたらないが、それデモムエキな
 セッショウハしたくない。おとなしくカエレ」

【次あたりにこちらが仕掛ける・少女出現・対立の流れに】
78重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 15:48:52 ID:j9EM/ais
甘ったれの理想主義者。そう言われようが構わない。
戦など下らない事で、泣き悲しむ顔は見たくないから。
「救える命は全部救う。無駄に命を奪っても、ロクな事はねーよ」

あっけらかんとした口調で義虎を制しながら、更に前に進む。
後四、五歩で触れられそうなほど、近い。

「成る程、そりゃ正しい。けどな、もう此処は人間が自分達の領土にしちまってる。
 そこに後から来て、勝手にねぐらにされたら、俺達はどうすりゃいいのやら」


掌中のナイフをくるくると回転させながら、のんびり告げる。
「あんたに選択肢は三つある。
 一つ目は俺達に敵対し、無理矢理この森を奪う。
 二つ目はこの場所から離れ、まだ人の手があまり入っていない場所を探す。
 三つ目は、この場所に住み、人間と関わらないようにして過ごす」


自分勝手な選択肢だと言うのは理解している。
けれど、自分達にこの森を人間から奪う事などは、出来ないから。

「勝手に森を奪っておいて、何言ってんだって感じだろーけど、選んでくんねーかな。
 俺達に出来る事は、これ位しかねーんだ」


【了解しました。】
79御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 15:58:47 ID:3TZndAgG
「おまえは・・・・・」

鵺の表情が歪む。
怒っているのか、それとも悩んでいるのか。

「・・・・・・・・このモリをハナレルつもりはない。
 ワタシニハ、ココをはなれられないリユウガあるのだ」

間近にいる青年。
その気になれば、喉笛を食い千切ることも容易い。
無論、自衛以外で戦うつもりはないのだが。
何よりこの青年は――

「おまえは、やさいしいニンゲンなのだな」

鵺が――笑った。

「遺言はそれだけか?ならさっさと逝くがいい」

彼は――御影義虎は、鵺の言うことを理解しながらも、それでも拳銃を引き抜いた。
この世界は許容量は限られている。
一人死ねば、それだけ他の者が生きやすくなるだろう。
一匹妖魔を殺せば、それだけ他の退魔士が生き延びることができるだろう。

「やめて!」

藪の中から、少女が飛び出す。鵺に飛び掛る。
いや、鵺を庇っているのだ。何故か、それが理解できた。

「やめて、トキを殺さないで」
「マユ、はなれていろといったのに」

鵺を庇う少女。少女を気つかう鵺。
これはいったいどういうことだ?
80重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 16:12:18 ID:j9EM/ais
――――理由。
その獣はそう言った。
その目から、例えばこの土地に愛着が沸いたなどの下らない理由でない事は分かる。
これは譲れなさそうだ。どうしようもない。

ならば、自ずと選択肢は限られる。
自分達に牙を剥くか、それとも関わらずに生きていくのか。
出来れば後者を選んでくれる事を望みながら、掌中のナイフに力を込める。


「いやいや。人間なんて、必ず誰かには優しいもんすよ?
 恋人なり、家族なり、自分なり。その優しさが俺は好きだから、こうしてあんたと向かい合ってる」


義虎が呟く。とっさに体を翻し、義虎と正対する。
やはり、この男には獣の言葉は届かないようだ。
彼が引き金を引く前に、その拳銃を弾き飛ばそうとし――――
いきなり何かが緊迫したこの場に飛び込んできた。少女だ。


混乱しそうになる頭を立て直し、ある一つの過程を組み立てる。
自分の予想が正しければ、これは――――


「彼女が、あんたの言う離れられない理由か?」
81御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 16:18:57 ID:3TZndAgG
「そうだ・・・・このコといっしょにいたい・・・・」

鵺は隠さなかった。
この優しい青年を信じてみようと思ったからだ。

「トキは何も悪いことしてないよ。だから許して」

涙ながらに少女が訴える。
まだ小学生ぐらいの子供だ。

「おいおい、やたらとヘヴィなシチュだな」

呆れたように、しかし冷然と眼前の獣と少女、そして弓兵を等分に見る。
拳銃を構えて少女に向けている時点で、どうみても今の自分は悪役だ。
狩るべき獣と、それを庇う少女。
少女はどうみても、万民の盾である自分たちが守るべき存在だ。
彼は――少しだけ迷った。

82重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 16:28:33 ID:j9EM/ais
――――実に単純な任務だ。
何て事は無い。この場に『妖魔』などいなかった。
後は、こいつが頷いてくれるかどうかだ。
ふっ、と体の緊張を緩め、己が体の張り詰めた弦をほどく。


「あんたにも大切な物がある以上、無駄に戦う事はね〜っしょ?
 この少女以外の人間に姿を見せないっつー事で、手ぇ打ってみちゃどうだい?」


背後のヌエに呑気に語りかけた後、更にその体にすがる少女にも声をかける。


「マユちゃん、つったっけか?ここでトキ君が頷いてくれりゃあ、
 お兄さん達、トキ君を傷つけずに済むんだけどな」
83御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 16:37:41 ID:3TZndAgG
「むずかしいが、ワタシはマユとはなれたくない」
「私も、トキと離れたくない」

少女――マユが鵺の首に手を回して、ぎっゅと抱きしめる。
鵺――トキも少女の身体に顔を擦り付ける。

空気が弛緩する。

「おまえの、いうとおりに・・・・」

鵺が同意しかけた。
それを遮る様に、金髪の青年が舌打ちする。

「重藤、お前らはそれでいいかもしれないが、もしコイツの気が
 変わったら、この小娘が食い殺されたら、どう責任をとるつもりだ?」

仕事仲間に問いかける。

「それにコイツは鵺、不吉過ぎる生き物だ。
 後顧の憂いはさっさと断った方がいい。それとも、コイツを庇うのかお前が?」

鋭く冷淡な双眸が、彼らを見据える。
ピリピリとした殺意が、森を凍らせてゆく。
84重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 16:51:32 ID:j9EM/ais
ふぅ、と息を吐きながら、再び弦を張る。
正直、ヌエよりもこの男を説得する方が難しいかもしれない。


「さて、な。今、この二人は共に居たいと願ってる。
 後にどんな悲惨な結果が待ってようと、後悔はしねーはずだ。」

少なくとも、自分はそうだった。
それに、加えて。

「彼女やコイツの大切な物を『理不尽』に奪う事。
 それをあんたは本当に正しいと言えんのか?」

袖口から無数のナイフを取り出す。
空気が、痛いくらいにのしかかってくる。

「そんな人間の決めた下らない観点で、物事は見てらんねーよ。
 俺は自分で見て判断したんだ。彼女らは人間。だから、護る」

腕に力を込め、義虎の瞳を正面から見据える。
手首の動き一つで、その四肢を常に射抜けるように。
85御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 17:01:02 ID:3TZndAgG
「はん――後から悔やむから後悔というんだがな。
 俺らの眼の届かない範囲で、何かが起こってからじゃ遅いんだぜ?」

丹田に圧縮してあった『気』を解放する。
この男を、死なない程度にに叩きのめすのは難しそうだ

「我らは斬鬼衆――鬼切りの刃にして万民の盾。
 お前の言ってることも多少わからんではないがな。
 だが、俺らはあくまで人の側に立つ者だ。違うか?」

いつになく饒舌に語る。胸がざわめく。
この青年が言っていることは、先輩がかつて語っていたことと
一部重なるのだ。だから――

「じゃあこうしよう。俺を止めてみろ。それができれば諦める。
 お前は、俺を叩きのめしてからコイツを殺す」

殺す、と口にした時には、トキは動いていた。
マユを前足で不器用に抱えながら逃げ出す。
 
86御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 17:05:07 ID:3TZndAgG
【凄い誤字でした】
【×お前は、俺を叩きのめしてからコイツを殺す】
【○俺は、お前を叩きのめしてからコイツを殺す】 
87重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 17:14:12 ID:j9EM/ais
「ハッ――――かもな。けどな、確率が少なかろうが何だろうが。
 誰も悲しまずに居られる道があんなら、俺はそこを行く」

既に初手は頭の中で組み立ててある。
殺さずに動きを止めれるか。否、この男を止めるには殺す気でやらねばならない。
それでも勝てるかどうかは分からないが。


「俺は斬鬼衆に入っちゃいるが、頭ん中まで斬鬼の志に基づいてるわけじゃねー。
 他人に決められた価値観なんざ御免だ。ただ、自らそこに在る物を見て、自ら考える」


手の中のナイフが空に舞い上がる。けれどこれはフェイク。
ベルトに差してあるダーツの矢を抜き出し、手首のひねりを加え撃ち出した。


「これがその答えだ」
更に重量に従い落下してきたナイフを掴み、同じく四肢を狙い撃ち出す。
銃弾に匹敵する速さはあれど、それがこの男に通用するかどうか。


同時にかけだし、木々に身を隠す。
これで仕止め切れたとは思えない。
――――ヌエは逃げたか。いい判断だ。
88重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 17:15:23 ID:j9EM/ais
>>86
【特に問題ありませんでしたので、お気になさらず】
89御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 17:25:10 ID:3TZndAgG
ナイフが宙を舞う。無論フェイクだ。
ダーツに手がかけられた瞬間、彼の四肢は閃光の速度で動く。
眼に頼らず、風の流れを読む。殺意の流れ、その弾道から身を退く。

「はッ、斬鬼衆は、本当にどうしようもねぇやつらばっかしだな」

ナイフとダーツから身を退いて、そのまま弓兵を追いかける。
この男と相対した場合の戦法は、いくつか脳内で組み立ててある。
間合いを潰すことと、遮蔽物を利用すること。現在可能なのはこの程度か。

本当にどうしようもない。
例えば先輩例えば支部長
例えば日ノ本薫。例えば八雲天音。
例えば佐々木優希。例えば重藤柚紀。

分かり合えない。分かち合えない。それでも戦う。
拳と足に力を漲らせて、彼は追う。
90重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 17:40:11 ID:j9EM/ais
「――――チッ」
軽く舌打ちをする。足に掠ってでもいれば、この追撃を逃れられたのだが。
ナイフの扱いと身のこなしには自信があれど、彼相手に自ら接近して戦う程愚かでもない。

学生服の背中の裏に当たる部分に手を伸ばし、取り出したのは銀色に光る円状の刃。
四枚のチャクラムだ。
「Multi―Curve―Shot。“ReAxel“」
ひとまず足を止め、背後を振り返り、構え投擲する。
一枚は、地面を削りながら高速で義虎に迫る。
一枚は、木々の隙間を縫いながらゆっくりと弧を描き向かう。
更に空中で再加速したそれを追うように、もう一枚が銃弾のように飛翔する。
「Multi―Quick―Shot」


ナイフを取り出し、義虎の動きを追う。回避した方向に四本全て、叩き込むつもりだ。
91御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 17:48:46 ID:3TZndAgG
刃を向けるべき相手。
それを間違えないようにと『先輩』は教えてくれた。
確かに今の自分は――きっと間違えているのだろう。

理不尽なモノから全てを守り、そして戦う以外の道を模索している
という佐々木優希。きっと彼女とは分かり合えないだろう。

生粋の退魔士である八雲天音。
本来的には一般人である自分。
彼女とも、きっと分かり合えないだろうと、本当は気付いている。

そして彼――重藤柚紀。
投擲される四枚の刃。チャクラムというやつだ。
彼は回避行動を選択しなかった。
地面を這うチャクラムを『気』を纏った爪先で蹴り弾く。
必要なのは精緻にして最小限の動きだ。
弧を描いて飛来する刃をナイフで弾く。
それを追って直進してくる刃を、グロックの銃弾で打ち砕く。

そして前進。世界の歩みが遅くなる。
それは、古武術において縮地と呼ばれる歩方。
剣術使いの戦友から盗んだ技術だ。

間合いを潰し、彼の拳がマシンガンの如く閃く。


92重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 18:00:16 ID:j9EM/ais
――――ハッ、あんたは重戦車かよ。
鋭く回転するチャクラムを蹴り飛ばし、更に二枚の刃もナイフと銃弾の前に沈む。
足りない。こいつの動きを止めるにはこれでは。


「Single―Strai――――!?」
力を込めた一矢を投げようとした一瞬、まるでビデオの早送りのように義虎が動いた。
あっという間に詰められた間合い。繰り出される拳。
それを防ぐも、衝撃で投げナイフを落としてしまった。

既にその手にチャクラムはない。
「くっ……!」
ベルトに差したナイフ――――正しこちらは近接用の頑丈な造りだ。
それを引き抜き、拳の嵐から急所だけをかばい、相手の動きに合わせる。
拳とすれ違いざまに腕の筋を狙い、白刃を振るった。
93御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 18:08:46 ID:3TZndAgG
――遅い。
弓兵の繰り出した接近戦用のナイフを、指の間で受け止める。
動体視力や身のこなしは流石だが、この距離ではこちらに分がある。
ナイフごと腕を捻りあげて、手首に手刀を食らわす。

「覚えてるか、俺が斬鬼になって、白清に来た時のことを」

組み合った姿勢で、彼が囁く。
本来なら、戦闘中こんなことは決してしない男だというのに。

「あの頃の俺は、誰よりも弱かった。
だからお前らが何を言おうと、何をしようと、口を挟まなかった」

この弓兵も覚えているだろう。
一般人に過ぎない彼が、それでも必死に戦っていた時のことを。

「今の俺は、言いたいことだけは言わせてもらう。 
 その程度の力では、その意思は貫けない、守れない」

突き飛ばす。

「まだやるのか?」
94重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 18:23:30 ID:j9EM/ais
「――――うぐっ?!」
捻られた手首に痛みが走る。
取り落とすナイフ。そして組み敷かれる己が体。
やはり、接近戦に於いてもこの男は、崩せそうな穴が見あたらなかった。


彼が何事か囁く。言いたい事は一つだろう。
『理想を追い求めるなら、それに似合う力を見つけろ』
確かに、義虎の言う事は正しい。事実、あの二人すら護れそうにない自分が此処にいる。
――――けれど。
「強けりゃ自分の好きにしていいのかよ?弱い奴は自分の意見すら言うなって?
 …ふざけんな。俺はそんな生き方まっぴらだ」

突き放される。息が荒い。まだ腕が痛む。
――――退くわけには行かない。
「…っはぁ…はっ………知ってんだろ?放たれた矢は、止まんねーんだよ」

呟き、体制を取り直す。残り少ない投げナイフを持ち義虎を正面から睨む。
そして、一言。
「――――所で、残り一枚のチャクラムはどこ行ったと思う?」
その台詞と同時に、途轍もなく巨大な円を書いたチャクラムが
無防備な義虎の背中に飛来した。
95御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 18:28:56 ID:3TZndAgG
「やはりお前は――お前らはそう言うよな」

彼は――苦笑した。滅多に見せない笑みだ。
しょうがねぇなという風に。気心の知れた相手に向けるように。
その言葉も、その信念も――やはり先輩と重なる。

彼は竜巻のように回転して、裏拳でチャクラムを叩き落す。
彼の手口は先刻承知であった。やはり抜け目がない。
その遠心力を乗せた回し蹴りが弓兵を襲う。

【あと2・3で〆ますかね】
96重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 18:42:09 ID:j9EM/ais
――――やれやれだ。
少し見ない間に、化け物のように成長していく。この男は。
奥の手すら読まれている。万事休すと言う奴か?


「――――諦めて、たまるかよ」
繰り出される回し蹴りに、肘を合わせる。両腕で固定したとはいえ、肩が外れそうな程の衝撃だ。
けれど、止めたという事は勢いを殺したと言う事。
そして、幾ら義虎と言えど、片足が浮いたままでは移動など出来ないだろう。
「せいっ!」
気合いを込めた下半身が翻り、義虎の顎目掛けサマーソルトを食らわせる。
そして、宙に翻るその手に握られていたのは、漆黒の和弓。そして二本の矢。
この近距離で射った場合の己えの反動は計り知れないが
――――知った事か。


「――――穿て」
空中で弓を引き、義虎の額を狙い二本同時に『重籐弓』を放った。





【了解しました。】
97御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 18:52:31 ID:3TZndAgG
蹴り脚が肘によって止められる。
――らしくもない。
肉弾戦では、埋められない彼我の差がある。
それを、この冷静な弓兵が、理解していないわけではないだろう。

相手の動きは、相手の殺意が教えてくれる。
サマーソルトキック。アクロバティックな動きだ。
それだけ切羽詰っているという証だ。
顎が蹴り抜かれる。インパクトの瞬間に『気』を集約したが、
それでも効いた。脳みそが上下に揺れる。
次手――膨大な気が集約。知らない。初めて見る技だ。

『――――穿て』

何かが来る。狙いは額。
それだけがわかっていれば、反応できる。

「業!」

吼えて、拳にソレを合わせる。
それは破壊の鉄槌だ。
両者の気が反発して、そして爆発した。


蝉が鳴いている。
ブレザーが、いい感じにボロボロになっていた。

「生きてるか、シゲ?」

弓兵に呼びかける。
何故か、呼び名の新密度がアップしている。
98重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 19:02:28 ID:j9EM/ais
爆発。吹き飛ぶ己が体。そして義虎。
並大抵の技では読まれると思った故に、放った。
宙に浮いていた己が体が、爆風に翻弄され、宙を舞い、木に叩きつけられた。


「―――かっ…は!」
肺の中の空気が全て絞り出される。しかも、両の矢を撃ち尽くしてしまった。
後二、三本矢が放れるかどうか。


未だに両の足で地面に立っている義虎。
――――どこまで頑丈なんだこの男は。
よたよたと立ち上がりながら、どうにか返事を返す。


「取り敢えず……っ…死んでねー……」
肩で息をする。体力はもう無い。
「…どうすんだ?彼女達を」
99御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 19:10:15 ID:3TZndAgG
よろめきながらも、何とか立ち上がる弓兵。
『気』と『体力』はもう底をついているはずだ。
前衛職と、後衛職とでは、根本的に鍛え方が違う。
その差が如実に現れている。

「あー・・・・そうだな・・・・」

ガリガリと頭を掻く。
何となくだが――
このまま彼女たちを追い詰めても『先輩』は喜ばないだろう。
いや、きっと彼女ならあの二人を守ろうとするだろう。眼前の青年のように。

「なんか気が削がれちまったな。お前に任す」

天音あたりなら、きっと甘いというのかも知れない。
自分でもそう思う。けれど――

「つーか、なんで殺しあってたんだ俺ら?」

自分で言い出したことを、すでに忘却の彼方へ葬り去ろうとする。

「さっさと帰ろうぜ。
 俺が運転していくから心配するな」

恩着せがましく言う。
そして自分のしたことも、不問にしようとしている。
100重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/06/18(日) 19:25:42 ID:j9EM/ais
『なんか、気が削がれちまったな。お前に任す』
――――本当に、手のかかる。
ようやく、張り詰めた弦が緩む。
いや、それ以前に既に弓もゆがけもボロボロだ。


「…素直じゃねーなぁ。ったく」
嬉しさ半分、苦笑半分を混ぜながら、どうにか足を動かし、義虎の肩を叩く。
――――本当に、こいつは変わった。
多分、それは良い方向に。


「戦ってた理由?んな物忘れちまったよ。
 義虎が運転ねぇ…事故んなよ?…さって、何か食いに行こうぜ」
軽口を叩きながら、義虎の先を歩き、森の外に向かう。
あの獣は、これからも人に姿を見せる事なく生きるだろう。あの少女を除いて。
――――これが、俺の残した結果。母さんや、アイツは俺を褒めてくれっかな?
出口付近で振り返り、満面の笑みで背後の青年に一言。
「――――たまにはこんなのも、悪くねーだろ?」





【これで〆と致します。長時間有り難うございました】
【何分遅筆ですみません。お疲れ様でした。ではノシ】
101御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/18(日) 19:28:23 ID:3TZndAgG
「――さあな」

肩を竦める。

二人並んで森を出る。
日が暮れる。紅く染まった夕日。
暖かく穏やかな色。今日の戦いは――

いや、よそう。また明日考えよう。

とりあえず二人は自転車に乗って、走り出した。


【こちららこそどうも】
【またいずれノシ】
102名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 20:24:14 ID:2Z7fJZt2
やはり御影は最強厨か…。
期待していたのにのぅ…。
103爆発の教官 ◆5gFlt90TAE :2006/06/18(日) 21:18:16 ID:8k8fCai+
【こっそり舞い戻ってみたり】
>102
【打たれ弱さを楽しむロールプレイを楽しみ、楽しませるなんて、某Oはたさんや某安達さんぐらいのものですよ】
104名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 18:36:43 ID:GXBbe02E
>>103
もし本当にキャラとしてやる気なら、
避難所に行ってちゃんと参加表明した方がいいと思うよ。
他のキャラとも少しは交流してみたら?
105名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:59:42 ID:a9mBcH1g
>>102
最強厨はアレだが復讐の鬼系キャラやニヒル系キャラはかなり強めでないとダサダサだからしかたないのでは?
106名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 15:35:26 ID:kDLAf26f
107一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 21:00:38 ID:uWpP13w1
【9:40分まで待機します】
【プロフ>14】
108名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:03:55 ID:72FByhyR
>107

【プロフと一致してないです】
109一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 21:08:27 ID:uWpP13w1
>108
【ほんとorz】
【プロフ→15】
110南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 21:31:23 ID:gla0R9gY
【こんばんは。よろしければ、お相手してもらってもいいでしょうか?】
111一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 21:33:45 ID:uWpP13w1
【こんばんわ。宜しくお願いします】
【シチュは街で遭遇が適当でしょうか?】
112南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 21:37:44 ID:gla0R9gY
【そんなところが無難ですね。書き出しはどうしましょう?】
【どんなロールをしたい等の希望があれば合わせますから、遠慮なくどうぞー】
113一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 21:41:42 ID:uWpP13w1
【うーん、要望は特にないですねー。】
【それでは書き出しは私から。】
【少しお待ちを。】
114一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 21:57:55 ID:uWpP13w1
南中を迎えた太陽がさんさんと輝く真昼。
この時間帯なら、どの学校の生徒も蒸し風呂のような教室の中で
授業を受けているはずであるが…。


「こんなところ誰も来ないだろうけど……酷いものね」

人気のない裏路地を一人行く中、思わず言葉が出た。
最近、人妖の戦闘が激しさを増しているとは聞いていたが
その影響で、しかるべき組織の処理でも遅れているのだろうか?
踏み入れた路地には、壁一面に真新しい血がべっとりとこびりついていた。
115南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 22:17:37 ID:gla0R9gY
真昼の太陽。
降り注ぐ陽光を身体に受けている時、殆どの生き物が
生きている実感を得ることだろう。
だがしかし、自分からすれば、これ程に
我が物顔で光輝かれていると逆に疎ましい。

陽の光が多少遮られる路地裏とはいえ、この時間帯は何をすることもなく
時間を潰すことが殆ど。ここ最近はそれが日課だ。
が、今日はその中に異質な物を感じた。

―――血の匂い。それも、まださほど時間は経っていないか?

それも、随分と近い。一度、目を通しておいた方が良いだろうか。
暫く考え……立ち上がる。
残された腕の一本もあればいただくとしよう。
そんなものでも、食らえば飢えも多少はましになる。



「これは、また……真っ昼間から派手にやった物だな…」

それが目に入った瞬間、呆れたように声を紡いだ。
見渡す限りの壁面にこびり付いた血と肉片。
嘆息する。どうやら無駄足だったようだ。
なんとはなしに壁に張り付いた肉片を一つ、指先で剥がして捨てる。

「やれやれ……長居は無用、か」

この惨劇を作り出した本人は、恐らく既にこの場から去った後。
自分も、これ以上ここにいても得る物はないと判断し、背を向けようとして……

――微かな気配に、気付く。

何者かがこちらに向かっている?

【それでは宜しくお願いします。遅筆ですが御容赦下さいorz】
116一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 22:32:39 ID:uWpP13w1
気を取り直してよく見ると、血は壁を伝って奥へと続いている。
流れる妖の血が本能的に身体を促し
まるで誘蛾灯に誘われるように一本道の路地を、ぼんやりと歩いていく。

「―――っ!」

丁度、曲がりの角に手をつけたところで
熱気と妖の気配に撫でられ背中についと汗が伝った。
それで、はっとして足を止めると制服のスカートが
身体の急な静止に僅かに揺れた。

「何だか変な感じ……でも、間違いなくいる」

先から漂う気配に表情がすっと険しくなる。
若干感じる違和感に多少戸惑いつつも、手から糸を垂らして
角から身を乗り出し奥の様子を伺った。


【お願いします】
【遅いのは、こちらもorz】
117南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 22:41:35 ID:gla0R9gY
居る。何処かは分からないが、間違いなく。
両手から見えない程に細く、脆い糸を織り成し、辺りに張り巡らせていく。
相手がどの方向から襲いかかって来ようと、その時にはこの糸を断つ事になる。
触れれば用意に千切れる程度の糸だが、それは即座に自分に伝わるのだ。
少なくとも奇襲されることはない。

「……様子を見に来たのは失敗だったか」

逃げようにも、丁度その方向に相手が待ち構えていた場合、
命をくれてやるようなもの。今は奇襲を防ぐことが最善の筈。

神経を張り詰めさせ、それとは逆に身体の強張りを解く。
何処から襲われても、ある程度の対応が出来るように。

―――気配はあるが……

何処なのかが、分からない。
118一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 22:52:20 ID:uWpP13w1
先に気づいて利を逃さないよう、鞄を横に置くと
無音で慎重に歩を進めていく。
緊張感から口の中が急速に乾き、唾の嚥下される音が耳に残った。
それで、つい喉頭を撫でてしまって巻かれた包帯に――思い出す。
あの事件の後、看た医者曰く
精神に幾つの欠如が見られる……らしい。

「悪かったわね。愛想が無くて……」

――それは元々なんだからと…。
そう毒づいたと同時に、ぷつりと足元で音をした。
気づいて視線を落とすと何か糸のようなものが垂れている。

「……蜘蛛糸?」
119南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 23:04:01 ID:gla0R9gY
―――糸が切れた。

そう感じると同時、飛び退き様に小さな糸屑を数個放った。
手の中で織った斬糸を指先で捻り、放り投げられた斬糸が捻れから解放された瞬間、
刃となる。
殺傷力は子供が持ったカッターナイフの方がまだ上だが、
牽制や足止めを目的とすれば使えない物ではない。

そしてその目的の通りに、宙を疾った糸は捻れから解放され、
十数条の刃となって襲いかかる。狙いが外れている物もあるが…

そこで初めて相手の姿が目に入った。青い髪、そして学校の制服を着た女。
……そして、それ以外に感じた奇妙な違和感。

―――なんだ?

これは獲物だ、食らえという声。
そして、食らってはならない、傷つけるな、という声が頭の中に響いた気が、した。
120一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 23:20:32 ID:uWpP13w1
宙に放たれた糸が包み込むように流れ落ちてくる。
――気づかれたか。
自分の迂闊さに小さく舌打ちをし、宙を舞うそれに顔を上げた。

「こんなもので……!」

相手から僅かに遅れてから
こちらも手を前に翳し、同じように刃となった糸でそれに絡ませ薙ぎ払う。
刹那、違和感が残った……同じように?

「……って、今はそんな事を気にしている場合でも…」

残った奇妙な感覚を頭を振って払いのけると、駆け出す。
相手が張った糸が身体に掛かり切れていくたびに
それがぶり返してくるが無視する。
数個の糸屑を交わし進むと、対峙する距離が徐々に詰まっていく。
121南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/21(水) 23:38:26 ID:gla0R9gY
「糸……?」

斬糸を払ったのは、同じく斬糸。
十数の煌めきは、肉を噛む事なく寸断される。
違和感は気になるが、そんなものを気にしていては傷を負う可能性もある。
ここは逃げる事だけを考えるべき。

「が、しかし……」

動きが良い。
糸屑からランダムに放たれる刃を避けながら、確実に距離を詰めてくる。

―――なかなか、やる。

簡単に逃がしてはくれないだろう。
そして、背を向けて逃げられる距離でもない。ならば、どうするか。
小さく飛び退きながら、右手から糸を辺りのゴミ箱に放った。
小さく引いた時に返してきた手応えからして、中身は入っている。好都合だ。

手首を返してゴミ箱を僅かに宙に浮かせ、落ちる前に大きく腕を振る。
糸に束縛されたゴミ箱は、中身を撒き散らして目眩ましとしながら女に向けて飛んだ。

そして撒かれたゴミに身を隠しながら、地面に弾かれたように、こちらからも飛び込む。
気を取られたところに、決定的な一撃を。それがこちらの目論見。
122一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/21(水) 23:55:37 ID:uWpP13w1
糸に引かれたゴミ箱が曲芸のように飛んでくる。
これが本当に曲芸なら自分の目の前で止まって
中身が全部収まってくれるのだが――。

「くっ…汚い事を……」

少し上手いなと――、一瞬だけ口元を緩めたが
目の前の現実に眉を潜める。
素早く大きなゴミの箱を糸を持って断じ、
左の腕を上げ、飛び散るゴミから顔を庇った。

腕に当たって遮られる視界の中
瞬く間に、低い姿勢で距離を詰めていた相手に驚愕し確信した。

私の駆る糸は謂わば研ぎ澄まされた刀による一閃。
それから考えれば相手の放つ糸の方が、より蜘蛛のそれに近い。
しかも一度にこれだけの糸を紡ぐのを見せられては
察しの悪い私でも分かる――純粋な妖たる蜘蛛の技。
123南雲秀人 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/22(木) 00:13:49 ID:m3H4Y53i
―――切れ味が良い。

比較的大きなゴミ箱が真っ二つに断たれるのを見ながら思う。
動いている物の場合は、余程上手く入らなければ半ばまで断つのが関の山だ。
今まではそう思っていたのだが……目の前の光景はどうだ。
自分の糸では、とてもああはいかない。
そんな場違いな事を思っている間も、間合いは詰まっていき、そして――

―――殺ったか?

これだけ距離を詰めれば避けるのは難しい筈。
五指を揃えた貫手を喉に突き込もうとした瞬間。

―――傷つけるな。

一際、大きく強い叫びが自分の中から聞こえた。
逆らう事は出来ない……否、そんな事を考える暇もなく。
後ろに引き絞られた腕を、打ち込む。

喉を抉る為に放たれようとしていた貫手が掌打へと姿を変え、腹部へと疾った。
124一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/22(木) 00:33:07 ID:fw5X/rXJ
喉に巻かれた包帯の切れ端に貫手の先が触れる。
顔の前に構えていた左の手を僅かに動かす暇も無い。
ゴミ箱を糸で薙ぎ払ったばかりの右の手なら尚更だ。
あの時にも感じた冷たいものが背筋を走った。
喉が――無意識の内に唾を飲み込んで鳴る。

「……ぐぅっ!?」

永遠にも感じた死へ秒読みが不意に中断され
腹部への強かな衝撃に身体が九の字に曲げられた。
喉からは断末魔の代わりに鋭い悲鳴が搾り出される。

――どうして?

膝が折れ後ろに倒れる最中、視界には
自分の青い横髪と些か困惑したような相手が入った。
僅かに口を動かして疑問を問おうとしたが、声が出ずに意識がまどろんでいった。
125 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/22(木) 00:52:39 ID:m3H4Y53i
【今、次レスを打ち終わる寸前なのですが、少し聞きたいことが…】
【続けるか、ここで〆てしまうかなのですが、どちらが良いか教えてくだされば、その方向でレスいたしますので】
126一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/22(木) 00:54:20 ID:fw5X/rXJ
【あ、すいませんorz】
【お疲れ様でした。ナグモンさん、〆でお願いします。】
127 ◆qRMdcGLkrI :2006/06/22(木) 01:01:55 ID:m3H4Y53i
後ろに倒れ込む相手の腕を掴み、支える。下手に頭でも打ち付けては事だ。
しかし、どうしてこうも手心を加えてしまったのか。
無駄な殺しは好かない故、却って良かったかもしれないが……

否、何故かは薄々分かっている。この女は同族なのだろう。
その手に絡められた糸に指を滑らせ、確かめる。
この手触りには嫌と言うほど覚えがある。自らが生み出した斬糸そのままだ。

「……やれやれ、だ」

手を掴んで無理に立たせているような状態で、改めてその姿を見る。
やはり『食らって飢えを癒せ』という声が湧き上がってくる。
が、その真逆……『食らってはならない』という声もある。
それがどうにも腑に落ちない。同族に対して『食らえ』とはどういう事だ?

―――ここは問い質してみるのも手だが。

比較的、血に汚れていない場所を探してグッタリとした体を横たえる。
そして、暫く考えてから背を向け、歩き出した。

―――面倒な事になる可能性もある。

そんな事を自分は望まない。
関わり合いにならない方が無難だろう。が、しかし。

―――また出会う事があれば、問い質してみるのも悪くはない。

興味自体はあるのだから。


【ナグモンやめろと(笑) ではこちらはこれで〆で】
【お付き合いしていただき、ありがとうございました。また機会がありましたら】
128一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/06/22(木) 01:26:27 ID:fw5X/rXJ
「うっ……んんっ…」

どのくらい、そうしていたのだろうか。
瞼越しに夕日が差し込んできて眩しさに
深い闇に沈んでいた意識が引き上げられていく。
肘を突いて上半身を起こすと、まだぼやけている眼で状況の確認を始めた。

腹部の鈍痛以外は身体に目立った外傷は無い。
また着ている制服には何一つ乱れが無い。
それに安堵の息をつく、が。

「………」

これは――後者は女性としてどうなのだろうか?
等と、些か常人とはずれている……らしい感傷に浸る。少し傷つく。

「ふぅ、あれが妖の蜘蛛か。大したものだわ…」

頭を振って立ち上がり、ぱぱっと制服の埃を払う。
姿を消した妖の者に思いをめぐらすと場を後にした。


【君が蜘蛛化するまで呼ぶのを止め(ry】
【ありがとうございましたー.。また是非、お願いしますね】
【お休みなさいノシ】
129桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 21:15:02 ID:y6VXpqM3
【一時間程待機します。】
130御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 21:43:25 ID:Deslqcw8
【向こうには誰もおらず】
【少しでよければロールできますがどうでしょう?】
【やりにくいようでしたら引きますが】
131桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 21:46:20 ID:y6VXpqM3
【今晩わ。やり辛い、と言う事は特にないのですが】
【設定上、桐生葉月はかなり上位の強さの方なので、その点さえ考慮して頂ければ】
132御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 21:47:54 ID:Deslqcw8
【戦闘するほどの時間はないのですが、それでよければ】
【こちらが妖魔を殺してる現場をそちらが偶然発見とか考えてましたが】
133桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 21:55:35 ID:y6VXpqM3
【普通に会話、と言う訳にも行きませんので。他に案があれば伺いますが】
【遠見幻也傘下の妖魔(仲間)が襲われていない限り、我関せずのキャラなので】
【そちらのロールで行くならば、幻也様支配下の雑妖という事でお願いします】
134御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 22:00:53 ID:Deslqcw8
月輪を眺めていた。
銀色の月。
消えることのない憎悪。
不条理に対する怒り。
この身を縛る苦しみと悲しみ。
この身体を突き動かす衝動。
月を見ていると、それがほんの少しだけ薄れてゆく。

紅い血。怨嗟の呻き。
月光に濡れる金色の髪を掻き揚げる。

――今日も今日とて妖魔狩る。

今回の相手は少しだけ強かった。
狭隘な路地と素早い身のこなし。
それでも落ち着いて対処できた。

「遺言を言うなら今のうちだぞ」

抑揚もなく呟いて、斬妖の刃を突きつける。
熊のような男――獣人は力無く呻いた。
最後の力を振り絞って助けを求める。

【こんな感じで】
135桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 22:10:54 ID:y6VXpqM3
月光。それは優しく全てを包み込む光。
暗く人通りの無い路地を歩きながら、空を見上げる。
何故だろう。こうもあの輝く球体を見ていると、心が落ち着く。
あの輝きは、太陽の光を反射している偽りの輝きだと、人間の本には書いてあった。
それでもいいと思う。
誰かのお陰で光放てる身が、あの銀色の眩しさが、余計に親近感を沸かせた。


――――うめき声が聞こえた。
浮浪者の取っ組み合いなどならば、当然の如く無視するのだが。
この匂いから察するに、同族と人間の声だろうか。
しかも、同じくあの方を頭として群れを成す同朋の。
仕方ない、とため息をつきながら、ざっとその場に姿を表す。


「何の騒ぎだ?」
妖気は最大限に抑えてある。
少なくとも、初見では妖魔と分からない程には。
136御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 22:16:49 ID:Deslqcw8
熊のような巨躯――人間にしては、だが――を持ってはいるがこの妖魔は素早かった。
恐らくその本性は虎や狼などの捕食者(プレデター)であろう。
その本性を出し切る前に、命が尽き果てそうになっているわけだが。

その妖魔――人間の名を相沢安寅――は七妖会所属の妖魔であった。
日妖・遠見幻也の配下の金妖である。人間に対しては敵でも味方でもない、
所謂中立派の妖魔である。無論、任務とあれば殺人に躊躇はないが、それ以外の
場合では、人間の生活を模倣することに専念している。
今夜も夜の遊び場で、享楽に耽っていた。

――だというのに、今此処で殺されようとしていた。

この男の顔は知っている。七妖会の要注意人物リストに載っていた顔だ。
天洸院・斬鬼衆のひとりだ。名前は覚えていない。
ともかく妖魔に対しては容赦のない男だという記載だけを覚えていた。

『何の騒ぎだ?』

――救世主登場。
桐生葉月。あの方を信奉する銀色の狼だ。

「た、助け・・・・」

そこから先は言えなかった。
眉間にナイフを突き立てられ、そこから何かが流れ込み、脳細胞を――

そこから先は知覚できなかった。

「見ての通りだ」

彼は――御影義虎は動揺を見せなかった。
いつもの如く、鋭い双眸に冷ややかな殺意を宿らせているだけだ。
137桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 22:26:30 ID:y6VXpqM3
ふぅ、と僅かにため息をつく。
相手の反応は冷酷かつ迅速だった。
流石に額を貫かれては、生命力に優れる獣人と言えども生きてはいないだろう。
すまない、と心の中で謝罪しながら、眼前の相手を見据える。


「見ての通りか。つまり、キミは殺人者という事だな。
 警察を呼ばせてもらっても構わないだろうか?」


ごく一般人としての行動を取りながら、学生服のスカートから携帯を取り出す。
フリーの退魔士なのだろうか。出来れば、その方が後腐れが無くて楽なのだが。
さて一番の問題だ。
――――この男を殺すかどうか。
この年頃の男は苦手だ。ついあの子供を思い返してしまう。
138御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 22:33:10 ID:Deslqcw8
ナイフを抜き取り、天洸院謹製の携帯電話を取り出して連絡。
処理班の出動を要請する。その間にも闖入者から眼を離さない。
白い髪をツインテールにしている。セーラー服を着ている。
鋭い眼は、獣のそれと同じだ。
何よりこの気配。人間の少女が出す気配ではない。
――何者だ?
昨今は妙な女と縁がありすぎる。

「いや、この男は人間ではない。
 だから殺人罪は適用できないんだな、これが」

妖魔の死体を指し示す。
死んで変化の効果が解けたのか、ソレは本来の姿を取り戻した。
ソレは、予想通り獅子であった。

「誰かに話してもいいが、誰も信用しないぞ」

抑揚無く説明して、さてどうしてものかと考える。
実はこのような事態は、初めてではない。
139桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 22:40:53 ID:y6VXpqM3
予想外の――――その実既知の事だが――――姿に変貌を遂げた被害者を見て、
僅かに目の端を釣り上げる。


「…これはまた。一体どういう事なんだ?」


不思議そうに顎に手を当て、首など傾げながら、男の瞳をじっと見据える。
やりにくいのは事実だが、あの方の配下を殺したという事は、
それ即ちあの方に銃口を向けたという事。せめて一瞬で楽にさせてやろう。


「…すまないが、もう少し詳しく話を聞かせてくれないだろうか?」


携帯をしまい、その男との距離を詰めて行く。
自分に武器は無い。在るのは己が爪と牙のみ。
――――私は獣なのだから。
140御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 22:47:59 ID:Deslqcw8
チリッと、眉間が疼いた。微かな殺意。
彼でなければ感じ取れないほどに、微細な殺意。

「見ての通りだ。
 この世には、不思議なことしかありはしないんだよ」

四肢の筋肉を弛緩させて、相手の出方を窺う。
肝心なのは脱力。初撃に無駄な力は必要ない。
必要なのは精緻にして最速の動きだ。

「この世には、人間以外の生き物がいる。
 つまり、悪魔とか吸血鬼とか、あるいは妖魔とかがな」

彼は既にやる気になっていた。
理由は知らない。
ただ、生き物としての本能が眼前の少女に対して
隙を見せることを許さないのだ。
141桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 22:56:01 ID:y6VXpqM3
「…なんともな。にわかには信じ難いが、
 今現実を目の当たりにする限りではキミの言う通りのようだ」


キリキリと、全身の筋肉を稼働状態に高めて行く。
眼前の退魔士は、既にこちらを一般人としては見てくれていないようだ。
――――実に、勘の良い。


「…だがしかし、彼らにも生活がある以上、仲間も居るのではないか?
 報復が来るかもしれないな」


優しく囁きながら、右手の人差し指と中指を突き出す。
狙いは眼。これを奪い取れば、既にそいつは戦士としての役目を果たさないからだ。
142御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 23:01:37 ID:Deslqcw8
少女が、何気ない仕草で臨戦態勢に入る。
例えるなら、獲物に飛び掛る寸前の肉食獣か。

「くだらねぇな――」

冷笑。
彼は少女の問いに対して、一言で切り捨てた。

「――斬鬼衆、御影義虎。お前を殺す者の名だ」

彼はあくまで脱力したまま、相手の出方を伺う。
狙うは抜き手に対するカウンター。
143桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 23:13:25 ID:y6VXpqM3
――――眼球に届く僅か数cm手前で、突き出した目つぶしを引いた。
相手が何かしらの策を練っている事を本能的に感じた、というのもあるが、
それ以前に、目の前の男が発した言葉に反応してだ。
――――斬鬼衆だと?

成る程、それならば確かにあの手際の良さも頷ける。
先ほど電話をかけていた相手は、同じ支部の雑務担当部隊辺りか。
いや、重要なのはそんな事ではない。
けれど、取り敢えず彼の者とは違うようだ。
その事に微かに安堵を覚えた自分が情けなくなったが。


「そうか。墓は立ててくれるのか?」


言葉を発しながら、相手の背後に回り込みつつ、背中を向ける。
ぐっと態勢を低くし、相手を叩きつけるような強烈な体当たりを打ちかます。
144御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 23:20:10 ID:Deslqcw8
寸前で抜き手が止まる。
狙いを見透かされたか。

『そうか。墓は立ててくれるのか?』

その仕儀は閃光。速いと思う暇すらなく――

背後――回避?

彼の四肢は反射的に動いた。

――間に合わない?

反射的に身体を前に出す。
衝撃。
壁に叩きつけられる。息を吐き出す。

――殺意と行動がほぼ同時に来た。

何より速い。先ほどの相手より更に速い。格段に速い。
回転。遠心力を利用した回し蹴り。
無論、通用しないだろう。
本命は次手。抜き放たれた斬妖の刃。
遠心力をたっぷりと乗せた刃で、切り裂く算段。
145桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 23:30:14 ID:y6VXpqM3
とっさに体を前へ浮かせる事により、衝撃を軽減させたか。
中々の判断だ。

相手が立ち上がる。大した殺気だ。
その目はまるで鬼そのものの如く。
大抵の小動物なら視線を合わせた辺りで、怯え縮こまるだろう。

彼がこちらを睨みつける。続いて強烈な回し蹴り。
当然狙いがあっての事だろう。その手に持つ刃は飾りではないのだろうから。
繰り出された蹴りの軌道を、上げた片腕でそっと反らす。
そして次の挙動をじっと待ち構えた。
146御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/22(木) 23:36:58 ID:Deslqcw8
蹴り脚が捌かれる。身体の軸がぶれてしまう。
だが、刃を振るうには問題ない。
触れれば斬る、それがナイフの利点。
一本足で更に回転。

――逆手に持った刃をそのまま叩きつける。

通用しなければ?
多分、後数手で詰まれるだろう。
彼女は――強い。
数瞬のやり取りで、それが理解できた。


【そろそろ時間が。どう〆るかちょっと悩んでますが】
【偶には負けロールも必要だと思うのですが>御影くんに】
147桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 23:53:31 ID:y6VXpqM3
まるで独楽のように一回転。
勢いそのままに、手にした白刃を振りかざす。

ズブッと言う肉に突き刺さると共に、その斬妖の刃を赤い血が濡らす。
けれどもそのナイフは自分の首を落とすには足りなく。
刃は、陶器の様に白く掌に包み込まれるようにして止められていた。


「――――終わりだ。」
己が言葉を合図に、固い金属音と同時に、鋭い鉤爪が伸びる。
軸足を蹴り飛ばし、バランスが崩れた瞬間を狙い、先ずは刃を構えた腕に一撃。
更に倒れ込む彼が胸元にも斬撃を加える。

気で体を固めていたようだ。少し傷口が浅かったか。
そのまま再度爪を彼の喉首に放とうとして――――気付く。
幾人もの人間がこちらに向かっている。恐らく、青年がかけた電話の相手だろう。

――――今無駄に場を騒がせるのは得策ではない。
私にも、あの方にも。

「…助かったな」

短くそれだけ呟くと、憮然とした足取りで彼に背を向け、足早に歩く。
これも運命と言う奴なのだろうか。
獣が狩人に会うのは必然の事なのだろうか。
暗澹たる思いを抱えたまま、血だらけの少年を跡目に己が住処へと足を運んだ。
――――月は、まだ綺麗だ。
その色を見ていると、少しだけ心が癒された。
148桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/22(木) 23:55:36 ID:y6VXpqM3
【ではこのような〆では如何でしょうか。】
【手傷は負わせてみましたが、御影君の体力があれば日曜までには回復してる】
【そう言った感じの軽傷ですので。】
149御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/23(金) 00:03:55 ID:Cieb9Hy5
刃が妖魔の肌を切り裂いて――止まった。

『――――終わりだ。』

脚払い。
バランスが崩れる。
鋭い爪が伸びて、腕が切り裂かれ、ナイフを取りこぼす。
倒れこむ。鋭い爪が胸を切り裂く。
そして必然的に訪れる、詰みの一手。

何かを言うべきか。
それとも抵抗するべきか。
どちらにせよ――殺されなかった。

『…助かったな』

――彼女が立ち去った。

目まぐるしく脳内で、方程式が組み上げられる。
殺戮の方程式。数値を変換する。最適化。
手持ちの武器。地形。彼我の能力差。

「負けた、のか・・・・」

敗北。久しぶりに味わうこの感覚。
いや、意識不明の重態で病院に運び込まれたわけではないのだから、
それらとは別の次元の問題だろうか。
殺されなかった。その程度の相手と判断されたのか。

「畜生・・・・・俺は・・・・・まだこの程度か?

月が輝いている。
届かぬと理解しながら手を伸ばす。

――強くなりたい。もっと力が欲しい。

久しく忘れていた感覚。
彼は、更なる力を渇望した。

【こんな感じで〆ます】
【ありがとうございました】
【まあ治癒力は高い方ですから】
【これでパワーアップのための下地ができました(何)】
【それではまたノシ】
150桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/06/23(金) 00:08:36 ID:Of7wXET2
【こちらこそ有難うございました】
【それはまた恐ろしいですね(笑)とは言え欠点が見当たらない御影君を】
【また鍛え上げるのも難しいと思いますが。仲間も、強くなりたいと願っているでしょうし】
【何にせよ、頑張って下さい。ではまたノシ】
151北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 20:04:16 ID:lx/ceBNG
【専用板より御影さん待ちです】
152御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 20:09:20 ID:LpsjuEZ1
夏休みまで、秒読み段階に入っていた日のことである。
過日の傷は既に癒えていた。もとより切り傷というものは、見かけは派手だが
その分塞がりやすい。実際的には、内臓の重要器官を破壊する刺突の方が、
まだ危険度が高い。彼は一日だけ学校と仕事を休んで、養生に専念した。
丹田から生み出される『気』を自己治癒の強化に振り分け、斬撃による傷口を塞いだ。
肉体の修復作業と休養には一日あれば事足りた。

次の日には、いつも通り登校した。
その日の放課後、彼は北条唯と共に執務室へと呼び出された。

「用件は?」

彼は入室早々、社交辞令や時候の挨拶など全く抜きにして支部長に訊ねた。
平坦な口調。醒めた眼差し。人を寄せ付けない冷ややかな雰囲気。
機嫌が悪いのではなく、これくらいが彼のスタンダートな態度である。

「君に仕事を任せようかと思ってね。一週間ほど、そこの北条君の
 指導をして欲しいのだよ。無論拒否権はないからそのつもりで」

男装の麗人は、嫣然と笑いながらそう言った。彼女は彼の性格に関しては
知悉しているので、特に腹を立てたりしない。
以前よりは格段にマシな性格になった事を、知っているからでもある。

「それは、重藤がしていたはずだが?」

横目で新しい後輩を見て、彼はそう尋ねた。
本院から来たこの『後輩』は両親共に退魔士であり、幼少の頃より退魔の業を
学んできたという、言わばサラブレッドである。本来的に一般人である自分とは
根本的な隔たりがある。教えられることが、果たしてあるのかどうか。
それに、彼女が白清支部に来てからは、直接指導には重藤柚紀が当たっていた。
何故自分なのだろうか?

「いや、何、君もそろそろ指導者としての経験を
積むべきだと判断したものでね。北条くんも異論はないかな?」

――俺に拒否権はないとか言った時点で、何も言えないと思うが・・・
彼はそう言おうと思ったが、言ったら人類の限界を遥かに超えた神速の拳が
顔面に突き刺さりそうなので、自粛した。
153北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 20:17:43 ID:lx/ceBNG
「うめぇ・・・。」

今日は授業も早く終え近くの甘味処であんみつを食べていた。
そんな至福の時間を邪魔する様に携帯が鳴る。

「んだよ、うるせぇ・・・。って!しししししぶちょー!」

慌てて携帯を取ると新たな任務との事。
ダッシュで支部長の待つ部屋へと向かう。

ノックして部屋に入ると支部長から簡単な説明がある。
いつもは重藤先輩と組む事が多いが、今日は御影先輩らしい。
正直少し苦手だから嫌なんだけど・・・。
まぁ、仕事だから我慢、我慢・・・。

そんな事を巡らせていると御影先輩が呼び出され、
同じ様な説明がされる。

『異論はないかな?』――いや、あっても言えないって・・・。

「はい!もちろんありません。」

返事は元気よく・・・、基本だな。
154御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 20:26:52 ID:LpsjuEZ1
「正直面倒だ。
 俺がいったい何を指導しろっていうんだ?」

彼は愚痴った。彼が愚痴を零せる相手は、正直少ない。
そもそも、彼は友人自体が少ない。
斬鬼衆以外では皆無と言っても差し支えないだろう。

「いいんでない?そろそろ先輩らしい仕事もしないとな。」

親友は笑った。
蓬髪を後ろで縛り、侍といった風情である。

「まあ、困ったら『先輩』に言われたこと思い出せよ。
 俺だって翼を指導する時はそうしてるし、何とかなるって」

親友はあくまで気楽に笑った。
彼は返事ができなかった。

その夜のことである。
妖魔大量発生の知らせを受けた彼は、指定の場所に単車で向かう。
現場で『後輩』と落ち合う。

「えーと、無理はしない、無茶はしない、死ぬ前に逃げる。
 死んだら負けだからな。逃げるのは恥じゃない・・・・多分」

とりあえず、かつて『先輩』に言われたことを、そのまま流用してみる。
155北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 20:34:01 ID:lx/ceBNG
「あーあ、どことなく苦手なんだよなー、御影先輩は・・・。」

誰でもそう思うと思われる。
そんな事を考えボケっとしていると出動要請の連絡が。

「はぁー、いきますかぁ!」

退魔専用に改造された大型スクーターにて現場へ直行。
既に御影先輩も来ていて説明を受ける。

「大量発生ですか・・・、そりゃぁドンドンいかないとマズいっすねぇ。」

そして逃げろだ無理するなだ・・・、この手の事は良く言われる。
言い返したい気持ちもあるが重藤先輩で痛い目に合っているので
適当に聞いておく。

「はぁ、了解っす。んで・・・、作戦はどの様に?」

とは言うものの、こう言うタイプの人って突撃あるのみな気もするけどな。
156御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 20:44:20 ID:LpsjuEZ1
深夜、新都の大通り。
今回は、事前に妖魔発生を感知できたらしく、大勢の斬鬼衆で
包囲網を敷くことができた。

「基本は待ち伏せ、だな。交通網の遮断は今済んだところだ。
 適当に切り伏せたら包囲網を縮める。簡単な仕事だが深追いはするな」

携帯で連絡を取りつつ、『後輩』の質問に答える。
拳銃を抜き取り、弾丸を装填。安全装置を解除。
もう一度ホルスターに収め、今度は斬妖のナイフを二本抜き取り、
即興で剣舞。身体の調子はベストだった。

「――来たな」

月光の中、静かに影が迫る。
地面の中を、巨大な魚影――鮫だ――が泳ぐ。
目算で15、6頭。デカイ。人間など丸呑みできそうなサイズだ。

「射撃は得意か?構えろ」

二丁拳銃。
戦闘の魚影をロックオン。トリガーを引く。
連続する射撃音が夜空に響き渡る。


「珍しい」
157御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 20:46:10 ID:LpsjuEZ1
【一番下の台詞は無視してださい】
【打ち込んだ覚えがないのですが】
158北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 20:54:35 ID:lx/ceBNG
「待ち伏せですか、了解。」

上手い事やってくれた所為で随分楽できるみたいだな。
先輩はさっさとウォーミングアップを始める。

こっちもドラグーンを取り出し、計器やらPCのチェック。
気の波動を調整し、ブレイド、ライフル、各モードを試す。

いつでもOKと声を掛けようとすると『――来たな』との合図。

「ん、それなりにね。」

先輩の得物は拳銃。
下手にショットガンで散らすよりも確実に落とした方がよさそうだ。
ライフルモードに設定すると先輩より少し奥の鮫を撃つ。
こっちと先輩の二段構えで確実に一匹づつ落としていく。

「こんな感じでやりゃいいのか?」

お互い発砲しながらの物騒な会話。
159御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 21:01:33 ID:LpsjuEZ1
銃弾がアスファルトを抉って弾かれる。
魚影は痛痒を覚えた風もなく、悠然とこちらに泳いでくる。
『後輩』のドラグーンによる射撃も、同様に魚影を貫通するが――

「無効化?」

弾丸を再装填しながら呟く。
試しにもう一度撃ち込むが結果は同じ。

魚影が突如加速する。早い。水の中の魚類と同等の速度だ。
音もなく影がそのまま跳ねて、こちらに襲い掛かってくる。
巨大な口腔。並んだ凶悪な牙。

説明もなく『後輩』を横へ突き飛ばし、反対側に移動。
鮫は音もなく地面に沈んで――また泳ぎ始めた。

「射撃は効かないらしいな。
 おい、少し回避に専念してろ。相手の性質を見極める」

彼は代わりに刃を抜いて、今度はじっと立ち尽くす。

160北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 21:08:10 ID:lx/ceBNG
「えっ?」

確かに効いていない様子だ。
このままでは埒があかない。

「うおっ・・・、ってて・・・。回避に専念?んー、分った。」

確かにあの手の敵との近接戦はアッチ向きだと思われる。
少し間を取って警戒、そしていつでも援護出来るように準備はしておく。

「気ぃつけろよーっ!」

そう叫ぶとブレードを構え、準備OKの合図を送る。
161御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 21:16:40 ID:LpsjuEZ1
身体を覆っていた『気』を、外側へ薄く薄く押し広げる。
大勢の敵の気配を感じ取る時は、いつもこうしている。
魚群探知機と似たような感じだろうか。
感知範囲内にある敵の数だけ数えて、他のモノは意識の外へ。

ぐるぐると三匹の鮫が、彼が周囲を泳いでいる。
一跳びで喰らいつかれる距離。しかし彼は焦らない。
眼を閉じて、刃を構え、その時を待つ。

――来たと感じると同時に回避。
同時に刃を閃かせる。貫いたという感触。

鮫は飛び掛った勢いそのままに、刃によって身体を裂かれた。

「攻撃の瞬間は、こっちも当てられるらしいな。
 カウンターでいくぞ。無駄な動きはするな」

まだ魚影は沢山残っている。しかし彼は怯まなかった。
手の内が割れれば、後は簡単な作業である。
162北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 21:25:03 ID:lx/ceBNG
何かあれば・・・と、思っていたが、やはり余計なお世話だったようで。

「ふむ、攻撃する際に防御壁が開くって事か。」

無駄な動き禁止のカウンター・・・ね。
それなら技を使うしかない。

「ドラグーン、リミットレベル2解除・・・。」

愛剣に指令を下すと先輩と少し距離を置いて構える。

「封魔神剣弐の形・・・、睡連(すいれん)。」

瞳を閉じ心を落ち着かせる。
心で気を読み取り2段攻撃のカウンターを繰り出す技である。

自分の周囲に集中する。
あの先輩ならこちらが気にする事もなさそうだしな・・・。

163御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 21:32:32 ID:LpsjuEZ1
『後輩』が魚影を切り裂いている。
魚影が切り裂かれ、そして霧散する。
やはり技術的なことに関しては、教えることがなさそうだ。
教える必要があるとすれば、戦いに臨む上での覚悟や精神論だろうか。

異海からの来訪者たちは、徐々にその数を減らしてゆく。
しかし、向こうも怯んだ様子はない。恐怖を感じる機能が元より
備わっていないのか。

――これは何だ?
彼自身、何か無機質な――まるでアクションゲームの敵を撃破している時
のような感覚を味わっている。今までの滅してきた妖魔と比べても、異質過ぎた。

やがて全ての魚影が消える。
最初から存在しなかったかのような、そんな静かな消滅。

「――こちらは終了か」

周囲の気配を感知してから、彼はそう断定した。

164北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 21:38:40 ID:lx/ceBNG
無心に敵を切り裂く。
別に恨みも無ければ同情も無いわけだが・・・。

暫くすれば、こちらも先輩の方もカタがついた様子だ。

「ふぅー、終わりましたね。報告して解散で良いっすか?」

肩に得物を担いで質問する。
今思えば御影先輩の方が重藤先輩より親切じゃね?
などとも思うが・・・、まぁ、あっちは奢ってくれるし許してやるか。
165御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 21:47:15 ID:LpsjuEZ1
「少し待ってろ、他の奴に連絡を取る」

『後輩』に背を向けて携帯で通信。
相手は待っていたかのように、すぐに出た。

「薫か、そちらも片付いたか――ああ、妙な感じだったな。どうにも
 異質過ぎるというか――あー、そうか、わかった、学校に集合だな。
 じゃあまた後で」

通信終了。
戦いが終われば、あとは眠るだけ。
力を蓄え、明日に備える為。
牙を研いで、次の戦いに備える為。

しかし。

どうにも胸のしこりが取れない、そんな感覚。
この戦いは、もっと大きな災禍の前触れなのではないか?
――杞憂だといいがな。

「こっちは終わったが――折角だから少し話すか。
 これから一緒に戦っていくわけだしな」

いつもの彼らしくない発言。当然だ。
何故ならこれは、在りし日の『先輩』が言っていた台詞なのだから。

「」
166北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 21:53:55 ID:lx/ceBNG
事務的な連絡は先輩がやってくれるらしい。
さすが先輩と言ったところだろうか?

