時は現代。
科学技術が発達した昨今の社会のなかで、平和が約束されている世界。
だが、人々は知らない―――その平和を脅かす者たちが闇で蠢いていること
そして、名も知らぬ人間のために、その魔を切り払う者もいることを―――
ここは、現代に蘇った妖魔やそれを退治する退魔者になりきって楽しむスレです。
妖魔になって民間人を襲ってエロールするもよし、退魔者となって仲間との絆を深めるもよし。
色々と展開を広げて、楽しんでいきましょう。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら退魔モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・言うまでもないですが、最強厨も禁止。
・設定などは上手いこと、その時その時、都合を合わせていきましょう。
小さな矛盾とか気にしない気にしない。(無茶な矛盾はNGですが)
・相手のことを考えて、まったりと和やかな雰囲気でいきましょう。
・sage進行でお願いします
以下テンプレ
【名前】名前や正式名称など。
【年齢】年齢。年齢不詳の場合は外見年齢で。
【性別】男or女。性別不詳も可。
【サイド】退魔側か、中立か、妖魔側かをお書きください
【組織】所属する組織をお書きください。無所属の場合は「無所属」で表記してください。
【サイズ】身長、体重、女性の場合はB/W/Hを。体重は省いてもいいかも?
【容姿】服装や顔立ち、体型など。
【得意】事前に得意なプレイを書いておくとエロールもしやすいでしょう。
【能力】大まかで良いので、そのキャラの能力をお書きください。
【武器】武器を使用する場合には、こちらもお書きください。
【NG】NGなプレイ。こちらも上と同じくエロールをする場合にやりやすいので。
【弱点】最強厨防止のため、一人ひとつは弱点を。
【備考】詳しいキャラの説明などを、どうぞ。
前スレ=【妖魔】現代退魔戦記 第二章【退魔】=
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1139897253/ 現代退魔戦記避難所質問スレッド=其之三=
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1141915845/ 現代退魔戦記まとめサイト
http://vepar42.h.fc2.com/
【乙です〜。落ち。】
>1
お疲れ……三スレ目も頑張る…
……一応これでもテンション上げてるつもり…
>1乙
【待機してる】
テンプレ投下。一部修正した。
【名前】御影義虎(みかげ よしとら)
【年齢】17歳 高校二年
【所属】天洸院・斬鬼衆(都立白清高校)
【性別】男
【サイド】退魔側
【サイズ】身長185cm 体重8s0
【容姿】金色の髪(染めている)・鋭い双眸・格闘家的な体型
学校指定のブレザー・黒いライダースーツ・私服。
【得意】ノーマル (妖魔とは基本的にNGだが、相談に応じる)
【能力】徒手空拳+気巧術+射撃
基本的に肉弾戦で戦うが、場合によっては拳銃とナイフを使う。
技は我流だが、こめられた《力》によりとてつもない破壊力を持つ。
身体に纏った《気壁》により防御力も高い。
【武器】 自動拳銃と回転弾倉式拳銃の二丁拳銃
特殊合金製対・妖魔ナイフ(刃渡り25センチ)
大仕事の場合、サブマシンガンやショットガンも使用することがある。
【NG】猟奇・切断・スカグロ
【弱点】前衛で戦うのが基本なので、遠距離攻撃には対応できない。
また、妖術・魔術を使う相手には苦戦を強いられる。
【備考】
天洸院・斬鬼衆所属の戦士。かなり偏屈であり、常に憮然としている。
目的の為に天洸院・白清支部で働いているが、本人的にはこの世界が
どうなろうと興味がない。また、妖魔に対する切実な憎しみもない。
【もう少し待機】
【待機解除。落ちるノシ】
【あーっ!!残念・・・。】
【まだいるぜ。続きするか?】
【いたーー!!】
【続きしましょうか!】
【じゃあ、これから書き出すから少し時間くれ】
月光降りしきる夜の公園。
如何なる巡りあわせか、ともあれ二人は出会った。
片や、遍く妖魔を滅することを生業とする凶戦士。
片や、妖魔の父と人間の母を持つ半人半妖の少女。
金色と漆黒の青年が呟く。
真っ直ぐに少女の瞳を見つめながら。
「半妖・・・・そうか、半妖か」
彼は、半妖に会うのは初めてではない。
多数の半妖が属していることで有名な『墓無』という組織。
或いは、それらに属さぬ半妖。
何処にも属さない半妖を狩ったことは、一度や二度ではない。
「少し、話をしようか」
ベンチを指差して、彼は提案した。
【じゃあその間にテンプレ投下。】
【名前】幸原 尚(ゆきはら なお)
【年齢】17歳
【性別】女
【組織】私立水ヶ瀬学園(無所属)
【サイド】中立。身近に変な妖魔がいたので、共存も出来るんじゃないかと思っている。
【サイズ】身長・157p。上から79・56・80。
【容姿】肩につかないくらい短くて黒に少し青が混ざっている髪。少し切れ長の目。着痩せするタイプ。いつもは制服。
(といってもスカートでなくスラックスをはいている。)休日はたいてい男物の服を着ている。
【得意】大抵のモノならとりあえず出来ます。
【能力】体術(空手・柔道・合気道等々)気功術(気銃。防御壁。回復術etc...まだまだ習得中。)
【武器】玩具の銃。(スミスアンドウエスンチーフスペシャル38口径やベレッタ、シグ・ザウエル、サブマシンガン[ミニ]等)いつも持っていて、戦う時に銃から氣弾(気の弾丸)を撃つ。
【NG】猟奇的なモノ。スカトロ。
【弱点】ふいを突かれること。男全般。(結構苦手。子どもは例外。)
【備考】マイペース。人懐っこいほう。(男以外。)妖魔と人間のハーフ。(半妖)父親の妖魔は変わっていて、人間の文化等に興味を持ち、殺戮等に興味は無く、 母親と恋をし、結婚して只今も幸せに生活中。
なので、妖魔も人間も一緒に生きることが出来るんじゃないかと思っている。
しかしながら、 妖魔に襲われたり退魔の人に妖魔と間違われて殺されかけたり大変な思いをしているので、
どっちも自分に関わってほしくないと思っているが、どうもその希望は叶わないらしい。
体術を習っているせいか、かなり身軽。
気弾は銃が無くても指の先から撃つ事が出来る(某漫画を参考にして)が、暴発しやすいのでめったにやらない。
【またトラブルか?それとも携帯?】
【リロミス・・・多いなぁ・・・。】
分かる人には分かるのだろう。
あたしの気に混じるほんの微かな妖気。
その為に、あたしは退魔者に殺されかけたり、クラスメイトや近所の人からのいじめもあった。
父親を恨んだ事もあった。
引きこもったり、自殺を考えたこともあった。
全て過去のこと。
全身が、自分を見返す眼を怖いと感じる。
あたしとは違う、プロの眼。
彼にとっては、たぶんあたしを殺すなど造作の無いことなんだろう。
・・・簡単には殺されないけど。
あたしを殺すのだろうか。そう思った。
けど、彼は「話をしよう」と言ってきた。
びっくりした。
・・・殺すんじゃないの?
(軽く目を見開いて、問いかける。)
【ごめん。ちょっとトイレ行ってた。】
>18
『・・・殺すんじゃないの?』
こちらの申し出が余程意外だったのか、彼女はそんな事を言った。
「殺されたいのか?」
彼はベンチの端に腰掛けて、呟く。どうでもいいといった風情である。
殺すなら、いつでもできるという確信が、彼にそんな態度を取らせている。
この少女からは、どうにも剣呑な気配がしない。
今まで彼が出会った半妖は、半分が人間でないことに対して屈折した
感情を持っており、周囲とうまく噛み合わず、大抵犯罪行為に走る、そんな
存在ばかりだった。だが、この少女からはそういった感情が感じられない。
少なくとも表面上は。
【了解】
・・・・なんだ殺されるんじゃないんだ。
(ほっと息をはき、ベンチのもう片方の端に座る。)
(多少緊張した面持ちだ。)
殺されないとしても、やはり男子は苦手だ。
トラウマというヤツなのだろう。
・・・名前、なんていうの?
それと、あんまし気配探るような事しないでよ。
落ち着かないから。
【わっ!ごめん!名前云々無視して!】
>21
少し警戒しながらも、少女はベンチの反対側に座った。
話し合いの席に座る気になったようだ。
名前を尋ねてくる少女に、淡々と言い返す。
「先ほど名乗ったと思うが、聴いてなかったのか?聴覚に障害でもあるのか?」
人でありながら、修羅の如く妖魔を滅する自分と半妖である彼女の間に、
一体どれ程の違いがあるのだろう。そんな、どうでもいいことを考える。
妖魔を殺そうが殺そうが殺すまいが、世界は変わらない。
人間が妖魔に喰われようが、世界は動かない。
半妖である彼女を殺そうと殺すまいと、何も変わらない。
だから、彼は話をしてみようという気になったのだ。
一先ず三つほど訊ねる。
「天洸院という組織に聞き覚えはあるか?」
それがひとつ。
「お前は、どこかの組織に所属しているのか?」
それが二つ。
「佐々木優希という名前に心あたりは?」
三つ目は個人的なこと。
【リロミス。まあ、話のネタしたが・・・気にするまい】
・・・・・ぅ・・・・う〜〜・・・。
(数秒記憶を探り、思い出して顔を赤くする。)
天洸院・・・・?
聞いた事・・・ある。
父さんが・・・。
言っていた。
時々、思い出した様に。
『天洸院には気をつけろなさい。』
『まだお前は未熟だから、殺されてしまう。』
って・・・。
なんなの?天洸院って?
所属?そんなのしてないよ。
だいたい、そんなのに入ったって得なんか無いでしょ?
あたしみたいな半妖は・・・組織では人間扱いなんてされないだろうし。
優希先輩?
知ってるよ、この前・・・・・。
(前に共闘した時の事を言おうとしたが、口をつぐむ。)
優希先輩と知り合い?
同じ仲間とか?
「天洸院は、日本古来の妖魔封滅機関。端的に言えば、妖魔を滅ぼすための集団だ。
斬鬼衆である俺は、その実行部隊だ」
ひとつひとつ、少女の言葉に答えてゆく。
「お前のような半妖を集めている組織もある。
だがお前が組織と接触がないならそれでいい」
組織が絡むと話が面倒になる。
知らずに排除して、抗争の火種となる場合も多々あるからだ。
「少し知ってるだけだ。仲間とは言えん。むしろ敵、だな」
ため息をつく。世の中は狭い。半ば予想していたとはいえ、知り合いだったとは。
「俺からの質問はそれだけだ。お前はどうする?訊きたいことがあるならも付き合うが?」
何処か、投げ槍にも聞こえる彼の声。
・・・斬鬼衆ってなんかヤな響きだなぁ・・・。
(御影を見て)
確かに鬼みたいだけど。
集めてる・・・ってことは、半妖っていっぱいいるの!?
あたしみたいなのが!?
仲間がいるんだ・・・。
(とても嬉しそうに頬を染め、小さくガッツポーズをする。)
仲間・・・仲間かぁ・・・。
・・・なんでため息ついてんの?
(けげんそうに首をかしげ)
敵って・・・同じ妖魔倒すんだから、仲間でしょ?
・・・・・・わけわかんない。
(ボソリと呟いた。)
(御影を睨みつけて)
・・・・何、その投げやりな感じ。
むかつくなぁ・・・。
じゃあ聞くけど、妖魔を殺すのが仕事なんだよね?
あたしの父さんも・・・殺すの?
(思わず、自分の手を握りしめる。)
鬼を斬る刃。万民守る盾。設立当初の理念を守るため、戦闘部隊に『斬鬼衆』という
名が与えられた。彼にはどうでもよいことではあった。故に、少女に何を言われようと
何も感じない。
仲間という概念。仲間という存在。状況次第でどうとでもなる存在。
彼は、はしゃぐ少女に何も言わなかった。彼の言った組織は、少女の想像した
ものとは、違うということを。
あの氷の剣士との事情は、話す気にはならない。
説明しても、この少女は納得しないだろう。
『あたしの父さんも・・・殺すの?』
「俺の眼の届く範囲で、人を殺そうとしていたら殺す」
何の躊躇もなく彼は答えた。
あ、じゃあ大丈夫だ。
父さん人殺すのに興味ないし!
(笑顔を浮かべ、手を開く。)
良かった・・・。
もし、何もしてない父さんを殺すって言ったら、たぶんキレてアンタを殺してた。
・・・ごめんね?
(薄く笑い、手を御影の方へ伸ばす。)
(が、途中で弾かれたように手を引っ込める。)
・・・・ぁ・・・・・・・あ〜ぁあ。
やっぱダメかぁ・・・。
パァァ・・・と、一転して明るい笑顔を浮かべる。
一瞬、心臓が跳ねた。
月明かりよりは、太陽の下で見たいと思わせる、そんな笑み。
あるいは、この少女は、自分より陽光の下を歩いているのが似合うだろう。
何もしないと彼女は言った。だが、人と交わって生きる妖魔なら、殺戮を隠蔽する
ぐらいは造作もないことだ。だが、彼はその件に関しては何も言わなかった。
この少女と殺しあうのは構わないが、積極的に殺す理由もないからだ。
「その動作の意味が不明だが――男が苦手なのか?」
どうでもいい、と思いながら、そんなことを訊いてしまう。
他人には関心がないはずなのに。
好みの容姿をしていないはずなのに。
ん・・・?
どしたの?
(首をかしげて尋ねる。)
む、その目信じてないでしょ。
(御影の方に体を向け、熱弁し始める。)
本当だってば!父さん見れば分かるよ!
人間の歴史とか伝統とか技術とか、そんなのに興味があるんだって!
前、あたしの教科書勝手に持ってって読み漁ってたんだよ!?
しかも、あたしや母さんでさえ引くようなキラキラした目で!
・・・・あれは怖かったなぁ・・・。
(思い出したのか、鳥肌が立っている。)
握手しようとしたんだけど・・・・な。
(はは・・・と自嘲するように笑った。)
そ、苦手なんだ。
父さんとか、今のクラスメイトとかならまぁ触れるし、近くに来ても大丈夫なんだけど・・・。
いきなり触られたり、知らない人が近づいてくると身構えちゃうし、避けたり悲鳴あげちゃったり。
原因は、まぁ分かってるんだけどね。
今更思い返す必要も無い。
(急に顔から表情が消える。)
熱弁を振るう少女が、鬱陶しいと思う。『斬鬼衆』の仕事仲間と同じ程度には。
先ほどの感覚は、錯覚だったのだろう。彼はそう結論付けた。
男が苦手だと、少女は言った。
「それは――難儀なことだ。世の中には男と女しかいないのに」
彼は端的に言う。だが同情はしない。彼女も、慰めなど必要としていないだろう。
「原因がわかっていて、それでも克服出来ないのは、もっと難儀だな」
先ほどの笑顔から一転、少女は、静かな虚無を感じさせる無表情になる。
――誰かに何かをしてやる必要などない。また、彼女に対して出来ることもない。
そう自分で分析する。
沈黙。彼はどうするべきか、思案した。いつもなら、とっくに帰路についているのだが。
・・・まぁ、中間さんもいるけどね。
(無理矢理笑顔を作り)
少しずつ、克服してくよ。
完全に治るのがいつになるかは分からないけど。
・・・もう、遅いね。
帰らなきゃ。
(ベンチから立ち上がる。)
ん〜〜・・・あ、そうだ。
(伸びをした後、何か思いついたように振り返る。)
ここの桜が咲いたら、一緒にお花見しない?
ここってすごく綺麗なんでしょ?
・・・あー、イヤだったらいいんだけど。
【そろそろ〆ますか。】
「ジェンダー云々は別にして、生物学的には二つしかないだろう」
淡々と抑揚なく呟く。
少女が言う。
『この桜が咲いたら、一緒にお花見しない?
ここってすごく綺麗なんでしょ?
・・・あー、イヤだったらいいんだけど』
それは、予期せぬ提案である。
彼は――
「いいだろう。弁当はそちらに任せたぞ」
――承諾した。
それがどれ程の奇跡なのか、この時の少女は知らない。
「家は近くか?単車で送ろう」
そして彼は、さらに驚くべきことを言う。
「これも男嫌いを直す修行だと思えばいい」
そして彼は、僅かに笑った。仲間ですら滅多に見たことのない、平凡で穏やかな笑みを。
【了解】
【じゃあ少し強引だがこちらはこんな感じで】
【お疲れさまノシ】
あっはは!そうだね!
(今度は自然な笑顔が浮かんだ。)
お弁当・・・・うん、分かった。
しょうがないなぁ、がんばって作るよ!うん!
(軽く胸を張りガッツポーズ)
家はまあ近いけど。
えっいい・・・の。
(表情が凍りつく。)
むぅ〜〜・・・分かった。
(顔をしかめつつ承諾し、軽く深呼吸をする)
うしっ。
なっ!!?
・・・なんだ、そういう表情も出来るんだねっ。(頬を赤らめつつ、自分も笑顔を浮かべる。)
(そして、御影が待つ単車の方へ歩いて行く。)
惚れてなんかない・・・と思う。
月が綺麗だ。
だけど、月に見られているような気がして・・・恥ずかしかった。
【ありがとうございました。】
【お疲れ様でした〜。ノシ】
今更ですが
>>1さんスレ立て乙です。
さて、テンプレを投下しますね。変更点がちょくちょくありますので。
【名前】佐々木 優希(ささき ゆうき)
【年齢】17歳。高校二年生。
【性別】女
【サイド】中立
【組織】私立水ヶ瀬学園 (無所属)
【サイズ】身長:167センチ 体重:50キロ B/W/H:84/55/81
【容姿】全体的にシャープな感じ。黒髪のショートヘアー。
主に制服を着用しており、制服は灰色のブレザーにチェック柄のスカート。
スパッツを履いている。
【得意】百合・和姦・陵辱など、許容範囲は広いです
【能力】大剣を操る力。その華奢な身体とは思えない力で大剣を薙ぐ。
剣気による攻撃が得意。多少、氷系の魔術を操ることも出来る。
性格のためか、学習能力もなかなかに高い。
【武器】大剣・長剣系。魔剣・闇烏。
【NG】猟奇系
【弱点】炎・毒系の攻撃 霊力による攻撃にも少し弱い。
【備考】
私立水ヶ瀬学園に通う普通の女の子…だったのだが、ある日妖魔に襲われたところ
火事場のバカ力というべきか、何かがきっかけとなって力≠得ることになる。
性格はさっぱりしており、冷静沈着…が、それは見た目だけですぐに熱くなりやすい。
その性格からか、色恋ごとにはとても疎い。また、頑固なのか素直なのか分からない性格。
自分の信念は譲らないものの、過ちを指摘されると自分で考え、その過ちを修正する。
尚や不破と出会ったことやクーの言葉により自分の為すべきことを摸索し始める。
敵は理不尽な力。妖魔だろうと人間だろうと弱者を守ること。
理想論だとか偽善だとか言われようが、それが彼女の信念。最後まで足掻き続ける。
魔剣・闇烏は真空との訓練時に以前所有していた鋼鉄剣が破壊されたため、彼女から貰ったもの。
現在は、クーに訓練を積んでもらっている。
【好きな食べ物】寿司(なかでもいくらの軍艦巻き)
【嫌いな食べ物】すっぱいもの(梅干や酢物)
【好きなこと】友好関係を築くこと・早朝の散歩
【嫌いなこと】見て見ぬふり
【趣味】水泳・読書・ゲームセンター
【好きな異性のタイプ】バカでも実直な人間
【嫌いな異性のタイプ】ナルシスト・自己中心的
【特性傾向】攻撃重視成長型
【部活動】水泳部
【得意科目】現代文
【苦手科目】数学
【血液型】A型
【誕生日】8月27日・乙女座
ついでなので待機させていただきます。
ただし、昨晩も待機させていただいたので他に利用されたい方がいらっしゃれば
どうぞ、私にお構いなく、ご利用くださいませ。
【名前】重藤 柚紀(シゲトウ ユキ)
【性別】男
【年齢】17(白清高校二年生)
【サイド】退魔(中立寄り)
【組織】天洸院(斬鬼衆)
【サイズ】身長173cm 体重58kg
【容姿】ベージュとレッドを混ぜたミディムレイヤーで、前髪を無数のヘアピンで止めている。
普段は緩んだ学生服だが、私事では色々好みで選ぶ。
【得意】和姦 いぢめ SM
【能力】投げた対象を完全に狙い通り飛ばす投擲能力(風向き、力、物体エネルギーなどに従い)
@本人の手を経由して飛ばされた物全てに掛かる(よって銃器やボウガンなどでは不可)
A有効射程は空気抵抗の少ないダーツの矢や投げナイフなどで100m〜200m前後。ただし高地に陣取れば多少増大
B形状が上下左右対象の物に限り、ある程度物理の法則を無視した投擲が可能
C小型の物のみ同時射出が出来る。投擲の威力や速度は銃弾のそれを上回る
【武器】その場に応じて様々。よく携帯しているのは投げナイフ。
【NG】スカ
【弱点】男の割に打たれ弱く、打撃魔法問わずに弱い。特に近距離特化、高速特化タイプがかなり苦手。
弾切れを起こすと相当戦闘能力が下がる。一応そこそこの体術は可能だが、握力、肩力、下半身の筋力以外は運動神経のいい並の人間。弾
切れ時の技も一応あり。
【備考】
義虎と同じ白清高校の二年生で天洸院、斬鬼衆。見た目は派手だが人懐っこく、誰とでも仲良く話す。
ノリがかなり軽く、よく笑っている。
重藤とは那須与一がある少年を養子に迎え入れた時に付けた名であり、その子孫の流れを組む。
父親は小さな道場で弓道を教えているが、本人は弓の戦術的可能性を今一信じず、次ぐ気はあまりない。
物事の本質を的確に見抜くタイプだが、真面目に生きるのは自分に合わないと自覚している。
敵味方問わず死を嫌い、話が出来る相手にはひたすら説得を試みる。
弓の腕は相当な物。
なんで俺切れるのさ〜…。orz
>>1っちゃんありがとねぇ。んで、誰も居ないんなら俺が相手させてもらってもいいんかな?
俺は今朝も居ましたが。
【名前】天城 優子(あまぎ ゆうこ)
【年齢】二十歳過ぎくらいの外見
【性別】女
【サイド】妖魔側(一方的に気に入った退魔者の味方をすることも…)
【サイズ】身長171cm 92/56/90
【容姿】やや童顔だが表情豊か。腰まである艶やかな黒髪。
【得意】逆レイプ。
【能力】運動神経に自身のある淫魔系妖魔。フタナリ化も可能。
色んな意味で図太い。催眠術や魔法も少しだけ使う。
【武器】鋭い爪、怪力。手近なものを流用(道路標識とか)
【NG】スカ
【弱点】翼がとても敏感(普段は隠している。その時は飛ぶことはできず、能力はほとんど使えない)
【備考】人間の文化に興味がある。結構ミーハー。意外と家事も得意だったりする。
最近は時代劇に凝っていて、それに出てくる技を色々と練習中。畳返しとか仏壇返しとか。
表向きモデル(yuko)として人間社会で暮らすが、朝な夕な精を求めて街を徘徊している。
>38
【今避難所を見てくると、炎月さんと優子さんが使用するみたいです…】
【私は連続なので、身を引こうかと思います……機会があれば、また是非!】
【Σ(;´д`)俺タイミング悪っ!】
【すいませんれすー。光の速さでエスケープっノシ】
【あ、いえこっちが遅かったのでお気になさらず】
畜生…
あの女…今日こそ黙らせてやる……
(ちみっこい体で相当怒ってます)
【詳しいキャラ情報はマトメサイトを見てね】
|ワ゚) …(いつ見ても可愛いわぁ)
貴様はぁ!!!
こんな阿保みたいな姿でも力は出せるんだぞ!!
喰らえ!!
……………ポヒュ…
(ライターくらいの火種が手のひらから現れはかなく消える…)
(゚Д゚)あれ……?
|A゚) …燃料とかいる?
(物陰から出てきて)
自分で阿保みたいな姿なんて言っちゃダメでしょ
まさか…
体が小さくなった影響で力も…
(相当落ち込んでます…)
あぁ……
(力が無い→優子に勝てない→て言うかやられ放題→死 という発展に)
く……
まいった……
(色々可燃物を持ち出して)
水掛けられてちっちゃくなったんでしょ?
そしたら、逆に燃える物掛けたら元に戻らないかしら?
つスピリタス
つサラダ油
つ胡麻油
つ松根油
つ重油
つ軽油
つレーサー100
やめろ!そんなに可燃物を近づけるな!!
くぉっ!?
(引火!w)
ドッカァァァァァァァァッン!!!!
シュゥゥゥ〜……
(鎮火した炎の中から黒焦げのチビ炎月が……)
お…お前な……
(一応体を調べてみる…)
!!!?
(パンツの中を覗いて絶句してます)
(爆風に吹き飛ばされて)
…やっぱりハイオクは一味違うわね。
(繁みから這い出し、真っ黒になったチビ炎月を見て)
うーん、ダメだったか…って、
何見てるの?
お…お前……
こんなとこだけ元に戻ったって余計に生活しづらくなるじゃねぇか!!!
(男の大事な所だけ元に戻りました…)
畜生!畜生!!
どうしてくれるんだ!!
(かなり混乱しております)
>こんなとこだけ元に戻った
(と聞いて嬉しそうに)
えっ、ナニが元に戻ったって?
ほら、ちょっと落ち着いて
おねーさんに見せてごらんなさい?
(その後ろから覗き込むように)
【そう来ましたかw ではエロール展開ですね?】
【煮るなり焼くなり好きにしてくださいw】
やめろ!覗くな!!
あぁぁ!!
最近どうなってるんだ!
(抵抗してますが所詮ちびっ子です)
【時間の問題で本番は別の機会に】
(パンツの中を覗くと、そこには夢で見た炎月のモノが…)
…神様っていっても、そんなに特殊なワケじゃないのね
とかいう感想はこの際おいといて
(強引にズボンとパンツを引き下ろして足の自由を奪って)
ふふっ、こんばんは神父さん♪
外から熱くしてもダメなら、中から熱くすれば、いいんじゃない?
(舌なめずりをしながらその前に腰を下ろす)
【了解】
ひぎゃ!
(見事に自由を奪われます)
お…おい…やめろ……
中から熱くなったって……
(もはや追い詰められた小動物状態です)
何よぅ、火の神様なんでしょ?
熱くなるのにどうして躊躇するのよ。
(子供の姿には相応しくない大人の部分に口を近づけて)
引いてダメなら押してみな、ってね。ちゅっ♪
(先端に軽くキスをして炎月の顔を見てみる)
どう? おっきくなれそう?
だからそんなので大きくなる訳が……ぅぅっ…
(正に肉食動物に襲われた小動物状態)
はぁ…はぁ……
そんな事しても大きくなるのは一部だけだろ…
(唇で幹の部分を幾度も啄ばんで)
んっ、…あら、分からないわよ?
それに…んんっ
(先端から根元まで頬擦りをして)
もっと大きくなるんなら、
そうしてもらおうじゃない♪
(悪戯っぽく微笑み、本格的な吸茎行為に移る。)
(先端から半ばまでを口に含み、舌と頬で圧迫しながらその味を確かめてゆく)
ちゅぷっ、んちゅっ…
う……ぅぁっっ…
だから…そんなので……
元に戻れたら苦労しないって……
(言葉とは裏腹に肉の棒は大きくなりちびっ子の体とは不釣り合いな程、反り返る)
(立派に元の大きさを取り戻したその部分を嬉しそうに)
ちゅっ、…いろいろ試してみないと、ね?
(再び口に含み、今度は喉奥まで咥え込んで)
んっ、ちゅっぷ…っぷ…
(根元から幹、先端から鈴口まで丹念に舐ってゆく。)
(しかし目は悶える炎月の顔を見たままで。)
くぅぅっ……
だ…ダメだ……もう……!!!
(肉の棒がまるで意志が有るようにうねり、溶岩のような精を優子の口目掛けてドロドロと発射される…)
っ……ぅっ……
(そして射精を終えた肉の棒はなんと一回り大きくなる…)
(熱い精液を口一杯に頬張りながら、)
(嬉しそうに飲み下してゆく)
ごくっ、ごく…これが神父さんのなのね…
(何とか飲み干し口元をハンカチで拭って)
確かに火の神様っていうだけあって、温度も半端じゃないわ。
それに、すっごく濃厚でいい精ね。
うふふっ、想像してた通り…って、まだ大きくなるの?
(さすがに呆れたように)
う…うるさい……
(反論はするものの力はなく元気なのは肉の棒だけ…)
元の肉体なら…
こんなしうちは受けずに逃げれるのに……
畜生…
【そろそろ時間ですよね?】
仕打ちだなんてとんでもない!
(本気でそう思っている)
まさか私が神父さんを手篭めにしているみたいじゃない。
そんな人聞きの悪い事は言わないでもらいたいわ。
(炎月の衣服を整えてやりながら)
私の愛の情熱がまだ足りないってことなのかしら?
その熱で神父さんが元に戻ると思ったんだけどなぁ…
…つまりもっと愛欲に燃えろ、というどこかの神様の思し召し?
【あと数レスあたりでお願いします。申し訳ないです】
くっ……
そんなので…戻る訳……
(恐らく力を使い過ぎた代償だろう(可燃物を燃やしたり…)眠気に襲われ優子に倒れ込む…)
ぅ……畜…生……
(そのまま優子の胸で深い眠りに落ちる…)
【解りました。次で〆てください】
あらら…まるで子供ね
(胸元で受け止めた炎月を見る目は、)
(普段、彼には見せないとても柔らかいもの。)
(ちなみにいつもは生温かい)
ふふっ、寝る子は育つ、とも言うし、
ゆっくりお休みなさい。
サキュバスは淫魔だけでなく、夢魔とも言うのよ。
今夜はとびっきり良い夢が見れるようにしてあげるから…
寝起きもバッチリ、のね
(見た目通り子供のように眠り込む炎月を抱き上げてその場を去る優子。)
(その晩、炎月がどんな夢を見たのかどうかは定かではないが、)
(翌朝までぐっすりだったのは確かである。)
【ではこんな形の〆でいかがでしょ】
【良い〆かたですねw】
【ではまた時間が有る日に再戦と言う事で…】
【お相手ありがとうございました。】
【本戦は元に戻ってから、でしょうか?】
【新しい方が来られたようですので、とりあえず向こうで挨拶してから落ちようと思います。】
【ところで〆を書いていて思ったのですが、夢の中で元に戻って交わる、という手もありましたよね。】
【せっかくのサキュバスなんですし。ついつい忘れてしまいがちですけれどもw】
【確かにそういう手もありますね…】
【まぁ次の機会に試しましょう】
【でわ ノシ】
【ではではノシ】
【では、桃香さんをお待ち致しますノシ】
【お待たせ致しました。】
【とりあえずはじめはお任せしてもよろしいでしょうか?】
【設定とか・・・。】
【シチュ等を決める前に言っておきますが、
今回は遅くても2時前後まででお願いします。
もし桃香さんのリミットがそれより前なのでしたら、
あらかじめ申し出ていただきたいと思います】
【では、今回は慣れるための練習ロールのようなものと位置づけて、
桃香さんが我が事務所に預けられる際のやり取り、というのはいかがでしょうか?
村の長老が蒼一郎を呼び出して桃香さんを預ける、といった感じで】
【お時間、それで大丈夫です。】
【内容は構いませんが、村に法月さんが来たと言う感じですか?】
【長老役は法月さんですか?】
【そうですね、長老に村まで呼ばれたことにしましょう。
長老の役は、桃香さんにお任せしてよろしいですか?
修行名目で預けられていますが、長老の声を聞いてみたいのでw】
【難しそうなので同時会話は無理そうです。】
【長老家→桃香家と言う流れで法月さんが移動と言う形でお願いします。】
【それではお手紙から始めますね!】
(法月退魔士事務所に一通の手紙が届く。懐かしい文字面の手紙だった。)
「法月君、君がこの村を訪れてどれ位の月日が経っただろうか?
今でもつい昨日の事の様に思い出されるな。
さて、今日は君に頼み事があり筆をとらせて頂いた。
多くの退魔士を出した我が村だが、最近になって古の魂を持った娘が生まれ、
その力が暴走しないように今まで封印しておった。
封印の施し、解除はまた君に教えるが・・・。
その娘も齢15になり、そろそろ己の力で制御出来るように修行させたいと思うのだが、
この村ではいかんせん窮地に立たされるような事もなく、その手の修行が困難になっておる。
そこで、君の元で数年面倒をみて貰いたいのだが・・・。
詳しい話しはまた会った時にでもしよう。
引き受けるか否かはこちらで娘に会ってからでも構わぬ故、一度故郷に帰るつもりで
村まで来てくれぬだろうか?
良い返事を期待している。 村長 我竜」
【長くなってしまいました、ごめんなさい・・・】
―――……なるほどな。長老から直々に手紙が届くなんて何かあるとは思ったが…。
(男は旧知の仲である老人からの手紙を読んでいた。
退魔士の修行の村、蒼一郎も世話になったことのあった村の村長からであった)
さて、二人はどう思う?
武「…まずは村長さんにお話を聞いてみるのがいいと思います…」
小「お伺いする価値はあると思います」
(二人の従者はそう答えた。
それは男の予想通りの答えであり、男もまた同じことを考えていた)
よし、行ってみようか。
その娘の中にいる「古の魂」というのにも、いささか興味はあるしな。
(蒼一郎と二人の従者は、
屋根伝いに猛スピードで村へと向かっていった)
【大丈夫ですよ、気負わずにゆっくりやりましょう!】
ん・・・?フフ・・・、もう来たか。
(長老、我竜は戦闘向きの術者では無いが「大気」や「霊気」の流れを読み、
そこから色々な事を知る事ができる術者である。)
どれ、あいつらの好きな茶でも煎れておくとするか。
(客人用の湯飲みを3つ取り出し、法月達の来る頃合を見て茶を煎れる。)
「仕事」は早めに終わらせるってのが身上ですから。
(まるで、その老人の独り言を聞いていたかのように。
湯飲みの1つ目に茶を注ぐ頃には、すでに3人は長老の背後にいた)
お久しぶりです長老。
お手紙、拝見させていただきました。
(二人の従者は跪いて蒼一郎の両脇で待機。
蒼一郎は立ったまま、茶を淹れる長老に語りかける)
おぉ、久しいな蒼一郎。
二人も元気そうでなりよりだ・・・。
(柔らかな笑みを三人に向けて。)
ならば話しは早い方がよかろう・・・。
生まれつき動物を操る娘でな・・・。
もしやと思い封印されていた勾玉を使わせたところ・・・。
(お茶を啜りながら。)
見事、守護獣を呼び出しおった・・・。
そこまでは良かったのだが、その力に共鳴し、内に眠る魂まで覚醒し、
物の怪の類を全て斬り捨てようとしたのだ。
その魂とは・・・、吉備津彦命(きびつひこのみこと)だ。
古の魂の一つであったが古来より人々が信じ、願い続けた故に
その力が増しておるのだ。
世に言う桃太郎の伝説だな。
我々は数日かけて取り押さえ、その力を霊布で封印した。
その封印を維持するためには娘に一日一つ桃を食べさせなければならない。
逆に封印を解くにはコレだ・・・。
(法月に奇妙な形の小太刀を渡す。)
この鬼の角で出来た小太刀で霊布を切れば良い。
ただし、普通の人間には扱えぬ代物だが・・・。
我々の目論見はいずれその力を扱えるようになってもらい、
一人前の退魔士になってもらう事だ・・・。
どうだ、蒼一郎?
そろそろお前もちゃんとその力の後継者、弟子を取っても良いのではないか?
とりあえず娘の家の場所はコレだ。
(簡単なメモを渡す。)
娘には話しをしてある、名前は吉備津桃香だ。
興味を持ったなら行ってみてはくれぬか?
ふふっ、長老こそ、まだ生きていらっしゃったんですね。
(減らず口をたたく。
これがこの二人の挨拶のようなもの)
へぇ…あの匂玉、まだこの世に使える者が残っていたとは…。
吉備津彦命…随分とまたほこりをかぶった話題ですね…。
(蒼一郎は長老の話を聞いて、蒼一郎は少々驚いた。
まずは、匂玉を使役できる者を、蒼一郎は古文書の中でしかしらなかったからだ。
昔はそれを駆使して動物を使っていた者がいた、と。
そして、吉備津彦命の存在。
これも古い本の中でしかその名を見て取れることはできない)
(蒼一郎は奇妙な形をした小太刀を受け取った)
変な形の小太刀に、1日1食の桃…ねぇ。
ふふっ、俺の「普通の人間」とお思いですか?
(水の力を持ち、さらに神に育てられた人間。
生まれながらにして外れた道を歩む男、それが法月蒼一郎という人間だった)
まずは…その娘に会ってみないことには始まりません。
(桃香の家への道のりを示したメモを渡され)
では、ちょっと会ってみることにします。
武蔵、小次郎。
すまないがお前達はここに残ってくれ。
二人「御意」
(二人の従者が顔を上げた頃には、蒼一郎の姿はなかった)
【申し訳ありませんが、眠気が結構ヒドくなってきてしまいました…。
今回はここで凍結でよろしいですか?
まだお会いしていませんので、是非この後も続けたいのですが…】
【了解しました。】
【お時間遅くまでありがとうございました!】
【またお時間が会いましたら出会いの所からお願いします。】
【それではおやすみなさいノシ】
【こちらもこれで落ちます。】
【こちらからお誘いしておいて凍結になってしまい、
本当に申し訳ありません…orz】
【今日はもう遅いので、明日以降ここか避難所でお会いした時に、
具体的に解凍時期についてお話しましょう。
もちろん、次にお会いしたときでも構いませんしね】
【では、こちらもこれで落ちます。
こちらこそ遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。
おやすみなさいノシ】
>>1 【遅くなりました、乙です】
【三時まで待機しますね】
【避難所の103の者ですが…お相手頂けますでしょうか】
【構いませんよ…って言っても、今こっちは避難所に行けない状態ですけどorz】
【どんなロールをしましょうか?】
【避難所云々はどうでもいい話。退魔でも妖魔でも、朝山さんを引き立てる道化になって踊るもよし。】
【…などとぬかしていますが、正直具体案はなく。そちらは何かおありですか?】
【妖魔との戦いが思い付きましたが、どうでしょうか】
【情無しの勝負をしようと思いますが、こっちが妖魔化せずに戦い抜くという感じですが】
【そちらは何かまだ考えがありますか?】
【解りました。情けをかけるまでもない悪逆無道な妖魔で】
【バトルはドヘタな上、アドリブもききませんがどうかよろしくお願いします】
【こちらの案は残念ながら思いつきませぬ…申し訳ない】
【分かりました、こちらこそよろしくお願いします】
【では、こちらから先に…】
(月夜の夜に、ネオン街の外れの廃墟街に一人、駆ける影があった)
久しぶりの、任務…か。
(彼は久々に組織から任務を受けてここに来ていた)
(組織からの情報によれば、処理をするにも手を焼いている妖魔が
ここに潜伏し、現に多くの一般人の殺害者数が後を絶たないらしい)
背筋が寒い…近くにいる!
(彼はこれ以上の犠牲を出さないために任務を帯ていると考えるが、
結局は今でも足が震えそうな自分を少しでも奮い起たせる事と、
今から自分の行う殺生を正当化させる事でしかないと自覚していた)
(降りしきる月光の下、一匹の妖魔が縄張りにかかった人間を殺さんとしている。
金属の光沢を放つ身体に、不気味な薄手の衣を纏っており
攻撃サポートのデバイスと思しき物体が彼の周囲を浮遊している。
男にしては甲高く、狂気を含んだサイケデリックな口調で何か話している)
サルの分際で、知性と文明を備えただけの脂肪と蛋白質のカタマリが…
我々妖魔をさしおいて地上にのさばっているなど、なんたる不条理!
(す、と止めを刺す手を降ろして見下すように)
…ああ、そうそう。こう見えても私は慈悲深いほうでして。
言い残すことがおありなら、聞いてさしあげますよ。もっとも、その言葉は誰にも届かないがね。
(運悪くこの妖魔に狙われた人間は、骨が折れ、肉は裂けて苦悶の表情で助けを請っている)
(その様子を愉しむかのように、サディスティックな笑みを浮かべて)
(悪趣味な観察に夢中になっているためか、遠矢の接近には気づかずに)
……っ!聞こえる!
(人の悲痛な叫び。与えられる死を前にして、抗えきれぬ運命にただわめくしかない声が、彼の耳に届く)
(言うも前にその声と血の匂いを頼りに廃墟の間を疾走する)
(そして今から人間に手を掛けようとした妖魔の姿を捉え、腕をグロテクスな剛腕に変質させる)
お前かぁ、人々を殺し回っている妖魔はっ!!
(雄叫びのような叫びと同時に、風切り音をたてて妖魔に爪を振りかざす…!)
…来てしまわれましたか。目立たない場所を拠点に活動しているはずなのに。
いい加減、死に瀕した人間を観察するのは止めたほうがいいのでしょうかねえ。
(困ったように眉を顰めるが、口元は醜く歪めたまま)
(遠矢が剛腕を振りかざして飛び掛ってくる。普通の人間ではないことは明白。
とっさのことですぐには反応できず、妖気の大半を腕に集中させたうえでかろうじて両腕で防御するが当たり負けして大きく吹き飛ぶ)
かっ―――はァァァ・・・げほォォッ・・・
(崩れる瓦礫の中から、よろめきながら身を起こす。)
(金属質の肉が抉れ、水銀の血がぼたぼたと零れ落ちる。それでも不気味な笑みは崩さず)
やりますねー・・・それにしても殺し回ってるとは心外な。
少々増えすぎた人間どもを掃除しているだけですよ。
(浮遊している球体デバイスが遠矢を取り囲む。数は5機)
・・・穿て!
(妖魔が指示を出すと、瞬時にデバイス内で原子が励起されて、増幅された光がレーザーとなり飛び出し、彼を襲う)
観察、だと……
よくそんな事が言える!
(白い妖魔の一言に激昂し、憎悪をぶつけるように言葉を吐く)
ふんっ!!
(剛腕を振るわせ、妖魔の体に直撃する)
手応えがなかった、障壁か……
(妖魔が直前に防御したためか、手に鈍い衝撃が伝わり、顔をしかめる)
銀の血…?
今までに見ない奴だ
(瓦礫から身を上げ、血を出す妖魔のそれを見て、ただの妖魔で無いことを確かめる)
掃除なんて、お前は人を殺しているんだぞ!
何故悲しみと憎しみを造り出す、何故そんな事をするんだよ!
っ!これは……!?
ぐっ…うわわぁぁっぐぅ!!
(白い妖魔の言葉と態度に怒りを露にする。
が、直後デバイスが襲いかかり、
レーザーを避けようとするも避けきれずに直撃を受ける)
人間そのものは不快な存在ですが、観察対象としてはなかなか面白いものでしてね。
己が欲望で文明を築き上げ、進化して、挙句その欲望で自らを破滅させたり・・・
死に瀕して命乞いをする瞬間など、何度見ても飽きない。
(彼の怒りを軽く流すかのようにケタケタと下卑た声で語り)
何を仰いますか。この流れる血を御覧なさい。じゅうぶん効いていますよ。
もともと、肉弾戦は得意なほうではありませんが…その怪力、いずれにせよ接近戦は分が悪い。
(腕をびゅんびゅんと振る。見せ付けるように血液が飛び散り)
今までに見ない…?あなたから見れば少々変わっているかもしれませんが、こういう妖魔もいるのですよ。
見たところ、その腕。あなたも普通の人間ではないのでしょう?
あなたが妖魔を狩っているその力も、人ならざるものの血がもたらしているのでは?
何故、と言われましてもね…我々妖魔にも棲む場所が必要なのですよ。人間どもは、この地球を占拠しすぎた。
もっとも、私個人は人間を甚振って観察することが楽しいからやってるわけですが。
だいたいあなたがた人間だって、戦争とやらでお互い殺しあっているというのに。
その行為は、悲しみと憎しみとやらを作り出さないとでも?
(瞑目し、首を振りながらやれやれ、といった表情で)
おや…直撃しましたか。
クヒヒヒ…さて、無事なのでしょうかね。
とはいえ、接近戦は危険…このまま一気に持って逝きたいところですが
あなたの死に様を観察するのも悪くないかもしれませんね。
(レーザーの照射を確認し、妖しくほくそ笑む。
先刻の一撃もあることから警戒して、深追いはしようとしていない)
(デバイスを操り、待機状態にしたまま―――彼の次の出方をうかがう)
【ID変わっていますが同一人物です、とだけ】
っ……はぁ…はぁ……
(レーザーの照射が一旦止まり、体勢を立て直す)
(レーザーを受けた所はいずれも焼きただれ、再生がしずらい状態だった)
俺は…望んでこんな力を得た訳じゃない……。
だけど、お前みたいな奴に使わないといけない…ただ…それだけだ……
棲む場所が無いからと言って…ただ殺戮を繰り返して良い訳が無いだろう…!
それにお前は、ただそれだけのために……!!
戦争も、好き好んで憎しみと悲しみを作っているんじゃない。
一部の人間のエゴが作り出して、何も知らない人が駆り立てられているだけ。
争いが起っても、本当は人は血と涙を流したくない筈なんだ、人も、妖魔も…!。
…っ、舐めるな……!
(明らかに愚弄されている。挑発だろう、彼はギリリを歯を食いしばり…)
くおおぉぉっ!
(痛みが支配する四肢を奮い起たせ、雄叫び上げて地を蹴る)
(それは挑発に乗ったようだが、彼の目標は妖魔よりもデバイスだった)
(攻撃されたら直撃は免れない。だが敵の主な攻撃点を突くしか活路は拓けそうに無い)
ふんっ!
(打たれるが先か、壊すのが先か鈍い痛覚を感じながら腕を振るわせる)
ふふふ…満身創痍、とまではいきませんがそれなりに効いてくれたようですね。
(遠矢の破れた服、焼けた皮膚、流れる血。それらを見ると身体が悦びに打ち震える)
(生かさず殺さず、じわじわといたぶる。斃すよりもそれを優先する悪い癖がつい出てしまう)
望んで得た力ではない、ね。
力に溺れない精神の強さは評価できるかもしれませんね。
心がけはご立派ですけども…
その血?宿命?正義感?そういったモノに操られてはいませんか?
それだけ…命を弄ぶ愉しみ、一度知ってしまえば病み付きになりますよ。
魔道を往くことでしか味わえない悦びというものもあるのです。それが解ってもらえないとは。
(彼の怒りを煽るかのように、生命を蹂躙する愉しみを説く。狂気に染まった瞳で)
ま、ヒトと妖魔、互いに言い分はありますし譲れない部分もあるのでしょう。
やはり相容れない存在なのですよ、きっと。それが歪んで今のような形になった。
少なくとも私は、血も涙も大好きですけれど。叫喚も慟哭も、心地よい旋律となり得ます。
さて、少々お喋りが過ぎたかもしれませんね―――そろそろ、閉幕といきましょうか。
(互いに一撃を与え、思うところをぶつけあっていたところで、ふと遠矢が動く)
(一気にとどめを刺さず、様子を見ようとしたのが災いしたか。いつでも攻撃可能なよう、
彼の傍に待機させていたデバイスを退避させようとしたが、無駄。遠矢の攻撃速度のほうが速く
5つあったデバイスは1つにまで減り、残る4つは機能を破壊されて廃墟の地面に転がり落ちた)
な、なぁぁにイイイィィ!!
(ひときわ甲高い声で驚愕の叫びをあげる。油断しすぎた。
妖魔の戦略はデバイスによるレーザー照射を主としており、それを奪われては
万に一つも勝ち目はなくなる)
この一瞬で破壊されるとは…あなたの生命力と腕力を、見誤っていたようです。
(残りひとつを使役し、彼から距離をとり最期の抵抗を試みる)
(一点に照射する形だったレーザーを、光の散弾のように、広範囲に放ちながら)
自分の血…進む宿命…課せる正義……
そんなもの、関係無い。命を弄ぶ魔道も邪魔だ……っ。
俺を操るモノなんて何もない。
あるとすれば、ただ生きたい≠サれだけだ。
お前みたいに、明日を省みない殺戮を悦しむ為に生きるのではなくて、俺は今より良い明日を見たいだけだ…。
(そう言い終えると、周りに漂っていた4つのデバイスを叩き落としていた)
(いくら多角的な攻撃が出来るとはいえ精神操作型。
慢心を生んでいた妖魔は自ら敗因を作り出していた)
そのためにも…お前を倒す……!
何時か人と妖魔が分かりあえる明日に、お前は不要だ……!!
聞くなら、最後に自分自身の旋律を聞かせてやるよ!
(地を蹴り、風の如く妖魔に接近する…!)
ぐっ!?
(レーザーが雨のように広範囲に及び、それらが地に降り注ぎ光の凶刃となり襲い来る)
(それを彼は片手をかざし、盾代わりに防ぐ)
(盾代わりの腕と防ぎきれない部分は直撃を受け、
肉の焼きただれる焦臭さと焼けた鉄の臭いがたちこめる)
(だが肉を切らせ骨を断つつもりか妖魔に接近し、)
うおおおぉぉぉぉっっ!!
(獣の咆吼。そして焼けた剛腕を振り上げ、妖魔へと必殺の一撃をぶつける…!)
今日を生きるとは、昨日より強くなること…だと?
死と直面して、なお生の尊厳を見失わない者。私が、もっとも嫌いなタイプですよ。
(これまで見せていた笑みとは打って変わって、憎しみの光を宿した瞳で彼を見据える)
(攻撃デバイスを墜とされたことよりも、その精神がひどく気に入らない様子)
ヒトと妖魔が分かり合う!?
クフヒヒハハ八 ノ \ / \
ヒトであれ妖魔であれ、そんな考えに同調する者がどれほどいるのでしょうか!?
寝言は眠ってから仰ることです!醒める事のない昏い悪夢で
(血走った眼を大きく見開き、もともと狂っていた性格がさらに発狂したごとく、叫ぶ)
(まるで光弾の雨。デバイスから照射されたそれは彼に降り注ぐが、広範囲に及ぶ分威力が弱まっている。
それでも防御の及ばない部分には効いているようだが…致命傷には至らない、と判断し
デバイスを手に戻し、妖気をエネルギーとして送り込む。そのまま最大出力となったプラズマアークの刃が彼を襲う)
(腕からは水銀の血が飛び散り辺りを濡らす。零れ落ちる命をものともせず、
獅子奮迅の勢いで突進してくる遠矢。交わそうともせず互いに一撃をぶつけ合い)
ぐがはぁぁアアアぁぁぉえあアアア
(次の瞬間、妖魔の半身が消し飛び、盛大に水銀の血の華が咲く。片腕で身体を支えたまま
もはや戦うことはおろか、立つことすらままならない状態。血の海のなか呟く)
私…ひとりをタオしたところ…で…ながレが…カワるト・・・・・・デモ?
(収束した光の凶刃が、彼の身を切り裂く)
(それは盾代わりにしていた腕を切断し、足にも焼き斬られ、ただれた痕を残す)
(しかし倒れるにも先に妖魔の腹を引き裂き、腸を引き千切りながら体の半分を裂いていた)
…いる……ちゃんと人にも、共に在りたい人はいる…。
だから……人にもいるなら、きっと妖魔にもいると思う………。
悪い夢は何度も見たさ。見ては醒め見ては醒めの繰り返しだけど。
(遠矢は、まるで妖魔を哀れむ様に、そして諭す様に淡々と言葉を紡ぐ)
お前一人殺しても、何も変わらない…
だけど、これでお前に殺される人間は居なくなった。
お前は人と分かり合おうとしなかった。
お前は人を殺した。だから俺に殺された。
それは俺が殺さなくても、殺しをしたお前はいつか殺されたんだ。
そして、人と分かり合おうとしないお前がいなくなって、少しでも流れは変わると思う。
海の潮に、小魚が逆らう…その程度でも……。
(決着は着いた。哀れむように、諭すように語り掛けてくる遠矢に、
生命が尽きる寸前まで抗うかのごとく、憎らしげに言い放つ)
ヒトは…都合ガわるイモノ、スベテを排除セントする。
アナたは…なにも見えては……いない…
いちコジンのチカラデ…逆らエルこトなど…知れテイる。
…あナタ自身モ………イツか、ソの力ゆえニ、ニンゲんに迫害サレる…
ソンなモノのために…イノチをカケて戦ウなド…理解デキない。
マシテや、共存ナド…空中楼閣ニ…すギナ…イ…
フヘハハハハハハハ八 ノ \ / \ かハァッ
(最期に彼の理想をあざ笑うかのように大笑し、喀血して息絶える。)
(血と瓦礫が散らばる廃墟に崩れ落ち、デバイスが主の死を弔うかのごとく転がっていた)
【これで〆かな。お付き合いありがとうございました】
(妖魔が事切れたのを確かめると、
切れた腕部を片手でかばいながら、
怪我をした方の足を引きずり帰路に付く)
(いつ切り捨てられるかなんて分かっている。墓無の半妖はいつ処分されるかいつも脅えている)
分かってる…分かっている……けど………っ
(けど、それでも希望は持ちたい。自分が、明日を生きられる事。そして、良い明日が見られることを)
(所詮は楽観論。気休と言われても…)
それに……人間、妖魔はきっと…いつか………。
(妖魔の最後の言葉を言い返す様に呟く。何時か会った人の話を思い返し、それを忘れていない)
(今日も誰のためとかは分からない。だが、満身創痍となっても明日を進む彼は、今日も帰路を付く)
【久々のバトルロールありがとうございました】
【返信時間が…大分やってないせいだ……orz】
【こんな遅レス者にお付き合い頂き感謝です。】
【ありがとうございました。いえ、こちらこそヘタで遅くて申し訳なく。】
【どうか悲しい事仰らずに積極的に参加してくださいな。それでは】
【ありがとうございます…ではまた機会があったら。ノシ】
【どうして誰もこちらを利用しないんだろうと思いつつ、待機です】
【どなたでもどうぞ〜】
【こんばんはー】
【お暇でしたらお付き合い願いますか?】
【こんばんはーっ】
【あ、あ、あ、ありがとうございますっ…このまま寂しさで死んでしまうかと思いましたorz】
【趣向はお任せします】
【それでは適当に舞台をご用意させて頂きますネ】
【少々実体験も・・・混ぜさせて頂きます・・・】
【導入書きますので少々お待ち下さいませ、優希様】
【はい、楽しみにお待ちさせていただきます】
誰もが眠りに付く深夜・・・。
此処、水ヶ瀬総合病院も静寂に満たされていたが、
その病院内に静かに足音が響いていた・・・。
誰もが気付かない足音。
誰もが気付かない殺気。
しかし、「霊」や「魔」を肌で感じる事が出来る者もいる。
それは「退魔士」か「妖魔」か・・・。
深夜の病院から静かな霊気が流れ出していた・・・。
さて、今夜はその霊気を出す者と霊気を感じ取った者の話しをしようか・・・?
【どうぞお好きな場所で異変を感じ取って下さいませ】
【よろしくおねがいします!】
シンと静まり返った夜更け。
空は月を覆いつくすように黒き雲に覆われていた。
『明日は雨かな………』
退魔を終えたばかりの私は、街の路地裏で空を見上げながら瑣末なことを考えていた。
今日はなぜか、眠れないような気がする。
不気味なほどに静寂な雰囲気がこの街を支配しているように思えたのだ。
………そして、道を歩きはじめた。
その不気味な静寂から逃れたいと思う気持ちからか、私の足は速くなっていた。
果てには走り出していた。何かが気にかかる。
―――自然と、私の足はこの街で最も大きな病院へと向かっていた。
【こちらこそよろしくお願いしますっ!】
(小児科病棟)
医師「さて、私はしばらく休ませてもらいます。何かあったら呼んで下さい。」
看護婦「あ、はい。分かりました。私は病室を見周りますので・・・。」
(ごく普通の会話、しかし既に妙な霊気が流れ・・・)
―――――病院にたどり着いた。
私はここで何をしようというのだろう?
短く息を吐きながら、その建築物を見上げた。
(………え?)
微かだが、違和感を感じた。
なんだろうか、この違和感は……分からない。
おそらくは霊気によるもの―――……兎に角、気になる。
私は木々を伝って屋上へと飛び移った。
さ〜て、さっさと見回り終わらせましょ・・・。
別にやらないとイケナイ事もあるし・・・フフッ。
(意味深な笑みを浮かべると懐中電灯を手に3つの病室へと向かう)
まずはココからね・・・。
(カルテと何かを手に病室へ入る)
………やっぱり、奇妙な霊気を感じる。
(妖魔か、退魔士か、それとも他の要因なのか、分からない。
兎も角、後で後悔しないように今は行動すべきだ。骨折り損ならそれでいい)
鍵は……やっぱりかかってる。
(階下へと続く出入り口の扉をがちゃがちゃ回してみるが、鍵がかかっており)
……仕方ない。すみませんが壊させてもらいますよ。
(誰に言うでもなく、そう呟くと右手を伸ばして)
来なさい―――…闇烏。
(黒紫色の風が吹くと共に、右手には巨大な剣が握られており)
啼け―――……!
(ぱぁんっと弾ける音と共に空を薙ぎ払うと、バラバラと扉が崩れ落ちて)
……行ってみようかしら。
(小さく呟くと共に、階段を下りて行く)
ここはこれでOKね。
次は・・・。
(カルテを確認し入室する)
〔みんな寝ているようね、問題なしだわ。〕
さ、最後の部屋ね。
(何かを叩く音を耳にして)
何?!今の音?!
(カルテと隠された何かを持ち直す)
こんな日に・・・、厄介だわ・・・。
(入室を断念し、恐る恐る階段へと向かう)
誰か・・・いるのかしら・・・?
………看護師……さん?
(階段を下りると、此方を見つけた看護師がいた)
(抜かった。一般人と出くわすとは……と思ったところで、違和感を感じる)
……もしかして、あなたですか?
この奇妙な霊気の持ち主は―――……?
(場合によっては敵かもしれない。
右手の剣を手にして警戒しながら目の前の看護師を睨みつける)
・・・!
(その表情は恐怖に凍りつき)
だっ、誰か・・・、誰か・・・。
(助けを求める声は震え、声にならず)
な、何の話しよ!警察呼ぶわよ!
(バサッとカルテと何かを床にばら撒き腰を抜かす)
(霊気はここからでは・・・ないようだ・・・)
(やっぱり面倒なことになった、とため息をついて)
『まあ…いざとなったら逃げたら良いか』
(めんどくさそうにぽりぽりと頭を掻きながら)
…………あれ? 何か落としましたよ?
……これは、何ですか?
(落ちたカルテを拾い、ばら撒いたそれを見つけて)
何ですか!本当に警察よびま・・・。
(そこまで言うと意識が途切れ倒れる、
余談だがカルテと共に落ちた物は合コンの案内のメールのプリントアウト)
ケジッ、キキキ・・・。
(舌なめずりし、笑うソレは痩せた体に妙に膨らんだ腹部・・・、餓鬼だ)
ウジッ、ウジッ!
(数匹の餓鬼が看護婦を取り囲み、下半身を隆起させ体を弄り始める)
ギーギー!
(合図をすると数が増え、優希の周りにも集まり始める)
………なんでこんなところに妖魔が?
(そもそも、考えることが間違っているか、とため息をつく
兎に角、今はこの現状を切り開き女性を助けること)
私は誓ったんです―――理不尽な力に抗うと…!!
(ブゥン、と長大な刀身を持つ剣を円を描くように薙ぎ払うと風圧により餓鬼を吹き飛ばす)
――――――斬。
(冷静に状況を判断する。数が多すぎる。
しかし、このまま放っておけば、ここの入院患者にも被害が及ぶ)
(縦に大きく斬り薙ぐと、その軌道に沿って氷柱が餓鬼たちを身体を突き貫いていく)
(その隙を狙って、悶え苦しむ餓鬼たちの間を縫って看護婦を抱えると、そのまま突っ切る)
『……この霊気の大元があるなら、そこを叩かなくちゃ…。ないなら―――』
(こいつらを一人で相手にしなくちゃならないな、と眉を顰めながらも広い廊下を疾走していく)
グギャーム!!
(優希の剣と魔法、破魔の力が餓鬼共を薙ぎ払う)
ウジィ・・・、ウジィ・・・。
(とめどなく沸き始める餓鬼、しかし何処からか沸いている様にも思える)
グジィ・・・、オンナ・・・ヤル・・・。
オンナ・・・ヤッテカラ・・・クウ・・・。
(倒しても倒しても増える餓鬼、ついに優希の足元に絡み付き始める)
【優希様は多少のお時間エロール大丈夫でしょうか?】
【うろ覚えで申し訳ありませんが挿入はNGでしたか?】
【内容、お時間ご指定頂ければ適当な所で止めます故】
はぁっ…はぁっ……!
私は……負けるもんかッ!
(女性を背後に横たえると、薙ぎ払い、薙ぎ払い、薙ぎ払い……)
(疲労が溜まって来ているのか、荒く息を漏らしながら、薙ぎ払う)
【挿入はNGですね。ただリセット有りなら最後まででもいいですけど】
【時間は平気なので、そちらにお任せします】
グジッィィィ!!
ゲジィィ!!
(断末魔を上げて唯の肉塊になる餓鬼)
オンナ・・・!!オンナ・・・!!
