貴様が静かにしろぉぉぉっ!!
(優希が目に付いたのか、叫び声を上げる)
こいつらは俺が全部倒す、殺す!
(そう吠える様な獣の声で『何か』に飛びかかり、腕を掴み鮮血を散らしながら引き千切る)
俺の生路を狭むモノ、拒むモノは全てかたつげる!
全てを!全てをををおおを!!
(『何か』の腕が体に絡みつきながらも狂ったように笑い吠える)
(その瞳の光は『遠矢』の輝きではなく、猟者のものだった)
【では凍結して頂けませんか?】
【駄目でしたらこちらで何とか収集つけますんで…】
【それじゃあその方向で】
【解凍はいつにします? 出来るだけ速い方がいいんですが…】
【ありがとうございます】
【こっちは大丈夫なのでそちらの都合に併せます】
【日時をご自由にどうぞ〜】
【それでは明日の夕方頃からどうですか?】
【明日五日水曜日の五,六時頃ですね】
【では、レスが着ける先に待機はどうでしょう?】
【あい、分かりました。それではまた明日の6時頃に待機してみます】
【ただし、独占になってはいけないので、どなたかお使いでしたら翌日に回させてください】
【了解しました。ではそれでお願いしますね。】
【今日はお付き合いありがとうございました。また明日六時に会いましょう…ノシ】
【はい、申し訳ありません…あらかじめ終了時間を告げておけばよかったですね】
【それではお疲れ様でしたノシ】
【さて、待機させていただきますねー】
>840
明日「五日水曜日」の五,六時頃ですね
とありますが。
【こんにちは、早速再開したい所ですが夕飯の時間で…orz
六時半には復帰出来ますので、暫くお待ちください】
【それと、
>>836のこっちのレスで終わってますから、先に続きを書いて頂けたら嬉しいです】
【
>>845都合がとれたのでしょう。こっちは構いませんけど】
【では、六時半には戻ります。しばしお待ちを…ノシ】
>847
みたいですね。静観させていただきますです、失礼しました。
>845
【たぶん話の流れだと朝山さんの書きミスだと思います…】
>846
【はい、分かりました】
>836
………セイッ!!
(最後の一振りで粗方の「それ」を退ける)
……はぁ、はぁ……。かなり体力を消耗してしまいましたね。
それにしても―――……。
(ちらりと、荒れ狂う遠矢の姿を見て頭を振る)
……正気を失ってしまいましたか。
正直私だけであれを止めることができるとは思えませんが…
このまま放っておいていたら、周りへの被害も考えないといけなくなりますし……やるだけやってみましょう。
(軽く息を吐くと、剣を握り締め用心深く暴れている遠矢へと近づいていく)
>848
【……ごめんなさいorz 余計な指摘でしたね】
【さらにゴメンナサイorz こちらも急用で七時半まで離れます。
それまでには戻ってこれると思いますので…ご迷惑をお掛けします】
【復帰です。では続きを…】
ぐっ………
こいつは…そうするのかよ…
(ギリギリと『何か』の腕が彼の腕を捕え、引き千切らんばかりに押さえ付ける)
(だが彼は手首を回し、『何か』の腕を掴む)
ぶっ叩いてやるよ!このタコモドキ!
(叫ぶような雄叫びを上げて腕を掲げ、『何か』を持ち上げる)
(そして腕を降り下ろし、一気に『何か』を地面に叩き付ける)
けっ、手間かけさせて
(そう吐き捨てるように言い、『何か』の腕を離す。
『何か』の球体部は醜くひしゃげ、赤い目は虚ろに点滅するだけだった)
(六体の『何か』達は、二人の猛攻で腕を失ったもの、球体部を壊された者と
様々であり、目は点滅を続けているがどれれも弱々しく、再び起きる気配は無い)
で、何してんだ女?
まさか俺を狩るつもりか?
(不意に優希のいる方に向き、良しとは思えぬ笑みを浮かべて彼女に話しかける)
【
>>851あらら、リロミス('A`)】
【分かりました。お待ちしています】
さあ、どうしましょう?