電話口では日ノ本先輩と話している様子。
どちらかと言うとサムライ先輩の方が話し易いんだけどなぁ・・・。

って、通話終了すると少し話すかだって??
まぁ、これも仕事のうちか・・・。

「ん、別に構わねぇけど・・・。たしかに妙な感じあったしな。」

今までの相手よりも楽すぎる。と、言うか無機質な感じがした。
魚類だったからか?

「あ、なんか飲むなら買ってきますけど?」

自動販売機を指差して問う。
仕事の後は何か買うのが日課になっているからだ。
167御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 22:03:03 ID:LpsjuEZ1
「後輩をパシらせるつもりはないがよ」

平坦な声で言って、彼は自販機の前に立つ。
100円硬貨一枚と10円硬貨を二枚投入。
お汁粉ドリンク(冷)を購入。

「重藤から聞いたが、お前、護影斬士を目指してるらしいな」

護影斬士。
天洸院のもうひとつの実戦部隊。
貴人護衛の任務を主とする、本院の守護者たち。
斬鬼衆が鬼切りの刃なら、彼らは主君の矛であり盾である。
堀の外で敵を切る斬鬼衆と、堀の内側に入ろうとする敵を切る護影斬士。

「余計なお世話だが、お前、本当にそれでいいと思うのか?
 お前は、誰のために戦いたい?何のために戦いたい?」

刃を振るうべき理由ではなく、刃を振るいたい理由について問う。
それは似て非なるものだからだ。
168姫之木 千鶴 ◆HimeKJMinA :2006/06/25(日) 22:06:19 ID:b/IiyyQ1
掲示板管理者へ連絡、の欄は携帯からは見つけられないのです。

どうしましょう?
169姫之木 千鶴 ◆HimeKJMinA :2006/06/25(日) 22:07:21 ID:b/IiyyQ1
【ロール中でしたね、失礼しました】
170北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 22:12:55 ID:lx/ceBNG
「気にしないでいいのに、立ってる者は親でも使えだ。」

しっかし、微妙な物買うなぁ・・・。
そんな俺は普通にコーヒー・・・。

「んぐっ、んぐっ・・・、プハァー。
あぁ、そうっすよ。なんだ・・・、重藤先輩おしゃべりだな・・・。」

別に話されて困る事でもないが少々ムカつく。

「別に余計なお世話でもないけどさ・・・、それで良いと思ってるぜ。
誰のため、何のためか・・・。」

結構難しい質問だ。答えるのがではなくて、理解してもらえるか・・・。

「んー、ちぃと卑怯だけど先輩はどうして?」

スクーターのダッシュボードを開き簡易テーブルにすると缶コーヒーを置く。
同時に胡桃を取り出すと割って食べはじめる。
先輩にも二つほど放り投げる。
171御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 22:20:09 ID:LpsjuEZ1
昔と呼べる程昔ではない遠い日。
初めて実戦と呼べる実戦を経験したその日。
『先輩』は彼にそう問いかけたのだ。
彼はその質問に答えられなかった。
質問の意図が理解できなかったわけではない。
質問の意図が理解できたからこそ、答えられなかったのだ。

放られた胡桃を受け取る。指に挟んで割る。

「俺の戦う理由か?色々あるが端的に
 言えば、私怨か。お前と同じ年頃の時は、そうだった」

少なくとも誰かの為ではなかった。
斬鬼に入った頃の自分は、私怨と憎悪と怒りを原動力としていた。
けれど。

「今は――大切だと思った者だけでも守りたいから戦ってる」

思い浮かぶ戦友たち。そして仮初めの彼女。
172北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 22:31:02 ID:lx/ceBNG
「そっかそっか・・・、斬鬼の人ってそう言う人多いよな。
俺も・・・、俺の兄ちゃんもこの町で命を落としてるんだ。
任務とは全然関係ないのに余計な事件に手を出して・・・。」

暫く俯いて話しをした後に顔を上げて笑顔で話す。

「でもな、別に復讐とか・・・、そう言うのじゃないんだ。
俺は兄ちゃんの意思とかそう言うの全部継ぎたい。
いや、継がなきゃいけないんだ。」

言うと胡桃を握り潰す。

「なんで?とか、思うかも知れないけどさ・・・。
それは俺にしか歩けない道だから歩くだけなんだよな。
質問の答えと違うかも知れないけど、そうなんだよなぁ・・・。」
173御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 22:41:47 ID:LpsjuEZ1
「意思を継ぐ、か」

それは困難なことだろう。
死者の意思は、もはやそれを知る者の内側にしか存在しないからだ。

「難儀なことだ、俺もお前も、あいつらも・・・・・」

ため息を一つ。

「後輩、ひとつだけ先輩らしいことをアドバイスをしてやろう」

それでも彼は言うべき言葉を紡ぐ。

「一度や二度勝つだけなら簡単だ。けどな、守るってのは
 恐ろしく難しいことだ。自分の敗北や死が、守りたい者の死に繋がるんだからな」

守れなかった無力感を知る者なら、誰もがこの意見に賛成するだろう。
この『新人』が果たしてそれを知っているのかどうか。
もし初めてそれを体験した時、それに潰されないような心を持てるのか。

「おまえのそれについても同様だ。いや、寧ろそっちの方が難しいかも知れないな。
 何故なら、その兄の意思はもはやお前の中にしか存在しないからだ」

そして、今は亡き『先輩』の意思も、自分の中にしか存在しない。

「亡き兄を心の支えにするのはいいが、少なくとも頼るのはよせ。
 自分の意思で立って、自分の意思で刃を振るえ。
 今のお前に言えるのは、この程度か」

夜空を見上げる。月と星が瞬いている。

「気を悪くしたなら許せ。少なくとも俺と組んでいる間に
 お前に死なれては、俺が支部長に殺されるからな」

多少の誇張を交えて、話を締めくくる。
174北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 22:54:00 ID:lx/ceBNG
「俺の意思かぁ・・・。」

少しだけ笑うと答える。

「先輩の言ってること、正しいと思うし分るぜ・・・うん。
でも俺は兄ちゃんの『予備』として生まれて、育てられたんだよ。
それ以外のことは誰も要求していないし、それが出来なければいらないんだ。」

ゴクッとコーヒーを飲み干して続ける。

「兄ちゃんの事は好きだった。でも、昔も今も俺はいつも比べられる。
だから頼りってよりは目標・・・、ちがうな・・・。
――ノルマだ俺が達成すべき退魔士としての能力のね。」

ドラグーンを取り出すと、刃と弾倉を外し先輩に見せる。

「兄ちゃんはこの状態で使ってたんだ。自分の霊力と気力で刃と弾を出していた。
一日でも早くそうならないといけないんだ・・・。
じゃないと俺は・・・、みんなに嫌われて捨てられるだけだからな。
俺の存在を認めさせる為に刃を振るう。俺の力を誇示する為に妖魔を討つ。
俺はみんなみたいに綺麗な心で退魔士やってないんだ。
情けないかも知れないけど、俺は他に生きる道も、喜びも知らない。
そして、知る必要もない・・・。」
175御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/06/25(日) 23:03:24 ID:LpsjuEZ1
自分は予備だと彼女は言う。
くだらない。それを言うなら、自分は失敗作だ。
それでも生きている。それでも戦っている。
製作者側の意図すら超えて。

「くだらないな。だからどうしたそんなもの。
 そんなものは軽く踏み倒して踏破しろ。簡単だ」

「誰が認めなくとも、必要としなくとも、お前は今生きてる。
 だから、最低限それだけは肯定しろ。そしてこれからも、
 生きていけると断言しろ。何度でも、何十回でもな」

お汁粉ドリンクを一気に飲み干して、缶を缶入れに。

「まだ仕事が残ってるから、学校に行く。
 お前は帰ってていいぞ。どうせまた会議で説明されるだろうし」

漆黒のドウカティに跨って、エンジン始動。

「最低一年は生き延びろ。力だけなら、それくらいで
 一人前になれる。また明日会おう」

返事を待たず、彼は走り出す。

――彼女もまた、退魔士としての宿命に・・・・・

くだらないと、内心の声を掻き消す。
生粋の退魔士である彼女と、生粋の退魔士である『後輩』。
そして『先輩』の言葉が頭のを駆け巡って――
やがて全ては夏の夜の中に消えてゆく。


【こちらはこれで〆ますね】
【なんかイマイチでした。すみませんorz・・・・】
【またいずれロールをお願いしますノシ】
176北条 唯 ◆07o2m/2lak :2006/06/25(日) 23:11:41 ID:lx/ceBNG
「うーん・・・。」

先輩の言うことは分る。
でも、分ると出来る似ていて違う。

「あ、うん。またな・・・。」

軽く手を振るとドゥカティ独特のエンジン音を響かせて走り去る。

「最低一年ね・・・、なら俺は天才だから半年かな。」

クスリと笑うと自分もエンジンをかける。

自分にしても先輩にしても退魔士と言う縛りからは
まだまだ開放される事は許されないようだ・・・。

【こちらもこれにて〆ます】
【いえいえ、初ロールですし掛け合いとか・・こちらこそスミマセンでした】
【またよろしくお願いします、お疲れ様でした〜ノシ】
177姫之木 千鶴 ◆HimeKJMinA :2006/06/25(日) 23:55:41 ID:b/IiyyQ1
もしかして…、メールは届いていないのでしょうか…。
178水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/06/26(月) 00:07:57 ID:g2gvMWsS
届いていないようですので、再度メアドを変えておきました。
そちらにお願いできますか?
179姫之木 千鶴 ◆HimeKJMinA :2006/06/26(月) 00:22:01 ID:rT3ZfS5H
サブアド…を作ったのですが、
上手く送れないみたいなんです…。

捨てアドですので、ここにお願いしてもよろしいですか?
[email protected]

希望キャップさ
「姫之木 千鶴」
「ヴィオレッタ」
「ロゼッタ」
で、お願いします。
すいません…。
180名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 00:50:37 ID:b8qrdXwj
現代退魔戦記自治・議論スレッドの>>160は佐々木。
文体、言い回しからしてそうに違いない。
181名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 09:07:46 ID:5lszaZ14
>>180
何故ここに書く?
あっちのことはあっちに書きなよ。
携帯であっちに書けないからって、
こっちに書いてムダに荒そうとしないで。
182名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 21:55:01 ID:3in5WWrs
つか、外様を無視して内輪でやるなら、向こうでやれ。
はっきり言って、うぜぇ
183名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 01:27:15 ID:KR554cxP
高々4つのレスでイキリ立つお前の脳内が未知数だ。
ここの流れを多少でも知っているやつなら皆分かってることだが
荒れる原因は名無しの無神経な発言だろうが。
お前らみんな揃って>>1が読めないのは仕様か?
お前がうぜぇだの何だのと感じるのは勝手にやればいいが、
思いついた事を書き込むだけなら小学生の頭脳でもできるしそれやったら2chが成立しない。
お前の発言が(ということは当然お前らに関わっている俺の発言もだが)
キャラハンと善良な名無しに与えるモチベーション低下効果を自覚して書き込んでるのか?
また、おそらく一番人口の多いROM名無しに与える不快感を想像できるか?

正直最近の名無しは迷惑になっていることを自覚できていない分昔の真空叩きみたいな
愉快犯より更にタチが悪いと思う。半年ROMれとはいわないが、
せめて書き込む前に5分だけ考えてから書いて欲しい。
184名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 18:31:17 ID:KR554cxP
そういうレスをした後は以下のようなものをつけておくと多少気休めになる。

以下、何事もなかったかのように再開↓

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
185朝山遠矢 ◆O4VYnO6kFI :2006/06/30(金) 02:30:26 ID:DVK0THWq
>>水上さん

避難所に書き込もうとしたら、ホスト規制で書き込めませんでした。
多忙が続いたせいでろくに見れずにいましたが、色々あったみたいですね……。
捨てアドですが、お願いします。
[email protected]
希望キャプ
「朝山 遠矢」
「勝間 美佐」
お手数かけますが、これでお願いします。
186朝山遠矢 ◆O4VYnO6kFI :2006/06/30(金) 02:32:34 ID:DVK0THWq
>>185
あ、あと言い忘れましたが、
こっちも避難所で管理人に連絡、がありませんでした。
187式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 00:22:05 ID:GkReiJtN
【1:00ごろまで待機します】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/6589/1147600241/75 プロフはこちらに】
188名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:50:11 ID:TlwxqJdt
名無しでも大丈夫ですか?
189式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 00:54:10 ID:GkReiJtN
>188
【勿論】

【パターンとしては妖魔に責められるか退魔師を責めるか】
【あるいは召喚した種族と戯れるか…になりますね】
【ただ一番最後のは前にしたので、できれば前二つのどちらかがいい、かも】
190名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:56:26 ID:TlwxqJdt
>189
【バトロールオンリーってのはダメですよね?】
191式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 01:02:29 ID:GkReiJtN
>190
【バトルのみ、ですか?】
【全然構いませんよ】
192名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:05:04 ID:TlwxqJdt
>191
【すみません】
【ありがとうございます】
193式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 01:08:33 ID:GkReiJtN
>192
【では、書き出しはお願いしても宜しいでしょうか?】
【こちらこそ、お願いしますね】
194名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:13:25 ID:TlwxqJdt
>193
【了解しました】
(夜の闇が支配する深夜の公園、人影はなくただ空しく時が流れる…)
………………
(ただ黙々と何やら古めかしい本を読む男が一人、ベンチに腰掛けている…)
(時刻は深夜2時、辺りは静寂に包まれていた)
195式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 01:25:33 ID:GkReiJtN
>194
「くす」

ぺたり、ぺたり。
舗装された煉瓦道を、素足で歩く人影。

「くすくすくす」

口元に、狂気を孕んだ笑み。
どこか着崩れたセーラー服のスカーフは血のように、炎のように紅く。

「くすくすくすくすくすくす」

変質者に襲われでもしたのか、と、通常の感性を持つものならば思うだろう。

──────誰が知ろう、この少女が、かつて何に陵辱されたのか、など。
肉体だけでなく、心だけでなく、魂までも狂わせた相手は誰なのか、など。

「くすくすくすくすくすくすくすくすくす」

知らなくていい。知るべきではない。
それは………とてもとてもおぞましく、とてもとても忌まわしい語りごとなのだから。
196名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:35:08 ID:TlwxqJdt
>195
「おや、こんな時間に散歩とは……」
男が本を閉じ立ち上がる
街灯のうっすらとした光りが男を照らしその姿が確認できるようになる
ボロボロのコート、漆黒の髪、銀の眼鏡…
そして古い言葉で書かれている本…
「中々良いご趣味で……」
男が再び本を開く…
197式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 01:45:06 ID:GkReiJtN
>196
「………あら……?」

虚ろな目が、男を捉える。
警戒心など、まるで無い………道端に落ちていた、ちょっと変わった形の
石ころをみつけた、程度の視線。

「………………」

手首にかけた、小さな瓶の鎖がちゃり…と鳴った。
男に対するリアクションは、それだけだった。
198名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:52:54 ID:TlwxqJdt
>197
「人は闇を恐れる…光りを手に入れどんな闇夜にでも明かりを燈す事ができても闇は人が感じる最もポピュラーな恐怖の対象だ……」
電球の寿命なのか突如街灯の明かりが消える
しかし雲が晴れ月光が辺りを照らし出す…
「そうは思いませんか?お嬢さん?」
199式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 02:01:39 ID:GkReiJtN
>198
「…………………はい?」
 
不思議そうに、小首を傾げる。
やっと今、目の前のものが人であることに気がついた…とでも言うように。
街灯が消え、月光のみが辺りを照らすだけにになってもそれは変わらない。
 
「………ああ…申し訳……ありませんでした…。
闇…ですか………?
…はあ………」
 
ゆるゆると、周囲を見回して、呟く。

「闇………これが…闇………ですか?」
200名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:12:32 ID:TlwxqJdt
>199
「残念ながら闇は消えてしまいました…いくら恐怖の対象でも脆くはかない……」
月明かりの中、再びベンチに腰掛ける
「完璧な物…滅ぼされる事なく、消える事なく、忘れ去られる事なくそして美を兼ね備える物……」
「残念ながら闇はそんな完璧な物ではない…少量でも真逆の性質である光りがあればはかなく消える……」
まるで全てを知るような男の言葉
「貴女を犯した存在も完璧な物ではない…限りなく近いですがね……」
201式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 02:28:48 ID:GkReiJtN
>200
「……はぁ………」

微かに、眉をひそめる。

「……………それで………?
何の…御用でしょう……?」

激昂するでもなく、聞きとがめるでもなく。
そんなことはどうでもいい、と言いたげに、首を傾けた。

完全も、闇も、不滅も。
そんなものは…………そんなものは、『あれ』を構成する
1パーツに過ぎず、また本質でもない。

そう、そんなものは……恐ろしくも、何とも、無い。
202名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:37:58 ID:TlwxqJdt
>201
「私は見たいんですよ…そして知りたいんですよ……」
雲が再び月を隠し辺りは闇に覆われる
「完全なる存在を理解したいんです…なるのではなくただ触れてみたい、調べてみたい……」
ふらりとベンチから立ち上がり謎の少女に近づく
「そのためなら貴女のように完全に近い物の遺伝子を与えられた者…いや、凌辱された者と言ったほうがいいでしょうか?」
「そうゆう方を調べればより完全なる者へ近づく事ができると思いましてね……」

【時間大丈夫ですか?】
203式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 02:46:37 ID:GkReiJtN
>202
「はあ………そう…ですか………」

ビスクドールの無表情さ……否、感情の平坦さがもたらす
非人間的なまでの表情の乏しさを持つその顔が。

「………………くす」

哂った。
きゅう、と口元が孤月を描き、呼気が漏れる。

「くすくす……くすくすくすくす………。
無駄…ですよ……ああ……何も……知らないのですね…。
所詮は……有機物の塊に…エゴを囚われただけの存在………。

…本当に……何も知らずに…………くすくすくす」

【5時くらいまで大丈夫ですよ】

204名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:55:07 ID:tQLnvbOs
【すみません、PCの調子が悪くて今携帯からやってるんですが携帯だと遅くなるんでこのまま破棄してください】
【本当にすみませんでした・・・・・orz】
205式部奈津希 ◆dN8zoR6nLE :2006/07/08(土) 02:59:00 ID:GkReiJtN
>204
【残念です】
【ありがとうございました…また、機会が合ったらお願いします】
206一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/07/08(土) 23:17:35 ID:xkAsDeKk
【お久しぶりです。待機しますね、と】
207一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/07/08(土) 23:25:05 ID:xkAsDeKk
【名前】 一色 小夜
【正式名称】捕獲体21番
【年齢】 17歳 
【性別】 女性
【サイド】退魔側
【組織】墓無 (水ヶ瀬高校)
【サイズ】 51kg B 82/W 57/H 83 164cm
【容姿】
 青色のロングストレートにヘアバンド。赤眼。
 平時は校服、よく学生鞄を提げている。
【得意】 陵辱。狩り。
【能力】 毒。 蜘蛛の身体能力。
【武器】 掌より蜘蛛糸(粘性のトラップ、鋭利な刃として機能)
【NG】 スカ。グロ。
【弱点】 炎・冷気。

【備考】
 女郎蜘蛛の半妖。 17年間、墓無の施設で過ごしてきたが
 増大する妖魔の殲滅任務により社会参加を果たす。
 色濃い妖魔の血のせいか人間的なモラルが多少欠如しており
 基本的に素っ気無くクールな性格。
 反面、言動が半妖独特にハイセンスで、さり気なくに他者を気遣う。

【プロフを待機している間に】
【すっきりさせておきます】
208名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:52:06 ID:8otPwuJZ
一応、向うのプロフスレにも貼っておいた方がよいと思われ〜
209一色 小夜 ◆R9FnLO07Vg :2006/07/08(土) 23:53:18 ID:xkAsDeKk
【落ちますノシ】
210ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 20:08:13 ID:vm89WqTH
【名前】ハナ
【年齢】外見年齢は16歳位
【性別】女
【サイド】中立
【組織】無所属
【サイズ】身長155cm程度
【容姿】肩までの砂色のはねっ毛に、瞳は漆黒。パフスリーブのワンピース。
【能力】精神干渉、特に読心、錯視、相手の感覚情報を「騙す」術。
    制限のため、人間を物理的に攻撃することができない。
【武器】『尾』を変化させた鬼火(最大三つ)。
    威力は蛍火程度から上限不定だが、人間には物理効果を与えられない。
【得意】行為の際、相手が欲望を抱く相手の姿を借りることもできる。
    妖力を得るために、非敵対的な人や妖と交わることがある。
【NG】 死亡、過度に猟奇的なもの(中身が出るのは×)
【弱点】腕っ節は外見並み。真名と犬笛。

【備考】野良の犬神。術者を破滅に追い込み、退魔組織から殲滅指定される。
    行動原理がいくらか獣っぽいが、振る舞いは勝気で奔放な少女のそれ。
    大絶讃逃亡生活中。

【しばらく待機しています】
211通りがかり:2006/07/09(日) 20:32:51 ID:sj4DoCdG
>>210
まだいらっしゃるかな?
お相手が欲しかったら、待機したらageるスレに書き込むと
ご利益があるかもよ?
212ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 20:42:19 ID:vm89WqTH
>>211
【居ります】
【ありがとうございます。行ってみますね】
213重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 20:47:46 ID:C1B12iUQ
【今晩は、初めまして。そちらが宜しければ、お相手願いますが】
214ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 20:54:00 ID:vm89WqTH
>>213
【はじめまして。こんばんは】
【お誘い有難うございます】

【……早速でロールの方向性ですが。どうしましょうか?】
【退魔側の方とですと、最初は敵対ということになりますか?】
【そちらから提案いただけると助かります】
215重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 21:02:29 ID:C1B12iUQ
【どうでしょうか?人間を意図的に殺した経歴が無い限り、柚紀は妖魔を狩るタイプではないので】
【そちらが一目をはばかり隠れ住まいに生きている妖魔なら、こちらが訪ねる形に】
【逃走はしているけれど、普通に街中を歩いているようならば、偶然の遭遇という事で】
【所で、プロフスレを拝見させて頂いたのですが。姿は不可視、なのでしょうか】
216ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 21:07:06 ID:vm89WqTH
【経歴的に言うと、意図的に殺したことはあるんですよね……微妙な所です】
【ブラックリスト入りしてはいるという設定なので、それ以上の判断はそちらにお任せします】
【行動パターンに関しては、どちらかというと、後者です】
【姿に関しては、目視可能、接触も可能ということで】
217重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 21:12:09 ID:C1B12iUQ
【正当防衛や、やむを得ない事情ならば見逃す事はあれど、意図的となると刃を向けますね】
【一応は会話を試みますが。では休日での遭遇という事でよろしいでしょうか?】
【可視について、了解しました】
218ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 21:27:53 ID:vm89WqTH
【了解です。適当に人気のない場所に動かすなり、そのまま呼び止めるなりで、お願いします】

休日の繁華街。
足早に流れる人波を、たゆたうように歩む姿がある。
アーケードから吐き出される人々の間をするりと通り抜け、
初夏にしては強すぎる日差しも意に介さぬかのように、―――しかし、当てというものもなく。

いささか形の古い、ふんわりとしたワンピースを纏ったそのシルエットは、少女とも見える。
しかし、肩まで伸びた髪を揺らして歩く姿は、力の無いものが見ても、
夏休み前の休日に着飾った娘達と「同じもの」とは映らない。
人込みにあって、どこか異質だった。
219重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 21:40:19 ID:C1B12iUQ
人、人、人。見渡す限りを埋め尽くす人の群れ。
降り注ぐ日差しに加え、この視界的な暑さを誘う光景に、ややうんざりとした声を上げる。

「な〜、なんでこんなに人が多いん?」
『俺達みたいな暇人が、退屈と言う恐怖の時間から全力で逃げ出す為だ』

隣の悪友が意味不明な事をのたもう間にも、頬を一筋の汗が伝って降りてくる。
頭に翳したヘアピンも熱を持っているかのようだ。
そもそも何故男二人で映画館など行かねばならないのか。
もう少し考えてから返事をすれば良かったと後悔しながら、行き交う人を見回して――――ふと視線が止まる。
人の中であって、何故か人ならざる雰囲気。あの砂色の髪の少女は――――

「悪い、ちょっと先行ってて。知り合い見つけた」
『仕方ないな。早く来いよ』

適当な言い訳を友人に渡しながら、その対象にそっと近づく。
服の下に隠した投げナイフを数えながら、一歩、また一歩と距離を詰めていった。



【はい。宜しくお願いします】
220ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 22:04:02 ID:vm89WqTH
【宜しくお願いします】
【進行速度が心配……遅い節は適当にペースアップしてやって下さい】
【ご迷惑お掛けします】

鋭敏な妖の感覚は、自らに向けられた追跡者の意識を捉えていた。
漆黒の瞳が細められ、たゆたう速度はそのままに、その姿は揺らいだ。
人込みに溶け入るかのように。そのまま数刻。
「……撒けない」
振り向かないままに、小声の呟き。判断はすぐに下された。
追跡者を撹乱するものだったその足取りは、相手を露骨にいざなうものへと変わる。
行き着いた先は、人波から外れた、留まる者の1人もない。打ち捨てられた建造物だった。
ローファーの踵がステップを踏んで、その姿がシャッターの向こうへ消える。

打ちっ放しのコンクリートによって表通りから隠蔽された、やや広い空間。
険しい色をその表情に浮かべて、待ち人が訪れるのを待つ。
221重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 22:16:46 ID:C1B12iUQ
気づかれたか。相手の足取りが突然として変わる。
もし自棄になり一般人を巻き込もうとするなら、即、この場で隠密に殺さねばならない。
だが、それは予想に反して人ゴミから離れるように、そして軽やかに歩んでいった。

「…話が分かるねぇ」

相手とて、出来うる限り大事にはしたくないのだろう。
自分を殺すにせよ、無駄に騒ぎ立てて特はない。
相手の向かった先は――――やや古びた廃屋。
広さも十分。念のため周囲を警戒しながらナイフを取り出し、
その中にそっと足を踏み入れた。

「よっ、初めまして。あんたさぁ、どうして俺が追ってきたか、分かる?」

眼前の少女を探るような口調で問いただす。
年の頃は近いようだ。見た目通りの年齢ならば、だが。





【いえ、お気になさらず。自分のペースを大事にして下さい】
222ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 22:34:51 ID:vm89WqTH
「知らない」
素っ気無い声。
不遜とも取れる態度で、踏み込んできた柚紀に目線を向ける。
ようやく確かめられたその姿を観察する。

彼女にとって与えられた情報は主立って三つ。
「姿を認めただけで追いかけてくる手合いなんてそうはいないから、あらかたの想像はつくけれど」
最も受容なのは、このことだった。
一つ、彼女が人ならざるものであることを離れた距離から見切ったこと。
二つ、人込みに妖気を紛れさせて逃れようとしたのを、正確にトレースしてきた相手であること。
誤魔化して逃げ切れる相手ではない、と判断している。だとすれば、確かめるべきことは。

自らを示して、問いかけた。
「こちらが何者か、あなたは知っているの?」
223重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 22:47:10 ID:C1B12iUQ
――――知らない、か。
己した事を悪事として捉えていないのか。
はたまた成した事を完全に忘れたか、操られていたか。

「重藤柚紀。斬鬼衆の一人だ。主に、人間に敵対する妖魔を殺してる」

簡潔に自己紹介をしながら、相手の目をじっと見る。
汚れが無い。ご丁寧にこちらと一対一で話す場を用意したり、
先程の発言などから、彼女がまさかあんな事を――――人殺しをしたなどとは考えたくもない。

「式の身でありながら、主人に危害を加え、逃走。
はぐれ妖魔として生きてる、って辺りまで」

はぁ、と微かにため息を吐きながら、頭に手を当てる。

「なぁ。あんたさ、どうして殺した?」
224ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 23:17:49 ID:vm89WqTH
己の『経歴』を読み上げる彼に、あら、と小さく呟いて溜息ひとつ。
少女の纏う空気が一変した。掲げた右の掌に、蒼い炎の幻影が浮かぶ。
「そこまで知っているのだったら、話し合いの余地はないかもね?」
口元だけで、にっこりと笑う。妖魔の少女にとっては、挑発もまた戦略のうちだった。
この場を逃れることこそが真意であると相手に知れなければ、それこそが相手の盲点。
逃げ延びられる確率は格段に上がる。そして、―――

蒼い色は、すぐに輝きを失った。
柚紀が続けた言葉に。

笑みを止めると、目の色に疑問を浮かべて、意外そうに首を傾げる。
虚をつかれた表情は、そのあとすぐに苛だちの気配を帯びた。
しばしの沈黙。
それから、呟く。
「そんなこと、聞いてどうするの?弁明なんてない」

「人を害する妖を、排する人があるのは道理」
吐き捨てるように続けた。
「貴方は貴方の仕事をするべきだわ」
225重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/09(日) 23:32:55 ID:C1B12iUQ
浮かび上がる青白い炎。肌を差す熱気。
いとも簡単に人間を消し炭に出来そうなそれを、悲しそうな瞳で見つめる。

無数の投げナイフを手に持ちながら、姿勢を低く保つ。
攻撃と同時に回避。その隙に矢を放つ。そういう算段だったのだが――――
突如としてその炎が消え去った。
いや、彼女が消したのだろう。何故? それは分からない。
彼女はこちらを不思議そうに見回した後、子供の様に表情を変えながら、
ややあってようやく言葉を紡いだ。

『そんなこと、聞いてどうするの?』

――――愚問だ。

「妖魔が人を殺す事もある。何故なら、俺達だってあんた達を殺してんだから。
何かを殺した物が、何かに命を奪われるのは当然の事だろ?」

「けれど、どんな理由があれ殺しは殺しだ。ただ、情状酌量ってのが人間の世界にはあってな。
あんたが殺しに至った次第によっちゃ―――あんたを殺さずに済むかもしれない」
226ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/09(日) 23:56:49 ID:vm89WqTH
「―――ジョジョウ……あぁ」
耳に挟んだ言葉の意味を、ややあって逡巡。
「物分りが良いのね?」
そう云って、目を細める。口元にも、目元にも笑みはない。
「だけれど、そういった考えは身を滅ぼすわ。この世界なれば」
掌を開いて、鬼火を呼び出す。
戦う、のではない。
人間を相手取れば、それは逃げ出すためだけの道具にしかならない。
彼女は、そのように「縛られて」いる。

【キリのいい辺りで打診させて下さい】
【展開次第では引っ張ってエロに持ち込めるんですが、時間がありますよね】
【ここでアレであれば、撤退させます。どうしましょうか?】
【段取りが悪く、申し訳ないです】
227重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/10(月) 00:11:06 ID:Dt7wVfn9
身を滅ぼす。彼女はそう言った。
――――何を今更。そんな事は、とうに分かりきっている。

「そうだな。俺は何時か、この甘さのせいで死ぬかもしんねー。
けど、後悔しねーよ。この甘さが、少しでも人や妖魔を救える甘さならな」

とうの昔に決めた事。母親は死に、父親は全てを奪われ、何もなかった。
誰のせいだ? 人でも妖魔のせいでもない。そいつらが起こした戦のせいだ。
――――だったら俺は。

「俺は、死ぬまで矢として駆けずり回って、戦なんつー下らねぇ『的』を貫く。
無謀だろうが、無茶だろうが、進んでやる。矢に戻る道はねーからな」

再度鬼火を取り出す彼女。本当に話し合いなど、出来ないのか。

「一人でも多くの者を救う為なら、あんたを殺す。
問う。あんたはこれから、人間を望んで殺すか?」

これは最後の質問。頷けば、もう放たれた矢は止まらない。
――――貫くか、力尽きるか、だ。



【そちらの意向に合わせます。続けたいのでしたら、続行させて頂きますが】
【その場合は一時頃で、残りは凍結となります】
【このまま終了させたいのであれば、逃走して頂くなり、柚紀の問いに否定するなり】
【お好きな方をお選び下さい】
228ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/10(月) 00:39:54 ID:p2F+kCbv
釈然としない苛立ちに、胸元に当てた片の手の指先に力が込められた。
『後悔しない』
同じ言葉を口にして、命を奪われた者を彼女は知っている。
自分はかつて、望んで殺めたのか?
(望んで殺めたのは一度きり。望まずに殺めたことは数知れず)
(前には人を。後には妖を、そして人を)
眼前の人間の問いに、否、と答えてもよかったのだ。
しかし、少女は答えなかった。

漆黒の瞳が冷たい光を帯び、呼応するように鬼火が、勢いを増す。
熱量なき炎が。

―――見ヨ、三寸先ニ動カザル影、汝ガ的ト狙ウ物

しかし、行使されたのは炎だけではない。
それは媒介に過ぎない。それはいわば囮。
相手の意識の空白を呼び起こすためのものだ。

―――サレド、現ツノ姿ハ其処ニ無シ

コンマ数秒と待たず、残滓すら残さずに炎が消える。
無音。炎の爆ぜる音すらも、残響を残さずに消え去る。
まるではじめからなかったように。

そして、少女の姿は、そこにはなかった。

【でしたら、切りの良いところで終了にさせて下さい】
【またの機会がありましたらということで】
【こちらは次で締めます】】
229ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/10(月) 00:43:41 ID:p2F+kCbv
【強引に解釈できなくもない部分で訂正なんですが、尺と寸を間違えました……】
【遠距離戦じゃなかったのかと】
230重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/10(月) 00:56:02 ID:Dt7wVfn9
彼女は動かない。そして答えない。
ただじっと、黙ってこちらを見返すだけだ。
何を考えているかは、読み取れない。
その口が否定する事を望みながら、時を待つ。

――――刹那、彼女の瞳が奇妙な光を帯びた。
瞳術、と判断する間もない。そこから既に、目を離せなくなっている自分がいた。
勢いを増す炎。譫言の様に話しかけてくる誰か。頭は夢うつつ。
そして消え去る炎――――同時に、鬼火を含めた彼女の痕跡が、全て消えていた。

化かされた、と思った時には遅すぎる。
周囲に気を張るも、彼女の気配は既に無かった。

「…………畜生」

あの時、彼女は何と答えるつもりだったのだろうか。
彼女はこの先人を殺すのか。だとしても、それを止められない自分。なんと弱い。

携帯に届いていた無数の着信を見て、ようやく友人の事を思い出す。
溜め息をつきながら、廃屋からまた熱を帯びたコンクリートに足を運び、たった一度振り返った。

「次は逃がさねぇよ。俺の問いに答えるまで、な」

どうやら今日の映画は、あまり楽しく見れそうにない。



【了解しました。ではこちらはこれで〆で】
【お付き合いありがとうございました。お疲れ様です。先に失礼しますノシ】
231重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/07/10(月) 00:58:37 ID:Dt7wVfn9
>>229
【いえ、俺も気づいていませんでした】
【気にしないで下さい。では】
232ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/10(月) 01:05:52 ID:p2F+kCbv
会話を続けたくなかった、それだけだった。
所詮は理想論だというのに、ああも真顔で語る人間を再び目の前にしようとは思わなかった。
似たような言葉を彼女に語り、やがて命を奪われた者を、彼女は知っている。

「だからってサービスしすぎなの、もうっ」
廃屋の屋上、低いフェンスに腰掛けて、少女はぶつくさと呟く。
「ハナの力には限りがあるのに……うう、フラフラする」
額を押さえて嘆息。
思い出したくないことというのは、妖の者といえど思い出したくはないのだ。
陰鬱な口調とは裏腹に、足元は気楽げに揺れている。
彼女の複雑な心境を表現するかのように。

眼下に、建物から歩み出す赤茶けた髪の青年の姿がある。
少女は、その姿が流れる人の群に飲み込まれる様を眺めていた――

【では、こちらも〆ます。ありがとうございました。】
【拙いロールにお付き合いいただいてありがとうございました】
233ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/11(火) 20:32:44 ID:fIx9vfP7
公園の噴水前。
ベンチに腰掛け、人待ち顔で脚を揺らす。

そう、待っているのだ。
彼女の見せる『偽り』。
それを求める者を。

【待機です プロフは>>210に】
234ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/11(火) 22:34:14 ID:fIx9vfP7
【待機解除します】
235日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 00:36:11 ID:kjid2OLl
【こういうのでもいいかなと思いつつ、お願いします】

【名前】 日向 葉子
【年齢】 17 (実年齢21)
【性別】 女
【サイド】 退魔側
【組織】 無所属
【サイズ】 身長173cm B/86 W/59 H/87
【容姿】 つり目から多少きつい印象を伺わせる女学生で
     長めの黒髪は軽くウェーブがかかっている。
     四季を無視し、冬物のセーラー服を着用。
【得意】 乱交、協力者・保護対象との和姦、レズ。陵辱。
【能力】 人外の怪力・治癒能力。
【武器】 太刀『鬼刀』
     持ち手が戦意を昂らせる事で、刀身に炎を纏わせる事が可能。
【NG】  過度のグロ、スカトロ。
【弱点】 冷気系
【備考】 事故で受けた鬼の呪いを解く手掛かりを求め、妖狩の旅を続けている女性。
     立ち寄った街の妖魔事件を(時には他者ごと)巻き込まれる形で解決するため
     他者と協力・保護関係を築く事が多い。
     
     呪いにより、人外の能力を宿した身体は流れる時から隔絶され
     時折、耐え難い性的な昂りを覚えるようになっている。
236日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 00:48:20 ID:kjid2OLl
【マターリ、待機中です】
【あまりの長文は苦手なので、なるべく短めでお願いします。】
237名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 01:02:43 ID:RQ/DLPgt
この時間からだと難しいかもしれんね。
自分は寝てしまうけどお相手が現れることを祈ってますよノシ
238日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 01:04:41 ID:kjid2OLl
【はい、そもそも時間的に無理があると私も(ry】
【ありがとうございますノシ】
239日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 01:15:07 ID:kjid2OLl
【そろそろ落ちますノシ】
240名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 09:28:31 ID:+qtS76jA
>>235
悪くないと思うけど専用板のプロフスレに書いた方が良いよ。
治癒能力も他者に有効か自己再生なのか?
なんで事故で鬼の力を?
など、分かってないとロールやりにくいかも知れないからね。
では細かい話しはあちらで皆さんとノシ
241日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 22:11:48 ID:kjid2OLl
【続けてですけど、待機してみます】

>>240
【書いてみましたよーノシ】
242日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 22:16:27 ID:kjid2OLl
【妖魔】現代退魔戦記 第六章【退魔】にて待機しています。
約45分ほど。

希望は>>293の通りです。
(得意欄の協力者→名無しの退魔士。若しくは勘の良い一般人。
        保護者→勘の良い、若しくは狙われている一般人。
 等を考えております)
243日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 22:18:20 ID:kjid2OLl
【すれ違い+ageて、すいませんorz】
>>242は「待機したら〜スレッド」宛てです】
244名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 22:51:39 ID:9P/IjdKF
まだいらっしゃるなら、僭越ながらお相手に立候補してみようかと。
245日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 22:54:02 ID:kjid2OLl
【こんばんは〜お願いします】
【どういう風にしましょうか?】
246名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 22:56:47 ID:9P/IjdKF
こんばんはー。
妖魔はやれるという自信がないので名無し退魔士でもやろうかなと。
でも何か希望があるならそれに出来るだけ合わせますよー。
247日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 23:02:07 ID:kjid2OLl
うーん、しいていえば一般市民絡みもいいかなと思いますけど。
例としては>>242に書いてあるような霊感の強い者と〜、のくだりです。

どうでしょうか?
248名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:04:37 ID:9P/IjdKF
>>247
了解ですー。じゃあそれでいきましょう。
書き出しはお願いしてしまってもいいですか?
249名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:06:40 ID:9P/IjdKF
\\   一  万  年  と  二  千  年  前  か  ら  愛  し  て  る //
  \\  八 千 年 過 ぎ た 頃 か ら も っ と 恋 し く な っ た     //
   \\       一 億 と 二 千 年 後 も 愛 し て る         //
     \\ 君 を 知 っ た そ の 日 か ら 僕 の 地 獄 に 音 楽 は 絶 え な い//
       _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
     ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡
     (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡
    _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡
  (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.
   |   |     |   |     |   |     |   |    |   |     |   |     |   |
   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J

一々タイミング合わせる自分。
250名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:07:43 ID:9P/IjdKF
誤爆……ほんとすいませんorz
251日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 23:08:59 ID:kjid2OLl
>>248
わかりました。
少しお待ち下さいね。

>>249
えーっと……誤爆でしょうか(苦笑い)
252日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 23:23:41 ID:kjid2OLl
――お昼時の街の中心街にて。


昼夜問わず、派手に暴れている妖魔を見つけ出す事はともかく
雑踏の中に巧妙に溶け込んだのを、というのは
手馴れた退魔士であっても厄介なこと。

そこで並外れた霊感が必要となってくるのだが
それが必ずしも退魔士に備わっているとは限らず……。

「ちょっと人の流れを見てもらったけれど…。
 どう…何か『見えて』きた?」

暫く、黙って様子を伺った後
後ろから今回の協力者(一般人)の肩を軽く叩いてみる。


>>250
【いえいえ、にゃごみましたw】
253名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:32:15 ID:9P/IjdKF
>>252
雑踏を行く人の流れをただ眺めるというのは退屈である。
何回か手伝いはしたが、何度やっても退屈なものは退屈。
しかしそんな素振りは見せないよう気をつけている。
まじめにやれと怒られそうだからだ。

「……えーと。あの人、なんか変な感じするかな」

指差さずに目線だけである人を示した。
見つからないことのほうが多いのに、運が良いというべきか悪いというべきか。
それっぽい感じがする人間を見つけてしまったのだ。
見た目は何の変哲もない普通の若者なのだが。

「で、見つけたけどこの後どうすんの?」

【穴があったら入りたい…orzと、とにかくよろしくおねがいします】
254日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/12(水) 23:47:58 ID:kjid2OLl
「そうなると後は私の仕事になるわね」

目線の先にある人間に自分も目を凝らすと
聴覚と臭覚を研ぎ澄まし、妖魔の気配を確認する。
すると確かに違和感に似たようなものを感じ。

「ん、間違いないようね。本当なら今すぐにでも処理したいけど
 狙いは背後に控えている大物の妖魔だから…暫く放っておきましょうか。
 あの妖魔の匂いも覚えた事だし」

木陰とはいえ蒸しかえるような暑さには変わりなく
汗が噴出している様子を見て、ハンカチを差し出し。

「はい、今日のところはお疲れ様」


【宜しくお願いします】
【ところで女性でしょうか?男性でしょうか?】
255名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:56:02 ID:9P/IjdKF
>>254
「匂いって犬じゃないんだからさあ」

呆れたように笑いながらハンカチを受け取って汗を拭く。
今日はまた一段と暑い。
こういう日はクーラーつけて昼寝でもしていたいのだけど。

「出来れば今度はもう少し涼しい日にしてよ。デリケートだから日射病で死ぬ」

おどけた口調でいうと肩をすくめた。

「ところでなんかお礼はなし?俺頑張ったよ?この暑いのに」

思いついたように口を出してみる。
これで何か良い物をもらえるとも思っていないけどなんとなく。

【あ、すいません。じゃあ男性でお願いします】
256日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 00:09:29 ID:pck7bURA
>>255
「良い事ねぇ……そうね。
 とりあえず何処か涼しいところに移動してから、にしましょう。
 ここじゃ暑くて死にそうなんでしょ?」

汗を拭う彼とは対照的に涼しげな笑みさえ浮かべて切り返す。
もっとも黒色のセーラー服を着ている所為で、太陽の熱を存分に吸い続けたぶん
袖の裏地は彼と同じく汗ばんでいるが。

「私のいるアパートにでも行きましょうか。
 ここから近いし、安いけどクーラーぐらいは付いてるわよ?」

ハンカチを返して貰うと、彼に立つように促し歩き始める。
257名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 00:16:51 ID:jgAIBOvH
>>256
「はい?」

私のアパート。良いこと。
これはあれか。あれであれがそうなって、でいいのか。
いや早まるな。下手したら殺されてしまう。
それにしても何でこの暑いのに黒い服着て、しかもこんな平気そうな顔できるんだろう。

「麦茶の一杯位は出るよな?」

よっこらせとでも言いそうな動作で立ち上がってついていく。
少なくともクーラー付きならきっと涼しいし。
でもちょっと期待してしまうのは仕方がないことだと思う。
258日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 00:29:51 ID:pck7bURA
>>257
「もちらん、出るわよ?こう見えても私は義理堅いし」

いくつかの冗談っぽいやりとりを続けながら
陽炎すら浮かばせる殺人的な太陽の下を進んでいった。

そうしている内に目的の場所へと到着すると
二人の前には見るからに古びたアパートが広がる。
足を乗せるたびに歪んだ音を鳴らす階段を上っていき。

「少し古いところだけど住めば都ってね。
 …それじゃあ、どうぞ。」

自分の部屋の前に来ると、にこりと振り返り
曲がったドアノブを強引に回して開けた。
259名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 00:37:10 ID:jgAIBOvH
>>258
第一印象。ボロい。
歩くたびに音がして床が抜けるんじゃないかと不安になる。
口に出したら怒られそうだったのでいわないが。

「その気持ちはわかるなー。自分が住む場所には愛着湧くわ、やっぱ。
 それじゃお邪魔しまーす」

振り返ったときの笑顔に一瞬目を奪われたがすぐ立ち直り、アパートの中へと入る。
…暑い。クーラー付けっぱなしで出かけたわけじゃないのだろうから当然だろうけど。

「あ゛−…暑い」

耐え切れずについ口からこぼれてしまった。
260日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 00:50:39 ID:pck7bURA
>>259
通された部屋は、生活に最低限の物しか見当たらなかった。
食器の見当たらない台所、無防備に開かれているリビングの窓が
人が住んでいるという生活観が希薄にする。

「はいはい。今、クーラーつけるからソファにでも凭れてなさい」

項垂れる彼を尻目に、窓を閉めるとリモコンを取ってスイッチをいれた。
動作音と共に徐々に部屋の中の温度が下がっていき。

「どう?これで少しはマシになった?」

台所の冷蔵庫を開けつつ、顔を上げ。
261名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 00:56:18 ID:jgAIBOvH
>>260
お言葉に甘えることにした。しかしソファまで熱くなっている。
そこまで贅沢言うのも悪いし言わないけど。
だんだんと空気が冷たくなっていくのが気持ちいい。

「死んでたけど生き返りました」

ソファでぐったりしながら声を返す。

「にしてもさ、なんか無味乾燥としてない?必要なものしかないですよって感じ」

ふと気になったことをいってみる。趣味とかないんだろうか。

【ところで時間は大丈夫ですか?】
262日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 01:09:51 ID:pck7bURA
>>261
「それは良かったわ。新しい死体が増えなくて…
 もし死体なんて運んできたら大家さんに殺されるわよ」

冷蔵庫から麦茶が入ったペットボトルを取り出すと
ぐったりとした彼へと持って行き。

「うーん、私は一箇所に留まっていないのよね。
 理由があって街から街へ移っているから、豪華絢爛に飾っても仕方がないの。
 まぁ…言い換えれば、私の生活能力が欠如しているのを表しているのだけれど」

片手をひらひらとさせながら彼の横に腰掛ける。
ソファが僅かに軋む音を聞きながら、ペットボトルを膝上に置いて。


【ちょっと辛いですねorz】
【一旦、中断しても構いませんか?】
263名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 01:17:37 ID:jgAIBOvH
>>262
「ノリいいね。ちと意外だった」

体をソファに埋めたまま少し笑う。
麦茶の入ったペットボトルの冷たさが気持ちいい。
額につけて頭を冷やしたい衝動に駆られてしまった。

「豪華絢爛とまでいわなくても、もう少しくらい私物あってもいいんじゃない?
 せめて食器とか。料理できない?」

いいながらペットボトルの蓋を開けて呷る。
喉を滑り落ちる冷たい麦茶は本当に美味い。

【大丈夫ですよー】
【再開については向こうの伝言にでも書いておいて下されば見ておきますんで】
264日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 01:30:40 ID:pck7bURA
>>263
向けられた微笑に合わせて表情を緩める。
彼が喉を潤している間、座ったまま軽く腕を伸ばして
妖魔との事で酷使する身体と神経を解す。
ふと耳に入った話題に顔をしかめ。

「嫌な事聞かないの。
 それ以上詮索すると鼠も逃げるような凄い料理が待ってるわよ」

ペットボトルを横から取り上げ、彼をソファへと押し倒す。
馬乗りになった体勢と棘のある言葉遣いで有無言わせないモノを含ませた。

「ところで…貴方、まだ喉は渇いてる?」


【ありがとうございますー】
【それでは中断を考えつつも、もう少し】
265名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 01:41:51 ID:jgAIBOvH
>>264
「それはさすがに遠慮したいなー。既に毒物じゃん」

そこまで不味い料理なら怖いもの見たさもあるけれど。
でもちょっと食べてみたかったりもする。
そんなことを考えていた矢先だった。

有無を言わせず押し倒される。
言葉遣いまで少し怖い。

「えと、まあ少しは。何で?」

ビンゴ、と聞こえないように口の中で小さくつぶやいた。
本当にこんな展開になってしまうとは。

「口移ししてくれんの?だったら嬉しいけど」

【無理だけはしないでくださいねー】
266日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 01:53:05 ID:pck7bURA
>>265
「あら、貴方って眼が良いだけじゃなくて勘も鋭いのね」

喉の渇きが癒されて、滑らかになった唇を指で撫でながら
普段は鋭いつり目が少し穏やかにして。

「……当たり」

そう言うと、紅いスカーフを解きながらペットボトルに口をつける。
熱で染まった両頬に右手を当て、そっと唇を重ねた。
含んだものを口移しに嚥下させていき
それが終わると顔を離す際に、冷たい吐息が頬を撫でた。

【はいー】
267名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 02:02:45 ID:jgAIBOvH
>>266
「そりゃどうも。お褒めに預かり恐悦至極」

冗談っぽくいいながら笑う。

「でもこのシチュエーションならそれくらいしかないし。誰でもわかる」

顔が近づいてくる。唇が重なる。
流し込まれてくる麦茶はペットボトルから直接飲むときより気持ちぬるめ。
でもそんなことより瑞々しい唇の柔らかさのほうが気になった。
離れるのを留めるように頭に手を回す。

「お裾分け」

短くいってこちらからも唇を重ねた。
一口分だけ残した麦茶を舌に乗せて少しずつ流し込もうと
重力に逆らっているから遅々として進まなかったが。
268日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 02:13:44 ID:pck7bURA
>>267
「そうかしら…分からないわよ?
 喉は乾いてないって言えば、もっと別な事も……」

頭の後ろに添えられた手により
お互いの息が顔を、頬を、そして濡れた唇を撫であう。
彼の頬に当てた手を顎へと這わしていきながら、重ねられ唇に言葉を切られた。

「ん……んっ……」

遅々として進まない事に焦れて左手を彼の頬へ当てた。
そうして唇を強く押し付けると、舌を口膣へ押し入れ
唾液を――ついでに麦茶も下から上へと掬いあげようと。
269名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 02:23:20 ID:jgAIBOvH
>>268
別なことってなんだろ。
乾いてないといったことを早くも後悔し始めてしまった。

顎の下に手が触れるとくすぐったさに軽く身をよじる。
しかしそれでも唇を離しはしなかった。
救い上げようとする舌と流し込もうとする舌。
必然的に絡み合うことになりピチャピチャと麦茶が水音を立てる。
とても興奮する。

自分が上になれば簡単に流し込めるのだけど、
こうやってゆっくりとやりとりするのも気持ちいい。
しばらくして体温で暖かくなった口の中の麦茶も残さず消えた。

「ぬるくしちゃった。不器用でごめん」

唇を離しての第一声は笑みを含んだそんな声。

【偉そうなこと言っといて自分のほうに眠気の限界がorz】
【ここで切っていただいていいでしょうか?】
270日向 葉子 ◆0dRb5fv6vY :2006/07/13(木) 02:26:29 ID:pck7bURA
【いえいえ、では一度切りましょう。】
【再開の日程は後ほどという事で、お休みなさいノシ】
271名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 02:28:45 ID:jgAIBOvH
【おやすみなさいーノシ】
272戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/07/13(木) 22:53:54 ID:5dcDTczq
【そういえば、まだこちらにプロフィール投下してませんでした】
【今夜は投下のみです】

【名前】戸田 瑞希(とだ みずき)
【年齢】25歳/大学院生(ただし休学中)
【性別】女
【サイド】中立
【組織】無所属(帝都大学大学院)
【サイズ】身長:169cm 体重:56kg B/W/H:86/59/88
【容姿】髪型は黒のセミロング(二の腕くらいまでの長さ)、
    知性的なやや釣りあがった目。
    私服ではボーイッシュな格好を好むが、
    「仕事」のときには闇色のローブを着用する。
    コンタクトレンズを愛用しているが、気分次第で眼鏡の時もある。
【得意】和姦、羞恥・快楽責め
【能力】中級程度の地・水・風・火の魔術、使い魔の使役、飛行やテレポート
【武器】魔法杖“ケーリュケイオン”
【NG】四肢切断などのグロ系、ハードなスカ(浣腸、放尿程度ならOK)
【弱点】多少鍛えているものの、一般人程度の筋力しかない。
    使い魔で防御するぐらいで本人の近接戦闘能力は素人同然。
    各種呪文の詠唱の際に本人は無防備になるうえ、
    高等な呪文を使用するには魔力の制御媒体として杖が必要。
【備考】帝都大学大学院に在籍する院生にして
    裏世界で「漆黒の魔女」の異名を持つ女魔術師。
    5年ほど生活したドイツで妖魔に襲われ、異能を開花させるが
    友人を失いながらも生き延びたことでかえって心に傷を負った。
    帰国後は新たな友人や恋人ができ、心を開き始めたが、
    妖魔がらみの事件で実は半妖であった恋人が危篤状態となった。
    その後、恋人を回復させるには特殊な魔法薬が必要で、
    材料に妖魔や退魔士などの異能者の肉体の一部が必要とわかった。
    現在は大学を休学して薬の材料を集めており、
    異能者が集結しているとの情報を得てこの辺りにやってきた。
    本質的には真面目でさっぱりした性格で、義に厚く一途で素直。
    しかし、それを知るのは瑞希が心を許したわずかな相手のみであり、
    普段はぶっきらぼうでそっけなく、他人を寄せ付けないオーラを放っている。

【よろしくお願いします】
273ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/14(金) 22:05:15 ID:GXw+EX10
【待機しています。】
274ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/14(金) 23:07:25 ID:GXw+EX10
【……一応、こちらの希望などを】
【一般人の方or中立派の方とで軽くエロールなどできたらなと思っています】
【人の姿を借りる能力を利用するか、そのままするかはお任せで】

【バトルも構いませんが、話を広げるのは難しいかもしれません】
【雑談も可です。30分ほどで解除します】
275ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/14(金) 23:14:46 ID:GXw+EX10
【陵辱寄りなものを含め、立場的に困難でなればこなせます。打診して下さい】
【レスの書式に関しては、希望がある場合は先方に合わせます】

【非エロのレスの方が展開の幅が広く、その都度悩んでしまうもので】
【若干ペースが落ちるのはご容赦下さい、ペースアップには尽力します】
276ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/14(金) 23:48:33 ID:GXw+EX10
場所は変わらず、公園の噴水前。
道行く人々にじっと目を凝らしながら腰掛けている。

「ふぅっ……あら」
手元に目線を落とす。
「これ、案外に美味しいのね」
先程、中年男性に渡されたソフトクッキーが、ビニール包装を半ば剥かれた状態で手元に。
パッケージの文字は話題のデパ地下の菓子店の名前だが、そんなことは知る由もない。
唇の端に付いたチョコチップの汚れを親指で拭って、立ち上がった。

【待機解除】
277ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/16(日) 22:57:13 ID:H227uOzR
【待機 一時間程で退出します】
278ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/17(月) 00:36:20 ID:JkfeFtrm
「ふうぅっ」
溜め息。
「うー、あー……」
それから、胃の辺りを押さえた。
聞こえてくるきゅるるるるる、という異音に首を傾げる。

「なんで、お腹が……仕方ないのだわ、今宵は一度ねぐらに帰りましょう」

【待機解除です】
279クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/19(水) 22:37:54 ID:VSRz9zbW
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(ネオンの明かりが星屑のようにまばらに散らばる深夜)
(人工の星の海を、この街で一番大きな駅前のホテルの屋上から見下ろす影)
(夜目にも白く浮かび上がる、薄いゴシックロリータ調のドレスの裾が、風で弄られた)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(その、ガラス球のような空ろな目が、眼下の一点・・・・)
(既に終電の出た駅の脇を過ぎる、大柄な影を、その透徹した超視力で見つめている)
(細い、封蝋のような手が傍らに伸ばされた)

・・・・・・・・・・・・・。

(掴み取ったのは、その影の身長の3倍はありそうな金属の塊)
(デザインからして、ようやく剣と判断できるが・・・・その大きさは、何かの冗談にしか見えない)
(その柄を掴み、軽々と引き抜いて身構える)

・・・・・あは。

(雲間が途切れ、陰の顔が月光に照らされた)
(その顔は、禍々しい笑みを貼り付けている・・・・口元が、中空にかかる三日月と同じ、弧を描いて)
(繊手が閃き・・・・・・・・・金属の塊が、大柄な影の脇を掠める軌道で放たれる)

280クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/19(水) 22:49:50 ID:qOO0F1vY
「他愛も無い・・・。」

今日も退魔士との戦闘が終わる。
何も満たされない。
人とはあまりにも――無力。
この退屈な時間をあとどれ位過せば求める物に出会えるのだろうか?