(疲労の出始める優希を嘲笑うかの如く足元から這い上がる餓鬼)
ニクッ!ニクッ!!ハァ・・・ハァ・・・。
(臭い息を漏らしつつ優希に隆起した下半身を擦りつけ)
クウ!オレクウ!!
(ついに服を破き始める餓鬼、胸や太ももをつねる様に触り始める)
コレモクウ!!ウジッィィィィ!!
(背後の看護婦にも無数の餓鬼がたかり始め)
ハァ・・・、ハァ・・・、オカセ!!オカセ!!オカセ!!
(絶望にも似た状況の中、一筋の光明。どうやら餓鬼は「第3病室」から沸いているようである)
【失礼、追記です】
【お時間の件了解です】
【挿入、リセ無しで行きましょう】
【それでは再び闇の世界へ・・・】
くっ……!
(裸に剥かれて、形の良い乳房が微かに震えて露出される)
(羞恥心や嫌悪感を感じるが、今はそんなことに気を捕らわれている場合ではない)
凍れ……!
(魔力を小出しにしながら、餓鬼を追い払う)
(それでも、乱暴に身体を求めてくる餓鬼に追いつかれ、乳房を揉まれ)
んんっ……くぅう……!
(微かに艶かしい吐息を吐き出しながら、剣を握り締める)
(諦めない―――、諦めたらそこで終わりだ。
諦めるのは全ての可能性を叩き潰される寸前、その一瞬だけだ)
(氷で薙ぎ払い、ずり、ずり、と這いながらも、大元を叩くために気配を察知し)
『あそこ―――……!』
(拳を握り締める。諦めるな……諦めるな! 誓っただろう、自分に! 友に!)
(自分を叱咤しながら、高圧の魔力を拳に収束させて)
―――…どけろぉぉおおっ!!!
(魔力を爆散させ、辺りの餓鬼を氷付けにさせると、一気に走り出す)
啼け―――…闇烏ッ!!
(衣服はぼろぼろで、肌も露出しているが気にすることはない)
(気にしたらそこで負けだ。女性を無理やりに餓鬼から引き離し鬼神のように餓鬼を四散させていく)
イギィィィィ・・・、オンナ、オンナッ!!
(荒々しく禍々しい者共が優希の胸を揉み、吸い付く)
アー、アー、ココ、ココニイレロ!!オカセ!!!
(下着に手を滑りこませる数本の細い腕、優希の陰部を、陰核を弄る)
オンナノニオイダ・・・、タマラネェ・・・。
(数匹の餓鬼は優希の雌の匂いに耐え切れず濁った液体を放出し)
ギィ!ギィ!!
イデェ・・・、イデェヨォォォ・・・。
(優希の魔力により腕や足が千切れる者も多く)
(既に餓鬼に埋め尽くされた廊下を走る・・・、
傷つきながらも走る戦乙女、佐々木優希)
ギィギィ・・・、スエ、モットスエ・・・。
(ようやく辿り着いた病室には一人の少女がベッドの上にいた。
餓鬼は直接触れることは無かったが、少女から精気を吸い取っていた。
そして増殖、冥府の穴から大量の餓鬼が溢れ出ていたのだった。
まだまだ増える、溢れる餓鬼。)
くぅ……やめなさいっ…!
(かぁっ、と真っ赤になり、無理やり快感を覚えさせられて屈辱感を覚える)
(愛液をぽたぽたと漏らしながらも、兎に角、前へ、前へと進んでいく)
痛い目に遭いたくないのなら、帰りなさい!
私を求めるなら、それなりの代償を覚悟なさい!!
(餓鬼の精液や血液など、様々な液体に裸体を塗れさせながらも
高々と宣言して、走る、走る、走る―――走る!)
『女の子……!? 助けなくちゃ!!』
(裸体に大剣と、アンバランスな姿だが、その目的は変わらない)
(ただ、目の前の少女を救わなくては。その目的のためなら、敵が何者だろうと構いやしない)
―――退きなさいッ!!
(溢れる餓鬼を叩き潰しながら、少女を守るようにその剣を薙ぎ払う)
……これは!? どうしてこんなところから、冥府の門が開いているの…!
兎に角……ここを封じてしまえば……!
闇烏……私の力を使いなさい…! あなたの力でこの娘を助けるのよ!!
(コォォォ…と淡い黒紫色の光が剣を包み込み、穴を切り裂くように剣を振う。
その一瞬室内をその光が覆いつくし―――)
ウァガギャ!!
ギィィ!!
(様々な断末魔を挙げながら餓鬼が倒される、しかし増え続け)
オカセ!!コロセ!!オカセ!!コロセ!!・・・
(狂った咆哮が木霊する中、戦乙女の剣が唸り、光る)
(ザン!ザン!ザン!と、何かを切り裂く音、その後には無数の
餓鬼の首が転がり・・・)
餓鬼は私に任せて下さい・・・。
私にはその扉を閉じる力はありません。
貴女の・・・、その光の波動で!
(テノールの響きの男性の声が聞こえる)
(キィィィンと高い音がすると優希の剣の光が増す。
今までの経験が、修行が、想いが、優希に新たな力を与えたのだろうか?
その力に屈服するかの如く冥府の門は静かに閉じていった)
申し訳ありませんでした・・・。
(テノールの声の主、病院の医師だろうか?
ゆっくりと優希に話しかけると自分の白衣をそっと優希にかけた)
はぁ、はぁ………はぁ……。
(とさっ、とその場にへたり込む
極度の疲労と緊張の糸が切れてしまったためか、力が抜けてしまったのだ)
……え…、あ、貴方は……?
(状況も落ち着いたことで、ようやく男の存在に気付いて―――真っ赤になる)
(改めてこうして男性に裸を見られたということが気になりちらりと顔を向けて)
……ありがとうございます。あの…、お医者さんですか?
(ふと身体に掛けられた白衣を握って、視線を向ける)
あ……そういえば、さっきの看護士さんは……?
お疲れ様です。
服と何か飲み物を用意しますからこちらへ・・・。
(そう言うと無人の診察室へと招き、洋服やタオルと提供した後に
話しをしようとお茶を煎れて待機している)
えー・・・、貴女は退魔士の方ですね?
貴女を呼び寄せたの私です。その件、謝罪します。
(深く頭を下げ)
彼女(看護士)なら心配ありません。
変な記憶は全て消して置きましたから、貴方の事も覚えていません。
私は医者であり・・・、そして貴女方に狙われる魔族です。
(そう言うも敵意は感じられず)
…あ、すみません。
(タオルで簡単に身体を拭き、用意してもらった衣服に着替えて)
それじゃ、ちょっと失礼しますね。
(椅子に座って医師らしき男と向かい合わせになって)
……退魔士…と呼べるかどうかは分かりませんが。
一応は、そういう部類に入るんでしょうね。
……別に構いませんよ。その理由を話してくだされば。
(苦笑して、肩を竦める)
ああ……それなら良かった……。
(ほっと安堵の吐息を吐き出すと、嬉しそうに微笑んで)
………魔族?
すみません、さっきの出来事と併せて詳しくお話して頂けませんか?
(不思議そうに首を傾げながら、尋ねる)
そうですね、お話ししないと・・・。
察するに貴女はフリーの方の様ですし全てお話しします。
私の仕事は死期の近づいた人間の命を狩る・・・死神です。
いつの頃かわかりませんが、ずっと存在しています。
でも人間と接しているうちに少しでも、もしかしたら助かるのでは?
そう信じて医師になりました。
(可笑しいだろう?と、自嘲の笑みを浮かべ)
そして病室の子供・・・。
私には死期が見えます、そう言う能力の持ち主ですから・・・。
医学的にももう・・・長くはないでしょう・・・。
でも、あの子が「桜の花が見たい」、そう言うのです。
ですから私はあの子命を奪えなかったのです。
それ故に冥府から餓鬼が溢れ、私やあの子を殺しに来たのでしょう。
ですが、私にはあの扉を閉じる事は出来ないのです。
光の力がありませんから・・・。
ですが、退魔士の方に私のような魔族が依頼も出来ませんし、
わざと霊気を発して貴方の様な方が現れるのをお待ちしていたのです。
(再び頭を下げ)
あの子は助かりません。いつもなら苦しくなる前に命を奪うのですが・・・。
どうしても最後に桜の花を見せてやりたくて・・・。
(寂しげな表情で未だ咲かない桜の木を見つめる)
………そうですか。
(全てを聞き終わって、目を細め微笑み)
私は貴方のような能力はありませんし、何よりあなた自身ではないですから
あなたとあの少女については何も分かりません。
……けれど、貴方のしていることは、自分の意志に基づいてやっている。
私は、凄く立派なことだと思いますよ?
なるほど、私を呼び寄せた理由はそういうことですか。
そうですね……殆どの退魔組織が魔族を含む妖魔たちを目の敵にしているようですから。
(仕方がありませんよ、気にしないで下さいと、苦笑して言って)
何か方法はないんですか?
病を治す方法がないにしても、桜が咲く時期まで彼女を延命させる方法は……。
私なら手伝います。……こんな私で何が出来るかはわかりませんけど。
(同じく窓の外へと視線を向けて、ぎゅっと拳を握る)
立派・・・、ではありませんよ。
(首を横に振り)
貴女こそ立派な方だと思います。
退魔士の方々が貴女のような方ばかりなら・・・、もう少し世界は・・・。
(残念そうに俯き)
今、私は一つの禁忌を犯しています。
彼女の痛み、苦しみ等の感覚を全て断ち切りました。
私の能力の一つです・・・。
それ故、あと一ヶ月ほどは持つでしょう。
(再び桜の木に目をやり)
桜の花を見せてやってから・・・、天国へ送ります。
私は多くの人間の命を奪い、これからも奪って行くでしょう。
助からない人々の痛み、苦しみを「死」と言う形でしか開放してあげられませんから・・・。
例え退魔士、妖魔に裁かれ地獄に堕ちようとも、私は人々を救いたい。
出来る限り助けてあげたい、そう思うのです。
貴女の様に強く、優しい人がいるのであれば・・・。
その日が来ても私は恐れる事なく現世を離れられます。
どうか、これからも弱き人々の為に・・・。
ご無事をお祈りしています。
嗚呼・・・、死神に祈られても困りますね。
(うっかりと言う顔で照れた様に笑い)
【そろそろお開きにしましょうか?】
……私は、そんな人間じゃありませんよ。
友人一人すら守ることが出来なかった、非力な人間です。
……そうですね。でも……全てを諦めるには早いと思いますよ。
(儚げな笑みを浮かべて、首を横に振って)
………分かりました。
貴方の志は私が受け継ぎます。
貴方のように何かを救いたいという気持ちは私も一緒ですから。
……死神は魂を天国へと導く者とも聞いております。
だから、どうか―――そんなに悲観しないで。
あの娘が、天国でも安らかに眠れるように……。
もっとも、私は死後の世界がどうなっているのかは分かりませんけれど。
(苦笑して、強い眼差しで、男の顔を眺めて)
【そうですね、分かりました】
はい。私も出来る限りの事はこれからもして行きます。
貴女は・・・、楽観的な言い草かも知れませんが、
一人の友人を失う事によって、多くの人々を護る決意を固めたのではないですか?
だから、その事に捕らわれず大切に思い続けてあげて下さい。
私に何が出来るか分かりませんが、お困りの事があれば・・・。
例え妖魔でも治療いたしますよ。
(そう言うと携帯番号やアドレスを優希に渡す)
ありがとう、そして頑張って下さい・・・。
(優しい微笑みで優希を見送り、子供達の様子を見に病室へと足を運んだ)
〔佐々木優希ですか・・・。伝説のワルキューレとは彼女のような
存在だったのかも知れませんね・・・〕
【こちらはこれで終了いたします】
【長時間のロール感謝いたします!】
【お疲れ様でした、またよろしくお願いします】
【おやすみなさいノシ】
【一応データ投下しておきます】
【あくまでナナシキャラです】
【名前】金山 茂(かなやま しげる)
【年齢】500歳以上、外見20代後半
【性別】男
【サイド】中立
【組織】無所属・水ヶ瀬総合病院(小児科)
【サイズ】178cm/65kg
【容姿】スーツor白衣、細身で声が高い。
【得意】お相手次第で何でもやります。
【能力】人間の死期が分かる。妖力隠蔽、隠密行動全般。
死期の近い人間の命や感覚を奪う事が出来る。
後天的能力として医学(専門は小児科、外科)
【武器】死神の大鎌
【NG】得意に準じます。
【弱点】光、聖、炎の攻撃、特に聖書の言葉。
【備考】命の尊さを知り、人間愛を持ってしまった死神。
結果、退魔、妖魔、両方から狙われるハメに。
それでも人間の為に存在する覚悟を決めている。
―――…はい、ありがとうございます。
(嬉しそうに笑みを浮かべて、うん、と頷きを返して
男から携帯番号やアドレスのが書かれたノートの切れ端を受け取ってポケットへ入れる)
私も何かあれば、微々たる力ですが…お貸し致しますので。
私に出来ることでしたら、お呼びくださいね?
(フッと笑みを浮かべると同じように自分の携帯番号を書いたメモ用紙を渡して)
………はい。
私が言う台詞じゃないかもしれませんけど、貴方も頑張ってください。
それじゃあ、また―――。綺麗な桜が見れるといいですね……。
(笑みを浮かべたまま軽く頭を下げるとその場をあとにした―――…)
【お疲れ様でしたッ!】
【こちらこそ、長い時間、お付き合いさせてしまって申し訳ありません】
【どうかまた機会がありましたら、よろしくお願いしますっ】
【それではお付き合いありがとうございました…お休みなさいノシ】
【少し待機してる】
【待機解除ノシ】
【誰かいますか?】
【一応いますがノシ】
【新キャラで参戦しようと思ってるんですがとりあえず避難所に行ってキャラハン
貼ってみるんでよろしくお願いします】
【了解しました】
【参上です…】
【さて、どうしましょう? バトルがいいか、エロールがいいか…それとも遭遇だけで終わらせるか】
【では状況にそって軽くバトル→軽くエロールってかんじで…】
【分かりました。挿入までいくとリセットになりますが…それでもよろしいでしょうか?】
【あと付け加えて言うのなら、容姿の部分はもう少し考えた方がいいかも】
【解りました】
【容姿と言うとやっぱり髪型、身長はつけた方がよかったでしょうか?】
【はい、髪型とか体型とか……まあ、それらは後で補足するとして
実際にやってみましょうか】
女性の悲鳴―――。
夜、妖魔の退治からの帰り道、人気の少ない路地裏から聞こえてきた。
急いで私は、アスファルトの地面を蹴り飛ばし、その悲鳴が聞こえてきた方角へと向かう。
たどり着くとそこには、黒スーツに身を包んだ女性が妖艶な笑みを湛えて立っていた。
「その女性を放しなさいッ……!」
己の得物―――大剣を黒き風と共に呼び出す。
彼女が何者かは知らない。だが、目の前の倒れて込んでいる女性は助けなければ…。
【はい!分かりました!】
「何よ…まったく……
これからが良いとこだったのに…」
突然の声に獲物を逃してしまう
ここ最近、事件も起こさずおとなしくしていたせいでストレスは溜まり
やっと発散できる機会を逃してしまったせいか機嫌が悪そうだ
「何よあんた…私に何か用?」
別に名乗る必要はないんじゃないんですか?
(もうこの時点でお互いの目的は相違してしまっている)
(彼女はあの女性に危害を加えようとした、自分はあの女性を助けようとした、
それだけで二人が対峙する理由は決まった)
………何が目的かは知りませんが、乱暴に女性を甚振るのは感心しませんね。
用があるとしたら、このまま貴女に帰っていただくことでしょうか。
(スッ―――と剣を構える。汗が額から垂れ落ちる。
相手がどれだけの実力者なのか、分からない。いつものことだが、緊張が走る)
あら…
酷い言い草ね…
私はただあの娘の体を味わおうとしただけなのに…
(まるで玩具を取り上げられた子供のように機嫌を損ね優希に背を向ける)
やっぱりストレス解消は人間の女を貪るよりも……パチン!
(女が指を鳴らすと突如閃光が走り表道りが爆風に包まれる!)
やっぱりこれよね…
一方的なアプローチでは、同じことだと思いますが。
(警戒を解かない。いつ、この女性が、攻撃を仕掛けてくるか分からない)
(そう考えた次の瞬間、女性はくるりと背中を向けて指を弾く、同時に夜闇は明るく照らされ)
あなた―――…!!
(目を見開き、ぎりっと歯噛みする―――
自分でも気付かないうちに、女性へと向かって駆け出しその大振りの剣を薙ぎ払う)
(天敵だ。命をなんとも思わない目の前の女性は敵。相容れない存在―――)
【すみません…40分ほど夕食落ちしてきます】
…!!!
(優希の剣を紙一重でかわし足元を軽く爆破、その爆風でヒラリと舞い上がり
ビルの屋上へ…)
いいわぁ…
やっぱり人間の悲鳴は最高のオルガニズムを私に与えてくれる…
さらにあの娘の殺気…
もう最高…
(惨劇を見ながら顔を赤らめ自分の秘所を弄ぶ…その姿は異様……)
>>156 【私も8時から少し用事があるので少しばかり凍結ということで…】
ななななななっ……!!
(秘所を弄る女性に顔を真っ赤にして、硬直してしまう)
ま、待ちなさい―――!
(はっと我に帰って、素早く地面を蹴り飛ばし、ビルの壁を蹴り飛ばして女性の後を追う)
【それじゃあ、どうしましょうか? また違う日に解凍してもいいですし…】
何よ〜…まだ邪魔するの…?
貴女もしつこいわね…
なに?それとも私とやりたくなったとか?
(追ってきた優希に対し誘いをかけてみる)
【そう思ったんですけど時間が空いちゃいましたw】
【最後までやっちゃいましょう】
なっ――――――。
(その誘いにピキーンと完全に硬直してしまい)
あ、な、な、な、何を言ってるんですかッ!!
そ、そんな、私は! ただ、貴女が人に危害を加えるから!!
(真っ赤になったまま、捲くし立てて喋る)
【分かりましたw】
その気がないならそこで黙っててよ
私はここで無能な人間達の悲鳴を聞きながらもっと気持ちよくなるんだから
(そういうと再び自慰行為を始める。あたりは女の甘い声と人々の悲鳴に包まれる)
(次々と人々の悲鳴が上がるのを聞いて焦り始め)
……わ、分かりました。あ、あなたと、さ、させてください……。
(かぁ、と真っ赤になって口ごもりながら言って)
そ、その代わり……私としている間は人々に危害を加えないでください…。
(顔を赤らめたまま、そう伝えて)
あら…
そんなつもりはなかったのに…
まぁ貴女がどうしてもっていうなら仕方がないわ
(爆破行為を止め優希に近づく)
早速だけど口でしてくれない?
(ズボンのチャックを開けると女には無いはずの男の物が大きく反り返っていた)
わっ……えっ…? これって……?
どうして……こ、これがついてるんですか…?
(頬を紅潮させながら、まじまじと肉棒を眺めて)
……わ、分かりました。
(おそるおそる口を半開きにすると、舌を突き出してぺたっと触れる)
んっ……ちゅっ…ぺろぺろっ……ちゅっ…
(頬を赤めたまま、目を細めて小さな舌先を亀頭に這わせる)
んふ……っ…。 こ、こうですか……んっ、ちゅぅ…
両方ついてると二倍気持ちいいじゃない…
(まじまじと見つめる優希の質問に答える…)
ぁ……先っぽ…気持ちいい…けど……
(先っぽを舐める優希の頭をつかみ)
しっかり咥えてね
(無理やり口に肉棒を押し込む)
そういう問題じゃ……んむぅうっ!?
(口腔の奥までねじ込まされて、涙目になり)
んふぅ…ん…ぢゅっ…んちゅっ、はっ…んちゅううっ…!
ちゅっ、ぢゅるるっ…ぢゅっ…はぁっ…はっ…んちゅうっ…
(頬をへこませながら、搾り取るように肉棒を啜り吸う)
んぅ……ちゅるっ、んちゅっ、ちゅぱっ……
(肉棒をしゃぶりながらも、そっと指を伸ばしてオキシダンの秘裂をなぞる)
はぁ……
いいわぁ…貴女の舌使い……
(先ほどまで自慰行為にふけっていたせいかかなり敏感になっている様子…)
っぃぁ…!!…ぁぁぁぁっ!!!
(無防備な秘裂をなぞられ大量の精を放出してしまう…)
はぁ…貴女……よかったわぁ……
満足満足…
(そういうと優希の頬を一舐めし立ち上がる)
今日は貴女の舌使いに免じてもう爆破はしないわ…
じゃあね…
(そういい残し女は夜の闇に消えていった…)
【すみません。急用が入ったため〆させていただきます。】
【また相手して下さい ノシ】
は……ん……んふぁぁあっっ―――!?
(思わず唇を離すと、その顔面に精を受けてしまう)
あ……顔がべとべと………。
(ぼんやりとした様子でぶっかけられた、精液を指先で拭い取り)
……んっ……。 そ、それは良かったです……。
(頬を舐められて、顔を真っ赤にしながら、頷いて)
はい、約束ですよ?
―――…………。
(闇夜に消え去ったオキシダンの後姿を見つめながら、見送った)
【はい、お疲れ様でした。 また機会がありましたら…それではまたノシ】
(いつもは棚引く白い雲すら、殆ど見えない快晴の空。
絶好とも言える行楽日和だった。
高台の上、この街の全てを見晴らせる、白いガードレールで仕切られた草地の中、
少し年季の入った木製ベンチに座って、彼を待つ。)
〔……何で、私こんなに……どきどきしているんだろう……〕
(殺伐としたこの数年間は、全く感じ得なかった感情に戸惑う。
否。数年より前、両親が健在で、家庭が明るかった時ですら感じ得なかった心。
…人を待つという事が、こんなにも楽しいと思えたのは初めてだった。)
えーっと、これと、これ・・・、でいいよな・・・。
(服装、持ち物、財布などを珍しく確認する)
よし!行くか!
〔ま、たまには息抜きも必要だよな・・・〕
(少々早足で坂道を登り、待ち合わせの場所へ向かう)
ちょっと早かったかな・・・、いや、もういるじゃねぇかよ!
〔やばい!急げ!〕
(彼の視野には待ち合わせ、いや、自分が待っているはずの人物が既におり)
おーい!久保さ〜〜ん!
(手を振りながら背中のリックを揺らしながら駆けてくる)
…不破君。
(徹哉の顔を認め、口許を綻ばせる。
静かにベンチから立ち上がると、手を振り返した。)
〔…おかしくないかしら、私…〕
(休日故に、自分なりに精一杯、服飾に頭を悩ませたつもりだった。
最初に徹哉を誘った時は、そんなつもりはなかったのだが、
あの時の言葉 ―デート― と聞いてからは、何故かそうしなくてはいけないような気がして。
それでも、普段あまり着飾る事をしない自分の服装はどちらかというと地味目だった。)
そんな顔しなくても、それ程待っていないわよ。
それに、ここからの眺めは気持ちいいから…。
(見下ろす街は、僅かに白い景色を被せたような色合いで裾野に広がる。
これだけ晴れているのに、人が居ないのは不思議なくらいに思える素晴らしい景観だった。)
たはは・・・。ごめんな・・・はぁはぁ・・・。
(汗をタオルハンカチで拭いながらバツの悪そうな笑顔で)
あれ?久保さんいつもと感じ違うね?
〔今日休みだから当たり前か?〕
でも、なんかいいね。うん、いい。
(凛を全体的に眺めつつ)
ん。確かに良い眺めだな〜。深呼吸したくなるよ。
〔これもブチ壊すのかね・・・、七妖会のダンナは・・・〕
(スーハーと深呼吸をしながら、ふと思う)
そうだ、撮影しておこう・・・。
(ガサゴソとリックを探り)
あれ?俺、写真機もって来たはずなんだけどなぁ・・・。
使い捨てのやつ・・・。
(「使い捨て写真機」忘れたらしく・・・)
久保さん写真機ない?写真機。
そ、そんなにじろじろ見ないでよ…もう…。
(徹哉の視線に、急に気恥ずかしくなり、少し身を縮こまらせる。)
…写真機って…不破君って随分古めかしい言い方するのね。
携帯のカメラならあるけど…。
(しゃらりーん、と音を立てて、携帯のカメラを起動させる。)
でも…こういう景色って、写真じゃなくて目に焼き付けておくものだとは思わない?
(徹哉の隣に立ち、そう言って街を眺める。
山から流れ落ちるように吹き降ろしていく春先の柔らかな風が前髪を掻き乱す。
そこには、妖魔との争いの中では感じ取る暇のない日常の穏やかさがあった。)
いや、そんなにジロジロ・・・、見てたね・・・、ごめん!
(謝罪するも悪いと思っていない様子で)
そうかな?写真機って言わない??
あぁ、携帯の写真でもいいか。
目に焼き付ける・・・、か。
久保さん良い事言う・・・ね・・・。
〔う・・・〕
(ふと隣の凛に見とれて言葉が詰まり)
う〜〜ん。
(紛らわす為に大きく背伸びをして)
はぁ〜〜、気持ちいいなぁ。久保さんもやると良いよ。
なんだか・・・、色々な悩みとか、抱えてるもんが・・・。
馬鹿らしくなってくるね、こういう景色みてるとさ。
〔復讐・・・か〕
カメラって言うと思うけど…ま、いいか。
そうね…んっ…!
(徹哉を真似て、伸びをする。
小柄な身体が、弓のようにしなり、僅かに少女の身体のラインが服越しに伺えた。
突き抜けるように身体がしなり、額から抜けていくような感覚。
腕を下ろすと、憑き物が落ちたような感覚がした。)
…さ、こんな所で突っ立っていないで、森、行きましょ?
(ごく自然に徹哉の手に手を伸ばすと、少し無骨な手を取り、森へと歩き出す。
少し前の自分ならば考えられない事だが、そうする事に安らぎを感じた。)
(だが…)
〔―自分は今、何をしているのだろう。〕
(妖魔を殺戮し、妖魔に穢され、闇の世界に足を踏み入れた筈の自分が、
陽の当たる場所で、男の子と手を繋いで歩いている。
まるで、客観的に自分を離れた場所から見つめるような違和感が、心の何処かにあった。)
(歩きながらも、背後から、殺伐とした世界に居る事を志した冷たい瞳をした自分が
見つめているような気がして、思わず立ち止まり、後ろを振り向く。)
(無論、そこには、不思議そうな顔をした不破の顔があるだけだった。)
んっ?そうだね、森林浴だね、マイナスイオン?だっけ?
〔あってるよな?〕
あ・・・。
〔お?〕
(普段の凛からは想像できない行動に驚きつつも大人しく誘導され)
ここから森に入れるのか、通っても素通りしてたな・・・。
〔こんな風にこの世界を歩くなんて・・・、初めてだな・・・〕
(辺りを見回しながら森へと向かい)
ん?どうした?急に立ち止まって・・・?
(キョトンと凛を不思議そうに見つめ)
ん…何でも、ない。
(少し目を伏せ、首を振って陰の気を振り払った。
徹哉の後ろには、何も居ない。)
(森の中に足を踏み入れる。
緑樹の森の小道は、快晴の空から大樹の葉を通して入り込む日差しが土埃へと映り、
神秘的な光の技を見せていた。
周囲の木々の防音効果のせいで、高台ではまだ遠くに聞こえていた車両や街の雑多な音すらも
吸収され、一種奇妙な空間へ迷い込んだような錯覚さえ覚える。
鳥達すら、その空間の中では囀りを憚るのか、羽音が時々遠ざかっていくのが聞こえるくらいだった。
だが、不快な空気ではなく、旧い神社や古の森の静謐に似た雰囲気が小道の周囲を満たしていた。)
…ね、何か、明らかに空気が違うでしょう。
(振り返り、徹哉の方を見て微笑む。)
…この先に歩いていくと、少し拓けた場所があるの。
まずはそこに行きましょう。
(静かに、腐葉土の小道を踏み締めて歩いていく。
人が通った形跡はあれ、この小道にも人影はない。
まるで二人、人の世界とは違う場所を歩いているような不可思議な感覚。)
そう??なら、いいんだけど・・・。
(凛が落とした影が気になるが「今はやめよう」そう思い)
うん・・・、違うね・・・。
(瞳を閉じてすぅと、息を吸い込む)
なんかこうしてると・・・、自然を会話してるみたいだな・・・。
(緩やかで心地よい光の力を浴び霊力が高まる)
あぁ、そうなんだ?
(フッと我に帰り、リックをポンポンと叩く)
丁度いいや、俺さ、お茶持ってきたんだ。
俺、ここ来た事ある気がする・・・、いや、似てるだけかな・・・?
〔光の力・・・、森・・・、そよぐ風・・・、誰かと歩いた・・・?〕
(デジャブだろうか、確かに似た霊気を感じ取った事がある気がして)
丁度いいわね、私もちょっとしたもの、作ってきたから。
(そう言って、持っていたバスケットを少し持ち上げて見せた。)
この道を歩いているとね…不思議と気分が落ち着くのよ。
落ち込んでいる時でも、怒っていた時でも。
(不破の前を進みながら、そう言う。
小道の中に、特に踏み込まれた場所が筋のように続く細い部分を、見えない綱渡りをするように
両手でバランスを取りながら歩く。頭上から降り注ぐ光の雨が、先に続く道を照らし出していた。)
《この地に、妖魔の相を持つ者が足を踏み入れようとは珍しい。》
(突然、不破の脳裏にそんな言葉が響いた。
老人のような、重々しい言葉だった。その言葉と共に、
彼を値踏みするような視線が周囲から集まるような違和感を感じる。)
ははっ、それは楽しみだなぁ。俺のお茶ペットだけど我慢してくれよな〜。
(笑顔で凛に応え)
そっか、でも久保さん。説明してくれなくても見てれば分かるよ。
なんだかいつもと感じ違うしね。
(クスクスと笑いながら後をついて歩く)
・・・!!
(急に立ち止まると表情が険しくなり)
久保さん・・・、ちょっと先いってて・・・。
(俯き気味の表情には、いつもの温和な雰囲気はなく)
「誰だ?生憎取り込み中でな・・・、用があるならさっさと言ってくれよ・・・」
〔気味の悪いプレッシャーだな・・・〕
え、ちょっと不破君…?
(突然立ち止まった徹哉の表情に少し、怪訝な顔を見せたが、
その言葉に抗えず、先へと向かっていく凛。)
(残った徹哉の前に、光条が差し込んだ。何も、姿は見えない。)
《気付いておらぬか光の妖よ…それもまた運命か。》
《出来うる事ならば、そなたの目をもう少し早く開くべきであった…だが、私にはもう手助けは出来ぬ。》
《そなたの向かう道先に、繰り返す奈落と絶望が待ち受けていない事を祈ろう…。
近く、そなたは目的と感情のいずれかを失わなければならぬ運命にある…。》
(声は哀しげにそれだけを告げた。それきり、声は聞こえなくなった。
光条が光の雫となって、周囲の空気へと拡散していく。)
何だよ!何様だ偉そうに!お前は・・・!
いや、まさか・・・、そんなはずは・・・。
(冷や汗を掻き、その場に立ち竦み)
〔目的・・・?感情・・・?俺は・・・〕
(ゆっくりと歩き出すが、どこか力無く)
〔俺は復讐する為に、あいつとケリをつける為に来たんだ・・・
他に何がある?何もないはず・・・。奈落と絶望・・・、あれ以上の物なんて・・・〕
・・・久保さん・・・。
(ふと見上げると楽しそうにしている凛が目に入り)
俺は・・・、俺はさ・・・。いや・・・。
(ゆっくりと凛に近づいて腰を下ろし)
もし、もしもだけどさ、俺が明日からいなくなって・・・。
もう二度と会えなくなったらどうする?
(それは自問自答でもあった。自分の進む道は普通の女の子が
共に歩める道ではないのだから・・・)
…どうかしたの?
(拓けた場所で、既に先にシートを広げ、バスケットを置いて待っていた。
バスケットの中には、朝一番で作ってきたサンドイッチが入っている。
時間をかけたものではないが、色々吟味して作った自信作だった。
そこに戻ってきた徹哉は……何故か神妙な面持ちに見えた。)
(投げかけられた言葉。
それは、こんな場所で聞くなどと思ってもみなかった言葉だった。)
…え…。
〔それって…どういうこと?〕
(徹哉の姿を見て、バスケットを開こうとしていた手が止まった。
答えが見つからない。
どういう意味なのかが分からない。
その姿勢のまま、座り込んだ徹哉の顔を強張った表情で見つめるしか出来なかった。)
俺・・・、どうしてもやらなきゃいけない事があってさ。
(何処を見るでもなく虚空を見つめ)
もしね、それをやり始めたら、えっと・・・、遠い所に行かないといけないんだ。
だから、あんまり人と深く付きあったりしちゃいけないと思ってた。
部活やってて忙しいから友達もそんなにだし・・・。
部活も練習以外はつき合いもないしね・・・。
でも、色々な感情って作ったり消したりできないんだね・・・。
(立ち上がり凛に近づいて)
俺は・・・、君に悲しい思いや辛い思いしかさせられないのに・・・。
絶対に駄目でいけなくて・・・、全部・・・、全部分かってるのに。
楽しい時も、辛い時も・・・、君の事を考えてしまう。
俺は・・・。
君の事が好きなんだと思う。
(ジッと凛を真っ直ぐに、何かを決意した様に見つめ)
…。
(ただ、静かに、聞いていた。
目の前の少年が語る言葉を。)
〔そうか…そうだったんだ…〕
(何故、この人にこんなに惹かれたのか。
何故、この人と居て、落ち着いたのか。
それが少しだけ、分かったような気がした。)
〔…似ているんだ、私と。〕
(妖魔と争い、それに巻き込む事を恐れ、他人の領域に近付かなかった自分。
目的を果たした後の事を考え、他人と付き合う事を避けた彼。
何と、運命の交錯というのは皮肉なのだろう。)
…ずるい、よ、ふわ……徹哉君…。
(俯いた目の端から、堪えた涙が一雫、落ちた。
それを無視して顔をあげ、徹哉の瞳を真っ直ぐに受け止め)
…そんな事言われたら、何もいえなくなっちゃうじゃないのっ…
(くしゃり、と顔を歪ませ、徹哉に飛びつくと、その唇に自分の唇を押し当てた。
衝動だったかもしれない。
だが、それは間違いなく、自分で決めて取った行動だった。)
【とりあえず、今日はこの辺りで〆にしましょう…あと1レスずつで!】
久保さん・・・。
(自分の言葉一つ一つに耐える凛を見て、その姿に後悔と不安を覚える)
んっ・・・。
(柔らかな唇の感触が伝わる。彼女の気持ちが伝わる。
自分の思いも確信できる。ずっと離したくはないと・・・)
凛・・・、ごめんね・・・。俺が・・・、もっと早く言ってれば良かったのに。
(抱きしめたまま背中をさすり)
(プルルル・・・。特に着信メロディを入れていない無機質な着信音がして)
ちょっとごめん・・・。
(着信相手を確認すると少しだけ凛の体を離し)
はい、俺です・・・。
はい・・・、例の退魔士ですか・・・。
詳細を教えてくれれば・・・、俺がやりますよ・・・。
詳しくはまた・・・。
(その会話から聞こえた内容は凛が最も恐れ、呪い、憎むべき妖魔のそれだった)
【お時間やばいですよね・・・】
【どうしましょう;;】
【了解〜、久保さんのレスで次回に続く!】
【に、しませうー】
うぅん……分かったから……いい…。
(携帯の着信に、僅かな蜜月の感覚を邪魔され、少し哀しい気分になりながらも身体を少し離す。)
…?
(何か、聞きなれたような聞きたくないような言葉が聞こえたような気がした。
だが、彼女にとって幸か不幸か、耳に入った言葉をはっきりと構築するよりも、
今の幸福感の方が、その情報を纏める事を阻害していた。)
(しかし。)
(彼女の心の中でずっと彼女を見守っていた存在だけは違った。
宿主の耳を通じて聞こえてきた断片的な会話を注意深く、聞き取っていた。)
〔どういう事だ…この少年…?〕
(聞こえた言葉の断片だけでは、断言出来る事ではなかった。
だが、凛の事を慮って、少年との逢瀬に口出す事を憚っていた騎士は、
今、警戒の念をもって目の前の少年を見つめていた。)
【つづく!です】
【えちまで持っていった後で真実暴露の方が衝撃度とかも大きいと思うので、今暫く、凛にはこのままで(笑<鬼】
【長い時間お疲れ様でした。病み上がりですし、ゆっくりオヤスミになって下さいね。】
【きゃー!うきゃー!鬼だわっ!w】
【展開の方りょかです】
【こちらこそアリでした〜&ご心配おかけしました_(._.)_】
【それではおやすみなさい〜ノシ】
【待機します〜。】
【またこんな時間に・・・ニートじゃないですよ?】
【まだいらっしゃいますかー?】
【いますよ〜。】
【こんにちわ〜。】
【ああ・・・・ageてしまった・・・。(汗)】
【こんにちはー…と、声を掛けさせてもらったものの、どうしましょう?】
【日常会話か、対妖魔の共闘とかのバトルか、エロールか……】
【日常会話なら帰宅中の会話とか、避難所で言ってた奢りの話とかですかね?】
【どうします?(エッ)】
【エロールは前にそんなことをしたい、って言ってたような気がするので提案してみたんですが…】
【とりあえず、それで行きましょうかw】
(水ヶ瀬学園の校門―――、そこで最近知り合ったコと待ち合わせしていた)
……あ、尚さん…待った?
ごめんなさい…ちょっと用事があったから。
それじゃあ一緒に帰りましょうか?
(あの妖魔との戦いで知り合って以来、彼女とは何度か登下校を共にしていた)
(最近は妖魔退治のことばかりで、こうした穏やかな時間というものは持てなかったような気がする)
(少しばかり心が弾みながら、私たちは歩き始めた)
……そういえば、尚さんは、どこか部活に入ってるの?
【了解しましたw】
あ、優希先輩!
いえいえ、全然待ってませんよ〜。
(首を振りつつ笑う。)
あい!
(ニコニコと笑いながら歩き出す。)
あの時から、知り合いが増えた。
優希先輩とは、時々一緒に登下校をしている。
身近に退魔関係の知り合いがいるというのはかなり心強かった。
部活ですか?
あたしは帰宅部ですよ。
まあ、時々陸上部の助っ人したり、柔道部とか空手部とか見に行ったりはするんですけどね。
優希先輩は何部に入ってるんですか?
へぇ…尚さんって運動神経抜群!って感じがしますしね?
え…ああ、私は水泳部だけど、あまり活動が活発じゃないんですよね。
部員が少ないし、皆が皆、速いっていうわけじゃないし……
どちらかというと、クラブに近いのかな?
競ってタイムを縮めるというよりは泳いで楽しむって感じだし。
(そんな会話を続けながら、あ、と思い出したように声をあげて)
そういえば、尚さん、男性に対して少しは平気になりましたか?
この間は、なんだか法月…さん、でしたっけ? あの方になんだか抵抗示してましたけど。
えっへへ・・・。
(照れたように頬を掻き)
そんなことないですよぉ〜〜・・・。
へぇ、水泳部。
あー、冬は活動できませんのんねぇ。
でも、楽しそうだなぁ・・・!
あぁ・・・まだまだですね。
この前も道を尋ねてきた人に悲鳴あげちゃって・・・。
・・・やっぱり初対面の人には警戒しちゃいます・・・。
でも前に良い人に会ったんですよ!
天・・・天空院だっけ?(ど忘れ)とにかく、それに所属してる退魔師なんですけど。
なんかムカつくしぶっきらぼうでむすーっとしてるんですけど、案外優しくてあたしの恐怖症治すのに協力してくれるんです!
で、一緒にお花見する約束したんです!
あ、先輩の知り合いみたいですよ?
そうかな……初めて会った時の身のこなしは凄かったと思うけど…。
(尚に釣られて笑みを浮かべて)
だからこの時期は自主練習なんですよ。
各自、近くのスイミングクラブに行って泳ぐしかないんです。
尚さんなら、凄く速く泳げそうな気がするけど…そうだ、今度一緒に泳いでみる?
あはは……尚さんもなかなか難儀ですね。
(苦笑を浮かべながら話を聞いて)
良い人? へぇ……天空院…ん?
(最初は笑みを浮かべていたが、だんだん顔を顰めていき)
それ……天洸院って言わなかった?
それと……その無愛想な人…御影とか言う人?
(むっと顔を顰めたまま尋ねて)
まあ……尚さんの恋愛事情には口出ししないけど……
あの男は妖魔を見かけたら容赦なく殺す人間よ?
人間を救うとかそういう目的がなく、よ……
(なんだか、イメージが悪化してます)
……でも、尚さんならああいう無愛想な人間を変えることができるかもね。
うにゅ〜〜・・・恐縮です〜。
(すっかり照れて)
そうですかぁ・・・?
じゃあ、やってみようかな・・・?
(悩んでいるようです。)
うに、じゃあどっかのプールに行きましょうか!
(パァッと笑顔を浮かべる。)
あっはは、は・・・・。
(自分も苦笑する。)
天洸院!そうそう天洸院です!
間違えた・・・ぅ〜・・・。(////)
そうですよ。御影義虎!
あれ、どうしたんですか?
(怪訝そうに眉を顰め)
・・・お互いにケンカでもしたんですか?
御影も先輩のこと「敵だ」って言ってたし。
・・・・???恋愛?なんですか??
(鈍感・・・らしい。)
え?そうなんですか?
「自分の眼の届く範囲で人を殺そうとしていたら殺す。」って言ってましたよ?
あたしの父さんも・・・・いえ、なんでも。
(まだ、父親のことは言いたくないようです。)
・・・・・・・????
どういう意味ですか?
(やはり鈍感・・・らしい。)
ええ、尚さんならすぐに上達すると思いますよ。
尚さんの水着姿も綺麗だと思いますしね。
(くすくす笑みを浮かべながら)
そうですね…それじゃあ、いつか週末に遊びに行ってみます?
(思わず頭を撫でて)
まあ、喧嘩といえば喧嘩…ですけど。
(うーんと頬を掻いて視線を逸らし)
敵というよりは私の嫌いなタイプの人間なんですよね、彼は。
え…花見に行くとか言うから、もう恋人同士なのかな、と思いまして…違うんですか?
(きょとんとした様子で見返して)
……それ、本当ですか? おかしいな……私に言った言葉とは全く違うことを…?
………ん? 何か言いました?
(尚が溢した言葉は聞かなかった振りをする。話せないことだから、口を噤んだのだろうと思って)
え、いえ、てっきり恋人関係だと思ってたんで…気にしないで下さい。
ありがとうございます!
・・・先輩、変態ですか・・・?
(少し身構え、少し距離をとる。)
うむ・・・く、くすぐったいです。
(くすぐったそうに軽く身を捩じらせるが笑顔が浮かんでいる。)
(怒ったような表情をして。)
喧嘩両成敗ですよっ!
・・・・・・たとえ嫌いなタイプでも、ですよ。
あっはは!いやだな〜もう!
そんなわけないじゃないですか!
まだ会ったばっかりですよ!?
(胡乱気な目つきで)
・・・・・・先輩、無意識にイメージ塗り替えてるんじゃないですか?
・・・何がですか?
(自分の中で少し罪悪感が芽生える。)
(しかし、それを隠してとぼける。)
???・・・はい・・・?
(一応納得したらしい。)
あら、素直に褒めたつもりなんだけどな〜?
(にっこりと笑ったまま、顔を近づけて)
素直に褒め言葉を受け取らない悪いコは本当に変態なことしちゃうわよ?
……なんてね。
(くすくす笑ったままぽんぽんと頭を軽く叩いて)
ふふ、尚さんらしいですね。
―――でも、私にも譲れない部分がありますから、こればかりは、ね。
(苦笑を浮かべながらふいっと目線を逸らして)
そう? でも尚さんがそんなに親しくない男とどこかに出かけるなんて……
普通の女の子でも躊躇う子が多いと思うんですけど?
それって、傍目から見ればデートですよ。
(むっと眉を顰めて)
いや、それだけは無いと思う。それは断言できる。うん。
尚さんに優しいのか、私に優しくないのか、はたまたその両方か…ま、どうでもいいですけどね。
…いえ? 何も言ってないならそれでいいですよ。
(軽く微笑みながら髪を撫でて)
そうだ、どこかで何か食べて帰る?
少しぐらいなら私も奢れると思うし…あ、もちろん高級レストランとかは無理だけどね?
ファミレスぐらいなら…うん、大丈夫よ?
(財布の中身を確認しながらw)
【ところで時間の方はいつまで大丈夫ですか? こちらは特に制限はないですけど】
【無期限ですw】
う・・ぎぎ・・・う〜〜〜・・・。
冗談でもやめてくださいよ・・・。
(頭を軽く叩かれても、頬が引きつったまま)
本気で怖かった・・・。(ボソッ)
う〜にゅ〜〜・・・。
価値観の違いなら、しょうがないですね〜・・・。
そうなんですか?
お花見デート・・・何か、いい感じの文字!
(変な所に驚き、何故か何度も頷く)
いや、そんな断言されても・・・。(汗)
あたしに優しいのは無いんじゃないでしょうか?
会ったすぐ後に素人!って言われましたし・・・。
・・・・・・・・・・・・。
(髪を撫でられ、ますます罪悪感が積もった。)
あ、いいですねぇ〜!
・・・でも、あたし結構量食べますよ?
大丈夫ですか?
な・お・さ〜ん? しっかり聞こえてるから、気をつけた方がいいわよ?
……じゃないと、本気でお仕置きしちゃうから、ね?
(目を細めながら、耳元で囁いてw)
ん…それじゃあ楽しんできてくださいね、お花見デート。
私も行ってお邪魔しちゃおうかな……なんて、冗談ですよ。
付いて行ったら、彼に本気で殺されかねませんし。
(ふっと冷笑を浮かべて肩を竦ませて)
彼はプライドが高すぎるんですよ、きっと。
……ほら、暗い顔しないで、ね。
(何も言わずただ頭を撫でて)
いいですよ、気にしなくても…5000円さえ超えなければ。
(財布の中身はそれを少し上回る程度らしいw)
さて、と…どこ行きましょうか…。うん、ファミレスにしましょうか。
今の時間ならお客さんもそんなにいないだろうし―――。
(そう頷くと近くのファミレスを探して歩く)
【それはよかったw】
ひぎぃっ!!?
ごめんなさい勘弁してくださいすいませんでした。
先輩はSですかぁ〜?
(遠い目で涙を流す。←ギャグチックにw)
はい!お弁当をがんばって作りま〜す!
殺され・・・なんでですか?
プライドは・・・・否定出来ない。
・・・うい。
・・・もし上回ったら、自分の分だすんで・・・。
(自分も財布の中を見る。万札がチラリw)
はい、ファミレスで!
(自分もキョロキョロとファミレスを探しながら歩く。)
いいですかぁ〜? 今度妙なことを口走ったら……ふふふ。
足腰が立たないぐらいにお仕置きしてあげますからねぇ〜?
(ずいっと顔を寄せてわきわきと手を動かしてw)
うーん…どちらかというとMだと思うんだけど…ほら、尚さんはいぢめたくなるというか?
(さらりと言い流して)
まあ、当日は楽しんできてください。
ただ、心配なのが妖魔ですよね。こういうときにお邪魔が入るのがお約束ですから。
(何のお約束やら)
もし、妖魔が出て、手が入りそうであれば携帯で連絡してくれると、私も駆けつけますからね?
それじゃあ……あ、あそこにしましょうか?
(数十メートル先にあるファミレスを指差しながら入店する)
(店員に案内されて道路に面している窓側の席に案内され、メニューを開く)
……うーん…、私はピリ辛ラーメンセットを。 尚さんはどうする?
・・・・・・・・・・・・ぅぅ・・・。
すいませんでしたぁ〜〜・・・。
(ほぼ泣き。)
え゛っ・・・そんなぁ・・・。
(なんだか落ち込む)
そうですねぇ・・・。
穏やかにすんでほしいです、折角の花見ですから。
・・・こういうときっていうのが分からないんですが・・・。
その時は、お願いします!
(メニューを開いて)
うに、じゃあ激辛キムチチゲセットとから揚げで。
デザートは・・・無し。
(これでも遠慮してるつもり。)
いや、いぢめたくなるほど可愛いって言うか。
ほら、よく言うじゃないですか、好きな女の子ほどいじめてしまうって。
そんな感じですよ、うん。
(ニコニコと笑って頭を撫でる)
(店員が分かりましたと、告げてその場を去っていく)
それだけでいいの?
食べるっていうから、もっと注文するのかと思ったんだけど……。
(想像よりはとても少なかったようだw)
(しばらくすると、注文したものが持ってこられて)
…それじゃ頂きます。
(手を合わせてそういうと、割り箸を割ってずるずるとラーメンを啜っていく)
んー…もぐっ…、うん。なかなかおいしーっ♪
それなら、まあいいんですケド・・・。
・・・ん?いいのか?
なんか頭撫でられてばっかりですね。
(恥ずかしそうに言う。)
え、だって5000円・・・。
大丈夫なら、デザートを頼んでいいですか?
すいませ〜ん!追加でビッグパフェお願いします!
(店員さんを捕まえて頼む。)
うふふ〜ぅ。
(とても嬉しそうな表情で)
いただきます!
(手を合わせて軽くお辞儀。)
(そして美味しそうに食べ始める。)
・・・んむ、ふーーっ辛旨〜っ!
だって、尚さん撫で心地がいいから。(ぇ
うん、なんとか余裕があるし…
大丈夫だと思いますよ。
(ちらちらとメニューの料金と、財布の中身を確認して、ホッとため息をつきw)
(ずるずるとラーメンを啜りながら、ぱくぱくとおいしそうに食べる尚を見て)
本当美味しそうに食べますね、尚さん。
(くすくす笑いながら、勢いよく食べ進める尚を見て)
(しばらくして、完食し終わり、箸を置く)
はぁ……美味しかったぁ……。
ごちそうさまでした…っと。 あとは、尚さんのデザートですね。
あたしは人形か何かですかーーー!!?(ツッコミ)
良かった♪
(笑顔を浮かべて再び食べ始める。)
うむ・・・ん〜っ!
(食べたのを口に入れたままコクコクと頷く。)
(激辛キムチチゲセットを食べ終わり、デザートが来る。)
辛かった〜!
あ、じゃあデザートいただきま〜す!
(そしてジャンボパフェを嬉しそうに食べ始める。)
……でも、本当によく食べますね…。
(茫然とぱくぱくと食べてパフェを食い尽くしていく尚を眺めてw)
どう、美味しいですか?
それだけの量のパフェ…、よく食べれますね…うーん…
(それでよく太らないなぁ、と少し羨ましがりながら眺める)
甘いものとか好きなんですか?
私も好きですけど……さすがにそのパフェの量は食べきれないかも…
(苦笑を浮かべながら、尚の食べっぷりを評価する)
さて…食べ終わったら出ましょうか。
あまり遅くなってもいけませんしね。
(くすりと笑うとごそごそと財布をもう一度確認して)
へ?ほうへふは?(え?そうですか?)
ふぁい!・・・モグモグ・・・美味しいです!
むぐぐ・・・でも、帰り道におでんを買って食べたいですねぇ・・・。
甘い物好きですよ?大好きです!
(残り少ないパフェを口に運びつつ)
『〜〜食べきれたら賞金!』とかあるじゃないですか?
挑戦したいです。(真剣)
あ、食べ終わりました!
(最後の一口を口に入れる。)
うにゃ、ご馳走様でした〜。
(お辞儀をする。)
え゛……ま、まだ食べるんですか?
(引きつった笑みを浮かべながら尋ねて)
ああ…確かにありますね、そういうの。
……尚さんだったら平気でクリアできるような気がします。
(あはは、と乾いた笑みを浮かべながら)
さて、それじゃあお会計を済ませて店を出ましょうか?
(席を立ち上がると、レジへと向かい支払いを済ませる)
(どうやら、お金は足りたようだw)
はぁ…美味しかったぁ……。
それじゃあ、そろそろ帰りましょうか?
【そろそろ締めましょうか?】
・・・やめた方がいいですかね・・・?
(心配になったらしい。)
そうですか?
じゃあ探してみようかな・・・。
(何やらブツブツと呟く)
はい!
(自分も席を立ち、ついていく。)
ホントもう、ごちそうさまでした!
美味しかった〜。
(満足そうに微笑んで。)
はい、帰りましょうか!
【そうですね。】
【ほぼ5時間・・・(ビックリ)】
い、いや、尚さんが食べたいっていうなら食べた方が良いとも思うけど…
ほら、我慢はよくないし、ね?
(慌てて取り繕って)
『……探し回り歩いて、お店が潰れなきゃいいんだけど』
(そう内心心配しながら、ぎこちなく、そうねと言葉を返して)
また機会があれば一緒に食事しましょうね?
ふふっ、それじゃあ尚さん、私帰りは寄るところがあるから
ここら辺で失礼しますね。それじゃあ、また明日っ。
(軽く手を振ると、たっとその場を駆け出して去っていった)
【それではお疲れ様でしたっ】
【本当長時間お付き合いさせて申し訳ありませんでしたorz】
【では、お疲れ様でした。また機会がありましたら、よろしくお願いします〜ノシ】
う〜ん。
(悩み)
じゃあ、止めときます。
その時はちゃんと自分の分は払いますからねっ。
じゃあ、また明日〜!
(大きく手を振る。)
はぁ〜。
やっぱり、お昼ご飯ロクに食べないと辛かったなぁ。
お陰でいっぱい食べちゃったし・・・。
うしっ帰ろうっか!
(そして走って帰宅していった。)
【お疲れさまでした〜!】
【いやもうこちらこそすいませんでした・・・orz】
【はい、よろしくお願いしま〜す!】
【誰もいない…】
【待機してみるわね…】
【
>>222こんばんは、お相手お願いしても良いでしょうか?】
【
>>223 どうぞ。七妖と凛どっちがいいですか?】
【
>>224七妖、でしょうか】
【凛さんだと今やってる不破さんとのロールの時間軸とかが、こんがるので】
【今は雑談系をしたいのですが、そちらの要望があれば合わせますね】
【雑談系ですか…では、相応の相手を出しましょう。】
【適当に初めて下されば合わせます。】
【ありがとうございます。では…】
(夕暮れ時のある住宅街の丘にある公園。
落ち行く陽を惜しむかのように遊ぶ子供達を、
少年はブランコに腰掛け眺めるように見ていた)
(その眼差しは、まるで憧れを抱いているような光を込めて子供達を見つめている)
(彼は日課の様に、こうして子供達を見ている)
(例えどんな時でも、目に見えぬ監視者≠ェつきまとっていても、
こうしている時だけはそんな事を忘れられる安らぎの時間だった)
公園の中に、その少年は居た。
記憶を手繰り、間違いなく一致している事を脳裏で反芻する。
― 墓無:朝山遠矢 ―
頷くと、静かに公園の中へと歩み入った。
この公園内に【地蟲】が居ない事は確認済みだった。
「…朝山 遠矢様ですね?」
静かに、ブランコの周りを覆う鉄柵の傍に佇むと、
ブランコに腰掛けて子供達の姿を見守る少年に、微かに聴き取れる程度の声で話しかける。
それは、”監視者”をも欺く卓越した所作だった。
【プロフは避難所の338参照です。】
【なお、七妖での書き方はこの形式とさせて戴きますので。】
ん…?
(ふと、自分の視界の中に夕陽を遮る影が現れ、それが人だと気付く)
(そしてその影は自分に寄って来るのが分かり、自分に用があるのだろうと考える)
(しかし、なるべく昼の人間≠ニの交流は避けているのだが、
その昼の人間≠ェなぜ自分の所に来るのかが分からず、疑問を抱く)
はい、そうですが…何かご用でしょうか?
(話し掛けられ返事を返す)
(だが、この時彼は監視者≠フ目を欺いている事など知るよしなどなかった)
「名前を呼ばれているのに、怪しむ事をなさらないのですね。」
彼の方を見る事なく、瞑目したまま、微笑みを浮かべる。
沈みかけた陽に照らされ、朱に彩られた白い肌に、風に揺られた黒髪がなびく。
「…子供達が羨ましいのですか?」
先程の少年の視線に宿っていたものは、『憧憬』であった。
彼の生い立ちは、組織内での調査により、ほぼ分かっている。
墓無という組織についても。
どうやら、前調査の通り、彼は日常という世界に憧れに似た意識を抱き続けているらしい。
え?、あ………
(目をつむったままの女性に微笑みかけられ、今更その事に気付く)
(初めて会うはずの女性に名前を呼ばれる。それは警戒すべき事なのに、
なぜか彼は黒髪を揺らめかす女性に、警戒心を抱かなかった)
(そして、その人の問掛けにも、)
…はい。
幼い頃は、あんな風に遊ばなかったですから。
(フッと、過去の一部を語ってしまう。
なぜ話してしまうのか、疑問を持つことなく自然と口が開いていた)
ところで、貴方はどなたでしょうか、お会いしたことがありましたか?
(そして、やっと疑問を持ち彼からも問掛ける)
それに、なぜ俺の名前を…?
(だけども、その浮世じみた美しい人に警戒すること無く話しかけ続けた)
「お会いするのは初めてですよ。
私の名は、児玉 靜と申します。
名前を知った経緯については……残念ながら明かす事は出来ません。」
微笑みを浮かべたまま、そう告げる。
「…申し訳ありません、こちらの都合なのですが」
そう言うと、ゆっくりと空を見上げる。
勿論、瞑目された目には、見上げた所で映るものはない。
だが、彼女の瞼の裏には、棚引く雲に彩られた茜色の空が映り込んでいた。
「私の目は、物事を視認するためには向いておりません。
だから、人の心情や対象に向ける関心、そういった空気感のようなものに敏感なのです。」
安らぎ、羨望、そういった感情が、閉じられた瞼を通して少年の周囲に『視えていた』。
「貴方は、今ある場所に不安を抱いているのですか…?」
児玉 靜…靜さん、ですね
そうでしたか、お会いするのは初めてでしたね。
(静かな雰囲気を携え、女性の、靜の名前を聞く)
(自分を知り得た経緯を教えない事は、彼に警戒心を与えた)
もしかして、靜さんは霊視が出来るのですか。
目を閉じているのは、目で見ないためではないのですね。
(靜の閉じている筈の目は、こちらに視線を感じ、
それが霊視と思ったと同じく只の人だと彼女を見る)
え……不安、だって…?
(空を見つめたままの靜に問われ、彼は言葉無いまま佇む)
……仕方、ないですよ。
(そして暫くし、諦めたようにそう口にする)
この場所にしか居られませんから、そう割りきるしかありません。
何処にも行けないのは、離れたら何処にも休める場所がないから…。
(墓無の生活は常に監視者に見られ、プライバシーどころか
どんな過酷極まる任務にも拒否したり、逃げる事が出来ない)
(だが半妖である墓無の大半は人間の社会、妖魔の世界にも弾かれる存在であり、
こうして墓無に居なければ自分も人を狩る存在になっていただろう)
(それと例え幾ら傷付いても、僅かな正義感や偽善にすがって戦うしかない)
「霊視ではありません。私は精神(こころ)を視る事が出来るのです」
少年の周囲に僅かに棘のような感覚が生まれていた。警戒を示す色。
それもまた止む無き事だった。
だが、自分が妖魔の組織で知りえた事を知れば、彼はより強い警戒をその身に纏っただろう。
「目で視る事は…私は止めたのです。視たくないものばかり、視えてしまうから」
そう言って、砂場で戯れる子供達の方を向き、その場所に視える温かな色に微笑みを浮かべる。
楽しさ、無邪気さ、信頼。
そう言った、仄かな橙色のような色が、そこに視えていた。
「そうでしょうか? 貴方はまだ、自分の今居る以外の生き方がある。
そうする方法が有り得るかもしれない。そう思っているのではありませんか?」
瞑目した視線を子供達から逸らさず、言葉を紡ぐ。
「そうでなければ、貴方が子供達に向ける感情があれほど穏やかである筈がありません。
人は、自分にないものを羨み、そしてそれが積もる程に鬱屈していきます。
…貴方は、まだあの子達のように生きる事が出来る可能性と期待を持ち続けている。
そうではありませんか?」
…長居しすぎたか、”監視者”と思しき意識が揺れるのを感じた。
何気ない所作で、懐から木笛を取り出すと、たおやかな指先と唇で、そこから旋律を導き出す。
それは、公園内で戯れる子供達には聴こえない、音だった。
旋律が風を伝って”監視者”へと届き、その意識を幻惑する。
彼の目に映るのは、ただ茫洋とブランコに座って子供達を見続ける遠矢の姿だけだった。
精神で見る、か。
(墓無が提供する霊視でも、それ以外に見る方法を知らない彼は靜に対して疑いを深める)
(霊視は人間が確認している、
見えない物を見るための手段。
それ以外の何かを、その女性はもっていた)
目で視たくないと言っても、
ああやって子供達が遊んでいる所を目で見なくても?
