【はい、了解しました。それでは、適当に書き出しますね?】
―――深夜のセンター街。
いつも通り、私は妖魔の気配を察知してこの場までやって来た。
神出鬼没。まさにその言葉の通り、彼等が何処から来て、そして何処に行くのか
その検討は皆目つかない。
だが―――それらを討つことには迷いはない。
少なくとも、弱者に害を齎すモノであるなら。
もう、彼女のような想いをさせる人間を作ってはならない、そう誓いながら―――
「来なさい―――、闇烏」
これで何度目であろうか。こうして私の相棒を呼び出すのは。
何度目でも構いはしない。目的はただ一つ…この街から彼らを追い払うこと。
「行きますッ!」
駆け出す。襲い掛かってくるのは獣ともヒトとも、そして悪魔とも見分けのつかないような化け物。
その爪を弾き返し、その隙を狙って彼らの身体を斬り捨てる。
―――その作業を何度か繰り返したのち、一風変わったいでたちの女性を見つけた。
壁|・)<…果たして今日が優希タンの初の開通記念日になるのかな…?それともif?
>768
【入れる場所はひとつとは限りませんよね? …なんだか自己嫌悪ですがorz】
>>767 深夜。草木も眠る丑三つ時。
古来より逢魔が時と同じく、この時間こそは妖魔の時間。
故に、人は闇に恐怖する。
だが――――その闇を討ち払うものも、常に存在してきた。
澄んだ鈴のような音色をさえ響かせるように、艶やかな黒髪が闇を裂く。
長い黒髪に緋袴、これで祓い串でも持っていれば神社にいる巫女そのものだ。
だが、その少女の手にあるのは無骨な長剣と優美な曲線の曲刀。
対峙するは人ならざるモノ――妖魔。
チリチリとした緊張感。
それもそのはず、少女は既に三体の妖魔を斬り伏せている。
「――――どうしました?」
桃色の形良い唇から漏れたのは、嘲弄にも似た挑発の言葉。
それを皮切りにしたように、異形のモノが少女に飛びかかる。
その刹那。
少女の瞳に、人影が映った。一瞬の隙、一瞬の空白。
気付いたときには、既に間に合わなかった。
>>770 場所が場所でなければ、見惚れていたところだろう。
大和撫子―――、その言葉を辞書で引けば彼女の名前が出てくるのではないだろうか。
そんな彼女が踊る剣舞は、古典舞踊に見劣りしない美しさを持っていた。
決して役者が観客の視線を気にしないように、彼女は淡々と剣を躍らせていた。
「あっ―――!!」
見惚れていたのが原因か。
私は周りの気配に気付くことができなかった。
―――飛び掛る化生たち。
―――襲われる。
脚を踏み出そうとしたその時は、もう既に爪が降り注いでいた―――。
>>771 「くっ!」
自分の身、そして人影の身に妖魔の鋭い爪が降り注ぐ。
間に合わない、だが――諦めるわけにはいかなかった。
人を守る、それが彼女の誓いだったから。
「はぁっ!!」
身体をよじりながら、鋭い呼気と共に左手の曲刀を投擲する。
気の力を纏ったそれは、常ならぬ軌道を描いて人影に襲いかかる妖魔の腕のみを切り飛ばした。
これで最悪の自体は避けられるだろう。
だが。
ずぶっ、ざくっ。
柔らかいものを貫き切り裂く音。
少女の――――八雲天音の脇腹を妖魔の爪が裂いた音だ。
激痛に意識が寸断されそうになるが、それを押し止め、その妖魔の首を薙ぐ。
続いて第二陣の妖魔、その機先を制して刺突。
突き刺さった長剣を無理には抜かず、そのまま逆に押し込み、貫き通す。