「殺気・・・?」

それとは少し違う、しかし確かな殺意。
その意思は・・・、使命、糧、道・・・、否。

「俺と同じ・・・。」

――――愉。

雲を切り裂き飛来した影、少女、大剣。

「フッ、面白い・・・、面白いぞ・・・。」

大柄な影から伸びる角、爪。
その爪が飛来する剣を受け止める。
大剣と鉤爪が擦れ火花が散る。
戦いの幕開けの合図の如く・・・。

「ナンパにしては少々荒っぽいな・・・。おままごとの相手をして欲しいのか?お嬢ちゃん。」

【よろしくお願いします】
281クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/19(水) 23:11:57 ID:VSRz9zbW
>>280
(ドレスの背中が開き、そこから羽が次々と湧き出してくる)
(蝙蝠の、梟の、純白の、漆黒の)
(大小様々な翼が、一斉に打ち鳴らされて)

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(屋上から飛び立った影は、受け止められた剣の柄尻の上に立つ)
(造り物の、言うなれば精緻な造形美を持つ人の形をした生き物が、クリオを見た)
(片目に嵌められた、小さな機械が微かな作動音を立てる)

・・・・・・・・・・確認、しました。
97.09%の確率で、対象を、ロストナンバー・ゼロと、断定します。

(小さな手が、受け止められた剣を掴み、引っこ抜く)
(受けた瞬間に感じた衝撃から、クリオはその剣が尋常な重さでないことを感じていた)
(が・・・・・白い少女は、それを軽々と、持ち上げて構える)

予言機械、の、予言通り、です・・・・・・・・・・。
本社特務009号発令にしたがい、対象の、処分を、開始します。

(差し込んだ月光が、構えた剣の刀身を・・・・そこに刻まれた文字を、照らす)
(MIB、の三文字を)


【こちらこそ】
282クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/19(水) 23:25:45 ID:qOO0F1vY
少女は異形のモノへと姿を変える。
その小さな背中から生える数々の羽は妖魔のそれではない。

魔法による合成生物かあるいは科学によるもの。
どちらにしてもヒトに創られた人形には変わりはないが・・・。

そして、その口から発せられた言葉――ロストナンバー・ゼロ。
そう俺の事を呼ぶ奴等は一つしか無い。
最も忌まわしき存在・・・MIB。

「フッ・・・、やっと・・・、お迎えに来たのか?随分待ったぞ・・・。」

飛行能力、素早い動作、怪力に加えて武具を扱う能力。
おそらくは再生能力も有しているのだろう。
標的が小さく飛行出来、リーチが長いとすれば俺を屠るには最適な条件だ。

――以前の俺であれば、だが。

「MIBの最新型だな・・・、何かの文献で読んだ・・・。――クリスティーンか。」

膝を屈め両手を交差して攻防一体の姿勢を取る。
鬼の血が騒ぐ。同族と戦える血が騒ぐ。

「相手にとって不足はない・・・。楽しい夜になりそうだな・・・。」

そして、――魔王の血が騒ぐ。
283クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/19(水) 23:49:34 ID:VSRz9zbW
>>282
肯定、します。

(中空で、剣を上段に振り上げた)
(小細工抜きで、最速で突っ込み、圧倒的なパワーで、大質量を叩き込む)
(単純故に、防ぐことが困難な斬撃の構え)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一つだけ、質問、します。
ただし、この質問に、回答の、義務は、存在しません。

(英文の直訳を読むような、平坦な口調)
(それはまるで、自動的な機械のような)

あなたは・・・・・・・・・・・・・・・・・・強い、ですか?

(彼我の距離・・・・・・およそ、5メートル)
284クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/20(木) 00:04:49 ID:pDg8ZhGI
「はい・・・、肯定します・・・か。良いお返事だな・・・。」

素早く正確無比な攻撃。
流石にこれを喰らえば俺と言えども暫くは動けない。
暫く動けない・・・、彼女の言う破壊を意味する。
その大剣の突きの一点に爪を当てなぎ払う。

「なんだ・・・、言ってみろ・・・。」

自動攻撃人形の口から毀れた言葉は以外だった。

『強いですか?』

俺の記憶が正しければ彼女、MIBにとっては不要な質問だ。
不要な事、考える事、それは『自我』のなせる業。

――面白い。

「フッ・・・、俺もお前の様に強かったぞ・・・。今は・・・、弱く・・・、強い・・・、存在になった。」

時に強く、時に弱く。
それは意思の力、思いを形にする力。
彼女もそれに目覚めつつあるのだろうか?
だとしたらMIBとはなんと・・・間抜けな事だ。

「さて、どれだけ俺が強いのか・・・、お前が見極めれば良いだろう・・・。」

両腕を広げた後、左胸を指差す。

「承知の通り俺の急所も此処だ・・・。さぁ・・・、来い・・・。」

完全に目覚めていない可愛い妹を目覚めさせてやろうか・・・。
こんな楽しい夜は久しぶりだ。

――魔王の血が滾る。
285クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/20(木) 00:26:21 ID:PqZT8HJj
>>284
そう、ですか、強い・・・・・です、か。
・・・・・・・・・・・・・あは・・・・・・・・・・・・。

(表情の無い顔に、表情が刻まれる)
(大黒天のような、三日月に歪んだ唇の、哂い顔)

あは・・・・・あはははは・・・・・・・・・あはははははははははッ!!

(狂ったような哄笑)
(つい、と剣先が揺れ、そして・・・・・・・・・・・・・・)

あはははははははははははははははははははッ!!!!

(・・・・・・重量と質量の塊が、斬撃でなく、投擲され)
(夜気を切り裂き、飛来する・・・・・・・・・・・・!!)
286クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/20(木) 00:46:51 ID:pDg8ZhGI
――狂気。
その一言が彼女を飾るのには相応しいだろう。
俺も例外ではないかも知れないが・・・。

「可笑しいか・・・、ならば哂え。それがお前の求める『自由』ならば・・・。」

大剣が降り注ぐ、俺の胸に・・・、それは突き刺さる。
見ていなくても、狂っていても、哂っていても、
ソレは正確に俺を貫く・・・、ソレは封印を開く鍵。

「グッ!クッ、ハァッッ・・・・・・!」

流れ出る血。
それは何の血なのだろうか?
鬼の血か?人造人間の血か?

「フッ・・・、見事・・・だ・・・。おも・・・しろ・・・い・・・。」

大剣が突き刺さった体から流れ出る血が止まる。
そしてその体は石膏の様に白く、有機物から無機物へと変化して行く。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

大きな石像と化した背中にひびが入る。
クリスティーンの脳内に声が響く。

『お前が最新型とすれば俺は試作型ではない・・・。』

その声はクリオのそれと違う女性の声。

ひび割れた背中から何かが飛び出す。
夜空へと飛び立つその姿はクリスティーンに似た・・・、
しかし、年の頃はもう少し上18、9であろうか。
その背中には大鷲の羽をはためかせ、漏れる吐息は炎と化している。

「・・・・・・成長する人の力。古より伝わりし妖魔の力。そして・・・全てを裁く魔王の力・・・。」

二本の角が抜け、クリオの元に飛来するとそれは二本の剣と化す。

「俺は・・・、究極の形、完成型だ。」

――魔王の血が目覚める。
287クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/20(木) 00:58:32 ID:PqZT8HJj
>>286
あはッ・・・・あはははははッ!!

(剣は投げたのではない・・・・捨てた、のだ)
(本来、剣など必要ではない。五体すべてが兵器なのだから)
(ベキベキと音を立て、両腕が変化し、肥大化する)
(節くれだち、鋭い鉤爪を生やした・・・・・・・・鬼の、腕に)

あはははははははははははははッ!!

(脳内に割り込む声は狂気の哂いでかき消される)
(少女の形をした生粋の狂戦士、純粋な殺戮本能の塊には、相手が誰だろうと関係ない)
(ただ傷つけ、傷つけられることで感じる、己が生きているという確証が得られれば)

あははははははははははははははははははははッ!!

(背中の複数の翼が、異方向異速度に羽ばたき)
(まるでUFOか何かのような、不規則かつ高速の軌道を描いてクリオに迫り)
(技術も何もない、力とスピードに任せた暴力でもって拳を振るう)
288クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/20(木) 01:21:10 ID:pDg8ZhGI
「幼稚だな・・・。」

次元の違うその目には不規則な動きもストップ・モーションの様にしか見えない。
鍵爪と共に振り下ろされた拳は、その手首をねじ伏せられる。
それと同時に敵手首、肘、肩の関節を外す。
強烈な肘がクリスティーンのみぞおちに食い込む。
一連の攻撃による痛みが伝達する前に裏拳が顔面を捕らえる。

「ダンスは・・・、終わらない。」

手を開き、爪を立てると脳天に食い込ませ掴む。
そのまま急降下すると地面に叩き付ける。
何度も、何度も、何度も・・・。

「つまらない・・・。面白いものは無いのか?」

髪の毛を掴み持ち上げると、血まみれの唇を舐め上げる。

「無いのか?」

言うや否や腹部へ強烈な一撃を見舞う。
吊るされた人形の様なクリスティーンの流れ落ちる血を舐めながら問う。

「無いのか?」

既に汚れてしまったクリスティーンの服を引き裂き、
露わになった小さな膨らみを舐め上げる。

「美しいぞ・・・、汚れるほどに・・・、もっと愉しませてくれ・・・。」

ゴミ屑を投げ捨てるかのようにコンクリートの壁に投げつける。
その体はコンクリートを突き破り瓦礫の下へと埋まった。

「クリスティーン・・・、俺は強い・・・、強いぞ・・・!フッ・・・、フハハハハハ!
もっとだ!足りない!もっと俺を満足させてくれ!」

強き者を従わせる快感、それは倒すだけでは無い。
その全てを手にいれる事・・・。

汚れ行くクスティーンの体を見ながらクリオのソレは興奮を覚えていた。
完成されたクリオの肉体は女性とも男性とも交わる事が出来るようになっていた。

「クリスティーーーーーーン!!!!!」

叫び声は炎の息と変わり、クリスティーンの埋もれる場所へと浴びせられていた。

【少々強引に話しを進めて申し訳ないです】
【次のクリスさんのレスで凍結させていただいてもよろしいですか?】
289ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/20(木) 01:27:37 ID:hy2k72uI
(ひょい、と覗き込んで)
少しだけ……

大蜘蛛さんとは入れ違いだったのかしら?
290ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/20(木) 01:28:10 ID:hy2k72uI
【うわ午bヴアク!!】
【誤爆ですスミマセン……無かったことにしてくださいorz】
291クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/20(木) 01:44:39 ID:PqZT8HJj
>>288
あははは・・・・・・・ッ!!

(手首を取られ、そのまま腕が這いずる蛇のように捻じれる)
(肘がみぞおちに突き刺さり、身体がくの字に折れ曲がる)
(整った顔に裏拳が叩き込まれ、ぐるん・・・と目が裏返りかける)

・・あは・・・・・・・・は・・・・・・・!

(頭蓋骨を握りつぶされそうなほどの力で掴まれ)
(バウンドするボールのように、ループ再生される映像のように何度も叩きつけられて)

・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・は・・・・・。

(髪を掴まれ、もう一度みぞおちに拳を打たれ)
(むき出しになった裸身の、ささやかな膨らみを舌が這う)
(続けざまに強力で腹を打たれたせいか、ちょろちょろという音と共に)
(太腿を、微かな刺激臭のする雫を漏らしていた)

・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(しかし、それでも、それなのに)
(少女は哂っていた・・・・体中を、興奮に火照らせて)
(痛い、痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ・・・・・・)
(責め苛まされる痛みが、無上の喜びになって全身を貫く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(玩具の人形を投げ捨てるように、華奢な裸身が放り投げられ)
(コンクリートを突き抜けて、瓦礫の下に姿が消えた、その瞬間も哂いは消えない)
(止めとばかりに叩き込まれる地獄の業火が、その哂い声すら打ち払った)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(嵐のような攻撃が止まった時、そこに遺されていたもの)
(それは・・・・瓦礫の隙間から突き出された、黒く焦げた一本の腕)
(原型をとどめていること自体が、奇跡のようだったそれが)

・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・。

(ほんの微かに、動いていた)


【では、凍結します】
【再開日は、伝言スレにて。お疲れ様でした】
292クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/20(木) 01:49:33 ID:pDg8ZhGI
【お疲れ様でした】
【また後日よろしくお願いします】
【おやすみなさいノシ】
293名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 02:45:47 ID:Z3SCGoD4
294ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/21(金) 22:16:07 ID:xPXkJXLN
【待機しています】
295名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 22:45:50 ID:fXPIu5C4
>>294
ふーむ、名無しで良ければ相手になるけど。
腹案とかあるの?
296名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 23:00:18 ID:fXPIu5C4
もうおらんようなので、落ちるのさね。
297ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/21(金) 23:46:51 ID:xPXkJXLN
>>296
【もう落ちちゃったかな……スミマセン、急用で外していました】
【名無しさん戻って来られないようならこちらも落ちます】
298ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 00:09:45 ID:heF6ngsl
【腹案、と呼ぶ程ではないですが、名無しさんとのロールのアイデアは幾つか】
【手元に用意しているので、また機会がありましたら声を掛けてください。お願いします。】

【ポカばかりで、反省するしか。長くお待ち頂いてしまって、本当に申し訳ありません】
【では、落ちます】
299ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 21:09:09 ID:heF6ngsl
【先日の件を反省しながら、一時間ほど待機しています】
300南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:12:30 ID:f0nAVpgy
【すみません、お相手願えませんか?】
301南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:19:36 ID:f0nAVpgy
【書き込みが早すぎましたでしょうか?】
302ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 21:21:24 ID:heF6ngsl
>>300
【いえいえ、全く問題ないですー】
【こちらこそ反応遅くてスミマセン】
【何か案など、ありますでしょうか?】
303南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:25:01 ID:f0nAVpgy
【表の顔の雑談ロールと狂的科学者の顔のバトル及びエロールの二弾ありますが】
【どちらがいいでしょうか?】
304ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 21:32:55 ID:heF6ngsl
【プロフや挙動を一読した限りだと、バトる理由が思いつかないかな…】
【そちらがハナにどういったアプローチをしたいか、で変わってくるかもしれません】
【こちらのプロフはプロフスレの103、まとめサイトの一番後ろにあります】
305南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:36:19 ID:f0nAVpgy
【気分次第で変わるんですよね、京次】
【表の顔でしたら、ハナくらいの女の子には優しくするオッサンですけど】
【裏の顔でしたら犬神のハナでしたら研究対象として調査したいといった感じに】
【私のプロフはプロフスレの128にあります】
306ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 21:45:18 ID:heF6ngsl
【……展開が思いつかないw】
【案1・適当に遭遇させて会話(展開次第でエロもあり)】
【案2・色々すっとばして捕獲後からエロール】
【案3・その他】
【このあたりでどうでしょうか】
307南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:48:21 ID:f0nAVpgy
【んー…それでは案1でお願い出来ますでしょうか?】
308ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 21:50:49 ID:heF6ngsl
【了解しました。書き出しはどちらからにしましょう】
【それから、書式の指定などはありますか?】
309南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 21:52:27 ID:f0nAVpgy
【ではそちらからお願いします】
【特に指定はありません。強いて言えば日本語でお願いします(マテ】
310ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 22:02:53 ID:heF6ngsl
【かしこまりました、よろしくお願いしますw】

例によって、公園の噴水前。少女は腰掛けている。
時間は夕方。つい今しがたまで、都会の水場ではしゃぎまわっていた子供達は、
めいめいに―――ある者は保護者に呼びつけられ、ある者は子供同士呼びかけ合って、帰路につく。

その様子をひとしきり目で追いかけていた少女は、ふと、首を傾げた。
少女の面前には誰もいない。子供達が散って行くのに併せて、集まりはじめたカップルや、不法滞在者や―――
そういった者達の影すらも、今はまばら。帰路につく足音に追いかけられた鳩が、ばたばたと飛び立つ。

しかし、獣の鋭敏な感覚は、自らに意識を向ける「気配」を捉えていた。
その相手に向けて、彼女は問い掛ける。
「……何か、ハナに用があるの?」
311南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 22:10:05 ID:f0nAVpgy
「おや、気づかれていましたか」
トン、と革靴とアスファルトのぶつかる音が響き、痩躯の男が現れる。
白衣を纏い、へらへらとした笑顔を顔に貼り付けた男。
姿を見せると同時に、その体から少しだけ機械油の匂いが発した。
「お初にお目にかかります、犬神の少女。
私は南 京次、科学者を生業としているものです」
312ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 22:24:10 ID:heF6ngsl
独得の匂いの正体を探るように目を細めて、相手を見上げる。
人の扱う呪の気配ではなく、しかしてこの公園を満たす霊力とも異なる。
退魔の者でもなく、かといってその気配は妖の者からは遠い。
かがくしゃをなりわい、と、もう一度、言葉を繰り返す。
名乗られたならば、名乗るのが礼だろう。どの程度、知られているのは定かでないが。
「はじめまして。ハナよ。主なき使鬼ゆえ、人に一夜の夢を与えた対価で姿を得ているの」

「だけれど……ハナの問いには、答えてもらっていない」
だから、と、続ける。
「カガクシャさんがハナに何の用なの?」
313南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 22:30:45 ID:f0nAVpgy
「用、ですか? ふむ…」
言われて初めてその事を考えるように、あごに手を当てて悩みだす。
「今が真夜中でしたら貴女を捕獲して色々と調べるというのもいいのですけど…」
物騒な事を口走ったかと思えば、再び笑顔を向ける。
「現在は特に用事はありませんよ。ただ見ていただけです。
貴女だって先程、子供達を見ていたじゃありませんか。同じですよ♪」
軽いノリで右手の人差し指を立てて説明する様は、
親しみやすさを演出しているつもりだろうがかなり胡散臭かった。
314ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 22:44:41 ID:heF6ngsl
南の『胡散臭い』素振りに反応を示すでもなく、言葉を返す。

「……人間を見るのは好き。たとえばね、さっきの子」
指し示すのは、つい今しがた立ち去った子供の居た、木陰。
「同じ歳の子に、酷い言葉を投げたの。相手の子は泣いてしまった。
 なのに不思議ね?その様子を見て、ひどく寂しそうな顔をするの。―――面白いわ。
 九つも生きていないのに、100のよわいを生きた妖と同じ程、不思議なことをする」
ここまで語って、話しつかれたのか、ひとつ息をつく。
「……そういうわけだから、ハナは『ただ』見ていたのではないわ」
貴方は、と暗に問うていた。
315南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 22:54:51 ID:f0nAVpgy
「人は群れる生き物ですし、感情でも動きますからね。
 突発的な行動に出て、それを後悔する事もあるでしょう。
 貴女はないのですか? 後悔というものをした経験」
木陰の方に視線を向けたまま、そんなことを京次は問う。
「私を動かす感情は好奇心です。
 知りたい、感じたい、この目で見たい、そういった感情を私は拒むことなく受け入れる。
 たとえその先に後悔があっても、私はそれを喜んで受け入れる。
 貴女を見ていたのも、好奇心を満たす為ですよ。
 貴女が何を見ているのか、どんな仕草をするのか、色々と気になったものですから」
316ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 23:03:46 ID:heF6ngsl
「思うにね、さっきの子、もうひとりの子を泣かせたかったわけじゃあないの。
 だけど、その場の思いつきでやったわけでもない。だからあんなに寂しそうだったんだわ。
 でも、それなら、どうしてあんなことをしたのかしら?」
考え込む仕草で、ワンピースの襟を弄る。

「……わからないわ。ハナのすることを見ていて、何が面白いのか」
眉を寄せて、納得の行かない様子で南を見遣る。
引っかかった砂色の髪の毛を指先で巻き取ると、手持ち無沙汰にがり、と歯を立てた。
317南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 23:15:08 ID:f0nAVpgy
「さて、私はそれを見ていた訳ではありませんし、人の常識とする思考は持ち合わせていませんからね。
 その子が何を考えていたのかなんて分かりません。
 私に分かることはただひとつ、その子が寂しそうな顔をしていたのなら、
 必ず仲直りする時が来るといったこと位でしょうか」

「そうですか? 私は貴女の事、面白いとも興味深いとも思いますし、
 見ていて癒されもしますけど。
 貴女はどうですか? 私と話していてもつまらないでしょうか?」
ゆっくりとした動作で、ハナの近くまで歩いていく。
「隣、座ってもよろしいでしょうか?」
318ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 23:26:31 ID:heF6ngsl
「そう、なのかしら……?」
なおも何かを考えている様子。
「ええ、そうだと良いのよね。うん……」
頷いて、ありがとう、と笑みを浮かべる。

「どうぞ。あ、そちらは……駄目。その白い服が濡れてしまうわ」
そう言って、自らの隣を指し示す。
喧騒の後を残して、公園にはいたる所に子供らの遊戯の名残がある。

「いやされるというのは、言葉を交わして楽しいということ?」
なら良かった、と笑う。
「退屈はしないわ。餌にもならないけれど」
さらにくすくすと笑い、でも、と付け加える。

「あんたは妖のことを知りたいの?……ハナには、人のほうがよほど、
 不可思議に見えるというのに。やはり、人というのはおかしなものだわ」
釈然としない様子で、南を見る。
319南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/22(土) 23:37:01 ID:f0nAVpgy
「ありがとう、それでは失礼して」
ハナの隣に腰掛け、軽く伸びをする。

「うーん、和むといいますか、何となく快適なんですよね、こうやって話すのって」
どう説明したものやらと悩んでいたが、次の言葉を聞いて、
「あはは、流石に私みたいなひょろ助君では貴女のご飯にもなりませんか。
いやあ、研究畑の人間は運動不足でして」
ハナの笑顔を見て、京次も笑い出した。

「自分にないモノを知りたがるのは生き物の常というものでしょう。
 妖だけではありません。退魔も異能も、私の持たない特別な力。
 私にそれが不可思議に見えて、知りたいと思うのも不思議ではないと思いませんか?
 想像してみて下さい。仮に貴女が何の力も持たない一般人でしたら、
 貴女は人を見て不可思議だと思うと思いますか?」
ハナの疑問に少し考え、こんな答えを返す。
320ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/22(土) 23:55:06 ID:heF6ngsl
「……ハナは人間を餌にはしない。精をいただくだけ」
不本意だったのか、片の頬を膨らませて反駁する。
日は落ちて、辺りにはこれまでとは異なる種類の人影がまばらに在る。
群れるでもなく、しかし、その場その場で寄り添い合うように。

「そう。これは貴方にとっては『特別』なのね?」
指先を掲げる。
うっすらと姿を現す灰色掛かった炎は、風に吹かれたように揺らぎ、消える。
目の錯覚と言われれば疑念を保ちようのないほどの、かすかな色合い。
「これはハナの尻尾。ハナの身体だったもの。ハナが獣の形を持っていた頃の名残り。」
言葉を続けることに疲れたのか、為舞いには溜め息のようにして言う。
「人を真似ることを覚えた頃は、隠そうとしていたもの」

「……ハナは人ではないから、その前置きは意味がないのだわ。
 でも、あなたの言うことはわからないでもないと思うの」
321南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/23(日) 00:07:39 ID:Ma0Ga/QQ
「ふむ、これは失礼。誰にだって言われたくない言葉はあるものです」
不機嫌な様子を見せたハナに対し、スッと頭を下げる。

「ええ。私に出来るのはこの程度の事ですから」
京次が左腕の手甲に右手の指を走らせると、二人の前の空間が一瞬スパークを起こした。
「科学の力といえば聞こえは良いですけど、
 所詮これは計算式によって成り立つ『現象の利用』です。
 私の力などではなく、蛇口を捻れば水が出る水道みたいなものですよ」
疲れた様子を見せた様子のハナに、京次は小さな包みを差し出した。
「疲れた時には甘いものですよ。チョコレートはお嫌いですか?」

「人を真似て、ですか…貴女はひょっとして、
 人間に色々と傷つけられたクチですか?」
322南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/23(日) 00:33:26 ID:Ma0Ga/QQ
【おちちゃいました?】
323ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/23(日) 00:40:31 ID:7/Gl/w/I
頭を下げた京次に大して、頭を振って、
「気にしないで。人を食らう妖がいけないとは、ハナは考えないもの。ただ、……ううん、なんでもない」
と。
「すごい」
持ち出された「手品」を見て、目を丸くした。
「……それは、貴方の身体ではないのでしょう?すごいわ。
 それ以上のことは、ハナは知らないわ。蛇口を捻れば水は出せるけれど、これ」
ぺたぺたと噴水を囲む石垣―――今しがた腰掛けている場所を叩き。
「ハナはこんなもの、作れないもの。」
そういって笑った。ありがとう、と言って菓子包みを受け取る。

その次の言葉に、返したのは疑問符。
「傷つけられた?」
色々と傷つけられたクチ、と、一度反復してから、首を振る。
「わからない。ハナから大事なものをくれたのも、とりあげたのも、人間だわ」
考え込む仕草で、
「ハナが人に成りたいと思わなければ、誰も悲しまなくて済んだのかもしれないって思うのに……
 おかしいのね。今もこうしてお話しているの」
そう云って、真顔で膝元を見る。

【そろそろ締めましょうか 激しく間が空いてしまってスミマセンです】
324ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/23(日) 00:43:01 ID:7/Gl/w/I
【長考すみません……】
【しかも悩んだ割に今ひとつまとまりのないロールですみません('A`)】
325南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/23(日) 00:54:39 ID:Ma0Ga/QQ
「その点に関しては同感です。人も妖も命を食らって生きていく。
 ただ、食われる側にも抵抗する権利があるというだけです。
 そして、貴女がそれを拒むのであればそれもまた貴女の在り方。
 私はそのベクトルに拘らず、我を貫く方に好感を持ちます」

「ある意味、これが人の、人としての力なのかも知れませんね。
 だからこそ普通の人間の私は、科学に心酔したのでしょう。
 私の科学は人に拒絶されますが、誇ってみてもいいのかもしれませんね」

「ふむ…間違っていたらごめんなさい。
 貴女は人に成りたいのではなく、人と共にいたいのではないでしょうか?
 敵対でも使役でもない、友達などの対等な関係で。
 もし、そうなのでしたら…」
すっと右手を差し出す。
今までの貼り付けた笑顔とは違う、京次の本当の笑顔がそこにあった。
「私でよろしかったら、友達になっていただけませんか?」

【いえいえ、必ずしもすぐに返せるものでもありませんし】
【〆ますですか? 了解しました】
326ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/23(日) 01:14:17 ID:7/Gl/w/I
「……難しいことはよくわからないのよ。
 でも、ハナの代わりに考えてくれたことはとても嬉しい。」
言って、にっこりと笑う。

そして、京次の申し出に、首を傾げる。
「面白いことを言うのね。……ハナはぜんぜん構わないわ」
ぴょんと立ち上がると、京次の差し出した手を、その両手で包み込む。
サイズに差があるため、それでいっぱい、といったところ。
「お話できて、楽しかった」

「あなたが、あなたのそれ―――」
目線を下げた左手に映して、指し示す。
「良いものだと、思えるようになったらよいと思うの」
そうしてから、手のひらを解いた。熱を持たぬ指先が、京次の手から離れる。
「ハナは、今宵のねぐら、探しにゆくわ。縁があれば、またお会いしましょう。」
少しの距離駆け出してから、振り向く。

「お菓子、ご馳走様」
そうして、少女の姿は京次の視界から、消えた。

【ありがとうございます】
【ではこちらはこれで〆ますね】
327南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/07/23(日) 01:24:28 ID:Ma0Ga/QQ
「これを良いものと、ですか…そうですね、いつかそう思いたいです」
視界から消えた少女に、届かない事が解っていながら語りかける。
「やっぱり、どうにも子供の姿をした相手には弱いです。
 まあ、あの子のクラスでしたらデータは集まっているんですけどね」
ハナの行った方向とは反対の方へと歩き、今までのものとは違う冷たい笑みを浮かべた。
「さて、ここから先はこちらの時間です。
 ハナさん、貴女は縁があればまた会おうと言ってくださいましたね。
 それでは私は、貴女が「こっちの私」と出会わない事を祈っていますよ」

【では、私もこれで〆ます】
【ありがとうございましたー】
328ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/07/23(日) 01:26:42 ID:7/Gl/w/I
【ありがとうございました〜。】
329名無しさん@ピンキー:2006/07/23(日) 09:05:46 ID:Cgs29Y/d
携帯しかないのでこちらに書きます。
ハナさん少し時間かかりすぎかな?
通常会話なら10〜15分で返すべき。
エロールでも20分が目安だと思います。
少し初心者スレで練習する事をお薦めします。
文章や設定は良いと思うので期待の意味を込めて言わせて貰いました。
330桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/07/23(日) 22:05:20 ID:/7c4ctmp
【小一時間程待機します。】
331桐生 葉月 ◆0B/gNL4x4. :2006/07/23(日) 22:54:14 ID:/7c4ctmp
【落ちます】
332クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/24(月) 21:12:39 ID:PWTp3Ter
>>292
【待機中です】
333クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/24(月) 21:26:24 ID:vIfRyvsr
>>332
【お待たせ致しました】
【クリスさんから再開お願いします】
334クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/24(月) 21:30:01 ID:PWTp3Ter
>>333
【こちらは>>291にて既にレス済みですので、そちらからのレスになるかと思いますが・・・】
335クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/24(月) 21:33:00 ID:vIfRyvsr
【そうでした・・・、すみません】
【少々お待ちください】
336クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/24(月) 21:38:56 ID:vIfRyvsr
>>291
彼女の動きが殆ど止まる。
しかし彼女には恐るべき再生能力がある。
そして・・・、これで終わりでは余りにもつまらない。

「・・・・・・。」

地上数メートルの位置に翼をはためかせながら
静かに彼女の動きを待つ。

「・・・確かに目覚めつつあるようだな。」

右の口元が少々吊りあがる。
337クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/24(月) 21:54:07 ID:PWTp3Ter
>>336
ぁ・・・・・・・・・・ぁぁ・・・・・・・・・・・。

(まるで白い絵の具で塗りつぶすように、焼け焦げた肌が再生していく)
(見守る視線の先、突き出されたその腕の脇で・・・突然小石が割れたのが見えた)

・・・・・・・・・ぁ・・・・は・・・・・。

(否、割れたのではない・・・割れたと言うには、あまりに切断面が滑らかで)
(それを訝しむクリオの皮膚が、何の前触れも無くざっくりと裂ける)

あ・・・ぁは、ぁは、あはぁははははははははははぁっ!!

(瓦礫の下から、くぐもった狂笑と)
(かすかな風きり音と、無数の銀の閃光が一斉に迸った)
338クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/24(月) 22:02:32 ID:vIfRyvsr
>>337
幸か不幸か容易に死ぬ事の出来ぬ体。
それが我々に植え付けられた因子。

「フン、見事だ・・・な。」

何の力か分からないが俺にまだ抗う気か。
それとも只の狂気か・・・。
多少皮膚の表面を何かがなぞるが、今の俺には毛程のダメージも無い。
ゆっくり降り立ち彼女に問う。

「・・・お前の望みは何だ?」

一歩づつ彼女に歩み寄る。
最早彼女の戦闘能力は算出済みだ。

―――我の前には無力。

【流れ的にこのまま陵辱にしますか?】
【クリスさん勝利or痛み分けがご希望なら弱点を突いて下さればその様に致します】
339クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/24(月) 22:29:24 ID:PWTp3Ter
>>338
(毛ほどのダメージも無い)
(そう、攻撃の正体はまさしく・・・・・・・・・・・・・髪の毛、だった)

あはははははははははははははは!!

(一本一本が、日本刀を上回る斬撃と、鞭を越える柔軟性で宙を裂く)
(何千何万の銀色の煌きが、無差別に周囲を切り刻んで迫る)

あはッ・・・はははは・・・はははははははははははははははッ!!!

(何も関係ない・・・相手の強さも、弱さも)
(・・・・・・・・・・・・・望みは今、既にここにあるのだから)
(戦って戦って戦って戦って戦って、傷ついて傷ついて傷ついて傷ついて傷ついて)
(圧倒的な力に屈して踏みにじられ、陵辱され、汚されることだけが)
(それだけが、己が生の確信なのだから)


【そうですね、全ての攻撃が通用せず陵辱で】
【ただ最終的に、陵辱後の〆で痛み分けに持ち込ませてもらっていいでしょうか】
340クリオ ◆aSt9LZMYUE :2006/07/24(月) 22:47:58 ID:vIfRyvsr
【大変申し訳ありませんが・・・】
【クリオの性格上、ここまで達していた場合(会話が成立しない)】
【陵辱は行わず破壊する傾向にあります】
【故にここは私の方から引かせていただきます】

「全ては無駄・・・か。」

何度も彼女の攻撃を受けるが回避する気も無い。
寧ろ回避する方が無駄に体力を消耗するだけだろう。

「同族へのせめてもの情けだ・・・。」

再び二本の剣を構えると気を収束する。
炎の嵐と神速の太刀で全てを無に還す。

――はずだった・・・・・・。

風に乗り、最も忌み嫌う言の葉が聞こえてくる。
普段、この時間には滅多にない物だが・・・。

「クッ・・・、タイミングの悪い。」

これ以上経文を聞かされては完全に動きがとれなくなってしまう。
そう感じるや否や炎の吐息で飛び交う彼女の髪の毛を焼き払い、天高くその身を翻す。

「邪魔が・・・、入った。いずれまた会おう・・・。」

苦しみの中、最後の言葉を吐き出すと夜の闇にその身を消した。
いずれまた決着をつけるとその胸中に誓いを立てながら。

【すみません、こちらはこれにて〆させて頂きます】
【長期間に渡るロール有難う御座いました】
【お疲れ様でした、おやすみなさい】
341クリスティーン ◆ChrisSCtKI :2006/07/24(月) 23:12:36 ID:PWTp3Ter
>>340
っあ、は・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(クリオが夜闇の中に姿を消して、数十秒後)
(寸断された瓦礫を振り払い、泥と血に塗れた裸身が起き上がる)
(・・・・・・その目は、ガラス球のように空虚で)

ミッション、インコンプリート・・・・・・・・。
データの、転送を、開始、します。
暗号コードは、D3タイプを、使用・・・・・。お、いうjmyんbtvrせゎz・・・。

・・・・・・・・・・・・通信、終わり。

(無機質な口調で、奇妙な音の羅列としかいい様の無い言語を発する)
(通信を終え、振り仰いだ先には・・・・・・・曇り、月明かりも途絶えた空があった)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(湧き出した翼が裸身を多い、打ち鳴らされて宙に舞う)
(打ち捨てられていた巨剣を手に取り、小さな影もまた、夜空へと消えていった)


【そうですか・・・残念です、素直にあの時点で陵辱ロールに入るべきでしたね】
【ありがとうございました。また機会があればお願いします】
342佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 22:03:13 ID:/lL8nKeD
【突然ですが待機させていただきます。どなたでもどうぞ、お声をかけください】
343瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 22:23:04 ID:R1IzPNFs
【はいお嬢ちゃん。あたしでよきゃ相手になるぜ】
344佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 22:29:08 ID:/lL8nKeD
【それじゃあお願いできますか?
 ……問題はロールをいかにするかってことですけど。
 こちらは特に腹案はないので、何かそちらにあれば、そちらを優先したいと思いますが】
345瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 22:33:59 ID:R1IzPNFs
【んじゃ・・・お嬢ちゃんは妖魔と戦って怪我して運び込まれて、既に9割回復してて】
【リハビリ兼ねた軽いバトル後、最後の治療(ご希望ならエロあり)みたいな流れでどうよ】
346佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 22:35:16 ID:/lL8nKeD
【それじゃあ、それでお願いしますか? 書き出しはどうしましょう。
 こちらが書き出しましょうか?】
【…エロは、時間と流れ次第ってことでいかがでしょー?】
347瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 22:44:21 ID:R1IzPNFs
【頼むわ。庭でも病室でも、好きなとこから始めてくれていいんで】
【病院自体は中も外も木造のボロ病院、庭はやけに広くて川やら森やらある感じ】

【だな、じゃ宜しく頼むぜー】
348佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 22:52:17 ID:/lL8nKeD
やはり、私はまだまだということに痛感した。
何とか、追い払ったとはいえ、妖魔に大怪我を負わされてしまい、
私は不覚にもとある病院で世話になっていた。

そこは妖魔も人間も区別なく診療する不可思議な場所。
まあ、何はともあれそこの人間に助けられたこともあり、今では順調に回復し始めている。

((あとは、以前のように剣を振れるかどうかだけど……))

握力も体力も取り戻していた。
時間はそれなりにかかってしまったが、ここまで戻れば完治もすぐそこと言ったところだろう。
ただ、やはり実戦の感覚だけは、やはり実際にやってみないと戻らないらしく
いまいち、違和感が残る。

「仕方がありません……試しにやってみますか」

まだ彼女からは許可が下りてはないが、少しぐらいなら構わないだろう。
軽く肩を上下させると、剣を喚び出す。
ずっしりとした感覚が、久しぶりに掌を伝わって来る。
違和感、とまでは言わないが、何かこうしっくり来ないのは確かである。

【では、庭ということで。よろしくお願いします】
349瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 23:09:04 ID:R1IzPNFs
>>348
「おんや」

病室のドアを開けて、首をかしげる。
ちょっと前─時間の概念が曖昧なこの空間では正確な時間を表す術が無い─に、
重傷で担ぎ込まれた退魔士のお嬢ちゃんの姿が、ベッドの上から消えていた。
院長であるあたしの退院許可のない奴が出て行けるわけがないので、多分院内の
どこかには居るのだろう。

「どこに行ったのかな、と。
おねいさんのスペシャル治療の時間だぜー、お嬢ちゃん」

ぼろっちい床板を踏みしめて歩き、ベッドの上に膝で乗りあがって窓を開けた。
無駄に広い庭をぐるっと眺め回し、眼鏡の奥の目を瞬かせる。

「・・・お。居た居た。
ふうん・・・まあこれもリハビリの一環か。大分回復してるしまーいーだろ。
とうっ」

軽い掛け声と共に、窓から飛び降りる。
柔らかい土の上に着地・・・この程度の高さなら、気功術を使わなくても体術で充分だ。
さくさくと土を踏みながら、軽く手を上げて声を掛ける。

「精がでるねお嬢ちゃん、調子どう?おっぱい揉んでいい?」
350佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 23:20:25 ID:/lL8nKeD
>>349
「ん…ああ、先生。見つかっちゃいましたか……って、な、何を言ってるんですかっ!?」

……彼女が私を助けてくれたその人である。
なんというか、いつも冗談なのか本気なのか分からない節がある。
もちろん先ほどのは冗談……だと思うのだが。

苦手というわけではないが、いつまで経ってもこの人の冗談には慣れない。
別に気が悪くないわけではないし、むしろこういう一言一言がリラックスさせてくれているということがわかる。
そういうところは流石というべきか。
こういう対人(妖魔?)を生業としている人間に専門技術のほかにコミュニケーション能力が必要とされる。
どれだけ技術が優れていたとしても、コミュニケーションが取れないようではクライエント(この場合は患者)との関係がうまく行かず、
サービス提供にも影響が生じてしまう。
もっとも、この人は、そんなことを抜きで、これが自然体なのだろうけれど。

余談はさておき、先生に見つかってバツが悪そうに頭を掻くと、ちらりと彼女を一瞥した。
「すみません、先生の許可もなく、剣を握っちゃって。
 でも、どうしても落ち着かなくて………。こういうときこそ休まなくちゃいけないってことは分かってるんですけど」
351瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 23:38:48 ID:R1IzPNFs
>>350
「いいじゃんよう、減るもんじゃなし・・・むしろ増えるし」

軽く口を尖らせて、シニヨンに結った髪に指を絡ませ弄ぶ。
・・・佐々木優希、私立水ヶ瀬学園二年、五行で言えば属性は水行。
手に剣ダコがあり、シャープな身体つきながらもしなやかな筋肉がついている所から
して主武器は剣・・・まあ、魔法剣士といった感じか。
運び込まれた時にもっていた生徒手帳、治療の際に触れた手触り、日ごろの立ち居
振る舞いからはじき出したデータを脳みそから引っ張りだしながら、バツの悪そうな
顔をしている少女を見る。
筋もいい・・・後10年、この業界で生き残れたなら世界レベルの退魔士になれるだろう。
それが幸せなことかどうかは別問題として。

「ま、いいんじゃね。
大方回復してんだし、メンタル的に安心するってのはこれ中々重要なわけで。
それに運動したほうがメシも美味いしな」

少女の背中をぽんぽんと軽く叩くと、手近な庭石に腰掛ける。

「・・・で、どーよ。調子は」
352佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/27(木) 23:43:29 ID:/lL8nKeD
>>351
「なっ……あ、貴女という人は…!」

顔を真っ赤にして絶句してしまう。
これだから、何気に名医なのだから猶更性質が悪い。
何か言い返そうとしたが、言葉が出ず、結局溜息をついてしまう。

「……そうですか? それなら、遠慮なくさせてもらいますけど」

先生が保障するなら、私も心配することはない。
適度に剣を振うことはできるのだが、彼女の質問に少しだけ眉を寄せてしまう。

「そうですね。体力的には何ら問題ないです。
 ただ……、やはり実戦の実感というものは取り戻せないみたいで。
 こればかりは仕方が無いとは思うんですけど……ね」
353瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/27(木) 23:56:54 ID:R1IzPNFs
>>352
「初心だねお嬢ちゃんたら。おねいさん思わず胸がキュンとしちまったぜ」

けたけた笑いながら、剣筋を見る。
なるほど確かに、足運びと手の動きが僅かにズレ、剣先にもブレがあった。
踏み込みにも、躊躇いのようなものが見える・・・。

「ぽいな、うん、見たとこそう言う感じがするわ。
じゃ・・・ちょっぴりだけ取り戻してみっか?」

庭石から立ち上がって、タイトスカートの尻を叩いて砂を落とした。
背筋を伸ばして、軽く身体を曲げてストレッチ。

「患者のリハビリに付き合うのも医者の務めだろ・・・んっ・・・!」
354佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 00:03:52 ID:/lL8nKeD
>>353
「う、うぶ…って。 ………はぁ」

う、戸惑えば戸惑うほど、先生の術中にはまっているような気がする。
……集中集中。
やはり、どうもしっくり来ない。身体を動かしてないのもあるのかもしれない。
どうしたものやら。そう考え込んでいたところに、先生が声をかけてきた。

「取り戻す…って、どうやって?」

いきなりストレッチし始めた先生。
……はい?

「せ、先生って、そっち…武芸の心得もあるんですか?」

確かに只者ではない雰囲気はあったが、流石にこれには驚きである。
まあ、そうでもなければ、窓から飛び降りるっていうこともしないだろうが。
しかし、これはチャンスだ。そのチャンスを活かす手はない。
どちらにしろ、再び戦うことになるのだ。ならば、実感を取り戻すには早いほうがいいに決まっている。

ぐっと剣先を先生へと向けると、ひとつ深呼吸しにっと彼女を見て笑う。
「それじゃあ、お言葉に甘えて……お願いします、先生ッ!」
355瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 00:17:43 ID:bO9nPXLH
>>354
「どうやってってんなもん、実戦すりゃいいだろ」

目を丸くする少女を他所に、首をこきこき鳴らしながら答える。
白衣のポケットに手を入れると、硬くて小さなものが指先に当たってじゃらじゃらと鳴った。

「んー、まあ、太極拳をベースにちょこちょこと。
才能は全然なかったんだけどな・・・五百年やってやっとこ今のレベルって感じだし。

あ、そーだ。あたしはこれ使ってもいーか?さっきパチ屋でガメてきたんだけど」

ポケットから一掴み出した小さな鉄球・・・パチンコ玉を手のひらで転がして少女に見せる。
切っ先を突きつける少女に、鷹揚に頷いて同じように深呼吸。

「あいよ。
・・・すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・ふんッ!!」

しかしその呼吸は少女のそれよりも深く、長く。
掛け声と共に、気が体内で練り上げられていく・・・腹の奥に、小型の太陽をイメージして。


356佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 00:26:28 ID:B1SvY9wI
>>355
……五百年って。
いくら才能がないとしても、それだけ努力していれば身に付くというものだ。
努力の天井がどこまでなのかは知らない。
だが、それだけの年数をかけて習得してきたというのはそれだけでも根気がいるものだ。
ちょこちょことは、軽く言ってくれるが、こちとら力を身につけて数ヶ月の身だ。
…せいぜい、また病院のベッドで寝たきりにならないことを祈ろう。

「……少しぐらいはハンデしてくれてもいいんじゃないんですか?」

とはいえ、イヤと言ったところで彼女は甘やかすようなことはしないだろう。
仕方がなく、無言で頷きを返すとぐっと剣に力を込める。
先生からはとてつもない濃度の重圧感が襲い掛かり、気を抜けば吹き飛ばされそうだった。
ぎりぎりと奥歯を噛みしめながら、先生の動きに注意をしながら、その重圧感を打ち破るために疾走した。

「―――シぁあっッ!」

走る、走る、走る!
足を留めでもしたら、一気に後方へ吹き飛ばされる。
そうならないためにも、ひたすら疾走し、その大柄な剣の刃を横薙ぎに彼女へと放った。
357瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 00:49:08 ID:bO9nPXLH
>>356
「ハンデか。じゃ、攻撃に手足は使わない方向で」

軽く答えると、目の前の少女の中から膨れ上がる闘志に目を細める。
純粋で、真っ直ぐで、激しい力。

「いい感じだぜお嬢ちゃん、けど・・・もう半歩踏み込めねーか?」

豪風のような刃が空を薙ぐ。
それが触れるや否や、舞い飛ぶ羽毛のように身体がふわりと宙に飛んだ。
少女の視線と自分の視線がぶつかり会った瞬間、あたしはにやりと笑っていた。

「『気が軽い』からな、あたしゃ。
勢いがあるのはいーが、それじゃあたしは斬れねーよ・・・・よっと!!」

握りこんだパチ玉を、空中で少女目掛けて親指の力だけで続けざまに弾いて飛ばす。
気でコーティングされたそれは、触れると同時に、かんしゃく玉のように軽く弾けた。

358佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 00:57:59 ID:B1SvY9wI
>>357
「くっ―――…!」

まるで空中に舞う木の葉を相手にしているようだ。
確かにその原理からいくと、どれだけ強烈な暴力を木の葉に叩き付けようとも
その風圧で木の葉はふわりと舞うだけだ。
…とはいえ、性質というものはなかなか変えることができないわけで。

次の攻撃に移ろうとした瞬間、次々と玉が弾丸のように弾き飛ばされ、
音を伴い破裂を起こす。

「なっ…!?」

殺傷能力自体はないのか、腕が火傷してしまった程度だが、
お陰で一瞬のうちに先生の姿を見逃してしまう。
彼女の姿を早く確認しなければ、逆手を取られてしまう。
359瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 01:13:38 ID:bO9nPXLH
>>358
「・・・よっ、と」

目を走らせる・・・と、軽い掛け声と共に、コツッという音が鳴った。
焦る少女などどこ吹く風とでも言うように、巨剣の上に危なげなく立つ。
・・・手に感じる重みは、剣のそれだけだ。

「『軽気功』、ってな。
身を軽く、水の上に浮かぶ鳥の羽のごとくに・・・」

そのまま刀身の上を、真っ直ぐ少女に向かって走っていく。

「・・・体重をごまかすにゃ、まあ最適の術ってわけだ。
さーお嬢ちゃん、こうなったらどーするよ?」
360佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 01:21:46 ID:B1SvY9wI
>>359
軽い。
とはいえ、ナイフで木の葉を切れない理屈はない。
そして、ナイフに覆いかぶさった木の葉を振りほどけない理もない。

良くも悪くも、彼女は軽くなっているわけだ。
ならば―――。
「こう……しますよっ!!」
その刃に覆いかぶさる木の葉をそのまま薙ぎ払うように、私は剣を振り上げる。
いくら、身を軽くしているとはいえ、特別な方法(つまりは魔法などの類)でも使わない限りは
その自然法則には逆らえないはずだ。

つまり―――、空中に放り投げられたならば、その間は無抵抗になるはずだ。

そうさせるためには、彼女が行動を起こす前に行動を起こす必要がある。
少々強引ではあるが、振り払った瞬間、ぎりぎりまで刃を彼女の身体に引き寄せて―――
何の迷いもなく剣を一気に振り落とす。
361瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 01:44:59 ID:bO9nPXLH
>>360
「おおっと」

中々切り替えも早い、思い切りもいい。
振り上げられ、再び身体は宙に戻る。

「確かにこれはあれだ、身動き取れねーな。
さー・・・どうすっかな・・・こぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・ッ!」

全身に気を巡らせて、五体を鋼と化す。
いわゆる『気合が入ってる』というヤツだ。
迷いの消えた一撃に、下手な小細工は逆効果・・・真っ向から受け止める!

(つってもこれはアレだ・・・受けてもかなり痛そーだな・・・)

足が地面につき、振り下ろされた巨剣と地面に挟まれる。
ぼごッ、と足元の地面にヒビが入り・・・さらに足が埋まっていく。

「いいね・・・踏み込みから恐れが消えてら。
迷いのない、いい太刀筋だぜ、お嬢ちゃん・・・!!」
362佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 01:50:53 ID:B1SvY9wI
>>361
「なっ……。避けられたことは何度もありますが…
 真正面から受けに行ったのは貴女が初めてですよ…!」

自然と笑みがこぼれる。
別に私は戦闘狂というわけではないと思う。
だが、彼女との組手は歯ごたえがあって、なかなかこれは…!

「ですが……これなら、どうですかっ!!」

さらに力を込める。
だが、力を込めるのは魔力―――、刃は受け止められているのだから外れることはない。
問題は、あの堅い甲羅を貫けるかどうか…! 一発勝負!

「はぁ―――、ぁあああっ! 凍てつけッ!!」

剣を媒介として、冷気が彼女の身体へと直接襲いかかる…!
363佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 01:51:25 ID:B1SvY9wI
【眠気の方は大丈夫ですか? そろそろ限界そうなら、締めてやってください】
364瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 02:13:21 ID:bO9nPXLH
>>362
「ははっ・・・避けれそうにないならよ、受けるしかねーだろ・・・!」

痛くて仕方ない。が、そんなことは億尾にも出さずに刃を堪える。
さらにそこに、冷気が刃を通しても、強気の笑みは崩れずに。

「お嬢ちゃんたいしたもんだ。
けど今のは失敗だ・・・だってよ、お嬢ちゃんの冷気が伝わるなら、

あたしの気だって、刃を通じてお嬢ちゃんに伝わるんじゃねーの?」

あたしは腹の奥にイメージした太陽を燃え盛らせる。
五行のどれにも当てはまらず、どれにも存在する純粋な気のエネルギーを。
刃を通して、逆に叩き込む!!