(ふっと口元を綻ばせて、肩を竦ませながら一歩前に踏み進んで)
貴方がこのまま大人しくしているのであれば、私と敵対することはないでしょうし。
貴方と敵対する場合には―――そう、誰かを襲うときでしょう。
で、質問させていただきます。
あなたは一体、誰なんですか?
少なくとも……先ほどまでの朝月さんではありませんね?
【ただ今戻りました。……まあまた後で夕食落ちしますけど】
【字……間違えちゃいました、ゴメンナサイ…】
誰かを襲うとき、か
(優希の己を怖れぬ一歩を見て、フンと息をつく)
俺か?
何言ってんだよ、俺は俺
朝山遠矢本人だ
姿形は違うとも、俺は朝山遠矢、違うか?
(眉をひそめ、キッと目を細めて彼女に睨みつける)
それともお前は、さっきのままの俺で大人しく死んでろって言いたいのかよ
俺がこうなのだから朝山遠矢ではないと、そう言いたいのか!?
(独り言をわめき散らすような物言いで一歩踏み、彼女に息が掛るぐらいの至近距離で彼女を見る)
(―――二人は、壊れた『何か』達が、うごめいているにも気付かず……)
【
>>885こちらも遅れてしまいました…;】
そうですか?
―――…その割には私にも敵意を向けていたようですけど?
(物怖じせず、真っ直ぐ睨み返して)
少なくとも、前の朝山さんであれば、
あなたのように子どもみたく暴れたりはしないでしょうね。
(ふぅ、と軽くため息を吐くとやれやれと頭を振って)
ま…本人がそういうのであればそうなのでしょう。
私はその言葉を信じることにします。
…どちらにしろ、私には真偽を判断することは出来ませんから。
…………。
(一瞬ざらついた感覚を受けてあたりを見渡してみる)
【すみません、それでは夕食落ちしてきます】
それはあながち間違いでは無いかもな
自分以外は敵と思うとも間違いではないだろう
(返される睨みに対しても、彼女を小馬鹿にするように笑う)
前の俺………
(呆れたような彼女の仕草に、笑っていた顔を冷たく凍りつかせる)
……ああ、そうだ…本人の本性の一角が、俺自身だ
俺の生を認めぬ者は全て俺の敵だ
俺の生を認めぬ者は全て、跡形も無く殺す
俺を辱めた者を陵辱しつくす
そして………
(男は不気味な程静かに言いながら、呪うような瞳で彼女を見て、剛腕で彼女の首を掴んだ)
俺を俺だと認めない…奴らも、貴様も認めない…!!
(そのままギリギリと彼女の首をへし折らんばかりに握り締め、高く掲げる)
見ろ…これが朝山遠矢という真実だ…!
自分に害なす者、俺を不愉快にさせる者全て敵にする、それが俺だ!朝山遠矢だ!
(怒りに満ちた言葉をぶつける様に、顔を挙げて鬼のような形相で彼女を睨みつける)
(一方、『何か』達は一ヶ所に集い、
装甲からグロテクスな触菅が破りでて、
互いを絡み付かせながら肉と鉄が融合する)
(そして『何か』は巨大な一体になり、
六つの赤い目を一斉に、女の首を握り締める男の方に向く)
【
>>857ノシ】
……それって寂しい生き方ですね。……っく…。
(首を掴まれて眉を潜め息苦しそうに息を吐いて)
あなたは……それで満足なんですか?
自分から敵を作って、本当にそれで満足なんですか…っ?
……はぐっ………貴方は、何の努力もしない、ただの餓鬼ですよ…っ!
(顔色が青ざめながらも、言葉を紡ぎ続けて)
貴方のことなんてこれっぽっちも知らないけれど……っ
貴方はただ自分の力に酔いしれているだけ……!