(砂場に目を向けていた靜を見て言う。
その表情は柔らかい微笑みであった)
…まだ、希望はもっています。
(靜の言葉に、その一言で返す)
今はまだ遠い…ですが、いつか自分にもそんな時が来ると、そう考えています。
だからこうして戦って、生きていますから。
(それが、彼の戦い、生きる理由であった)
綺麗な音色ですね。
(そして靜の奏でる笛の旋律)
(その音は優しき流れであり、同時に人には無い力を抱いていた)
…ただの人ではありませんね
(寸鉄の様な言葉を、一言笛を吹く女へと向けた)
「警戒の色が強くなっていますね。
無理からぬ事です。ですが、私は貴方と争いたいわけではありません。」
笛の音を止め、変わらぬ慈母のような笑みを遠矢に向ける。
「貴方の感じている使命感、縋っているもの…それを挫きたいわけではありません。
ですが、今一度、御自分がしている事と御自分のなさりたい事を、よく考えてみて下さい。
…もし、望む気があれば、またお会いする事もあるかもしれません。
ですが、今は暫し、忘却の彼方へお戻り下さい…。」
そう言うと、木笛から緩やかな旋律が流れた。
遠矢の意識に、錆び付いていた母親の子守唄のような温かさが触れる。
それは、意識を操られるような不快な力ではなく、懐かしい記憶を揺さぶるような、心落ち着くものだった。
「『名は朧ろに……逢瀬は虚ろに……静やかな心根に……想いのみを遺せし……』」
遠矢の意識が束の間、霞み、母の声を聴いているような温かな気持ちが溢れる。
彼がはっきりと意識を覚醒させた時、既に鉄柵の傍には女性の姿はなかった。
そして、顔はともかくとして、その女性の名前を思い出そうとしても、それは朧な霧を掴むように、
記憶から手繰り寄せる事叶わなかった。
―公園を後にし、静かにその方向を振り返る。
「ごめんなさい…」
惑わせた罪。
そして、少年の身につけたもの。
「終わったのかね。」
ぞわり、と悪寒のするような声に振り向くと、黒い姿の男が立っていた。
目深に被った帽子の下に見える唇が歪んだ笑みを浮かべる。
「半妖を集めた組織…墓無か。さて、この街ではどの程度の抵抗を見せてくれるのやら。
楽しみではありませんかね」
数多の退魔組織を謀略と組織力で影から潰してきた男は、咽喉の奥を鳴らすように哂った。
「あとは天洸院と…契約者、元素神くらいですか。
ですが、この街でのあの組織の人員は子供ばかりと聞きます。
下手な策略をめぐらせるよりも、少し向こうの力を傍観させてからにして貰いますか。
幸い、釣り餌はこの街にも腐る程居るようですから。『ブラッド』の流通も順調なようですしね。」
― 静かに、闇がこの街に帳を張り巡らせ始めていた。
黒い糸を紡ぐように、ゆっくりと、着実に。
【時間なので、勝手ながらこちらこれで〆させて戴きます。すみません。
【次レスで〆をお願いします。】
【お付き合い有難う御座いました。】
貴方の素性は分からない…。
だけど、俺も靜さんの音色を聞いていたいです。
(自分の疑りと靜の知らない筈の母性に似たそれ)
(本心の一言だった)
自分のしたい事、している事……?
(そして靜の考えもしなかった一言。
思う間もなく、また優しい旋律が流れだし、居たことの無い揺り篭の中にいるような安心感が心を包み込む)
(声が聞こえてくる
記憶の中にいない母親の声のような―――)
『誰……誰だろう………?
見たことない…会ったことのない…貴方は……?
お母さん―――』
(気付くと、辺りは既に子供達が帰っており、静かに風が流れていた。)
俺は、何をしていたんだ…?
(ぽっかり空いたような夕陽の中の記憶)
(探ってもそれを知ることは出来なかった)
(だけど、それに対して疑問を持つ事は無く、
理由は分からない筈なのに、心は安らかに感じるほど落ち着いていた)
お母さん………
(ポツリと、夕陽が沈みゆく公園の中で呟く)
(自分の記憶の中にいないのに、考えることなく口にしていた)
【はい、こちらこそありがとうございました】
【また靜さんとお相手して頂けたら光栄です。】
【では、これで〆ますね】
【参加してもいいですか?】
239 :
238:2006/03/17(金) 13:09:59 ID:xw1JgoAi
【あ…質問スレありましたね…すみません。そっちで質問させてもらいます。無駄レス済みませんでした】
【待機する。リミットは22時ぐらいか】
【遠慮なく声をかけてくれ】
【もう少し待機してる】
【待機解除。避難所へいきます】
(もうすぐ冬も終わり、花が雪の中から小さな芽を咲かせる頃)
(重藤柚紀は一人、暗闇の中で自転車をこいでいた)
やっべ、ダチと遊んでたら遅くなっちった…
(心なしかこぐ足を早める)
(今彼の頭の中には、自分の父親にどんな言い訳をするかで一杯だった)
【では宜しくお願いしますな】
大潮を過ぎ、力が少しだけ漲りの場から過ぎた時期。
一人の少年を見つけた。
〔確かあれは…〕
そう、天洸院とかいう退魔組織の人間だ。
討ち取れば、また一つ、上の妖魔達に近付く事が出来る。
「くす……見た所、まだ子供じゃない…。私でも相手出来そうかな?」
既に、何人かの退魔士を殺害した経験のある自分の腕試しには丁度いい。
有象無象の組織とは違う、幹部クラスが放置している組織の退魔士だ。
その首をもぎ、血を啜る事を思うと、ぞくぞくとする快感すら覚えた。
彼女は髪長(カミナガ)。
七妖会の金妖に属する、妖魔だった。
質素で妖艶な脚や腕を剥き出しにした和装を翻し、闇の中を少年の少し手前、
月明かりに照らされた路地に降り立つ。
「ボウヤ、遊んでいかない?」
己の武器でもある黒く長い髪をばさりと払うと、にぃ、と紅い唇を歪めた。
(どんな言い訳をしても怒られそうだという結論に達しかけた時)
(人ならざる者特有の感覚が赤茶髪の少年の神経を刺激した)
――――ラッキー、なのかねぇ。
(誰に言うともなく、一人呟く)
(これとない絶好の理由にはなりそうだが、対照的に彼の顔は固い)
(自転車を止め、目の前に現れた女性に視線を向ける)
女の子か…嫌だなぁ。
(自転車から降り、既に敵として認められている事を自覚しながらも)
(いつもどおりの軽い口調でその女性に話かける)
ん〜、遊ぶのはいいんだけどさ、もう夜も遅いし。遠慮しときたいねぇ…美人からの誘いなんだけど。
――――それに、もしあんたがこれから人間を襲わないと誓うなら、俺はあんたを見逃してやれる。
(台詞の後半は、彼にしては珍しい非常に真摯な口調で述べた)
「面白い事言うのねぇ、ボウヤ。
妖魔相手に人間を襲わないと誓わせるなんて、余程自信があるのかしら」
そう言って、彼女は服の腰の部分に巻き付けていた帯に通されたものを露にした。
それは、人間の頭骨。そして、帯と思われたものは、髪をよりあわせて作られた紐だった。
「私は退魔士の頭蓋骨と髪を集めるのが趣味なの。
ただの人間じゃなくてね…ボウヤの髪はあたしの好きな黒髪じゃないけど、
頭蓋骨はなかなか好いアクセサリーになってくれそうだし…お願いは聞けないわぁ」
くすくすと笑いながら、そう言って髪長はしなを作った。
(微かに少年は首を振って、溜め息を付いた)
(何処の誰かも知らぬ退魔士の頭骨に黙祷を捧げると、じっと正面を見据える)
あー…見た目は悪くないんだが、性格が合わないな。…趣味が悪い。
(最後に皮肉気な笑みを浮かべると、一瞬にしてそれがぬぐい去られたように消える)
(じっと髪長を見る目は、先程までの少年とは違う射抜く視線を放っている)
じゃ、さっさと済ますか。
(軽い、あっけらかんとした口調――――それと同時に、体制を半身にし)
(背中に回した後ろ手から、彼女の心臓目掛けて、手首のスナップのみでダーツの矢を投げる)
「へぇ…好い目をするわね、アナタ……」
一瞬、鋭さを増した目付きに飲まれかけた。
その一瞬で反応が遅れたが、彼女も今まで趣味のためだけに退魔士と戦ってきたわけではない。
弾丸のように飛来したダーツが髪長を射抜いたか、と思った瞬間、心臓の部分に彼女の黒い髪が伸び、
その凶器を弾いていた。
「流石ねぇ……仕事と趣味に画一した線が引ける……ボウヤと思っていたけど、訂正するわ」
今の刹那で理解した。
この少年は、見た目こそ若いが、今まで髪長が対峙してきたどの退魔士よりも腕は立つ。
そして、何よりその纏う気の切替えが、甘くはなかった。
「その分だと、随分と妖魔も滅ぼしてきたんでしょ? じゃあ、私の事を非難も出来ないわねえ。
討たれた同胞の分も、その身を苛んであげるわ」
髪長の纏う気配が一変した。
脚辺りまである黒い髪が、まるで生き物のように蠢く。
それは、己の質量を無視するかのようにうねると、槍のようになって重藤に襲い掛かった。
(チッと柚紀は軽く舌打ちする。三流以下なら、彼の温和な口調に油断した隙に今の矢をさせていたのだが)
(――――だが、まぁいいか。これで相手の能力は知れた。肉弾戦主体に見えない以上、あの髪が彼女の武器だろう)
弦を張らなきゃ、弓は引けねーからな。同じ事だ。
(相手の言葉に乗って言葉を紡ぎながら、同時に次の相手の技を予測する)
(髪の攻撃手段は刺す、斬る、縛る――――接近戦に持ち込まれたら、死か)
皆あんたみたいに素直じゃなかったからな。否定はしねーよ。
(弱肉強食、それは当然の摂理だ)
(相手の非難に特に動じた様子もなく、ぐっと下半身に力を込める)
――――来る。
(襲いかかる無数の髪を前に、後方にバックステップ)
(固いコンクリートに大穴が穿たれたのを確認しながら、両手に四本の矢を保持)
「Multi-Straight-Shot」
(着地と同時に、それぞれ別の軌道を描くようにそれらを投擲した)
「っち!」
ただの投擲の割りには、恐ろしく初速が速く、鋭い四つの軌跡が迫る。
一つ、二つ、三つ。髪の槍で弾く。
だが、四つ目は防ぎきれなかった。
深々と肩口に突き刺さる鏃を、忌々しげに一瞥。
髪の束が複数の武器へと姿を変える。
一つは槍のように。
一つは鎌のように。
一つは鞭のように。
そして、それらを支援するように、残る髪が無数に張り巡らされた蜘蛛の巣のように展開する。
それらが自在に蠢き、また元の長さ以上となって路地を舞った。
その動きは蛇のように生物的に、重藤をある方向へと追い詰めていく。
少年の射撃は、脅威的な精確さと投擲とは思えない威力を兼ね備えていた。
急所を貫かれれば、髪長とて無事では済むまい。
だから、投げる体勢を整えさせない。
髪の攻撃を当てるのではなく、わざとアスファルトを深く削り、吹き飛ばし、礫で視界や体勢を挫く。
…ッ!…マジ…かよ。
(やや気圧されたような表情で柚紀が呟く)
(髪を操るとはいえ、出来るのは大型の武器に変えて振り回す位だろうと踏んでいたのだが)
(――――、一本一本がこいつ自身だと思った方がいいか)
くっ…っ!
(縦横無尽に繰り出される複数の武器の攻撃を紙一重でかわしながら)
(矢を手に取り、相手の頭に向けて照準を定める)
「Single-Strai――――がっ!」
(刹那、周囲に張り巡らせられた髪によって弾き飛ばされた瓦礫が、赤茶髪の頭を捉える)
(その間に首筋目掛けて振られた髪の鎌は、取り出した投げナイフでどうにか防ぐ―――が)
な…んて力だよ…ッ!
(押し負けた柚紀の体が遥か後方に吹き飛ぶ)
(身長の割にウェイトの軽い体が宙を舞い――――地面に叩きつけられた)
「妖魔と人間の力を一緒にするんじゃあないよっ!」
撒き散らしたアスファルトの破片の埃を払いながら、
先程とは異なる羅刹のような表情で髪長が歩を進める。
その息は、言葉の強さとは裏腹に荒い。
鏃に貫かれた肩口からはどろりとした鮮血が溢れ、腕はだらりと垂れ下がっていた。
「急所外の一発で私がこの様だ…予想外だったよ。アンタは危険過ぎるね」
ぎり、と歯を噛み締め、髪の槍を倒れた重藤の頭の部分目掛けて狙いを絞る。
――――。
(じっと、己の頭部に向けて構えられた漆黒の槍を眺める)
(そして、伏した体制のまま横目でちらりと路上の石を眺める)
――――OK、数は足りてる。
(じっと頭の中でこの先の流れをシュミレートし終えると、二度めのため息をつく)
…なぁあんた、最後に訊きたいんだけど、どうしても人間として暮らしてく気はないのかい?
(今この追いつめられた状況に於いて、この『最後』という言葉)
(一見、ただの死ぬ間際の時間稼ぎにも思える、が赤茶髪の弓手の目はどこまでも真っ直ぐに相手を見つめていた)
重藤の思いに気付く事なく、最期、という言葉を、彼自身の最期と、
髪長は解釈していた。
「ふん、人間として生きていくつもりならこんな世界で退魔士を狩っているわけないでしょ。
アンタが他の人間のために妖魔を狩るように、私も妖魔のために妖魔を狩る人間を狩っているんだ。
私が止めたら、一つ、妖魔を狩る奴らが増える。
アンタだって、そこまでやったんだ。退けない理由が自分達だけのものじゃないくらい理解しているんだろ。
それに、妖魔が人間になれない事くらい、天洸院の手先なら理解しているんじゃないのかい」
最初の時とは違う、はすっぱな口調で吐き捨てるように言うと、髪長は重藤を見下ろした。
その目は、あくまで冷たく、刺すような色合いだった。
「さぁ、冥土の土産はもう渡したね。
後で目ぼしい仲間を送ってやるよ。先に逝って待ってな」
そして、髪の槍と鎌がが無情に振り下ろされる。
終わりがねぇよなぁ、互いに殺られるから殺る、殺るから殺られるじゃ。
今はんなちっぽけな行動だけどさ…こんな端から分かり合っていけりゃ、俺が妖魔を殺す事も、
あんたが退魔を狩る事もなくなると思う。
(血の流れる頭を押さえながら、柚紀は必死に髪長を説得しようと試みる)
(が、その気持ちも虚しく、彼女は憮然とした表情で、二つの武器を作り上げ――――振り下ろす)
――――ふっ!
(流れは正に一瞬。僅かに身をよじって鎌での一撃を回避、更に続いて繰り出された槍の一撃をナイフで受け流す)
(受け切れなくてもいい、ただ刹那作られたこの隙の中で、少年は砕かれたコンクリートの破片を三つほど手にする)
「QUICK-Shot」
(短いモーションで立て続けに三連投――――だがしかし、散々投げた直線的な軌道が相手に当たるとは思えない)
(また柚紀は路傍の石の中で、極めて円に近い物を選び取ると、またもや相手に放る)
「Multi-QUICK-Shot[Away]」
(一見生にすがるようにしか見えない投擲――――だが、髪長の前で突然あたかも散弾のように、石達が散らばった)
(そして、この一瞬こそが、赤茶髪の少年が狙った時。すっと腰のベルトから一本の矢を取り出すと、矢羽を軽くかじる)
「Single-Curve-Shot―――『離れ』」
(全力を以て振り絞られた矢の投擲――――それをあざ笑うかのように矢は明後日の方向へ飛んでいく)
(だが、甲高い音を立てながら、矢は鋭い軌道で曲線を描き、髪長の頭を狙い撃った)
「このっ……まだこんな足掻きを……無駄な!」
糸状の髪が破片の軌道を逸らし、弾く。
続けて石が散り飛礫となり、視界を遮った。
「つぅっ!?」
直後、耳元を掠める鏑音。
「どうやら……それで終わりかいっ!」
今度こそ、と髪の鎌を薙ぐように振り下ろす。
だが、その瞬間、衝撃と共に目の前が紅く染まった。
重藤の狙い撃った矢は、髪長の後頭部から額へと、突き抜けるようにして穿っていた。
「……ぁ……?」
刃物の形状を維持できなくなり、
ばさり、と艶やかな黒髪が重藤の額と顔にかかる。
そして、力を失った髪長の身体が、彼の身体の上に覆いかぶさるように倒れこんだ。
…終わった…か。
(己の体にのしかかってきた女の瞳を覗き込みながら、安堵の息を吐く)
――――ゴメンな。
(そう心の内でそっと呟くと、髪長の後頭部から矢を抜き取り)
(最早暖かみを失いつつある彼女の頭をぎゅっと抱き締める)
憎むべきは、あんたじゃない。あんたにそうさせてしまう俺達だ。
(闇夜に吠えた独白は、反響も無く周りの建物にそっと吸い込まれていった)
(最後に女の腰から頭蓋骨のアクセサリーを外すと、自転車の前カゴにそれを入れた)
…供養しなきゃな。
(その冷たい感触を手で味わいながら、自宅へと自転車を漕ぎ出す)
(ふと思い出したように携帯電話を取り出すと、お決まりのある番号へと電話をかけた)
もしもし。事後処理、頼む。場所は分かるよな?
――えらく暗いな。また女が相手だったのか?
…んなもんだ。よろしくな。
――あんま深く考え過ぎんなよ、お前が生きてりゃ十分だ。
…あぁ、そだな。
(どこか救われたような表情を見せると、その言葉を最後に柚紀は携帯を閉じ帰途に付いた)
【こちらはこれで〆でよかとですか?】
「ふむ……」
重藤が自転車でその場を後にした直後。
夜闇の中に、スーツ姿の男が姿を現した。
「少し先走りが過ぎたな、髪長……」
既に骸と化した女妖魔の傍らに片膝をつき、その黒髪を手に取る。
長い黒髪を竹筒の中へと無造作に詰めると、髪だけがその中に取り込まれ、
女妖魔の身体は塵のようになって、吹きさらしの風の中に流れていった。
「甘い男だ。妖魔が人と同じ急所で滅するとは限らぬというのに。
まぁ、動けなくては意味がないが…。さて、七妖会議で少ししぼらねばならぬな」
携帯を胸ポケットから取り出すと、耳に当てる。
「ツチクレだ。
髪長を回収。これより帰投する。」
それだけ言うと、男は表情を変える事なく、その場を後にした。
【お疲れ様でした。】
【こちらもこれにて〆です。】
――――?!
(思わず、柚紀は後ろを振り向いた)
(何か、得体の知れない何かが自分の通った後に現れたような気がした)
……まさか…
(心臓の脈打つ音が耳に響く。そっと腰の矢に手を伸ばす――――が)
(彼の視界に移るのはこれ以上ない静寂と移り変わらぬ闇、それだけだった)
あ〜あ、ろくな事がねぇな。
(自らの心に降り懸かる不安を吹き飛ばすかのような明るい口調で苦笑する柚紀)
(何故か今日は父親の説教すら、マシに聞けそうな気がした)
(――――その翌日だった、彼の携帯に本部から、『屍体消失』と書かれたメールが送られてきたのは)
【ではこちらもこれで】
【お付き合い有り難うございましたー】
【待機してる。遠慮なく声をかけてくれ。】
【避難所には誰も居ず】
【というわけで、お相手しましょうか?】
>261
【ああ、よろしく。シチュはどうする?】
【共闘ロールか日常ロールか・・・・】
【花見には少し早いしな】
【花見はまだまだ・・・w】
【共闘だったら、共闘してる最中に半妖の妖魔の部分が開花(?)するというシチュがありますが。】
【日常ロールは・・・・どんなのでしょう?(エ】
【共闘だな。やはり偶発的に会うってことになりそうだが】
【日常ロールだったら、お前に休日に会いに行くって】
【話になるとは思うが】
【・・・どんな用事なんでせうか>日常ロール】
【共闘にします?】
【退屈凌ぎに会いに行く>日常ロール】
【共闘にしよう。出だしはどちらが書くか?】
【面倒なら俺がやってもいいが】
【ヒドッ(゚Д゚)】
【う〜む、申し訳無いんですがお願いします。】
【情景描写はなかなか難しくて・・・精進精進】
灰色の空が啼いていた。
時折、銀色の細い糸のような雨が降ってくる。
×市××地区。一見何の変哲もない街。
だが、その闇では数多くの妖魔が跳梁跋扈し、数多の退魔士が存在する
特異点とも言うべき街である。
この街の霊的エントロピーは、急速に限界点にまで到達しつつあった。
故に、長き眠りから、ソレらが目覚めたのも、ある意味では必然なのである。
ひひひひひひひ!
きひひひひひ!
いっひっひっひ!
生首が空を猛スピードで飛んでいる。
ソレらは飛頭蛮とよばれる妖魔。
中国から渡来してきた妖魔である。
【遅くなった】
ほぼ日常的になっている感覚。
体の奥から感じるあの気配。
・・・・・・・・・今日何度目だろう。
っ・・・・はあ〜〜〜・・・。
深くため息をついた。
今日は力を使いすぎた。
知らないフリをして家に帰りたい気分だ。でも
するわけにはいかないだろうな。
翌日にテレビで『惨殺通り魔事件』とでも報道されたら
罪悪感で死んでしまう。
妖気はどんどん近づいてくる。
ここらへんはほぼ住宅街。
被害は出したくない。
よっし、行くぞ!
(妖気の方向へ走り出す。)
カクッ
ドテッ
う〜〜〜〜・・・・。
転んだ。痛い。
・・・なんか調子悪いんだよなぁ・・・。
ソレらは餓えていた。
その飢餓を満たす、滋養のある餌を求めていた。
都合五匹の飛頭蛮は、人里離れた場所から、人の多い街を目指し
汚怪なる笑い声をあげながら飛翔していた。
明治時代に日本へやってきた飛頭蛮は、当時の斬鬼衆所属の
巫女によって封印された。
ソレらが封印されていた塚が、崩壊したという連絡が入った。
故に、御影義虎は単車を駆って、疾走しているのだ。
白清支部全員で手分けしながら探している最中である。
ソレらは不可思議な反応を感知した。
餌の匂いがした。滋養のある餌だ。年端もいかない女だ。
だが、なんとはなしに違和感があったのだ。
だが、餓えたソレらは飢餓に身を焼かれ、その違和感を無視した。
ひぃーひっひひひひっひぃぃぃ!
五匹のソレらは、半妖・幸原尚を喰らい尽くすべく、天空から飛び掛った。
妖気はすぐ近く。
どこ・・・ぅうっ!?
丁度真上から降ってきた生首。
っぎゃーーー!!!?
男とかそういうの関係無く、思わず悲鳴をあげた。
慌てて避けて、距離を取る。
生首達は道路のコンクリートに激突し、粉塵が舞った。
な、生首ぃ・・・!?
粉塵が収まり、生首が一斉に自分を向く。
それは、ホラー映画に出てくるが如く。
目が血走り、口から泡を吹き、般若のような表情で。
い、いやぁ・・・・。
生首が猛スピードで自分目掛けて突っ込んでくる。
―――――――っ!!!!
声にならない悲鳴をあげて、体を捩じらせ足を必至に動かし避けた。
かつて、天洸院・水ヶ瀬支部が管理していた地区まで単車を飛ばす。
塚は、ふたつの管理地区の丁度境目に存在していた。
そこから妖気の残滓を辿り、飛頭蛮を探さねばならない。
だが、管理地区とは言えかなり広い。
定期的に携帯で支部と連絡を取るが、有益な情報はまだない。
まだ、それほど多くの被害が出ていないという証拠でもあるが、いずれは出るだろう。
ゾクッ・・・とぼんのくぼがざわめいた。
「ビンゴかよ」
あっけないほど簡単に妖気の発信源を特定できた。
一体いかなるご都合主義か。
「スタ○ド使い同士は引かれ合うらしいが、妖魔と狩人も同様らしいな」
一時停車していた単車から降り、走り出す。そこは何の変哲もない住宅地。
そしてそこには――
「なんでお前がいるんだよ?」
半妖・幸原尚と五匹の妖魔。探していたソレと特徴が一致していた。
しかも、襲われているのは以前出会った半妖の少女である。一体いかなる巡り合わせか。
ともあれ、彼は走り出す。飛び蹴り一発で一匹を無造作に蹴り殺した。
襲うのに夢中だったので、不意を付けた。残り四匹は簡単にはいかないだろう。
こちらを敵と認識したソレらが襲い掛かる。彼はナイフを抜いて応戦した。
み、みか・・・御影ぇっ・・・・!!!
涙で視界が滲む。
生首に対する恐怖のためか、御影が来たので安心したのか。
必至に足を動かしながら、シグ・ザウエルを取り出し生首に撃つ。
サブマシンガン持って来てれば良かったのにぃ・・・。
一匹撃ち殺す。
が、気配がすぐ横に出現する。
あっ!?
ビリリッ
生首の一つが肩に噛み付き、服を引き裂き肉を噛み千切る。
っつあぁ!!
銃を落としてしまう。
くっそぉ・・・。
銃を取ろうとするが、生首が再び襲い掛かってきて、仕方なく避ける。
飛頭蛮は、巧妙な連携で、宙から多角的な攻撃を仕掛けてきた。
それらを紙一重で避け、防ぎ、ナイフで応戦する。
餓えに身を焦がしていたが、ソレらは決して低脳ではなかった。
ナイフの切り払いや刺突を避け、距離を取り、再び襲い掛かってくる。
だが、いつまでも同じパターンは続かない。
倍速の突き切り切り払い薙ぎ突く突く突く。
それはパターンに慣れさせておいて、一気にその虚を突く戦法。
同時に二匹を切り裂いて殺す。
幸原も、態勢を立て直し、なんとか応戦していた。
一匹は殺した。これで残り一匹。
だがその合間にその一匹に肩を食われ、服を引き裂かれている。
彼よりは組み安しと判断したのだろう。
だが、彼は既に行動を起こしていた。
幸原に襲い掛かった直後、振り向いた瞬間、眉間にナイフが突き刺さる。
彼が投擲したのだ。苦し紛れに突進してくるソレを、彼は無造作に片手で受け止める。
そして、ナイフの柄を握り、そのまま真っ二つに切り裂いた。
ため息をつく。思ったよりは簡単な作業であった。
「おい、立てるか?」
彼はここで見逃していたことがある。
残留する妖気、自分の放った殺意、そして、負傷した半妖。
それらが、何をもたらすのか。
ありが・・・とう・・・。
肩の傷を抑えながら、感謝の言葉を言う。
足に力が入らない。
道路に座り込む。
また偶然、会ったね・・・。
花見には、まだはや・・・
ドクンッ!
・・あ?
心臓が大きく脈動した。
ドクンッ!
血が沸騰する感覚に襲われる。
あ・・・れ・・・?
何・・・これ・・?
今まで無かったこと。
自分に何が起こっているのか分からない。
助けを求めるように御影に目を向けた。
半妖という存在を知ったのは、天洸院に拾われてからである。
人間と妖魔に間にできた生命体。
人間と妖魔は子を生むことができるという事実は、しかし二つの種族の
橋渡しになることは決してない。人間にとって、あくまで妖魔は天敵てあり、
妖魔にとって人間は餌である。その事実までは覆せないからだ。
「・・・・妖気が増大している」
助けを請うような眼差しに、しかし彼は冷静に事態を見極める
発言をしただけだった。
「どうやら、さっきの戦闘が引き金を引いたらしいな」
腕組みして、淡々と呟く。問題はこれからだ。
「抑えられるか?抑えられないなら・――お前が完全に妖魔となるなら」
彼は、躊躇というものをしなかった。
「お前を殺す」
そして、告げられるもうひとつの言葉。
「抑えるつもりがあるなら殺さない。俺の責任においてお前を止める」
バカ言うんじゃ、ね・・えよ!
妖気を抑えようと体に力を込めながら言う。
絶対・・・抑えてみせる・・・っ!
『・・・・・』
何かが聞こえた気がした。
・・・・・・・・・?
溢れる妖気が急速に治まっていく。
あれ・・・・・治まった。
なんで・・・?
・・・・まぁいいや、治まったみたい。
立ち上がって御影に近づいていく。
殺していいものと、殺してはいけないもの。
自分と他人を天秤に掛けて、他人に傾くことは殆どない。
少なくとも彼はそうだ。
この世界はどうしようもなくくだらなくて、守るに値するものなど何も無い。
彼にとって、殺してはいけないものなど、この世界には何も無い。
だから、この少女がどう答えようと、心底から構わないのだ。
――あの時の笑顔が脳裏を横切る。
少しだけ、胸が軋んだ。
少女は自らの衝動と戦っていた。それを冷ややかに見守る。
少女は屈しない。決して屈しない。
突然、何がきっかけだったのか。急速に妖気の増大が止まり
収束してゆく。制御に成功したのだ。
「命拾いしたようだな」
あくまで冷ややかに、淡々と言う。
彼は彼女に、滅ぼした妖魔に関する説明をした。
「とんだ災難だったな」
あまり同情した風も無く、彼は言った。
・・・何とかね。
軽く笑い、御影の方へ歩いていく。
だめだわ、ああいうホラーなの本当に怖くて。
まだ、歩いていく。
言葉と心が矛盾してる気がするんだけど?
また笑顔が浮かぶ。
御影のすぐ近くで立ち止まった。
もう、手を伸ばせば届く距離。
普通なら、近づけない距離。
妖気が瞬間膨れ上がった。
手が御影の喉を掴む。
あ・・・・・?
なに、これ・・・?
少しづつ、手に力が入っていく。
え、ちょっと待って。
なんで・・・?
『ハッ気を抜きおって、男などといるから腑抜けになるのだ。』
口から、自分の声ではない声が流れた。
気を抜いていたらしい。認めざるを得ない。
瞬間的に妖気が爆発し、気づけば喉を締め上げられている。
『ハッ気を抜きおって、男などといるから腑抜けになるのだ。』
何者かと問うまでも無い。妖魔としての本能が仮初の人格を得たのだろう。
また、そうでなくとも構わない。
小さな手で、人間離れした力で、喉を締め上げられている。
呼吸が止まる、どころか、喉笛を千切られかねない。
だが、彼は――笑った。妖魔に対する冷笑である。
相手がいかなる妖魔であれ、恐れない怯まない、そして屈しない。
胎息。体内の酸素のみで、肉体を活性化させる特殊な呼吸法である。
幸原の腕を掴む。そして、人間離れした怪力で引き剥がしてゆく。
「殺されたいか?」
彼はまだ笑っている。壊れた仮面のような顔で笑っている。
やめろ・・・やだ、やめ・・・
『男はどうしようもない生き物じゃ。貴様も分かっておるだろう?』
いや・・・ふざけんな・・・。
涙が溢れる。
手が言うことを聞かない。
怖い。
どうしようも出来ない。
『男は滅ぼすべきだとは思わんか?』
んなこと・・・1人でやってろ・・・っ!!
あたしは・・・許さない・・・!
御影の冷たい眼。
手を引き剥がされる。
『ぅっ・・・この小童がっ!!』
腕に一層力が入る。
抑えられない。
痛い。辛い。
腕が壊れるっ!
・・・死にたい。
迷惑かけたくない。
み、かげ・・・御影っ!
お願いだからっ殺せっ!
『なっ!?小娘、なにを!?』
こいつごと!殺せ!
頼む!
人を殺してはいけないと教わるのは、放っておけば、人は人を殺すからだ。
だが彼にとって、殺してはいけない相手など、存在しない。
彼にとって、人間を殺すのも、妖魔を殺すのも、大差はない。
半妖の少女を殺すのも、それらの行為と大差はない。
泣いている。とある半妖の少女の心が泣いている。
「お前がその程度なら、生かしておく理由も無い」
殺せと、少女は懇願する。
冷ややかに、あくまで冷ややかに彼は言う。
同情など欠片もなく。相手の都合など一切考慮せず。
「もう一度だけチャンスをやる。押さえ込んでみせろ」
腕を捻りあげて、そのまま少女の身体を抱きしめる。
暴れる身体を強く抱きしめる。
「さもなくば、本当に殺す」
睦言を囁く様に、耳元で告げる最後通牒。
捻りあげられた腕が悲鳴をあげる。
が、温かいなにかに包まれた。
御影に、抱きしめられた。
『なにをするっ!!離せ!汚らわしいっ!!』
み、かげ・・・・。
御影の服をぎゅっと掴む。
その時は、よろしくお願いします。
眼を閉じて、違うあたしに言う。
ふざけるな。コレはあたしの体だ。
返せ。
アンタがなんでそんなに男を嫌うのかなんて知らないけど
男がすべて嫌なヤツとは限らないんだよ。
あたしは、男嫌いを克服する。
トラウマに負けて、やつあたりなんかしない!
あぁああぁぁあああっ!!!
気合を入れて、体の中で気を爆発させる。
『っ・・・うあああっ!!!キ、サマぁ・・・!!』
声が擦れて、消えていく。
『キサマ・・・ゆるさ・・・・ん・・・!!。』
捨て台詞を残して、声が消えた。
・・・・・・・はぁ・・・。
気が抜けた。
腰が抜けて、座り込む。
・・・っつあ〜〜・・・疲れた。
いやに頭が重い。
腕の中で、少女の精神の中で、戦いは続けられていた。
自分の敵は自分とよくいうが、これ程わかりやすい構図もない。
異なる《気》が、二つの意思が、主導権を争っている。
彼はただ小さな身体を抱きしめて、その瞬間を待つ。
殺すのか、殺さないのか。
殺すなら一瞬で。その方法はいくらでも知っている。
やがて訪れる決着の時。
ずるりと、幸原が崩れ落ちる。
「・・・っつあ〜〜・・・疲れた」
どうやら、殺さずにすんだようだ。
そのことに、少しだけ安堵している自分に、彼は気付かない。
「どうもに、厄介な身体のようだな」
問答無用で幸原を抱き上げる。
「お前の家にいくぞ、傷の手当をせんとな。話はそれからだ」
【そろそろ締めだろうか】
【この後、お前は天洸院の・・・・というか、俺の保護観察下に置かれる】
【というのをやりたいが、どうだろう?会いに行く口実になるしw】
【そろそろ〆ですね。】
【なるほどいいですねw】
【今後も爆発しそうですしw】
厄介すぎるよ、二重人格なんて。
・・・でも勝った。
(御影を見上げてニヤリと笑う。)
うわぁっ!?
ちょ、何!?
歩けるって、重いでしょ!?
(バタバタと抵抗する。)
いっつ・・・!
(傷にさわったらしい。)
家に来るの!?
・・・や、別にいいけど・・・。
ややこしいことになりそうだなぁ・・・。
(ボソッと呟いた。)
だって、御影が天洸院の人だって知ったら、父さんどうするか。
・・・まぁ、いいか。
渋々ながら、単車の後ろに少女が乗る。
これで二度目だな、などと彼は考える。
少女を家に送り、応急処置を施す。
家の人に事情を説明する方が、妖魔退治より余程面倒であった。
「ともかく、暫く安静にしてろ」
テキパキと処置を終えて、彼は言う。
「お前のことは、こっちで何とかする。暫くしたら、こっちから連絡する」
幸原に、携帯のアドレスを教え、その日は帰ることにした。
次の日の朝である。珍しく自分から白清支部・支部長の元へ赴く。
保留していた半妖の少女の件について、彼は提案した。
支部長は、嫣然と笑いながらあっさりと許可を出した。
その日の放課後、彼はもう一度幸原尚の元へ赴く。
「お前ら一家は、天洸院・白清支部の保護観察下に置かれることになった」
彼は、やはり淡々とした口調で言った。
「そして同時に、お前は俺の保護観察下に置かれる。反論は認められない」
そして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
【じゃあ、こっちはこんな感じで】
【お疲れ様ノシ】
つまり、というか、やっぱり大変だった。
母さんは彼氏だの赤飯炊くだの言い始めるし
父さんは顔は笑顔だけどオーラがもう殺気だってて・・・。
御影が帰った後が大変だった。うん。
母「男嫌いとか言ってると思ったら、いつの間にかラブラブになっちゃって、ねえ?」
だぁかぁらっ、彼氏じゃないってば!
母「じゃあ、お姫様だっこはどーゆうこと?」
父「しかも・・・治療と偽って尚の肌を見るなど―――!!!」
父さん!!!いーかげんにしろ!
次の日。放課後に御影が学校に来た。
報告らしい。
静かに聞いていたけど、ちょっと質問。
なんであたしだけなんか特別扱い?
ニヤリとするだけで、答えてくれなかった。
思いついて、恐る恐る御影に触ってみた。
あ、大丈夫だ。
思わず笑顔になった。
【じゃあ、こっちもこんな感じで。】
【お疲れサマノシ】
【待機させていただきますねー。
名無しさんでもキャラハンさんでもどなたでもどうぞー。】
【こんばんわー】
【真空る?徹哉る?妖魔る?】
【とりあえず、あーそーぼっ!な、感じですよ!w】
【こーんばんはっ】
【それじゃあ真空るっ! あーそーびーましょっw】
【なんだかPCの調子が悪いので再起動するのに、レスが遅れますが気にしないでっ!】
【了解ですー】
【それじゃぁ、こないだの「温泉いく?」企画でどでしょ?】
【それで、いきましょう〜。
出だしはお任せしてもよろしいでしょうか?】
【はーい、よろしくですー】
あーー。暇だぁぁぁぁ!!!
折角バイト休みなのに凛ちんはニヤニヤして出かけて行くし、
暴力神父の所に行けば今日は礼拝とか言うし・・・。
んー。
(携帯の登録番号を適当にまわしつつ)
お?おぉ?!これ、これいいかもっ!
(真空がプッシュ寸前の番号・・・、そこには「優ちん」と書かれていた)
思い立ったが吉日!早速かけよーっと♪
(プルルル・・・)
(休日、たまにはのんびりとテレビを見ようとしたところに電話がかかり)
……………電話?
(携帯画面には「台風少女」と表示されており)
あ、真空さんか。自分で登録しておいて忘れるときがあるんだよね…
(さっと携帯を手に取ると、電話に出て)
…もしもし、真空さんですか? どうかしました?
(あっちから電話がかかってくるなんて珍しいなぁと思いながら)
もすもすー。超絶美少女の真空様でーす。
あのさー、温泉行くけどいかない?
どーせ、訓練してるか妖魔叩いてるか部活か昼寝か間食してるだけでしょ?
どーせ、彼氏とかー、そういう話しは、なさそーだしねぇ〜〜〜、あはははは♪
(何とも失礼で強引な・・・、それが真空流・・・)
んでさー、とっておきの誰も来ない温泉なんだ。
お酒とお菓子もって行こうよ。
あ、もちろん優ちん持ちね。
ボクと行けば交通費ゼロなんだから、あったりまえだよね〜〜〜♪
温泉? いきなりですねー。
まあ…学校は休みですし、別に予定も入ってないですけど…
(ぷちっとテレビの電源をリモコンで消して)
むー…まるで、私が青春を謳歌してないような言い草ですね?
まぁ、その通りなんですけど……はぁ、彼氏できないかなぁ…
(床に「の」の字を書きながらため息をついて)
お酒とお菓子ですか?
一応未成年なんですけど、私……まあ、お菓子なら適当に買っていけますから
………その能力を十二分に活用しているのは羨ましいですね。はぁ……
(分かりましたよ、とため息をつきながら了承して)
彼氏は当分無理だと思うよ!
(何故か断言・・・)
おっけー!じゃあ、待ち合わせは優ちんの家の前ね!
すぐ行くからね!
(ガチャッ!)
さーて、と。
タオル持って、着替え持って〜♪
あ、アヒルも持って行こう・・・。
準備OK!テレポっと!
(電話を切ってから2分後・・・)
(プルルル・・・)
もすもすー?ついたぁ!
そんな明るい声で言わなくても……。
(はぁとため息をついてorz状態に)
はい、じゃあ今から準備してますから……って、切られた…。
(ツーツー…という電子音を聞きながら茫然として)
…毎度のことだけど、台風みたいな人なのよね…ぇ。
さて、とりあえずタオルと着替えだけ持っていけばいいかな。
(呟きながら、引き出しを引いて下着やら服を探しながら
スポーツバッグのなかに入れていると電話がかかってきて)
…も、もうですか!? ちょ、ちょっと待ってくださいよ…
(電話に出ると、慌てて下着を詰め込んでどたばたと階段を下りて)
父さーん! ちょっと友達と出かけてくるからー!
(そう言いながら、玄関に出て)
はぁ…はぁ……お待たせしましたっ
やぁ。
(シュッと手を挙げて)
それじゃ、行こう!
(優希の手を取り次元の狭間へ、優希にはまだ慣れないふわふわと、
少し目眩のする様な不思議な感覚に包まれ・・・)
とうちゃく!
(何処かの樹海。優希たちの町よりは暖かい場所。
少し向こうの方から湯気があがっているのが見える)
ほら、あそこだよん♪
ここは道も何も無い所だから普通の人は来れないよん。
稀に来る場合もあるけど、今年は雪でここまで来れないから大丈夫。
な・に・し・て・も・ね・・・。
(不適な笑みを浮かべる)
まったくもう……本当に、急なんですから…。
それにしても、もう少し早く電話をくれたら準備ができたのに…
(苦笑していると手を取られて、その奇妙な感覚に捕らわれて)
んっ……なんだか……ヘンな気分ですね……
(眩さに目を瞑り、ふと瞼を開くと木々に囲まれており)
……こ、ここは……?
あそこ……? 確かに、普通の人が来れそうに無い場所ですけど…
そんな立地条件で商売できるんでしょうか?
(不思議そうに首を捻りながら)
……な、何をしても…? それはどういう意味ですか?
んー?商売なんてないよ。
だって、ここってば樹海だからねぇ・・・。
道路に出るまで慣れた人で3時間位かかるよん?
(日本かどうかも怪しいぞ!優希ちゃん!)
何でもって・・・、まぁまぁ・・・。
(クスクスと笑い)
とにかく入ろう!
(スルスルと服を恥ずかしげも無く脱ぎ、テケテケと温泉に向かう)
(温泉は自然にできた池の水が温泉になっているようで、
多少濁りのある硫黄の温泉のようだ)
道路に出るまで3時間……!?
……あの、ここ本当にどこですか。
(なんというところに連れて来るんですかw)
ええ…まあ、そうですね。折角ですし…って、真空さん!?
(何の躊躇いもなく、脱いでいく真空に顔を真っ赤にして)
も、もう…同性だからと言っても、もう少し羞恥心を持ったほうが……
(ぶつぶつ呟きながら、自分も脱いで温泉に近づいて)
……へぇ、本当に温泉ですね。
それに広い……。
(うわぁ、と感心したように目を輝かせて温泉を見渡す)
えー?誰もいないしいいじゃん。
ふぅぅ〜〜、気持ちいい〜〜♪
(ゆっくりと平泳ぎをして)
いやー、暴力神父はこの気持ち良さを知らないんだよなぁ。
気の毒っていうか天罰だね!あはは。
(意地悪そうに笑い)
そーいえばさー、今日、凛ちんデート臭いんだよね・・。
デートっすよ?デート。知ってる?デート。
んー、これとは別の気持ちいいことしてたりしてね〜〜。
(ニヤニヤ・・・)
しっかし、あの凛ちんがデートってねぇ〜・・・。
ちょっとボク的には以外。
相手が気になるよね〜。
(と、言いながら心配そう。優希に相談したかったらしく)
あの……私がいるんですけど……
(視線を外しながら、ちゃぷっと温泉に身を沈めて)
でも……本当気持ちいいですね…うん…。
(ほぅと笑みを浮かべながら、手足を伸ばして)
ん〜…あぁ…。 炎月さんですか?
あはは……まあ、確かに温泉は気持ちいいですからねぇ。
……あの凛さんが? 本当に?
(大変驚いている様子で)
デート……。き、気持ち良いことって……き、キスとか…?
(顔を赤らめながら呟いて)
んぅ…なんだか複雑だなぁ……
あの友好関係については閉鎖的な彼女が誰かと付き合うっていうのは
友達(仮)としては喜ぶべきなんでしょうけれど……
(気難しそうに眉を寄せて)
そうですよね、意外……。
―――でも、きっと大丈夫ですよ。
まさかあの凛さんが昨今のちゃらちゃらした男に引っかかるはずがないですし
何より、あの凛さんが選んだ男性ですよ? もっと信じてあげましょうよ、ね?
(にっこりと笑って)
んー、まぁー・・・。信じてはいるけどさぁ。
「真空・・・、来ないんだけど?説明してくれる?」
とかとかー!
「今日彼と【自主規制by真空】だったんだけど、どうかしら?」
とか言われたら〜〜〜!!
ボクどうすればー!
(バシャバシャとバタ足をして)
だってさぁ・・・。
キスくらいならいいけどさぁ。
(すいーっと優希に近づいて)
こんな事とか・・・。
(スルッと胸に手を伸ばし)
こんな事とかー・・・。
(キュッとその先端を摘み)
ましてやこんな事になったり・・・。
(太ももから秘所へ手を伸ばし)
さらに、こんな風になって・・・。
(その突起を指先でなぞり)
最終的に・・・。
(蜜壷の入り口に指を押し当て、くちゅくちゅと・・・)
ねぇ、優希ちんはこんな事されたらやばいでしょ?
〔あ・・・、しちゃってた・・・〕
…………………。
(あまりの言葉に、ふらっと眩暈を起こしたようです)
………凛さんってそこの辺り平気で話しそうな気がするけど…
で、でも大丈夫ですって! 実際言われたわけじゃないでしょう?
凛さん自体そんな軽く流されたりしませんって!
(そうは言うものの、少しは不安らしい)
え……?
んっ…あっ、ちょ、ちょっと真空さ…んぅうっ…!
ひゃぅ……お、お願いですから、そ、そんなところ…あふぅっ…!
(ぶつぶつ呟きながら身体を愛撫してくる真空に抵抗しようとするが力が抜けて)
さ、されたら……や、やばい…って、してるじゃないですか…っ
(顔を真っ赤にしたまま、なされるがままにされ)
あはは・・・。
ね、やばい・・・、でしょ?
〔なんかボクまでおかしくなっちゃいそ・・・〕
ねぇ、優ちんは・・・、彼氏できたらこう言うことしたいの?
(優希に向き会うように跨り抱き付いて)
んちゅ・・・。
(首に腕を回して唇を重ね)
ねぇ?教えて?どうしたいの?
(むにゅっと胸と胸を重ね)
こう言うことされるの好きぃ?
(秘所の入り口に指をあてがい、侵入させようとする)
ま、そら……さん…。
やばい…ですよ……。
(ぞくぞくと何かが走り、はぁと艶かしい吐息を吐き出して)
こういうこと…って……、真空さんは、どうなんですか…?
(そっと背中に手を回して抱き寄せる)
んっ…ちゅうっ…ちゅっ、んっ…
(啄ばむように何度も真空の唇を吸って、舌先で唇を舐める)
んっ…どうしたいって……あふっ…そんなに、むね…くっつけられると…っ
(ぴくっと肩を震えさせると、胸の頂きが硬く尖っていく)
んっ…好きとか、いうよりも……真空さんなら…いいですよ…?
(恥ずかしそうにそっぽを向きながら抵抗せず、ひくっと秘裂を反応させる)
ほんと・・・、やばそうだね・・・、ボクもだけど・・・。
(目元はトロンとしてきて)
んっ・・・、そうやってギュッてされるのスキだよぉ。
はむっ・・・、んむっ・・・、ちゅっ・・・。
(優希のキスに応えるようにキスを返し)
はぁ・・・、優ちんのココ、硬くなってきてる。
苦しそうだから・・・、ね?
(そう言うと上目使いになり、優希の胸の先端をチロチロと舌先で弄り)
すごいよ、周りまで硬くなってきてる・・・。
そっか・・・、優ちんのここ・・・、我慢できないんだね・・・。
挿れてあげる・・・。
(くちっと、人差し指が優希の秘所から膣内へと入って行く)
あ・・れ、凄い・・・、キツい・・・。
ゆ、優ちんて・・・、経験ないの??
(キョトンと優希を見つめ)
もう…止まらないかも……。
(瞳を潤ませながら、抱きしめて乳房を擦り付けて)
んぅ…はぁ…真空、さん……んちゅっ…ちゅっ…
(軽く唇に吸い付きながら、にゅるっと唇を割って舌をもぐりこませる)
はうっ…そ、そんなこと…いや…恥ずかしい…
んっ…ぁ…はふぅ…! そんなに弄られると…
(ぴくっ、と震えるとますます乳首を硬くさせて)
はぁっ…ぁあぁっ…! そ、そんなこと言わないでください…っ…
んんっ……! 真空さん…っ…!!
(ひくひくと秘裂は戦慄いて、きゅっきゅっと指を締め付けて)
あふぅ……真空さんの指が…んぅ…
んっ………。は、はい……
(顔を手で覆い隠しながら小さく頷いて小声で答える)
ふふっ…でも、真空さんならいいかな……。指だから、そういうこと…できないけど…
(顔を真っ赤にしたまま手を離して、にこりと笑って)
そかそかぁ・・・、処女なんだぁ・・・。
可愛い、優ちん・・・。
それじゃぁ、大切な処女はいつか彼氏が出来た時に・・・、として。
今日は少し練習しちゃおうね♪
(少し体を離し)
えっと、男の子にされるとこんな感じ・・・だよ?
ちゅっ・・・。
(軽く口付けすると壁に押し付けるように押え)
優希・・・、可愛いよ・・・。
(男っぽく言ってみる)
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ・・・。
(唇から少しづつキスを移動させ、胸の先端で止まり)
んちゅっ、ちゅう、ちゅう・・・。
(赤ちゃんが吸い付くように強く先端を愛撫して)
ぷはぁ・・・、優希・・・、いくよ・・・。
(人差し指を優希の秘所に宛がい、ゆっくりと腰を沈めながら挿入して)
凄い・・・、優希の・・・締め付けてくるっ・・・。
このまま・・・いくよ・・・。
(優希の両足を軽く持ち上げ、少し抱えるようにのしかかり腰を動かす。
その動きに合わせて人指し指を出し入れし)
優希ぃ・・・、優希ぃ・・・。
んむっ、ちゅっ・・・、んっ・・・。
(激しいキスを交え、自身の唾液を優希に流しこむ)
可愛いって……もう、真空さんったら…
(快楽とは違う要因に眉をひそめて頬を赤くして)
ううっ……私は別に……真空さんのままでも…
んっ……真空…さ……んぅううっ…!
(唇から頬、首筋、鎖骨、そして乳房の頂点へと滑る真空の唇に
ぴくぴくっと指先を震わせて思わずぎゅぅと真空の身体を抱きしめる)
はゎ…んっ…胸の先…気持ちいい、です…んぁあっっ!
はぁ…ぅぁ……ひっ…くぅんっ…♪
(乳首を吸われる快感に思わず子犬のような甘い声を出して)
はい…来て…真空……。
(自然と彼女の名を呼んでにっこりと笑い)
んんぁっ……! はぅ…くぅうっ…!!
こ、こんな格好で……ひゃっ、んぁぁっ…! ひっ、はぁっ…
(秘所からはとろとろと愛液を溢れさせて、人差し指の動きをスムーズにしていく)
あふぅ…気持ち良い…真空ぁ……♪
まそらぁ……んっっ、んぅっ、ちゅうっ、ごくっ…んぅうっ
(瞼を閉じて、舌を激しく絡みあわせながら、唾液を飲み込みこちらからも唾液を送り)
んっ・・・、んっ・・・、はぁ、はぁ・・・。
優ち・・・、本当に処女〜?
(わざと意地悪にからかい)
もし、本当なら世界一エッチぃ処女だよ〜。
ほらぁ、ボクの指見て・・・。
(明らかに温泉とは違う滑りと香りのする液体を見せ)
優ちんのでこんなになっちゃった・・・。
責任とってよね。
(濡れた指を優希の口に押し当て、舐めるように要求し)
悪い子にはオシオキだぞっ♪
(自身の陰核と優希のそれを擦り合わせ)
んっ・・・、はぁ・・・、優ち・・・、気持ちいいよぉ・・・。
舐めるの・・・、はんっ、やめちゃ、駄目だからね・・・。
わかってるぅ?
(胸の先端を強く摘み、その言葉を強調する)
はぁんっ・・・、んっ、んっ・・・、凄いよぉ・・・。
ボク・・・、男なら・・・、絶対付き合っちゃう・・・。
(ズッ、ズッ、と擬似的に優希を犯し続け)
毎日・・・、しちゃうよぉ・・・、優希ぃ・・・、優希ぃ・・・。
(虚ろな表情で機械的に腰を振り続ける)
ううっ、そ、そんなこと言わないでくださいっ…!
(顔を真っ赤にしながらも、情欲に潤んだ瞳を向けて)
でも…真空の前なら…いくらでもエッチに…なれますよ…?
本当ですね……。
はい…綺麗にしてあげますから、ね…。
(うっとりと呟くと突きつけられた指をぺろっと舌で舐めて
そのまま、指の股やつま先などをちろちろと舐め取っていく)
んっ…ちゅっ……はぁっ…ちゅるっ、ちゅぱ…
んぁああっ―――!! 気持ち良い…れすっ…あふっ…!
ふぁっ、乳首…摘まんじゃやぁっ…ぁ…んちゅっう…
ぢゅるっ、ちゅぱっ…んちゅぅ…♪
(胸の先を摘まれて、更に表情はとろんと蕩けて背筋を仰け反らせる)
(真空の言葉に、奉仕するかのようにねっとりと舌を這わせてちゅうっと口に含んで)
…んっ……ぁあっっ…! 真空のっ…指がっ…あふっ…!!
真空っ……真空は…やっぱり…女の子…じゃダメ…?
私は…真空が…好き、だよ…? んあぁっっ…!!
(秘裂を犯されながら、うっとりと頬を挟んでキスをして)
んっ…ふぅ……いいよ…真空ぁ…。
全部、私が受け止めてあげるからぁ……あふっっ…ふぁぁぁんっ!!
優希ぃ・・・。
はぁ・・・、んっ・・・。じゃあ、ボクの・・・飲んでね・・・。
(自身のとろける秘所に指を宛がうと、もう片方の指先に転移させ)
でるよっ!んっ!
(優希の口の中が真空の愛液で満たされ)
優希はボクの事・・・スキなの・・・?
(優希の口から出た意外な言葉に不意をつかれ)
ボクもスキだよ・・・。
いっぱい・・・、いっぱい・・・、してあげるからね・・・。
(今までとは違う愛しい感情を込めて、優希の秘所に指を二本沈めて行く)
もう・・・、遠慮しないから・・・。
いっぱい感じて!いっぱいいっちゃっていいからね!
んむっ・・・、くちゅ・・・。
(激しく二本の指を動かし、狂おしいほどのキスを浴びせ、お互いの唾液を交換する)
あんっ・・・、んっ・・・、優希ぃ・・・。
(真空自身からも大量の愛液が流れ、滴りおちる唾液も気にせず)
優希の中のコリコリ・・・、いっぱい擦っちゃうからね・・・。
(奥の方へと刺激を与えつつ)
ここも・・・、気持ちいいんだよ・・・、ここもしちゃうからねぇ・・・。
(Gスポットへ小刻みに刺激を与え)
優希の気持ち所・・・、全部ボクが食べちゃうからぁ!
真空…っ…うん…
真空の……全部飲んであげるからぁあ……
(蕩けきった声で呟くと吸い付き、ちゅうっと吸いたてていく)
んくっ、こく……ごくっごくっ…んぅっ…ちゅううっ♪
(嬉しそうに瞳を潤ませながら、躊躇することなく喉を鳴らして飲んでいく)
(まるで水を吸い込む砂のように受け入れて)
うん…真空、好き……。
元気な真空が好き…大好き……
(囁きながら、ぺろぺろと指先を舐めながら手を伸ばして
同じように真空の秘裂に指を滑らせてなぞる)
んはああぁぁっ!! ま、真空ぁぁっ…!
いっぱい、真空を感じちゃうのぉっ…ふぁ、んぁぁっっ…!
んんぅっ…! はふっ、ふぁ……んちゅっ、ちゅううっ……
(自分から腰をくねらせながら、濃厚な口付けを交わし唾液を送り、啜り)
あは…私の指…真空のエッチなお汁でどろどろだよ…?
ここからも涎が垂れちゃってる…真空…私で感じてくれてるのね…嬉しい…♪
(舌を伸ばして、真空の垂らしている唾液を舐め取って)
うん…はふっ…わ、私の…擦ってぇ…
はぅぅっ、真空ぁ…私…気持ちいいのっ……!
真空も気持ちよくさせてあげる…♪
(こちらも指を滑り込ませてくちゃくちゃと愛液を掻き出す様に指を動かして)
うん…真空ぁ…私を食べてぇ…真空のものにしてぇぇぇっ…!
(ひくひくっと秘所がひくつくと同時にぷしゃあっと潮を噴いて絶頂を迎える)
すごい・・・、全部飲んでくれたんだ・・・。
んむっ・・・、優希の・・・、おいひい・・・よ、んっ・・・。
(お互いの唾液を交換しつつ)
はんんっ!!だ・・・め・・・、もう触られたらっ!
ボクっ・・、んっ!
(秘所を弄られ快感に身をくねらせて)
はっ・・んんっっ・・・。
(優希をは対照的に瞳をグッと瞑り)
あんっ・・・、優希も・・・、ボク・・・、食べ・・・、んんぅ・・・。
だめっ!いっちゃう!いっちゃうよぉ・・・!
(優希が潮を吹くと同じく、腰をガクガクと痙攣させ達する)
はぅん・・・、優希・・・、好きだよぉ・・・。
んむっ・・・。
(唇を重ね、まどろみ)
はぁ…はぁ……真空……私も好き…
(うっとりと呟きながら、唇を重ねてそっと抱き寄せる)
なんだか嬉しいな……真空と一緒にこうしていられるのが…
ちょっと恥ずかしいけど……ね。
(くすりと笑って真空の髪を撫でて)
あのね…今度、またどこか遊びに行こうね?
真空なら、私の知らないところも連れて行ってくれるだろうし…
そ、それと…真空が望むなら……ま、まいにち…その…
(視線を逸らしながら顔を赤くして)
え、えっちな…こと、してもいいから……ね…?
はぁ・・・、はぁ・・・。
うん・・・、ボクもだよ〜。
あんっ!んんっ・・・。
(髪を撫でられ、敏感になっている体が反応する)
そうだね〜、またどこか行こうね!
砂漠から氷の上までどこでも行けるよん♪
(楽しいかは別・・・)
んっ?毎日・・・?
〔ひょっとしたら優ちん、ある意味大物〜?〕
えちーならいつでもお相手するよ〜♪
(あははと笑い)
それじゃ、汗流して帰ろっか?
のぼせちゃうしね〜。
(言うとバシャっと飛び出て)
遅くなると凛ちん怖いんだよ〜・・・。
(何気ない会話、楽しい一時。
己の過ごす時間から見れば人間の時間などほんの一瞬。
だからこそ、人間に憧れ共に過ごす道を炎月は選んだのかな?
そう思う真空であった。)
【こちらはこんな感じで〆させていただきます〜】
【長時間ありでしたっ!、またよろしくです〜♪】
【良く考えると真空って優希さんの好きなタイプと】
【嫌いなタイプ両方当てはまりますね^^;】
【それではおやすみなさいノシ】
ふふっ、そうだね…色んなところに連れて行って貰わなくちゃ。
(にこっと笑って頷きを返し)
真空となら何処でだって楽しそうだし。
ううっ、うん…その…よろしくね…?
(何だか自分から言ったのに恥ずかしいなぁと思いつつ)
そうだね…ちょっと疲れちゃったしね?
(顔を赤くしながら温泉から出て)
それにしても…こんなところでエッチなことをするなんて
思いもしなかったな………。
(そう苦笑しながら真空と一緒に着替え始める)
(彼女から見れば自分と一緒に居られる時間なんて些細なものだとは知っていた。
それでも構いはしない。彼女が彼女である限り、彼女と共に在ろうと決めた。
いつかは別れるときが来るかもしれないけれど―――そのときまで、その分楽しい思い出を作ろうと)
【お疲れ様でしたっ! お付き合いいただいてありがとうございました】
【あはは……少なくとも嫌いなタイプは一緒ですねw】
【はい、おやすみなさい…またよろしくですっ♪】
321 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:44:00 ID:OHEjFRBs
【とりあえず、待機します。】
【退魔、妖魔問わず、お待ちしております。】
【こんばんわー】
【連日でよければ・・・】
【他に誰かいらっしゃればお譲りしますー】
【改めましてこんばんは】
【私なんぞで宜しければお相手頂きたいのですが…】
【………被ったw】
【それじゃあ今回は引いておきますねーノシ】
【いえいえいえw】
【こちらがひきますー】
【では、どうぞノシ】
>>323 【凛のがいいかとも思ったのですが、七妖でやっておく事があったので、それで良いでしょうか?】
>>324 【…はい、またです(笑。】
【…えーと…(´・ω・`)。】
【今ちょっと避難所でもめてるみたいですので、
今しばらくお待ちくださいね?w<業務連絡】
【お待たせしました】
【適当な会議により私はお相手つかまつりまする】
【内容、こちらのキャラは何でもOKですよ〜】
【リクどうぞ!】
【まぁ、私はどちらでも持ちネタはあったのですが、不破さんの方が先だったからというだけで】
【では、適当に始めさせて戴きますね。】
【あー、はい、すみません・・・】
【よろしくお願いします】
七妖会の妖魔の集い場の一つ『Bar 黒鴉』。
定められた妖魔以外では辿り着く事の出来ないこの場所に、
その場の雰囲気とはそぐわない女性が一人、カウンターに腰掛けて待っていた。
バーテンは黙して語らず、女性の前には透明な液体の注がれたグラスが一つ置かれている。
だが、女性がそれに手をつける事はなかった。
ただ、瞑目して彫像のように動かず。
「……参られました。」
静かにそう呟くと同時に、店の入り口を形造る木製の洒落た造りの扉が開いた。
【では、宜しくお願い致します。】
〔はぁ、疲れた・・・〕
(Bar黒鴉、あまり立ち寄ることが無い場所ではあるが・・・
今日はここに行く事にした。たまには顔を出さないと
変に勘ぐる輩も多くはないからだ)
よいしょ・・・。
(ギィと言う音を立てBarの扉が開く。
いつもと変わりの無い店内、何気に腰をかけ注文する)
コーラと何か食べ物、いつもみたいのでいいよ。
ふぅ・・・。
(静かに目を閉じ、注文の品が来るのを待つ)
「お久しぶりですね、不破様」
カウンターからゆっくりと立ち上がり、席についた徹哉の傍に寄り、会釈する。
少しばかり、その表情には翳りがあった。
「いらしたばかりで悪いのですが…少し奥部屋に随伴戴けますか?