「こっちの力比べで、あたしに勝とうなんざぁ・・・二千年早ええ!!」


【だいじょぶ。そっちは・・・つーかレスが遅くてごめんなお嬢ちゃん】
365佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 02:28:44 ID:B1SvY9wI
>>364
「しまっ……!」

早まった行動に後悔するよりも早く剣から突き放され、勢い良く吹き飛ばされてしまう。
何度か地面にバウンドしたあと木の幹に叩きつけられた。
「がふっ……ごほっ、ごほッ…」
……あちこち強烈な痛みが走るが、なんとか骨折はしていないみたいだ。
咳き込むものの、なんとか呼吸を整えてふぅと大きく息を吐く。

「確かに失策でしたね……。こんなに痛いカウンターを貰うとは思っていませんでしたよ。
 ふふ…でも、おかげでなんとなく勘は取り戻せれたような気がします」

あのやりとりの最中、自分でも動きがスムーズになっていたのは感じていた。
これも怪我の功名というものだろうか。結果と仮定が逆になってしまっているが。
しかし、それにしても手足を使わずにこの強さか。
この人は一体何者なんだろうか、と直接彼女に尋ねたところで、まともな返事は返ってこないだろう。

「有難うございました、先生。これで、なんとか…元通り剣を扱えそうです」
366佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 02:35:09 ID:B1SvY9wI
【いえ、気にしないで下さい。こっちも大丈夫です】
367瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 02:44:24 ID:bO9nPXLH
>>365
「・・・やべ、飛ばしすぎた」

が、ダメージは大したことはない、筈だ。
最後に注いだ気が、少女の身体の傷を完治させている・・・。
あの程度の打ち身なら、それのお釣りですぐに治るだろう。

「普通はこんなんやる奴居ないから安心していいんだけどな。
ロスが多すぎんだよ、あたしは無駄にMP高いからいーんだけど」

寝転がる少女に手を差し伸べて、身体を起こさせてやる。
その手触りで、身体の中で滞っていた気脈の流れが整ったのを感じた。

「いーっていーって。じゃお礼はおっぱ・・・なんだよその目は・・・」


【時間的にエロは無しだなこりゃ】
368佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 02:53:33 ID:B1SvY9wI
>>367
「すみませんね……よいしょ…っと」

助け起こしてもらい、ふぅと息を漏らす。
軽く背中を伸ばし、コキコキと首を鳴らして改めて掌を握ったり開いたりしてみる。
確かにそこに違和感は残っていなかった。

「……はぁ…いいんですけどね、別に」

本当にこの人の性格は掴めないと思う。
ふざけているのか、真面目なのか、あるいはその両方なのか。
まあ、どちらでもいいと思う。それら全てをひっくるめて先生なのだろうから。

「まあ、私の胸はまたいつか好きなだけ触らせて差し上げますから。
 …ただ、完治した今となってはここに長居してもダメでしょう。
 また怪我したときにでも、そのときはよろしくお願いしますよ」

軽口をたたきながら、肩を竦ませて笑いを溢す。
本当に、私は愉快なヒトと出逢ってしまったものだ。

【そうですね。どちらにしろ締めになりそうですね。 …エロはまたの機会にということで。凍結しても構いませんけど】
369瑛老師 ◆DwW4pjrOi2 :2006/07/28(金) 03:22:03 ID:bO9nPXLH
>>368
「マジで!
よし、じゃあ次に会ったらゴチになんぜ・・・ってもまあ」

笑顔が一瞬、奥に引っ込む。
風が吹き、弄られた髪が表情を覆い隠してくれた。

「・・・あたしんとこなんか、来ないに越したこたないんだけどな。
生と死の狭間なんざ、しょっちゅう見るもんじゃねーだろ?」

次にこの、颯爽とした少女と出会えるのは何時だろう。
・・・・・・乱れた髪を直しながら、あたしは再びいつもの顔に戻る。

「なんてな。
じゃ優希ちゃん、達者で暮らせよ。門は勝手に開くからとっとと帰んな」

軽く手を上げると、あたしは医院へと歩いていく。
病人・患者はまだまだ何百人も居る・・・時の流れが曖昧とはいえ、全員
回るにはやはりそれなりの時間がかかる。

そいつらは全員、このあたしを待っているのだ・・・。
完治した元患者にかまけている時間は、あたしにはない。

(・・・ちーっと、寂しくはあるが、な)


【じゃ、あたしはこれで〆っか。今日はありがとなお嬢ちゃん】
370佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/07/28(金) 04:01:12 ID:B1SvY9wI
本当にその出来事が長かったのか、短かったのかは覚えていない。
その感覚でさえ、かなりとあやふやだったのだ。

だが、もうそれをあれこれ詮索することがナンセンスだった。
まあ、出会いがあれば別れもある。
仕方が無いと、肩を竦めながらぎゅっと拳を握り締めた。

「先生、先生こそ、身体には気をつけてくださいね」

いつかまた逢えるその日まで……。

【お疲れ様でした。お付き合いいただいてありがとうございました。おやすみなさいノシ】
371妖狩 彩音:2006/07/31(月) 21:35:11 ID:BpJRX17T
【名前】 妖狩 彩音
【年齢】 19
【性別】 女
【サイド】 退魔側。
【組織】  なし。
【サイズ】 163cm B/ 83 W/ 59 H/ 81
【容姿】 古風な巫女装束を着た巫女。穏やかで清楚な感じ。
【得意】 輪姦、腹ぼて、妖魔の出産。
【能力】 陰陽術(犯して封印済み)
【武器】 二の太刀いらずと称される退魔刀「ヒイラギ」(捕獲した時に、摂取済み)
【NG】  かなりのグロ、汚物。
【弱点】 妖魔の手中にある。
【備考】 古より妖魔を屠る事を生業とする妖狩の巫女。
     抜きん出た法力、鋭い太刀筋で途方もないほどの妖魔の屍山を築いたが
     それ故に危険視され、圧倒的な数の暴力の前に敗北→捕獲。
     妖魔の手中に落ちてからは、彼らの苗床とされている…。

【一期一会のキャラをしてみます】
【時間は23時30分まで、で。】
372名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 22:17:18 ID:BpJRX17T
【一時間弱では流石に難しいので失礼しますノシ】
373名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 14:35:36 ID:DrsEuPUS
できれば外見の設定も欲しいナー
374御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/05(土) 23:33:18 ID:qxTYPPgl
――夏だ。お化けだ。妖怪退治だ。
毎日暑いからだろうか。
それとも、妙なモノが取り憑いたのか。
変な電波を受信してしまった。

「くそったれが」

毎夜、狩りに出かける。
時に自主的に。時に任務として。
纏わりついて来た最後の一匹を打ち倒し、足の裏で踏み潰す。
金切り声。靴底でじっくりと磨り潰す。断末魔の声が途絶える。

今回は任務だった。切り裂き魔。そして射殺魔。
人間なのか妖魔なのかすら不明だが、8月になってから、彼らは現れた。
当然のように、白清支部は調査と討伐に乗り出した。
彼らが何者であれ、連続殺人鬼の跳梁を許すほど、斬鬼衆は温くない。

その殺害現場を転々としていると、血の匂いに誘われたのか、
程度の低い妖魔が、次々と纏わりついて来た。本命はまだ見つからない。

「今日は切り上げるか」

背後で戦っていた弓兵に声を掛ける。
375重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/05(土) 23:43:41 ID:vW9NVQn2
『くそったれが』

柚紀の背後の勇猛な戦士が、胸糞悪そうに吐き捨てた。
それもその筈だろう。彼らはこの様な下級妖魔を狩りに来たのではない。
万民の楯として、人間を無差別に狩る殺人鬼を葬りに現れたのだから。


「――――了解。」


平坦な、だがその実僅かに不本意さが混じった声で赤茶髪の少年が答えた。
これ以上の探索は、ただ徒に下級妖魔の目を引きつけるだけだろう。
いや、寧ろそれが奴らの狙いかもしれない。
少しでも手がかり痕跡は全く残さない。相当な手練だろう。


「周りの奴らは、どーすんだ?」
376重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/05(土) 23:45:11 ID:vW9NVQn2
>>375
【失礼しました。『手がかりになるような痕跡』でした】
377御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/05(土) 23:55:12 ID:qxTYPPgl
「処理班に連絡するしかねぇだろ」

妖魔にも様々なタイプがいる。
屍を残すタイプと、残さないタイプ。
今回葬った妖魔は、低級な動物型妖魔。
面倒なことに、屍を残すタイプである。

その時、携帯が鳴った。
天洸院謹製の特別な代物だ。
相手は、同じ事件を追っている斬鬼の仲間であり、一番の親友だった。

『よっす。そっちはどうだ?こっちはスカばっかしだ。
 お姫様がお冠で大変なんだが、なんとかしてくんない?』

世間話の続きのような、軽い口調。
向こうも群がる妖魔を駆逐したようだ。

「薫か。こっちもスカだ。零を宥めるのは物理的にも論理的にも
不可能だから、自力救済をモットーに動け」

彼の口調が僅かに緩む。まるで普通の高校生のように。
彼がこんな対応をする人間は限られている。少なくとも以前は。

「こっちは切り上げるから、そっちも適当に切り上げておけ」

今後のことについて簡単な打ち合わせをして、通話を切る。
改めて処理班に連絡。事務的に必要事項を伝え通話終了。
すでに彼は、いつもの彼に戻っていた。
淡い無表情に、冷淡な双眸で、世間を睥睨している凶戦士に。

「面倒なやつ等だな。しかもそうとう殺し慣れしてるぜ。
 キ○ガイにしちゃ手際が良すぎる。背後に組織がついてんのかな?」
378重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 00:16:56 ID:w2gq324J
「そりゃそーか」


抑揚の無い声で、淡々と呟く。
その暗い視線は、周囲の亡骸をじっと眺めたままに。
突如携帯電話が鳴った。後ろの戦友か。


彼が言葉を交わす。相変わらず口数は少ない。
だが、その中に隠された暖かみが感じられる。
ここまで彼が心を見せるのは、今の電話先の少年位だろうか。
それとも、あの二刀を扱う黒髪の少女か。
――――少なくとも、俺は聞いた事はねーな。
それでも良いと柚紀は思う。その間に割り込む気はないし、
何も理解者が自分である必要はない。
他人が幸せならそれでいい。そこに自分がいる必要はない。
赤い液体に濡れたナイフを、静かに袖の中に閉まった。


義虎に意見を求められ、僅かに視線を上げ、考える。
ややあって、柚紀は自分なりの考えを述べた。


「組織には一つの目的が必要なんじゃねーか。所が、この殺しには何の関連性も感じられねー。
イカれた、ただかなりの切れ者が少数で動いてんじゃないか?」
379御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 00:26:07 ID:FFBMimzM
殺人というものについて。
彼――御影義虎は考える。
果たして、自分の利益や快楽の為に他人を殺して、全く悔いることのない
人間は、果たして『人間』と呼んでいいのだろうか、と。

――NO。くそ喰らえだぜ。

斬鬼衆の敵は、人を喰らう妖魔だけではない。
昼の世界の平穏を崩そうとする人間も、斬るべき相手なのだ。

「そうか。俺は、宗教の儀式的殺人って線も考えたが・・・・
 確かにそういった匂いも感じられないな。なら、愉悦欲しさで間違いないか」

弓兵の冷静な分析に、彼も自分なりの見解を述べる。
愉悦を求め跳梁する殺人鬼。その裏には追跡者の眼を意識し、
痕跡を消す冷静さも兼ね備えている。

「面倒だな、本当に・・・・・」

切り裂き魔と射殺魔。
彼らが何者であれ、出会えば斬ること躊躇いはない。
今までがそうだったように。今までそうしてきたように。

「まあ、ここで議論してても詮無きことだ」

――さっさと帰ろう、と言いかけて、ふと思い出したことある。
錆びた刃。鳴神真郁。優しいあの人の面影。提出された課題。

『弱き者から強さを。邪な者から清らかさを見出しなさい。
それが出来たなら・・・、貴方だけの得物を作りましょう。』

忙しくて、心の片隅に押し込めていたそれを、明瞭に思い出す。

「なあ重藤、こんなことがあったんだが・・・・・」

過日のことを、『先輩』のことだけを抜かして話す。

「弱き者の強さ。邪な者の清らかさ・・・・
 おまえ、そんな事柄に心当たりはあるか?」

自分とは正反対であろう彼に、問いかける。
380重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 00:43:10 ID:w2gq324J
宗教の儀式的殺人、か。
そこまで人を惹きつける事の出来る、カリスマを持った人物が、
現実にいるとするなら、有り得ない話出はない。
義虎の言葉に、柚紀は月光を浴びて鈍く光るヘアピンごと、微かに頭を振った。


「それは早計じゃねーか?可能性はゼロじゃない。
 なんにせよ、考えは多く持つに越した事はねーしな」


そう、一つの凝り固まった視線からは、何も見えやしない。
柚紀が求めるのは、非現実的な世界。
だからこそ、自分は限りなく真実に近い現実を見なければならないと言う。


「見つけたなら、完膚無きまでに殺すしかねー」


犠牲者の亡骸は嫌という程眺めた。
何故、つい昨日まで日常を謳歌していた彼女らがその命を奪われなければならなかったのか。
――――その答えを聞いてから、殺す。
ロクな答えは返ってきそうにないが。


彼が問いかける。珍しく質問が多い。
そしてその内容は、昔の彼からは想像も出来ないような物――――


「――――義虎」
短く、柚紀が彼の名前を呼ぶ。


「あんたにとって、弱き者、邪な者ってどんな奴なんだ?」
381御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 00:52:36 ID:FFBMimzM
「ふむ・・・・俺にとっての弱き者、邪な者か」

胸の前で腕を組む。
長い話になりそうなので、場所を変えることにした。
門限がどうの、親父が怒るとか言っている弓兵に軽く(義虎的主観)打撃を食らわせ、
昏倒させ、単車で強制的に連行する。アパートの自室に着く頃には、彼は眼を覚ましていた。

いきなり続きを話すつもりだったのだが――
最近の出来事をメインに、色々な話をする。
北条唯のこと。
留学生・アンジェリカのこと。

「けどあれだな、戦いを無くすために刃を振るってはいかんと思うのだが・・・・・」

佐々木優希のことも話題に出す。

「そもそも理想を唱える者は、手を穢していけないんだと思うぜ、俺は。
 斬鬼衆ってのは、理想を唱える者の為の刃でもあることだし」

口調は平坦なままだが、いつになく饒舌であった。
一頻り話して満足したのか、彼は居住まいを正す。

「で、本題に戻るわけだが・・・・俺にとっての弱き者ってのは、突き詰めるなら、
 自分の弱さを言い訳にして、何かを諦める者のことだと思うな」

――口に出すと、何か違う気がした。

【強引に場面変えました。すみません】
382重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 01:10:51 ID:w2gq324J
――――やれやれだ。
溜め息をつきながら、義虎の住むアパートの天井を見つめる柚紀。
――――珍しく倫理的な事を考えていたと思えば、いきなり実力行使とは。
面倒な事になりそうで、下らない言い訳で逃げ出そうとしたのが間違いだったか。
まぁ、こんな機会そうそうないだろう。付き合うのも悪くないか。

「理想を語る者が刃を振るうな、ねぇ」

既に柚紀の張り詰めていた弦は、だらしなく緩んでいる。
何時も通りの気楽な口調で軽く答える。

「そりゃそいつが相当な権力や力を持った奴ならな。
 けど、ただの無名な力も持たないただの退魔士が、私は争いが嫌いです。だから戦いませんなんつった所で、
 大した影響は無い。寧ろじゃあ死んで下さいって感じだ」

体を起こし、気だるく義虎と視線を合わせる。

「俺は黙って殺されてやる気もないし、担がれる御輿を待つ気もないねぇ。
 そもそも、基本的に完全退魔の思想を持つ天洸院に俺はなんも期待してないし〜」

そして彼が本題に入った。
義虎の言葉を聞き、微かに頷きながら、再度柚紀は問い返した。

「んじゃ、その『言い訳』ってのは、どっからどこまでなんだい?
 どこまで自分の強さを信じればいい?」
383重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 01:12:05 ID:w2gq324J
【いえ。ただ、多少シリアスな場面だったので
無理に変える必要はなかったと思います】
384御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 01:21:08 ID:FFBMimzM
いつの間にか、彼は缶酎ハイを片手にしている。
日ノ本薫が『親父に見つかるとヤバイから家に置いておけねーんだよ』
とか言って持ってきた代物だ。

「あのへっぽこザムライめ。
 そこまでして酔いたいのか。あの欠陥棒振り機」

語り合う相手にも酒を薦めながら、ぶつくさと呟く。
楽しそうに文句を言いながら、酒を飲む。

『俺は黙って殺されてやる気もないし、担がれる御輿を待つ気もないねぇ。
 そもそも、基本的に完全退魔の思想を持つ天洸院に俺はなんも期待してないし〜』

「期待してねーのに、なんで所属してんだよ。
 まあ、俺は俺の目的の為に利用してるだけだけどな。
 その辺は天洸院も同様だし、お互い様だけど」

もう一缶空ける。かなりペースが速い。
いつもならチビチビと飲むのだが、今日は気分が高揚しているらしい。
仕事を終えた直後だからだろうか。

「まあ、偶には半妖とか保護したりしてるから、完全抹殺ってわけじゃないだろ?
 おまえみたいなのだっているし」

無礼なことに指差ししている。

「んー?自分の強さか・・・・・
そりゃあ自分が地に倒れ付すまでは、自分の力を信じるさ」

アルコールで鈍った思考回路で言葉を捻り出す。
他に頼るものも、恃むものも持ってはいない。
仲間は大事だし信用しているが、それとこれとは話が別だ。

「なんか話がズレてなくない?俺のせいか?」

珍しいことにケラケラと笑う。非常にレアな光景だった。
385重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 01:38:15 ID:w2gq324J
「はいはい、飲みますよ〜っと」

苦笑しながら、渡された缶酎ハイを開ける。
この少年はアルコールはさほど得意ではないが、この程度の%なら大して問題は無い。
口に広がる僅かな苦みを味わいながら、よく喋る義虎の言葉にうんうんと頷く。
――――非常に奇妙な光景だな。

「俺は見つけなきゃならないモンがあるからねぇ。
相互利用の関係って点じゃあ、あんたと変わりないぜ〜」

次々とアルコールを摂取していく義虎。
他人ごとながら、いささか心配になる。
――――こいつ、そんなに酒に強かったっけ?

「そりゃあデカい組織だからな。中には俺みたいなのだって要るかもしんないな。
 けど、組織を動かすのは大抵上の奴らだ。その意味じゃ、天洸院に期待も信頼もしないのさ」

本当に奇妙だ。義虎がかなり饒舌になっている。
不気味さすら伺えてくるが、柚紀はあまり気にしないことにした。

「そいつは頼もしい事だ。けどな、皆が皆そんな訳じゃない。
 それに、地に倒れ伏した後じゃあ命も危ない。」

コトン、と飲み干した缶を置いて、ふと真面目な表情で語る。

「己の弱さを知る。限界を知る。敵の強さを知る。逃げる勇気を知る。これも言い訳だと思うかい?」
386御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 01:48:55 ID:FFBMimzM
「見つけたいものか・・・・
身内の仇か何かかな。ちなみに俺はそんな感じだ」

一瞬、アルコールの影響が消えた。
二人の老人。妖術師。死んだ父親。狂った母親。死んだ妹。
いずれ探し出す。最初の理由は間違いなくそうだった。
けれど。

「白清支部は、そんなのばっかしだと思うぜ。
 おまえとか、薫とか・・・・『先輩』もそうだっけな。
 支部長は中立だし、滅殺主義者って、俺と天音くらいなんじゃねえか?」

仲間たちを思い浮かべる。
大好きな仲間たち。
大嫌いな仲間たち。
最低で最高な――鬼切りの刃たち。

「むぅ、確かに・・・・・」

幾度と無く、地に倒れ伏してきた。
それ度に、無力さを痛感した。
その度に、強くなろうと決意した。
触れる物全てを切り裂き屠る力。
彼の求める強さとは、そういう類のものだった。
少なくとも以前までなら。
けれど。

「あー・・・・微妙だな。それは場合によって聡明さだろうよ。
だが、そういう場合でも、退けない時もあるだろうよ」

――そう、例えば。

「誰かを守るとき、とか?」

彼は虚ろな眼でそう言った。
387重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 02:08:09 ID:w2gq324J
「敵…じゃないねぇ。例え殺さなきゃならないとしても、
ひとまずは言葉を交わしてみたい。…ま、それは不干渉っしょ。互いに、その方が都合が良いしな」

何故、母を殺さねばならなかったのか。
そいつは、今何を考えながら、何をして生きているのか。死んでいるのか?
矢に立ち止まる暇などない。けれど、このまま的を射抜くだけでは、
父親と何も変わらない。それで母が笑ってくれない事も柚紀は知っている。

「…んなのばっかかぁ。だからこそ、居心地も良いのかもな」

ふっと思わず顔がにやける。自分の彼らとの付き合いは浅いけれど、
彼らの絆の深さを把握するのは難しくなかった。
そんな場所は、とても落ち着ける。柚紀は彼らのそんな所が好きだった。

「誰かを守る時、か。
それが己が命より大切なら、見捨てる訳には行かないだろうな」

成る程、実に義虎らしいと柚紀は納得した。
彼がとある女性に熱烈な愛情を持っていたのは、仲間内では既知の事実だったからだ。

「けどな。大勢同士の喧嘩には終わりがない。
 それは戦場で飛び交う矢の様に、突き刺し、突き刺されそれを繰り返す。
 なら、弱き者はどうすると思う?」


【次で〆たいと思います】
388御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 02:19:05 ID:FFBMimzM
「はン・・・・お互い様か。
 了解。それぐらいで丁度いいだろうよ、俺たちは」

馴れ合うのは好きじゃない。
核心の部分に触れるつもりはない。
少なくとも、この弓兵はそれを望んでいない。
ならこちらも、それなりの対応をするだけだ。

「命より大事なものってそんなにないと・・・・いや、結構あるか?
 まだわかんねぇけどよ。そもそもアイツが死ぬとこなんて見たくないし・・・・」

誰かのことが思い浮かぶ。
誰だろうか、この少女は。
守れなかった妹か。自分で殺めた『先輩』か。
或いは幸原尚か?それとも八雲天音か?

「んー・・・・逃げるんじゃねぇかな?
 或いは、強いやつに守ってもらうとか?」

かつての自分は、強い者に守ってもらっていた。
たとえば『先輩』とか、日ノ本薫とか、大音慈零とか。
それは決して悪いことではない。
守ってもらえるだけの価値があるということだからだ。

――何かが閃いた気がした・・・・

【了解しました。ありがとうございます】

389重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 02:37:31 ID:w2gq324J
「無駄な気遣いは要らねーさ。俺達は殺しをしてんだ。
 だから、何時仲間が殺されても当然なんだ。
 大切な者を護る為なら、何時でも俺を殺せるように、な」

無論、仲間の死を容認する気もないが。
上辺だけのなれ合う関係よりも、この方がずっと彼を信頼出来る。
言葉も詮索も不要。理想の関係と言う奴だろうか。少なくとも男では。

「刃もねぇ。力もねぇ。そんな弱い奴はな…逃げ回んだよ。
 見栄もプライドも何もかも捨ててな。情けないと笑われるかもしれない。
 けど、彼は自分に出来る事を承知してっから。その逃げっぷりも半端ねー」

ゴロンと床に横になり、最後に柚紀は小さく呟いた。

「弱者のマイナスをプラスに変えてみろ。強者のプラスをマイナスに変えてみろ。
全てを疑え。世界をひっくり返せ。そして知るんだ。俺はそうしてる」

勝手に持ち出した薄いタオルケットを羽織り、眠たそうに言う。

「もう一つも、もうあんたは自分なりの答え見つけてんじゃねーのかな。
 んじゃお休み」

誰が義虎にこんな問いかけをしたのかは知らないが、面白い事をしてくれた。
この答えを見つけ出せたなら、彼はまた強くなれるだろう。
390重藤 柚紀 ◆LnjpmqEHII :2006/08/06(日) 02:38:50 ID:w2gq324J
【こんな所で〆させて頂きます】
【久しぶりの上、遅筆で申し訳ありませんでした】
【お疲れ様でした。お休みなさいノシ】
391御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/06(日) 02:45:38 ID:FFBMimzM
うつらうつらと船を漕ぐ。
こちらもいい加減寝るべきだろうか。
そもそも、話し相手が寝たのなら、こちらも寝るだけだろう。
おやすみ。戦友に就寝の挨拶。寝室へ移動する。
スチールディスクの上にフォトスタンド。暫く見つめる。
最近になって、物置から引っ張り出した。
いまより若い御影義虎たちの姿が写っている。
そして今は無き『先輩』の姿も。

――まったく面白いやつらだ、斬鬼衆というやつらは。
――いや、面白いのは退魔士たちだろうか。

全ての思考を遮断し、ベットにダイブ。

ぐるりぐるりと世界が回る。
回っているのは自分の脳味噌か。
ともあれ、彼は眠りについた。

――やがてくる時の為に、今は戦い続けよう・・・

【いえいえ、非常に楽しかったです】
【ではまたノシ】

392浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 18:45:56 ID:4TBTrrDG
たまにはこんなのもアリかな・・・と。投下&待機です。
【名前】浅井 燕
【年齢】18
【性別】♀
【サイド】中立・民間人
【組織】無所属
【サイズ】80 56 78
【容姿】黒のショートカット ラフな格好を好む。 大抵男物のタンクトップ&ハーフパンツ
運動が得意で、テニスをしているので日焼た肌。
気が強く、強く抵抗するが堕ちるとMになる。
【得意】 触手 レイプ 拷問
【能力】霊感がやや強い。汗等、体液から妖魔を誘う「匂い」を発する。
実はその愛液は妖力を高める性質を持つ。
【武器】 なし
【NG】スカトロ グロ
【弱点】媚薬 触手ですぐに濡れる
【備考】一人くらい何の能力も無い普通の襲われるだけの民間人もいてもいいかな、と。
退魔に護ってもらったり妖魔に襲われたりする、普通の女子高生です。
昔から妖魔に狙われていて、そのつど退魔師に護られているが
本人は気づいていない。最近妖魔を誘う「匂い」が強くなってきたため、
遠くに居る強大な妖魔にも狙われ始めている。

393名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 18:52:58 ID:1TdZhHdw
>>392
【こんばんは(?)、一般人とは珍しいですね】
【お相手、良いでしょうか?】
【それとどんなシチュが希望でしょうか?】
394浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 18:55:15 ID:4TBTrrDG
【あなたのサイドによると思いますが・・・。お願いします。】
【途中レスが5分とか10分以上遅れることがあるかもしれませんが大丈夫ですか?】
395名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:03:07 ID:1TdZhHdw
【うーん、では以下のメニューから希望のシチュをお選び下さい】

1【妖魔に襲われ、陵辱(触手アリ)】
2【妖魔に襲われるが、通りかかった半妖朝山遠矢に助けられる(遭遇、雑談)】
3【瀕死の重傷を負った朝山遠矢と遭遇し、妖魔化してしまい襲われる】

【こんな感じでどうでしょ?】
【大丈夫です。こちらも遅いですし、お気になさらず。】
396浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 19:08:22 ID:4TBTrrDG
【どれも濃いですねぇ・・・(汗)エロありなら1、なしなら2でいいと思います】
【良ければ1】のほうでいいですか?
397名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:10:06 ID:1TdZhHdw
【分かりました、1で行きますね。】
【どちらから始めましょうか?】
398浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 19:20:07 ID:4TBTrrDG
【では私から】

(テニスの帰り道。黒のTシャツをまくって走って帰っている。
視界の端に白いもや。多くの人影(幽霊)が慌てて逃げて居る)

何?今の?

(強力な妖魔が近づいてきた証拠であったがそれを知らない)

疲れてるのかなぁ・・・?早くシャワー浴びて寝るとしよう。

(そう考えてまた走り出す。夏の日差しを浴びて汗が出る。その匂いは強烈は妖魔を誘っていた)
399名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:30:48 ID:1TdZhHdw
(逃げている幽霊が次第に減り始め、遂にはその姿を消す)
(少女がその場を立ち去ろうとした時、足に何かが絡み付いた。
 その何かは、ドブの溝から生えている様だった)
(次第にドブ溝を塞ぐ板が暴れだし、遂にはそれを突き破った)
(ドブ溝から出てきたのは、巨大ミミズと見間違う程のグロテクスな触手達だった)
(無論少女の足に絡み付いているのも触手である)

『オンナ…人間の、女……』
(突然、少女に声が響いてくる。
 その声は、耳に入るものではなく頭に直接伝わってくるものだった)
400浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 19:38:01 ID:4TBTrrDG
わっ!?
(何かが足に絡まりつんのめる)

・・・何コレ・・・。この声・・・。また幽霊・・・?
(今まで幽霊を見たり、またその「声」を聴いた事はあるがこんな『力』を感じる相手も
触手を持つ妖魔のものを見るのは初めてだった。)

嫌・・・。
(太陽を反射して銀色に、不吉に光るTシャツ髑髏。それと目を合わせて妖魔が消えるのを願っている)
401名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:48:21 ID:1TdZhHdw
(倒れた少女を引きずり、触手の群れへと連れこもうとする)
(ドブ溝から出てきた触手達は、獲物を見定める様に先端を少女に向けた)

『お前にある、妖力…汗だけでも強い力を感じる。
 お前を摂取し、より強い種へと我はなる…その為には…』
(頭に響く声は低く、脅しているかのようであり、
 獲物を目の前に舌舐めずりをしているのか余裕を感じられた)
(徐々に少女を触手の群れに近付かせ、触手達が振るえ出す)

『お前には、我の贄となってもらう!』
(空気が震える様な声を少女の頭に何度も響かせる)
(そしてその声と共に、触手達が一斉に少女へと襲いかかった)
402浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 19:58:03 ID:4TBTrrDG
何をわけのわからない事を・・・?誰か助けて!助けてよ・・・。

絶対嫌なんだから・・・!
(必死に足に絡まった触手をとろうとする。)
この・・・ツ!
(持っていたテニスラケットで触手を思いっきり殴る)
誰か、誰かああッ!
403名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:06:49 ID:1TdZhHdw
(テニスラケットで抵抗するが、数が多すぎた。
 一体の触手を払う間にも触手が少女の腕を拘束し、
 ギリギリとテニスラケットを持つ手首を締め付けていく)

『無駄だ、誰も助けには来れない。
 お前は今、我が作った結界の中にいる』
(辺りの景色は、いつの間にか紫の有り得ない色に染まっている)
『この結界を破らぬ限り、お前と我は誰にも気付かんわ』
(つまりは、視覚は愚か五感にも妖力にも気付かれない結界を周りに張り巡らしたのであった)

(そう喋っている内に、触手は少女のTシャツに内から侵入し、破こうとする)
(そして両腕に触手が絡み付き、無理矢理宙に浮かせた)
(少女を支えるのは、両腕の触手になった)
404浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 20:14:24 ID:4TBTrrDG
あッ!?・・・痛い・・・うあッ・・。
(手首を締め付けられ、テニスラケットを落とす)

けっかい・・・?えっ!?ここ・・・。どこ・・・?
(結界の意味がわからずと惑う。)

ちょっと!きもちわるい!・・・何なの!?うわッ・・・!
(Tシャツの中に入ってくる触手の感触にゾッとする。
高いところが怖く足をばたつかせる。)
405名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:21:50 ID:1TdZhHdw
『さあ、これでお前の武器は無い』
(何も手にしない少女に、声は嘲るように笑った)

(そしてTシャツに侵入した触手は、それを易々と破り、少女の裸体を露にする)
(二本の触手が少女の乳房にむかい、根本から締め付け出す。
 胸を締め付けられて乳房と乳首が強調されるなか、乳首へ触手が向かう)
(触手は先端から一回り小さい触手を出し、乳首を舐めるように触りだした)

(そして、脚の方からも触手達が太股を伝い、下の方も脱がそうとする)
406浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 20:25:43 ID:4TBTrrDG
くそっ、やだってばっ!
(触手を必死に握り引っ張り、抵抗しようとする)

何考えてるの!?気持ち・・・悪い・・・。
(乳首がやすやすとたたされ、恥じる)

ひっ!?やだ!駄目!!(足をばたつかせ、触手を離そうとする)
407名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:37:17 ID:1TdZhHdw
『少し煩いな…黙っていろ』
(暴れる少女に、触手を使い、顔へと強烈に叩き付ける)

(乳首をじっくりと舐めた触手は、次は先端を開き、
 口を覆うように乳首に被さった)
(乳首に覆い被さった触手は、先程の小さい触手を使い、乳首を縛りつねる)
(同時に乳首へと吸い付き、乳房を持っていかんばかりに引っ張り出す)

(少女が足をばたつかせるも、無情にも触手は少女のホットパンツに侵入してしまう)
(そして、Tシャツと破いた同じ要領で、無惨にもホットパンツを破り裂いた。
 少女に残されたのは、恥所を守る薄衣だけだった)
408浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 20:42:49 ID:4TBTrrDG
きゃっ!?・・・痛い・・・
(唇を切って血が流れ出る。吐き出すとそれに群がる触手達)

何なの・・・。あっ・・・。痛い、痛いって・・・。
くぅ・・。
(僅かに感じ始めている)

あっ!?
(胸に気をとられている間にホットパンツが破かれてしまう。)

やだ・・・いやだ・・・やめろ・・。
(太ももをすり合わせ、触手にこじ開けられないようにするが、それは男が見たら
誘っているようにも見えただろう。)
409名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:50:51 ID:1TdZhHdw
(口を切ったのを知ったのか、一本の触手が口腔に無理矢理入り込む)
(何度も前後運動し、妙な柔らかさの触手の感触が歯に伝わる)

(太股をすりあわせた少女に欲情したか、ショーツを脱がせて隠されていた恥所を晒した)
(そして脚に絡み付いた触手が無理矢理足を開かせ、秘裂が明らかになる)
(後ろの菊座も晒され、それを狙うように触手達が愛撫するように尻に触れる。
 先端から細い触手を出し、液を出しながらテラテラと尻を撫で回した)
410浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 20:56:29 ID:4TBTrrDG
やあッ。んぐぅ・・・。

!?やだ・・・。やめて!!!
(火事場の馬鹿力か、触手を噛み切り、足をばたつかせ叫ぶ)
411名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:03:52 ID:1TdZhHdw
(噛みきられた触手は、異形の血を巻き散らしながら地に落ちていった。
 だが少女は気付いていない。自分が僅かでも触手から妖魔の血を飲んだことを)
(次第に少女の体が痺れ出し、神経が過敏になっていく。
 それは肌を触れるだけでも性感帯並に快感が伝わってくる)

(足をばたつかせても、それを抑えるために絡み付いた触手達が万力の如く縛りつける)
(その一方で一本の触手が秘裂に近付き、それをなすり付けるように擦り出す)
(そして、尻を責めていた触手が、菊座に触れた)
412浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 21:09:50 ID:4TBTrrDG
はっ、はあっ・・・・。何これ・・・?
体がおかしくなってくる・・・。

んぐぅっ・・・。やだっ
(また口に触手が入ってきて、また噛み切る)
(だが今度は噛み切った触手が自らのどに飛び込み体内に入ってしまう)

飲んじゃった・・・。んぐぅぅぅっ!・・・・あっっ。
(ほほに赤みが差し、触手達が求めていた愛液が次第ににじみ出てくる)
やだ・・・何これ、何これ!
(次第に体の自由がきかなくなり、神経はますます過敏になっていく)

(やがて体から完全に力が抜け、陵辱を待つのみとなる)
413名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:18:31 ID:1TdZhHdw
『それだ…お前から滲出したモノ、それが我が求めたモノだ』
(秘裂から愛液が滲初め、触手達の先端が皮を剥き始める。
 剥き始めた触手の先端は、まるで亀頭と模した形だった)

(菊座に触れた触手が、入り込む様に体を捻り出す。
 亀頭が菊座を広げ初め、直腸へと徐々に入り込み始める)
(秘裂にいる触手も、秘裂に亀頭を向けて亀頭を埋めだした。
 熱く揺れうごめく異物が、前にも後ろにも侵入をしだした)
414浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 21:25:35 ID:4TBTrrDG
やっ・・・。あぁあッ!あっ駄目、や、あっ!
(前も後ろも処女であるのに、妖魔の血はすっかり少女を淫乱な体している。
ビクッと痙攣するごとに、触手が体を舐める。
愛液はおろか汗の一滴涙の一粒さえも掬い取っていく。
そのたびに燕は体から力が抜けていくのがわかった。)

もう・・・やめてよ、バ・・・ケモノぉ・・・。ああッあっ。
(目とコトバだけが僅かに妖魔に抵抗している。)
415名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:35:35 ID:1TdZhHdw
『そんないやらしい声を上げて、今更何を言う?
 これを望んでいるのだろう、我もお前の妖力を求めるように…』
(囁きかけるように少女の頭に響いた)
(直後、前と後ろの穴に触手が一気に侵入した)
(容赦なく処女の膣肉に入り込んだ触手は、少女への気遣いも
 何もなく、秘裂から秘蜜を出すように乱雑に動き出す)
(秘裂から破瓜の血と秘蜜を散らしながら、強烈な突きを少女の最奥に叩き付ける)

(直腸を陵辱する触手は、拡張させるかの様にグネグネと大暴れをした)
416浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 21:39:26 ID:4TBTrrDG
ひっ・・・!ああっ、あっ。やあああぁあっ・・・!
はっ、あん・・・ふあぁぁぁ・・・。
うあっ、あっ、駄目、もう駄目、イク、イクからあぁ!
(自ら腰を振り始め、絶頂が近づいているのを妖魔に伝える)
417名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:47:44 ID:1TdZhHdw
『フフフ…そうだな、ではお前に我の服従の妖液を注いでやろう』
(ズンズンと膣を捲るように摩り、子宮口に突き刺す様な突きをしながら囁く)
(同じく直腸を責める触手も激しく動きだし、おぞましい快楽の波を沸き立てる)

『ふんっ…!』
(そして少女の最奥を突いたその時、触手が膨れだし、
 マグマの様にたぎりきった液を子宮へと注いだ)
(そして直腸内の触手も液を吹き出して、直腸を熱い液に満たしていく)

【次で〆でしょうか?】
418浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 21:54:04 ID:4TBTrrDG
あ、あ、ああぁッ!!んああぁっ。あうぅぅぅ・・・。
(圧倒的な刺激に、息をつく暇もなく燕は喘ぐ。)
ふあぁ、ああ、も、だ・・・め・・・。
(ぐったりした全身が緊張し、妖魔のソレを受け入れる。
妖魔の液体は全身を駆け巡り『力』を摂取していくと同時に神経を侵し・・・
【〆ても〆なくても大丈夫ですよ?】
419名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 22:02:49 ID:1TdZhHdw
『お前には、これからも我の贄となってもらう。
 これだけでは未々足りぬしな…』
(ぐったりとした少女を抱えるように、触手は身体中へ絡み付いた)

『これから我の巣へと向かう。
 ずっと我の贄となり、力の糧といて生きるがいい』
(少女を洗脳するように囁くと、少女を抱えた妖魔は高く飛びたち、何処かへと去っていった)

【それでは、これでキリが良いので〆ますね】
【因みにこれは…パワレル化(無かった事)でよろしいですね?】
【お相手ありがとうございました。またいずれ会いましょう…ノシ】
420浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/07(月) 22:05:08 ID:4TBTrrDG
【了解です。またよろしくですー】
421浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/08(火) 19:32:01 ID:cJmOBASZ
>>392
【二日連続になってしまってアレですが、待機させていただきます】
422浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/08(火) 19:58:44 ID:cJmOBASZ
落ちますー
423浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 22:17:07 ID:bue3n5nY
【待機します。何か私ばっかりで気が引けますが(・ω・;) 】
424南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 22:19:53 ID:+JwqTjib
【こんばんは。お相手お願いできますか?】
425南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 22:28:59 ID:+JwqTjib
【書き込み早過ぎましたでしょうか?】
426浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 22:29:07 ID:bue3n5nY
【こんばんわー。よろしくお願いします】
427南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 22:32:48 ID:+JwqTjib
【よろしくお願いします】
【希望シチュありますでしょうか?】
【私のテンプレはプロフスレの128にあります】
428浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 22:36:40 ID:bue3n5nY
【私のプロフは・・・すぐ上にあります(´∀`*)
希望は、特にありませんのでそちらから開始してくださって結構です。】
429南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 22:42:45 ID:+JwqTjib
【了解しました】
【あなたの持つ能力を感知した私が解析の為にあなたを襲うというのと】
【普通に雑談とどちらがいいでしょうか?】

(人気の無い夜の公園に、その青年は立っていた。
 白衣をまとった青年は、やや興奮した眼光で自分の左腕を見下ろしている)
ちぇ、逃がしちゃいましたか。
中々面白い『力』を持った妖魔だったんですけどねぇ・・・
430浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 22:47:48 ID:bue3n5nY
【雑談なら避難所のほうの雑談でいいと思うので普通に進めたいです】
(部活の後、ファミレスで友達と雑談した後の帰り道)
こんな時間になっちゃった・・・。
急いで帰らないとっ。
431南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 22:56:50 ID:+JwqTjib
【了解しました】
(足音に反応し、視線をそちらに向ける)
・・・異端の匂いがしますね・・・
覚醒はしていないようですけど、今の私のそばを通った事が不運だと思って頂きましょうか。
(早足で公園を抜け、少女の前に飛び出す)
〔人間・・・ならこの手で行きますか〕
失礼、私こういうものですけど、現在少し理由がありまして、この一体の調査をしているんです。
少しお話のほうをお聞かせ願えませんでしょうか?
(白衣の中からニセモノの警察手帳を取り出し、少女に見せる)
432浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:00:19 ID:bue3n5nY
・・・え、警察の方ですか?分かりました。何か事件でもあったんですか?
(白衣だることに多少違和感を覚えながらも、特に疑わずについていく。)
433南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:07:19 ID:+JwqTjib
ええ。あ、場所は変えなくても結構です。すぐ済みますから。
単に二、三質問をしたいだけですから。
事件・・・ええ、まあ。
あまり内部事情は言わないほうがいいんですけど、緘口令も出ていませんしね。
実は、ある薬物がこの辺りのどこかのお店にばら撒かれたというタレコミがありまして、
そういったことの専門家の私も引っ張り出されたわけです。
この辺りの店舗をご利用になられましたでしょうか?
そうでなくても何か目が痛くなったり、粘膜が痒くなったりとかの症状はありませんでしょうか?
(真剣な顔を崩さず、完璧な演技で喋る)
434浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:12:26 ID:bue3n5nY
いえ、特に・・・。目も、別に痛くないし・・・。
!?(一瞬パラレル化した自分の感覚を共有する。嫌な予感)

(何・・・変な感じ・・・。でもコノ人は警察の人だから・・・。)
435南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:14:58 ID:+JwqTjib
そうですか。念の為に目を見せていただけませんでしょうか?
それだけ終わったら帰っていただいて構いませんので。
(そう言って懐からペンライトを取り出す)

? どうしました?
やはり何か心当たりが?
どんな些細な事でもいいので教えてください。
それが大事件に発展する事を防ぐ要因になる事もあるのですから。
436浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:19:00 ID:bue3n5nY
あ、分かりました・・・。
(そういって近づく)

いえいえ、何でもないですよ。
(首を大袈裟に横にふりながら今のは気のせいだと自分に言い聞かせる。)
437南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:23:37 ID:+JwqTjib
それでは、ちょっと失礼しますね。
(顔に触れ、目をくいっと開くとそこにペンライトの光を当てる。
 両目にそれぞれ10秒ほど当て、その後満足そうに頷いてペンライトをしまった)
大丈夫・・・ですね。薬物の影響は出ていません。
はい、ありがとうございました。もう結構ですよ。ご協力感謝します。
(にっこりと笑顔を燕に向け・・・)
それでは・・・眠ってください。
(言って、パキッと指を鳴らす)
438浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:28:02 ID:bue3n5nY
ん・・・。(まぶしいなあ・・・)
あ、そうですか、良かった〜。
(ほっと胸をなでおろし)
じゃ、お疲れさまでし・・・あ・・・れ?
(意識を失う)
439南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:30:42 ID:+JwqTjib
・・・ふう、見立てはあっていたみたいですね。
人間じゃなかったらここで八つ裂きにされているところです。
さて、眠ったまま立っていただけますか?
とりあえず場所を変えましょう。ついてきてください。
(近くの廃ビルへと歩いていく)
440浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:34:07 ID:bue3n5nY
・・・。(むっくりとたって無意識に廃ビルへと向かう)
441南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:39:20 ID:+JwqTjib
えっと、この辺りに・・・ああ、ありましたありました。
(辺りをごそごそと探り、大きなバッテリーを取り出すと
 白衣の下に隠した手甲に繋ぐ)
さて・・・まずは一旦精神のプロテクトを解かなくては。
眠ったままで構いませんので、自己紹介をしていただけますか?
名前と、所属・・・それとあなたの能力の説明なんかいただけると助かるのですが?
442浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:42:26 ID:bue3n5nY
浅井燕・・・。高校三年二組・・・テニス部です。
能力・・・分かりません。
443南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/10(木) 23:47:40 ID:+JwqTjib
ふむ・・・未覚醒なだけでなく自覚もしてないのですか。
では直接引き出すくらいしかありませんね。
ふむ・・・ではあなたは、私が次に手を打ったら目を覚まします。
但し、私の姿を見ることは出来ないし、声を聴いてもそれを認識する事は出来ない。
この場から離れようとも思わない、その事を不自然だとも思わない。
そして、あなたは徐々に身体が熱くなっていき発情していく。
分かりましたね? それでは・・・
(ぱん、と手を打つ)
444浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/10(木) 23:58:43 ID:bue3n5nY
・・・ん・・・。
熱い・・・。体が熱い・・・。何で・・・?やだ、こんな事しちゃ・・・。
(太ももをすり合わせながらうつぶせになる)
445南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:02:23 ID:+JwqTjib
あなたは肩から先、両腕に対して自制が効かなくなる。
自分の欲望に対して忠実に動いてしまう。
そして、あなたはそれを自分の意思の行動だと思い込む・・・
それと、そうですね。あなたはどこからか見られている感覚を覚える。
そしてその羞恥心が、あなたを更に発情させていく・・・
(聞こえない声が聞こえ、燕の意識に命令を送る)
446浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:04:14 ID:O/YuZgNT
見られてるのにぃぃぃ。
とまらない、手が止まらないよぉ・・・。
あっやだ、何で私、こんな・・・。あっ、やっ・・・だめぇ・・・。
(自分の秘所と胸を触りながら熱っぽく呟く)
447南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:13:28 ID:juGBrX/M
ふむ・・・ここであなたは自分が自慰していることを不自然に思う。
しかし手は止まらず、発情は徐々に増していく。
そして身体は感情と裏腹に、視線に対して大事なところをさらすように動いてしまう。
そしてあなたの手は、絶頂を前に止まり、少し落ち着いてから再び動き出す。
決して絶頂に導かれはしない・・・
448浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:20:19 ID:O/YuZgNT
アッ、アハっ・・・やあぅ・・・。
・・・?何で私、こんな あっ、ああっ・・・!
手がとまらな・・・あっ、ああ・・・。
やだっ、やだっ、こんな、見たくない、こんなの・・・くぅ・・・。
イク、イク・・・。ハアッ、ハっ・・・。
何だったの今の・・・?
!?また、手が・・。あうぅぅぅ・・・。
やだ、あっ!駄目・・・駄目ぇ・・・
449南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:24:14 ID:juGBrX/M
そうですね・・・あなたが自ら絶頂を望む発言をした瞬間、
私の姿と声を知覚できるようになります。
ややこしくなりそうなので、私とさっき会った事は忘れて置いてください。
そして私の姿を見た瞬間、絶頂への焦燥感が維持されたまま手が止まってしまう。
450浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:26:58 ID:O/YuZgNT
あっ、あっ、イク・・・イクぅ・・・。
・・・?また、手が・・・。
・・・くぅっ、あっ、駄目駄目駄目・・・、イク・・・駄目・・・。
やだ、止まらないで、イキたいよ・・・。
451南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:30:14 ID:juGBrX/M
おや、そうなんですか?
自分でそんなにやってもいけないのでしたら、
私が手伝って差し上げても構いませんが。
(触れるほど近くに立ち、うつぶせの燕を見下ろす)
452浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:32:52 ID:O/YuZgNT
イカセテ・・・イオカセテ・・・。
お願いだからあ・・・・。
私もぉこんなにぃ・・・気持ちいのぉ・・・。
(活発な目から光が消え、淫乱な目をしている)
453南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:36:52 ID:juGBrX/M
そうですか。でしたら・・・
(自身のペニスを取り出し、燕の服を剥ぎ、そしてその秘部にあてがった)
せっかくですし、思いっきり楽しんでいただきますか。
入れると同時に、あなたはイク。そしたら後は、抜く度にイキ、つく度にイク。
それでもあなたは気絶も発狂も出来ない。幸せでしょう?
(言って、思いっきり腰を突き出し、ゆっくりとストロークしていく)
454浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:43:08 ID:O/YuZgNT
・・・お願いしま・・・あはあぁあッ・・・!!
あっッ、やアッこんなのッ、駄目、イク、また、ああぁッ・・・。
やあ、もう、無理、あ、気持ちぃぃぃ!あふあ、あっ、あああっ・・・。
(処女を通り越してただの淫乱な女になった燕。何度も何度も絶頂を向かえる)

あっ、あっ、ほしい、ああぁ・・・。んあっ。ください、あっ中、に!
一緒に、いってあっ、駄目、わた・・・しあうぅっぅ。
もう、わたひ、こんなひ、いってるのにぃぃぃ・・・。
ひゃ、あっ、どうし、て、あうぅ・・・。駄目駄目、あっああ!
455南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:49:26 ID:juGBrX/M
そうですね、ではとりあえず第一段階を終えてしまいますか。
私が絶頂を迎えると同時に、あなたは絶頂の重ね掛けのような
暴力的な快楽に支配される。さ、いきますよ?
(ストロークを少しずつ早めていき、最後には淫水が飛び散るほどの勢いになる)
さあ、受け取りなさい!
(言って奥に叩き込み、その瞬間ドクドクと精液を中に叩き込み、
 それと同時に燕の首筋に注射器をあてがい、何かを注入する)
456浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 00:52:03 ID:O/YuZgNT
うぐっっ・・・うあああアあぅ!!!
はあっ、ハアっ・・・。なか・・・に・・・アッ、すごっ・・・ぃぃ。
ひっ・・・。
457南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 00:59:36 ID:juGBrX/M
ふむ・・・ナノマシン定着確認。精神プロテクト2.7%、無視可能レベル。
解析開始・・・現状におけるデータ確認。
・・・霊感所持
・・・体液に集魔効果
・・・愛液に限定し妖力増大効果
これは・・・素晴らしい。
この娘の存在は私の研究に大いに役立つ。
ヒョウタンから駒とはこの事ですか・・・
(秘部に指を入れ、愛液を掻き出す)
458浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:01:53 ID:O/YuZgNT
あっ、あっ・・・・アアアッ・・・!!!
やあッ、一体何を・・・?(夢中になっている隙に一時的に正気を取り戻す)
・・・いやあああぁあぁッ!!
(自分の秘所からあふれてくる血と白濁液をみて何をされたか悟る)
459南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:06:15 ID:juGBrX/M
ほら、落ち着いてください。そして思い出してください。
私は提案しただけで、あなたのほうから頼んできたんですよ?
(ペンライトの催眠術によって強制的に心が落ち着かせられ、
 自分の行動を思い出させられる)
それに、気持ちよかったんでしょう? 正直に言ってみてください
460浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:07:39 ID:O/YuZgNT
・・・あ・・・はぃ・・・・そうです・・・全部私が望んで・・・
ああぁぅ・・・ッ。気持ちよかったです・・・もっともっとして・・・
(完全に催眠にかかるが一筋の涙がほほをつたう)
もっとください・・・・
461南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:13:03 ID:juGBrX/M
もっと、ですか。しかしあなただけの欲望を満足させるのもねぇ・・・
条件があります。私は見ての通りの研究畑の人間です、
あなたが今後、私の実験に色々と付き合ってくださるのでしたら、
さっき以上の快楽で一晩中可愛がってあげますよ?
何もあなたを拘束するわけではない、ただ電話番号でも教えていただいて、
呼び出しに応じていただければそれで良いんです。
それで駄目でしたら・・・まあ一晩中、満たされない渇きを我慢していて下さい。
さて、どうしますか?
462浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:17:51 ID:O/YuZgNT
・・・・あッ・・・うぅ・・・。や・・・だあ
(ここで言うとおりにしたらいけないという何かの警告)

ああっ!やあっ!教えます教えますからあぁあああ!!!
はや、くぅぅぅぅぅ!!!
463南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:27:26 ID:juGBrX/M
ふふっ、安心していただいて構いませんよ。
あなたの生活を侵害するような真似はしません。
ただ、あなたの生活がもう一つ増えるだけです。
さて、体力の無い私には二回連続で相手をするのは無理ですし、
次はコレに頼みますか。
(京次の右手の指が左腕を、パソコンを操作するように叩く。
 すると、京次の後ろの空間が歪み、そこから無数の触手が現れる)
そうですね、後ついでに・・・
『あなたは触手が肌に触れるだけで、快楽神経をヤスリで削られるような快感を得る』
さ、思いっきり楽しんでくださいね♪
(京次の宣言と同時に、触手が燕の身体に襲い掛かる。
 上は耳、首筋、肩から、下は内股、膝の裏、足の指まで、
 ありとあらゆる性感帯を、触手は全て同時に撫で上げていく)
あなたの愛液は貴重なサンプルです。たっぷり出してくださいね?
あなたは何度も絶頂を迎え、その度に愛液を大量に噴出し、
それと同時に射精の快楽を得る・・・射精の快楽は、ナノマシンに教えてもらってください。
464浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:35:24 ID:O/YuZgNT
あっ・・・ああっ・・・あっ・・・すごぃぃぃぃ・・・。
やだあっ、イクッイクっ、すごい、いっちゃうぅっぅうぅぅぅ。

や、すごぃ、しゃせーー、すごいぃぃっぃ!!!
(潮をふきながら、何度も何度もいく)

いいぃぃぃぃ、あぅ、ああっ、駄目、ああっ、もっと、もっとぉぉお!!
465浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:38:08 ID:O/YuZgNT
【申し訳ありません、そろそろ時間が・・・orz】
466南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:43:12 ID:juGBrX/M
もっとですか、はいはい、楽しんでくださいね。
(触手は愛液を吸い上げながら、その狙いを秘部に定める)
触手の触れるところには快楽が・・・ですからこんな事も出来るんですよ?
(触手の先から蛇の舌のような細い触手が出てきて、ちろちろと威嚇したかと思うと
 前と後ろ、両方の穴にずどんと入り込む。
 そして前の穴は細い触手を奥に伸ばしたかと思うと、
 子宮の中に進入し、内側から舐めあげる
 更に別の極細触手はクリトリスをペニスのようにしごき上げたり、
 尿道の中を犯したり、乳腺の中にまで入り込んできた)
467南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:44:23 ID:juGBrX/M
【了解しました。ではそろそろ終わりにします?】
468浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 01:48:41 ID:O/YuZgNT
あぐあっ、あっ、こんなの、すごすぎぃぃぃぃ!!!
かはあ・・・ッあ、ああ・・・・。
(口がパクパクと動き、のどが枯れ、肉体的な限界が近づいている)

ふああぁ・・・あ・・・・ッッ。・・・ヒューッ、ヒュッ・・・・。
(神経は焼け切れんばかりに感覚を伝達しすぎていた)
【〆方はまかせます】
469南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 01:57:02 ID:juGBrX/M
【了解しました】

ふふっ・・・さて、私はこの辺で帰りますのであなたはそれのバッテリーが切れるまで
思いっきり楽しんでいてください。
それと、私の携帯番号、ここにおいておきますので。
楽しんだら後でいいですから『ちゃんと連絡して、電話番号教えてくださいね』?
それでは・・・ごきげんよう。
(保険として最後の暗示をかけ、京次はその場を離れる)
ふふ・・・さあ、早速準備を開始しなくては・・・
フフ・・・アハハハハハハハハハッ!!
(狂気のこもった笑いが、夜の闇の中へと消えていった・・・)

【こちらはこれで〆ます】
【おつかれさまでしたー】
470南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/11(金) 02:06:01 ID:juGBrX/M
【お相手ありがとうございましたです】
【話の持っていき方がかなり強引だった事を反省しています】
【不快な思いをさせてしまっていたらすみませんでした】
471浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/11(金) 02:18:45 ID:jNOlCOVU
【いえいえ、大丈夫でしたよ。こちらこそ急に落ちる時間がきて申し訳ないです。機会があればまたお願いします。】
472あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:11:17 ID:xRF/DHII
プロフ投下&待機します。
【名前】駒口 あかね
【年齢】20
【性別】女。
【サイド】退魔
【組織】無所属
【サイズ】155cm 45kg 82 57 78
【容姿】普段着は赤い伊達眼鏡 白いパーカー&ジーンズ 狩りの時は黒の忍び装束
【得意】強姦 触手 輪姦 媚薬
【能力】高速移動 予知能力 前方からの攻撃のみは予知と高速移動によって回避可能
【武器】短剣 短銃 
【NG】グロ
【弱点】物理的な攻撃しかできないので実体を持たない相手に対して完全に無力
【備考】妖魔を狩る一族の一人。山奥に住んでいたが一族の掟を破りある妖魔に恋をしたために追い出される。忍び装束は身を隠すためと、趣味。

473名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:16:46 ID:Jv4TJAeG
>>472
こんばんは。性格はどんな感じなのかな?
474あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:20:38 ID:xRF/DHII
【性格】味方には明るく敵には冷徹。美を感じるものに、敵味方関係なく見とれてしまう
475あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:23:02 ID:xRF/DHII
【こんな感じでどうでしょう?】
476名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:25:14 ID:Jv4TJAeG
なるほど、その落差が面白そうだね。
ごめん、声かけておいてなんだけど時間がないので、
明日じっくりログを読ませてもらうよ。
それじゃ。
477あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:27:07 ID:xRF/DHII
【了解です】
478あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:36:40 ID:xRF/DHII
もう少し待機して誰も来なければ落ちます。
479水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 00:37:42 ID:kHBIBnsY
【ふと通りかかったわけですが……うむ、どうでしょうカ?】
480あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:39:09 ID:xRF/DHII
【こんばんわ。】
481水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 00:41:31 ID:kHBIBnsY
【よろしければ、お相手をお願いしてみようと思いますガ……触手ですカ】
482あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:43:27 ID:xRF/DHII
【?すいません、プロフを見せていただいてよろしいでしょうか?】
483水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 00:46:33 ID:kHBIBnsY
【これは失礼】

【名前】水上竜斗(みなかみ・たつと)
【年齢】21
【性別】男
【サイド】妖魔側
【組織】フリーランス
【サイズ】身長187cm 体重62kg
【容姿】白髪をざん切りにし、常に片目を閉じている。そのことを隠すためにサングラスを着用することが多い。
    面立ち自体は整ってはいるが、鋭すぎる。
【得意】陵辱、調教、精神破壊
【能力】気の制御と人体経絡を利用した肉体統御。
    また「魔王」との契約により、失った目の代わりに水を「魅了」する魔眼を授かり、水をその性質を含めある程度自在に操ることが可能。
【武器】気を徹した針や糸、自分の経絡を刺激することで得た常人以上の身体能力、水操作
【NG】 出来れば死亡は避けたい
【弱点】身体能力はあくまで常人以上なだけで超人レベルではない(多少の誇張はレス中で起こす可能性はあり)
    能力の性質上、正面決戦は苦手。
    また魔法の類にはほぼ無防備(魔王の力を借りることで多少の向上は可能)
【備考】悪魔に魂を売った(契約した)人間。
    偶然にも魔王召喚に立ち会ってしまい、その際に魔王と契約を結んだ「契約者」
    「魔人」とも呼ばれる。
    何ら不自由のない家庭に生まれたが生来の邪悪な魂のため、ありとあらゆる悪徳に手を染めた外道。
484あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:47:37 ID:xRF/DHII
【なるほど、了解です。触手に拘りはないのでなくても大丈夫ですよ♪】
485水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 00:49:32 ID:kHBIBnsY
【ふむ、ではどのような出だしとしましょうか?】
486あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:51:25 ID:xRF/DHII
【狩りの後、現れた水上に倒され・・・というのは?】
487水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 00:52:35 ID:kHBIBnsY
【では、そうしましょうか、無難にね】
【そちらから書き出していただけますか?】
488あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 00:59:20 ID:xRF/DHII
【了解です。】

死屍累々とした野原に忍び装束の女が一人。
丁寧に一匹一匹妖魔の首を刈っている。

煎じて良薬を作り、骨から武器を作るのだ。

「何だかいい材料が手に入らないな、やはり雑魚ね・・・。」

一人呟いてその場を後にしようとする。

「!?」

何だか妙だ。妖魔の血が波打っている。
489水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:07:35 ID:kHBIBnsY
「いい、風と匂いデス」

血の匂い。
風が運んできたのは血の匂いだ。
その匂いをいい匂いという男は、闇の中にあってなお外さないサングラスを指で直す。
男の名は水上竜斗。
魔王の力を得た契約者……魔人とも呼ばれる人類最悪の存在だ。

歩を進める。
ゆっくりと、その匂いの発生源に。
すぐに辿り着いたそこは、死山と血河に彩られた地獄絵図。
知らず、片頬が笑みの形に上がる。
死こそ、血こそ、彼の求めるものゆえに。

そして、死山と血河のただ中、首を狩る狩人が一人。
シルエットから女性とわかるそれを見、水上の笑みはさらに深くなる。

「どうしました、お嬢さン?」

求めるものは、蹂躙と屈服と隷属。
490あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 01:11:33 ID:xRF/DHII
「!?」
(いつの間に・・・気配を感じなかった・・・。)

「!!!」
すぐ後ろに跳躍する。
手をかざすビジョンが見えたからだ。

「何か用でも?」
(こいつ・・・強い妖魔・・・。斃せば良い武器ができそうだ。・・・斃せればね)
短剣を構えて相手の出方を伺う。
491水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:15:56 ID:kHBIBnsY
「このような時間に、お嬢さンが一人というのは危ないと思いましてネ」

鋭い視線は外さず、心にもないことを言う。
だが、僅かに心に引っかかる。

(何故、こうも反応が早い?)

踏み込むタイミングとほぼ同時に後ろに飛ばれては何も出来ない。
何故タイミングを合わせられる。
その、僅かな疑問が水上を慎重にさせる。

「そんなものを構えて……危ないですよ」

両手を広げ、敵意の無さをアピール。
……すると同時に、一歩大きく踏み込む。
人外の筋力は、人外の速度を生む。
踏み込みながら掌底を腹部に放つ。
まともに食らえば悶絶、或いは内臓破裂すらしかねない威力の掌底だ。
492あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 01:23:06 ID:xRF/DHII
「く!?」
(速い!何、コイツ!?)

腹部への一撃をかろうじてかわし、隠し持っていた短銃を連射する。
妖魔用への特製の弾だ。当たればそこから組織を腐らす。

(次、何、変な構え?これは・・・危ない!!!)

弾が避けられ相手が妙な構えを取るまで先に見えたが、凄まじい殺気にアテられ、一歩回避が遅れる。
493水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:30:23 ID:kHBIBnsY
(アレを……避ける。やはりただものではない)

しかも避けているのではない。
通常、避けるというのは攻撃のあとに行うものだ。
だが、女は……明らかに攻撃の前に回避行動に入っている。

(先見の力……?或いはこれは面白いかもしれんな)

銃の連射に先んじ、足下に広がる血河を操作する。
血がまるで盾のように弾を受け止め逸らす。

その間に、水上は構えを取っていた。
しかし、それは一切の武術流派にない構えだ。

上体を倒さんばかりに斜め後ろに反らし、掌底を引く。
それは攻撃の構えと言うよりもむしろ引き絞られた弓。
強化された筋力があって初めて成る、異形の構え。

そして、矢(掌底)は、放たれた。
494あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 01:38:04 ID:xRF/DHII
「・・・ぐあッ・・・。」
一撃を食らい、吹き飛ぶあかね。
(速すぎる・・・。しかも今の・・・血の盾!?)