(苦しげに首を掴んでいる遠矢の腕を掴むと、一気に魔力を放ち、遠矢を吹き飛ばす)
(自然と身体は地面に落ち、むせ返る)
ごほっ…ぉぇ……っ……はぁー…はぁー…。
(だらりと垂れた涎を拭いながら立ち上がり)
どんな醜態を晒してでも私は生きてやる…!
貴方みたいな脆弱な心なんかに負けてたまるものですか!!
……!?
(そこで「それ」の様子に気付きさっと距離を取り様子を見る)
【ただ今戻りましたーノシ】
…ああ餓鬼さ……
(首を絞められても尚自分に語りかける彼女の言葉を肯定する)
最初から他人は敵さ
味方を作り、裏切られるならば最初から敵の方がましだ…!
だから俺は寂しい生き方を選択する、努力など無意味な事などしない!!
(握り締める力を強めながらも怒りの牙を向け続ける)
知らなくて当然だ…お前の事を俺は知らないと同じこと…!
俺は俺の力を美酒として酔い続けるだけ……うぉ!?
(自分の腕が振り払われ、魔力に吹き飛ばされる)
………ならば俺はお前を殺す……脆弱な者に、力でお前を殺すぅっ!!
(ぎっ、と体勢を立て直し、立ち上がる
そして腕を振り上げ、彼女に飛び掛ると―――)
………!?
(だが、それ以上足は動かず、腕も動かなくなった)
(同時に手足を圧される感覚が襲うのを感付き、顔を後ろに向ける)
な、貴様らまだ……!
(そこには、六体融合した『何か』があった)
くそ…この野郎……!うあっ!?
(腕を振るい剥ぎ取ろうとするが、敵の触腕は先程より強く、瞬く間に四肢を取られる)
(そして多くの触腕が彼を襲い始める…!)
ぐぁ!…あぁがっ、貴様ら……があっ!!
(触腕が体に叩き付けられる度、肉片が弾け飛ぶ……)
本当に寂しい人。
……そして貴方はとことん馬鹿なのね。
あなたの心がなぜそこまで寂しいのかは分からないけれど……
それでも誰かを信じることを止めてしまえば、貴方は一人ぼっちなのよ?
(ぎゅっ―――と剣を握り締めて)
何かに裏切られたなら、もう一度他の誰かを信じればいいのに。
みんながみんな裏切るような人たちばかりじゃない…!
自分から何かを信じることができなくちゃ、誰からも信じて貰うことができないのに…!
なっ……!
(触腕に押さえつけられる遠矢を見て、唖然とする)
(が、しかしすぐに我に返ると、ぎりっ、と歯を噛みならして)
誰かを見限ることができないなんて……私は甘いのかもしれない。
甘いのかもしれないけれど…、それでも! 目の前で誰かが苦しんでいるのは見たくないのよ!!
(剣を振りかぶりながらその巨体へと突進する)
――――――ぁ、ぁあああああああああっ!!!
(巨大な氷の刃を思い切りその巨体へ叩き降ろし、遠矢の身体から吹き飛ばさせる)
ぐぁ…あ…がっ、あぁ……ぐあぁああ!
(触腕からも刃が浮きだし、彼の体を無惨に斬り込みながら鮮血の桜を散らす)
信じたら…寂しくなる……裏切られたら…悲しくなる……
(至る場所から血を垂れながしながら、追い付かない再生の中で途切れ途切れ言う)
だっ…たら……最初から…寂しいままが…ましだ……
独りの…悲し…みの……方がいいんだ……何も信じない…誰も信じない……!
(口から多量の血を吐き散らしながらも、途切れながら呟くように言う)
(そして優希が、巨大化した『何か』を切り裂き、
斬られた触腕から投げ飛ばされたように地面に転げ落ちる)
体が…寒い……何も見えない……死にたくない……………
(再生能力は遅れ、血の池を広げる)
(その池の中で体を弱々しく震わせながら、瞳から血涙を流していた)
(巨大化した『何か』は優希に斬られ動きがにぶっているが、残りの触腕達は一斉に優希へと襲い掛る…!)