…幻也様がお会いしたいそうです。」
靜が口にした名前。
幻也 ― 遠見 幻也(とおみ げんや)。
それは、久しく七妖会から姿を消していた妖魔の名前だった。
そして、靜と同じ七妖部隊の日妖でもある妖魔だった。
ん?あぁ、こんばんわ。
児玉さん・・・だよね?
(少々自信なさげに応え)
えっと・・・、まぁ、いいや。
何だか訳ありみたいだしね。
コーラ出してくれるなら構わないよ。
(立ち上がり素直に従う)
名前を呼ばれ、少しだけ靜は微笑みを浮かべた。
「はい、ではこちらへ…」
靜は、落ち着いた所作で徹哉を奥部屋へと誘う。
バーの奥部屋は特別な造りになっており、普段はある一定階位以上の妖魔しか入れない、
所謂VIPルームであった。
落ち着いた調度が揃えられた部屋の中、ソファの上に、一人の男が悠然と腰掛けている。
きっちりと整ったスーツに、目深に被った帽子。
いずれも漆黒に彩られている。
「よくいらっしゃいましたね…。お会いするのは初めましてかな、不破君。」
僅かに陽気さすら漂う丁重な声音で、男…幻也はそう言った。
あぁ、はい。
(普段は立ち入る事の無い場所へと向かう
多少の不安はあるが拒否できない事も十分に承知している)
〔こいつか・・・〕
(黒ずくめの男を見る、あまり好きなタイプで無いが・・・
これも仕事と割り切る)
えぇ、初めてですね。
それで、俺に何の用事ですか?
(リラックスした姿勢で用件を尋ねる)
「ふむ…ああ、これはどうも。階位等に関係なく、帽子も取らずに失礼でしたね」
そう言って、幻也は帽子をゆっくりと取る。
その下から現れたのは、想像していたよりも若く整った男の顔だった。
20代半ばくらいだろうか。
尤も、妖魔の外見など当てにはならないのだが…。
だが、顔の造形より何より、最も視線を惹き付けられたのは、真紅に彩られたその瞳だった。
扉が少しだけ開き、バーテンが手渡したコーラのグラスが、
靜によって徹哉の前のテーブルの上に置かれる。
「さて……今宵、君を呼んだのは他でもありません。
不破君……人間の娘に近しくなっているそうですね?」
組んだ両手の上に添えるように顎を載せると、幻也は事も無げな口調でそう訊ねた。
いや、気にしないで下さい。
俺は用事が早く済めばそれでいいですから。
〔紅い目・・・、黒い服・・・、ね〕
人間の娘?
まぁ、何人かいますけど・・・。
学校に潜伏するように「ウチのダンナ」に言われましたから。
能力者の探索も俺の仕事だそうですしね。
(凛の事だろうと思うも、話したくない気持ちに支配され)
それが何か問題でも?
「いやいや、隠さなくても構いません。私は全て調査済みですから。」
そう言って、薄く笑みを浮かべる。
…隠そうとする。
それほどまでに、彼にとってあの娘は大事な存在らしい。
「ご安心を。私独自の地蟲を使っての調査ですから、私と靜しか知り得る者は居ません。
私の部隊でも靜以外…凶介も玲人も知りませんよ。」
言いながら、視線は絡みつくように徹哉の動きを縫い止める。
まるで、視線が糸のように身体に絡み付いているように。
やれやれ・・・。いやらしい方だな、貴方は・・・。
それで?そこまで知ってるんなら何を聞きたいんです?
(はぁーっと、溜息をついて)
全く・・・、ウチのダンナ知れたら問題ですよ?
〔凛に何の用事だ・・・?気味の悪い奴だな・・・〕
「心配する必要はありません。私は人間の娘如きに興味はありませんよ」
手を目の前でひらひらとさせると、僅かに幻也は唇を吊り上げた。
「それよりも…実は、別の調査で興味深い事が判明しましてね。
あの娘の家に、元素神の一人が住み着いているそうなのですよ。」
そう言うと、幻也は胸ポケットから地蟲の入った小さな袋を取り出し、それを指先でぶちり、と潰した。
同時に、幻也と徹哉の相対する間のテーブルの上に、50cmくらいの立体像が浮かび上がる。
そこには、凛と談笑しながら食事を美味しそうにたいらげている、小柄な娘の姿があった。
「空の元素神……【響 真空】という名の娘です」
幻也の目が細められる。
元素神は、七妖会がマークしている者達の一つだった。
地の神、水の神、風の神がそれぞれ人間と敵対行動をとっている事は分かっているが、
妖魔とも共謀するタイプではない。
だが、人間と敵対する以上、とりあえずは様子を見て、場合によっては相討ちに持ち込むようにせよ、
というのが今のところの上層部の考えだった。
だが、炎の神…炎月と名乗る男は他の三神と異なり、中立、場合によっては
退魔に近い位置を保っている。そして、真空という少女が彼に感化されているのか、
静観の立場をとっている事までは判明していた。
「あの娘」ね・・・。
〔知っているような言い方ですね?〕
成る程、貴方は・・・、本当にいやらしい・・・、いや。
それが貴方の背負った力か・・・。
(嫌な能力だな・・・、俺は欲さない。そう思い)
元素神?
あ・・・、うわぉあ?!
(奇妙な驚きの声を上げ)
〔なんだよ・・・、女の子だったのか・・・、底無し胃袋・・・〕
いや、失礼・・・。
しかし何故、凛の家に元素神が?
で?俺にどうして欲しいわけです?
〔別に害はなさそうだが・・・〕
「ああ、君も驚きましたか?健啖家ですねえ、彼女」
くっくっと、さも可笑しそうに哂う幻也。
だが、すぐに口許を引き締める。
「炎の神に関しては、色々と対策を取っています。
彼一人ならば、やりようによっては押さえ込む事も不可能ではありません。」
そう言って、幻也は腕組みをして背もたれに背中を預ける。
「ですが、この真空という少女は別です。
他の四神と比しても、属性の相生相克の関係にない分、非常に扱いにくい存在だ。
ですから、出来れば今のうちに手を打っておきたいのですよ。」
人間の味方として、こちらに牙を剥く前にね、と幻也は続けた。
「君にして欲しい事は一つだけ。
この地蟲を、君の知っている少女の家に放して欲しいだけです。」
そう言うと、幻也は袋入りの小さな地蟲をテーブルの上に滑らせた。
通常の地蟲とは違うタイプのようだ。
地蟲?生憎俺はこういうの好きじゃないんだけどね・・・。
大体こいつに何させるつもりです?
(変わった地蟲を眺め)
俺は貴方の直属じゃないし。
それに霊樹様には話ししてあるんですか?
(徹哉の司令官、霊樹・・・、徹哉がファーディアの力を解放しても
適わなかった魔導騎士。七妖会にしては珍しい武人タイプの日妖である)
内容次第で引き受けますよ。
あまり姑息な事すると霊樹様が怖いですしね。
「あの堅物に相談してどうにかなる話ではありません。
私は私なりに、この七妖会が瓦解しないように糸を張り巡らせているのですからね。
そうでなければ、君に話をせず、彼を通して話がいく筈でしょう?」
くすくすと笑って、徹哉の言葉を軽く受け流す。
「それは夢見蟲と言って、私の能力と直結する蟲です。
私の力で、彼女が私達に牙を剥けないよう、その蟲を使って暗示を植え付けるのですよ」
特定の相手に対し、空間能力を使えないようにね、と幻也は言葉を紡ぐ。
「勿論、完全な暗示は彼女のような実力者には難しいでしょう。
ですが、ある程度の抑止力にはなる筈です。」
そう言って、再び薄い笑みを浮かべる。
「…回りくどい手段をとっているのには、理由があります。
彼女はどうやら気に入らないと感じた相手を敵と認識する…子供じみた性格のようです。
表立ってこちらを彼女に認識させては、敵とみなされかねない。
ですから、夢見による暗示でこちらと知られずに彼女の力をある程度制限させるのです。
あくまで、保険として。」
成る程、貴方が何故・・・、ウチのダンナと相容れないか分かったよ。
俺も生憎堅物なんでね。
(ここへ来て初めてニヤリと笑い)
でも・・・、今回は引き受けますよ。
人質とられてるようなモンだから逆らえませんし。
(お手上げのポーズをして)
次はないけど・・・ね。
(さらに不気味に笑い、余程自信があるのだろうか?)
「おや……引き受けて貰えるとは意外でしたね?」
そう言いながらも、目は笑わず、言葉だけが空回りするように相互の間を行き来する。
「どうも、霊樹の部隊の連中は堅苦しい連中ばかりでやりにくいですなぁ。
ですが、勘違いはなさらないで下さい。私も妖魔の事を慮っての事ですからね。」
そう言って、先んじて立ち上がり、帽子を目深に被りなおす。
「…まぁ、引き受けていただけるなら重畳。
折角ですから、VIPルームでゆっくりお寛ぎを。
靜、お相手して差し上げなさい。」
最後に、横見の視線で帽子に指先をあて、僅かにそれを上げた。
垣間見えた幻也の紅い瞳の、血よりも深い深淵が一瞬だけ徹哉の瞳を射抜く。
それは、霊樹の武人的な威圧とは異なる、亡霊に首を掴まれたような視線の威圧だった。
後には、靜と徹哉が残される。
「……申し訳、ありません。」
静かになった部屋で、徹哉の後ろに立ったまま、靜がか細く呟いた。
あぁ、引き受けますよ・・・。
お代は高くつくけどね・・・。
それじゃ・・・。
(軽く会釈をして別れる)
〔嫌な目だ・・・、腐ってるぜ・・・〕
えっ?
(靜の声に反応して)
あぁ・・・、児玉さんが謝ることないでしょうに・・・。
しっかし・・・。
すんごく良い上司ですね!
(うんざりした表情で)
「この部屋はVIPルームとして扱われているだけに、監視の心配はありません。
地蟲も全て取り払われています。気を遣う必要はありません。」
そう言って、徹哉の言葉に首を横に振る。
「幻也様の策略、行動…それらが七妖会の一端を大きく支えているのは確かです。
精緻な情報分析、的確な戦略、慎重に慎重を重ねて張り巡らせた糸…凄まじい手腕です。
ですが……」
思い詰めたように、靜は口許を押さえる。
「時々、私は恐ろしくなるのです。
幻也様は…もしかすると七妖会という存在を越えた何かを捉えるために、行動しているのではないかと…
あの瞳を見る度に、そう思うのです。」
「それが…あの方が【夜を渡るもの】と名乗る由縁なのでしょうか…」
夜を『渡る』。
それはすなわち、夜を自在に動くということ。
夜とは妖魔の領域。
真意は知れず。
だが、部下さえも恐れさせる得体の知れない何かを持っている妖魔である事は確かだった。
「それと…私は、不破様を応援しています。
よき縁となると良いですね…その少女と。」
少し顔を上げると、靜は優しい笑みを徹哉に向けた。
それは、心から、そう思っている笑みだった。
うーん・・・。
俺には理解できない・・・、したくもない領域の話しだね。
(ボフッとソファに座り)
その・・・何だ・・・。
児玉さんがアレコレ考えても仕方ないよ。
やめなよ、思いつめるの。
(氷が溶け薄くなったコーラを飲み)
夜を渡るもの・・・か。
(うーんと、唸りながら天上を見つめ)
俺の周りってさ、得体の知れない何かを抱えてる奴が多くて、見てて疲れる。
俺がそうだから、そういう奴が寄ってくるのかも知れないけどさ・・・。
児玉さんもそんな感じ。
(クスッと笑い)
よき縁ねぇ・・・。児玉さんも此処には似合わない事言う人だね。
「そうですね…。
ふふ、私も不破様のように直截に考える事の出来るタイプであれば良かったですのに…。」
そう言って、口許を袖で覆う。
この少年の実直さは、自分の落ち込んだ気分を解してくれる、いい作用があった。
「私は、少しこの組織とは考え方がずれていますから…。
勿論、妖魔の住む場所を取り戻したい気持ちはあるのですけれどね。」
真っ直ぐに答えられず、僅かにはぐらかす答えを返す。
そうすると、自分が幻也と同じような事をしているような気がして落ち着かなかった。
公園で会った、あの少年の時もそうだったけれど…。
「…引き止めてしまって申し訳ありませんでした。
ここは落ち着きませんでしょう。どうぞ、私の事はお構いなく…」
【そろそろ〆でお願いします】
いやぁ・・・、細かい事考えられないだけだよ。
(頭を掻きながら)
あのさ・・・、その、何だろ・・・。
組織とズレてようが何だろうが良いと思うよ。
それが児玉さんなんだし。
(笑顔で応え)
んじゃ、俺帰るけど・・・。
また何かあったら連絡してよ。
それじゃ、またな!
(スイッと手を振ると地蟲を手に扉を開ける)
〔全く嫌な男だったな・・・。〕
【こちらこれにて〆ます】
【長時間ありがと&お疲れ様でした!】
【またよろしくです〜、おやすみなさいノシ】
「…優しいひと」
哀しげな目で、徹哉が去っていった後の扉を見つめる。
私は、知っていた。
知らされていた。
あの少年と、想い人である少女の間にある因縁を。
複雑なまでに絡み合った縁を。
「あの人は……先に待ち受けているものに、向き合えるの…?
私の時と違って……受け止めきれるの……?」
過去の己の想いを想い出し、
私は一人、開かない瞼から雫を落とした。
自分と人間の間にある溝に気付かなかった、あの時代を。
―― もう、戻る事は出来ないのでしょうか。
【はい。ありがとうございました。】
【真空さんイベントフラグも立ったわけですが、これはまたいずれ…】
【あとは、凛とのえちイベントですかね!(爆<結構楽しみだったり…和姦久しぶりなので】
356 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 14:13:39 ID:jATwQg2X
敵、戦滅…
ターゲット、退魔士…
(月明かりに照らされる白銀のボディ…)
(今宵も退魔士狩りを続ける)
【悪の化身です】
【待機です】
戦滅、完了…
我、任務終了…
【落ちます】
【一応待機します。使いたい方があればどうぞ、そちらを優先しますので引きます】
【………なんだかなぁ…。】
【まぁお気持ちはわからないでもないですが…ということでこんばんはノシ】
【少ししかいられませんが、今日はこちらでお相手していただこうかな?と】
【はい、なんだかすみません……orz】
【よろしくお願いしますっ…】
【あちらばかりではロールの腕が鈍りますからね!
日々鍛錬!日々精進ですよw】
【さーて、どうしましょうか?
水ヶ瀬学園を舞台にして、会話でもしましょうか?】
【ええと、そうですね。そちらのしたいことがあればあわせますよ?】
【あちらではごーいんぐまいうぇいなのでw たまには他のヒトにも合わせないと…】
【特に「これがしたい!」ってのはないんスよねぇw
先程も言ったとおり、そんなに長い時間はいられないので…、
短時間で終わらせられるようなロールっていうと>362くらいしか思いつかなかったり…orz】
【あ、そうそう、あらかじめ言っておきますが、
小次郎はこちらではキャラとしては使いませんので、あしからずw】
【そうですか、わかりましたw】
【チッ……いやいや、分かってますってw それでは適当に書き出しますね】
―――私立水ヶ瀬学園。
私は教室を出て、校内をうろついていた。
今日は、尚さんは先に帰ったと連絡があったので、やることもなく歩いた。
別に家に帰ってもいいのだが―――…。
(陽もだんだんと長くなり、夕方でもまだ辺りは明るい。
街は帰宅途中の学生や社会人、夕飯の買い物中の主婦などの姿が目立つ。
この街には私立水ヶ瀬学園がある所為か、
水ヶ瀬学園の中学生、高校生の姿が目立つ。
男もまた、そこの卒業生であった。
この日は、水ヶ瀬学園の校長に呼び出されていた)
―――…いつ見ても外観は変わらないな…。
(そう、「外観」は以前と変わらぬ姿を保ち続けて、今も存在する。
が、男のいた当時と今では内部事情において決定的に違う点があった。
それはまた、別の話なのだが…)
……。
(男は校門前に立っていたが、しばらくしてやっと動き出した。
向かっている先は、在校生の間では「開かずの間」と呼ばれている部屋だった。)
【遅くなりました。よろしくお願いしますね〜】
―――……あれは?
(明らかに学生でも教師でもなさそうな人間が入り込んできているのを見て
訝しげにその人間を見やる)
……って、あれ?
(と、よく確かめてみるとどこかで見た記憶がある。
それを手繰り寄せながら過去の記憶を辿っていくと)
あれは……法月…さん……?
(たっと法月の下へ駆け寄ると、話しかける)
どうしたんですか、法月さん、こんなところで……
学園に用事ですか? よろしければ、私が案内いたしますけど?
【はい、よろしくお願いしますー】
…あれ?君は…佐々木…優希君、だったね?
そうか、君はここの生徒だったのか。
(見覚えのある顔が近づいてきた。
それは、以前退魔中に偶然遭遇した退魔士だった)
今日は…ちょっと校長に呼ばれてね。
あぁ、それには及ばないよ。
俺も、実はここのOBなんだからね。
(話しかけられて止めていた足を、再び動かし始めながら)
ああ、そうなんですか。てっきり不審者かと。
最近妖魔関係だけでなくそういう事件も多いですからね、警戒しないと。
(にっこり笑いながら頷いて)
それじゃあご一緒しても宜しいでしょうか?
私もすることがなかったんで―――…まあ、暇つぶしといえば暇つぶしですけどね。
(苦笑しながら、蒼一郎の横に並んで歩き始める)
あはは…俺は危うく君に斬られそうになったかな?
(歩きながら、時折冗談などを織り交ぜ)
そうだな…。
(少し考え込んで)
…うん、いいだろう。
君も退魔士なら知っておくべきことはあるだろう。
ついておいで。
(男は了承した。
退魔士である以上、少なくとも敵ではないこの娘に、
退魔士の世界の一角を見せるべきと考えたからだった。
そして、二人は「開かずの間」の前に立った)
いえ、警察に通報してました。
―――こんなところで剣を抜いたら、私のほうが変人に映りますからね。
(苦笑しながら肩を竦めて)
退魔士………ですか。
(最近はそうでもないんだけど、と心の中で呟きながら付いて行き)
ええ、どうせ暇ですし、ご一緒させていただきましょう。
……って、ここ……?
(誰もここには鍵が掛かっていて入れないはずと不思議に思いながら)
こんなところに学園長がいるんですか?
学園長に会いに行くなら、学園長室にいかないと……
それもそうか。
俺は不審者、君は変質者としてまとめて御用になるところだったな。
(くすくす、と含み笑いをこめながら)
今はここには学園長はいない。
学園長は忙しくて若干遅くなるようだから、
先に入っていようと思ってね。
(蒼一郎がドアノブに手をかける。
本来なら鍵がかかっているはずの部屋。
生徒はもちろん、勤務している職員でさえ、
この部屋に入ったことのない者がほとんどの部屋。
しかし、蒼一郎が手をかけたドアノブがぼうっ、と青く光ると、
「開かずの間」はいとも簡単にその重い扉を開けた)
しかし、本当に最近は警戒してますよね。
小学校でもPTAの人が見回ってましたし…
妖魔もそうですけど…解決すべき問題は他にもあるんでしょうね。
そうですか、なんでまたわざわざ―――…あ、開いた。
魔術でも施しているんですか、この扉?
(不思議にぺたぺたと触りながら、中に入って)
人間、妖魔問わず、最近は不可解な事件が多い。
1つのことに目を向けていると、別の場所で違う事件が起きる。
そっちに目を向けると、また別の場所で…堂々巡りさ。
ふふっ、いずれ君にもここの開け方を教えようか。
「退魔士以外の入室は絶対厳禁」のこの部屋の、ね。
(にこり、と笑みを浮かべて中に入る。
そこは、体育館ほどの広さをもった会議室のような部屋だった。
机も椅子も、何もない。
ただ、あちらこちらに「扉」がいくつもついている。
そう、ここは亜空間の中に作られた部屋だった)
【レス、早いなぁw】
包括的に事件を防止できるようになればいいんですけど……
まあ、今すぐには無理かもしれないけれど…少しずつ前に進めたらいいんですけどね。
別にそれほど興味はないですけどね。
まぁ、必要があるなら―――と言ったところでしょうか。
(ふぅ、と息を漏らしながら肩を竦めて)
……魔力が不規則にねじれているのが分かります。
で……そろそろ教えて下さってもいいんじゃないんですか?
貴方は何の目的で、ここに来たんですか―――?
…そうだな…退魔を生業とするなら、知っておいた方がいいだろう。
こと、それがこの学園の生徒なら…な。
(ふ、と短くため息をつき、話を進める)
まずは…やはりオヤジさんのことだな。
ここの学園長は…実は退魔士なんだ。
さっき学園長に呼ばれた、と君に言ったが、
おそらく退魔の依頼か近況報告だろうと思われる。
不定期だが、俺とオヤジさん…学園長は情報を交換し合っているんだ。
(淡々と裏に隠された事実を述べていく蒼一郎)
実は…っていうほど驚きはしませんけど。
開かずの間もなんとなく関係あるだろうなぁと最近感じてましたし。
…へぇ、そうなんですか。
(冷静に、驚愕した様子もなく、法月の言葉を受け入れて)
お邪魔になるようでしたら、私は席を外しましょうか?
こういうことは内密に話したほうがいいんでしょう?
だからこそ、ココを選んだ―――違いますか?
普通の用件なら、学園長室ですれば良い話ですしね。
ふふっ、驚かないんだな。
察しがいいと言うのかな?
(相変わらず男の顔には微笑が浮かんでいる。
それは、まるで優希が驚かないことを想定していたように…)
いや、別に込み入ったことは話さないよ。
さっきも言ったが、おそらくは退魔の依頼か何かだろうからね。
それに…退魔の用件は普通の用件ではないだろう?
別に―――。
私は今までココとは関わってきませんでしたから、なんとなく、です。
(それすら興味がなさげに、苦笑を浮かべて)
……とはいえ、どうしますか?
このまま待つにしても、いつ学園長が帰ってくるか分かりませんし。
どうせなら、食堂にでも寄ればよかったのに……
いや、それには及ばないよ。
学園長は10分と遅刻はしない人だから。
それより、以前会った時の君よりも強くなったんじゃないか?
前と…なんというか、オーラが違う感じがするよ。
そうですか?
ならば、ご一緒にお待ちいたしましょうか―――。
まあ…いろんな人に稽古をつけて貰ってますから。
でもそれほど実際には強くなってませんよ。
ただ―――色々と吹っ切れましたけどね。
(からから笑いながら)
まだまだ学ばなくてはいけないことが沢山あります。
そのためには謙虚になりませんと、ね。高慢は自滅を導くだけですし。
その吹っ切れた、というのが、
君を一番成長させた要因なのかな?
君は強くなるよ。
強くなって、守りたいものを守ればいい。
そのためには…日々鍛錬、だね。
(嬉しそうに男は笑っている。
蒼一郎は、後進の実力者の台頭を何よりも喜ぶ人間だった)
【そういえば、佐々木さんは退魔側から中立になったんでしたっけ?】
(苦笑して)
分かりません―――……。
ですが、迷いはなくなりました。
自分を信じるものを信じぬく―――それが私の答えです。
まあ、自分の出来る限りのことはしますよ。
何が出来るかは―――実際手を伸ばしてみないと分かりませんが。
(苦笑して前髪を掻き揚げて)
【はいw …ところで時間の方は大丈夫ですか?】
…ふふっ、それが強さの秘密のようだ。
それが自分でわかっているだけで十分だ。
己の信ずる道を進め……先輩の言葉として、どうかな?
(少々冗談を含ませながら)
まだ少し時間があるな。
ちょっと剣を持ってかまえてみてくれないか?
『この気…おそらく…』
(優希の成長も気になったが、
それよりも、蒼一郎は優希の所持する「獲物」が気になっていた)
【蒼一郎も、妖魔を助けたりしてますし…中立にした方がいいのかなぁ?
今プロフを再考しているのですが、いろいろ思うところはあるわけで…w】
【お気遣いありがとうございます。
そろそろ時間なので、こちらは次のレスで〆ます】
先輩……というには、かなり老熟した意見だと思いますが?
(苦笑しながら肩を竦めて)
まあ、ありがたく素直に受け止めておきましょう。
先人の言葉は素直に学ぶのが一番だと思いますしね。
……はい? 今ここで…ですか?
別にいいですけど――――――。
(言われたとおり、剣を構えて)
こうで…いいんですか?
(不思議そうに首を傾げて)
【うーん、そこは個人の裁量で自由にしてもいいんじゃないんでしょうか?】
【はい、わかりましたーノシ】
老熟…か。
ふふっ、まだまだ老いたくはないね。
(あはは、と楽しげに笑いながら)
(剣を構える優希に)
やっぱり…『闇烏』だったか…。
さっき君に会った時から、『闇烏』の気を感じていてね。
ちょっと確かめたかったんだ。
妖刀『闇烏』…真空さんから貰ったね?
(どうやら、この男は様々なことに精通しているようだ)
で、君の構えだが…ここを…こうして…そうそう。
それでここをもっと…。
(少しずつ優希の構えを修正していく蒼一郎)
…うん、こんなものか。
どうだい?ちょっと窮屈だろう?
でも、それが剣の構えの基本姿勢という奴だ。
以前会った時も思ったが、君はまだまだ荒削りな部分が多い。
君の修行相手も、剣の扱い方までは教えていないようだし…。
余計なことだと思ったら気にしないでくれ。
だが、もし以後も剣の腕を上げたいと思うなら、気が向いた時に俺を訪ねておいで。
俺流になってしまうが、それでもよければ教えてあげよう。
お、そろそろ学園長がお出ましのようだ。
(二人の前に現れた学園長。
蒼一郎の予想通り、やはり退魔の依頼であった。
しかし、蒼一郎一人では手が足らなかったので、
一緒にいた優希がそれを負うハメになったのであった…)
【昨日(だったかな?)言った「修行イベント」を匂わせてみましたw
いきなりで迷惑だったかな…?orz】
【では本日はこれで落ちますね。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
お疲れ様でした、おやすみなさいノシ】
ええ―――。
以前私が使用した得物は彼女に破壊されてしまったので
そのお詫びに貰ったんです。
魔剣『闇烏』―――真空さんのお陰でしょうか、私と相性がいいみたいです。
ええ、ありがとうございます―――・・・。
(以前、不破に教えられたものとは違うな、と思いながらそれにしたがって)
一応剣を教えてくださった人はいるんですけどね…
まあ、あの人とも必ずしも逢えるわけではないですから…機会があれば。
(是非と言って剣を降ろして)
【剣の型については、不破さんから教わってはいるんですがw】
【修行はまあ実戦訓練ということでw こちらこそお付き合い頂いてありがとうございました
ではお疲れ様でした……お休みなさい!】
軽ク待機ダ…
【待機です】
我ニハ行カネバナラヌ理由ガアル…
【急用発生、落ちます】
>390
【こんちわ】
【相手よろしいですか?】
【よろこんで】
【シチュとしては、共闘か、交流か】
【以前共闘したきりですからね】
【今回は交流で】
【じゃあ、仕事の帰りに雨が降って、神社で雨宿り】
【それがそちらの実家だったというシチュでどうだろう?】
【いいですね。じゃあそれで】
【書き出しはそちらにお願いしてよろしいでしょうか?】
【了解。では少し時間をくれ】
灰色の空から細い雨が降って来た。
糸はやがて滝となり、吹き付ける風が雨を凶器と成した。
ドウカティを緊急停車。降水確率が50%だろうがなんだろうが、仕事には
出掛けないといけない。行きはよかった。帰り際になって降ってきた。
このまま意地で走って転んでもつまらない。急ぎの用もないので、神社に立ち入った。
「あー・・・すげえ振りだな・・・」
雨宿りする。祀られている神が何者か知らないが、多めに見てくれるだろう。
何せ一応退魔士だし、俺。
………雨…
(自宅でもある神社の庭を掃き掃除中)
(見上げた空には、今にも泣きそうな雲が一面に広がっている)
…中、入ろう………
…?
(聞き覚えのある機動音)
(つられて鳥居の方を見ると、見覚えのある単車がちょうど停まった所だった)
……あの人…
…いつかの走り屋………?
(そうしている間にも、雨がしだいに本降りになっていく)
…………あの……中、入る………?
(近寄り、遠慮がちに尋ねてみる)
向こうから、誰かがやって来る。
雨宿りくらいなら多目に見てくれる・・・・かな?
やってきたのは女、だった。容姿で言えば俺の好みだったが、それよりも・・・・
「あんたは・・・前に会ったな」
記憶を反芻する。海の見える公園。子供たち。妖閉空間。髪の長い女。
餓鬼の群れ。銃声と硝煙。翻る刃。
確かに、俺はこの女を知っていた。
妖閉空間で一気に力を使った俺は、彼女たちがどうなったのかを見届けず休眠
したのだが・・・
「雨宿り、させてくれるのか。ありがたいな」
ふと、気になったことを尋ねる。
「俺が起きた時、あんたはもう帰ってたな。あの時の子供たちは元気か?」
………その節はどうも…
(やっぱりあの時の彼だと確認)
(ひょっとしたら自分の事など忘れているのではないかと思っていたので、軽く安心)
…うちで風邪ひかれても困るから………
………大丈夫…みんな怪我ひとつしなかった…
今も元気……ここにも、よく遊びに来てくれる……
……たぶん、私一人だったら…あの子たちを守れなかった……
だから…ありがとう………
(いよいよ大降りとなってくる雨は、巫女服を濡らしていく)
………そろそろ本格的にやばそう……
……上がって………
(手で頭の上に傘を作り、ぱしゃぱしゃと濡れた地面を踏む)
(神社の裏手の玄関に向かって走る)
神社にいるということは、巫女と呼ばれる存在なのだろう。
斬鬼衆にも、巫女服着る女はいるが、あれは退魔士だしな。
刀を使う巫女というのも、剣呑な話だが。
そんなことを考えていると、いつぞやの件で礼を言われた。
俺は、「大したことじゃない」とだけ言った。
子供を助けたのは、ほんのついでである。
俺の眼の届かない範囲で食われたなら、仕方ないと切り捨てるだけだ。
促されるままに、少女に付いてゆく。
どうやらここは、彼女の実家でもあるらしい。
代々、退魔の役割を担っているのだろうか。
天洸院・斬鬼衆の彼らのように。
………あの子たちから、頼まれてる…
…「一緒に居たお兄ちゃんにもありがとうって伝えて」って……
………せまいところで申し訳ないけど…
(ひとまず彼を家の中に入れる)
………天気予報大当たり…
…良純もたまにはまともな事言う……
(髪先から雫を滴らせ、ふぅと一息つく)
…………濡れた…
…今、タオル持って来るから………
…………粗茶だけど…これでも飲んで温まって…
(タオルと一緒に湯のみを一杯持ってくる)
…私、ちょっと着替えてくる………
(パタパタと濡れたまま奥の部屋にひっこむ)
…………覗いちゃイヤよ…
(部屋の入り口から顔だけ出し、そう言う)
…………………………何でもない…
(またすぐ引っ込む)
ぬばたまの長い髪に心が騒ぐ。
どうも俺は、長い髪の女が好みなのだ。
ほっそりとした体型なら尚好みだ。
彼女は、その条件を満たしていた。
斬鬼衆にも該当者はいるが、仕事仲間を口説くのは何か嫌だ。
『………あの子たちから、頼まれてる…』
・・・何の話してたっけ俺? 意識が跳んでる。ヤバイ。
『…「一緒に居たお兄ちゃんにもありがとうって伝えて」って……』
ああ、そうか。感謝されるために戦ったわけじゃないが。
「まあいいか、偶には」
タオルで水気を拭き取り、出された茶を啜って身体を温める。
ここ何年かは風など引いたことはないが、濡れっぱなしというのは気分が悪い。
『…………覗いちゃイヤよ… 』
そんな眼で見られていたのだろうか。
ほぼ初対面も同然なのに失礼極まりない。
『…………………………何でもない… 』
・・・・ひょっとして、冗談だったのだろうか。イマイチ分かり辛い。
………お待たせ…
(Tシャツにジーパンのラフな格好で現れる)
雨…なかなかやみそうにない……
(雨粒が屋根を叩く音が静かに聞こえた)
…それはそうと…
………私は、水無月 涼子…
この前のアレで分かってると思うけど……一応、退魔をやってる…
…まだまだ未熟で弱いけど……
………あなたは…?
(答えを促すように、じーっと顔を見つめる)
雨音を聞いていた。
そして風の音を聞いていた。
暫く、じっと無言で座っている。
やがて、少女が襖から現れた。
彼女は水無月涼子と名乗った。
退魔をやっているとも言った。
「俺は、御影義虎。天洸院・斬鬼衆のひとり」
正面から瞳を見返しながら、愛想に欠ける声で名乗る。
「天洸院は約1000年前に設立された、日本でも最古の部類に入る
妖魔封滅機関だ。斬鬼衆である俺は、その尖兵だ」
組織について簡単に説明する。これ以上簡略できないぐらいに簡単な
説明であった。
……………よしとら…トラの走り屋…
…ちょっとカッコイイ………
(ぶつぶつと聞こえないほどの小さい声で呟く)
(自分の中だけで何かを納得し、うんうんと一人頷く)
(御影 義虎…そう名乗った彼から説明を聞かされた)
(自分にとっては現実味に欠けるような話だったが…)
…………そんな人たちがいたなんて全然知らなかった…
…じゃあトラがあんなに強かったのも、そこでいろいろ教わってるから……?
何やらぶつくさ言ってる。
まあ放っておこう。多分無害だし。
言動から察するに、彼女は何処の組織にも属していないようだ。
こんな近隣にフリーの退魔者がいるとは、この街はつくづく狂ってる。
話を戻そう。
「俺だって、入る前までは全然知らなかったがな」
それこそ漫画や小説に出てくるような設定。
夢物語や御伽話と同じレベルで信憑性はない。
だが、俺はもう知っている側の人間であり、それが生活の基盤になっている。
「いや、俺の戦い方は殆ど実戦で培われたものだ。
他の奴らは――退魔の家系に生まれた者は、親から手解きを受けるらしい」
妙な愛称はスルーの方向で。
施設出身の俺は、力の使い方だけを学び、あとは自分で実戦を潜り抜け、
考えて強くなったのだ。正統な退魔者とはそこが違う。
「強くなりたいのか、あんたは」
俺は問う。
「それは、何のために?」
……………実戦……
(自分と歳がさほど離れているようには見えないが)
(目の前で淡々と話す彼からは、揺ぎ無い何かが感じ取れた)
(きっと、自分では考えもつかないような生き方をしてきたのだろう)
……………強く、なりたい…
(問い掛けに対してそう答える)
(それは心から思う、素直な気持ちだった)
……昔の私は…何も出来なかったから……ただ無力だったから…
…その時の自分が……本当に嫌いだから……
(無表情で、抑揚の無い声で言う)
(こういう時、なかなか感情を表に出せない自分がイヤだ)
(俯いて自分の手を見ると、なぜか拳を握っていた)
…あんな思いは、もう誰にもさせたくないから…
………誰かが辛い思いをしてるのを…黙って見ているのは絶対にイヤだから…
(顔を上げると、自分に似た無表情をした彼がこっちを見ている)
強くなりたい理由は人それぞれ。
強くなる方法はひとつではない。
だが、強い者が生き延びて、弱い者が死ぬの。
それが、魔天の闘技場でのルールだ。
どんな理由を抱いているにせよ、弱ければ死ぬだけだ。
それを知りつつ俺が何のためと問うたのは――
「誰だって――無力なあの日の自分を救うため、強くなろうと足掻いている」
俺の小さな世界が壊れたあの日。
差し出された救いの手はあまりにも遅すぎて。
だから今、強くなろうとしているのだ。あの日の自分を救うため。
俺に強くなりたい理由があるとしたら、それだけだろう。
例えば、あの日出会った氷の剣士も、或いはそうなのだろうか。
ふとそんなことを考える。
「だがな、人は他人を救えない」
彼女の、硬質なガラスを思わせる瞳の奥で、何かが確かに息づいている。
それは強くなりたいという意思。現状の自の弱さに対する不満。
「どれだけ強くなろうと、仲間を集めようと、掬いきれない者は必ず出る」
それが、組織に属した俺の感想。
「強くなるのはいい。だが、まずあんたはあんたを救え。他人のこと考えるのは、それからにしろ」
…………………
(人は他人を救えない―――彼の言葉に、反論するでもなく相槌を打つでもなく)
(ただ静かに、彼の顔を見つめるだけ)
………私だって…この世の全ての人を助けるなんて…到底無理なのは分かってる…
…だけど…結果がたとえそうだったとしても…
………自分が弱いって…痛いほどに分かっても……
それでも何か行動しないと………自分で自分を許せなくて、殺してしまいそうだから…
(握った拳に、わずかに血が滲んだ気がした)
(後で爪切っておこう…そんな関係ない事が脳裏をよぎる)
………………私が私を救うなんて…いつになるか分からない…
………自分でも…いつまでも引き摺るのは馬鹿馬鹿しいと思ってるけど…
自分が許せないと彼女は言う。
馬鹿馬鹿しいと彼女は言う。
だが、理由など自分の中にあればそれでいい。
他人にどう思われようと、構いはしない。
その痛みがわかるなどとは言わない。
俺が俺の目的を果たすため、どれ程無関係なモノたちを殺した事か。
「じゃあ、自分が今生きてることから肯定するべきだな」
俺は告げる。
「あんたも、何かを失ったのか」
それは問いではなく確認である。そんな事は、言葉にしなくとも、
この少女無表情の隙間から、流れ出てくる。
「なら、その犠牲の上に成り立った今の自分を肯定しろ。でなければ、
その犠牲が無駄になる」
………………自分を…肯定…?
(同情でもなく、叱咤でもなく、彼はまた淡々と言う)
(まるで自分の中を見透かしているように、彼は一言一言冷静に話した)
………ん…
……もうだいぶ前の事だけど……
………………今の自分……
………あなたは…自分を肯定出来た…?
…今……生きてる事を肯定出来てる……?
「肯定しないと始まらないだろう」
俺は詭弁を弄しているのだろう。
こんな言葉で、何が変わるわけでもない。
この少女を、救えるはずもない。
それでも、告げる。
「今更何もなかったことにするわけにはいかん。
今日まで生き延びるのに、犠牲にしたモノが多すぎる」
俺の通ってきた道に積み重なった、数多の屍。
この世界に入らなければ、殺さずに済んだかも知れない人間たちの亡骸だ。
彼らがやってきたことを考えれば、同情の余地すらないが、それでも犠牲は犠牲だ。
「だから、俺は今の自分を肯定する。そして強くなる。目的を成し遂げる」
迷いの欠片もなく、静かに断言する。
犠牲の対価に見合う目的など、この世界には有り得ないと理解しつつも。
(芯の通ったような口調で話す彼)
(迷いなど全て超越した意思がそこにある)
…………やっぱり、トラは強い…私なんかよりずっと……
………ん…
(窓から射す光に気付き外を見る)
(雨がいつの間にかやんでいた)
………私も…自分を肯定できるようになりたい…
…いつか…あの時の自分を許せるように……
いつしか、雨は止んでいた。
俺は立ち上がった。
「長居をしたな、そろそろ帰るとする。邪魔をした」
何が変わったわけでもない。
人は他人を救えないと自分で言った。
その想いは確かにある。だが、人間はひとつの思想だけで生きている
わけでは決してない。
「俺は、都立白清高校に通っている。用があったらいつでも来い。
稽古相手ぐらいにはなってやる」
救うことは出来ないがつ、ほんの少し手伝うことはできる。
その想いも、確かに存在するのだ。
強くなるために、できることから始めよう。
【次で締めかな】
………ん……
……今日はありがとう…
…私、弱いから……その時はよろしく…
……………頑張らなきゃ……
(確かな『強さ』を持つ彼を見送りながら)
(これからすべき事を思案し始めていた)
【こちらはこれで〆です】
【長時間ありがとうございました】
【レス遅くてすみません】
【また機会があればご一緒しましょう】
【お疲れさまでした。】
濡れた路面を、漆黒の単車が疾走する。とりあえず、白清高校に寄ろう。
そして今日会った退魔剣士について報告しておこう。
そんなことを考える。
かくして、ふたりの再会編は終幕となる。
後日、彼はみたらし団子を手土産に彼女の神社を再び訪問するのだが、
それはまた別の話である。
【こっちはこれで〆】
【こちらこそどうも】
【お疲れ様でしたノシ】
【待機しま〜す。】
【こんにち…今の時間はこんばんは?w
お相手願いたい…ところなのですが現在携帯&帰宅中なので、
帰宅して覗いてみてまだ誰もいらっしゃらなかったら参加したいのですがいかがでしょう?
すぐに落ちられるなら引っ込みますが…】
【こん・・・にちばんわw】
【かーなーり時間があるので、その時はよろしくお願いします!】
【了解致しました!
今道行く人をバタバタとなぎ倒しながら、
猛ダッシュで家に向かっているところですw
その間にシチュでもお考えになりながらヒマを潰していてはいかがでしょうか?】
【もちろん、その間に参加したい方があれば、
遠慮せずにどうぞご参加くださいね】
【無関係な人々を怪我させないようにしてくださいw】
【でわ、待機中〜】
【こんばんは】
【こちらも時間があまり取れないので、】
【18時半or>419氏到着くらいまででも】
【こんばんわ〜。】
【ありがとうございます。お願いします〜。】
【ところで水ヶ瀬学園の生徒一覧て無いでしょうか。】
【茜をそこの生徒と設定しているのですが、】
【尚さんや優希さん、大地さんくらいしかパっと思いつかなくて…】
【では3人でいかがでしょうか?w】
【法月蒼一郎、無事に帰還致しました〜】
>>426 【こんばんは&おかえりなさい】
【いえ、こちら半頃には落ちなければなりませんので…】
【おっと、法月さんご到着ですね。】
【私はその3人だと思っているのですが・・・。】
【組織にします?水ヶ瀬学園】
>>428 【でしたか。もっといたような気もしますけど、気のせいかな】
【あいえ、学園モノとしてどう絡むのかな、と。】
【三者面談を名目に優子が現れるかもしれませんけれど…】
【丁度OBも来られましたw】
>>427 【こんばんは、ですノシ】
【無理にとは言いませんが、少しだけでもいかがです?
武蔵も楽しみにしているようですよ?w】
>>428 【お待たせいたしました。
水ヶ瀬は元天洸院の支部でしたので、
組織にしてしまうと、学園長の意向が変化したことになりますよ?
水ヶ瀬の組織を解体したのは法月でもあるわけですし、
もし組織化を希望するならご相談には乗りますよ】
【や、希望してるわけでは無いです。】
【でも、生徒のリストは作った方がいいのかな?スッキリするし。】
【それと、水ヶ瀬学園に在籍しているのは、
佐々木優希、幸原尚、大地護、神威斬駆狼、天城茜の5名ですね。
ちなみに、法月はOBです】
>>431 【まぁリストを作ることは、
キャラ一覧を整理する意味では有効かもしれませんね】
>>430 >水ヶ瀬は元天洸院の支部
【ということは茜はそういう事を知らずに入学願書を取寄せて合格してしまった、と。】
【校内で悪さはできそうにありませんねw】
武蔵さん、また後でね♪
>>431 【どうでしょう? 目にすることも多いように思いましたので】
【ではこちらこれで落ちますね。】
【晩にはまた顔を出しますので。】
【ではではノシ】
>>432 【神威さんもでしたか…それはどうもでした。】
【そろそろ新学期の季節ですし、学園物も面白いかな、と】
【先日のを見てて思いまして。では】
【あ、神威さん忘れてた(オイ】
【リストは・・・皆さんの意見を聞いてからですね。】
【文化祭とかのイベントも面白そうですよね!ミスコンとかw】
【ノシです、天城さん。】
>>433-434 【今は人間、退魔士、妖魔が入り乱れる高校ですから、
ちょっとやそっとの悪さではびくともしませんw
ちなみに、神威さんは在籍というよりは潜伏のようですが】
【では、また夜にでもお会いしましょうノシ】
武「は、はい…また後ほど、優子さん…///」
>>435 【そうですね。
ここもなかなか幅が広がってきましたねw】
【で、ロールの方がいかが致しましょうか?
危うくこのまま忘れて落ちるところでしたw】
【ふと思ったのですが、茜はまだ生徒としては動かしていませんし、】
【もういっそ新入生ということにすれば面白いかもw】
【今度こそ落ちますノシ】
【危なーい!w】
【妖魔の血が騒いだ(?)ことを相談しに行く、というのはどーでしょう?】
【お!同じことを考えていたようですねw
ついでに、完全に妖魔化してしまいませんか?
覚醒→一時的な封印→中の妖魔の抑え方、付き合い方伝授…てな感じで。
まぁ、覚醒ですから戦闘にはなるでしょうがw】
【う〜む。なるほど。】
【・・・完全な妖魔化とはどういう事ですか?つまり・・・半妖じゃなくなるということですか?】
【凛さんとフーリンさんのような感じを思い浮かべていただければいいかと。
妖魔の部分が人間の部分を支配してしまうような…。】
【あ、なるほど。理解が遅くてすいません・・・orz】
【むしろ人間の部分が妖魔の部分と共存する感じが良いんですけど・・・。】
【二重人格のような。我侭言ってすいません・・・。】
【二重人格っていうのも何か違うような・・・。】
【とりあえず、
>>440の感じでお願いできますか?】
【いえいえ、了解しました。それで結構ですよ〜。
そういえば、舞台はどこなんでしょ?w】
>>444 【おぉう、リロミスです…orz
了解しました。
出だしはお任せしてもよろしいでしょうか?】
【法月さんの事務所じゃないでしょうか?】
【・・・でも、覚醒するなら破壊されそう・・・。】
【こっちもリロミス・・・。】
【ではちょっとお待ちください・・・。】
>>447 【どうぞ破壊しちゃってくださいなw】
【では、お待ちしてますねー】
【あなただって人のこと言えないじゃないですかーw←何のことだかわかります?w】
【破壊対象は事務所(とそこにいる人)だけです。】
【男で退魔師で・・・めっちゃ関係してるじゃないですかw】
自分に違う自分が出来た。
妖魔である部分の自分、二重人格というヤツか?
どうも、その自分は男が大っ嫌いらしい。
出てきた時に「男を滅ぼす。」なんて言っていた。
・・・たぶん、有言実行できるんじゃないかと思う。
それを阻止するために、あたしは法月さんを尋ねた。
・・・・・・・・・・・・というわけで、あたしは『あたし』の暴走を止めたいんです。
法月さんに事情を説明し終わる。
なので、なんというか・・・・・・どうにか出来ませんか?
『あたし』を消すんじゃない、もっと他の方法とか・・・。
法月さんなら知ってるんじゃないかと思って・・・。
【ごめんなさい、食事落ちします。】
(蒼一郎は目を瞑って、黙って尚の話を聞いていた。
話し終える頃に、小次郎が尚の横から茶を差し出す)
小「どうぞ」
(今いる場所は法月のもつ事務所。
蒼一郎は所長室に尚を招き、
所長机の前に向かい合わせにおいてあるソファーに座らせた。
小次郎が部屋を出ると、静寂が部屋を包む)
―――…なるほどね…とうとう出たか…。
(「とうとう」という言葉を敢えて使った。
そう、出会った時から尚が半妖であることに気づいていた蒼一郎にとって、
尚の身におきたそれは、別段珍しいことではなかった)
【夕飯落ち、急用落ち等々は遠慮なく仰ってくださいね。
それでは、改めてよろしくお願い致します!】
>>451 【あー、今日はリロミスが多いなぁ…orz
了解致しました、私も一旦夕飯落ちしますねノシ】
【復活!よろしくお願いします。】
・・・ありがとうございます。
(小次郎に軽く会釈をする。)
・・・「とうとう」?
「とうとう」って、法月さん知ってたんですか?
あたしが半妖だってこと!?
身を乗り出して問い詰めたい気持ちを抑えて、あたしは言った。
法月さんに言った覚えはまったく無い。
法月さんは気づいてないと思っていた。
だから騙しているようで罪悪感がチクチクと自分を襲っていたのに。
ぅ〜・・・。
理不尽だけれど、むかついた。
方法はあるんですよね・・・?
無きゃ困る。
まぁ、法月さんの様子からして知っているんだろうけど。
教えてください。
お願いします!
【私もです・・・orz】
【夕飯終了!(げぷ)
今日はお互い様ということでw
では、再開致しますノシ】
…ん、まぁね。
(今までいろいろな人間、いろいろな妖魔に出会ってきた。
そして、いろいろな半妖にも出会ってきた。
長年の経験により、蒼一郎には人間、妖魔、そして半妖の区別ができるようになっていた。
しかし、尚が何ゆえ見分けられたかを知りたがっていることを悟りながらも、
蒼一郎はそれ以上語ることはしなかった。
聞かれなかったのが1つ。今すべきでない話題であることが1つ…)
以前君に会った時、半妖の君からはまだ「人間的霊力」しか感じることができなかった。
わかるかい?君がまだ「覚醒を経験していない」ことを意味していたんだ。
でも今の君は違う。「妖魔的霊力」を、今はわずかに感じられる…。
(目を閉じ、静かに尚の現在の状態を言い放つ)
…で、君はどうしたいんだい?
消したくないということはわかったが、君は君の中の『君』を抑えたいのかい?
それとも、その彼と君の1つの体の中で共存していきたいのかい?
(「抑える」ことと「共存する」こと。
言っていることは同じようで、実は大きな違いがあった。)
【一応言っておきますが、こちらのリミットは23時過ぎを予定しています。
若干融通は利きますが、よろしくお願い致しますノシ】
【了解しました。】
妖魔的霊力・・・・。
あの時の覚醒で・・・。
妖魔の『あたし』が起きた。
あたしは・・・。
抑えることと共存することの違いは理解している。
抑えることは力ずくで支配する事。
共存、したいです。
力ずくで抑えたくない。
『あたし』に、協力してもらいたいです。
共存…か…。
(ふぅ、と一つ息を吐いた。
自分の中の妖魔の抑え方には3つの選択肢がある。
1つは妖魔部分を完全に消滅させてしまうこと。
2つ目は妖魔部分を力で抑え付けること。
そして3つ目は妖魔部分とうまく付き合い、共存すること。
尚は3つ目の、最も難しい選択肢を選んだ)
この際だから包み隠さず言わせて貰うが、
君が選んだ道は、決して楽ではない。
君のように妖魔部分との共存を望み、挑んだ者を数多く知っているが、
それに失敗してしまい、妖魔部分に完全に心身を支配されてしまった者も少なくない。
つまり……完全な妖魔化だ。
リスクは…とてつもなく大きい。
…やれるか?
(普段の笑顔はない。
人一人の「命」がかかっているから。
そして、もう目の前で妖魔化される人間を見たくないから…)
妖魔と人間との共存と『妖魔のあたし』と『人間のあたし』との共存。
本質は同じ。つまり難しい。分かりきっている事。
何であたしはわざわざ難しい方を選ぶんだろうかと、頭を抱える。
法月さんの顔に、笑顔は無い。
でも、諦めはしない。
自分が進みたい道だから。
やって後悔するよりも、やらずに後悔する方がずっと辛いから。
小さい事でも大きな事でも。
分かってます、そんなこと。
下手すれば、末期ガンが治る確率より低いって事も理解してるつもりです。
でも、やります。
絶対、やりきります。
負けません。
暴走なんかしたくない。
護りたい人達がいるから。
…俺は退魔士をしている。
退魔士とは妖魔から人間を護り、人間社会の平和を維持する役目を負う。
本来なら、人間と妖魔は相容れない種族。
決して交わることのない…永遠に平行線をたどる関係にある種族…。
だがな、俺は半妖と出会っていくうちに、
「人間と妖魔は共存できるんじゃないか?」って考え始めたんだ。
…教えよう、共存の仕方。
君のご両親のためにも、な。
(蒼一郎に笑顔が戻った。
その笑顔の裏には、絶対に共存を成功させようという強い意志もあった。
しかし、同時に尚に異変が近づきつつあるのにも気づいた)
…いいかい?
まもなく君の中の『君』が目を覚ます。
君の体は1人のものではない、君と彼のものだ。
彼にも「同席」してもらわないとな…いいかい?
できれば耐えてもらいたいが、今回に限っては君は君を失っても構わない。
大丈夫、俺が必ず取り戻してみせるから…今は信じてくれ。
(尚の気が、異常なペースで増幅し始める)
【申し訳ありませんが、急用につき10時半終了でお願いします…orz
たぶん終わらないでしょうから、凍結ですね…orz】
【了解しました!】
【凍結ですね。あい!】
・・・ありがとうございます。
(笑顔が零れた。)
予感がある。
『あたし』が出てくる予感。
血が沸騰するような、そんな感覚。
心の準備はもう出来た。
気が増してるのが分かる。
来ます。『あたし』が。
『・・・・また男か。』
口から聞いた事がある声が漏れる。
(蒼一郎は安心した。
覚悟ができた人間ほど、強い者はいないと信じているから)
…お待ちしておりましたよ、幸原君の中の『あなた』を。
さぁ、まずは茶でも飲んで、話でもしませんか?
(すでに尚の霊力は相当な使い手と同じくらい膨らんでいた。
それでも笑顔を絶やすことはない。
尚はまだそこに『いる』。こちらを見ている。心配はさせたくない。
もちろん話し合いなど無理なことは百も承知。
それでもわずかに希望があるのなら試してみる。
それが法月蒼一郎という人間だった)
『断る。下賎な馬の言う事など聞くものか。』
体の感覚はある。
目も見える。
手も・・・動かせる。
けれど勝手に動く口。
・・・不思議な感覚。
なんでそんなに男嫌いなのさ?
『おぬしも分かっておるだろう?男など、自分の欲の為に全てを捨てられるのよ。
そいつも、前に殺し損ねたガキも、一皮向けば野獣よ。女を性欲処理器としか思っておらん狼じゃ。』
気が爆発し、事務所に殺意が立ち込める。
・・・違う。
『フン・・・手始めにこの男を殺すか?』
…では、やってみますか?
手始めに、殺させてあげましょう。
(事務所に立ち込める殺気と凄まじい霊力。
他の事務員達の戦闘態勢は整った。
だが、蒼一郎に彼らを使う気は毛頭なかった)
いい気だ…しばらくこんな気を感じることはなかった…。
1つ、約束していただきたい。
俺が勝ったら、あなたの身に起きたことを話していただきたい。
男が皆狼や野獣であるかどうか…俺が勝ったら認めてもらいましょう!
(蒼一郎が重い腰をあげた。
いつの間にか、所長室のドアの前に武蔵と小次郎の姿があった)
『ハッ・・・若造だのぅ、まぁ良い。身の程を知ってもらおうか。』
腕が動き、手の平に粒状の何かが出現した。
室内にそれを撒き散らす。
事務員の人達がバタバタと倒れていく。
ちょ・・・何したの!?
『唯の眠り花の花粉よ。邪魔をされては困るのでな。』
あたしの意識が急激に薄れていく。
え・・・な・・・ぅあ・・・。
『ふん・・・邪魔をしないように、じゃ。消えておれ。』
・・・・・・そいつらが貴様の使い魔か。
(小次郎と武蔵を見て)
可哀相にのぅ、男などの使い魔など。
(急に周りを見回す。)
・・・狭いのぅ、広くするか。
(パチンッと指を鳴らす。)
(床から巨大な蔓が延びてきて壁を壊す。)
多少は動きやすくなったかの。
(事務所内の霊気が一気に下がった。
尚の中の人物によって、ほぼ全員が眠らされてしまったからだった。
そしてその影響は、尚本人にまで及び始めていた)
ほぉ、あいつらだってなかなか腕の立つ者達なのに、
それを唯の眠り花の花粉で眠らせるとは…ますます面白い。
(蒼一郎の言う「面白い」。
相手からするとそれは侮辱と受け取るかもしれない。
しかし、それは蒼一郎から強者に対する最大の褒め言葉であった)
『幸原君の霊気が…消えたか』
(事務所の壁が破壊され、随分と事務所が広くなった)
使い魔とは酷いなぁ。その2人は強いんですよ。
そう…もしかしたらあなた「なんか」よりも…ね。
(笑顔は消えない。
それは尚の中の妖魔に全力を出させるのに十分だった)
【申し訳ありませんが時間になってしまいました…orz<残念だぁ…。
凍結はいつにしましょうか?
金曜日の夜は桃香さんとのロールがありますので、
それ以外でそちらの都合のいい日を仰ってください】
【ちなみに、土曜日の昼間とかでも構いませんよ?】
【いつでも良いんですが・・・。】
【なんなら明日の夜でも土曜日の昼でも。】
【でも、午後11時30分がリミットなのでそれを考慮しつつ・・・。】
面白い・・・・とな?
こんなので喜ばれても困るのだがの。
なんなら遅効性の神経毒にすれば良かったか?
じわじわと死の近づく音を聞きながら、のたうち回り苦しみ死ぬ。
・・・野獣にはお似合いの死に方じゃ。
(クスクスと笑う。)
(笑顔を浮かべて)
ふっ・・・挑発かえ?
ならば軽すぎるのぅ。
まぁ、そこまで死にたいなら・・・受けるがええ。
(足元から数十もの先の鋭い蔓が飛び出して法月に襲いかかる。)
…あなたが眠らせた中には、女もいる。妖魔もいる。
そして…半妖もいる。
眠らせただけだから許しましょう。
毒だったら…今頃あなたは生きてはいない。
(真っ直ぐに相手の目を見る。
そこには完全に尚はいなかった)
(多くの蔓が飛び出してきた。が、蒼一郎は微動だにしない)
…様子見にしては、安い攻撃だ。
(蔓が蒼一郎に到達しようかというところで、
目には見えぬ速さで蔓を切り刻む影があった。
武蔵と小次郎だった)
すまないな、二人とも。
武「アタシ達は主の使い魔ではありません。
主の一部です」
(武蔵にいつもの気弱さは全くない)
小「あなたには、いささか考えを直してもらう必要があるようですね」
(小次郎はいつもどおりだった。
今、ここに尚の妖魔部分との戦闘の幕が切って落とされた)
【そうですね…では土曜日の昼間でいかがでしょうか?
十分時間は取れると思います】
【では、こちらはこれでお先に失礼致します。
戦闘ロール、楽しみにしてますね!
なんか妖魔と仲良くなれそうw
では、おやすみなさいノシ】
【幸原さん、法月さん乙&頑張ってください】
【待機します。参加できてない分を何とかしたいけど、こんな時間に来てくれるかどうか…】
【避難所にいる久保さんと不破さんが使いそうだ…】
【待機解除します。おやすみなさい】
《
>>190のつづき 》
ね……落ち着いた?
(拓けた森の中の場所、広げたシートの上。
魔法瓶の紅茶と、手作りのサンドイッチを食べ終わり、
少し寛ぐ形で、二人は座っていた。)
……正直、少し私はびっくりしたな……。
(自分の行動もだが、徹哉に告白されたこと。
この森の日差しを見上げていると、何だか全てが夢なのではないか、と思う。
あの後、どれだけかの間……二人のいずれかともなく離れるまで抱き合い、
何とはなしに無言のまま、シートの上で昼食をとった。)
【それでは、また宜しくお願いします。】
【
>>470 わ、ごめんなさい…m(_ _)m。】
【よろしくお願いします〜】
【
>>470朝山さんすみませんorz】
あぁ、すっごく美味しかったよ。
あっ!嘘とかお世辞じゃないからね。本当。
(ピコピコと手を振り)
って言うか、結構用意してくれてたんだ・・・。
重かっただろう?ごめんな。
(片付ける凛を見つつ)
ビックリ・・・か、俺も・・・。
俺もって・・・、変な言い方だけどね、あはは・・・。
なんか急に悪かった、変な事言っちゃってさ。
でも、あれも本当の話し・・・だからさ。
(伏せ目がちに語り)
…前に言ったでしょ。
食べて貰ってもいいかな、と思う人になら、私は一生懸命作るって。
徹哉、おいしそうに食べてくれるから、凄く嬉しいわ。
(徹哉、と名前で呼ぶ事に、気恥ずかしさと嬉しさをないまぜにしたような感情を覚える。)
…いつか、何処かへ行っちゃうって…話?
…。
それって…遠いの?
もう、会えなくなるくらい…。
(少しだけ、声のトーンが落ちた。
遠く…何処だろう…外国?