「くそッ・・・」
(ここはひとまず・・・)
背を向けて離れようとする。先見の力の働かない後方に敵を置く愚。
単純なミスだった。相手が圧倒的に速すぎた。


495水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:42:37 ID:kHBIBnsY
「愚かな」

背を向けた女に追い打ち。
圧倒的な速度で、そっと触れる。
それだけで……波紋が広がる。

全身の水分が波紋を伝播し、肉体を一瞬で沈黙させる。
496あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 01:44:17 ID:xRF/DHII
「がっ!?」
(そんな・・・はやすぎ・・・)
ドサッ。

前ののめりに倒れ、意識が朦朧としている。
497水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:48:57 ID:kHBIBnsY
「さて……」

まずは蹂躙。
そして次は……屈服を求めよう。

倒れた女の頭を踏みつけながら、問いかける。

「そうそう、お嬢さン、あなたの名前は?」

口調は紳士的に。
態度は征服者として。

そして、倒れた女の服から染みこんだ血が、撚りあわさり、水上の意を受けた触手となる。
女の身体を蹂躙する、血色の触手だ。
498あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 01:54:54 ID:xRF/DHII
「・・・」
(まずい・・・何をする気だ・・・?見えない・・・。)

「・・・仰向けにしてくれない?私を倒した相手の顔を、良く見たい。」
正面で対峙さえすれば。さっきのような真似はしない。互角に戦えるはずだ。

(それにしてもさっき何で倒された?触れただけなのにこの体の痺れ具合は・・・)
499水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 01:59:55 ID:kHBIBnsY
「いいでしょう、では……」

女の頭を掴み、そのまま引き起こす。
むろん、ただそれだけではない。
触れたその上体で、既に女の身体にある仕掛けを施してある。
女を屈服させ、隷属させるための仕掛けが。

女の顔を正面から見据えて囁く。

「これで、どうですか?」

顔に浮かぶのは、笑み。
悪意というものを形としたような笑みだ。
500あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 02:07:59 ID:xRF/DHII
「ありがとッ。・・・死んで?」
一瞬で背後に回り、短剣をふりかざす。
「・・・?」
予見には、振り向きざまににやつく男の姿。
だがかまわない。一撃を入れて、終わりだ。

「・・・あ・・・?」
そう思った瞬間、地面に落ちていた。
501水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 02:12:21 ID:kHBIBnsY
「それで?」

とさ、と何かが落ちる音。
ニヤニヤ笑いを浮かべながらゆっくり振り返る。

女の両手両足は血色の触手ががっちりと絡めとっていた。
その手に握られていた短剣が地に落ちた音、それが先ほどの音だったのだ。

「細工は流々、仕掛けを御覧じろ、とネ」

そう言って、拘束された女の頬を掌で撫で、唇を重ねる。
女の唾液と水上の唾液が混ざり合い、染みこむ。

それが、仕掛け。
女を情欲の獣とする仕掛け。


【水上の体液と混じり合った際に、強力な媚薬・麻薬に変じるようあかねの体液を変容させていたのが仕掛け、と言うことで】
502あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 02:17:55 ID:xRF/DHII
「・・・くそ・・・殺せ・・・。」
完全に敵の術中に陥ったことを悟る。手を拘束しているものも、どうやら千切るのは困難なようだ

「・・・ん・・・。」
男に触れた部分から、あかねの体液が変容していく。

(・・・?鼓動が早くなる・・・体が・・・おかしい・・・?)
「・・・ねぇ、・・・くっ・・・。あなたの・・・・力は・・・何・・?」
【了解です】
503水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 02:22:19 ID:kHBIBnsY
「殺す?そのような勿体ないことはしませんヨ」

ニヤニヤ笑いを消すことなく応じる。

「ボクの能力ですカ?ならまずあなたの名前と能力を話してもらいましょうか」

拘束が解かれる。
代わりに水上は女の腰に手を回し、抱き寄せる。
504あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 02:30:04 ID:xRF/DHII
「今私を殺さねば、いずれ、君を殺す。」
油断しなければ倒せていたという強気。プライド高いが故の虚勢。

「・・・あかね。ほんの少し先読みが出来る。それだけだ。」
「殺さない?何故?理解できない。こんなに君の同胞を殺している。」

そういって無数の死体の方を向く。妖魔だったもの、落とした首が並んでいる。
その中のひとつと目があい、また水上を向く。

「ふっ。」
含んでいた妖魔の歯を研いで作った含み針を飛ばす。
受け止められるビジョンは、だが見えていた。
505水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 02:35:01 ID:kHBIBnsY
「ククッ、出来るとでも?」

女……あかねは、水上を殺すと言った。
出来るはずもない、虚勢。
その虚勢のハッタリが、脆くも崩れる様が見たい。

「ボクは妖魔ではナイ。人間であり、人間を越えたもの」

そう、彼は魔人なのだから。
魔人の目は……含み針をも容易く見きり、魔人の指はそれを受け止める。
れろり、とたっぷり唾液を落とし、その針を。

つぷりとあかねに突き刺した。
痛みはないほどの小さな、だが……たっぷりと塗られた唾液と血が混ざり合い、あかねの身体を一気に燃え上がらせた。
506あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 02:42:33 ID:xRF/DHII
針がささった。そう感じる間も無かった。
鼓動が一気に早くなり、体温が上がる。息が荒くなる。顔に赤みが差した。
「・・・くそ。」

ソレが最後だった。
「はっ、あっ、あっがあ、あ”ッ、や・・・体が・・・・。うああッ」
これからされることが早く見える力は、逆にあかねを責める事になった。
「ヤメロ、それだけは、あふッ、くぅっぅ・・・!」
先に見える行為への期待と興奮。それが余計に身体を熱くさせた。
507水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 02:49:05 ID:kHBIBnsY
「止めろ?求めているのでしょう、その身体は?」

手をあかねの胸に重ねる。
そして……再び波紋があかねの身体に広がる。
今度は、苦痛ではなく、快楽が伝播される。
火照りきった身体に耐え難い快楽が広がっていき……淫欲があかねを支配していく。
508あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 02:59:07 ID:xRF/DHII
「は・・・ああぁあぁ”あああ”あ・・・・!!!」
その一撃は致命的だった。身体が意思を裏切る。
膝が落ちる。手を地面につき、喘ぐ。

目に短剣が写った。手を伸ばす。だが届かない。無様に這いながら必死に掴む。
ザクッ。左手から血が吹き出る。
「ッ〜!ふぅ・・・。」
ガクガク笑う膝を押さえ、ふとももを愛液で濡らしながら立ち上がる。
「・・・。」
短剣を構え、次の攻撃を『見る』
「くそ・・・」
509水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 03:05:23 ID:kHBIBnsY
「おやおや、がんばりますね。それとも……」

正面からあかねを見据え、笑みを深くする。
そう、あかねにももう見えているはずだ。
あかねを屈服させるものが、なんなのか。
そう、それは……

情熱的な、深いディープキス。
510あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 03:13:01 ID:xRF/DHII
愛液がももを伝う。一秒ごとに身体が堕ちて行く。
「はあッ、はあ、はあっ・・・。」
左手の血を啜る。
「・・・ああッ!?・・・そうか・・・そういうこと・・・」
血を啜った瞬間に快感が増した。つまり、そういう力なのだとやっと理解する。
「・・・くそ・・・。」
今、自分の身体の状態がわからない。
ただ、次の『攻撃』から逃げる事が出来ないのはわかっている。
「く、くるなああ・・・・!」
素人のように短剣を振り回し、後ずさりする。
511あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 03:17:16 ID:xRF/DHII
【すいまえせん。そろそろ時間なので凍結していただけますか?】
512水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 03:22:20 ID:kHBIBnsY
短剣を振り回すあかねの手、手首を掴む。
そのままその身体を抱き寄せ、顔を寄せる。

「……抵抗することで、自らをさらに昂ぶらせようとでも?」

揶揄し、屈辱を味合わせ。
そして、壊す。

唇が、重なった。
唾液が混ざり合い、流し込まれていく。
それはキスという名の征服行為。

肉体を火照らせ、心を蕩かし、脳を壊し、魂を侵す。
そう、あかねが淫欲に溺れ、水上に屈服するまで続く、甘美で毒々しいキス。

唇が、離れた。
そして、最初の命令。

「牝穴を、さらけ出してみろ」
513水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 03:23:25 ID:kHBIBnsY
>>511
【承知しました。そちらの解凍のご都合はいかがでしょうか?】
【こちらは23:00以降であればここ数日は大丈夫です】
514あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 03:25:24 ID:xRF/DHII
【では、明日0時ごろにお願いします。今日は本当にありがとうございました。】
515水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/13(日) 03:26:22 ID:kHBIBnsY
【明日……というか、今晩になるのでしょうかね】
【こちらこそありがとうございました。おやすみなさい】
516あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/13(日) 23:47:12 ID:xRF/DHII
【待機します】
517あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:15:35 ID:FCJpmTlZ
【あっそっか。日変わってたんだ・・・。馬鹿だ、私orz】
518あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:18:13 ID:FCJpmTlZ
【あともう少し待っていらっしゃらなければ一度落ちてまた日の変わる頃に来ます】
519水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 00:37:18 ID:1qjZzawp
【失敬、遅くなりました】
【まだいらっしゃいますか?】
520あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:38:19 ID:FCJpmTlZ
【かろうじてw】
521水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 00:39:10 ID:1qjZzawp
【申し訳ない……(汗)】
【よろしければ、>>512の続きからお願いします】
522あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:40:13 ID:FCJpmTlZ
【了解です。5分くらいかかっちゃったらごめんなさい】
523水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 00:43:06 ID:1qjZzawp
>>522
【五分なら早いですから(笑)】
【こちらは十分以上ざらにかかりますし】
524あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:51:01 ID:FCJpmTlZ
手首をつかまれ、望まぬ接吻を強いられる。そして−
自分には見えている。自分の未来が。抵抗が無駄だという事も。
しかし、しかし甘んじたくは無かった。

「ヤメ・・ロ。ん・・・。」
唇が重なり、何か熱いものが流れ込んできた。
そこまでは認識できた。
そして、さっき予知した通りの未来が待っている。
堕ちた自分の声がこだまする未来。

「あがあぁああァ!はあ、はいぃ」

そして自分の秘所を露出しようとする。
だが手が震え、上手く服を脱ぐ事ができない。
「ああ、あううぅ・・・・。」
525あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 00:51:58 ID:FCJpmTlZ
【お言葉に甘えてというわけではないですがログを読みなおしたので10分ほどかかっちゃいました。】
526水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 01:02:47 ID:Aj5OwnoH
>>524
「どうした、何を手こずっている。
 その手のもので、服を着ればいいデショウ?」

ニヤニヤと笑い、揶揄するように言う。

「これ以上遅くなるようなら……」

すっと手を伸ばす。
頬を撫で……一度叩く。

「躾け直しますよ?
 それとも、痛みで感じるマゾ豚に躾け直して欲しいのですカ?」


【十分でも早いんですってば……(笑)】
527あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 01:11:03 ID:FCJpmTlZ
「うあ”あぁあ、あ、ひいぃぃぃ・・・」
手に持って短剣を見る。それは妖魔を殺すためものだったはずだ。
この刃は目の前の相手の喉下につきたてるものだ。

だがその考えすら浮かず迷うことなく自らの装束を切り裂いた。

「・・・どぉぞ・・・良くごらん、くださいぃぃ」
誇り高いあかねからは信じられないような誇りのかけらのもない台詞を吐き出す。
【早くても文章の質がそんなによくないかもですねえ・・・・
まあ中の人の会話はあまりよろしくないのでこの辺りで】

528水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 01:18:33 ID:Aj5OwnoH
>>527
「よく、と言われても……見えませんネエ。
 指で広げて見せてもらいましょうカ。できますね?」

先ほど頬を叩いた手で、頬を撫でる。
優しく、それでいてその優しさは女を壊す魔性。

「広げて見せてもらえれば……」

指に唾液を乗せ、その指を女に見せる。

「この指で、弄ってあげますよ。欲しいでしょう、あかね?」
529あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 01:24:08 ID:FCJpmTlZ
・・・ごくッ。あれが入ればどうなるか、想像も付かなかった。
ただ自動的に予見される未来からは自らの淫らな声が激しくなるのだけが分かった。

「ど、どぉぞ、これで、いかがでしょうか・・・?」
経験は一度だけ。それも妖魔に犯されたものだ。その妖魔の残り香が奥から幽かに滲み出る。

「はやく、はやくくださぃいぃっぃ!」
530水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 01:30:37 ID:Aj5OwnoH
「仕方のない牝ですね、あかね」

わざとらしい溜息とともにあかねの手を取る。
その手をあかね自身の股間、秘所に誘導する。

「ここを、自分で開くのデス。
 わかりますね、わかれば……そう、まんこ、とでも返事してもらいましょうか、クククッ」

あかねの心をじりじりと削り、壊し、作り替えていく。
誇り高い狩人から、卑しい牝へ。

「開いて、そして、ねだりなさい。
 ボクを、ボクの指を。そうすれば……」

あかねの耳元に唇を近づけ、囁く。

「牝穴にものを呉れてやりますヨ」
531あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 01:44:22 ID:FCJpmTlZ
誘導された指でためらいなく秘所を開き、言う。
「ああ・・・私のお・・・まんこに・・・その指をくださいぃ・・・・」

言った瞬間、蜜と、涙があふれて来る。
その涙は狩人の涙だった。
(くそ・・・この・・・私が・・・こんな・・・!)
狩人が一瞬、復活し、涙して、また力尽きる。

「あぁああ!!早くください、早く、私、もぉ、我慢できないよおおぉ」
532水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 01:49:07 ID:Aj5OwnoH
「そう、それでいいのですヨ」

あかねの言葉に満足げに笑い、指を突き入れる。
濡れそぼった秘所が指を咥え込む。
蜜が唾液と絡まり、混じり合い、変容し、染みこむ。
それはあかねをさらに狂わせる媚毒。
唾液と混じった蜜が蜜を呼び、唾液とさらに絡まり、また蜜を呼ぶ。
快楽と欲望の無限連鎖があかねを狂わせ、堕とす。

「指は入りましたが……」

にやりと笑いかける。

「……指で、満足ですか?」
533あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 01:57:11 ID:FCJpmTlZ
「うあ、あああぁああぁ!!イク、イク、もう、イクゥゥゥゥ・・・・!」
短剣を落としプライドのかけらもない狩人だったモノは、両手を妖魔の肩に最初の絶頂を迎えた。
自らの体液によって感度があがっていく体は、耐えるのは不可能であった。

「はあ、は、ああ・・・・。く・・・そ・・・あ、あああう!。」
一度逝ったことによって正気が一瞬戻ったかに見えた。

が、溢れ出た自らの体液によってまた屈服し、堕ちる。

「指だけじゃ、や、やだよ、ちょうだい!あなたのを、ください・・・・」

534水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 02:05:00 ID:Aj5OwnoH
「指だけでイキましたか。
 なんという淫らさでしょうネ」

己の罠を棚に上げて、あかねを貶める。
狩人は削れ消えていき、マゾの血に身体を火照らせる牝のみとするために。

「私の、何をどこに欲しいのか、はっきり言ってもらいましょうカ。
 言えますネ、あかね?」

指に唾液を乗せ、まるで紅でも引くように唇に塗りつける。
今の水上の唾液は、あかねにとって何よりも欲する魔性の媚毒であることを、知りながら。
535あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 02:13:21 ID:FCJpmTlZ
「く・・・言うなあぁ!!あ、ああ・・・んあッ・・・もぉ駄目ぇ・・・」
挑発的な言葉への恥じらいか、一瞬の抵抗
しかし
「は、申し訳ありませんでしたあぁ、早く、私の淫らな穴にあなたのぺ、ペニスをくださいぃぃ」
唇に塗られた少量の媚毒にさえ負け、心の中でだけ抵抗をする。
(くそ・・・違う・・・わたしは、違う・・・これは、やつの力のせい・・・)
536水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 02:21:47 ID:Aj5OwnoH
「ええ、もう、ダメなんですよ。
 あかね、あなたはその本性をボクにさらけ出し、ボクに隷属を誓いたくてたまらないのでしょう?
 わかっているのですよ、あかね」

指に唾液を絡ませたまま、あかねの唇を割り、咥えさせる。
唾液が混じり合い絡まり合い、媚毒に変じてあかねを蕩けさせていく。

「淫らな穴……?牝穴でしょう、あかね。
 それにペニスではなくて……」

あかねの手を取り、自らの股間に触れさせる。
固く滾る怒張が、あかねの牝の本能を刺激する。

「もう一度言い直しなさい。
 そうすれば……」

くちゅりと指を秘裂に埋め囁く。

「ファックしてあげますよ、ボクの牝穴奴隷としてね」
537あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 02:28:14 ID:FCJpmTlZ
「はい・・・・私はあなたの奴隷ですぅぅぅ。あなたのもの・・・・」
(違う・・・違う、違う違う、違う・・・・!)

「気持ちいぃぃ・・・。指、いぃぃ。はい、私の牝穴に、あなたのぉ、おちんぽぉ・・・
いれて、突いてくださぃ・・・」
男のペニスをしごきながら、指を貪る。唾を一滴も逃さないように、丹念に舐め取る。
そして
「うああ、あ、だめ、あああああぁぁ!」
(気持ち、気持ちぃぃょぉおぉ・・・・!く・・・そぉ・・・」

「早く、早く犯して!我慢できないひょおぉぉぉっぉ」
538水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 02:37:48 ID:Aj5OwnoH
「隷属するのは、いいものデショウ?
 とても、淫らがましい表情ですよ、あかね」

そう言って、あかねの口元に唾を吐きかける。
侮蔑とも思えるそれが、侮蔑とならない。
むしろ、それは悦び。

指が蠢き、怒張が熱を伝える。
狩人が壊れ、牝に変わっていく。
内も、外も、全て。

あかねの懇願に唇を歪め、その太股に手を回し持ち上げる。
期待と淫欲に濡れたそこに、怒張があてがわれる。
そして、とどめを打ち込む。
狩人あかねから、牝あかねへと完全に変容させるための、とどめ。

怒張が、あかねの秘所を貫き、脳天まで甘美な刺激を伝え、魂まで堕としきった。

「……あかね、これであなたはボクの牝穴奴隷。さあ、どこに何をくわえ込めて嬉しいのか、言ってみなさい」

そう言って、駅弁体位で突き上げる。
539あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 02:44:15 ID:FCJpmTlZ
「ああ、ありがとございますうぅぅう」
ぺろぺろと口元にかかった唾を舐め取る。また感じやすくなる。

「はあ、はい、はいってくるぅぅぅぅ・・・・!あ、おっき、おっきぃ」
(・・・キモチイイ・・・キモチイ・・・・)

「あ、イクイクイク!だめ、イッっちゃうぅぅぅ、あ、あははあぁぁ!
あ・・・・。くださぃ、、、、私のいやらしいま・・・んこに・・・・もっともっとその
逞しいおちんぽを・・・あはぁあああああぁ!!」
(モット、モットホシイ、モットキモチヨクナリタイ)
540水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 02:53:44 ID:Aj5OwnoH
無限の連鎖、無限の堕落。
体液が絡まり合い媚毒と化すならば、性行為は媚毒を延々と生み続ける行為。
媚毒はあかねの心を蝕み、脳を灼き、魂を堕とす。
もう誇り高き狩人はいない。
いるのは、魔人に絡め取られた牝穴奴隷だけ。

「イクのはダメなことではありませんよ、あかね。
 ボクの牝穴奴隷ならば、イキ続けるのは当然です。
 だから……」

突き上げ、子宮口を亀頭が擦りあげる。
先走りが生き物のように蠢き、子宮口から奥へと入っていく。

「まだ羞恥心がありますか?
 仕方がありません、十回突き上げる間中……おまんこおちんぽと言い続けなさい、いいですね」

あかねの腰を抱き、激しく打ち込む。
最早あかねの膣は快楽を生み続ける無限機関。
541あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 03:00:33 ID:FCJpmTlZ
「あぐあああぁぁぁ、おまんこ、おちんぽぉ、おま・・・・うぁああ!」
堕ちた魂を宿したまま、瞼が落ちる。痙攣していた手足がぱたっと落ちる。

だが意識を失ってなお、体はイキ続けた。
膣はなおキツク締め付ける。

無限の快楽は、あかねの限界を超えようとしていた。
【そろそろ〆でOKですか?】
542水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 03:11:24 ID:Aj5OwnoH
無限の快楽に、あかねの意識が堕ちる。
それでも肉体は絶頂を続け、白くなった意識はそれをただ受け入れるのみ。
そして、それこそが水上の狙い。
白くなった意識に擦り込み、完全なる手駒と化すことこそが。

「あかねは、ボクの牝穴奴隷。犯される期待に発情し続ける淫らな牝。
 あかねは、ボクの忠実なる狩人。冷徹で冷静な、ボクの忠実な狩人。
 あかねにとって、ボクは絶対。
 ボクに隷属することこそ、あかねの存在意義。
 ボクに犯されること、ボクに奉仕することがあかねの悦び。
 そう、あかねの本性は牝穴奴隷。
 狩人の時も、ボクに牝穴奴隷として使ってもらうことを望んでいる」

空白の意識に擦り込まれる絶対の言葉。
抗えぬ、真実。

「射精と共に、目覚め、絶頂に至り……」

ペニスは子宮口を潰すほどに押し付けられる。
膣肉は意識なくとも締めつける。

「……目覚めて生まれ変わったあかねを示せ」

そして、精液があかねの膣を染め上げ、子宮口から子宮をも満たす。


【はい、締めで】
【ちなみに今回のロールはifということでいいので。さすがに隷属しちゃうとやりたいことがしにくいでしょうから(苦笑)】
543あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 03:22:17 ID:FCJpmTlZ
「・・・私は、水上様の、牝穴奴隷、あかね。あなたに隷属し、奉仕させて頂くのが私の悦び」
目が覚めて、短剣を取り、何の違和感を抱く事も無く服従を誓う。
精液と愛液をだらだらとたらしながら綺麗に水上に”奉仕”する。
「綺麗にさせて頂きます・・・。んちゅ、ぷぅ・・・ペロっ・・・」
狩人は死に、奴隷として蘇った。

【確かに、そうですね。気まぐれに解き放ってもらって後遺症が残るってのもありかなあって思ったんですが(汗)
別に奴隷のままでも構いませしw】
【とりあえず半端なのでそちらで最後に〆てもらえますか?どうしてもこの文脈だとこちらから終わるのは不自然なので(汗】
544水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 03:32:27 ID:Aj5OwnoH
「そう、あかねは牝穴奴隷。
 犯され、奉仕することこそ悦び」

あかねの言葉に満足そうに嗤う。
そして、奉仕するあかねの頬に手を当てる。

「今は、狩人に戻れ。
 そして……牝穴を使われるのを心待ちにして、準備しておけ」

そう言って、あかねを抱き上げそこをあとにする。
屍山と血河、そして情交のあとをそのままに。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数ヶ月後、とある街の路地裏。
水上の横に付き従う、眼鏡の美女……あかね。
その足下には愚か者の死骸。
水上の手が、あかねの眼鏡を取り、唇が囁きかける。

「牝穴を、使ってやろう」


【ではこれにて締め】

【奴隷のままだと他の人との絡みが画一化するかな、と】
【なので、こちらと絡むときだけ奴隷状態でいいのではないかと思う次第】
【雑談とかの時はお好みで】
545あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 03:41:11 ID:FCJpmTlZ
【どうもありがとうございました。】
【そうですね、その辺りが妥当だと思います。】
【雑談は・・・そのときの気分とかでw】

【少々長めでしたね。付き合っていただいて本当にありがとうございました】
【それでは、おやすみなさい、ご主人様(笑)】
546水上竜斗 ◆QdNeELIrdA :2006/08/14(月) 03:44:42 ID:Aj5OwnoH
【常に奴隷状態だとプロフも直さないといけませんしね(苦笑)】
【その辺は柔軟にw】

【こちらこそありがとうございました】
【ではおやすみなさい……えーっと、奴隷のあかね(笑)】
547あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/14(月) 03:51:08 ID:FCJpmTlZ
【水上さんは分かっていただけると思いますが、一応補足をば】
【何か名無し様に叩かれるさまが見えたので】
【上の発言はネタです。自分でもアイタタタって思ったので言い繕っときます。】
【まあロールに利用するぐらいはしますがそれとこれとは別の話でごにょごにょ】
【スレを私物化するような雑談等は一切しないのでご安心を。・・・杞憂かなあ?】
【それじゃ、本当に今度こそおやすみなさい。】
548ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 15:39:59 ID:NESNF6zz
【というわけで書き始め。】

廃墟で霊穴を見つけた。
ある中級妖魔の血を採ろうと追いかけまわしてた時に。
霊穴は周りの土地よりもやたら霊力や氣の強い場所。
だからソコに咲いてる花等に不思議な力が宿ったりすることもあるんだとか。
でもその時は興味無かったし、欲しくも無かった。

まぁ、その時は。
今は欲しい。むちゃくちゃ欲しい。
でその廃墟に来た。
あいもかわらずボロボロのビルで、草がボーボー生えてて。
しかも妖魔がたくさんいて、皆臨戦態勢だし。
霊力につられて集まってきたのだろうか。
ためしに少し近づいてみる。
妖魔が一気に殺気立った。

「・・・地下に行きたいんだけどなぁ。」

全部そこそこ強そうだし。

「どうしよう。面倒だなぁ・・・。」
549御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 15:42:01 ID:9ZKvoOS6
【すみません。この状態から開始だと】
【偶然通りかかる展開でしょうか?】
550ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 15:54:12 ID:NESNF6zz
【が、良いか、例えば妖魔の気配を感じたとか】
【ここの妖魔を倒せって言われた・・・は無いですね。】
551御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 15:55:44 ID:9ZKvoOS6
【どうせなら、一旦引いて、後日こちらを連れてくる】
【という展開が自然かと思われますが】
【取引もできますし】
552ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 16:01:40 ID:NESNF6zz
【あぁ、なるほど。そうですね。】
【頭悪くてすいません・・・。】
553御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 16:05:36 ID:9ZKvoOS6
ミレイ・モリアーティ。
都立白清高校にいる魔術師。
斬鬼衆には所属しておらず、自分で作った薬や魔術の道具を
白清支部に売り込み金銭に換えている。

基本的にギブアンドテイク。
普段は不干渉。それが斬鬼と彼女の関係だ。

「それで、俺の力を借りたいって訳か」

放課後の教室。帰り始めるクラスメイトたち。
彼はいつもの彼のまま、彼女の話を聞いた。

いつもと同じ、淡い無表情。冷淡な双眸。
他人を寄せ付けない冷ややかな空気。
御影義虎。鬼切りの刃が一振り。

他人に関心のない御影義虎は、彼女に関わろうとはしない。
少なくとも自分からは。それが御影義虎という男の在り方だ。

「構わんが、無料奉仕ってわけにはいかんな」

彼はひとつの条件を提示した。
内容は、指定した魔薬を作れ、である。
彼女は承諾し、かくして二人は件の廃墟へ足を運んだ。

「また瘴気が溜まってるな。この街の浄化機能も限界ってことか」

ぽつりと呟く。こちらの様子を伺っている妖魔の群れのことは眼中にない。
少なくとも表面上は。ナイフが一本。拳銃が二挺。それが彼の装備。

「さて、やるか」

彼は無造作に拳銃を抜いて、引き金を引いた。

【ではこんな感じで】
554御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 16:35:14 ID:9ZKvoOS6
【大丈夫ですか?やりずらかったでしょうか?】
【だとしたらすみません。こちらから誘っておいて】
555ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 16:36:09 ID:NESNF6zz
【ありがとうございます。】

「周りの壁とか傷つけんなよ。崩れたら駄目になっちまうから。」

彼が拳銃を抜いたのを見て一応忠告。
そして転がっている自分の拳よりも少し大きい石を持ち上げ、それに呪文をかける。
この際長ったらしい詠唱は抜かそう。

「『MovingFlame』 set」

火が現れ石に纏わりつき、石が手から浮かび上がる。

「GO!!」

火を纏った石が飛び出し、妖魔の頭を貫いてゆく。
そして自分も走り出し、廃墟へ突っ込んでゆく。
556ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 16:38:52 ID:NESNF6zz
【いや、違うんです。ちょっとフリーズしちゃっただけで。】
【心配かけてすいません。】
557御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 16:46:00 ID:9ZKvoOS6
次々と音速で吐き出される退魔の銃弾。
弾頭に刻まれた印が、大抵の妖魔に対して一定の効果を挙げる。
その代わり、一定以上の力を持つ妖魔には通用しない。
射撃は、相手のレベルを詳細に見極めるのに最適な方法なのだ。

『周りの壁とか傷つけんなよ。崩れたら駄目になっちまうから。』

彼女が忠告を飛ばす。

手近な石を拾い――何やらしている。
炎が石を覆い、浮かび上がる。

『GO!!』

火炎弾が巨大ムカデの頭を粉砕する。
9mmパラペラム弾が、猩猩の額を穿つ。
357マグナム弾が、オークの腹を貫く。

負けじと吐き出される毒液。
蛇のように伸びて襲い掛かる触手。

走り出す彼女を追い、死角をフォローするように銃弾を放つ。


【了解しました】
558ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 17:15:37 ID:NESNF6zz
最初は霊力やらの一番濃い所に生えてる草を取るのが目的だった。
けど、どうしよう。
良さそうな材料がいっぱいあるよ!
そこそこ強そうな妖魔の毛・血・皮膚・牙・目・甲羅・他にも他にも。
あ、あの妖魔、毛が真っ黒だ。
あ、あの牙鋭くて毒々しい色してる。
良いなぁ、欲しいなぁ。

「あぁ〜〜〜っ!!ダメっ!もう耐えらんないっ!」

近くで銃弾を受けて倒れこむ妖魔の体毛を引き抜く。
鞄から試験管を取り出し、その体毛を入れて蓋をする。

「RFM nail」

爪に呪文をかけナイフの様に鋭くし、襲ってきた犬に似た妖魔の口に手を突っ込んで牙を肉ごと削り取る。
それも試験管へ投入。

妖魔の首を切り血を試験管へ。

当初の目的を忘れ、材料採取に没頭してしまう。
彼の存在も、完全にはるかかなたへ行ってしまった。
559御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 17:24:03 ID:9ZKvoOS6
銃弾を吐き出し、刃を振るい、命を絶つ。
これといった感慨も感情もない。
時に拳を作り、力を込めて、妖魔の顔面を破砕する。
これは殺戮であり、虐殺であり、屠殺である。
所謂退魔とは違う。

――だからこそ、俺は刃を振るうのに相応しくないのだろうか。

一瞬、そんな考えがよぎる。

彼女の様子がおかしいと感じたのは、粗方妖魔を殺してからであった。
斃れ伏し、屍を晒す妖魔の体毛を、引き抜いて試験管に投入する。
爪、牙、眼球、鱗、血。次々と採取してゆく。
当初の目的はどうしたのだろうか。

「おい、終わったぞ」

自分の世界に没頭し、血なまぐさい作業をしている彼女に声をかける。
ついでに背中に蹴りを入れる。こういう手合いに遠慮も容赦も必要ない。

560ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 17:55:53 ID:NESNF6zz
「ぁあっ!?」

背中を蹴られ、正気に戻る。
なんとか転ばずにすんだ。

「いった〜い!なにすんだよっ!痛い、痛い!」

本当に痛い。めっちゃ痛い。
痛みには弱いんですよ。
背中をさする。
が、やっと当初の目的を思い出す。
見回して見るとかなりグロテスクな場景。

「・・・あっはっは。いやぁ、いっぱい採ったわ。大収穫大収穫。」

笑って流してみる。
そして、早足で地下へ進んだ。

「『Lighting』」

地下は真っ暗だと思って灯りを灯したが、その必要は無かった。
壁の一部分・床の一部分・床のコンクリートを突き破って生えている草や花等が所々発光しているのだ。
小さく淡い不思議な光が真っ暗なはずの地下室を、物の輪郭が分かる程度に照らしていた。

「・・・・・。」

自分が作り出した灯りを手を振って消し、発光しているものを丁寧に採取していく。
全部と言わないまでも、かなりの量を。
561御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 18:01:41 ID:9ZKvoOS6
「うるさいこの偏執狂」

皮肉の混じらない、いつもどおりの平坦な声。
正気を取り戻した彼女と共に、霊気のたゆたう洞穴へ潜る。

自ら発光する不思議な植物たち。
――まるで蛍だな。
彼のそんな感慨に構わず、彼女が次々とそれを採取してゆく。

「ともかく、これで約束どおりだ。薬、作ってもらうぞ」

彼が彼女に指定した薬。
それは「妖魔を誘い出す匂いの出る薬」である。
お香のような物がいいだろうと彼は注文した。
妖魔を集め、一気に駆逐するのが目的である。
こちらから狩り出す手間を省くこともできる。
何より上手く使えば、夏休み中に行われる白清支部の大仕事に
役立てることができるだろう。

【そろそろ〆に向かいますか】
【やりにくかったようですみません】
562ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 18:15:51 ID:NESNF6zz
【了解しました。】
【いえいえ、そんなんじゃないですから。迷惑かけてごめんなさい。】

「はいはぁ〜い。分かってるよ。」

雑鬼避けの逆を作れば良いんだから、難しいことでは無いだろう。
しかし、

「材料が減るのは好ましくないんだよなぁ・・・。」

妖魔寄せの用途はおそらく妖魔の大量駆除のため。
材料である妖魔が大量駆除されるとなると面白くない。

「どうしようかぁ・・・。あ、わざと効果の薄いのを作って渡すとか良いかも。」

ブツブツと呟く。
真剣に考えてるようだ。
563御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/08/14(月) 18:23:25 ID:9ZKvoOS6
何やら彼女が呟いている。
真剣に考えているらしい。
材料がどうとか、効果が薄いとか、そんな単語が聞こえる。

「・・・・不良品渡したら支部長に『あの女は役に立たんから、もう
 薬は買わない方がいい』と進言するからな。気張れよ」

一切の嘘を交えず彼は淡々と告げる。
そういうことに関しては、妥協を許さない青年である。

「俺はもう帰るぞ。じゃあな」

踵を返し、廃墟を後にする。
夏休み前の出来事であった。

【では、こちらはこれで】
【またいずれノシ】
564ミレイ・モリアーティ ◆S6vs.xqMUQ :2006/08/14(月) 18:44:01 ID:NESNF6zz

「ウ・ソだよ。ガキ。」

真顔で返しつつ、内心冷や汗を流している。

彼が帰り、ぼうっと廃墟の中に佇む。
顔がゆっくりと笑顔を形作り、目に異様な光が宿る。

「穴場、だなぁ。」

妖魔もいっぱい集まるし、不思議な光を放つものがある。
材料がいっぱい。
新しい材料。新しい魔薬。新しい実験。

「はは・・・・は・・・あはっ、あはははははははははははは!!!!」

抑えられない喜びで高らかに笑う。
ずっと、長い間。
笑いが収まって、手についた血が目に留まる。
一般人には見えない妖魔の血。
舌を出し、舐めた。

「・・・・・・・・・・・・・・・不味い。うえぇ・・・。」

【ではこちらもこれで。】
【ありがとうございました!ノシ】
565浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/16(水) 20:53:56 ID:qhVJvgHz
久しぶりに来ました。待機してみます。
566浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/16(水) 21:13:12 ID:qhVJvgHz
【ちょっと用事ができました。終ればまた待機します】
567浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/16(水) 21:46:52 ID:qhVJvgHz
【ちょっと時間がかかりそうなので一旦落ちます。今日中には戻って来れないかもしれません(つд∩)】
568佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 14:00:47 ID:KiIA+J6S
【待機します】
569名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 14:10:36 ID:Xlu7SlAR
――目覚めよ優希、我が主よ・・・・

黒い鳥が啼いた。
深夜、佐々木優希の自室である。
黒い髪を腰まで垂らした痩躯の青年が、ベッドに腰掛けている。
青年といっても、その纏った雰囲気は普通の生き物が纏えるものではなく、
何百年となく確固として存在し続けてきた存在だけが纏えるものである。
猛禽のように鋭い双眸が、現在の主を見つめ、目覚めを待っている。

「・・・・・・疾く、目覚めよといっておる」

案外短気なのか、ぺちりと額を叩いて強制的に覚醒を促す。
570佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 14:22:41 ID:KiIA+J6S
頬に刺激が起こり、私の睡眠は妨げられた。
自慢じゃないが、私の寝起きは酷く悪い。それが妖魔を退治したあととなれば。
心身ともに疲れきっているというのに、満足に休眠も与えてくれないのか。
不機嫌になりつつも、仕方がなく、ベッドから身を起こした。

「……レディの寝込みを襲うとは、不道徳ですよ。闇烏」

彼が姿を人間に化かしているのには驚かなかった。
これが初めてというわけではない。過去にも何度かこういうことがあった。
カラスの姿に変えているときもあれば、凛々しい乙女の姿にも変えてきた。
だが、特にそこあたりにこだわりはない。なにせ、彼、と言って良いのだろうか、彼は性を超越した存在なのだから。

「……で、何か用事ですか。私の睡眠を妨げたということはそれなりの理由があるのでしょう?」
571名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 14:30:48 ID:Xlu7SlAR
「淑女と呼ぶには、汝は些か慎みやその他諸々が欠けている気がするのだがな」

皮肉気に闇鳥が言う。
彼――或いは彼女というべきか、――は時に優しく、時に厳しく、時に軽薄に、
彼女に語りかける。長い時代、様々な人間の手を渡り歩いてきた闇鳥は、その時の
主の人格の影響を受ける。もとより性別は超越している存在である。
今の主が望むなら、男にも女にも成れるのだ。

「用事か。何、少々主が行き詰っているのを感じたのでな、少し語り合う必要を感じたまでだ」

そこまでいってから、首を傾げ、

「ふむ、現代風の言葉使いに挑戦してみようと思うのだが、よいかな?」
572佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 14:40:59 ID:KiIA+J6S
「―――むっ。紳士じゃありませんね、闇烏。紳士ならば女性すべてを丁重に扱わないと」

慣れた口調で、文句を返す。
こんなのはただの挨拶が過ぎない。彼はいちいち本題に入るまでが長いのだ。
冗長というべきか、それとも洒落が利くというのか。
まあ、そんなことはどうでもいい。
今の私の機嫌は大暴落中。ストップすることなく、底辺へと突き進んでいく。
明日も学校があるというのに、さっさと話を終らせてもらいたいものだ。

「……行き詰まり、ですか」

心当たりがないことはない。
ただ、心当たりが在り過ぎて、それのどれかが分からないというだけだ。
しかし、彼に心配されるほどの心当たりもないというのも事実だ。一体何を語ろうというのか。

「とりあえず、座ってください。話はそれからです。
 そんなところに立っていられたら、まるで寝込みに襲いに来た強姦魔みたいですよ」

ばふばふとベッドを叩き自分の隣に座るよう促す。

「今のままでも充分だと思いますが。出来るならやってみたらいかがです?」

―――本当に本題に入るまでが長いのだ、こいつは。
573名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 14:53:30 ID:Xlu7SlAR
彼女に言われたとおりに、寝台へ腰掛ける。軋む音はしない。
羽毛のような動きである。剣である闇鳥は、同時に武術の達人でもある。
かつての使い手達の動きを彼自身が模倣しているからだ。
時には、その真髄を夢で、今の主に伝授することもある。
しかし、今の優希では、それを使いこなすだけの器が出来上がってはいない。

「では――優希よ、お前の求める強さについては理解しているつもりだ。
 だが、それは退魔の者なら一度は夢見て、しかし到達できた者は極僅かだ」

静かに語る。
その言葉の重厚さは、言葉使いを変えても変化がない。

「万民の盾を名乗る者達ですら、志半ばで刃を折る。
 俺はそれを目の当りにしてきた。あの鬼切りの刃ですらそうなのだ。
 果たしてお前に、それを超えて大切な者を守りきるだけの力を得られるか」

嘆息する。確かに彼女は未熟だが、その分伸びしろはある。
可能性だけなら、歴代でも最高峰といってもいいだけの期待感はある。
だが、その力を開花させるまで、生き延びることができるか?

574佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 15:05:51 ID:KiIA+J6S
「では、簡潔に答えましょう」

答えは既に決まっている。そして彼もそれを知っているはずだ。
なのに、今更訊ねて来るということは、それほど今の状況は芳しくないということなのだろう。
けれど、迷いは既に捨ててある。そう、ぽちゃんとどぶ川に。

「『到達できた者は極僅か』―――そう言いましたね?
 前例があるということは、可能性は零ではありません。ならば、やってみせます。
 それが出来なければ、私は誓いを忘れその肉を喰われるだけです。
 ……出来るか出来ないかの問題ではありません。やってみせるんです」

だから、そのためにはいかにしても生き延び続けなければならない。
いつどれだけ凶悪な妖魔が現れても、おかしくはない。
街で起こる怪奇事件が増発していることが、その何よりの証拠となる。
私はそのなかに身を置いているのだ。いつ死が訪れてもおかしくはない。そう、闇烏は伝えているのだろう。

「それぐらいのことはあなたも知っているでしょう?
 ……さっさと本件を伝えなさい。私にどうさせたいのですか」

精神論だけを語りに来たのではないのだろう。
そんなもの、誓いを立てたときからとうに承知している。彼が伝えたいことは、いかにどうやって私を強くするか、ということだろう。
575名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 15:19:11 ID:Xlu7SlAR
「ふむ、聞くだけ無駄であったか。では本題に移ろう」

わかり切っていたことではある。
彼が主に選ぶのは、大抵このような気性の持ち主であるからだ。

「俺の真名を知り、解放する術を知ったとは言え、お前はまだ補助輪付の
 自転車を漕いでいるようなものだ。いずれそれを外せる時も来るだろうが、
 この街は、この俺ですら見たことのないような魔の巣窟だ」

この街に漂う妖気は只事ではない。
日夜、数多の妖魔と数多の退魔士が鬩ぎ合い、命を削っている。
そう遠くない日、今の主が死んでも決して不思議ではない。
だが。

「俺とて、今の主を簡単に死なせるつもりはない。だが現状はかなり不味い。
 じっくりと力を育てている暇もないほどにな。そこで提案だ。俺と契れ、優希。
 現代風に言うとセックスをすれば、俺の力をもう少しだけ引き出せるようになる」

それは、かつての主たちともして来た行為。
だから、口に出すのに躊躇いはない。
576佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 15:31:37 ID:KiIA+J6S
この腐れガラスはいきなり何を言うのだろうか。
……いや、言っていることはわかる。私もその理論はどこかで聞いた覚えがある。
眉唾物だと思っていたが、まさか本当に実在していたとは。しかも、体験を持って知らされそうになるとは。

「……あのですね、闇烏。私がそう簡単に、『はい、そうですか。ならそうしましょう』とでも言うと思いますか?
 だいたい、私が性交を疎んでいるのは知っているでしょう?」

友人が亡くなった際、この私も犯され純潔を失った。
あまりの出来事に一ヶ月ほどは塞ぎ込んでいた覚えがある。
もちろん、トラウマではあったが、今となっては吹っ切れたのも事実である。
だが、こうも直球で要求してくるとは思わなかった。

「………はぁ。でも、そうでもしないと、この街は危険だということなんですね?
 そして私自身の命も。 ……背に腹は変えられません。好きになさって下さい」

彼がやましい下心なく、提案しているのは分かる。
出なければ、今頃張っ倒しているところだ。それだけ私のことを心配してくれているということだろうか。
ともあれ、私のことを考えて提案していることには間違いない。無下にも出来ないだろう。
577名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 15:40:33 ID:Xlu7SlAR
「気持ちは多少理解できるが、抱かれる時に嫌そうな顔をするな。
 こちらの誠意も少しは理解してもらいたいものだ。この姿を取ると、
 それだけで力を消耗するのだからな。お前自身の力が増せば話は別だが」

優希の腰に腕を回して引き寄せる。
羽毛のように軽い、そんな口付け。
その間に、この部屋の結界を張る。

「声を出しても構わん。存分に啼け、というか啼かすから覚悟しろ」

押し倒し、寝巻きを剥ぎ取って裸体を晒させる。
ほどよく実った乳房を揉んで、頂点のそれを舐める。

578佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 15:57:15 ID:KiIA+J6S
「仕方が無いでしょう? それぐらい印象が悪いってことですよ、性交というものは。
 ……ま、貴方のことは嫌いじゃないですけどね」

強引ですけど。
その言葉を紡ぐ前に私の口付けされてしまう。
強引なくせに、こんなに優しいキスをするなんて。
……やはり、敵わないなと思ってしまう。いいだろう、こうなったらとことんやってやる。

「いつもとは立場が逆みたいですね。…やれやれ。
 どうせなら、骨の髄まで犯してもらいましょうか。……んっ…」

このまま流されるのも悔しいので軽口の一口ぐらいは叩いておく。
私は押し倒され、無理矢理に乳房を露出される。
やはり、こうされてしまうと流石に羞恥心も沸いて隠そうとするが、それより早く彼が私の頂きを啄ばむ。

「ん、は…っ。 カラスというのは、こんなものまで啄ばむのですか…?
 案外、カラスもいやらしい動物なのですね」

そんな強情とは裏腹に、彼の愛撫は優しく丁寧でどう抗っても興奮し、反応してしまう。
もっとも顕著に現れるのは、胸の頂き。淫靡なほどまでに固く勃起している。
……敢えてそれをみないようにした。自分でも恥かしいから。
579名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 16:04:18 ID:Xlu7SlAR
「優希、お前のためにも言っておくが、お前のされた仕打ちとこれとは別物だと言っておく。
 愛し合い、睦みあうことこそが、人の原動力なのだからな」

愛している。愛されたい。
それはもっと人生を楽しみたいという言葉。
楽しむという感情。それも愛。
少なくとも、憎しみが生み出す力よりは前向きで生産的だろう。

乳房を寄せると谷間ができる。
なかなかに発育している。それに、まだ発育する可能性も秘めている。
それを開花させる相手がいれば、の話だが。

乳首を舐めて、吸う。
単純にしてディープ。
身体のそこかしこを舐め回して湿らせる。
ショーツをずらして、足首まで下ろす。
脚を開くように指示する。
580佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 16:20:43 ID:KiIA+J6S
「……分かってますよ、あなたのいうことは」

頭の中では。
要するに、私が割り切れてないだけなのだろう。
でも、もしかしたら、私もそう思えるような相手が現れたりするのだろうか。
……そんなロマンチックなことを考えたのは一瞬だった。

「あふぅぅっ! だめぇ…! 乳首、吸っちゃダメぇ…!」

意識しないように、と考えていたのに淫靡な刺激が胸の頂から走り、私の頭はそれだけで蕩けそうになってしまう。
乳房はやわらかく彼の指を受け入れて、歪に形を崩す。
彼の一挙一動に私は反応してしまい、声を裏返らせてしまう。

「ひゃうっ! は、はずかしいのにっ…! ぃ…あ…、くすぐったい…っ」

てらてらと彼によってコーティングされた唾液が、闇夜のなかでも月の光を受けて光っているように見えた。
それがより一層淫靡なものに見えて、私はますますいやらしい気持ちに落とされていく。
そして、文句を言う暇もなくずり下げられたショーツ。
脚を開けという要求に赤面してしまうが、ここでごねても仕方が無い。素直にその言葉に従った。

「わ、わかりました……。こう、ですか…?」

申し訳ない程度に生えた陰毛と、愛液で濡れる秘所が彼の目に曝け出され、
私はどうしようもなく恥かしさを覚えた。
581名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 16:27:50 ID:Xlu7SlAR
割りきりが足りない。彼はそう思った。
しかし、この問題ばかりは半身である自分にも、決定的な解消法はない。
誰か――誰かは定かでないが――彼女を自分とは違う意味合いで支えてくれる
者が現れれば。しかし、当分そういう者が現れることはないかも知れない。
どうにも、自分の主は男運がない。

例えば、例の金髪の少年とか。
例えば、例の赤茶髪の青年とか。
例えば、例の半妖の青年とか。

開かれた脚の奥にある花弁。
それに口をつけて、再び舌を活躍させる。
時折吸い、そして舐める。
蕾を開花させ、蜜を垂らすという行為は何度となく行ってきた。
繊細に、時に大胆に。

数百年の間に培った技巧が少女の身体を蕩けさせる。
582佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 16:39:24 ID:KiIA+J6S
「ちょ…、ちょっと待って…! ひぅ、あひっ…!! らめぇっ…」

手馴れているとは思ったが、認識が甘かった。
手馴れているどころではない。これではどんな淑女であろうとも身体を開かずにはいられないだろう。
まるで天地がひっくり返るような感覚さえ覚えてしまい、正しい認識が出来そうにもなかった。

余りの快感に、口の端から垂れ落ちる唾液にも構えず、ただなされるがままに行為を受けていた。
快感はどんどん高められ、愛液は留まることを知らず、尿を漏らしてしまったかのようにベッドのシーツに拡がる。

「あはっ…! だめぇ…っ、おかしく、なるぅ…!! ひぃんっ…気持ち、いいよぉ…!」

まるで自分の殻を壊されていくような感じを受ける。
ヒクヒクと秘裂は動き、クリトリスは完全に勃起してしまっている。
このような淫獄に耐え切れるはずがない。私はいつしか彼の頭を手で引っ張り寄せて自分から求めていた。

「もっとっ、もっと、舐めてぇっ…! もっとぐちょぐちょにしてぇぇっ…!」
583名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 16:49:13 ID:Xlu7SlAR
「そうだ、もっと啼け。精神を解放しろ。享楽に耽るのは人として正しいのだ」

泣き喚く主。よがり狂う主。
その反応が演技ではない証に、花弁が次々と蜜を吐いている。
技巧と経験では、天と地の差があるのだから。
自分の主が先天的な淫乱だとは思いたくない。
どういうわけだか、感度はよいのだ、我が主は。

貪欲に快楽を貪り、更なる快楽を求める。
花弁に押し付けられた唇が、新たなる動きを示す。
花弁に舌を差込み、内側を丹念に舐めまわす。
流れ出る新たなる蜜を啜って、音を立てる。

「なんというか、やはり彼氏は必要だと思うぞ」

日々の生活の中で、欲求が溜まっていたのだろうか
色々な意味合いで、やはり連れ添う相手が必要だと思う。
そう簡単に具象化もできないし、そもそも自分に依存されても困る。

「そろそろ頃合だな、準備はいいか?」


584佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 17:02:18 ID:KiIA+J6S
「うぅ…馬鹿ッ! こ、こういうときにそういう話題持ち出しますかっ…!
 私がこんなに乱れているのは、あ、あなたが上手だからですっ!」

これでは私がまるで常時欲求不満であるかのように聞こえるではないか。
もしかしたら、少しは私にマゾの気があるのかもしれないが、それにしても、彼の腕は尋常ではない。
秘所をこれだけ舐られて、貞淑でいられる女なんてそうはいないだろう。

「か、彼氏なんて……そんな必要じゃありませんっ!
 ……イイ人が現れたら話は別ですけどね」

残念なことに、今まで出会ったなかではそんなにぴんとくる人はいない。
本当に男運がない。こうなったら女性にも手を出してしまうか。
…考えていて虚しくなってしまった。どうしてこうも、雰囲気をぶち壊すのか、このおんぼろソードは。

「…え、ええ。 ……どうぞ、やっちゃってください」

もうおどけることでしか虚勢を張ることが出来なくなってしまった。
自分から脚を開いて、指を添えてまであそこを広げているし。
………ええい、もう考えるのはよそう。
585名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 17:10:23 ID:Xlu7SlAR
「だからと言って、女性に走るのは何というか・・・・
 いや、今までの主には例外なく大切な者がいたからな」

守るべき者。守りたい者。
それがあるから人は強くなれる。
それがあるから、人は強くなろうと願う。
そんな者達の願いに応える為、彼は存在している。
人を守るための漆黒の翼にして刃。それが闇鳥の存在理由。

「もう少しマシな強請り方を覚えた方がいいな・・・・」

怒張した男根を模した物を、股間に出現させる。
濡れた花弁にソレをあてて、ゆっくりと挿入する。
586佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 17:19:17 ID:KiIA+J6S
「勝手に人の思考を読み取らないで下さいっ!
 ……大切な者、ですか」

大切な人。
それは既に失くしてしまっている。
守るべき人なんていない。でも、私は誓った。
もう、同じような悲しみを味わう人をひとりでも出さないようにすること。
誰かが痛みを覚えて、誰かが悲しみを覚えて、誰かが苦しみを覚えるこの世の中で、
私の大切な人だった友人のためにも、私は戦い続けたいと願う。

―――――それが、私の戦う理由。

「強請り方って…どういうねだり方ですか…。……んっ…、は…!」

みちみちと秘裂を押し広げる感覚が股間にじわじわと広がる。
痛みはするものの、少しはそこが濡れているためか、確実に挿入されていく。

「んんっ…くっ…、ぁっ…! は…、奥まで、入り、ました…っ」

ごつごつと彼のものが奥に当たっているのがよく分かる。
それだけでも眩暈を起こしそうになったが、ぎゅっと彼の身体を抱きしめて快感を堪える。
587名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 17:28:48 ID:Xlu7SlAR
――勝手に流れ込んできたんだから、責められてもな。
   そもそも、悔恨や復讐の念で刃を取る者は早死にする。
――忘れるな優希。俺は闇の果てにある光。
    お前の戦いも、闇の中で光を齎すものでなくてはならない。
――それは仲間に限らず、お前に敵対する者にすらそうでなくてはならない。
   そうでなくてはお前の理想には届かない。

言葉にするのもなんなので、直接精神にメッセージを送り込む。

「つまり、もっと色気があるやり方をだな・・・・まあいい。
 相手がいないなら俺が仕込んでやる。これから毎晩」

冗談のようなことを言いながら、膣に挿入する。
ゆっくりと、動かす。痛みを感じさせないやり方もあるが、
ここは普通にするべきだろう。

時間をかけながら、膣を擦って刺激を与える。

588佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 17:40:58 ID:KiIA+J6S
―――それを口にするのもどうなんですか。
仕方がなく、溜息をついて許してやった。

心得ている。ただ単に戦うだけではいけないことを。
本当に、妖魔と人間の共存を願うのなら、殺し合いなんて持っての他である。
だが、今の状況はそれを許してくれない。その状況の中で、敵にも光を、というのは難義な業である。

それをこなす為にも、やはり強さは必要であるということは分かった。

「…まっ、待ってください! そ、そんな毎日やられたら、本当におかしくなってしまいます!!」

こいつなら本当にやりかねない。冗談が冗談に聞こえないから性質が悪い。
なんだかんだ、言いながら、私も彼の動きに合わせるように腰を動かす。
最初は痛みが強かったが、だんだんすべりがよくなってくる。

「んっ…ふっ…! は、ぁ、ふあぁっ…!! ひっ、くっ…ああああっ…! すご、いっ…!」

まともに言葉を漏らすことすらできないほど、私はその行為に没頭していた。
快楽が波を寄せて襲ってきて、このまま押し流されてしまうのではないだろうか、と思うほどだ。
気持ちが高ぶるとともに、快感も強くなり、絶頂へと導かれていく―――。
589名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 17:46:53 ID:Xlu7SlAR
呼吸を合わせ、動きを合わせ、視線を合わせる。
こんなことをするまでもなく、相手のことはよくわかっている。

理想と信念を持つ佐々木優希。
彼女に足りないのは、それを貫くための強さ。
そして、もう少し心を開いて周囲に頼るということ。

せめて、後者は近日中になんとかならないものか。
そうでないと、強くなる前に本当に死んでしまうのだから。

彼女の痙攣が激しくなる。
それに合わせて彼も動く。

そのままその流れに身を委ねろと、心に語りかける。
590佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 17:55:10 ID:KiIA+J6S
「はっ…、っぁあ!! ら、め、ぇっ…!! あふぁっ、ふぁ、…ひんっ!
 もう、お、おかしく…なる…! 気持ち、い、い…のっ…! あくぁあっ!!
 もう、イクッ…いっちゃう! あ―――、ふぁ、ぁぁぁぁぁあっ!」

びくんっと大きく身体を跳ねさせると、そのまま私は彼の身体に枝垂れかかる。
そして、彼の胸に顔を埋めた。たぶん今の私の顔は快楽の余韻で、ひどくはしたないものになっているだろう。
それがたとえ相手が闇烏だとしても、そんな顔は見られたくなかった。

「は、ぁ、はぁぁ……。もう、だめ……。
 もう、明日はサボってしまいましょうか、学校……」

声が震えているのが自分でも分かる。
よほど気持ちよかったのだろう。足腰が震えて立てなくなってしまっていた。
恥かしいと思うと同時に、少しはすっきりしたような気がする。

591名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 18:03:16 ID:Xlu7SlAR
「休むのは勝手だが、それなら俺が色々と仕込むぞ。
 教えねばならないことは山ほどあるんでな」

無論、冗談だが。
そろそろ活動限界を迎える次時間てある。

身体を離して、彼女の隣に寝転がる。
自分の身体が汗ばんでいるのがわかる。
これも人と交わるために、創造の時に与えられた機能である。
人の心を理解し、そして人の力を引き出すための機能。
所詮は成す為の機能だが、それでも主と認めた者に役に立てるのは誇らしい。

「で、少しは気が晴れたか?」
592佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 18:11:39 ID:KiIA+J6S
「誰が、私の睡眠を妨げたと思ってるんですか…まったく」

気だるそうに文句を返しながらうつ伏せに寝転がる。
もう、動けそうも無い。…やはり、明日はサボるしかないか。

「ええ。取り敢えずは…やはり戦い続けていたら、心も荒むものですね。
 そういう意味では、少しは発散できたと思います…」

誰かに頼るということが、これほど心地いいものとは思わなかった。
彼は、ひとりで無理をするな、と言いたかったんだろうか?
……確かに、今のところ頼れそうな人間はそれほどいない。
けれど、いつか、私の想いに共鳴してくれる人たちが現れたなら。
そのときは、少しだけ身体を寄りかからせてもらおう。

【そろそろ締めましょうか】
593名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 18:16:39 ID:Xlu7SlAR
「少し、か。まあいい。 
残りの憂さも今のうちに取り払っておくべきか」

そう言って、彼は再び優希を組み敷く。

「どうせ休むなら、今夜はとことん付き合ってやろう。
俺とて辛いが、これも俺の役割だ。遠慮は無用」

再び舌が優希の肌を這う。



【了解です】
【レス速度重視なので内容がいまいちだったと思いますが】
【お付き合い感謝してますノシ】
594佐々木 優希 ◆P/d7wrXr2A :2006/08/20(日) 18:20:53 ID:KiIA+J6S
【いえいえ、私の方こそレス遅めですみませんorz とても楽しめることができました】
【また機会があればお相手をお願いします。それではお疲れ様でした。長時間お付き合いありがとうございましたノシ】
595名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 19:12:51 ID:rwnQXxip
本当にイリネアのロールってワンパターンだな…。
未だに支持するヤツがいるのが不思議だ。
596名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 19:18:23 ID:EOnD2gpq
理想に近づくとか言いながら話を進めているように見えて、
実際は何も進んでいないんだよね。
芸のない役者もこのスレも、そろそろ潮時かな?
597名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 20:53:47 ID:rp9abxUR
それを名無しの力で進めるんだ!!
きっと話だって進むさ!
598名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 21:09:43 ID:crIQ4Jv7
暗い暗いと不平を言う前に、自分で足元を照らしてみようとは思わないのか。
もっとも、多少の動きがないとマンネリ化するのも事実だが。
599浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/21(月) 22:29:59 ID:9h0tOypQ
【何だか殺伐としてますが・・・。とりあえず待機しますね】
600浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/08/21(月) 23:03:53 ID:9h0tOypQ
【落ちます】
601 ◆qRMdcGLkrI :2006/08/25(金) 22:03:03 ID:WGA9mmo0
【避難所に書き込みが出来ないため、こちらで1レスお借りします】

【>御影義虎 土曜日の件、了承しました。22:00を目安にします】
【それとは別にこちらの過失でPCを故障させてしまい、書き込みが出来ないため
 第二スレッドでの続行が出来ません】
【ロールを続行する場合は、こちらのスレッドの方でお願いしたいのですが、
 それが都合が悪いのであれば、ロール自体を破棄して下さって構いませんので】
【申し訳ありません】

【それでは失礼します】
602駒口 あかね ◆HNGWp97mMU :2006/08/30(水) 17:57:00 ID:IG72WYRZ
【待機します】
603駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 17:58:27 ID:IG72WYRZ
【トリ間違えましたorz】
604駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 18:23:02 ID:IG72WYRZ
【結構待てますので待機してますね】
605南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:00:49 ID:M/K2A9cy
【すみません、お相手お願いしても宜しいでしょうか?】
606駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 21:03:36 ID:IG72WYRZ
【あ、はい。お願いします。30分に一度しか見てなかったから、タイミングが良かったw】
607南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:05:52 ID:M/K2A9cy
【まとめサイトの中立の下から二番目にこのキャラのテンプレがあります】
【何か希望されるシナリオはありますか?】
608駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 21:11:48 ID:IG72WYRZ
【今確認してきました。】
【こちらキャラのテンプレはこのスレの上のほうにあったと思います。】
【シナリオ・・・どうしましょう、何かありますか?】
【私も考えて見ますがそちらに希望があればあわせます】
609南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:18:59 ID:M/K2A9cy
【えーっと、希望と言いますか、キャラ設定を重視しますと】
【私のキャラ、精神防御装置つけてますから催眠術効かないんですよね・・・】
【妖魔であるあかねさんを捕縛し、研究しようとするという形がオーソドックスの気がしますけど】
【別の妖魔との戦闘後でバッテリー切れのところを狙われるというのもありかと思います】
【もしくは、戦闘なしの雑談系ロールも・・・】
【思いつくのがこんなところです・・・ボキャブラリー少なくてすみません】
610駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 21:22:04 ID:IG72WYRZ
【実は妖魔じゃなくて退魔側です・・・】
【水上さんに肉体改造(?)されているのでそれの調査を依頼という感じでどうでしょうか?】
611南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:26:09 ID:M/K2A9cy
【ふむふむ、構いませんですけど・・・】
【どのような改造を受けているのかの確認をしたいので】
【少し時間がかかります、ごめんなさい】
612駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 21:28:19 ID:IG72WYRZ
【了解です】
【そちらの希望があれば、こちらもあわせますから、お気軽にw】
【このキャラのテンプレ、出したほうがよければ出しますが】
613南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:34:04 ID:M/K2A9cy
【希望・・・一応私のキャラは暴走しやすい性格をしたキャラですから】
【調査にかこつけて割と無茶するかもしれませんが、合わせて頂ければ幸いです】
【テンプレは>>472-474ですよね、他に要点がありましたら教えてください】
614駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 21:42:35 ID:IG72WYRZ
【了解です】
【他には特にありません】
【こちらから始めますね】

「・・・くっ・・・。」
(どうしてあの日から体がこんなにも疼く?)