(触腕は刃に変えたもの、銃口を向けるもの様々であった)
ならば、私が貴方の友となりましょう。
ならば、私が貴方の盾となりましょう。
ならば、私が誓いましょう。――――――貴方を裏切らないと!
(銃撃のように容赦なく降り注ぐ触手の攻撃を剣でガードしながら耐え続ける)
『とは言ったものの……、これを一人で捌き切れるかどうか…。
少しでも一撃を与えるチャンスがあれば、残りの力で粉砕できるのですが…』
(一撃で粉砕しなければ、待っているのは自分たちの敗北だ)
(それを避けるためにも、そのチャンスを見定めなければならない
―――それが今までの戦いを通じて学んできたことだった)
耐え切ってみせる……! これぐらいの痛み!… あの子の痛みに比べたらッ!
友に……盾、に………
(微かに耳から聴こえる彼女が、何故か澄んで聞こえていた)
(動くことすらままならない首を動かし、霞かかった目で
雨あられの如く彼女を襲い掛る恐怖の光景を見つめていた)
応え…ないと……応えないと……!
(血の池の中、滑りながら震える腕で立ち上がろうとする)
〔裏切られても?〕
優希さんは…誓ってくれた……
(また子供の声がした)
〔誓いなんて、偽善の絆が〕
俺が…やるさ……俺が応える!
優希に応えるんだぁぁぁ!!
(冷えた声を振り払う様に、血を吐きながら吠えながら立ち上がる)
うああぁぁぁっっっ!!
(自分の真紅に手をぶつけ、傷口を通して血の組織構成に介入する)
(そして瞬く間に彼の血が大狼の姿になり、
巨大化した『何か』に一気に跳躍し牙を立てる)
いっけぇぇぇぇっ!!
(その言葉と共に真紅の狼は『何か』に大顎を向け、
一気に被りついて『何か』の大半をかじり壊す)
(多くの触腕が大狼を襲うが、一部が壊れるだけで狼は爪を、牙をつき立てる)
―――朝山さんッ!
(復帰した遠矢の姿を見て嬉しそうに笑みを溢し)
闇烏―――。
我が友は私の声に応えてくれました。
その絆はたった今出来たばかりのものだけれど……その萌える若芽を守るためにも!
私は、彼の声に応えなきゃならないんです!
(コォォ…と再び剣を巨大な氷の剣へと変貌させていき)
――――――私が、正しいと思うなら、力を貸しなさい!
(バンッと力強く銃弾を弾き返すと、その間を潜り抜けて巨大化した「それ」へと向かって疾走する)
我が力は我が友の願いのために…
我が力は我が友への誓いのために!
……い ぃ っ っ き な さ ぁ ぁ ぁ あ あ いっ!!
や み が ら ぁ ぁ す ッ!!
(咆哮と共に巨大な刃を脳天から真っ直ぐに振り下ろし、叩きつけるッ)
(彼女の雄叫びが虚空に拡がり、
天を突かんばかりの巨大な氷刃が巨大化した『何か』に振りかかる)
グアアアァァオオォォオッッ!!
(真紅の狼が叫ぶと共に爪をかけ、
引き裂いて『何か』の中核らしき巨大融合脳を露にする)
(そしてその巨大融合脳に大狼もろとも氷刃が切り裂き、
一気に氷結して、細々の氷になり散々に白い桜葉を散らす)
や…やりましたね……佐々木、さん……
(彼女に弱い笑みを浮かべ、その場に崩れ落ちる)
『捕獲番号18番、未確認物体を殲滅』
『こちら墓無本部。各個判断で回収に回れ』
『了解』
(通信を切り、監視対象の動向を見つめる)
解せない部分が多すぎるわね…今回は…
(呟き、今までにない監視対象の様子やそれらもろもろに疑問を抱く)
はぁ……はぁ……なんとか、ですね。
……? 朝山さん?
(どさっと音を立てて倒れる遠矢の傍へ駆け寄り)
だ、大丈夫ですか!? しっかりしてください!!