何故、とは問えなかった。先程の徹哉の言葉には、避け得ない重みを感じたからだ。)
じゃあ・・・、既に食べさせても良い人には認定してくれてたんだ。
(鼻の頭をポリポリ掻き)
美味しそうって言うか、美味しいし、実際。
食べるだけで喜ばれるなら幾らでもご馳走になるけどね。
(クスクスと笑いつつ)
あ、うん。
詳しく話せないって言うか・・・、ちょっと複雑な話しだからさ・・・。
(木々をぼんやりと見つめながら)
凄く遠い所かも知れないし、何も変わらないかも知れない。
でも・・・、色々な事があってさ・・・。
いつか・・・、凛にも全部話せたらいいんだけど・・・。
(悲しげな表情で凛を見つめ)
へぇ…じゃあ、今度、もっと凄いの作ってあげるわよ?
この程度じゃないんだから、私の料理。
(くす、とこちらも笑いかける)
うん……分かった。
話せる時になったら、話して。
私、待っているから。
(悲しげな表情の徹哉に首をゆっくりと振り、微笑みを返す。)
〔徹哉と違って、私は自分の隠している事について、まだ何も話せていない…〕
(少しだけ、胸が痛んだ。)
(その後。)
(夕方近くまで他愛ない話をして。)
(展望の丘から、美しい色の夕焼けを二人で見て。)
(また他愛ない話をしながらそれぞれ帰路について。)
(数日、学校への登校、下校共に、歩む日々が続いた。)
(そして、次の週末――)
今日明日と、真空居ないのか…。
出掛けてくる、って何処行ったのかしら?
まぁ、いつもの事だけど…。
(そう一人ごちながら、凛は色々と準備をしていた。
今日明日と真空が留守にするから…というわけでもないのだが、
徹哉を家に招いたのだ。一応、前の約束の通り、食事を振舞うなどという話で。
異性を家に招くなど、初めての事だったので、色々とおおわらわだった。)
【あの時間軸のままだと、色々不都合?があるので、少し時間進めました。】
【七妖会での話よりも後になります。】
(凛に招かれて彼女の家へと向かう徹哉。
楽しいはず・・・だが、彼の荷物には「七妖会」からの
「仕事」も含まれていた・・・)
〔元素神だろうが何だろうが・・・、凛の友達には代わり無い・・・〕
クソッ!あいつ・・・、マジでむかつく・・・。
〔それに抗えない俺が情けないだけ・・・か〕
(色々な事を考えながら凛の家に到着し)
(ピンポーン)
こんにちは、不破です。
(何となく丁寧な口調になりつつ)
【了解しましたー】
い、いらっしゃい。
(扉を開けて、徹哉を迎え入れる。
何故だか妙に緊張した。)
今日は、ウチの居候、居ないのよ。
何か、今日明日って出掛けるからって言ってたわ。
会わせられないのが残念ね。
(そう言いながら、客間まで徹哉を通した。)
適当に座ってて。
今、お茶淹れるから。
あ、お邪魔します・・・。
〔ん・・・、凛の匂い・・・って凛の家だから当たり前か・・・〕
そうなんだ?凄く食べる人・・・。
〔仕事はやり易い・・・な〕
(そう考える自分に少々自己嫌悪になりつつ)
残念・・・だね、それは。
〔・・・、二人きり・・・?えぇ?!〕
お、おう。
あ、凛!たこ焼き買ってきたから日本茶にして!
あとマヨネーズある??
(大量にたこ焼き購入してきたらしく)
あ、いいわね。
じゃ、緑茶にするわ!
(答え、紅茶にしようとしていた瓶を変え、竹筒の入れ物から緑茶葉を出す。
…はい、お待たせ、お茶。
(程よく温かい急須をキッチンから持って来て、二つの温めた湯呑みに注ぐ。
日本茶葉特有の芳しい香りが、部屋内を満たした。)
マヨネーズもあるわよ。
はい。
(マヨの瓶(<外来のいい奴)をとん、とテーブルの上に置く)
お、ありがとう。
(お茶を啜り)
はぁ・・・、美味しい・・・。
俺・・・、ペットかパックのだから・・・。
〔俺って生活レベル低いのかな・・・〕
何このマヨ?舶来物?
何処かのレストランで食べた事あるけど・・・。
舶来物のマヨって酸味が少ないよね。
(マヨをすくい、たこ焼きに乗せ爪楊枝を刺し・・・)
り、凛・・・、馬鹿な事やってもいいかな・・・。
はい・・・、あーん・・・。
(恥ずかしそうに凛に口元にたこ焼きを運び)
居候の子…物凄く元気な子なんだけどね…。
多分、徹哉見たら大喜びで質問攻めにあったりしたと思う…。
(真空のことを思い出し、苦笑する。)
お茶は、茶葉から淹れるのが一番よ、やっぱり。
まぁ、ペットボトルのお茶も大分レベル上がってきたけれどね。
わ、たこ焼き……徹哉、私が好きなの、覚えていてくれたの?
で、でも…ちょっと買い過ぎじゃない?
(大量のたこ焼きを前に少し額に汗する。)
え、あ、あーん。
ふぁ……ん〜、おいひ〜。
(少し照れながらも口を開け、たこ焼きを迎え入れる。)
(食べ物で幸せそうな凛の顔を見るのは極めて稀な事だったりする。)
…でも、こういうのって女の子が男の子にやるんじゃないの?
じゃ、おかえし…はい、あーんして。
(くすくす笑いながら、爪楊枝に刺したたこ焼きを徹哉の口許に運ぶ。)
……徹哉は、私が家に一人でも何も訊かないのね。
(ぽつり、と呟いたその言葉は、咎めるわけではなく、むしろ少しほっとしたような響きを帯びていた。)
【とりあえず、この辺りで凍結しておきますか…えち前まではいきませんでしたが、舞台は整えられましたし(笑。】
【徹哉さんの方の次の1レス、で一旦凍結しましょう。】
質問攻め・・・ね・・・。
(女の子なんて、そんなものだろうと思い)
そりゃぁねぇ・・・、でも面倒だし、ついね。
うん、覚えてたよ。コレ位いけるだろ。
(徹哉も大食らしく・・・)
あはは、美味しくて何より。
有名店じゃないけど、ここの親父のたこ焼き美味しいんだ。
あ、あーん・・・、モグモグ・・・。
いつもより・・・美味しい・・・んぐんぐ・・・。
(かなりテレつつ)
そうだね・・・、話したくなったら・・・、聞く。
俺からは聞かない。
なんか・・・、俺の事受け入れてくれた時・・・、そうだったしね。
お互い様って所かな・・・。
(穏やかな表情で凛を見つめ)
今は・・・、凛と一緒にいるだけで、それでいい・・・。
(スッと抱き寄せ)
【はーい、これにて〆ます】
【次回は・・・イヤーン♪な、展開ですね、微妙に緊張・・・w】
【それでは、ありがとうございました!おやすみなさいノシ】
【はい、こちらこそありがとうございました。イヤーン♪な展開ってw】
【久しぶりだから、ちょっと時間かけてねちこくやってみたいなあ…なんて(笑<和姦えち】
【では、おやすみなさいノシ】
485 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 11:54:21 ID:ERAChvV9
【九時まで待機します】
【まだ居ますか?】
【はい、まだいますよ】
【じゃあ今からいいですか?】
【ただアイデアが・・・良いのが思い浮かばない。】
【そちらは何かリクエストありますか?】
【別に構いませんよ】
【考えていたのは、街に買い物に出掛けていてバッタリ会うといった雑談系を考えていたのですが…】
【…どうしましょうか?】
【じゃあ雑談系で】
【そちらからお先にどうぞ】
【こちらがあまり上手くないかもw;】
【はい、ありがとうございます。では…】
(春が近付く日曜日のある日、遠矢は近くの商店街に来ていた
墓無の構成員でもある彼は、必要な物があれば墓無に連絡を入れればすぐに入手出来るが、
それでも少しでも普通の生活をしたいと思っており、食料や生活用品などは自分で買っている)
うーん…スーパー保元に行くべきか…それともヒーズに行くべきかどっちか……
(買い物をすると言っても主婦みたいにチラシは見ずに金銭感覚は無く、すぐに金が尽きてしまう)
(そのためどこの商店に行くか決めかねていた)
(同じく商店街では)
ひく、赤い花が咲いた、白い花咲いた〜 今日もお酒が美味しいや〜♪
(よれよれの服装、いかにも酔っぱらい特有の赤ら顔。だが妙に小奇麗でベンチに座り音程の外れた歌いながら酒を飲んでる)
(奇妙なことにこれだけがなってるのにもかかわらず回りの通行人は誰一人彼を気にかけるそぶりを見せない)
ん? 何か変な感覚が・・・・・ま、いいか(ぐびぐび) ぷは! 上手いw
ん、何だろ?
(音の外れた歌が耳に入り、思わずそちらの方を向く)
あ〜…あんな所に酔っ払いの人が……
あんな足取りになるまで相当呑んでるな…
(まさかあんな所で酔っ払いに逢うとは思わず目を向けたまま)
(しかしほおって置くのも周りに迷惑だし、その人のためにもならないと思い近付く)
あの、そんな所で飲んだら駄目ですよ?
(声をかけ、強めな語調で話し掛ける)
(だが彼は、人が酔っ払いに全く気にかけていない様子に気付いていなかった)
(酒ビンをラッパ飲みしながら)ぐびぐびぐび・・・・ぷは〜
(あらかた飲んだ後、しばらく余韻に浸っていたが誰かに呼ばれる)
ん? なんだい? 君は? いいかい君? 酒と言うのは命の水さよ、まさに人間の文化の極みだよ。「そんな所で飲んだら駄目ですよ?」の一言で片付けていいのかね?
(よっぱらい特有のわけのわからない論理。しかし未だに回りは彼らの方を気にしない)
「こいつ・・・・俺に気づいたということは・・・・同類? あるいは・・・」
(伝酔するほど飲み酔いながらも冷めたもう一人の自分が警告する)
命の水って…そんな無茶苦茶な事を言わないでくださいよ
いくら酒が文化の極みとかでも飲む場所を考えてはどうですか?
(はぁ、と酔っ払いが酒をラッパ飲みしているのを見ながら溜め息を付き、注意を促す)
〔…おかしいな…周りの人が……?〕
(ふと彼は騒ぎ立てる酔っ払いを、見もせずに行き交う人々に違和感を抱く)
〔いや、只の思い過ごしか…〕
(しかし冷たい現代社会
厄介者は見ざる聞かざると周りは決めこんでいるんだろうと自己完結する)
とにかく、こんな所で呑んじゃ駄目ですよ
家に一緒に帰ってあげますから
(ただ話し合うのはらちが開かないと思い、酔っ払いの腕を掴もうと手を差し伸ばす)
場所ねェ・・・こういう場所で飲むから面白いだけどねw まぁ、君がそこ〜まで言うなら今日のところはこれくらいにしてやる。
ん?一諸に家に帰る? 何言ってるの?俺は帰れますよ〜(ふらふらでとてもそうには見えない。少なくとも表面上は。)
(手を掴まれて)おや? 本気かい?
「物陰に俺を連れ込んで始末するのか? ・・・・・まぁいいか」
ま、そんなに言うなら一諸に帰ろうじゃないかw じゃあ行きますか〜(立ち上がりもたれ掛り引きづられていく)
しかしこんな休日にいい若いもんがこんなしけた商店街でいったい・・・ここは1つ学園モノのアニメみたいに可愛い幼馴染の美少女とデートの1つでもな・・・(酔っぱらいの説教モード)
面白いかどうかの問題じゃないですよ
自分が楽しくったって周りが迷惑しているかも知れませんし
…とにかく、ふざけないで下さいっ
(いくら酔っ払いとはいえ、その態度に声を尖らせてしまう)
本気です
貴方の家に着いたら好きなだけお酒飲んで下さい
(それだけ言うと酔っ払いを引きずるように歩き出す)
はぁ…
(酔っ払いの説教を聞き、無視したくても出来なかった)
残念ながら俺は学生じゃありませんし美少女の幼馴染みもいません
ついでに言うと、知り合いに関西弁の子とか双子も宇宙人もいませんよ
(とかく適当な言葉をぶつける)
で、貴方の家はどこですか?
連れていってあげますよ
(それでも酔っ払いに対する心配事は拭いきれず、家に連れて帰ろうとする)
面白いだけで人は生きてる訳ではないが面白さがない人生はある意味・・・・不自然だと思うがな(ぐびっと1口)
まぁ、迷惑かけたくないけど生きてるだけで迷惑かけちゃうんだよな〜 神様だって出来ないことを君や俺に出来るのかい?
で学生でなくて知り合いに関西弁の子とか双子も宇宙人も居ないとw じゃあ恋人も居ないんだ(断定)
ああ、俺の家はまず向こうで○番目の角を右ね(ぐび)
しかしいいのかい? ひょっとして君は一人暮らしで買い物するところじゃなかったのかい?
こんなおっさんほっぽいて買い物にいきなさいな〜
面白さ…でも、不自然だとしても面白い事が無かったら仕方ないじゃないですか……
(不意の一言に、何故か弱く反論する
ただ酔っ払いをなだめる言葉でなく、顔を合わせず言うだけで)
迷惑をかけずに生きていく…
そんな事は出来ないと思いますが、極力迷惑をかけずに生きては行けると思います
(あくまで自論をぶつけるだけで、顔を酔っ払いの方には向けようとしない)
………はいいませんがなにか?
(恋人はいないと言われ、棒読みに言葉を吐く)
どうも、ああいって右ですね……
そうでしたが…貴方みたいな酔っ払いは周りに迷惑ですから、放って置けませんよ
(髪をかきつつ、呆れながらも酔っ払いの手を改めて引く)
仕方ないか・・・俺がそれを悟ったのは飲み仲間がどんどん減って俺と数人だけになった時かな?
(こちらも口調が弱くなり何か昔を懐かしむ口調に)
ああ、あんたわかってない。大半の人はみんなそういう生き方してるんだよ。世の中の大半の奴は。でもね、ある日他人の気まぐれ、或いは感情1つの行動で割りを喰うんだよね。
ある意味、相手の行動が間違ってるのを前提にして先に動いちゃうのが1つの手さ。もっと高い視点で物事を見てると自然に自分が行動すべきことそれがわかるのさ。
やっぱり・・・居ないような気がしたんだ(一人納得したようにうんうんとうなずいてる)
じゃあこれもまだかい?(親指を人差し指と中指ではさみ) 何ならおじさんがいいところつれて行ってやろうか? ぐひひひw
迷惑なのに放って置かないのかい? 何でまた? こんなよっぱらいさっさと捨てていきなよ。ほら、人も見てる。
(辺りの通行人は奇異の目でこちらを見てる)
何で又こんなよっぱらいを・・・・・(しばらく間を置いて)これがただの親切じゃないならあんたも「仕事熱心」だね〜
追加
(回りの人には一人なのに何故か何かを引きずるように見えてる)
えっ…仲間……?
(急に酔っ払いの口調が弱くなり、だがその言葉が澄んだように聞き取れた)
もっと高い視点…人間が人間より高い場所に行けると思いますか?
俺は、自分の信念とかで行動が決まると、そう考えています
まぁ…感情が信念を変えると言うなら、結局すべき行動のほとんどは感情に支配されているという極論になりますが……
(自分が無茶苦茶な事を言っている事に気付き、苦笑を浮かべる)
お断りします。そういったのには行く気はありませんっ
(すぐに気まぐれでふざけている酔っ払いの対応に移る。鋭利に冷たく尖らせた言葉を包み隠さずに伝える)
はぁ〜……
(周りに見られている事の恥ずかしさと、酔っ払いの様子に溜め息を一息付く)
だからただ単に貴方が心配なだけ…
(「仕事熱心」言われて…何か心に冷たい刃を刺された感覚に囚われる)
仕事熱心…って…何がですか……
(しかしそれは思い違いと考え、ただ相手が相変わらず酔っ払って、変な事を口走ったと処理する)
(それでも、なぜか心の刺し傷は凍えていた)
(相手の都合を無視して)
・・・・・・先ず1つだけ誤解されても困るから言うが人間が人間より高い場所に行けないが問題は行けると思ってる奴とか
たまたま自分が他人に無い知識や知恵を持ってて他人より広い視点で物事が見れるから良くも悪くも他人に干渉して物事を動かす奴。
これは人間だろうが神だろうが何だろうがやってることさ。良いのか悪いのかは別にして。俺はそんな度胸も能力もないがな(ぐび)あんたは俺より若いから・・どうなんだろうな?(ぐびぐび)
なぁ、サテュロスって知ってるかい? もっとも呼び名なんて人間が勝手に付けたものだが。
半人半獣で悪戯好きだが臆病で酒と女と歌を愛してた・・・・
まぁ、昔はそれでもやっていけたんだが森がな・・・・いやぁ、時の流れは物事をどんどん変えていくねェ〜
人間が増えて森をどんどん切り開いて行くからさ・・・・住む場所無くなっちゃったんだよ(えへへと笑う)
みんなでわいわい毎日パーティしてたけどある奴は狩られある奴は新天地を探しに海を渡り・・・・(懐かしむように遠い目をして・・・)
まぁ、それでも俺は酒と歌と・・・女は・・・・ちょっと無理だが・・・お前さんが今日俺を見たとおりさ、酒を飲み世の中の移り変わりをただ観察して勝手に評価したり先のことを予想したり・・・・
俺の今の唯一の望みはあの糞キリスト教の言うハルマゲドンとやらがこの世に起こるか否か、その時何が起こるかを期待半分、怖いもの見たさ半分で待ってるのさ。
ただ物事を見て聞くだけさ。
(遠矢は、徐々に酔っ払いに対する認識を改めていく
酔ってるとはいえ戯言とは思えぬ先程の言葉、そして何より心に残る冷たい傷跡)
俺は…神じゃありませんし……人間でもありません…
だけど俺は、物事を広く見えません
自分のやっている事は正しいと思ってはいますが、それが本当かどうか分かりません
(拳を固く結び、震わせる)
けど……度胸はある………そう自負しています…
サテュロス…貴方が……
(墓無の教育部にいたころ、習い聞いたことがあった。しかし発見の報告はほとんど少ない
稀少種である筈の半人半獣が今自分の目の前にいる事にただ静かな衝撃を受けるだけだった)
でも、何で貴方みたいな人がこんな人里に降りているのですか…
普通の人ならさっきみたいに気配は隠せるとしても、貴方を狙う人間は沢山いるんですよ!?
(慌てたように巻くしたてる)
それと……ハルマゲドン…人と人外の戦争は起こさせやしませんよ…!
(そして、その言葉は強い意思と共に伝える)
(居住まいを正し遠矢に正対するようにゆっくりだがはっきりした口調で)
君は自分が何者かいまだわからないようだが自分のことを神とか人間とか他にも色々自分はこうだと主張する奴は多いから気にしてもどうにも・・・
度胸はあるか・・・・まぁ、それは見ててわかるが・・・・
「この子は優しすぎるのう」
サテュロスって言っても今はそこらの酔っぱらいとかわらんがなw
おいおい、沢山居るのがわかってるならそんなあわてた様子でしゃべるものではないよ(苦笑)
第一、半人半獣はおぬしも同じじゃろ? 多少は危険を回避する術はあるがあっても無くてもそれで人里を歩くのを躊躇ってたら生きていけんのでは?
そのおかげでわしはおぬしと会えた。これはこれでよしじゃ。
「良い半妖・・・いや、人間じゃな。考え方は人間よりか」
起こさせないか・・・無理じゃな(重々しくきっぱりと言う) おぬしは戦いを相手を殺すのを悪と思っておるが・・・
詳しく言っても今はわからんだろうがこの世はそんな単純ではないからの。起こさせないより起こったことのことを考えたほうがよいぞ。
まぁ、案外起こらずにずるずると腐って静かに終わるのかもしれないしw
さて(遠矢から離れる) ここからは自分の足で帰ることにしよう。何か聞きたいこと、吐き出したいことがあるなら・・・・そうじゃ・・・
この商店街の棚の酒を1つ1つ調べてみい。普通の酒にわしの魔力を紛れ込ませておくからそれを購入して手元においておくが良い。
おぬしはまだ未成年だが酒に興味が無い年齢でもないから他者の目を誤魔化せるであろうな。それがわしとの連絡網じゃな。
ではおさらばじゃ・・・・(瞬間、男の魔力が大きくなったと思ったら姿も魔力も1瞬で消える。まったく感知できない。)
【すみませんそろそろ終わりに・・・】
【商店街の酒屋の棚の酒だ】
【商店街の棚の酒じゃあわからんw;】
今は…自分はどうなのか、どうなっていくのか分かりませんが…
(サテュロスの言葉に、微笑みを溢す)
これでよしって…貴方って人は……まあ、貴方が言うならその通りかもしれないけど………
(先程の酔っ払いだったサテュロスの姿を思い出し、矢張そんな姿に呆れながらもどこか安心した様子であった)
無理……か
だけど、話し合えば避けられる戦いは避けられると思いますし…
その時が来ても…それでも、それでも最善を尽すだけです…!
(胸の奥から言葉を捻り出す)
え…あ……お酒……?
(呆気にとられたまま、気付いたらサテュロスが消えていた…)
商店街に…行けば良いんですね……
(一人呟くように、いないサテュロスに問掛ける)
【もうそろそろ締めでしょうか?】
(中級レベルでも感知できない位まで透明の術の強度を上げ遠矢と別れたその足で酒屋へ 無論店主は気にもかけない)
ふむふむ・・・・あの子が買うとしたら・・・こんなものかな?(スチール缶の果実酒を取る)
ん・・・・・・・・(小声で呪文を唱える。缶に魔力が注がれるが変化なし。手に取って初めてわずかに感じ取れる程度)
さて、これでよし。 あの子は優しすぎる。そしてあまりにも人間すぎるような気がする。おそらくは・・・・まぁいい。
さて、それでは帰るとするかw
(そして彼は人ごみの中に消えていった・・・・)
【ええ、締めにしてください】
【つたない文ですみません。お付き合いいただきありがとうございました】
【じゃあ先におちさせていただきます。では】
ここかな…?
(商店街の酒店につき、酒棚にある様々な缶ビールを手にとり、魔力を感じ取ろうとする)
…これだ
(スチール缶の果実酒を手に取り、僅かな魔力を感じとりサテュロスの物と確かめる)
(探している途中はチラチラ店主が怪しがって見ていたが、買うときは割とすんなりといった)
……連絡網か…声が聞きたくなったら……
(少年が一人、缶酒を手に取り見つめながら呟き)
さ、買い物にいかないと
(そして缶酒を握り締め、スーパーへの道のりを歩いていった)
【こちらこそ遅レス者にお付き合い頂き、ありがとうございました】
【本当に遅くなってる…なんとかしないと…orz】
【では、これにて落ちますね…ノシ】
【待機してる。リミットは22時頃】
【どなたでもどうぞ】
513 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 20:37:33 ID:uLLWQu8V
【避難所に行きますノシ】
【待機します】
【真空、徹哉、その他七妖会okです】
【誰でもキャラ様、名無し様誰でもokでーす】
こんばんわ
名も無き名無しですが相手してもらえますか?
【こんばんわー】
【もちろんokですよー】
【ご希望の相手とかシチュありますか??】
【それじゃあエロール無しのバトロールのみと言うことで】
【私はとりあえず吸血鬼やりますね】
【それだと真空でよろしいでしょうか?】
【OKでしたら適当にはじめますー】
520 :
クライシス:2006/03/23(木) 23:15:20 ID:tfvZqJFM
【了解しました】
(紅い月が天に昇り人間達の時間が終わる。)
日本か…
話に聞いていたよりずいぶんと良い所じゃないか…
(何も無い公園に不死族の男が一人、血を求めフラフラとうろつく)
【よろしくお願いしますノ】
(夜のコンビニのバイトを終えた帰り道・・・)
や〜わらか戦車の心はひとつっ!いーきのびたいっ!いーきのびたいっ!
(マイ・ブームの歌を口ずさみながら歩く)
やっぱりいいね〜、やわらか戦車♪
んっ??
(なんか嫌な感じだな・・・)
向こうの公園?んー・・・、面倒はいやだなぁ・・・。
でも、少し覗いて行こうかな。
何かあったら誰かに電話しちゃえばいいしねん♪
(呑気に公園へと向かう)
522 :
クライシス:2006/03/23(木) 23:26:45 ID:tfvZqJFM
ダメだねぇ…
こんな夜更けに女性が一人で歩いてちゃあ…
(血を吸われた女性が地面に倒れる…)
まさかその年で処女な訳無いと思うが…
ドラキュリアは自分勝手だからな…
一応少ししか吸ってない、不死者にもバンパイアにもならない…って聞いてないか
うおっ!マジでいたよ・・・。
〔関わると面倒だけど見逃すと怒られそうだし・・・〕
あー、ちょっと、そこのキミ・・・。
何してるのかなー・・・。
524 :
クライシス:2006/03/23(木) 23:42:04 ID:tfvZqJFM
な、なに!!
〔気配が人間とは違う…〕
(姿を見られ焦る)
くっ…
あんた何者だ…
見た所人間とも妖魔とも不死者とも違う…感じがする……
あ、いやぁ・・・、何者って言われてもなぁ・・・。
フリーター?
(苦笑いしつつ応え)
で、この辺で狩りしてると・・・、逆に狩られますぜ・・・。
ほんっっと、この辺てば退魔士の巣窟だよん?
悪い事言わないから巣にお帰り・・・。
526 :
クライシス:2006/03/23(木) 23:57:06 ID:tfvZqJFM
フ、フリーターだと!?
日本のフリーターはここまで威圧感があるのか!?
〔恐ろしい国だ、ジャパン!!〕
(果てしなく勘違いしてます)
退魔士など私の敵では無い…
ノーライフキングの私には退魔術など効かぬからな
へぇ・・・、そう言う事いってると・・・。
まぁ、ボクには関係ないからいいけどね〜。
(ヤレヤレといった感じで)
で、ノーライフキングって何?
528 :
クライシス:2006/03/24(金) 00:04:31 ID:tfvZqJFM
な、何やら意味ありげな事を言うな…
流石、ジャパンのフリーター……
(勘違いしっぱなしです)
ノーライフキングを知らんのか…
やはり日本に来てよかった、ここまで我々の知識が無いとなれば色々とやりやすいからな
因みにノーライフキングとは不死者、夜族とも言う
まぁ簡単に言うと吸血鬼だ
で?その吸血鬼が何?
何の用事だよー・・・。
(大人しく帰らないのでイライラし始め)
偉そうに言っても人間の形した蚊じゃん・・・。
ノミでもいいけど・・・。
(プッ、と笑いつつ)
530 :
クライシス:2006/03/24(金) 00:16:08 ID:8IGCRwZU
用事と言うか食事をしに来ただけだ
我が国ではバンパイアハンターが国家公務員並の待遇の故、恐ろしい量のバンパイアハンターがいてな…
悠長に食事もできん…
(何やら苦労してる様子)
ぐ…流石ジャパンのフリーター……
並々ならぬ気迫と殺気!!!
ジャパンにはこんなにも強いオーラを放つフリーターがいるのか…
へぇ〜、良く分からないけど大変なんだね〜。
ここでも見つかったら即殺されると思うよ♪
(ニコニコとして)
それじゃ、ボク家帰るから。
多分もう会えないと思うけど・・・。
〔2,3日中にやられるな・・・〕
それじゃね〜。
(手をフリフリ行こうとする)
532 :
クライシス:2006/03/24(金) 00:24:21 ID:8IGCRwZU
大丈夫だ!
こちらにも色々考えてるからな…
(何やら自信あり気)
む…引いてくれるか……
無益な争いは私も好まないからな…
とぉ!!
(体を霧化してさっさと退散)
【中々楽しめましたw】
【それでわ〜】
あー、変なのにあったなー・・・。
えーと、適当に電話しとくか・・・。
(思い付く退魔士に電話やメールをして)
さーて、お腹すいた〜〜。
(アクビをしつつ家路へと向かった)
【こちらこそありがとうございました!】
【また機会がありましたらよろしくです〜】
【こんな時間帯に誰もいないとは思いますが…一応1時半まで待機してみます。
名無しさんもどうぞ声おかけくださいませ〜】
【ああ、その前におふたりともお疲れ様でしたw】
【こんばんは。少し雑談する程度のロールでもしますか?】
【こんばんは。そうですね、眠気が来てもいけませんし―――
とりあえず適当に書き出しますね】
夜更けの公園―――。
幾度ともなくここには訪れていた。
今日も、妖魔の退治をしていたが、その帰りに何気なく立ち寄ってみた。
夜中の公園はひと気もなく、ただ静かに丘の上に位置するこの公園から見える
暗闇にも似た海の光景が広がるだけだった。
「―――…たまにはこうやってぼうっとするのもいいかも」
誰にいうでもなく、私はそっと呟いた。
もう朝なのか、早いもんだな…しかし…人に見付かる前に早く戻って墓無で治療しないと…
(少年は地を這いながら自宅を目指していた。今の彼の状況は、夜での妖魔との戦いで片足を失い、
自己再生で止血してはいるが公園の茂みの中をガサガサ移動していた。つまり、すぐ戻らないと非常にマズイのである)
茂みから出る……これからが本番だな…
(唾を飲み込み、腕を使い茂みから出て公園の道に出る)
って…人……?
(そこに見知った顔を見付け、暫し呆けた様に佇む)
―――……音?
……朝山さん、どうしたんですか、こんな時間に?
(ふいっと視線を向けてみると見覚えのある顔を見つけて、近寄る)
(瞬間、片足を失った彼を見て青ざめながら慌ててしゃがみ込み)
だ、大丈夫ですか!? そ、そんな大怪我を負って……!
ほら、私に掴まって下さい! 急いでどこかで見てもらわないと!
ええ、その妖魔と戦ってて気付いたらこんな時間に…
(優希と目が合い、苦笑を浮かべつつ答える)
だ、大丈夫です!?
ただ足が一本持っていかれただけですよ
(優希がこちらに青ざめた表情を向けても心配させまいと、日常茶飯事と言った風に答える)
それに専属の医療部がいますし、一般の病院に行ったら片足失ってもピンピンしてる俺を見たら世紀のニュースになりますよ!?
ああもうっ、大丈夫っていうレベルじゃないですよ!?
…そ、そうなんですか?
でも…早く帰らなくちゃいけないんでしょう?
(心配そうに遠矢の顔を覗き込みながら尋ねて)
……私でよろしければ力を貸しますよ?
事情があるなら、せめてその近くまででも……
(とてもではないが、一人で歩けそうにない彼を見て案じる)
そうですね…こんな時間で、もし人に出くわせば本当に都市伝説になりかねますね……
(両腕と片足の力を使い、何とか上半身を起こす)
その…じゃあ住んでいるマンションの近くまでお願い出来ますか?
途中の道は教えますので…
(どこか申し訳なさそうにし、優希へ手を延ばす)
もう、そんなお気楽なものじゃないでしょう?
(遠矢を諌めるように、気難しい顔を浮かべた後、はぁっとため息をついて)
……まあ、仕方が無いですね。分かりました。
痛かったらちゃんと言ってくださいね? 傷を悪化させるといけませんから。
…っ…と。
(遠矢の腕を掴むと肩に回させて、遠矢の身体を支える)
それじゃあ行きますよ? せぇの…よいしょっ!
(ゆっくり一歩ずつ踏み出して、遠矢のペースに合わせて歩きはじめる)
(しばらくすると、高層マンションの前にたどり着いて)
…ふぅ…ここでいいんですか?
これよりも酷い怪我を負った事がありますから、これよりマシと思ってしまうんで、つい…
(相手の溜め息に人間では有り得ない体験談を淡々と口にする)
よっと…大丈夫ですか、重かったら下ろしても構いませんよ……
(女の子と密着している事に羞恥が沸き頬に熱が差すが、それを悟られない様に顔をそっぽ向く)
(そして住んでいる高層マンションに着いた)
はい…夜だからここまで来れば大丈夫です。
…ありがとうございます…それと、迷惑をかけてごめんなさい…
(顔を横に向け、感謝の言葉を優希に向ける)
マシだから大丈夫、という問題でもないでしょう?
(呆れた、と言わんばかりに首を横に振って)
兎も角、あまり怪我を軽視しちゃいけませんよ?
貴方もその道の人間なんですから、それくらいは分かってるでしょうけど。
それこそ、大丈夫ですよ。こう見えても、私鍛えてるんですから。
(苦笑しながらしっかりとした足取りで一歩一歩踏み出して)
あれ……顔を背けたりなんかしてどうかしました?
……いえ、別に構いませんよ。
迷惑だなんてそんな……それにあのまま放っておくと夢見が悪くなりそうですしね。
(照れ隠しに笑いながら言葉を返して気にしないでと言葉を残し)
さて、私もあまり遅くなってはいけませんから、これでおじゃましますね?
では、おやすみなさい。…しっかり、寝て安静にしてくださいよ?
(軽く微笑むと、踵を返して自宅の方角へと歩き去っていった)
【それではそろそろ眠気が襲ってきているんで、こちらはこれで締めにさせていただきますね?】
【どうもお付き合い有難うございましたっ、お休みなさいーノシ】
俺は生命力が強い方の半妖らしいですが、墓無に任される相手が相手で
怪我をせざるおえない位強いですから、仕方が無いとだけしか言えません
(優希がこちらの言い分に呆れているのを見て、乾いた笑いを溢す)
無駄が無い、鍛えようが違いますね。
(少しだけ優希の体を見るだけで、彼女の鍛え様を見抜く)
ええと…その……大丈夫です…
…確かに、夜に片足が無い人と会うなんてスプラッターもいいところです
(相手の気遣いに申し訳と心で感じつつ、それを優希と一緒に冗談とともに笑う)
はい…優希さん、おやすみなさい……
(片手を電柱に着き体を支え、もう片手で優希へ手を振り、見送る)
さ…帰ろう……
(再び地につき、這いながらマンションに向かっていった)
……やっぱキツイ………
(少し後悔)
【夜遅くありがとうございました】
【機会があったらまた…おやすみなさい】
【避難所から凛さん待ちです】
>>547 【お待たせしました。どちらから始めますか?】
【あと、2時くらいが限界なので、それ以降に続くようであれば、凍結でお願いしますね。】
【
>>548ではこっちから始めますね】
【はい、その時は凍結をお願いします】
(ある月夜、彼は人を待っていた
それは自分が一度犯した少女であり、自分を変えてくれるかも知れない少女であった)
はぁ…どうしよう……どんな顔をして会えっていうんだ……
(一人息を吐き、これから会う少女に思いやられる)
……ああ、居たわね。
(夜闇に街灯が灯り場を落とす場所。
まだ夜気は冷たく、身を刺す季節。)
(あの夜、彼と初めて会ったのと似たその場所で佇む影を認め、
白い吐息をつき、目を向けた。)
待ったかしら。
(感情を抑えた声で、少年の前まで歩み寄ると、声をかける。)
あ、こんばんは…
(自分に話しかけてきた、あの日の少女がいた
軽く会釈し、挨拶をする)
あの…今日はよろしくお願いします……
(と、名前を言おうとしたが言葉がつまる)
(それもその筈、あの日は互いの名前を知らずあのまま別れたからだ)
(自分が言わなかったのもあるが、あんな事があった直後だったから、言い出せずにいた)
…ごめん、なさい……
(少年の口から言葉が漏れる
その言葉は名前を教えなかった自分に対するものであり、あの日の出来事の謝罪も含まれていた)
そんな萎縮した状態じゃ、すぐにアイツに呑まれちゃうわよ。
(彼のおどおどとした態度に、肩を竦め、溜息をついた。
公園内にあった自販機の前に立つと、烏龍茶の缶を二つ買う。)
…謝るのは、どうにもならない状態になった時だけにしてちょうだい。
あの日の事はあの日に許すって言ったでしょ。
(ぴしりと言い放つと、一つの缶を手渡した。)
…貴方の中の妖魔の血は、退魔士の力や魔力に反応するっていう話だったわね?
…なら、少しずつ試してみましょう。
(缶のプルタブを開け、一口飲んで身体を暖めると、遠矢の頬に手を当て、念を集中する。
徐々に、魔力を手に込め、それを少しずつ上げていく。
有無を言わさぬ、訓練の開始だった。)
っ………
(凛にそう言われ、何も言えず顔を下にうつ向ける)
(だけど手には暖かい烏龍茶を握り締めていた)
はい、それを今の俺の意志の力で抑えている訳です…なぜ退魔士の力に反応するかは不明ですが……
……………………
(凛の細く烏龍茶で暖められた掌が、彼の頬に当てられ、ほんのりと暖められる)
(それと同時に魔力が流れだし、退魔士凛の力が彼の体の中で流れる妖魔の力がうずき始める…)
―――――………っ!
(中で暴れている妖魔の力を確かな意志を持って抑える)
(体が急に熱くなり、喉が乾きはじめる
額からは汗がじんわり浮きだし、頬を伝う)
―――耐えなさい。
(強い口調で彼の目を真っ直ぐに見据えながら言い放つ。)
貴方がここで妖魔化したら、私は間違いなくアイツに殺されるわ。
それを止められるのは、貴方自身しか居ない。
もう嘆きたくないのなら、もう絶望を感じたくないのなら…
自分の心で克己しなさい!
貴方には…貴方自身がやりたい、妖魔ではない貴方だけの望む事があるはずよ!
(言いながら、腕に込める魔力霊圧を上げていく。)
(妖魔化は、生存本能と欲望の顕れ。
それを抑え付けられるかどうかは、彼自身の強い願い、想い、心が関係している。
その心を揺さぶり、言葉で訴えかけた。)
―――色の無い場所、光か闇か分からない場所、場所であるか分からない場所…―――俺は俺の心の中にいた……
「馬鹿だよなあの女、自分から犯って下さいと言ってるみたいだな」
厭な、嫌いな俺が俺に囁きかける
「そんなこと言って本当はしたいんだろ?
自分の中の全部出しきるまで犯り尽したいだろ」
下卑た笑いで俺に話しかける俺
煩い、黙れ、お前はさっさと眠ればいい
「…憎らしくないのかよ……俺達の事も知らない、名前すら知らないあの女が何が出来るって言うんだ…!」
今あの人は俺に対してそれをしてくれている
俺が何かをしないと、何も変われないままなんだ
「……じゃあ…俺はどうなるんだよ…!
お前は俺なのに、なんで俺は俺を否定しなきゃならないんだ!?
お前に俺をどうこうできる資格が、権利があるのかよ!!」
お前は…出てこなければいい!
全部諦めて、全部憎んでいるお前なんか…!!
お前は俺を抑えつける…俺は俺を否定する!!
「馬鹿が……馬鹿がぁ!!」
――――………!!
(自分同士の意識の衝突
俺の五感全てが白熱化し焼き切れ、体が崩れ落ちる………)
……っ……。
(崩れ落ちた体を、何とか受け止める。
この先どうなるかは、自分にも分からない。
だが、どうなろうと請け負った責は負うつもりだった。)
…聞こえてる?
自分を否定しきっては駄目。
抑えつけても、否定しては駄目。
半分の貴方も、貴方である事に変わりは無いわ。
ただ……貴方は、今までアイツの言いなりになりすぎた。
自分が思った自分の成す方向に、アイツを変えて行きなさい。
それが、人らしくあると共に、力に溺れないという事。
力の誘惑と、力への恐怖から逃げずに…立ち向かって受け止めなさい。
大丈夫。
貴方はこれまで、妖魔の血に飲まれきらずに戻ってこれた。
私は信じるわ。
貴方は、戻って来れる。克己できると。
(支えた身体をしっかりと抱き締め、耳元で、そう囁いた。)
……っ……っ……っ………
(聞こえる。少女の声が虚ろながら、確かに聞こえる)
〔否定せず…言いなりにならず…溺れず…共にある…〕
(息が絶え絶えでも、少女が言った事を声なき声で復唱する)
〔戻りたい…自分で、ありたい……〕
(沸々と心を呼び覚まし初め…)
生き……たい……見続けたい……
(神経が体中に渡り初め、片言の、自分が抱き続けた自分の意味を口にする)
ありがとう……もう、大丈夫…です…………
(少女の腕の中にいた少年は、少女の肩に手を置き立ち上がろうとする)
(そういえば、まだ名前を知らなかったと心の中で苦笑する)
……。
(一つ、吐息をついた。)
訓練って程のものじゃないけれど……少しは分かったかしら。
荒療治だけれど、私にはこれくらいしか出来なかったから…。
(ゆっくりと身体を支えて立ち上がらせる。)
妖魔の血を否定したら、今度はその血は貴方を敵として内から喰らい始めるわ。
だから、妖魔である自分も自分だと、受け止めて、かつ自分の意識を血にも浸透させるの。
…私も退魔の力を受け入れる時に似たようなものだったから…おぼろげながら分かるのよ。
これまで貴方は絶望の中にしか居なかったかもしれない。
だけど、きっと…この先に貴方がそうやって自分を見失わずにこの街を見ていれば、
他にも貴方の力になってくれる、そう言った人たちが居るはずよ。
…私は、久保 凛。
また、何処かで生きていれば会えるでしょう。
でも、頼ると人は弱くなるから…暫くは貴方とは会えない。
その間、貴方は自分で自分を抑える術を身に付けていきなさい。
自分を見失いそうになった時は…自分のすべき事、したい事を思い出して、深呼吸するのよ。
(あの日、初めて会った夜に見せた微かな微笑みを
月光に照らされた横顔に浮かべると、ゆっくりと踵を返した。
暫くは心配はない。
彼ならばきっと。
願わくば、良き出会いが、この後の彼の元にあらんことを。)
【こちらはこれにて〆ます。後、宜しくお願いします。】
【お先におやすみなさい。ノシ】
いえ…今の俺には十分です……そんな事を言わないで下さい……
(凛に立ち上がらせてもらい、ふぅ、と一息つく)
自分の、妖魔の血もまた自分として一緒に生きて行くのですね…そして貴方も……
(目の前にいる少女は自分とよく似ていて、全く違う存在だった。そんな彼女を憧れに近い瞳で見ていた)
(自分なんかより遥かに気高く、強くて……)
この街に、自分の絶望を拭える方法が…力になってくれる人が……
(魅入られたように、希望を持つように夜の街を見続ける)
久保、凛…凛さん……
会えないなんて……
(やっと初めて名前を聞いたのにそう言われ、落胆するが心配させまいと言葉を飲み表情に出さず)
(凛は強く、すがりたい気持ちが沸き上がるが、言葉だけでも彼女の枷になると思い気持ちを抑える)
はい…分かりました……見付けてみせます、俺が俺であり続けてみせます……!
(少年は、あの日初めて会った日の笑顔を見つめていた
いつ会えるか分からない、だから心の中で留めておこうと…)
あの……俺…朝山遠矢、朝山遠矢と言いますっ
強く……凛さんみたいに強く生きてみます!
(夜の街に声が響く。遠ざかる少女を安心させる様に、声高く叫んでいた)
―――それからだった…この街に来て、この街の夜を駆けるきっかけは…
あの日から『あいつ』は息を潜めている
いつ出るか分からない…けど、そうならないように今も自分が自分であり続けている
もしそうしなかったら、凛さんを悲しませるから……
何かに甘えたい、自分を投げ出したいと思ったことは何度もある
だけどその度、あの日を思い出して直ぐにそんな事なんか引っ込んでしまう
彼女がくれた強さ…今も俺が更に強くあろうと胸に残っている
強く生き続け、きっと良い明日を見付けられる、その日の為に……
【こちらこそありがとうございました】
【これであの時からやっとオチをつけられました】
【お付き合いありがとうございました…では……ノシ】
【待機する。どなたでもどうぞ】
【避難所へ行きますノシ】
【法月さん待ちの待機です。】
【おーっと!自分で決めた時間に遅れてしまった…orz
と、幸原さんこんばんは!
遅れてしまって申し訳ありませんです…orz
今夜もよろしくお願いしますねーノシ】
【よろしくお願いします〜。】
【じゃああたしから書きはじめ・・・】
【ちょっとお待ちを】
ククッ・・・毒じゃったら殺していたか?
わしを?こやつごと?
(自分の胸を指して)
出来るかのぅ?
こやつの精神に異常をきたすかもしれんのにか?
まぁ・・・それならばいっそう毒の方が良かったかもしれんの。
死ねば、こやつの傷が広がることもなかろうて。
(薄く笑う。)
(蔓が一瞬で切り刻まれるのを見て、軽く目を細める。)
刃が見えなかった。ということは
・・・風の刃かえ?
なるほどのぅ、風の属性を持っておるのか。
面白い・・・。
考えは変わらんよ、悪いがの。
男は野獣以外の何でも無いわ!
(部屋を破壊した蔓が一斉に法月を絞め殺そうと襲い掛かる。)
(そして自分は葉を剣に擬態させ、法月に飛びかかる。)
【「それに、わしだけを殺せばこやつの精神に〜」です。】
【なんだか文が変になってる・・・。orz】
…あぁ、できるさ…必ず殺しているさ。
貴女が誰であろうと…誰の体にいようと…。
俺の仲間に手を出す奴ぁ…許せないんでねっ!
(目を大きく見開き、霊気を高める。
その霊気の大きさは、
その辺りにいる退魔士などとは比べ物にならない程の威圧を放っており)
ふふっ…その身に受けてみますか?
もっとも、次は風かどうかは保障しませんがね。
『今のを風とみたということは、武蔵と小次郎の攻撃が見えていない?
幸原君の体を…まだ使いこなせてはいないのか』
(半妖とて、『器』を使いこなすのには時間がかかるはず。
この妖魔も、まだ目と気の感じ方を使いこなせていない、と蒼一郎はみた)
武蔵、小次郎、下がれ。食らう。
二人「はっ」
(二人の従者が姿を消し、蒼一郎が一人尚の蔓の餌食になる。
その時の蒼一郎は、まるで避けようとはせず、
逆に、自らその蔓に飲まれようとさえしていた)
ぐぅぅっ!
(尚の葉の剣が蒼一郎の体を斬りつける)
・・・・ふむ、霊気だけはなかなかのようじゃの。
(冷静に言う。)
しかし、まだこやつの体を使いこなしたわけではない。
・・・さっさと片付けたほうがええか。
(手に何かを握り締める。)
・・・違うのかえ?
(呟いて)
他には無いはずじゃ。
見えない斬撃など。
分からぬ、様子を見た方がええのか?
ちっ・・・・・面倒じゃのう。
(法月が避けずに蔓に飲み込まれるのを見て)
っつ!?
(一瞬戸惑うが、そのまま蔓で締め上げる。)
・・・阿呆か、自ら飲まれるなどと。
そのまま死ね。
(蔓に飲まれている法月に顔を近づけ)
・・・弱そうだのう。
肌が白くて・・・病弱だったと診た。
眼だって・・・なんじゃ、片方色違うのか?
(問いかけつつ、剣を法月の肩に突き刺す。)
(一瞬だけ、眼が『尚』に戻ったが、すぐ消える。)
ぐぁぁっ!!…うっ!ゴホッゴホゴホッ!
(肩に葉の剣が突き刺さる。
すると、体にダメージを受け過ぎたせいか、
突然咳をし始め、おびただしい量の血を吐く。
いつの間にか、左目を覆うコンタクトレンズが外れてしまっていた)
へっ…へへっ、いい…赤色をしているでしょう…?
結構…気に入ってるんですよ、この左目。
『先程の攻撃…一瞬躊躇いがみえたな…。
今の剣もそうだ。
この妖魔…完全に幸原君を支配しきれてはいない…』
(完全に追い込まれた状況においても、
蒼一郎はまだまだそれを気にすることはなく、
頭ではどうやってこの妖魔と尚を共存させるかが駆け巡っていた)
こ…このまま死ぬのも悪くはないが…いくつか教えてほしいことがあります…ゴホゴホッ!
まずは…な、何故貴女はそこまで男を憎むのです…?
(蒼一郎には自信があった。
この妖魔は、本当は男を心底憎みきれてはいないということに…)
んなっ、なぜ血をっ!?
毒など入れてっ・・・ぅ。
(法月が吐血したのを見て取り乱す。)
(しかし、すぐ落ち着いた。)
ちょうどおぬしの血と同じ色じゃの。
(法月が吐いた血を指ですくい、舐める。)
・・・懐かしい味じゃ。
今まで嫌になるほど味わった鉄の味じゃ。
好き好んで味わったわけではないがの。
(忌々しそうに眼が険しくなる。)
ふん・・・冥土の土産かの?
まぁいい、教えてやろう。
わしには記憶があるのじゃ。
こやつの記憶も、わしが妖魔だったときの記憶も、わしが人間だったときの記憶も・・・。
わしは自分の前世を覚えておるのだよ、すべての前世の記憶をな。
わしの記憶の中で、男が愚かで浅ましく強欲で無かった時は無い。
いつの世も、どのの世界でも男は愚かな欲望でわしを傷つけ、殺し、自分の身を滅ぼした。
見せかけの愛でわしを利用した男もいた。
わしはいつの世も、本気で愛されてなどいなかったのじゃ。
ただ利用され、裏切られただけじゃ。
(顔が歪む。)
憎まないなど、出来るわけがなかろう?
お…俺が病弱だと見抜いたのに…血を吐いただけで驚くんですね…。
ふふっ…お、面白い人…もとい、面白い妖魔だ…。
(蒼一郎はその様を見て、思わず噴き出してしまう)
……なるほど…やはり貴女は元人間ですか…。
(蒼一郎は気づいていた。
根っからの妖魔が人間の男などに固執するわけがない、と。
男をこの世から消すのに固執する理由。
それは、『前世』において何らかの因縁があったから…)
元人間の妖魔は…前世を覚えていることが多いもの…。
貴女は…今まで、余程苦しく、辛い思いをしてきたのですね…。
貴女から発せられた言葉以上に…辛く、悲しかったでしょう…。
(蒼一郎はだらん、と体の力を抜き、抵抗を完全に止めた)
さぁ…殺しなさい。手始めに、俺を殺しなさい。
それからこの世の男を滅すればいい。
(死の瀬戸際にありながらも、蒼一郎は笑ってみせる。
心穏やかに、最後を悟ったかのように)
・・・・・わ、笑うなっ!
(頬が少し赤くなる。)
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(何か辛そうに顔を顰める。)
・・・なるほど。
それでわしが力を緩めれば、あの2人が襲い掛かってくるということか。
『・・・・・・・・・。』
それ以外に考えられない。
そうじゃ、わしを嵌めようとしているのじゃ。
こやつも、わしを騙そうと・・・・・。
(眼から何かが零れた。)
『・・・・・ぅ・・・・。』
今までずっとそうじゃった。
今までそれで騙されてきたのじゃ。
あの小童もおぬしもわしや尚を騙そうとしておるのじゃ。
あの時のように、わしらを傷つけようと・・・!!!
『ちっがぁああああああぁぁぁぁうっ!!!』
(口から違う声が響いた。)
っ・・・・・・・・!!!
(目が見開かれる。)
違わぬっ!あの餓鬼も、こやつも、嘘をついて・・・!
『違うわばかーー!!御影は嘘つかないっ!!話さない事はあるかもしれないけど、絶対嘘つかない!』
『じゃなきゃあんなムカつく言い方になるわけねーだろがっ!!』
『嘘を言わないから、誤魔化しなんかしないからあんなストレートに傷つく言い方になるんだよ!』
『他に何があるーーー!!』
ぅ・・・あぁ・・・・あ。
(表情が凍りつく。)
(蔓が力を失ったように干からびてゆく。)
『幸原君…なんという精神力だ…!』
(妖魔が中の尚と葛藤している)
―――!!いかんっ!
(蔓が干からびてゆく。
それは、妖魔の力が弱まっていくことを意味していた。
そして、それは時に妖魔を死に至らしめることもある…)
武蔵!小次郎!『天癒陣』!
二人「はっ!」
(今まで気配すら感じることがなかった二人の従者が現れ、
それぞれの刀を抜き空を交差するように斬ると、
そこから別空間が広まり、蒼一郎と尚のみを包み込む。
すると、尚の中の妖魔の力の衰えがぴたり、と止まる)
…貴女は…まだ死すべきではない…。
まだ…貴女を死なせるわけにはいかないんです…。
(尚に近づき、そっと頭を自分の胸に寄せる)
この世界には我々以外の人間は関与できません。
本当に殺りたいのであれば…。
(ぐっ、と尚の手を自分の胸に当てる。
その手には、辛うじて葉の剣が残っていた)
う・・・・ぁ・・・・。
(目を見開いたまま震えている。)
(法月に抱きしめられ)
っ・・は、はな・・・せ・・・。
・・・・・・・・・・・。
(震えが収まり、目をゆっくり閉じる。)
(発した声はかすれていた。)
・・・温かいのう・・・。
こんな、感じ・・・・何百年ぶりだろうか・・・。
『・・・違うでしょ。もっと最近にあったよ。』
そう、か・・・?いつだったかのぅ・・・。
『ほら、御影にさ。腕痛かったし、殺すって言われたけど。』
・・・あやつを信用するのか?
『・・・したい。つか、する。アイツ等みたいな奴じゃないって信じてる。』
・・・裏切られたら・・・・・どうするのじゃ・・・?。
『・・・・・・・・・それでもさ、男を信じ続けるんじゃない?分からないけど・・・。』
・・・・・わしはそこまで信じられぬよ。
あんな苦痛、もう味わいたくない・・・。
嫌なんじゃ・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
(手に持った剣を何の感情も無く見つめる。)
『・・・。』
・・・・・・・・・・・・・。
(法月の眼を見、自分の手を見つめ、また法月を見た。)
・・・阿呆だのぅ、本当に。
わしがおぬしを殺さんとでも言うと思うたか?
(剣を握り締め、力を込めて・・・・・引き抜く。)
・・・なんてな。
(ニヤッと笑う。)
(尚と尚の中の妖魔との葛藤。
蒼一郎は聞いて聞かぬふりをした)
貴女と同じく男を毛嫌いしていた幸原君は、
今それを克服しようとしています。
だったら…今度は貴女の番なのではないですか?
同じ体を持つ者同士…一緒に克服できれば、
それほど嬉しく、楽しいことはないのではないですか?
(蒼一郎は、自分の胸に抱いている尚…妖魔の目を見て)
男を…全て許せとは、全て信じろとは言いません。
貴女の思うとおり、野獣の如き野蛮な者もいる。
それは免れようのない事実です。
でも…人を疑ったまま生きていても、悲しいだけでしょう?
まずは幸原君の知っている彼と…俺を信じてみませんか?
(妖魔が笑った。蒼一郎も笑った)
・・・・・・確かに、のぅ。
克服・・・・か。
付き合ってやるのも、面白いかもしれぬな。
(微笑を浮かべる。)
ふふ・・・・そうだな・・・。
尚が信じてるあの餓鬼はまぁ信じよう。
しかし・・・・おぬしはまだ信じるに値せんっ!!
(ビシィッと指を指す。)
『・・・・法月さんも信じる人に入ってるんだけど。』
っうぐぅ・・・・・・。
そ、それじゃあおぬしは半分信じようっ!
それ以上信じて欲しかったらわしを信じさせてみよっ!!
『・・・おい。』
さ、さぁそれよりも、肩の傷を見せぃっ!
(傷口にキラキラと光る粉を振りかける。)
傷薬じゃ。人間の薬より何十倍も早く効く。
半分でも十分ですよ。
今後は…俺の腕の見せ所、といったところでしょうか?
(歯を食いしばって笑ってみせる。
初めて、この『女』と心が通じ合った気がした)
あ、そういえば…すっかり忘れていました。
(血に染まって真っ赤になっている肩を差し出す。
傷薬を振り掛けられ、みるみるうちに傷が治っていく)
へぇ〜…こんなもの、見たことないなぁ…。
(じわじわと治っていく傷を見ながら)
そうだ。さっき、俺言いましたよね?
貴女には、いくつか聞きたいことがある、と。
もし…よろしければ…貴女のお名前を聞かせていただけませんか?
わしはありとあらゆる植物を自由に操れるのじゃ。
妖魔が住んでいるところにも、植物がある。
まぁ、これはその中の1つじゃ。
・・・・・これでええ。
(傷口を擦り、パァンと叩く。)
『何やってんだよオイ!』
今の医者はこうするのだろう?
『法月さんごめんなさい色々勘違いしてますこの人。』
名か・・・忘れた。
『おいっ!』
というか今までの自分を切り捨てたい気分じゃ。
そうじゃの・・・・柳香(りゅか)と呼んでくれ。
それが新しい名前じゃ。
『・・・柳香、柳香?』
そうじゃ、柳香!
なるほど…植物を操るんですか…これはあまり相性がよくなさそうだなぁ。
(あはは、と苦笑い)
いたたた…ははっ、まぁ元気が出たみたいでいいじゃないか幸原君。
(叩かれた所を押さえながらも、楽しそうに)
柳香さん…ですか。
いいお名前ですね、心機一転に相応しいいい名だ。
(柳香の名を褒め、自分の自己紹介も忘れて笑顔を見せる)
いい名だろう、あたりまえじゃ、わしが考えたんじゃからの。
(誇らしげに胸を張る。)
・・・・眠くなってきたのぅ・・・。
『どしたの?』
なぁに、妖気の使いすぎじゃろうて。
わしはしばらく寝るぞ。
一ヶ月は起きんじゃろ。
・・・そうじゃ、おぬし名前はなんと言う?
法月・・・なんじゃ?
はい、とてもいい名前だと思いますよ。
貴女にとても似合っていると思います。
(蒼一郎は笑って誤魔化した。
お世辞とも取れるような発言。
誤魔化したのは、お世辞ではなかった故の照れ隠し…)
では、お休みになる前に俺の名前をお教えしましょうか。
…おそらく、名前だけはご存知ではないかと思いますがね。
(こほん、と一つ咳払いをして)
俺は法月蒼一郎といいます。
水を育み、風を愉しむ者です。
以後、お見知りおきを。
(ぺこり、と頭を下げる。
法月蒼一郎。かつて、妖魔が最も恐れたと云われた男の名。
それが、目の前の男であった)
ほぉ・・・あの噂の男が、こんな優男だったとはのぅ・・・。
まぁ・・・良い。
それじゃあ蒼一郎、またのぅ。
(ふわっと笑い)
じゃあ尚、頼んだぞ。
『って、ぇえっ!?・・・・あ。
元に戻った・・・。
法月さん・・・これって共存ですよね?
柳香とあたしの共存ですよねっ!?
(大きくガッツポーズをする。)
よっしゃーー!!!
…はい、お休みなさい柳香さん。
しばしの間、ゆっくりと…夢の世界でお休みなさい。
(柳香の笑みに笑みで答え、霊気の薄れる柳香を見送る)
……あーっ!ダメだぁーっ!失敗したぁ…。
(ガッツポーズをして喜ぶ尚の横で、
頭を抱えてしゃがみこむ蒼一郎)
【そういえば、お時間は大丈夫ですか?
無理なさらないでくださいね?】
【大丈夫です。まぁ・・・あと一時間くらいでしょうか。】
共存成功!
これで暴走いたしません!!
柳香ともいいかんじ!
と、思ったんだけど・・・。
・・・・どうしました?
え?何が失敗したんです?
(腕を上げたまま振り返り、首をかしげる。)
…俺はね、柳香さんを説得した後、君と話し合わせようと思ってたんだ。
今の時点では、柳香さんの方が君よりも圧倒的に力が上だ。
だから、共存するのであれば、彼女が君に合わせる必要があったんだ。
まぁ…結果的にはうまくいったんだろうが…、
1ヵ月後に柳香さんが起きた時に気が変わって暴れださないこともない…。
(うーん、と頭を抱えて悩むが)
…うん!1ヵ月後のことを悩んでも仕方がない!
よし、今回はこれでよしとしようか!
(即思考停止)
ところで…先程君の口から「御影」という名が出たが…、
君は天洸院の保護下にあるのかな?
(会ったことはないが、聞き覚えのある名前。
自分とその人物との接点が天洸院にしかないことも感づいていた)
【では3時をメドに終わりにしましょう。
柳香はキャラにしないのですか?w】
【尚の紹介に入れるだけにしようかとも思ってるんですが・・・。】
【キャラにしましょうか?w】
な・・るほど・・・・・。
でも、気が変わるってことは・・・・・・・・・。
(無いと否定しようとしたが、確信がとれずに口ごもる。)
ん〜・・・・・。
(少し悩むがまぁ、いいかと開き直る。)
そうですよね、無駄骨ってこともありますし。
むしろ受けて立つ!みたいな・・・。
(ぐっと拳を握り締める。)
はい、そうです。
あたしの家族全員天洸院の保護下になってます。
あたしだけ、御影義虎っていう退魔師の保護下になってるんですけど。
前に暴走した時に、止めるの手伝ってくれたんです。
・・・手伝う・・・というか、サポートする・・・というか・・。
あれ、同じか?
(変なところで悩んでいる。)
家族全員が天洸院の保護下…か。
なるほどな、紅羽君のしそうなことだ…。
(ぽつり、と呟きふっ、と笑みをこぼす)
そうか、ならひとまずは安心だな。
天洸院は妖魔には厳しいが、
一度契約を結んでしまえばまず裏切ることはない。
それが半妖であっても、な。
だから…君もさっき言ったとおり、御影君を信じなさい。
俺は…柳香さんに信頼してもらわないといけないから。
(最後は冗談めかして)
そうだ、もしもの時のために、いいものをあげよう。
今は手元にないから…3日後に君の家へお邪魔させてもらってもいいかな?