先程までの華麗な剣舞とは違う、凄惨な血風の舞。
だが、これも八雲天音だ。
>>772 その一連の動きに私は圧倒されるしかなかった。
まるで獣のように妖魔たちの身体を切り裂く彼女の技は―――
嵐そのものだった。
飛んで火に入る夏の虫、というが、そんな生易しいものではない。
狂乱する彼女の刃は無惨にも妖魔を八つ裂きにし、血の雨を降らせる。
だが、私もぼうっとしているわけにはいかなかった。
あれだけ凄まじい戦いをしているとはいえ、彼女も私のせいで怪我をしてしまったのだ。
このまま、佇んでいるわけにはいかない。
「魔力を集中―――。私が正しいと思うなら―――力を貸しなさいッ!」
パキパキと音を立てて氷結していく氷の剣を手に、私は妖魔の波のなかへ無理やり押し入った。
視界を妨げるものは叩き斬り、薙ぎ払う。
剣に込めた魔力が、彼等の傷口を凍らせて布に水を垂らしたシミのように広がり、完全に凍結させていく。
お世辞にも華麗な剣捌き、とはいえないが、彼らを追い払うのであれば、これだけで十二分。
「闇烏ッ!!」
彼らに出来たその隙を狙って、私は身体を捻り氷の大剣を振りかぶる。
ぐぐっと最大限までに振りかぶると一気にそれを振り払う。
振り払うと同時に氷の嵐が舞い上がり、私に襲いかかろうとしていた辺りの妖魔は吹き飛んでいく。
「大丈夫ですかっ!?」
そこでようやく彼女の元へとたどり着き、声をかける。
(色々な意味で火付け役に割り込んでいいかしら?
ちょっとだけ、味見したいかもw)
>>773 だが、もともと持久力、筋力に劣る女の身体。
血煙の舞は負担が大きすぎた。
息が上がる、腕が重い。
その隙を逃すほど、妖魔は無能ではなかった。
だが、もう一人いたことに気付くには遅かった。
『大丈夫ですかっ!?』
周囲の妖魔を凍らせ斬り伏せ、人影――少女だった――が駆けよる。
「問題、ありません……ですが、少々数が多いですね。
一分だけ、時間を稼いでいただけますか?」
返事も待たず、萎えかけた気力を奮い立たせる。
そして意識と気を集中し、再び曲刀を生成する。
(今のわたくしなら……出来るはず)
右の長剣と左の曲刀。
二刀を交差させ、同調させる。
陽の気と陰の気、相容れぬ気を合一する陰陽の気の器――それこそが、八雲天音の生来持っていた属性。
「――二刀、一刃」
そして、それが、顕現した。
無骨さと優美さを兼ね備えた、人の背丈を軽く超えるような両刃の直刀。
黒く白いその刃が、ぎらりと輝いた。
>774
【マナーがなってませんよ】
【ここはあなたの遊び場ではありません】
【お二人はそのまま続行してください】
>>774 【すみません…流石に今からだと厳しくなりそうですし…】
【また機会があればよろしくお願いしますねっ?】
>>775 「分かりました―――」
再度、自分の相棒の柄を握り締めて頷きを返す。
何か考えがあってのことだろう―――。
ならば、私の役割は決まった。何があっても彼らを彼女の領域に踏み入らせないこと。
スッ―――と、双眸を細めると、妖魔との距離を縮めるために地面を蹴り飛ばす。
いかなる距離もゼロに等しくする縮地や神行法と呼ばれる神業までとは行かないが、
今の状況であれば、この程度で役目は果たせる。
斬―――。
―――それは信念の剣。
いかなる凶爪も叩き割る信念の剣。
私はそれを貫き通す―――それが、彼女との約束だからッ!