(慌てて彼の身体を抱き起こして、呼びかける)
……命に関わるような大怪我はしてないみたい。
よかった……。私に治癒能力はないけど・・・応急処置ぐらいなら。
(傷口を見ながら、いつも自分用に携帯してある包帯を鞄から取り出して処置していく)
【そろそろ締めにしましょうか?】
…………はぁ…ぁぁ…
(何とか致命的な部分は止血し、生きれるだけの機能は果たしている)
ありがとう……佐々木さん……
(包帯を体に巻かれ、彼女の体温を感じながら意識が落ちていく…)
…こんばんはお嬢さん……
(突如虚空から姿と気配を現し、
紺色のスーツに縁なしのメガネをかけた女性が現れた)
とりあえず、彼を渡してくれないかしら?
こっちの所有物ですから
(気持ちのない笑顔を優希に向ける)
【分かりました。あと2レスで終らせます】
…………。
(優しく微笑んで髪を撫でながら頷いて)
おやすみなさい、朝山さん。
初めまして、でしょうか?
貴方は彼の所属する組織の人間ですね?
(その笑顔を消して、無表情のまま顔を彼女へと向けて)
道具みたいな言い方は止めてもらえますか?
彼は私の友人なんで。友人を侮辱することは私を侮辱することと同じです。
―――それとも、そうだと捉えてもいいのでしょうか?
(一瞬殺気立つが、ここで事を荒立てるのもよくないと理解しているのか)
………ええ、とりあえず彼をお返ししておきます。
ですが……胸糞悪いですね。あなたのところの組織は―――。
なんとなくですが彼を通じて、あなた方の組織の様子ってのは分かったような気がします。
はい、彼の監視者をしています
(彼女の無表情に対しても、まだ笑顔を失わず)
―――そう思って頂けても構いませんよ
彼を養い、保護し所属させているのは我々墓無ですから
(一瞬浮き出た殺気に、表情を凍りつかせ、冷たい顔にする)
貴方がどう思おうとも構いませんよ
我々の方針はそう思われる方向ですから
(彼女の言葉にも冷めた顔と目つきで見つめながら、軽くなった遠矢の体を抱える)
あなた方のような方が人間を守る―――。
とてもじゃありませんが、ぞっとしませんね?
(鼻を鳴らして苦笑を漏らすと、土埃を払いながら立ち上がって踵を返す)
いずれ、あなた方とは何かしらの対峙をするときが来るかもしれませんね。
まあ―――もしかしたら、の話ですけど。
(軽く手をひらひらさせながらそのまま立ち去っていく)
…それでは、私は疲れたのでもう帰りますね。
お休みなさい。 ゆめゆめ、妖魔に喰われなきよう―――。
(それだけ言い残すとその場をあとにした)
【それでは此方はこれで締めますね。どうもお疲れ様でした、おやすみなさいノシ】
必要なのは使われる者ではありません
いかに使われる者を効率よく使い、
何も知らぬ安暖に暮らす人達をいかに知られない様にするかですよ
(彼女の苦笑に答える様に、ブロンドのロングを掻き上げる)
…またいずれ、お会い出来るといいですね
(去り行く少女に嘲りの笑みを向けた)
しかし…今回は本当に不可解な部分が多すぎるわね……
あの機械モドキに18番の動きをにぶらせた弾……
(彼の寝顔の様な顔を見つめながら、怪訝な表情を浮かべる)
どちらにしても、知る必要があるわね
(そう言葉と共に高く跳躍し、空を走るように本部へと向かっていった)
【二日間ありがとうございました。新キャラと進展が出来ました。では…ノシ】
『Bar 黒鴉』 VIPルーム。
ソファに浅く腰掛けながら、彼はある妖魔を待っていた。
待つのは別に苦痛でも何でもない。
この無為な時間はそれはそれで楽しいものだ。
全ての流れを愉しめるようでなければ、この世に生きる価値などない―――。
〔彼女と会うのも久しぶりになりますね。