君が覚醒したこと、そして中の妖魔との付き合い方などを説明しなくてはならないからな。
【キャラ化しても面白いかも?と思っている俺ガイルw
その辺は尚さんにお任せしますよー】
【ではそろそろ〆ましょうか?
次のレスで俺は終わりにしたいと思います】
紅羽・・・?
(知らない人名に首をかしげるが、敵じゃないと勝手に納得する。)
・・・大丈夫です。
誰かに信じるなって言われても信じますから。
(きっぱりと言い放つ。)
たぶん、すぐ信頼されると思いますけどね?
カンですけど。
(つられたのか、自分も冗談めかして言う。)
・・・お守りですか?
・・・なんとなく。
いいですよ。どうぞ、来てください!
お茶用意して待ってますよ。
・・・食事かもしれませんが。
【おっと、忘れてた。】
【じゃあ、考えておきます!】
【あたしも次で〆ますね。】
―――3日後…―――
…と、以上が尚さんの現状といったところです。
天洸院の保護下に置かれているとはいえ、
お子さんを本当に守ることができるのはご家族だけです。
その辺を、どうぞご理解ください。
(尚の家にやってきて、尚の両親に事の一部始終を説明する。
実は蒼一郎と尚の父親とは、火の神を通じての知り合いであった。
故に、説明は淡々とされていった)
そうそう、幸原君。これを渡しておこう。
(蒼一郎が懐から取り出したのは、小さな指輪であった)
これは、自分よりはるかに力のある妖魔の力を、
今の自分と同等まで抑える力が宿る指輪だ。
君が強くなるにつれて、柳香さんは動きやすくなる。
万が一の場合を除いては、なるべく外さないでもらいたい。
外してしまったら、俺のところにおいで。
人間の世界では作ることができない代物なのでな。
(説明をし終えると、不思議な力を宿した指輪を尚に渡す)
では、俺はこの辺でお暇するよ。
(尚の家の玄関から外に出ようとしたところで振り返り)
そうだ、忘れるところだった。
これをお父さんに渡しておいてくれ。
あとでご家族と一緒に見るといい。
(見送りにきてくれた尚に1通の封された封筒を手渡すと、
そのまま歩いて家路に着いた。
その封筒の中には、このような手紙が添えられていた)
『先日の尚さん(柳香さん)との戦闘において、
当事務所被った被害損額はこのようになっております。
これらの被害は、ほぼ全てがご息女による者であるので、ここに損害賠償を求めます。
つきましてはご家族でご相談の上当事務所にご来社していただき……』
(明細に載っている金額は、とても一般の階級の一家族が払えるようなものではなかった)
【ではこちらはこれで〆とさせていただきます。
2回に渡ってお付き合いいただき、ありがとうございました。
久々にまともなロールをしたので、非常に楽しかったです!
またお付き合いいただけると嬉しいですw】
【では今回はこれで落ちます。
お疲れ様でした、お休みなさいノシ】
3日後。
法月さんが家に来て柳香の事などを説明していった。
法月さんと父さんは知り合いだったらしい。
・・・少しムカついた。
そして、法月さんから指輪を貰った。 なんでも、外してはいけないらしい。
指輪のサイズは右手の薬指にぴったりだった。
いつはかったんだ?
まぁ、気にしないでおこう。
半壊した事務所がどうなっているのか。
あたしは知らない。
多分、法月さんが修復したんだろうと思う。
法月さんの手紙は何故か父さんが見せてくれなかった。
そして休日に珍しく出かけていって、汗かいて帰ってきた。
帰ってきてあたしに一言。「物体の修復術も覚えるんだぞ。」
とりあえずイエスと言っておいた。
それと、あたしは御影にこの事を報告した。
保護下ってことはまぁ知らせなきゃいけないのかなと思い。メールで。
返事は来ていない。
・・・怖い気がする。
【うぉ・・・・少し寝てしまった・・・。】
【有難うございました!お休みなさいノシ】
【しばらく待機してみますね。どなたでもどうぞー。】
【こんばんわ】
【メニュー】
【1. vs凶介(GameOver前提)】
【2. クーと訓練第二段階】
【3. 他雑談】
【他アテがあれば引っ込みますが。】
【こんばんは〜。ええと、いつも此方がお世話になっているので
今日は此方がそちらにあわせようかと思います。なんなら夜宵を使っても良いですしー】
【夜宵さんは水上さんの所有物ですからw】
【最近凶介動かしてなかったし、1.やってみましょうか…エロール風味も一週間程なかったですし】
【いつも受けご苦労様です…になりそうですが(汗】
【水上さんの所有物というよりはエロール専門の(ry】
【エロールになると突然従順になるかもしれませんがよろしいでしょうかw】
【GameOver前提ですから、問題ないです。】
【では、そちらから何処か適当な場所を歩いていてくださいな。】
今日の運勢は最悪です―――。
そう今朝のテレビの占いには出ていた。
もちろん、そういう類のものは必ず信頼できるものとは限らないが、
どうしてだか、私の心の隅に不安という影を落としていた。
夜―――。
ひと気のない道を歩く。
今日は珍しく妖魔も現れず、久しぶりに帰り道につくことが出来た。
……が、どうしてだか、この静寂が逆に不気味でもあった。
【それではよろしくお願いしますー。】
「ちっ……くだらねェ……地蟲の回収役なんざ暇で暇で仕方がねェぜ……」
悪態をつきながら、闇の中を歩く。
壁に貼り付いて擬態化していた地蟲を剥ぎ取ると、回収用の小袋の中に放り込んだ。
「……んん……?」
ふと、覚えのある気配が肌を刺した。
焼けるような左半身の表面を刺す微かな痛み。
「ぉお……くっくっく……こいつぁ……」
瞬時に壁を蹴り、気配が張り付く場所に飛ぶ。
居た。
後ろ姿からでも見間違いようもない。
逃げられないように、その前面に勢いをつけて飛び降りた。
「久しぶりだなァ……ジャリ。覚えてるか?俺を。」
目の前の娘の顔を直に見て、また再び顔の傷が疼いた。
ざわっ、と肌が粟立つのが分かった。
―――けれど、そのときにはもう既に遅かった。
目の前にはあのときの男が不遜を隠さずに立っていた。
「ええ……。覚えていますとも。 貴方ほどの実力者は、そうそう出会ってませんからね」
冷静を努めようとする。
こうして対峙しているだけでも、力の差というものは歴然と感じてしまう。
……彼が簡単にここから逃がしてくれるとは思えない。
自然と私の右手には黒紫色の風と共に漆黒の大剣が握られていた。
――――――手が痛くなるほどしっかりと。
「それで、今日はどう致しました? ……和解、という様子ではなさそうですけど」
「いつぞやは、有難うよ……この程度の火傷、別に治そうと思えば治せるんだが……。」
つ、と顔の醜い痣傷に指を走らせる。
以前、割り込んだ戦いの最中、唯一付けられた傷。
それが、皮を焼くような火傷の跡となって今、自分の左半身を覆っている。
「お前を捕まえて掌握するまで、戒めとしてとっておこうと思ってな……」
にやり、と笑みを浮かべる。
「和解…?
ククッ、俺が何故お前を見つけ出したか全然理解してないようだな…。
さァ……どれだけ強くなったかは知らねェ……。
だが、今日は退かねェぜ。俺を倒せなければ、お前に待っているのは絶望だけだ。
但し、俺も一対一で戦ってやる。」
ぎらつく視線を目の前の娘に走らせる。
ガキだが、女として使えない事はない。
この娘にミミルの水を飲ませ、犯せば、傷も治るし意趣返しも可能だ。
「来いよ……提げてる刀は玩具じゃねェんだろ?」
挑発するようにそう言うと、目の前に焔の一文字を描く。
炎が一直線に描かれ、その中から魔剣『木霊狩り』を引きずり出した。
「あら……それは光栄ですね。 もっとも、このまま逃がしてもらえればの話ですが」
緊張して硬直しそうになる身体に叱咤しながら、ぎゅっと大剣を握り締める。
今の段階では敵う敵ではないとは分かっている。
だが―――…逃げられないのであれば、自分で道を切り開くしかない。
それ以外の選択肢は残されてはいないのだから。
「一対一……私には遥かに絶望的な条件ですね。
でも、…いいでしょう。どちらにしろ、私には選択肢が選ばれていないのでしょう?」
萎縮しそうになる意志を高ぶらせながら、剣に魔力を込め始める。
―――生き延びてやる。
それが自分に出来るせめてもの友への弔いだから。
「ええ―――。 遠慮なく、行きますッ!!」
気がつくと既に私の足は駆け出していた。
低空を滑走しながら、鋭く下段から男へと剣撃を叩き込むッ!!
「そう来なくちゃァな!」
黒い刀身を見据え、動かず。
――― 一撃を受けた。
「………。」
黒い刃は、5cm程、男の脇腹へと食い込んだまま、止まっていた。
どす黒い血が路地に飛び、優希の顔にも散る。
「…残念だな、舐めてるのか、娘?それとも様子見をするつもりだったか?」
めきっ、と音がして、刀身が男の身体に食い込んだまま離れない。
恐ろしく強靭な筋肉が、刀を埋めたまま、放さないのだ。
「最初から、氷を仕込んでおけば良かったものを…。
弱点と知りつつ、見誤ったか?」
ぞんざいに手を伸ばし、優希の腕を掴む。
「…終わりだ。諦めな。どうやら、邂逅が早すぎたようだな。」
そう言う凶介の表情が、忌々しそうに歪んだ。
「俺は…全く、何のためにお前みたいな小娘に時間を与えたんだか」
同時に、男の手から灼熱のような流れが優希の身体中を伝播した。
それは、人が意識を手放すのに充分な、恐ろしく強烈な痛みだった。
「なっ………!」
剣は食い込んで、微動すらしない。
この男は―――――……本当の意味での『化け物』だ。
力の差という以前の問題だった。
男の言葉は既に耳に入っていなかった。
ただ、あるのは悔恨と絶望だけ。
「…………くっ…!!」
気付けば私の腕は掴まれて、身体ごと持ち上げられていた。
――――――終わり。
男はそう告げた。これ以上足掻いても無駄だ。大人しくしろ。
……そんな審判が冷たく、重く、のしかかった。
「つぁ、ぁああああぁあっっ!!!?」
次の瞬間。
何、と疑問を抱く前に、そのあまりの熱と痛覚に私の意識は白くなった。
「クソッ……またこれで一つ目的を失っちまった……」
血が溢れる脇腹の傷に手を当てると、蒸気が上がった。
傷を焼き塞ぐ。
人間ならば常軌を逸した行動だが、彼にとっては日常茶飯事であること。
この娘が、氷を注いだ刃で攻撃してきていれば…或いは…。
だが、考えるのも無駄だった。勝敗は決したのだ。
そして、気絶した優希を抱え上げると、凶介は耳に手を当てた。
「……『ミミルまで頼む』」
凶介の横に穴が空き、その中を通過する。
着いた先は、七妖会の重要機関のひとつ『ミミルの泉』だった。
凶介は黙して、泉から水を汲むと、その内の一つの部屋に優希を抱えたまま入った。
入ると同時に、魔力の障壁が部屋を包み、一切の魔力が遮断された事が分かる。
この部屋の中では、術が使えない。
そういう仕組みにされているのだ。
「……」
優希を寝台の上に放り出すと、凶介は己の血塗れの服を脱ぎ去った。
傷だらけの身体を、部屋の空気に晒す。
後は、娘が目を覚ますのを待つだけだった。
だが、何処となく浮かない気分のまま、凶介は寝台の横の椅子に腰掛け、ゆっくりと待った。
「痛っ……」
―――体中が軋む。
たったあの一撃を受けただけで、全身はあちこち悲鳴をあげている。
手にはもう彼女から貰った剣が姿を消していた。
―――…そう、負けてしまったのか。でも、どうして、自分は生きているんだろう?
彼ならば容赦なく消し炭にしていたと思ったのに。
……そんな混沌とした意識をハッキリさせるためにも、瞼を開いた。
(……天井?)
どこかの室内だろうか。
石造りの部屋で、静けさを保っていた。
何処、と疑問に思いながらも、首を動かしてみる。するとそこには上半身を露わにした彼が居た。
「……私を、どうする気ですか?」
…どうすることも出来ない。
恐怖を感じる前に、私はただ虚無感を感じていた。
「敗北者は勝者に傅くのみ…理解はしているだろう。
俺はお前を殺す事もできたのだからな」
目を覚ました娘に、ゆっくりと近付くと、テーブルの上に置いたコップに満たした水を口に含んだ。
そのまま、娘の顎を持ち上げると、唇を重ね、『魔力の雫』を流し込む。
「……お前には、俺の傷を癒す、ヒーラーになって貰おう。」
「何を言っているんですか?
……私にあなた方の手伝いをしろとでもいうのですか?」
敵意を剥き出しにしながら言い捨てる。
それでは友のような人間をまた作り出すだけになってしまう。
それを防ぐために、剣を持ち、師に教えを請い、数多の妖魔と戦ってきたというのに。
死よりも遥かな侮辱だった。
「な、何を……、や、やめなさ……んぅうっ!?」
唇を奪われた。
暴れてもがこうとしても、力でそれを妨げられて水を流し込まされる。
おそらくは、ただの水ではないのだろう。飲みたくはなかったが、唇を塞がれて息苦しくなり
結局はソレに屈するしかなかった。
「かふっ……ヒーラー……? 残念ながら、あなたを癒すような意志も力もありませんが?」
何を企んでいるのだろう。
口の端から垂れ落ちる滴を拭いながら、睨みつける。
「お前に死を選ばせた所で、俺が得をする事など何もないからな」
呟く凶介は、戦闘時の狂的な勢いなどまるでなく、水をかけられた火のように
静かな表情を優希に向けた。
「それは魔力の雫といって、魔力を回復させる霊薬だ。
だが、直に嚥下すると、副作用を起こす場合が多くてな…それを飲んだ相手と交合う事によって、魔力を奪う。
それが、直に飲めない妖魔のやり方だ。
つまり、お前に飲ませ、交合いの最中、お前を絶頂に導けば、魔力は俺のものになり、傷も癒されるというわけだ。」
凶介の淡々とした説明の最中、
魔力の雫が優希の身体へ浸透していくと共に、身体に僅かな変化が顕れた。
雫による変化は飲む者によって異なる。
痛みを伴うもの。
幻覚を伴うもの。
だが、優希の場合はどれとも異なった。
強烈ではないが、やんわりとした熱が身体を満たす。
段階的な催淫の効果が、その身に顕れてきたのだった。
よくある妖魔の強烈な催淫とは異なり、意識を砕く程ではない。
が、欲望を後押しするには充分な効果を発揮する…その程度の効果だったのは、
彼女にとって幸いだったのか不幸だったのかは分からない。
寝台に軋みを立てて、凶介が優希の身体に触れた。
戦闘時の凶暴な影からは考えられない事に、無表情のまま、優希の服の裾から手を差し入れ、
双丘をゆっくりと揉み解す。
「妖魔が何を、と思うかもしれんが、お前には……失望した。
もう少し歯応えのある相手に育っているかと思ったのだが……俺が性急過ぎたのか」
ぶつぶつと呟きながら、もう一方の手で優希の太股を撫で上げていく。
成程。
納得をしたわけではなかったが、これから何をされるのかは分かった。
軽い絶望はあったものの、生きていればなんとかなる。
――――――その時の私はまだそんな楽観的な考えが残っていた。
「……要約すると、私を犯すことであなたに力が戻るというわけですか。
最低ですね―――」
自然とぽろぽろと涙が出てきてしまった。
戦って命を落とすならまだしも、こんな形で犯されるとは思ってもいなかったのだから。
「…………?」
そこで違和感を覚える。
なぜか身体が火照り始めてじっとしてられなくなった。
そう…これは――――――。
「これは一体……?」
頭がぼんやりしてくる。まるで自分を慰める時の様に。
何もしていないのがむず痒くなり、手を伸ばしたくなるが彼の目の前でそんなことをするわけにはいかない。
だが、彼は何も気にしないかのように、寝台へと上って、私の身体に触れてきた。
「やっ……ぁ、はぅ……っ」
彼の意外な優しい愛撫に思わず声が漏れてしまう。
指先で撫でられれば撫でられるほど、もっととねだるかのように胸の先は固く尖っていく。
ぷっくりと尖った乳首は彼の掌で転がされ嬲られていく。
「は…ぁぁっ…! や、やめてくださいっ……!! あっ、そ、そこは……!」
ダメ、と首を振って拒もうと太ももを閉じる。
あそこまで触れられてしまえばどうにかなってしまう…!
「最低か。
人間同士であれば、命を残す行為であったと思うが…。
まぁ、好む相手でもないのに組み敷かれるのは確かに最低かもしれんな。」
茫洋と、優希の言葉に答える。
「…が、他人の行動をどうこう言える程、お前は聖人的な行動をして来れたのか?」
そう言うと、優希の耳朶を噛み、舌先で耳孔を舐る。
「止めんぞ。これは、今まで妖魔に対して行ってきた事への原罪だと思え。
お前の身体で贖うのだ。」
そう言いながらも、凶介は乱暴ではなく、相手の身体から快楽を引き出す落ち着いた動きで、
優希を攻め込んでいく。
学生服のブレザーのボタンを外し、シャツのボタンを丁寧に外すと、露になった胸をゆっくりと揉みこむ。
太股には触れるが、まだ秘部には触れない。
少しずつ攻め上げるように、彼女の身体を愛撫していく。
「………はぁぅ…! やっ……やめてっ…!」
耳孔を舌先でくすぐられ、ぴんっと背筋が伸びてしまう。
こんなことは嫌なはずなのに、どうして、止められないんだろう?
真っ白になりつつある頭のなかで、そんなことをぼんやりと思い浮かべながら愛撫されていく。
「そんなの……ただの言い訳じゃないですか…。
他の妖魔のため、ではなく、あなた個人のため、でしょう? 関係な……ひっ…!」
ぷるっと小さく震えながら、乳房が暴かれる。
乳房は彼の指先に応じて受け入れるように形を歪ませて、意志とは関係なく胸の頂はいやらしく自己主張する。
ダメだ。このままでは、本当にどうにかなってしまいそうだ。
抵抗したくても、彼の愛撫に力が抜け気を抜いてしまえば今にも彼にねだってしまうだろう。
「そうさ、その通りだ。
他の連中など関係ない…だが、お前に何が分かる?
戦うためだけに造られた、俺のような魔造妖魔の何が分かるというのだ!
俺から戦いを除けば、後には何も残らぬというのに!」
ぎらり、と一瞬だけ、凶介の瞳に強い意思が戻った。
だが、それも一瞬だけの事だった。
「ふん……随分と感じているようじゃないか。
最低と言っていた割りには、驚きの反応だな?」
そう言うと、ショーツ越しに優希の秘部に指を滑らせた。
湿った反応があった。
「最低な行為に、感じている…か。フン……」
ぐい、と優希の腰を引き揚げると、ショーツを剥ぎ取った。
露になった女の部分に顔を寄せ、潤いを見せるその部分に舌をあてがった。
「まぁ、俺には好都合なだけだが……こうも簡単に陥落するとは拍子抜けだな。」
柔らかい舌先を、秘部の割れ目に沿って動かす。
舌先でクリトリスを突く。
本格的に、攻めを始めた。
「何も分かりませんよ。でも―――…
生きる目的なんて、生きているうちで自分で見つけていくものだと思います。
……それは人間だって同じです。貴方はそれが出来ないだけなんじゃないんですか?」
―――何故だろう。
このヒトは、寂しく見える。こんなに感情を剥き出しにして、彼は悩んでいる。
そのためなんだろうか…?
だが、そんな思考を邪魔するかのように彼の指先は更に私の身体をなで上げていく。
そして、その指先は下着の上へと滑り、私の秘裂を撫で擦った。
「バカを言わないで下さい……っ。あなたがあの水を飲ませたせいでしょう?
逃げることができるのなら、とっくにしています…ぁっ!?」
下着は剥ぎ取られ、露を漏らす秘所が露出してしまう。
それだけでも恥ずかしいというのに、彼は舌を伸ばして私の露を舐め取っていく。
「や、やぁっ…あふぅ、やぁ、んっ!? や、やめてっ…!
ほ、本当に、私、おかしくなっちゃいます…!! ふぁ、ふぁぁああん!」
とうとう嬌声を抑えきれなくなり、室内に響かせる。
秘裂とクリトリス、両方を舌先で責められて、愛液が溢れんばかりに次から次へと零れ落ちる。
自然と私の足は抱きかかえるように彼の背中へと絡ませていた。
「お前は、妖魔を生活の片手間に滅ぼしてきただけだ…。
だが、俺は違う。
俺は、生きる目的として、それしかなかったんだよ。
戦う事が出来ずに廃棄処分になっていく同族達を見ながら、ツチクレの中から七妖までのし上がった!」
「戻ってきても、あるのは空虚だけだ…全て人間が俺達から居場所を奪ったせいでな…。
お前達は何も理解していないだろうが……妖魔の存在意義は、人間があまねく奪っていったのさ。」
喋りながら、びちゃびちゃと溢れる愛液を掬うように舐め取り、秘部を舌先で穿る。
抱え上げた腰が快楽のために波打つのも構わず、激しく音を立てて啜り、唇全体で秘部を犯し尽くす。
「そんな俺から、戦う意義を一つ奪ったお前は…許せん!」
ぶちゅぶちゅと音を立て、秘部を啜りながら、両手で優希の身体を持ち上げる。
逆立ちするような形に軽々と持ち上げると、寝台に腰を落とした。
優希の目の前に己のものがスラックス越しに屹立しているのを見せ付ける。
「雫のせいか…なら、それもあるべくしてなった一つの形なのだろうよ…。
さぁ、取り出して、舐めろ…!」
何故、俺はこんな事をしているのだ。
戦い以外に気迫を持てぬ自分の意識が、僅かに意識を強めていた。
俺は、この娘を…本気で欲しているのか?
馬鹿な。
戦う事以外に、何を求めよう事があるというのか。
「……貴方は、慰めて欲しいんですか?」
不意にそんな言葉が出てきた。同情だろうか…いや、違う。
彼の言っていることは理不尽だ。人間とて陵辱され、命を奪われている。
そこには反論すべき点もあるし、怒れる部分でもあると思う。
だが―――――、確かに彼にはその空虚な部分があるのだろう。
彼の言う『居場所』というのが何を示しているのかはわからないが、
人間は己のエゴによって他の生物を蹂躙してきた。……彼もその被害者の一人なのかもしれない。
「んっ……ぁああああっ!! や、やめ、やめてぇっっ…!!
あふぁあっ、そ、そんなところ……や…はぅぁあぁっぁっ…!」
秘所をくまなく舌と唇によって犯されて、私の理性は殆どとけかかっていた。
快楽が全身を走り、どんどんそのるつぼへと引き込まれていくのがはっきりと分かった。
それでも、私は抵抗できず、快楽の証である愛液を垂らし続けていた。
それが、どれだけ恥ずかしくはしたないことだと分かっていても、それを止めることはできなかった。
「きゃああっ!」
と、その時天地がひっくり返った。一瞬何をされたのか分からなかったが、次にはまた寝台に寝かされていた。
目の前には大きな膨らみ、そして、男の言葉。彼の言っている意味が分かっても、私は拒もうとはしなかった。
…何故だろう。ぼんやりとそう思いながらも彼のスラックスから、それを取り出した。
「……熱い…。んっ……ちゅうっ……ちゅぱっ、ちゅうう……ちゅるっちゅる」
ぼんやりと呟くと、次には自然と肉棒を捧げるように両手を添えてと舌を伸ばしていた。
こんなことをするのは初めてだが、熱が教えるように自然と彼の肉棒の先端を舌先で撫で回し、啜っている。
「馬鹿な……慰められたいなど!」
反論するように、捲れたスカートから覗く白い肢体を貪る。
だが、なぜか、それでも目の前の娘を乱暴に破壊し尽す衝動はなかった。
拒むと思った娘は、意外にも拒絶しなかった。
それを理解したのは、下腹部に熱い刺激を感じたからだった。
「くそ……俺を……俺を哀れむな……人間風情がっ……」
気付かない内に滂沱していた。
何故なのかすら分からないまま。
だが、心はうつろのまま、娘の秘部をひたすらに舐る。
それしか、自分には出来ないような気がした。
なのに、何故か、忘れかけた欠片がその行為の中にあるような気がして、ひたすら彼はそれに没頭した。
クリトリスをねちねちと指先で剥き上げ、弄ると共に、舌先を硬くし、優希の内壁を舐っていく。
「人間だから、貴方のことを悲しんではいけないのですか?」
彼に言いたいことは山ほどある。怒りや憎しみ―――ぶつけたいものもある。
犯されているというのに、それすら出来なかった。なぜなら、彼は泣いていたから。
「…泣いているじゃないですか。 貴方の悲しみが何かは分かりません。
分かりませんけど……」
どうしてだろう。犯されていることを私は望んでいるというのだろうか。
…いや、それも違う。だって、彼の「それ」は犯す、という言葉が似合わないほど優しいものだったから。
…もちろん、このまま犯されるのは嫌だった。
でも、どうせ犯されるというのなら、少しでも彼の空虚な部分を埋めることができるのだろうか?
「ううぁっ……! ふぁぁ…、そ、そこ、気持ち良い…っ…!」
とうとう自分からその快楽を認めてしまった。
けれど、さほど抵抗はなかった。その理由はやはり、分からないままなのだけれど。
クリトリスは受ける刺激によってぷっくり充血していることだろう。触られる感触で分かった。
内まで舌先は侵入し、その刺激に緊張はどんどんほぐれていった。
「んふっ、ちゅう…ちゅうっ…。 ぢゅるっ、ぢゅる……ちゅうううっ…」
まるで彼の肉棒すら愛しいものへと変わっているような気がした。
おそらくは錯覚。おそらくは現実逃避。それでも、私は口に彼のものを含んで貪欲にしゃぶっていった。
「理解……できん……」
混乱したまま、娘の秘部から顔を離した。
ゆっくりと、身体を起こし、娘を肉棒から優しく引き剥がす。
「お前を……貰うぞ。」
その時の自分がどういう顔をしていたのかは分からない。
だが、酷く情けない顔をしていたのかもしれない。
娘の上に覆いかぶさり、娘の奉仕で張り詰めたものを秘部の割れ口へと宛がう。
唾液によって濡れそぼった熱い塊が、愛液で溢れた部分をぬらぬらと擦り、刺激する。
「……抵抗するなら、するがいい。
その方が、俺も気が楽だというのに。
なのに……何故、お前はそんな目で俺を見るのだ…っ!」
「……ん、は……。 今更でしょう?
どうせ、貴方からは逃げられないのだから
でも、わざわざそんなことを言うなんて……優しいんですね」
どうして。分からない。
私はそっと彼の頬を撫でながら、垂れ落ちる涙の滴を指で拭き取った。
「初めて」は取って置きたかった。でも―――…今はもう抵抗するつもりはなかった。
不思議と力は抜けて、微笑をこぼしてしまう。
それは、たぶん、彼を傷つけたくなかったからなのだろう。
私の処女を捧げて、それで彼が癒されるというのなら、それもいいのではないだろうか。
「分かりませんよ、そんなこと。
……でも、今の貴方は放っておけない。そんな感じがするんです。
本当は貴方の言うとおり抵抗するところなんでしょうけれど…おかしいですね。
なぜか、とっても今心が落ち着いているんです。…今のうちですよ? ほら…来て下さい」
そっと彼の顔を手で挟むと、私は唇を捧げた。
今はこうするのが一番、そう考えたからだ。―――彼の唇は冷たく震えていた。
「優しいんじゃない……分からないだけだ……。
お前は妖魔が憎いのではないのか。だから、狩っていたのではないのか…!」
混迷する意識の中、娘に唇を重ねられた。
それが合図かのように、娘の中へと腰を進めてしまう。
にちゃり……と愛液を零しながら、張り詰めたものを娘の膣内に収めていく。
激しく愛液が溢れる程に解れていたせいか、途中までは殆ど抵抗なく進んでいった。
その先、僅かな抵抗があった。
ああ、初めてなのか、と感じると共に、ぷち、と何かを衝き抜け、更に熱い奥へと突き進んだ。
根元まで肉棒を衝き立てると、吐息をつくように一旦腰を止め、娘の身体を掻き抱く。
「……娘、お前は……名は何だ。」
何故か分からないが、それを知らなかった事に今更ながら動揺した。
「……私は決めたんです。
理不尽な力から弱い存在を守ろうと。そこに妖魔も人間もありません」
ぞくぞくっと背中に快感が走る。それに耐え切れないのか、思わず腰に脚を絡ませてきつく抱きしめた。
肉棒を押し進めるたびに、中は抉られて当然の反応かのようにきつく彼のものを締め上げた。
が、それは途中まで。そこに当たるとびくっと身体が震えて。
「妖魔を狩っていたのは和解ができなかったためです。
……もちろん、最初は憎しみも怒りもありました。けれど、それだけじゃダメなんだって、気付いたんです。
私に出来ることはどこまでかは分からないけれど、やってみたいんです」
―――そして、次の瞬間。
「―――ぁ、ぁぁぁああああっっ!!」
全身に傷を負うよりも痛みが強く感じられ、我慢が出来ず彼の背中へと爪を突きたてた。
少しでも痛みを和らげようと、きつく彼の背中を抱きしめながら。
しばらくすると痛みは落ち着いてきて、少しずつ息を静めていった。
そして彼は私の名を尋ねた。
「……私は、優希。 佐々木、優希」
「俺は……俺は、選択を間違ったのか…いや、選択肢など最初からなかった…」
「お前は、靜と同じような事を言うのだな……今の俺には、分からん……。」
自分にはない尺度。
それが、人間である娘と、妖魔である自分との尺度というわけではない事は確かだった。
これは、妖魔とか人間とかいう間を越えた事なのだ。
「優希……か。
ふ、俺とした事が人間の名を尋ねるとは。
俺は、猿渡 凶介だ。もっとも……人間の時は別の名前だったようだがな」
そう言うと、ゆっくりと肉棒を引き抜く。
半ばくらいまで引き抜いた所で、また埋める動作へと変える。
「初めてならば、痛みが強い…な。よし…」
指先を優希と繋がっている部分に宛がうと、愛液を掬い、濡らした。
その濡れた指先で、優希のクリトリスを弄る。
快楽を強め、痛みを鈍らせる。
そうしながら、ゆっくりと腰を動かしていく。
これまで女を抱いた中で、これ程までに相手を気遣った事などなかった。
皆、魔力の元として扱ってきただけだったからだ。
だが、優希との交合いは、それ以上の何かを持つべきものだと心の内で感じていた。
「別に無理して分かろうとするものではないと思います。
……今は分からなくてもいつか、きっと、分かる日が来ますよ。
少なくとも、私は貴方がそれを理解することを願っています……」
痛みのためか、ぽろぽろと涙を流しながらも、静かに微笑んできゅっと抱きしめて。
少しでも彼は私の何かを感じ取ってくれたのだろうか。それなら嬉しいと思う。
犯されたことは仕方がないと思うと同時に悔しくはあるけれど、それだけじゃなかった。
「……凶介。凶介さん……」
彼の名を呼んでそっともう一度口付けを交わす。
彼の動作に動きをあわせて、ゆっくりと腰を動かす。
まだ痛みは残るものの、少しは慣れてきたのか腰の動きもだんだんスムーズになってきた。
「ぁっ…そ、そんなところ……んんっ…はぁ…もっと、してください…」
苦痛と快楽を同時に味わいながら、そっと耳元で囁いてねだった。
それは快楽を無理やり感じさせられているからでも、苦痛から逃れるための術でもなかった。
ただ、今は彼の寂しさを埋めてあげたい。ただ、それだけだった。
口付けが、奇妙に心に響いた。
これは、何なのだろうか?
戦いに明け暮れた自分にはない感情が漣のように心を乱す。
「優……希……」
肉棒に当たる感覚が大分スムーズになってきた。
優希の身体を抱き、座位へと体勢を移す。
より深く結合が深まり、少し血の混じった愛液が寝台の上に滴った。
優希の唇を奪いながら、胸を揉み、腰を動かす。
ただの獣じみた行動だと思っていたその行為に、何か欠けていたものを悟った気がした。
「俺は……何を失っていたのか……お前が、教えてくれるのか……」
妖魔だの人だの関係なく、目の前の娘を見据え、強く抱き締める。
「んんっ……凶介……さぁっ…んっ!!
ふぁ、ぁぁっ…気持ち、いぃ……よ……! んぁああっ!!」
次第に痛みは薄れてきて、代わりに快感が押し寄せてくる。
彼の頭を抱えて、少しでも繋がりたいと言わんばかりに舌を絡ませて唾液を交換する。
乳房は淫靡に揺れ動き、柔らかい弾力で凶介の指先を押し返す。
そして、中を抉られるたびに、私は嬌声を漏らしてただただ凶介を求めていった。
「はぁっ……私で…少しでも……あなたの心が、満たされるなら…っ…!!」
どんどん高められていく快感。私の肉体は彼のものを受け入れて絶頂を迎えようとしていた。
「はぅぅ…凶介、さんっ…。も、もうダメッ……わ、私……イク…イッちゃうぅっっぅ!!」
「お前でなら…じゃない、きっと……お前でなければ駄目なんだ」
周りの妖魔連中では無理な事だった。
彼女ならではの視点が、自分では見えなかったものを見せてくれるのだと思った。
優希の嬌声と共に、締め付けられる膣内の感覚に、凶介も限界寸前だった。
最後の最後のために、優希の身体を持ち上げたまま、激しく腰を突き上げる。
彼女の嬌声と共に、性器同士が擦れ合う淫靡な音が部屋内に響き渡る。
「ぐぅっ……俺もだっ……!」
優希の絶頂の兆しを聞きながら、一際強く、子宮口に亀頭先を押し付け、激しく射精した。
同時に、優希の膣内から魔力が屹立を伝って体中へと漲っていく。
「あは……凶介さんの……出てる……」
そううっとりと呟きながら私は彼の身体に寄りかかった。
彼の精液が私の膣の中を支配していくのを感じながら、同時にぬくもりも与えてくれていた。
私は犯された上でこんなことをされているというのに、なぜかこのときは優しく穏やかな気持ちだった。
「ん………」
最後に唇を口付けると、とろんと目を蕩けさせ、そのまま瞼を閉じた。
さすがに疲れてしまい眠りについたのだ。
【そろそろ締めましょうか? なんだか陵辱だったはずが和姦に……w】
「……こんな所に連れて来て、勝手ですまないが……俺を待っていてくれるだろうか?」
静かに優希の寝息を感じながら、彼女の身体を寝台に横たえる。
「俺は…今まで戦いにしか何も見出せなかった。
だが…お前が居てくれれば、俺は…此処に戻ってくる意味を見つける事が出来る気がする」
人間が此処にいる、という事に反発する妖魔も多いかもしれない。
だが、何らか理由をつけて、それを抑えるつもりだった。
靜ならば、それを何とかする手段を考えられるかもしれない。
明らかに、凶介の心中で、何かが変わりつつあった。
それは、紛れもなく、今、寝台の上で安らかな寝息を立てる少女のもたらした、一つの変革だった。
「俺は……安息を欲していたのか……」
壊れ物を扱うようにそっと布団を彼女の上にかけてやると、寝息を立てる優希の唇に己の唇を重ねる。
そして、自らもその横でぬくもりを感じながら目を閉じた。
【途中の展開のせいですねーw】
【思わぬところで、凶介のキャラが立ってしまったので、まあこれはこれでよしと。】
【後は、死ぬ方の本編で死に台詞を決めれば完璧です(ぉ】
【こちらはこれで〆ます。長い事お疲れ様でした!おやすみなさい〜ノシ】
- エピローグ -
数年後。私は彼の子どもを身篭っていた。
もう、人間の社会には戻れないけれど、彼がいてくれるだけでよかった。
彼といることが、何よりの幸せだったし、彼も私のことを必要としていてくれた。
きっと、人間も妖魔も仲良く生きていける。
かつて半妖の少女が口にした理想を、今、私は実感している。
「凶介さん……おかえりなさい」
そして、私が彼の帰ってくる場所―――。だから、彼が帰ってくるたびに笑顔で迎えてあげるのだ。
………BADEND?
【一応こんな形で締めさせていただきました。……ええと、ゴメンナサイ】
【どうも、お疲れ様でしたっ。こちらこそお付き合いいただいてありがとうございました!】
【それではおやすみなさーいノシ】
………
〔俺は……〕
(街の裏路地、人気が全く無いその場所に神父は居た)
(その姿は力無く疲れ果てているようにも見れる)
………
〔俺のやって来た事は間違いだったのか…〕
〔俺は…俺は……〕
(出口の無い暗黒の迷路に迷い込んだ如く苦悩を続ける…)
【待機です】
【落ちますね】
【小一時間程初待機〜】
【やりたいロルやシチュなどあったら、名無しキャラハン問わず言って下さいな〜】
【こんばんわー】
【真空orテッチャンor妖魔でお相手いたす〜〜w】
【今晩わ〜っす】
【いやぁ今徹っちゃんは凛ちゃんとイヤーンな時なんで〜(ニヤニヤ】
【んーじゃ、姐さんでお願いしまっす。流れはどうしましょん?】
【おk−】
【ボク的には本スレでもユズ舎弟計画(?)がありますので】
【イジワルな展開を勝手に進めてもいいですか?(ニヤリ】
【妖魔出現→ユズに出動要請→真空鉢合わせな感じでw】
【…ひどすー(´゜Д゜`)】
【了解〜っす。どちらが書き出しますれす?】
【んじゃ、書いちゃいますね】
【少々おまちをー】
【ごめんなさい少し遅れます_(._.)_】
(誰もが安らぐ日曜日に事件は起きた。
重藤柚紀に「天洸院」から連絡が入る)
「町外れの公園に妖魔発生。妖魔の種別はミノタウロスと判明。
今までのデータより強力な妖魔と分かっているので、重藤柚紀の任務は
ミノタウロスを民家に近づけないように郊外へ誘導する事。
くれぐれも他の斬鬼衆が来るまでは徹底抗戦は避けるように。」
(ミノタウロス・・・半牛半人の化け物である。その強靭な肉体と回復力により
多数の退魔士の攻撃でないと倒せない事は柚紀にも簡単に分かった。
しかし、現状すぐに現場急行できるものは己しかおらず、その命に従う事となった・・・。)
【おくれてごめんちゃいです><】
日差しが窓から差し込む。何故か青空が何時もより眩しく見える。今日が日曜日だからだろうか。
――――viva Sunday!
前半と後半が別の言語になってしまっているが気にしない。なんたって今や世界はグローバルなんだから。
寝ぼけた眼をこすり、ひとまず今日の予定を確かめる。生憎頭の中のスケジュール帳は真っ白だった。
――――さて、暇そうな奴でも誘って街に繰り出すか。それともこのまま惰眠を貪るべきか。
美味しい二択を両天秤にかけながら思案していると、いきなり傍らのケータイが鳴り響いた。天恍院からだ。
このまま切ってしまおうかと思ったがやめておいた。後で微笑む麗人から拳を食らって、地面にキスするような真似は避けたい。
――――やっぱりですよ。
案の定、電話の内容は俺の休日を粉みじんに破壊する物だった。
「SHIT!」
そう誰ともなく毒づきながら、急いで着替えをし、髪型を整える。その間、僅か五分。
――――着替えのオリンピックあったら俺優勝出来るかなぁ。
そんな場違いな事を考えながらチャリを飛ばして現場に急行。
とても、厄介そうな奴だった。俺一人では無理との事で、暫くは時間を稼げとのお達しだ。
「おハロー!お元気?」
願わくば、平穏な性格であってくれ――――そんな非現実的な願いを込めながら、俺はそいつに話しかけた。
【大丈夫っすよーこっちも遅くなりました】
【うい〜、ごめんごめん〜(;´д⊂)】
「ブルルル・・・。」
(大地が唸るような巨体。その腕は柚紀の胴体より太いだろうか・・・。)
「オメー、ザンキシュウがぁ?
そいつらだけコロスのが俺様の仕事だ。」
(大きな金槌を振り上げ、柚紀に問う)
(そんなやりとりを見つめる少女?が公園のベンチに1人・・・)
モグモグ・・・、高菜チャーシューウマー・・・。
なんだあれ?最近物騒だなぁ〜。
でもアレでしょ?どうせ誰かが俺TEEEE!!とか言って倒すんでしょ?
日曜日だってのにご苦労様だよね〜〜、モグモグ・・・。
(なんとなく視線を送りつつ、目が合えば手をフリフリ)
返答の前に、じっと落ち着いて相手の体を眺める。
――――パワー馬鹿みてぇ。
自然界に於いて、ある意味巨体はそいつの筋力を如実に示してくれる。
その筋骨隆々とした体から繰り出される一撃をまともに食らえば、ただじゃ済まなそうだ。
しかも俺か弱いんだよね。遠距離型だから仕方ねーんだけど。
何故か訛りの入った口調でそいつは尋ねてきた。俺が斬鬼かどうかだと。
幸い頭はあまり良くなさそうだ。上手く行けばこのまま戦わなくて済むんじゃ?
「斬鬼衆?はてさて、それなんかの宗教かい?」
軽々しく言葉を紡ぎながら、周りを見渡す――――一人の女性が目に入った。
手を振っている。こちらも笑って振り返す。
――――って違うっしょ!?
面倒だ。こいつに気づかれないように彼女を避難させないと――――
シラネェなら・・・どげっ。
霊樹様に・・・おこられる・・・。
(ブルブルと鼻を鳴らし応える。どうやらその名前に恐怖している様子で)
んっ?良い匂いだ・・・。
(ジロリと少女(?)を見つめ)
ウマソウだな・・・、一匹位ならバレネェよな・・・。
(鼻息を荒げ、その巨体に相応しいサイズのモノが隆起する)
コゾウはキエナ・・・。
(柚紀を一瞥すると、ゆっくりとその歩みを少女(?)へと向ける)
〔なんだか知らないけど、あの子にまかせよーっと♪〕
モグモグ・・・、さて、ウーロン飲もっと。
(ペットボトルの栓を開けようとするが、高菜チャーシューまんの油で
手が滑りなかなか開けられない様だ。
泣きそうな顔で柚紀を見る)
あかない!あかない!あかないよー!
(近づくミノタウロスはどうでも良い様子で)
――――下衆か。
あぁ、やっぱこうなんだよなぁ。軽く溜め息を付きながら、俺は足元にあった石を拾うと、そいつの頭に投げつける。
振り向いた相手に向けて、のんびりと正体をバラす。
「悪ぃ、俺嘘付いた。斬鬼衆が一人、重藤柚紀だ。よろしくな」
やれやれ、頭が悪い上に性欲は人一倍かよ。両手に矢を保持すると、顔から馴染みの愛想笑いを消す。
「あんたにゃ、もっと男としてのマナーが必要みたいだな。女の口説き方、教えようか?」
軽口はこれで終い、矢を放ちミノタウロスの両腕を吹き飛ばす。
「そこの姉さん、蓋は後で開けてやるから下がっててくんない?今特撮の撮影中だからさ」
適当な冗談を口にしながら、彼女をまずは場から遠ざけようとする。
「あぁ??テメェ、ザンキシュウか?」
(ゆっくりと振り返り睨む)
「ブルルル・・・、メスなんて口説くモンじゃネェ。唯のドウグだ、ヤッたら喰うだけだで」
(柚紀の矢は地面に落ち、傷口はみるみるうちに塞がる)
「オメェの武器、オレサマの皮も貫けネェのか?うげっうげっ、ブルルル・・・」
(下品な笑いと共に涎液を垂らす。実力は報告通りのようだ)
「オメー殺したら、あのメスヤッて喰う。オメーは持ってかねーと怒られるからなぁ」
えっ!特撮なの?!すごいねっ!
(目を輝かせた後にジト目に変わり)
なーんて、言うと思った?コイツ強いよ〜。
頑張ってねん♪
(言うだけ言うとウーロン茶と再び格闘開始)
くぉぉ〜〜!開け〜!開け〜!
(シャツの一部をキャップに包んで悪あがき開始)
嫌いなタイプだ、こいつ。俺が人間と認めるのは、自分の精神を確立させ、己を律する事の出来る奴だ。
本能の赴くままに、暴れ、殺し、犯す――――手加減する気は微塵も無い。
「馬は馬らしく、雌馬と交尾でもしててくんねー?」
下らない挑発なんかに乗る必要もない、俺が今すべき事は時間を稼ぐ事。
傍らの女性は大して動じた風もなく、こちらの事情を知っているかのような台詞まで放つ。
――――まぁ、この自信なら大丈夫かねぇ。
衣服の袖口から投げナイフを取り出すと、それを少女が手に持ったジュースの蓋目掛けて投げる――――。
ナイフは狙い違わず、綺麗に蓋だけを切り飛ばしベンチに突き刺さった。
「じゃ、姉さんこれでどうよ?出来れば俺、闘いに集中したいんだけど」
「ニンゲン風情は生意気な口を・・・」
(鼻息を更に荒げて怒りを顕わにする)
「オメーコロス!ゼッテーコロス!」
(足踏みをすると大地が揺れる)
おおっ!
(見事に開栓されると驚き)
すごいねー!なかなかやるねー!いよっ!大統領!
(ゴクゴクと飲み)
あ、ボクは気にしないでいいよん♪
がっつんがっつんやっちゃって〜♪
がんばれ〜〜!
(まるでプロレスを見てはしゃぐ子供の様に喜び)
【一応書いておきます】
【私も誤字脱字多いのですが、コイツ馬じゃなくて牛っすぅ〜】
【あと、真空外見は15歳位なのでよろです】
【たぶんユズ君は女の子なら誰でも姉さんなんだと解釈していますがw】
「勘弁してよ…」
気だるそうに眉をひそめながら、再度ダーツの矢を両手に四つ持つ。
――――なんでこんな健康的な日曜の朝に生死を賭けた殺し合いしなくちゃなんないんだ。
女の子は寧ろ俺達の死合いを楽しむかのように応援している。観客の気分なんだろうか。
羨ましいなぁ。よく見れば、まだ若い。俺より年下なんだろうか。幼さの残る顔立ちに、あどけない笑顔を浮かべている。
――――これ生き残ったらデートにでも誘ってみようかねぇ。
下らない妄想もそこそこに、じっと相手の挙動を伺う。渾身の一撃をかわした後に、延髄若しくは脳幹目掛けてストレートを放つつもりだ。
頭がぶっ壊れれば、暫くは治らないんじゃないか? 兎に角、早く応援に来てもらいたいもんだ。
【馬の方はわざとだったりします。なんとなく生物ランク的に牛>馬なんで冗談で】
【頭の中の文章まで馬になってるのは俺が馬鹿だからです(´・ω・)すんまそん】
【あ、それ気づいてませんでした〜Σ】
【慌てて修正】
「サァテ・・・メンドクセーから死ねよ、オメー」
(じりじりと詰め寄り大槌を振り上げる)
「死ネェェェ!!」
(大きな一撃は柚紀に当たる事なく振り下ろされ、
柚紀の反撃は始まるはず・・・だったが・・・)
「ヴモモモモーーーーッッ!!」
(外れた槌が地面に触れると立っている事が許されぬ
大きな地響きが起こり投擲する事は不可能である)
「ツギは外さねぇ・・・」
(体勢が立て直せていない柚紀に近づく)
うおっとと・・・。
(大きな揺れによろめき)
あ、そいつのハンマーねぇ〜、土霊に干渉するから〜。
魔法みたいなもんだよ〜〜ん♪
言い忘れてた、てへへっ。
〔っと、このままじゃスプラッターだねぇ〜キモイキモイ・・・〕
テレポっと!
(ベンチから柚紀の背後に現れ襟首を掴み)
もういっちょ〜〜!
(柚紀と共に数メートル離れた場所に移る)
いぁ〜、危ない、危ない♪
(笑顔で柚紀を見て)
いちおーこいつもヤバイ一族だからさ・・・。
ふかひれまんで手を打つけどー?バイト代。
(ミノタウロスを指差し)
アレやっとく?
(大きな瞳で少し首を傾げ柚紀に話しかける)
【りょかいです!】
【本当、私誤字多くてゴメンです^^;】
――――来るか。
そいつが大槌を振り上げる。だが間合いにはまだ遠い。距離の勘定も出来ない程馬鹿だったのか?
地面に叩きつけられる槌。揺れる地面。なんの事もない、ただの虚仮威しか―――――足が、動かない。
いや、まるで地に潜む何かに引きずられる様に地面に倒れ込んでしまった。
「…ただの武器じゃ、ねぇのかよ」
この体制じゃ、矢は撃てない。仕方ない、弓で射るか――――そう思った時だった。誰かに襟首を掴まれた。
――――紅羽先生か?
けれど、振り向いた先に居たのは先ほどベンチに腰掛けていた少女だった。
訳も分からないまま視界が歪み、気付けば奴から数m離れた位置にいた。この少女の力なんだか。いや、それより。
「――――空間転移?」
魔術の中でもそれは他と隔絶する程の技術力と集中力を要すると言う。実際、使い手なんざ今まで一人も見た事はない。
それを、この若さで。大したもんだな。
「―――OK、じゃあ俺がおごる。ただし、危ない真似はしないでくんなよ?」
交渉成立。よく分からないが、この少女なら相手の武器の影響を受けずに闘えるだろう。
念のため、矢は常に握っておくが。
【誤字とか俺気づいてないんで問題ないっすよ〜】
「なっ!邪魔するな!メスブタがっっ!」
(怒りは最高潮に達し大槌を振り回す)
「二匹まとめて・・・コロスっ!」
(闘牛場の牛の如く突進を始め)
うんうん、じゃあ交渉成立ね♪
ボクが仕留めるとイロイロそっちもこっちも問題あるから・・・
ボクがアイツの動きを止めるから、そのスキにキミが・・・
(ここでメスブタ発言)
は・・・?
こら・・・、てめぇ!今、何つったぁぁぁ!
(凄まじい霊気が少女(?)の手に収束する)
裂けろよ!
(収束した気を放つとミノタウロスに縦一文字の黒い亀裂が入り)
うおらっぁぁぁぁ!!!!!
(拳を握ると西瓜を割ったようにミノタウロスが真っ二つになる)
「ヴモモモ・・・!・・・・・・・・・・・!!」
(狂牛は自身に何が起きたか知る事なく、断末魔をあげる事も許されず
唯の肉塊になる事しか選択の余地は無かった)
ったく・・・、こんにゃろぅ・・・。
あ・・・・・・・・、あー・・・・・・・。
(苦笑いしつつ柚紀を見て)
殺っちゃった!てへっ♪
(悪びれる事なく舌を出して笑い)
あっと言う間だった。目の前の少女が気紛れに気分を変えた瞬間、あの闘牛の命が一瞬に消えた。
「…問題あるんじゃなかったんかい」
やや呆れ顔で少女にそう諭す。けれど内心では、この少女の正体に大しての様々な思惑があった。
――――努力や天分なんかじゃ説明出来ないな、あの力の程は。
黙って携帯を取り出すと、紅羽支部長の本に電話をかける。
「あ、せんせぇ〜。敵手だけど、なんか収集ついたから増援いらないわ。んじゃ」
――――ま。紅羽先生なら信じてくれるだろうが。周りは一体なんて言うんだろうな。
「んじゃ、約束だったな。近くのコンビニまでフカヒレまん買いに行きましょ?」
牛の死体は放置して矢をベルトに仕舞うと、笑いながら少女を連れ立って歩く。
取り敢えず、休日は無駄にせずに済みそうだ。
「そういや、あんたの名前は?」
にははは・・・・。
(ミノタウロス・・・だったモノを指差し笑い)
これ見た後にふかひれまんってボクも凄いよね。
(肩を竦めてクスクス笑う、全くもってアンバランス)
えとー、ボクの名前は響 真空っ!
フリーターで彼氏募集中!決して怪しい者では・・・あるね♪
(うひゃひゃと、呑気に笑い)
んで、キミは?もう少し肘が強かったら矢を投げられてた人〜♪
(真空を名乗った少女は客観的にそう思ったらしく)
【そろそろ〆に向かいませうw】
「でも、あんたそーゆーの気にしなさそうだし」
こちらも釣られてくすくすと笑う。全く、先程あの雄牛を真っ二つにした人とは思えない。
女心と秋の空とは言えど、この人にゃかなわないんじゃないか?
自分の事を僕と呼ぶその少女は、明確に自己紹介を行った。響真空、か。
「俺は重藤柚紀。白清高校二年生〜」
彼女を置いて一人コンビニの中に入ると、肉まんとフカヒレまんを買い外に出る。
「ほい。んで、さっきのあれ何なのよ?あんた、退魔士?」
もふもふと自分の為の肉まんを食しながら、真空ちゃんにフカヒレまんを渡す。
頼むから、敵として戦う事はありませんように。
【そうれすなー次で〆どうぞ〜】
ん、まぁね〜。
(あははと、笑いながら)
お、ありがと〜、早速たべよ〜。
モグモグ・・・、ふぅ〜ん、ユズね、了解。
(勝手にそう呼ぶ事にしたらしく)
高校かぁ〜、そこの学校は見た事ないなぁ・・・。
(モグモグ・・・)
ん?さっきの?んー、神業??
(頬にフカヒレをつけながらキョトンと見つめ)
んでー、さっきも言ったけど退魔士とかじゃないよん?
フリーターって言ったじゃん。
(モグモグ・・・)
ふぅ〜、ゴチっしたぁ〜。
「ユ、ユズって真空ちゃ…」
確かに俺の柚紀って名前には柚子の文字が入っちゃいるけど、安易過ぎやしないか。
「フリーター、ねぇ」
勿論それは数ある、人の呼び名の一つに過ぎない。別の言い方なら、この子はなんに属するんだろうか。
――――ま、いいか。
そっと彼女の頬に付いたフカヒレを指で拭うと、それを口に含む。
「不思議な子だねぇ、あんた」
例え何だろうと、この子は俺の命を救ってくれたし。後可愛いし。
無邪気に微笑むと、ふと腰の携帯に手を伸ばす。ケータイから流行りの着メロが流れる。メールらしい。
「ダチから遊びの誘いだってさ。んじゃ、まったね〜真空ちゃん」
陽気に手を振りながらその場を後にする。色々気になる事はあったが、んな事どうでもいい。
なんたって今日は休日なんだから。
――――日曜はまだ始まったばかりだ。
【ではこちらはこれで〆ますな〜】
【ども、お疲れ様れす〜ノシ】
うんっ!
あ、ついてた?
(少し照れたように笑う)
あぁ、いってらっしゃい!
気を付けてね〜〜!
(ユズを見送ると手を振り)
しかし・・・ひまだ・・・。
よし!追跡だ!テレポっ!
(ユズを追いかけテレポート、このあと彼は台風の被害に会うのだが・・・
それはまた別のお話し♪)
【こちらもこれで〆ます】
【お疲れ様でした、おやすみなさい〜ノシ】
【またよろです、ありがとうございましたっ♪】
【こんな時間だが待機】
【どなたでもどうぞ】
【落ちるノシ】
【小一時間ほど待機】
【落ちます】
【こんばんは。1時間ほど待機してみますね】
【こんばんわ】
【こんばんは〜、どうしましょう?】
【じゃあこっちでイベント起こしますんで】
【はい、わかりましたー。適当に絡んでいきますんでー】
【でははじめますね】
(日も落ち街の裏路地は全く人気が無くなる)
(そこに神父は居た)
………
(その姿は疲れ果てへたりこんでいるように見える)
…………
〔俺は…俺は……〕
(その姿にいつもの覇気は無い)
―――――放課後。
今日は妖魔の出現もなく、真っ直ぐ家に帰ることができた。
だが、その家路への途に、私は見知った顔を見つけた。
「……神父さん?」
一度だけこうして街角でであったことがある。
その特徴的な存在感は忘れようと思っても忘れることができるものではなかった。
しかし、今の彼はどこか腑抜けているようで、悄然としている。
「どうしたんですか。こんなところで―――…」
あ…アンタか……
(佐々木の姿に気付くが反応は鈍い)
なぁ…
アンタは退魔士やってるんだろ…
アンタは妖魔にトドメを刺すとき…
何を考えてるんだ…?
…………。
…何も考えませんよ。
(軽く吐息を一つ吐いて、瞼を閉じ言葉を紡ぎだす)
妖魔を殺すことが是とは思いません。
ですが、私が望むものを得るためにはそうせざるを得ない。
そこに躊躇いや戸惑いを差し込んでしまえば、こちらが殺されるだけです。
アンタの言う事は正しいかもしれない…
だが…
妖魔だって生きたいんじゃないのか…
人間と同じで、ただ生きたい奴だって…
(頭を抱え頭を掻き毟る)
俺は…俺のこの力が憎い……
この力さえ無かったら俺は普通の人間として生きていけたのに…
この力があるせいで…
畜生……
……分かってますよ。
だから、私は人間と妖魔がお互いの領域を侵さない様に…
―――私は戦っているんです。
そして、いつの日かお互いをお互いを認めて……共存できれば言うことはありません…が。
そうそう簡単なことではないでしょう。
(軽く息を吐くと、壁に背中を預けて腕を組み)
………。
普通の人間…ですか。
それって何なんです?
力がなければ普通の人間?
そもそも普通って何なんですか?
……退魔士であろうが、そうでなかろうが、みな自分の生きる道を探して生きているんです。
力があれば、何に使うのか。力がなければ、どうすればいいのか。それを考えながらね。
だが…
俺のモードは火…
破壊しかできない能力だ…
いくら癒しの術を覚えたところでそれ以上の破壊の力が俺を縛りつける…
何が元素神だ…
何が炎の神だ…
偉そうな名前をつけられたって俺は人一人、妖魔一人守れないじゃないか……
(その声には悲しみ、苦しみが混ざっていた…)
……貴方に何があったのかは聞きませんよ。
私が聞いたところで、貴方の問題は貴方にしか解決できないんですから。
ただ、言わせて貰うなら……。
火は温もりを与え、食物を美味にします。
そして、その灯りは暗闇を照らす―――…破滅を呼び起こすだけが火ではないと思いますよ。
もしこの世界から火というものが消えたなら、人々は寒さに震えることでしょう。
……誰かを守れない苦しみなら私も知っています。
でもね、それで悩んだり苦しんだりすることは誰だって出来るんです。
…大切なのはこれからどうやって生きていくか、そう思うんです。
…まあ、そう簡単に割り切れるものではないですけどね。
(軽くため息を吐き出して夜空を仰ぎ見て)
……っ!!!!
(次の瞬間、辺りは濃い妖気に包まれる)
『キキキ…落ちぶれタナ元素神……』
『今ノお前なラ我等の恰好の餌食…』
(辺りには無数の妖魔)
(既に二人は囲まれていた)
――――――来なさい、闇烏。
(黒紫色の風とともに、手には大剣が握られており)
神父さん、自分の道は自分でしか歩くことができませんよ。
悩むのも良いですけれど、誰も助けてはくれません。
……どの道を歩くのかは貴方次第なんですから。
そして、自分の道を切り開くのも自分だけ―――!!
啼けッ! 闇烏!!
(ダンッと跳躍すると、建物の壁と壁を蹴り飛ばしビルの屋上へと妖魔たちを誘い込む)
そうだよな…
(すっと立ち上がる)
(その感に妖魔の大群は二手に分かれ片方は神父に迫る)
よぉ!
佐々木さん!
アンタに大切な事思い出させてもらったぜ!!
(大声で佐々木に聞こえるように叫ぶ)
『キキキ…また貴様ハ妖魔ヲ刈るノカ?』
『俺達ハまだ充分ニ生きてはイナイゾ?』
その言葉…
お前らが今まで食ってきた人たちもいわなかったか?
(辺りの温度が上昇する)
言ったよなぁ…
だが貴様等は食った…
(神父の手が炎を纏う)
『キキキ…!?』
貴様等の罪…
許す訳にはいかない…
我が主、ヤハウェよ…
この行いを許したまえ…
吠えろ魂!!燃え上がれ勇気!!
零式火撃一撃必殺!!
火神獄炎拳!!!
(爆音と共に神父に迫っていた妖魔の半数が消し炭になる)
やれやれ……まったく世話のかかる人ですね。
(響いてくる声に苦笑をして)
さあ、怪我をしたくなければ帰りなさい。
私の命はそう安くはありませんよ―――…!
(大きく剣を半円状に薙ぎ払うと、鋭い氷の刃が妖魔たちの身体を切り裂き)
(それに怒ったかのように咆哮をあげ、次から次へと襲ってくる。
が、それすらもなんとか受け流して隙を見出し、反撃を繰り出していく)
『…確かに数は多いけれど、クーさんの攻撃に比べたら段違いに遅い!』
(冷静に対処していきながら、少しずつその数を確実に減らしていく)
ウオォォォォォォォォッ!!!
貴様等の罪!死んで償え!!
(完全に吹っ切れた模様)
(そして辺りは爆音と赤い光が飛び交う)
これでトドメだぁっ!!!
(最後の一匹の頭を鷲塚みしその体を爆発させる)
あらかた片付いたな…
(辺りはまさに屍々累々…)
佐々木さんは…
(飛び上がり佐々木が戦っている場所へ急ぐ)
――――――斬、斬、斬。
(一体、一体、確実に減らしていくと敵わないと見たのか、
残りの妖魔たちはくもの巣を散らしたように撤退していった)
(その後は追わず、額から流れる汗を腕で拭いながら、それを見送り)
……ふぅ…こんなところでしょうか。
ともあれ、他の人たちに被害が出なくてよかった……。
ああ、神父さん、無事でしたか?