「吹きッ……飛べぇぇぇえっ!!」
(失礼しました。では、またいずれ何処かの闇で)
>>774 【すみませんが、今から再構成は難しいです】
【今回はこのまま進めさせていただけますでしょうか】
>>777 すっと腕を天に伸ばす。
長く、太く、大きすぎる刃が天を衝く。
目を閉じ、気息を整える。
凡そどのような流派に於いても、呼吸法は奥義と言える。
それは即ち、天音の剣技は既に達人の域にあることの証左でもある。
「陰陽合一」
白と黒の輝きが増す。
「二刀一刃」
刃が横に寝る。
「伏せて、ください――!」
ひとたびの盾となった少女への叫び。
そして――
「――終の型、塵雷!」
刃が、否、白と黒の雷が空を、そして群がる妖魔を横一文字に裂いた。
>>779 言葉にあわせて、飛び伏せる―――。
同時に世界が白と黒に点滅するのを微かに感じた。
…………。
その一撃で全てが終わったことを沈黙が示していた。
私は用心しながらも、むくりと上半身を起こして辺りを見回す。
予想通り、妖魔の姿は粗方消滅しており、生き残った妖魔たちも恐れをなして逃げ帰ったようだ。
凄まじい。
その一言に尽きる。
今の私では、あそこまでの力を搾り出すことは不可能だろう。
あんな華奢な身体のどこにそこまでの力が込められているのか不思議なぐらいだ。
「……終わり、ましたね…」
元の夜の静けさが戻り、軽く吐息をつく。
この様子では私の加勢もいらなかったか、苦笑を浮かべながら再度彼女に振り向いた。
「私の名は、佐々木優希。
故あって、こうして妖魔を退けているものですが…助かりました。ありがとうございました」
にこりと笑って彼女に頭を下げた。
>>780 「はぁっ、はぁっ……」
狗倒流最大の奥義、終の型。
それを陰陽二刀を一刃と為した状態で放ったのだ。
威力はもちろん、疲労も異常なほどに大きい。
その証拠に、天音は膝から力が抜け、座り込んでいる。
『私の名は、佐々木優希。
故あって、こうして妖魔を退けているものですが…助かりました。ありがとうございました』
優希の挨拶にも立って礼を尽くすことも出来ない。
「い、いえ。こちらこそ助かりました。
ご挨拶をきちんとすべきところをこのようなだらしのない格好ですみません。
わたくしは八雲天音と申します。
天洸院・斬鬼の一刃です」
なんとか微笑みを作り、会釈する。
――だが、既に反動が現れだしていた。
>>781 「あっ…すみません、気が利かなくて…」
座り込んでしまった彼女を見て慌てて腰を下ろす。
あれだけの大技を放ったのだ。体力を消耗して当然だ。
これで平然と立っていられるのはそれこそ人外のモノだけだろう。
「天音さん…ですね…って、天洸院?」
天洸院―――、あまり私とは相性の良くのない組織だ。
いや、詳しく言えば、組織の人間との相性、だろうか。
御影さんに重藤さん……正直に言えばいい思い出はない。
そっと溜息をつくと、彼女の顔を覗き込んだ。
「…あの、大丈夫ですか? かなりお疲れのようですけど…」
【すみません、少し用事で30分ほど落ちてきます。】
>>782 「いえ、お気遣いなく」
まるで自分は大丈夫だというように微笑む。
だが、その微笑みには心なしか力がない。
「はい、天洸院ですが……何か?」
きょとんと。
日本の退魔組織では名の知れた方だから知っているそのことに疑問はない。
だが、その言葉へのニュアンスが気になる。
いぶかしげにしていると、優希が顔を覗き込んできた。
近付く二人の顔。
(あ……)
疲れ切った身体を熱く猛々しい衝動が駆け抜ける。
抑えようにも抑えられない、忌まわしく淫らな業。
「だ、大丈夫です。ですから、佐々木様は、早く……お帰りになられた、方が……」
息が乱れる。
頬が赤く染まるのが、わかる。
【はい、いってらっしゃいませ】
>>783 『お気遣いなく』
そういう彼女の表情はやはり力がない。
当然だろう。繰り返すようだが、あれだけの力を放出したのだから。
こうして大丈夫だというのも、こちらを心配させまいとしてのことだろう。
「ええ、いえ、ちょっと……天洸院に知り合いの方がいますので」
視線を逸らしながらそう答える。
きっと今の私の顔は苦々しいものになっているはずだ。
方や宿敵、方やナンパ師。
前者は少しは柔らかくなったとはいえぶっきら棒で失礼な態度であるのは変わらず。
後者はこともあろうにか、(頬に、だが)キスをくれた怨敵。
……顔を思い出すだけで溜息をつく思いに駆られてしまう。
閑話休題。
やはり彼女の顔色は思わしくない。
結果的には私が足を引っ張ったことになるのだ。
―――このまま放っておくわけにはいかない。
「どこが大丈夫なんですか? まったく、どうして天洸院には頑固なのが多いんだか…」
私は彼女の肩を担ぐと、適当に座れそうな場所を探し出してそこに移動させた。
【ただ今戻りましたーノシ】
>>784 「天洸院に知り合い、ですか」
それも、あまりいい知り合いではないようだ。
そのことを、視線を逸らす優希の表情から読み取る。
脳裏に浮かぶ「そういう」問題児は……二人。
何やら安心したような呆れたような溜息が漏れる。
そうしていると、突然、肩を担がれた。
「え……? ちょ、ちょっと、佐々木様……?」
最初に思ったのは、この火照った身体のことが気付かれないかどうかだった。
【おかえりなさいませ】
>>785 「まったく―――、無茶ばかりして……」
嘆息する。
疲労しているのに大丈夫というのは、よほどの意地っ張りか。
頬は赤らんでおり、息も荒い。熱でも出てしまったのだろうか?