暫く戻ってなかったですから…。〕
今日、その妖魔を呼んだのは、新たに彼女にも指令を与えるためであった。
【それでは、宜しくお願いします。】
――――失礼します。
(一切の足音を立てずにドアの前に近寄ると、軽く二回叩いて静かにそれを開ける)
(中に入ってきたのは、朱色の瞳を持った銀髪のセーラー服の少女)
桐生葉月、ただ今参りました。お久しぶりです、幻也様。
(すっと男の前にて跪くと、恭しく頭を垂れる)
【はい、よろしくお願いします】
「ええ、葉月さん。お久しぶりですね。
いかがですか、体調の方は。」
にこやかに笑みを浮かべ、彼女にもソファに座るように勧める。
グラスにアイスティーを注ぐと、彼女の座る側に置いた。
「今日お呼びしたのは、他でもありません。
随分と間を空けてしまいましたが…この界隈でも、
少しずつ、外堀を埋めていく必要が出てきましたのでね。」
ローテーブルの上に、とん、と薄手のファイルを縦置きし、向かいの彼女に向かって滑らせた。
それは、彼女の手前で止まる。
「…現状確認出来ている、この界隈のフリーの妖魔達のリストです。」
物問いたげな葉月の視線に、顎の下で手を組み、唇の端を吊り上げる。
そこには、影の妖魔、蜘蛛の妖魔、そして契約者に至るまで、幾つかの情報が写真つきで連ねられていた。
むろん、写真はカメラで撮影されたものではない。全て、地蟲によって集められた映像情報である。
はい。怪我もなく、万全の体調です。
(それは何時でも、幻也の手となり足となり動けるという意味合いを含めた言葉)
(勧められるがままにソファに座る。彼と対等の位置に座するのは気が引けるが、彼の命令ならば、致し方ないと少女は思った)
は、わざわざすみません…
(置かれたグラスに微かに恐縮するように頭を下げる)
(卓上を通して投げられたファイルは綺麗に葉月の目の前で止まった)
―――………。
(これは、と問う前に既に幻也がその答えを口にしていた)
(黙ってその言葉を聞きながら、じっとそのページをめくっていき、一言)
…私が、この者達に組織に入るよう手引きする、という事でしょうか?
(その言葉には微かな疑問の念が入っていた。元来彼女は暖かみに欠ける者、こういった任務なら樹の化身といった妖魔の方が適任でなかろうか――――)
「それは良かった。
天洸院含め、現状この街でも退魔士の動きが活発になり始めていますからね。
先日も、髪長が斬鬼衆と思しき少年と戦い、討伐されました。」
まぁ、髪が無事だったので、元に戻れましたがね、と続け、アイスティーを含む。
氷塊が、グラスの中で高い音を響かせた。
「恐らく、近い内に彼らも動き始めるでしょう…。
私も既に幾つか手は打っていますが、それとは別に、この界隈の妖魔達…特に、
そのリストに載っている連中の動向を押さえておきたくてね。」
それらは、この界隈において、特に特異な点の多い妖魔達だった。
能力的にはC〜B階位。自分の配下達にも引けはとらないレベルと見ている。
中には、B階位を凌ぐと見られる存在もあった。
「そう、葉月さんには、彼らの監視とコンタクトをお願いしたいのですよ。
金妖である葉月さんには、物足りない仕事かもしれませんが…貴女でなければ駄目なのです」
そう言って、笑みを緩めた。
理由は言わない。
それが、いつもの幻也のやり方だった。
「別に無理をして勧誘しろ、とは言いません。貴女の判断で、彼らが組織にとって有用か、
彼らが七妖会という組織を必要としているか……そして何より、彼らが何のために存在しているか」
それを、貴女なりの見極め方をして、報告して欲しいのです。
そう伝えた。
(斬鬼衆――――その名前に、苦い思い出が銀髪の少女の頭をよぎった)