水上との戦闘のあとの記憶がぷっつりと消え、気が付けば一人隠れ屋でいつものように
妖魔の牙を煎じていた。

その夜から体の火照りが日に日に増していく。
(どうして記憶が無い?どうしてあの水上と戦って無事に帰れた?)

あかねは、その疑問の答えを求めて南を訪れることにした。
【こんな感じでどうでしょう?】
615南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 21:52:35 ID:M/K2A9cy
【ふむふむ、改造と言いますか暗示ですね】
>>542のところですよね、勘違いでしたら注意お願いします】

「ふむ、お客さんでしょうでしょうか?」
南 京次の研究所の一つ、裏の人間なら割と知られている廃ビルに似せた建物の中、
コードとコンピューターに囲まれた機械油の匂いの漂う部屋の中で、
京次は一つのモニターに視線を移した。

「ふむ、力の所有者みたいですね・・・
 発明品を買って頂けるのでしょうかね?」

コードに繋がったスイッチの一つを押すと、モニターに写った女性の姿の前に
地下に下りる階段が現れた。

『いらっしゃいませ、素敵なお嬢さん? 私に何か用でしょうか?』
階段の奥から、機械を通した声が響く
616駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:00:28 ID:IG72WYRZ
【いえ、大丈夫です】
キョロキョロとコンピュータに囲まれた建物を見渡す。
「南・・・京次さん?ちょっと依頼があるのだが・・・引き受けていただけないだろうか?」
(中々優秀みたい・・期待が持てるようね)
「階段、下りてもいいかしら?」
念のため愛用の短剣、短銃、含み針を確認して、あたりを伺う。
マッドな科学者と聞く。妖魔と協力していたら面倒なことだ。
用心に越したことはない。
617南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 22:07:32 ID:M/K2A9cy
「ふむ、依頼ですか・・・」
モニターを前に、コンソールに指を走らせていくと、
可視光線を写していた画面が、赤外線、紫外線、X線解析に切り替わり、
短剣、短銃、含み針を映し出す。
「でしたらその物騒なモノはどうにかして欲しいのですが。
 いくらホームでもそのようなもので攻撃されたら余裕で死ねますので。
 剣と銃と針ですか、お帰りの時にお返ししますので、
 せめて銃以外はそこに置いておいて頂けませんでしょうか?」
京次の言葉と同時に、あかねの前にいきなり一脚のテーブルが現れた。
それは階段の上だというのに、不自然なバランスで立っている。
618駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:11:33 ID:IG72WYRZ
(・・・!隠しててもやっぱり分かるものか・・。さすがねえ。)
「わかった。どうせ銃も使用不可能に出来るのだろう?銃も置いていくよ」
短剣をまず置き、含み針を口から取り出し短剣の横に置く。

(このテーブル・・・何でこんな風に立てる?技術の賜物か。)
ますます感心し、南の技術に期待を高める。
「それで依頼なんだが・・・記憶を掘り出してもらいたい。出来る?」
619南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 22:19:18 ID:M/K2A9cy
「ふむ、まあ置いていただけるのでしたら助かりますけど。
 なるべく電力は使いたくないんですよね」
テーブルの上に武器が置かれた事を確認し、
上の武器ごとテーブルを転移させる。

「記憶の解析ですか・・・ま、とりあえず詳しい事は
 お互い顔を見て話しましょうか?」
言葉が終わるや否や、いきなりあかねの立っていた階段の床がバクンと割れて、
そのまままっ逆さまに落ちていく!
そしてぼすんと柔らかいソファに落ちたかと思うと、
その前に白衣をまとった男が立っていた。

「はじめまして、私の名は南 京次。
 偏屈学者としてそれなりに名が通ってますけど、その理由は説明不要でしょうか?」

【どうしてもこれやりたかったんですけど、かなり決め付けロールですよね・・・】
【不快でしたら申し訳ありません】
620駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:23:40 ID:IG72WYRZ
「・・うわっ!?」

・・・ソファーに落ちてキョトンとする。
(こいつが・・・南・・・なるほど、確かにマッドな感じだわ)

「中々憎い演出してくれるね。・・・まあ、いい、依頼は引き受けて頂ける?」
「報酬は・・・

【いえ、このくらいなら、全然大丈夫ですw】
621南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 22:29:32 ID:M/K2A9cy
「いえ、報酬は金銭では結構ですよ。
 ただ、あなたは見た限り異端の力を保有している模様、
 それの解析をさせていただければ・・・
 いえ、血液サンプルをいただけるだけで結構ですので、警戒はしないで下さい」

大仰な身振り手振り、やや挑発気味な口調で話しかける京次。
その後ろには、無数のコンピューターがガリガリと不気味な合奏を奏でていた。

「OKでしたら、仕事の話と行きましょうか。
 記憶を掘り下げて欲しいと言う事でしたが、どういうことなのでしょうか?」
622駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:31:44 ID:IG72WYRZ
「・・・」
異様な光景に南と目を合わせないあかね。
「分かった。血を抜けばいいのね?」
(やっぱり、どこかイッてるみたいね・・・)

「ある妖魔に襲われてから体調が悪く、その妖魔との戦いの記憶がないんだ。」
「何があったか知りたい。出来る?」
623南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 22:36:59 ID:M/K2A9cy
「ふむ・・・情報がちょっと少ないですね。
 妖術系統で記憶操作させられた場合、
 催眠術なんかで記憶探知は出来ないケースが多いので、
 いつ、どんな妖魔と戦ったのか、どのように体調が悪いのか、
 克明に教えてください」

言いながら、コンソールを物凄い勢いで叩いて行き、
周囲のディスプレイがめまぐるしい勢いで変わっていく。
そしてピタッと手が止まり、視線であかねに答えを促す。
624駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:41:05 ID:IG72WYRZ
「一週間ほどまえ・・・水上といったか見た目は人間なんだが・・・どこか違う男だったな。」
ちょっと顔を赤くする。
(言わなきゃ駄目か・・・)
「体調の異変というのは・・・つまり・・・、体が・・・時々疼くし、その、妖魔の声が聞こえるんだ」
「その声には『絶対服従』しなければならないとういう感覚もある。」
「不思議だ。こんな力をもった妖魔を私は見た事がない。」
「何をされたのか調べてくれないか?」
625南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 22:50:10 ID:M/K2A9cy
「ふむふむ・・・なるほど」

言われた言葉をそのままコンソールに打ち込むと、
その内容が物凄い勢いで解析されていく。
周囲のコンピューターは騒音とすら思えるほどに駆動音が上がり、
コードからバチバチと火花が上がる。

「・・・ふむ、その『絶対服従』は、あなたの命に関る問題でも
 答えてしまいたいというレベルでしょうか?
 それがあるのでしたらあなたが受けたのは精神よりも
 魂や体組織構成に類するものである可能性が高いです」
626駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 22:55:49 ID:IG72WYRZ
「そうです。しかし・・・魂。」
そんな言葉が科学者から出るのは不思議であった。
「何とかならないだろうか。このままではあの男の言いなりになってしまう」
それは狩人の自分にとって屈辱以外の何者でもない。
早くなんとかせねば。
627南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:06:12 ID:M/K2A9cy
「ふむ・・・その視線はちょっと屈辱かもですね。
 魂の存在の科学的確認ごとき、僕は12の時に通った道ですよ」
軽く肩をすくめて、視線をあかねにむける。
その目は、戦闘能力を持たないただの人間とは思えないくらいに鋭かった。

「対策方法は3つくらいでしょうかね?
 一つは物理的手術による治療、これは半年くらい拘束することになります。
 一つは植えつけられた術の強制キャンセル、これは常人なら45回は死ねる激痛が走ります
 一つは術そのものに上書きをする事、より強力な術を上書きする事で前の術は無効化しますからね
 但し、私があなたに同じ系統の術・・・まあ擬似術ですが、かけた後ちゃんと解除すると
 あなたが信用したらの話ですが・・・
 どれを選びますか?」
628駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 23:08:32 ID:IG72WYRZ
「・・・12・・・。ですか。」
(天才・・・変人が多いとは聞くが・・ここまでとはね)

「三つ目。死にたくないし、半年前も拘束される気はないしね、」
「早く始めてくれると助かるんだが・・・・。」
629南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:16:24 ID:M/K2A9cy
「了解です。ではまずこの薬を飲んでください」
京次が手を前に突き出すと、そこに栄養ドリンクの瓶のようなものが現れる。

「ある種のナノマシンです。これを投与する事であなたの内部組織に干渉し、
 あなたを構成する脳、神経、魂のレベルで操作する事が出来るようになります」
630駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 23:20:36 ID:IG72WYRZ
「ずいぶん簡単なのだな・・・分かった」
ゴクッ
一息に飲み干すと南を見る
「これからどうすればいいんだ?」
「変な事しないでくださいね。私は、素手でもあなたを殺せる・・・。」
(とりあえず、脅しきかなそうだけど、一応釘を刺しとくか・・・)
631南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:24:39 ID:M/K2A9cy
「素手でも殺せる、ですか・・・試してみますか?」
左腕に取り付けてあるコンソールに指を走らせる
『南 京次に対して、いかなる攻撃、抵抗をもすることは出来ない』

そしてあかねの腕を掴み、ソファの上に無理矢理引き倒す。
「さあ、抵抗して見せてください。私は単なる人間ですよ?
 あなたが本気になれば、この場で首くらいへし折れるのでは?」
632駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 23:31:38 ID:IG72WYRZ
「・・・何を!?本当に・・・死にたいの?」

突然倒されて動転するが、すぐ南を引き剥がそうとする。・・・が。
(力が入らない!?・・・・)
「・・・治療は、どうした!?これが・・・治療だとでもいうんじゃないでしょうね?」
633南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:38:32 ID:M/K2A9cy
「精神のプロテクトというものをご存知ですか?」
触れそうになるほど顔を近くして、京次はそう囁く。

「一般人よりも能力者のほうが、術に対しての抵抗力が高い。
 これは精神のプロテクトという、心や魂を守る精神の防御幕が、
 能力者の方が一般人よりも高いからで、
 私のナノマシンでもそれの完全な突破は不可能なのです
 で、一般的に妖魔は能力者に術をかけるときにどんなことをするか・・・
 それを考えていただければ、精神のプロテクトを解く方法は推測できるかと思いますけど。
 術の上書きをしないと、あなたにかけられた術は解けませんよ?」
634駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 23:40:27 ID:IG72WYRZ
「そんなもの・・・なのか・・・。」
(くぅ・・・こんなときに・・・・からだが疼く・・・)

「分かった・・・任せる・・・。どうすればいいんだ?」
635南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:45:59 ID:M/K2A9cy
「そうですね・・・では、まずはこんなところでしょうか?」
京次はすっと身を引いて、コンソールに言葉を打ち込む。
『心は自身に持たせたまま、身体のみ、京次の命令を聞いてしまう』

「まずは服でも脱いでいただきましょうか?
 治療の邪魔になりますし」
言葉の内容とは裏腹に、邪気のない笑顔を浮かべてそう口にした。
636駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/30(水) 23:53:41 ID:IG72WYRZ
「・・・なんで服を・・・?」
体は意思に反していそいそと服を脱ぎ次の命令を待つ。
(・・・なっ?)
「何がしたいんだ・・・?これで記憶を拾えるの・・・?」
637南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/30(水) 23:58:28 ID:M/K2A9cy
「ですから、まず術のキャンセルをしなければ記憶は拾えないんですってば。
 で、その為にはあなたの精神のプロテクトを解除しなければならないんですってば。
 ひょっとしてプロテクト解除に必要な条件、予想つかないんですか?
 端的に言ってしまえば、あなたに一時的に私に屈服してもらうという事なのですが・・・」

言って、さらにコンソールに言葉を打ち込む
『京次の言葉が性感となり、声を聞く度に愛撫を受けている感覚が走る』
「ところで、薬を飲んだあたりから何か様子がおかしいですけど、
 何か体調に異常でも感じましたか?
 副作用はないはずなんですけど・・・」
638駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/31(木) 00:03:44 ID:0KFOJD6y
さらに体に異変を感じる。
(どうして、疼くだけじゃなくて、体を触られてる感じが・・・)
「・・・ひぅ・・・そうなのか、しかし、屈服・・・あッ・・・」
声を聴くたびに快感が走る体。
防ぎようも無く、ただ南に答えるしかなかった。

「知らない・・・わ、よ、あッ・・・副作用、あるんじゃないの・・くぅぅ・・」
639南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 00:10:31 ID:7w7X7Dlj
「気になります? 大丈夫ですよ、ちゃんと解除しますから。
 でもあなたが私の部下になりたいと屈服前に言っていただけましたら、
 ちょうど助手も欲しかったところですし・・・ふふ、冗談ですよ」
言葉を重ねるごとに反応するあかねに向けて少し意地悪な笑みを向ける。

「まあそういうわけで、どうせ落ちるしかないんですから楽しんだほうが得ですよ?
 なんだったら希望に沿いますよ。どんな風に落として欲しいですか?」
優しく語りかけながら、しかし右手は見えないようにコンソールを打っていく。
『落ちるという言葉を聞いて想像してしまった
 自らの身に降りかかることで、一番怖い事を口に出してしまう』
640駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/31(木) 00:15:15 ID:0KFOJD6y
「っ!ああっ・・・駄目ッ・・・くぅ・・・もぅ、やめっ・・・」
(言葉が性感に・・・?)

「なっ、ああっふざ、けるなあっ・・・!あぅぅぅッ」
「一族が追ってくる事が、一番恐ろしい・・・ッ!!」
(私は・・・何を・・・?)

【すいません、時間が来てしまいました。凍結していただいてよろしいでしょうか?
私はここ二日ならば午後7時から大丈夫ですが】
641南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 00:18:19 ID:7w7X7Dlj
【了解しました、それでは明日・・・もう今日ですね】
【今夜の21時ごろに再開お願いします】
642駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/08/31(木) 00:23:05 ID:0KFOJD6y
【申し訳ないです。それではまたお願いします】
643あかねglcc2:2006/08/31(木) 20:08:09 ID:3cKYheNi
【すいません、用事が入って十時ぐらいになりそうです。】
644南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 20:09:37 ID:jdOnh0dJ
【予想以上に早く来れました】
【続きを書いて待機してます】

(ふむ・・・一族、ですか。
 このような状況においても恐れるような事でしたら、使えるかもしれませんね
 まあそれは後においておいて、次の段階に入りますか・・・
 精神を蝕み、障壁を破壊するものは、快楽、恐怖・・・そして、屈辱)

「来ているものを全て脱いだなら・・・そうですね
 あなたには犬の真似でもしていただきましょうか?
 四つんばいになって、私の手でも舐めてみてください」
挑発的な視線を向け、そしてコンソールに文字を打ち込む

『屈辱を感じればそれだけ、身体は熱くなり発情していく』
645南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 20:10:14 ID:jdOnh0dJ
>>643了解です、ではその時間まで待機してますね】
646あかねglcc2:2006/08/31(木) 22:01:36 ID:3cKYheNi
【携帯から失礼します
帰宅までもう少しかかりますのでよろしければお待ち下さい】
647南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 22:03:03 ID:jdOnh0dJ
【了解です、のんびり待ってますね】
648あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 22:03:03 ID:3cKYheNi
あう。酉変えます
649駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 22:27:31 ID:0KFOJD6y
【すいません、大幅に遅れてしまいました】
【途中からまた携帯になるかもしれませんorz】
(ふ、ざけるな・・・!くそ・・・。どんどん体が熱く・・・)
「くぅ・・・あはぁ・・・・ん・・・、ぺろっ・・・。くぅ〜ん・・・」
正に奴隷のような姿。心と眼がそれを必死に否定しようとしている。
(こんな・・・奴に・・・治療が終われば必ず殺してやる・・)
650南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 22:38:54 ID:jdOnh0dJ
「んー・・・何か視線が怖いですねえ、体調が悪いのでしょうか?
 ・・・ああ、ひょっとしてトイレでしょうか?」
視線の意味が分かっていながら、挑発的な声色で囁きかけ、
あかねの頭を撫でる。
「でしたら、このバケツにしてきてもいいですよ?
 犬の真似なんですから、ちゃんと片足をあげてしてくださいね♪」
あかねの前に金属製のバケツをトンと置き、
笑いを押し殺しながら背中に手を置く。
651駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 22:43:43 ID:0KFOJD6y
「ああぁッ・・・くぅ、はッ、あッあぁ・・・。」
(こんな・・・こんな屈辱、許せない・・・)

意に反してしずしずとバケツの前に進み片足を上げる。
が、愛液がたれるのみだった。
「はッ、あッ・・・。うぅ・・・ん・・・。」
652南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 22:50:36 ID:jdOnh0dJ
「あれ? 出ないんですか?
 でしたら手伝ってあげますから、出るまでその格好のままでいてくださいね」
バケツの前にかがみこみ、あかねの秘所に手を伸ばす。
そうして小さな突起を指で軽く摘み上げながら、
そのすぐ下の小さな穴の周辺を、中指の爪で優しく引っかく。
653駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 23:04:23 ID:0KFOJD6y
(やめろ、・・・やめろ・・・やめろッ!・・・動いてよぉ・・・・)
抵抗の出来ない体。
ピクリと動きもせず、命令どおりに犬の排泄のような格好をしている。
南の言葉を聞いた途端、尿意と快感が溢れるように湧いてくる。
(嘘・・・。やだ、出ちゃう、出ちゃうぅ・・・)
「はっぁ、ぁぅ・・・・んんッんッ!」
右手を床に、左手で声を抑えるように口にあてたまま、バケツを捕らえ損ねた
自らの潮で左足を濡らした。右足は中空で痙攣したまま降ろす命令を待っている

654南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 23:16:52 ID:jdOnh0dJ
「あらら・・・こぼしちゃいましたか。
 まあ、定石としてはこぼした分を舐めて掃除してくださいっていうものなんでしょうけど・・・」
見下すような視線を向けながら、近くの椅子に腰掛けて右足を突き出す。
「犬に躾ける芸に『ちんちん』ってあるでしょう?
 あの体勢で、私の足先にあなたの大事なところを擦り付けて、
 1分以内にイケたら、勘弁して差し上げてもいいですよ?」
そう言って、唇の端を吊り上げた。
「嫌だと言うのでしたらちゃんと舌で奇麗にしてくださいね?
 どちらを選ぶのも自由です。さ、どうしますか?」
655駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 23:33:45 ID:0KFOJD6y
「ふあぁぁ・・・・ッ。」
(この・・・どちらも嫌に決まってるのに・・・)
だが意思と裏腹に体は秘所を南の足にあてがって上下に擦り付けている
「ぁッ、あんッ・・・あっ・・・・ああぁ・・・」
(やだ、、、イキたくないぃ・・・でもイカないと舐めなきゃ・・・)
一瞬の戸惑いを掻き消すように性感の高まりが絶頂を呼ぶ。
「アッ、駄目ッ駄目ェツ・・・・イ・・・・ク」
(イッちゃ、ったぁ・・・一分は・・・間に合ったのかしら・・・)
犬の姿勢をくずさずに汗と愛液で濡れた体は、良くほぐれ、あらゆる刺激に対して弱くなっているようだった
656駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 23:44:00 ID:0KFOJD6y
【ああああ、すいませんorz
ちょっと呼び出されたので凍結、いいですか?
遅刻の上に二度目の一方的な中断で本当に申し訳ないんですが・・・】
657南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 23:44:08 ID:jdOnh0dJ
あかねの顔色を見て、クククッと笑う京次。
「62秒ですね。アウト・・・なんですけど、まあ敢闘賞としてあげましょう」
そして今度は自分で足を動かし、あかねの秘所を刺激する。
「ふふ、ついでにプレゼントをしてあげますよ。こんな趣向は如何ですか?」
そして今度はあかねに見えるように、コンソールにゆっくりと文字を打ち込んでいく。

『体に触れる液体は、全て性感を過敏にする媚薬の効果を持たせる。
 快楽は跳ね上がるが、京次から許可を得ない限り決して絶頂に達する事は出来ない』
658南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 23:47:28 ID:jdOnh0dJ
【了解しました】
【明日は私はどうしても無理なのですが、二日〜四日でしたら】
【基本的に何時でもOKです】
【続きはいつにいたしましょうか?】
【それともなんでしたらこのまま待ちましょうか?】
【8時くらいまでならいられますけど】
659駒口 あかね ◆KNELE9rTpA :2006/08/31(木) 23:49:32 ID:0KFOJD6y
【いえ、明日は私も朝が早いのでちょっと厳しいです】
【では二日の夜にお願いします。】
【ちょっと急ぎの用らしいので、これで失礼します】
【またよろしくお願いしますね、本当にすいません。では】
660南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/08/31(木) 23:50:48 ID:jdOnh0dJ
【了解しました、それでは二日の夜に】
661名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 16:35:26 ID:cQt7/Gih
ここって最強厨禁止とか言ってる割に、
明らかに俺様TUEEEロールが蔓延してるね

簡単に相手の切り札防いだり、
弱点系統の攻撃されても都合よく無効化したり
弱点設定さえすれば最強厨じゃないって勘違いしてんじゃないの?

自分で自分を厨って言えば許されるってもんでもないだろ
自覚あるんなら少しでも直せばいいのに
662名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 22:09:04 ID:kpOCAzEN
>>661
テンプレ読めと言われる香具師が多い中で
テンプレしか読んでないと思われるお前は
まだマシなほうなのか、それともさらに悪質なのか。

まあ何にせよ、

              突  撃  乙 w 
663名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 22:40:54 ID:AG07+3tb
正当な批判を突撃・難癖呼ばわりして切り捨てるのは簡単だもんな
せいぜい避難所に引きこもって最強ロール回してるといい
664名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 23:10:49 ID:1PJmidXT
>>661の批判は真っ当だと思う名無しが一人。

女性なら負けないとエロールしにくいし、その辺りが難しい。
逆に、男性が負けるロールを見たことないからその辺りもまあ、なんだ。
Sっ気の強い女性キャラハンがいれば言う事ないんだが。
665名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 08:05:30 ID:2gR7pT9B
確かに正当な批判かもしれない。
言っていることは間違っていないかもしれない。
だが、まず批判する態度がよくない。
「何キレてんの?」って思ってしまった。
それに、ここや避難所に批判を載せたところでスレの雰囲気を悪くするだけであって、
そういうことは某叩き板でやるべき。
666661:2006/09/02(土) 13:09:07 ID:prv1KJaG
確かに書き方は悪かった、すまない
しかし批判を載せて雰囲気が悪くなるだけというのは納得いかない

極端な話、自分達に都合の悪い意見は全て排除して
賛同者だけでナンの中身もない馴れ合いを続ける、と言っているように見える
批判を受け入れない姿勢は瓦解に拍車をかけるだけだと思う

某叩き板ですら見放されているようだし
667 ◆QdNeELIrdA :2006/09/02(土) 13:21:36 ID:Ym8CGryu
名前と【】は外し、トリップのみにてキャラから離れた発言をさせていただきます。

まず661氏の意見についてですがこれは全く以て仰るとおりであると思います。
ただ、男性キャラハンが受けに回るということが少ない、少なくなりがちであることもご理解いただきたい。
これは中の人の資質もあります故、簡単には出来ないことでもあります。
たとえば、恥ずかしながら自分は受けは苦手です。
その上での批判であれば甘んじて受けねばなりますまい。
私個人のことについては緩やかながら修正をしていければ、とは考えますがはてさてうまくいくかどうか。

また、既に661氏も謝罪されておられますが批判には批判のやりようと言うものがありましょう。
人間は耳の痛い意見というものには拒否反応を起こしがちなもの。
なればこそ、批判であるならば細心の注意を払うべきであるやも知れません。

いずれにせよ、批判や煽りの類はこの場ではなく避難所をお使いいただければ幸いです。
そのための避難所でもあります故。
668 ◆QdNeELIrdA :2006/09/02(土) 13:22:32 ID:Ym8CGryu
追記
上述の文章の「受け」というのは敗北の上での受け的立場を指すと読んでいただければ幸いです。
669名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 13:27:28 ID:Z47ASLz/
まあ、批判が起きる時点で健全さはある程度保たれているという事でしょうな。
本当に終わっているスレならば批判すら起こらないでしょうし。
自浄作用がある限り、私はこのスレを見捨てない所存でございます。
670南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 19:52:08 ID:BxukEoQ1
【申し訳ありません、時間表記を忘れていました!】
【とりあえず、あかねさん待ちで待機します】
671あかね:2006/09/02(土) 22:13:52 ID:MkHJCe5n
【まだいらっしゃいますか?】
672南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 22:14:19 ID:BxukEoQ1
【はい、まだおりますですー】
673南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 22:19:40 ID:BxukEoQ1
【返信早すぎましたでしょうか?】
【いますですよー】
674南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 22:32:11 ID:BxukEoQ1
【また早すぎたかも・・・おりますですよー】
【ところで酉がないですけど・・・失礼ですが、ご本人さんですか?】
675あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/02(土) 22:35:13 ID:dFbpIvJL
【すいません、パソ起動するのにトラブっちゃっててw】
【本人です。さっきは携帯からでした】
676南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 22:36:08 ID:BxukEoQ1
【はい、了解です、失礼しました】
【それでは続きお願いできますでしょうか?】
677あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/02(土) 22:48:06 ID:dFbpIvJL
「はぁ・・・も、だめぇ・・・あッ・・・!プレゼント・・・?」
(この感じ・・・前にどこかで・・・)

強制的に体に作られた自らの体液が媚薬化し、それによって感度が上がる循環機関
それは科学という力の種類が違いこそすれ、水上の責めに酷似していた。
だがここで絶頂を禁じられる。
感度が上がり続ける体は、どうしようもなく火照っていく
「や、ぁッ、ダメ、イキたい、イキたいよぉ・・・」
678南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 22:57:50 ID:BxukEoQ1
「ふふ、イキたいですか? ちゃんと言ってくれないと分かりませんね?」
あかねの前に、再び足を突き出す京次。

「今度はあなたの口から頼んでみたらどうですか?
 京次様のおみ足で私のあそこを踏んでイカせてくださいって。
 ああ、私は強要はしませんよ? 選ぶのはあくまであなたです」
言って、靴底であかねの腹を擦る。
679あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/02(土) 23:16:35 ID:dFbpIvJL
「うぅ・・・ぁあぁ、はあッ、はあッ・・・や・・だ・・・」
(誰がそんな屈辱を受け入れるか・・・)
「くっ、あッあぁあぁッ!!」
屈辱を感じた瞬間体を駆け巡る快感にのたうつあかね。
水上と違いあくまで自主的に堕ちるようにしむける責めがなお屈辱を次に快感を増した
(こ、こんなの、抵抗できないよ・・・)
「く・・・そ・・・。殺してやるぅぅ・・・」
680南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 23:27:48 ID:BxukEoQ1
「おっと、怖い怖い。私は普通の人間なんですから
 そんな怖い顔を向けないで下さい。ね? 笑顔笑顔♪」
道化師のようにおどけたそぶりを見せながら、さらに屈辱を与える為に
京次はあかねに『命令』する。

「そんなに堕ちるのが嫌ですか?
 でしたらちょっとしたボーナスを上げますよ」
 もう一度、あかねの視線に入るようにコンソールを向けて、
 指が言葉をつづっていく。
『自分が淫猥だと思う言葉を口に出している間、快楽が少しだけ弱まる』
681あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/02(土) 23:40:50 ID:dFbpIvJL
「あっ、あっ、あぁぁ、ダメ、ダメ・・・・」
脱いだ自分の服を握り締め、噛み、必死に耐えるが、その間にも
汗、涎、小便、愛液、それらが全身を濡らし、益々感度を上げる。
もはや聴覚への刺激は全てが性感であり、南の一言一言が心と体を弄ぶ。

「あぁあぁあッ、や、やめて、おかしくなっちゃうぅ・・・」
(こんな屈辱的な・・・)
そう感じた瞬間新しい快感が襲う。
「ふあぁッ!?ああぁ・・・」
(耐え・・・られない・・・)
「イキたい、イカせてください、私の牝穴を、どうか・・・」
682南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/02(土) 23:47:23 ID:BxukEoQ1
「おやおや、せっかくボーナスを上げたのにもうアウトですか。
 では・・・私が足で踏んだ快楽でのみ、イっていいですよ?」

宣言の一瞬後、京次はあかねの秘所に思いっきり靴のかかとを叩き込み、
ぐりぐりと捻りながら振動を加える。
683あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 00:09:38 ID:2bCQj7YW
(真っ白になっちぅゃ・・・・)
「うっ!?あっ、あはぁ、イク、イクぅぅぅぅぅ!!!」
思いっきり踏まれたのに不思議と痛覚はなく、悦びを持ってかかとを迎える。
両手両足が伸びきり、痙攣する。
目も口も、秘所も最大限に開かれ、それぞれから体液があふれ出る。
それらはさらに感度を高め、ぐりぐりと振動がくるたびにさらに溢れ、
感度をあげていく。

「うぅ、あっ!?またイク、だ、だめ、死んじゃうぅぅぅッ・・・・・」
「くあぁぁッ、あぁ、やッ、もうダメ、ダメだか・・・ら・・・」
684南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 00:17:32 ID:4pP5COh0
「おや、もうダメなのですか? では仕方ないですねぇ・・・」
京次はすっと足を引き、そして酷薄な笑みを浮かべ、コンソールに指を走らせる。

『先ほど自分で言った、一族がやってくる恐怖というものが心を襲う。
 液体に塗れた快楽の焦燥感とリンクし、体が快楽を求めれば求めるほど
 心は恐怖に支配される』

(快楽と屈辱でぐちゃぐちゃになった精神に、恐怖を叩き込み、そして・・・)

今度は足を、胸のほうに持っていって、かかとで乳首を軽く踏み、
回転を加えてこね回す
685あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 00:33:31 ID:2bCQj7YW
「ひッ!?ひぃぃぃ・・・。あぅ、ひぃ・・・」
(やだ・・・怖い、怖い!・・・怖いよぉ・・・)
「はぅぅ、や、だめ、またイク、イクゥゥゥゥゥッ!」
恐怖に支配された心は快楽に逃げようとするがそれも許されず
ガタガタと震えながら何度も何度もイってしまう。
「あッ、あぁ・・・あぁん・・・うあっ、怖い・・・怖い・・・あぁッ!」
(・・・ぁ・・・も・・・む・・・り・・・・)
足が秘所から離れてほっとしたのも束の間、今度は胸でイッてしまう。
常人よりも鍛えられているとはいえ、限界が迫ってきた。
神経が焼ききれそうなほど快楽が走り、とっくに脱水症状になっている。
心も精神崩壊寸前のダメージを受け、もはやナノマシンの力が無くとも南に抵抗さえできない。
686南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 00:40:57 ID:4pP5COh0
「ふふ、怖いですか? 苦しいですか? 耐えられないですよねぇ?
 さあ、私に全てを委ねなさい。私に忠誠を誓いなさい
 心も、身体も、魂さえも・・・そうすれば、幸せだけがあなたを満たしていく。
 私だけが、あなたをその恐怖から救う事が出来るのです」

(私の手で、恐怖から開放する。堕落という名の、救いの手で・・・)

「忠誠を誓うのならば、私の足に口付けなさい。
 そうすれば、あなたはその恐怖からも苦しみからも解放される」
そして、コンソールに文字を打ち込んでいく。
『南 京次から発せられる言葉は全て、自分にとって真実になる』
687あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 00:52:16 ID:2bCQj7YW
(たすけて・・・タスケテ・・・・)
「うあぁ、あぁ、うあぁッ・・・ぁあッ!ひッあぁぁぁぁぁぁッ・・・・」
目にも心にももやが覆い、全身から途切れず快楽が神経を乱打し続けている。
絶望の中に光が指した、ような気がした。
救い。
圧倒的な恐怖と苦痛。それから救われる事なら何でもしようと思った。
そして。

イキながらも這って、愛液が床に尾を引くように後を付け、南の足までたどり着くと
軽くに口をつけ、そのまま倒れた。
688南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 01:05:16 ID:4pP5COh0
「ふふ、完全に堕ちましたね。ナノマシン、解析開始。
 精神プロテクト算出・・・0.4パーセント、無視可能レベル。
 ・・・なるほど、気の操作系統ですか。しかもこれほど強力な術の使い手とは・・・
 くくく、是非一度解析してみたいものです」
近くのディスプレイに、ナノマシンから送られてくる情報が提示される。
それを見ながら、あかねに術をかけた者の力を知り、醜悪な笑みを浮かべた。

「さて、そういえば依頼がまだでしたね。あなた・・・
 ああ、名前を聞いていませんでした。
 とりあえず、今からあなたは私の人形です。
 さあ、立ち上がって、あなたに術をかけたものの事、かけられた術の内容を
 簡潔に話してください。
 苦しくは無いはずですよ? 私に従っていれば、あなたは幸せだけを感じられるのですから」
足元に、うち捨てられたように倒れたあかねに対し、
そう声をかけるミロク。その視線は、既にあかねに対して興味をなくしていたかのようだった。
689あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 01:19:03 ID:2bCQj7YW
(幸せ・・・・)
「・・・・『水』の力の一種だと思われるが・・・・―」
うっとりとした表情を浮かべながら正確に体にかけられた術の詳細を語る
水上の容姿、戦った限りでの見せた力等々・・・。
しゃべっているとう自覚さえ無い。
690南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 01:29:07 ID:4pP5COh0
「なるほど・・・そして、それを喋っている時点で、
 私のかけた擬似術が彼の術の力を上回っているという事ですか。
 さて、これで依頼も済ませた事ですし・・・」
手元にあったタオルをあかねに放る。
「それで身体を拭いたら服を整えて、そのソファで横になって眠りに落ちてください。
 そして少ししたら、私のかけた擬似術も全て解け、あなたは目を覚まします。
 但し、私の手渡した薬を飲んで以降、全ての記憶を忘れて。」

京次が指を鳴らすと、そこにあった精神調教の後が全て消失する。
そして手近な椅子に座り、あかねが目覚めるのを待つ。
691あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 01:44:13 ID:2bCQj7YW
「・・・ここは?治療は上手にいったのか?」
692南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 01:49:43 ID:4pP5COh0
「ええ、上手くいきましたよ。あなたにかけられた術も解きましたし、
 どのようなものかも解析しておきました。
 記憶が無いようでしたら、このディスクご覧になってください。
 今回の事が全て入っておりますので」
京次は近くのコンピュータから一枚のMDを取り出し、あかねに手渡す。

「さて、私はこれから狩りにいこうと思っておりますので。
 申し訳ありませんが、お引取り願えませんでしょうか?」
そういうと京次は立ち上がり、手の甲につけたコンソールの位置を直しながら、
含みのある笑みをあかねに向けた。

【すみません、そろそろ〆でお願いします】
693あかね ◆KNELE9rTpA :2006/09/03(日) 01:52:26 ID:2bCQj7YW
「・・・?了解した。」
(妙な笑みだな・・・?)

そういって武器を手に、階段を上がっていく。
MDを持って・・・
【了解です】
694南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/03(日) 02:03:56 ID:4pP5COh0
「水上・・・素晴らしい力の持ち主だ。
 このものを捕らえ、その力を解析したときに、
 私の研究は大いに飛躍するだろう。くくく・・・あははははははっ!」
コンピュータに打ち込まれたデータを見て、南は狂ったように哄笑を上げる。
その顔は、まさに狂人に相応しいものだった・・・

「はははっ・・・ふふっ、さて、そろそろ引越しの準備をしますか。
 彼女がアレを見終わった後が怖いですからねえ。
 発明品、機材はは全部、第37研究所の倉庫に転送っと」
そして笑顔が止むと、京次はいそいそとコンソールに指を走らせ、
その度に部屋の中の機械が一つずつ消えていく。
そして全てが無くなってがらんとした部屋になった後、
京次はペンと一枚の紙を取り出してさらさらと何かを書き上げていく。
「怒って、いーる、でーしょーうーかーら、私は、にーげーまーすっ!
 ごーめーんーちゃーいーねっ! と。さて、じゃあこれを床に張って。
 くくくっ、さて、私も行くとしますか」
そう言って、元・研究所を後にした京次の顔には、先ほどの狂った笑みはついていない。
まるで仮面でもつけたかのように、悪戯をした子供のような笑みが、そこには張り付いていた・・・

【こちらはこれで〆ます】
【ありがとうございました、機会がありましたらまたお相手お願いします】
695シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 22:12:43 ID:4JvoGt87
 とある、夜の公園。ふらりと立ち寄った女の影。

「……相手が誰かも分からない雑魚共が」

 どれ程洗おうとも拭いきれない、血と硝煙の匂いに誘われた最下級の妖魔が数匹、ナイフや鉤爪に引き裂かれ転がる。

【お待たせしました浅井さん。どうぞ】
696浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 22:21:19 ID:dYXSmZI9
夜の公園を一人の少女が自転車で通る。
籠にかばんを乗せ、ラケットを背負っている。

「あー、部活終わるの遅くなっちゃった・・・ 早く帰らなきゃ。」
日が暮れるまで運動したためにかいた汗。
その汗さえ妖魔を呼び寄せるにおいを発しているとは気づきもしなかった。

「・・・変な臭い・・・何だろう。」
自転車を止め、煙と変な臭いのする方向へ行く。
「!?・・・なに・・・これ・・・」
化け物の死体が散乱した光景に息をのんだ。
697シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 22:29:08 ID:4JvoGt87
 また一匹、怪しげな粘液を撒き散らしながら妖魔が息絶える。
>696
「……見たわね?」
 その気配に振り向き、少女の姿を認める。
「黙ってここから離れな……え!?」

 1匹の妖魔が少女の汗の匂いに誘われ、襲い掛かろうとした。

 その、ナメクジの様な鈍重な身体で。
698浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 22:37:48 ID:dYXSmZI9
「・・・わっ!?」
手に持ったラケットで妖魔を叩く。
「ちょっ、何、これぇ!?そこの人、助けてよぉ・・・!」
叩かれた妖魔はそのままの勢いで燕にへばりつき
汗をなめ取ろうとしている。
「・・・ぁッ・・・!ちょっと・・・何・・・これ・・・」
服を半分とかされ、妖魔の唾液を全身に浴びてしまう燕。
「ちょと・・・・何・・・・あぅ、はぁぁ・・・」
699シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 22:45:32 ID:4JvoGt87
>698
「貴方……只者じゃ無さそうね……」
 少女に近付くにつれ、理性が段々麻痺するような感覚に陥る。
 魂が二つに分かれ、合い争っているかのような……

「……少し、手荒に行くわよ」
 懐からチューブ入りの爆薬を取り出し、オムレツにケチャップをかけるように大ナメクジに塗りつける。
 塗りつけると今度は信管を取り出し、爆薬の一端に押し付けて点火。

<パン!>

 上面2/3を失ったナメクジの残骸を少女より剥がしてやる。
「どう?まだ生きてる?」
 などと言いつつ、少女にダメージの及ばない様に吹き飛ばす手際は流石である。

【エロールにも行けますが、それはやめておきますか?】
700浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 22:50:45 ID:dYXSmZI9
「・・・何・・・?これは・・・一体・・・?」
爆発音と妖魔の非現実感が思考を鈍くしていた。
「あなたは・・・・?それに、これ・・・何なの?」
【どちらでも結構ですよ】
701シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 22:59:50 ID:4JvoGt87
>700
「何って……見ての通りよ。視覚系の幻惑は掛かってないわ」
 口で説明しても信じてもらえる自信はない。
「私は……怪物退治の専門家?」
 真っ正直に『私はテロリストが本業』などと名乗る気はない。ふと思いついて退魔師を装う。

「まぁ、余計な事に首を突っ込むのはやめた方が身の為よ……」
 いけない。何故か、理性が鈍る……助け起こそうと、剥き出しになった少女の肩に触れる。
 肌に滲んだ汗が手につくと、更に眩暈が強くなる。

「……それでも、もし知りたいというのなら……それなりの覚悟と……」
 覚悟と、一体何が必要なのか。その顔を寄せる……

【じゃあ、エロールっぽくw】
702浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 23:03:17 ID:dYXSmZI9
「・・・覚悟って・・・え、一体何・・・何なのよぉ・・・」
自分に近づくごとに理性がなくなるように見える相手に怯えながら
後ずさりする。

早く帰らなければ。非現実的な光景から日常へ帰りたい。
その思いが体を動かした。
半裸の体を隠しながら立ち上がろうとする。
703シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 23:09:32 ID:4JvoGt87
>702
「……怯えているのね……まあ、無理も無いわ。
 でも……貴方、可愛いわね……きゃっ」
 相手が身体を起こした為、バランスを崩す。支えようとして、ナメクジの残骸に手を突いていまい一人で転ぶ。

「ま、まあ、この手のトラブルは一度関わるとどんどん寄ってくるものだけどねw」
 転んだ拍子に嗅覚由来の眩惑が解け、理性を取り戻した。

「知って立ち向かうか、知らずに避けるか、二つに一つよ」

【取り合えずエロール回避で】
704浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 23:15:23 ID:dYXSmZI9
「・・・は、はぁ・・・。」
妖しく輝く瞳を見てこれは、危ないと考えていた矢先シェーラが転ぶ。
「あのー、大丈夫ですか?」
起き上がった彼女は、どこが先ほどの艶かしく「、妖しい空気がなく
理知的で魅力的な女性に見えた。
「・・・それで・・・なんなんでしょう・・・。私、早く帰らないと・・・」
705シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 23:19:11 ID:4JvoGt87
>704
「あ、そうでしょうね、こんな時間だもの……でも、その格好で?」
 と、溶けかかった服を指差す。
「確か、その辺にコンビニがあったわね。今何か服を買って来てあげるわ」
 立ち上がってパンパンと膝を払い、ほこりを落とす。
706浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 23:21:08 ID:dYXSmZI9
「あ。」
うかつだった。こんな格好はさすがに恥ずかしい。
「はぁ、でも・・・悪いです・・・。部活の着替えがあるので、それで
帰ります・・・。」
(はぁ、明日から学校どうしよう・・・。替え、なかったっけ・・・)
「あのお、お名前を伺ってもよろしいですか?今度お礼を・・・」
707シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 23:27:27 ID:4JvoGt87
>706
「そう……それだけ気が回るのなら、大丈夫かしら?」
 微笑んで見せる。営業用スマイルにしか見えないのはさておき。
「名前……?

 シェーラよ。シェーラ・エリオット。ここに電話してくれれば大抵は繋がるから」
 手渡された横書きの名刺の肩書きは『ネロンガ共和国大使館職員』となっている。(因みに英語と日本語の両方で書かれている
 色々と(本人も忘れそうな程色々)あってそういう身分を名乗り日本に潜伏中、なのだ。
「……別にお礼はいらないけど、今夜のことをもっと詳しく知りたかったら連絡して」
708浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 23:35:20 ID:dYXSmZI9
「・・・わかりました、」
(きっとこれは夢なんだ。きっと・・)
なるべく死体やシェーラを見ないようにして頷く。
きっと目を覚ませばいつもどおり学校が始まって・・・。

もういちど頷いて、慌しく頭を下げてお礼を言う。
「助けて頂いてありがとうございました。」

がばっと頭をあげ、自転車のほうに走っていく。
(これは夢、夢・・・)
709シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/16(土) 23:41:58 ID:4JvoGt87
>708
「寄り道しちゃ駄目よー」
 少女を見送ると、辺りを見回し、ため息をつく。

「後始末……アレ、使うしかないわね。すっちーにまた頼まなきゃ……」
 一枚の呪符を取り出し、呪文を唱えながら地面に貼り付ける。
 土の中からもこもこと、『死肉漁り』と呼ばれる式神が現れて妖魔の残骸を貪り始めた。

「……そう言えば、彼女の名前聞きそびれたわね……」
710浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/16(土) 23:55:47 ID:dYXSmZI9
トイレで着替えを済ませ、自転車を跨ぐ。
先ほどの場所への道と帰り道。ここから左が非現実。右が現実の世界。

左へ曲がり、先ほどの場所に戻ってみた。
女も、化け物もいない。
制服がとけている。ならばあの化け物は存在したのだろう。
だがあの女の人はー?
名刺がまだある。
「いや、疲れてるんだ。」
目を閉じてぱちっとあける。やはり名刺は消えていない。
「・・・」
【どうしましょう?】
711シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/17(日) 00:00:14 ID:BMU1an+I
>710
 その頃、シェーラは公園を離れていた。
 何時までもあの場所にいれば、警察や本物の退魔師等が嗅ぎ付けないとも限らないからだ。

「さて、あの少女、来るのかしらね……」

【ちょっと続けるのは展開として無理がありますね。今夜はこの辺で?

 そちらの都合がいい時に、某国大使館で続きにしますか】

【因みに、上の方で出た『すっちー』はそのうち紹介します】
712浅井 燕 ◆HNGWp97mMU :2006/09/17(日) 00:05:47 ID:p5D0ZsAD
「とりあえず、今日は寝よう・・・。」
名刺を枕元において、目を瞑る。
力の増幅装置として狙われることになる少女の安眠は、
とりあえず今のところは守られていた。

【了解です。じゃ、この辺りで〆で。】
713シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/17(日) 00:12:34 ID:BMU1an+I
>712
【では、お休みなさい。良い夢を……】
714シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 00:49:52 ID:PkJtOVQe
 シェーラ・エリオット。アフリカはネロンガ共和国駐日大使館で非常勤の通訳をしている。

 が、それは表向き。本性は世界中を渡り歩いたフリーのテロリストである。
 そしてネロンガ共和国は、テロリストや妖魔系組織の側に立つ数少ない国の一つなのであった。

 大使館職員という隠れ蓑を被って日本に潜伏中の、そんな彼女が最近執心しているのは……チキンラーメンであった。

「……じゃあ、届け先は……代金は……」

 問屋からチキンラーメンを大量に買い付け、しかも大使館に持って来させる契約をした彼女は、しばらく町をぶらつく事にした。

【お待たせしました南さん。好きなように絡んでください】
715南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 01:01:44 ID:UqHL1zkJ
「今月の血液占い、えっとAB型は・・・」
公園のベンチに座りながら読書をしている白衣の男。

彼が裏の世界ではこれ以上ないほどに名の知れ渡った狂的科学者、南 京次であることなど、
とてもでないが誰も想像すら出来ないだろう。

そして偶然視線を浮かせた先に、一人の女性が歩いていた。
「おや? あれは・・・ふむ、占いは当たりみたいですね。
 想像もしていないような出会いがある、ですか」
雑誌を近くのゴミ箱に捨て、立ち上がる。
そしてその女性の後を、足音を忍ばせながら追跡し始めた。

【了解です、遅くなってすみません】
【ロールはどんな感じにいたしますか?】
716シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 01:09:14 ID:PkJtOVQe
>715
 ふと、気がつく。誰かが尾行をしている事に。
 街角のショーウィンドを覗き込む振りをしながらそれに映り込んだ尾行者を確認。

(白衣……?怪しいわね……)

 取り合えず、気がつかない振りをして街を流す事にする。

【こちらこそ。取り合えず顔見せと会話程度ですか?】
717南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 01:17:04 ID:UqHL1zkJ
>>716
「・・・ふむ、相手がもし本物でしたらそろそろ尾行に気づかれる頃でしょうか?」

言って、少しずつ距離を詰めながら・・・
人気の無くなった時を見計らい、声をかける。
「失礼、シェーラ・エリオットさんですか?」

【こちらの個人的なわがままを言わせて頂ければ、BかHをやってみたいですけど】
【そちらのご都合に合わせますですよ】
718シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 01:32:03 ID:PkJtOVQe
>717
 ぴたり、足が止まる。
「ええ、そうですが。何か用ですか?」

 営業用スマイルで振り返り、話しかける。
 必要とあれば小ぶりのナイフをいつでも抜ける。

【すいません、うっかり寝落ちしかけました。そんなわけで接触編だけで勘弁を】
719南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 01:37:21 ID:UqHL1zkJ
「失礼、私こういうものです」
名刺を取り出し、シェーラに差し出す。

「用というほどのものではありませんが、ちょっと挨拶と・・・忠告に。
 変装くらいはしておいた方がいいと思いますよ? 
 あなたの顔、ブラックネットワークではそれなりに通っちゃってますし、恨みも私と同じほどには買われているでしょう?」
ニッと口の端をあげながら、いきなりそんな話をしだす。

【了解しました】
720シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 01:45:18 ID:PkJtOVQe
>719
 反射的に名刺を受け取り、確認する。
「南京次…………ブラック……?」

 まさか、こんな所で自分を知る者に出会うとは。

「……わざわざのご忠告、ありがとうございます。
 まさか、貴方のような人物に顔を知られているとは。

 で、用はそれだけですか?副業の方は現在休業中なのですが」
 彼の恨みを買うような事をした覚えも無いが、何がどう転んだかわかったものでもないので警戒は解かない。
721南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 01:51:50 ID:UqHL1zkJ
「ですから、ご挨拶ですよ。
 こう見えて私、科学者などを生業としておりまして、
 開発しているものの中にはあなたにとっても有益なものがある筈です。
 何かご入用の時には、是非私の側に話を通して頂ければ、と・・・」
にこにこしながら話を紡いでいくが、突然、表情が切り替わる。
笑顔には変わりない、しかし狂気を含んだものに。

「それに、あなた自身にも興味がありますしね。
 休業中だというのでしたら今は止めておきますけど、状況によっては敵対することもありますので。
 そういった意味での『ご挨拶』も・・・と思いましてね」
722シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 02:02:25 ID:PkJtOVQe
>721
「成程ね……考えておくわ」
 ただの売り込みかと思った、その時は。

「そして、私自身、ね……成程、ご挨拶だわ」
 人文科学と自然科学の違いはあるが、亡き父も学者だった。
 何をどうしたのか火焔魔人の娘たる母を誑し込み、私を生ませ、そして死んだ。

 思い出した。
 幼い頃に見た、あの父の顔を。

「私としては、この国でまで厄介を起こしたいとも思わないのだが……その挨拶は、受けておきましょう」

 おそらく、今の私の顔は仮面のように無表情だろう……
723南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 02:12:55 ID:UqHL1zkJ
「と・・・まあ、そっちの話はそこら辺にしておいて」
突然、周囲を覆っていた狂気が完全に霧散する。
今まで話し込んでいた京次の纏う雰囲気が、
張り詰めた緊張感からのっぺりとした腑抜けた空気に。

「もしお時間空いていましたら一緒にお茶なんてどうでしょうか?」
今までとはまるで真逆の雰囲気で、純粋にいきなりナンパに切り替わる。
724シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 02:21:14 ID:PkJtOVQe
>723
 その言葉に、全身の力が抜ける。

 右腕の方が長くて重い分、そちらに倒れそうな錯覚を覚えるいや本当に倒れそうになる。

「折角のお誘いだけど、私はこれでも忙しいの。
 商談その他はここに連絡してくれる?」
 大使館名義の名刺を渡す。常識的な相手ならここに襲ってくる事はないだろうし、非常識な相手なら今更教えるまでも無いだろう。

【そろそろ〆ますか?】
725南 京次 ◆ZOvQXZ1jc2 :2006/09/23(土) 02:30:43 ID:UqHL1zkJ
「ふむ、残念です。ま、今回は諦めますよ」
名刺を受け取りながら、案外あっさりと身を引く京次。

「それでは、私はこの辺で。もしよろしかったらご同業の方にも紹介してくださいね」
言って、そのまま踵をかえし、手を振りながら歩いていく。
お互いに、顔は覚えた。今の京次には、それだけで充分だった。

【はい、私はこれで〆にいたします】
【お相手ありがとうございましたです】
726シェーラ ◆5gFlt90TAE :2006/09/23(土) 02:36:44 ID:PkJtOVQe
>725
 もう少し粘るかとも思ったが、意外とあっさり引いた。
「ああ、考えておくわ」
 そのうち来るのだろうか。

 ふと、先日名刺を渡した少女を思い出す。彼女も会いに来るのだろうか……

【いえこちらこそ。お疲れ様でした】
727セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/01(日) 00:27:51 ID:5GmQPW0h
【名前】セレスティア=ローディス
【年齢】13(外見年齢)
【性別】女
【サイド】退魔側
【組織】薔薇連盟
【サイズ】149cm  85/56/81
【容姿】
真紅の瞳、ブロンドの長髪をした勝気な少女。
大きく背中がえぐれた黒のゴシックロリータ風ドレスは
胸元で紐が網目状に通り、蝶結びで結ばれているため、より強調された谷間が覗くデザイン。
【得意】サド、マゾ両側での陵辱。
【能力】古の闇魔術(紅き月の夜のみ)
【武器】
薔薇棘のついた鞭、古式拳銃、
禁忌の闇魔道書「ブラッディローズ」(紅き月の夜のみ)
【NG】 ハードグロ(目玉抉ったり、内臓出したり系)・汚物
【弱点】
吸血鬼の一般的な弱点(銀、太陽、聖水…etc)。自信過剰。
他への配慮に欠く言動が、妖魔、人、同胞からさえも
少なからず反感の芽を育ててしまっている。
【備考】
指折りの貴族ローディス家の令嬢にあたる吸血鬼。
自他共に認める天才肌であり、大した努力も無しに難解な闇魔術を究めるが
性格は超勝気で自分勝手、他者を見下した態度に高いプライドと最悪を極める。
更に捕えた妖魔、人を城の地下牢で徹底的に嬲るなど、行動が既に常軌を逸している。
狂気すら孕んだ現在の性格は、両親に早く死別された事が大きな要因。
紅い月の夜には魔道書の封印が解かれ、膨大な魔力で他を圧倒する。

【初めまして。みなさん、よろしくお願いしますわ】
728セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/01(日) 00:41:47 ID:5GmQPW0h
【長過ぎますわね…。】
【私の特徴を纏めると、吸血鬼、ゴスロリ、ロリだけど巨乳、勝気+傲慢系】
【希望ロールはとことん陵辱するか、されるかですわ。】
【私はどちらかというとされる側が好きなので】
【魔術の件については、陵辱時専用のみという事で…どなたか気になりましたら、お相手を。】
【それでは今夜はこれで、お休みなさいませ。】
729名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:58:17 ID:O3XLzFNs
新しい人キターーーーーー!