「私だって、他人が疲労しているのを見逃すほど鈍感じゃありませんよ?
兎も角、今は休んでください。なんだか顔も赤らんでますし…熱があるんじゃないんですか?」
彼女の前髪を掻き分けて、額に手を押し宛てる。
…やっぱり。微かではあるが、少しばかり顔が火照っているみたいだ。
しかし、それにしても―――。
なんというか…今の彼女は妖艶だ。
女の私からしても、そう思わせるほど彼女の表情は魅力があふれているような気がする。
気まずくなり、思わず顔をそらした。
「す、少し、休んだら途中まで送って差し上げますから。
―――妖魔がまだ潜んでいるかもしれませんしね?」
>>786 「む、無茶と言うことは――ありませんから。
だ、大丈夫ですから、離れてくだ……さい」
衝動が抑えきれない。
確かにその衝動も己の裡であると認識することで御すことが出来た。
だが、だからと言って消えるものではない。
むしろ、認めてしまったことで強くなってさえいる気がする。
(だけど、耐えなければ……)
だが。
その思いは、無惨にも砕け散った。
(あ、佐々木様の、手……冷たくて、心地良くて……)
額に当てられた、手。
ただそれだけで、限界水位を超えかけていた心は決壊した。
瞳が潤む。息が荒くなる。
そっとその手に手を重ねると――頬に当てて頬擦りした。
>>787 「む…でも、大丈夫には見えませんが……」
とりあえず彼女を座らせて表情を窺う。
やはり、頬は紅潮しており、息も荒くなるばかりだ。
苦悶の表情はさらに深みを増していく。…ここまでいくと、心配ばかりが募る。
「本当に大丈夫なんですか…?
あ、そうだ…氷嚢でも作りましょうか? 幸い、私氷の魔術なら少しばかり使えます…し?」
と、少しだけ彼女の様子がおかしいことに気付く。
私の手は彼女に取られ自分の頬に当てて、頬ずりされていた。
こんな美人にされるのは満更でもないけれど―――、一体どうしたというのだろう?
>>788 「氷嚢、なんかより……わたくしは、佐々木様の、身体が……欲しい」
頬擦りしていた手を取り、口付ける。
冷たくて、暖かくて、心地良い手。
その感覚にうっとりと酔いしれる。
「佐々木、様ぁ……」
だが、それで治まるわけもない。
優希の肩に手を伸ばし、抱き寄せる。
「もっと、いいことを……しましょう?」
>>789 「へっ―――…?」
おそらく、その時の私の表情は間の抜けたものだっただろう。
天音さんの熱にうなされたような甘ったるい声に、戸惑いは隠せない。
私が男であれば迷いなく押し倒してしまうところだっただろう。
とはいえ、その声と表情に興奮しないわけではない。
かろうじて理性は保っているが、これ以上何かされたりしたら―――。
「あ、あのっ、ど、どうされたんですかっ?