(15年前、あの時もこうして同じ様に彼からの依頼を受けたその日)
――――今の自分には関係の無い事。
(頭を振り、邪魔な思念を吹き飛ばすと、彼の言葉に耳を傾ける)
(特に同じ組織の妖魔がやられた事に感慨は示さなかった。少女の実直な性格に、彼女の変わった趣味は合っていなかったらしい)
(もう一度、ファイルを見直す。どれもこれも即戦力になりそうな腕の立つ妖魔ばかりだ)
(特に、この契約者と称されるこの男――――それに関しては、この少女すら上回る実力を持っているのではないか)
いえ、物足りないなど有り得ません。幻也様の命令は、私全てを掛けて、実行します。
(そうキツい目線を男に向けながら、きっぱりと言い切った葉月)
(彼こそが、今現在に置ける少女の存在意義全てだった)
了解しました。目標対象に接触、その後幾つかの交信、必要かを判断し、あらば勧誘をします。
(命令内容を復唱し、確実に任務に備える)
――――幻也様の任務、この方を失望させるような真似は絶対にしない。
(朱色の眼の奥で、固い決意が結ばれた)
「まぁ、そう気張る事はありません。貴女は最近、組織の内部で動きすぎていました。
もう少し、外の空気を吸うべきです。それも兼ねての話ですよ。」
無論、必要とあれば牙を交える事も構いません、と付け加え、立ち上がる。
もっとも、彼女の今までの行動を考えると、恐らく自ら牙を奮う事は滅多にあるまい。
このファイルと自分の指示をどのように判断し、活かすかは、彼女次第だ。
「…ああ、それから。『彼』と会うつもりの時は、事前に私の所へ来て下さい。
少々危険な相手なのでね。本来、そんな事はしたくありませんが、
貴女の精神に施術をしておく必要があります。」
そう言って、一つのページを指差す。
彼女も気付いていたのだろう、そのページを見る時の視線は少し硬かった。
ファイルの中の一つの写真、その横には「水上 竜斗」と記されている。
備考の部分には、水の魔力により女を掌握する、と記され、
黒装束の女と絡み合う姿が映し出されていた。
「葉月さんの忠誠を疑うわけではありません。
ですが、魔の術の中にはどうにもならないものも存在するのですよ。
つまらない事で葉月さんを失いたくありませんからね。」
そう言うと、す、と手を伸ばし、葉月の滑らかな頬に触れた。
紅い瞳を彼女の紅瞳に合わせ鏡のように向き合わせると、
ゆるりとその白い顔に顔を寄せ、桜色の唇に己の唇を軽く触れさせる。
「……ふふ、期待していますよ。」
す、と顔を上げ、帽子を目深に被りなおすと、いつもの笑みを浮かべた。
【あと1レスずつくらいで〆ましょうか。】
…………は、はい……。
(それしか少女に返す事の出来る言葉はなかった。ほぼ無意識に彼の言葉に頷きながら、思う)
――――幻也様の居ない場所に、どんな価値があるというのか。
(男が『彼』と指し示したのは、やはり葉月が前もって警戒していたこの男―――契約者)
(淫猥に女と絡む姿を目に、僅かに眉を潜める。決して、この方にこんな無様な真似は見せまいと誓う)
いえ、私は幻也様の所有です。任務を全うする為であれば、どのような処置も気になりません。
――――なんと優しい事だろう。卑しい獣である私に気遣いなどと。
(男の言葉に、心の中の感情を抑え、頷く)
…ありがとう、ございます。
(男の一言一言に、少女の心は面白いくらい揺れ動く)
(そして、幻也の唇が柔らかな少女の唇と触れ合った瞬間、葉月は微かに目を見開いた)
幻…也様…
(虚ろな瞳で愛しい人の名前を口ずさみながら、そっと温もりの残る己が唇に指を這わせる)
――――今だったら言える、あの一言を。
あ、あの幻也様…