(飛び上がってきた炎月を見て笑みを溢し)
おっ!
こっちも片付いたみたいだな
(佐々木の姿を見て一安心)
それにしても…
今日はすまなかったな…
(佐々木に頭を下げる)
別にいいですよ。
ただ―――…気をつけてください。
あなたほどの力を持つヒトが道を一歩間違えれば、何もかもを壊してしまうことを。
……もし、そんな時が来るのであれば、その時は私が貴方を殺します。
(さも、当然かと言わんばかりに剣の切っ先を炎月の喉元へと突きつけて)
(そして不敵に笑う)
ふふっ……なんて冗談ですよ。
今の貴方は迷いが吹っ切れたみたいですしね?
道を踏み外した時はバケツの水をかぶって自害するさ
(剣を突き付ける佐々木の剣を笑いながら下ろす)
あぁ…
アンタのおかげだ…
ありがとう…
【〆お願いしても良いですか?】
(剣は風と共に消えて―――)
礼を言われることはしてないですよ。
でも、それが貴方のためになるのであれば、よかったです。
(ふっと笑みを浮かべて顎を引き真っ直ぐ炎月の瞳を覗きこむ)
これから貴方の行く道に光がありますように―――。
(それだけ言葉を紡ぐと踵を返し、軽く手をヒラヒラ振りながら闇に姿を消していった)
【こんな感じの締めでよろしいでしょうか?】
【はい】
【今夜はありがとうございました】
【ではまた ノシ】
【お疲れ様でした、おやすみなさいノシ】
【待機する】
【リミットは23時頃まで】
【一旦避難所へノシ】
都立白清高校地下50メートル。
そこに広がる広大な空間。
妖魔封滅機関・天洸院白清支部の所有する訓練所である。
直通のエレベーターが開く。
ロッカールームで、置いてあった黒いジャージに着替え、格技場へいく。
半分は床、半分は畳。どちらもかなり広かった。
無人の空間で、柔軟体操。
「最近どうなんだ、お前」
短く問いかける。
――――相変わらず、大した設備だねぇ。一体うちの学校の生徒の何割が此処の存在を知ってんだろ。
一人頭の中で下らない自問自答をしながら、柚紀は義虎に倣い柔軟体操を始める。
――――今日は二人だけ、か。
「最近…ねぇ。なんとか死なずにいられてるよ。幾つか気になる事はあったけど。義虎は?」
「俺か?俺はな・・・」
彼は、最近保護観察下に置いた半妖・幸原尚について話した。
凡その容姿の特徴を伝える。男装をしていることも付け加える。
水ヶ瀬学園の一年であること。男嫌いであること。
「どうにも、妖魔の血が覚醒したみたいだ」
先日の件も、大雑把に伝える。
「法月蒼一郎から、それを制御する指輪を貰ったというメールがあった」
柔軟終了。
軽くシャドーボクシングを始める。
人間の動体視力では捉えられない、閃光のジャブを繰り出す。
「――――半妖か」
噂には聞いた事はあるが、実際目の前にした事はない。人間と妖魔、その狭間に位置する者。
両方の血を受け継ぐ故に、どちらからも蔑まれ、仲間に入れず危険な存在になる事もある、と教えられた物だが。
だがそれよりも柚紀には気になる事があった。
「珍しいじゃん、あんたがそこまで赤の他人の面倒見るなんて〜」
どこか面白そうに赤茶髪の少年は笑いながら、足元に置いたミネラルウォーターのペットボトルを取り上げた。
それを掌にこぼし、気を通わせる――――出来上がったのは鋼鉄に匹敵する程の硬さを備えた球状の弾丸。
振りかぶり、投げる。弾丸は綺麗な直線を描き、離れた的の中心部を撃ち抜いた。
「部長にも言われたな、なんか笑ってたぞ。薫も零も・・・」
何時もより、さらに憮然とした顔をする。
そんなにおかしいだろうか。確かに自分でもおかしいとは思うが。
これも、一年以上彼らと仕事をした影響だろうか。
ジャブ。ジャブ。左フック。
大砲のような右ストレートが空を抉る。
「ああ、そういや他にもあったな・・・」
彼は先日再会した、水無月涼子についても説明した。
フリーの退魔士であり、神社で巫女をやっていること。
「容姿は、零や八雲に少し似てるな。髪が長くてよ」
ちなみに、彼が髪の長い女を好むことは、同学年の斬鬼衆の者なら、
皆知っている。知られている事を知らないのは本人だけだ。
「相変わらず鈍ちんだねぇ」
――――そりゃそうだ。こいつがそこまで手を焼くのは、決まって気に入った相手のみ。まぁ本人に言ったら速攻で否定されんだろうけど。
更に小型の弾丸を無数に作り、握りしめながら後方に引き絞る。
「いいねぇ〜、あんた。女の子が知り合いにいっぱいじゃないか」
何故だかこの金髪の少年は、無愛想な割に女の子によく触れ合う。
――――全く、羨ましい限りで。
引き絞った己が拳を、体の柔軟な筋肉を生かして前方に放つ。
同時に放たれたパチンコ玉程のサイズの弾丸が縦五列に並び再度的に穴を開けた。
「あぁ、髪が長い女の子なら俺も会ったぜ。美人だったなぁ〜…妖魔だけど」
――――俺ついてないのかなぁ。
そんな下らない事を考えながらも、柚紀は弓を射る瞬間だけは、張り詰めた弦のような表情を見せている。
「義虎、空間転移の魔術に関してなんか知らねぇ?」
「なんの話だそれは」
舞うようなステップワーク。閃光のコンビネーション。
蝶の様に舞い、蜂の様に刺す。
ボクシングを的確に表現した言葉であるが、義虎のは動きは
まさにそれを体現していた。
「最近は、そうかも知れんな」
シャドーボクシングは止めず、何となく最近のことを冷静に思い返してみる。
「相変わらず、見事な腕だ」
冷静に、仕事仲間の射的の腕を評価する。
普段はともかく、この青年は仕事で組む上では非常に頼りになる。
そういう面に関しては、賛辞を惜しまないのも、御影義虎という男であった。
「空間転移だと?俺の守備範囲外だな。魔術でも可能ではあるが、距離が限定されるし」
とある妖術師の少女から聞いたことを、そのまま反芻する。
「もし自在にそれが出来るなら、交通革命が起きるな」
「ま、俺は戦場じゃ『弓』そのものだから。的に狙いを定めて射抜く事で、俺は在るんだよ」
柚紀の脳裏に、幼き頃の父親の台詞がフラッシュバックする。
――――ま、今となっちゃどうでもいい。
「義虎も、拳の鋭さは相変わらずだねぇ。体術だけなら、もうせんせぇに勝てるんじゃない?」
世辞などではない、確かな推測を元に柚紀は傍らの戦士に問いかけた。
――――最近、義虎はまた強くなった気がする。何があったんでしょ。ま、仲間が強くなってくれんのは結構な事だ。
「一切の限定なく、それを無制限に使用出来る………しかも、妖魔でなく」
―――― 一つ、思い当たる節があった。
「――――天恍院は、元素神の事どこまで知ってたっけ?」
「いや、最近また挑んだんだが――」
珍しく口ごもるが、
「まあ、いずれ追い越すけどな」
エンジンがかかって来たので、シャドーボクシング終了。
呼吸法で気息を整え、丹田で練られた内気を解放。全身に行き渡らせる。
気が掌に集約。螺旋を描き竜巻となる。
常人にも感知できるほどの、眩いばかりの高濃度の気。
隣の弓兵にも、それは簡単に理解できるだろう。
直撃すれば、大抵の妖魔なら簡単に消し飛ぶだろう。
「火の神なら教会にいるな。割とこの街の近くだ」
淡々と答え、
「空の神も、最近この街で目撃されたな。他の三神については調査中のはずだが」
知っていることだけ答え、
「で、何かあったんだな」
それは問いではなく確認の作業。
「…そんなもんかねぇ」
――――やっぱ底が知れねーな、あの人。
初対面で口説こうとし、一本背追いで投げ飛ばされて以来、彼女の怖さは身に染みている。思い出す度、背筋が痛くなりそうだ。
義虎の言葉に、頭の中のデータベースを立ち上げる。彼の口から紡ぎ出されるのは、やはり前もって聞いた情報と同じだ。
ただ唯一、その空の神に関する事のみ、赤茶髪の少年の頭に別のデータがあった。
――――神業、つったっけかあの子。だとすれば、辻褄は合う。
「ま、ちょっとな」
義虎の体を流れる膨大な気の量に目を細めながら、軽く答える。
この事に関しては聞かれれば話すが、自分から言う必要はないと思った。
「どうでもいいが、危なくなったら俺も一枚噛ませろ」
薫や零もな、と付け加えて、
「フッ!」
一足跳びに壁の端まで間合いを詰める。
設置されていた分厚く巨大なマットに、螺旋の双掌打を叩き込む。
派手な音はしなかった。その代わり、ドリルで抉った様に深々と穴が空いた。
「まあまあ、か」
自分の成した破壊の成果に、それだけ呟く。
マットはまた買ってもらおう。
「俺はそろそろあがる。お前はどうする?」
端に置いてあったタオルで、軽く汗を拭く。
【悪い、次で〆ようと思うんだが】
「分かってるって。頼りにしてんぜ、皆」
――――いい変化だ。前の義虎なら、考えられなかった言葉。
何故か嬉しくなった柚紀は、何時も通りの人なつこい笑みを浮かべながら、義虎に二本指を立て、手を振った。
「俺はもうちょいやってくわ。先、上がっててくれ」
袖を一振り。左右計六本の投げナイフを掴み、的に撃つ。それは綺麗な六角形を描き―――いや、左上の矢が僅かにずれていた。
「―――見事、だな♪」
振り返り、穴の開いたマットを眺める。少し思案して一言。
「あれ、もういらないよな?」
【了解、先に〆てくれ〜】
【お疲れ様だな】
何が嬉しいのだろうか。
確かに、ここに来た当初の自分なら、決して言わない台詞ではあるが。
だが、この世界に変わらないものなどありはしない。
その事を、彼は理屈ではなく感覚で理解している。
斬鬼衆として過ごした時間が、何かをもたらしていることを、彼は理解していた。
ただ、それを考えると思わず鳥肌が立つので、あまり考えないが。
「好きにしな、あとで部長に新しいの新調してもらう」
問われたことに答え、その場を後にする。
次の放課後である。
「零からSOSだ。大量に妖魔が湧き出してきたらしい」
素早く捲くし立てて、
「急いで支度しろ、俺の単車でいくぞ!」
かくして、二人は再び戦場へ。
共に過ごした時間の中で培われた見事な連携は、数多の妖魔を駆逐した。
【じゃあ、前と同じだがこんな感じで】
【お疲れノシ】
【了解、んじゃさらばノシ】
【待機します、徹哉or七妖会です】
【こんばんは〜ノシ お相手よろしいでしょうか〜?】
【こんばんわー、よろしくですー!】
【今夜のメニューは・・・】
【真空・徹哉・七妖会・闇烏関連です】
【それでは七妖会で行ってみてもいいでしょうか?
なんとなく興味があるので…】
【了解致しましたー】
【それでは行きます〜】
〔ここは・・・、どこだろう・・・、僕は・・・〕
(青年、20代始め位だろうか?夕焼けの川原一人に佇む。)
こんな所には居なかった気がするんだけどな・・・。
(小石を一つ手に取り)
〔教えてくれない?ここは何処かな?〕
(・・・・・・・・・・・・・・。)
そう、ここは水ヶ瀬川って言うんだね、ありがとう・・・。
(小石と会話する青年、その様子に気付くものは居ない。
唯一人、偶然帰り道に通りがかった「佐々木 優希」を除いては)
【こんな感じでスタートでぃす!よろしく〜♪】
(学校からの帰り道、橋の架かる川沿いを歩いていると
土手でぼうっとしている青年を見かけて、不意に視線に止まる)
……あのヒト、一体…?
(周りから見ればただ佇んで居るようにしか見えないが、
その口の動きからそれだけではないと判断して、静かに彼に寄る)
こんばんは……。あなた、一体ココで何をしているんですか?
……微かな魔力の揺らぎを感じました。なんでもない、とは言わせませんよ?
(少しだけ警戒しながら、そう問いかけて)
【こちらこそよろしくですーっ】
(不意に話しかけられるも、そのまま話しはじめ)
こんばんわ。僕も自分の身に何が起きたか分からなくて・・・。
今、この小石に場所を尋ねていた所なんだ。
僕も君から微かな魔力を感じる・・・。
優しくて・・・心地よい魔力だね・・・。
(ゆっくりと振りかえると優希を見つめる。
その顔立ちは優希の良く知る人物にとても似ていた。
そして優希の頭の中に一人の人物の名が浮かぶ「響 真空」)
僕の名前は響 聖樹、よろしくね。
(その話し方も少し似ていて)
(こちらに危害を加えるつもりはない雰囲気に少しだけ警戒を解き)
……自分でも分からないんですか?
魔術の暴発とか……それとも妖魔の仕業なんでしょうか?
(多少訝しげに聖樹の背中を見て)
……え……あ、そ、そうですか?
(なんだか調子が狂うなぁと内心で呟きながら)
……え、貴方は……(真空?と思わず口に出しそうになりながら)
…ひ、響さん……? あの……
(思わずしどろもどろになりながら、我に帰り)
あっ、わ、私は佐々木 優希と言います・・・はい、こちらこそ。
…でも、本当に何も分からないんですか?
(しどろもどろになる優希を見ても何と言う事無く)
あはっ、何でだろうね?
全然と言う事は無いんだけど・・・。
(腕を組んで考え・・・)
あっ・・・、そうだ。
誰だか忘れたけど、この町に妹と友人がいる事を聞いたんだ。
だけど、どうして来たのか覚えていない・・・、困ったものだね。
(優希を見てクスッと笑い)
えっと・・・、佐々木 優希さんね・・・。
君は、退魔士とか・・・、何処かに所属してる人かな?
もし、よければ人探しに協力してもらえないかな?
知ってる事教えてくれるだけで構わないんだけど・・・。
(あぐらをかいて優希と向き合って)
それと・・・、お腹空いたなぁ・・・。
「コンビニ」ってこの近くにあるかな?
以前食べた「あんまん」って言うのが食べたくなってきたな・・・。
はぁ……妹さんとお友達が……。
(不思議なヒトだなぁと首を傾げながら)
一応退魔士の真似事ならしていますが…
それほど人脈が富んでいるわけじゃないんですけど。
(困ったように曖昧な笑みを浮かべながら、小さく頷いて)
でも、私で宜しければご協力しますよ。
その妹さんとお友達について、もう少し詳しく教えてくれませんか?
…・・・ええ、一応少し歩けばあると思いますけど。
「あんまん」……ですか?
(不思議な言い方をするヒト…と思いつつ)
それぐらいならおごらさせて頂きますけど?
退魔士の真似事・・・?
まぁ・・・、力があってもしない奴もいるけどね・・・。
(額に手を当て何かを思い出し)
えっと・・・、協力して貰えるなら嬉しいな。
妹と友人だけど・・・。
妹の名前は「響 真空」わりと似てるって言われるかな?
五月蝿くて落ち着きの無い奴だ・・・。
友人は「炎月」、わりと体格の良い男で酒と女が好きで
野蛮で粗暴で非常に頭にくる奴だね。
(友人と言うのだろうか・・・)
いやぁ、手伝ってもらうのに奢ってもらうのは・・・。
寧ろ僕が奢らせてもらうね。
(にこっと微笑む笑顔は真空に良く似ていて)
真空と…神父さん……
(どちらもよく知っている名前に思わず呟いて)
ええと、同じ「炎月」さんかどうかは分かりませんけど
その名を名乗る神父さんが隣街のはずれにある教会にいらっしゃいますよ?
(イメージとはあまりに違う「炎月」に、戸惑いながら教えて)
で、「真空」さん…は、私も知っています。
ええと、今は久保さんという方の家に居候していらっしゃるようですけど……。
………ぁ…。
(真空とよく似た笑顔に、しばし我を忘れて)
…あ、ああ…それじゃあ遠慮なく、ご馳走になりましょうか?
【すみません、少し落ちてきますノシ】
きょ、教会ぃぃぃ!!
(唖然として)
そんな・・・、あの「炎月」が・・・。
でも、あんな名前そうそういないだろうしなぁ・・・。
で、「真空」の知り合いなんだ?
それなら話しは早そうだね。しかし、あいつが誰かの家にね・・・。
さしあたり腹が減っては・・・だね。
早速「コンビニ」に行こうか。
【了解デス!】
はぁ……一応ふたりと面識はあるんですが…。
(よく話が見えないので、茫然とつぶやいて)
詳しい事情はよく知りませんが、居候しているみたいですよ?
響さん…、聖樹さんは真空さんに何のようがあるんですか?
それに炎月さんとも……?
え、あ、ああ…はい、分かりました…
(つかみどころのない聖樹の性格に戸惑いながら、近くのコンビニへと立ち寄る)
【ただ今戻りましたー】
特にこれって用事はないけど・・・、あるかも知れないが・・・。
とにかく僕は二人を探していた事は覚えているんだ。
だから会いに行く。それだけかな?
(至って普通な事のようにコンビニへ向かう道で話し)
あった!これだ・・・。
(早速カウンターへ向かい)
すみません、「あんまん」二つ。あ、つぶあんでよろしく。
(さっさと買うと一つ優希に渡し)
ほい。熱いうちに食べようよ。
(皮を剥くとかぶりつく、ほっぺたについてしまうのは兄弟そっくりで)
あつつ・・・、あっちぃ!
(かなり猫舌らしく、熱いうちにと言うわりにはやたらと「フーフー」している)
食べたら・・・、真空に会いに行こうかな・・・。
もう・・・、かなり会ってない気がするなぁ・・・。
(ぼんやり空を見て呟き)
あいつ五月蝿くて・・・、急に出たり消えたり。
優希さんにも迷惑かけてるんじゃない?
(苦笑いして優希を見て)
本当は寂しがり屋なだけなんだけどね。
一人でいるのは辛い、まして僕達は人間と共に生きる事は出来ない。
あいつはね、生まれてからずっと友達がいない様なものだから・・・。
元素神としての宿命、真空には重すぎるのかも知れない。
(すこし俯いて)
あ、はい…ありがとうございます…
(あつあつのあんまんを手渡してもらうと、
かぷかぷと小さく齧りながら、ふと隣の聖樹の様子を見て噴出す)
ふふっ、大丈夫ですか?
まったくもう、そんなにがっつくからですよ?
(苦笑を浮かべながら、聖樹の顔を覗き込んで)
いえ、別にそんなことはないんですけど…。
むしろ、友達ができて嬉しいぐらいですよ?
(にこにこと笑って、「迷惑をかけている」という部分を否定して)
……寂しがり屋…?
(そうには見えませんけど、と言いかけて、次の言葉ではたと言い止る)
………とこしえの時を生きる者としての宿命…ですか。
たしかに……そうなのかもしれませんね。だからこそ、今彼女は色んなものと繋がろうとしてるのかもしれません。
…わたしが言うのも変ですけど、彼女と人間は……これからも先、共に生きることはできないんでしょうか?
だとしたら……悲しすぎますよ、それって。
(陰鬱そうに俯いて、ため息を漏らし)
【すみません、そろそろ眠気が出てきたので…一時凍結で構いませんか?】
【…・・・ゴメンナサイorz】
あぁ、気をつける・・・。
(更に「フーフー」開始)
そっか、君みたいな子が友達なら真空も幸せだなぁ。
(にこっと笑い)
でも、僕達は永遠の時を生きていかなければいけない・・・。
宿命だから・・・ね。
これからも・・・ずっとだよ・・・。
【わかりましたー!また今度ですね♪】
【これにて凍結致します】
【待機・・・というか。】
ある日、現在自分の保護観察下にある半妖の少女・幸原尚からメールがあった。
事情を確認すべく、「法月退魔士事務所」を訪れ、所長と対面した。
法月蒼一郎の説明を受けて、彼は内心嘆息した。
面倒なことになった、と彼は思った。
だが、一歩前進しただけマシか、とも思った。
幸原尚にメールを送る。
『今週の日曜、以前で出会った公園で話し合おう。花見の弁当も忘れずに』
かくして彼は、黒を基調とした私服で公園まで赴いた。
ベンチで彼女を待つ。
御影からメールが来た。
たぶん妖魔化の話だろう。
『了解!ちゃんと作りますよ〜。』
返信ポチッ。
日曜日。
晴れたなぁ〜・・・。
真っ青な空。
桜の色に良く映えそうだ。
明るめな色の私服を着る。
朝早くから起き、2人分のお弁当を作り、バスケットに入れる。
後ろで母さんが意味深な視線を送ってくるが、気にしない。・・・もとい、気にしたくない。
あの時話したベンチに御影は座っていた。
周りは花見客でいっぱいだ。
おはよ〜、御影。
自分もベンチに座った。
風が心地よかった。花見客の賑わいが聞こえる。
時折、視界の端に、ひらりと舞い散る花びらが映る。
『おはよ〜、御影』
暢気な挨拶に、軽く片手を挙げて応える。
彼女の髪は、以前会った時より伸びていた。
これも妖魔化の影響なのだろうか。
どうせ伸びるなら、腰元まで伸びてくれれば、と彼は思う。
そうすれば好みのタイプに近づくのに、などと、どうでもいいことを考える。
「早速だが、本題に入ろう」
場合にもよるが、基本的に彼は社交辞令とは無縁の男なのである。
彼はまず、「法月退魔士事務所」に自分も行ったことを言い、大体の事情は
所長から訊いたと告げる。
「結果的にはよかったが、危ない賭けだったな」
何処となく不満そうに彼は言った。
とは言え、長い付き合いのある者でないとわからない程度だが。
そうでない者には、いつも通りに聞こえるだろう。
「で、その指輪とやらは、どんなのだ?」
見せるように催促する。
花びらが目の前を通り過ぎる。
捕まえてみるが、花びらは逃げてしまう。
・・・むきになってはいけない。
ん、まぁ・・・終わり良ければ全て良しって言うでしょ?
御影の言い方に軽く違和感を感じた気がした。
まぁ、気にしないでおこう。
指輪は・・・コレ。
自分の右手を見せる。
薬指にその指輪ははまっていた。
綺麗だよねぇ・・・。
少しの間見つめる。
これね、一度はめたら外せないみたいなんだ。
どんなに引っ張っても取れないの。
右手の薬指に嵌められた指輪を見つめる。
封魔の指輪。法月蒼一郎の説明によると、人間の世界では作ることのできない代物らしい。
そんな神話級の聖具を所持しているあたり、流石に天洸院の歴史に名を刻む退魔士である。
その指輪は、強力な力を感じさせるわけではない。戒めの力を持った聖具は大体そんなものである。
彼は「外そうとしなくていい」と言ってから、
「まあいい。一ヶ月は様子を見るとしよう」
法月に言われた事に従い、無難な判断を下す。
だが、その後の発言が彼の彼たる由縁である。
「もし、その柳香とやらがまた暴れたら、お前ごと殺すがな」
何の気負いもなく物騒なことを言う。
彼女を保護観察下に置いたのは、そのためである。
少なくとも、彼はそのためにその処置を施したのだ。
「桜・・・・綺麗だな」
自分が言ったことなど忘れたように、虚空を見上げる。
それも、彼が彼たる由縁である。
様子見ね・・・りょーかいしました。
その次の発言に思わず笑ってしまう。
はいはい・・・ま、その前に自分で自殺するかもしれないけど。
駄目だったらお願いしま〜す。
おどけて言いながら頭を下げる。
うん、すっごく綺麗。
自分も同じように空を見上げる。
青と薄桃色の絵画のような。
桜の花びらが空を舞っている。
ん〜〜・・・。
目を閉じて深呼吸をした。
こんなことをするのは久しぶりかもしれない。
自然に顔が笑顔になるのが分かる。
何やら彼女が笑っている。
さっきの発言に、笑いどころはなかったはずだが。
何となく、斬鬼衆の仕事仲間たちとの会話を思い出す。
彼らも、時折自分の発言に対し、こんな風に笑うのだ。
「・・・・そうだ。お前もいずれ会うだろうから言っておくが・・・」
彼は、自分の所属している斬鬼衆・白清支部の面々について説明する
支部長・樹紅羽。霊剣士・日ノ本薫。
妖術師・大音慈零。弓兵・重藤柚紀。二刀流・八雲甘音。
仲間たちの説明をする彼は、少しだけ誇らしげであった。
無論、本人に問えば否定するだろうが。
「弁当、作ってきたか?」
一頻り喋った後、彼は弁当を要求した。
仲間か・・・。
みんな強いんだろうね。
いいな、と思う。
仲間、戦友と呼べる人達がいて。
悔しいなぁ・・・。
つぶやいた。
作ってきたよ、コレ。
バスケットを軽く叩き、開ける。
苦手なものとかあったらごめんね。
バスケットの中のタッパーにはおにぎりやから揚げ、浅漬けなどが入っている。
おかずは爪楊枝使って食べてね。
爪楊枝の入れ物を差し出す。
【少し落ちます。】
【すぐ帰ってきますが。】
「ああ、強いな。背中を任せても大丈夫だとは思う程度にはな」
彼はから揚げを突き刺して答える。
無論、最初から簡単に信頼関係が築けたわけではないが。
「特に支部長は、俺より強いぜ。この間も挑んだが、歯が立たなかった」
その言葉には、ただ強者への純粋な憧憬がある。
「いずれ追い越すけどな」と付け加えるのも忘れないが。
ハムッっと口に含んできっちりと咀嚼する。
「漬物以外は嫌いじゃないが」
続いておにぎりに手が伸びる。
【了解、というか、この余白の多さは何だ(汗)】
【帰りました。】
【なにか押しちゃってるんじゃないですか?】
おにぎりを一口食べる。
御影がそういうぐらいなんだからそうとう強いんだろーね。
もう一口。
・・・ちょっと塩が足りないか。
えっと・・・紅羽さん?だよね?
かるーくいなされちゃったってわけ?
思わず笑ってしまう。
御影が地面に倒れている様子が少しだけ想像できてしまった。
女の人でもか。
あたしもそれぐらい・・・それ以上強くなりたいな。
護りたいものは多くなるだろうし。
それぐらいつよくなれば、柳香にも負けないかもしれない。
じゃ、浅漬けだめなんだ。
覚えておこ・・・。
そう言いつつ浅漬けを口に入れる。
「はっきり言って、超人だな。神経の伝達速度が、人間の限界を突破しているとしか思えん」
以前の手合わせを脳内で再現。
あらゆる攻撃が技術と速度で捌かれ、こちらは向こうの攻撃を殆ど防げなかった。
何やら失礼なことを考えているのだろうか。幸原が笑っている。
「強い奴は性別の差など超越して強い」
彼はやはり淡々と呟く。
「・・・訊くのを訊くのを忘れていたが、お前が男嫌いなのと、
妖魔の人格には、何らかの因果関係があるのか?」
一息ついてから、抑揚も無く彼は訊ねる。
柳香なる妖魔が、男を憎悪している理由に関しては、法月がそれとなく説明してくれた。
曰く、男に騙されたのだと。
「それとも、それとこれは別問題なのか?」
忘れていればよかったのに。と少し思った。
・・・・分からない。
自分のことだけど。
あたしは、この町に来る前のことがトラウマになってるんだけど。
柳香は・・・あたしの人格なんだけど、分からない。
なんか、あたしと柳香は別々な気がする・・・なんとなく。
たぶん、あたしの男嫌いに影響与えてるのは確かだと思う。
でも・・・あれ、自分で何言ってるか分からなくなってきた。
混乱している。
自分の思考回路が。
あれ〜?
ごめん、説明できないや。
「いや、十分だ」
とだけ彼は言った。
「お前自身の理由については、訊くべきではないだろう」
彼はそれ以上詮索しようとはしなかった。
ゆっくりとおにぎりを咀嚼して、嚥下する。
幼い頃「よく噛んで食べなさい」と言われたのを忠実に守っているような。
「自分で改善する気があるなら、いずれは克服できるだろう」
気を取り直したように、彼は言う。
それは安易な慰めではなく、問題を克服しようとしている彼女に対する
彼なりの敬意の表れである。
暫く食事に専念する。
食べ終わる頃に、彼はこう言った。
「お前、俺と一緒に仕事する気はないか?」
黙々と食べ進む。
やっぱり、優しい所もあるんだと思った。
下手に詮索しない。
気休めの慰めはいらないから。
克服するよ、絶対。
そのためには、お手伝いよろしくね。
にっと笑う。
仕事・・・・?
退魔の?
あたしじゃ足手まといになるかもよ?
まだ弱いから。
それに・・・あたしの夢は人間と妖魔の共存だから、そっちの仕事と合わないかも。
それなのに?
「斬鬼衆は、鬼切りの刃、万民を守る盾」
彼は、不思議そうな半妖の少女の瞳を真っ直ぐ見つめる。
「だが、俺は俺の理由で戦っている。この世界がどうなろうと、正直興味は無い」
彼は穏やかな無関心さで、決して人の心に触れようとしない。
同時に、その場凌ぎの嘘や誤魔化しをしようともしない青年である。
「斬鬼衆の中にも、理由がなければ、無闇に妖魔を殺そうとはしない者もいる」
例えば、あの弓持たぬ弓兵の青年がそうである。
「強さが足りないなら俺たちと組んだ方がいい。確実に強くなれる」
それは、彼自身が実際に感じた事。
「お前が本当にそれを望むなら、まずは強くなって、夜の世界のことを知ることだ。
そして、自分が本当にそれを望んでいるのか、叶えるためにはどうすればいいか
実際に死線を潜り抜けて考えるといい」
そして彼は口を閉ざし、視線を背ける。
「お前が、妖魔の部分を完全に克服できた時でいい。考えておいてくれ」
・・・・・・・・・・・・・・・。
視線を背けられた。
なんとなく、腹が立つ。
ねぇ、御影。
呼びかけて、視線を自分に向けさせる。
お試し期間くれない?
とりあえず、御影の仲間にも会って仕事もして・・・。
その後、本当に入るか決めるっていうの。
柳香は・・・大丈夫だから。
・・・・・・・駄目、かな?
軽く、首を傾げる。
何事も、経験しなきゃ分からないからさ。
彼は、束の間無言で思案した。
「そうだな・・・部長に話は通しておく――ご馳走様。美味かったぞ」
そう言って立ち上がった。
何事も経験だろう。
血で血を洗う経験だが。
「さてと、ドライブでもしながら帰るとしよう。メットは二つあるから心配するな
つまり、また後ろに乗れと言っているわけである。
【自分で提案しておいて大変なことになってるな(汗)】
【俺は次で〆るな】
【いいんじゃないでしょうか?w】
【こっちはこれで〆ますね。】
【・・・見返してみるとすごい文がめちゃくちゃだな・・。orz】
うに、よろしく!
そりゃ良かった、お粗末さまでした。
後片付けをして、立ち上がる。
・・・なんかもう、毎回だね。
別にいいけど。結構気持ちいいし。(ドライブするのが)
ヘルメットを受け取ろうとして気が付いた。
あ、御影、頭に花びらついてるよ。
背伸びをして、花びらを取る。
いつの間にかついてたねぇ〜。
ふっと息を吹いて花びらを飛ばした。
単車に乗り、御影にぎゅっとつかまる。
あ、そだ。
思い出した様に言った。
また来年、2人で花見来ようね!
花びらが舞い。
少女が背伸びしてそれを取る。
何処かで見たような情景。
――お兄ちゃん――
それは、まだ彼の世界が壊れる前の事。
少女が背中から抱きつく。
『また来年、2人で花見来ようね!』
彼は、それに答えなかった。
確かな約束などあり得ないことを、彼は知っていたから。
排気音で全てを置き去りにして走り出す。
【お疲れノシ】
【またいすずれ】
【お疲れサマでした!ノシ】
>>483の続き
(二人きりで、色々な話をし、瞬く間に時間は過ぎていった。)
さて……と。これで終わり。
ど、どうだったかしら?
(和食を中心にした食事を夕食として振る舞い、最後にプリンをデザートとして徹哉と自分の前に置くと、
小さく吐息をついて、椅子に座る。
いつも以上に張り切って作った料理だったが、浮ついて失敗した…という事はないはずだ。
だが、気付くともう結構な時間になっていた。
このデザートを食べ終えたら……彼はまた帰ってしまう……。
その事が胸をずきりと苛んだ。)
……もう、遅い時間ね……。
(リビングの時計に目をやり、少し目を伏せる。)
【よろしくです〜】
ふぅ〜、食べた!
(食べている時も「うまい!」を連呼していたが)
いや、ほんと美味しかったよ。お世辞とかじゃなくてほんとに!
料理も上手だし・・・。
(部屋をくるりと見渡して)
家事も上手そうだし・・・、凛て良いお嫁さんになるんじゃない?
実は家庭的だよな、うん。
(そう言いながら簡単に食器を集め)
ん?あぁ、もうこんな時間か・・・。
授業はなかなか終わらないのに、こういう時間て早いよなぁ?
さてと・・・、一休みしたら帰るね。
あんまり遅くなっても悪いしさっ。
(立ち上がり食器を流しへ運ぼうとする)
(下された命令はこなした。
その事が気に病まれるが別れを惜しむ前に明るく話している間に去ろうと思い)
そう?良かった…。
って、もう、徹哉ってば、変な事言わないでよ……。
(言葉はそう言いながらも、頬は赤くなり、まともに徹哉の顔を見れなくなる。
だが、徹哉が次の言葉を紡ぎ、立ち上がると、弾かれたように顔を上げた。)
あ……っ
あ……あの、ね……えっと……。
(立ち上がった徹哉につられ、自分も立ち上がる。
がたん、と椅子が激しく揺れ動く程に。
その顔に先程までの仄かに幸せそうな表情は既になく…。
切迫したような、困惑するような、複雑な顔を徹哉へと向けた。)
か……
帰っちゃ………やだ………っ
(両手を、徹哉の食器を持った手に当て、擦れた高い声で、やっとそれだけを紡ぎ出す。
それは、今の凛に出来る精一杯の言葉に込めた行動だった。)
さ〜て、さてさて、お片付け〜♪
(すこぶる音痴で・・・)
わっ、どうしたんだ急に?えっ・・・。
(思いもよらない凛の行動と言葉に返す言葉を失い)
どうしたんだよ・・・、ほんとに変な奴だなぁ。
(気付かないフリをして陽気に応える。
一線を超えてしまったら・・・、この娘の人生を滅茶苦茶にしてしまう。
そんな不安と恐怖が急に自分の心を支配した)
凛、そんな顔しなくたって・・・。
明日も会えるし、電話だってあるじゃないか。
別に今すぐ俺が消えるわけじゃないよ?
(無理矢理作った笑顔、自分がこの娘に流させる涙は
希望に満ち溢れた喜びの涙ではなく、絶望と別れの涙に違いないから・・・
そんな物は見たくない、絶対に・・・)
やだっ……嫌なの……
だって……
いつか居なくなるって分かっているから……だからこそ、今を大切にしたいの……!
(ぽろぽろ、とこの数年、通常の私生活では流した事もなかった涙が零れた。
自分の言葉が彼を束縛するかもしれない、と思っても、今の想いを押し留める事は出来なかった)
お願い……今日は……今夜だけは……一緒に、居て……。
(一歩ずつ、徹哉の身体へと歩みを進め、その胸に顔を埋めた。
まともに彼の顔を見る事も出来ず、低く、そのシャツに顔を押し付け、嗚咽を堪える。)
凛・・・。
(彼女を抱き止める・・・、小さくて、細くて、柔らかくて、温かい。
そんな彼女を泣かせて、震えさせている自分を呪う。
「今を大切に・・・」そんな事考えた事もなかった・・・)
今・・・今って・・・、今日だけって・・・。
俺言っただろ!ずっと一緒にはいられないんだよ!
お前を幸せになんか出来ないんだよ!
(普段の徹哉からは想像できない声、焦り。
知らない間に凛に甘え、苦悩していた事を漏らす)
俺は・・・、なんでここにいるんだよ・・・。
やらなきゃいけない事があるのに・・・。
凛が俺の心に入ってきて・・・。
本当に迷惑で、俺を困らせて、俺を悩ませて・・・。
俺の邪魔をして、お前なんか・・・。
お前なんか・・・、お前なんかな・・・。
(自分の胸で震える小さな些細な生き物、唯の人間、弱い生物、
自分は誇り高き光の騎士、誰もが羨み、尊敬し、その頭を垂れる存在)
お前・・・なんか・・・。
(光を纏い、支配し、光り輝く騎士・・・だが・・・。
自分の心に光を与えてくれたのは・・・)
お前・・・なん・・・か・・・。
(膝が崩れ、凛と共に座る格好になり)
くそぅ・・・、お前なん・・・かぁ・・・。
いないと・・・、俺は・・・、駄目なんだ・・・。
お前じゃないと・・・、凛・・・。
(肩に手を当てゆっくりと離し)
一つだけ分かった事があるんだ・・・。
俺と一緒だとお前を不幸にしてしまう・・・。
でも、お前がいてくれれば、俺は・・・幸せだよ・・・。
愛してる・・・、凛・・・。
(そっと唇を重ね・・・)
てつ……や……?
(頭上で呟かれる言葉と、苦悩の滲んだ一言一言。
思いもかけない言葉だった。
自分は、彼にとって、重荷でしかなかったのだろうか?
あの時、私とこの人は会わない方が良かったのだろうか…?)
呟かれる一言一言が、楔のように心に突き立つ。
〔私……馬鹿だったの…?……浮かれて、こんな……〕
(頬に上った血が、ゆっくりと降下していく。
突き放すように、彼の胸に手を当て、身体を離そうとした瞬間、
自分の肩に、優しく彼の手が当てられていた。)
あ……。
(泣き腫らし、みっともなく眉根を寄せているであろう自分の顔に、
徹哉の顔が近付く。)
『愛してる…、凛…。』
(その言葉に、全ての困惑と彼を跳ね除けようとした意思は何処かへ消えうせ、
その唇を、受け入れていた。
ぎゅ、とその背中に手を回し、自分の全てを押し付ける。)
…。
…徹哉…少し、頭に血が上ってるみたい…。
私、シャワー浴びてくるから……ごめん……部屋に行ってて……。
(唇を離した後、再び上気した目を少し横に逸らすと、静かに身体を離し、リビングを後にした。)
うん・・・。
(自分の言葉に嘘も後悔も無かった)
(近いうちに全てを話そう。それで受け入れられなかったら・・・
いや、大丈夫、凛を信じなければ・・・、そう思い指定された部屋へ向かう)
ここって・・・、凛の・・・部屋か。
うーん・・・。
(女の子の部屋になど入った事も無く、落ち着かない)
はぁ、少し疲れたな・・・。
(バフッと、ベッドに寝転び枕に顔を押し当てる)
あっ・・・、これ凛の枕か・・・、変態みたいじゃないか!
(何となく気まずくベッドを丁寧に元に戻し)
椅子にでも・・・。
うん、流石にここなら大丈夫か・・・。
(ふと、パソコンが目に入り)
おっ、マイコンか?これ?電源とかどこにあるんだか分からない・・・って。
人の物を勝手にいじっちゃいけないよな・・・。
(立ち上がり見回し)
本棚・・・ね、どんな本見てる・・・。
やめよう・・・、なんかいけない気がする・・・。
だめだ、落ちつかない・・・。
リビングへ戻ろう・・・。
(そう思い出ようとすると足音が聞こえ・・・)
(浴室に満たされる白い湯気。
頭から少し温めの水滴を浴び、全てのしがらみを洗い流すが如く、
その流れ落ちる雫に身を任せる。)
……はぁ。
私、どうしちゃったんだろう……。
(間断なく続く、雫が肌とタイルを叩く音の中、湯気で曇った鏡を掌で拭う。
そこには、雫で濡れた髪を額に貼り付け、途方に暮れたような表情をした一人の娘の姿が映っていた。
紛れもなく、それは自分の姿なのだが、実感出来なかった。)
……。
(静かに、鏡を見つめながら、自分の顔、首筋、胸へと掌を這わせる。
そこには、湯の熱で仄かに染まった白い肌があるだけだった。
高速型の戦闘を行う自分には、傷は殆ど縁がなかった。傷を負う事はすなわち、ほぼ死を意味していたからだ。
故に、身体に残る瑕など、彼女にはなかった。そこにあるのは、歳相応の娘の肌。)
(だが、ふと見つめると、鏡に映った体のそこかしこに、ある筈のない傷が穿たれているような気がして、
思わず身体を掻き抱いた。)
…何を恐れているの…私…。
(凛は、妖魔以外にその身を晒した事がなかった。
恋すらも経験した事のなかった自分だ。当たり前の事なのに、それでも数度、自分の身体は汚されている。
それが、自分の心に影を残していた。)
…止めよう。考えるの、もう…。
(冷たい水を最後に身に注ぎ、気分を引き締めると、手早くバスタオルで雫を拭う。
時間を考えると、もう就寝しかなかった。脱衣所に置いてあった、洗濯したばかりのパジャマを羽織る。)
…あぅ、何これ…昔間違って買ったサイズの奴じゃない…。
(だが、他に手頃な着衣もなく、仕方なくぶかぶかのパジャマに袖を通すと、部屋へと向かった。
一歩進む毎に、水で引き締めた筈の心が再び高鳴り出すのを感じる。)
…ごめん、遅くなって…。
(扉を開けると、自分の部屋だというのに、おずおずとドア脇から覗くようにして中に声をかけた。
濡れた髪はしっかりと雫を拭ってはいたが、いつもの結いは解き、肩下辺りまでかかり、パジャマの首元を少し湿らせている。)
あ・・・。
〔帰ってきちまった・・・〕
お、おかえり・・・。
(健康的な色気を醸し出す普段の、
自分の知っている彼女とは別人を見るような感じがして)
えっと・・・、別に俺・・・、勝手に物いじろうとしたりとか、
ベッドに寝たりとかしてないからね・・・。
(時折彼女の方をチラチラと見て)
ちょっ、ちょっと、その・・・、刺激が強いよ・・・、その格好・・・。
〔大きい・・・、その寝間着・・・、絶対大きい・・・〕
それで・・・、えっと・・・、凛の話し・・・あるのかな・・・?
(彼女を直視できずにそっぽを向く。
女性経験の無い彼にとってはそれ以外の解決策はうかばず)
たしかに夜一人だと怖いもんな。
大丈夫だよ、泥棒でも警察でもブッ飛ばしてやるから。
〔落ち着け・・・、無理・・・〕
…もう、バレバレなんだから。
でも、別に怒ったりしないわよ。
(くす、と笑うと、落ち着かなげな徹哉の横にちょこんと座る。
花冷えの空気は、数時間前まで誰もいなかった部屋の空気を冷たくするには十二分過ぎる。
徹哉の温もりと、自分の、湯上がりの肌の温度が、互いの体温を感じさせた。)
え…?そ、そうかしら……って…あぅっ…。
(サイズが大きすぎたために、襟元が半ば切れ目深く肌を見せていた事に気付き、慌てて掻き抱く。)
うん……ありがとう、徹哉……。
(こつ、と少しまだ濡れた頭を徹哉の肩口に載せる。
そうして目を閉じると、仄かな安心感が身体を満たすのが自分でも分かった。
知らず、口許に笑みが浮かぶ。)
泥棒も、警察もブッ飛ばさなくていいから……私と居て……私を感じて……。
(不思議と、徹哉がうろたえるのと対照的に、自分の意識が澄み渡るように落ち着くのが分かった。
白熱灯の、温かな光が照らす瞳を僅かに潤ませ、徹哉の顔を下から覗き込む。)
凛といるのは構わないけど・・・さ。
(彼女としてると滅茶苦茶にしたくなる・・・、なんて事を同級生は言う。
しかしアレは嘘だなと、思う。それが恋と愛の差なのかと思って)
うん、構わないんだけどさ・・・。
(優しく、ガラス細工の人形を扱う様に、そっと抱きしめ)
お風呂上りだから良い香りがするね・・・。
俺、汗くさいかも知れない・・・、嫌だな・・・。
(苦笑いで凛を見る。
改めて触れる徹哉の体は引き締まり、少し右肩上がりで・・・
左右均等でない肩や腹筋なのは格闘技の所為なのであろうか)
凛・・・。
(少し虚ろな表情で抱きしめ腰に手を回し)
いや・・・。
(ブルブルと顔を振って)
ごめん、その・・・、俺って馬鹿だからさ・・・。
ちゃんと凛が俺の事をどう思ってるか言って欲しい。
じゃなきゃ、その・・・、ずっとお互い好きな人同士でないと・・・。
俺、そう言う事出来ない。
(俯いてはいるが言葉はしっかりとしていて)
…うぅん…。
…徹哉は、日向の匂いがするよ……陽光の、暖かい匂い…。
(彼から感じる匂いが心落ち着かせるのは、彼の事を好きだから、だけではないような気がした。
それ程に、心を穏やかにさせるような何かが、彼の匂いにはあった。
そして、彼の腕、身体の筋肉の躍動を感じ、目を細めた。)
あっ……
(腰に手を回され、少しだけ、身体を硬直させる。
だが、次に聞かされた言葉に、目を細め、口許を緩めた。)
徹哉って……ホント、今時の男の子じゃないみたい。
私、男の子と付き合った事はないけど…きっと、今の男の子って徹哉みたいに律儀じゃないわよ。
私…私は……。
(目を瞑ると、一度、二度、軽く深呼吸をした。
ゆっくりと立ち上がり、徹哉の頬に手を添える。
言葉にして伝えるとは、何と勇気がいる事なんだろう。)
私は……徹哉が好き。……大好き。
お願い、徹哉……私を…抱いて。
(少し躊躇って、部屋の灯りを落とした。小白熱の橙色の光が、薄暗い部屋を照らす。
ベッドの上に腰を落とすと、これまでにない程に紅に染まっているであろう顔を徹哉に向け、静かに彼の動きを待つ。)
日向・・・?あは、そっか。
〔この子・・・、勘が良いのかな・・・〕
いや、俺が律儀なんじゃなくて・・・。
みんなが、いい加減だと思うけどなぁ。
(首を傾げ)
うん・・・、凛の気持ち分かったよ・・・、ありがとう・・・。
(「好き」、彼女に言われただけで何もかも、全ての因縁やしがらみも
吹き飛ばせてしまいそうな気がした。
二人の「好き」と「好き」、それだけなのに・・・。)
分かった・・・。
(急に姿勢を正すと膝を付き、凛の片手を取りキスをする)
よし・・・。
(シャツを脱ぐと上半身が顕わになる。そこには沢山の傷跡があった
何かに刺されたような痕、爪のような痕、火傷のような痕・・・)
驚いた・・・よね、普通・・・。でも、これが俺だから。
(目を細めるとゆっくりとベッドの上に乗り)
俺は生涯、女は一人って決めてる。
もし帰ってこれたら・・・、祝言ね・・・。
(凛の答えを待たずにキスをする。
それは不器用な唇を押し付けるだけのようなキス)
はぁ・・・。凛の全てを俺のものにするから・・・。
俺のここを凛にあげるからね・・・。
(そっと凛の掌を自分の胸に当て)
ちゅっ・・・。
(額にキスをするとパジャマの上着に手をかけて)
良い?大丈夫?
(心配そうに凛の瞳を見つめる)
〔徹哉……凄い傷……何がこの人にあったの…?〕
(徹哉の身体に走る様々な傷跡に、目を見張る。
だが、それを想う前に、唇を塞がれ、言葉は雲散霧消していく。
今はただ、この人を…
大好きな、この少年の全てを受け入れておきたかった。)
(そして、凛にとっては不幸な事だったのかもしれない。
彼女の中に宿るクー・フーリンは、疑惑を持ちながらも、己の分け身である少女の
幸せな時を壊す程無粋ではなく、彼女の中で眠りに就いていた。
もし、彼が起きていたならば、徹哉の身体に走る無数の傷跡が、日常生活の中で
負いうるものではない事を一目で見抜いていた事であろうに。)
ん……ぅんっ……
…あっ…し、祝言って……
(まだ、早すぎるよ…と心の中で呟いたが、それが徹哉が戻ってくる事が有り得る可能性を
示唆している事に気付き、顔をくしゃりと歪めた。)
うん……徹哉の好きにして、いいよ……。
(身体の力を抜き、少し恥ずかしげに目を伏せると、徹哉に身を任せた。)
あ、うん、じゃあ・・・、えっと、うん。
(ぎこちない手付きだが、凛の助けもあり上着を脱がせる)
〔細い・・・、壊れそうだな・・・、女の子って・・・〕
ちゅっ・・・、ちゅ・・・。
(凛の首筋から鎖骨にかけてのキス。甘い感覚が徹哉の中に走る)
やっぱ凛良い匂いがする・・・。
(ズッと腕を背中にまわし、抱きしめるようにして)
んー・・・、なんか安心する・・・楽になる・・・。
(凛の胸に顔を埋め)
これ・・・、外してもいい・・・よね・・・。
えっと・・・、何・・・?ごめん・・・。
(ブラのホックの構造が理解できずに困惑し)
【そろそろ時間ですので、私ここで凍結でもよろしいでしょうか?】
【毎回すみませんです・・・】
【次の凛さんのレスで次回に続くおねがいします〜_(._.)_】
ぁ……恥ずかしい……
(パジャマの上を脱がされ、消え入りそうな声で呟く。)
ぁっ…は…くぅ……っっ
(胸を高鳴らせ、待っていた事もあってか、彼の唇が自分の身体の上を這う度に、
身体を僅かに跳ねさせる。空を掴むように指先を突っ張らせた後、徹哉の頭を抱き抱えるように手で押さえた。
電流のように唇の当てられた部分から頭まで走る断続的な快楽に、目を閉じ、頬を染める。)
や…ぁ……もぅ、徹哉ってば……。
(徹哉の頭を優しく両の腕で抱き締め、温かな吐息を胸に感じ、身体を震わせる。
高鳴りのために鋭敏になった身体は、吐息のような微かな刺激にさえ強く快楽を刺激されているようだった。
今や、彼の全ての所作が、凛の歓びを導き出していく。
それは、妖魔に犯された時の、強制的に引き出された肉欲ではなく、心の繋がりを伴った、
温かな刺激だった。)
ん……自分で、外すから……
(徹哉に抱き抱えられたまま、背に手を回し、ホックを外す。
小振りの胸が、僅かな圧迫から解放され、凛は小さく息をついた。)
【了解です〜。】
【漸くここまで来たか〜って感じですね。次も宜しくお願いします!】
【では、つづく!という事で!(ある意味焦らすな〜w)】
影|-・)...。
此方で紹介するのを忘れておったのぅ・・・。
【名前】鈴影(れいえい)
【年齢】無(外見は14〜16の少女)
【性別】女
【サイド】妖魔
【組織】無
【サイズ】150p/78/50/80
【容姿】内ハネの長黒髪、黒い長袖ワンピースに黒のニーソックス
小柄で割と幼顔幼声、灰色の寂し気な目、感情は持つが顔に出す事を知らない
【得意】心を開けし者との絡みや妖魔との絡み等NGでなければ可
【能力】影から影への移動、影を使っての体の拘束
直接身体を傷つける能力は無い
【武器】無
【NG】過度のグロ・スカ
【弱点】打撃、光
【備考】退かれた妖魔の念が集まって実体化されて出来た妖魔。
自分の生まれを悩む事無く、夜に現れては念を集め己の体に収めて鎮静している。
(鎮静によって成長するわけではない)
昼間は薄暗い場所や影に隠れてボーッとしている。
口調が変に古く、外見との釣り合いが微妙に取れてない。甘い物が好き。
稀に、収めた邪悪な念を制御しきれずに暴走してしまう事もあり、その時のみ瞳が真紅に染まる。
また後程来るかも・・・じゃノシ
影|彡スッ
同時進行してるロール2つとも凍結すんな
集中しろ集中
禿同。いいこと言った。
基本的にこいつはマナーがなってないな。
自キャラのHPとか馬鹿かと思う。
今回も流れからして法月さんの出番だろ。
最近スレが静かなのもこいつを避けてるからだろうな。
さっさと責任取って引退すべき。
皆が言いにくいだろうから言ってやった。
批判するのはいいが引退とか言うなよ。
確かにマナー違反だよな。
同時進行だけならともかく、両方共凍結ってのはいただけない。
引退まではしなくてもいいだろうが、
それでも責任は感じて今後に生かしてほしい。
ここまで名無しから言われるのは、
それだけ期待しているからだ。
間違っても勘違いして引退なんかしないように。
【待機する。どなたでもどうぞ】
【ネタは無いのですがこんにちはですノシ】
【こんにちは】
【そちらは本スレ初投登場。ならば、こちらは一般人or名無し退魔士と】
【なって交流か戦闘という手もありますが】
【確かに初でしたねw】
【ん〜・・・交流が良いですかね。御相手は名無し退魔士でも御影さんでも構いませんが】
【『俺』だと容赦なく殺すから名無し退魔士をでっち上げて】
【そちらを探す・見つける・けど打つ手なしなので交流みたいな流れで】
【どうだろうか?】
【ありゃ、そうでしたかw】
【ではその流れでお願いします。どちらから始めましょ?】
【じゃあ、こっちから。少し時間をくれ】
【了解しました!それではよろしくお願いします〜】
「この辺か・・・」
深夜、とある退魔士が裏路地を歩く。彼は所属している退魔機関において、
文字通り魔を退けることをその任としていた。
今日の探索もその一環である。
情報によれば、この辺には少女の亡霊が出るという噂が流れており、その亡霊とは
大方妖魔であろうと言われている。
かくして彼は、破魔の懐剣と破魔の札を携え、夜を歩く。
・・・・・・・・・。
(路地裏に廃棄された何かの大きな箱に、全身を蒼白く光らせた少女が独り座っていた)
(両側にそびえる建物の間から見える空を見上げている)
・・・・・・?こんな夜中に・・・人間かのぅ。。。
(足音とともに気配を察し、その方向を見つめ、ぼそりと呟く)
探索の様子については、特筆すべき点はない。
呆気ないほど簡単に、亡霊の少女を発見した。
もとより、隠れる気もなかったように見える。
「こんばんは、お嬢さん」
廃棄物の上に腰をかけ、蒼白い光を纏い、区切られた夜空を見上げている少女。
髪は長く内側に跳ねている。黒い長袖の服。
こちらを向いた灰色の瞳には、ただ寂寥だけがある。
「こんな時間に何してるのかな」
彼は一気に、仕事への意欲を無くした。
こんな少女を、どうこうできるはずもない。
・・・・・・ほう・・。
(視界に入った人間の全身を眺め、退魔士と察したが、特に焦る事も無く)
(挨拶をしてきた男にぽつりと息をつく)
・・・・行き場の無い者の念を食しておった。
ぬしは、退魔士とやらか?妾に何用ぞ・・・?
・・・妾を退けに来たのではないのか?
「念を食う、か。なるほど」
昼の間に溜まった、人間の発する活力の残滓を食っているのか。
或いはその辺の、人間に害を及ぼすことのできない程度の浮遊霊を食っているのか。
どちらなのかは定かではないが――
「いや、この辺にでる亡霊の調査に来たら、君が居ただけなんだが・・・・」
ガリガリとバツが悪そうに頭を掻く。
いかにも人間に害を及ぼしそうな相手なら、滅することに躊躇いはない。
「君は、俺と戦う気はあるのか?あるなら容赦はしないが」
だが、どうにも剣呑な気配が伝わってこない。
ただ、纏った寂寥だけが、伝わってくる。
・・・そうじゃ。
(一言そう答えると、また小さな夜空を見上げた)
(「食す」とは言うものの、実際は光を発して体に取り込んでいるようだ)
亡霊?妾は亡霊では無いがの・・・そのように呼ばれておったとはな。
何ゆえ妾がぬしと戦わねばならぬのじゃ?
・・・妾は人間共に喧嘩を売るような下郎な真似はしておらぬが。
(ボリボリと頭を掻く男を見つめ、何故自分が退かれなければないのか、といった表情で言葉を返す)
妾は念より生まれし者。妾を消した所で、また新たな妾が生まれるまでじゃ。
「ああ、うん。それもそうだね。俺も戦う気はないんだけど」
彼女の説明には、それなりに説明が通っている。
言ってることが本当なら、幾ら祓ってもその内また同じ
亡霊――いや、最早妖魔と呼ぶべきか――が現れるのは、確実だる
この街の霊的エントロピーは、急速に高まっている。
天洸院の支部も、それ以外の小規模な退魔組織も、それには気づいているだろう。
幾ら妖魔を狩ろうと、結界を張ろうと、鎮魂の祭祀を行おうと、根本的な解決には程遠い。
「えっと、じゃあどうしようか。話でもしようか」
彼は「宇喜多家信吾」と名乗った。
仕事はもう放棄した。
「君の名前は?あれば、だけど」
ふむ、そうか・・・、ならば何ゆえ此所にいるのじゃ?
(戦う気は無い、との言葉に、分かっていながらも更に質問を重ねる)
宇喜多家とやら、ぬしが妾と話して満ち足りるのであれば、付き合うても良かろう。
(無表情ながらも、僅かながら頬を緩ませる)
妾の名は鈴影・・・念を食し、影を渡りし者ぞ。
「だから、調査に来ただけなんだよ。仕事だよ仕事」
その仕事には、当然妖魔討伐も含まれるのだが、この際無視してもいいだろう。
仲間からは甘いと言われる由縁だが、始末書を書くのは慣れている。
過激派の退魔士から見れば、ただの愚行だろう。
だが、彼にはどうしても眼の前の寂しそうな少女を、こちらの都合で消すことなどできなかった。
「鈴影か。いい名前だと思うよ」
少女の外見と、古風な言葉遣いには激しく違和感があるが、
とりあえず気にしない方向で。
「君は、いつ頃からこの世界にいるんだ」
穏やかな口調のまま、当たり障りのないことを問う。
退魔士の仕事が調査のみとはな・・・まあ、それも良かろう。
(この男ではなくとも、いつか自分は消される運命である事をふと考えながらも、とりあえず納得したように息をつく)
ふむ、名を褒められたのは初めてじゃな・・・。最も、名など有って無いような物。名乗る事は滅多にないがのぅ。
(初めて自分に関心を持たれた)
(心が少々ムズ痒いような不思議な感覚に襲われるが、それについて深追いはせず)
さあのぅ・・・、妾も知らぬ。
妾がいつから存在するかも、存在する意味も、・・・考えた事がないのじゃ。
(遠い目でそっけ無く答える)
『ふむ、名を褒められたのは初めてじゃな・・・』
他愛のない会話。
「いい名前だよ、詩的で情緒があって」
他愛のない対話。
『最も、名など有って無いような物。名乗る事は滅多にないがのぅ』
寂しげな台詞。
「名前はあった方がいいよ。君と俺が出会った証になるから」
励ますような発言。
『さあのぅ・・・、妾も知らぬ』
遠い目をして、呟くように。
『妾がいつから存在するかも、存在する意味も・・・考えた事がないのじゃ』
悪い癖だと分かっている。
「存在する意味ならあるよ。キミが存在してなければ、俺がキミと会うこともなかったし」
それでも止められない。
【すまない。凄い手抜きだorz・・・】
いい名前・・・ふむ・・・。。。
(何故この名を名乗るのかも知らないため、嬉しい反面、今まで気にしていなかった事が僅かながら好奇心のように気になった)
妾とぬしの・・・出会いの証しじゃと?
(何か自分を認めてくれるような男の言葉に心が引っ掛かる)
次に妾と会うた時が、妾を退く日でもか?