あの時、毒でも受けたんですか…って、あっ…」
あれこれ考えているうちに彼女に身体を抱き寄せられてしまう。
衣服の上からとはいえ、彼女の柔らかな身体に私の心臓の鼓動は早くなってしまう。
「い、いいことって…その…もしかして……」
情けないぐらいに私はうろたえて、まともに言葉を口にすることすら出来なかった。
>>790 「毒……? ふふ、違います。
ただ、佐々木様が、優希が、欲しい……だけ」
身体をすり寄せ、耳元で囁く。
上気した身体が優希のひんやりとした身体と重なる、その感覚が心地いい。
「もしかしなくても……そういう、コトです」
そっと手を優希の胸に伸ばし、触れる。
「ね……いいでしょう?」
>>791 「な…で、でも、私…天音さんみたいに綺麗じゃありませんし…。
そ、その、こんなところ、誰かに見られでもしたら―――」
彼女の声と柔らかい身体に、私の心と頭は蕩けそうになる。
少しでも気を許してしまえば全て押し流されてしまいそうな―――。
そして、彼女の身体が密着して、あらぬ想像をしてしまう。
「ひゃっ―――、やっ…天音さ…んっ…!!」
服の上からとはいえ、胸を触れられて身体は緊張する。
耳元からは彼女の甘い囁き―――。ああ、ダメだ…。
私の心は抵抗を止め、そして、小さく頷いてしまう。
「は、…い……お願い、します…」
>>792 「見られたら……恥ずかしいですね。
でも、それでもしたい……」
最早淫欲に抗えず、支配されてしまった天音。
伝染するかのようにその淫欲の気は優希をも絡めとってしまった。
「ああ、優希……」
まるで愛おしい相手の名前を呼ぶように、熱の篭もった囁きと共に、唇を頬に押し当てる。
胸に当てた手は休むこともなく動き続ける。
「……キス、の前に……」
ひとしきり頬と胸の感触を楽しんだあと、身体を離す。
疲れ切ったままの身体は立ち上がることも許さないが、座り込んだまま、緋袴の紐を解き下ろす。
「わたくしは、このような異形ですが……それでも、宜しいですか?」
そういった天音の股間には、屹立する男性器があった。
>>793 「天音、さん……」
彼女の声に私の身体は緊張してしまう。
それでも彼女の声に応えて、彼女に頬を口付けられる。
別にこのような症状を見たのは初めてではない。
彼女の身体に掛かった呪いは結界を作るほどのもので、それとはまた違うのだが―――
ほぅ、と息を漏らす。
彼女の胸の愛撫は心地よく、そのまま身を任せてしまいそうなほどであった。
―――と、突如愛撫は止められて、気になり視線を向けると彼女は秘密を曝け出した。
本来存在しない、欲望の象徴である男性器。
驚きはしたものの、それが醜いとは思わなかった。
むしろ、均整取れた彼女の身体に合わせてソレすらも美しく思えた。
「…ええ。私だって、ここまでさせられて、断れるほど鈍感じゃないですから」
苦笑を漏らして、頷きを返す。
そして、四つん這いになり、彼女の股の間へと割って入った。
そっと指で輪をつくり、彼女の肉棒へと嵌める。
「凄い……、もう、こんなになってるんですね…」
>>794 「優希……」
言葉に詰まる。
この醜い欲望の塊を受け入れてくれたのは、彼に次いで二人目だ。
「あっ……だって、優希があまりにも可愛い、から……」
指で作られた輪を宛がわれ、びくん、と身体が震える。
そして、さらに硬さを増していく。
「……優希、じらさないで……」
半ば、懇願にも似た言葉。
潤んだ瞳と口の端から一筋垂れた唾液が心の戦慄きを伝える。
>>795 「…気にしないで下さい。コレも何かの縁です」
輪を作った指で彼女の肉棒を扱き出す。
私の手の中で彼女のものが一段硬くなっていくことで、
わたし自身、一種の独占欲と嬉しさがこみあげてくる。
私の指で感じてくれている―――、そう考えるだけでこの人にしてあげたいと思えてくる。
「嬉しい……可愛いって言ってくれるなんて…。
天音さん、どうして欲しいんですか? 私…頑張りますから…」
彼女の口から聞きたい。
私がしていることは正しいのだと、肯定して欲しい―――。
でなければ、私は恥ずかしさで死んでしまいそうだから。
「んっ……ちゅっ……」
彼女の口の端から零れる唾液を啜りとりながら、
輪を動かす手の動きは緩めない。びくびくと震える彼女の肉棒の温かみを手で感じながら
さらに、扱きあげる手の動きの速度を早くしていく。
>>796 「あ、本当に、可愛い、からぁ……」
身体が震える、言葉が震える。
優希の手が肉棒を、優希の言葉が心を蕩かしていくかのように。
「どう、して……欲しい?