頑張ってください。
730ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 20:59:19 ID:96RWzjL1
「なつはさり」
指折り、ひとつ。
「ゆめあざみ」
ふたつ。
「ごみあさり」
みっつ―――三つ目で唐突に風情が消えうせた。
当人は気に掛ける様子もない。
小さな唇が績ぐのは、意味をなさない言葉遊び。
「おいあ、あい……。んー……」
四つ目が出てこない。薬指を器用に折っては戻しながら、うう、と真顔で唸る。

夏は終わり、帳の落ちた夕刻、最早遊ぶ子供の声はない。人影すらもない。
日が落ちる時間が早まったこともあって、辺りは既に静寂に包まれている。
暇を持て余しながら、少女は今日も、噴水の前に腰掛けていた。

【プロフは>>210、一時間程待機してみます】
【なんとなーくエロールしたい気分なので、適当に拾ってやってくださいませ】
731名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:02:16 ID:GD63CcV0
おちんちんほしいかい?
732ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:07:48 ID:96RWzjL1
「ほしい……欲しい?」
首を傾げて。
「ハナが貰ってしまったら大事(オオゴト)だわ」
くすくすと笑って応じる。
733名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:13:38 ID:GD63CcV0
そうかい?
じゃあこれを君の好きなようにしていいよ(トランクスの間から肉棒を出して
前に持ってくる)
俺もさっきからびんびんなんだ。
ハナの好きなようにしてくれ・・・。
734ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:19:03 ID:96RWzjL1
不躾に持ち出された肉棒を見て、しかしすう、と目を細めた。
「ふふ」
鈴の鳴るような声音で、そっと笑う。
少女の形に似合わず、優しげに、怪しげに。
面前に立つ男の前にふわりと跪く。
血の通ったそれに、冷たい指先を延わせると、ゆっくりと唇を当てた。
735名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:21:48 ID:GD63CcV0
うわっ
やわらかい唇の感触が俺のものに・・・
ああ、そのまま感じるままに本能の赴くままにいじってくれ
736ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:29:23 ID:96RWzjL1
比すればいささかサイズの大きい逸物。
「……ん」
男の陰毛を指先で掻き分けて、根元へ唇を当てる。
そのたどたどしい動作を経て、焦らすように先端を口に含んだ。
「ン……くっ。ふ……」
再び瞼を半ば程まで下ろして、口に含む。
しっかりと組み合わされた指先の下で、先走りはじめた液体と、自らの唾液で滑らせると、
先端を頬張り始めた。
737名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:31:27 ID:GD63CcV0
ああ・・・さきっちょ気持ちいいよ・・・・
そ、そこ
先端を重点的に頼むよ・・・

もっといやらしい音いっぱいたててほおばっていいよ・・・
唾液もぬるぬるしてきもちいい
738ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:35:07 ID:96RWzjL1
「……ぷはっ」
と、軽く唇を話し。
「ここ……?」
細い親指で、先端―――それもごく入り口の部分を、弄ってみせる。
今度は自らの指先をちろりと舐めて、細く形作った舌先で刺激した。
739名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:38:53 ID:GD63CcV0
うん、そこの鈴口が感じるんだよ〜
舌先でちろちろちろちろしてほしいな〜

それからどんどん奥まで吸い込んでほしいよ
のどの奥まで咥えて欲しい
740ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:45:25 ID:96RWzjL1
袖口で指先を軽く拭うと、再び肉棒に唇を当てる。
今度はきつく、啄ばむように。それからビクリと震えた肉棒に、軽く爪を立てる。
「んっ。かふぁい……」
反応を愉しんでいる様子。

一度唇を離すと、間近で囁く。
「まぁだ、だめ。……ふふ、あなたのコレ、面白いのだもの」
言って、カリ、と爪を立てて、また目元で笑う。
白い指先溢れ出した液体を掬っては、裏側を指先できつくなぞる。
741名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:47:57 ID:GD63CcV0
じらされている・・・
時折強い刺激が俺をもっと感じさせてくれるよ・・・

面白いかい?
裏側気持ちいいよ
どんどんおっきくなるし、我慢汁もでてくるね
742ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 21:55:45 ID:96RWzjL1
一心に肉棒に戯れていたが、ふと、一度唇を放す。
「……本当に好い?」
男を見上げて問い掛ける。
「コレは、こんなに……素直なのに」
びくびくと震える肉棒に手のひらを触れさせたまま、やや不安げに。
743名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:57:38 ID:GD63CcV0
ハナちゃんはじらすのが得意なんだね・・・
君に見上げられると切なくなっちゃうよ
でもおちんちんは本能の赴くまま元気なので
びくびく脈打っているでしょ?
好きなようにしていいよ
744ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 22:06:04 ID:96RWzjL1
「ふぅん。それがあなたの望みなのね?……」
くいとそこで先端の、入り口の部分を広げるように指先で弄り。
「じゃ、すきなようにする」

「んちゅっ―――ふぁ、んんっ……」
だらだらと唾液を落として、先端の突起を頬張った。
ずる、と吸い上げながら、根元に指先を延わせる。
むしゃぶりつくうちにだんだん熱が入ってきたのか、肩までの髪に汁が塗されるのも構わず、
唇に比してやや大きい肉棒を食む。
745名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:11:48 ID:GD63CcV0
ついにその気になってきちゃったんだね・・・
いいよ・・・
すごくいい。口の内壁に時々あてがわれてそこでちんぽが擦れるのが
またすごくいいよ・・・
どんどんいやらしくなって・・・
746ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 22:28:10 ID:96RWzjL1
首を傾けて、側面まで。器用に顎を動かして、根元からなぞってみせる。
その間にも、指先でたわむれるように刺激する動きは忘れない。
妖の少女自身の唾液と、男の先走りとでべたべたになった手のひらは、
大儀そうに逸物を包んでいる。

ふと、悪戯っぽく砂色の眼がしなる。
逸物の根元、剛毛の茂みの奥に鎮座する「ソレ」に、少女の指先が触れた。
軽く形が変わる強さで、圧迫する。男の分身が、ビクンと苦しげに暴れる。
その様子をじいと見て、
「ね、もう……出したい……?」
熱に浮かされたように呟く。
「ハナも、アナタの中にあるもの……欲しい」
手のひらで擦る動きが、激しさを増した。
747名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:32:00 ID:GD63CcV0
根元を扱かれ射精を促されている・・・

ああ、出したいよ・・・
ハナの口の中にいっぱいほとばしりを出したいよ
出していいのかい?
い、いくよ?
748ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 22:41:47 ID:96RWzjL1
先端を強く吸い、裏筋を擦りあげる、その動作が速さを増す。
「んっ、ふぁっ……」
ひときわ大きな脈動に、唇を放しそうになりながらも、
舌全体を使って先端に絡めて、刺激を与える。
交じり合った粘液の奏でる淫らな音に乗せるように、少女の声が囁いた。
「ん……頂戴、にがいの……」
首を傾けて、握り締めたソレに、せがむように。

「あ、きた……」
749名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:46:46 ID:GD63CcV0
うわぁ・・・
た、たくさんでちゃったね〜(発射されたハナの口をまじまじと見つめながら)

き、きもちよかったよ〜
すぐに元気になってくるんだけどね・・・
750ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 23:02:02 ID:96RWzjL1
「ふぅっ、いっぱい……」
喉を鳴らすと、口腔で受け止め切れなかった白濁が垂れるのを、
慌てて手で受け止める。
「あ、まだ出て……っ、だめ……!」
唇を再び寄せて、溢れ出す白濁を音を立ててすすり上げる。
一滴でも惜しい、というように。

「ふぅっ―――」
一度萎えたものの、勢いを取り戻す男の逸物を、再び見遣り。
「まだ、くれる?それとも、ここでお終いにする?」
純粋に、問いかける口調で言う。
「まだくれるのなら、お返しをしてあげる。ね、貴方に、抱きたいひとって、いる……?」
少女は笑った。人の形で。人と同じように。

【このへんで締めかな?】
【ありがとうございました〜】
751名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:04:40 ID:GD63CcV0
ああ・・・たくさん溢れ出たよ

抱きたい人は今は特にいないな。
それ受け取っておくよ。

【締めです。実は眠たくて思考あまり働いてませんでした。おつかれ〜】
752ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/01(日) 23:10:17 ID:96RWzjL1
【お疲れ様でした】
【ゆっくりお休み下さい】
753セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 20:47:32 ID:vmYAHCzz
【待機しますわね】
754名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:54:48 ID:4NTc6uyh
【名もない民間人がとりあえず予約】
【他にキャラハンが来なければ参戦します】
755セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 21:07:03 ID:vmYAHCzz
【ごきげんよう、キャラハンの方を待つ必要は特に無くてよ。
 時間が惜しいですわ。早速、始めませんこと?】
【希望は何かあって?】
756名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:15:27 ID:4NTc6uyh
【反感を持っている人間を拉致ってきて、地下で…な具合ですかね】
【陵辱される方が好みなんでしたっけ?】
757セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 21:25:10 ID:vmYAHCzz
―ローディス家所有の古城、その地下牢にて―

「貴方ですわね? 私を陥れようなどと馬鹿な考えをもった人間は…」

鎖に繋がれた人間を正面から見据える。
やや年季の入った安楽椅子に座ると、おもむろに脚を組みなおし

「何か弁解する事はありまして?」


【それではそのように。】
【まぁ、それはまた今度に致しますわ】
758名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:29:54 ID:4NTc6uyh
>>757
く……
(苦々しい顔で、安楽椅子に腰掛ける端整な顔立ちの少女を見返す
頑丈な鎖で繋がれているので特に無駄な抵抗はせず、大人しくしており)

お前に喋ることなんて一つも無い……
(目線を反らし、不貞腐れた態度で悪態を吐く)

【こちらのNGはスカだけなんで、もうお好きな様にどうぞ】
759セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 21:44:15 ID:vmYAHCzz
あはっ……強情な人ね。
(目を伏せる咎人に口許を歪めると、その拍子に吸血鬼独特の鋭い牙が覗いた。
 弱者を見下す愉悦に浸りながら、ゆっくりと履いていたヒールを脱いでいき)

では、もう私も貴方に何も聞きませんわ。
……というより初めから、そのつもりは毛頭ないのだけれど。
(膝の上で頬杖をついて小首をかしげ)

――ね…今から遊びましょ?
私の可愛い可愛い…お人形さん…
(瞳に狂気じみたモノを宿る。
 それとほぼ同時に片方のヒールが音を立てて床に落ちる)
760名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:51:30 ID:4NTc6uyh
アンタにゃ負けるよ……吸血鬼風情が
(もう一度顔を上げると、自らを見下すセレスティアの赤眼と尖った牙が目に入り
禍々しい物を見てしまったような顔をして再び悪態を吐く)

ふん…なら何でわざわざこんなトコに俺を連れてきたんだ?
……生憎人間の俺は暇じゃないんだ
(余裕の態度を取るセレスティアにますます憮然とした顔になり)

けッ……
(もう付き合ってられないといった態度)
(ヒールが床に落ちても、特に反応もしない)
761セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 22:03:17 ID:vmYAHCzz
ふふっ…どうしたのお人形さん…
この前のは、とってもお喋りが好きだったのに…
(ふと石造りの部屋に散乱した拷問器具へ目を移す。
 車輪…鉄鋏…ギロチン…ちょうど人が入るように中が刳り貫かれた人形…
 無造作に捨てられたそれらは、どれも黒ずんだ血に染められていたが)

さ、まずはお舐めなさい…?
(反応しない咎人を一頻り眺め終わると
 座ったまま、すっとヒールを脱いだ片方の脚を伸ばす。
 つま先を口の前までもっていき)

クスクス……あぁ、おいたをしては駄目よ?…
とっても怖い――人形さんにとっては楽しい…罰が待ってるもの…


【注:グロ等ないので、ご安心下さいまし】
762名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:10:40 ID:4NTc6uyh
……………
(周りの拷問器具を見渡す…恐怖よりも、何人の命が
この狂気に令嬢よって散らされたのかと怒りが込み上げて来た)

……舐めようが噛み千切ろうが、どちらにせよ俺の運命は変わらんだろうが
言ってくれるな……どんな楽しい罰を俺に与えてくれるんだ……?
(わざわざそんな抵抗をしても無駄だと割り切り、素直に足に舌を伸ばす)

んむ……ちゅふッ、れろ……
んっ、んれろれろっ……
(足の裏、指の付け根の部分に舌を這わせ、わざと音を立てて舐めていく)

【内臓びろーんとかじゃなければ有る程度のグロは大丈夫ですよ】
【性器に対する拷問?なども全然OKです】
763セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 22:24:32 ID:vmYAHCzz
せっかちなお人形さん…慌てないで…
後の、お楽しみですわ? さ、おりこうさんにして…
(口許に手をあてて、思わずくつくつと笑みを零す。
 足の指に生暖かい舌の感触を待って)

んっ……あはっ……♪
そうそう、お上手ですわね。音までちゃんと立てて…
(ねぶる舌使いに、びくびくと背筋に歓喜の震えが湧き起こる。
 奉仕させている脚を少し上げ、咎人の顎を浮かせてゆき
 余韻を楽しみながら爪先を引いた)


【本気でいたしますと】
【私、ここにいられなくなりますわ。ですから今回は、それとは無縁で】
764名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:31:56 ID:4NTc6uyh
(小馬鹿にするような台詞と身振りに内心カチンとしながらも
足を舐められて身を震わせる吸血鬼の様子に、少し愉悦を覚えて)

く、ふ……ッ…
…で、足を舐めさせて次はどうするんだい?
アンタだって足を舐めてもらったって全然楽しくも無いだろ……?

【では、他スレに移動でもしますか?】
765セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 22:48:56 ID:vmYAHCzz
まぁ…お口の利き方がなっておりませんこと…
お人形さんは、まだまだ躾が足りないみたいですわね。
(困ったように眉を寄せると、立ち上がると
 一歩、また一歩と咎人へ近づいていく。
 膝を床につけて、彼の頬に手を伸ばし)

それでは皆に笑われてしまいますわよ?
ほら…他のお人形さんはあんなに行儀よく座っているのに…
(そっと隣に広がる暗がりへ、顔を向かせる。
 頼りない蝋燭の灯があるだけの薄暗い部屋の中、そこは一段と深い暗闇に包まれていた。
 しかし闇に目を慣らし凝らすと、壁に背を預けて床に脚を投げ出している無数の人影が映る。
 彼らの首の上からは、更に深い闇のせいか覗く事は叶わないが
 広がる夥しい血痕、この異様なほどの静寂から察するに……)

でも安心して…貴方も、お父様から頂いた大切なお人形さんだもの…
私が立派にして差し上げますわ…?
(微笑みと共に虚ろな瞳を揺らすと
 今度は指を口に含ませ、舌に絡ませて)


【いえ、大丈夫でしてよ】
766名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:57:35 ID:4NTc6uyh
笑う?誰が一体笑うって……
(強制的に向けさせられた方向……
闇の中に浮かぶ生きている証の無い人影……
一切詳細が分からないことによって色々と想像してしまい
より一層恐怖感を高められてしまう)

……く……お、俺を…どうしようって……んぐッ!?
(突然指を口へと突っ込まれ、さらにかき回され
目を白黒にさせながら虚ろな瞳を見返して)

【大丈夫とは?】
767セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 23:11:37 ID:vmYAHCzz
どうするもこうするも、躾をするだけですわ。
立派なお人形さんになれるよう…ふふ…
(指を抜き、唾液まみれのそれを口に含む)

色々と躾はあるのだけれど…
まずは、ご主人様に奉仕する事――喜びを学びましょう?
(胸元の蝶結びを解いて、幼い肢体とは不釣合いな豊満な乳房を曝け出し)
さ、舐めて私にちゃんとご奉仕なさい…
(両脇から手を添えながら、口許へと近づけていく)


【ええと、ちゃんとノーマルなエロでいくという意味ですわね】
【それでは談義はこれくらいで…】
768名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:17:37 ID:4NTc6uyh
【申し訳ないです、明日早いのを忘れてました】
【次回はいつ頃できそうでしょうか?】
769セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 23:23:46 ID:vmYAHCzz
【どうかお気になさらず。私が迷走気味だったせいですわ】

【うーん、それが凍結は少し苦手でして…】
【今回はここまでで。また次の機会でということで、ご了承頂きたいですわね】
770名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:24:56 ID:4NTc6uyh
【了解です】
【ではまた機会がありましたら】
771セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/03(火) 23:26:21 ID:vmYAHCzz
【こちらこそ。それでは失礼しますわ】
772セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/07(土) 23:30:55 ID:Zogonvih
―ネオン眩い夜の街―
―妖魔襲撃に騒然とした中―

おーほっほっほっ…皆様、だらしがないですこと
あまりに手応えが無さすぎますわよ?
(四散した下級妖魔の死体を背に高らかな嘲笑をしている。
 口許に当てた手とは別に、握った血塗れの鞭先を地面に垂らし)

【ようやく来れましたわ。それでは早速、三十分ほど待機を。】
【時間が時間ですので、なるべく短レス速攻を勤めますわね】
773セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/10/07(土) 23:58:05 ID:Zogonvih
【時間が悪かったようですわね】
【少し早いですけれど堕ちるのは次に期待して、落ちますわノシ】
774駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/10/08(日) 12:11:43 ID:kY1YG5BI
【おひさしぶりです。待機してみますね】
775駒口 あかね ◆trBRFufwqg :2006/10/08(日) 13:40:29 ID:kY1YG5BI
【また夕方に来ますね・・・】
776戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/08(日) 22:11:41 ID:hoITauDF
【こちらでは初めて、という事になりますね……待機します】
【プロフは>>272、30分ほどこちらにいます】
777世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/08(日) 22:32:00 ID:v2IseWix
【待機ageスレに書き込まないのだろうか、とか思っているうちに書き込んでしまう自分が居たり。】
【キリ番ゲト&御相手、宜しいでしょうか?】
778名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:38:09 ID:hoITauDF
【……あ、忘れてました(ぇ】
【キリ番オメ、そしてお相手もOKです】
【きっと花道は飾れませんがw 書き始めはどうしましょ?】
779戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/08(日) 22:38:52 ID:hoITauDF
【↑は私ですorz】
780世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/08(日) 22:49:59 ID:v2IseWix
【あらら。…ageスレ、何だか意味を成さなくなっているような。】
【ありです、というか覗いた理由の半分がキリ番だったr】
【花道どころか何だか有無を言わせず殺されるような気g…は冗談として、】
【それじゃ、其方からお願いできますか?気の向くまま適当に殺ってしまっていいのd(ry】
781戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/08(日) 22:59:04 ID:hoITauDF
【了解、ではこんな感じで】

もはや習慣となっている恋人の見舞いの帰り道。
ふと商店街に足を踏み入れてみる。
遅くまで病院に居たせいでとうに日は暮れ、道行く人も帰宅を急いでいるように見える。
……と、妙な気配を感じて瑞希は周囲に神経を集中させる。
782世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/08(日) 23:19:47 ID:v2IseWix
灰色の空、灰色の街、そして道行く気分は灰色の人の群れ。
嗚呼、今日も街はいつもと変わらず

「死んだ魚の様な目をして、毎日を無駄にしている人間が一杯ですねぇ。」
『…アノサァ。オ前、鏡見テ来イ。』

普段は人の賑わう商店街、その店と店の間に出来た猫すら通れぬ細い細い隙間。
世死見道迷こと、勝率0%のこの金妖は、そこから商店街を覗いていた。
趣味の道迷10分神隠し、今回の標的は―――目の前の黒いの。

「さーて、今週はどんな慌てっぷりを見せて貰えますかねぇ?うふふふふふ…」

道迷の言葉と共に隙間から伸びる、彼の影。
それはまるで這いずるようにズルリ、ズルリ、と標的に近づいていった。
783戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/08(日) 23:30:43 ID:hoITauDF
五感を研ぎ澄まし、いかなる状況にも対応できるようにする。
一般人もいない訳ではないので、さすがに魔法杖は顕現させられない。
そこで、念話で使い魔を呼びつける事にする。

(マリス、スパイト、急いで来て!)
(りょ〜か〜い、今度は気をつけてね?)
(承知、すぐに向かう)

警戒を怠らなければ、早々不覚は取るまい。
そう思って周りを見回すと……妙なモノを見つけた。
影だ。ずりずりと這いずる様に伸びてくる影。しかも、はっきり言って遅い。
なめられているのかとも思うが、無関係の人間を巻き込む事を恐れ、
あえて逃げるような事はせずに何が起こるか確かめてみる事にした。
784世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/08(日) 23:54:07 ID:v2IseWix
「…あれ?」

標的である黒い女が、辺りを見回した。
まさか、自分の存在が気付かれたのか。
…いや、気付いたとすれば逃げるなり、なんらかの行動を取る筈。
杞憂だ、多分。きっと、確率45%くらいで。

『結構低イナ。ソレニアレ、モウ少シ速ク出来ナイノカ?』
「黙らっしゃい。ったく、人間を一人引き摺りこむのは結構骨なんですからね。愉しいけど。」
『性格悪ッ!』
「五月蝿いなぁ…まぁいいや、そろそろ始まるかな?」

隙間から伸びた影が、黒い女性の足元に触れる。

            刹那。

(アヒャヒヒャヒヒヒヒィヒャヒィイヒャヒャヒャヒャハハハハハハハハハッ!!)
笑い声の様な奇妙な音を立てながら、先程とは比べ物にならない速度で女性の足元を中心に広がる影。
爆発的に商店街、いや、世界を黒く染めて行く。黒い人々、黒い建物、黒い街、黒い世界。

「一命、もとい一名様ご案内、と。」
ズルリ、黒い隙間から這い出しながら妖魔は喋る。
「いらっしゃいませ、人間の御客様。
ここに一度足を踏み入れたからには、ベストを尽くして歓迎いたしますよ。」
相手が魔女だとは思いもせずに、目の前の女性に向かい嗤った。
785戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/09(月) 00:09:32 ID:Ip3Hagpm
謎の影が足元に到達した瞬間、状況は劇的に変化した。
気色悪い音と共に世界は黒一色に包まれ、一人?の人間型妖魔が現れた。

「なかなか派手な歓迎の仕方だな。貴殿の趣味か?」

さしたる動揺も見せず、相手に語りかける。
相手はこちらを妙な格好をした一般人だと思っているだろうから、そこに付け込めれば。
もっとも、動揺すらしない時点でバレバレな気がしないでもない。

(まだ来られないか?)
(こっちはもうちょっと。……まあ、その様子だと結構大丈夫そうね)
(もう既に主殿は捕捉した。なかなか楽しい事になっているな。助力は必要か?)

今のところ必要ない、と念話で伝えてじっと反応を待つ。
どんな目的で接触したのか。犯す?食らう?
いずれにせよ、判断材料が少なすぎる現状では慎重に行動するのがベストだろう。
786世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/09(月) 00:28:52 ID:uSPbhznn
決まった。
これを見れば、普通の人間なら驚き、戸惑い、怯えるはず。
そしてその怯えた顔を優越感たっぷりに見下し―――

『「なかなか派手な歓迎の仕方だな。貴殿の趣味か?」』

「…はい?」

目の前の女の思いがけない反応に、一瞬思考が止まった。
え?あれ?普通、人間はこういう時に焦ったりパニクったりするものじゃないのか?
普通そうだよね、多分そうだ。という事は目の前の奴は何者だ?
っていうかこっちがパニクってどうする。落ち着け、落ち着け、落ち着け。
でも、もし、万が一、目の前のこの妙な女が、退魔師だとしたら。

『…一応マダコッチノ方ガ有利ナ立場ナンダカラ、取リ乱スナヨ?』
「だだだ誰がとと取り乱しているって言うんですかっ!?わわ私はいいいつだってれれれ冷静ですよっ!
…と、いうか。貴女も痩せ我慢せずにそろそろ取り乱したら如何です。
突然こんな訳の分からない所に引き摺りこまれて、どうなるかも分からない、
ほら、逃げるもよし、現実逃避するのもよし、早く何か行動したらどうなんですか!」

不安の裏返しなのか、語気が荒くなる。
ただ、ただ人間の怯える様を見て優越感に浸りたかっただけなのに。
もし、目の前の女が退魔師だとしたら。
もし、目の前の女が絶滅主義の退魔師だとしたら。
もし、目の前の女が絶滅主義で、なおかつ凄腕の退魔師だとしたら。

目の前の女性の持つ未知に、情けなくもこの妖魔は完璧に怯えていた。
787戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/09(月) 00:47:38 ID:Ip3Hagpm
「貴殿が取り乱してどうする。私は一般人だぞ?
 ……それとも、『キャー助けて〜、怖〜い』とか言えばよかったのか?
 それならば失礼した、次からはそうさせてもらうとしよう」

やはり、残念ながら期待にはそえなかったようだ。
もうちょっと面白い反応すべきだったな、と思いつつ『キャー助けて〜、怖〜い』の部分を
いかにも頭悪そうに怖がってみる。正直吐き気がした。


なんだか怯えているように見える妖魔が哀れになって、近づいてみた。
無理も無い。妙に落ち着き払った自称一般人に翻弄されているのだから。
そろそろ、種明かしをしようか。

「……すまない、一つ嘘をついた。私は……魔術師だ」

言い終わると同時に短い呪文を唱え、魔法杖を顕現させる。
ようやく瑞希を見つけたらしい黒猫と、上空で様子を窺っていた鴉をそれぞれ左右に従えて。

「Trick or treat?」

ウインクし、悪戯っぽく語りかける。別に敵意は無い事を判ってくれるだろうか。
788世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/09(月) 01:20:07 ID:uSPbhznn
「わわ私はとと取り乱してなんかいません!
というか、貴女は自身を一般人といいますがね、一般人は普通、神隠しにあったら取り乱…
…あーもうどうでもいいっ!」

やたら落ち着きはらった自称一般人。そして、それに翻弄される妖魔である自分。
やっぱり、見るからに珍妙な格好をした奴を標的にするんじゃなかった。というか最近珍妙な格好した奴が多すぎやねん。
もっとこう、俗世というのは凡庸かつ殺伐としているべき―――

『何考エテル。』
「混乱の余り世の中に怒りをぶつけているところですよ!
ええい、寄るな触るな近よるなっ!獲って喰らうぞ人間風情―――

『「……すまない、一つ嘘をついた。私は……魔術師だ」』

「―――はい?」

突然の種明かしに、またもや思考が止まる。
最初に思ったのは、この女に対しての第一印象が超最悪であるという事。
次に思ったのは、目の前の人間は地味に性格が悪いという事。
そして、最後に思ったのは、自分に対して敵意が無い事に安心してしまったという事。

「…そうですか。魔術師、道理で全く怯えない訳です。
ええ、ちっとも怒ってなどいませんよ?別に、たかだか人間に騙され、
その上種明かしまでされ、あろう事かその事で安心した程度の事で、怒る訳が無いじゃないですか。」

無理矢理笑顔を作り、喋る。
人間に愚弄されたその怒りを必死に抑えて。
(…悪戯っ子には、何時か仕置きをしてやる…。)
789戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/09(月) 01:34:06 ID:Ip3Hagpm
「ふふ……そうか、安心したのか。それは良かった。
 怒っていないと貴殿は言うが、これでも怒らないのかな?」

案の定、相手は安心してくれたようだ。これで多少は話しやすくなるかな。

『……それは無いと思うけど。どー見ても怒ってるじゃん』

傍らの黒猫が呆れたように何か呟いたが、聞こえなかった事にする。
音もなく近づき、妖魔の、人間で言うと股間に当たる部分を撫でさすり耳に息を吹きかける。
一種の挑発である。それも、かなり性的な。
激昂して襲ってくれればこちらにとっては好都合、もしダメでも体液さえ採取できれば目的は達成できる。

「ねえ、これでも怒らないの?あ・な・た?」

引きつった笑顔を浮かべて平静を取り繕う相手に追い討ちをかけるような振る舞い。
自分でもこんな性格悪い奴とは絶対に関わりたくないと思った。

『だったらふざけるのは止めなさいよ……。何されるかわかんないわよ?』
790世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/09(月) 02:06:04 ID:uSPbhznn
屈辱。
目の前の人間に怯えてしまった自分、
目の前の人間に安心してしまった自分に対する、屈辱。

『「ねえ、これでも怒らないの?あ・な・た?」』

ぺたぺたと自分の体に触る人間。
性的欲望よりも、まず最初に思った事は

―――馬鹿にされている。

人間に。人間如きに。高々、人間如きに。
妖魔である自分が、人間に馬鹿にされている。

「…いい加減にしないと、本当に怒りますよ?」」
『待テ。今ノ状態ジャ分ガイクラナンデモ分ガ悪イッテ。』
「高々魔術師一人くらい、君の力を借りずとも十分だ、ミトオティン。」

自分の体をさする手を掴む。あくまでも、優しく。

「やれやれ…、お嬢さん、もしそれが私に喧嘩を売っている、というのであれば…」

息を吐くように、静かに語る。

「…喜んで買うとしよう。違うっていっても売るけれど。」

静かに、懐から何かを取り出す。
既に導火線に火のついた、爆弾と書かれている黒い球状の物体を。
791戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/09(月) 02:26:08 ID:Ip3Hagpm
不意に、手を掴まれた。何かしようとしているようだ。

『ほ〜ら、言わんこっちゃない』
「……うるさい、そこ。
 喧嘩を売っているように見えたなら申し訳ない、そんなつもりは無いんだ」

小細工が通用する相手だとは思っていないが、それでも物は試し。
……と思ったが、そうも言ってられないらしい。
懐から妖魔が取り出した怪しげな物体。「爆弾」と書かれている。
導火線に火がついて……って、これはさすがにまずいのではないか。

『まさか……自爆? 防御、する?』
「ふむ、少々厄介な事になった」

もしもあれが本物の爆弾なら、普通に食らえばただでは済むまい。
しかし、この至近距離で爆発させるなら相手も条件は同じはず。
爆弾に爆弾と記すような者がいるとはとても思えないが、何せ相手は妖魔だ。
人間の常識が通用するとも限らない。
妖魔だけに、さっきみたいに影に潜られたら話が変わってくるが。
念のため、任意のタイミングで発動できるようにした瞬間移動の呪文を詠唱し始める。
瑞希自身はその間無防備だが、黒猫が簡易の防御呪文で防いでくれるだろう。



【申し訳ありませんが、そろそろ眠気がひどいです】
【凍結するか、適当に〆てやってください。こちらのフォローはまた明日します】
【なお、凍結の場合は都合のいい時間をお教えください。明日の晩と週末は空いてます】
【では、失礼いたします】
792世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/10/09(月) 03:20:45 ID:uSPbhznn
「毎度毎度誰も彼もが私の事を馬鹿にして…、もういいです。
どうせなら馬鹿にした奴の一人と一緒に心中してやりますよ。」
『イヤ!待テ!落チ着ケ!ホラ、ヨク言ウダロ!?
命ヲ大切ニシナイ奴ハ大嫌イダ!』

一見、冗談にしか見えない光景だが、本人達は意外と真面目、
と、いうか。目が据わってる。っていうか血走ってる。

「もう決めたんです。キメちゃったんです。此処でこの女を道連れに自爆グバッ!?」

ドスッという余り響きのよくない音と共に、崩れ落ちる妖魔。
その後頭部には、自分の得物である黒紫の鋏が突き刺さっていた。

『落チ着ケッツッテンダロウガ、人ノ話ハキチント聞ケ。
ッタク、無駄ナ仕事バカリ増ヤシオッテカラニ…。』

愚痴を呟きながら、導火線をチョンと切る。
自爆するとのたまって、自分の得物に刺された妖魔と、地味に戦意喪失気味なその得物。
妖魔にしては余りにも間抜けなその光景。
アア、本当ニギャグ専門ニナッテルヨ、我等。ヤッパ触手トカ用意シタ方ガイイノカナァ。
ヤッパリえろニ持チ込マナキャ駄目ダヨナァ。デモ、触手ナンテ何処デ手ニ入ルンダヨト。
ン?自分ガヤレ?  ダガ断ル。

『…次ハ、少シハだめーじヲ与エテカラ逃ゲテヤリマスカラネ!覚エテロヨー!?』

鋏の最後の言葉と共に、吹き抜ける突風。そして―――
―――灰色(夜ダケド)の空、灰色の街、そして道行く気分は灰色の人の群れ。
そこには、いつもと変わらない街の姿があった。


世死見道迷の逃走記録、更新。

【それでは適当に〆で。】
【こんな夜中まで付き合わせてしまって本当にすいません…。】
【最初に何時までOKか確認しておけばよかったですね、本当に御詫びのしようがないというか。】
【お付き合い頂き、有難う御座いました〜。】
793戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/09(月) 10:33:20 ID:NXly7DPx
いよいよもって不穏な動き。しかも、たちの悪い事に逆上しているらしい。
独りでエキサイトしている妖魔を尻目に、とりあえず呪文は完成した。
あとは好きなタイミングで発動させるだけ。

『やっぱり、自爆するみたいよ〜?』
『主殿、大丈夫とは思いますが一応防御の準備を』
「わかってる。……けど、どうしてこんなことに?」

あんたのせいだー!というツッコミを故意に無視し、相手のほうへ向き直る。
と、なぜか妖魔が倒れていた。後頭部には自らの得物の鋏。
何やら愚痴をこぼしているようだったが、瑞希には聞き取れない。
そして、捨て台詞を残して妖魔の姿は掻き消えた。

「ああ……忘れないさ。決して」
『何だったんだろう……あれ』
『……判らん』

いつの間にかもとの静けさと色彩を取り戻した商店街の片隅に独りたたずむ女魔術師と使い魔二匹。
何も知らない人間が見たら新手のコスプレか何かと見間違われそうなシュールな画が、そこにあった。

材料を仕入れ損ねた、と瑞希が後で気付いて悔しがったのは、また別の話。



【おはようございます、ではこちらはこんな感じで】
【謝らないでください、時間を言わなかった私も悪いですから】
【こちらこそ有難うございました。次があればエロールを期待してますねw】
794御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/14(土) 23:14:47 ID:rpQ9FtQw
季節は巡る。世界が巡る。
出会いと別れと生と死と。

二学期が始まっていた。
夏休み中、様々なことがあった。
それでも彼は戦い続ける。自分を鍛え続ける。
今日も今日とて訓練所へ行く。
都立白清高校の地下50メートルの地点にある広大な施設。

更衣室で黒いジャージに着替え、無人の空間で柔軟体操。
最近、基礎練習を怠っている気がした。
だから今日は徹底的に身体を動かして、錆付いた部分に油を差す気でいた。
795風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/14(土) 23:20:54 ID:9F2c6Etu
【支部長に挨拶しに行くと思いますが、その部分はどうしましょう?】
【こちらで挨拶をしたと言う感じで処理して構いませんか?】
【挨拶後訓練場に向かったと言う事で。】
796御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/14(土) 23:23:38 ID:rpQ9FtQw
【その辺は自由にしてください】
【やり易いように】
797風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/14(土) 23:29:58 ID:9F2c6Etu
【それではお言葉通りに】

久し振りの校門を抜け、最後にお別れした部屋にたどり着く。
報告を兼ねた雑談を白清支部長と交わした後に改めて辞令を受け取る。

約束通り帰って来た。この場所に。
以前と少し顔ぶれが変わっているみたいなのが残念だけど・・・。

少し体を動かしたいと言う私の問いに、支部長はいつもと違った悪戯な微笑みを持って答えた。
――面白い事があるかも知れないから訓練場に行くと良い。

言われたままに訓練場に向かい、ジャージに着替える。
室内に入れば人の気配。
誰だろう・・・?大柄・・・、金髪・・・・。
知らない人だ・・・。

無視するのも流儀ではないし、これから生死を共にする仲間になるかも知れないし・・・。

「こんにちは。」

やや大きめの声で少し離れた場所からの挨拶。
こう言う時に少し高めの子供っぽい声なのが嫌だと感じる。
798御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/14(土) 23:34:13 ID:rpQ9FtQw
――重藤柚紀が斬鬼衆を辞めた。

二学期最初のミーティングでそう告げられた時、彼の胸に去来した想い。
それは――ああ、やっぱりな、という諦観に似た想い。
彼は――あの弓兵は、自分とは何かか決定的に異なっていた。
だからこそ、そんな選択もするのだろうと、心の何処かで思っていた。

支部長は新しい斬鬼衆を急遽召喚したと言ったが、
果たしてどんな人物なのだろうか。
――アイツの穴を埋められるやつだといいが・・・・

拳がサンドバックを穿つ。腰を入れる。
踏み込み、その瞬間内側に爪先を向ける。
その体勢、その反動を利用して反対の拳を捻り込む。
同様の体勢、反動で反対の拳を――

それは連打と呼ばれる攻撃。
300kgのサンドバックが打撃に揺れる。連続で揺れる。

扉が開く。誰かが入ってきた。
特に気にしない。連続で打ち込みを続ける。

『こんにちは。』

知らない声だった。咄嗟に振り向く。
入り口に立ち尽くしていたのは、小柄な少女。

「お前は・・・・」

ビンゴ。彼女が例の新入りだろう。
打ち込みを止めて、ゆっくりと近づく。

「よぉ、お前が新入りか」

いつも通りの平坦な声。平坦な表情。


799風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/14(土) 23:39:07 ID:9F2c6Etu
大きい人・・・。
彼、御影義虎を初めて間近でみた時の素直な感想。

「新入り・・・、出戻りが正しいのかしら・・・?」
自分でも間抜けな呟きだと思う。

「とにかく初めまして。風間莉々です。」
スッと手を差し出す。
いや、上に向けると言った感じになってしまうのが少し悲しいのだけど・・・。
800御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/14(土) 23:47:14 ID:rpQ9FtQw
風間 莉々。確かに彼女はそう名乗った。
確か、彼女は陰陽機関『龍』に行ったはずだ。
入れ違いに彼――御影義虎が斬鬼衆としてここに来たのだ。

差し出された手。
それを握り返すことはまだできない。

「御影義虎だ」

簡潔な挨拶。いつもと変わらない。

「早速だが、組み手をしてもらえるか」

間合いを離し、身構える。
彼女がどんな人間で、その実力はどうなのか。
試さない内は握手はできない。
801風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/14(土) 23:56:17 ID:9F2c6Etu
支部長の言っていた面白い事・・・、やっぱり変わっていないんだから・・・。
簡単な資料を見せてもらった時に載っていた人物、御影義虎。
腕はなかなかみたいだけど、いきなり組み手をしないと駄目らしい。

なるほど、色々な意味で『仲間』として認めてもらえる為には
まずは実力を示せと言う訳みたい。

「分かりました、ちょっと準備させてね。」

軽い柔軟体操を施してからバッグの中からレガースとグローブを取り出す。
黒く大きめなそれを身に付けると、一礼してから彼の前に立つ。

「準備できました。いつでも良いですよ?」

軸足に重心を置き、片足を軽く浮かせる独特の身構えを取る。

受身の受け答えだったが、胸中は彼と同じ気持ちで組み手を始める。
802御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 00:00:30 ID:IrdeqMLp
彼女――風間莉々について、日ノ本薫から聞かされたことがある。
彼と同じく施設出身の斬鬼衆が居たのだが、非力で、喘息持ちであるという理由から
戦力になる目処が立たなかった為、中国の陰陽機関『龍』で修行している、と。

彼女の柔軟体操を見守り、準備が整うのを待つ。

「じゃあ、いくぜ」
構えから察するに、蹴り主体の格闘技を習得していると推察できる。
『気』を使うことも容易に理解できる。
それでも彼は躊躇わない。自分も『気』を解放する。

彼の姿が霞む。
一瞬で五メートルの距離を潰す。
繰り出される拳。左ジャブ。
その威力はコンクリートを簡単に穿つ。
803風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 00:09:57 ID:y/vdcj87
短期間に多くの経験を積み、その経験を力に変えてきた男。
御影義虎とはそう言う人物だと聞いている。

我流の拳は予測出来ない事、その人物にカスタマイズされた拳である怖さがある。
その反面、先人達の英知や完成された技術が無い甘さが残る。

挨拶も程ほどに『気』を放出すると一気に間を詰めよられる。
姿を確認するとほぼ同時に打ち込まれるジャブ。
彼にはジャブなのだろうが、並の退魔師の必殺の一撃程の威力だ。

左足の脛で一撃を受け、そのまま流されるようにバック転をして這い蹲る。
受けた一撃により生じた勢いを利用して足払いを放つ。

しかし、その早さ、威力共にごく並の退魔師のそれと変わりは無い。
何故、この程度の者を支部長が呼び寄せたのか彼にとっては疑問になるだろう。
804御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 00:17:42 ID:IrdeqMLp
体格が違う。当然リーチも違う。筋力の総量も明確に違う。
それを埋めるだけの何かが、彼女にあるのか。
これで終わる程度なら、最初から妖魔などど戦わない方がいい。
だから手心は加えても、手加減はしない。

ジャブが左の脛足が受け止められる。否、流される。
拳を引き戻す間に彼女がバク転。水面を薙ぐ足払い。

軽い一撃だ。簡単に足を上げて防御する。
右の拳が唸る。地面スレスレを飛行して、彼女の腹部を狙う。

――足を止めて終わりだ。
彼がそう思ったのも無理はない。
同時に思う。さっさと本気を出せと。
805風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 00:29:38 ID:y/vdcj87
流石、噂通りの強さと早さの持ち主。
予想以上だった事は、その攻撃の正確さだ。

鉄槌のような彼の右腕が振り下ろされると、両足を畳んで攻撃を受け止める。

――ミシッ。

奇妙な音と共にレガースが剥がれ落ちる。
そして、それが地面に落ちると鈍い音と共に突き刺さる。
計測する事は出来ないが彼にもそれが半端でない重量であった事が容易に想像できる。

緩やかな風が彼の顔を撫でると共に彼女の姿はそこには無かった。
見えない階段を駆け上がるかの様に空中を走る。

体位を入れ替え彼の頭上に降下すると爆竹を鳴らすような速度の蹴りが見舞われる。
その速度は今まで彼が経験した中でもトップクラス。
手数だけならば支部長のそれと同格かと思われる程であった。

「やるね、御影くんっ!」

言うと同時に旋風の気を纏った利き脚の一撃が彼の脳天に落とされる。
806御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 00:35:45 ID:IrdeqMLp
日ノ本薫。一流と呼んで差し支えのない剣士。
彼――御影義虎の相棒である。
そんな彼と一年の時から、彼はずっと組み手を続けてきた。
我流拳術対本格派剣術。
無謀だと、誰もが思っただろう。
事実、何度となく木刀と竹刀で叩きのめされた。
だが、その痛みと敗北が彼を強くしていった。

果たして、この小柄な少女が中国で学んできた技術とは。
我流であるが故、彼は武術の本場中国に強い興味がある。
だから彼は思う。さっさと本気を出せと。
出し惜しみをすべき時と場合は考えるべきである。

打ち下ろしの拳が受け止められる。
否、足で挟まれている。

レガースが落ちて、畳が軋む。古典的な訓練方法だと思うより早く彼は動く。
彼の反射能力と感知能力は、頭上から降る攻撃にも対応した。
無数の時雨。鉄槌の雨。速くそして重い。反射的に防御体勢。
腕が痺れる。面白い。彼は笑う。

渾身の一撃が振り下ろされる。
それに合わせて、天を突く拳を蹴り足に叩き込む。
相殺できても、着地の態勢は崩れるはず。そこを狙う。
807風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 00:50:54 ID:y/vdcj87
彼の様なタイプの戦士を戦うと必ず思う事。
単純に恵まれた体格が羨ましいと。

彼の大槌の様な一撃も、連撃に耐える腕も恵まれた体格があってこその物だ。
そこで自分のように小柄な者は手数や術で補う事が多い。


振り下ろされた脚と彼の拳が衝突する。
気と気がぶつかり合い大きく弾ける。
その衝撃で地面に飛ばされる。

それらは計算の内。
彼はそこを狙ってくるつもりであろう。
必死に防御するか?――否。
必死に回避するか?――否。

自分は他の小柄な者とは違う道を選んだ。
恵まれた体格、センス、経験を持ち合わせた彼と正面からぶつかりたい。
この脚は逃げる為のそれではなく、突き進み、打ち破る為のそれ。

弱かった自分、斬鬼として認められなかった自分を変える為の力。

気は十分に練ることが出来た。
弾き飛ばされる空中で体位を入れ替え、着地と同時に大技を放つ。
頭の先からつま先までの全てを使い、己の体を一本の巨人の腕と見立てる一撃。

斬鬼の切り込み隊長と呼ばれる彼にどの程度通じるか?
これで歯が立たぬようであれば自分は約束が守れなかった嘘つき。
嘘つきとなるか?仲間となるか?
彼、御影義虎との正面勝負で全てが決まる。
808御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 01:02:09 ID:IrdeqMLp
常軌を逸した速度。それが生み出す攻撃力。
なるほど。それが彼女の武器なのだろう。速度もまた破壊力となる。
手数で言えば、斬鬼衆でもここまでの相手はいない。
支部長の神速の拳打。それと近いか同じだろう。

闘争には血が燃える。それが戦士の性。
彼の血が滾るのは、強い相手と戦っている時のみ。
今、彼の冷たい仮面が剥がれ、荒ぶる修羅が覚醒する。

彼女の修練の過酷が、数瞬の手合いで実感できる。
体格、リーチ、ウエイト。
全てが足りない彼女が、ここまでの力を得る為に流した血と汗の量。

――やるじゃないか

彼女の全力に応じよう。
一瞬で間合いを潰す。彼女はもう攻撃態勢に移っている。
双掌を弓の弦の様に引き、彼女の蹴り足に叩きつける。
全力の蹴りを、双掌で受け止め、そして身体が軋む。
耐えられるか。耐えて見せよう。
809風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 01:15:02 ID:y/vdcj87
今までは遊び半分だったり、情けをかけられた組み手ばかりだった斬鬼衆。
しかし、今は違う。

組み手と言う名目ではあるものの、ここには性別も流派も何も無い。
ただただ、二人の戦士がぶつかり合うだけ。

二つの鬼切りの刃がぶつかり合うだけ。

彼の全身全霊の双掌と自分の渾身の双脚が衝突する。
『龍』に滞在中もこれほどの緊迫感と充実感はなかなか味わえなかった。

足の先から激しい衝撃が走る。
単純に物理的な物と、彼の気の放出によるものであろう。
どの程度ダメージが与えられたか分からないが、少なくともこれ以上の戦闘は不可能だ。

足は震え、暫くは使い物にならない。
もし、彼に拳銃の引き金を引く力があれば負けだ。

大の字に寝転がり、天上を眺めながら呟く。

「やるね、御影くん。」

飾り気の無い素直な感想だった。
810御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 01:19:52 ID:IrdeqMLp
とんでもなく掌が痺れる。
そして、彼女の『気』が相当貫通した。

全力を振り絞った彼女が、大の字に寝転がる。
彼は立ち尽くしている。
やはり、気の総量と体力の差が出た結果だ。
しかし、当面の目的は果たした。

「及第点だな・・・・立てるか?」

今度はこちらから手を差し伸べる。

【そろそろ〆に向かいましょうか】
811風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 01:29:38 ID:y/vdcj87
寝転がっていると大きな影が伸びる。
ノックアウトするには少々力不足だったらしい。
やはりこの手はもう少し体力を削ってからでないと・・・。

そんな事を考えていると不意に手を伸ばされる。
無愛想な彼なりの歓迎の意なのだろうか?

軽く自分の足に治癒を施してから彼の手を取り立ち上がる。

「うん・・・、ありがとう。」

お返しと言う訳では無いが、両手で彼の手を取り治癒の気巧を送る。

「及第点・・・ね。」

パンと彼の手を叩き治癒が終えた事を告げる。

「そういえば日ノ本くん達に会ってないけど・・・、元気にしてる?」

【はい、お願いします。】
812御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 01:35:48 ID:IrdeqMLp
握り返された手。伝わる力。彼女なりの返礼らしい。
『気』とはそのまま生命力でもある。
その生命力で他者を癒す。
それが『気』の本来の使い方なのだろう。
自分には似合わないと自覚しているので、滅多にやらないが。

「薫なら・・・・元気ではあるな」

何となく、話すのが照れるのは何故だろう。
身内も同然だからだろうか。
斬鬼衆を身内だと言ったのは、彼だ。

「まあ、ともあれ・・・・・」

彼は咳払いする。

「お前を歓迎する。これからよろしくな、戦友」

もう一度手を差し伸べる。握手を求める。
813風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 01:43:08 ID:y/vdcj87
「そう、元気なら良かった・・・。」

彼を含め皆なら大丈夫であろうと思いつつも安堵する。
『龍』では修行に集中する為に一切の情報を遮断されていたからである。

そして気になるのは彼である。
先程とは打って変わってモジモジとしている。
似合わないと思いつつも可愛らしいとも思ってしまう。

「あぁ、はい。こちらこそよろしくね。」

彼の半分程の小さい手には握手も困難であるが、しっかりと握る。
そして、もう一つ思いだす事があった・・・。

「そういえば天音ちゃんは元気?」

何も知らない無垢な目が切り込み隊長を覗きこんだ。

【では、次あたりで〆ますね】
814御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/10/15(日) 01:48:42 ID:IrdeqMLp
「あ、まね・・・?」

彼は唐突に思った。
この場面を八雲天音に見られたら、どうなるだろう、と。
付き合いだしてわかったことなのだが、彼女は嫉妬深い。
先日も、廊下でクラスメイトの女子(クラス委員長)と話し込んでいた
場面を偶然目撃された。

――氷の微笑を浮かべていた。

正直に思う。怖い。
こんな怖い思いをしたのは生まれて初めてだ。
思い出すだけで冷や汗が浮かぶ。

「あ、ああ、元気だとも」

搾り出すように彼は言う。

「済まないが用事がある。歓迎会はまた今度な」

彼は足早にその場を去った。

【では、こちらはこれで】
【これからよろしくノシ】
815風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/15(日) 01:56:07 ID:y/vdcj87
「あ、まね・・・?」

妙な発音を復唱してみるが・・・。
放心したり青くなったり・・・。

「大丈夫??」

聞こえていないらしい彼からは、元気だとの一言。
そしてタオルやバッグをそのままに何故かスタスタと消える。
何か悪い事でも言っただろうか??

何故、御影くんが急に態度を変えたのか今度天音ちゃんに聞いてみよう。

【こちらもこれにて〆ます】
【こちらこそよろしくお願いしますノシ】
816ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/17(火) 00:29:36 ID:y67rZDpU
「月が細い……っ……くしっ。ふ……」
空をはるか見上げて、呟き、立て続けにくしゃみを二つ。
肩口で柔らかな髪を跳ねさせる、今夜の夜風は冷たい。

「……この街に来て、いくらかになるけれど」
鼻元を指先で拭いつつ、ごちる。
「もう、ちゃんとした寝床を探したいのだわ。
誰に貰ったものか、普段の服装に加えて、手元には身体を半分すっぽり覆うほどのストール。
盛大にフリンジのついたそれを、器用に腰に巻きつかせると、いつもの場所に腰掛ける。
ぺたり。スカートの裾越しの感触は、冷たい。

【こんな時間ですが、待機します】
【軽めのロールも含め、最初に時間の希望をいただけると助かります】
817ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/17(火) 01:29:07 ID:y67rZDpU
「くしっ、ん……この場所で朝までっていうのも、無理ではないけれど」
ストールの前をワンピースの襟元で重ね合わせて、肩を落とす。
「今宵はせめて……屋根のある場所へ行くことにしましょうか」

【待機解除します】
818風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 22:22:30 ID:90/Gmvg0
【30分ほど待機します。】
【ロール内容は御相談にて。】
【名無しさん、キャラさん問いませんのでよろしくです。】


【名前】風間 莉々(かざま りり)
【年齢】17歳 高校二年
【所属】天洸院・斬鬼衆(都立白清高校)
【性別】女
【サイド】退魔側
【サイズ】身長148cm 体重40kg B78 W54 H82
【容姿】
学校指定のブレザーにスパッツ、それに加え戦闘用のレガース、グローブを着用。
はね毛のショートカットでやや茶色がかっている。瞳の色も同様。
いかにもスポーツ少女と言った雰囲気で脚が長いのが目立つ。
ただしスラリと長くは無く、鍛え上げられたアスリートのそれである。
【得意】
NG以外であれば対応可能。
【能力】
蹴式退魔術、気巧術
テコンドーの様な技と気巧を組み合わせて戦う。
気巧は自己強化(身体能力、回復力)に加え、蹴技と気を併せ風を扱う事が出来る。
主に鎌イタチ、砂塵を巻き上げた目潰し、超跳躍に用いられる。
自己強化は特に脚部を得意としている。(蹴力、走力)
また、止血、意識回復等、応急手当程度の治癒気巧を扱える。
【武器】
退魔用グローブ、レガース。
【NG】
猟奇・切断・グロ・隷属・過度のスカ。リセット非推奨。
【弱点】
幻覚、催眠系妖術。脚部を封じられる事。(水中、狭い場所も同様)
銃器等の兵器を扱う知識は無い。
喘息持ちの為に常に吸入器を携帯、都合により発作が出たり治まったり。(ぉ
【備考】
高校入学と同時に斬鬼衆に入るが、小柄な体格や持病の為に「戦力外」とされる。
組織の奨め、自分の希望もあって『龍』へ修行留学に旅立つ。
苦業を乗り越え非力を補う為に神速の蹴技を、打たれ弱さを克服する為に
気巧による回避、防御、放出系気巧によりガンアクションを無くしている。
「必ず強くなって戻ってくるからね。」
その約束を果たす為に中国より帰国する。
819名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 22:26:51 ID:O2j5r+VZ
【避難所の名無しですが短時間ですがロールしてみたいと】
【名無し妖魔で戦闘が無難かと】
820風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 22:29:55 ID:90/Gmvg0
【よろしくお願いします。】
【それでは町をパトロール中と言う感じの書き出しでよろしければ書きます。】
【何かお考えがあれば、そちらからお願いしますです。】
821名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 22:35:01 ID:O2j5r+VZ
【裏路地っぽいところで殺人してる感じで】
【ではよろしく】
822風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 22:42:15 ID:90/Gmvg0
秋の風が吹く今日この頃、少し肌寒い風を感じながら町を見回る。
斬鬼衆白清支部に再配属になるや否やパトロールの任務を与えられている。

「特に以上は無いみたいね・・・。」

ざわめく繁華街を抜け、住宅街を見回って帰ろう。
そう思った時である。

「・・・と、前言撤回。妙な感がするわね。」

人間とは異なる『気』の流れを感じると、その流れを辿る。
行きついた先は繁華街から少し離れたオフィス街の裏路地。

「こんな時間に・・・、やはり妙だわ・・・。」

グローブと締めなおすと、ゆっくりと路地を覗きこんだ。

【よろしくお願いします。時間の目処は何時くらいでしょう?】
823名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 22:45:43 ID:O2j5r+VZ
【ギリギリ0時くらいですかね】

ぞぶっ、と湿った音がした。
暖かい感触。匂い。躊躇わずそれを口にする。
肉と血だ。腸だ。食いちぎる噛み千切る。そして嚥下する。

一時間ほどかけて「食事」を終える。
後始末に更に30分。
腹半分といったところか。もう少し食べたいが――

ばっと振り向く。
そこに居たのは――
824風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 22:53:34 ID:90/Gmvg0
薄暗くてよく見えないが、確かに感じる『気』。
そして経験した者だけが知る独特の死臭。
決してそう言う趣味がある訳ではないが、ある程度は慣れてしまった感もある。

相手もこちらに気がついたのか、慌てて振り向く。

「・・・、何をやっているのか聞くまでもありませんが・・・。」

軽くバックステップをして間合いを調整する。

「一応言い訳があるのなら・・・、どうぞ?」

構えをとりつつ、相手の容姿を確認する。
絶対ではないが、ある程度の攻撃パターンを推察するために。

【わかりました〜】
825名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 22:59:09 ID:O2j5r+VZ
スラリとした体格。清潔に整った短い髪。
地味だが、仕立てのよいスーツ。
一見人間にしか見えない。人間以外には見えない。
だが――彼は妖魔である。
知性を持ち、社会的立場も持ち、そして人喰いの習性を持つ妖魔。

「おや、こんな時間にどうしたのかな?」

先刻食べた少女と同じ年頃の少女がそこに居た。
背は低いが、全体的に引き締まっている。
歯を立てたら――きっと面白い感触がするだろう。

身構える少女に委細かまわず笑いかける。

「食事だよ、食事。君もどうかな?」

槍のように尖った歯を見せ付ける。
無造作に間合いを詰め――貫き手を放つ。
まず喉を潰して声を出させなくする。
826風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 23:08:46 ID:90/Gmvg0
「一流企業のサラリーマン」と、言った所だろうか?
まわりに散らかした様子からみても身体能力に長けているタイプだろうか?
焼けた跡などもない事から術などは使わないと思われる。

そんな男からふざけた言葉が出る。

「質問を質問で返すのは良くありませんよ・・・?」

穏やかな口調とは裏腹に迫る殺気。

「女の子を誘うのが・・・。」

話す途中で一気に間を詰めてくる。
しかし、素早さなら負けはしない。

抜き手を両手で受け止めると、そのまま背負い投げの格好を取る。
私のそれは普通のそれと異なり、相手の力に加え掛けた足で激しく投げ飛ばす。
それと同時に言い放つ。

「少し下手なんじゃありませんかっ?」

当然この程度では終わらないだろう。
一呼吸置いて、気巧を練る。
827名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:16:24 ID:O2j5r+VZ
彼がどんな妖魔なのか誰も知らない。
彼自身も、自分の同類に会ったことがない。
だから、どんな分類をされるべきなのか、彼自身も知らない。
肉食獣の様な腕力、俊敏さ、そして獲物に対する嗅覚。
何より、人間に対する消えることのない食欲。

突然、少女が消えた。
否、視界が反転した。全身に走る痛み。
がはっと、肺から息を吐く。

「痛いな」

子猫かと思いきや――なかかどうして。
勢いよく立ち上がり――

『この種を食い尽くせ』

思い出したのは、自分が人間ではないと自覚した瞬間に降ってきた『声』。

しゃあと唸り、毒蛇のようにしなる拳を打つ。
撃つ撃つ。撃って撃って相手が挽肉になるまで。
828風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 23:24:41 ID:90/Gmvg0
「ふんっ・・・。なかなか・・・ですね。」

ある程度のダメージを受けつつも表情を変えない男。
ようやく本性を出して来たようだ。

人間ではありえない速度と角度で鋭い拳が繰り出される。
2、3撃を回避すると、呼応するかの如く疾風の蹴りで拳を落とす。

「なるほど、蛇さんですか・・・、しつこいのも納得いきました。」

拳と蹴りを交えながら、新たな気巧を生み出す。
つま先に纏う風は鎌イタチの如く鋭利な刃物を化す。

「でも・・・、そう言う男の人は嫌われますよ!」

蹴速が上がり、無数の剃刀が男、否、妖魔を襲う。

「仕上げです・・・。」

先程よりも大きな『気』が軸足に蓄積される。
829名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:30:20 ID:O2j5r+VZ
連続で放つ手技。だがどうしたことか。
相手は微塵も動揺していない。
撃つ撃つ撃つ。
落とされる落とされる落とされる。

彼は捕食者であった。
故に、狙うのは自分より弱い者であった。
だから、獲物が反撃した時の対処法に疎い。

「ぎゃっ!?」

鎌鼬が腕を切り裂く。まずい。
服を切り裂く。まずい。まずい。
頬を切り裂く。まずい。まずい。まずい。

痛い痛い痛い。

「ぐっ、あっ・・・」

視界が霞む。身体が支えきれない。





830風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 23:37:54 ID:90/Gmvg0
その妖魔は恐らく今まで自身よりも強い生物に遭遇した事がなかったのだろう。
今日初めてそれを知り、今日が最後の日となる。

「苦しいですよね?貴方が今まで他者に与えてきた苦しみと同じですよ?」

妖魔にかける慈悲は無し。
それが自分の選んだ道。
鬼斬りの刃。

相手のバランスの崩れを見逃しはしない。
蹴り足の角度を変え地面に突き刺し、変わりに持ち上げた軸足で
旋風を孕んだ回し蹴りを妖魔の腹部に繰り出す。

「とぉーーーりゃぁぁぁ!!」

鋭く、深く、その蹴りは妖魔の腹部をえぐる。
831名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:45:30 ID:O2j5r+VZ
――ゾブリ、という音がした。
血が滴る。赤い血だ。腸がはみ出ている。湯気が出て美味そうだ。