(珍しく言いよどんだ口調で、頬を赤く染めながら、人狼の少女は精一杯の気持ちを口にする)
…帰ってきて下さって…私はとても嬉しいです。
(ややぎこちないながらも、満面の笑みを浮かべ少女はそうささやいた)
(こんな表情は、彼女の仲間ですら見た事のない、あるのはこの男、遠見幻也のみ――――)
【そうですね、次で〆ます】
「ふふ……私もですよ。葉月さんと久しぶりに会えて良かったです。
惜しむらくは時間が押している事ですが…まぁ、こちらには居るのです。
いつでも会う事は出来ますよ。」
微笑み、滑らかな銀の髪を撫でる。
それは、人狼の少女の精一杯の慕情の言葉を優しく受け止めた…ものに見えた。
傍から見ていると、恋人に接するその態度としか思い様のない姿。
「さて、では先に失礼します。
本来ならば、男が女を送るものですが…先程言った通り、時間が押しているので申し訳ありませんね」
そう言うと、帽子を押さえて軽く会釈し、VIPの扉を開ける。
店内を無言で抜けると、窓から見える月明かりに、少し目を細めた。
「……さて、Bloodの蔓延、元素神の抑止、界隈妖魔の動向……
あとは、兼ねてよりの計画通り…………の顕現を。」
呟くと、「黒鴉」を後にする。
月光に照らされたその口許は、これ以上無いほどに、愉しげに歪んでいた。
それは、葉月に見せていた笑みとは全く異なる、黒く歪んだ笑みだった。
【お疲れ様でした。】
【また後日、お相手お願い致しますね。こちらはこれにて〆ます。】
………はい。
(そう、これからはいつでも彼に会う事が出来るのだ。最も、そういった事に対し奇妙に臆病な少女には)
(精々任務を早急にこなし、次の任務を与えられる際の僅かな時間、でしか行動は起こせないのだが)
はっ、了解しました。任務、必ずや。
(来た時と全く同じ姿勢でかがみ込み、幻也の後ろ姿を見送る)
(既にその顔は何時ものと全く変わらない、完全な無表情)
(ふと、彼の居ない室内にて思う。そこに残る、微かな男の匂い)
…幻也様。
(薄々、葉月も何かを感じていた。男は、少女にいつも全てを語らない。必要な事のみ告げる)
(都合よく、扱われているのではないか。そんな疑念は過去に何度も渦巻いた)
迷うな。あの方が私の全てなのだから。
(そう銀髪の少女は誰も居ない部屋で呟くと、一陣の風と化してVIPルームを後にした)
――――嘘でも偽りでも構わない。幻也様さえの側に居られるだけで。
【ではこちらも〆で】
【お疲れ様でした】
【訂正、幻也様の側にさえ居られるだけで、です】
【では失礼します】
名無しで何度か出演させていただいた者です。
今回妖魔分が不足かと思われましたので、キャラハンデビューさせていただきます。
【名前】佐竹 漣(さたけ れん)
【年齢】外見年齢18歳、実年齢不詳
【性別】男
【サイド】妖魔側
【組織】七妖会/私立水ヶ瀬学園3年
【サイズ】180cm/70kg
【容姿】学生服、ブレザーをノーネクタイで。灰色の髪、ヘテロクロミアの瞳。
全体的に引き締まった、サーベルの様な印象。
【得意】和姦〜軽い陵辱までの範囲。
【能力】光・闇魔法、飛行能力、剣術。
【武器】ロングソードに光or闇属性付与。
【NG】801、猟奇。
【弱点】右半身、光、聖属性攻撃。左半身、闇、霊属性攻撃。
【備考】遥か昔、悪魔族と天使族の戦いにおいて敗れた天使の一人が悪魔に死ぬまで
犯された際に死体から生まれた子供。
天使族に殺される所を現七妖会に所属するある妖魔に救われる。
右側には蝙蝠の様な羽と黒い瞳、左側には白鳥の様な羽と青い瞳を持つ。
現在は七妖会のどの派閥にも属さず、ある妖魔直属の命により動いている。
場合によってはどの派閥にも協力している。
よろしくお願いします。