あ、ああっ。優希の、中に、挿れたい、挿れて、射精したいっっ!」
恥ずかしげもなく、言い放つ。
その自分の言葉に、男性器に隠れて見えない女性器から、とろりと淫汁が漏れる。
「あっ、ああっ、優希、優希っ!
焦らさないで、お願い、したいのしたいのぉっっ!」
まるで犬のように舌を出してはぁはぁと息を荒げる天音。
その瞳からは淫欲以外のものが消え去っていた。
>>797 「天音さん……」
純粋に嬉しかった。
出会ってすぐにこういう展開になるとは思いもしなかったけれど
こうして自分を曝け出してくれる、それだけで嬉しさがこみ上げてくるのだった。
―――たとえ、それが淫らな願いだったとしても。
「でも…さすがにこちらは…」
躊躇う。彼女ならばいいかもしれない―――。
そう考えたがやはり、こういうことはきちんとした形でして欲しいものだ。
たとえ彼女であろうと、それ以外の人間だろうと。
「そ、その代わり―――、こちらなら、いい、ですから…」
するっ―――と、スパッツとショーツを脱ぎスカートもストンと地面に落とす。
彼女の淫らな姿に私も興奮しているのか秘所は愛液でぬるぬるになっていた。
そして、彼女と向かい合わせになるように腰を屈めて、お尻をくねらせて彼女の肉棒の先へと擦り付ける。
普段ならあまりの恥ずかしさに倒れてしまいそうだが、彼女の淫らさに影響されてしまったようだ。
>>798 「ダメ、なんですか……?」
声が、震える。
身体が、震える。
心が、震える。
やはり、彼女も受け入れてはくれないのだろうか。
今まで幾度となく感じた恐怖が再び鎌首をもたげる。
だが。
『そ、その代わり―――、こちらなら、いい、ですから…』
優希の言葉にほっとすると同時に、驚愕も、する。
「え、そ、そこは不浄の……」
穴、と言いかけて、そこに目が留まる。
確かに不浄の場所のはず、だ。
だが、漏れ出た愛液に濡れたそこは、到底そうは見えないほどぬめぬめと淫らに輝いていた。
まるで食虫花のような、歪んだ、だが確かな美しさがそこにあった
そして、肉棒に絡みつきそうなほど白く柔らかな臀部が擦りつけられ……天音の理性は消滅した。
「優希……っ!」
優希の腰を抱き、そのすぼまりに肉棒を埋める。
脳天を駆け抜けるような快楽が走り、つ、と唾液がだらしなく垂れた。
>>799 本当ならば彼女に捧げてしまってもいいのかもしれない、とも思う。
けれど、そうするにはまだ私たちの間には繋がりがない。
流石に自分から言うのは恥ずかしかったが―――、こちらで我慢してもらうしかない。
「い、言わないで下さいっ! わ、私だって恥ずかしいんですからっ!」
顔を真っ赤にして抗議する。
「すみません…。その、私、挿入れられるの…初めてなんで…。
心の準備が出来てなくて…だからこちらで…お願いします…」
本来、性交としては使われない排泄のためのもの。
けれど、このまま彼女を手放したら消えてしまいそうで怖かったから。
両性具有。
あまりに稀なその特性を持った人間は極少数だろう。
特別ということは時として「普通」から疎外されてしまう。
そうでなくても、彼女は彼女なりの悩みを持ってその身体と付き合っているのだろう。
私で、どれだけの慰みになるかは分からないけれど―――彼女のためにしてあげたい。
その気持ちが抑えきれなかったのだ。……もちろん、自分自身も我慢できなくなったというのもあるが。
「天音さん……ひっ…ぁあああっ!!」
肉が肉を割って侵入してくるその感覚に、私の頭のなかは一瞬空白になった。
痛みが走るが、それ以上に気分の高揚によって、私は嬌声とも悲鳴とも取れる鳴き声をあげていた。
ずるずると侵入してくるそれ。快感と痛みが一度に襲ってきて、口元から垂れる涎も気にすることができない。
「天音…さんのが…入ってきてる…ッ! ふぁ、んっ…くぅううっ! ぞくぞく…しますぅっ…!!」
>>800 「ご、ごめんなさい……」
優希の抗議に申し訳なさそうに表情を曇らせる。
だが、その表情は緩んだままだ。
(照れる優希も……あぁ、可愛いっ)
「は、はい、じゃあ、こちらで……」
だが、そこまでだった。
優希の菊穴に吸い寄せられ、見せられた天音は理性をなくした獣のように優希の菊穴を貫いた。
「ああ、優希、優希っ!」
相手のことなど考えない、ただがむしゃらな抽送。
自らの快楽のみを追いかけるような乱暴なそれは、あるいは天音の本性そのものかも知れなかった。
>>801 「はぁ…、はぁ…! ひっ…ぁああっ!!