(話が悪い方向へ行く事しか考えられない質問を投げ掛ける)
【いえいえ^^;】
【何ならそろそろ〆ましょうか?夜明けも近くなって、みたいな感じで】
『妾とぬしの・・・出会いの証しじゃと?』
少し驚きを含んだ発言。僅かながら、表情が動いている。
「名乗りあうのは名刺交換みたいなものだからね」
こちらも少し嬉しくなる。
『次に妾と会うた時が、妾を退く日でもか?』
束の間の沈黙。答えなど決まっている。
「君が俺の眼の前で、人を殺そうとしていたら」
それが例え、眼の前の少女だとしても、彼は戦うだろう。
甘いと言われようが、倒すべき相手は理解しているのだ。
何処からか、淡い光が差し込んでくる。
黎明だ。
【じゃあ、そんな感じで】
【少しは練習になったようなら幸いだが】
名刺交換・・・、ふむ・・人間の礼儀もなかなか面倒な物じゃの。
(そっけ無く面倒だと答えたが、人間と一夜語り合ったことで何か心に明るい色が混ざったような感覚が出来た)
・・・妾は人間になど興味は無いがのぅ。まあ、その時はその時じゃ。
ん・・・・・・。
(淡い光が路地裏に差し込む)
(大した光量ではないが、如何にも眩しそうに目の上に手をかざす)
・・・・・・もう夜明けじゃ。妾は此所には居れぬ。
(立ち上がると影で薄暗く色付いている壁の前に移動し)
今宵は、時の流れが早く感じられたのぅ。不思議じゃ・・・。
(男に別れを告げるわけでもなく、そんな言葉を残して影の中に消えていき)
(路地裏には男一人だけが残った)
【それでは此方はこれで〆ますね】
【お陰さまで良い練習になりました!未熟者ですがこれからも宜しくお願いしますね^^;】
【では、ありがとうございましたーノシ】
夜と朝の境界。
彼は陽光の元で生きる存在。
彼女は、闇の中で生きる存在。
別れの言葉もなく、少女は消え去った。
「また会おう、鈴影。その時まで元気で」
かくして彼は、不確かな約束をして、自分の守るべき日常へと帰る。
日が沈み、また夜が来れば・・・・・・そんなことはわかっている。
こんなことは何度もあったのだ。
夜が来る度彼は祈らずにはいられない。
あの少女が、どうか他の退魔士に狩られないようにと。
どうせ狩るのなら自分の手で。
とある退魔士の戦いは終わらない。
【こちらもこれで。これからも切磋琢磨しあいましょう】
【お疲れノシ】
桜の舞い散る街路をゆっくりと歩く。
一年のこの季節、人が最も多く、植物を愛でる時期は、心も穏やかだった。
向かう先は、とある人間の退魔士のいる場所。
地蟲が行動を阻害、監視出来ないように、予め蟲の嫌がる樹香を振り撒いておいた。
短時間ではあるが、これで監視の目は逃れられる。
…尤も、日妖である遠見 幻也だけは、その程度では誤魔化せないのだが…。
何故、あの方が未だに自分を生かしているのかは理解出来なかった。
この場所に来るのも久しぶりだった。
幻也が戻ってきてからは、あの場所から抜け出す機会すら、殆どなかったのだ。
周囲に何も妖魔の気配等がない事を確認すると、その事務所の入り口に立ち…
ふと、首を傾げた。
〔この事務所……明らかに、整形されていますね……〕
何かあったのだろうか。
不審に思いながらも、呼び鈴を鳴らす。
【では、法月さん、宜しくお願いします。】
(春眠暁を覚えず―――よくもまぁこんな言葉が生まれたものだ。
街に出没した妖魔のデータ管理等々で夜更けまで働いていた蒼一郎。
昼間になっても机の上で突っ伏したまま、静かに寝息を立てていた。
どんな夢を見ているのだろうか…にへら、と笑って見せたと思ったら、
びくっ、と体を反応させてみたり…実に変化に富んだ睡眠である)
(そんな夢心地の中、事務所内で呼び鈴が鳴る。
法月退魔士事務所―――一般人では絶対に見つけ出すことはできない不思議な事務所。
ここを見つけ出すことができるのは、霊力に反応できる者か、手がかりを知っている者のみ。
呼び鈴が鳴ることは、極めて稀なことであった)
ん〜…ふああ…ゴチッ
(目を擦りながら玄関に向かう…が、その途中で頭を柱にぶつける。
その時の音は、外にいる客人にまで聞こえただろう)
いつつつ…お、お待たせしました…ガチャッ
(赤くなった額を擦りながら、玄関前に立っている客人を迎える)
【こちらこそ、よろしくお願いしますノシ】
扉が開き、覚えのある霊気が顔を覗かせた。
「お久しぶりです、蒼一郎様。……どうかなさいましたか?」
何やら呻きながらの挨拶に、首を傾げる。
瞑目した状態でも、目の前の知己が痛みを覚えている事は容易に知れた。
熱を持つ彼の額に少し冷えた指先を当てる。
特に、酷い怪我ではないようだ。
頷くと、周囲を一度振り返り、再度、不穏な気配を確かめた。
「上がらせて戴いても宜しいですか?」
あぁ、靜か。よくこんなところまで足を伸ばしてくれたな。
これは…まぁいろいろあるんだよ、あはは。
(額を擦りながら、眠そうでありながらも笑みを浮かべる。
靜の指先が自分の負傷部分に当てられる。
それはひんやりしていて、寝起きの蒼一郎には心地よかった)
…早く入れ、時間の問題だ。
(スッと道を開け、靜を事務所内に入るように促す。
七妖会が靜を監視していることは前々からわかっていた。
だからこそ、靜と会う時は蒼一郎も周囲の霊気の動きに敏感になる)
「ええ、そうさせて戴きます。」
す、と足を運ばせ、事務所内へと入る。
そして、再び明らかな違和感を感じた。
「蒼一郎様……何かありましたね?」
少し険しい顔で、蒼一郎に向き直る。
常ならざる力…それをもって、この事務所は整形されている。
それが分かったのは、己と同じ類の力が行使されていたからだ。
(事務所内に入ると同時に、指摘を受ける。
それは、最後に靜が事務所を訪ねたときとの違いだった)
相変わらず鋭いな、靜は。君もわかっているだろう?
この前、ちょっと妖魔に暴れられてな。
まぁ…妖魔といっても、半妖なんだがな。
(入り口に鍵を閉める。
事務所の鍵を閉めると同時に、事務所全体に結界が張られる。
外界からではまず気配を悟られることはない。
完全の外界からの干渉をシャットアウトした)
「そうですか。しかし……また派手に壊されたようですね。
しかも、修正もしっかり…いえ、同じ方では…ないですね」
結界が張られたのを確認すると、吐息をつき、ソファに腰をおろした。
「蒼一郎様が無事なのでしたら、その件はある程度片付いたのでしょう。
私の心傾ける事ではありませんね。
武蔵様、小次郎様もお元気ですか?」
そう言いながら、敷包みに包まれた箱を机の上に置く。
土産として持参した、和菓子…草餅だった。
直すのに5日くらいかかったがな。
その半妖の親御さんに来てもらって、1日働いてもらったよ。
それで損害賠償はチャラさ。
(あはは、と笑いながら思い出話のように話す。
事実、事務所を破壊されたとしても事務所の人間だけですぐに直すことはできる。
損害賠償も、形だけのものであった)
あぁ、二人とも元気だ。
今は…あっちで『眠っている』がね。
(指差した方には1つの扉が。
所長室―――蒼一郎専用の部屋である)
お、草餅かぁ。なかなかうまそうじゃないか。
ちょっと待ってな、お茶を淹れてこよう。
すまないが、あっちの部屋で待っていてくれないか?
(そういい終えると、流し台に立ち湯を沸かし始める)
「あの、すみません…私は白湯でお願い致します…」
茶はやはり、飲めない。
それ以前に、水や湯以外は、殆ど私は口にする事はない。
「以前は、お茶やこういった食べ物には心痛んだのですが…。
既に食物となった植物達であれば、仕方のない事だと最近は割り切るようにしました。
そうであればむしろ、美味しく食して戴くのがこの子達のためでもありましょう。」
この草餅は、幾つかの店を巡って、もっとも良い感じのものを選んだつもりだった。
とはいえ、無論、自分では食べようとは思わないが。
それが、樹妖としての彼女である故に。
「それより、今回の訪問には理由があります。
恐らく蒼一郎様にも、関わりが出てくる事と思いましたので」
切り出し、少し居住まいを正した。
話さなければならない。七妖会に、あの男が戻ってきた事を。
おっと、危ない危ない。
危うく共食いさせるところだったかな?
…変な思い…させてしまったか?
(すまない、と詫びを入れて、靜に白湯を差し出す)
こいつらだって、食い物にされるために生まれてきたんじゃないだろうさ。
だが、食い物にされちまったものは仕方がない。
お前さんの言うとおり、せめて美味しくいただくのが食う側の義務ってもんだ。
(ぱさり、と草餅に布を被せる。
樹妖の目の前で、せめて『身内』を食すことだけはすまい、
という、蒼一郎なりの配慮だった)
―――……戻ってきたんだろ?奴が。
(危うい存在。七妖会でも、相当な危険人物。
しばらく気配を絶っていたが、最近になって『彼』と思われる行動が目に付くようになっていた。
その妖魔の名は…―――)
「はい。私の属する組の日妖……遠見 幻也。」
声音が少し堅くなる。
「既に様々な種をまき始めていますから、気付いておられるかとは思いましたが…。
あの方が戻ってきた事で、これまで以上にこの街に混禍が穿たれる可能性が高いです。
これまで、然程動いていなかった、B階位以上の妖魔も戦衆として動き始める可能性があります。」
B階位。
それは、七妖会では七妖の一定以上の階位の妖魔。
手練れの退魔士でも、封滅するのは困難な者達だった。
たとえ、どれ程人間が力をつけようとも、やはり妖魔と人間には基本的な違いがあるのだ。
それは、戦場における能力。恐怖の対象として生まれてきた妖魔は、
基本的に、元からそう言った能力が高い。
それは、どうしても超える事の出来ない壁だ。
だから、人間は知恵と戦略で妖魔とのその壁を崩そうとする。
「蒼一郎様も気をつけてくださいませ。
神の下で鍛錬を積み、その潜在は著しかれど、B階位以上の妖魔は
やはり直接的には人間の手には負えません。」
目の前の退魔士の男が非凡である事は理解していた。
それ故に、こうして話をしているのだから。
…動くだろうな、幻也が戻ってきたとあらば…。
ふぅ…案外早いお帰りだったな…。
(やれやれ、といった様子で話を聞く蒼一郎。
B級位の妖魔が動き出すことは、
この地一帯の危機を意味していることに等しい。
目を瞑り、再びため息をつき)
相変わらず靜の気遣いには感服するよ。
…が、君も十分に注意しろ。
幻也ほどの妖魔が…君の行動に気づいていないはずはない。
…いや、泳がされているといった方が適当かな?
(この一帯は、総攻撃でもない限りはなんとかなるだろう。
天洸院の斬鬼衆を総動員させ、さらに事務所が総出で動き出せば、
B級位なら相手にできなくはない。
それ以上の力を持った妖魔も、この男がいれば大きな被害は出ないだろう。
蒼一郎が心配していたのは、人間のことではなく目の前の妖魔のことであった)
「ええ。
この街にも幾つかの斬鬼衆が居るようですが、
個々の戦闘力ではまだB階位に太刀打ちの出来るレベルではない…。
彼らが力を合わせて向かってきて、可能性が生まれるかもしれませんが…。」
思案気に、頤に手を当て、静かに吐息をつく。
けれども、それは互いに甚大な被害をもたらす妖魔と人間の戦争となるだろう。
それは、自分の望むところではなかった。
「七妖会の方は、引き続き私に出来る限りの事は致します。
天洸院を含め、この街の退魔士が調子付いて派手に動き回らなければ良いのですが…。」
最近、野の妖魔がこの街でも多く狩られている。
その事を快く思わぬ幹部も多い。
未だ静観を決めていた彼らが、幻也の言葉で動くような事があれば……惨劇の幕が引かれる事になる。
「私の事は大丈夫です。無論、気付かれていないわけではありませんが…。
相応の策は持ちえていますから。」
瞑目したまま、微笑む。
…人間というのはな、「足手まとい」がいると強くなれる生き物なんだ。
斬鬼衆には…特にそういった連中が多いんだよ。
(仲間―――守るべき者が傍にいると、人は強くなれる。
蒼一郎の実体験から出た言葉であった)
今は大丈夫かもしれんが…何かあったら…来い。
人間でよければ、頼りにしてくれて構わないから…。
(笑みを浮かべる瞑目の女妖魔に向かって、
こちらも穏やかに笑みを浮かべる。
頼ってほしい―――必ずや生きてほしい。
蒼一郎は切に願った)
―――…で、霊樹さんの対応は?
総元締めが、横暴を何もしないで見過ごすわけはあるまい?
(一目置いている妖魔の名を出す)
「そのような事がない事を祈るばかりですが…」
寂し気に微笑み、頭を上げる。
「霊樹様は、未だよくわかりません…ですが、大きく動く予定はないようです。
もしかすると、既に幻也様が手を回しているのかもしれません。」
戦闘力はともかく、策略、根回しの点では霊樹様は恐らく幻也様には及ばない。
何かしら、鎖をつけられた可能性はある。
「とにかく…伝えるべき事は伝えました。
後は…私自身を何とかしなければなりませんね。」
己が記憶を消す。
それをしなければ、幻也に対して全てのこの内容は筒抜けだ。
それは、私にとって絶対不可欠な事だった。
ただ、これを施すと、私は短い眠りに就く事になる。
【そろそろ〆をお願いします〜。】
霊樹さんまで手を回しているとなると…本格的にまずいんだがね。
まぁ、あの人はそう簡単には手に落ちんだろう。
そう…信じたいところだな。
(もし霊樹までが幻也の手に落ちているなら、
本格的に人間の劣勢であることは明々白々。
なんとかそれだけは避けなければならない。
…避けてもらわなければならない)
…あぁ、情報は確かに受け取った。
次会う時まで、君が無事であることを祈る。
(靜が短い眠りについたのを確認すると、
優しく抱き上げ、靜を所長室の『3つ目の扉』に運ぶ。
異次元の間に繋がっている扉…自分の目的地へと運ぶ不思議な扉。
扉の向こうに靜を横たえ、扉を閉める。
靜の目が覚める頃には、彼女はどこにいるのだろう…)
遠見幻也…か…。
(七妖会の策士の止め方…それを突き止めるにはいささか時間を要するようだ)
【では、私の方はこんな感じで〆とさせていただきますね。
七妖会と蒼一郎に板ばさみにされている靜…次にお会いするのが楽しみですw
今日はいろいろありましたが…お相手していただきありがとうございました。
またロールしていただきたいと思います、お疲れ様でしたノシ】
薄れ行く意識の中、身体を抱き上げられる感覚を感じ、微かに微笑む。
春の日差しのような、暖かさをその身体に感じながら、私は一時の眠りに就いた。
〔人と……妖魔の……世界を……〕
それを築き上げる、いつかの夢を漂いながら。
【はい、ありがとうございました。】
【またいつか、お相手願います。おやすみなさいノシ】
【待機します】
【私でよろしければお相手になりましょうか?】
【こんばんは、よろしくお願いします】
【シチュはどういたしましょう?】
【選択肢をお選びくださいw】
【1.優希と共闘ロール】
【2.夜宵とVSバトルロールorエロール】
【3.「墓無」の監視者との雑談ロールorエロール】
【4.その他希望シチュがあれば】
【さて、どうしましょう?】
【1でしょうか、今のうち遠矢の伏線を色々敷いておきたいので…】
【よろしければこちらから始めますが、良いでしょうか?】
【分かりました。それではそれに合わせますので】
【ありがとうございます。では…】
(最近、突然胸を刺されるような強い動悸を少年は感じていた)
(『アイツ』の気配を感じるが、それ以外の何かが、彼の中で存在していた)
……ふう………
(昼の内に彼はその動悸に襲われて外に出られず、いつも来る公園のブランコに揺られていた)
桜、か………
今年も綺麗だな……
(ふと顔を上げ、桃色の花びらが夜闇に散っていくのを見つめていた)
(昼に歩いていると花見をしている人達を見るが、
夜桜というのはその時の騒がしい印象とは違う桜の姿があった)
(ただ彼は昼も夜も桜を心静かに一人で見つめているだけだった)
……………っ
(そして、少しだけ胸を突く様な動悸を一瞬感じ、胸を押さえた)
『…捕獲番号18番、朝山遠矢の周囲に未確認存在を察知。本部より応答願う』
『こちら墓無。そのまま監視を続行、対処は18番に委任と総務部からの連絡』
『…了解、監視を続ける』
(彼の気付こうとしても、どこにも見えぬ知らぬ監視者達が連絡を取り合っていた)
【最初は雑談から入ってよろしいでしょうか?】
(春風が強く吹く中、夜道を歩いていた。
木々の葉は揺れ、桜の花びらは舞い散る)
桜―――。
儚いですね……美しく咲き誇っても、風に吹かれて散り、
地面へと落ちた花びらは人々の足に踏まれる―――。
(ふっと笑みを溢して夜の月を見上げながら掌を天井にかざし)
もっとも、『美しさ』も『儚さ』も人の観念によるもの。
……この月が『美しく』見えるのも本当は太陽の輝きがあってからこそ。
真実なんて、簡単に誤魔化せてしまうものなのかもしれませんね……って、あれは…?
(ふっと顔を通りかかる公園の方へと向けてみると、ブランコに見知った人物の顔を見つけて)
……朝山さん? いったい、どうしたんですか…また、妖魔でも現れたんですか?
(そう問いかけながらゆっくり近づいていく)
【はい、ご自由にどうぞー】
…?
(誰かに、声をかけられた。それも聞いたことのある、柔らかい声の響き)
あ、佐々木さんでしたか
どうもこんばんは
(顔を彼女の方に向き、ブランコから立ち上がって軽く会釈した)
いいえ、今日はちょっと昼に出られなくて…今こうして散歩をしているんです
(顔にかげりが一瞬浮かび上がり、だが直ぐに笑みを浮かべて桜を見る)
佐々木さんも散歩ですか?
(視線を彼女の方に向け、顔につく桜の花びらを取りながら聞く)
『捕獲番号18番が退魔士に接触。
過去に遭遇した佐々木優希と確認
佐々木優希も未確認存在に気付かない様子』
『こちら墓無本部。そのまま監視を続行せよ』
『了解。通信を切る』
(『監視者』は通信機を切り、姿も気配も見せぬまま遠矢と優希を見つめる)
18番を囲んだ奴ら…術的迷彩で気配も姿も消しているが、いったい何者なのだ……?
(『彼女』は、墓無本部からの対応も解せぬ様子で、監視を続けていた)
ええ、こんばんは―――……?
(ふっとそこで立ち止まる。何らかの違和感を覚えつつも、遠矢に近寄って)
散歩ですか……。
でも、最近の世の中は物騒ですから、あまり出歩くのは控えた方がいいですよ?
まあ、そんなセリフ、夜な夜な妖魔たちを退けている私たちに言えたセリフじゃありませんが…
(軽く、肩を竦めて息を漏らし前髪を掻き揚げる)
私は買い物の帰りなんですが……。
……………。
なんだか、いつもとこの公園…違和感があるんですよね。
そわそわしちゃうというか……妙に不安になるというか…。
(先ほど気になった違和感を口にして)
まぁ、世の中の物騒を少しでも減らす為に、俺達は退魔士をやっていますけどね
(優希の髪を掻き上げる仕草を見ながら苦笑する)
買い物、ですか
もしかして、優希さんも一人暮らしを?
違和感……ですか…?
俺にはいつもの公園にしか見えませんが……
(本能的な察知能力が欠如しているのか、辺りをキョロキョロ見回し確かめる)
ヴゥン
………!?
(直後、耳に電子音が鳴り響き、光学迷彩が解かれたように『何か』が六体姿を現した)
(その『何か』は装甲を纏い、機械のような姿をしているが、生物的なシルエットをしていた)
(『何か』は球体に視覚センサーらしき赤い目を光らせ、
球体から生えたような四肢があるが地面から僅かに浮いている)
こいつらは一体…!
(突然姿を現した『何か』に取り囲まれながら、彼は優希と背中合わせになる)
いえいえ、うちは家族暮らしですよ?
理由があって母親は家にはいませんが…今日は買出しを頼まれただけなんです。
(ほらっとスーパーの紙袋を掲げて見せて)
(そして微笑んでいた表情が転じて、真剣なものへと変わる)
ほんの僅かの違和感ですが……。
気をつけてください。何物かはわかりませんが…私たちのことを『見て』います。
来なさい―――…闇烏!
(黒紫色の風と共に大剣を手中へと収めて、気配を探る)
これは一体……?
少なくとも……友好関係を結べそうな方たちではないようですが。
(不敵な笑みを浮かべながら、すっ―――と音もなく剣を構えて、その切っ先をその『何か』へと向ける)
兎に角、この場を切り抜けますよ。 一般人の方たちに被害が出ないうちに…!
(そう呟くと地面を蹴り飛ばし、空高く跳躍する―――)
あ、そうでしたか…お母さんが……
(彼女の顔とスーパーの紙袋を交互に見ながら呟く)
友好関係云々よりも、俺はそれらが伝わりそうにないと思いますが
(彼女の笑みを見届けると、彼は脚部を変化させ、
気持ち悪いぐらい異常に逞しい黒い足に変わる)
そうですね…では…!
(彼女と同時に高く跳躍し、一体の『何か』の上に跳ぶ)
いくぞ!ええぇぇ――――いっ!
(そして足を高く上げ、重力に従い踵落としを『何か』の球体部にぶつける)
っ!?
生き物…?
(だが球体部は僅かにへこみを見せるが、
赤い目は点滅を少しするだけで効いている様子は無い)
(そして踵落としから伝わった振動は、
鉄の乾いた反響ではなく、肉が衝撃を深く抑える様な生々しいものだった)
あっ、しま…!
(そしてその隙に腕の一本に足を絡み取られ、高く掲げられる)
うわあぁぁあぁ!?
(そしてそのまま投げ飛ばされ、一瞬の浮遊感の直後、
落下の衝撃が彼の体を襲い、全体に鈍い痛みが伝わる)
(一方優希側の『何か』は、四肢の先が開き、その中から銃口が
姿を現して機関銃の如く連続に飛んでくる鉛が彼女を襲う)
何ですか、これはっ…!?
(咄嗟に氷の盾を作り出し、銃弾を防ぐがバランスが崩れて大地に降り立つ)
(ぴしぴしという音と共に銃撃を防ぐ盾にヒビが割れ…)
大丈夫ですか、朝山さんッ!
これ、ロボットですか…!? 非現実的な……まったくもうっ!
(何がなにやら分からないこの状況に困惑しながらも、大きく後ろへ跳躍して距離を取る)
とてもじゃないけれど、ひとつひとつの装甲には歯が立たないだろうし……。
節を狙ってそこから凍て付かせてしまうしかないのでしょうか……?
(どうやって攻撃をしかけようか迷いつつも)
えーいっ、迷うな! 可能性があるなら片っ端から全部試してみるまで!
朝山さん、何とか引き付けておいてくださいね…! 参りますッ!
(ダンッと力強く地面を蹴ると前方へ銃弾の雨を掻い潜りながら疾走する)
(もちろん、銃撃は容赦なく身体を掠め、鈍い痛みが走るがそれでも堪えて)
―――っくううっ……! そこッ!
(思い切り振りかぶると、脚部の節目へと刃をめり込ませて―――、一気に魔力を解き放つ)
凍てつけ……ッ!
(ピキピキと波紋のように傷口から「ソレ」を氷結させていき…)
凍ってしまえばこっちのもの! 装甲も脆くなっているはず……それっ!!
(強烈な一撃を加えると、ぼろぼろと崩れていってしまう)
【何か読み返してみると矛盾が…orz スルーしてそのまま続けてください、スミマセン】
(優希の斬撃と氷撃の前に、足を崩され赤い目を弱く点滅させ倒れる『何か』)
(そして崩れた脚から機械とは思えぬ生暖かい赤い血が吹き出し、彼女の顔に血の滴がかかる)
(その間にも二体の『何か』が優希の間に入り、腕を上げて彼女に飛び掛る)
く…はぁ……はんとか……
(吐遮物がこみあげてくるのを堪えながら彼女に応える)
(だが容赦なく『何か』が腕先を開いて銃口を現し、彼に向けて銃声を響かせる)
くっ…とぉっ!
(彼は見るに先に地面を蹴り、体に銃弾を数弾
受けながら自分がいたところに砂塵がたつのを見届ける)
ふ…はかっ…ああ……
体が…自由が利かない……?
(銃弾を受けた部分から痺れる様な感覚に襲われ、膝を突く)
(顔を上げ、優希を見るが彼女はそれに効いて無い様子で、自分には効いているらしい)
………!
(そうしている内にも『何か』二体の挟み内を受け、
『何か』の腕が飛び出し彼を抑えようとする)
くそっ、この…貴様ら……!
(避けようとしたが体が自由を効かず、瞬く間に四肢を囚われてしまう)
(そして自分を投げ飛ばした『何か』が迫り、腕先から鋭利な巨大な刃を出して煌めかせる…!)
一体これは……?
(頬に付着した血飛沫を拭いながら手の中で粘つかせて)
朝山さんッ!!
今、そちらに向かいますから―――ッ!
(いつになく動きの鈍い遠矢の異変に気付いたのか、
「ソレ」と鍔迫り合いながら弾き飛ばし、遠矢の元へと駆けつけようとする)
(だが、次から次へと獲物にたかるようなハイエナのごとく激しい銃弾でけん制されてしまう)
………ッ…!
私は…誰かがやられるのを見殺しにするために、こんな力を手に入れたんじゃない…!
闇烏…ッ! 私が正しいと思うのなら、力を貸しなさい!!
私は平気だから……だから、今は彼を!
(はぁ、はぁ―――と荒く吐息を吐きながら、ぎゅっと剣を持つ手に力が入り、駆け出していく)
『止める…! 止める、止める、止める! 止めるッッ!!』
(遠矢に向けられる凶刃に意識を集中させながら銃撃の嵐を再び駆け抜ける)
(次から次へと襲ってくるが、それを気にしている暇もないと言わんばかりに押しのけて
無茶苦茶だと思うほどに剣で「ソレ」を弾き返しながらぐんっ―――と近づいて、剣を振うッ)
間に…合えぇぇぇっ……! せぇえええいっ!!
佐々木…さん……
(優希が銃弾で傷だらけになりながらも、
こちらに向かってくるのを朦朧とした意識の中見つめる)
(銃弾に込められた力は彼の体を侵食し、もう指を一本も動かせる事が出来なかった)
[珍しいな…死にかけなのに、『お前』が出て来ない何て…]
(迫る死の間際であっても今だ出て来ない『アイツ』に対して嘲笑する)
〔僕ならいるよ〕
(一瞬、自分ではない誰か、幼い子の声が聞こえた)
………!
ごはぁ……!
(意識が強制的に覚醒する。それは痛みを伴う物であり、
『何か』は彼の腹部に深く刃を刺しており、なぶるようにズンズンと突き刺していく)
(胃に血が溜り、口から大量の血を吐き散らす。
腸が斬られる痛覚が離れていく自分の意識を繋ぎ止めていた)
(一閃)
(彼を刺していた『何か』の球体部が二つに割れ、赤い血しぶきの中に刃の煌めきを見た)
(だが余りに猪突すぎた彼女は、遠矢を拘束していた『何か』が離れ、替わりに腕が彼女の四肢に絡み付く)
あ…ああ……
(呆けたような声を出し、崩れ倒れる)
[優希…さん……]
(囚われる優希を見つめる)
〔どうするんだい、僕?〕
(また、あの声がした)
【何とか耐えてください】
【1レス割り込み失礼します】
【問題あればスルーして下さい】
>>823 「主よ・・・」
(何処からか優希の脳裏に言葉が響き)
「命を護りし勇気・・・、確かに受け取った・・・」
「我は汝の剣なり!我は汝の鎧なり!我を纏いて闇を打ち砕け!」
(不思議な言葉が消えると、闇烏から黒い霧が発生し
優希を包み、胸当て、篭手、腰当て、脛当て、鉢がねに変わる)
【防御力、機動力UPです】
【ロール割り込み、朝山さん、佐々木さん失礼致しました】
………くっ……、放しなさいッ!
(もがきながら、必死の抵抗をする)
(掌から魔力を小出しにしながら、迫ってくる腕を氷の刃で退けていくが
次から次へと襲ってきている腕に追いついていくことができなくなってくる)
こんなところで挫けてたまるもんですか…!
私にはまだやりたいことがある、為したいことがある!
私の意志は私が決めた! ここで死ぬことは友への誓いを破ること!
…朝山さん、しっかりしてくださいッ! あなたはこんなところで負けてもいいのですか!?
(苦しんでいる遠矢を叱咤しながら、抵抗を続けて)
>>825 【朝山さんに何かこのあとの展開に考えがあるみたいですから、
申し訳ありませんが、スルーということでよろしいでしょうか…すみませんorz】
また沸いたか糞キャラ。邪魔、ウザイ、クズ、氏ねよ、デブキモヲタが!
ロール中の2人は安心しろ。
この糞は必ずここから追い出すw
【ま、まあ…落ち着いてください? 私は気にしてませんので……】
―――――………
[君は…誰?]
〔僕?僕は僕。つまり君さ〕
(何も無い空っぽな心の場所に俺はいた
俺の問掛けに子供はこちらに嘲笑を向けた)
[ふざけるなよ、俺はお前の事知らないぞ]
〔知らなくて当然だよ。だって君は僕から目を背けてるからだよ〕
[は…?]
(子供の言葉に疑問を持った。だがその口調は子供とは思えぬ冷えきった物だった)
〔それよりもいいの?彼女を助けないと〕
[…分かってる]
〔じゃあ何でこんな所に居るのさ〕
(再び嘲う様な笑みを向ける
だがその笑みに怒りは抱かず、
寧ろ今にも逃げ出したいような感情を抱いた)
〔どうせ君は、僕は何も出来ないのさ。
彼女を助けるのも、明日を生きるのさえもね〕
[…何言ってんだよ。俺は行くんだ、彼女を助けるため、生きるため…!]
(子供から嘲る様な、怒気を含めた声で言われるも、俺は言い返す)
〔何を言う!お前はそんなに高潔な奴じゃない、汚れた血を持つ半妖だ!〕
[ああそうさ!だがな、俺はもう目を背けたく無い!]
〔足だけは逃げてんだよ、卑怯なお前は!〕
[黙れ、消えろ!俺は行く!散りやがれ!!]
〔お前はどこにも行けないさ!行けないさ!〕
(目覚め、彼の咆吼が響く)
相手にし始めるとキリがない。
>>1の通りに華麗にスルーだッ!
……………くっ……!
(遠矢の変化に驚きながらも、一瞬の隙をついて
腕を凍結させて無理やり引きちぎる。そして、そのまま転がりながら逃げて)
闇烏! 行きますよ…!
(遠矢のことは今は気にしていられない。だが無事ならそれでいい。
今は目の前の敵を叩き潰すのみ―――…動け!)
(瞬間、素早く「それ」の懐に飛び込み、先ほどと同じように「それ」を斬り氷結させていく)
……………
(彼は顔を伏せたまま立ち上がり、腹部からの出血に構わず―――
…否、腹部からは血は流れず、驚異的な速度で再生されていた)
(その間にも『何か』は彼に一斉に銃弾を雨あられと浴びせる)
―――………!
(だが浴びせられる銃弾を物ともせず、即座に再生し弾き返す)
(瞬きの間、『何か』は球体部の中央から鮮血を吹き出し、崩れ落ちる)
(彼は一瞬にして腕で『何か』の球体部を貫いていた)
は……はは……
(薄ら笑いを浮かべ、残りの『何か』を見る)
(『何か』は優希を放り出し、一斉に飛び掛り、腕を振るって襲い掛る)
ふ……!
(だがその場所には『何か』達の腕に地面が突き刺さるだけで、
彼は目に捉えられぬ動きで『何か』の後ろに回っていた)
(『何か』の一体が察知し、背後に腕を回し彼に叩きつけようとする)
があぁぁあぁあぁ!!!
(その迫り来る腕に顎を開き、『何か』の腕にかぶりつき、そのまま引き千切った)
……へっ……
(口の端に笑いを浮かべ、食べるように腕をかぶり、口の周りに血を着けさせる)
(彼の異変には気付いているが、まずは周りを沈静化させていかなければならない)
静かになさい!
………私も、黙ってやられるほど穏やかな性格はしてませんよ!
(次から次に襲い掛かってくる「それ」を薙ぎ払いながら、少しずつ確実に退けていく)
【すみません、もうそろそろ締めたいんですが…】
貴様が静かにしろぉぉぉっ!!
(優希が目に付いたのか、叫び声を上げる)
こいつらは俺が全部倒す、殺す!
(そう吠える様な獣の声で『何か』に飛びかかり、腕を掴み鮮血を散らしながら引き千切る)
俺の生路を狭むモノ、拒むモノは全てかたつげる!
全てを!全てをををおおを!!
(『何か』の腕が体に絡みつきながらも狂ったように笑い吠える)
(その瞳の光は『遠矢』の輝きではなく、猟者のものだった)
【では凍結して頂けませんか?】
【駄目でしたらこちらで何とか収集つけますんで…】
【それじゃあその方向で】
【解凍はいつにします? 出来るだけ速い方がいいんですが…】
【ありがとうございます】
【こっちは大丈夫なのでそちらの都合に併せます】
【日時をご自由にどうぞ〜】
【それでは明日の夕方頃からどうですか?】
【明日五日水曜日の五,六時頃ですね】
【では、レスが着ける先に待機はどうでしょう?】
【あい、分かりました。それではまた明日の6時頃に待機してみます】
【ただし、独占になってはいけないので、どなたかお使いでしたら翌日に回させてください】
【了解しました。ではそれでお願いしますね。】
【今日はお付き合いありがとうございました。また明日六時に会いましょう…ノシ】
【はい、申し訳ありません…あらかじめ終了時間を告げておけばよかったですね】
【それではお疲れ様でしたノシ】
【さて、待機させていただきますねー】
>840
明日「五日水曜日」の五,六時頃ですね
とありますが。
【こんにちは、早速再開したい所ですが夕飯の時間で…orz
六時半には復帰出来ますので、暫くお待ちください】
【それと、
>>836のこっちのレスで終わってますから、先に続きを書いて頂けたら嬉しいです】
【
>>845都合がとれたのでしょう。こっちは構いませんけど】
【では、六時半には戻ります。しばしお待ちを…ノシ】
>847
みたいですね。静観させていただきますです、失礼しました。
>845
【たぶん話の流れだと朝山さんの書きミスだと思います…】
>846
【はい、分かりました】
>836
………セイッ!!
(最後の一振りで粗方の「それ」を退ける)
……はぁ、はぁ……。かなり体力を消耗してしまいましたね。
それにしても―――……。
(ちらりと、荒れ狂う遠矢の姿を見て頭を振る)
……正気を失ってしまいましたか。
正直私だけであれを止めることができるとは思えませんが…
このまま放っておいていたら、周りへの被害も考えないといけなくなりますし……やるだけやってみましょう。
(軽く息を吐くと、剣を握り締め用心深く暴れている遠矢へと近づいていく)
>848
【……ごめんなさいorz 余計な指摘でしたね】
【さらにゴメンナサイorz こちらも急用で七時半まで離れます。
それまでには戻ってこれると思いますので…ご迷惑をお掛けします】
【復帰です。では続きを…】
ぐっ………
こいつは…そうするのかよ…
(ギリギリと『何か』の腕が彼の腕を捕え、引き千切らんばかりに押さえ付ける)
(だが彼は手首を回し、『何か』の腕を掴む)
ぶっ叩いてやるよ!このタコモドキ!
(叫ぶような雄叫びを上げて腕を掲げ、『何か』を持ち上げる)
(そして腕を降り下ろし、一気に『何か』を地面に叩き付ける)
けっ、手間かけさせて
(そう吐き捨てるように言い、『何か』の腕を離す。
『何か』の球体部は醜くひしゃげ、赤い目は虚ろに点滅するだけだった)
(六体の『何か』達は、二人の猛攻で腕を失ったもの、球体部を壊された者と
様々であり、目は点滅を続けているがどれれも弱々しく、再び起きる気配は無い)
で、何してんだ女?
まさか俺を狩るつもりか?
(不意に優希のいる方に向き、良しとは思えぬ笑みを浮かべて彼女に話しかける)
【
>>851あらら、リロミス('A`)】
【分かりました。お待ちしています】
さあ、どうしましょう?
(ふっと口元を綻ばせて、肩を竦ませながら一歩前に踏み進んで)
貴方がこのまま大人しくしているのであれば、私と敵対することはないでしょうし。
貴方と敵対する場合には―――そう、誰かを襲うときでしょう。
で、質問させていただきます。
あなたは一体、誰なんですか?
少なくとも……先ほどまでの朝月さんではありませんね?
【ただ今戻りました。……まあまた後で夕食落ちしますけど】
【字……間違えちゃいました、ゴメンナサイ…】
誰かを襲うとき、か
(優希の己を怖れぬ一歩を見て、フンと息をつく)
俺か?
何言ってんだよ、俺は俺
朝山遠矢本人だ
姿形は違うとも、俺は朝山遠矢、違うか?
(眉をひそめ、キッと目を細めて彼女に睨みつける)
それともお前は、さっきのままの俺で大人しく死んでろって言いたいのかよ
俺がこうなのだから朝山遠矢ではないと、そう言いたいのか!?
(独り言をわめき散らすような物言いで一歩踏み、彼女に息が掛るぐらいの至近距離で彼女を見る)
(―――二人は、壊れた『何か』達が、うごめいているにも気付かず……)
【
>>885こちらも遅れてしまいました…;】
そうですか?
―――…その割には私にも敵意を向けていたようですけど?
(物怖じせず、真っ直ぐ睨み返して)
少なくとも、前の朝山さんであれば、
あなたのように子どもみたく暴れたりはしないでしょうね。
(ふぅ、と軽くため息を吐くとやれやれと頭を振って)
ま…本人がそういうのであればそうなのでしょう。
私はその言葉を信じることにします。
…どちらにしろ、私には真偽を判断することは出来ませんから。
…………。
(一瞬ざらついた感覚を受けてあたりを見渡してみる)
【すみません、それでは夕食落ちしてきます】
それはあながち間違いでは無いかもな
自分以外は敵と思うとも間違いではないだろう
(返される睨みに対しても、彼女を小馬鹿にするように笑う)
前の俺………
(呆れたような彼女の仕草に、笑っていた顔を冷たく凍りつかせる)
……ああ、そうだ…本人の本性の一角が、俺自身だ
俺の生を認めぬ者は全て俺の敵だ
俺の生を認めぬ者は全て、跡形も無く殺す
俺を辱めた者を陵辱しつくす
そして………
(男は不気味な程静かに言いながら、呪うような瞳で彼女を見て、剛腕で彼女の首を掴んだ)
俺を俺だと認めない…奴らも、貴様も認めない…!!
(そのままギリギリと彼女の首をへし折らんばかりに握り締め、高く掲げる)
見ろ…これが朝山遠矢という真実だ…!
自分に害なす者、俺を不愉快にさせる者全て敵にする、それが俺だ!朝山遠矢だ!
(怒りに満ちた言葉をぶつける様に、顔を挙げて鬼のような形相で彼女を睨みつける)
(一方、『何か』達は一ヶ所に集い、
装甲からグロテクスな触菅が破りでて、
互いを絡み付かせながら肉と鉄が融合する)
(そして『何か』は巨大な一体になり、
六つの赤い目を一斉に、女の首を握り締める男の方に向く)
【
>>857ノシ】
……それって寂しい生き方ですね。……っく…。
(首を掴まれて眉を潜め息苦しそうに息を吐いて)
あなたは……それで満足なんですか?
自分から敵を作って、本当にそれで満足なんですか…っ?
……はぐっ………貴方は、何の努力もしない、ただの餓鬼ですよ…っ!
(顔色が青ざめながらも、言葉を紡ぎ続けて)
貴方のことなんてこれっぽっちも知らないけれど……っ
貴方はただ自分の力に酔いしれているだけ……!
(苦しげに首を掴んでいる遠矢の腕を掴むと、一気に魔力を放ち、遠矢を吹き飛ばす)
(自然と身体は地面に落ち、むせ返る)
ごほっ…ぉぇ……っ……はぁー…はぁー…。
(だらりと垂れた涎を拭いながら立ち上がり)
どんな醜態を晒してでも私は生きてやる…!
貴方みたいな脆弱な心なんかに負けてたまるものですか!!
……!?
(そこで「それ」の様子に気付きさっと距離を取り様子を見る)
【ただ今戻りましたーノシ】
…ああ餓鬼さ……
(首を絞められても尚自分に語りかける彼女の言葉を肯定する)
最初から他人は敵さ
味方を作り、裏切られるならば最初から敵の方がましだ…!
だから俺は寂しい生き方を選択する、努力など無意味な事などしない!!
(握り締める力を強めながらも怒りの牙を向け続ける)
知らなくて当然だ…お前の事を俺は知らないと同じこと…!
俺は俺の力を美酒として酔い続けるだけ……うぉ!?
(自分の腕が振り払われ、魔力に吹き飛ばされる)
………ならば俺はお前を殺す……脆弱な者に、力でお前を殺すぅっ!!
(ぎっ、と体勢を立て直し、立ち上がる
そして腕を振り上げ、彼女に飛び掛ると―――)
………!?
(だが、それ以上足は動かず、腕も動かなくなった)
(同時に手足を圧される感覚が襲うのを感付き、顔を後ろに向ける)
な、貴様らまだ……!
(そこには、六体融合した『何か』があった)
くそ…この野郎……!うあっ!?
(腕を振るい剥ぎ取ろうとするが、敵の触腕は先程より強く、瞬く間に四肢を取られる)
(そして多くの触腕が彼を襲い始める…!)
ぐぁ!…あぁがっ、貴様ら……があっ!!
(触腕が体に叩き付けられる度、肉片が弾け飛ぶ……)
本当に寂しい人。
……そして貴方はとことん馬鹿なのね。
あなたの心がなぜそこまで寂しいのかは分からないけれど……
それでも誰かを信じることを止めてしまえば、貴方は一人ぼっちなのよ?
(ぎゅっ―――と剣を握り締めて)
何かに裏切られたなら、もう一度他の誰かを信じればいいのに。
みんながみんな裏切るような人たちばかりじゃない…!
自分から何かを信じることができなくちゃ、誰からも信じて貰うことができないのに…!
なっ……!
(触腕に押さえつけられる遠矢を見て、唖然とする)
(が、しかしすぐに我に返ると、ぎりっ、と歯を噛みならして)
誰かを見限ることができないなんて……私は甘いのかもしれない。
甘いのかもしれないけれど…、それでも! 目の前で誰かが苦しんでいるのは見たくないのよ!!
(剣を振りかぶりながらその巨体へと突進する)
――――――ぁ、ぁあああああああああっ!!!
(巨大な氷の刃を思い切りその巨体へ叩き降ろし、遠矢の身体から吹き飛ばさせる)
ぐぁ…あ…がっ、あぁ……ぐあぁああ!
(触腕からも刃が浮きだし、彼の体を無惨に斬り込みながら鮮血の桜を散らす)
信じたら…寂しくなる……裏切られたら…悲しくなる……
(至る場所から血を垂れながしながら、追い付かない再生の中で途切れ途切れ言う)
だっ…たら……最初から…寂しいままが…ましだ……
独りの…悲し…みの……方がいいんだ……何も信じない…誰も信じない……!
(口から多量の血を吐き散らしながらも、途切れながら呟くように言う)
(そして優希が、巨大化した『何か』を切り裂き、
斬られた触腕から投げ飛ばされたように地面に転げ落ちる)
体が…寒い……何も見えない……死にたくない……………
(再生能力は遅れ、血の池を広げる)
(その池の中で体を弱々しく震わせながら、瞳から血涙を流していた)
(巨大化した『何か』は優希に斬られ動きがにぶっているが、残りの触腕達は一斉に優希へと襲い掛る…!)
(触腕は刃に変えたもの、銃口を向けるもの様々であった)
ならば、私が貴方の友となりましょう。
ならば、私が貴方の盾となりましょう。
ならば、私が誓いましょう。――――――貴方を裏切らないと!
(銃撃のように容赦なく降り注ぐ触手の攻撃を剣でガードしながら耐え続ける)
『とは言ったものの……、これを一人で捌き切れるかどうか…。
少しでも一撃を与えるチャンスがあれば、残りの力で粉砕できるのですが…』
(一撃で粉砕しなければ、待っているのは自分たちの敗北だ)
(それを避けるためにも、そのチャンスを見定めなければならない
―――それが今までの戦いを通じて学んできたことだった)
耐え切ってみせる……! これぐらいの痛み!… あの子の痛みに比べたらッ!
友に……盾、に………
(微かに耳から聴こえる彼女が、何故か澄んで聞こえていた)
(動くことすらままならない首を動かし、霞かかった目で
雨あられの如く彼女を襲い掛る恐怖の光景を見つめていた)
応え…ないと……応えないと……!
(血の池の中、滑りながら震える腕で立ち上がろうとする)
〔裏切られても?〕
優希さんは…誓ってくれた……
(また子供の声がした)
〔誓いなんて、偽善の絆が〕
俺が…やるさ……俺が応える!
優希に応えるんだぁぁぁ!!
(冷えた声を振り払う様に、血を吐きながら吠えながら立ち上がる)
うああぁぁぁっっっ!!
(自分の真紅に手をぶつけ、傷口を通して血の組織構成に介入する)
(そして瞬く間に彼の血が大狼の姿になり、
巨大化した『何か』に一気に跳躍し牙を立てる)
いっけぇぇぇぇっ!!
(その言葉と共に真紅の狼は『何か』に大顎を向け、
一気に被りついて『何か』の大半をかじり壊す)
(多くの触腕が大狼を襲うが、一部が壊れるだけで狼は爪を、牙をつき立てる)
―――朝山さんッ!
(復帰した遠矢の姿を見て嬉しそうに笑みを溢し)
闇烏―――。
我が友は私の声に応えてくれました。
その絆はたった今出来たばかりのものだけれど……その萌える若芽を守るためにも!
私は、彼の声に応えなきゃならないんです!
(コォォ…と再び剣を巨大な氷の剣へと変貌させていき)
――――――私が、正しいと思うなら、力を貸しなさい!
(バンッと力強く銃弾を弾き返すと、その間を潜り抜けて巨大化した「それ」へと向かって疾走する)
我が力は我が友の願いのために…
我が力は我が友への誓いのために!
……い ぃ っ っ き な さ ぁ ぁ ぁ あ あ いっ!!
や み が ら ぁ ぁ す ッ!!
(咆哮と共に巨大な刃を脳天から真っ直ぐに振り下ろし、叩きつけるッ)
(彼女の雄叫びが虚空に拡がり、
天を突かんばかりの巨大な氷刃が巨大化した『何か』に振りかかる)
グアアアァァオオォォオッッ!!
(真紅の狼が叫ぶと共に爪をかけ、
引き裂いて『何か』の中核らしき巨大融合脳を露にする)
(そしてその巨大融合脳に大狼もろとも氷刃が切り裂き、
一気に氷結して、細々の氷になり散々に白い桜葉を散らす)
や…やりましたね……佐々木、さん……
(彼女に弱い笑みを浮かべ、その場に崩れ落ちる)
『捕獲番号18番、未確認物体を殲滅』
『こちら墓無本部。各個判断で回収に回れ』
『了解』
(通信を切り、監視対象の動向を見つめる)
解せない部分が多すぎるわね…今回は…
(呟き、今までにない監視対象の様子やそれらもろもろに疑問を抱く)
はぁ……はぁ……なんとか、ですね。
……? 朝山さん?
(どさっと音を立てて倒れる遠矢の傍へ駆け寄り)
だ、大丈夫ですか!? しっかりしてください!!
(慌てて彼の身体を抱き起こして、呼びかける)
……命に関わるような大怪我はしてないみたい。
よかった……。私に治癒能力はないけど・・・応急処置ぐらいなら。
(傷口を見ながら、いつも自分用に携帯してある包帯を鞄から取り出して処置していく)
【そろそろ締めにしましょうか?】
…………はぁ…ぁぁ…
(何とか致命的な部分は止血し、生きれるだけの機能は果たしている)
ありがとう……佐々木さん……
(包帯を体に巻かれ、彼女の体温を感じながら意識が落ちていく…)
…こんばんはお嬢さん……
(突如虚空から姿と気配を現し、
紺色のスーツに縁なしのメガネをかけた女性が現れた)
とりあえず、彼を渡してくれないかしら?
こっちの所有物ですから
(気持ちのない笑顔を優希に向ける)
【分かりました。あと2レスで終らせます】
…………。
(優しく微笑んで髪を撫でながら頷いて)
おやすみなさい、朝山さん。
初めまして、でしょうか?
貴方は彼の所属する組織の人間ですね?
(その笑顔を消して、無表情のまま顔を彼女へと向けて)
道具みたいな言い方は止めてもらえますか?
彼は私の友人なんで。友人を侮辱することは私を侮辱することと同じです。
―――それとも、そうだと捉えてもいいのでしょうか?
(一瞬殺気立つが、ここで事を荒立てるのもよくないと理解しているのか)
………ええ、とりあえず彼をお返ししておきます。
ですが……胸糞悪いですね。あなたのところの組織は―――。
なんとなくですが彼を通じて、あなた方の組織の様子ってのは分かったような気がします。
はい、彼の監視者をしています
(彼女の無表情に対しても、まだ笑顔を失わず)
―――そう思って頂けても構いませんよ
彼を養い、保護し所属させているのは我々墓無ですから
(一瞬浮き出た殺気に、表情を凍りつかせ、冷たい顔にする)
貴方がどう思おうとも構いませんよ
我々の方針はそう思われる方向ですから
(彼女の言葉にも冷めた顔と目つきで見つめながら、軽くなった遠矢の体を抱える)
あなた方のような方が人間を守る―――。
とてもじゃありませんが、ぞっとしませんね?
(鼻を鳴らして苦笑を漏らすと、土埃を払いながら立ち上がって踵を返す)
いずれ、あなた方とは何かしらの対峙をするときが来るかもしれませんね。
まあ―――もしかしたら、の話ですけど。
(軽く手をひらひらさせながらそのまま立ち去っていく)
…それでは、私は疲れたのでもう帰りますね。
お休みなさい。 ゆめゆめ、妖魔に喰われなきよう―――。
(それだけ言い残すとその場をあとにした)
【それでは此方はこれで締めますね。どうもお疲れ様でした、おやすみなさいノシ】
必要なのは使われる者ではありません
いかに使われる者を効率よく使い、
何も知らぬ安暖に暮らす人達をいかに知られない様にするかですよ
(彼女の苦笑に答える様に、ブロンドのロングを掻き上げる)
…またいずれ、お会い出来るといいですね
(去り行く少女に嘲りの笑みを向けた)
しかし…今回は本当に不可解な部分が多すぎるわね……
あの機械モドキに18番の動きをにぶらせた弾……
(彼の寝顔の様な顔を見つめながら、怪訝な表情を浮かべる)
どちらにしても、知る必要があるわね
(そう言葉と共に高く跳躍し、空を走るように本部へと向かっていった)
【二日間ありがとうございました。新キャラと進展が出来ました。では…ノシ】
『Bar 黒鴉』 VIPルーム。
ソファに浅く腰掛けながら、彼はある妖魔を待っていた。
待つのは別に苦痛でも何でもない。
この無為な時間はそれはそれで楽しいものだ。
全ての流れを愉しめるようでなければ、この世に生きる価値などない―――。
〔彼女と会うのも久しぶりになりますね。
暫く戻ってなかったですから…。〕
今日、その妖魔を呼んだのは、新たに彼女にも指令を与えるためであった。
【それでは、宜しくお願いします。】
――――失礼します。
(一切の足音を立てずにドアの前に近寄ると、軽く二回叩いて静かにそれを開ける)
(中に入ってきたのは、朱色の瞳を持った銀髪のセーラー服の少女)
桐生葉月、ただ今参りました。お久しぶりです、幻也様。
(すっと男の前にて跪くと、恭しく頭を垂れる)
【はい、よろしくお願いします】
「ええ、葉月さん。お久しぶりですね。
いかがですか、体調の方は。」
にこやかに笑みを浮かべ、彼女にもソファに座るように勧める。
グラスにアイスティーを注ぐと、彼女の座る側に置いた。
「今日お呼びしたのは、他でもありません。
随分と間を空けてしまいましたが…この界隈でも、
少しずつ、外堀を埋めていく必要が出てきましたのでね。」
ローテーブルの上に、とん、と薄手のファイルを縦置きし、向かいの彼女に向かって滑らせた。
それは、彼女の手前で止まる。
「…現状確認出来ている、この界隈のフリーの妖魔達のリストです。」
物問いたげな葉月の視線に、顎の下で手を組み、唇の端を吊り上げる。
そこには、影の妖魔、蜘蛛の妖魔、そして契約者に至るまで、幾つかの情報が写真つきで連ねられていた。
むろん、写真はカメラで撮影されたものではない。全て、地蟲によって集められた映像情報である。
はい。怪我もなく、万全の体調です。
(それは何時でも、幻也の手となり足となり動けるという意味合いを含めた言葉)
(勧められるがままにソファに座る。彼と対等の位置に座するのは気が引けるが、彼の命令ならば、致し方ないと少女は思った)
は、わざわざすみません…
(置かれたグラスに微かに恐縮するように頭を下げる)
(卓上を通して投げられたファイルは綺麗に葉月の目の前で止まった)
―――………。
(これは、と問う前に既に幻也がその答えを口にしていた)
(黙ってその言葉を聞きながら、じっとそのページをめくっていき、一言)
…私が、この者達に組織に入るよう手引きする、という事でしょうか?
(その言葉には微かな疑問の念が入っていた。元来彼女は暖かみに欠ける者、こういった任務なら樹の化身といった妖魔の方が適任でなかろうか――――)
「それは良かった。
天洸院含め、現状この街でも退魔士の動きが活発になり始めていますからね。
先日も、髪長が斬鬼衆と思しき少年と戦い、討伐されました。」
まぁ、髪が無事だったので、元に戻れましたがね、と続け、アイスティーを含む。
氷塊が、グラスの中で高い音を響かせた。
「恐らく、近い内に彼らも動き始めるでしょう…。
私も既に幾つか手は打っていますが、それとは別に、この界隈の妖魔達…特に、
そのリストに載っている連中の動向を押さえておきたくてね。」
それらは、この界隈において、特に特異な点の多い妖魔達だった。
能力的にはC〜B階位。自分の配下達にも引けはとらないレベルと見ている。
中には、B階位を凌ぐと見られる存在もあった。
「そう、葉月さんには、彼らの監視とコンタクトをお願いしたいのですよ。
金妖である葉月さんには、物足りない仕事かもしれませんが…貴女でなければ駄目なのです」
そう言って、笑みを緩めた。
理由は言わない。
それが、いつもの幻也のやり方だった。
「別に無理をして勧誘しろ、とは言いません。貴女の判断で、彼らが組織にとって有用か、
彼らが七妖会という組織を必要としているか……そして何より、彼らが何のために存在しているか」
それを、貴女なりの見極め方をして、報告して欲しいのです。
そう伝えた。
(斬鬼衆――――その名前に、苦い思い出が銀髪の少女の頭をよぎった)
(15年前、あの時もこうして同じ様に彼からの依頼を受けたその日)
――――今の自分には関係の無い事。
(頭を振り、邪魔な思念を吹き飛ばすと、彼の言葉に耳を傾ける)
(特に同じ組織の妖魔がやられた事に感慨は示さなかった。少女の実直な性格に、彼女の変わった趣味は合っていなかったらしい)
(もう一度、ファイルを見直す。どれもこれも即戦力になりそうな腕の立つ妖魔ばかりだ)
(特に、この契約者と称されるこの男――――それに関しては、この少女すら上回る実力を持っているのではないか)
いえ、物足りないなど有り得ません。幻也様の命令は、私全てを掛けて、実行します。
(そうキツい目線を男に向けながら、きっぱりと言い切った葉月)
(彼こそが、今現在に置ける少女の存在意義全てだった)
了解しました。目標対象に接触、その後幾つかの交信、必要かを判断し、あらば勧誘をします。
(命令内容を復唱し、確実に任務に備える)
――――幻也様の任務、この方を失望させるような真似は絶対にしない。
(朱色の眼の奥で、固い決意が結ばれた)
「まぁ、そう気張る事はありません。貴女は最近、組織の内部で動きすぎていました。
もう少し、外の空気を吸うべきです。それも兼ねての話ですよ。」
無論、必要とあれば牙を交える事も構いません、と付け加え、立ち上がる。
もっとも、彼女の今までの行動を考えると、恐らく自ら牙を奮う事は滅多にあるまい。
このファイルと自分の指示をどのように判断し、活かすかは、彼女次第だ。
「…ああ、それから。『彼』と会うつもりの時は、事前に私の所へ来て下さい。
少々危険な相手なのでね。本来、そんな事はしたくありませんが、
貴女の精神に施術をしておく必要があります。」
そう言って、一つのページを指差す。
彼女も気付いていたのだろう、そのページを見る時の視線は少し硬かった。
ファイルの中の一つの写真、その横には「水上 竜斗」と記されている。
備考の部分には、水の魔力により女を掌握する、と記され、
黒装束の女と絡み合う姿が映し出されていた。
「葉月さんの忠誠を疑うわけではありません。
ですが、魔の術の中にはどうにもならないものも存在するのですよ。
つまらない事で葉月さんを失いたくありませんからね。」
そう言うと、す、と手を伸ばし、葉月の滑らかな頬に触れた。
紅い瞳を彼女の紅瞳に合わせ鏡のように向き合わせると、
ゆるりとその白い顔に顔を寄せ、桜色の唇に己の唇を軽く触れさせる。
「……ふふ、期待していますよ。」
す、と顔を上げ、帽子を目深に被りなおすと、いつもの笑みを浮かべた。
【あと1レスずつくらいで〆ましょうか。】
…………は、はい……。
(それしか少女に返す事の出来る言葉はなかった。ほぼ無意識に彼の言葉に頷きながら、思う)
――――幻也様の居ない場所に、どんな価値があるというのか。
(男が『彼』と指し示したのは、やはり葉月が前もって警戒していたこの男―――契約者)
(淫猥に女と絡む姿を目に、僅かに眉を潜める。決して、この方にこんな無様な真似は見せまいと誓う)
いえ、私は幻也様の所有です。任務を全うする為であれば、どのような処置も気になりません。
――――なんと優しい事だろう。卑しい獣である私に気遣いなどと。
(男の言葉に、心の中の感情を抑え、頷く)
…ありがとう、ございます。
(男の一言一言に、少女の心は面白いくらい揺れ動く)
(そして、幻也の唇が柔らかな少女の唇と触れ合った瞬間、葉月は微かに目を見開いた)
幻…也様…
(虚ろな瞳で愛しい人の名前を口ずさみながら、そっと温もりの残る己が唇に指を這わせる)
――――今だったら言える、あの一言を。
あ、あの幻也様…
(珍しく言いよどんだ口調で、頬を赤く染めながら、人狼の少女は精一杯の気持ちを口にする)
…帰ってきて下さって…私はとても嬉しいです。
(ややぎこちないながらも、満面の笑みを浮かべ少女はそうささやいた)
(こんな表情は、彼女の仲間ですら見た事のない、あるのはこの男、遠見幻也のみ――――)
【そうですね、次で〆ます】
「ふふ……私もですよ。葉月さんと久しぶりに会えて良かったです。
惜しむらくは時間が押している事ですが…まぁ、こちらには居るのです。
いつでも会う事は出来ますよ。」
微笑み、滑らかな銀の髪を撫でる。
それは、人狼の少女の精一杯の慕情の言葉を優しく受け止めた…ものに見えた。
傍から見ていると、恋人に接するその態度としか思い様のない姿。
「さて、では先に失礼します。
本来ならば、男が女を送るものですが…先程言った通り、時間が押しているので申し訳ありませんね」
そう言うと、帽子を押さえて軽く会釈し、VIPの扉を開ける。
店内を無言で抜けると、窓から見える月明かりに、少し目を細めた。
「……さて、Bloodの蔓延、元素神の抑止、界隈妖魔の動向……
あとは、兼ねてよりの計画通り…………の顕現を。」
呟くと、「黒鴉」を後にする。
月光に照らされたその口許は、これ以上無いほどに、愉しげに歪んでいた。
それは、葉月に見せていた笑みとは全く異なる、黒く歪んだ笑みだった。
【お疲れ様でした。】
【また後日、お相手お願い致しますね。こちらはこれにて〆ます。】
………はい。
(そう、これからはいつでも彼に会う事が出来るのだ。最も、そういった事に対し奇妙に臆病な少女には)
(精々任務を早急にこなし、次の任務を与えられる際の僅かな時間、でしか行動は起こせないのだが)
はっ、了解しました。任務、必ずや。
(来た時と全く同じ姿勢でかがみ込み、幻也の後ろ姿を見送る)
(既にその顔は何時ものと全く変わらない、完全な無表情)
(ふと、彼の居ない室内にて思う。そこに残る、微かな男の匂い)
…幻也様。
(薄々、葉月も何かを感じていた。男は、少女にいつも全てを語らない。必要な事のみ告げる)
(都合よく、扱われているのではないか。そんな疑念は過去に何度も渦巻いた)
迷うな。あの方が私の全てなのだから。
(そう銀髪の少女は誰も居ない部屋で呟くと、一陣の風と化してVIPルームを後にした)
――――嘘でも偽りでも構わない。幻也様さえの側に居られるだけで。
【ではこちらも〆で】
【お疲れ様でした】
【訂正、幻也様の側にさえ居られるだけで、です】
【では失礼します】
名無しで何度か出演させていただいた者です。
今回妖魔分が不足かと思われましたので、キャラハンデビューさせていただきます。
【名前】佐竹 漣(さたけ れん)
【年齢】外見年齢18歳、実年齢不詳
【性別】男
【サイド】妖魔側
【組織】七妖会/私立水ヶ瀬学園3年
【サイズ】180cm/70kg
【容姿】学生服、ブレザーをノーネクタイで。灰色の髪、ヘテロクロミアの瞳。
全体的に引き締まった、サーベルの様な印象。
【得意】和姦〜軽い陵辱までの範囲。
【能力】光・闇魔法、飛行能力、剣術。
【武器】ロングソードに光or闇属性付与。
【NG】801、猟奇。
【弱点】右半身、光、聖属性攻撃。左半身、闇、霊属性攻撃。
【備考】遥か昔、悪魔族と天使族の戦いにおいて敗れた天使の一人が悪魔に死ぬまで
犯された際に死体から生まれた子供。
天使族に殺される所を現七妖会に所属するある妖魔に救われる。
右側には蝙蝠の様な羽と黒い瞳、左側には白鳥の様な羽と青い瞳を持つ。
現在は七妖会のどの派閥にも属さず、ある妖魔直属の命により動いている。
場合によってはどの派閥にも協力している。
よろしくお願いします。