――嗚呼、どうして私は・・・

ゆっくりと倒れる。
もう痛みすら感じない。

どうして、という問いが、頭の中を駆け巡る。
どうして自分は人間ではないのだろうか。
人間として生まれたのは間違いないのに。

「お、かあ、さん・・・・」

最初に食い殺した相手の名前を呼ぶ。

「おかあ・・・さ・・・ん・・・」

力なく腕が伸びて虚空を掻き毟り――そして何も掴めず力尽きた。
後に残ったのは、まだ熱の残った、だがいずれ冷たくなる肉の塊だけだった。

【こちらはこれで終わりです】
【ありがとうこざいましたノシ】
832風間 莉々 ◆896ZUNuU/g :2006/10/20(金) 23:52:33 ID:90/Gmvg0
肉塊と化す妖魔・・・、だった物。
まだ少し動きを見せるそれに最後の止めをさそうとした時・・・。

『お、かあ、さん・・・・』

足が止まる。
理性も何もない物から出てきた言葉。
蠢くそれ。

しかし、自分は鬼斬りの刃。
妖魔にかける情けは無し。
ゆっくりと足を上げる・・・が。

それは動きを止めた。

心のどこかにモヤモヤした物を残しながら本部へと連絡する。
そして、明日もまた・・・。

【こちらもこれにて終わりです】
【次回?は、りり敗北エロルとかもできれば良いですね(´Д`;)ヾ】
【では、お時間のある時にまた〜、ありがとうございましたノシノシ】
833妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/22(日) 00:56:35 ID:/DzU5hu0
【名前】妖狩 彩音
【年齢】19
【性別】女性
【サイド】退魔側
【組織】退魔屋。
【サイズ】161cm B/81 W/59 H/82
【容姿】桜着物に紺袴の和装、長い黒髪のお姉さん
     居合い用の刀と鈴つき巾着袋を腰に帯びている
     いつもニコニコと人の良さそうな微笑が覗く。
【得意】和姦
【能力】霊力を込めた居合い。
【武器】夫婦刀「おしどり」   
     いたずらに抜刀せず、刀身を鞘に収めておく事で霊力を込め
     常人ならざる手数・一閃をくりだす霊具
     ※夫が刃、妻が霊力を込める鞘にあたるよう。
【NG】 スカ、汚物、強姦
【弱点】要である鞘を失う事
【備考】妖魔退治を専門とする店「退魔屋。」に勤める女性
     性格は世話好き・温和で冷静だが、たまに持ち前の天然っぷりを炸裂させ
     周囲を唖然とさせる事も。
     只で飲める美味しい緑茶と可愛い男の子(お爺さんも)を楽しみに
     座布団を敷いた受付口にて、のんびりと依頼を待っている。
     大凡、死線での緊張・男女の恋愛とは無縁のマイペースっぷりで捉えどころがない。

【遅くなりましたが外見の設定を追加してみました。】
【ついでに腹ボテは引かれそうなどで大幅に修正を、で。】
【よろしければ、きままに一期一会ぽくお願いします。】
834戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/22(日) 21:00:10 ID:7I3j9FrO
【ハナさんを待ち合わせです】
835ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/22(日) 21:19:00 ID:R09RxYx7
敷き詰められたブロックを、先の丸い靴先が踏む。
街中にしては緑の多いその場所。人がまばらに散る空間を、
小柄な影が足早に歩いて行く。
不慣れな場所にやや不安げに、しかし、周囲に注意を注ぐことは怠らず。
ときに立ち止まっては、目を閉じて顎をかるく持ち上げる。
その度に、ふわりと、初秋の風が少女の髪を揺らした。

やがて、少女の視界に目的の人物の姿が収まる。
「―――みつけた」
にい、と笑みを形作る唇に、邪気の類はない。
こつん、こつんと、足音が嬉々としてペースを早めた。
行き交う人、人を挟んでまだ遠い人影に向けて、小走りに駆けて行く。

【今晩は、よろしくお願いします】
836戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/22(日) 21:28:35 ID:7I3j9FrO
日課である恋人のお見舞いの帰り道。
行き交う人々のどこか楽しげな表情をちらちら見ながら、
瑞希は所在無げに歩いていた。
街中を出歩くので、黒を基調とし、ジーンズを履いたカジュアルな格好。
何人かの男に声をかけられるが、丁重にお断りして。
(こういう日は、ウインドーショッピングも悪くない)
適当な店を見繕っては、商品を覗き込んでいた。

そんな初秋の、とある日の事。

【よろしくお願いします】
837ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/22(日) 21:44:42 ID:R09RxYx7
あまり、歩くことのない界隈。
妖の者である彼女には縁が無い、人間の装束を扱う店が並んでいる。
今の姿は、彼女を半ば娘として育てた人物が好んだ装束を模したものである。
しかし、人間に対して無条件に友好的ではないものの、人間への憧れを抱く彼女にとっては、
冬を待つ装束たちの華やかな空気にわずかながら心浮き立つものがあった。

目当ての人物はそこにいた。嗅覚には自信がある。迷う筈もない。
場の空気に背を押されるように、まっすぐに―――正確には行き交う人があるのを
危なっかしく避けてはいるが、おおよそ、まっすぐに、小走りに駆けて行く。

その姿、待ち合わせた恋人を追いかけるませた少女、と見えなくもないが、
そう称するにはいささか奇異な理由があった。
その「待ち合わせ」には、相手とのアポイントメントが存在しない。

近付く影には気付かない様子を見せながら、所在なさげにステップを踏む女性の斜め前で、
ててっと足を止め、見上げる。頭ひとつ半はある背丈の差をものともせず、まっすぐに、声を掛けた。

「こんにちは」
相手が自分の姿を認めたのを確かめるや、一度言葉を切る。
「あなたお礼を言いに来たの」
続いたのは、唐突すぎる、『お礼』の言葉だった。

【不束者ですが、宜しくお願いします】
838戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/22(日) 21:59:32 ID:7I3j9FrO
(そう言えば、秋冬物のコートがそろそろ欲しいな……)
衣類がいくらあっても困る事は無い。
とりとめも無く、そんなことを考えながら目で楽しんでいると。

『こんにちは』

見たことのない少女に声をかけられた。
どこか人懐っこい雰囲気を持つ、中高生くらいの少女。
何か用なのかな、と思っていると、少女の台詞が続いた。

『あなたお礼を言いに来たの』

「……お礼?」

じっと少女の目を見つめ、思わず聞き返した。
自分は、この少女とは初対面のはずだ。
なのに、「お礼」とは何の事か。よくわからない。
……あるいは、何か自分の知らないところで関係したのだろうか。

「たぶん、私は君とは初対面なのだがね」

首をかしげて訊いてみる。
言いたい事があるのなら、きっと自分から話してくれるだろう。


【そ、そんな畏まられても……】
【遅筆ですが、お付き合いください】
839ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/22(日) 22:15:54 ID:R09RxYx7
相手はどうやら、自分を知らないらしい。
―――と、じっと自らを見返した相手の目から理解する。

「あら」
顔を俯けると、わずかに思考。
幼げな声音とは裏腹に、わずかに時代がかった口調で呟く。
「そんなはずはないのだけれど……」
記憶を辿り、
「ええ、そうよ。間違いではないわ。ハナは間違えないもの」
その『姿』がさっぱり記憶に無い様子の相手の反応に、
むきになったように、口調を少しだけ早める。
「だから、この間―――」

言いかけてから、はたと気付いたように顔を挙げた。
「……あ」
しまった、と、声には出さないが、表情に書いてある。
『面識』があったのは、彼女が人の姿形を取っていない時であったということに、
彼女が礼を受けたのはその時であったことに、ここに至ってようやく思い出したのだった。
しかし、正体を明かさずに『礼を述べる』ことは大変難しい。
何故なら、礼を受けたのは彼女が獣の姿であった時であったから、である。
この、なんということのない初秋の往来に立つ小柄な少女、
彼女が、獣であるなど―――

「……あ、えとっ。そのっ。」
人の中で生きるなら正体を容易に開かしてはいけないと、はるか過去に教えられたことを思い出す。
「あのっ……ええとっ、ええと……ひとつふたつみっつよっつ、昨日はちゃんとご飯食べたから……」
指を4本、立てて、面前の女性の前に突き出す。意味するところは4日間。
意味が通じる筈も無いが、彼女が面前の女性を「探して」いた日数である。
正体がどうとかはさておいて、「礼を言う」という当座の目的だけを果たすべく、
要領を得ない言葉を連ねる。

「あなたにご飯を頂いたのっ。それで、お礼を言いたくて索していたのだけど」
最後の方は、ほとんどヤケクソだった。
「さっきあなたを見つけたからっ、だから、そのお礼を言いたくてハナは会いに来たのっ」

【こういうスタートは初めてだったんで、なんとなく、こう】
【あまり気にしないでくださいなw】
840戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/22(日) 22:38:52 ID:7I3j9FrO
困惑する瑞希を尻目に、一人言葉を連ねる少女。
ハナ、という名前であるらしい。
あいにく、聞き覚えの無い名前だ。
くるくると表情が変わる様は見ていて微笑ましいが、
何だか置いてきぼりになっている気がして瑞希はわずかに眉をひそめた。

「……よっつ?」

必死に何かを伝えようとするハナに、こちらとしても協力してあげようと思い、
少し聞き返してみる。
指が四本……意味する所は数。四本?四回?それとも……
だが、次の言葉を聞いた時、瑞希は脳裏に閃くものがあった。

「ご飯、というと……ああ、あの時の狐か!」

ポン、と手を打つ。
ようやく合点がいった。
瑞希は、事のいきさつを思い出す。



5日前の深夜の事である。
瑞希は、住んでいるマンションの前でひどくぼろぼろの狐を見つけたのだった。
あまりに弱った姿にそのまま捨て置くわけにもいかず、部屋に連れ帰ると魔術を使って傷を癒し、
自分の食事を分け与えていたのだ。
その期間は、確かに4日間。ハナの主張に合致する。
すっかり傷も癒えたと思った矢先に狐は突然居なくなったので少々気にかけていたのだった。



「……それで『お礼』か。義理堅いね、ハナちゃんは」

優しく頭を撫でる。
さらさらの髪の毛の感触が、指に気持ちいい。
不用意に獣に触れるのは危険なのだが、瑞希はそんなことは全く考えもしなかった。
841ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/22(日) 23:01:52 ID:R09RxYx7
うん。納得してもらえたのなら良かった。
万事が解決したような心持ちで安堵したところで、
頭上に置かれた手の平に一瞬、目を丸くする。
丁寧な手付きではあるのだが、如何に人の気に慣れているとはいっても、
頭頂というのは、獣にとって、例えその両側の尖りが無いとしても触られがたい部分である。

がう、と、形容し難い声を上げて1.5メートルほど後退。
咄嗟に漆黒の瞳が瑞希を睨み、しかし、唖然とする相手を見て更にしゅん、と頭を項垂れた。
「ごめんなさい。いきなり触わられるのは苦手なのよ」
心なしか、軽く跳ねた髪の毛の先までもが元気が無い様子で。

数拍もない間の表情の変遷を見せはしたが、こんなことができるのは、
衣食に問題が無いお陰であり、その意味でも面前の女性に恩に着ずにはいられないのだった。
住は恒久的に問題があるので、除外する。

「人の持つもので、無くしてはいけないのは義理であるって、とうさまに教えられたのよ」
義理堅い、と評されたことに、嬉しそうに笑って、それから、今度はまた考え込む。
「でも、姿をそう明かすものではないとも言われたわ。けれど、
……この姿でなければ、貴方にお礼は言えないもの。どうすれば良かったのかしら?」
膝丈のスカートの裾を掴んで呟く。

姿を現した危険性に対しての認識は、不思議と無い。
相手が、彼女が経験的な理由から不得手とする、術の理に通じた人間であることを、
体験的に知っているにも関わらず。
『危険デハナイ』
そう感じる理由を掴み損ねて、しばし途方に暮れた。
「どうしてかしら……?」

「あなたは『術』を使っていたわよね?ハナは、そういう人間があまり得手ではないのだけれど」
「怖くないの。ハナが狐だと知っても、あなたは平気なの?」

【こちらも手が遅くてスミマセン;】
842戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/22(日) 23:27:04 ID:7I3j9FrO
「……いや、気にしないでくれ。こちらこそ、不用意な行動だった。すまない」

一瞬驚いたものの、野生動物がそういうことを好まないのを思い出して謝る。
相手が誰であれ、自分に非があれば素直にそれを認め、謝罪する。
口で言うのは簡単な事だが、実際にそれを示すのはなかなか難しい。
その意味で、戸田瑞希という人間は類稀な人間だった。

「ふむ、ハナちゃんの父上は出来た方なのだな。
 できれば、一度お会いしてみたいものだ」

冗談めいた口調で笑みを浮かべながら言う。
とうさま、という言い方と台詞との間に若干の違和感を覚えたが、
プライベートな部分なのだろうと察して聞き返すことはやめておく。
むやみやたらと立ち入った事を聞かれるのは、こちらとしても不快だからだ。
まして、相手は人ならざるもの。

「……それは、難しい質問だ。昔話だと、取ってきた獲物や果物なんかが
 玄関先に置いてあったりするんだけど……」

そんな時代でもないし、と心の中で呟いて言葉を切る。
そもそも、見返りを求めて助けたわけではない。
そう思っている間にも、ハナの独白は続いていく。
問いを重ねるその姿は、よほど人間らしく瑞希には思えた。

「だって、ハナちゃんは私と同じ、この地上に生きる者じゃない。
 今は人の姿をしているけど、そうでなくたってこの点は変わらない。
 見た目はさほど重要ではないわね。大切なのは、本質だもの」

うまく伝わるだろうか、と思いながら言葉を発する。
見知らぬ相手なら別だが、知った相手ならどのような姿でも恐怖は感じない。
843ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/22(日) 23:57:16 ID:R09RxYx7
奇妙な二人組だが、行き交う人々が目に止めることはない。
……その会話内容の奇異さを耳に止めたとて、意識を注ぐことはないのだろう。
ただ、街では一見ありふれた、初秋の午後、気だるげな空気だけが流れて行く。

「人間は易くお互いを触りあうものだって、ハナは知っているわ
 だから、あたまにさわったことなら、気にしなくて良いのよ。」
驚いただけ。そう云って、爪先立つと、瑞希の目を覗き込む。
それから、安堵を得たように目尻を下げた。

「そう。……そういうものなのね。だからハナも貴方が怖くないのだわ」
4日間。生きた年月にすればあまりに短い時間だ。
しかし、共有した時間に在ったものが、原理を異なる存在同士の溝を埋めたのだと、
言葉で理解できるわけではない。ただ、危険を感じなかったという事実と、結果のみを受け入れる。
「ね、その手、貸してくれるかしら?」
断ってから、自らの腕を伸ばす。最初は恐る恐ると、確かめるように。
「……うん。覚えているわ。この手だった。貴方はハナを助けてくれた」
両手を伸ばして包み込むと、目を閉じる。
視界を絶って、それ以外の感覚で相手の気配を、見ようとするように。

「とうさまに……」
口の中で呟いて、
「それはムリなのだわ」
手のひらを合わせて笑みを浮かべる。
「でも、貴方がお会いできたのなら、楽しくお話できたのではないかとハナは思うの」
きっと喜んでいたわ、と楽しげに言う、その表情に、容易く読み取れる感情はない。
あるのはその場の『嬉』だけ。

瑞希の手の平を開放して、しばし。
「そう、忘れていたわ。対価を渡す必要があったの」
両の手を合わせて、口に出した。
「ええっと、果物、が良い?この地で、ハナがそれを得ることはとても難しいのだけれど、
 貴方にそれが良いのなら、ハナはそうするわ……あっ」
あ、と、吐く息と共に零れだしたように、呟いて。
「一番、言わなくてはならないことを忘れていたのだったわ」
今度は大きく息を吸って、息を溜めて。
「……ありがとう」
844戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/23(月) 00:31:47 ID:m1rWZ9pK
「そうか、ならば気にしないことにしよう」

口ではそう言ったものの、やはり若干の後悔は残る。
逸らそうとした視線に、力がこもるように感じた。
心の奥底まで見透かすかのような、不思議な瞳。
そして、ささやかなお願い。
快く承諾すると、ハナが手を取った。続く言葉が心にくすぐったい。

「……私も、ハナちゃんには助けられたよ」

呟いた言葉は、瑞希の本心から出たものだ。
いつ終わるとも知れない材料探しの毎日。
余裕の無い生活を送っていた瑞希にとって、
ハナとの出会いはささやかな、しかし確実な変化の兆しであった。
ややもすれば機械的な作業になりがちな日常の中で、
自分が人間である事を思い出すことが出来たのだ。

「そうか……」

どこか感情の読み取れない言葉に、自らの失敗を悟る。
楽しげなその顔に隠された想いを知る事は、聖域への侵犯だということか。

そんな表情も一瞬の事、次に出た話は、瑞希の意図しないものだった。
対価。瑞希がもっとも聞きたくなかった言葉。

「対価は不要だ。私は、そんなもののためにハナちゃんを助けたわけではない」

微笑を浮かべた顔が一転、真剣な表情に変わり。
確かに結果的には施しを与える事になったが、意図的なものではない。
物質を介して相手を束縛する事は、瑞希の嫌いな種類の行為だった。
そうした真意は口には出さず、次の瞬間にはいたずらっぽい笑みを再び浮かべる。

「どういたしまして」

大きな声で感謝の気持ちを述べたハナに、そう答える。
相手の気持ちには最大限応えること。
それは、かつての自分には出来なかった事。
大切なものを失いかけて初めて気付いた事だ。


【なんだかこのまま終わりそうな雰囲気ですね】
【持っていきたかった方向にならず、本当にすみません……】
845ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/23(月) 00:53:38 ID:tA2fkNvQ
「ハナが―――なぜ?」
助けられた、という言葉に首を傾げ、
申し出への意外な反応に、きょとんとする。わからないことだらけだった。

「ハナがそうしたいから、するのよ」
言う。心底、瑞希の矜持を理解できていない様子で―――若干、不服そうに。
「貰ったものにはお返しを。そう、覚えたわ。でも、嫌ならしない……けれど、いいの?」
等価交換であれ、取引とは無縁の関係を、長く離れていたこともある。
しかし一方で、承服しかねるのは、実は当人の方だったりする。
感謝を、一言の言葉で終わらせてしまうのは、どこか呆気ない。

しかし、悪戯っぽい笑みを浮かべる瑞希の笑みを見る。
「助けられた」という言葉を意識に反芻して、それでいいのだと理解する。

そして、笑った。
通り過ぎる日差しと風の優しさも相俟って、どこか心地よい感触が、
人の姿の胸に当たる場所、その裏側をくすぐる。

「そう。お名前を、聞いていなかったの。ええと」
自らを指し示し、
「ハナ。字名も、姓も無しの、ハナ。そう名乗っているわ」
名乗る。名を上げる時は自分から、そういった礼。
スカートの裾を抓み上げて、いささか時代がかった挨拶をしてみせた。

【いえ、そちらが謝られることではないです】
【ペース的にも、こちらは決して速いほうではないですし……】
【こちらはこれで〆かもです】
846戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/23(月) 01:18:29 ID:m1rWZ9pK
「嫌なわけではない。ただ、そういう気分ではないだけだ」

不服そうな様子にわずかに苦笑し、真意は見せぬままに偽りのヴェールで覆い隠す。
形あるもので対価をもらわずとも、形無きものだけで十分だと思いながら。

そして、ハナの名乗りを受け、応える。
相手に名乗らせておいて、自分だけ名乗らないというのも失礼だ。

「戸田、瑞希だ。知っていると思うが……魔術師だ」

時代がかった挨拶に対し、どうするかと逡巡した後、瑞希は短く呪文を唱えた。
一瞬で服装が変わる。
漆黒のローブを身にまとい、手の上にはその格好にいささか不似合いな物を載せて。

「改めて互いに自己紹介をしたところで、お近づきの印に稲荷寿司でもいかが?」

微笑みかけるその顔は、親しい友に向けるもの。
互いに対等な存在として、種族の別を超えて生まれたものを祝すかのように。


【では、こちらはこんな感じで】
【内容とペースがかみ合っていればいいのですが私はそうではないし……orz】
【もっと本を読んでロールして、勉強しないとダメですね】
847ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/10/23(月) 01:25:45 ID:tA2fkNvQ
【お疲れ様でした】

【そう、気にすることないと思いますけども;】
【当方、毎回手探りですよー。今回も、結構ぶち込んでしまいましたし】 
【楽しかったです、ありがとうございました。いやホントに】
848戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/23(月) 01:28:39 ID:m1rWZ9pK
【こちらこそ、遅筆にお付き合いいただき誠にありがとうございました】
【次があれば、今回出来なかった話がしたいですね〜】
【それでは、おやすみなさいノシ】
849妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/23(月) 23:16:56 ID:0yloBldw
【11:40分まで待機しますね】
【リミットは1:00でお願いします】

追記:退魔屋。について
主に市民からの依頼を請け負い、適当な退魔士を派遣する機関
事件処理は派遣された退魔士の裁量に委ねられる自由な気風がもっとう

【彩音の場合、依頼者と周囲の者へ手厚いのが特徴】
【慰みに夜伽を求められても(必要と感じれば)快く応じる】
850名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:29:44 ID:sxXG0kxF
【孕ませてみたいけどー…そこまで到達するのに時間かかりそ】
851妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/23(月) 23:36:15 ID:0yloBldw
【こんばんは、以前(巫女)の設定の方がよろしいですか?】
【私はどちらでも構いませんよ】

【>時間かかりそ】
【なにも時間をかけて初めから、の必要もないでしょう】
【途中から(既に妊娠、陵辱中等から)適当に始めてくださっても。】
【よければ次からどうぞ】
852名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:39:58 ID:zVvgD0jU
(雨の中、傘をささずに店内を伺うローブ姿の女性…)
…まだいらっしゃるかしら?

【とりあえず、妖魔が軽くあしらう感じで…】
853名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:41:56 ID:sxXG0kxF
くくく……退魔士を犯せる日が来ようとは、な?
思う存分、犯し尽くしてやるぜぇ……
(下品な声を漏らしつつ、組み敷いた退魔士の下着を引き裂き
足を大きく開かせて、犯す体勢にしてやり)

【では、物凄い適当なところから……こちらの設定とかいります?】
854852:2006/10/23(月) 23:42:46 ID:zVvgD0jU
【先に書いた方が優先ですよね。失礼しました…】
855妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/23(月) 23:46:56 ID:0yloBldw
妖魔滅するは退魔屋。へ、ようこそ。
(座したままで丁寧な礼を返し)

あっ…どうか何も仰らずに。
このようなところへ足を運ぶという事は、それ相応の訳があっての事…
こちらからの無粋な詮索は一切致しません。

今晩はまた、どのようなご用向きで?
856妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/23(月) 23:48:15 ID:0yloBldw
【あらあら…失礼致しました。】
【直ちに修正しますので少しお待ち下さい。】
857妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/23(月) 23:57:59 ID:0yloBldw
……ッ!
(組み伏せられた中、蹂躙されていく事に
表情に嫌悪と苦悶の色を浮かびあがらせる)

くっ………汚らわしい…。
(どうにか戒めを解こうと妖魔の屈強な胸板を押すが
女の細腕ではそれも叶わず。
妖魔の鋭利な爪によって、薄い茂みと秘裂は外気に晒されていく)

【遅くなりまして。少し急いだほうがよろしいですね】
【>設定とか…】
【いいえ、特には。】
858名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:06:39 ID:pWrlC/L/
いいねェ、その表情……
犯しがいがあるってもんだぜ……?
(ニタニタと下卑た笑いを浮かべつつ、自らの逸物を晒す
常人の2倍はあろうかという巨大なモノを、宛がう前に自らの唾で濡らし
晒された秘部へと強引に押し当てる)

汚らわしい?
ふ、ん……今からテメェはその汚らわしいモノに犯し貫かれて……
俺のガキを孕むんだぜ?楽しみに待ってろよ……
(ゆっくり腰を進め、秘裂へと肉竿を割り入れていく)
859妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/24(火) 00:16:16 ID:NkE6PSdB
――うッ……アァッ!
(ろくな前戯も無く乾いた秘裂へ凶暴な逸物が捩じ込まれていく。
身が二つに引き裂かれんばかりの激痛に
形だけとなった巫女装束をう身体が浮いて跳ねた。
苦痛に歪んだ表情からは、大きく開かれた澄んだ瞳を覗かせ
喉奥から絞り上げられる声はより一層悲痛さを増していき)

ぐぅ……いぃ……き、きつい…!!
裂け…る……!
(早くも額に汗を浮かべて、苦痛から逃れるように首を振り始める。
それに釣られて擦り切れた白衣の胸元では、肌色の曲線が揺れて)
860妖狩 彩音 ◆2r/55N6b5U :2006/10/24(火) 00:38:55 ID:NkE6PSdB
【拙いために興を削いでしまったようですね】
【ありがとうございました、お休みなさいませ】
861852:2006/10/24(火) 00:44:11 ID:oygeXrHj
【あらあら終了?…お疲れ様でした…】
862名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:49:21 ID:P2x9myix
拙いんじゃなくて、相手のレス読んで適切なレスを返して無いから蹴られたんだと思ふ
孕む〜の下りにも反応してないし
863名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:59:27 ID:NkE6PSdB
>>862
【確かにそうですね】
【独りロール等無意味ですし、次からはちゃんと注意しますね】
864名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 01:04:13 ID:kPXnOh/s
てか852スレまたぎジャネ?
ミラガスレ見てみ。
865名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 01:07:42 ID:jFDev/w2
>>864
寛い心で許してあげてください。
866戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/24(火) 22:46:31 ID:RoNQsvob
【23:30頃まで待機します】
【あまり時間が取れませんので、本格的なロールよりは軽めのものを希望します】
【目安は24:00〜25:00まで】
867戸田瑞希 ◆3gLUZ2c4N. :2006/10/24(火) 23:31:01 ID:RoNQsvob
【残念、それではまたの機会に】
【落ちますノシ】
868名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 01:16:41 ID:wpuQnHdW
セレスティアさんとか、来ないのかなあ……
869セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/11/01(水) 01:44:09 ID:5AXuJqzS
(――不意に高らかなタカビーの笑い声が木霊し)

お呼ばれされれば――もとい、お呼ばれされなくとも姿を現すのが
ローディス家の気高き吸血鬼ですわ。
(口許に手の甲を当てて、くつくつと)

時に>>868さん、まだいらして?
870セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/11/01(水) 01:58:35 ID:5AXuJqzS
流石に、のようですわね。
それではまたの機会があれば。御機嫌よう。
(両手を腰の後ろで組むと恭しく頭を下げる)

871名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:39:11 ID:wpuQnHdW
ぎゃあ、いらっしゃってた!?
……orz
872名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 23:34:25 ID:b/SE6vqZ
……よし、もう一度呼んでみよう。
セレスティアさーん。
873セレスティア ◆h4uuY/ea.A :2006/11/01(水) 23:49:38 ID:5AXuJqzS
(――またまた高らかなタカビーの笑い声が木霊)

おーほっほっほ。
昨日は 、たまたま都合が良かったから来れただけですわ。
そう何度もお呼ばれなされても…私、貴方の飼い犬ではなくってよ?
折角のお気持ちだけ頂いておきますわ。
(ぴしゃりと鞭を床に打つと、狂乱の宴へと戻っていく)
874名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 23:50:44 ID:b/SE6vqZ
……orz
昨日のを逃したのは痛いぜ……
875御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 17:54:44 ID:ETxLIQQV
放課後の屋上。フェンスにもたれ掛かり、虚空を見上げる。
夏が去り、秋が来ようとしていた。

今日はまだ任務に就いていない。いつもなら地下の訓練施設に篭もるか、
或いは単車で出かけているか。
或いは暇な仕事仲間と時間を潰すのもいいかも知れない。
だが、実際にはただ屋上で、無為に時間を過ごしているだけだった。
建設的に見れば任務に備え、待機していると言えなくも無いが。

御影義虎は、最近憂鬱気味であった。理由は自分でもわからない。
秋には辛い思い出が多い。優しい先輩が死んだのも、この季節だった。
敢えて理由をこじつけるなら、それしかない。けれど――

ため息をひとつ。倦怠感が心に渦巻いている。 もとより快活な性格ではないが、
さりとて、いつまでもダラダラとしている事を良しとする性格でもない。少なくとも彼は
そう思っている。普段から出来るだけ淡白に、物事を割り切るようにしようと心掛けてもいる。

――本当は落ち込みやすい自分を知っているから・・・・

八雲天音と仕事に出かけることになったのは、家に帰って、一時間後のことである。
晩飯の用意もせずダラダラと転寝をしている時に、携帯で呼び出された。
その頃にはすっかりと日が暮れていた。現場近くで待ち合わせることになったので、
単車で急行する。現場は取り壊し予定のある雑居ビル。

「すまん、遅くなった」

仕事仲間であり、現在付き合っている彼女に詫びる。
いつ見ても彼女は清楚であった。そんな彼女は戦っている時は舞う様に華麗であり、その動きを模倣しようと
何度も試みたものだ。時折、ダメージを受けて矢鱈と荒々しくなる時もあるが、まあそれはそれである。
動きに関しては、こちらの方が更に洗練されていないのだから。

「で、今日はここか」

いつもの黒いライダースーツに身を包み、雑居ビルを魔王城のように見上げる。
876八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 18:04:38 ID:X7Xou5fd
>>875
このところ、狩りが多い。
天音はそんなことを思いながら、その雑居ビルを見上げていた。
今月に入って、既に三件目。
月頭だというのに、である。
妖魔の動きそのものに、大きな変化はない、だが、何かが起ころうとしている。
そんな不安感が、胸を締めつける。

キッ、とタイヤが地面を擦る音。
今日の相方が来たようだ。

御影義虎――天音にとって、特別なその男。
だが、だからこそ、視線は凛と雑居ビルを見上げたまま、振り返りもしない。

「ええ、ここです。残滓と揺らぎを感じます」

気の残滓、そして揺らぎ。
常人であれば感じることのまず出来ないその微かな感覚を、天音は感じることが出来る。
陰陽の気を宿すが故か、それとも別の理由か、それはわからないが。

「――行きます、義虎は援護を」

一方的にそう告げて走り出す。
入り口にはシャッターが降りているが……関係ない。
黒白の二振りの刃が一閃、甲高い金属音が響く。
――戦いの、始まりだ。
877御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 18:13:30 ID:ETxLIQQV
――相変わらず冷静なんだか過激なんだか・・・・

けたたましい音を立てて、シャッターを切り落とす今日の相方に、

「あの、天音さん?せめて打ち合わせとかしません?」

控えめに進言する。
何故俺が抑え役など?と思わなくも無い。

ここに幽霊が出るらしい。この雑居ビルが無人となり、取り壊されることになったのは、
それが原因らしい。彼が得た情報はそれだけ。
幽霊は、恐らく斬鬼衆が妖魔と呼称する存在であろう。
どんな幽霊が?具体的な情報は無い。
ただ、物理的な被害は無く、ここを仕事場にしていた者たちが、精神失調を起こしたり、
意識を失ってそのまま入院したりしたのだけが事実だ。

「相手は多分精神感応系だろうよ、俺とお前じゃ相性が悪いかもな」

断片的な情報から、自分にとって悪い部類の状況を推測する。
都合の良い推測しかできないと、早死にするだけだ。

「まあ・・・・偶には援護に徹するか」

ナイフを引き抜き、ヒュンと一閃する。
近隣のことも考え拳銃はまだ抜かない。
878八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 18:26:02 ID:X7Xou5fd
>>877
「相手が何であれ、刃を振るうのみでしょう?
 打ち合わせる必要など……」

黒の刃が風を切る。
低級妖魔が胴を寸断されて霧散化した。

「精神感応系? 問題ありません、わたくしは――斬鬼の刃。
 刃に心は、不要故に」

そう返してから、言霊を紡ぐ。

「ひふみよいむなや……」

一から十、それを数えることで発生する精神防壁(マインドセット)
天音の瞳から色が消え、白の刃が一閃する。
闇に紛れていた妖魔が、その頭を両断された。

「――刃は、刃たれ」

勢いを殺すことなく、一階を制圧、そのまま階段を掛けるように登り、二階へ。
879御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 18:26:31 ID:ETxLIQQV

【食事落ちしますノシ】
880八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 18:31:01 ID:X7Xou5fd
【了解しました……うう、レス速度が遅い……】
881御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 18:57:38 ID:ETxLIQQV
――どうしよう『先輩』、あまねちんが聞く耳もってくれません・・・

精神防壁を張り、刃を振るい、湧き出た妖魔を断ち切る。
正直やることがない。しかし何故に彼女はこんなに張り切っているのか。
八雲天音。付き合っているとは言え、やはり理解の及ばない部分が多すぎる。

――重藤柚紀がまだ斬鬼に残っていたら・・・・

ふと、彼はそんなことを考える。後方支援専門で冷静な彼なら、
安心して背中を任せ、前線に赴ける。

最近、補充として陰陽機関『龍』から召喚された風間莉々は、自分と同じく
近接戦闘型であり、他の者も実は似たり寄ったりだったりする。
そして八雲天音も近接戦闘型である。

「零に、応援頼まないとならないかもな」

妖術師の少女のことを思い浮かべる。
彼女なら、もし相手が悪霊であれ何であれ、的確な術を使い祓ってくれるだろう。

二階、三階を苦もなく制圧する。
おかしいと思ったのは、四階への階段を登っている最中だ。
妖気が薄まらない。しかし濃くもならない。
妖気は突入時と同様、建物全体に均一的に漂っている。
こんな現象は以前もあった。確か、幽霊屋敷で・・・・・

「おい、少し待て、様子が・・・・・」

言いかけて、口を噤む。
882御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 18:58:49 ID:ETxLIQQV
【ただいま帰りました】
【お願いします】
883八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 19:10:23 ID:X7Xou5fd
>>881
刃は鏡、鏡は心を映す。
そう言ったのは、誰だったろうか。

(なら、今のわたくしの心は――?)

一瞬、そんなことが頭をよぎる。
精神防壁といえど、そう強固なものでもない。
もともと前衛である天音にとって、一瞬精神攻撃に耐えられれば充分なのだから。

――だから、雑音(ノイズ)に気付かなかった。


四階に駆け上る。
ここが最後のはずだ。

そこで、見たものは。
最も、見たくなかった、光景。

――刃が、母の白い身体を切り裂く、その光景。
884八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 19:11:02 ID:X7Xou5fd
>>882
【お帰りなさい】
885御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 19:18:01 ID:ETxLIQQV
・・・・鋭い痛みがした。
こめかみ辺りに、錐が突き立ったかのような。
彼女の名前を呼ぼうとする。けれど、それが出来なかった。

――知らない女性を、刃が切り裂く。

返り血が吹きかかる。
自分の前にいる八雲天音に。
倒れ伏したその女性の顔に、何故か既視感を覚える。
八雲天音。そう、彼女に何処と無く似ているような。

「天音・・・」

今度はきっちりと声が出た。
886八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 19:23:00 ID:X7Xou5fd
>>885
この光景を見るのは幾度目だろう。
そして、そのたびに涙を流す。枯れることのない、悲しみの涙。

「かあ……さま……」

声が掠れる。
目の前がぼやける。

けれど。

ぼやけた光景の中で、何故母の顔はあんなにも鮮明に写るのだろう。
何故――母は、驚いたような表情を浮かべているのだろう。

《それはね、天音》

母の唇が、言葉を紡ぐ。
いつもの優しい声が、残酷な事実を告げる。

《アナタガ、ワタシヲ、コロシタカラ》
887御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 19:33:09 ID:ETxLIQQV
――俺は何を見ているか?

眼前で繰り広げられる、唐突で現実性がなく、しかし確かに
それはあったことだと思わせるような、そんな光景。

《アナタガ、ワタシヲ、コロシタカラ》

その一言が、何かを想起させる。

――そう、殺した。俺は貴女を殺した・・・

眼前の知らない女性は、いつしか知っている女性に変わっていた。
栗色の髪。夕日と同じ色をした瞳。

雨が降っている。薄暗い場所で、胸に刃を突もうき立てられた『先輩』
突き立てたのは、自分だ。もう手遅れだったから。他に何も出来なかったから。
言い訳は幾らでも思いつく。けれど――

「天音・・・・これは幻覚だ!取り込まれるな!」

頭が掻き回される。
吐き気を堪えながら、相方に呼びかける。
888八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 19:41:38 ID:X7Xou5fd
>>887
《そう、これは幻覚(まぼろし)》

「女」の言葉が嘲笑を帯びる。

《でも、限りなく現実に近い……いわば幻実。
 絡め取られたものは、もう逃れられない。何故ならば、それが「心の傷」だから。
 その証拠に、ほら。この娘は、もう「壊れた」》

天音は、ぺたりと床に座り込んでいた。
両手の刃は既になく、瞳は、ここではない何処かを見ていた。
口から漏れるのは、ただの音の羅列。

《さあ、あなたも……あなたの「心の傷」に食われなさい》

幻実が、広がっていく。
889御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 19:47:53 ID:ETxLIQQV
よろめいて、片膝をつく。
突入時から既に絡め取られていたらしい。
道理で妖魔に手応えがなかったはずだ。
あれも『ソレ』が見せた幻だったのだろう。

頭が軋む。どうしようもなく思い浮かび上がる、過去の記憶。
過去。際限の無い苦痛を味あわされた時の事。
過去。家族が死んだときのこと。
過去。施設に引き取られ、何日も呆然と過ごした時の事。

「ぐううっ・・・・」

頭に拳を打ち付ける。今は過去に囚われている場合ではない。
もっと大事なことがある。眼前にいる彼女を助けなければ。

「天音、天音・・・・!」

必死に這いずりながら、彼女に近寄る。
必死に呼びかけながら、放心している天音を正面から揺さぶる。
890八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 20:03:44 ID:X7Xou5fd
>>889
《気付いたようね、でももう遅いけれど》

嘲弄、嘲笑。
負の観念が、容赦なく叩きつけられる。
負の記憶が、際限なくリフレインする。

《無駄だ無駄だ、その女は既に「壊れた」と言っただろう。
 反応などするものか、諦めろ》

「女」が、歩を進める。
義虎と天音の方へ、ゆっくりと。
891御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 20:11:53 ID:ETxLIQQV
眼前で再現される過去の記憶。
不自然に切り取られ、前後が省略されたその映像。
その当時の痛みと共に、脳内から引き出される。

心の傷は見えない。本人にしかわからない。
止まらない痛みでも、時間が過ぎてゆくのを待つしかなくて。

痛い。痛い。痛い痛い痛い。イタイイタイイタイ・・・・・!

全身から血が噴き出る。
過去、身体に受けた傷まで再現されたようだ。

《無駄だ無駄だ、その女は既に「壊れた」と言っただろう。
 反応などするものか、諦めろ》

心の痛みに効く薬はない。時間が経って、傷が塞がることは
あっても、消えることは無い。決して無い。

「うるせぇ・・・・貴様如きに、妖魔如きに、人間の何がわかる!?」

――それでも、前に進むしかないだろ・・・・!

過去には戻れない。どんな過ちを犯したとしても、どんなに後悔しようとも、
それを償うことはできない。けれど、だから――

「天音・・・・約束したな、俺がお前を守ってやるって」

『女』から天音を庇うため、全身から血を噴出しながら、苦痛に耐えながら。
必死に立ち上がり、背後に天音を庇う。
そんなことをしても無駄だと誰かが言う。
それは『女』であり、もう一人の自分だ。
うるさいと、その言葉を拒絶する。

「人間を、舐めんなよ・・・・!」

刃を握り締め、構える。
892八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 20:19:05 ID:X7Xou5fd
>>891
「そう、人間を、人間の想いを侮ってもらっては、困るわ」

義虎の背後で、凛とした声。
天音の声だが、天音よりも艶めいた声。

「貴方が壊したのは、表面だけ。
 その中まで、壊せてはいないし……」

ヒュカッ、と義虎の頬の横の空気を切り裂いて、細身の短剣が飛ぶ。
短剣は「女」の影を縫い取り、その動きを封じた。

「……故に、私が喚ばれた」

義虎の前に出る。
姿は確かに八雲天音だ、だが、何かが違う。
身に纏う空気、と言うか、気の質がまるで違う。

凛とした眼差しが、義虎に向かう。
険は消え、優しい、だが強い光が義虎に映る。

「……この子をお願いします。
 貴方なら、心の傷を強さに変えられる貴方なら、きっと……」

そう、優しく微笑んで、手を重ねる。
暖かく、優しいその手は、何故か――失ったものを、思い起こさせた。
893御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 20:32:16 ID:ETxLIQQV
不意に痛みが消えた。噴き出た血が、跡形も無く消えている。
やはりすべては幻だったのだ。だが、あのまま心の傷を抉られていたら――
そこから先は考えないことにした。

「あんたは・・・・」

八雲天音。違う。まるで違う。誰だ。
誰だ、と訊こうとしたのに、上手く頭が回っていない。
その瞳に宿る光が、差し出された手の温もりが、それを訊くのを止めさせた。
想起する温もり。『先輩』の温もりに似ている。眼前の彼女は『先輩』に似てはいないが。

「・・・・ありがとう」

それだけ呟いて、手を離す。
影を縫われ、足掻いているそれに向き直る。

「言っただろ?舐めるなってよ」

鉄槌を思わせる拳が、仮借なく『影』に叩き込まれる。

894八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 20:46:42 ID:X7Xou5fd
>>893
「そう、その強さ。
 荒々しいまでのその強さこそが、この子の救い」

「影」を打ち据える義虎を見、呟く。

「その荒々しさ、未だ至らずと言えども……海神の主に通じるもの。
 猛きその心を忘れないで……この子を、守って」

ふ、と崩れ落ちる。
床に座り込み、荒い息をついているのは「八雲天音」だった。
895御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 20:54:36 ID:ETxLIQQV
『女』だったものは『影』となり、そして打ち倒した瞬間には
もう何者でもなくなっていた。全ては夢幻。一夜の夢だ。

「・・・・大丈夫、でもなさそうだな」

元に戻ったらしい『八雲天音』に声を掛ける。

――やれやれだな。本当に手のかかる・・・・

どうにも自分が選んだ彼女は、色々複雑な身の上らしい。
根掘り葉掘り訊く気はないが。

「立てるか?」

腰を屈め、正面から顔を覗き込む。

――結局、誰だったのだろうか。

彼女を守ってくれと頼んだ『彼女』は?多重人格?
根掘り葉掘り訊く気はなかった。今までは。けれど――
896八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 20:58:57 ID:X7Xou5fd
>>895
「……何とか、立てます」

恥ずかしい。
一人突っ込んでいって、幻覚に囚われ……この有様。
己の未熟に顔から火が出そうだった。
――そんな顔、義虎に見られたくない。

顔を背けたまま立ち上がる。
きれいさっぱり妖魔の気配は消滅していた。

「結局、あれは自身をここ全体に広げて獲物を待っていた……蜘蛛妖の類でしたか」

もっと早くに気付けば、このような醜態を晒すこともなかったろうに。
だが、もう今更だ。
あとは――早く帰って、布団に顔を埋めたい。
897御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 21:07:32 ID:ETxLIQQV
「多分、そうだろうな・・・・任務完了ってとこか」

ドッと疲れが押し寄せる。
精神的な疲れだろう。さっさと寝たい。
また悪い夢を見そうだが、仕方あるまい。
過去の記憶は今の自分を形作っているものだから、
故に誰もそれからは逃げられない。
今日のようなことはまたあるだろう。
それでも、折り合いをつけて行くしかない。

携帯を取り出して、任務終了の報告を済ませる。

「おい、一緒に・・・・」

一緒に帰ろう。というか、一緒に寝ようと言いかけたのだが。
明日も普通に学校があったのを思い出す。
最近忙しくて、彼女を抱いていない。
元々、そんなに頻繁に肌を重ねているわけでもないのだが。

「帰るか・・・・」

どうせ帰っても誰もいない。
なら彼女と寝ていた方がいいに決まっている。
けれど、それを押し付けるのは憚られた。
898八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 21:21:12 ID:X7Xou5fd
>>897
「では、帰りましょう。疲れました」

大きく溜息をつく。
顔は俯けたまま、義虎には向けない。

「……すみませんが、今日は一人で」

義虎が、求めているのはわかる。
自分も同じようなものだ。
だが――今日はダメだ。
今日だけは。

「……かあ、さま」

そう、母がこの身に降りてくれた、今日だけは。


【申し訳ありませんが、このあたりで締めたいかと】
【えっち無しで本当にすみません……】
899御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 21:30:06 ID:ETxLIQQV
「そうか・・・そうしよう・・・・」

それ以上何も言えない。
彼女が何か思い悩んでいるのが、わかったから。
内容までは知る由も無いが、自分が踏み込めない領域の事柄である
ということだけはわかる。少なくとも今は。

――やれやれだな・・・・

胸中で繰り返し、二人連れ添って階段を降りる。
二人とも無言のまま外に出る。

外は既に夜だった。
痩せ細った下弦の月が浮かんでいる。

深く息を吸い、吐く。ようやく、元に戻った。
少なくとも、表面的に取り繕える程度には。

【了解。まあ、最初からそうなるとは思っていたので】
900八雲天音 ◆HUf.GGVQpw :2006/11/03(金) 21:33:27 ID:X7Xou5fd
【久しぶりのロールで上手く回せなかったこと、謝罪します】
【では、こちらはこれにて。また、いずれ……】
901御影義虎 ◆HgBRPBx536 :2006/11/03(金) 21:35:31 ID:ETxLIQQV
【いえいえ、ではまたノシ】
902ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/11/05(日) 20:41:41 ID:/naJzVRd
【待機してます】
903名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 00:48:13 ID:Jgq2AVL7
流石にもういないだろうけど…

壁|っcU~

熱くない程度のホットココア置いときますね。
904ハナ  ◆8H.MHFz.Ts :2006/11/06(月) 01:36:53 ID:yGDnKmDD
あら。いただくのだわ。

ん。
熱くない、のよね?……む。
(意を決したように唇をカップにつけて)
(ずずずずずず)

ふぁ。温まるの。

【待機解除 気付いたのが遅くてごめんなさい】
905浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/08(水) 21:44:17 ID:tONz1YQz
【世死見道迷さん待ちです】
【今書き出そうとしてますー】
906世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/08(水) 21:47:11 ID:RMsZnNuX
【お待たせしてすいません。】
【よろしくお願いします〜。】
907浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/08(水) 21:52:18 ID:tONz1YQz
「はっ、はっ・・・」
イヤホンから流れる激しい音楽に合わせるかのように
自転車のペダルを押し出して人気の無い道を走る。

何かに追いかけられているような、そんな誰もが経験したことのある感覚。
多くの人は錯覚と一笑に付すものだが、昔から燕にはそうとは思えなかった。

そしてー、今。後ろから得体の知れない気配が漂っている
「・・・誰?」

はっきりとは見えない暗い道の向こうに何か、居る。
908世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/08(水) 22:16:28 ID:RMsZnNuX
>>907
目の前の人間は、とても勘は良いらしい。
気付かれぬように後を尾行しながら思う。
正直、気付かれないほうが、仕事がやりやすいのだけれど。

『「・・・誰?」 』

呼ばれると同時に、コツリ、コツリと、暗闇から足跡が響く。
先ほどまで誰も居なかったはずの、その暗闇から。

「…やはり、体質なのですかねぇ、ソレは。」

誰ともなしに呟きながら、暗闇から街灯の灯りの下に現れたのは、
まるで本から抜け出してきたかのような、燕尾服に山高帽を被った男。
しかし、何故かその顔や言動にはあまり生気が感じられなかった。

「こんな妖魔がやたらいる所で……正直、ガセだと思っていたのですがね。
でも、本当の事だとしても、余り喜びたくないのですが。」

909浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/08(水) 22:26:13 ID:tONz1YQz
闇から溶け出てきた男の奇怪な容貌とその雰囲気。
その危険度は到底燕には理解できるものでもなく。
異常ということだけは分かるが、得体の知れない何かが
頭の中でけたたましく警報をならしていた。

・・・・・・怖い。逃げよう、逃げよう、逃げよう!
頭ではそう考えているのに何故か足が竦み目を男からはなすことができない。

男が何か言っている。
(体質?妖魔?)

「・・・な、なに・・・よ。誰?・・・あんまり近寄ると警察を呼ぶわよ・・・。」
震える声だが、この得体の知れない威圧感の中で一言でもまともに口を聞けたのは
やはり一般人の中では燕は特殊な体質であるからだろうか。
910世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/08(水) 22:45:58 ID:RMsZnNuX
目の前の標的が警戒している、それも過度な程。
気付きさえしなければ、隙を突いて髪の毛を少し持っていくだけで済ませるつもりだったのに。
いつも人間は面倒だ。何故双方にとって面倒くさい方向に、事態を持って行きたがるのか。


「おや、自覚していないのですか。私はてっきり…
…ま、食べ物に意思があったところで関係ないか。」


『「・・・な、なに・・・よ。誰?・・・あんまり近寄ると警察を呼ぶわよ・・・。」』

「警察を呼ぶ、…怖いなぁ、勘弁して下さい。
でも、仮に貴女が警察を呼ぶとしても……どうやって?」
標的の持っていた携帯電話をブラブラと見せ付ける。
まるで、逃げ場はないのだといわんばかりに。
911浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/08(水) 22:58:43 ID:tONz1YQz
「食べ・・・物?・・・え!?」
食べ物という単語に言い知れぬ不安を感じた途端
一瞬風のように見えない何かが横を通り、声を上げる燕。

いつの間にか携帯電話が男の手の中にあり驚愕する。
ストラップが揺れて間違いなく自分の携帯電話であることを教えていた。
「そんな・・・」

ようやく分かった。目の前にいるのは人智を超えた化け物なのだと。
(食べ物・・・私!?でも・・・ただで食べられたりはするもんですか)

震える手でラケットをしっかり掴み、男と対峙する。
少しずつ足があとずさりしているのが自分でも分かった。


912世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/08(水) 23:25:08 ID:RMsZnNuX
「…ようやく御理解頂けました?」
目の前の人間の動揺に微笑を浮かべ、
ゆっくりと近づいてゆく。

「無駄な抵抗は余りしないでいただきたい。
すぐに終わる事ですし、それに、私は大変に疲れている。
そのラケットでも簡単にやられてしまうほどにね。だから。」

標的の人間がラケットを構え、此方に向ける。
だが、その足は後ずさり――
――そして、後ずさりするその足が、何かに当たった。

そこにあったのは、一本の腕。

「…だから先程も申したでしょう、逃がさないと。」

声と同時に地面から複数の腕が伸び、足首をつかむ。
それはまるで、魚を捕まえようとする磯巾着のように。

「ねぇ、当然の事です。
目の前に美味しそうな料理があるのに、食べようとしないヤツなんて、居る訳がないですからねぇ。」

そう言い終わると、手で頭を固定し、ベロリ、と頬を舐めた。
913浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/08(水) 23:33:56 ID:tONz1YQz
何かに足が当って無意識に自分が後ずさりしていたと気づく。
やわらかい。何だろう。
チラリと目を向けると一本の腕。
「・・・ひっ。」
非現実的な光景に体勢を崩した途端、何本もの手に押さえつけられる。
「たすけて・・・」
目に少しにじむ涙は、だが妖魔の好む匂いを強烈に放っていた。
914世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/08(水) 23:49:07 ID:RMsZnNuX
「美味しいですねぇ、まるごと食べてしまいたくなるくらいに…」

何本もの手に押さえつけられた少女、その目に滲んだ涙を見ると、
微笑を浮かべながら懐から―――

「はい、動かないで下さいねー。目に刺さるといけませんから。」

―――取り出したスポイトで滲んだ涙を取り、小瓶の中に入れた。
ラベルに『香料』とかかれた小さな瓶に。

「あ、後少し血も採らせていただきますから。
それと髪の毛も。すいませんねぇ、こうでもしないと皆サンプルを採らせていただけないもので…。」

先程までの雰囲気をブチ壊しながら、妖魔が話しかける。
よく見てみると、妖魔の背後には「ドッキリキャメラ」と書かれた看板が転がっていた。
915浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/09(木) 00:00:07 ID:m7TMwByQ
「・・・・・・・?」
サンプル何の事だろう?それにしても先ほどまでの威圧感が無い。
むしろおちゃらけた態度だ。

「えっと・・・?」
看板が見える。『ドッキリキャメラ』
(いけない、頭が混乱してきた。テレビじゃないよね・・・さすがに・・・)
「あの・・・これは一体・・・何ですか?」
理解不能な事態だ。てっきり命を落とすとばかり思っていたのに。
916世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/09(木) 00:20:34 ID:q89870pw
「すいませんね、ちょっとチクッとしますよ〜。」

唖然とする少女を横目に袖口から取り出した注射器で血を取り、懐にしまう。

「いやぁ、貴女がとても美味しい御飯というのは本当なんですよ。
でも、食べるわけにはいかないじゃないですか。んな事をすればこっちが殺られますし。
ですから、人口的に貴女の血や汗なんかと作って新しい妖魔用調味料として…
あ、ほら、ちょっとアレ出して、アレ。」

男に指示され、腕がどこからか小瓶を取り出し、少女に渡す。
『味の元』とラベルが貼られた小瓶を。

「それでは、少しばかり説明をさせていただきますと、この商品は…」

少女に小瓶が渡された事を確認すると、何処かの通販ばりに声高に説明を始める。
腕に囲まれ、妖魔から商品説明をうける人間の少女。
その光景は、奇妙としかいいようがなかった。

「…で、この商品の凄いところはですね、一切天然のものを使用していないところなんです!
だから安い!例え経済力のない妖魔であっても愛用できるという…え、何、時間?

…と、言う訳でして、無論御詫びの方はさせていただきますので、ちょっと今回の事、
警察にだけは通報しないでいただけませんか?」

ペコペコと謝る男、その姿は妖魔とか、人食いなどとは全く無縁の存在だった。

【やっちゃった感が…色々やっちゃった感が…。】
【煮るなり焼くなり、好きにして下さい…。】
917浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/09(木) 00:37:39 ID:m7TMwByQ
「・・・・・・」
呆然として男の話を聞き終えるがちっとも頭に残らなかった。
「調味料・・?」
普段ならばふざけるなと激怒するところか泣き出して逃げるところなのだろうが
先ほどまでのギャップと相俟って無反応になるしかなかった。
とりあえず警察に通報するとか言っても無駄だろう。
(警察が敵うような存在ではないだろうし・・・。)
「ああ、はい・・・。えっと・・・終わりですか・・・?」
【いえいえ。何だか時間も来そうですしね・・・】
918世死見道迷 ◆SnY/P26aKs :2006/11/09(木) 01:07:12 ID:q89870pw
「ええ、終わりです。…大丈夫ですか?」

「あ、そーいえばビックリキャメラの看板使い忘れましたねぇ。
それではここで…お疲れ様でした〜♪
あ、ちゃんと御礼はご自宅に送っておきますから〜。」

『ビックリキャメラ』の看板をかざすと同時に、周りの腕達が拍手をする。
その拍手の中、一陣の風が吹いたかと思うと―――

―――そこにはすでに、何もなくなっていた。




少女との邂逅の後の帰り道、懐に入っている鋏が、
どことなく不機嫌な口調で、男に向かって話しかけた。

『…ナァ、アノ人間ヲばらシテ持チ帰ルトイウノガ、今回ノ仕事ダッタヨウナ気ガスルノダガ。』
「…どーせ他の奴等がやってくれますよ。
それに、もしあの娘を殺していたら、その時点で我々もバラバラにされていたでしょうから…。
そりゃ、退魔の方もあんな餌があれば放ってはおかないとは思いましたが…いやいや、恐ろしいですねぇ…。」






後日。
浅井家には、大量の『味の元』が送られてきたという。

【どうもすいません、色々と…。】
【お付き合いいただき、真に有難うございました〜】
919浅井燕 ◆HNGWp97mMU :2006/11/09(木) 01:16:11 ID:m7TMwByQ
【いやいや・・・】
【またよろしければお相手お願いします】
920神事 真冬 ◆vSpZPPUI7M :2006/11/10(金) 21:39:20 ID:tA6E6Umz
【新キャラ、待機。よろしくお願いします。】
【リミット12時頃です。】
【名前】神事 真冬(じんじ まふゆ)(妖魔♀:シルファ)
【種族】半人半妖
【サイド】妖魔側
【性別】♀(シルファ:♀)
【年齢】19
【身長】167cm
【3サイズ】85 59 86 (シルファ 90 61 86)
【容姿】髪型は三つ編で茶髪(長さは腰の辺りまで)
    大きく丸い目。胸に大きな傷痕
(シルファ 白銀の長髪 烈しさを持つ金の瞳 透き通るように白い肌)     
【服装】真冬 季節のかかわらず 黒いコートと帽子 下には吹雪を防ぐ白のスーツ)
    シルファ 蒼のローブを纏い アクセサリーを多く付けている。 
武器『白銀の杖』
【性格】悲観的 冷たい 
【趣味】紅茶 映画鑑賞(悲劇)
【望むプレイ】陵辱
【能力】戦闘時には真冬の体は眠りに就き体に封印されたシルファの体を使って闘う。
    真冬:戦闘時”本体”の体を守るためと戦闘後のダメージを直すため
       中級程度の治癒能力・結界能力を持つ。
       結界能力はシルファの吹雪に耐え、また敵から真冬本体を守るためのもので
       シルファが出現すると同時に発動する。一度壊れたら再発動まで数秒かかる
       
       戦闘能力は皆無。
  シルファ:吹雪を自在に操り、周囲全てを凍てつかせる。
       その範囲は真冬の結界能力の上限から、数十メートル。
       高度な氷の魔法と杖術を得意としている。
【男性経験】数回
【弱点】炎:ただし中級以上の炎の攻撃でなければ効果は薄い。
    最大の弱点は真冬の体。真冬の体への攻撃はそのままシルファへの攻撃になる。
    同じ箇所を同時に責めると倍以上のダメージになってしまう。
このため耐久力は並みの女程度しかない。
    
【NG】スカ等(死亡ならリセットで・・・)
【その他】
真冬の父がリーダーだった北の強力な退魔師達が、当時猛威を奮っていたシルファを退治しに向かうが
全く歯が立たず全滅してしまう。
シルファは同行していた真冬を殺害し食らうが退魔師達が最後の策として真冬の体にしかけた罠にはまった。
即ち真冬の心臓を食らったが最後その妖魔は真冬の体に封印されてしまう、娘の体を使う非情な策だった。

目が覚めると自らの体に残る傷痕と父達の死体を見て呆然とするも束の間、
真冬の体ごとシルファを葬ろうとした退魔師の増援から攻撃されてしまうが
反撃しようと意識した途端自らがシルファになり、一瞬で退魔師を凍りつかせてしまい愕然とする。
以後退魔師に追われ続けその中でこんな体にした父をはじめ退魔師、人を憎むようになる。



921神事 真冬 ◆vSpZPPUI7M
【落ちますね】