天ッ…音さんっ…! 凄く激しいぃっ…ですっ…ふぁぁぁあん!!」
あまりにも激しい獣の性交。ただ彼女の肉棒に翻弄されるだけだった。
それでも、それを受け入れるかのように私の菊穴は窄まり彼女の蛇を締め上げる。
強烈な刺激がお尻から広がっていくのを感じながら、私はただ彼女の身体にしがみ付く。
「お尻…っ、こ、壊れちゃうっ…! 天音さぁ…んッ!
お尻ぃっ…が、ふぁっ…ヘンになるぅぅっ…! おかしくなっちゃいますっ…ぁああっ!」
もう我慢ができないと言わんばかりに、自分から徐々に腰を動かしていく。
最初はタイミングが合わなかったものの、次第にうまく噛みあい、肉棒はさらに奥へと打ち付けられる。
「あっ、あっ…ふぁ、んぁぅ! も、もう、だめぇぇ…ふぁっ!
わ、わたしっ、もうイキそう…ふぁ…天音さ…天音さぁぁぁんっ!!」
>>802 「ご、ごめん、なさい、でも……止まらない、のっ!」
肉の軋むような音が、だんだんと水音に紛れていく。
そして、優希の声も痛みを含んだものから、愉悦だけのものへと。
そして絡みつく腸壁と振り解き突き進む肉棒。
その二つの動きがだんだんと重なり合っていく。
同時に二人の快楽のボルテージも絡み合い重なり合い高まっていく。
「わ、わたくし、わたくしもぉっ!イク、イクゥッ!
射精、射精しちゃう、精液出ちゃうぅっっ! 優希、優希ぃぃぃぃっ!」
肉棒が、腰が、全身が震える。
放出を控えた快楽、放出を待つ一瞬の空白。そして……放出。
「あ、ああああぁっ、イクイクイックゥゥゥッ!!」
濃く粘つく精液が優希の腸内に溢れ出す。
どくどくと止め処なく、まるで優希の中を蹂躙し染め上げるかのように精液は注ぎ続けられた。
>>803 「ふぁっ…ぁ、ぁああああっ!! ら、だめぇ…っ!
もうっ、イクぅっ…イクイクッ…イッちゃぅうううっ!! んゃあああっ!」
ここが野外だというのに、嬌声は止めることはできなかった。
あまりにも淫らで、あまりにも強烈な刺激に、私の頭は白くなりとうとう絶頂を迎える。
その瞬間四肢を突っ張らせながら、ドクドクと注ぎこまれる白濁液を注ぎ込まれた。
「あつぃ…あちゅい…ぁ、ふぁぁ……。
天音さんの真っ白の精液ぃ……、おしりにぃ、は、入って来てるのぉ…」
とめどめもなく注ぎ込まれる精液の熱さに、自身も蕩けさせられてしまったかのように
私の声は、恥ずかしいほどに甘く蕩けて切ってしまっていた。
>>804 「ひ、は……っ。優希の中がぁ、熱くて、締めつけてくるからぁっ」
最初の迸りのあとまだ続く射精の絶頂の中で天音は言い訳じみた言葉を発しながら腰を振る。
それでもなお止まらぬ精が優希の腸内を、そして言葉をも蕩かしていく。
「あ、ふぅっ、優希ぃ」
まるで噛みつくように唇を奪い、啜り、しゃぶりあげる。
そのたびに肉棒は精を吐き出し、二人の官能を冷ましてはくれない。
それでも、ようやくに。
激情の嵐は過ぎ去り、心地良い倦怠感に二人は抱き合っていた。
「優希……ごめんなさい、こんな、無理矢理にしちゃって」
>>805 「ひゃっ…!? い、今イッたばかりなのに…ぃっ!
ほ、本当に、壊れちゃいます…よっ…ぁあっ!」
その後も、何度も肉同士を打ちつけあいながら、交わっていく。
深夜の淫らな交わり―――、それがとても心地よかった。
今度は喘ぎ声を抑えることもなく、ただお互いを貪りあう。
「ふぁ…んっ、ふぁ……天音さ、ん…」
舌を絡ませ、お互いの唾液を交換し、唇も口腔も全て蕩けさせていく。
多くの精液をお尻の中で受け取り、それに赤面するもそれを続けて。
そんな甘く濃い時間を過ごした後、改めて私は彼女の顔をみつめてすぐに顔を逸らした。
「そりゃあ、ちょっとは驚きましたけど…その…
わ、私も、気持ち…よかったから……お、お互い様ですっ!」
>>806 「お互い様……ありがとう、佐々木さ……んっ……」
言葉が続かない。
ただ、涙が出た。
ゆっくりと優希の菊穴から肉棒を抜いていく。
幾度もの荒淫を経た肉棒はてらてらと輝いていた。
少し頬を赤らめながら袴を直し、肉棒をしまう。
「ゆ……佐々木、さん。そろそろ家路についた方がいいのではないでしょうか」
まだ赤い頬を手で隠すようにしながら、天音は優希に声を掛けた。
>>807 「……気にしないで下さい。私は貴女を美しいと思いますよ?
それに―――貴女は凄く素直です。自分を誰かに打ち明けるなんて到底出来ませんよ」
だから、私は身体を明け渡したんです、と付け加えて。
もちろん、素直というのは嘘だ。彼女があの身体について曝け出してくれたのは
高まった性欲のため。決して彼女が曝け出そうとして、したものではない。
けれど―――、その根っこに当たる部分は、凄く純粋なものではないだろうか。
それは言葉には出来ないけれど、真っ直ぐで、真摯で。
「え…ああ、そうですね。ですけど―――」
そっと彼女の頬に唇を寄せた。
最初に彼女がそうしてくれたように―――。
「辛くなったら、いつでも私に言って下さい。
愚痴でも何でも聞きますから…そ、その…えっちなことも…しますから…」
誰かに頼ってもいいんだよ?
ふと、そんな言葉を思い出した。
誰かが言った懐かしい言葉。きっと、それは私だけでなく、彼女にも必要な言葉なのだろう。
>>808 涙が、出た。
悲しみでも恐怖でもなく、喜びで。
「ゆ、優希ぃぃっっ」
ただ、縋り付いて泣いていた。
涙が枯れるまで。
そう、朝日が昇るまで。
【こちらはこのような締めで】
【エッチなのにいい話で締めようとしてみますw】
>>809 私はただ何も言わず彼女の頭を撫でた。
彼女の全てが分かるとは言わない。
けれど、彼女も他人にはいえない辛いことを経験してきたのだろう。
大人びた印象を受けた彼女が、何も気にせず泣くほどだ。
今まで積もったものが堰を切ったのだろう。
「これでいいんだよね―――」
迷いながらも私たちは前に進むしかない。
ならば、思いっきり悩むだけ悩もう。そして、誰かの力を借りよう。
一人で悩みを断ち切って生きるだけが人生ではない。
きっと、あのコなら、そういうだろう―――。
私は亡くなった彼女のことを思い出しながら、彼女の身体を抱きしめ続けた。
【はい、長時間お疲れ様でしたッ!】
【また機会があればよろしくお願いします…では〜ノシ】